JP6770196B2 - 黄色硬化性樹脂組成物、これを利用して製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置 - Google Patents

黄色硬化性樹脂組成物、これを利用して製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、色再現性を向上させることができる黄色硬化性樹脂組成物、これを利用して製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置に関する。
カラーフィルターは、白色光から赤色、緑色、青色、三つの色を抽出して、微細な画素単位で可能にする薄膜フィルム型光学部品である。
前記カラーフィルターは、それぞれの画素間の境界部分を遮光するために、透明基板上に定められたパターンで形成されたブラックマトリックス層およびそれぞれの画素を形成するために、複数の色(通常、赤色(R)、緑色(G)および青色(B))の三原色を定められた順序で配列した画素部が順に積層された構造を取っている。
一般的に、カラーフィルターは、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法などにより3種以上の色相を透明基板上にコーティングして製造することができ、最近には、顔料分散型の感光性樹脂を利用した顔料分散法が主流をなす。
そのうち、顔料分散法は、黒色マトリクスが提供された透明な基質の上に着色剤をはじめとしてアルカリ可溶性樹脂、光重合単量体、光重合開始剤、エポキシ樹脂、溶剤、その他添加剤を含む感光性樹脂組成物をコーティングし、形成しようとする形態のパターンを露光した後、非露光部位を溶剤で除去して熱硬化させる一連の過程を繰り返すことによって、着色薄膜を形成する方法であって、携帯電話、ノートパソコン、モニター、TVなどのLCDを製造するのに活発に応用されている。
近年、様々な長所を有する顔料分散法を利用したカラーフィルター用感光性樹脂組成物においても、優れたパターン特性だけでなく、高い色再現率と共に、高輝度および高明暗比などさらに向上した性能が要求されているのが現状である。
しかしながら、色再現は、光源から照射された光がカラーフィルターを透過して具現されるものであるが、この過程で光の一部がカラーフィルターに吸収されるので、光効率が低下し、また、色フィルターとしての顔料特性によって完ぺきな色再現には至らないという根本的な限界がある。
このような問題を解決できる方案として、量子ドット感光性樹脂組成物を利用したカラーフィルターが提示された。
特許文献1は、量子ドット(Quantum Dot)で形成されたカラーフィルター層を含むことによって、色再現性を高めることができると提示しており、特許文献2は、従来のカラーフィルターを量子ドット蛍光体からなる発光層に代替することによって、発光効率を向上させて表示品質を改善することができると提示している。
このように、量子ドットをカラーフィルターの発光物質を使用する場合、発光波形を狭めることができ、顔料では具現しない高い色具現能力を有するようになり、優れた輝度特性を有する。しかしながら、カラーフィルターの製造において行う量子ドットの低い安定性に起因して表面に結晶などが発生して、量子ドットの発光効率が大きく劣る問題が発生した。
特に、量子ドットカラーフィルターが装着された画像表示装置は、光源として青色光を使用するが、この際に使用する青色光が赤色、緑色および青色画素層内の自発光の光と混色される。すなわち、青色画素層の場合、問題がないが、赤色および緑色画素層の場合、純粋な赤色および緑色の放出が難しくなる。一例として、緑色画素層の場合、量子ドットにより500〜550nmで発光ピークが現れるが、青色光を使用する場合、380〜400nmでの青色光によるピークが同時に現れて、結果的に、カラーフィルターの色純度を低下させる。
したがって、所望の色を再現性があるように表示するのに限界があるので、画像品質が劣るという短所がある。
韓国特許公開第2007−0094679号公報(2007.09.21) 韓国特許公開第2009−0036373号公報(2009.04.14)
前記のような問題を解決するために、本発明は、色再現性および光効率が向上したカラーフィルターおよび画像表示装置を提供するための黄色硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記黄色硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことによって、色再現性および光効率が向上したカラーフィルターおよび画像表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の黄色硬化性樹脂組成物は、黄色着色剤;および最大吸収波長が560〜620nmであり、下記数式1の透過特性を満たす波長吸収剤;を含む。
[数式1]
(前記数式1で、
Tは、透過率(%)であり、λは、560〜620nmから選ばれる波長である)。
また、本発明のカラーフィルターは、前記黄色硬化性樹脂組成物の硬化物を含む。
また、本発明の画像表示装置は、前記カラーフィルターを含む。
本発明による黄色硬化性樹脂組成物は、色再現性および光効率が向上したカラーフィルターおよび画像表示装置を製造することができるという利点がある。
また、本発明による黄色硬化性樹脂組成物を利用して製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置は、色再現性および光効率が向上したという利点がある。
図1は、本発明の一具現例によるカラーフィルターを示す断面図である。 図2は、本発明の一具現例による光源に対するカラーフィルターの配置を示す断面図である。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明において任意の部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これは、任意の部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
本発明において任意の部分が或る構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くものでなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
<黄色硬化性樹脂組成物>
本発明の一様態による黄色硬化性樹脂組成物は、黄色着色剤;および最大吸収波長が560〜620nmであり、下記数式1の透過特性を満たす波長吸収剤;を含むことによって、これを利用してカラーフィルターおよび画像表示装置の製造時に色再現性および光効率が向上するという利点がある。
[数式1]
(前記数式1で、
Tは、透過率(%)であり、λは、560〜620nmから選ばれる波長である)。
黄色着色剤
本発明の一様態による黄色硬化性樹脂組成物は、黄色着色剤を含む。
量子ドットを利用したカラーフィルターの場合、顔料を含むカラーフィルターとは異なって、自ら光を発光する物質であって、赤色、緑色乃至青色を自発光することができるように画素領域上に自発光画素層が形成される。前記自発光画素層は、照射された光を吸収して赤色光、青色光、緑色光を自ら発光する自発光特性を有する。すなわち、赤色量子ドット、青色量子ドット、緑色量子ドットに光を照射すると、600〜700nmで赤色発光、490〜590nmで緑色発光、400〜480nmで青色発光が起こり、フルカラーを具現する。この際、前記カラーフィルターが装着される画像表示装置の光源は、青色光を使用するが、赤色乃至緑色の自発光画素層の発光スペクトルを見ると、前記青色光によって400〜480nmで青色光の発光スペクトルが一緒に存在するようになって、自発光画素層の混色が発生し、これは、赤色乃至緑色画素層で深刻に発生する。
