向かってくるボールをバットやラケット等のスポーツ用具で打ち返す各種のスポーツでは、強いボールを打ち返すことや、早いボールを打ち返すことが、競技で勝利を収めるために重要なファクターとなっている。そのため、このようなスポーツで用いられるスポーツ用具では、打者(選手)がその手に力を込められるように、手とグリップ(握り部分)とがしっかりと固定されることが求められている。
このようなスポーツの主要なものの一つとして、野球があり、上記スポーツ用具としては、野球バットが相当する。野球における打者が野球バットを用いて力強い打球を飛ばすためには、打点時の衝撃に負けないように、しっかりとグリップを固定することによって、高い打撃力と打球にジャストミートする確率を共に高めることが重要である。
その一方で、野球バットのグリップ(野球バットのグリップの先端(グリップ端又はグリップエンドとも言う)から18インチ(45.7cm)の箇所のことを言う)には、野球バットの握り部分の先端(グリップエンド)に厚みを持たせた形状によって、打者がグリップを握った際に、打者の掌に、若干の遊び(可動性)を持たせると共に固定させている。これにより、野球バットを様々な掌のサイズの打者に適合させることができ、また、打者の掌の動作にある程度の柔軟性を持たせている。
その一方で、このような野球バットのグリップに若干の遊び(可動性)があることから、野球バットにボールが当たった瞬間に打者の掌に振動や衝撃が伝わりやすくなり、この振動や衝撃に打者が打ち負けやすくなり、結果として、打撃力(飛距離)が低下したり、打者がジャストミートできる確率が低下したりする虞がある。
また、野球規則によれば、野球バットの握り部分(グリップ)には、何らかの物質を付着させたり、ザラザラにして握りやすくさせたりことは許されている。但し、当該グリップの範囲を超えてまで(即ち、上記のグリップエンドから18インチを超えてまで)物質を付着させたり加工させたりした野球バットを試合に使用することは禁じられている。
そのため、野球規則に準ずる範囲内で、打者に強力で安定的な打撃をサポートできるような野球バットやそのグリップに取り付けるグリップ用テープが切望されている。
従来から、スポーツ用具である野球バットのグリップに使用するための各種のグリップカバー(グリップ用テープ)が提案されている。例えば、打点時の振動を吸収するために、予め成形されたスリーブを備えるものがあり、当該スリーブは、弾性振動減衰材料で形成され、使用者がグリップを握るのを容易にするために粘着性の外面を有し、前記スリーブの下端部は、使用者の手がグリップからすべり離れるのを阻止するための止め部材として作用すべき外方に延びた周ノブを有するグリップカバー(グリップ用テープ)がある(特許文献1参照)。しかし、使用者がグリップを握った際に、両手の間が相互に動き易い状態となり、打点時の両手の安定性に欠けるものにとどまっている。
このようなことから、従来のスポーツ用具である野球バットとしては、グリップの形状が工夫されたものが提案されている。
例えば、従来のスポーツ用具である野球バットとしては、野球バットのグリップ端部をしの字又はL字にするものが開示されている(特許文献2参照)。また、例えば、両手でグリップを上下に握る打球具において、前記両手の間の前記グリップに、径方向に膨らんだ鍔部を設けると共に、上側の手の小指側が当たる前記鍔部側面は上側の手で握った前記グリップ外周から前記鍔部外周にかけて径方向に徐々に拡径するテーパ状に形成したことを特徴とする打球具も開示されている(特許文献3参照)。
また、例えば、1箇所に縦方向の割れ目があり、内面にイボが施されており、両端がバットのグリップエンド状の筒の、それの凹み状の中央部と、それに固定されるベルトに設置した面ファスナーで構成されたバット用グリップ当ても開示されている(特許文献4参照)。また、バットのグリップ部が貫通し、グリップ部の外周面に当接する円孔を開孔した偏平リング状に形成し、円孔がグリップ部を貫通してグリップ部に鍔状に装着する野球又はソフトボールのバットに装着する補助具も開示されている(特許文献5参照)。また、野球の打撃の際使用する移動式スベリ止めグリップエンドであって、弾力性のある素材でバットに密着させ滑りを止め、その上から伸縮性のある素材を巻き、マジックテープ(登録商標)で固定する移動式スベリ止めグリップエンドも開示されている(特許文献6参照)。
しかし、従来のスポーツ用具である野球バットでは、例えば、上記特許文献2のように、野球バットのグリップ端部がL字又はしの字である形状では、当該L字又はしの字が有する角度を付けて折れた形状の折れ目に形成される空間が存在することによって、依然として掌と野球バットの接点がぐらつき易いものとなり、当該接点における握り込み時の安定性が十分とは言えない。さらに、当該L字又はしの字の形状では、複雑な形状であり製造し難いという課題もある。
