JP6771466B2 - 時計調速機、時計ムーブメント及びこのような調速機を有する時計 - Google Patents

時計調速機、時計ムーブメント及びこのような調速機を有する時計 Download PDF

Info

Publication number
JP6771466B2
JP6771466B2 JP2017531758A JP2017531758A JP6771466B2 JP 6771466 B2 JP6771466 B2 JP 6771466B2 JP 2017531758 A JP2017531758 A JP 2017531758A JP 2017531758 A JP2017531758 A JP 2017531758A JP 6771466 B2 JP6771466 B2 JP 6771466B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
governor
energy supply
elastic
support
watch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017531758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018503078A (ja
Inventor
ギイ・セモン
ヴァウト・ヨハンネス・ベンヤミン・イプマ
シブレン・レナルト・ヴェーケ
ニマ・トロウ
Original Assignee
エルヴェエムアッシュ・スイス・マニュファクチャーズ・エスアー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルヴェエムアッシュ・スイス・マニュファクチャーズ・エスアー filed Critical エルヴェエムアッシュ・スイス・マニュファクチャーズ・エスアー
Publication of JP2018503078A publication Critical patent/JP2018503078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6771466B2 publication Critical patent/JP6771466B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04BMECHANICALLY-DRIVEN CLOCKS OR WATCHES; MECHANICAL PARTS OF CLOCKS OR WATCHES IN GENERAL; TIME PIECES USING THE POSITION OF THE SUN, MOON OR STARS
    • G04B17/00Mechanisms for stabilising frequency
    • G04B17/04Oscillators acting by spring tension
    • G04B17/045Oscillators acting by spring tension with oscillating blade springs
    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04BMECHANICALLY-DRIVEN CLOCKS OR WATCHES; MECHANICAL PARTS OF CLOCKS OR WATCHES IN GENERAL; TIME PIECES USING THE POSITION OF THE SUN, MOON OR STARS
    • G04B15/00Escapements
    • G04B15/02Escapements permanently in contact with the regulating mechanism

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Springs (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Description

