JP6785188B2 - イオン注入装置およびイオン注入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン注入装置、イオンビーム被照射体およびイオン注入方法に関する。
従来から、イオンビームの進行経路上に設置され、イオンビームが透過可能な部材と、その部材の表面に塗布され、イオンビームとの衝突によってイオンビームの極性が変換される極性変換物質とを備えるイオン変換機が知られている。
特開2000−156172号公報
半導体製造工程では、導電性を変化させる目的、半導体ウェハの結晶構造を変化させる目的などのため、半導体ウェハにイオンを注入する工程が標準的に実施されている。この工程で使用される装置は、一般にイオン注入装置と呼ばれる。ウェハ表面へのイオンの所望される注入深さに応じて、イオン注入エネルギーが決定される。浅い領域への注入には低エネルギーのイオンビームが使用され、深い領域への注入には高エネルギーのイオンビームが使用される。
最近では、さらに深い領域への注入のために、従来の高エネルギーイオン注入に比べてさらに高いエネルギーのイオンビームを使用するいわゆる超高エネルギーイオン注入への要求が高まっている。超高エネルギーに加速されたイオンは、イオン注入装置のビームラインに存在する部材と衝突して核反応を引き起こす可能性がある。生起する核反応によっては、中性子線やガンマ線などの放射線が発生しうる。放射性物質が生成される場合もありうる。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、比較的高いエネルギーをもつイオンビームの使用に起因して生じうる核反応に対処することにある。
本発明のある態様によると、イオン注入装置は、非放射性核種のイオンを含むイオンビームを生成するよう構成されたイオン源と、イオンビーム被照射体を支持するよう構成されたビームラインと、前記イオンビーム被照射体に入射する前記非放射性核種のイオンと以前に行われたイオンビーム照射の結果として前記イオンビーム被照射体に蓄積された前記非放射性核種との核反応により発生する放射線の推定線量を演算するよう構成された制御装置と、を備える。
本発明のある態様によると、イオン注入装置のビームラインにおけるイオンビーム被照射体は、互いに異なる場所に位置する複数の被照射域を備え、前記複数の被照射域は、所定のエネルギーしきい値を超えるエネルギーに加速された高エネルギーイオンビーム専用に割り当てられた高エネルギー専用被照射域を含む。
本発明のある態様によると、イオン注入方法は、非放射性核種のイオンを含むイオンビームを生成することと、イオンビーム被照射体を支持することと、前記イオンビーム被照射体に入射する前記非放射性核種のイオンと以前に行われたイオンビーム照射の結果として前記イオンビーム被照射体に蓄積された前記非放射性核種との核反応により放出される放射線の推定線量を演算することと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、比較的高いエネルギーをもつイオンビームの使用に起因して生じうる核反応に対処することができる。
本発明のある実施形態に係るイオン注入装置を概略的に示す上面図である。 図1に示すイオン注入装置の構成要素の配置を概略的に示す図である。 B−B反応についての核反応断面積を例示する図である。 ホウ素のエネルギー減衰曲線を例示する図である。 ある実施形態に係るイオン注入装置の制御装置の概略的な構成を示すブロック図である。 推定深さプロファイルの例示的な演算を説明するための概略図である。 図7(a)から図7(c)は、イオンビーム被照射体に設けられた複数の被照射域の切替構成を例示する概略図である。 図8(a)から図8(d)は、イオンビーム被照射体に設けられた複数の被照射域の切替構成を例示する概略図である。 ある実施形態に係るイオンビーム被照射体の被照射域の切替処理を例示するフローチャートである。 図10(a)から図10(c)は、イオンビーム被照射体の他の例を示す概略図である。 ある実施形態に係るイオンビーム被照射体の被照射域の他の切替処理を例示するフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明のある実施形態に係るイオン注入装置100を概略的に示す上面図である。図2は、図1に示すイオン注入装置100の構成要素の配置を概略的に示す図である。イオン注入装置100は、いわゆる高エネルギーイオン注入装置に適する。高エネルギーイオン注入装置は、高周波線形加速方式のイオン加速器と高エネルギーイオン輸送用ビームラインを有するイオン注入装置である。高エネルギーイオン注入装置は、イオン源10で発生したイオンを高エネルギーに加速し、そうして得られたイオンビームIBをビームラインに沿って被処理物(例えば基板またはウェハ40)まで輸送し、被処理物にイオンを注入する。
図1及び/または図2に示されるように、イオン注入装置100は、イオンを生成して質量分離するイオンビーム生成ユニット12と、イオンビーム生成ユニット12から供給されるイオンを加速パラメータに従って加速する高エネルギー多段直線加速ユニット14と、イオンビームIBの軌道をU字状に曲げるビーム偏向ユニット16と、イオンビームIBをウェハ40まで輸送するビーム輸送ラインユニット18と、輸送されたイオンビームIBを均一に半導体ウェハに注入する基板処理供給ユニット20とを備える。
イオンビーム生成ユニット12は、図2に示されるように、イオン源10と、引出電極11と、質量分析装置22と、を有する。イオンビーム生成ユニット12では、イオン源10から引出電極11を通してビームが引き出されると同時に加速され、引出加速されたビームは質量分析装置22により質量分析される。質量分析装置22は、質量分析磁石22aと質量分析スリット22bとを有する。質量分析スリット22bは、質量分析装置22の次の構成要素である高エネルギー多段直線加速ユニット14の入り口部内に配置されている。なお、質量分析スリット22bは、質量分析磁石22aの直後(すなわち、高エネルギー多段直線加速ユニット14の直前)に配置されてもよい。
高エネルギー多段直線加速ユニット14の直線加速部ハウジング内の最前部に、イオンビームの総ビーム電流を計測するための第1ビーム計測器80aが配置されている。第1ビーム計測器80aは、駆動機構によりビームライン上に上下方向から出し入れ可能に構成されている。第1ビーム計測器80aは例えばファラデーカップである。このファラデーカップはインジェクターファラデーカップとも呼ばれる。インジェクターファラデーカップは、水平方向に長い長方形の枡状形状で、開口部をビームライン上流側に向けて構成されている。第1ビーム計測器80aは、イオン源10及び/または質量分析磁石22aの調整時にイオンビームIBの総ビーム電流を計測するために使用される。また、第1ビーム計測器80aは、ビームライン下流に到達するイオンビームIBを必要に応じてビームライン上で完全に遮断するために用いられてもよい。
質量分析装置22による質量分析の結果、注入に必要なイオン種だけが選別され、選別されたイオン種のイオンビームIBは、次の高エネルギー多段直線加速ユニット14に導かれる。高エネルギー多段直線加速ユニット14は、通常の高エネルギーイオン注入に使用される第1線形加速器15aを備える。第1線形加速器15aは1以上の(例えば複数の)高周波共振器14aを備える。高エネルギー多段直線加速ユニット14は、第1線形加速器15aに加えて、第2線形加速器15bを備えてもよい。第2線形加速器15bは、超高エネルギーイオン注入およびその他のイオン注入のために第1線形加速器15aとともに使用される。第2線形加速器15bは1以上の(例えば複数の)高周波共振器14aを備える。高エネルギー多段直線加速ユニット14により加速されたイオンビームIBは、ビーム偏向ユニット16により方向が変化させられる。
