JP6775226B2 - 抗癌剤作用増強物質およびそれを備えた抗癌剤キット - Google Patents

抗癌剤作用増強物質およびそれを備えた抗癌剤キット Download PDF

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Description

本発明は、抗癌剤作用増強物質およびそれを備えた抗癌剤キットに関する。
従来、癌の治療法として、癌細胞のDNAに作用して、癌細胞の増殖を抑制することにより抗癌作用を示す抗癌剤を使用した薬物療法(化学療法)が用いられている。
この抗癌剤としては、例えば、ドキソルビシン等の抗癌性抗生物質を含有するもの、シスプラチン等を含有する白金製剤、チロシンキナーゼ阻害活性を有するポナチニブ等を含有する経口治療薬やボスチニブ等の癌細胞に対して集中的に作用する分子標的薬が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2015−520157号公報
ここで、上記従来の抗癌剤においては、優れた抗がん作用を有するものの、吐き気や嘔吐、脱毛等の副作用が強いものがあり、また、抗癌剤の投与量が増大すると、患者の経済的負担も増大するため、抗癌剤の継続使用ができない場合があるという問題があった。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、抗癌剤の投与量を減少させて、副作用の軽減、及び患者の経済的負担を軽減することができる抗癌剤作用増強物質を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の抗癌剤作用増強物質は、癌細胞増殖抑制活性を有し、下記式(1)で表されることを特徴とする。
本発明によれば、癌細胞の増殖を効果的に抑制することができ、抗癌剤の抗癌作用を増強することができる抗癌剤作用増強物質を提供することができる。
本発明の抗癌剤作用増強物質は、細胞増殖抑制活性を有し、下記式(2)で表されるフラバノン(シソフラバノン)である。
より具体的は、このフラバノンは、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノン(8-hyroxy-5,7dimethoxyflavanone)であり、フラボノイドの一種である。そして、本フラバノンは、癌細胞の増殖を効果的に抑制することができ、優れた癌細胞増殖抑制活性を有する。
本発明のフラバノンは、赤シソに含まれている成分である。なお、赤シソの種類は、特に限定されず、本発明においては、1種類の赤シソを使用してもよく、2種類以上の赤シソを組み合わせて使用することもできる。
また、シソ抽出物であるフラバノンを得るためのシソの部位は特に限定されないが、本発明においては、特に、葉の部分が好ましい。
また、使用されるシソの形態は、特に限定されず、例えば、原型、切断片、又は粉末等のいずれの形態でも良い。
なお、本発明のフラバノンは、本発明者によって見出されたヒスタミン遊離活性を有する抗アレルギー物質と同じ物質であり(特開2015−44755号公報参照)、今回、この抗アレルギー性物質が、癌細胞増殖抑制活性を有することを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明のフラバノンは、赤シソの溶媒抽出物から得られ、赤シソを溶媒で抽出し、得られた溶媒抽出物をカラムクロマトグラフィーにより分画・精製することにより得ることができる。
<赤シソの熱水抽出>
赤シソから有効成分を抽出するための溶媒としては、水、メタノールやエタノール等のアルコール、及びアセトン等が考えられるが、本発明のフラバノンをシソから抽出するための溶媒としては、抽出効率の観点から、熱水を使用することが好ましい。
より具体的には、例えば、赤シソの粉末を沸騰水中に投入し、攪拌しながら有効成分であるフラバノンを溶出させる。次いで、熱水中にフラバノンを溶出させた後、ガーゼ等を使用して抽出残渣を搾取して取り除く。その後、得られた抽出液を濾過し、濾過した抽出液に対して常法により濃縮処理、及び乾燥処理を施すことにより、赤シソの熱水抽出物を得る。
<カラムクロマトグラフィーによる赤シソ熱水抽出物の分画>
本発明においては、上述の方法により得られた赤シソ熱水抽出物を逆相カラムクロマトグラフィーにより分画する。より具体的には、ポリマー系カラムを用いた逆相カラムクロマトグラフィーにおいて、メタノールで溶出することにより分画することができる。なお、メタノールで溶出後、濃縮処理を行い、その後、凍結乾燥を行う。
ポリマー系カラムとしては、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(ST/DVD)をベースポリマーとして使用したカラム(例えば、三菱化学(株)製、商品名:MCLゲル CHP20P)を使用することができる。
<カラムクロマトグラフィーによる赤シソ分画物の精製>
本発明においては、上述の方法により得られた赤シソ分画物(メタノール溶出物)を、逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)を使用して精製することにより、上記式(2)で表されるフラバノンを得ることができる。
より具体的には、粒子充填型カラムを用いた逆相高速液体クロマトグラフィーにおいて、アセトニトリルと水の混合溶媒(極性溶媒)を移動相として使用することにより精製(単離)することができる。
なお、アセトニトリルと水の混合比率は、特に限定されないが、移動相の極性を高めて、フラバノンの単離を容易にするとの観点から、アセトニトリル/水の混合比率をアセトニトリル:水=30:70に設定することが好ましい。
また、粒子充填型カラムとしては、例えば、高純度シリカゲル(金属不純物が極めて少ないシリカゲル)が充填されたカラム(例えば、関東化学製、商品名:Mightysil RP−18 GP)を使用することができる。
また、本発明の抗癌剤キットは、上記式(2)で表されるフラバノンを含有する抗癌作用増強剤と抗癌剤とを備えている。
抗癌作用増強剤は、抗癌剤の作用経路そのものを増強する、もしくは抗がん剤の作用経路とは違う経路を介して、相乗的に作用することにより、抗癌剤の効果を増強するものである。
