JP6765122B2 - 素地の釉薬による表面処理方法及びその方法で表面処理した製品の製造方法 - Google Patents

素地の釉薬による表面処理方法及びその方法で表面処理した製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、陶磁器などの素地の釉薬を用いる表面処理方法及びその方法で表面処理した陶磁器などの製品の製造方法に係り、詳しくは表面に吸水性を付与した陶磁器等に関する。
従来より、素焼きの陶磁器の食器などに対して、表面を汚れにくくし、内容物が食器の素地に吸収されるのを防止するとともに、かつ強度を上げ、さらにその美感を高めるために、施釉して焼き上げて表面を均質なガラス質で覆った陶磁器等が古くから知られている。この釉薬は、食器のみならず、例えば特許文献1に示すようにタイルや、金属のようなものにも施される。
特開平1-133990号公報
このような施釉した陶磁器は、防水性が向上し美感も高まるが、これらを買い求めた需要者が、さらに絵付けをしようと思って、施釉され焼成されたガラス質の陶磁器の表面に絵の具などで絵を描こうとしても、絵の具を弾いて描けなかったり、たとえ描けたとしても、こすったりすると簡単に消えてしまう。
消えないように絵を描くためには、釉薬が溶着した陶磁器の表面に、さらに釉薬で絵付して焼成して釉薬を定着させなければならず、窯などの設備が必要となるため専門家でなければできず、一般の陶磁器の需要者は、容易に絵付けをすることができなかった。
なお、陶磁器にアロマオイルを滲み込ませようとすると、施釉しない素焼きのものに滲み込ませることはできるものの、素焼きのままでは意匠的に美感にかけるものとなっていた。
本発明は、美感を有するとともに、容易に絵付けをしたり、アロマオイルなどを滲み込ませたりすることができる陶磁器等の素地の釉薬による表面処理方法及びその方法で素地の表面処理した陶磁器等の製品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の素地の釉薬による表面処理方法では、素地に釉薬を施釉する施釉の工程と、前記施釉した釉薬を乾燥する工程と、窯により前記施釉した釉薬を焼成する焼成の工程と、焼成後に冷却する冷却の工程とを備え、前記焼成の工程は、前記釉薬が半溶融し均質なガラス質とならない温度で焼成することを要旨とする。
また、素地に第1の釉薬を施釉する第1の施釉の工程と、前記施釉した第1の釉薬を乾燥する工程と、乾燥した第1の釉薬の表面にさらに第1の釉薬とは融点が異なる第2の釉薬を施釉する第2の施釉の工程と、前記施釉した第2の釉薬を乾燥する工程と、窯により前記第1の釉薬と第2の釉薬を施釉した素地を焼成する焼成の工程と、焼成後に冷却する冷却の工程とを備え、前記焼成の工程は、前記第1の釉薬の融点と第2の釉薬の融点の間の温度であって、第1の釉薬若しくは第2の釉薬のうち、一方が半溶解し均質なガラス質とならないで、他方は溶解して均質なガラス質となるように焼成するようにしてもよい。
さらに、素地に第1の釉薬を施釉する第1の施釉の工程と、前記施釉した第1の釉薬を乾燥する工程と、前記乾燥した第1の釉薬をその融点以上で焼成する第1の焼成の工程と、当該焼成した釉薬に第2の釉薬を施釉する第2の施釉の工程と、前記施釉した第2の釉薬を乾燥する工程と、前記乾燥した第2の釉薬を焼成する第2の焼成の工程と、焼成後に冷却する冷却の工程とを備え、前記第1の焼成の工程は、前記第1の釉薬が溶融して均質なガラス質となるように焼成し、前記第2の焼成の工程は、前記第2の釉薬が半溶解し、均質なガラス質とならない温度で素地を焼成するようにしてもよい。この場合、焼成温度を変えることで、第1の釉薬と第2の釉薬を同一の釉薬とすることもできる。
前記焼成の工程のいずれかにおいて、釉薬が半溶融し均質なガラス質とならないようにするように当該釉薬の融点未満の温度であり、かつ融点より200°C低い温度以上で焼成することが好ましい。また融点より50〜70°C低い温度で焼成することがさらに好ましい。
