JP6765811B2 - 液位計測システム及び液位計測方法 - Google Patents
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Description
・配管内にフロートを設置して、水面に浮かべたフロートの位置変化や浮力変動を計測することにより、水位を計測する手法。
・配管内に圧力検出器を設置して、水により発生する圧力を計測し、計測圧力を基に水位を計測する手法。
・配管内に一対の電極を設置して、電極間の電気容量の変化を計測し、計測した電気容量変化を基に水位を計測する手法。
・配管の外周面に超音波探触子を設置し、超音波探触子から発した超音波が水面にて反射してきた反射エコーを検出し、反射エコーを検出したタイミングを基に水位を検出する手法(特許文献1,2参照)。
このため、水平配置された配管の内部に存在する水の水位を、配管の長手方向の多数の検査位置において検出する場合には、超音波探触子を用いて水位計測することが行われている。具体的には、配管長手方向の最初の検査位置において、検査員が手動で超音波探触子を配管の外周面に接触させ、この状態で水位計測をし、この位置での水位計測が終わったら、検査員が手動で次の検査位置に超音波探触子を接触させ、この状態で水位計測をする、という動作を次々に繰り返していく。
検査員は、配管長手方向のある検査位置において、円筒状の配管Pの外周面のうち最下端位置に、超音波探触子1を接触させ、超音波探触子1から超音波を発射させて超音波計測をする。超音波計測においては、発射された超音波が配管Pの内周面において反射し戻ってきた第1の反射エコーと、発射された超音波が配管Pを通過して水Wの表面(液界面)において反射し戻ってきた第2の反射エコーが得られる。第1の反射エコー及び第2の反射エコーは繰り返し戻ってくる。このため、繰り返し戻ってくる第2の反射エコーの時間間隔を基に、水位Hを計測することができる。
また図9に示すように、配管Pが小口径でかつ水量が少ない場合には、配管Pの内部に水Wがあるにもかかわらず、水Wがない、即ち水位ゼロと誤計測してしまうことがある。これは超音波探触子1を最下端位置からずれて配置したため、実際には配管P内に水Wがあるにもかかわらず、出射した超音波が水Wに入射されないためである。
また配管の配置状態によっては、検査員が配管の下方に潜り込み、配管の最下端位置を探って、この最下端位置に超音波探触子を取り付けることもあった。このように配管の最下端位置を探る作業は、面倒で時間がかかっていた。
超音波を出射すると共に反射エコーを受信する探触面を有する超音波探触子と、センサ軸が鉛直方向に向いたときに重力に応じた値の重力検出信号を出力する重力センサとでなり、前記探触面に対して前記センサ軸が直交する状態で前記超音波探触子と前記重力センサとが一体化されていることを特徴とする。
上記の液位計測プローブと、液位計測器とでなり、
前記液位計測器は、
前記重力センサから前記重力検出信号が入力され、検出した各重力値のうち極値のものを極値重力値として特定して記憶し、トリガ信号を出力する最下端位置検出部と
前記超音波探触子から前記反射エコーに応じた反射エコー信号が入力されると超音波波形を示す超音波波形信号を形成してこの超音波波形信号により超音波波形を表示し、前記最下端位置検出部から前記トリガ信号が入力されている時の前記超音波波形信号を保持し、保持した超音波波形を連続して表示する超音波計測部と、
前記トリガ信号が入力されると告知動作をする告知部と、
により構成されていることを特徴とする。
前記超音波計測部は、前記トリガ信号が入力され且つ前記超音波波形信号の振幅値が予め決めた閾値よりも大きい場合に、超音波波形を連続して表示すること、
また、前記超音波計測部は、入力部を有しており、入力部から承認信号が入力されると、保持した前記超音波波形信号を記憶すること、
また、前記超音波計測部は、前記トリガ信号が入力され且つ前記超音波波形信号の振幅値が予め決めた閾値よりも大きく更に前記承認信号が入力された場合に、超音波波形信号を保持し保持した超音波波形信号により超音波波形を連続して表示することを特徴とする。
液体が収容される構造体の面のうち鉛直方向の下方に向かって徐々に湾曲しつつ凸となっている検査面を、上記の液位計測プローブにより走査して、前記液体の液位を計測する方法であって、