前記のような問題を防止するために、黄色着色剤が含まれた黄色硬化性樹脂組成物の硬化物である黄色コーティング層を前記赤色乃至緑色画素層上に位置させることによって、緑色と青色が混色される緑色画素層には、緑色だけを、赤色と青色が混色される赤色画素層には、赤色だけを示し、結果的に、純粋な緑色乃至純粋な赤色の光の抽出が可能になるので、自発光される光の色純度および光効率を向上させることができる。
前記黄色着色剤は、特に限定されず、黄色の慣用公知となっている着色剤を使用することができ、例えば顔料、染料、色素のうちいずれのものを使用してもよい。
具体的に、下記のようなカラーインデックス(C.I.;ザ・ソサエティ・オブ・ダイヤー・アンド・カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付与されているものが挙げられる。ただし、環境負荷の減少および人体に対する影響の観点から、ハロゲンを含有しない着色剤であることが好ましい。
より具体的に、
モノアゾ系顔料:C.I.ピグメントイエロー1、2、5、8、105、120、150、168、182、183、190;
ピラゾロンアゾ系顔料:C.I.ピグメントイエロー10;
ジアゾ系顔料:C.I.ピグメントイエロー12、16、63、83、126、127、128、152、170、188;
アゾメチン系顔料:C.I.ピグメントイエロー101、129;
アントラキノン系顔料:C.I.ピグメントイエロー108、147、193、197、199、202;
イソインドリノン系顔料:C.I.ピグメントイエロー109、110、139、173、185;
キノリン系顔料:C.I.ピグメントイエロー115;
キノフタロン系顔料:C.I.ピグメントイエロー138;
ポリサイクリック系顔料:C.I.ピグメントイエロー148;
ジオキシム系顔料:C.I.ピグメントイエロー153;
ベンゾイミダゾロン系顔料:C.I.ピグメントイエロー154、175、180、181;
ヘテロサイクリック系顔料:C.I.ピグメントイエロー192;
ペリオン系(perinone)顔料:C.I.ピグメントイエロー196;
無機顔料:C.I.ピグメント31、32、30、119、157、162、184;
シアニン(Cyanine)系顔料;キサンテン(Xanthene)系顔料;メロシアニン(Merocyanine)系顔料;ジピリン(Dipyrrin)系顔料;アリルメチン(Arylmethine)系顔料;アクリジン(Acridine)系顔料;クマリン(Coumarin)系顔料;オキサジン(Oxazine)系顔料;テトラピロール(Tetrapyrrole)系顔料などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
これらの顔料は、場合によってロジン処理、酸性基または塩基性基が導入されている顔料誘導体を利用した表面処理、重合体化合物などを利用した表面グラフト処理、硫酸を利用した微細粒子化処理、または有機溶媒または水を利用した洗浄処理などが行われたものであってもよい。
特に、前記例示された黄色着色剤のうちC.I.ピグメントイエロー185を好ましく使用することができる。
本発明の一実施形態によれば、前記黄色着色剤は、全体黄色硬化性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して、5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%で使用する。もし、その含量が前記範囲未満であれば、青色光の遮断による前述したような色純度と光効率向上効果を期待しにくく、これとは反対に、前記範囲を超過しても、大きい効果上の増加がないので、非経済的であるから、前記範囲内で適切に使用することが好ましい。
本発明での黄色着色剤は、必要に応じて分散剤、分散補助剤などと共に使用することができる。
前記分散剤としては、例えばカチオン系、アニオン系、非イオン系などの適切な分散剤を使用することができるが、重合体分散剤が好ましい。具体的には、アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミンなどが挙げられる。このような分散剤は、商業的に入手することができるが、例えば、アクリル系共重合体としてDisperBYK−2000、DisperBYK−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116(以上、ビックケミー(BYK)社製造)、Solsperse 5000(Lubrizol社製造)、ポリウレタンとしてDisperBYK−161、DisperBYK−162、DisperBYK−163、DisperBYK−165、DisperBYK−167、DisperBYK−170、DisperBYK−182(以上、ビックケミー(BYK)社製造)、Solsperse 76500(Lubrizol社製造)、ポリエチレンイミンとしてSolsperse 24000(Lubrizol社製造)、ポリエステルとしてアジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880(味の素ファインテクノ株式会社製造)等が挙げられる。
前記分散補助剤としては、例えば顔料誘導体が挙げられ、具体的には、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体などが挙げられる。
前記分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。分散剤の含量は、黄色着色剤1重量部に対して、通常、1重量部以下、好ましくは0.1〜0.7重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部であってもよい。分散剤の含有量が過度に多ければ、現像性などが損傷する恐れがある。
波長吸収剤
本発明の一様態による黄色硬化性樹脂組成物は、最大吸収波長の範囲が560〜620nmであり、下記数式1の透過特性を満たす波長吸収剤を含む。
[数式1]
(前記数式1で、
Tは、透過率(%)であり、λは、560〜620nmから選ばれる波長である)。
前述したように、カラーフィルター内に形成された自発光画素層は、照射された光を吸収して、赤色光、青色光、緑色光を自ら発光する自発光特性を有する。すなわち、赤色量子ドット、青色量子ドット、緑色量子ドットに光を照射すると、600〜700nmで赤色発光、490〜590nmで緑色発光、400〜480nmで青色発光が起こり、フルカラーを具現するようになるが、この際、前記赤色発光乃至緑色発光が起こる波長範囲の誤差が生じ、赤色光乃至緑色光での混色が発生し得る。
前記のような問題を解決するために、本発明は、560〜620nmの最大吸収波長の範囲を有し、前記数式1の透過特性を満たす波長吸収剤を含むことによって、赤色光乃至緑色光での混色を防止して、色再現率を向上させるという利点がある。
前記波長吸収剤は、最大吸収波長範囲が560〜620nmであり、前記数式1の透過特性を満たすものであれば、特に限定されずに使用することができる。
本発明の一実施形態による波長吸収剤は、下記化学式1で表される化合物を含むことができる。
[化学式1]
(前記化学式1で、
Mは、CuまたはZnであり、
は、それぞれ独立して、ハロゲン元素としてF、ClおよびBrよりなる群から選ばれ、nは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
