JP6763322B2 - アンモニア除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンモニア除去装置に関する。
アンモニア含有ガス中のアンモニアを低減させるアンモニアポンプが知られている。例えば、陽イオン交換体と触媒層とガス拡散層とを備え、アンモニア含有ガスからアンモニアを抽出するアンモニア除去装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2008−27752号公報
しかしながら、特許文献1に記載のアンモニア除去装置では、アンモニア含有ガス中のアンモニアを低減させるアンモニアポンプ反応が連続して行われると、アンモニア除去性能が低下してしまうことがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、アンモニア除去性能の低下を抑制することを目的とする。
本発明は、アンモニア含有ガス中のアンモニアを低減するアンモニア除去装置であって、膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟持する1対のセパレータと、前記膜電極接合体と前記1対のセパレータのうちの一方のセパレータとの間に設けられ、前記アンモニア含有ガスが流通する第1ガス流路と、前記膜電極接合体と前記1対のセパレータのうちの他方のセパレータとの間に設けられ、前記第1ガス流路を流通する前記アンモニア含有ガス中のアンモニアが前記膜電極接合体を透過して混合するガスが流通する第2ガス流路と、を有するアンモニアポンプと、前記第1ガス流路を流通する前記アンモニア含有ガスの流通方向を第1方向又は前記第1方向と反対の第2方向に切替える切替部と、前記アンモニアポンプを流れる電流が所定電流を維持するように前記アンモニアポンプに印加する電圧を制御し、前記アンモニアポンプに印加する電圧が所定電圧よりも高くなる場合に前記切替部を制御して前記アンモニア含有ガスの流通方向を切替える制御部と、を備えるアンモニア除去装置である。
本発明によれば、アンモニア除去性能の低下を抑制することができる。
図1は、実施例1に係るアンモニア除去装置を備えた燃料電池システムの構成を示す図である。 図2は、実施例1に係るアンモニア除去装置に備わるアンモニアポンプの断面図である。 図3(a)及び図3(b)は、実施例1に係るアンモニア除去装置の構成を示す図、図3(c)及び図3(d)は、アンモニアポンプの斜視図である。 図4は、実施例1に係るアンモニア除去装置の制御の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施例1に係るアンモニア除去装置の制御の他の一例を示すフローチャートである。 図6(a)及び図6(b)は、アンモニアポンプ内を流通する燃料ガスの流通方向を反転させることの効果を説明する図である。 図7(a)及び図7(b)は、アンモニア除去装置に供給する水素ガス中のアンモニア濃度を徐々に減らしていったときのアンモニアポンプ反応における電圧及び抵抗の実験結果を示す図である。 図8は、アンモニア除去装置に供給する水素ガス中のアンモニア濃度を高濃度→低濃度→高濃度に変化させたときのアンモニア除去装置を通過した水素ガスに含まれるアンモニアの量の実験結果を示す図である。 図9(a)及び図9(b)は、アンモニア除去装置に供給する水素ガス中のアンモニア濃度を変化させたときのアンモニアポンプの触媒層内に残留するスルファミン酸アンモニウムを評価した実験結果を示す図である。 図10は、アンモニア除去装置に水素ガスを供給した後の電解質膜に対する引張試験の試験結果を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例1に係るアンモニア除去装置を備えた燃料電池システムの構成を示す図である。図1のように、燃料電池システム500は、エアコンプレッサ50、燃料タンク52、改質器54、アンモニア除去装置100、燃料電池56、及び制御装置58を備える。燃料電池56は、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を受けて発電する。アンモニア除去装置100は、燃料電池56に供給される燃料ガス中のアンモニアを低減する。改質器54は、原燃料と水とを用いて、水素を含む燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスを燃料電池56に供給する。改質器54に供給された原燃料のうちの燃料ガスを抽出された残留ガスは、配管75を介して配管74と合流し、希釈されて大気に排出される。
