JP6766307B2 - 土嚢防護構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の土嚢を用いた土嚢防護構造体に関する。
従来、河川や土砂崩れの補強に土嚢が用いられ、複数の土嚢を積み重ねることが知られている。
また、落石,崩壊土砂や雪崩などから防護する防護構造では、布袋内に砂などの粒状物が充填され、落石などの衝突対象物の運動エネルギを吸収する衝撃吸収袋体を用い、支持柵の前に衝撃吸収袋体を重ねて設けるもの(例えば特許文献1)や、土嚢用の袋に使用済みのPETボトルを収納して緩衝体ブロックを形成し、複数の前記緩衝体ブロックを、ロックシェッド等の落石覆工の屋根に多段積み状態で複数が配置するもの(例えば特許文献2)がある。
上記従来技術のものは、支持柵や落石覆工などの構造物に加わる衝撃力の一部を吸収するものであり、土嚢を主体として落石などの衝撃力を吸収する防護構造については考慮されていなかった。一方、従来のように、河川や土砂崩れの補強のために複数の土壌を積み重ねた構造では、仮設には適するものの、土嚢を積み重ねるだけであるから、これを仮に防護構造に用いても、落石などの衝撃力を受けた部分が崩れ、衝撃吸収効果に劣る面がある。
これに対して、防護構造とは異なるが、砂防ダムの構築において、前後に間隔を置いて複数の土嚢を左右方向に並べると共に、上下に積上げ、前後の土嚢間にコンクリートを打設する砂防ダムの構築工法(例えば特許文献3)がある。
上記砂防ダムでは、コンクリートにより土嚢を一体化することができるが、土嚢を型枠替わりに用いるものであり、コンクリートを打設するため、工事が大掛かりとなり、仮に落石などの防護構造に用いた場合、仮設には不向きであり、また、衝撃吸収効果に劣るという問題がある。
一方、前記補強のために複数の土嚢を積み重ねた構造を、落石などの防護構造に用いたとしても、土嚢が一体化されていないため、衝撃を受けた部分の土嚢が破損してしまい、衝撃吸収能力に劣り、また、破損個所の補修も煩雑となることが予想される。
また、従来の積み重ね構造では、同一形状の土嚢を複数用い、上段の土嚢は下段の土嚢よりも1つ少ない数を積み重ねるため、上段の土嚢が下段の土嚢よりも、土嚢の前後寸法の2分の1だけ下がった位置となり、これにより積み重ね構造の前面が緩やかな傾斜面状となる。
このため、従来の積み重ね構造を落石などの防護構造に用いると、山から転がってきた落石が、傾斜面状の前面に添って飛び上がり、防護構造を飛び越えてしまう虞がある。
特開2014−70390公報 特開2002−88720号公報 特開平10−266168号公報
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、土嚢を用いて衝撃吸収効果に優れた土嚢防護構造体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数の土嚢を左右方向及び前後方向に並べると共に積み上げた積上げ体と、前記左右方向及び前後方向に並べた複数の土嚢を結束する結束材と、前記積上げ体の外面を覆うネット体とを備え、前後方向に2個の土嚢を並べると共に、これら前後の土嚢の間に、該土嚢の前後幅より狭い間詰材を設け、この間に前記間詰材を設けた2個の土嚢の上段に、上,下段の土嚢の段差が後面より前面が小さくなるように、2個の土嚢を前後方向に並べたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記ネット体は、前記積上げ体の前面,後面,上面及び下面に連続して設けられた主ネット体を備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記ネット体は、前記積上げ体の左右側面に設ける左,右ネット体を備え、これら左,右ネット体が前記主ネット体にそれぞれ接続されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、前記間詰材が合成樹脂発泡体であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、前記積上げ体の前面で前記ネット体の外側に荷重分散面を設けたことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、結束材により各段毎に一体化した複数の土嚢を、ネット体で覆うことにより、衝撃吸収効果に優れたものとなる。
請求項2の構成によれば、前面,後面,上面及び下面を主ネット体により覆うことにより、複数段の土嚢が一体化され、更に衝撃吸収効果を向上することができる。
請求項3の構成によれば、積上げ体の全面がネット体により覆われて一体化されるため、落石などの衝撃力を広い範囲の土嚢により吸収することができる。
加えて、請求項の構成によれば、間詰材の前後寸法により上下段の土嚢の段差寸法を調節することができる。
加えて、請求項の構成によれば、落石などの飛越を防止でき、落石などを前面で止めることができる。
請求項の構成によれば、合成樹脂発泡体により衝撃吸収効果が向上する。
請求項の構成によれば、荷重分散面により衝撃力が分散され複数の土嚢により衝撃を吸収することができる。