〜Rは、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびtert−ブチルよりなる群から選ばれる。)
前記化学式1で表される化合物は、より具体的に、下記のような化合物などが挙げられる。
前記波長吸収剤は、市販中の波長吸収剤を使用することもでき、具体的に京仁洋行社製のBD−590、CA−590が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記波長吸収剤は、黄色硬化性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して、1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%で含まれ得る。前記波長吸収剤の含量が前記範囲未満の場合、赤色光と緑色光の波長領域で混色が発生して、発光効率が低下し得、前記範囲を超過する場合、パターンの安定性が低下する問題が発生し得る。
本発明の一実施形態による黄色硬化性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、溶剤および添加剤よりなる群から選ばれる一つ以上をさらに含むことができる。
アルカリ可溶性樹脂
本発明の一実施形態による黄色硬化性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂をさらに含むことができる。
前記アルカリ可溶性樹脂は、熱の作用による反応性およびアルカリ溶解性を有し、着色剤をはじめとする固形分の分散媒として作用し、結着樹脂の機能をし、これは、樹脂組成物を利用したフィルム製造の現像段階で使用されたアルカリ性現像液に溶解可能な結合剤樹脂であれば、いずれも使用可能である。
前記アルカリ可溶性樹脂は、20〜200(KOHmg/g)の酸価を有するものを使用することができる。この際、酸価は、アクリル系重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であって、溶解性に関与する。前記アルカリ可溶性樹脂の酸価が前記範囲未満であれば、十分な現像速度を確保しにくく、反対に、前記範囲を超過すれば、基板との密着性が減少して、パターンの短絡が発生しやすく、全体組成物の貯蔵安定性が低下して、粘度が上昇する問題が発生する。
また、前記アルカリ可溶性樹脂は、カラーフィルターに使用するために、好ましくは重量平均分子量が3,000〜200,000Da、好ましくは5,000〜100,000Daであってもよく、分子量分布度は、1.5〜6.0、好ましくは1.8〜4.0の範囲を有するように、直接重合したり購入して使用することができる。前記範囲の分子量および分子量分布度を有するアルカリ可溶性樹脂は、すでに言及した硬度が向上し、高い残膜率だけでなく、現像液中の非露出部の溶解性が卓越し、解像度を向上させることができるという利点がある。
前記アルカリ可溶性樹脂は、不飽和二重結合を有するアクリル系単量体であってもよい。酸価がある分散樹脂の場合、下記カルボキシル基と不飽和結合を有する単量体、およびこれと共重合が可能な不飽和結合を有する単量体を共重合して製造が可能である。
前記カルボキシル基と不飽和結合を有する単量体の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;フマル酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;およびこれらのジカルボン酸の無水物;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどの両末端にカルボキシル基と水酸基を有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸またはマレイン酸アルキルエステルなどが可能であり、この際、前記マレイン酸アルキルエステルには、モノメチルマレイン酸、エチルマレイン酸、n−プロピルマレイン酸、イソプロピルマレイン酸、n−ブチルマレイン酸、n−ヘキシルマレイン酸、n−オクチルマレイン酸、2−エチルヘキシルマレイン酸、n−ノニルマレイン酸またはn−ドデシルマレイン酸などが挙げられる。
前記カルボキシル基と不飽和結合を有する単量体およびこれと共重合可能な単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記共重合が可能な単量体は、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、カルボン酸ビニルエステル化合物、不飽和エーテル類化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和イミド類化合物、脂肪族共役ジエン類化合物、分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体、バルキー性単量体およびこれらの組合せよりなる群から選ばれた1種以上が可能である。
具体的に、前記共重合が可能な単量体は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテルまたはp−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレートまたはt−ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0.2.6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレートまたはイソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環族(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレートまたはベンジル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド、N−o−メトキシフェニルマレイミド、N−m−メトキシフェニルマレイミド、N−p−メトキシフェニルマレイミドなどのN−置換マレイミド系化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド化合物;3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタンまたは2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−トリフルオロメチルオキセタンなどの不飽和オキセタン化合物などが挙げられる。
前記アルカリ可溶性樹脂の含量は、黄色硬化性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して、2〜80重量%、好ましくは5〜75重量%、より好ましくは10〜70重量%で含まれ得る。もし前記アルカリ可溶性樹脂の含量が前記範囲に属する場合、黄色コーティング層の形成に容易であり、現像工程が含まれる工程では、現像時に露光部の画素部分の膜減少が防止されて、非画素部分の欠落性が良好になるという利点がある。
光重合性化合物
本発明の一実施形態による黄色硬化性樹脂組成物は、光重合性化合物をさらに含むことができる。
前記光重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用で重合できる化合物であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは単官能光重合性化合物、二官能光重合性化合物または三官能以上の多官能光重合性化合物などが挙げられる。
