JP6766433B2 - 車両用表示制御装置、車両用表示システム、車両用表示制御方法およびプログラム - Google Patents

車両用表示制御装置、車両用表示システム、車両用表示制御方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、車両用表示制御装置、車両用表示システム、車両用表示制御方法およびプログラムに関する。
従来の光学式のルームミラーに代わって、後方カメラで車両の後方周辺領域を撮影しリヤビューモニタに表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−170127号公報
後方カメラは、ルームミラーに映される範囲より広い範囲を撮影することができる。ルームミラーに映される範囲より広い範囲をリヤビューモニタに表示させると、運転者がリヤビューモニタから得られる車両周辺の状況の情報の情報量は、ルームミラーから得られる情報量より増加する。ところが、車両の運転時、運転者が適切に認識することができる情報量は、限られている。このため、得られる情報量が多くなり過ぎると、運転者は、得られる情報を適切に認識することが困難になるおそれがあり、さらには認識に時間を要するため、リヤビューモニタを注視する時間が長くなってしまう。そこで、リヤビューモニタは、運転者が適切に認識することができる、適切な情報量を表示することが望まれる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、運転者にとって適切な情報量を表示することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車両用表示制御装置は、車両の後方を撮影する後方カメラからの撮影映像データを取得して、前記車両の後方映像を表示する表示装置に表示させる表示映像データを生成する、表示映像データ生成部と、前記表示映像データに対して、第一範囲と、前記第一範囲の両側のそれぞれに配置され、前記表示映像データの両側部に位置する第二範囲とを設定する範囲設定部と、前記範囲設定部で範囲が設定された前記第二範囲の映像データに対して、前記第一範囲から離間するにつれて運転者が得られる情報量が少なくなるように情報量低減処理を行う映像処理部と、前記第二範囲に対して前記情報量低減処理を行った前記表示映像データを、前記表示装置に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る車両用表示システムは、上記の車両用表示制御装置と、少なくとも前記第一範囲および前記第二範囲を表示可能な表示幅を備える前記リヤビューモニタ、前記後方カメラのうち少なくともいずれかとを備えることを特徴とする。
本発明に係る車両用表示制御方法は、車両の後方を撮影する後方カメラからの撮影映像データを取得して、前記車両の後方映像を表示する表示装置に表示させる表示映像データを生成する、表示映像データ生成ステップと、前記表示映像データの第一範囲の両側のそれぞれに配置され、前記表示映像データの両側部に位置する第二範囲の映像データに対して、第一範囲から離間するにつれて運転者が得られる情報量が少なくなるように情報量低減処理を行う映像処理ステップと、前記第二範囲に対して前記情報量低減処理を行った前記表示映像データを、前記表示装置に表示させる表示制御ステップとを含む。
本発明に係るプログラムは、車両の後方を撮影する後方カメラからの撮影映像データを取得して、前記車両の後方映像を表示する表示装置に表示させる表示映像データを生成する、表示映像データ生成ステップと、前記表示映像データの第一範囲の両側のそれぞれに配置され、前記表示映像データの両側部に位置する第二範囲の映像データに対して、第一範囲から離間するにつれて運転者が得られる情報量が少なくなるように情報量低減処理を行う映像処理ステップと、前記第二範囲に対して前記情報量低減処理を行った前記表示映像データを、前記表示装置に表示させる表示制御ステップとを車両用表示制御装置として動作するコンピュータに実行させる。
本発明によれば、運転者にとって適切な情報量を表示することができるという効果を奏する。
図1は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例を示す概略図である。 図2は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例を示すブロック図である。 図3は、第一実施形態に係る車両用表示システムの後方カメラで撮影された映像データの一例を示す図である。 図4は、第一実施形態に係る車両用表示システムの後方カメラで撮影された映像データとリヤビューモニタに表示される映像の一例を示す図である。 図5は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタと従来の光学式のルームミラーとを比較して説明する概略図である。 図6は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例の他の例を示す概略図である。 図7は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の一例を示す図である。 図8は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の第一範囲と第二範囲とを説明する図である。 図9は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の他の例を示す図である。 図10は、第一実施形態に係る車両用表示システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図11は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の他の例を示す図である。 図12は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の他の例を示す図である。 図13は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける第二範囲割合テーブルの一例を示す図である。 