JP2015009159A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技興趣の低下を抑制することのできる遊技機を提供する。
【解決手段】このパチンコ機1では、遊技領域605に打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口1502,1506を有する。高確率状態にあるときに始動口1502,1506に遊技球が受け入れられると、大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理に先だって、高確率状態の維持にかかる維持抽選が行われる。そして、維持抽選に落選した場合には、高確率状態から低確率状態に変更される。遊技状態が高確率状態であるか低確率状態であるかについては秘匿される。当該秘匿は、遊技者による遊技球の打ち分けによって強制解除される。
【選択図】図141
【解決手段】このパチンコ機1では、遊技領域605に打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口1502,1506を有する。高確率状態にあるときに始動口1502,1506に遊技球が受け入れられると、大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理に先だって、高確率状態の維持にかかる維持抽選が行われる。そして、維持抽選に落選した場合には、高確率状態から低確率状態に変更される。遊技状態が高確率状態であるか低確率状態であるかについては秘匿される。当該秘匿は、遊技者による遊技球の打ち分けによって強制解除される。
【選択図】図141
Description
本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、例えば特許文献1に見られるように、現在の遊技状態を遊技者に対して秘匿にする遊技機が知られている。
この種の遊技機としては、例えば特許文献1に記載のパチンコ機が知られている。すなわち、この特許文献1に記載のパチンコ機では、遊技領域が形成された遊技盤を有しており、遊技球が遊技領域に向けて打ち込まれると、当該遊技領域に打ち込まれた遊技球は遊技盤に沿って流下する。そして、遊技領域においては、所定のゲージ配列をなす多数の障害釘や、遊技領域の上下方向の途中の適宜位置に配置された風車や、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球の入球確率が高められるように動作可能な可動部材を有して設けられる始動口等が設けられている。
また、上記パチンコ機では、始動口に遊技球が入賞されることに応じて大当たりについての当落にかかる抽選処理がデータメモリに格納された制御データに基づいて行われる。この抽選処理の結果は、例えば液晶表示器などにおいて、図柄の変動表示が行われた後の停止図柄として導出される。そして、この抽選処理の結果が大当たりであれば、遊技者に対して賞として所定量の遊技球を付与するための大当たり遊技が行われるようになる。こうして大当たり遊技が行われた後は、大当たり確率が高く設定されることにより遊技者に有利とされる確率変動状態に制御される。
また、上記パチンコ機では、確率変動状態に制御されているときは、始動口に遊技球が入賞されたとき、大当たりについての当落にかかる抽選処理に先立って、当該確率変動状態の維持にかかる維持抽選をも行うようにしている。この維持抽選にて確率変動状態を維持しない旨判断されると、大当たり確率が元の低確率に戻るように確率変動状態が終了されることとなる。
この点、特許文献1に記載の遊技機では、確率変動状態に制御されているとき、上記維持抽選にて確率変動状態を維持しない旨判断されたか否かを遊技者にとって認識し難くされる秘匿演出を実行するようにしている。
このような従来の遊技機では、現在の遊技状態が確率変動状態にて維持されているかを推測させながら遊技を進行することができるようになる。ただし、こうした秘匿演出とは、確率変動状態に制御されているにもかかわらず、同変動状態にないかのように見せる演出として機能したり、確率変動状態に制御されていないにもかかわらず、同変動状態にあるかのように見せる演出として機能したりするものとなっている。
したがって、例えば、そろそろ遊技を止めようと思いつつ遊技をしているときにこのような秘匿演出が実行されてしまうと、遊技者は、確率変動状態に未だ維持されている可能性を意識してしまい、確率変動状態に制御されていないと判断できる程度まで始動入賞に基づく遊技を繰り返し行わざるを得なくなってしまい、これによって遊技興趣が低下してしまう懸念がある。
これに対し、秘匿演出を行うか否かを遊技者が単純に選択できるようにすることも考えられるが、これでは現在の遊技状態を推測させながら遊技を進行させる遊技性が根本的に損なわれてしまう。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣の低下を抑制することのできる遊技機を提供することを目的とする。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、始動入賞に基づいて大当たり抽選を行う大当たり抽選手段と、前記大当たり抽選手段による大当たり抽選にて大当たりが当選されたとき、所定の開閉装置が開閉動作することにより遊技者に賞球が払い出されうる大当たり遊技を行う大当たり遊技実行手段と、前記大当たり遊技実行手段により大当たり遊技が行われた後、前記大当たり抽選における大当たりの当選確率を相対的に低く設定した低確遊技様態から、この低確遊技様態よりも当選確率を高く設定した高確遊技様態に変更しうる高確変更手段と、前記高確遊技様態にあるとき、前記大当たり抽選手段による大当たり抽選に先立って当該高確遊技様態の維持にかかる維持抽選を行う維持抽選手段と、前記維持抽選手段による維持抽選にて前記高確遊技様態が維持されない旨の結果が得られたとき、前記高確遊技様態から前記低確遊技様態に変更する低確変更手段と、前記維持抽選手段による維持抽選が行われるとき、前記高確遊技様態が維持される旨の結果が得られたか否かを演出表示によって開示しうる演出開示手段と、前記演出開示手段による遊技様態の開示を規制することで遊技様態が秘匿とされる秘匿演出状態にしうる遊技様態秘匿手段と、前記遊技様態秘匿手段による秘匿演出状態を終了させて遊技様態が開示されうるようになる遊技機会を遊技者に付与しつつも、この遊技機会が遊技者に利用されることによって秘匿演出状態が終了されて遊技様態が開示されたときには、同機会が遊技者に利用されなかったときよりも前記大当たり遊技にて遊技者に払い出されうる賞球の総数を減少させうる遊演改変制御手段とを備えることを要旨とする。
上記構成では、大当たり遊技実行手段により所定の開閉装置の開閉動作が開始されるのに先立って、遊技様態秘匿手段による秘匿演出状態を終了させて遊技様態が開示されうるようになる遊技機会を遊技者に付与するだけでなく、この遊技機会が遊技者に利用されることによって秘匿演出状態が終了されて遊技様態が開示されたときには、同機会が遊技者に利用されなかったときよりも上記大当たり遊技にて遊技者に払い出されうる賞球の総数を減少させうるようにした(遊演改変制御手段)。
すなわちこの場合、秘匿演出状態の継続、終了にかかる遊技機会の利用の有無に応じて、大当たり遊技における賞球数に影響が及ぼされることとなる。したがって、秘匿演出状態を終了させるか否かを単純に選択可能な純演出が提供されるだけの場合とは異なり、大当たり遊技における賞球数(遊技の進行そのもの)に悪影響が及ぼされる可能性との兼ね合いで上述の遊技機会を利用するか否かを決断せざるを得ない遊技性、すなわち演出と遊技とが絡み合う斬新な遊技性を実現させることができるようになる。
しかも、例えば、そろそろ遊技を止めようと思いつつ遊技をしているときなど、現在の遊技状況によっては特に、こうした遊技性をうまく利用することで、遊技興趣の低下を抑制することができるようにもなる。また、こうした秘匿演出状態についての遊技者による終了操作を可能としつつも、通常時(遊技を継続したい遊技状況)においては大当たり遊技における賞球数との兼ね合いで同終了操作を単純に行うわけにはいかないことから、現在の遊技状態を推測させながら遊技を進行させる遊技性についてもこれを好適に維持することができるようになる。
この発明によれば、遊技興趣の低下を抑制することができる。
〔パチンコ遊技機の全体構造〕
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図8を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ機1の正面図であり、図4は、パチンコ機1の側面図であり、図5は、パチンコ機1の平面図であり、図6は、パチンコ機1の背面図であり、図7は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図8は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図8を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ機1の正面図であり、図4は、パチンコ機1の側面図であり、図5は、パチンコ機1の平面図であり、図6は、パチンコ機1の背面図であり、図7は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図8は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図8において、本実施形態に係るパチンコ機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101と該遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾カバー板15によって被覆されている下部前面板14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取り付けられ、本体枠3の後面開口580(図7参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250と、ハンドル装置460とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置460が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
〔外枠〕
外枠2について、主として図9乃至図13を参照して説明する。図9は、外枠2の正面斜視図であり、図10は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図11は、同外枠2の正面図であり、図12は、同外枠2の背面図であり、図13は、図11のB−B断面図(A)と図13(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。
外枠2について、主として図9乃至図13を参照して説明する。図9は、外枠2の正面斜視図であり、図10は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図11は、同外枠2の正面図であり、図12は、同外枠2の背面図であり、図13は、図11のB−B断面図(A)と図13(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。
図9及び図10において、本実施形態に係る外枠2は、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
なお、本実施形態における上枠板10及び下枠板11は、本発明の横枠に相当し、また、本例の左右の側枠板12,13は、本発明の縦枠に相当している。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方にそれぞれ形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図10の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図23参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。ただし、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図13(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図12に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図13(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図9に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図13(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、前記溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図9及び図13(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30(側枠板13の凹部30は図10に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取り付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12と下部前面板14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠部13には、連結部材19を取り付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取り付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取り付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13と下部前面板14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図67参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダー錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定される下部前面板14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、下部前面板14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されているが、装飾カバー板15の裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起16(図12参照)が突設され、その止着突起16が下部前面板14に貫通される止着穴17に貫通させられることにより下部前面板14に取り付けられている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に該本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45と下部前面板14の一側上面に沿って取り付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に該支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図25参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図26参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と前記取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、前記装飾カバー板15を介して前記下部前面板14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取り付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取り付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取り付けたときに、図11及び図12に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取り付けることができる。また、下支持金具66を取り付けたときにも、下部前面板14の上面と下支持金具66の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
〔扉枠〕
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図14乃至図19を参照して説明する。図14は、扉枠5の正面図であり、図15は、扉枠5の背面図であり、図16は、図14に表示されるA−A断面図であり、図17は、図14に表示されるB−B断面図であり、図18は、扉枠5の正面から見た分解斜視図であり、図19は、扉枠5の背面から見た分解斜視図である。
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図14乃至図19を参照して説明する。図14は、扉枠5の正面図であり、図15は、扉枠5の背面図であり、図16は、図14に表示されるA−A断面図であり、図17は、図14に表示されるB−B断面図であり、図18は、扉枠5の正面から見た分解斜視図であり、図19は、扉枠5の背面から見た分解斜視図である。
図14、図15、図18及び図19に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体100の上部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、該遊技窓101の前面周囲に扉レンズユニット120が取り付けられ、また、遊技窓101の下方の板状部の前面に扉枠本体100に皿ユニット300が設けられ、その皿ユニット300の一側(開放側)にハンドル装置460の操作ハンドル部461が突設固定されている。また、扉枠本体100の裏面には、遊技窓101の周囲に補強板金210が固定され、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250が取り付けられると共に、前記遊技窓101の下方の板状部の裏面に、前記操作ハンドル部461に対応するジョイントユニット480、装着台280、及び枠装飾中継基板290がそれぞれ取り付けられている。なお、ガラスユニット250の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー270も装着されている。以下、扉板5を構成する上記の各構成部材のより詳細な構造について説明する。
<扉枠本体>
図18及び図19に示すように、扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、後述するスピーカ163を貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方に後述するガラスユニット250の止め片254を係止するための止めレバー108(図15参照)が回動自在に設けられている。なお、本実施形態に係る遊技窓101は、従来に比べて上下方向及び左右方向の寸法が大きくなった遊技盤4が取り付けられるため、遊技窓101の上下方向及び左右方向の寸法も大きくなっている。このため、後述する扉枠レンズユニット120の形状が従来一般的に知られているものと大きく相違する。
図18及び図19に示すように、扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、後述するスピーカ163を貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方に後述するガラスユニット250の止め片254を係止するための止めレバー108(図15参照)が回動自在に設けられている。なお、本実施形態に係る遊技窓101は、従来に比べて上下方向及び左右方向の寸法が大きくなった遊技盤4が取り付けられるため、遊技窓101の上下方向及び左右方向の寸法も大きくなっている。このため、後述する扉枠レンズユニット120の形状が従来一般的に知られているものと大きく相違する。
一方、遊技窓101の下方の板状部には、軸支側上部に皿ユニット300の賞球連絡樋451が貫通する賞球通過口103が開設され、その斜め中央寄りに後述する側面開口蓋406を脱着するための蓋用開口105が開設され、その蓋用開口105の開放側の隣接する位置に球送りユニット287を装着するための球送り開口104が開設され、さらに球送り開口104のさらに開放側寄りにシリンダー錠1010が貫通するための錠穴106が開設されている。
また、球送り開口104の下方の板状部の裏面側にジョイントユニット480を取り付けるためのジョイントユニット装着凹部107が形成され、同じく下方の板状部の裏面側の遊技窓101の下部左右にガラスユニット250の掛止突片255を掛け止めるための係合受片(図示せず)が形成され、その係合受片の側方に防犯カバー270の後述する装着弾性片273が装着される装着開口部110が形成されている。また、板状部の前面中央には、前方に向って後述する皿ユニット300の案内穴456(図16参照)に挿入される係合突起111が形成されている。更に、扉枠本体100の下辺は、後方に突出した扉枠突片112となっており、後述するように、この扉枠突片112と本体枠3に形成される係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
<扉レンズユニット>
次に、上記した扉枠本体100の前面側の上部に取り付けられる扉レンズユニット120の構成について説明する。扉レンズユニット120は、前面側を反射面とするリフレクタと、リフレクタの前面及び内側に取り付けられる冷陰極管及びLED基板と、リフレクタの前方を覆う光透過性のあるレンズカバー150と、レンズカバー150に取り付けられるスピーカ163と、レンズカバー150のベースとなるレンズベース体121と、から構成されている。
次に、上記した扉枠本体100の前面側の上部に取り付けられる扉レンズユニット120の構成について説明する。扉レンズユニット120は、前面側を反射面とするリフレクタと、リフレクタの前面及び内側に取り付けられる冷陰極管及びLED基板と、リフレクタの前方を覆う光透過性のあるレンズカバー150と、レンズカバー150に取り付けられるスピーカ163と、レンズカバー150のベースとなるレンズベース体121と、から構成されている。
レンズカバー150は、レンズベース体121における上レンズカバー部151と、側方レンズカバー部156,157とが透過性の樹脂によって形成されている。そして、前述したように扉枠本体100に形成される遊技窓101の開口寸法が従来よりも大きく形成されているため、扉枠本体100の外周辺と遊技窓101の内周辺との間の寸法、換言するならば、レンズカバー150が取り付けられるための寸法(特に、左右両側部の寸法)が狭くなっているため、本実施形態におけるレンズカバー150は、上レンズカバー部151と側方レンズカバー部156,157のすべての最大前方突出部において、その基部寸法(扉枠本体100に当接する部分の幅寸法)に対して前方に向って突出する突出寸法が大きくなるような断面楔形状となっている。より詳細に説明すると、上レンズカバー部151及び側方レンズカバー部156,157は、共に白色レンズ部として断面楔状の前方膨出部が合成樹脂で成形され、その白色レンズ部の下部後端の遊技窓101を縁取る内側に着色の異なる合成樹脂で成形された赤色レンズ部を連結して構成されるものである。
ところで、上レンズカバー部151は、内部が空洞で後方が開放した断面楔状に形成されると共に平面視においてブーメラン形状に構成されるものであり、前述した「く」字状に形成される上冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、上レンズカバー部151の楔状先端部外側には、銀色に着色された不透明な先頭モール部材154が固着されており、上レンズカバー部151のほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を上冷陰極管で照明している。また、側方レンズカバー部156,157は、内部が空洞で後方が開放して断面楔状に形成される点で上レンズカバー部151と同様であるが、側方視において楔状の突出量が上レンズカバー部151に比べて少なく、また全体としてなだらかな曲線を有するブーメラン形状に構成されるものであり、前述した直線状に形成される側方冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。
また、本実施形態において、扉枠5の前面周囲を装飾する照明手段として冷陰極管を使用している理由は、以下の通りである。扉枠5の前面周囲を装飾する際に、発光源とその発光源の前面に配置されるレンズカバーの距離をあまり大きく取ることができないという制約がある。この制約は、扉枠5は常に開閉されるため、あまり突出量を大きくすると、開放時における作業等に支障を来たすおそれがあるからである。しかして、発光源とレンズカバーとの間の距離があまりとれない状況において、従来のように、発光源として、ランプやLEDを点在させた場合に、レンズカバーを通して視認できる光装飾は、連続した状態の光装飾が視認できるものではなく光が強い部分と弱い部分との斑模様に視認できるに過ぎない。これに対し、本実施形態のように、発光源として連続した冷陰極管を使用した場合に、冷陰極管とレンズカバー150との距離が短くても、レンズカバー150を通して視認できる光装飾は、連続した状態の美しい光装飾が視認できるものである。このため、正に遊技盤4を囲む領域が連続した美しい光装飾により縁取られた状態となるので、従来のパチンコ遊技機にはない装飾効果を奏することができる。なお、発光源とレンズカバーとの距離をある程度とることができる場合には、LED等の点在する発光源を使用しても光が拡散してレンズカバーの全域をあまり強弱がなく照明することができる。
更に、レンズカバー150の側方レンズカバー部156,157の下方に装飾部材取付領域184が形成され、その装飾部材取付領域184に装飾部材185が取り付けられている。この装飾部材185は、上記したスピーカカバー165と類似した形状にして、レンズカバー150を扉枠本体100の表面に取り付けたときに、レンズカバー150の上部左右と下部左右とがバランスのとれた印象を与えるために取り付けられるものである。なお、上記したスピーカカバー165及び装飾部材185は、上記したように単にスピーカ163の前方を覆ったり、あるいはレンズカバー150の下部を装飾したりするだけではなく、その周囲がLEDで光装飾される構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係るスピーカカバー165及び装飾部材185は、扉枠5の遊技窓101を囲む領域において、前述した冷陰極管及びLED基板による光装飾とは別に四隅を重点的に光装飾するように構成されているので、遊技窓101の下辺を除く全周が漫然と光によって装飾されるのではなく、強弱のある光装飾とすることができる。特に、扉枠5の左右上部における光装飾は、従来、スピーカだけが配置される傾向が強く、そのスピーカ周りの光装飾が行われないため遊技窓101の外周周りの光装飾に斑がある印象を与えていたが、本実施形態のように構成することにより、遊技窓101の下辺を除く全周を効果的に光装飾できるものである。
<補強板金>
扉枠本体100の前面側には、上記した扉レンズユニット120が取り付けられると共にその下方に皿ユニット300が取り付けられる。ここで、皿ユニット300の構造を説明する前に、扉枠本体100の裏面側に取り付けられる補強板金210、ガラスユニット250、防犯カバー270、装着台280、枠装飾中継基板290、ハンドル装置460について順次説明する。まず、補強板金210について主として図18、図19、及び図15乃至図17を参照して説明する。
扉枠本体100の前面側には、上記した扉レンズユニット120が取り付けられると共にその下方に皿ユニット300が取り付けられる。ここで、皿ユニット300の構造を説明する前に、扉枠本体100の裏面側に取り付けられる補強板金210、ガラスユニット250、防犯カバー270、装着台280、枠装飾中継基板290、ハンドル装置460について順次説明する。まず、補強板金210について主として図18、図19、及び図15乃至図17を参照して説明する。
補強板金210は、図18及び図19に示すように、扉枠本体100の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金211と、扉枠本体100の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金212と、扉枠本体100の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金213と、扉枠本体100の遊技窓101の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金214と、が相互にビス等で締着されて方形状に構成されるものである。
図18に示すように、軸支側補強板金212の上下端部には、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン219を有する上軸支部218と、その下面に軸ピン221(図15参照)を有する下軸支部220と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン219,221が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
下側補強板金214は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片229となっており、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片230となっているものの、その両側部の上折曲突片230に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片231となっている。下折曲突片229の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片229が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片230の突出量は下折曲突片229の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金214の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片231である。
この垂直折曲突片231は、その上端縁形状が後述するガラスユニット250のユニット枠251の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット250を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片231の上端片がガラスユニット250のユニット枠251の幅方向のほぼ中央の外周に沿って形成される係合溝261に係合するようになっている(図17参照)。なお、下側補強板金214には、扉枠本体100に形成される賞球通過口103の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部228が形成されている。
<ガラスユニット(透明板ユニット)>
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット250について説明する。ガラスユニット250は、図18及び図19に示すように、遊技窓101よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠251と、ユニット枠251の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板262(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を(ホットメルト系接着剤で)接着することにより構成されるものである。なお、図示は省略するが、ユニット枠251には、内部に乾燥剤を封入する乾燥剤封入空間部が形成されている。
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット250について説明する。ガラスユニット250は、図18及び図19に示すように、遊技窓101よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠251と、ユニット枠251の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板262(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を(ホットメルト系接着剤で)接着することにより構成されるものである。なお、図示は省略するが、ユニット枠251には、内部に乾燥剤を封入する乾燥剤封入空間部が形成されている。
<防犯カバー>
次に、上記したガラスユニット250の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与された防犯カバー270について、主として図15、図17、図18、及び図19を参照して説明する。防犯カバー270は、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金212,213の間のガラスユニット250の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部271として形成されていると共に、その当接凹部271に沿って後方に向って防犯後突片274が突設されている。また、防犯カバー270を取り付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片275が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー270の前面には、防犯カバー270を取り付けた状態で前記ガラスユニット250のユニット枠251の下方形状に沿った防犯前突片272が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片273が前方に向けて突設形成されている。
次に、上記したガラスユニット250の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与された防犯カバー270について、主として図15、図17、図18、及び図19を参照して説明する。防犯カバー270は、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金212,213の間のガラスユニット250の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部271として形成されていると共に、その当接凹部271に沿って後方に向って防犯後突片274が突設されている。また、防犯カバー270を取り付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片275が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー270の前面には、防犯カバー270を取り付けた状態で前記ガラスユニット250のユニット枠251の下方形状に沿った防犯前突片272が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片273が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー270は、装着弾性片273を扉枠本体100に形成される装着開口部110に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取り付けられる。そして、取り付けた状態では、図17に示すように、防犯前突片272がガラスユニット250のユニット枠251の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片272の前端は、垂直折曲突片231と当接している。また、防犯後突片274及び防犯後端部突片275は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片274の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片274の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片275は、本体枠3の軸支側に形成される前記防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図30参照)。
しかして、防犯カバー270を取り付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片112と係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片285と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット250の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片272とユニット枠251との重合により、防犯カバー270の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片274と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー270の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片275との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片274との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金213の二重の折曲突片223,225による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー270の裏面側の防犯後突片274と防犯後端部突片275との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、当該誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板262への衝突を防止する機能も有している。
<装着台>
装着台280は、図15、図18、及び図19に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー270と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台280は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台280の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台280の後面に球飛送誘導面286が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台280には、その軸支側上部に下側補強板金214に形成される賞球通過口被覆部228の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口281が形成され、その開放側下部に球送りユニット287を取り付ける球送りユニット取付凹部282が形成されている。この球送りユニット取付凹部282から斜め方向の領域が球飛送誘導面286となっている。また、球送りユニット取付凹部282に取り付けられる球送りユニット287は、後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部の流下端にある球を発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台280の中程下部に後述する側面開口蓋406を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口283が形成されている。更に、装着台280の上辺の一部に垂直に立設される立壁284が形成されている。この立壁284は、図15に示すように、前記防犯カバー270を取り付けたときに、該防犯カバー270の前面と当接して防犯カバー270の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
装着台280は、図15、図18、及び図19に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー270と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台280は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台280の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台280の後面に球飛送誘導面286が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台280には、その軸支側上部に下側補強板金214に形成される賞球通過口被覆部228の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口281が形成され、その開放側下部に球送りユニット287を取り付ける球送りユニット取付凹部282が形成されている。この球送りユニット取付凹部282から斜め方向の領域が球飛送誘導面286となっている。また、球送りユニット取付凹部282に取り付けられる球送りユニット287は、後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部の流下端にある球を発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台280の中程下部に後述する側面開口蓋406を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口283が形成されている。更に、装着台280の上辺の一部に垂直に立設される立壁284が形成されている。この立壁284は、図15に示すように、前記防犯カバー270を取り付けたときに、該防犯カバー270の前面と当接して防犯カバー270の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、本実施形態に係る装着台280の特徴は、上述した球飛送誘導面286の下方から賞球通過口用開口281にかけて斜め状に防犯突片285が後方に向って突設される構造である。この防犯突片285は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
<枠装飾中継基板>
上記した装着台280の下部の軸支側には、図15及び図18に示すように、枠装飾中継基板290が取り付けられ、その枠装飾中継基板290の後面を覆う中継基板カバー291が取り付けられている。この枠装飾中継基板290は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管、LED基板、スピーカ163、操作ハンドル部461内に設けられるスイッチ、貸球ユニット327、操作ボタンユニット329等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継基板290からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板1186や遊技盤4に取り付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板1350(図78及び図131を参照)に接続されている。
上記した装着台280の下部の軸支側には、図15及び図18に示すように、枠装飾中継基板290が取り付けられ、その枠装飾中継基板290の後面を覆う中継基板カバー291が取り付けられている。この枠装飾中継基板290は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管、LED基板、スピーカ163、操作ハンドル部461内に設けられるスイッチ、貸球ユニット327、操作ボタンユニット329等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継基板290からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板1186や遊技盤4に取り付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板1350(図78及び図131を参照)に接続されている。
<皿ユニット>
次に、主として図14、図18及び図19を参照して皿ユニット300の構成について説明する。皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、ユニット枠301の内部に取り付けられる下部スピーカユニット340と、下部スピーカユニット340の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体380と、皿体380に設けられる第二球抜弁の球抜き動作をするための第二球抜きリンクユニット(図示せず)と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋板450と、から構成されている。
次に、主として図14、図18及び図19を参照して皿ユニット300の構成について説明する。皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、ユニット枠301の内部に取り付けられる下部スピーカユニット340と、下部スピーカユニット340の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体380と、皿体380に設けられる第二球抜弁の球抜き動作をするための第二球抜きリンクユニット(図示せず)と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋板450と、から構成されている。
ユニット枠301には、貸球ユニット327が備えられている。この貸球ユニット327は、パチンコ機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。また、ユニット枠301には、上面の前方中央に操作ボタンユニット329が備えられている。なお、操作ボタンユニット329は、複数(図示の場合は3個)の押ボタン330a,330b,330cを有して構成されているが、この複数の操作ボタン330は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置640等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。
更に、皿ユニット300には、ユニット枠301の上面右側に、第一球抜ボタン316が配置されていると共に、ユニット枠301の中央下部に、第二球抜リンクユニットの一部を構成する第二球抜ボタン421が配置されている。なお、本実施形態において、第一球抜ボタン316と第二球抜ボタン421の2つの球抜ボタン316,421を設けたのは、第一球抜ボタン316の操作によって、皿体380の貯留部381及び誘導通路部に貯留されているすべての球を球抜きすることができるものの、その球抜動作は、誘導通路部382で一列状に整列された球を球抜するために多少時間がかかるのに対し、第二球抜ボタン421の操作によって、皿体380の貯留部381から上流側の球を径の大きな第二球抜開口から素早く球抜することができるため、球抜時間を短くすることができる。このため、遊技者が球抜きにかける時間の長短を選択することができるものである。
また、遊技中に大当たりとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図57参照)が機能して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当たり中であるにもかかわらず遊技が継続できなくなるおそれがあり、このような場合に、第二球抜ボタン421の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当たり中の遊技を継続することができるようになっている。
<ハンドル装置>
次に、扉枠5の開放側下部に取り付けられるハンドル装置460について、主に図18、図19、及び図20を参照して説明する。図20は、ハンドル装置460と本体枠3に設けられる打球発射装置650との関係を示す斜視図である。ハンドル装置460は、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部461と、操作ハンドル部461に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部461の回動操作に応じて回転する回転軸465と連携され且つ回転軸465の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット480と、から構成されている。
次に、扉枠5の開放側下部に取り付けられるハンドル装置460について、主に図18、図19、及び図20を参照して説明する。図20は、ハンドル装置460と本体枠3に設けられる打球発射装置650との関係を示す斜視図である。ハンドル装置460は、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部461と、操作ハンドル部461に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部461の回動操作に応じて回転する回転軸465と連携され且つ回転軸465の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット480と、から構成されている。
このハンドル装置460には、図示は省略するが、操作ハンドル部461を回転操作するとONとなるマイクロスイッチと、マイクロスイッチがONとなっている状態で押圧操作するとマイクロスイッチがOFF状態となる単発ボタンと、操作ハンドル部461の外周表面に施された導電性のメッキを介して遊技者の操作ハンドル部461への接触を検知するタッチセンサとを備えている。そして、遊技者が操作ハンドル部461を回動してマイクロスイッチがONとなり且つタッチセンサが接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図37参照)が回転駆動されるようになっている。また、回転軸465の先端には、勾玉状に形成されたカムが固定されており、このカムが回転することで、ジョイントユニット480のスライド突片492が左右方向に移動するようになっている。
このジョイントユニット480のスライド突片492のスライド移動が、図20に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図37参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置460と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
〔本体枠〕
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800(本発明の払出ユニットに相当)と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が本体枠主体500に装着されることにより構成される本体枠3について、図面を参照して説明する。
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800(本発明の払出ユニットに相当)と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が本体枠主体500に装着されることにより構成される本体枠3について、図面を参照して説明する。
まず、図21〜図29を参照して、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図21は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図22は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図23は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図24は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図25は、部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図26は、部品を取り付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図27は、部品を取り付けた本体枠3の背面図であり、図28は、部品を取り付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図29は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。
図21において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図25参照)を取り付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取り付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺とほぼ同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺とほぼ同一平面状となっている(図27参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図25と図27を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部220を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部220に突設される軸ピン221を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図25参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金211の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片215,216がそれぞれ挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金213の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片223及び開放側内折曲突片225がそれぞれ挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端部が当接するようになっている。そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金212と軸支側L字状折曲突片217との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取り付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図67参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図21に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図21乃至図26を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512のほぼ中央に、当該載置部512に遊技盤4を載置したときに遊技盤4に形成されるアウト口606(図30参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図21に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図25参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図30参照)と隣接するようになっている。また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図25参照)の上端部を取り付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、前記遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット480のスライド突片492と連携されるスライド部材710(図41参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、該ハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図37参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダー錠1010が貫通するシリンダー錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図22に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図25参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図73参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取り付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取り付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図24に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図24に示すように、軸支側の端部上面に前記球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図25参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図57参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図25に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図25に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、該第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、該第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、該第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図29参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取り付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図63参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図23に示すように、それぞれ奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さとほぼ同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かってほぼ当該第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図5に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722とほぼ同じ位置となるように形成されている。これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図22及び図24に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546がそれぞれパチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取り付ける幅があれば充分である。また、上後面壁545は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。したがって、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
なお、本実施形態における第一側面壁540は、本発明の前側面壁に相当し、本例の第二側面壁、第三側面壁、及び第四側面壁は、本発明の後側面壁に相当している。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図22参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取り付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図22参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダー錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取り付けられるようになっている。
また、図24に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取り付けたときには、図28に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取り付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺がほぼ一致(図5参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取り付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図45参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取り付けることができる。また、タンクレール部材740を取り付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取り付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。タンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース接続具207は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図22及び図24に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取り付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取り付けたときに、該球通路ユニット770の球落下通路772(図50参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図50参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図52参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図52参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図52参照)の端部が受け入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図25参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して前記係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取り付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、該カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図28参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568を一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図28参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠本体100の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片112,113(図19参照)が挿入される係合溝584,585(図21参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、前記係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片112は、係合溝584に対応する扉枠突片113の突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片112が僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片112,113と係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511のほぼ中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片112と係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511のほぼ中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片112と係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取り付けられる装着台280には、扉枠5を閉じた状態で該空間586に侵入する防犯突片285が形成されている。この防犯突片285は、板部511のほぼ中程から軸支側端部までいたるように装着台280に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取り付けられる外レール602の下方空間は、装着台280に突設される防犯突片285を受け入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片285と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取り付けられるが、以下、これらを順次説明する。
<遊技盤の概略構成>
遊技盤4の概略構成について図30乃至図35を参照して説明する。図30は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図31は、遊技盤4の正面図であり、図32は、遊技盤4の背面図であり、図33は、遊技盤4の平面図であり、図34は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図35は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。
遊技盤4の概略構成について図30乃至図35を参照して説明する。図30は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図31は、遊技盤4の正面図であり、図32は、遊技盤4の背面図であり、図33は、遊技盤4の平面図であり、図34は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図35は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。
図30において、遊技盤4は、透明板状の遊技パネル599を保持したほぼ正方形状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の前面に遊技領域605を囲むように取り付けられる前構成部材601と、から構成されている。遊技パネル599の表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に前構成部材601がパネルホルダ600の前面に取り付けられるが、その前構成部材601は、遊技パネル599の周囲を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がパネルホルダ600の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の前記衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に前記発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取り付けられている。なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後端部突片275と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の前構成部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後突片274の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される前記盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される前記盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。しかして、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
ところで、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図30及び図34に示すように、遊技盤4の下方の前記通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、前構成部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、そのほぼ中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図35参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図34に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に前記扉枠5の裏面に設けられるスピーカ163の後方突出部分を受け入れるようにスピーカ用切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、前構成部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、大入賞口装置や一般入賞口等の入賞口)に入賞した球を下流側に整列して誘導する入賞空間形成カバー体621(後述では裏箱2002と称す)が取り付けられており、その入賞空間形成カバー体621の裏面に遊技領域605のほぼ中央に配置される表示装置としての液晶表示装置640(図74等参照)の表示を制御する液晶制御基板2612(図132参照。)が収納される表示制御基板ボックスとしての液晶表示制御基板ボックス622が取り付けられている。なお、この液晶表示基板ボックス622には、後述する周辺制御基板2600(図132参照。)も収納されており、周辺制御基板2600と液晶制御基板2612とが基板コネクタによって電気的に接続された状態となっている。
更に、遊技盤4の裏面には、入賞空間形成カバー体621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に前記入賞空間形成カバー体621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が入賞空間形成カバー体621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図29参照)が形成されている。この落下口629は、前記アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図73参照)に連通するものである。また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板1350を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板等と接続するための中継端子板625と、が取付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に前記基板ユニット1100に設けられるドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が設けられている。また、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図73参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
<打球発射装置>
打球発射装置650について図36乃至図41を参照して説明する。図36は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図37は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図38は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図39は、操作ハンドル部461を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図40は、操作ハンドル部461を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図41は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650について図36乃至図41を参照して説明する。図36は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図37は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図38は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図39は、操作ハンドル部461を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図40は、操作ハンドル部461を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図41は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取り付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図37に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、そのほぼ中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取り付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。スライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図38に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、前記軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、前記扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口288(図15参照)に臨んで設けられている供給揺動片289(図15参照)と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が供給揺動片289を揺動させ、供給揺動片289の揺動動作により打球供給口288から流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、前記スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665がほぼ密着するように取り付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663にそれぞれ対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、それぞれの貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取り付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図37に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に前記軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取り付けられる。そして、取り付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取り付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取り付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に前記作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取り付けられる。より具体的には、図38(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、該円筒部の前方に拡大して前記モータ取付ボス661に取り付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図39参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛み合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取り付けたときには、図36(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図41に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、さらに該楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、前記扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット480のスライド突片492が挿入される挿入空間714となっている。しかして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片492が挿入空間714に挿入された状態では、図41(B)に示すように、スライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