第1線形加速器15aは、複数の高周波共振器14aと複数の収束発散レンズ64とを備える。高周波共振器14aは筒状の電極を備える。収束発散レンズ64は、例えば電場レンズ(例えば静電四極電極(Qレンズ))である。収束発散レンズ64は磁場レンズ(例えば四極電磁石)であってもよい。高周波共振器14aの筒状電極と収束発散レンズ64(例えばQレンズ)とは一列に交互に配列されており、それらの中心をイオンビームIBが通る。第2線形加速器15bも第1線形加速器15aと同様に複数の高周波共振器14aと複数の収束発散レンズ64とを備える。
収束発散レンズ64は、加速の途中や加速後にイオンビームIBの収束発散を制御し、イオンビームIBを効率的に輸送するために設けられている。収束発散レンズ64は、高周波線形加速器の内部あるいはその前後に、必要な数が配置される。横収束レンズ64aと縦収束レンズ64bとが交互に配列される。すなわち、横収束レンズ64aが高周波共振器14aの筒状電極の前方(または後方)に配置され、縦収束レンズ64bが高周波共振器14aの筒状電極の後方(または前方)に配置される。また、第2線形加速器15bの終端の横収束レンズ64aの後方には追加の縦収束レンズ64bが配置されている。高エネルギー多段直線加速ユニット14を通過するイオンビームIBの収束及び発散が調整され、それにより後段のビーム偏向ユニット16に最適な二次元ビームプロファイルのイオンビームIBが入射する。
高周波線形加速器においては高周波(RF)の加速パラメータとして、個々の高周波共振器14aの筒状電極に印加する電圧の振幅V[kV]、周波数f[Hz]が考慮される。複数段の高周波加速を行う場合には、高周波共振器14a相互の位相φ[deg]も加速パラメータに追加される。これらの振幅V、周波数f、及び位相φは、高周波(RF)のパラメータである。周波数fは固定値が使用されてもよい。また、収束発散レンズ64の運転パラメータ(収束発散パラメータともいう)も考慮される。収束発散パラメータは例えばQレンズ電圧である。
高エネルギー多段直線加速ユニット14を出た高エネルギーのイオンビームIBは、ある範囲のエネルギー分布を持っている。このため、高エネルギーのイオンビームIBの走査及び平行化を経てウェハ40に所望の注入精度で照射するためには、事前に高い精度のエネルギー分析と、中心軌道補正、及びビーム収束発散の調整を実施しておくことが望まれる。
ビーム偏向ユニット16は、高エネルギーイオンビームのエネルギー分析、中心軌道補正、エネルギー分散の制御を行う。ビーム偏向ユニット16は、少なくとも2つの高精度偏向電磁石と少なくとも1つのエネルギー幅制限スリットとエネルギー分析スリット、及び、少なくとも1つの横収束機器とを備える。複数の偏向電磁石は、高エネルギーイオンビームのエネルギー分析とイオン注入角度の精密な補正、及び、エネルギー分散の抑制とを行うよう構成されている。
ビーム偏向ユニット16は、上流から順に、エネルギー分析磁石24、エネルギー幅制限スリット27、横収束四重極レンズ26、エネルギー分析スリット28、及びステアリング磁石30を備える。エネルギー分析磁石24は、高エネルギー多段直線加速ユニット14の下流に配設されている。横収束四重極レンズ26は、エネルギー分散を抑制する。ステアリング磁石30は、ステアリング(軌道補正)を提供する。イオンビームIBは、ビーム偏向ユニット16によって方向転換され、ウェハ40の方向へ向かう。
ステアリング磁石30の下流においてビーム電流量を計測する第2ビーム計測器80bが設けられている。第2ビーム計測器80bは、スキャナーハウジング内の最前部、すなわちビーム整形器32の直前部に配置されている。第2ビーム計測器80bは、駆動機構によりビームライン上に上下方向から出し入れ可能に構成されている。第2ビーム計測器80bは例えばファラデーカップである。このファラデーカップはリゾルバーファラデーカップとも呼ばれる。リゾルバーファラデーカップは、水平方向に長い長方形の枡状形状で、開口部をビームライン上流側に向けて構成されている。第2ビーム計測器80bは、高エネルギー多段直線加速ユニット14及び/またはビーム偏向ユニット16の調整の際にイオンビームIBの総ビーム電流を計測するために使用される。また、第2ビーム計測器80bは、ビームライン下流に到達するイオンビームIBを必要に応じてビームライン上で完全に遮断するために用いられてもよい。
エネルギー分析磁石24は、ビーム偏向ユニット16の複数の偏向電磁石のうち最上流側の1つである。エネルギー分析磁石24は、エネルギーフィルター磁石(EFM)と呼ばれることもある。ステアリング磁石30は、ビーム偏向ユニット16の複数の偏向電磁石のうち最下流側の1つである。
ビーム偏向ユニット16の偏向電磁石を通過中のイオンには、遠心力とローレンツ力が働いており、それらが釣り合って、円弧状の軌跡が描かれる。この釣合いを式で表すとmv=qBrとなる。mはイオンの質量、vは速度、qはイオン電荷、Bは偏向電磁石の磁束密度、rは軌跡の曲率半径である。この軌跡の曲率半径rが、偏向電磁石の磁極中心の曲率半径と一致したイオンのみが、偏向電磁石を通過できる。言い換えると、イオンの価数が同じ場合、一定の磁場Bがかかっている偏向電磁石を通過できるのは、特定の運動量mvを持ったイオンのみである。エネルギー分析磁石24は実際には、イオンの運動量を分析する装置である。同様に、ステアリング磁石30や質量分析磁石22aも運動量フィルターである。
ビーム偏向ユニット16は、複数の磁石を用いることで、イオンビームIBを180°偏向させることができる。これにより、ビームラインがU字状の高エネルギーイオン注入装置を簡易な構成で実現できる。エネルギー分析磁石24およびステアリング磁石30は、それぞれ偏向角度が90度となるように構成されており、その結果、合計の偏向角度が180度となるように構成されている。なお、一つの磁石で行う偏向量は90°に限られず、以下の組合せでもよい。
(1)偏向量が90°の磁石が1つ+偏向量が45°の磁石が2つ
(2)偏向量が60°の磁石が3つ
(3)偏向量が45°の磁石が4つ
(4)偏向量が30°の磁石が6つ
(5)偏向量が60°の磁石が1つ+偏向量が120°の磁石が1つ
(6)偏向量が30°の磁石が1つ+偏向量が150°の磁石が1つ
エネルギー分析磁石24には高い磁場精度が必要であるので、精密な磁場測定を行う高精度な磁場測定器86が取り付けられている。磁場測定器86は、MRP(磁気共鳴プローブ)とも呼ばれるNMR(核磁気共鳴)プローブとホールプローブとを適宜組み合わせたもので、MRPはホールプローブの較正に、ホールプローブは磁場一定のフィードバック制御にそれぞれ使用される。また、エネルギー分析磁石24は、磁場の不均一性が0.01%未満になるように、厳しい精度で製作されている。ステアリング磁石30にも同様に磁場測定器86が設けられている。なおステアリング磁石30の磁場測定器86には、ホールプローブのみ取り付けられていてもよい。さらに、エネルギー分析磁石24及びステアリング磁石30の各々には、電流設定精度と電流安定度とが1×10−4以内の電源とその制御機器が接続されている。
ビーム輸送ラインユニット18は、ビーム偏向ユニット16から出たイオンビームIBを輸送するものであり、収束発散レンズ群から構成されるビーム整形器32と、ビーム走査器34と、ビーム平行化器36と、静電式の最終エネルギーフィルター38とを有する。最終エネルギーフィルター38は最終エネルギー分離スリットを含む。ビーム輸送ラインユニット18の長さは、イオンビーム生成ユニット12と高エネルギー多段直線加速ユニット14との合計長さに合わせて設計されている。ビーム輸送ラインユニット18は、ビーム偏向ユニット16により高エネルギー多段直線加速ユニット14と連結されて、全体でU字状のレイアウトを形成する。
ビーム輸送ラインユニット18の下流側の終端には、基板処理供給ユニット20が設けられている。基板処理供給ユニット20は、注入処理においてイオンビームIBをウェハ40に照射するための真空処理室21を有する。真空処理室21の中には、イオンビームIBのビーム電流、位置、注入角度、収束発散角、上下左右方向のイオン分布等を計測するビームモニター、イオンビームIBによるウェハ40の帯電を防止する帯電防止装置、ウェハ40を搬入搬出し適正な位置・角度に設置するウェハ搬送機構、イオン注入中にウェハ40を保持するESC(Electrostatic Chuck)、注入中ビーム電流の変動に応じた速度でウェハ40をビームスキャン方向と直角方向に動かすウェハスキャン機構が収納されている。