上述のような素地の釉薬による表面処理方法により、吸水性を有する多孔性の釉薬を備えた陶器又は磁器からなる製品を得ることができる。
本発明によれば、素地に対して美感を付与するとともに、容易に絵付けをしたり、アロマオイルなどを滲み込ませたりすることができる。
本実施形態の釉薬により表面処理を施したブローチを示す斜視図。 図1のA-A線における断面図。 第1実施形態の素地の釉薬による表面処理方法を示すフローチャート。 後工程の処理を示すフローチャート。 第2実施形態の陶磁器等の素地の釉薬による表面処理方法を示すフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した釉薬による表面処理をしたブローチを一実施形態として、図1〜図3にしたがって説明する。
図1は、ブローチ1の斜視図で、図2は、図1のA−A線における断面図である。ブローチ1は、概ね正方形の板状に形成され、裏面には、図2に示すような周知の装着用のピン10を備える。図2に示す素地2は、基本的に主に粘土からなる素材を焼成した陶器からなる。その表面には、全体に第1の釉薬3が施釉され、裏面を除き全体を覆っている。第1の釉薬3は、その融点以上に焼成されてガラス質の組織となっている。第1の釉薬3の上に重ねて、その中央部に帯状に施釉された第2の釉薬4の層が形成されている。この第2の釉薬4は、通常とは異なり、その融点より低い温度で半溶解して均質なガラス質とならないように焼成され、均質なガラス質ではなく多孔質の構造をなっている。このため、第2の釉薬4には、顔料5などの絵の具などで絵付けができる。さらに、多孔性で吸水性があるため、アロマオイルなどを含浸させることができる。ここで、各構成要素について説明する。
<素地(きじ)>
施釉の対象となる製品のベースとなる部分であり、本実施形態のブローチでは、基本的に粘土(質)+長石(媒熔剤、ガラス質)+珪石(ガラス質)を含む原材料から焼成した陶器であり、例えば土由来の粘土を50%、長石20%、珪石30%の配合とする。
<釉薬>
釉薬は、一般には、素地に塗布し、乾燥させて焼成することで、表面を均質なガラス質とするものをいう。貫入などを生じることがあるが、通常では完全に表面を隙間なく覆い、水分は滲入できない。なお「施釉」とは、釉薬を水などに分散させて素地に塗布することも、釉薬を素地に塗布して焼成してガラス質の表面を完成させることもいうが、本願では、素地に塗布することを「施釉」というものとする。
釉薬は、一般的に、灰(媒熔原料)+粘土(接着材)+長石(接着材・媒熔原料・ガラス原料)+珪石(ガラス原料)から構成される。ちなみに陶磁器の素地粘土は、基本的に粘土(質)+長石+珪石で構成され、灰を含まない。灰は、媒熔原料として酸化カルシウムなどの石灰質が中心であり、高温で溶けてガラスとなるばかりか、媒熔原料として他の成分も溶けやすくして、全体の流動性を高める機能がある。さらに、含まれる発色成分(たとえば銅や鉄分など)によってさまざまな色を発色する。この発色は、焼成温度の違いや、酸化・還元の雰囲気の違いでも変化するため、独自の色合いを出すことができる。
陶磁器の素地粘土は、基本的に粘土(質)+長石+珪石で構成され、灰を含まない。このため高温で焼成すると、長石の熔かす働きと、長石、珪石のガラス材料で粘度の粒を接着させ、ボディーを形成する。灰は、これらをさらに熔かして流動性を高め釉薬としての素地との密着性を向上させる。逆に、灰だけであると、極めて熔けやすいが、流動性が高すぎて流れ落ちてしまう。化学成分的な配合は、例えば、SiO:71.4〜62.8%、Al:20.7〜13.5%、CaO:9.12〜0.32%である。一般に、陶磁器用上絵具、磁器用長石釉、陶器用土灰釉、陶磁器用土釉などの名称で販売されており、いずれのものも使用できる。
<吸水用釉薬と加飾用釉薬>
