以下に説明する実施形態は、自動車が、いわゆる自家用自動車であり、かつ、自動運転車の構成とされた場合の例である。そして、この実施形態では、この発明の自動車の実施形態である自動運転車1について、図1に示すような利用形態を可能にするものである。
先ず、この利用形態を説明すると共に、実施形態の自動運転車1の動作の概要を説明する。以下に示す実施形態の自動運転車1は、例えば家族や親族間、仲間内で共用するなど、複数の利用者により共用されることを想定している。共用する利用者は、当該自動運転車1に対して、予め利用予定登録者として登録する。自動運転車1は、その登録された利用予定登録者の情報を、登録者番号などからなる識別情報と対応付けて、記憶部に記憶する。この場合に、利用予定登録者の情報としては、顔画像、音声、指紋、静脈、虹彩などの生体情報、氏名、住所、生年月日、ID、パスワード、電話番号またはメールアドレスなどが記憶される。
この実施形態では、自動運転車1は、記憶した利用予定登録者の情報を、単独で、あるいは複数個を組み合わせて用いることで、後述する利用予定登録者の認証参照用情報としても用いるものである。すなわち、利用予定登録者の認証参照用情報としては、顔画像、音声、指紋、静脈、虹彩などの生体情報、氏名、住所、生年月日、ID、パスワード、電話番号またはメールアドレスなどを、単独で、あるいは複数個を組み合わせて用いることができる。
利用予定登録者の顔画像は、自動運転車1が備えるカメラで撮影したものを利用することができ、利用予定登録者のその他の生体情報は、予め自動運転車1のメモリに記憶したものを利用することができる。また、その他の情報は、利用予定登録者が入力したものを利用することができる。また、顔画像を含めた生体情報やその他の情報は、クラウド上に記憶したものを、後述する通信ネットワーク3を介して利用することもできる。さらに、利用予定登録者の顔画像は、自身が所持する携帯電話端末が備えるカメラで撮影したものを利用することもでき、利用予定登録者のその他の生体情報やその他の情報は、予め前記携帯電話端末のメモリに記憶したものを利用することもできる。
図1の例では、自動運転車1に利用予定登録者として記憶されている、例えば家族の一員である利用者2Aが自動運転車1を利用(例えば運転)して自宅4に戻って、自動運転車1から降車して、自宅4に入る。この場合に、利用者2Aは、必要に応じて、自動運転車1に乗車中に、あるいは自動運転車1からの降車の際に、自動運転車1に対して、降車後の再乗車の予定の情報を入力すると共に、降車後の自動運転車1がすべき降車後振る舞いを設定する。
利用者2Aは、再乗車の予定の情報としては、後述するように、他人の乗車を禁止して自分の再乗車を確保するように予定入力したり、自分の再乗車の予定があるが、他の利用予定登録者の乗車の要求がある場合には、自分が許可すれば、当該他の利用予定登録者の利用を許可するように予定入力したり、再乗車の予定なし(利用終了)などの予定入力をする。また、利用者2Aは、降車後振る舞いとして、例えば自宅4から若干離れた駐車場5に移動するように指示する。
自動運転車1は、入力された再乗車の予定の情報を受け付けて、再乗車の予定の情報を、入力した入力者(以下、予定入力者という。図1では利用者2A)の識別用情報(後述するように認証参照用情報になる)及び予定入力者との間での無線通信のための接続情報と対応付けて記憶部に記憶する。自動運転車1は、この記憶された再乗車の予定の情報を、予定入力者の降車を確認した後に有効とする。
この場合に、予定入力者の識別用情報及び予定入力者との間での無線通信のための接続情報としては、当該予定入力者が、利用者2Aのように利用予定登録者である場合には、記憶されている利用予定登録者の情報から抽出されて用いられる。予定入力者との間での無線通信のための接続情報としては、予定入力者が所持する携帯電話端末の電話番号やメールアドレスなどが用いられる。また、予定入力者が、自動運転車1に記憶されている利用予定登録者ではない場合には、自動運転車1は、予定入力者の顔画像を撮影したり、予定入力者から氏名やパスワードなどを取得して識別用情報とすると共に、携帯電話番号やメールアドレスなどの接続情報を取得して、入力された予定の情報と対応付けて記憶する。
すなわち、再乗車の予定の情報の入力者の認証参照用情報としては、顔画像、音声、指紋、静脈、虹彩などの生体情報、氏名、住所、生年月日、ID、パスワード、電話番号またはメールアドレスなどを、単独で、あるいは複数個を組み合わせて用いることができる。
また、自動運転車1は、この実施形態では、無人運転による自律走行により移動する機能を備えている。自動運転車1は、利用者2Aにより設定された降車後振る舞いの指示に従って、無人運転による自律走行により、図1の例では駐車場5に移動する。
この実施形態の自動運転車1は、携帯電話網及びインターネットを含む通信ネットワーク3を通じた通信を行う機能を備えている。そして、自動運転車1は、この通信ネットワーク3の携帯電話網を通じた呼び出しがあると、その呼び出しをしてきた利用者(図1では呼出者)2Bについて認証を行い、その認証ができたときには、その呼び出しをしてきた利用者2Bにより指示された場所に移動する。
なお、この実施形態においては、自動運転車1に対して呼び出しを行う携帯電話端末には、自動運転車1の呼出用のアプリケーションプログラムを、携帯電話端末の使用者が予めインストールするようにする。そして、使用者が、携帯電話端末の呼出用のアプリケーションプログラムを用いて、自動運転車1の呼出操作をすると、自動的に自動運転車1の無線通信部に宛てた電話発信を行い、その際に、自動運転車1を呼び出して待ち受ける場所の位置情報として、この実施形態では、携帯電話端末の現在位置の情報を付加した呼出要求を自動運転車1に送る。自動運転車1は、呼出者の認証ができたときには、この位置情報により示された場所に向けて移動する。
この場合に、呼出者についての認証としては、この実施形態の自動運転車1は、先ず、呼出者が、当該自動運転車1に登録された利用予定登録者であるかどうかの第1の呼出者認証を、記憶されている利用予定登録者の情報を認証参照用情報として用いて行い、利用予定登録者でなければ、この実施形態では、呼び出しを拒否する。
そして、第1の呼出者認証の結果、呼出者が利用予定登録者であると判断したときには、自動運転車1は、有効とされている再乗車の予定の情報が記憶されているかどうか判別し、予定の情報が記憶されていないときには、利用予定登録者による呼び出しを受け付けて、呼出要求に含まれている位置情報により示された場所に移動する。
また、第1の呼出者認証の結果、呼出者が利用予定登録者であると判断した場合において、有効とされている再乗車の予定の情報が記憶されていると判別されたときには、自動運転車1の記憶部に記憶されている再乗車の予定の情報の入力者(予定入力者)についての認証参照用情報を用いて呼出者についての第2の呼出者認証を行う。
そして、第2の呼出者認証で、呼出者が予定入力者であると判断したときには、自動運転車1は、呼出者である予定入力者による呼び出しを受け付けて、呼出要求に含まれている位置情報により示された場所に移動する。
また、第2の呼出者認証で、呼出者が予定入力者ではないと判断したときには、自動運転車1は、記憶されている予定の情報を参照して、予定入力者以外の者の利用可能性を判断する。そして、予定の情報が、予定入力者以外の者の利用可能性を否定している場合には、自動運転車1は、呼出者による呼び出しを拒否する。
また、第2の呼出者認証で、呼出者が予定入力者ではないと判断した場合において、予定の情報が、予定入力者の許可があれば予定入力者以外の利用者の利用の可能性があることを示している場合には、自動運転車1は、許可認証者としての予定入力者に対して、他の利用予定登録者の呼び出しを許可するか否かを問い合わせ、その問い合わせの回答に基づいて呼出者の認証(第3の呼出者認証)を行う。
すなわち、第3の呼出者認証においては、自動運転車1は、予定入力者の接続情報を用いて、予定入力者との間に通信路を接続し、他の利用予定登録者の呼び出しを許可するか否かを予定入力者に問い合わせる。この問い合わせに対して予定入力者は、他の利用予定登録者の呼び出しを許可する場合には呼出許可の回答をし、他の利用予定登録者の呼び出しを拒否する場合には呼出不許可の回答をする。なお、この場合に、この実施形態では、再乗車の予定入力者には、他の利用予定登録者に関する情報は送られないが、例えば他の利用予定登録者の顔画像などの生体情報や氏名などを他の利用予定登録者が誰であるかを認識できる情報を、再乗車の予定入力者に、呼び出しの可否を決定するための参照情報として送るようにしてもよい。
自動運転車1は、この第3の呼出者認証においては、予定入力者からの通信路を通じた問い合わせに対する回答を受信して、その受信した回答に基づいて呼出者についての呼び出しの可否を決定する。すなわち、予定入力者から呼出許可の回答を受信したときには、自動運転車1は、他の利用予定登録者の呼び出しに応じる。また、予定入力者から呼出不許可の回答を受信したときには、自動運転車1は、他の利用予定登録者の呼び出しを拒否するようにする。そして、自動運転車1は、第3の呼出者認証により呼出者の認証ができて、呼出者の要請に応じる場合には、指定された待ち受け場所に自律走行により移動する。
なお、自動運転車1の走行中などの利用中における、呼出者による呼出操作については、呼出者の認証をすることなく、呼び出しを拒否するようにしてもよい。この場合、自動運転車1は、呼出者に対し「現在利用中で呼び出しに応じられません。」などの音声メッセージや文字メッセージを通知してもよい。
上述の第1の呼出者認証及び第2の呼出者認証における認証用情報としては、呼出者の顔画像、音声、指紋、静脈、虹彩などの生体情報、氏名、住所、生年月日、ID、パスワード、電話番号またはメールアドレスなどを、単独で、あるいは複数個を組み合わせて用いる。呼出者は、携帯電話端末から携帯電話網を通じて、この認証用情報を自動運転車1に送る。
呼出者の顔画像は、携帯電話端末が備えるカメラで撮影したものを利用することができ、また、呼出者の音声は、携帯電話端末が備えるマイクロフォンで収音したものを利用することができ、さらに、呼出者のその他の生体情報は、予め携帯電話端末のメモリに記憶したものを利用することができる。また、その他の情報は、呼出者が携帯電話端末に入力したものを利用することができる。また、顔画像を含めた生体情報やその他の情報は、クラウド上に記憶したものを、通信ネットワーク3を介して利用することもできる。
なお、これら第1の呼出者認証及び第2の呼出者認証において、上記の呼出者から取得する認証用情報と比較参照する認証参照用情報としては、自動運転車1の記憶部に記憶されている利用予定登録者の情報を用いることができる。以下に説明する例では、第1の呼出者認証及び第2の呼出者認証のための呼出者の認証用情報及び認証参照用情報の例としては、呼出者の携帯電話端末の電話番号とする。第2の呼出者認証のための認証許可者である予定入力者の携帯電話端末の電話番号は、再乗車の予定の情報の入力を受け付けたときには、予定の情報と対応付けられて記憶される。