基板処理供給ユニット20においては、第3ビーム計測器80cがイオン注入位置の後方に設けられている。第3ビーム計測器80cは、例えば、イオンビームIBの総ビーム電流を計測する固定式の横長ファラデーカップである。この横長ファラデーカップはチューニングファラデーとも呼ばれる。第3ビーム計測器80cは、ウェハ領域においてイオンビームIBの走査範囲全体を計測できるビーム電流計測機能を有する。第3ビーム計測器80cは、ビームラインの最下流において最終セットアップビームを計測するよう構成されている。
基板処理供給ユニット20においては、図1に示されるように、真空処理室21に隣接してウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、中間搬送室、ロードロック室、及び大気搬送部を備える。ウェハ搬送装置90は、カセットステーション92に格納されたウェハ等の被処理物を真空処理室21に搬送するように構成されている。ウェハは、カセットステーション92から大気搬送部、ロードロック室、及び中間搬送室を介して真空処理室21に搬入される。一方、イオン注入処理がなされたウェハは、中間搬送室、ロードロック室、及び大気搬送部を介してカセットステーション92に搬出される。
このようにして、イオン注入装置100のビームライン部は、対向する2本の長直線部を有する水平のU字状の折り返し型ビームラインに構成されている。上流の長直線部は、イオン源10で生成したイオンビームIBを加速する複数のユニットから成る。下流の長直線部は、上流の長直線部に対し方向転換されたイオンビームIBを調整してウェハ40に注入する複数のユニットから成る。2本の長直線部はほぼ同じ長さに構成されている。2本の長直線部の間に、メンテナンス作業のために十分な広さの作業スペースR1が設けられている。
このようにU字状にユニットを配置した高エネルギーイオン注入装置は、設置面積を抑えつつ良好な作業性が確保されている。また、高エネルギーイオン注入装置においては、個々のユニットや装置をモジュール構成とすることで、ビームライン基準位置に合わせて着脱、組み付けが可能となっている。
また、高エネルギー多段直線加速ユニット14と、ビーム輸送ラインユニット18とが折り返して配置されるため、高エネルギーイオン注入装置の全長を抑えることができる。従来装置ではこれらがほぼ直線状に配置されている。また、ビーム偏向ユニット16を構成する複数の偏向電磁石の曲率半径は、装置幅を最小にするように最適化されている。これらによって、装置の設置面積を最小化するとともに、高エネルギー多段直線加速ユニット14とビーム輸送ラインユニット18との間に挟まれた作業スペースR1において、高エネルギー多段直線加速ユニット14やビーム輸送ラインユニット18の各装置に対する作業が可能となる。また、メンテナンス間隔が比較的短いイオン源10と、基板の供給/取出が必要な基板処理供給ユニット20とが隣接して配置されるため、作業者の移動が少なくてすむ。
ところで、イオン注入装置100は、超高エネルギーイオン注入を可能とするよう構成されていてもよい。ここで、超高エネルギーとは、例えば、少なくとも4MeV、または、少なくとも5MeVのエネルギー領域をいう。超高エネルギーイオン注入によれば、従来典型的な高エネルギーイオン注入に比べてさらに高いエネルギーで所望の不純物イオンがウェハ表面に打ち込まれるので、ウェハ表面のより深い領域(例えば深さ5μm以上)に所望の不純物を注入することができる。超高エネルギーイオン注入の用途は、例えば、最新のイメージセンサ等の半導体デバイス製造におけるP型領域及び/またはN型領域を形成することである。
イオン源10は、非放射性核種のイオンを含むイオンビームIBを生成するよう構成されている。非放射性核種は、例えば、H、He、Li、Be、11B、12C、または、14Nである。
高エネルギー多段直線加速ユニット14は、イオン源10により生成されたイオンビームIBを少なくとも5MeVの超高エネルギーに加速可能である。イオン注入装置100は、イオンビームIBを超高エネルギーに加速可能な他の線形加速機構を備えてもよい。ただし、イオン注入装置100の加速器は、線形加速機構には限られない。イオン注入装置100は、イオンビームIBを超高エネルギーに加速可能なその他任意の加速器、例えばタンデム加速機構を備えてもよい。本発明は、特定のイオン加速方式には限定されない。
また、イオン注入装置100は、イオンビーム被照射体を支持するよう構成されたビームラインを備える。ビームラインは、高エネルギー多段直線加速ユニット14または他の加速器の下流に接続され、加速器によって超高エネルギーに加速されたイオンビームIBを輸送可能である。イオンビーム被照射体は、ビームラインにおいて超高エネルギーのイオンビームIBが照射されうる場所に配置される。
ビームラインは、複数のビームライン構成要素を含む。ビームラインは、ビームライン構成要素として、エネルギー分析磁石24、横収束四重極レンズ26、エネルギー幅制限スリット27、エネルギー分析スリット28、ステアリング磁石30、ビーム整形器32、ビーム走査器34、ビーム平行化器36、最終エネルギーフィルター38、真空処理室21を例えば含む。また、ビームラインには、ビームライン構成要素として、第2ビーム計測器80b、第3ビーム計測器80cなどのビーム電流計測器が備えられている。
イオンビーム被照射体は、これらのビームライン構成要素の少なくとも一部であってもよい。例えば、イオンビーム被照射体は、ビーム偏向装置、アパチャープレート、ビームシャッター、ビームダンパー、ウェハ支持部、またはウェハの少なくとも一部として構成されていてもよい。イオンビーム被照射体は、ビームラインに備えられたビーム電流計測器の少なくとも一部として構成されていてもよい。
イオンビーム被照射体においてイオンビームIBが照射される被照射域は、エネルギー分析磁石24またはステアリング磁石30において、ビームを偏向するビーム偏向磁場を印加する領域の内壁であってもよい。被照射域は、ビームの必要成分を切り取るためのアパチャープレートであってもよく、例えばエネルギー幅制限スリット27またはエネルギー分析スリット28においてアパチャーを含む領域であってもよい。被照射域は、ビームを遮蔽するためのビームシャッターまたはビームダンパーであってもよい。上述のように、ビーム電流計測器がビームシャッターまたはビームダンパーとして使用されてもよい。被照射域は、ビームを偏向するビーム偏向電場を生成するビーム偏向電極であってもよく、例えばビーム整形器32、ビーム走査器34、ビーム平行化器36、または最終エネルギーフィルター38のビーム偏向電極であってもよい。
被照射域は、ビームを調整するために使用されるイオン電流検出用のファラデーカップのビーム検出面であってもよく、例えば第2ビーム計測器80b、第3ビーム計測器80c、またはその他のビーム電流計測器のビーム検出面であってもよい。被照射域は、ウェハ駆動機構42の表面に設置されウェハ40の周辺に配置されるプレートなどのウェハ支持部44であってもよい。被照射域は、ウェハ40またはダミーウェハであってもよい。
本発明者は、超高エネルギーイオン注入において、イオンビーム被照射体に入射する非放射性核種のイオンと、以前に行われたイオンビーム照射の結果としてイオンビーム被照射体に蓄積された非放射性核種との間に核反応が起こる可能性があることに気づいた。核反応を起こす2つの核種は同じ元素である。また、イオンの入射エネルギーが高まれば、異種の元素間での核反応の可能性も高まる。イオンビーム被照射体に入射する非放射性核種のイオンと、イオンビーム被照射体に蓄積された別の非放射性核種との間に核反応が起こりうる。核反応の結果、中性子線やガンマ線などの放射線が発生しうる。使用されるイオン種が非放射性核種であるにもかかわらず、放射線の問題が起こりうる。従来典型的なイオン注入では核反応が実用上の問題となるほど高いエネルギーは使われていない。したがって、従来のイオン注入装置においてはこうした核反応に対処する必要性は認識されていなかった。
