JP6755430B1 - Vリブドベルト及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

VリブドベルトBは、複数のVリブ15を有する。複数のVリブ15のそれぞれは、ゴム組成物で形成されたVリブ本体11aと、その両側面を被覆する被覆布14とを含み、且つ先端部にベルト長さ方向に沿ってVリブ本体11aが露出している。

Description

本発明は、Vリブドベルト及びその製造方法に関する。
被水時における異音の発生を抑制する手段として、特許文献1には、Vリブの表面に被覆布が設けられたVリブドベルトが開示されている。また、特許文献2には、Vリブの両側面部が多孔ゴムで形成され且つ先端部が中実ゴムで形成されたVリブドベルトが開示されている。
特開2015−42903号公報 特許第6007353号公報
本発明は、複数のVリブを有するVリブドベルトであって、前記複数のVリブのそれぞれは、ゴム組成物で形成されたVリブ本体と、前記Vリブ本体の両側面を被覆する被覆布とを含み、且つ先端部にベルト長さ方向に沿って前記Vリブ本体が露出している。
本発明は、複数のVリブを有するVリブドベルトの製造方法であって、ゴム組成物で形成されたVリブ本体と、前記Vリブ本体の全面を被覆する被覆布とを含むVリブ前構造を形成し、前記Vリブ前構造の先端部の被覆布を、ベルト長さ方向に沿って除去することにより、前記Vリブ本体の両側面が前記被覆布で被覆され、且つ先端部にベルト長さ方向に沿って前記Vリブ本体が露出した前記Vリブを形成するものである。
実施形態に係るVリブドベルトのベルト片の斜視図である。 実施形態に係るVリブドベルトのVリブ1個分の断面図である。 補機駆動ベルト伝動装置のプーリレイアウト図である。 架橋装置の断面図である。 架橋装置の一部分の断面拡大図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の第1の説明図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の第2の説明図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の第3の説明図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の第4の説明図である。 注水伝動能力試験のベルト走行試験機のプーリレイアウト図である。 ベルト動力損失測定装置の正面図である。 ベルト動力損失測定装置の平面図である。 実施例及び比較例の発生トルクの最大値を示すグラフである。 実施例及び比較例の損失動力を示すグラフである。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1A及びBは、実施形態に係るVリブドベルトBを示す。実施形態に係るVリブドベルトBは、例えば、自動車のエンジンルーム内に設けられる補機駆動ベルト伝動装置等に用いられるゴム製の摩擦伝動ベルトである。実施形態に係るVリブドベルトBは、例えば、ベルト周長が700mm以上3000mm以下、ベルト幅が10mm以上36mm以下、及びベルト厚さが4.0mm以上5.0mm以下である。
実施形態に係るVリブドベルトBは、各々、ゴム組成物で形成された内周側の圧縮ゴム層11、中間の接着ゴム層12、及び外周側の伸張ゴム層13の三層で構成されたベルト本体10を備えている。
圧縮ゴム層11には、内周側に複数のVリブ本体11aが垂下するように形成されている。複数のVリブ本体11aは、各々がベルト長さ方向に延びる断面略逆三角形状の突条で構成されているとともに、ベルト幅方向に並設されている。圧縮ゴム層11の厚さは、例えば2.2mm以上3.2mm以下である。
接着ゴム層12は、断面横長矩形の帯状に形成されている。接着ゴム層12の厚さは、例えば1.0mm以上2.5mm以下である。伸張ゴム層13も、断面横長矩形の帯状に構成されており、その厚さが例えば0.4mm以上0.8mm以下である。伸張ゴム層13の表面には、背面駆動時の音発生を抑制する観点から、織布パターンが設けられていることが好ましい。なお、伸張ゴム層13に代えて、背面補強布が設けられていてもよい。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び伸張ゴム層13を形成するゴム組成物は、ゴム成分に架橋剤を含む種々のゴム配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されることによりゴム成分が架橋剤により架橋したものである。圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び伸張ゴム層13は、同一のゴム組成物で形成されていても、また、異なるゴム組成物で形成されていても、どちらでもよい。