前記単官能光重合性化合物の具体的な例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられ、市販品としては、アロニックスM−101(東亞合成社製)、KAYARAD TC−110S(日本化薬社製)またはビスコート158(大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。
前記二官能光重合性化合物の具体的な例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、市販品としては、アロニックスM−210、M−1100、M−1200(東亞合成社製)、KAYARAD HDDA(日本化薬社製)、ビスコート260(大阪有機化学工業社製)、AH−600、AT−600またはUA−306H(共栄社化学社製)等が挙げられる。
前記三官能以上の多官能光重合性化合物の具体的な例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどがあり、市販品としては、アロニックスM−309、TO−1382(東亞合成社製)、KAYARAD TMPTA、KAYARAD DPHAまたはKAYARAD DPHA−40H(日本化薬社製)等が挙げられる。
前記で例示した光重合性化合物のうち、三官能以上の(メタ)アクリル酸エステル類およびウレタン(メタ)アクリレートが重合性に優れており、強度を向上させることができるという点から特に好ましい。
前記で例示した光重合性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記光重合性化合物は、前記黄色硬化性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して、5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜50重量%で含まれ得る。前記光重合性化合物が前記の範囲内に含まれる場合、画素部の強度や平滑性が良好であるという利点がある。
光重合開始剤
本発明の一実施形態による黄色硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤をさらに含むことができる。
前記光重合開始剤は、前述した光重合性化合物を重合させることができるものであれば、その種類を特に制限せずに使用することができる。具体的に重合特性、開始効率、吸収波長、入手性または価格などの観点から、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシム化合物およびチオキサントン系化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物を使用することが好ましい。
前記アセトフェノン系化合物の具体的な例としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタル、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オンまたは2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えばベンゾフェノン、0−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンまたは2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記トリアジン系化合物の具体的な例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジンまたは2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記ビイミダゾール化合物の具体的な例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールまたは4,4’,5,5’位置のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物などが挙げられる。これらのうち2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールまたは2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールを好ましく使用することができる。
前記オキシム化合物の具体的な例としては、o−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられ、市販品としてバスフ社のOXE01、OXE02が挙げられる。
前記チオキサントン系化合物としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンまたは1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
また、本発明の効果を損傷しない範囲内で、前記以外の光重合開始剤などを追加に併用することもできる。例えば、ベンゾイン系化合物またはアントラセン系化合物などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルまたはベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
前記アントラセン系化合物としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセンまたは2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
その他、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル, 9,10−フェナトレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチルまたはチタノセン化合物などを光重合開始剤として追加に併用して使用することができる。
前記光重合開始剤は、前記黄色硬化性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜35重量%、より好ましくは1〜30重量%含まれ得る。前記光重合開始剤が前記範囲内に含まれる場合、前記黄色硬化性樹脂組成物が高感度化されて、露光時間が短縮されるので、生産性が向上し、高い解像度を維持できるという利点がある。また、上述した条件の組成物を使用して形成した画素部の強度と前記画素部の表面での平滑性が良好になるという利点がある。
また、前記黄色硬化性樹脂組成物の感度を向上させるために、光重合開始補助剤をさらに含むことができる。前記光重合開始補助剤を含有することによって、感度がさらに高まって、生産性を向上させることができる。
前記光重合開始補助剤としては、例えばアミン化合物、カルボン酸化合物およびチオール基を有する有機硫黄化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物を好ましく使用することができる。
前記アミン化合物としては、芳香族アミン化合物を使用することが好ましく、具体的にトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの脂肪族アミン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーケトン)または4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどを使用することができる。