しかして、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図38(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図38(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図38(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図39に示すように、該スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672がほぼ垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図39において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図38(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図40に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図40において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464の回動操作に応じて移動するジョイントユニット480のスライド体483の移動と連動するようになっている。この点について図20、を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464を回転させることにより、回転軸465の先端に固着される勾玉状のカム466も回転するため、ジョイントユニット480のスライド体483が収納体481の内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体483の前面に突設されるスライド突片492も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体483のスライド突片492は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片492が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置460の回動操作部材464を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置460が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置460のスライド突片492と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片492がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置460と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片492が挿入空間714から離れてハンドル装置460と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置460と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片492が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片492の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片492がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部461の回動操作部材464に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片492が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片492の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片492の傾斜辺493とスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片492とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部461の回動操作部材464がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置460と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
<賞球タンク>
次に、本体枠3の裏面上部に取り付けられる賞球タンク720について、主として図42を参照して説明する。図42は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、前記タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の前記第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取り付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取り付けられるようになっている。
次に、本体枠3の裏面上部に取り付けられる賞球タンク720について、主として図42を参照して説明する。図42は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、前記タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の前記第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取り付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取り付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取り付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取り付けられるが、この取り付けられた状態においては、図28に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図5に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅とほぼ同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。しかして、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図43を参考にして説明する。図43は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図43(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図43(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基づく賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図43(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
<タンクレール部材>
上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図44乃至図46を参照して説明する。図44は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図45は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図46は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図44乃至図46を参照して説明する。図44は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図45は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図46は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図5に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図22参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740の2列のそれぞれの通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。更に、タンクレール部材740の下流端部には、それぞれの通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747の歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図46に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛み合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
<球通路ユニット>
上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主として図47乃至図51を参照して説明する。図47は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図48は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図49は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図50は、球通路ユニット770の正面図であり、図51は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図48及び図49において、賞球ユニット800部分は、ギヤカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギヤ等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主として図47乃至図51を参照して説明する。図47は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図48は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図49は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図50は、球通路ユニット770の正面図であり、図51は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図48及び図49において、賞球ユニット800部分は、ギヤカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギヤ等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
球通路ユニット770は、ほぼ長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図46(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、該前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、該左右屈曲通路部772bに連通してほぼ垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。前後屈曲通路部772aは、図46(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742のほぼ中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される前記賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図50に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770のほぼ横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。更に、垂直通路部772cもほぼ垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取り付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取り付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は同じく軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取り付けるには、図47に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図49に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図51(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図51(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
しかして、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図51(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742のほぼ中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
<賞球ユニット>
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主として図52乃至図55を参照して説明する。図52は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図53は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図54は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図55は、図54のA−A断面図である。
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主として図52乃至図55を参照して説明する。図52は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図53は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図54は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図55は、図54のA−A断面図である。
図52において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、該ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、該ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取り付けられる中継基板830と、前記ユニットサブ板825のほぼ中央表面領域(後面側領域)に設けられるギヤ群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギヤカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、ほぼ長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側のほぼ中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた前記屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって当該球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、該通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、払出球検出センサ812が着脱自在に装着されている。払出球検出センサ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取り付けられるものである。なお、払出球検出センサ812からの配線(図示しない)は、後述する中継基板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取り付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取り付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギヤ843が固着されるようになっている。また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取り付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギヤカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。ボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取り付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図47に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギヤカバー866の取付穴867に対応させ、そのギヤカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取り付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取り付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、中継基板830を取り付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギヤ843,844,847や検出円盤850が取り付けられるギヤ領域840が形成されている。中継基板領域826は、ほぼ正方形状に形成され、その正方形状に沿って中継基板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と中継基板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取り付けられる中継基板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した払出球検出センサ812、払出モータ815、及び後述するセンサ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図25及び図72参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と前記取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、中継基板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより中継基板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取り付けられる中継基板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、ほぼ正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺のほぼ中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で中継基板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、中継基板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギヤ領域840に設けられるギヤ843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギヤ843(駆動ギヤ)が固着されている。第一ギヤ843の上方には、該第一ギヤ843と噛合する第二ギヤ844(回転伝達ギヤ)がギヤカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギヤ844の上方には、該第二ギヤ844と噛合する第三ギヤ847(回転伝達ギヤ)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギヤ847の上方には、該第三ギヤ847と噛合するギヤ部852(従動ギヤ)を有する検出円盤850が前記スプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。なお、図55に示すように、モータ軸818の先端部がギヤカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギヤカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギヤ領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギヤカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図55に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギヤ843、第二ギヤ844、第三ギヤ847、検出円盤850のギヤ部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
検出円盤850の外周は、ギヤ部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギヤ部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式のセンサ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、センサ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、センサ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる払出球検出センサ812によって検出して計数のために使用している。なお、図55に示すように、センサ基板854の他端辺もギヤカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギヤ領域840に設けられる複数のギヤのうち、第二ギヤ844だけがギヤカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギヤ領域840を覆うギヤカバー866には、前記ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギヤカバー866側に設けられる第二ギヤ844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギヤ843及び第三ギヤ847の歯とを噛み合わせながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギヤカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でベースユニット体451とギヤカバー866とが一体的に固定される。また、ギヤカバー866の一側側面には、前記中継基板830に接続される配線(例えば、中継基板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と中継基板830と基板カバー835とギヤカバー866とを組み付けた状態においては、図55に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギヤ領域840に設けられる複数のギヤ843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。また、このような賞球ユニット800は、当該賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取り付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図55において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図25に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取り付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
また、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取り付けるためには、図47に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記のそれぞれの係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取り付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取り付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
<満タンユニット>
上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図56乃至図62を参照して説明する。図56は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図57は、満タンユニット900の斜視図であり、図58は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図59は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図60は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図61は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図62は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図56乃至図62を参照して説明する。図56は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図57は、満タンユニット900の斜視図であり、図58は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図59は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図60は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図61は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図62は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図58に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、該ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて該球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて該前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋451に導かれる。
ところで、前記逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放されたほぼ正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、ほぼ正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て前記軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。また、底面揺動板907の裏面中央には、図61に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取り付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図60に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、前記出口921の両側方と前記ファール球入口923の一側方に前記満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、前記側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の前記掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図56に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を前記側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図61の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図61の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅とほぼ同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
上記したように、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取り付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
<錠装置>
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取り付けられる錠装置1000について主として図63乃至図71を参照して説明する。図63は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図64は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図65は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図66は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図67は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図68は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図69は、錠装置1000の分解斜視図であり、図70は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図71は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取り付けられる錠装置1000について主として図63乃至図71を参照して説明する。図63は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図64は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図65は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図66は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図67は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図68は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図69は、錠装置1000の分解斜視図であり、図70は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図71は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3のほぼ上端から下端にかけて取り付けられるものであり、図63に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダー錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図67乃至図69に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、該コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、前記コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、該本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取り付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取り付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図69参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図69参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。ビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図64参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダー錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取り付けられるようになっている。
また、その取り付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。換言するならば、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取り付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052にそれぞれ1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図68(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図68(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダー錠1010を取り付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022がそれぞれ形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダー錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダー錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取り付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取り付けるためのビス止め部1003が穿設されている。また、挿入縦開口1020は、シリンダー錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダー錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取り付けられるシリンダー錠1010について説明すると、シリンダー錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダー錠本体が固定され、そのシリンダー錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダー錠1010は、円筒状のシリンダー錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダー錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取り付けられる不正防止部材1023,1032,について図69を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダー錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取り付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取り付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に前記挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図71(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、前記突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、該規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に前記不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を前記挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図21及び図22参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー227(図15参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー227との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、前記リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、該リベット用長穴1042のうちの最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、それぞれ相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、前記不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066がそれぞれ形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取り付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取り付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダー錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダー錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダー錠1010を錠取付片1008に取り付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図63に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取り付けられた錠装置1000の作用について図70及び図71を参照して説明する。まず、図70を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図70(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー227とが係止した状態となっている。その状態でシリンダー錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図70(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダー錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー227と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図70(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー227の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー227とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長とほぼ同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面のほぼ全長に亘って取り付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダー錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダー錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図71を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図71(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダー錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図71(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図71(A)に示す状態とほぼ同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図71(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダー錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取り付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。また、錠装置1000の取り付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダー錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダー錠1010を錠取付片1008に取り付けるビス1012を利用して、該ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダー錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。更に、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
<基板ユニット>
次に、本体枠3の裏面下部に取り付けられる基板ユニット1100について、主として図72及び図73を参照して説明する。図72は、基板ユニット1100を背面側から見た斜視図であり、図73は、基板ユニット1100を前面側から見た斜視図である。
次に、本体枠3の裏面下部に取り付けられる基板ユニット1100について、主として図72及び図73を参照して説明する。図72は、基板ユニット1100を背面側から見た斜視図であり、図73は、基板ユニット1100を前面側から見た斜視図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図22,図24参照)に取り付けられるものであり、図示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板、及び副ドロワ中継基板の各種基板を取り付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取り付けられ、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取り付けられるものである。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板等からの電磁波の影響を防止するためにシールド板が取り付けられ、また、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、基板カバー1109に被覆されて取り付けられている。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図示すように、その後面側一側部に配線用開口1124が形成され、図示は省略するが、配線用開口1124の内側に扉中継基板を取り付けるための中継基板用凹部が形成されている。この枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取り付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、該取付片1122を本体枠3の前記取付穴部527(図22参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取り付けられる。なお、取付穴部527は、図24に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図73の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側のほぼ中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図31参照)、球抜排出通路524(図22参照)の下流側、及び落下口629(図29参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取り付けたときには、図25に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ遊技機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
基板カバー1109には、主ドロワ中継基板に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口が開設されている。
払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板が固定されるボックス主体と、ボックス主体に取り付けられて払出制御基板の表面を覆うカバー体と、から構成されている。ボックス主体とカバー体とは、その一側辺を係合させ、その他側辺に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体とカバー体とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができるようになっている。
<カバー体>
次に、カバー体1250について、図6、図24及び図28を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側のほぼ中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
次に、カバー体1250について、図6、図24及び図28を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側のほぼ中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250においては、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253が形成され、また、本体枠3の施錠壁569に突設される施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254が形成され、更に詳細に図示しないが、次に説明する第二実施形態に係るカバー体1270と同じように、接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブが形成されている。これら接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブは、第二実施形態に係るカバー体1270の接続操作用開口1283、立壁1284、当接突起1285、補強リブ1286と同じ位置に設けられて同じ機能を奏するものである。しかして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
<遊技盤の詳細構成>
遊技盤4の詳細な構成について、主に図74乃至図82を参照して説明する。図74は、遊技盤を可動装飾体が通常の状態で示す正面図であり、図75は、遊技盤を可動装飾体が可動した状態で示す正面図である。また、図76は、遊技盤を斜め前から見た斜視図であり、図77は、遊技盤を斜め後から見た斜視図であり、図78は、図74におけるA−A断面図であり、図79は、図74におけるB−B断面図であり、図80は、図74におけるC−C断面図であり、図81は、遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め前から見た斜視図であり、図82は、図81の分解図を斜め後から見た斜視図である。
遊技盤4の詳細な構成について、主に図74乃至図82を参照して説明する。図74は、遊技盤を可動装飾体が通常の状態で示す正面図であり、図75は、遊技盤を可動装飾体が可動した状態で示す正面図である。また、図76は、遊技盤を斜め前から見た斜視図であり、図77は、遊技盤を斜め後から見た斜視図であり、図78は、図74におけるA−A断面図であり、図79は、図74におけるB−B断面図であり、図80は、図74におけるC−C断面図であり、図81は、遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め前から見た斜視図であり、図82は、図81の分解図を斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置される透明板状の遊技パネル599と、遊技パネル599の外周を覆うと共に遊技パネル599を前側から着脱可能に保持し、前構成部材601の後側に取付けられる枠状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の後側に取付けられる裏ユニット2000と、裏ユニット2000の後側に配置され所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置640と、パネルホルダ600の後側に固定され裏ユニット200及び液晶表示装置640の下部を覆い後側に主制御基板ボックス624が固定される盤用基板ホルダ623と、前構成部材601に配置される図柄表示装置1800とを備えている。
遊技盤4における遊技パネル599は、その略中央部分に配置される枠状のセンター役物1400と、センター役物1400の下側且つアウト口606の上側で遊技領域605の左右方向略中央に配置されるアタッカユニット1500と、センター役物1400の左右両側の遊技領域605内に配置され遊技球が通過可能とされた普図ゲート1600と、アタッカユニット1500の左右両側で遊技領域605の外周に略沿うように配置されるサイド入賞口部材1700と、センター役物1400の左側上方の肩口(詳しくはセンター役物1400の左側に向けて発射された遊技球が常に通過しうる経路)に配置された特図ゲートA1900と、センター役物1400の右側上方の肩口(詳しくはセンター役物1400の右側に向けて発射された遊技球が常に通過しうる経路)に配置された特図ゲートB1910とを前面側に支持している。
また、遊技盤4のセンター役物1400は、左右の外周面に遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1402と、ワープ入口1402に進入した遊技球を枠内の内側へ導くワープ通路1404と、ワープ通路1404を流通した遊技球を左右方向へ転動させた後にセンター役物1400よりも下側の遊技領域605内へ放出可能なステージ1406とを備えている。
また、遊技盤4のアタッカユニット1500は、左右方向の略中央に配置され上方側に開放されて遊技球を常時入賞(受入)可能とされた第一始動口1502と、第一始動口1502の下側に配置され開閉可能な一対の可動片1504によって遊技球が入賞可能な状態と入賞不能な状態とに変化する第二始動口1506と、第二始動口1506の下側に配置され第二始動口1506よりも左右方向へ大きく延びる開閉部材1508の開閉によって遊技球が入賞可能な状態と入賞不能な状態とに変化する大入賞口1510とを備えている。
更に、遊技盤4のサイド入賞口部材1700は、左右方向及び上下方向に所定距離離れた位置に配置され上方側に開放されて遊技球を常時受入可能とされた二つの一般入賞口1702を夫々備えている。
また、遊技盤4の図柄表示装置1800は、図74及び図76に示すように、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置されており、第一始動口1502への遊技球の入賞を契機として変動表示される第一特別図柄表示器1802と、第二始動口1506への遊技球の入賞を契機として変動表示される第二特別図柄表示器1804と、普図ゲート1600を遊技球が通過することで変動表示が開始される普通図柄表示器1806と、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804が変動表示中に第一始動口1502へ遊技球が入賞した場合に変動表示の開始を保留した記憶数を表示する第一特別図柄記憶数表示器1808と、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804が変動表示中に第二始動口1506へ遊技球が入賞した場合に変動表示の開始を保留した記憶数を表示する第二特別図柄記憶数表示器1810と、普通図柄表示器1806が変動表示中に普図ゲート1600を遊技球が通過した場合に変動表示の開始を保留した記憶数を表示する普通図柄記憶数表示器1812と、主制御基板1350の内部的な制御状態を示す状態表示器1816とを備えている。
図柄表示装置1800の第一特別図柄表示器1802と第二特別図柄表示器1804は、夫々7セグメントLEDにより構成されており、各セグメントの組み合わせ態様によって、第一始動口1502や第二始動口1506への始動入賞により取得された特別図柄についての当否判定処理の結果を示唆するようになっている。具体的には、第一始動口1502及び第二始動口1506へ始動入賞に基づいて7セグメントLEDにて特別図柄の変動表示を開始し、所定期間の経過後(第一特別図柄変動パターン選択手段2564で選択した第一特別図柄変動パターン及び第二特別図柄変動パターン選択手段2574で選択した第二特別図柄変動パターンに応じた変動時間の経過後)に特別図柄の変動表示を停止して7セグメントLEDに所定の態様を表示する。また、普通図柄表示器1806は、二色の色(本例では赤色と緑色)に発光可能なLEDにより構成されており、遊技球が普図ゲート1600を通過することで抽選される普通抽選結果を発光色によって示唆するようになっている。なお、普図ゲート1600を遊技球が通過して普通図柄表示器1806が当たりを示唆する色(例えば、緑色)に発光すると、第二始動口1506を閉鎖する一対の可動片1504が所定時間(例えば、0.5秒)拡開して遊技球が第二始動口1506へ入賞可能となるようになっている。
また、第一特別図柄記憶数表示器1808、第二特別図柄記憶数表示器1810、及び普通図柄記憶数表示機1812は、夫々二つのLEDによって構成されており、各LEDの点灯・点滅の組み合わせによって保留された記憶数(例えば、最大四つ)を示唆するようになっている。
また、図柄表示装置1800には、第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810とは別に、「大当たり遊技」のときに、開閉部材1508が連続して作動するラウンド数を表示するラウンド表示器1814、を更に備えられている。なお、「大当たり遊技」は、役物としてのアタッカユニット1500の開閉部材1508が予め決められた所定ラウンド数にいたるまで連続して作動する遊技であり、開閉部材1508が開閉作動することによって大入賞口1510への遊技球の入賞の容易化が図られる。大入賞口1510に遊技球が入賞すると、賞球払出制御基板1186により所定数の遊技球が賞球として払い出される。「大当たり遊技」のときにアタッカユニット1500の開閉部材1508が連続して作動するラウンド数は、詳細は後述するが、第一始動口1502への始動入賞に基づいて取得された第一特別図柄の当否判定用乱数(以下、「第一特別乱数」と称する)や第二始動口1506への始動入賞に基づいて取得された第二特別図柄の当否判定用乱数(以下、「第二特別乱数」と称する)についての当否判定処理の結果(以下、「特別抽選結果」と称する)として条件装置が作動し、当該条件装置が作動したのちに特図ゲートA1900と特図ゲートB1910とのうちいずれを遊技球が通過したかに基づいて決定される。ラウンド表示器1814は、三つのLEDから構成されており、点灯するLEDの位置によって「4R(ラウンド)当たり」、「8R(ラウンド)当たり」、「15R(ラウンド)当たり」の何れかを表示することができるようになっている。
なお、本実施形態では、「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」の全てに当たりについて、1ラウンド当たりに遊技者に払い出されうる賞球数の期待値が同じとなっている。すなわち、「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」のいずれの当たりであったとしても(当たりの種類を問わず)、1ラウンドとしてのアタッカユニット1500(詳しくは開閉部材1508)の作動態様が同じとなる。1ラウンドとしてのアタッカユニット1500の作動態様は、最大作動時間と最大入賞数とにより予め設定されている。そして、アタッカユニット1500は、当該アタッカユニット(詳しくは開閉部材1508)の作動(開放)時間が最大作動時間にいたったとき、および、当該アタッカユニット(詳しくは大入賞口1510)への入賞が最大入賞数にいたったとき、のいずれかを満たすと、1ラウンドとしての作動が終了する。
さらに、図柄表示装置1800には、状態表示器1816が備えられており、確変機能が作動しているときは例えば赤色に点灯し、条件装置が作動しているにもかかわらず大当たり遊技の実行中でない後述する特殊状態であるときは例えば緑色に点灯する。ただし、遊技状態が秘匿状態とされているときは、たとえ確変機能が作動していたとしても赤色に点灯せずに遊技状態が秘匿にされる。特殊状態であるか否かについては秘匿状態にされないので、条件装置が作動していれば常に緑色に点灯する。
この遊技盤4は、図示は省略するが、遊技パネル599の前面に複数の障害釘が所定配列で植設されている。また、遊技パネル599は透明板状とされており、遊技者側から遊技パネル599の後側を視認することができるようになっている。この遊技パネル599には、前後方向に貫通し内周形状が所定形状とされた開口部599e(図84及び図85等を参照)が複数形成されており、これら開口部599eに対応して、センター役物1400、アタッカユニット1500、普図ゲート1600、サイド入賞口部材1700、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910が夫々前側から遊技パネル599に固定されている。
また、遊技盤4における遊技パネル599の後側に配置される裏ユニット2000は、図示するように、遊技パネル599から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置640を支持する裏箱2002と、裏箱2002の前端に遊技パネル599の後面と近接するように支持される円環板状の発光装飾体2004と、発光装飾体2004と液晶表示装置640とで形成される収容空間2010内に配置され裏箱2002内を移動する可動装飾体2006とが備えられている。そして、これら裏ユニット2000の発光装飾体2004及び可動装飾体2006は、遊技パネル599の透明部分や開口部599e等を通して遊技者側から視認できるようになっている。これにより、本例のパチンコ機1では、遊技パネル599の後側すなわち遊技領域605の後側に、発光装飾体2004や可動装飾体2006が見えるこれまでのパチンコ機には無い特徴的な外観を有し、他のパチンコ機との差別化して遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
この裏ユニット2000における可動装飾体2006は、詳細な構成は後述するが、液晶表示装置640の上部前面に配置され、左右方向に移動可能とされると共に液晶表示装置640の表示画面を打撃する回動可能な槌部2202を有したセンター可動装飾体2200と、液晶表示装置640の左右両側前面に配置され、左右方向へ移動可能とされたサイド可動装飾体2300と、液晶表示装置640の下部前面に配置され、表示画面上に昇降可能とされたアンダー可動装飾体2400とを備えている。このサイド可動装飾体2300は、左右方向へ移動することで、互いに接近した接近位置と、互いに離反した離反位置とに位置することができるようになっており、液晶表示装置640の表示画面における遊技者側から視認できる視認範囲を狭くしたり広くしたりすることができ、近接位置から離反位置へ移動することで表示画面の視認範囲を広くすることができるようになっている(図74及び図75を参照)。なお、サイド可動装飾体2300が互いに接近した接近位置では、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302(図118参照。)の原点位置となり、右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302(図121参照。)の原点位置となっている。
[遊技盤における遊技パネルの保持構造]
遊技盤4における遊技パネル599の保持構造について、主に図83乃至図85を参照して説明する。図83は、遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図84は、遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図85は、図84を斜め後から見た分解斜視図である。
遊技盤4における遊技パネル599の保持構造について、主に図83乃至図85を参照して説明する。図83は、遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図84は、遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図85は、図84を斜め後から見た分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、上述したように、遊技領域605と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル599と、遊技パネル599を前方から着脱可能に保持する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の前側に配置され遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する案内する外レール602及び内レール603を備えた前構成部材601と、パネルホルダ600の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板635とを主に備えている。
この前構成部材601は、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決めボス601a及び位置決め突起601bが備えられている。これら位置決めボス601a及び位置決め突起601bは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ600や盤用基板ホルダ623、及び遊技パネル599と位置決めできるようになっている。
遊技盤4における遊技パネル599は、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル599の板厚は、パネルホルダ600によりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル599には、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔599aと、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔599bが夫々備えられている。これら嵌合孔599a及び長孔599bは、遊技領域605よりも外側に配置されており、パネルホルダ600との位置決めを行うものである。また、遊技パネル599には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部599cが夫々備えられている。この係合段部599cは、遊技パネル599の板厚の略半分を切り欠いた形態とされると共に、嵌合孔599a及び長孔599bと同様に、遊技領域605よりも外側に配置されており、遊技パネル599をパネルホルダ600へ係合固定するためのものである。
また、遊技パネル599には、所定位置に内レール固定孔599dが複数備えられている。この内レール固定孔599dに内レール603の後側から突出する位置決め突起599bを嵌合固定させることで、内レール603を所定の位置に固定することができるようになっている。
更に、遊技パネル599には、センター役物1400、アタッカユニット1500、普図ゲート1600、サイド入賞口部材1700、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910等が備えられるように内形が所定形状で前後方向に貫通する開口部599eが複数形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。
遊技盤5におけるパネルホルダ600は、遊技パネル599を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、従来のパチンコ機の遊技盤における木製合板からなる部材(例えば、遊技盤ベース等)の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ600には、遊技パネル599を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部600aと、保持段部600aの内側において略遊技領域605と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口600bとを主に備えている。
パネルホルダ600の保持段部600aは、前面からの深さが遊技パネル599の厚さと略同じ深さとされており、保持段部600a内に保持された遊技パネル599の前面がパネルホルダ600の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部600aは、その前側内周面が、遊技パネル599の外周面に対して所定量のクリアランスCが形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル599が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている(図79参照)。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ600には、保持段部600aに保持される遊技パネル599に形成された嵌合孔599a及び長孔599bと対応する位置に配置され、保持段部599aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル599の嵌合孔599a及び長孔599bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン599cを備えている。これらの突出ピン600cを遊技パネル599の嵌合孔599a及び長孔599bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ600と遊技パネル599とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ600には、遊技パネル599の係合段部599cと対応する位置に、係合段部599cと係合する係合爪600d及び係合片600eを供えている。詳述すると、図79及び図80に示すように、係合爪600dは、パネルホルダ600の上側の保持段部600aに配置されており、遊技パネル599における上側の係合段部599cと対応し、保持段部600aの前面から前方に向かって突出し係合段部599cと弾性係合するようになっている。この係合爪600dは、その先端がパネルホルダ600の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片600eは、パネルホルダ600の下側の保持段部600aに配置され、遊技パネル599における下側の係合段部599cと対応し、保持段部600aの前面との間に遊技パネル599の係合段部599cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ600の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪600d及び係合片600eに遊技パネル599の係合段部599cを係合させることで、遊技パネル599がパネルホルダ600に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ600には、前構成部材601に備えられた位置決めボス601aを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔600fを備えており、このボス挿通孔600fに前構成部材601の位置決めボス601aを挿通することで、パネルホルダ600と前構成部材601とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ600には、図83及び図85に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部600gが備えられている。この取付支持部600gにより、パネルホルダ600の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部600gに取付固定される裏ユニット2000における裏箱2002のフランジ状の固定部2018(図127(A)等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部600gに所定の部材を取付固定することで、その固定部2018がパネルホルダ600よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ600すなわち遊技盤4をパチンコ機1の遊技盤設置凹部510内に確実に設置装着できるようになっている。
また、パネルホルダ600の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部600gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪み、パネル裏体635を収容可能な収容凹部600hと、この収容凹部600h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板635に形成された係止爪635cを係止可能な係止部600iとを更に備えている。この収容凹部202hは、パネル裏板635の係止爪635cを係止部600iに係止させることでパネル裏板635を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板635の後面が、パネルホルダ600の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ600には、図83及び図85に示すように、後面側の取付支持部600g内及び収容凹部600hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔600jが所定配列で配置されている。また、パネルホルダ600には、取付孔600jと対応するように配置される複数の位置決め孔600kが備えられている。この位置決め孔600kは、取付孔600jを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱2002の固定部2018に形成された位置決め突起2022)が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔600kは、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔600jに対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔600jを用いるようにしても良い。
更に、パネルホルダ600には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部600lが形成されており、肉抜き部600lによりパネルホルダ600の重量が軽減されるようになっている。図84に示すように、収容凹部600hの前側、つまり、パネルホルダ600の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部600lが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ600の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材601の接続通路部609の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ600は、図示するように、肉抜き部600lが形成されることで、取付孔600j等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ600の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ600には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部600mが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル599を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ600の下部には、前構成部材601のアウト口606と連通する開口600nと、前構成部材601のファール口610と連通する連通孔600oとが更に備えられている。
次に、パネル裏板635は、パネルホルダ600の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部600lを覆うように配置されると共に、パネルホルダ600の収容凹部600hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数のビス孔635aと、ビス孔635aと対応するように配置される複数の位置決め孔635bと、パネルホルダ600の係止部600iに係止可能な係止爪635cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部635dとを備えている。
なお、このパネル裏板635におけるビス孔635a及び位置決め孔635bは、パネルホルダ600における取付孔600j及び位置決め孔600kと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板635もパネルホルダ600と同様に、凹陥部635dにより、ビス孔635a及び位置決め孔635b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板635の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板635には、パネルホルダ600の開口600n、連通孔600o、及びボス挿通孔600fと対応した位置に前後方向に貫通する開口635eが備えられている。
