JP6760587B2 - 大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法 - Google Patents

大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法 Download PDF

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Description

本発明は、大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法であって、さらに詳しくは、船舶などに適用される大型低速4ストロークエンジンの1サイクル中のデータを収集することができる大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法に関する。
一般的に、船舶エンジンモニタリング装置は、船舶エンジンの維持管理のために必須装備として台頭している。特に、船舶エンジンモニタリング装置は、エンジンの精密かつ正確な測定のために測定誤差を最小化する技術が必須的に要求されており、そのため多様な計測技術が開発された。
船舶エンジンモニタリング装置の計測技術としては、船舶機関の出力を測定するための指圧計測器が代表的であり、このような指圧計測器は、機械式方式と電子式方式がある。
機械式指圧計測器は、既存の船舶で普遍化して使用されており、エンジンのテストコック(Test Cock)に装着され、燃焼室の圧力を紙上に描き、その面積をプラニメーターという計測スケールで計算して計測を行う。しかし、機械式指圧計測器の場合、測定する人の熟練度と計測スケールの誤差により、実際エンジンの状態と計測結果の間に約10%程度の誤差が発生するという問題点があった。
従って、最近では、機械式指圧計測器の短所が補完された電子式指圧計測器が主に利用されている傾向にある。
電子式指圧計測器は、機械式指圧計測器とは異なり、デジタル装備を通じてエンジンの一サイクル中の圧力をサンプリング(Sampling)して体積線図を描き、その面積を自動で計算して船舶機関の出力を測定する。
しかし、上記の指圧計測器は、主に大型低速2ストロークエンジンの出力を計測するのに最適化されており、これにより大型低速4ストロークエンジンの出力を測定するのに困難があった。
即ち、従来は、大型低速4ストロークエンジンの燃焼状態及び出力などを計測するための別途の計測装備が開発されず、Pmaxゲージやエンジン側に装着された各種の温度計及び圧力ゲージを利用してエンジンの状態を診断しなければならず、正確なエンジンの燃焼状態及び出力が測定できないという問題点があった。
一方、大型低速4ストロークエンジンの1サイクルは、吸入、圧縮、爆発(膨脹)、排気の4ストロークがクランクシャフトの2回転の間に行われる。従って、1サイクルとは、吸入ストロークから始まって圧縮、爆発、排気ストロークを行った後、再び吸入ストロークの開始までを1サイクルという。このような、1サイクル中に2回のTDC(上死点、Top Dead Center)が来るようになり、2個のTDCは吸・排気TDC及び圧縮TDC(圧縮・爆発TDC)という。
従って、角度センサーを装着してデータを収集するにあたって、大型低速2ストロークエンジンは、基準シリンダにZパルスをセットすれば爆発手順によってTDCとBDC(下死点)が決まるため、1サイクルのデータ収集が容易なことに対し、大型低速4ストロークエンジンは、1サイクルのデータを収集するにあたって角度センサーのZパルスが2回発生するため、基準となるZパルスを探し難く、常に変わらない一定のデータを収集し難いという問題点があった。
さらに、正確な出力と燃焼解釈のためには、1サイクルのデータを収集することが何より重要であり、特に、TDC誤差1度は出力誤差を10%誘発するため、必ず正確なデータを収集することが何より重要である。
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、大型低速4ストロークエンジンに対する正確な1サイクルデータを獲得することで、正確なエンジンの燃焼分析及び出力測定が可能な大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を提供する。
上記課題を解決するための本発明の一実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法は、予め設定された基準シリンダの燃料を遮断し、前記基準シリンダから圧縮圧力データを収集して前記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力に関する線図を生成する段階と、前記基準シリンダから収集された圧縮圧力データを前記クランクシャフトの回転角度に対して微分して前記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図を生成する段階と、前記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図から圧縮TDCの位置を検出し、検出された前記圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値を格納する段階と、前記圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値に0.5サイクルにあたるクランクシャフトの回転角度値を加えて吸・排気TDCの開始位置を決める段階と、前記吸・排気TDCの開始位置から1サイクル中の前記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を収集する段階とを含む。
また、本発明の他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法は、予め設定された基準シリンダのTDCをフライホイールのTDCマーカーに位置させ、角度センサーのZパルス信号を前記基準シリンダのTDCに一致させる段階と、前記角度センサーのAまたはBパルス信号をトリガー信号として1サイクル中の前記燃焼圧力データを収集する段階とを含む。
