JP6776200B2 - ファスナ及び補修構造並びに損傷検出方法 - Google Patents

ファスナ及び補修構造並びに損傷検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、ファスナ、カラー及び補修構造並びに損傷検出方法に関するものである。
航空機の外板等(補修対象部材)が損傷した場合、損傷部分を補修する方法として、損傷部分を切り取って除去し、当該除去部分を覆うように板状の補修部材を固定することで、除去部分を塞ぐ方法がある。補修部材は、補修対象部材に形成された除去部分よりも大きく形成され、補修部材の中央領域で除去部分を覆うとともに、補修部材の端部領域は除去部分の隣接領域に重なるように載置される。そして、補修部材が補修対象部材に載置された部分をファスナ止め等することで、補修部材と補修対象部材とが固定される。
このような補修方法を行った場合、補修部材と補修対象部材とが重なっている部分では、補修部材の下面や補修対象部材の上面等(すなわち、補修部材と補修対象部材が接触している面等)に発生した腐食やクラック等の損傷は、外部から視認できないので、検出が困難となる場合がある。
補修部材と補修対象部材が接触している面等の外部から視認できない損傷を検出するために、損傷を検出するセンサ等を用いることが考えられる。このようなセンサを有する補修部材としては、特許文献1のようなものがある。
特許文献1では、航空機構造等において形成されるボルト孔を挿通するボルトの軸部に渦流センサを設けた装置が開示されている。この装置は、ボルトの近傍の亀裂等を検査するものである。
米国特許第7762142号明細書
しかしながら、特許文献1の装置では、ボルトの軸部に渦流センサを設け、ボルト孔の近傍の亀裂等を検査することを目的としたものであって、補修部材と補修対象部材とが接触している面付近に発生する腐食やクラック等の損傷を検出することができない可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、補修部材及び補修対象部材に発生した損傷を好適に検出することができるファスナ、カラー及び補修構造並びに損傷検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のファスナ、カラー及び補修構造並びに損傷検出方法は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係るファスナは、補修対象部材と、該補修対象部材を覆う板状の補修部材とを固定可能であって、前記補修対象部材及び前記補修部材の内部に配置可能である固定部と、前記固定部に設けられ、前記補修対象部材及び前記補修部材に対して超音波を送信可能である超音波センサと、を備えている。
上記構成では、超音波センサから補修部材に対して超音波が送信された場合には、超音波が補修部材の内部を伝搬する。これにより、補修部材の内部の腐食、クラック等の損傷を検出することができる。また、超音波センサから補修対象部材に対して超音波が送信された場合には、超音波が補修対象部材の内部を伝搬する。これにより、補修対象部材の内部の腐食、クラック等の損傷を検出することができる。
したがって、補修対象部材と補修部材とを固定するファスナに設けられた超音波センサのみによって、補修部材と補修対象部材との双方の損傷を検出することができる。また、補修対象部材及び補修部材に対して、別途超音波センサを設けるために加工を施すことなく、補修部材と補修対象部材との双方の損傷を検出することができる。また、超音波によって損傷等を検出することができるので、微小な損傷も検出することができ、かつ、ファスナから比較的遠い位置の損傷も検出することができる。
また、本発明の一態様に係るファスナは、超音波センサが、前記固定部の外表面に設けられていてもよい。
上記構成では、超音波センサが固定部の外表面に設けられているので、超音波センサと、補修対象部材及び補修部材の少なくとも一方と、が接触する。これにより、補修対象部材及び補修部材の少なくとも一方に対して、補修対象部材と補修部材との界面を通過させることなく超音波を伝搬させることができる。したがって、界面による超音波の減衰を抑制することができ、精度よく損傷を検出することができる。
また、超音波センサが外部に露出しているので、超音波センサにリード線等を接続する場合には、容易に接続することができる。
また、本発明の一態様に係るファスナは、前記超音波センサが、前記固定部の内部に設けられている
上記構成では、超音波センサが固定部の内部に設けられているので、超音波センサと、補修対象部材及び補修部材とが接触しない。これにより、超音波センサに対して、補修対象部材及び補修部材からの荷重が直接作用しない。したがって、超音波センサに過度な荷重が作用せず、超音波センサの破損を防止することができる。また、超音波センサに荷重が作用した場合、適正に超音波の送信等を行えない可能性があるが、上記構成では超音波センサに対して、過度な荷重が作用しないので、適正に超音波を送信等することができる。
また、本発明の一態様に係るファスナは、前記超音波センサが複数設けられていてもよい。
上記構成では、複数の超音波センサによって、好適に補修部材及び補修対象部材の内部の腐食、クラック等の損傷を検出することができる。