図14は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける低減度合テーブルの一例を示す図である。 図15は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける低減度合テーブルの一例を示す図である。 図16は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける低減度合テーブルの一例を示す図である。 図17は、第二実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の一例を示す図である。 図18は、第二実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の他の例を示す図である。 図19は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る車両用表示制御装置10、車両用表示システム1、車両用表示制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
[第一実施形態]
車両用表示システム1は、車両に搭載され、車両後方を撮影した映像を表示する。図1は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例を示す概略図である。図2は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例を示すブロック図である。車両後方には、進行方向の後方と、車幅方向の側後方とを含む。本実施形態では、後方について説明するが、側後方にも適用可能である。
図1、図2に示すように、車両用表示システム1は、後方カメラ2と、リヤビューモニタ3と、認識辞書記憶部4と、車両用表示制御装置10とを有する。
後方カメラ2は、車両の後方に配置され、車両の後方を撮影する。図3は、第一実施形態に係る車両用表示システムの後方カメラで撮影された映像データの一例を示す図である。図4は、第一実施形態に係る車両用表示システムの後方カメラで撮影された映像データとリヤビューモニタに表示される映像の一例を示す図である。図3、図4に示すように、後方カメラ2は、リヤビューモニタ3による確認範囲を含んだ範囲を撮影する。言い換えると、後方カメラ2は、リヤビューモニタ3に表示されない範囲を含んで撮影している。後方カメラ2は、水平方向の画角が例えば90〜180°、上下方向の画角が例えば45〜90°である。このように、後方カメラ2は、リヤビューモニタ3に表示させる範囲より広い範囲の映像を撮影可能である。そこで、後方カメラ2で撮影された映像は、車両用表示制御装置10の制御部30の切出部33で、リヤビューモニタ3を用いて車両の運転者が適切に後方を認識できるような範囲が切出され、リヤビューモニタ3に表示される。後方カメラ2は、撮影した撮影映像データ100を車両用表示制御装置10の制御部30の映像データ取得部32へ出力する。
リヤビューモニタ3は、一例としては電子ルームミラーである。リヤビューモニタ3を電子ルームミラーとして用いる場合、後方を光学的な反射により確認するためのハーフミラーの有無は問わない。リヤビューモニタ3は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro−Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。
図5を用いて、リヤビューモニタ3と従来の光学式のルームミラーRとを比較して説明する。図5は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタと従来の光学式のルームミラーとを比較して説明する概略図である。リヤビューモニタ3は、従来の光学式のルームミラーRに比べて車幅方向の幅が広い。本実施形態においては、例えば車幅方向の幅が400mm、高さ方向の幅が50mmである。これに対して、従来の光学式のルームミラーRは、例えば車幅方向の幅が200mm、高さ方向の幅が50mmである。
リヤビューモニタ3は、運転者から視認容易な位置に配置されている。本実施形態では、リヤビューモニタ3は、図1に示すように、ウィンドシールドSの車幅方向の中央上部に配置されている。リヤビューモニタ3は、図6に示すように、ダッシュボードDの車幅方向の中央上部に配置されていてもよい。図6は、第一実施形態に係る車両用表示システムの構成例の他の例を示す概略図である。
リヤビューモニタ3は、車両用表示制御装置10の制御部30の表示制御部40から出力された映像信号に基づき、車両の後方映像を表示する。具体的に、リヤビューモニタ3は、図7に示すような後方映像を表示する。図7は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の一例を示す図である。図7に示す撮影映像データ100には、後続車両と道路と街路樹とを含む被撮影物が映されている。
図2に戻って、認識辞書記憶部4は、例えば、四輪車、二輪車、人を含む物体の形状、大きさ、色などのパターンを照合可能な辞書を記憶している。認識辞書記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。
車両用表示制御装置10は、記憶部20と、制御部30とを有する。
記憶部20は、車両用表示制御装置10における各種処理に要するデータおよび各種処理結果を記憶する。記憶部20は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記憶装置であってもよい。
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御部30は、表示映像データ生成部31と、情報取得部34と、範囲設定部35と、映像処理部36と、表示制御部40とを含む。制御部30は、記憶部20に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。
表示映像データ生成部31は、後方カメラ2からの撮影映像データ100を取得し、リヤビューモニタ3に表示させる表示映像データ110を生成する。表示映像データ生成部31は、映像データ取得部32と、切出部33とを含む。
