JP6774823B2 - 固体酸化物形燃料電池装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池装置に関し、特に、原料ガスを改質して得られた燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する固体酸化物形燃料電池装置に関する。
固体酸化物形燃料電池装置(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付けた燃料電池セルを複数モジュール容器内に配設し、その燃料電池セルの一方の電極(燃料極)に燃料ガスを供給し、他方の電極(空気極)に酸化剤ガス(空気、酸素等)を供給することで発電反応により発電する電力を取り出す装置であり、高分子電解質形燃料電池装置等の他の燃料電池装置に対して、例えば700〜1000℃程度の比較的高温で動作する。
従来、このような固体酸化物形燃料電池装置における燃料電池セルの発電に関与する燃料ガス等の流体を処理するために、種々の流体処理装置が用いられている。流体処理装置としては、例えば燃料電池セルに供給する水素を生成するために、天然ガス等の炭化水素からなる原料ガスを水蒸気と反応させて改質して水素を生成する改質器や、改質器に供給する水蒸気を供給された水を蒸発させることにより生成する蒸発器、燃料電池セルの劣化を招く硫黄成分を原料ガスから事前に除去する脱硫器、燃料電池装置から排出される排ガス中の一酸化炭素(CO)を燃焼させて排出する燃焼触媒器等が挙げられる。これらの流体処理装置には、それぞれの処理を実行するために、あるいは促進するために触媒等の粒状の充填材が内部に充填されることが一般的である。
例えば特許文献1には、流体処理装置として、燃料電池セルに供給する水素を生成するために、天然ガス等の炭化水素と水蒸気とを改質反応させて水素を生成する改質器が記載されている。改質器のケース内には球体の改質触媒が封入される一方、改質器のケースには燃料ガス供給管、導出管が接続するための円形の穴が形成されており、当該穴から改質触媒が流出しないように、流出防止部が設けられている。
流出防止部は改質器内に設けられた板状部材であり、改質器の垂直に底面に接続されている。この流出防止部に改質触媒の直径よりも短い短辺と改質触媒の直径よりも長い長辺を有するスリット状の開口部を多数設けることで、開口部の変形に耐えうる改質触媒の流出防止機構を実現している。
特開2011−210631号公報
しかし流体処理装置内にこのような流出防止板を用いる場合、流出防止板は充填材を所定空間内にとどめて支持し、所定空間から流出することを防止する目的として用いられるものである。従って、所定の支持強度を確保することが必要であるため、流出防止板の開口部の面積を大きくすることは支持強度の低下につながることから相容れず、困難である。そのため、流出防止板を通過する流体の圧力損失が増大するというあらたな課題が生じていた。
さらに、流出防止板を用いる場合には、別途流出防止板を構成するための部材が必要となるため、燃料電池装置の低価格化を進めていく上で障害となってしまう。
そこで本発明では、充填材の所定空間からの流出を防止するとともに、圧力損失の増加を抑制する流体処理装置を有する固体酸化物形燃料電池装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる固体酸化物形燃料電池装置の一態様は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する固体酸化物形燃料電池装置において、燃料電池モジュールにおける発電に関与する流体を処理する流体処理装置を有し、流体処理装置は、ケースと、ケースの内部に充填されケースの内部を通過する流体の状態を変化させる複数の粒状の充填材と、を備え、ケースの内部は、流体を通過させる流体配管と接続され、流体配管の内径は充填材の粒径よりも大きく、さらに流体配管は、流体配管の形状によって充填材の通過を禁止するとともに流体配管の圧力損失の増加を抑制する充填材通過禁止部を有し、充填材通過禁止部は、流体配管の内部を流れる流体の方向に直交する断面視における内部形状が、充填材の粒径よりも短辺または短軸が小さく、かつ流体配管の他の部の内径よりも長辺または長軸が大きい楕円形状又は長方形状であるものである。
固体酸化物形燃料電池装置における燃料電池モジュールの発電に関与する流体を処理する流体処理装置とし、例えば燃料電池セルに供給する水素を生成するために、天然ガス等の炭化水素からなる原料ガスを水蒸気と反応させて改質して水素を生成する改質器や、改質器に供給する水蒸気を供給された水を蒸発させることにより生成する蒸発器、改質触媒や燃料電池セルの劣化を招く硫黄成分を原料ガスから事前に除去する脱硫器、燃料電池装置から排出される排ガス中の一酸化炭素(CO)を燃焼させて排出する燃焼触媒器等が挙げられる。
これら流体処理装置には、触媒反応を生じさせる触媒や、流体の加熱を促進する等の流体処理装置の目的に合わせて流体の状態変化を発現させるための粒状の充填材が充填される。ところが、この粒状の充填材は、自重による落下や流路内部の圧力変動、燃料電池装置の搬出時、施行時、運転時に生じる振動等の様々な理由により、流体処理装置の所定空間から外部に流出するおそれがあった。これにより、流体処理装置の所定空間内の充填材の占有量が減少するため、目的とする流体処理装置の絶対的な処理能力の低下の他、充填材が減少したことにより生じるリークパスによって処理されずにケース外に排出される流体が生じてしまう。そこで従来は粒状の充填材が流体処理装置の所定空間から流出しないように、流体処理装置のケースの内部に、複数の開口部(スリット)を有する仕切り板を配置することで、充填部材の流出を防止していた。
しかし流出防止板は、充填材自体の流出を防止することを目的とするものであるため、自身の強度を維持しつつ流出防止板の開口部面積を大きくすることができず、その結果、流出防止板を通過する流体の圧力損失が増大するというあらたな課題が生じていた。
さらに、流出防止板を用いる場合には、別途流出防止板を構成するための部材が必要となるため、燃料電池装置の低価格化を進めていく上で障害となってしまう。
これに対し本発明の態様では、流体処理装置の内部に流出防止板を配置することに替え、流体処理装置のケースに接続される配管自体を、充填材の流出を禁止するとともに圧力損失の増加を抑制するように構成するため、別途の部材の追加なく圧力損失の増大もない充填材の流出防止機構を簡易に実現することができる。
ここで充填材とは、燃料ガスの改質に用いられるRu系触媒やNi系触媒等の改質触媒、水の蒸発を促進するためのアルミナ、ジルコニア、チタニア等の熱容量の大きいセラミックス製熱伝導部材、原料ガスの硫黄成分を除去する脱硫触媒、燃焼後のオフガス中の未燃焼成分の酸化を促進するための白金、パラジウム等の貴金属系又は、マンガン、鉄等の卑金属系の燃焼触媒等である。また粒状とは、球体に限らずに所定表面積をもつ微細構造体であるが粉状を含まず、流体の経路を隙間に確保できるものであって、特に粒径が2mm以上のものが好ましい。
また流体処理装置において処理する流体は、都市ガスやLPガス等の原料ガス、原料ガスを改質した改質ガス、水、水蒸気、空気、燃料電池セルに供給されたガスのうち発電反応に残余したオフガス、オフガスを燃焼した燃焼ガス(排ガス)等に例示される、燃料電池装置の使用に必要な気体、液体あるいはこれらの混合物を意味する。
このように構成された本発明によれば、流体配管の一部を部分的に狭め、かつ部分的に広げた構成とすることで、流れ出そうとする充填材は必ず流出が阻害されるとともに流路面積を広く構成したため、充填材の通過を防止しつつ圧力損失の増大抑制を、流体配管の形状を部分的に変更する簡易な方法により実現することができる。
また本発明の一態様においては、充填材通過禁止部は、流体配管の非屈曲部に設けられていることが好ましい。
このように構成された本発明によれば、充填材通過禁止部を配管の非屈曲部に設ける構成とするため、高温作動の固体酸化物形燃料電池装置において、高温下での熱膨張に起因する応力集中が起こりやすい屈曲部に設けずに非屈曲部に配置することで、熱応力の集中を回避して耐久性の高い配管構造を維持することができる。
また本発明の一態様においては、充填材通過禁止部は、流体配管の垂直方向に延在する部分に設けられていることが好ましい。
このように構成された本発明によれば、垂直方向に延びる流体配管の一部に充填材通過禁止部を設けることで、当該充填材通過禁止部の構造に加え充填材に働く自重の効果により、充填材が流出するのを防止することができる。さらに流体配管が流体処理装置に流体を供給する配管である場合、流体の流体処理装置への吹き込みによって、充填材の流出を阻害することができる。