また、従来のスポーツ用具である野球バットは、例えば、上記特許文献3のように、上側の手の小指側が当たる鍔部側面が上側の手で握った前記グリップ外周から前記鍔部外周にかけて径方向に徐々に拡径するテーパ状の鍔部を有する形状では、上側の手の固定を目的としており、即ち、テーパ状の鍔部の背面部に接し得る側にある下側の手でのグリップ固定が弱いことから、下側の手のしっかりした固定が強い打撃を生み出すという点から、打撃力が向上し難いという課題がある。また、上記特許文献4のように、グリップエンドを固定するバット用グリップ当ての場合にも、グリップエンドにおける下側の手の固定が強化されるに留まり、下側の手のしっかりした固定が強い打撃を生み出すという点から、打撃力が向上し難いという課題がある。
また、例えば、上記特許文献5のように、グリップ部の外周面に当接する円孔を開孔した偏平リング状の鍔状の補助具では、リング状の形状であることから、時間の経過と共に、鍔状の補助具のリング面と手が接する領域が移動し易く、即ち、手が動き易くなることから不安定な固定となり、打撃力が向上し難いという課題がある。また、上記特許文献6のように、移動式スベリ止めグリップエンドもあるが、スベリ止めグリップエンドはスイングの際にバットが手から離れ難くすることを目的とするものであり、打撃力の向上をもたらすものではない。
このように、従来のスポーツ用具である野球バットにおいては、打者に強力で安定的な打撃をサポートできるものは未だ見当たらず、ましてやグリップ用テープを用いて、簡素にそれを実現できているものも見当たらない。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、簡素な構成で、打者に強力で安定的な打撃をサポートできるグリップ用テープ及びそれを用いた野球バット等のスポーツ用具に代表されるグリップ(握り手)を有する作業用具の提供を目的とする。
本願に開示するグリップ用テープは、グリップ付きのスポーツ用具のグリップに取り付けるグリップ用テープであって、表面層と裏面層を有し、当該裏面層が弾性体で構成されたシートをV字形状のテープで形成され、前記グリップの中央部分を中心に、前記V字形状の先端から両側に巻回してグリップを形成するものである。
このように、表面層と裏面層を有し、当該裏面層が弾性体で構成されたシートをV字形状のテープで形成され、前記グリップの中央部分を中心に、前記V字形状の先端から両側に巻回してグリップを形成することから、グリップの中央部分にV字形状の先端部が巻き付けられて最も重畳的に巻かれることにより、グリップの中央部分が隆起することとなり、また一方で、当該中央部分からV字形状の両端(すなわち、一の端部及び他の端部)に向かう巻回方向が、各々異なる方向(逆方向)に形成されることから、当該異なる巻回方向が、グリップを握った際の左手と右手で異なる握り方向と合致することとなり、前記隆起によりグリップを握った左右の手がしっかりと固定されると共に、グリップを握った左右の指の握りが強固に固定され、簡素な構成で、手との強固な固定感が得られ、特に作業用具をスポーツ用具に適用した際には、打者に強力で安定的な打撃をサポートすることができる。
また、本願に開示するグリップ用テープは、必要に応じて、前記弾性体が、前記V字形状の先端近傍で、前記V字形状の内側では厚く形成されると共に、前記V字形状の外側では薄く形成されるものである。このように、前記弾性体が、前記V字形状の先端近傍で、前記V字形状の内側では厚く形成されると共に、前記V字形状の外側では薄く形成されることから、前記V字形状の内側に形成される厚みによって、テープが巻回することによりグリップの中央部分に形成される前記隆起が、より急峻なものとして形成されることとなり、前記隆起によりグリップを握った左右の手がさらにしっかりと固定され、簡素な構成で、手との強固な固定感が得られ、特に作業用具をスポーツ用具に適用した際には、打者により強力で安定的な打撃をサポートすることができる。
また、本願に開示するグリップ用テープは、必要に応じて、前記弾性体が、前記V字形状の両側近傍又は片側近傍で、前記V字形状の内側では薄く形成されると共に、前記V字形状の外側では厚く形成されるものである。このように、前記弾性体が、前記V字形状の両側近傍又は片側近傍で、前記V字形状の内側では薄く形成されると共に、前記V字形状の少なくとも1つの外側では厚く形成されることから、前記V字形状の両端又は一端(すなわち、一の端部及び/又は他の端部)に形成される厚みによって、テープが巻回することによりグリップの両端又は一端に隆起が形成されることとなり、前記隆起によりグリップを握った左右の手が、グリップの両端部又は一端部でさらにしっかりと固定され、簡素な構成で、手との強固な固定感が得られ、特に作業用具をスポーツ用具に適用した際には、打者により強力で安定的な打撃をサポートすることができる。
また、本願に開示するグリップ用テープを用いた作業用具は、上記グリップ用テープが、前記グリップに巻回されて成るものである。このように、上記グリップ用テープが、前記グリップに巻回されて成ることから、上記グリップ用テープを巻く手間が無く使えることとなり、より簡便に、手との強固な固定感が得られ、特に作業用具をスポーツ用具に適用した際には、打者により強力で安定的な打撃が得られる。