空気は、エアコンプレッサ50により配管70を介して改質器54に供給されると共に、配管72を介して燃料電池56のカソード側に酸化剤ガスとして供給される。燃料電池56内を流通した酸化剤ガスは、配管74を介して外部に排出される。
原燃料は、燃料タンク52に貯留されていて、配管76を介して改質器54に供給される。原燃料は、例えば都市ガス、プロパンガス、ナフサ、ガソリン、及び灯油などの炭化水素の原燃料、又はメタノールなどのアルコール系の原燃料である。改質器54において、これらの原燃料を改質する際に、副生成物としてアンモニアが生成される。このため、改質器54で生成された燃料ガスはアンモニアを含有している。また、原燃料として液体アンモニアを使用する場合があり、この場合にも、改質器54で生成された燃料ガスはアンモニアを含有している。
改質器54で生成された燃料ガスは、配管78及び80を介してアンモニア除去装置100に供給される。配管78からアンモニア除去装置100内を流通した燃料ガスは、配管82を介して燃料電池56のアノード側に供給される。配管80からアンモニア除去装置100内を流通した燃料ガスは、配管84を介して再び配管76に供給される。
アンモニア除去装置100は、配管78から供給された燃料ガス中のアンモニアを抽出して低減し、抽出したアンモニアを配管80から供給された燃料ガスに混合させる。これにより、アンモニアが低減された燃料ガスが配管82を介して燃料電池56に供給され、燃料電池56の発電性能の低下が抑制される。また、アンモニアが混合された燃料ガスは、再び上流側から改質器54に供給される。これにより、アンモニアが混合された燃料ガスは、改質器54を介してその一部が燃料電池56に供給されることになり、燃料消費の増大が抑制される。
燃料電池56内を流通した燃料ガスは、配管86及び88を介して循環ポンプ60によって適度に加圧されて再び配管82へ導かれる。また、配管86は配管74に合流すると共に配管74との合流点よりも上流側に燃料ガスの循環量や排出量を調整する排気弁62が配設されている。排気弁62が開いているときは、燃料電池56内を流通した燃料ガスは外部に排出される。
制御装置58は、アンモニア除去装置100の制御を含む燃料電池システム500全体の制御を行う。
図2は、実施例1に係るアンモニア除去装置に備わるアンモニアポンプの断面図である。図2のように、アンモニアポンプ10は、複数のポンプセル12が積層されたスタック構造を有する。ポンプセル12は、電解質膜14の両面に触媒層16a及び触媒層16cが設けられた膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)20を備える。電解質膜14は、陽イオン交換体であり、例えばスルホン酸基を有するフッ素系樹脂材料又は炭素系樹脂材料で形成された固体高分子膜である。触媒層16a及び16cは、電気化学反応を進行させる触媒(例えば白金や、白金−コバルト合金)を担持したカーボン粒子(例えばカーボンブラック)と、スルホン酸基を有する固体高分子であるアイオノマーと、を含む。
MEA20は、拡散層18a及び拡散層18cにより挟持されている。拡散層18a及び18cは、ガス透過性及び電子伝導性を有する部材によって形成されていて、例えばカーボンクロスやカーボンペーパなどの多孔質カーボン製部材によって形成されている。なお、拡散層18a及び18cは、切り曲げ加工により形成されたエキスパンド部を有する金属多孔質体であってもよい。膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)22は、MEA20と拡散層18a及び18cとから構成される。