次に、この実施形態の自動運転車1は、呼び出しにより指定された待ち受け場所において、新たに利用を開始しようとする利用者については、その乗車時に、利用者についての認証(乗車利用者認証)を行い、その認証ができた利用者のみが自動運転車1の利用、すなわち、自動運転車1を走行させることを可能とするようにする。なお、待ち受け場所は、図1の例のように、一旦移動した後、呼出者による呼び出しに応じて移動してきた場合のみではなく、前回の降車時に移動せずにその位置に停車または駐車していた場合を含むものである。
この場合に、乗車時の利用者についての認証としては、この実施形態の自動運転車1は、先ず、乗車しようとしている利用者が、当該自動運転車1に登録された利用予定登録者であるかどうかの第1の乗車利用者認証を、記憶されている利用予定登録者の情報を認証参照用情報として用いて行い、利用予定登録者でなければ、この実施形態では、自車(自動運転車1自身)の利用を拒否して禁止するようにする。
そして、第1の乗車利用者認証の結果、乗車しようとしている利用者が利用予定登録者であると判断したときには、自動運転車1は、有効とされている再乗車の予定の情報が記憶されているかどうか判別し、予定の情報が記憶されていないときには、利用予定登録者による自車の利用を許可するようにする。
また、第1の乗車利用者認証の結果、乗車しようとしている利用者が利用予定登録者であると判断した場合において、有効とされている再乗車の予定の情報が記憶されていると判別されたときには、自動運転車1の記憶部に記憶されている再乗車の予定の情報の予定入力者についての認証参照用情報を用いて、乗車しようとしている利用者についての第2の乗車利用者認証を行う。
そして、第2の乗車利用者認証で、乗車しようとしている利用者が予定入力者であると判断したときには、自動運転車1は、予定入力者による自車の利用を許可するようにする。
また、第2の乗車利用者認証において、乗車しようとしている利用者が予定入力者でないと判断したときには、自動運転車1は、記憶されている予定の情報を参照して、予定入力者以外の者の利用可能性を判断する。そして、予定の情報が、予定入力者以外の者の利用可能性を否定している場合には、自動運転車1は、乗車しようとしている利用者による自車の利用を拒否して禁止するようにする。
また、第2の乗車利用者認証で、乗車しようとしている利用者が予定入力者ではないと判断した場合において、予定の情報が、予定入力者の許可があれば予定入力者以外の利用者の利用の可能性があることを示している場合には、自動運転車1は、許可認証者としての予定入力者に対して、他の利用予定登録者の利用を許可するか否かを問い合わせ、その問い合わせの回答に基づいて乗車しようとしている利用者についての第3の乗車利用者認証を行う。
すなわち、第3の乗車利用者認証においては、自動運転車1は、予定入力者の接続情報を用いて、予定入力者との間に通信路を接続し、他の利用予定登録者の自車の利用を許可するか否かを予定入力者に問い合わせる。この問い合わせに対して予定入力者は、他の利用予定登録者の利用を許可する場合には利用許可の回答をし、他の利用予定登録者の利用を拒否する場合には利用不許可の回答をする。なお、この場合に、この実施形態では、再乗車の予定入力者には、他の利用予定登録者に関する情報は送られないが、例えば他の利用予定登録者の顔画像などの生体情報や氏名などを他の利用予定登録者が誰であるかを認識できる情報を、再乗車の予定入力者に、利用の可否を決定するための参照情報として送るようにしてもよい。
自動運転車1は、この第3の乗車利用者認証においては、予定入力者からの通信路を通じた問い合わせに対する回答を受信して、その受信した回答に基づいて乗車しようとしている利用者についての自車の利用の可否を決定する。すなわち、予定入力者から利用許可の回答を受信したときには、自動運転車1は、他の利用予定登録者の自車の利用を許可する。また、予定入力者から利用不許可の回答を受信したときには、自動運転車1は、他の利用予定登録者の自車の利用を拒否(禁止)するようにする。
第1の乗車利用者認証及び第2の乗車利用者認証のために用いる認証用情報及び認証参照用情報の例としては、この実施形態では、利用者の顔画像、音声、指紋、静脈、虹彩などの利用者の生体情報が用いられる。以下に説明する例では、第1の乗車利用者認証のための認証参照用情報として、記憶部には利用予定登録者の顔画像が記憶される。また、第2の乗車利用者認証のための認証参照用情報として、記憶部には、予定入力者の顔画像が記憶される。
図1を参照して、この実施形態の自動運転車1の主要な動作の概要を説明する。なお、利用者2A及び2Bは、共に、自動運転車1に利用予定登録者として登録されているものとする。
例えば、図1の例において、自動運転車1に再乗車の予定の情報を入力した後に降車した利用者2A自身が、自宅4において、自分の携帯電話端末で自動運転車1に呼び出しの電話をかけたとする。すると、この実施形態の自動運転車1は、第1の呼出者認証においては、利用者2Aを利用予定登録者として認証し、更に、第2の呼出者認証において、利用者2Aの電話番号が再乗車の予定の情報と対応付けて記憶されている携帯電話端末の電話番号と一致するので、利用者2Aを予定入力者として認証する。そこで、自動運転車1は、この利用者2Aの呼び出しに応じて、駐車場5から利用者2Aの自宅4に向かう。
そして、自動運転車1が自宅4に到着したら、利用者2Aが、自動運転車1に乗車しようとしたとする。このときには、自動運転車1は、乗車しようとしている利用者2Aの顔画像を撮影して取得し、第1の乗車利用者認証において、その取得した顔画像と、利用予定登録者情報として記憶されている利用者2Aとから、利用者2Aを利用予定登録者として認証する。さらに、自動運転車1は、第2の乗車利用者認証において、取得した利用者2Aの顔画像と再乗車の予定の情報と対応付けて記憶された利用者2Aの顔画像とから、利用者2Aを、再乗車の予定入力者として認証する。したがって、自動運転車1は、第1の乗車利用者認証と第2の乗車利用者認証ができたとして、利用者2Aによる自車の利用を許可する。
次に、図1の例において、自動運転車1に再乗車の予定の情報を入力した後に降車した利用者2Aではない他の利用者2Bが、自宅4において、自分の携帯電話端末で自動運転車1に呼び出しの電話をかけて、自動運転車1に乗車して利用しようとする場合について説明する。
この場合には、自動運転車1は、第1の呼出者認証において、利用者2Bは利用予定登録者として認証することができるが、第2の呼出者認証においては、利用者2Bの電話番号が予定入力者である利用者2Aの携帯電話端末の電話番号と不一致となるので、認証ができなかったと判断する。
そこで、自動運転車1は、記憶されている予定の情報を参照して、予定入力者以外の者の利用可能性を判断する。そして、予定の情報が、予定入力者の許可があれば予定入力者以外の利用者の利用の可能性があることを示しているときには、許可認証者としての予定入力者である利用者2Aに対して、他の利用予定登録者の呼び出しを許可するか否かを問い合わせ、その問い合わせの回答に基づいて第3の呼出者認証(再乗車予定有り)を行う。
許可認証者としての利用者2Aが、呼出許可の回答をしたときには、自動運転車1は、利用者2Bの呼び出しを受け付けて、利用者2Bの指定する待ち受け場所、図1の例では、利用者2Bは利用者2Aの家族であるので、利用者2Aの自宅4に向かう。
そして、自動運転車1が自宅4に到着したら、利用者2Bは、自動運転車1に乗車しようとする。すると、自動運転車1は、第1の乗車利用者認証においては、利用予定登録者であることを認証するが、第2の乗車利用者認証において、再乗車の予定の情報と共に記憶された利用者2Aの顔画像と、乗車してきた利用者2Bの撮影された顔画像とが不一致であることから、第2の乗車利用者認証においては、認証ができなかったと判断する。
この時には、自動運転車1は、呼出者認証時と同様にして、記憶されている予定の情報を参照して、予定入力者以外の者の利用可能性を判断し、利用可能性があると判断したときには、第3の乗車利用者認証を行う。
すなわち、自動運転車1は、予定の情報が、予定入力者の許可があれば予定入力者以外の利用者の利用の可能性があることを示しているときには、許可認証者としての予定入力者である利用者2Aに対して、他の利用予定登録者の利用を許可するか否かを問い合わせ、その問い合わせの回答に基づいて第3の乗車利用者認証を行う。
この第3の乗車利用者認証においては、自動運転車1は、予定入力者である利用者2Aの接続情報を用いて、利用者2Aとの間に通信路を接続し、他の利用予定登録者の利用を許可するか否かを予定入力者である利用者2Aに問い合わせる。この問い合わせに対して利用者2Aが乗車許可の回答をした場合には、自動運転車1は、その回答を受信して、利用者2Bについての第3の乗車利用者認証ができたと判断し、利用者2Bの利用を許可する。また、利用者2Aが乗車不許可の回答をした場合には、自動運転車1は、その回答を受信して、利用者2Bについての第3の乗車利用者認証ができなかったと判断し、利用者2Bの利用を拒否(禁止)する。
以上のようにして、実施形態の自動運転車1によれば、乗車中の利用者は、再乗車の予定の情報を自動運転車1に入力して記憶させることでき、その予定の情報により、自身の再乗車を優先させたり、場合によっては、他の利用者の乗車利用を許可したりするようにすることができる。したがって、次に利用(乗車)しようとする者との調整がスムーズにでき、セキュリティー上も安全性の向上を図ることができる。
[自動運転車1のハードウエア構成例]
以上の処理を実現する自動運転車1のハードウエア構成例について、以下に説明する。
図2は、この実施形態の自動運転車1の電子制御回路部10のハードウエア構成例を示すブロック図である。なお、この実施形態の自動運転車1は、電気自動車の場合の例である。ただし、バッテリーは、図2では図示を省略した。
また、この実施形態の自動運転車1は、自動運転モードと、手動運転モードとを備えている。手動運転モードは、自動運転車ではない通常の自動車と同様に、運転者のアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作及びステアリング操作(ハンドル操作)に応じた走行ができるモードである。また、自動運転モードは、運転者がアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作及びステアリング操作をしなくても、自動運転車1自身が自動的(自律的)に障害物を回避しながら進路変更をする走行モードである。
