JP6760090B2 - 電動機のロータおよびそのロータを備える電動機 - Google Patents

電動機のロータおよびそのロータを備える電動機 Download PDF

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Description

本開示は電動機のロータの構造に関し、特には、永久磁石型電動機に用いられるロータの構造に関する。
電動機を高トルク化するために、ロータの軸方向に貫通するスリットをロータに複数設け、ロータの軸方向に着磁された永久磁石をスリットの開口部を覆うようにロータの端面に配置する技術が知られている(例えば、引用文献1))。
特開2006−271049号公報
しかしながら、ロータの端面に永久磁石を配置すると、ステータが発生させる磁界によりロータ軸方向への漏れ磁束が生じ、ロータの端面に配置されている永久磁石に対して、その着磁方向とは逆向きの逆磁界が作用してしまう。この結果、ロータの端面の永久磁石が減磁され、所期の磁束を得ることができなくなる。特に、ロータの端面の永久磁石を更に磁性体で覆う場合には、磁気回路が形成されるのでロータの端面の永久磁石による磁束密度を増大できる一方で、ロータの軸方向における漏れ磁束も増大することになり、ロータの端面の永久磁石がより減磁され易くなる。
したがって、ロータ端面に永久磁石および永久磁石を覆う磁性体を備える電動機において、ロータ端面における永久磁石の減磁を抑制または防止することが望まれている。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することが可能である。
第1の態様は、電動機のロータを提供する。第1の態様に係るロータは、前記ロータの周方向に沿って配置されている複数のロータスリット群であって、それぞれが、前記ロータの外周側に形成されている1つ以上のロータスリットを含む複数のロータスリット群と、前記ロータスリット内に配置されている1つ以上のロータ内磁石と、前記ロータの端面において前記複数のロータスリット群を覆って配置されている複数の端面磁石であって、前記ロータの軸方向に交互に逆向きに着磁されている複数の端面磁石と、前記複数の端面磁石を介して前記ロータの端面に対向して配置されている円環状の磁性体端であって、前記ロータスリットに対応して形成されている磁性体スリットを、前記端面磁石の減磁を抑制または防止する減磁防止機構として有する磁性体端と、を備える。
第1の態様係る電動機のロータによれば、磁性体が端面磁石の減磁を抑制または防止する減磁防止機構を有するので、ロータ端面に永久磁石および永久磁石を覆う磁性体を備える電動機において、ロータ端面における永久磁石の減磁を抑制または防止することができる。
第1の実施形態に係るロータの平面図。 第1の実施形態に係るロータを図1中の2−2線で切断した断面図。 第1の実施形態に係るロータが備えるロータコアの平面図。 第1の実施形態に係るロータが備える磁性体端板の平面図。 従来のロータにおける磁性体端板近傍の磁束を模式的に示す説明図。 第1の実施形態に係るロータの磁性体端板近傍の磁束を模式的に示す説明図。 磁性体スリットを備える磁性体端板と磁性体スリットを備えない磁性体端板を用いた先における電動機の出力トルクを対比する説明図である。 磁性体スリットを備える磁性体端板と磁性体スリットを備えない磁性体端板を用いた先における端面磁石の減磁量を対比する説明図である。 磁性体端板の厚さと端面磁石の厚さと比に対する出力トルクと減磁率との関係を示す説明図である。 第1の変形例に係る磁性体端板の変形例を示す説明図である。 第2の変形例に係る端面磁石と磁性体端板との関係を示す説明図である。 第3の変形例に係るロータの変形例を示す説明図である。 第4の変形例に係るロータスリットおよび磁性体スリットを示す説明図である。
本開示に係る電動機のロータについて、いくつかの実施形態に基づいて以下説明する。
第1の実施形態:
