JP6769041B2 - スパッタリングターゲットの超音波検査方法、及び、スパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲットの超音波検査方法、及び、スパッタリングターゲット Download PDF

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Description

本発明は、ターゲット材とバッキング材とがはんだ層を介して接合されて構成されたスパッタリングターゲットの超音波検査方法、及びスパッタリングターゲットに関するものである。
金属膜や酸化物膜等の薄膜を成膜する手段として、スパッタリングターゲットを用いたスパッタ法が広く用いられている。
一般に、スパッタリングターゲットは、成膜する薄膜の組成に応じて形成されたターゲット材と、このターゲット材を保持するバッキング材とが、はんだ層を介して接合された構造とされている。
上述のスパッタリングターゲットとしては、例えば、平板型スパッタリングターゲット、及び、円筒型スパッタリングターゲットが提案されている。
平板型スパッタリングターゲットにおいては、平板状のターゲット材と平板状のバッキング材(バッキングプレート)が積層された構造とされる。
また、円筒型スパッタリングターゲットにおいては、円筒状のターゲット材の内周側に円筒状のバッキング材(バッキングチューブ)が挿入された構造とされる。なお、円筒型ターゲットの軸線方向長さは、例えば1m以上と比較的長く設定されたものが提案されている。
円筒型スパッタリングターゲットは、その外周面がスパッタ面とされており、ターゲットを回転しながらスパッタを実施することから、平板型スパッタリングターゲットを用いた場合に比べて連続成膜に適しており、かつ、スパッタリングターゲットの使用効率に優れるといった利点を有している。
ここで、バッキング材は、ターゲット材の保持、ターゲット材への電力供給、及び、ターゲット材の冷却のために配設されたものであり、上述のスパッタリングターゲットにおいては、ターゲット材とバッキング材とが良好に接合されている必要がある。
ターゲット材とバッキング材との接合状態を検査する手段として、例えば特許文献1には、X線の透過画像を用いて気泡(ボイド)などの接合欠陥の有無を判定する方法が提案されている。
また、特許文献2には、水中において超音波検査を行い、接合界面における超音波の反射波のピーク強度から気泡(ボイド)などの接合欠陥の有無を判定する方法が提案されている。
ところで、特許文献1に記載されたようにX線の透過画像を用いた検査方法によって上述のスパッタリングターゲットを検査した場合においては、ターゲット材、はんだ層及びバッキング材の積層方向における欠陥の位置を特定することはできなかった。
一方、特許文献2に記載されたように水中での超音波検査によって上述のスパッタリングターゲットを検査した場合においては、発振された超音波は、水/ターゲット材界面、ターゲット材/はんだ層界面、はんだ層/バッキング材界面、バッキング材/水界面、の4つの界面で主に反射される。ここで、空隙等の欠陥においては、音響インピーダンスがほぼ0であるため、界面における反射波に比べてピーク強度が非常に大きくなり、欠陥を検出することが可能となる。
従来、スパッタリングターゲットの接合状態を検査する場合には、一つのゲート時間によって反射波のピーク強度を測定して欠陥の有無を判定しており、スパッタリングターゲットには、接合状態を保証するための検査証として一つのゲート時間における反射波形や超音波画像を添付していた。
特開2003−042975号公報 特開2004−317475号公報
ところで、例えば上述の円筒型スパッタリングターゲットにおいては、円筒状のターゲット材の内周側に円筒状のバッキング材(バッキングチューブ)を挿入する構成とされ、その軸線方向長さが1m以上と比較的長く設定される場合もあることから、組み付け時の寸法精度の観点から、はんだ層の厚さが例えば0.75mm以上と厚く形成される傾向にある。このため、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波の時間差が大きくなり、一つのゲート時間によって反射波のピーク強度を測定して欠陥の有無を判定した場合には、ターゲット材/はんだ層界面における欠陥の有無とはんだ層/バッキング材界面における欠陥の有無の両者を精度良く判断することができないおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ターゲット材/はんだ層界面における反射波と、はんだ層/バッキング材界面における反射波との時間差が比較的大きくなっても、ターゲット材/はんだ層界面およびはんだ層/バッキング材界面における欠陥の有無を的確に判定することが可能なスパッタリングターゲットの超音波検査方法、及び、上述のスパッタリングターゲットの超音波検査方法によって検査され、接合信頼性に優れたスