<第1の実施の形態> 準備モード中の入賞順に応じて状態報知
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部31にて上皿33よりも手前側となる部分には、遊技者によって操作される操作ボタン35が配設されている。この操作ボタン35が操作されることにより操作対応の演出(例えば役物連動の特別演出)等が実施されることとなる。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
(内枠13)
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。また、樹脂ベース50に対して遊技盤60を遊技前方から搭載する構成とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
(遊技盤60)
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65への入球が発生すると、それが遊技盤60の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
その他に、遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66への入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。作動入球部62,63は、可変表示ユニット67の下方に上下に並べて配置されている。以下便宜上、上側の作動入球部を「上側作動入球部62」と称し、下側の作動入球部を「下側作動入球部63」と称する。
下側作動入球部(抽選契機入球部)63については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、左右一対の可動片71aと同可動片71aを駆動させるソレノイド式の電動役物駆動部71bとを有してなり、当該可動片71aを動作させることにより下側作動入球部63における入口部(下側作動口63a)への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が上記開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域及び左側となる領域には、上記スルーゲート66がそれぞれ配置されており、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が予め設定された時間に亘って開状態となる。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)64,65については、可変表示ユニット67の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット67の下方(詳しくは作動入球部62,63の下方)に配置された可変入賞装置を「下側可変入賞装置64」と称し、可変表示ユニット67の右方(詳しくは下側作動入球部63の下方)に配置された可変入賞装置を「右側可変入賞装置65」と称する。
下側可変入賞装置64は、遊技盤60の背面側へと通じる下側大入賞口64aを備えているとともに、当該下側大入賞口64aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、下側大入賞口64a用の開閉部材としての開閉扉64bを有してなる。開閉扉64bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉64bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部64c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉64bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
また、右側可変入賞装置65についても同様に、遊技盤60の背面側へと通じる右側大入賞口65aを備えているとともに、当該右側大入賞口65aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、右側大入賞口65a用の開閉部材としての開閉扉65bを有してなる。開閉扉65bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉65bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部65c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉65bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置64,65の開放態様としては、例えば所定時間(本実施の形態においては30sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては16ラウンド,8ラウンド,4ラウンド)を上限とした開閉扉64b又は開閉扉65bの開放が繰り返されるように設定されている。
また、開閉実行モードにおいては、下側可変入賞装置64(下側大入賞口64a)が開放の対象となる場合と、右側可変入賞装置65(右側大入賞口65a)が開放の対象となる場合とが設定されている。これら両開放態様については、後述する大当たりの種類に応じて選択される。
ここで、各作動入球部62,63及び各可変入賞装置64,65の配置について補足説明する。
遊技盤60の中央には上記可変表示ユニット67が配設されている。この可変表示ユニット67(詳しくは後述するセンターフレーム77)により、遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67を右側から迂回するルート(以下、右ルートと称する)と、左側から迂回するルート(以下、左ルートと称する)に大別されている。
可変表示ユニット67の左側となる領域(左ルート)に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は遊技領域PEにおいて当該可変表示ユニット67の下側となる領域、すなわち上側作動入球部62及び下側作動入球部63が配置されている領域へと誘導されやすくなっている。この際、両作動入球部62,63を素通りした遊技球は下側可変入賞装置64へと流下し、当該下側可変入賞装置64の下側大入賞口64aへ入球しなかった場合には、アウト口68を通じて遊技領域PE外に排出される。一方、右側可変入賞装置65については可変表示ユニット67の左側となる領域を流下した遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、可変表示ユニット67の左側となる領域へ向けて発射された遊技球の右側大入賞口65aへの入球が回避されている。
また、可変表示ユニット67の右側となる領域(右ルート)に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は右側可変入賞装置65へ向けて流下する。右側可変入賞装置65には、遊技球を遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の下側となる領域(詳しくは下側作動入球部63)へ向けて誘導する誘導部が形成されており、右側可変入賞装置65の右側大入賞口65aを素通りした遊技球は下側作動入球部63へ向けて流下することとなる。そして当該下側作動入球部63を素通りした遊技球は下側可変入賞装置64へ向けて流下する。ここで、上側作動入球部62については、可変表示ユニット67の右側となる領域へ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、同遊技球は両可変入賞装置64,65及び下側作動入球部63への入球が許容されている一方で、上側作動入球部62への入球が回避されている。
なお、本実施の形態においては、上述したように可変表示ユニット67の左右両側にスルーゲート66をそれぞれ配置しているため、遊技球を可変表示ユニット67の左右のどちらに向けて発射したとしても(遊技状況に応じて打ち分けを行ったとしても)下側作動入球部63の電動役物71によるサポート機能が担保される。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67は、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置75と、図柄表示装置75を囲むようにして配設されたセンターフレーム77とを有している。センターフレーム77は遊技機前方に突出しており、このセンターフレーム77によって図柄表示装置75の前方領域における遊技球の通過が規制されている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)発生となり、上述した開閉実行モードへ移行することとなる。
作動入球部62,63は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動入球部62,63への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部62,63に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動入球部62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
作動入球部62,63の側方(右側可変入賞装置65の下方)には、主表示ユニット81が配されている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット81の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
主表示ユニット81においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、上側作動入球部62(上側作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する上側作動入球部用表示部DUと、下側作動入球部63(下側作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部DLとを有してなる。
上側作動入球部用表示部DUでは、上側作動入球部62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上側作動入球部用表示部DUにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下側作動入球部用表示部DLでは、下側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、下側作動入球部用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部DL,DUにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止(確定表示)されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止(確定表示)されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット81の主表示部Dには両作動入球部用表示部DL,DU以外に、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下側作動入球部63に設けられた上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DU,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DU,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット142が搭載されている。演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置610と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置610が装着されている。
報知・演出制御装置610は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
(裏パックユニット15)
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成を図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181及び各種検知センサ151〜156などが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサ151〜156の一部として、一般入賞口61、可変入賞装置64,65、作動入球部62,63及びスルーゲート66などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、作動入球部62,63への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート66への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置610が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603eが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置64への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、作動入球部62,63への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置610には、変動開始コマンド(変動用コマンド)、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、可変入賞装置64,65の開閉扉を開閉動作させる可変入球駆動部64c,65c、作動入球部63の電動役物71を開閉動作させる電動役物駆動部71b、主表示ユニット81が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602はそれら各種構成の制御を行う。
具体的には、開閉実行モードにおいては可変入賞装置64,65が開閉されるように、MPU602において可変入球駆動部64c,65cの駆動制御が実行される。また、作動入球部63の電動役物71の開放状態当選となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部71bの駆動制御が実行される。また、MPU602によって主表示ユニット81の入球部用表示部DL,DU,DS及び保留数表示部HSの表示制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置610に設けられた報知・演出制御基板611には、MPU612が搭載されている。MPU612には、当該MPU612により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU612には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU612の入力側には上述した操作ボタン35が接続されており、この操作ボタン35からの信号に基づいて操作の有無を把握することが可能となっている。MPU612の出力側には、発光部26〜28やスピーカ部29、表示制御装置620等が接続されている。
MPU612では主制御装置162から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67を制御する。具体的には、報知・演出制御装置610では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間(リーチ演出の発生の有無)を把握し、最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともにリーチ演出の内容の詳細を決定する。
表示制御装置620はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROM、プログラムROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるワークRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。
VDPは、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPはICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDPは、MPU、ビデオRAM等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROMは、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。これら画像データやテーブル等はキャラクタROMに記憶されている。
ビデオRAMは、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAMの内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
表示制御装置620のMPUでは、報知・演出制御装置610から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。具体的には、報知・演出制御装置610にて最終決定された変動表示の内容及び停止表示する図柄の組み合わせの種類に合わせて遊技回毎に変動表示を行う。
ここで、図柄表示装置75(表示画面75a)の表示内容について、図6を参照して詳細に説明する。図6は図柄表示装置75の表示画面75aを示す概略図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面75aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面75aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果、確変大当たり結果となったことを示す大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置75にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよく、数字が付されてない図柄が含まれる又は数字が付されていない図柄のみの構成としてもよい。
図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様について更に説明すると、本パチンコ機10では、上記のように大当たり結果の報知に際して対応する図柄の組合せが停止表示される前段階として、リーチ表示が行われるように設定されている。リーチ表示(リーチ演出又はリーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、可変入賞装置64,65の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6に基づいて当該リーチ表示について補足説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面75aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
表示画面75aにおいて、上図柄列の変動表示領域、中図柄の変動表示領域、下図柄の変動表示領域を有してなる変動表示領域MEの下方となる部分には、保留表示領域NEが設定されている。当該保留表示領域NEには、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Da1〜Da8が左右方向に並ぶようにして区画された保留数表示領域Daが設けられている。
具体的には、遊技球が上側作動入球部62に入球した場合の最大保留個数は4個であり、下側作動入球部63に入球した場合の最大保留個数は4個である。詳細については後述するが、本実施の形態では上側作動入球部62及び下側作動入球部63への入賞順に合計で8個の保留情報が記憶される構成となっている。これに対応させて保留数表示領域Daには、第1単位保留表示領域Da1、第2単位保留表示領域Da2、第3単位保留表示領域Da3、第4単位保留表示領域Da4、第5単位保留表示領域Da5、第6単位保留表示領域Da6、第7単位保留表示領域Da7、第8単位保留表示領域Da8が設定されている。
例えば、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の保留個数(総保留数)が1個の場合には、第1単位保留表示領域Da1のみにて所定の保留表示用画像MPが表示され、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Da1〜第4単位保留表示領域Da4にて所定の保留表示用画像MPが表示される構成となっている。なお、図6(b)では保留個数が3個である場合について例示している。
また、保留表示領域NEには、保留数表示領域Da(詳しくは第1単位保留表示領域Da1)と横並びとなるようにして、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留表示用画像MPが表示される実行対象表示領域Dbが設けられている。
遊技回が終了して次の遊技回に移行する場合には、保留数表示領域Da(第1単位保留表示領域Da1)に表示されている保留表示用画像MPが実行対象表示領域Dbに移り、保留数表示領域Daに表示されている保留表示用画像MPを下位側にシフトすることとなる。
(各種カウンタについて)
次に、主制御装置162のMPU602にて各種抽選を行うための電気的な構成について図7を用いて説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、作動入球部用表示部DL,DUの表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の概要設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、16R確変大当たり結果や4R確変大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75にて外れ結果対応の変動表示を行う際のリーチ抽選等に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、作動入球部用表示部DL,DU及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下側作動入球部63の電動役物71を電役開放状態(サポート状態)とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ604aに格納されている情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報)は、作動入球部62,63への入賞が発生した場合に、RAM604に「取得情報記憶手段」として設けられた保留球格納エリア604bに格納される。
保留球格納エリア604bは、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動入球部62,63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ604aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が「特別情報」に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、作動入球部62,63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、作動入球部62,63への遊技球の入球履歴がそれぞれ4個(計8個)まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア604bには総保留数記憶領域FEが設けられており、当該総保留数記憶領域FEには作動入球部62,63への入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、作動入球部用表示部DL,DUの変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図8(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「507」の3個である。つまり、「0」〜「599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、大当たり確率が1/200となっている。
一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図8(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「107」・・・「407」,「507」の6個である。つまり、「0」〜「599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」・・・「407」,「507」が大当たり結果に対応しており、大当たり確率が低確率モードよりも高くなっている(詳しくは1/100)。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2を用いた遊技結果の振分先(すなわち当否抽選及び振分抽選による抽選結果)が、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図9の概略図を用いて説明する。図9に示すように、振分テーブルとしては、図9(a)に示す上側作動入球部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図9(b)に示す下側作動入球部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
上側作動入球部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、8R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、4R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されている。具体的には、上側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜8」が8R確変大当たり結果に対応しており、「9〜14」が8R通常大当たり結果に対応しており、「15〜23」が4R確変大当たり結果に対応しており、「24〜29」が4R通常大当たり結果に対応している。
下側作動入球部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、16R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、4R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されている。具体的には、上側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜5」が16R確変大当たり結果に対応しており、「6〜11」が8R確変大当たり結果に対応しており、「12〜17」が8R通常大当たり結果に対応しており、「18〜23」が4R確変大当たり結果に対応しており、「24〜29」が4R通常大当たり結果に対応している。
16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果及び4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に抽選モードが低確率モードとなり且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
8R通常大当たり結果及び4R通常大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、以降後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
既に説明したように作動入球部用表示部DU,DLについては多数のLEDによって構成されている。確変大当たり結果となった場合と通常大当たり結果となった場合とでは、作動入球部用表示部DU,DLに表示される絵柄が区別されてはいるものの、それらLEDの発光態様から確変大当たり結果/通常大当たり結果を判別することが難しくなっている。更には、確変大当たり結果となった場合に図柄表示装置75に表示される図柄組み合わせ及び通常大当たり結果となった場合に図柄表示装置75に表示される図柄組み合わせについては共通化されている。
また、開閉実行モードや開閉実行モードの終了後の遊技の流れが共通であり、後述する状態報知が実行されるまでは抽選モードが高確率モード/低確率モードの何れであるかを図柄表示装置75等の各種演出装置における表示演出等から識別することは困難となっている。
抽選モードが高確率モードとなっている場合の方が低確率モードとなっている場合よりも大当たり結果となりやすい。このため、抽選モードが高確率モードであることに期待しながら遊技が行われる。ここで、抽選モードを識別可能な情報を敢えて非明示とすることにより、遊技者に対して抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となっている。これにより、遊技への注目度の向上を図っている。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、作動入球部62,63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留エリアREに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、作動入球部用表示部DL,DUにおける変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置75や主表示ユニット81(作動入球部用表示部DL,DU)における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cに格納されている変動表示時間テーブルが参照される。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上記作動入球部用表示部DL,DUにおける停止結果(絵柄)が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603dに記憶された停止結果テーブルが用いられる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下側作動入球部63に付属の電動役物71を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば電動役物71を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば電動役物71を開放状態に制御しない。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、図10のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞検知センサ(一般入賞口61用の検知センサ151、上側作動入球部62用の検知センサ152、下側作動入球部63用の検知センサ153、下側可変入賞装置64用の検知センサ154、右側可変入賞装置65用の検知センサ155、スルーゲート用の検知センサ156)の状態を読み込み、それら入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)をバッファ領域に保存する。なお、詳細については後述するが、本実施の形態においては通常処理においてもスルーゲート66への入賞の有無が参照される構成となっている。そこで、スルーゲート66への入賞の有無を示す情報は、当該タイマ割込み処理に対応するものと通常処理に対応するものとで区別して記憶され、これら記憶された情報は、それら各処理にて消去される構成となっている。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。以下、図11のフローチャートを参照してスルー用の入賞処理について説明する。
スルー用の入賞処理においては先ず、ステップS201にて、バッファ領域に記憶されている入賞検知情報に基づきスルーゲート66を遊技球が通過したか否かを判定する。ステップS201にて肯定判定をした場合には、ステップS202に進み、電役保留エリア604cに記憶されている役物保留記憶数(電役保留数SN)が4未満であるか否かを判定する。ステップS202にて肯定判定をした場合には、ステップS203にて電役保留数SNを1加算し、続くステップS204にて電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、保留記憶数と対応する主表示ユニット81の保留数用表示部DHを点灯させるための処理を実行する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動入球部62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。ここで、図12及び図13のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
(作動口用の入賞処理)
図12に示すように、作動口用の入賞処理においては先ず、ステップS301にて遊技球が上側作動入球部62に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が上側作動入球部62に入球したと判定した場合には、ステップS302に進み、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS303では、上側作動入球部62に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上側作動入球部62への入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS304では、大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS301にて遊技球が上側作動入球部62に入賞していないと判定した場合にはステップS305に進む。ステップS305では、遊技球が下側作動入球部63に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が下側作動入球部63に入球したと判定した場合には、ステップS305に進み、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、ステップS302,S305にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S501にて払出制御装置181に対して送信される。
続くステップS307では、下側作動入球部63に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下側作動入球部63への入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS304にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、ステップS301,S305の両処理にてそれぞれ否定判定をした場合、すなわち上側作動入球部62及び下側作動入球部63のいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。ここで、図13を参照して、ステップS304の情報取得処理について説明する。
(情報取得処理)
情報取得処理においては先ずステップS401にて、保留球格納エリア604bの保留数記憶領域FEに格納された始動保留球数N、詳しくは上側作動入球部62及び下側作動入球部63のうち当該情報取得処理の契機となった入球部に係る始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS402にて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS403にて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS404では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用の保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納し、本情報取得処理を終了する。
なお、情報取得処理においては、図示は省略するが、作動入球部62,63への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に送信されることとなる。表示制御装置620においては当該保留コマンドを受信することにより上述した保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、表示制御装置620は、報知・演出制御装置610を経由して表示制御装置620にて同コマンドを受信した場合には、保留数表示領域Daに上記保留表示用画像MPを表示(例えば追加)させるための処理を実行する。保留数表示領域Daにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば共通保留数CRNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Da1に保留画像が表示され、共通保留数CRNが8であれば左から8個目の第8単位保留表示領域Da8に保留画像が表示されるようになっている。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S506の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS508,S509のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS501にて外部信号出力処理を実行する。ステップS501の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置610に対して送信する。
次に、ステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置75による図柄の変動表示態様の概要の設定、主表示ユニット81の表示制御などを行う。