本発明は、時計調速機に、時計ムーブメントに、及び、このような調速機を有する時計に、関する。
特許文献1には、時計調速機が記載されており、この調速機は、弾性サスペンションによって支持体に取り付けられ、それにより振動できる少なくとも1つの慣性調速部材を備える。
米国特許出願公開第2013176829号明細書
この時計調速機の1つの欠点は、振動振幅が調速部材の、支持体の及び弾性サスペンションの幾何形状によって制限されること、である。
本発明の1つの目的は、この欠点を少なくとも軽減することである。
このために、本発明の一実施形態によれば、調速部材は、主並進運動方向に沿って並進振動するように支持体に取り付けられている。
このような配置により、特許文献1の回転式振動器と比較してより高い振幅で調速部材を振動させるためのより大きな自由度がある。本発明は、同様に、調速機機構によって構成された機械式振動器の直線性を増加させることを補助し得る。
留意すべきことは、上述した発明が、以下で詳述する実施形態の設計のように、一体構造の設計に限定されない、ことである。
本発明にかかる様々な形態の機構において、以下の手段のうちの1つ及び/または他のものをさらに用いる可能性があり得る。
−調速部材は、ほぼ直線的に並進振動するように支持体に取り付けられている。
−調速部材は、主並進運動方向の第1振動振幅と主並進運動方向に垂直な第2方向の非ゼロ第2振動振幅とを有して円形並進振動するように支持体に取り付けられており、第1振幅は、第2振幅よりも大きい。
−第1振動振幅は、第2振幅よりも少なくとも10倍大きい。
−上記サスペンションは、ほぼ第2方向に延在する少なくとも2つの弾性リンクを有する。
−時計調速機は、共に連結された2つの慣性調速部材を備えており、それにより、上記調速部材は、主並進運動方向で対称かつ逆方向の移動を常に有する。
−2つの慣性調速部材は、釣合レバーによって互いに連結されており、釣合レバーは、支持体に対して回動式に取り付けられている。
−時計調速機は、一体構造であり、単一プレートによって形成されている。
その上、本発明は、上述した時計調速機を有する時計ムーブメントに関する。時計ムーブメントは、調速部材によって制御される阻止機構をさらに備え、可動式のエネルギー供給部材を一定間隔で交互に保持及び解放し、それにより、上記エネルギー供給部材が段階的に移動し、上記阻止機構は、調速部材の振動を維持するために上記調速部材に一定間隔でエネルギーを解放させるようにさらに構成されている。
さらに、本発明は、同様に、上述した時計ムーブメントを有する時計に関する。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら、非限定的な例として付与された本発明のいくつかの実施形態の詳細な説明から明らかになる。
本発明にかかる機械式時計を示す概略ブロックダイアグラムである。 本発明の第1実施形態にかかる調速機機構、阻止機構及びエネルギー供給車を有する機械式時計を示す平面図である。 図2の阻止機構及びエネルギー供給車を示す詳細図である。 図2と同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2の機構の一連の運動を示す図である。 図2aと同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2aの機構の一連の運動を示す図である。 図2と同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2の機構の一連の運動を示す図である。 図2aと同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2aの機構の一連の運動を示す図である。 図2と同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2の機構の一連の運動を示す図である。 図2aと同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2aの機構の一連の運動を示す図である。 図2と同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2の機構の一連の運動を示す図である。 図2aと同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2aの機構の一連の運動を示す図である。 図2と同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2の機構の一連の運動を示す図である。 図2aと同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2aの機構の一連の運動を示す図である。 図2と同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2の機構の一連の運動を示す図である。 図2aと同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2aの機構の一連の運動を示す図である。 図2と同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2の機構の一連の運動を示す図である。 図2aと同様の図であって、調速機構のほぼ半周期における図2aの機構の一連の運動を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる機械式時計のための調速機機構を示す平面図であって、静止位置にある、平面図である。 極限位置にある図10と同様の平面図である。 極限位置にある図10と同様の平面図である。 図10の調速機機構を有する時計ムーブメントを示す概略斜視図である。
図面において、同じ参照符号は、同一のまたは同様の要素を示す。
図1は、例えば腕時計のような機械式時計1を示す概略ブロックダイアグラムであり、少なくとも以下のもの、
−力学的エネルギー格納体2と、
−エネルギー格納体2によって動力供給される伝動装置3と、
−伝動装置3によって駆動される例えば時計の針などの1以上の時刻表示体4と、
−伝動装置3によって駆動されるエネルギー供給部材5と、
−例えば阻止部材8などを有する阻止機構6であって、この阻止部材が、エネルギー供給部材5を連続的に保持、解放し、それにより、各運動サイクルで一定の行程である反復運動サイクルにしたがって上記エネルギー供給部材が段階的に移動し得る、阻止機構と、
−調速機機構7であって、阻止機構を制御して阻止機構を時間内に一定間隔で移動させる振動機構であり、それにより、阻止機構の保持及び解放シーケンスを一定継続時間となるようにし、このため、エネルギー供給車5、伝動装置3及び時刻表示体4の運動テンポをもたらす、調速機機構と、
を有する。
エネルギー供給部材は、回転式エネルギー供給車5であり得る。以下の説明は、このようなエネルギー供給車に関してなされる。
力学的エネルギー格納体2は、例えば主ゼンマイと通常称される螺旋状バネなどの通常バネである。このバネは、巻真を介して手動で、かつ/または、ユーザの運動によって動力供給される自動式巻回を介して自動で、巻回され得る。
伝動装置3は、通常、一連の歯車(図示略)を備える歯車装置であり、これら歯車は、互いに噛合して入力軸を出力軸(図示略)に接続する。入力軸は、力学的エネルギー格納体2によって動力供給されており、出力軸は、エネルギー供給車に接続されている。いくつかの歯車は、時計の針にまたは他の時刻表示体4に接続されている。
伝動装置3は、エネルギー供給車が入力軸よりもずっと迅速に(例えば3000のオーダーであり得る速度比で)回転するように設計されている。
調速機機構7は、一定の周波数で振動するように設計されており、このため、時計の精度を保証する。調速機の振動は、エネルギー供給車5から、例えば阻止機構6に属し得る単安定弾性部材9を介して、力学的エネルギーを定期的に伝達させることによって、持続される。
力学的エネルギー格納体2、伝動装置3、エネルギー供給車5、阻止機構6及び調速機7は、共に時計ムーブメント10を形成する。
図2から図9の特有の実施形態を詳細に説明する。
