JP6781451B2 - 学力向上のための生徒個別振り返り補強システム - Google Patents
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Description
しかし、テスト直後、またはテスト結果の返却後に、テストの見直しを行うか否かは、試験者次第であり、多くの試験者は、点数、平均点、偏差値等を確認するだけで、間違えた問題について、どうして間違えたのかまで踏み込んで見直しを行っていない。
個別の試験者に対して、前記N個の学習領域から、前記偏差が小さい順に選択したn1個(n1≦N)の学習領域における学力補強問題を、偏差が正または0の学習領域は前記標準問題のいずれかに関連する標準振り返り問題、偏差が負の学習領域は前記基礎問題のいずれかに関連する基礎振り返り問題となるように選択して出力し、選択された学力補強問題が記載された前記個別の試験者のための個別振り返りシートを印刷する工程、
(2)M個の項目について生活・学習習慣調査を前記複数の試験者に実施した結果を統計処理し、前記学力検査テストの全体平均得点(A 0 )と、前記生活・学習習慣調査において前記個別の試験者と同一回答をした同一グループに含まれる複数者の前記学力検査テストの平均得点(S m :mは1〜Mの整数)とから、生活・学習習慣偏差(D m =S m −A 0 :mは1〜Mの整数)を求め、
個別の試験者に対して、前記生活・学習習慣調査における調査項目から、前記生活・学習習慣偏差が小さい順にm1個(m1≦M)の項目について選択し、
選択したm1個の項目について、前記個別の試験者の回答毎の生活・学習習慣偏差を、前記個別の試験者と異なる回答をしたグループそれぞれの生活・学習習慣偏差とともに出力し、前記個別の試験者のための生活・学習改善シートを印刷する工程
を実施し、
前記学力検査テストの試験結果とともに、前記個別振り返りシートと前記生活・学習改善シートを、個別の試験者に提供することを特徴とする学力向上のための振り返り補強システム。
2.前記個別の試験者のための個別振り返りシートに印刷される学力補強問題が、穴埋め式問題、択一式問題のいずれか、または両方であることを特徴とする1.に記載する学力向上のための振り返り補強システム。
個別振り返りシートに記載される振り返り問題が、穴埋め問題、択一式問題のいずれか、または両方であると、短い時間で振り返り問題を解くことができる。テスト結果の返却後に、一斉に振り返り問題を解く時間を設けても必要な時間が短く、授業の進展に与える影響が少ない。また、全員で解く時間を設けることができなくても、やる気を失うことなく自主的に振り返り問題に取り掛かることが期待できる。
図1に、本発明の学力向上のための振り返り補強システムのフロー図を示す。
本発明の学力向上振り返り補強システムは、(1A)学力検査テストの問題を作成する工程、(1B)学力補強問題を作成する工程、(2)学力検査テストを実施する工程、(3)個別振り返りシートを作成する工程、を有する。
また、(4A)生活・学習習慣調査を実施する工程、(4B)生活・学習改善シートを作成する工程、(2B)自己診断見直しシートを配布する工程を有することもできる。
以下、本発明の学力向上のための振り返り補強システムの一構成例を、その工程に沿って説明する。
学力検査テストの問題を、学習指導要領に準拠し、平均正答率が50%以上65%以下となることを目安に作成する。学力検査テストは、多くの者が受けるテストであるが、想定する平均正答率を50%以上65%以下の範囲内とすることにより、試験者の学力差がが大きくても、各試験者の実力を正確に把握することができる。
(1A)で作成した学力検査テストは、各学習領域が1以上の標準問題と1以上の基礎問題を有する。各学習領域について、学力補強問題として、標準問題のいずれかに関連する標準振り返り問題と、基礎問題のいずれかに関連する基礎振り返り問題とを作成する。この際、小問集合のような、学習領域として括れない分野については、学力補強問題を作成しない。ただし、小問集合を構成する小問が、いずれかの学習領域に関連付けられるのであれば、その学習領域を構成する小問と見なし、この小問に関連する学力補強問題を作成することもできる。
学力補強問題の形式は、特に制限されないが、問題に取り組みやすくするため、穴埋め式問題、択一式問題のいずれか、または両方であることが好ましい。
(1)で作成した学力検査テストを、学校、市町村、都道府県等の単位で実施する。実施するタイミングは特に制限されないが、4〜6月に実施することが学年が変わって新たなクラスにおける各試験者の学力を把握することができるため好ましい。
本発明の学力向上のための振り返り補強システムにおいて、(2)で実施した学力検査テストの試験後に自己診断見直しシートを配布することができる。