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査方法は、円筒状をなすターゲット材と円筒状をなすバッキング材との間にはんだ層を有するスパッタリングターゲットの超音波検査方法であって、前記はんだ層の材質及び厚さは、前記ターゲット材、前記はんだ層及び前記バッキング材の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波との時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となるように規定されており、前記ターゲット材/はんだ層界面からの反射波の発生時間を含む第1のゲート時間と、前記はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間とは異なる第2のゲート時間を設定し、前記ターゲット材、前記はんだ層及び前記バッキング材の積層方向に超音波を発振し、前記第1のゲート時間における反射波のピーク強度から前記ターゲット材/はんだ層界面における欠陥の有無を判断し、前記第2のゲート時間における反射波のピーク強度から前記はんだ層/バッキング材界面における欠陥の有無を判断し、前記はんだ層内部からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間及び前記第2のゲート時間とは異なる第3のゲート時間を設定し、前記第3のゲート時間における反射波のピーク強度から前記はんだ層内部における欠陥の有無を判断することを特徴としている。
このような構成とされた本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査方法によれば、前記はんだ層の材質及び厚さが、前記ターゲット材、前記はんだ層及び前記バッキング材の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波の時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となるように規定されているので、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波反射波の時間差が比較的大きくなっている。
そして、前記ターゲット材/はんだ層界面からの反射波の発生時間を含む第1のゲート時間と、前記はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間とは異なる第2のゲート時間を設定しているので、ターゲット材/はんだ層界面における欠陥の有無、及び、はんだ層/バッキング材界面における欠陥の有無を的確に判断することが可能となる。また、第1のゲート時間と第2のゲート時間が設定されているので、それぞれ欠陥の有無を判定するピーク強度の閾値を独立に設定することができ、欠陥の有無を精度良く判定することができる。
また、前記はんだ層内部からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間及び前記第2のゲート時間とは異なる第3のゲート時間を設定しているので、はんだ層内部における欠陥の有無を精度良く判定することができる。特に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波との時間差が非常に大きい場合には、ターゲット材/はんだ層界面及びはんだ層/バッキング材界面以外の欠陥も的確に検出することができる。
本発明のスパッタリングターゲットは、円筒状をなすターゲット材と円筒状をなすバッキング材との間にはんだ層を有するスパッタリングターゲットであって、前記はんだ層の材質及び厚さは、前記ターゲット材、前記はんだ層及び前記バッキング材の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波の時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となるように規定されており、前記ターゲット材/はんだ層界面からの反射波の発生時間を含む第1のゲート時間と、前記はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間とは異なる第2のゲート時間と、前記はんだ層内部からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間及び前記第2のゲート時間とは異なる第3のゲート時間を設定して超音波検査を行い、検査証として、第1のゲート時間を設定して超音波探傷して検査した超音波画像と、第2ゲート時間を設定して超音波探傷して検査した超音波画像と、第3ゲート時間を設定して超音波探傷して検査した超音波画像と、が添付されていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のスパッタリングターゲットによれば、前記はんだ層の材