この実施形態において、阻止機構6及び調速機機構7は、例えば図2及び図2aに示すように、一体構造であり、単一プレート11に形成され得る。プレート11は、ほぼ平坦である。
プレート11は、材料に応じて、例えば約0.1mmから約0.6mmなど、厚さが薄くなり得る。
プレート11は、上記プレートの平面で(例えば幅及び長さまたは直径)、約15mmから約40mmである横方向寸法を有し得る。
プレート11は、任意の適切な材料で製造され得、好ましくは比較的高いヤング率を有して良好な弾性特性を示す。プレート11に使用可能な材料の例は、シリコン、ニッケル、スチール、チタンである。シリコンの場合において、プレート11の厚さは、例えば0.3mmから0.6mmである。
阻止機構6及び調速機機構7の様々な部材は、以下で詳述され、プレート11に切欠を形成することによって形成されている。これら切欠は、特にMEMSの製造のように、マイクロ工学で公知の製造方法によって形成され得る。
シリコンプレート11の場合において、プレート11は、例えば、深堀反応性イオンエッチング(DRIE)によって、または、いくつかの場合において(特に試作品または小規模量産について)固体レーザ切断によって、局所的に中空化され得る。
ニッケルプレート11の場合において、阻止機構6及び調速機機構7は、例えばLIGAによって得られ得る。
スチールまたはチタンプレート11の場合において、プレート11は、例えばワイヤ放電加工(WEDM)によって、局所的に中空化され得る。
阻止機構6及び調速機機構7の構成部品それぞれは、プレート11の部分によって形成されており、ここで詳述される。これら部品のうちの一部は、硬質であり、他のものは、通常屈曲部において、弾性変形可能である。いわゆる硬質部品といわゆる弾性部品との間の差は、これら部品の形状に、特にこれら部品の細さに起因したプレート11の平面におけるこれら部品の剛性である。細さは、例えば縦横比(部品の幅に対する部品の長さの比率)によって測定され得る。細さが高い部品は、弾性を有し(すなわち弾性変形可能であり)、細さが低い部品は、硬質である。例えば、いわゆる硬質部品は、プレート11の平面において剛性を有し得、この剛性は、プレート11の平面においていわゆる弾性部品の剛性よりも少なくとも約1000倍である。例えば後述する弾性枝体21、33及び弾性リンク27などの弾性接続体の主な寸法は、例えば5mmから13mmである長さと、例えば0.01mm(10μm)から0.04mm(40μm)、例えば約0.025mm(25μm)である幅と、を有する。
プレート11は、外側枠体を形成し、この外側枠体は、例えばネジなどによってプレート11の貫通孔11bを通して支持プレート11aに固定されている。支持プレート11aは、同様に、時計筐体に固定されている。
図2に示す例において、プレート11は、阻止機構6及び調速機機構7を全体的に囲む閉鎖型硬質枠体を形成するが、この枠体は、その他のように設計され得、特に、阻止機構6及び調速機機構7を囲まないまたは完全には囲まないように設計され得る。図2に示す例において、上記固定された枠体は、第1方向Xに延在する2つのほぼ平行な側部12、15と、第1方向Xにほぼ垂直な第2方向に延在する2つのほぼ平行な側部13、14と、を有する。枠体12〜15、支持プレート11a及び他の全ての固定部品は、本明細書において「支持体」と称され得る。
エネルギー供給車5は、プレート11に垂直な回転軸Z回りで支持体に対して回動可能に取り付けられている。エネルギー供給車5は、エネルギー格納体2によって伝動装置3を介して単一回転方向36で付勢されている。
エネルギー供給車5は、外歯5aを有し、これら外歯それぞれは、回転方向36を向く前面5bと、回転方向36とは反対側の後面5cと、を有する。
例えば、前面5bは、回転軸Zと平行な径方向面に延在し得る一方、後面5cは、軸Zと平行にかつ径方向に対して傾斜して延在し得る(図2a参照)。
留意すべきことは、歯5aがいわゆるスイスレバー脱進機またはいわゆるスイスアンクル脱進機における従来の雁木車の複雑な形状を有する必要がないこと、である。
単安定弾性部材9は、調速機機構7に連結されており、エネルギー供給車5の歯5aを押すように構成されている。単安定弾性部材9は、通常、第1幾何形状構造(静止位置)を有し、エネルギー供給車の歯5aは、カム効果によって上記単安定弾性部材9を上記第1幾何形状構造から第2幾何形状構造へ弾性変形させるように構成されている。単安定弾性部材9は、エネルギー供給車5の各回転サイクルの間で、
−上記エネルギー供給車の1つの歯5aが上記単安定弾性部材9を単安定弾性部材の上記第1幾何形状構造から上記第2幾何形状構造へ弾性変形させ、
−その後、上記単安定弾性部材9が、第1幾何形状構造へ弾性復帰し、それにより、所定量の力学的エネルギーを調速機機構7へ解放する、
ように、構成されている。
調速機機構は、硬質の慣性調速部材17を有し得、この慣性調速部材は、第1弾性サスペンション21によってプレート11の枠体に接続されている。第1弾性サスペンションは、例えば2つの可撓性を有する第1弾性枝体21を備え得、これら第1弾性枝体は、プレート11の側部12から第2方向Yとほぼ平行に延在し、それにより、調速部材17は、支持体に対して第1方向Xとほぼ平行に並進運動可能である。調速部材17及び第1弾性サスペンション21は、上記調速部材17が図2に示す両矢印17aにしたがって、2つの極限位置間で図2に示す中立位置から2方向に振動するように構成されており、本明細書では、これら極限位置を「第1及び第2極限調速部材位置」と称する。
調速部材17の並進運動は、ほぼ直線的であり得る。
有利には、調速部材17は、第1方向Xでの第1振動振幅と第2方向Yでの非ゼロの第2振動振幅とを有する円形並進運動で振動するように支持体に取り付けられている。好ましくは、第1振動振幅は、第2振幅の少なくとも10倍であり、これにより、移動をほぼ直線的にする。
調速部材17は、プレート11の側部12に近接して第1方向Xとほぼ平行に長手方向に延在する主硬質本体18と、主本体18の端部からプレート11の側部15に向けてそれぞれの自由端部20まで延在する2つの分岐硬質腕体19と、を有し得る。自由端部20は、第1方向とほぼ平行に互いに反対側に外側へ延在し得る。
第1弾性枝体21は、それぞれがプレート11の側部13、14に近接し、プレート11の側部12に接続された第1端部と、それぞれが腕体19の自由端部20に接続された第2端部と、を有し得る。第1弾性枝体21は、調速部材17が中立位置で静止しているときにほぼ直線的であり得る(すなわち、曲がっていない)。
第1弾性枝体21の長さと調速部材の振動振幅とは、上記調速部材17の運動が上述したようにほぼ直線的であるようになっている。
阻止機構6は、少なくとも弾性リンク27によって調速部材17に接続された硬質阻止部材8を有し、それにより、上記調速部材17と同期して移動する。
図2に示す例において、阻止部材8は、第2方向Yとほぼ平行に延在する2つの可撓性弾性リンク27によって調速部材17に接続され得る。上記可撓性弾性リンク27は、調速部材17が中立位置にあるときに、ほぼ直線的である(曲がらない)ように構成され得る。
阻止部材8は、第2弾性サスペンション33によってプレート11の枠体に取り付けられ得る。第2弾性サスペンション33は、第2方向Yで並進運動を阻止部材8に付与するように構成され得る。第2弾性サスペンションは、2つの可撓性を有する第2弾性枝体33を備え得、これら第2弾性枝体は、第1方向Xとほぼ平行に延在し、それにより、阻止部材8は、両矢印8aの方向で、第1方向Xとほぼ平行に並進運動可能である。このため、阻止部材は、2つの極限位置間で、中立位置から2つの両方向で移動可能であり、本明細書では、これら極限位置を「第1及び第2極限阻止部材位置」と称する。弾性枝体33は、阻止部材8が中立位置で静止しているときにほぼ線状である(曲がっていない)ように構成され得る。
図2に示す例において、阻止部材8は、
−調速部材17の主本体18に近接して第1方向Xで長手方向に延在する硬質基部22と、
−基部22の端部からプレート11の側部15に向けて自由端部24、26まで各別に延在する2つの分岐硬質横方向腕体23、25と、
を有し得る。自由端部24、26は、第1方向Xとほぼ平行に、互いに対して反対側に外側へ延在し得る。