ステップS503の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS504に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS503の遊技回制御処理及びステップS504の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS505では、下側作動入球部63に併設された電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物71を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物71の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、スルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物71によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物71が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物71の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。なお、後述する準備モードにおいては高頻度サポートモードが継続される構成となっているが、これに限定されるものではなく、準備モードにおいてサポートモードが強制的に低頻度サポートモードに切り替えられる構成とすることも可能である。
その後、ステップS506では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS507にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS508では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS509では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS503の遊技回制御処理を図15及び図16のフローチャート等を参照して説明する。
図15に示すように、遊技回制御処理においては先ず、ステップS601にて後述する開閉実行モード中又は準備モード中か否かを判定する。開閉実行モード又は準備モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中及び準備モード中の何れでもない場合には、ステップS502にて、遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中又は確定表示中であるか否かを判定する。作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中及び確定表示中の何れでもない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア604bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて保留球格納エリア604bの保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にて主表示ユニット81における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
データ設定処理では、先ず保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留球数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続いて保留エリアREの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留エリアREの各エリアRa1〜Ra8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1〜第8エリアRa8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアするとともに、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3、第5エリアRa5→第4エリアRa4、第6エリアRa6→第5エリアRa5、第7エリアRa7→第6エリアRa6、第8エリアRa8→第7エリアRa7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
データをシフトした後は、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置610に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。シフト時コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置610を経由し、表示制御装置620に送信される。表示制御装置620では、シフト時コマンドを受信することで、作動口用の保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
(変動開始処理)
次に、ステップS605の変動開始処理を図15のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、抽選モードが低確率モードである場合には、ROM603の当否テーブル記憶エリア603aに記憶された低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、抽選モードが高確率モードである場合には、ROM603の当否テーブル記憶エリア603aに記憶された高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS702では、ステップS701における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果(以下、大当たり結果という)であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS703にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア603bに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が16R確変大当たり結果に対応した情報、8R確変大当たり結果に対応した情報、8R通常大当たり結果に対応した情報、4R確変大当たり結果に対応した情報、4R通常大当たり結果に対応した情報の何れに含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が上側作動入球部62への入球に対応している場合には上側作動入球部62用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が下側作動入球部63への入球に対応している場合には下側作動入球部63用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS704では、ステップS703における種別判定処理において特定した情報に基づいて大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合(外れ結果である場合)には、ステップS705にて外れ用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS704及びステップS705の各停止結果設定処理では、主表示ユニット81に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、大当たり乱数カウンタC1,大当たり種別カウンタC2及びROM603の停止結果テーブル記憶エリア603dに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の判定結果を特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納する。具体的には、16R確変大当たり結果である場合には16R確変大当たりフラグを格納し、8R確変大当たり結果である場合には8R確変大当たりフラグを格納し、8R通常大当たり結果である場合には8R通常大当たりフラグを格納し、4R確変大当たり結果である場合には4R確変大当たりフラグを格納し、4R通常大当たり結果である場合には4R通常大当たりフラグを格納する。
ステップS704及びステップS705の何れかの処理を実行した後は、ステップS706にて、変動表示時間の設定処理を実行する。各遊技回の変動表示時間は、記憶されている保留情報の数、リーチ発生の有無、当否判定の結果等の各種情報に基づいて決定される。ステップS706にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS707にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、16R確変大当たり結果の情報、8R確変大当たり結果の情報、8R通常大当たり結果の情報、4R確変大当たり結果の情報、4R通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS707にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における環状電飾部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように環状電飾部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置610は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置75での変動表示パターンを把握し、その把握した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置75を表示制御する。その後、ステップS708にて主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUにおいて絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図15)の説明に戻り、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示用カウンタの値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示用カウンタの値は、上述した変動表示時間の設定処理にてセットされる。また、このセットされた変動表示カウンタの値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUにおける表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS704及びステップS705のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示ユニット81にて停止表示されるように当該主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUを制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置75の表示画面75aにて確定表示(最終停止表示)させる。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS504の遊技状態移行処理を図17のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては、先ずステップS801にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進む。本実施の形態においては、大当たり結果となった場合には、確定表示が行われた後に、スルーゲート66に規定数(詳しくは2つ)の遊技球が入賞したことを契機として開閉実行モードへ移行する。ステップS802では、開閉実行モードへ移行する前の状態(準備モード)となっているか否かを判定する。ステップS802にて否定判定をした場合にはステップS803に進む。
ステップS803では遊技回が終了したタイミングであるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUにおける絵柄の変動表示(詳しくは確定表示)が終了したタイミングか否かを判定する。遊技回が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
遊技回が終了したタイミングである場合には、ステップS804にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、4R確変大当たりフラグ、4R通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS805にて上記準備モードへの移行処理(準備モード移行処理)を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、図18(a)のフローチャートを参照して、準備モード移行処理について説明する。準備モード移行処理においては先ず、ステップS901にて遊技回用の処理を規制する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに遊技回制御規制フラグをセットする。この遊技回制御規制フラグは、準備モード→開閉実行モード終了時に消去される。これにより、開閉実行モードが終了するまでステップS601にて肯定判定され、遊技回用の各種処理が回避されることとなる。
ステップS901の処理を実行した後は、ステップS902に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに準備モードフラグをセットする。これにより、準備モードとなる。続くステップS903にて準備モード開始コマンドを設定した後に、本準備モード移行処理を終了する。
ステップS903にて設定された準備モード開始コマンドは通常処理の外部出力処理(ステップS501参照)にて報知・演出制御装置610に出力される。報知・演出制御装置610では準備モード開始コマンドを受信することで、準備モードが開始することを把握し、準備モードへ移行した旨を報知すべく準備モードに対応した画像及び音声を出力する為の処理を行う。
再び図17の説明に戻る。RAM604の各種フラグ格納エリア604eに準備モードフラグが格納されている場合には、ステップS802にて肯定判定をして、ステップS806に進む。ステップS806では準備モード用処理を実行する。ここで、図18(b)のフローチャートを参照して準備モード用処理について説明する。
(準備モード用処理)
準備モード用処理においては先ずステップS1001にて、スルーゲート66への入賞が発生したか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合には、そのまま本準備モード用処理を終了する。ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002に進む。ステップS1002ではRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられたスルーゲート入賞カウンタの値を更新する。スルーゲート入賞カウンタは、準備モード(後述する特殊モード)におけるスルーゲート66(「作動ゲート」に相当)への入賞数を把握する為のカウンタである。
ステップS1002にて更新処理を実行した後は、ステップS1003に進む。ステップS1003では今回の入賞先が左右のスルーゲート66のうち左側のスルーゲート66(左スルーゲート66L)であるか否かを判定する。ステップS1003にて肯定判定をした場合には、ステップS1004にて左スルーゲート入賞コマンドを設定する。ステップS1003にて否定判定をした場合、すなわち今回の入賞先が右側のスルーゲート66(右スルーゲート66R)である場合には、ステップS1105にて右スルーゲート入賞コマンドを設定する。
これら左スルーゲート入賞コマンド及び右スルーゲート入賞コマンドは、通常処理の外部出力処理(ステップS501参照)にて報知・演出制御装置610に出力される。報知・演出制御装置610では、これらのコマンドに基づいて入賞先や入賞順を把握する。
ステップS1004又はステップS1005の処理を実行した後は、ステップS1006に進む。ステップS1006では、上記スルーゲート入賞カウンタの値が、規定値(具体的には「2」)となっているか否かを判定する。ステップS1006にて否定判定をした場合にはそのまま本準備モード用処理を終了する。ステップS1006にて肯定判定をした場合には、ステップS1007にて準備モードフラグを消去し且つスルーゲート入賞カウンタをリセットする。そして、ステップS1008にて開閉実行モード移行処理を実行した後、本準備モード移行処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、準備モードとなっている状況下にて、スルーゲート66へ2度の入賞が発生したことを契機として、当該準備モードから開閉実行モードへ移行する。言い換えれば、大当たり結果となった場合であっても、即座に開閉実行モードへ移行するわけではなく、準備モード中にスルーゲート66への規定数の入賞が発生することが開閉実行モードへの移行契機となっている。本実施の形態においては、これらスルーゲート66が所謂「作動ゲート」に相当する。次に、図19のフローチャートを参照して開閉実行モード移行処理について説明する。
(開閉実行モード移行処理)
開閉実行モード移行処理においては先ず、ステップS1101にて、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられたラウンドカウンタRCに、大当たり種別に応じて決められた値、具体的には「16」,「8」,「4」のいずれかをセットする。ラウンドカウンタRCは、大入賞口64a,65aが開放された回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1101の設定処理を実行した後は、ステップS1102に進む。ステップS1102では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに開閉実行モードフラグをセットする。これにより、準備モードから開閉実行モードへと移行し、以降の遊技状態移行処理ではステップS801にて肯定判定されることとなる。続くステップS1103では、電動役物71によるサポートモードを低頻度サポートモードにすべく、仮にRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグが格納されている場合にはこれを消去する。
ステップS1104ではオープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは通常処理の外部出力処理(ステップS501参照)にて報知・演出制御装置610に出力される。報知・演出制御装置610では、このオープニングコマンドに基づいて開閉実行モードの開始に対応する表示(オープニング表示)を行う為の処理を実行する。
続くステップS1105にて外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部端子板213に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力される。これにより、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
図17の説明に戻り、ステップS801にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS807に進む。ステップS807ではオープニングが終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS807にて否定判定をした場合にはそのまま本遊技状態移行処理を終了する。ステップS807にて肯定判定をした場合には、ステップS808にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、大入賞口64a,65aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタRCが「1」以上であることを条件として、可変入球駆動部64c,65cを駆動状態とすることで大入賞口64a,65aを開放させる。本実施の形態においては、16R確変大当たり結果となった場合には右側可変入賞装置65(右側大入賞口65a)が開閉対象となり、その他の大当たり結果となった場合には下側可変入賞装置64(下側大入賞口64a)が開閉対象となる。
大入賞口64a,65aが開放中である場合には、当該大入賞口64a,65aの開放から所定時間(具体的には30sec)が経過していること又は所定個数(具体的には10個)の遊技球が入賞していることを条件として、可変入球駆動部64c,65cの駆動を停止し、大入賞口64a,65aを閉鎖させる。その後は、所定のインターバル期間に亘って大入賞口64a,65aが閉状態に維持され、当該所定のインターバル期間を経過したタイミングにて開放対象である大入賞口64a,65aが再び開放されるラウンド遊技が繰り返されることとなる。
続くステップS809では、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、ステップS810にて、開閉実行モードのエンディングが終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS810にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ステップS810にて肯定判定をした場合には、ステップS811にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、何れの大当たり結果を契機としている場合であっても、電動役物71によるサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。高頻度サポートモードは、当該高頻度サポートモードにて実行された遊技回が終了基準回数(上限数:具体的には100回)となるまで又は高頻度サポートモード中に大当たり結果となるまで継続される。高頻度サポートモード終了後は、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。
また、当該開閉実行モードが16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果、4R確変大当たり結果の何れかを契機としたものである場合には、抽選モードが高確率モードに切り替えられる。高確率モードについては次に大当たり結果となるまで継続され、次の大当たり結果が8R通常大当たり結果又は4R大当たり結果の場合に低確率モードへ移行することとなる。これに対して、当該開閉実行モードが8R通常大当たり結果又は4R通常大当たり結果を契機としたものである場合には、抽選モードが低確率モードに切り替えられる。
その後、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、4R確変大当たりフラグ、4R通常大当たりフラグのうちRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されているフラグを消去して、本遊技状態移行処理を終了する。
本実施の形態においては、大当たり結果となったことを契機として抽選モードが高確率モード/低確率モードに切り替わる。既に説明したように、これら2つのモードの何れになっているかについては、図柄表示装置75の表示やスピーカ部29からのBGM等の情報から判別することは困難となっている。高確率モードにおいては、低確率モードと比較して、次に大当たりとなるまでの期間が短くなりやすく、遊技の単調化を抑制することができる。また、上述したように遊技の状態を判別困難とすることにより、低確率モード中も高確率モードへの期待を好適に煽ることができる。
ここで、本実施の形態に示す遊技機においては、準備モード中から開閉実行モードへ移行する過程での遊技に応じて開閉実行モード終了後の抽選モードの報知(状態報知)がなされることが特徴の1つとなっている。具体的には、既に説明したように準備モード中にスルーゲート66への入賞が規定回数発生することが開閉実行モードへの移行契機となっており、左右のスルーゲート66への入賞の順序によって状態報知がなされる場合と状態報知がなされない場合とに分岐することとなる。以下、このような機能を発揮する上で、報知・演出制御装置610により実行される状態報知用の準備処理及び状態報知態様の設定用処理について説明する。なお、状態報知用の準備処理及び状態報知態様の設定用処理は、報知・演出制御装置610のMPU612にて定期処理の一環として実行される処理である。
(状態報知用の準備処理)
図20(a)のフローチャートに示すように、状態報知用の準備処理においては先ず、ステップS1201にて主制御装置162から準備モード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1201にて否定判定をした場合には、そのまま本状態報知用の準備処理を終了する。ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202に進む。
ステップS1202では当たり種別の確認処理を実行する。具体的には、16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果、8R通常大当たり結果、4R確変大当たり結果、4R通常大当たり結果の各大当たり結果には、開閉実行モードにおける可変入賞装置65の動作態様が同一且つ開閉実行モード終了後の遊技状態が同一となるように設定された16R確変大当たり結果A〜D、8R確変大当たり結果A〜D、8R通常大当たり結果A〜D、4R確変大当たり結果A〜D、4R通常大当たり結果A〜Dが設けられており、主制御装置162から送信されるコマンド(例えば種別コマンド)には、どの大当たり結果であるかを示す情報が含まれている。ステップS1202の確認処理では、今回の準備モードがこれら各種大当たり結果のうちどの大当たり結果に対応しているのかを確認する。
続くステップS1203ではステップS1202の確認結果を踏まえて、状態報知対応の入賞順を設定する。例えば、図20(b)の概略図に示すように、16R確変大当たり結果Aの場合には右スルーゲート66R→右スルーゲート66Rが状態報知対応の入賞順として設定され、16R確変大当たり結果Bの場合には右スルーゲート66R→左スルーゲート66Lが状態報知対応の入賞順として設定される。
ステップS1203にて状態報知態様の入賞順を設定した後は、ステップS1204に進む。本実施の形態においては、16R確変大当たり結果の一部(詳しくは16R確変大当たり結果B,C)及び8R確変大当たり結果の一部(詳しくは8R確変大当たり結果B,C)では、ステップS1203にて設定された状態報知対応の入賞順が報知されることとなる。ステップS1204では今回の大当たり結果が、入賞順の報知に対応しているか否かを判定する。ステップS1204にて肯定判定をした場合にはステップS1205にて状態報知対応の入賞順の教示開始処理を実行する。
状態報知対応の入賞順の教示開始処理が実行されることにより、図柄表示装置75の表示画面75aには狙うべきスルーゲート66が順に明示されることとなる。詳しくは、スルーゲート66への1つ目の入賞が発生するまでは最初に狙うべきスルーゲート66を明示し、明示したスルーゲート66への入賞が発生した場合には次に狙うべきスルーゲート66が明示されることとなる。このようにして教示された順序で入賞を発生させることにより、開閉実行モードへの移行条件成立時には併せて状態報知の実行条件が成立することとなる。
ステップS1205の処理を実行した後、又はステップS1204にて否定判定をした場合には、ステップS1206にてRAM614の各種フラグ格納エリアに状態報知準備完了フラグをセットして本状態報知用の準備処理を終了する。
状態報知用の準備処理が完了することにより、図柄表示装置75の表示画面75aでは遊技者に状態報知の抽選が実行される状況になったこと、また当該状況にてどのように遊技を行うか(遊技状態)が示唆される。具体的には、図21(a)の概略図に示すように、表示画面75aには入賞順を当てるように促すメッセージが表示される。そして、狙うべき対象が左スルーゲート66L又は右スルーゲートRである旨を示すメッセージが表示される。1つ目の入賞が発生すると、再び左スルーゲート66L又は右スルーゲートRを狙うように促すメッセージが表示される。その後は、入賞順の正解/不正解が明示された後、後述するタイミングにて状態報知が実行されることとなる。なお、入賞順の正解/不正解を明示する構成とすることも可能である。
ここで、状態報知については、入賞順に係る状態報知の実行条件が成立した場合と実行条件が成立しなかった場合とで実行されるタイミングが相違している。総じて入賞順に係る実行条件が成立した場合(入賞順に正解した場合)では当該実行条件が非成立となった場合(入賞順が不正解となった場合)よりも早いタイミングで報知が実行されることとなる。以下、図21(b)のフローチャートを参照し、状態報知の実行に係る制御処理(状態報知態様の設定処理)について説明する。
(状態報知態様の設定処理)
状態報知態様の設定処理においては先ず、ステップS1301にて状態報知準備完了フラグが設定されているか否かを判定する。ステップS1301にて肯定判定をした場合にはステップS1302に進む。ステップS1302では主制御装置162からスルーゲート入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1301及びステップS1302の何れかにて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。
ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303にて入賞順把握処理を実行する。入賞順把握処理では、当該準備モード中に発生したスルーゲート66への入賞数及びその入賞順序を把握する。入賞数が上述した規定数(詳しくは2つ)に一致していない場合(詳しくは規定数に達していない場合)には、ステップS1304にて否定判定し、そのまま本設定用処理を終了する。一方、入賞数が上述した規定数(詳しくは2つ)と一致している場合(詳しくは規定数に達した場合)には、ステップS1305に進む。
ステップS1305では上記ステップS1203にて設定した順序と、ステップS1303にて把握した実際の順序とが一致しているか否かを判定する。ステップS1305にて肯定判定をした場合、すなわち入賞順に正解している場合にはステップS1306に進む。ステップS1306では入賞順正解に対応した状態報知を実行するための状態報知用の第1設定処理を実行する。一方、ステップS1305にて否定判定をした場合、すなわち入賞順が不正解となった場合にはステップS1307に進む。ステップS1307では入賞順不正解に対応した状態報知を実行するための状態報知用の第2設定処理を実行する。ステップS1306及びステップS1307の処理を実行した後は、ステップS1308にて状態報知準備完了フラグを消去して本設定処理を終了する。
ここで、図22の概略図に参照して、状態報知用の第1/第2設定処理によって設定される状態報知のタイミングについて説明する。状態報知のタイミングについては、入賞順の教示の有無、大当たり種別、入賞順の当否の各種条件に応じて異なっている。
具体的には、入賞順の教示がなされた場合(確変大当たり結果)に入賞順に正解した場合には、開閉実行モード中に状態報知が実行される。具体的には、開閉実行モードにおける所定のラウンド(例えば第1ラウンドや最終ラウンド)にて、図柄表示装置75の表示画面75aの背景色が高確率モードに対応する色(赤色)に変化することとなる。これに対して、入賞順が教示なされた場合(確変大当たり結果)にて入賞順が不正解となった場合には、高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回が所定回数(例えば50回)となったタイミングで抽選モードが高確率モードであることを示す背景色(赤色)への切り替えがなされる。言い換えれば、高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回が所定回数(例えば50回)となるまでは通常の背景色(青色)が選択されることとなる。
次に、入賞順の教示がなされなかった場合について説明する。確変大当たり結果であって入賞順に正解した場合には、開閉実行モード中又は高頻度サポートモード終了タイミングの何れかにて背景色が高確モードに対応する色(赤色)に切り替わる。これら2つのタイミングの何れとするかについては、抽選によって決定される。確変大当たり結果であって入賞順が不正解となった場合には、高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回が所定回数(例えば50回)となったタイミングで抽選モードが高確率モードであることを示す背景色(赤色)への切り替えがなされる。言い換えれば、高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回が所定回数(例えば50回)となるまでは通常の背景色(青色)が選択されることとなる。
入賞順の教示がなされず、通常大当たり結果であって且つ入賞順に正解した場合には、高頻度サポートモード終了タイミングにて抽選モードが高確率モードであることを示す背景色(赤色)への切り替えがなされる。言い換えれば、高頻度サポートモード終了までは通常の背景色(青色)が選択されることとなる。入賞順の教示がなされず、通常大当たり結果であって且つ入賞順が不正解となった場合には、高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回が所定回数(例えば50回)となったタイミングで抽選モードが高確率モードであることを示す背景色(赤色)への切り替えがなされる。言い換えれば、高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回が所定回数(例えば50回)となるまでは通常の背景色(青色)が選択されることとなる。
サポートモードが高頻度サポートモードとなっている場合には、低頻度サポートモードと比較して投資を抑えながら遊技を進めることができる。そこで、入賞順に正解した場合には、少なくとも高頻度サポートモードが終了するまでに高確率モードとなっている旨を報知することにより、遊技者が高確率モード中に遊技を止めてしまう可能性を低減している。これに対して、入賞順が不正解となった場合には、高頻度サポートモード終了後にある程度遊技を進めるまでは、高確率モードであるか否かが明示されない。このようにして、抽選モードが何れであるかを伏せることにより、高確率モードへの期待を好適に煽ることができる。
遊技を継続するか否かを判断する上では抽選モードが高確率モード/低確率モードの何れとなっているかが重要な判断指標となる。サポートモードと比べて、遊技機の挙動から抽選モードを識別することが困難となるため、上記状態報知へ遊技者の注目が向きやすい。状態報知の可否については遊技者の操作に依存することとなるが、準備モードから開閉実行モードへの移行(遊技の進行に欠かせない操作)に関連付けることにより、当該状態報知の契機となる操作が無視されることを好適に回避できる。これにより、遊技の単調化を抑制する上で、その機能が上手く活用されなくなることを抑制している。
本実施の形態に示す構成によれば、大当たり結果となった場合には、直ちに開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)に移行するのではなく、先ずその前段階として準備モード(「準備状態」に相当)に移行する。そして、この準備モードにてスルーゲート66(「所定入球部」に相当)への入賞数が所定数に達することで開閉実行モードへの移行条件が成立する。準備モードにおいては、左右のスルーゲート66への入賞数だけでなく入賞の順序が監視されることとなり、実際の入賞順が事前に設定された報知対応の入賞順と一致することにより、遊技状態の事前報知(先報知)が実行されることとなる。つまり、本来であれば高頻度サポートモードの終了後に実行された遊技回数が50回に達した時点で遊技状態が明示されるところ、それよりも前のタイミングにて遊技状態が報知されることとなる。
相対的に有利な状態(高確率モード)である場合に遊技を止めてしまうと遊技者が本来得られるはずの利益を逃すことになる。また、相対的に不利な状態(低確率モード)である場合に遊技を継続することで投資が嵩む可能性がある。このような事情から、遊技を有利に進める上では抽選モードが高確率モード/低確率モードのいずれであるかを予測・把握することが重要となる。この点、本実施の形態に示したように、スルーゲート66への入賞順に正解することで抽選モードが教示される構成とすれば、当該情報を得るべく遊技者に遊技への積極的参加(遊技球の発射)を促すことができる。これにより、遊技が単調になることを好適に抑制できる。特に、準備モードを経由して開閉実行モードへ移行するタイプの遊技機にて、準備モード中の入賞順によってその後の展開が変化する構成とすることは、遊技の単調化を抑制する上で好ましい。
ここで、上述したように開閉実行モードへの移行には、スルーゲート66への入賞が必須となっており、これらスルーゲート66を入賞順の把握対象とすることにより、遊技進行上スルーゲート66への入賞示唆が無視されたまま遊技が進む等して、上述した単調化を抑制する効果が上手く発揮されなくなることを回避できる。
開閉実行モードへの移行に必要な入賞数と順序比較に必要な入賞数とが一致している。このため、開閉実行モードへの移行を目指す場合に、順序把握に必要となる入賞数が不足することが回避される。また、開閉実行モードへの移行に必要な入賞数と順序比較に必要な入球数とが一致するため、当該入賞順の対比機能が遊技を無駄に遅延させる要因になることを好適に抑制できる。
<変形例1>
上記第1の実施の形態では、準備モードから開閉実行モードへ移行する際に状態報知の実行条件として左右のスルーゲート66への入賞順を設定し、入賞順に正解した場合には入賞順に不正解となった場合よりも早いタイミングで状態報知が実行される構成とした。準備モードから開閉実行モードへ移行する際の遊技への注目度を向上させる上では上記構成に限定されるものではない。本実施の形態においては、準備モードにて実行される遊技の内容が上記第1の実施の形態と相違している。以下、図23の概略図を参照して、当該相違点について説明する。なお、本変形例についても高頻度サポートモードの終了後の所定のタイミングまでに状態報知が実行されるが、このうち高頻度サポートモードの終了までに実行される状態報知を「先報知」として区別する。
本変形例においては、1つ目の入賞先について正解/不正解の判定がなされ且つ2つ目の入賞先について正解/不正解の判定がなされる。つまり、1つ目の入賞先が不正解であったとして2つ目の入賞先が正解であった場合には上記先報知が行われる余地がある。そして、正解数に応じて上記先報知の発生確率が変化する構成となっている。
例えば、確変大当たり結果を契機として開始された準備モードにて入賞順が教示された場合には、入賞先の正解数が2/2であれば100%の確率で先報知が実行され、入賞先の正回数が1/2であれば50%の確率で先報知が実行され、入賞先の正回数が0/2であれば先報知は実行されない。また、入賞先の正解数によって先報知の実行タイミングが変化し得る。具体的には、正解数が2/2であれば開閉実行モード中に先報知が実行され、正解数が1/2であれば開閉実行モード中又は高頻度サポートモード終了時に先報知が実行される。これに対して、正解数が0/2であれば高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回数が所定回数(50回)に達したタイミングにて状態報知が実行されることとなる。
確変大当たり結果を契機として開始された準備モードにて入賞順が教示されなかった場合にも、入賞先の正解数が2/2であれば100%の確率で先報知が実行され、入賞先の正回数が1/2であれば50%の確率で先報知が実行され、入賞先の正回数が0/2であれば先報知は実行されない。そして、正解数が2/2又は1/2であれば開閉実行モード中又は高頻度サポートモード終了後に先報知が実行され、正解数が0/2であれば高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回数が所定回数(50回)に達したタイミングにて状態報知が実行される。