また、本発明の一態様に係るカラーは、補修対象部材と、該補修対象部材を覆う板状の補修部材とを固定するカラーであって、前記補修部材または前記補修対象部材と接触する一面側に超音波センサを備えていてもよい。
上記構成では、超音波センサによって送信された超音波は、カラーと補修部材または補修対象部材との接触部分から、補修部材または補修対象部材の内部を伝搬する。これにより、補修部材または被補修部材の内部の腐食、クラック等の損傷を検出することができる。また、補修対象部材及び補修部材に対して、別途超音波センサを設けるために加工を施すことなく、補修部材と補修対象部材との双方の損傷を検出することができる。また、超音波によって損傷等を検出することができるので、微小な損傷も検出することができ、かつ、ファスナから比較的遠い位置の損傷も検出することができる。
また、本発明の一態様に係る補修構造は、上述のいずれかのファスナと、開口が形成された補修対象部材と、前記補修対象部材に固定され、前記開口を覆う板状の補修部材と、を備えている。
上記構成では、補修対象部材と補修部材とを固定するファスナに設けられた超音波センサのみによって、補修部材と補修対象部材との双方の損傷を検出することができる。また、補修対象部材及び補修部材に対して、別途超音波センサを設けるために加工を施すことなく、補修部材と補修対象部材との双方の損傷を検出することができる。また、超音波によって損傷等を検出することができるので、微小な損傷も検出することができ、かつ、ファスナから比較的遠い位置の損傷も検出することができる。
また、本発明の一態様に係る補修構造は、前記超音波センサは、前記超音波を送信する送信用超音波センサと、前記送信用超音波センサが送信した前記超音波を受信する受信用超音波センサとを含み、前記ファスナは、複数設けられ、前記複数のファスナは、前記送信用超音波センサが設けられた送信用ファスナと、前記受信用超音波センサが設けられた受信用ファスナとを含み、前記送信用ファスナと、前記受信用ファスナとは、離間して配置され、前記受信用ファスナは、第1の受信用超音波センサと第2の受信用超音波センサとを有し、前記第1の受信用超音波センサは、該受信用ファスナと前記送信用ファスナとを結ぶ仮想直線に対して一方側であって、かつ、前記送信用ファスナに面するように配置され、前記第2の受信用超音波センサは、前記仮想直線に対して他方側であって、かつ、前記送信用ファスナに面するように配置されていてもよい。
上記構成では、受信用ファスナが、受信用ファスナと送信用ファスナとを結ぶ仮想直線に対して一方側に配置される第1の受信用超音波センサ及び仮想直線に対して他方側に配置される第2の受信用超音波センサを有している。
これにより、送信用ファスナから送信された超音波が損傷によって反射し、反射した超音波を受信用ファスナで受信する際に、損傷が仮想直線よりも一方側に発生している場合には、受信用ファスナにおける第1の受信用ファスナが反射した超音波を受信するようにできる。また、損傷が仮想直線よりも他方側に発生している場合には、受信用ファスナにおける第2の受信用ファスナが反射した超音波を受信するようにできる。このように、損傷が仮想直線に対して一方側に存在する場合に受信する受信用超音波センサと、損傷が仮想直線に対して他方側に存在する場合に受信する受信用超音波センサとが異なるようにできるので、損傷が中央線に対してどちら側に存在しているかを判断することができる。
また、本発明の一態様に係る補修構造は、前記超音波センサは、前記超音波を送信する送信用超音波センサと、前記送信用超音波センサが送信した前記超音波を受信する受信用超音波センサとを含み、前記ファスナは、複数設けられ、前記複数のファスナは、前記送信用超音波センサが複数設けられた送信用ファスナと、前記受信用超音波センサが設けられた受信用ファスナとを含み、前記送信用ファスナと、前記受信用ファスナとは、離間して配置され、前記複数の送信用超音波センサは、前記送信用ファスナの周方向に並んで配置されていてもよい。
上記構成では、送信用ファスナが、周方向に並んで配置される複数の送信用超音波センサを有している。これにより、送信用ファスナから送信される超音波の量等を、周方向によって調整することができる。したがって、例えば、壁や界面の近傍に送信用ファスナが配置された場合には、壁や界面に向かって送信される超音波は、損傷の検出にほとんど役に立たない上に、壁や界面で反射することによって誤検出の原因となるが、上記構成では、壁や海面に向かって超音波を送信する送信用超音波センサを停止することによって、誤検出等を防止することができる。
また、本発明の一態様に係る損傷検出方法は、上述のいずれかのファスナを用いた損傷検出方法であって、前記超音波センサから前記超音波を送信するステップと、前記超音波の送受信状態に基づいて前記補修部材及び前記補修対象部材の少なくとも一方の損傷を検出するステップと、を有する。
また、本発明の一態様に係る損傷検出方法は、上述のいずれかの補修構造において、前記超音波センサから前記超音波を送信するステップと、前記超音波の送受信状態に基づいて前記補修部材及び前記補修対象部材の少なくとも一方の損傷を検出するステップと、を有する。
本発明によれば、補修部材及び補修対象部材に発生した損傷を好適に検出することができる。
