以下、本願のいくつかの実施形態に係る電磁遮断構造、誘電体基板、およびユニットセルについて、図面を参照して説明する。以下の説明において、上面等のように上面と下面とを区別しているが、これは便宜上であり、実際に基板等が使用される際の上下を限定するものではない。
本開示は、添付の図面を参照する以下の詳細な説明によって理解できる。特筆してないかぎり、様々な構造を等尺で描いておらず、例示の目的にのみ用いている。さらに、説明を明確にするために、様々な構造の寸法を拡大または縮小している場合がある。
本開示の実施形態は、電磁(EM)遮断構造の小型化を可能にすると同時に、異方性を低減または除去するために開発された。
図1は、いくつかの実施形態に係るEM遮断構造100の斜視図である。EM遮断構造100は、接地層110を備える。第1導体層120が、接地層110の頂面を覆う。第2導体層130が、第1導体層120と接地層110との間にある。第1導体層120は、4回対称性を持たない複数のユニットセル125を含む。複数のユニットセル125は、接地層110からの距離が、他のすべてのユニットセル125と同じとなるように、二次元配列される。各ユニットセル125は、他のすべてのユニットセル125と同じ形状および同じ向きを有する。第2導体層130は、4回対称性を持たない複数のユニットセル135を含む。複数のユニットセル135は、接地層110からの距離が、他のすべてのユニットセル135と同じとなるように、二次元配列される。各ユニットセル135は、他のすべてのユニットセル135と同じ形状および同じ向きを有する。複数のユニットセル135の向きは、複数のユニットセル125の向きに対して、接地層110の頂面と垂直な軸に関して90度回転されている。誘電材料が、接地層110と、第1導体層120と、第2導体層130との間の空間を充填している。いくつかの実施形態においては、この誘電材料は、実質的に均一な組成を有する単層材料である。いくつかの実施形態においては、この誘電材料は、少なくとも2つの異なる組成を含む多層材料である。ユニットセルの回転対称性は、4回対称に限られない。ユニットセルの回転対称性は、ユニットセルが並ぶ格子形状に合わせて変更しうる。ユニットセルが矩形格子の場合は、2回対称性を持たない。ユニットセルが六角格子の場合は、6回対称性を持たない。
接地層110は導電材料であり、第1導体層120および第2導体層130を遮蔽する。接地層110は、少なくとも第2導体層130の外縁まで延びる外周を有する連続版である。接地層110は、接地電圧に電気的に接続されている。いくつかの実施形態においては、接地層110は、銅,アルミニウム,タングステン,または他の好適な導電材料などである。接地層110の厚さは、約1μmから約1mmの範囲である。接地層110の厚さが小さすぎると、接地層110が第1導体層120および第2導体層130を十分に遮蔽しないことがある。接地層110の厚さが大きすぎると、EM遮断構造100のサイズが大きくなり、機能を大して向上させることなく、材料の無駄と生産コストの増大となることがある。
第1導体層120は、EM波の所定の帯域を遮断するように構成されている。第1導体層120は、単層に配列された複数のユニットセル125を含む。各ユニットセル125は、隣接する複数のユニットセル125から第1の距離分離間されている。複数のユニットセル125の形状、材料、間隔によって、第1導体層120で反射するEM波の波長が決まる。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル125は、正方形配列,矩形配列,またはその他の好適な配列分布である。いくつかの実施形態においては、第1導体層120における少なくとも1つの配列位置において、複数のユニットセル125が配置されていない。いくつかの実施形態においては、第1導体層120におけるこの少なくとも1つの配列位置には、パッチセルが配置されているか、あるいは空隙である。いくつかの実施形態においては、第1導体層120の面積は、接地層110の面積よりも小さい。いくつかの実施形態においては、第1導体層120の面積は、接地層110の面積に等しい。いくつかの実施形態においては、第1導体層120の外縁が、接地層110の頂面と平行な方向に、接地層110の外周から1ユニットセル125の幅半分までの距離分陥凹されている。
第1導体層120の厚さは、約1μmから約1mmの範囲である。第1導体層120の厚さが小さすぎると、第1導体層120が十分なEM遮断特性をもたらさないことがある。導体層120の厚さが大きすぎると、EM遮断構造100のサイズが大きくなり、機能を大して向上させることなく、材料の無駄と生産コストの増大となることがある。
各ユニットセル125は、そのユニットセル125を横断して延びる導電性トレース(本明細書では形状と称する)を有する。いくつかの実施形態においては、各ユニットセル125は、メアンダライン形状,線対称状2重渦巻形状,点対称状2重渦巻形状,アコーディオン形状,またはその他の好適な形状から選択された形状を有する。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル125の形状の材料は、銅,アルミニウム,タングステン,またはその他の好適な導電材料などである。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル125の形状の材料は、接地層110と同じ材料である。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル125の形状の材料は、接地層110の材料とは異なる。
第2導体層130は、EM波の所定の帯域を遮断するように構成されている。第2導体層は、単層に配列された複数のユニットセル135を含む。各ユニットセル135は、隣接する複数のユニットセル135から第2の距離分離間されている。いくつかの実施形態においては、第1の距離は第2の距離に等しい。複数のユニットセル135の形状、材料、および間隔により、第2導体層130で反射するEM波の波長が決まる。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル135は、正方形配列,矩形配列,またはその他の好適な配列分布である。いくつかの実施形態においては、第2導体層130の面積は、接地層110の面積より小さい。いくつかの実施形態においては、第2導体層130の面積は、接地層110の面積に等しい。いくつかの実施形態においては、第2導体層130の外縁は、接地層110の頂面と平行な方向に、接地層110の外周から1ユニットセル135の幅半分までの距離分陥凹(または突出)している。