自動運転車1の運転者は、例えば後述するタッチパネル112を通じた所定の操作により、手動運転モードで走行中の自動運転車1を自動運転モードに切り替えることができると共に、自動運転モードで走行中に、運転者がアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作またはステアリング操作をすると、自動的に手動運転モードに戻るように構成されている。
図2に示すように、電子制御回路部10は、コンピュータを搭載して構成されている制御部101に対して、システムバス100を通じて、無線通信部102、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104、手動/自動運転モード切替制御部105、レーダー群106、カメラ群107、センサ群108、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、表示部111、タッチパネル112、カーナビゲーション(以下、カーナビと略称する)機能部113、利用予定登録者情報受付部114、利用予定登録者情報記憶部115、呼出者認証部116、乗車利用者認証部117、再乗車予定情報受付部118、予定入力情報記憶部119、降車後振る舞い処理部120、降車後振る舞い記憶部121、音声入出力部122、のそれぞれが接続されている。
モータ駆動制御部103には、モータ駆動部131が接続されている。ステアリング駆動制御部104には、ステアリング駆動部132が接続されている。手動/自動運転モード切替制御部105には、手動運転操作検知部133が接続されている。また、カーナビ機能部113には、カーナビ用データベース134が接続されている。さらに、音声入出力部122には、マイクロフォン135及びスピーカ136が接続されている。
無線通信部102は、この実施形態では、携帯電話網を通じて電話通信や電子メール通信などの通信を行う機能を備える。制御部101は、この無線通信部102を通じて、呼出者からの呼出要求を受けたときの処理を行う機能と、許可認証者(予定入力者)との通信路の生成を行って、第3の呼出者認証や、第3の乗車利用者認証を行うための処理機能を、ソフトウエア処理機能として備えている。
モータ駆動制御部103は、制御部101の制御の下に、この実施形態の電気自動車で構成される自動運転車1のモータ駆動部131への駆動信号の供給を制御して、自動運転車1の走行開始、走行速度制御(ブレーキ制御及びアクセル制御を含む)、走行停止などを制御するようにする。
ステアリング駆動制御部104は、制御部101の制御の下に、この実施形態の自動運転車1のステアリング駆動部132への駆動制御信号の供給を制御して、自動運転車1の進路変更の制御をするようにする。
手動/自動運転モード切替制御部105は、タッチパネル112を通じた選択操作入力に応じて、自動運転車1の運転モードを、手動運転モードと、自動運転モードとのいずれかに切り替える制御を行う。手動運転操作検知部133は、運転者によるアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作さらにはステアリング操作の操作情報を受けて、その手動運転操作情報を手動/自動運転モード切替制御部105に供給する。
手動/自動運転モード切替制御部105は、自動運転車1が手動運転モードのときには、この手動運転操作検知部133からの手動運転操作情報を、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104に供給して、モータ駆動部131、ステアリング駆動部132を、運転者のペダル操作やシフトレバー操作、ステアリング操作(ハンドル操作)に応じて制御する。
また、手動/自動運転モード切替制御部105は、自動運転車1が自動運転モードのときには、後述するようにして、レーダー群106、カメラ群107、センサ群108、周囲移動体把握部109の出力に基づいて制御部101で生成される自動運転操作情報を、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104に供給して、モータ駆動部131、ステアリング駆動部132を、自動運転操作情報により駆動制御する。なお、自動運転モードにおいては、カーナビ機能部113において、運転者などにより設定された行先(目的地)に対する現在位置からの経路が探索され、その探索された経路に沿って走行するように制御される。
レーダー群106は、自動運転車1の車両の周囲に存在する人や物との距離を測るためのもので、レーザー・レーダーやミリ波レーダーなどからなる。レーザー・レーダーは、例えば天井やバンパー付近に埋め込まれ、ミリ波レーダーは、例えば車両の前部及び後部に設けられている。レーザー・レーダーとミリ波レーダーの両方を備えてもよいし、一方のみであってもよい。また、マイクロ波レーダーなど、その他のレーダーを用いてもよい。さらに、レーダーと同様の目的でソナー(図示せず)を用いることができる。
カメラ群107は、自動運転車1の車内を撮影する1〜複数個のカメラと、自動運転車1の前方、側方、後方など、車外の周囲を撮影する1〜複数個のカメラとを含む。車内を撮影するカメラは、例えば運転席と助手席の間に設置されたバックミラー(後写鏡、ルームミラー)やフロントウインドウの上部などに取り付けられ、運転席に座った人物(運転者)の所作を撮影するカメラの他、助手席や、後部座席に座った乗車者(同乗者)の所作を撮影するためのカメラを含む。また、自動運転車1の周囲を撮影するカメラは、例えばバックミラーの左側方及び右側方に取り付けられ、自動運転車1の左前方及び右前方を主として撮影する2台のカメラ(ステレオカメラ)や、自動運転車1の例えばドアミラーまたはフェンダーミラーに取り付けられて左右の側方を撮影するカメラ、自動運転車1の後方を撮影するカメラなどを含む。
センサ群108は、ドアの開閉や窓の開閉を検知する開閉検知センサ、シートベルト着用を検出するためのセンサ、運転席や助手席などの座席に乗車者が着座したことを検知する着座センサなどの他、車外の近傍の人物を検知する人感センサ(赤外線センサ)や自動運転のための補助となる情報を取得するための各種センサからなる。自動運転のための補助となる情報を取得するための各種センサとしては、例えば車両やタイヤの振動を検出するための振動センサ、タイヤの回転数を検出する回転数センサ、方位を検出するための地磁気センサ、加速度を検出するための加速度センサ、角度や角速度を検出するためのジャイロセンサ(ジャイロスコープ)、などが含まれる。また、この実施形態では、センサ群108には、右ウインカーや左ウインカー(方向指示器)やハザードランプ(非常点滅灯)の点灯を検知するセンサも含まれている。
周囲移動体把握部109は、レーダー群106やセンサ群108、また、カメラ群107の撮像画像を用いて、自車の周囲の移動体(人物を含む)を把握するようにする。周囲移動体把握部109は、例えばベイズ理論に基づいた処理を行うことで、周囲の障害物や移動体を把握するようにする。
現在位置検出部110は、GPS衛星からの電波を受信して、自車の現在位置を検出する。現在位置検出部110は、GPS衛星からの電波により検出された位置の精度は悪いので、GPS衛星からの電波の受信で検出された現在位置の情報のみではなく、センサ群108に含まれる1〜複数個のセンサ及びレーダー群106、カメラ群107の撮像画像(ナビ機能を併用)などをも用いると共に、例えばベイズ理論に基づいた処理を行うことで、より精度の高い現在位置を検出確認するようにしている。
自動運転車1は、自動運転モードにおいては、現在位置検出部110や周囲移動体把握部109において、レーダー群106、カメラ群107、センサ群108、GPS衛星からの電波の受信で取得した位置情報などの各種情報、つまり、人間の目や耳から得る情報に対応する情報をベイズ理論により処理し、これに基づき、制御部101は、自車の進路変更や障害物の回避など知的な情報処理(人工知能)及び制御(人工知能)を行って、自動運転操作情報を生成する。
表示部111は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)からなる。タッチパネル112は、LCDからなる表示部111の表示画面の上に、指によるタッチ入力が可能なタッチセンサが重畳されて配設されたものである。表示部111の表示画面には、制御部101の制御に基づき、ソフトウエアボタン(キーボードの文字入力用ボタンを含む)を含む表示画像が表示される。そして、タッチパネル112は、表示画面に表示されているソフトウエアボタン上の指によるタッチを検出すると、そのタッチを制御部101に伝達する。これを受けた制御部101は、ソフトウエアボタンに対応する制御処理を実行するように構成されている。
カーナビ機能部113に接続されているカーナビ用データベース134には、国内の地図及び経路案内データが、予め格納されている。カーナビ機能部113は、カーナビ用データベース134に記憶されている地図や、経路案内データに基づいて、自動運転車1が指定された目的地まで移動するのを補助するように案内するための機能部である。この実施形態では、カーナビ機能部113は、手動運転モードと、自動運転モードとで、若干異なる処理をするように構成されている。
すなわち、手動運転モードにおいては、カーナビ機能部113は、表示部111の表示画面上において、目的地までの経路(ルート)を明示的に表示する地図上に、現在位置検出部110で検出確認されている自車位置を重畳表示した画像を表示すると共に、自車の移動に伴い、地図上の自車位置(現在位置)を移動させ、かつ、ルート上の交差点や分岐点など、経路案内が必要な箇所で音声案内をするようにする。これは、通常のカーナビ機能と同様である。
一方、自動運転モードにおいては、カーナビ機能部113は、自車の現在位置が目的地までのルート上から離れているときには、その離間方向及び距離の情報を制御部101に通知すると共に、自車の現在位置が目的地までのルート上に在るときには、自車の移動に伴い、ルート上の交差点や分岐点などの手前で、ルートに沿った進路方向の変更指示情報を制御部101に通知するようにする。制御部101は、このカーナビ機能部113からの通知された情報と、現在位置検出部110の現在位置確認結果及び周囲移動体把握部109の把握結果とに基づいて、自車がルート上を指示された通りの進路をとって移動するように、モータ駆動制御部103を通じてモータ駆動部131を制御すると共に、ステアリング駆動制御部104を通じてステアリング駆動部132を制御するための自動運転操作情報を生成する。したがって、自動運転モードにおけるカーナビ機能部113及び制御部101による目的地までの経路案内により、乗車者が無人の状態においても、自動運転車1は、目的地まで移動することができる。
利用予定登録者情報受付部114は、この実施形態の自動運転車1の利用を予定している家族構成員などの登録情報を利用予定登録者の情報として受け付けて、その受け付けた利用予定登録者の情報を利用予定登録者情報記憶部115に記憶する。