また、本発明のまた他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法は、クランクシャフトの回転時に発生する角度センサーのZパルス信号を1サイクル中に順次に0と1で認識するように設定する段階と、1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、収集されたデータから信号発生地点のTDCを判別する段階と、判別結果によって前記角度センサーの信号設定を維持または変更して設定位置から1サイクル中の前記燃焼圧力データを収集する段階とを含む。
前記1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、収集されたデータから信号発生地点のTDCを判別する段階は、収集された前記1サイクル中の燃焼圧力データのうち最初収集された燃焼圧力データを予め設定された基準圧力と比較して前記信号発生地点のTDCを圧縮TDCまたは吸・排気TDCと判断することができる。
前記1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、収集されたデータから信号発生地点のTDCを判別する段階は、前記最初収集された燃焼圧力データが前記基準圧力以上の場合、圧縮TDCと判断することができる。
前記判別結果によって前記角度センサーの信号設定を維持または変更して設定位置から1サイクル中の前記燃焼圧力データを収集する段階は、前記信号発生地点のTDCが吸・排気TDCの場合、前記角度センサーの信号設定手順を維持して、前記角度センサーの信号設定手順によって順次に1サイクル中の前記燃焼圧力データを収集し、前記信号発生地点のTDCが圧縮TDCの場合、前記角度センサーの信号設定手順を変更し、変更された前記角度センサーの信号設定手順によって順次に1サイクル中の前記燃焼圧力データを収集することができる。
また、本発明のさらに他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法は、予め設定された角度センサーのパルス信号を開始信号として1.5サイクル中の燃焼圧力データを収集する段階と、収集された前記1.5サイクル中の燃焼圧力データのうち最初収集された燃焼圧力データを予め設定された基準圧力と比較して1サイクルにあたるデータ収集範囲を決める段階と、決められた前記1サイクルにあたるデータ収集範囲から前記燃焼圧力データを収集する段階とを含む。
前記収集された前記1.5サイクル中の燃焼圧力データのうち最初収集された燃焼圧力データを予め設定された基準圧力と比較してデータ収集範囲を決める段階は、前記最初収集された燃焼圧力データが前記基準圧力未満の場合、前記燃焼圧力データを最初収集した位置から1サイクルまでの位置を前記データ収集範囲と決め、前記最初収集された燃焼圧力データが前記基準圧力以上の場合、0.5サイクルが経過した位置から1.5サイクルまでの位置を前記データ収集範囲と決めることができる。
本発明の実施例によると、大型低速4ストロークエンジンに対する正確な1サイクルデータを獲得することで、正確なエンジンの燃焼分析及び出力測定をすることができる。
また、圧縮TDC、角度センサーのZパルスセット、初期検出圧力の比較などのように多様な方法を通じて大型低速4ストロークエンジンの1サイクルデータを獲得可能なことにより、獲得した1サイクルデータを互いに比較して正確度を判断することができ、これを通じて作業の信頼性を向上させることができる。
また、従来に比べて相対的に簡便な方法で大型低速4ストロークエンジンの1サイクルデータが獲得可能であり、作業者の便宜性及び作業性を向上させることができることはもちろん、大型低速4ストロークエンジンの1サイクルデータ獲得のための他の装備の使用を排除することで、費用を節減することができる。
また、正確な大型低速4ストロークエンジンの1サイクルデータを提供することにより、エンジンの出力測定と燃焼解釈を行うことができ、これを通じて各シリンダの燃料の点火時点と噴射時点、シリンダ別の燃料噴射量、ノッキング、後燃焼及びターボチャージャマッチング関係などを正確に把握することができ、さらに最適燃焼のためのソリューションを提供して燃料の噴射時点、燃料噴射量及びターボチャージャマッチングなどを必要に応じて選択的に調整し、燃焼を最適化してエンジンの寿命及び燃料消費効率を向上させることができる。
本発明の一実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を示すフローチャートである。 基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力を示す線図である。 (a)は、基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率を示す線図であり、(b)は、図3(a)の「A」部分を拡大した図面である。 図2と図3(a)に対する線図をクランクシャフトの回転角度を基準として並べた線図である。 本発明の他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を示すフローチャートである。 (a)は、角度センサーのパルスを示す図面であり、(b)は、角度センサーの分解能及びクランク角度に関する表を示す図面である。 (a)は、1サイクル中に圧縮TDCが先に検出された場合のクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を示す線図であり、(b)は、1サイクル中に吸・排気TDCが先に検出された場合のクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を示す線図である。 