弾性リンク27は、主本体の端部に近接して調速部材の主本体18に接続された第1端部と、腕体23、25の自由端部24、26に各別に接続された第2端部と、を有し得る。
その上、横方向腕体25の自由端部26は、第1短手方向硬質腕体30によって、他方の横方向腕体23に向けて第1方向Xに延伸され得る。横方向腕体25は、同様に、第2硬質短手方向腕体28によって、他方の横方向腕体23に向けて第1方向に延伸され得、この第2硬質短手方向腕体は、基部22に近接する。エネルギー供給車5は、第1及び第2短手方向腕体30、28間にある。
第1及び第2短手方向腕体30、28の自由端部は、第1及び第2停止部材29a、29bを各別に有し得る。第1及び第2停止部材29a、29bは、第2方向Yで第1及び第2短手方向腕体30、28の自由端部から互いに向けて突出する硬質指体の形態にあり得る。
第1及び第2停止部材29a、29bは、以下で詳細に説明するように、エネルギー供給車5の歯5aと協働するように設計されており、上記エネルギー供給車5を交互に保持及び解放する。第1及び第2停止部材29a、29bは、歯の前面5bを向く停止面29a1、29b1と、反対側の後面29a2、29b2と、を各別に有し得る。停止面29a1、29b1は、好ましくは、軸Zに平行な径方向面に配設され得る一方、後面29a2、29b2は、傾斜して延在し得、それにより、停止部材29a、29bは、尖形を有する。
阻止部材8は、補強体25aをさらに有し得、この補強体は、第2方向に延在し、横方向腕体25を第1短手方向腕体30に結合する。
阻止部材8は、タブ31をさらに有し得、このタブは、短手方向腕体30からプレート11の側部15に向けて第2方向に延在する。
自由端部26及び第1短手方向腕体30は、プレート11の側部15を切欠いた刻目26a内に少しの遊びを持って受けられ得る。また、タブ31は、プレート11の側部15を切欠いたさらなる刻目31a内に受けられ得る。
プレート11は、エネルギー供給車5と阻止部材8の横方向腕体23との間で、プレート11の側部15から側部12に向けて第2方向で延在する硬質舌体16をさらに有し得る。舌体16は、第1縁部16aを有し得、この第1縁部は、エネルギー供給車5を向き、第2方向と平行に延在する。第1縁部16aは、凹状の円状切欠16bを有し得、この円状切欠は、エネルギー供給車5を部分的に受ける。舌体16は、第1縁部の反対側にあり横方向腕体23を向く第2縁部16cをさらに有する。第2縁部16cは、横方向腕体23と平行に傾斜され得、横方向腕体23の近傍に近接し得る。
一方の第2弾性枝体33は、舌体16の第1縁部16aに接続され、プレート11の側部15に近接する第1端部と、タブ31に接続された第2端部と、を有し得る。他方の第2弾性枝体33は、舌体16の自由端部に近接して舌体16の第1縁部16aに接続される第1端部と、基部22に近接して横方向腕体25に接続される第2端部と、を有し得る。
阻止部材8は、単安定弾性部材9に接続され得る。特に、上記単安定弾性部材は、可撓性舌体9であり得、この可撓性舌体は、阻止部材8に接続された(ひいては可撓性リンク27を介して調速機機構7に連結された)第1端部と、エネルギー供給車5の歯5aを押す第2自由端部と、を有する。可撓性舌体9の主な寸法は、例えば3mmから5mmの長さと、例えば0.01mm(10μm)から0.04mm(40μm)の間、例えば0.025mm(25μm)の幅と、を有する。
可撓性舌体9は、第2停止部材29bに隣接して阻止部材8に取り付けられ得る。特に、可撓性舌体は、短手方向腕体28に近接して阻止部材8の横方向腕体25に接続され得る。可撓性舌体9は、短手方向腕体28とエネルギー供給車5との間で自由端部まで第1方向とほぼ平行に延在し得、この自由端部は、第2停止部材29bに近接する。
可撓性舌体9及び阻止部材8は、2つの別個の部材であり、このため、機構は、(阻止部材8によって提供される)供給車5の阻止/解放機能と、(可撓性舌体9によって提供される)エネルギーを調速機機構から伝達させて調速機機構の振動を維持する機能と、の間に分離を提供する。この機能分離により、阻止部材8の設計は、(阻止及びエネルギー伝達機能双方を取り扱うスイスアンクル脱進機の場合のように)エネルギー伝達の機能を考慮する必要がなく、可撓性舌体9の設計は、供給車5の阻止/解放機能を考慮する必要がない。
動作中、調速部材は、例えば20Hzから30Hzである周波数fで第1方向Xと平行に並進振動し、阻止部材8は、調速部材17の振動周波数の2倍である周波数2fで振動する。
より正確には、弾性リンク27は、
−阻止部材8が、調速部材17が中立位置にあるときに、弾性リンク27によって(側部15に向けて)第2極限阻止部材位置へ移動され、
−阻止部材8が、調速部材17が第1及び第2極限調速部材位置のいずれかにあるときに、弾性リンク27によって(側部12に向けて)第1極限阻止部材位置へ移動される、
ように、構成されている。
この移動中、第1及び第2停止部材29a、29bは、交互に上記エネルギー供給車に向かうように及びエネルギー供給車から離間するように、エネルギー供給車5に対してほぼ径方向に移動し、このため、第1及び第2停止部材29a、29bは、交代で、エネルギー供給車5の歯5aを阻み、それにより、上記阻止部材8が第1及び第2極限阻止部材位置にあるときに、上記エネルギー供給車5を各別に保持する。
より正確には、第1停止部材29aは、
−阻止部材が(側部12に近接する)第1極限阻止部材位置と第1脱進位置(第1停止部材29aの頂点が歯5aの外径に一致する位置)との間を移動しているときに、エネルギー供給車5を保持し、
−阻止部材8が上記第1脱進位置と(側部15に近接する)第2極限阻止部材位置との間にあるときに、エネルギー供給車5を阻まない、
ように、構成されている。
その上、第2停止部材29bは、
−阻止部材が(側部15に近接する)第2極限阻止部材位置と第2脱進位置(第2停止部材29bの頂点が歯5aの外径に一致する位置)との間を移動しているときに、エネルギー供給車5を保持し、
−阻止部材8が上記第2脱進位置と(側部12に近接する)第1極限阻止部材位置との間にあるときに、エネルギー供給車5を阻まない、
ように、構成されている。
さらに、阻止部材8の第2脱進位置は、(側部12に近接する)第1極限阻止部材位置と第1脱進位置との間にあり得る。この場合において、有利には、第1及び第2停止部材29a、29bは、
−上記阻止部材8が第1脱進位置にありかつ第1停止部材29aが歯5aの前面5bに一致するときに、第2停止部材29bが、エネルギー供給車の2つの他の歯5aのうちの一方の後面5cの近傍で、これら2つの他の歯の間にあり、
−上記阻止部材8が第2脱進位置にありかつ第2停止部材29bが歯5aの前面5bに一致するときに、第1停止部材29aが、エネルギー供給車の2つの他の歯5aのうちの一方の後面5cの近傍で、これら2つの他の歯の間にある、
ように、構成されている。
可撓性舌体9は、阻止部材8が第1脱進位置と第2極限阻止部材位置との間にあるときに、エネルギー供給車5の回転中に、エネルギー供給車5の歯5aが上記単安定弾性部材9を上記第1幾何形状構造から上記第2幾何形状構造へ弾性変形させるように、構成され得る。このため、可撓性舌体9は、所定の第1幾何形状構造と所定の第2幾何形状構造との間のこの可撓性舌体の幾何形状変形に対応する所定の潜在力学的エネルギーを蓄積する。この所定のエネルギーは、エネルギー供給車5の各回転サイクルで同じである。
可撓性舌体9は、阻止部材8が第2極限阻止部材位置にあるときに、上記可撓性舌体9が第2幾何形状構造にあるように、構成され得る。このため、可撓性舌体9は、第1幾何形状構造に復帰し、阻止部材8が第2極限阻止部材位置から第2脱進位置へ移動する間に、上記所定量の力学的エネルギーを阻止部材8に伝達させる。弾性リンク27は、上記所定量の力学的エネルギーを調速部材17に伝達させるように構成されている。
さらに、可撓性舌体9は、阻止部材8が第2脱進位置から第1極限阻止部材位置へ及び上記第1極限阻止部材位置から第1脱進位置へ移動する間に、エネルギー供給車5の歯5aを阻まないように構成され得る。
好ましくは、伝動装置3は、阻止部材8が第1脱進位置から第2極限阻止部材位置まで進む時間以下の時間内にエネルギー供給車5の各回転ステップを完了するように、なっている。