例えば、イオン源10において非放射性核種であるホウ素11Bのイオンを含むイオンビームIBが生成される場合、ある被照射域に照射される11Bイオンと以前の照射によりその被照射域に蓄積された11Bとの間に、次の核反応が起こりうる。この核反応を以下では、B−B反応と称することがある。
11B+11B → 21Ne+n+kγ
ここで、nは中性子、γはガンマ線を表し、kは整数である。核反応の結果生じる放射線は、注入エネルギーが高いほど、またイオンビーム電流が増すほど、核反応率(すなわち単位時間あたりの核反応の回数)が増加し、顕著となりうる。天然のホウ素には安定同位体として10Bも微量に含まれるが、10Bイオンについても同様にB−B反応により放射線が発生しうる。比較的原子番号の小さい炭素、窒素など他のイオン種についても、新たに照射されるイオンと既に被照射域に蓄積されたイオンまたは原子との核反応により放射線が発生するかもしれない。
図3は、B−B反応についての核反応断面積を例示する図である。図3の縦軸はホウ素11Bどうしの核反応断面積を表し、横軸は11Bの入射エネルギーを表す。核反応断面積は核反応が起こる確率にあたり、値が大きいほど核反応が起こりやすいことを表す。図3に示されるのは、理論計算の結果である。図3に示されるように、11Bの入射エネルギーが5MeV以上の超高エネルギーである場合、核反応断面積が比較的大きな値となるので、B−B反応が実用上の問題となりやすいと言える。また、11Bの入射エネルギーが4MeVから5MeVの超高エネルギーである場合にも、核反応断面積がある程度大きな値となるので、B−B反応が実用上の問題となりうる。例えばビーム電流が大きければ、入射エネルギーが5MeV以下の場合にもB−B反応が有意に発生するかもしれない。
図4は、ホウ素11Bのエネルギー減衰曲線を例示する図である。図示されるのは、被照射域の材料を黒鉛とし、その表面に7.5MeVの超高エネルギーで11Bイオンが入射した場合のエネルギー減衰曲線である。イオン注入装置100に適用される第2ビーム計測器80b、第3ビーム計測器80cなどのビーム電流計測器のビーム検出面は通例黒鉛で形成されている。また、アパチャープレート、ビームシャッター、ビームダンパーなどその他のイオンビーム被照射体の被照射域も、しばしば黒鉛で形成される。図4の縦軸はエネルギーを表し、横軸は表面からの距離(深さ)を表す。
図示されるように、11Bイオンのエネルギーは深さが増すとともに小さくなっている。黒鉛に打ち込まれた11Bイオンは黒鉛表面からの深さの増加に対してほぼ線形的にエネルギーが減少する。11Bイオンの入射エネルギーが増加すればエネルギー減衰曲線は上方に移動し、11Bイオンの入射エネルギーが減少すればエネルギー減衰曲線は下方に移動が、表面からの深さの増加に対してほぼ線形的にエネルギーが減少するという傾向は同様である。
この例のように入射エネルギーが7.5MeVの11Bイオンの場合、深さ2.5μmまでは5MeV以上のエネルギーを持つ。図3を参照すると、11Bイオンのエネルギーが5MeV以上の場合、核反応断面積が比較的大きい。よって、深さ2.5μmまでの領域に存在するホウ素は、入射する11BイオンとB−B反応を起こしやすい。深さ2.5μmまでの領域にホウ素が多量に蓄積されていたとすると、黒鉛材料から有意な線量で中性子線が放出されうる。一方、深さ4μmより深い領域では11Bイオンのエネルギーは3.5MeV以下に減衰される。よって、深さ4μmより深い領域にホウ素が存在したとしても、B−B反応が起こる可能性は十分に小さく、実用上無視できる。
イオン注入装置の運用において、放射線の発生は十分に抑制されることが安全上望まれる。また、仮に、ある程度の放射線が発生するとしたら、放射線の線量を管理することが安全上望まれる。例えば注入エネルギーが高くかつイオンビーム電流も大きい場合など、イオンビーム照射条件によっては、比較的高い線量で放射線が発生することが予想される。そのような場合にはイオンビーム照射条件と放射線量のモニタリングと管理を要する。
こうした観点から、本発明者は、超高エネルギーイオン注入に起因してイオン注入装置100のビームラインで生じうる核反応に対処するいくつかの対策を考案した。以下ではそうした対策をB−B反応を例として説明する。
第1の対策は、発生する放射線量の推定を含む。推定された放射線量は、放射線の線量管理に利用することができる。イオン注入装置100は、被照射域に残留するホウ素と新たに照射されるホウ素とのB−B反応によって発生する中性子線の線量を推定するよう構成されてもよい。中性子線の推定線量に基づき適切な警告が表示または出力されてもよい。必要な行動を警告により作業者に促すことができるので、イオン注入装置100の運用における安全性を高めることができる。また、中性子線量に対するインターロックが設定されていてもよい。イオン注入装置100は、中性子線量が設定値を超えることが予想される場合には、イオンビームIBの照射を禁止し、または、照射中においては照射を停止してもよい。このようにすれば、中性子線の過剰な発生は抑制され、イオン注入装置100の運用における安全性を高めることができる。
第2の対策は、被照射域の切替を含む。ある1つのイオンビーム被照射体に複数の被照射域が切替可能に設けられてもよい。イオン注入装置100は、複数の切替可能な被照射域から、発生する中性子線の推定線量が比較的少ない被照射域を選択するよう構成されてもよい。こうして選択された被照射域にイオンビームIBが入射すれば、中性子線の過剰な発生は抑制される。
第3の対策として、イオンビーム被照射体は、互いに異なる場所に位置する複数の被照射域を備え、複数の被照射域は、所定のエネルギーしきい値を超えるエネルギーに加速された高エネルギーイオンビーム専用に割り当てられた高エネルギー専用被照射域を含んでもよい。また、複数の被照射域は、所定のエネルギーしきい値以下のエネルギーに加速された低エネルギーイオンビーム専用に割り当てられた低エネルギー専用被照射域を含んでもよい。イオン注入装置100は、複数の被照射域からイオンビームIBのエネルギーに応じて適切な被照射域を選択するよう構成されてもよい。
高エネルギーのイオンビームIBは被照射域の表面から深い位置にホウ素イオンを注入することができる。浅い位置に留まるホウ素はほとんどない。図4を参照して説明したように、入射するホウ素イオンビームのエネルギーは深さに応じて減衰される。イオンビームIBは浅い位置では高いエネルギーを持つが、深い位置へと進むにつれてエネルギーが失われる。その結果、残留するホウ素の密度が高くなる深い位置では、入射するイオンビームIBのエネルギーが低くなり、B−B反応はあまり起こらなくなると考えられる。したがって、高エネルギーイオンビームに専用の被照射域を割り当てることによって、放射線の過剰な発生は抑制される。また、低エネルギーイオンビームに専用の被照射域では、入射するイオンビームIBのエネルギーが低いので、B−B反応はそもそも問題とならない。したがって、エネルギーに応じて選択された被照射域にイオンビームIBが入射すれば、中性子線の過剰な発生は抑制される。
これらの対策は、単独で実施されてもよいし、組み合わせて実施されてもよい。
図5は、ある実施形態に係るイオン注入装置100の制御装置50の概略的な構成を示すブロック図である。イオンビーム被照射体70が第2ビーム計測器80bである場合を例として説明する。この実施形態は、イオンビーム被照射体70が第3ビーム計測器80cまたはその他のビーム電流計測器、またはその他のイオンビーム被照射体である場合にも適用可能である。
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者に理解されるところである。
制御装置50は、第2ビーム計測器80bに入射するホウ素イオン(例えば、11Bまたは10Bのイオン)と以前に行われたイオンビーム照射の結果として第2ビーム計測器80bに蓄積されたホウ素とのB−B反応により発生する中性子線の推定線量を演算するよう構成されている。