図1および図2に示すように、第1の実施形態に係るロータ10は、ステータ30内に回転自在に配置され、電動機100を構成する。電動機は、ロータ内部に永久磁石が埋め込まれた同期モータ(IPMSM:Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)であり、リラクタンストルクとマグネットトルクを利用する。ロータ10、すなわち、回転子は、その中心に、図示しない出力軸を挿通し、固定するための出力軸孔10aを有し、その外形は円柱形状をなしている。ロータ10は、ロータコア11、端面磁石45、磁性体端板15および外側端板18を備えている。ステータ30は、例えば、磁性体板が積層されることにより、あるいは、圧粉磁心を圧縮成形することにより形成される。なお、ロータ10を内包するステータ30は、図示しないモータケースによって覆われている。ステータ30には、複数のスロット、例えば、24本、48本といったスロットが形成され、当該スロット内に磁界を形成するためのコイル35が配置されているが、説明を簡単にするため、図示を省略する。
ロータコア11は、一例として、ロータ10の軸方向に、薄い円盤状の金属板、例えば軟磁性材料であるケイ素鋼板が積層された積層鉄心構造を有している。第1の実施形態に係るロータコア11には、図2および図3に示すように、周方向に沿って配置されている複数のロータスリット群12Gが形成されている。各ロータスリット群12Gは、出力軸孔10aからロータコア11の外周に向かって外周側に3層状に形成されている3つのロータスリット12を備えている。各ロータスリット12は、積層鉄心構造を構成する各金属板に対してプレス加工等により形成された打ち抜き孔であり、各金属板に形成された打ち抜き孔の集合体であるロータスリット12は、スリット孔あるいは貫通スリットと言うことができる。同様に、出力軸孔10aもまた、各金属板に形成された孔の集合体によって形成された孔である。
各ロータスリット12には、ロータ内磁石41が配置されている。ロータ内磁石41としては、例えば、フェライト磁石、希土類磁石といった永久磁石が用いられ得る。各ロータ内磁石41は、各ロータスリット12内に挿入されているだけでも良く、あるいは、接着剤によって固定されていても良い。さらには、ボンド磁石を充填することによってロータ内磁石41が形成されても良い。ロータ内磁石41を備えることによって、ステータ30およびコイル35から漏れ磁束がロータスリット12を横断することによる磁気抵抗差の低下が防止される。図2の例において、ロータ内磁石41の着磁方向は実線にて示されており、ステータ30に対してN極が対向するように着磁されている。なお、各ロータ内磁石41は、ステータ30に対して交互にN極、S極が対向するように着磁されている。
端面磁石45は、図2および図3に示すように、ロータコア11に形成されているロータスリット群12Gを覆うようにロータコア11の外周側に配置されている。端面磁石45としては、例えば、フェライト磁石、希土類磁石といった永久磁石が用いられ得る。端面磁石45は、実線で示すようにロータコア11の軸方向に着磁(磁化)されており、図2の例では、ロータコア11の表面にN極が対向するように着磁されている。この結果、端面磁石45により提供される磁束によってロータ内磁石41により形成される磁束が強化される。なお、端面磁石45は、着磁方向(磁化方向)がロータコア11の軸方向に交互に逆向きになるように配置されている。具体的には、隣接するロータスリット群12Gに対して配置されている端面磁石45は、図3に示すように、ロータコア11の表面に対して、交互にN極、S極、N極、S極が対向するように着磁されている。したがって、図2に示すようにステータ30に対してN極が対向するように着磁されているロータ内磁石41を備えるロータスリット群12Gに対しては、ロータコア11の表面に対してN極が対向するように着磁されている。なお、図3における磁極の表示は、外側端板18から見た際の端面磁石45の着磁方向である。
磁性体端板15は、ロータコア11と同等または短い外径半径と、ロータコア11の出力軸孔10aよりも長い内径半径を有する円環状の磁性体によって形成される端板である。磁性体端板15は、例えば、軟磁性材料であるケイ素鋼板によって形成されている。第1の実施形態における磁性体端板15には、ロータコア11に形成されている複数のロータスリット群12Gのそれぞれに対応して、周方向に沿って配置されている複数の磁性体スリット群15Gが形成されている。各磁性体スリット群15Gは、ロータスリット12に対応して形成されている減磁防止機構としての3つの磁性体スリット15aを含んでいる。各磁性体スリット15aは、対応するロータスリット12と同一形状、すなわち、同一寸法を有している。各磁性体スリット15aは、磁性体金属板に対してプレス加工等により形成された打ち抜き孔である。