本発明の実施例1を示す防護構造体の側面図である。 同上、正面図である。 同上、積上げ体の側面図である。 同上、同上、ネット体を一部図示省略した防護構造体の概略斜視図である。 同上、同上、防護構造体の概略斜視図である。 同上、同上、土嚢の袋体の側面図である。 同上、土嚢の平面図である。 同上、底面図である。 同上、主ネット体の展開図である。 同上、左右ネット体の正面図である。 同上、結束材の接続受部の正面図である。 同上、結束材の説明図であり、図12(A)は接続受部を拡径する前、図12(B)は接続受部を拡径した状態を示す 同上、接続状態における接続受部の拡大説明図である。 同上、網の寸法を詰める作業を説明する説明図であり、図14(A)は作業前、図14(B)は作業後を示す。 同上、網の補修方法を示す説明図である。 本発明の実施例2を示す防護構造体の側面図である。 同上、荷重分散面の正面図である。 同上、荷重分散面の端部の拡大正面図である。 本発明の実施例3を示す防護構造体の側面図である。 同上、一部を切り欠いた荷重分散面の正面図である。 同上、図20のA−A線拡大断面図である。 同上、図20のB−B線拡大断面図である。 同上、荷重分散面の要部の拡大断面図である。 本発明の実施例4を示す防護構造体の側面図である。 本発明の実施例5を示す主ネット体の展開図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
図1〜図15は本発明の実施例1を示す。同図に示すように土嚢防護構造体1(以下、防護構造体1という)は、複数の土嚢2を左右方向及び前後方向に並べると共に積み上げた積上げ体3と、この積上げ体3の複数の土嚢2を各段毎に結束する結束材たるロープ材21と、前記積上げ体3の外面を覆うネット体5とを備える。
前記土嚢2は、布製の土嚢用袋体6に現地土などの粒状物を充填してなる。図6〜図8などに示すように、前記袋体6は、有底筒状をなし、上部開口を閉塞する蓋部7を有し、その袋体6の周囲に吊りバンド8,9が縫着などにより取り付けられている。
具体的には、帯状の前記吊りバンド8,9は、袋体6の底面6Tにおいて交差して配置された底面部8T,9Tと、底面部8T,9Tの両側から上方に袋体6の側面部6Sに沿って縦設した側面部8S,8S,9S,9Sと、袋体6の上方で隣り合う側面部8S,9S,8S,9Sの上端同士を連結した吊り部10,10とを有する。尚、土嚢用袋体6の布地は、耐久性に優れたものが好ましく、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン製等が用いられる。
図1、図2及び図4などに示すように、この例では、土嚢2を3段に積み上げ、1段目(最下段)は左右に6個の土嚢2を並べると共に、前後に3個の土嚢2を並べて第1の土嚢層11を形成している。尚、前側が山側である。前記第1の土嚢層11の上である2段目(中段)は、左右に5個の土嚢2を並べると共に、前後に2個の土嚢2を並べて第2の土嚢層12を形成している。この第2の土嚢層12の上である3段目(最上段)は、左右に4個の土嚢2を並べると共に、前後に2個の土嚢2を並べて第3の土嚢層13を形成している。
防護構造体1の長さ方向において、第2の土嚢層12は、第1の土嚢層11に比べて、土嚢2の数が1個少なく、第3の土嚢層13は、第2の土嚢層12に比べて、土嚢2の数が1個少ない。この場合、図2に示すように、防護構造体1の左右において、下段の土嚢層11,12に対して上段の土嚢層12,13を土嚢2の左右方向半分だけ、中央側にずらして重ねている。
また、第2の土嚢層12において、前後の土嚢2,2の間に、間詰材を詰める間詰空間14を設け、この間詰空間14に、間詰材たる合成樹脂発泡体のブロック15を配置し、このブロック15は直方体形状をなす。
前記合成樹脂発泡体としては、発泡スチロール、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ウレタンなどが例示される。具体的には、間詰空間14の高さを有すると共に、間詰空間14の前後幅に対応する厚さを有するブロック15を、間詰空間14に詰めてなる。尚、ブロック15の高さは間詰空間14の高さより多少低くてもよい。また、ブロック15の構造体1の左右方向の長さ寸法は、高さ寸法より大きくすることができ、複数のブロック15を防護構造体1の左右方向に隙間なく並べている。
尚、小型のブロック15を前後左右に並べると共に、積み重ねることにより、間詰空間14に発泡性合成樹脂を間詰してもよい。
前記ブロック15の防護構造体1における左右幅は、前記土嚢2の幅(直径)より大きく、複数のブロック15を左右方向に並べて間詰材としている。前記ブロック15の前後幅は土嚢2の前後幅の1/2以下、1/3以上である。この場合、前記ブロック15の前後幅が1/2を超えると段差16,17が小さくなって不安定になり易く、前記前後幅が1/3未満では、ブロック15の緩衝作用が十分に得られない面がある。また、防護構造体1の前面1Aにおける下段の土嚢層11,12と上段の土嚢層12,13との前側段差16の前後幅より、防護構造体1の後面1Bにおける下段の土嚢層11,12と上段の土嚢層12,13との後側段差17の前後幅を大きく形成している。尚、土嚢2を積む際、隣り合う土嚢2,2が接する面の一部が略平面状に変形するから、積み上げた状態の土嚢2の前後及び左右幅は、直径より僅かに小さくなる。このため、土嚢2に係る前記各寸法は、積上げて並べた状態のものである。