本発明の特徴である吸水用釉薬は、焼成後も均一なガラス質のならない半溶解の状態で焼成を完了する。一方、加飾用釉薬は、完全に溶解させてガラス質とする。焼成の温度が異なるのみで基本的に釉薬としては共通するものである。このため、吸水用釉薬と加飾用釉薬とを同時に施釉して焼成する場合には、吸水用釉薬は、加飾用釉薬よりも融点が高くなるように調合する必要がある。なお、本願でいう「融点」とは、釉薬が均一なガラス質を形成できる程度に溶解する温度をいう。
そこで、吸水用釉薬の融点を上げるには、耐火度が高い、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ・Al)や、アルミナを含む強化磁器粉末を混合する。一方、加飾用釉薬の融点を下げるには、耐火度が低い、例えば酸化ケイ素(石英・SiO)や、石英を含むフリット等(ガラスの粉末)を混合することで、融点を下げることができる。なお、実際の調合の割合は基になる釉薬と目的の温度によって変わるので、事前の試験により確認する。
このようにして、所定の焼成温度で吸水用釉薬を半溶解とし、加飾用釉薬を完全溶解することができる。
<焼成窯>
焼成に使用する窯は、素地の素焼き及び釉薬の焼成で共通して使用することができるものが望ましく、熱源は電気・都市ガス・プロパンガス・灯油などの種類は問わないが、温度制御装置を備え正確な温度管理ができるものが好ましい。窯のサイズは、例えば電気窯が0.06m、ガス窯は0.8m程度の比較的小型の窯が温度管理が容易で好ましい。たとえば、高島工芸社、日本電産シンポ株式会社、丸仁陶料株式会社などから提供されるが、特注品が多いので型番での特定はできないが、仕様としては、一般的な仕様の窯により実施できる。
<表面処理方法の工程>
ここで、第1実施形態の素地の釉薬による表面処理方法を説明する。図3は、第1実施形態の素地の釉薬による表面処理方法を示すフローチャートである。
まず、素地となる陶器の板を作製する(S1)。次に、作製した陶器の板に第1の釉薬を施釉する(S2)。乾燥(S3)の後、乾燥した第1の釉薬の上に、第2の釉薬の表面の一部に第2の釉薬を施釉する(S4)。そして乾燥(S5)の後、焼成窯の中で予備加熱(S6)をして、焼成(S7)をする。焼成後、窯内で放冷し、冷却(S8)が完了すれば完成する。その後、ピン10の装着や、顔料5による絵付け・定着、アロマオイルの含浸などの後工程で、ブローチ1として完成する。
以下、各工程について詳細に説明する。
<素地の作成(S1)>
陶磁器用粘土に適量の加水をし、土練りを行うことで粘土の堅さを均一に、また粘土の中の気泡を取り除いて粘土の状態を整える。まず、荒練りで土を均一に整え、菊練りで土の中の空気を押し出す。その後、型に充填して板状に成形し、乾燥する。水分の調整が完了したら、窯で、およそ750〜850°Cで焼成して素焼きする。
<第1の釉薬の施釉(S2)>
この実施形態では、第1の釉薬は、加飾用釉薬として、焼成工程(S7)で完全溶融してガラス質が素地2を覆うように、融点が1220°Cに調整されている。第1の釉薬は、加飾用釉薬として板状の素地2の全体を覆うように施釉するため、加水した釉薬の槽に浸漬する、いわゆる「どぶ漬け」としたり、「杓掛け(ひしゃくなどで流しかける方法)」、「噴霧」などで施釉する。なお、部分的に「刷毛塗」として、素地2の素焼きの面を残したり、多色に塗り分けたりしてもよい。
<乾燥(S3)>
施釉した釉薬に重ね塗りをしても差し支えない程度に自然乾燥若しくは赤外線照射、温風などで乾燥させる。
<第2の釉薬の施釉(S4)>
乾燥の工程(S4)で、十分に乾燥したら、第2の釉薬を施釉する。この実施形態では、第2の釉薬は、吸水用釉薬として焼成工程(S7)で半熔融して多孔質の表面が第1の釉薬3を覆うように、融点が1350°Cに調整されている。すなわち第1の釉薬3よりも融点が高く、焼成温度の1250°Cより100°C高い融点に調整されている。