ここで、図3、図3aから図9及び図9aに関して、機構の動作を段階ごとに説明する。
図3及び図3aの位置において、
−調速部材17は、矢印34の方向で側部14に向けて移動し、第2極限調速部材位置に近接し、
−阻止部材8は、矢印35の方向で側部12に向けて移動し、第1極限阻止部材位置に近接し、それにより、エネルギー供給車5を第1停止部材29aで保持し、
−第2停止部材29bは、エネルギー供給車5を阻まず、
−可撓性舌体9は、第1幾何形状位置(静止位置)にある。
よりよく理解するために、図3aから図9aのいくつかの歯5aに参照符号を付した。これら歯の状況は、図3aの位置において以下のようになっており、
−歯5aは、第1停止部材29aによって保持されている歯であり、
−歯5aは、エネルギー供給車5の次の回転ステップにおいて回転方向で第1停止部材29aに向けて移動する次の歯であり、
−歯5a及び5aは、エネルギー供給車5の回転方向で第2停止部材を越えて及び第2停止部材の前に各別に位置しており、
−歯5aは、次の歯であり、エネルギー供給車5の回転方向で歯5aの後に第2停止部材29bに向けて移動する。
そして、機構は、図4及び図4aの位置に到達し、この位置において、
−調速部材17は、第2極限調速部材位置に到達し、
−阻止部材8は、第1極限阻止部材位置に到達し、エネルギー供給車5を依然として第1停止部材29aで保持し、
−可撓性舌体9は、依然として第1幾何形状位置(静止位置)にある。
その後、調速部材17及び阻止部材8は、それら運動方向を変更し、機構は、図5及び図5aの位置に到達し、この位置において、
−調速部材17は、矢印37の方向で側部13に向けて移動し、中立位置に近接して到達し、
−阻止部材8は、矢印38の方向で側部15に向けて移動し、第1脱進位置に到達し、この第1脱進位置では、エネルギー供給車5が第1停止部材29aから解放され、矢印36の方向での1角度方向ステップだけ回転し、
−第2停止部材29bは、エネルギー供給車5の2つの歯5a間にすでにあり、これら歯5aのうちの一方の後面5cに近接し、
−可撓性舌体9は、エネルギー供給車5の歯5aによって曲げられ始める。
そして、エネルギー供給車5は、迅速に1角度方向ステップだけ回転し、機構は、図6及び図6aの位置に到達し、この位置において、
−調速部材17は、矢印37の方向で側部13に向けて依然として移動し、依然として中立位置に近接し、
−阻止部材8は、第2阻止部材に近接し、矢印35の方向で側部12に向けてすでに移動しており、
−第1停止部材29aは、エネルギー供給車5を阻まず、歯5a及び5a間に角度方向で位置し、
−第2停止部材29bは、歯5aの前面に当接することによってエネルギー供給車5を保持し、
−可撓性舌体9は、第2幾何形状構造にあり、歯5aによって最大限曲げられており、第1幾何形状構造に前進的に復帰することを開始しつつ、阻止部材8及び調速部材17に舌体のエネルギーを解放する。
その後、機構は、図7及び図7aの位置に到達し、この位置において、
−調速部材17は、矢印37の方向で側部13に向けて依然として移動し、
−阻止部材8は、矢印35の方向で側部12に向けて依然として移動し、
−第1停止部材29aは、エネルギー供給車5の歯5a及び5a間にすでにあり、歯5aの後面5cに近接し、
−可撓性舌体9は、舌体のエネルギーを解放しており、(曲げられていない)第1幾何形状構造へ復帰している。
そして、機構は、図8及び図8aの位置に到達し、この位置において、
−調速部材17は、矢印37の方向で側部13に向けて依然として移動し、
−阻止部材8は、矢印35の方向で側部12に向けて依然として移動し、第2脱進位置に到達しており、この第2脱進位置では、エネルギー供給車5は、第2停止部材29bから解放され、矢印36の方向で1角度方向ステップだけ回転し、
−第1停止部材29aは、エネルギー供給車5の歯5a及び5a間に依然としてあり、歯5aの後面5cに近接し、
−可撓性舌体9は、(曲げられていない)第1幾何形状構造にある。
エネルギー供給車が1角度方向ステップだけ回転した後、その後、機構は、図9及び図9aの位置に到達し、この位置において、
−調速部材17は、矢印37の方向で側部13に向けて依然として移動しており、第1極限調速部材位置に近接し、
−阻止部材8は、矢印35の方向で側部12に向けて依然として移動しており、第1極限阻止部材位置に近接して到達し、
−エネルギー供給車5は、第1停止部材29aによって保持され、
−可撓性舌体9は、(曲げられていない)第1幾何形状構造にある。
そして、調速部材17及び阻止部材8は、方向を変え、機構が図3及び図3aの位置に戻るまで、同じ段階を発生させ、その後、サイクルを繰り返す。
このため、エネルギー供給車5の運動サイクルは、2つの角度方向ステップの回転を有し、角度方向ステップそれぞれは、1つの歯5aの角度方向範囲の半分に等しい。図2から図9の例において、エネルギー供給車5は、21の歯5aを有しており、そのため、上記角度方向ステップは、α=360°/(21×2)=8.57°である。留意すべきことは、エネルギー供給車5の各運動サイクルが、調速部材17の振動サイクルの半分の間に完了し、そのため、エネルギー供給車5の運動周波数が、調速機機構7の振動周波数の4倍である、ことである。このため、調速機機構7の周波数fが30Hzである場合、阻止部材8の周波数は、2f=60Hzとなり、エネルギー供給車5の運動周波数は、4f=120Hzとなる。
ここで、図10から図13に関して、本発明の第2実施形態を説明する。図1の説明をこの第2実施形態に依然として適用する。
この第2実施形態において、図10に示すように、調速機機構7は、単一構造であり、単一プレート111に形成され得る。プレート111は、ほぼ平坦であり、2つの垂直方向X、Yに平行に延在する。
プレート111は、材料に応じて、例えば約0.1mmから約0.6mmなど、厚さが薄くなり得る。
プレート111は、上記プレートの平面で(例えば幅及び長さまたは直径)、約15mmから約40mmである横方向寸法を有し得る。
プレート111は、任意の適切な材料で製造され得、好ましくは比較的高いヤング率を有して良好な弾性特性を示す。プレート111に使用可能な材料の例は、シリコン、ニッケル、スチール、チタンである。シリコンの場合において、プレート111の厚さは、例えば0.3mmから0.6mmである。
調速機機構7の様々な部材は、以下で詳述され、プレート111に切欠を形成することによって形成されている。これら切欠は、特にMEMSの製造のように、マイクロ工学で公知の製造方法によって形成され得る。
シリコンプレート111の場合において、プレート111は、例えば、深堀反応性イオンエッチング(DRIE)によって、または、いくつかの場合において(特に試作品または小規模量産について)固体レーザ切断によって、局所的に中空化され得る。
ニッケルプレート111の場合において、調速機機構7は、例えばLIGAによって得られ得る。
スチールまたはチタンプレート111の場合において、プレート111は、例えばワイヤ放電加工(WEDM)によって、局所的に中空化され得る。
調速機機構7の構成部品は、プレート11の部分によって形成されており、ここで詳述される。これら部品のうちの一部は、硬質であり、他のものは、通常屈曲部において、弾性変形可能である。いわゆる硬質部品といわゆる弾性部品との間の差は、これら部品の形状に、特にこれら部品の細さに起因したプレート111の平面におけるこれら部品の剛性である。細さは、例えば縦横比(部品の幅に対する部品の長さの比率)によって測定され得る。細さが高い部品は、弾性を有し(すなわち弾性変形可能であり)、細さが低い部品は、硬質である。例えば、いわゆる硬質部品は、プレート111の平面において剛性を有し得、この剛性は、プレート111の平面においていわゆる弾性部品の剛性よりも少なくとも約1000倍である。例えば後述する弾性枝体143、145、147などの弾性接続体の主な寸法は、例えば5mmから13mmである長さと、例えば0.01mm(10μm)から0.04mm(40μm)、例えば約0.025mm(25μm)である幅と、を有する。