前記探触面を前記検査面の外面に接触させた状態で、前記液位計測プローブを、前記検査面の最下端位置よりも高い位置から前記最下端位置を通り更に前記最下端位置を通りすぎる位置にまで走査していき、この走査のときに得られる前記重力検出信号の値のうち極値のものを極値重力値として特定して記憶する工程を有し、
前記重力検出信号の値が前記極値重力値となる位置に前記液位計測プローブを置いている状態において、前記超音波探触子から得られる反射エコー信号から超音波波形信号を求め、この超音波波形信号を基に前記液体の液位を計測することを特徴とする。
本発明の実施例1に係る水位計測プローブ10を、図1を参照して説明する。
水位計測プローブ10は、超音波探触子11と重力センサ12が組み合わされて一体化したものである。超音波探触子11は検査対象物に接触する探触面11aを有している。この探触面11aは、超音波を出射すると共に反射エコーを受信する面である。重力センサ12は、そのセンサ軸12aが鉛直方向に向いたときに、重力に応じた最大値の重力検出信号(例えば、電圧信号)を出力する。したがって、センサ軸12aが鉛直方向に対して傾いていくと、傾きが大きくなるに従い、重力検出信号の値が小さくなっていく。
本例の水位計測プローブ10は、超音波探触子11の探触面11aに対して、重力センサ12のセンサ軸12aが直交する状態で、超音波探触子11と重力センサ12が組み合わされて一体化されている。したがって、探触面11aが水平になったときに、センサ軸12aが鉛直方向に向き、重力検出信号の値が最大になる。
次に図2を参照しつつ、本発明の実施例2に係る水位計測システム100と、この水位計測システム100を用いて水位を計測する方法を説明する。この水位計測システム100は、水位計測プローブ10と水位計測器110により構成されている。
超音波探触子11は、探触面11aから超音波を発生すると共に反射エコーを受信し、受信した反射エコーに対応した反射エコー信号aを出力する。
重力センサ12は、検出した重力に応じた重力検出信号bを出力する。この重力センサ12では、センサ軸12aが鉛直方向に向いたときに重力検出信号bの値が最大値(極値)になり、センサ軸12aが鉛直方向に対して傾いていくと傾きが大きくなるに従い重力検出信号bの値が小さくなっていくタイプのものを採用している。
したがって、水位計測プローブ10が、水平配置された配管の外周面のうち最下端位置に配置されて、超音波探触子11の探触面11aが水平状態になって配管外周面に接触したときに、重力センサ12のセンサ軸12aが鉛直方向に向き、重力検出信号bの値が最大になる。
最下端位置を検出する第1ステップでは、検査員が水位計測プローブ10を手に持ち、図3の実線で示すように、配管Pの外周面(検査面の外面)のうち、最下端位置αよりも一端側(図3では左側)の上方位置βに、超音波探触子11の探触面11aを接触させる。このように探触面11aを配管Pの外周面に接触させた状態を維持しつつ、水位計測プローブ10を周方向に沿い走査することにより、水位計測プローブ10を上方位置βから最下端位置αに向かって走査させ、更に最下端位置αから他端側(図3では右側)の上方位置γに向かって走査(第1回目の走査)をする。
水位計測プローブ10が周方向に走査されていく際に、重力センサ12から連続的に出力された重力検出信号bは、最下端位置判断部121に入力される。最下端位置判断部121は、連続的に入力される重力検出信号bの値である重力値cを次々と検出し、各重力値cを重力値用メモリ122に記憶する。また、最下端位置判断部121は、重力値用メモリ122に記憶した各重力値cを比較し、最大値(極値)のものを最大重力値(極値重力値)mcとして特定して重力値用メモリ122に記憶する。つまり、経時的に次々と重力値cを検出して重力値用メモリ122に記憶していくため、走査の途中で一時的に最大重力値mcであると特定しても、その後に更に大きな値の重力値cを検出して記憶していった場合には、この更に大きな値を最大重力値mcであると特定して記憶を更新していく。
水位計測プローブ10が周方向に再走査(第2回目の走査)がされていく際に、重力センサ12から連続的に重力検出信号bが出力されて最下端位置判断部121に入力される。最下端位置判断部121は、再走査の際に連続的に入力される重力検出信号bの値である重力値cを次々と検出する。そして、最下端位置判断部121は、再走査の際に次々と検出した重力値cと、先に特定して記憶した最大重力値(極値重力値)mcとを対比し、検出した重力値cが最大重力値(極値重力値)mcと一致した時に、トリガ信号dを超音波計測部130の超音波探索部131に向けて出力する。