上記のように土嚢2を積むことにより、図3に示すように、防護構造体1の前面1Aの傾斜角度θを後面1Bの傾斜角度より大きく設定し、傾斜角度θは水平となす角度である。尚、傾斜角度θは、一例として、前面1Aにおいて、最下段の土嚢2の上縁角部2Kと、最上段の土嚢2の上縁角部2Kとを結ぶ仮想線18と水平との挟角(90度未満)であり、中間の段の土嚢2の上縁角部2Kも前記仮想線18に略位置する。この場合、土嚢2は部分的に変形可能であるから、全体の土嚢2の平均により仮想線18と傾斜角度θを求めることができる。また、前面1Aが受撃側であって、山側などに対向し、落石,崩壊土砂や雪崩などの衝撃力を受ける側であり、後面1Bは谷側(反山側)である。
また、前記前面1Aの傾斜角度θは、73度〜85度(73度以上、85度以下)、好ましくは、80度〜85度であり、これにより落石が防護構造体1を乗り越えることを防止し、土嚢2を安定して積むことができる。
そして、公知ではないが、防護構造として同一形状の土嚢2を積み上げても、土嚢のみの場合では、下段の土嚢が前後3個の場合、中段の土嚢を前後2個、上段の土嚢を前後1個積み上げることが安定性の面から一般的であり、こうすると使用できる土嚢が少なく、衝撃吸収能力が本実施例より劣るものとなり、さらに、前面1Aの傾斜角度θが小さくなる。山側の面の傾斜角度θが小さくなると、山から落下した落石が前面に当たった後、傾斜に沿って乗り越える虞が大きくなる。
前記各段の土嚢2は、各段毎に結束材たる前記ロープ材21により結束され、このロープ材21は合成樹脂製であって、可撓性を有する。このロープ材21は、合成樹脂製の繊維糸を撚り合わせた線材22,23を複数本備え、複数の線材22,22・・・を一側螺旋方向に配置すると共に、複数の線材23,23・・・を一側螺旋方向と交差する他側螺旋方向に配置し、一側方向線材22と他側方向線材23とが交互に上下逆になるように撚り合され、中央には芯材となる線材を入れおらず、後述する接続受部は中空状をなす。尚、この例では、2本の一側方向線材22,22を一つの単位線材22Tとして並べると共に、2本の他側線材23,23を並べて一つの単位線材23Tとして撚り合わせている。
また、前記ロープ材21には、接続受部24が部分的に複数形成され、この接続受部24は他の密撚部分より緩やかに撚られている。具体的には、接続受部24は他の部分に比べて、線材22,23の螺旋角度θRが小さく、且つ単位線材22T,23Tが緩く撚われている。
従って、図12に示すように、接続受部24の両側を持って接続受部24を短くするように力を加えると、線材22,23が外周側に膨れて拡径し、中空状態となり、その開いた単位線材22T,23Tの間から接続受部24の内部にロープ材21の端部21Tを挿
入し、さらに、他の開いた単位線材22T,23Tの間からロープ材21の端部21Tを引き出すことができる。
このようにして輪状に形成したロープ材21に張力が加わると、図11に示すように、接続受部24の線材22,23が内部のロープ材21の外周に圧接し、連結固定される。尚、接続受部24の線材22,23が外周側に膨れると、線材22,23の螺旋角度θRが大きくなる。尚、図11では、図中下側のロープ材21の途中の接続受部24に、図中上側の端部21Tを挿通している。
前記袋体6には、ロープ材21を挿通する挿通孔26が形成されている。この例では、前記吊りバンド8の側面部8Sの幅方向中央に、縦方向の切込みを上下に形成することにより、上下の前記挿通孔26,26を構成している。尚、挿通孔26,26は土嚢2の高さ方向中央の上下に形成されている。
そして、各段の土嚢層11,12,13をそれぞれロープ材21,21により結束する。具体的には、上下の挿通孔26,26にそれぞれロープ材21,21を挿通し、左右前後の角部に位置する土嚢2においては、隣り合う両方の側面部8S,9Sの挿通孔26,26にロープ材21を挿通し、他の土嚢2は、土嚢防護構造体1の外面側に位置する側面部8S,9Sのいずれか一方の挿通孔26にロープ材21を挿通し、一端側の前記接続受部24内に他端の端部21Tを挿通し、ロープ材21の輪を小さくするように、両端部21T,21Tを逆方向に引っ張り、端部21T側の外周に接続受部24が圧接することにより、各土嚢層11,12,13の複数の土嚢2が結束される。
前記ネット体5は、主ネット体たる中央ネット体31と、左,右ネット体32,32と備える。図9に示すように、前記中央ネット体31は、全体として長方形形状をなし、前記第1の土嚢層11の左右幅に対応する左右幅を有すると共に、防護構造体1の下面1Kの前後幅,前面1Aの上下長さと、防護構造体1の上面1Jの前後幅と、後面1Bの前後幅との合計に、重ね合わせ代分の幅を加えた長さを有する。また、ネット体5は、高密度黒色ポリエチレン製のものが好ましい。尚、前面1A,後面1B及び上面1Jが、積上げ体3の露出する外面である。
前記中央ネット体31は、その外周に長さ方向の左,右縁ロープ材34,34と、左右方向の縁ロープ材35,35とを連続して有し、縁ロープ材34,35,34,35の間に、複数の縦横方向の線材36,36Aにより、正方形の網目を有する網37を設けている。尚、この網37は貫通型無結筋網であり、網目の角目は例えば41mmである。