自己診断見直しシートには、各小問について、正答と難易度とが記載されている。難易度は、上記(1A)における学力検査テスト問題作成の想定正答率に基づいて区分した難易度を記載することができる。この自己診断見直しシートを用いて、試験直後に自己採点し、各小問の正解/不正解と、難易度とを知ることにより、試験者は、現在の学力、得意分野、苦手分野等を把握することができる。また、学力検査テストの試験直後であって、各問題が頭に残り、試験の出来/不出来の印象が鮮明なうちに自己診断見直しシートを用いて見直しを行うことより、高い学習効果を発揮することができる。
学力検査テストの試験結果を統計処理し、各学習領域における平均達成率(an:nは1〜Nの整数)と各学習領域における試験者の達成率(pn:nは1〜Nの整数)とを求め、各学習領域における試験者の偏差(pn−an:nは1〜Nの整数)を算出する。偏差は、正の値、ゼロ、負の値のいずれかとなる。偏差が正の値が平均達成率より上位、負の値が平均達成率より下位を意味する。なお、達成率とは、配点合計に対する得点の割合を意味し、例えば、ある学習領域において、配点合計が15点、得点が9点であれば、達成率は60%(=9/15)となる。
偏差の値が小さい学習領域ほど、平均と比較して試験者が相対的に苦手とする学習領域、すなわち弱点となっている学習領域であることを意味する。個々の試験者には、それぞれ得意・不得意が存在し、それぞれが強化すべき学習領域は異なるが、偏差が小さい学習領域から順に選択することにより、試験者それぞれの弱点である学習領域を抑えた振り返り問題を提供することができる。
個別振り返りシートは、得点、平均点、順位等が記載された試験結果とともに、試験者に返却することが好ましい。試験結果を確認して、勉強を頑張ろうと奮起したタイミングで個別振り返りシートを返却することにより、自発的に学力補強問題に取り組むことが期待できる。
(4A)生活・学習習慣調査実施
生活・学習習慣調査は、生活や学習に対する意識や考え方を含むM個の項目について、多肢選択式で、各問について4〜6個程度の選択肢を示して行う。調査項目は、40個以上60個以下が、多様な観点からの調査を行うために好ましい。調査項目は、「生活習慣」、「学習意識」といった、より少数の上位カテゴリーに分類することもできる。また、生活・学習習慣調査は、マークシート式で行うことが、集計、統計処理を迅速に行うことができるため好ましい。
生活・学習習慣調査を実施するタイミングは特に制限されないが、(2)で実施する学力検査テストの結果との相関関係を的確に把握するために、学力検査テスト実施日の前後1週間以内に行うことが好ましく、前後3日以内に行うことがより好ましく、同日に行うことが最も好ましい。
(2)で実施した学力検査テストの全体平均得点(A0)と、(4A)で実施した生活・学習習慣調査において試験者と同一回答をした同一グループに含まれる複数者の前記学力検査テストの平均得点(Sm:mは1〜Mの整数。)とから、生活・学習習慣偏差(Dm=Sm−A0:mは1〜Mの整数)を求める。すなわち、生活・学習習慣偏差は、ある試験者について生活・学習習慣調査の項目数と同じ数だけ存在する。生活・学習習慣偏差は、各項目毎に同一回答を選択したグループの平均得点(Sm)と試験者全体の全体平均得点(A0)との差を示すものであり、生活・学習習慣偏差が正であると平均得点より上位、生活・学習習慣偏差が負であると平均得点より下位のグループであることを意味する。
以下に、中学校3年生の理科を例として、本発明の学力向上のための振り返り補強システムを具体的に説明する。本例では、(2B)自己診断見直しシート配布、(4A)生活・学習習慣調査実施、(4B)生活・学習改善シート作成のいずれも行っている。
図2に、学力検査テストの小問の構成例を示す。
中学校3年生の学力検査テストは、中学校1、2年生で学んだ内容の理解度を確認するものであり、出題範囲は、中学校1、2年生で学習した全範囲とする。この出題範囲から、「小問集合」「植物のはたらき」、「水溶液の性質」、「光の性質」、「火山と地震」、「地球と宇宙」、「刺激と反応」、「運動とエネルギー」の8個の大問を作成する。この8個の大問のうち、小問集合を除く7個が学習領域である。各大問(小問集合と7個の学習領域)について2問以上の小問を作成する。
7個の学習領域のそれぞれにおいて、標準問題のいずれかに関連した標準振り返り問題と、基礎問題のいずれかに関連した基礎振り返り問題とからなる学力補強問題を作成する。小問集合は、様々な学習領域から出題され、一つの学習領域として把握できないため、学力補強問題を作成しない。ただし、小問集合を構成する小問が、いずれかの学習領域に関連付けられるのであれば、その学習領域を構成する小問と見なすこともできる。
(1A)で作成した学力検査テストを、学校、市町村、都道府県等の範囲で実施し、複数者の試験結果を得る。学力検査テストの問題用紙は回収しないことが、余白に書き込んだ解答を用いて自己採点できるため好ましい。
(2)で実施した学力検査テストの試験後に、各小問の正答と(1A)で区分した難易度とが記載されている自己診断見直しシートを配布する。自己診断見直しシートの例を図3に示す。
