JP6783029B2 - 研修におけるユーザ同士の議論内容を分析する装置、プログラム及び方法 - Google Patents
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Description
研修では、例えば複数のユーザ同士で、意見を交換し合いながら、課題の解決に向かって創造的に議論することが求められる。
このとき、研修を管理する指導者は、議論の進行を適切に誘導する必要があるが、ユーザ同士の議論を観察し続けることは難しい。そのために、ICT(Information and Communication Technology)を用いて、研修の議論内容を自動的に分析する技術が求められる。
これに対し、本願の発明者らは、指導者のアドバイスを必要とすることなく、研修におけるユーザ同士で、議論内容を適切な方向へ改善することはできないか、と考えた。
議論内容の複数の資料に基づく論点それぞれに、複数の言葉テキストを含む言葉リストを予め設定した言葉リスト設定手段と、
所定時間帯毎に、発話データから、各論点の言葉テキストと一致した発言テキストを検出する発言テキスト検出手段と、
所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎に発言したユーザを表す要素とを配列状に並べて、各セルに発言テキストの検出を表す検出文字を印した発言テーブルを作成する発言テーブル作成手段と、
発言テーブルに基づく議論分析情報を、時間経過に応じて更新しながら表示する議論分析表示手段と
を有することを特徴とする。
発言テーブル作成手段について、発言テーブルは、所定時間帯の経過を表す列(又は行)と、各論点を上位に且つ論点毎に複数のユーザを下位として表す行(又は列)とからなることも好ましい。
発言テーブル作成手段について、発言テーブルは、所定時間帯の経過を表す列(又は行)と、各ユーザを上位に且つユーザ毎に発言した論点を下位として表す行(又は列)とからなることも好ましい。
発言テーブル作成手段は、検出文字として、検出を表すマーク、又は、検出された発言テキストを印すことも好ましい。
言葉リスト設定手段は、各論点の言葉テキストの中で、重要言葉テキストを設定しており、
発言テーブル作成手段は、重要言葉テキストに基づく検出文字を、視覚的に強調して表示することも好ましい。
発言テキスト検出手段は、発話時刻を当該発言テキストに紐付けており、発話時刻の時間間隔が所定時間以内となる発言テキスト同士を、連続した発言フローとしてまとめ、
発言テーブル作成手段は、発言フローに含まれる複数の発言テキストが一連であると認識できるように表示することも好ましい。
発言テーブル作成手段は、発言フローに含まれる複数の発言テキストを、時系列に矢印で結んで表示することも好ましい。
議論分析表示手段は、議論分析情報として、発言テーブルを、時間経過に応じて更新しながら表示することも好ましい。
発言テーブルを用いて、所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎の発言テキスト数を表す要素とを2次元に並べて、時間帯毎に、各論点の発言テキスト数を棒状に表示した累積発言グラフを作成する累積発言グラフ作成手段を更に有し、
議論分析表示手段は、議論分析情報として、累積発言グラフを、時間経過に応じて更新しながら表示することも好ましい。
発言テーブルを用いて、第1のユーザを表す第1のオブジェクトと、第2のユーザを表す第2のオブジェクトとの間に同調リンクを表示すると共に、論点毎に、第1のユーザの発言テキストと第2のユーザの発言テキストとが連続して検出された回数に基づいて、同調リンクの太さ、形状又は色彩が視覚的に変化するように表示した同調発言グラフを作成する同調発言グラフ作成手段を更に有し、
議論分析表示手段は、議論分析情報として、同調発言グラフを、時間経過に応じて更新しながら表示することも好ましい。
各ユーザを要素とするレーダチャートであって、論点毎に、各ユーザの発話データから検出された発言テキストの検出数を頂点とするレーダチャートを作成するレーダチャート作成手段を更に有し、
議論分析表示手段は、議論分析情報として、レーダチャートを、時間経過に応じて更新しながら表示することも好ましい。
議論分析表示手段は、
議論可能な残存時間を計時しており、
異なる種類の議論分析情報を入力し、残存時間に応じて、いずれか1つの議論分析情報を表示することも好ましい。
発言テーブルを用いて、所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎の発言テキスト数を表す要素とを2次元に並べて、時間帯毎に、各論点の発言テキスト数を棒状に表示した累積発言グラフを作成する累積発言グラフ作成手段と、