また本発明の一態様においては、流体処理装置は、流体として内部に供給された水から原料ガスを燃料ガスに改質するための水蒸気を生成する蒸発器であって、充填材通過禁止部は、流体配管が水平方向に延在する領域に設けられ、充填材通過禁止部は、長辺または長軸が流体配管の内径よりも垂直方向に長いとともに、充填材通過禁止部の底部の位置が連続する流体配管の底部の位置よりも低いことが好ましい。
このように構成された本発明によれば、蒸発器に繋がる水供給管に充填材通過禁止部を設ける場合、水平方向に長く垂直方向に短い形状とすると、配管を流れる水量が少ない場合には充填材通過禁止部を乗り越えることができずに溜まってしまう。そしてさらなる水量の供給により、この溜まった一定の水量が一気に充填材通過禁止部を乗り越えるため、水塊がいっきに蒸発室へ供給されることになり、蒸発室への安定的な水量の水供給が阻害される。本態様により、水の安定供給を維持しつつ、圧力損失の増大抑制と充填材の流出防止の両立をはかることができる。
また本発明の一態様においては、充填材通過禁止部は、断熱材の内部に組み込まれていることが好ましい。
このように構成された本発明によれば、充填材通過禁止部を配管の水平部分に設けることにより、高さ方向に対して高さの低い配管引き回し構造を実現することができる。このため、断熱材で流体処理装置及び流体配管を被覆する際に、断熱材の厚みを薄くすることができ、燃料電池装置のコンパクトな設計を可能にする。
また本発明の一態様においては、充填材通過禁止部の表面は、流体配管の表面と滑らかに連続していることが好ましい。
このように構成された本発明によれば、充填材通過禁止部は流体配管に対し特異な形状であるため、当該充填材通過禁止部に応力が集中する。そこで流体配管中に設けられる充填材通過禁止部の切り替わり部分を滑らかな連続面とすることで、応力の集中を抑制することができる。
充填材の所定空間からの流出を防止するとともに、圧力損失の増加を抑制する流体処理装置を有する固体酸化物形燃料電池装置を提供することができる。
本発明の一実施形態による充填材通過禁止部を備えた流体配管が設置された流体処理装置を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による流体配管が接続された流体処理装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態による充填材通過禁止部を備えた流体配管を示す三面図である。 本発明の一実施形態による充填材通過禁止部の縦断面を示す断面図である。 本発明の一実施形態による流体配管が接続された流体処理装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールを示す正面断面図である。 図7のIII−III線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールから断熱材及びハウジングを取り外した状態の斜視図である 図10(A)は、本発明の一実施形態による改質器を斜め上方から見た斜視図であり、図10(B)は、図10(A)のVB−VB線に沿った断面図であり、図10(C)は、図10(A)のVC−VC線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルスタックを示す斜視図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールにおけるガスの流れの説明するための、燃料電池モジュールを示す正面断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールにおけるガスの流れの説明するための、図7のIII −III 線に沿った燃料電池モジュールの断面図である。 本発明の一実施形態による熱交換器が別体に設けられた固体酸化物形燃料電池装置。
以下では、本明細書に開示する発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明から、当業者にとって、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、以下の説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更することができる。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、本発明にかかる固体酸化物形燃料電池装置における、充填材通過禁止部を有する流体配管を接続した流体処理装置について、図1乃至図5を用いて説明する。
図1は、本実施の形態における固体酸化物形燃料電池装置に備えられた流体処理装置10であって、水平方向(x軸方向)に広がるその天面に流体を供給するための中空パイプ状の流体配管13が接続されていることを示す図である。図1において、流体配管13は右側より水平方向(x軸方向)に延在し(図1において流体配管はパイプ状であることを示すため、右端よりも右方向の配管の記載を省略。)、流体処理装置10の天面部分において垂直方向(z軸方向)に屈曲して、流体処理装置10の天面に接続されている。
なお、図1では流体配管13として2本の配管が記載されるが、例えば流体処理装置10が改質器に供給する水蒸気を生成する蒸発器である場合には、当該2本の流体配管を水供給管と原料ガス供給管とすることができる。あるいは水と原料ガスとを予め混合して蒸発器に供給する場合には、供給管としての流体配管13は一本で足りる。このように、流体処理装置10の用途や機能等に応じて流体配管13の本数は適宜設定すれば良い。
ここで流体配管の屈曲する部分の近傍の水平方向延在部分には、充填材通過禁止部14が設けられている。
図2は、流体配管13が接続された流体処理装置10のx−z平面についての断面図である。簡単のため、流体処理装置10は矩形状のケース11で表されている。ケース11の内部には、粒状の充填材12で充填されている。なお充填材12は流体処理装置10の用途や機能等に応じた材料が充填される。充填材12としては、燃料ガスの改質に用いられるRu系触媒やNi系触媒等の改質触媒、水の蒸発を促進するためのアルミナ、ジルコニア、チタニア等の熱容量の大きいセラミックス製熱伝導部材、原料ガスの硫黄成分を除去する脱硫触媒、燃焼後のオフガス中の未燃焼成分の酸化を促進するための白金、パラジウム等の貴金属系又は、マンガン、鉄等の卑金属系の燃焼触媒等が用いられる。また粒状とは、球体に限らずに所定表面積をもつ微細構造体であるが粉状を含まず、流体の経路を隙間に確保できるものであって、特に粒径が2mm以上のものが好ましい。なお、充填材12は必ずしもケース11の天面に隙間なく詰められている必要はなく、図2に記載のように、ケース11の内部上方に隙間ができる程度に充填するなど、その流体処理装置10の目的や機能、性能に合わせて調整すれば良い。
図2においては、流体処理装置10の右方天面と左方中央側面に配管が接続されている。右方天面に接続された流体配管13から、ケース11内部の充填材12が充填された領域に流体が供給され、ケース11の左方中央側面に接続された配管から、ケース11の内部で処理を受けた流体が流体処理装置10の外部へと排出される。
また、本実施の形態における流体処理装置10においては、ケース11内部を通過する流体及び充填材12を加熱するために、ケース11の下方に加熱源15が設けられている。加熱源15は流体処理装置10が目的とする流体の処理を均一に行うために、ケース11内部の充填材12が充填された領域を均一に加熱することが好ましい。加熱源15としては外部バーナーや電気ヒーターを用いても良く、燃料電池セルによる発電反応に残余したオフガスを燃焼させた燃焼排ガスを用いた排熱を利用しても良く、その他公知の種々の加熱手段を用いることができる。
このような流体処理装置10の態様においては、内部を通過する流体の流動、流体の圧力増加、流体処理装置10を含む固体酸化物形燃料電池装置の施行時、運転時等で生じる振動など、様々な要因によりケース11内の充填材12がケース11の外部に漏出する。そこで従来の流体処理装置内部に配置するスリットを有する仕切り板に替えて、本実施の形態においては、流体配管13に充填材通過禁止部14が設けられている。図3において、充填材通過禁止部14について詳細に説明する。
