これは、「Distributed Big Data in a Process Control System」と題され2014年3月14日に出願された米国出願第14/212,493号の優先権及び出願日の利益を主張するPCT出願であり、同出願は、「Collecting and Delivering Data to a Big Data Machine in a Process Control System」と題され2013年3月14日に出願された米国出願第61/783,112号の優先権及び出願日の利益を主張し、これらの開示の全体は、ここでの参照によって本明細書に組み込まれる。本出願はまた、「Big Data in Process Control Systems」と題され2013年3月7日に出願された米国出願第13/784,041号にも関連し、その開示の全体は、ここでの参照によって本明細書に組み込まれる。追加として、本出願は、「Determining Associations and Alignments of Process Elements and Measurements in a Process」と題され2014年3月14日に出願された米国出願第14/212,411号に関連し、その開示の全体は、ここでの参照によって本明細書に組み込まれる。
プロセス制御プラントまたはプロセス制御システムでは、データは、しばしば、プラントまたはシステム内でプロセスを制御するように動作する様々なプロセス設備またはデバイスの周りで生成される。多くの場合、プロセス制御プラントまたはプロセス制御システムにおいて、プロセスの第1の、すなわち最下位の詳細は、例えば、プロセス設備がプロセスを制御するように動作している間の、各プロセス設備すなわちプロセスの制御ループ内のプロセス設備の集合の入力、動作、及び出力に関する。結果として、プロセスに関する1つの可能な考え方または観点としては、各プロセス設備の周りまたは各制御ループの周りにおけるビッグデータの集約が挙げられる。本明細書に開示されるシステム、方法、装置、及び技術は、有意義で、ローカル化された、分散型のデータアナリティックスを使用すること等によって、プロセスに関するこのローカル化された、分散型の観点を利用し、プロセスの運転及び最適化の効率性を高めている。例えば、プロセスプラントの全てのビッグデータを単一の、すなわち中央集中型のデータウェアハウスで分析する代わりに、少なくともいくつかのプロセス制御アルゴリズム(予測、モデリング、及び/または診断アルゴリズムを含む)を個別のプロセス設備に押しやるか、またはその中に組み込んで、ローカルデータに対するリアルタイム動作を可能にする。こうすることにより、組み込み学習を有するプロセス設備は、プロセスの様々なプロセス変数間の重要な時間関係及び因果関係を迅速かつ効率的に、一部の場合ではプロセスが制御されている間にリアルタイムで、発見することを可能にし得る。
図1は、プロセスプラントまたはプロセス制御システム10のビッグデータネットワーク例100のブロック図である。ビッグデータネットワーク例100は、それぞれ分散ビッグデータを支援する複数のノードまたは複数のデバイス102、例えば、「分散ビッグデータノードまたは分散ビッグデータデバイス102」を含み、これらは、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105によって通信可能に接続されている。リアルタイムのプロセス関連データ、プラント関連データ、及び他の種類のデータ等の、様々な種類のデータが複数のデバイス102の各々にローカルで収集され、また記憶され得る。複数のデバイス102の各々では、ローカルに記憶されたデータは、時間を横断する、かつ/または様々なデータセットのうちの少なくとも一部を横断する有意義な関係、パターン、相関性、トレンド等を説明する学習知識を作成または生成するために、デバイス102にて、ローカルで分析され得る。一実施形態では、収集されたデータ及び/または生成された学習知識のうちの少なくとも一部は、例えばプロセスの制御をリアルタイムで改善するために使用されるように、ネットワーク100のノードとデバイスの間に供給され得る。一部の構成では、ネットワーク100のノードまたはデバイス102のうちの少なくとも一部は、プロセスプラントまたはシステム10から遠隔に位置付けられている。
プロセス制御システム10に関する任意の種類のデータを分散ビッグデータデバイス102の各々でビッグデータとして収集、分析、及び記憶され得る。例えば、プロセスがプロセスプラント10内で制御されている間に生成される(ならびに、一部の場合では、プロセスのリアルタイム遂行の効果を示す)連続データ、バッチデータ、測定データ、及びイベントデータ等のリアルタイムのプロセスデータが、収集、分析、及び記憶され得る。構成データ及び/またはバッチレシピデータ等の、プロセスの定義、配置、またはセットアップのデータが収集、分析、及び記憶され得る。プロセス診断の構成、実行、及び結果に対応するデータが収集、分析、及び記憶され得る。他の種類のプロセスデータもまた、収集、分析、及び記憶され得る。
さらに、バックボーン105に関するデータハイウェイトラフィック及びネットワーク管理データ、ならびにプロセスプラント10の他の様々な通信ネットワークのデータハイウェイトラフィック及びネットワーク管理データが、分散ビッグデータデバイス102の少なくとも一部で、ローカルで収集、分析、及び記憶され得る。ユーザートラフィック、ログイン試行、クエリ、及び命令に関するデータ等のユーザー関連データが、収集、分析、及び記憶され得る。テキストデータ(例えば、ログ、動作手順、マニュアル等)、空間的データ(例えば、位置に基づくデータ)、及びマルチメディアデータ(例えば、閉回路TV、ビデオクリップ等)が収集、分析、及び記憶され得る。
一部のシナリオでは、プロセスプラント10に(例えば、機械及びデバイス等の、プロセスプラント10に含まれる物理的設備に)関係するが、プロセスを直接構成、制御、または診断するアプリケーションによっては生成され得ないデータが、分散ビッグデータデバイス102の少なくとも一部で、ローカルで収集、分析、及び記憶され得る。例えば、振動データ及び蒸気トラップデータが収集、分析、及び記憶され得る。このようなプラントデータの他の例としては、プラントの安全性に対応するパラメータの値を示すデータ(例えば、腐食データ、ガス検知データ等)、またはプラントの安全性に対応するイベントを示すデータが挙げられる。機械、プラント設備及び/またはデバイスの健全性に対応するデータが収集、分析、及び記憶され得る(例えば、診断または予知の目的のために使用されるデバイス及び/または機械によって作成されるデータ)。設備、機械、及び/またはデバイスの診断の構成、実行、及び結果に対応するデータが収集、分析、及び記憶され得る。さらに、診断及び予知に有用な作成または計算されたデータが収集、分析、及び記憶され得る。
一部の実施形態では、原材料費、部品もしくは設備の到着予定時間に関するデータならびに他の外部データ等、プロセスプラント10の外部のエンティティによって生成されたかまたはそれに伝送されたデータが、分散ビッグデータデバイス102の少なくとも一部で、ローカルで収集、分析、及び記憶され得る。一実施形態では、ネットワークバックボーン105に通信可能に接続されている全てのノードまたはデバイス102によって生成、作成、受信、または観察される全てのデータが、ノードまたはデバイス102のうちの少なくとも一部でビッグデータとしてそれぞれローカルで収集、分析、及び記憶され得る。
一部の実施形態では、様々な種類のデータが、分散ビッグデータデバイス102の各々でビッグデータとしてローカルで自動的に収集、及び記憶され得る。例えば、動的測定及び制御のデータは、分散ビッグデータデバイス102にて自動的に収集及び記憶される。動的測定及び制御のデータの例としては、プロセス運転における変更を明示するデータ、設定値等の動作パラメータにおける変更を明示するデータ、プロセス及びハードウェアアラームの記録、ならびにダウンロードまたは通信障害等のイベントが挙げられ得る。これらの実施形態のうちのいずれにおいても、全種類の測定及び制御データは、デバイス102にてビッグデータとして自動的に捕捉される。加えて、コントローラ構成、バッチレシピ、アラーム、及びイベント等の静的データは、変更が検知されたときに、またはコントローラもしくは他のエンティティがビッグデータネットワーク100に初めて追加されたときに、デフォルトで自動的に伝達され得る。
その上、一部のシナリオでは、動的制御及び測定のデータを説明または識別する少なくとも一部の静的メタデータは、メタデータにおける変更が検出されたとき、分散ビッグデータデバイス102内に捕捉される。例えば、コントローラによって送られなければならないモジュールまたはユニットの測定及び制御データに影響を与えるコントローラ構成への変更が行われる場合、関連付けられたメタデータの更新は、コントローラにおいて自動的に捕捉される。一部の状況では、外部のシステムまたはソースからのデータ(例えば、天気予報、公共イベント、会社の意思決定等)を緩衝するために使用される特殊モジュールに関連付けられたパラメータは、デフォルトで自動的にデバイス102にて捕捉される。追加としてまたは代替として、サーベイランスデータ及び/または他の種類の監視データは、デバイス102にて自動的に捕捉され得る。
さらに、一部の実施形態では、エンドユーザーによって作成された追加パラメータは、分散ビッグデータデバイス102にて自動的に捕捉される。例えば、エンドユーザーは、モジュール内に特殊計算を作成してもよく、または収集される必要があるパラメータをユニットに追加してもよく、またはエンドユーザーは、デフォルトでは伝達されない標準コントローラ診断パラメータを収集することを希望し得る。エンドユーザーが任意追加的に構成するパラメータは、デフォルトパラメータと同じ方法で伝達され得る。
プロセス制御ビッグデータネットワーク100の複数の分散ビッグデータノードまたは分散ビッグデータデバイス102は、プロセス制御システムまたはプロセス制御プラントにおいて分散ビッグデータを支援する、複数の異なる群のノードまたはデバイス110〜114を含み得る。本明細書で互換可能に「分散ビッグデータプロバイダノード110」、「分散ビッグデータプロバイダデバイス110」、プロバイダノード110」、または「プロバイダデバイス110」と呼ばれる、第1の群のノードまたはデバイス110は、プロセスがプロセスプラント環境10においてリアルタイムで制御されることを可能にするプロセス制御データを生成、送付、かつ/または受信する1つ以上のノードまたはデバイスを含む。プロバイダノードまたはプロバイダデバイス110の例としては、プロセスを制御するためにプロセス制御データ上で生成すること及び/または動作することに主要な機能が向けられているデバイス、例えば、有線及び無線のフィールドデバイス、コントローラ、ならびに入力/出力(I/Oデバイス)が挙げられる。プロバイダデバイス110の他の例としては、プロセス制御システムの1つ以上の通信ネットワーク(プロセス制御ビッグネットワーク100は、その1つである)へのアクセスまたはルートを提供することを主要な機能とするデバイス、例えば、アクセスポイント、ルータ、有線制御バスへのインターフェース、無線通信ネットワークへのゲートウェイ、外部ネットワークまたはシステムへのゲートウェイ、ならびに他のこのようなルーティングデバイス及びネットワーキングデバイスが挙げられる。プロバイダデバイス110のさらに他の例としては、プロセスデータ(一部の場合では、一時的に)及びプロセス制御システム10を通じて蓄積された他の関連データを記憶することを主要な機能とするヒストリアンデバイスが挙げられる。
プロバイダノードまたはプロバイダデバイス110のうちの少なくとも1つは、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105に直接方式で通信可能に接続される。一部のプロセスプラントでは、プロバイダデバイス110のうちの少なくとも1つは、バックボーン105に間接方式で通信可能に接続される。例えば、無線フィールドデバイスは、ルータと、アクセスポイントと、無線ゲートウェイを介してバックボーン105に通信可能に接続される。さらに、プロバイダノードまたはプロバイダデバイス110のうちの少なくとも一部は、バックボーン105に階層的方式で通信可能に接続され得る。例えば、1つ以上のフィールドデバイスは、1つ以上のI/Oデバイスに通信可能に接続され、1つ以上のI/Oデバイスは、1つ以上のコントローラに通信可能に接続され、1つ以上のコントローラは、今度はバックボーン105に通信可能に接続される。さらに、プロバイダノードまたはプロバイダデバイス110のうちの少なくとも1つは、別のプロバイダノードまたはプロバイダデバイス110にピアツーピア方式で通信可能に接続され得る。例えば、2つのコントローラが通信可能に相互に接続される一方で、それらのコントローラの一方または両方は、バックボーン105にも通信可能に接続される。典型的には、プロバイダノードまたはプロバイダデバイス110は、一体型ユーザーインターフェースを有さないが、プロバイダデバイス110のうちの一部は、例えば、有線もしくは無線通信リンク上で通信することによって、またはユーザーインターフェースデバイスをプロバイダデバイス110のポートに差し込むことによって、ユーザーコンピューティングデバイスまたはユーザーインターフェースと通信可能に接続する能力を有し得る。
プロセス制御システムまたはプロセス制御プラントにおいて分散ビッグデータを支援する第2の群のノードまたはデバイス112は、本明細書で互換可能に「分散ビッグデータユーザーインターフェースノード112」、「分散ビッグデータユーザーインターフェースデバイス112」、「ユーザーインターフェースノード112」、または「ユーザーインターフェースデバイス112」と呼ばれる。第2の群のデバイス112は、一体型ユーザーインターフェースを各々有する1つ以上のノードまたはデバイスを含み、ユーザーまたはオペレーターは、一体型ユーザーインターフェースを介して、プロセス制御システムまたはプロセスプラント10と相互に作用してプロセスプラント10に関係する活動を遂行し得る(例えば、構成、閲覧、監視、試験、診断、注文、計画、スケジュール作成、注釈、及び/または他の活動)。これらのユーザーインターフェースノードまたはユーザーインターフェースデバイス112の例としては、モバイルコンピューティングデバイスまたは据え置き型コンピューティングデバイス、ワークステーション、ハンドヘルドデバイス、タブレット、サーフェスコンピューティングデバイス、ならびにプロセッサ、メモリ、及び一体型ユーザーインターフェースを有する任意の他のコンピューティングデバイスが挙げられる。統合ユーザーインターフェースとしては、スクリーン、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、タッチスクリーン、タッチパッド、生体識別インターフェース、スピーカー及びマイク、カメラ、及び/または任意の他のユーザーインターフェース技術が挙げられ得る。各ユーザーインターフェースデバイス112は、1つ以上の統合ユーザーインターフェースを含み得る。ユーザーインターフェースノードまたはユーザーインターフェースデバイス112は、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105への直接接続を含み得、または例えばアクセスポイントもしくはゲートウェイを介したバックボーン105への間接接続を含み得る。ユーザーインターフェースデバイス112は、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105に有線方式及び/または無線方式で通信可能に接続し得る。一部の実施形態では、ユーザーインターフェースデバイス112は、ネットワークバックボーン105にアドホックで接続し得る。
当然ながら、プロセス制御プラント及びプロセス制御システム内の複数の分散ビッグデータノードまたは分散ビッグデータデバイス102は、プロバイダノード110及びユーザーインターフェースノード112のみに限定されない。1つ以上の他の種類の分散ビッグデータノードまたは分散ビッグデータデバイス114もまた、複数のノードまたはデバイス102に含まれ得る。例えば、プロセスプラント10の外部にあるシステム(例えば、ラボシステムまたはマテリアルズハンドリングシステム)のノード114は、システム100のネットワークバックボーン105に通信可能に接続され得る。ノードまたはデバイス114は、バックボーン105に直接または間接接続を介して通信可能に接続され得、ノードまたはデバイス114は、バックボーン105に有線または無線接続を介して通信可能に接続され得る。一部の実施形態では、一群の他のノードまたはデバイス114は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100から省略され得る。