発言テーブルを用いて、第1のユーザを表す第1のオブジェクトと、第2のユーザを表す第2のオブジェクトとの間に同調リンクを表示すると共に、論点毎に、第1のユーザの発言テキストと第2のユーザの発言テキストとが連続して検出された回数に基づいて、同調リンクの太さ、形状又は色彩が視覚的に変化するように表示した同調発言グラフを作成する同調発言グラフ作成手段と、
各ユーザを要素とするレーダチャートであって、論点毎に、各ユーザの発話データから検出された発言テキストの検出数を頂点とするレーダチャートを作成するレーダチャート作成手段とを更に有し、
議論分析表示手段は、
議論可能な残存時間が所定閾値以上長い場合、議論分析情報として、発言テーブル又は累積発言グラフを表示し、
議論可能な残存時間が所定閾値よりも短い場合、議論分析情報として、同調発言グラフ又はレーダチャートを表示することも好ましい。
発言テーブルを用いて、所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎の発言テキスト数を表す要素とを2次元に並べて、時間帯毎に、各論点の発言テキスト数を棒状に表示した累積発言グラフを作成する累積発言グラフ作成手段と、
発言テーブルを用いて、第1のユーザを表す第1のオブジェクトと、第2のユーザを表す第2のオブジェクトとの間に同調リンクを表示すると共に、論点毎に、第1のユーザの発言テキストと第2のユーザの発言テキストとが連続して検出された回数に基づいて、同調リンクの太さ、形状又は色彩が視覚的に変化するように表示した同調発言グラフを作成する同調発言グラフ作成手段と、
各ユーザを要素とするレーダチャートであって、論点毎に、各ユーザの発話データから検出された発言テキストの検出数を頂点とするレーダチャートを作成するレーダチャート作成手段とを更に有し、
議論分析表示手段は、
全ての論点における発言テキスト総数が所定閾値以下である場合、議論分析情報として、発言テーブル又は累積発言グラフを表示し、
全ての論点における発言テキスト総数が所定閾値よりも多い場合、議論分析情報として、同調発言グラフ又はレーダチャートを表示することも好ましい。
発言テーブルを用いて、発言テキストの検出数が所定条件以下となった論点について、議論分析情報の表示と共に又は議論分析情報の表示に代えて、当該論点に基づく言葉リストに含まれるいずれかの言葉テキストを、議論の提案情報としてユーザに表示する提案情報表示手段を
更に有することも好ましい。
提案情報表示手段は、論点毎に、議論の進行経過時間に応じた基準累積数と、全てのユーザの発言テキスト累積数との関係が所定条件となった時に、提案情報を表示する
ことも好ましい。
言葉リスト設定手段は、言葉テキストに、異なる種類の想起情報として、
言葉テキストの類義語、
言葉テキストに共起する共起語、及び/又は、
言葉テキストに基づく想起画像
を対応付けて設定しており、
提案情報表示手段は、言葉テキスト自体、又は、想起情報のいずれかを、議論の提案情報として表示する
ことも好ましい。
提案情報表示手段は、
言葉テキスト、類義語、共起語又は想起画像のいずれかを適宜選択して送信し、
提案情報を送信した後、所定時間T経過後に、類義語、共起語及び想起画像それぞれについて、論点毎の発言テキストの増加数Δwを記録し、
増加数Δwが最も大きい、言葉テキスト、類義語、共起語又は想起画像のいずれかを選択して送信することも好ましい。
提案情報表示手段は、
議論可能な残存時間が所定閾値よりも短い場合、言葉テキストを表示し、
議論可能な残存時間が長くなるほど、残存時間の段階的な閾値に応じて、類義語->共起語->想起画像の順に表示することも好ましい。
議論内容の複数の資料に基づく論点それぞれに、複数の言葉テキストを含む言葉リストを予め設定した言葉リスト設定手段と、
所定時間帯毎に、発話データから、各論点の言葉テキストと一致した発言テキストを検出する発言テキスト検出手段と、
所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎に発言したユーザを表す要素とを配列状に並べて、各セルに発言テキストの検出を表す検出文字を印した発言テーブルを作成する発言テーブル作成手段と、
発言テーブルに基づく議論分析情報を、時間経過に応じて更新しながら表示する議論分析表示手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
装置は、議論内容の複数の資料に基づく論点それぞれに、複数の言葉テキストを含む言葉リストを予め設定した言葉リスト設定部を有し、
装置は、
所定時間帯毎に、発話データから、各論点の言葉テキストと一致した発言テキストを検出する第1のステップと、
所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎に発言したユーザを表す要素とを配列状に並べて、各セルに発言テキストの検出を表す検出文字を印した発言テーブルを作成する第2のステップと、