質及び厚さは、前記ターゲット材、前記はんだ層及び前記バッキング材の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面とはんだ層/バッキング材界面での反射波の時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となるように規定されているが、前記ターゲット材/はんだ層界面からの反射波を含む第1のゲート時間を設定して超音波探傷した検査結果と、前記はんだ層/バッキング材界面からの反射波を含むとともに、前記第1のゲート時間とは異なる第2ゲート時間を設定して超音波探傷した検査結果と、を備えているので、ターゲット材とバッキング材との接合状態が的確に検査できており、信頼性に特に優れている。
また、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、前記はんだ層の平均厚さtaveが0.75mm以上2.0mm以下の範囲内とされ、前記はんだ層の10箇所での測定値の標準偏差をσとするとき、3×σが0.2×tave以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記はんだ層の厚さのばらつきが抑えられているので、前記ターゲット材/はんだ層界面からの反射波、及び、前記はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間が安定しており、上述の第1のゲート時間と第2のゲート時間によって、前記ターゲット材/はんだ層界面、及び、前記はんだ層/バッキング材界面の欠陥の有無を的確に判断することができる。
以上のように、本発明によれば、ターゲット材/はんだ層界面における反射波と、はんだ層/バッキング材界面における反射波との時間差が比較的大きくなっても、ターゲット材/はんだ層界面およびはんだ層/バッキング材界面における欠陥の有無を的確に判定することが可能なスパッタリングターゲットの超音波検査方法、及び、上述のスパッタリングターゲットの超音波検査方法によって検査され、接合信頼性に優れたスパッタリングターゲットを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るスパッタリングターゲットの概略説明図である。(a)が軸線O方向に直交する断面図、(b)が軸線O方向に沿った断面図である。 欠陥位置と各ゲート時間におけるピーク強度との関係を示す説明図である。 ターゲット材/はんだ層界面における超音波画像の一例を示す図である。 はんだ層/バッキング材界面における超音波画像の一例を示す図である。 一つのゲートのみを用いた場合の超音波画像の一例を示す図である。
以下に、本発明の実施形態であるスパッタリングターゲットの超音波検査方法、及び、スパッタリングターゲットについて添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット10は、図1に示すように、軸線Oに沿って延在する円筒形状をなすターゲット材11と、このターゲット材11の内周側に挿入された円筒形状のバッキング材(バッキングチューブ)12とを備えている。
そして、ターゲット材11とバッキング材12は、はんだ層13を介して接合されている。
ターゲット材11は、成膜する薄膜の組成に応じた組成とされており、各種金属及び酸化物等で構成されている。本実施形態では、例えばCu−Ga合金等の銅合金で構成されたものとされている。
また、このターゲット材11のサイズは、例えば外径D1が100mm≦D1≦300mmの範囲内、内径d1が50mm≦d1≦200mmの範囲内、軸線O方向長さL1が50mm≦L1≦3000mmの範囲内とされている。
バッキング材12は、ターゲット材11を保持して機械的強度を確保するために設けられたものであり、さらにはターゲット材11への電力供給、及び、ターゲット材11の冷却といった作用を有するものである。このため、バッキング材12としては、機械的強度、電気伝導性及び熱伝導性に優れていることが求められており、例えばSUS304等のステンレス鋼、銅又は銅合金、チタン等で構成されている。
また、このバッキング材12のサイズは、例えば外径D2が30mm≦D2≦200mmの範囲内、内径d2が20mm≦d2≦195mmの範囲内、軸線O方向長さL2が50mm≦L2≦3000mmの範囲内とされている。
ターゲット材11とバッキング材12との間に介在するはんだ層13は、はんだ材を用いてターゲット材11とバッキング材12とを接合した際に形成されるものである。
本実施形態では、はんだ層13の材質及び厚さは、ターゲット材11、はんだ層13及びバッキング材12の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波の時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となるように規定されている。