外側端板18は、ロータコア11の端面全体を覆う非磁性体端板である。外側端板18は、ロータコア11と同等の外寸を有する略円形状の端板であり、その中心には出力軸孔10aに対応する開口部が形成され、その外周端部にはロータコア11の端面に向かって突出するフランジ部が形成されている。外側端板18としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼が用いられる。
第1の実施形態に係るロータ10は、ロータコア11の外周側に形成されているロータスリット群12Gに対応してロータコア11の端面に配置されている端面磁石45、端面磁石45を介してロータコア11の端面側に配置されている磁性体端板15、磁性体端板15を覆って配置されている外側端板18を備えている。ロータ10をその軸方向に垂直な切断面で切断した断面図(図2参照)において、ロータスリット群12Gが形成されているロータコア11の端面から順に端面磁石45、磁性体端板15および外側端板18が積層配置されている。なお、ロータコア11の端面とは、ロータコア11をその軸方向に目視した際の略円形状の面を意味する。なお、図2においては、記載を明確にするため、ロータ内磁石41、端面磁石45、磁性体端板15および外側端板18の断面に対してはハッチングを施し、残りの断面についてはハッチングを省略している。
図2、図5および図6を参照して、第1の実施形態に係るロータ10と従来例に係るロータ500におけるステータ30、530から生じる逆磁界によって生じる軸方向(空気方向)への漏れ磁束に起因する、端面磁石45、545の減磁について説明する。なお、従来例に係るロータ500の構成については、第1の実施形態に係るロータ10に対する符号に5を付加した3桁の符号を用いることによって説明を省略する。また、従来例に係るロータ500には、磁性体スリット15aに対応する構成は備えられていない。
電動機の動作時、ステータ30のコイル35に通電されると、図2の上側に破線で示す方向に逆磁界が発生し、端面磁石45側に漏れ磁束が生じる。従来例について図5を参照して詳細に説明する。発生した逆磁界による磁束は、ロータ500が磁気飽和している場合、破線矢印で示すようにロータ500の軸方向に漏れ易くなる。特に、この従来例では、ロータコア511のロータスリット512内には、ロータ内磁石541が配置されているので、磁束はロータ内磁石541を透過し難くロータコア511の中心方向ではなく、ロータコア511の軸方向、すなわち、端面方向に導かれやすくなる。ロータコア511の端面には磁性体端板515が配置され磁気回路が形成されているので、ステータ30からの磁束は、より、ロータコア511の端面に導かれやすくなる。この結果、ロータコア511の端面から内側に向かって着磁されている端面磁石545の着磁方向と逆方向に漏れ磁束が生じることとなり、端面磁石545が減磁される。
これに対して、第1の実施形態に係るロータ10では、図6にも示すように、磁性体端板15におけるロータコア11のロータスリット群12Gに対応する位置には磁性体スリット15aが形成されている。磁性体スリット15aが形成されていることによって、漏れ磁束は、破線矢印にて示すように、透磁率の低い磁性体スリット15aを避けて、透磁率の高い磁性体が残されている部位に導かれる。この結果、漏れ磁束の方向は、端面磁石45の着磁方向に対して角度を持つことになり、漏れ磁束の方向と着磁方向とが平行である場合と比較して、端面磁石45の減磁の程度が軽減または減磁が防止される。
図7および図8を参照して、磁性体スリット15aを備えることによる減磁の抑制の効果について説明する。本明細書においては、電動機により得られるトルクと、減磁量の二つの指標を用いて磁性体スリット15aによる減磁の抑制の効果を確認した。なお、この確認はシミュレーションにより行った。図7に示すように、第1の実施形態に係るロータ10を有する電動機のトルクは、磁性体スリット15aを有しない磁性体端板515を備える従来例のロータ500を用いた電動機のトルクよりも大きい。すなわち、従来例のロータ500を用いた電動機では、漏れ磁束に起因して端面磁石45からの磁力が減磁され、マグネットトルクが低下するため、電動機の出力トルクも低下する。これに対して、第1の実施形態に係るロータ10を有する電動機では、漏れ磁束に起因する端面磁石45からの磁力の減磁が低減されるので、マグネットトルクの減少が抑制され、電動機のトルクの低下が抑制または防止される。