図1、図2に示すように、この実施形態では概ね正方形の板状の素地2の裏面を除き全体が第1の釉薬3で覆われているので、第2の釉薬4は、この第1の釉薬の上に重ね塗りをする。ここでは、概ね正方形の板状のほぼ中央部を横断するように帯状に第2の釉薬4を刷毛塗りする。
<乾燥(S5)>
第2の釉薬4の施釉が完了したら、先の乾燥工程(S3)と同様に乾燥させる。
<予備加熱(S6)>
焼成(S7)に先立ち、急激な温度変化で、ブローチ1が破損したり、釉薬がひび割れたりしないように、焼成炉内で徐々に温度を上げていく予備加熱を行う。
<焼成(S7)>
十分にブローチ1の温度が十分に上昇したら、いわゆる「本焼き」である焼成の工程に移行する。この実施形態での焼成温度は、1250°Cとなっている。この温度は、第1の釉薬3を、完全に熔融する温度であり、かつ。第2の釉薬を半熔融の状態で、多孔質にする温度となっている。焼成時間は、気温や湿度、窯の内容物の量によって変わるが、概ね12〜16時間である。所定の焼成時間が経過したら焼成を終了する。
<冷却(S8)>
焼成終了後は窯内で自然に冷却する。
以上で、本実施形態のブローチの素地の釉薬による表面処理方法を説明した。
<後工程>
図4を参照して、本実施形態の素地2の第1釉薬3及び第2の釉薬4による表面処理が完了したブローチの後工程を説明する。
<ピン装着>
まず、図2に示すように、裏面(図2において下方の面)に、周知のブローチの装着用のピン10を接着剤で接着する(S10)。
<絵付け>
第2の釉薬4を施したところに、繊維用の染料・顔料や水彩絵の具で絵付けをする(S11)。これは、紙やキャンバスに描くのと同様に絵を描けばよい。実施形態では、ラベンダーのアロマオイルに合わせて、ラベンダーの花束を描いている。また、油性の塗料やインキで描いてもよい。第2の釉薬4を施したところは、通常の表面が均一なガラス質ではなく、未溶解の釉薬が残存して多孔質の表面となっている。そのため、ここに描いた液体の絵の具などを保持できる。また、固体の顔料なども多孔質の表面に保持できる。
<乾燥>
絵付けが終了したら、第2の釉薬4の表面の絵の具自体や顔料の溶媒などを乾燥させる(S12)。
<定着>
この場合、この後のアロマオイルの含浸により絵付した絵が滲まないように、撥水剤(具体例:有限会社新昭和コート社製のシリコーン系水性水漏れ防止処理剤CP−M6)や、定着剤(具体例:ダイロンジャパン株式会社製の色止め剤ダイロンカラーストップ(登録商標))などにより定着させて(S13)、色落ちや滲みを防止することも望ましい。
なお、絵付け後のアロマオイルの含浸をしない場合や、絵付した絵を描き替えることを前提に、撥水剤や定着剤を施さないようにしてもよい。
<アロマオイル含浸>
アロマオイルを第2の釉薬4の表面に滴下して、全体に行き渡らせて多孔質の第2の釉薬4に含浸させる(S14)。ここでいういわゆるアロマオイルとは、例えば、アロマテラピーなどに用いられる精油(エッセンシャルオイル)であり、植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質である。このアロマオイルを第2の釉薬4の表面に塗布することで、多孔質の表面に保持され、ゆっくりと芳香を発散させる。このため、本実施形態のブローチ1であれば、これを装着することで、香水やオーデコロンを身に着けたように芳香を発することができる。
なお、ラベンダーや、ペパーミント、オレンジ・スイートなどのアロマオイルの種類に合わせて、絵付けの工程で関連するラベンダーや、ペパーミント、オレンジのイメージに合わせた絵付けをすることで、視覚と嗅覚が相乗的に好ましい印象を作り上げる。実施形態では、上述のように絵付したラベンダーに合わせてラベンダーのアロマオイルを滲み込ませている。
<メンテナンス>
なお、香りが薄くなれば、アロマオイルを追加すれば、芳香は持続する。また、表面を洗浄し、別のアロマオイルを塗布することで、別の香りを楽しむこともできる。
次に、上記のような工程で作製した素地を釉薬により表面処理した製品の試験について説明する。
<剥離試験>