次に水位計測手順及びその時の水位計測システム100の動作を説明する。
検査員が水位計測プローブ10を手に持ち、探触面11aを配管Pの外周面に接触させた状態を維持しつつ、超音波探触子11を周方向に沿い走査させていく際には、超音波探触子11は超音波を出射するとともに反射エコーを受信し、反射エコーに対応する反射エコー信号aを出力する。超音波探索部131は、反射エコー信号aが入力されると、反射エコー信号aから超音波波形(例えばAスコープ波形)を示す超音波波形信号eを作り出力する。波形表示部133は、超音波波形信号eが入力されて、この超音波波形信号eによる超音波波形(例えばAスコープ波形)を表示する。
(i)超音波波形信号eの値(振幅値)が予め設定したゲート信号(閾値)よりも大きいかどうか。
(ii)最下端位置判断部121から超音波探索部131にトリガ信号dが入力されているかどうか。
つまり、(i)超音波波形信号eの値(振幅値)が予め設定したゲート信号(閾値)よりも大きく、且つ、(ii)最下端位置判断部121から超音波探索部131にトリガ信号dが入力されているとき、換言すると、
(I)超音波探触子11の探触面11aが、しっかりと配管Pの外周面に接触しており、
(II)水位計測プローブ10が配管Pの外周面の最下端位置に位置している、
という2つの条件が揃ったときに、画面フリーズ動作をする。
・超音波探触子11の探触面11aがしっかりと配管Pの外周面に接触しているため、超音波波形信号eの値(振幅値)が予め設定したゲート信号(閾値)よりも大きく、
・水位計測プローブ10が配管Pの外周面の最下端位置に位置しているため、最下端位置判断部121から超音波探索部131にトリガ信号dが入力されている、
という2つの条件が揃ったときに、そのときの超音波波形信号eを保持して、保持した超音波波形信号eを連続して出力することをいう。したがって画面フリーズ状態になったときには、波形表示部133には、保持した超音波波形信号eによる超音波波形が連続して表示される。
なお画面フリーズ状態になったときには、超音波探索部131の表示部131aに、画面フリーズ状態になったことが表示される。
検査員は、波形表示部133にフリーズ状態で表示された超音波波形を見たり、波形信号用メモリ132に記憶・保存した超音波波形信号eを解析したりすることにより、水位を検出することができる。
・第1回目の走査をすることにより、水位計測プローブ10が最下端位置に位置したときの重力値cである最大重力値(極値重力値)mcが得られる。
・第2回目の走査をしたときに、重力値cが最大重力値(極値重力値)mcになったところでトリガ信号dが出力されて、告知部140のランプ142が点灯し、ブザー143が鳴動するという告知動作が行われる。このため、告知動作が行われた時点で第2回目の走査を停止することにより、水位計測プローブ10を配管Pの最下端位置αに位置させることができる。
・水位計測プローブ10を配管Pの最下端位置αに位置してトリガ信号dが出力され、且つ、超音波探触子11の探触面11aがしっかりと配管Pの外周面に接触して超音波波形信号eの値(振幅値)が予め設定したゲート信号(閾値)よりも大きくなったときに、このときの超音波波形信号eが保持されてこの超音波波形信号eによる超音波波形が連続して表示(フリーズ画像表示)される。
また図4に示すように水位計測プローブ10が配管Pの最下端位置に位置したときであっても、探触面11aが配管Pの外周面に密着していない場合には、超音波波形信号eの振幅がゲート信号を越えないので、フリーズ画像が表示されることはない。このため、水位を誤計測することはない。
また、水に限らず、各種の液体の液位を検出することができることは、勿論である。
このようなタイプの重力センサ12を用いた場合には、最下端位置判断部121は、水位計測プローブ10を走査(第1回目の走査)をする際に、重力センサ12から連続的に出力される重力検出信号bの値のうち、最小値(極値)のものを最小重力値(極値重力値)mcとして特定して重力値用メモリ122に記憶する。
