まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。また、演出ユニット300と遊技盤2の背面との間には後述する導光板装置500が設けられており、遊技盤2における開口2cから後述する第1導光板511、第2導光板521を透して演出ユニット300の可動体301及び演出表示装置5の表示画面を視認できるようになっている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522、演出用モータ302といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522、の発光及び演出ユニット300の演出用モータ302の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
また、本実施例では、上記予告を含む各種演出として、演出ユニット300の可動体301による可動体演出や、導光板装置500を用いた発光演出(演出表示)や、演出ユニット300、導光板装置500、スピーカ8L,8R、及び演出用LED9による複合演出を実行可能とされている。尚、これら各種演出は、例えば、変動表示中における所定タイミングや、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したタイミングで実行される。
演出ユニット300は、演出用モータ302及び図示しない駆動機構と、遊技盤2の背面に取付けられる図示しないベース部に対し移動可能に設けられた可動体301とを有し、可動体301は、演出表示装置5の上部に配置される待機位置と、演出表示装置5の表示画面の前側略中央位置に重畳する演出位置と、の間で上下方向に移動可能とされている。
次に、導光板装置500について、図3〜図23に基づいて説明する。図3は、(A)は導光板装置を斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は導光板装置を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図4は、導光板装置の構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、導光板装置の構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図6は、前保持部材を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図7は、前保持部材に第1集光レンズ及び第1導光板を取付ける状態を示す要部拡大斜視図である。図8は、(A)は前保持部材の左側辺部の上部を示す背面図、(B)は凹凸部と第1導光板との間に生じる隙間を示す断面図である。図9は、中保持部材の前面に対する第2導光板LED基板及び第2集光レンズの取付状態を示す斜視図である。図10は、中保持部材の背面に対する第1導光板LED基板及び第1集光レンズの取付状態を示す斜視図である。図11は、後保持部材を斜め前から見た状態を示す斜視図である。図12は、(A)は凸条と第1集光レンズとの位置関係を示す概略図、(B)は(A)のJ−J断面図である。図13は、(A)は凸条と第1集光レンズとの位置関係を示す概略図、(B)は(A)のK−K断面図である。図14は、第1集光レンズ及び第2集光レンズを示す六面図である。図15は、(A)は第2導光板、(B)は第1導光板を示す正面図である。図16は、導光板装置における各位置決め用ボスと各挿入部との配置位置を示す正面図である。図17は、図16のA−A断面図である。図18は、(A)は図16のB−B断面図、(B)はC−C断面図である。図19は、(A)は図16のD−D断面図、(B)はE−E断面図である。図20は、(A)は図16のF−F断面図、(B)はG−G断面図である。図21は、(A)は図16のH−H断面図、(B)はI−I断面図である。図22は、(A)は第2導光板の通常時、(B)は第2導光板の熱膨張時の態様を示す正面図である。図23は、(A)は第1導光板の通常時、(B)は第1導光板の熱膨張時の態様を示す正面図である。尚、以下の説明において、各種複数の取付ネジのうち一部の図示は省略する。
図3〜図5に示すように、導光板装置500は、第1導光板ユニット501と、該第1導光板ユニット501の前方に配置される第2導光板ユニット502と、第1導光板ユニット501と第2導光板ユニット502とを前後から挟むように保持する前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505と、から主に構成される。詳しくは、中保持部材504と後保持部材505とは、第1導光板ユニット501を前後から挟むように後取付位置に保持し、前保持部材503と中保持部材504とは、第2導光板ユニット502を前後から挟むように後保持位置よりも前側の前取付位置に保持する。後保持部材505は、複数のネジN1により中保持部材504の背面に取付けられるとともに、複数のネジN2により前保持部材503の背面に取付けられ、中保持部材504は、複数のネジN3により前保持部材503の背面に取付けられる。
よって、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505は、中保持部材504と後保持部材505との間に第1導光板ユニット501を保持し、かつ、前保持部材503と中保持部材504との間に第2導光板ユニット502を保持した状態で一体化されることで導光板装置500が構成され、該導光板装置500は、前保持部材503を図示しないネジにより遊技盤2のスペーサ部材の背面に取付けることで、遊技盤2の背面側に取付けられる。
第1導光板ユニット501は、第1導光板511と、第1導光板511の上方に配置される第1導光板LED基板513の背面に左右方向に向けて所定間隔おきに複数配設され赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなる第1導光板LED512と、第1導光板LED512から入射された光を第1導光板511の上端面511Aに向けて集光する第1集光レンズ514と、第1導光板511の左側方に配置される第1導光板LED基板518Lの背面に上下方向に向けて所定間隔おきに複数配設され赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなる第1導光板LED517と、第1導光板LED517から入射された光を第1導光板511の左端面511Bに向けて集光する第1集光レンズ519と、第1導光板LED基板518Lの前面に上下方向に向けて複数配設された第1導光板LED507Lと、第1導光板511の右側方に配置される第1導光板LED基板518Rの前面に上下方向に向けて複数配設された第1導光板LED507Rと、を有する。尚、第1導光板LED507L,507Rは、赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなり前方に向けて光を照射可能に設けられており、照射された光が前保持部材503を透して前方に出射されることにより、前保持部材503の左右側辺部の前面が発光するようになっている。
第2導光板ユニット502は、第1導光板511の前方に離れて配置される第2導光板521と、第2導光板521の上方に配置される第2導光板LED基板523の前面に左右方向に向けて所定間隔おきに複数配設され赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなる第2導光板LED522と、第2導光板LED522から入射された光を第2導光板521の上端面521Aに向けて集光する第2集光レンズ524と、を有する。
第1導光板LED基板513は、複数のネジN4により中保持部材504の背面に取付けられ、第1導光板LED基板518L,518Rは、複数のネジN5により前保持部材503の背面の左右側辺部に取付けられ、第2導光板LED基板523は、複数のネジN6により中保持部材504の前面に取付けられる。
図6〜図8に示すように、前保持部材503は、透光性を有する(透明な)アクリル樹脂により、板状の上辺部503H及び左右の側辺部503L,503Rにより下向き略コ字形に形成されている。上辺部503Hの背面左右側には、第1導光板511を前保持部材503に対する後取付位置に保持する際の位置決め用の第1位置決め用ボス551と第2位置決め用ボス552とがそれぞれ突設されている。また、上辺部503Hの背面には、後述する第2集光レンズ524の前面側に突設される複数の集光レンズ位置決め用ボス593Fが嵌合する位置決め孔530が複数個所に形成されているとともに、第2集光レンズ524の左右端部を保持するレンズ用フック531が左右に形成されている。
左右の側辺部503L,503R各々の背面下位置には、第1導光板511を前保持部材503に対する後取付位置に保持する際の位置決め用の第3位置決め用ボス543A,543Bが突設されているとともに、左下の第3位置決め用ボス543Aの左斜め下方位置には、第2位置決め用ボス542が突設されている。
また、左右の側辺部503L,503R各々の背面には、後保持部材505を取付けるためのネジN1が螺入される複数の保持枠用ボス545が突設されているとともに、第1導光板LED基板518L,518Rを取付けるためのネジN5が螺入される複数のネジ孔546が形成されている。第1導光板LED基板518L,518Rが取付けられた状態において、複数の第1導光板LED517は、右側方、つまり右側に向けて光を照射可能に上下方向に向けて列設される。
また、左右の側辺部503L,503R各々の背面には、第1導光板LED507L,507Rからの光を拡散するための複数の凸部からなる光拡散部532が形成されている。尚、側辺部503L,503Rの前面には、図示しないレンズ部材と該レンズ部材を被覆する発光パネル547L,547R(図4参照)が取付けられている。
また、左右の側辺部503L,503R各々の内側辺には、内壁部548L,548Rが背面側に向けて突出するように立設されている。これら内壁部548L,548Rの後端縁部には、所定間隔ごとに凹部549Bが形成されており、これにより内壁部548L,548Rの後端縁部は、凹部549Bと凸部549Aとからなる凹凸部549L,549Rとして形成されている。凹凸部549L,549Rは、後述するように第1導光板511が中保持部材504と後保持部材505とにより後取付位置に保持された状態において、第1導光板511の前面における左右側部に対向するように設けられている。
次に、図9及び図10に示すように、中保持部材504は、透光性を有する(透明な)アクリル樹脂により左右方向に延びる板状に形成されている。中保持部材504の左右側の下端部には、所定の前後幅を有する板片により、第1導光板511と第2導光板521との間に所定の隙間を設けるための枠状部560L,560Rが形成されている。
また、中保持部材504には、中保持部材504の前面よりも前方に突出する凸条562Fが下辺部に沿って延設されている。この凸条562Fの前端部は、枠状部560L,560Rの前端部と面一をなして連結されており、後述するように第2導光板521が中保持部材504と前保持部材503との間に保持された状態において、第2導光板521の背面における上縁部に対向するように設けられている。
図9に示すように、中保持部材504の前面には、第2導光板LED基板523を取付けるためのネジN6が螺入されるネジ孔561が形成されている。中保持部材504の前面に第2導光板LED基板523が取付けられた状態において、複数の第2導光板LED522が、下方に向けて光を照射可能に左右方向に向けて直線状に列設される。
図10に示すように、中保持部材504の背面には、第1導光板LED基板513を取付けるためのネジN4が螺入されるネジ孔563が形成されている。中保持部材504の背面に第1導光板LED基板513が取付けられた状態において、複数の第1導光板LED512が、下方に向けて光を照射可能に左右方向に向けて直線状に列設される。また、背面左右側には、第1集光レンズ514の左右端部を保持するレンズ用フック564が左右に形成されている。
中保持部材504には、中保持部材504の背面よりも後方に突出する凸条562Bが下辺部に沿って延設されている。この凸条562Bの後端部は、枠状部560L,560Rの後端部と面一をなして連結されており、後述するように第1導光板511が中保持部材504と後保持部材505との間に保持された状態において、第1導光板511の背面における上縁部に対向するように設けられている。
また、中保持部材504の背面左右側には、第1導光板511を中保持部材504に対する後取付位置に保持する際の位置決め用の第1位置決め用ボス571と第2位置決め用ボス572とがそれぞれ突設されている。また、第1位置決め用ボス571の左側には第3位置決め用ボス573Aが突設され、第2位置決め用ボス572の右側には第3位置決め用ボス573Bが突設されている。このように構成される中保持部材504は、第1導光板511と第2導光板521との間に所定の隙間を設けるためのスペーサ部材として機能する。
図11に示すように、後保持部材505は、非透光性を有する(不透明な)合成樹脂により、板状の上辺部505H及び左右の側辺部505L,505Rにより下向き略コ字形に形成されている。上辺部505Hの前面には、後述する第1集光レンズ514の背面側に突設される複数の集光レンズ位置決め用ボス593Bが嵌合する位置決め孔580が複数個所に形成されている。
図12に示すように、上辺部505Hの前面における各位置決め孔580の間には、前方に向けて突出する凸条581が左右方向に延設されており、第1集光レンズ514が第1導光板LED基板513の背面に配置された状態において該第1集光レンズ514の背面における左右方向にわたり当接するようになっている。
図13に示すように、左側の側辺部505Lの前面には、前方に向けて突出する凸条582が上下方向に延設されており、第1集光レンズ519が第1導光板LED基板518Lの背面に配置された状態において該第1集光レンズ519の背面における左右方向にわたり当接するようになっている。
図14に示すように、第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524は、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂等の透光性を有する(透明な)合成樹脂材により長板状に形成されている。具体的には、第1集光レンズ514、第2集光レンズ524の下辺部及び第1集光レンズ519の右辺部には、正面視で第1導光板511、第2導光板521側に膨出する略半円形状の複数の凸部590が長手方向に複数連続して並設されている。各凸部590は、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の各々に対応して1つずつ形成され、各第1導光板511の上端面511A及び左端面511B、第2導光板521の521A各々に対向する対向端面は、正面視において導光板側に向けて突出するように湾曲して形成され光を出射する出射面590A(レンズ面)を構成している。
第1集光レンズ514、第2集光レンズ524の上辺部及び第1集光レンズ519の左辺部には、正面視で第1導光板LED512,517、第2導光板LED522側に膨出する複数の凸部591が長手方向に複数連続して並設されている。各凸部591は、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の各々に対応して1つずつ形成され、各第1導光板LED512,517、第2導光板LED522に対向する対向端面は、正面視において角LED側に向けて突出するように湾曲して形成され光を入射する入射面591A(レンズ面)を構成している。尚、各凸部591の入射面591Aは、凸部590の出射面590Aに比べて曲率が極めて小さく僅かに膨出する程度に形成されている。
尚、複数の凸部590,591は、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の各々に一対一に対応するものに限らず、例えば2以上のLED(発光体)に対応する凸部590,591が複数設けられていてもよい。また、第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524は複数の凸部590,591が一体に設けられた単一の部材にて構成されていたが、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の各々に対応して互いに別個に形成された複数の集光レンズ部材にて構成されていてもよい。
第1集光レンズ514、第2集光レンズ524の左右端部及び第1集光レンズ519の上下端部には、押え片592A,592Bが形成されている。第1集光レンズ514の押え片592A,592Bは、中保持部材504の背面に形成された左右のレンズ用フック564に係止され(図10参照)、第2集光レンズ524の押え片592A,592Bは、前保持部材503の前面に形成された左右のレンズ用フック531(図6参照)に係止され、第1集光レンズ519の押え片592A,592Bは、いずれのレンズ用フックにも係止されない(図7参照)。
第1集光レンズ514、第2集光レンズ524及び第1集光レンズ519の前面には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Fがそれぞれ前方に向けて突出するように形成され、第1集光レンズ514及び第2集光レンズ524の背面には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Bがそれぞれ後方に向けて突出するように形成されている。尚、第1集光レンズ519の背面には集光レンズ位置決め用ボス593Bは形成されていない。
第1集光レンズ514は、前側の集光レンズ位置決め用ボス593Fは第1導光板LED基板513に形成された位置決め孔594に挿入され(図10参照)、後側の集光レンズ位置決め用ボス593Bは後保持部材505に形成された位置決め孔580(図11参照)に挿入される。また、第1集光レンズ519は、前側の集光レンズ位置決め用ボス593Fは第1導光板LED基板518Lに形成された位置決め孔595Aに挿入される(図7参照)。
第2集光レンズ524は、前側の集光レンズ位置決め用ボス593Fは前保持部材503に形成された位置決め孔530に挿入され(図6参照)、後側の集光レンズ位置決め用ボス593Bは後保持部材505に形成された位置決め孔595(図9参照)に挿入される。
これら各集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、各第1集光レンズ514、第2集光レンズ524及び第1集光レンズ519に形成された複数のうち一の凸部590,591に対応する位置であって、各レンズにおいて最も幅寸法(上下幅寸法や左右幅寸法)が長い位置、つまり、幅寸法が短い位置に比べて強度が高い位置に突設されているため、位置決め精度が向上する。また、各第1集光レンズ514、第2集光レンズ524及び第1集光レンズ519における前後面、つまり、光の出射面590Aや入射面591A以外の位置、詳しくは、光の出射面590Aや入射面591Aに対し直交する面の表面に突出するように設けられているため、光の入射や出射に影響を及ぼすことがない。また、前後の集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、前後のうち一方に対応する位置に他方が設けられている。
図15(A)に示すように、第2導光板521は、所定の板厚寸法L15{板厚(例えば、2.5mm)}を有する透明なアクリル樹脂板により形成されている。上端面521Aは、左右方向に延設される平坦面からなる。左右の斜辺部及び側辺部は、前保持部材503及び中保持部材504に沿うように形成され、下辺部は、可動体301が待機位置にあるときに該可動体301の下辺部に沿うように非直線状に形成されている。
第2導光板521の背面には、第2導光板LED522からの光を反射して前面から出射させるための反射部596が形成されている(図24(B)参照)。反射部596は、「激熱!」の文字を発光表示可能な態様に配置されている。
図15(B)に示すように、第1導光板511は、所定の板厚寸法L15{板厚(例えば、2.5mm)}を有する透明なアクリル樹脂板により形成されている。上端面511Aは左右方向に延設される平坦面からなり、左端面511Bは上下方向に延設される平坦面からなり、右側辺部及び下辺部は前保持部材503及び後保持部材505に沿うように形成されており、演出表示装置5の表示画面及び演出ユニット300の可動体301の前方を被覆可能な形状とされている。
第1導光板511の背面には、第1導光板LED512からの光を反射して前面から出射させるための反射部597Aと、第1導光板LED517からの光を反射して前面から出射させるための反射部597Bと、がそれぞれ形成されている(図24(B)参照)。反射部597Aは、「激熱!」の文字を発光表示可能な態様に配置され、反射部597Bは、可動体301が演出位置に移動したときに該可動体301の周囲を装飾するエフェクトを発光表示可能な態様に配置されている。尚、反射部597Aは、第2導光板LED522の反射部596と同様の文字を発光表示可能に構成され、第1導光板511と第2導光板521とを前後に重畳するように前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505により保持して所定の取付位置に保持した状態において、反射部596の背面側に重畳するように第1導光板511に配置されている。
これら反射部596,597A,597Bは、図24(B)に示すように、第1導光板511や第2導光板521の内部を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。具体的には、スタンパーやインジェクションにより第1導光板511や第2導光板521の背面に凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成してもよい。
尚、本実施例では、反射部596,597A,597Bを光の進行方向の断面視が略三角波形状の凹凸部としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら反射部596,597A,597Bの断面形状を略半円形状等、光を前方に向けて反射可能な反射面を構成するものであれば種々に変形可能である。尚、図15において、反射部597Aは点線で囲まれた文字として表されているが、実際には点線はなく、上記ドット等の集まりにより文字が形成されている。
また、第1導光板LED512からの光のみが反射部597Aにて前方に反射して「激熱!」の文字が発光表示され、第1導光板LED517からの光のみが反射部597Bにて前方に反射してエフェクトが発光表示する導光構造の詳細についての説明は省略する。尚、本実施例では、第1導光板LED512からの光のみが反射部597Aで反射し、第1導光板LED517からの光のみが反射部597Bで反射する構成であったが、第1導光板LED512からの光または第1導光板LED517からの光が反射部597A,597B双方で反射して発光表示するようにしてもよい。
また、本実施例では、第1導光板511や第2導光板521により表示可能とする表示情報として文字や絵柄が例示されているが、これら以外にも、記号、図柄、あるいは模様等の装飾も含む他の表示情報を表示可能としてもよい。また、第1導光板511や第2導光板521は、透光性を有していれば必ずしも透明でなくてもよく、例えば着色されていてもよいし、半透明とされていてもよい。
これら第1導光板511及び第2導光板521は、アクリル樹脂材により板厚寸法L15が約2.5mmの透明板からなり、遊技盤2を構成する透明な合成樹脂材からなる盤面板の板厚寸法(例えば、約10mm)に比べて肉薄であるため、後述するように、パチンコ遊技機1に組付けられた状態において、パチンコ遊技機1の内部の温度変化により伸び縮みが発生することがある。
パチンコ遊技機1は、遊技盤2の前面側はガラス扉枠50により閉鎖され、背面側はカバー体(図示略)により閉鎖されており、これらガラス扉枠50とカバー体とにより閉鎖された内部空間には、液晶表示器等からなる演出表示装置5や、制御基板、LED、駆動源(モータやソレノイド)といった多数の熱源が設けられている。よって、パチンコ遊技機1の稼働時の内部温度は非稼働時に比べて高くなるため、演出表示装置5とガラス窓50aとの間に設けられる第1導光板511及び第2導光板521は、例えば、約40度の温度変化により最大で約1.6mmの伸び縮みが生じる。
具体的には、例えば第1導光板511の場合、反り公差(平面度交差)は約3〜6mm程度とされているため、例えば、導光板装置500を遊技盤2の背面に取付けた状態において、前側の第2導光板521との離間寸法及び後側の演出表示装置5や他の部材との離間寸法は、6mmを超えた寸法とすることが好ましい。
一方、導光板装置500は、第1導光板511及び第2導光板521は、それぞれの周縁の一部が前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505により前後から挟持された状態で遊技盤2の背面側に取付けられる構造であるため、製造上の寸法公差や組付誤差によるアセンブリの歪みなどで前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505に接触して傷ついたり破損する虞があるばかりか、上記したような温度変化による伸び縮みにより前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505に接触して傷ついたり破損する虞がある。
よって、本実施例の導光板装置500は、以下に説明するように、パチンコ遊技機1の内部の温度変化や、製造上の寸法公差や組付誤差に対応できるように、第1導光板511及び第2導光板521は、各前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505に対し所定の隙間(クリアランス)をもって取付けられている。
図15(A)及び図16、図17に示すように、第2導光板521の上端面521Aの右側下方位置には、前保持部材503の背面左側に突設された第1位置決め用ボス551が挿入可能な第1挿入部としての正面視円形状の第1孔部601が形成されている。また、第2導光板521の上端面521Aの左側下方位置には、前保持部材503の背面右側に突設された第2位置決め用ボス552が挿入可能な第2挿入部としての正面視横長形状の第2孔部602が形成されている。
第1孔部601と第2孔部602とは、これら第1孔部601と第2孔部602の中心を通る直線LN2が、上端面521A(第2導光板521の上辺)に沿う直線LN1に対し平行をなすように、上端面521Aの近傍位置に形成されている。詳しくは、直線LN1と直線LN2との離間寸法L20は、第2導光板521の板厚寸法L15の2倍の長さ(2.5mm×2=5mm)より長寸とされている(L20>L15×2)。つまり、第1孔部601と第2孔部602とは、上端面521A(第2導光板521の上辺)から第2導光板521の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されている。
また、第1孔部601と第2孔部602とは、上端面521A(第2導光板521の上辺)に対してだけでなく、第2導光板521の周縁から第2導光板521の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されていることで、第2導光板521の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。
図17に示すように、第1孔部601の直径L1は、第1位置決め用ボス551の直径L2よりも若干長寸とされているが(L1>L2)、第1孔部601に第1位置決め用ボス551が挿入された状態において、第1孔部601と第1位置決め用ボス551との間に左右上下方向の隙間S1(L1−L2)がほぼ生じない。つまり、第1位置決め用ボス551は第1孔部601に嵌合される。
第2孔部602の左右寸法L3Aは、第2位置決め用ボス552の直径L4よりも長寸とされ(L3A>L4)、第2孔部602の上下寸法L3Bは、第2位置決め用ボス552の直径L4よりも若干長寸とされている(L3B>L4)。よって、第2孔部602に第2位置決め用ボス552が挿入された状態において、第2孔部602と第2位置決め用ボス552との間に左右方向の隙間S2(L3A−L4)が生じるが、上下方向の隙間S3(L3B−L4)がほぼ生じない。
左右方向の隙間S2は、隙間S1よりも大きい(S2(L3A−L4)>S1(L1−L2))。また、隙間S1と隙間S3とはほぼ同寸とされている(S1(L1−L2)=S3(L3B−L4))。つまり、第2孔部602は、第2位置決め用ボス552に対する第2導光板521の左右方向への移動を許容し、上下方向への移動を許容しない。
図15(B)及び図16、図18に示すように、第1導光板511の上端面511Aの左側の斜辺の下方位置には、中保持部材504の背面左側に突設された第1位置決め用ボス571が挿入可能な第1挿入部としての正面視円形状の第1孔部611が形成されている。また、第1導光板511の上端面511Aの右側の斜辺の下方位置には、中保持部材504の背面右側に突設された第2位置決め用ボス572が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部612が形成されている。第2孔部612は左右方向に向けて延設される長孔にて構成されている。
第1孔部611と第2孔部612とは、これら第1孔部611と第2孔部612の中心を通る直線LN4が、上端面511A(第1導光板511の上辺)に沿う直線LN3に対し平行をなすように、上端面511Aの近傍位置に形成されている。詳しくは、直線LN3と直線LN4との離間寸法L21は、第2導光板521の板厚寸法L15の2倍の長さ(2.5mm×2=5mm)より長寸とされている(L21>L15×2)。つまり、第1孔部611と第2孔部612とは、上端面511A(第1導光板511の上辺)から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されている。