このパネル裏板635は、パネルホルダ600の収容凹部600hに収容させると共に、パネル裏板635の係止爪635cをパネルホルダ600の係止部600iに係止させることで、パネルホルダ600と一体となり、その状態では、パネル裏板635の後面が、パネルホルダ600の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ600とパネル裏板635とを一体化することで、パネルホルダ600の後面側には、貫通口600bの外周側で略全周に亘って所定配列で取付孔600j、ビス孔635a等からなる取付孔と、位置決め孔600k及び635bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
上述したように、本例における遊技パネル599の保持構造によると、前方からパネルホルダ600の保持段部600a内へ遊技パネル599を嵌合挿入して、係合爪600d及び係合片600eと、係合段部599cとを係合させることで、パネルホルダ600に遊技パネル599を保持させることができると共に、遊技パネル599とパネルホルダ600の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル599をパネルホルダ600に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技領域605を有した遊技盤4を、遊技パネル599、パネルホルダ600、及び前構成部材601に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル599を交換パーツとすると共に、パネルホルダ600及び前構成部材601を共通パーツとすることができ、パネルホルダ600や前構成部材601等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル599のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ600に予め複数の取付孔600jが所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ600の後面側に取付固定される裏ユニット2000や盤用基板ホルダ623等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔600jの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ600を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[盤用基板ホルダ]
盤用基板ホルダ623の詳細な構成について、図81、図86及び図87を参考にして説明する。図86は、盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。図87は、図86を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。
盤用基板ホルダ623の詳細な構成について、図81、図86及び図87を参考にして説明する。図86は、盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。図87は、図86を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。
この盤用基板ホルダ623は、パネルホルダ600の後側に取付固定されるものであり、図81に示すように、前方及び上方が開放された箱状とされ、その底部が左右方向の略中央で前側に向かって低くなるように傾斜しており、遊技パネル599の後側に排出された遊技球を受け取った上で、左右方向の略中央から下方へ排出することができるようになっている。この盤用基板ホルダ623の後面には、後側から所定のビスで固定される金属板からなり主制御基板ボックス624に備えられた封止部624aと対応する被封止部1302が形成されたカシメベース部材1300と、中継端子板625及びドロワコネクタ626,627を支持するドロワホルダ1350とが固定されている。
本例の主制御基板ボックス624は、盤用基板ホルダ623の後面との間にカシメベース部材1300を挟み込むようにして盤用基板ホルダ623に支持されると共に、主制御基板ボックス624の封止部624aがカシメベース部材1300の被封止部1302へ封止されるようになっている。そして、この状態で主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623から取り外す場合、カシメベース部材1300の被封止部1302に開封痕が残るようになっており、主制御基板ボックス624が不正に取り外されたか否かが目視で判るようになっている。
また、主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623に固定した状態では、カシメベース部材1300を盤用基板ホルダ623へ固定しているビスの頭が、カシメベース部材1300と主制御基板ボックス624との間に配置されるようになっており、カシメベース部材1300ごと主制御基板ボックス624が取り外されるのを防止することができるようになっている。また、カシメベース部材1300が金属板により形成されているので、被封止部1302によって主制御基板ボックス624の封止部624aを強固に封止することができ、不正行為が行われ難い構造となっている。
[センター役物]
センター役物1400の詳細な構成について、図88乃至図90を参考にして説明する。図88(A)はセンター役物の左側面図であり、(B)はセンター役物の正面図であり、(C)はセンター役物の右側面図である。図89は、センター役物を斜め前から見た斜視図である。図90は、センター役物を斜め後から見た斜視図である。
センター役物1400の詳細な構成について、図88乃至図90を参考にして説明する。図88(A)はセンター役物の左側面図であり、(B)はセンター役物の正面図であり、(C)はセンター役物の右側面図である。図89は、センター役物を斜め前から見た斜視図である。図90は、センター役物を斜め後から見た斜視図である。
このセンター役物1400は、透明な遊技パネル599の略中央に形成された最も大きな開口部599eの内周縁に略沿った環状で遊技パネル599の前面と当接する前面環状部1400aと、前面環状部1400aの内周端から遊技パネル599の開口部599e内へと延出する挿入環状部1400bとを主に備えており、この環状の環内を通して後側に配置される可動装飾体2006や液晶表示装置640等が視認できるようになっている(図74等を参照)。
このセンター役物1400の前面環状部1400aは、図示するように、ステージ1406の前面側を除く左右辺及び上辺が、遊技パネル599の前面から所定量(例えば、15mm〜25mmの範囲内)前方へ突出した堰状に形成され、前面環状部1400aを越えて遊技球がセンター役物1400の外周側から内周側へ移動しないようになっている。この前面環状部1400aには、左右両側の外周面に開口し遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1402と、ワープ入口1402へ進入した遊技球をセンター役物1400の内周側に形成されたステージ1406へ誘導するワープ通路1404とが備えられている。なお、図90中の符号1405は、ワープ通路1404へ進入した遊技球が出てくるワープ出口である。
また、前面環状部1400aには、その外周で上面側に、遊技領域605内を上方から流下してきた遊技球を左右方向外方へ導く誘導棚1408が備えられている。この誘導棚1408は、センター役物1400の左右方向中央から遠ざかるのに従って低くなるような傾斜面とされており、センター役物1400の上方から流下してきた遊技球をセンター役物1400の左右側面側へ誘導できるようになっている。
一方、センター役物1400の挿入環状部1400bは、前後方向の長さ(奥行)が遊技パネル599の厚さと略同じ長さとされている(図78乃至図80を参照)。これにより、遊技パネル599の後側に配置される裏ユニット2000の発光装飾体2004や可動装飾体2006等とセンター役物1400が干渉しないようになっている。
しかして、遊技パネル599の前方から開口部599e内に挿入環状部1400bを挿入し、遊技パネル599の後方からステージ1406とワープ通路1404のワープ出口1405とステージ1406との間に配置され、ワープ通路1404から供給された遊技球を九十九折状に誘導してステージ1406へ導く九十九折誘導路1410とステージ1406の後側に上方へ向かって延出する透明板状の保護壁部1418とを一体的に形成した部材を挿入環状部1400b内に挿入して前面環状部1400aと螺着することによりセンター役物1400が構成される。この九十九折誘導路1410は、ステージ1406のある左右方向の中央へ向かって下がる複数段(例えば、五段)の階段状に形成されていると共に、各段の前後方向に対する傾斜が交互に異なるように形成されており、ワープ通路1404から供給された遊技球が前後方向へ交互に転動しながら順次下段へと送られるようになっている。この九十九折誘導路1410によって、ワープ通路1404から供給された遊技球の速度を減速させてステージ1406へ供給することができると共に、九十九折誘導路1410を含めたステージ1406の奥行が狭くても、ワープ通路1404に進入した遊技球が短時間でステージ1406から遊技領域605内へ排出されるのを防止して、遊技球の転動演出を楽しませることができるようになっている。
またステージ1406は、全体的に左右方向中央が下がった湾曲面状に形成されており、前後方向の後側に配置され九十九折誘導路1410から供給される遊技球を受ける第一ステージ1406aと、第一ステージ1406aの前側に配置され左右方向の中央部が滑らかに盛り上がった形態とされた第二ステージ1406bとを備えている。また、第一ステージ1406a及び第二ステージ1406bには、前側が低くなると共に前側へ向かうに従って左右に広がる湾曲状の凹溝1412が形成されており、第一ステージ1406aには左右両端と中央の三個所に、第二ステージ1406bには中央を挟んだ二個所に夫々配置されている。更に、第二ステージ1406bには、その中央に遊技球が進入可能とされた進入口1414が開口している。
ステージ1406の前側に位置する前面環状部1400aは、第二ステージ1406bの凹溝1412が形成された部分を除いて、その前端を遮るように上方に延出した形態されていると共に、左右方向の中央に第二ステージ1406bの進入口1414と連通する放出口1416が形成されている。これにより、ステージ1406上を転動する遊技球は、第二ステージ1406bの凹溝1412又は前面環状部1400aの放出口1416の何れかからセンター役物1400よりも下側の遊技領域605内へ放出されるようになっている。なお、センター役物1400の放出口1416は、アタッカユニット1500における第一始動口1502の真上に配置されており(図74等を参照)、遊技球が、放出口1416から放出されると、高い確率で第一始動口1502に入賞できるようになっている。
また、保護壁部1418は、ステージ1406や九十九折誘導路1410から遊技球がセンター役物1400の後側へ移動するのを防止している。換言すると、遊技球が、センター役物1400の後側に配置された裏ユニット2000の裏箱2002内(収容空間2010)へ侵入するのを防止することができるようになっている。なお、保護壁部1418を液晶表示装置640の前方に上方に向かって延出した板状の部材で構成することにより保護壁部1418によって液晶表示装置640の表示画面の視認の妨げとなることを極力回避している。すなわち、保護壁部1418の上部から後方(液晶表示装置640方向)に向かって延出させて収容空間2010の上部を覆うように構成することも可能であるが、後方に向かって延出することによってその部分の厚みが他の部分よりも増し、液晶表示装置640の表示画面の視認を妨げる虞がある。一方、本構成では、保護壁部1418の一部は液晶表示装置640の表示画面の前面に該表示画面と重複して配置されるが、液晶表示装置640の前方に上方に向かって延出した板状の部材で構成されるため、奥行方向(パチンコ機1の背面方向)への厚みを低減でき、保護壁部1418の厚みを均一にさせることが可能であるため、その一部の厚みが増したことによる液晶表示装置640の表示画面の視認の妨げとなることを回避できる。また、遊技球が保護壁部1418を乗り越えて収容空間2010に侵入した場合には、該遊技球は収容空間2010に貯留される。上述したように、収容空間2010は、発光装飾体2004と液晶表示装置640とによって囲まれるとともに、発光装飾体2004のアンダー可動装飾体2400の両側方であって収容空間2010の底部に対応する位置には収容空間2010内に侵入した遊技球を保持する侵入球保持部2115が形成され、収容空間2010内に侵入した遊技球がパチンコ機1の内部に入り込まないようにしている。そのため、収容空間2010に貯留されている遊技球、具体的には侵入球保持部2115上に保持されている遊技球は、保護壁部1418と液晶表示装置640との間隙に指を挿入して取り出すことが可能である。これにより、収容空間2010に侵入した遊技球によって収容空間2010内に設けられた可動部材や発光体等の駆動を妨げるような不具合が発生した場合には早急に対処して不具合の原因となる遊技球を取り除くことができる。なお、アンダー可動装飾体2400は、アンダー用ベース部材2406の一部が侵入球保持部2115よりも上部に突出するように配置されるため、侵入球保持部2115に保持された遊技球がアンダー用ベース部材2406の内部への侵入を阻止し、アンダー可動装飾体2400の駆動を妨げないようにしている。加えて、侵入球保持部2115は左右方向の端部(アンダー可動装飾体2400に近接する端部とアンダー可動装飾部材2400と最も離隔する端部)が上方に隆起して形成されるため、侵入球保持部2115に保持された遊技球を侵入球保持部2115上に止めることが可能である。また、収容空間2010に侵入した遊技球をアウト球通路1119に誘導してパチンコ遊技機の外部(一般的に島の回収樋)に向かって放出されるように構成してもよく、この場合には収容空間2010に侵入した遊技球を収容空間2010に貯留させないため、貯留空間2010に貯留される遊技球によって収容空間2010内に設けられた可動部材や発光体等の駆動を妨げるような不具合の発生を抑止できる。
また、遊技パネル599の前方から開口部599e内に挿入環状部1400bを挿入し、遊技パネル599の後方からステージ1406と九十九折誘導路1410と保護壁部1418とを一体的に形成した部材を挿入環状部1400b内に挿入して前面環状部1400aと螺着することによりセンター役物1400を構成するため、遊技パネル599の開口部599eよりもステージ1406と九十九折誘導路1410と保護壁部1418とを一体的に形成した部材によって形成される領域を拡張できる。すなわち、前面環状部1400a及びステージ1406と九十九折誘導路1410と保護壁部1418とを一体的に形成した部材を螺着した状態で遊技パネル599の前方から開口部599e内に挿入する構成とした場合にはステージ1406と九十九折誘導路1410と保護壁部1418とを一体的に形成した部材は開口部599eの開口縁に当接しないように形成しなければならないが、遊技パネル599の後方から螺着するように構成することにより開口部599eの開口縁よりも広がった状態で形成することができるため、ステージ1406と九十九折誘導路1410と保護壁部1418とを一体的に形成した部材をより幅広く形成することが可能となる。
本例のセンター役物1400は、ステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418を除いた表面側に、金属光沢を有したメッキ層が備えられており、このメッキ層によって、遊技パネル599における開口部599eの端面が、遊技者側から視認できないようにして、見栄えが悪くなるのを防止することができるようになっている。また、前面環状部1400aの前面には、ワニ皮状の装飾が施されており、本パチンコ機1の外観上の特徴が形成されるようになっている。また、センター役物1400は、ステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418が無色透明の部材により形成されており、これらを通して後側に配置される裏ユニット2000の可動装飾体2006や発光装飾体2004が視認できるようになっている。
このように、ステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418を無色透明の部材(アクリル樹脂等)により形成することにより、これらの下方に遊技者から視認可能な演出空間(収容空間2010)を形成する。そして、ステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418の下方の演出空間に可動部材や発光体等を配置することにより、該演出空間にて所定の演出を実行可能にしている。これにより演出を実行可能な領域幅が拡大し、ステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418の上方にて転動する遊技球と、ステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418の下方の演出空間にて実行される演出と、の対比により奥行感を向上させることができる。なお、少なくとも収容空間2010に配置されるアンダー可動部材2400の一部を視認可能となるように形成するものであればステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418を有色の部材で構成してもよい。
なお、センター役物1400におけるステージ1406は、パチンコ機1が遊技ホール等の島設備に取付けられた上で、パチンコ機1の前側に遊技者が着座した状態で、遊技者の目の高さよりも下側となるような位置に配置されており、ステージ1406を遊技者が見下ろすような状態とすることでステージ1406や九十九折誘導路1410上の遊技球が見易いようになっている。
[アタッカユニット]
アタッカユニット1500の構成について、主に図91乃至図94を参考に説明する。図91は、アタッカユニットを右上斜め前から見た斜視図であり、図92は、アタッカユニットを左上斜め前から見た斜視図である。図93は、アタッカユニットを右上斜め後から見た斜視図であり、図94は、アタッカユニットを右下斜め後から見た斜視図である。
アタッカユニット1500の構成について、主に図91乃至図94を参考に説明する。図91は、アタッカユニットを右上斜め前から見た斜視図であり、図92は、アタッカユニットを左上斜め前から見た斜視図である。図93は、アタッカユニットを右上斜め後から見た斜視図であり、図94は、アタッカユニットを右下斜め後から見た斜視図である。
このアタッカユニット1500は、遊技パネル599におけるセンター役物1400が挿入される開口部599eの下側に形成された開口部599eに前側から挿入され、遊技パネル599の後側から後方へ突出する大きさのケーシング1500aと、ケーシング1500aの前面から遊技パネル599の面に沿って延び開口部599eの前側周縁部と当接するフランジ部1500bとを備えている。このケーシング1500aには、第二始動口1506を開閉する一対の可動片1504を開閉駆動するための始動口ソレノイド1512と、大入賞口1510を閉鎖する開閉部材1508を開閉駆動するためのアタッカソレノイド1514とが備えられており、始動口ソレノイド1512及びアタッカソレノイド1514は、夫々図示しないリンク機構によって一対の可動片1504及び開閉部材1508を開閉駆動することができるようになっている。
また、ケーシング1500aには、第二始動口1506に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ1516と、大入賞口1510に入賞した遊技球を検出するカウントセンサ1518とが備えられている。なお、図94に示すように、第二始動口1506に入賞し第二始動口センサ1516によって検出された遊技球は、ケーシング1500aの下面に形成された排出口1520から下方へ排出されるようになっている。また、大入賞口1510に入賞してカウントセンサ1518によって検出された遊技球は、ケーシング1500a下面の排出口1520とは異なる位置から下方へ排出されるようになっている。
アタッカユニット1500におけるフランジ部1500bの前面には、図示するように、第一始動口1502及び第二始動口1506が、前方へ突出するように備えられている。また、第一始動口1502からは、フランジ部1500bと一体成形された誘導樋1522が後方へ延びだしている。また、フランジ部1500bは、左右方向へ延びた開閉部材1508の下辺を軸心として回動可能に支持しており、アタッカソレノイド1514の開駆動によって開閉部材1508の上辺が前側へ移動することで閉鎖された大入賞口1510が開状態となるようになっている。
また、このフランジ部1500bには、貫通する複数の取付孔1524が形成されており、これら取付孔1524を介して所定のビスを遊技パネル599の前面にねじ込むことで、アタッカユニット1500を遊技パネル599に取付固定することができるようになっている。なお、図93及び図94中、符号1526は、遊技パネル599に対してアタッカユニット1500の固定位置を位置決めするための突起であり、この突起1526と対応する遊技パネル599の位置に、突起1526が挿入される位置決め孔が穿設されている(図示は省略)。
このアタッカユニット1500は、センター役物1400と同様に表面がワニ皮状の装飾が施されていると共に、金属光沢を有したメッキ層が形成されており、本パチンコ機1を特徴付けるようになっている。
[ゲート部材]
普図ゲート1600の構成について、図95乃至図97を参考に説明する。図95(A)は左側のゲート部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は右側のゲート部材を斜め前から見た斜視図である。図96は、左側のゲート部材を斜め後から見た斜視図であり、図97は、図96のゲート部材を分解して示す分解斜視図である。
普図ゲート1600の構成について、図95乃至図97を参考に説明する。図95(A)は左側のゲート部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は右側のゲート部材を斜め前から見た斜視図である。図96は、左側のゲート部材を斜め後から見た斜視図であり、図97は、図96のゲート部材を分解して示す分解斜視図である。
なお、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910の構成は、普図ゲート1600と同じ構成であるので、ここでは、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910の構成についての説明を省略する。
本例の普図ゲート1600は、遊技領域605内に配置され上下方向に貫通し遊技球が通過可能とされた角孔状のゲート部1602と、ゲート部1602の後端から左右方向外方へ延出し遊技パネル599の前面と当接するフランジ部1604と、ゲート部1602の後端から後方へ延出し遊技パネル599に形成された開口部599e内へ挿入される挿入部1606とを備えている。
この普図ゲート1600におけるゲート部1602と挿入部1606とは、図示するように、左右方向の幅と上下方向の高さとが略同じ寸法とされている。また、普図ゲート1600は、挿入部1606に前後方向へ貫通する貫通孔1608が形成されていると共に、ゲート部1602の左右両側の内側に挿入部1606の貫通孔1608と連続するような溝1610が形成されている(図97を参照)。
そして、本例の普図ゲート1600では、左側の普図ゲート1600にゲート部1602を通過する遊技球を検出可能な普図ゲートセンサ1612が備えられている。この普図ゲートセンサ1612は挿入部1606の貫通孔1608及びゲート部1602の溝1610に嵌め込まれることで、普図ゲート1600に支持されるようになっている。なお、普図ゲート1600により普図ゲートセンサ1612を支持した状態で、挿入部1606の後端に穿設されたネジ孔1614へ鍋ネジ等の所定の小ネジをねじ込むことで、その小ネジの頭部によって後側への移動が規制され、普図ゲート1600に普図ゲートセンサ1612が固定できるようになっている。
なお、本例の普図ゲート1600は、挿入部1606の前後方向の長さが、遊技パネル599の厚さと略同じ寸法とされており、普図ゲート1600を遊技パネル599に固定しても遊技パネル599の後側へ大きく突出することがなく、遊技パネル599の後側に配置される裏ユニット2000の発光装飾体2004等と干渉しないようになっている。
また、図中符号1616は、普図ゲート1600を遊技パネル599の前面に取り付けるためのビスが挿通可能な取付孔である。また図中符号1618は、普図ゲート1600を遊技パネル599の所定位置に位置決めするための突起であり、遊技パネル599の所定位置に穿設された位置決め孔内に挿入させることで普図ゲート1600を所定位置に位置決めすることができるようになっている。
この普図ゲート1600もまた、センター役物1400やアタッカユニット1500等と同様に、その表面にワニ皮状の装飾が施されていると共に、金属光沢を有したメッキ層が形成されており、本パチンコ機1を特徴付けるようになっている。
[サイド入賞口部材]
サイド入賞口部材1700の構成について、図98乃至図101を参考にして説明する。図98(A)は左側サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た斜視図である。図99(A)は右側サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た斜視図である。図100は、左側サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図101は、右側サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た分解斜視図である。
サイド入賞口部材1700の構成について、図98乃至図101を参考にして説明する。図98(A)は左側サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た斜視図である。図99(A)は右側サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た斜視図である。図100は、左側サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図101は、右側サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た分解斜視図である。
本例のサイド入賞口部材1700は、円弧状に延びる透明で板状のベース部材1704と、ベース部材1704の前側上部に固定され上側の一般入賞口1702が形成された前面上部部材1706と、ベース部材1704の前側下部に固定され下側の一般入賞口1702が形成された前面下部部材1708とを備えている。このサイド入賞口部材1700は、ベース部材1704に対して、前面上部部材1706及び前面下部部材1708が、後側からベース部材1704を貫通したビスによって組立てられている。
サイド入賞口部材1700のベース部材1704は、遊技パネル599の開口部599e内へ挿入される挿入基部1710と、挿入基部1710から前方へ突出して遊技者側に露出する露出部1712とを備えており、図示は省略するが、露出部1712には微小なレンズが複数形成されており、露出部1712を通過する光を拡散させることができるようになっている。なお、挿入基部1710の前後方向の寸法は、遊技パネル599の厚さと略同じ寸法とされており、遊技パネル599の後面から突出しないようになっている。
また、前面上部部材1706は、ベース部材1704の挿入基部1710と共に遊技パネル599の開口部599e内へ挿入される挿入部1714と、挿入部1714の前端に備えられ遊技パネル599の前面と当接可能なフランジ部1716とを備え、一般入賞口1702がフランジ部1716から前方へ延びだすように形成されている。また、前面上部部材1706は、その上部にフランジ部1716から前方へ延出し上面に遊技領域605の左右方向中央側へ向かって低くなるように傾斜した誘導棚部1718を更に備えている。この誘導棚部1718によって遊技領域605内を流下してきた遊技球を、遊技領域605の中央側へ誘導することができるようになっている。更に、この前面上部部材1706には、一般入賞口1702の後側に、遊技パネル599の後面よりも後方へ突出する長さで一般入賞口1702に入賞した遊技球を遊技パネル599の後側へ誘導する誘導樋1720が備えられている。
一方、前面下部部材1708は、遊技パネル599の前面に略沿って延びるフランジ部1722を備えており、一般入賞口1702がこのフランジ部1722から前方へ延びだすように形成されている。また、前面下部部材1708における一般入賞口1702の後側には、遊技パネル599の後面よりも後方へ突出する長さで一般入賞口1702に入賞した遊技球を遊技パネル599の後側へ誘導する誘導樋1724が備えられている。
なお、前面上部部材1706及び前面下部部材1708のフランジ部1716,1722には、サイド入賞口部材1700を遊技パネル599の前面に取り付けるための取付孔1726が形成されており、所定のビスを前方から取付孔1726を通して遊技パネル599へねじ込むことでサイド入賞口部材1700を固定することができるようになっている。また、前面上部部材1706及び前面下部部材1708のフランジ部1716,1722には、後方へ突出する突起1728が形成されており、この突起1728を遊技パネル599の所定位置に穿設された位置決め孔内に挿入させることで、サイド入賞口部材1700を所定位置に位置決めすることができるようになっている。
このサイド入賞口部材1700は、前面上部部材1706及び前面下部部材1708の表面にワニ皮状の装飾が施されていると共に、金属光沢を有したメッキ層が形成されており、センター役物1400やアタッカユニット1500等と同様に、本パチンコ機1を特徴付けるようになっている。
≪裏ユニット≫
裏ユニット2000の構成について、主に図102乃至図106を参照して説明する。図102は、裏ユニットの正面図であり、図103は、裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図104は、裏ユニットを斜め後から見た斜視図である。図105は、裏ユニットを、発光装飾体、可動装飾体、裏箱等に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図106は、図105を斜め後から見た分解斜視図である。
裏ユニット2000の構成について、主に図102乃至図106を参照して説明する。図102は、裏ユニットの正面図であり、図103は、裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図104は、裏ユニットを斜め後から見た斜視図である。図105は、裏ユニットを、発光装飾体、可動装飾体、裏箱等に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図106は、図105を斜め後から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における裏ユニット2000は、液晶表示装置640を後側に支持すると共に後側から液晶表示装置640の表示画面によって閉鎖される開口部2012が後壁2014に形成されると共に、パネルホルダ600の後側に取付けられ、前側が開放された箱状の裏箱2002と、裏箱2002の前端部に配置固定される板状の発光装飾体2004と、発光装飾体2004と裏箱2002の後壁2014との間に形成される収容空間2010内に配置され所定方向へ移動可能とされた可動装飾体2006とを備えている。
この裏ユニット2000は、裏箱2002によって、液晶表示装置640、発光装飾体2004、及び可動装飾体2006をユニット化しており、裏箱2002をパネルホルダ600の後側に取付固定するだけで、遊技パネル599の後側に液晶表示装置640等を簡単に固定することができると共に、発光装飾体2004の環内を通して後側に配置された可動装飾体2006や液晶表示装置640等が遊技者側から視認できるようになっている。
この裏ユニット2000は、詳細は後述するが、発光装飾体2004に複数のLED2120が備えられており、遊技状態に応じて種々な発光演出ができるようになっている。また、可動装飾体2006は、液晶表示装置640の上部前面に配置されるセンター可動装飾体2200と、液晶表示装置640の左右両側前面に配置されるサイド可動装飾体2300と、液晶表示装置640の下部前面に配置されるアンダー可動装飾体2400とを備えており、各可動装飾体2006が遊技状態に応じて所定方向へ可動することで種々の可動演出ができるようになっている。更に、裏箱2002は、その後側に液晶表示装置640の他に、発光演出や可動演出などを制御する制御基板が収容された各種の基板ボックスや、各基板を接続・中継するための中継基板等が固定されている。
[発光装飾体]
裏ユニット2000における発光装飾体2002の詳細な構成について、主に図107乃至図111を参考にして説明する。図107は、発光装飾体を斜め上前から見た斜視図であり、図108は、発光装飾体を斜め上後から見た斜視図であり、図109は、発光装飾体を斜め下後から見た斜視図である。図110は、発光装飾体を各部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図111は、図110を斜め後から見た分解斜視図である。
裏ユニット2000における発光装飾体2002の詳細な構成について、主に図107乃至図111を参考にして説明する。図107は、発光装飾体を斜め上前から見た斜視図であり、図108は、発光装飾体を斜め上後から見た斜視図であり、図109は、発光装飾体を斜め下後から見た斜視図である。図110は、発光装飾体を各部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図111は、図110を斜め後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット2000における発光装飾体2002は、円環板状の装飾部材2100と、装飾部材2100の後側に配置される透明板状の拡散レンズ部材2110と、拡散レンズ部材2110の後側に配置され表面に複数のLED2120が実装された発光装飾基板2130と、発光装飾基板2130の後側に配置され装飾部材2100、拡散レンズ部材2110、及び発光装飾基板2130を少なくとも支持する発光装飾ベース部材2140とを主に備えている。
発光装飾体2002の装飾部材2100は、図示するように、正面視で外形が遊技領域605の外周形状と略沿い内形がセンター役物1400の内形形状と略沿った円環状とされ、遊技領域605の略中央を中心として放射状に延びると共に前後方向に貫通し周方向に複数形成された開口部2101を備えている。この装飾部材2100は、複数の分割体により構成されており、上半分を形成する半円弧状の上部分割体2102と、上部分割体2102と続き装飾部材2100の下半分の外周を形成する四半円弧状の左下部分割体2103L及び右下部分割体2103Rと、左下部分割体2103Lと右下部分割体2103Rの内周側に配置される四半円弧状の左内部分割体2104L及び右内部分割体2104Rとで構成されている。
この左下部分割体2103Lと右下部分割体2103Rには、サイド入賞口部材1700から後側へ延出する誘導樋1720,1724を挿通可能な貫通孔2105が形成されている。つまり、一般入賞口1702へ入賞した遊技球は、装飾部材2100よりも後側へ誘導されるようになっている。また、左下部分割体2103Lと右下部分割体2103R、及び左内部分割体2104Lと右内部分割体2104Rの遊技領域605の左右方向に対して中央側の端部には、遊技パネル599の開口部599eを通って遊技パネル599の後側へ突出するアタッカユニット1500のケーシング1500aと当接するのを回避させる切欠き部2106が形成されている。この切欠き部2106によって、アタッカユニット1500のケーシング1500aが装飾部材2100の後側へ延出できるようになっている。
また、装飾部材2100における上部分割体2102には、その外周から遊技領域605の中央を中心として外側へ向かって放射状に延びる複数の固定部2107が備えられている。この固定部2107を介して上部分割体2102を、発光装飾ベース部材2140や裏箱2002に固定できるようになっている。
なお、装飾部材2100における左内部分割体2104L及び右内部分割体2104Rは、上部分割体2102、左下部分割体2103L、及び右下部分割体2103Rと比較して、若干後側へ後退した位置に配置されるようになっており、板状の装飾部材2100に対してできる限り立体感を付与できるようにしている。また、装飾部材2100は、その表面が岩を模したような形状に造形されていると共に、金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
発光装飾体2004の拡散レンズ部材2110は、装飾部材2100と略対応する大きさ及び形状で板状とされ、装飾部材2100の上部分割体2102と略同じ大きさで上部分割体2102の後側に配置される上部レンズ部材2111と、左下部分割体2103Lと左内部分割体2104Lとを合わせた大きさと略同じ大きさで左下部分割体2103L及び左内部分割体2104Lの後側に配置される下部左レンズ部材2112Lと、右下部分割体2103Rと右内部分割体2104Rとを合わせた大きさと略同じ大きさで右下部分割体2103R及び右内部分割体2104Rの後側に配置される下部右レンズ部材2112Rとを備えている。
この拡散レンズ部材2110には、正面で遊技領域605の略中央を中心として放射状に延びると共に周方向に複数配置され複数の小径レンズからなるレンズ部2113を備えている。このレンズ部2113は、装飾部材2100の開口部2101と対応するように配置形成されており、組立てた状態では、拡散レンズ部材2110のレンズ部2113のみが装飾部材2100の開口部2101を通して遊技者側へ露出するようになっている。また、このレンズ部2113は、後側に配置される発光装飾基板2130のLED2120から放射される光を遊技者側へ広く拡散させるものであり、これにより、少ないLED2120(点状発光するLED2120)でも装飾部材2100の開口部2101を面状に発光させることができるようになっている。
また、拡散レンズ部材2110には、装飾部材2100と同様に、サイド入賞口部材1700から後側へ延出する誘導樋1720,1724を挿通可能な貫通孔2114が形成されている。
発光装飾体2004の発光装飾基板2130は、拡散レンズ部材2110の後側に配置されると共に、表面に複数のLED2120が実装されている。この発光装飾基板2130は、上部レンズ部材2111の左側略半分の後側に配置される上部左基板2131Lと、上部左基板と隣接し上部レンズ部材2111の右側略半分の後側に配置される上部右基板2131Rと、下部左レンズ部材2112Lの後側で左下部分割体2103Lと対応する位置に配置される左下部基板2132Lと、下部右レンズ部材2112Rの後側で右下部分割体2103Rと対応する位置に配置される右下部基板2132Rと、下部左レンズ部材2112Lの後側で左内部分割体2104Lの上半分と対応する位置に配置される左内上部基板2133Lと、下部右レンズ部材2112Rの後側で右内部分割体2104Rの上半分と対応する位置に配置される右内上部基板2133Rと、下部左レンズ部材2112Lの後側で左内部分割体2104Lの下半分と対応する位置に配置される左内下部基板2134Lと、下部右レンズ部材2112Rの後側で右内部分割体2104Rの下半分と対応する位置に配置される右内下部基板2134Rとを備えている。
この発光装飾基板2130は、前側に配置される拡散レンズ部材2110のレンズ部2113と対応する位置の表面にLED2120が実装されており、そのレンズ部2113の大きさに応じて一つのレンズ部2113に対して一つ又は複数のLED2120が備えられている。具体的には、図示するように、正面視で遊技領域605の略中央を中心として放射状に延びるレンズ部2113に対しその延びる長さが長いレンズ部2113の後側に配置されるLED2120は、レンズ部2113の延びる方向と略同じ方向に複数列設されている。つまり、複数のLED2120が放射状に列設されている。
なお、発光装飾基板2130の前面側は、白色に塗装されており、発光装飾基板2130が目立たないようにしていると共に、装飾部材2100の開口部2101がより面状に発光できるようにしている。また、発光装飾基板2130に実装されるLED2120は、様々な色に発光することができ、点灯・点滅だけでなく、発光色によっても種々の発光演出ができるようになっている。
発光装飾体2004の発光装飾ベース部材2140は、外形が矩形状で内形が円形状とされ、上辺が開放された枠状に全体が形成されており、左右方向の略中央で左ベース部材2140Lと右ベース部材2140Rとに分割されている。この発光装飾ベース部材2140には、装飾部材2100、拡散レンズ部材2110、及び発光装飾基板2130等を固定するための取付孔や取付ボスが所定位置に複数備えられている。
また、発光装飾ベース部材2140には、装飾部材2100及び拡散レンズ部材2110と同様に、サイド入賞口部材1700から後側へ延出する誘導樋1720,1724を挿通可能な貫通孔2141が形成されていると共に、遊技パネル599の開口部599eを通って遊技パネル599の後側へ突出するアタッカユニット1500のケーシング1500aと当接するのを回避させる切欠き部2142が形成されている。これら貫通孔2141及び切欠き部2142によって、サイド入賞口部材1700の誘導樋1720,1724及びアタッカユニット1500のケーシング1500aが、発光装飾ベース部材2140の後側へ延出できるようになっている。
本例の発光装飾体2004には、その他に、発光装飾ベース部材2140の後側に固定支持され、サイド入賞口部材1700の誘導樋1720,1724、及びアタッカユニット1500の誘導樋1522によって誘導された遊技球を受取って下方の所定位置へ誘導排出する球誘導部材2150を更に備えている。この球誘導部材2150は、左側に配置されるサイド入賞口部材1700と対応する左球誘導部材2150Lと、右側に配置されるサイド入賞口部材1700及びアタッカユニット1500と対応する右球誘導部材2150Rとを備えている。
この球誘導部材2150には、サイド入賞口部材1700の誘導樋1720,1724により誘導された遊技球を検出する一般入賞口センサ2151が各誘導樋1720,1724毎に対応するように備えられている。また、球誘導部材2150における右球誘導部材2150Rには、アタッカユニット1500の誘導樋1522により誘導された遊技球を検出する第一始動口センサ2152が備えられている。
また、発光装飾体2004には、拡散レンズ部材2110と発光装飾基板2130との間に配置され、複数のLED2120を隣接するレンズ部2113同士の間を遮蔽区画する枠状の発光区画部材2160を更に備えている。詳述すると、発光区画部材2160は、下部左レンズ部材2112Lの後側で装飾部材2100の左内部分割体2104Lと対応する位置に配置されると共に、左内上部基板2133L及び左内下部基板2134Lの前側に配置される左発光区画部材2160Lと、下部右レンズ部材の後側で装飾部材2100の右内部分割体2104Rと対応する位置に配置されると共に、右内上部基板2133R及び右内下部基板2134Rの後側に配置される右発光区画部材2160Rとを備えている。
この発光区画部材2160は、図示するように、拡散レンズ部材2110のレンズ部2113と略同じ形状の開口を有した枠状に形成されており、これにより、或るレンズ部2113の後側に配置されたLED2120から放射される光が、他のレンズ部2113を照射するのを防止して、各レンズ部2113(装飾部材2100の各開口部2101)が独立した発光演出をすることができるようになっている。
本例の発光装飾体2004は、上記したような装飾部材2100、拡散レンズ部材2110、発光装飾基板2130、及び発光装飾ベース部材2140等を互いに組立てることで板状に構成されていると共に、正面視において、センター役物1400の外周で透明な遊技パネル599を通して遊技者側から視認できるようになっている。そして、透明な遊技パネル599を通して視認できる立体的な発光装飾体2004によって、従来のようにセンター役物外周の遊技パネルの前面に絵や図柄等を施した平面的な装飾と比較して、より遊技者の関心を強く引き付けることができるものとなっている。
[可動装飾体におけるセンター可動装飾体]
可動装飾体2006におけるセンター可動装飾体2200の詳細な構成について、図112乃至図117を参考にして説明する。図112は、センター可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、図113は、センター可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図114は、センター可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図115は、センター可動装飾体における槌部の回動機構を分解して斜め前から見た分解斜視図である。図116(A)はセンター可動装飾体の移動機構を示す斜視図であり、(B)はセンター可動装飾体の回動機構を示す左側面図である。図117は、センター可動装飾体の槌部の動きを説明する側面図である。
可動装飾体2006におけるセンター可動装飾体2200の詳細な構成について、図112乃至図117を参考にして説明する。図112は、センター可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、図113は、センター可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図114は、センター可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図115は、センター可動装飾体における槌部の回動機構を分解して斜め前から見た分解斜視図である。図116(A)はセンター可動装飾体の移動機構を示す斜視図であり、(B)はセンター可動装飾体の回動機構を示す左側面図である。図117は、センター可動装飾体の槌部の動きを説明する側面図である。
本実施形態のセンター可動装飾体2200は、左右方向へ移動可能とされていると共に移動する方向と同じ方向の軸心周りに回動可能とされたハンマー形状の槌部2202を備えている。この槌部2202は、図示するように、円筒で蛇腹状の槌部本体2204の先端に略平坦面状の打撃面2206が形成された形態とされている。このセンター可動装飾体2200は、液晶表示画面640の表示画面を槌部2202の打撃面2206で打撃するかのように槌部2202を回動させることができるようになっている。
具体的には、このセンター可動装飾体2200は、左右方向へ延びるガイド部材2208と、ガイド部材2208の両端を支持すると共に裏箱2002内に固定可能とされ金属板によって形成されたセンター用ベース部材2210と、センター用ベース部材2210に固定されるモータベース部材2212と、モータベース部材2212に回転軸が上下方向を向くように固定されるセンター移動用モータ2214と、センター移動用モータ2214の回転軸に固定される移動用駆動ギヤ2216と、移動用駆動ギヤ2216と噛合すると共に移動用駆動ギヤ2216よりも大径とされモータベース部材2212に回転可能に軸支されるピニオンギヤ2218と、ピニオンギヤ2218と噛合しガイド部材2208の延びる軸方向と略同じ方向へ延びるラックギヤ2220を有しガイド部材2208によって案内される摺動体2222と、摺動体2222の略中央に固定される槌用支持部材2224と、槌用支持部材2224に回転軸がガイド部材2208の軸方向と略同じ方向を向くように固定される槌用モータ2226と、槌用モータ2226の回転軸に固定される第一ギヤ2228と、第一ギヤ2228と噛合する第二ギヤ2230と、第二ギヤ2230が基端側に固定されると共に槌用支持部材2224に回転可能に軸支され先端側がガイド部材2208の軸方向と略同じ方向へ延びる回動軸2232と、回動軸2232の先端側に基部が固定され先端に槌部2202が固定される柄部2234とを備えている。
このセンター可動装飾体2200におけるガイド部材2208は、金属製で円柱状の一対のガイドシャフト2208aによって構成されており、これらガイドシャフト2208aは、水平方向に対して略平行となるようにセンター用ベース部材2210に支持されるようになっている。また、ガイドシャフト2208aの表面に、所定のメッキ処理が施されており、摺動体2222の摺動抵抗が小さくなるようになっている。
センター用ベース部材2210は、図示するように、板金を屈曲形成したものであり、略水平方向に広がると共に左右方向に長く延びた本体部2210aと、本体部2210aの長手方向(左右方向)両端から下方へ垂下するように屈曲形成されガイド部材2208としての一対のガイドシャフト2208aを所定間隔で略平行に支持する支持部2210bと、本体部2210aの後端から下方へ垂下するように屈曲形成され裏箱2002に固定される固定部2210cと、本体部2210aの前端から上方へ立上るように屈曲形成され本体部2210aと略同じ長さの補強片2210dとを備えている。
また、センター用ベース部材2210には、所定形状で貫通する複数の貫通穴2210eが本体部2210a及び固定部2210cに形成されている。この貫通穴2210eによって、センター用ベース部材2210を軽量化することができるようになっている。なお、一部の貫通穴2210eは、他部品との干渉を回避するのに用いられている。
なお、詳細な説明は省略するが、センター用ベース部材2210の各部には、他部品を固定したりするための取付孔や位置決め孔等が適宜形成されている。また、詳細な図示は省略するが、槌部2202の内部には、LED2122を有した槌用装飾基板2626が備えられており(図132を参照)、槌用装飾基板2626のLED2122の発光によって、槌部2202を発光装飾させることができるようになっている。
モータベース部材2212は、樹脂により形成されており、センター移動用モータを垂下するように支持している。また、モータベース部材2212は、ガイド部材2208よりも後側で、回転可能に軸支しているピニオンギヤ2218が、ガイド部材2208の軸方向略中央と対応する位置に配置されるように、センター用ベース部材2210の下側に固定されている。これにより、ピニオンギヤ2218と噛合するラックギヤ2220を有した摺動体2222が、ガイド部材2208の略全長に亘って移動できるようになっている。
摺動体2222は、図示するように、ガイド部材2208の延びる方向と同じ左右方向へ長く延びた矩形状とされ、その後端にラックギヤ2220が全長に亘って形成されている。この摺動体2222は、センター用ベース部材2210の本体部2210aとガイド部材2208との間に配置され、長手方向(左右方向)の両端付近にガイドシャフト2208a上を転動するローラ2236を回転可能に支持している。また、摺動体2222には、その下面から一対のガイドシャフト2208aの間へ突出する突出部2222aを備えている。この突出部2222aにおけるローラ2236が配置された位置と対応する位置の下部に、ローラ2236に対してガイドシャフト2208aを挟んで反対側に配置される摺動体押え2238が固定されるようになっている。そして、ローラ2236、摺動体2222の突出部2222a、及び摺動体押え2238によって、摺動体2222が一対のガイドシャフト2208a上を脱落することなく滑らかに移動できるようになっている。
また、摺動体2222には、上面の左右方向の略中央から上方へ突出する筒状で内部が上下方向に貫通した筒状突部2222bを備えている。この筒状突部2222bは、センター用ベース部材2210における本体部2210aの左右方向へ長く延びた矩形状の貫通穴2210eから上方へ臨むようになっている。そして、この筒状突起2222bは、その内部に、摺動体2222の下面に固定された槌用支持部材2224に支持される槌用モータ2226等と接続する配線コードを挿通させた上で、センター用ベース部材2210の貫通穴2210eを通して配線コードを上方へ延びださせるようにすることで、配線コードがセンター用ベース部材2210の貫通穴2210eと接触するのを防止するようにしている。
更に、摺動体2222には、ラックギヤ2220よりも上側で後方へ突出する移動位置検知片2222cが備えられている。この移動位置検知片2222cは、モータベース部材2212に固定支持されるセンター移動検知センサ2240に検知可能とされており、センター移動検知センサ2240に検知されることで摺動体2222の移動位置が検知できるようになっている。
槌用支持部材2224は、一対のガイドシャフト2208aの間と対応し摺動体2222の左右方向略中央の下面に固定されている。この槌用支持部材2224は、槌部2202を回動させる回動軸2232を後側に配置される液晶表示装置640と近接する後側の位置に軸支する(図79を参照)と共に、槌用モータ2226を回動軸2232よりも液晶表示装置640から離れた前側の位置に支持するようになっている。また、この槌用支持部材2224は、回動軸2232が正面視で右側へ延びだすように軸支すると共に、右側へ延びだした回動軸2232の外周を被覆可能とされた円筒部2224aが形成されている。この円筒部2224aの両端に嵌め込まれる軸受け2242によって回動軸2232が回動可能に軸支されている。また、槌用支持部材2224には、その左側面側に開口し、槌用モータ2226等と接続するための槌用中継基板2244を収容保持可能な基板収容部2224bを備えている。
本例のセンター可動装飾体2200は、表面にレリーフ状の偶像が施され槌用支持部材2224の前面側を覆うように固定される前装飾部材2246と、槌用支持部材2224の左側面側を覆うように固定される左装飾部材2248と、槌用支持部材2224の右側面側を覆うように固定される右装飾部材2250とを更に備えている。これら、前装飾部材2246、左装飾部材2248、及び右装飾部材2250によって槌用支持部材2224の前側と下側、及び左右両側を覆った状態となるようになっており、槌用支持部材2224の意匠性を高めるようにしている。
センター可動装飾体2200における前装飾部材2246には、図示するように、レリーフ状に造形された偶像の目にあたる部分に貫通する貫通孔2246aが穿設されている。そして、前装飾部材2246の後側には透光性を有したレンズ部材2252が配置されており、レンズ部材2252には、その前面に前装飾部材2246の貫通孔2246a内に挿入されるレンズ部2252aが形成されている。また、レンズ部材2252の後側には、表面のレンズ部2252aと対応する位置にLED2122が実装された槌支持部装飾基板2254が備えられている。この槌支持部装飾基板2254のLED2122によって、前装飾部材2246の偶像の目が、点灯・点滅したりする発光装飾ができるようになっている。
また、センター可動装飾体2200における右装飾部材2250には、図示するように、槌用支持部材2224の円筒部2224aを囲うように右側へ延びる外筒部2250aが形成されている。この外筒部2250aは、その内形が、円筒部2224aの外周に対して所定の隙間が形成される大きさとされていると共に、上下方向に延びた形状とされており、図示は省略するが、円筒部2224aの他に槌用中継基板2244と槌部2202とを接続する所定の配線コードも挿通可能となっている。
このセンター可動装飾体2200における第一ギヤ2228は、図116(B)にも示すように、約90度の回転角度範囲内にのみ形成されている歯部2228aと、歯部2228aの形成されていない部分から半径方向外側へ突出する回動検知片2228bとを備えている。そして、センター可動装飾体2200には、槌用支持部材2224に固定され第一ギヤ2228の回動検知片2228bを検知可能な回動検知センサ2256が更に備えられている。この回動検知片2228b及び回動検知センサ2256によって、槌部2202の回動位置を検知することができるようになっている。
また、第二ギヤ2230は、約90度の回転角度範囲内にのみ形成されている第一ギヤ2228と噛合する歯部2230aと、複数の歯部2230aを挟んで周方向に所定距離隔てた位置に半径方向外側へ突出する一対の回動規制片2230bとを備えている。一方、槌用支持部材2224には、図116(B)中、第二ギヤ2230の軸心、つまり回動軸2232の軸心の下側に配置され右方から第二ギヤ2230の一方の回動規制片2230bと当接する第一当接部2224cと、回動軸2232の軸心の左側に配置され上方から第二ギヤ2230の他方の回動規制片2230bと当接する第二当接部2224dとを備えている。この第二ギヤ2230における一対の回動規制片2230bと、槌用支持部材2224における第一当接部2224c及び第二当接部2224dとによって、第二ギヤ2230つまり回動軸2232の回動角度が規制されるようになっている。
具体的には、第二ギヤ2230の一方の回動規制片2230bと、槌用支持部材2224の第一当接部2224cとが当接することによって、回動軸2232を介して槌部2202が、図116(B)中、時計回りの方向へこれ以上回動するのを規制することができるようになっている。これにより、槌部2202の打撃面2206が液晶表示装置640の表示画面に対して可及的に接近した打撃位置(図117(B)を参照)よりも液晶表示装置640側へ回動するのを規制した状態となり、槌部2202を打撃位置で確実に回動停止させることができるようになっている。一方、第二ギヤ2230の他方の回動規制片2230bと、槌用支持部材2224の第二当接部2224dとが当接することによって、回動軸2232を介して槌部2202が、図116(B)中、反時計回りの方向へこれ以上回動するのを規制することができるようになっている。これにより、槌部2202の打撃面2206が液晶表示装置640の表示画面からも遠ざかった振上位置(図117(A)を参照)よりも打撃位置とは反対側へ回動するのを規制した状態となり、槌部2202を振上位置で確実に回動停止させることができるようになっている。
このセンター可動装飾体2200は、槌部2202を支持する柄部2234が、図示するように、回動軸2232と直交する面上で「く」字状に屈曲して延びる形態とされており、槌部2202の打撃面2206が、回動軸2232の軸心を通る面と略一致するように槌部2202を支持できるようになっている(図117を参照)。このように、柄部2234が屈曲していることで、回動軸2232により回動する槌部2202の打撃面2206を、液晶表示装置640に可及的に接近させることができるようになっている。また、槌部2202の旋回範囲を可及的に小さくすることができ、相対的に槌部2202を大きくして遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
本例のセンター可動装飾体2200におけるセンター移動用モータ2214及び槌用モータ2226は、所定の回転角度毎に回転停止可能とされたステッピングモータとされており、きめ細かくその回転位置を制御することができ、摺動体2222の移動位置や、槌部2202の回動位置を細かく制御することができるようになっている。
また、センター可動装飾体2200には、槌用支持部材2224よりも後側に配置されると共にセンター用ベース部材2210の下側に固定され、表面に所定の装飾が形成されたセンター奥装飾部材2258を更に備えている。このセンター奥装飾部材2258は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされており、箱状に形成された上装飾部2258aと、上装飾部2258aの後端から下方へ垂下する板状の下装飾部2258bとを有している。このセンター奥装飾部材2258は、上装飾部2258aの表面に銀色の金属光沢を備えたメッキ層が形成されており、また、下装飾部2258bの表面下半分が金色の及び表面上半分が銅色の金属光沢を有したメッキ層が夫々形成されていると共に、メッキ層の間に透光性を有した透過層(図示は省略)が形成されている。
また、センター奥装飾部材2258の上装飾部2258aには、上方に開口する切欠き部2258cが形成されている。この切欠き部2258cを通して上装飾部2258a内にセンター移動用モータ2214等が挿入可能とされており、センター移動用モータ2214等が上装飾部2258a内へ挿入されることで、センター移動用モータ2214を上装飾部2258aによって遊技者側から見えないように隠蔽することができるようになっている。なお、このセンター奥装飾板2258は、液晶表示装置640の上辺と略沿うような位置に配置されるようになっている(図74等を参照)。
また、センター可動装飾体2200には、センター奥装飾部材2258における下装飾部2258bの透過層を有した上半分側の後側に配置される拡散レンズ部材2260と、拡散レンズ部材2260の後側に配置され表面に複数のLED2122が実装されたセンター奥基板2262とを更に備えている。この拡散レンズ部材2260は、図示は省略するが、小径レンズを複数備えており、センター奥基板2262のLED2122からの光を広く拡散させることができるようになっており、LED2122の発光によってセンター奥装飾部材2258を発光装飾させることができるようになっている。なお、本例では、センター奥基板2262が、センター奥左基板2262aと、センター奥右基板2262bの二つに分割された構造となっている。
このセンター可動装飾体2200は、センター移動用モータ2214によって移動用駆動ギヤ2216が回転することで、移動用駆動ギヤ2216と噛合するピニオンギヤ2218が回転する。その際に、ピニオンギヤ2218が移動用駆動ギヤ2216よりも大径とされているので、移動用駆動ギヤ2216よりもピニオンギヤ2218の方が回転速度が速くなる。つまり、センター移動用モータ2214の回転速度よりもピニオンギヤ2218の回転速度の方が速くなる。そして、ピニオンギヤ2218の回転によりピニオンギヤ2218と噛合するラックギヤ2220を有した摺動体2222が、ピニオンギヤ2218の回転する方向と対応する方向へ移動することとなる。この時、ラックギヤ2220を備えた摺動体2222は、一対のガイドロッド2208a上を転動するローラ2236によって可及的に摺動抵抗の小さい状態で案内されており、一対のガイドロッド2208a上をスムーズに移動することができるようになっている。なお、摺動体2222は、その長手方向両端(左右方向両端)がセンター用ベース部材2210の支持部2210bと当接するようになっており、支持部2210bと当接することで、左右方向の両移動端が規制されるようになっている。
また、センター可動装飾体2200は、摺動体2222に固定された槌用支持部2224の槌用モータ2226が回転することで、その回転軸に固定された第一ギヤ2228が回転する。そして、第一ギヤ2228と噛合する第二ギヤ2230が回転することで、第二ギヤ2230と共に回動軸2232が回転し、回動軸2232の先端側に固定された柄部2234を介して槌部2202が回動するようになっている。この槌部2202は、槌用モータ2226の回転によって、図117に示すように、その打撃面2206が略水平となることで液晶表示装置640の表示画面から遠ざかった振上位置(同図(A)を参照)と、打撃面2206が略垂直となることで液晶表示装置640の表示画面と接近した打撃位置(同図(B)参照)との間を往復回動できるようになっている。なお、槌部2202は、第二ギヤ2230の一対の回動規制片2230bと、槌用支持部材2224の第一当接部2224c及び第二当接部2224dとによって、振上位置と打撃位置との間よりも外側へ回動するのを規制されるようになっている。
[可動装飾体におけるサイド可動装飾体]
可動装飾体2006におけるサイド可動装飾体2300の詳細な構成について、図118乃至図123を参考にして説明する。図118(A)は左サイド可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)は左サイド可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図119は、左サイド可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図120は、左サイド可動装飾体のサイド移動機構を示す斜視図である。図121(A)は右サイド可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)は右サイド可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図122は、右サイド可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図123は、右サイド可動装飾体のサイド移動機構を示す斜視図である。
可動装飾体2006におけるサイド可動装飾体2300の詳細な構成について、図118乃至図123を参考にして説明する。図118(A)は左サイド可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)は左サイド可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図119は、左サイド可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図120は、左サイド可動装飾体のサイド移動機構を示す斜視図である。図121(A)は右サイド可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)は右サイド可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図122は、右サイド可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図123は、右サイド可動装飾体のサイド移動機構を示す斜視図である。
本実施形態のサイド可動装飾体2300は、正面視で液晶表示装置640の左側に配置される左サイド可動装飾体2300Lと、液晶表示装置640の右側に配置される右サイド可動装飾体2300Rとで構成されている。これら左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rは、形状の違いはあるものの略同様の部材構成となっており、以下、左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rをサイド可動装飾体2300として説明する。
本例のサイド可動装飾体2300は、上下方向に延びると共に表面に立体的な所定の装飾が形成されたサイド装飾部材2302と、サイド装飾部材2302を左右方向へ移動させるサイド移動機構2304と、サイド移動機構2304を支持するサイド用ベース部材2306とを主に備えている。
図119及び図122に示すように、サイド可動装飾体2300におけるサイド装飾部材2302は、レリーフ状で所定形状に造形され略全体的に透光性を有した上装飾部材2308と、上装飾部材2308の下側に配置され、透光性を備えた複数の透過部2310が発光装飾体2004における装飾部材2100の一部の開口部2101と連続するように形成された下装飾部材2312と、上装飾部材2308及び下装飾部材2312の後側に配置される拡散レンズ部材2314と、拡散レンズ部材2314の後側に配置され表面を前方へ向けると共に表面に複数のLED2124が実装されたサイド装飾基板2316とを主に備えている。
この上装飾部材2308は、左サイド可動装飾体2300Lでは青色を基調として黄色いハンマーを持った緑色のワニのキャラクタがレリーフ状に形成されており、右サイド可動装飾体2300Rでは赤色を基調として炎がレリーフ状に形成されている。また、下装飾部材2312は、透過部2310以外の表面に金属光沢を有した(銀色の)メッキ層が形成されている。
拡散レンズ部材2314は、上装飾部材2308、及び下装飾部材2312の透過部2310と対応する位置に、小径レンズが複数配置されたレンズ部2314aが備えられており、サイド装飾基板2316のLED2124からの光を広く拡散させて、上装飾部材2308や下装飾部材2312の透過部2310を面状に発光させることができるようになっている。
また、サイド装飾部材2302には、上装飾部材2308の下側に配置されると共に上方へ向けた表面に複数のLED2124が実装されたサイド上装飾基板2318と、拡散レンズ部材2314とサイド装飾基板2316との間で下装飾部材2312と対応する位置に配置され、サイド装飾基板2316における複数のLED2124を、隣接する拡散レンズ部材2314のレンズ部2314a同士の間を遮蔽区画する枠状の発光区画部材2320とを更に備えている。このサイド上装飾基板2318は、拡散レンズ部材2314の前面に前側へ突出するように形成された一対の基板支持部2314bによって、その左右両端が支持されることで所定位置に配置されるようになっている。また、発光区画部材2320は、下装飾部材2312の透過部2310と略同じ形状の開口を有した枠状に形成されており、或るレンズ部2314aの後側に配置されたLED2124から放射される光が、他のレンズ部2134aを照射するのを防止して、各レンズ部2314aが独立した発光演出をすることができるようになっている。
なお、サイド装飾部材2302は、上装飾部材2308、下装飾部材2312、サイド装飾基板2316、サイド上装飾基板2318、及び発光区画部材2320等が拡散レンズ部材2314に固定されるようになっており、拡散レンズ部材2314がサイド装飾部材2302のベースとしての役割を担っている。
サイド可動装飾体2300におけるサイド移動機構2304は、サイド用ベース部材2306の前面上部に固定されるサイド用モータベース2322と、サイド用モータベース2322によって回転軸が前後方向を向くように固定支持されるサイド用モータ2324と、サイド用モータ2324の回転軸に固定されるピニオンギヤ2326と、ピニオンギヤ2326及びサイド用モータベース2322の前側を覆うようにサイド用モータベース2322に固定され前面側に所定の装飾が施されたサイド用モータベースカバー2328と、サイド用モータベースカバー2328及びサイド用モータベース2322によって左右方向へ案内されると共にサイド装飾部材2302における拡散レンズ部材2314の上部を支持し、ピニオンギヤ2326と噛合し左右方向に延びるラックギヤ2330を有したスライド部材2332とを主に備えている。
サイド移動機構2304は、サイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328に夫々形成され、互いにスライド部材2332を挟んで対向するように配置され、左右方向へ延び上面が平らな平坦面とされたガイド部2322a,2328aと、ガイド部2322a,2328a上へ延出しスライド部材2332のラックギヤ2330下側で左右方向両端付近に穿設された軸受孔2332aに挿通支持される二つのローラシャフト2334と、各ローラシャフト2334の両端に挿入されガイド部2322a,2328a上を転動する複数のローラ2336と、を更に備えている。
このサイド移動機構2304は、ローラシャフト2334を介してスライド部材2332に軸支された複数のローラ2336が、サイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328のガイド部2322a,2328a上を転動することで、スライド部材2332がガイド部2322a,2328aの延びる左右方向へ案内されるようになっている。なお、サイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328のガイド部2322a,2328aは、サイド用モータ2324の回転軸に固定されたピニオンギヤ2326よりも下側に配置されていると共に、サイド用モータ2324は、その回転軸が左右方向において、ガイド部2322a,2328aの左右方向略中央と略同じ位置となるようにサイド用モータベース2322に固定されている。
サイド移動機構2304は、スライド部材2332の後面から後方へ突出するように形成された移動検知片2332b(図120及び図123を参照)と、移動検知片を検知しサイド用モータベース2322の下側に固定されるサイド移動検知2338センサとを更に備えている。このサイド移動検知センサ2338によって、スライド部材2332の移動検知片2332bを検知することで、スライド部材2332の左右方向の移動位置を検知することができるようになっている。
本例のサイド可動装飾体2300は、サイド装飾部材2302よりも後側でサイド用ベース部材2306の前面に固定される上下方向に延びた矩形状の装飾板2340を更に供えている。詳細な図示は省略するが、この装飾板2340には、左右方向における一方の辺に左右方向外方へ突出する係止片2340aが形成されていると共に、係止片2340aが形成された辺とは反対側の辺に、後方へ突出する弾性係止片2340bが形成されている。これら係止片2340a及び弾性係止片2340bは、夫々二つずつ形成されていると共に、上下方向に所定距離離反して夫々配置されており、これら係止片2340a及び2340bによって装飾板2340をサイド用ベース部材2306に固定することができるようになっている。また、装飾板2340は、銅色の金属光沢を有すると共に、所定の模様が施されており、サイド装飾部材2302がサイド移動機構2304によって移動した際に、サイド用ベース部材2306が遊技者側から視認できないようにすることができるようになっている。
また、サイド可動装飾体2300には、サイド装飾部材2302における拡散レンズ部材2314の下端に固定される板状のガイド板2342と、ガイド板2342が前後方向に対して所定範囲内移動できる状態でガイド板2342を左右方向へ案内しサイド用ベース部材2306の下部に固定されるガイドボックス2344とを更に備えている。このガイドボックス2344には、ガイド板2342に対して前後方向に所定量の遊間を形成した状態で左右方向へ延びるガイド溝2344aが形成されており、このガイド溝2344aによって、ガイド板2342(サイド装飾部材2302の下端)が前後方向に対して所定範囲内移動することができるようになっている。
本例のサイド可動装飾体2300におけるサイド用ベース部材2306は、図示するように、板金を屈曲形成したものであり、表面を前方へ向けた状態で上下方向に長く延びた本体部2306aと、本体部2306aの下端から前方へ向かって略水平となるように屈曲形成されガイドボックス2344を支持するガイド支持部2306bとを主に備えている。このサイド用ベース部材2306の本体部2306aには、装飾板2340の係止片2340a及び弾性係止片2340bが挿入係止される矩形状の装飾板係止孔2306cが形成されていると共に、矩形状に貫通する複数の貫通穴2306dが形成されている。この貫通穴2306dによって、サイド用ベース部材2306が軽量化されている。
また、図示するように、サイド用ベース部材2306の本体部2306aは、裏ユニット2000の裏箱2002内に配置された状態で液晶表示装置640から遠ざかった側の長辺が直線状に形成されていると共に、液晶表示装置640と接近する側の長辺が非直線状に形成されている。このサイド用ベース部材2306は、本体部2306aにおける直線状に形成された長辺から前方へ向かうように屈曲形成され、本体部2306aの長さと略同じ長さとされた補強片2306eを更に備えている。この補強片2306eによってサイド用ベース部材2306の剛性が高められている。
なお、サイド用ベース部材2306の本体部2306aには、サイド用モータベース2322やガイドボックス2344等を固定するための取付孔や位置決め孔等が適宜位置に形成されている。
本例のサイド可動装飾体2300は、ステッピングモータからなるサイド用モータ2324によってピニオンギヤ2326が回転すると、ピニオンギヤ2326と噛合するラックギヤ2330を有したスライド部材2332が、ピニオンギヤ2326の回転する方向と対応する左右方向へ移動することとなる。その際、スライド部材2332は、サイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328のガイド部2322a,2328a上を、回転可能に軸支したローラ2336が転動することで、可及的に摺動抵抗の小さい状態で案内されて左右方向へスムーズに移動することができるようになっている。そして、スライド部材2332の移動に伴って、スライド部材2332に支持されたサイド装飾部材2302が左右方向へ移動するようになっている。
このサイド可動装飾体2300は、左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rが、正面視で液晶表示装置640の左右両端付近に位置するように裏箱2002に夫々固定支持されており、夫々のサイド移動機構2304によって、互いのサイド装飾部材2302が接近する方向へ移動した接近位置と、互いのサイド装飾部材2302が離反する方向へ移動した離反位置との間で、夫々左右方向に移動することができるようになっている。なお、左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rが、夫々接近位置に位置した時は、夫々のサイド装飾部材2302によって液晶表示装置640の左右方向端部付近が覆われた状態となり液晶表示装置640の表示画面が左右方向に狭くなったような状態となる。また、左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rが、夫々離反位置に位置した時は、夫々のサイド装飾部材2302によって表示画面の覆われる両が接近位置よりも少なくなって表示画面が左右方向へ広くなったような状態となる。従って、サイド可動装飾体2300の移動によって液晶表示装置640の表示画面の視認可能領域を狭くしたり広くしたりすることができるようになっている。
また、サイド可動装飾体2300は、サイド装飾部材2302が、サイド用モータベース2322、サイド用モータ2324、ピニオンギヤ2326、及びラックギヤ2330を有したスライド部材2332等で構成されるサイド移動機構2304によって、その上部のみが支持された上で、下部がガイドボックス2344によって所定の遊びを有した状態で左右方向へ移動するようになっており、サイド装飾部材2302をユラユラしたユラ付いた状態で移動させることができるようになっている。
なお、スライド部材2330は、その左右方向の両端が、箱状に形成されたサイド用モータベース2322の左右側面の内側と当接することで、左右方向の両移動端が規制されるようになっている。
[可動装飾体におけるアンダー可動装飾体]