発言テーブルに基づく議論分析情報を、時間経過に応じて更新しながら表示する第3のステップと
を実行することを特徴とする。
この議論分析情報をユーザに表示することによって、指導者のアドバイスを必要とすることなく、議論内容の分析結果を「見える化」することによって、ユーザ同士で議論内容を適切な方向へ改善することができる。
ユーザ端末2は、各ユーザによって保持又は装着されるマイク装置であって、具体的には、当該ユーザからの発話データを収録するスマートフォンのようなものである。ユーザ端末2は、連続する所定の音声区間毎に発話データを収録し、その発話データを議論分析装置1へ逐次送信する。
アクセスポイントは、ユーザ端末2と議論分析装置1と間の通信を中継するものであって、複数のユーザ端末2を無線LANやBluetooth(登録商標)等によって接続する。
これら機能構成部は、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。また、これら機能構成部の処理の流れは、装置の議論分析方法としても認識できる。
発話データ受信部18は、ユーザ端末2から、ユーザIDを含む発話データを受信する。発話データが音声信号である場合、議論分析装置1は、その音声信号を音声認識によってテキスト化し、そのテキストを発言テキスト検出部11へ出力する。
勿論、ユーザ端末2によって、ユーザ発話の音声信号が音声認識でテキストに変換されていれば、発話データはテキストとなる。この場合、議論分析装置1は、音声認識処理をすることなく、受信した発話データとしてのテキストをそのまま、発言テキスト検出部11へ出力する。
言葉リスト設定部10は、複数の論点それぞれに、複数の言葉テキストを含む「言葉リスト」を予め設定したものである。
ここで、「論点」とは、オペレータや指導者が、その議論の中で期待する要素であって、例えば「議論内容に基づく資料」であってもよいし、又は、「ユーザの言葉使いに基づく発言態度」であってもよい。
また、「言葉テキスト」とは、論点毎に発話が期待される言葉として、予め設定されたものである。これら言葉テキストは、事前のエキスパート活動の中で、その論点について経験的に選択されたテキストである。
論点「資料A」は、「家庭」に基づくものであって、「妻」「子供」「プライバシ」などが言葉テキストとして設定されている。
論点「資料B」は、「仕事」に基づくものであって、「上司」「部下」「同僚」などが言葉テキストとして設定されている。
論点「資料C」は、「趣味」に基づくものであって、「生きがい」「生涯」「逃避」などが言葉テキストとして設定されている。
「指導」的態度の場合、議論内容のレベルを高める説明、提案、認知、可能、論理などの特性の言葉が発話される。
「調整」的態度の場合、議論を進行させる状況説明、発言促進、進行などの特性の言葉が発話される。
「協力」的態度の場合、議論を盛り上げる賛同、質問、疑問、率直な意見などの特性の言葉が発話される。
「非協力」的態度の場合、議論を妨げる終息、否定、怠惰などの特性の言葉が発話される。
論点「発言態度B」は、「調整」に基づくものであって、「ではないか」「どう考える」「そして」などが言葉テキストとして設定されている。
論点「発言態度C」は、「協力」に基づくものであって、「教えて」「なぜ」「気がする」などが言葉テキストとして設定されている。
論点「発言態度D」は、「非協力」に基づくものであって、「もういい」「あきた」「つまらない」などが言葉テキストとして設定されている。
発言テキスト検出部11は、所定時間帯(例えば30秒程度)毎に、発話データから、各論点の言葉テキストと一致した発言テキストを検出する。各ユーザが発言する毎に、発言テキスト検出部11は、言葉リスト設定部10を参照し、一致する発言テキストを検出していく。
ユーザ2:子供
ユーザ3:子供
ユーザ1:家族
ユーザ2:運動会
ユーザ3:妻
ユーザ1:逃避
・・・・・
ユーザ2:できる
ユーザ3:教えて
ユーザ1:まったく
ユーザ2:すべき
ユーザ3:と思う
ユーザ1:もういい
・・・・・
発言テーブル作成部12は、発言テーブルを作成し、その発言テーブルを、議論分析表示部13へ出力する。
「発言テーブル」とは、所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎に発言したユーザを表す要素とを配列状に並べたものである。そして、各セルに発言テキストの検出を表す検出文字が印される。
発言テーブル作成部12は、検出文字として、検出を表す「マーク」(後述する図5〜7参照)、又は、検出された「発言テキスト」(後述する図8〜11参照)を印す。