また、本願に開示するグリップ用テープを用いた作業用具の製造方法は、グリップ用テープの前記V字形状の先端を、前記グリップの中央部分に当接し、当該当接された前記V字形状の先端から両側に向かって、前記グリップ上で巻回するものである。このように、グリップ用テープの前記V字形状の先端を、前記グリップの中央部分に当接した後に、前記V字形状の両側に向かって、前記グリップ上で巻回することから、グリップ上で、グリップ用テープの前記V字形状の先端により形成される中央部から、前記V字形状の各両側に向かう巻き方向が、各々異なる向きで形成されることとなり、当該中央部を右手と左手の境界としてグリップを握った際に、握り方向が異なる左右各々の握り手に対しても、載置された指の方向とテープの巻き方向とが一致することとなり、強固な固定感が得られ、特に作業用具をスポーツ用具に適用した際には、打者により強力で安定的な打撃が得られる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る野球バットを図1〜図4に基づいて説明する。
第1の実施形態に係るグリップ用テープ10は、握り手(グリップ)付きの作業用具のグリップ100に取り付けるグリップ用テープ10であって、図1(a)に示すように、表面層1と裏面層2を有し、当該裏面層2が弾性体で構成されたシートをV字形状のテープ21で形成されるものである。
このV字形状は、図1(a)に示すように、尖った形状の先端10aと、両側である一の端部10b及び他の端部10cを有する形状である。また、このグリップ用テープ10は、表面層1と裏面層2を有し、当該裏面層2が弾性体で構成されたシートで形成された平面から、V字形状に切り取ることによって、得ることができる。また、この裏面層2を構成する弾性体の厚みは、特に限定されず、一定の厚みとすることもできるが、例えば、図1(b)に示すように、傾斜状(斜面状)とすることもできる。
また、図1(c)に示すように、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の先端10aに近付くにつれて、前記V字形状の内側では厚く形成されると共に、前記V字形状の外側では薄く形成される(図中の断面A−A’参照)。
さらに、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の両側(一の端部10b及び他の端部10c)に近付くにつれて、前記V字形状の内側と外側での厚みの傾斜が徐々に緩やかになり、この厚みに傾斜が一旦無くなり(図中の断面B−B’参照)、さらに、前記V字形状の両側(一の端部10b及び他の端部10c)に近付くにつれて、厚みの傾斜方向が逆転し、前記V字形状の内側では薄く形成されると共に、前記V字形状の外側では厚く形成される(図中の断面C−C’参照)。
なお、前記裏面層2を構成する弾性体は、前記V字形状の先端10aの近傍では、その厚みが平坦な形状でもよいが、その厚みがより鋭敏な凸部となる形状で形成されることが好ましい(図中の断面D−D’参照)。
このような前記裏面層2を構成する弾性体の厚みに変化をもたせたグリップ用テープ10を得るには、先ず、前記V字形状の両側又は片側(一の端部10b及び/又は他の端部10c)に近付くにつれて、前記V字形状の内側では薄く形成されると共に、前記V字形状の外側では厚く形成されるように、弾性体の厚みに起伏を持たせた傾斜状(斜面状)のものを用意する。例えば、図1(d)に示すように、前記V字形状の先端10aに近付くにつれて、弾性体の厚みが増すと共に、前記V字形状の両側(一の端部10b及び他の端部10c)に近付くにつれて、前記V字形状の内側では薄く形成されると共に、前記V字形状の外側では厚く形成されるように、弾性体の厚みに起伏を持たせた傾斜状(斜面状)のものを用意し、所望とする厚みのV字形状を切り取ることで得ることができる。なお、このように、前記V字形状の両側を傾斜状(斜面状)とする他にも、前記V字形状の片側を傾斜状(斜面状)とすることも可能であり、すなわち、グリップ100の端部のうち、グリップ100のグリップエンド100b側のみに起伏形状を有する形状や、グリップ100のバット側の端部(他の端部100c)側のみに起伏形状を有する形状等、用途に応じてグリップ100の自在な起伏形状が可能となる。
このグリップ用テープ10は、図2(a)に示すように、作業用具の一例であるスポーツ用具(例えば、野球バット)のグリップ100の中央部分100aを中心に、前記V字形状の先端10aから両側(一の端部10b及び他の端部10c)に巻回してグリップを形成することができる。