また、第1孔部611と第2孔部612とは、上端面511A(第1導光板511の上辺)に対してだけでなく、第1導光板511の周縁から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されていることで、第1導光板511の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。
また、第1導光板511の左下角部には、前保持部材503の背面右側に突設された第2位置決め用ボス542が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部622が形成されている。第2孔部622は上下方向に向けて延設される長孔にて構成されており、左端面511B(左側辺)の下方位置に配置されている。
図18(A)に示すように、第1孔部611の直径L5は、第1位置決め用ボス571の直径L6よりも若干長寸とされているが(L5>L6)、第1孔部611に第1位置決め用ボス571が挿入された状態において、第1孔部611と第1位置決め用ボス571との間に左右上下方向の隙間S11(L5−L6)がほぼ生じない。つまり、第1位置決め用ボス571は第1孔部611に嵌合される。
第2孔部612の左右寸法L7Aは、第2位置決め用ボス572の直径L8よりも長寸とされ(L7A>L8)、第2孔部612の上下寸法L7Bは、第2位置決め用ボス572の直径L8よりも若干長寸とされている(L7B>L8)。よって、第2孔部612に第2位置決め用ボス572が挿入された状態において、第2孔部612と第2位置決め用ボス572との間に左右方向の隙間S12(L7A−L8)が生じるが、上下方向の隙間S13(L7B−L8)がほぼ生じない。
左右方向の隙間S12は、隙間S11よりも大きい(S12(L7A−L8)>S11(L5−L6))。また、隙間S11と隙間S13とはほぼ同寸とされている(S11(L5−L6)=S13(L7B−L8))。つまり、第2孔部612は、第2位置決め用ボス572に対する第1導光板511の左右方向への移動を許容し、上下方向への移動を許容しない。
また、図18(B)に示すように、第2孔部622の上下寸法L7Cは、第2位置決め用ボス542の直径L8よりも長寸とされ(L7C>L8)、第2孔部622の左右寸法L7Dは、第2位置決め用ボス542の直径L8よりも若干長寸とされている(L7D>L8)。よって、第2孔部622に第2位置決め用ボス542が挿入された状態において、第2孔部622と第2位置決め用ボス542との間に上下方向の隙間S14(L7C−L8)が生じるが、左右方向の隙間S15(L7D−L8)がほぼ生じない。
上下方向の隙間S14は、隙間S11よりも大きい(S14(L7C−L8)>S11(L5−L6))。また、隙間S11と隙間S15とはほぼ同寸とされている(S11(L5−L6)=S15(L7D−L8))。つまり、第2孔部612は、第2位置決め用ボス572に対する第1導光板511の左右方向への移動を許容し、上下方向への移動を許容しない。
尚、第1位置決め用ボス551の直径L2と第2位置決め用ボス552の直径L4とはほぼ同寸とされ(L2=L4)、第1位置決め用ボス571の直径L6と第2位置決め用ボス572,542の直径L8とはほぼ同寸とされている(L6=L8)。また、第1位置決め用ボス551,571の直径と第2位置決め用ボス572,542の直径とは全て同寸とされている。尚、本実施例では、全ての第1位置決め用ボス551,571の直径と第2位置決め用ボス572,542の直径とは全て同寸とされているが、各々異なっていてもよい。
第1導光板511の左上角部には、中保持部材504の背面左側に突設された第3位置決め用ボス573Aが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部633Aが形成され、第1導光板511の右上角部には、中保持部材504の背面右側に突設された第3位置決め用ボス573Bが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部633Bが形成されている。
また、第1導光板511の左下角部には、前保持部材503の側辺部503Lの背面下部に突設された第3位置決め用ボス543Aが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部643Aが形成され、第1導光板511の右下角部には、前保持部材503の側辺部503Rの背面下部に突設された第3位置決め用ボス543Bが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部643Bが形成されている。
これら第3孔部633A,633B、643A,643Bは、第1導光板511の周縁から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されている(例えば、左端面511Bから第3孔部633Aの中心までの離間寸法L22>L15×2)ことで、第1導光板511の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。
図19及び図20に示すように、第3孔部633A,633B,643A,643Bの直径L9は、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの直径L10よりも長寸とされている(L9>L10)。よって第3孔部633A,633B,643A,643Bに対応する第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが挿入された状態において、第3孔部633A,633B,643A,643Bと第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bとの間に隙間S16(L9−L10、約2.2mm)が上下左右方向に生じる。
尚、隙間S16は、隙間S1,S11よりも長寸とされている(S16(L9−L10)>S1(L1−L2)、S11(L5−L6),S11)。また、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの直径L10は、第1位置決め用ボス551,571の直径L2,L6よりも長寸とされ(L10>L2,L6)、第2位置決め用ボス552,572,542の直径L4,L8よりも長寸とされている(L10>L4,L8)。
また、図15に示すように、第1導光板511の背面における周縁近傍位置には、第1導光板511の製造時において、成型品である第1導光板511を図示しないエジャクタピン(押出ピンともいう)により金型から押出して取出す際に形成される複数のエジェクタピン跡650が形成されている。エジェクタピン跡650は、第1導光板511を金型から取出す際にエジャクタピンにより押圧されることにより形成される凸部(例えば、突出寸法約0.1mm程度)であり、注視しないと視認が困難な程度のものである。特に第1導光板511の周縁における各孔部の近傍には、取出し時の破損を防止するために2箇所ずつ形成されている。
このように構成された導光板装置500は、図4及び図5に示すように、前保持部材503と中保持部材504とにより、第2導光板521を前面側と背面側とから挟み込むように前取付位置に保持するとともに、前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505とにより、第1導光板511を前面側と背面側とから挟み込むように後取付位置に保持することができる。
詳しくは、第2導光板521の第1孔部601を前保持部材503の第1位置決め用ボス551に挿入し、第2導光板521の第2孔部602を前保持部材503の第2位置決め用ボス552に挿入し、第2導光板521を前保持部材503の背面側に配置した状態で、第2導光板LED基板523及び第2集光レンズ524を取付けた中保持部材504をネジN3により前保持部材503に取付けることで、前保持部材503と中保持部材504とは、第2導光板521を前面側と背面側とから挟み込むように前取付位置に保持する。
第2位置決め用ボス552と第2孔部602とは、第2導光板521を前取付位置に取付けた状態において、第2位置決め用ボス552と第2孔部602との間に生じる隙間S2が第1位置決め用ボス551と第1孔部601との間に生じる隙間S1よりも大きく(S2>S1)、上端面521Aに平行または略平行な特定方向(左右方向)への第2導光板521の移動を許容する一方で該左右方向以外の方向(上下方向など)への第2導光板521の移動を規制するように設けられる。尚、図16に示すように、第2位置決め用ボス552は、第2孔部602の長手方向の略中央位置に配置される。
次いで、第1導光板511の第1孔部611を中保持部材504の第1位置決め用ボス571に挿入し、第1導光板511の第2孔部612を中保持部材504の第2位置決め用ボス572に挿入し、第3孔部633Aを中保持部材504の第3位置決め用ボス573Aに挿入し、第3孔部633Bを中保持部材504の第3位置決め用ボス573Bに挿入する。一方、第1導光板511の第2孔部622を前保持部材503の第2位置決め用ボス542に挿入し、第1導光板511の第3孔部643Aを前保持部材503の第3位置決め用ボス543Aに挿入し、第1導光板511の第3孔部643Bを前保持部材503の第3位置決め用ボス543Bに挿入する。
そして、第1導光板511を中保持部材504の背面側に配置した状態で、後保持部材505の上辺部505HをネジN1により中保持部材504に取付け、後保持部材505の左右の側辺部505L,505RをネジN2により前保持部材503に取付けることで、中保持部材504と後保持部材505とは、第1導光板511を前面側と背面側とから挟み込むように後取付位置に保持する。
第2位置決め用ボス572と第2孔部612とは、第1導光板511を後取付位置に取付けた状態において、第2位置決め用ボス572と第2孔部612との間に生じる隙間S12が第1位置決め用ボス571と第1孔部611との間に生じる隙間S11よりも大きく、上端面511Aに平行または略平行な特定方向(左右方向)への第1導光板511の移動を許容する一方で該左右方向以外の方向(上下方向など)への第1導光板511の移動を規制するように設けられる。
また、第2位置決め用ボス542と第2孔部622とは、第1導光板511を後取付位置に取付けた状態において、第2位置決め用ボス542と第2孔部622との間に生じる隙間S14が第1位置決め用ボス571と第1孔部611との間に生じる隙間S11よりも大きく(S14>S11)、左端面511Bに平行または略平行な特定方向(上下方向)への第1導光板511の移動を許容する一方で該上下方向以外の方向(左右方向など)への第1導光板511の移動を規制するように設けられる。
また、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bと第3孔部633A,633B,643A,643Bとの隙間S16は、第1導光板511における第3位置決め用ボスの軸心に対し直交する全方向(左右上下方向)への移動を許容する。
図16に示すように、第2位置決め用ボス572は、第2孔部612の長手方向の略中央位置に配置され、第2位置決め用ボス542は、第2孔部622の長手方向の略中央位置に配置され、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bは、第3孔部633A,633B,643A,643Bの略中央位置に配置される。
また、前保持部材503の背面側に中保持部材504が取付けられ、前保持部材503及び中保持部材504の背面側に後保持部材505が取付けられることで、前取付位置に第2導光板521が保持されるとともに後取付位置に第1導光板511が保持された状態で前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505が一体化される。
また、第1導光板511と第2導光板521を前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505により前取付位置と後取付位置とに保持した状態において、前保持部材503の背面には中保持部材504が所定の隙間を隔てて配置され、中保持部材504の背面には後保持部材505が所定の隙間を隔てて配置される。
第2導光板521を前保持部材503と中保持部材504とにより保持した状態において、第2導光板521の下辺部を除く周縁部は、前保持部材503と中保持部材504の周縁部とにより前後から挟持される。特に第2導光板521の背面における下辺部を除く周縁部には、中保持部材504の凸条562Fが近接して配置される。
また、図24に示すように、第2導光板521は、上端面521Aが第2集光レンズ524の各凸部590の出射面590Aに近接して配置される。つまり、上端面521Aが各第2導光板LED522を通る直線と平行又は略平行をなすように配置される。
一方、第1導光板511を前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511の上辺部は、中保持部材504と後保持部材505の周縁部とにより前後から挟持される。特に第1導光板511の前面における上辺部には、中保持部材504の凸条562Bが近接して配置される。また、後保持部材505の前面に形成された凸条581が、第1集光レンズ514の背面に左右方向にわたり当接するようになっている。
また、図24に示すように、第1導光板511は、上端面511Aが第1集光レンズ514の各凸部590の出射面590Aに近接して配置される。つまり、上端面511Aが各第1導光板LED512を通る直線と平行又は略平行をなすように配置される。また、左端面511Bが第1集光レンズ519の各凸部590の出射面590Aに近接して配置される。つまり、左端面511Bが各第1導光板LED517を通る直線と平行又は略平行をなすように配置される。
第2導光板521を前保持部材503と中保持部材504とにより保持した状態において、第2導光板521と中保持部材504との間に隙間が設けられる。また、第1導光板511を中保持部材504と後保持部材505とにより保持した状態において、第1導光板511と中保持部材504との間に隙間が設けられる。
詳しくは、例えば、図17の拡大図に示すように、中保持部材504の凸条562Fと第2導光板521の背面との間には隙間S20が設けられ、中保持部材504の凸条562Bと第1導光板511の前面との間には隙間S21が設けられる。これら隙間S20,21は、第2導光板521や第1導光板511の板厚寸法L15以下の寸法(例えば、約0.2mm程度)とされている(S20,S21<L15)。
また、例えば、図19の拡大図に示すように、第3位置決め用ボス573Aの中保持部材504の背面からの突出長さL30は、上記隙間S21よりも長寸とされている(L30>S21)ことで、第3位置決め用ボス573Aと後保持部材505との間から第1導光板511が抜けてしまうことが防止されている。
また、例えば、図8及び図21(A)、(B)に示すように、保持体としての前保持部材503の左右の側辺部503L,503Rには、第1導光板511を保持した状態において該第1導光板511と対向する凹凸部549L,549Rが、内壁部548L,548Rの後端縁部に形成されている。そしてこの凸部549Aと第1導光板511の前面との間に隙間S22が設けられる。これら隙間S22は、第2導光板521や第1導光板511の板厚寸法L15以下の寸法(例えば、約0.2mm程度)とされている(S22<L15)。
また、図8(A)に示すように、第1導光板511を中保持部材504と後保持部材505とで挟持した状態において、凹凸部549L,549Rは、第1導光板511の背面に形成されたエジェクタピン跡650と対向しない位置に配置されている。詳しくは、第1導光板511が中保持部材504と後保持部材505とにより保持された状態において、第1導光板511の左側辺に形成された各エジェクタピン跡650は、凹凸部549L,549Rよりも内側、つまり、周縁から離れた位置に形成されているため、エジェクタピン跡650が凸部549Aと接触することにより第1導光板511の表面に傷が付くことが抑制されている。
図26及び図27に示すように、このように構成された導光板装置500にあっては、第1導光板511及び第2導光板521を保持体としての前保持部材503,中保持部材504及び後保持部材505により、第1導光板511及び第2導光板521の周縁の一部(上辺部及び左右側辺部)を前後側から挟持するように保持することで、保持体における前取付位置に第2導光板521が取付けられ、前取付位置よりも後方の後取付位置に第1導光板511が取付けられる。
そして、このように2枚の第1導光板511及び第2導光板521が前保持部材503,中保持部材504及び後保持部材505により保持された状態において、前側の第2導光板521の前面周縁部には前保持部材503が対向して配置されるとともに(図27(A)参照)、背面周縁部には中保持部材504が対向して配置され(図27(B)参照)、後側の第1導光板511の前面周縁部には中保持部材504が対向して配置されるとともに(図27(C)参照)、背面周縁部には後保持部材505が対向して配置される(図27(D)参照)。
特に、第2導光板521の背面における上辺部及び左右斜辺部には、中保持部材504の凸条562Fが近接して配置される。また、第1導光板511の前面における上辺部及び左右斜辺部には、中保持部材504の凸条562Bが近接して配置され、背面における上辺部及び左右側辺部には、後保持部材505の凹凸部549L,549Rの凸部549Aが近接して配置される。これら凸条562F,562Bと凹凸部549L,549Rの凸部549Aとは、保持体の保持部として機能する。
また、本実施例では、第1導光板511及び第2導光板521の前後面が前保持部材503,中保持部材504及び後保持部材505により保持される一方で、第1位置決め用ボス571,551、第2位置決め用ボス572,552,542、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが第1孔部601,611、第2孔部602,612,622、第3孔部633A,633B,643A,643Bにそれぞれ挿入されることで、第1導光板511及び第2導光板521の保持体に対する取付位置が決定され、保持体からの下方への逸脱が防止される。
次に、図22及び図23に基づいて、第1導光板511及び第2導光板521の熱膨張について説明する。
第1導光板511及び第2導光板521は、アクリル樹脂材により板厚寸法L15が約2.5mmの透明板からなるため、前述したように、パチンコ遊技機1の内部の温度変化に応じて伸び縮みが生じる。
本実施例では、例えば、図23に示すように、第1導光板511における第1孔部611と第3孔部643Bまでの離間寸法L40は約442mmであり、この場合、製造上の寸法公差は±0.6mm程度となり、40度の温度変化に対し最大で約1.6mm程度の伸びが発生する。よって、第1孔部611と第3孔部643Bの位置が固定されていると、温度変化により約16.3mm程度の不可逆的な反りが発生することがある。
まず、第2導光板521について説明すると、図22(A)に示すように、第2導光板521を前保持部材503と中保持部材504とにより保持した状態において、第1孔部601には第1位置決め用ボス551が嵌合され、第2孔部602の左右方向の略中央位置には第2位置決め用ボス552が挿入される。
図22(B)に示すように、第2導光板521が熱膨張する場合、第2導光板521は、前保持部材503と中保持部材504に対し相対移動することになるが、第1孔部601が前保持部材503に形成された第1位置決め用ボス551に嵌合されていることで、第1孔部601を基準として放射状(図中矢印方向)に伸長することになる。
ここで、第1孔部601及び第2孔部602は、第2集光レンズ524の出射面590Aから出射される光が入射される上端面521Aの近傍に設けられており、また、第1位置決め用ボス551との上下方向の隙間S1及び第2位置決め用ボス552との上下方向の隙間S3は小さいため、第1孔部601及び第2孔部602から上方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第2導光板521の上端面521Aが上方の第2集光レンズ524側に伸長することで、第2集光レンズ524との離間寸法が左右方向の一の位置(例えば、右側位置)と他の位置(例えば、左側位置)との間で異なる、つまり、第2集光レンズ524の出射面590Aと上端面521Aとの位置関係がずれてしまったり、上端面521Aが第2集光レンズ524に接触するなどして、第2集光レンズ524が傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第2位置決め用ボス552と第2孔部602との隙間S2が隙間S1よりも大きいことで、第1孔部601を基準とする左方向への伸びは許容されるため、図22(B)に示すように、第2孔部602が第2位置決め用ボス552に対し左側に大きくずれた場合でも、第2導光板521を前取付位置に位置決めするための第2位置決め用ボス552を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503及び中保持部材504に対する位置ずれにより、第2集光レンズ524から上端面521Aへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
尚、第2導光板521は、上辺部の第1孔部601と第2孔部602以外に位置決め用の孔部は設けられていないため、第1孔部601を基準とする下方への伸びは許容されることになる。
次に、第1導光板511について説明すると、図23(A)に示すように、第1導光板511を前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505により保持した状態において、第1孔部611には第1位置決め用ボス571が嵌合され、第2孔部612の左右方向の略中央位置には第2位置決め用ボス572が挿入され、第2孔部622の上下方向の略中央位置には第2位置決め用ボス542が挿入される。また、第3孔部633A,633Bの略中央位置には、第3位置決め用ボス573A,573Bが、第3孔部633A,633Bの中心に軸心が位置するように設けられ、第3孔部643A,643Bの略中央位置には、第3位置決め用ボス543A,543Bが、第3孔部643A,643Bの中心に軸心が位置するように設けられる。
図23(B)に示すように、第1導光板511が熱膨張する場合、第1導光板511は、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505に対し相対移動することになるが、第1孔部611が中保持部材504に形成された第1位置決め用ボス571に嵌合されていることで、第1孔部611を基準として放射状(図中矢印方向)に伸長することになる。
ここで、第1孔部611及び第2孔部612は、第1集光レンズ514の出射面590Aから出射される光が入射される上端面511Aの近傍に設けられており、また、第1孔部601と第1位置決め用ボス571との上下方向の隙間S11及び第2孔部602と第2位置決め用ボス572との上下方向の隙間S13は小さいため、第1孔部611及び第2孔部612から上方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第1導光板511の上端面511Aが上方の第1集光レンズ514側に伸長することで、第1集光レンズ514との離間寸法が左右方向の一の位置(例えば、右側位置)と他の位置(例えば、左側位置)との間で異なる、つまり、第1集光レンズ514の出射面590Aと上端面511Aとの位置関係がずれてしまったり、上端面511Aが第1集光レンズ514に接触するなどして、第1集光レンズ514が傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第2位置決め用ボス572と第2孔部612との隙間S12が隙間S11よりも大きいことで、第1孔部611を基準とする右方向への伸びは許容されるため、図23(B)に示すように、第2孔部612が第2位置決め用ボス572に対し右側に大きくずれた場合でも、第1導光板511を後取付位置に位置決めするための第2位置決め用ボス572を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505に対する位置ずれにより、第1集光レンズ514から上端面511Aへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
また、第1孔部611及び第2孔部622は、第1集光レンズ519の出射面590Aから出射される光が入射される左端面511Bの近傍に設けられており、また、第1孔部611と第1位置決め用ボス571との左右方向の隙間S11及び第2孔部612と第2位置決め用ボス542との左右方向の隙間S15は小さいため、第1孔部611及び第2孔部622から左方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第1導光板511の左端面511Bが左方の第1集光レンズ519側に伸長することで、第1集光レンズ519との離間寸法が上下方向の一の位置(例えば、上側位置)と他の位置(例えば、下側位置)との間で異なる、つまり、第1集光レンズ519の出射面590Aと左端面511Bとの位置関係がずれてしまったり、左端面511Bが第1集光レンズ519に接触するなどして、第1集光レンズ519が傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第2位置決め用ボス542と第2孔部622との隙間S14が隙間S11よりも大きいことで、第1孔部611を基準とする下方向への伸びは許容されるため、図23(B)に示すように、第2孔部622が第2位置決め用ボス572に対し下側に大きくずれた場合でも、第1導光板511を後取付位置に位置決めするための第2位置決め用ボス542を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505に対する位置ずれにより、第1集光レンズ519から左端面511Bへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
また、第1導光板511の四隅に形成された第3孔部633A,633B,643A,643Bと第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bとの間の隙間S16が第1孔部611と第1位置決め用ボス571との隙間S11より大きいことで、第1孔部611を基準とする前後左右方向(全方向)への伸びは許容されるため、図23(B)に示すように、各第3孔部633A,633B,643A,643Bが各第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bに対し任意の方向に大きくずれた場合でも、第1導光板511を後取付位置に位置決めするための第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bを押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505に対する位置ずれにより、第1集光レンズ514,519から上端面511Aや左端面511Bへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
尚、図22及び図23では、第1導光板511や第2導光板521が熱膨張した場合について説明したが、例えば、冬季における製造時、保管時、遊技場の非営業時などにおいてパチンコ遊技機1の内部温度が低下して第1導光板511や第2導光板521が収縮した場合にあっては、特に図示はしないが、第1孔部601,611を基準として放射状に収縮、つまり、第1導光板511や第2導光板521の周縁部が第1孔部601,611に向けて移動するように収縮する。
このような場合でも、第2孔部602,612,622の長手方向の略中央位置に第2位置決め用ボス552,572,542が挿入されており、また、第3孔部633A,633Bの略中央位置には、第3位置決め用ボス573A,573Bが、第3孔部633A,633Bの中心に軸心が位置するように設けられ、第3孔部643A,643Bの略中央位置には、第3位置決め用ボス543A,543Bが、第3孔部643A,643Bの中心に軸心が位置するように設けられることで、第2位置決め用ボス552,572,542及び第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bに対する第2孔部602,612,622及び第3孔部633A,633B,643A,643Bの第1孔部601,611側への移動が許容されるため、第2位置決め用ボス552,572,542及び第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの破損が防止される。
次に、導光板装置500による演出表示態様について、図24及び図25に基づいて説明する。図24は、(A)は第2演出表示態様、(B)は第1演出表示態様を示す説明図である。図25は、(A)はLED、集光レンズ、導光板の導光態様を示す図、(B)は図24(A)のL−L断面図である。
図24(A)及び図25に示すように、第2導光板LED522を点灯すると、第2導光板LED522からの光が第2集光レンズ524の入射面591Aに入射され、第2集光レンズ524の内部を反射しながら導光されて出射面590Aから出射され、第2導光板521の上端面521Aに入射される。そして、上端面521Aから入射された光が内部で反射しながら導光され、反射部596にて前方に向けて反射されることで、第2導光板521を正面から見たときに、第2導光板521における反射部596に対応する領域が発光することにより、「激熱!」なる文字が発光表示される第2演出表示が行われる。