はんだ層13の材質としては、例えばIn、In合金(In−Sn、In−Pb)等を挙げることができる。
本実施形態では、はんだ層13はInで構成されたものとされている。なお、Inの音速は1215m/sec.とされる。
また、本実施形態であるスパッタリングターゲット10においては、円筒形状をなすターゲット材11の内周側にバッキング材12を挿入する構成とされており、さらにターゲット材11の軸線O方向長さL1及びにバッキング材12の軸線O方向長さL2が比較的長く設定されているため、組み付け時の寸法精度の観点から、はんだ層13は比較的厚く形成されている。
具体的には、はんだ層13の厚さtは、1.0mm≦t≦3.5mmの範囲内とされている。
上述のように、はんだ層13がInで構成され、且つ、はんだ層13の厚さtが1.0mm≦t≦3.5mmの範囲内とされていることから、Inにおける音速1215m/sec.を考慮すると、ターゲット材11、はんだ層13及びバッキング材12の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波の時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となる。
また、本実施形態では、はんだ層13の平均厚さtaveが0.75mm以上2.0mm以下の範囲内とされ、前記はんだ層の10箇所での測定値の標準偏差をσとするとき、3×σが0.2×tave以下の範囲内とされている。
具体的には、円筒状のスパッタリングターゲット10を軸線O方向に直交する一の断面においてはんだ層13の厚さを5箇所測定し、さらに、スパッタリングターゲット10を軸線O方向に直交する他の断面においてはんだ層13の厚さを5箇所測定する。そして、これら10箇所の測定値から算出されるはんだ層13の平均厚さtaveが0.75mm以上2.0mm以下の範囲内とされ、前記はんだ層の10箇所での測定値の標準偏差をσとするとき、3×σが0.2×tave以下の範囲内とされているのである。
次に、本実施形態であるスパッタリングターゲットの超音波検査方法について、図2を参照して説明する。
本実施形態であるスパッタリングターゲットの超音波検査方法は、上述したスパッタリングターゲット10においてターゲット材11とバッキング材12との接合状態を検査するものである。
本実施形態であるスパッタリングターゲットの超音波検査方法においては、スパッタリングターゲット10を水中に配置し、ターゲット材11の表面からターゲット材11、はんだ層13及びバッキング材12の積層方向に向けて超音波を発振し、その反射波のピーク強度によって欠陥の有無を検査するものである。
ターゲット材11、はんだ層13及びバッキング材12の積層方向に向けて発振された超音波は、水/ターゲット材界面、ターゲット材/はんだ層界面、はんだ層/バッキング材界面、バッキング材/水界面、の4つの界面で主に反射されることになる。
ここで、本実施形態では、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波の時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内とされ、時間差が大きいことから、図2に示すように、反射波のピーク強度を評価する際に、ターゲット材/はんだ層界面からの反射波の発生時間を含む第1のゲート時間21と、はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間を含むとともに第1のゲート時間21とは異なる第2のゲート時間22と、を設定している。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、はんだ層13内部からの反射波の発生時間を含むとともに、第1のゲート時間21及び第2のゲート時間22とは異なる第3のゲート時間23を設定している。
なお、本実施形態では、第1のゲート時間21、第2のゲート時間22及び第3のゲート時間23は、重複する時間帯はなく、それぞれ独立して設定されている。
ここで、図2に示すように、第1のゲート時間21、第2のゲート時間22及び第3のゲート時間23では、欠陥有りと判定するためのピーク強度の閾値についてそれぞれ独立に規定されている。
以下に、図2を参照して、第1のゲート時間21、第2のゲート時間22及び第3のゲート時間23における反射波のピーク強度から欠陥の発生状況を判断する方法について説明する。
<正常な場合>
ターゲット材11とバッキング材12との接合状態が正常で欠陥がない場合には、図2(a)に示すように、第1のゲート時間21及び第2のゲート時間22において、それぞれの閾値未満の反射波のピークP1、P2が認められる。これらの反射波は、正常なターゲット材/はんだ層界面及びはんだ層/バッキング材界面において生じるものである。
<欠陥1>