このグリップ用テープ10の巻回によるグリップの形成方法については、図2(b)に示すように、このグリップ用テープ10のV字形状の先端10aを、グリップ100の中央部分に当接し(S1)、この当接されたV字形状の先端10aから両側(一の端部10b及び他の端部10c)に向かって、グリップ100上で巻回する(S2)ことによって、作業用具(例えば、スポーツ用具)を製造することができる。
すなわち、図3(a)に示すように、グリップ用テープ10の前記V字形状の先端10aを、作業用具の一例であるスポーツ用具(例えば、野球バット)のグリップ100の中央部分100aに当接して固定して、グリップ用テープ10をグリップ100に順次巻き付けていくことで、先端10aに巻きによる厚みで隆起が生じる。さらに、図3(b)に示すように、グリップ用テープ10をグリップ100に順次巻き付けていくことによって、図3(c)に示すように、この巻き付けが、グリップ用テープ10の前記V字形状の両側(一の端部10b及び他の端部10c)まで到達することによって、このグリップ用テープ10から構成されるグリップ100が形成される。
このようにして形成されたグリップ100は、図3(c)に示すように、グリップ100の中央部分100aに、V字形状の先端部が巻き付けられて最も重畳的に巻かれることにより、グリップ100の中央部分100aが隆起することとなり、この隆起によってグリップ100を握った左右の手がしっかりと固定されると共に、グリップ100を握った左右の指の握りが強固に固定され、簡素な構成で、打者(選手)に強力で安定的な打撃をサポートすることができる。
また、上述の図1(c)(断面A−A’)で示したように、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の先端10a近傍で、前記V字形状の内側では厚く形成されると共に、前記V字形状の外側では薄く形成されることによって、前記V字形状の内側に形成される厚みによって、テープが巻回することによりグリップ100の中央部分100aに形成される隆起が、より急峻なものとして形成されることとなり、この隆起によって、グリップ100を握った左手と右手の間(両手が動き易く、ぐらつき易い箇所)がさらにしっかりと固定され、簡素な構成で、打者(選手)により強力で安定的な打撃をサポートすることができる。
また、上述の図1(c)(断面C−C’)で示したように、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の両側(一の端部10b及び他の端部10c)近傍で、前記V字形状の内側では薄く形成されると共に、前記V字形状の外側では厚く形成されることにより、前記V字形状の両端(すなわち、一の端部10b及び他の端部10c)に形成される厚みによって、テープが巻回することによりグリップ100の両端(グリップエンド100b及び他の端部100c)にも、隆起が形成されることとなり、この隆起によってグリップを握った左右の手が、グリップの両端(グリップエンド100b及び他の端部100c)においても、さらにしっかりと固定され、簡素な構成で、打者(選手)により強力で安定的な打撃をサポートすることができる。なお、前記V字形状の端部においては、このような前記V字形状の両端(グリップエンド100b及び他の端部100c)共に厚みが形成されるものの他にも、前記V字形状の一端(グリップエンド100b又は他の端部100c)のみに厚みを形成することも可能であり、用途に応じた所望とする形状とすることができ、簡素な構成で、打者(選手)により強力で安定的な打撃をサポートすることができる。
図4では、このようにして形成されたグリップ100を、打者(選手)が左手200aと右手200bで握った場合の状態図を示している。このように、グリップ用テープ10が、中央部分10aからV字形状の両側(一の端部10b及び他の端部10c)に向かう巻回方向(図中の方向Aと方向B)が、各々異なる方向(逆方向)に形成されることから、この異なる巻回方向が、グリップを握った際の左手200aと右手200bの握り方向(図中の方向Aと方向B)と,各々合致することとなり、グリップ100を握った左右の指の握りが強固に固定され、簡素な構成で、打者(選手)に強力で安定的な打撃をサポートすることができる。
このグリップ100を備える作業用具の一例であるスポーツ用具は、特に限定されず、野球バットでも各種のラケットでも適用可能であり、その素材は特に限定されず、例えば、野球バットの場合には、金属バットでも木製バットでも適用可能である。
また、野球規則によれば、野球バットの握り部分であるグリップ100は、グリップエンド100bからの長さL=18インチ(45.7cm)の範囲内には、何らかの物質を付着させたり、加工したり、ザラザラにして握りやすくさせたりことは許されている。
上記のように、本実施形態に係るグリップ用テープ10の隆起は、野球バットの握り部分であるグリップ100の所定の範囲内に形成できることから、そのまま野球規則に準拠することができるという利点があり、有用性が高い。