また、第1導光板LED512を点灯すると、第1導光板LED512からの光が第1集光レンズ514の入射面591Aに入射され、第1集光レンズ514の内部を反射しながら導光されて出射面590Aから出射され、第1導光板511の上端面511Aに入射される。そして、上端面511Aから入射された光が内部で反射しながら導光され、反射部598にて前方に向けて反射されることで、第1導光板511を正面から見たときに、第1導光板511における反射部598に対応する領域が発光することにより、「激熱!」なる文字が発光表示される第2演出表示が行われる。尚、可動体301が待機位置に位置している場合、該可動体301の前面側に「激熱!」なる文字が発光表示される。
尚、第1導光板LED512と第2導光板LED522とを同時に点灯させた場合は、第2導光板521と第1導光板511双方で「激熱!」なる文字が前後に重畳して発光表示される。
一方、左側の第1導光板LED517を点灯すると、第1導光板LED517からの光が第1集光レンズ519の入射面591Aに入射され、第1集光レンズ519の内部を反射しながら導光されて出射面590Aから出射され、第1導光板511の左端面511Bに入射される。そして、左端面511Bから入射された光が内部で反射しながら導光され、反射部598にて前方に向けて反射されることで、第1導光板511を正面から見たときに、第1導光板511における反射部598に対応する領域が発光することにより、エフェクトが発光表示される第1演出表示が行われる。尚、可動体301が演出位置に位置している場合、該可動体301の周囲にエフェクトが発光表示される。
本実施例において、演出制御用CPU120は、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出として、「激熱!」なる文字を発光表示する第2演出表示を実行可能としている。つまりこの第2演出表示は、遊技者に対し大当りの可能性が高いことを示唆する文字であり、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張により好適な発光表示が行われず遊技者が文字を認識できないと予告演出としての意味をなさなくなるものであるため、単に演出位置へ移動した可動体301の周囲を装飾するエフェクトが発光表示される第1演出表示よりも重要度が高い演出とされている。詳しくは、前述したように第1導光板511や第2導光板521が熱膨張したことにより、出射面590Aと上端面511A,521Aとの位置関係がずれてしまったり、第2集光レンズ524や第1集光レンズ514が破損することにより、「激熱!」なる文字を遊技者が認識可能な態様で発光表示することができなくなった場合、大当りの可能性を示唆することができなくなり、これにより遊技者の期待感を好適に向上させることができなくなる虞がある。
一方、エフェクトについては、第1導光板511が熱膨張したことにより、出射面590Aと左端面511Bとの位置関係がずれてしまったり、第1集光レンズ519が破損することによりエフェクトを遊技者が認識可能な態様で発光表示することができなくなった場合、装飾性は低下するものの、大当りの可能性を示唆することができなくなるということはない。
よって、本実施例では、第1演出表示よりも重要度が高い第2演出表示を実行する際に発光させる第1導光板LED512、第2導光板LED522に対応する部位については、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張により第2集光レンズ524や第1集光レンズ514と上端面511A,521Aとの位置関係が変化しないように、第1導光板511や第2導光板521において、各第1孔部601,611と各第2孔部602,612とは、直線LN2,LN4が上端面511A,521Aに沿う直線LN1,LN3に対し平行をなすように設けられている。
尚、本実施例では、第2孔部622については、第1孔部611と第2孔部622とを通過する直線が左端面511Bに沿う直線に対し平行をなすように設けられていなかったが、第1孔部611と第2孔部622とを通過する直線が左端面511Bに沿う直線に対し平行をなすように設けてもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段としての第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が上端面511A,521A、左端面511Bから入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な第1導光板511及び第2導光板521と、第1導光板511、第2導光板521が取付けられる被取付部としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505と、を備え、被取付部は、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522に対する第1導光板511、第2導光板521の位置決め用のボスとして、第1位置決め用ボス571,551と第2位置決め用ボス572,552,542とを含む複数の位置決め用ボスを有し、第1導光板511、第2導光板521は、第1位置決め用ボス571,551が挿入可能な第1挿入部としての第1孔部601,611と、第2位置決め用ボス572,552が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部602,612,622とを含む複数の挿入部を有し、第2位置決め用ボス572,552,542と第2孔部602,612,622とは、第1導光板511、第2導光板521を被取付部に取付けた状態において、第2位置決め用ボス572,552,542と第2孔部602,612,622との間に生じる隙間S2,S12,S14が第1位置決め用ボス571,551と第1孔部601,611,622との間に生じる隙間S1,S11よりも大きく、上端面511A,521A、左端面511Bに平行または略平行な特定方向への第1導光板511、第2導光板521の移動を許容する一方で該特定方向以外の方向への第1導光板511、第2導光板521の移動を規制するように設けられる。
このようにすることで、第2位置決め用ボス572,552,542と第2孔部602,612,622とにより第1導光板511、第2導光板521の第1導光板LED512,517、第2導光板LED522側への移動が規制されることで、熱膨張時の入光状況の変化(例えば、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張により上端面511A,521Aが出射面590Aに近づくなど、上端面511A,521Aと出射面590Aとの離間距離が変化する)を抑えることができるので、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
尚、前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間の隙間(例えば、隙間S1,S11)は、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部との間の隙間(例えば、隙間S2,S12,S14)よりも小さいものであればよく、前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間に隙間がないものを含む。
また、第2孔部602,612,622は、第1導光板511、第2導光板521の周縁(入射面)近傍に設けられることが好ましい。詳しくは、第1導光板511、第2導光板521の周縁(入射面)から第2孔部602,612,622までの離間距離は、周縁(入射面)から第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bまでの離間距離よりも小さい距離であることが好ましい。具体的には、第1導光板511、第2導光板521の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置であって、板厚寸法L15の3倍以下の範囲となることが好ましい。
また、第1孔部601,611と第2孔部602,612とは、第1孔部601,611と第2孔部602,612とを結ぶ直線LN2,LN4が上端面511Aに沿うLN3,上端面521Aに沿うLN1と平行または略平行となるように設けられている。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。詳しくは、第1導光板511、第2導光板521の周縁(入射面)から第1孔部601,611までの第1離間距離と第1導光板511、第2導光板521の周縁(入射面)から第2孔部602,612までの第2離間距離とが同じになることで、熱膨張による伸び縮みによる影響がほぼ同様に作用するため、第1孔部601,611側と第2孔部602,612側とで上端面511A,521Aとの位置関係が異なってしまうことを抑制できる。
さらに、第1孔部601,611と第2孔部602,612,622とは、上端面511A,521A、左端面511Bに対応する位置であって、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522に対応しない位置に設けられることが好ましい。このようにすることで、第1孔部601,611や第2孔部602,612,622が上端面511A,521A、左端面511Bから第1導光板511、第2導光板521内部に入射された光に影響を及ぼすことを極力回避できる。
また、複数の位置決め用ボスは、第1位置決め用ボス571,551よりも第1導光板LED512,517、第2導光板LED522から遠い位置に設けられる第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bを有し、複数の挿入部は、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部633A,633B,643A,643Bを有し、第1導光板511、第2導光板521を被取付部に取付けた状態において、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bと第3孔部633A,633B,643A,643Bとの間に隙間S16が設けられる。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。詳しくは、第1導光板511、第2導光板521において、第1導光板LED512,517や第2導光板LED522から第1位置決め用ボス571,551よりも遠い位置でも位置決めできるので、熱膨張に対応しつつ、第1導光板511、第2導光板521を安定して保持できる。
また、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bと第3孔部633A,633B,643A,643Bとの間の隙間S16は、第1導光板511、第2導光板521における第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの軸心に対し直交する全方向(上下左右方向)への移動を許容する。
このようにすることで、第1位置決め用ボス571,551に対し任意の位置においても第1導光板511、第2導光板521を安定して位置決めすることができるため、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、第1導光板511、第2導光板521には、第1孔部601,611がそれぞれ1つのみ設けられる一方で、第3孔部633A,633B,643A,643Bが複数設けられる。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521を安定して位置決めすることができるため、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの直径L2,L6は、第1位置決め用ボス571,551の直径L10よりも大きい(L10>L2,L6)。
このようにすることで、第1位置決め用ボス571,551から離れることで熱膨張の影響が大きくなっても壊れにくいので、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。また、第1導光板LED512,517や第2導光板LED522に対し、第1位置決め用ボス571,551よりも離れた位置に設けられることで、第3孔部633A,633B,643A,643Bを大きくしても、第1導光板511、第2導光板521の内部に入射された光の影響を受けにくいので、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bを大きくして強固に位置決めできる。
複数の挿入部(例えば、第1孔部601,611、第2孔部602,612、第3孔部633A,633B,643A,643B)は、第1導光板511、第2導光板521の周縁から該導光板の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に設けられている。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521の強度を適切に維持することができる。
発光手段は、第1発光手段としての第1導光板LED517と該第1発光手段とは異なる第2発光手段としての第1導光板LED512、第2導光板LED522とを有し、第1導光板511は、第1導光板LED517から光が入射されることにより第1演出表示(例えば、エフェクト)を表示可能であり、第1導光板LED512、第2導光板LED522から光が入射されることにより前記第1演出表示よりも重要度が高い第2演出表示(例えば、「激熱!」なる文字)を表示可能であり、第1孔部601,611と第2孔部602,612とは、第1孔部601,611と第2孔部602,612とを結ぶ直線LN2,LN4が第1導光板LED512、第2導光板LED522からの光が入射される端面と平行または略平行となるように設けられている。
このようにすることで、熱膨張による演出表示の影響が重要度の高い演出表示に対して及ぶことを抑制できる一方で、重要度が低い第1演出表示を実行する際に発光する第1導光板LED517に対応して設けられた第2孔部622は、強度等を優先した好適な位置に設けることができるため、第1導光板511、第2導光板521の強度を適切に維持することができる。
また、上記各位置決め用ボスは、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505における導光板の前後面との対向位置に形成されていることで、遊技者側から見えることがないので、見栄えを損ねることがない。
また、本実施例では、第1導光板511及び第2導光板521は、上辺部及び左右側辺部が保持体により保持され、第1位置決め用ボス571,551及び第1孔部611,601と、第2位置決め用ボス572,552及び第2孔部612,602とは、第1導光板511及び第2導光板521の上部左右側に設けられていることで、第1導光板511及び第2導光板521の保持体により保持されていない下辺部側への熱膨張を許容しつつ、集光レンズとの位置関係の変化を抑制することができる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段としての第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が上端面511A,521A、左端面511Bから入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な第1導光板511、第2導光板521と、第1導光板511、第2導光板521を前取付位置や後取付位置に保持するための保持体としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505と、を備え、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505は、第1導光板511、第2導光板521を一面(前面)側と他面(背面)側とから挟み込むように前取付位置や後取付位置に保持可能であり、第1導光板511、第2導光板521を前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511、第2導光板521と前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505との間に隙間S20,S21,S22が設けられる。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。詳しくは、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505は、第1導光板511や第2導光板521の周縁部を前面側と背面側とから挟み込むように保持する構造であるため、設計上、第1導光板511や第2導光板521との間に隙間S20,S21,S22(クリアランス)を設けることで、熱膨張に対し逃げがなくなって反りが生じてしまうことを好適に回避することができる。
また、隙間S20,S21,S22は、第1導光板511、第2導光板521の板厚寸法よりも小さい(図17、S20,S21,S22<L15)。
このようにすることで、隙間S20,S21,S22から第1導光板511、第2導光板521が抜けるのを防止しつつ、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、保持体は、第1部材(例えば、中保持部材504)と第2部材(例えば、後保持部材505)とから構成され、第1部材には、発光手段に対する第1導光板511、第2導光板521の第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが設けられ、第1導光板511、第2導光板521には、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが挿入可能な挿入部としての第3孔部633A,633B,643A,643Bが設けられ、第1導光板511、第2導光板521を前記保持体により保持した状態において、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの突出寸法L30は、第1導光板511、第2導光板521と中保持部材504との間の隙間S20,S21,S22よりも大きい。
このようにすることで、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bと後保持部材505との間から第1導光板511や第2導光板521が抜けるのを防止しつつ、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、前保持部材503において第1導光板511と対向する位置に凹凸部549L,549Rが設けられ、第1導光板511を前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505により保持した状態において、凹凸部549L,549Rにおける凸部549Aと第1導光板511との間に隙間S22が設けられる(図8(B))。
このようにすることで、第1導光板511の熱膨張に対し好適に対応できる(凹部に関しては導光板との間に凸部との間に設けられる隙間よりも大きい隙間が生じる)。詳しくは、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505は、第1導光板511や第2導光板521の周縁部を前面側と背面側とから挟み込むように保持する構造であるため、凹凸部549L,549Rを設けることで、第1導光板511との接触面積を極力小さくする(部分的に接触させる)ことができる。よって、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応することができる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段としての第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が端面から入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な第1導光板511、第2導光板521と、第1導光板511、第2導光板521を前取付位置、後取付位置に保持するための保持体としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505と、を備え、保持体は、第1導光板511、第2導光板521を一面(前面)側と他面(背面)側とから挟み込むように前取付位置や後取付位置に保持可能であり、第1導光板511、第2導光板521を保持した状態において該第1導光板511と対向する位置に凹凸部549L,549Rが設けられ、凹凸部549L,549Rは、第1導光板511を前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511に形成されたエジェクタピン跡650と対向しない位置に配置されている。
このように、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505は、第1導光板511や第2導光板521の周縁部を前面側と背面側とから挟み込むように保持する構造であるが、凹凸部549L,549Rを設けることで、第1導光板511との接触面積を極力小さくする(部分的に接触させる)ことができる。また、第1導光板511や第2導光板521の前面や背面に形成されたエジェクタピン跡650(凸部)は凹凸部549L,549Rと対向しないことで、熱膨張により第1導光板511や第2導光板521が伸び縮みしてエジェクタピン跡650が凹凸部549L,549Rに接触することを回避できるため、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、第1導光板511を前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511と凸部549Aとの間に隙間(例えば、隙間S22)が設けられる(図8(B))。
このように、第1導光板511や第2導光板521との間に隙間S22(クリアランス)を設けるようにことで、熱膨張に対し逃げがなくなって反りが生じてしまうことを好適に回避することができるため、第1導光板511の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段としての第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と、光が上端面511A,521A、左端面511Bから入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な第1導光板511、第2導光板521と、前記発光手段から入射された光を第1導光板511、第2導光板521に向けて出射する導光部材としての第1集光レンズ514,519、第2集光レンズ524と、第1集光レンズ514,519、第2集光レンズ524が取付けられる被取付部(例えば、前保持部材503の背面及び第1導光板LED基板513の背面、第2導光板LED基板523の前面及び後保持部材505の前面、第1導光板LED基板518Lの背面)と、を備え、第1集光レンズ514,519、第2集光レンズ524には、被取付部に取付けられた状態において該被取付部に設けられた挿入部としての位置決め孔530,594、位置決め孔595,580、位置決め孔595Aに挿入可能な集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bが突出して設けられている。
このようにすることで、集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bを位置決め孔530,594、位置決め孔595,580、位置決め孔595Aに挿入することで第1集光レンズ514,519や第2集光レンズ524の取付位置が決定されるため、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524を好適に取付けることができる。
また、第1集光レンズ514,519と第2集光レンズ524の集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、それぞれ第1導光板LED512,517、第2導光板LED522が設けられた第1導光板LED基板513,518Lと第2導光板LED基板523に設けられた位置決め孔594,595,595Aに挿入されることで、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522に対し正確に位置決めできるため、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が好適に入射されるようにすることができる。
また、集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、光の出射面590Aや入射面591Aに対し直交する面の表面に突出するように設けられていることで、内部に入射された光の反射に影響を与えにくいようになっている(図14参照)。
このようにすることで、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524を好適に取付けることができる。
また、保持体としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505を備え、前記保持体は、第1導光板511、第2導光板521を前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505により保持した状態において、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524の移動を規制する規制部としてのレンズ用フック531,564、凸条581を有する。
このようにすることで、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524を好適に取付けることができる。また、これらレンズ用フック531,564、凸条581により係止される押え片592A,592Bは、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524の左右端部に形成されているため、導光に極力影響が及ばないように取付けることができる。
また、本実施例では、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光は第1集光レンズ514,519や第2集光レンズ524を介して第1導光板511や第2導光板521に入射されるようになっており、第1集光レンズ514,519や第2集光レンズ524と第1導光板511や第2導光板521とは同じ材質(例えば、アクリル樹脂材など)により形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、集光レンズを導光板とは異なる材質にて構成してもよい。具体的には、導光板よりも熱により変形し難い材質にて構成することで、LEDからの光を好適に導光板に導光することができる。また、材質を異ならせなくても、導光板よりも体積を小さくしたり、板厚を大きくすることにより変形し難いものとしてもよい。
また、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と第1導光板511や第2導光板521との間に第1集光レンズ514,519や第2集光レンズ524が介在することで、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの熱が第1導光板511や第2導光板521に伝達され難くなるので、熱膨張を抑制できる。
また、位置決め用ボスが形成される保持体としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505については、導光板に比べて温度変化により変形し難い材質とすることが好ましいが、第1導光板511や第2導光板521と同じ材質にて構成するようにしてもよい。このようにすることで、温度変化により導光板と保持体とが同様に伸び縮みするので、熱膨張に好適に対応できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、導光板装置500は、複数枚(本実施例では2枚)の第1導光板511と第2導光板521とを有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板は1枚でもよいし、3枚以上有していてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511は前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505により保持されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511は中保持部材504と後保持部材505のみにより保持されていてもよいし、前保持部材503と後保持部材505とにより保持されていてもよい。