本発明の第1実施形態に係る補修構造を示す図である。(A)は補修構造の平面図であり、(B)は、(A)のB−B矢視断面図である。 図1に示す補修構造に用いられるセンサ付きのファスナ及びカラーの側面図である。 図1に示す補修構造を示す模式的な平面図であって、(A)は損傷が発生していない場合を示す図であり、(B)は損傷が発生している場合を示す図である。 図1に示す補修構造の変形例を示す模式的な平面図であって、(A)は損傷が発生していない場合を示す図であり、(B)は損傷が発生している場合を示す図である。 図2に示すセンサ付きファスナ及びカラーの変形例を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る補修構造を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態に係る補修構造を模式的に示す図である。 本発明の第4実施形態に係るセンサ付きのファスナ及びカラーの変形例を示す模式的な図である。
以下に、本発明に係るファスナ、カラー及び補修構造並びに損傷検出方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図5を用いて説明する。
補修構造1は、例えば、金属製の板材などに損傷が発生した場合に、当該損傷部分を補修する際に適用される。本実施形態では、航空機の外板2に損傷(例えば、腐食やクラック)が発生した場合について説明する。本実施形態では、当該損傷部分を切り取ることで補修を行うため、外板に開口3を形成する。
図1に示すように、本実施形態に係る補修構造1は、損傷部分を切り取ることで形成された開口3を有する外板(補修対象部材)2と、外板2の外側方向から開口3の全部を覆う補修部材4と、外板2と補修部材4とを固定するファスナ5及びカラー6と、を備える。
外板2は、アルミニウム合金等の金属で形成され、内部に航空機における内部空間8を形成している。外板2には、損傷部分を切り取ったことで開口3が形成されている。開口3は、略正方形形状に形成され、四隅に応力が集中しないように、四隅が湾曲するように形成されている。また、開口3は、外板2に発生したクラック等の損傷の残存の恐れがないように、損傷部分に対して比較的大きく形成される。外板2の開口3の周辺領域には、外板2を貫通するファスナ孔2aが複数(本実施形態では、40箇所)形成される。複数のファスナ孔2aは、開口3の四辺を形成する縁と平行となるように、等間隔に配置されている。ファスナ孔2aは、円柱状の内周面を有している。
補修部材4は、略正方形状の金属製の板状部材であって、外部に露出する露出面4bと、露出面4bと反対側の面であって外板2と接触する接触面4cとを有する。補修部材4は、開口3よりも大きく形成され、開口3のすべてを覆うように外板2に固定されている。すなわち、補修部材4は、開口3を覆う領域である中央部分と、中央部分を囲む領域であって外板2に固定される固定部分とを有し、固定部分における接触面4cが外板2と接触している。補修部材4は、開口3からのクラックの発生の恐れがないように、開口3に対して比較的大きく形成されている。
固定部分には、露出面4bと接触面4cとを連通させるように補修部材4を貫通する複数(本実施形態では、40箇所)のファスナ孔4aが形成される。複数のファスナ孔4aは、それぞれ、外板2に形成された複数のファスナ孔2aと対応する位置に形成されている。ファスナ孔4aは、露出面から径を減少させるように形成されたテーパ状の内周面を有するテーパ部4dと、テーパ部4dの接触面側端部から円柱状の内周面を有する円柱部4eとを有する。
外板2に形成されたファスナ孔2aと、補修部材4に形成されたファスナ孔4aとは、連通することでファスナ貫通孔10を形成する。詳細には、ファスナ孔2aと、ファスナ孔4aの円柱部4eとが連通している。すなわち、ファスナ貫通孔10は、補修部材4及び外板2を貫通する孔であって、複数(本実施形態では、40箇所)形成されている。複数のファスナ貫通孔10の各々には、ファスナ5が挿通する。複数のファスナ貫通孔10の各々にファスナ5が挿通することで、外板2と補修部材4とは固定されている。
ファスナ5は、略円錐台形状の頭部(固定部)12と、頭部12から所定方向に延びる円柱状の軸部13とを有する。頭部12はテーパ部4dと嵌合する。軸部13は、内部空間8に突出する先端部14と、頭部12と先端部14とを連結する基部(固定部)15とを有する。基部(固定部)15は、補修部材4に形成されたファスナ孔4aの円柱部4e及び外板2に形成されたファスナ孔2aの内部に配置される。先端部14の円柱状の外周面には、環状のカラー6が係合する。先端部14にカラー6が係合することで、外板2と補修部材4とが固定される。すなわち、頭部12及び基部15によって外板2と補修部材4とを固定している。
本実施形態では、一部のファスナ5が、超音波センサ17を備えたセンサ付きファスナ18となっている。図2に示すように、センサ付きファスナ18は、上述のファスナ5の基部15の外表面に超音波センサ17が設けられている。超音波センサ17は、円筒状形状に形成され、基部15の軸方向及び周方向の略全域を覆っている。基部15に設けられた超音波センサ17の頭部側の一部は、補修部材4と接触し、先端部14側の一部は外板2と接触している。また、センサ付きファスナ18の基部15及び先端部14には、外表面から半径方向中心側に凹んで、軸方向に延びる溝部19が形成されている。