このグリップ用テープ10は、上記のように、野球バット等のスポーツ用具のグリップ100に着脱可能に取り付けられることから、打者(選手)が装着したい場合には装着でき、また、装着を控えたい場合には取り外せるという打者の個々の場面のニーズに応じた装着ができることとなり、より高い使い勝手を実現することができる。
尚、本実施形態では、このグリップ用テープ10は、野球バット等のスポーツ用具のグリップ100本体に着脱可能に取り付ける構成としたが、この形態に限定されず、この野球バット等のスポーツ用具とグリップ用テープ10とが、1つの金属バットや木製バットとして一体となった形態としてもよい。その場合には、1つの製造工程で、簡易にグリップ100に隆起を有するスポーツ用具(例えば、野球バット)を製造することや販売することができる。
このように、本実施形態に係る作業用具は、その一例としてスポーツ用具が挙げられ、例えば、野球バットに適用した場合には、野球規則に準拠しつつ、優れた使用感及び固定感が得られ、さらに打者に強力でより安定的な打撃をサポートすることが実現できる。また、本実施形態に係る作業用具は、グリップ100を備えるものであれば、スポーツ用具の一つである野球バットに限定されず、例えば、ゴルフクラブ、テニスラケット、ゲートボールラケット、ホッケーラケット、アイスホッケーラケット、ポロラケット等、多岐に渡り適用することができる。なお、本実施形態に係る作業用具は、上記のスポーツ用具に限定されるものではなく、持ち手(グリップ)を有する各種の作業用機具におけるハンドルに対しても、適用することができ、上記同様のしっかりとした固定感を得ることが可能となる。
(その他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、上記の図1(c)で示したように、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の両側(一の端部10b及び他の端部10c)近傍で、前記V字形状の内側では薄く形成されると共に、前記V字形状の外側では厚く形成される(図中の断面C−C’参照)構成としたが、この構成に限定されるものではない。
このようなことから、その他の実施形態としては、図5(a)に示すように、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の両側(一の端部10b及び他の端部10c)近傍では、前記V字形状の内側と外側で厚みを均等にした構成(図中の断面C−C’参照)とすることができる。
このような構成によって、この図5(a)(断面A−A’)で示されるように、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の先端10a近傍で、前記V字形状の内側では厚く形成されると共に、前記V字形状の外側では薄く形成されることから、前記V字形状の内側に形成される厚みによって、テープが巻回することによりグリップ100の中央部分100aに形成される隆起が、図5(b)で示されるように、より急峻なものとして形成されることとなり、この隆起によって、グリップ100を握った左手と右手の間(両手が動き易く、ぐらつき易い箇所)がさらにしっかりと固定され、簡素な構成で、打者(選手)により強力で安定的な打撃をサポートすることができる。
なお、上記の実施形態では、上記の図1(c)で示したように、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の先端10a近傍で、前記V字形状の内側では厚く形成されると共に、前記V字形状の外側では薄く形成される構成(図中の断面A−A’参照)としたが、この構成に限定されるものではない。
このようなことから、その他の実施形態としては、図6(a)に示すように、前記裏面層2を構成する弾性体が、前記V字形状の先端10a近傍で、前記V字形状の内側と外側で厚みを均等にした構成(図中の断面A−A’参照)とすることができる。さらには、図中の断面D−D’も平坦にすることで、前記裏面層2を構成する弾性体が全体にわたって、厚みを均等にした構成とすることもできる。
このような構成によって、グリップ100の中央部分100aを中心に、前記V字形状の先端10aから両側(一の端部10b及び他の端部10c)に巻回してグリップ100が形成されることから、グリップ100の中央部分100aにV字形状の先端部が巻き付けられて最も重畳的に巻かれることにより、グリップの中央部分100aが隆起することとなり、また一方で、この中央部分100aからV字形状の両端(すなわち、一の端部10b及び他の端部10c)に向かう巻回方向が、各々異なる方向(逆方向)に形成されることから、この異なる巻回方向が、グリップ100を握った際の左手と右手の握り方向と各々合致することとなり、この隆起によって、グリップ100を握った左右の手がしっかりと固定されると共に、グリップ100を握った左右の指の握りが、グリップ100の巻き方向に沿って強固に固定され、簡素な構成で、打者に強力で安定的な打撃をサポートすることができる。