図3は、充填材通過禁止部14が設けられた流体配管13を示す上面図(A)、正面断面図(B)、側面断面図(C)である。図3(A)に示すように、充填材通過禁止部14は上面視すると流体配管13の内径よりも小さく(狭く)構成されている一方で、図3(B)に示すように、正面断面においては流体配管13の内径よりも大きく(広く)構成されている。すなわち、図3(C)に示すように、流体配管13の内部を流れる流体の方向に直交する断面視において、充填材通過禁止部14の内部形状は矩形形状(長方形状)であって、特に上下端を弧状とする形状である。なお、上下端を弧状とすることは、熱応力の集中を緩和することができ耐久性能が向上する点で好ましく、矩形形状の角部に丸みを持たせる程度でも良い。また、本実施の形態における充填材通過禁止部14の内部形状を、垂直方向(z軸方向)を長軸に、水平方向(x軸方向)を短軸に配置する楕円形状としても良い。
ここで上記の内部形状において、短辺又は短軸の長さ(図4に示すW)は、充填材12の粒径よりも小さくなるように形成されている。一方で、長辺又は長軸の長さ(図4に示すH)は、流体配管13の内径よりも大きく形成されている。このように流体配管13の一部を部分的に狭め、かつ部分的に広げた構成とすることで、流れ出そうとする充填材は必ず流出が阻害されるとともに流路面積が広くなるため、充填材の通過を防止しつつ圧力損失の増大抑制を、流体配管の形状を部分的に変更するとの簡易な方法により実現することができる。
なお、図1乃至図4により示される本実施の形態における充填材通過禁止部14は、垂直方向(z軸方向)の内径を流体配管13の内径よりも長くし、水平方向(x軸方向)の内径を充填材12の粒径よりも小さく設定しているが、上記の充填材の通過を防止しつつ圧力損失の増大抑制との趣旨を充足する限りにおいては、この方向での設計に限られない。すなわち、例えば垂直方向(z軸方向)の内径を充填材12の粒径よりも小さくし、水平方向(x軸方向)の内径を流体配管13の内径よりも長く設定しても良い。このように、充填材通過禁止部14は、その内部正面断面形状が、長辺又は長軸と短辺又は短軸が互いに直交する限りにおいては、いかなる角度で設定しても良い。
また、本実施の形態においては、流体配管13は図2に示すように、流体処理装置10のケース11の天面に直交して接合されており、ケース11の上方において屈曲し水平方向に延在する。すなわち図3(B)に示すように、流体配管13は水平延在部13aと垂直延在部13bとを有し、さらにこれらの間に屈曲部13cを有する。ここで充填材通過禁止部14は、図3(B)における流体配管13の水平延在部13a等の非屈曲部に設けることが好ましい。当該構成により、高温作動の固体酸化物形燃料電池装置において、高温下での熱膨張に起因する応力集中が起こりやすい屈曲部に設けずに非屈曲部に配置することで、熱応力の集中を回避して耐久性の高い配管構造を維持することができる。
本実施の形態においては、充填材通過禁止部14は流体配管13の水平延在部13aに設ける態様を示したがこれに限られず、流体配管13の垂直延在部13bに設けることもできる。特に図5(B)に示すように、屈曲しない構造の流体配管13を流体処理装置10の天面に直立するように接合する場合には、垂直方向に延在する流体配管13の一部に充填材通過禁止部14を設置することができる。この場合、当該充填材通過禁止部14の構造による機能に加え充填材に働く自重の効果により、充填材12が外部へ流出するのを防止することができる。さらに流体配管13が流体処理装置10に流体を供給する配管である場合、流体の流体処理装置10への吹き込みによって、充填材12の流出を阻害することができる。
また、充填材通過禁止部14は、流体処理装置10に接合される流体の供給管として機能する配管に限らず、図5(B)に示すように、処理が施された流体を外部へ排出するための流体の排出管に付加するものであってもよい。
また、充填材通過禁止部14は、流体処理装置10のケース11を貫通して挿入される流体配管13のうち、流体処理装置10の内部に位置する部分に設置されていても良い。これにより、流体処理装置10の内部空間に充填材通過禁止部14の設置が許容される場合には、充填材12の流出が流体処理装置10の内部で防止することができることに加え、流体処理装置10の外部における流体配管13への充填材通過禁止部14の設置が不要となることから、外部における流体配管13の最短の引き回しが可能となる。
ここで流体処理装置10が、流体として内部に供給された水から原料ガスを燃料ガスに改質するための水蒸気を生成する蒸発器である場合、充填材通過禁止部14は、流体配管13を水平方向に延在する領域に設け、充填材通過禁止部14は長辺または長軸が流体配管13の内径よりも垂直方向に長くするとともに、充填材通過禁止部14の底部の位置が連続する流体配管13の底部の位置よりも低くすることが好ましい。蒸発器に繋がる水供給管に充填材通過禁止部14を設ける場合、水平方向に長く垂直方向に短い形状とすると、配管を流れる水量が少ない場合には充填材通過禁止部14を乗り越えることができずに溜まってしまう。そしてさらなる水量の供給により、この溜まった一定の水量が一気に充填材通過禁止部14を乗り越えるため、水塊がいっきに蒸発室へ供給されることになり、蒸発室への安定的な水量の水供給が阻害される。このため上記構成とすることで、蒸発器の水の安定供給を維持しつつ、圧力損失の増大抑制と充填材の流出防止の両立を図ることができる。
また、充填材通過禁止部14は、断熱材の内部に組み込まれていることが好ましい(図示せず)。充填材通過禁止部14を配管の水平部分に設けることにより、高さ方向に対して高さの低い配管引き回し構造を実現することができる。このため、断熱材で流体処理装置10及び流体配管13を被覆する際に、断熱材の厚みを薄くすることができ、燃料電池装置のコンパクトな設計が可能となる。
また、本実施の態様において、充填材通過禁止部14の表面は、流体配管13の表面と滑らかに連続していることが好ましい。充填材通過禁止部14は流体配管13に対し特異な形状であるため、組み立て時や高温運転時等に当該充填材通過禁止部14に応力が集中する。そこで流体配管13中に設けられる充填材通過禁止部14の切り替わり部分を滑らかな連続面とすることで、応力の集中を抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、図面を参照して、本発明にかかる充填材通過防止部を備えた流体配管が接続された流体処理装置を有する固体酸化物形燃料電池装置の実施の態様について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置を示す全体構成図である。この図6に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置101は、燃料電池モジュール102と、補機ユニット104を備えている。
燃料電池モジュール102は、ハウジング106を備え、このハウジング106内部には、断熱材107を介して金属製のモジュールケース108が内蔵されている。この密閉空間であるモジュールケース108の下方部分である発電室110には、燃料ガスと酸素含有ガス(以下では適宜「酸化剤ガス」、「発電用空気」又は「空気」と呼ぶ。)とにより発電反応を行う燃料電池セル集合体112が配置されている。この燃料電池セル集合体112は、9個の燃料電池セルスタック114(図7参照)を備え、この燃料電池セルスタック114は、各々が燃料電池セルを含む、16本の燃料電池セルユニット116から構成されている。この例では、燃料電池セル集合体112は、144本の燃料電池セルユニット116を有する。燃料電池セル集合体112は、複数の燃料電池セルユニット116の全てが直列接続されている。
燃料電池モジュール102のモジュールケース108の発電室110の上方には、燃焼部としての燃焼室118が形成され、この燃焼室118で、発電反応に使用されなかった残余の燃料ガスと残余の空気との排ガスが燃焼されるようになっている。さらに、モジュールケース108は断熱材107により覆われており、燃料電池モジュール102内部の熱が、外気へ発散するのを抑制している。また、この燃焼室118の上方には、燃料ガスを改質する流体処理装置として改質器120が配置され、上記した残余ガスの燃焼熱によって改質器120を改質反応が可能な温度となるように加熱している。
さらに、ハウジング106内においてモジュールケース108の上方には、後述する蒸発器125が断熱材107内に設けられている。蒸発器125は、燃焼室118において残余ガスである排ガスを燃焼させ、その排ガスと水とが供給され、これらの排ガスと水との間で熱交換を行うことによって、水を蒸発させて水蒸気を生成し、この水蒸気と原燃料ガスとの混合ガス(以下では「燃料ガス」と呼ぶこともある。)をモジュールケース108内の改質器120に供給する流体処理装置である。