制御装置50は、ビーム条件読込部51、深さプロファイル演算部52、核反応率演算部54、放射線量演算部56、警告表示部58、ビーム照射制御部59、被照射域選択部60、記憶部62を備える。
また、制御装置50は、入力部66及び出力部68を備える。入力部66は、作業者または他の装置からの入力を受け付けるよう構成されている。入力部66は例えば、作業者からの入力を受け付けるためのマウスやキーボード等の入力手段、及び/または、他の装置との通信をするための通信手段を含む。出力部68は、イオン注入装置100の制御に関連するデータを出力するよう構成され、ディスプレイやプリンタ等の出力手段を含む。制御装置50は、入力部66からデータの入力を受け、及び/または、出力部68にデータを出力することができる。
第2ビーム計測器80bによって計測された実測ビーム電流を表すビーム電流測定信号が制御装置50に入力される。制御装置50は、選択された被照射域にイオンが入射するようにイオンビーム被照射体70とイオンビームIBとの相対位置を調整するよう構成された相対位置調整機構、具体的には例えば、イオンビームIBに対してイオンビーム被照射体70を移動させるよう構成された駆動機構72を制御するよう構成されている。
ビーム条件読込部51は、イオンビーム照射条件を読み込む。イオンビーム照射条件は、例えば、被照射域の材料、被照射域の面積、イオンビームIBのエネルギー、単位時間あたりの照射量、照射時間、注入角度を含む。イオンビーム照射条件は、作業者によって入力部66から入力され、または記憶部62から読み込まれる。
深さプロファイル演算部52は、第2ビーム計測器80bに蓄積されたホウ素の推定深さプロファイルを演算する。深さプロファイルは、被照射域に形成される深さ方向の濃度分布を表す。例えば、深さプロファイル演算部52は、イオンビーム照射条件ごとに演算されるホウ素の深さプロファイルを積算することにより、ホウ素の推定深さプロファイルを演算してもよい。このようにして、任意の時点でのホウ素の推定深さプロファイルを演算することができる。深さプロファイル演算部52は、演算されたホウ素の推定深さプロファイルを記憶部62に保存する。
図6は、推定深さプロファイルの例示的な演算を説明するための概略図である。あるイオンビーム照射条件に従ってイオンビーム被照射体70のある被照射域にイオンビームが照射されるたびに、その被照射域にホウ素が蓄積される。蓄積されるホウ素の深さプロファイルはそのイオンビーム照射条件に依存する。図6に例示されるように、4種の異なるイオンビーム照射条件はそれぞれ異なる深さプロファイルA〜Dを被照射域に形成する。様々なイオンビーム照射条件でイオン照射が繰り返された結果として被照射域に形成される深さプロファイルは、各々のイオンビーム照射条件のもとで形成される各深さプロファイルの累積により与えられる。図6に例示される4種の異なるイオンビーム照射条件での照射の結果として被照射域に形成される深さプロファイルは、個々の深さプロファイルA〜Dを積算することによって取得することができる。
あるいは、演算負荷を軽減するために、深さプロファイル演算部52は、より簡略化された手法でホウ素の推定深さプロファイルを演算してもよい。例えば、深さプロファイルがある深さまで一定の濃度値を持つと仮定してもよい。言い換えれば、例えば平均値、最大値など単一の濃度値で深さプロファイルを代表させてもよい。
上述のように、被照射域の表面に近い(つまり浅い)領域ほど入射するイオンのエネルギーが高く、B−B反応が起こりやすいことから、重要なのは浅い領域の深さプロファイルである。そこで、図6に破線Eで示すように、真の深さプロファイルに含まれるホウ素の総量が、真の深さプロファイルに比べて浅い領域のみに存在すると仮定してもよい。これは、被照射域の表層部に実際よりも高濃度のホウ素が存在するものと仮定していることになるので、中性子線の推定線量が実際よりも大きく演算されることになる。したがって、実際に発生する中性子線量は推定線量より少ないと考えられる。推定についての安全率をより大きくとることに相当し、より安全である。
核反応率演算部54は、イオンビーム照射条件とホウ素の推定深さプロファイルとに基づいて推定核反応率を演算する。核反応率は、単位時間あたりの核反応の発生回数を表す。核反応率演算部54は、イオンビームIBのエネルギー、単位時間あたりの照射量、および、深さプロファイル演算部52により演算された推定深さプロファイルに基づいて、推定核反応率を演算することができる。核反応率演算部54は、B−B反応の核反応率を演算するための公知の演算方法により推定核反応率を演算してもよい。核反応率演算部54は、演算された推定核反応率を記憶部62に保存する。
演算に使用されるイオンビームIBのエネルギーは、被照射域の表面への入射エネルギーと被照射域の材料に応じて決まるエネルギー減衰曲線として与えられてもよい。あるいは、演算負荷を軽減するために、イオンビームIBのエネルギーは、深さ方向に一定値(例えば、被照射域の表面への入射エネルギーに等しい値)を仮定してもよい。これは、深い領域のエネルギーを実際よりも高く仮定していることになるので、中性子線の推定線量が実際よりも大きく演算されることになる。したがって、実際に発生する中性子線量は推定線量より少ないと考えられる。推定についての安全率をより大きくとることに相当し、より安全である。
演算に使用される単位時間あたりの照射量は、イオンビーム照射条件から計算される推定値であってもよい。あるいは、推定精度の向上のために、単位時間あたりの照射量は、イオンビーム被照射体70である第2ビーム計測器80bにより計測された実測ビーム電流であってもよい。
放射線量演算部56は、核反応率演算部54により演算された推定核反応率に基づいて中性子線の推定線量を演算する。放射線量演算部56は、B−B反応により発生する中性子線量を演算するための公知の演算方法により中性子線の推定線量を演算してもよい。放射線量演算部56は、演算された中性子線の推定線量と、ビームラインにおけるイオンビーム被照射体70の位置情報と、ビームラインに備えられた放射線遮蔽材の配置情報とに基づいて、ビームラインの外部またはイオン注入装置100の外部の所望の位置での推定放射線量を演算してもよい。このようにして、任意の時点での推定放射線量を管理することができる。放射線量演算部56は、演算された中性子線の推定線量を記憶部62に保存する。演算された中性子線の推定線量は、出力部68に出力されてもよい。
警告表示部58は、放射線量演算部56により演算された中性子線の推定線量が所定の上限線量を超えるか否かを判定してもよい。警告表示部58は、中性子線の推定線量が所定の上限線量を超える場合には、警告を表示する。警告は、出力部68に出力されてもよい。警告は、イオンビーム被照射体70の交換を促す警告であってもよい。警告表示部58は、中性子線の推定線量が所定の上限線量を超えない場合には、警告を表示しない。所定の上限線量は、例えば経験的または実験による知見から、適宜設定することができる。
ビーム照射制御部59は、放射線量演算部56により演算された中性子線の推定線量が所定の上限線量を超えるか否かを判定してもよい。ビーム照射制御部59は、中性子線の推定線量が所定の上限線量を超える場合には、イオンビーム被照射体70へのイオンビームIBの照射を禁止してもよい。イオンビームIBが現在生成されていない場合には、ビーム照射制御部59は、以降のイオンビーム照射を許可しなくてもよい。イオンビーム照射中である場合には、ビーム照射制御部59は、イオンビーム照射を中止してもよい。ビーム照射制御部59は、中性子線の推定線量が所定の上限線量を超えない場合には、イオンビーム照射を許可し、または継続してもよい。照射禁止を判定するための上限線量は、警告用の上限線量と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
単一の被照射域のみを有するイオンビーム被照射体70に関しては、中性子線の推定線量が所定の上限線量を超える場合、次回のメンテナンス作業時など適切な機会に、新しいイオンビーム被照射体70と交換されてもよい。