映像データ取得部32は、車両の後方を撮影した映像を取得する。映像データ取得部32が取得する撮影映像データ100は、例えば、毎秒60フレームの画像が連続した映像のデータである。本実施形態では、映像データ取得部32は、後方カメラ2が出力した撮影映像データ100を取得する。映像データ取得部32は、取得した撮影映像データ100を切出部33に出力する。
切出部33は、撮影映像データ100から、リヤビューモニタ3に表示させる範囲を切出す。撮影映像データ100のどの範囲をリヤビューモニタ3に表示させる範囲として切出すかは、あらかじめ記憶部20に記憶されている。本実施形態では、切出部33は、図4において破線で囲んで示した、撮影映像データ100の中央部を表示映像データ110として切出す。切出部33は、切出した表示映像データ110を範囲設定部35に出力する。
情報取得部34は、ECU(Electronic Control Unit)またはCAN(Control Area Network)から、車速を判定するための車速情報を取得する。具体的には、情報取得部34は、車速信号を取得する。情報取得部34は、取得した情報を映像処理部36に出力する。
範囲設定部35は、表示映像データ110に対して、第一範囲110Aと、第一範囲110Aの両側のそれぞれに配置され、表示映像データ110の両側部に位置する第二範囲110Bとを設定する。本実施形態では、図8に示すように、第一範囲110Aは、表示映像データ110の中心線Lを中心軸線とした範囲として設定する。図8は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の第一範囲と第二範囲とを説明する図である。本実施形態では、第一範囲110Aは、車幅方向の幅が200mmである。第二範囲110Bは、車幅方向の幅が100mmである。第一範囲110Aは、従来の光学式のルームミラーRを運転者が正視したときに視認できる範囲である。第二範囲110Bは、従来の光学式のルームミラーRを運転者が正視したときには視認できず、視点をずらしたり、角度を調節したりしたときに視認できる範囲とその外側の範囲とを含む。範囲設定部35は、第一範囲110Aおよび第二範囲110Bを設定した表示映像データ110を映像処理部36に出力する。
映像処理部36は、表示映像データ110の第二範囲110Bに対して、第一範囲110Aから離間するにつれて、言い換えると、車幅方向内側から外側に向かうにつれて情報量を低減させた表示映像データ120を生成し表示制御部40に出力する情報量低減処理を行う。表示映像データ120は、情報量が低減されていない第一範囲120Aと、情報量が低減された第二範囲120Bとを含む。
情報量とは、運転者がリヤビューモニタ3に表示された映像から得られる車両周辺の状況の情報の量である。情報量は、リヤビューモニタ3に表示された映像の表示面積が大きいほど多くなる。情報量は、リヤビューモニタ3に表示された被撮影物が多いほど多くなる。情報量は、リヤビューモニタ3に表示された映像に含まれる色が多いほど多くなる。情報量は、リヤビューモニタ3に表示された映像の輝度が高いほど多くなる。
車両の運転時に運転者が適切に認識することができる情報量が限られていること、および、車速が高速になるほど、運転者が適切に認識できる情報量が少なくなり、認識範囲も狭くなることが知られている。また、車速が高速になるほど、リヤビューモニタ3の目視する時間は短くなる。より詳しくは、車速が高速になるほど、運転者が適切に後方を認識できる範囲は、従来の光学式のルームミラーRで視認できる範囲、言い換えると、表示映像データ110における第一範囲110Aが最適である。言い換えると、車速が遅い場合は、従来の光学式のルームミラーRで視認できる情報量より情報量が増えても適切に認識可能である。
そこで、映像処理部36は、車速が所定速度以上である場合、運転者が必要とし、認識可能な情報に絞るように、第一範囲110Aから離間するにつれて第二範囲110Bの情報量を低減させた表示映像データ120を生成する。より詳しくは、映像処理部36は、情報取得部34で取得された車速が所定速度以上である場合、例えば、図9に示すような、表示映像データ110の第二範囲110Bに対して、第一範囲110Aから離間するにつれて情報量を低減させた表示映像データ120を生成し表示制御部40に出力する情報量低減処理を行う。図9は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の他の例を示す図である。表示映像データ120は、第二範囲120Bから運転者が被撮影物の有無を認識可能な範囲で、情報量が低減されている。
映像処理部36は、車速が所定速度未満である場合、表示映像データ110を表示制御部40に出力する。映像処理部36は、低減処理部37と、特徴点抽出部38と、物体認識部39とを有する。
低減処理部37は、情報量低減処理として、例えば、第一範囲110Aから離間するにつれて第二範囲110Bの色情報を低減させる色情報低減処理と、第一範囲110Aから離間するにつれて第二範囲110Bの輝度を低減させる輝度低減処理を行う。
色情報低減処理は、表示映像データ110の第二範囲110Bに対して、第一範囲110Aから離間するにつれて色情報を低減させた表示映像データ120を生成して表示制御部40に出力する処理である。例えば、色情報低減処理は、表示映像データ110の第二範囲110BのRGBごとの彩度を第一範囲110Aから離間するにつれて所定率で低減させた表示映像データ120を生成して表示制御部40に出力する。または、例えば、色情報低減処理は、表示映像データ110の第二範囲110Bの彩度を第一範囲110Aから離間するにつれて所定率で、低い単色または白黒にした表示映像データ120を生成して表示制御部40に出力してもよい。
輝度低減処理は、表示映像データ110の第二範囲110Bに対して、第一範囲110Aから離間するにつれて輝度を低減させた表示映像データ120を生成して表示制御部40に出力する処理である。例えば、輝度低減処理は、表示映像データ110の第二範囲110Bの画素ごとの明度を第一範囲110Aから離間するにつれて所定率で低減させた表示映像データ120を生成して表示制御部40に出力する。または、例えば、輝度低減処理は、表示映像データ120を生成する代わりに、第一範囲110Aに該当するリヤビューモニタ3のバックライトを通常の輝度とし、第二範囲110Bに該当するリヤビューモニタ3のバックライトを通常の輝度より第一範囲110Aから離間するにつれて所定率で低減させる制御信号を生成して表示映像データ110とともに表示制御部40に出力してもよい。