分散ビッグデータを支援するために、任意の数のノードまたはデバイス110〜114は、各々、それぞれの組み込みビッグデータ装置または機器116を含む。組み込みビッグデータ装置または機器116は、例えば、データを記憶または旧版化するための組み込みビッグデータ記憶装置120、1つ以上のプロセッサ(図示せず)、1つ以上の組み込みビッグデータ受信器122、1つ以上の組み込みビッグデータ分析器124、及び1つ以上の組み込みビッグデータ要求サービサ126を含む。一実施形態では、組み込みビッグデータ受信器122、組み込みビッグデータ分析器124、及び組み込みビッグデータ要求サービサ126は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な非一時的有形記憶媒体(例えば、組み込みビッグデータ記憶装置120、メモリデバイス、または別のデータ記憶デバイス)上に記憶され、組み込みビッグデータ機器116の1つ以上のプロセッサによって実行可能である、それぞれのコンピュータ実行可能な命令を備える。ノードまたはデバイス110〜114の一部では、ビッグデータ命令または機能を実行することに加えて、組み込みビッグデータ機器116の1つ以上のプロセッサが、プロセス制御システムのデバイスによって遂行される非ビッグデータ命令または機能(制御アルゴリズム、データのルーティング、測定、ユーザーインターフェース管理等)を追加的に実行する。組み込みビッグデータ機器116のこれらのコンポーネント120、122、124、126の各々は、以下でより詳細に説明する。検討を簡単にするため、「特定デバイス110〜114」という用語は、一般に、プロセスプラント及びプロセス制御システムにおいて分散ビッグデータを支援するデバイス110〜114の1つ以上の各々を指す。
特定デバイス110〜114の組み込みビッグデータ記憶装置120は、高密度メモリ記憶技術(例えば、ソリッドステートドライブメモリ、半導体メモリ、光メモリ、分子メモリ、生体メモリ、または任意の他の好適な高密度メモリ技術)を利用した1つ以上の非一時的有形メモリ記憶装置を含む。ネットワーク100の他のノードまたはデバイス110〜114に対して、組み込みビッグデータ記憶装置120は、単一の、または一体化された論理データ記憶領域またはエンティティの外観を有し得、これは、ネットワーク100において特定デバイス110〜114とは異なるエンティティとしてアドレス指定できる場合と、そうできない場合とがある。典型的には、組み込みビッグデータ記憶装置120は、特定デバイス110〜114内に統合される。一実施形態では、組み込みビッグデータ記憶装置120は、一体型ファイアーウォールを含む。
特定デバイス110〜114に含まれる組み込みビッグデータ記憶装置120の構造は、一実施形態では、特定デバイス110〜114によって収集されたいずれか及び全てのプロセス制御システム及びプロセス制御プラント関連データを記憶することを支援する。組み込みビッグデータ記憶装置120に記憶される各エントリ、データ点、または観察は、例えば、データの識別の表示(例えば、デバイス、タグ、位置等)、データの内容(例えば、測定値、値等)、及びデータが収集、生成、作成、受信、または観察された時間を表示するタイムスタンプを含む。したがって、これらの入力事項、データ点、または観察は、本明細書で「時系列データ」と呼ばれる。このデータは、例えば拡張可能な記憶装置を支援するスキーマを含む共通フォーマットを使用して特定デバイス110〜114内の組み込みビッグデータ記憶装置120に記憶され、スキーマは、他の特定デバイス110〜114によって利用されるスキーマと同じであってもよく、そうでなくてもよい。
一実施形態では、スキーマは、各列に複数の観察を記憶すること、及び列中のデータをフィルタにかけるカスタムハッシュと共に列キーを使用することを含む。一実施形態では、ハッシュは、タイムスタンプ及びタグに基づく。一実施例では、ハッシュは、タイムスタンプの丸められた値であり、タグは、イベント、またはプロセス制御システムのエンティティ、またはプロセス制御システムに関連するエンティティに対応する。一実施形態では、各列または1群の列に対応するメタデータは、時系列データと一体的に、または時系列データから分離してのいずれかで、特定デバイス110〜114の組み込みビッグデータ記憶装置120内にも記憶される。例えば、メタデータは、スキーマのない方式で、時系列データから分離して記憶され得る。
組み込みビッグデータ記憶装置120に加えて、特定デバイス110〜114の組み込みビッグデータ機器116は、1つ以上の組み込みビッグデータ受信器122を含み、その各々は、特定デバイス110〜114によって収集されたデータを受信するように構成されている。一実施形態では、複数の組み込みビッグデータ受信器122(及び/または少なくとも1つの組み込みビッグデータ受信器122の複数のインスタンス)は、並行して動作して、特定デバイス110〜114によってローカルに収集されたデータを受信し得る。
プロバイダノードまたはプロバイダデバイス110によって分散ビッグデータとしてローカルに収集及び記憶され得るデータの例としては、例えば、測定データ、構成データ、バッチデータ、イベントデータ、及び/または連続データが挙げられ得る。例えば、構成、バッチレシピ、設定値、出力、速度、制御動作、診断、デバイスもしくは他のデバイスの健全性、アラーム、イベント及び/または変更に対応するデータ、ならびにそれらの診断データが収集され得る。データの他の例としては、プロセスモデル、統計、状況データ、ならびにネットワーク管理データ及びプラント管理データが挙げられ得る。
ユーザーインターフェースノードまたはユーザーインターフェースデバイス112によって例えば分散ビッグデータとしてローカルに収集及び記憶され得るデータの例としては、例えば、ユーザーログイン、ユーザークエリ、ユーザーによって捕捉されたデータ(例えば、カメラ、音声、または動画記録デバイスによって)、ユーザーコマンド、ファイルの作成、変更、または削除、ユーザーインターフェースノードまたはユーザーインターフェースデバイスの物理的または空間的位置、ユーザーインターフェースデバイス112によって遂行された診断または検査の結果、ならびにユーザーインターフェースノード112と相互に作用するユーザーによって開始されたか、またはそれに関する他の行為または活動、が挙げられ得る。
収集されたデータは、動的または静的データであり得る。収集されたデータは、例えば、データベースデータ、構成データ、バッチデータ、ストリーム配信データ、及び/または取引データを含み得る。一般的に言って、特定デバイス110〜114が生成、受信、または他の方法で観察するいかなるデータも、特定デバイス110〜114によるその生成、受信、または観察の時点の、対応するタイムスタンプまたは表示と共に収集され得る。
一実施形態では、デバイス110、112の各々(及び、任意追加的に、他のデバイス114のうちの少なくとも1つ)は、非可逆データ圧縮、データサブサンプリング、またはデータ収集目的用にノードを構成することを必要とせずに、リアルタイムデータを自動的に収集するように構成されている。したがって、プロセス制御ビッグデータシステム100のデバイス110、112(及び、任意追加的に、他のデバイス114のうちの少なくとも1つ)は、デバイスによって生成、作成、受信、または取得される全てのデータ(例えば、管理データ及び制御データならびに様々な他の種類のデータ)を、データが生成、作成、受信、または取得される速度で、自動的に収集し得る。
特定デバイス110〜114の組み込みビッグデータ機器116は、1つ以上の組み込みビッグデータ分析器124を含んでもよく、その各々は、組み込みビッグデータ記憶装置120に記憶されたデータについて、典型的にはユーザー入力を使用して学習分析を開始及び/または遂行することなく、学習分析を実行または遂行するように構成されている。一般に、学習分析は、監督下(例えば、ラベル付けされたデータから関係もしくはパターンを判定する)、準監督下(例えば、ラベル付けされていないデータ及びラベル付けされたデータのサブセットから関係もしくはパターンを判定する)、非監督下(例えば、ラベル付けされていないデータから関係もしくはパターンを判定する)、またはそれらの任意の組み合わせの下で行われ得る。一実施形態では、複数の組み込みビッグデータ分析器124(及び/または少なくとも1つの組み込みビッグデータ分析器124の複数のインスタンス)は、並列動作して、特定デバイス110〜114の組み込みビッグデータ記憶装置120に記憶されたデータを分析し得る。
一実施形態では、組み込みビッグデータ分析器124は、記憶されたデータに関して大規模データ分析(例えば、データマイニング、データディスカバリ等)を遂行して、新しい情報及び知識を発見、検知、または学習し得る。例えば、データマイニングは、一般に、大量のデータを検討して新しい、または以前知られていなかった興味深いデータまたはパターン(普通でないレコードまたは複数のデータレコード群等)を抽出するプロセスを伴う。組み込みビッグデータ分析器124はまた、記憶されたデータに関して大規模データ分析(例えば、機械学習分析、データモデリング、パターン認識、予測分析、相関分析等)を遂行して、記憶されたデータ内の暗黙の関係または推論を予測、計算、または識別し得る。例えば、組み込みデータ分析器124は、部分最小二乗(PLS)回帰、ランダムフォレスト、及び/または主成分分析(PCA)等の、任意の数のデータ学習アルゴリズム及び分類技術を利用し得る。大規模データ分析から(例えば、大規模データ分析の出力に基づいて)、特定デバイス110〜114の組み込みビッグデータ分析器124は、結果として生じる学習知識を作成または生成し得、これは、特定デバイス110〜114の組み込みビッグデータ記憶装置120に記憶または追加され得る。
さらに、特定デバイス110〜114の組み込みビッグデータ機器116は、1つ以上の組み込みビッグデータ要求サービサ126を含んでもよく、その各々は、例えば要求側エンティティまたはアプリケーションからの要求に応じて、組み込みビッグデータ記憶装置120に記憶されたローカルデータにアクセスするように構成されている。一実施形態では、特定デバイス110〜114の複数の組み込みビッグデータ要求サービサ126(及び/または少なくとも1つの組み込みビッグデータ要求サービサ126の複数のインスタンス)は、複数の要求側エンティティまたはアプリケーションからの複数の要求を並列で処理し得る。一実施形態では、特定デバイス110〜114の単一の組み込みビッグデータ要求サービサ126は、単一のエンティティもしくはアプリケーションからの複数の要求、またはアプリケーションの異なるインスタンスからの複数の要求等、複数の要求に対してサービスし得る。
図1を続けると、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100の様々な分散ビッグデータデバイス102への、及びそれからのパケットを送付するように構成されている、ネットワーク化された複数のコンピューティングデバイスまたはスイッチを備える。バックボーン105の複数のネットワーク化されたコンピューティングデバイスは、任意の数の無線及び/または有線リンクによって相互接続され得る。一実施形態では、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105は、1つ以上のファイアウォールデバイスを含む。
ビッグデータネットワークバックボーン105は、1つ以上の好適なルーティングプロトコル、例えば、インターネットプロトコル(IP)スイート(例えば、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)、TCP(伝送制御プロトコル)、イーサネット等)に含まれるプロトコル、または他の好適なルーティングプロトコルを支援し得る。典型的には、プロセスデータビッグデータネットワーク100に含まれる各デバイスまたはノード102は、バックボーン105によって支援されているルーティングプロトコル(複数可)の少なくとも1つのアプリケーション層(及び、一部のデバイスについては、追加的な層)を支援する。一実施形態では、各デバイスまたはノード102は、例えば一意的なネットワークアドレスによって、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100内で一意的に識別される。一実施形態では、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100の少なくとも一部分は、アドホックネットワークである。したがって、デバイス102の少なくとも一部は、ネットワークバックボーン105に(またはネットワーク100の別のノードに)アドホック方式で接続し得る。
図1を再度参照すると、一部の実施形態では、プロセス制御システムビッグデータプロセス制御ネットワーク例100は、ネットワーク100の分散ビッグデータデバイスまたは分散ビッグデータノード102から(例えば、ストリーム配信を介して、かつ/または他の何らかのプロトコルを介して)、ならびに中央集中型の方式でビッグデータを支援する他のビッグデータデバイスまたはビッグデータノード128(例えば、非分散または中央集中型のビッグデータデバイスまたはビッグデータノードであるデバイスまたはノード)から、収集されたデータ及び/または生成された学習知識を受信し記憶するように構成されている、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ装置または中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108を含む。プロセス制御システムビッグデータ機器108はまた、分散ビッグデータノード102から、及び中央集中型ビッグデータノード128から受信したいずれか、または全ての受信されたデータ及び学習知識をさらに分析するように構成され得る。したがって、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ装置または中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108は、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ記憶領域130、複数の中央集中型プロセス制御システムビッグデータ受信器132、複数の中央集中型プロセス制御システムビッグデータ分析器134、及び複数の中央集中型プロセス制御システムビッグデータ要求サービサ136を含み得る。中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108の中央集中型コンポーネント130、132、134、136の各々は、先に上記したような組み込みビッグデータ機器116の分散コンポーネント120、122、124、126に似ていてもよい。
一実施形態では、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108は、上記の米国出願第13/784,041号に記載のものに似ている。例えば、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ記憶領域130は、RAID(独立した複数のディスクの冗長性配列)記憶装置、クラウド記憶装置、またはデータバンクもしくはデータセンター記憶装置に好適な任意の他の好適なデータ記憶技術等の、複数の物理的データドライブまたは記憶装置エンティティを備え得る。さらに、複数の中央集中型プロセス制御システムビッグデータ受信器132の各々は、バックボーン105からデータパケットを受信し、データパケットを処理してそこに含まれる相当量のデータ及び/または学習知識を取得し、相当量のデータ及び/または学習知識を中央集中型プロセス制御システムビッグデータ記憶領域130に記憶するように構成され得る。一実施形態では、ネットワーク100内のt組み込みビッグデータ記憶装置120のうち1つ以上にデータ及び/または学習知識を記憶するために使用されるスキーマは、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ記憶領域130にデータ及び/または学習知識を記憶するためにも利用される。したがって、この実施形態では、データ及び/または学習知識が1つ以上の組み込みビッグデータ記憶装置120からバックボーン105越しに中央集中型プロセス制御システムビッグデータ記憶領域130に伝送されるとき、スキーマは、維持される。一実施形態では、分散ビッグデータデバイス102の少なくとも一部は、ストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)等のストリーム配信プロトコルを利用して、記憶されたデータ及び/または学習知識をデバイス102から中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108にネットワークバックボーン105を介してストリーム配信する。