プレート111は、外側枠体112を形成し、この外側枠体は、例えばネジなどによってプレート111の貫通孔111bを通して支持プレート111aに固定されている。支持プレート111aは、同様に、時計筐体に固定されている。
図10に示す例において、プレート111は、調速機機構7を全体的に囲む閉鎖型硬質枠体112を形成するが、この枠体は、その他のように設計され得、特に、阻止機構6及び調速機機構7を囲まないまたは完全には囲まないように設計され得る。
図10に示す例において、枠体112は、例えば2つの硬質支持腕体113を有する円状リングであり得、これら硬質支持腕体は、枠体112の周縁から内側に延在する。2つの支持腕体113は、第2方向Yでずらされており、反対方向で第1方向Xと平行に延在する。
枠体112、支持プレート111a及び他の全ての固定部品は、本明細書において「支持体」と称され得る。
調速機機構7は、2つの硬質慣性調速部材117を有し得、これら調速部材は、弾性サスペンション121によって枠体112に各別に接続されている。調速部材117それぞれの弾性サスペンション121は、例えば2つの弾性リンク121を備え得、これら弾性リンクは、支持腕体113の一方から第2方向Yとほぼ平行に延在し、それにより、調速部材117は、支持体に対して第1方向Xとほぼ平行に並進運動可能である。
調速部材117それぞれ及び弾性サスペンション121は、上記調速部材117が図10に示す中立位置から図11及び図12に各別に示す2つの極限位置間で図11及び図12に示す矢印117a、117bにしたがって2方向で振動するように、構成されている。
調速部材117の並進運動は、ほぼ直線的であり得る。
有利には、調速部材117それぞれは、第1方向での第1振動振幅と第2方向Yでの非ゼロの第2振動振幅とを有して、円形並進運動するように支持体に取り付けられている。好ましくは、第1振動振幅は、第2振幅の少なくとも10倍であり、これにより、移動をほぼ直線的にする。
図10の実施形態において、調速部材117それぞれは、支持腕体113のうちの一方と枠体112の周縁との間に位置し得る。
調速部材117それぞれは、第1方向Xとほぼ平行に長手方向に延在する主硬質本体141を有し得、この主硬質本体は、主本体141の端部から対応する支持腕体113に向けて延在する2つの分岐硬質横方向腕体142によって延伸されている。主本体141は、ほぼ三角形状であり得、横方向腕体142を有して形成されており、2つのほぼV字状の切欠140は、対応する支持腕体113に向けて開口している。対応する支持腕体113は、同様に、2つのほぼV字状の切欠114を有し得、調速部材117の切欠140と位置合わせされた2つのほぼV字状の切欠114を有し得る。
ここで、弾性リンク121は、精巧な弾性構造であり得るが、本発明は、このような精巧な構造に限定されない。
図10の例において、弾性リンク121それぞれは、硬質リンク腕体146を有し得、この硬質リンク腕体は、2つの弾性枝体145によって対応する支持腕体113に接続され、2つの他の弾性枝体147によって調速部材117に接続されている。硬質リンク腕体146それぞれは、対応する切欠140、144において第2方向Yで長手方向に延在し得る。
例えば、硬質リンク腕体それぞれは、2つの頂点(参照符号を付さず)間で第2方向Yに長手方向に延在する菱形として形付けられ得、これら頂点は、切欠114、140の頂点に位置する2つの中間硬質本体144に近接している。中間硬質本体144それぞれは、2つの分岐弾性枝体143によって弾性支持され得、これら分岐弾性枝体は、切欠114、140の縁部と平行に配設されている。調速部材117の側部にある弾性枝体143は、対応する切欠140の口部に近接して上記調速部材117に接続されており、支持腕体113の側部にある弾性枝体143は、対応する切欠114の口部に近接して上記支持腕体113に接続されている。リンク腕体146それぞれは、同様に、第1方向Xに位置合わせされた2つの頂点146aを有する。頂点146aは、支持腕体113の側部にある2つの弾性枝体145によって、及び、調速部材117の側部にある2つの弾性枝体147によって、中間硬質本体144に各別に接続されている。弾性枝体143、147は、リンク腕体146の縁部に沿って延在する。
このため、上記弾性リンク121は、第2方向Yに延在する。
調速部材117は、釣合レバー160、162によって共に接続されており、これら釣合レバーは、調速部材117が反対方向の対称運動を常に有するように設計されており、それにより、調速部材117及び釣合レバー160、162によって形成された組立体の重心を、例えば第1及び第2方向X、Yに垂直な軸Zにほぼ一致して、一定の位置で維持する。この釣り合いにより、機構は、第1方向と平行に加えられた衝撃、加速または重力に敏感ではなくなる。
図10の例において、釣合レバー160、162は、軸Zを中心とした円弧として形付けられかつ枠体112の内側に配設された2つの硬質弓状レバー160と、2つの弓状レバー160を連結しかつ軸Zに対してほぼ径方向に延在する硬質中間レバー162と、を有し得る。
弓状レバー160それぞれは、エルボー150、161として形成された2つの端部間に延在し得、これらエルボーは、第2方向Y及び第1方向Xそれぞれにおいて、軸Zに関してほぼ径方向に配設されている。エルボー150それぞれは、関節体148によって調速部材117のうちの一方に接続され得、エルボー161それぞれは、例えば弾性枝体163によって、例えば弾性接続によってなど任意の手段によって中間レバー162に接続され得る。中間レバー161は、関節体154によって枠体112に、例えば支持腕体113のうちの一方に接続され得、この関節体は、釣合レバー160、162全体を軸Z回りに回動させることをできるようにする。
図10の例において、関節体148それぞれは、中間硬質本体149を有し得、この中間硬質本体は、2つの両側にあるV字状切欠151を有する。一方の弓状レバー160の肩部150それぞれは、一方の切欠151に進入する一方、対応する調速部材117の突起141aは、他方の切欠151に進入する。エルボー150の及び突起141aの自由端部それぞれは、V字状切欠151の口部において、弾性枝体152によって中間本体149に接続され得る。
関節体154は、同様に形成され得、V字状切欠157を有する中間硬質本体156を有し得、このV字状切欠には、一方の支持腕体113の突起155が進入する。突起155の自由端部は、V字状切欠157の口部において、弾性枝体158によって中間本体156に接続され得る。中間本体156は、同様に、弾性枝体159によって中間レバー162の中心に接続され得る。
弾性枝体152、158、159、163は、弾性枝体143、145、147と同様の幅を有し得る。
図11及び図12に示すように、調速部材117の並進振動は、釣合レバー160、162によって軸X回りの回動運動へ変換される。
図13に概略的に示すように、調速機7は、本明細書においていわゆるスイスレバー脱進機またはスイスアンクル脱進機である例えば従来の脱進機構の形態にある阻止機構6に組み込まれ得る。単なる図示した例として、釣合レバー161、162は、スイスアンクル225と協働するインパルスローラ224を支持する取付具223に接続され得、このスイスアンクル自体は、雁木車の形態にあるエネルギー供給車5と協働する。雁木車5は、伝動装置3のピニオンのうちの1つの噛合するピニオン226に接続されている。雁木車5及びピニオン226双方は、軸Zと平行な(支持プレート111aに対して固定された)回転軸Z’回りに回転し、スイスアンクル225は、(同様に支持プレート111aに対して固定された)回動軸Z”回りに交互運動で回動する。これら阻止の構造及び動作は、時計製造の分野で周知であり、詳細には説明しない。他の阻止機構6及びエネルギー供給車5も可能である。
5 エネルギー供給部材,回転式エネルギー供給車,雁木車、6 阻止機構、7 時計調速機,調速機機構、10 時計ムーブメント、11,111 単一プレート、12〜15 支持体,枠体,側部、17,117 慣性調速部材、21,121 弾性サスペンション,弾性リンク,第1弾性枝体、112 支持体,外側枠体、160 釣合レバー,硬質弓状レバー、162 釣合レバー,硬質中間レバー、X 主並進運動方向、Y 第2方向

