JP6759447B2 - 回転体、電動コンプレッサおよびタービン発電機 - Google Patents

回転体、電動コンプレッサおよびタービン発電機 Download PDF

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Description

本発明は、回転体に永久磁石を備え、高速度で回転する回転体に関し、さらにはこの回転体を用いた電動コンプレッサおよびタービン発電機に関する。
近年、地球温暖化対策として、CO2排出量削減の取り組みが各国で導入されており、年々その排出量目標値も厳しくなっている。自動車分野においても然りであり、各メーカは燃費向上の技術開発に取組み、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV、ヒュエルセルビークル)のような内燃機関を使わない自動車等も開発されている。一方、世界市場では価格の面でいまだ内燃機関のみを駆動源とした自動車の需要が高く、これらがEVやFCVに置き換わるにはまだ年月を有する。
そのため、内燃機関を有する自動車の燃費向上技術の開発も急務とされ、その1つの潮流としてダウンサイジングターボという技術がある。これは簡単に説明すると、エンジン排気量を小さくして燃費を上げ、失ったトルクをターボで補うというものである。
しかしながら、ターボ搭載エンジン車には弱点もあり、その一つとしてターボラグの問題がある。排気によって駆動する回転タービンの特性として、排気によって回転が上昇するまでタイムラグがある。
即ち、アクセルを踏んで加速する際に、排気によってタービンが回転し、タービンに直結したコンプレッサの回転により吸気圧が上昇するので、アクセルを踏んでから吸気圧が上昇するまでワンテンポ遅れてしまう。
これを改善するために、吸気コンプレッサを取り付け、アクセルを踏むと同時にモータによる駆動でタイムラグなく、吸気圧を上げるという電動コンプレッサ技術がある。
これらに用いるモータとしては、コンプレッサが必要とする回転数(数万rpm)まで、コンマ何秒(1秒以下)かで到達する加速能力を必要とする。そのため、モータの回転子のイナーシャをなるべく小さくする必要があり、小型のインナーロータ型モータが採用される。
特開平9−203382号公報 特開平8−159062号公報 特開2015−091202号公報 特開2010−200440号公報
一般的な永久磁石を用いるインナーロータ型モータのロータ(回転子)の構造を図13、図14に示す。ロータは、シャフト(又はロータコア)11の外周面に、円弧状の断面を有する複数の永久磁石12が円筒状に貼り付けられて構成される、そして、回転時の遠心力によって磁石12が飛散しないように、磁石12の外周面に保護スリーブ15を設けて組立てられる(特許文献1、特許文献2)。
ロータの高速度回転時には遠心力が大きくなるため、前記保護スリーブ15は、スリーブ自身と磁石12に加わる遠心力による半径方向の応力に耐えるために、特に高強度を必要とする。
一方で、高速度で回転するためには、ロータの不釣り合い量を小さくする必要もあり、高精度なバランス修正を必要とする。上記構造の場合、シャフト11に円弧状に分割された磁石12を円筒状に接着剤などで貼り付け、その上に保護スリーブ15を設ける。
しかし、保護スリーブ15と磁石12の隙間が大きいと、両者に介在する接着剤が遠心力で剥がれて磁石12が移動し、バランスが崩れる恐れがあるため、保護スリーブ15と磁石12の間には、なるべく隙間を設けたくない。
また、磁石12は複数ピースから構成され、寸法公差内にあるとは言え、それぞれの大きさが僅かに異なるため、完全な円筒形にはならない。また、永久磁石は脆弱材料で脆いものが多く、過剰な応力を掛けると割れ易い。
このような理由で、既成の円筒部材外周部に絞り加工、圧入または焼嵌め等で嵌合して外嵌保持させる(特許文献1、特許文献2)ことは難しく、かつ、磁石12と保護スリーブ15の間を隙間なく構成するのは困難である。
そこで採用される方法の一つに、特許文献3または特許文献4に示されるような、フィラメントワインディング法によって、保護スリーブ15をカーボンファイバ(炭素繊維)で構成する方法がある。