中央集中型ビッグデータノードまたは中央集中型ビッグデータデバイス128に関しては、中央集中型ビッグデータノードまたは中央集中型ビッグデータデバイス128は、上記の米国出願第61/783,112号に記載のデバイスに似ていてもよい。例えば、中央集中型ビッグデータノードまたは中央集中型ビッグデータデバイス128は、各々、マルチコアプロセッサと、そのそれぞれのデバイス128によって生成、作成、受信、または観察されたデータを一時的に記憶またはキャッシュするように構成されているキャッシュメモリとを含む。中央集中型ビッグデータデバイス128のマルチコアプロセッサは、キャッシュされたデータが中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108で記憶されるために伝送されるように構成されている。
さらに、一部の実施形態では、プロセス制御システムビッグデータプロセス制御ネットワークの例100は、いかなるビッグデータ支援も含まないレガシーまたは先行技術のプロセス制御デバイス(図示せず)を含み得る。これらの実施形態では、プラント10のゲートウェイノードは、ビッグデータバックボーン105によって利用されるプロトコルと、レガシーまたは先行技術のデバイスが通信可能に接続され、通信ネットワークによって利用される異なるプロトコルとの間で、データメッセージを変換し得る。
プロセスプラントまたはプロセス制御環境内の分散ビッグデータプロバイダデバイスの例110を図示する詳細ブロック図が、図2に示されている。分散ビッグデータプロバイダデバイスの例110は、「DBD」という参照記号を使用して図2に表示され、それぞれの組み込みビッグデータ機器116がそこに含まれることを意味している。デバイス110が図1のプロセスプラントまたはプロセス制御システム10を参照して検討される一方で、分散ビッグデータプロバイダデバイスの例110は、他のプロセスプラントまたはプロセス制御システムの内部で、またはそれと共に使用されて、そこで分散ビッグデータを支援し得る。
上記のように、分散ビッグデータプロバイダデバイス110は、プロセスプラント環境10内のプロセスをリアルタイムで制御する機能を遂行するために使用されるプロセス制御データをローカルで自動的に生成し、かつ/または受信すること、また該データをローカルで記憶または履歴化することを主要機能とするデバイスを含み得る。例えば、プロセスコントローラ、フィールドデバイス、及びI/Oデバイスは、可能な分散ビッグデータプロバイダ110の例である。プロセスプラント環境10では、プロセスコントローラは、フィールドデバイスによってなされたプロセス測定値を示す信号を受信し、この情報を処理して制御ルーチンを実装し、有線または無線通信リンク越しに他のフィールドデバイスに送られてプラント10内のプロセスの動作を制御する制御信号を生成する。典型的には、少なくとも1つのフィールドデバイスは、物理的機能(例えば、弁の開け閉め、温度を上げるまたは下げる等)を遂行してプロセスの動作を制御し、一部の種類のフィールドデバイスは、I/Oデバイスを使用してコントローラと通信し得る。プロセスコントローラ、フィールドデバイス、及びI/Oデバイスは、有線であっても無線であってもよく、任意の数及び任意の組み合わせの有線及び無線のプロセスコントローラ、フィールドデバイス、及びI/Oデバイスは、その各々がビッグデータをローカルで収集、分析、及び記憶する、プロセス制御ビッグデータネットワーク100の分散ビッグデータノード110であってもよい。
例えば、図2は、プロセス制御ネットワークまたはプロセス制御プラント10のビッグデータをローカルで収集、分析、及び記憶する分散ビッグデータプロセスコントローラデバイス11を図示している。コントローラ11は、入力/出力(I/O)カード26及び28を介して有線フィールドデバイス15〜22に通信可能に接続され、無線ゲートウェイ35及びネットワークバックボーン105を介して無線フィールドデバイス40〜46に通信可能に接続される。(しかし、別の実施形態では、コントローラ11は、別の有線または無線通信リンクを使用すること等によって、バックボーン105以外の通信ネットワークを使用して無線ゲートウェイ35に通信可能に接続され得る。)図2では、コントローラ11は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100の分散ビッグデータプロバイダノード110であり(DBDラベルによって表わされているように)、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105に直接接続されている。
コントローラ11は、例として、Emerson Process Managementによって販売されるDeltaV(商標)コントローラであってもよく、フィールドデバイス15〜22及び40〜46のうちの少なくとも一部を使用してバッチプロセスまたは連続プロセスを実装するように動作し得る。一実施形態では、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105に通信可能に接続されていることに加えて、コントローラ11は、例えば、標準的な4〜20mAデバイス、I/Oカード26、28、及び/またはFOUNDATION(登録商標)フィールドバスプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(登録商標)プロトコル等の任意のスマート通信プロトコルに関連付けられた任意の所望のハードウェア及びソフトウェアを使用して、フィールドデバイス15〜22及び40〜46のうちの少なくとも一部にも通信可能に接続され得る。一実施形態では、コントローラ11は、ビッグデータネットワークバックボーン105を使用して、フィールドデバイス15〜22及び40〜46のうちの少なくとも一部と通信可能に接続され得る。図2では、コントローラ11、フィールドデバイス15〜22、及びI/Oカード26、28は、有線デバイスであり、フィールドデバイス40〜46は、無線フィールドデバイスである。当然ながら、有線フィールドデバイス15〜22及び無線フィールドデバイス40〜46は、将来開発される標準またはプロトコルを含め、任意の有線または無線プロトコル等、任意の他の所望の標準(複数可)またはプロトコルに準拠し得る。
図2のプロセスコントローラデバイス11は、1つ以上のプロセス制御ルーチン(例えば、メモリ32に記憶されている)を実装または監督するプロセッサ30を含み、これは、制御ループを含み得る。プロセッサ30は、フィールドデバイス15〜22及び40〜46と、ならびにバックボーン105に通信可能に接続された他のノード(例えば、ノード110、112、114)と、通信するように構成されている。本明細書に記載の任意の制御ルーチンまたはモジュール(品質予測及び故障検出のモジュールまたは機能ブロックを含む)は、所望の場合にはその一部が異なるコントローラまたは他のデバイスによって実装または実行され得ることに留意されたい。同様に、プロセス制御システム10内に実装されるべき、本明細書に記載の制御ルーチンまたはモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア等を含め、任意の形態をとり得る。制御ルーチンは、オブジェクト指向プログラミング、ラダー論理、シーケンシャルファンクションチャート、機能ブロック図等を使用することによって、または任意の他のソフトウェアプログラミング言語もしくは設計パラダイムを使用することによって、任意の所望のソフトウェアフォーマットで実装され得る。制御ルーチンは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または読み取り専用メモリ(ROM)等の任意の所望の種類のメモリに記憶され得る。同様に、制御ルーチンは、例えば、1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他のハードウェアもしくはファームウェア要素にハードコードされ得る。したがって、コントローラ11は、任意の所望の方式で制御戦略または制御ルーチンを実装するように構成され得る。
一部の実施形態では、コントローラ11は、一般に機能ブロックと呼ばれるものを使用して制御戦略を実装し、各機能ブロックは、制御ルーチン全体のオブジェクトまたは他の部分(例えば、サブルーチン)であり、他の機能ブロックと共に動作して(リンクと呼ばれる通信を介して)、プロセス制御システム10内でプロセス制御ループを実装する。制御に基づく機能ブロックは、典型的には、入力機能(伝送器、センサ、または他のプロセスパラメータ測定デバイスに関連付けられているもの等)、制御機能(PID、ファジー論理等の制御を遂行する制御ルーチンと関連付けられているもの等)、または何らかのデバイス(弁等)の動作を制御する出力機能のうちの1つを遂行して、プロセス制御システム10内で何らかの物理的機能を遂行する。当然ながら、ハイブリッド及び他の種類の機能ブロックが存在する。機能ブロックは、コントローラ11内に記憶され、それによって実行され得(これは、典型的には、これらの機能ブロックが標準的な4〜20maデバイス、及びHARTデバイス等の一部の種類のスマートフィールドデバイスのために使用されるか、もしくはそれらに関連付けられる場合に該当する)、またはフィールドデバイス自体の内に記憶され、それによって実装され得る(これは、フィールドバスデバイスに該当し得る)。コントローラ11は、1つ以上の制御ループを実装し得る1つ以上の制御ルーチン38を含み得る。各制御ループは、典型的には、制御モジュールと呼ばれ、1つ以上の機能ブロックを実行することによって遂行され得る。
プロセスプラントまたはプロセスシステム10において分散ビッグデータを支援するプロバイダデバイス110の他の例は、図2に示されている有線フィールドデバイス15及び18〜20ならびにI/Oカード26である。したがって、有線フィールドデバイス15、18〜20、及びI/Oカード26の少なくとも一部は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100の分散ビッグデータノード102であり得る。追加として、図2は、有線中央集中型ビッグデータデバイス(例えば、図2で「CBD」という参照記号によって表示されている有線フィールドデバイス16、21、及びI/Oカード28)および有線レガシーデバイス(例えば、デバイス17及び22)がプロセスプラント内で有線分散ビッグデータデバイス15、18〜20、26と共に動作し得ることを証明している。有線フィールドデバイス15〜22は、センサ、弁、伝送器、位置決め具等の任意の種類のデバイスであってもよい一方で、I/Oカード26及び28は、任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに準拠する任意の種類のI/Oデバイスであってもよい。図2では、フィールドデバイス15〜18は、アナログ回線またはアナログデジタル混合回線越しにI/Oカード26に通信する標準的な4〜20mAデバイスまたはHARTデバイスである一方で、フィールドデバイス19〜22は、フィールドバス通信プロトコルを使用してデジタルバス越しにI/Oカード28に通信する、FOUNDATION(登録商標)フィールドバスフィールドデバイス等のスマートデバイスである。しかし、一部の実施形態では、ビッグデータ有線フィールドデバイス15、16、及び18〜21の少なくとも一部、ならびに/またはビッグデータI/Oカード26、28の少なくとも一部は、追加としてまたは代替として、ビッグデータネットワークバックボーン105を使用してコントローラ11と通信する。
図2に示されている無線フィールドデバイス40〜46には、プロセスプラントまたはプロセスシステム10において分散ビッグデータを支援する無線プロバイダデバイス110の例が含まれている(例えば、デバイス42a及び42b)。図2にはまた、無線中央集中型ビッグデータデバイスの例(例えば、デバイス44)及びレガシー無線デバイスの例(例えば、デバイス46)も含まれている。図2では、無線フィールドデバイス40〜46は、WirelessHARTプロトコル等の無線プロトコルを使用する無線ネットワーク70において通信を行っている。このような無線フィールドデバイス40〜46は、同様に無線によって(例えば、無線プロトコルを使用して)通信するように構成されている、プロセス制御ビッグデータネットワーク100の1つ以上の他のデバイスまたはノード(例えば、分散ビッグデータノード102、中央集中型ビッグデータノード128、または他のノード)と直接通信し得る。無線によって通信するように構成されていない1つ以上の他のノード(例えば、分散ビッグデータノード102、中央集中型ビッグデータノード128、または他のノード)と通信するために、無線フィールドデバイス40〜46は、バックボーン105または別のプロセス制御通信ネットワークに接続された無線ゲートウェイ35を利用し得る。分散ビッグデータを支援する任意の数の無線フィールドデバイスが、プロセスプラント10内で利用され得る。
一実施形態では、無線ゲートウェイ35は、プロセス制御プラントまたはプロセス制御システム10に含まれる分散ビッグデータプロバイダデバイス110である。無線ゲートウェイ35は、無線通信ネットワーク70の様々な無線デバイス40〜58にアクセスを提供し得る。特に、無線ゲートウェイ35は、無線デバイス40〜58、有線デバイス11〜28、及び/またはプロセス制御ビッグデータネットワーク100の他のノードもしくはデバイス(図2のコントローラ11を含む)間で通信カップリングを提供する。例えば、無線ゲートウェイ35は、ビッグデータネットワークバックボーン105を使用することによって、かつ/またはプロセスプラント10の1つ以上の他の通信ネットワークを使用することによって、通信カップリングを提供し得る。無線ゲートウェイ35は、分散ビッグデータ、中央集中型ビッグデータ、または分散ビッグデータ及び中央集中型ビッグデータの両方を支援してもよく、一部のプロセスプラントでは、無線ゲートウェイ35は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノード110である。
無線ゲートウェイ35は、一部の場合には、有線及び無線のプロトコルスタックの下位層へのルーティング、バッファリング、及びタイミングサービス(例えば、アドレス変換、ルーティング、パケット分割、優先順位付け等)によって通信カップリングを提供する一方で、有線及び無線のプロトコルスタックの共有層(複数可)をトンネリングする。他の場合には、無線ゲートウェイ35は、いかなるプロトコル層も共有しない無線プロトコルと無線プロトコルの間でコマンドを変換し得る。プロトコル及びコマンドの変換に加えて、無線ゲートウェイ35は、無線ネットワーク70で実装されている無線プロトコルに関連付けられたスケジュール作成スキームのタイムスロット及びスーパーフレーム(時間が等間隔の通信タイムスロットのセット)によって使用される同期クロックを提供し得る。さらに、無線ゲートウェイ35は、リソース管理、パフォーマンス調整、ネットワーク障害緩和、トラフィックの監視、セキュリティ等の、無線ネットワーク70のためのネットワーク管理及び運営管理機能を提供し得る。
有線フィールドデバイス15〜22と同様に、無線ネットワーク70の無線フィールドデバイス40〜46は、プロセスプラント10内で物理的制御機能(例えば、弁の開け閉めまたはプロセスパラメータを測定)を遂行し得る。しかしながら、無線フィールドデバイス40〜46は、ネットワーク70の無線プロトコルを使用して通信するように構成されている。したがって、無線フィールドデバイス40〜46、無線ゲートウェイ35、及び無線ネットワーク70の他の無線ノード52〜58は、無線通信パケットの生産者かつ消費者である。