次に、補機ユニット104は、燃料電池モジュール102からの排気中に含まれる水分を結露させた水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク126と、この貯水タンクから供給される水の流量を調整する水流量調整ユニット128(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット104は、都市ガス等の燃料供給源130から供給された燃料を遮断するガス遮断弁132と、燃料ガスから硫黄を除去するための脱硫器136と、燃料ガスの流量を調整する燃料流量調整ユニット138(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)と、電源喪失時において、燃料流量調整ユニット138から流出する燃料ガスを遮断するバルブ139を備えている。さらに、補機ユニット104は、空気供給源140から供給される空気を遮断する電磁弁142と、空気の流量を調整する改質用空気流量調整ユニット144及び発電用空気流量調整ユニット145(モータで駆動される「空気ブロア」等)と、改質器120に供給される改質用空気を加熱する第1ヒータ146と、発電室に供給される発電用空気を加熱する第2ヒータ148とを備えている。これらの第1ヒータ146と第2ヒータ148は、起動時の昇温を効率よく行うために設けられているが、省略しても良い。
次に、燃料電池モジュール102には、排ガスが供給される温水製造装置150が接続されている。この温水製造装置150には、水供給源124から水道水が供給され、この水道水が排ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。また、燃料電池モジュール102には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス152が取り付けられている。さらに、燃料電池モジュール102には、燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ154が接続されている。
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールの構造について具体的に説明する。図7は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールを示す側面断面図であり、図8は、図7のIII-III線に沿った断面図であり、図9は、ハウジング及び断熱材が取り外された状態の燃料電池モジュールを示す斜視図である。
図7及び図8に示すように、燃料電池モジュール102は、主に、上述したように、断熱材107内で且つモジュールケース108の外部に設けられた蒸発器125を有すると共に、モジュールケース108の内部に設けられた、燃料電池セル集合体112及び改質器120を有する。
流体処理装置である蒸発器125は、モジュールケース108の天板108a上に固定されている(図9参照)。また、熱交換モジュール121とモジュールケース108との間には、これらの隙間を埋めるように断熱材107の一部分107aが配置され、この断熱材107の一部分107aも、モジュールケース108の天板108a上に固定されている(図7及び図8参照)。
具体的には、蒸発器125は、水平方向における一側端側に、水及び原燃料ガス(改質用空気を含めてもよい)を供給する燃料供給配管163と、排ガスを排出するための排ガス排出管182とが接続され(図1、9参照)、水平方向における他側端側に、モジュールケース108の天板108a上に形成された排気口111に連結された第1排ガス排出路171が接続されている(図7参照)。この排気口111は、モジュールケース108内の燃焼室118で燃焼された排ガスをモジュールケース108の外へ排出する開口部であり、モジュールケース108の天板108aのほぼ中央部に形成されており、蒸発器125は、このような排気口111の上方の断熱材107内に配置されている。
また、蒸発器125は、図8に示すように、上下方向に二層構造となっており、モジュールケース108側に位置する下層部分には、上記した第1排ガス排出路171から供給された排ガスが通過する排気通路部125cが形成されている。加えて、蒸発器125は、排気通路部125cの上部に位置する上層部分には、燃料供給配管163から供給された水を蒸発させて水蒸気を生成する蒸発部125aと、この蒸発部125aよりも排ガスの流れ方向における上流側に設けられ、蒸発部125aで生成された水蒸気と燃料供給配管163から供給された原燃料ガスとを混合させる混合部125bと、が形成されている。例えば、蒸発器125の蒸発部125a及び混合部125bは、複数の連通孔が設けられた仕切り板により蒸発器125を仕切った空間にて形成される。
このような蒸発器125では、蒸発部125a内の水と排気通路部125cを通過する排ガスとの間で熱交換が行われ、排ガスの熱により蒸発部125a内の水が蒸発して、水蒸気が生成されることとなる。加えて、混合部125b内の混合ガスと排気通路部125cを通過する排ガスとの間で熱交換が行われ、排ガスの熱により混合ガスが昇温されることとなる。
更に、図7に示すように、蒸発器125の混合部125bには、第1排ガス排出路171が接続された蒸発器125における端部に、この第1排ガス排出路171の内部を通過するように形成された、混合部125bからモジュールケース108内の改質器120に混合ガスを供給するための混合ガス供給管162が接続されている。混合ガス供給管162は、一端が改質器120に設けられた混合ガス供給口120aに連結しており、この混合ガス供給口120aからほぼ水平方向に延びた先で90°屈曲されて、モジュールケース108内、断熱材107a内、蒸発器125における上流側の排気通路部125c内を順に横断するようにほぼ鉛直方向に延びて、他端が蒸発器125の混合部125bに接続されている。この場合、混合ガス供給管162は、蒸発器125の混合部125bに接続された端部162bが、蒸発器125の蒸発部125a及び混合部125bの底面よりも上方に突出するように設けられている。
ここで図9に示すように、蒸発器125の天面に直交して接続された燃料供給管163は、屈曲部を経て水平方向に延在する非屈曲部分に充填材通過禁止部180を有している。充填材通過禁止部180により、蒸発器125内部への経路の圧力損失を高めることなしに、蒸発器125の内部に充填された充填材の漏出を防止することができる。
次に、モジュールケース108の外側、具体的にはモジュールケース108の外壁と断熱材107との間には、酸化剤ガス供給通路としての発電用空気導入路(酸化剤ガス導入路)177が形成されている(図1、8参照)。この発電用空気導入路177は、モジュールケース108の天板108a及び側板108bと、これら天板108a及び側板108bのそれぞれに沿って延びるように配置された発電用空気供給ケース177aとの間の空間によって形成され、モジュールケース108の天板108a上の正面視中央位置に設けられた発電用空気導入管174から発電用空気が供給される(図1、9参照)。そして、発電用空気導入路177は、モジュールケース108の側板108bの下部に設けられた複数の吹出口177bから、発電用空気を燃料電池セル集合体112に向けて発電室110内に噴射する(図1、8参照)。
また、発電用空気導入路177の内部には、熱交換促進部材としての板状の伝熱板177c、177dが設けられている(図1、8参照)。伝熱板177cは、モジュールケース108の天板108aに沿った発電用空気導入路177の部分に設けられ、伝熱板177dは、モジュールケース108の側板108bに沿った発電用空気導入路177の部分で、且つ、燃料電池セルユニット116に至る位置に設けられている。発電用空気導入路177を流れる発電用空気は、特に伝熱板177c、177dを通過する際に、これら伝熱板177c、177dの内側のモジュールケース108内(具体的にはモジュールケース108内に設けられた第2及び第3排ガス排出路172、173)を通過する排ガスとの間で熱交換を行い、加熱されることとなる。このようなことから、発電用空気導入路177において伝熱板177c、177dが設けられた部分は、熱交換部(空気熱交換部)として機能する。
第2排ガス排出路172および発電用空気導入路177の内部に設けられた伝熱板172a、177c、177dは第2排ガス排出路172または発電用空気導入路177の流路を2つに区分するように設けられており、伝熱板172a、177c、177dに設けられた複数の通気孔(図示せず)によって、内部を通過する流体は2区間を行き来して広域に拡散する。そのため、区分された空間それぞれにおいて内部を通過する流体を均熱化することができるため、局所的に熱交換率が異なることなく、熱交換性能が向上する。