イオンビーム被照射体70は、互いに異なる場所に位置する複数の被照射域を有してもよい。被照射域選択部60は、放射線量演算部56により演算された中性子線の推定線量が所定の上限線量を下回るようにイオンビーム被照射体70の複数の被照射域からいずれかの被照射域を選択してもよい。被照射域選択部60は、選択された被照射域にイオンが入射するようにイオンビームIBに対してイオンビーム被照射体70を移動させるように駆動機構72を制御してもよい。
被照射域選択部60は、イオンビーム照射条件が変更されるたびに、異なる被照射域を新たに選択してもよい。被照射域選択部60は、選択されている被照射域についての中性子線の推定線量が所定の上限線量を超える場合に、異なる被照射域を新たに選択してもよい。
イオン注入装置100は、相対位置調整機構の例として、選択された被照射域にイオンビームIBが照射されるようにイオンビームIBを偏向するよう構成されたイオンビーム偏向機構を備えてもよい。
図7(a)から図7(c)は、イオンビーム被照射体70に設けられた複数の被照射域74の切替構成を例示する概略図である。図7(a)には第2ビーム計測器80bを示し、図7(b)および図7(c)にはアパチャープレート82を示す。
図7(a)に示されるように、第2ビーム計測器80bは、板状の部材の一面に二行二列に配置された4つの被照射域74を備える。各被照射域74は、ファラデーカップである。駆動機構72は、被照射域74が配置された平面において縦横の二軸に第2ビーム計測器80bを移動可能であり、イオンビームIB(図示せず)が任意の被照射域74に入射するように第2ビーム計測器80bを移動させることができる。イオンビームIBは紙面に垂直な方向に第2ビーム計測器80bに入射する。
なお被照射域74とファラデーカップは一対一に対応することは必須ではない。1つのファラデーカップ内に複数の被照射域74が設けられてもよい。つまり、ファラデーカップのビーム検出面のうちある領域が1つの被照射域74として使用され、それと重なり合わない別の領域が他の被照射域74として使用されてもよい。あるいは、1つの被照射域74に複数のファラデーカップが設けられてもよい。
図7(b)に示されるように、アパチャープレート82は、平行に延びる二本のスリット83を有し、スリット83ごとに1つの被照射域74が配置されている。被照射域74とスリット83は一対一に対応してもよいし、そうでなくてもよい。図7(c)に示されるように、1つのスリット83に沿って複数の被照射域74が互いに重なり合わないように配置されていてもよい。例えば、スリット83の上部が1つの被照射域74として使用され、それと重なり合わないようにスリット83の下部がもう1つの被照射域74として使用されてもよい。
複数の被照射域74の配置とイオンビーム被照射体70の移動方向は、種々の方式が可能である。いくつかの例を図8(a)から図8(d)に挙げる。
図8(a)に示されるように、イオンビーム被照射体70が平面状の形状を有し、複数の被照射域74が当該平面上に配置され、駆動機構72が当該平面に平行な方向にイオンビーム被照射体70を移動させることによって被照射域74が切り替えられてもよい。複数の被照射域74が一列に配列され、駆動機構72はイオンビーム被照射体70を被照射域74の配列方向に沿って移動可能であってもよい。図8(b)に示されるように、複数の被照射域74は、平面のおもて面と裏面に配置され、駆動機構72がイオンビーム被照射体70を反転させることによって被照射域74が切り替えられてもよい。
図8(c)に示されるように、イオンビーム被照射体70が角柱状(例えば、三角柱状または四角柱状)の形状を有し、複数の被照射域74が角柱の側面に配置され、駆動機構72がイオンビーム被照射体70を角柱の中心軸またはこれに平行な軸まわりに回転させることによって被照射域74が切り替えられてもよい。角柱の各側面に1つずつ被照射域74が配置されてもよいし、角柱の各側面に複数の被照射域74が配置されてもよい。1つの側面に複数の被照射域74が配置される場合には、駆動機構72はイオンビーム被照射体70を当該側面に平行移動させることによって被照射域74が切り替えられてもよい。
図8(d)に示されるように、イオンビーム被照射体70が円柱状の形状を有し、複数の被照射域74が円柱側面の異なる角度位置に配置され、駆動機構72がイオンビーム被照射体70を円柱の中心軸またはこれに平行な軸まわりに回転させることによって被照射域74が切り替えられてもよい。円柱の異なる角度位置に1つずつ被照射域74が配置されてもよいし、円柱の同じ角度位置に複数の被照射域74が配置されてもよい。駆動機構72がイオンビーム被照射体70を中心軸の方向に移動させることによって被照射域74が切り替えられてもよい。
図9は、ある実施形態に係るイオンビーム被照射体70の被照射域74の切替処理を例示するフローチャートである。この処理は制御装置50によって実行される。処理が開始されると、まず、イオンビーム照射条件が制御装置50のビーム条件読込部51に読み込まれる(S10)。読み込まれるイオンビーム照射条件は例えば、次回の照射に使用されるイオンビーム照射条件である。あるいは、例えば放射線量の試算のために、その他の任意のイオンビーム照射条件が制御装置50に読み込まれてもよい。
被照射域74が選択される(S12)。被照射域選択部60は、前回の処理において選択されていた被照射域74をそのまま選択してもよい。あるいは、被照射域選択部60は、別の被照射域74を新たに選択してもよい。
放射線の推定線量が演算される(S14)。図5を参照して説明したように、制御装置50は、選択された被照射域74に既に形成された深さプロファイルと、読み込まれたイオンビーム照射条件とに基づいて、選択された被照射域74から発生する放射線の推定線量を演算する。
被照射域選択部60は、演算された放射線の推定線量が所定の上限線量を超えるか否かを判定する(S16)。演算された放射線の推定線量が所定の上限線量を超える場合には(S16のN)、選択可能な別の被照射域74があるか否かを判定する(S17)。選択可能な別の被照射域74がある場合には(S17のY)、被照射域選択部60は、別の被照射域74を選択する(S12)。ここで、被照射域選択部60は、放射線の推定線量が所定の上限線量を超えると判定されていない被照射域74を選択する。過去の処理において放射線の推定線量が所定の上限線量を超えると判定された被照射域74は、選択されない。選択された被照射域74について、放射線の推定線量が演算され(S14)、演算された放射線の推定線量が所定の上限線量を超えるか否かが再確認される(S16)。
選択可能な別の被照射域74が無い場合には(S17のN)、制御装置50は、警告を表示し(S19)、イオンビーム被照射体70へのイオンビームの照射を禁止する(S21)。
演算された放射線の推定線量が所定の上限線量を超えない場合には(S16のY)、選択された被照射域74にイオンビームIBが照射される(S18)。選択された被照射域74にイオンが入射するようにイオンビーム被照射体70とイオンビームIBとの相対位置が調整され、その位置でイオンビーム被照射体70はビームラインに支持される。イオンビームIBは、イオン源10により生成され、高エネルギー多段直線加速ユニット14により加速される。イオンビームIBは、高エネルギー多段直線加速ユニット14以降のビームラインにより輸送され、イオンビーム被照射体70に照射される。
イオンビーム被照射体70へのイオンビームIBの照射後に、選択された被照射域74の深さプロファイルが更新される(S20)。深さプロファイル演算部52は、今回のイオンビームIBの照射によって新たに蓄積される深さプロファイルを既存の深さプロファイルに積算する。こうして更新された深さプロファイルは記憶部62に保存され、本処理は終了する。
図10(a)から図10(c)は、イオンビーム被照射体70の他の例を示す概略図である。図10(a)に示されるように、イオンビーム被照射体70は、駆動機構72による駆動方向に配列された第1被照射域74aおよび第2被照射域74bを備える。したがって、イオンビーム被照射体70は、駆動機構72の駆動により、イオンビームIBに照射される被照射域を第1被照射域74aと第2被照射域74bから選択することができる。イオンビーム被照射体70は、第2ビーム計測器80bまたはその他のビーム電流計測器であってもよい。第1被照射域74aおよび第2被照射域74bはそれぞれファラデーカップであってもよい。イオンビーム被照射体70は、その他のイオンビーム被照射体であってもよい。