また、前記実施例では、第2導光板521は前保持部材503と中保持部材504とにより保持される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前保持部材503と後保持部材505とにより保持されていてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511と第2導光板521を一面側と他面側とから挟持するように保持する保持体として、それぞれ別個の前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505からなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前保持部材503と中保持部材504とが予め一体に形成された断面視略コ字形の保持体により第2導光板521を保持してもよいし、中保持部材504と後保持部材505が予め一体に形成された断面視略コ字形の保持体により第1導光板511を保持してもよい。
また、前記実施例では、保持体としての前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505は、第1導光板511と第2導光板521の周縁の一部(例えば、上辺部及び左右端辺部)を前後から挟持するように保持する構造である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511や第2導光板521の全周縁を囲むように保持するようにしてもよい。
また、前記実施例では、保持体としての前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505に形成された複数の位置決め用ボスを第1導光板511や第2導光板521に形成された複数の孔部に挿入することで、保持体に対する導光板の位置決めをする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら位置決め用ボスと孔部とによる位置決めを行うことなく、導光板を保持体により保持するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511や第2導光板521を取付位置に位置決めするための複数の位置決め用ボスは、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505からなる保持体に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板の被取付部となる部材や構造物(例えば、遊技盤2や演出用の可動体など)の一部を保持体として、該保持体に位置決め用ボスを形成してもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511には第1挿入部として一の第1孔部601が形成され、第2導光板521には一の第1孔部611が形成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511や第2導光板521に複数の第1挿入部を形成してもよい。
また、前記実施例では、第2導光板521に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部が形成されていない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2導光板521に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部を形成してもよい。
また、上記各位置決め用ボスの突出長さ、直径、外形状、形成位置、形成数及びこれらに対応する各孔部の大きさ、外形状、形成位置、形成数については、上記のように例示したものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
また、前記実施例では、第1導光板511に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部633A,633B,643A,643Bが形成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部が形成されていなくてもよい。
また、前記実施例では、第1孔部と第2孔部とは、第1孔部と第2孔部とを結ぶ直線LN2,LN4が上端面511A,521Aに対し平行または略平行をなすように設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも直線LN2,LN4が上端面511A,521Aに対し平行または略平行をなすように設けられていなくてもよく、例えば、第2孔部622のように、少なくとも第2孔部602,612が光の入射面である上端面511A,521Aに沿うように形成されていてもよいし、あるいは、第1孔部を通過する直線に沿うように形成されていてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が第1集光レンズ514,519と第2集光レンズ524を透して第1導光板511、第2導光板521に入射される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が集光レンズを介すことなく直接第1導光板511や第2導光板521に入射されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1集光レンズ514,519と第2集光レンズ524の集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、光の出射面590Aや入射面591Aに対し直交する面の表面に突出するように設けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光に影響を及ぼし難い位置であれば例示した位置以外に形成されていてもよい。
また、前記実施例では、第1集光レンズ514と第2集光レンズ524については、前後面に集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bが突設されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一面に形成されていればよい。また、一の集光レンズに複数形成されていなくてもよい。
また、前記実施例では、第1集光レンズ514と第2集光レンズ524は、複数の凸部591が長手方向に複数連設される形状とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、集光レンズの形状は種々に変更可能であり、上記に例示した形態に限定されるものではない。
また、前記実施例では、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522はフルカラーLEDであり、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の発光色を変化させることで発光演出における演出態様(発光色)を種々に変更可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら第1導光板LED512,517、第2導光板LED522を1色でのみ発光可能な単色LED(例えば、白色LED)を適用し、単色LEDの光を所定色に着色した第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524を透過させ第1導光板511や第2導光板521に入射させることで、第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524に着色された色にて発光演出を実行できるようにしてもよく、このようにした場合、高価なフルカラーLEDを用いることなく、着色された第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524を用いることで種々の演出態様(発光色)で発光演出を行うことができる。
また、前記実施例では、導光板装置500は、遊技盤2に形成された開口2cを被覆するように設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板装置500を透過性を有する盤面板からなる遊技盤2の背面側に設け、遊技者側から透明な盤面板を透して導光板による演出表示を視認可能としてもよい。また、透過性を有する盤面板を反射部を有する導光板とし、該盤面板を利用して演出表示を実行可能としてもよいし、盤面板とその背面に設けた導光板装置双方による演出表示を実行可能としてもよい。さらに、導光板装置は、遊技盤2の前面側にセンター飾り枠51などに任意の位置に取付けられていてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、発光手段(例えば、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522)と、前記発光手段からの光が端面(例えば、上端面511A,521A、左端面511B)から入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な導光板(例えば、第1導光板511、第2導光板521)と、前記導光板が取付けられる被取付部(例えば、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505)と、を備え、前記被取付部は、前記発光手段に対する前記導光板の位置決め用のボスとして、第1位置決め用ボス(例えば、第1位置決め用ボス571,551)第2位置決め用ボス(例えば、第2位置決め用ボス572,552,542)とを含む複数の位置決め用ボスを有し、前記導光板は、前記第1位置決め用ボスが挿入可能な第1挿入部(例えば、第1孔部601,611)と、前記第2位置決め用ボスが挿入可能な第2挿入部(例えば、第2孔部602,612,622)とを含む複数の挿入部を有し、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部とは、前記導光板を前記被取付部に取付けた状態において、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部との間に生じる隙間(例えば、隙間S2,S12,S14)が前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間に生じる隙間(例えば、隙間S1,S11)よりも大きく、前記端面に平行または略平行な特定方向への前記導光板の移動を許容する一方で該特定方向以外の方向への前記導光板の移動を規制するように設けられ(例えば、図18、図19、図22、図23)、さらに、遊技者が接触可能な位置(例えば、パチンコ遊技機901の下方位置)に、動作可能に設けられた可動体(例えば、操作レバー9031を有する操作モジュール90M)と、少なくとも前記可動体に関する異常報知を実行可能な異常報知手段(例えば、演出制御用CPU90120が、図44に示すサブ側エラー処理を行う部分)と、を備え、前記可動体が第1状態(例えば、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しておらず、操作可能位置に位置している状態)であるときに該可動体の動作が妨げられたときと、前記可動体が前記第1状態とは異なる第2状態(例えば、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しており、操作可能位置から格納位置に変位中である状態)であるときに該可動体の動作が妨げられたときとで、前記異常報知手段による異常報知の態様が異なる(例えば、図46に示すように、遊技者によるレバー操作が継続していることによる操作レバーエラーのときには、演出表示装置905にエラー表示を表示するがエラー音を出力しない態様にてエラーを報知し、異物が挟まったこと等により操作レバー9031の変位が不能となった過負荷エラーのときには、演出表示装置5にエラー表示を表示するとともにエラー音を出力する態様にてエラーを報知する部分)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、導光板の熱膨張に対し好適に対応できる。また、可動体の状況に応じた異常報知を行うことができる。
また、上記遊技機において、異常報知を導光板を用いて行うようにしてもよい。また、導光板以外(例えば、演出表示装置5)を用いて異常報知を行う場合には、異常報知を行うときに導光板の発光を制限するようにしてもよい。このような構成によれば、好適に異常報知を行うことができる。
さらに、導光板の熱膨張に対し好適に対応でき、また、可動体の状況に応じた異常報知を行うことができる遊技機の形態の一例として、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、遊技者が接触可能な位置(例えば、パチンコ遊技機901の下方位置)に、動作可能に設けられた可動体(例えば、操作レバー9031を有する操作モジュール90M)と、少なくとも前記可動体に関する異常報知を実行可能な異常報知手段(例えば、演出制御用CPU90120が、図44に示すサブ側エラー処理を行う部分)と、を備え、前記可動体が第1状態(例えば、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しておらず、操作可能位置に位置している状態)であるときに該可動体の動作が妨げられたときと、前記可動体が前記第1状態とは異なる第2状態(例えば、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しており、操作可能位置から格納位置に変位中である状態)であるときに該可動体の動作が妨げられたときとで、前記異常報知手段による異常報知の態様が異なる(例えば、図46に示すように、遊技者によるレバー操作が継続していることによる操作レバーエラーのときには、演出表示装置905にエラー表示を表示するがエラー音を出力しない態様にてエラーを報知し、異物が挟まったこと等により操作レバー9031の変位が不能となった過負荷エラーのときには、演出表示装置5にエラー表示を表示するとともにエラー音を出力する態様にてエラーを報知する部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。尚、以下の説明にて、図28の手前側をパチンコ遊技機901の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、この実施例でパチンコ遊技機901の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機901を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS901」と記載する箇所を「S901」と略記する場合がある。また、この実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図28は、この実施例のパチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機901(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤902(ゲージ盤)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠903(台枠)とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図28に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDで点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器904Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよいし、これら「00」〜「99」を示す各セグメントが、「00」〜「99」を視認不能にランダムに配置された表示器により変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤902の遊技領域の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器904Aでの第1特図の変動と第2特別図柄表示器904Bでの第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置905の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器904Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、演出図柄の変動表示中に変動表示が仮停止するようにしても良い。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905R、又は、演出図柄表示エリア905L,905C,905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア905Lなど)にて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。
演出表示装置905の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。この実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とする。
尚、以下の説明では、第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uでの表示を保留表示と総称することがある。
図28に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。
演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図29に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態にて、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図29に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図29に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方位置には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図29に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。このように、大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図29に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、開放状態となった特別可変入賞球装置907の大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口(例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置907の大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907の大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図28に示す例では、遊技領域の下方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器9020の側方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L,908Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、演出用LED909が設けられている。
遊技機用枠903の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域下方の遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿(図示略)が設けられている。
また、上皿の下方位置には、遊技機の前方に膨出する膨出部9030が形成されており、該膨出部9030の上面には、遊技者が操作可能な操作レバー9031が上方側に突出可能に設けられている。操作レバー9031は、その上端面に、遊技者が押圧操作可能なプッシュボタン9031Aが設けられているとともに、膨出部9030の上面から突出した状態において、プッシュボタン9031Aが設けられている操作レバー9031の上端の略五角形状の把持部を遊技者側に引く傾倒操作が可能とされている。
ここで、図30を用いて、この実施例の操作レバー9031が突出する機構について簡潔に説明する。膨出部9030の内部には、図30に示すように、操作レバー9031を有する操作モジュール90Mが格納されている。尚、膨出部9030の上部には、プッシュボタン9031Aを有する把持部を収納可能な収納凹部9030’が形成されており、該収納凹部9030’に把持部が収納されている状態においては、プッシュボタン9031Aの操作のみが可能とされ、操作レバー9031の傾倒操作は不能とされている。
操作モジュール90Mは、該操作モジュール90Mを固定するための固定ベース部9029と、該固定ベース部9029に対し、その下端部が前後方向に揺動自在に連結された筒状の昇降ユニット9033と、昇降ユニット9033の上端面の中心位置から上方に向けて突出するように設けられ、プッシュボタン9031Aを有する操作レバー9031とから主に構成されている。
尚、操作レバー9031は、昇降ユニット9033内部に挿通された昇降アーム9032を有しており、該昇降アーム9032が昇降ユニット9033によって上昇・下降されることで、収納凹部9030’に把持部が格納された状態と、収納凹部9030’から把持部が突出した状態とに変位可能(出没可能)とされている。
昇降ユニット9033の下端部には、後述する演出制御基板9012に接続されて、該演出制御基板9012によって動作が制御されるレバー用モータ9036が内蔵されており、該レバー用モータ9036によって回転される回転軸9036’が昇降アーム9032の下端から昇降アーム9032の内部に挿通されている。尚、この実施例では、レバー用モータ9036としてステッピングモータが適用されている。
この実施例の回転軸9036’には螺旋状の溝部が形成されているとともに、昇降アーム9032には、該溝部と螺号する溝係合部が形成されており、回転軸9036’を正回転させることで、昇降アーム9032が上昇し、回転軸9036’を逆回転させることで、昇降アーム9032が下降するようになっている。
また、昇降ユニット9033の後方側には、図30に示すように、昇降ユニット9033の側面と膨出部9030の内部側面(背面)との間に略水平状にスプリング9039が架設されており、昇降ユニット9033並びに操作レバー9031が、非操作状態の所定位置(図30(A)に示す位置)に常に位置するように付勢されており、該スプリング9039の付勢に抗して傾倒操作された操作レバー9031の操作が終了された際(遊技者が手を離した場合)には、操作レバー9031がスプリング9039の付勢によって非操作状態の所定位置に戻るようになっている。
尚、収納凹部9030’には、昇降アーム9032が挿通される挿通孔部9034と、該挿通孔部9034を塞ぐように設けられた弾性部材から成るブーツが設けられており、ブーツによって挿通孔部9034が塞がれていることによって、遊技球やゴミ等が膨出部9030の内部に侵入することを防止できるようになっている。
また、昇降ユニット9033内部には、昇降アーム9032が最も下降した位置である原点位置の近傍に、昇降アーム9032が原点位置に位置しているか否かを検出するためのレバー原点検出センサ9038が設けられている。また、固定ベース部9029の内部には、操作レバー9031を前方に傾倒するレバー操作の有無を検出するためのレバー操作検出センサ9035Aが設けられており、操作レバー9031の内部には、プッシュボタン9031Aの操作を検出するためのプッシュセンサ9035Bが設けられており、これらの各センサは、後述する演出制御基板9012に接続されており、該演出制御基板9012に対して検出信号を出力可能とされている。
パチンコ遊技機901には、例えば、図29に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081,9082に伝送するソレノイド回路90111などが搭載されている。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置905、スピーカ908L,908R及び演出用LED909といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板9012は、演出表示装置905の表示動作や、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90Mの動作や、スピーカ908L,908Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED909などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。尚、中継基板9015を有しない構成としても良い。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ908L,908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED909などの点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図29に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板9011には、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図31は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図31に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器904Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器904Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/output port)90105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板9011では、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´、普図表示結果判定用の乱数値MR4´等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR4´の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路90104にてカウントしない乱数値については、CPU90103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図32は、この実施例の変動パターンを示している。この実施例では、図32に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、この実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、この実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、この発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図32に示すように、この実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、この実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、この実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度(大当り信頼度)が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度(大当り信頼度)が高くなっている。また、この実施例では、大当りとなる場合に、必ずリーチ状態となってスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチのいずれかが実行されるようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、非リーチの変動パターンでも大当りとなる場合があるようにしてもよい。
図29に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図32に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図33は、ROM90101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、この発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
この実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1´と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、この実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(この実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(この実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM90101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2´に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3´に基づいて変動パターンを、前述した図32に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図34(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。尚、図34(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図34(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。