第2排ガス排出路172および発電用空気導入路177に設けられた伝熱板172a、177c、177dは、複数の凸部(図示せず)を介して発電用空気導入路177および第2排ガス排出路172の他方を構成する壁面に固定されている。そのため、伝熱板(172a、177c、177d)により、区分された二つの空間のうち、他の流路と接する面を有する側が直接他の流路と熱交換を行う空間であるため、当該空間に優先的に流体を導くことができ、流体が持つ熱量を有効に利用することが可能となり、積極的に熱交換を行うことができる。
さらに、発電用空気導入路177および第2排ガス排出路172に設けられた伝熱板(172a、177c、177d)は燃料電池セル集合体112の上端よりも上方に配置されている。したがって、燃焼部110の熱と発電用空気導入路177を流れる発電用空気とで熱交換を行うことができ、高効率な熱交換が可能になる。このため伝熱板は、モジュールケース108上面から燃焼室118付近にわたる領域に配置すれば十分であり、燃料電池セル集合体112が設けられた位置にまで伝熱板177dを設けることを不要とすることができる。これにより、伝熱板177dの配置面積を削減することができ、さらに発電時においても燃料電池セル集合体112の温度を奪わないようにすることができる。
次に、図7及び図8に加えて、図10も参照して、モジュールケース108内に設けられた流体処理装置である改質器120について説明する。図10(A)は、本発明の一実施形態による改質器120を斜め上方から見た斜視図であり、図10(B)は、図10(A)のVB−VB線に沿った断面図であり、図10(C)は、図10(A)のVC−VC線に沿った断面図である。なお、図10(A)〜(C)中には、改質器120に加えて、混合ガス供給管162や燃料ガス供給管164なども図示している。
改質器120は、燃焼室118の上方に水平方向に延びるように配置され、モジュールケース108の天板108aと所定距離隔てて、この天板108aに対して固定されている(図7参照)。改質器120には、上記した混合ガス供給管162からの混合ガスが混合ガス供給口120aより流入し、混合ガス(つまり水蒸気が混合された原燃料ガス(改質用空気を含めてもよい))を改質するための改質触媒(不図示)が充填された改質部120cと、が形成されている(図10(B)参照)。改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したものや、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したものが適宜用いられる。
ここで改質器120に接続する混合ガス供給管162には、図10(B)に示すように改質器120に挿入される手前に充填材通過禁止部材162bが設けられている(図7、13においては省略)。これにより、圧力損失の増加を抑制しつつ、改質触媒の流出を防止することができる。
また、改質器120には、改質部120cが形成された部分に、上方に凹んだ内部空間120dが形成されている(図10(B)参照)。内部空間120dは、上下方向に貫通するように延びる貫通孔の上部をプレートなどで塞ぐことにより形成される。この内部空間120dには、上述した混合ガス供給管162の一部分162a、具体的には、混合ガス供給管162において水平方向に延びる部分であって、その端部が改質器120の混合ガス供給口120aに接続された部分162aが配置されている。この混合ガス供給管162の部分162aも、その内部を通過する混合ガスを、改質器120の内部空間120d内の排ガスによって予熱する予熱部として機能する(以下では混合ガス供給管162の部分162aを「予熱部162a」と呼ぶ)。
また、改質器120は、上記した改質部120cの上面を形成する天板120fと、この天板120fの上方に設けられ、上部が開放したほぼU字断面形状を有する遮蔽板120gと、この遮蔽板120gの上部に配置された平板120hとを更に有する(図10(A)乃至(C)参照)。改質器120において天板120fと遮蔽板120gとの間の空間は、改質部120cの上方に排ガスを誘導して流すための排気誘導室201を形成し、改質器120において遮蔽板120gと平板120hとの間の空間は、排ガスがほとんど流れない、断熱層としてのガス溜203を形成する(図10(A)乃至(C)に加えて、図7及び図8も参照)。更に、改質器120の上端部には、改質器120をモジュールケース108の天板108aに固定するためのフランジ部120iが設けられている。
次に、図7に示すように、改質器120の下流端側には、改質器120の改質部120cによる改質によって生成された燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路としての燃料ガス供給管164が接続され、この燃料ガス供給管164の上部には、水添脱硫器用水素取出管165が接続されている。燃料ガス供給管164は、下方に延び、さらに、燃料電池セル集合体112の下方に形成されたマニホールド166内で水平に延びている。燃料ガス供給管164の水平部164aの下方面には、複数の燃料供給孔164bが形成されており、この燃料供給孔164bから、改質された燃料ガスがマニホールド166内に供給される。このマニホールド166の上方には、上述した燃料電池セルスタック114を支持するための貫通孔を備えた下支持板168が取り付けられており、マニホールド166内の燃料ガスが、燃料電池セルユニット116内に供給される。また、燃料ガスと空気との燃焼を開始するための点火装置183が、燃焼室118に設けられている。
次に、図8に示すように、モジュールケース108内において、改質器120の上面(詳しくは改質器120の平板120h)とモジュールケース108の天板108aの下面との間には、水平方向に延びる第2排ガス排出路172が形成されている。この第2排ガス排出路172は、モジュールケース108の天板108aを挟んで、上記した発電用空気導入路177の一部分と並設されている。また、第2排ガス排出路172の内部には、熱交換促進部材としての板状の伝熱板172aが設けられている。この伝熱板172aは、発電用空気導入路177内に設けられた伝熱板177cと水平方向におけるほぼ同一箇所に設けられている。このような伝熱板177c、172aが設けられた発電用空気導入路177及び第2排ガス排出路172の部分において、発電用空気導入路177を流れる発電用空気と第2排ガス排出路172を流れる排ガスとの間で効率的な熱交換が行われ、排ガスの熱により発電用空気が昇温されることとなる。すなわち、第2の実施形態において、発電用空気導入路177または第2排ガス排出路172の内部に設けられた伝熱板172aが、発電用空気通路177と直接接触しており、伝熱板172aに与えられた排ガスの熱が伝熱板172aに与えられ、伝熱板172aの熱は発電用空気導入路177を構成する壁面に熱伝達し、発電用空気と効率よく熱交換を行うことができる。さらに、発電用空気通路177の内部にも伝熱板177cの凸部が第2排ガス排出路172を構成する壁面に接しているため、排ガスの熱が、伝熱板172a、発電用空気通路177を構成する壁面、伝熱板177c、発電用空気の順に伝わるため、排ガスと発電用空気の熱交換率を向上させることができる。なお、伝熱板172aは伝熱板177c、177bと同一のものである。
また、改質器120の外側面とモジュールケース108の内側面との間には、上下方向に延びる第3排ガス排出路173が形成されている。この第3排ガス排出路173は第2排ガス排出路172と連通しており、第3排ガス排出路173から第2排ガス排出路172へと排ガスが流れていく。具体的には、第2排ガス排出路172には、第3排ガス排出路173の上端部(言い換えると第2排ガス排出路172の水平方向における端部)に位置する排ガス導入口172bから排ガスが流入する。排ガス導入口172bから第2排ガス排出路172に流入した排ガスは、モジュールケース108の天板108a上に形成された排気口111を介して、モジュールケース108の外部に設けられた第1排ガス排出路171へと流出する。
また、第3排ガス排出路173の途中のモジュールケース108の内側面上には、具体的には、改質器120の改質部120cよりも上方で、第2排ガス排出路172の排ガス導入口172bよりも下方のモジュールケース8の内側面上には、改質器120中に形成された排気誘導室201(改質器120の天板120fと遮蔽板120gとの間の空間)に流れ込むように排ガスを指向させる排気ガイド板205(第1排気ガイド部に相当する)が設けられている。
次に、図11を参照して、燃料電池セルユニット116について説明する。図11は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。