また、長さ方向一側の縁ロープ材35から前記重ね合わせ代分だけ離れた位置に、防護構造体1の左右方向の中間ロープ材38を平行に設け、この中間ロープ材38から第1の土嚢層11の前後幅に対応した長さだけ離れた位置に左右方向の中間ロープ材38Aを設け、この中間ロープ材38Aと長さ方向他側の縁ロープ材35との間に左右方向の中間ロープ材38Bを設け、それら中間ロープ材38,38A,38Bの端部は、左,右縁ロープ材34,34に連結されている。また、網37は、ロープ材34,35,38,38A,38Bにそれぞれ連結されている。この場合、網37の周囲に縁ロープ材を設けたネット体を、複数一体に組み合わせて1枚の中央ネット体31を構成してもよい。尚、ロープ材34,35,38,38A,38Bは同一構成のものが用いられ、異なる場合も線材36,36Aより引張強度の強いものが用いられる。
そして、中央ネット体31は、前記一側の縁ロープ材35と前記中間ロープ材38との間の部分が前面立上り部39となり、前記中間ロープ材38,38Aの間が前記下面1Kを覆う下面覆い部40となる。また、中央ネット体31は、前記前面立上り部39と下面
覆い部40の残りの部分が、後面1B,上面1J及び前面1Aを覆う。尚、前面立上り部39が前記重ね合わせ代の部分である。
図10に示すように、前記左,右ネット体32,32は、前後対称であって、前記防護構造体1の左右側面形状に略対応し、下部は第1の土嚢層11の下面1Kに対応すると共に、上部は防護構造体1の上面1Jに略対応して略台形状に形成され、外周に前後方向の上,下縁ロープ材41,42と斜め縦方向の前,後ロープ材43,44とを連続して有する。そして、それらロープ材41,42,43,44の間に前記網37が張設されている。
尚、ロープ材やネット体などに用いる合成樹脂としては、高密度のポリエチレンなどが好適であり、その高密度のポリエチレンを用いた場合、比重は0.94〜0.96である。また、必要に応じて、ネット体5にカーボンブラックや紫外線吸収剤を使用して耐候性を向上することができる。
そして、図9に示すように、防護構造体1の設置箇所に下面覆い部40を合わせてネット体5を展開し、下面覆い部40を設置位置に合わせて中央ネット体31を展開する。その下面覆い部40上に複数の土嚢2を並べて第1の土嚢層11を形成し、土嚢層11の周囲の土嚢2の挿通孔26にロープ材21を挿通し、接続受部24にロープ材21の端部21Tを挿通して複数の土嚢2を結束する。この場合、上下の挿通孔26,26でそれぞれ1本のロープ材21を用いて結束することが好ましいが、2本以上のロープ材21を用いてもよい。
第2の土嚢層12は、間詰空間14分だけ離して前後の土嚢2,2を並べた後、間詰空間14にブロック15を詰める。あるいは前後一方の土嚢2を並べた後、ブロック15を配置し、この後、前後他方の土嚢2を並べる。この後、土嚢層12の複数の土嚢2及びブロック15をロープ材21により結束する。尚、前後の土嚢2,2を並べた後、間詰空間14にブロック15を詰める方が作業性に優れる。
第3の土嚢層13の土嚢2をロープ材21により結束して積上げ体3を形成する。この後、中央ネット体31を、後面1B,上面1J及び前面1Aに被せ、縁ロープ材35を前面1Aの下部に位置させる。この中央ネット体31の前面1Aの下部に、該中央ネット体31の前面立上り部39を重ね、結合コイル75により結合する。この結合コイル75はバネ材などからなるコイルであり、中央ネット体31の前側下部の網37と前面立上り部39の縁ロープ材35とに巻き付けるように設けられる。
積上げ体3の左右側面に左右ネット体32を取り付ける。左右ネット体32の周囲のロープ材41,42,43,44を、中央ネット体31の左右縁ロープ材34,34に結合コイル75により連結し、この連結状態で、結合コイル75内にロープ材41,42,43,44が収納される。このようにネット体31,32同士は、網37の線材36,36Aより引張強度が高いロープ材34,41,42,43,44同士を連結することが好ましい。尚、中央ネット体31は長方形形状であるから、略台形状の積上げ体3を覆うと、撓んだ部分が発生する。
そこで、取付状態の中央ネット体31の上部などの左右幅を詰める加工を行う。具体的には、図14に示すように、上部である上面1Jに位置する中間ロープ材38Bを短くするために、中間ロープ材38Bに重複部45を形成する。この重複部45は、中間ロープ材38Bに間隔を置いて逆向きに折曲げ部46,46を設けることにより形成され、中間ロープ材38Bが3本分だけ重複する部分であり、折曲げ部46,46と中間ロープ材38Bとを結束具47などにより結束して固定する。この結束具47としては、合成樹脂製
の紐などの可撓性部材を用いることができる。また、長さを短くするために詰める寸法により、重複部45を複数設けることができる。さらに、他のロープ材に前記重複部45を形成してもよく、例えば、上ロープ材41に重複部45を形成してもよい。また、重複部45は1本のロープ材に限らず、例えば図5に示したように、連結した2本のロープ材34,41に重複部45を形成してもよい。
中間ロープ材38Bに重複部45を形成すると、網37にも2枚分だけ重なり合った略三角形の重複部37Jが形成されるから、前記一方の折曲げ部46に連続する網37の折れ線部37Sを下の網37に連結する。この状態では3枚分の網37が重なり合う。前記連結は前記結合コイル75や結束具などを用いることができる。このようにして、余剰部分や皺などが少ない状態でネット体5より積上げ体3を覆うことできる。