可動装飾体2006におけるアンダー可動装飾体2400の詳細な構成について、図124乃至図126を参考にして説明する。図124(A)はアンダー可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)はアンダー可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図125は、アンダー可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図126は、アンダー可動装飾体のアンダー移動機構を示す斜視図である。
可動装飾体2006におけるアンダー可動装飾体2400の詳細な構成について、図124乃至図126を参考にして説明する。図124(A)はアンダー可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)はアンダー可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図125は、アンダー可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図126は、アンダー可動装飾体のアンダー移動機構を示す斜視図である。
本実施形態のアンダー可動装飾体2400は、正面視で液晶表示装置640の前側且つ下側で、左右方向の略中央に配置されるものであり(図131を参照)、外周に立体的な所定の装飾が形成されたアンダー装飾部材2402と、アンダー装飾部材2402を上下方向へ移動させるアンダー移動機構2404と、アンダー移動機構2404を支持するアンダー用ベース部材2406とを主に備えている。このアンダー可動装飾体2400は、アンダー移動機構2404によって、アンダー装飾部材2402が、液晶表示装置640よりも下側に配置される下降位置と、液晶表示装置640の表示画面の前側(であって液晶表示装置640の表示画面とアンダー装飾部材2402の一部とが重複する位置)に配置される上昇位置との間を移動(昇降)することができるようになっている。
アンダー可動装飾体2400におけるアンダー装飾部材2402は、図125に示すように、表面に立体的な装飾が形成された円環状の窓枠状装飾部材2408と、窓枠状装飾部材2408の環内を閉鎖するように後側から挿入される透明なレンズ部材2410とを備えている。この窓枠状装飾部材2408には、略円形状の窓部2408aが形成されており、この窓部2408aを閉鎖するようにレンズ部材2410が後側から固定されるようになっている。また、窓部2408aの左右両外側には、ワニをモチーフに造形されたキャラクタ体2408bが互いに対向するように備えられている。
アンダー可動装飾体2400におけるアンダー移動機構2404は、アンダー用ベース部材2406の後側に固定されると共に回転軸がアンダー用ベース部材2406の前面側へ突出するアンダー移動用モータ2412と、アンダー移動用モータ2412の回転軸に固定されるピニオンギヤ2414と、ピニオンギヤ2414と噛合するラックギヤ2416(図126を参照)が上下方向に延びるように形成されたラック部材2418と、ラック部材2418の上部に固定されると共にアンダー用ベース部材2406によって上下方向へ案内可能とされアンダー装飾部材2402を支持する摺動体2420とを主に備えている。
アンダー可動装飾体2400における摺動体2420は、図示するように、アンダー装飾部材2402を支持固定する円環状の装飾体支持部2420aと、装飾体支持部2420aの下端から左右方向へ延びる腕部2420bと、腕部2402b及び装飾体支持部2420aの下側で左右方向の略中央に配置されラック部材2418の上部が接合固定されるラック固定部2420cとを備えている。この摺動体2420の装飾体支持部2420aには、前面側に後側へ向かって陥没する凹部2420dが形成されており、その凹部2420内にアンダー装飾部材2402のレンズ部材2410の外周を嵌め込んだ上で、装飾体支持部2420に前側から窓枠状装飾部材2408を固定することで、窓枠状装飾部材2408と装飾体支持部2420aとでレンズ部材2410が狭持されると共に、装飾体支持部2420aにアンダー装飾部材2402が固定されるようになっている。また、摺動体2420には、左右の腕部2420bに前後方向へ貫通する貫通孔2420eが夫々形成されている。なお、摺動体2420の後側には、上下方向へ延びると共に後方へ突出する移動検知片2420fが形成されている(図126を参照)。
また、アンダー移動機構2404には、摺動体2420の後側から後方へ突出するように、摺動体2420の貫通孔2420eに挿通される支持ピン2422と、支持ピン2422の後端に装着され前端に外方へ突出するフランジ部2424aを有したブッシュ2424と、ブッシュ2424の後側から支持ピン2422に装着されブッシュ2424よりも大径のワッシャ2426とを更に備えている。なお、支持ピン2422の両端には、CリングやEリング等の止め環(図示は省略する)を装着可能な溝が形成されており、支持ピン2422の両端に止め環を装着することで、支持ピン2422が貫通孔2420eから抜けたり、ブッシュ2424及びワッシャ2426が支持ピン2422から抜けたりするのを防止することができるようになっている。
一方、アンダー可動装飾体2400におけるアンダー用ベース部材2406は、左右方向が摺動体2420よりも大きく形成されており、摺動体2420の貫通孔2420eと対応する位置に、上下方向に延びる長孔2406aが貫通するように形成されている。そして、アンダー用ベース部材2406の長孔2406aを挟んで、アンダー移動機構の支持ピン2422に支持されるブッシュ2424及びワッシャ2426を前後に配置することで、支持ピン2422が長孔2406aによって上下方向に案内されるようになり、而して、支持ピン2422を備えた摺動体2420つまりアンダー装飾部材2402が、アンダー用ベース部材2406によって上下方向へ案内されるようになっている。
また、アンダー可動装飾体2400には、アンダー用ベース部材2406に固定され、摺動体2420の移動検知片2420fを検知可能なアンダー移動検知センサ2428を更に備えている。このアンダー移動検知センサ2428により移動検知片2420fを検知することで、摺動体2420つまりアンダー装飾部材2402の移動位置(上昇位置)を検知することができるようになっている。
更に、アンダー可動装飾体2400には、アンダー用ベース部材2406の前側に固定されると共にアンダー移動機構2402の前側を覆うアンダー用カバー部材2430を更に備えている。このアンダー用カバー部材2430及びアンダー用ベース部材2406によって、アンダー移動機構2402の腕部2420bよりも下側の部分が覆われるようになっている。
本例のアンダー可動装飾体2400は、ステッピングモータからなるアンダー用モータ2412によってピニオンギヤ2414が回転すると、ピニオンギヤ2414と噛合するラックギヤ2416を有したラック部材2418の上部に固定された摺動体2420が、ピニオンギヤ2414の回転する方向と対応する上下方向へ移動することとなる。この際、摺動体2420は、支持ピン2422に支持されたブッシュ2424及びワッシャ2426が、アンダー用ベース部材2406の上下方向へ延びる長孔2406aに案内されることで、上下方向へスムーズに移動することができるようになっている。また、ラックギヤ2414が上下方向へ延びる二つの長孔2406aの略中央に配置されているので、各長孔2406aに挿入される左右の支持ピン2422に対して、略均等に力が作用するようになっており、摺動体2420がガタ付くことなく昇降できるようになっている。そして、摺動体2420の移動に伴って、摺動体2420に固定されたアンダー装飾部材2402が上下方向へ移動することができるようになっている。
このアンダー可動装飾体2400は、アンダー装飾部材2402が最も下がった下降位置と、最も上昇した上昇位置との間で上下方向に移動することができ、アンダー装飾部材2402が下降位置に下がった状態ではアンダー装飾部材2402が液晶表示装置640の表示画面よりも下側に位置し、アンダー装飾部材2402が上昇位置に上がった状態ではアンダー装飾部材2402が液晶表示装置640の表示画面の前面に位置するようになっている。なお、詳細は後述するが、アンダー装飾部材2402が上昇位置に位置した時に、液晶表示装置640における表示画面の窓枠状装飾部材2408における窓部2408aの真後側に位置する部位には、他の表示部分とは異なる画像を表示させることができるようになっており、これにより、遊技者に対して、あたかも窓枠状装飾部材2408の窓部2408aに画像が表示されているように見せることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
なお、支持ピン2422に支持されたブッシュ2424が長孔2406a内の上端や下端と当接することで、摺動体2420つまりアンダー装飾部材2402の上下方向の両移動端が規制されるようになっている。
[裏箱]
裏ユニット2000における裏箱2002の詳細な構成について、主に図127乃至図130を参考にして説明する。図127(A)は液晶表示装置等を支持した状態の裏箱を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)の裏箱を斜め後から見た斜視図である。図128は、図127の裏箱を後から見た背面図であり、図129は、図128におけるD−D断面図である。図130は、図127の裏箱を主要な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。
裏ユニット2000における裏箱2002の詳細な構成について、主に図127乃至図130を参考にして説明する。図127(A)は液晶表示装置等を支持した状態の裏箱を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)の裏箱を斜め後から見た斜視図である。図128は、図127の裏箱を後から見た背面図であり、図129は、図128におけるD−D断面図である。図130は、図127の裏箱を主要な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。
本実施形態の裏ユニット2000は、裏箱2002における後壁2014の後面側に、後壁2014の開口部2012を閉鎖するように後側から固定支持される液晶表示装置640と、液晶表示装置640の下側で背面視左側に固定され、主制御基板ボックス624の主制御基板1350等と接続されるパネル中継基板1352と、パネル中継基板1352の背面視右側に固定され、パネル中継基板1352と接続され発光装飾体2004及び可動装飾体2006の発光演出や可動演出等を制御する第一装飾制御基板1354を収容した第一装飾制御基板ボックス1356と、第一装飾制御基板ボックス1356の第一装飾制御基板1354と接続されると共に第一装飾制御基板1354と協働して発光装飾体2004及び可動装飾体2006の発光演出や可動演出等を制御する第二装飾制御基板1358を収容し、一端が裏箱2002に他端が液晶表示装置640に固定支持される第二装飾制御基板ボックス1360とを主に備えている。
また、裏ユニット2000は、裏箱2002における後壁2014の後面側で開口部2012の背面視左側に固定され、液晶表示装置640の一方の側面側を支持する液晶支持部材1370と、液晶支持部材1370とは開口部2012を挟んで反対側に配置され、液晶表示装置640の他方の側面側を着脱可能に支持する液晶ロック機構1372とを更に備えている。
本例の裏ユニット2000における裏箱2002は、正面視外形が矩形状とされ前後方向に所定幅で延びる角筒状の外筒部2016と、外筒部2016の前端から外方へ延びるフランジ状の複数の固定部2018と、外筒部2016の後端開口を閉鎖する後壁2014と、後壁2014を貫通する略矩形状の開口部2012とを備えている。固定部2018には、前後方向に貫通する固定孔2020と、前方へ突出する位置決め突起2022とが形成されている。この固定部2018をパネルホルダ600の後面側に当接させた上で、固定孔2020を介して所定のビスを、パネルホルダ600やパネル裏板635の取付孔600j,635aにねじ込むことで、裏箱2002つまり裏ユニット2000をパネルホルダ600の後側に取付固定することができるようになっている。
また、位置決め突起2022は、パネルホルダ600やパネル裏板635の後面側に形成された位置決め孔600k,635bと嵌合することで、パネルホルダ600と裏ユニット2000との相対位置を位置決めできるようになっている。なお、図示するように、円柱状の位置決め突起2022に対して、位置決め孔600k,635bが角孔状とされており、位置決め突起2022と位置決め孔600k,635bとの接触面積を小さくしすることで、挿入抵抗を少なくすることができ、簡単に挿入嵌合させることができるようになっている。
この裏箱2002には、後壁2014の前面側や外筒部2016の内周側に、発光装飾体2004や可動装飾体2006等を取付固定するための取付孔や、先端に取付孔が穿設されたボス等が適宜位置に形成されている。また、本例の裏箱2002は、その前面から後壁2014までの距離(深さ)が、50mm〜100mmの範囲内とされている。
また、裏箱2002は、その後壁2014の後面側に、開口部2012の下側で開口部2012の下辺に略沿って左右方向へ延びると共に後方へ所定量延出する液晶支持棚2024と、背面視で開口部2012の左側に開口部2012の側辺に略沿って複数配置され後方に向かって突出し液晶支持部材1370を位置決めする位置決めボス2026と、位置決めボス2026が配置された側とは開口部2012を挟んで反対側に上下方向へ所定距離離反して配置され、液晶ロック機構1372が固定されるロック機構固定部2028とを備えている。この液晶支持棚2024に液晶表示装置640の下端が載置されることで、液晶表示装置640の重量を支持することができるようになっている。
また、位置決めボス2026は、液晶支持部材1370の前面側に形成された位置決め孔(図示しない)内に挿入嵌合することで、液晶支持部材1370を所定位置に位置決めすることができると共に、位置決めボス2026の後面の中心に取付孔が形成されており、その取付孔に対して液晶支持部材1370を通して後側から所定の取付ビスをねじ込むことで、液晶支持部材1370を後壁2014の後側に固定することができるようになっている。なお、図130に示すように、液晶支持部材1370には、上下方向に所定距離離反して配置され前側及び左右両側に開口する凹溝1370aが形成されている。この凹溝1370aは、液晶表示装置640の一方の側面から外方へ延出する固定片640aと対応する位置及び大きさとされ、液晶支持部材1370を裏箱2002に固定することで、凹溝1370aと裏箱2002の後壁2014とによって、液晶表示装置640の一方の固定片640aが背面視で上下及び左方向、更に前後方向への移動が規制された状態となるようになっている。なお、図示は省略するが、液晶表示装置640の他方の側面にも二つの固定片640aが備えられている。
裏箱2002のロック機構固定部2028に固定される液晶ロック機構1372は、ロック機構固定部2028に固定され左右方向へ延びるガイド部を有したロックベース1372aと、ロックベース1372aによって左右方向へスライド可能に支持されるロックスライダ1372bとを備えている。この液晶ロック機構1372のロックベース1372aを裏箱2002に固定した状態で、液晶表示装置640を裏箱2002の後面にセットすると、液晶表示装置640の他方の固定片640a(図示せず)がロックベース1372aによって背面視で上下及び右方向への移動が規制された状態となると共に、裏箱2002の後壁2014によって前方向への移動が規制された状態となる。その状態でロックベース1372aに沿ってロックスライダ1372bを液晶表示装置640に近付く方向(背面視で左方向)へスライドさせることで、ロックスライダ1372bによって他方の固定片640aが後方向へ移動するのを規制されるようになっている。
従って、裏箱2002の後面側に固定された液晶支持部材1370及び液晶ロック機構1372によって、液晶表示装置640を裏箱2002の後面に固定支持することができるようになっている。また、液晶ロック機構1372のロックスライダ1372bを液晶表示装置640から遠ざかる方向(背面視で右方向)へスライドさせることで、他方の固定片640aが後方向へ移動可能となり、その状態で、液晶表示装置640の他方の固定片640a側を後方へ移動させて、ロックベース1372aから他方の固定片640aを外した後に、液晶表示装置640を背面視で斜め右後方向へ移動させることで、一方の固定片640aが液晶支持部材1370の凹溝1370aから抜けて、液晶表示装置640を裏箱2002の後面側から取外すことができるようになっている。つまり、液晶表示装置640を裏箱2002に対して着脱可能に支持することができるようになっている。
本例の裏箱2002には、図130に示すように、後壁2014の後面側で液晶支持棚2024よりも下側に、パネル中継基板1352を固定するパネル中継基板固定部2030と、第一装飾制御基板ボックス1356を固定する第一装飾制御基板ボックス固定部2032とが備えられている。また、裏箱2002の後壁2014には、パネル中継基板固定部2030と第一装飾制御基板ボックス2032との間に前後方向へ貫通する矩形状の開口2034が形成されており、この開口2034を通して裏箱2002内に固定されるアンダー可動装飾体2400のアンダー用モータ2412が後方へ突出して後壁2014と当接するのを回避させることができるようになっている(図104を参照)。
ところで、図130に示すように、裏箱2002には、後壁2014の後面側で開口部2012よりも上側に配置され、第二装飾制御基板ボックス1360の上端を支持する裏箱側支持部2036が備えられている。この裏箱側支持部2036は、上方側が開放されたフック状に形成されており、左右方向に並んで二つ配置されている。また、液晶表示装置640の後面側には、裏箱2002の後面側に固定された状態で、裏箱側支持部2036の下方となる位置に、第二装飾制御基板ボックス1360の下端を支持する表示側支持部640bが備えられている。この表示側支持部640bは、上方側が開放された箱状に形成されている。一方、第二装飾制御基板ボックス1360には、上端部に配置され裏箱側支持部2036に係止支持される軸状の係止部1360aと、下端部に配置され表示側支持部640bに係止される弾性係止部1360bとを備えている。第二装飾制御基板ボックス1360の係止部1360aは、フック状の裏箱側支持部2036に上方側から係止支持されることで、裏箱側支持部2036に対して着脱可能且つ回転可能に支持されるようになっている。また、第二装飾制御基板ボックス1360の弾性係止部1360bは、上下方向へ弾性変形可能な弾性片1360cの下面に下方へ突出する係止突起1360dが形成されており、この係止突起1360dが表示側支持部640bの後壁内側(前側)と当接することで、第二装飾制御基板ボックス1360下端の後方側への移動が規制されるようになっている。
従って、第二装飾制御基板ボックス1360は、裏箱2002の裏箱側支持部2036及び液晶表示装置640の表示側支持部640bによって、その上端部及び下端部が支持されることで、裏箱2002の後側に固定されるようになっている。なお、第二装飾制御基板ボックス1360は、裏箱2002の後面側に液晶表示装置640を固定した後に、裏箱2002及び液晶表示装置640の後面側に固定支持させるようにしても良いし、或いは、第二装飾制御基板ボックス1360の上端部を、予め裏箱2002の裏箱支持部2036に支持させた状態とし、裏箱2002に液晶表示装置640を固定する際には、裏箱支持部2036を中心として第二装飾制御基板ボックス1360が略水平となるようにその下端部を上方へ回動移動させた状態で、液晶表示装置640を裏箱2002の後面側に固定し、その後、第二装飾制御基板ボックス1360が略垂直となるようにその下端部を下方へ回動移動させると共に、下端部の弾性係止部1360bを液晶表示装置640の表示側支持部640bに係止させることで第二装飾制御基板ボックス1360を裏箱2002の後面側に固定するようにしても良い。
これにより、裏箱2002から液晶表示装置640を取外す際に、少なくとも第二装飾制御基板ボックス1360の弾性係止部1360bを液晶側支持部640bから外す必要があり、液晶表示装置640が容易に取外されるのを防止することができるようになっている。また、第二装飾制御基板ボックス1360の係止部1360aを、裏箱2002の裏箱側支持部2036に係止支持させることで、第二装飾制御基板ボックス1360を裏箱2002にとりあえず支持させた状態とすることができ、液晶表示装置640を固定していない状態でも、裏ユニット2000に備えられる発光装飾体2004や可動装飾体2006等の作動確認をすることができるようになっている。
この裏箱2002には、その後壁2014の後面側に、基端側が後壁2014の後面から後側へ突出するように接続されると共に、先端側が後壁2014の後面との間で配線コード(図示せず)が通過不能な隙間を形成する自由端とされ、基端側と先端側との間に配線コードが通過可能な隙間を形成可能な略直線形状のコード保持片2038が複数備えられている。これらコード保持片2038は、裏箱2002と一体に形成されていると共に、裏箱2002の開口部2012の外周に略沿って配線コードを保持することができるように配置されている。
本例の裏ユニット2000は、上述した裏箱2002の後壁2014の前面側(裏箱2002内)に可動装飾体2006におけるセンター可動装飾体2200、サイド可動装飾体2300、及びアンダー可動装飾体2400のセンター用ベース部材2210、サイド用ベース部材2306、及びアンダー用ベース部材2406が夫々所定位置に固定されており、更に可動装飾体2006の前側で裏箱2002の前面側に発光装飾体2100が固定されることで一体的なユニットを構成するようになっている。
<主基板及び周辺制御基板による制御構成>
本実施形態のパチンコ機1における主基板2500及び周辺制御基板2600による詳細な制御構成について、主に図131及び図132を参照して説明する。図131は、パチンコ機における主基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。図132は、パチンコ機における周辺制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1における主基板2500及び周辺制御基板2600による詳細な制御構成について、主に図131及び図132を参照して説明する。図131は、パチンコ機における主基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。図132は、パチンコ機における周辺制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主制御基板1350及び払出制御基板1186を含む主基板2500のグループと、第一装飾制御基板1354及び第二装飾制御基板1358等を含む周辺制御基板2600のグループとで分担されている。主基板2500のグループは遊技動作(入賞検出や当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺制御基板2600のグループは演出動作(発光装飾や可動演出、音響出力、液晶表示等)を制御している。
図131に示すように、主基板2500の主制御基板1350には、中央演算装置としてのCPU2502、読み出し専用メモリとしてのROM2504および読み書き可能メモリとしてのRAM2506を備えている。このCPU2502は、ROM2504に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺制御基板2600や払出制御基板1186に出力するコマンド信号を作成したりする。また、RAM2506には、主制御基板1350で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。なお、主制御基板1350は、中継端子板625、払出制御基板1186、及び電源中継端子板2528を介して電源基板2530に接続されており、電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板1350の入力インタフェースには、パネル中継端子板1352を介して、普図ゲート1600のゲート部1602を通過した遊技球を検出する普図ゲートセンサ1612、特図ゲートA1900のゲート部を通過した遊技球を検出する特図ゲートセンサA1901、特図ゲートB1910のゲート部を通過した遊技球を検出する特図ゲートセンサB1911、一般入賞口1702に入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ2151、第一始動口1502に入賞した遊技球を検出する第一始動口センサ2152、第二始動口1506に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ1516、アタッカユニット1500の大入賞口1510に入賞した遊技球を検出するカウントセンサ1518、及び、全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ2508が接続されている。
また、主制御基板1350の入力インタフェースには、中継端子板625を介して、遊技球を遊技領域605へ打ち込むための遊技者によって操作される操作ハンドル部461の操作状態を検出する操作センサ2510、本体枠3の開放状態を検出する本体枠開放スイッチ2512、及び扉枠5の開放状態を検出する扉枠開放スイッチ2514も接続されている。
一方、パネル中継端子板1352の出力インタフェースには、第二始動口1506を開閉可能な一対の可動片1504を開閉駆動する始動口ソレノイド1512、及びアタッカユニット1500の大入賞口1510を閉鎖可能な開閉部材1508を開閉駆動するアタッカソレノイド1514が接続されており、主制御基板1350から駆動信号が出力されるようになっている。また、パネル中継端子板1352の出力インタフェースには、普通図柄・特別図柄表示基板2516を介して、普通図柄表示器1806、第一及び第二特別図柄表示器1802,1804、普通図柄記憶数表示器1812、第一及び第二特別図柄記憶数表示器1808,1810が接続されており、主制御基板1350から、図柄表示装置1800に備えられた普通図柄表示器1806や第一及び第二特別図柄表示器1802,1804等へ駆動信号を出力することが可能になっている。
一方、払出制御基板1186は、中央演算装置としてのCPU2518、読み出し専用メモリとしてのROM2520および読み書き可能メモリとしてのRAM2522を備えている。そして、払出制御基板1186は、主基板1350から入力したコマンド信号を処理し、払出モータ815や、発射制御基板2524に接続された発射モータ695に対して駆動信号を出力する。これにより、払出モータ815は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ695は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、払出制御基板1186には、賞球タンク720内に貯留された遊技球が無くなったことを検出する球切れスイッチ778が接続されており、この球切れスイッチ778の検出に基づいて、遊技者及びホール側(ホールコンピュータ)へ球切れの報知がなされる。また、払出制御基板1186には、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が満タンになったことを検出する満タンスイッチ916が接続されており、この満タンスイッチ916の検出に基づいて、「遊技球を貯留部381から取り出して下さい」旨の報知がなされるようになっている。
また、主制御基板1350と払出制御基板1186との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主基板1350が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板1186から主制御基板1350にACK信号が返されるようになっている。
更に、主制御基板1350および払出制御基板1186には、外部端子板2526が接続されており、始動口1502,1506や大入賞口1510等への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態及び大当たり遊技の実行にかかわる特別抽選結果や、普通抽選結果等の各抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺制御基板2600は、図132に示すように、CPU2602をはじめROM2604やRAM2606等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。また、周辺制御基板2600には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM2608と、ROM2608に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC2610とが設けられている。また、周辺制御基板2600には、センター移動用モータ2214、槌用モータ2226、サイド用モータ2324及びアンダー用モータ2412をそれぞれ駆動するドライブ回路2611が設けられている。なお、上記の主基板2500と周辺制御基板2600との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板2500から周辺制御基板2600へのコマンド送信はあっても、その逆は行われないようになっている。また、周辺制御基板2600に対しても電源中継端子板2528を介して電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
なお、周辺制御基板2600を構成する第一装飾制御基板1354及び第二装飾制御基板1358の何れにもCPU2602や音源IC2610を備えるようにしても良いし、何れか一方のみにCPU2602や音源IC2610を備えるようにしても良い。
この周辺制御基板2600には、液晶表示装置640での演出画像の表示を制御する液晶表示制御基板2612が接続されている。この液晶表示制御基板2612には、液晶表示装置640が接続されており、液晶表示制御基板2612で周辺制御基板2600から送信されたコマンド信号を処理し、液晶表示装置640に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、液晶表示制御基板2612には、CPU2614、RAM2616、ROM2618、VDP2620及び画像ROM2622が備えられている。
液晶表示制御基板2612のCPU2614は、周辺制御基板2600から送られてきたコマンド信号を、入出力インタフェースを介して受信すると共に、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP2620の制御を行う。RAM2616は、CPU2614の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM2618は、CPU2614用(表示制御用)のプログラムを保持する。
また、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)2620は、液晶表示装置640に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP2620の内部には、レジスタが設けられており、VDP2620の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU2614が書き換えることにより、液晶表示装置640における表示態様を種々に変化させることが可能となる。画像ROM2622は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
なお、周辺制御基板2600と液晶表示制御基板2612との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。また、液晶表示制御基板2612に対しても、周辺制御基板2600及び電源中継端子板2528を介して電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5に備えられた扉枠装飾ランプ2624、及びスピーカ163等が接続されており、周辺制御基板2600から、これらランプやスピーカ163等に対して駆動信号が出力されるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5の前面に配置された三つの押ボタン330a,330b,330c(符号は左から順)からなる操作ボタン330が夫々接続されており、各押ボタン330a,330b,330cの操作信号が入力されるようになっている。
更に、周辺制御基板2600には、発光装飾体2004における発光装飾基板2130としての、上部左基板2131L、上部右基板2131R、左下部基板2132L、右下部基板2132R、左内上部基板2133L、右内上部基板2133R、左内下部基板2134L、及び右内下部基板2134Rが夫々接続されており、周辺制御基板2600から各基板に実装されたLED2120に対して駆動信号を出力することで各LED2120を適宜発光駆動させて発光装飾体2004を発光装飾(発光演出)させることができるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、可動装飾体2006におけるセンター可動装飾体2200のセンター移動用モータ2214、センター移動検知センサ2240、及びセンター奥基板2262が接続されていると共に、槌用中継基板2244を介して、槌用モータ2226、回動検知センサ2256、槌支持部装飾基板2254、及び槌用装飾基板2626が接続されている。そして、センター移動検知センサ2240や回転検知センサ2256からの信号が、周辺制御基板2600に入力されることで、それらの信号に基づいて、センター移動用モータ2214により左右方向へ移動する摺動体2222や、槌用モータ2226により液晶表示装置640を打撃するかのように回動する槌部2202を、原点復帰させることができるようになっている。また、周辺制御基板2600から槌支持部装飾基板2254や槌用装飾基板2626に実装されたLED2122に対して駆動信号を出力することで各LED2122を適宜発光駆動させて前装飾部材2246やセンター奥装飾部材2258を発光装飾(発光演出)させることができるようになっている。
更に、周辺制御基板2600には、可動装飾体2006におけるサイド可動装飾体2300のサイド装飾基板2316、サイド上装飾基板2318、サイド用モータ2324、及びサイド移動検知センサ2338が接続されており、サイド装飾基板2316やサイド上装飾基板2318に実装されたLED2124に対して駆動信号を出力することで、各LED2124を適宜発光させ、サイド装飾部材2302を発光装飾(発光演出)させることができるようになっている。また、サイド移動検知センサ2338からの検知信号が周辺制御基板2600に入力されることで、その信号に基づいてサイド用モータ2324により左右方向へ移動するサイド装飾部材2302を原点復帰させることができる。なお、周辺制御基板2600は、左側に配置される左サイド可動装飾体2300L、及び右側に配置される右サイド可動装飾体2300Rを、夫々独立して発光演出や可動演出の制御をすることができるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、可動装飾体2006におけるアンダー可動装飾体2400のアンダー用モータ2412及びアンダー移動検知センサ2428が接続されており、周辺制御基板2600にアンダー移動検知センサ2428からの検知信号が入力されると、その信号に基づいてアンダー用モータ2412により上下方向へ移動するアンダー装飾部材2402を原点復帰させることができるようになっている。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板2500で実行される種々の制御処理について、図88〜図144を参照して説明する。
[メインシステム処理について]
まず、図133に基づいて説明する。図133は、主基板2500の主制御基板1350に搭載されるCPU2502が実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図133に基づいて説明する。図133は、主基板2500の主制御基板1350に搭載されるCPU2502が実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
主制御基板1350では、ROM2504に予め格納された所定のプログラムをCPU2502が4msごとの定期タイマ割り込みで実行することによって各種の遊技制御や演出制御等が具現化されるようになっている。
図133に示すように、パチンコ機1へ電源が供給されると、CPU2502(図131参照)は、電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、まず、RAM2506(図131参照)に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否かを判別する。即ち、この実施の形態のRAM2506(データメモリ)は、電力の常時供給によって各種の制御データがバックアップされるバックアップ領域を有している。そして、パチンコ機1は、電力供給の停止に際しては、上記RAM2506の処理領域に記憶されている各種の制御データを上記バックアップ領域に一時退避させる処理を行うとともに、電源復帰時にこの一時退避されたデータを当該RAM2506の処理領域に読み出すことで、電源遮断時から継続性のある遊技を実行可能としている。
したがって、この電源投入時処理(ステップS10)では、バックアップデータ(バックアップ領域内のデータ)が正常であれば、RAM2506に記憶されているバックアップデータに従って電力供給の停止時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行する。一方、バックアップデータが異常であれば、RAM2506に記憶されているバックアップデータは消去される。そしてその後、RAM2506の処理領域には、例えば特別図柄の当否判定用乱数(以下、第一特別乱数及び第二特別乱数の総称として「特別乱数」を用いる)についての当否判定処理における当選確率や、現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。また、製品化されてから最初の電源投入時も、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる。
なお、電源投入時処理において書き込まれた現在の遊技状態は、周辺制御基板2600にコマンド送信され、これに基づいて演出表示装置としての液晶表示装置640の表示が制御される。このように、停電時における現在の遊技状態を主制御基板1350のRAM2506に記憶し、現在の遊技状態を復電後に周辺制御基板2600に送信することで、停電した場合であっても、内部的な遊技状態と液晶表示装置640に表示される遊技状態とを一致させることができる(周辺制御基板2600では停電時の遊技状態が記憶されない)。ところで、本実施形態の遊技機では、液晶表示装置640に表示される装飾図柄および特別図柄対応図柄の変動を特別図柄の変動に同調させるために、特別図柄の変動を開始するタイミングで、変動パターンについての情報をコマンド送信している。そして、当該コマンドを送信した直後に、現在の遊技情報についてのコマンドを、その都度、主制御基板1350から周辺制御基板2600に送信している。これにより、周辺制御基板2600でも、現在の遊技状態を常に把握できるようになっている。
ただし、この電源投入時処理(ステップS10)では、RAM2506に記憶されているバックアップデータの消去を指示するRAM消去スイッチがオンであるか否かの判断も行われる。即ち、このRAM消去スイッチがオンであったときも、RAM2506に記憶されているバックアップデータは消去される。また併せて、RAM2506の処理領域には、例えば特別乱数についての当否判定処理における当選確率や、現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。
また、電源投入時処理(ステップS10)では、このような初期化処理を実行したときに主制御基板1350(図131参照)が起動したことを示す電源投入コマンドを、周辺制御基板2600(図132参照)に送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板1350が起動したことを周辺制御基板2600に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM2506にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理(ステップS10)が終了すると、CPU2502は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU2502は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判断する(ステップS20)。なお、この実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板2530によって生成される。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に電源を供給している。そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板1350に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS20で主制御基板1350に搭載されるCPU2502により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS40)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(本実施形態では24V)が復旧(以下「復電」と称する)した場合に、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM2506のバックアップ領域にデータを一時退避させる処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS20で停電予告信号が検知されていない場合(ステップS20におけるNO)、即ち、外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる乱数を更新する非当否判定用乱数更新処理を行う(ステップS30)。なお、非当否判定用乱数更新処理にて更新される乱数については後述する。
[電源断発生処理について]
図134は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。CPU2502は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、RAM2506の処理領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データをRAM2506のバックアップ領域に記憶する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM2506の内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。
図134は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。CPU2502は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、RAM2506の処理領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データをRAM2506のバックアップ領域に記憶する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM2506の内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。
次いで、CPU2502は、RAM2506の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS46)。以上の処理を終えると、CPU2502は、RAM2506へのアクセスを禁止し(ステップS48)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。ところで、この処理では、ごく短時間の停電等(以下「瞬停」と称する)により電源電圧が不安定になって電源断発生時処理が開始されてしまうと、実際には電源電圧は停止されないため、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU2502には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。その結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図134の無限ループに入った場合でも所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU2502が起動することになる。
なお、RAM2506のバックアップ領域に代えて、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えるようにしてもよい。この場合、データをバックアップさせるために常時の電力供給を必要としない、といったメリットがある。
若しくは、上記RAM2506の全領域を、電力の常時供給によってデータがバックアップされるバックアップ領域としてもよい。この場合、電源遮断時において、RAM2506の特定領域に記憶されているデータをその他の領域に退避させる必要がなくなる。また、電源復帰時にも、退避データを処理領域に読み出す必要がなくなるため、これらの処理に要する負荷が軽減されるようになる。
[タイマ割込処理について]
図135は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板2500の主制御基板1350に搭載されるCPU2502により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU2502は、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
図135は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板2500の主制御基板1350に搭載されるCPU2502により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU2502は、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
ステップS60のセンサ監視処理では、上述した各種のセンサ(普図ゲートセンサ1612、特図ゲートセンサA1901、特図ゲートセンサB1911、第一始動口センサ2151、第二始動口センサ1516、カウントセンサ1518等)の検出信号を監視する処理を実行する。
ステップS70の当否判定用乱数更新処理では、遊技で用いられる乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施形態では、当否判定用乱数更新処理にて更新される乱数と、上述した非当否判定用乱数更新処理にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、当否判定用乱数更新処理にて更新される乱数を非当否判定用乱数更新処理でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS80の払出制御処理では、センサ監視処理(ステップS60)にて検出された信号に基づいて払出制御基板1186に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。
ステップS90の普通図柄・普通電動役物制御処理では、センサ監視処理処理(ステップS60)にて普図ゲートセンサ1612から検出された信号に基づいて普通図柄表示器1806に関わる制御処理を実行するとともに、一対の可動片1504の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS100の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄の変動開始から大当たり遊技の開始までの一連の処理を実行するとともに、大入賞口1510への遊技球の入賞を可能とすべく、開閉部材1510の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS260の出力データ設定処理では、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)等において定まる情報に基づいて、主制御基板1350から周辺制御基板2600に送信するコマンドを生成する処理を実行する。
ステップS270のコマンド送信処理では、出力データ設定処理(ステップS260)において設定されたコマンドを周辺制御基板2600に送信する処理が行われる。ステップS60からステップS270の処理を実行すると、レジスタ復帰処理(ステップS280)を実行して、タイマ割込処理を終了する。
ここで、上述した非当否判定用乱数更新処理(ステップS30)および当否判定用乱数更新処理(ステップS70)においてCPU2502により更新される各種乱数について説明する。
本実施形態において、遊技にて用いられる各種乱数として、特別乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン用乱数、ラウンド数決定用乱数及び普通図柄の当否判定用乱数(以下、「普通乱数」と称する)等がある。これらの乱数のうち、特別乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン用乱数は、始動口1502,1506に遊技球が入賞したことに基づいて取得される。ラウンド決定用乱数は、条件装置が作動しているときに、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したことに基づいて取得される。普通乱数は、普図ゲート1600を遊技球が通過したことに基づいて取得される。
特別乱数は、大当たり遊技の実行条件の一つである条件装置を作動させるか否かの当否判定(当たりに当選したか否かの判定)に用いられる乱数である。本実施形態では、第一始動口1502に遊技球が始動入賞すると、乱数幅0〜633の乱数のなかからいずれか一つの乱数が取得される。そして、確変機能が作動しない低確率状態であれば、取得された第一特別乱数が7または77であるときに、第一特別乱数の特別抽選結果が「特別当たり」である旨が判定される。同様に、第二始動口1506に遊技球が始動入賞すると、乱数幅0〜633の乱数のなかからいずれか一つの乱数が取得され、低確率状態であれば、取得された乱数値が7または77であるときに、第二特別乱数の特別抽選結果が「特別当たり」である旨が判定される。また、確変機能が作動する高確率状態であれば、第一始動口1502への始動入賞に基づいて取得された第一特別乱数が3〜7,73〜77,173〜177,273〜277のうちのいずれかであるときに、第一特別乱数の特別抽選結果が「特別当たり」である旨が判定される。同様に、高確率状態において第二始動口1506に遊技球が始動入賞すると、当該始動入賞に基づいて取得された第二特別乱数が3〜7,73〜77,173〜177,273〜277のうちのいずれかであるときに、第二特別乱数の特別抽選結果が「特別当たり」である旨が判定される。
なお、本実施形態において、確変機能および時短機能の両方が作動している遊技状態を高確率時短状態、確変機能は作動しているものの時短機能が作動していない遊技状態を高確率非時短状態、確変機能は作動していないものの時短機能が茶道している遊技状態を低確率時短状態、確変機能および時短機能の両方が作動していない遊技状態を低確率非時短状態(通常遊技状態)と称する。また、高確率時短状態および高確率非時短状態の両方を含む総称を高確率状態とし、低確率時短状態および低確率非時短状態の両方を含む総称を低確率状態とする。
図柄乱数は、特別図柄の変動が停止したときの停止図柄の決定に用いられる乱数である。遊技機によっては、条件装置を作動させると判定(特別抽選結果が「特別当たり」である旨判定)されたときに、当たりの種別(通常当たりであるか確変当たりであるか)の判定に図柄乱数が用いられることもあるが、本実施形態では、大当たり遊技が終了したのちの遊技状態は常に高確率状態に制御されるので、このような判定には用いられない。そして、大当たり遊技が実行されたことによって高確率状態となった遊技状態は、詳細は後述するが、確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)が行われた結果、確変機能の作動を維持せずに停止する旨が判断されたときに(ステップS1310におけるYES)、低確率状態に制御される。
ところで、大当たり遊技が実行されたのちの遊技状態では、大当たり遊技が終了した直後から特別抽選が100回行われるまで(特別図柄の変動が100回行われるまで)、時短機能が作動する。時短機能が作動すると、「普通当たり」となる頻度が高められ、ひいては第二始動口1506を閉鎖する一対の可動片1504が所定時間拡開して入賞可能となる頻度が高められる。「普通当たり」となる頻度を高める手法としては、以下の第一〜第三の手法が考えられるが、いずれを採用してもよい。
・「普通当たり」と判定される確率を、時短機能が作動しているときよりも時短機能が作動していないときの方が高められる第一の手法。
・時短機能が作動しているときと時短機能が作動していないときとで「普通当たり」と判定される確率は同じであるものの、普通図柄の変動時間を、時短機能が作動していないときよりも時短機能が作動しているときの方が短縮される第二の手法。
・上記第一の手法と上記第二の手法との両方を採用する第三の手法。
・「普通当たり」と判定される確率を、時短機能が作動しているときよりも時短機能が作動していないときの方が高められる第一の手法。
・時短機能が作動しているときと時短機能が作動していないときとで「普通当たり」と判定される確率は同じであるものの、普通図柄の変動時間を、時短機能が作動していないときよりも時短機能が作動しているときの方が短縮される第二の手法。
・上記第一の手法と上記第二の手法との両方を採用する第三の手法。
なお、本実施形態では、確変機能が作動中であるか否かにかかわらず、大当たり遊技が終了した直後から特別抽選が100回行われると、時短機能の作動が停止する。したがって、大当たり遊技が終了した直後は、確変機能と時短機能との両方が作動する確変時短状態であるが、大当たり遊技が終了してから1回でも特別抽選が行われると、特別抽選が100回行われるまでの間は、高確率時短状態である場合もあれば、低確率時短状態である場合もある。また、大当たり遊技が終了してから特別抽選が100回行われたのちは、高確率非時短状態である場合もあれば、低確率非時短状態である場合もある。ただし、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態(すなわち確変機能が作動しているか否か)については、特定の条件が成立しない限り(特定条件については後述する)、外観上把握できないように秘密裡にされる(周辺制御基板2600のCPU2602による一機能である遊技状態秘匿手段によって秘匿状態にされる)。
大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態において確変機能が作動している高確率状態であるか否かを外観上把握できないように秘密裡にする態様としては、第一特別図柄表示器1802または第二特別図柄表示器1804に表示される特別図柄の変動パターン、並びに、液晶表示装置640に表示される装飾図柄の変動パターンおよび背景画像等が、高確率状態であるときと低確率状態であるときとで同じかまたは近似する態様とされる。
リーチ判定用乱数は、当否判定にて大当たりに当選せずに(即ちハズレ)、リーチ演出などの高期待演出を行うか否かの判定に用いられる乱数である。変動パターン用乱数は、第一特別図柄表示器1802および第二特別図柄表示器1804に表示される特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数である。ラウンド数決定用乱数は、ラウンド数決定処理A(ステップS2009)またはラウンド数決定処理B(ステップS2012)において、大当たり遊技を実行する際におけるラウンド数を決定するために用いられる乱数である。普通乱数は、一対の可動片1504を開放状態に制御するか否かの判定に用いられる乱数である。時短機能が作動すると、普通図柄についての当否判定処理において当選する確率ひいては一対の可動片1504が開放される頻度が高められ、その結果、時短機能が作動していない状態と比べて、第二始動口1506に遊技球が入賞しやすくなる。
なお、液晶表示装置640にて表示制御される装飾図柄の変動パターンは、変動パターン用乱数により決定しても良く、周辺制御基板2600に搭載されるCPU2602または液晶表示制御基板2612に搭載されるCPU2614(いずれも図132参照)により決定するようにしてもよい。また、変動パターン用乱数は必須ではなく、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動パターンを決定するようにしても良い。
これらの乱数のうち、ステップS70の当否判定用乱数更新処理では、条件装置の作動に関わる特別乱数、図柄乱数、および、遊技球を受け入れやすい開放状態に一対の可動片1504を開閉制御するか否かに関わる普通乱数の更新を行う。ここで、大当たり遊技の発生および一対の可動片1504を開閉制御するか否かに関わる判定に用いられる普通乱数は一定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(条件装置を作動させると判定される確率、一対の可動片1504を開閉制御すると判定される確率)を一定にする(即ち狙い打ち等により確率に偏りが発生することを防止する)ことができ、遊技者が不利な状態となることを防止できる。
一方、非当否判定用乱数更新処理では、当たり遊技の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定用乱数、並びに、変動パターン用乱数の更新を行う。なお、主制御基板1350で更新される乱数は、上記したものに限られず、非当否判定用乱数更新処理では、当否判定用乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる当否判定用乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
[特別図柄・特別電動役物制御処理について]
次に、図136に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図136は、特別図柄・特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。
次に、図136に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図136は、特別図柄・特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。
この特別図柄・特別電動役物制御処理では、まず、第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)を行う。具体的には後述するが、第一始動口1502または第二始動口1506に遊技球が受け入れられたか否か判別し、これに基づいて一連の処理を行う。第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)が行われると、次に、処理フラグを確認し(ステップS120〜ステップS230)、処理フラグに対応する処理を行う。
第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、先ず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)、変動開始条件(所定の始動条件)が成立しているとして、変動開始処理(ステップS130)を実行する。
変動開始処理(ステップS130)では、特別図柄の変動表示を開始するための設定が行われる。詳しくは後述するが、大当たり遊技の実行条件の一つである条件装置を作動させるか否かの判断を行い、処理フラグを「1」に更新する。一方、ステップS120において処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)、変動開始条件(所定の始動条件)が成立していないとして、ステップS140に進む。
ステップS140に進むと、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)、変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、第一特別図柄表示器1802または第二特別図柄表示器1804に表示される特別図柄および液晶表示装置640に表示される装飾図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンに対応して設定される変動時間(第一特別図柄表示器1802または第二特別図柄表示器1804のいずれかにおいて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新する。一方、ステップS140において処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、ステップS170に進む。
ステップS170に進むと、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)、変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)で設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器1802または第二特別図柄表示器1804における特別図柄の変動表示を停止させる。このとき、後述する変動開始処理(ステップS130)にて当たりである旨の判定がなされていれば(より詳しくは、ステップS1315において特別当たりフラグがON状態とされていれば)、処理選択フラグを「3」に更新し、当たりである旨の判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。一方、ステップS170において処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、ステップS190に進む。
ステップS190に進むと、処理フラグが3であるかどうか判断する(ステップS190)。処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)、ラウンド数抽選処理(ステップS200)を実行する。詳しくは後述するが、大当たり遊技を開始させる前に、大当たり遊技の実行にかかるラウンド数を決定するとともにこの決定されたラウンド数をセットし、処理フラグを「4」に更新する。一方、ステップS190において処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、CPU2502は、処理フラグが4であるかどうか判断する(ステップS210)。処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)、特別電動役物大当たり制御処理(ステップS220)を行い、大当たり遊技(大当たり遊技処理)を実行する(大当たり遊技実行手段)。
この特別電動役物大当たり制御処理では、先ずは、1ラウンドあたりの開閉部材1508の作動態様と1ラウンドあたりの遊技球の最大入賞球数とをセットする。その後、このようにセットされた1ラウンドあたりの開閉部材1508の作動態様と1ラウンドあたりの遊技球の最大入賞球数とに基づいて、ステップS2010においてセットされたラウンド数にわたる大当たり遊技を実行する。このようにして、CPU2502は、1ラウンドあたりの開閉部材1508の作動態様と1ラウンドあたりの遊技球の最大入賞球数とをセットするだけで、ただちに大当たり遊技の実行を開始することが可能となる。
なお、「1ラウンドあたりの開閉部材1508の作動態様」は、1ラウンドあたりに開閉部材1508が開閉する回数が1回であるときには、例えばこの開閉部材1508が開閉作動することによって大入賞口1510への遊技球の入賞の容易化が図られる時間が相当する。また、1ラウンドあたりに開閉部材1508が複数回開閉作動するときには、例えばこの開閉部材1508の開閉作動回数と、開閉部材1508の1回あたりの開閉時間とが、「1ラウンドあたりの開閉部材1508の作動態様」に相当する。
また、CPU2502は、大当たり遊技を終了する場合には、確変機能と時短機能との両方を作動させるとともに時短回数(本実施形態では100回)をセットし、大当たり遊技の終了に伴って特別当たりフラグをOFFにする。さらに、後述する特図BフラグがON状態であるか否かを判断し、特図BフラグがOFF状態であるときには(すなわち、条件装置が作動している状態で特図Aゲートセンサ1901により遊技球の通過が検出されたときには)、秘密裡フラグをON状態にして、処理フラグを「0」に更新する処理を行う。一方、後述する特図BフラグがOFF状態であるときには、秘密裡フラグをOFF状態にする。
なお、上記の秘密裡フラグがON状態であるときに、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態が、高確率時短状態であるか低確率時短状態であるかを外観上把握できないように秘密裡にされる。
そして、ステップS130からステップS240の各種処理のいずれかを実行すると特別図柄・特別電動役物制御処理を終了する。
[第1・第2始動口入賞処理について]
次に、第一・第二始動口入賞処理について、図137に基づいて説明する。図137は、第一・第二始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第一・第二始動口入賞処理について、図137に基づいて説明する。図137は、第一・第二始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
第一・第二始動口入賞処理では、CPU2502は、先ず、第二始動口1506に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1101)。具体的には、第二始動口センサ1516による遊技球検知の有無を確認する。このとき、第二始動口センサ1516による遊技球の検知があれば、第二始動口1506に遊技球が入賞したと判断する(ステップS1101におけるYES)。第二始動口センサ1516による遊技球の検知がなければ、第二始動口1506に遊技球が入賞していない(ステップS1101におけるNO)と判断する。
CPU2502は、ステップS1101において第二始動口1506に遊技球が入賞したと判断したときには、各種データ(第二特別乱数、図柄乱数、変動パターン用乱数、特別図柄種別)を取得する。次いで、ステップS1102の処理として、第二特別図柄の保留数が上限値である4未満であるか否かを判断する。
ステップS1102において第二特別図柄の保留数が上限の4未満であると判断されると(ステップS1102におけるYES)、CPU2502は、次にステップS1103の第二保留記憶処理を行う。このステップS1103の処理では、上記取得された各種データ(第二特別乱数、図柄乱数、特別図柄種別)が、図示しない第二特別図柄用乱数記憶領域に記憶される。また併せて、第二特別図柄の保留数が一つ加算された時点で、ステップS1104に移行する。なお、第二特別図柄用乱数記憶領域は、第二特別乱数記憶領域、および図柄乱数記憶領域等を有しており、第二始動口1506に遊技球が入賞したことによって取得した各種データは、第二特別図柄用乱数記憶領域におけるそれぞれの記憶領域に記憶される。
ただし、ステップS1101において第二始動口1506に遊技球が入賞していないと判断されたとき(ステップS1101におけるNO)、および、ステップS1102において第二特別図柄の保留数が上限値の4に達していると判断されたとき(ステップS1102におけるNO)は、上記ステップS1103の処理が行われることなく、ステップS1104に移行することとなる。
ステップS1104では、CPU2502は、第一始動口1502に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1104)。具体的には、第一始動口センサ2152による遊技球検知の有無を確認する。このとき、第一始動口センサ2152によって遊技球が検知された場合には第一始動口1502に遊技球が入賞したと判断する(ステップS1104におけるYES)。第1始動口センサ780による遊技球の検知がなければ、第1始動口602に遊技球が入賞していない(ステップS1104におけるNO)と判断する。
CPU2502は、ステップS1104において第一始動口1502に遊技球が入賞したと判断したときには、各種データ(第一特別乱数、図柄乱数、変動パターン用乱数、特別図柄種別)を取得する。そして次に、ステップS1105の処理として、第一特別図柄の保留数が上限値である4未満であるか否かを判断する。
ステップS1105において第一特別図柄の保留数が上限の4未満であると判別されると(ステップS1105におけるYES)、CPU2502は、次にステップS1106の第一保留記憶処理を行う。このステップS1106の処理では、上記取得された各種データ(第一特別乱数、図柄乱数、特別図柄種別)が、図示しない第一特別図柄用乱数記憶領域に記憶される。また併せて、第一特別図柄の保留数が一つ加算された時点で、当該第一・第二始動口入賞処理を終了する。なお、第二始動口1506に遊技球が入賞したことによって取得された各種データと同様に、第一始動口1502に遊技球が入賞したことによって取得された各種データは、第一特別図柄用乱数記憶領域におけるそれぞれの記憶領域に記憶される。
ただし、ステップS1104において第一始動口1502に遊技球が入賞していないと判断されたとき(ステップS1104におけるNO)、および、ステップS1105において第一特別図柄の保留数が上限値の4に達していると判断されたとき(ステップS1105におけるNO)は、上記ステップS1106の処理が行われることなく、第一・第二始動口入賞処理を終了することとなる。
なお、ステップS1102において、第二特別図柄の保留数が上限値の4である旨判断されたとき、ステップS1101の処理にて取得された各種データは破棄されることとなる。同様に、ステップS1105において、第一特別図柄の保留数が上限値の4である旨判断されたとき、ステップS1104の処理にて取得した各種データは破棄されることとなる。
なお、第二始動口1506に遊技球が入賞したと判断したとき、各種データ(第二特別乱数、図柄乱数、変動パターン用乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1101で行う必要はなく、ステップS1101〜ステップS1103の間で行えばよい。例えば、ステップS1101で各種データを取得せずに、ステップS1102で第二特別図柄の保留数が上限値未満であることを判定した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1103の第二保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
同様に、第一始動口1502に遊技球が入賞したと判定したとき、各種データ(第一特別乱数、図柄乱数、変動パターン用乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1104で行う必要はなく、ステップS1104〜ステップS1106の間で行えばよい。例えば、ステップS1104で各種データを取得せずに、ステップS1105で第一特別図柄の保留数が上限値未満であることを判別した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1106の第一保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、第二始動口1506への入賞処理(ステップS1101〜ステップS1103)を実行したのちに、第一始動口1502への入賞処理(ステップS1104〜1106)を実行している。ただし、これに代えて、第一始動口1502への入賞処理を実行したのちに、第二始動口1506への入賞処理を実行する態様であっても良い。
また、本実施形態では、第一特別乱数を用いた当否判定処理および第二特別乱数を用いた当否判定処理のいずれが行われた場合であっても、当たりへの当選確率は同じであるが、これに限られない。例えば、第一特別図柄についての当否判定処理が行われた場合の当選確率と、第二特別図柄についての当否判定処理が行われた場合の当選確率とが異なるようにしても良い。
さらに、本実施形態では、第一特別図柄についての当否判定処理における当選確率と、第二特別図柄についての当否判定処理における当選確率とに差異はないが、これに限られない。例えば、第一特別図柄についての当否判定処理における当選確率が、第二特別図柄についての当否判定処理における当選確率よりも相対的に高く設定されたり、またはその逆であってもよい。
[変動開始処理について]
次に、変動開始処理について図138に基づいて説明する。図138は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
次に、変動開始処理について図138に基づいて説明する。図138は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、CPU2502は、先ず、特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数(始動記憶数)が0であるか否かを判断する(ステップS1301)。特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている始動記憶数が0であることは、第一特別図柄の保留数および第二特別図柄の保留数がいずれも0であることを意味する。なお、特別図柄用乱数記憶領域では、第一特別図柄の保留数及び保留された順と、第二特別図柄の保留数及び保留された順とが、それぞれ区別して記憶されている。
始動記憶数が0でなければ(ステップS1301におけるNO)、特別図柄用乱数記憶領域のシフト処理を行う(ステップS1302)。このシフト処理は、上記第一始動口1502に遊技球が入賞したことに基づいて取得された第一特別乱数、及び上記第二始動口1506に遊技球が入賞したことに基づいて取得された第二特別乱数のうちのいずれかを、上記特別図柄用乱数記憶領域におけるそれぞれの記憶領域から読み出し、該読み出した乱数を図示しない処理領域に記憶するための処理である。
より具体的には、この実施の形態にかかるシフト処理(ステップS1302)では先ず、特別図柄用乱数記憶領域のうち第二特別乱数が記憶される領域(第二領域)に、第二特別乱数が記憶されているか否かの判断が行われる。そしてこの結果、第二領域に第二特別乱数が記憶されている旨が判断されたときは、特別図柄用乱数記憶領域のうち第一特別乱数が記憶される領域(第一領域)に第一特別乱数が記憶されているか否かにかかわらず、第一特別乱数及び第二特別乱数のうちの第二特別乱数のみが第二領域から読み出される。これにより、第二始動口1506への遊技球の入賞に基づいて取得された第二特別乱数は、第一始動口1502への遊技球の入賞に基づいて取得された第一特別乱数よりも後に取得されたとしても、この第一特別乱数よりも優先的に第二領域から読み出され、さらには後述の当否判定処理などに供されるようになる。なお、第一特別乱数と第二特別乱数との両方が記憶されている場合に、第一特別乱数についての当否判定処理よりも第二特別乱数が優先的に行われるのは、遊技状態(確変機能が作動しているか否か、時短機能が作動しているか否か)にはかかわらない。
ただしこの際、第二領域に、二つ以上の第二特別乱数が記憶されていたときは、これら二つ以上の第二特別乱数のうち、当該第二領域に最も早く記憶された第二特別乱数のみが読み出される。そして、こうして第二領域から読み出された第二特別乱数が処理領域に記憶され、さらには条件装置を伴う当たりに当選したか否かの判定処理などに供されることで、第二始動口1506に遊技球が入賞した順に、第二特別図柄の当否判定が行われるようになる。
一方、第二領域に第二特別乱数が記憶されている旨が判断されなかったときは、第一領域に第一特別乱数が記憶されているか否かの判断が行われる。ただし、この実施の形態では、上記ステップS1301において始動記憶数が0でないことを条件に当該シフト処理が行われることから、第二領域に第二特別乱数が記憶されている旨が判断されなかったときは、第一領域に第一特別乱数が記憶されていることとなる。したがって、第二領域に第二特別乱数が記憶されている旨判断されなかったときは、第一領域に第一特別乱数が記憶されていると判断されて、第一領域から第一特別乱数が読み出される。
ただしこの際も、第一領域に、二つ以上の第一特別乱数が記憶されていたときは、これら二つ以上の第一特別乱数のうち、第一領域に最も早く記憶された第一特別乱数のみが読み出される。そして、こうして第一領域から読み出された第一特別乱数が処理領域に記憶され、さらには条件装置の作動を伴う当たりに当選したか否かの判定処理などに供されることで、第一始動口1502に遊技球が入賞した順に、第一特別図柄の当否判定が行われるようになる。
なお、上記ステップS1301において始動記憶数が0である旨判断されたときは(ステップS1301におけるYES)、こうした処理(ステップS1302)は行なわれることなく、その時点で当該変動開始処理を終了する。
ステップS1302においてシフト処理を行ったのち、CPU2502は、処理領域に記憶されている種別(第一特別乱数であるか第二特別乱数であるか)を判別する(ステップS1303)。ここで、当該種別が第二特別乱数であれば(ステップS1303におけるYES)、第二特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1304)と共に、第二特別図柄の保留数を一つ減算して(ステップS1305)、ステップS1308に進む。一方、処理領域に記憶されている種別が第一特別乱数であれば(ステップS1303におけるNO)、第一特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1306)と共に、第一特別図柄の保留数を一つ減算して(ステップS1307)、ステップS1308に進む。なお、特別図柄用乱数記憶領域に記憶される乱数は、当該特別図柄用乱数記憶領域から読み出された時点で消去される。