図11に示すように、燃料電池セルユニット116は、燃料電池セル184と、この燃料電池セル184の両端部にそれぞれ接続されたキャップである内側電極端子186とを備えている。
燃料電池セル184は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路188を形成する円筒形の内側電極層190と、円筒形の外側電極層192と、内側電極層190と外側電極層192との間にある電解質層194とを備えている。この内側電極層190は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
燃料電池セル184の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子186は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子186について具体的に説明する。内側電極層190の上部190aは、電解質層194と外側電極層192に対して露出された外周面190bと上端面190cとを備えている。内側電極端子186は、導電性のシール材196を介して内側電極層190の外周面190bと接続され、さらに、内側電極層190の上端面190cとは直接接触することにより、内側電極層190と電気的に接続されている。内側電極端子186の中心部には、内側電極層190の燃料ガス流路188と連通する燃料ガス流路細管198が形成されている。
この燃料ガス流路細管198は、内側電極端子186の中心から燃料電池セル184の軸線方向に延びるように設けられた細長い細管である。このため、マニホールド166(図7参照)から、下側の内側電極端子186の燃料ガス流路細管198を通って燃料ガス流路188に流入する燃料ガスの流れには、所定の圧力損失が発生する。従って、下側の内側電極端子186の燃料ガス流路細管198は、流入側流路抵抗部として作用し、その流路抵抗は所定の値となるように設定されている。また、燃料ガス流路188から、上側の内側電極端子186の燃料ガス流路細管198を通って燃焼室118(図7参照)に流出する燃料ガスの流れにも所定の圧力損失が発生する。従って、上側の内側電極端子186の燃料ガス流路細管198は、流出側流路抵抗部として作用し、その流路抵抗は所定の値となるように設定されている。
内側電極層190は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレードとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
電解質層194は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
外側電極層192は、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
次に、図12を参照して、燃料電池セルスタック114について説明する。図12は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルスタックを示す斜視図である。
図12に示すように、燃料電池セルスタック114は、16本の燃料電池セルユニット116を備え、これらの燃料電池セルユニット116は、8本ずつ2列に並べて配置されている。
各燃料電池セルユニット116は、下端側がセラミック製の長方形の下支持板168(図7参照)により支持され、上端側は、両端部の燃料電池セルユニット116が4本ずつ、概ね正方形の2枚の上支持板100により支持されている。これらの下支持板168及び上支持板100には、内側電極端子186が貫通可能な貫通穴がそれぞれ形成されている。
さらに、燃料電池セルユニット116には、集電体103及び外部端子105が取り付けられている。この集電体103は、燃料極である内側電極層190に取り付けられた内側電極端子186と電気的に接続される燃料極用接続部103aと、空気極である外側電極層192の外周面と電気的に接続される空気極用接続部103bとを接続するように一体的に形成されている。また、各燃料電池セルユニット116の外側電極層192(空気極)の外表面全体には、空気極側の電極として、銀製の薄膜が形成されている。この薄膜の表面に空気極用接続部103bが接触することにより、集電体103は空気極全体と電気的に接続される。
さらに、燃料電池セルスタック114の端(図12では左端の奥側)に位置する燃料電池セルユニット116の空気極186には、2つの外部端子104がそれぞれ接続されている。これらの外部端子103は、隣接する燃料電池セルスタック114の端にある燃料電池セルユニット116の内側電極端子186に接続され、上述したように、160本の燃料電池セルユニット116の全てが直列接続されるようになっている。
次に、図13、図14を参照して、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュール内のガスの流れについて説明する。図13は、図7と同様の、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールを示す側面断面図である。図14は、図8と同様の本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置を示す図13のIII −III 線に沿った燃料電池モジュールの断面図である。図13、図14は、図7、8中にガスの流れを示す矢印を新たに付加した図であり、説明の便宜上、断熱材107を取り除いた状態の図を示している。なお、図14では、燃料ガス(水、水蒸気及び原燃料ガスも含む)の流れのみを図示している。
図13、に示すように、水及び原燃料ガス(燃料ガス)が、蒸発器125の水平方向における一側端側に接続された燃料供給配管163(図9参照)から蒸発器125内に供給される、具体的には蒸発器125の上層に設けられた蒸発部125a内に供給される。蒸発器125の蒸発部125aに供給された水は、蒸発器125の下層に設けられた排気通路部125cを流れる排ガスとの間で熱交換を行い、排ガスの熱により加熱されて、気化して水蒸気となる。この水蒸気と、上記した燃料供給配管163から供給された原燃料ガスとは、蒸発部125a内を水平方向に流れていき(具体的には燃料供給配管163が接続された側と反対側に向けて水平方向に流れていき)、蒸発部125aの先の混合部125bにおいて混合される。
そして、混合部125bにおいて水蒸気と原燃料ガスとが混合された混合ガス(燃料ガス)は、蒸発器125において燃料供給配管163が接続された側と反対側に接続され、蒸発器125の排気通路部125c、断熱材107a及びモジュールケース108内を横断するように延びる混合ガス供給管162を流れて、モジュールケース108内の改質器120に流入する。この場合、混合ガスは、混合部125bの下方の排気通路部125cを流れる排ガスと、排気通路部125c及び第1排ガス排出路171内に位置する混合ガス供給管162の部分の周囲を流れる排ガスと、モジュールケース108内に位置する混合ガス供給管162の部分の周囲を流れる排ガスとの間で熱交換を行い、加熱されることとなる。特に、モジュールケース108内では、改質器120の内部空間120d内に位置する混合ガス供給管162の予熱部162aにおいて、この予熱部162a内を流れる混合ガスと改質器120の内部空間120d内の排ガスとの間で効率的な熱交換が行われる。
この後、混合ガス供給管162から改質器120に供給された混合ガスは、改質器120の混合ガス供給口120aを介して、改質器120の水平方向における一側端側に設けられた改質触媒が充填された改質部120cに流入し、この改質部120cにおいて改質されて燃料ガスとなる。こうして生成された燃料ガスは、改質器120の改質部120cの下流端側に接続された燃料ガス供給管164と、この燃料ガス供給管164の上方に接続された水添脱硫器用水素取出管165とを流れる。そして、燃料ガスは、燃料ガス供給管164の水平部164aに設けられた燃料供給孔164bからマニホールド166内に供給されて、マニホールド166内の燃料ガスが各燃料電池セルユニット116内に供給される。