前記カルボン酸化合物は、芳香族ヘテロ酢酸類であることが好ましく、具体的にフェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシンまたはナフトキシ酢酸などが挙げられる。
前記チオール基を有する有機硫黄化合物の具体的な例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H、5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチルレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)またはテトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
また、市販されている製品として、商品名Darocur 1173、Irgacure 184、Irgacure 907、Irgacure 1700(Ciba社製)等も使用することができる。これらは、単独または2種以上混合して使用することができる。
このような光カチオン重合開始剤は、市販品として容易に入手することができ、たとえば、それぞれ商品名として、「カヤラッドPCI−220」、「カヤラッドPCI−620」[参照:以上、日本化薬株式会社製造]、「UVI−6990」[参照:ユニオンカーバイド社製造]、「アデカオプトマーSP−150」、「アデカオプトマーSP−170」[参照:以上、株式会社ADEKA製造]、「CI−5102」、「CIT−1370」、「CIT−1682」、「CIP−1866S」、「CIP−2048S」、「CIP−2064S」[参照:以上、日本曹達株式会社製造]、「DPI−101」、「DPI−102」、「DPI−103」、「DPI−105」、「MPI−103」、「MPI−105」、「BBI−101」、「BBI−102」、「BBI−103」、「BBI−105」、「TPS−101」、「TPS−102」、「TPS−103」、「TPS−105」、「MDS−103」、「MDS−105」、「DTS−102」、「DTS−103」[参照:以上、みどり化学株式会社製造]、「PI−2074」[参照:ローディア社製造]などが挙げられる。
特に、日本曹達株式会社製造の「CI−5102」は、好ましい開始剤の一つである。
前記光重合開始補助剤は、前記光重合開始剤と同じ含量範囲で使用することができ、上述した含量で使用する場合、これを含む黄色硬化性樹脂組成物の感度がさらに高まり、前記組成物を使用して形成されるカラーフィルターの生産性が向上する効果を提供する。
溶剤
本発明の一実施形態による黄色硬化性樹脂組成物は、溶剤をさらに含むことができる。
前記溶剤は、特に限定されず、当該分野において通常的に使用される有機溶剤であってもよい。前記溶剤は、他の成分を溶解させるのに効果的なものであれば、通常の黄色硬化性樹脂組成物において使用される溶剤を特に制限せずに使用することができ、具体的にエーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類またはアミド類などを使用することができ、より具体的にエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類;などが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用することができる。
前記溶剤は、コーティング方法や装置によって粘度が変わり得るので、前記言及した組成を有する黄色硬化性樹脂組成物の濃度が5〜90重量%、好ましくは15〜80重量%になり得るように含量を適切に調節する。このような含量は、組成の分散安定性および製造工程での工程容易性(例えば、塗布性)を考慮して選ばれた範囲である。
添加剤
本発明の一実施形態による黄色硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を害しない範囲で当業者の必要に応じて充填剤、他の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、硬化剤などの添加剤をさらに含むことができる。
前記充填剤の具体的な例は、ガラス、シリカ、アルミナなどが例示される。
前記他の高分子化合物としては、具体的にエポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
前記界面活性剤は、黄色硬化性樹脂組成物の被膜形成性を向上させる成分であって、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類などがあり、以外に、商品名としてKP(信越化学工業社製造)、ポリフロー(POLYFLOW)(共栄社化学社製造)、エフトップ(EFTOP)(トーケムプロダクツ社製造)、メガファック(MEGAFAC)(大日本インキ化学工業社製造)、フルオラード(Fluorad)(住友スリーエム社製造)、アサヒガード(Asahi guard)、サーフロン(Surflon)(以上、アサヒガラス社製造)、ソルスパース(SOLSPERSE)(ゼネカ社製造)、EFKA(EFKAケミカルス社製造)、PB821(味の素社製造)等が挙げられる。
前記密着促進剤として、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、具体的に2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、具体的に2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。凝集防止剤としては、具体的にポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記硬化剤は、深部硬化および機械的強度を高めるための成分であって、その種類は、特に限定されず、例えばエポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
前記エポキシ化合物は、特に限定されず、例えばビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、その他芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、またはこのようなエポキシ樹脂の臭素化誘導体;エポキシ樹脂およびその臭素化誘導体以外の脂肪族、脂環族または芳香族エポキシ化合物;ブタジエン(共)重合体エポキシ化物;イソプレン(共)重合体エポキシ化物;グリシジル(メタ)アクリレート(共)重合体;トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
前記オキセタン化合物は、特に限定されなくて、例えばカルボネートビスオキセタン、キシレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどが挙げられる。
また、追加に硬化度を高めるために、本発明による黄色硬化性樹脂組成物は、硬化補助剤をさらに含むことができる。使用可能な硬化補助剤は、本発明で特に限定せず、この分野で公知されたような硬化補助剤であれば、いずれも使用可能である。
代表的に、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、トリ(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボラートなどのテトラフェニルボロン塩などが可能である。