通常大当たり結果を契機として開始された準備モードにて入賞順が教示されなかった場合にも、入賞先の正解数が2/2であれば100%の確率で先報知が実行され、入賞先の正回数が1/2であれば50%の確率で先報知が実行され、入賞先の正回数が0/2であれば先報知は実行されない。そして、正解数が2/2又は1/2であれば高頻度サポートモード終了後に先報知が実行され、正解数が0/2であれば高頻度サポートモード終了後に実行された遊技回数が所定回数(50回)に達したタイミングにて状態報知が実行される。
入賞順によって正解/不正解を決定する場合には、最初の選択をミスした場合には、次の選択が半ば機械的になされ、遊技意欲が一気に低下する可能性がある。上記第1の実施の形態においては、正解/不正解の告知が入賞数=規定数に達した際に実行される構成とすることでこのような不都合の発生を抑える構成とした。これに対して、本変形例に示す構成によれば、都度の入賞時に正解/不正解を告知したとしてもそれに起因した遊技意欲の低下を抑制することができ、準備モード中の遊技の単調化を抑制するという効果を一層好適に発揮させることができる。
なお、本変形例1においては、状態報知の実行確率が100%となる正解数を規定数と同じになるようにして統一したが、これに限定されるものではない。例えば、大当たりの種別(上記A〜D)によって実行確率が100%となる正解数に差を設けてもよい。
<変形例2>
上記第1の実施の形態では、開閉実行モードが共通となる確変大当たり結果及び通常大当たり結果を併用し、且つ図柄表示装置75等の各種演出装置における表示態様を統一することで抽選モードが高確率モード及び低確率モードの何れになっているかを外観から識別困難としたがこれに限定されるものではない。高確率モード/低確率モードの識別が困難となっているのであれば足りる。
例えば、抽選モード及びサポートモードに影響を及ぼさない特別当たり結果(2R対応)と低頻度サポートモード対応の2R確変大当たり結果とを併用し、特別当たり結果を契機とした開閉実行モードでの動作態様と低頻度サポートモード対応の2R大当たり結果を契機とした開閉実行モードの動作態様を共通化することも可能である。
このような構成とする場合には、可変入賞装置64,65の動作態様(入賞モード)として上記第1の実施の形態に示したように実質的にそれら可変入賞装置64,65への入賞が発生する高頻度入賞モードと、開放時間を遊技球の発射周期よりも短くする等して実質的に可変入賞装置64,65への入賞が発生しない低頻度入賞モードとを設定し、特別当たり結果を契機とする開閉実行モード及び低頻度サポートモード対応の2R確変大当たり結果を契機とする開閉実行モードを低頻度入賞モードとすればよい。これにより、開閉実行モードを経由したことを目立ちにくくすることができ、遊技状態をひそかに変化させることが可能となる。
<第2の実施の形態> 大当たり中の入賞順によって潜確告知
上記第1の実施の形態では、開閉実行モードへ移行する前の準備モードにおけるスルーゲート66への入賞順に応じて内部的に高確率モード/低確率モードの何れになっているかを報知する構成とした。本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の報知を行うことが可能となってはいるものの、その契機となる入賞順については準備モードではなく開閉実行モード中の入賞順であることが特徴の1つとなっている。つまり、入賞順の監視機能が開閉実行モード中に有効化される構成となっている点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、図24(a)のフローチャートを参照して、本実施の形態における報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される状態報知用の準備処理について説明する。
(状態報知用の準備処理)
状態報知用の準備処理においては先ず、ステップS1401にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1401にて肯定判定をした場合には、ステップS1402に進む。ステップS1402では状態報知条件が成立済みであるか否かを判定する。本実施の形態においては、ラウンド中に入賞順の監視がなされる構成となっており、先のラウンドにて入賞順に正解したか否かを判定する。ステップS1401にて否定判定をした場合、又はステップS1402にて肯定判定をした場合には、そのまま本準備処理を終了する。
ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1403に進む。ステップS1403では所定ラウンド(本実施の形態においては第3ラウンド、第7ラウンド、第11ラウンド)前のインターバル期間の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1403にて否定判定をした場合には、そのまま本準備処理を終了する。ステップS1403にて肯定判定をした場合には、ステップS1404に進む。
大当たりの種類は4R大当たり、8R大当たり、16R大当たりに大別されるが、4R大当たりの場合には第3ラウンドにおいてのみ入賞順の監視がなされ、8R大当たりの場合には第3ラウンド、第7ラウンドにて入賞順が監視され、16R大当たりの場合には第3ラウンド、第7ラウンド、第11ラウンドにて入賞順が監視されることとなる(図24(b)の概略図参照)。つまり、実行されるラウンド数が多い大当たりの方が入賞順に挑戦できる機会が多くなるように差別化されている。
ステップS1403にて肯定判定をした場合にはステップS1404に進む。ステップS1404では状態報知対応の入賞順を設定する処理を行う。本実施の形態においては、監視対象となるスルーゲート66への入賞回数として「3回」が設定される。3回の入賞順については計8パターン存在する。ステップS1404の設定処理では、これら8パターンのうち何れを状態報知対応の入賞順とするかを決定する。
なお、本実施の形態においては、入賞順の監視に係るインターバル期間毎に状態報知対応の入賞順が決定(更新)される構成としたが、最初に決定された状態報知対応の入賞順が開閉実行モードの終了まで維持される構成とすることも可能である。また、最初に決定された状態報知対応の入賞順に新たな入賞順(正解)が追加される構成とすることも可能である。
ステップS1404の決定処理を実行した後は、ステップS1405にてRAM614の各種フラグ格納エリアに入賞順監視フラグをセットして、本準備処理を終了する。入賞順監視フラグが格納されることで、報知・演出制御装置610のMPU612による入賞順監視が実行されることとなる。ここで、図25のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される状態報知態様の設定用処理について説明する。
(状態報知用の設定用処理)
状態報知用の設定処理においては先ず、ステップS1501にて入賞順の監視対象となる所定ラウンド中であるか否かを判定する。ステップS1501にて否定判定をした場合にはそのまま本設定用処理を終了する。ステップS1501にて肯定判定をした場合には、ステップS1502に進む。
ステップS1502では所定ラウンドのラウンド終了条件(所定期間の経過又は所定数の入賞発生)が成立したか否かを判定する。ステップS1502にて肯定判定をした場合には、ステップS1503にてスルーゲート66への入賞数を把握する為の上記入賞数カウンタをリセットし且つRAM614に記憶されている入賞順情報を消去する。その後、ステップS1504にてRAM614の各種フラグ格納エリアに格納されている入賞順監視フラグを消去して本設定用処理を終了する。
ステップS1502の説明に戻り、当該ステップS1502にて否定判定をした場合、すなわちラウンド終了条件が未だ成立していないと判定した場合には、ステップS1505に進む。ステップS1505では、RAM614の各種フラグ格納エリアに入賞順監視フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1505にて否定判定をした場合には、そのまま本設定用処理を終了する。ステップS1505にて肯定判定をした場合には、ステップS1506に進む。
ステップS1506では主制御装置162からスルーゲート入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1506にて否定判定をした場合には、そのまま本設定用処理を終了する。ステップS1506にて肯定判定をした場合には、ステップS1507に進む。ステップS1507では、スルーゲート66への入賞順を把握すべく入賞順把握処理を実行する。その後、ステップS1508ではスルーゲート66への入賞数が規定数(本実施の形態においては「3」)に達したか否かを判定する。ステップS1508にて否定判定をした場合には、そのまま本設定用処理を終了する。ステップS1508にて肯定判定をした場合には、ステップS1509に進む。
ステップS1509では、今回把握した入賞順が設定した状態報知対応の入賞順と一致しているか否かを判定する。ステップS1509にて肯定判定をした場合にはステップS1510にて状態報知用の第1設定処理(正解用の設定処理)を実行し、ステップS1509にて否定判定をした場合にはステップS1511にて状態報知用の第2設定処理(不正解用の設定処理)を実行する。状態報知の態様についての詳細については第1の実施の形態と同様であるため説明を援用する。
ステップS1510又はステップS1511の処理を実行した後は、上記ステップS1503及びステップS1504の各処理を実行して、本設定用処理を終了する。
本実施の形態に示す開閉実行モードおいては、スルーゲート66への入賞数が次ラウンドへの移行契機として設定されているわけではない。このため、必ずしもスルーゲート66への入賞を「3回」発生させることができるとは限らない。例えば、図26(a)に示すように、状態報知対応の入賞順として「右」→「左」→「右」が設定されている場合に、3回の入賞を第3ラウンド開始〜終了までの間に発生させることができた場合には、入賞順正解となる。これに対して、図26(b)に示すように、第3ラウンド中にスルーゲート66へ「3回」の入賞が発生する前に、可変入賞装置64への入賞数が上限数に達すると、その時点で第3ラウンドが終了する。このように、スルーゲート66への入賞が間に合わない場合には、入賞順不正解となる。
そもそも上記第1の実施の形態においては、スルーゲート66への入賞数が規定数に達するまで開閉実行モードへの移行(遊技の進行)が一時停止される構成としていた。このため、スルーゲート66への入賞数が規定数に達する前の打ち切りが発生することはない。これに対して、本実施の形態においては、開閉実行モード(ラウンド中)にスルーゲート66への入賞を発生させる必要があるため、場合によってはスルーゲート66への入賞数が規定数に達する前に打ち切りが発生し得る。このような事情に鑑みて、上記第1の実施の形態とは異なり、入賞順に正解のチャンスについては必ずしも1回に限定されるわけではなく、複数回発生する場合を設けている。これにより、入賞順に不正解となった場合のみならずスルーゲート66への入賞が間に合わなかった場合であっても、再度のチャンスの発生へ期待を向けさせることができ、遊技意欲の低下を好適に抑制している。
スルーゲート66への入賞確率と可変入賞装置64への入賞確率とを比較した場合には、前者よりも後者の方が高くなっており、後者には入賞数に上限が設けられている。このため、可変入賞装置64への入賞数が上限数に達する前にスルーゲート66への入賞を3回発生させる必要が生じる。これにより、今までにない斬新な遊技が実現される。
<変形例1>
上記第2の実施の形態ではラウンド中のスルーゲート66への入賞順を監視する構成としたが、これを変更し、インターバル期間中のスルーゲート66への入賞順を監視する構成としてもよい。この場合、入賞順の監視対象となるインターバル期間については入賞順が監視対象とはならない他のインターバル期間と比べて長くなるように(具体的には2sec→15secとなるように)延長される構成とすればよい。スルーゲート66への入賞確率は凡そ1/10のとなっており且つ遊技球の発射周期は0.6secである。故に、もともとのインターバル期間の長さでは遊技者が遊技球を打ち分けて3回の入賞を発生させるには時間が不足する。故に、入賞順の監視を行わないインターバル期間では当該インターバル期間を短くして遊技進行の迅速化を図りつつ、入賞順の監視対象となるインターバル期間についてのみ当該期間の延長を図ることには技術的意義がある。
なお、次ラウンドへの移行条件をスルーゲート66への入賞回数=所定回数としてもよい。これにより、入賞順に応じて状態報知の可否を決定する機能が上手く活用されなくなることを好適に抑制できる。
<変形例2>
上記第2の実施の形態では、入賞順に正解した場合に状態報知を行う構成としたが、これに限定されるものではない。複数のラウンドにて入賞順を監視する構成とし、入賞順に正解した回数に応じて状態報知の確率が変化する構成としてもよい。例えば、入賞順に多く正解した場合には、入賞順の正解数が少ない場合と比較して状態報知の確率が高くなるように設定してもよい。また、入賞順の正解数が多くなるほど、状態報知のタイミングが早くなるような差を設けてもよい。
<変形例3>
上記第2の実施の形態では、スルーゲート66への入賞順によって状態報知の実行の可否が決まる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、左スルーゲート66Lへの入賞数と右スルーゲート66Rへの入賞数との大小関係のうち状態報知対応の大小関係を設定し、ラウンド中の各スルーゲート66への入賞数を比較して、設定された大小関係と一致しているか否かによって状態報知を実行するか否かを決める構成としてもよい。また、このような比較を行う上では、必ずしも入賞先を左スルーゲート66L及び右スルーゲート66Rとする必要はなく、例えば左一般入賞口61L及び右一般入賞口61Rとすることも可能である。
なお、本変形例3に示す技術的思想を上記第1の実施の形態に適用することも可能である。この場合、準備モードへの移行時に状態報知に対応した入賞数の大小関係を決定し、準備モード中の各スルーゲート66への入賞数を把握/比較した上で、当該大小関係と一致している場合に状態報知(先報知)を実行する構成とすることも可能である。
<変形例4>
上記変形例3に示すように、複数の入球部について入賞数を比較し、その比較結果に基づいて状態報知を実行するか否かを決める構成においては、対象となる複数の入球部を異なる流路(左ルート/右ルート)に分けて配設する必要は必ずしもない。対象となる複数の入球部を同じ流路に配設することも可能である。例えば、右ルートに配設された右スルーゲート66R及び右一般入賞口61Rを対象とし、右スルーゲート66Rへの入賞数と、右一般入賞口61Rへの入賞数とを比較する構成とすることも可能である。
<第3の実施の形態> 高頻度サポートモード中の入賞順によって潜確告知
上記第1の実施の形態では、開閉実行モードへ移行する前の準備モードにおけるスルーゲート66への入賞順に応じて内部的に高確率モード/低確率モードの何れになっているかを報知する構成とした。本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の報知を行うことが可能となってはいるものの、その契機として監視する入賞順については準備モードではなく高頻度サポートモード中の入賞順のとなっていることが特徴の1つとなっている。つまり、入賞順の監視機能が高頻度サポートモード中に有効化される構成となっている点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、図27のフローチャートを参照して、本実施の形態における報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される状態報知用の準備処理について説明する。
(状態報知用の準備処理)
状態報知用の準備処理においては先ず、ステップS1601にて電動役物71によるサポートモードが高頻度サポートモードとなっているか否かを判定する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602に進む。ステップS1602では状態報知条件が成立済みであるか否かを判定する。本実施の形態においては、高頻度サポートモード中に実行された遊技回数が所定回数(具体的には、30回、60回、90回)となったタイミングにて入賞順の監視が開始される構成となっている。ステップS1602では先の監視時に入賞順に正解したか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合、又はステップS1602にて肯定判定をした場合には、そのまま本準備処理を終了する。
ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1603に進む。ステップS1603では高頻度サポートモード中に実行された遊技回数が所定回数(具体的には、30回、60回、90回)となっているか否かを判定する。ステップS1603にて否定判定をした場合には、ステップS1604にてスルーゲート66用の入賞数カウンタをリセットし且つRAM614に記憶されている入賞順情報をクリアする。なお、一旦入賞順の監視が開始された後は、仮にスルーゲート66への入賞数が規定数に達する前に遊技回が30回実行された場合には、報知条件不成立となって、それまでの入賞が無効となる。
ここで、高頻度サポートモード下においては、各遊技回の変動表示時間が短縮されることで遊技の進行速度が速くなってはいるが、スルーゲートへの入賞が発生しなければ、下側作動入球部63に係る保留情報が0になって進行速度が低下する。入賞監視期間を規定する上記遊技回数(30回)については、保留情報の記憶上限数(4個)と上記規定数(3回)との積(12)よりも大きくなっている。このような構成とすることにより、スルーゲート66への入賞数が規定数に達する前に、遊技回が30回行われて入賞順に係る遊技が無効になることを抑制している。
ステップS1604の処理を実行した後は、ステップS1605では状態報知用の入賞順を設定する処理を行う。本実施の形態においては、監視対象となるスルーゲート66への入賞回数として「3回」が設定される。3回の入賞順については計8パターン存在する。ステップS1605の設定処理では、これら8パターンのうち何れを状態報知対応の入賞順とするかを決定する。
ステップS1605の設定処理を実行した後は、ステップS1606にてRAM614の各種フラグ格納エリアに入賞順監視フラグをセットして、本準備処理を終了する。入賞順監視フラグが格納されることで、報知・演出制御装置610のMPU612による入賞順監視が実行されることとなる。
高頻度サポートモード中は、低頻度サポートモードと比べて遊技の進行速度が速くなる。このように、次々と遊技が進行することは遊技進行の迅速化を実現する上では有利であるものの、遊技回が半ば機械的に進行することで遊技が単調になると懸念される。この点、本実施の形態に示すように、高頻度サポートモード下における遊技球の入賞順(左スルーゲート66L,右スルーゲート66R)に応じて遊技の状態に関する情報を取得できる機会を設けることにより、高頻度サポートモード下にて複数の異なる遊技を並列的に進行させることができ、遊技の単調化を好適に抑制できる。
<変形例1>
上記第3の実施の形態では、高頻度サポートモードとなっている状況下にて実行された遊技回の回数に応じて入球順がリセット→再設定される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、高頻度サポートモードとなっている状況下にて実行された電動役物71によるサポート回数(サポート抽選の回数)に応じて入賞順がリセット→再設定される構成としてもよい。
<変形例2>
抽選モードが高確率モード且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる遊技状態を併用し、低頻度サポートモード中(見かけ上は低確率モード且つ低頻度サポートモード)でありながら内部的には高確率モードとの識別が不可又は困難な遊技状態を設けてもよい。この場合、低頻度サポートモード且つ高頻度サポートモードとなっている状況下にて実行された遊技回の数に応じてに入賞順が設定され、当該状況下にてその入賞順に正解した場合には、その時点で高確率モードであるか否かを報知する構成とすることも可能である。
<第4の実施の形態> 転落抽選タイプの遊技機にて入賞順正解で潜確告知
上記第1の実施の形態においては、抽選モードが高確率モードとなっている場合には8R通常大当たり結果又は4R通常大当たり結果となったことを契機として低確率モードへ移行する構成とした。つまり、低確率モードへ移行する場合には開閉実行モードを経由する構成とした。本実施の形態においては、高確率モードから低確率モードへの転落抽選を行い、転落結果となった場合には開閉実行モードを経由することなく低確率モードへ移行する構成となっている。このような違いに併せて状態報知に係る構成についても上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本実施の形態における遊技機の基本構成について説明した後、本実施の形態における状態報知に係る構成について説明する。
主制御装置162の各種カウンタエリア604dには、上記大当たり乱数カウンタC1,大当たり種別カウンタC2,リーチ乱数カウンタC3,乱数初期値カウンタCINI,変動種別カウンタCSに加え、高確率モードからの転落抽選に使用する転落乱数カウンタC5が設けられている(図28の概略図参照)。
転落乱数カウンタC5は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後に0に戻る構成となっている。転落乱数カウンタC5は定期的に更新され、遊技球が上側作動入球部62(上側作動口62a)又は下側作動入球部63(下側作動口63a)に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上側作動入球部62(上側作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上側作動入球部用保留エリアRaに格納され、下側作動入球部63(下側作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアRbに格納される。
転落結果となる乱数の値は、ROM603における転落情報群記憶手段としての転落テーブル記憶エリアに転落テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、転落テーブルの内容について説明する。なお、転落テーブルについては、高確率モード/低確率モードや高頻度サポートモード/低頻度サポートモード等の遊技状態に関係なく、参照されるテーブルが共通化されているが、これに限定されるものではなく、遊技状態毎に参照テーブルを切り替える構成とすることも可能である。
上記抽選に際しては、転落結果となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「444」の1個である。つまり「0〜599」の転落乱数カウンタC5の値のうち「444」のみが転落結果に対応している。転落結果となった場合には、遊技状態が高確率モードから低確率モードへの移行(転落)へ移行することとなる。なお、低確率モード中においては転落乱数カウンタC5の値が「444」以外である場合には低確率モードに維持され、高確率モード中においては転落乱数カウンタC5が「444」以外である場合には高確率モードに維持される。つまり、本実施の形態においては、一旦高確率モードへ移行した後は転落抽選にて転落結果となるまで高確率モードに維持されることとなる。
次に、図29及び図30のフローチャートを参照して主制御装置162のMPU602にて実行される変動開始処理について説明する。
(変動開始処理)
図29に示すように、変動開始処理においては先ず、ステップS1701にて転落抽選処理を実行する。転落抽選処理では、転落乱数カウンタC5と転落テーブルとを参照して、低確率モードへの移行条件が成立したか否かを判定する。転落結果である場合にはステップS1702にて肯定判定をし、ステップS1703の転落用の設定処理を実行する。
図30に示すように、転落用の設定処理においては、抽選モードが高確率モードとなっているか否かを判定する。ステップS1801にて肯定判定をした場合には、そのまま本転落用の設定処理を終了する。ステップS1801にて肯定判定をした場合には、ステップS1802に進む。ステップS1802ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されている高確率モードフラグを消去する。ステップS1802の処理を実行した後は、ステップS1803にて、当否抽選テーブルの切替処理を実行して本転落用の設定処理を終了する。当否抽選テーブルの切替処理を行うことで、以降の当否抽選処理においては、低確率モード用の当否抽選テーブルが参照されることとなる。
ステップS1703の処理を実行した後、又はステップS1702にて否定判定をした場合には、ステップS1704に進む。ステップS1704では当否判定処理を実行する。ステップS1704の当否判定処理では、抽選モードが高確率モードであるか低確率モードであるかを判別する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア603aに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア603aに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
ステップS1704の当否判定処理にて大当たり結果となった場合にはステップS1705にて肯定判定をしてステップS1706に進む。ステップS1706では大当たり種別の判定処理を実行し、続くステップS1707ではその大当たり結果に応じて大当たり用の停止結果設定処理を行う。これに対して、ステップS1704の当否判定処理にて外れ結果となった場合にはステップS1705にて否定判定をしてステップS1708に進む。ステップS1708では外れ結果に応じて外れ用の停止結果設定処理を行う。ステップS1707及びステップS1708の各処理については、ステップS704及びステップS705の各処理と同様であるため説明を援用する。
ステップS1707又はステップS1708の処理を実行した後は、ステップS1709にて変動表示時間の設定処理を実行し、続くステップS1709にて変動開始コマンド及び種別コマンドをセットする。その後、ステップS1711にて変動表示の開始処理を実行して、本変動開始処理を終了する。ステップS1709〜S1711の各処理については、ステップS706〜S708の各処理と同様であるため説明を援用する。
このように、本実施の形態においては遊技回を重ねる度に転落抽選が実行され、転落結果となった場合には、抽選モードが低確率モードとなる。このような転落が発生した場合であっても、その事実を図柄の変動表示態様や停止図柄の組み合せ等の情報から識別することは困難となっている。つまり、遊技者により現状が高確率モード及び低確率モードの何れであるかを判別されることを回避している。
ここで、上記第1の実施の形態においては、準備モードへの移行を契機として入賞順の設定を行う構成としたが、本実施の形態においては、遊技回の開始を契機として入賞順の設定を行う構成としている。以下、図31のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される入賞順の設定に係る処理(状態報知用の準備処理)について説明する。
(状態報知用の準備処理)
状態報知用の準備処理においては先ず、ステップS1901にて状態報知を行っている最中又は状態報知の準備中であるか否かを判定する。具体的には、RAM614の各種フラグ格納エリアに後述する状態報知フラグ又は入賞順監視フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1901にて肯定判定をした場合には、そのまま本準備処理を終了する。ステップS1901にて否定判定をした場合には、ステップS1902に進む。
ステップS1902では遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1902にて否定判定をした場合には、そのまま本準備処理を終了する。ステップS1902にて肯定判定をした場合には、ステップS1903に進む。本実施の形態に示す報知・演出制御装置610は一回前の遊技回における変動表示態様の概要を記憶する機能を有している。
ここで、図柄表示装置75(表示画面75a)にて表示される図柄の変動表示態様について補足説明する。表示画面75aにて実行される図柄の変動表示態様は、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチB,スーパーリーチCの5つに大別される。これら各変動表示態様については、変動表示時間が異なるように設定されており、主制御装置162からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要を把握可能となっている。大当たり結果に対応する遊技回では、スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA の順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回では、完全外れ > ノーマルリーチA > ノーマルリーチB > スーパーリーチA > スーパーリーチB > スーパーリーチC の順に選択されやすい構成となっている。つまり、変動表示時間が長くなるにつれて大当たりの当選期待度(以下、単に期待度ともいう)が高くなる設定となっている。
ステップS1903では、RAM614の情報記エリアに格納されている遊技情報を参照して先の遊技回にて外れ結果対応のスーパーリーチが実行されたか否かを判定する。ステップS1903にて肯定判定をした場合にはステップS1904に進み、状態報知用第1抽選処理を実行する。これに対して、先の遊技回にて外れ結果対応のスーパーリーチが実行されていないと判定した場合にはステップS1905に進み、状態報知用第2抽選処理を実行する。
状態報知用第1抽選処理及び状態報知用第2抽選処理においては、状態報知用の入賞順を設定するか否かを抽選により決定する。状態報知用の入賞順が設定される確率(状態報知用抽選に当選する確率)は第2抽選処理よりも第1抽選処理の方が高くなっている。これにより、本実施の形態においては、状態報知用の入賞順の設定が主として外れ結果対応のスーパーリーチの直後に行われる構成となっている。
ステップS1904又はステップS1905の抽選処理を実行した後は、ステップS1906にて状態報知用抽選に当選したか否かを判定する。ステップS1906にて否定判定をした場合にはそのまま、本準備処理を終了する。ステップS1906にて肯定判定をした場合には、ステップS1907に進む。ステップS1907では状態報知対応の入賞順を設定する。具体的には、8つの入賞順から状態報知に対応する入賞順を選択する。
状態報知対応の入賞順を設定した後は、ステップS1908にてRAM614の各種フラグ格納エリアに入賞順監視フラグをセットして本準備処理を終了する。入賞順監視フラグが格納されることで、入賞順に正解することで状態報知が行われる特殊遊技モードへ移行する。報知・演出制御装置610のMPU612では特殊遊技モードへ移行することにより状態報知用の設定処理が実行される。以下、図32のフローチャートを参照して状態報知用の設定処理について説明する。
(状態報知用の設定処理)
状態報知用の設定処理においては先ず、ステップS2001にてRAM614の各種フラグ格納エリアに上記入賞監視フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2001にて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。ステップS2001にて肯定判定をした場合にはステップS2002に進む。ステップS2002では、主制御装置162からスルーゲート入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2002にて否定判定をした場合にはそのまま本設定処理を終了する。ステップS2002にて肯定判定をした場合には、ステップS2003に進む。ステップS2003では入賞順把握処理を実行する。
ステップS2003の処理を実行した後は、ステップS2004にてスルーゲート66への入賞数と規定数(本実施の形態においては「3」)とが一致しているか否かを判定する。ステップS2004にて否定判定をした場合にはそのまま本設定処理を終了する。ステップS2004にて肯定判定した場合には、ステップS2005に進み、設定した入賞順と実際の入賞順とが一致しているか否かを判定する。ステップS2005にて肯定判定をした場合には、ステップS2006に進む。ステップS2006では現在の抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS2006にて肯定判定をした場合、すなわち入賞順に正解し且つ高確率モードである場合には、ステップS2007に進む。
ステップS2007では、状態報知開始処理を実行する。これにより、図柄表示装置75の表示画面75aにて高確率モード中であることを示すメッセージが表示されることとなる。この表示については、当該遊技回が終了して次の遊技回が開始されるまで継続されることとなる。因みに、本実施の形態では、入賞順に正解/不正解の何れとなったかについては非明示となる。
なお、本実施の形態においては入賞監視フラグが設定されたタイミングで図柄表示装置75の表示画面75aのスルーゲート66への入賞を促すメッセージが表示されることとなるが、実際に入賞が発生してから入賞が完了するまでの間に遊技回を跨ぐ可能性がある。この場合、最終的に入賞順が一致した時点で高確率モード中であるか否かが判定される。このため、上記メッセージの表示が開始されたタイミングでは高確率モードであったとしても、実際に入賞順が一致したタイミングでは低確率モードとなっている可能性を否定できない。このようなケースでは状態報知が回避されることとなる。また、状態報知を行うのに十分な期間を確保できない場合、例えば確定表示が開始される前までに入賞順に正解していない場合には、状態報知が回避されることとなる。
ステップS2007の処理を実行した後、ステップS2005又はステップS2006にて否定判定をした場合には、ステップS2008に進む。ステップS2008ではスルーゲート66の入賞数カウンタをリセットし且つRAM614に記憶されている入賞順情報を消去する。
ステップS2008の処理を実行した後は、ステップS2009にてRAM614の各種フラグ格納エリアに格納されている入賞順監視フラグを消去して本設定処理を終了する。入賞順監視フラグが消去されることで、特殊遊技モードが解除されることとなる。
ここで、図33のタイミングチャートを参照して、遊技の流れと状態報知との関係について補足説明する。
抽選モードが高確率モードとなっている状況においては、外れ結果となった遊技回の次の遊技回の開始時に特殊遊技モードへ移行するか否かが抽選により決定される。この際、先の遊技回がスーパーリーチに対応している場合と、それ以外(ノーマルリーチや完全外れ)に対応していた場合とを比較した場合には前者の方が特殊遊技モードへ移行する可能性が高くなっている。また、高確率モードである場合と低確率モードとを比較した場合にも、後者よりも前者の方が特殊遊技モードへ移行する可能性が高くなるように差が設けられている。
高確率モードであるか低確率モードであるか確信が持てない状況下にあっては、高確率モードに期待しながら遊技が行われるものと想定される。しかしながら、このような状況下にて期待度の高い変動表示態様(スーパーリーチ)を経由して外れ結果となった旨が報知された場合には、高確率モードへの期待が一気に低下してしまう。つまり、高確率モードであれば大当たり結果になったであろうところ、期待度の高い変動表示態様を経由して外れ結果となった理由は低確率モードであるからであるとの印象を遊技者に与えやすい。このような事情から、期待度の高い変動表示態様にて外れ結果が報知されることは、遊技を終了する契機になると懸念される。
この点、高確率モード中に外れ結果に対応するスーパーリーチが実行された次の遊技回では、特殊遊技モードへ移行し、スルーゲート66への入賞順に正解すれば、高確率モード中であることが教示される。これにより、遊技意欲の低下を好適に抑制できる。
これに対して、低確率モード中に外れ結果に対応するスーパーリーチが実行された場合にも、その次の遊技回にて特殊遊技モードへ移行する可能性がある。ここで、低確率モードであることが明示された場合には、それが遊技意欲を低下させる要因になり得る。この点、本実施の形態においては、入賞順に正解したか否かについては明示されるわけではなく。入賞順に正解した場合であっても高確率モード中でなければ状態報知が回避される。故に、状態報知が行われなった場合には、それが入賞順に外れたからなのか、それとも高確率モードでないからなのかを識別することは困難である。これにより、遊技意欲の低下を抑制することが可能である。特殊遊技モードにおいては、スルーゲート66を狙って遊技球を発射する必要があるため、遊技機の稼働率の向上を図る上でも好ましい。
外れ結果対応のスーパーリーチが実行される遊技回ではなく、その次の遊技回にて特殊遊技モードへ移行するため、遊技の継続を好適に促すことができる。また、スーパーリーチが実行されている遊技回にて特殊遊技モードへ移行してしまっては、大当たり結果への期待が大きく低下してしまう。故に、次の遊技回にて特殊遊技モードへ移行させることには当該遊技回への注目度の低下を抑制するという技術的意義がある。
<変形例1>
上記第4の実施の形態では、主として外れ結果対応のスーパーリーチが実行された次の遊技回にて特殊遊技モード(入賞順を当てる遊技モード)に移行する構成としたが、特殊遊技モードへの移行条件についてはこれに限定されるものではない。例えば、記憶されている保留情報の数が上限数に達したことを契機として特殊遊技モードに移行する構成としてもよい。また、上記第3の実施の形態に示したように実行された遊技回数が予め規定された回数に達した場合に特殊遊技モードに移行する構成としてもよい。
<変形例2>
上記第4の実施の形態では、状態報知の実行期間が確保できない場合には、状態報知が回避される構成としたが、状態報知が次の遊技回に持ち越される構成としてもよい。この場合、次の遊技回の転落抽選の結果を踏まえて、当該次の遊技回が高確率モード及び低確率モードの何れに対応しているかを反映することが好ましい。
<変形例3>
上記第4の実施の形態では、状態報知の実行条件が成立(入賞順正解)した場合には、直ちに状態報知が実行される構成としたが、状態報知のタイミングを遅らせる構成とすることも可能である。例えば、状態報知の実行条件が成立した場合には、実行条件が成立してから実行された遊技回数が予め設定された回数に達した場合に状態報知を実行する構成としてもよい。この場合、当該状態報知が実行される遊技回の転落抽選の結果を踏まえて、当該次の遊技回が高確率モード及び低確率モードの何れに対応しているかを反映することが好ましい。
なお、状態報知をどの遊技回にて実行するかを遊技者に選択させる構成としてもよい。例えば、当該遊技回、10遊技回後、20遊技回後、30遊技回後、・・・の各種候補から選択させる構成としてもよい。
<変形例4>
上記第4の実施の形態では、所定の変動表示態様(外れ結果に対応するスーパーリーチ)にて実行された遊技回の次の遊技回にて特殊遊技モードへの移行確率が高い高確状態となるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、所定の変動表示態様にて実行された遊技回の後は予め設定された遊技回数又は期間が経過するまで、高確状態が継続される構成とすることも可能である。
<第5の実施の形態> 電役保留数によって報知実行条件が変化