第2導体層130の厚さは、約1μmから約1mmの範囲である。第2導体層130の厚さが小さすぎると、十分なEM遮断特性をもたらさないことがある。導体130の厚さが大きすぎると、EM遮断構造100のサイズが大きくなり、機能を大して向上させることなく、材料の無駄と生産コストの増大となることがある。
各ユニットセル135は、そのユニットセル135を横断して延びる導電性トレース(本明細書では形状と称する)を有する。いくつかの実施形態においては、各ユニットセル135は、メアンダライン形状,線対称状2重渦巻形状,点対称状2重渦巻形状,アコーディオン形状,またはその他の好適な形状から選択された形状を有する。いくつかの実施形態においては、各ユニットセル135は、各ユニットセル125と同じ形状を有する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つのユニットセル135が、少なくとも1つのユニットセル125と異なる形状を有する。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル135の形状の材料は、銅,アルミニウム,タングステン,またはその他の好適な導電材料などである。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル135の形状の材料は、接地層110と第1導体層120の両方の材料と同じである。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル135の形状の材料は、接地層110または第1導体層120のいずれか一方の材料とは異なる。
図2は、電磁遮断構造100の平面図である。接地層110は、図2では見えない。複数のユニットセル135に対する複数のユニットセル125のずれがもっとよく見えるように、第1導体層120の一部を切り欠いている。複数のユニットセル125は、対応する複数のユニットセル135と完全には重なっていない。むしろ、複数のユニットセル125が、複数のユニットセル135からずれている。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル135に対する複数のユニットセル125のずれの距離は、複数のユニットセル125と複数のユニットセル135とが完全に重なっていることを示すゼロから、1ユニットセル125の幅の2分の1までの範囲である。ずれ量がある範囲外であると、EM遮断特性が低減を示す。
図3は、いくつかの実施形態に係るEM遮断構造100の図2の切断面線A−A’の位置における断面である。EM遮断構造100は任意で、第1導体層120と第2導体層130との間に、第3導体層140を備える。誘電材料50が、接地層110、第1導体層120、第2導体層130、および第3導体層140の間の空間を充填する。接地層110と第1導体層120との間の距離は、「h」である。電磁遮断構造100の頂面と第1導体層120との間の距離は、「d」である。第1導体層120と第3導体層140との間の距離は、「e」である。第2導体層130と第3導体層140との間の距離は、「f」である。いくつかの実施形態においては、距離dは、距離eと距離fの両方に等しい。いくつかの実施形態においては、距離dは、距離eまたは距離fの少なくともいずれか一方とは異なる。具体的な測定寸法は、例えば、h=1.68mm,d=0.3mm,およびe=f=0.08mmである。
図4は、いくつかの実施形態に係るメアンダライン構造410を有するユニットセル400の上面図である。メアンダライン構造410は、実質的に平行な脚部415と連結腕部420および430とを備え、各脚部は、その脚部の端部に設けられた少なくとも1つの連結腕部によって、隣接する脚部に連結されている。いくつかの実施形態においては、これらの脚部は互いに平行である。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの脚部が、別の脚部に対して傾斜されている。いくつかの実施形態においては、これらの連結腕部は互いに平行である。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの連結腕部が、別の連結腕部に対して傾斜されている。いくつかの実施形態においては、ある脚部とある連結腕部との内角「Θ」は、実質的に90度である。いくつかの実施形態においては、この内角は、90度より大きい。いくつかの実施形態においては、この内角は、90度より小さい。いくつかの実施形態においては、ユニットセル400は、正方形,矩形,六角形,またはその他の好適な形状である。距離「m1」は、メアンダライン構造410の最外部の脚部の間で測定された、このメアンダライン構造410の第1辺の長さである。距離「m2」は、このメアンダライン構造410の最外部の1脚部の長さとして測定された、このメアンダライン構造410の第2辺の長さである。いくつかの実施形態においては、m1とm2とは同じである。いくつかの実施形態においては、m1とm2とは異なる。距離「g1」は、2つの隣接する脚部の間の距離である。距離「w」は、このメアンダライン構造410の少なくとも1つの脚部の幅である。いくつかの実施形態においては、g1とwとは同じである。いくつかの実施形態においては、g1とwとは異なる。このメアンダライン構造410の外側を囲む破線は、ユニットセルの周を画定している。距離「k1」は、ユニットセル400の第1辺の周長であり、変数「k2」は、ユニットセル400の第2辺の周長である。いくつかの実施形態においては、k1とk2とは同じである。いくつかの実施形態においては、k1とk2とは異なる。距離「g2」は、ユニットセル400の第1辺における周と、メアンダライン構造410の第1辺における最外部の脚部の端部との間の距離である。距離「g3」は、ユニットセル400の第2辺における周と、メアンダライン構造410の第2辺における最外部の脚部との間に延びる。いくつかの実施形態においては、g2とg3とは同じである。いくつかの実施形態においては、g2とg3とは異なる。具体的な測定寸法は、例えば、k1=k2=2.8mm,m1=m2=2.6mm,w=0.2mm,g1=0.2mm,およびg2=g3=0.1mmである。