ステップS1308では、確変機能が作動している遊技状態(すなわち、高確率状態)であるか否かを判断する(ステップS1308)。ここで、確変機能が作動している高確率状態であれば(ステップS1308におけるYES)、特別抽選すなわち当否判定処理(後述するステップS1314)に先だって、当該確変機能の作動を維持するか否かの作動維持抽選を行う(ステップS1309)。そして、この確変機能の作動維持抽選が行われた結果、確変機能の作動を維持せずに停止する旨が判断された場合には(ステップ1310におけるYES)、確変機能の作動を停止し(ステップS1311)、第一通常特図判定テーブルまたは第二通常特図判定テーブルを選択する(ステップS1312)。具体的には、第一特別図柄フラグがON状態であれば第一通常特図判定テーブルを選択し、第二特別図柄フラグがON状態であれば第二通常特図判定テーブルを選択する。また、ステップS1308において確変機能が作動中でない旨が判断されたとき(ステップS1308におけるNO)にも、ステップS1312に進み、第一通常特図判定テーブルまたは第二通常特図判定テーブルを選択する。
一方、ステップS1310において確変機能の作動を停止せずに維持する旨が判断されたときには(ステップS1310におけるNO)、第一確変特図判定テーブルまたは第二確変特図判定テーブルを選択する(ステップS1313)。具体的には、第一特別図柄フラグがON状態であれば第一確変特図判定テーブルを選択し、第二特別図柄フラグがON状態であれば第二確変特図判定テーブルを選択する。
第一確変特図判定テーブルは、確変機能が作動している遊技状態において、第一始動口1502への入賞に基づいて取得された第一特別乱数についての当否判定処理(ステップS1314)を行う際に参照されるテーブルである。第二確変特図判定テーブルは、確変機能が作動している遊技状態において、第二始動口1506への入賞に基づいて取得された第二特別乱数についての当否判定処理(ステップS1314)を行う際に参照されるテーブルである。第一通常特図判定テーブルは、確変機能が作動していない遊技状態において、第一始動口1502への入賞に基づいて取得された第一特別乱数についての当否判定処理(ステップS1314)を行う際に参照されるテーブルである。第二通常特図判定テーブルは、確変機能が作動していない遊技状態において、第二始動口1506への入賞に基づいて取得された第二特別乱数についての当否判定処理(ステップS1314)を行う際に参照されるテーブルである。
そして、ステップS1314では、ステップS1312またはステップS1313において選択された判定テーブルと、処理領域に記憶されている第一・第二特別乱数とに基づいて当否判定が行われる。
したがって、ステップS1309において確変機能の作動を維持せずに停止する旨が判断された場合には(ステップS1310におけるYES)、始動口1502,1506に遊技球が入賞した時点(特別乱数が取得された時点)では確変機能が作動していたとしても、第一通常特図判定テーブルまたは第二通常特図判定テーブルを参照して当否判定処理(ステップS1314)が行われることとなる。
なお、ステップS1314における当否判定処理(特別抽選処理)は、第一特別図柄フラグがON状態であれば、第一特別図柄当否判定手段として機能するCPU2502の制御処理として行われる。また、第二特別図柄フラグがON状態であれば、第二特別図柄当否判定手段として機能するCPU2502の制御処理として行われる。
ステップS1314において、第一始動口1502への遊技球の入賞に基づいて取得された第一特別乱数、または、第二始動口1506への遊技球の入賞に基づいて取得された第二特別乱数が当たりである旨が判定されると(ステップS1314におけるYES)、当否判定用乱数の種別に応じた特別当たりフラグをON状態にする(ステップS1315)。すなわち、第一特別乱数が当たりである旨が判定された場合には第一特別図柄フラグをON状態にし、第二特別乱数が当たりである旨が判定された場合には第二特別図柄フラグをON状態にする。その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1316)、変動開始処理を終了する。
なお、本実施形態では、テップS1309において確変機能の作動を維持せずに停止する旨が判断された場合には(ステップS1310におけるYES)、始動口1502,1506に遊技球が入賞した時点(特別乱数が取得された時点)では確変機能が作動していたとしても、第一通常特図判定テーブルまたは第二通常特図判定テーブルを参照して当否判定処理(ステップS1314)が行われるようにしたが、これに限られない。例えば、確変機能の作動中に行なわれる確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)において、確変機能の作動を維持せずに停止する旨が判断されたとしても(ステップS1310におけるYES)、この確変機能の作動維持抽選ののちに行われる同一処理内での当否判定処理(ステップS1314)に限り、第一確変特図判定テーブルまたは第二確変特図判定テーブルを参照して当否判定処理(ステップS1314)を行うようにしてもよい。すなわち、確変機能が作動しているときには、1球の遊技球が始動口1502,1506に入賞したことに基づいて確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)と当否判定処理(ステップS1314)との両方が行われるが、当該1球の遊技球が始動口1502,1506に入賞したことに基づいて行われた確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)の結果、確変機能の作動を維持せずに停止する旨が判断されたとしても(ステップS1310におけるYES)、当該1球の遊技球が始動口1502,1506に入賞したことに基づいて行われる当否判定処理(ステップS1314)に限り、第一確変特図判定テーブルまたは第二確変特図判定テーブルを参照して当否判定処理(ステップS1314)を行うようにしてもよい。
[変動パターン設定処理について]
次に、変動パターン設定処理について図139に基づいて説明する。図139は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
次に、変動パターン設定処理について図139に基づいて説明する。図139は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理は、第一始動口1502への入賞に基づいて取得された第一特別図柄または第二始動口への入賞に基づいて取得された第二特別図柄についての当否判定結果に応じて変動パターンを設定する処理である。この処理では、CPU2502は、先ず、第一特別図柄フラグがONであるか否かを判断する(ステップS1510)。即ち、今回の変動が第一始動口センサ2152により遊技球が検出されたことに基づいて抽出された当否判定乱数に基づくものであるか否かを判断する。
CPU2502は、ステップS1510において第一特別図柄フラグがONであると判断すると(ステップS1510におけるYES)、第一特別図柄についての特別当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1520)。即ち、今回の第一特別図柄の変動が停止したときに当たりである旨を導出するか否かを、ステップS1315において第一特別図柄に応じた特別当たりフラグがON状態とされたか否かを判断する。ここで、第一特別図柄の特別当たりフラグがON状態であると(ステップS1520におけるYES)、第一特別図柄当たり変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1530)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1580)。一方、第一特別図柄の特別当たりフラグがON状態でなければ(ステップS1520におけるNO)、第一特別図柄ハズレ変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1540)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1580)。
CPU2502は、ステップS1510における特別当たりフラグの判断処理において、第一特別図柄フラグがON状態でないと判断すると(ステップS1510におけるNO)、第二特別図柄フラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1550)。即ち、今回の第二特別図柄の変動が停止したときに当たりである旨を導出するか否かを、ステップS1315において第二特別図柄の種別に応じた特別当たりフラグがON状態とされたか否かを判断する。ここで、第二特別図柄の特別当たりフラグがON状態であると(ステップS1550におけるYES)、第二特別図柄当たり変動パターン設定処理を行い(ステップS1560)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1580)。一方、第二特別図柄の特別当たりフラグがON状態でなければ(ステップS1550におけるNO)、第二特別図柄ハズレ変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1570)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1580)。
ステップS1580の変動パターン決定処理では、CPU2502は、各変動パターンテーブル設定処理(ステップS1530,1540,1560,1570)にて設定された変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定する。次いで、ステップS1580において変動パターンが決定されると、当該決定された変動パターンを選択値としてセットし(ステップS1590)、当該変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする(ステップS1600)。その後、処理フラグを「2」に更新(ステップS1610)し、変動パターン設定処理を終了する。
なお、CPU2502は、この変動パターン設定処理において設定された変動パターンに基づいて、第一特別図柄表示器1802または第二特別図柄表示器1804において変動表示される特別図柄の変動パターンを制御する。本実施形態では、第一特別図柄表示器1802または第二特別図柄表示器1804において、複数のLEDの点灯パターンにより特別図柄が変動表示される。
[ラウンド数抽選処理について]
次に、ラウンド数抽選処理について図140に基づいて説明する。図140は、ラウンド数抽選処理の一例を示すフローチャートである。
次に、ラウンド数抽選処理について図140に基づいて説明する。図140は、ラウンド数抽選処理の一例を示すフローチャートである。
このラウンド数抽選処理では、CPU2502は、先ず、第一特別図柄表示器1802または第二特別図柄表示器1804において変動表示されている特別図柄の変動が停止したか否かを判断する(ステップS2001)。
CPU2502は、特別図柄の変動が停止したと判断すると(ステップS2001におけるYES)、条件装置を作動させる(ステップS2002)。なお、このラウンド数抽選処理は、処理フラグが3であるときに行われる処理、すなわち、ステップS1315において特別当たりフラグがON状態とされているときに行われる処理であるから、第一特別図柄表示器1802または第二特別図柄表示器1804において変動表示されている特別図柄は、当たりである旨を示す態様(当たり図柄)で停止される。
条件装置が作動すると、CPU2502は、先ずは、遊技状態を、確変機能及び時短機能のいずれも作動しない低確率非時短状態に制御する。具体的には、確変機能が作動中であるか否かを判断し(ステップS2003)、確変機能が作動中であると判断したときには(ステップS2003におけるYES)、確変機能を停止する(ステップS2004)。その後、時短機能が作動中であるか否かを判断し(ステップS2005)、時短機能が作動中であると判断したときには(ステップS2005におけるYES)、時短機能を停止する(ステップS2006)。なお、ステップS2003において確変機能が作動中でないと判断したときには(ステップS2003におけるNO)、ステップS2004の処理がスキップされる。このとき、確変機能が作動しない状態が維持される。同様に、ステップS2005において時短機能が作動中でないと判断したときには(ステップS2005におけるNO)、ステップS2006の処理がスキップされる。このとき、時短機能が作動しない状態が維持される。
このようにして、条件装置の作動に基づいて低確率非時短状態に制御されたのち、CPU2502は、特図ゲートA1900を遊技球が通過したか否か、すなわち、特図ゲートセンサA1901により遊技球が検出されたか否かを判断する(ステップS2007)。
CPU2502は、ステップS2007において特図ゲートA1900を遊技球が通過したと判定すると、特図AフラグをON状態にするとともに、大当たり遊技において開閉部材1508の開閉動作が制御されるラウンド数の決定に供されるラウンド決定用乱数Aを取得する(ステップS2008)。このラウンド決定用乱数Aは、乱数幅0〜255のなかからいずれか一つが取得され、CPU2502は、この取得されたラウンド決定用乱数Aに基づいて、大当たり遊技におけるラウンド数を決定するラウンド数決定処理Aを行う(ステップS2009)。
上記のラウンド数決定処理A(ステップS2009)においてCPU2502は、取得した上記のラウンド決定用乱数Aを用いて、ラウンド決定用テーブルAを参照して大当たり遊技におけるラウンド数を決定する。このラウンド決定用テーブルAを参照して大当たり遊技におけるラウンド数を決定するに際し、取得したラウンド決定用乱数Aが0〜255のなかのいずれかであれば、大当たり遊技におけるラウンド数を8ラウンドに決定する(つまり、100%の確率で8ラウンドに決定される)。
このように、条件装置が作動していることを条件に特図ゲートA1900を遊技球が通過した場合には、遊技機が正常に作動している限り、常に、大当たり遊技におけるラウンド数が8ラウンドに決定される。そして、取得したラウンド決定用乱数Aが0〜255のなかのいずれでもない場合には、ステップS2010に進まずにエラー処理を行う。
ステップS2007において、CPU2502は、特図ゲートA1900を遊技球が通過していない旨を判断すると(ステップS2007におけるNO)、特図ゲートB1910を遊技球が通過したか否か、すなわち、特図ゲートセンサB1911により遊技球が検出されたか否かを判断する(ステップS2010)。
CPU2502は、ステップS2010において特図ゲートB1910を遊技球が通過したと判断すると(ステップS2010におけるYES)、特図BフラグをON状態にするとともに、大当たり遊技において開閉部材1508の開閉動作が制御されるラウンド数の決定に供されるラウンド決定用乱数Bを取得する(ステップS2011)。このラウンド決定用乱数Bは、乱数幅0〜255のなかからいずれか一つが取得され、CPU2502は、この取得されたラウンド決定用乱数Bに基づいて、大当たり遊技におけるラウンド数を決定するラウンド数決定処理Bを行う(ステップS2012)。
上記のラウンド数決定処理B(ステップS2012)においてCPU2502は、取得した上記のラウンド決定用乱数Bを用いて、ラウンド決定用テーブルBを参照して大当たり遊技におけるラウンド数を決定する。このラウンド決定用テーブルBによると、取得した乱数が198〜255のなかのいずれかであれば、大当たり遊技におけるラウンド数が15ラウンドに決定され、取得した乱数が0〜197のなかのいずれかであれば、大当たり遊技におけるラウンド数が4ラウンドに決定される。
なお、CPU2502は、ラウンド決定用乱数Bを用いてラウンド決定用テーブルBを参照して大当たり遊技におけるラウンド数を決定するに際し、取得した乱数が、先ずは198〜255のなかのいずれかであるか否かを判断する。取得したラウンド決定用乱数Bが198〜255のなかのいずれかであれば、ラウンド数を15ラウンドに決定する。
一方、上記のラウンド数決定処理B(ステップS2012)において、取得したラウンド決定用乱数Bが198〜255のなかのいずれでもないと判断したときは、0〜197のなかのいずれかであるか否かを判断する。取得したラウンド決定用乱数Bが0〜197のなかのいずれかであれば、大当たり遊技におけるラウンド数を4ラウンドに決定する。その後、ステップS2012に進み、処理フラグを「4」に更新する。なお、取得したラウンド決定用乱数Aが0〜197のなかのいずれでもない(すなわち、0〜255のいずれでもない)場合には、ステップS2010に進まずにエラー処理を行う。
そして、ステップS2009またはステップS2012においてラウンド数が決定されると、この決定されたラウンド数に応じた大当たり遊技が実行されるように、CPU2502は、ステップS2009またはステップS2012において決定されたラウンド数をセットし(ステップS2010)、その後、処理フラグを「4」に更新する(ステップS2011)。
なお、ステップS2002において条件装置が作動したにもかかわらず、特図ゲートA1900への遊技球の通過が検出されず(ステップS2007におけるNO)、且つ、特図ゲートB1910への遊技球の通過も検出されないとき(ステップS2010におけるNO)には、特図ゲートA1900と特図ゲートB1910とのうち少なくともいずれかへの遊技球の通過検出が行われない限り遊技の進行が停止し、次のステップに進むことができない。すなわち、大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理が最後までスムーズに実行されるのではなく、大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理の中途段階において一旦停止されるようになっている。
このように、条件装置が作動していることを条件に、特図ゲートA1900を遊技球が通過せずに特図ゲートB1910を遊技球が通過した場合には、256分の93の確率で15ラウンドの大当たり遊技が実行され、256分の163の確率で4ラウンドの大当たり遊技が実行されることとなる。
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なお、本実施形態では、「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」の全てに当たりについて、1ラウンド当たりに遊技者に払い出されうる賞球数の期待値が同じとなっている。すなわち、「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」のいずれの当たりであったとしても(当たりの種類を問わず)、1ラウンドとしてのアタッカユニット1500(詳しくは開閉部材1508)の作動態様が同じとなる。したがって、「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」のうちいずれの大当たり遊技が実行されるかによって、遊技者にとっての利益度合いが異なることとなる。
なお、本実施形態では、「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」の全てに当たりについて、1ラウンド当たりに遊技者に払い出されうる賞球数の期待値が同じとなっている。すなわち、「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」のいずれの当たりであったとしても(当たりの種類を問わず)、1ラウンドとしてのアタッカユニット1500(詳しくは開閉部材1508)の作動態様が同じとなる。したがって、「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」のうちいずれの大当たり遊技が実行されるかによって、遊技者にとっての利益度合いが異なることとなる。
ただし、上記のように、1ラウンド当たりに遊技者に払い出されうる賞球数の期待値を同じとした上で、大当たり遊技の種別に応じてラウンド数を変えることによって、実行された大当たり遊技の種別に応じて遊技者にとっての利益度合いが異なるようにする態様に限られず、大当たり遊技の種別にかかわらずラウンド数を同じとした上で、1ラウンド当たりに遊技者に払い出されうる賞球数の期待値を変えることによって、遊技者にとっての利益度合いが異なるようにしてもよい。例えば、上記の「4R当たり」、「8R当たり」および「15R当たり」に代えて、アタッカユニット1500の最大作動時間2000msec且つ最大入賞数3球の「15R当たりA」、アタッカユニット1500の最大作動時間5000msec且つ最大入賞数6球の「15R当たりB」およびアタッカユニット1500の最大作動時間30000msec且つ最大入賞数10球の「15R当たりC」といった3種類の大当たりを設けた場合であっても、いずれの当たりも15ラウンドの大当たりでありながら、大当たりの種類に応じて遊技者に払い出されうる賞球数の期待値が異なることとなる。
ところで、特図ゲートB1910への遊技球の通過判定(ステップS2006)よりも、特図ゲートA1900への遊技球の通過判定(ステップS2003)が先に行われるようにしたのは、遊技者保護の観点からである。すなわち、例えば、センター役物1400の左側に向けて遊技球を発射させようとしている遊技者の意に反して遊技球がセンター役物1400よりも右側の領域に発射されてしまったとしても、条件装置が作動している状態において特図ゲートA1900と特図ゲートB1910とが同時に通過した場合(同一処理内で特図ゲートA1900と特図ゲートB1910との両方を遊技球が通過したと判定される場合)には、確実に8ラウンドの大当たり遊技が行われるようにしている。これにより、遊技者の意に反して、8ラウンドの大当たり遊技よりも賞球として払い出される期待値が少ない4ラウンドの大当たり遊技が実行されてしまうことによって遊技者を腹立たせてしまうことを回避できる。また、たとえ特図ゲートB1910に遊技球を通過させようとしたにもかかわらず、この特図ゲートB1910への遊技球の通過とほぼ同時に特図ゲートA1900に遊技球を通過させてしまった遊技者にとっても、15ラウンドの大当たり遊技が実行される可能性がなくなりはしたものの、少なくとも8ラウンドの大当たり遊技が実行されるので、遊技者を腹立たせるにはいたらないと思われる。
このように、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口1502または第二始動口1506への入賞に基づいて取得された第一・第二特別乱数を用いた当否判定処理(ステップS1314)において当たりである旨が判定されたとしても(特別抽選結果が当たりである旨が判定されたとしても)、これをもって直ちに大当たり遊技が実行されるわけではない。
詳しくは、本実施形態のパチンコ機1では、大当たり遊技の実行にかかわる抽選処理は、特別抽選処理としての特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)と、ラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)とによって構成されるが、条件装置の作動にかかわる特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)の結果が当たりであるときには、これら一連の処理を、従来の遊技機のように遊技者の意思に関係なく遊技機側の制御によって一方的(すなわち自動的)に進めるのではなく、これら一連の処理のうち一部の処理のみを遊技機側の制御によって行い、残りの処理については遊技者の意思を反映させることができるようにしている。つまり、大当たりの実行にかかわる抽選処理を、パチンコ機1側の制御によって一方的に最後まで実行するのではなく、遊技者の意思によって当該抽選処理の過程で停止させることができるものである。言い換えると、たとえ条件装置が作動したとしても、遊技者が遊技球を発射させて特図ゲートA1900または特図ゲートB1910に遊技球を通過させない限り、次の処理段階に進行しない。
例えば、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の一部である特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)が行われたときに変動パターン設定処理(ステップS150)と変動中処理(ステップS180)とが行われたとしても、遊技者の意思によって大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の一部であるラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)が行われない限り、それより先の制御が進行せず、大当たり遊技が実行されない。すなわち、特別図柄の変動が停止されたときに、当否判定処理の結果(特別抽選結果)が当たりである旨を示す「当たり図柄」が表示されて(ステップS2001におけるYES)条件装置が作動(ステップS2003)したとしても、遊技者が遊技球の発射を中断させて特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910のいずれかに遊技球を通過させない限りラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)が行われず、大当たり遊技の実行にかかわる抽選処理が中断される。これにより、条件装置が作動しているにもかかわらず、大当たり遊技の実行にかかわる抽選処理の一つであるラウンド数決定処理を未処理とすることで、ラウンド数決定処理といった出球にかかわる処理を残しつつ、大当たり遊技が実行されるまでの時間を堪能することが可能となる。
一方、ステップS1314の当否判定処理(特別抽選処理)においてハズレである旨が判定されたときには、条件装置が作動することがないので、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したか否かにかかわらず大当たり遊技の実行にかかる抽選処理が中断されることはない。
なお、本実施形態のパチンコ機1では、当否判定処理の結果が「特別当たり」であるときには、大当たり遊技が実行されたのちの遊技状態が、常に、確変機能および時短機能の両方が作動する高確率時短状態に制御される。この確変機能および時短機能の作動が開始されるタイミング並びに作動が停止されるタイミングについては後述する。
ところで、高確率状態であるか低確率状態であるかにかかわらず、始動口1502,1506に入賞したことに基づいて行われた当否判定処理の結果が「特別当たり」であるときには、条件装置が作動してから大当たり遊技が実行されるまでの期間は、大当たり遊技が開始されていないにもかかわらず低確率非時短状態となる。そして、高確率状態における当否判定処理の結果が当たりとなったのか、低確率非時短状態における当否判定処理の結果が当たりとなったのかにかかわらず、低確率非時短状態においてラウンド数決定処理(ラウンド決定処理A(ステップS2009)またはラウンド決定処理B(ステップS2012))が行われることとなる。
また、従来の遊技機では、当否判定処理およびラウンド数決定処理は、いずれも、図柄の変動開始条件が成立したタイミングで行われていた。すなわち、当否判定処理の結果がハズレであったとしても、図柄乱数を用いたラウンド数決定処理が行われていた。この点、本実施形態のパチンコ機1では、当否判定処理の結果がハズレであるときにはラウンド数決定処理(ラウンド決定処理A(ステップS2009)またはラウンド決定処理B(ステップS2012))が行われないので、無用な処理を行わず、制御処理が簡素化される。
なお、別図柄の当否判定処理(ステップS1314)の結果が当たりであるときに、中途で中断された大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理は、言い換えると、かかる中断を遊技者の意思によって解除して(特図ゲートA1900または特図ゲートB1910に遊技球を通過させて)、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理を終了させることができる。
このように、特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)の結果が当たりであるときに、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が開始されたにもかかわらず、当該一連の抽選処理の全てを実行することなく一部の処理を残して、遊技者の意思によって当該一連の抽選処理の実行過程で中断させることができるようにすることで、大当たり遊技の実行が確定された状態であるにもかかわらず、緊張感のある期間(大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の実行過程で当該一連の抽選処理が中途で中断された期間)を作り出すことができる。従来の遊技機であれば、一連の抽選処理(当否判定処理およびラウンド数決定処理)が途中で中断されることなく行われていたので、例えば4ラウンド大当たりのような遊技者に払い出される賞球の期待値が小さい当たりであるときには、せっかく大当たりにいたったにもかかわらず却って遊技者を落胆させていた。この点、本実施形態のパチンコ機1によれば、上記の緊張感のある期間(大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の実行過程で当該一連の抽選処理が中途で中断された期間)を作り出すことで、当否判定処理(ステップS1314)の結果が当たりである都度、先ずは確実に遊技者を喜ばせることができる。とくに、本実施形態のパチンコ機1では、上記の緊張感のある期間において大当たり遊技が実行されたのちに確変機能が作動するか否かを遊技者が把握できるので、このような確変機能が作動する当たりであるときには、その効果が顕著である。
また、特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)の結果が当たりであるときに、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が開始されたにもかかわらず、当該一連の抽選処理の全てを実行することなく一部の処理を残して当該一連の抽選処理の実行過程で中断させることができるようにすることで、遊技者自身が特図ゲートA1900と特図ゲートB1910とのうちいずれに遊技球を通過させるかを考えうる猶予時間を設けることが可能となる。すなわち従来の遊技機であれば、条件装置が作動すると遊技者の意思にかかわりなく大当たり遊技の実行が開始されていたので、遊技者自身の意思を反映させたいと思っても、考えるだけの十分な時間を遊技者に与えることができなかった。しかしながら、本実施形態のパチンコ機1によると、中断された一連の大当たり遊技の実行にかかわる抽選処理を遊技者自身の意思で再開させることができるので、条件装置が作動しながらも、遊技者が所望する大当たり遊技の実行態様がいずれであるかを考えるに十分な選択時間を遊技者に与えることが可能できるようになる。
なお、特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)の結果がハズレであるときには、上記のラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)が行われないので、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理を遊技者の意思によって当該一連の抽選処理の過程で中断させることはできない。
また、本実施形態のパチンコ機1では、特定の条件が成立しない限り、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態が高確率時短状態であるか低確率時短状態であるかが秘密裡にされ、特定の条件が成立すると、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態が高確率時短状態であるか低確率時短状態であるかが開示される(周辺制御基板2600のCPU2602による一機能である遊技状態開示手段によって秘匿状態が解除される)。具体的には、特図BフラグがON状態となったとき(すなわち、条件装置が作動している状態において、特図ゲートAを遊技球が通過した旨が判断されず(ステップS2003におけるNO)、且つ特図ゲートB1910を遊技球が通過した旨が判断されたとき(ステップS2006におけるYES)には、上記の特定の条件が成立し、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態が開示される。これにより、遊技状態を把握できないまま遊技を継続しなければならないことに対して不安を抱く遊技者にとっては、条件装置が作動しているもとで右打ち(遊技球が特図ゲートA1900を通過せずに特図ゲートB1910を通過しうる打ち方)を行うことによって上記の不安が解消される。一方、遊技状態を把握できないスリリングな遊技を好む遊技者にとっては、条件装置が作動しているもとで左打ち(遊技球が特図ゲートB1910を通過せずに特図ゲートA1900を通過しうる打ち方)を行うことによって上記のスリリングな遊技を行うことが可能となる。なお、遊技状態を開示する方法は、液晶表示装置640において現在の遊技状態を把握できる態様で表示するものであってもよいし、液晶表示装置640における表示とは別に遊技状態を把握できるものであってもよく、その方法はとくに限定されるものではない。また、例えば現在の遊技状態が液晶表示装置640にて開示される態様であれば、液晶表示装置640における表示を制御するCPU2614が上記の遊技状態開示手段に相当する。
このように、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態が高確率時短状態であるか低確率時短状態であるかについては原則的には秘密裡にされるものの、特定の条件が成立したとき(条件装置が作動している状態において、特図ゲートA1900を遊技球が通過した旨が判断されず(ステップS2003におけるNO)、且つ特図ゲートB1910を遊技球が通過した旨が判断されたとき(ステップS2006におけるYES))には、賞球として得られうる出球の期待値が最も小さい4ラウンド大当たり遊技に決定されるリスクを遊技者がとった代償として、上記秘密裡にされている遊技状態が開示される。これにより、条件装置が作動しているもとで右打ち(遊技球が特図ゲートA1900を通過せずに特図ゲートB1910を通過しうる打ち方)を行うことを遊技者に促すことができる。
また、条件装置が作動している状態において、遊技者が左打ち(遊技球が特図Bゲート1910を通過せずに特図ゲートA1900を通過しうる打ち方)するか右打ち(遊技球が特図ゲートAB1900を通過せずに特図ゲートB1910を通過しうる打ち方)するかにかかわらず、遊技者が継続して遊技を行う限り遊技者およびホール側ともに実利や実損が生じることなく、遊技者の打ち分け如何によって遊技者に付与される賞球としての期待値が異なるといった遊技性を実現できる。また、遊技者に付与される賞球としての期待値が最も小さい4ラウンド大当たり遊技に決定されるリスクをとった代償として、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態が開示されるので、遊技者による右打ちを促進させることができ、本実施形態のパチンコ機1における特徴を存分に発揮させることができる。しかも、遊技者に付与される賞球としての期待値が最も小さい4ラウンド大当たり遊技に決定されるリスクをとった代償として大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態を開示したとしても、これは、遊技者が当該パチンコ機において遊技を継続して行う限りホール側に実損のないものである。
また、条件装置が作動している状態において、遊技者が左打ち(遊技球が特図Bゲート1910を通過せずに特図ゲートA1900を通過しうる打ち方)するか右打ち(遊技球が特図ゲートAB1900を通過せずに特図ゲートB1910を通過しうる打ち方)するかにかかわらず、遊技者が継続して遊技を行う限り遊技者およびホール側ともに実利や実損が生じることはないものの、例えば遊技者が当該パチンコ機での遊技をやめざるを得ない場合がある。このようなときは、条件装置が作動している状態において、遊技者が右打ち(遊技球が特図ゲートAB1900を通過せずに特図ゲートB1910を通過しうる打ち方)を行うことによって、高確率状態であるにもかかわらず、遊技状態を把握できずに遊技をやめてしまうこといったことを回避することが可能となる。
なお、本実施形態では、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910への遊技球の通過検出は、条件装置が作動したことに基づいて有効化され、当該有効化は、少なくとも特図ゲートA1900または特図ゲートB1910への遊技球の通過が検出されるまで継続される。すなわち、一旦条件装置が作動すると、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910に遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技におけるラウンド数が決定されるまで(特図ゲートA1900または特図ゲートB1910に遊技球が通過すると大当たり遊技が実行されるので、すなわち大当たり遊技が実行されるまで)、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910への遊技球の通過検出が有効化される。特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910への遊技球の通過検出が有効化されている間に、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過すると、ラウンド数が決定されて大当たり遊技が実行される。言い換えると、条件装置が作動しない限り特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910への遊技球の通過検出が有効化されないので、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910への遊技球の通過検出が有効化されていない間に、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したとしても、大当たり遊技が実行されることはない。
ただし、条件装置が作動したことに基づいて有効化された特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910への遊技球の通過検出は、上記のように特図ゲートA1900または特図ゲートB1910への遊技球の通過が検出されるまで有効化が継続するようにしたものに限られず、例えば条件装置が作動してから所定期間に限って有効とするものであってもよい。
また、本実施形態では、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態が高確率時短状態であるか低確率時短状態であるかについては原則的には秘密裡にされるものの、条件装置が作動している状態において、特図ゲートA1900を遊技球が通過せず且つ特図ゲートB1910を遊技球が通過したことに基づいて、上記秘密裡にされている遊技状態が開示されるようにしたが、これに限られない。例えば、条件装置が作動している状態において、特図ゲートA1900を遊技球が通過せず且つ特図ゲートB1910を遊技球が通過したことを検出し、さらにラウンド数決定処理B(ステップS2012)の結果としてラウンド数が15ラウンドに決定されたときに限り、上記秘密裡にされている遊技状態が開示されるようにすることで、遊技性に起伏を与えるようにしてもよい。また、条件装置が作動している状態において、特図ゲートA1900を遊技球が通過せず且つ特図ゲートB1910を遊技球が通過したことを検出し、さらにラウンド数決定処理B(ステップS2012)の結果としてラウンド数が4ラウンドに決定されたときに限り、上記秘密裡にされている遊技状態が開示されるようにすることで、遊技者に対する救済措置を図るようにしてもよい。
<遊技内容>
本実施形態におけるパチンコ機1の遊技内容について、主に図131及び図141を参考にして説明する。図141は、本実施形態のパチンコ機の正面図である。なお、図141には図示されていないが、液晶表示装置640の表示領域には、3列の図柄列からなる装飾図柄が表示される。
本実施形態におけるパチンコ機1の遊技内容について、主に図131及び図141を参考にして説明する。図141は、本実施形態のパチンコ機の正面図である。なお、図141には図示されていないが、液晶表示装置640の表示領域には、3列の図柄列からなる装飾図柄が表示される。
先ず、第一始動口1502または第二始動口1506に遊技球が入賞すると、入賞した始動口の別に、特別乱数が取得される。つまり、第一始動口1502に遊技球が入賞すると第一特別乱数が取得され、第二始動口1506に遊技球が入賞すると第二特別乱数が取得される。
始動口1502,1506への入賞に基づいて取得された特別乱数は、当否判定処理に供される前に一旦は保留される。始動条件が成立してこの保留が解除されると、特別図柄の変動表示が開始され、この特別図柄の変動表示に同調して、液晶表示装置640の表示領域に表示される装飾図柄が、演出表示制御手段として機能するCPU2614により変動表示される。例えば、第一特別図柄の変動表示が開始されると、これに同調して装飾図柄が変動表示され、第二特別図柄が停止表示されると、これに同調して装飾図柄が停止表示される。このとき、装飾図柄は、第一特別乱数についての当否判定処理の結果を示す態様で停止表示される。同様に、第二特別図柄の変動表示が開始されると、これに同調して装飾図柄が変動表示され、第二特別図柄が停止表示されると、これに同調して装飾図柄が停止表示される。このとき、装飾図柄は、第二特別乱数についての当否判定処理の結果を示す態様で停止表示される。このようにして、装飾図柄は、第一特別図柄の変動表示及び停止表示と、第二特別図柄の変動表示及び停止表示との両方に共通する図柄として機能する。なお、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口1502または第二始動口1506への入賞に基づいて行われた特別抽選の結果が特別当たりであるときは、常に、大当たり遊技が終了したのちの遊技状態において、確変機能と時短機能との両方が作動する高確率時短状態となる。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、特別乱数についての当否判定の結果が特別当たりであったとしても、これだけでは大当たり遊技が実行されない。つまり、上述したように、大当たり遊技の実行にかかわる抽選処理は、少なくとも、特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)と、ラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)とによって構成される。しかしながら、本実施形態のパチンコ機1では、始動口1502,1506への入賞に基づいて上記一連の大当たり遊技の実行にかかわる抽選処理が全て行われるのではなく、特別図柄が停止表示された時点で、大当たり遊技の実行にかかわる抽選処理が中途段階で停止される。
このように、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が停止されることで、ラウンド数決定処理A(ステップS2009)とラウンド数決定処理B(ステップS2012)とのうちいずれの処理が実行されるようにするかを、遊技者の意思によって選択することができるようになる。
詳しくは、条件装置が作動したのち、センター役物1400の左側を流下するように遊技者が遊技球を発射させると、当該発射された遊技球は、特図ゲートA1900を通過し、ラウンド数決定処理A(ステップS2009)が行われる。このラウンド数決定処理Aでは、常に、8ラウンド大当たり遊技を実行する旨が決定される。また、条件装置が作動したのち、センター役物1400の右側を流下するように遊技者が遊技球を発射させると、当該発射された遊技球は、特図ゲートB1910を通過し、ラウンド数決定処理B(ステップS2012)が行われる。このラウンド数決定処理Bでは、4ラウンド大当たりと15ラウンド大当たりとのうちいずれの大当たり遊技を実行するかについて、抽選により決定される。
このようにして、ラウンド数決定処理A(ステップS2009)またはラウンド数決定処理B(ステップS2012)にてラウンド数が決定されたことをもって直ちに、当該ラウンド数決定処理Aまたはラウンド数決定処理Bにて決定されたラウンド数にいたるまで、役物としてのアタッカユニット1500の開閉部材1508が連続して開放される大当たり遊技が開始される。すなわち、一旦大当たり遊技が開始されると、ラウンド数決定処理Aまたはラウンド数決定処理Bにて決定されたラウンド数にいたるまで、アタッカユニット1500の開閉部材1508の開放動作が中途で中断することなく連続して作動することとなる。
ただし、特図ゲートA1900のゲート部を通過した遊技球の特図ゲートセンサA1901による検出は、常に有効化されているわけではなく、条件装置が作動しているときに限り有効化される。同様に、特図ゲートB1910のゲート部を通過した遊技球の特図ゲートセンサB1911による検出は、常に有効化されているわけではなく、条件装置が作動しているときに限り有効化される。すなわち、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910は、いずれも、条件装置が作動しているときに大当たり遊技におけるラウンド数を決定する機能を有するものの、条件装置が作動していないときは、何らの機能をも果たすものではない。
このように、条件装置が作動したことに基づいて、少なくとも4ラウンド大当たり遊技の実行が遊技者に保証される。すなわち、遊技者は、条件装置が作動したことをもって、少なくとも一定量(4ラウンド大当たり遊技において獲得しうる賞球量)の賞球が付与されうる大当たり遊技が必ず実行される。そしてさらに、この一定量に対して、遊技者の打ち分けによってさらなる賞球が付与されうるといったゲーム性を実現できる。しかも、遊技者に付与されうる賞球の量を例えば遊技者自身によってむやみに変更できるようにすることは出球率に影響し、パチンコ機に固有のスペックを遊技者自身が変えることにもなりかねない。しかしながら、本実施形態のパチンコ機1によると、左打ち(遊技球が特図ゲートB1910を通過せずに特図ゲートA1900を通過しうる打ち方)を行ったときと右打ち(遊技球が特図ゲートA1900を通過せずに特図ゲートB1910を通過しうる打ち方)を行ったときとで、遊技者に付与されうる賞球量に対する期待値が同じであるから、パチンコ機1に固有のスペックが変わることもない。すなわち、大当たり遊技の実行にかかわる抽選に当選したときには、少なくとも一定量の賞球が付与されうる大当たり遊技が常に実行されるとともに、出球率に影響を与えないにもかかわらず、上記の一定量に対して、遊技者の打ち分けによってさらなる賞球が付与されうるといったゲーム性を実現できるのである。
また、条件装置が作動したのちに遊技者が遊技球の発射を打ち分けることができるようにすることで、ラウンド数決定処理A(ステップS2009)とラウンド数決定処理B(ステップS2012)とのうちいずれの処理を実行するかを、遊技者が自らの意思で選択することが可能とされているので、ギャンブル性に富んだ遊技を好む遊技者は、センター役物1400の右側を狙って遊技球を発射し、堅実な遊技を好む遊技者は、センター役物1400の左側を狙って遊技球を発射するであろうと考えることができる。センター役物1400の右側を狙って遊技球を発射させた場合、4ラウンド大当たり遊技と、8ラウンド大当たり遊技と、15ラウンド大当たり遊技とのうち、最も出球の期待値が小さい4ラウンド大当たり遊技に決定されるリスクをはらみながらも、最も出球の期待値が大きい15ラウンド大当たり遊技に決定される可能性がある点でギャンブル性に富んでいるといえる。これに対し、センター役物1400の左側を狙って遊技球を発射させた場合、15ラウンド大当たり遊技が実行されたときのように出球の期待値が大きいわけではないが、一定量の出球を期待できる点で堅実な遊技であるといえる。
なお、本実施形態では、ラウンド数決定処理B(ステップS2012)が行われると、256分の93の確率で15ラウンドに決定され、256分の163の確率で4ラウンドに決定されるが、ラウンド数の振分確率は一実施形態にすぎず、これに限られない。ただし、ラウンド数決定処理Aが行われたときとラウンド数決定処理Bが行われたときとで遊技者にとっての有利度合いに差が出ないようにする必要がある。詳しくは、大当たり遊技が実行されたときのラウンド数(ひいては遊技者に払い出される賞球数)の期待値が、ラウンド数決定処理Aが行われたときとラウンド数決定処理Bが行われたときとで同じであるかほぼ同じである必要がある(ラウンド数決定処理Bにおいて決定されるラウンド数の平均がラウンド数決定処理Aにおいて決定されるラウンド数の平均(本実施形態では平均ではなく常に8ラウンド)と同じであるかほぼ同じである必要がある)。このように、ラウンド数決定処理Aが行われたときとラウンド数決定処理Bが行われたときとで、大当たり遊技が実行されたときのラウンド数に対する期待値(遊技者に払い出される賞球数の期待値)が同じであるかほぼ同じであるにもかかわらず、遊技球の発射を遊技者が打ち分けることによって、都度、遊技者にとっての有利度合い(ラウンド数ひいては遊技者に払い出される賞球数の期待値)が異なる大当たり遊技が実行されうるといった、興趣に富んだ遊技機を提供することができる。
しかしながら、特図ゲートA1900及び特図ゲートBは、センター役物1400の左側上方または右側上方の肩口、すなわち遊技領域605に発射された遊技球がすぐに通過しうる位置に配置されている。したがって、連続的に遊技球を発射していると(通常は連続的に遊技球が発射されるように遊技を行う)、特別図柄の当否用乱数についての当否判定処理の結果が当たりである旨を遊技者に知らしめる態様で装飾図柄が停止表示されたのち、遊技者の意に反する側の特図ゲートを遊技球が通過してしまうことがあり得る。この点、本実施形態のパチンコ機1では、条件装置が作動したのちに、遊技者の意に反する側の特図ゲートを遊技球が通過することを回避すべく工夫がなされている(後述する)。
本実施形態のパチンコ機1では、第一特別図柄または第二特別乱数についての当否判定処理の結果が当たりであるとき、CPU2614は、液晶表示装置640の表示領域にて変動表示されている装飾図柄を、当否判定処理の結果が当たりである旨を事前に遊技者に知らしめる態様で表示する。当否判定処理の結果が当たりである旨を事前に遊技者に知らしめる態様としては、例えば、3列の図柄列からなる装飾図柄の全てが同じ図柄となる所謂ゾロ目で一旦停止表示し、その後再び変動表示を行ったのちに、最終的な確定図柄で停止するような態様が相当する。CPU2614は、装飾図柄を一旦はゾロ目で停止表示したのちに再変動表示することで、特別乱数についての当否判定処理の結果が当たりである旨を、当否判定処理の結果を把握できる態様で確定表示するよりも前に、遊技者に知らしめることが可能となる。
なお、特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)の結果が当たりである旨のコマンドを周辺制御基板2600が主制御基板1350から受信すると、CPU2614は、液晶表示装置640の表示領域において、「大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理が中途段階である旨を示す演出画像」を表示する。このような「大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理が中途段階である旨を示す演出画像」が液晶表示装置640の表示領域に表示されると、遊技者は、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が中断された期間を利用して、現状の抽選状況、すなわち、特別乱数についての当否判定処理の結果が当たりである旨を把握することができる。そして遊技者は、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が中断された期間を利用して現状の抽選状況を把握した上で遊技球を発射させることにより、従来の遊技機にみられたような、液晶表示装置640の表示領域に表示された演出画像の意味を理解できないまま遊技が進行してしまうことを回避できる。なお、このような効果を効果的に発揮させるには、条件装置が作動してから所定時間を経過したのちに特図ゲートA1900または特図ゲートB1910への遊技球の検出が有効化されるようにするとよい。
このように、当否判定処理の結果を把握できる態様で装飾図柄が確定表示されるよりも前に当該当否判定処理の結果を遊技者に知らしめることで、特図ゲートセンサA1901及び特図ゲートセンサB1911による遊技球の通過検出が有効化される前に、遊技者は、操作ハンドル部461から手を離して遊技球の発射を止めることが可能となる。このように、特図ゲートセンサA1901及び特図ゲートセンサB1911による遊技球の通過検出が有効化される前に遊技球の発射を止めるよう遊技者に促すことによって、条件装置が作動したのちに、特図ゲートA1900と特図ゲートBとのうち遊技者の意に反した側の特図ゲートを遊技球が通過してしまうといった事態を回避できる。
なお、条件装置が作動したのちに、特図ゲートA1900と特図ゲートBとのうち遊技者の意に反した側の特図ゲートを遊技球が通過してしまうといった事態を回避する方策は、上記の態様に限られない。例えば、条件装置が作動したことに基づいてすぐに特図ゲートセンサA1901及び特図ゲートセンサB1911を有効化するのではなく、条件装置が作動してから所定時間経過後に、特図ゲートセンサA1901及び特図ゲートセンサB1911を有効化する態様であってもよい。上記の「所定時間」は、条件装置が作動したのち、すでに発射された遊技球が特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を通過したとしても、当該遊技球の通過を少なくとも検出できないだけの時間である必要がある。また、例えば、第一特別図柄または第二特別乱数についての当否判定処理の結果が当たりであるとき、変動表示されている特別図柄ひいては装飾図柄が停止表示される前に、例えば液晶表示装置640の表示領域に表示されている演出に変化を与えうる演出ボタンの操作を、例えば両手を使って行わせるような場合であっても、条件装置が作動したのちに、特図ゲートA1900と特図ゲートBとのうち遊技者の意に反した側の特図ゲートを遊技球が通過してしまうといった事態を回避できる。
また、本実施形態では、特図ゲートA1900をセンター役物1400の左側に配置し、特図ゲートB1910をセンター役物1400の右側に配置している。これは、条件装置が作動している状態でない限り、遊技者はセンター役物1400の左側に向けて遊技球を発射させて遊技を行うことが常であることに鑑み、遊技者の意に反して、8ラウンドの大当たり遊技よりも払い出される賞球数が少ない4ラウンドの大当たり遊技が実行されてしまうことによって遊技者を腹立たせてしまうことを回避できるようにしたものである。この場合、条件装置が作動したときには特図ゲートB1910に遊技球を通過させようとの意思が遊技者にあったにもかかわらず特図ゲートA1910を遊技球が通過してしまったとしても、少なくとも8ラウンドの大当たり遊技が実行されるので、遊技者を腹立たせるにはいたらないと思われる。なお、条件装置が作動している状態でない限り遊技者がセンター役物1400の左側に向けて遊技球を発射させて遊技を行うように、例えば、センター役物1400の左側に向けて遊技球を発射させたときに限り、始動口1502,1506への入賞が可能となるように当該始動口1502,1506が配置されていると好ましい。
ところで、特図ゲートA1900は、上述したように、センター役物1400の左側上方の肩口、ひいてはセンター役物1400の左側に発射された遊技球の流下経路に配置さている。また、条件装置が作動している状態で特図ゲートA1900を遊技球が通過すると、この特図ゲートA1900を通過した遊技球が遊技領域605を流下して大入賞口1510にいたるまでの間に、CPU2502は、ラウンド数決定処理A(ステップS2009)を行うとともに、当該ラウンド数決定処理Aにおいて決定されたラウンド数に基づいて大当たり遊技の実行(ラウンド動作としての大入賞口1510の開放)を開始する。また、CPU2614は、条件装置が作動している状態で特図ゲートA1900を遊技球が通過すると、この特図ゲートA1900を通過した遊技球が遊技領域605を流下して大入賞口1510にいたるまでの間に、大当たり遊技の実行が開始される旨を示す演出画像が液晶表示装置640の表示領域に表示されるように制御する。したがって、条件装置が作動している状態で特図ゲートA1900を遊技球が通過すると、当該特図ゲートA1900を通過した遊技球は、当該特図ゲートA1900よりも遊技球の流下方向の下流側に配置された大入賞口1510に入賞しうることとなる。すなわち、条件装置が作動したのちに大当たり遊技の実行契機となった遊技球(特図ゲートA1900を通過した遊技球)は、特図ゲートAを通過した時点では大入賞口1510に入賞する可能性が残されているので、ムダ球を減らすことができる。とくに、大当たり遊技が実行されたにもかかわらず遊技者に払い出される賞球量が少ない「4R大当たり」が実行されるときには、その効果は顕著である。
なお、本実施形態では、センター役物1400の右側に発射された遊技球は、常に特図ゲートAを通過するように構成されている。これにより、特別乱数についての当否判定処理の結果(特別抽選結果)が当たりであるにもかかわらず、すぐにでも大当たり遊技を実行させるべく特図ゲートA1900に遊技球を通過させようとする遊技者の意思に反して大当たり遊技が実行されないといった事態を回避できる。
ムダ球を減らすことができる点については、特図ゲートB1910を通過した遊技球についても同様である。すなわち、特図ゲートB1910は、上述したように、センター役物1400の右側上方の肩口、ひいてはセンター役物1400の右側に発射された遊技球の流下経路に配置さている。そして、条件装置が作動している状態で特図ゲートB1910を遊技球が通過すると、この特図ゲートB1910を通過した遊技球が遊技領域605を流下して大入賞口1510にいたるまでの間に、CPU2502は、ラウンド数決定処理A(ステップS2009)を行うとともに、当該ラウンド数決定処理Bにおいて決定されたラウンド数に基づいて大当たり遊技の実行(ラウンド動作としての大入賞口1510の開放)を開始する。また、CPU2614は、条件装置が作動している状態で特図ゲートB1910を遊技球が通過すると、この特図ゲートB1910を通過した遊技球が遊技領域605を流下して大入賞口1510にいたるまでの間に、大当たり遊技の実行が開始される旨を示す演出画像が液晶表示装置640の表示領域に表示されるように制御する。したがって、条件装置が作動している状態で特図ゲートB1910を遊技球が通過すると、当該特図ゲートB1910を通過した遊技球は、当該特図ゲートB1910よりも遊技球の流下方向の下流側に配置された大入賞口1510に入賞しうることとなる。すなわち、条件装置が作動したのちに大当たり遊技の実行契機となった遊技球(特図ゲートB1910を通過した遊技球)は、特図ゲートBを通過した時点では大入賞口1510に入賞する可能性が残されているので、ムダ球を減らすことができる。
なお、本実施形態では、センター役物1400の左側に発射された遊技球は、常に特図ゲートBを通過するように構成されている。これにより、特図ゲートA1900の場合と同様に、特別乱数についての当否判定処理の結果(特別抽選結果)が当たりであるにもかかわらず、すぐにでも大当たり遊技を実行させるべく特図ゲートB1910に遊技球を通過させようとする遊技者の意思に反して大当たり遊技が実行されないといった事態を回避できる。
ところで、条件装置が作動したのちに遊技者が遊技球の発射を打ち分ける手法は、上記のようにセンター役物1400よりも右側または左側に打ち分ける手法に限られない。例えば、上記のように遊技球が通過した特図ゲートの別にラウンド数が変わるものに代えて、特図ゲートに遊技球が通過したタイミングの別にラウンド数が変わるものであってもよい。具体的には、条件装置が作動してからT1〜T2[msec]の間に特図ゲートを遊技球が通過したときはステップS2009のラウンド数決定処理Aが行われるようにし、条件装置が作動してからT2〜T3[msec]の間に特図ゲートを遊技球が通過したときはステップS2012のラウンド数決定処理Bが行われるようにしてもよい。
また、本実施形態では、センター役物1400の右側に発射された遊技球は、常に特図ゲートAを通過するように構成されており、同様に、センター役物1400の左側に発射された遊技球は、常に特図ゲートBを通過するように構成されているが、必ずしも、「常に」である必要はない。特別乱数についての当否判定処理の結果(特別抽選結果)が当たりであるにもかかわらず、すぐにでも大当たり遊技を実行させるべく特図ゲートA1900または特図ゲートB1910に遊技球を通過させようとする遊技者の意思に反して大当たり遊技が実行されないといった事態を回避できる程度に、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過できるように構成されていればよい。
また、本実施形態では、条件装置が作動したのちに、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したことを契機として大当たり遊技が実行されるように構成されているが、必ずしも遊技球通過型の特図ゲートの通過を大当たり遊技の実行契機とするものに限られず、遊技球を後方に回収しうる受入口を設け、当該受入口に遊技球が受け入れられたことを大当たり遊技の実行契機としてもよい。
また、本実施形態では、始動口1502,1506への始動入賞に基づいて取得された特別乱数についての当否判定処理に当選したこと(条件装置が作動する条件に当選したこと)を「特別当たり」とし、条件装置が作動したのちにアタッカユニット1500の開閉部材1508が連続して作動する条件が整ったこと(条件装置が作動したのちに特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したこと)を「大当たり」として区別する。
また、本実施形態のパチンコ機1では、高確率状態における特別乱数についての当否判定の結果が特別当たりであるときには、条件装置が作動し、これに伴って、大当たり遊技の実行が未だ開始されていない段階で、確変機能が停止し、高確率状態から通常遊技状態に移行する。また、上記の高確率状態において時短機能が作動していた場合には、条件装置の作動に伴って、時短機能も停止する。なお、上述したように、特別乱数についての当否判定の結果が特別当たりであったとしても、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過しない限り、大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理は中断されたままである。したがって、高確率状態における特別乱数についての当否判定の結果が特別当たりであるときには、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の中途過程で、高確率状態から通常状態に変更されることとなる。とくに、高確率時短状態における特別乱数についての当否判定の結果が特別当たりであるときには、時短機能の作動も停止してしまうことから、条件装置の作動を契機として第二始動口1506への入賞率が低下してしまう。ここで、第一始動口1502への入賞率は時短機能が作動しているか否かにかかわらず同じであるが、条件装置の作動を契機として、第二始動口1506への入賞率が低下するので、始動口1502,1506全体としての入賞率が低下する。そして、このような始動口1502,1506全体への入賞率が低下することを利用して、遊技球の発射の停止を遊技者に促すことができ、条件装置が作動したにもかかわらず遊技球を発射し続けることで、特図ゲートA1900と特図ゲートB1910とのうち遊技者が意図しない特図ゲートに遊技球を通過させてしまうといった回避することが可能となる。すなわち、上述したような始動口1502,1506全体への入賞率が低下することを利用して、特図ゲートA1900と特図ゲートB1910とのうち、いずれに遊技球を通過させようかといった遊技者の選択機会が喪失してしまうことを回避できるようになる。
ところで、上述したように、高確率時短状態における特別乱数についての当否判定の結果が特別当たりであるときには、条件装置が作動し、これに伴って確変機能及び時短機能の両方とも作動が停止し、遊技状態制御手段(確変機能及び時短機能の作動を管理するCPUの機能)によって通常遊技状態に制御される。ただし、時短機能が停止したとしても、時短機能が停止する直前に普通当たりとなったときには、当該普通当たりに基づいて、時短機能が停止したのちにも、始動口開閉制御手段2558によって始動口ソレノイド1512が駆動し、一対の可動片1504を拡開するといった事態が生じうる。すなわち、特別当たりとなって条件装置が作動したときには、時短機能が停止しているにもかかわらず、第二始動口1506への入賞率が高められた状態が生じうることとなる。このような場合、特別当たり(条件装置の作動)に基づいてただちに大当たり遊技の実行を開始すると、せっかく大入賞口1510が開放されているにもかかわらず、発射された遊技球が大入賞口1510に至る前に、大入賞口1510よりも上流側に配置された第二始動口1506に遊技球が入賞してしまい、大当たり遊技中における大入賞口1510への入賞率が低下してしまいかねない。このような大当たり遊技中における大入賞口1510への入賞率の低下を抑制するには、一対の可動片1504の拡開が終了するまで(第二始動口1506への入賞率が高められた状態が終了するまで)大当たり遊技の実行が開始されないように、例えば大当たり遊技開始前にインターバル演出を行う必要が生じる。この点、本実施形態のパチンコ機1では、高確率時短状態における特別乱数についての当否判定の結果が特別当たりとなって条件装置が作動したとしても、この時点では大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が中断されており、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過するまで大当たり遊技の実行が留保されるので、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の終了をもってただちに(特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したことをもってただちに)、大当たり遊技の実行を開始することが可能となる。しかも、特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910はいずれもセンター役物1400の上方の肩口に配置されているとともに、大入賞口はセンター役物1400の下方に配置されているので、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したことをもってただちに大当たり遊技の実行を開始することによって、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を通過した遊技球に対して大入賞口1510に入賞する機会を付与することができる。
また、従来の遊技機のように、大当たり遊技の実行が開始される前にインターバル演出が行われる遊技機にあっては、このインターバル演出中は大入賞口1510が開放されていないので、このインターバル演出中に遊技球を発射したとしても、大入賞口1510に入賞することなくムダ打ちとなることが多かった。インターバル演出中に遊技球の発射を止めたとしても、大当たり遊技の実行が開始されるタイミングに合わせて遊技球を発射させることは難しい。とくに、大入賞口1510がセンター役物1400の下方に配置されているときには、発射された遊技球が大入賞口1510に至るまでに時間を要するので、大入賞口1510の連続的な開放処理が開始されたときに遊技球が大入賞口1510付近にいたるように遊技球を発射することは困難極まりない。この点、本実施形態のパチンコ機1によると、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したことに基づいてただちに大当たり遊技の実行が開始されるので、遊技者が遊技球を発射させている状態でしか大当たり遊技の実行が開始されないこととなる。これにより、遊技領域605に向けて発射された遊技球がムダとなる可能性が低く、大入賞口1510の入賞率の低下も抑制できる。
また、第一始動口1502または第二始動口1506に遊技球が入賞したことに基づいて行われる特別図柄の変動時間のうち最も短い最短時間をT[sec]とし、遊技球が発射されてからアウト口606(図31参照)にいたるまでに要する最長時間をt[sec]とすると、本実施形態のパチンコ機1では、T[sec]>t[sec]の関係が成立する。すなわち、遊技球が第一始動口1502または第二始動口1506に入賞したときに遊技者が遊技球の発射を止めたとすると、特別図柄の変動が停止したときには、遊技領域605には遊技球が1球も存在しないこととなる。これにより、第一始動口1502または第二始動口1506に遊技球が入賞したときに遊技者が遊技球の発射を止めたとし、この第一始動口1502または第二始動口1506への始動入賞により取得された特別図柄についての当否判定処理の結果が特別当たりであるときには、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910への遊技球の通過(すなわち、遊技者による遊技球の新たな発射)を待ってから、大当たり遊技の実行が開始されることとなる。
次に、遊技の進行に応じた内部的な制御について図142の時間の流れに沿って説明する。図142は、遊技の進行に応じた内部的な制御を示すタイムチャートである。
パチンコ機1の内部状態を示すフラグには、始動条件が成立しているか否かを示す始動フラグ、確変機能が作動しているか否かを示す確変フラグ、時短機能が作動しているか否かを示す時短フラグ、および、大当たり遊技が実行中であるか否かを示す大当たり遊技実行フラグが少なくとも含まれている。
始動フラグは、特別図柄が変動中であったり、条件装置が作動しているときにはOFFとなり(つまり、大当たり遊技の実行中も始動フラグはOFFとなる)、始動フラグがOFF(始動条件が非成立)である限り、始動口1502,1506に遊技球が入賞したり保留があったとしても、特別図柄の変動および特別抽選が新たに実行されることはない。そして、特別図柄の変動が終了し且つ条件装置が作動していないときに、始動フラグがONとならない限り(始動条件が成立しない限り)、特別図柄の変動および特別抽選の実行が可能となる。
また、確変フラグは確変機能が作動していればONとなり、時短フラグは時短機能が作動していればONとなり、大当たり遊技実行フラグは大当たり遊技が実行中であればONとなる。したがって、遊技状態が低確率非時短状態であれば確変フラグおよび時短フラグの両方ともOFF、遊技状態が高確率時短状態であれば確変フラグおよび時短フラグの両方ともON、遊技状態が高確率非時短状態であれば確変フラグON且つ時短フラグOFF、遊技状態が低確率時短状態であれば確変フラグOFF且つ時短フラグONとなる。また、大当たり遊技の実行中は、確変フラグおよび時短フラグはいずれもOFFであり、大当たり遊技実行フラグがONとなる。
本実施形態では、パチンコ機1の内部状態を示すフラグとして、さらに、条件装置作動フラグがある。この条件装置作動フラグは、条件装置が作動していればONとなるものである。したがって、遊技状態が、高確率時短状態、高確率非時短状態および低確率時短状態のいずれであるときもOFFである。また、遊技状態が低確率非時短状態(大当たり遊技の実行中もこの低確率非時短状態に含まれる)であるときは、条件装置作動フラグは、特別図柄の変動が停止して特別当たりである旨を示す態様が表示されたときにONとなり、大当たり遊技の実行が終了したときにOFFとなる。条件装置作動フラグがONとなるのは、特別図柄の変動が停止して特別当たりである旨を示す態様が表示されてから大当たり遊技の実行が終了するまでの間に限られる。
なお、本実施形態では、上述したように、条件装置が作動したとしても特図ゲートA1900または特図ゲートBを遊技球が通過しない限り大当たり遊技の実行が開始されないので、条件装置が作動しているにもかかわらず遊技が進行しない(大当たり遊技の実行が開始されない)特殊状態が生じうる。この特殊状態では、条件装置作動フラグがONであるにもかかわらず、これをもって自動的に大当たり遊技実行フラグがONとなるのではなく、上述した特定の条件が成立したときに限り大当たり遊技実行フラグがONとなり、大当たり遊技の実行が開始される。なお、上記の特殊状態では、確変フラグおよび時短フラグは、いずれもOFFである。
図142において、始動フラグのON・OFF(始動条件の成立・非成立)、特別図柄の変動・停止、確変フラグのON・OFF(確変機能の作動・停止)、時短フラグのON・OFF(時短機能の作動・停止)、大当たり遊技実行フラグのON・OFF、役物連続作動装置(ひいてはアタッカユニット1500の開閉部材1508)の作動・停止、および、条件装置作動フラグのON・OFF(条件装置の作動・停止)は、主制御基板1350による制御である。また、液晶表示の開示・秘匿は、遊技状態が開示されているか秘匿されているかを示すものであり、これについては周辺制御基板2600による制御である。
先ず、始動条件が成立しているもとで始動口1502,1506に遊技球が入賞すると(図142のT1を参照)、これに基づいて特別図柄の変動が開始されるとともに、始動条件が非成立となる。この始動条件は、特別図柄が変動中であったり、条件装置が作動しているときには非成立となり(つまり、大当たり遊技の実行中も始動条件は非成立となる)、始動条件が非成立である限り、始動口1502,1506に遊技球が入賞したり保留があったとしても、特別図柄の変動および特別抽選が新たに実行されることはない。そして、特別図柄の変動が終了し且つ条件装置が作動していないときに、始動条件が成立し、特別図柄の変動および特別抽選の実行が可能となる。なお、液晶表示装置640では、特別図柄の変動に同期するかたちで装飾図柄の変動表示が行われるが、これについては図142に示されていない。
そして、特別図柄の変動が停止し、当該停止した特別図柄が特別当たりである旨を示す態様であると(図142のT2を参照)、条件装置が作動する。なお、条件装置は、特別抽選の結果が特別当たりであることに基づいて作動するものであり、特別図柄の変動が停止したタイミングで作動する。
条件装置が作動しているときに、特図ゲートを遊技球が通過すると、役物連続作動装置が作動、すなわちアタッカユニット1500の開閉部材1508が連続的に作動する大当たり遊技の実行が開始される(図142のT3を参照)。この大当たり遊技は、ラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)にて決められた所定ラウンド数にいたると終了し、条件装置の作動も停止する(図142のT4を参照)。なお、上記の遊技球が通過した特図ゲートは、特図ゲートB1910である(図142のT3を参照)。
条件装置が作動しているときに遊技球が特図ゲートB1910を通過して大当たり遊技の実行が開始されたときには、大当たり遊技が終了したのちの遊技状態において確変機能が作動しているか否かが開示される(確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)が行われた結果、確変機能の作動が停止されるか維持されるかが開示される)。このように、特別当たりとなったときには少なくとも一定量の賞球が遊技者に付与される大当たり遊技が実行されるなかで、この最低量の賞球しか遊技者に付与されない4ラウンドの大当たり遊技が実行される可能性があるリスクを遊技者がとった代償として、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態が高確率状態であるか否かを開示することによって、条件装置が作動しているもとで右打ち(遊技球が特図ゲートA1900を通過せずに特図ゲートB1910を通過しうる打ち方)を行うことを遊技者に促すことができ、本実施形態のパチンコ機1における特徴を存分に発揮させることができる。しかも、遊技者に付与される賞球としての期待値が最も小さい4ラウンド大当たり遊技に決定されるリスクをとった代償として大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態における確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)結果ひいては高確率状態であるか否かを開示したとしても、上述したように、これは、遊技者が当該パチンコ機において遊技を継続して行う限りホール側に実損のないものである。ただし、遊技者によっては、遊技状態が秘匿されたまま遊技の続行を望む者もいる。確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)において確変機能の作動が維持されない旨が開示されて落胆するよりも、高確率状態が継続する可能性に期待をもって遊技を行うことができるからである。本実施形態のパチンコ機1では、遊技者の打ち分けによって遊技状態を開示するか否かが決定されるから、このような遊技者の要望にも応えることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機1では、大当たり遊技の実行が終了したのちは常に時短機能が作動するが、この時短機能は、特別抽選が100回行われると(特別図柄の変動が100回行われると)、作動が停止する。
大当たり遊技の実行が終了し、確変機能および時短機能の両方が作動している高確率時短状態において、始動条件が成立しているもとで、さらに始始動口1502,1506に遊技球が入賞すると(図142のT5を参照)、これに基づいて特別図柄の変動が開始されるとともに、始動条件が非成立となる。その後、特別図柄の変動が停止し、当該停止した特別図柄が特別当たりである旨を示す態様であると、条件装置が作動する(図142のT6を参照)。条件装置が作動すると、作動中の確変機能および時短機能はいずれも停止される。