本実施形態に係る超音波センサ17には、超音波を送信する送信用超音波センサ17tと、送信用超音波センサ17tが送信した超音波を受信する受信用超音波センサ17rとの2種類存在する。したがって、センサ付きファスナ18には、送信用超音波センサ17tを取り付けた送信用ファスナ18tと、受信用超音波センサ17rを取り付けた受信用ファスナ18rとの2種類が存在する。
本実施形態では、送信用ファスナ18tと受信用ファスナ18rとで構成されたファスナセットが4セット設けられている。各ファスナセットは、開口3の四隅近傍に配置される。詳細には、図1及び図3に示すように、送信用ファスナ18tと受信用ファスナ18rとが、開口3の四隅を構成する各角部を挟むように配置される。すなわち、送信用ファスナ18tと受信用ファスナ18rとを結ぶ仮想直線L1が角部の近傍を通過するように配置される。
なお、送信用ファスナ18tは、ファスナに対して送信のみを行える超音波センサを設けて構成してもよいし、ファスナに対して送受信可能な超音波センサを設けて、制御装置等によって受信機能をオフにして構成してもよい。また、受信用ファスナ18rについても同様である。
センサ付きファスナ18は、超音波センサ17が設けられていないファスナ5(以下、「通常のファスナ5」という。)と同様に、ファスナ貫通孔10に挿通され、先端部14がカラー6と嵌合することで、補修部材4と外板2とを固定する。センサ付きファスナ18は、超音波センサ17を設けた分、外径が通常のファスナ5よりも大きくなるので、センサ付きファスナ18が挿通するファスナ貫通孔10は、通常のファスナ5が挿通するファスナ貫通孔10よりも径を大きく形成してもよい。また、センサ付きファスナ18の基部15を通常のファスナ5の基部15よりも径を小さくすることで、ファスナ貫通孔10の径を共通としてもよい。
送信用超音波センサ17t及び受信用超音波センサ17rには、信号線21が接続されている。信号線21は、送信用超音波センサ17tまたは受信用超音波センサ17rと、航空機の内部空間8に配置された制御装置(図示省略)とを接続する。送信用超音波センサ17t及び受信用超音波センサ17rは、この信号線21を介して、制御装置と信号の送受信を行う。制御装置から超音波送信指令信号が信号線21を介して送信用超音波センサ17tに送信されると、送信用超音波センサ17tから超音波が送信される。受信用超音波センサ17rが超音波を受信すると、信号線21を介して信号が制御装置に送信される。信号線21は、溝部19を介して送信用超音波センサ17tまたは受信用超音波センサ17rに接続されている。
送信用超音波センサ17tは、検査対象となる外板2及び補修部材4の内部に向けて超音波を送信するためのもので、制御装置から信号線21を介して高電圧(上述の超音波送信指令信号)を印加されることで超音波を送信する。本実施形態では、送信用超音波センサ17tは、補修部材4と接触する部分から、補修部材4の内部に超音波を送信する。送信された超音波は、補修部材4の内部を伝搬する。また、送信用超音波センサ17tは、外板2と接触する部分から、外板2の内部に超音波を送信する。送信された超音波は、外板2の内部を伝搬する。
受信用超音波センサ17rは、送信用超音波センサ17tから送信された超音波を受信するためのものであり、受信用超音波探触子7rの両端の電圧を測定するとことで、受信状態を測定する。
制御装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
次に、本実施形態に係る補修構造1が適用される外板2の補修方法について説明する。
まず、外板2に発生した損傷部分及び損傷部分に隣接する領域を加工装置(図示省略)によって切り取ることで、外板2に開口3を形成する。このとき、損傷の残存の恐れがないように、損傷部分に対して比較的大きめに開口3を形成する。次に、開口3を外側から覆うように補修部材4を外板2に対して配置する。次に、外板2及び補修部材4の所定の位置に、ファスナ貫通孔10を形成する。ファスナ貫通孔10を形成した後に、ファスナ貫通孔10の内周面にシーラントを塗布する。次に、ファスナ貫通孔10にファスナ5を圧入し、締まりばめの状態とする。このとき、所定のファスナ貫通孔10には、通常のファスナ5ではなく、センサ付きファスナ18を圧入する。次に、ファスナ5とカラー6とを係合させ、外板2と補修部材4とを締結固定する。なお、補修部材4を外板2に配置する際に、補修部材4と外板2とが接触する面にシーラントを塗布してもよい。
次に、本実施形態に係る補修構造1による損傷の検出方法について図3を用いて説明する。なお、図3において黒塗りの矢印は超音波の伝搬を模式的に示したものである。本実施形態では、いわゆる透過方式の損傷検出方法を用いて損傷を検出する。
上述のように、送信用超音波センサ17t(すなわち、送信用ファスナ18t)から送信された超音波は、補修部材4及び外板2の内部を伝搬する。補修部材4及び外板2の内部を伝搬する超音波は、受信用超音波センサ17r(すなわち、受信用ファスナ18r)によって受信される。受信用超音波センサ17rは、超音波を受信すると受信状態を制御部に送信する。