すなわち、この実施形態の自動運転車1では、利用者が、例えば表示部111の表示画面に表示されている処理メニューの中から「利用予定登録者登録」の項目を選択すると、利用予定登録者情報受付部114が起動して、当該利用予定登録者の情報の登録モードとなる。ただし、利用予定登録者の登録モードは、例えば予め自動運転車1の所有者等により設定されたIDとパスワードにより認証が取れたときにのみ、可能とされている。
そして、利用予定登録者情報記憶部115は、タッチパネル112を通じた利用者の入力操作により入力された利用予定登録者の情報を受け付けて、それを利用予定登録者情報記憶部115に格納する。
利用予定登録者の情報としては、前述したように、顔画像、音声、指紋、静脈、虹彩などの生体情報、氏名、住所、生年月日、ID、パスワード、電話番号(携帯電話端末の電話番号)またはメールアドレスなどが記憶される。利用予定登録者の顔画像は、カメラ群107の内の所定のカメラで撮影されて記憶される。
この実施形態では、利用予定登録者情報記憶部115に記憶された、登録された利用予定登録者の情報のうちの利用予定登録者の顔画像が、第1及び第2の乗車利用者認証のための認証参照用情報とされる。また、利用予定登録者情報記憶部115に記憶された利用予定登録者の登録情報のうちの携帯電話端末の電話番号が、第1及び第2の呼出者認証のための認証参照用情報とされると共に、第3の乗車利用者認証及び第3の呼出者認証の際に、認証許可者と通信路を接続するための接続情報とされる。
呼出者認証部116は、上述した第1の呼出者認証、第2の呼出者認証及び第3の呼出者認証を行う。この実施形態では、第1の呼出者認証における認証参照用情報としては、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の接続情報である携帯電話端末の電話番号が用いられる。また、第2の呼出者認証における認証参照用情報としては、後述する予定入力情報記憶部119に記憶される予定入力者の接続情報である携帯電話端末の電話番号が用いられる。そして、第3の呼出者認証における認証許可者の接続情報としては、後述する予定入力情報記憶部119に記憶される予定入力者の接続情報である携帯電話端末の電話番号が用いられる。もちろん、第1の呼出者認証、第2の呼出者認証及び第3の呼出者認証における認証許可者の接続情報は、携帯電話端末の電話番号に限らず、メールアドレスなどであってもよい。
乗車利用者認証部117は、上述した第1の乗車利用者認証、第2の乗車利用者認証及び第3の乗車利用者認証を行う。この実施形態では、第1の乗車利用者認証における認証参照用情報としては、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の顔画像が用いられる。また、第2の乗車利用者認証における認証参照用情報としては、後述する予定入力情報記憶部119に記憶される予定入力者の顔画像が用いられる。第3の乗車利用者認証における認証許可者の接続情報としては、後述する予定入力情報記憶部119に記憶される予定入力者の接続情報である携帯電話端末の電話番号が用いられる。
再乗車予定情報受付部118は、この実施形態では、乗車中の乗車者が、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者であるか否かを判断して、利用予定登録者であると判断した場合には、当該乗車者が自動運転車1のモータ駆動部131の駆動を停止して降車しようとした時に、その乗車者に対して再乗車の予定のリストの一覧を呈示すると共に、再乗車の予定の情報の選択入力を促す。
乗車者が、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者であるか否かの判断は、この実施形態では、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の顔画像と、カメラ群107の内のカメラで撮影した乗車者の顔画像との照合結果から、再乗車予定情報受付部118が判断する。再乗車予定情報受付部118は、この判断で、乗車者が利用予定登録者ではないと判断したときには、再乗車の予定の情報の入力を促す処理は行わない。そして、再乗車予定情報受付部118は、この判断で、乗車者が利用予定登録者であると判断したときには、乗車者が利用予定登録者の内のいずれの利用予定登録者であるかを認識することになる。
そして、再乗車予定情報受付部118は、利用予定登録者の一人である乗車者により選択入力された再乗車の予定の情報を受け付けて、その予定入力をした乗車者の情報(予定入力者の情報)と対応付けて、予定入力情報記憶部119に記憶する。
この予定入力者の情報としては、この実施形態では、第2の呼出者認証のための認証参照用情報と、第2の乗車利用者認証のための認証参照用情報と、第3の呼出者認証及び第3の乗車利用者認証の際の許可認証者である予定入力者の接続情報とされる。
この実施形態では、第2の呼出者認証のための認証参照用情報は、予定入力者の携帯電話端末の電話番号であり、第2の乗車利用者認証のための認証参照用情報は予定入力者の顔画像の情報であり、第3の呼出者認証及び第3の乗車利用者認証の際の許可認証者である予定入力者の接続情報は予定入力者の携帯電話端末の電話番号である。したがって、この実施形態では、入力された予定の情報と対応付けて記憶される予定入力者の情報は、予定入力者の顔画像の情報と、予定入力者が所持する携帯電話端末の電話番号とされる。
そして、この予定入力者の情報は、再乗車予定情報受付部118が上述のようにして認識した利用予定登録者の情報を、利用予定登録者情報記憶部115から抽出して、予定入力情報記憶部119に予定の情報と対応付けて記憶する。
この実施形態では、再乗車予定情報受付部118は、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者が複数人のときにのみ、降車時における再乗車の予定の情報の入力を促すようにする。このようにするのは、利用予定登録者が一人のときには、通常、他の利用予定登録者の利用はないので、乗車者の降車の都度、再乗車の予定を問い合わせるのは、乗車者にとって煩雑となってしまうのを回避するためである。
なお、例えば表示部111の表示画面に表示されている処理メニューの中から「再乗車の予定の入力」の項目を選択することで、利用予定登録者が一人であるか否かに関係なく、乗車者が再乗車の予定を入力するように構成してもよい。その場合には、乗車者は、降車時ではなく、乗車中に、再乗車の予定の情報を入力することもできる。また、この実施形態では、再乗車の予定の情報の一覧リストを呈示して、その中から予定の選択入力を受け付けるようにしたが、乗車者により直接、文字入力や音声入力などにより、再乗車の予定の情報の入力を受け付けるように構成するようにしても勿論よい。
そして、この実施形態では、再乗車予定情報受付部118は、乗車者が自車から降車したことを確認したときには、予定入力情報記憶部119に記憶した予定の情報を有効とするようにする。乗車者の降車の確認は、例えば、車内を撮影する1または複数のカメラの撮影画像などから乗車者が車内に居なくなったことを検出すると共に、センサ群108の内のドアセンサの開閉を検知することにより行う。
降車後振る舞い処理部120は、この実施形態では、乗車者による自動運転車1がすべき降車後振る舞いの設定を受け付けて、受け付けた設定情報を内蔵する記憶部(図示は省略)に記憶する。この実施形態では、降車後振る舞い記憶部121には、予め利用者によって予定される降車後振る舞いが登録されて記憶されている。降車後振る舞い処理部120は、この降車後振る舞い記憶部121に記憶されている降車後振る舞いのリストを利用者に呈示し、そのリストの中から、乗車者により選択設定された降車後振る舞いの情報の設定を受け付ける。
なお、降車後振る舞い設定用の入力方法としては、音声による各降車後振る舞いの読み上げ入力とすることもできる。制御部101は、そのための音声認識機能を備えているものである。前述した再乗車予定情報受付部118が再乗車の予定の入力を受け付ける場合に、この実施形態のような予定の情報の一覧リストではなく、直接的な予定の入力を行うように構成する場合には、この制御部101の音声認識機能を用いて、対話形式により再乗車の予定の情報の入力を受け付けるように構成することもできる。
そして、降車後振る舞い処理部120は、乗車者の降車後の自車についての振る舞いを、受け付けた降車後振る舞いに基づいて実行する。この場合に、再乗車予定情報受付部118が入力された予定の情報を有効にする場合と同様にして、乗車者が降車して自車内に乗車者が存在しないことを確認して、受け付けた降車後振る舞いに基づいた処理を実行する。なお、乗車者が降車後振る舞い設定をしない場合、予め記憶されている所定の降車後振る舞いを自動的に設定し、それを実行するようにしてもよい。
音声入出力部122は、マイクロフォン135で収音した音声を取り込んで、例えば制御部101が備える音声認識処理機能のためにシステムバス100に送出するようにする。また、音声入出力部122は、図示は省略するが、外部に放音する音声メッセージデータを記憶するメモリを内蔵すると共に、そのメモリから読み出された音声メッセージデータを、アナログ音声信号に変換する音声合成器やD−A変換器を内蔵している。そして、音声入出力部122は、制御部101の制御により選択された音声メッセージを、スピーカ136に供給して、音声として外部に放音するようにする。記憶する音声メッセージとしては、後述するように、例えば「再乗車の予定を入力して下さい」などの再乗車の予定の入力を促すメッセージや、「利用予定登録者の登録をしますか?」などの問い合わせメッセージや、「認証しました。」、「認証できませんでした。」などの通知メッセージ、降車後振る舞い設定入力を受け付ける際の対話型メッセージなどが用意されている。
そして、上述の実施形態の自動運転車1においては、呼出者認証部116及び乗車利用者認証部117における上述した認証モードをオンにするか、オフにするか、また、再乗車予定情報受付部118における受け付け処理をオンにするか、オフにするかの設定が、タッチパネル112を通じて行えるように構成されている。ただし、当該オン、オフ設定は、例えば予め自動運転車1の所有者等により設定されたIDとパスワードにより認証が取れたときにのみ、可能とされている。そして、認証モードのオン、オフの設定は、第1の呼出者認証、第2の呼出者認証、第3の呼出者認証、第1の乗車利用者認証、第2の乗車利用者認証、第3の乗車利用者認証、のそれぞれについて可能とすることもできるが、以下に説明する実施形態では、認証モードのオン、オフは、第1の呼出者認証、第2の呼出者認証、第3の呼出者認証、第1の乗車利用者認証、第2の乗車利用者認証、第3の乗車利用者認証、の全てについてのオン、オフの設定とされている。