本発明のまた他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を示すフローチャートである。 本発明のまた他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を示すフローチャートである。 (a)は、1.5サイクル中に吸・排気TDCが先に検出された場合のクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を示す線図であり、(b)は、1.5サイクル中に圧縮TDCが先に検出された場合のクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を示す線図である。 大型低速4ストロークエンジンの燃焼分析を行う大型低速4ストロークエンジンの燃焼分析装置を通じて生成された測定結果を示す図面である。
本発明の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法(以下、「1サイクルデータ収集方法」という)は、船舶などに適用される大型低速4ストロークエンジンの1サイクル中のデータを収集することができる1サイクルデータ収集方法であって、本1サイクルデータ収集方法は、1サイクル中の大型低速4ストロークエンジンの燃焼分析及び出力測定を行うことができる燃焼分析装置(図示せず)を通じて行われる。
燃焼分析装置(図示せず)は、複数個のセンサー部を含むことができる。
複数個のセンサー部は、各シリンダの個別圧縮圧力及び燃焼圧力に関する信号を検出する圧力センサー及びクランクシャフトの回転角度に関する信号を検出する角度センサーを含むことができる。
圧力センサーは、エンジン(E/G)のテストコック(Test Cock、図示せず)に設置され、エンジンに複数で具備された各シリンダの個別燃焼圧力を検出することができる。そして、圧力センサーは、後述する燃焼分析部と電気的に連結して検出されたシリンダの個別燃焼圧力に関する信号を燃焼分析部に伝達することができる。
角度センサーは、エンジンのクランクシャフトの端部に設置され、クランクシャフトの回転角度を検出し、燃焼分析部と電気的に連結して検出されたクランクシャフトの回転角度に関する信号を燃焼分析部に伝達することができる。しかし、角度センサーは、必ずしもエンジンのクランクシャフトの端部に設置されると限定されるものではなく、クランクシャフトと共にクランクシャフトに対して一定の割合で回転する回転体(例えば、カムシャフトなど)に設置されることもできる。また、角度センサーは、大型低速4ストロークエンジンを発電機用エンジンとして使用する場合、エンジンのフライホイール側に設置され、大型低速4ストロークエンジンを主機関用エンジンとして使用する場合、エンジンのフライホイールの反対側に設置されることができる。そして、角度センサーのZパルス(1回転に1回パルスを発生する信号)は、予め設定された基準シリンダの実際TDCと一致することができる。ここで、基準シリンダは、クランクシャフトと連結してエンジンの駆動時に最初に爆発を起こす1番シリンダを意味することができる。そして、実際TDCとは、ダイヤルゲージでピストンを測定する場合、ピストンが上死点の位置に到逹してダイヤルゲージの動きが止まった瞬間と、再びダイヤルゲージの動きが始まる瞬間との間の中心地点を意味することができる。参考として、実際TDCは、エンジンのフライホイールにマークされている。例えば、角度センサーは、予め設定された分解能を持つエンコーダ(encoder)に適用されることができる。
一方、上述した複数個のセンサーと燃焼分析部との間には、各センサーから伝達されたアナログ信号をデジタル信号に変換するADコンバータ(図示せず)がさらに具備されることができる。
また、本燃焼分析装置は、燃焼分析部を含むことができる。
燃焼分析部は、複数個のセンサーと電気的に連結して各センサーから検出された各シリンダの個別燃焼圧力に関する信号及びクランクシャフトの回転角度に関する信号の入力を受け、入力を受けた各信号からエンジンの一サイクル中の各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を収集することができる。
また、燃焼分析部は、収集したデータを予め設定された数式に代入して各シリンダに対する燃焼実体積及び圧力変動率を分析し、これを各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力、各シリンダに対する燃焼実体積別の燃焼圧力及び各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する複数個の線図(graph)で示すことができる。
以下では、燃焼分析部を通じて分析された各分析項目及び線図について、さらに詳しく説明する。
図11は、大型低速4ストロークエンジンの燃焼分析を行う大型低速4ストロークエンジンの燃焼分析装置を通じて生成された測定結果を示す図面である。
図11を参照すると、燃焼分析部は、クランクシャフトの回転角度を測定する角度センサーのAまたはBパルス信号をトリガー(trigger)としてエンジンの一サイクル中の各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を収集し、これをX軸に各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度を示し、Y軸に回転角度による燃焼圧力を示すPθ線図で示すことができる。参考として、クランクシャフトは、エンジンの一サイクル当り360度の角度で回転するように設定されることができる。
そして、燃焼分析部は、予め設定された数式を利用して各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼実体積を計算し、これを各シリンダに対する燃焼実体積別の燃焼圧力を示すPV線図で示すことができる。参考として、燃焼実体積、即ち、PV線図における面積は、シリンダの出力(図示馬力)を意味することができる。従って、各シリンダの出力の総合は、エンジンの出力を意味することができる。