減磁量については、図8に示すように、第1の実施形態に係るロータ10を有する電動機における減磁量は、従来例のロータ500を用いた電動機における減磁量よりも小さい。この減磁量の低減も、磁性体スリット15aによる、ステータ30からの漏れ磁束の影響、すなわち、逆磁界の影響を低減させた結果もたらされる。なお、磁性体スリット15aを備えることによる減磁の抑制の効果は、電動機を実際に作動させることによって得られる出力トルク、所定期間にわたって使用された電動機のロータに備えられている端面磁石の磁力を測定することによって、確認されても良い。
第1の実施形態における磁性体端板15の厚みと、端面磁石45の厚みとの間には以下の関係がある。磁性体端板15の厚さt1は、端面磁石45の厚さt2以下であればよい。すなわち、t1≦t2。図よりも薄ければよい。図9において、左側縦軸はトルク、右側縦軸は減磁率、横軸はt1/t2を示している。特性線L1はt1/t2に対するトルクの変化を示し、特性線L2はt1/t2に対する減磁率の変化を示す。特性線L1が示すように、端面磁石45の厚さt2に対する磁性体端板15の厚さt1が増大するにつれて、電動機100によって得られるトルクは増大する。一方で、特性線L2が示すように、端面磁石45の厚さt2に対する磁性体端板15の厚さt1が減少するにつれて、減磁率は低くなる。したがって、トルクと減磁率のバランスの観点からは、磁性体端板15の厚さt1と端面磁石45の厚さt2とが等しいことが望ましく、減磁率を重視する観点からは磁性体端板15の厚さt1は端面磁石45の厚さt2よりも薄いことが望ましい。なお、減磁率が低い場合には、漏れ磁束による減磁が抑制され、減磁率が高い場合には、漏れ磁束による減磁が抑制され難いことを意味する。
以上説明したように、第1の実施形態に係るロータ10によれば、磁性体端板15に磁性体スリット15aが形成されている。したがって、電動機100の作動に伴いステータ30によって逆磁界が発生され、ロータコア11の端面、すなわち、ロータスリット12近傍に向かう漏れ磁束が生じる場合であっても、端面磁石45の着磁方向に対して角度を有する方向に漏れ磁束を導くことができる。この結果、漏れ磁束に起因する、端面磁石45の減磁を抑制または防止し、また、端面磁石45から発生する磁束密度の減少を抑制することができる。なお、端面磁石45の着磁方向に対して角度を有するとは、着磁方向に対して非平行な方向に漏れ磁束の方向を導くことができることを意味する。
第1の実施形態に係るロータ10によれば、磁性体端板15に磁性体スリット15aを備えることにより、端面磁石45の減磁、および、端面磁石45からの磁束密度の減少を抑制または防止することができるので、電動機100におけるマグネットトルクの減少を抑制または防止することが可能となり、電動機100の出力性能の低下を抑制または防止することができる。
変形例:
(1)第1の変形例:第1の実施形態に係るロータ10が備える磁性体端板15は、図10に示す磁性体スリット群15Gを備えても良い。図10においては、説明の効率化のため、2つの磁性体スリット群15Gの態様を示している。第1の実施形態において、磁性体端板15は、ロータスリット12と同一形状の磁性体スリット15aから構成される磁性体スリット群15Gを備えていた。磁性体スリット15aは、ロータスリット12と同数かつ同一形状である際に最も減磁抑制の効果を期待することができるが、以下の変形例においても減磁抑制の効果を得ることができる。なお、本明細書においては、周方向に並ぶ8つのロータスリット群12Gおよび磁性体スリット群15Gが用いられているが、各スリット群12G、15Gは、2つ以上7つ以下であっても良く、あるいは、9つ以上であっても良い。また、各スリット群12G、15Gに含まれる各スリット12、15aの数は、2つ以下であっても良く、4つ以上であっても良い。
第1の変形例では、磁性体スリット群15Gは、対応するロータスリット12内に収まる寸法、幅および長さを有する磁性体スリット15bから構成されている。すなわち、磁性体スリット15bは、ロータスリット12の開口面積よりも小さな開口面積を有する相似形、ロータスリット12の幅および長さを超えることなくロータスリット12の開口面積よりも小さな開口面積を有する形状、あるいは、ロータスリット12の長さまたは幅寸法が小さい形状に形成されている。また、第1の実施形態においては、磁性体スリット15aは、ロータスリット群12Gを形成するロータスリット12の数と同一数形成されていたが、ロータスリット12よりも少なくても良く、例えば、2つ、あるいは、図10に示すように1つの磁性体スリット15cであっても良い。また、磁性体スリット15cは、最も外周のみ、あるいは、内周のみといったように、任意の位置のみに形成されても良く、この場合には、磁性体スリット15cに対応する位置における端面磁石45の減磁が抑制される。