前述したような黄色硬化性組成物の製造は、本発明で特に限定せず、公知となっているような硬化性組成物の製造方法に従う。
一例として、黄色着色剤をあらかじめ溶剤と混合して、着色剤の平均粒径が0.2μm以下程度になるまでビーズミルなどを利用して分散させる。この際、必要に応じて顔料分散剤が使用され、また、アルカリ可溶性樹脂の一部または全部が配合される場合もある。得られた分散液(以下、ミルベースという場合もある)に波長吸収剤、アルカリ可溶性樹脂の残り、光重合性化合物および光重合開始剤、必要に応じて使用されるその他の成分、必要に応じて追加の溶剤を所定の濃度になるようにさらに添加して、目的とする黄色硬化性樹脂組成物を得る。
このように製造された黄色硬化性樹脂組成物は、湿式コーティングによってカラーフィルターを製造することができ、この際、湿式コーティング方法として、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターともいう場合がある)、インクジェットなどの塗布装置が使用することができる。
<カラーフィルター>
本発明の他の様態は、前述した黄色硬化性樹脂組成物の硬化物を含むカラーフィルターである。
前記カラーフィルターの画素層は、量子ドットを含む自発光画素層であり、この際、青色発光スペクトルを吸収するために、黄色着色剤は、自発光画素層内に量子ドットと共に混合使用するものではなく、これと接するように別途の層を形成する。すなわち、量子ドットにより自発光された光は、特定波長の光を発光するようになるが、この際、自発光画素層内に黄色着色剤を使用するようになると、自発光された赤色、青色および緑色が画素層の外部に放出されない。また、黄色着色剤がすでに発光された赤色乃至緑色内青色光の消光を目的とするので、光源に対して自発光画素層上に位置しなければならないし、光源と自発光画素層との間に位置する場合、その効果を確保することができない。
図1は、本発明の一実施例によるカラーフィルターの断面図であり、図2は、本発明の光源に対するカラーフィルターの配置を示す断面図である。
図1および図2を参照すると、カラーフィルターは、基材11;前記基材11上に形成された黄色コーティング層13;および前記黄色コーティング層13上に形成された自発光画素層15を含む。
この際、黄色コーティング層13は、前述したような黄色硬化性樹脂組成物で製造し、より好ましくは、図2のように、隔壁51a、51b、51cと定義された赤色および緑色画素層15a、15bにのみ形成し、光源101に対して反対側に位置する。
前記黄色コーティング層13は、緑色と青色が混色される緑色画素層15bには、緑色だけ、赤色と青色が混色される赤色画素層15aには、赤色だけを示し、結果的に純粋な緑色および純粋な赤色の光の抽出が可能になって、全体的な色純度および光効率を向上させる。
上記した効果は、黄色コーティング層13内に黄色着色剤がどの程度含有されているかに対する含量に大きく依存し、厚さにも若干の影響を受ける。一例として、黄色コーティング層13は、1〜5μmの厚さで形成する。もし、その厚さが前記範囲未満であれば、前述したような効果を確保することができず、もし、その厚さが前記範囲を超過しても、大きい効果上の利点を確保することができない。
本発明のカラーフィルターにおいて、基材は、カラーフィルター自らの基板であってもよく、またはディスプレイ装置などにカラーフィルターが位置する部位であってもよいものであって、特に制限されない。前記基板は、ガラス、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiO)または高分子基板であってもよく、前記高分子基板は、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone,PES)またはポリカーボネート(polycarbonate,PC)等であってもよい。
自発光画素層15は、量子ドットを含む層であって、光ルミネセンス量子ドット、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤よりなる群から選ばれる一つ以上を含む自発光感光性樹脂組成物を製造して形成する。この際、前記アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤の種類およびその含量は、前述した黄色硬化性樹脂組成物で言及したことに従うことができる。
前記量子ドットは、ナノサイズの半導体物質である。原子が分子を成し、分子は、クラスターという小さい分子の集合体を構成してナノ粒子を成すが、このようなナノ粒子が特に半導体特性を帯びているとき、これを量子ドットという。前記量子ドットは、外部からエネルギーを受けて励起状態に至ると、自体的該当するエネルギーバンドギャップに応じたエネルギーを放出する。
前記カラーフィルターは、このような光ルミネセンス量子ドット粒子を含んでいて、これから製造されたカラーフィルターは、光照射によって発光(光ルミネセンス)することができる。
前記量子ドットは、光による刺激で発光できる量子ドットであれば、特に限定されず、例えばII−VI族半導体化合物;III−V族半導体化合物;IV−VI族半導体化合物;IV族元素またはこれを含む化合物;およびこれらの組合よりなる群から選ばれることができる。これらは、単独または2種以上混合して使用することができる。
前記II−VI族半導体化合物は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTeおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれることができて、前記III−V族半導体化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれ得、前記IV−VI族半導体化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれ得、前記IV族元素またはこれを含む化合物は、Si、Ge、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる元素化合物;およびSiC、SiGe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物よりなる群から選ばれ得る。
また、前記量子ドットは、均質な(homogeneous)単一構造;コア−シェル(core−shell)、グラジエント(gradient)構造などのような二重構造;またはこれらの混合構造であってもよい。
前記コア−シェル(core−shell)の二重構造で、それぞれのコア(core)とシェル(shell)を成す物質は、前記言及された互いに異なる半導体化合物からなり得る。例えば、前記コアは、CdSe、CdS、ZnS、ZnSe、CdTe、CdSeTe、CdZnS、PbSe、AgInZnSおよびZnOよりなる群から選択された一つ以上の物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。前記シェルは、CdSe、ZnSe、ZnS、ZnTe、CdTe、PbS、TiO、SrSeおよびHgSeよりなる群から選択された一つ以上の物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
通常のカラーフィルターの製造に使用される着色感光性樹脂組成物が色相具現のために赤色、緑色、青色の着色剤を含むことのように、本発明のカラーフィルターは、量子ドットも赤色を示す量子ドット、緑色を示す量子ドットおよび青色を示す量子ドットを含み、前述した赤色、緑色、青色およびこれらの組合せから選ばれた1種以上であってもよい。