また、燃焼分析部は、各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率を計算し、これを各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率を示すdP線図で示すことができる。
即ち、燃焼分析部は、Pθ線図で確認が難しい微細な圧力の変化を確認するために、予め設定された数式を利用して各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力値を微分し、これをdP線図で示すことができる。
一方、燃焼分析部は、各センサー部から収集したデータを予め設定された数式に代入して各シリンダに対する熱発生率及び燃焼ガス温度をさらに分析し、これを各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の熱発生率及び各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼ガス温度に関する複数個の線図で示すことができる。
さらに詳しくは、燃焼分析部は、予め設定された数式を利用して各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の熱発生率を計算し、これを各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の熱発生率を示す熱発生率線図で示すことができる。
そして、燃焼分析部は、予め設定された数式を利用して各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼ガス温度を計算し、これを各シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の燃焼ガス温度を示す燃焼ガス温度線図で示すことができる。
即ち、燃焼室で起こる燃焼の過程は、非常に短い時間で起こるため、現存する温度計では燃焼室の燃焼ガス温度を測定するのに限界がある。従って、燃焼分析部は、理想気体の状態方程式を利用してクランクシャフトの回転角度別の燃焼ガス温度を計算することができる。
また、燃焼分析部は、生成した複数個の線図のうち少なくとも二つ以上の線図を解釈してエンジンの燃焼状態を判断することができる。
さらに詳しくは、燃焼分析部は、複数個の線図のうち少なくとも二つ以上の線図を解釈して各シリンダ別の燃料の空燃比状態、各シリンダ別の燃料の燃料噴射状態、各シリンダ別の燃料消耗状態、各シリンダ別の燃料量状態、エンジンのノッキング状態、各シリンダの後燃焼状態及びシリンダ間の燃焼最高圧力の一致有無のうち少なくとも一つに関するエンジンの燃焼状態を判断することができる。
また、燃焼分析部は、複数個の線図と共に、少なくとも一つの分析データを含む表をさらに示すことができる。
図11を参照すると、燃焼分析部は、エンジンの出力を測定した後、測定結果を各シリンダに対するエンジンの回転数(rpm)、圧縮最高圧力(Pcomp)、燃焼最高圧力(Pmax)、燃焼最高圧力のクランク角度位置、平均有効圧力(IMEP:Indicated Mean EffectivePressure)、指示馬力(IHP:Indicated HorsePower)、制動馬力(BHP:Brake HorsePower)、熱発生率(ROHR:Rate Of Heat Release)及び燃料消耗量(SFC:Specific Fuel Consumption)のうち少なくともいずれか一つのデータを含む表で表すことができる。
以下では、本発明の実施例による1サイクルデータ収集方法について説明する。
参考として、本発明の実施例による1サイクルデータ収集方法を説明するための各構成については、説明の便宜上、上述した燃焼分析装置を説明しながら使用した図面符号を同一に使用し、同一であるか重複した説明は省略する。
先ず、本発明の第1実施例による1サイクルデータ収集方法を説明する。
図1は、本発明の一実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を示すフローチャートであり、図2は、基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力を示す線図である。また、図3の(a)は、基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率を示す線図であり、図3の(b)は、図3の(a)の「A」部分を拡大した図面であり、図4は、図2と図3の(a)に対する線図をクランクシャフトの回転角度を基準として並べた線図である。
図1を参照すると、燃焼分析装置は、予め設定された基準シリンダの燃料を遮断し、基準シリンダから圧縮圧力データを収集して基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力に関する線図を生成する(S110)。
さらに詳しくは、燃焼分析装置は、予め設定された基準シリンダの燃料を遮断し、基準シリンダのクランクシャフトの末端に別途のセットなく装着された角度センサーから限定なく検出された圧縮圧力に関するデータを収集して、基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力に関する線図を生成する。これを通じて、燃焼分析装置は、図2に示すように、X軸にはクランクシャフトの角度を示し、Y軸は圧力値に転換される前のデジタル(Digital)値を示す線図を確認することができる。参考として、図2の線図でY軸のシリンダ圧力は、空気だけを圧縮した圧縮圧力のデジタル値を示す。
ここで、燃焼分析装置は、正確な地点を探すために収集されたデータのノイズを除去することができる。例えば、燃焼分析装置は、ノイズを除去するためにHigh/Low pass filter回路を構成するか、別途の後処理プログラムを通じてSmoothing処理を行うことができる。