図5によれば、議論が7分経過した時点における発言テーブルが表されている。各論点を上位で区切った行とすることによって、論点毎の発言状況を一見して認識させることができる。
各セルに、検出文字とした●のみを印すことによって、ユーザは、発言した言葉自体を読む必要がない。また、議論の中で、必要な発言が少ない論点や、論点毎に必要な発言が少ないユーザを、一見して認識させることができる。
これによって、議論の中で、必要な発言が少ないユーザや、ユーザ毎に必要な発言が少ない論点を、一見して認識させることができる。
これよって、議論全体における発言態度や、特定の発言態度に影響を与えているユーザを、一見して認識させることができる。図7によれば、ユーザ2及びユーザ3が、「非協力」的な発言態度であることが認識できる。
また、重要度が多段階であれば、色文字などを使用してもよい。この場合、重要な順に、赤字、橙字、緑字としてもよいし、(1)(2)(3)のように重要度を印すものであってもよい。
これによって、研修におけるユーザ同士に、重要言葉テキストに基づく議論がなされているかどうかを、一見して認識させることができる。
これを用いて、図10によれば、発言テキスト検出部11は、発話間隔が所定時間(例えば10秒)以内となる発言テキスト同士を、連続した発言フローとしてまとめる。逆に、所定時間を超えた発言テキスト同士は、議論に連続性が無いと判定する。
図11によれば、発言テーブル作成部12は、図10の発言フローに含まれる各議論内容の複数の発言テキストを、時系列に矢印で結んで表示する。矢印で結ぶことによって、発言フローの中で、発言順序を認識させることができる。具体的には、1つの論点について議論が進行した一連の発言テキストや、別の論点に移行するきっかけとなった発言テキストを認識させることができる。
累積発言グラフ作成部14は、発言テーブルを用いてグラフ状に構成し、その累積発言グラフを議論分析表示部13へ出力する。
発言テーブルの場合、検出文字の全体的な分布を見る必要があるが、図12によれば、時間帯の経過に沿って、どの論点がどの程度発言されているか、を一見して認識させることができる。
図12によれば、全体的に資料Aについての議論が多く、中盤は資料Cについての議論が多いことが認識される。一方で、全体的に資料Bについての議論は少ないことが認識される。
同調発言グラフ作成部15は、同調発言グラフを作成し、その同調発言グラフを議論分析表示部13へ出力する。
「同調発言グラフ」は、発言テーブルを用いて、第1のユーザを表す第1のオブジェクトと、第2のユーザを表す第2のオブジェクトとの間に同調リンクを表示する。
「同調リンク」とは、論点毎に、第1のユーザの発言テキストと第2のユーザの発言テキストとが連続して検出された回数に基づいて、同調リンクの太さ、形状又は色彩が視覚的に変化するように表示したものである。
円のオブジェクトの面積は、そのユーザの発話の中で検出された言葉テキストの数に応じて大きくなっている。
同調リンクの太さは、ユーザ同士の間で発言テキストが連続した数(ユーザ1の発言テキストの後、ユーザ2の発言テキストが検出された場合、ユーザ1とユーザ2との間を1増分)に応じて太くなっている。
例えば、同調発言グラフを見たユーザ1は自ら、発言の行き来が少ないユーザ3との間で、意見を交換しようと試みることができる。異なる意見を持つユーザの存在を認識させることもできる。
また、発言の行き来が多いユーザ1とユーザ2との間であっても、特定の論点のみで意見を交換している場合、その発言の偏りを認識させることができる。その場合、ユーザ1及び2同士は、他の論点で意見を交換することを試み、多様性のある議論をすることができる。
レーダチャート作成部16は、発言テーブルを用いて、各ユーザを要素とするレーダチャートを作成し、そのレーダチャートを議論分析表示部13へ出力する。
「レーダチャート」は、論点毎に、各ユーザの発話データから検出された発言テキストの検出数を頂点とする。
尚、研修の中で、複数のグループに分かれている場合、他のグループのレーザチャートも並べて相対的に表示することも好ましい。そのグループ同士で意識して議論を活性化させることができる。
議論分析表示部13は、発言テーブルに基づく議論分析情報を、時間経過に応じて更新しながら表示する。
「議論分析情報」としては、発言テーブルそのものであってもよいし、累積発言グラフ、同調発言グラフ、レーザチャートのいずれかであってもよい。
これら議論分析情報は、ユーザ端末2へ送信され、ユーザが視認するディスプレイに表示可能なものであってもよい。ユーザ同士で自ら、議論分析情報を見ることによって、主体的に議論を改善することを期待することができる。
具体的には、議論の中で、ユーザ同士が活発に発言しているにも拘わらず、発言テーブルの各セルが検出文字で埋まっていかない場合、議論内容が、オペレータや指導者に沿った適切なものではないと認識させることができる。