前記量子ドットは、湿式化学工程(wet chemical process)、有機金属化学蒸着工程または分子線エピタキシ工程によって合成され得る。
前記湿式化学工程は、有機溶剤に前駆体物質を入れて粒子を成長させる方法である。結晶が成長するとき、有機溶剤が自然に量子ドット結晶の表面に配位されて、分散剤の役割をして、結晶の成長を調節するようになるので、前記有機金属化学蒸着(MOCVD,metal organic chemical vapor deposition)や分子線エピタキシー(MBE,molecular beam epitaxy)のような気相蒸着法よりさらに容易にかつ安価の工程を通じてナノ粒子の成長を制御することができる。
このような量子ドットを含む自発光感光性樹脂組成物は、全体組成物100重量%内で、量子ドット3〜80重量%、アルカリ可溶性樹脂5〜80重量%、光重合性化合物5〜70重量%、光重合開始剤0.1〜20重量%を含むことができる。また、追加に、前述したことの添加剤をさらに含むことができる。
前記カラーフィルターは、一例として、下記のような方法で製造され得るが、これに限定されるものではなく、下記に記載された各段階は、設計者の必要に応じてその順序が変更され得る(図1および図2参照)。
(S1)基材11上に黄色コーティング層13を形成する段階;
(S2)前記黄色コーティング層13上に赤色および緑色画素領域15a、15bを定義する隔壁51a、51b、51cを形成する段階;および
(S3)前記画素領域に自発光画素層15を形成する段階を経て製造する。
前記隔壁51a、51b、51c、自発光画素層15、および黄色コーティング層13の形成は、それぞれの組成物を塗布し、所定のパターンで露光、現像および硬化して形成された層であってもよい。
必要な場合、前記カラーフィルターは、ブラック マトリクスをさらに含むこともできる。
<画像表示装置>
また、本発明のさらに他の様態は、前記カラーフィルターを含む画像表示装置である。
前記カラーフィルターは、通常の液晶表示装置だけでなく、電界発光表示装置、プラズマ表示装置、電界放出表示装置など各種画像表示装置に適用が可能である。
前記画像表示装置は、赤色量子ドット粒子を含有する赤色パターン層、緑色量子ドット粒子を含有する緑色パターン層、および青色量子ドット粒子を含有する青色パターン層を含むカラーフィルターを具備することができる。この場合、画像表示装置への適用時に、光源の放出光が特に限定されないが、より優れた色再現性の観点から、好ましくは青色光を放出する光源を使用することができる。
本発明の他の一具現例によれば、本発明の画像表示装置は、赤色パターン層、緑色パターン層および青色パターン層の2種の色相のパターン層だけを含むカラーフィルターを具備することもできる。この場合には、前記カラーフィルターは、量子ドット粒子を含有しない透明パターン層をさらに具備する。
2種の色相のパターン層だけを具備する場合には、含まない残りの色相を示す波長の光を放出する光源を使用することができる。例えば、赤色パターン層および緑色パターン層を含む場合には、青色光を放出する光源を使用することができる。この場合、赤色量子ドット粒子は、赤色光を、緑色量子ドット粒子は、緑色光を放出し、透明パターン層は、青色光がそのまま透過して青色を示す。
前記画像表示装置は、光効率に優れ、高い輝度を示し、色再現性に優れている。
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例により詳細に説明する。しかしながら、本明細書による実施例は、様々な他の形態に変形され得、本明細書の範囲が以下で詳述する実施例に限定されるものと解釈されない。本明細書の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。また、以下で含有量を示す「%」および「部」は、特に言及しない限り、重量基準である。
製造例1〜4
製造例1:CdSe/ZnSコアシェル構造の光ルミネセンス緑色量子ドット粒子の合成
CdO 0.4mmolと亜鉛アセテート(Zinc acetate)4mmol、オレイン酸(Oleic acid)5.5mLを1−オクタデセン(1−Octadecene)20mLとともに反応器に入れ、150℃に加熱して反応させた。その後、亜鉛にオレイン酸が置換されることによって生成された酢酸(acetic acid)を除去するために、前記反応物を100mTorrの真空下に20分間放置した。
その後、310℃の熱を加えて透明な混合物を得た後、これを20分間310℃を維持した後、0.4mmolのSe粉末と2.3mmolのS粉末を3mLのトリオクチルホスフィン(trioctylphosphine)に溶解させたSeおよびS溶液をCd(OA)およびZn(OA)溶液が入っている反応器に迅速に注入した。
これから得た混合物を310℃で5分間成長させた後、アイスバス(ice bath)を利用して成長を中断させた。
その後、エタノールで沈殿させて遠心分離機を利用して量子ドットを分離し、余分の不純物は、クロロホルムとエタノールを利用して洗い落とすことによって、オレイン酸で安定化された、コア粒径とシェル厚さの合計が3〜5nmである粒子が分布したCdSe(コア)/ZnS(シェル)構造の緑色量子ドット粒子を収得した。
製造例2:アルカリ可溶性樹脂の合成
撹拌器、温度計、還流冷却管、滴下漏斗および窒素導入管を具備したフラスコを準備し、一方、N−ベンジルマレイミド45重量部、メタクリル酸45重量部、トリシクロデシルメタクリレート10重量部、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート4重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部を投入した後、撹拌混合して、モノマー滴下漏斗を準備し、n−ドデカンジオール6重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24重量部を入れて撹拌混合して、連鎖移動剤滴下漏斗を準備した。
その後、フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート395重量部を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、撹拌しつつ、フラスコの温度を90℃まで昇温した。
次に、モノマーおよび連鎖移動剤を滴下漏斗から滴下を開始した。滴下は、90℃を維持しつつ、それぞれ2時間の間進め、1時間後に110℃に昇温して3時間維持した後、ガス導入管を導入させて、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次に、グリシジルメタクリレート10重量部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4重量部、トリエチルアミン0.8重量部をフラスコ内に投入して、110℃で8時間反応を継続し、その後、室温まで冷却しつつ、固形分29.1重量%、重量平均分子量32,000、酸価が114mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂を得た。
製造例3:自発光画素層の形成のための自発光感光性樹脂組成物の製造
下記表1に記載されたように、それぞれ成分を混合した後、全体固形分が20重量%になるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した後、十分に撹拌して、自発光感光性樹脂組成物を得た。
実施例1〜6および比較例1〜2