Claims (9)

  1. 弾性サスペンション(21;121)によって支持体(12〜15;112)に取り付けられてそれにより振動することができる少なくとも1つの慣性調速部材(17;117)を備える時計調速機(7)であって、
    前記調速部材(17;117)が、主並進運動方向(X)に沿って並進振動するように前記支持体に取り付けられており、
    前記調速部材(17;117)が、前記主並進運動方向(X)の振動の第1振幅と前記主並進運動方向(X)に垂直な第2方向(Y)の振動の非ゼロの第2振幅とを有して円形並進振動するように前記支持体(12〜15;112)に取り付けられており、
    前記第1振幅が、前記第2振幅よりも大きく、
    前記振動の前記第1振幅が、前記第2振幅よりも少なくとも10倍大きいことを特徴とする時計調速機。
  2. 弾性サスペンション(21;121)によって支持体(12〜15;112)に取り付けられてそれにより振動することができる少なくとも1つの慣性調速部材(17;117)を備える時計調速機(7)であって、
    前記調速部材(17;117)が、主並進運動方向(X)に沿って並進振動するように前記支持体に取り付けられており、
    前記時計調速機(7)は、一体構造であり、単一プレート(11;111)によって形成されていることを特徴とする時計調速機。
  3. 前記調速部材(17;117)が、ほぼ直線的に並進振動するように前記支持体(12〜15;112)に取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計調速機。
  4. 前記サスペンションが、ほぼ前記第2方向(Y)に延在する少なくとも2つの弾性リンク(21;121)を有することを特徴とする請求項1に記載の時計調速機。
  5. 共に連結された2つの慣性調速部材(117)を備えており、それにより、前記調速部材(117)が、前記主並進運動方向(X)で対称かつ逆方向の運動を常に有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の時計調速機。
  6. 2つの前記慣性調速部材(117)が、釣合レバー(160、162)によって互いに連結されており、前記釣合レバーが、前記支持体(112)に対して回動式に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の時計調速機。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の時計調速機(7)を有することを特徴とする時計ムーブメント(10)。
  8. 前記調速部材(17;117)によって制御される阻止機構(6)をさらに備え、可動式のエネルギー供給部材(5)を一定間隔で交互に保持及び解放し、それにより、前記エネルギー供給部材(5)が段階的に移動し、
    前記阻止機構(6)が、前記調速部材の振動を維持するために前記調速部材(17;117)に一定間隔でエネルギーを解放させるようにさらに構成されていることを特徴とする請求項7に記載の時計ムーブメント。
  9. 請求項7または請求項8に記載の時計ムーブメント(10)を有することを特徴とする時計。
JP2017531758A 2014-12-09 2015-11-30 時計調速機、時計ムーブメント及びこのような調速機を有する時計 Active JP6771466B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14197019.4A EP3032352A1 (en) 2014-12-09 2014-12-09 Timepiece regulator, timepiece movement and timepiece having such a regulator
EP14197019.4 2014-12-09
PCT/EP2015/078017 WO2016091632A1 (en) 2014-12-09 2015-11-30 Timepiece regulator, timepiece movement and timepiece having such a regulator