特徴点抽出部38は、情報量低減処理として、情報量を低減させた表示映像データ120に、第二範囲120Bの被撮影物の特徴点を重畳した表示映像データ130を生成し表示制御部40に出力する処理を行う。特徴点抽出部38は、エッジ検出処理など公知の特徴点抽出手法を用いて、例えば、表示映像データ110の第二範囲110Bから被撮影物の輪郭を特徴点として抽出する。そして、特徴点抽出部38は、図11に示すように、情報量を低減させた表示映像データ120に、抽出した被撮影物の輪郭を表す破線Dを重畳した表示映像データ130を生成する。図11は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の他の例を示す図である。表示映像データ130は、被撮影物の特徴点が詳細に抽出されると、表示映像データ110との情報量の差異が小さくなり、被撮影物の認識に時間を要するおそれがある。一方、表示映像データ130は、被撮影物の特徴点が粗く抽出されると、表示映像データ110との情報量の差異が大きくなり、被撮影物を正しく認識できないおそれがある。このため、特徴点抽出部38は、適切に特徴点が抽出されるようにしきい値が設定されている。より詳しくは、しきい値は、物体の外形を認識可能な必要最小限の輪郭を抽出可能な値とする。特徴点抽出部38は、生成した表示映像データ130を物体認識部39に出力する。
物体認識部39は、情報量低減処理として、情報量を低減させた表示映像データ120に、第二範囲120Bの物体にアイコン(車両を示す表示)Mを重畳した表示映像データ140を生成し表示制御部40に出力する処理を行う。実施形態では、物体認識部39は、物体として車両を認識する。本実施形態では、アイコンMは、円環である。アイコンMは、車両の図など他の形状であってもよい。より詳しくは、物体認識部39は、表示映像データ120の第二範囲120Bに対して、認識辞書記憶部4が記憶している認識辞書を用いたパターンマッチングを行い、物体の存在を検出する。そして、物体認識部39は、図12に示すように、情報量を低減させた表示映像データ120に、検出された物体にアイコンMを重畳した表示映像データ140を生成し表示制御部40に出力する。図12は、第一実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の他の例を示す図である。物体認識部39は、情報量が低減された表示映像データ120に対してパターンマッチングを行うので、処理に要する負荷と時間とを削減することができる。
情報量低減処理は、色情報低減処理と輝度低減処理の少なくともどちらかと、特徴点抽出部38による処理と物体認識部39による処理の少なくともどちらかを適宜組み合わせて行う。
表示制御部40は、映像処理部36から出力された表示映像データ110または表示映像データ120または表示映像データ130または表示映像データ140をリヤビューモニタ3に表示させる。
次に、図10を用いて、制御部30による処理の流れについて説明する。図10は、第一実施形態に係る車両用表示システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
制御部30は、映像データ取得部32で、撮影映像データ100を取得させる(ステップS11)。
制御部30は、切出部33で、切出し処理を行わせる(ステップS12)。より詳しくは、制御部30は、切出部33で、撮影映像データ100から、リヤビューモニタ3に表示させる範囲を表示映像データ110として切出させる。
制御部30は、映像処理部36で、車速が所定速度以上であるか否かを判定する(ステップS13)。より詳しくは、制御部30は、映像処理部36で、情報取得部34が取得した情報に基づいて、車速が所定速度以上であるか否かを判定する。本実施形態では、所定速度は、例えば20km/hとする。
制御部30は、映像処理部36で、車速が所定速度以上ではないと判定した場合(ステップS13でNo)、ステップS15に進む。制御部30は、映像処理部36で、表示映像データ110を表示制御部40に出力させる。
制御部30は、映像処理部36で、車速が所定速度以上であると判定した場合(ステップS13でYes)、ステップS14に進む。
制御部30は、映像処理部36で、表示映像データ110の第二範囲110Bの情報量低減処理を行わせる(ステップS14)。より詳しくは、制御部30は、低減処理部37で、表示映像データ110の第一範囲110Aから離間するにつれて第二範囲110Bの情報量を低減させた表示映像データ120を生成し表示制御部40に出力する情報量低減処理を行う。さらに、制御部30は、特徴点抽出部38で、情報量を低減させた表示映像データ120に、被撮影物の特徴点を重畳した表示映像データ130を生成させ表示制御部40に出力させてもよい。さらにまた、制御部30は、情報量を低減させた表示映像データ120に、物体にアイコンMを重畳した表示映像データ140を生成させ表示制御部40に出力させてもよい。
制御部30は、表示制御部40で、表示映像データ110または表示映像データ120または表示映像データ130または表示映像データ140をリヤビューモニタ3に表示させる(ステップS15)。
具体的には、車速が所定速度未満である場合、制御部30は、表示制御部40で、図7に示すような表示映像データ110をリヤビューモニタ3に表示させる。車速が所定速度未満である場合、運転者は、従来の光学式のルームミラーRより広い範囲から情報を得られる。
具体的には、車速が所定速度以上である場合、制御部30は、表示制御部40で、図9に示すような、第二範囲120Bの情報量が低減された表示映像データ120をリヤビューモニタ3に表示させる。
または、具体的には、車速が所定速度以上である場合、制御部30は、表示制御部40で、図11に示すような、第一範囲130Aは情報量が低減されず、第二範囲130Bは情報量が低減され、特徴点が重畳された表示映像データ130をリヤビューモニタ3に表示させてもよい。