一部のシナリオでは、無線ネットワーク70は、非無線デバイスを含み得る。例えば、図2のフィールドデバイス48は、レガシー4〜20mAデバイスであってもよく、フィールドデバイス50は、従来型の有線HARTデバイスであってもよい。ネットワーク70内で通信を行うために、フィールドデバイス48及び50は、無線アダプタ(WA)52aまたは52bを介して無線通信ネットワーク70に接続され得る。図2では、無線アダプタ52bは、無線プロトコルを使用して通信するレガシー無線アダプタであると示され、無線アダプタ52aは、分散ビッグデータを支援すると示され、したがって、ビッグデータネットワークバックボーン105に通信可能に接続されている。追加として、無線アダプタ52a、52bは、Foundation(登録商標)フィールドバス、PROFIBUS、DeviceNet等の他の通信プロトコルを支援し得る。さらに、無線ネットワーク70は、無線ゲートウェイ35と有線接続している別々の物理的デバイスであってもよく、または一体型デバイスとして無線ゲートウェイ35に設けられてもよい、1つ以上のネットワークアクセスポイント55a、55bを含み得る。図2では、ネットワークアクセスポイント55aは、分散ビッグデータデバイス110であると図示される一方で、ネットワークアクセスポイント55bは、レガシーアクセスポイントである。無線ネットワーク70は、無線通信ネットワーク70内のある無線デバイスから別の無線デバイスにパケットを転送する1つ以上のルータ58を含み得、その各々は、プロセス制御システム10において分散ビッグデータを支援してもよく、しなくてもよい。無線デバイス40〜46及び52〜58は、それらの無線デバイスが分散及び/または中央集中型ビッグデータデバイスである場合は、無線通信ネットワーク70の無線リンク60越しに、かつ/またはビッグデータネットワークバックボーン105を介して、相互間で、及び無線ゲートウェイ35との間で通信し得る。
したがって、図2は、プロセス制御システムの様々なネットワークに対して主にネットワークルーティング機能及び運営管理を提供する働きをする、分散ビッグデータプロバイダデバイス110の幾つかの例を含む。例えば、無線ゲートウェイ35、アクセスポイント55a、及びルータ58は、各々、無線通信ネットワーク70内で無線パケットのルーティングを行う機能を含んでいる。無線ゲートウェイ35は、無線ネットワーク70のトラフィック管理及び運営管理機能を遂行し、無線ネットワーク70と通信可能に接続する有線ネットワークを出入りするトラフィックをルーティングする。無線ネットワーク70は、プロセス制御メッセージ及び機能を特に支援する無線プロセス制御プロトコル(WirelessHART等)を利用し得る。図2に示されるように、無線ネットワーク70のデバイス35、55a、52a、42a、42b、及び58は、プロセス制御プラントまたはプロセス制御ネットワーク10において分散ビッグデータを支援するが、無線ネットワーク70の任意の数の任意の種類のノードがプロセスプラント10において分散ビッグデータを支援し得る。
ただし、プロセス制御ビッグデータネットワーク100の分散ビッグデータプロバイダデバイス110は、他の無線プロトコルを使用して通信する他のデバイスも含み得る。図2では、分散ビッグデータプロバイダデバイスまたは分散ビッグデータプロバイダノード110は、WiFiもしくは他のIEEE 802.11準拠の無線ローカルエリアネットワークプロトコル、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等のモバイル通信プロトコルもしくは他のITU−R(国際電気通信連合無線通信部門)互換プロトコル、近距離通信(NFC)及びBluetooth等の短波長無線通信、または他の無線通信プロトコル等、他の無線プロトコルを利用する1つ以上の無線アクセスポイント72を含む。典型的には、このような無線アクセスポイント72は、ハンドヘルドまたは他のポータブルコンピューティングデバイス(例えば、ユーザーインターフェースデバイス112)が、無線ネットワーク70とは異なるそれぞれの無線ネットワークであって、無線ネットワーク70とは異なる無線プロトコルを支援する無線ネットワーク越しに、通信を行うことを可能にする。一部のシナリオでは、可搬式コンピューティングデバイスに加えて、1つ以上のプロセス制御デバイス(例えば、コントローラ11、フィールドデバイス15〜22、または無線デバイス35、40〜58)も、アクセスポイント72によって支援されている無線プロトコルを使用して、通信し得る。一実施形態では、無線アクセスポイント72の少なくとも一部もまた、中央集中型ビッグデータを支援している。
図2では、プロセスプラントまたはプロセスシステム10において分散ビッグデータを支援するプロバイダデバイスまたはプロバイダノード110は、現下のプロセス制御システム10の外部にあるシステムへの1つ以上のゲートウェイ75、78を含む。典型的には、このようなシステムは、プロセス制御システム10によって生成または処理される情報の顧客または供給者である。例えば、プラントゲートウェイノード75は、現下のプロセスプラント10(それ自身のそれぞれのプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105を有する)を、それ自身のそれぞれのプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーンを有する別のプロセスプラントに通信可能に接続し得る。一実施形態では、単一のプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105は、複数のプロセスプラントまたはプロセス制御環境に対してサービスし得る。一実施形態では、ゲートウェイ75、78の少なくとも一部は、中央集中型ビッグデータも支援する。
また図2では、プロセスプラントまたはプロセスシステム10において分散ビッグデータを支援するプラントゲートウェイノード75は、現下のプロセスプラント10を、プロセス制御ビッグデータネットワーク100またはプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105を含まないレガシーまたは先行技術のプロセスプラントに通信可能に接続する。この実施例では、プラントゲートウェイノード75は、プラント10のプロセス制御ビッグデータバックボーン105によって利用されるプロトコルと、レガシーシステムによって利用される異なるプロトコル(例えば、イーサネット、Profibus、フィールドバス、DeviceNet等)との間でメッセージを変換し得る。
プロセスプラントまたはプロセスシステム10内の分散ビッグデータプロバイダデバイスまたは分散ビッグデータプロバイダノード110は、プロセス制御ビッグデータネットワーク100を実験室システム(例えば、実験室情報管理システム、すなわちLIMS)、オペレーター巡回データベース、マテリアルズハンドリングシステム、維持管理システム、製品在庫制御システム、生産スケジューリングシステム、気象データシステム、出荷手配システム、包装システム、インターネット、別のプロバイダのプロセス制御システム、または他の外部システム)等の外部の公共または専用システムのネットワークに通信可能に接続する、1つ以上の外部システムゲートウェイノード78を含み得る。
図2は有限数のフィールドデバイス15〜22及び40〜46を有する単一のコントローラ11を図示するだけであるが、これは、単に例示的かつ非限定的な実施形態である。プロセス制御ビッグデータネットワーク100のプロバイダデバイスまたはプロバイダノード110内には任意の数のコントローラ11が含まれ得、いずれのコントローラ11も、プラント10内のプロセスを制御するために任意の数の有線または無線フィールドデバイス15〜22、40〜46と通信し得る。さらに、プロセスプラント10はまた、任意の数の無線ゲートウェイ35、ルータ58、アクセスポイント55、無線プロセス制御通信ネットワーク70、アクセスポイント72、及び/またはゲートウェイ75、78を含み得る。さらに、図2は、中央集中型ビッグデータ機器108を含み得、これは、プロセスプラント10内のいずれかまたは全てのビッグデータデバイスCBD、DBDから収集されたデータ及び/または生成された学習知識を受信し、また記憶し得る。
図2に図示されラベル「DBD」によって示されている分散ビッグデータデバイスを全般的に参照すると、上記のように、該デバイスの各々は、それぞれの組み込みビッグデータ記憶装置120、それぞれの組み込みビッグデータ受信器122、それぞれの組み込みビッグデータ分析器124、及びそれぞれの組み込みビッグデータ要求サービサ126を含む、それぞれの組み込みビッグデータ機器116を含んでいる。したがって、各分散ビッグデータプロバイダデバイス110によって収集されるデータは、その組み込みビッグデータ受信器122によって受信され、その組み込みビッグデータ記憶装置120内に記憶され得る。さらに、各分散ビッグデータプロバイダデバイス110は、その組み込みビッグデータ分析器124を利用して、記憶されたデータを分析し、記憶されたデータ内の有意義なパターン、相関性、トレンド等を説明する学習知識を生成し得る。さらに、各分散ビッグデータプロバイダデバイス110は、その組み込みビッグデータ要求サービサ126を利用して、要求側エンティティまたはアプリケーションの要求に応じて、記憶されたデータにアクセスし得る。
図3は、図1のプロセスプラント10または他の好適なプロセスプラントもしくはプロセスシステム等の、プロセスプラントまたはプロセスシステムにおいて分散ビッグデータを支援するデバイス例300のブロック図を描いている。例えば、デバイス300は、図2に図示されている分散ビッグデータプロバイダノードまたは分散ビッグデータプロバイダデバイスDBDのうちの1つに似ている。例えば、デバイス300は、プロセスコントローラ(例えば、コントローラ11)、フィールドデバイス(例えば、フィールドデバイス15、18、19、20、42a、もしくは42bのうちの1つ)、I/Oデバイス(例えば、I/Oカード26)、またはネットワーキングもしくはネットワーク管理デバイス(例えば、無線ゲートウェイ35、ルータ58、アクセスポイント72)であってもよい。一実施形態では、デバイス300は、ユーザーインターフェースデバイス(例えば、図1の分散ビッグデータユーザーインターフェースノードもしくは分散ビッグデータユーザーインターフェースデバイス112のうちの1つ)であり、またはデバイス300は、別の種類のデバイス分散ビッグデータ114である。図3は、限定目的のためではなく検討を容易にするために、以下では図1及び2を参照して検討することに留意されたい。
分散ビッグデータデバイス300は、図1のプロセス制御システムビッグデータネットワーク100または他の好適なネットワーク等、プロセス制御システムにおいて分散ビッグデータを支援するネットワークのノードであってもよい。したがって、デバイス300は、バックボーン105等の、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーンに通信可能に連結され得る。例えば、デバイス300は、ネットワークインターフェース302を使用して、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105に接続される。一部のプロセスプラントでは、そこに含まれる1つ以上の分散ビッグデータデバイスは、スタンドアロンであってもよく、したがって、ビッグデータネットワークバックボーン105に接続されていない。
一実施形態では、デバイス300は、例えば制御ループの一環としてプロセスをリアルタイムで制御するように、プロセスプラントまたはプロセス制御システム10において動作する。例えば、デバイス300は、プロセス制御インターフェース305を使用してプロセス制御通信ネットワーク303に接続し、それを介してデバイス300は、プロセス制御システム10内のプロセスをリアルタイムで制御するように、他のデバイスに信号を伝送し、かつ/またはそこから信号を受信し得る。プロセス制御通信ネットワーク303は、有線もしくは無線通信ネットワーク(例えば、無線ネットワーク70、フィールドバスネットワーク、有線HARTネットワーク等)であってもよく、またはプロセス制御通信ネットワーク303は、有線及び無線の通信ネットワークの両方を含んでもよい。追加としてまたは代替として、デバイス300は、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105を使用して、例えばネットワークインターフェース302を介して、プロセスを制御する信号を伝送及び/または受信し得る。一実施形態では、ネットワークインターフェース302及びプロセス制御インターフェース305は、同じインターフェース(例えば、一体型インターフェース)であってもよい。
プロセス制御インターフェース305は、プロセスプラント10のプロセスまたはプロセスプラント10内で制御されているプロセスに対応するプロセス制御データを伝送及び/または受信するように構成されている。プロセス制御データとしては、測定データ(例えば、出力、速度等)、構成データ(例えば、設定値、構成変更等)、バッチデータ(例えば、バッチレシ、バッチ条件等)、イベントデータ(例えば、アラーム、プロセス制御イベント等)、連続データ(例えば、特定の値、動画フィード等)、計算されたデータ(例えば、内部状態、中間計算等)、診断データ、デバイス300または別のデバイスの健全性を示すデータ、及び/または他の種類のプロセス制御データが挙げられ得る。さらに、プロセス制御データとしては、例えば制御機能を遂行した結果として、デバイス300自体によって作成されるデータが挙げられる。
一実施形態では、分散ビッグデータデバイス300はプロセスコントローラであり、プロセス制御インターフェース305を使用してコントローラの構成を(例えば、ワークステーションから)取得し、かつ/またはコントローラに接続されたフィールドデバイスに伝送されたかもしくはそれから受信されたデータを取得して、プロセスをリアルタイムで制御する。例えば、コントローラは、無線HART弁位置決め具に接続され得、弁位置決め具は、弁の状態に対応するプロセス制御データを生成し、生成されたデータを、プロセス制御インターフェース305を介してコントローラに提供し得る。受信されたデータは、コントローラに記憶され得、かつ/または制御機能もしくは制御ループの少なくとも一部分を遂行するためにコントローラによって使用され得る。
別の実施形態では、分散ビッグデータデバイス300は、コントローラとフィールドデバイスとの間の接続を提供するI/Oデバイスである。この実施形態では、プロセス制御インターフェース305は、プロセス制御データをフィールドデバイスと交換するためのフィールドデバイスインターフェースと、プロセス制御データをコントローラと交換するためのコントローラインターフェースとを含む。フィールドデバイスインターフェースは、データがI/Oデバイスを介してフィールドデバイスに伝送され、フィールドデバイスからコントローラに受信され得るように、コントローラインターフェースに接続されている。
さらに別の実施形態では、分散ビッグデータデバイス300は、物理的機能を遂行してプロセスを制御するフィールドデバイスである。例えば、デバイス300は、現在測定されたフローに対応するプロセス制御データを、プロセス制御インターフェース305を介して測定及び取得し、測定されたフローに対応する信号をコントローラに送ってインターフェース305を介してプロセスを制御する流量計であってもよい。
上記の検討は、制御ループで動作するプロセス制御デバイスとして分散ビッグデータデバイス300に言及しているものの、上記の技術及び説明は、デバイス300がプロセス制御プラントまたはプロセス制御システム10に関連付けられた別の種類のデバイスである実施形態でも同様に当てはまる。一実施例では、分散ビッグデータデバイス300は、アクセスポイント72等のネットワーク管理デバイスである。ネットワーク管理デバイスは、インターフェース305を介してデータ(例えば、帯域、トラフィック、データの種類、ネットワーク構成、ログイン識別情報及び試行等)を観察し、生成されたデータを、ネットワークインターフェース302を介して、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105に取り次ぐ。さらに別の実施例では、デバイス300は、ユーザーまたはオペレーターがプロセス制御システムまたはプロセスプラント10と相互に作用できるように構成されている、分散ビッグデータユーザーインターフェースデバイス112(例えば、可動式デバイス、タブレット等)である。例えば、デバイス300内のインターフェース305は、ユーザーが構成、閲覧、スケジュール作成、監視等のプロセスプラント10内の活動を遂行できるようにする、WiFiまたはNFC通信リンクへのインターフェースであってもよい。ユーザーログイン、コマンド、及び応答は、インターフェース305を介して収集され、ネットワークインターフェース302を介してプロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105に伝送され得る。