また、ROM90101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。尚、この実施例では、はずれのときよりも大当りとなるときの方がリーチの変動パターンが決定されやすくなり、リーチが発生した場合の方が大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高くなるとともに、同じリーチの変動パターンであっても、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高く、同じスーパーリーチであってもスーパーリーチβの変動パターンの方が、確変大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高くなるように、大当り用変動パターン判定テーブルとはずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、各変動パターンに対応する判定値が設定されている。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルは、合計保留記憶数や時短状態に対応した複数のテーブルを含んでおり、保留記憶数や時短状態に応じて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−2)や、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−3)や、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−4)を、合計保留記憶数や遊技状態(時短状態)に応じて決定することで、合計保留記憶数が多くなる程、短い変動パターンが実行され易い、つまり、単位時間当りの変動回数が高まることで、無駄な始動入賞の発生を防ぐことが可能であるとともに、時短制御中(時短状態中)では、時短制御が実行されていないときよりも、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−4)が多く決定されて単位時間当りの変動回数が高まることで、次の大当りまでの期間を短縮でき、遊技者の連荘感を向上できるようになっている。
図29に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は、その一部または全部が所定の電源基板からのバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または全部の内容は保存され、再度の電源投入にて、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータ等の遊技の進行状態を示すデータを引き継ぐようにすればよい。
このようなRAM90102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1´、乱数値MR2´、乱数値MR3´を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1´、乱数値MR2´、乱数値MR3´を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部とを備えている。
図29に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信処理なども行われる。
尚、演出制御基板9012の側でも、主基板9011と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。また、ROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90Mの動作を含む演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作や各可動体(第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M)を動作させるリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、RAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
尚、この実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられ、その時点の保留記憶の状況を特定可能な保留記憶バッファを構成するデータが記憶されており、該保留記憶バッファのデータに基づいて、第1保留記憶表示エリア905Dと第2保留記憶表示エリア905Uの保留表示が表示される。
演出制御基板9012には、可動体としての第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90Mが接続されており、該第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90Mの動作が演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)により制御される。
具体的には、図29に示すように、第1可動役物90300を駆動するための第1可動役物駆動モータ90303、第1可動役物90300が原点位置に位置しているか否かを検出するための第1可動役物原点検出センサ90316(フォトセンサ)、第2可動役物90400を駆動するための第2可動役物駆動モータ90411,90421、第2可動役物90400が原点位置に位置しているか否かを検出するための第2可動役物原点検出センサ90440A,90440B(フォトセンサ)、第3可動役物90500を駆動するための第3可動役物駆動モータ90520、操作モジュール90Mが有する操作レバー9031を動作させるためのレバー用モータ9036、操作レバー9031が原点位置に位置しているか否かを検出するためのレバー原点検出センサ9038(フォトセンサ)が接続されており、第1可動役物駆動モータ90303、第2可動役物駆動モータ90411,90421、第3可動役物駆動モータ90520、レバー用モータ9036の動作を制御することで、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M(操作レバー9031)の動作を、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)が個別に制御することが可能とされているとともに、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作レバー9031が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)が検知できるようになっている。
また、演出制御用CPU90120は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。演出制御用CPU90120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出(リーチ演出やスーパーリーチ演出等を含む)、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。そして演出制御用CPU90120は、これら予告演出を含む各種演出において、各可動体(第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M)を原点位置から演出位置や操作可能位置まで動作させる可動体演出を実行可能としている。
ここで、操作モジュール90M以外の可動体である第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500それぞれの構造について、簡単に説明する。
第1可動役物90300は、遊技盤902と該遊技盤902の背面側に設けられる演出表示装置905との間における演出表示装置905の下方位置に設けられ、所定箇所に固設されたベース部90301と、該ベース部に対し回動可能に設けられた第1可動部90302と、第1可動部90302が横向きに傾倒している第1退避位置(原点位置、初期位置)と、第1退避から離れた位置において第1可動部90302が縦向きに起立している第1演出位置と、の間で往復動作(揺動)させる第1可動役物駆動モータ90303と、を有する。尚、この実施例では、第1可動役物駆動モータ90303としてステッピングモータが適用されている。
ベース部90301には、回動軸90310を挿通可能な軸受孔が貫通して形成されているとともに、該軸受孔の周辺には、軸受孔を中心とする円弧形状をなすガイド溝が形成されている。ベース部90301の背面における軸受孔の右下方位置には第1可動役物駆動モータ90303が背面に固設されており、ベース部90301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤が固着されている。
回転盤の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材が突設されており、該軸部材には、リンク部材の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤の周縁における軸部材の反対側には被検出部が突設されており、該被検出部が回転盤の下方に設けられた第1可動役物原点検出センサ90316により検出されることで、演出制御用CPU90120は第1可動部が傾倒位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。つまり、第1可動役物90300は後述する非検出時動作制御または検出時動作制御の対象となる動作対象可動体とされている。
尚、この実施例では、第1可動部90302は、横向きに傾倒している第1退避位置にあるときには演出表示装置905の表示画面の下方に退避し(図28参照)、起立状態となる第1退避位置から離れた第1演出位置において演出表示装置905の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている。
第1可動部90302は、ベース部90301に対し回動可能に設けられた回動部材90320に設けられ、例えば内蔵された発光体(図示略)により前面部が発光可能とされている。回動部材90320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔に後側から挿入される回動軸90310と、回動軸90310の左側に突設されガイド溝に後側から挿入される第1ガイド軸と、回動軸90310の右上に突設されガイド溝に後側から挿入される第2ガイド軸と、を有する。
ガイド溝を挿通してベース部90301の前面側に突出した第2ガイド軸の先端には、リンク部材の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤と回動部材90320とはリンク部材を介して連結されている。また、回動軸90310の外周には、回動部材90320を第1演出位置側へ向けて常時付勢するコイルバネが設けられている。
このように構成された第1可動役物90300は、原点位置(初期位置)において、第1可動部90302が傾倒位置に位置する。そして、第1可動役物駆動モータ90303により回転盤が正面視時計周りに回動することにより、リンク部材により第2ガイド軸が下方に引かれることで、回動軸90310を中心として正面視時計回りに約90度回転し、第1可動部90302が第1演出位置である起立位置まで回転する。尚、第1退避位置から第1演出位置へ回動する際に、コイルバネの付勢力が作用するため、第1可動役物駆動モータ90303にかかる負荷が軽減される。また、第1可動役物駆動モータ90303を逆駆動させることで、第1演出位置から第1退避位置へ回動する。
また、第1可動役物90300が第1退避位置へ移動したときに第1ガイド軸がガイド溝の一端に当接することにより、第1可動役物90300の正面視反時計回りの回動が規制され、第1可動役物90300が第1演出位置へ移動したときに第2ガイド軸がガイド溝の他端に当接することにより、第1可動役物90300の正面視時計回りの回動が規制されるようになっている。
また、第2可動役物90400は、左右方向に延設され演出表示装置905の左右寸法よりも若干短寸をなす第2可動部90401と、上下方向に延設され演出表示装置905の上下寸法よりもほぼ同寸をなす第2可動部90402と、を有する。第2可動部90401,90402は、遊技盤902と演出表示装置905との間に設けられている。また、第2可動部90402は、第2可動部90401よりも後方の位置に設けられている。尚、第2可動部90401は、後述する第2退避位置にあるときに、例えば、パチンコ遊技機901の機種名などが表示されたパネルであって演出表示装置905の上方位置における第2可動部90401より前方位置に設けられたロゴパネル90450により一部が隠蔽されるようになっている。
第2可動部90401の左端部には、上下方向を向くラックギヤが固定されており、該ラックギヤには、ステッピングモータからなる第2可動役物駆動モータ90411の駆動軸に固着されたピニオンギヤが噛合されている。第2可動役物駆動モータ90411は、演出表示装置905の左側方に設けられる図示しないベース部に固定されている。また、第2可動部90401は、図示しない案内部材により上下方向に移動可能に案内されている。
よって、第2可動部90401は、第2可動役物駆動モータ90411により、演出表示装置905の上方の第2退避位置(原点位置、初期位置、演出表示装置905と重ならない位置)と、演出表示装置905の前方における上下方向の略中央位置に配置され第2退避位置から離れた第2演出位置(演出表示装置905と重なり、第2可動部90401,90402が互いに十文字状となる位置)と、の間で上下方向に往復移動可能とされている。
また、第2可動部90401の右側端部には被検出部が突設されており、該被検出部がベース部側に設けられた第2可動役物原点検出センサ90440Aにより検出されることで、演出制御用CPU90120は第2可動部90401が第2退避位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。
第2可動部90402の上端部には、左右方向を向くラックギヤが固定されており、該ラックギヤには、ステッピングモータからなる第2可動役物駆動モータ90421の駆動軸に固着されたピニオンギヤが噛合されている。第2可動役物駆動モータ90421は、演出表示装置905の上方における左右方向の略中央位置にて図示しないベース部に固定されている。また、第2可動部90402は、図示しない案内部材により上下方向に移動可能に案内されている。
よって、第2可動部90402は、第2可動役物駆動モータ90421により、演出表示装置905の左方の第2退避位置(原点位置、初期位置、演出表示装置905と重ならない位置)と、演出表示装置905の前方における左右方向の略中央位置に配置される第2演出位置(演出表示装置905と重なり、第2可動部90401,90402が互いに十文字状となる位置)と、の間で左右方向に往復移動可能とされている。
また、第2可動部90402の下端部には被検出部が突設されており、該被検出部がベース部側に設けられた第2可動役物原点検出センサ90440Bにより検出されることで、演出制御用CPU90120は第2可動部90402が第2退避位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。つまり、第2可動役物90400は後述する非検出時動作制御または検出時動作制御の対象となる動作対象可動体とされている。
このように構成された第2可動役物90400は、第2退避位置(原点位置、初期位置)において、第2可動部90401が演出表示装置905の上方、第2可動部90402が演出表示装置905の左側方に位置する。そして、第2可動部90401,90402は、第2可動役物駆動モータ90411,90421を駆動させることにより、演出表示装置905と重なる第2演出位置まで移動し、第2可動役物駆動モータ90411,90421を逆駆動させることにより第2演出位置から第2退避位置へ移動する。
また、第2可動役物90400は、特に図示しないが、第2退避位置へ移動したときに第2可動部90401,90402の被規制部がベース部側の規制部に当接することで、第2可動役物90400の第2退避位置方向への移動が規制されるようになっている。
また、第3可動役物90500は、遊技盤902と該遊技盤902の背面側に設けられる演出表示装置905との間における演出表示装置905の右側下部位置に一部が演出表示装置905に重畳するように設けられている。第3可動役物90500は、所定箇所に固設された正面視円形をなすベース部と、該ベース部に対し回動可能に設けられた第3可動部と、第3可動部を前後方向を向く回転軸を中心として(回転)させる第3可動役物駆動モータ90520と、を有する。尚、この実施例では、第3可動役物駆動モータ90520としてステッピングモータが適用されている。
ベース部の背面における回転軸の上方位置には第3可動役物駆動モータ90520が設けられ、第3可動役物駆動モータ90520の駆動軸の先端には第1ギヤが固着されている。第1ギヤには第2ギヤが噛合され、第2ギヤには、回転軸の後端に固着された第3ギヤが噛合されており、第3可動役物駆動モータ90520により第1ギヤが回転することで、該第1ギヤの回転力が第2ギヤと第3ギヤとを介して第3可動部に伝達されることで、第3可動部が回転軸を中心として正転または逆転する。
第3可動部は、正面視円形をなし、前面に所定の花模様が施されているとともに、内蔵された図示しない発光体により前面が発光可能に設けられている。このように第3可動部は、正面視円形をなし、また、所定の模様には特に上下がないとともに、回転軸を中心として回転するだけで所定位置から移動することがないので、原点位置を設けていない。よって、原点位置を検出する原点検出センサを有していない動作非対象役物とされている。
次に、この実施例のパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM90102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図35のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図35に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S9011)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S9012)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S9013)。
次に、乱数値MR1´〜MR4´といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S9014)。この後、図36に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S9015)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器9020での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置906Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S9016)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S9017)。
図36は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S9021)。その後、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S9022〜S9029の処理のいずれかを選択して実行する。
S9021の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1´、MR2´、MR3´を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S9022の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1´を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S9023の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3´を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S9024の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S9025の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S9026の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S9027の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S9028の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S9029の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(この実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、図37に示すメイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための第1初期化処理(S9050)と、各可動体(第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M)の原点位置への復帰と動作確認を行うための第2初期化処理を行う(S9051)。その後、演出制御用CPU90120は、タイマ割込フラグの監視(S9052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU90120は、そのフラグをクリアし(S9053)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU90120は、まず、コマンド解析処理を行う(S9054)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板9011から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図31参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理を行う(S9055)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置905の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行した後(S9056)、図44に示すサブ側エラー処理(S9057)を実行し、その後、S9052に移行する。
図38は、この実施例の第2初期化処理(S9051)を示すフローチャートである。第2初期化処理において演出制御用CPU90120は、先ず、設定データに基づいて最初に動作させる可動体を特定する(S90101)。設定データには、可動体の順序データが含まれており、この実施例では、該順序として第1可動役物90300→第2可動役物90400→操作モジュール90M→第3可動役物90500の順が予め設定されている。よって、最初にS90101が実行されるときには、第1可動役物90300が対象の可動体として特定されることになる。尚、実施例では、遊技者が操作する操作モジュール90Mよりも優先して第1可動役物90300→第2可動役物90400を動作させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技者が操作する操作モジュール90Mを、遊技者が操作しない第1可動役物90300→第2可動役物90400よりも優先して動作させるように設定してもよい。
次いで、S90101で特定した可動体が原点検出を行うことが必要な原点検出対象可動体であるか否かを判定する(S90102)。
この実施例において、これら原点検出を行うことが必要な原点検出対象可動体としては、第1可動役物原点検出センサ90316を有する第1可動役物90300と第2可動役物原点検出センサ90440A,90440Bを有する第2可動役物90400とレバー原点検出センサ9038を有する操作モジュール90Mとが該当し、原点検出センサを有しない第3可動役物90500は該当しない。よって、S90101で特定した可動体が第1可動役物90300、第2可動役物90400、操作モジュール90Mのいずれかである場合には、該判定において「Y」と判定される一方、S90101で特定した可動体が第3可動役物90500である場合には、「N」と判定されることになる。
S90102において「N」と判定された場合にはS90130に進む。一方、S90102において「Y」と判定された場合には、S90103に進んで、動作対象可動体に対応する原点検出センサの検出状態を特定し(S90103)、原点検出センサが検出状態であるか否か、つまり、対象の可動体が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定する(S90104)。
原点位置(初期位置)に位置していない場合(S90104;N)には、S90105に進んで、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S90105)、動作対象可動体を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図40、図41参照)と同じ動作速度で動作対象可動体を動作させるための最低制御速度を設定し(S90106)、動作対象可動体の駆動モータ、例えば、動作対象可動体が第1可動役物90300であれば、第1可動役物駆動モータ90303を原点位置方向に駆動開始し、例えば、動作対象可動体が操作モジュール90Mであれば、レバー用モータ9036を原点位置方向に駆動開始するとともに(S90107)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S90108)。尚、非検出時動作期間タイマのタイマカウントは、例えば、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S90109、S90110)。
動作対象可動体の駆動装置(例えば、第1可動役物駆動モータ90303等)を原点位置方向に駆動させることで動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置して原点検出センサが検出状態となった場合には、駆動モータの駆動を停止してS90130に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、S90112に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S90112)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S90113)。
S90113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、駆動モータの駆動を停止し、当該動作対象可動体の原点復帰エラーを記憶し(S90114)、S90130に進む。つまり、非検出時動作制御において動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象可動体について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象可動体をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S90130に進む。
尚、この実施例では、S90113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象可動体をデッドエンド状態する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、S90113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、初期化エラー処理を開始し、該初期化エラー処理を実行することにより、第2初期化処理を中断することで、演出制御メイン処理がS9052に進むことなく中断され、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120など)は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象可動体をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU90120は、可動体を動作させることを示す入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても、当該動作対象可動体を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、駆動モータの駆動を停止してS90106に戻り、再度、S90106〜S90108の処理を行うことにより、動作対象可動体を、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置に移動させる動作(非検出時動作制御)を開始して、前述したS90109、S90110の監視状態に移行する。