条件装置の作動中に特図ゲートを遊技球が通過すると、役物連続作動装置が作動、すなわちアタッカユニット1500の開閉部材1508が連続的に作動する大当たり遊技の実行が開始される(図142のT7を参照)。大当たり遊技の実行が終了すると、始動条件が成立するとともに条件装置の作動が停止する(図142のT8を参照)。さらに、本実施形態のパチンコ機1では、大当たり遊技が終了したことに基づいて確変機能と時短機能との両方が作動するので、上記の大当たり遊技が終了した直後の遊技状態は、確変機能および時短機能の両方が作動する高確率時短状態となる(図142のT8を参照)。そして、確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)が行われた結果、確変機能の作動が停止されない限り(ステップS1310においてYESと判断されない限り)高確率状態が継続し、大当たり遊技が終了したのちに特別抽選が100回行われない限り時短機能が継続する。ただし、ここで遊技球が通過した特図ゲートは特図ゲートA1900であるから(図142のT7を参照)、大当たり遊技の実行が終了したのちの遊技状態(すなわち、確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)が行われた結果、確変機能の作動が維持されるか否か)が開示されずに秘匿にされる。
そして、遊技状態は開示されていないものの、大当たり遊技が終了したのちの遊技状態において、特別当たりとなることなく特別抽選が100回行われると(図142のT9を参照)、時短機能の作動が停止する。時短機能の作動が停止した時点で確変機能が未だ作動中であれば、この確変機能の作動は継続するので、遊技状態は高確率非時短状態となる。一方、時短機能の作動が停止した時点で確変機能の作動がすでに停止されていれば、遊技状態は低確率非時短状態となる。しかしながら、遊技状態が開示されずに秘匿されているので、遊技者は、確変機能が作動しているか否かを把握することは困難となっている。
ところで、本実施形態におけるパチンコ機1では、上述したように、主制御基板1350にバックアップ機能を搭載しており、例えば電源が遮断された時点での遊技様態(すなわち各フラグの状態)が主制御基板1350のRAM2506に内部状態として保存される。そして、パチンコ機1において電源が投入されると初期処理が行われ、主制御基板1350は、バックアップ機能によって管理される各種フラグを参照し、電源が遮断された時点での遊技状態を把握することができる。このようにして把握できた遊技状態は外部に開示される。例えば、電源が遮断された時点で確変機能が作動していれば、たとえ遊技状態が秘匿状態にされていたとしても、主制御基板1350は、電源が投入された後に状態表示ランプ1816を例えば赤色に点灯させる。また、電源が遮断された時点で条件装置が作動しているにもかかわらず大当たり遊技が実行中でない特殊状態であるときは、主制御基板1350は、電源が投入された後に状態表示ランプを例えば緑色に点灯させる。
なお、電源が遮断された時点での遊技状態は、電源が投入されたのち、主制御基板1350から周辺制御基板2600に送信される。そして、周辺制御基板2600は、電源が遮断された時点での遊技状態が上記の特殊状態である旨のコマンドを主制御手段1350から受信すると、液晶表示制御基板2612のCPU2614を介して、例えば「打ち方注意!」といった画像が液晶表示装置640に表示されるように制御する。これにより、例えば停電等により電源が遮断されて、この電源が遮断された時点での遊技状態が特殊状態であったとしても、遊技者は、電源が投入されたのちに遊技球を発射する際に、注意をもって遊技球を発射させることが可能となる。具体的には、特殊状態において特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過すると、遊技球が通過した特図ゲートの先によって異なるラウンド数の大当たり遊技が実行されるが、例えば停電等によって電源が遮断されてしまうと、復電したのちに、ついうっかりと発射位置に注意することなく遊技球を発射してしまうことがある。そこで、これを防止すべく、復電時に液晶表示器640において注意を喚起するようにしたものである。
ところで、本実施形態のパチンコ機1は、図示しないRAMクリアスイッチを備えている。このRAMクリアスイッチが操作されると、RAM2506に記憶されたデータは消去され、確変フラグOFF、時短フラグOFF、大当たり遊技実行フラグOFF、および、条件装置作動フラグOFFとなる。このRAMクリアスイッチは、遊技者が操作できるものではなく、ホール側のみが操作できるように、シリンダー錠1010(図71(B)参照)に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠しなければ操作できない位置に配置されている。
次に、主制御基板1350での遊技演出制御に係る機能的な構成について、図143等を参考に説明する。なお、遊技球の払出しに係る機能的な構成については省略する。本例の主制御基板1350では、ROM2504に予め格納された所定のプログラムをCPU2502が4msごとの定期タイマ割り込みで実行することによって各種の遊技制御や演出制御等が具現化されるようになっている。この主制御基板1350には、普図ゲートセンサ1612から遊技球の検出信号が入力されると、所定の普通乱数を発生させる普通乱数発生手段2550と、普通乱数発生手段2550により発生した普通乱数と対応する普通図柄変動パターンを、ROM2504に格納された所定の普通図柄変動パターンテーブルから選択する普通図柄変動パターン選択手段2552と、選択された普通図柄変動パターンを一時的に記憶する普通図柄保留記憶手段2554と、普通図柄保留記憶手段2554に記憶された普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄表示器1806の普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段2556と、普通図柄表示制御手段2556によって普通図柄表示器1806に抽出された普通乱数(普通図柄変動パターン)が「普通当たり」であると始動口ソレノイド1512を駆動して一対の可動片1504を拡開させる始動口開閉制御手段2558と、普通図柄保留記憶手段2554に保留記憶された普通図柄変動パターンの数を記憶数として普通図柄記憶数表示器1812に表示させる普通図柄記憶数表示制御手段2560とを備えている。
上述の普通図柄保留記憶手段2554は、普通図柄表示制御手段2556によって普通図柄が変動表示中に、普図ゲートセンサ1612からの遊技球の検出信号を契機として選択された普通図柄変動パターンを所定数(例えば、四つ)まで記憶すると共に、普通図柄の変動表示が可能となるまで記憶した普通図柄変動パターンの実行を保留するものである。
また、主制御基板1350には、第一始動口1502への始動入賞により第一始動口センサ2152で検出された検出信号に基づいて所定の第一特別乱数を発生させる第一特別乱数発生手段2562と、第一特別乱数発生手段2562において発生した第一特別乱数と対応する第一特別図柄変動パターン(第一特別図柄表示器1802で変動表示される特別図柄の変動時間を含む)を、ROM2504に予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する第一特別図柄変動パターン選択手段2564と、第一特別図柄変動パターン選択手段2564で選択された第一特別図柄変動パターンを一時的に記憶する第一特別図柄保留記憶手段2566と、第一特別図柄保留記憶手段2566に記憶された第一特別図柄変動パターンに基づいて第一特別図柄表示器1802の第一特別図柄を変動表示させる第一特別図柄表示制御手段2568と、第一特別図柄保留記憶手段2566で保留記憶された第一特別図柄変動パターンの数を記憶数として第一特別図柄記憶数表示器1808に表示させる第一特別図柄記憶数表示制御手段2570とを備えている。
更に、主制御基板1350には、第二始動口1506への始動入賞により第二始動口センサ1516で検出された検出信号に基づいて所定の第二特別乱数を発生させる第二特別乱数発生手段2572と、第二特別乱数発生手段2572において発生した第二特別乱数と対応する第二特別図柄変動パターン(第二特別図柄表示器1804で変動表示される特別図柄の変動時間を含む)を、ROM2504に予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する第二特別図柄変動パターン選択手段2574と、第二特別図柄変動パターン選択手段2574で選択された第二特別図柄変動パターンを一時的に記憶する第二特別図柄保留記憶手段2576と、第二特別図柄保留記憶手段2576に記憶された第二特別図柄変動パターンに基づいて第二特別図柄表示器1804の第二特別図柄を変動表示させる第二特別図柄表示制御手段2578と、第二特別図柄保留記憶手段2576で保留記憶された第二特別図柄変動パターンの数を記憶数として第二特別図柄記憶数表示器1810に表示させる第二特別図柄記憶数表示制御手段2580とを備えている。
これら第一特別図柄保留記憶手段2566及び第二特別図柄保留記憶手段2576は、第一及び第二特別図柄表示制御手段2568,2578によって第一及び第二特別図柄が新たに特別図柄を変動表示させることができないとき(例えば、変動表示中のとき、条件装置が作動しているにもかかわらず未だ特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910のいずれも遊技球が通過していないとき、大当たり遊技中のとき)に、第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1516からの検出信号を契機とした第一図柄変動パターンや第二図柄変動パターンを所定数(例えば、夫々四つ)まで記憶すると共に、特別図柄の変動表示が可能となるまで記憶した第一特別図柄変動パターンや第二特別図柄変動パターンの実行を保留するものである。そして、所定の解除条件が成立すると、新たな特別図柄の変動表示が開始される。「所定の解除条件」は、変動表示が終了すること、大当たり遊技が終了すること、等によって成立する。なお、条件装置が作動し且つ特図ゲートA1900または特図ゲートB1910に遊技球が通過したときは、「所定の解除条件」が成立することなく大当たり遊技の実行が開始される。したがって、なお、条件装置が作動し且つ特図ゲートA1900または特図ゲートB1910に遊技球が通過したとしても、新たな特別図柄の変動表示(新たな特別図柄についての抽選処理)は行われない。
また、主制御基板1350には、第一特別図柄保留記憶手段2566や第二特別図柄保留記憶手段2576に記憶された、第一特別図柄変動パターン(第一特別乱数)や第二図柄変動パターン(第二特別乱数)に基づいて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段2582と、有利遊技状態発生手段2582からの指示に基づいて大入賞口1510を閉鎖する開閉部材1508を所定パターンで開閉するようにアタッカソレノイド1514の駆動制御をする大入賞口開閉制御手段2584とを備えている。
更に、主制御基板1350には、普通乱数、第一特別乱数、第二特別乱数に応じた、普通図柄変動パターン、第一図柄変動パターン、第二図柄変動パターン、当落情報、第一特別図柄記憶数、第二特別図柄記憶数、扉枠開放スイッチ2514からの検出信号(扉枠5が本体枠3から開放されている状態である旨を伝える信号)等に基づいて、演出コマンド等の所定の制御用のコマンドを生成するコマンド生成手段2586と、コマンド生成手段2586で生成されたコマンドを周辺制御基板2600へ送信するコマンド送信手段2588とを備えている。
一方、周辺制御基板2600には、主制御基板2500から送信される制御用のコマンドを受信するコマンド受信手段2650と、コマンド受信手段2650で受信されたコマンドに基づいて、ROM2604に格納された複数の演出パターンのうちいずれかを選択する演出パターン選択手段2652と、演出パターン選択手段2652で選択された演出パターンに基づいて、各LED2120の発光駆動を制御することで発光装飾体2004を発光演出させる発光演出制御手段2654、液晶表示装置640に所定の演出画像を表示させる演出表示制御手段2656、及びセンター可動装飾体2200、サイド可動装飾体2300、アンダー可動装飾体2400に所定の可動演出をさせる可動演出制御手段2658等を主に夫々制御する演出制御手段2659を備えている。
なお、ROM2604に格納される演出パターンのうち当否判定処理の結果が当たりとなる場合に選択される複数の演出パターンにはアンダー可動装飾体2400の可動演出を実行する演出パターンを含み、主制御基板2500から受信した制御用のコマンドによって当否判定処理の結果が当たりとなると判断したときに演出パターン選択手段2652によってアンダー可動装飾体2400の可動演出を含む演出パターンを選択した場合には当該コマンドに基づいて実行される装飾図柄の変動表示において装飾図柄を停止表示する以前にアンダー可動装飾体2400を可動する可動演出を実行する。
また、ROM2604に格納される演出パターンのうち当否判定処理の結果が当たり以外となる場合に演出パターン選択手段2652によって選択される演出パターンにはアンダー可動装飾体2400の可動演出を含まない。すなわち、アンダー可動装飾体2400は当否判定処理の結果が当たりとなる場合にだけ可動され、いわゆる一発告知役物(可動により当否判定処理の結果が当たりとなることを通知する役物)として機能する。
なお、当否判定処理の結果が当たりとなる場合にだけ可動するアンダー可動装飾体2400に限らず、当否判定処理の結果が当たりとなるときにハズレとなるときよりも高い割合で可動するアンダー可動装飾体2400とすることによりアンダー可動装飾体2400を可動させたときに当否判定処理の結果が当たりに対する期待を向上させるように構成してもよい。また、この例では演出パターン選択手段2652によってアンダー可動装飾体2400の可動演出を実行する演出パターンを含む複数の演出パターンの中から演出パターンを選択することによりアンダー可動装飾体2400の可動演出を実行するか否かを決定するように構成したが、これに限らずコマンド受信手段2650で受信されたコマンドに基づいてアンダー可動装飾体2400の可動演出を実行するか否かの判定を行い、アンダー可動装飾体2400の可動演出を実行すると判定されたときに該可動演出を含む演出パターンを選択するように構成してもよい。
また、周辺制御基板2600には、可動演出制御手段2658からの指示に基づいて、センター可動装飾体2200のセンター移動用モータ2214及び槌用モータ2226を駆動制御するセンター可動装飾体制御手段2660と、可動演出制御手段2658からの指示に基づいてサイド可動装飾体2300のサイド用モータ2324を駆動制御するサイド可動装飾体制御手段2662と、可動演出制御手段2658からの指示に基づいてアンダー可動装飾体2400のアンダー用モータ2412を駆動制御するアンダー可動装飾体制御手段2664とを備えている。
また、周辺制御基板2600には、演出パターン選択手段2652で選択された演出パターンに応じて演出を制御する縁種制御手段に基づいて操作ボタン330の操作信号を受付可能又は受付不能とする操作受付手段2666と、少なくとも操作受付手段2666により受付けられた操作ボタン330の操作信号と演出制御手段2659により表示される所定の演出画像(例えば、特定演出画像(ハンマーチャンスリーチ演出画像)、特別演出画像(ワニワニパニックリーチ演出画像)、等)とに基づいてセンター可動装飾体2200の槌部2202が演出絵柄としての扉絵柄T(図146を参照)やワニ絵柄W(図150及び図151を参照)等を打撃したか否かを判定する打撃判定手段2668と、打撃判定手段2668で打撃したと判定されると扉絵柄Tやワニ絵柄W等の演出絵柄の表示態様を変更するように演出表示制御手段2656へ指示する絵柄変更手段2670と、打撃判定手段2668で打撃したと判定されるとその打撃回数をカウントする打撃数カウント手段2672とを備えている。なお、打撃数カウント手段2672でカウントされた打撃数は、演出制御手段2659を介して或いは演出表示制御手段2656によって液晶表示装置640に表示されるようになっている。
更に、周辺制御基板2600には、選択された演出パターンに基づく演出制御手段2659の指示に従って(制御によって)、操作受付手段2666により操作ボタン330の操作が受付可能とされた時に、操作ボタン330が操作されると所定の操作抽選結果を抽選する操作抽選手段2674を更に備えている。この操作抽選手段2674により抽選された操作抽選結果は、詳細は後述するが、始動入賞により行われる演出パターンに応じて、打撃判定手段2668での打撃判定に用いられたり、絵柄変更手段2670での絵柄の変更に用いられたりするものである。
また、周辺制御基板2600には、打撃数カウント手段2672でカウントされた打撃数に応じて、出没パターンテーブル選択テーブル(図155を参照)から出没パターンテーブルを選択して変更する出没パターンテーブル変更手段2676と、選択された演出パターンに基づく演出制御手段2659の指示に従って所定の表示抽選結果(所定の乱数値)を抽選する表示抽選手段2678と、表示抽選手段2678で抽選された表示抽選結果と出没パターンテーブル変更手段で選択変更された出没パターンテーブルとに基づいて、出没パターン選択テーブル(図156を参照)から所定の出没パターン(図157及び図158を参照)を選択する出没パターン選択手段2680と、を更に備えている。
なお、図144に示すように、周辺制御基板2600には、タイマ2682が備えられており、演出パターン選択手段2652で選択された演出パターンに基づいて演出制御手段2659で制御される演出時間、演出画像の表示時間、図柄の変動時間、可動装飾体2006の可動タイミング、操作受付手段2666や操作抽選手段2674、及び表示抽選手段2678等の作動タイミング、等に用いられるものである。
続いて、上述の機能的構成を有した本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、具体的に説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部461を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル599の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。
遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物1400の外周の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部461の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル599の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物1400の側面側を流下する遊技球が、遊技領域605におけるセンター役物1400の側面側に配置された普図ゲート1600のゲート部1602を通過して普図ゲートセンサ1612により検出されると、その検出信号に基づいて主制御基板1350では、普通抽選結果としての普通乱数が普通乱数発生手段2550において発生する。そして、その普通乱数に基づいて、図柄表示装置1800における普通図柄表示器1806の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1806が、赤色と緑色とに交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出され普通乱数(普通抽選結果)に基づいた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1806が赤色又は緑色に発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通図柄変動パターン選択手段2552で選択された普通図柄変動パターンに基づいて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当たり」乱数の場合、当たりを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1806が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1806が赤色に発光)されるようになっている。そして、当たりを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口1506を閉鎖する一対の可動片1504が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開して、第二始動口1506へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口1506における可動片1504の拡開時間については、後述する特別乱数についての当否判定処理の結果(特別抽選結果)に応じて変化させるようにしても良く、例えば、特別抽選結果として、「時短当たり(普通時短当たり、高確率時短当たり、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するようにしても良い。具体的には、例えば、普通図柄変動パターン選択手段2552で用いられる普通図柄変動パターンテーブルを異なるテーブルと差替えた上で、選択させることで容易に変化させることができる。
なお、本例のパチンコ機1では、正面視で左側に備えられた普図ゲート1600にのみ、普図ゲートセンサ1612が備えられており、右側の普図ゲート1600のゲート部1602を遊技球が通過しても、上述した普通乱数の抽出が行われないようになっている。そのため、右側の普図ゲート1600に普図ゲートセンサ1612が備えられていないことに気が付いた遊技者は、遊技球がセンター役物1400の左側を流下するように、操作ハンドル部461の回転量を適宜調整して遊技することとなる。換言すると、操作ハンドル部461を時計周りの方向へ大きく回しすぎると、遊技球が強く打ち込まれてセンター役物1400の右側ばかりを流下するようになり、普図ゲートセンサ1612の検知による普通抽選が行われず、第二始動口1506への入賞の機会が得られなくなるので、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来の操作ハンドル部461の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器1806において普通図柄が変動表示中に、普図ゲートセンサ1612で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、普図ゲートセンサ1612からの検出信号に基づいて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶数表示器1812で表示するようになっている。この普通図柄記憶数表示器1812は、二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組み合わせによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、普図ゲートセンサ1612の検出信号に基づいて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
センター役物1400の側面側を流下した遊技球は、図示しない障害釘や、サイド入賞口部材1700の誘導棚部1718等によってセンター役物1400の下方で遊技領域605の左右方向中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物1400の下方に配置された一般入賞口1702に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ2151に検出されると、その検出信号に基づいて主制御基板1350では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口1702、第一始動口1502、第二始動口1506、及び大入賞口1510の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口1702、第一始動口1502、第二始動口1506、及び大入賞口1510の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
センター役物1400の側面側を流下する遊技球が、センター役物1400の外周側面に開口したワープ入口1402に進入すると、ワープ通路1404を介してセンター役物1400の枠内の九十九折誘導路1410へと供給された後に、ステージ1406へと供給されるようになっている。この九十九折誘導路1410によって前後方向に蛇行しながら転動する遊技球の動きを楽しませることができると共に、遊技球の転動速度(流下速度)を減速させてステージ1406へ供給できるようになっている。そして、ステージ1406上へ供給された遊技球は、まず、ステージ1406における第一ステージ1406a上を左右方向へ転動し、続いて第二ステージ1406b上を左右方向へ転動し、凹溝1412からセンター役物1400下方の遊技領域605内へ放出されることとなる。その際に、第二ステージ1406bの進入口1414へ遊技球が進入すると、センター役物1400下端中央で第一始動口1502の直上に開口する放出口1416から遊技領域605内へ放出されるようになっている。
本例では、センター役物1400の放出口1416から遊技球が遊技領域605内へ放出されると、極めて高い確率で第一始動口1502に入賞するようになっており、遊技球が第一始動口1502に受入れられて第一始動口センサ2152に検出されると、主制御基板1350等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。なお、センター役物1400の凹溝1412から放出された遊技球や、センター役物1400の外側を流下してきた遊技球でも、或る程度の確率で第一始動口1502へ入賞することができるようになっている。
一方、遊技球が左側の普図ゲートセンサ1612を有した普図ゲート1600を通過して、普通抽選結果として「普通当たり」が抽選されると、上述したように、第二始動口1506を閉鎖する一対の可動片1504が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口1506へ受入れられて第二始動口センサ1516に検出されると、主制御基板1350等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、4個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。
また、主制御基板1350では、これら第一始動口1502や第二始動口1506に遊技球が入賞して、第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1516に検出されると、夫々の始動口1502,1506に応じて、所定の第一特別乱数や第二特別乱数の発生・抽出が行われる。そして、抽出された特別乱数に基づいて、図柄表示装置1800の対応する第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804において、「当否判定処理の結果が当たり」であることを示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、条件装置が作動し、特図ゲートセンサA1901による特図ゲートA1900への遊技球の通過検出と、特図ゲートセンサB1911による特図ゲートB1910への遊技球の通過検出とが有効化される。そして、条件装置が作動したのちに、特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過すると、大当たり遊技でのラウンド数が決定されて、大当たり遊技実行手段として機能するCPU2502により大当たり遊技が実行される。大当たり遊技が実行されると、アタッカユニット1500の開閉部材1508が所定のパターンで開閉動作し、その間に大入賞口1510へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口1510へ入賞すると、賞球ユニット800から所定数(例えば、13個)の遊技球が貯留部381へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口1502や第二始動口1506においても、普図ゲート1600による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当たり遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口1502,1506へ遊技球が入賞して第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1516での遊技球が検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1516からの検出信号に基づいて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数の数を、第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組み合わせによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板1350(特にCPU2502)では、第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1516の検出に基づいて取得(抽出)された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(特別図柄変動パターンテーブルとも称す)と照合することで、その特別乱数が、「ハズレ」と、条件装置を作動させる条件となる「特別当たり」とのうちの何れであるかが判別されるようになっている。
一方、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が、「特別当たり」であることに基づいて条件装置が作動し、その後、通過検出が有効化された特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過した場合、主制御基板1350は、アタッカユニット1500の開閉部材1508を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口1510に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材1508を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰り返す「大当たり遊技」を実行する大当たり遊技実行手段を有している。なお、大当たり遊技実行手段は、「4R大当たり」であれば4ラウンド、「8R大当たり」であれば8ラウンド、「15R大当たり」であれば15ラウンドの大当たり遊技を夫々繰り返して、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するようになっている。また、大当たり遊技が終了したのちは、常に確変機能が作動するので、確変機能の作動維持抽選(ステップS1309)が行われた結果、確変機能の作動が停止されない限り、特別図柄の当否判定処理に確変特図判定テーブルが参照される高確率状態に制御される。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口1502や第二始動口1506への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数についての特別抽選結果に応じて、図柄表示装置1800の第一特別図柄表示器1808や第二特別図柄表示器1810が変動表示される他に、液晶表示装置640においても、特別抽選結果に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置640において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(この例では、三列で左装飾図柄と中装飾図柄と右装飾図柄とを表示する)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄の組み合わせによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像(特別抽選結果が「特別当たり」のときに停止表示される装飾図柄の当たり図柄(左・中・右の装飾図柄の同一の図柄の組み合わせのうちいずれか、なお「時短無し当たり」、「時短当たり」の各々で異なる当たり図柄を停止表示するようにしてもよい)、特別抽選結果が「ハズレ」のときに停止表示される装飾図柄のはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄の組み合わせのうち2種類以上の図柄を含む組み合わせのいずれか)が表示されるようになっている。なお、第一及び第二特別図柄表示器1808,1810の特別図柄よりも、液晶表示装置640に表示される図柄(装飾図柄)の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置640に表示された図柄に注目することとなる。
この複数の図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する図柄列を残して停止表示された図柄の組合せが特定条件(リーチ)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される特別抽選結果として、「リーチ当たり」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、液晶表示装置640には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、大当たり遊技中に表示される「大当たり遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器1808や第二特別図柄表示器1810での特別図柄の変動表示は、主制御基板1350によって直接制御されるようになっているのに対して(図131を参照)、液晶表示装置640での図柄の変動表示は、主制御基板1350から周辺制御基板2600へ送信される特別抽選結果や普通抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板2600及び液晶表示制御基板2612によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置640での図柄の変動表示を周辺制御基板2600等で制御するようにしているので、主制御基板1350から送信されてくる特別抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置640における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、大当たり遊技中等に表示される「大当たり遊技演出画像」等も周辺制御基板2600等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板1350における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
続いて、本実施形態のパチンコ機1におけるリーチ発展演出について具体的に説明する。このリーチ発展演出は、第一始動口1502や第二始動口1506への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が所定の乱数判定テーブルにより、「リーチ当たり」又は「リーチハズレ」で且つリーチ発展演出を行う旨の判定がなされたものに対して実行される演出である。本例の主制御基板1350では、リーチ発展演出が行われる特別乱数が抽出されると、リーチ発展演出に対応した長さの変動時間を選択して特別図柄を変動表示させると共に、リーチ発展演出を行う旨の演出コマンドを生成して周辺制御基板2600へと送信する。そして、周辺制御基板2600では、リーチ発展演出を行う旨の演出コマンドを受信すると、所定の演出用乱数を取得すると共に、その演出用乱数と所定の判定用テーブルとを用いてリーチ発展演出画像を選択して、リーチ発展演出画像を表示させると共に、リーチ発展演出画像と対応するように裏ユニット2000の発光装飾体2004や可動装飾体2006を発光演出や可動演出させるようになっている。
このリーチ発展演出の一例としては、液晶表示装置640において変動表示された図柄がリーチ状態となると、互いに接近した接近位置に位置する左右のサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を、互いに離反した離反位置へ移動させた後に、液晶表示装置640にリーチ発展演出画像を表示させる(図145を参照)。これにより、リーチ状態となった後に、サイド装飾部材2302が離反位置へ移動することで、遊技者側から視認可能となる表示画面の視認範囲が左右方向へ広がり表示画面が広くなるので、遊技者に対して「当否判定処理の結果が当たり」かも知れないとの期待感を抱かせて興趣を高められる効果を期待することができるようになっている。また、リーチ発展演出画像が大画面で表示されるので、演出画像に対する臨場感を高めることができると共に、演出画像を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本実施形態では、リーチ発展演出の他の例として、「ハンマーチャンスリーチ」(以下、単に「ハンマーチャンス」と称す)と呼ばれるリーチ発展演出を行うことができ、このリーチ発展演出では、液晶表示装置640において変動表示された図柄がリーチ状態となると、周辺制御基板2600により液晶表示装置640の表示画面に操作ボタン330を遊技者が連打するように促す内容の案内が表示されると共に、観音開きの扉絵柄Tが表示される(図146(ア)を参照)。続いて、周辺制御基板2600によって扉枠5の前面に配置された操作ボタン330の操作が受付可能な状態となり、その状態で遊技者が操作ボタン330を操作すると、センター可動装飾体2200の槌部2202が扉絵柄Tを叩くように打撃回動すると共に、槌部2202の打撃回動に伴って表示されている扉絵柄Tが開きかけるような画像が表示される(図146(イ)を参照)。また、槌部2202の打撃回動に伴って、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が左右方向へ振動し、開きかけるような動画表示がなされる扉絵柄の臨場感をより高められるようになっている。
このリーチ発展演出では、所定時間の間、遊技者が操作ボタン330を操作することで、扉絵柄Tを槌部2202で叩いて扉絵柄を開かせるように演出が行われ、操作ボタン330の操作により扉絵柄Tを開かせることができるか否かで遊技者の興趣を高められるようになっている。とくに、特別乱数についての当否判定処理の結果が「特別当たり」であるときには、遊技者が両手を使わざるを得ないように、三つある操作ボタン330のうち少なくとも二つ以上の操作ボタン330を遊技者が連打するように促す内容の案内が表示される。このようにすることで、条件装置が作動する前に遊技領域に向けた遊技球の発射を中断させて、条件装置が作動したのちに、遊技者の意に反する側の特図ゲートを遊技球が通過してしまうことを回避できる。
そして、所定時間が経過すると、操作ボタン330の操作を受付不能な状態にした上で、本演出に係る特別乱数が「特別当たり」であれば、扉絵柄Tが開いた状態となり(図146(ウ)を参照)、「特別当たり」である旨を示唆する表示がなされてリーチ発展演出が終了した後に「特別当たり」である旨を示す画像が液晶表示装置640の表示領域に表示される。一方、本演出に係る特別乱数が「ハズレ」であれば、図柄扉が閉じた状態で「ハズレ」を示唆する表示がなされてリーチ発展演出が終了するようになっている。
更に詳細に説明すると、演出制御手段2659からの指示に基づいてリーチ発展演出として「ハンマーチャンス」の開始が指示されると、演出表示制御手段2656を介して液晶表示装置640に、リーチ発展演出画像としての特定演出画像(ハンマーチャンス演出画像)の表示が開始される。このハンマーチャンス演出画像は、図146に示すように、扉絵柄Tが表示されるものであり、所定の表示時間(例えば、約15秒間)の間液晶表示装置640に表示されるようになっている。
液晶表示装置640にハンマーチャンス演出画像の表示が開始されると、開始当初から所定時間(例えば、1秒〜3秒)経過するまでは、図146(ア)に示すように、扉絵柄Tが「全閉」の表示態様で表示され、所定時間が経過すると、扉図柄Tを少し開いた表示態様(「開放小」の表示態様)に変化させると共に、操作受付手段2666により操作ボタン330の操作を受付可能とする。なお、この状態では、操作抽選手段2674での抽選が行われず、操作ボタン330を操作してセンター可動装飾体2200の槌部2202で扉絵柄Tを打撃しても、絵柄変更手段2670で扉絵柄Tの表示態様が変更され(変化し)ないようになっている。また、この状態でも、操作ボタン330を操作して槌部2202により扉絵柄Tを打撃すると、図146(イ)に示すように、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が左右方向へ振動すると共に扉絵柄Tが揺れて開きかけるような感じの動画が表示されるようになっている。
そして、操作受付手段2666により操作ボタン330の操作が受付可能とされてから所定時間(例えば、約2秒)経過すると、演出制御手段2659からの指示により操作抽選手段2674での操作抽選が行われるようになり、操作ボタン330の操作により、槌部2202の打撃回動と同時に操作抽選が行われ、その操作抽選結果に当選すると、絵柄変更手段2670により、扉絵柄Tが「開放小」の表示態様から「開放中」の表示態様に変更されるようになっている。なお、演出制御手段2659は、絵柄変更手段により扉絵柄Tの表示態様が変更されると、所定短時間(例えば、約0.5秒)の間、操作受付手段2666によって操作ボタン330の操作を受付不能とするようになっている。これにより、扉絵柄Tの表示態様が短時間で連続して変更されて、個々の表示態様を認識し辛くなるのを防止すると共に、早い段階で扉絵柄Tの表示態様が変更し切ってしまって「全開」となるのを防止することができるようになっている。
この「ハンマーチャンス」では、操作ボタン330の操作により扉絵柄Tを槌部2202で打撃し、操作ボタン330の操作により操作抽選手段2674で抽選される操作抽選に当選する毎に、扉絵柄Tの表示態様が、「開放小」から「開放中」へ、「開放中」から「開放大」へ、更には「開放大」から「全開」へと変化するようになっており、扉絵柄Tの開き具合が徐々に変化することで、「当否判定処理の結果が当たり」への期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
なお、この「ハンマーチャンス」では、図148に示すように、扉絵柄Tの表示態様に応じて、演出制御手段2659により操作抽選手段2674で当選が抽選される操作抽選確率を異ならせるようになっており、具体的には、扉絵柄Tの表示態様が、「開放小」の時は当選確率を1/3、「開放中」の時は当選確率を1/5、「開放大」の時は当選確率を1/5、とするようにしており、扉絵柄Tが開くほど当選し難くなっている。
そして、演出制御手段2659によって、操作抽選手段2674により操作抽選が可能とされてから所定時間(例えば、約7秒)が経過すると、操作抽選手段2674での操作抽選を停止させ、更に操作受付手段2666により操作ボタン330の操作を受付可能とされてから所定時間(例えば、約10秒)が経過すると、操作受付手段2666により操作ボタン330の操作を受付不能とし、その後、所定時間(例えば、2秒〜4秒)が経過するとハンマーチャンス演出画像の表示を終了させるようになっている。つまり、図147に示すように、ハンマーチャンス演出画像の表示時間に対して、その表示時間中の操作受付可能時間範囲(本発明の第一時間範囲に相当)の間、操作ボタン330の操作が受付可能とされ、更に、操作受付可能時間範囲中の抽選可能時間範囲(本発明の第二時間範囲に相当)の間、操作ボタン330の操作により操作抽選が行われるようになっており、操作受付可能時間範囲の間で操作ボタン330を操作するとセンター可動装飾体2200の槌部2202が扉絵柄Tを打撃し、更に、抽選可能時間範囲の間で操作ボタン330を操作すると槌部2202が扉絵柄Tを打撃すると共に操作抽選を行い、操作抽選に当選すると扉絵柄Tの表示態様を一段階開いた表示態様に変更させるようになっている。
また、この「ハンマーチャンス」では、始動入賞による特別抽選結果が「リーチ当たり」の時、演出制御手段2659は、操作受付可能時間範囲が終了した時点で、扉図柄Tの表示態様が、「開放大」又は「全開」であれば、扉図柄Tの表示態様を「全開」に表示させてハンマーチャンス演出画像の表示を終了させ、また、操作受付可能時間範囲の終了時に扉図柄Tの表示態様が、「開放小」又は「開放中」であれば、扉絵柄Tの表示態様を一旦「全閉」とした上で「全開」に表示させてハンマーチャンス演出画像の表示を終了させるようになっている。これにより、扉絵柄Tが「全開」の状態で「ハンマーチャンス」が終了するので、操作ボタン330の操作によるゲームをクリアできた気分にさせ、その後に「当否判定処理の結果が当たり」が表示されることに対して興趣を高められるようになっている。
なお、図示は省略するが、特別抽選結果が「リーチ当たり」で「ハンマーチャンス」が終了すると、その後、演出画像として液晶表示装置640には、地下の迷宮に侵入するような演出画像(ダンジョンモード)が表示され、侵入先で表示される絵柄(例えば、小ワニ、宝箱、財宝、砂時計、等)によって特別抽選結果を示唆するようになっている。
一方、始動入賞による特別抽選結果が「リーチハズレ」の時、演出制御手段2659は、操作受付可能時間範囲が終了すると、扉絵柄Tの表示態様を「全閉」の表示態様に変更させてハンマーチャンス演出画像の表示を終了させるようになっている。これにより、扉絵柄Tが「全閉」の状態で「ハンマーチャンス」が終了するので、操作ボタン330の操作によるゲームをクリアできず特別抽選結果が「ハズレ」であったことを遊技者に認識させることができるようになっている。
このように、上述したリーチ発展演出では、操作ボタン330の操作が受付可能となると共に、操作ボタン330の操作によりセンター可動装飾体2200の槌部2202が扉絵柄Tを叩く動作をし、単に絵柄としてハンマーを表示画面に表示した場合と比較して、立体的な槌部2202が実際に動いて扉絵柄Tを叩くので、臨場感が高くなって遊技者の興趣をより高めることができると共に楽しませることができ、興趣をより高めることができるようになっている。
また、リーチ発展演出は、上述した演出パターン以外にも種々の演出パターンが備えられている。例えば、図149(イ)に示すように、アンダー可動装飾体2400のアンダー装飾部材2402を上昇させると共に、液晶表示装置640における窓部2408aの後側に所定の図柄(例えば、波形図柄)を表示させ、その図柄の色や大きさ、動き等によって、「特別当たり」となる可能性を示唆させて、「特別当たり」に対する期待感を高められるようにしても良い。このアンダー可動装飾体2400を用いた演出としては、リーチ発展演出の他に、図柄の変動表示中にも同様の演出を行っても良い。
更に、リーチ発展演出としては、上述の他に、図示は省略するが、液晶表示装置640の表示画面において、リーチとなった後に、最後の図柄を確定させる演出として、変動表示中の図柄列の図柄を前後方向に重なるように表示させた状態で、その手前の図柄センター可動装飾体2200の槌部2202で打撃することで、手前側の図柄を破壊することで後側の図柄が現れるようにして、「特別当たり」となる図柄まで槌部2202で破壊させるような演出としても良い。
なお、「特別当たり」を示唆する図柄の組合せで三つの図柄列の図柄が停止表示された際に、それらの図柄をセンター可動装飾体2200の槌部2202で打撃する可動演出を行うと共に、打撃された図柄が後方へ飛んで行くように表示する画像演出を行うようにしても良く、これにより、センター可動装飾体2200における槌部2202の動きを楽しませることができると共に、「大当たり遊技」が開始されることへの期待感を高めて、興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、リーチ発展演出としては、上述の他に、図150乃至図159に示す、「ワニワニパニックリーチ」(以下、単に「ワニワニパニック」と称す)と呼ばれるリーチ発展演出を行うことができるようになっている。この「ワニワニパニック」は、演出パターン選択手段2652で選択された演出パターンに基づいて演出制御手段2659により制御されるものであり、図150及び図151に示すように、液晶表示装置640の表示画面に、左右方向に並んだ三つの出没位置Z1,Z2,Z3が表示されると共に、その出没位置Z1,Z2,Z3にワニ絵柄Wが出没するような特別演出画像が表示され、扉枠5の前面に配置された操作ボタン330の各押ボタン330a,330b,330cを操作して、出没するワニ絵柄Wをセンター可動装飾体2200の槌部2202で打撃するものであり、槌部2202で出現したワニ絵柄Wを打撃するとポイントが加算され、所定時間の間にいくつのワニ絵柄Wを打撃することができるかを競うようなゲーム性を有した演出となっている。
また、この「ワニワニパニック」では、打撃するワニ絵柄Wの数として打撃数20の目標が設けられており、その目標を達成(クリア)すると、「当否判定処理の結果が当たり」となるような演出がなされるものである。そして、本実施形態では、図152に示すように、「ワニワニパニック」の表示時間が前半と後半の二つに分かれており、夫々の表示時間の中で、ワニ絵柄Wが出没すると共に操作受付手段2666によって操作ボタン330の操作が受付可能となる操作受付可能時間範囲(例えば、前半が約14秒で後半が約15秒)の間でワニ絵柄Wが複数(例えば、29〜35)出没するようになっている。これにより、前半で打撃したワニ絵柄Wの数により、後半への意欲が高められるようになっている。なお、後半の表示時間では、操作受付可能時間範囲が、更にAカット,Bカット,Cカットの三つの時間(例えば、夫々約5秒)範囲に分割されている。
更に「ワニワニパニック」の演出内容を詳述すると、主制御基板1350からのコマンドに基づいて演出パターン選択手段2652で「ワニワニパニック」を行う旨の演出パターンが選択されると、演出制御手段2659により演出表示制御手段2656を介して液晶表示装置640に、特別演出画像としてワニワニパニック演出画像の前半の表示を開始させる。そして、前半の演出画像の表示が開始されると、液晶表示装置640に左右方向へ並んだ三つの出没位置Z1,Z2,Z3が表示される(図150(ア)を参照)と共に、出没位置Z1,Z2,Z3に出没するワニ絵柄Wを、槌部2202で打撃するように操作ボタン330における何れかの押ボタン330a,330b,330cを操作するように促す案内(表示や音声による案内)がなされる。
そして、前半の演出画像の表示が開始されてから所定時間(例えば、1秒〜5秒)が経過すると、演出制御手段2659からの指示により操作受付手段2666によって押ボタン330a,330b,330cの操作が受付可能とされると共に、前半用の出没パターンに従って、所定の出没位置Z1,Z2,Z3からワニ絵柄Wが出没する。このワニ絵柄Wは、図153に示すように、各出没位置Z1,Z2,Z3に対して、下側から槌部2202が配置された上側へ向かって出現し、ワニ絵柄Wがラインβを越えると、槌部2202により打撃可能となり、更にワニ絵柄Wが上昇(前進)してラインαを越えると、ワニ絵柄Wの口が開いて噛付くような動作をした後に、後退して没するような動きをするものである。
ところで、演出制御手段2659では、前半の演出画像の表示に先立って、ROM2604に予め記憶された複数の前半用の出没パターンから一つの出没パターンを選択し、その出没パターンに基づいて出没するワニ絵柄Wの位置、速度、出没量等を制御している。この前半用の出没パターンは、図154に一例を示すように、前半の操作受付可能時間範囲を14段階に分割し(例えば、1段階が約1秒)、各段階毎にワニ絵柄Wの出没位置Z1,Z2,Z3と、出没する速度及び出没量を定めたものであり、複数種類(例えば、8種類)の出没パターンが予め用意されている。この前半用の出没パターンでは、14匹のワニ絵柄Wが出没するようになっていると共に、出没するワニ絵柄Wの出没速度が、低速又は中速のみとなっており、比較的容易に多くのワニ絵柄Wを打撃することができるようになっている。
なお、ワニ絵柄Wは、低速(例えば、出現に1.0秒、後退に0.5秒)、中速(例えば、出現に0.8秒、後退に0.4秒)、高速(例えば、出現に0.5秒、後退に0.2秒)、の三つの出没速度の何れかで出没可能とされている。また、図154中、「フェイク」とは、ワニ絵柄Wの出没量が少ないもの(例えば、図153において、ワニ絵柄Wがラインβを越えてすぐに後退するもの)である。
そして、所定の出没パターンで出没するワニ絵柄Wに対して、遊技者が何れかの押ボタン330a,330b,330cを操作すると、センター可動装飾体2200の槌部2202が操作された押ボタン330a,330b,330cと対応する出没位置Z1,Z2,Z3目掛けて移動及び回動するようになっている。このセンター可動装飾体2200の動作について詳述すると、押ボタン330a,330b,330cが操作されると、可動演出制御手段2658を介してセンター可動装飾体制御手段2660によって、操作された押ボタン330a,330b,330cと対応する方向へ摺動体2222が移動するようにセンター移動用モータ2214を駆動すると略同時に、槌部2202が液晶表示装置640の表示画面を打撃するように槌用モータ2226を駆動する。その後、センター移動用モータ2214の駆動によって左右の所定位置に摺動体2222が移動すると、センター移動用モータ2214を逆転駆動させて、摺動体2222が左右方向の略中央位置へと復帰させた後に停止させる。一方、槌用モータ2226によって打撃位置へ槌部2202が回動すると、槌用モータ2226を逆転駆動させて槌部2202を振上位置へ復帰させた後に停止させる。このセンター可動装飾体2200では、摺動体2222の左右方向への移動から中央への復帰、槌部2202の打撃位置への回動から振上位置への復帰まで、略同時に駆動されるようになっており、また、槌部2202の軌跡が斜めに回動移動するように見えるようになっていると共に、各移動を順に実行する場合と比較して、槌部2202の打撃動作が速くなるようになっている。
なお、中間の押ボタン330bが操作された場合は、センター移動用モータ2214は駆動されず、槌用モータ2226のみが駆動され、摺動体2222が略中央に位置したままで槌部2202のみが打撃回動した後に振上位置へ復帰する動作をするようになっている。また、センター移動用モータ2214及び槌用モータ2226を駆動中は、つまり、摺動体2222が中央位置へ槌部2202が振上位置へ夫々復帰するまでは、操作ボタン330の操作が受付不能とされており、操作ボタン330の操作によってセンター可動装飾体2200が一回の動作を終了するまでは、槌部2202による打撃位置の変更ができないようになっている。これにより、ワニ絵柄Wの出没位置に対して操作ボタン330の操作位置を間違えると所望のワニ絵柄Wを打撃し損ねる(図150(C)を参照)可能性が高くなり、遊技者に対してより正確な押ボタン330a,330b,330cの操作を要求することができるようになっている。
一方、押ボタン330a,330b,330cの操作による槌部2202の打撃回動に対して、打撃回動した槌部2202がワニ絵柄Wを打撃したか否かを打撃判定手段2668で判定するようになっている。この槌部2202によるワニ絵柄Wの打撃判定は、出没するワニ絵柄Wに対して、操作される操作ボタン330における押ボタン330a,330b,330cの位置及び操作タイミングと、操作ボタン330の操作と共に操作抽選手段2674で抽選される操作抽選結果とに基づいて、打撃判定手段2668でワニ絵柄Wを打撃したか否かが判定されるようになっている。
具体的には、操作ボタン330を操作してから槌部2202が打撃位置へ回動するまでの時間が約0.5秒、ワニ絵柄Wが出現開始してから槌部2202により打撃可能となる位置(図153におけるラインβを越えた位置)へ移動するまでの時間が約0.7秒、及びワニ絵柄Wが出現開始してから槌部2202により打撃可能となった後に打撃不能となる位置へ移動するまでの時間を約1.0秒とした場合、ワニ絵柄Wが出現開始してから、約0.2秒〜0.5秒の時間範囲内のタイミングで該当する操作ボタン330が操作されると、打撃位置へ打撃回動した槌部2202とワニ絵柄Wとが重なってワニ絵柄Wを打撃したようになる。そして、打撃判定手段2668では、その時間範囲内のタイミングで該当する操作ボタン330が操作されると共に、操作抽選手段2674により抽選される操作抽選で当選すると、槌部2202によってワニ絵柄Wが打撃されたと判定するものである。なお、上述した打撃を判定するためのタイミングは、ワニ絵柄Wの出没速度によって異なる数値となっている。また、「ワニワニパニック」における前半では、操作抽選手段2674で抽選される操作抽選結果が、100%の割合で当選が抽選されるようになっている。
そして、押ボタン330a,330b,330cの操作により打撃回動する槌部2202がワニ絵柄Wを打撃したと打撃判定手段2668で判定されると、絵柄変更手段2670によりワニ絵柄Wが打撃されたワニ絵柄W´に変更される(図151(D)及び(E)を参照)と共に、スピーカ163から「イテッ!」との音声が発せられ、遊技者に対してそのワニ絵柄Wが槌部2202で打撃されたことを視覚的に認識させることができるようになっている。また、打撃判定手段2668において槌部2202によりワニ絵柄Wが打撃されたと判定されると、打撃数カウント手段2672により打撃数が一つ加算されると共に、図示は省略するが液晶表示装置640に表示された20匹のワニの絵柄の一つに「×」マークが表示されて遊技者に対して打撃したワニ絵柄Wの数と、クリアできるまでの残りのワニ絵柄Wの数とが判るようになっている。
このようにして、「ワニワニパニック」における前半の演出画像の表示が進行し、遊技者にワニ絵柄Wを打撃する打撃ゲームを行わせ、前半の操作受付可能時間範囲の終了と共にワニ絵柄Wの出没が終了し、液晶表示装置640に、打撃できたワニ絵柄Wの打撃数に応じたコメントと表示されて前半の演出画像の表示が終了すると同時に、後半の演出画像の表示が開始される。
「ワニワニパニック」の後半は、操作受付可能時間範囲が三つのカットに分割されており、夫々のカットの表示開始前に、出没パターンテーブル変更手段2676で、それまでに打撃数カウント手段2672でカウントされた打撃数と、ROM2604に予め記憶された所定の出没パターンテーブル選択テーブル(図155を参照)とに基づいて、パターンA〜パターンNまでの何れかの出没パターンテーブルが選択され、出没パターン選択手段2680で用いられる出没パターンテーブルに変更されるようになっている。そして、出没パターンテーブル変更手段2676で選択・変更された出没パターンテーブルと、表示抽選手段2678と、ROM2604に予め記憶された出没パターン選択テーブル(図156を参照)とに基づいて、出没パターン選択手段2680で所定の後半用の出没パターン(図157及び図158を参照)が選択され、選択された出没パターンに応じてワニ絵柄Wが出没表示されるようになっている。
この後半用の出没パターンは、図157及び図158に示すように、各カットの表示時間を5段階に分割し(例えば、1段階が約1秒)、各段階毎にワニ絵柄Wの出没位置Z1,Z2,Z3と、出没する速度及び出没量を定めたものである。具体的には、出没パターンPTN1〜PTN3は、図157(ア)に出没パターンPTN1の例を示すように、出没位置Z1,Z2コ,Z3の何れかの位置に、ワニ絵柄Wが略一カットの間(例えば、4.2秒間)出現したままの状態となって、遊技者に対してワニ絵柄Wを連打させるようにしたものであり、極めて難易度が低い出没パターンとなっている。なお、この出没パターンでは、ワニ絵柄Wを6回打撃すると、それ以上打撃しても打撃数としてはカウントされないようになっている。また、出没パターンPTN4〜PTN6は、図157(イ)に出没パターンPTN4の例を示すように、3〜4匹のワニ絵柄Wを低速で出没させると共に、1〜2匹のワニ絵柄Wを中速で出没させるようにしたものであり、極めて難易度の低い出没パターンとなっている。
また、出没パターンPTN7〜PTN12は、図157(ウ)に出没パターンPTN7の例を示すように、1匹のワニ絵柄Wを高速又は高速フェイクで出没させて、一カット中で約4匹のワニ絵柄Wを打撃することが可能となるようにしたものであり、難易度の低い出没パターンとなっている。また、出没パターンPTN13〜PTN18は、図157(エ)に出没パターンPTN13の例を示すように、3匹のワニ絵柄Wを低速又は中速で出没させると共に、2〜3匹のワニ絵柄Wを高速又は高速フェイクで出没させ、一カットで約3匹のワニ絵柄Wを打撃することができるようにしたものであり、難易度が中程度の出没パターンとなっている。
更に、出没パターンPTN19〜PTN24は、図157(オ)に出没パターンPTN19の例を示すように、2〜3匹のワニ絵柄Wを低速又は中速で出没させるようにして、一カットで約2匹のワニ絵柄Wを打撃することができるようにしたものであり、難易度の高い出没パターンとなっている。また、出没パターンPTN25〜PTN30は、図158(カ)に出没パターンPTN25の例を示すように、1匹のワニ絵柄Wを低速又は中速で出没させて、一カットで約1匹のワニ絵柄Wを打撃することができるようにしたものであり、難易度が極めて高い出没パターンとなっている。更に、出没パターンPTN31〜PTN36は、図158(キ)に出没パターンPTN31の例を示すように、2〜4匹のワニ絵柄Wを高速で出没させ、残りのワニ絵柄Wを中速フェイク又は高速フェイクで出没させて、一匹もワニ絵柄Wを打撃することができないようにした出没パターンである。
一方、図155に示すように、出没パターンテーブル変更手段2676で用いられる出没パターンテーブル選択テーブルは、ワニ絵柄Wの打撃数が多いとパターンテーブルのパターンIが選択されるようになっており、このパターンテーブルのパターンIは、図156に示すように、後半用の出没パターンの内、出没パターンPTN31〜PTN36の何れかからしか選択されないようになっており、パターンIが選択されると、上述した通り出没するワニ絵柄Wを打撃することができないようになっている。つまり、ワニ絵柄Wの打撃数が多いほど難易度の高い出没パターンが選択されようになっていると共に、ワニ絵柄Wを20匹打撃する(打撃ゲームをクリアする)ことが難しいようになっている。
この後半の演出画像においても、前半の演出画像と同様に、操作抽選手段2674での操作抽選は、100%の確率で当選が抽選されるようになっている。
なお、この「ワニワニパニック」では、高速で出没するワニ絵柄Wを打撃した場合、又は、始動入賞による遊技抽選結果が「ハズレ」の時で出没速度が高速(高速フェイクを含む)以外のワニ絵柄Wを打撃すると打撃数が20匹目となるような場合に、特殊演出仕様として、操作抽選手段2674での操作抽選に当選する操作抽選確率をワニ絵柄Wの打撃数に応じて変化させるようにして、出没するワニ絵柄Wを20匹打撃(クリア)することが略できないように「ワニワニパニック」を制御するようになっている。具体的には、出没速度が高速のワニ絵柄Wを打撃すると、操作抽選手段2674では、操作抽選確率選択テーブルに基づいて、ワニ絵柄Wの打撃数に応じた当選確率で操作抽選結果を抽選するようになっており、図159に示すように、打撃数が17までは、当選確率を100%としているが、打撃数が18以上では、当選確率をAパターンで80パーセント、Bパターンで0%として、打撃判定手段2668で打撃判定するようにしている。また、遊技抽選結果が「ハズレ」の時は、ワニ絵柄Wの打撃数が19となると、ワニ絵柄Wが高速(高速フェイクを含む)で出没する時は操作抽選手段2674による操作抽選の当選確率を100%とし、ワニ絵柄Wが高速以外り速度で出没する時は操作抽選手段2674による操作抽選の当選確率を0%として、打撃判定手段2668で打撃判定するようにしている(なお、図159のBパターンを適用するようにしても良い)。このように、特殊演出仕様では、ワニ絵柄Wの打撃ゲームを略クリアできないようになっている。
そして、上述したような演出制御を行い、後半の演出画像における操作受付可能時間範囲が終了すると、操作受付手段2666によって押ボタン330a,330b,330cの操作を受付不能とした上で、図示は省略するが、液晶表示装置640にボスワニとして大きなワニ絵柄を表示させる共に、打撃数に応じたコメントを表示させて、「ワニワニパニック」を終了させるようになっている。
なお、ラウンド数決定処理B(ステップS2012)の結果が「15R大当たり」の時は、センター可動装飾体2200の槌部2202が可動し、ボスワニを打撃破壊して「ワニワニパニック」を終了させて大当たり遊技へ移行するようになっている。一方、ラウンド数決定処理B(ステップS2012)の結果が「4R大当たり」で、ワニ絵柄Wの打撃数が20匹に達しなかった時は、ボスワニのコメント後にサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を左右方向へ激しく往復移動(振動)させると共に、センター可動装飾体2200の槌部2202内のLED2122を激しく点滅させながら「ワニワニパニック」を終了させて大当たり遊技へ移行するようになっている。
次に、大当たり遊技演出について具体的に説明する。本例の大当たり遊技演出は、第一始動口1502や第二始動口1506への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数についての当否判定処理の結果が「特別当たり」と判定されて、さらに特図ゲートA1900または特図ゲートB1910を遊技球が通過したことに起因して発生した、アタッカユニット1500の開閉部材1508が所定のパターンで開閉動作する「大当たり」の実行中に実行される演出である。本例の主制御基板1350では、特別乱数についての当否判定処理の結果が「特別当たり」であると、この「特別当たり」と対応した図柄当たり用の演出コマンドを生成して周辺制御基板2600へと送信する。そして、周辺制御基板2600では、図柄当たり用の演出コマンドを受信すると、所定の演出用乱数を取得すると共に、その演出用乱数と所定の当たり演出用テーブルとを用いて当たり遊技演出画像を選択して、特別乱数についての当否判定処理の結果が当たりである旨を示す「当たり演出画像」を、液晶表示装置640の表示領域に表示することで、条件装置が作動したことを遊技者に知らしめるようになっている。
そして、条件装置が作動したのちに、特図ゲートA1900または特図ゲートB1901への遊技球の通過が検出されると、液晶表示装置640の表示領域に表示されている上記の「当たり演出画像」に代えて、大当たり遊技が実行されることを示す「大当たり遊技演出画像」を表示させる。また、この「大当たり遊技演出画像」の表示に対応するように、裏ユニット2000の発光装飾体2004や可動装飾体2006を発光演出や可動演出させて、大当たり遊技が実行されることを遊技者に知らしめるようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が操作ハンドル461を操作して遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口1702等へ受入れられると賞球ユニット800から所定数の遊技球が払出されると共に、第一始動口1502や第二始動口1506へ遊技球が受入れられると特別乱数についての当否判定処理が行われる。この当該当否判定処理の結果が「特別当たり」であると条件装置が作動し、この条件装置が作動した状態で特図ゲートA1900または特図ゲートB1910への遊技球の通過を契機としてより多くの遊技球が払出される「大当たり遊技」の実行機会が得られることで遊技者の興趣を高めることができる。
一方、特別乱数についての当否判定処理の結果(「リーチ当たり」又は「リーチハズレ」)が抽選されると、演出制御手段2659により液晶表示装置640に特別演出絵柄としてのワニ絵柄Wが出没する特別演出画像(ワニワニパニックリーチ演出画像)が表示されると共に操作ボタン330の操作が受付可能とされ、ワニ絵柄Wの出没に合せて遊技者が操作ボタン330の押ボタン330a,330b,330cを操作すると、センター可動装飾体2200の槌部2202が押ボタン330a,330b,330cと対応した出没位置Z1,Z2,Z3へ向かって打撃回動し、槌部2202でワニ絵柄Wを打撃したと判定されるとワニ絵柄Wの打撃数がカウントされ、その後、特別乱数についての当否判定処理結果及び打撃数が所定条件を充足する(打撃数が19)と槌部2202の打撃回動による打撃判定を中止させるような打撃ゲームが展開される。つまり、打撃ゲームにおいて少なくとも特別乱数についての当否判定処理結果及び打撃数が所定条件を充足しない限りは押ボタン330a,330b,330cの操作による槌部2202での特別演出画像の打撃判定が単純に行われるので、従来のように打撃しているのに打撃判定をしなかったり絵柄の打撃に対して打撃数が異なっていたりする場合と比較して、遊技者に対して不信感や違和感等を与えるのを防止することができ、押ボタン330a,330b,330cの操作により出没するワニ絵柄Wを打撃する打撃ゲームを違和感なく楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、打撃数が所定条件を充足すると打撃判定を中止させるようにしているので、打撃ゲームをクリアしても、特別乱数についての当否判定処理の結果が「ハズレ」のために「特別当たり」が発生せずに遊技者を落胆させて遊技に対する興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
また、少なくとも特別乱数についての当否判定処理の結果(「ハズレ」である旨の結果)及びワニ絵柄Wの打撃数が所定条件を充足(打撃数が19)、により打撃判定を中止させるようにしている。つまり、ワニ絵柄Wの打撃数が打撃ゲームのクリアとなる打撃数(打撃数が20)に近付くと、打撃判定を中止させるようにしており、打撃ゲームの進行に伴って押ボタン330a,330b,330cの操作により槌部2202で打撃されたワニ絵柄Wの打撃数が、クリアとなる打撃数に近付くまでは通常の打撃判定が行われるので、槌部2202の打撃に対して違和感を与えることがなく順調に打撃ゲームを楽しませることができる。そして、クリアとなる打撃数に近付くと打撃判定が中止されて槌部2202でワニ絵柄Wを打撃しても打撃していないとされることとなるが、通常は打撃ゲームの後半で打撃数がクリアとなる打撃数に近付くので、蓋然的に打撃判定が中止されている時間が少なく、遊技者に対して殆ど違和感を感じさせることなく打撃ゲームを終了させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、打撃ゲームをクリアすることができないので、打撃ゲームの終了後に条件装置が作動しなくても(「特別当たり」が発生しなくても)、遊技者の興趣が大きく落胆するのを回避させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、出没するワニ絵柄Wを打撃する打撃ゲーム中に操作ボタン330の押ボタン330a,330b,330cが操作されると所定の操作抽選結果が抽選され、その操作抽選結果及び特別抽選結果も用いてワニ絵柄Wの打撃判定をするようにしており、実際には槌部2202でワニ絵柄Wを打撃しても打撃していないと判定されて打撃数としてカウントされないので、ワニ絵柄Wの打撃数が早い段階でクリアとなる打撃数(打撃数20)に到達してしまい、打撃ゲームの残り時間を楽しめなくなるのを抑制して興趣が低下するのを抑制することができる。
また、槌部2202によるワニ絵柄Wの打撃判定に対して、操作抽選手段2674の操作抽選結果も加味するようにしているので、槌部2202でワニ絵柄Wを打撃したと思っても打撃していないと判定されることがあり、遊技者に対して一瞬残念な気分にさせた後に次に出現してくるワニ絵柄Wに対して期待感を持たすことができ、ワニ絵柄Wの出没と押ボタン330a,330b,330cの操作との繰返しに対して気分の抑揚を持たせて打撃ゲームが単調なものとなるのを抑制して、遊技者の興趣が低下するのを抑制する効果を期待することができる。
更に、槌部2202によるワニ絵柄Wの打撃数が少ない時は、打撃されたと判定される操作抽選結果の抽選確率を高くし、打撃数が多い時はその抽選確率を低くしているので、打撃数が多くなると、押ボタン330a,330b,330cを操作して槌部2202を打撃回動させてもワニ絵柄Wが打撃されたと判定される確率が低くなり、打撃数が打撃ゲームをクリアする打撃数に到達し難くして打撃ゲームが早期にクリアされるのを防止することができ、早期にクリアしてしまって打撃ゲームの残りの時間を楽しめなくなって興趣が低下してしまうのを防止することができる。また、打撃ゲームをクリアし難くして難易度を高くすることができるので、打撃ゲームをクリアできた時の達成感をより高めて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、押ボタン330a,330b,330cの操作により実際に打撃したワニ絵柄Wの打撃数に応じて、打撃難易度の異なる出没パターンに変化させて、打撃ゲームをクリアできるようにしたりクリアできないようにしたりすることが可能となるので、従来のように打撃しているのに打撃判定をしなかったり打撃数を変化させたりする場合と比較して、遊技者に対して不信感や違和感等を与えるのを防止することができ、押ボタン330a,330b,330cの操作により出没するワニ絵柄Wを打撃する打撃ゲームを違和感なく楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、高速で出没するワニ絵柄Wを打撃できる遊技者は打撃ゲームの熟練度が高い遊技者とみなして打撃ゲームをクリアすることができないようにしているので、熟練度の高い遊技者でも打撃ゲームの終了まで押ボタン330a,330b,330cを操作させることが可能となり、打撃ゲームに対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、センター可動装飾体2200の槌部2202が、押ボタン330a,330b,330cの配列された方向へ移動可能とされていると共に、ワニ絵柄Wが押ボタン330a,330b,330cの配列と対応する位置で出没するようになっており、どの位置にワニ絵柄Wが出没しても槌部2202で打撃することができるので、操作ボタン330における押ボタン330a,330b,330cの操作によっては出没する全てのワニ絵柄Wを槌部2202で打撃することが可能となり、従来のように構造上明らかに打撃できないことに起因する苛立ちや焦燥感等を遊技者に与えてしまうのを防止することができると共に、打撃ゲームに対する遊技者の意欲を高めて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、少なくとも特別演出画像の表示が開始されない限り、操作ボタン330の操作が受付けられないようになっているので、通常の遊技中に遊技者が不用意に操作ボタン330を操作しても、その操作に応じてセンター可動装飾体2200の槌部2202が可動するのを防止することができ、センター可動装飾体2200が無用な動きをすることで遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、打撃数カウント手段2672によって押ボタン330a,330b,330cの操作により槌部2202で打撃したワニ絵柄Wの打撃数をカウントするようにして、カウントされた打撃数や、所定の打撃数(打撃ゲームにおける目標の打撃数)に対する残りの打撃数等を液晶表示装置640に表示させるようにしているので、実際の打撃数等を認識させることで打撃ゲームの目標等を再認識させることができ、打撃ゲームのクリアに向けて遊技者の興趣を高められる効果を期待することができる。