上記各実施の形態では、スルーゲート66へ入賞順に正解した場合等に遊技状態の報知がなされる構成とした。本実施の形態においては、電役保留の数によって報知の実行条件が変化する構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図34の概略図を参照して、第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における特徴的な構成について説明する。
既に説明したように、電動役物71についてはスルーゲート66への入賞を契機とした抽選に当選した場合に閉鎖状態から開放状態に切り替わる構成となっている。大当たり結果となる可能性が高い変動表示態様となる遊技回では、無駄な遊技球の発射を抑えるべく(投資を抑えるべく)遊技球の発射を止めるといった行為がなされる。このような行為が頻繁に行われることは遊技機の稼働率を低下させる要因になるため好ましくない。
ここで、本実施の形態においては、準備モードへ移行する時点で記憶されている電役保留の数が多くなることにより状態報知に対応した入賞順の数が多くなるように構成されている。具体的には、電役保留の数が「0」〜「2」の場合には正解となる入賞順は「1/4」、電役保留の数が「3」の場合には正解となる入賞順は「2/4」、電役保留の数が「4」の場合には正解となる入賞順は「4/4」となるように構成されている。つまり、準備モードへ移行するまでの間(例えば、スーパーリーチ中)に電役保留を稼いで、その数を「3」又は「4」としておけば、入賞順の正解のハードルが低くなる。
内部的に高確率モードとなっているか否かを早いタイミングで把握することができれば、遊技を終了するタイミングを見計らう上で有利となる。故に、準備モードへ移行するまでに電役保留を稼ぐことでその後の遊技を有利に進めることができる。これにより、上述した稼働率に係る課題を好適に解決できる。
また、本実施の形態においては、上側作動入球部62と下側作動入球部63とでは大当たりの種別を決定する際の振り分けが下側作動入球部63の方が遊技者に有利となるように差別化されている。下側作動入球部63への入球については電動役物71の動きに依存しており、この電動役物71を開放状態とするにはスルーゲート66への入賞が必須となる。大当たり結果となる可能性が高い場合に電役保留を溜めておくことにより、開閉実行モードが終了した直後に相対的に不利な上側作動入球部62への入賞に基づく抽選が連続することを抑制し、遊技進行を遊技者に有利とすることができる。このように、スルーゲート66への入賞が無駄になる機会を減らすことにより、遊技者が電役保留の確保に消極的になることを好適に抑制できる。
電役保留の数が上限数である「4」となっている場合には、スルーゲート66への入賞が発生したとしても、新たに電役保留が記憶されるわけではない。但し、電役保留の数が上限数に達している場合には入賞順に関係なく状態報知が確定する。これにより、無駄球の発生を懸念して、遊技球の発射が控えられるといった状況を発生しにくくしている。
<変形例1>
上記第5の実施の形態では、電役保留の数が上限に達している場合には、状態報知対応の入賞順が増加して、何れの入賞順であっても、実行条件が成立する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、電役保留の数が上限に達している場合には、状態報知対応の入賞順を増加させる代わりに、設定されている状態報知対応の入賞順を教示する構成とすることも可能である。また、電役保留の数が多くなることで有利度が高くなるように差を設ける上では、電役保留の数に応じて入賞順の教示の確率が高くなるようにすることも可能である。
<変形例2>
上記第5の実施の形態では、入賞順の設定が行われるタイミングで電役保留の数を参照する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、スルーゲート66に複数回入賞させることで入賞順が決まる構成においては、入賞順が確定するまでの間に電役保留の数が上限に達した場合に、途中からの入賞順を教示する構成としてもよい。例えば、スルーゲート66へ3回入賞させることで入賞順が確定する構成においては、1球目の入賞先に正解して且つ2球目の入賞前のタイミングで電役保留の数が上限に達した場合には、残り(2回目、3回目)の入賞先(入賞順)を教示する構成としてもよい。
<第6の実施の形態> 入賞順によってラウンド振分抽選
上記第1の実施の形態においては、入賞順に正解した場合に抽選モードが告知される構成とした。本実施の形態においては、入賞順に正解した場合には、入賞順に正解していない場合と比較して開閉実行モードにおける遊技が遊技者に有利となるように差が設けられていることを特徴の1つとしている。また、遊技球の発射先を自身のイメージ通りに調整することは、ある程度の慣れや技量を要する。このため、遊技に慣れていない遊技者にとってはこのような調整自体が酷になる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、このような事情に鑑みた対策が講じられている。以下、図35のフローチャートを参照して、本実施の形態における準備モード用処理について説明する。
(準備モード用処理)
準備モード用処理においては先ず、ステップS2101にて、主制御装置162からのコマンドに基づきスルーゲート66への入賞が発生しているか否かを判定する。ステップS2101にて否定判定をした場合には、そのまま本準備モード用処理を終了する。ステップS2101にて肯定判定をした場合には、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられたスルーゲート66用の入賞数カウンタを更新する。ステップS2102の更新処理を実行した後は、ステップS2103にて今回の入賞が1つ目の入賞であるか否かを判定する。ステップS2103にて肯定判定をした場合には、今回の入賞先が左スルーゲート66L及び右スルーゲート66Rの何れであるかを識別する。
今回の入賞先が左スルーゲート66Lである場合にはステップS2104にて肯定判定をしてステップS2105に進む。ステップS2105ではラウンドカウンタRCに「10」をセットする。つまり、1球を左スルーゲート66Lに入賞させた場合には、開閉実行モードが10ラウンドとなる。これに対して、今回の入賞先が右スルーゲート66Rである場合にはステップS2106に進み16ラウンド対応の入賞順の設定処理を実行する。なお、以下の説明では、「16ラウンド」を「16R」、「8ラウンド」を「8R」、「4ラウンド」を「4R」とも称する。
16R対応の入賞順の設定処理では、右スルーゲート66R→右スルーゲート66R、右スルーゲート66R→左スルーゲート66L、左スルーゲート66L→右スルーゲート66R、左スルーゲート66L→左スルーゲート66Lの4つの入賞順のうち今回16R対応の入賞順(正解)となるものを設定する。
図36(a)の概略図に示すように、設定される入賞順は大当たりの種別に対応付けられている。本実施の形態においては、確変大当たり結果として確変大当たり結果A〜Dが設けられており、通常大当たり結果として通常大当たり結果A〜Dが設けられている。大当たり結果Aの場合には全ての入賞順が16Rに対応している。このため、どのような入賞順とした場合であっても16R対応の開閉実行モードへと移行する。これに対して、大当たり結果Bの場合には4つの入賞順のうち3つが16Rに対応している(1つが4Rに対応している)。このため、16R対応の開閉実行モードへ移行する確率は3/4且つ4R対応の開閉実行モードへ移行する確率は1/4となっている。大当たり結果Cの場合には4つの入賞順のうち2つが16Rに対応している(2つが4Rに対応している)。このため、16R対応の開閉実行モードへ移行する確率は2/4且つ4R対応の開閉実行モードへ移行する確率は2/4となっている。大当たり結果Dの場合には4つの入賞順のうち1つが16Rに対応している(3つが4Rに対応している)。このため、16R対応の開閉実行モードへ移行する確率は1/4且つ4R対応の開閉実行モードへ移行する確率は3/4となっている。このように、大当たりの種別によって入賞順の正解確率に差が生じる。
なお、本実施の形態においては、上側作動入球部62への入賞に基づく大当たり結果と、下側作動入球部63への入賞に基づく大当たり結果とを比較した場合には、前者の方が後者よりもその後の遊技が遊技者に有利となるように差別化されている。具体的には、下側作動入球部63への入賞に基づく大当たり結果となった場合には、上側作動入球部62への入賞に基づく大当たり結果となった場合よりも開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなる確率及び高頻度サポートモードの継続回数が優遇されている。詳しくは、上側作動入球部62への入賞に基づく大当たり結果では、大当たり結果A < 大当たり結果B <大当たり結果C <大当たり結果Dの順に振り分けられやすくなっており、下側作動入球部63への入賞に基づく大当たり結果では、大当たり結果D < 大当たり結果C <大当たり結果B <大当たり結果Aの順に振り分けられやすくなっている。
ステップS2106の設定処理を実行した後は、ステップS2107に進む。ステップS2107ではラウンド数の抽選モードへの移行処理を行う。具体的にはRAM604の各種フラグ格納エリア604eにラウンド数抽選モードフラグをセットする。ステップS2107の処理を実行した後は、本準備モード用処理を終了する。
ステップS2103の説明に戻り、当該ステップS2103にて否定判定をした場合、すなわち1つ目の入賞ではなく2つ目以降の入賞である場合には、ステップS2108に進む。ステップS2108では、各種フラグ格納エリア604eにおけるラウンド数抽選モードフラグエリアを参照してラウンド数抽選モード中であるか否かを判定する。ステップS2108にて肯定判定をした場合にはステップS2109に進む。
ステップS2109では入賞順把握処理を行う。続くステップS2110では更新された入賞数カウンタを参照して入賞数が規定数(本実施の形態においては「3」)と一致しているか否かを判定する。ステップS2110にて否定判定をした場合には、そのまま本準備モード用処理を終了する。ステップS2110にて肯定判定をした場合にはステップS2111に進む。ステップS2111では、実際の入賞順が事前に設定した入賞順と一致しているか否かを判定する。ステップS2111にて肯定判定をした場合、すなわち入賞順に正解した場合には、ラウンドカウンタRCに「16」をセットする。これにより、開閉実行モードが16Rに対応したものとなる。ステップS2111にて否定判定をした場合、すなわち入賞順に不正解となった場合には、ラウンドカウンタRCに「4」をセットする。これにより、開閉実行モードが4Rに対応したものとなる。ステップS2112又はステップS2113のラウンド設定処理を実行した後は、ステップS2114にて開閉実行モード移行処理を実行した後、本準備モード用処理を終了する。
ステップS2108の説明に戻り、当該ステップS2108にて否定判定をした場合、すなわち1つ目の入賞先が左スルーゲート66Lでありラウンド数が既に確定している場合には、ステップS2115に進む。ステップS2115では入賞数カウンタを参照してスルーゲート66への入賞数が規定数(本実施の形態においては「3」)と一致しているか否かを判定する。ステップS2115にて否定判定をした場合には、ステップS2114にて開閉実行モード移行処理を実行した後、本準備モード用処理を終了する。
ここで、図36(b)の概略図を参照して遊技の流れについて説明する。
(遊技の流れ)
作動入球部62,63への入賞に基づく当否抽選にて大当たり結果となった場合には、即座に開閉実行モードへ移行するのではなく準備モードを経由して開閉実行モードへ移行することとなる。開閉実行モードのラウンド数は大当たり結果となった時点では確定しているわけでなく(一部を除く)、準備モード中の遊技によって決定されることとなる。
具体的には、準備モード中にスルーゲート66(「作動ゲート」に相当)への入賞数が「3」となることで開閉実行モードへの移行条件が成立する。
この3度の入賞が発生する際の入賞先に応じてラウンド数の決定態様が変化する。具体的には、1つ目の入賞先が左スルーゲート66Lである場合には、その時点で開閉実行モードのラウンド数が10Rとなる。これに対して、1つ目の入賞先が右スルーゲート66Rである場合には、その後の2つの入賞先(入賞順)によって開閉実行モードのラウンド数が振り分けられることとなる。
左スルーゲート66L及び右スルーゲート66Rへの入賞順については上述の如く4通り存在する。これら4つの入賞順は16Rに対応するものと4Rに対応するものとに事前に振り分けられており、16Rに対応する入賞順となった場合(すなわち入賞順に正解した場合)には、開閉実行モードのラウンド数が16Rとなる。これに対して、4Rに対応する入賞順となった場合(すなわち入賞順に不正解となった場合)には、開閉実行モードのラウンド数が4Rとなる。
スルーゲート66への入賞数が「3」となることでラウンド数が確定した場合には、同時に開閉実行モードへの移行条件が成立することとなり、直後に開閉実行モードが開始される。
このように、開閉実行モード開始の契機となるスルーゲート66への入賞先によってラウンド数が変化する構成とすれば遊技の単調化を抑制して、遊技への注目度の向上に寄与できる。遊技者は状況に応じてリスクを負ってでも多くの出球を得られるよう勝負するか、リスクを負うことなく安定した出球を得られるように勝負を避けるかを選択することができる。このように遊技者の趣向に併せて遊技を進めることができる構成とすることにより、対応の幅を拡張している。
最初の入賞先を右スルーゲート66Rとした場合には、その後の2回の入賞先(入賞順)によって得られる特典が変化する。このように、開閉実行モードへ移行する前の準備モードにて新たな遊技性が加わることにより、遊技の単調化を好適に抑制することができる。
本実施の形態においては特に、上側作動入球部62と下側作動入球部63とでは大当たりの種別を決定する際の振り分けが下側作動入球部63の方が遊技者に有利となるように差別化されている。下側作動入球部63への入球については電動役物71の動きに依存しており、この電動役物71を開放状態とするにはスルーゲート66への入賞が必須となる。大当たり結果となる可能性が高い場合に電役保留を溜めておくことにより、開閉実行モードが終了した直後に相対的に不利な上側作動入球部62への入賞に基づく抽選が連続することを抑制し、遊技進行を遊技者に有利とすることができる。このように、スルーゲート66への入賞が無駄になる機会を減らすことにより、遊技者が電役保留の確保に消極的になることを好適に抑制できる。
<変形例1>
上記第6の実施の形態においては、入賞順に応じたラウンド数の振り分けを行うか否かを1つ目の入賞先によって決める構成としたが、これに限定されるものではない。このような選択を無くして、3つ全ての入賞先(入賞順)によってラウンド数の振り分けを行う構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第6の実施の形態においては、入賞順の正解の有無によって開閉実行モードのラウンド数を変化させる構成としたが、これに限定されるものではない。入賞順に正解した場合には入賞順に不正解となった場合よりもその後の展開が遊技者に有利となるのであれば、どのような点に有利度の差を設けるかについては任意である。例えば、入賞順の正解の有無によって開閉実行モード終了後の抽選モード(高確率モード/低確率モード)を切り替える構成としてもよいし、入賞順の正解の有無によって開閉実行モード終了後のサポートモード(高頻度サポートモード/低頻度サポートモード)を切り替える構成としてもよい。
<変形例3>
上記第6の実施の形態においては、開閉実行モードへの移行に係る総入賞数を「3」に統一したが、大当たりの種類によって総入賞数を変化させる構成とすることも可能である。総入賞数の変化によって正解率が変わる構成とすれば、遊技の単調化を一層好適に抑制できる。
<第7の実施の形態> スルーゲート及び一般入賞口
上記各実施の形態においては、スルーゲート66にて規定数の入賞が発生したことを契機として開閉実行モードへ移行し且つスルーゲート66への入賞順に正解するか否かによってその後の遊技の流れ等が変化する構成とした。本実施の形態においては、スルーゲート66への入賞と一般入賞口61への入賞との関係によってその後の遊技の流れ等が変化する構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図4、図37及び図38を参照して、第6の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における特徴的な構成について説明する。図37は主制御装置162のMPU602にて実行される準備モード用処理を示すフローチャート、図38(a)は大当たり結果毎に設定される規定数を示す概略図、図38(b)は遊技の流れを示す概略図である。
先ず、図4を参照して、遊技盤60の構成について補足説明する。既に説明したように遊技盤60の中央には可変表示ユニット67が配設されており、この可変表示ユニット67によって遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が左ルート及び右ルートに2分されている。
左ルートにおいては可変表示ユニット67の側方であって、流下経路の横幅が減縮されている部分に左スルーゲート66Lが配設されている。そして、当該左スルーゲート66Lよりも下流側となる部分には左一般入賞口61Lが複数配設されている。言い換えれば、左一般入賞口61Lへ遊技球が流下する経路上に左スルーゲート66Lが配置されている。右ルートにおいては可変表示ユニット67の側方であって流下経路の横幅が減縮されている部分に右スルーゲート66Rが配設されている。そして、当該右スルーゲート66Rよりも下流側となる部分には右一般入賞口61Rが配設されている。言い換えれば、右一般入賞口61Rへ遊技球が流下する経路上に右スルーゲート66Rが配置されている。
左ルート及び右ルートについては可変表示ユニット67の下方にて合流してはいるものの、左ルートを流下する遊技球については左一般入賞口61Lと比べて右一般入賞口61Rへの入賞が困難となっており、右ルートを流下する遊技球については右一般入賞口61Rと比べて左一般入賞口61Lへの入賞が困難となっている。
遊技球を左ルートへ向けて発射した場合には、それら遊技球は左スルーゲート66Lだけでなく左一般入賞口61Lへ入賞する可能性がある。また、遊技球を右ルートへ向けて発射した場合には、それら遊技球は右スルーゲート66Rだけでなく右一般入賞口61Rに入賞する可能性がある。但し、左スルーゲート66Lへの入賞確率と右スルーゲート66Rへの入賞確率とを比較した場合には、前者よりも後者の方が低くなっている。また、右スルーゲート66Rへの入賞確率と右一般入賞口61Rへの入賞確率とを比較した場合いは、前者よりも後者の方が低くなっている。
より詳しくは、左スルーゲート66L及び右スルーゲート66Rへの入賞確率はともに1/10となっているのに対して、左一般入賞口61Lへの入賞確率は3つ合せておよそ1/30となっており、右一般入賞口61Rへの入賞確率はおよそ1/50のとなっている。
開閉実行モード前の準備モード中は、このような入賞確率の違いを利用して開閉実行モードにおけるラウンド数が決定される。具体的には、左ルート(左スルーゲート66L)へ遊技球が発射された場合には、左スルーゲート66Lへの入賞数が「3」になる前に左一般入賞口61Lへの入賞が発生することでラウンド数が「10」となり、左一般入賞口61Lへの入賞が発生する前に左スルーゲート66Lへの入賞数が「3」になった場合にはラウンド数が「4」になる。これに対して、右ルート(右スルーゲート66R)へ遊技球が発射された場合には、右スルーゲート66Rへの入賞数が「3」になる前に右一般入賞口61Rへの入賞が発生することでラウンド数が「16」となり、右一般入賞口61Rへの入賞が発生する前に右スルーゲート66Rへの入賞数が「3」になった場合にはラウンド数が「4」になる。
準備モード中は、右ルートを狙って右一般入賞口61Rへの入賞が発生する確率は、左ルートを狙って左一般入賞口61Lへの入賞が発生する確率よりも低くなる。つまり、遊技者は、比較的大きなリスクを負って比較的大きな特典を狙うか、比較的小さくリスクを負って比較的小さな特典を狙うかを選択することができる。そして、準備モード中の入賞態様に応じて開閉実行モードにおけるラウンド数が決定される。以下、図37を参照して、準備モード中に実行されるラウンド数決定用の処理(準備モード用処理)について説明する。
(準備モード用処理)
準備モード用処理においては先ず、ステップS2201にてラウンド数が確定済みであるか否かを判定する。ステップS2201にて否定判定をした場合には、ステップS2202に進む。ステップS2202では右一般入賞口61Rへの入賞が発生しているか否かを判定する。ステップS2202にて肯定判定をした場合にはステップS2203に進む。ステップS2203ではラウンドカウンタRCに「16」をセットする。つまり、右一般入賞口61Rへの入賞が発生した場合には開閉実行モードのラウンド数が「16」となる。
ステップS2202にて否定判定をした場合には、ステップS2204に進む。ステップS2204では左一般入賞口61Lへの入賞が発生しているか否かを判定する。ステップS2204にて肯定判定をした場合にはステップS2205に進む。ステップS2205ではラウンドカウンタRCに「10」をセットする。
ステップS2203、ステップS2205の設定処理を実行した後、ステップS2201にて肯定判定をした場合、ステップS2204にて否定判定をした場合にはステップS2206に進む。ステップS2206ではスルーゲート66への入賞が発生したか否かを判定する。ステップS2206にて否定判定をした場合には、そのまま本準備モード用処理を終了する。ステップS2206にて肯定判定をした場合には、ステップS2207に進む。
ステップS2207では、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられたスルーゲート66用の入賞数カウンタの更新処理を行う。既に説明したように、入賞数カウンタは準備モード中におけるスルーゲート66への入賞数を主制御装置162にて把握する為のカウンタである。ステップS2207の更新処理を実行した後は、ステップS2208に進む。
ステップS2208ではスルーゲート66への入賞数が規定数(本実施の形態においては「3」)に達しているか否かを判定する。ステップS2208にて否定判定をした場合には、そのまま本準備モード用処理を終了する。ステップS2208にて肯定判定をした場合には、ステップS2209に進む。ステップS2209では今回の準備モードにてラウンド数が確定しているか否かを判定する。上記ステップS2203及びステップS2204の設定処理が事前に実行されている場合には、ステップS2209にて否定判定をし、ステップS2211にて開閉実行モード移行処理を実行した後、本準備モード用処理を終了する。
ステップS2209にて否定判定をした場合、すなわち準備モード中に一般入賞口61への入賞が発生することなく、先にスルーゲート66への入賞数が規定数に達した場合にはステップS2210にてラウンドカウンタRCに「4」をセットする。これにより、後に移行する開閉実行モードにて実行されるラウンド数が「4」となる。ステップS2210の設定処理を実行した後は、ステップS2211にて開閉実行モード移行処理を実行した後、本準備モード用処理を終了する。
ここで、図38(a)の概略図を参照して、遊技の流れについて説明する。大当たりに当選すると直ちに開閉実行モードが開始されるのではなく、その契機となる準備モードへと移行する。準備モードではハイリスクハイリターンとなる右ルートとローリスクローリターンとなる左ルートとの選択を促すメッセージが図柄表示装置75に表示される。遊技者により左ルート又は右ルートを狙って遊技球が発射されると、その入賞先に応じて開閉実行モードにおけるラウンド数が決定される。
具体的には、スルーゲート66への入賞数が規定数(本実施の形態においては「3」)になるまでに右一般入賞口61Rへの入賞が発生した場合にはラウンド数が「16」となり、左一般入賞口61Lへの入賞が発生した場合にはラウンド数が「10」となり、何れの一般入賞口61についても入賞が発生しなかった場合にはラウンド数が「4」となる。
ローリスクローリターンとなる左ルートについては、左スルーゲート66Lへの入賞確率が1/10となっており、左一般入賞口61Lへの入賞確率が1/30となっている。このため、左スルーゲート66Lへの入賞数が「3」に達するまでに左一般入賞口61Lへの入賞が発生する可能性、すなわちラウンド数が「10」となる可能性はおよそ50%となる。これに対して、ハイリスクハイリターンとなる右ルートについては、右スルーゲート66Rへの入賞確率が1/10となっており、右一般入賞口61Rへの入賞確率が1/50となっている。このため、ラウンド数が「16」となる可能性はおよそ37%となる。
このように、スルーゲート66への入賞数が規定数に達するのが早いかそれとも一般入賞口への入賞が発生するのが早いかによって得られる特典に差が生じる構成とすれば、今までにない斬新な遊技を実現することができる。これにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
また、スルーゲート66への入賞によって開閉実行モードへの移行が確定するため、それよりも入賞の発生しにくい一般入賞口61を狙って遊技球の発射を続けたとしても、過剰な投資が発生することを好適に抑制できる。
<変形例1>
上記第7の実施の形態においては、規定数を「3」に統一したが、この規定数が大当たりの種別によって変更される構成としてもよい。例えば図38(b)の概略図に示すように、大当たり結果Aである場合には規定数が「3」、大当たり結果Bである場合には規定数が「4」、大当たり結果Cである場合には規定数が「5」、大当たり結果Dである場合には規定数が「6」となるように変化する構成とすることにより、遊技の単調化を抑制する機能を一層好適に強化できる。
<変形例2>
上記第7の実施の形態においては、右ルートを流下した遊技球が左一般入賞口61Lに入賞し得る構成とし且つ左ルートを流下した遊技球が右一般入賞口61Rに入賞し得る構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、右ルートを流下した遊技球の左一般入賞口61Lへの入賞が回避され且つ左ルートを流下した遊技球の右一般入賞口61Rへの入賞が回避される構成としてもよい。
<第8の実施の形態> スルーゲート及び一般入賞口を作動ゲートとして設定
上記各実施の形態ではスルーゲート66を開閉実行モードへの移行契機となる「作動ゲート」として設定した。本実施の形態においては、スルーゲート66(詳しくは右スルーゲート66R)及び左一般入賞口61Lが「作動ゲート」として設定されている。これに合せて開閉実行モードへの移行条件及び準備モードにおけるラウンド数の決定態様が特徴的なものとなっている。以下、図39(a)のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU602にてラウンド数を決定する場合に実行される処理(準備モード用処理)について説明する。
準備モード用処理においては先ず、ステップS2301にて左一般入賞口61Lへの入賞が発生したか否かを判定する。ステップS2310にて肯定判定をした場合には、ステップS2302にてラウンドカウンタRCに「16」を設定する。その後は、ステップS2305にて開閉実行モード移行処理を実行した後、本準備モード用処理を終了する。つまり、準備モード中に左一般入賞口61Lへの入賞が発生した場合には、それを契機として16R対応の開閉実行モードへ移行することとなる。
ステップS2301にて否定判定をした場合には、ステップS2303に進む。ステップS2303では右スルーゲート66Rへの入賞が発生したか否かを判定する。ステップS2303にて否定判定をした場合、すなわち「作動ゲート」としての左一般入賞口61L及び右一般入賞口61Rの何れについても入賞が発生していない場合には、そのまま本準備モード用処理を終了する。
ステップS2303にて肯定判定をした場合には、ステップS2304に進み、当該ステップS2304にてラウンドカウンタRCに「15」を設定する。その後は、ステップS2305にて開閉実行モード移行処理を実行した後、本準備モード用処理を終了する。
ここで、図39(b)に示すように、右ルートを狙って遊技球を発射した場合には、右スルーゲート66Rへの入賞確率がおよそ1/10となる。つまり、凡そ10個の遊技球を発射することでスルーゲート66Rへの入賞が発生する。これに対して、左ルートを狙って遊技球を発射した場合には、左一般入賞口61Lへの入賞確率はおよそ1/100となる。つまり、およそ100個の遊技球を発射することで左一般入賞口61Lへの入賞が発生することとなる。
右ルートを狙う場合と比較して左ルートを狙った場合の方が開閉実行モード開始までに必要な遊技球(投資)が嵩む。但し、左一般入賞口61Lへの入賞を契機として開閉実行モードへ移行した場合には、右スルーゲート66Rへの入賞を契機として開閉実行モードへ移行した場合と比べてラウンド数が「1」多くなっており、更には左一般入賞口61Lへの入賞が発生した場合には、所定数の遊技球の払い出しが発生する。このように投資とリターンとの関係を調整することにより、右ルート及び左ルートの何れを狙った場合であっても、実質的な有利度に差が生じないように工夫されている。
本実施の形態に示す遊技機によれば、遊技者が好みに応じて遊技球の発射先を選択することにより、遊技進行に違いが生じることとなる。これにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
<変形例1>
上記第8の実施の形態では、右スルーゲート66Rを「作動ゲート」として設定したが、これに代えて、右一般入賞口61Rを「作動ゲート」とすることも可能である。このような構成とする場合には、右一般入賞口61Rへの入賞確率が左一般入賞口61Lへの入賞確率よりも高くなるように設定して、左ルート及び右ルートの有利度を揃える構成とすることが好ましい。
<第9の実施の形態> 当たり図柄に応じて入球順序を報知
本実施の形態においては入賞順の報知に係る構成が特徴的なものとなっている。以下、図40(a)及び図40(b)の概略図を参照して、本実施の形態における特徴的な構成を上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図40(a)に示すように、大当たり結果の種別によって入賞順の報知態様に差が設けられている。例えば、8R確変大当たり結果には、8R確変大当たり結果A〜8R確変大当たり結果Dの4種類が設けられている。8R確変大当たり結果A及び8R確変大当たり結果Bの場合には1つ目の入賞先及び2つ目の入賞先の何れについても報知の対象とはならない。これに対して、8R確変大当たり結果Cの場合には1つ目の入賞先が報知の対象となり、8R確変大当たり結果Dの場合には、1つ目及び2つ目の両入賞先が報知の対象となるように構成されている。
つまり、8R確変大当たり結果A及び8R確変大当たり結果Bの場合には入賞順の報知(教示)が行われることはなく、8R確変大当たり結果Cの場合には1つ目の入賞順が報知(教示)されることにより正解となる入賞順が実質的に半部(1/2)に絞りこまれ、8R確変大当たり結果Dの場合には全ての入賞順が報知(教示)されることにより操作ミスをしない限り入賞順の正解率が100%となる。
常に全ての入賞順を遊技者に選択させるのではなく、一部の入賞順を報知(教示)して選択肢を減らす構成とすれば、入賞順が半ば機械的に選ばれるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
本実施の形態においては特に、図40(b)に示すように、確変大当たり結果となった場合には通常大当たり結果となった場合よりも上記報知(教示)が発生しやすくなっている。これにより、仮に入賞順に不正解になる等した場合であっても、報知(教示)が発生した時点で確変大当たりであることへの期待を高めることができ、本実施の形態に示す報知機能によって遊技への注目度を好適に向上させることができる。
なお、上記報知(教示)が発生しない場合であっても、確変大当たり結果である余地が残るため、報知(教示)非発生となることが遊技意欲を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
<第10の実施の形態> 発射周期を変更
遊技領域PEへ遊技球を発射する場合には、その強さが遊技球発射ハンドル41(詳しくはリング部材)の回動操作量に依存する。回動操作量と発射先との関係が明示されているわけではないため、狙った先に遊技球を発射する上では操作が難しくなると懸念される。通常は、遊技の進行をある程度迅速に行うことができるように遊技球の発射周期が短く設定されている。しかしながら、このような発射周期のまま、上記各実施の形態に示したような遊技球の打ち分けが必要な状態となった場合には、遊技球が本来の意図とは違うルートへ向けて発射される可能性がある。誤って発射された遊技球が「作動ゲート」等に入賞しなかった場合にはまだしも、当該遊技球が「作動ゲート」等に入賞してしまうことが遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。
本実施の形態においては、このような事情に配慮した対策が講じられていることを特徴の1つとしている。具体的には、図40(c)に示すように、準備モードにおいては、準備モード以外と比較して遊技球の発射周期が短くなるように発射周期が延長される。具体的には、準備モード以外では遊技球の発射周期が0.6secとなっているのに対して、準備モード中は遊技球の発射周期が1.2secとなるように延長される。
遊技球発射機構110から発射された遊技球が「作動ゲート」であるスルーゲート66に到達するのに要する所要期間は1sec程度となっており、発射周期が0.6secである場合には、遊技球発射機構110から発射された遊技球がスルーゲート66に達する前に次の遊技球が発射されてしまう。これでは、発射先を見て回動操作量を変更しようとしても、当該変更が間に合わなくなる可能性が高くなる。また、1つの遊技球を発射して、次の遊技球の発射を回避しようとする場合には、遊技領域PEに達した遊技球を目視で捕捉した後に、遊技球発射ハンドル41から手を離したり、発射ストップスイッチが操作されたりすると想定される。そこで、上述の如く発射周期を延長すれば、それらの操作を行うゆとりが生じ、遊技球が誤って発射されることを抑制できる。
このように、発射先となるルートが変更され得る状況(準備モード等)にて遊技球の発射周期を延長させることにより、遊技球の発射先を遊技者が上手く選べなくなるといった不都合の発生を抑えることが可能となる。故に、上記各実施の形態に示した遊技への注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
<変形例1>
遊技球の発射先を選択する上では、遊技者の操作に基づいて左ルートへ向けて遊技球を発射する左打ちボタンと、右ルートへ向けて遊技球を発射する左打ちボタンとを併設することも可能である。入賞順の選択が必要な状況(例えば準備モード)となった場合に、これら2つの操作ボタンが有効となるように切り替える構成とするとよい。
<変形例2>
上記第10の実施の形態では、発射周期を延長することにより、誤って遊技球が発射される機会を減らす構成としたが、遊技球の誤発射を抑制する上では、以下の構成とすることも可能である。すなわち、1の遊技球が発射される場合には、遊技球発射ハンドル41から遊技者の手が一旦離れるまで遊技球の発射が規制される構成とするとよい。例えば、準備モードへ移行した場合に、上記発射規制を行わない連続発射モードから、上記発射規制を行う発射規制モードへ切り替わる構成とすることも可能である。
<第11の実施の形態> 保留予告演出の発生偏重
本実施の形態においては、複数の保留情報が記憶されている場合に、該当保留情報に係る遊技回が開始される前(他の遊技回が実行されている最中)に当該保留情報に係る演出(保留予告演出)を実行する構成となっている。このような保留予告演出を実行して実行中の遊技回以外(後続の)遊技回への注目を促すことにより、遊技への注目度の向上等の効果が期待できる。本実施の形態においては特に、遊技の状況に応じて保留予告演出の実行態様が変化する構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図41〜図43のフローチャートを参照して保留予告演出の前提となる処理について説明し、その後、保留予告演出の実行態様の変化に係る構成について説明する。
(情報取得処理)
図41に示すように、情報取得処理においては先ずステップS2401にて、保留球格納エリア604bの保留数記憶領域FEに格納された始動保留球数N、詳しくは上側作動入球部62及び下側作動入球部63のうち当該情報取得処理の契機となった作動入球部に係る始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS2402にて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS2403にて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS2404では、タイマ割込み処理における各種カウンタの更新処理(ステップS103参照)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS2403にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS2405及びステップS2406では、作動入球部62,63への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に認識させるとともに保留予告演出を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行し、本情報取得処理を終了する。なお、保留コマンドには上側作動入球部62及び下側作動入球部63のうちいずれの作動入球部への入賞に基づくものであるかの情報が含まれる。
ステップS2406の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に送信されることとなる。表示制御装置620においては当該保留コマンドを受信することにより上述した保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、表示制御装置620は、報知・演出制御装置610を経由して同コマンドを受信した場合には、保留数表示領域Daに上記保留表示用画像MPを表示(例えば追加)させるための処理を実行する。保留数表示領域Daにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば共通保留数CRNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Da1に保留画像が表示され、共通保留数CRNが8であれば左から8個目の第8単位保留表示領域Da8に保留画像が表示されるようになっている。
以下、図42のフローチャートを参照してステップS2405の保留予告用の確認処理について説明する。
(保留予告用の確認処理)
保留予告用の確認処理においては先ず、保留球格納エリア604bの保留数記憶領域FEに記憶された始動保留記憶数Nと共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU602のレジスタに記憶する(ステップS2501)。その後、ステップS2502〜S2506にて今回の入賞によって取得された保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS2502にて、作動入球部62,63への今回の入賞に基づきステップS2404にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS2503では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS2504に進む。ステップS2504では、低確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS2502にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。一方、高確率モードである場合にはステップS2505に進む。ステップS2505では、高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS2502にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS2504又はステップS2505の処理を実行した後は、ステップS2506に進み、ステップS2502にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS2507にてMPU602のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留予告用の確認処理を終了する。