図3(A)に示すように、補修部材4及び外板2に損傷が存在しない場合には、送信用ファスナ18tから送信された超音波は、損傷に遮られることなく、受信用ファスナ18rによって受信される。
一方、図3(B)に示すように、補修部材4または外板2において、送信用ファスナ18tと受信用ファスナ18rとの間にクラック等の損傷Dが存在している場合には、補修部材4及び外板2の内部を伝搬する超音波の一部は、損傷Dによって遮られる。遮られた超音波は、受信用ファスナ18rまで至らない。
このように、補修部材4または外板2のどちらかにおいて、送信用ファスナ18tと受信用ファスナ18rとの間に損傷Dが存在している場合には、損傷Dによって超音波の少なくとも一部が遮られるので、遮られた超音波については、受信用超音波センサ17rが受信しない。これにより、損傷Dが存在する場合には、損傷が存在しない場合と比較して、受信用超音波センサ17rが受信する超音波の送受信状態が異なる。
したがって、制御装置に送信されてきた送受信状態の情報が、送信用ファスナ18tと受信用ファスナ18rとの間に損傷がない場合と比較して、異なっている場合には、補修部材4または外板2のどちらかにおいて、送信用ファスナ18tと受信用ファスナ18rとの間に損傷が存在していると判断することができる。よって、損傷を検出することができる。
なお、損傷が存在しない場合の送受信状態としては、例えば、補修部材4及び外板2の製造時や修理完了時等の健全性が担保できる状態で取得された送受信状態を用いることができる。
この損傷検出方法は、航空機の運転中に行われてもよいし、航空機の運転停止中に行われてもよい。また、常時行われていてもよいし、所定時間ごとに自動的に行われてもよい。また、例えば、メンテナンス時等の特定の時期に、行われてもよい。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、超音波センサ17を設けたセンサ付きファスナ18から補修部材4に対して超音波が送信され、超音波が補修部材4の内部を伝搬する。これにより、補修部材4の内部の腐食、クラック等の損傷を検出することができる。また、超音波センサ17を設けたセンサ付きファスナ18から外板2に対して超音波が送信され、超音波が外板2の内部を伝搬する。これにより、外板2の内部の腐食、クラック等の損傷を検出することができる。
したがって、外板2と補修部材4とを固定するセンサ付きファスナ18に設けられた超音波センサ17のみによって、補修部材4と外板2との双方の損傷を検出することができる。また、外板2及び補修部材4に対して、別途超音波センサを設けるために加工を施すことなく、補修部材4と外板2との双方の損傷を検出することができる。また、超音波によって損傷等を検出しているので、微小な損傷も検出することができ、かつ、センサ付きファスナ18から比較的遠い位置の損傷も検出することができる。
また、超音波センサ17が基部15の外表面に設けられているので、超音波センサ17と、外板2及び補修部材4とが直接接触する。これにより、外板2及び補修部材4に対して、外板2と補修部材4との界面を通過させることなく超音波を伝搬させることができる。したがって、界面による超音波の減衰を抑制することができ、精度よく損傷を検出することができる。
また、超音波センサ17がセンサ付きファスナ18の外部に露出しているので、超音波センサに信号線21を容易に接続することができる。
また、送信用ファスナ18tと受信用ファスナ18rとが、開口3の四隅を構成する各角部を挟むように配置されているので、応力集中等によって特に損傷が発生し易い開口3の四隅の近傍を検出対象領域とすることができる。したがって、開口3の四隅の近傍の領域で発生した損傷をより好適に検出することができる。
次に、本実施形態の第1変形例について図4を用いて説明する。
第1変形例は、上述の第1実施形態とは、センサ付きファスナ18に設けられる超音波センサの種類が異なっている。なお、上述した第1実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本変形例に係る超音波センサは、超音波の送信及び受信のどちらも行える送受信用超音波センサ17trとなっている。すなわち、本変形例に係るセンサ付きファスナ18は、送受信用超音波センサ17trが取り付けられた送受信用ファスナ18trとなっている。
本変形例では、いわゆる反射方式の損傷検出方法を用いて損傷を検出する。具体的には、図4(A)に示すように、損傷がない場合には、送受信用超音波センサ17trから送信された超音波は、そのまま進み続けるので、送受信用超音波センサ17trは超音波を受信しない。一方、図4(B)に示すように、送受信用超音波センサ17trの周辺に損傷が存在する場合には、送信した超音波が損傷により反射され、反射した超音波を送受信用超音波センサ17trが受信する。したがって、送受信用超音波センサ17trが超音波を受信した場合には、損傷が存在していると判断することができる。以上から、本変形例によっても、第1実施形態と同様に補修部材4と外板2との双方の損傷を検出することができる。特に、超音波の伝搬経路に対して垂直な面を持つ損傷が発生した場合に好適に損傷を検出することができる。
次に、本実施形態の第2変形例について図5を用いて説明する。