図5は、いくつかの実施形態に係る点対称状2重渦巻構造を有するユニットセル500の上面図である。点対称状2重渦巻構造は、第1の渦巻線510と、この第1の渦巻線に連結腕部530によって連結された第2の渦巻線520とを含む。第1の渦巻線510および第2の渦巻線520は、連結腕部530に対して異なる方向から連結している。いくつかの実施形態においては、渦巻線は、各々、1回旋回している。いくつかの実施形態においては、各渦巻線の旋回は、4回以上、または1回未満である。いくつかの実施形態においては、各渦巻線の巻数は同じである。いくつかの実施形態においては、各渦巻線の巻数は異なる。いくつかの実施形態においては、少なくとも1回の転回の内角「Θ」は、実質的に90度であり、他の実施形態においては、90度よりも大きい。少なくとも1つの転回の内角は、いくつかの実施形態においては、90度より小さい。いくつかの実施形態においては、ユニットセル500は、正方形,矩形,六角形,またはその他の好適な形状である。寸法k1,k2,m1,m2,g1,g2,g3は、ユニットセル400のものと実質的に同じユニットセル500の測定寸法属性を表す。具体的な測定寸法は、例えば、k1=k2=2.8mm,m1=m2=2.6mm,w=0.2mm,g1=0.2mm,g2=g3=0.1mmである。
図6は、いくつかの実施形態に係る線対称状2重渦巻構造を有するユニットセル600の上面図である。線対称状2重渦巻構造は、第1の渦巻線610と、この第1の渦巻線610に連結腕部630によって連結された第2の渦巻線620とを含む。第1の渦巻線610および第2の渦巻線620は、連結腕部630に対して同じ方向から連結している。いくつかの実施形態においては、渦巻線は各々、1回旋回している。いくつかの実施形態においては、各渦巻線の旋回は、4回以上、または1回未満である。いくつかの実施形態においては、各渦巻線の巻数は同じである。いくつかの実施形態においては、各渦巻線の巻数は異なる。いくつかの実施形態においては、少なくとも1回の転回の内角「Θ」は、実質的に90度であり、他の実施形態においては、90度よりも大きい。少なくとも1つの転回の内角は、いくつかの実施形態においては、90度より小さい。いくつかの実施形態においては、ユニットセル600は、正方形,矩形,またはその他の好適な形状である。寸法k1,k2,m1,m2,g1,g2,g3は、ユニットセル400のものと実質的に同じユニットセル600の測定寸法属性を表す。第1の渦巻線610の2つの脚部の間の距離はg4であり、距第2の渦巻線620の2つの脚部の間の距離はg5である。いくつかの実施形態においては、g4とg5とは同じであり、他の実施形態においては、g4とg5とは異なる。具体的な測定寸法は、例えば、k1=k2=2.8mm,m1=m2=2.6mm,w=0.2mm,g1=0.2mm,g2=g3=0.1mm,およびg4=g5=0.4mmである。
図7は、いくつかの実施形態に係るEM遮断構造700の斜視図である。電磁遮断構造700は、接地層110を備える。導体層720は、接地層110の頂面を覆う。導体層720は、互い違いに配置された複数のユニットセル725と複数のユニットセル730とを含む。複数のユニットセル725および複数のユニットセル730は、接地層110からの距離が、他のすべてのユニットセル725およびユニットセル730と同じとなるように、二次元配列される。各ユニットセル725は、他のすべてのユニットセル725と同じ形状および同じ向きを有する。各ユニットセル730は、他のすべてのユニットセル730と同じ形状および同じ向きを有する。少なくとも1つのユニットセル730が、隣接するユニットセル725に対して、実質的に90度時計回りまたは半時計回りに配向される。誘電材料が、接地層110と導体層720との間の空間を充填している。いくつかの実施形態においては、誘電材料は、実質的に均一な組成を有する単層材料である。いくつかの実施形態においては、誘電材料は、少なくとも2つの異なる組成を含む多層材料である。
導体層720は、EM波の所定の帯域を遮断するように構成されている。第1導体層720は、単層に配列された複数のユニットセル725および複数のユニットセル730を備える。各ユニットセル725は、隣接する複数のユニットセル730または隣接する複数のユニットセル725から第1の距離分離間されている。複数のユニットセル725および複数のユニットセル730の形状、材料、および間隔により、導体層720で反射するEM波の波長が決まる。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730は、正方形配列,矩形配列,またはその他の好適な配列分布である。いくつかの実施形態においては、導体層720における少なくとも1つの配列位置において、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730が配置されていない。いくつかの実施形態においては、導体層720におけるこの少なくとも1つの配列位置には、パッチセルが配置されているか、あるいは空隙である。いくつかの実施形態においては、第1導体層720の面積は、接地層110の面積より小さい。いくつかの実施形態においては、第1導体層720の面積は、接地層110の面積に等しい。いくつかの実施形態においては、第1導体層720の外縁が、接地層110の頂面と平行な方向に、接地層110の外周から1ユニットセル725または1ユニットセル730の幅半分までの距離分陥凹されている。
第1導体層720の厚さは、約1μmから約1mmの範囲である。第1導体層720の厚さが小さすぎると、第1導体層720が十分な電磁遮断特性をもたらさないことがある。導体層720の厚さが大きすぎると、EM遮断構造700のサイズが大きくなり、機能を大して向上させることなく、材料の無駄と生産コストの増大となることがある。