MEGA22は、セパレータ24a及びセパレータ24cにより挟持されている。セパレータ24a及び24cは、ガス遮断性及び電子伝導性を有する部材によって形成されており、例えばカーボンを圧縮してガス不透過とした緻密性カーボンなどのカーボン部材やプレス成型したステンレス鋼などの金属部材によって形成されている。セパレータ24a及び24cは、MEGA20との間にガス流路26a及びガス流路26cを画定するために、凹凸状に形成されている。配管78から供給され、アンモニアポンプ10を通過した後に燃料電池56に供給される燃料ガスは、ガス流路26cを流通する。配管80から供給され、アンモニアポンプ10を通過した後に改質器54よりも前段側の配管76に戻される燃料ガスは、ガス流路26aを流通する。
アンモニアポンプ10は、ターミナルプレート28及びターミナルプレート30と、エンドプレート32及びエンドプレート34とで、複数のポンプセル12を挟持している。なお、ターミナルプレート28とエンドプレート32との間及びターミナルプレート30とエンドプレート34との間に不図示の絶縁プレートが介在している。ターミナルプレート28及び30は金属製であり、複数のポンプセル12に外部から電圧を印加するためのものである。ターミナルプレート28及び30には、アンモニアポンプ10の電力源であるバッテリ200の負極及び正極がそれぞれ接続されている。
アンモニアポンプによる燃料ガス中のアンモニアの低減について説明する。バッテリ200によって複数のポンプセル12に電圧が印加された状態で、ガス流路26cには配管78から燃料ガスが流通し、ガス流路26aには配管80から燃料ガスが流通する。改質器54により改質されて、アンモニアポンプ10に供給される燃料ガスは水分を含んでいる。このため、ガス流路26cを燃料ガスが流通することにより、拡散層18cで結露により発生した液水に燃料ガス中のアンモニアが溶解して、式(1)のようにアンモニウムイオンと水酸化物イオンとが生成される。触媒層16cでは、式(2)のように水素の解離反応が進行する。このため、MEA20のガス流路26c側では、式(3)のように、プロトンと水酸化物イオンとの中和反応が進行する。したがって、MEA20のガス流路26c側では、見かけ上、式(4)のような化学反応が進行する。
NH+HO→NH +OH・・・(1)
(1/2)H→H+e・・・(2)
+OH→HO・・・(3)
NH+(1/2)H→NH +e・・・(4)
電解質膜14は、アンモニウムイオンに対する親和性がプロトンよりも大きいため、ガス流路26c側で発生したアンモニウムイオンは、電解質膜14に容易に取り込まれてガス流路26a側に到達する。触媒層16aでは、式(5)のように、アンモニウムイオンの還元反応が進行し、アンモニウムイオンがアンモニアに戻される。
NH +e→NH+(1/2)H・・・(5)
触媒層16aで生成されたアンモニアは、ガス流路26aを流通する燃料ガスに混合されて、アンモニアポンプ10から排出される。このようにして、ガス流路26cを流通する燃料ガスからアンモニアが低減される。
図3(a)及び図3(b)は、実施例1に係るアンモニア除去装置の構成を示す図、図3(c)及び図3(d)は、アンモニアポンプの斜視図である。図3(a)及び図3(b)のように、アンモニア除去装置100は、アンモニアポンプ10と、アンモニアポンプ10のガス流路26cを流通する燃料ガスの流通方向を切替える切替部40と、を備える。切替部40は、例えば電磁弁からなる3つの三方弁42a〜42cを含む。制御装置58が三方弁42a〜42cを制御することで、アンモニアポンプ10のガス流路26cを流通する燃料ガスの流通方向が反転する。すなわち、切替部40が第1状態にある場合、配管78からアンモニア除去装置100に供給される燃料ガスは、図3(a)及び図3(c)のように、配管78がマニホールド44に接続され且つ配管82がマニホールド45に接続された状態となってアンモニアポンプ10のガス流路26cを第1方向に流通する。これに対し、切替部40が第2状態にある場合、配管78からアンモニア除去装置100に供給される燃料ガスは、図3(b)及び図3(d)のように、配管78がマニホールド45に接続され且つ配管82がマニホールド44に接続された状態となってアンモニアポンプ10のガス流路26cを第1方向と反対の第2方向に流通する。なお、配管80から供給される燃料ガスはマニホールド46からマニホールド47の方向に流通し、冷媒はマニホールド48からマニホールド49の方向に流通し、流通方向は変化しない。