このように構築した防護構造体1では、基礎工事などが不要で、後に撤去する仮設であっても、簡便に構築することができ、また、設置場所に固定されていないから、撤去も容易となる。また、本設の場合でも所定の強度が得られる。
また、大型の土嚢2を多段に積上げる構造を主としているため、施工性に優れ、災害対応復旧などの時間的な制約がある現場において施工時間の短縮が可能となる。
また、結束に用いるロープ材21は、編み込みを所定のピッチで変化させた接続受部24を有するから、ロープ材21の端部同士を容易に連結することができ、また、接続受部24によりロープ材21の強度はほぼそのままで連結強度を確保することができる。
さらに、土嚢2の中詰材は、現地発生土を含め、広範囲な材料を使用することが可能であり、建設発生土のリサイクルに貢献できる。
そして、各段で複数の土嚢2がロープ材21により結束されていると共に、多段の土嚢2がネット体5により一体化されているため、土嚢防護構造体1が落石を受けると、衝撃力が複数の土嚢2に伝わり、複数の土嚢2により吸収されるため、衝撃吸収効果に優れたものとなる。
また、前記前面1Aの傾斜角度θが73度〜85度であり、各段の土嚢2を結束したことと合わせて、土嚢2を安定して積むことができると共に、落石が防護構造体1を乗り越えることを防止できる。
ところで、落石が衝突し、土嚢2の袋体6が損傷し、補修が必要になったら、図15に示すように、損傷した土嚢2に対応する箇所のネット体5の網37を部分的に切り取り、袋体6の補修をしたり、損傷した土嚢2を交換した後、網37の切り取り部分37Kに、これより大きな補修用網37Hを当て、網37と補修用網37Hの重なり部分を結合コイル75により連結する。また、土嚢2を交換する場合、損傷して破れた土嚢2を取り除くと、その分だけロープ材21を緩めることができるため、接続受部24を拡径してロープ材21を緩め、新しい土嚢2を配置した後、ロープ材21を締め付けて結束することができる。尚、補修用網37Hは、周囲に縁ロープ材35Hを備えるものが好ましい。また、上下の段で土嚢2,2は連結されていないから、補修を容易に行うことができる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、複数の土嚢2を左右方向及び前後方向に並べると共に積み上げた積上げ体3と、左右方向及び前後方向に並べた複数の土嚢2を結束する結束材たるロープ材21と、積上げ体3の外面たる前面1A,後面1B及び上面1Jを覆うネット体5とを備え、前後方向に2個の土嚢2,2を並べると共に、これら前後の土嚢2,2の間に、該土嚢2の前後幅より狭い間詰材たるブロック15を設け、この間にブロック15を設けた2個の土嚢2,2の上段に、上,下段の土嚢2,2の段差16,17が後面1Bより前面1Aが小さくなるように、2個の土嚢2,2を前後方向に並べたから、ロープ材21により各段毎に一体化した複数の土嚢2を、ネット体5で覆うことにより、衝撃吸収効果に優れたものとなる。また、上,下段で4個の土嚢2,2,2,2を使用することができる。
このように本実施例では、請求項2に対応して、ネット体5は、積上げ体3の前面1A,後面1B,上面1J及び下面1Kに連続して設けられた主ネット体たる中央ネット体31を備えるから、前面1A,後面1B,上面1J及び下面1Kを中央ネット体31により覆うことにより、複数段の土嚢2が一体化され、更に衝撃吸収効果を向上することができる。また、中央ネット体31による積上げ体3を覆う作業を簡便に行うことができる。
このように本実施例では、請求項3に対応して、ネット体5は、積上げ体3の左右側面に設ける左,右ネット体32,32を備え、これら左,右ネット体32,32が主ネット体たる中央ネット体31にそれぞれ接続されているから、積上げ体3の全面がネット体5により覆われて一体化されるため、落石などの衝撃力を広い範囲の土嚢2により吸収することができる。
このように本実施例では、請求項に対応して、前後の土嚢2,2の間に、該土嚢2の前後幅より狭い間詰材たるブロック15を設けたから、土嚢2より狭いブロック15の前後寸法により、上下段の土嚢2,2の段差寸法を調節することができる。
このように本実施例では、請求項に対応して、上,下段の土嚢2,2の段差16,17は、後面1Bより前面1Aが小さいから、落石などの飛越を防止でき、落石などを前面1Aで止めることができる。
このように本実施例では、請求項に対応して、間詰材たるブロック15が合成樹脂発泡体であるから、合成樹脂発泡体により衝撃吸収効果が向上する。
以下、実施例上の効果として、前記ロープ材21には、接続受部24が部分的に形成されているから、ロープ材21の端部同士の接続が容易になる。また、土嚢2を上下二段のロープ材21,21により安定的に結束することができ、さらに、土嚢2には、上下に挿通孔26,26を設けたから、上下二段のロープ材21,21の取付けが容易となる。また、上下の挿通孔26,26にそれぞれロープ材21,21を挿通し、左右前後の角部に位置する土嚢2においては、隣り合う両方の側面部8S,9Sの挿通孔26,26にロープ材21を挿通し、他の土嚢2は、外面側に位置する側面部8S,9Sのいずれか一方の挿通孔26にロープ材21を挿通することにより、前後左右に複数並んだ土嚢2を安定して、且つ確実に結束することができる。