または、具体的には、車速が所定速度以上である場合、制御部30は、表示制御部40で、図12に示すような、第一範囲140Aは情報量が低減されず、第二範囲140Bは情報量が低減され、物体にアイコンMが重畳して表示された表示映像データ140をリヤビューモニタ3に表示させてもよい。
制御部30は、このような処理を、例えば毎フレームごと、または、所定フレームごとのような所定間隔で繰り返す。
上述したように、本実施形態によれば、車速が所定速度以上である場合、リヤビューモニタ3には、第二範囲120Bまたは第二範囲130Bまたは第二範囲140Bは第一範囲110Aから離間するにつれて情報量が低減された表示映像データ120または表示映像データ130または表示映像データ140が表示される。このため、車速が所定速度以上である場合であっても、リヤビューモニタ3には、運転者が容易に認識できる情報量に低減された表示映像データ120または表示映像データ130または表示映像データ140が適切に表示される。このように、本実施形態によれば、車両周辺の確認を適切に行うことができる。
本実施形態によれば、車速が所定速度以上である場合、表示映像データ110の第二範囲110Bに対して情報量低減処理を行う。言い換えると、本実施形態によれば、従来の光学式のルームミラーRを運転者が正視したときに視認できる第一範囲110Aは、車速によらず、情報量が削減されていない。このため、本実施形態は、従来の光学式のルームミラーRといつでも同様に後方を確認することができる。
本実施形態によれば、車速が所定未満である場合、情報量低減処理が行われない。このため、リヤビューモニタ3には、車速が所定未満である場合、従来の光学式のルームミラーRを運転者が正視したときに視認できる第一範囲110Aより外側に広い第二範囲110Bも情報量が低減されずにそのまま表示される。このように、本実施形態によれば、車速が所定未満である場合、後方を従来の光学式のルームミラーRより広範囲に表示することができる。このため、本実施形態によれば、車両周辺の確認を適切に行うことができる。
本実施形態によれば、車速が所定速度以上である場合、情報量が低減された表示映像データ120に特徴点が破線Dで描画された表示映像データ130をリヤビューモニタ3に表示させる。リヤビューモニタ3には、第二範囲130Bは情報量が低減され物体の特徴点を示す破線Dを重畳した表示映像データ130が表示される。このため、本実施形態は、情報量を低減させた第二範囲130Bの物体を認識しやすく表示することができる。これにより、本実施形態は、色情報または輝度を低減させたとしても、被撮影物を認識させ易くすることができる。このように、本実施形態によれば、車両周辺の確認を適切に行うことができる。
本実施形態によれば、車速が所定速度以上である場合、情報量が低減された表示映像データ120にアイコンMが重畳表示された表示映像データ140をリヤビューモニタ3に表示させる。リヤビューモニタ3には、第二範囲140Bは情報量が低減されアイコンMが重畳された表示映像データ140が表示される。このため、本実施形態は、情報量を低減させた第二範囲140Bの物体を認識しやすく表示することができる。これにより、本実施形態は、色情報または輝度を低減させたとしても、被撮影物を認識させ易くすることができる。このように、本実施形態によれば、車両周辺の確認を適切に行うことができる。
[第二実施形態]
図13ないし図19を参照しながら、本実施形態に係る車両用表示システムについて説明する。図13は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける第二範囲割合テーブルの一例を示す図である。図14は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける低減度合テーブルの一例を示す図である。図15は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける低減度合テーブルの一例を示す図である。図16は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける低減度合テーブルの一例を示す図である。図17は、第二実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の一例を示す図である。図18は、第二実施形態に係る車両用表示システムのリヤビューモニタに表示される映像の他の例を示す図である。図19は、第二実施形態に係る車両用表示システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態の車両用表示システムは、制御部30における処理が第一実施形態の車両用表示システム1と異なる。その他の構成は、第一実施形態の車両用表示システム1と同様である。以下の説明においては、車両用表示システム1と同様の構成要素は、その詳細な説明は省略する。
範囲設定部35は、車速に応じて、表示映像データ110の第一範囲110Aと第二範囲110Bとを設定する。範囲設定部35は、情報取得部34が取得した車速情報に基づき、車速が低いほど第一範囲110Aを広く設定する。より詳しくは、範囲設定部35は、あらかじめ記憶部20に記憶した、第二範囲割合テーブルに基づいて、第二範囲110Bの割合を設定する。
第二範囲割合テーブルは、車速と第二範囲110Bの割合との関係を示す。本実施形態では、第二範囲110Bの割合は、表示映像データ110の第二範囲110Bの車幅方向の幅が0mmの場合を0%、車幅方向の幅が100mmの場合を100%とする。第二範囲110Bが小さくなるにつれて、第一範囲110Aは、車幅方向の外側に広がる。より詳しくは、第二範囲110Bの割合が0%の場合、第一範囲110Aは、車幅方向の幅が400mmとなる。第二範囲110Bの割合が100%の場合、第一範囲110Aは、車幅方向の幅が200mmとなる。
図13を用いて、第二範囲割合テーブルの一例を説明する。図13に示す第二範囲割合テーブルには、例1と例2との2パターンの車速と第二範囲110Bの割合との関係が定義されている。より詳しくは、例1のパターンでは、車速が0km/hと30km/hとの間は、第二範囲110Bの割合が0%と100%との間で線形に変化し、車速が30km/h以上では、第二範囲110Bの割合が100%で一定となる。例2のパターンでは、車速が10km/hと40km/hとの間は、第二範囲110Bの割合が0%と100%との間で線形に変化し、車速が40km/h以上では、第二範囲110Bの割合が100%で一定となる。