この抗癌作用増強剤としては、例えば、使用する抗癌剤と同じ緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)や生理食塩水に、本発明のフラバノンを溶解させたものが挙げられる。
また、抗癌剤としては、特に限定されず、例えば、ドキソルビシン、ボスチニブ、ポナチニブ、シスプラチン、ピンクリスチン、パクリタキセル、ダサチニブ、ボサチニブ、及びニロテニブ等を有効成分として含有するものを使用することができる。
そして、本発明においては、細胞増殖抑制活性を有するフラバノンを抗癌剤と共投与することにより、抗癌剤による細胞増殖抑制効果を増大させることが可能になる。以下に、本発明の効果について詳しく説明する。
一般に、細胞の増殖は、DNAの複製および細胞分裂に必要なタンパク質が合成されるS期(Synthesis phase)、S期におけるDNAの複製が正確に行われた否かを判断するG2期(Gap 2 phase)、有糸分裂と細胞質分裂が行われるM期(Mitotic phase)、及びM期における細胞分裂が正確に行われたか否かを判断するG1期(Gap 1 phase)の周期で行われる。
ここで、細胞のDNA複製や分裂に異常があると、G1期もしくはG2期において、細胞周期が停止して細胞死に至るが、癌細胞ではこれらG1期もしくはG2期におけるチェック機構が失われていることが多いため、無秩序な細胞増殖が続き、結果として、腫瘍化や癌化が生じる。従って、癌の細胞増殖を止めるためには、G1期及びG2期におけるチェック機構を活性化することにより、細胞周期をG1期及びG2期で停止させて、細胞死を誘導することが重要であると言える。
例えば、ピンクリスチンやパクリタキセルなどは、分裂期における微小管の重合や脱重合を阻害する物質であるため、G1期で細胞増殖を停止させる。一方、ドキソルビシンなどの抗腫瘍性抗生物質は、直接、DNAに作用するため、S期で細胞増殖を停止させることにより、抗腫瘍機能を発する。
このように、癌細胞の増殖の停止時期は、使用する抗癌剤の種類により異なるが、本発明のフラバノンは、例えば、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞(A549細胞)に対しては、G2期において、細胞分裂を停止させる機能を有する。
従って、本発明のフラバノンを抗癌剤と共投与することにより、本発明のフラバノンが、例えば、G2期において細胞増殖を停止させる既存の抗癌剤と協調的に作用し、本発明のフラバノンが配合されていない既存の抗癌剤を単独で使用する場合に比し、癌細胞の増殖を効果的に抑制することが可能になる。
また、S期もしくはG1期で細胞増殖を停止させる既存の抗がん剤と共投与することにより、本来、S期もしくはG1期において停止すべきであった癌細胞の増殖を、G2期において停止させることが可能になるため、癌細胞の増殖を効果的に抑制することが可能になる。
その結果、抗癌剤の投与量を減少させることが可能になるため、副作用を軽減することができるとともに、患者の経済的負担を軽減することが可能になる。従って、患者が、安心して抗癌剤を継続使用することが可能になる。
また、癌細胞増殖抑制活性を向上させるとの観点から、抗癌剤における有効成分のモル濃度と抗癌作用増強剤におけるフラバノンのモル濃度の比が1:10〜1:2000であることが好ましい。
例えば、抗癌剤が、ドキソルビシンを含有する抗癌剤である場合、抗癌剤におけるドキソルビシンのモル濃度と抗癌作用増強剤におけるフラバノンのモル濃度の比が1:100〜1:150であることが好ましい。
また、例えば、抗癌剤が、ボスチニブを含有する抗癌剤である場合、抗癌剤におけるボスチニブのモル濃度と抗癌作用増強剤におけるフラバノンのモル濃度の比が1:10〜1:100であることが好ましい。
また、例えば、抗癌剤が、ポナチニブを含有する抗癌剤である場合、抗癌剤におけるポナチニブのモル濃度と抗癌作用増強剤におけるフラバノンのモル濃度の比が1:20〜1:200であることが好ましい。
また、例えば、抗癌剤が、ダサチニブを含有する抗癌剤である場合、抗癌剤におけるダサチニブのモル濃度と抗癌作用増強剤におけるフラバノンのモル濃度の比が1:200〜1:2000であることが好ましい。
本発明のフラバノンの投与方法は特に限定されず、例えば、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の形態により経口投与することができる。また、点滴等の注射や皮下、経皮等の非経口投与であってもよい。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
本発明のフラバノンは、単独で、癌細胞に対する細胞増殖抑制活性を有するため、癌細胞増殖抑制物質として、飲食品に配合して使用することができる。飲食品としては、例えば、茶、ジュース、コーヒー、紅茶等の飲料、うどん、そば等の麺類、飴、ガム、チョコレート等の菓子類、及びサプリメント等の健康食品等が挙げられ、これらの飲食品に上記式(2)で表されるフラバノンを配合することにより、例えば、抗癌剤投与後(即ち、抗癌剤による治療が終了した後)、再発防止を目的として摂取可能なフラバノン含有飲食品(癌細胞増殖抑制機能食品)を提供することが可能になる。
なお、本発明のフラバノンを飲食品に配合する場合の配合量としては、癌細胞の増殖を十分に抑制するとの観点から、飲食品におけるフラバノンの濃度が50μm以上であることが好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
(赤シソの熱水抽出)
赤シソ粉末(三島食品/天日干し)300gを、2Lの沸騰水を使用して、1時間、攪拌抽出した。次いで、ガーゼを用いて抽出残渣を搾取した。そして、本抽出を2回繰り返した後、得られた抽出液を濾紙(アドバンテック製、商品名:FILTER PAPER 2)を使用して濾過し、濾過した抽出液に対して、エバポレーターによる濃縮処理、及び凍結乾燥処理を施すことにより、赤シソの熱水抽出物を得た。
(カラムクロマトグラフィーによる赤シソ熱水抽出物の分画)