次に、燃焼分析装置は、図3(a)に示すように、基準シリンダから収集された圧縮圧力データをクランクシャフトの回転角度に対して微分した後、基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図を生成する(S120)。
次に、燃焼分析装置は、図3(b)に示すように、基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図から圧縮TDCの位置を検出し、検出された圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値を格納する(S130)。
さらに詳しくは、燃焼分析装置は、基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図から圧縮圧力の最高点(Pcomp)の位置、即ち、dp/dθ=0となる地点を探して圧縮TDCの正確な位置を検出し、これにあたるクランクシャフトの回転角度値を格納する。例えば、図3(a)及び図3(b)を参照すると、基準シリンダの圧縮TDCは186.6度に位置することが分かる。即ち、これは、角度センサーのZパルスと圧縮TDCの位置関係が186.6度の差を置いていることを意味する。参考として、大型低速4ストロークエンジンは、損失角を無視するため、実際TDCと同一であることができる。
一方、燃焼分析装置は、圧縮TDCの位置を検出し、検出された圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値を格納した後、圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの角度値をオフセット(offset)して格納することができる。さらに詳しくは、燃焼分析装置は、圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの角度値を計測した後、計測された角度値の小数点以下の数をオフセット(offset)させて格納することができる。例えば、図3(b)に示した基準シリンダの圧縮TDCは、上述した燃焼分析装置のオフセットを通じて186.6度〜187度で格納されることができる。
次に、燃焼分析装置は、圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値に0.5サイクルにあたるクランクシャフトの回転角度値を加えて吸・排気TDCの開始位置を決める(S140)。
即ち、圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値を基準点0度と設定し、圧縮TDCから吸・排気TDCに転換されるクランクシャフトの回転角度値に0.5サイクルにあたるクランクシャフトの回転角度値360を加えて吸・排気TDCの開始位置を決める。ここで、大型低速4ストロークエンジンの場合、1サイクル当り720度の角度で回転するように設定されるため、0.5サイクルは360度を意味する。
従って、図3(b)及び図4を参照すると、燃焼分析装置は、0と設定された圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値187に0.5サイクルにあたるクランクシャフトの回転角度値360を加えた位置を吸・排気TDCの開始位置で決める。即ち、燃焼分析装置は、角度センサーのAパルスを開始信号としてデータ収集の開始点となる547度の位置を吸・排気TDCの開始位置として決める。
次に、燃焼分析装置は、吸・排気TDCの開始位置から1サイクル中の基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力を収集する(S150)。
さらに詳しくは、燃焼分析装置は、TDCの開始位置を決めた後、決められたTDCの開始位置の角度値を再びオフセット値を通じて補正した後、補正されたTDCの開始位置を0度として、以後、角度から角度センサーの分解能によって1サイクル(720度)中の基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力を収集する。
参考として、基準シリンダ外に他のシリンダは、爆発手順によってTDCの位置が決められるので、爆発手順を入力してTDCを決めることができる。例えば、6シリンダの場合爆発順序は、1−5−3−6−2−4の手順によって120度間隔でTDCが決められることができる。
これにより、エンコーダのZパルス信号を基準シリンダにセットする過程を排除することができ、これを通じて迅速かつ正確な1サイクル中のデータを収集することができる。
次に、本発明の第2実施例による1サイクルデータ収集方法を説明する。
図5は、本発明の他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を示すフローチャートであり、図6(a)は、角度センサーのパルスを示す図面であり、図6(b)は、角度センサーの分解能及びクランク角度に関する表を示す図面である。また、図7(a)は、1サイクル中に圧縮TDCが先に検出された場合のクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を示す線図であり、図7(b)は、1サイクル中に吸・排気TDCが先に検出された場合のクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を示す線図である。
図5を参照すると、先ず作業者が予め設定された基準シリンダのTDCをフライホイールのTDCマーカーに位置させ、角度センサーのZパルス信号を基準シリンダのTDCに一致させる(S210)。参考として、図6(a)を参照すると、角度センサーのA、Bパルスはエンコーダの分解能を示し、データを収集する時にトリガー信号として使用されることができる。そして、このようなトリガー信号は、クランク角度になることができる。即ち、図6(b)には、角度センサー(エンコーダ)の分解能と、これに換算されるトリガー間の角度表示及び1サイクルを完成するデータ数を示している。従って、360度を分解能に分ければトリガー信号に対するクランクシャフトの角度間隔となり、これをカウンターすればクランクシャフトが動いた角度になることができる。