第二範囲割合テーブルは、車速と第二範囲110Bの割合とが階段状に変化してもよい。または、第二範囲割合テーブルは、車速と第二範囲110Bの割合とが非線形に変化してもよい。
範囲設定部35は、例えば、車両の走行状況や運転者の特性などに応じて、図13に示す第二範囲割合テーブルの例1のパターンまたは例2のパターンを選択し、選択したパターンの車速と第二範囲110Bの割合との関係に基づいて、車速に応じて、第一範囲110Aと第二範囲110Bとを設定する。
範囲設定部35は、減速時と加速時とで、第二範囲110Bの割合の変化を変えてもよい。例えば、範囲設定部35は、減速時は、図13に示す第二範囲割合テーブルの例1のパターンを選択し、加速時は、図13に示す第二範囲割合テーブルの例2のパターンを選択し、車速に応じて、第一範囲110Aと第二範囲110Bとを設定するものとしてもよい。
映像処理部36は、情報取得部34が取得した車速情報に基づき、車速が速いほど、表示映像データ110の第一範囲110Aから離間するにつれて第二範囲110Bの情報量が少なくなる低減度合が大きくなるように情報量低減処理を行う。
低減処理部37は、車速に応じた低減度合で、表示映像データ110の第二範囲110Bに対して、第一範囲110Aから離間するにつれて情報量を低減させた表示映像データ120を生成して表示制御部40に出力する。より詳しくは、低減処理部37は、あらかじめ記憶部20に記憶した、例えば図14ないし図16に示す低減度合テーブルに基づいて、第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を設定する。
低減度合テーブルは、車速ごとの、第二範囲110Bにおける車幅方向の位置と第二範囲110Bの情報量との関係(第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合)が示されている。第二範囲110Bの情報量は、本実施形態では、情報量を低減しない場合を100%、情報量をゼロで非表示とした場合を0%とする。
図14を用いて、低減度合テーブルの一例を説明する。図14に示す低減度合テーブルには、車速が0km/hと20km/hと40km/hとにおける、第二範囲110Bの車幅方向(幅方向)の位置と第二範囲110Bの情報量との関係が定義されている。より詳しくは、車速が0km/hのパターンでは、第二範囲110Bの情報量が第二範囲110Bの車幅方向の位置に関わらず100%で一定となる。車速が20km/hのパターンでは、第二範囲110Bの外側から内側に向かうにつれて、情報量が50%と100%との間で線形に変化する。車速が40km/hのパターンでは、第二範囲110Bの外側から内側に向かうにつれて、情報量が0%と100%との間で線形に変化する。
図15を用いて、低減度合テーブルの一例を説明する。図15に示す低減度合テーブルには、車速が0km/hと20km/hと40km/hとにおける、第二範囲110Bの車幅方向(幅方向)の位置と第二範囲110Bの情報量との関係が定義されている。より詳しくは、車速が0km/hのパターンでは、第二範囲110Bの車幅方向の外側から内側に向かうにつれて、情報量が80%と100%との間で線形に変化する。車速が20km/hのパターンでは、第二範囲110Bの車幅方向の外側から内側に向かうにつれて、情報量が40%と100%との間で線形に変化する。車速が40km/hのパターンでは、第二範囲110Bの車幅方向の外側から内側に向かうにつれて、情報量が0%と100%との間で線形に変化する。
図16を用いて、低減度合テーブルの一例を説明する。図16に示す低減度合テーブルには、車速が0km/hと20km/hと40km/hとにおける、第二範囲110Bの車幅方向(幅方向)の位置と第二範囲110Bの情報量との関係が定義されている。より詳しくは、車速が0km/hのパターンでは、第二範囲110Bの情報量が第二範囲110Bの車幅方向の位置に関わらず100%で一定となる。車速が20km/hのパターンでは、第二範囲110Bの車幅方向の外側から内側に向かうにつれて、情報量が50%と100%との間で非線形に変化する。車速が40km/hのパターンでは、第二範囲110Bの車幅方向の外側から内側に向かうにつれて、情報量が0%と100%との間で非線形に変化する。
低減度合テーブルは、第二範囲110Bにおける車幅方向の位置と第二範囲110Bの情報量とが階段状に変化してもよい。または、低減度合テーブルは、第二範囲110Bにおける車幅方向の位置と第二範囲110Bの情報量とが非線形に変化してもよい。
低減処理部37は、例えば、車両の走行状況や運転者の特性などに応じて、図14ないし図16に示す低減度合テーブルを選択し、選択したテーブルに基づいて、車速に応じて、第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を設定する。
低減処理部37は、減速時と加速時とで、第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を変えてもよい。例えば、低減処理部37は、減速時は、図14に示す低減度合テーブルを選択し、加速時は、図15に示す低減度合テーブルを選択し、車速に応じて、第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を設定するものとしてもよい。
具体的に、低減処理部37において、車速に応じて、第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を設定する際に、図14に示す低減度合テーブルを使用する場合について説明する。
例えば、車速が0km/hの場合、低減処理部37は、第二範囲110Bの情報量を100%とする。この場合、図7に示すように、表示映像データ110は、第二範囲110Bの情報量が低減されない。
例えば、車速が20km/hの場合、低減処理部37は、第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を、第一範囲110Aから離間するにつれて100%から50%に低減させる。この場合、図17に示すように、表示映像データ200は、第二範囲200Bの情報量が第一範囲110Aから離間するにつれて、情報量が100%から50%に低減されている。