下記表2に記載されたように、それぞれ成分を混合した後、全体固形分が20重量%になるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した後、十分に撹拌して、黄色硬化性樹脂組成物を得た。
実験例1:黄色硬化性樹脂組成物の透過特性実験
前記実施例1〜6および比較例1〜2で製造した黄色硬化性樹脂組成物の透過特性を確認するために、下記のように行った。
まず、各組成物をスピンコーティング法でガラス基板の上に塗布した後、加熱板の上に載置し、100℃の温度で3分間維持して、薄膜を形成させた。
次に、ウシオ電機社製の超高圧水銀ランプ(商品名USH−250D)を利用して大気雰囲気下に200mJ/cmの露光量(365nm)で光照射し、特別な光学フィルターは使用しなかった。その後、150℃の加熱オーブンで10分間加熱して、黄色コーティング層を2μmの厚さで製造した。
製造された黄色コーティング層をオリンパス社のスペクトロメーターOPS−200を利用して透過度を測定し、得られた結果を下記表3に記載した。
前記表3を参照すると、本発明の黄色硬化性樹脂組成物で製造された黄色コーティング層(実施例1〜6)の場合、本発明の波長吸収剤を含むことによって、本発明の黄色硬化性樹脂組成物で製造されない黄色コーティング層(比較例1〜2)の場合よりも波長吸収率が増加して透過率が減少したことを確認することができる。
製造例4:カラーフィルターの製造
製造例4−1〜4−6および製造例4−13〜4−14
(1)黄色コーティング層の形成
まず、前記実施例1〜6および比較例1〜2の黄色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法で100×100mmのサイズのガラス基板(Corning(登録商標)EAGLE XG(登録商標)Slim、コーニング社製)の上に塗布した後、加熱板の上に載置し、100℃の温度で3分間維持して、薄膜を形成させた。
次に、ウシオ電機社製の超高圧水銀ランプ(商品名USH−250D)を利用して大気雰囲気下に200mJ/cmの露光量(365nm)で光照射し、特別な光学フィルターは使用しなかった。
前記で紫外線が照射された薄膜をpH10.5のKOH水溶液現像溶液に80秒間浸漬して現像した。この薄膜が施されたガラス板を蒸留水を使用して洗浄した後、窒素ガスを吹いて乾燥し、150℃の加熱オーブンで10分間加熱して、厚さ2μmの黄色コーティング層を形成した。
(2)自発光画素層の形成
前記製造例3−1で製造された自発光感光性樹脂組成物を利用して、前記(1)と同じ方法で、前記(1)で製造されたそれぞれの黄色コーティング層上に厚さ5μmの自発光画素層を形成して、製造例4−1〜4−6および製造例4−13〜4−14を製造した。
製造例4−7〜4−12および製造例4−15〜4−16
前記製造例4−1〜4−6および製造例4−13〜4−14と同じ方法でカラーフィルターを製造し、自発光画素層の形成のための自発光感光性樹脂組成物を前記製造例3−2にして製造例4−7〜製造例4−12および製造例4−15〜4−16を製造した。
実験例2:カラーフィルターの発光強度の測定
前記製造例4で製作されたカラーフィルターの発光強度を下記のように測定した。
青色光源として最大吸収波長が450nmであるCree社製のXLamp(登録商標)XRE−Roy(Royal blue)を使用して光変換された領域を測定し、前記青色光源は、黄色コーティング層と向かい合う方向に配置させ、製造例4−1〜4−6および製造例13〜14は、光源領域である450nmと光変換領域である520nmを、製造例4−7〜4−12および製造例15〜16は、光源領域である450nmと光変換領域である640nmでの発光強度をOcean Optics社のスペクトロメーターを利用して測定した。
得られた結果は、下記表4に示し、この際、測定された光源領域の450nmの強度は、小さく、発光領域である520nmまたは640nmの強度数値が高いほど色純度に優れ、発光特性に優れていることを意味する。
前記表4を参照すると、本発明の波長吸収剤を含む実施例1〜6の黄色コーティング層を含むカラーフィルターの場合(製造例4−1〜4−12)、青色光源領域の450nmの発光強度は、50以下であって、遮断特性に優れ、緑色発光領域である520nmの発光強度は、40,000以上、赤色発光領域である640nmの発光強度は、35,000以上であって、発光特性にも優れていることを確認することができた。
これと比較して、本発明の波長吸収剤を含まない比較例1〜2の黄色コーティング層を含むカラーフィルターの場合(製造例4−13〜4−16)、青色光源領域の450nmの発光強度は、80以上であって、遮断特性に劣り、緑色発光領域である520nmの発光強度および赤色発光領域である640nmの発光強度が30,000以下と顕著に劣る問題があることを確認することができる。
11 基材
13 黄色コーティング層
15 自発光層
15a 赤色画素領域
15b 緑色画素領域
51a、51b、51c 隔壁
101 光源

Claims (8)

  1. 青色光源を含む装置に利用される黄色コーティング層を形成するための組成物であって、
    黄色着色剤;および最大吸収波長が560〜620nmであり、下記数式1の透過特性を満たす波長吸収剤;を含み、
    前記黄色着色剤は、これを含む黄色硬化性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して、5〜80重量%で含まれることを特徴とする黄色硬化性樹脂組成物:
    [数式1]
    (前記数式1で、
    Tは、透過率(%)であり、λは、560〜620nmから選ばれる最大吸収波長である)。
  2. 前記黄色硬化性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、溶剤および添加剤よりなる群から選ばれる一つ以上をさらに含むものである、請求項1に記載の黄色硬化性樹脂組成物。
  3. 前記波長吸収剤は、下記化学式1で表される化合物を含むものである、請求項1に記載の黄色硬化性樹脂組成物。
    [化学式1]
    (前記化学式1で、
    Mは、CuまたはZnであり、
    は、それぞれ独立して、ハロゲン元素としてF、ClおよびBrよりなる群から選ばれ、nは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
    〜Rは、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびtert−ブチルよりなる群から選ばれる)。
  4. 前記波長吸収剤は、前記黄色硬化性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して、1〜30重量%で含まれるものである、請求項1に記載の黄色硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の黄色硬化性樹脂組成物の硬化物を含む黄色コーティング層;および前記黄色コーティング層上に形成され、量子ドットを含有する自発光画素層;を含むカラーフィルター。
  6. 前記黄色コーティング層は、赤色画素層乃至緑色画素層上に形成されたものである、請求項5に記載のカラーフィルター。
  7. 請求項5に記載のカラーフィルターを含む画像表示装置。
  8. 前記カラーフィルターは、黄色コーティング層が光源と向かい合う方向に配置されたものである、請求項7に記載の画像表示装置。
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