また、特別演出画像の進行具合と押ボタン330a,330b,330cの操作によるワニ絵柄Wの打撃数とから、打撃ゲームに対する遊技者の熟練度を推測することができるので、打撃数と特別演出画像の進行具合とに応じて打撃難易度の異なる出没パターンから最適な出没パターンを選択させるようにしても良く、例えば、特別演出画像の進行具合に対して打撃数の少ない場合は、遊技者の熟練度が低いので打撃難易度の低い出没パターンを選択するようにして、遊技者がワニ絵柄Wを容易に打撃できるようにし、打撃ゲームを楽しませることができる。一方、特別演出画像の進行具合に対して打撃数が多い場合は、遊技者の熟練度が高いので打撃難易度の高い出没パターンを選択するようにして、ワニ絵柄Wの打撃を困難とすることで遊技者をより打撃ゲームに集中させることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、特別演出画像を複数のカットに分割し、それらのカット毎に出没パターンを選択するようにしているので、出没パターンの選択制御が連続するのを抑制することができ、演出制御に係る負荷が増加するのを抑制して演出中に不具合が発生して遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、特別演出画像のカットが切替る際に、ワニ絵柄Wの打撃数とは別に、表示抽選手段2678の表示抽選結果に応じて、所定の出没パターンテーブルから出没パターンを選択するようにしているので、単に打撃数のみで出没パターンを選択するようにした場合と比較して、選択される出没パターンの種類に幅を持たせることができ、打撃ゲームが単調なものとなるのを抑制して、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ボタン330における押ボタン330a,330b,330cの操作により槌部2202で打撃したワニ絵柄Wの打撃数が多いほど、出没パターンテーブル変更手段2676で打撃難易度の高い出没パターンテーブルに変更して出没パターンを選択させるようにしており、打撃ゲームをクリアする目標の打撃数に近付くのにつれて、押ボタン330a,330b,330cを操作しても槌部2202によってワニ絵柄Wを打撃し難くなるので、遊技者に対して打撃ゲームが終了するまで押ボタン330a,330b,330cの操作に集中させることができ、最後まで打撃ゲームを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、打撃判定手段2668によって槌部2202がワニ絵柄Wを打撃したと判定すると、そのワニ絵柄Wの表示態様を変更するようにしているので、遊技者に対してワニ絵柄Wが打撃されたことを確実に認識させることができると共に、ワニ絵柄Wを打撃する楽しさを付与することができ、打撃ゲームを楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、始動入賞に基づいて取得された特別乱数についての当否判定処理の結果が「特別当たり」であるにもかかわらず特別演出画像の表示よる打撃ゲームをクリアすることができなかった場合には、大きなワニ絵柄(ボスワニ)が表示された上で、槌部2202により打撃破壊される演出画像が表示されて特別演出画像の表示が終了する。したがって、打撃ゲームをクリアすることができずに遊技者の興趣が低下してしまっても、ボスワニが槌部2202の打撃で破壊されることで遊技者に対して特別乱数についての当否判定処理結果が「特別当たり」であることを認識させて興趣を高めることができ、その後、遊技者がセンター役物1400の右側に向けて遊技球を発射したことによって行われる「ラウンド数決定処理B」に期待させて遊技に対する興趣を維持することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、始動入賞により特別乱数についての当否判定処理の結果(「リーチ当たり」又は「リーチハズレ」)が抽選されると、演出制御手段2659により液晶表示装置640に扉絵柄Tが表示される特定演出画像(ハンマーチャンス)が表示されると共に操作ボタン330の操作が受付可能とされる。そして、特定演出画像の表示中に遊技者が操作ボタン330を操作すると、センター可動装飾体2200の槌部2202が打撃回動して液晶表示装置640に表示された扉絵柄Tを打撃した上でサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が左右方向へ往復移動すると共に、所定の操作抽選結果が抽選され、抽選された操作抽選結果に応じて扉絵柄Tの表示態様が全開の表示態様側へ一段階変化する。これにより、操作ボタン330の操作により打撃回動するセンター可動装飾体2200の槌部2202及びサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302の動きと扉絵柄Tの変化とによって遊技者を驚かせて楽しませることができると共に、あたかも槌部2202の打撃により扉絵柄Tが変化したように見せることが可能となり、特定演出画像のリアル感が高くなり操作ボタン330に対する操作意欲を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、特定演出画像(ハンマーチャンス)の表示により液晶表示装置640に閉じた状態の扉絵柄Tが表示されこととなるので、一見して遊技者に対し扉絵柄Tが開くと何か良いことがあると認識させることが可能となり、センター可動装飾体2200の槌部2202によって扉絵柄Tを打撃して扉絵柄Tを開かせようと操作ボタン330を操作させることができ、特定演出画像の表示に係る演出に対して遊技者を積極的に参加させることができ、その演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ボタン330の操作によってセンター可動装飾体2200の槌部2202が打撃回動すると、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が左右方向へ往復移動するので、単に槌部2202のみを打撃回動させた場合と比較して、あたかも槌部2202の打撃による衝撃でサイド装飾部材2302等が揺れているよう見えて、槌部2202による扉絵柄Tの打撃のリアル感を向上させることができ、特定演出画像の表示に係る演出を楽しませて、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ボタン330の操作に基づいて抽選される操作抽選結果に応じて扉絵柄Tの表示態様を変化させるようにしており、操作ボタン330の操作により槌部2202が扉絵柄Tを打撃しても扉絵柄Tが変化する場合と変化しない場合とがあるので、遊技者に対して扉絵柄Tが変化するように継続して操作ボタン330を操作させることが可能となり、特定演出画像(ハンマーチャンス)の表示に係る演出に遊技者を確実に参加させることができ、特定演出画像の表示に係る演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、特定演出画像(ハンマーチャンス)が表示されて操作ボタン330の操作が受付可能となる操作受付可能時間範囲内の抽選可能時間範囲の間、操作ボタン330の操作に応じて操作抽選結果が抽選されるようにしているので、特定演出画像の表示開始から早期に扉絵柄Tが変化し切って全開の表示態様となってしまうのを抑制することが可能となる。これにより、特定演出画像が表示されている間、操作ボタン330の操作意欲を維持させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、表示態様の異なる扉絵柄Tをより多く用意しなくても良くなるので、ROM2604やCPU2602等の負荷が増加するのを抑制することが可能となり、上述した制御を円滑に行わせることができる。
また、絵柄変更手段2670によって扉絵柄Tの表示態様が一段階変化すると、所定短時間の間、操作ボタン330の操作を受付不能としており、その間に操作ボタン330を操作してもセンター可動装飾体2200の槌部2202が打撃回動することがないと共に扉絵柄Tの表示態様が変化しない。これにより、変化した扉絵柄Tの表示態様を少なくとも所定短時間の間、遊技者に視認させて扉絵柄Tの表示態様が変化したことを認識させることができ、扉絵柄Tそのものを楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉絵柄Tの表示態様が変化すると、所定短時間の間、操作ボタン330の操作が受付不能としており、蓋然的に、次に扉絵柄Tの表示態様が変化するまでの時間が長くなる。これにより、扉絵柄Tの表示態様が早く変化するように遊技者に対して操作ボタン330をより多く操作(連打)させることが可能となり、操作ボタン330を連続(継続)して操作させることで特定演出画像(ハンマーチャンス)の表示に係る演出を飽き難くすることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、扉絵柄Tの表示態様に応じて、操作抽選手段2674により扉絵柄Tの表示態様が変化する操作抽選結果が抽選される抽選確率を異ならせるようにしており、扉絵柄Tの表示態様によって、扉絵柄Tが変化し易かったり変化し難くかったりする。これにより、特定演出画像(ハンマーチャンス)の表示に係る演出にメリハリを与えて単調なものとなるのを防止することができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、特定演出画像(ハンマーチャンス)の表示に係る特別抽選結果が「特別当たり」の場合、特定演出画像の終了時に、扉絵柄Tの表示態様を全開の表示態様に変化させて終了させるようにしている。これにより、特定演出画像の表示が中途半端な状態で終るの回避させて完結した状態となり特定演出画像を違和感無く見せることができ、特定演出画像の表示に係る演出が楽しめなくなるのを防止して、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、特定演出画像(ハンマーチャンス)の表示に係る特別抽選結果が、「ハズレ」の場合、特定演出画像の終了時に、扉絵柄Tを全閉の表示態様に変化させて終了させるようにしおり、扉絵柄Tが最初の全閉の表示態様に戻ることで、操作ボタン330の操作によるゲームがクリアできなかったように見せて特定演出画像の表示後に「当否判定処理の結果が当たり」とならないように思わせることができる。これにより、実際に「当否判定処理の結果が当たり」とならなくても遊技者が損した気分となるのを緩和させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、主制御基板1350を収納した主制御基板ボックス624を、パネルホルダ600に支持させると共に、周辺制御基板2600としての第二装飾制御基板1358を収納した第二装飾制御基板ボックス1360を、裏箱2002と液晶表示装置640との後側に跨って支持させるようにしている。これにより、主制御基板ボックス624と第二装飾制御基板ボックス1360とを前後方向に重ねて配置した場合と比較して、基板ボックス624,1360により占められる前後方向のスペースを小さくすることができるので、相対的に、遊技パネル599よりも後側のスペースを広くすることができる。また、その広がったスペースに大型の発光装飾体2004や可動装飾体2006等を配置することが可能となり、大型の発光装飾体2004や可動装飾体2006を配置することで、液晶表示装置640による演出画像だけでなく、発光装飾体2004の発光装飾(発光演出)や可動装飾体2006の可動演出も行うことができ、様々な演出を遊技者に見せることで、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二装飾制御基板ボックス1360を、裏箱2002と液晶表示装置640とに跨るようにそれらの後側に支持させているので、第二装飾制御基板ボックス1360の露出量を多くすることが可能となり、第二装飾制御基板1358から発生する熱を充分に放出させて、蓄熱によってCPU2602等の作動が不安定となって不具合が発生するのを防止することができる。これにより、液晶表示装置640、発光装飾体2004、及び可動装飾体2006による演出を確実に制御して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、第二装飾制御基板1358での演出制御をより多くして発熱量が多くなっても、充分に放熱させることができる。これにより、第二装飾制御基板1358によって、センター可動装飾体2200、サイド可動装飾体2300、及びアンダー可動装飾体2400の三種類の可動装飾体2006と、発光装飾体2004と、液晶表示装置640とを確実に制御させることができ、可動装飾体2006や発光装飾体2004、液晶表示装置640により多彩な演出を行うことで飽き難くして、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを更に防止することができる。
更に、第二装飾制御基板ボックス1360と液晶表示装置640とを別体としているので、液晶表示装置640に第二装飾制御基板1358等の周辺制御基板2600を備えるようにした場合と比較して液晶表示装置640のコストが増加するのを防止することができる。これにより、液晶表示装置640に不具合が発生した場合に、液晶表示装置640の交換や修理等にかかるコストも増加するのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。
また、透明な遊技パネル599に備えられたセンター役物1400、センター役物1400の外周で透明な遊技パネル599を通して見える発光装飾体2004、センター役物1400の環内を通して見える液晶表示装置640及び可動装飾体2006を備えている。これにより、これまでのパチンコ機1とは一見して異なる雰囲気のパチンコ機1とすることが可能となり、遊技領域605全体の装飾性を高めて一目で遊技者を引き付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることが可能なパチンコ機1として、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、液晶表示装置640が裏箱2002に固定されていない状態でも、裏箱2002の裏箱側支持部2036によって第二装飾制御基板ボックス1360を支持することができる。これにより、液晶表示装置640を裏箱2002に取付けていない状態でも、裏箱2002に固定された発光装飾体2004や可動装飾体2006の作動チェックを第二装飾制御基板ボックス1360内の第二装飾制御基板1358等の周辺制御基板2600を介して行うことが可能となり、パチンコ機1の組立工程において、早期に不具合品を発見することができ、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、第二装飾制御基板ボックス1360を、裏箱側支持部2036に回動可能に支持させると共に、表示側支持部604bに着脱可能に支持させるようにしている。これにより、液晶表示装置640の取付け取外しの際に、第二装飾制御基板ボックス1360を液晶表示装置640の邪魔にならない位置に回動させることで、第二装飾制御基板ボックス1360を裏箱2002に支持させた状態でも液晶表示装置640の取付け取り外しを行なうことができる。従って、液晶表示装置640の組立てや修理等の際に、第二装飾制御基板ボックス1360を完全に取外さなくても良いので、取外した第二装飾制御基板ボックス1360を一時的に保持したり、取外した第二装飾制御基板ボックス1360を取付けるのを忘れたりするのを防止することができる。
更に、箱状の裏箱2002の前端部に発光装飾体2004を固定すると共に裏箱2002内に可動装飾体2006を収容固定した上で、透明な遊技パネル599を保持する枠状のパネルホルダ600に裏箱2002を固定するようにしている。これにより、発光装飾体2004や可動装飾体2006を透明な遊技パネル599の後面側に直接固定することなく、透明な遊技パネル599の後側に発光装飾体2004や可動装飾体2006等を配置することが可能となり、発光装飾体2004や可動装飾体2006等の固定部が遊技者側から見えて見栄えが悪くなるのを防止することができ、発光装飾体2004や可動装飾体2006を問題なく遊技パネル599の後側に備えて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機1は、透明な遊技パネル599に形成された開口部599eに環状のセンター役物1400を固定している。これにより、センター役物1400の環内を通して液晶表示装置640の表示画面を直接視認させて演出画像を見易くすることができる。また、センター役物1400のメッキ層が形成された不透明な前面環状部1400a及び挿入環状部1400bによって、開口部599eの内周端部を遊技者側から見えないように隠蔽することが可能となり、面粗度の粗い内周端部の端面(内周端面)が見えて、遊技領域605内の見栄えが悪くなるのを防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技パネル599における開口部599eの内周部をセンター役物1400で見えないように隠蔽しており、開口部599eの内周端面の面粗度が粗くても見栄えが悪くならないので、開口部599eの内周端面を仕上げる必要がなく、切削加工等をした状態のままとすることができる。これにより、開口部599eの形成にかかる手間を簡略化することができ、遊技パネル599が高価なものとなるのを防止して、コストが増加するのを抑制することができる。
更に、遊技球を転動演出させるステージ1406を有したセンター役物1400を備えるようにしているので、液晶表示装置640による演出画像の表示だけでなく、遊技球の動きも楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター役物1400の外周で透明な遊技パネル599を通して発光装飾体2004を視認させるようにしているので、大型の液晶表示装置を配置して模様や図柄等を表示させるようにした平面的なものと比較して、立体的な発光装飾体2004により遊技領域605全体の装飾性を高めることが可能となり、遊技者に対する訴求力を高めて他の遊技機との差別化を図ることができ、遊技者の関心を強く引き付けて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、センター役物1400の環内を通して、可動装飾体2006を視認できるようにしており、可動装飾体2006を透明な遊技パネル599を通さずに視認させることができる。これにより、遊技パネル599からの反射光等によって可動装飾体2006が見辛くなるのを防止することができ、可動装飾体2006を見易くすることでその可動演出を楽しませて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター役物1400にメッキ層を備えており、遊技者側から入射した光を、遊技者側へ反射させることができる。このように、パチンコ機1が設置される遊技ホール内の照明等の光がメッキ層で反射することで、センター役物1400をキラキラと煌びやかに輝かせることができ、センター役物1400を綺麗に見せて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、センター役物1400を、そのステージ1406を除いて遊技パネル599の後面から突出しないようにしているので、遊技パネル599の後側に配置される発光装飾体2004を、遊技パネル599後面に対して可及的に接近させることができる。これにより、裏箱2002内における発光装飾体2004と後壁2014との間に形成される収容空間2010を可及的に広くして、より遊技者の関心を引き付けられる大きさや可動範囲の可動装飾体2006を配置することができ、その可動演出によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター役物1400の外周側面の遊技領域605内を流下する遊技球が、ワープ通路1404に進入すると、九十九折誘導路1410で九十九折状に誘導されてからステージ1406へ供給されるので、九十九折状に転動する遊技球の動きを楽しませることができる。また、遊技球の速度を減速させて最適な速度でステージ1406上へ供給させることが可能となり、確実にステージ1406上で遊技球を左右方向へ転動させることができ、所望の演出効果を発揮させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、センター役物1400の挿入環状部1400bに、透明な(透明な合成樹脂(例えばアクリル樹脂)により形成される)保護壁部1418を備えているので、ステージ1406上から可動装飾体2006が配置された収容空間2010内へ遊技球が侵入するのを防止することができ、収容空間2010内へ遊技球が侵入することで遊技が中断されて、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、保護壁部1418を透明としているので、保護壁部1418を通して、後側に配置される液晶表示装置640、発光装飾体2004や可動装飾体2006等を視認させることができ、それらによる演出効果が低下するのを抑制して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によると、センター可動装飾体2200やサイド可動装飾体2300等の可動装飾部材2006を所定方向へ案内するガイド部材2208やサイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328を金属板からなるセンター用ベース部材2210やサイド用ベース部材206で支持するようにしている。これにより、ガイド部材2208やサイド用モータベース2322等を強固に支持することが可能となり、可動装飾体2006をセンター移動用モータ2214やサイド用モータ2324等で移動させても、ガイド部材2208やサイド用モータベース2322等が揺れたり歪んだりするのを防止することができ、前装飾部材2246やサイド装飾部材2302等を大型化したり激しく動かしたりするようにしても、前装飾部材2246やサイド装飾部材2302の動きが不自然なものとなるのを防止して、所望の可動演出が得られる可動装飾体2006とすることができる。
また、センター可動装飾体2200やサイド可動装飾体2300等のセンター用ベース部材2210やサイド用ベース部材2306が固定される裏箱2002を箱状としており、板状やフレーム状のものとした場合よりも剛性を高くすることができる。これにより、前装飾部材2246やサイド装飾部材2302等の可動装飾部材を大型化したり激しく動かしたりして、可動装飾体2006から大きな慣性力やモーメント等が裏箱2002に作用しても、裏箱2002が変形するのを防止することができ、可動装飾体2006を問題なく支持することができる。従って、可動装飾体2006の前装飾部材2246やサイド装飾部材2302等の可動装飾部材を大型化したり、激しく動くようにしたりすることが可能となり、より遊技者を楽しませられる可動装飾体2006を備えることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、裏箱2002の開口部2012を液晶表示装置640で閉鎖するようにしているので、液晶表示装置640によっても裏箱2002の剛性を高めることができ、可動装飾体2006をより問題なく支持することができる。
また、センター可動装飾体2200やサイド可動装飾体2300等のセンター用ベース部材2210やサイド用ベース部材2306を金属板によって形成するようにしており、ベース部材2210,2306を樹脂で形成した場合と比較して、ベース部材2210,2306の厚さを薄くしても必要な強度・剛性を得ることが可能となりベース部材2210,2306を薄くすることができる。したがって、その分、前装飾部材2246やサイド装飾部材2302等の可動装飾部材の奥行方向(前後方向)を大きくしてより立体的な可動装飾部材とすることができ、より装飾効果の高い可動装飾部材として、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター可動装飾体2200やサイド可動装飾体2300等の可動装飾体2006を裏箱2002に固定するようにしているので、可動装飾体2006の配置位置の制約を少なくすることが可能となり、任意の位置に可動装飾体2006を配置することができ、所望の可動装飾体2006を所望の位置に配置して、所望の演出効果を確実に得られるパチンコ機1とすることができる。
更に、裏箱2002にセンター可動装飾体2200やサイド可動装飾体2300等の可動装飾体2006を固定する際に、裏箱2002の位置決め突起とベース部材の位置決め孔とを互いに嵌合させることで、可動装飾体2006を裏箱2002の所定位置に確実に固定することができ、可動装飾体2006がズレタ位置に固定されるのを防止して、可動する前装飾部材2246やサイド装飾部材2302等の可動装飾部材が他の部材と接触して不具合が発生するのを防止することができる。
また、センター可動装飾体2200やサイド可動装飾体2300等の可動装飾体2006のベース部材2210,2306に、補強片2210d,2306eを備えるようにしており、ベース部材2210,2306が長手方向に対して歪んだり折曲ったりするのを抑制して、ベース部材2210,2306の剛性を高めることができる。これにより、前装飾部材2246やサイド装飾部材2302等の可動装飾部材をより大型化したりより動きを激しくしたりしても問題なくガイド部材2208やサイド用モータベース2322等を介して可動装飾部材を支持することが可能となり、可動装飾部材を大型化したり動きを速くしたりすることができ、遊技者の関心を強く引き付けられる可動装飾体2006を備えて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、センター可動装飾体2200やサイド可動装飾体2300等の可動装飾体2006のベース部材2210,2306に、軽量用の貫通穴2210e,2306dが穿設されており、金属板からなるベース部材2210,2306を軽量化することができる。これにより、可動装飾体2006を大型化しても重量が増加するのを抑制して、裏ユニット2000全体の重量が増加するのを抑制することができ、裏箱2002におけるパネルホルダ600との固定部分に必要以上の負荷がかかるのを防止して、不具合が発生するのを防止することができる。
また、本実施形態のパチンコ機1は、透明な遊技パネル599の後側に、発光装飾体2004と可動装飾体2006とが配置されているので、大型の液晶表示装置を配置して模様や図柄等を表示させるようにした平面的なものと比較して、立体的な発光装飾体2004や可動装飾体2006により遊技領域605全体の装飾性を高めることが可能となり、遊技者に対する訴求力を高めて他のパチンコ機との差別化を図ることができ、遊技者の関心を強く引き付けて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、液晶表示装置640の外周を取り巻くようにセンター可動装飾体2200、サイド可動装飾体2300、及びアンダー可動装飾体2400を備えているので、これら可動装飾体2006によってこれまでのパチンコ機とは一見してことなる雰囲気のパチンコ機1とすることが可能となる。更にこれら可動装飾体2006の前側に配置される発光装飾体2004と相まって、遊技領域605全体の装飾性を高めて、一見して遊技者を引き付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることが可能なパチンコ機1として、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、発光装飾体2004の後側に可動装飾体2006を配置しているので、発光装飾体2004によって可動装飾体2006を遊技者側から視認し難くすることが可能となり、可動装飾体2006の出現(遊技者側から視認可能となること)を楽しませるような可動演出もすることができ、可動装飾体2006による可動演出の種類を増やして、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発光装飾基板2130のLED2120を発光させると、拡散レンズ部材2110のレンズ部2113によって、その光が広く拡散するので、点状に発光するLED2120を拡散レンズ部材2110で略面状に発光させることが可能となり、発光装飾体2004のより広い範囲を発光装飾させることができ、綺麗な感じに見せて装飾効果を高めることで、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、板状の拡散レンズ部材2110によって、発光装飾基板2130のLED2120の光を拡散させるようにしているので、発光装飾体2004全体の前後方向(奥行方向)の厚さを薄くすることが可能となり、発光装飾体2004を薄くすることで、相対的に収容空間2010を広くして可動装飾体2006を大きくしたり、大きく動かしたりすることができ、より遊技者を楽しませられる可動装飾体2006を配置して、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、拡散レンズ部材2110の前側に所定形状に造形された装飾部材2100を配置すると共に、装飾部材2110に形成された開口部2101を通して拡散レンズ部材2110のレンズ部2113が遊技者側へ臨むので、発光装飾基板2130におけるLED2120からの光をレンズ部2113及び開口部2101を介して遊技者側へ照射することができる。また、発光装飾体2004を確実に発光装飾させることができると共に、装飾部材2100によって発光装飾体2004の表面を装飾性の高い形状としてLED2120が発光していない時でも所定の装飾効果を発揮させることができ、遊技盤4の見栄えを良くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技者側から入射した光を、装飾部材2100の表面側に形成されたメッキ層によって遊技者側へ反射させることができるので、発光装飾体2004のLED2120が発光していない時でも、パチンコ機1が設置される遊技ホール内の照明等の光がメッキ層で反射して、装飾部材2100をキラキラと煌びやかに輝かせることができ、LED2120の消灯時でも装飾効果を発揮させて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発光装飾体2004のLED2120を発光させると、発光装飾体2004全体が放射状に発光するので、遊技領域605全体が明るくなって遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を引き付けて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、発光装飾体2004のLED2120を発光させると、環状で放射状に発光装飾されることとなり、その光の先が遊技領域605の中央に集中するので、遊技領域605の中央に配置された液晶表示装置640に注目させることができ、演出画像を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、或るレンズ部2113に対し、他のレンズ部2113と対応した一群のLED2120からの光を、発光区画部材2160によって遮ることができるので、各レンズ部2113を互いに影響されないように発光させることが可能となり、各レンズ部2113毎に発光態様を異ならせることができる。従って、発光装飾体2004による発光演出の種類を増加させることができ、種々の発光演出を行えるようにすることで、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、発光装飾体2004の前後方向の厚さを、裏箱2002の深さに対して、10%〜40%の範囲内としているので、裏箱2002内における発光装飾体2004と後壁2014との間に形成される可動装飾体2006の収容空間2010を充分に確保することができ、より遊技者の関心を引き付けられる大きさや可動範囲の可動装飾体2006を配置することが可能となって、その可動装飾体2006によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター可動装飾体2200によって液晶表示装置640の表示画面を打撃させることができ、また、サイド可動装飾体2300によって液晶表示装置640における表示画面の視認可能領域を変化させることができる。更に、アンダー可動装飾体2400によって液晶表示装置640における表示画面の下部を変化させることができ、各可動装飾体2200,2300,2400を単独、或いは組み合わせて可動させることで、種々の可動演出を行うことが可能となり、可動演出の種類(パターン)を多くして可動演出を飽き難くすることができ、可動装飾体2006による可動演出を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技領域605内に打ち込まれた遊技球が、第一及び第二始動口1502,1506や一般入賞口1702等へ受入れられると、所定数の遊技球が払出されると共に、第一及び第二始動口1502,1506へ受入れられると特別乱数についての当否判定処理の結果(本発明における遊技抽選結果)が抽選され、その特別抽選結果に応じて条件装置が作動し、さらにラウンド数決定処理により多くの遊技球が払出される大当たり遊技の実行機会が得られることで遊技者の興趣を高めることができる。そして、特別抽選結果として、「リーチ当たり」又は「リーチハズレ」が抽選された場合、変動表示された図柄順次停止表示されて「リーチ」状態となると、サイド装飾部材2302が離反位置へ移動して、表示画面の視認可能領域が拡大され、最後の図柄を確定させるための演出画像(例えば、リーチ発展演出画像)が迫力のある大画面で表示されるので、その演出画像を楽しませることができると共に、「当否判定処理の結果が当たり」への期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、液晶表示装置640の表示画面における表示領域(視認可能領域)を拡大したり縮小したりするのを、表示画面上で行うのではなく、サイド可動装飾体2300におけるサイド装飾部材2302の移動によって、表示画面の視認可能領域(表示領域)を拡大したり縮小したりしており、表示領域の変化と共に立体的なサイド装飾部材2302の位置が移動するので、遊技盤4の外観が変化して雰囲気を変えることが可能となり、遊技者を驚かせたり、新たな気分にさせたりすることができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、サイド装飾部材2302の後側で離反位置と対応する位置に鏡状の反射板からなる装飾板2340が備えられているので、サイド装飾部材2302が接近位置に位置しても、離反位置と対応する位置に配置された装飾板2340によって、裏箱2002の後壁2014を隠して見栄えが悪くなるのを防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、装飾板2340に、装飾板2340よりも前側に配置された可動装飾体2006や発光装飾体2004等が反射して映るので、本来の奥行きよりも深い奥行きのように錯覚させることができる共に、装飾板2340に図柄や模様等を施さなくても装飾することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制しつつ装飾板2340に係るコストが増加するのを抑制することができる。
また、ワニ絵柄Wが出没する特別演出画像(ワニワニパニックリーチ演出画像)の表示に伴ってサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が離反位置へと移動するので、視認可能領域が拡大された表示画面に対して特別演出画像が表示されることとなり、ワニ絵柄Wを槌部2202で打撃する打撃ゲームを、迫力のある大画面で行うことができ、特別演出画像を臨場感の溢れるものとしてより遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、液晶表示装置640の前側において、裏ユニット2000におけるセンター可動装飾体2200の槌部2202が表示画面を打撃するように可動すると共に、左右に配置されたサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が左右に往復移動するので、立体的な槌部2202やサイド装飾部材2302の可動によって、遊技者の関心を強く引き付けて注目させることが可能となり、それらの可動演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、サイド可動装飾体2300におけるサイド移動機構2304によってサイド装飾部材2302の上部のみをガイドするようにしており、サイド装飾部材2302がサイド移動機構2304に対してぶら下った懸垂状態となるので、サイド装飾部材2302の下部が自由に動くことができ、サイド装飾部材2302を移動させるとサイド装飾部材2302がフラフラした動きをすることとなり、サイド装飾部材2302の動きに変化を付与することができる。従って、サイド装飾部材2302が自然に近い動きとなり、サイド装飾部材2302による可動演出をより楽しませられるものとすることができる。
更に、サイド可動装飾体2300のサイド用モータ2324を支持するサイド用モータベース2322にガイド部2322aを備えて、スライド部材2332を左右方向へ案内するようにしているので、スライド部材2332を案内するガイド部2322aをサイド用モータベース2322とは異なる部材とした場合と比較して、サイド移動機構2304に係る部品点数を少なくすることができ、コストが増加するのを抑制することができると共に、サイド移動機構2304をコンパクトなものとして小型化することが可能となり、サイド移動機構2304の小型化に対してサイド装飾部材2302をより大きくして遊技者の関心を引き付け易くすることができ、装飾効果を高めて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、サイド可動装飾体2300におけるサイド用ベース部材2306の下部に固定されたガイドボックス2344によって、サイド装飾部材2302の下端が前後方向へ移動するのを規制するようにしているので、サイド移動機構2304によってサイド装飾部材2302を移動させた際に、サイド装飾部材2302の下端が大きく振れるのを規制することができ、サイド装飾部材2302の下端が他の部材と接触するのを防止して、不具合の発生により遊技が中断して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、サイド用ベース部材2306を金属板によって形成するようにしており、サイド用ベース部材2306を樹脂で形成した場合と比較して、サイド用ベース部材2306の厚さを薄くしても必要な強度・剛性を得ることが可能となりサイド用ベース部材2306を薄くすることができるので、その分サイド装飾部材2302の奥行方向(前後方向)を大きくしてより立体的な装飾部材とすることができ、より装飾効果の高いサイド装飾部材2302として、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、外枠2における側枠板12,13を金属製の押出し型材とすることで本体枠3における遊技盤設置凹部510の左右方向の寸法を大きくすると共に、扉枠5前面の皿ユニット300を一つのみ備えるようにすることで遊技窓101の上下方向の寸法を大きくし、更に、本体枠3における後側面壁541,542,543の後方突出量を賞球タンク720の後端辺と略同じ位置とすることで遊技盤設置凹部510の奥行を可及的に大きくなるようにしているので、より大きな遊技盤4を良好に支持することができる。つまり、遊技盤4をより大型化することができると共に、遊技領域605を形成する透明な遊技パネル599の後側に、液晶表示装置640の表示画面を打撃するように回動すると共に液晶表示装置640の上縁に沿って左右方向へ移動するセンター可動装飾体2200の槌部2202も大型化することが可能となり、大型の槌部2202によって表示画面を打撃する可動演出を行うことができるので、槌部2202を打撃回動させることで遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、槌部220の打撃回動による打撃ゲームを楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、液晶表示装置640の表示画面に沿って左右方向へ移動可能とされると共に表示画面を打撃可能とされたセンター可動装飾体2200の槌部2202と回動軸2232とを繋ぐ柄部2234が、回動軸2232と直交する面上、すなわち、槌部2202の回動面上で屈曲しているので、回動軸2232に対する槌部2202の実際上の半径よりも柄部2234の長さを長くすることができ、柄部2234の長さに比例して槌部2202を大きくしても、遊技者に対して違和感を与えるのを抑制することができる。従って、従来のように直線状の柄部とした場合と比較して槌部2202をより大型化することができるので、槌部2202を目立たせて遊技者の関心を強く引き付けることができ、槌部2202による可動演出に対する期待感を抱かせて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、柄部2234が槌部2202の回動面上で屈曲しているので、柄部2234の長さに対して槌部2202の回動半径を小さくすることができ、回動軸2232の回動により槌部2202に作用するモーメントも小さくなり、そのモーメントにより柄部2234が曲がったり破損したりする不具合が発生するのを抑制することができる。また、柄部2234を直線状とした場合と比較して柄部2234に作用する力が小さくなるので、より速い速度で槌部2202を回動させることが可能となり、より速く回動する槌部2202によって遊技者を驚かせることができ、槌部2202の可動演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター可動装飾体2200における槌部2202の打撃面2206を、回動軸2232の軸心を通る面と略一致するように柄部2234を介して配置するようにしており、回動軸2232を液晶表示装置640の表示画面に対して可及的に接近した位置に配置させることが可能となり、回動軸2232の回動により槌部2202を打撃位置と振上位置との間で回動させる際に、振上位置側の回動範囲を可及的に大きくすることができるので、槌部2202や柄部2234を可及的に大型化することができ、大きな槌部2202による可動演出によって遊技者を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、大型化した槌部2202と共に柄部2234も違和感無く太くして剛性を高めることができるので、回動により槌部2202に作用するモーメントに対して充分に対抗することができ、上述した通りの不具合の発生を防止したり、より速く槌部2202を回動させたりすることができ、槌部2202を迅速に可動可能とすることで操作ボタン330の操作に対する槌部2202の応答性を高めて遊技者の意のままに槌部2202を可動させて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、槌部2202を打撃回動させた際に、槌部2202の打撃面2206が液晶表示装置640の表示画面に対して略平行となるようにすることができるので、違和感の無い槌部2202の動きや向きとすることができ、槌部2202の動きや外観を違和感無く楽しませて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、槌用支持部材2224に軸支された回動軸2232の軸線上に槌用モータ2226が配置されていないので、回動軸2232を可及的に液晶表示装置640の表示画面に接近するように配置支持することができ、回動軸2232の回動により槌部2202を打撃位置と振上位置との間で回動させる際に、振上位置側の回動範囲を可及的に大きくすることができるので、槌部2202や柄部2234を可及的に大型化することができ、大きな槌部2202による可動演出によって遊技者を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、槌用モータ2226における回転軸の回転を、その回転軸に固定された第一ギヤ2228と回動軸2232に固定された第二ギヤ2230との噛合によって、回動軸2232へ伝達させるようにしているので、プーリとベルトを用いた伝達構造と比較して、第一ギヤ2228と第二ギヤ2230との間で滑りが発生することがなく、槌用モータ2226の回転を確実に回動軸2232へ伝達させることができ、槌用モータ2226の回転に対して槌部2202の回動を確実に追従させて、確実に所望の可動演出をさせ遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第二ギヤ2230の一方の回動規制片2230bが槌用支持部材2224の第一当接部2224cと当接することで槌部2202が打撃位置よりも回動するのを規制することができると共に、第二ギヤ2230の他方の回動規制片2230bが槌用支持部材2224の第二当接部2224dと当接することで槌部2202が振上位置よりも回動するのを規制することができるので、打撃回動させた際に、慣性力によって槌部2202が液晶表示装置640を打撃してしまうのを防止することができ、液晶表示装置640が傷付いたり、破損したりして遊技中に不具合が発生するのを防止して、遊技が中断されて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、回動検知センサ2256の検知によって槌部2202が打撃位置や振上位置に回動すると槌用モータ2226の回動駆動を停止させるようにすることで、回動規制片2230bと第一当接部2224c及び第二当接部2224dとからなる回動規制手段により回動が規制された回動軸2232に対して槌用モータ2226から回転駆動力が作用して、回動規制手段や槌用モータ2226に無用な負荷が係るのを防止することができ、槌用モータ2226等が早期に破損するのを防止することができる。
また、回動軸2232の軸心上とは異なる軸心に配置された第一ギヤ2228に回動検知片2228bを備えるようにしているので、回動軸2232を液晶表示装置640の表示画面に対して可及的に接近するように配置することができ、上述した作用効果を確実に発揮させて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域605を形成する透明な遊技パネル599の後側に、液晶表示装置640の表示画面を打撃するように回動すると共に液晶表示装置640の上縁に沿って左右方向へ移動する槌部2202を有したセンター可動装飾体2200が備えられており、立体的な槌部2202によって、液晶表示装置640の表示画面に演出画像として表示される扉絵柄Tやワニ絵柄W等が実際に打撃されるので、従来と比較してよりリアルな打撃演出をすることが可能となり、リアル感の増した演出によって遊技者の関心を強く引き付けて飽き難くすることができ遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター可動装飾体2200の槌部2202が、液晶表示装置640の表示画面に沿って左右方向へ移動するので、槌部2202によって表示画面の様々な位置を打撃することが可能となり、より複雑な打撃演出をさせて単調で飽き易くなるのを抑制することができ、遊技者をより楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域605の後側を区画する板状の遊技パネル599を透明としており、遊技パネル599の後側に配置された可動装飾体2006や液晶表示装置640を、遊技パネル599を通して視認することができるので、従来のパチンコ機のように遊技パネルに形成された貫通口を通して可動装飾体等を視認させる必要がなく、可動装飾体2006の可動範囲と遊技球が実際に流下する領域とを略無関係とすることが可能となり、可動装飾体2006のセンター可動装飾体2200における槌部2202の左右方向の移動量を大きくしても、遊技パネル599の前側の遊技球が実際に流下する領域が変化することがなく、遊技者を充分に楽しませられる流下領域を確保することができ、パチンコ機本来の遊技球の動きによる楽しみを低下させることなく、センター可動装飾体2200の槌部2202を可及的に大きく動かして異なる位置に出没するワニ絵柄Wを打撃することができる。
また、可動装飾体2006を裏ユニット2000における箱状の裏箱2002内に備えるようにしているので、少なくとも、遊技盤4の後側から裏箱2002内へホコリやゴミ等が侵入するのを防止することができ、ホコリ等が可動装飾体2006の可動部分に付着することで可動装飾体2006に不具合が発生し、遊技の中断の原因となるのを防止することができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、センター移動用モータ2214の回転と共にピニオンギヤ2218が回転することで、ピニオンギヤ2218と噛合するラックギヤ2220を備えた摺動体2222が、ピニオンギヤ2218の回転方向と対応した方向へ移動して、摺動体2222に支持された槌部2202が左右方向へ移動することができる。そして、ピニオンギヤ2218をガイド部材2208の略中央と対応する位置に配置しているので、ガイド部材2208の略全長に亘って摺動体2222を移動させることが可能となり、摺動体2222の移動可能範囲を可及的に広くすることができる。従って、摺動体2222に支持された槌部2202の左右方向への移動範囲を可及的に大きくすることができるので、大きく移動する槌部2202によって遊技者の関心を強く引き付けることができ、槌部2202の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、摺動体2222を左右方向へ案内するガイド部材2208の両端を金属板からなるセンター用ベース部材2210で支持するようにしているので、ガイド部材2208を強固に支持することが可能となり、槌部2202の回動により摺動体2222を介してガイド部材2208の軸方向とは異なる方向の力がガイド部材2208に作用しても、ガイド部材2208が揺れたり歪んだりするのを防止することができる。従って、槌部2202の回動により槌部2202自身が揺れてその動きが不自然なものとなるのを防止することができ、違和感無く槌部2202を回動させることで遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、摺動体2222の略中央で槌用モータ2226を支持するようにしているので、比較的重量のある槌用モータ2226を中央で支持することで、ガイド部材2208と摺動体2222との間の荷重伝達を、摺動体2222の位置に関わらず偏り無く略均一にすることができ、偏荷重により摺動体2222やガイド部材2208が偏摩耗するのを防止して、センター可動装飾体2200の耐久性を向上させることができる。
また、摺動体2222に軸支されたローラ2236がガイド部材2208としての一対のガイドシャフト2208a上を転動すると共に、ローラ2236と摺動体押え2238とでガイドシャフト2208aを挟むようにしているので、摺動体2222を円滑に案内することができると共に、摺動体2222がガイドシャフト2208aから脱落するのを防止することができる。
更に、槌用支持部材2224によって槌部2202及び槌用モータ2226を支持することができると共に、槌用支持部材2224が摺動体2222の中央で一対のガイドシャフト2208aの間に固定されているので、摺動体2222にかかる荷重が夫々のガイドシャフト2208aに対して略均等にかかるようにすることが可能となり、一方のガイドシャフト2208aにのみ大きな荷重がかかる偏荷重を抑制することができ、偏荷重による摺動体2222やガイドシャフト2208aの偏摩耗を防止して、センター可動装飾体2200に不具合が発生するのを防止することができる。
また、センター移動用モータ2214によってピニオンギヤ2218よりも小径の移動用駆動ギヤ2216が回転すると、移動用駆動ギヤ2216と噛合するピニオンギヤ2218が、移動用駆動ギヤ2216よりも速く回転するので、ピニオンギヤ2218と噛合するラックギヤ2220の動きをより速くすることが可能となり、摺動体2222、つまり、槌部2202をより速く左右方向へ移動させることができ、より速く動く槌部2202(摺動体2222)によって遊技者の関心をより強く引き付けてその動きを楽しませることができる。
また、摺動体2222の移動検知片2222cをセンター移動検知センサ2240で検知することで摺動体2222の移動位置を検知することができ、摺動体2222(槌部2202)を移動演出する際、左右方向の所望の位置に対して摺動体2222を確実に位置させることができ、遊技者の興趣を高められる所望の動きを確実に摺動体2222にさせて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、回動検知片2228bを回動検知センサ2256で検知することで、槌部2202の回動位置を検知することができるので、槌部2202が液晶表示装置640の表示画面と当接する直前で停止するように回動させることが可能となり、槌部2202と表示画面とが接触するのを防止して、表示画面に細かな傷が付いたり、表示画面に強く当接して破損したりするのを防止することができる。
また、遊技盤設置凹部510の奥行を大きくすることができるので、パネルホルダ600から後側、つまり、裏ユニット2000の奥行(裏箱の深さ)を大きくすることができる。これにより、遊技パネル599の後側に可動装飾体2006を確実に配置することができると共に、より大きな可動装飾体2006や可動範囲の広い可動装飾体2006等を配置することができ、可動装飾体2006による可動演出だけでなく、可動装飾体2006そのものによっても、従来の平面的な遊技盤に対して、明らかに異なる外観の遊技盤4を提供することが可能となり、この遊技盤4によって遊技者の関心を強く引き付けて、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができるパチンコ機1となる。
更に、遊技盤4を大型化することができるので、液晶表示装置640による演出画像の表示領域を広くしても、遊技球の流域が狭くなるのを抑制して、遊技球の動きと演出画像の両方を共に楽しめるようにすることができると共に、遊技盤4の遊技領域605を大きくして、流下する遊技球に様々な動きを付与したり、可動装飾体2006の他に発光装飾体2004、可動役物や装飾体等を配置したりして、遊技者を楽しませてより興趣を高められるパチンコ機1とすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、図88〜図90に示したセンター役物1400には、九十九折誘導路1410を含むステージ1406の後側に、上方へ向かって延出する透明板状の保護壁部1418が備えられていたが、この保護壁部1418をセンター役物1400と別体に成型した保護カバー1419として九十九折誘導路1410を含むステージ1406の後側に取り付けるようにしてもよい。図160は保護カバーが取り付けられたセンター役物等の遊技盤を構成する主の部材ごとに分解して斜め前から見た斜視図であり、図161は保護カバーが取り付けられたセンター役物等の遊技盤を構成する主の部材ごとに分解して斜め後から見た斜視図であり、図162は保護カバーが取り付けられるセンター役物を斜め前から見た斜視図であり、図163は保護カバーが取り付けられるセンター役物を斜め後から見た斜視図である。なお、図160〜図163において、図88〜図90に示したセンター役物1400の構成と同じ機能を奏する構成には同一の符号を付した。
保護カバー1419は、図162及び図163に示すように、九十九折誘導路1410を含むステージ1406に沿って上方へ向かって延出した取り付け面1419aの上側を後方に向かって延出しており、取り付け面1419aの上側を後方に向かって延出した中央の位置であって、図124〜図126に示した、アンダー可動装飾体2400のアンダー装飾部材2402が上下方向に移動する位置に丸みを帯び(アンダー可動装飾体2400のアンダー装飾部材2402が上下方向に移動する位置が隆起し)、その後端部が液晶表示装置640に近接することで液晶表示装置640の一部(具体的には液晶表示装置640の下部中央)を被覆する隆起部が上方に向かって形成され、この丸みを帯びた隆起部と、取り付け面1419aの上側を後方に向かって延出した部分と、が滑らかな曲面で連続に接続されて透明な合成樹脂で一体成型されている。なお、アンダー装飾部材2402は、液晶表示装置640よりも下側に配置される下降位置と、液晶表示装置640の表示画面の前側に配置される上昇位置と、の間を移動(昇降)し、上昇位置では上記保護カバー1419の隆起部内に侵入してその一部が液晶表示装置640の表示画面と重複する。また、一部が液晶表示装置640の表示画面と重複するように配置される保護カバー1419の隆起部は、左右方向の略中央を頂点として左右に緩やかに傾斜した曲面形状を有する(表面が左右方向に緩やかな曲面を描くように形成される)とともに、前後方向の後部(液晶表示装置640の表示画面と近接する位置)を頂点として前部に緩やかに傾斜した曲面形状を有する(表面が前後方向に緩やかな曲面を描くように形成される)。また、保護カバー1419を前後方向の後部を頂点として前部に緩やかに傾斜した曲面形状を有するように構成することにより保護カバー1419によって液晶表示装置640の表示画面の視認の妨げとなることを極力回避している。すなわち、上方に延出した部材の上部から後方(液晶表示装置640方向)に向かって延出させて収容空間2010の上部を覆うように構成することも可能であるが、後方に向かって延出することによってその部分の厚みが他の部分よりも増し、液晶表示装置640の表示画面の視認を妨げる虞がある。一方、本構成では、保護カバー1419の上方では液晶表示装置640の表示画面に近接して設けられ、下方では液晶表示装置640の表示画面と離隔して設けられるため、前後方向の厚みを均一にさせることが可能となり、その一部の厚みが他の部分の厚みよりも増していることによる液晶表示装置640の視認の妨げとなることを回避できる。
取り付け面1419aの下側であって、取り付け面1419aの外周近傍に沿って九十九折誘導路1410やステージ1406を備える挿入環状部1400bの裏面に後方に向かって突出して形成された取り付けボス1400ba(図163参照。)と対応する位置に、図162に示すように、取り付け固定穴1419aaが前方に向かって突出した取付部が形成されている。
また、取り付け面1419aの上側を後方に向かって延出した左側には、図118に示した左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302が原点位置にある際に、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と、取り付け面1419aの上側を後方に向かって延出した部分と、が干渉しないように、切欠部1419bが形成されている。また、取り付け面1419aの上側を後方に向かって延出した右側には、図121に示した右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302が原点位置にある際に、右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302と、取り付け面1419aの上側を後方に向かって延出した部分と、が干渉しないように、切欠部1419bが形成されている。
ここで、センター役物1400’への保護カバー1419の取り付け方法について説明すると、保護カバー1419をセンター役物1400’の挿入環状部1400bに形成された取り付けボス1400baに、保護カバー1419の取り付け面1419aに形成された取り付け固定穴1419aaを、センター役物1400’の後方から前方に向かって挿入して保護カバー1419を挿入環状部1400bに当接させた後、保護カバー1419の取り付け面1419aの後方から取り付け面1419aに形成された取り付け固定穴1419aaに図示しないネジを挿入してネジ止めする。これにより、保護カバー1419が挿入環状部1400bに固定されてセンター役物1400’への保護カバー1419の取り付けが完了する。このように、センター役物1400’に保護カバー1419が取り付けられることによって、ステージ1406や九十九折誘導路1410から遊技球がセンター役物1400の後側へ移動するのを防止することができる。換言すると、遊技球が、センター役物1400’の後側に配置された裏ユニット2000(図160及び図161参照。)の裏箱2002(図160及び図161参照。)内(収容空間2010(図79参照。))へ侵入するのを防止することができる。なお、本例では保護カバー1419とステージ1406とを別々に形成しているが、これに限らず保護カバー1419とステージ1406とを一体的に形成するものであってもよい。
次に、保護カバー1419が取り付けられたセンター役物1400’が遊技盤4の遊技パネル599に取り付けられて、サイド可動装飾体2300が互いに接近したり、又は、互いに離反したりすることによって生じる、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさについて説明する。図164はサイド可動装飾体が互いに接近した接近位置にあるときにおけるサイド可動装飾体のサイド装飾部材と保護カバーの切欠部とのすき間の大きさを表す図であり、図165はサイド可動装飾体が互いに離反した離反位置にあるときにおけるサイド可動装飾体のサイド装飾部材と保護カバーの切欠部とのすき間の大きさを表す図であり、図166は図164のA矢視図であり、図167は図165のB矢視図である。
サイド可動装飾体2300が互いに接近した接近位置では、図74に示したように、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302及び右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302がともに原点位置にある。このような状態では、例えば、図164に示すように、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302が保護カバー1419の切欠部1419bに接近した状態となっており、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさが遊技球の大きさ(遊技球の直径)より極めて小さくなる。一方、サイド可動装飾体2300が互いに離反した離反位置では、図75に示したように、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302及び右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302がともに原点位置から離れた位置にある。このような状態では、例えば、図165に示すように、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302が保護カバー1419の切欠部1419bから離れた状態となっており、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさが遊技球の大きさ(遊技球の直径)より極めて大きくなる。
ところで、センター役物1400’の前面環状部1400aは、前述したように、ステージ1406の前面側を除く左右辺及び上辺が、遊技パネル599の前面から所定量(例えば、15mm〜25mmの範囲内)前方へ突出した堰状に形成されている。これにより、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、扉枠5の裏面に取り付けられたガラスユニット250のガラス板252と、センター役物1400’の前面環状部1400aの左右辺及び上辺と、のすき間の大きさが遊技球の大きさ(遊技球の直径)より極めて小さくなる。このため、打球発射装置650によって遊技領域605に向かって打ち出された遊技球がセンター役物1400’の前面環状部1400aの左右辺及び上辺を越えてセンター役物1400’の外周側から内周側へ侵入することができないようになっている。
遊技領域605内には、前述したように、多数の障害釘が植立されている。これらの障害釘は、パチンコ機1が設置されたホールの店員等によってその姿勢に変化が与えられるため、障害釘と障害釘との距離が狭められたり、広められたりする。障害釘と障害釘との距離が狭められて打球発射装置650によって打ち出された遊技球が通り抜けることができなくなると、その障害釘と障害釘との間に遊技球が詰まった状態となる。この状態で遊技者が打球発射装置650によって遊技球を遊技領域605に向かって次々に打ち出すと、その詰まった遊技球の上にさらに遊技球が積まれ、ぶどう状に遊技球が集まった状態となる。遊技者は、障害釘と障害釘との間に遊技球が1球だけ詰まった状態では、打球発射装置650によって打ち出されて遊技領域605内を落下する遊技球に紛れてその状態に気付きにくい一方、ぶどう状に遊技球が集まった状態では、打球発射装置650によって打ち出されて遊技領域605内を落下する遊技球より目立つためその状態に気付きやすい。
遊技者は、ぶどう状に遊技球が集まった状態となると、ホールの店員を呼んでこのぶどう状に集まった遊技球を取り除いてもらうこととなる。遊技者に呼ばれたホールの店員は、扉枠5を本体枠3に対して開放するが、開放する際に、ぶどう状に集まった遊技球が遊技領域605からホールに向かって飛散しないように、扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行ってパチンコ機1に振動を加え、ぶどう状に集まった遊技球を落下させて取り除いている。このとき、落下する遊技球は、遊技パネル599に衝突してパチンコ機1の前方に向かって飛び出したりするため、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際に、その飛び出した遊技球が扉枠5の裏面に取り付けられたガラスユニット250のガラス板252に衝突して跳ね返り、遊技パネル599に向かって飛び込んできたりする。このため、その飛び込んできた遊技球がセンター役物1400’の前面環状部1400aの左右辺及び上辺を越えてセンター役物1400’の内側へ侵入するおそれがある。
このとき、サイド可動装飾体2300が互いに接近した接近位置では、前述したように、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302及び右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302がともに原点位置にあるため、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさと、右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさと、が遊技球の大きさ(遊技球の直径)より極めて小さくなる。これにより、例えば、図166に示すように、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際に飛び込んできた遊技球は、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間に侵入することができないため、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302や保護カバー1419と衝突してパチンコ機1の前方に向かって飛び出すこととなる。一方、サイド可動装飾体2300が互いに離反した離反位置では、前述したように、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302及び右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302がともに原点位置から離れた位置にあるため、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさと、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさと、が遊技球の大きさ(遊技球の直径)より極めて大きくなる。これにより、例えば、図167に示すように、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際に飛び込んできた遊技球は、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間に侵入することができるため、センター役物1400’の後側に配置された裏ユニット2000(図160及び図161参照。)の裏箱2002(図160及び図161参照。)内(収容空間2010(図79参照。))へ侵入することとなる。
収容空間2010に遊技球が侵入すると、この侵入した遊技球が収容空間2010に貯留されることなる。収容空間2010に貯留された遊技球をそのまま放置して、さらに収容空間2010に遊技球が侵入し、収容空間2010に貯留された遊技球の球数が多くなると、これらの貯留された遊技球によって、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302の左右方向への移動が妨げられたり、右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302の左右方向への移動が妨げられたり、アンダー可動装飾体2400のアンダー装飾部材2402の上下方向への移動が妨げられたりする。このような移動が妨げられると、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302を左右方向に移動させるサイド用モータ2324、右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302を左右方向に移動させるサイド用モータ2324及びアンダー可動装飾体2400のアンダー装飾部材2402を上下方向に移動させるアンダー用モータ2412をそれぞれ駆動する、周辺制御基板に実装されているドライブ回路2611(図132参照。)に過電流が流れることとなり、この過電流によってドライブ回路2611が発熱し、ついにはドライブ回路2611の温度がジャンクション温度に達してドライブ回路2611が故障することとなる。また移動が妨げられると、サイド用モータ2324やアンダー用モータ2412に過電流が流れてサイド用モータ2324の回転軸のトルクやアンダー用モータ2412の回転軸のトルクが上がるため、例えば、サイド移動機構2304のピニオンギヤ2326やアンダー移動機構2404のピニオンギヤ2414等が破損したりする。
なお、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302、右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302、アンダー可動装飾体2400のアンダー装飾部材2402が移動しない状態に遊技者が気付いてホールの店員を呼んでその旨を伝えたり又はホールの店員が気付いたりしたときには、ホールの店員は、パチンコ機1の電源を切り、扉枠5を本体枠3から開いてセンター役物1400’のステージ1406に「調整中」と印刷されたプレートを立てかけて扉枠5を本体枠3に閉じることとなる。そしてホールの営業時間終了後又は翌日のホールの営業開始前に、遊技盤4を本体枠3から取り外して遊技盤4を解体し、収容空間2010に貯留した遊技球を取り除くこととなる。このように、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302、右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302、アンダー可動装飾体2400のアンダー装飾部材2402が移動しない状態となると、遊技中の遊技者は、遊技を中断せざるを得なくなり、パチンコ機1に対する遊技意欲が低下し、ついには正常に動作する同機種のパチンコ機に対しても遊技意欲が低下することとなる。また、ホールの運営者は、パチンコ機1の稼働率が低下するため、パチンコ機1による収益が減退することとなる。このため、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際に、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間や右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間から遊技球が侵入することができないようにする必要がある。
そこで、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際には、扉枠5の開放状態が扉枠開放スイッチ2514(図1参照。)によって検出されるため、この扉枠開放スイッチ2514からの扉枠5の開放状態を伝える信号が入力されたことを契機として、サイド可動装飾体2300が互いに接近した接近位置、つまり左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と、右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302と、を強制的に原点位置に移動させる制御を行うようにしている。具体的には、主制御基板1350は、扉枠開放スイッチ2514からの扉枠5の開放状態を伝える信号が入力されると、その旨を伝えるコマンドをコマンド生成手段2586(図143参照。)で生成し、この生成したコマンドをコマンド送信手段2588(図143参照。)で周辺制御基板2600に送信する。周辺制御基板2600は、コマンド受信手段2650(図144参照。)で主制御基板1350からのコマンドを受信し、この受信した制御用のコマンドに基づいて、演出パターン選択手段2652(図144参照。)でROM2604に格納された演出パターンを選択し、この選択した演出パターンに基づいて演出制御手段2659(図144参照。)で可動演出制御手段2658(図144参照。)を制御してサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させる。なお、演出パターン選択手段2652が選択した演出パターンは、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に最速の速度で移動させるものである。
ここで、「最速の速度」について説明する。サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302はサイド移動機構2304によって、左右方向へ移動するようになっている。このサイド移動機構2304はサイド用モータ2324を備えており、サイド用モータ2324の回転軸の回転速度によって、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302の左右方向への移動速度が変化するようになっている。周辺制御基板2600のCPU2602は、その詳細な説明は後述するが、2msごとに繰り返し行う周辺制御側タイマ割り込み処理における2msタイマ割り込み処理において、周辺制御側リセット処理における16ms定常処理で駆動パターンをセットしたスケジューラに従ってパルスをドライブ回路2611に出力している。ドライブ回路2611は、このパルスを所定電圧の駆動パルスに変換してサイド用モータ2324に出力している。この駆動パルスがサイド用モータ2324に入力されることによってサイド用モータ2324の回転軸の回転速度が与えられている。このため、サイド用モータ2324の回転軸が最速の速度で回転するときには、2msごとにサイド用モータ2324に駆動パルスが入力される駆動パターンがスケジューラにセットされるようになっている。このように、サイド用モータ2324の回転軸の回転速度が最速の回転速度となることによって、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が最速の速度で移動することができるようになっている。
このように、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際にサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させることによって、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を収容する収容空間2010への遊技球の侵入を防止することができる。また本来、種々の可動演出を行うサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を、収容空間2010への遊技球の侵入を阻止する保護動作を行うサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302として、その機能が切り替わるようになっている。
また、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際にサイド可動装飾体2300を互いに接近した接近位置に移動させる制御を行う場合には、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を可動させる可動演出に用いる同一の演出パターンを利用している。このように、本来、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302の可動演出を行うための演出パターンを、収容空間2010への遊技球の侵入を阻止する保護動作を行う演出パターンとして、その演出パターンの使用方法が切り替わるようになっている。また同一の演出パターンを利用することによって、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際にサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させる制御を行うための動作を規定するスケジュールデータをプログラム開発者が作成する必要がなくなるため、その手間を省くことができ、パチンコ機1の開発期間の短縮化に貢献できる。またROM2604に格納するデータの容量を少なくすることにも貢献することができる。なお、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている際にサイド可動装飾体2300を互いに接近した接近位置に移動させる制御を行う専用のプログラムを予め用意し、周辺制御基板2600が最速の速度でサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させる制御を行うようにしてもよい。この場合、その動作を規定するスケジュールデータをプログラム開発者が予め作成する必要があり、ROM2604に格納するデータの容量が増えることとなる。
ここで、左サイド可動装飾体2300Lのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間や右サイド可動装飾体2300Rのサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間から遊技球が侵入することができないようにするパチンコ機1としては、外枠2、本体枠3、扉枠5、主制御基板1350及び周辺制御基板2600を備えている。外枠2は、島に設置されている。本体枠3は、その外枠2に開閉自在に軸支されており、裏ユニット2000が設けられた遊技盤4を装着することができるようになっている。扉枠5は、その本体枠3に開閉自在に軸支されるようになっている。主制御基板1350及び周辺制御基板2600は、遊技盤4の後側に取り付けられており、遊技盤4に設けられた裏ユニット2000の可動装飾体2006等を制御している。本体枠3又は扉枠5は、少なくとも、扉枠開放スイッチ2514を備えている。この扉枠開放スイッチ2514は、扉枠5が本体枠3から開放されている状態を検出するものである。
裏ユニット2000の可動装飾体2006は、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302、サイド移動機構2304等を備えている。サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302は、予め定めた領域内である、互いに接近した接近位置から互いに離反した離反位置までに亘って左右方向に移動することができるようになっている。サイド移動機構2304は、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を可動させる電気的駆動源であるサイド用モータ2324を含んでいる。裏ユニット2000は、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302やサイド移動機構2304等を収容する収容空間2010が裏ユニット2000の内部に形成されている。サイド移動機構2304の電気的駆動源であるサイド用モータ2324がサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を可動させることによって収容空間2010とつながるすき間、つまりサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間(図167参照。)が形成され、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が互いに接近した接近位置に可動されることによってそのすき間の大きさが遊技球の大きさ(直径)より極めて小さくなるようになっている(図166参照)。