なお、ステップS2507の処理においては、今回の入賞に基づきステップS2404にて取得した保留情報のうち大当たり種別判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり種別カウンタC2の値を把握し、振分テーブルを参照して大当たりの種別を判定する。ステップS2507にてMPU602のレジスタに記憶される情報には大当たりの種別に係る情報が含まれることとなる。
一方、ステップS2506にて否定判定をした場合には、ステップS2508に進む。ステップS2508では、作動入球部62,63への今回の入賞に基づきステップS2404にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS2509では、ROM603のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS2508にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS2509の処理を実行した後はステップS2510に進み、ステップS2508にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS2511にて、MPU602のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
(保留コマンドの設定処理)
次に、図43のフローチャートを参照してステップS2406の保留コマンドの設定処理について説明する。
保留コマンドの設定処理においては先ず、ステップS2601にて、MPU602のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図42)において大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していると特定されたか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合にはステップS2602に進み、大当たり対応保留コマンドを設定する。なお、上記コマンドの設定や後述する各種コマンドの設定は、RAM604に設けられたコマンド設定エリアに対してコマンド情報を格納することにより行われる。因みに、大当たり対応保留コマンドには、大当たりの種別に関する情報が含まれる。
一方、ステップS2601にて否定判定をした場合、すなわちMPU602のレジスタに大当たり情報が記憶されていないと判定した場合には、ステップS2603に進み、MPU602のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図42)においてリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応していると特定されたか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS2604にて外れリーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS2605にて完全外れ対応保留コマンドを設定する。
ステップS2602,S2604,S2605にて保留コマンドの設定を行う場合には、変動種別カウンタCSの値等を参照して変動表示時間を決定し、同変動表示時間にかかる情報を当該保留コマンドに格納する。変動表示時間の決定に際しては、上記ステップS708に示した変動表示時間の設定処理と同じように、変動表示時間テーブルが参照される。このようにして設定された保留コマンドが報知・演出制御装置610に送信され、当該報知・演出制御装置610においては同保留コマンドに基づいて図柄の変動表示態様等を把握可能となる。なお、既に説明したように完全外れの場合には、当該保留情報にかかる遊技回を開始する際に記憶されている保留情報の数に応じて変動表示時間が変化し得る。そこで、完全外れ対応保留コマンドを設定する場合には、変動表示時間の仮設定が行われる。
ステップS2602、ステップS2604、ステップS2605のいずれかのコマンド設定処理を実行した後は、ステップS2606にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。
ステップS2606では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図42)におけるステップS2501にてMPU602のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS2602、ステップS2604、ステップS2605のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれることとなる。以上詳述したステップS2606の処理を実行した後に、本保留コマンド設定処理を終了する。
ステップS2606にて保留個数の情報が含められた保留コマンドは、次回の通常処理(図14)におけるステップS501の外部出力処理により、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、報知・演出制御装置610では、保留コマンドに後述する保留予告用の情報を追加して表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、その受信した保留コマンドに基づいて保留表示や保留予告用の処理等を実行する。
また、保留コマンドの設定の仕方は、報知・演出制御装置610や表示制御装置620において保留コマンドによって、大当たり当選の有無、大当たり当選の場合にはその際の大当たり種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無等、言い換えれば図柄の変動表示態様を特定することができるのであれば任意である。例えば、大当たり対応保留コマンド,外れリーチ対応保留コマンド,完全外れ対応保留コマンドの組み合わせが、各保留個数に対応させて個別に設定されており、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成とすることも可能である。
次に、報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される保留予告に係る処理について説明する。保留予告に係る処理としては、大別して主制御装置162からのコマンドを判定するコマンド対応処理と保留予告の態様を決定する保留予告演出設定処理とが設定されている。
(保留コマンド対応処理)
保留コマンド対応処理においては、主制御装置162が送信した保留コマンドを受信している場合に、その受信している保留コマンドに含まれている情報に対応した処理を実行する。なお、保留コマンド対応処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される定期処理の一環として実行される。
保留コマンド対応処理においては先ず、保留コマンドを受信しているか否かを判定する。報知・演出制御装置610のMPU612にて受信したコマンドはRAM614のコマンド格納エリアに一旦格納される。当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。対応保留コマンドを受信しているか否かの判定に際しては、コマンド格納エリア261における今回の読み出し対象のエリアに大当たり対応保留コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、かかるコマンドの読み出しの構成は、変動開始用コマンド等の他のコマンドの読み出しにおいても同様である。
保留コマンドを受信している場合には、当該保留コマンドに含まれる各種情報を保留情報格納エリアに記憶する。保留情報格納エリアは、第1エリア〜第8エリアを有しており、各エリアにつき1の保留情報を格納可能な構成となっている。各エリアに格納された保留情報は、主制御装置162からシフト時コマンドを受信することにより、すなわち遊技回が開始された場合に、下位エリア側に順にシフトされることとなる。具体的には、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリア ・・・ 第8エリア→第7エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。報知・演出制御装置610の保留情報格納エリアにおいても、主制御装置162の保留球格納エリア604b(詳しくは保留エリアRE)と同様に入球先に関係なく保留情報が時系列的にまとめて記憶される構成となっている。詳しくは今回受信したコマンドに含まれる保留数の情報を特定し、第1エリア〜第8エリアのうちその特定した保留数の情報に対応するエリアに上記各種情報を記憶する。
なお、上述した保留コマンドを受信した場合にはRAM614の各種フラグ格納エリアに保留コマンド受信フラグがセットされ、シフト時コマンドを受信した場合には各種フラグ格納エリアにシフト時コマンド受信フラグがセットされる。これら各フラグは、以下に説明する保留予告演出用の設定処理の契機となり、当該保留予告演出用設定処理が終了した際に消去される。
報知・演出制御装置610のMPU612においては、保留情報格納エリアに記憶された情報に基づいて保留予告演出用の設定処理を行う。ここで、図44のフローチャートを参照して保留予告演出用設定処理について説明する。なお、保留予告演出用設定処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される定期処理の一環として実行される処理であり、上述した保留コマンド又はシフト時コマンドを受信したことを条件として実行される処理である。つまり、本実施の形態においては保留予告演出を実行する契機は作動入球部62,63への入賞に伴って保留情報が取得された場合又は遊技進行に伴って保留情報が消化された場合となっている。
(保留予告演出用設定処理)
保留予告演出用設定処理においては先ず、ステップS2701にて保留予告演出を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS2701にて肯定判定をした場合には、そのまま本保留予告演出用設定処理を終了する。ステップS2701にて否定判定をした場合には、ステップS2702に進む。
ステップS2702では主制御装置162から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2702にて肯定判定をした場合には、ステップS2703にて保留コマンド受信時の抽選処理を実行し、保留予告演出を行うか否かを決定する。ステップS2702にて否定判定をした場合には、ステップS2704に進む。ステップS2704では主制御装置162からシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2704にて否定判定をした場合、すなわち保留コマンド及びシフト時コマンドの何れも受信していないと判定した場合には、そのまま本保留予告演出用設定処理を終了する。ステップS2704にて肯定判定をした場合には、ステップS2705にてシフト時コマンド受信時の抽選処理を実行し、保留予告演出を行うか否かを決定する。
ステップS2703又はステップS2705の処理を実行した後は、ステップS2706に進む。ステップS2706では、保留よお酷に当選したか否かを判定する。ステップS2706にて否定判定をした場合には、そのまま本保留予告演出用設定処理を終了する。ステップS2706にて肯定判定をした場合には、ステップS2707に進む。ステップS2707では、RAM614の各種フラグ格納エリアに保留予告用フラグをセットする。ステップS2707にてセットされた保留予告用フラグについては、保留予告演出が終了した際に消去されることとなる。なお、上記ステップS2701においては、この保留予告用フラグがセットされているか否かに基づいて保留予告中であるか否かを判定する。
続くステップS2708では保留予告演出の態様(保留予告パターン)を決定する。その後は、ステップS2709にて予告演出開始処理を実行した後、本保留予告演出用設定処理を終了する。
本実施の形態においては、保留予告演出として、予告態様の異なる第1種予告演出と第2種予告演出とを有してなり、ステップS2708では第1種予告演出による単独予告、第2種予告演出による単独予告、第1種予告演出&第2種予告演出による複合予告のいずれかを選択する。以下、図45及び図46の概略図を参照して各予告演出について説明する。
図45に示すように、第1種予告演出は図柄表示装置75の表示画面75aにおける変動表示領域MEに所定の予告絵柄(詳しくは動画)を表示することにより実行される。具体的には、保留予告の契機となった遊技回及びそれよりも前に実行される遊技回中に所定の予告絵柄を表示することにより実行される。
より詳しくは、図柄の変動表示の開始に併せて(保留のシフトに併せて)所定の予告絵柄が表示される。この所定の予告絵柄の表示は当該保留予告の契機となった保留情報(以下、該当保留又は該当保留情報という)に係る遊技回(以下、該当遊技回という)となるまで継続される。このように、少なくとも該当遊技回となるまでどの保留情報を契機に当該保留予告が開始されたかを明示しない、すなわち非明示とする点に着目すれば、第1種予告演出は該当保留の特定を困難にすることにより、残存する保留全体への注目度を向上させる機能が付与された保留予告演出であるといえる。
第1種予告演出には表示される予告絵柄が複数パターン設定されている。本実施の形態においては、第1種予告演出用の予告絵柄として泡の画像が表示(可変表示)される構成となっているが、この表示される泡の量が異なる絵柄が複数存在する。具体的には、泡の量の少ないレベル1、レベル1よりも泡の量の多いレベル2、レベル2よりも更に泡の量の多いレベル3の3つのパターンが設定されている。
第1種予告演出は、予告演出開始時に選択されたレベルが予告演出終了時まで維持される固定式の第1種予告演出Aと、遊技回が進むことにより(予告が続くことにより)上記レベルが上昇するステップアップ式の第1種予告演出Bとを有している。第1種予告演出A及び第1種予告演出Bの振り分けは、ROM613の抽選用テーブル記憶エリアに記憶された第1種予告演出振分テーブルが参照される。
第1種予告演出振分テーブルについては、該当保留が大当たり結果に対応するものと、各外れスーパーリーチA〜Cに対応するものと、各外れノーマルリーチA,Bに対応するものと、完全外れに対応するものとで構成されている。既に説明したように、本実施の形態では、スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA > 完全外れの順に変動表示発生時の大当たり期待度が高くなるように設定されている。そして、上記各テーブルは、各種変動表示態様にて設定された大当たり期待度が高いものほど第1種予告演出A及び第1種予告演出Bのうち後者の占める割合が増えるように(選択率が高くなるように)構成されている。故に、第1種予告演出Aが実行される場合よりも第1予告演出Bが実行される場合の方が大当たり結果となる期待度が高くなる。
第1種予告演出Aにおいては、該当保留が大当たり結果に対応している場合には、レベル3 > レベル2 > レベル1の順に選択されやすくなっており、該当保留が外れ結果に対応している場合にはレベル1 > レベル2 > レベル3の順に選択されやすくなっている。
第1種予告演出Bでは、初期のレベルと最終的に到達するレベルとがそれぞれ選択される。この選択においては、上記第1種予告演出Aと同様に、該当保留が大当たり結果に対応している場合には、レベル3 > レベル2 > レベル1の順に選択されやすくなっており、該当保留が外れ結果に対応している場合には、レベル1 > レベル2 > レベル3の順に選択されやすくなっている。
つまり、第1種予告演出A及び第1種予告演出Bの何れが選択された場合であっても、最終的なレベルが高くなる程、大当たり結果に繋がる期待度が高くなる。第1種予告演出が実行される場合には、見かけ上第1種予告演出A及び第2種予告演出Bのどちらであるかを予告演出開始時に見抜くことは困難であり、予告演出が終了するまでレベルが上昇する期待が残る。遊技者は、当該第1種予告演出が開始された場合には、より多くの遊技回に亘って同第1種予告演出が続くことにより、上記レベルの上昇へ期待することとなる。故に、該当遊技回を敢えて明示しない構成とすることにより、上記期待を好適に持続させることが可能となる。
次に、第1種予告演出との相違点を中心に第2種予告演出について説明する。第2種予告演出は図柄表示装置75(表示画面75a)の保留表示領域NEに表示おける保留表示の態様等を保留予告に対応するものに変化させることにより実行される。具体的には、保留数表示領域Daに表示された保留表示用画像MPのうち該当遊技回(該当保留)に対応するものを変化させる(本実施の形態では色を変化させる)。遊技回が進むことで色の変化した保留表示用画像MPは、実行対象表示領域Db側へ順次シフトする(図46参照)。
上述した第1種予告演出が該当遊技回となるまでどの保留情報を契機に当該保留予告が開始されたかを明示しない構成であったのに対して、第2種予告演出はどの保留情報を契機に当該保留予告が開始されたかを明示する構成となっている点で相違している。このように、該当保留を明示することにより、該当遊技回への注目度を好適に向上させることができる。
第2種予告演出においては、変化した保留表示用画像MPが実行対象表示領域Dbに到達した場合に実行対象表示領域Dbの色が変化しない第2種予告演出A,Bと、変化した保留表示用画像MPが実行対象表示領域Dbに到達した場合に実行対象表示領域Dbの色が保留表示用画像MPの色と対応する色に変化する(具体的には同色のエフェクトが発生する)第2種予告演出C,Dとに大別される。
第2種予告演出A,B及び第2種予告演出C,Dの振り分けは、ROM243の抽選用テーブル記憶エリアに記憶された第2種予告演出振分テーブルが参照される。第2種予告演出振分テーブルについては、該当保留が大当たり結果に対応するものと、各外れスーパーリーチA〜Cに対応するものと、各外れノーマルリーチA,Bに対応するものと、完全外れに対応するものとで構成されている。これら各テーブルは、各種変動表示態様にて設定された大当たり期待度が高いものほど第2種予告演出A,B及び第2種予告演出C,Dのうち後者の占める割合が増えるように構成されている。故に、第2種予告演出A,Bが実行される場合よりも第2予告演出C,Dが実行される場合の方が大当たり結果となる期待度が高くなる。
第2種予告演出においても、表示される保留表示用画像MP及び実行対象表示領域Dbの背景(エフェクト)の色が複数パターン設定されている。具体的には、青色のレベル1、黄色のレベル2、赤色のレベル3の3つのパターンが設定されている。
第2種予告演出は、予告演出時に選択されたレベルが維持される固定式の第2種予告演出A,Cと、遊技回が進むことにより(予告が続くことにより)上記レベルが上昇するステップアップ式の第2種予告演出B,Dとを有している。第2種予告演出A,C及び第2種予告演出B,Dの振り分けについても、ROM243の抽選用テーブル記憶エリアに記憶された第2種予告演出振分テーブルが参照される。なお、第2種予告演出C,Dが実行される場合には、実行対象表示領域Dbの色は最終的な保留表示用画像MPの色と同じ色となるように変更されることとなる。
第2種予告演出振分テーブルについては、該当保留が大当たり結果に対応するものと、各外れスーパーリーチA〜Cに対応するものと、各外れノーマルリーチA,Bに対応するものと、完全外れに対応するものとで構成されている。これら各テーブルは、大当たり期待度が高くなるにつれて(変動表示態様に係る大当たり期待度が高くなるにつれて)、第2種予告演出A,C及び第2種予告演出B,Dのうち後者の占める割合が増えるように構成されている。故に、第2種予告演出A,Cが実行される場合と第2予告演出B,Dが実行される場合の方が大当たり結果となる期待度が高くなる。
第2種予告演出A,Cにおいては、該当保留が大当たり結果に対応している場合には、レベル3 > レベル2 > レベル1の順に選択されやすくなっており、該当保留が外れ結果に対応している場合にはレベル1 > レベル2 > レベル3の順に選択されやすくなっている。
第2種予告演出B,Dでは、初期のレベルと最終的に到達するレベルとがそれぞれ選択される。この選択においては、上記第2種予告演出A,Bと同様に、該当保留が大当たり結果に対応している場合には、レベル3 > レベル2 > レベル1の順に選択されやすくなっており、該当保留が外れ結果に対応している場合には、レベル1 > レベル2 > レベル3の順に選択されやすくなっている。
つまり、第2種予告演出A〜Dの何れが選択された場合であっても、最終的なレベルが高くなる程、大当たり結果に繋がる期待度が高くなる。
保留予告演出については、保留情報が大当たり結果に対応している場合やスーパーリーチA〜Cに対応している場合には、それ以外(完全外れやノーマルリーチ)の場合と比較して、実行される可能性が高くなる。このような構成であるため、保留予告演出が実行される場合には大当たり結果となることへの期待が大きくなる。
以上詳述した保留予告演出を行うか否かを抽選により決定する際には、該当保留情報が大当たり結果である場合に参照される大当たり結果用の抽選テーブル、該当保留情報がリーチ表示対応の外れ結果である場合に参照される外れリーチ表示用の抽選テーブル、該当保留情報が完全外れ結果である場合に参照される完全外れ用の抽選テーブルの何れかが参照される。本実施の形態においては特に、保留情報の詳細(大当たり/外れ等)によって保留予告演出の発生確率に差が生じるだけでなく、保留予告演出を行うか否かを抽選により決定する際に記憶されている保留情報の数によって保留予告演出の発生確率に差が生じるように上述したテーブル群は、保留情報の数に応じて複数種設けられている。以下、保留予告演出の抽選に係る処理、すなわちステップS2703の保留コマンド受信時抽選処理及びステップS2705のシフト時コマンド受信時抽選処理について説明する。
(保留コマンド受信時抽選処理)
図47(a)のフローチャートに示すように、保留コマンド受信時抽選処理においては先ず、ステップS2801にてサポートモードが低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。低頻度サポートモード中でない場合、すなわち高頻度サポートモード中である場合には、ステップS2802にて通常抽選処理を実行する。通常抽選処理においてはROM613の各種テーブル記憶エリアに記憶されている保留予告演出用の通常抽選テーブルを参照し、抽選によって保留予告演出を行うか否かを決定する。具体的には、該当保留情報が大当たり結果である場合には当たり結果用の通常抽選テーブル、該当保留情報がリーチ表示対応の外れ結果である場合には外れリーチ表示用の通常抽選テーブル、該当保留情報が完全外れ結果である場合には完全外れ用の通常抽選テーブルを参照して、抽選により保留予告演出を行うか否かを決定する。通常抽選処理においては、先行して記憶されている保留情報の数によって保留予告演出の発生確率に差が生じない構成となっている。
なお、今回受信した保留コマンドに係る該当保留情報の記憶先が第1エリア〜第8エリアである場合には保留予告演出の開始タイミングが該当保留情報に係る遊技回が開始される前に保留予告演出が行われる。これに対して、当該保留情報の記憶先が実行エリアである場合には、保留予告演出の開始タイミングが該当保留情報に係る遊技回開始時となる。故に、保留予告演出が該当遊技回における演出の一部を構成することとなる。
ステップS2801にて肯定判定をした場合には、ステップS2803に進む。ステップS2803では遊技球発射ハンドル41からの操作検知情報に基づいて遊技球の発射操作が行われている最中であるか否かを判定する。ステップS2803にて肯定判定をした場合には、上記通常抽選処理(ステップS2801)を実行した後、本保留コマンド受信時抽選処理を終了する。つまり、サポートモードが低頻度サポートモードとなっている場合であっても、遊技球の発射操作が行われている場合には、通常抽選処理が実行される。
ステップS2803にて否定判定をした場合、すなわち低頻度サポートモード中であって且つ遊技球の発射操作が行われていない場合には、ステップS2804に進む。ステップS2804では特殊抽選処理を実行する。特殊抽選処理においてはROM613の各種テーブル記憶エリアに記憶されている保留予告演出用の特殊抽選テーブルを参照し、抽選によって保留予告演出を行うか否かを決定する。
具体的には、該当保留情報が大当たり結果である場合には大当たり結果用の特殊抽選テーブル、該当保留情報がリーチ表示対応の外れ結果である場合には外れリーチ表示用の特殊抽選テーブル、該当保留情報が完全外れ結果である場合には完全外れ用の特殊抽選テーブルを参照して、抽選により保留予告演出を行うか否かを決定する。特殊抽選処理においては、先行して記憶されている保留情報の数によって保留予告演出の発生確率に差が生じる構成となっている。詳しくは、外れリーチ表示用の通常抽選テーブルと外れリーチ表示用の特殊抽選テーブルとを比較した場合、完全外れ用の通常抽選テーブルと完全外れ用の特殊抽選テーブルとを比較した場合、先行して記憶されている保留情報の数の影響によって確率が嵩上げされることにより特殊抽選テーブルの方が保留予告演出の抽選に当選となりやすくなっている。
なお、大当たり結果用の通常抽選テーブルと大当たり結果用の特殊抽選テーブルとを比較した場合には、このような差は設定されていない。つまり、説明の便宜上名称を相違させてはいるものの、大当たり結果用の通常抽選テーブル及び大当たり結果用の特殊抽選テーブルについては同一である。
ここで、図47(b)の概略図を参照して、外れリーチ又は完全外れ用の通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとの違いについて説明する。
上述したように、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較した場合には、保留予告演出の抽選に当選する確率に違いがある。具体的には、今回取得された保留情報の追加先が実行エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に15%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「0」である場合には、保留予告演出の発生確率が15%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第1エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に10%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「1」である場合には、保留予告演出の発生確率が10%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第2エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に5%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「2」である場合には、保留予告演出の発生確率が5%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第3エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に3%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「3」である場合には、保留予告演出の発生確率が3%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第4エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に1%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「4」である場合には、保留予告演出の発生確率が1%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第5エリア〜第8エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に差がない。つまり、記憶されている保留情報の数が「5」〜「8」である場合には、保留予告演出の発生確率の嵩上げが回避される。
このように、通常テーブルが参照される場合には、記憶されている保留情報の数に関係なく保留予告演出の抽選確率(発生確率)は同じとなるように設定され、特殊テーブルが参照される場合には、記憶されている保留情報の数が少ない方が抽選確率は高くなり且つ抽選確率の上昇幅についても大きくなるように設定されている。
保留コマンドの受信に伴って保留予告演出の抽選が行われる場合には、今回追加された保留情報(該当保留情報)のみが抽選対象として設定される。これに対して、シフト時コマンドの受信に伴って保留予告演出の抽選が行われる場合には、記憶されている全ての保留情報が抽選対象として設定される。以下、図48(a)を参照して、シフト時コマンド受信時抽選処理について説明する。
(シフト時コマンド受信時抽選処理)
シフト時コマンド受信時抽選処理においては先ず、ステップS2901にてサポートモードが低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。低頻度サポートモード中でない場合、すなわち高頻度サポートモード中である場合には、ステップS2902にて通常抽選処理を実行する。通常抽選処理においてはROM613の各種テーブル記憶エリアに記憶されている保留予告演出用の通常抽選テーブルを参照し、抽選によって保留予告演出を行うか否かを決定する。通常抽選処理においては、記憶されている保留情報の数によって保留予告演出の発生確率に差が生じない構成となっている。
ステップS2901にて肯定判定をした場合、すなわちサポートモードが低頻度サポートモードとなっている場合には、ステップS2903に進む。ステップS2903では後続の保留情報が存在するか否かを判定する。ステップS2903にて肯定判定をした場合には、ステップS2902にて通常抽選処理を実行した後、本シフト時コマンド受信時抽選処理を終了する。例えば、今回のシフトによって記憶されている保留情報の数が「3」→「2」に減少する場合には、実行エリア及び第1エリアに記憶されている保留情報については通常抽選処理の対象となる。
ステップS2903にて否定判定をした場合には、ステップS2904に進む。ステップS2904では遊技球発射ハンドル41からの操作検知情報に基づいて遊技球の発射操作が行われている最中であるか否かを判定する。ステップS2803にて肯定判定をした場合には、上記ステップS2801の通常抽選処理を実行した後、本保留コマンド受信時抽選処理を終了する。つまり、低頻度サポートモードとなっている場合であっても、遊技球の発射操作が行われている場合には、通常抽選処理が実行される。
ステップS2803にて否定判定をした場合、すなわち低頻度サポートモード中であって且つ遊技球の発射操作が行われていない場合には、ステップS2804に進む。ステップS2804では特殊抽選処理を実行する。特殊抽選処理においてはROM613の各種テーブル記憶エリアに記憶されている保留予告演出用の特殊抽選テーブルを参照し、抽選によって保留予告演出を行うか否かを決定する。
具体的には、抽選の対象となった該当保留情報が大当たり結果である場合には大当たり結果用の特殊抽選テーブル、該当保留情報がリーチ表示対応の外れ結果である場合には外れリーチ表示用の特殊抽選テーブル、該当保留情報が完全外れ結果である場合には完全外れ用の特殊抽選テーブルを参照して、抽選により保留予告演出を行うか否かを決定する。特殊抽選処理においては、先行して記憶されている保留情報の数によって保留予告演出の発生確率に差が生じる構成となっている。詳しくは、外れリーチ表示用の通常抽選テーブルと外れリーチ表示用の特殊抽選テーブルとを比較した場合、完全外れ用の通常抽選テーブルと完全外れ用の特殊抽選テーブルとを比較した場合、先行して記憶されている保留情報の数の影響によって確率が嵩上げされることにより特殊抽選テーブルの方が保留予告演出の抽選に当選となりやすくなっている。
なお、大当たり結果用の通常抽選テーブルと大当たり結果用の特殊抽選テーブルとを比較した場合には、このような差は設定されていない。つまり、説明の便宜上名称を相違させてはいるものの、大当たり結果用の通常抽選テーブル及び大当たり結果用の特殊抽選テーブルについては同一である。
ここで、図48(b)の概略図を参照して、外れリーチ又は完全外れ用の通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとの違いについて説明する。
上述したように、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較した場合には、保留予告演出の抽選に当選する確率に違いがある。具体的には、今回取得された保留情報の追加先が実行エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に15%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「0」である場合には、保留予告演出の発生確率が30%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第1エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に20%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「1」である場合には、保留予告演出の発生確率が10%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第2エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に15%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「2」である場合には、保留予告演出の発生確率が5%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第3エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に10%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「3」である場合には、保留予告演出の発生確率が3%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第4エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に5%の差が設けられている。つまり、記憶されている保留情報の数が「4」である場合には、保留予告演出の発生確率が1%嵩上げされる。
今回取得された保留情報の追加先が第5エリア〜第8エリアである場合には、通常抽選テーブルと特殊抽選テーブルとを比較すると保留予告演出の発生確率に差がない。つまり、記憶されている保留情報の数が「5」〜「8」である場合には、保留予告演出の発生確率の嵩上げが回避される。
このように、通常テーブルが参照される場合には、記憶されている保留情報の数に関係なく保留予告演出の抽選確率(発生確率)は同じとなるように設定され、特殊テーブルが参照される場合には、記憶されている保留情報の数が少ない方が抽選確率は高くなり且つ抽選確率の上昇幅についても大きくなるように設定されている。
本実施の形態においては、保留情報が新たに記憶された場合(追加された場合)と保留情報のシフトが発生した場合(保留情報が消化された場合)とを比較した場合に、保留予告演出の発生確率が相違する構成となっている。具体的には、保留情報の記憶先を同一として比較する場合には、所定の記憶エリアに保留情報が新たに記憶された場合よりも保留情報がシフトして所定の記憶エリアに移った場合の方が保留予告演出が発生しやすくなるように発生確率に差が設定されている。以下、図47(b)及び図48(b)を参照して説明を補足する。
記憶されている保留情報の数が「0」であり、新たに取得された保留情報が実行エリアに格納された場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は15%上昇する。これに対して、記憶されている保留情報の数が「2」→「1」に変更される過程で、最も新しい保留情報が実行エリアに移った場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は30%上昇する。つまり、実行エリアに記憶されている保留情報に基づいて保留予告演出の抽選を行う場合には、その保留情報がダイレクトに実行エリアへ格納されたものか、それとも第1エリアからシフトして実行エリアに移ったものかによって保留予告演出が実行される確率が大きく相違する。
記憶されている保留情報の数が「1」であり、新たに取得された保留情報が第1エリアに格納された場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は10%上昇する。これに対して、記憶されている保留情報の数が「3」→「2」に変更される過程で、最も新しい保留情報が第1エリアに移った場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は20%上昇する。つまり、第1エリアに記憶されている保留情報に基づいて保留予告演出の抽選を行う場合には、その保留情報がダイレクトに第1エリアへ格納されたものか、それとも第2エリアからシフトして第1エリアに移ったものかによって保留予告演出が実行される確率が大きく相違する。
記憶されている保留情報の数が「2」であり、新たに取得された保留情報が第2エリアに格納された場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は5%上昇する。これに対して、記憶されている保留情報の数が「4」→「3」に変更される過程で、最も新しい保留情報が第2エリアに移った場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は15%上昇する。つまり、第2エリアに記憶されている保留情報に基づいて保留予告演出の抽選を行う場合には、その保留情報がダイレクトに第2エリアへ格納されたものか、それとも第3エリアからシフトして第2エリアに移ったものかによって保留予告演出が実行される確率が大きく相違する。
記憶されている保留情報の数が「3」であり、新たに取得された保留情報が第3エリアに格納された場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は3%上昇する。これに対して、記憶されている保留情報の数が「5」→「4」に変更される過程で、最も新しい保留情報が第3エリアに移った場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は10%上昇する。つまり、第3エリアに記憶されている保留情報に基づいて保留予告演出の抽選を行う場合には、その保留情報がダイレクトに第3エリアへ格納されたものか、それとも第4エリアからシフトして第3エリアに移ったものかによって保留予告演出が実行される確率が大きく相違する。