以上のように、自動運転車1の電子制御回路部10は構成されるが、図1に示した各処理ブロックのうち、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104、手動/自動運転モード切替制御部105、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、カーナビ機能部113、利用予定登録者情報受付部114、呼出者認証部116、乗車利用者認証部117、再乗車予定情報受付部118、降車後振る舞い処理部120、音声入出力部122、の各処理機能は、制御部101がプログラムを実行することで行うソフトウエア処理として実現することができる。
[実施形態の自動運転車1での処理動作の例]
次に、自動運転車1に乗車していた乗車者が降車をしようとする際における自動運転車1の制御部101の処理動作の例の概要について説明する。
この実施形態では、自動運転車1に乗車していた乗車者が降車をしようとすると、自動運転車1は、乗車者に対して、必要に応じて再乗車の予定の入力を促すと共に、降車後振る舞いを設定するかどうかの問い合わせをする。そして、必要に応じて、乗車者の予定の情報を受け付けると共に、乗車者による降車後振る舞いの設定入力を受け付け、乗車者の降車後に、受け付けた再乗車の予定の情報及び降車後振る舞いに応じた処理を行う。
図3は、乗車者が降車するときの自動運転車1の電子制御回路部10の制御部101が実行する処理動作の流れの例を説明するためのフローチャートである。なお、この図3のフローチャートにおける各ステップの処理は、再乗車予定情報受付部118、降車後振る舞い処理部120の各処理機能を、制御部101がプログラムを実行することで行うソフトウエア処理として実現するようにした場合として説明する。
制御部101は、自車のモータ駆動部131の駆動が停止させられたか否か判別する(ステップS1)。このステップS1で、モータ駆動部131の駆動は停止してはいないと判別したときには、制御部101は、走行時に必要な制御を継続し(ステップS2)、その後、ステップS1に戻る。
ステップS1で、モータ駆動部131の駆動は停止させられたと判別したときには、一般的には、乗車者は降車すると予想されることから、制御部101は、乗車者の降車の前に、再乗車の予定の情報の入力を受け付けるかどうかの判定をするための処理を行う。すなわち、制御部101は、利用予定登録者情報記憶部115を参照して、登録されている利用予定登録者は一人であるか否か判別し(ステップS3)、一人であると判別したときには、図4のステップS11以降の、後述する降車後振る舞いの設定入力のための処理ルーチンに移行する。
また、ステップS3で、登録されている利用予定登録者は複数人であると判別したときには、制御部101は、降車しようとしている乗車者の顔画像をカメラ群107のいずれかで撮影し、その顔画像と、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の顔画像と比較参照することで、降車しようとしている乗車者は利用予定登録者であるか否かを判別する(ステップS4)。
ステップS4で、降車しようとしている乗車者は利用予定登録者ではないと判別したときには、制御部101は、図4のステップS11以降の、後述する降車後振る舞いの設定入力のための処理ルーチンに移行する。
また、ステップS4で、降車しようとしている乗車者は利用予定登録者であると判別したときには、制御部101は、再乗車の入力を促すメッセージをスピーカ136から音声メッセージとして放音すると共に、表示部111の表示画面に表示し、更に、この実施形態では、表示部111の表示画面に、選択可能な再乗車の予定の一覧リストを表示する(ステップS5)。
図5に、表示部111の表示画面111Dに表示される再乗車の予定の一覧リストの一例を示す。この図5の再乗車の予定の一覧リストにおいては、予定1〜予定4までの4種の予定の選択入力が可能とされている。
予定1は、降車しようとしている乗車者が、再乗車の予定があると共に、他の利用予定登録者の利用を禁止したいという場合に選択される予定である。降車しようとしている乗車者が、所要のために自動運転車1を降車後も独占的に利用したい場合に、この予定1が選択される。
予定2は、降車しようとしている乗車者による再乗車の予定はあるが、他の利用予定登録者による利用の要求があれば、予定入力者の承認を得た後、それを許可するという内容の予定である。
予定3は、降車しようとしている乗車者による再乗車の予定はあるが、他の利用予定登録者による利用の要求があれば、予定入力者の承認を得ずに、それを許可するという内容の予定である。
予定4は、降車しようとしている乗車者による再乗車の予定はなく、自動運転車1の降車時点で利用は一応終了となるという内容の予定である。
降車しようとしている乗車者は、予定1〜予定4の内のいずれかのチェックボックスにチェックマークを入力し、確定アイコンボタン141を操作することで、予定の情報の選択入力を確定する。
なお、再乗車の予定については、上述のように再乗車の予定の一覧リストから選択入力する場合に限らず、乗車者が音声入力や文字入力などで、予定を入力できるようにしてもよい。
制御部101は、チェックマーク及び確定アイコンボタン141の操作を受け付けたか否かにより、降車しようとしている乗車者による予定の情報の選択入力を受け付けたか否か判別し(ステップS6)、受け付けたと判別したときには、選択入力された予定の情報(例えば予定番号)と予定入力者の情報とを対応付けて、予定入力情報記憶部119に記憶する(ステップS7)。この場合に、制御部101は、予定入力者の情報は、ステップS4で認識した利用予定登録者の情報(この実施形態では顔画像の情報と携帯電話端末の電話番号)を、利用予定登録者情報記憶部115から抽出して取得する。このステップS7の次には、図4のステップS11以降の、後述する降車後振る舞いの設定入力のための処理ルーチンに移行する。
図4のステップS11では、降車後振る舞い設定をするかどうかの問い合わせのメッセージを表示部111の表示画面に表示すると共に、スピーカ136を通じて音声として放音する。
制御部101は、ステップS11における問い合わせに対する乗車者からの回答を監視して判別し(ステップS12)、乗車者が降車後振る舞い設定をしないと回答したと判別したときには、この図3及び図4の処理ルーチンを終了する。この場合、自動運転車1は乗車者が降車した位置で、モータ駆動部131を停止したまま、停止中の処理として必要な部位への給電を維持しつつ電源もオフとする。また、乗車者が降車後振る舞い設定をしない場合における所定の振る舞いを予め設定し、それを実行するようにしてもよい。
ステップS12で、乗車者が降車後振る舞い設定をすると回答したと判別したときには、制御部101は、降車後振る舞い記憶部119に記憶されている降車後振る舞いを、例えば図6に示すようなリストとして表示部111の表示画面に表示する(ステップS13)。
図6のリストの例の各降車後振る舞いの例について説明する。
「既定の駐車場へ移動」は、乗車者が降車した後、予め登録されている既定の駐車場へ自動運転車1が移動するようにするもので、駐車場への移動により降車後振る舞いは終了となる。ここで、既定の駐車場としては、複数の駐車場を登録することができ、「自宅の駐車場」、「会社の駐車場」、「契約駐車場」などを登録することができる。駐車場の登録は、その位置情報と、「自宅の駐車場」、「会社の駐車場」、「契約駐車場」などの駐車場の名称(種別)とを記憶することを意味している。乗車者は、降車後振る舞いとしてこの「既定の駐車場へ移動」を選択設定するときには、既定の駐車場の名称も併せて選択設定するものである。なお、既定の駐車場については、名称に限らず、住所などの地名で選択できるようにしてもよい。
「近隣の駐車場で呼ぶまで待機」は、自動運転車1が乗車者の降車位置近傍の駐車場を検索して、その駐車場で待機し、その後、乗車者が、携帯電話端末で、自動運転車1の無線通信部102を通じて呼び出しの電話通信をすると、その呼び出しに応じて、自動運転車1は、利用者が降車した場所に戻るようにするものである。
「ここで待機」は、自動運転車1は、乗車者が降車した場所で、そのまま待機するものである。もちろん、降車した場所が駐車禁止の場所であれば、自動運転車1は、近くの駐車可能な場所へ移動して待機する。この場合、自動運転車1は、移動した旨と移動先を乗車者に通知する。
「地点Aで待機」は、自動運転車1は、利用者が指定した場所で待機して、利用者の再乗車を待つものである。地点Aは、利用者により降車時に指定される。この地点Aは、予め登録してある地点の中から設定してもよいし、例えば地図上において指定したり、住所を入力して指定したり、特定可能な建物名などを指定したりするようにしてもよい。また、緯度と経度の二次元座標(または標高を加えて三次元座標)でしてもよい。さらに、地点Bが電話番号で特定できる場合は、電話番号を入力して指定してもよい。
次に、図4のフローチャートの説明に戻ると、制御部101は、タッチパネル112を通じた乗車者の入力操作を監視して、表示画面に表示されているリストからの降車後振る舞いの選択操作の受け付けを待つ(ステップS14)。このステップS14で、リストからの降車後振る舞いの選択操作を受け付けたと判別したときには、制御部101は、その選択された降車後振る舞いを受け付けるための処理を行う(ステップS15)。
次に、制御部101は、選択された降車後振る舞いを受け付けるための処理を完了したか否か判別し(ステップS16)、選択された降車後振る舞いを受け付けるための処理を完了したと判別したときには、乗車者により選択された降車後振る舞いの選択情報及びそれに付随する情報を記憶する(ステップS17)。
次に、制御部101は、ドアセンサなどにより乗車者の降車を確認すると共に、乗車者の有無を判別する(ステップS18)。この乗車者の有無は、自動運転車1の座席に設けられている重量センサなどからなる着座センサや、ハンドルに人がタッチしたか否かを判別するタッチセンサ、また、カメラ群107の内の乗車者を撮影するためのカメラの撮像画像から判別する。そして、乗車者が存在しているときには、当該乗車者が降車するのを待ち、ステップS18で乗車者が降車して居なくなったことを判別すると、制御部101は、記憶した選択された降車後振る舞いを実行するようにすると共に、予定入力情報記憶部119に記憶した予定の情報を有効とする(ステップS19)。このステップS19において、自動運転車1が走行して移動する場合には、自動運転車1は、自動運転モードにより自律走行するものである。
次に、この実施形態の自動運転車1において、呼出者認証部116及び乗車利用者認証部117における認証処理動作について、以下に説明する。以下の説明においては、制御部101が、図2に示した各ブロックのうち、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104、手動/自動運転モード切替制御部105、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、カーナビ機能部113、呼出者認証部116、乗車利用者認証部117、音声入出力部122、の各処理機能をソフトウエア処理として実現した場合として説明する。