例えば、車速が40km/hの場合、低減処理部37は、第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を、第一範囲110Aから離間するにつれて100%から0%に低減させる。この場合、図18に示すように、表示映像データ210は、第二範囲210Bの情報量が第一範囲110Aから離間するにつれて、100%から0%低減されている。表示映像データ210は、表示映像データ200の第二範囲200Bよりも第二範囲210Bの情報量の車幅方向に対する低減度合が大きい。
図19を用いて、制御部30による処理の流れについて説明する。
制御部30は、映像データ取得部32で、撮影映像データ100を取得させる(ステップS21)。ステップS21は、ステップS11と同様の処理を行う。
制御部30は、切出部33で、切出し処理を行わせる(ステップS22)。ステップS22は、ステップS12と同様の処理を行う。
制御部30は、範囲設定部35で、車速に応じて表示映像データ110の第一範囲110Aと第二範囲110Bとを設定させる(ステップS23)。より詳しくは、制御部30は、範囲設定部35で、第二範囲割合テーブルと情報取得部34が取得した情報とに基づいて、車速に対応する第二範囲110Bの割合を取得させる。そして、制御部30は、範囲設定部35で、表示映像データ110の第二範囲110Bを取得した第二範囲110Bの割合に設定させる。
具体的には、図13に示す第二範囲割合テーブルの例1のパターンを使用し、車速が0km/hの場合、範囲設定部35で、表示映像データ110の第二範囲110Bの割合が0%と設定される。
具体的には、図13に示す第二範囲割合テーブルの例1のパターンを使用し、車速が20km/hの場合、範囲設定部35で、表示映像データ110の第二範囲110Bの割合が60%と設定される。
具体的には、図13に示す第二範囲割合テーブルの例1のパターンを使用し、車速が40km/hの場合、範囲設定部35で、表示映像データ110の第二範囲110Bの割合が100%に設定される。
制御部30は、映像処理部36で、車速が高速であるか否かを判定させる(ステップS24)。本実施形態において、高速とは、例えば、30km/h以上である。
制御部30は、映像処理部36で、車速が高速であると判定した場合(ステップS24でYes)、ステップS25に進む。
制御部30は、映像処理部36で、車速が高速ではないと判定した場合(ステップS24でNo)、ステップS26に進む。
制御部30は、映像処理部36で、高速時の、表示映像データ110の第二範囲110Bの情報量低減処理を行わせる(ステップS25)。より詳しくは、制御部30は、低減処理部37で、記憶部20に記憶された第二範囲110Bにおける車幅方向の位置と第二範囲110Bの情報量との関係に基づいて、高速の場合の第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を設定させる。そして、制御部30は、低減処理部37で、表示映像データ110の第二範囲110Bの情報量を第一範囲110Aから離間するにつれて設定した値に基づき低減させた表示映像データを生成し表示制御部40に出力する情報量低減処理を行う。さらに、制御部30は、特徴点抽出部38で、表示映像データ110の第二範囲110Bの特徴点を重畳させた表示映像データを生成させ表示制御部40に出力させてもよい。さらにまた、制御部30は、物体認識部39で認識した映像データの第二範囲に存在する物体にアイコンMを重畳して表示映像データを生成させ表示制御部40に出力させてもよい。
制御部30は、映像処理部36で、車速が中速であるか否かを判定させる(ステップS26)。本実施形態において、中速とは、例えば、20km/h以上30km/h未満である。
制御部30は、映像処理部36で、車速が中速であると判定した場合(ステップS26でYes)、ステップS27に進む。
制御部30は、映像処理部36で、車速が中速ではないと判定した場合(ステップS26でNo)、ステップS28に進む。
制御部30は、低減処理部37で、中速時の、表示映像データ110の第二範囲110Bの情報量低減処理を行わせる(ステップS27)。より詳しくは、制御部30は、低減処理部37で、記憶部20に記憶された第二範囲110Bにおける車幅方向の位置と第二範囲110Bの情報量との関係に基づいて、中速の場合の第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を設定させる。そして、制御部30は、低減処理部37で、表示映像データ110の第二範囲110Bの情報量を第一範囲110Aから離間するにつれて設定した値に基づき低減させた表示映像データを生成し表示制御部40に出力する情報量低減処理を行う。さらに、制御部30は、特徴点抽出部38で、表示映像データ110の第二範囲110Bの特徴点を重畳させた表示映像データを生成させ表示制御部40に出力させてもよい。さらにまた、制御部30は、物体認識部39で認識した映像データの第二範囲に存在する物体にアイコンMを重畳して表示映像データを生成させ表示制御部40に出力させてもよい。
制御部30は、低減処理部37で、低速時の、表示映像データ110の第二範囲110Bの情報量低減処理を行わせる(ステップS28)。より詳しくは、制御部30は、低減処理部37で、記憶部20に記憶された第二範囲110Bにおける車幅方向の位置と第二範囲110Bの情報量との関係に基づいて、低速の場合の第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を設定させる。そして、制御部30は、低減処理部37で、表示映像データ110の第二範囲110Bの情報量を第一範囲110Aから離間するにつれて設定した値に基づき低減させた表示映像データを生成し表示制御部40に出力する情報量低減処理を行う。さらに、制御部30は、特徴点抽出部38で、表示映像データ110の第二範囲110Bの特徴点を重畳させた表示映像データを生成させ表示制御部40に出力させてもよい。さらにまた、制御部30は、物体認識部39で認識した映像データの第二範囲に存在する物体にアイコンMを重畳して表示映像データを生成させ表示制御部40に出力させてもよい。