各ユニットセル725は、そのユニットセル725を横断して延びる導電性トレース(本明細書では形状と称する)を有する。いくつかの実施形態においては、各ユニットセル725は、メアンダライン形状,線対称状2重渦巻形状,点対称状2重渦巻形状,アコーディオン形状,またはその他の好適な形状から選択された形状を有する。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル725の形状の材料は、銅,アルミニウム,タングステン,またはその他の好適な導電材料などである。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル725の形状の材料は、接地層110と同じ材料である。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル725の形状の材料は、接地層110の材料とは異なる。
各ユニットセル730は、そのユニットセル730を横断して延びる導電性トレース(本明細書では形状と称する)を有する。いくつかの実施形態においては、各ユニットセル730は、メアンダライン形状,線対称状2重渦巻形状,点対称状2重渦巻形状,アコーディオン形状,またはその他の好適な形状から選択された形状を有する。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル730の形状の材料は、銅,アルミニウム,タングステン,またはその他の好適な導電材料などである。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル730の形状の材料は、接地層110と同じ材料である。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル730の形状の材料は、接地層110の材料とは異なる。
図8は、いくつかの実施形態に係るEM遮断構造800の斜視図である。EM遮断構造100と比べて、EM遮断構造800は、第1導体層120と第2導体層130との間にパッチ層840を備える。
パッチ層840は、電磁(EM)波の所定の帯域を遮断するように構成されている。パッチ層840は、単層に配列された複数のユニットセル845を含む。各ユニットセル845は、隣接する複数のユニットセル845から第1の距離分離間されている。複数のユニットセル845の形状、材料、および間隔により、パッチ層840で反射するEM波の波長が決まる。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル845は、正方形配列,矩形配列,またはその他の好適な配列分布である。いくつかの実施形態においては、パッチ層840における少なくとも1つの配列位置に、複数のユニットセル845が配置されていない。いくつかの実施形態においては、パッチ層840におけるこの少なくとも1つの配列位置には、パッチセルが配置されているか、あるいは空隙である。いくつかの実施形態においては、パッチ層840の面積は、接地層110の面積より小さい。いくつかの実施形態においては、パッチ層840の面積は、接地層110の面積に等しい。いくつかの実施形態においては、パッチ層840の外縁が、接地層110の頂面と平行な方向に、接地層110の外周から1ユニットセル845の幅半分までの距離分陥凹されている。
パッチ層840の厚さは、約1μmから約1mmの範囲である。パッチ層840の厚さが小さすぎると、パッチ層840が十分な電磁遮断特性をもたらさないことがある。パッチ層840の厚さが大きすぎると、EM遮断構造800のサイズが大きくなり、機能を大して向上させることなく、材料の無駄と生産コストの増大となることがある。
各ユニットセル845は、そのユニットセル845を横断して延びる導電性トレース(本明細書では形状と称する)を有する。いくつかの実施形態においては、各ユニットセル845は、パッチ形状,ループ形状,ループスロット形状,またはその他の好適な形状から選択された形状を有する。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル845の形状の材料は、銅,アルミニウム,タングステン,またはその他の好適な導電材料などである。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル845の形状の材料は、接地層110、第1導体層120、および第2導体層130と同じ材料である。いくつかの実施形態においては、複数のユニットセル845の形状の材料は、接地層110、第1導体層120、および第2導体層130の少なくとも1つの材料とは異なる。
図9は、いくつかの実施形態に係るパッチ構造910を有するユニットセル900である。いくつかの実施形態においては、このパッチ構造は、実質的に正方形の導電材料のパッチを含む。
いくつかの実施形態においては、ユニットセル900は、正方形,矩形,六角形,またはその他の好適な形状である。距離「m1」は、パッチ構造910の第1辺の長さである。寸法k1,k2,m1,m2,g1,およびg2は、ユニットセル400のものと実質的に同じユニットセル900の測定寸法属性を表す。具体的な測定寸法は、例えば、k1=k2=2.8mm,m1=m2=2.6mm,およびg1=g2=0.1mmである。
図10は、いくつかの実施形態に係るループ構造1010を有するユニットセル1000である。このループ構造は、ユニットセル1000の周に追従する導電材料のトレースを含む。寸法k1,k2,m1,m2,g1,およびg2は、ユニットセル400のものと実質的に同じユニットセル1000の測定寸法属性を表す。具体的な測定寸法は、例えば、k1=k2=2.8mm,m1=m2=2.6mm,w=0.2mm,およびg1=g2=0.1mmである。
いくつかの実施形態においては、ユニットセル1000は、正方形,矩形,六角形,またはその他の好適な形状である。距離「n1」は、ループ構造1010の第1辺におけるループの内縁からループ構造1010の第2辺におけるループの内縁までの空隙部にわたって延びる。距離「n2」は、ループ構造1010の第3辺におけるループの内縁から、ループ構造1010の第4辺におけるループの内縁までの空隙部を縦断し、距離n1に垂直な方向に延びる。いくつかの実施形態においては、n1とn2とは同じである。いくつかの実施形態においては、n1とn2とは異なる。
図11は、いくつかの実施形態に係るループスロット構造1110を有するユニットセル1100である。いくつかの実施形態においては、このループスロット構造は、導電材料1150のパッチを囲繞する導電材料1125のループを含み、当該パッチと当該ループとの間には空隙部がある。いくつかの実施形態においては、ユニットセル1100は、正方形,矩形,またはその他の好適な形状である。寸法k1,k2,w,m1,m2,g1,およびg2は、ユニットセル400のものと実質的に同じ測定寸法属性を表す。具体的な測定寸法は、例えば、k1=k2=2.8mm,w=0.2mm,m1=m2=2.6mmおよびg1=g2=0.1mmである。