記憶されている保留情報の数が「4」であり、新たに取得された保留情報が第4エリアに格納された場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は1%上昇する。これに対して、記憶されている保留情報の数が「6」→「5」に変更される過程で、最も新しい保留情報が第4エリアに移った場合には、特殊テーブルが参照されることで保留予告演出の発生確率は5%上昇する。つまり、第4エリアに記憶されている保留情報に基づいて保留予告演出の抽選を行う場合には、その保留情報がダイレクトに第4エリアへ格納されたものか、それとも第5エリアからシフトして第4エリアに移ったものかによって保留予告演出が実行される確率が大きく相違する。
なお、記憶されている保留情報の数が「5」〜「8」である場合には、上述したような発生確率の変化は生じない。
以上詳述した第11の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
新たに取得された保留情報が保留情報記憶エリアに追加されたこと又は既に記憶されている保留情報が消化され他の保留情報がシフトしたことを契機として保留予告演出が実行される。このように、保留予告演出の実行契機を多様化することは遊技の単調化を抑制する上で好ましい。
新たに保留情報が追加された場合と比べて保留情報のシフトが発生した場合の方が保留予告演出が実行されやすくなるように差が設けられている。シフトが発生した際に保留予告演出が実行されやすくなることにより、保留情報が追加されないまま遊技が進む場合であっても、保留予告演出の実行機会が大きく減ってしまうことを抑制できる。
ここで、遊技者が遊技を終了する場合には、保留情報が残っている状態にて遊技球の発射を停止されることが多い。そして、記憶されている保留情報の当否を見届けた後に離席する運びとなる。ここで、第1エリア〜第4エリアに保留情報が記憶されている場合には、当該保留情報は新たに保留情報が取得されたことを契機とするものとシフトによって他の記憶エリアから移ってきたものとに大別される。上記終了時の流れを考慮した場合には、シフトによって第1エリア〜第4エリアに保留情報が移った場合には保留情報が新たに追加された場合と比較して保留予告演出が発生しやすくなる。つまり、離席前に保留情報の消化を見届けている際に保留予告演出が発生しやすくなる。これにより、現存する保留情報の何れかが開閉実行モードへの移行契機であるかもしれないとの期待を遊技者に与えることができる。これは遊技の継続を促す契機となり得るため、遊技機の稼働率の向上に寄与できる。
これに対して、特別情報が次々と取得され保留情報記憶エリアに溜まっている保留情報の数が増える過程では、上述した減少過程と比較して保留予告演出の発生確率が低くなる。増加過程では敢えて保留予告演出の発生を抑えることにより、当該保留予告演出が遊技者に煩わしいとの印象を与える要因になることを抑制できる。
後続の保留情報が記憶されていない場合、すなわちシフトによって第1エリア〜第4エリアに移った保留情報が最後(最新)の保留情報である場合に、特殊テーブルが参照され、後続の保留情報が記憶されている場合には通常テーブルが参照される。これにより、後者と比べて前者の方が保留予告演出が実行されやすくなっている。このような構成とすることにより、離席しようとしている遊技者に対して最後に記憶されている保留情報へ期待を向けるように促すことができる。このような場合には、開閉実行モードへの移行に備えて遊技球の発射準備をしたり、遊技機の調子(状態)が良いかもしれないと期待させたりすることができる。これにより、遊技の継続を促し、上述した稼働率の向上に好適に寄与できる。
保留予告演出を発生させることで遊技の継続を促す場合には、そのような機能が頻繁に発揮されることで、保留予告演出自体への信頼性が低下してしまう。そこで、第1エリア〜第4エリアに移った保留情報について保留予告円すつの実行の可否を決める際には後続の保留情報の有無を考慮することにより、適切でない状況下での保留予告演出の乱発を抑え、上記不都合の発生を抑制できる。
上述したように保留予告演出を利用して遊技の継続を促す構成においては、遊技者に遊技を終了する意図が無い状況下にて保留予告演出が多発してしまっては保留予告演出への信頼感が低下してしまう。このように保留予告演出の信頼性が低下した場合には、当該保留予告演出によって遊技の継続を促すという効果も上手く発揮されなくなると懸念される。ここで、遊技者が遊技を終了する場合には保留情報が残っている状態にて遊技球の発射を停止されることが多く、記憶されている保留情報の判定結果を見届けた後に離席する運びとなりやすい。本実施の形態においては、このような事情に鑑みて、遊技球の発射操作が行われていない場合には上記シフトを契機とした保留予告演出の優遇を規制する構成とすることにより、無暗に保留予告演出の発生機会が増えないようにすることができる。これにより、保留予告演出によって遊技の継続を促すという効果を好適に発揮させることが可能となる。
なお、本実施の形態においては遊技球の発射操作が行われていることを上記規制を行うか否かの判定条件としたが、遊技球発射機構110によって遊技球の発射が行われているか否かを上記規制の判定条件とすることも可能である。
そもそも、サポートモードが高頻度サポートモードとなっている場合には、電動役物71等の動きから遊技者に有利な状態であることが自明となる。故に、このような状況にて遊技が終了される機会は少ない。そこで、高頻度サポートモード中は特殊テーブルを参照した保留予告演出の発生抽選を回避する構成とすることにより、実用上好ましい構成を実現できる。なお、外れ結果となることが決まっている場合に遊技の継続を促すことを狙って保留予告演出を発生すれば、必然的に当該保留予告演出への信頼性は低下することとなる。そこで、遊技の継続を促さなくても遊技者が遊技を続けるであろう状況下にて、敢えて保留予告演出の発生確率を上げない構成をすることには技術的意義がある。
<変形例1>
上記第11の実施の形態では同じ記憶エリアで比較した場合、新たに保留情報が取得された場合よりも保留情報がシフトした場合の方が保留予告演出が発生しやすくなるように構成した。このような機能については全ての記憶エリア(実行エリア、第1エリア〜第8エリア)に適用してもよいし、特定のエリア例えば(実行エリアや第1エリア)に限定して適用してもよい。
<変形例2>
上記第11の実施の形態では、電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなっている場合には上記特殊テーブルを参照して保留予告演出の発生抽選が実行される得る一方、高頻度サポートモードとなっている場合には通常テーブルを参照して保留予告演出の発生抽選が実行される構成とした。つまり、保留予告演出の発生確率の嵩上げが高頻度サポートモード中は回避される構成とした。記憶されている保留情報の数が少なくなることで保留予告演出の発生確率が高くなる機能や、保留情報の記憶の経緯によって保留予告演出の発生確率が変化する機能については、遊技状態毎に有効/無効で切り替える必要はない。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合についても低頻度サポートモードとなっている場合と同様の抽選態様とすることも可能である。
<変形例3>
上記第11の実施の形態では、上側作動入球部62及び下側作動入球部63の何れへの入球に基づくものであるかについては保留予告演出の発生抽選に係るテーブルの選択に影響しない構成としたが、これに限定されるものではない。上側作動入球部62への入球が主として低頻度サポートモード下にて発生し、下側作動入球部63への入球が主として高頻度サポートモード下にて発生する点に鑑みれば、記憶されている保留情報の中に下側作動入球部63に係る保留情報が存在している場合に、上記特殊テーブルを参照した抽選が回避される構成(通常テーブルによる抽選となる構成)とすることも可能である。また、保留予告演出の契機となる保留情報に後続の保留情報が下側作動入球部63に係る保留情報である場合には上記特殊テーブルを参照した抽選が回避される構成(通常テーブルによる抽選となる構成)とすることも可能である。
<変形例4>
上記第11の実施の形態では、保留情報の取得時又はシフト時に保留予告演出の可否抽選を行う構成としたが、どのタイミングで保留予告演出の可否抽選を行うかについては任意である。例えば、遊技回中の所定のタイミングにて保留予告演出の可否抽選を行うことも可能である。
<第12の実施の形態> リーチ表示
上記第11の実施の形態においては、記憶されている保留情報の数や遊技の状況に応じて保留予告演出の発生確率が変化する構成とした。これにより、例えば遊技を止めて離席しようとした場合には保留予告演出が発生しやすくなっている。離席の間際に保留予告演出を発生させることいより遊技の継続を促すことができる。本実施の形態においては、遊技の継続を促すための具体的構成が上記第11の実施の形態と相違している。以下、本実施の形態における演出の発生確率の変動に係る構成について説明する。
既に説明したように、パチンコ機10においては遊技回毎の変動表示の概要(完全外れやリーチ表示等)が主制御装置162により決定され、その決定された情報に基づいて報知・演出制御装置610では変動表示の詳細を決定する構成となっている。これに対して、本実施の形態においては、変動表示態様の決定権の一部を報知・演出制御装置610に移し、特定の場合においては遊技回毎の変動表示の概要及び詳細が報知・演出制御装置610によって決定される構成となっている。
具体的には、リーチ表示が行われる場合にはリーチ表示が行われない場合(完全外れ)と比較して主制御装置162により設定される変動表示時間が長くなる。また、記憶されている保留情報の数が多くなれば完全外れ対応の遊技回については変動表示時間が短くなり、記憶されている保留情報の数が少なくなれば完全外れ対応の遊技回については変動表示時間が長くなる。
リーチ表示が行われる場合の変動表示時間と、記憶されている保留情報が少なく(例えば1つ)且つ完全外れ対応の遊技回の変動表示時間とが一致又は同等となるように構成されている。記憶されている保留情報の数が少ない場合には、本来であれば完全外れ対応の変動表示が実行されるべきところ、本実施の形態に示す報知・演出制御装置610においては完全外れ対応の変動表示に代えてリーチ表示対応の変動表示を実行し得る構成となっている。このような変換については、記憶されている保留情報の数が1つとなった場合(実行エリアにのみ保留情報が記憶されている場合)に実行される構成となっている。このような特殊な変換を行う為の実行条件については、上記第11の実施の形態と同様、具体的には低頻度サポートモード中であり且つ遊技球の発射操作が行われていないこととなっている。そして、新たに取得された保留情報がそのまま実行エリアに格納された場合と、保留情報の消化に伴って第1エリアに格納されていた保留情報が実行エリアに移った場合とを比較した場合には、上記変換が発生する可能性は前者よりも後者の方が高くなっている。
このような構成とすれば、遊技者が離席しようとした場合にはリーチ表示が発生しやすくなる。大当たり結果となった場合には、それがリーチ表示を経由して告知されることが一般的である。そして、リーチ表示の発生頻度によって遊技機の調子等を見極める行為がなされる場合がある。特に、第1の実施の形態等に示したように内部的に高確率モードとなっていることが分かりづらいタイプの遊技機においてはリーチ表示の発生は遊技意欲を高める上で有利となる。このように、リーチ表示を発生させて、遊技への注目度を向上することにより、遊技機の稼働率の向上に寄与できる。
なお、遊技状態(高確率モード)が非明示となるタイプの遊技機においては、大当たり結果となる期待度が高い演出を経由して外れ結果であることが告知された場合には、それが高確率モードではないことを暗示しているように判断させる可能性が高くなる。故に、このような構成との組み合わせにおいては、上述した変換によってリーチ表示を発生させる場合には、期待度が高い演出よりも期待度の低い演出が選択されるように選択確率に偏りを設けるとよい。
記憶されている保留情報の数が少ない場合(1つの場合)には、主制御装置162にて決定された変動表示時間が完全外れ及びリーチ表示の両方に対応する構成とすることにより、最終的な決定権を報知・演出制御装置610に委ねている。これにより、リーチ表示の発生確率を状況に応じて変化させる構成を実現しつつ、それに起因して主制御装置162の処理負荷が増大することを好適に抑制できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、左ルートに配設された左一般入賞口61Lの数と右ルートに配設された右一般入賞口61Rの数とが相違する構成としたが、左一般入賞口61Lの数と右一般入賞口61Rの数とを一致させてもよい。
(2)上記各実施の形態では、左ルートに配設された左スルーゲート66Lと右ルートに配設された右スルーゲート66Rとを併用する構成としたが、これら2つのスルーゲート66L,66Rのうち一方を省略することも可能である。
また、それらスルーゲート66L,66Rに開閉実行モードへの移行契機となる作動ゲートとしての機能を付与したが、それらスルーゲート66L,66R以外の入球部(例えば一般入賞口61)に作動ゲートとしての機能を付与することも可能である。
(3)入賞順の監視対象となる入球部については必ずしもスルーゲート66とする必要はなく、一般入賞口61を入球順の監視対象とすることも可能である。
なお、上記各実施の形態では、遊技者の技量によって入賞確率に差が生じにくい入球部を監視対象として設定したが、遊技者の技量によって入賞確率に差が生じやすい入球部を監視対象として設定してもよい。
(4)上記各実施の形態では、抽選モードが高確率モードとなっている場合には、例えば通常大当たり結果となったことに基づいて低確率モードに移行する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、高確率モードとなっている状況下にて実行された遊技回数が予め設定された回数に達した場合に低確率モードへ移行する構成とすることも可能である。
(5)上記各実施の形態では、上側作動入球部62及び下側作動入球部63への入賞が発生した場合には、その入賞順を踏まえて遊技(保留情報に基づく抽選等が実行される)が進行する構成としたが、上側作動入球部62及び下側作動入球部63への入賞が発生した場合には、一方への入賞に基づく遊技が他方への入賞に基づく遊技よりも優先される構成とすることも可能である。
(6)上記各実施の形態では、左ルートに配設された左スルーゲート66Lを左一般入賞口61Lよりも当該左ルートにおける上流となる位置に配設したが、これら左スルーゲート66L及び左一般入賞口61Lの位置関係を逆にすることも可能である。また、左スルーゲート66Lを下側可変入賞装置64や下側作動口63aよりも上流側に配設したが、これらの位置関係を逆にすることも可能である。更には左一般入賞口61Lを下側可変入賞装置64よりも上流側に配設したが、これらの配置を逆にすることも可能である。
なお、右ルートにおける、右スルーゲート66R、右一般入賞口61R、下側可変入賞装置64の位置関係についても左ルート同様に任意に変更してもよい。
(7)上記第11及び第12の実施の形態においては、記憶されている保留情報については記憶された順に消化される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、上側作動入球部62及び下側作動入球部63のうち何れか一方に係る保留情報が他方に係る保留情報よりも優先して消化される構成とすることも可能である。特に、下側作動入球部63に係る保留情報が上側作動入球部62に係る保留情報よりも遊技者にとって有利となるように有利度の差が設けられている場合には、上側作動入球部62に係る保留情報よりも下側作動入球部63に係る保留情報が優先して消化される構成とするとよい。
(8)遊技の継続を促す上では、遊技者が離席するであろう場合に、上記保留予告演出や所定のスーパーリーチ(比較的期待度の高いスーパーリーチ)等の所定の演出の発生確率が高くなるように構成するとよい。このような事情に鑑みた場合、例えば、上皿33に球検知センサを設け、残りの遊技球の数が所定数よりも少なくなった場合に保留予告演出やスーパーリーチ等の所定の演出の発生確率が高くなるようにするとよい。また、上皿33に貯留されている遊技球の数が「0」であり且つ遊技球の発射操作が行われていないことを条件に上記特殊抽選が実行される構成とすることも可能である。
上皿33に貯留されている遊技球の返却を受ける場合に操作される返却レバー等の操作部を有している場合には、この操作部が操作されている上記所定の演出の発生確率が高くなるように構成することも可能である。
(9)保留情報がシフトされて例えば第1エリア(「所定の記憶領域」に相当)に到達した場合には、その到達の過程でのシフト回数(実行エリアに向けて連続してシフトした回数)に応じて保留予告演出の抽選確率が高くなるようにすることも可能である。例えば、第1エリアに到達する過程にてシフト回数が1回であった場合には通常テーブルを参照する場合よりも保留予告の発生確率が20%、第1エリアに到達する過程にてシフト回数が2回であった場合には通常テーブルを参照する場合よりも保留予告の発生確率が22%、第1エリアに到達する過程にてシフト回数が3回であった場合には通常テーブルを参照する場合よりも保留予告の発生確率が24%、第1エリアに到達する過程にてシフト回数が4回であった場合には通常テーブルを参照する場合よりも保留予告の発生確率が26%、第1エリアに到達する過程にてシフト回数が5回以上であった場合には通常テーブルを参照する場合よりも保留予告の発生確率が28%となるように設定するとよい。
(10)上記第11及び第12の実施の形態では、遊技球発射ハンドル41の操作が行われていないことを条件として特殊抽選が実行される構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。特殊抽選の実行条件から遊技球発射ハンドル41の操作が行われていないことを外すことも可能である。また、遊技球発射ハンドル41に発射を規制する規制操作部が設けられている場合には、遊技球発射ハンドル41から手が触れている場合であって規制操作部が操作されている場合についても「発射操作」が行われているものとして、上記各種抽選処理(図47,48参照)を実行するとよい。
(11)上記第11及び第12の実施の形態では、先行して記憶されている保留情報の数が少なくなるほど保留予告演出やスーパーリーチ等の演出が発生する確率が高くなる構成とした。これに代えて又は追加して、保留予告演出等の発生抽選の対象となった保留情報について後続の保留情報の数が少なくなるほど、当該演出が発生する確率が高くなるように構成することも可能である。
(12)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技の単調化を抑制して遊技者の遊技意欲の減退を抑える上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群> 複数の入球部の入球順序
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた複数の入球部(例えばスルーゲート66や一般入賞口61)と、
前記入球部への入球順序を設定する入球順序設定手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を設定する機能)と、
前記入球部への入球順序を検出する検出手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を検出する機能)と、
前記入球順序設定手段により設定された入球順序及び前記検出手段により検出された実際の入球順序を対比する対比手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を対比する機能)と、
前記対比手段による対比結果に応じて所定の遊技処理を実行する所定処理実行手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて状態報知を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、複数の入球部への入球順が監視され、予め設定された入球順と実際の入球順とを対比した対比結果に応じて所定の遊技処理が実行される。このように、入球順によって遊技に変化が生じる構成とすれば、遊技の単調化を好適に抑制できる。
特徴A2(作動ゲート関連).遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)に移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記準備状態となっている状況下における所定入球部への入球数が所定数となったことを契機として遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部とは別に設けられた複数の特別入球部(例えば左スルーゲート66Lや右スルーゲート66R)と、
前記特別入球部への入球順序を設定する入球順序設定手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を設定する機能)と、
前記特別入球部への入球順序を検出する検出手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を検出する機能)と、
前記入球順序設定手段により設定された入球順序及び前記検出手段により検出された入球順序を対比する対比手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を対比する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態及び当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態が設けられており、
前記第2移行手段は、前記対比手段による対比結果が前記設定された入球順序と前記検出された入球順序とが一致する結果である場合に前記第1特別遊技状態に移行させる手段と、前記対比手段による対比結果が前記設定された入球順序と前記検出された入球順序とが一致しない結果である場合に前記第2特別遊技状態に移行させる手段とを有していることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、特別遊技状態の種類が準備中の特別入球部(複数)への入球順によって変化する。このように、準備状態を経由して特別遊技状態へ移行するタイプの遊技機にて、準備状態中の入球順によってその後の展開が変化する構成とすることにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す「特別入球部」については「所定入球部」と同一のものとしてもよい。
特徴A3(作動ゲート関連).遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)とする第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記準備状態となっている状況下における所定入球部への入球数が所定数となったことを契機として遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記所定入球部として第1入球部(例えば左スルーゲート66L)及び第2入球部(例えば右スルーゲート66R)を有し、
前記第1入球部及び前記第2入球部への入球順序を設定する入球順序設定手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を設定する機能)と、
前記第1入球部及び前記第2入球部への入球順序を検出する検出手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を検出する機能)と、
前記入球順序設定手段により設定された入球順序及び前記検出手段により検出された入球順序を対比する対比手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を対比する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態及び当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態が設けられており、
前記第2移行手段は、前記対比手段による対比結果が前記設定された入球順序と前記検出された入球順序とが一致する結果である場合に前記第1特別遊技状態に移行させる手段と、前記対比手段による対比結果が前記設定された入球順序と前記検出された入球順序とが一致しない結果である場合に前記第2特別遊技状態に移行させる手段とを有していることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、特別遊技状態の種類が準備中の所定入球部への入球順によって変化する。このように、準備状態を経由して特別遊技状態へ移行するタイプの遊技機にて、準備状態中の入球順によってその後の展開が変化する構成とすることにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
特に、特別遊技状態への移行には、所定入球部である第1/第2入球部への入球が必須となっており、これら第1/第2入球部を入球順の検出対象とすることにより、遊技進行上第1/第2入球部への入球が無視されたまま遊技が進む等して、上述した単調化を抑制する効果が上手く発揮されなくなることを回避できる。
特徴A4.前記入球順設定手段によって設定された入球順を実現するために必要な前記所定入球部への入球数と前記所定数とが一致していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特別遊技状態への移行に必要な入球数と順序比較に必要な入球数とが一致している。このため、特別遊技状態への移行を目指す場合(特別遊技状態へ移行する場合)に、順序把握に必要となる入球数が不足することが回避される。また、特別遊技状態への移行に必要な入球数と順序比較に必要な入球数とが一致するため、当該入球順の対比機能が遊技を無駄に遅延させる要因になることを好適に抑制できる。
特徴A5.前記入球順設定手段によって設定された入球順を実現するために必要な前記所定入球部への入球数は前記所定数よりも少なくなっていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A5によれば、特別遊技状態への移行に必要な入球数よりも順序比較に必要な入球数の方が少なくなっている。このため、特別遊技状態への移行を目指す場合(特別遊技状態へ移行する場合)に、順序把握に必要となる入球数が不足することを好適に回避できる。
特徴A6(潜確関連).第1遊技状態及び当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態が設けられ、遊技者が前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態のいずれであるかを判別することが困難又は不可となるように規制する手段を備えている遊技機であって、
遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた複数の所定入球部(例えば左スルーゲート66Lや右スルーゲート66R)と、
前記所定入球部への入球順序を設定する入球順序設定手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を設定する機能)と、
前記所定入球部への入球順序を検出する検出手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を検出する機能)と、
前記入球順序設定手段により設定された入球順序及び前記検出手段により検出された入球順序を対比する対比手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて入賞順を対比する機能)と、
前記対比手段による対比結果が前記設定された入球順序と前記検出された入球順序とが一致することに対応している場合に、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態の何れであるかを教示する教示手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて状態報知を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
相対的に有利な第1遊技状態である場合に遊技を止めてしまうと遊技者が本来得られるはずの利益を逃すことになる。また、相対的に不利な第2遊技状態である場合に遊技を継続することで投資が嵩む可能性がある。このような事情から、遊技を有利に進める上では第1/第2遊技状態のいずれであるかを把握することが重要となる。この点、本特徴に示すように、所定入球部への入球順に正解することで第1遊技状態及び第2遊技状態の何れとなっているかが教示される構成とすれば、当該情報を得るべく遊技者に遊技への積極的参加(遊技球の発射)を促すことができる。これにより、遊技が単調になることを好適に抑制することが可能となる。
特徴A7.前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)に移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記準備状態となっている状況下における前記所定入球部への入球数が所定数となったことを契機として遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態の何れかに移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて抽選モードの切り替える実行する機能)と
を備え、
前記検出手段は前記準備状態における前記所定入球部への入球順を検出するように構成されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7に示すように、準備状態を経由して特別遊技状態へ移行するタイプの遊技機においては、遊技が間延びしているかのような印象を遊技者に与える可能性がある。そこで、特徴A6に示した恩恵(状態教示)の有無が準備状態における入球順に左右される構成とすれば、当該準備状態における遊技が単調になることを好適に抑制できる。また、特別遊技状態への移行には、所定入球部への入球が必須となっており、これら所定入球部を入球順の検出対象とすることにより、入球順による教示の抽選が無視されたまま遊技が進むことを回避できる。これにより、上述した単調化を抑制する効果が上手く発揮されなくなることを回避できる。
特徴A8.前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば高頻度サポートモードや開閉実行モード)へ移行させる移行手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球手段(例えば電動役物71や下側可変入賞装置64)と、
前記特別遊技状態へ移行した場合に前記可変入球手段を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えるように駆動制御する駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記検出手段は前記特別遊技状態における前記所定入球部への入球順を検出するように構成されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A8に示したように特別遊技状態にて可変入球手段が受入状態/非受入状態に切り替わる構成においては、特に狙いを定めることなく遊技球の発射が継続されるだけとなって遊技が単調になる可能性が高まる。そこで、特徴A6に示した恩恵(状態教示)の有無が特別遊技状態における入球順に左右される構成とすれば、当該特別遊技状態にて遊技球の発射先の調整を促したり、遊技球の入球先への注目を促したりすることができる。これにより、遊技が単調になることを好適に抑制できる。
特徴A9.前記可変入球手段への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)を備え、
前記可変入球手段は、前記受入状態となっている場合に、前記所定入球部へ向けて発射された遊技球が入球可能となる位置に配置されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特別遊技状態においては可変入球手段への入球によって遊技球の払い出しが得られる。ここで上記教示を目指して遊技球の発射先を変更することで可変入球手段への入球が上手く発生しなくなっては、取りこぼしが発生する。これは、遊技意欲を低下させる要因になるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成によれば、何れの所定入球部を狙って遊技球を発射した場合であっても、可変入球手段への入球が発生し得る。故に、無駄に投資が嵩んだり取りこぼしが発生したりすることを抑制できる。つまり、可変入球手段への入球によって遊技球の払い出しを得るという遊技と、所望とする順序で所定入球部へ遊技球を入球させるという遊技とを好適に併存させることができる。
特徴A10.前記可変入球手段は、前記遊技領域にて前記所定入球部よりも下流側となる位置に配設されており、
前記所定入球部は、当該所定入球部に入球した遊技球が当該所定入球部を通過して前記遊技領域を流下するように構成されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、所定入球部に入球した遊技球については、そのまま遊技領域にて流下を続け可変入球手段に入球し得る。このように、所定入球部への入球が遊技者にとって不利に作用することを回避して、特別遊技状態本来の楽しみを損なわない構成とすることにより、特徴A9に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A11.前記遊技領域には、遊技盤の中央に配設された可変表示部(可変表示ユニット67)によって当該可変表示部の左側を通過する第1ルートと当該可変表示部の右側を通過する第2ルートとが形成されており、
前記所定入球部は、前記第1ルートを流下する遊技球が入球可能な第1入球部と、前記第2ルートを流下する遊技球が入球可能な第2入球部とを有してなることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように所定入球部への入球順によってその後の展開に違いが生じる構成においては、入球順を遊技者が選択できない構成(例えば所定入球部への入球順が操作に関係なくランダムとなる構成)となることで、上記単調化を抑制する機能が上手く発揮されなくなる。この点、本特徴に示すように、可変表示部によって遊技球の流下経路を第1ルート/第2ルートに分けた上で、第1ルートに第1入球部且つ第2ルートに第2入球部を配設することで、遊技者が発射先(入球先)を選択することが可能となる。入球順を遊技者の意思で選択できる構成とすれば、遊技への積極的な参加を見込むことができ、遊技への注目度の向上を好適に実現できる。
特徴A12.前記第1入球部は、前記第2ルートを流下する遊技球が入球不可となる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記第1ルートを流下する遊技球が入球不可となる位置に配置されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12に示すように遊技球の発射先と入球先とを分けることにより、入球順が遊技者の意図とは異なる態様となることを好適に回避することができる。
特徴A13.前記第1ルート及び前記第2ルートは、前記可変表示部の側方にて狭くなっており、それら狭くなっている部分に前記所定入球部が配設されていることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
入球先となる所定入球部を遊技者の意思(遊技球の打ち分け)によって選択し得る構成においては遊技への積極的な参加を見込むことができる。しかしながら、このような構成においては、所定入球部への入球が困難となって思い通りに入球が発生しないことへの不満から遊技意欲が低下する可能性が生じる。この点、本特徴に示すように、流路が狭くなっている部分に所定入球部を配設すれば、それら所定入球部への入球機会の低下を好適に抑制し、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴A14.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への入球が発生した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば電役保留を取得する機能や遊技球の払い出しを行う機能)と
を備え、
前記入球部によって前記所定入球部が構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域においては限られた領域に様々な遊技部品が配設される。ここで、特徴A1等に示した技術的思想を適用すべく入球部を新設しようとすれば、他の遊技部品の配置領域を圧迫することになる。遊技領域には、一般入賞口等の入球部が配設されていることが一般的である。このような他の機能を有する入球部を所定入球部として利用可能とすることにより、上記配置に係る不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A15.前記遊技領域には、前記始動入球部以外に一般入球部が設けられており、
前記一般入球部は、遊技球が入球しても前記判定が実行されない入球部であり、
前記一般入球部により、前記所定入球部が構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域においては限られた領域に様々な遊技部品が配設される。ここで、特徴A1等に示した技術的思想を適用すべく入球部を新設しようとすれば、他の遊技部品の配置領域を圧迫することになる。遊技領域には、一般入賞口等の入球部が配設されていることが一般的である。このような他の機能を有する入球部を所定入球部として利用可能とすることにより、上記配置に係る不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、一般入球部への入球に基づいて遊技球を払い出す払出手段を備える構成とすることが好ましい。特に、準備状態を経由して特別遊技状態へ移行する構成との組み合せにおいては、準備状態で遊技球を消費することで特別遊技状態開始時に手持ちの遊技球が不足する可能性が生じる。この点、一般入球部を所定入球部とした上で当該一般入球部への入球に基づいて遊技球が払い出される構成とすれば、特別遊技状態への移行時の遊技球の不足を好適に抑制し、遊技進行の円滑化を図ることができる。
特徴A16.前記入球順設定手段は、所定の状況となった場合に前記入球順序の設定を行うものであり、
前記検出手段は、前記入球順序設定手段により前記設定がなされたことに基づいて前記所定入球部への入球順序の検出を開始するものであり、
前記対比手段による前記対比が行われる場合に、前記入球順序設定手段による前記設定と前記検出手段によって検出された入球順序が消去される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
入球順の設定、検出及び対比を行う場合には、遊技の多様化を実現することができる反面、処理負荷が増大する要因になったり遊技が過度に複雑化して遊技者を困惑さる要因になったりすると懸念される。これは、当該機能の採用を促進する上で妨げになる。そこで、本特徴に示すように、所定の状況になった場合にのみ入球順の設定、検出及び対比が実行されるように限定することにより、それら各種不都合の発生を好適に抑えることができる。
<特徴B群> 入球難度と恩恵との関係
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(例えば左一般入賞口61L)及び第2入球部(例えば右一般入賞口61R)と、