第2変形例は、上述の第1実施形態とは、センサ付きファスナに設置する超音波センサの設置場所及びセンサ付きファスナの構造の一部が異なっている。なお、上述した第1実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本変形例に係るセンサ付きファスナ18’は、基部15’及び先端部14’が円筒状に形成され、内部に空間を有している。超音波センサ17’は、円筒状形状に形成され、外周面が基部15’及び先端部14’の円筒状の内周面の略全域と接触するように設けられている。
また、本実施形態には、第1実施形態で説明した溝部が形成されていない。信号線21は、基部15’及び先端部14’の内部に形成された空間を介して、超音波センサ17’に接続されている。
本変形例では、超音波センサ17’がセンサ付きファスナ18’の内部に設けられているので、超音波センサ17’と、外板2及び補修部材4とが接触しない。これにより、センサ付きファスナ18’をファスナ貫通孔10に挿通した際に、超音波センサ17’に対して、外板2及び補修部材4からの荷重が直接作用しない。したがって、超音波センサ17’に過度な荷重が作用せず、超音波センサ17’の破損を防止することができる。また、超音波センサ17’に荷重が作用した場合、適正に超音波の送信または受信を行えない可能性があるが、本変形例では超音波センサ17’に対して、過度な荷重が作用しないので、適正に超音波を送信または受信をすることができる。
〔第2実施形態〕
続いて、本発明に係る補修構造の第2実施形態について、図6を用いて説明する。本実施形態に係る補修構造30は、受信用超音波センサの構造及び損傷検出の方法が一部第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図6では、受信用ファスナ及び送信用ファスナを省略して図示している。
図6に示すように、本実施形態に係る受信用ファスナに設けられる受信用超音波センサ22は、円筒形状を周方向に4等分に分割した形状である4つの分割センサ22a、22b、22c及び22dを備えている。すなわち、各分割センサは、断面円弧状であって、曲率半径の大きい大径面23と、曲率半径の小さい小径面24とを有する。4つの分割センサは、それぞれの大径面23及び小径面24が連続するように並んで配置されている。
分割センサ22a及び22bの大径面23は、送信用ファスナに設けられた送信用超音波センサ25と対向するように配置される。また、分割センサ(第1の受信用超音波センサ)22aは、送信用ファスナと受信用ファスナとを結ぶ仮想直線L2に対して一方側の領域aに配置され、分割センサ(第2の受信用超音波センサ)22bは、仮想直線L2に対して他方側の領域bに配置されている。
次に、本実施形態に係る補修構造30による損傷の検出方法について説明する。
送信用ファスナに設けられた送信用超音波センサ25が超音波を送信し、この超音波が損傷Dにより反射され、反射した超音波を受信用超音波センサ22が受信する。このとき、超音波を送信してから受信するまでの時間を計測する。この計測された時間に基づいて、制御装置が損傷の位置を計算することで、損傷が発生した位置を特定することができる。具体的には、図6に示すように、超音波を送信してから受信するまでの時間によって、仮想直線L2に対して線対称となる2か所(図6の例では、損傷Dもしくは、ダミーの損傷D’の2か所)のどちらかに損傷が存在することを特定することができる。
また、4つの分割センサ22a、22b、22c及び22dのうちのどの分割センサで超音波を受信したかを検出することで、反射した超音波がどの方向から伝搬してきたかを、制御装置が判断できる。具体的には、図6の例では、超音波を分割センサ22aで受信しているので、仮想直線L2よりも一方側の領域aに損傷が存在していると判断することができる。なぜならば、ダミーの損傷D’によって超音波が反射した場合には、分割センサ22bで超音波を受信することとなるからである。
したがって、本実施形態によれば、超音波を送信してから受信するまでの時間と超音波を受信した分割センサの情報とによって、損傷が発生している場所を一義的に特定することができる。
〔第3実施形態〕
続いて、本発明に係る補修構造の第3実施形態について、図7を用いて説明する。本実施形態に係る補修構造40は、送信用超音波センサの構造の一部が第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図7では、受信用ファスナ及び送信用ファスナを省略して図示している。
図7に示すように、本実施形態に係る送信用ファスナに設けられる送信用超音波センサ26は、円筒形状を周方向に4等分に分割した形状である4つの分割センサ26a、26b、26c及び26dを備えている。すなわち、各分割センサは、断面円弧状であって、曲率半径の大きい大径面27と、曲率半径の小さい小径面28とを有する。4つの分割センサ26a、26b、26c及び26dは、それぞれの大径面27及び小径面28が連続するように並んで配置されている。また、各分割センサは、それぞれ独立していて、各々が、オンオフの切替え及び送信する超音波の量や強さを調整することができるように構成されている。