この方法は、磁石12の外周面に、樹脂を付着させた炭素繊維を略円周方向に螺旋状に巻き、付着している樹脂を熱硬化で固めて、炭素繊維強化プラスチックを形成する方法である。
この方法によれば、磁石12の外周に樹脂により密着して機械的強度の強い保護スリーブ15が構成されるので、高速回転で生じる発熱に対しても剛性を維持でき、遠心力が働いても磁石12はシャフトから剥離することが防止される。
しかし、上記方法では別の問題が発生してしまう。すなわち、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、熱硬化過程で保護スリーブ15と磁石12の外周面を強固に接着してしまうことである。
このように接着されると、磁石12とCFRPからなる保護スリーブ15とは線膨張率が異なるので、冷熱サイクルの環境下では、両者の円周方向の膨張と収縮量が異なり、接着境界面にストレスが加わることになる。
図14は、そのストレスの状況を示しているが、冷熱サイクルが繰返されると、磁石12は接着された機械的強度の強い保護スリーブ15の熱変形によって引きずられて、矢印16方向に繰り返し力を受ける。
例えば、熱膨張の場合、矢印16方向に保護スリーブ15が膨張すると、保護スリーブ15に接着している磁石12が矢印17の両側に引張られ、磁石12同士の境界面に僅かな隙間や、磁石自身に割れが生じる恐れがある。
磁石に隙間や割れが生じると遠心力により一層拡大し、遠心力を取り去っても元に戻らないため、磁石12が移動したままとなり、ロータの重量バランスが崩れてしまう恐れがある。
従って、電動機の組立時に調整されたロータの重量バランスは崩れると、高速度回転が出来なくなる。
この課題は、電動ターボモータの回転子(回転体)に限らず、内燃機関の排気や蒸気によって駆動されるタービンに同軸に発電機が配置されたタービン発電機の回転子についても同様である。
本発明は、上記した従来の問題点にかんがみ、回転体を構成する永久磁石を遠心力から保護すると共に、ヒートサイクルによる磁石の破断を防止することで、高速度回転域まで回転可能な回転体、電動コンプレッサおよびタービン発電機を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、シャフトと、前記シャフトの外周に円筒状に配置されて固定された複数の磁石と、前記複数の磁石の外周にフィラメントを巻回して構成された円筒状の保護部材とを備え、前記磁石の外周と前記保護部材の内周の間に非接着層を介在させたことを特徴とする。
この構成によれば、遠心力が働いても磁石は、シャフトから剥離することが防止されると共に、磁石と保護部材が接着されてないので、ヒートサイクルによる磁石へのストレスが防止される。
また、上記において、前記非接着層は、一方側に前記磁石の外周に接着する接着面を有し、他方の側に前記保護部材の内周に摺動可能に接する非接着面を有することを特徴とする。
この構成によれば、非接着層を形成するのに非接着層の接着面を磁石の外周に接着するので、作業が簡単となる。
また、上記において、前記非接着層は、前記複数の磁石の各外周に個別に接着されたフッ素樹脂フィルムであることを特徴とする。
この構成によれば、非接着層を形成するのに非接着層の接着面を個別の磁石の外周に接着するので、各磁石に個別に小ピースのフッ素樹脂フィルムを接着するので、接着作業が簡単となる。
また、上記において、前記非接着層は、前記複数の磁石の外周全体に接着されたフッ素樹脂フィルムであることを特徴とする。
この構成によれば、複数の磁石の外周全体にフッ素樹脂フィルムを一括で接着するので、非接着層の接着作業が短時間で行える。
また、上記において、前記非接着層は、前記磁石の外周に形成されたコーティング材で構成されたことを特徴とする。
また、上記において、コーティング材は、フッ素樹脂または窒化チタンであることを特徴とする。
これらの構成によれば、磁石の外周にフッ素樹脂または窒化チタンをコーティングすればよいので、非接着層の形成が簡単で均一に行える。
また、上記において、前記コーティング材は前記磁石の外周に塗布された離型剤により形成されたことを特徴とする。
また、上記において、前記離型剤は、フッ素系またはシリコン系の離型剤であることを特徴とする。