図4は、実施例1に係るアンモニア除去装置の制御の一例を示すフローチャートである。図4のように、制御装置58は、アンモニア除去装置100にバッテリ200から第1電圧を供給することにより所定電流が流れるようにして、アンモニア除去装置100の運転を開始する(ステップS10)。バッテリ200によって電解質膜14に電位勾配が形成され、この電位勾配によってアンモニウムイオンが電解質膜14を移動することでアンモニアポンプ反応が行われる。アンモニア除去装置100の運転を開始した後、制御装置58は、アンモニア除去装置100を流れる電流が低下したか否かを判断する(ステップS12)。例えば、図2のようにバッテリ200が接続された線路に電流計210を配置し、制御装置58はこの電流計210を用いて電流が低下したか否かを判断する。アンモニウムイオンが電解質膜14を流れ難くなると、アンモニア除去装置100を流れる電流が低下する。
制御装置58は、電流が低下したと判断するまでステップS12を繰り返し(ステップS12:No)、電流が低下したと判断した場合(ステップS12:Yes)、バッテリ200の供給電圧を増大させる(ステップS14)。バッテリ200の供給電圧を増大させることで電解質膜14に形成される電位勾配が大きくなるため、アンモニウムイオンが電解質膜14を流れ易くなり、その結果、アンモニア除去装置100を流れる電流を所定電流にすることができる。
次いで、制御装置58は、バッテリ200の供給電圧が第1電圧より大きい第2電圧よりも大きいか否かを判断する(ステップS16)。制御装置58は、供給電圧が第2電圧以下の場合(ステップS16:No)、ステップS12に戻る。一方、制御装置58は、供給電圧が第2電圧よりも大きい場合(ステップS16:Yes)、切替部40を制御して、アンモニアポンプ10のガス流路26cを流通する燃料ガスの流通方向を反転させる(ステップS18)。その後、制御装置58は、ステップS10に戻る。
図5は、実施例1に係るアンモニア除去装置の制御の他の一例を示すフローチャートである。図5のように、制御装置58は、内蔵するタイマーをONにして、アンモニア除去装置100の運転を開始する(ステップS30)。次いで、制御装置58は、タイマーによる計測時間が所定時間を経過したか否かを判断し、経過していない場合は、経過するまで待機する(ステップS32:No)。タイマーによる計測時間が所定時間を超えた場合、電解質膜14へのアンモニウムイオンの吸着量が増えてアンモニウムイオンが電解質膜14を流れ難くなると考えられる。このため、制御装置58は、タイマーによる計測時間が所定時間を経過した場合(ステップS32:Yes)、切替部40を制御して、アンモニアポンプ10のガス流路26cを流通する燃料ガスの流通方向を反転させる(ステップS34)。次いで、制御装置58は、タイマーをゼロにリセットし(ステップS36)、その後、ステップS32に戻る。
燃料ガスの流通方向を反転させることの効果について説明する。図6(a)及び図6(b)は、アンモニアポンプ内を流通する燃料ガスの流通方向を反転させることの効果を説明する図である。図6(a)及び図6(b)では、アンモニアポンプ10のガス流路26cを流通する燃料ガスの流通方向に沿った形で電解質膜14を表している。電解質膜14中を一端から他端に向かって延びる斜め線で電解質膜14の各部位に対応した位置におけるガス流路26cでの燃料ガス中のアンモニア濃度を表している。電解質膜14の厚さ方向の矢印の長さで電解質膜14の各部位を通過するアンモニウムイオンの量を表している。電解質膜14の下の白抜き矢印で燃料ガスの流れを表している。
図6(a)のように、アンモニアポンプ10のガス流路26cを燃料ガスが第1方向に流通する場合、燃料ガスが供給される側に近い電解質膜14の部位では高濃度のアンモニアを含む燃料ガスが流通するため、電解質膜14を通過するアンモニウムイオンの量が多くなる。燃料ガスが供給される側から燃料ガスが排出される側に向かうに従い、燃料ガス中のアンモニアは抽出、低減されるためにアンモニア濃度は低下していき、それに伴い、電解質膜14を通過するアンモニウムイオンの量も低下していく。
図6(b)のように、アンモニアポンプ10のガス流路26cを流通する燃料ガスの流通方向を第1方向から第2方向に反転させた場合、燃料ガスが供給される側と排出される側とが反転することになる。このため、燃料ガス中のアンモニア濃度と電解質膜14を通過するアンモニウムイオンの量とが図6(a)の場合と比べて反転する。