よって、S90110にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し動作対象可動体を原点位置(初期位置)に移動させる動作(非検出時動作制御)を実行している間に動作対象可動体が原点位置(初期位置)にて検出した場合には、S90114に進むことなく、S90130に進むことになる。
一方、上記したS90104において「Y」と判定されてS90120に進んだ場合には、検出時動作回数カウンタに0をセットした後、検出時動作プロセスデータをセットし(S90121a)、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S90121b)。尚、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。また、この実施例の検出時動作プロセスデータには、動作対象可動体を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図40、図41参照)と同じ動作速度で動作対象可動体を動作させるための最低制御速度が記述(設定)されている。
次いで、セットされた検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づいて動作対象可動体を動作させるとともに(S90122)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S90123)、プロセスデータが完了していない場合には、S90122に戻り、動作対象可動体を検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づいて動作させる。
このように、検出時動作制御においては、検出時動作プロセスデータが完了するまで、検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づく最低速度、つまり、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて、原点位置(初期位置)から一旦離れ、該原点位置(初期位置)から離れた位置から原点位置(初期位置)に戻るという動作を行う(図40参照)。尚、原点位置から離れた位置とは、原点位置の近傍位置、つまり、各原点センサにより各可動体の被検出部を検出できない位置であって各演出位置よりも原点位置に近い所定位置(検出時動作位置)として設定されている。
S90123の判定において、セットされている検出時動作プロセスデータが完了したと判定した場合には、可動役物駆動モータの駆動を停止してS90124に進んで、原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する。
原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置している場合にはS90130に進む。
一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、検出時動作回数カウンタに1を加算して(S90126)、該加算後の検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S90127)。検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S90128に進んで当該動作対象可動体の原点復帰エラーを記憶し(S90128)、S90130に進む。つまり、検出時動作制御において動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象可動体について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象可動体をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S90130に進む。
尚、この実施例では、S90127において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象可動体をデッドエンド状態する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、S90113において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、初期化エラー処理を開始し、該初期化エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS9052に進むことなく中断され、演出制御基板9012は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象可動体をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU90120は、可動体を動作させる入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても当該動作対象可動体を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
S90102で「N]と判定された場合、S90109で「Y」と判定された場合、もしくはS90124で「Y」と判定された場合に実行するS90130においては、可動体のうちで未だ動作対象としていない残りの可動体が存在するか否かを判定し、残りの可動体が存在しない場合(具体的には、動作対象可動体が第3可動役物90500である場合)には、図39に示す実動作確認用動作制御を行う処理に移行する。一方、残りの可動体が存在する場合には、S90131に進んで、次に動作させる可動体を特定した後、S90102に戻って、該特定した動作対象可動体について、S90102以降の上記した処理を同様に実行する。
尚、動作対象可動体が第1可動役物90300である場合にS90131が実行される場合には、設定データに基づいて第2可動役物90400が動作対象可動体として特定され、動作対象可動体が第2可動役物90400である場合にS90131が実行される場合には、設定データに基づいて操作モジュール90M(操作レバー9031)が動作対象可動体として特定され、動作対象可動体が操作モジュール90M(操作レバー9031)である場合にS90131が実行される場合には、設定データに基づいて第3可動役物90500が動作対象可動体として特定される。
次に図39に示す処理について説明すると、図39に示すS90200において演出制御用CPU90120は、先ず、前述のS90101と同様に、設定データに基づいて最初に動作確認する可動体(確認対象可動体)を特定する(S90200)。次いで、当該対象可動体の原点復帰エラーの記憶が有るか否かを判定する(S90201)。
確認対象可動体の原点復帰エラーの記憶が有る場合は、S90202a〜S90213までの処理を実行することなくS90220に進む。このようにすることで、この実施例では、これら非検出時動作制御や検出時動作制御において原点復帰エラーと判定された可動体については実動作確認用動作制御を行わないようになっている。
一方、確認対象可動体の原点復帰エラーの記憶が無い場合は、S90202aに進んで、確認対象可動体に対応する実動作確認用プロセスデータをセットする。つまり、確認対象可動体が第1可動役物90300であれば、第1可動役物90300の実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象可動体が第2可動役物90400であれば、第2可動役物90400の実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象可動体が操作モジュール90M(操作レバー9031)であれば、操作モジュール90M(操作レバー9031)の実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象可動体が第3可動役物90500であれば、第3可動役物90500の実動作確認用プロセスデータをセットする。尚、これら各実動作確認用プロセスデータには、演出において当該可動体が可動体演出において実際に行う動作と同一の動作を行うように制御速度等が記述(設定)されている。
次いで、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S90202b)。尚、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、セットされた実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象可動体を動作させるとともに(S90203)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S90204)、プロセスデータが完了していない場合には、S90203に戻り、確認対象可動体を、その時点の実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて動作させる。
このように、実動作確認用プロセスデータが完了するまで、実動作確認用プロセスデータに実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象可動体を動作させることにより、確認対象可動体の制御速度を、時系列的に順次変更して、可動体演出において当該可動体を実際に動作させる際に設定する制御速度と同一の加速または減速を行うことができる。
そして、S90204の判定において、セットされている実動作確認用プロセスデータが完了したと判定した場合には、駆動モータの駆動を停止し、当該確認対象可動体は原点検出対象可動体であるか否かを判定する(S90204a)。当該確認対象可動体が原点検出対象可動体でなければ、つまり、第3可動役物90500であればS90220に進む。一方、当該対象役物が原点検出対象可動体であれば、つまり、第1可動役物90300または第2可動役物90400であれば原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する(S90205)。
原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、確認対象可動体が原点位置(初期位置)に位置している場合にはS90220に進む。一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、確認対象可動体が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、前述した非検出時動作制御を(図38参照)を行って確認対象可動体を原点位置(初期位置)に位置させるためにS90206〜S90213の処理を行う。
具体的には、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S90206)、制御速度として実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度と同じ動作速度で動作対象可動体を動作させるための最低制御速度を設定し(S90207)、確認対象可動体の駆動装置、例えば、確認対象可動体が第1可動役物90300であれば、第1可動役物駆動モータ90303を原点位置(初期位置)方向に駆動開始するとともに(S90208)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S90209)。
そして、原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S90210、S90211)。
確認対象可動体の駆動装置(例えば、第1可動役物駆動モータ90303)を原点位置(初期位置)方向に駆動させることで確認対象可動体が原点位置(初期位置)に位置して原点検出センサが検出状態となった場合には、S90210にて「Y」と判定されてS90220に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても確認対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、S90212に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S90212)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S90213)。
非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S90220に進む。尚、この実施例では、S90213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象可動体をデッドエンド状態する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、S90213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、当該動作対象可動体の原点復帰エラーを記憶し、当該動作対象可動体について以後は実動作を実行しないようにするようにしてもよい。あるいは、初期化エラー処理を開始し、該初期化エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS9052に進むことなく中断され、演出制御基板9012は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象可動体をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU90120は、可動体を動作させる入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても当該動作対象可動体を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、S90207に戻り、再度、S90207、S90208、S90209の処理を行うことにより、確認対象可動体を、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置(初期位置)に移動させる動作(原点復帰時動作)を開始して、前述したS90210、S90211の監視状態に移行する。
よって、S90211にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し確認対象可動体を原点位置(初期位置)に移動させる動作(非検出時動作制御)を実行している間において、確認対象可動体が原点位置(初期位置)にて検出された場合には、S90220に進むことになる。
S90201で「Y」と判定された場合、S90204aで「N」と判定された場合、S90205で「Y」と判定された場合、もしくはS90210で「Y」と判定された場合に実行するS90220においては、可動体のうちで未だ動作確認の確認対象としていない残りの可動体が存在するか否かを判定し、残りの可動体が存在しない場合(具体的には、動作確認の対象役物が第3可動役物90500である場合)には、S90114やS90128で記憶したエラーの記録をクリア(S90222)して、当該処理を終了する一方、残りの可動体が存在する場合には、S90221に進んで、次に動作確認する可動体を特定した後、S90201に戻って、該特定した対象体について、S90201以降の上記した処理を同様に実行する。
ここで、これら図38、図39に示す第2初期化処理が実行されることによる可動体の動作態様及び制御内容について、図40、図41を用いて説明する。図40は、演出制御用CPU90120が行う非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御の動作態様を示す概略説明図である。図41は、(A)は実動作確認用動作制御における制御速度を示す説明図、(B)は検出時動作制御における制御速度を示す説明図、(C)は非検出時動作制御における制御速度を示す説明図である。
尚、図40及び図41においては、原点検出対象可動体である第1可動役物90300、第2可動役物90400、操作モジュール90Mにおける非検出時動作制御(ショート初期化動作制御)、検出時動作制御(ショート初期化動作制御)及び実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)についてのみ説明し、原点検出対象可動体でない第3可動役物90500についての説明は省略することとする。また、第1可動役物90300の第1可動部90302の往復動作距離(回動範囲)と第2可動役物90400の第2可動部90401,90402それぞれの往復動作距離(移動範囲)や操作モジュール90Mの操作レバー9031の往復動作距離(移動範囲)とは同一ではないが、説明の便宜上、同一の概念図を用いて説明することとする。
図40に示すように、第1可動役物90300の第1可動部90302や第2可動役物90400の第2可動部90401,90402や操作モジュール90Mの操作レバー9031は、それぞれ原点位置(退避位置、初期位置)と演出位置(操作可能位置)との間で往復動作可能に設けられており、原点位置から演出位置への往動作や演出位置から原点位置への復動作は、前述した可動体演出等において実際に行う実動作とされている。
演出制御用CPU90120は、第2初期化処理を実行したときに可動体の被検出部が原点検出センサにより検出されない場合、つまり、可動体が何らかの理由(例えば、搬送や遊技島への設置時に原点位置から動いてしまっている場合、前回の動作時に原点復帰できなかった場合(例えば、演出の実行時において、モータの脱調、故障、引っ掛かりなどにより可動体の原点復帰が確認できなかったり動作できなくなるといった可動体エラー(動作異常)が発生した場合など)、遊技機の振動により原点位置から動いてしまった場合など)により原点位置以外の位置(例えば、図40における非検出時動作制御に対応する黒丸で示す位置など、原点位置と演出位置との間の所定位置)にある場合、原点復帰させるための非検出時動作制御を実行する。この非検出時動作制御を実行する場合、可動体は原点位置から離れた位置にあるため、動作としては可動体を原点位置方向に移動させる動作のみとされている。
また、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理を実行したときに第1可動役物90300の第1可動部90302や第2可動役物90400の第2可動部90401,90402や操作モジュール90Mの操作レバー9031の被検出部が原点検出センサにより検出された場合、検出時動作制御を実行する。
例えば、被検出部が原点検出センサにより確実に検出されるように、被検出部が原点検出センサにより検出されたときから可動体の原点位置方向への動作が規制されるまでの間に所定の動作可能範囲(例えば、遊び)が設定されている場合などにおいては、原点復帰して原点検出センサにより検出された位置よりもさらに奥側にずれた位置に停止することがある。よって、被検出部が原点検出センサにより検出されていても、可動体をより正確な原点位置に復帰させるための検出時動作制御を行う。
この検出時動作制御は、原点検出センサによる被検出部の検出状態を一旦解除するために可動体を原点位置から離れた位置へ移動させた後に原点位置に復帰させる必要があるが、演出位置まで移動させる必要はないので、可動体を原点位置から該原点位置の近傍である検出時動作位置まで移動させた後、原点位置に復帰させる。つまり、実動作よりも短い距離で往復動作させる(図45(a)(b)参照)。
また、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理において非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後、実動作確認用動作制御を実行する。実動作確認用動作制御は、可動体が各種演出等において実際に行う実動作と同一の動作とされている。
次に、演出制御用CPU90120が非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を実行する際に設定する制御速度について比較する。尚、図41(A)、図41(B)、図41(C)にて示す速度は、演出制御用CPU90120が各可動体を動作させるために設定する制御速度であって、可動体の実際の動作速度とは異なる。つまり、例えば、所定の可動体を動作させる場合において、原点位置と演出位置との間における一の移動区間と他の移動区間に同一の制御速度を設定した場合でも、一の移動区間と他の移動区間とで態様が異なる場合(例えば、バネがある区間とない区間、直線区間と曲線区間)や、同一の移動区間でも上昇する場合と下降する場合においては、可動体を実際に動作させた場合の動作速度は制御速度とは異なることがある。また、可動体に対し同一の制御速度を設定しても、各可動体の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各可動体の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。複数の可動体を同一性能のステッピングモータにて動作させる場合において、各可動体に対し同一の制御速度を設定しても、各可動体の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各可動体の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。
図41(A)に示すように、演出制御用CPU90120は、実動作確認用動作制御を実行する場合、セットした実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて確認対象可動体を動作させる。具体的には、原点位置から加速した後に減速して演出位置に停止させるとともに、演出位置から加速した後に減速して原点位置に停止させる制御を行う。すなわち、各可動体が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と演出位置との間において、可動体の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。つまり、演出制御用CPU90120は、各可動体の可動体演出を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各可動体が動作するように制御するため、実動作確認用動作制御を実行する場合においても、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各可動体が動作するように制御する。
すなわち、上記第1速度としての最低速度や第2速度としての最高速度は、可動体の実際の動作速度であって、該動作速度としての最低速度や最高速度となるように制御速度が設定されることになる。尚、以下においては、最低制御速度に基づいて可動体を動作させた場合は最低速度にて動作し、最高制御速度に基づいて可動体を動作させた場合は最高速度にて動作するものとして説明する。
ここで、可動体の加速時及び減速時における動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御速度が設定されている。また、演出位置に移動した後に原点位置に復帰させる際においては、演出位置に停止させるときよりも長い時間にわたり実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御することで、可動体を確実に減速させてから原点検出センサにより被検出部が検出されるようにしている。
図41(B)に示すように、演出制御用CPU90120は、検出時動作制御を実行する場合、原点位置から演出位置まで移動させる期間及び演出位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて可動体が動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU90120は、第1動作制御としての検出時動作制御における最高速度が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(この実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動体を動作させる制御を行う。
また、検出時動作制御の場合、実動作確認用動作制御に比べて可動体の動作距離が短いため、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から可動体が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動体等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
また、図41(C)に示すように、演出制御用CPU90120は、非検出時動作制御を実行する場合、原点位置と演出位置との間の任意の位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU90120は、第1動作制御としての非検出時動作制御における最高速度(最大動作速度)が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(この実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動体を動作させる制御を行う。
この場合、可動体は原点位置からどの程度離れた位置にあるかが不明であるため、可動体が原点位置の近傍に位置していた場合、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、可動体が原点位置に復帰したときに原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から可動体が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動体等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
このようにこの実施例では、演出制御用CPU90120は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて常に単一(一定)の動作速度で可動体が動作するように制御を行う。そして、これら最低速度は、各可動体に対応する実動作確認用動作制御における最低速度であり、各可動体に共通する動作速度ではないので、各可動体における最低速度は異なる場合がある。
具体的には、第1可動役物90300の第1可動部90302と第2可動役物90400の第2可動部90401,90402と操作モジュール90Mの操作レバー9031は、図28に示すように、大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動モータを含む駆動機構が各々異なるため、同一の制御速度を設定した場合でも可動体の実際の動作速度は異なる。また、各可動体に対し異なる制御速度を設定した場合においても可動体の実際の動作速度は異なる。このように、最低速度は各可動体に応じて設定された制御速度に基づく動作速度であり、可動体に最適な最低速度にて動作するように制御するため、態様が異なる複数の可動体を原点位置にて確実に検出させることが可能となる。
図42は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S9055)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、演出表示装置905の第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S9072)。
その後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS9073〜S9079のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073):遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S9074)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S9074):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S9075):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S9076):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S9077)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S9077):変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S9078)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S9078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S9079)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S9079):演出表示装置905において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