前記第1入球部及び前記第2入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置162のMPU602にてラウンド数を決定する機能や報知・演出制御装置610のMPU612にて状態報知を実行する機能)と、
所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を所定の遊技状態(例えば準備モードや開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(例えば主制御装置162のMPU602にて移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第1入球部は、前記第2入球部よりも入球が困難となる位置に配置されており、
前記特典付与手段は、遊技状態が前記所定の遊技状態となっている状況においては、前記第1入球部への入球に基づいて遊技者に付与される特典が前記第2入球部への入球に基づいて遊技者に付与される特典よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、所定の遊技状態においては、比較的難度の高い第1入球部を狙って遊技球を発射すれば入球が発生しにくい代わりに入球が発生した場合には比較的大きな特典を獲得できる。これに対して、比較的難度の低い第2入球部を狙って遊技球を発射すれば入球が発生しやすい代わりに入球が発生したとしても得られる特典は比較的小さくなる。所定の遊技状態となることで当該選択が可能となることにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
特徴B2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球部(例えば左一般入賞口61Lや右一般入賞口61R)と、
前記所定入球部への入球に基づいて、遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(例えば主制御装置162のMPU602にて移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記所定入球部として、前記遊技領域に設けられた第1ルート(例えば左ルート)を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(例えば左一般入賞口61L)と、前記遊技領域に設けられた第2ルート(例えば右ルート)を流下する遊技球が入球可能な第2入球部(例えば右一般入賞口61R)とを有し、
前記第1入球部は、前記第2ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記第1ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、
前記第1ルートを流下する遊技球の前記第1入球部への入球確率が、前記第2ルートを流下する遊技球の前記第2入球部への入球確率よりも高くなるように構成されており、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(例えば8R対応の開閉実行モード)と当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態(例えば16R対応の開閉実行モード)とが設けられており、
前記遊技状態移行手段は、所定の遊技状態(例えば準備モード中)にて前記第1入球部への入球が発生した場合に前記第1特別遊技状態へ移行させる手段と、前記第2入球部への入球が発生した場合に前記第2特別遊技状態へ移行させる手段とを有していることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、所定の遊技状態においては、比較的難度の高い第1入球部を狙って遊技球を発射すれば入球が発生しにくい代わりに入球が発生した場合には比較的大きな特典(第2特別遊技状態への移行)を獲得できる。これに対して、比較的難度の低い第2入球部を狙って遊技球を発射すれば入球が発生しやすい代わりに入球が発生したとしても得られる特典(第1特別遊技状態への移行)は比較的小さくなる。所定の遊技状態となることで当該選択が可能となることにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
特徴B3.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)とする第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記準備状態にて所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられた所定入球部(例えば一般入賞口61)と
を備え、
前記所定入球部として、前記遊技領域に設けられた第1ルートを流下する遊技球が入球可能な第1入球部と、前記遊技領域に設けられた第2ルートを流下する遊技球が入球可能な第2入球部とを有し、
前記第1入球部は、前記第2ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記第1ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、
前記第1ルートを流下する遊技球の前記第1入球部への入球確率が、前記第2ルートを流下する遊技球の前記第2入球部への入球確率よりも高くなるように構成されており、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態と当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態とが設けられており、
前記準備状態となっている状況下にて前記第1入球部への入球が発生した場合には前記第1特別遊技状態となり、前記第2入球部への入球が発生した場合には前記第2特別遊技状態となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、始動入球部への入球に基づいて特別遊技状態に移行する場合には、その前段階として準備状態を経由する構成となっている。準備状態においては、比較的難度の高い第1入球部を狙って遊技球を発射すれば入球が発生しにくい代わりに入球が発生した場合には比較的大きな特典(第2特別遊技状態への移行)を獲得できる。これに対して、比較的難度の低い第2入球部を狙って遊技球を発射すれば入球が発生しやすい代わりに入球が発生したとしても得られる特典(第1特別遊技状態への移行)は比較的小さくなる。準備状態中に当該選択が可能となることにより、当該準備状態における遊技の単調化を好適に抑制できる。
特徴B4.前記第2移行手段は、前記準備状態における前記所定入球部への入球に基づいて遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、準備状態においては所定入球部への入球に基づいて特別遊技状態へ移行する。つまり、所定入球部への入球が発生するまで特別遊技状態への移行が回避される構成となっている。これにより、特徴B3に示した遊技の多様化に係る効果が上手く発揮されなくなることを抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)とする第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、前記遊技領域に設けられた所定入球部(例えば一般入賞口61)と、前記準備状態にて前記所定入球部への入球が発生した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)とを備え、前記所定入球部として、前記遊技領域に設けられた第1ルートを流下する遊技球が入球可能な第1入球部と、前記遊技領域に設けられた第2ルートを流下する遊技球が入球可能な第2入球部とを有し、前記第1入球部は、前記第2ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、前記第2入球部は、前記第1ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、前記第1ルートを流下する遊技球の前記第1入球部への入球確率が、前記第2ルートを流下する遊技球の前記第2入球部への入球確率よりも高くなるように構成されており、前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態と当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態とが設けられており、前記第1入球部への入球が発生した場合には前記第1特別遊技状態となり、前記第2入球部への入球が発生した場合には前記第2特別遊技状態となるように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B5.前記遊技領域には、前記所定入球部とは別に特別入球部(例えばスルーゲート66)が設けられており、
前記第2移行手段は、前記準備状態における前記特別入球部への入球に基づいて移行条件が成立した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態へ移行させるように構成されており、
前記特別入球部への入球確率は前記所定入球部への入球確率よりも高くなっていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
所定入球部よりも入球確率の特別入球部を設け、特別入球部への入球に基づいて特別遊技状態へ移行し得る構成とすれば、準備状態における遊技が過度に難しくなることを抑制できる。
特徴B6.前記特別遊技状態として、第3特別遊技状態が設けられており、
前記所定入球部への入球に基づいて前記第1特別遊技状態又は前記第2特別遊技状態への移行条件が成立する前に前記特別入球部への入球に基づく移行条件が成立した場合に、遊技状態を前記第3特別遊技状態に移行させる手段を備え、
前記特別入球部及び前記所定入球部は、前記特別入球部に向けて発射された遊技球が前記所定入球部に入球可能となっており、前記所定入球部へ向けて発射された遊技球が前記特別入球部へ入球可能となっており、
前記特別入球部への入球確率は前記所定入球部への入球確率よりも高くなっていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
第1入球部及び第2入球部への入球確率に差を設ける場合には、それら第1入球部及び第2入球部への入球が発生しない場合に、遊技が間延びすることとなる。これでは特別遊技状態への移行が無駄に遅延されているかのような印象を遊技者に与えやすくなる。そこで、本特徴に示すように、何れの所定入球部(第1入球部/第2入球部)を狙った遊技球についても特別入球部へ入球し得る構成とし、当該特別入球部への入球に基づいて移行条件が成立した場合に特別遊技状態(第3特別遊技状態)へ移行する構成とすれば、上述したような間延びを好適に抑制できる。
特徴B7.前記特別遊技状態として、前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態よりも遊技者に不利な第3特別遊技状態が設けられており、
前記所定入球部への入球に基づいて前記第1特別遊技状態又は前記第2特別遊技状態への移行条件が成立する前に前記特別入球部への入球に基づく移行条件が成立した場合に、遊技状態を前記第3特別遊技状態に移行させる手段を備え、
前記特別入球部及び前記所定入球部は、前記特別入球部に向けて発射された遊技球が前記所定入球部に入球可能となっており、前記所定入球部へ向けて発射された遊技球が前記特別入球部へ入球可能となっており、
前記特別入球部への入球確率は前記所定入球部への入球確率よりも高くなっていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
第1入球部及び第2入球部への入球確率に差を設ける場合には、それら第1入球部及び第2入球部への入球が発生しない場合に、遊技が間延びすることとなる。これでは特別遊技状態への移行が無駄に遅延されているかのような印象を遊技者に与えやすくなる。そこで、本特徴に示すように、何れの所定入球部(第1入球部/第2入球部)を狙った遊技球についても特別入球部へ入球し得る構成とし、当該特別入球部への入球に基づいて移行条件が成立した場合に特別遊技状態(第3特別遊技状態)へ移行する構成とすれば、上述したような間延びを好適に抑制できる。
ここで、第3特別遊技状態については、第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態よりも遊技者にとって不利となるように差が設けられている。このため、準備状態においては特別入球部への入球が回避されることを期待しながら所定入球部を狙って遊技球が発射されることとなる。このような構成とすることにより、遊技の斬新さを強化できる。
特徴B8.前記遊技領域には、前記始動入球部以外に一般入球部が設けられており、
前記一般入球部は、遊技球が入球しても前記判定が実行されない入球部であり、
前記一般入球部により、前記所定入球部が構成されていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域においては限られた領域に様々な遊技部品が配設される。ここで、特徴B3等に示した技術的思想を適用すべく入球部を新設しようとすれば、他の遊技部品の配置領域を圧迫することになる。遊技領域には、一般入賞口等の入球部が配設されていることが一般的である。このような他の機能を有する入球部を所定入球部として利用可能とすることにより、上記配置に係る不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B9.前記一般入球部への入球に基づいて遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
準備状態を経由して特別遊技状態へ移行する構成との組み合せにおいては、準備状態で遊技球を消費することで特別遊技状態開始時に手持ちの遊技球が不足する可能性が生じる。この点、一般入球部を所定入球部とした上で当該一般入球部への入球に基づいて遊技球が払い出される構成とすれば、特別遊技状態への移行時の遊技球の不足を好適に抑制し、遊技進行の円滑化を図ることができる。
特徴B10.前記第1入球部及び前記第2入球部への入球が同時に発生した場合には、前記第1入球部への入球よりも前記第2入球部への入球を優先する優先手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
第1ルート及び第2ルートへの遊技球の打ち分けを行う構成においては、操作ミス等によって2つのルートに遊技球がまとめて発射される可能性を否定できない。ここで、本特徴に示すように比較的特典の大きな第2入球部への入球が優先される構成とすれば、仮にミス等によって第1入球部及び第2入球部への入球が同時に発生した場合であっても、それに起因して本来得られるはずの特典が得られない等の不都合を好適に回避できる。これは、遊技者の遊技意欲の低下を抑制する上で好ましい構成である。
<特徴C群> 並行して進行する2つの遊技
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードや高頻度サポートモードへ移行させる機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球手段(可変入賞装置64,65や電動役物71)と、
前記特別遊技状態へ移行した場合に前記可変入球手段を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えるように駆動制御する駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて駆動制御を実行する機能)と、
前記可変入球手段への入球が発生した場合に、遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と
を備え、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に形成された第1ルート(例えば左ルート)を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(例えば左スルーゲート66Lや左一般入賞口61L)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に形成された第2ルート(例えば右ルート)を流下する遊技球が入球可能な第2入球部(例えば右スルーゲート66Rや右一般入賞口61R)と
を有し、
前記第1入球部は、前記第2ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記第1ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、
前記特別遊技状態となっている状況下にて前記第1入球部への入球が発生したことに基づいて遊技者に第1特典を付与する第1特典付与手段と、
前記特別遊技状態となっている状況下にて前記第2入球部への入球が発生したことに基づいて遊技者に前記第1特典とは異なる第2特典を付与する第2特典付与手段と
を備え、
前記可変入球手段は、前記第1ルート及び前記第2ルートの何れを流下する遊技球についても当該可変入球手段に入球可能となる位置に配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、特別遊技状態に移行することにより、可変入球手段が非受入状態から受入状態に切り替わり、当該可変入球手段への入球が容易化される。このような状況下においては、可変入球手段を狙って発射された遊技球が当該可変入球手段に入球することにより遊技球が払い出される。ここで、特別遊技状態においては第1入球部への入球に基づく第1特典の付与と第2入球部への入球に基づく第2特典の付与とが有効となる。この状況では第1特典を享受すべく第1入球部を狙うかそれとも第2特典を享受すべく第2入球部を狙うかの選択が遊技者に促される。つまり、特別遊技状態においては、可変入球手段へ遊技球を入球させて出球を得るという遊技と、入球先を第1入球部/第2入球部から選択して第1特典及び第2特典の何れかを狙うという遊技とが並行して行われることとなる。これにより、特別遊技状態における遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球手段と、前記特別遊技状態へ移行した場合に前記可変入球手段を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えるように駆動制御する駆動制御手段と、前記可変入球手段への入球が発生した場合に、遊技球を払い出す払出手段とを備え、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に形成された第1ルートを流下する遊技球が入球可能な第1入球部と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に形成された第2ルートを流下する遊技球が入球可能な第2入球部とを有し、前記第1入球部は、前記第2ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、前記第2入球部は、前記第1ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、前記特別遊技状態となっている状況下にて前記第1入球部への入球が発生したことに基づいて遊技者に第1特典を付与する第1特典付与手段と、前記特別遊技状態となっている状況下にて前記第2入球部への入球が発生したことに基づいて遊技者に前記第1特典とは異なる第2特典を付与する第2特典付与手段と、前記特別遊技状態となっていない状況下においては前記第1特典付与手段及び前記第2特典付与手段による特典の付与を規制する特典付与規制手段とを備え、前記可変入球手段は、前記第1ルート及び前記第2ルートの何れを流下する遊技球についても当該可変入球手段に入球可能となる位置に配置されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球手段(例えば可変入賞装置64,65や電動役物71)と、
前記特別遊技状態へ移行した場合に前記可変入球手段を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えるように駆動制御する駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて駆動制御を行う機能)と、
前記可変入球手段への入球が発生した場合に、遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と
を備え、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に形成された第1ルート(例えば左ルート)を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(例えば左スルーゲート66Lや左一般入賞口61L)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に形成された第2ルート(例えば右ルート)を流下する遊技球が入球可能な第2入球部(例えば右スルーゲート66Rや右一般入賞口61R)と
を有し、
前記第1入球部は、前記第2ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記第1ルートを流下する遊技球が入球困難又は不可となる位置に配置されており、
遊技状況に応じて前記第1入球部及び前記第2入球部の何れかを特定の入球部として設定する設定手段と、
前記特別遊技状態となっている状況下にて、前記設定手段により設定された特定の入球部への入球が発生した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と
を備え、
前記可変入球手段は、前記第1ルート及び前記第2ルートの何れを流下する遊技球についても当該可変入球手段に入球可能となる位置に配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、特別遊技状態に移行することにより、可変入球手段が非受入状態から受入状態に切り替わり、当該可変入球手段への入球が容易化される。このような状況下においては、可変入球手段を狙って発射された遊技球が当該可変入球手段に入球することにより遊技球が払い出される。ここで、特別遊技状態においては第1入球部及び第2入球部のうち予め設定された特定の入球部への入球が発生した場合には遊技者に特典が付与される。つまり、特別遊技状態においては、可変入球手段へ遊技球を入球させて出球を得るという遊技と、入球先を第1入球部/第2入球部から選択して特典享受を狙うという遊技とが並行して行われることとなる。これにより、特別遊技状態における遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴C3.前記第1入球部及び前記第2入球部は、前記可変入球手段よりも上流側となる位置に配置されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1入球部及び第2入球部よりも可変入球手段の方が下流側にあるため、当該可変入球手段の存在が第1入球部や第2入球部への入球を妨げる障害になることを回避できる。これにより、第1入球部や第2入球部を狙うという遊技が妨げられることを好適に抑制できる。
特徴C4.前記第1入球部及び前記第2入球部に入球した遊技球は、そのまま前記遊技領域を流下可能となるように構成されていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1入球部及び第2入球部に入球した遊技球は、それら第1入球部及び第2入球部を通過して可変入球手段に向かう。つまり、第1入球部及び第2入球部に入球した遊技球についても可変入球手段に入球する余地がある。これにより、特別遊技状態における遊技の進行が無駄に遅延されることを好適に抑制できる。
特徴C5.前記駆動制御手段は、前記可変入球手段を前記受入状態と前記非受入状態とに交互に切り替わるようにして駆動制御を行う構成となっており、
前記第1特典付与手段は、前記可変入球手段が前記受入状態となっている状況下にて前記第1入球部への入球が発生した場合に特典を付与する構成となっており、前記第2特典付与手段は、前記可変入球手段が前記受入状態となっている状況下にて前記第2入球部への入球が発生した場合に特典を付与する構成となっていることを特徴とする特徴C3又は特徴C4に記載の遊技機。
可変入球手段が受入状態となっている場合には、当該可変入球手段への入球が容易となり且つ当該可変入球手段への入球によって遊技球の払い出しがなされる。つまり、遊技を行う際の投資を抑制することができる。このような状況下にて、第1入球部及び第2入球部へ選択を促す構成とすれば、遊技態様の複雑化に起因して投資が無駄に嵩むといった不都合の発生を抑制し、新たな遊技への積極的な参加を促す上で好ましい。
なお、本特徴に示す構成を「前記駆動制御手段は、前記可変入球手段を前記受入状態と前記非受入状態とに交互に切り替わるようにして駆動制御を行う構成となっており、
前記特典付与手段は、前記可変入球手段が前記受入状態となっている状況下にて前記特定の入球部への入球が発生した場合に前記特典を付与する構成となっていることを特徴とする特徴C3又は特徴C4に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴C6.前記第1入球部及び前記第2入球部は、前記可変入球手段よりも下流側となる位置に配置されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C6によれば、第1入球部及び第2入球部よりも可変入球手段の方が上流側にあるため、当該可変入球手段の存在が第1入球部や第2入球部への入球を妨げる障害になる。これにより、第1入球部や第2入球部への入球に基づく特典を享受しようとした場合には、可変入球手段への入球を回避するようにして遊技を行う必要が生じる。このように、特別遊技状態においては可変入球手段を狙う遊技と可変入手手段をかわす遊技とが生じることにより今までにない斬新な遊技を提供できる。これは遊技の単調化を抑制して、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴C7.前記可変入球手段に流入した遊技球は、前記遊技領域から排出されて前記第1ルート及び前記第2ルートに沿った流下が規制される構成となっていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、可変入球手段に入った遊技球については第1入球部や第2入球部に入球することが無い。これにより、特徴C5に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴C8.前記駆動制御手段は、前記可変入球手段を前記受入状態と前記非受入状態とに交互に切り替わるようにして駆動制御を行う構成となっており、
前記第1特典付与手段は、前記可変入球手段が前記非受入状態となっている状況下にて前記第1入球部への入球が発生した場合に特典を付与する構成となっており、前記第2特典付与手段は、前記可変入球手段が前記非受入状態となっている状況下にて前記第2入球部への入球が発生した場合に特典を付与する構成となっていることを特徴とする特徴C5又は特徴C6に記載の遊技機。
可変入球手段が非受入状態となっている場合(例えばインターバル期間)には、当該可変入球手段への入球が困難となる。このような期間中は、可変入球手段が受入状態となっている期間と比較して、遊技への注目度が低下しがちである。そこで、非受入状態となっている期間を利用して特徴C1等に示した新たな遊技を発生させることで、注目度の低下を好適に抑制できる。
また、非受入状態においては、可変入球手段によって第1入球部や第2入球部への入球が邪魔されることもないため、可変入球手段への入球によって遊技球の払い出しを得るという遊技と第1入球部及び第2入球部の何れかを選択して特典を得るという遊技を好適に併存させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記駆動制御手段は、前記可変入球手段を前記受入状態と前記非受入状態とに交互に切り替わるようにして駆動制御を行う構成となっており、前記特典付与手段は、前記可変入球手段が前記非受入状態となっている状況下にて前記特定の入球部への入球が発生した場合に特典を付与する構成となっていることを特徴とする特徴C5又は特徴C6に記載の遊技機。」とすることも可能である。
<特徴D群> 作動ゲート通過までの間に所定の事象が発生するか否かで展開変化
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)に移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記準備状態にて所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記所定の移行条件が成立する前に遊技者の操作に基づく特別事象が発生した場合には所定の遊技処理を実行し、前記所定の移行条件が成立する前に前記特別事象が発生しなかった場合には当該所定の遊技処理が実行しない遊技処理実行手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、始動入球部への入球に基づく判定によって特別遊技状態への移行が確定した場合には、先ず準備状態へと移行する。そして、この準備状態にて所定の移行条件が成立したことに基づいて特別遊技状態に切り替わることとなる。特別遊技状態への移行条件が成立する前に遊技者の操作に基づく特別事象が発生した場合には所定の遊技処理が実行され、特別事象が発生しなかった場合いは所定の遊技処理が実行されないという差が生じる。これにより、その後の遊技の展開を多様化することができる。また、準備状態における操作によって所定の遊技処理の実行の可否が決まる構成とすれば、当該準備状態における遊技の単調化を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)とする第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、前記準備状態にて所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な所定入球部とを備え、前記所定入球部への入球に基づいて前記所定の移行条件が成立する構成となっており、前記所定の移行条件が成立する前に特別事象が発生した場合には所定の遊技処理を実行し、前記所定の移行条件が成立する前に前記特別事象が発生しなかった場合には当該所定の遊技処理が実行しない遊技処理実行手段を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴D2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)とする第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記準備状態にて所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に形成された所定の流路に配設され、遊技球が入球可能な所定入球部と
を備え、
前記所定入球部への入球に基づいて前記所定の移行条件が成立する構成となっており、
前記所定の流路に配設され、遊技球が入球可能な特別入球部と、
前記所定の移行条件が成立する前に前記特別入球部への入球に基づく特別事象が発生した場合には所定の遊技処理を実行し、前記所定の移行条件が成立する前に前記特別事象が発生しなかった場合には当該所定の遊技処理が実行しない遊技処理実行手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、始動入球部への入球に基づく判定によって特別遊技状態への移行が確定した場合には、先ず準備状態へと移行する。そして、この準備状態にて所定の移行条件が成立したことに基づいて特別遊技状態に切り替わることとなる。特別遊技状態への移行条件が成立する前に遊技者の操作に基づく特別事象が発生した場合には所定の遊技処理が実行され、特別事象が発生しなかった場合いは所定の遊技処理が実行されないという差が生じる。これにより、その後の遊技の展開を多様化することができる。また、準備状態における遊技球の入球態様によって所定の遊技処理の実行の可否が決まる構成とすれば、当該準備状態における遊技の単調化を好適に抑制することができる。遊技球の発射先が所定の流路であれば、特別入球部及び所定入球部の一方を狙うことで、必然的に他方への入球も発生する。これにより、上述したような新たな遊技の実現によって、遊技進行が無駄に遅延されることを抑制できる。
特徴D3.前記特別入球部は前記所定入球部よりも前記所定の流路における下流側に配設されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特別入球部が所定入球部よりも下流側に位置している。このため、所定の遊技処理が実行されることに期待する遊技者については、所定入球部への入球が発生しないことを期待して遊技を行うものと想定される。これにより、今までにはない斬新な遊技性を実現できる。
なお、特別入球部と所定入球部との位置関係を逆にすることも可能である。この場合、所定入球部を狙った遊技球については当該所定入球部よりも先に特別入球部へ入球得る。つまり、特別入球部を狙ったにもかかわらず当該特別入球部への入球のチャンスすら発生することなく所定入球部への入球が発生(所定の移行条件の成立)することが抑制できる。
特徴D4.前記第2移行手段は、前記所定入球部への入球数が複数の数である所定数に達した場合に前記所定の移行条件が成立したとして遊技状態を前記特別遊技状態に移行させるものであり、
前記所定入球部は、当該所定入球部へ入球した遊技球が、当該所定入球部を通過して前記所定の流路を流下するように構成されていることを特徴とする特徴D2又は特徴D3に記載の遊技機。
所定入球部が特別入球部よりも上流側に配設されている場合には、仮に特別入球部を狙ったにもかかわらず当該特別入球部への入球のチャンスすら発生することなく所定入球部への入球が発生(所定の移行条件の成立)してしまうと、遊技者の遊技意欲が一気に低下すると懸念される。この点、本特徴に示すように所定の移行条件を所定入球部へ複数の入球が発生することを前提とした上で、所定入球部を通過した遊技球が特別入球部へ入球する可能性を残すことにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴D5.前記判定手段による判定の結果に応じて前記所定数を変化させる可変手段を備えていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D5によれば、所定の移行条件の成立と特別事象の発生との優劣を都度変化させることができる。これにより、遊技の更なる多様化に貢献できる。
特徴D6.前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態と当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態とが設けられており、
前記遊技処理実行手段は、前記特別事象が発生することなく前記所定の移行条件が成立した場合には前記第2移行手段による移行先として前記第1特別遊技状態を設定し、前記所定の移行条件が成立する前に前記特別事象が発生した場合には前記第2移行手段による移行先として前記第2特別遊技状態を設定する構成となっていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D6によれば、準備状態中の特別事象の有無によって移行先となる特別遊技状態の種類が変化する。このように、準備状態と特別遊技状態との関連性を強化することにより、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
特徴D7.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)とする第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記準備状態にて所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に形成された所定の流路に配設され、遊技球が入球可能な所定入球部と
を備え、
前記所定入球部への入球に基づいて前記所定の移行条件が成立する構成となっており、
前記所定の流路は、遊技盤の中央に配設された可変表示部(可変表示ユニット67)の左側を通過する第1ルートと、当該可変表示部の右側を通過する第2ルートとを有してなり、
前記第1ルートには当該第1ルートを流下する遊技球が入球可能な第1特別入球部が配設され、前記第2ルートには当該第2ルートを流下する遊技球が入球可能な第2特別入球部が配設されており、
前記第1特別入球部は前記第2特別入球部よりも入球が容易となるように構成されており、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態と当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態とそれら第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態よりも遊技者に不利な第3特別遊技状態とが設けられており、
前記第2移行手段は、前記所定の移行条件が成立する前に前記第1特別入球部への入球が発生した場合には前記所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を前記第1特別遊技状態に移行させる手段と、前記所定の移行条件が成立する前に前記第2特別入球部への入球が発生した場合には前記所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を前記第2特別遊技状態に移行させる手段と、前記第1特別入球部及び前記第2特別入球部への入球が発生することなく前記所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を前記第3特別遊技状態に移行させる手段とを有していることを特徴とする遊技機。
準備状態では比較的入球の容易な第1特別入球部及び比較的入球の困難な第2特別入球部を狙うかを遊技者が選択できる。何れの特別入球部を狙った場合であっても、所定入球部への入球よりも前に特別入球部への入球を発生させることで遊技を有利に進めることができるが、その有利度は第2特別入球部への入球が発生した場合の方が高く、特別入球部への入球が発生する可能性は第1特別入球部の方が高くなっている。このような構成とすることにより、遊技の多様化を実現し、準備状態における遊技の単調化を好適に抑制できる。
また、このような構成においては、第1特別入球部や第2特別入球部への入球が上手く発生しなかった場合に準備状態が無駄に長引く可能性がある。このように、遊技が間延びすることは、遊技への注目度を低下させる要因になり得る。この点、本特徴に示すように、何れの特別入球部を狙った場合であっても所定入球部への入球の余地を残すことにより、上述したような遅延が発生することを好適に抑制できる。
なお、特徴D2〜特徴D6に示した各技術的思想を本特徴D7に適用することも可能である。
<特徴E群> 複数の入球部における入球数を比較
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(例えば左スルーゲート66Lや左一般入賞口61L)及び第2入球部(例えば右スルーゲート66Rや右一般入賞口61R)と、
所定状態となっている場合に、前記第1入球部への入球数を記憶する第1記憶手段(例えば主制御装置162のRAM604にて入賞数を記憶する機能)と、
前記所定の状態となっている場合に、前記第2入球部への入球数を記憶する第2記憶手段(例えば主制御装置162のRAM604にて入賞数を記憶する機能)と、
所定の比較条件が成立した場合に、前記第1記憶手段によって記憶された前記第1入球部への入球数及び前記第2記憶手段によって記憶された前記第2入球部への入球数を比較する比較手段(例えば主制御装置162のMPU602における比較機能)と、