(2)第2の変形例:端面磁石45と磁性体端板15との相対的な寸法関係について図11を参照して説明する。図11には、第1の実施形態における端面磁石45と、第2の変形例における端面磁石45aとが示されている。第1の実施形態における、図11に示すように、端面磁石45の幅と磁性体端板15の幅とは同一である。ここで、端面磁石45の幅は、外径半径DS2と内径半径DS1との差であり、磁性体端板15の幅は外径半径DM2と内径半径DM1との差である。これに対して、図11に示すように、端面磁石45と磁性体端板15との間には、DS1>DM1かつDS2<DM2という相対的な寸法関係があっても良い。このような相対関係を有する場合には、磁性体端板15によって端面磁石45の全体を覆うことが可能となり、より有効な磁気回路を形成することができるので、電動機100のさらなる高トルク化を実現することができる。
(3)第3の変形例:第1の実施形態においては単体のロータ10が用いられたが、図12に示すように、複数体のロータ部の集合体としてロータ10Aが用いられても良い。なお、図12においては、第1のロータ部11aおよび第2のロータ部11bを用いた例が示されている。なお、各ロータ部11a、11bの構成は第1の実施形態に係る構成と同様であるから、第1のロータ部11aの構成には、対応する第1の実施形態における構成に「a」の添え字を、第2のロータ部11bの構成には、対応する第1の実施形態における構成に「b」の添え字を付すことでその説明を省略する。第1および第2のロータ部11a、11bはそれぞれ、ロータスリット12a、12b、ロータスリット12a、12b内に配置されているロータ内磁石41a、41bを備えている。複数体のロータ部が用いられる場合、端面磁石45a、45bによって磁性体端板15が挟まれるように構成される。第1および第2の各ロータ部11a、11bの外側の端面には外側端板18a、18bが配置されている。なお、磁性体端板15は、1枚でもよくあるいは2枚以上であっても良い。この構成においても、磁性体端板15が備える磁性体スリット15aにより、端面磁石45a、45bの減磁を抑制または防止することができる。
(4)第4の変形例:第1の実施形態においては、円弧状のロータスリット12および磁性体スリット15aが用いられたが、図13に示すように他の形状のスリットが用いられても良い。例えば、外周に向かって間隔が広くなる一対の直線状ロータスリット12d、および外周に向かって間隔が狭くなる一対の直線状ロータスリット12e、これらロータスリット12d、12eに対応する、外周に向かって間隔が広くなる一対の磁性体スリット15d、および外周に向かって間隔が狭くなる一対の磁性体スリット15eが用いられても良い。
(5)第5の変形例:第1の実施形態においては、減磁防止機構として磁性体スリット15aが用いられたが、磁性体スリット15a内に透磁率が空気と同等の部材、例えば、アルミニウム、パラジウムといった部材を配置しても良く、あるいは、磁性体スリット15aに代えて、磁性体端板15の外側面のロータスリット12に対応する位置に着磁方向が漏れ磁束と対向する磁石を配置しても良い。また、第1の実施形態においては、ロータスリット群12Gを構成する全てのロータスリット12内にロータ内磁石41が配置されていたが、ロータスリット群12Gを構成する一部のロータスリット12内にのみロータ内磁石41が配置されていても良い。
以上、実施形態、変形例に基づき本開示について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本開示にはその等価物が含まれる。たとえば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、上記第1の態様に係るロータを適用例1とし、
適用例2:適用例1に記載のロータにおいて、前記減磁防止機構は、前記ロータスリットに対応して前記磁性体に形成されている磁性体スリットである、ロータ。