ここでいう「剥離試験」とは、焼成した第2の釉薬4が一定の強度で密着しているかを試験する方法である。
*試験1
爪で引っ掻いて、剥離するか否かを判断する。極めて簡易な方法であるが、製品の個別のチェックが簡単にできる。人間の爪は一定の強度があり、試験の道具としては標準化できる。また、人間の爪で引っ掻いたときに剥離しなければ、本実施形態のブローチのような装飾品などであれば通常の使用では、問題が生じない。まったく剥離が生じない場合を◎、ほとんど剥離が認められない場合を○、わずかに剥離が認められる場合を△、剥離が生じる場合を×とした。
*試験2
センターポンチを人間の手で把持し、表面を軽く叩打する。センターポンチは、鉄製で極めて硬度が高い。陶器の表面や、施釉した部分は、ガラス質を含むため、当然ながらこれらを破壊するような強い打撃を加える必要はない。第2の釉薬4が密着していなければ、極めて軽い打撃でも、硬度が極めて高く質量も大きなセンタポンチで打撃するだけで、応力が極めて狭い範囲に集中するので、このテストに耐えられない。したがってこの試験をクリアすれば、食器やタイルなどの他の物体が当たることが多い実用品でも十分な強度が保証される。まったく剥離が生じない場合を◎、ほとんど剥離が認められない場合を○、わずかに剥離が認められる場合を△、剥離が生じる場合を×とした。
<吸水性試験>
*試験3
第2の釉薬4が一定の吸水性を保持しているかを試験する方法である。ここでいう「吸水性」とは、焼成した多孔質の第2の釉薬4が、その内部に十分に水分を吸収するかを試験する方法である。具体的には、常温20°Cのアロマオイル(具体例:株式会社ニールズヤード レメディーズ社製 水蒸気蒸留法 ラベンダー エッセンシャルオイル)を1cmに対してスポイトで滴下する。静止状態で2分経過してから表面を観察する。表面に光沢がなければ濡れていないと判断でき、アロマオイルは吸水されたと判断する。表面が乾燥して周囲と区別できない場合を◎、周囲からほとんど同じで区別しにくい場合を○、光沢はないが周囲と区別できる場合を△、光沢が認められる場合を×とした。
<評価>
比較例1は、釉薬の融点1350°Cに対して焼成温度900°C(温度差450°C)で焼成した。剥離試験1、2のいずれも剥離を生じ密着性に欠けるものであり、溶解度が低いと思われる。吸水性試験でも十分な吸水性がなく本願発明の効果を奏さないものであった。
比較例2:釉薬の融点1350°Cに対して焼成温度1050°C(温度差300°C)で焼成した。剥離試験2では、ある程度の強度があったが、剥離試験1では剥離した。吸水性試験でも吸水の効果は認められるも、要求する程度までには至らなかった。
実施例1:釉薬の融点1350°Cに対して焼成温度1150°C(温度差200°C)で焼成した。この温度では、密着度が問題ない程度まで向上し、剥離試験1,2でも、効果が認められた。吸水試験では、十分な効果が認められ、釉薬の表面が多孔質になっていることが確認できた。
実施例2:釉薬の融点1350°Cに対して焼成温度1280°C(温度差70°C)で焼成した。剥離試験1、2では、十分な強度があり、釉薬が半溶解となって素地に密着したものと認められる。また、吸水試験では優れた吸水性が認められ、釉薬が多孔質になっていることが確認できた。
実施例3:釉薬の融点1350°Cに対して焼成温度1300°C(温度差50°C)で焼成した。剥離試験では、特に試験1で極めて優れた強度が認められ、釉薬が半溶解の状態で素地にしっかり密着していることが確認できた。また、吸水性試験においても優れた吸水性を示し、釉薬の表面が十分に多孔質を形成していることが分かる。
比較例3:釉薬の融点1350°Cに対して焼成温度1350°C(温度差0°C)で焼成した。つまり、釉薬の融点となるまで加熱した。その結果、通常の釉薬と同じく釉薬は十分に溶解して素地に密着している。一方、十分に溶解した釉薬は表面が緻密なガラス質の均一の組織となり、吸水性は認められなかった。
<評価まとめ>