また、発言テーブルにおける各セルの検出文字が、特定の論点に偏って表示される場合、議論内容が、多様性を持っていないと認識させることができる。
<議論可能な残存時間に基づく議論分析情報の選択>
<発言テキスト総数に基づく議論分析情報の選択>
議論分析表示部13は、議論可能な残存時間を計時している。具体的には、議論の開始時に、ユーザ又はオペレータによって議論時間を設定し、経過時間に応じて減時していく。
そして、議論分析表示部13は、異なる種類の議論分析情報(発言テーブル、累積発言グラフ、同調発言グラフ、レーダチャート)を入力し、残存時間に応じて、いずれか1つの議論分析情報を選択する。具体的には、例えば以下のように議論分析情報を選択する。
「議論可能な残存時間が所定閾値以上長い場合」:
議論分析情報として、発言テーブル又は累積発言グラフを表示する。
「議論可能な残存時間が所定閾値よりも短い場合」:
議論分析情報として、同調発言グラフ又はレーダチャートを表示する。
議論可能な残存時間が短いほど、時間経過の経緯に関係なく、現在までの議論内容を直感的に認識させる議論分析情報を選択する。
議論分析表示部13は、全ての論点における発言テキスト総数を計数している。具体的には、例えば以下のように議論分析情報を選択する。
「発言テキスト総数が所定閾値以下である場合」:
議論分析情報として、発言テーブル又は累積発言グラフを表示する。
「発言テキスト総数が所定閾値よりも多い場合」:
議論分析情報として、同調発言グラフ又はレーダチャートを表示する。
発言テキスト総数が多くなるほど、直感的に認識しにくくなるので、時間経過の経緯に関係なく、現在までの議論内容に基づく議論分析情報を選択する。
議論分析情報を表示しても、ユーザ同士で自ら、議論内容を改善することが難しい場合もある。そのために、議論が活発でない論点について、まだ発言されていない言葉テキストに基づく提案情報を、ユーザ端末2へ表示する。
言葉テキストの類義語、
言葉テキストに共起する共起語
言葉テキストに基づく想起画像
そして、提案情報表示部17は、以下の4通りの提案情報を、ユーザに表示することができる。
<言葉テキスト自体の提案情報>
<言葉テキストの類義語の提案情報>
<言葉テキストに共起する共起語の提案情報>
<言葉テキストに基づく想起画像の提案情報>
議論が活発でない論点について、まだ発言されていない言葉テキストそのものを、提案情報としてユーザ端末2へ表示する。ユーザ同士で、議論が必要な論点について直接的に認識させることができる。
尚、前述した図9のように、重要言葉テキストが設定されている場合、その重要言葉テキストを優先的に表示することが好ましい。
前述したように言葉テキストそのものをユーザに表示すると、論点に対して直接的すぎて、議論を深めさせることができない場合がある。
そこで、言葉テキスト毎に、シソーラス辞書から抽出した類義語を予め設定しておく。そして、議論が活発でない論点について、まだ発言されていない言葉テキストに対応する類義語をユーザに表示し、議論内容を概念的に広く想起させる。
言葉テキスト毎に、コーパスから取得した共起確率の高い共起語を予め設定しておく。共起語は、課題の関連図書や文献、又はWebサイトによって公開された文章中から抽出されたものであってもよし、例えば「共起語検索ツール」を用いて抽出することもできる(例えば非特許文献1参照)。
そして、議論が活発でない論点について、まだ発言されていない言葉テキストに対応する共起語をユーザに表示し、議論内容を概念的に広く想起させる。
言葉テキスト毎に、当該言葉テキストを想起させる想起画像を予め設定しておく。想起画像は、WebサイトのURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。
論点「家庭」の言葉テキスト「家族」に対しては、例えば家族を想起する画像を設定しておく。
このとき、論点「家庭」「仕事」「趣味」の意味合いを横断的に含む画像であってもよい。例えば「残業して帰宅した夫を待つ妻子」の画像や、「休日に趣味に講じる家族」のような画像であってもよい。
そして、議論が活発でない論点について、まだ発言されていない言葉テキストを想起させる画像やURLをユーザに表示し、議論内容を概念的に広く想起させる。
ここで、「所定条件」とは、基本的には、発言テキスト累積数が基準累積数よりも少なくなった時である。
「基準累積数」とは、論点毎に、例えば過去の経験値から予め設定されたものである。言葉テキストの基準累積数は、議論の時間進行に応じて増加状況(増加関数)を表す。その増加状況は、単純な線形増加に限られず、非線形増加であってもよい。尚、基準累積数の増加状況は、関数化されることが好ましい。