これらの構成によれば、磁石の外周にフッ素系またはシリコン系の離型剤を塗布するので、非接着層の形成が簡単で均一に行える。
また、本発明は、固定子、回転子および気体を圧縮するインペラを備え、前記インペラは前記回転子に同軸に配置される電動コンプレッサにおいて、前記回転子として、上記の何れかに記載の回転体を用いたことを特徴とする。
この構成によれば、ヒートサイクルによる磁石の破断を防止した電動コンプレッサを得ることができる。
また、本発明は、固定子、回転子および搬送気体により回転するタービンを備え、前記タービンは前記回転子に同軸に配置されるタービン発電機において、前記回転子として、上記の何れかに記載の回転体を用いたことを特徴とする。
この構成によれば、ヒートサイクルによる磁石の破断を防止したタービン発電機が得ることができる。
本発明によれば、回転体を構成する永久磁石と、電動コンプレッサおよびタービン発電機の回転子を構成する永久磁石とを、遠心力から保護すると共に、ヒートサイクルによる磁石の破断を防止することができる。
本発明の実施例1の回転体のシャフトに直角の断面図である。 本発明の実施例1の回転体のシャフトに沿った断面図である。 本発明の実施例1の非接着層の断面拡大図である。 本発明の実施例1の回転体の斜視図である。 本発明の実施例1の磁石の外周に保護部材を形成する作業の説明図である。 本発明の実施例1の保護部材を形成する作業の説明図である。 本発明の実施例1の保護部材が形成された磁石の断面図である。 本発明の実施例1の回転体の一部を示す断面図である。 本発明の実施例2の回転体の一部を示す断面図である。 本発明の実施例3及び4の回転体の一部を示す断面図である。 本発明の実施例5の電動コンプレッサの断面図である。 本発明の実施例6のタービン発電機の断面図である。 従来例のインナーロータ型モータのロータの断面図である。 図13の一部を拡大して示す拡大図である。
以下、図1から12に基づいて、本発明の各実施例を説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示す。
図1は、本発明の実施例1の回転体のシャフトに直角方向の断面図で、図2は、同じくシャフトに沿った断面図である。
10は回転体で、その外周に配置される固定子(図示省略)によって電動コンプレッサ用ターボモータを構成し、固定子のコイルへの給電により、数万rpm以上で高速度回転する。
1は、回転体のシャフトで、両端が図示しない軸受によって支持されている。2は、前記シャフト1の外周面に接着剤により固着された永久磁石で、円弧状断面の複数ピースを円筒状に組合わせて構成される。
この複数ピースは偶数であり、円筒状に組合わせた外周面の極性が、N→S→N→Sと交互になるように構成され、本実施例1では、4ピースの磁石2a〜2dで構成される。
5は、回転での遠心力による磁石2a〜2dの浮上がりと飛散を防止する保護部材である。保護部材5は、円筒状に形成された磁石2a〜2dの外周面に円筒状に形成され、非磁性材料からなる。
保護部材5は、磁石2a〜2dで形成された円筒の外周面に、フィラメントワインディング法によりエポキシ樹脂を付着させたガラス繊維や炭素繊維を螺旋状に巻回して構成される。
4は、磁石2a〜2dで形成された円筒の外周面と前記保護部材5の内周面の間に介在した非接着層で、磁石2a〜2dの円筒の外周面側に接着して取付けられる。
回転体10は、上記シャフト1、永久磁石2、非接着層4及び保護部材5によって構成される。
非接着層4は、図3に断面を示すように、一方側に前記磁石の外周面に接着する接着面3を、他方の側に前記保護部材5の内周に摺動可能に接する非接着面7をそれぞれ有する。接着面3は、保護用の剥離ライナー6で覆われ、この剥離ライナー6を剥いで磁石2の外周面に接着される。
例えば、前記非接着面7は、PTFEフィルム(フッ素樹脂フィルム)であり、前記接着面3はシリコン系粘着剤であり、剥離ライナー6はPET剥離ライナーからなる。
図4は本発明の実施例1の回転体の斜視図である。非接着層4は分割された4ピース4a〜4dからなり、それぞれ、磁石2a〜2dの外周面に個別に接着される。この構成では、各磁石に個別に小ピースの非接着層4を接着するので、接着作業が簡単となる。