密着性を高めるためには、釉薬が十分に溶解することが好ましいため、融点の温度より200°C低い温度以上であれば素地への密着性が確保され、融点の温度より70°C低い温度では、剥離に対して十分な強度が認められた。特に融点の温度より50°C低い温度では、極めて優れた密着性が認められた。そして融点の温度で焼成した場合も、当然ではあるが、極めて優れた密着性が認められため、釉薬の密着度は、限りなく融点に近づくほど密着性が向上するものと認められる。
一方、吸水性に関しては融点の温度より450°C低い温度では、釉薬が十分に溶解しないため、多孔性の構造とはならず、融点の温度より300°C低い温度では、釉薬の溶解が始まり多孔性の構造となり、吸水性が認められる。さらに温度が上がれば吸水性が向上するが、融点で完全溶解させた場合には、均一のガラス質となり多孔性の構造は消失するため、吸水性は無くなる。
これらの結果から、本願発明では、釉薬の密着度と吸水性の両立から融点の温度から200°C低い温度から、融点未満の温度で焼成することが好ましい。なお、融点に近いような場合は、焼成時間などによって、多少の吸水性が変化する。さらに融点の温度から50〜70°C低い温度で焼成することがさらに好ましい。この温度であれば安定して耐剥離性と吸水性を得ることができる。
<本実施形態の作用・効果>
上記実施形態のブローチによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、第2の釉薬4が半溶融の状態で焼成され、冷却されて固定されているので、一般的な釉のように表面が均質なガラス質で覆われておらず、多数の凹凸を有した多孔質となっている。そのため、表面に水溶性・油溶性の液体絵の具、顔料、染料などを留め置き、流れ落ちることがない。そのため、種々の材料により自由に絵付することができる。そして乾燥若しくは定着させれば、描いた絵をそのまま保存することができる。
(2)水溶性、油溶性の塗料、染料のような液体だけでなく、チョークや木炭、チャコール、コンテ、色鉛筆などの固体によっても描くことができる。必要があれば、定着剤やニス、樹脂なのでコーティングすれば、固形の着色剤でも絵付けができる。
(3)また、例えば、アロマオイルのようなものを第2の釉薬4に塗布すれば、これを吸水して保持する。そして、保持したアロマオイルは、徐々に蒸散され芳香を発することができる。
(4)素焼きの陶器とは異なり、素地の色彩とは異なる釉薬を自由に選択して、釉薬自体の色彩により任意の色彩とすることができる。1つの製品に対して、複数種類の発色をする釉薬を塗り分けることもできる。そのため、素焼きの陶器に比べて高い美感を与えることができる。
(5)通常の釉のように完全に溶融させた第1の釉薬により、耐水性、強度を付与した上で、さらに重ねて第2の釉薬4を施すことで、両者の特徴を併せ持つことができる。そのため、素焼きの陶器とは異なり容器として水分の保持ができる。
また、耐水性を有しながら、素焼きの陶器なような光沢の無い落ち着いた表面とし、独特の美感を持たせることもできる。
(6)第2の釉薬4の表面は多孔質であるが、表面が焼き固められているので、洗浄することで、着色した絵は除去することができ、絵付したものを消去、あるいは書き換えることができる。
(7)同様に、含浸させたアロマオイルなども、洗浄することで除去することができるので、一度香り付したものを香りを消し去ったり、異なる香りにしたりすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、絵付けの工程(S11)後に、アロマオイルの含浸(S14)を行っているが、先にアロマオイルの含浸(S14)を行った後に、絵付けの工程(S11)を行ってもよい。この場合は、絵が滲まないように、固形の着色材を用いるとよい。
○ 実施形態の絵付け(S11)、乾燥(S12)、定着(S13)、アロマオイルの含浸(S14)の各工程は省略することもできる。