また、中央ネット体31は長方形形状であるから、扱いが容易となり、さらに、前記左,右ネット体32,32は、前後対称であるから扱いが容易となる。また、中央ネット体31は、前面立上り部39を有するから、防護構造体1の前側下部におけるネット体31の端部の連結作業が容易となる。
また、取付状態の中央ネット体31の上部の左右幅を詰める加工を行い、中間ロープ材38Bに重複部45を形成すると、網37にも重複部37Jが形成されるから、前記一方の折曲げ部46に連続する網37の折れ線部37Sを下の網37に連結して、ネット体5を、余剰部分や皺などが少ない状態で積上げ体3を覆うことできる。
さらに、防護構造体1の設置箇所に下面覆い部40を合わせてネット体5を展開し、下面覆い部40を設置位置に合わせて中央ネット体31を展開した後、この中央ネット体31の上に積上げ体3を構築し、この積上げ体3の露出する外面に、展開していた中央ネット体31を被せ、中央ネット体31の端部側同士を連結することにより、積上げ体3をネット体5の中央ネット体31により覆う構造体1の施工方法であるから、中央ネット体31を巻き付けるようにして積上げ体3を覆うことができ、施工性に優れた土嚢防護構造体
1の構築方法を提供することができる。
図16〜図18は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、防護構造体1の前面1Aと上面1Jに、金属製の網体である菱形金網50を設けており、この菱形金網50はネット体5より外側で防護構造体1に取付けられ、この例ではネット体5の外側に重ね合わせて設けられている。そして、前記菱形金網50により荷重分散面を構成している。
前記菱形金網50には、亜鉛めっき鋼線51が用いられ、図17に示すように、縦方向の鋼線51を、上から下に向かって左右一方と左右他方で略85度に折り曲げて折り曲げ部52,52を形成し、隣り合う鋼線51,51の折り曲げ部52,52同士を係合して係合部53を形成し、斜め四辺が鋼線51で構成された菱形又は正方形の網目54を複数形成している。尚、鋼線51は、好ましくは引張強度TSが880N/mm以上のものを用いる。また、引張強度は、破断する前に材料に表れる最大の引張応力であり、JIS Z 2241に基く。また、前記亜鉛めっき鋼線51は、JIS G 3548の規格に基くものを用いる。
また、一例として、菱形金網50は、鋼線51の径が3.2mm、網目54の大きさが50mm×50mm(設計荷重100kJ用)、鋼線51の径が4.0mm、網目54の大きさが50mm×50mm(設計荷重300kJ用)、鋼線51の径が4.0mm、網目54の大きさが40mm×40mm(設計荷重500kJ用)のものなどが用いられる。尚、網目54の大きさが50mm×50mmとは、網目54を構成する平行な鋼線51,51の間隔Kと、残りの鋼線51,51の間隔を示す。
菱形金網50の上,下縁部は、図18に示すように、前記係合部53において左右一対の鋼線51,51の少なくとも一方を、この例では両方を鋼線51,51側に折り曲げた完全ナックル加工部55が形成されている。また、図17に示したように、菱形金網50の左右幅方向の端縁50Fは、縦方向の一方の鋼線51により複数の折り曲げ部52,52・・・が上下に並んで形成されている。尚、防護構造体1の左右間隔が広い場合は、複数の菱形金網50,50の端縁50F,50F同士を一体に連結したものを使用する。尚、菱形金網50の端縁50Fは、前記完全ナックル加工部55,55・・・が上下に並んだものでもよい。
菱形金網50の端縁50Fは、結合コイル75によりに連結される。具体的には複数の結合コイル75により菱形金網50の端縁50Fを連結している。また、結合コイル75などにより、菱形金網50を中央ネット体31やロープ材21に連結する。或いは他の結束具を用いて菱形金網50を中央ネット体31やロープ材21に結合してもよい。
そして、前面1Aに菱形金網50を設けることにより、崩壊土砂や雪崩を前面1Aに受けると、面的な菱形金網50により荷重分散範囲を拡大させ、積上げ体3に伝達することにより、衝撃吸収効果を向上することができる。
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項に対応して、積上げ体3の前面1Aでネット体5の外側に荷重分散面たる菱形金網50を設けたから、ネット体5に比べて硬質な菱形金網50面により衝撃力が分散され複数の土嚢2により衝撃を吸収することができる。
図19〜図23は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、防護構造体1の前面1Aに、荷重分散面たるパネル61を設けている。
図19に示すように、前記パネル61は、前後に間隔を置いて配置した面材62,62を備え、これら面材62,62には、折曲鋼板であるキーストンプレートが用いられている。また、面材62は土嚢防護構造体1の左右方向において長く形成され、面材62の幅方向を防護構造体1の高さ方向に向けて上下に隙間なく並設して前面61Aと後面61Bを形成し、面材62の凹部63と凸部63Aが上下方向に並んで交互に形成されている。また、前後の面材62,62の間には、縦部材である角型鋼管64が左右方向に間隔を置いて複数配置されており、角型鋼管64はパネル61の高さと略同一である。尚、この例では、図20に示すように、パネル61の下部に、幅の短い面材62が設けられている。