尚、演出制御用CPU90120は、演出図柄変動中処理(S9075)、大当り表示処理(S9077)、大当り遊技中処理(S9078)、大当り終了演出処理(S9079)などにおける所定のタイミング(例えば、可動体演出の実行条件が成立したタイミング)で、可動役物を原点位置と演出位置との間で移動させる可動体演出を実行可能としている。
図43は、この実施例の演出図柄変動中処理の一例を示すフロー図である。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S90301,S90302,S90303)。
そして、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S90304)。プロセスタイマがタイマアウトしていない場合には、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S90305)。
一方、プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S90306)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90307)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90308)。
そして、演出制御用CPU90120は、レバー操作エラーフラグまたは過負荷エラーフラグがセットされているか否かを判定する(S90309)。これらのエラーフラグがいずれもセットされていない場合には、操作レバー9031を突出させるレバー突出処理実行タイミングであるか否かを、プロセスデータに基づいて判定する(S90310)。
レバー突出処理実行タイミング、つまり、レバー突出処理を実行する期間である場合には、S90311のレバー突出処理を実行してS90312に進み、レバー突出処理実行タイミングでなければ、S90311のレバー突出処理を実行せずにS90312に進む。よって、演出図柄の変動表示中の予め定められたタイミングとなったときに、レバー突出処理が開始されて、操作レバー9031が傾倒操作不能な格納状態から、傾倒操作可能な突出状態に変位する演出(操作レバー演出)が実行される。
次に、操作レバー9031の操作案内、具体的には、図47(D)に示すように、演出表示装置905に操作レバー9031の画像と「引け」のメッセージとを表示するレバー操作案内演出の実行タイミングであるか否かを判定する(S90312)。レバー操作案内演出の実行タイミングである場合には、S90313の操作案内演出処理を実行してS90314に進み、レバー操作案内演出の実行タイミングではない場合には、S90313の操作案内演出処理を実行せずにS90314に進む。尚、レバー操作案内の表示は、操作案内演出処理において、レバー操作案内演出の実行期間が経過するときに終了される。
S90314では、レバー操作検出センサ9035Aからの検出信号の入力の有無によって、操作レバー9031の傾倒操作があったか否かを判定する。操作レバー9031の傾倒操作があった場合には、更に、操作レバー9031の操作有効期間であるか否かを判定し、操作レバー9031の操作有効期間である場合には、S90316の特別演出処理を実行することで、特別演出、具体的には、バトル演出における勝敗を報知する勝敗報知演出(図47(E)または図47(F)参照)が実行される。尚、操作レバー9031の操作有効期間でない場合には、S90315で「N」と判定されてS320に進む。
一方、操作レバー9031の傾倒操作がない場合には、既に、特別演出を実行した状態(実行中を含む)であるか否かを判定し(S90317)、特別演出を実行した状態でなければ、更に、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングであるか否かを判定する(S90318)。そして、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングである場合には、S90316の特別演出処理を実行することで、操作レバー9031の操作有効期間において、操作レバー9031の傾倒操作がなくても、操作有効期間の終了タイミングにおいて、操作レバー9031の傾倒操作があったものとして特別演出が実行されるようになっている。
特別演出を実行した状態であることによってS90317において「Y」と判定された場合、またはレバー操作有効期間の終了タイミングではないことによってS90318において「N」と判定された場合にはS90320に進む。
尚、図43においては、図示を省略しているが、一旦、S90316の特別演出処理が実行された場合には、該特別演出処理が実行中であることを示す特別演出実行中フラグが、特別演出が終了するまでセットされることにより、特別演出処理は、特別演出が終了するまで、タイマ割り込みが発生する毎に実行されるようになっている。
S90320においては、操作レバー9031を格納するレバー格納処理実行タイミングであるか否かを、プロセスデータに基づいて判定する(S90320)。
レバー格納処理実行タイミング、つまり、レバー格納処理を実行する期間である場合には、更に、レバー操作エラーフラグがセットされているか否かを判定する。レバー操作エラーフラグがセットされている場合には、S90323のレバー格納処理を実行することなくS90330に進む。一方、レバー操作エラーフラグがセットされていない場合には、操作レバー9031の傾倒操作の有無、つまり、操作レバー9031を格納する期間となっても、操作レバー9031の傾倒操作が継続されているか否かを判定する(S90322)。操作レバー9031の傾倒操作が継続されている場合には、操作レバー9031を格納することができないので、S90325に進んで、レバー操作エラーと判定し、レバー操作エラーフラグをセットした後、S90323のレバー格納処理を実行することなくS90330に進む。
一方、操作レバー9031の傾倒操作がないことによりS90322において「N」と判定された場合、つまり、操作レバー9031を格納する期間となる前に、傾倒操作が終了されている場合には、レバー用モータ9036を動作させて、操作レバー9031を操作可能位置(突出位置)から原点位置(格納位置)に変位させて格納するレバー格納処理を実行することにより、操作レバー9031が操作不能な原点位置(格納位置)に変位する演出(操作レバー演出)が実行される(S90323)。
尚、このレバー格納処理が実行される場合には、必ずS90324においてレバー用モータ9036が過負荷となっているか否かが判断(監視)される。つまり、遊技者の手、携帯電話、或いは遊技球等の異物等が挟まっていることによって、操作レバー9031を格納できない状態となっているか否かを判定し、レバー用モータ9036が過負荷となっている場合には、S90326に進んで、レバー用モータ9036による駆動を停止して、レバー用モータ9036の故障や操作レバー9031等が損傷することを防ぐとともに、過負荷エラーと判定し、過負荷エラーフラグをセットする(S90327)。
S90309に戻り、該S90309において「Y」と判定される場合、つまり、レバー操作エラーフラグまたは過負荷エラーフラグのいずれかがセットされている場合には、S90340に進んで、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングであるか否かを判定し、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングでない場合には、S90330に進む一方、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングである場合には、S90341の特別演出処理を実行してS90330に進む。これにより、上記したS90311のレバー突出処理やS90313の操作案内演出処理やS90323のレバー格納処理は実行されないので、レバー操作エラーフラグまたは過負荷エラーフラグのいずれかがセットされている場合には、操作レバー9031が突出、格納する操作レバー演出や、操作レバー9031の傾倒操作を促す操作促進演出については、いずれも実行されない。このように、レバー操作エラーフラグや過負荷エラーフラグがセットされている場合、つまり、操作レバー9031に異常が発生している状態においては、該操作レバー9031を用いた演出を実行しないことで、不適切な演出が実行されてしまうことを防ぐことができるようになっている。
S90330においては、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S90330)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S90330;Y)、演出制御用CPU90120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S90331)。そのようにして、演出表示装置905において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部90123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置905に出力する。そのようにして、演出表示装置905において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S90332)。
また、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S90330;N)、S90332の実行後、演出制御用CPU90120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S90333)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に応じた値に更新する(S90335)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S90334;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に応じた値に更新する(S90335)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S90334の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
次に、演出制御用CPU90120が、メイン処理のS9057において実行するサブ側エラー処理について、図44を用いて簡潔に説明する。
サブ側エラー処理において演出制御用CPU90120は、まず、レバー操作エラーフラグがセットされているか否かを判定する(S90401)。
レバー操作エラーフラグがセットされていない場合にはS90404に進む。一方、レバー操作エラーフラグがセットされている場合には、レバー操作エラー表示、具体的には、図46(a)に示すように、「エラー発生!! 操作レバーから手を離してください。」のメッセージ表示の表示中であるか否かを判定する。
レバー操作エラー表示が表示中である場合には、S90404に進み、レバー操作エラー表示が表示中でない場合には、S90403に進んで、上記した「エラー発生!! 操作レバーから手を離してください。」のメッセージ表示から成るレバー操作エラー表示を演出表示装置5において開始し、S90404に進む。よって、遊技者に対して案内された操作である、操作レバー9031の傾倒操作が継続されていることによってレバー操作エラーフラグがセットされている場合には、演出表示装置905にエラーメッセージが表示されるだけで、エラー音等は出力しないようになっており、案内された操作を実行したにもかかわらず、周囲の遊技者にエラーの発生が認識されてしまう騒がしいエラー報知が実行されて、遊技者に不快感を与えてしまうことを防ぐようになっている。
一方、S90404においては、過負荷エラーフラグがセットされているか否かを判定する。過負荷エラーフラグがセットされていない場合にはS90407に進む。一方、過負荷エラーフラグがセットされている場合には、図46(b)に示すように、過負荷エラー表示とエラー音の出力とを実行中であるか否かを判定する。
過負荷エラー表示とエラー音の出力とを実行中である場合にはS90407に進み、過負荷エラー表示とエラー音の出力とを実行中でない場合には、図46(b)に示すように、「エラー発生!!操作レバーから異物を取り除いてください。」のメッセージ表示から成る過負荷エラー表示を演出表示装置905において開始するともに、スピーカ908L,908Rからのエラー音の出力を開始し、S90407に進む。このように過負荷エラーが発生した状態、つまり、遊技者の手、携帯電話、或いは遊技球等の異物等が挟まっている状態においては、遊技者に対して案内した操作によるエラーではないので、レバー操作エラーの場合に比較して、周囲にいる店員等が容易に認識できる騒がしい(大げさな)エラー報知を実行して、エラーの発生を報知するともに、遊技者が、故意に異物等を挟むことや、格納位置に変位中の操作レバー9031を引く等の悪戯をすることを防止できるようになっている。
つまり、レバー操作エラーの場合のエラー報知の態様は、認識のし易さ(認識度合い(レベル))が低い態様とし、過負荷エラーの場合のエラー報知の態様は、認識のし易さ(認識度合い(レベル))が高い態様とすればよいが、この発明はこれに限定されるものではなく、レバー操作エラーの場合と過負荷エラーの場合とを区別できるようにすることのみを目的とする場合には、逆に、レバー操作エラーの場合のエラー報知の態様を、認識のし易さ(認識度合い(レベル))が高い態様とし、過負荷エラーの場合のエラー報知の態様を、認識のし易さ(認識度合い(レベル))が低い態様としてもよい。
S90407においては、その他のエラーフラグがセットされているか否かを判定する。その他のエラーフラグがセットされていない場合にはS90410に進む。一方、その他のエラーフラグがセットされている場合には、エラーフラグに対応するエラー報知の実行中であるか否かを判定する。
エラーフラグに対応するエラー報知の実行中である場合にはS90410に進み、エラーフラグに対応するエラー報知の実行中でない場合には、エラーフラグに対応するエラー報知を開始する。
また、S90410では、レバー操作エラー表示または過負荷エラー表示を表示中であるか否かを判定する。
レバー操作エラー表示または過負荷エラー表示を表示中ではない場合にはS90413に進み、レバー操作エラー表示または過負荷エラー表示を表示中である場合には、S90411に進んで、レバー原点検出センサ9038がONであるか否か、つまり、操作レバー9031が、エラーの発生後において、遊技場の店員等によって原点位置に戻されたか否かを判定する。
レバー原点検出センサ9038がONではない場合、つまり、操作レバー9031が原点位置に戻されていない場合には、S90413に進む。一方、レバー原点検出センサ9038がONである場合には、S90412に進んで、レバー操作エラーフラグがセットされている場合にはレバー操作エラーフラグをクリアするとともに演出表示装置905におけるレバー操作エラー表示を終了し、過負荷エラーフラグがセットされている場合には過負荷エラーフラグをクリアするとともに演出表示装置905における過負荷エラー表示とエラー音の出力とを終了する。
このように、この実施例では、レバー操作エラー表示や過負荷エラー表示を、操作レバー9031が原点位置に戻されてレバー操作エラーフラグや過負荷エラーフラグがクリアされるまで表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらレバー操作エラー表示や過負荷エラー表示を、一定期間において表示するようにしても良い。この場合、レバー操作エラー表示は所定期間の経過で終了するが、過負荷エラー表示については操作レバー9031が原点位置に戻されるまで継続して表示するようにしても良いし、レバー操作エラー表示の表示期間を過負荷エラー表示期間よりも短くするようにしてもよい。
また、S90413では、その他のエラーの報知中であるか否かを判定し、その他のエラーの報知中でない場合には、当該サブ側エラー処理を終了する。一方、その他のエラーの報知中である場合には、S90414に進んで、報知中のエラーが解消しているか否かを判定し、解消していない場合には、当該サブ側エラー処理を終了する。
報知中のエラーが解消している場合には、S90415に進んで、報知しているエラーのエラーフラグをクリアするともに、該エラー報知を終了した後、当該サブ側エラー処理を終了する。
ここで、これら図44に示すサブ側エラー処理と前述した図43に示す演出図柄変動中処理とが実行されることによるエラー報知と操作レバー9031の状態との関係について、図45、図47を用いて説明する。尚、図45(a)は、レバー操作エラーが発生する場合の状況を示す図であり、図45(b)は、過負荷エラーが発生する場合の状況を示す図である。
この実施例において、操作レバー9031が突出状態とされる操作レバー演出が実行されるのは、図47に示すように、変動パターンとしてスーパーリーチの変動パターンが決定されることで、図47(A)に示すリーチ状態となった後、スーパーリーチ演出、具体的には、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦するバトル演出が実行される(図47(B)、図47(C))。そして、バトル演出が開始された後の所定の時期においてレバー突出処理実行タイミングとなることにより、操作レバー9031が突出(変位)する操作レバー演出が開始され、操作レバー9031が格納位置(原点位置)から操作可能位置(演出位置)に変位する。そして、操作レバー9031が操作可能位置(演出位置)に変位した後に、図47(D)に示すように、操作レバー9031の画像と「引け!」のメッセージが演出表示装置905に表示されるレバー操作案内演出が実行される。
このレバー操作案内演出の案内に応じて、遊技者が操作レバー9031を自分側に引いて傾倒する傾倒操作を行った場合は、該傾倒操作に応じて、バトル演出における勝敗を報知する勝敗報知演出(図47(E)または図47(F)参照)が実行される。具体的には、当該変動表示において大当りの演出図柄が導出表示されて大当り遊技状態に制御される場合には、図47(E)に示すように、味方のキャラクタがバトルに勝利する態様の勝敗報知演出が実行される一方、当該変動表示においてはずれの演出図柄が導出表示されて大当り遊技状態に制御されない場合には、図47(F)に示すように、味方のキャラクタがバトルに敗北する態様の勝敗報知演出が実行される。
これら勝敗報知演出が実行された後の所定の時期に、レバー格納処理実行タイミングとなると、前述したレバー格納処理が実行されて、操作レバー9031が格納位置(原点位置)に変位する操作レバー演出が実行されるはずであるが、レバー格納処理実行タイミングとなっても遊技者が操作レバー9031を引いたままの状態であると、図45(a)に示すように、レバー操作エラーと判定されてレバー操作エラーフラグがセットされることにより、演出表示装置905においてレバー操作エラー表示が表示される。但し、エラー音は出力されない。
一方、レバー格納処理実行タイミングとなったときに、遊技者による操作レバー9031の傾倒操作が行われていない場合には、前述したレバー格納処理が開始されて、操作レバー9031が格納位置(原点位置)に向けて変位する。しかしながら、例えば、図46(b)に示すように、遊技者の携帯電話90P等の異物が、膨出部9030の上面と操作レバー9031との間に挟まってしまってレバー用モータ9036が過負荷状態となってしまった場合には、図45(b)に示すように、過負荷エラーと判定されてレバー用モータ9036の駆動が停止され、過負荷エラーフラグがセットされることにより、演出表示装置905において過負荷エラー表示が表示されるとともにエラー音が出力される。
以上説明したように、この発明の実施例としてのパチンコ遊技機901にあっては、図45に示すように、可動体である操作レバー9031が、レバー用モータ9036によって駆動されていない状態において案内された操作が継続している場合のエラーであるレバー操作エラーの場合には、図46(a)に示すように、エラー音の出力を伴わないエラー表示による異常報知が実行され、操作レバー9031がレバー用モータ9036によって駆動されている状態において案内された操作以外の操作や異物等による場合のエラーである過負荷エラーの場合には、図46(b)に示すように、エラー音の出力を伴うエラー表示による異常報知が実行されるので、可動体である操作レバー9031の状況、具体的には、レバー用モータ9036によって駆動されて変位中であるか否かや、エラーの原因が案内された操作の継続によるものか否かに応じた異常報知を行うことができる。
また、前記実施例によれば、操作レバー9031が、格納位置(原点位置)への変位中に、遊技者が誤って操作をしてレバー用モータ9036が過負荷となっても過負荷エラーと判定されて図46(b)に示すエラー音の出力を伴うエラー表示による異常報知が実行されるので、遊技者による誤った操作等によって可動体である操作レバー9031の動作が妨げられても、操作レバー9031の状況に応じた異常報知を行うことができる。
また、前記実施例によれば、レバー操作エラーの場合の異常報知と、過負荷エラーの場合の異常報知の報知態様として、表示メッセージの態様が違うだけではなく、エラー音の出力の有無が異なるため、異常報知の態様の違いを認識し易くできるので、異常が発生した可動体の状況を容易に把握できる。
また、前記実施例によれば、過負荷エラーが発生した場合には、レバー用モータ9036の動作(駆動)が停止されるので、レバー用モータ9036の故障や操作レバー9031の損傷を防ぐことができる。
また、前記実施例によれば、操作レバーエラーや過負荷エラーが発生して、操作レバーエラーフラグや過負荷エラーフラグがセットされている場合には、操作レバー9031を傾倒操作可能な突出状態に変位させる操作レバー演出が実行されることがないので、異常が発生している状態で操作レバー演出が行われることで、不適切な操作レバー演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
また、前記実施例によれば、第1可動部90302が横向きに傾倒する第1退避位置と、第1退避から離れた位置において第1可動部90302が縦向きに起立する第1演出位置との間で回動可能に設けられた第1可動役物90300や、演出表示装置905の側方に退避する第2退避位置(原点位置、初期位置)と演出表示装置905の前方における上下方向の略中央位置に配置され第2退避位置から離れた第2演出位置との間で往復移動可能に設けられた第2可動役物90400と、格納位置(原点位置)と操作可能位置(演出位置)との間において変位可能に設けられた操作モジュール90M、可動体を動作させるための駆動手段としての第1可動役物駆動モータ90303、第2可動役物駆動モータ90411,90421と、レバー用モータ9036と、第1可動役物駆動モータ90303や第2可動役物駆動モータ90411,90421、レバー用モータ9036による可動体の動作を制御する制御手段としての演出制御用CPU90120と、を備え、演出制御用CPU90120は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御と、可動体が正常に動作可能であることを確認するための第2動作制御としての実動作確認用動作制御と、可動体による可動体演出を行うための第3動作制御と、を実行可能であり、実動作確認用動作制御を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で可動体が動作するように制御し、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動体が動作するように制御する。
このようにすることで、第1動作制御において、可動体はいかなるタイミングでも停止可能な速度で動作するため、安全に原点位置に位置させることができる。具体的には、非検出時動作制御や検出時動作制御では、実動作確認用動作制御に比べて可動体を原点位置まで移動させる距離が短い場合があるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における最低速度とすることで、被検出部を検出手段により確実に検出させることができるとともに、可動体を高速で移動させたまま移動規制された衝撃で破損することを回避できる。
尚、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動体が動作するように制御する場合、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に設定する制御速度と、実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度とは同一の制御速度でもよいし異なる制御速度でもよい。
また、演出制御用CPU90120は、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行する場合、常に予め設定された単一(一定)の動作速度、つまり、常に実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物90300や第2可動役物90400が動作するように制御する。
このようにすることで、第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031を原点位置に位置させる際の速度を一定とすることができ、第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031の破損等を防ぐことができる。
また、演出制御用CPU90120は、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて第1可動役物90300や第2可動役物90400が動作するように制御する。
このようにすることで、第1可動役物90300や第2可動役物90400の安全動作を確保しつつ、過度に速度を下げる(例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い速度とするなど)ことなく安全に動作できる最高速度(第1速度)を選択することで、非検出時動作制御や検出時動作制御の期間を短縮することができる。
また、第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031が原点位置に位置していることを検出可能な検出手段としての第1可動役物原点検出センサ90316、第2可動役物原点検出センサ90440A,90440B、レバー原点検出センサ9038を備え、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理におけるS90104にて原点検出センサが検出状態ではない場合はS90105〜S90114の非検出時動作制御を実行し、S90104にて原点検出センサが検出状態である場合はS90120〜S90128の検出時動作制御を実行し、非検出時動作制御を実行する場合、検出時動作制御における最低速度で可動体が動作するように制御する。
このようにすることで、非検出時動作制御や検出時動作制御によって、第1可動役物原点検出センサ90316や第2可動役物原点検出センサ90440A,90440Bやレバー原点検出センサ9038の不具合の有無も把握することができる。また、非検出時動作制御を実行する場合は、可動体が原点位置の近くにあるか否かが不明であるのに対し、検出時動作制御を実行する場合は、可動体は原点位置にあることため、検出時動作制御においては、非検出時動作制御よりも速い速度であって、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で動作するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU90120は、特定の異常(例えば、演出の実行時に発生した動作異常など)が発生している場合において、第2初期化処理におけるステップS90109にて原点検出センサが検出状態でない場合、動作エラー判定回数が「3」に達するまで、実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物90300や第2可動役物90400が原点位置方向へ向けて移動するように制御する。
このようにすることで、特定の異常(例えば、演出の実行時に発生した動作異常などのエラー)が発生している場合に実行される異常時動作においても、第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031を安全に動作させることができる。具体的には、例えば、演出の実行時に動作異常が発生した場合、その後に第2初期化処理が行われるときは、可動体は原点位置に復帰していないため、非検出時動作制御が実行されることになる。また、動作異常が発生した場合、第2初期化処理においても可動体は動作しないことが考えられるため、異常時動作として実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物90300や第2可動役物90400が原点位置方向へ向けて動作するように制御する。
また、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理におけるステップS90201にて当該対象役物の原点復帰エラーの記憶が有る場合、S90220に進んで実動作確認用動作制御を行わない。
このようにすることで、異常によって第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031が実動作確認用動作制御中に原点位置以外で停止してしまうことを防ぐことができる。具体的には、例えば、演出の実行時に動作異常が発生した場合、第2初期化処理においても可動体は動作しないことが考えられるため、その場合は実動作確認用動作制御を実行しても駆動手段に負荷がかかるだけで無駄になるため、実動作確認用動作制御は実行しないことが好ましい。