アンモニウムイオンの通過量が多い電解質膜14の部位では、アンモニウムイオンの一部が電解質膜14を通過できず、時間の経過と共に電解質膜14に吸着するアンモニウムイオンの量が増大していく。これにより、アンモニア除去性能の低下が生じてしまう。アンモニアポンプ10のガス流路26cを流れる燃料ガスの流通方向を反転させることで、アンモニウムイオンの通過量が多かった電解質膜14の部位を通過するアンモニウムイオンの量が少なくなる。これにより、電解質膜14に吸着するアンモニウムイオンの量を抑えることができ、アンモニア除去性能の低下を抑制できる。
ここで、発明者が行った実験について説明する。まず、アンモニア除去装置100に供給する燃料ガス中のアンモニア濃度を徐々に減らしていき、アンモニアポンプ反応における抵抗及び電圧の変化を調査した実験について説明する。実験は次のように行った。アンモニア除去装置100に対して、ガス流路26cに露点温度が60℃のアンモニア含有水素ガスを1L/minで流通させ、ガス流路26aに露点温度が60℃の窒素ガスを1L/minで流通させた。そして、ガス流路26cに流した水素ガス中のアンモニア濃度を10000ppm→1000ppm→10ppmと徐々に減らしていくことで、アンモニアポンプ反応における抵抗及び電圧がどのように変化するかを調査した。実験を行ったアンモニア除去装置100の電極面積は25cm、冷却水温度は65℃、アンモニアポンプでの電流密度は0.2A/cmとした。
図7(a)及び図7(b)は、アンモニア除去装置に供給する水素ガス中のアンモニア濃度を徐々に減らしていったときのアンモニアポンプ反応における電圧及び抵抗の実験結果を示す図である。図7(a)の横軸は時間、縦軸は電圧である。図7(b)の横軸は時間、縦軸は抵抗である。図7(a)及び図7(b)のように、高濃度のアンモニアを含む水素ガスを流通させると、アンモニアポンプ反応における抵抗が大きく、電圧が大きいことが分かる。これは、電解質膜14に吸着したアンモニウムイオンの量が多くなって、電解質膜14を通過するアンモニウムイオンの移動抵抗が高くなったためと考えられる。水素ガス中のアンモニア濃度を減らしていくと、アンモニアポンプ反応における抵抗が小さくなり、電圧が小さくなることが分かる。これは、電解質膜14に吸着したアンモニウムイオンの量が減少していき、電解質膜14を通過するアンモニウムイオンの移動抵抗が小さくなったためと考えられる。
次に、アンモニア除去装置100に供給する燃料ガス中のアンモニア濃度を高濃度→低濃度→高濃度に変化させることで、アンモニア除去装置100を通過した後の燃料ガスに含まれるアンモニアの量の変化を調査した実験について説明する。実験は次のように行った。アンモニア除去装置100に対して、ガス流路26cに露点温度が60℃のアンモニア含有水素ガスを1L/minで流通させ、ガス流路26aに露点温度が60℃の窒素ガスを1L/minで流通させた。そして、ガス流路26cに流した水素ガス中のアンモニア濃度を10000ppm→10ppm→10000ppmと変化させることで、アンモニア除去装置100を通過した後の水素ガスに含まれるアンモニアの量がどのように変化するかを調査した。実験を行ったアンモニア除去装置100の電極面積は25cm、冷却水温度は65℃、アンモニアポンプでの電流密度は0.2A/cmとした。
図8は、アンモニア除去装置に供給する水素ガス中のアンモニア濃度を高濃度→低濃度→高濃度に変化させたときのアンモニア除去装置を通過した水素ガスに含まれるアンモニアの量の実験結果を示す図である。図8の横軸は時間、左縦軸及び右縦軸は単位体積当たりに含まれるアンモニアの重さである。図8のように、高濃度のアンモニアを含む水素ガスを流通させると、アンモニア除去装置100を通過した水素ガスに含まれるアンモニアの量が増大する。その後、低濃度のアンモニアを含む水素ガスを流通させると、アンモニア除去装置100を通過した水素ガスに含まれるアンモニアの量が減少する。その後、高濃度のアンモニアを含む水素ガスを再び流通させると、アンモニア除去装置100を通過した水素ガスに含まれるアンモニアの量は増大する。なお、高濃度のアンモニアを含む水素ガスを流通させた場合でも、初期の段階ではアンモニアを高効率で除去できている。