図12(a)は、いくつかの実施形態に係るEM遮断構造1200の斜視図である。EM遮断構造700と比べて、EM遮断構造1200は、パッチ層1230を含む。パッチ層1230は、複数のユニットセル1235を含む。パッチ層1230は、パッチ層840に類似している。複数のユニットセル1235を、ユニットセル900,1000および1100から選択することが可能である。簡潔にするために、これらの素子の説明をここでは繰り返さない。導体層720の複数のユニットセル725および複数のユニットセル730は、これらのユニットセル725およびユニットセル730のそれぞれの隅部が、パッチ層1230の各ユニットセル1235の中央部と重なるように、ずれて重ねられている。この重なりを表す破線を図12(b)に示す。
図12(b)は、EM遮断構造1200の平面図である。破線「A」は、第1導体層720が第2導体層1230に重なる領域を示す。
図13は、いくつかの実施形態に係るEM遮断構造1300の斜視図である。EM遮断構造1300は、EM遮断構造700に類似している。ユニットセル1325は、ユニットセル725に類似しており、ユニットセル1330は、ユニットセル730に類似している。簡潔にするために、これらのユニットセルの説明をここでは繰り返さない。EM遮断構造700と比べて、EM遮断構造1300は、ユニットセル1325またはユニットセル1330の代わりに、空隙1335を含む。いくつかの実施形態においては、2以上のユニットセル1320またはユニットセル1330が、空隙1335に置き換えられている。
図14は、いくつかの実施形態に係るEM遮断構造1400の斜視図である。EM遮断構造1400は、EM遮断構造700に類似している。ユニットセル1325は、ユニットセル725に類似しており、ユニットセル1330は、ユニットセル730に類似している。簡潔にするために、これらのユニットセルの説明をここでは繰り返さない。EM遮断構造700と比べて、EM遮断構造1400は、ユニットセル1325またはユニットセル1330の代わりに、空隙1435を含む。いくつかの実施形態においては、2以上のユニットセル1325またはユニットセル1330が、空隙1435に置き換えられている。
図15は、接地層110と第2導体層130との間にさらなる第3導体層1520がある、図1の例示的実施形態の斜視図である。
図16(a)は、基板1600の表面にアンテナ素子1625およびアンテナ素子1630を備えた図7の例示的実施形態の平面図である。いくつかの実施形態においては、アンテナ素子1625は、ユニットセル400に類似したメアンダライン状の部分を含む。いくつかの実施形態においては、アンテナ素子1630は、ユニットセル400に類似したメアンダライン状の部分を含む。いくつかの実施形態においては、アンテナ素子1625およびアンテナ素子1630は、同一の共振周波数を有し、他の実施形態においては、アンテナ素子1625およびアンテナ素子1630は、異なる共振周波数を有する。アンテナ素子1625およびアンテナ素子1630のいずれか、または両方の共振周波数は、例えば、5.27GHzである。いくつかの実施形態においては、アンテナ素子1625は、5.27GHzよりも高い共振周波数を有し、他の実施形態においては、アンテナ素子1625は、5.27GHzよりも低い共振周波数を有する。いくつかの実施形態においては、基板1600は、アンテナ素子1625またはアンテナ素子1630のいずれか一方を備える。いくつかの実施形態においては、基板1600は、アンテナ素子1625およびアンテナ素子1630の両方を備える。基板1600のいくつかの実施形態は、3以上のアンテナ素子を収容する。いくつかの実施形態においては、アンテナ素子1625および/またはアンテナ素子1630は、直線偏波されており、他の実施形態においては、アンテナ素子1625および/またはアンテナ素子1630は、円偏波されている。
図16(b)は、図16(a)の切断面線B−B’における基板1600の断面である。寸法hおよびdは、EM遮断構造100のものと実質的に同じ基板1600の測定寸法属性を表す。具体的な測定寸法は、例えば、h=1.68mmおよびd=0.3mmである。
図17は、少なくとも1実施形態に係る導体層1720の平面図である。導体層1720は、導体層720に類似している。導体層720と比べて、導体層1720は、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730が異なるパターンを有する。導体層1720は、4つの縦方向の列を含む。第1(最左)列において、3つのユニットセル725が、隣接するユニットセル730の縦方向上側に順次配置される。第2(最左列に隣接する)列は、4つのユニットセル730を含む。第3列は、3つの順次配置されたユニットセル725に隣接して、縦方向に配置された1つのユニットセル730を含む。第4列は、第2列と実質的に同様に順次配置された4つのユニットセル730を含む。いくつかの実施形態においては、導体層1720は、5以上または4未満の列を含む。当業者であれば、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730のパターンのさらなる変形例も、本説明の範囲内であることを認識するであろう。
図18(a)は、少なくとも1実施形態に係る導体層1820の複数のユニットセル725および複数のユニットセル730のパターンの平面図である。導体層1820は、導体層720に類似している。導体層720と比べて、導体層1820は、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730が異なるパターンを有する。導体層1820は、縦方向に2列を備える。第1(最左)列においては、1つのユニットセル730が、隣接するユニットセル725の縦方向上側に連続して配置されている。第2(最左列に隣接する)列は、2つのユニットセル730を含む。いくつかの実施形態においては、導体層1820は、3以上または2未満の列を含む。当業者であれば、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730のパターンのさらなる変形例も、本説明の範囲内であることを認識するであろう。