<呼出対応処理>
図7及びその続きである図8、図9は、自動運転車1に呼び出しの着信があった場合における制御部101の処理動作(呼出者認証部116の処理内容部分を含む)の流れの例を説明するためのフローチャートを示す図である。この実施形態では、前述したように、自動運転車1を呼び出すための呼出要求は、予め、専用のアプリケーションプログラムをインストールしている携帯電話端末から、当該アプリケーションプログラムを起動させて行うようにする。この場合に、携帯電話端末からの自動運転車1宛ての送信信号には、呼出要求であることと、待ち受け場所として、携帯電話端末で測位された現在位置の情報が含まれる。
制御部101は、無線通信部102からの着信通知を監視して、着信を検出したか否か判別し(ステップS21)、着信を検出してはいないと判別したときには、必要なその他の処理を行い(ステップS22)、その後、処理をステップS21に戻す。
ステップS21で、着信を検出したと判別したときには、自動応答し(ステップS23)、制御部101は、当該着信は、呼出要求であるか否か判別し(ステップS24)、呼出要求でないと判別したときには、処理を、その着信についての対応処理ルーチンに進める(ステップS25)。
ステップS24で、着信は、呼出要求であると判別したときには、制御部101は、第1の呼出者認証をする。すなわち、制御部101は、この例では、利用予定登録者情報記憶部115に記憶された利用予定登録者の携帯電話端末の電話番号と、着信した相手の電話番号とを比較参照し(ステップS26)、一致しているかどうかを判別して(ステップS27)、第1の呼出者認証を行う。
そして、ステップS27で、電話番号が不一致と判定されて、第1の呼出者認証ができなかったときには、制御部101は、呼び出しを拒否して、呼出者に対して、「呼出認証ができませんでしたので、呼び出しを拒否します。」などの音声メッセージを送り、接続された通話路を切断して(ステップS28)、この処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS27で、電話番号の一致が確認できて、第1の呼出者認証ができたときには、制御部101は、予定入力情報記憶部119に有効な再乗車についての予定の情報が存在するか否か判別する(ステップS29)。このステップS29で、有効な予定の情報が存在すると判別したときには、制御部101は、予定入力情報記憶部119に記憶されている予定の情報の入力者(予定入力者)の接続情報としての携帯電話端末の電話番号と、着信した相手の電話番号とを比較参照し(ステップS30)、一致しているかどうかを判別して(ステップS31)、第2の呼出者認証を行う。
そして、ステップS31で、電話番号が一致して第2の呼出者認証ができたときには、図8のステップS41に進み、このステップS41以降の呼び出しに応じた処理を行う。ステップS29で有効な予定の情報が存在しなかったと判別したときにも、図8のステップS41に進み、このステップS41以降の呼び出しに応じた処理を行う。
ステップS41においては、呼び出しに応じる旨を呼出者に通知する。そして、制御部101は、呼出者から送られてきている待ち受け場所の位置情報を抽出して取得する(ステップS42)。次に、制御部101は、カーナビ機能部113の機能により、カーナビ用データベース134のデータを用いて、待ち受け場所までの経路を探索し、当該待ち受け場所までの移動にかかる所要時間を予測計算する(ステップS43)。次に、制御部101は、予測計算した所要時間を、無線通信部102を通じて呼出者に送信する(ステップS44)。次に、制御部101は、呼出者との通信を切断すると共に、待ち受け場所までの移動制御ルーチンを起動して(ステップS45)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS31で、電話番号が不一致と判定されて、第2の呼出者認証ができなかったときには、制御部101は、次のようにして、第3の呼出者認証を行う。すなわち、制御部101は、予定入力情報記憶部119に記憶されている予定の情報を参照し(図9のステップS51)、記憶されている予定の情報は、予定入力者以外の利用可能性を肯定している情報であるか否か判別する(ステップS52)。
記憶されている予定の情報が例えば図5の例の予定1で、他者の利用が禁止されているときには、このステップS52では、記憶されている予定の情報が予定入力者以外の利用可能性を肯定してはいないとして、制御部101は、呼び出しを拒否する(ステップS53)。このステップS53では、制御部101は、呼出者に対して、「呼出認証ができませんでしたので、呼び出しを拒否します。」などの音声メッセージを送り、接続された通話路を切断する。このステップS53の処理終了後、制御部101は、この処理ルーチンを終了する。
また、記憶されている予定の情報が例えば図5の例の予定2、予定3、予定4のいずれかで、他者の利用が禁止されていない場合には、このステップS52では、記憶されている予定の情報は、予定入力者以外の利用可能性を肯定していると判別し、制御部101は、呼出者の呼び出しに応じるには予定入力者の承認が必要であるか否か判別する(ステップS54)。
そして、ステップS54で、記憶されている予定の情報が例えば図5の例の予定3、予定4のいずれかであって、予定入力者の承認が不要であると判別したときには、制御部101は、予定入力者の接続情報を予定入力情報記憶部119から取得して、予定入力者との間に通信路を接続して、他の利用予定登録者の呼び出しに応じる旨を通知する(ステップS55)。その後、制御部101は、処理を図8のステップS41に進め、このステップS41以降の前述した呼び出しに応じた処理を行う。
また、ステップS54で、記憶されている予定の情報が例えば図5の例の予定2であって、予定入力者の承認が必要であると判別したときには、制御部101は、予定入力者の接続情報を予定入力情報記憶部119から取得して、予定入力者との間に通信路を接続し、予定入力者に対して他の利用予定登録者の利用の可否を問い合わせる(ステップS56)。そして、制御部101は、予定入力者からの他の利用予定登録者の利用の可否についての回答の受信を待ち(ステップS57)、予定入力者からの回答の受信を判別したときには、当該回答が他の利用予定登録者の利用を許可しているか否か判別する(ステップS58)。
このステップS58で、予定入力者からの回答が他の利用予定登録者の利用を許可していると判別したときには、制御部101は、処理を図8のステップS41に進め、このステップS41以降の前述した呼び出しに応じた処理を行う。また、ステップS58で、予定入力者からの回答が他の利用予定登録者の利用を許可していないと判別したときには、制御部101は、処理をステップS53に進め、呼出者の呼び出しを拒否して、この処理ルーチンを終了する。
<呼出移動制御>
次に、図8のステップS45で起動された呼出移動制御ルーチンの例を、図10を参照しながら説明する。
制御部101は、まず、ステップS42で取得して待ち受け場所の位置情報により示される場所を目的地とすると共に、出発地を現在位置として、カーナビ機能部113の機能により経路探索を実行し、その結果得られた探索結果の移動経路(ルート)に沿ったナビゲーション(案内)を開始する(ステップS61)。
そして、制御部101は、移動中の現在位置を確認しながら、目的地に到着したか否か判別し(ステップS62)、目的地に到着していないと判別したときには、予測した待ち受け場所までの移動にかかる所要時間に対して、例えば10分以上の大幅な遅れが生じているか否か判別し(ステップS63)、大幅な遅れが生じていなければ、処理をステップS62に戻し、このステップS62以降の処理を繰り返す。ステップS63で、大幅な遅れを生じていると判別したときには、所要時間を再計算すると共に、呼出者との間に通信路を再生成して、その計算結果を呼出者に通知する(ステップS64)。そして、制御部101は、処理をステップS62に戻し、このステップS62以降の処理を繰り返す。
ステップS62で、目的地(待ち受け場所)に到着したと判別したときには、制御部101は、当該待ち受け場所に停車して、呼出乗車制御ルーチンを起動する(ステップS65)。そして、制御部101は、この呼出移動制御ルーチンを終了する。
<乗車利用者制御>
次に、自動運転車1に乗車しようとする利用者(乗車利用者)に関する乗車利用者制御処理ルーチン(乗車利用者認証部117の処理内容部分を含む)の例を、図11及びその続きである図12、図13を参照しながら説明する。この乗車利用者制御ルーチンは、前述した呼出制御ルーチンにより、指定された待ち合わせ場所に移動してきた自動運転車1の場合には、前述のステップS45で起動される呼出乗車制御ルーチンに対応する。しかし、この乗車利用者ルーチンは、前述した呼出制御ルーチンが行われた後に実行される場合のみならず、乗車利用者が呼び出しをすることなく、乗車しようとする場合にも実行されるものである。
制御部101は、乗車しようとする利用者(乗車利用者)を検知するのを監視して、乗車利用者を検知するのを待つ(ステップS71)。このステップS71で、乗車利用者を検知したときには、制御部101は、乗車利用者の顔画像をカメラ群107のうちの所定のカメラで撮影する(ステップS72)。
次に、制御部101は、第1の乗車利用者認証を行う。すなわち、この例においては、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の顔画像と、乗車利用者の顔画像とを比較参照し(ステップS73)、両顔画像が一致しているか否か判別する(ステップS74)。
ステップS74で、顔画像が不一致であって、第1の利用者認証ができなかったと判別したときには、制御部101は、認証ができなかったことにより、自車(自動運転車1)を走行不可状態にロックして、当該乗車利用者による利用(運転)ができない不許可状態にする(図12のステップS81)。
そして、制御部101は、乗車利用者に対して、認証ができなかった旨と、降車を促す音声メッセージを、例えば音声合成により生成して、スピーカ136を通じて放音して乗車利用者に通知する(ステップS82)。
次に、制御部101は、乗車利用者の降車が確認できたか否か判別し(ステップS83)、このステップS83で、乗車利用者の降車が確認できていないと判別したときには、制御部101は、当該ステップS83の処理を継続する。このステップS83で、乗車利用者の降車が確認できたと判別したときには、次に利用予定登録者が乗車利用者となるまで、自車を走行不可状態にロックした状態を維持する(ステップS84)。以上で、制御部101は、この乗車利用者の処理ルーチンを終了する。