また、第1可動体としての第1可動役物90300、第2可動役物90400及び操作モジュール90M(操作レバー9031)と、第2可動体としての第3可動役物90500とを有し、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理におけるステップS90102において、可動体が原点検出を行うことが必要な原点検出対象可動体であると判定した場合、非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行する一方、ステップS90102において可動体が原点検出を行うことが必要な原点検出対象可動体でないと判定した場合、ステップS90130に進み非検出時動作制御と検出時動作制御とを行わない。
このようにすることで、必要な可動体だけ実動作確認用動作制御を行うことができ、実動作確認用動作制御による動作確認時間を短縮することができる。
また、第1可動体としての第1可動役物90300、第2可動役物90400及び操作モジュール90M(操作レバー9031)と、第2可動体としての第3可動役物90500とを有し、演出制御用CPU90120は、第1可動役物90300と第2可動役物90400と操作モジュール90M(操作レバー9031)の各々の第1動作としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、各々の実動作確認用動作制御における最低速度にて可動体が動作するように制御し、実動作確認用動作制御の動作速度は、第1可動役物90300と第2可動役物90400と操作モジュール90M(操作レバー9031)とで異なるようにする。
このようにすることで、各々の可動体に応じた動作速度によって各可動体の安全動作を確保しつつ、非検出時動作制御及び検出時動作制御の期間を短縮することができる。例えば、第1可動役物90300と第2可動役物90400と操作モジュール90M(操作レバー9031)とにおいて、実動作確認用動作制御において同一の制御速度を設定しても、各可動体の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行した場合の各可動体の実際の動作速度は異なることになる。
具体的には、非検出時動作制御及び検出時動作制御において、同一の制御速度(実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度)を設定した場合でも、複数の可動体のうち重量が大きい可動体の実際の動作速度は、重量が小さい可動体の実際の動作速度よりも遅くなる。また、可動体を上昇させる場合、下降させる場合に比べて実際の動作速度は遅くなる。また、駆動機構として可動部を演出方向に付勢するバネ等が設けられている場合、バネが縮んでいる状態で付勢力に抗する方向に移動させる場合、バネが伸びている状態で付勢力に抗する方向に移動させる場合に比べて実際の動作速度は遅くなる。このように、非検出時動作制御及び検出時動作制御において、可動体を実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動体が動作するように制御する場合、各可動体の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等を考慮して、各々の実動作確認用動作制御において個別の最低制御速度を設定することが好ましい。
例えば、第1可動部と第2可動部とが、原点位置に向けて移動する際に遊技者から見たときに第1可動部の手前側に第2可動部が重なるように前後に配置されるものにおいて、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかを実行する際に、第1可動部及び第2可動部双方の動作制御を一緒に行う場合、第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。このようにすることで、仮に、第1可動部と第2可動部とが何らかの理由でそれぞれ原点位置から離れた位置まで移動した状態で電源がオン状態とされ、S9051の第2初期化処理において第1可動部及び第2可動部双方の非検出時動作制御が一緒に実行される場合において、第1可動部及び第2可動部双方の動作速度(最低速度)が同一になるように制御されると、第2可動部により第1可動部が隠れて原点位置へ移動する状況が見え難くなるが、第1可動部と第2可動部の最低速度が異なるように制御することで、第1可動部と第2可動部とが移動する際にずれていくので、第1可動部及び第2可動部各々の原点復帰動作を確認しやすくなる。
また、第1可動部と、該第1可動部よりも大きい(あるいは長い)第2可動部とを有する場合においても、第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。このようにすることで、例えば、第2可動部よりも小さい(あるいは短い)ので目立たない第1可動部の非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかにおける最低速度が、第1可動部よりも大きい(あるいは長い)ので目立つ第2可動部の非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかにおける最低速度よりも遅くすることで、第1可動部及び第2可動部それぞれの動作を確認しやすくなる。
このように、第1可動部と該第1可動部とは異なる第2可動部とを有する場合において、第1可動部と第2可動部それぞれの非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御における動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。尚、このように第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御する場合、第1可動部と第2可動部それぞれの非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度は異なっていてもよいし、同一でもよい。
以上、この発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、操作レバー9031が操作可能位置に変位する操作レバー演出が実行される前に、操作レバー演出が実行されることを示唆する演出等を実行しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図48に示すように、操作レバー演出が実行されることを示唆する演出を実行するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、前述した勝敗報知演出の実行を、操作レバー9031の操作だけではなく、プッシュボタン9031Aの操作によっても実行可能とし、操作レバー9031の操作が案内されて、該操作レバー9031を操作して勝敗報知演出が実行された場合は、プッシュボタン9031Aの操作が案内されて、該プッシュボタン9031Aを操作して勝敗報知演出が実行された場合よりも、味方が勝利する勝敗報知演出が実行されて大当り図柄が導出表示される割合が高くなるように、各演出の実行を決定することで、操作レバー9031の操作を行う方がプッシュボタン9031Aの操作を行う場合よりも、大当りとなり易いことで、操作レバー9031の操作の方が遊技者にとって有利とした場合を例に、図48を用いて説明する。
まず、左右の演出図柄が停止してリーチ状態が発生した後(図48(A))、バトル演出の開始されるときには、例えば、操作に関する画像として、プッシュボタン9031Aの操作を示唆する「プッシュボタン9031A」の画像を演出表示装置905に表示する(図48(B))。
そして、スーパーリーチ演出であるバトル演出の実行中において、「プッシュボタン9031A」に作用する弾丸を発射するキャラクタが登場し、弾丸を発射する演出(作用演出)が実行される。但し、弾丸を発射する演出(作用演出)は、図48(C)に示すように、弾丸が「プッシュボタン9031A」の画像に命中しない場合もあれば、図48(D)に示すように、弾丸が「プッシュボタン9031A」の画像に命中する場合もあり、弾丸は、最大2回発射される。尚、図48には例示していないが、最初に発射された弾丸が「プッシュボタン9031A」の画像に命中する場合もあれば、2発とも「プッシュボタン9031A」の画像に命中しない場合もある。尚、2発とも「プッシュボタン9031A」の画像に命中しない場合には、「プッシュボタン9031A」の表示が継続されることで、勝敗報知演出の実行に際して、プッシュボタン9031Aの操作が案内される。
キャラクタにより発射されたいずれかの弾丸が「プッシュボタン9031A」の画像に命中した場合には、図48(E)に示すように、「プッシュボタン9031A」の画像に代えて、中間画像として「煙幕」の画像が表示された後、図48(F)に示すように、操作レバー9031が突出している状態の画像が表示される。このように勝敗報知演出の実行に際して、操作レバー9031が操作可能位置に突出(変位)する操作レバー演出が実行されることが示唆されことで、大当りとなることへの遊技者の期待感を効果的に高めて、遊技興趣を向上できるようになるとともに、弾丸を発射して命中させる作用演出を実行することで、遊技者にとって有利な操作レバー9031が突出している状態の画像に変化することが解り易くなるので、遊技者の期待感を高めるための操作レバー9031の画像を表示する演出の演出効果を向上できる。
つまり、図48において示す変形例では、遊技者の操作(動作)を検出可能なプッシュボタン9031Aや操作レバー9031に対応した「プッシュボタン9031A」の画像や「操作レバー9031」の画像等の特定表示を演出表示装置905に表示する制御を演出制御用CPU90120が行い、特定表示として、第1特定表示となる「プッシュボタン9031A」の画像と、「プッシュボタン9031A」の画像よりも遊技者にとって有利度が高い第2特定表示となる「操作レバー9031」の画像を表示可能であり、「プッシュボタン9031A」の画像を表示した後、該「プッシュボタン9031A」の画像に作用する作用演出として、発射された弾丸が命中する演出が実行されることにより、第2特定表示となる「操作レバー9031」の画像を表示可能とされている。
尚、図48において示す変形例では、第1特定表示となる「プッシュボタン9031A」の画像が、遊技者にとって有利度が高い第2特定表示となる「操作レバー9031」の画像にのみ変化する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら「プッシュボタン9031A」の画像が「操作レバー9031」の画像に変化する第1変化パターンに加えて、「プッシュボタン9031A」の画像が、「プッシュボタン9031A」の画像と同様の画像であって、色や大きさが異なることで遊技者にとって有利度が「プッシュボタン9031A」の画像よりも高いが「操作レバー9031」の画像よりも低い画像(第3特定表示)に変化する第2変化パターンを有することで、第2特定表示と第3特定表示のいずれに変化するのかに遊技者を注目させることで、遊技興趣を向上できるようにしてもよい。
また、前記実施例では、異常報知を異なる態様にて行う対象を、遊技者が操作可能(接触可能)な操作レバー9031とした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら操作レバー以外の可動体、例えば、通常の格納位置から突出位置に変位する演出ボタンや、パチンコ遊技機901の上方位置や側方位置に、パチンコ遊技機901の前面に遊技者が接触可能または操作可能に設けられた役物(ギミック)等の可動体であってもよく、これら可動体は、1つではなく複数であってもよい。
また、前記実施例では、第1報知態様として演出表示装置905にエラー表示のみを表示する態様とし、第2報知態様として演出表示装置905にエラー表示を行うとともにエラー音を出力する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1報知態様としてはエラー表示を実行せず、第2報知態様ではエラー表示を実行するようにしてもよいし、第1報知態様として、演出表示装置905にエラー表示を行うともに操作レバー9031を振動させてエラー報知を行うとともに、第2報知態様として、演出表示装置905にエラー表示を行うともに操作レバー9031を振動させ、更にエラー音を出力する態様としたり、第2報知態様として、演出表示装置905にエラー表示を行うともに演出用LED909の点灯態様を異常時の点灯態様(例えば、赤の点滅)とし、更にエラー音を出力する態様としてもよく、これら第1報知態様と第2報知態様とは、態様の違いを認識できるものであれば適宜に決定すればよい。つまり、この発明における「異常報知の態様が異なる」ことには、報知を実行しない態様も1態様として含まれる。
また、前記実施例では、可動体演出となる操作レバー演出の実行を制限する手法として、該操作レバー演出に対応する処理であるレバー突出処理等を実行しない形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、異常報知が実行されている場合には、これら操作レバー演出の実行を伴うスーパーリーチの変動パターン自体を決定しないようにすることで制限したり、或いは、異常報知が実行されている場合に操作レバー演出の実行を伴うスーパーリーチの変動パターンが決定された場合には、操作レバー演出の実行を伴うバトル演出とは異なる演出を実行するように、演出を変更することで制限するようにしてもよく、これら制限する手法は、使用するメモリの記憶容量等に応じて適宜に決定すればよい。
また、前記実施例では、操作レバーエラーの場合と過負荷エラーの場合とで同様の制限をする形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作レバーエラーの場合には、操作レバー演出の実行を伴うバトル演出とは異なる演出を実行し、過負荷エラーの場合には演出を実行しないようにする等のように、操作レバーエラーの場合と過負荷エラーの場合とで異なる制限を行うようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技者の動作を検出する検出手段として、プッシュボタン9031Aや操作レバー9031を設けた形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、赤外線センサや画像センサ等を用いて、例えば、手をかざす等の遊技者の動作の有無を検出するようにしてもよい。
また、前記変形例では、異なる操作を、「プッシュボタン9031A」の操作と「操作レバー9031」の操作とした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上記したように、赤外線センサや画像センサ等を用いた場合には、例えば、異なる操作を、「プッシュボタン9031A」の操作と、赤外線センサや画像センサ等を用いた操作(動作)としてもよい。
また、前記実施例では、図47(D)に示すように、操作レバー9031の操作を案内する操作案内演出を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら操作案内演出を実行しないものであってもよい。
また、前記実施例では、エラー報知(異常報知)を、操作レバー9031が原点位置に戻されるまで継続する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、所定時間の経過によってエラー報知(異常報知)を終了したり、或いは、エラー報知(異常報知)後において最初に操作レバー9031を動作させるときに、エラー報知(異常報知)を終了するようにしてもよい
また、前記実施例では、可動体の一例として、原点位置と演出位置との間で回動可能な第1可動役物90300と、原点位置と演出位置との間で直線移動可能な第2可動役物90400と、回転軸を中心として回転可能な第3可動役物90500と、遊技者が操作可能な操作レバー9031を有する操作モジュール90Mを適用した形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら可動役物の動作態様(例えば、移動方向や回動方向)や設置数は上記のものに限らず種々に変更可能である。また、上記以外の動作態様にて動作する可動体を適用してもよい。
また、前記実施例では、原点検出対象可動体として原点位置と演出位置との間で動作可能な第1可動役物90300、第2可動役物90400、操作レバー9031を有する操作モジュール90Mを適用し、原点非対象役物として第3可動役物90500を適用した形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、原点位置と演出位置との間で動作しない第3可動役物90500のような可動役物においても、第3可動部90502の回転位置に原点位置を設定することにより原点検出対象可動体としてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理において、一の可動役物に対し第1動作制御としての非検出時動作制御または検出時動作制御を実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも非検出時動作制御のみを実行するようにしてもよい。尚、非検出時動作制御のみを実行可能とする場合、第2初期化処理において原点検出センサにより可動役物が検出されている場合は非検出時動作制御を実行しなくてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU90120が、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度で可動役物が動作するように制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御や検出時動作制御において、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御すればよく、例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い動作速度にて可動役物が動作するように制御してもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、常に予め設定された単一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動役物が動作する、つまり、可動役物が常に一定の速度にて動作するように制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、原点位置に復帰する際に、実動作確認用動作制御における最低速度から漸次減速させて最低速度よりも低い速度にて動作するように制御してもよい。つまり、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、実動作確認用動作制御における最低速度よりも低い速度であれば、所定の移動期間において速度が可変するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、それぞれ同一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動役物の動作を制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御における最高速度が、検出時動作制御における最低速度以下の速度となるように制御するようになっていれば、例えば、非検出時動作制御と検出時動作制御とで異なる動作速度にて可動役物を動作させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、エラーなど特定の異常が発生している場合に可動役物が検出手段にて検出されていないとき、つまり、第2初期化処理におけるステップS90109にて原点検出センサが検出状態でない場合、動作エラー判定回数が「3」に達するまで、実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物90300や第2可動役物90400を原点位置方向へ向けて移動させる制御を繰返し行う形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、検出時動作制御における最低速度よりも低い速度、例えば、エラー用に設定され、比較的大きなトルクが得られる低速である特別速度で可動役物が動作するように制御するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理におけるステップS90124にて原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、原点検出センサが検出状態になるまで、S90122〜S90127の処理を繰返し行う、つまり、設定されたプロセスデータに基づき、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて可動役物を検出時動作制御させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、第2初期化処理におけるステップS90124にて原点検出センサが検出状態になっていない場合には、その時点から可動役物を実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて原点位置方向へ移動させる非検出時動作制御を実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、複数の可動体として第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M(操作レバー9031)を備え、第2初期化処理においては、非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とする可動体として、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500及び操作モジュール90M(操作レバー9031)を適用した形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、第2初期化処理において非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とする可動役物とは、第1可動役物90300、第2可動役物90400、操作モジュール90M(操作レバー9031)、第3可動役物90500といった一の可動体を実行対象とするものに限らず、例えば、一の可動体が動作可能な複数の可動部を有する(例えば、第2可動役物90400は第2可動部90401と第2可動部90402とを有する)場合、これら各可動部各々を非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とし、各可動部を順次非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU90120は、可動役物を往動作及び復動作それぞれにおいて加速及び減速して、低速→高速→低速→停止となるように制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、可動体演出時の動作制御や実動作確認用動作制御における動作速度は上記した形態に制御するものに限らず、例えば、低速→高速→低速→高速→低速→停止といったように低速と高速とを複数回繰り返すように制御してもよいし、動作速度が低速→中速→高速の順に変化するように制御してもよい。
また、往動作と復動作とで動作速度の変化態様や最低速度が異なるように制御してもよい。尚、往動作と復動作とで最低速度が異なる場合、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における往動作と復動作とのうち速度が低い方の最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU90120は、可動体を加速及び減速して動作速度を変化させる制御を行う形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、単一の動作速度にて可動体が動作するように制御してもよい。このように単一の動作速度にて可動体が動作するように制御する場合、該単一の動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、該最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、第1動作としての非検出時動作制御や検出時動作制御を、パチンコ遊技機1の起動時である第2初期化処理において実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、起動時以外のタイミング(例えば、役物エラーや他の各種エラーを含むエラー処理の実行後や、図柄の変動開始時や、可動役物演出の実行後など)にて実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における可動役物の順序データとして、第1可動役物90300→第2可動役物90400→操作モジュール90M(操作レバー9031)→第3可動役物90500の順に非検出時動作制御または検出時動作制御や実動作確認用動作制御が実行される形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、順序は任意であり、前述したように、上記以外の順序で各動作を実行するようにしてもよい。また、複数のうち2以上の可動役物についての非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のうちいずれかを並行して一緒に実行するようにしてもよい。
また、全ての可動体について非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後に実動作確認用動作制御が実行される形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、一の可動体の非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行した後、他の非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、実動作確認用プロセスデータを、実際の演出時の動作と同一の動作内容が記述されたものとした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら実動作確認用動作制御としては、実際の演出における動作速度の各動作を全て含むものであれば、完全に同一の動作でなくともよく、例えば、動作の一部が異なる複数の演出動作がある場合には、異なる複数の演出動作を全て組み込んだ確認専用の動作を記述した実動作確認用プロセスデータとしてもよい。
また、前記実施例では、S90113、S90127、S90213の動作エラー判定回数を「3」とした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら動作エラー判定回数は、「3」以外の回数に適宜に設定してもよく、S90113、S90127、S90213各々の動作エラー判定回数を異なる回数としてもよい。
また、前記実施例では、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を第2初期化処理にて実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、非検出時動作制御や検出時動作制御の実行タイミングは任意に設定可能であり、例えば、可動体演出の終了後や、図柄の変動表示が開始されるときや、デモ演出を実行したときなどに実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にもこの発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、可動体である操作レバー9031がいずれも突出している状態であって、レバー用モータ9036が動作しておらず、操作可能位置に位置している状態を第1状態とし、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しており、操作可能位置から格納位置に変位中である状態を第2状態とした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、この発明の第1状態および第2状態を、いずれもレバー用モータ9036が動作している状態であって、操作レバー9031が格納位置から操作可能位置に変位中である状態を第1状態とし、操作レバー9031が操作可能位置から格納位置に変位中である状態を第2状態として、これら第1状態と第2状態とで異常報知の報知態様を異ならせる、つまり、遊技者の身体の一部(例えば、指)等が挟まれてしまう可能性のある第2状態の異常報知を、報知が認識される可能性が高い報知態様にて報知するようにしてもよい。尚、可動体の初期位置が、前述した実施例の操作レバー9031のように、格納位置ではない場合、たとえば、突出した突出位置が初期位置であって、格納された(没した)格納位置が動作位置である場合には、初期位置である突出位置から動作位置である格納位置まで変位する状態を第1状態とし、動作位置である格納位置から初期位置である突出位置まで変位する状態を第2状態とし、これら第1状態と第2状態とで異常報知の報知態様を異ならせる、つまり、遊技者の身体の一部(例えば、指)等が挟まれてしまう可能性のある第1状態の異常報知を、報知が認識される可能性が高い報知態様にて報知するようにすればよい。