制御部30は、表示制御部40で、表示映像データをリヤビューモニタ3に表示させる(ステップS29)。ステップS29は、ステップS15と同様の処理を行う。
上述したように、本実施形態は、車速に応じて、表示映像データ110の第二範囲110Bの情報量の車幅方向に対する低減度合を変化させ、車速が速いほど、第一範囲110Aから離間するにつれて第二範囲110Bの情報量が少なくなる低減度合が大きくなるようにする。このため、本実施形態によれば、リヤビューモニタ3には、車速に応じて、運転者が容易に認識できる情報量の表示映像データを適切に表示することができる。言い換えると、本実施形態は、車速に応じて、運転者が認識し判断するのに、適切な情報量を運転者に提供することができる。このようにして、本実施形態によれば、運転者が得られる情報量が多くなり過ぎることを抑制するので、運転者の負担を軽減することができる。本実施形態によれば、運転者は、車両周辺の確認を適切に行うことができる。
図示した車両用表示システム1の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
車両用表示システム1の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
1 車両用表示システム
10 車両用表示制御装置
30 制御部
31 表示映像データ生成部
32 映像データ取得部
33 切出部
34 情報取得部
35 範囲設定部
36 映像処理部
37 低減処理部
40 表示制御部
2 後方カメラ
3 リヤビューモニタ(表示装置)
100 撮影映像データ
110 表示映像データ
110A 第一範囲
110B 第二範囲

Claims (10)

  1. 車両の後方を撮影する後方カメラからの撮影映像データを取得して、前記車両の後方映像を表示する表示装置に表示させる表示映像データを生成する、表示映像データ生成部と、
    前記表示映像データに対して、第一範囲と、前記第一範囲の両側のそれぞれに配置され、前記表示映像データの両側部に位置する第二範囲とを設定する範囲設定部と、
    前記範囲設定部で範囲が設定された前記第二範囲の映像データに対して、前記第一範囲から離間するにつれて運転者が得られる情報量が少なくなるように情報量低減処理を行う映像処理部と、
    前記第二範囲に対して前記情報量低減処理を行った前記表示映像データを、前記表示装置に表示させる表示制御部と
    を備えることを特徴とする車両用表示制御装置。
  2. 前記車両の車速情報を取得する情報取得部を備え、
    前記映像処理部は、前記情報取得部が取得した車速情報が所定速度以上の車速を示しているときに、前記第二範囲の映像データに対して前記情報量低減処理を行う請求項1に記載の車両用表示制御装置。
  3. 前記映像処理部は、前記情報取得部が取得した前記車速情報に基づき、車速が速いほど前記第一範囲から離間するにつれて前記情報量が少なくなる度合が大きくなるように前記情報量低減処理を行う請求項2に記載の車両用表示制御装置。
  4. 前記映像処理部は、前記第二範囲の映像データに対する前記情報量低減処理として、前記第一範囲から離間するにつれて色情報を低減させる処理を行う請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  5. 前記映像処理部は、前記第二範囲の映像データに対する前記情報量低減処理として、前記第一範囲から離間するにつれて輝度を低減させる処理を行う請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  6. 前記映像処理部は、映像データから特徴点を抽出する特徴点抽出部を備え、
    前記特徴点抽出部は、前記第二範囲の映像データから前記特徴点を抽出し、
    前記映像処理部は、前記情報量低減処理を行った前記第二範囲の映像データに前記特徴点を重畳する処理を行う請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  7. 前記映像処理部は、映像データから物体認識を行う物体認識部を備え、
    前記物体認識部は、前記第二範囲の映像データから車両を認識し、
    前記映像処理部は、前記情報量低減処理を行った前記第二範囲の映像データに認識した車両を示す表示を重畳する処理を行う請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置と、
    少なくとも前記第一範囲および前記第二範囲を表示可能な表示幅を備える前記表示装置、前記後方カメラのうち少なくともいずれかと
    を備える車両用表示システム。
  9. 車両の後方を撮影する後方カメラからの撮影映像データを取得して、前記車両の後方映像を表示する表示装置に表示させる表示映像データを生成する、表示映像データ生成ステップと、
    前記表示映像データの第一範囲の両側のそれぞれに配置され、前記表示映像データの両側部に位置する第二範囲の映像データに対して、第一範囲から離間するにつれて運転者が得られる情報量が少なくなるように情報量低減処理を行う映像処理ステップと、
    前記第二範囲に対して前記情報量低減処理を行った前記表示映像データを、前記表示装置に表示させる表示制御ステップと
    を含むことを特徴とする車両用表示制御方法。
  10. 車両の後方を撮影する後方カメラからの撮影映像データを取得して、前記車両の後方映像を表示する表示装置に表示させる表示映像データを生成する、表示映像データ生成ステップと、
    前記表示映像データの第一範囲の両側のそれぞれに配置され、前記表示映像データの両側部に位置する第二範囲の映像データに対して、第一範囲から離間するにつれて運転者が得られる情報量が少なくなるように情報量低減処理を行う映像処理ステップと、
    前記第二範囲に対して前記情報量低減処理を行った前記表示映像データを、前記表示装置に表示させる表示制御ステップと
    を車両用表示制御装置として動作するコンピュータに実行させるためのプログラム。
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