インターフェース302、305に加えて、分散ビッグデータデバイス300は、メモリ310内に記憶されたコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成されているプロセッサ308、及び組み込みビッグデータ機器312を含む。プロセッサ308は、中央処理装置(CPU)等の処理要素を含む。一実施形態では、プロセッサ308は、単一の処理要素を有する。一実施形態では、プロセッサ308は、複数の計算を複数の処理要素にわたって割り当てることによって、複数のタスクまたは機能を同時に、または並列して遂行することができる複数の処理要素を有する。いずれにしても、プロセッサ308は、データ、例えばインターフェース305を通過するデータが、収集または捕捉されるようにし得る。例えば、プロセッサ308は、デバイス300によって直接生成されたか、デバイス300によって作成されたか、またはデバイス300で直接受信されたデータを収集し得る。プロセッサ308は、プロセスプラント10においてプロセスをリアルタイムで制御するようにデバイス300を動作させ得る(例えば、リアルタイムのプロセスデータを送り及び/または受信し、かつ/またはプロセスを制御する制御ルーチンを実装するために)。
デバイス300のメモリ310は、プロセッサ308によって実行可能である1組以上のコンピュータ読み取り可能またはコンピュータ実行可能な命令を記憶する。したがって、メモリ310は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な非一時的有形記憶媒体を含む。メモリ310は、1つ以上の半導体メモリ、磁気読み取り可能なメモリ、光読み取り可能なメモリ、分子メモリ、セルメモリとして実装され得、かつ/またはメモリ310は、任意の他の好適なコンピュータ読み取り可能な非一時的有形記憶媒体またはメモリ記憶技術を利用し得る。
デバイス300は、どのデータが収集されるべきかを先験的に識別または表示するいかなるユーザー提供情報も必要とすることなく、動的測定及び制御データならびに様々な他の種類のデータを収集し得る。すなわち、デバイス300の構成は、例えば、デバイス300の組み込みビッグデータ機器312における履歴化のためにデバイス300で収集されることになる測定及び制御データならびに様々な他の種類のデータのいずれの識別情報の表示も排除する。現在公知のプロセスプラントまたはプロセス制御システムでは、オペレーターまたはユーザーは、典型的に、どのデータを収集するか、または保存するかを特定することによって、かつ一部の実施形態では該データが収集または保存される回数または頻度を指定することによって、測定及び制御データを捕捉するようにプロセス制御デバイス(例えば、コントローラ)を構成しなければならない。収集対象データの識別情報(及び、任意選択で、回数/頻度)は、プロセス制御デバイスの構成に含まれる。対照的に、デバイス300は、収集することが望まれる測定及び制御データの識別情報ならびにその収集の回数/頻度と共に構成される必要はない。実際、一実施形態では、デバイス300によって直接生成され、かつ/またはそこで直接受信される全ての測定及び制御データならびに全ての他の種類のデータが自動的に収集される。
さらに、測定及び制御データならびに様々な他の種類のデータが分散ビッグデータデバイス300で収集され、かつ/またはそこから伝送される速度もまた、デバイス300内に構成される必要はない。すなわち、データが収集及び/または伝送される速度は、デバイス300の構成から排除される。その代わり、一実施形態では、デバイス300は、ローカルでの履歴化のために測定及び制御データならびに様々な他の種類のデータを自動的に収集し得る。
ここで分散ビッグデータデバイス300の組み込みビッグデータ機器312に目を転じると、組み込みビッグデータ機器312は、例えば、組み込みビッグデータ機器116であってもよい。したがって、図3の組み込みビッグデータ機器312は、組み込みビッグデータ記憶装置314、組み込みビッグデータ受信器316、組み込みビッグデータ分析器318、及び1組の組み込みビッグデータ要求サービサまたはサービス320a〜320cを含む。図3は1つの組み込みビッグデータ受信器316、1つの組み込みビッグデータ分析器318、及び3つの組み込みビッグデータ要求サービサ320a〜320cを図示しているものの、図3を参照して本明細書で検討される技術及び概念は、任意の数及び任意の種類の組み込みビッグデータ受信器316、ビッグデータ分析器318、及び/またはビッグデータ要求サービサ320に当てはまり得る。さらに、一部の実施形態では、組み込みビッグデータ機器312の少なくとも一部分は、プロセッサ308に統合されている。例えば、プロセッサ308は、信号処理及び学習を組み合わせたスマートチップであってもよく、コンポーネント314、316、318、及び320のうちのいずれかまたは全てに加えて1つ以上の処理要素を含み得る。さらに、一部の実施形態では、組み込みビッグデータ機器312の少なくとも一部分は、メモリ310に統合されている。例えば、メモリ310及びデータ記憶装置314の少なくとも一部分は、一体型の物理的ユニットであってもよい。
一般に、組み込みビッグデータ受信器316は、分散ビッグデータデバイス300によって収集されたデータを受信し、そのデータを組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶する。典型的には、組み込みビッグデータ受信器316を介して受信されるデータは、例えば、所望のスキーマを使用して組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶されるが、必ずしもそうとは限らない。デバイス300が動作中であるか、またはオンラインである場合、プロセッサ308は、メモリ310に記憶された命令を介して組み込みビッグデータ受信器316にアクセスし得る。分散ビッグデータデバイス300によって収集されるデータは、例えば、ビッグデータネットワークバックボーン105によって伝送もしくは受信されるデータ(例えば、ストリーム配信されるデータ)であってもよく、かつ/または他の有線及び/もしくは無線プロセス制御ネットワークを介して伝送もしくは受信されるデータであってもよい。一部の場合では、分散ビッグデータデバイス300によって分散されるによって収集されるデータは、デバイス300自体によって生成または作成される。
組み込みビッグデータ記憶装置314は、時系列データ314a及びメタデータ314bを含む全てのデータを分散ビッグデータデバイス300においてローカルで記憶及び履歴化する、一体化された論理データ記憶領域である。図3では、時系列データ314aは、対応するメタデータ314bから分離して記憶されるとして図示されているが、一部の実施形態では、メタデータ314bの少なくとも一部は、時系列データ314aと共に一体的に記憶され得る。一実施形態では、組み込みビッグデータ記憶装置314は、1つ以上のデータエントリを記憶する。したがって、各データエントリは、デバイス300によって収集または捕捉されたデータまたはデータ点の値、ならびにそのデータ値がデバイス300によって生成され、それによって作成され、そこで受信され、またはそれによって観察された瞬間のそれぞれのタイムスタンプまたは表示を含む。
組み込みビッグデータ記憶装置314はまた、デバイス構成データ、バッチレシピ、及び/または分散ビッグデータデバイス300がオフライン状態から出た後で動作を再開するために使用する他のデータも記憶し得る。例えば、デバイス300の構成がダウンロードもしくは変更される場合、または新たな、もしくは変更されたバッチレシピがダウンロードされる場合、対応するデータのスナップショットが組み込みビッグデータ受信器316を介して受信され、組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶される。このスナップショットは、再起動時、回復時、またはデバイス300がオフライン状態からオンライン状態に移行する任意の他の時点で使用され得る。したがって、デバイス300の状態変化後にダウンロードされるデータのワークステーションからデバイス300への転送に関連する通信バースト負荷または通信バーストスパイクは、減少または除去され得る。例えば、レシピ情報をコントローラに伝送するために長時間が必要とされる結果として発生するバッチ処理の遅延は、減少または除去され得る。加えて、スナップショット内の情報は、デバイス構成の変更を追跡するため、及び停電またはデバイス300をオフラインにし得る別のイベントの後でデバイス300の構成パラメータ及び/またはバッチレシピの完全な回復を支援するために使用することができる。
一実施形態では、分散ビッグデータデバイス300によって生成され、それによって作成され、そこで受信され、またはそれによって観察される全てのデータは、組み込みビッグデータ受信器316を介して組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶されるようにされる。例えば、全観察データのうちの少なくとも一部分は、組み込みビッグデータ記憶装置314に連続的に記憶される。
組み込みビッグデータ分析器318は、分散ビッグデータデバイス300において、組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶されたデータの少なくとも一部についてローカル計算またはデータ分析を遂行して、有意義なパターン、相関性、トレンド等を判定し、かつ一般に新たな知識を生成する。ローカル計算またはデータ分析は、例えば、分散ビッグデータデバイス300自体によって以前生成または作成された学習データ分析ルーチン、機能、またはアルゴリズムであってもよい。一部の場合では、計算またはデータ分析は、他のデバイスによって(別の分散ビッグデータデバイスによって、または中央集中型ビッグデータ機器によって等)生成または作成され、計算またはデータ分析は、分散ビッグデータデバイス300によって受信され、また分散ビッグデータデバイス300で記憶されてきた。
遂行された計算及び分析の結果として、組み込みビッグデータ分析器318は、新しい1組のデータ点または観察、データに関係する記述統計、データ内の相関性、データに関する新しい、もしくは修正されたモデル等の学習知識をもたらし得る。生成された学習知識は、デバイス300の側面に関する帰納的分析(例えば、診断もしくはトラブルシューティング)を提供し得、かつ/またはデバイス300に対応する先験的な予測(例えば、予知)を提供し得る。一実施形態では、組み込みビッグデータ分析器318は、組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶されたデータのうち選択されたサブセットについてデータマイニングを遂行し、そのマイニングされたデータについてパターン評価を遂行して、学習知識を生成する。一部の実施形態では、複数の組み込みビッグデータ分析器318またはそのインスタンスは、協働して学習知識を生成し得る。
得られた学習知識は、例えば、組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶されて(例えば、追加されて)もよく、かつ追加としてまたは代替として1つ以上のユーザーインターフェースデバイスで(分散ビッグデータユーザーインターフェース112またはレガシーユーザーインターフェースで等)提示され得る。一部の場合では、得られた学習知識は、デバイス300に以前知られていなかった追加的なデータを含む。例えば、追加的なデータとしては、新たに特定されたデータクラスタ、記憶されたデータ内に新たに発見された隠れ構造、以前知られていなかった記憶されたデータセット間の関係等が挙げられ得る。一部の場合では、得られた学習知識は、新たなもしくは修正されたアプリケーション、新たなもしくは修正された機能、新たなもしくは修正されたルーチン、新たなもしくは修正されたサービス等を含む。例えば、得られた学習知識は、新たなデータ例をマッピングするために使用され得る新たに作成された推定された機能であってもよい。
一実施形態では、得られた学習知識に基づいて、分散ビッグデータデバイス300は、プロセス制御システム10内のプロセスをリアルタイムで制御するように、その動作を修正し得る。例えば、分散ビッグデータデバイス300は、得られた学習知識に基づいてそのプロセスモデルを修正する。別の実施例では、分散ビッグデータデバイス300は、得られた学習知識に基づいてその自己診断ルーチンを更新する。分散ビッグデータデバイス300はまた、修正(例えば、更新されたプロセスモデルまたは自己診断ルーチン)の表示を、得られた学習知識と共に、組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶し得る。追加としてまたは代替として、分散ビッグデータデバイス300は、修正の表示を、得られた学習知識と共に、プロセス制御システム10内の別の分散ビッグデータデバイス及び/または中央集中型ビッグデータ機器108に伝送させ得る。その上、分散ビッグデータデバイス300は、分析機能、ルーチン、論理及び/またはアルゴリズムをアナリティックスコード(例えば、Rスクリプト、PythonスクリプトMatlab(登録商標)スクリプト等)の形態で記憶し得、これらは、得られた学習知識に基づいていてもよく、そうでなくてもよい。分散ビッグデータデバイス300は、記憶された論理及び/またはアルゴリズムを別の分散ビッグデータデバイスに伝送またはダウンロードさせ得る。別の分散ビッグデータデバイスは、次に、ダウンロードされた論理及び/またはアルゴリズムを使用した動作をローカルで実行し得る。追加としてまたは代替として、分散ビッグデータデバイス300は、記憶された論理及び/またはアルゴリズムをプロセス制御システム10の中央集中型ビッグデータ機器108に伝送させ得る。プロセッサ308は、メモリ310に記憶された命令を介して組み込みビッグデータ分析器318を実行し得る。一実施形態では、プロセッサ308は、組み込みビッグデータ記憶装置314にデータが収集及び記憶されたときはいつでも、組み込みビッグデータ分析器318を自動的に実行し得る。
1組の組み込みビッグデータ要求サービサまたはサービス320a〜320cは、各々、デバイス300上またはデバイス300に通信可能に接続された別のデバイス上で実行され得る要求側エンティティまたはアプリケーションの要求に応じて、時系列データ314a及び/またはメタデータ314bにアクセスするように構成されている。例えば、要求側エンティティは、組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶されたデータへのアクセスを要求するためにプロセッサ308によって実行されているデータ要求アプリケーションであってもよい。データ要求アプリケーションは、例えば、デバイス300のメモリ310にルーチンとして記憶され得る。データ要求アプリケーションの要求に基づいて、対応するデータは、組み込みビッグデータ記憶装置314から取り出され得、データ要求アプリケーションによって使用可能なデータ形態に変換及び/または統合され得る。一実施形態では、1つ以上の組み込みビッグデータ要求サービサ320は、要求されたデータの少なくとも一部について、データ取得及び/またはデータ変換を遂行し得る。その上、上記のように、組み込みビッグデータ要求サービサ320a〜320cのうちの少なくとも一部は、組み込みデータ分析器124であってもよい。例えば、組み込みビッグデータ要求サービサ320a〜320bのうちの1つは、相互相関分析を遂行し得、組み込みビッグデータ要求サービサ320a〜320bのうちの別の1つは、回帰分析を遂行し得る。
一実施形態では、組み込みビッグデータ要求サービサ320のうちの少なくとも一部は、各々、組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶されたデータのうちの少なくとも一部へのアクセスを要求する特定のサービスまたはアプリケーションを提供し得る。例えば、組み込みビッグデータ要求サービサ320aは、構成アプリケーションサービスであってもよく、組み込みビッグデータ要求サービサ320bは、診断アプリケーションサービスであってもよく、組み込みビッグデータ要求サービサ320cは先進制御アプリケーションサービスであってもよい。先進制御アプリケーションサービス320cとしては、例えば、モデル予測制御、バッチ及び連続データのアナリティックス、またはモデル構築及び他の目的のために履歴化したデータを必要とする他のアプリケーションが含まれ得る。他の組み込みビッグデータ要求サービサ320もまた、他のサービスまたはアプリケーション(例えば、通信サービス、運営管理サービス、設備管理サービス、計画サービス、及び他のサービス)を支援するために、組み込みビッグデータ機器312に含まれ得る。