他方で、図14に示すように、発電用空気導入管174(図1、図7、図9及び図13参照)から供給された発電用空気は、モジュールケース108の天板108a及び側板108bと、これら天板108a及び側板108bのそれぞれに沿って延びるように配置された発電用空気供給ケース177aとの間の空間によって形成された発電用空気導入路177を流れる。この際に、発電用空気導入路177を流れる発電用空気は、伝熱板177c、177dを通過する際に、これら伝熱板177c、177dの内側のモジュールケース108内に形成された第2及び第3排ガス排出路172、173を通過する排ガスとの間で効率的な熱交換を行い、加熱されることとなる。特に、発電用空気導入路177の伝熱板177cに対応する第2排ガス排出路172内には伝熱板172aが設けられているので、発電用空気は、発電用空気導入路177内の伝熱板177cと第2排ガス排出路172内の伝熱板172aとを介して、排ガスとより効率的な熱交換を行う。
また、図1、8、14に示すように、発電用空気導入路177の内部で、伝熱板177dが配置された領域よりも下方に複数の孔を有する仕切り板179が設置されており、排ガスと熱交換を行った後の発電用空気は仕切り板179に設けられた複数の孔を通る。その際に、仕切り板179は流路抵抗として機能し、拡散されて均熱化した発電用空気を燃料電池セル集合体112へ供給することができる。
その後、図14に示すように、発電用空気は、モジュールケース108の側板108bの下部に設けられた複数の吹出口177bから燃料電池セル集合体112に向けて発電室110内に噴射される。
他方で、燃料電池セルユニット116において発電に利用されずに残った排ガスは、図14に示すように、モジュールケース108内の燃焼室118で燃焼され、モジュールケース108内を上昇していく。具体的には、排ガスは、まず、改質器120の外側面とモジュールケース108の内側面との間に形成された第3排ガス排出路173を通過する。この際に、排ガスは、モジュールケース108の内側面上に設けられた排気ガイド板205によって、改質器120中に形成された排気誘導室201(改質器120の天板120fと遮蔽板120gとの間の空間)に流れ込むように指向される。そして、排気誘導室201を経由した排ガス(排気誘導室201に流れ込んだ排ガス及び排気誘導室201に流れ込まなかった排ガスを含む)は、排気誘導室201の上方のガス溜203(改質器120の遮蔽板120gと平板120hとの間の空間)に流れ込むことなく上昇していき、排ガス導入口172bから第2排ガス排出路172に流入する。
この後、排ガスは、第2排ガス排出路172を水平方向に流れていき、モジュールケース108の天板108a上に形成された排気口111から流出する。排ガスが第2排ガス排出路172を水平方向に流れていく際に、第2排ガス排出路172内に設けられた伝熱板172aと、この伝熱板172aに対応して発電用空気導入路177内に設けられた伝熱板177cとを介して、発電用空気導入路177を流れる発電用空気と第2排ガス排出路172を流れる排ガスとの間で効率的な熱交換が行われて、排ガスの熱により発電用空気が昇温される。なお、ここでは排気通路のうち第2排ガス排出路172にのみ伝熱板172aを設けているが、伝熱板を設ける箇所は第2排ガス排出路172に限るものではなく、熱交換を行う排気通路であればよい。
そして、排気口111から流出した排ガスは、モジュールケース108の外部に設けられた第1排ガス排出路171を通過した後、第1排ガス排出路171に接続された蒸発器125の排気通路部125cを流れて、蒸発器125の下流端側に接続された排ガス排出管182(図9参照)から排出される。排ガスは、蒸発器125の排気通路部125cを流れる際に、上述したように、蒸発器125の混合部125b内の混合ガス及び蒸発器125の蒸発部125a内の水と熱交換を行う。
次に、本発明の第2の実施の形態による固体酸化物形燃料電池装置の作用・効果について説明する。
第2の実施の形態によれば、モジュールケース108を挟んで発電用空気導入路177と第2排ガス排出路172とを並設し、熱交換部を形成した燃料電池装置において、発電用空気導入路177または第2排ガス排出路172の少なくとも一方に、熱拡散性の高い伝熱板(172a、177c、177d)を流路内部が2つに区分されるように配置することで、2つの空間それぞれにおいて流路内部を通過する流体を均熱化することができ熱交換性能が向上する。このため、別体としての専用の熱交換器が不要となるため、燃料電池装置の小型化及び低コスト化を実現することができる。ここで、発電用空気導入路177と第2排ガス排出路の少なくとも一方に伝熱板を設けていれば良く、発電用空気導入路177と並設されていれば、第2排ガス排出路の場所は本実施形態に限るものではない。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、伝熱板(172a,177c,177d)に両面間を流動可能とする複数の通気孔(図示せず)が設けられていることで、流体が2区間を行き来して広域に拡散するため、熱交換性能を向上させることができる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、発電用空気導入路177または第2排ガス排出路172の一方の流路に設けられた伝熱板172aまたは伝熱板177c、177dが、他方の流路と直接接触することで、熱交換性能を向上させることができる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、区分した二つの空間のうち、他の流路と接する面を有する側が直接他の流路と熱交換を行う空間であるため、当該空間に優先的に流路を導くことで、流体が持つ熱量を有効に利用することができる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、本発明に係る伝熱板172a、177c、177dは熱交換性能が非常に高いため、発電室110内において、高温の燃焼部118で熱交換を行うことで熱の利用を最大限化するとともに、比較的低温となる燃料電池セル集合体112の領域に近接する流路では伝熱板の配置を不要とすることで、伝熱板の配置面積を最小化してコストを削減することができる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、発電用空気導入路177の内部であって、伝熱板177c、177dが配置された領域よりも下方に複数の孔を有する仕切り板179を設置することで、仕切り板179は流路抵抗として機能するため、均熱化した酸素含有ガスはさらに拡散して均熱化し、複数の孔から発電用空気供給通路の下端に噴出される。
第2の実施の形態で上述したように、容器壁面に熱交換部を形成した燃料電池装置において、簡単な構成により、熱交換性能を向上させることができるため、別体として専用の熱交換器を設ける必要がなく、燃料電池装置の小型化及び低コスト化を実現することができる。
(実施の形態3)
つぎに図15を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図15は本発明の実施形態の適用例を示す燃料電池モジュールの別の形態を示す概略断面図である。
第3の実施形態において、発電用空気を燃料電池モジュール302の内部へ供給するための構造を、図15を参照しながら説明する。図15の実践矢印は、発電用空気の流れを示しており、点線矢印は排ガスの流れを示している。この図に示すように、改質器320の上方に熱交換器323が設けられ、ケーシング356は断熱材307で覆われている。
熱交換器323は2層の熱交換器であり、上層の一端側には発電用空気導入管374が取り付けられている。この発電用空気導入管374により、発電用空気が熱交換器323内に導入されるようになっており、熱交換器323の上層の他端側には、図15に示すように、発電用空気流路323aの出口ポート377aが一対形成されている。この出口ポート377aは、一対の連絡流路(図示せず)に連通している。さらに、燃料電池モジュール2のケーシング356の幅方向の両側の外側には、発電用空気供給路(図示せず)が形成されている。
したがって、発電用空気供給路(図示せず)には、発電用空気流路323aの出口ポート377a及び連絡流路(図示せず)から、発電用空気が供給されるようになっている。この発電用空気供給路(図示せず)は、燃料電池セル集合体312の長手方向に沿って形成されており、さらに、その下方側であり且つ燃料電池セル集合体312の下方側に対応する位置に、燃料電池セル集合体312の各燃料電池セルユニット316に向けて発電用空気を吹き出すための複数の吹出口377bが形成されている。出口ポート377aから発電用空気供給路(図示せず)に流入した発電用空気は吹出口377bへと向かい、これらの吹出口377bから吹き出された発電用空気は、各燃料電池セルユニット316の外側に沿って、下方から上方へ流れるようになっている。