適用例3:適用例2に記載のロータにおいて、前記磁性体スリットの幅は、前記ロータスリットの幅よりも小さい、ロータ。
適用例4:適用例3に記載のロータにおいて、前記磁性体スリットの面積は、前記ロータスリットの面積よりも小さい、ロータ。
適用例5:適用例2に記載のロータにおいて、前記磁性体スリットと前記ロータスリットは相似形である、ロータ。
適用例6:適用例1から適用例5のいずれか一項に記載のロータにおいて、前記ロータ内磁石は、前記複数のロータスリット群に含まれる全ての前記ロータスリット内に配置されている、ロータ。
適用例7:適用例1から適用例6のいずれか一項に記載のロータにおいて、前記磁性体は環状形状を有し、前記磁性体の内径半径は、前記ロータの中心から前記端面磁石の内周辺までの長さよりも小さく、前記磁性体の外径半径は、前記ロータの中心から前記端面磁石の外周辺までの長さよりも大きい、ロータ。
適用例8:適用例1から適用例7のいずれか一項に記載のロータにおいて、前記磁性体の厚さは、前記端面磁石の厚さ以下である、ロータ。
適用例9:電動機であって、ステータと、前記ステータ内に回転軸を中心にして回転自在に配置されている、適用例1から適用例8のいずれか一項に記載のロータと、を備える、電動機。
10、10A…ロータ、10a…出力軸孔、11…ロータコア、11a…第1のロータ部、11b…第2のロータ部、12…ロータスリット、12G…ロータスリット群、12d、12e…直線状ロータスリット、15…磁性体端板、15a、15b、15c、15d、15e…磁性体スリット、15G…磁性体スリット群、18…外側端板、30…ステータ、35…コイル、41…ロータ内磁石、45、45a…端面磁石、100…電動機、500…ロータ、511…ロータコア、515…磁性体端板、541…ロータ内磁石、545…端面磁石、DM1…内径半径、DM2…外径半径、DS1…内径半径、DS2…外径半径

Claims (8)

  1. 電動機のロータであって、
    前記ロータの周方向に沿って配置されている複数のロータスリット群であって、それぞれが、前記ロータの外周側に形成されている1つ以上のロータスリットを含む複数のロータスリット群と、
    前記ロータスリット内に配置されている1つ以上のロータ内磁石と、
    前記ロータの端面において前記複数のロータスリット群を覆って配置されている複数の端面磁石であって、前記ロータの軸方向に交互に逆向きに着磁されている複数の端面磁石と、
    前記複数の端面磁石を介して前記ロータの端面に対向して配置されている環状形状の磁性体端であって、前記ロータスリットに対応して形成されている磁性体スリットを、前記端面磁石の減磁を抑制または防止する減磁防止機構として有する磁性体端と、を備えるロータ。
  2. 請求項1に記載のロータにおいて、
    前記磁性体スリットの幅は、前記ロータスリットの幅よりも小さい、ロータ。
  3. 請求項2に記載のロータにおいて、
    前記磁性体スリットの面積は、前記ロータスリットの面積よりも小さい、ロータ。
  4. 請求項1に記載のロータにおいて、
    前記磁性体スリットと前記ロータスリットは相似形である、ロータ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のロータにおいて、
    前記ロータ内磁石は、前記複数のロータスリット群に含まれる全ての前記ロータスリット内に配置されている、ロータ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のロータにおいて、
    前記磁性体端の内径半径は、前記ロータの中心から前記端面磁石の内周辺までの長さよりも小さく、前記磁性体端の外径半径は、前記ロータの中心から前記端面磁石の外周辺までの長さよりも大きい、ロータ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のロータにおいて、
    前記磁性体端の厚さは、前記端面磁石の厚さ以下である、ロータ。
  8. 電動機であって、
    ステータと、
    前記ステータ内に回転軸を中心にして回転自在に配置されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のロータと、
    を備える、電動機。
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