一実施形態では、組み込みビッグデータ要求サービサ320のうちの少なくとも一部は、ストリーム配信サービスを支援し得る。例えば、組み込みビッグデータ要求サービサ320のうちの1つが、組み込みビッグデータ記憶装置314に記憶されたデータの少なくとも一部分を、他の分散ビッグデータデバイスに、プロセス制御システム10内の中央集中型ビッグデータ機器108に、かつ/またはアクセスアプリケーションに、ストリーム配信させ得る。一実施形態では、他の分散ビッグデータデバイス、中央集中型ビッグデータ機器108、またはアクセスアプリケーションは、記憶されたデータを分散ビッグデータデバイス300から供給するストリーム配信サービスの加入者である。例えば、デバイス300は、ストリーム配信サービスのホストである。
一実施形態では、組み込みビッグデータ要求サービサ320のうちの少なくとも一部は、ビッグデータ機器312によって分散ビッグデータデバイス300でホスティングされ、ビッグデータネットワーク100の他のノード(例えば、ユーザーインターフェースデバイス112またはプロバイダデバイス110)からアクセス可能なサービス(例えば、ウェブサービスまたは他のサービス)であってもよい。したがって、一実施形態では、分散ビッグデータデバイスまたは分散ビッグデータノード102のうちの少なくとも一部は、組み込みビッグデータ要求サービサ320に対応するウェブブラウザ、ウェブクライアントインターフェース、またはプラグインを支援するために、それぞれのウェブサーバを含み得る。例えば、ユーザーインターフェースデバイス112でホストされるブラウザまたはアプリケーションは、組み込みビッグデータ機器312に記憶されているデータまたはウェブページを供給し得る。
プロセス制御プラント及びプロセス制御システム内の分散ビッグデータデバイス300は、デバイス300によってローカルで観察されたデータ及び/または学習知識を、ローカル組み込みビッグデータ記憶装置314に履歴化させる。一部の場合では、ローカルで履歴化したデータ314は、ネットワークインターフェース302を使用して、プロセスプラントまたはシステム10内のプロセス制御システムビッグデータ機器108または別の中央集中型もしくは分散ビッグデータノードに伝送され得る。一実施形態では、履歴化したデータのデバイス300における記憶のために組み込みビッグデータ記憶装置314によって利用されるスキーマは、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108によって利用されるスキーマに含まれている。別の実施形態では、組み込みビッグデータ記憶装置314に履歴化されたデータは、デバイス300のローカルスキーマに従って記憶される。
一部の実施形態では、プロセス制御システムにおいて分散ビッグデータを支援するデバイス300は、プロセス制御ネットワークシステム10においてビッグデータの層別またはレベル別学習のために利用され得る。シナリオの例では、分散ビッグデータデバイス300は、その記憶したデータ及び/または学習知識を、1つ以上の他の中間分散ビッグデータデバイスまたは中間分散ビッグデータノードが受信したデータ及び/または学習知識を自身のローカルアナリティックスにおいて使用できるように、1つ以上の他の中間分散ビッグデータデバイスまたはノードに伝送する。
説明すると、図4は、プロセス制御システムにおいて分散ビッグデータデバイスを使用するビッグデータのレベル別または層別学習のためのより詳細な概念例及び技術例を図示するブロック図の例である。図4によって図示される技術の実施形態は、例えば、図3の分散ビッグデータデバイス300によって、もしくは他の好適なデバイスによって、及び/または図1のプロセス制御システムビッグデータネットワーク100において、もしくは他の好適なネットワークにおいて、利用され得る。しかし、検討を容易にするため、図4は、図1〜3の要素を参照して検討される。
図4は、プロセス制御システムにおける複数の分散ビッグデータデバイスの使用例を示している(例えば、図3の分散ビッグデータデバイス300の複数のインスタンス)。特に、図4は、ビッグデータに基づくレベル別または層別の記憶及び学習のための、このような分散ビッグデータデバイスの使用例を図示している。図4は、3つの例示的なレベル410〜430を示しており、レベル410は、3つの分散ビッグデータプロセス制御デバイス410a〜410cを有し、レベル420は、1つの分散ビッグデータプロセス制御デバイス420aを有し、レベル430は、2つの分散ビッグデータプロセス制御デバイス430a及び430bを有する。
図4に示されるように、分散ビッグデータプロセス制御デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bの各々は、図3に図示されるデバイス300のインスタンスであり、他のプロセス制御デバイスと協働して、プロセス制御システムまたはプロセス制御プラント内の1つ以上のプロセスを制御する。例えば、レベル410では、分散ビッグデータプロセス制御デバイス410a〜410cは、図4においてフィールドデバイスとして描かれ、その各々は、物理的機能を遂行して、プロセスまたはプロセスプラント10内で制御されるプロセスを制御するように構成されている。フィールドデバイス410a〜410cは、例えば、プロセスをリアルタイムで制御することに対応するプロセス制御データを受信及び/または生成する。レベル420では、分散ビッグデータプロセス制御デバイス420aは、フィールドデバイス410a〜410cによって生成されたプロセス制御データを受信し、そのプロセス制御データをコントローラ430aに転送し、かつコントローラ430aからのプロセス制御データをフィールドデバイス410a〜410cに転送するように構成されているI/Oデバイスとして描かれている。
レベル430では、分散ビッグデータプロセス制御デバイス430a及び430bは、プロセスコントローラとして描かれており、その各々は、それぞれの制御アルゴリズムによって、プロセス制御データを入力し、1つ以上の制御機能を実行し、出力(図示せず)を生成して、プロセスを制御するように構成されている。図4に示されているように、プロセスコントローラ430aは、プロセス制御データをI/Oデバイス420aから受信し、プロセス制御データをI/Oデバイス420aに送ると同様に、プロセスデータをプロセスコントローラ430bとやりとりし合うように構成されている。一部の実施形態では、I/Oデバイス420a及びコントローラ430a、430bは、各々、追加的なプロセス制御データを図4に図示されていない他のデバイスまたはノードに送るか、またはそれらから受信し得る。
分散ビッグデータプロセス制御デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bの構成例は、プロセス制御システムまたはプロセス制御プラント10における層別またはレベル別のビッグデータの記憶及び学習を支援している。図4では、分散ビッグデータプロセス制御デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bの各々は、「DBDx」とラベル付けされ、これは、それぞれのデバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bに含まれるそれぞれの組み込みビッグデータ機器(例えば、図3の組み込みビッグデータ機器312)に対応する。それぞれの組み込みビッグデータ機器DBDxは、図3の組み込みビッグデータ記憶装置314に対応し得る組み込みビッグデータ記憶装置MX、及び図3の組み込みビッグデータ分析器318に対応し得る組み込みビッグデータ分析器LXを含む。したがって、図4では、分散ビッグデータプロセス制御デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bの各々は、それぞれの組み込みビッグデータ記憶装置M1〜M6において、それぞれのデータを例えば上記のような方式で収集及び記憶する。
例えば、各デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bは、それぞれローカルデータが生成、作成、受信、または観察される速度でローカルデータを収集し、収集したローカルデータをそれぞれの組み込みビッグデータ記憶装置M1〜M6に、例えば履歴化したローカルビッグデータとして、記憶する。この分散ローカルビッグデータの収集及びアナリティックスは、プロセスプラント10内で発生する潜在的に有害な情況に関して、より適時のフィードバックを可能にする。例えば、1つのシナリオ例では、コントローラ430aは、一組のプロセス制御デバイス(例えば、フィールドデバイス410a〜410c及び任意追加的に他のデバイス)を、特定の製品を生産するプロセスプラントに含まれる制御ループの一環として制御する。制御ループにおけるイベントの特定の組み合わせは、製品が後に(例えば、イベントの組み合わせの発生から数時間後に)最終的に生成される場合、低い製品品質をもたらす。低い製品品質を数時間後に検出及び判定し、低い製品品質の根本原因を見極めようと障害追跡を行うのではなく(公知のプロセス制御システムで現在なされているように)、コントローラ430aは、その組み込みビッグデータ分析器L5を利用して、イベントの組み合わせによって生成されるプロセスデータを、それらの発生時にまたは発生後まもなく(例えば、イベントの組み合わせに対応するデータが組み込みビッグデータ記憶装置M5に伝送されるときに)、自動的に分析する。組み込みビッグデータ分析器L5は、これらのイベントの発生に基づいて低い製品品質を予測する学習知識を生成し得、かつ/またはイベントの組み合わせの効果を軽減するために、将来それらが発生した場合、1つ以上のパラメータまたはプロセスをリアルタイムで自動的に調節し得る。例えば、組み込みビッグデータ分析器L5は、改定設定値または改定パラメータ値を決定し、改定値をコントローラ430aに使用させて、制御ループをよりよく調整及び管理し得る
したがって、各デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bは、そのそれぞれの組み込みビッグデータ分析器L1〜L6を使用して、そのそれぞれの組み込みビッグデータ記憶装置M1〜M6に記憶されたデータを分析し、有意義なパターン、相関性、トレンド等(例えば、そのローカルビッグデータの分析の結果として各デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bによって、生成されるデータ)を決定する。学習されたパターン、相関性、トレンド等は、デバイスのそれぞれの組み込みビッグデータ記憶装置M1〜M6に、例えば学習データとして、記憶される。さらに、各デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bは、そのローカルビッグデータ(例えば、学習されたサービス、機能、またはアプリケーション)の分析から生成されるデータに基づいて、新たなサービス、機能、ルーチン、もしくはアプリケーションをローカルで決定もしくは定義(かつ/または既存のサービス、機能、ルーチン、もしくはアプリケーションを修正)し得る。各デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bで、ローカルで学習されるそれぞれの知識データ及び/または知識サービス、機能、及び/またはアプリケーションは、層別またはレベル別の学習におけるそれぞれのデバイス及び/または他のデバイスによる後の使用のために、そのそれぞれの組み込みビッグデータ記憶装置M1〜M6に追加または記憶される。本明細書で使用する場合、「学習知識」という用語は、一般に、ビッグデータの分析の結果として生成されるデータ、サービス、機能、ルーチン、及び/またはアプリケーションを指す。さらに、各分散ビッグデータデバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bは、そのローカルな学習知識を他の分散ビッグデバイスと、同じまたは異なるレベルで、共有し得る。
例えば、図4を参照すると、レベル410のフィールドデバイス410a〜410cの各々は、そのそれぞれの組み込みビッグデータ記憶装置M1〜M3に記憶されるべきローカルデータを収集し、ローカルで学習知識を生成するために、そのそれぞれの組み込みビッグデータ分析器L1〜L3を使用して、収集されたデータの部分または全部を分析する。実施例では、フィールドデバイス410aは、ボイラー火炎に関する火炎データを収集するボイラー用火炎センサであり、収集したデータを対応するタイムスタンプと共にその組み込みビッグデータ記憶装置M1内に記憶する。ひとたび収集すると、組み込みビッグデータ分析器L1は、火炎データを分析する1つ以上のアルゴリズムを実行して、経時的に発生する火炎パターンを認識する。組み込みビッグデータ分析器L1は、学習した火炎パターンを、M1に記憶されたビッグデータのローカル分析から学習した知識データ(例えば、追加的に学習したビッグデータ)として、組み込みビッグデータ記憶装置M1に保存する。
この実施例では、フィールドデバイス410aは、その組み込みビッグデータ記憶装置M1に記憶された学習知識のうちの少なくとも一部を、プロセス制御システムビッグデータネットワーク105を介してまたは別の通信ネットワークを介して等によって、I/Oデバイス420aに供給させる。図4に示されているように、I/Oデバイス420aは、フィールドデバイス410a〜410cとコントローラ430aとの間のネットワーク105の通信経路に配された中間デバイスまたは中間ノードの一例であり、例えば、I/Oデバイス420aは、フィールドデバイス410a〜410cの上流側に配され、コントローラ430aの下流側に配されている。
レベル420では、I/Oデバイス420aは、フィールドデバイス410aで生成され、そこから受信したあらゆる学習知識(ならびに、一部の実施形態では、他のフィールドデバイス410b、410c、及び/または他のデバイスで生成され、そこから受信した学習知識)を、I/Oデバイス420aが直接(例えば、ロ−カルで)生成及び受信する他のデータと共に、そのそれぞれの組み込みビッグデータ記憶装置M4に記憶する。I/Oデバイス420aはまた、そのそれぞれの組み込みビッグデータ分析器L4を使用して、フィールドデバイス410aから受信した学習知識と共に、他のデータに関する分析または学習を遂行し得る。例えば、上記の火炎センサの実施例を続けると、I/Oデバイス420aは、学習された火炎パターンをデバイス410aから受信し、それらをモデルとして使用して、I/Oデバイス420aに接続された他の火炎センサから受信される他の火炎データを分析する。別の実施例では、I/Oデバイス420aは、プロセス制御デバイス(図4では図示せず)の特定のバッチからのアラームデータトレンドに関する学習知識を経時的に蓄積する。I/Oデバイス420aは、組み込みビッグデータ分析器L4を利用して、学習した火炎パターンとアラームデータトレンドとの間に経時的に因果関係が存在するか判定するアルゴリズム(例えば、PCA)を実行し得る。一般に、I/Oデバイス420aは、ローカルで生成された全ての学習知識及び受信した、遠隔で生成された全ての学習知識を、その組み込みビッグデータ記憶装置M4に記憶する。
レベル430では、コントローラ430aは、他の分散ビッグデータデバイス(例えば、I/Oデバイス420a、下流側のフィールドデバイス410a〜410c、コントローラ430b)から受信した学習知識を、コントローラ430a自体が直接生成及び受信したデータ及び学習知識と共に、その組み込みビッグデータ記憶装置M5に記憶する。コントローラ430aは、その記憶したデータの少なくとも一部についてさらなる分析または学習を遂行して、追加的な学習知識(例えば、データパターン、トレンド、相関性等、サービス、機能、ルーチン、及び/またはアプリケーション)を生成し得る。コントローラ430aによって生成された追加的な学習知識は、その組み込みビッグデータ記憶装置M5に記憶される。