図5は、本実施例1の磁石の外周に保護部材5を形成する作業の説明図であり、フィラメントワインディングを行う巻回装置が示される。
51は4本の炭素繊維52の繰り出しリール、53は繰り出された4本の炭素繊維51の間隔と姿勢を揃えるバーである。54は各炭素繊維52にエポキシ樹脂を付着させる樹脂槽、55は樹脂槽54を支えて共に幅方向に往復動するヘッド、56はヘッド55が移動する支持台、58はヘッド55の往復動を制御するヘッド移動機構である。
ヘッド55の前方には、図4に示す回転体10が配置されている。回転体10は、シャフト1の両端が巻回装置の支持体(図示省略)に支持され、回転機構59によって回転駆動される。
4本の炭素繊維52は、樹脂槽54を通過することで表面にエポキシ樹脂が付着される。次いで、回転機構59による回転体10の回転と、ヘッド54の往復動により、回転体の非接着層4の外周に炭素繊維52が螺旋状に巻回される。
図6に示すように、回転体10は、非接着層4の外周面に炭素繊維52が緻密に巻回され、所定の層数が巻回された後、巻回装置の支持体から外される。
外された回転体10は全体が加熱され、炭素繊維52に付着しているエポキシ樹脂が加熱硬化される。
図7は加熱硬化後の状態を断面で示す。非接着層4の外周に巻回された炭素繊維52同士が、エポキシ樹脂の硬化で接着され、機械的強度の強い円筒状の保護部材5が形成される(図では1層のみ巻回されている。)。
実施例1では、非接着層4を分割して4ピース4a〜4dとし、それぞれ、各磁石2a〜2dの外周面に個別に接着するので、加熱硬化された回転体10は、図8の断面構造となる。
図8で、非接着層4を構成する非接着面7と接着面3が共に、4ピースとされ、各ピースの間には境目が生じている。
図8において、磁石2と保護部材5は、線膨張率の差によって円周方向の膨張、収縮量が異なる。従って、熱膨張の場合、機械的強度の強い保護部材5が矢印9の円周方向に膨張して移動する。
実施例1では、保護部材5の内周面と磁石2の外周面に非接着層4が介在し、非接着層4の非接着面7が保護部材5に接しているので、保護部材5が膨張で移動しても、非接着面7の面上を摺動するのみで、非接着層4および磁石2に力が加わらない。
従って、回転体10に加わる遠心力から永久磁石を保護すると共に、ヒートサイクルによって保護部材5が膨張、収縮しても、磁石2にストレスが加わることが無い。
図9は、本発明の実施例2の回転体の一部を示す断面図である。実施例2では、非接着層4(接着面3、非接着面7)を4ピースに分割しないで、連続した状態の非接着層4を複数の磁石2の外周に一括して接着している。
この構成によれば、複数の磁石の外周全体にフッ素樹脂フィルムを一括で接着できるので、非接着層の接着作業が短時間で行える。
また、先の実施例1では複数の非接着層4a〜4dの間の境目に隙間ができるが、本実施例2では非接着層4に隙間が無く、各磁石の境目において非接着層4の外周が滑らかとなり、保護部材5との滑りが一層良い。
図9の断面構造において、磁石2と保護部材5は、線膨張率が異なるが、機械的強度の強い保護部材5が矢印9の円周方向に熱膨張しても、非接着層4(非接着面7)の面上を摺動するのみである。
従って、回転体10に加わる遠心力から永久磁石を保護すると共に、ヒートサイクルによる保護部材5の膨張、収縮があっても、磁石2にストレスが加わることが無い。
図10は、本発明の実施例3及び4の回転体の一部を示す断面図である。先の実施例1、2では、非接着層4としてPTFEフィルム(フッ素樹脂フィルム)で形成しているが、本実施例3では、非接着層4として非接着性のコーティング材8で構成している。
コーティング材8は、フッ素樹脂または窒化チタンであり、フッ素樹脂は磁石2の外周面に塗布して固着され、窒化チタンは磁石2の外周に蒸着により固着形成される。
この構成によれば、磁石の外周面にフッ素樹脂または窒化チタンをコーティングすればよいので、非接着層の形成が簡単で均一に行える。
コーティング材8の形成は、シャフト1に磁石2を接着する前の実施と、接着後の実施が考えられる。