更に最下端位置判断部121は、水位計測プローブ10を再走査(第2回目の走査)をする際に、重力センサ12から連続的に入力される重力検出信号bの値である重力値cを次々と検出し、次々と検出した重力値cと、先に特定して記憶した最小重力値(極値重力値)mcとを対比し、検出した重力値cが最小重力値(極値重力値)mcと一致した時に、トリガ信号dを、超音波計測部130の超音波探索部131及び告知部140の告知駆動部141に向けて出力する。
他の部分の構成及び動作は、前述したものと同様である。
1,11 超音波探触子
11a 探触面
12 重力センサ
100 水位計測システム
110 水位計測器
120 最下端位置検出部
121 最下端位置判断部
122 重力値用メモリ
130 超音波計測部
131 超音波探索部
131a 表示部
132 波形信号用メモリ
133 波形表示部
134 入力部
140 告知部
141 告知駆動部
142 ランプ
143 ブザー
a 反射エコー信号
b 重力検出信号
c 重力値
d トリガ信号
e 超音波波形信号
f 了承信号
g 非了承信号
Claims (5)
- 超音波を出射すると共に反射エコーを受信する探触面を有する超音波探触子と、センサ軸が鉛直方向に向いたときに重力に応じた値の重力検出信号を出力する重力センサとでなり、前記探触面に対して前記センサ軸が直交する状態で前記超音波探触子と前記重力センサとが一体化されている液位計測プローブと、
液位計測器と
を備え、
前記液位計測器は、
前記重力センサから前記重力検出信号が入力され、検出した各重力値のうち極値のものを極値重力値として特定して記憶し、トリガ信号を出力する最下端位置検出部と、
前記超音波探触子から前記反射エコーに応じた反射エコー信号が入力されると超音波波形を示す超音波波形信号を形成する超音波計測部とにより構成される液位計測システムであって、
前記超音波計測部は、前記超音波波形信号に基づいて前記超音波波形を表示する波形表示部を有し、
前記波形表示部は、前記超音波波形信号を形成するたびに前記超音波波形の表示を更新するが、前記超音波計測部に前記最下端位置検出部から前記トリガ信号が入力された場合に、前記トリガ信号の入力時における前記超音波波形信号を保持するため、前記更新をせずに前記超音波波形を表示し続けることを特徴とする液位計測システム。 - 請求項1において、
前記液位計測器は、前記トリガ信号が入力されると告知動作をする告知部を備えることを特徴とする液位計測システム。 - 請求項1または請求項2において、
前記超音波計測部は、前記トリガ信号が入力され且つ前記超音波波形信号の振幅値が予め決めた閾値よりも大きい場合に、前記トリガ信号の入力時における前記超音波波形信号を保持するため、前記更新をせずに前記超音波波形を表示し続けることを特徴とする液位計測システム。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項において、
前記超音波計測部は、入力部を有しており、前記入力部から承認信号が入力されると、保持した前記超音波波形信号を記憶することを特徴とする液位計測システム。 - 請求項1に記載の液位計測システムにおいて、液体が収容される構造体の面のうち鉛直方向の下方に向かって徐々に湾曲しつつ凸となっている検査面を、前記液位計測プローブにより走査して、前記液体の液位を計測する液位計測方法であって、
前記探触面を前記検査面の外面に接触させた状態で、前記液位計測プローブを、前記検査面の最下端位置よりも高い位置から前記最下端位置を通り更に前記最下端位置を通りすぎる位置にまで走査していき、この走査のときに得られる前記重力検出信号の値のうち極値のものを前記極値重力値として特定して記憶し、前記トリガ信号を出力する工程と、
前記超音波探触子から得られる前記反射エコー信号から前記超音波波形信号を形成する工程と、
前記超音波波形信号を形成するたびに前記超音波波形信号に基づいて前記超音波波形の表示を更新する工程と、
前記重力検出信号の値が前記極値重力値となる位置に前記液位計測プローブを置いている状態において前記トリガ信号が出力され超音波計測部に入力されると、前記トリガ信号の入力時における前記超音波波形信号を保持するため、前記更新をせずに前記超音波波形を表示し続ける工程と、
を有し、
前記トリガ信号の入力時における前記超音波波形信号を基に前記液体の液位を計測することを特徴とする液位計測方法。
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