一実施形態では、ボトムアップで、すなわち下流側から上流側へ、層別またはレベル別学習が行われる。実施例では、フィールドデバイス410aは、その収集したデータを分析して、それが正確に動作しているか判定し、例えば、正確なデータを収集するためにフィールドデバイス410aが正確に較正されているか判定する。フィールドデバイス410aがその分析から知識を学習した結果として、フィールドデバイス410aは、フィールドデバイス410aが将来診断目的に使用することができる新たな診断ルーチン(例えば、学習されたルーチン)を生成し得る。生成された診断ルーチンは、フィールドデバイス410aのそれぞれの組み込みビッグデータ記憶装置、例えばM1に記憶され得る。フィールドデバイス410aは、生成された診断ルーチンを上流側のコントローラ430aに伝送し得る。例えば、フィールドデバイス410aは、新たな診断ルーチンを上流側コントローラ430aと共有すること(例えば、生成される都度自動的に、もしくは定期的に)を独立して開始し得、またはフィールドデバイス410aは、コントローラ430aがフィールドデバイス410aに対し1つ以上の種類の新たな学習知識を共有することを要求したときに新たな診断ルーチンを伝送させ得る。
一実施形態では、トップダウンで、すなわち上流側から下流側へ、層別またはレベル別学習が行われる。上記の実施例を続けながら説明すると、コントローラ430aは、受け取った診断ルーチンを(例えば、その分析器L5を使用することによって)分析し、診断ルーチンが有用またはコントローラによって制御されている他のフィールドデバイス(例えば、フィールドデバイス410b及び410c)に適用可能であるか判定し得る。したがって、コントローラ430aは、フィールドデバイス410b、410cが診断ルーチンをそれらそれぞれの診断目的に利用できるように、診断ルーチンを他のフィールドデバイス410b、410cに配布し得る。コントローラ430aは、診断ルーチンを下流側フィールドデバイス410b、410cと共有することを独立して開始し得、またはコントローラ430aは、新たな診断ルーチンをフィールドデバイス410aからの要求に応じて伝送させ得る。代替的または追加として、コントローラ430aは、コントローラに接続された全てのフィールドデバイスから受信した学習知識を集約して分析することによって、汎用診断ルーチンを生成し得る。このシナリオでは、コントローラ430aは、汎用診断ルーチンをコントローラに接続されたいずれかまたは全てのフィールドデバイスに配布する(例えば、生成される都度自動的に、または定期的に、特定のフィールドデバイスからの要求に応じて、コントローラ430aがフィールドデバイスから汎用診断がそのデバイスに有用であり得ることを示すデータを受信したとき、または何らかの他の理由により)。
一実施形態では、同じレベルの分散ビッグデータデバイス間で層別またはレベル別学習が行われる。上記の実施例を続けながら説明すると、コントローラ430aは、コントローラ430bが汎用診断ルーチンを利用し、かつ/またはコントローラ430bによって制御されているデバイスに配布できるように、汎用診断ルーチンをコントローラ430bに伝送する。同様に、コントローラ430aは、別の診断ルーチンをコントローラ430bから受信し得、フィールドデバイス410a〜410cが診断サービスを必要としているときはいつでも、このさらなる診断ルーチンをフィールドデバイス410a〜410cに配布し得る。当然ながら、他の種類の学習知識は、例えば、自動的に、要求に応じて、伝送側デバイスが受信側デバイスの学習知識に対するニーズを認識もしくは検出したことに基づいて、及び/または他のトリガーに基づいて、同じレベルのデバイス間で共有され得る。
一部の実施形態では、デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bのうち1つ以上は、それらのそれぞれの組み込みビッグデータ記憶装置M1〜M6に記憶されたそのローカルビッグデータの一部または全部(例えば、ローカルで生成/受信したデータ、ローカルで生成した学習知識、及び受信した、遠隔で生成された学習知識を含む)を、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ記憶領域130に供給及び/またはストリーム配信させる。例えば、デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bのうち1つ以上は、そのそれぞれの記憶したビッグデータのうちの少なくとも一部を1つ以上の中央集中型プロセス制御システムビッグデータ受信器132に伝送する(例えば、ネットワークバックボーン105を使用することによって)。一部の実施形態では、デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bのうち1つ以上は、そのローカルビッグデータの少なくとも一部を定期的な間隔で中央集中型プロセス制御システムビッグデータ記憶領域130にプッシュする。一部の実施形態では、デバイス410a〜410c、420a、430a、及び430bのうち1つ以上は、要求(例えば、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108からの)に応答して、そのローカルビッグデータの少なくとも一部分を提供する。
ひとたび中央集中型プロセス制御システムビッグデータ記憶領域130で受信及び記憶されると、1つ以上の中央集中型プロセス制御システムビッグデータ分析器134は、受信した学習知識を処理して、追加的な知識を生成し、プロセスプラント10内外の様々なエンティティ及びプロバイダ間の関係を判定し得る。一部の場合では、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108は、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ分析器134によって生成された知識及び関係を利用して、プラント10の1つ以上のプロセスを適宜制御する。一シナリオ例では、中央集中型プロセス制御システムデータ分析器134のうちの少なくとも一部は、プロセスプラント10に関連する潜在的なセキュリティ問題(ログインパターン、再試行、それらのそれぞれの位置の増加等)を監視し、かつ検出する。別のシナリオ例では、中央集中型プロセス制御ビッグデータ分析器134は、プロセスプラント10及び1つ以上の他のプロセスプラントにわたって集約されたデータを分析する。このようにして、中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108は、複数のプロセスプラントを所有または運転する企業が、地域、業界、または全社で学習した診断及び/または予知情報を収集し、共有することを可能にし得る。
したがって、ビッグデータ機器108は、学習知識をプロセスプラント10内で生成することができる最高レベルの分散データデバイスとみなされ得る。当然ながら、一部のプロセスプラントでは、ビッグデータ機器108は、別の分散ビッグデータデバイス並びに中央集中型ビッグデータデバイスとして同時に機能し得る。例えば、図2を参照すると、ビッグデータ機器108は、多数の分散ビッグデータデバイス15、18〜20、26、42a、42b、58のうちの1つであると同時に、中央集中型ビッグデータデバイス16、21、28、44のための中央集中型ビッグデータ機器108として機能する。
図4では、分散ビッグデータの記憶及び学習の3つのレベルまたは層のみが描かれている。しかしながら、図4に関連して検討される技術及び概念は、分散ビッグデータの記憶及び学習の任意の数のレベルに適用され得、各レベルは、任意の数の分散ビッグデータプロセス制御デバイスを有する。さらに、分散ビッグデータノード110は、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105を使用することによって、かつ/またはHART、WirelessHART、フィールドバス、DeviceNet、WiFi、イーサネット、もしくは他のプロトコル等の、別の通信ネットワーク及び/または他のプロトコルを使用することによって、学習知識を相互に通信し得る。
当然ながら、レベル別または層別のビッグデータの記憶及び学習が分散ビッグデータプロバイダデバイスまたは分散ビッグデータプロバイダノード110に関連して検討されてきた一方で、それらの概念及び技術は、プロセス制御プラント及びプロセス制御システムにおいて、分散ビッグデータユーザーインターフェースデバイスノード112にも、及び/または他の種類の分散ビッグデータデバイスもしくはノード114にも等しく適用され得る。一実施形態では、分散ビッグデータデバイスまたは分散ビッグデータノード102のサブセットは、中間ノードを使用することなく、レベル別または層別のビッグデータの記憶及び学習を遂行する。
図5は、分散ビッグデータデバイスをプロセスプラント及びプロセス制御システムで使用する方法例500の流れ図を図示している。方法500は、例えば、図3の分散ビッグデータデバイス300によって、図4に示されているレベル別または層別の記憶及び学習の技術と共に、図2の分散ビッグデータプロバイダノードまたは分散ビッグデータプロバイダデバイス110のうちの1つによって、及び/または図1のビッグデータネットワーク100の複数の分散ビッグデータデバイスまたは分散ビッグデータノード102と共に、遂行され得る。一実施形態では、方法500は、分散ビッグデータを支援する図1のビッグデータネットワーク100のノードによって実装される。限定目的のためではなく検討を容易にするため、方法500を図1〜4を同時に参照して説明する。
ブロック502では、プロセス制御プラントまたはプロセス制御ネットワークに対応するデータが収集され得る。例えば、プロセスプラントで実行されているプロセスのリアルタイムの動作及び制御からリアルタイムで生成されるデータは、分散ビッグデータデバイスDBDによって収集される。分散ビッグデータデバイスは、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のネットワークバックボーン105を介して等、プロセスプラントまたはプロセス制御システムの通信ネットワークに通信可能に連結され得る。分散ビッグデータデバイスは、フィールドデバイス、プロセスコントローラ、I/Oデバイス、つまりゲートウェイデバイス、アクセスポイント、ルーティングデバイス、ネットワーク管理デバイス、ユーザーインターフェースデバイス、ヒストリアンデバイス、またはプロセスプラントもしくはプロセスプラント内のプロセスと関連付けられた何らかの他の分散ビッグデータデバイス(例えば、図2に示されているデバイスDBDのいずれか、もしくは他の分散ビッグデータデバイス)等、プロセスプラント内のプロセスをリアルタイムで制御するように動作するプロセス制御デバイスであってもよい。分散ビッグデータデバイスで収集されるデータは、測定データ、イベントデータ、バッチデータ、計算されたデータ、構成データ、及び/または連続データを含み得る。一般に、収集されたデータは、典型的に、デバイスによって生成され、それによって作成され、そこで受信され、またはそれによって観察された全ての種類のデータを含む。例えば、分散ビッグデータデバイスは、データが観察されるそれぞれの速度でデータを収集し、かつ/または分散ビッグデータデバイスは、デバイスによって観察される全てのデータを収集する。データは、デバイスの構成に先験的に含まれているデータを識別することなく収集され得る。さらに、データは、デバイスによる生成の速度で、デバイスによる作成の速度、またはデバイスでの受信の速度で、この場合も速度をデバイスの構成に先験的に含めることを必要とすることなく、デバイスで収集され得る。
一実施形態では、分散ビッグデータデバイスで収集されたデータは、他の分散ビッグデータデバイスからのストリーム配信データまたは分散ビッグデータデバイス自体によって観察されたものを含み得る。一部の実施形態では、分散ビッグデータデバイスは、収集されたデータの少なくとも一部分をブロック502で伝送またはストリーム配信させ得る。例えば、収集されたデータは、分散ビッグデータデバイスから直ちにストリーム配信され、中央集中型ビッグデータ機器108で履歴化される。
ブロック504では、収集されたデータは、分散ビッグデータデバイスにおいて、組み込みビッグデータ装置116等の組み込みビッグデータ装置内に記憶され得る。例えば、データ及びそのそれぞれのタイムスタンプは、組み込みビッグデータ装置の組み込みビッグデータ記憶装置内にエントリとして記憶される。データの複数の値が経時的に取得される実施形態では(ブロック502)、各値は、そのそれぞれのタイムスタンプに沿って、組み込みビッグデータ記憶装置の同じエントリ内に、または異なるエントリ内に記憶される。
ブロック506では、例えば新たな知識、有意義な関係、パターン、相関性、トレンド等を学習、予測、または発見するために、記憶されたデータの一部分について1つ以上の学習分析が行われる。1つ以上の学習分析(例えば、組み込みデータ分析器124の1つ以上によって遂行されるような)は、上で検討したもの等の任意の数のデータディスカバリならびに/または学習アルゴリズム及び技術、例えば、部分最小二乗回帰、ランダムフォレスト、パターン認識、予測分析、相関分析、主成分分析、機械学習分析、データマイニング、データディスカバリ、または他の技術、を含み得る。一実施例では、組み込みビッグデータ機器116は、記憶されたデータのうちの少なくとも一部を分析してデータパターンを抽出し、次にデータパターンを評価して、知識を表わす興味深いパターンを興味深さの尺度に基づいて発見する。一部の場合では、組み込みビッグデータ機器116は、1つ以上のどの学習分析を使用するか決定し、記憶されたデータのどの部分(または、一部の場合では、全部)を1つ以上の学習分析が処理すべきか決定する。例えば、学習分析の決定は、学習分析の選択または導出を含む。したがって、学習分析の選択または導出は、例えば、記憶されたデータに関連付けられたそれぞれのタイムスタンプに基づいて、記憶されたデータ内に存在するオフセットまたは他の尺度に基づいて、記憶されたデータの発生元であるフィールドデバイスの種類に基づいて、記憶されたデータ内の特定の識別されたクラスタに基づいて等、記憶されたデータのうちの少なくとも一部分の1つ以上の特性に基づいてもよい。
ブロック508では、学習分析の結果を示す学習知識が、例えば、組み込みビッグデータ機器116によって作成または生成される。例えば、作成または生成された学習知識は学習されたデータ及び/または1つ以上の学習されたアプリケーション、機能、ルーチン、サービス、またはそれらの修正を含む。学習知識は、任意の数の予知、モデリング、診断、及び/またはトラブルシューティング目的にとって有用な新たな情報を(例えば、方法500を遂行するデバイスに、他の分散ビッグデータデバイスに、及び/または中央集中型プロセス制御システムビッグデータ機器108に)提供し得る。典型的には、学習知識は、組み込みビッグデータ装置116の組み込みビッグデータ記憶装置120にローカルで記憶されるか、または追加されるが、必ずしもそうとは限らない。
ブロック510では、学習知識(ブロック505)に基づいて、方法500は、プロセスプラントのプロセスの少なくとも一部分をリアルタイムで制御する分散ビッグデータデバイスの動作を修正することを含む。例えば、学習知識は、後にデバイスによって遂行される新たな診断の作成、またはデバイス内に実装される新たなプロセスモデルの作成をもたらし得る。追加としてまたは代替として、この方法は、例えば受信側の分散ビッグデータデバイスがそのそれぞれの学習分析で利用するように、学習知識の少なくとも一部を別の分散ビッグデータデバイスDBDに、かつ/または中央集中型ビッグデータ機器108に伝送させることを含む。一部の実施形態では、ブロック510または512のうち1つのみが、方法500に含まれている。他の実施形態では、ブロック510及びブロック512は、順番に実行されて、その結果、分散ビッグデータデバイスが先ず学習知識(ブロック510)に基づいてその動作を修正して次にその学習知識を他のビッグデータデバイス(ブロック512)に伝送するが、その逆を行ってもよい。方法500のさらに他の実施形態では、ブロック510及び512は、並列して実行される。
方法500は、任意追加的に、プロセスプラント内の他の分散ビッグデータデバイスDBDから、及び/または中央集中型ビッグデータ機器108から、追加的な学習知識(ブロック514)を受信することを含む。分散ビッグデータデバイスは、受信した学習知識を(例えば、その組み込み記憶装置120に)記憶し得(ブロック504)、追加的な学習知識及び記憶されたデータの少なくとも一部分について1つ以上の後続の学習分析(ブロック506)を遂行し得る。1つ以上の後続の学習分析の出力に基づいて、追加的な学習知識は、分散ビッグデータデバイスで作成、生成(ブロック508)、かつ任意追加的に記憶され得る。一部の状況では、新たに生成された学習知識に基づいて、分散データデバイスの1つ以上の動作が修正され(ブロック510)、かつ/または新たな学習知識の少なくとも一部が1つ以上の他のビッグデータデバイス(ブロック512)またはアプリケーションに伝送される。
本開示に記載の技術の実施形態は、任意の数の以下の態様を単独で、または組み合わせて含み得る。