○ 実施形態では、完全に溶融させた第1の釉薬の上に、半溶融させた第2の釉薬を重ねて構成しているが、第1の釉薬と第2の釉薬を入れ替えて、ブローチ全体を多孔質の第2の釉薬を施釉し、その上に完全に溶融した第1の釉薬を重ねてもよい。
○ さらに、実施形態では第1の釉薬は、完全に溶融させる温度で焼成したが、焼成温度を第1の釉薬の融点と第2の釉薬の融点のいずれの融点よりも低い温度で焼成して、いずれも半溶融の状態とすることもできる。この場合、第1の釉薬と第2の釉薬に添加する発色材料を異なるものとすることで、色彩を変えることができる。
○ 素地となる材料は、釉薬と馴染みが良く、釉薬を施釉して焼成できればよい。そのため、施釉と焼成ができる限り、陶器をはじめ、磁器、琺瑯や七宝焼きなどのベースとなる金属、天然石・宝石・貴石・人口鉱物などを用いることができる。
○ その適用範囲も、ブローチやペンダント、イアリングなどの装飾品に限らず、食器や調理器具、照明などのインテリアなどの実用品においても適用できる。さらに、花瓶や家具や、タイルなどの建材としても好適に使用できる。とくに食器においては、完全に溶融した釉薬により耐水性を持たせたうえで、半溶融の釉薬により、素焼きのような雰囲気を醸し出すことができる。
○ アロマオイルに替えて、殺虫剤や防虫剤を含浸させて、殺虫や防虫の効果を付与することもできる。また、消臭剤を含浸させて、靴箱や衣装タンスに収納するようにしてもよい。
○ 形状は、全体を多数の花びらを有する花のようにして、表面積を拡げてアロマオイルや各種薬剤の保持能力を高めることも望ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図5を参照して説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の焼成工程を2回に分けた点を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
まず、第1の実施形態と同じように素地を製作し(S1)、第1の釉薬の施釉(S2)、乾燥(S3)をする。第1の実施形態では、ここで第2の釉薬の施釉をしたが、本実施形態では、予備加熱(S6)を経て、第1の焼成(S107)を行う。この第1の焼成(S107)は、第1の釉薬が完全に溶融する温度で焼成する。その結果、ブローチ1は、第1の釉薬による表面処理が完了する。そして冷却の工程(S8)をへて、第2の釉薬の施釉(S102)が行われる。
第2の釉薬の施釉(S102)は、基本的に第1実施形態における第2の釉薬の施釉(S4)と同じ工程であるが、第1の釉薬が既に焼成されている点が異なる。
その後、乾燥(S103)、予備加熱(S106)を経て、第2の焼成を行う。ここでは、既に第1の釉薬は焼成済みであるので、温度条件は、第2の釉薬を半溶融するための最適温度とすれば良いので、第1の実施形態より温度設定の自由度は高まる。そして、第2の焼成(S107)の工程が完了すれば、冷却(S108)して、第2の実施形態のブローチの素地の釉薬による表面処理方法が完了する。
その後は、図4に示す後工程が行われることは、第1の実施形態と同様である。
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(8)第2の実施形態では、焼成工程を、第1の焼成(S107)と第2の焼成(S102)に分離して、それぞれ第1の釉薬、第2の釉薬に合わせた温度で焼成することができる。そのため、第1の釉薬と第2の釉薬の溶融温度が近接しているような場合でも、さらに同一の釉薬の場合や、第1の釉薬の融点が第2の釉薬の融点より低い場合であっても、その差が200°C以内であれば、それぞれの釉薬を最適な状態とすることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を説明する。なお、第3の実施形態は、第1、第2の実施形態と異なり、単一の釉薬により素地2を処理する点で異なる。