ターゲット材/はんだ層界面に空隙等の欠陥30が生じている場合には、図2(b)に示すように、第1のゲート時間21において閾値以上の反射波のピークP1が認められる。なお、欠陥30以降には超音波は伝播しないことから、第2のゲート時間22及び第3のゲート時間23においては反射波のピークが存在しない。
<欠陥2>
はんだ層13の内部に空隙等の欠陥30が生じている場合には、図2(c)に示すように、第1のゲート時間21において閾値未満の反射波のピークP1が認められるとともに、第3のゲート時間23において閾値以上の反射波のピークP3が認められる。なお、欠陥30以降には超音波は伝播しないことから、第2のゲート時間22においては反射波のピークが存在しない。
<欠陥3>
はんだ層/バッキング材界面に空隙等の欠陥30が生じている場合には、図2(d)に示すように、第1のゲート時間21において閾値未満の反射波のピークP1が認められるとともに、第2のゲート時間22において閾値以上の反射波のピークP2が認められる。
以上のように、第1のゲート時間21、第2のゲート時間22及び第3のゲート時間23における反射波のピーク強度を評価することにより、ターゲット材11とはんだ層13とバッキング材12との積層方向において、欠陥の発生位置を検出することができ、欠陥の有無を精度良く判定することが可能となる。
そして、本実施形態であるスパッタリングターゲット10においては、上述した本実施形態であるスパッタリングターゲットの超音波検査方法において、第1のゲート時間21で評価されたターゲット材/はんだ層界面における超音波探傷結果(図3の超音波画像)と、第2のゲート時間22で評価されたはんだ層/バッキング材界面における超音波探傷結果(図4の超音波画像)が添付されている。すなわち、本実施形態であるスパッタリングターゲット10は、上述した本実施形態であるスパッタリングターゲットの超音波検査方法において、接合状態を検査したものである。
なお、従来のように、一つのゲート時間のみでターゲット材とバッキング材の界面を超音波検査した場合の超音波画像を図5に示す。この図5に示す超音波画像においては、図4に示す第2のゲート時間22で評価されたはんだ層/バッキング材界面における超音波探傷結果で確認される欠陥が検出されていないことが分かる。
以上のような構成とされた本実施形態であるスパッタリングターゲットの超音波検査方法によれば、ターゲット材11の表面からターゲット材11とバッキング材12の積層方向に向けて超音波を発振してその反射波で欠陥の有無を判断する際に、ターゲット材/はんだ層界面からの反射波の発生時間を含む第1のゲート時間21と、はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間を含むとともに、第1のゲート時間21とは異なる第2のゲート時間22を設定しているので、ターゲット材/はんだ層界面における欠陥の有無、及び、はんだ層/バッキング材界面における欠陥の有無を的確に判断することが可能となる。また、第1のゲート時間21と第2のゲート時間22が設定されているので、欠陥の有無を判定するピーク強度の閾値をそれぞれ独立に設定することができ、欠陥の有無を精度良く判定することができる。
さらに、本実施形態においては、はんだ層13の内部からの反射波の発生時間を含むとともに、第1のゲート時間21及び第2のゲート時間22とは異なる第3のゲート時間23を設定しているので、はんだ層13の内部における欠陥の有無を精度良く判定することができる。特に、ターゲット材/はんだ層界面とはんだ層/バッキング材界面での反射波の時間差が非常に大きい場合には、界面以外の欠陥も的確に検出することができる。また、欠陥の有無を判定するピーク強度の閾値を第1のゲート時間21と第2のゲート時間22と独立して設定することができ、欠陥の有無を精度良く判定することができる。
本実施形態であるスパッタリングターゲット10によれば、上述した本実施形態であるスパッタリングターゲットの超音波検査方法において、第1のゲート時間21で評価されたターゲット材/はんだ層界面における超音波探傷結果(図3の超音波画像)と、第2のゲート時間22で評価されたはんだ層/バッキング材界面における超音波探傷結果(図4の超音波画像)が添付されているので、ターゲット材11とバッキング材12との接合状態が的確に検査できており、信頼性に特に優れている。
また、本実施形態であるスパッタリングターゲット10においては、ターゲット材11及びバッキング材12が円筒状をなしているので、はんだ層13の厚さが比較的厚くなるが、上述のように、第1のゲート時間21で評価されたターゲット材/はんだ層界面における超音波探傷結果(図3の超音波画像)と、第2のゲート時間22で評価されたはんだ層/バッキング材界面における超音波探傷結果(図4の超音波画像)と、を備えることで、確実にターゲット材とバッキング材との接合状態を適切に評価することができる。