次いで、得られた赤シソ熱水抽出物を逆相カラムクロマトグラフィーにより分画した。ポリマー系カラムとして、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(ST/DVB)をベースポリマーとするカラム(三菱化学製、商品名:MCIゲル CHP20P)を使用し、本担体を50%メタノールにより、1時間以上膨潤させてクロマトカラム(SIBATA製、商品名:SPCクロマトカラム)に20cm/分(141ml)充填した後、これをカラム体積の5倍量(707ml)の超純水により洗浄した。
そして、上述の赤シソ熱水抽出サンプル30gを、600mlの超純水で溶解したものをサンプルとし、このサンプルを本カラムに供してメタノール(カラム体積の4倍量:565ml)に溶出させた。
(カラムクロマトグラフィーによる赤シソ分画物(メタノール溶出画分)の精製)
次に、上述のメタノール溶出画分を、更に、メタノールで50mg/mlに調製したサンプルを準備し、このサンプルを0.20μmの親水性フィルター(アドバンテック製、商品名:DISMIC-13HP PTFE)を使用して濾過し、これを高純度シリカゲルが充填されたカラム(関東化学製、商品名:Mightysil RP−18 GP)とガードカラム(関東化学製、商品名:Mightysil RP−18 GP用ガードカラム)を使用して、逆相HPLCにより精製することにより、140ppm(14mg/赤シソ100g)の8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを得た。
なお、移動相として、超純水で調製した40%(即ち、アセトニトリル:水=40:60)のアセトニトリル(SIGMA製、商品名:01−0645)にトリフルオロ酢酸(SIGMA製、商品名:302031)を0.01%加えた溶液を用いた。
(細胞培養)
ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞(A549細胞、アメリカ培養細胞系統保存機関)をDulbecc`s modified Eagle medium (DMEM, Life Technologies Japan, Ltd., Tokyo, Japan)培地を用いて37℃、5%CO環境下で培養した。なお、継代の際には、pH7.2のリン酸緩衝生理食塩水(Wako Pure Chemical Industries Ltd., Osaka, Japan)を使用して、100×20mmの組織培養皿(Corning製)を洗浄後、Trypsin-EDTA(Gibco,Life Technologies Japan製)を使用して細胞を剥がし、再度、上述の培地に懸濁して、新しいプレートに播種した。
(細胞増殖抑制評価)
次に、96Well平底プレート(Corning製)にて、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞を培養した培地100μlに、終濃度が1μMになるようにドキソルビシン(Sigma-Aldrich Co., LLC.)を含有する抗癌剤50μlと、終濃度が100μMになるように8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを含有する抗癌作用増強剤50μlを添加し、22時間培養した。
次に、この培地に、5−ブロモデオキシウリジン(BrdU)を、最終濃度が100μMとなるように添加し、更に、2時間培養した。培養終了後、細胞増殖ELISA,BrdU発色キットを使用して、細胞に取り込まれたBrdU量を測定することにより、癌細胞の増殖量を定量した。より具体的には、癌細胞の増殖を、抗BrdU抗体の酵素基質反応を介して発色する色素の吸光度を指標として定量化し、評価した。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
細胞増殖抑制評価において、培地に添加する8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を125μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例3)
細胞増殖抑制評価において、培地に添加する8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を150μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例4)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンの代わりに1μMのボスチニブを使用し、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を10μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例5)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンの代わりに1μMのボスチニブを使用し、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を50μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例6)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンの代わりに1μMのボスチニブを使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例7)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンの代わりに0.5μMのポナチニブを使用し、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を10μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例8)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンの代わりに0.5μMのポナチニブを使用し、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を50μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例9)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンの代わりに0.5μMのボスチニブを使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例10)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンを使用せず、かつ、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を50μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例11)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例12)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンを使用せず、かつ、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を125μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例13)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンを使用せず、かつ、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を150μMに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例1)
細胞増殖抑制評価において、100μMの8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例2)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンの代わりに1μMのボスチニブを使用し、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例3)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシンの代わりに0.5μMのポナチニブを使用し、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例4)
細胞増殖抑制評価において、1μMのドキソルビシン、及び8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
表1に示すように、1μMのドキソルビシンと100〜150μMの8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを添加した実施例1〜3においては、1μMのドキソルビシンのみを添加した比較例1に比し、癌細胞の増殖を顕著に抑制することができることが分かる。
また、1μMのボスチニブと10〜100μMの8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを添加した実施例4〜6においては、1μMのボスチニブのみを添加した比較例2に比し、癌細胞の増殖を顕著に抑制することができることが分かる。
更に、0.5μMのポナチニブと10〜100μMの8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを添加した実施例7〜9においては、0.5μMのボスチニブのみを添加した比較例3に比し、癌細胞の増殖を顕著に抑制することができることが分かる。
また、表1に示すように、抗癌剤を添加せず、50〜150μMの8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンのみを添加した実施例10〜13においては、抗癌剤及び8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを添加しなかった比較例4に比し、癌細胞の増殖を抑制することができ、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノン単独で、癌細胞の増殖を抑制することができることが分かる。
(実施例14)
まず、上述の第1の実施形態と同様にして、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを精製し、細胞培養を行った。
(細胞増殖抑制評価)
ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞を培養した培地100μlに、2μMドキソルビシンを含有する抗癌剤を含む培地100μlのみを添加し、24時間培養した。次に、この培地を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて洗浄した。その後、リン酸緩衝生理食塩水を除去し、10μMの8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを含有する抗癌作用増強剤を含む培地200μlを添加し、22時間培養した。次に、上述の実施例1と同様に、この培地に、5−ブロモデオキシウリジン(BrdU)を、最終濃度が100μMとなるように添加し、更に、2時間培養した。培養終了後、細胞増殖ELISA,BrdU発色キットを使用して、細胞に取り込まれたBrdU量を測定することにより、癌細胞の増殖を定量した。以上の結果を表2示す。
(実施例15)
細胞増殖抑制評価において、培地に添加する8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を100μMに変更したこと以外は、実施例14と同様に行った。以上の結果を表2に示す。