さらに、改質器導入管362は、ケーシング356の内部に、純水と改質される燃料ガスを導入する管路である。改質器導入管362は、改質器320の一端の側壁面から延びる円管であり、90゜屈曲されて概ね鉛直方向に延び、ケーシング56の上端面を貫通している。なお、改質器導入管362は、改質器320に水を導入する水導入管としても機能している。より具体的には、図15に示すように、改質器320の上流端である図中右側の端部に繋がれている。
ここで、改質器320に接続する改質器導入管362には、上記の90°屈曲し水平方向に延びた部分に、充填材通過禁止部材383が設けられている。これにより、圧力損失の増加を抑制するとともに、改質器320内の改質触媒等の充填材が流出することを防止できる。
改質器導入管362から流入する水は改質器320で水蒸気とされ、この水蒸気と被改質ガスである燃料ガス(都市ガス)と空気とが混合される。さらに、改質器320は、燃料電池セル集合体312の上方に形成された燃焼室318の更に上方に配置されている。したがって、改質器320は、発電反応後の残余の燃料ガス及び空気による燃焼熱によって熱せられ、蒸発混合器としての役割と、燃料と水蒸気を化学反応させることにより水蒸気改質反応の双方によって水素を生成可能な改質器としての役割とを果たすように構成されている。
改質器320の下流端には、燃料供給管366の上端が接続されている。この燃料供給管366の下端側は、燃料ガスタンク368内に入り込むように配置されている。
図15に示すように、燃料ガスタンク368は、燃料電池セル集合体312の真下に設けられている。燃料供給管366から燃料ガスタンク368に供給された燃料ガスは、燃料電池セル集合体312を構成する各燃料電池セルユニット316内を上昇して、燃焼室18に至るようになっている。
続いて、発電により生じた排ガスをモジュールケース356外へ排出するための構造を説明する。燃料電池セルユニット316の上方にある燃焼室318では、発電反応に使用されなかった燃料ガスと発電用空気の排ガスを燃焼させている。その後、排ガスは、燃焼室318内を上昇し排気ガイド板380に至る。排気ガイド板380には、図15に示すように、開口380aが設けられており、開口380a内に排ガスが導かれる。この開口380aを通った排ガスは、別体として設けられた熱交換器323の排ガス排出流路流入口324に至る。
二層の熱交換器323の下層には、排ガスを排出するための排ガス排出流路323bが設けられている。これらの排ガスガス排出流路323bの下流端側には、排ガス排出管382が接続され、排ガスが外部に排出されるようになっている。
つぎに熱交換器323について図15を参照しながら説明する。熱交換器323は上層に発電用空気供給流路323aと、下層に排ガス排出流路323bを備えている。発電用空気供給流路323aには発電用空気が流れ、排ガス流出流路323bには排ガスが流れており、発電用空気は排ガスからの熱を受け取り昇温される。
発電用空気供給流路323aと排ガス排出流路323bの内部にはそれぞれ伝熱板378が流路を区分するように配置されており、発電用空気と排ガスとの熱交換を促進している。すなわち、伝熱板378が流路抵抗として働くため、カウンターフローで流れる発電用空気と排ガスはそれぞれの流路において均熱化され、さらに、伝熱板378が発電用空気と排ガスとが熱交換を行う熱交換器323内の壁面と接しているため、積極的に熱交換を行わせることができる。
なお、図15においては、排ガス流路323aと発電用空気流路323bの内部の双方に伝熱板378を設けているが、排ガス流路323aと発電用空気流路323bのどちらか一方に設けるようにしてもよい。さらに、図15では発電用空気と排ガスとの流れの方向をカウンターフローとして示しているが、クロスフローやパラレルフローでも良い。
したがって、熱交換部が専用の熱交換器323として別体に設けられている燃料電池装置においても、熱交換器323の内部に設けられた、発電用空気供給流路323aまたは排ガス排出流路323bの内部に本発明にかかる伝熱板378を設けることにより、容易に熱交換性能を向上させることができる。したがって、モジュールケース一体の熱交換器でなくとも、発明の効果を奏することが可能である。
10 流体処理装置
11 ケース
12 充填材
13 流体配管
13a 水平延在部
13b 垂直延在部
13c 屈曲部
14 充填材通過禁止部
15 加熱源
101 固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)
102 燃料電池モジュール
107 断熱材
108 モジュールケース
108a 天板
108b 側板
112 燃料電池セル集合体
116 燃料電池セルユニット
118 燃焼室(燃焼部)
111 排気口
120 改質器
120a 混合ガス供給口
120c 改質部
120d 内部空間
125 蒸発器
125a 蒸発部
125b 混合部
125c 排気通路部
162 混合ガス供給管
162a 予熱部
162b 充填材通過禁止部
163 燃料供給配管
164 燃料ガス供給管
165 水添脱硫器用水素取出管
171 第1排ガス排出路
172 第2排ガス排出路
172a 伝熱板
173 第3排ガス排出路
177 発電用空気導入路(酸素含有ガス導入路)
177c、177d 伝熱板
179 仕切り板
180 充填材通過禁止部
201 排気誘導室
203 ガス溜
302 燃料電池モジュール
307 断熱材
310 発電室
312 燃料電池セル集合体
316 燃料電池セルユニット
318 燃焼室(燃焼部)
320 改質器
323 熱交換器
323a 発電用空気供給流路
323b 排ガス排出流路
324 排ガス排出流路流入口
356 モジュールケース
362 改質器導入管
366 燃料供給管
368 燃料ガスタンク
374 発電用空気導入管
377a 出口ポート
377b 噴出孔
380 排気ガイド板
380a 開口
382 排ガス排出管
383 充填材通過禁止部

Claims (6)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する固体酸化物形燃料電池装置において、
    燃料電池モジュールにおける発電に関与する流体を処理する流体処理装置を有し、
    前記流体処理装置は、ケースと、前記ケースの内部に充填され前記ケースの内部を通過する流体の状態を変化させる複数の粒状の充填材と、を備え、
    前記ケースの内部は、前記流体を通過させる流体配管と接続され、
    前記流体配管の内径は前記充填材の粒径よりも大きく、
    さらに前記流体配管は、前記流体配管の形状によって前記充填材の通過を禁止するとともに前記流体配管の圧力損失の増加を抑制する充填材通過禁止部を有し、
    前記充填材通過禁止部は、前記流体配管の内部を流れる流体の方向に直交する断面視における内部形状が、前記充填材の粒径よりも短辺または短軸が小さく、かつ前記流体配管の他の部の内径よりも長辺または長軸が大きい楕円形状又は長方形状であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池装置。
  2. 前記充填材通過禁止部は、前記流体配管の非屈曲部に設けられていることを特徴とする請求項に記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  3. 前記充填材通過禁止部は、前記流体配管の垂直方向に延在する部分に設けられていることを特徴とする請求項に記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  4. 前記流体処理装置は、前記流体として内部に供給された水から原料ガスを前記燃料ガスに改質するための水蒸気を生成する蒸発器であって、
    前記充填材通過禁止部は、前記流体配管が水平方向に延在する領域に設けられ、
    前記充填材通過禁止部は、前記長辺または前記長軸が前記流体配管の内径よりも垂直方向に長いとともに、前記充填材通過禁止部の底部の位置が連続する前記流体配管の底部の位置よりも低いことを特徴とする請求項に記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  5. 前記充填材通過禁止部は、断熱材の内部に組み込まれていることを特徴とする請求項に記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  6. 前記充填材通過禁止部の表面は、前記流体配管の表面と滑らかに連続していることを特徴とする請求項2乃至のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池装置。
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