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018503078A JP2018503078A (ja) 2018-02-01
JP6771466B2 true JP6771466B2 (ja) 2020-10-21

Family

ID=52013950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017531758A Active JP6771466B2 (ja) 2014-12-09 2015-11-30 時計調速機、時計ムーブメント及びこのような調速機を有する時計

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10520890B2 (ja)
EP (2) EP3032352A1 (ja)
JP (1) JP6771466B2 (ja)
KR (1) KR20170125802A (ja)
WO (1) WO2016091632A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3147725B1 (fr) * 2015-09-28 2018-04-04 Nivarox-FAR S.A. Oscillateur a detente tournante
CN108138837B (zh) * 2015-09-29 2020-10-27 百达翡丽日内瓦公司 柔性枢轴机械部件以及包括该部件的钟表设备
EP3327515B1 (fr) * 2016-11-23 2020-05-06 ETA SA Manufacture Horlogère Suisse Resonateur rotatif a guidage flexible entretenu par un echappement libre a ancre
WO2018193366A1 (fr) * 2017-04-18 2018-10-25 Patek Philippe Sa Geneve Dispositif de blocage pour l'horlogerie
EP3502784B1 (fr) * 2017-12-22 2020-06-10 Patek Philippe SA Genève Résonateur horloger à guidage flexible
WO2019141789A1 (en) 2018-01-18 2019-07-25 Ecole polytechnique fédérale de Lausanne (EPFL) Horological oscillator
EP3561604B1 (fr) * 2018-04-25 2020-10-28 The Swatch Group Research and Development Ltd Mécanisme régulateur d'horlogerie à résonateurs articulés
CH715864B1 (fr) * 2019-02-19 2022-08-15 Richemont Int Sa Organe de blocage pour un mouvement horloger.
EP3719584A1 (en) 2019-04-02 2020-10-07 Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL) Two degree of freedom oscillator system
EP3722888B1 (en) 2019-04-09 2023-05-17 Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL) Mechanical oscillator with tunable isochronism defect
US11442408B1 (en) * 2022-03-29 2022-09-13 Donald Loke Double escapement mechanism for a watch or clock

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2105806B1 (fr) * 2008-03-27 2013-11-13 Sowind S.A. Mécanisme d'échappement
EP2818941A1 (fr) * 2010-04-01 2014-12-31 Rolex Sa Dispositif de blocage pour roue dentée
US9201398B2 (en) 2010-07-19 2015-12-01 Nivarox-Far S.A. Oscillating mechanism with an elastic pivot and mobile element for transmitting energy
EP2607968B1 (fr) * 2011-12-21 2014-10-08 Vaucher Manufacture Fleurier S.A. Mécanisme d'échappement
EP2613205A3 (fr) * 2012-01-09 2016-07-13 Lvmh Swiss Manufactures SA Organe réglant pour montre ou chronographe
EP2831677B1 (fr) * 2012-03-29 2016-05-25 Nivarox-FAR S.A. Mécanisme d'échappement flexible à cadre mobile
CH706274B1 (fr) * 2012-03-29 2016-12-15 Nivarox Far Sa Mécanisme d'échappement horloger comprenant un mécanisme flexible monobloc pour la transmission d'impulsions entre le balancier et la roue d'échappement.
US9207640B2 (en) 2012-03-29 2015-12-08 Nivarox-Far S.A. Flexible escape mechanism with no pallet lever
RU2606342C2 (ru) 2012-03-29 2017-01-10 Ниварокс-Фар С.А. Гибкий анкерный механизм с балансом без ролика
CH707171A2 (fr) * 2012-11-09 2014-05-15 Nivarox Sa Mécanisme horloger de limitation ou transmission.
US9651920B2 (en) * 2013-12-23 2017-05-16 Nivarox-Far S.A. Magnetic and/or electrostatic resonator
CN106462105B (zh) * 2014-01-13 2019-05-17 洛桑联邦理工学院 机械的各向同性谐波振荡器、包括其的系统及计时装置
CH710115A2 (fr) * 2014-09-09 2016-03-15 Swatch Group Res & Dev Ltd Mobile coupleur pour la synchronisation de résonateurs d'horlogerie de même fréquence.
CH710537A2 (fr) * 2014-12-18 2016-06-30 Swatch Group Res & Dev Ltd Oscillateur d'horlogerie à diapason.
EP3128380B1 (fr) * 2015-08-04 2018-11-21 ETA SA Manufacture Horlogère Suisse Mécanisme régulateur d'horlogerie à bras rotatifs synchronisé magnétiquement

Also Published As

Publication number Publication date
US20170269551A1 (en) 2017-09-21
US10520890B2 (en) 2019-12-31
EP3032352A1 (en) 2016-06-15
EP3230807A1 (en) 2017-10-18
WO2016091632A1 (en) 2016-06-16
KR20170125802A (ko) 2017-11-15
JP2018503078A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6771466B2 (ja) 時計調速機、時計ムーブメント及びこのような調速機を有する時計
JP6620155B2 (ja) 時計機構、時計ムーブメント及びこのような機構を有する時計
JP7058655B2 (ja) 時計用のデバイス、時計ムーブメント、およびそのようなデバイスを備える時計
JP7105779B2 (ja) 時計のための可撓性を有するモノリシック構成部品
CN107257944B (zh) 单片计时器调节器、计时器机芯以及具有这种计时器调节器的计时器
CN107003640B (zh) 用于机械钟表机芯的调节构件
JP6243496B2 (ja) 回転するデテント部を有する振動器
JP6196736B2 (ja) 計時器用同期機構
CN108139712B (zh) 用于机械钟表机芯的振荡器
JP6949863B2 (ja) 時計のための機構、およびこのような機構を備える時計
JP6715843B2 (ja) 時計のための機構及びこのような機構を有する時計
JP2019508701A (ja) 時計のための装置、このような装置を備える時計仕掛けムーブメントおよび時計
EP3032350A1 (en) Mechanism for a timepiece and timepiece having such a mechanism
TWI709009B (zh) 用於鐘錶的機構,手錶機芯和包含這種機構的鐘錶
JP6828073B2 (ja) 関節連結された振動子を有する計時器用調速機構
JP2020536260A (ja) 回転錘と共通の反動力を持つ調和振動子を備えた時計設定装置
TW201738671A (zh) 用於鐘錶之裝置與具有該裝置之鐘錶機芯及鐘錶
JP2020085819A (ja) 脱進機、ムーブメント及び機械式時計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190911

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6771466

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250