(実施例16)
細胞増殖抑制評価において、培地に添加する8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を125μMに変更したこと以外は、実施例14と同様に行った。以上の結果を表2に示す。
(実施例17)
細胞増殖抑制評価において、培地に添加する8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンの濃度を150μMに変更したこと以外は、実施例14と同様に行った。以上の結果を表2に示す。
(比較例5)
細胞増殖抑制評価において、10μMの8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを使用しなかったこと以外は、実施例14と同様に行った。以上の結果を表2に示す。
表2に示すように、1μMのドキソルビシンを添加した後、10〜150μMの8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを添加した実施例14〜17においては、1μMのドキソルビシンのみを添加した比較例5に比し、癌細胞の増殖を抑制することができることが分かる。
即ち、本発明の8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンは、単独であっても、癌細胞に対する細胞増殖抑制活性を有し、抗癌剤投与後(即ち、抗癌剤による治療が終了した後)、再発防止を目的として、事後的に摂取可能であることが分かる。
(フラバノンによる細胞増殖抑制活性)
次に、フラバノンによる細胞増殖抑制活性の評価を行った。
まず、実施例1と同様にして、細胞の培養を行った。次に、96Well平底プレート(Corning製)にて、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞を培養した培地100μlに、終濃度が250μMになるように8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを含有する抗癌作用増強剤100μlを添加し、22時間培養した。
次に、培養後細胞を回収しBD PharmingenTM社製、FITC-BrdU Flow Kit を使用して、FACS Calibur flow cytometer (BD Biosciences, San Jose, CA, USA)にて解析した。
なお、比較対象として、上述の培地に、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを含有する抗癌作用増強剤を添加していないものについても、同様に評価した。
その結果、比較対象のG2/M期における細胞の割合が7.67%であったのに対し、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを含有する抗癌作用増強剤を添加した場合のG2/M期における細胞の割合が46.4%であった。
以上より、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを含有する抗癌作用増強剤を添加することにより、G2期において細胞増殖が停止していると言えるため、8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンは、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞(A549細胞)に対して、G2期において、細胞分裂を停止させる機能を有することが分かる。
(細胞増殖抑制評価)
次に、96Well平底プレート(Corning製)にて、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞を培養した培地100μlに、終濃度が1μMになるようにドキソルビシン(Sigma-Aldrich Co., LLC.)を含有する抗癌剤50μlと、終濃度が100μMになるように8−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシフラバノンを含有する抗癌作用増強剤50μlを添加し、22時間培養した。
次に、この培地に、5−ブロモデオキシウリジン(BrdU)を、最終濃度が100μMとなるように添加し、更に、2時間培養した。培養終了後、細胞増殖ELISA,BrdU発色キットを使用して、細胞に取り込まれたBrdU量を測定することにより、癌細胞の増殖量を定量した。より具体的には、癌細胞の増殖を、抗BrdU抗体の酵素基質反応を介して発色する色素の吸光度を指標として定量化し、評価した。以上の結果を表1に示す
本発明の活用例としては、抗癌剤作用増強物質と抗癌剤とを備える抗癌剤キットが挙げられる。

Claims (3)

  1. 癌細胞増殖抑制活性を有し、下記式(1)で表される抗癌剤作用増強物質を含有する抗癌作用増強剤と抗癌剤とを備える抗癌剤キットであって、
    前記抗癌剤の有効成分がドキソルビシンであり、前記抗癌剤における前記ドキソルビシンのモル濃度と前記抗癌作用増強剤における前記抗癌剤作用増強物質のモル濃度の比が1:100〜1:150であることを特徴とする抗癌剤キット。
  2. 癌細胞増殖抑制活性を有し、下記式(2)で表される抗癌剤作用増強物質を含有する抗癌作用増強剤と抗癌剤とを備える抗癌剤キットであって、
    前記抗癌剤の有効成分がボスチニブであり、前記抗癌剤における前記ボスチニブのモル濃度と前記抗癌作用増強剤における前記抗癌剤作用増強物質のモル濃度の比が1:10〜1:100であることを特徴とする抗癌剤キット。
  3. 癌細胞増殖抑制活性を有し、下記式(3)で表される抗癌剤作用増強物質を含有する抗癌作用増強剤と抗癌剤とを備える抗癌剤キットであって、
    前記抗癌剤の有効成分がポナチニブであり、前記抗癌剤における前記ポナチニブのモル濃度と前記抗癌作用増強剤における前記抗癌剤作用増強物質のモル濃度の比が1:20〜1:200であることを特徴とする抗癌剤キット。
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