本実施形態では、4つの分割センサ26a、26b、26c及び26dが、概念上、送信用超音波センサ26の外側領域を4等分に分割し、それぞれの分割センサが、対応する1つの領域をカバーするように超音波を送信する。すなわち、図7のように、分割センサ26aは、主に領域aに超音波を送信し、分割センサ26bは、主に領域bに超音波を送信し、分割センサ26cは、主に領域cに超音波を送信し、分割センサ26dは、主に領域dに超音波を送信する。
したがって、本実施形態によれば、各分割センサのオンオフを切替えたり、送信する超音波の量や強さを調整することにより、各領域に送信される超音波の量等を調整することができる。これにより、図7で示すように、壁29(や界面)の近傍に送信用ファスナが配置された場合には、壁が存在する領域dに向かって送信される超音波は、損傷の検出にほとんど役に立たない上に、破線矢印で示すように、壁29で超音波が反射することによって受信用超音波センサ31における誤検出の原因となる。したがって、このような場合には、分割センサ25dを停止することによって、誤検出等を防止することができる。
〔第4実施形態〕
続いて、本発明に係る補修構造の第4実施形態について、図8を用いて説明する。本実施形態に係る補修構造50は、超音波センサ51をファスナではなく、カラー52に設ける点で第1実施形態と異なる。なお、第1実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態に係るカラー52には、外板2と接触する面に超音波センサ51が設けられている。この超音波センサ51は、超音波の送信及び受信を行うことができる。
本実施形態の超音波センサ51が超音波を送信し、送信した先に損傷が存在しない場合には、超音波は、外板2と補修部材4の界面までそのまま進み続け、超音波センサ51は外板2と補修部材4の界面で反射した超音波を受信する。一方、図8に示すように、超音波の送信した先に損傷Dが存在する場合には、送信した超音波が損傷Dにより反射され、反射した超音波を超音波センサ51が受信する。したがって、超音波センサ51が、外板2と補修部材4の界面など、構造に起因する部分以外で反射した超音波を受信した場合には、損傷Dが存在していると判断することができる。
これにより、本実施形態によれば、外板2及び補修部材4に対して、別途超音波センサを設けるために加工を施すことなく、補修部材4及び外板2の損傷を検出することができる。特に、直接接触している外板2の損傷を好適に検出することができる。また、超音波によって損傷等を検出しているので、微小な損傷も検出することができ、かつ、カラー52から比較的遠い位置の損傷も検出することができる。特に、本実施形態によれば、外板2が複合部材で形成されている場合に、外板2において発生する剥離損傷を好適に検出することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記第1実施形態〜第3実施形態では、ファスナの基部に超音波センサを設けた例について説明したが、超音波センサは、ファスナの頭部に設けてもよい。
また、上記各実施形態では、補修構造1を航空機の外板2に適用する例について説明したが、補修の対象となる部材(補修対象部材)は航空機の外板2に限定されない。また、上記実施形態では、補修対象部材として金属の部材とする例について説明したが、補修対象部材は金属製に限定されない。例えば、補修対象部材は複合材等であってもよい。
1 補修構造
2 外板(補修対象部材)
2a ファスナ孔
3 開口
4 補修部材
4a ファスナ孔
4b 露出面
4c 接触面
4d テーパ部
4e 円柱部
5 ファスナ
6 カラー
8 内部空間
10 ファスナ貫通孔
12 頭部(固定部)
13 軸部
14 先端部
15 基部(固定部)
17 超音波センサ
17t 送信用超音波センサ
17r 受信用超音波センサ
18 センサ付きファスナ
18t 送信用ファスナ
18r 受信用ファスナ
22 受信用超音波センサ
22a、22b、22c、22d 分割センサ
26 送信用超音波センサ
26a、26b、26c、26d 分割センサ
30 補修構造
40 補修構造
50 補修構造

Claims (13)

  1. 補修対象部材と、該補修対象部材を覆う板状の補修部材とを固定可能であって、前記補修対象部材及び前記補修部材の内部に配置可能である固定部と、
    前記固定部に設けられ、前記補修対象部材及び前記補修部材に対して超音波を送信可能である超音波センサと、を備えたファスナ。
  2. 前記超音波センサは、前記固定部の外表面に設けられている請求項1に記載のファスナ。
  3. 前記超音波センサは、前記固定部の内部に設けられている請求項1に記載のファスナ。
  4. 前記超音波センサが複数設けられた請求項1から請求項3のいずれかに記載のファスナ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のファスナと、
    開口が形成された補修対象部材と、
    前記補修対象部材に固定され、前記開口を覆う板状の補修部材と、を備えた補修構造。
  6. 前記超音波センサは、前記超音波を送信する送信用超音波センサと、前記送信用超音波センサが送信した前記超音波を受信する受信用超音波センサとを含み、
    前記ファスナは、複数設けられ、
    前記複数のファスナは、前記送信用超音波センサが設けられた送信用ファスナと、前記受信用超音波センサが設けられた受信用ファスナとを含み、