自己診断見直しシートを利用して、試験直後に自己採点を行い、各小問の難易度と、正解/不正解とを知ることにより、試験者は現在の実力、得意分野、苦手分野等を把握することができる。
(2)で実施した学力検査テストの結果から、各学習領域における試験者の偏差を求め、試験者毎に個別振り返りシートを作成する。図4に、Aさん、Bさん、Cさんそれぞれの試験結果と各学習領域毎に選択される学力補強問題の例を示す。
Bさんの個別振り返りシートには、上記したように、偏差が小さい順に選択した4個の学習領域(火山と地震、植物の分類、水溶液の性質、地球と宇宙)が記載されている。4個の学習領域のうち、偏差が負であった2個の学習領域(火山と地震、植物のはたらき)については、学力補強問題として基礎振り返り問題が選択され、偏差が正であった2個の学習領域(水溶液の性質、地球と宇宙)については、学力補強問題として標準振り返り問題が選択されている。また、学力補強問題は、いずれも穴埋め式問題である。
上記(2)の学力検査テストと同日に、生活・学習習慣調査を実施する。
この例において実施する生活・学習習慣調査は、「日常生活」、「意識と行動」、「家庭学習」、「能力の自己評価」、「学校生活・人間関係」の5カテゴリーについて、それぞれ10問ずつ計50問で構成されている。生活・学習習慣調査は、マークシート式であり、例えば、日常生活における1日当たりのテレビ等の視聴時間を、「4時間以上」、「3時間以上4時間未満」、「2時間以上3時間未満」、「1時間以上2時間未満」、「1時間未満」、「全く見たり、聞いたりしない」の6個の選択肢の中からいずれかを選択させる。
(2)で実施した学力検査テストと、(4A)で実施した生活・学習習慣調査とから、試験者毎に生活・学習改善シートを作成する。図6に、Aさんの生活・学習改善シートの例を示す。
Aさんの生活・学習改善シートには、(4A)で実施した生活・学習習慣調査の全問(50問)から、Aさんと同一の選択肢を選択したグループとして生活・学習習慣偏差が低かった5項目について記載されている。例えば、Aさんは、学力不振な生徒であるが、「1日当たりのテレビ・ビデオ・DVDの時間」が「4時間以上」であるグループに属し、このグループの生活・学習習慣偏差は−35.8である。Aさんの生活・学習改善シートに記載されている生活習慣は、Aさんが属する同一生活習慣を有する50個のグループの中で、グループとしての平均学力が低いものである。そのため、生活・学習改善シートに記載されている生活・学習習慣が、学力に悪影響を及ぼしていることを理解することができる。
Claims (2)
- (1)出題範囲がN個の学習領域に分けられ、各学習領域に付き、想定正答率50%未満である標準問題が1問以上、想定正答率50%以上である基礎問題が1問以上であり、2問以上の小問を有する学力検査テストを複数の試験者に実施した試験結果を統計処理し、各学習領域の平均達成率(an:nは1〜Nの整数)と、各学習領域における試験者の達成率(pn:nは1〜Nの整数)とから、各学習領域における個別の試験者の偏差(pn−an:nは1〜Nの整数)を求め、
個別の試験者に対して、前記N個の学習領域から、前記偏差が小さい順に選択したn1個(n1≦N)の学習領域における学力補強問題を、偏差が正または0の学習領域は前記標準問題のいずれかに関連する標準振り返り問題、偏差が負の学習領域は前記基礎問題のいずれかに関連する基礎振り返り問題となるように選択して出力し、選択された学力補強問題が記載された前記個別の試験者のための個別振り返りシートを印刷する工程、
(2)M個の項目について生活・学習習慣調査を前記複数の試験者に実施した結果を統計処理し、前記学力検査テストの全体平均得点(A 0 )と、前記生活・学習習慣調査において前記個別の試験者と同一回答をした同一グループに含まれる複数者の前記学力検査テストの平均得点(S m :mは1〜Mの整数)とから、生活・学習習慣偏差(D m =S m −A 0 :mは1〜Mの整数)を求め、
個別の試験者に対して、前記生活・学習習慣調査における調査項目から、前記生活・学習習慣偏差が小さい順にm1個(m1≦M)の項目について選択し、
選択したm1個の項目について、前記個別の試験者の回答毎の生活・学習習慣偏差を、前記個別の試験者と異なる回答をしたグループそれぞれの生活・学習習慣偏差とともに出力し、前記個別の試験者のための生活・学習改善シートを印刷する工程
を実施し、
前記学力検査テストの試験結果とともに、前記個別振り返りシートと前記生活・学習改善シートを、個別の試験者に提供することを特徴とする学力向上のための振り返り補強システム。 - 前記個別の試験者のための個別振り返りシートに印刷される学力補強問題が、穴埋め式問題、択一式問題のいずれか、または両方であることを特徴とする請求項1に記載する学力向上のための振り返り補強システム。
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