図18(b)は、少なくとも1実施形態に係る導体層1830の複数のユニットセル725および複数のユニットセル730のパターンの平面図である。導体層1830は、導体層720に類似している。導体層720と比べて、導体層1830は、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730が異なるパターンを有する。導体層1830は、縦方向に3列を備える。第1(最左)列において、3つのユニットセル725が、縦方向に順次配置されている。第2(最左列に隣接する)列において、1つのユニットセル725が、2つのユニットセル730の間に隣接して配置されている。第3列は、3つの順次配置されたユニットセル725を含む。いくつかの実施形態においては、導体層1830は、4以上または3未満の列を備える。当業者であれば、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730のパターンのさらなる変形例も、本説明の範囲内であることを認識するであろう。
図19(a)は、少なくとも1実施形態に係る導体層1920の平面図である。導体層1920は、導体層720に類似している。導体層720と比べて、導体層1920は、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730が異なるパターンを有する。導体層1920は、縦方向に3列を備える。第1(最左)列において、3つのユニットセル725が順次配置されている。第2(最左列に隣接する)列は、2つの連続したユニットセル730に隣接する縦方向に配置された1つのユニットセル725を含む。第3列は、3つの順次配置されたユニットセル730を含む。いくつかの実施形態においては、導体層1920は、4以上または3未満の列を備える。当業者であれば、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730のパターンのさらなる変形例も、本説明の範囲内であることを認識するであろう。
図19(b)は、少なくとも1実施形態に係る導体層1930の平面図である。導体層1930は、導体層720に類似している。導体層720と比べて、導体層1930は、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730が異なるパターンを有する。導体層1930は、縦方向に3列を備える。第1(最左)列において、1つのユニットセル730に隣接して、2つのユニットセル725が縦方向に順次配置されている。第2(最左列に隣接した)列は、第1列のユニットセル725およびユニットセル730と同一の構成を有する。第3列は、3つの順次配置されたユニットセル730を含む。いくつかの実施形態においては、導体層1930は、4以上または3未満の列を備える。当業者であれば、複数のユニットセル725および複数のユニットセル730のパターンのさらなる変形例も、本説明の範囲内であることを認識するであろう。
図20(a)および図20(b)は、第1導体層および第2導体層が複数のメアンダラインユニットセルで構成される、電磁遮断構造100の例示的実施形態のEM遮断特性のグラフである。グラフにおける実線曲線S11xおよび破線曲線S11yの重複の度合いは、信号異方性の度合いに関する。サフィックスのxおよびyは、入射する平面波の電界の方向を示す。従って、重複がより大きい区域は、信号異方性が少ないことを示す。誘電材料50の比誘電率は4.7であり、誘電正接は0.02であり、各導体層は、厚さ18μmの銅により製造されている。有限要素法によりシミュレーションを行った。平面波が+z方向、例えば第1導体層120に垂直な方向から入射すると仮定して、反射波を算出した。周期境界条件を用いてシミュレーションを実施した。図20(a)は、周波数の関数としてのEM遮断構造100の反射強度のグラフ2000であり、図20(b)は、周波数の関数としての電磁遮断構造100の反射位相のグラフ2000’である。グラフ2000’において、S11x上の点m1,m2およびm3は、それぞれ90度,0度,−90度の反射位相に相当する。これらの結果から、電磁遮断構造100のEM遮断効果は、おおよそ2.87GHzから3.02GHzにおいて見られ、約150MHzのEM遮断帯域幅(すなわち、2.87GHzと3.02GHzとの差)があることを示している。
図21(a)および図21(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2100および2100’は、複数のユニットセル125および135がユニットセル500に類似したEM遮断構造100と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2100および2100’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図22(a)および図22(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2200および2200’は、複数のユニットセル125,135,および1525がユニットセル400に類似したEM遮断構造1500と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2200および2200’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図23(a)および図23(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2300および2300’は、複数のユニットセル125および1525がユニットセル500に類似し、複数のユニットセル135がユニットセル900に類似したEM遮断構造1500と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2300および2300’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図24(a)および図24(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2400および2400’は、複数のユニットセル125