そして、ステップS74で顔画像が一致したと判別されて、第1の乗車利用者認証ができたと判別したときには、制御部101は、予定入力情報記憶部119に有効な再乗車についての予定の情報が存在するか否か判別する(ステップS75)。このステップS75で、有効な予定の情報が存在すると判別したときには、制御部101は、予定入力情報記憶部119に記憶されている予定の情報の入力者(予定入力者)の顔画像と、乗車利用者の顔画像とを比較参照し(ステップS76)、一致しているかどうかを判別して(ステップS77)、第2の乗車利用者認証を行う。
そして、ステップS77で、顔画像が一致して第2の呼出者認証ができたときには、乗車利用者による自車の利用を許可する状態にする(ステップS78)。この場合に、ステップS78では、乗車利用者に利用を許可する旨の通知をすると共に、参照した予定入力情報記憶部119に記憶されている予定の情報は、この例では消去することで、無効とする。もちろん、前記予定の情報を消去せず、無効のマークなどを付けて保存してもよい。
また、ステップS77で、顔画像が不一致と判定されて、第2の乗車利用者認証ができなかったときには、制御部101は、次のようにして、第3の乗車利用者認証を行う。すなわち、制御部101は、予定入力情報記憶部119に記憶されている予定の情報を参照し(図13のステップS91)、記憶されている予定の情報は、予定入力者以外の利用可能性を肯定している情報であるか否か判別する(ステップS92)。
記憶されている予定の情報が例えば図5の例の予定1で、他者の利用が禁止されているときには、このステップS92では、記憶されている予定の情報が予定入力者以外の利用可能性を肯定してはいないとして、制御部101は、処理を図12のステップS81に移行し、このステップS81以降の乗車利用者の利用を拒否する処理を実行する。この場合に、ステップS82では、制御部101は、乗車利用者に対して、「乗車利用認証ができませんでしたので、利用を拒否します。」などの音声メッセージを送り、接続された通話路を切断する。
また、記憶されている予定の情報が例えば図5の例の予定2、予定3、予定4のいずれかで、他者の利用が禁止されていない場合には、このステップS92では、記憶されている予定の情報は、予定入力者以外の利用可能性を肯定していると判別し、制御部101は、乗車利用者の利用要求に応じるには予定入力者の承認が必要であるか否か判別する(ステップS93)。
そして、ステップS93で、記憶されている予定の情報が例えば図5の例の予定3、予定4のいずれかであって、予定入力者の承認が不要であると判別したときには、制御部101は、予定入力者の接続情報を予定入力情報記憶部119から取得して、予定入力者との間に通信路を接続して、自車を他の利用予定登録者の利用に供する旨を通知する(ステップS94)。その後、制御部101は、処理を図11のステップS78に進め、乗車利用者による利用を許可する状態にすると共に、予定入力情報記憶部119に記憶されている有効であった再乗車の予定の情報を例えば消去して無効にする。
また、ステップS93で、記憶されている予定の情報が例えば図5の例の予定2であって、予定入力者の承認が必要であると判別したときには、制御部101は、予定入力者の接続情報を予定入力情報記憶部119から取得して、予定入力者との間に通信路を接続し、予定入力者に対して他の利用予定登録者の利用の可否を問い合わせる(ステップS95)。そして、制御部101は、予定入力者からの他の利用予定登録者の利用の可否についての回答の受信を待ち(ステップS96)、予定入力者からの回答の受信を判別したときには、当該回答が他の利用予定登録者の利用を許可しているか否か判別する(ステップS97)。
このステップS97で、予定入力者からの回答が他の利用予定登録者の利用を許可していると判別したときには、制御部101は、処理を図11のステップS78に進め、乗車利用者による利用を許可する状態にすると共に、予定入力情報記憶部119に記憶されている有効であった再乗車の予定の情報を例えば消去して無効にする。また、ステップS97で、予定入力者からの回答が他の利用予定登録者の利用を許可していないと判別したときには、制御部101は、処理を図12のステップS81に移行し、このステップS81以降の乗車利用者の利用を拒否する処理を実行する。この場合に、ステップS82では、制御部101は、乗車利用者に対して、「乗車利用認証ができませんでしたので、利用を拒否します。」などの音声メッセージを送り、接続された通話路を切断する。
[上記の実施形態の効果]
以上説明した実施形態の自動運転車1においては、乗車者が入力した再乗車の予定の情報に基づいて、自車の呼び出しをしようとする利用者(呼出者)についての認証を行うとと共に、乗車しようとする利用者(乗車利用者)についての認証を行うようにしたので、再乗車の予定を入力した予定入力者の再乗車の都合に応じた呼出者認証及び乗車利用者認証をすることができる。
そして、次に利用(乗車)しようとする者との調整がスムーズにでき、セキュリティー上も安全性の向上を図ることができるという顕著な効果を奏する。
[上記の実施形態の変形例]
なお、上述の実施形態では、自動運転車1は、家族や親族などが共用する自家用車の場合について説明したが、自動運転車1は、自家用車に限られるものではなく、会社の社員が共用する社用車や、地方公共団体に属する構成員が共用する公用車あるいはその他の団体が共用する自動車であってもよい。
また、上述の実施形態では、呼出者認証及び乗車利用者認証において、有効とされている予定の情報が記憶されていない場合においては、利用予定登録者ではないと判断されたときには、呼び出しや乗車を禁止するようにした。しかし、呼出者及び乗車しようとする利用者が、利用予定登録者ではないと判断されたときに、自動運転車1の所有者などの許可認証者に、呼び出しや乗車を許可させてもよいかどうかを問い合わせて、その問い合わせに応じた回答に基づいて呼び出しや、乗車を許可するようにしてもよい。
また、以上の例では、自動運転車1は、第1の呼出者認証や第1の乗車利用者認証において、呼出者や乗車利用者が利用予定登録者であると認証できなかったときには、呼び出しや乗車利用を拒否して、第2の呼出者認証や第2の乗車利用者認証及び第3の呼出者認証や第2の乗車利用者認証を行わないようにした。しかし、第1の呼出者認証や第1の乗車利用者認証において、呼出者や乗車利用者が利用予定登録者であると認証できなかったときには、自動運転車1の所有者や予定入力者に、接続情報を用いて通信路を接続し、それらの呼出者や乗車利用者の顔画像など、誰であるかを判断できる情報を通信路を通じて送り、呼び出しや乗車利用についての許可または拒否(不許可)の判断をさせるようにしてもよい。
また、自動運転車1に、自車の利用の開始の可否を決定する開始可否決定手段、例えば鍵で自車のドアが開けられたか否か(または、自車のドアを開けることが可能か否か)、あるいは、鍵で自車の駆動部が起動されたか否か(または、自車の駆動部を起動することが可能か否か)により自車の利用の開始を可能とすることできるか否かを判別する手段、を設けて、乗車利用者により、鍵で自車のドアが開けられた、あるいは、鍵で自車の駆動部が起動されたと判断されたときには、自車の利用の開始が可能とされたと決定して、第1の乗車利用者認証において、乗車利用者が利用予定登録者であると認証できなかったときであっても、前記第3の乗車利用者認証を実行するようにしてもよい。この場合の鍵としては、機械式の鍵に限らず、カード鍵や、無線により鍵情報の照合をすることで鍵認証を行う無線式鍵であってもよい。
なお、利用予定登録者を自動運転車1に登録すると共に、当該自動運転車1用の鍵を、その登録した利用予定登録者の全てが所持するように構成したときには、第1の乗車利用者認証においては、上述した顔画像などの生体情報を用いた認証を行うのではなく、乗車利用者が当該自動運転車1用の鍵を用いて自車のドアを開けたか否か、あるいは、自車の駆動部を起動したか否かにより認証を行うようにしてもよい。もちろん、乗車利用者の所持する鍵自身を認証することで、第1の乗車利用者認証や第3の乗車利用者認証に用いることもできる。
さらに、利用予定登録者の鍵が、例えば無線通信機能(NFC(Near Field Communication;近距離無線通信)を含む)を備える鍵であって、無線通信により事前の鍵認証ができたときに、ドアの開閉が可能となったり、駆動部を起動することが可能となったりする鍵である場合には、前記鍵認証により、鍵が用いられて自車のドアが実際に開けられる前に、鍵により自車のドアを開けることが可能か否か、または、自車の駆動部が実際に起動される前に、鍵により自車の駆動部を起動することが可能か否かを判別することができる。したがって、この種の鍵の場合には、鍵により自車のドアを開けることが可能か否か、または、鍵により自車の駆動部を起動することが可能か否かにより、乗車利用者が利用予定登録者であるかどうかの認証を行うことができる。
また、以上の例では、自動運転車1を利用することができる利用者は、利用予定登録者情報記憶部115に記憶された利用予定登録者としたので、呼出者認証及び乗車利用認証のそれぞれにおいて、第1の呼出者認証及び第1の乗車利用者認証を行うようにした。しかし、この発明による自動車においては、利用することができる利用者を、利用予定登録者に限定することは必須ではない。したがって、この発明による自動車においては、呼出認証は、第2の呼出認証及び第3の呼出者認証を行い、乗車利用者認証は、第2の乗車利用者認証及び第3の乗車利用者認証を行うようにするだけでもよい。
なお、自動運転車1を利用することができる利用者を、利用予定登録者情報記憶部115に記憶された利用予定登録者に限定しない例においては、再乗車の予定の入力をした予定入力者の情報(顔画像などの認証参照用情報や、接続情報)は、予定入力者が再乗車の予定の情報を入力したときに、制御部101が、カメラ群107の内の所定のカメラで予定入力者の顔画像を撮影して取得したり、予定入力者に接続情報の入力を促して、タッチパネル112を通じて入力された接続情報を取得したりすることで、予定入力情報記憶部119に、予定の情報と対応付けて記憶するようにする。
そして、第3の呼出者認証や第3の乗車利用者認証においては、制御部101は、第2の呼出者認証や第2の乗車利用者認証において、認証ができなかった呼出者や乗車利用者から、当該呼出者や乗車利用者が誰であるかを、認証許可者が判断できる情報、例えば顔画像などを取得して、通話路を通じて認証許可者に送るようにする。このようにすれば、認証許可者は、受信した情報から、呼出者や乗車利用者が誰であるかを判断できるので、呼び出しや乗車利用を許可するか否かを判断することが容易となる。