例えば、角度センサーのZパルス信号は、1回転に1番信号が発生するように設定されることにより、角度センサーのZパルス信号が上昇エッジ(edge)、即ち5Vとなる場合、船舶に具備された制御装置(図示せず)に駆動され、これを通じて作業者が角度センサーのZパルス信号と基準シリンダのTDC間の一致有無を確認することができる。
次に、作業者は、燃焼分析装置を通じて角度センサーのZパルス信号は開始信号とし、角度センサーのAまたはBパルス信号をトリガー信号として1サイクル中の燃焼圧力データを収集する(S220)。
即ち、角度センサーのZパルスを1番シリンダ(基準シリンダ)のTDCに合わせ、角度センサーのAパルスや、Bパルスをトリガー信号として1サイクル中の燃焼圧力データを収集する。ここで、角度センサーのBパルス信号は、90゜±20後に上昇エッジが来るため、トリガーとして利用する時、オフセット値を0.25度と設定することができる。そして、各パルス信号の上昇エッジ(up edge)を開始信号とトリガー信号の基準とし、下降エッジを基準とすることができる。
従って、燃焼分析装置は、上記の方法で収集されたデータを図7(a)及び(b)の線図で形成し、これを順次に整列して1サイクルデータを収集することができる。例えば、燃焼分析装置を通じて整列された複数個の線図は、吸・排気TDCが先に来て、中間に圧縮・爆発TDCが来るように整列されることができる。
次に、本発明の第3実施例による1サイクルデータ収集方法を説明する。
図8は、本発明のまた他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を示すフローチャートである。
図8を参照すると、燃焼分析装置は、クランクシャフトの回転時に発生する角度センサーのZパルス信号を1サイクル中に順次に0と1で認識するように設定する(S310)。
さらに詳しくは、燃焼分析装置は、クランクシャフトの回転時に角度センサーから検出される二つのTDCのうち一番目のTDCに発生する角度センサーのZパルス信号を0、そして、二つのTDCのうち二番目のTDCに発生する角度センサーのZパルス信号を1で認識するように設定する。従って、角度センサーから検出される信号は、0と1が限りなく繰り返され、二つのTDCのいずれか一つは圧縮TDCであり、他の一つは吸・排気TDCである。
次に、燃焼分析装置は、1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、収集されたデータから信号発生地点のTDCを判別する(S320)。
さらに詳しくは、燃焼分析装置は、収集された1サイクル中の燃焼圧力データのうち最初収集された燃焼圧力データを予め設定された基準圧力と比較して信号発生地点のTDCを圧縮TDCまたは吸・排気TDCと判断することができる。例えば、最初収集された燃焼圧力データが基準圧力以上の場合、燃焼分析装置は、信号発生地点のTDCを圧縮TDCと判断することができる。ここで、予め設定された基準圧力とは、掃気圧力と圧縮圧力を区分する基準となる圧力を意味し、大部分のエンジンで掃気圧力は5bar未満であり、ディーゼルエンジンの圧縮比による圧縮圧力は、大体20bar以上となるので、このような圧力の値が吸・排気TDCと圧縮TDCとを区分する基準圧力となる。即ち、ミラーサイクル(Miller cycle)を使用するエンジンは、掃気圧力がさらに高い値で表れるため、この基準圧力は、掃気圧力によって調整されることができる。従って、誤差を減らすために最初収集された燃焼圧力データ5〜10個の平均値を計算し、この平均値が5bar以下であれば吸・排気TDC、20bar以上であれば圧縮TDCと判断することができる基準圧力として決めることができる。そして、ターボチャージャのセットと圧縮比によって、基準圧力の範囲は調整されることができる。
次に、燃焼分析装置は、信号発生地点のTDCに対する判別結果によって角度センサーの信号設定を維持または変更して、設定位置から1サイクル中の燃焼圧力データを収集する(S330)。
さらに詳しくは、燃焼分析装置は、信号発生地点のTDCが吸・排気TDCの場合、角度センサーの信号設定手順を維持して、角度センサーの信号設定手順によって順次に1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、反対に信号発生地点のTDCが圧縮TDCの場合、角度センサーの信号設定手順を変更し、変更された角度センサーの信号設定手順によって順次に1サイクル中の前記燃焼圧力データを収集することができる。
即ち、燃焼分析装置は、信号発生地点のTDCが吸・排気TDCの場合、角度センサーの信号設定手順(0と1)に従って、現状態を維持して1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、反対に信号発生地点のTDCが圧縮TDCの場合、角度センサーの信号設定手順(0と1)を反対に変更(1と0)して、1サイクル中の燃焼圧力データを収集することができる。
次に、本発明の第4実施例による1サイクルデータ収集方法を説明する。
図9は、本発明のまた他の実施例による大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法を示すフローチャートであり、図10(a)は、1.5サイクル中に吸・排気TDCが先に検出された場合のクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を示す線図であり、図10(b)は、1.5サイクル中に圧縮TDCが先に検出された場合のクランクシャフトの回転角度別の燃焼圧力を示す線図である。