シャフト1に磁石2を接着する前の実施の場合は、磁石2の内周面に誤ってコーティング材8が付着しないように(磁石2の内周面に付着すると、シャフト1の外周面と磁石2の内周面の接着強度が弱くなる)、予め、磁石2の内周面にテープ等でマスキングを施すことが必要である。
このように、磁石2の内周面をマスキングした状態で、磁石2の外周面に塗布や蒸着の作業でコーティング材8を形成し、作業後にマスキングテープを剥がす。
一方、シャフト1に磁石2を接着後にコーティング材8を形成する場合は、磁石の外周面以外のコーティング不要な部分にマスキングを施した状態で形成作業を行う。
コーティング材が形成された後は、その外周面に図5に示す巻回装置により、炭素繊維52を巻回し保護部材5が形成される。
図10の断面構造において、磁石2と保護部材5は、線膨張率が異なるが、機械的強度の強い保護部材5が矢印9の円周方向に熱膨張しても、コーティング材8の面上を摺動するのみである。
従って、回転体10に加わる遠心力から永久磁石を保護すると共に、ヒートサイクルによる保護部材5の膨張、収縮があっても、磁石2にストレスが加わることが無い。
本実施例4では、コーティング材8として離型剤を用い、離型剤はフッ素系またはシリコン系の離型剤を磁石2の外周面に塗布することで付着させる。
磁石2をシャフト1に接着する前に離型剤を塗布する場合は、磁石2の内周面(シャフト1の外周面との接着面)に誤って離型剤が付着しないように、予め、磁石2の内周面にテープ等でマスキングを施す必要がある。
また、離型剤は塗布後に他の作業による不用意な接触で拭き取られてしまうので、図5に示す巻回装置により炭素繊維52が巻回される直前に塗布するのが好ましい。
この構成によれば、磁石の外周面にフッ素系またはシリコン系の離型剤を塗布するだけで良いので、非接着層の形成が簡単で均一に行える。
離型剤が付着された後は、その離型剤の外周面に図5に示す巻回装置により、炭素繊維52を巻回し保護部材5が形成される。
上記のように構成された回転体10は、図10に示すように、機械的強度の強い保護部材5が矢印9の円周方向に熱膨張しても、離型剤(コーティング材8)の面上を摺動するのみである。
従って、回転体10に加わる遠心力から永久磁石を保護すると共に、ヒートサイクルによる保護部材5の膨張、収縮があっても、磁石2にストレスが加わることが無い。
図11は、本発明の実施例5で、インナーロータ型の電動機を有する電動コンプレッサの断面図である。
31は電動コンプレッサで、コンプレッサ部32とインナーロータ型の電動機33からなる。コンプレッサ部32はインペラ34を内蔵し、電動機33は回転子35と固定子36からなる。
インペラ34と回転子35は、回転軸37(シャフト)に同軸に一体に構成され、ベアリング38を介してハウジング39に回転可能に支持されている。また、固定子36は、ハウジング39に固定されている。
上記構成において、図示しないコントローラ(インバータ)から制御用の電力が電動機に供給されると、回転子35は所定方向に高速回転し、同時にインペラ34も高速回転する。
その結果、インペラ34によって矢印に示すように方向に外気が吸引され、圧縮されて排出される。
一般的に、内燃機関の吸気に用いられる電動コンプレッサは、回転数が数万回転であり、加速・減速の繰り返しが要求される。
本実施例5の電動コンプレッサでは、回転子35を上記実施例1〜4の何れかの回転体とすることにより、冷熱サイクルの環境下において、高速回転で繰り返し使用された場合でも、回転子35の磁石の割れ等を防止できる。
従って、電動コンプレッサの回転子を構成する永久磁石を高速回転による遠心力から保護すると共に、ヒートサイクルによる破断から防止することができ、回転体のバランスを保って、電動コンプレッサを高回転に維持することができる。
図12は、本発明の実施例6で、インナーロータ型の発電機を有するタービン発電機の断面図である。
41はタービン発電機で、タービン部42とインナーロータ型の発電機43からなる。タービン部42はタービン44を内蔵し、発電機43は回転子45と固定子46からなる。
タービン44と回転子45は、回転軸47(シャフト)に同軸に一体に構成され、ベアリング48を介してハウジング49に回転可能に支持されている。また、固定子46は、ハウジング49に固定されている。