図21に示すように、前記角型鋼管64内には左右の斜めリブ板65,65が設けられ、これら左右の斜めリブ板65,65は鋼製であってその前縁を角型鋼管64の内面左右中央に固定又は当接し、その後縁を角型鋼管64の後左右角部の内面に固定又は当接している。この場合、衝撃力を受けると、引張領域となる角型鋼管64の断面後側が、斜めリブ板65,65により補強される。
前記前後の面材62,62と前記角型鋼管64を連結する連結構造66を備える。この連結構造66は、大,小の鋼製コ字型部材67,68と、ボルト69,ナット70とを備える。尚、図23に示すように、ボルト69,ナット70は、ワッシャ69W,70Wと共に使用される。前記コ字型部材67は、面材62,62の上下の突き合せ箇所71に用いられ、前記コ字型部材68は、面材62の端部(上端)に用いられる。前記コ字型部材67,68は、前後方向に配置されるウエブ部67A,68Aと、このウエブ部67A,68Aの両端に設けた左右のフランジ部67B,67B,68B,68Bとを一体に有し、鋼製コ字型部材67,68は角型鋼管64に部分的に配置される。
図22に示すように、前面61Aの面材62,62は突き合せ箇所71において、面材62の端縁である凸部63A,63A同士を部分的に重ね合わせており、突き合せ箇所71の上下の凹部63,63の後面に当接する幅のフラットバーなどの鋼製横板72を用い、この横板72を凹部63,63の後面に当接し、その横板72は面材62の防護構造体1の左右幅と同一の長さを有し、パネル61の左右方向全長に横板72が配置されている。
また、角型鋼管64の左右にコ字型部材67,67を配置し、コ字型部材67,67により角型鋼管64を左右から挟み、前側の面材62の前面にフラットバー等からなる鋼板製の固定部材73,73を配置し、前側のフランジ部67Bの後側から、該フランジ部67Bと横板72と面材62と固定部材73の透孔に前記ボルト69を挿通し、このボルト69にナット70を螺合して締め付けている。尚、図23などに示すように、ボルト69に対応して、横板72には透孔72Tが穿設されており、この透孔72T内に前記ボルト69に螺合する中間ナット74を配置している。前記コ字型部材67はフランジ部67Bに2本のボルト69を挿通している。そして、比較的薄い面材62を、これより厚い横板72と固定部材73により挟むことにより、面材62に無理な力が加わることなく、ボルト69とナット70により締付固定することができる。
一方、前面61Aの上端に配置する前記コ字型部材68及び横板72は、コ字型部材67に比べて幅が狭く、即ち上下方向に短く、そのフランジ部68Bに1本のボルト69が挿通されている。また、前記横板72に比べて上下幅の狭い横板72Aに、前記透孔72Tを穿設し、この透孔72T内に前記中間ナット74を配置している。
後面61Bの面材62,62は突き合せ箇所71において、凸部63A,63A同士を部分的に重ね合わせ、突き合せ箇所71の上下の凹部63,63の後面に前記固定部材73,73を配置し、後側のフランジ部67Bの前側から、該フランジ部67Bと面材62と固定部材73の透孔に前記ボルト69を挿通すると共に、フランジ部67Bと面材62との間の中間ナット74にボルト69を螺合し、このボルト69にナット70を螺合して締め付けている。前記コ字型部材67はフランジ部67Bに2本のボルト69を挿通している。尚、いずれの場合も、中間ナット74は必要に応じて使用すればよく、中ナット74を使用しなくてもよい。
一方、後面61Bの上端に配置する前記コ字型部材68及び横板72は、コ字型部材67に比べて幅が狭く、フランジ部68Bに1本のボルト69が挿通して固定されている。
そして、前面1Aにパネル61を設けることにより、崩壊土砂や雪崩を前面1Aに受けると、面状のパネル61により荷重分散範囲を拡大させ、積上げ体3に伝達することにより、衝撃吸収効果を向上することができる。さらに、間隔を置いて配置した面材62,62が変形することにより、衝撃力を緩和することができる。尚、パネル61は図示しない固定手段により前記前面1Aに取付けられている。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項に対応して、積上げ体3の前面1Aでネット体5の外側に荷重分散面たるパネル61を設けたから、パネル61により衝撃力が分散され複数の土嚢2により衝撃を吸収することができる。
以下、実施例上の効果として、面材62には凹部63と凸部63Aが並んで交互に形成されているから、薄くても断面性能を向上でき、また、衝撃力を受けた際、面材62が変形してその一部を吸収すると共に、面材62,62や角型鋼管64などにより積上げ体3の複数の土嚢2に衝撃力を伝達することができる。また、角型鋼管64内には斜めリブ板65,65が設けられているから、角型鋼管64の断面性能が向上する。さらに、連結構造66はボルト69を用いるものであるから、溶接などに比べて現地での組立作業性に優れ、また、現場への搬入にも有利である。また、ボルト69を挿通する横板72は横梁としても機能し、パネル61の強度を確保できる。