図9を参照すると、燃焼分析装置は、予め設定された角度センサーのパルス信号(Z)を開始信号として1.5サイクル中の燃焼圧力データを収集する(S410)。例えば、1.5サイクルは1080度を意味することができる。
次に、燃焼分析装置は、収集された1.5サイクル中の燃焼圧力データのうち最初収集された燃焼圧力データを予め設定された基準圧力と比較して1サイクルにあたるデータ収集範囲を決める(S420)。
ここで、燃焼分析装置は、図10(a)に示すように、最初収集された燃焼圧力データが基準圧力未満の場合、燃焼圧力データを最初収集した位置から1サイクルまでの位置(720度)を前記データ収集範囲と決め、反対に図10(b)に示すように、最初収集された燃焼圧力データが基準圧力以上の場合、0.5サイクルが経過した位置(360度)から1.5サイクルまでの位置(1080度)をデータ収集範囲として決めることができる。
次に、燃焼分析装置は、決められた1サイクルにあたるデータ収集範囲から燃焼圧力データを収集する(S430)。
一方、本1サイクルデータ収集方法は、 多様なコンピュータ手段を通じて行われることができるプログラム命令形態で実現されて、コンピュータで読取可能な記録媒体に記録されることができる。ここで、記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを含むことができる。また、記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであってもよく、コンピュータソフトウェア当業者に公知されて使用可能なものであってもよい。例えば、記録媒体は、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD−ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気−光媒体(magneto−optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリーなどのようなプログラム命令を格納し行うように特に構成されたハードウェア装置を含むことができる。そして、プログラム命令は、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行されることができる高級言語コードを含むことができる。そして、ハードウェア装置は、本発明の動作を行うために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されることができる。
また、本エンジンの出力測定方法は、記録媒体に格納されるコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムまたはアプリケーションの形態でも実現されることができる。
このように本発明の実施例によると、大型低速4ストロークエンジンに対する正確な1サイクルデータを獲得することで、正確なエンジンの燃焼分析及び出力測定をすることができる。
また、圧縮TDC、角度センサーのZパルスセット、初期検出圧力の比較などのように多様な方法を通じて大型低速4ストロークエンジンの1サイクルデータを獲得可能なことにより、獲得した1サイクルデータを互いに比較して正確度を判断することができ、これを通じて作業の信頼性を向上させることができる。
また、従来に比べて相対的に簡便な方法で大型低速4ストロークエンジンの1サイクルデータが獲得可能であり、作業者の便宜性及び作業性を向上させることができることはもちろん、大型低速4ストロークエンジンの1サイクルデータ獲得のための他の装備の使用を排除することで、費用を節減することができる。
また、正確な大型低速4ストロークエンジンの1サイクルデータを提供することによっ
て、エンジンの出力測定と燃焼解釈を行うことができ、これを通じて各シリンダの燃料の
点火時点と噴射時点、シリンダ別の燃料噴射量、ノッキング、後燃焼及びターボチャージ
ャマッチング関係などを正確に把握することができ、さらに最適燃焼のためのソリューシ
ョンを提供して燃料の噴射時点、燃料噴射量及びターボチャージャマッチングなどを必要
に応じて選択的に調整し、燃焼を最適化してエンジンの寿命及び燃料消費効率を向上させ
ることができる。
[項目1]
大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法であって、
予め設定された基準シリンダの燃料を遮断し、上記基準シリンダから圧縮圧力データを収集して上記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力に関する線図を生成する段階と、
上記基準シリンダから収集された圧縮圧力データを上記クランクシャフトの回転角度に対して微分して上記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図を生成する段階と、
上記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図から圧縮TDCの位置を検出し、検出された上記圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値を格納する段階と、
上記圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値に0.5サイクルにあたるクランクシャフトの回転角度値を加えて吸・排気TDCの開始位置を決める段階と、
上記吸・排気TDCの開始位置から1サイクル中の上記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力を収集する段階と、
を含む大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
[項目2]
大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法であって、