第1被照射域74aは、所定のエネルギーしきい値を超えるエネルギーに加速された高エネルギーイオンビーム専用に割り当てられている。第2被照射域74bは、所定のエネルギーしきい値以下のエネルギーに加速された低エネルギーイオンビーム専用に割り当てられている。所定のエネルギーしきい値は、例えば、4MeV以上、または5MeV以上の超高エネルギー領域にある。所定のエネルギーしきい値は、例えば経験的または実験による知見から、適宜設定することができる。
なお、図10(a)に示される例においてはイオンビーム被照射体70が1つの第1被照射域74aと1つの第2被照射域74bを備えるが、イオンビーム被照射体70は、複数の第1被照射域74aと複数の第2被照射域74bを備えてもよい。複数の第1被照射域74a(または第2被照射域74b)の各々には、異なるエネルギーのイオンビームが割り当てられてもよい。あるいは、複数の第1被照射域74a(または第2被照射域74b)は、図7(a)から図7(c)に示されるものと同様に、エネルギーとは無関係に切替可能であってもよい。
図8(b)に示されるように、イオンビーム被照射体70が平面状の形状を有し、第1被照射域74aがイオンビーム被照射体70のおもて面に配置され、第2被照射域74bがイオンビーム被照射体70の裏面に配置されてもよい。駆動機構72がイオンビーム被照射体70を反転させることによって第1被照射域74aと第2被照射域74bが切り替えられてもよい。
図8(c)に示されるように、イオンビーム被照射体70が角柱状の形状を有し、第1被照射域74aが角柱の一側面に配置され、第2被照射域74bが角柱の他の側面に配置されてもよい。駆動機構72がイオンビーム被照射体70を角柱の中心軸またはこれに平行な軸まわりに回転させることによって第1被照射域74aと第2被照射域74bが切り替えられてもよい。図8(d)に示されるように、イオンビーム被照射体70が円柱状の形状を有し、第1被照射域74aが円柱側面のある角度位置に配置され、第2被照射域74bが円柱側面の別の角度位置に配置されてもよい。駆動機構72がイオンビーム被照射体70を円柱の中心軸またはこれに平行な軸まわりに回転させることによって第1被照射域74aと第2被照射域74bが切り替えられてもよい。
図10(b)に示されるように、第1被照射域74aを備える第1イオンビーム被照射体70aと、第2被照射域74bを備える第2イオンビーム被照射体70bとが設けられてもよい。第1イオンビーム被照射体70aと第2イオンビーム被照射体70bがそれぞれ移動可能とされ、それにより第1被照射域74aと第2被照射域74bが切り替えられてもよい。第1イオンビーム被照射体70aは第1駆動機構72aにより駆動され、第2イオンビーム被照射体70bは第2駆動機構72bにより駆動されてもよい。
図10(c)に示されるように、第1イオンビーム被照射体70aと第2イオンビーム被照射体70bの一方が固定とされ、他方が駆動機構72により移動可能とされてもよい。第1イオンビーム被照射体70a(または第2イオンビーム被照射体70b)が固定され、第2イオンビーム被照射体70b(または第1イオンビーム被照射体70a)が第1被照射域74a(または第2被照射域74b)の手前でイオンビームIBの経路に対し進退可能とされてもよい。
イオンビーム被照射体70の複数の被照射域74は、イオン種に応じて割り当てられてもよい。例えば、イオンビーム被照射体70は、ホウ素用の被照射域とその他のイオン種用の被照射域とを備えてもよい。ホウ素用の被照射域について、上述の第1被照射域74aと第2被照射域74bが設けられていてもよい。あるいは、第1被照射域74aは、ホウ素の高エネルギーイオンビームに割り当てられ、第2被照射域74bは、ホウ素の低エネルギーイオンビームとその他のイオン種のイオンビームに割り当てられてもよい。
図11は、ある実施形態に係るイオンビーム被照射体70の被照射域74の他の切替処理を例示するフローチャートである。この処理は制御装置50によって実行される。処理が開始されると、まず、イオンビーム照射条件が制御装置50のビーム条件読込部51に読み込まれる(S11)。
次に、イオンビーム照射条件についての判定が行われる。被照射域選択部60は、イオンビーム被照射体70に入射するイオンビームのエネルギーが所定のエネルギーしきい値を超えるか否かを判定する(S22)。イオンビーム被照射体70に入射するイオンビームのエネルギーが所定のエネルギーしきい値を超える場合には(S22のY)、被照射域選択部60は、第1被照射域74aを選択する(S24)。イオンビーム被照射体70に入射するイオンビームのエネルギーが所定のエネルギーしきい値を超えない場合には(S22のN)、被照射域選択部60は、第2被照射域74bを選択する(S26)。その後、選択された被照射域74にイオンビームIBが照射される(S28)。こうして、本処理は終了する。
被照射域選択部60は、イオンビーム被照射体70に入射するイオンビームがホウ素を含むイオンビームであるか否かを判定してもよい。被照射域選択部60は、ホウ素イオンビームが所定のエネルギーしきい値を超える場合に第1被照射域74aを選択してもよい。被照射域選択部60は、ホウ素イオンビームが所定のエネルギーしきい値を超えない場合に第2被照射域74bを選択してもよい。被照射域選択部60は、ホウ素を含まないイオンビームの場合には、第2被照射域74bを選択してもよい。
エネルギーに応じて被照射域を分けることによって、発生する放射線の推定線量は低減され、または実質的に無くなる。よって、制御装置50は、第1被照射域74aおよび第2被照射域74bについて放射線の推定線量を演算しなくてもよい。あるいは、発生する放射線量が十分に低いことを保証するために、制御装置50は、第1被照射域74aのみについて放射線の推定線量を演算してもよい。
以上、本発明を実施形態にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
本発明の実施の形態は以下のように表現することもできる。
1.非放射性核種のイオンを含むイオンビームを生成するよう構成されたイオン源と、
イオンビーム被照射体を支持するよう構成されたビームラインと、
前記イオンビーム被照射体に入射する前記非放射性核種のイオンと以前に行われたイオンビーム照射の結果として前記イオンビーム被照射体に蓄積された前記非放射性核種との核反応により発生する放射線の推定線量を演算するよう構成された制御装置と、を備えることを特徴とするイオン注入装置。
2.前記非放射性核種は、11Bまたは10Bであり、前記放射線は、中性子線であることを特徴とする実施形態1に記載のイオン注入装置。
3.前記イオン源により生成された前記イオンビームを少なくとも4MeVの超高エネルギーに加速可能な加速器をさらに備えることを特徴とする実施形態1または2に記載のイオン注入装置。
4.前記制御装置は、
前記イオンビーム被照射体に蓄積された前記非放射性核種の推定深さプロファイルを演算する深さプロファイル演算部と、
前記イオンビームのエネルギーおよび単位時間あたりの照射量を含むイオンビーム照射条件と前記非放射性核種の推定深さプロファイルとに基づいて推定核反応率を演算する核反応率演算部と、
前記推定核反応率に基づいて前記放射線の推定線量を演算する放射線量演算部と、を備えることを特徴とする実施形態1から3のいずれかに記載のイオン注入装置。
5.前記深さプロファイル演算部は、イオンビーム照射条件ごとに演算される前記非放射性核種の深さプロファイルを積算することにより、前記非放射性核種の推定深さプロファイルを演算することを特徴とする実施形態4に記載のイオン注入装置。
6.前記制御装置は、前記放射線の推定線量が所定の上限線量を超える場合に、警告を表示し及び/または前記イオンビーム被照射体への前記イオンビームの照射を禁止するよう構成されていることを特徴とする実施形態1から5のいずれかに記載のイオン注入装置。