そのために、議論分析装置1におけるプッシュ的な情報送信機能として、例えば、JavaScript(登録商標)のWeb Notification APIや、Google(登録商標)のFirebase Notification(登録商標)、Apple(登録商標)のPush Notificationなどを用いることが好ましい。これらのAPI(Application Programming Interface)に対応したアプリケーションを、ユーザ端末2にインストールしておくことによって、サーバプッシュを実現することができる。
そこで、他の実施形態として、例えば以下のように、言葉テキスト、類義語、共起語又は想起画像のいずれかを選択して送信するものであってもよい。
<発言テキストの増加数Δwに基づく提案情報の選択>
<議論可能な残存時間に基づく提案情報の選択>
提案情報表示部17は、学習段階として、言葉テキスト、類義語、共起語又は想起画像のいずれかを適宜選択して送信する。ここでは、ランダムに選択して送信するものであってもよい。
提案情報を送信した後、所定時間T経過後に、類義語、共起語及び想起画像それぞれについて、論点毎の発言テキストの増加数Δw(増加の傾き)を記録する。
その後、増加数Δwが統計的に最も大きい、言葉テキスト、類義語、共起語又は想起画像のいずれかを選択して送信する。
例えば、ある論点については、提案情報として想起画像を送信した方が、その後の発言テキストの増加数Δwが多くなる場合、提案情報表示部17は、想起画像を提案情報として送信するようになる。
一般に、研修は、異なる受講生となるユーザ群に対して、同じ課題で過去に何度も提供されている。これら過去のデータによって学習することによって、論点毎に、できる限り効果的な提案情報を選択することができる。
提案情報表示部17は、議論可能な残存時間に応じて提案情報を選択する。
議論可能な残存時間が所定閾値よりも短い場合、言葉テキストを表示する。
議論可能な残存時間が長くなるほど、残存時間の段階的な閾値に応じて、類義語->共起語->想起画像の順に表示する。
一方で、議論可能な残存時間が長いほど、ユーザ同士で意見を主張し合うためにも、論点に対する言葉テキストを直ぐに想起しにくい提案情報を表示する。
この議論分析情報をユーザに表示することによって、指導者のアドバイスを必要とすることなく、議論内容の分析結果を「見える化」することによって、ユーザ同士で議論内容を適切な方向へ改善することができる。
10 言葉リスト設定部
11 発言テキスト検出部
12 発言テーブル作成部
13 議論分析表示部
14 累積発言グラフ作成部
15 同調発言グラフ作成部
16 レーダチャート作成部
17 提案情報表示部
18 発話データ受信部
2 ユーザ端末
Claims (21)
- 各ユーザが所持する複数のユーザ端末から、複数の資料に基づいて議論された発話データを収集し、各資料について予め期待された議論内容の論点に応じた分析結果を表示する議論分析装置において、
議論内容の複数の資料に基づく論点それぞれに、複数の言葉テキストを含む言葉リストを予め設定した言葉リスト設定手段と、
所定時間帯毎に、前記発話データから、各論点の言葉テキストと一致した発言テキストを検出する発言テキスト検出手段と、
所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎に発言したユーザを表す要素とを配列状に並べて、各セルに発言テキストの検出を表す検出文字を印した発言テーブルを作成する発言テーブル作成手段と、
前記発言テーブルに基づく議論分析情報を、時間経過に応じて更新しながら表示する議論分析表示手段と
を有することを特徴とする議論分析装置。 - 前記発言テーブル作成手段について、前記発言テーブルは、所定時間帯の経過を表す列(又は行)と、各論点を上位に且つ論点毎に複数のユーザを下位として表す行(又は列)とからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の議論分析装置。 - 前記発言テーブル作成手段について、前記発言テーブルは、所定時間帯の経過を表す列(又は行)と、各ユーザを上位に且つユーザ毎に発言した論点を下位として表す行(又は列)とからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の議論分析装置。 - 前記発言テーブル作成手段は、前記検出文字として、検出を表すマーク、又は、検出された発言テキストを印す
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 前記言葉リスト設定手段は、各論点の言葉テキストの中で、重要言葉テキストを設定しており、
前記発言テーブル作成手段は、重要言葉テキストに基づく検出文字を、視覚的に強調して表示する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 前記発言テキスト検出手段は、発話時刻を当該発言テキストに紐付けており、発話時刻の時間間隔が所定時間以内となる発言テキスト同士を、連続した発言フローとしてまとめ、