予め設定された基準シリンダのTDCをフライホイールのTDCマーカーに位置させ、角度センサーのZパルス信号を上記基準シリンダのTDCに一致させる段階と、
上記角度センサーのAまたはBパルス信号をトリガー信号として1サイクル中の燃焼圧力データを収集する段階と、
を含む大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
[項目3]
大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法であって、
クランクシャフトの回転時に発生する角度センサーのZパルス信号を1サイクル中に順次に0と1で認識するように設定する段階と、
1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、収集されたデータから信号発生地点のTDCを判別する段階と、
判別結果によって上記角度センサーの信号設定を維持または変更して設定位置から1サイクル中の上記燃焼圧力データを収集する段階と、
を含む大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
[項目4]
上記1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、収集されたデータから信号発生地点のTDCを判別する段階は、
収集された上記1サイクル中の燃焼圧力データのうち最初収集された燃焼圧力データを予め設定された基準圧力と比較して上記信号発生地点のTDCを圧縮TDCまたは吸・排気TDCと判断する項目3に記載の大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
[項目5]
上記1サイクル中の燃焼圧力データを収集し、収集されたデータから信号発生地点のTDCを判別する段階は、
上記最初収集された燃焼圧力データが上記基準圧力以上の場合、圧縮TDCと判断する項目4に記載の大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
[項目6]
上記判別結果によって上記角度センサーの信号設定を維持または変更して設定位置から1サイクル中の上記燃焼圧力データを収集する段階は、
上記信号発生地点のTDCが吸・排気TDCの場合、上記角度センサーの信号設定手順を維持して、上記角度センサーの信号設定手順によって順次に1サイクル中の上記燃焼圧力データを収集し、
上記信号発生地点のTDCが圧縮TDCの場合、上記角度センサーの信号設定手順を変更し、変更された上記角度センサーの信号設定手順によって順次に1サイクル中の上記燃焼圧力データを収集する項目3に記載の大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
[項目7]
大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法であって、
予め設定された角度センサーのパルス信号を開始信号として1.5サイクル中の燃焼圧力データを収集する段階と、
収集された上記1.5サイクル中の燃焼圧力データのうち最初収集された燃焼圧力データを予め設定された基準圧力と比較して1サイクルにあたるデータ収集範囲を決める段階と、
決められた上記1サイクルにあたるデータ収集範囲から上記燃焼圧力データを収集する段階と、
を含む大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
[項目8]
上記収集された上記1.5サイクル中の燃焼圧力データのうち最初収集された燃焼圧力データを予め設定された基準圧力と比較してデータ収集範囲を決める段階は、
上記最初収集された燃焼圧力データが上記基準圧力未満の場合、上記燃焼圧力データを最初収集した位置から1サイクルまでの位置を上記データ収集範囲と決め、
上記最初収集された燃焼圧力データが上記基準圧力以上の場合、0.5サイクルが経過した位置から1.5サイクルまでの位置を上記データ収集範囲と決める項目7に記載の大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
[項目9]
項目1から8のいずれか一項の方法をコンピュータで実行するためのプログラム。

Claims (2)

  1. 大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法であって、
    予め設定された基準シリンダの燃料を遮断し、前記基準シリンダから圧縮圧力データを収集して前記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力に関する線図を生成する段階と、
    前記基準シリンダから収集された圧縮圧力データを前記クランクシャフトの回転角度に対して微分して前記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図を生成する段階と、
    前記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧力変動率に関する線図から圧縮TDCの位置を検出し、検出された前記圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値を格納する段階と、
    前記圧縮TDCの位置にあたるクランクシャフトの回転角度値に0.5サイクルにあたるクランクシャフトの回転角度値を加えて吸・排気TDCの開始位置を決める段階と、
    前記吸・排気TDCの開始位置から1サイクル中の前記基準シリンダに対するクランクシャフトの回転角度別の圧縮圧力を収集する段階と、
    を含む大型低速4ストロークエンジンの出力測定及び燃焼分析のための1サイクルデータ収集方法。
  2. 請求項1に記載の方法をコンピュータで実行するためのプログラム。
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