    前記送信用ファスナと、前記受信用ファスナとは、離間して配置され、
    前記受信用ファスナは、第1の受信用超音波センサと第2の受信用超音波センサとを有し、
    前記第1の受信用超音波センサは、該受信用ファスナと前記送信用ファスナとを結ぶ仮想直線に対して一方側であって、かつ、前記送信用ファスナに面するように配置され、
    前記第2の受信用超音波センサは、前記仮想直線に対して他方側であって、かつ、前記送信用ファスナに面するように配置される請求項5に記載の補修構造。
  7. 前記超音波センサは、前記超音波を送信する送信用超音波センサと、前記送信用超音波センサが送信した前記超音波を受信する受信用超音波センサとを含み、
    前記ファスナは、複数設けられ、
    前記複数のファスナは、前記送信用超音波センサが複数設けられた送信用ファスナと、前記受信用超音波センサが設けられた受信用ファスナとを含み、
    前記送信用ファスナと、前記受信用ファスナとは、離間して配置され、
    前記複数の送信用超音波センサは、前記送信用ファスナの周方向に並んで配置される請求項5に記載の補修構造。
  8. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のファスナを用いた損傷検出方法であって、
    前記超音波センサから前記超音波を送信するステップと、
    前記超音波の送受信状態に基づいて前記補修部材及び前記補修対象部材の少なくとも一方の損傷を検出するステップと、を有する損傷検出方法。
  9. 請求項5から請求項7のいずれかに記載の補修構造において、
    前記超音波センサから前記超音波を送信するステップと、
    前記超音波の送受信状態に基づいて前記補修部材及び前記補修対象部材の少なくとも一方の損傷を検出するステップと、を有する損傷検出方法。
  10. 開口が形成された補修対象部材と、
    前記補修対象部材に固定され、前記開口を覆う板状の補修部材と、
    前記補修対象部材と該補修対象部材を覆う前記補修部材とを固定可能である固定部と、前記補修対象部材及び前記補修部材に対して超音波を送信可能である超音波センサと、を備えたファスナと、を備え、
    前記超音波センサは、前記超音波を送信する送信用超音波センサと、前記送信用超音波センサが送信した前記超音波を受信する受信用超音波センサとを含み、
    前記ファスナは、複数設けられ、
    前記複数のファスナは、前記送信用超音波センサが設けられた送信用ファスナと、前記受信用超音波センサが設けられた受信用ファスナとを含み、
    前記送信用ファスナと、前記受信用ファスナとは、離間して配置され、
    前記受信用ファスナは、第1の受信用超音波センサと第2の受信用超音波センサとを有し、
    前記第1の受信用超音波センサは、該受信用ファスナと前記送信用ファスナとを結ぶ仮想直線に対して一方側であって、かつ、前記送信用ファスナに面するように配置され、
    前記第2の受信用超音波センサは、前記仮想直線に対して他方側であって、かつ、前記送信用ファスナに面するように配置される補修構造。
  11. 開口が形成された補修対象部材と、
    前記補修対象部材に固定され、前記開口を覆う板状の補修部材と、
    前記補修対象部材と該補修対象部材を覆う前記補修部材とを固定可能である固定部と、前記補修対象部材及び前記補修部材に対して超音波を送信可能である超音波センサと、を備えたファスナと、を備え、
    前記超音波センサは、前記超音波を送信する送信用超音波センサと、前記送信用超音波センサが送信した前記超音波を受信する受信用超音波センサとを含み、
    前記ファスナは、複数設けられ、
    前記複数のファスナは、前記送信用超音波センサが複数設けられた送信用ファスナと、前記受信用超音波センサが設けられた受信用ファスナとを含み、
    前記送信用ファスナと、前記受信用ファスナとは、離間して配置され、
    前記複数の送信用超音波センサは、前記送信用ファスナの周方向に並んで配置される補修構造。
  12. 補修対象部材と、該補修対象部材を覆う板状の補修部材とを固定可能である固定部と、前記補修対象部材及び前記補修部材に対して超音波を送信可能である超音波センサと、を備えたファスナを用いた損傷検出方法であって、
    前記超音波センサから前記超音波を送信するステップと、
    前記超音波の送受信状態に基づいて前記補修部材及び前記補修対象部材の少なくとも一方の損傷を検出するステップと、を有する損傷検出方法。
  13. 開口が形成された補修対象部材と、
    前記補修対象部材に固定され、前記開口を覆う板状の補修部材と、
    前記補修対象部材と該補修対象部材を覆う前記補修部材とを固定可能である固定部と、前記補修対象部材及び前記補修部材に対して超音波を送信可能である超音波センサと、を備えたファスナと、を備えた補修構造において、
    前記超音波センサから前記超音波を送信するステップと、
    前記超音波の送受信状態に基づいて前記補修部材及び前記補修対象部材の少なくとも一方の損傷を検出するステップと、を有する損傷検出方法
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