図24は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例の防護構造体1では、土嚢2を4段に積み重ねており、実施例1の積上げ体3の下部に、最下段の土嚢層81を設けている。
1段目(最下段)は左右に8個の土嚢2を並べると共に、前後に4個の土嚢2を並べ、第1の土嚢層11より1個多く並べている。また、最下段の土嚢層81の前列の土嚢2の上縁角部2Kを、前記前面1Aの傾斜角度θに合わせ、一方、最下段の土嚢層81の後列の土嚢2は、後方に出っ張っているが、最下段の土嚢層81の後列の土嚢2の前側の上に、第1の土嚢層11の土嚢2が部分的に載置されている。
また、1段目の土嚢層81は、第1の土嚢層11に比べて、土嚢2の数が左右方向に1個少なく、実施例1で示したように、防護構造体1の左右において、下段の土嚢層81,11,12に対して上段の土嚢層11,12,13を土嚢2の左右方向半分だけ、中央側にずらして重ねている。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例のように防護構造体1は土嚢2を4段以上に積み上げたものでもよい。さらに、この例では下段の土嚢層81の土嚢2の数を増やすことができ、積上げ体3の全体重量を大きく取ることができ、これにより衝撃吸収効果を向上することができる。
図25は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例はネット体5の変形例を示している。同図に示すように、下面覆い部40の網37Aは、残りの部分の網37より網目が大きい。即ち、線材36,36,36A,36Aの間隔を広くしている。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例では、下面覆い部40は落石などの衝撃力を直接受けないから、他の部分より強度が低くて済み、下面覆い部40における部材を少なくすることができるから、全体として中央ネット体31を安価にすることができる。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、請求項1では、ネット体により積上げ体の下面を覆う必要はなく、この場合は、下面覆い部の無い中央ネット体を形成し、この中央ネット体により積上げ体の外面を覆うと共に、その中央ネット体を積上げ体に取り付けたり、中央ネット体の下端を設置場所にアンカーなどにより固定したりしてもよい。また、植生用の土嚢を用いてもよく、土嚢の袋体の内部の土により育つ種子を設けたものなどを用いることができる。さらに、ネット体の網は菱形でもよい。また、間詰材も各種のものを用いることができる。さらに、仮想線は直線に限らず、曲線でもよく、曲線の場合は、平均で傾斜角度を求めればよい。また、展開状態で中央ネット体に左右ネット体を連結した後、土嚢を積んでもよい。さらには、工場で中央ネット体に左右ネット体を連結した形状のネット体を形成してもよい。また、重複部はロープ材の長さを詰める必要があるところに適宜設けることができ、実施例では、ネット体の左右幅を詰める例を説明したが、取付状態のネット体の前後幅や上下寸法を詰めるために設けてもよい。また、実施例の構成は適宜組み合わせることができ、例えば、菱型金網の前面にパネルを設けるなど適宜組み合わせることができる。
1 土嚢防護構造体
1A 前面(外面)
1B 後面(外面)
1K 下面(外面)
1J 上面
2 土嚢
3 積上げ体
5 ネット体
11 第1の土嚢層
12 第2の土嚢層
13 第3の土嚢層
14 間詰空間
15 ブロック(間詰材)
16 段差(前)
17 段差(後)
21 ロープ材(結束材)
31 中央ネット体(主ネット体)
32 左右ネット体
37 網
50 菱形金網(荷重分散面)
61 パネル(荷重分散面)
81 最下段の土嚢層

Claims (5)

  1. 複数の土嚢を左右方向及び前後方向に並べると共に積み上げた積上げ体と、
    前記左右方向及び前後方向に並べた複数の土嚢を結束する結束材と、
    前記積上げ体の外面を覆うネット体とを備え
    前後方向に2個の土嚢を並べると共に、これら前後の土嚢の間に、該土嚢の前後幅より狭い間詰材を設け、
    この間に前記間詰材を設けた2個の土嚢の上段に、上,下段の土嚢の段差が後面より前面が小さくなるように、2個の土嚢を前後方向に並べたことを特徴とする土嚢防護構造体。
  2. 前記ネット体は、前記積上げ体の前面,後面,上面及び下面に連続して設けられた主ネット体を備えることを特徴とする請求項1記載の土嚢防護構造体。
  3. 前記ネット体は、前記積上げ体の左右側面に設ける左,右ネット体を備え、これら左,右ネット体が前記主ネット体にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項2記載の土嚢防護構造体。
  4. 前記間詰材が合成樹脂発泡体であることを特徴とする請求項記載の土嚢防護構造体。
  5. 前記積上げ体の前面で前記ネット体の外側に荷重分散面を設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の土嚢防護構造体。
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