上記構成において、矢印で示す方向に圧縮空気がタービン44に送り込まれると、そのエネルギーでタービン44が所定方向に高速回転し、同時に同軸に一体形成されている回転子45も高速回転する。
その結果、固定子のコイルに電気的に接続された図示しない受電部へ電力が適宜供給されるように動作する。
一般に、内燃機関の排気で駆動されるタービン発電機は数万回転に及び、加減速が繰り返し行われる。
本実施例6のタービン発電機41では、回転子45を上記実施例1〜4の何れかの回転体とすることにより、冷熱サイクルの環境下において、高速回転で繰り返し使用された場合でも、回転子45の磁石の割れ等を防止できる。
従って、タービン発電機の回転子を構成する永久磁石を高速回転による遠心力から保護すると共に、ヒートサイクルによる破断から防止することができ、回転体のバランスを保って、タービン発電機を高回転に維持することができる。
1…シャフト
2、2a、2b、2c、2d…永久磁石、磁石
3…接着面
4…非接着層
4a、4b、4c、4d…ピース
5…保護部材
6…剥離ライナー
7…非接着面
9…保護部材の膨張方向、矢印
10…回転体
11…シャフト
12…磁石
15…保護スリーブ
16…保護スリーブの膨張方向、矢印
17…磁石の引張り方向、矢印
31…電動コンプレッサ
32…コンプレッサ部
33…電動機
34…インペラ
35…回転子
36…固定子
37…回転軸
38…ベアリング
39…ハウジング
41…タービン発電機
42…タービン部
43…発電機
44…タービン
45…回転子
46…固定子
47…回転軸
48…ベアリング
49…ハウジング
51…繰り出しリール
52…炭素繊維
53…バー
54…樹脂槽
55…ヘッド
56…支持台
58…ヘッド移動機構
59…回転機構

Claims (9)

  1. シャフトと、
    前記シャフトの外周に円筒状に配置されて固定された複数の磁石と、
    前記複数の磁石の外周にフィラメントを巻回して構成された円筒状の保護部材とを備え、
    前記磁石の外周と前記保護部材の内周の間に非接着層を介在させると共に、
    前記非接着層は、一方側に前記磁石の外周に接着する接着面を有し、他方の側に前記保護部材の内周に摺動可能に接する非接着面を有することを特徴とする回転体。
  2. 前記非接着層は、前記複数の磁石の各外周に個別に接着されたフッ素樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の回転体。
  3. 前記非接着層は、前記複数の磁石の外周全体に接着されたフッ素樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の回転体。
  4. 前記非接着層は、前記磁石の外周に形成されたコーティング材で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の回転体。
  5. コーティング材は、フッ素樹脂または窒化チタンであることを特徴とする請求項4に記載の回転体。
  6. 前記コーティング材は、前記磁石の外周に塗布された離型剤により形成されたことを特徴とする請求項4に記載の回転体。
  7. 前記離型剤は、フッ素系またはシリコン系の離型剤であることを特徴とする請求項6に記載の回転体。
  8. 固定子、回転子および気体を圧縮するインペラを備え、前記インペラは前記回転子に同軸に配置される電動コンプレッサにおいて、
    前記回転子として、請求項1〜7の何れか1項に記載の回転体を用いたことを特徴とする電動コンプレッサ。
  9. 固定子、回転子および搬送気体により回転するタービンを備え、前記タービンは前記回転子に同軸に配置されるタービン発電機において、
    前記回転子として、請求項1〜7の何れか1項に記載の回転体を用いたことを特徴とするタービン発電機。
JP2019505583A 2017-03-15 2017-03-15 回転体、電動コンプレッサおよびタービン発電機 Active JP6759447B2 (ja)

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