上述の実施形態では、呼出者認証部116で認証参照用情報とされる電話番号は、携帯電話端末の電話番号としたが、携帯電話端末の電話番号に限らず、固定電話の電話番号やIP電話の電話番号であってもよいことは言うまでもない。また、電話番号の代わりに、メールアドレスを用いることもできる。メールアドレスは、携帯電話端末のみならず、PCやタブレット、腕時計型端末、眼鏡型端末などでも利用できる。第3の呼出者認証や第3の乗車利用者認証において、予定入力者との通信路を接続するための接続情報についても同様である。さらに、電話番号やメールアドレス以外に、LINE(登録商標)などの通信アプリケーションソフトやFacebook(登録商標)などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で用いるIDやニックネームなどを利用することもできる。
上述の実施形態では、呼出要求には、待ち受け場所の情報として、現在位置の情報を送るようにしたが、待ち受け場所として現在位置以外の場所を指定するようにしてもよい。その場合の待ち受け場所の情報としては、住所や電話番号を指定してもよいし、「××線の○○駅の北口の売店の前」、「銀座△△百貨店の正面入口」というような指定であってもよい。その場合には、自動運転車1は、カーナビ用データベース134の地図情報において待ち受け場所を探索して、その待ち受け場所を検知するようにするが、もしも検知することができない場合には、自動運転車1は、無線通信部102を通じてインターネットの地図サーバなどにアクセスして、探索し、その結果を取得することで検知することができる。その場合には、その待ち合わせ場所までの経路探索も地図サーバと連携して行うと共に、ナビゲーションも、当該地図サーバのサービスを利用して行うことが可能である。
また、上述の実施形態における自動運転車1は、自動運転モードと手動運転モードを備えていたが、自動運転モードのみの構成でもよい。この場合、手動運転モードは有さず、このため、手動/自動運転モード切替制御部105と、手動運転操作検知部133は不要となる。その代わりに、自動運転のための制御処理を行う自動運転制御部(図示せず)が設けられる。また、自動運転モードの場合は、運転者がアクセルペダル操作、ブレーキペダル操作、シフトレバー操作、ステアリング操作(ハンドル操作)などの操作をする必要がないので、これらの操作に必要な機構も不要となる。
なお、第1の利用者認証及び第2の利用者認証に関する発明部分については、自動車は、自動運転車に限らず、運転者による運転を必須とし、自動運転モードを有しない従前の自動車にも適用することができる。もちろん、自動車に限らず、自動二輪や1人乗り移動体、さらにドローンなどの航空機、モーターボート、フェリーなどの船舶など、乗り物全般に適用できる。
また、上述の自動運転車は運転者がいなくても走行可能であるので、乗車者は、運転者に限られるものではなく、助手席や後部座席に着席する乗車者であってもよい。
上述の実施形態では、自動運転車は電気自動車であったが、ガソリン車や燃料電池車など、その他の駆動方式であってもよい。また、自動運転車はカーナビによる誘導のみならず、信号機やサインポストなどからの外部電波による誘導によって走行することもできるものであってもよい。
上述の実施形態では、利用予定登録者情報記憶部115、予定入力情報記憶部119、カーナビ用データベース134は、自車内に設置されていたが、それらの記憶部の一部または全部を、自車内ではなく、クラウド上に設置し、通信ネットワーク3を介して、利用することもできる。さらに、呼出者認証部116、乗車利用者認証部117等の認証部の一部または全部を、自車内ではなく、通信ネットワーク3を介して、クラウド上で処理することもできる。
また、上述の実施形態では、第1の乗車利用者認証及び第2の乗車利用者認証は、乗車利用者の顔画像を用いるようにしたが、乗車利用者の音声を用いることもできる。乗車利用者の音声により乗車利用者認証を行う場合には、自動運転車1においては、乗車利用者の音声をマイクロフォン135で収音して、利用予定登録者情報記憶部115に利用予定登録者の音声を記憶すると共に、乗車利用者認証部117を、話者音声認識機能を備えるものとして構成して、記憶されていた音声と、マイクロフォン135により収音された新たな利用者の音声との一致/不一致を判定することで、乗車利用者認証を行うように構成する。
また、乗車利用者の指紋により乗車利用者認証を行う場合には、自動運転車1には、指紋読み取り装置が設けられると共に、利用予定登録者情報記憶部115には、利用予定登録者の指紋が記憶され、乗車利用者認証部117は、指紋認識機能を備えるものとして構成されて、記憶されていた指紋と、指紋読み取り装置により取得された新たな乗車利用者の指紋との一致/不一致を判定することで、乗車利用者認証が行われる。静脈、虹彩、その他の生体情報を用いる場合も、同様の構成の変更により可能となる。
また、上述の実施形態では、次回の1回分の再乗車の予定の情報を入力する場合としたが、再乗車の予定の情報は、例えば当日中や、2日などの複数日に亘るスケジュールの情報であってもよい。
例えば図14に示すように、或る1日において、例えば降車時点が9:59である場合に、予定入力者による再乗車の予定が、降車後の10:00から12:00までの間と、12:00から15:00までの間と、15:00から20:00までの間と、の3回あり、それぞれの回の予定の情報が、図14に示すように、10:00から12:00までの間では図5に示した予定1、12:00から15:00までの間では図5に示した予定2、15:00から20:00では図5に示した予定1、のように設定入力したとする。なお、図14の例の場合には、スケジュールの情報を入力した予定入力者が、複数の予定における各回の乗車利用者となる場合である。
予定の情報が、このようなスケジュールの情報の場合には、自動運転車1の制御部101は、時間の経過管理をしながら複数の予定の情報に基づく呼出者認証及び/または乗車利用者認証を実行するようにする。
すなわち、制御部101は、10:00から12:00までの間では予定1の予定の情報が有効とし、12:00から15:00までの間では予定2の情報が有効とし、15:00から20:00までの間では予定1の情報が有効とする。したがって、10:00から12:00までの間に呼出及び乗車利用の要求があると、制御部101は、予定の情報である予定1の情報に基づいて、呼出者認証及び乗車利用者認証を実行し、12:00から15:00までの間に呼出及び乗車利用の要求があると、制御部101は、予定の情報である予定2の情報に基づいて、呼出者認証及び乗車利用者認証を実行し、15:00から20:00までの間に呼出及び乗車利用の要求があると、制御部101は、予定の情報である予定1の情報に基づいて、呼出者認証及び乗車利用者認証を実行する。そして、予定2の情報に基づく第3の呼出者認証や第3の乗車利用者認証における認証許可者は、スケジュールの情報を入力した予定入力者とされる。
なお、スケジュールの情報は、自動運転車1側からスケジュールのテンプレートを呈示して、それに必要事項を入力してもらうようにしてもよいし、予定入力者が直接的に入力してもよい。さらに、自動運転車1との間で対話形式にスケジュールの情報を入力することができるようにしてもよい。また、予定入力者の所持する携帯電話端末でスケジュールの情報を入力し、それを自動運転車1に送信するようにしてもよい。
図14の例のスケジュールは、予定入力者自身が各回の予定の際の再乗車者となる場合であるが、図15に示すように、予定入力者が、各回の予定の際の再乗車者を、自分以外の者をも設定することで異ならせるようにすることもできる。その場合には、第1及び第2の呼出認証用の認証参照用情報と、第1及び第2の乗車利用者認証用の認証参照用情報としては、予定入力者のみではなく、各回の予定の際の再乗車者(乗車予定者)の携帯電話端末の電話番号や、顔画像などの生体情報などが用いられることになる。
そして、第1及び第2の呼出者認証においては、呼出者が、予定入力者、または、各回の予定の際の再乗車者(乗車予定者)とのいずれかであるか否かを認証するようにする。また、第3の呼出者認証時及び第3の乗車利用者認証時の認証許可者は、予定入力者と各回の予定の際の再乗車者とのいずれか、あるいは、両者とすることが可能である。第1及び第2の呼出者認証における呼出者の認証対象を、予定入力者、または、各回の予定の際の再乗車者(乗車予定者)のいずれとするか、また、第3の呼出者認証時及び第3の乗車利用者認証時の認証許可者を予定入力者、または、各回の予定の際の再乗車者(乗車予定者)とのいずれとするかは、予定入力者が設定することができる。
そのために、自動運転車1の予定入力情報記憶部119には、スケジュールの情報と、予定入力者の情報とに加えて、各回の再乗車者の情報が、予定入力者により入力されて記憶される。この場合に、各回の予定の際の再乗車者の情報としては、第1及び第2の呼出認証用の認証参照用情報(例えば電話番号)と、第1及び第2の乗車利用者認証用の認証参照用情報(例えば顔画像)と、第3の呼出者認証及び第3の乗車利用者認証時の接続情報とが記憶される。
この場合に、設定される再乗車者が全て利用予定登録者であれば、予定入力者による当該利用予定登録者の選択指示に応じて、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている再乗車者の情報が抽出されて、予定入力情報記憶部119に記憶される。また、再乗車者が利用予定登録者でなければ、予定入力者が、当該再乗車者の上記の情報を直接に入力する。その場合に、予定入力者は、クラウドに記憶されている再乗車者の情報を取得して、予定入力情報記憶部119に記憶させるようにすることもできる。
また、上述の実施形態は、次回の1回分の再乗車の予定の情報であって、予定入力者自身が再乗車者となる場合であった。しかし、予定入力者が、次回の1回分の再乗車の予定の情報として、自分以外の者を指定して予定の情報とするようにしてもよい。その場合には、予定の情報には、再乗車者(乗車予定者)の情報(顔画像などの生体情報、電話番号を含む認証参照用情報と、接続情報としての電話番号やメールアドレスなど)も含まれる。そして、図15に示したスケジュールの場合と同様に、設定される再乗車者が全て利用予定登録者であれば、予定入力者による当該利用予定登録者の選択指示に応じて、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている再乗車者の情報が抽出されて、予定入力情報記憶部119に記憶され、再乗車者が利用予定登録者でなければ、予定入力者により、当該再乗車者の上記の情報が直接に入力される。
そして、この例の場合にも、第1及び第2の呼出者認証においては、呼出者が、予定入力者、または、各回の予定の際の再乗車者(乗車予定者)とのいずれかであるか否かを認証するようにする。また、第3の呼出者認証時及び第3の乗車利用者認証時の認証許可者は、予定入力者と乗車予定者とのいずれか、あるいは、両者とすることが可能である。第1及び第2の呼出者認証における呼出者の認証対象を、予定入力者、または、乗車予定者のいずれとするか、また、第3の呼出者認証時及び第3の乗車利用者認証時の認証許可者を予定入力者、または、乗車予定者のいずれとするかは、予定入力者が設定することができる。