および1525がユニットセル600に類似し、複数のユニットセル135がユニットセル900に類似したEM遮断構造1500と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2400および2400’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図25(a)および図25(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2500および2500’は、複数のユニットセル125および1525がユニットセル400に類似し、複数のユニットセル135がユニットセル1000に類似したEM遮断構造1500と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2500および2500’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図26(a)および図26(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2600および2600’は、複数のユニットセル125および1525がユニットセル400に類似し、複数のユニットセル135がユニットセル1100に類似したEM遮断構造1500と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2600および2600’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図27(a)および図27(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2700および2700’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル400に類似したEM遮断構造700と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2700および2700’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図28(a)および図28(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2800および2800’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル500に類似したEM遮断構造700と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2800および2800’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図29(a)および図29(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ2900および2900’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル600に類似したEM遮断構造700と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ2900および2900’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図30(a)および図30(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3000および3000’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル400に類似したEM遮断構造1700と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3000および3000’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図31(a)および図31(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3100および3100’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル400に類似し、層720が4つのユニットセル725および5つのユニットセル730を含む3×3層である、EM遮断構造700と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3100およ3100’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図32(a)および図32(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3200および3200’は、複数のユニットセル1325および1330がユニットセル400に類似したEM遮断構造1300と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3200および3200’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図33(a)および図33(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3300および3300’は、複数のユニットセル1325および1330がユニットセル400に類似し、空隙1435がユニットセル900に類似したEM遮断構造1400と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3300および3300’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図34(a)および図34(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3400および3400’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル400に類似し、複数のユニットセル1235がユニットセル900に類似したEM遮断構造1200と