1.プロセスプラントにおいて分散ビッグデータを支援するためのプロセス制御デバイスであって、プロセッサと、該プロセッサによって実行されるとき、プロセスの少なくとも一部分を制御するために使用されるプロセスデータを生成すること、またはプロセスの少なくとも一部分を制御するように、受信されたプロセスデータを処理すること、のうちの少なくとも1つによって、プロセスプラントによって実行されるプロセスの少なくとも一部分を該プロセス制御デバイスがリアルタイムで制御するように動作させる1組のコンピュータ実行可能な命令が記憶された1つ以上のコンピュータ読み取り可能な非一時的有形記憶媒体を備える、プロセス制御デバイス。したがって、生成されたプロセスデータ及び受信されたプロセスデータは、プロセスのリアルタイム制御から生成されるプロセスデータであり得る。プロセス制御デバイスは、プロセス制御デバイスの種類の表示であって、該種類は、フィールドデバイス、コントローラ、または該フィールドデバイスと該コントローラとの間に配され、それらに接続される入力/出力(I/O)デバイスのうちの1つに対応する、表示をさらに含む。さらに、プロセス制御デバイスは、生成されたプロセスデータ及び受信されたプロセスデータを記憶し、該記憶されたプロセスデータの少なくとも一部分について学習分析を遂行し、該学習分析の結果に基づいて学習知識を作成し、かつ該学習知識をプロセスプラント内の別のプロセス制御デバイスに伝送させるように構成されている、組み込みビッグデータ装置を含む。
2.記憶されたプロセスデータは、複数の種類のデータを含み、1組のの記憶されたプロセスデータの種類は、プロセスプラントによって実行されるプロセスを制御することに対応する連続データ、イベントデータ、測定データ、バッチデータ、計算されたデータ、及び構成データを含む、第1の態様に記載のプロセス制御デバイス。
3.組み込みビッグデータ装置は、記憶されたプロセスデータに基づいて学習分析を判定するようにさらに構成され、学習分析の判定は、学習分析の選択または導出のうちの少なくとも1つである、第1〜2の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
4.学習分析は、部分最小二乗回帰分析、ランダムフォレスト、パターン認識、予測分析、相関分析、主成分分析、データマイニング、またはデータディスカバリのうちの少なくとも1つを含む、第1〜3の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
5.組み込みビッグデータ装置は、別のビッグデータデバイスから別のデータ分析アルゴリズムを受信し、別のデータ分析アルゴリズムを実行するようにさらに構成されている、第1〜4の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
6.別のビッグデータデバイスは、プロセスプラントの別の分散データデバイスもしくは中央集中型ビッグデータデバイスのうちの1つであるか、または別のデータ分析は、Rスクリプト、Pythonスクリプト、もしくはMatlabスクリプトのうちの少なくとも1つを含むか、のうちの少なくとも1つである、第1〜5の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
7.プロセス制御デバイスは、学習知識に基づいて、プロセスプラントによって実行されるプロセスをリアルタイムで制御するように、プロセス制御デバイスの動作を修正し、かつ修正の表示を、学習知識と共に、別のプロセス制御デバイスに伝送させるようにさらに構成されている、第1〜6の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
8.修正は、更新されたプロセスモデルである、第1〜7の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
9.プロセス制御デバイスを有線通信ネットワークまたは無線通信ネットワークのうちの少なくとも1つに接続する1つ以上のインターフェースをさらに備える、第1〜8の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
10.1つ以上のインターフェースは、学習知識が別のプロセス制御デバイスに伝送される第1の通信ネットワークに連結された第1のインターフェースと、第1の通信ネットワークとは異なる第2の通信ネットワークに連結される第2のインターフェースであって、生成されたプロセスデータの伝送または受信されたプロセスデータの受信のうちの少なくとも1つのためにプロセス制御デバイスによって使用される、第2のインターフェースと、を含む、第1〜9の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
11.学習知識は、第1の学習知識であり、学習分析は、第1の学習分析であり、別のプロセス制御デバイスは、第1の他のプロセス制御デバイスであり、組み込みビッグデータ装置は、第1の他のプロセス制御デバイスによって作成されたか、または第2の他のプロセス制御デバイスによって作成された第2の学習知識を受信し、かつ、(i)受信された第2の学習知識に基づいて、プロセスをリアルタイムで制御するようにプロセス制御デバイスの動作を修正すること、または(2)記憶されたプロセスデータ及び受信された第2の学習知識のうちの少なくとも一部について第2の学習分析を遂行すること、のうちの少なくとも1つを行う、ようにさらに構成されている、第1〜10の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
12.学習知識は、プロセス制御デバイスにとって以前知られていなかった追加的データ、またはアプリケーション、サービス、ルーチン、もしくは機能のうちの少なくとも1つを含む、第1〜11の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイス。
13.プロセスプラントの通信ネットワークに通信可能に連結され、プロセスプラント内のプロセスをリアルタイムで制御するように動作するデバイスで、第1〜12の態様に記載がないか、または第1〜12の態様のうち1項以上に記載のデバイスを使用する、分散ビッグデータの支援方法。該方法は、該デバイスにおいてデータを収集することを含み、該収集されたデータは、(i)該デバイスによって生成されたデータ、(ii)該デバイスによって作成されたデータ、または(iii)該デバイスで受信されたデータ、のうちの少なくとも1つを含む。収集されたデータは、一般にプロセスのリアルタイムでの制御の結果であり、デバイスの種類は、フィールドデバイス、コントローラ、及び入力/出力(I/O)デバイスを含む1組のデバイスの種類に含まれる。方法は、デバイスの組み込みビッグデータ装置内に、収集されたデータを記憶することと、デバイスの組み込みビッグデータ装置によって、記憶されたデータの少なくとも一部分について学習分析を遂行することと、も含む。さらに、方法は、学習分析の結果を示す学習知識を生成することと、学習知識に基づいて、プロセスをリアルタイムで制御するように、デバイスの動作を修正することと、を含む。
14.デバイスにおいて該データを収集することは、デバイスによって生成された全てのデータを収集すること、デバイスによって作成された全てのデータを収集すること、またはデバイスによって受信された全てのデータを収集すること、のうちの少なくとも1つを含む、第1〜13の態様のいずれか一項に記載の方法。
15.デバイスにおいてデータを収集することは、デバイスによって生成されるデータを生成の速度で収集すること、デバイスによって作成される全てのデータを作成の速度で収集すること、またはデバイスによって受信される全てのデータを受信の速度で収集すること、のうちの少なくとも1つを含む、第1〜14の態様のいずれか一項に記載の方法。
16.デバイスにおいてデータを収集することは、連続データ、イベントデータ、測定データ、バッチデータ、計算されたデータ、及び構成データを含む1組のデータの種類に含まれる少なくとも1種類のデータをデバイスにおいて収集することを含む、第1〜15の態様のいずれか一項に記載の方法。
17.デバイスは、第1のデバイスであり、学習知識は、第1の学習知識であり、デバイスの動作は、第1の動作であり、方法は、第2のデバイスによって生成された第2の学習知識を第1のデバイスにおいて受信することと、第1のデバイスの組み込みビッグデータ装置によって、第2の学習知識及び記憶されたデータの少なくとも一部について、さらなる学習分析を遂行することと、第1のデバイスの組み込みビッグデータ装置によって、さらなる学習分析の結果を示すさらなる学習知識を生成することと、さらなる学習知識に基づいて、プロセスをリアルタイムで制御するように、デバイスの第1の動作または第2の操作を修正することと、をさらに含む、第1〜16の態様のいずれか一項に記載の方法。
18.第2のデバイスによって生成された第2の学習知識を受信することは、フィールドデバイス、コントローラ、I/Oデバイス、ユーザーインターフェースデバイス、ゲートウェイデバイス、アクセスポイント、ルーティングデバイス、ヒストリアンデバイス、またはネットワーク管理デバイスのうちの1つである別のデバイスによって生成された第2の学習知識を受信することを含む、第1〜17の態様のいずれか一項に記載の方法。
19.学習知識を別のデバイスに伝送させることをさらに含み、別のデバイスのデバイス種類は、1組のデバイスの種類に含まれる、第1〜18の態様のいずれか一項に記載の方法。
20.学習知識を生成することは、デバイスにとって以前知られていなかった追加的データ、新たなもしくは修正されたアプリケーション、新たなもしくは修正された機能、新たなもしくは修正されたルーチン、または新たなもしくは修正されたサービスのうちの少なくとも1つを生成することを含む、第1〜19の態様のいずれか一項に記載の方法。
21.学習分析を遂行することは、機械学習分析、予測分析、データマイニング、またはデータディスカバリのうちの少なくとも1つを遂行することを含む、第1〜20の態様のいずれか一項に記載の方法。
22.複数のノードを有し、該複数のノードのうちの少なくとも1つは、該プロセスプラントにおいて実行されるプロセスをリアルタイムで制御するように動作するプロセス制御デバイスであり、該複数のノードの各々は、該プロセスプラントにおいて実行される該プロセスの制御から発生するリアルタイムで生成されたデータを収集し、該収集されたデータを、該複数のノードの該各々に含まれる各組み込みビッグデータ装置にローカルで記憶し、かつ該複数のノードの該各々に含まれる該各組み込みビッグデータ装置を使用して、該ローカルに記憶されたデータの少なくとも一部分について各学習分析を遂行するように構成されている、通信ネットワークを備える、プロセスプラントにおいて分散ビッグデータを支援するためのシステム。該複数のノードに含まれる第1のノードは、該各学習分析の遂行の結果を示す学習知識を、該複数のノードに含まれる第2のノードに、該第2のノードによって遂行される1つ以上の学習分析における使用のために、伝送させるようにさらに構成されている。該システムは、第1〜21の態様に記載がないか、または1項以上に記載の方法を遂行するように構成され得、第1〜21の態様のいずれか一項に記載のプロセス制御デバイスを含み得る。
23.プロセス制御デバイスは、1組の入力を受信し、該1組の入力に基づいて出力の値を決定するように構成されているコントローラである、第1〜22の態様のいずれか一項に記載のシステム。該コントローラは、該出力をフィールドデバイスに伝送させて、プロセスプラントによって実行されるプロセスを制御するようにさらに構成され、該フィールドデバイスは、該コントローラの該出力に基づいて物理的機能を遂行して、プロセスプラントによって実行されるプロセスを制御するように構成されている。
24.通信ネットワークは、第1の通信ネットワークであり、コントローラは、1組の入力のうちの少なくとも1つの入力を第2の通信ネットワークへのインターフェースで受信すること、または該第2の通信ネットワークへの該インターフェースを介して、出力をフィールドデバイスに伝送させること、のうちの少なくとも1つを行うように構成されている、第1〜23の態様のいずれか一項に記載のシステム。
25.学習知識は、アプリケーション、機能、サービス、またはルーチンのうちの少なくとも1つを含む、第1〜24の態様のいずれか一項に記載のシステム。
26.各学習分析の遂行の結果は、ローカルに記憶されたデータの少なくとも一部分の特性に基づく予測を含む、第1〜25の態様のいずれか一項に記載のシステム。
27.各学習分析の遂行の結果は、第1のノードに以前知られていなかった追加的なデータを含む、第1〜26の態様のいずれか一項に記載のシステム。
28.学習知識は、第1の学習知識であり、第2のノードは、第1の学習知識を第1のノードから受信し、第2のノードに含まれるそれぞれの組み込みビッグデータ装置によって、第1の学習知識及び第2のノードでローカルに収集され記憶されたデータの少なくとも一部分について1つ以上の学習分析を遂行し、遂行された1つ以上の学習分析から第2の学習知識を生成し、かつ、第2のノードのそれぞれの組み込みビッグデータ装置において、第2の学習知識を記憶すること、第2の学習知識に基づいてプロセスを制御するように第2のノードの動作を修正すること、または第2の学習知識を複数のノードのうちの第3のノードに伝送させること、のうちの少なくとも1つを行う、ように構成されている、第1〜27の態様のいずれか一項に記載のシステム。
29.第3のノードは、第2の学習知識を第2のノードから受信し、第3のノードのそれぞれの組み込みビッグデータ装置によって、第2の学習知識及び第3のノードでローカルに収集され記憶されたデータの少なくとも一部分について1つ以上の学習分析を遂行し、遂行された1つ以上の学習分析から第3の学習知識を生成し、かつ、第3のノードのそれぞれの組み込みビッグデータ装置において第3の学習知識を記憶すること、第3の学習知識に基づいてプロセスを制御するように第3のノードの動作を修正すること、または第3の学習知識を複数のノードのうちの第4のノードに伝送させること、のうちの少なくとも1つを行う、ように構成されている、第1〜28の態様のいずれか一項に記載のシステム。
30.複数のノードは、1組の入力を受信し、該1組の入力に基づいて出力の値を決定し、該出力を第1のフィールドデバイスに伝送させて、プロセスプラントによって実行されるプロセスを制御するように構成されているコントローラと、該コントローラの該出力に基づいて物理的機能を遂行してプロセスを制御するように構成されているフィールドデバイスと、該コントローラへのインターフェース及び少なくとも1つのフィールドデバイスへのインターフェースを備える入力/出力(I/O)デバイスと、ユーザーインターフェースデバイスと、ゲートウェイデバイスと、アクセスポイントと、ルーティングデバイスと、ヒストリアンデバイスと、ネットワーク管理デバイスと、を含む1組のデバイスからの少なくとも2つのデバイスを含む、第1〜29の態様のいずれか一項に記載のシステム。
ソフトウェアで実装される場合、本明細書に記載のいずれのアプリケーション、サービス、及びエンジンも、磁気ディスク、レーザーディスク、ソリッドステートメモリデバイス、分子メモリ記憶デバイス、もしくは他の記憶媒体上に、コンピュータもしくはプロセッサのRAMもしくはROM内に等、任意のコンピュータ読み取り可能な非一時的有形メモリに記憶され得る。本明細書で開示されたシステム例は、他のコンポーネントのなかでもハードウェア上で実行されるソフトウェア及び/またはファームウェアを含むとして開示されているものの、このようなシステムは単に例示的なものであり、限定的にみなされるべきではないことに留意されたい。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアのコンポーネントのいずれかまたは全ては、専らハードウェアで、専らソフトウェアで、またはハードウェアとソフトウェアとの任意の組み合わせで、具現化され得ることが企図されている。したがって、本明細書に記載のシステム例は、1つ以上のコンピュータデバイスのプロセッサ上で実行されるソフトウェアで実装されるとして説明されているものの、当業者は、提供された実施例がこのようなシステムを実装する唯一の方法ではないことを容易に理解するであろう。
したがって、本発明は、単に例示的となること及び本発明を限定しないことを意図する特定の実施例を参照して説明されてきたものの、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく開示された実施形態に対して変更、追加、または削除を行うことができることは、当業者には自明であろう。