つまり、図5に示す第2の実施形態のS1〜S8と同様な工程を含む。同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。但し、第1の焼成(S107)の工程において、焼成温度は、第1の釉薬の溶融温度より低い温度で、半溶解の状態とする点で異なる。なお、第1の釉薬については、第1、第2の実施形態には限定されず、適宜選択できる。
このように構成したため、第1の釉薬が半溶融ではあるが、素焼きの素地に比較すれば、十分な耐水性を備える一方で、全体は素焼きのような艶消しの外観とすることができる。また、素焼きの素地と異なり、釉薬に様々な発色剤となる金属などを配合することで、素焼きの素地とは異なる色調の陶器を得ることができる。
1…(素地の釉薬による表面処理方法を施した)ブローチ、2…素地、3…第1の釉薬、4…第2の釉薬、5…顔料、10…ピン

Claims (7)

  1. 素地に釉薬を施釉する施釉の工程と、前記施釉した釉薬を乾燥する工程と、窯により前記施釉した釉薬を焼成する焼成の工程と、焼成後に冷却する冷却の工程とを備え、
    前記焼成の工程は、前記釉薬が半溶融し均質なガラス質とならない温度で焼成して、多孔質で吸水性を有した表面を形成することを特徴とする素地の釉薬による表面処理方法。
  2. 素地に第1の釉薬を施釉する第1の施釉の工程と、前記施釉した第1の釉薬を乾燥する工程と、乾燥した第1の釉薬の表面にさらに第1の釉薬とは融点が異なる第2の釉薬を施釉する第2の施釉の工程と、前記施釉した第2の釉薬を乾燥する工程と、窯により前記第1の釉薬と第2の釉薬を施釉した素地を焼成する焼成の工程と、焼成後に冷却する冷却の工程とを備え、
    前記焼成の工程は、前記第1の釉薬の融点と第2の釉薬の融点の間の温度であって、第1の釉薬若しくは第2の釉薬のうち、一方が半溶解し均質なガラス質とならないで、他方は溶解して均質なガラス質となるように焼成することを特徴とする素地の釉薬による表面処理方法。
  3. 素地に第1の釉薬を施釉する第1の施釉の工程と、前記施釉した第1の釉薬を乾燥する工程と、前記乾燥した第1の釉薬を、その融点以上で焼成する第1の焼成の工程と、
    当該焼成した釉薬に第2の釉薬を施釉する第2の施釉の工程と、前記施釉した第2の釉薬を乾燥する工程と、前記乾燥した第2の釉薬を焼成する第2の焼成の工程と、焼成後に冷却する冷却の工程とを備え、
    前記第1の焼成の工程は、前記第1の釉薬が溶融して均質なガラス質となるように焼成し、前記第2の焼成の工程は、前記第2の釉薬が半溶解し、均質なガラス質とならない温度で素地を焼成することを特徴とする素地の釉薬による表面処理方法。
  4. 前記焼成の工程のいずれかにおいて、釉薬が半溶融し均質なガラス質とならないようにするように当該釉薬の融点未満の温度であり、かつ融点より200°C低い温度以上で焼成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の素地の釉薬による表面処理方法。
  5. 前記焼成の工程のいずれかにおいて、釉薬が半溶融し均質なガラス質とならないようにするように当該釉薬の融点より50〜70°C低い温度で焼成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の素地の釉薬による表面処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の素地の釉薬による表面処理方法により製造された、吸水性を有する釉薬を備えた表面を有する陶器又は磁器からなる製品の製造方法
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の素地の釉薬による表面処理方法により製造された、多孔質の釉薬を備えた陶器又は磁器からなる製品の製造方法
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