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3400および3400’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図35(a)および図35(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3500および3500’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル500に類似し、複数のユニットセル1235がユニットセル900に類似したEM遮断構造1200と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3500および3500’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図36(a)および図36(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3600および3600’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル600に類似し、複数のユニットセル1235がユニットセル900に類似したEM遮断構造1200と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3600および3600’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図37(a)および図37(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3700および3700’は、複数のユニットセル725および730がユニットセル400に類似し、複数のユニットセル1235がユニットセル1000に類似したEM遮断構造1200と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3700および3700’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図38(a)および図38(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ3800および3800’は、複数のユニットセル725および735が、図18(a)の導体層1820に示すパターンと同様に配置されたユニットセル400に類似し、パッチ層1230の複数のユニットセル1235が、図18(b)の導体層1830に示すパターンと同様に配置された複数のメアンダラインユニットセル400であるEM遮断構造1200と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3800および3800’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図39は、第1導体層720とパッチ層1230とのズレ%の関数として、中心周波数と等方性を示す帯域幅を表現したグラフである。中心周波数は、S11yの強度の最小値とした。ズレ%は、ユニットセル1235等の複数のパッチセルに対して、ユニットセル725およびユニットセル730等の複数のユニットセルがずれている量によって決まり、複数のユニットセルの幅のパーセンテージとして表現される。グラフ3900は、複数のユニットセル725および730がユニットセル400に類似し、複数のユニットセル1235がユニットセル900に類似したEM遮断構造1200と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ3900は、上記の有限要素法を用いて取得した。グラフ右側のy軸は、単位がメガヘルツ(MHz)の観察された等方性の帯域の周波数を示す。このデータをさらに表1(以下)に数値的に表している。表1において、EM遮断効果は、約11%のズレ(ズレ%欄における11.43)において顕著になりはじめるのが分かる。これは、1ユニットセルの対角線の距離の12%から88%のズレに対応している。したがって、EM遮断効果は、12%から88%のズレの間で観察される。
図40(a)および図40(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ4000および4000’は、複数のユニットセル125および135がユニットセル400に類似し、複数のユニットセル845がユニットセル900に類似したEM遮断構造800と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ4000および4000’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図41(a)および図41(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ4100および4100’は、複数のユニットセル125が、図19(a)に類似した構成のユニットセル400に類似し、ユニットセル400に類似した複数のユニットセル135が、図19(b)と同様の構成であり、複数のユニットセル845が、2×2構成の複数のユニットセル900に類似したEM遮断構造800と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ4100および4100’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
図42(a)および図42(b)はそれぞれ、周波数に対する反射強度および周波数に対する反射位相のグラフである。グラフ4200および4200’は、複数のユニットセル125,135,および1525がユニットセル400に類似したEM遮断構造1500と同様の構造を有するEM遮断構造に基づいて取得した。グラフ4200および4200’は、上記の有限要素法を用いて取得した。
表2(以下)は、層130に対する層120および層1520の複数のユニットセルの重なりのずれである様々なズレパーセンテージ(「ズレ%」)を1ユニットセルの幅のパーセンテージ(%)として表現した図15の例示的実施形態に対して実施した、図20(a)および図20(b)に用いたのと同じ有限要素法を用いたシミュレーションから取得されたデータを示している。