7.前記イオンビーム被照射体は、互いに異なる場所に位置する複数の被照射域を有し、
前記制御装置は、前記放射線の推定線量が所定の上限線量を下回るように前記複数の被照射域からいずれかの被照射域を選択するよう構成され、
前記ビームラインは、選択された前記被照射域に前記非放射性核種のイオンが入射するように前記イオンビーム被照射体と前記イオンビームとの相対位置を調整するよう構成された相対位置調整機構を備えることを特徴とする実施形態1から6のいずれかに記載のイオン注入装置。
8.前記イオンビーム被照射体は、所定のエネルギーしきい値を超えるエネルギーに加速された高エネルギーイオンビーム専用に割り当てられた高エネルギー専用被照射域を有することを特徴とする実施形態1から7のいずれかに記載のイオン注入装置。
9.前記制御装置は、前記高エネルギー専用被照射域について前記放射線の推定線量を演算することを特徴とする実施形態8に記載のイオン注入装置。
10.前記所定のエネルギーしきい値は、4MeV以上の超高エネルギー領域にあることを特徴とする実施形態8または9に記載のイオン注入装置。
11.前記イオンビーム被照射体は、前記ビームラインに備えられたビーム電流計測器として構成され、
前記制御装置は、前記ビーム電流計測器により計測された実測ビーム電流に基づいて前記放射線の推定線量を演算することを特徴とする実施形態1から10のいずれかに記載のイオン注入装置。
12.前記イオンビーム被照射体は、ビーム偏向装置、アパチャープレート、ビームシャッター、ビームダンパー、ウェハ支持部、またはウェハの少なくとも一部として構成されていることを特徴とする実施形態1から10のいずれかに記載のイオン注入装置。
13.イオン注入装置のビームラインにおけるイオンビーム被照射体であって、
互いに異なる場所に位置する複数の被照射域を備え、
前記複数の被照射域は、所定のエネルギーしきい値を超えるエネルギーに加速された高エネルギーイオンビーム専用に割り当てられた高エネルギー専用被照射域を含むことを特徴とするイオンビーム被照射体。
14.非放射性核種のイオンを含むイオンビームを生成することと、
イオンビーム被照射体を支持することと、
前記イオンビーム被照射体に入射する前記非放射性核種のイオンと以前に行われたイオンビーム照射の結果として前記イオンビーム被照射体に蓄積された前記非放射性核種との核反応により放出される放射線の推定線量を演算することと、を備えることを特徴とするイオン注入方法。
10 イオン源、 14 高エネルギー多段直線加速ユニット、 40 ウェハ、 44 ウェハ支持部、 50 制御装置、 51 ビーム条件読込部、 52 深さプロファイル演算部、 54 核反応率演算部、 56 放射線量演算部、 58 警告表示部、 59 ビーム照射制御部、 60 被照射域選択部、 62 記憶部、 70 イオンビーム被照射体、 72 駆動機構、 74 被照射域、 74a 第1被照射域、 74b 第2被照射域、 80a 第1ビーム計測器、 80b 第2ビーム計測器、 80c 第3ビーム計測器、 100 イオン注入装置、 IB イオンビーム。

Claims (13)

  1. 非放射性核種のイオンを含むイオンビームを生成するよう構成されたイオン源と、
    イオンビーム被照射体を支持するよう構成されたビームラインと、
    前記イオンビーム被照射体に入射する前記非放射性核種のイオンと以前に行われたイオンビーム照射の結果として前記イオンビーム被照射体に蓄積された前記非放射性核種との核反応により発生する放射線の推定線量を演算するよう構成された制御装置と、を備えることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 前記非放射性核種は、11Bまたは10Bであり、前記放射線は、中性子線であることを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 前記イオン源により生成された前記イオンビームを少なくとも4MeVの超高エネルギーに加速可能な加速器をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン注入装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記イオンビーム被照射体に蓄積された前記非放射性核種の推定深さプロファイルを演算する深さプロファイル演算部と、
    前記イオンビームのエネルギーおよび単位時間あたりの照射量を含むイオンビーム照射条件と前記非放射性核種の推定深さプロファイルとに基づいて推定核反応率を演算する核反応率演算部と、
    前記推定核反応率に基づいて前記放射線の推定線量を演算する放射線量演算部と、を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のイオン注入装置。
  5. 前記深さプロファイル演算部は、イオンビーム照射条件ごとに演算される前記非放射性核種の深さプロファイルを積算することにより、前記非放射性核種の推定深さプロファイルを演算することを特徴とする請求項4に記載のイオン注入装置。
  6. 前記制御装置は、前記放射線の推定線量が所定の上限線量を超える場合に、警告を表示し及び/または前記イオンビーム被照射体への前記イオンビームの照射を禁止するよう構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のイオン注入装置。
  7. 前記イオンビーム被照射体は、互いに異なる場所に位置する複数の被照射域を有し、
    前記制御装置は、前記放射線の推定線量が所定の上限線量を下回るように前記複数の被照射域からいずれかの被照射域を選択するよう構成され、
    前記ビームラインは、選択された前記被照射域に前記非放射性核種のイオンが入射するように前記イオンビーム被照射体と前記イオンビームとの相対位置を調整するよう構成された相対位置調整機構を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のイオン注入装置。
  8. 前記イオンビーム被照射体は、所定のエネルギーしきい値を超えるエネルギーに加速された高エネルギーイオンビーム専用に割り当てられた高エネルギー専用被照射域を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のイオン注入装置。
  9. 前記制御装置は、前記高エネルギー専用被照射域について前記放射線の推定線量を演算することを特徴とする請求項8に記載のイオン注入装置。
  10. 前記所定のエネルギーしきい値は、4MeV以上の超高エネルギー領域にあることを特徴とする請求項8または9に記載のイオン注入装置。
  11. 前記イオンビーム被照射体は、前記ビームラインに備えられたビーム電流計測器として構成され、
    前記制御装置は、前記ビーム電流計測器により計測された実測ビーム電流に基づいて前記放射線の推定線量を演算することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のイオン注入装置。
  12. 前記イオンビーム被照射体は、ビーム偏向装置、アパチャープレート、ビームシャッター、ビームダンパー、ウェハ支持部、またはウェハの少なくとも一部として構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のイオン注入装置。
  13. 非放射性核種のイオンを含むイオンビームを生成することと、
    イオンビーム被照射体を支持することと、
    前記イオンビーム被照射体に入射する前記非放射性核種のイオンと以前に行われたイオンビーム照射の結果として前記イオンビーム被照射体に蓄積された前記非放射性核種との核反応により放出される放射線の推定線量を演算することと、を備えることを特徴とするイオン注入方法。
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