前記比較手段による比較結果に基づいて所定の遊技処理を実行する遊技処理実行手段(例えば主制御装置162のMPUにてラウンド数を決定する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第1入球部及び第2入球部への入球数の比較結果に基づいて所定の遊技処理が実行される。入球数の比較結果が遊技に反映される構成とすることにより、遊技の多様化に貢献できる。
特徴E2.前記所定数は複数であり、
前記遊技領域には、前記遊技盤の中央に配設された可変表示部(可変表示ユニット67)の左側を通過する第1ルートと、当該可変表示部の右側を通過する第2ルートとが形成されており、
前記第1入球部は前記第1ルートに配設され、前記第2入球部は前記第2ルートに配設されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2に示す構成によれば、第1ルート/第2ルートへの遊技球の打ち分けを行うことにより、遊技者が自身の所望とする入球先を選択することができる。ここで、遊技球の発射速度(発射強度)については1の操作部材の操作量によって決定されることが一般的であり、操作を誤って意図せぬルートへ遊技球を発射する可能性が高い。仮に、上述の如く選択の余地を与えたとしても、実際にそれが遊技者の意図に反したものになってしまっては、それが遊技意欲を減退させる要因になり得る。この点、本特徴に示すように、比較の契機となる入球数を複数とすれば、発射先を目視で確認した後に操作量を調整する余地が生じる。これにより、遊技者の意図を遊技の結果に好適に反映させることができる。
特徴E3.前記第1入球部及び前記第2入球部は、前記遊技領域における所定の流路に配設されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E3によれば、第1入球部を狙った場合には第2入球部への入球の余地があり、第2入球部を狙った場合には第1入球部への入球の余地がある。入球を期待する入球部と入球を期待しない入球部とが同じ流路に配設されていることにより、入球と入球の回避との両方に注目が向くこととなり、遊技球の挙動への注目度を好適に向上させることができる。
特徴E4.前記第1入球部への入球数と前記第2入球部への入球数との和が所定数に達したことに基づいて前記比較手段による入球数の比較が行われることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
入球先を絞りたい場合には1つ1つの遊技球の動きへの注目が高まりやすいと想定される。そして、個々の遊技球の動きを見極めたい場合には、遊技球の発射操作が慎重に行われる可能性がある。ここで、本特徴に示すように、第1入球部及び第2入球部への入球の総数が所定数に達した場合に比較が行われる構成とすれば、遊技球の発射を慎重に行う余裕が生まれるため、上記注目度向上効果を好適に発揮させることができる。また、入球数の総和によって管理する構成によれば、途中で狙い先となる入球部を変更する余地を与えつつ、それに起因して遊技が大きく遅延することを抑制できる。
第1入球部及び第2入球部へ遊技球が入らない場合も発生し得る。このような場合であっても入球数の総和が所定数に達するまでは比較が回避されるため、各入球部への入球数が遊技者の意図に反したものになることを抑制できる。
特徴E5.前記遊技領域へ発射された遊技球の数を検出する発射数検出手段を備え、
前記発射数検出手段によって検出された遊技球の数が所定数になったことに基づいて前記比較手段による入球数の比較が行われることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
入球先を絞りたい場合には1つ1つの遊技球の動きへの注目が高まりやすいと想定される。そして、個々の遊技球の動きを見極めたい場合には、遊技球の発射操作が慎重に行われる可能性がある。ここで、本特徴に示すように、第1入球部及び第2入球部への入球の総数が所定数に達した場合に比較が行われる構成とすれば、遊技球の発射を慎重に行う余裕が生まれるため、上記注目度向上効果を好適に発揮させることができる。また、入球数の総和によって管理する構成によれば、途中で狙い先となる入球部を変更する余地を与えつつ、それに起因して遊技が大きく遅延することを抑制できる。
特徴E6.前記所定状態となっている場合に、前記第1入球部への入球数と前記第2入球部への入球数とに対応する情報を報知する報知手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E1等に示したように、遊技処理が入球数の影響を受ける構成においては、記憶されている入球数と遊技者が検出している入球数との間に見間違え等に起因したずれが生じることで、その後の遊技の展開等が変化すると懸念される。そこで、本特徴に示すように、各入球部への入球数を教示する構成とすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴E7.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者による発射操作に対応した発射強度にて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)とする第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(例えば左スルーゲート66Lや左一般入賞口61L)及び第2入球部(例えば右スルーゲート66Rや右一般入賞口61R)と、
前記第1入球部への入球数を記憶する第1記憶手段(例えば主制御装置162のRAM604にて入賞数を記憶する機能)と、
前記第2入球部への入球数を記憶する第2記憶手段(例えば主制御装置162のRAM604にて入賞数を記憶する機能)と、
所定の比較条件が成立した場合に、前記第1記憶手段によって記憶された前記第1入球部への入球数及び前記第2記憶手段によって記憶された前記第2入球部への入球数を比較する比較手段(例えば主制御装置162のMPU602における比較機能)と、
前記比較手段による比較結果に基づいて所定の遊技処理を実行する遊技処理実行手段(例えば主制御装置162のMPUにてラウンド数を決定する機能)と、
前記準備状態における前記第1入球部への入球数及び前記第2入球部への入球数の和が所定数となった場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記第2移行手段によって前記特別遊技状態に移行する場合に、前記比較結果に基づいて移行する前記特別遊技状態の種別が決定されることを特徴とする遊技機。
準備状態における第1入球部及び第2入球部への入球数の和が所定数に達したことに基づいて特別遊技状態に移行する。この際、第1入球部及び第2入球部への入球数の比較結果が移行先となる特別遊技状態の種別に影響する。準備状態における遊技の結果に応じて例えば特別遊技状態の有利度等が変化する構成とすれば、準備状態における遊技の単調化を好適に抑制できる。また、第1入球部及び第2入球部への入球数の比較によって移行先が変化する構成においては、単調化の抑制に起因して過度に遊技が複雑になることを抑制できる。
<特徴F群> 同じ記憶エリアで比較するとダイレクト時とシフト時とで確率相違
特徴F1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を個別に記憶する複数の記憶領域(実行エリアや第1エリア〜第8エリア)を有してなり、
前記記憶領域に記憶されている特別情報を当該複数の記憶領域にて順次シフトさせるシフト手段(保留情報のシフト機能)と、
新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域の何れかに記憶されたことに基づき当該特別情報について前記特別報知を行うか否かの抽選を行い、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされたことに基づきシフトされた特別情報について前記特別報知を行うか否かの抽選を行う特別報知抽選手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行するか否かの抽選を行う機能)と
を備え、
前記特別報知抽選手段は、新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域の何れかに記憶されたことに基づき当該特別情報について前記特別報知を行うか否かの抽選よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされたことに基づき当該シフトされた特別情報について前記特別報知を行うか否かの抽選の方が前記特別報知の実行に対応する抽選結果となりやすくなるように設定された手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて通常テーブル及び特殊テーブルを参照して抽選を行う機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、新たに取得された特別情報が取得情報記憶手段(記憶領域)に追加されたこと、又は既に記憶されている特別情報が消化され特別情報がシフトしたことを契機として特別報知が実行される。このように、特別報知の実行契機を多様化することは遊技の単調化を抑制する上で好ましい。新たに特別情報が追加された場合と比べて特別情報のシフトが発生した場合の方が特別報知が実行されやすくなるように差が設けられている。シフトが発生した際に特別報知が実行されやすくなることにより、特別情報が追加されないまま遊技が進む場合であっても、特別報知の実行機会が大きく減ってしまうことを抑制できる。
ここで、記憶されている特別情報が減っていく過程にて特別報知の発生機会を増やす構成とすれば、遊技を終了しようとしている遊技者に対して特別遊技状態への期待を促すことができる。これにより、遊技の継続を促進し、遊技機の稼働率の向上に寄与することができる。また、特別情報が追加された場合については特別報知の発生機会が少なくなるように差が設けられているため、特別報知が多発して遊技者に煩わしい等の印象を与えにくくすることができる。
特徴F2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を個別に記憶する複数の記憶領域(実行エリアや第1エリア〜第8エリア)を有してなり、
前記記憶領域に記憶されている特別情報を当該複数の記憶領域にて順次シフトさせるシフト手段(保留情報のシフト機能)と、
新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域の何れかに記憶されたことに基づき当該特別情報について前記特別報知を行うか否かを決定し、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされたことに基づきシフトされた特別情報について前記特別報知を行うか否かを決定する特別報知決定手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行するか否かの抽選を行う機能)と
を備え、
前記特別報知決定手段は、新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域の何れかに記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされた場合の方が前記特別報知が行われやすくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F2によれば、新たに取得された特別情報が取得情報記憶手段(記憶領域)に追加されたこと、又は既に記憶されている特別情報が消化され特別情報がシフトしたことを契機として特別報知が実行される。このように、特別報知の実行契機を多様化することは遊技の単調化を抑制する上で好ましい。新たに特別情報が追加された場合と比べて特別情報のシフトが発生した場合の方が特別報知が実行されやすくなるように差が設けられている。シフトが発生した際に特別報知が実行されやすくなることにより、特別情報が追加されないまま遊技が進む場合であっても、特別報知の実行機会が大きく減ってしまうことを抑制できる。
ここで、記憶されている特別情報が減っていく過程にて特別報知の発生機会を増やす構成とすれば、遊技を終了しようとしている遊技者に対して特別遊技状態への期待を促すことができる。これにより、遊技の継続を促進し、遊技機の稼働率の向上に寄与することができる。また、特別情報が追加された場合については特別報知の発生機会が少なくなるように差が設けられているため、特別報知が多発して遊技者に煩わしい等の印象を与えにくくすることができる。
特徴F3.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて特殊予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を個別に記憶する複数の記憶領域(実行エリアや第1エリア〜第8エリア)を有してなり、
前記記憶領域に記憶されている特別情報を当該複数の記憶領域にて順次シフトさせるシフト手段(保留情報のシフト機能)と、
新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域の何れかに記憶されたことに基づき当該特別情報について前記特別報知を行うか否かを決定し、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされたことに基づきシフトされた特別情報について前記特別報知を行うか否かを決定する特別報知決定手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行するか否かの抽選を行う機能)と
を備え、
前記特別報知決定手段は、新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域のうち所定の記憶領域(例えば第1エリア)に記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合の方が、前記特別報知が実行されやすくなるようにして特別報知を行うか否かの決定を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、新たに取得された特別情報が取得情報記憶手段(記憶領域)に追加されたこと、又は既に記憶されている特別情報が消化され特別情報がシフトしたことを契機として特別報知が実行される。このように、特別報知の実行契機を多様化することは遊技の単調化を抑制する上で好ましい。新たに特別情報が追加された場合と比べて特別情報のシフトが発生した場合の方が特別報知が実行されやすくなるように差が設けられている。シフトが発生した際に特別報知が実行されやすくなることにより、特別情報が追加されないまま遊技が進む場合であっても、特別報知の実行機会が大きく減ってしまうことを抑制できる。
ここで、遊技者が遊技を終了する場合には、特別情報が残っている状態にて遊技球の発射を停止されることが多い。そして、記憶されている特別情報の判定結果を見届けた後に離席する運びとなる。ここで、本特徴に示すように所定の記憶領域に特別情報が記憶されている場合には、当該特別情報は、新たに特別情報が取得されたことを契機とするものと、シフトによって他の記憶領域から移ってきたものとに大別される。上記終了時の流れを考慮した場合には、シフトによって所定の記憶領域に特別情報が移った場合には特別情報が新たに追加された場合と比較して特別報知が発生しやすくなる。つまり、離席前に特別情報の消化を見届けている際に特別報知が発生しやすくなる。これにより、現存する特別情報の何れかが特別遊技状態への移行契機であるかもしれないとの期待を遊技者に与えることができる。これは遊技の継続を促す契機となり得るため、遊技機の稼働率の向上に寄与できる。
これに対して、特別情報が次々と取得され記憶領域に溜まっている特別情報の数が増える過程では、上述した減少過程と比較して特別報知の発生確率が低くなる。増加過程では敢えて特別報知の発生を抑えることにより、当該特別報知が遊技者に煩わしいとの印象を与える要因になることを抑制できる。
特徴F4.前記特別報知決定手段は、前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った特別情報に後続となる特別情報が記憶されている場合よりも、前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った特別情報に後続となる特別情報が記憶されていない場合の方が、前記特別報知が実行されやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、後続の特別情報が記憶されていない場合、すなわちシフトによって所定の記憶領域に移った特別情報が最後(最新)の特別情報である場合に、特別報知が実行されやすくなることにより、離席しようとしている遊技者に対して、最後の特別情報へ期待を向けるように促すことができる。このような場合には、特別遊技状態への移行に備えて遊技球の発射準備をしたり、遊技機の調子(状態)が良いかもしれないと期待させたりすることができる。これにより、遊技の継続を促し、遊技機の稼働率の向上に寄与することが可能となる。
特徴F5.前記特別報知決定手段は、前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った特別情報に後続となる特別情報が少ないほど前記特別報知が実行されやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F3等に示したように、特別報知を発生させることで遊技の継続を促す場合には、そのような機能が頻繁に発揮されることで、特別報知自体への信頼性が低下してしまう。そこで、所定の記憶領域に移った特別情報について特別報知の実行の可否を決める際には後続の特別情報が少ないほど特別報知が行われやすくなるように構成することにより、適切でない状況下での特別報知の乱発を抑え、上記不都合の発生を抑制できる。
特徴F6.遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備え、
前記特別報知決定手段は、新たに取得された特別情報が前記所定の記憶領域に記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合の方が、前記特別報知が実行されやすくなるようにして特別報知を行うか否かの決定を行う特殊決定手段(特殊テーブルを参照して保留予告演出の抽選を行う機能)を有し、
前記発射操作が行われている場合には、前記特殊決定手段による特別報知の決定を規制する規制手段を備えていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F5のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように特別報知によって遊技の継続を促す構成においては、遊技者に遊技を終了する意図が無い状況下にて特別報知が多発してしまっては特別報知への信頼感が低下してしまう。このように特別報知自体の信頼性が低下した場合には、当該特別報知によって遊技の継続を促すという効果も上手く発揮されなくなると懸念される。
ここで、遊技者が遊技を終了する場合には特別情報が残っている状態にて遊技球の発射を停止されることが多く、記憶されている特別情報の判定結果を見届けた後に離席する運びとなりやすい。本特徴においては、このような事情に鑑みて、遊技球の発射操作が行われていない場合には上記シフトを契機とした特別報知の優遇を規制する構成とすることにより、無暗に特別報知の発生機会が増えないようにすることができる。これにより、特別報知によって遊技の継続を促すという効果を好適に発揮させることが可能となる。
なお、本特徴に示す「前記発射操作が行われている場合には、前記特殊決定手段による特別報知の決定を規制する規制手段」を、「前記遊技球発射手段による遊技球の発射が行われている場合には、前記特殊決定手段による特別報知の決定を規制する規制手段」とすることも可能である。
特徴F7.前記始動入球部は、当該始動入球部への入球が可能な受入状態(開状態)と、入球を不可とする非受入状態(閉状態)とに切替可能な可変入球部であり、
前記始動入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPU602にてサポート処理を実行する機能)を備え、
前記切替手段による前記始動入球部の切替態様として、第1切替態様(低頻度サポートモード)及び当該第1切替態様よりも前記始動入球部への入球が発生しやすい第2切替態様(高頻度サポートモード)が設けられており、
前記特別報知決定手段は、新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域のうち所定の記憶領域(例えば第1エリア)に記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合の方が、前記特別報知が実行されやすくなるようにして特別報知を行うか否かの決定を行う特殊決定手段(特殊テーブルを参照して保留予告演出の抽選を行う機能)を有し、
前記切替手段による切替態様が前記第2切替態様となっている場合には、前記特殊決定手段による特別報知の決定を規制する規制手段を備えていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F6のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように特別報知によって遊技の継続を促す構成においては、遊技者に遊技を終了する意図が無い状況下にて特別報知が多発してしまっては特別報知への信頼感が低下してしまう。このように特別報知自体の信頼性が低下した場合には、当該特別報知によって遊技の継続を促すという効果も上手く発揮されなくなると懸念される。
ここで、切替手段の切替態様が第2切替態様となっている場合には、始動入球部の動きから遊技者に有利な状態であることが自明となる。故に、このような状況にて遊技が終了される機会は少ないと想定される。そこで、このような状況下では、特別報知の優遇を規制することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴F8.前記特別報知決定手段は、新たに取得された特別情報が前記所定の記憶領域(例えば第1エリア〜第4エリア)に記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合の方が、前記特別報知が実行されやすくなるようにして前記特別報知を行うか否かの決定を行う特殊決定手段を有し、
前記特殊決定手段は、前記シフト手段によるシフトを契機とした特別報知を行うか否かを決定する場合には、判定対象となっている特別情報に先んじて記憶されている特別情報の数が少なくなるほど、前記特別報知が実行される確率が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F3等に例示したように、遊技を終了する際には特別情報の減少(シフト)が続くことが多い。これに対して、遊技を継続して行っている状況下においては、特別情報が減ったり増えたりを繰り返すため記憶されている特別情報の数がある程度確保されるものと想定される。そこで、シフトが続いて特別情報の数が減っていく過程では、特別情報の減少に応じて特別報知の発生確率を上昇させることにより、特別報知を利用して遊技の継続を促すという効果を好適に発揮させることができる。
なお、連続するシフトの回数が多くなることで特別報知が実行される確率が高くなる構成とすることも可能である。
特徴F9.前記特別報知決定手段は、新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域のうち所定の記憶領域(例えば第1エリア)に記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合の方が、前記特別報知が実行されやすくなるようにして特別報知を行うか否かの決定を行う特殊決定手段を有し、
前記特殊決定手段は、前記特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合には、当該所定の記憶領域に移る過程でのシフト回数が多くなることで前記特別報知が実行されやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F3等に例示したように、遊技を終了する際には特別情報の減少(シフト)が続くことが多い。これに対して、遊技を継続して行っている状況下においては、特別情報が減ったり増えたりを繰り返すため記憶されている特別情報の数が一気に減少する機会は少なくなる。そこで、シフトが続いて特別情報の数が減っていく過程では、シフトが連続して発生した回数に応じて特別報知の発生確率を上昇させることにより、特別報知を利用して遊技の継続を促すという効果を好適に発揮させることができる。
特徴F10.前記特別報知決定手段は、
新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域のうち所定の記憶領域(例えば第1エリア)に記憶された場合と、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合とで前記特別報知が実行される確率が同様になるようにして特別報知を行うか否かの決定を行う通常決定手段(通常テーブルを参照して保留予告演出の抽選を行う機能)と、
新たに取得された特別情報が前記所定の記憶領域に記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合の方が、前記特別報知が実行されやすくなるようにして特別報知を行うか否かの決定を行う特殊決定手段(特殊テーブルを参照して保留予告演出の抽選を行う機能)と
を有し、
遊技状況に応じて前記通常決定手段と前記特殊決定手段との何れによって前記決定を行うかを切り替える手段を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F10に示すように、遊技状況に応じて用いる手段を通常決定手段と特殊決定手段とで切り替える構成とすることにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴F11.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を個別に記憶する複数の記憶領域(実行エリアや第1エリア〜第8エリア)を有してなり、
前記記憶領域に記憶されている特別情報を当該複数の記憶領域にて順次シフトさせるシフト手段(保留情報のシフト機能)と、
新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域の何れかに記憶されたことに基づき当該特別情報について前記特別報知を行うか否かの抽選を行い、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされたことに基づきシフトされた特別情報について前記特別報知を行うか否かの抽選を行う特別報知抽選手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行するか否かの抽選を行う機能)と
を備え、
前記特別報知抽選手段は、新たに取得された特別情報が前記複数の記憶領域の何れかに記憶されたことに基づき当該特別情報について前記特別報知を行うか否かの抽選が行われた場合と、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされたことに基づき当該シフトされた特別情報について前記特別報知を行うか否かの抽選が行われた場合とでは、前記特別報知の実行に対応する抽選結果となる確率が相違するように設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴F10によれば、新たに取得された特別情報が取得情報記憶手段(記憶領域)に追加されたこと、又は既に記憶されている特別情報が消化され特別情報がシフトしたことを契機として特別報知が実行される。このように、特別報知の実行契機を多様化することは遊技の単調化を抑制する上で好ましい。新たに特別情報が追加された場合と特別情報のシフトが発生した場合とで特別報知が実行される確率を相違させることにより、特別報知の発生態様を好適に多様化できる。
<特徴G群> 先行/後続の保留数によって先読み演出の発動確率変化
特徴G1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行する機能)と、
前記特別報知を行うか否かを決定する特別報知決定手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行するか否かの抽選を行う機能)と
を備え、
前記特別報知決定手段は、先行して記憶されている特別情報の数に応じて前記特別報知の実行条件が成立する成立確率が変化する構成となっていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、特別報知を行うか否かを決定する際には、該当する特別情報に先んじて記憶されている特別情報の数によって実行条件が変化することとなる。このようにして、先行する特別情報の数の影響により特別報知が実行される確率が変化する構成とすれば、特別報知の発生態様を好適に多様化できる。これは、遊技の単調化を抑えて、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴G2.前記特別報知決定手段は、先行して記憶されている特別情報の数が少ないほど前記特別報知の実行条件が成立する成立確率が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特別情報を複数記憶可能なタイプの遊技においては、遊技球を発射しているにも関わらず特別情報が取得されない期間が続くことで、記憶されている特別情報の数が一気に少なくなってしまう。これは、遊技者に遊技を効率よく進められていないとの印象を与える要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、そのような状況では特別報知が発生しやすくなる。遊技者の注目度が当該特別報知に向くように促すことで、上記不都合の発生を抑制できる。特に、特別報知については主たる遊技の進行(図柄等の変動表示)と平行して行うことができるため、特別報知の発生確率が高くなったとしても、それが遊技を間延びさせる要因になることを回避できる。
特徴G3.前記特別報知決定手段は、後続の特別情報の数が少ないほど前記特別報知の実行条件が成立する成立確率が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、後続の特別情報が多く存在している場合には、後続の保留情報を契機とした特別報知が発生しやすくなる。つまり、特別報知を後続の保留情報に委ねやすくすることにより、先行する特別情報にて無理に特別報知を実行する必要がなくなる。これにより、上述した注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴G4.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行する機能)と
備え、
前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を個別に記憶する複数の記憶領域(実行エリアや第1エリア〜第8エリア)を有してなり、
前記記憶領域に記憶されている特別情報を当該複数の記憶領域にて順次シフトさせるシフト手段(保留情報のシフト機能)と、
既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされたことに基づきシフトされた特別情報について前記特別報知を行うか否かを決定する特別報知決定手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて予告演出を実行するか否かの抽選を行う機能)と
を備え、
前記特別報知決定手段は、先行して記憶されている特別情報の数が少ない方が前記特別報知の実行条件が成立する成立確率が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、既に記憶されている特別情報が消化され特別情報がシフトしたことを契機として特別報知が実行される。ここで、遊技者が遊技を終了する場合には、特別情報が残っている状態にて遊技球の発射を停止されることが多い。そして、記憶されている特別情報の判定結果を見届けた後に離席する運びとなる。本特徴に示すように所定の記憶領域に特別情報が記憶されている場合には、当該特別情報は、新たに特別情報が取得されたことを契機とするものと、シフトによって他の記憶領域から移ってきたものとに大別される。上記終了時の流れを考慮した場合には、シフトによって所定の記憶領域に特別情報が移った場合には特別情報が新たに追加された場合と比較して特別報知が発生しやすくなる。つまり、離席前に特別情報の消化を見届けている際に特別報知が発生しやすくなる。これにより、現存する特別情報の何れかが特別遊技状態への移行契機であるかもしれないとの期待を遊技者に与えることができる。これは遊技の継続を促す契機となり得るため、遊技機の稼働率の向上に寄与できる。
更に、この継続を促す機能については、先行して記憶されている特別情報の数が少ない程発揮されやすくなる。つまり、特別情報が減少の一途を辿るような場合には、数の減少に応じて特別報知が発生しやすくなる。言い換えれば、特別情報が次々と取得され記憶領域に溜まっている特別情報の数が増える過程では、上述した減少過程と比較して特別報知の発生確率が低くなる。増加過程では敢えて特別報知の発生を抑える減少過程が進むことで特別報知が発生しやすくなるように偏重させることにより、遊技を行っている最中に特別報知が多発する等して当該特別報知が遊技者に煩わしいとの印象を与える要因になることを抑制できる。
<特徴H群> F群派生
特徴H1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別情報が前記所定の判定情報に対応しているか否かを示唆する演出を実行する示唆演出実行手段(例えば報知・演出制御装置610のMPU612にて保留予告演出を実行する機能)と、
前記示唆演出を実行するか否かを決定する示唆演出決定手段(例えば報知・演出制御装置610のMPU612にて保留予告演出を行うか否かを決定する機能)と
を備え、
前記示唆演出決定手段は、先行して前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が少ないほど前記示唆演出が実行されやすくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特別情報を複数記憶可能なタイプの遊技においては、遊技球を発射しているにも関わらず特別情報が取得されない期間が続くことで、記憶されている特別情報の数が一気に少なくなってしまう。これは、遊技者に遊技を効率よく進められていないとの印象を与える要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、そのような状況では示唆演出が発生しやすくなる。遊技者の注目度が当該示唆演出に向くように促すことで、上記不都合の発生を抑制できる。
なお、上記示唆演出については主たる遊技の進行(図柄等の変動表示)と平行して行うことが可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、特別報知の発生確率が高くなったとしても、それが遊技を間延びさせる要因になることを好適に回避できる。
特徴H2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のうち所定の記憶領域に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を個別に記憶する複数の記憶領域(実行エリアや第1エリア〜第8エリア)を有してなり、
前記記憶領域に記憶されている特別情報を当該複数の記憶領域にて前記所定の記憶領域へ順次シフトさせるシフト手段(保留情報のシフト機能)と、
前記特別情報が前記所定の判定情報に対応しているか否かを示唆する所定の示唆演出を実行する示唆演出実行手段(例えば報知・演出制御装置610のMPU612にて保留予告演出を実行する機能)と、
前記所定の示唆演出を実行するか否かを決定する示唆演出決定手段(例えば報知・演出制御装置610のMPU612にて保留予告演出を行うか否かを決定する機能)と
を備え、
前記示唆演出決定手段は、新たに取得された特別情報が前記所定の記憶領域に記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合の方が、前記所定の示唆演出が実行されやすくなるようにして当該所定の示唆演出を行うか否かを決定するように構成されていることを特徴とする遊技機。
新たに取得された特別情報が取得情報記憶手段(記憶領域)に追加されたこと、又は既に記憶されている特別情報が消化され特別情報がシフトしたことを契機として示唆演出が実行される。このように、示唆演出の実行契機を多様化することは遊技の単調化を抑制する上で好ましい。特に、新たに特別情報が追加された場合と比べて特別情報のシフトが発生した場合の方が示唆演出が実行されやすくなるように差が設けられている。シフトが発生した際に示唆演出が実行されやすくなることにより、特別情報が追加されないまま遊技が進む場合であっても、特別報知の実行機会が大きく減ってしまうことを抑制できる。
特徴H3.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のうち所定の記憶領域に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を個別に記憶する複数の記憶領域(実行エリアや第1エリア〜第8エリア)を有してなり、
前記記憶領域に記憶されている特別情報を当該複数の記憶領域にて前記所定の記憶領域へ順次シフトさせるシフト手段(保留情報のシフト機能)と、
前記特別情報が前記所定の判定情報に対応しているか否かを示唆する所定の示唆演出を実行する示唆演出実行手段(例えば報知・演出制御装置610のMPU612にて保留予告演出を実行する機能)と、
前記所定の示唆演出を実行するか否かを決定する示唆演出決定手段(例えば報知・演出制御装置610のMPU612にて保留予告演出を行うか否かを決定する機能)と
を備え、
前記所定の示唆演出として、第1示唆演出と当該第1示唆演出よりも前記特別遊技状態へ移行する場合に選ばれやすい第2示唆演出とが設けられており、
前記示唆演出決定手段は、新たに取得された特別情報が前記所定の記憶領域に記憶された場合よりも、既に記憶されている特別情報が前記シフト手段によりシフトされて前記所定の記憶領域に移った場合の方が、前記第2示唆演出が実行されやすくなるようにして当該第2示唆演出を行うか否かを決定するように構成されていることを特徴とする遊技機。
特別情報を複数記憶可能なタイプの遊技においては、遊技球を発射しているにも関わらず特別情報が取得されない期間が続くことで、記憶されている特別情報の数が一気に少なくなってしまう。これは、遊技者に遊技を効率よく進められていないとの印象を与える要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、シフトが続いているような状況では示唆演出が発生しやすくなる。遊技者の注目度が当該示唆演出に向くように促すことで、上記不都合の発生を抑制できる。
このような効果を発揮させる上では、示唆演出自体が遊技者の注目度を引くものである方が好ましい。そこで、シフトを契機として示唆演出が実行される場合には、単に特別情報が取得されたことを契機として示唆演出が実行される場合よりも、特別遊技状態への移行への期待が比較的高くない第2示唆演出が選ばれやすくすることにより、上記効果を好適に発揮させることが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(釘69等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。