前記発言テーブル作成手段は、前記発言フローに含まれる複数の発言テキストが一連であると認識できるように表示する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 前記発言テーブル作成手段は、発言フローに含まれる複数の発言テキストを、時系列に矢印で結んで表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の議論分析装置。 - 前記議論分析表示手段は、前記議論分析情報として、前記発言テーブルを、時間経過に応じて更新しながら表示する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 前記発言テーブルを用いて、所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎の発言テキスト数を表す要素とを2次元に並べて、時間帯毎に、各論点の発言テキスト数を棒状に表示した累積発言グラフを作成する累積発言グラフ作成手段を更に有し、
前記議論分析表示手段は、前記議論分析情報として、前記累積発言グラフを、時間経過に応じて更新しながら表示する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 前記発言テーブルを用いて、第1のユーザを表す第1のオブジェクトと、第2のユーザを表す第2のオブジェクトとの間に同調リンクを表示すると共に、論点毎に、第1のユーザの発言テキストと第2のユーザの発言テキストとが連続して検出された回数に基づいて、前記同調リンクの太さ、形状又は色彩が視覚的に変化するように表示した同調発言グラフを作成する同調発言グラフ作成手段を更に有し、
前記議論分析表示手段は、前記議論分析情報として、前記同調発言グラフを、時間経過に応じて更新しながら表示する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 各ユーザを要素とするレーダチャートであって、論点毎に、各ユーザの発話データから検出された発言テキストの検出数を頂点とするレーダチャートを作成するレーダチャート作成手段を更に有し、
前記議論分析表示手段は、前記議論分析情報として、前記レーダチャートを、時間経過に応じて更新しながら表示する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 前記議論分析表示手段は、
議論可能な残存時間を計時しており、
異なる種類の議論分析情報を入力し、前記残存時間に応じて、いずれか1つの議論分析情報を表示する
ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 前記発言テーブルを用いて、所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎の発言テキスト数を表す要素とを2次元に並べて、時間帯毎に、各論点の発言テキスト数を棒状に表示した累積発言グラフを作成する累積発言グラフ作成手段と、
前記発言テーブルを用いて、第1のユーザを表す第1のオブジェクトと、第2のユーザを表す第2のオブジェクトとの間に同調リンクを表示すると共に、論点毎に、第1のユーザの発言テキストと第2のユーザの発言テキストとが連続して検出された回数に基づいて、前記同調リンクの太さ、形状又は色彩が視覚的に変化するように表示した同調発言グラフを作成する同調発言グラフ作成手段と、
各ユーザを要素とするレーダチャートであって、論点毎に、各ユーザの発話データから検出された発言テキストの検出数を頂点とするレーダチャートを作成するレーダチャート作成手段とを更に有し、
前記議論分析表示手段は、
議論可能な残存時間が所定閾値以上長い場合、前記議論分析情報として、前記発言テーブル又は前記累積発言グラフを表示し、
議論可能な残存時間が所定閾値よりも短い場合、前記議論分析情報として、前記同調発言グラフ又は前記レーダチャートを表示する
ことを特徴とする請求項12に記載の議論分析装置。 - 前記発言テーブルを用いて、所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎の発言テキスト数を表す要素とを2次元に並べて、時間帯毎に、各論点の発言テキスト数を棒状に表示した累積発言グラフを作成する累積発言グラフ作成手段と、
前記発言テーブルを用いて、第1のユーザを表す第1のオブジェクトと、第2のユーザを表す第2のオブジェクトとの間に同調リンクを表示すると共に、論点毎に、第1のユーザの発言テキストと第2のユーザの発言テキストとが連続して検出された回数に基づいて、前記同調リンクの太さ、形状又は色彩が視覚的に変化するように表示した同調発言グラフを作成する同調発言グラフ作成手段と、