さらに、本実施形態であるスパッタリングターゲット10においては、はんだ層13の平均厚さtaveが0.75mm以上2.0mm以下の範囲内とされ、前記はんだ層の10箇所での測定値の標準偏差をσとするとき、3×σが0.2×tave以下の範囲内とされているので、はんだ層13の厚さのばらつきが抑えられており、ターゲット材/はんだ層界面からの反射波、及び、はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間が安定しており、上述の第1のゲート時間21と第2のゲート時間22によって、ターゲット材/はんだ層界面、及び、はんだ層/バッキング材界面の欠陥の有無を的確に判断することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、円筒状のスパッタリングターゲットを例に挙げて説明したが、その他の形状のスパッタリングターゲットであってもよい。また、はんだ層をInで構成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、はんだ層の材質に特に限定はない。さらに、はんだ層の具体的な厚さについても実施形態に限定されることはない。
すなわち、はんだ層の材質及び厚さが、ターゲット材、はんだ層及びバッキング材の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波との時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となるように規定されていればよい。
10 スパッタリングターゲット
11 ターゲット材
12 バッキング材
13 はんだ層
21 第1のゲート時間
22 第2のゲート時間
23 第3のゲート時間

Claims (3)

  1. 円筒状をなすターゲット材と円筒状をなすバッキング材との間にはんだ層を有するスパッタリングターゲットの超音波検査方法であって、
    前記はんだ層の材質及び厚さは、前記ターゲット材、前記はんだ層及び前記バッキング材の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波との時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となるように規定されており、
    前記ターゲット材/はんだ層界面からの反射波の発生時間を含む第1のゲート時間と、前記はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間とは異なる第2のゲート時間を設定し、
    前記ターゲット材、前記はんだ層及び前記バッキング材の積層方向に超音波を発振し、前記第1のゲート時間における反射波のピーク強度から前記ターゲット材/はんだ層界面における欠陥の有無を判断し、前記第2のゲート時間における反射波のピーク強度から前記はんだ層/バッキング材界面における欠陥の有無を判断し、
    前記はんだ層内部からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間及び前記第2のゲート時間とは異なる第3のゲート時間を設定し、前記第3のゲート時間における反射波のピーク強度から前記はんだ層内部における欠陥の有無を判断することを特徴とするスパッタリングターゲットの超音波検査方法。
  2. 円筒状をなすターゲット材と円筒状をなすバッキング材との間にはんだ層を有するスパッタリングターゲットであって、
    前記はんだ層の材質及び厚さは、前記ターゲット材、前記はんだ層及び前記バッキング材の積層方向に超音波を発振した際に、ターゲット材/はんだ層界面における反射波とはんだ層/バッキング材界面における反射波の時間差が1.0μsec.以上3.5μsec.以下の範囲内となるように規定されており、
    前記ターゲット材/はんだ層界面からの反射波の発生時間を含む第1のゲート時間と、前記はんだ層/バッキング材界面からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間とは異なる第2のゲート時間と、前記はんだ層内部からの反射波の発生時間を含むとともに、前記第1のゲート時間及び前記第2のゲート時間とは異なる第3のゲート時間を設定して超音波検査を行い、
    検査証として、第1のゲート時間を設定して超音波探傷して検査した超音波画像と、第2ゲート時間を設定して超音波探傷して検査した超音波画像と、第3ゲート時間を設定して超音波探傷して検査した超音波画像と、が添付されていることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  3. 前記はんだ層の平均厚さtaveが0.75mm以上2.0mm以下の範囲内とされ、前記はんだ層の10箇所での測定値の標準偏差をσとするとき、3×σが0.2×tave以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
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