次に、アンモニア除去装置100に供給する燃料ガス中のアンモニア濃度を変化させた場合において、アンモニアポンプ10の触媒層内に残留するスルファミン酸アンモニウム(NHSONH)を評価した実験について説明する。実験は次のように行った。アンモニア除去装置100に対して、ガス流路26cに露点温度が60℃でアンモニアを10000ppmの濃度で含有する水素ガスを1L/minで流通させ、ガス流路26aに露点温度が60℃の窒素ガスを1L/minで流通させた。この場合において、アンモニアポンプ10の触媒層内に残留したスルファミン酸アンモニウムを質量分析によって評価した。その後、ガス流路26cに流通させる水素ガスを、露点温度が60℃でアンモニアを10ppmの濃度で含有する水素ガスに変更した後、アンモニアポンプ10の触媒層内に残留したスルファミン酸アンモニウムを質量分析によって評価した。質量分析は、試料導入部に熱分解装置を設置したガスクロマトグラフ質量分析装置を用いた。熱分解装置の加熱温度を50℃〜800℃、装置間のインターフェース温度を320℃、ガスクロマトグラフのカラム温度を300℃とした。質量分析装置はイオントラップ型を用い、キャリアガスをヘリウム(He)、イオン化エネルギーを70eV、加速電圧を10kVとした。なお、アンモニア除去装置100の電極面積は25cm、冷却水温度は65℃、アンモニアポンプでの電流密度は0.2A/cmとした。
図9(a)及び図9(b)は、アンモニア除去装置に供給する水素ガス中のアンモニア濃度を変化させたときのアンモニアポンプの触媒層内に残留するスルファミン酸アンモニウムを評価した実験結果を示す図である。図9(a)は、アンモニア濃度が10000ppmである水素ガスを流通させた後の実験結果であり、図9(b)は、アンモニア濃度が10ppmである水素ガスを流通させた後の実験結果である。図9(a)及び図9(b)の横軸は時間、縦軸はイオン強度である。図9(a)及び図9(b)のように、10000ppmのアンモニア濃度を有する水素ガスを流通させた後に、10ppmのアンモニア濃度を有する水素ガスを流通させると、触媒層内のスルファミン酸アンモニウムが減少することが分かる。すなわち、電解質膜14内のスルファミン酸アンモニウムも減少することが分かる。
図7(a)から図9(b)の実験結果から、アンモニアポンプ10内に供給される燃料ガス中のアンモニア濃度が高濃度から低濃度に変化することで、電解質膜14内のアンモニウムイオンの量が減少し、アンモニア除去性能が回復することが分かる。したがって、これらの実験結果から、アンモニアポンプ10内を流通する燃料ガスの流通方向を反転させて、図6(a)及び図6(b)のように、高濃度のアンモニアを含む燃料ガスが流通していた電解質膜14の部位を低濃度のアンモニアを含む燃料ガスが流通するようにすることで、電解質膜14内のアンモニウムイオンが増大することが抑制され、アンモニア除去性能の低下が抑制されることが分かる。
以上のように、実施例1によれば、アンモニア除去装置100は、ガス流路26cを流通するアンモニア含有ガスの流通方向を第1方向又は第1方向と反対の第2方向に切替える切替部40を備える。これにより、上述したように、電解質膜14に吸着するアンモニウムイオンの増大を抑制でき、アンモニア除去性能の低下を抑制できる。
また、制御装置58は、切替部40によるアンモニア含有ガスの流通方向の切替えを、図4のようにバッテリ200からの供給電圧に基づいて行ってもよいし、図5のようにアンモニア除去装置100の運転時間に基づいて行ってもよい。切替部40の切替えをバッテリ200からの供給電圧に基づいて行うことで、電解質膜14に吸着したアンモニウムイオンの濃度をより精度良く反映した制御が可能となる。切替部40の切替えをアンモニア除去装置100の運転時間に基づいて行うことで、簡易な構成での制御が可能となる。