各ユーザを要素とするレーダチャートであって、論点毎に、各ユーザの発話データから検出された発言テキストの検出数を頂点とするレーダチャートを作成するレーダチャート作成手段とを更に有し、
前記議論分析表示手段は、
全ての論点における発言テキスト総数が所定閾値以下である場合、前記議論分析情報として、前記発言テーブル又は前記累積発言グラフを表示し、
全ての論点における発言テキスト総数が所定閾値よりも多い場合、前記議論分析情報として、前記同調発言グラフ又は前記レーダチャートを表示する
ことを特徴とする請求項12に記載の議論分析装置。 - 前記発言テーブルを用いて、発言テキストの検出数が所定条件以下となった論点について、前記議論分析情報の表示と共に又は前記議論分析情報の表示に代えて、当該論点に基づく言葉リストに含まれるいずれかの言葉テキストを、議論の提案情報としてユーザに表示する提案情報表示手段を
更に有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の議論分析装置。 - 前記提案情報表示手段は、論点毎に、議論の進行経過時間に応じた基準累積数と、全てのユーザの発言テキスト累積数との関係が所定条件となった時に、前記提案情報を表示する
ことを特徴とする請求項15に記載の議論分析装置。 - 前記言葉リスト設定手段は、前記言葉テキストに、異なる種類の想起情報として、
言葉テキストの類義語、
言葉テキストに共起する共起語、及び/又は、
言葉テキストに基づく想起画像
を対応付けて設定しており、
前記提案情報表示手段は、言葉テキスト自体、又は、前記想起情報のいずれかを、議論の提案情報として表示する
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の議論分析装置。 - 前記提案情報表示手段は、
前記言葉テキスト、前記類義語、前記共起語又は前記想起画像のいずれかを適宜選択して送信し、
前記提案情報を送信した後、所定時間T経過後に、前記類義語、前記共起語及び前記想起画像それぞれについて、論点毎の前記発言テキストの増加数Δwを記録し、
前記増加数Δwが最も大きい、前記言葉テキスト、前記類義語、前記共起語又は前記想起画像のいずれかを選択して送信する
ことを特徴とする請求項17に記載の議論分析装置。 - 前記提案情報表示手段は、
議論可能な残存時間が所定閾値よりも短い場合、言葉テキストを表示し、
議論可能な残存時間が長くなるほど、残存時間の段階的な閾値に応じて、前記類義語->前記共起語->前記想起画像の順に表示する
ことを特徴とする請求項17に記載の議論分析装置。 - 各ユーザが所持する複数のユーザ端末から、複数の資料に基づいて議論された発話データを収集し、各資料について予め期待された議論内容の論点に応じた分析結果を表示する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
議論内容の複数の資料に基づく論点それぞれに、複数の言葉テキストを含む言葉リストを予め設定した言葉リスト設定手段と、
所定時間帯毎に、前記発話データから、各論点の言葉テキストと一致した発言テキストを検出する発言テキスト検出手段と、
所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎に発言したユーザを表す要素とを配列状に並べて、各セルに発言テキストの検出を表す検出文字を印した発言テーブルを作成する発言テーブル作成手段と、
前記発言テーブルに基づく議論分析情報を、時間経過に応じて更新しながら表示する議論分析表示手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 各ユーザが所持する複数のユーザ端末から、複数の資料に基づいて議論された発話データを収集し、各資料について予め期待された議論内容の論点に応じた分析結果を表示する装置の議論分析方法において、
前記装置は、議論内容の複数の資料に基づく論点それぞれに、複数の言葉テキストを含む言葉リストを予め設定した言葉リスト設定部を有し、
前記装置は、
所定時間帯毎に、前記発話データから、各論点の言葉テキストと一致した発言テキストを検出する第1のステップと、
所定時間帯の経過を表す要素と、論点毎に発言したユーザを表す要素とを配列状に並べて、各セルに発言テキストの検出を表す検出文字を印した発言テーブルを作成する第2のステップと、
前記発言テーブルに基づく議論分析情報を、時間経過に応じて更新しながら表示する第3のステップと
を実行することを特徴とする装置の議論分析方法。
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