主制御基板1350は、扉枠開放スイッチ2514からの検出信号に基づいて扉枠5が本体枠3から開放されていない状態であるときには、例えば、第一始動口1502に遊技球が入賞すると、第一特別乱数発生手段2562(図143参照。)で所定の第一特別乱数を発生させ、この第一特別乱数に基づいて、コマンド生成手段2586(図143参照。)で演出コマンド等の所定の制御用のコマンドを生成し、この生成したコマンドをコマンド送信手段2588(図143参照。)で周辺制御基板2600へ送信している。周辺制御基板2600は、コマンド受信手段2650(図144参照。)で主制御基板1350からのコマンドを受信し、この受信した制御用のコマンドに基づいて、演出パターン選択手段2652(図144参照。)でROM2604に格納された演出パターンを選択し、この選択した演出パターンに基づいて演出制御手段2659(図144参照。)で可動演出制御手段2658(図144参照。)を制御してサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を可動させて各種の可動演出を行っている。また、ROM2604には主制御基板1350から受信した制御用のコマンド毎に1又は複数の演出パターンが対応付けされた状態で格納され、例えば演出パターン選択手段2652が所定の乱数を用いた判定等により受信した制御用のコマンドに対応付けされた複数の演出パターンのうち当該判定結果に応じた演出パターンを選択するように構成している。なお、主制御基板1350から受信した制御用のコマンドに演出パターンを1つだけ対応付けされた状態で格納するように構成してもよく、この場合には主制御基板1350の第一特別図柄変動パターン選択手段2564及び第二特別図柄変動パターン選択手段2574によってセンター可動装飾体2200の可動の有無、サイド可動装飾体2300の可動の有無、及びアンダー可動装飾体2400の可動の有無を決定する(第一特別図柄変動パターン選択手段2564及び第二特別図柄変動パターン選択手段2574によって選択する変動パターン(第一特別図柄変動パターン、第二特別図柄変動パターン)としてセンター可動装飾体2200の可動を伴う変動パターン(第一特別図柄変動パターン、第二特別図柄変動パターン)、サイド可動装飾体2300の可動を伴う変動パターン(第一特別図柄変動パターン、第二特別図柄変動パターン)、及びアンダー可動装飾体2400の可動を伴う変動パターン(第一特別図柄変動パターン、第二特別図柄変動パターン)を含む)ように構成してもよい。
一方、主制御基板1350及び周辺制御基板2600は、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間(図167参照。)が形成された後に、扉枠開放スイッチ2514からの検出信号に基づいて扉枠5が本体枠3から開放されている状態であるときには、主制御基板1350は、扉枠開放スイッチ2514からの扉枠5の開放状態を伝える信号が入力されると、その旨を伝えるコマンドをコマンド生成手段2586(図143参照。)で生成し、この生成したコマンドをコマンド送信手段2588(図143参照。)で周辺制御基板2600に送信する。周辺制御基板2600は、コマンド受信手段2650(図144参照。)で主制御基板1350からのコマンドを受信し、この受信した制御用のコマンドに基づいて、演出パターン選択手段2652(図144参照。)でROM2604に格納された演出パターンを選択し、この選択した演出パターンに基づいて演出制御手段2659(図144参照。)で可動演出制御手段2658(図144参照。)を制御してサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させてそのすき間の大きさを遊技球の大きさ(直径)より極めて小さくしてそのすき間とつながる収容空間2010に遊技球が侵入することを阻止する保護動作を行っている。
このように、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302は、扉枠5が本体枠3から開放されていないときには各種の可動演出を行う一方、扉枠5が本体枠3から開放されているときには互いに接近した接近位置に移動させて(可動させて)可動演出によって形成された、収容空間2010とつながる、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさを遊技球の大きさ(直径)より極めて小さくしてそのすき間とつながる収容空間2010に遊技球が侵入することを阻止している。これにより、遊技盤4に区画形成された遊技領域605に植立された障害釘と障害釘との間に遊技球が詰まってぶどう状に遊技球が集まって、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行ってそのぶどう状に集まった遊技球を取り除く際に、その取り除かれた遊技球が収容空間2010とつながるすき間を通ることができなくなる。したがって、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を収容する収容空間2010への遊技球の侵入を防止することができる。
なお、扉枠5が本体枠3に閉じた状態(閉鎖状態)となって予め定めた時間が経過すると、主制御基板1350及び周辺制御基板2600は、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302の閉鎖時処理を行うようになっている。この閉鎖時処理では、例えば扉枠5が本体枠3から開放される直前において、(1)リーチ発展時であって、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに離反した離反位置に移動させる演出に当選していたときには、サイド用モータ駆動フラグがONにセット(デフォルトOFF)され、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させる。そしてサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに離反した離反位置に移動させる演出が行われている期間内では、扉枠5が本体枠3に閉じた状態(閉鎖状態)となっても、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させた状態を維持するようになっている。そしてその演出が行われている期間が終了すると、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302は、サイド用モータ駆動フラグがOFFにセットされることによって互いに接近した接近位置に移動された状態となっている。
また閉鎖時処理では、例えば扉枠5が本体枠3から開放される直前において、(2)遊技状態が時短中又は確率変動中であるとき、つまりサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302が互いに離反した離反位置に移動している状態であるときには(この状態では、前述したように、液晶表示装置640の表示領域が拡大されており、液晶表示装置640の表示画面のほぼ全画面が遊技者に視認できる演出態様となっている。また時短確変フラグがONにセットされている。)、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させる。そして扉枠5が本体枠3に閉じた状態(閉鎖状態)となると、時短確変フラグの状態を確認して、つまり時短確変フラグがONにセットされているか否かを判定して、時短確変フラグがONにセットされているときには互いに接近した接近位置から互いに離反した離反位置にサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を移動させる一方、時短確変フラグがOFFにセットされているときには(つまり、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行っている期間に、遊技状態が時短中又は確率変動中でなくなって、通常変動中となったときには)サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を互いに接近した接近位置に移動させる。
また、扉枠5が本体枠3から開放されると、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を最速の速度で移動させて(可動させて)いるため、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から開放した際に、最速の速度でサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302を最速の速度で互いに接近した接近位置に移動させる(可動させる)ことができるため、可動演出によって形成された、収容空間2010とつながる、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさを早い段階で遊技球の大きさ(直径)より極めて小さくすることができ、そのすき間とつながる収容空間2010に遊技球がさらに侵入困難とすることができる。
なお、扉枠開放スイッチ2514について説明すると、扉枠開放スイッチ2514は、いわゆるリードスイッチであり、例えば図25に示すように、錠装置1000のシリンダー錠1010の左上側近傍に取り付けられている。このリードスイッチである扉枠開放スイッチ2514は、その押し圧部がパチンコ遊技機1の前方に向かって突出するように取り付けられている。扉枠5を本体枠3に閉じた状態、つまり閉鎖状態では、扉枠開放スイッチ2514の押し圧部が、例えば図19に示した補強板金210の下側補強板214と当接することによって扉枠開放スイッチ2514の接点が電気的に導通状態となる一方、扉枠5が本体枠3から開いた状態、つまり開放状態では、扉枠開放スイッチ2514の押し圧部が補強板金210の下側補強板214と当接しなくなることによって扉枠開放スイッチ2514の接点が電気的に非導通状態となる。このように、扉枠開放スイッチ2514の接点の電気的な導通状態によって扉枠5と本体枠3との閉鎖状態を検出することができ、扉枠開放スイッチ2514の接点の電気的な非導通状態によって扉枠5と本体枠との開放状態を検出することができる。前述したように、遊技者は、ぶどう状に遊技球が集まった状態となると、ホールの店員を呼んでこのぶどう状に集まった遊技球を取り除いてもらう。遊技者に呼ばれたホールの店員は、扉枠5を本体枠3に対して開放するが、開放する際に、ぶどう状に集まった遊技球が遊技領域605からホールに向かって飛散しないように、扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を繰り返し行ってパチンコ機1に振動を加え、ぶどう状に集まった遊技球を落下させて取り除いている。ところが、ホールの店員が扉枠5を本体枠3から少しだけ開いて閉じたりする作業を行う際に、勢いよく扉枠5を本体枠3から開けてしまうと、すぐさま、ぶどう状に集まった遊技球が開放されるため、前述したように、その開放されて遊技球がセンター役物1400’の前面環状部1400aの左右辺及び上辺を越えてセンター役物1400’の内側へ侵入するおそれがある。
このとき、サイド可動装飾体2300が互いに離反した離反位置である場合ではサイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間に遊技球が侵入することができるため、センター役物1400’の後側に配置された裏ユニット2000(図160及び図161参照。)の裏箱2002(図160及び図161参照。)内(収容空間2010(図79参照。))へ侵入することとなる。そこで、パチンコ遊技機1では、この扉枠開放スイッチ2514からの検出信号を主制御基板1350の定期割り込みタイマである4msごとに確認することによって、扉枠5が本体枠3から開放されている状態であるか否かを瞬時に検出している。扉枠5が本体枠3から開放されると、主制御基板1350は、その旨を伝えるコマンドを周辺制御基板2600に送信し、このコマンドを受信した周辺制御基板2600は、後述する16ms定常処理で解析し、サイド可動装飾体2300が互いに接近した接近位置となるように最速の駆動パルス(2ms)で移動させ、サイド可動装飾体2300のサイド装飾部材2302と保護カバー1419の切欠部1419bとのすき間の大きさが遊技球の大きさ(直径)より極めて小さくなるように制御している。
次に、サイド用モータ2324の回転軸の回転速度等を制御する周辺制御基板2600の周辺制御側リセット処理及び周辺制御側タイマ割り込み処理について説明する。図168は周辺制御側リセット処理の一例を示すフローチャートであり、図169は周辺制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
<周辺制御側リセット処理>
まず、周辺制御側リセット処理が開始されると、周辺制御基板2600のCPU2602は、図168に示すように、初期設定処理を行う(ステップS100)。この初期設定処理は、周辺制御基板2600のCPU2602を初期化する処理と、リセット後のウエイトタイマを設定する処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割り込み禁止となっており、初期設定処理のあと割り込み許可となる。続いて、16ms経過フラグTが値1であるか否かを判定する(ステップS102)。この16ms経過フラグTは、後述する2msごとに処理される周辺制御側タイマ割り込み処理で16msを計測するフラグであり、16ms経過したとき値1、16ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS102で16ms経過フラグTが値1であるとき、つまり16ms経過したときには、16ms経過フラグを値0にセットし(ステップS104)、16ms処理中フラグPに値1をセットする(ステップS106)。この16ms処理中フラグPは、後述する16ms定常処理を開始するとき値1、終了するとき値0にそれぞれ設定される。続いて、16ms定常処理を行う(ステップS108)。この16ms定常処理は、主制御基板1350が出力したコマンドを解析するコマンド解析処理と、センター移動用モータ2214、槌用モータ2226、サイド用モータ及びアンダー用モータ2412の駆動パターンをスケジューラにセットする16ms用モータスケジューラ起動処理と、LED2120,2122,2124と扉枠装飾ランプ2624への点灯データ等を送信するシリアル出力処理と、16ms定常処理が行われているか監視するウオッチドックタイマ処理等を行う。続いて、16ms処理中フラグPに値0(16ms定常処理の終了)にセットし(ステップS110)、再びステップS102に戻り、16ms経過フラグTが値1になるごとに、つまり16ms経過ごとに上述したステップS104〜ステップS110を繰り返し行う。一方、ステップS102で16ms経過フラグTが値1でない(値0である)とき、つまり16ms経過していないときには、16ms経過フラグTが値1になるまで、つまり16ms経過するまでステップS102の判定を繰り返し行う。
まず、周辺制御側リセット処理が開始されると、周辺制御基板2600のCPU2602は、図168に示すように、初期設定処理を行う(ステップS100)。この初期設定処理は、周辺制御基板2600のCPU2602を初期化する処理と、リセット後のウエイトタイマを設定する処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割り込み禁止となっており、初期設定処理のあと割り込み許可となる。続いて、16ms経過フラグTが値1であるか否かを判定する(ステップS102)。この16ms経過フラグTは、後述する2msごとに処理される周辺制御側タイマ割り込み処理で16msを計測するフラグであり、16ms経過したとき値1、16ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS102で16ms経過フラグTが値1であるとき、つまり16ms経過したときには、16ms経過フラグを値0にセットし(ステップS104)、16ms処理中フラグPに値1をセットする(ステップS106)。この16ms処理中フラグPは、後述する16ms定常処理を開始するとき値1、終了するとき値0にそれぞれ設定される。続いて、16ms定常処理を行う(ステップS108)。この16ms定常処理は、主制御基板1350が出力したコマンドを解析するコマンド解析処理と、センター移動用モータ2214、槌用モータ2226、サイド用モータ及びアンダー用モータ2412の駆動パターンをスケジューラにセットする16ms用モータスケジューラ起動処理と、LED2120,2122,2124と扉枠装飾ランプ2624への点灯データ等を送信するシリアル出力処理と、16ms定常処理が行われているか監視するウオッチドックタイマ処理等を行う。続いて、16ms処理中フラグPに値0(16ms定常処理の終了)にセットし(ステップS110)、再びステップS102に戻り、16ms経過フラグTが値1になるごとに、つまり16ms経過ごとに上述したステップS104〜ステップS110を繰り返し行う。一方、ステップS102で16ms経過フラグTが値1でない(値0である)とき、つまり16ms経過していないときには、16ms経過フラグTが値1になるまで、つまり16ms経過するまでステップS102の判定を繰り返し行う。
<周辺制御側タイマ割り込み処理>
次に、周辺制御側タイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御基板2600のCPU2602は、図169に示すように、2msタイマ割り込み処理を行う(ステップS120)。この2msタイマ割り込み処理は、センター移動検知センサ2240、回動検知センサ2256、サイド移動検知センサ2338及びアンダー移動検知センサ2428からの検出信号の検出履歴をそれぞれ作成する履歴作成処理と、センター移動用モータ2214、槌用モータ2226、サイド用モータ2324及びアンダー用モータ2412を駆動するモータ処理等を行う。
次に、周辺制御側タイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御基板2600のCPU2602は、図169に示すように、2msタイマ割り込み処理を行う(ステップS120)。この2msタイマ割り込み処理は、センター移動検知センサ2240、回動検知センサ2256、サイド移動検知センサ2338及びアンダー移動検知センサ2428からの検出信号の検出履歴をそれぞれ作成する履歴作成処理と、センター移動用モータ2214、槌用モータ2226、サイド用モータ2324及びアンダー用モータ2412を駆動するモータ処理等を行う。
続いて、2ms更新カウンタUCに値1を加算する(ステップS122)。この2ms更新カウンタUCは、このタイマ割り込み処理が行われた回数をカウントするカウンタであり、2ms更新カウンタUCの値1は2msの時間に相当する。続いて、2ms更新カウンタUCが値8、つまり16ms(=2ms更新カウンタUC × 2ms)であるか否かを判定する(ステップS124)。16msであるときには、16ms経過フラグTに値1をセットし(ステップS126)、16ms処理中フラグPが値0、つまり図168に示した周辺制御側リセット処理におけるステップS108の16ms定常処理が行われているか否かを判定する。16ms処理中フラグPが値0であるとき、つまり16msの定常処理が行われていないときには、作業領域のバックアップを行い(ステップS130)、このルーチンを終了する。この作業領域のバックアップは、図168に示した周辺制御側リセット処理におけるステップS108の16ms定常処理で処理した情報を作業領域上に設けられたコピー領域にコピーする。一方、ステップS124で16ms経過していないとき又はステップS128で16ms定常処理中に情報の設定がなかったときには、そのままこのルーチンを終了する。
<アンダー可動装飾体の可動演出例>
次にアンダー可動装飾体2400の可動演出の一例について説明する。アンダー可動装飾体2400は、通常(非可動時)、液晶表示装置640よりも下側の液晶表示装置640の表示画面と重複しない下降位置に配置され、アンダー可動装飾体2400の駆動条件が成立したときに液晶表示装置640の表示画面と重複する上昇位置に移動する。以下、第一特別図柄表示器1802及び第二特別図柄表示器1804にて実行される特別図柄の変動表示及び該特別図柄の変動表示に同期して液晶表示装置640にて実行される装飾図柄の変動表示にて実行されるアンダー可動装飾体2400の可動演出について説明する。
次にアンダー可動装飾体2400の可動演出の一例について説明する。アンダー可動装飾体2400は、通常(非可動時)、液晶表示装置640よりも下側の液晶表示装置640の表示画面と重複しない下降位置に配置され、アンダー可動装飾体2400の駆動条件が成立したときに液晶表示装置640の表示画面と重複する上昇位置に移動する。以下、第一特別図柄表示器1802及び第二特別図柄表示器1804にて実行される特別図柄の変動表示及び該特別図柄の変動表示に同期して液晶表示装置640にて実行される装飾図柄の変動表示にて実行されるアンダー可動装飾体2400の可動演出について説明する。
周辺制御基板2600は、主制御基板1350からの制御用のコマンドをコマンド受信手段2650で受信すると、受信した制御用のコマンドに基づいて演出パターン選択手段2656でROM2604に格納された演出パターンを選択する。このとき、主制御基板1350から当否判定処理の結果が当たりとなる制御用のコマンドを受信していれば、演出パターン選択手段2652は当該コマンドに対応付けされた状態でROM2604に格納されているアンダー可動装飾体2400の可動演出を実行する演出パターンを含む複数の演出パターンのうちいずれかを選択する。また、主制御基板1350では制御用のコマンドを送信すると該コマンドを送信する起因となった変動パターン(第一特別図柄変動パターンであるか第二特別図柄変動パターンであるか)に応じた特別図柄表示器(第一特別図柄変動パターンに応じた第一特別図柄表示器1802、第二特別図柄変動パターンに応じた第二特別図柄表示器1804)にて特別図柄の変動表示を開始し、周辺制御基板2600では演出パターン選択手段2652によっていずれかの演出パターンを受信したことに基づいて演出表示制御手段2656により液晶表示装置640にて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始する。また、上述したように第一特別図柄変動パターン及び第二特別図柄変動パターンには変動時間を示す情報が含まれ、演出パターン選択手段2652は受信した変動パターン(第一特別図柄変動パターン又は第二特別図柄変動パターン)によって示される変動時間に応じた演出パターンを選択する。これにより特別図柄表示器(第一特別図柄表示器1802、第二特別図柄表示器1804)にて実行される特別図柄の変動表示に同期して液晶表示装置640にて装飾図柄を変動表示させることができる。
また、演出表示制御手段2656は選択した演出パターンに基づいて液晶表示装置640を表示制御して装飾図柄を変動表示するとともに演出パターンに示された各装飾図柄の停止時間に応じて左・中・右の装飾図柄を各々停止表示する。この例では、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止表示させ、左装飾図柄及び右装飾図柄が同一図柄で停止した状態であって中装飾図柄が未だ停止表示していない状態をリーチ状態という。また、演出パターン選択手段2652によってアンダー可動装飾体2400の可動演出を実行する演出パターンを選択した場合には、当該演出パターンに基づく変動表示にてアンダー可動装飾体制御手段2664によって所定期間(例えば3秒)に亘ってアンダー装飾部材2402を上昇位置に駆動制御した後、再び下降位置に駆動制御する。
なお、アンダー可動装飾体2400の可動演出として装飾図柄の変動表示を開始してから左・中・右の装飾図柄全てを停止表示する以前に実行するものであればよく、装飾図柄の変動表示を開始してから少なくともリーチ状態を形成する装飾図柄(この例では左装飾図柄及び右装飾図柄)を停止表示するまで(リーチ状態とならない場合には少なくとも左装飾図柄と右装飾図柄とを停止表示するまで)に当否判定処理の結果が当たりとなることを示唆する予告演出として上記アンダー可動装飾体2400の可動演出を実行するように構成してもよいし、装飾図柄の変動表示を開始してリーチ状態を形成してからすべての装飾図柄を停止表示するまでに実行されるリーチ演出として上記アンダー可動装飾体2400の可動演出を実行するように構成してもよい。
また、上述したようにアンダー装飾部材2402は、上昇位置では液晶表示装置640の表示画面の前面であって該表示画面と重複するため、液晶表示装置640で実行される装飾図柄の変動表示に注目している遊技者にもアンダー装飾部材2402が駆動されたことを気付かせることができる。また、この例では当否判定処理の結果が当たりとなるときにだけアンダー装飾部材2402を上昇位置に移動させる可動演出を実行する。
また、アンダー装飾部材2402は、下降位置にてその一部が視認可能となるように配置される。そのため、アンダー装飾部材2402の可動に対して常に意識させることができる。これにより、センター役物1400を大型化することによって遊技領域605に設置される装飾部材を減らして遊技球の転動可能な領域を確保した場合であっても収容空間2010に配置するアンダー可動装飾体2400の駆動によって遊技興趣を向上させることができる。
なお、当否判定処理の結果が当たりとならない場合に上記予告演出と同様に装飾図柄の変動表示を開始してから少なくともリーチ状態を形成する装飾図柄(この例では左装飾図柄及び右装飾図柄)を停止表示するまでに実行する演出であって実際には大当たりとならないときに大当たりとなるかのように示唆するガセ予告演出及び/又は上記リーチ演出として所定の割合でアンダー装飾部材2402を上昇位置に移動させるかの演出(実際には上昇位置に移動させることなく所定期間に亘って上下に小刻みに振動させた後に下降位置で停止させる演出、ガセ演出ともいう)を実行するようにしてもよい。これにより、当否判定処理の結果が当たりとならない場合であってもアンダー装飾部材2402が動作したときに当否判定処理の結果が当たりであることに対する期待を抱かせることができる。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1をまとめると、以下のとおりである。なお、以下では、上位概念化された用語を用いる場合があり、この上位概念化された用語に相当する実施形態(発明を実施するための形態)に記載された用語を括弧内に記載している。
上記パチンコ機1は、遊技者により操作される操作ハンドル(操作ハンドル部461)を備える。この操作ハンドルの操作によって打ち出された遊技球は、遊技領域605を流下する。遊技領域605には、後述する大当たり遊技が実行された際に当該遊技領域605に打ち出された遊技球を受け入れ困難な閉状態と当該閉状態よりも遊技球を受け入れ容易な開状態との間で連続して作動する役物としての開閉装置(役物連続作動装置としてのアタッカユニット1500)と、受入口(第一始動口1502,第二始動口1506)とが設けられている。この受入口は、後述する第1抽選処理に供される。
上記受入口に遊技球が受け入れられることに基づいて、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理(特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)、ラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012))が抽選手段(CPU2502)により行われる。この大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理は、少なくとも第1抽選処理(当否判定処理(ステップS1314))にかかる処理過程と第2抽選処理(ラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012))にかかる処理過程とに分離して行われる。
ただし、上記第1抽選処理及び上記第2抽選処理は、これらの処理過程を単に分離して順次行うようにしただけでなく、上記第2抽選処理における抽選態様として複数の異なる抽選態様が用意されている(詳細は後述する)。
また、上記パチンコ機1は、遊技実行手段(大当たり遊技実行手段として機能するCPU2502)を備える。この遊技実行手段は、上記大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の結果として大当たりが当選された(当否判定処理の結果が当たりであって且つラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)にてラウンド数が決定された)ことに基づいて、上記開閉装置を開状態と閉状態との間で連続して作動させる大当たり遊技を実行する。なお、開閉装置が開状態となったときに当該開閉装置内に遊技球が受け入れられたことに基づいて、賞球払出手段(賞球払出制御基板1186)により賞球としての遊技球が払い出される。
上記大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理は、上記受入口に遊技球が受け入れられることに基づいて上記第1抽選処理(当否判定処理(ステップS1314)の実行により開始された後、少なくとも操作ハンドル(操作ハンドル部461)の操作により遊技領域605に遊技球が打ち出されることに基づいて実行される上記第2抽選処理(後述するラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012))をもって大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が終了する(ラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)を実行するCPU2502が抽選終了制御手段に相当する)。
上記遊技実行手段は、上記大当たり遊技の実行を開始する遊技開始制御手段(大当たり遊技開始処理(ステップS220))を有する。この遊技開始制御手段は、上記大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が開始されることに応じて上記第1抽選処理の結果が当たりとなった後(当否判定処理(ステップS1314)の結果が当たりである旨が判定された後)、少なくとも上記操作ハンドルが操作されたことによって遊技領域605に遊技球が打ち出されて上記抽選終了制御手段により上記一連の抽選処理が終了されることに基づいて、上記大当たり遊技を開始する。
ところで、本実施形態のパチンコ機1には、上記第2抽選処理に供される通過口(特図ゲートA1900、特図ゲートB1910)が、上記開閉装置への遊技球の流下経路中に設けられている。
上記通過口としては、少なくとも第1の通過口(特図ゲートA1900)及び第2の通過口(特図ゲートB1910)が設けられている。これら第1の通過口及び第2の通過口は、遊技者がいずれの通過口に遊技球を通過させるかを打ち分けることができるように、それぞれ、センター役物1400の左側及び右側に配置されている。
上記遊技開始制御手段は、上記第1抽選処理にて当たりが当選された後(特別図柄の当否判定処理(ステップS1314)の結果が当たりである旨が判定された後、以下「条件装置が作動された後」と称する)、少なくとも上記通過口を遊技球が通過したことに基づいて、上記大当たり遊技を開始する。
具体的には、上記第1抽選処理にて当たりが当選された後(条件装置が作動した後)、上記第2抽選処理における抽選態様として、上記第1の通過口に遊技球を通過させてラウンド決定処理A(ステップS2009)を行う態様と上記第2の通過口に遊技球を通過させてラウンド決定処理B(ステップS2012)を行う態様といった少なくとも複数の異なる抽選態様が用意されている。そして、これら複数の抽選態様のうちいずれを採用して上記第2抽選を行うかについては、上記第1抽選処理における抽選の結果が示されたもとで遊技者により打ち分けられるようにされている。
また、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者により獲得可能とされる最大賞球数が異なる遊技態様をもって上記大当たり遊技の実行にかかる制御を行う遊技態様制御手段(特別電動役物大当たり制御手段(ステップS240))を備える。この遊技態様制御手段は、条件装置が作動しているときに、上記第1の通過口及び上記第2の通過口のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、該通過した通過口の種類に応じて遊技者により獲得可能とされる最大賞球数が異なる遊技態様をもって当該大当たり遊技の実行にかかる制御を行なう。すなわち、通過した通過口の種類に応じて、開閉装置が連続的に作動される最大ラウンド数が異なる大当たり遊技が実行される。
また、上記遊技実行手段は、条件装置が作動した後、少なくとも上記通過口を遊技球が通過したことに基づいて、該通過した遊技球が上記開閉装置に流下するまでの流下期間中に当該開閉装置の連続的な作動を開始することによって当該開閉装置内に同遊技球が受け入れられうるように大当たり遊技を開始する手段(遊技開始球入賞制御手段)を有する。
また、上記抽選手段(CPU2502)は、上記受入口に遊技球が受け入れられることに基づいて大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理を開始した結果、当該一連の抽選処理の一処理である上記第1抽選(当否判定処理(ステップS1314)にて当たりが当選されたときは、該当たりが当選された後、さらに、上記通過口を遊技球が通過したことに基づいて、当該当たりの当選に応じた大当たり遊技において遊技者により獲得可能とされる最大賞球数についての第2抽選(ラウンド数決定処理)を行いうる手段(第二抽選進展制御手段)、及び上記最大賞球数についての第2抽選が開始されるように上記第1の通過口及び上記第2の通過口のいずれかを遊技球が通過したときは、該通過した通過口の種類に応じて上記第2抽選における最大賞球数についての決定態様が異なるように、上記第1の通過口および上記第2の通過口の別にそれぞれ決定態様の異なる決定テーブルが対応付けされるかたちで記憶されている手段(通過口別設定手段)を有している。
また、本実施形態のパチンコ機1は、所定の表示画面(液晶表示装置640)の表示領域にて演出画像を表示出力しうる演出表示制御手段(CPU2614)を備える。この演出表示制御手段は、上記第1抽選処理にて当たりが当選されたとき、上記第1の通過口及び上記第2の通過口のいずれかを遊技球が通過することにより上記第2抽選処理の開始条件が成立されるのに先立って、上記第1抽選処理における抽選結果が特定の抽選結果(当たり)であるか否かについての演出画像を所定の表示画面にて表示出力しうる手段(状態情報演出制御手段)を有する。これにより、条件装置が作動した後の所定期間、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技)に制御されるかについての情報が示されたもとで、上記第1の通過口および上記第2の通過口のいずれかに対応付けされた決定テーブルを採用して上記第2抽選を開始させるかについての遊技選択を、上記操作ハンドルの操作による遊技球の打ち分けによって遊技者が行うことができる。
なお、第1抽選処理にて当たりが当選されると(条件装置が作動すると)、当該当たりに当選されたことが上記所定の表示画面に表示され、その後、通過口(特図ゲートA1900、特図ゲートB1910)を遊技球が通過するまで遊技の進行が待機される。すなわちこの場合、上記大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の過程において上記第1抽選処理の結果が当たりとなった後に、遊技者により遊技球が再び打ち出され、該遊技球が上記通過口に受け入れられるまでは、当該一連の抽選処理の過程における残りの抽選処理(ラウンド抽選処理)が未実行のままとされて当該抽選過程が終了されないこととなる。したがって、遊技者は、上記受入口に遊技球が受け入れられた以降も、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理を進展させ、さらには大当たり遊技が開始されるように遊技球を打ち出す操作ハンドルゲームを行うこととなり、このような遊技者を中心とした遊技性によって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
このように、遊技者は、上記第1抽選処理の結果を踏まえて、上記第2抽選処理としていずれの抽選態様を採用するか(複数の通過口のうちいずれに遊技球を通過させるか、すなわちラウンド数決定処理Aとラウンド数決定処理Bとのうちいずれを採用するか)を打ち分けることができるようになり、これによって抽選済みとされた第1抽選処理の結果を有効に利用しつつそれ以降の抽選処理(第2抽選処理)を進行させることのできる面白みが持たせられるようになる。
なお、上記演出表示制御手段は、上記第1抽選処理にて当たりが当選されたとき、上記第二抽選進展制御手段により上記通過口を遊技球が通過したか否かについての判定が行われるのに先立って、遊技者による操作ハンドルの操作中断を促す催促画像を所定の表示画面にて表示出力することで、上記第1の通過口および上記第2の通過口のいずれかに対応付けされた決定テーブルを採用して上記第2抽選を開始させるかについての遊技選択を、上記操作ハンドルの操作による遊技球の打ち分けによって遊技者が行いうる機会が確保されるようにする手段(選択機会確保手段)を有する。
さらに、上記遊技実行手段は、上記第1抽選処理にて当たりが当選されたにもかかわらず、上記大当たり遊技が実行されない期間を生成しうるとともに、少なくとも上記操作ハンドルの操作により遊技球が打ち出されたことに基づいて当該期間を終了させて上記大当たり遊技の実行を許容しうる手段(不実行期間制御手段)を有する。
また、上記抽選手段は、上記受入口に遊技球が受け入れられたことに基づいて上記抽選処理の実行を開始する遊技開始制御手段(第1抽選処理としてのステップS1314が相当)と、この遊技開始制御手段により大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理が一旦開始された場合であっても、該開始された後に遊技者による操作ハンドルの操作が中断されたときには、上記大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理を中途の処理過程にて停止する抽選過程停止制御手段(ステップS2003及びステップS2006にてNOと判断する処理が相当する)とを有する。そして、このように大当たり遊技の実行にかかる抽選処理が中途の処理過程にて停止された後は、少なくとも上記操作ハンドルの操作により遊技球が打ち出されることに基づいて当該一連の抽選処理をその停止されていた中途の処理過程から進行を再開させることにより当該一連の抽選処理の終了を許容しうる抽選過程復帰制御手段(ステップS2003またはステップS2006にてYESと判断する処理が相当する)を有する。
すなわちこの場合、遊技の開始条件が満たされた後も、遊技者は、操作ハンドルの操作によって遊技にかかる処理が停止されないようにこれを進行させることができ、これによって操作ハンドルが操作されているときに遊技が順次進行される遊技性が実現されるようになる。したがって、適宜の制御手段により遊技が行われることによって大当たり遊技の実行条件が成立するのを単に待つだけのような単調な遊技性が解消され、ひいては大当たり遊技が行われるまでの遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
なお、上記抽選過程停止制御手段は、受入口に遊技球が受け入れられることに基づいて行われる大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理のうち上記第1抽選処理の結果が当たりの場合であっても、該当たりに基づいて条件装置が作動した後、上記通過口に遊技球が受け入れられることに基づいて上記第2抽選処理(ラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)にて遊技態様としてのラウンド数が決定されるまでの期間を、当該第2抽選にて遊技態様(ラウンド数)が未だ決定されていない中途抽選過程にて上記一連の抽選処理にかかる進行状況を現状維持する手段としても機能する。
すなわちこの場合、上記通過口を遊技球が新たに通過することに基づいて上記ラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)にて遊技態様(ラウンド数)が決定されない限りは、遊技の進行状況は、大当たり遊技が開始され得ない中途の抽選過程にて維持されることとなる。そして、こうして現状維持される時間を利用することで、第1抽選処理にて当たりが当選されていずれは大当たり遊技が行われることが確定される演出を、遊技者が満足するだけ十分に表示することができるようになり、これによって遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
また、上記遊技実行手段は、大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理の実行が開始されることに応じて当たりが当選された場合であっても、該一連の抽選処理をその中途の処理過程にて停止する手段(当選後待機制御手段)を有する。そして、少なくとも上記操作ハンドルが操作されることに応じて上記抽選過程停止制御手段により当該抽選処理がその中途の処理過程から進行再開されて終了されることに基づいて、上記大当たり遊技が実行される。
また、上記遊技実行手段は、上記第1抽選処理にて当たりが当選されたにもかかわらず(条件装置が作動したにもかかわらず)、上記大当たり遊技が実行されない期間を生成しうるとともに、少なくとも上記通過口を遊技球が通過したことに基づいて、該通過した遊技球が上記開閉装置に流下するまでの流下時間内に上記大当たり遊技が実行されない期間を終了させて、上記開閉装置の連続的な作動を許容する手段(期間解除球入賞制御手段)を有する。
上記のパチンコ機1によると、上記第1の抽選処理にて当選された後、少なくとも操作ハンドルの操作により遊技球が打ち出されることに基づいて、開閉装置が連続して作動する大当たり遊技を開始させるようにしている。したがって、上記第1の抽選処理の結果、当たりが当選されても、遊技者の意思とは関係ないところで制御(遊技)が単純に進行されてしまうようなことがなくなることはもとより、上記大当たり遊技の実行に際して、遊技者により打ち出される遊技球を利用して遊技に幅を持たせることが可能となり、これによって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただしこの場合、大当たり遊技の実行を開始させるためには遊技球の新たな打ち出しが必要となることから、この打ち出しに要する分だけ従来と比較して遊技者に損失を与えてしまうことにもなりかねない。そこで、通過口に代えてポケット型の入賞口として設け、該入賞口に遊技球が受け入れられることに応じて賞球が払い出されるようにすることが考えられるが、これでは大当たりが当選されていない通常の遊技が行われるときにも賞球が払い出されることにより当該遊技機における出玉率に悪影響を及ぼすようになる。
この点、上記パチンコ機1では、通過口として設けることで当該遊技機における出玉率に悪影響を及ぼすことが回避されるようにしつつも、大当たり遊技を開始させるように当該通過口を通過した遊技球についてはこれがそのまま流下して開閉装置内に受け入れられうるように上記大当たり遊技を開始することとした。これにより、遊技上の損失が現れることを回避しつつ上述の如く遊技に幅を持たせることができるようになる。
さらに、上記第1の通過口と上記第2の通過口とのうちのいずれかを遊技球が通過したときは、該通過した通過口の種類に応じて遊技者により獲得可能とされる最大賞球数が異なる遊技態様をもって当該大当たり遊技の実行にかかる制御が行なわれるので、上記受入口に遊技球が受け入れられた以降に、第1の通過口および第2の通過口のいずれの種類に応じた遊技態様をもって大当たり遊技を開始させるかについての遊技選択を、操作ハンドルの操作により打ち出される遊技球によって行いうるようになる。
また、上記大当たりの実行にかかわる一連の抽選処理が開始されて以降、少なくとも操作ハンドルの操作により遊技球が打ち出されたときに当該一連の抽選処理が終了されうるようにしている。また、一連の抽選処理がこうして終了されたことを条件に大当たり遊技を開始させるようにしている。
したがって、遊技者は、上記受入口に遊技球が入球されて以降も、上記一連の抽選処理の実行過程に要する時間や、上記大当たり遊技の開始時期などに影響を及ぼしうるように遊技することができるようになり、こうした遊技者を中心とした制御スケジュールによって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、遊技者にとっては、遊技を進行させる上で重要な大当たりの実行にかかわる抽選処理の実行過程に長い時間を持たせてあげることが可能となり、こうした遊技機内部でも遊技内容が未だ決定されていない緊張感のある遊技期間を上記操作ハンドルに対しての自らのさじ加減で楽しむことができるようになる。また、例えば、大当たり遊技の実行に際しては、上記一連の抽選処理を終了させるべく遊技球が打ち出されることから、該遊技球を利用して遊技にさらなる幅を持たせることも可能となる。
また、上記第1抽選処理にて当たりが当選される時点では、遊技者により獲得可能とされる最大賞球数が異なる遊技態様をもって当該大当たり遊技決定対象とされる事項(大当たり遊技の遊技態様であるラウンド数)が残されるようにするとともに、この未決定事項については、上記受入口に遊技球が受け入れられた以降の遊技者による遊技結果に応じて決定されるようにしたことで、受入口に遊技球が受け入れられた以降の遊技興趣が好適に維持されるようになる。
また、遊技者にとっては、遊技を進行させる上で重要な抽選処理の実行過程に長い時間を持たせてあげることが可能となり、こうした遊技機内部でも遊技内容が未だ決定されていない緊張感のある遊技期間を上記操作ハンドルに対しての自らのさじ加減で楽しむことができるようになる。また、上記大当たり遊技の実行に際しては、通過口を遊技球が通過することから、該遊技球を利用して遊技にさらなる幅を持たせることも可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、大当たり遊技の実行に際し、上記第1の通過口及び上記第2の通過口のいずれかを遊技球が通過したとき、該通過した通過口の種類に応じて当該大当たり遊技における最大賞球数についての決定態様が異なるように、第1の通過口および第2の通過口の別にそれぞれ決定態様の異なる決定テーブルを採用して上記最大賞球数についての第2抽選を行うようにしている。すなわちこの場合、上記受入口に遊技球が受け入れられた以降に、上記第1の通過口および上記第2の通過口のいずれの種類に応じた決定テーブルを採用して上記最大賞球数についての第2抽選を行うかについての遊技選択を、操作ハンドルの操作により打ち出される遊技球によって行いうるようになる。
このように、上記第1抽選処理にて当たりが当選される時点では、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理に関しての未実行の抽選処理が残されるようにするとともに、この未実行の抽選処理については、受入口に遊技球が受け入れられた以降の遊技者による遊技結果に応じてその抽選態様が異なるように実行されるようにしたことで、受入口に遊技球が受け入れられた以降の遊技興趣が好適に維持されるようになる。
しかも、上記構成では、当該遊技機における大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理過程を、第1抽選にかかる処理過程と第2抽選にかかる処理過程とに分離してそれらを単に順次行うようにしただけでなく、大当たり遊技の遊技態様についての第2抽選においては、複数の異なる決定態様を用意するとともに、それら決定態様のいずれを採用して当該第2抽選を行うかを遊技者が選択可能としている。そしてこの上で、当該第2抽選が行われるよりも前の第1抽選にて既に決定済みとされている大当たりの種別が特定の当選種であるかについての情報を遊技者に示すようにすることで、遊技者は、第1抽選の結果(遊技の進行先としての遊技状態)を踏まえて、上記第2抽選としていずれの決定態様(遊技内容)を採用するかを選択するようになり、これによって抽選済みとされた第1抽選の結果を有効に利用しつつ遊技(抽選)を進行させることができるようになる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、上記大当たり遊技の実行にかかわる上記一連の抽選処理過程を、第1抽選にかかる処理過程と第2抽選にかかる処理過程とに分離したにもかかわらず、実質的に遊技者の意思とは関係ないところで制御(遊技)が進行されてしまい、当該遊技機における趣旨が没却されてしまうようなことが抑制されるようにしている。より具体的には、第1抽選にて大当たりが当選されたときは、通過口を遊技球が通過したか否かについての判定が行われるのに先立って、遊技者による操作ハンドルの操作中断を促す催促画像を所定の表示画面にて表示出力するようにしている。これにより、操作ハンドルを操作し続けることにより遊技者の知らないところで特定の通過口を遊技球が通過してしまって、第1の通過口および第2の通過口のいずれに対応付けされた決定テーブルを採用して上記第2抽選処理を開始させるかについての遊技打ち分けを行いうる機会が喪失されることが抑制されるようになる。
また、上記パチンコ機1では、受入口に遊技球が受け入れられたことに基づいて大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理が開始された以降、上記第1抽選処理にて当たりが当選された場合は、該当たりに当選された後に通過口を遊技球が通過したことに基づいて当該一連の抽選処理が終了されうるようにしている。また、当該一連の抽選処理がこうして終了されたことを条件に大当たり遊技を開始させるようにしている。
したがって、遊技者は、受入口に遊技球が受け入れられた以降も、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の実行過程に要する時間や、大当たり遊技の開始時期などに影響を及ぼしうるように遊技することができるようになり、こうした遊技者を中心とした制御スケジュールによって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、上記第1抽選処理の結果が当たりであることに基づいて条件装置が作動したにもかかわらず、該条件装置が作動してから上記通過口を遊技球が通過するまでの期間として、上記大当たり遊技が実行されない期間が生成されることとなる。すなわち、上記第1抽選処理にて当たりが当選されてもこれのみを条件として大当たり遊技が即座に行われるようなことがなくなる。これにより、上述したように、上記第1抽選にて当たりが当選された後、少なくとも遊技者の意思により操作ハンドルが操作されて遊技球が打ち出されなければ、大当たり遊技の実行を許容させないようにすることができるようになる。
したがって、遊技球が打ち出されていない状況において、大当たりが当選されたことに遊技者が気付かないようなことがあったとしても、遊技球が打ち出されずに賞球が得られないまま大当たり遊技が終了してしまうことが回避されるようになり、これによって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、受入口への遊技球の受け入れに基づいて大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理の実行が開始され、大当たりが当選されても、当該一連の抽選処理は終了されることなくその中途の処理過程にて停止されるようにしている。そして、こうして停止された後は、少なくとも操作ハンドルの操作により遊技球が打ち出されることに基づいて、上記抽選処理をその停止されていた中途の処理過程から進行再開させることにより当該抽選処理の終了を許容し、これによって大当たり遊技の実行が開始されうるようにしている。
すなわちこの場合、受入口への遊技球の受け入れがあったことのみを条件として抽選過程における全処理が終了されることが回避されるようになり、これによって大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選過程にあるにもかかわらず、遊技者は、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理に対する緊張感を一度取り払って、まずは現在の抽選状況の把握に努めることができるようになる。そして、大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選の停止期間において、上記第1抽選処理にて当たりに当選されたことを認識した至福な気持ちのもとで一息付くことができるようになる。
これにより、抽選状況を理解することができないままに遊技だけが淡々と進行されてしまい、賞球が得られないまま大当たり遊技が終了してしまうようなことが回避されるようになり、遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
また、上述したように、本実施形態のパチンコ機1では、条件装置が作動したにもかかわらず大当たり遊技が実行されない期間が生成されることから、上記抽選手段による抽選処理にて当たりが当選されてもこれのみを条件として大当たり遊技が即座に行われるようなことがなくなる。例えば、当たりが当選された後、遊技者の意思により操作ハンドルが操作されて遊技球が打ち出されなければ、大当たり遊技の実行を許容させないようにすることができるようになる。
したがって、遊技球が打ち出されていない状況において、第1抽選処理にて当たりが当選されたことに遊技者が気付かないようなことがあったとしても、遊技球が打ち出されずに賞球が得られないまま大当たり遊技が終了してしまうことが回避されるようになり、これによって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
またさらに、上記実行されない期間が解除されるように上記通過口を遊技球が通過したときは、同遊技球が開閉装置内にそのまま入球されうるように上記大当たり遊技を開始させるようにしたため、大当たり遊技の実行が開始されてから遊技球の打ち出しにかかる初動に遅延が生じるようなことが回避されるようになる。
そればかりか、遊技球が通過口を通過したことに基づいて大当たり遊技の実行が開始される時点では、常に、遊技領域内における開閉装置への流下経路中に遊技球が既に打ち出されていることとなり(大当たり遊技の実行が開始されるよりも前に遊技球が打ち出されていることとなり)、これによって余裕をもって大当たり遊技が行うことができるようになる。
すなわち、本実施形態において説明した遊技機(パチンコ機1)は、例えば以下のように構成することができる。
例えば、本遊技機は、遊技球が打ち出される遊技領域と、前記遊技領域に打ち出された遊技球に対して開閉動作しうる開閉装置(開閉部材1508)と、前記遊技領域に設けられる受入口(第一始動口1502、第二始動口1506)と、前記受入口に遊技球が受け入れられることに基づいて、抽選処理(時短なしではステップS1311の当否判定処理、時短ありではステップS1314の当否判定処理)を行う抽選手段(当否判定処理を行うCPU2502の一機能)と、前記抽選手段による抽選処理にて大当たり(特別当たり)が当選されたことに基づいて、前記開閉装置の開閉動作により当該開閉装置内への遊技球の受け入れが容易化される大当たり遊技を実行しうる遊技実行手段(大当たり遊技実行手段)と、前記抽選手段による抽選処理(大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理)についての中途の処理過程にあるときに遊技状態を変更しうる中変制御手段(確変機能及び時短機能の作動を管理するCPUの一機能)とを備える。
上記構成では、抽選処理にて大当たりが当選されたことに基づいて、開閉装置の開閉動作により当該開閉装置内への遊技球の受け入れが容易化される大当たり遊技を実行しうる遊技実行手段に対し、その抽選処理についての中途の処理過程にあるときに遊技状態を変更しうる中変制御手段を備えることとした。すなわちこの場合、抽選処理が未だ終了されていない処理段階から遊技状態が変更されることによって遊技に変化が生じることとなり、これによって大当たり遊技が実際に実行されるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、本遊技機は、大当たり遊技の実行に際し、遊技状態が変更されうる遊技機であって、遊技球が打ち出される遊技領域と、前記遊技領域に打ち出された遊技球に対して開閉動作しうる開閉装置(開閉部材1508)と、前記遊技領域に設けられる受入口(第一始動口1502、第二始動口1506)と、前記受入口に遊技球が受け入れられることに基づいて、前記大当たり遊技の実行態様(ラウンド数)にかかる抽選処理を行いうる抽選手段(当否判定処理及びラウンド数決定処理(ステップS2009、ステップS2012)を行うCPU2502の一機能)と、前記抽選手段による抽選処理にて前記大当たり遊技の実行態様が決定されたことを条件に、該決定された実行態様をもって前記開閉装置の開閉動作を開始することにより前記大当たり遊技を実行する遊技実行手段(大当たり遊技実行手段)と、前記抽選手段による抽選処理にて大当たり遊技の実行態様が未だ決定されておらず前記遊技実行手段により大当たり遊技が実行され得ない処理段階(条件装置が作動し且つ未だ特図ゲートA1900及び特図ゲートB1910のいずれにも遊技球が通過していない段階)にあるにもかかわらず、前記処理段階にある遊技状態については、前記大当たり遊技の実行態様が決定されるのに先行して、当該大当たり遊技が実行されるときの遊技状態(通常遊技状態)に変更させうる特殊制御手段(確変機能及び時短機能の作動を管理するCPUの一機能)とを備えるように構成することもできる。
上記構成では、大当たり遊技の実行態様が決定されたことを条件に、該決定された実行態様をもって開閉装置の開閉動作を開始することにより上記大当たり遊技を実行する遊技実行手段に対し、大当たり遊技の実行態様が未だ決定されておらずその実行がなされ得ない処理段階にあるにもかかわらず、遊技状態については、大当たり遊技の実行態様が決定されるのに先行して、当該大当たり遊技が実行されるときの遊技状態に変更させうる特殊制御手段を備えることとした。
したがって、抽選処理が未だ終了されていない処理段階にあるにもかかわらず大当たり遊技が実行されるときの遊技状態に先行変更されることから、こうした処理が大当たり遊技の前準備処理として機能することとなる。すなわちこの場合、抽選処理が終了した時点ではこうした大当たり遊技の前準備処理の少なくとも一部は既に終了していることから、抽選処理が終了してすぐに開閉装置の開閉動作を開始させて大当たり遊技を実行することができるようになる。
また、抽選処理が未だ終了されていない処理段階から遊技状態が変更されることによって遊技に変化が生じることとなり、これによって大当たり遊技が実際に実行されるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
さらに、本遊技機は、遊技の進行にかかる遊技抽選(大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理)が終了され、且つ図柄変動(特別図柄の変動)が停止されている状況にあって、前記遊技抽選にて大当たり(特別当たり)が当選されているときには当選後遊技(大当たり遊技)が開始される遊技機において、前記遊技抽選については、前記大当たり(特別当たり)が当選されたときには当該遊技抽選の中途段階であっても該当選された旨を示すように停止される図柄(特別図柄)の動きに対し、前記大当たり(特別当たり)の当選に応じた当選後遊技(大当たり遊技)の実行態様にかかる態様抽選処理(ステップS2009のラウンド数決定処理A、ステップS2012のラウンド数決定処理B)についてはこれが未だ行われていない処理として残されるように当該遊技抽選の実行にかかる制御を行う抽図制御手段(大当たり遊技の実行にかかわる一連の抽選処理を実行するCPU2502の一機能)、及び前記図柄が停止されているもとで、特定の受入口(特図ゲートA1900、特図ゲートB1910)に遊技球が新たに受け入れられることに基づいて、前記遊技抽選のうちの前記未だ行われていない処理として残されている前記態様抽選処理を行うことにより当該遊技抽選を終了させる残抽制御手段(ステップS2009またはステップS2012のラウンド数決定処理を行うCPU2502の一機能)を有することで、前記当選後遊技が開始されるまでの間に、前記大当たり(特別当たり)の当選に応じた当選後遊技の実行態様についての態様抽選処理における抽選態様(ラウンド数が異なる複数の大当たり遊技)としていずれの抽選態様を採用するかについての遊技者による選択遊技を十分な時間を確保しつつ行いうるように構成することもできる。
すなわち、遊技機(パチンコ機など)では通常、遊技の進行にかかる遊技抽選が終了され、且つ図柄変動が停止されている状況にあって、遊技抽選にて大当たりが当選されているときには、当選後遊技(例えば、大当たり遊技など)が自動的に開始されるようになっている。
またその一方で、図柄は、その変動が一旦開始されれば所定時間だけ経過したときに自動停止されることが多い。したがって、このような遊技機にあって、遊技そのものに変化が生じうる遊技機会を単純に付与してしまうと、遊技者は、少なくとも図柄の変動が自動停止されるまでの制限時間内にいずれの遊技を進行させるべきかについての選択遊技を行わざるを得なくなる。
ただし、こうした選択遊技は、従来の遊技機におけるいわゆる演出の選択(演出内容を変化させる遊技)とはその意味合いが大きく異なり、選択遊技の結果によっては遊技者が享受しうる利益そのものに影響を及ぼしうる重要な遊技要素となっている。したがって、遊技者としても、いずれの遊技を進行させるべきかを現在の遊技状況やリスク等を加味しながら十分検討した上で選択遊技を行う必要があるにもかかわらず、上述の制限時間を意識していずれかの遊技をその場の成り行きで選択してしまった場合、その遊技結果によってはこうした遊技性に納得できずに遊技興趣が低下してしまう懸念がある。
そこで、上記請求項1にかかる遊技機では、まず、遊技抽選については、大当たりが当選されたときには当該遊技抽選の中途段階であっても該当選された旨を示すように停止される図柄の動きに対し、大当たりの当選に応じた当選後遊技の実行態様にかかる態様抽選過程についてはこれが未だ行われていない処理として残されるように当該遊技抽選の実行にかかる制御を行う(抽図制御手段)。そしてこの上で、図柄が停止されているもとで、特定の受入口に遊技球が新たに受け入れられることに基づいて、遊技抽選のうちの上記未だ行われていない処理として残されている態様抽選過程を行うことにより当該遊技抽選を終了させることとした(残抽制御手段)。
このような構成では、図柄が停止されるまで、遊技者が享受しうる利益そのものに影響を及ぼしうる上記態様抽選過程の実行が行われることなくこれを未実行の状態にて残すようにしている。すなわちこの場合、図柄が停止されても、遊技の進行にかかる遊技抽選が終了されずに未だ中途の処理段階(当選後遊技の実行態様が未だ決定されないことによって当選後遊技の実行が不可能とされている状態)にて維持されることとなる。
しかも、上記遊技抽選としてのこうした中途の処理段階については、遊技者により遊技球が新たに打ち出されて同遊技球が特定の受入口に受け入れられるまで維持されうるようにしたことから、図柄が停止されてから当選後遊技が開始されるまでの間に、大当たりの当選に応じた当選後遊技の実行態様についての態様抽選過程における抽選態様としていずれの抽選態様を採用するかについての遊技者による選択遊技を十分な時間を確保しつつ行いうるようにすることができるようになる。
また、本遊技機は、遊技者により操作される操作ハンドル(操作ハンドル部461)と、前記操作ハンドルの操作によって遊技球が打ち出される遊技領域と、前記遊技領域に打ち出された遊技球に対して開閉動作しうる開閉装置(開閉部材1508)と、前記遊技領域に設けられる始動口(第一始動口1502、第二始動口1506)と、前記遊技領域に打ち込まれた遊技球が通過可能とされる通過口(特図ゲートA1900、特図ゲートB1910)と、前記始動口に遊技球が受け入れられることに基づいて、遊技の進行についての抽選処理(大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理)過程にかかる制御を行うとともに、該抽選処理過程にて大当たり(特別当たり)が当選されたときは、前記開閉装置による開閉動作が特定の回数だけ繰り返し実行されることを確約する連続遊技制御手段(大当たり遊技実行手段)とを備え、前記通過口として、少なくとも第1の通過口(特図ゲートA1900)及び第2の通過口(特図ゲートB1910)が設けられてなり、前記連続遊技制御手段は、前記開閉装置による開閉動作が特定の回数だけ繰り返し実行されることを確約した後、a)前記第1の通過口に遊技球を通過させることによって、前記特定の回数(4ラウンド)に少なくとも「X(4ラウンド)」の回数が加算されることにより前記開閉装置による開閉動作が繰り返される回数が増大されることを確定させる第1の特典遊技(8ラウンドの大当たり遊技)、及び、b)前記第2の通過口に遊技球を通過させることによって、前記特定の回数に「X」よりも数の大きい「Y(11ラウンド)」の回数が加算されるか、若しくは前記特定の回数に何らの回数も加算されない第2の特典遊技(4ラウンドの大当たり遊技または15ラウンドの大当たり遊技)、のいずれかの特典遊技が得られる遊技機会を遊技者に付与し、該遊技機会にて得られた遊技特典にて決定された回数分だけ前記開閉装置による開閉動作が繰り返し実行されるように構成することもできる。
上記構成では、大当たりが当選されたときにまずは最低ラインの遊技者特典を確約させる。そして、大当たりが当選された後には、確約されている遊技者特典の内容をランクアップさせることのできる遊技機会(チャンス)を遊技者に付与するとともに、該遊技機会の付与に際しては、2つのランクアップ手法の異なる特典遊技(第1の特典遊技、第2の特典遊技)を用意することとした。また、2つのランクアップ手法については、その一方が、他方よりもハイリスク・ハイリターン(最低ラインの遊技者特典を下回ることはない)とされるとともに、それらランクアップ手法のいずれが採用されるかについては、大当たりが当選された後に遊技者により新たに打ち出された遊技球の通過先(第1の通過口、第2の通過口)に応じて決定されるようにした。
すなわちこの場合、大当たりが当選された後に、遊技者が享受しうる利益そのものが増大変化しうるようになることはもとより、その増大変化の手法(ランクアップ手段)としても、2つのランクアップ手法のいずれかを決定させる遊技機会が遊技者に付与されることとなる。したがって、大当たりが当選された後の遊技性を、遊技者参加型のより積極的な遊技性として実現することができるようにある。
また、本遊技機は、遊技者により操作される操作ハンドル(操作ハンドル部461)と、前記操作ハンドルの操作によって遊技球が打ち出される遊技領域と、前記遊技領域に打ち出された遊技球に対して開閉動作しうる開閉装置(開閉部材1508)と、前記遊技領域に設けられる始動口(第一始動口1502、第二始動口1506)と、前記遊技領域に打ち込まれた遊技球が通過可能とされる通過口(特図ゲートA1900、特図ゲートB1910)と、前記始動口に遊技球が受け入れられることに基づいて、遊技の進行についての抽選処理(大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理)過程にかかる制御を行うとともに、該抽選処理過程のうちの大当たり抽選にて大当たり(特別当たり)が当選されたときは、前記開閉装置の開閉動作により当該開閉装置内への遊技球の受け入れが容易化される大当たり遊技の実行にかかる制御を行う遊技制御手段(大当たり遊技実行手段)と、前記遊技制御手段により大当たり遊技が行われた後、前記大当たり抽選(ステップS1314の当否判定処理)における大当たり(特別当たり)の当選確率を相対的に低く設定した低確遊技様態(低確率状態)から、この低確遊技様態よりも当選確率を高く設定した高確遊技様態(高確率状態)に変更しうる当選確率変更手段(確変機能の作動を管理するCPU2502の一機能)と、前記遊技制御手段による抽選処理過程の結果が所定の演出表示面(液晶表示装置640の演出表示面)にて示されうる表示制御を行う演出表示制御手段(CPU2614の一機能)とを備え、前記通過口として、前記操作ハンドルの操作によって遊技球を打ち分け可能な少なくとも第1の通過口(特図ゲートB1910)及び第2の通過口(特図ゲートA1900)が設けられてなり、前記遊技制御手段は、前記抽選処理過程にて大当たり(特別当たり)が当選された後、前記第1の通過口に遊技球を打ち分けて通過させることにより前記開閉装置の開閉動作が開始されて大当たり遊技が行われるようにする第1の遊技(特図ゲートB1910に遊技球を通過させるべくセンター役物1400よりも右側を狙って遊技球を発射させる遊技)を、前記第2の通過口に遊技球を打ち分けて通過させることにより前記開閉装置の開閉動作が開始されて大当たり遊技が行われるようにする第2の遊技(特図ゲートA1900に遊技球を通過させるべくセンター役物1400よりも左側を狙って遊技球を発射させる遊技)に対して、遊技者の持ち球の増減に関してのリスク性の高い遊技として実行しうる遊技第1制御手段(条件装置が作動し且つ未だ大当たり遊技の実行が開始されていない通常遊技状態に制御するCPU2502の一機能)、及び前記高確遊技様態にあるときの抽選処理過程において、前記大当たり抽選に先立って当該高確遊技様態の維持にかかる維持抽選(ステップS1309の確変機能の作動維持抽選)を行う遊技第2制御手段(確変機能の作動維持抽選を実行するCPU2502の一機能)を有しており、前記当選確率変更手段は、前記遊技第2制御手段による維持抽選に落選した場合には、前記高確遊技様態から前記低確遊技様態に変更するものであり、前記演出表示制御手段は、前記高確遊技様態において前記遊技第2制御手段による維持抽選が行われるときには、当該高確遊技様態が維持されたか否かを示すことなくこれが秘匿にされる演出状態に制御しうる遊技様態秘匿手段(遊技状態秘匿手段)、及び前記第1の通過口に遊技球が打ち分けられて前記遊技第1制御手段によりリスク性の高い前記第1の遊技が行われた後に制御された高確遊技様態においては、前記遊技様態秘匿手段による制御を規制して、前記遊技第2制御手段による維持抽選にて当該高確遊技様態が維持されたのかを演出表示によって強制開示しうる強制開示手段(遊技状態開示手段)を有するように構成することもできる。
上記構成では、抽選処理過程にて大当たりが当選された後、第1の遊技と第2の遊技とのうち、リスク性の高い遊技(第1の遊技)を行うか否かについての選択機会を遊技球の打ち分けによって遊技者に付与するにもかかわらず、リスク性の高い遊技が選択されたときには、遊技者の意思とは関係無しに、遊技様態秘匿手段による制御を規制して、上記遊技第2制御手段による維持抽選にて当該高確遊技様態が維持されたのかを演出表示によって強制開示しうるようにしている。
すなわちこの場合、遊技者は、秘匿演出が実行されなくなることとの兼ね合いから、リスクの異なる遊技選択を行うこととなり、遊技内容そのものには影響を及ぼさない遊技事象(演出)と遊技内容そのものに影響を及ぼす遊技事象(遊技)とが絡み合うこのような斬新な遊技性によって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、本遊技機は、始動入賞に基づいて大当たり抽選を行う大当たり抽選手段(大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理を行うCPU2502の一機能)と、前記大当たり抽選手段による大当たり抽選にて大当たりが当選されたとき、所定の開閉装置(開閉部材1508)が開閉動作することにより遊技者に賞球が払い出されうる大当たり遊技を行う大当たり遊技実行手段と、前記大当たり遊技実行手段により大当たり遊技が行われた後、前記大当たり抽選における大当たり(特別当たり)の当選確率を相対的に低く設定した低確遊技様態(低確率状態)から、この低確遊技様態よりも当選確率を高く設定した高確遊技様態(高確率状態)に変更しうる高確変更手段(確変機能の作動を管理するCPU2502の一機能)と、前記高確遊技様態にあるとき、前記大当たり抽選手段による大当たり抽選に先立って当該高確遊技様態の維持にかかる維持抽選(ステップS1309の確変機能の作動維持抽選)を行う維持抽選手段(確変機能の作動維持抽選を実行するCPU2502の一機能)と、前記維持抽選手段による維持抽選にて前記高確遊技様態が維持されない旨の結果が得られたとき、前記高確遊技様態から前記低確遊技様態に変更する低確変更手段(確変機能の作動維持抽選を実行するCPU2502の一機能)と、前記維持抽選手段による維持抽選が行われるとき、前記高確遊技様態が維持される旨の結果が得られたか否かを演出表示によって開示しうる演出開示手段(遊技状態開示手段)と、前記演出開示手段による遊技様態の開示を規制することで遊技様態が秘匿とされる秘匿演出状態にしうる遊技様態秘匿手段(遊技状態秘匿手段)と、前記遊技様態秘匿手段による秘匿演出状態を終了させて遊技様態が開示されうるようになる遊技機会(特図ゲートB1910に遊技球を通過させるべくセンター役物1400の右側を狙って遊技球を発射させる機会、すなわち条件装置が作動し且つ大当たり遊技の実行が未だ開示されていない期間)を遊技者に付与しつつも、この遊技機会が遊技者に利用されることによって秘匿演出状態が終了されて遊技様態が開示されたときには、同機会が遊技者に利用されなかったときよりも前記大当たり遊技にて遊技者に払い出されうる賞球の総数を減少させうる遊演改変制御手段(大当たり遊技におけるラウンド数が4ラウンドであると決定しうるラウンド数決定処理Bを実行するCPU2502の一機能)とを備えるように構成することもできる。
上記構成では、大当たり遊技実行手段により所定の開閉装置の開閉動作が開始されるのに先立って、遊技様態秘匿手段による秘匿演出状態を終了させて遊技様態が開示されうるようになる遊技機会を遊技者に付与するだけでなく、この遊技機会が遊技者に利用されることによって秘匿演出状態が終了されて遊技様態が開示されたときには、同機会が遊技者に利用されなかったときよりも上記大当たり遊技にて遊技者に払い出されうる賞球の総数を減少させうるようにした(遊演改変制御手段)。
すなわちこの場合、秘匿演出状態の継続、終了にかかる遊技機会の利用の有無に応じて、大当たり遊技における賞球数に影響が及ぼされることとなる。したがって、秘匿演出状態を終了させるか否かを単純に選択可能な純演出が提供されるだけの場合とは異なり、大当たり遊技における賞球数(遊技の進行そのもの)に悪影響が及ぼされる可能性との兼ね合いで上述の遊技機会を利用するか否かを決断せざるを得ない遊技性、すなわち演出と遊技とが絡み合う斬新な遊技性を実現させることができるようになる。
しかも、例えば、そろそろ遊技を止めようと思いつつ遊技をしているときなど、現在の遊技状況によっては特に、こうした遊技性をうまく利用することで、遊技興趣の低下を抑制することができるようにもなる。また、こうした秘匿演出状態についての遊技者による終了操作を可能としつつも、通常時(遊技を継続したい遊技状況)においては大当たり遊技における賞球数との兼ね合いで同終了操作を単純に行うわけにはいかないことから、現在の遊技状態を推測させながら遊技を進行させる遊技性についてもこれを好適に維持することができるようになる。
上述した実施形態では、パチンコ機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ機に限定されるものではなく、パチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。
上述した実施形態では、パチンコ機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ機に限定されるものではなく、パチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。
1…パチンコ機(パチンコ機)、2…外枠(外枠)、3…本体枠(本体枠)、4…遊技盤(遊技盤)、5…扉枠(扉枠)、10…上枠板、11…下枠板、…12…側枠板、13…側枠板、101…遊技窓、300…皿ユニット、330…操作ボタン、330a〜330c…押ボタン、381…貯留部、461…操作ハンドル部、500…本体枠主体、510…遊技盤設置凹部、540…第一側面壁、541…第二側面壁、542…第三側面壁、543…第四側面壁、546…軸支側後面壁、599…遊技パネル、599e…開口部、600…パネルホルダ、600a…保持段部、600b…貫通口、600j…取付孔、600k…位置決め孔、601…前構成部材、602…外レール、603…内レール、605…遊技領域、635…パネル裏板、623…盤用基板ホルダ、624…主制御基板ボックス、640…液晶表示装置、640a…固定片、640b…表示側支持部、720…賞球タンク、740…タンクレール部材、800…賞球ユニット、1000…錠装置、1350…主制御基板(制御基板)、1354…第一装飾制御基板、1358…第二装飾制御基板、1500…アタッカユニット、1502…第一始動口、1506…第二始動口、1510…大入賞口、1702…一般入賞口、1800…図柄表示装置、1802…第一特別図柄表示器、1804…第二特別図柄表示器、1806…普通図柄表示器、1808…第一特別図柄記憶数表示器、1810…第二特別図柄記憶数表示器、1812…普通図柄記憶数表示器、1814…ラウンド表示器、1816…状態表示器、2002…裏箱、2004…発光装飾体、2006…可動装飾体(遊技装置)、2010…収容空間、2012…開口部、2014…後壁、2100…装飾部材、2120…LED、2122…LED、2124…LED、2200…センター可動装飾体、2202…槌部、2300…サイド可動装飾体、2300L…左サイド可動装飾体、2300R…右サイド可動装飾体、2302…サイド装飾部材(可動部材)、2304…サイド移動機構(駆動機構)、2324…サイド用モータ(電気的駆動源)、2500…主基板、2514…扉枠開放スイッチ(扉枠開放スイッチ)、2600…周辺制御基板(制御基板)、2682…タイマ、T…扉絵柄。
Claims (1)
- 始動入賞に基づいて大当たり抽選を行う大当たり抽選手段と、
前記大当たり抽選手段による大当たり抽選にて大当たりが当選されたとき、所定の開閉装置が開閉動作することにより遊技者に賞球が払い出されうる大当たり遊技を行う大当たり遊技実行手段と、
前記大当たり遊技実行手段により大当たり遊技が行われた後、前記大当たり抽選における大当たりの当選確率を相対的に低く設定した低確遊技様態から、この低確遊技様態よりも当選確率を高く設定した高確遊技様態に変更しうる高確変更手段と、
前記高確遊技様態にあるとき、前記大当たり抽選手段による大当たり抽選に先立って当該高確遊技様態の維持にかかる維持抽選を行う維持抽選手段と、
前記維持抽選手段による維持抽選にて前記高確遊技様態が維持されない旨の結果が得られたとき、前記高確遊技様態から前記低確遊技様態に変更する低確変更手段と、
前記維持抽選手段による維持抽選が行われるとき、前記高確遊技様態が維持される旨の結果が得られたか否かを演出表示によって開示しうる演出開示手段と、
前記演出開示手段による遊技様態の開示を規制することで遊技様態が秘匿とされる秘匿演出状態にしうる遊技様態秘匿手段と、
前記遊技様態秘匿手段による秘匿演出状態を終了させて遊技様態が開示されうるようになる遊技機会を遊技者に付与しつつも、この遊技機会が遊技者に利用されることによって秘匿演出状態が終了されて遊技様態が開示されたときには、同機会が遊技者に利用されなかったときよりも前記大当たり遊技にて遊技者に払い出されうる賞球の総数を減少させうる遊演改変制御手段と
を備えることを特徴とする遊技機。
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