次に、アンモニア除去装置100に水素ガスを供給した後の電解質膜14に対して行った引張試験について説明する。実験は次のように行った。まず、第1試料から第3試料を作製した。第1試料から第3試料は、アンモニア除去装置100に対して、ガス流路26cに露点温度が60℃の水素ガスを1L/minで流通させ、ガス流路26aに露点温度が60℃の窒素ガスを1L/minで流通させて作製すると共に、ガス流路26cに流通させる水素ガスのアンモニア濃度を異ならせた。第1試料は、ガス流路26cに10000ppmのアンモニア濃度を有する水素ガスを流通させることで作製した。第2試料は、ガス流路26cに10000ppmのアンモニア濃度を有する水素ガスを流通させ、その後、10ppmのアンモニア濃度を有する水素ガスを流通させることで作製した。第3試料は、ガス流路26cにアンモニアを含有しない水素ガスを流通させることで作製した。引張試験は、引張圧縮試験機と引張圧縮型高精度荷重計を用い、強健は10mm/minとして行った。第1試料から第3試料の厚みはマイクロメータにより計測し、(引張による変位/標線間距離(16mm))×100を歪として算出した。
図10は、アンモニア除去装置に水素ガスを供給した後の電解質膜に対する引張試験の試験結果を示す図である。図10の横軸は歪、縦軸は応力である。図10中の太線は第1試料の試験結果、細線は第2試料の試験結果、点線は第3試料の試験結果である。図10のように、10000ppmのアンモニア濃度を有する水素ガスを流した第1試料は、アンモニアを含有しない水素ガスを流した第3試料に比べて、低歪で破断が生じており、電解質膜14が硬化していることが分かる。一方、10000ppmのアンモニア濃度を有する水素ガスを流した後に10ppmのアンモニア濃度を有する水素ガスを流した第2試料は、電解質膜14の硬化が第3試料と同程度にまで回復していることが分かる。なお、第2試料では第3試料よりも電解質膜14の硬化が緩和されているが、これは測定ばらつきによるものと考えられる。
図10の実験結果から、ガス流路26cを流通するアンモニア含有ガスの流通方向を第1方向と第2方向との間で切替えることで、電解質膜14の硬化を抑制できることが分かる。
なお、実施例1では、制御装置58は、アンモニア除去装置100を含む燃料電池システム500全体を制御するとして説明したが、アンモニア除去装置100のみを制御する場合でもよい。すなわち、アンモニア除去装置100に制御装置58が含まれる場合でもよい。この場合、燃料電池システム500のうちのアンモニア除去装置100以外の部分は別の制御装置によって制御されることになる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 アンモニアポンプ
12 ポンプセル
14 電解質膜
16a、16c 触媒層
18a、18c 拡散層
20 膜電極接合体
22 膜電極ガス拡散層接合体
24a、24c セパレータ
26a、26c ガス流路
28、30 ターミナルプレート
32、34 エンドプレート
40 切替部
42a〜42c 三方弁
44〜49 マニホールド
50 エアコンプレッサ
52 燃料タンク
54 改質器
56 燃料電池
58 制御装置
100 アンモニア除去装置
200 バッテリ
210 電流計
500 燃料電池システム

Claims (1)

  1. アンモニア含有ガス中のアンモニアを低減するアンモニア除去装置であって、
    膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟持する1対のセパレータと、前記膜電極接合体と前記1対のセパレータのうちの一方のセパレータとの間に設けられ、前記アンモニア含有ガスが流通する第1ガス流路と、前記膜電極接合体と前記1対のセパレータのうちの他方のセパレータとの間に設けられ、前記第1ガス流路を流通する前記アンモニア含有ガス中のアンモニアが前記膜電極接合体を透過して混合するガスが流通する第2ガス流路と、を有するアンモニアポンプと、
    前記第1ガス流路を流通する前記アンモニア含有ガスの流通方向を第1方向又は前記第1方向と反対の第2方向に切替える切替部と、
    前記アンモニアポンプを流れる電流が所定電流を維持するように前記アンモニアポンプに印加する電圧を制御し、前記アンモニアポンプに印加する電圧が所定電圧よりも高くなる場合に前記切替部を制御して前記アンモニア含有ガスの流通方向を切替える制御部と、を備えるアンモニア除去装置。
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