これらのゴム組成物のゴム成分としては、例えば、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−プロピレンコポリマー(EPM)、エチレン−ブテンコポリマー(EDM)、エチレン−オクテンコポリマー(EOM)などのエチレン−α−オレフィンエラストマー;クロロプレンゴム(CR);クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM);水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、エチレン−α−オレフィンエラストマーを用いることがより好ましく、EPDMを用いることが更に好ましい。架橋剤としては、硫黄及び有機過酸化物が挙げられる。架橋剤以外のゴム配合剤としては、例えば、カーボンブラックなどの補強材、充填剤、老化防止剤、軟化剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等が挙げられる。
圧縮ゴム層11の複数のVリブ本体11aのそれぞれは、両側面が被覆布14で被覆されてVリブ15を形成している。Vリブ15は、圧縮ゴム層11のゴム組成物で形成されたVリブ本体11aと、その両側面を被覆する被覆布14とを含み、且つ先端部にベルト長さ方向に沿って細長くゴム組成物のVリブ本体11aが面として露出している。また、相互に隣接する一対のVリブ15において、対向する側面の被覆布14がリブ底において繋がっており、その被覆布14の横断面形状が逆U字状に形成されている。各Vリブ15は、例えば、リブ高さが2mm以上3mm以下、リブ基端間の幅が1.0mm以上3.6mm以下である。リブ数は、例えば、3個以上6個以下である(図1Aでは6個)。被覆布14の厚さは、例えば0.3mm以上1.5mm以下である。
一般に、Vリブの表面に被覆布が設けられたVリブドベルトでは、伝達動力の損失が大きいという問題がある。しかしながら、実施形態に係るVリブドベルトBによれば、被水時における異音の発生を抑制することができるとともに、伝達動力の損失を小さく抑えることができる。これは、上記の通り、プーリに接触するVリブ15の両側面が被覆布14で被覆されていることにより、被水時における異音の発生が抑制されるのに加え、Vリブ15の先端部にゴム組成物のVリブ本体11aが露出し、ベルト剛性が低くされ、それにより伝達動力の損失が小さく抑えられるためであると考えられる。Vリブ本体11aの露出幅は、伝達動力の損失を小さく抑える観点から、Vリブ15のリブ基端間の幅に対して35%以上70%以下であることが好ましい。
被覆布14は、織布、編布、又は不織布で構成されている。被覆布14は、伸縮性に富んでVリブ本体11aの側面を均一に被覆するとともに、伝達動力の損失を小さく抑える観点から、これらのうちの編布で構成されていることが好ましい。
編布の被覆布14は、よこ編布であっても、たて編布であっても、どちらでもよい。よこ編布としては、例えば、基本組織の平編布、ゴム編布、及びパール編布、並びに変化組織のタック編布、浮編布、パイル編布、レース編布等が挙げられる。たて編布としては、例えば、基本組織のシングルデンビー編布、及びシングルバンダイク編布、並びに変化組織のダブルデンビー編布、及びダブルバンダイク編布等が挙げられる。被覆布14は、被水時における異音の発生を抑制する観点から、これらのうちのよこ編布が好ましく、平編布がより好ましい。
平編布の被覆布14は、被水時における異音の発生を抑制する観点から、表目が露出し且つ裏目がVリブ本体11a側となるように設けられていることが好ましい。また、平編布の被覆布14は、同様の観点から、ウェール方向がベルト長さ方向及びコース方向がベルト幅方向となるように設けられていることが好ましい。平編布の被覆布14の編目数は、同様の観点から、2.54cm当たり55コース以上80コース以下が好ましく、2.54cm当たり40ウェール以上70ウェール以下が好ましい。
被覆布14を形成する糸は、伸縮性に富んでVリブ本体11aの側面を均一に被覆する観点から、ウーリー加工糸やカバーリング糸等の嵩高糸であることが好ましい。被覆布14を形成する繊維材料としては、例えば、セルロース系繊維、羊毛、絹などの天然繊維;脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66繊維)、芳香族ポリアミド繊維(パラ系、メタ系)、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維などの合成繊維等が挙げられる。被覆布14を形成する繊維材料は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、被水時における異音の発生を抑制する観点から、天然繊維及び合成繊維を含むことがより好ましく、セルロース系繊維及び脂肪族ポリアミド繊維を含むことがより好ましい。
セルロース系繊維及び脂肪族ポリアミド繊維で形成された被覆布14におけるセルロース系繊維の含有量は、被水時における異音の発生を抑制する観点から、好ましくは50質量%以上90質量%以下、より好ましくは60質量%以上80質量%以下である。セルロース系繊維としては、例えば、針葉樹や広葉樹の木材パルプ、竹繊維、サトウキビ繊維、綿繊維やカポックの種子毛繊維、麻やコウゾやミツマタのジン皮繊維、マニラ麻やニュージーランド麻の葉繊維などの天然植物由来のセルロース繊維;ホヤセルロースなどの動物由来のセルロース繊維;バクテリアセルロース繊維;藻類のセルロース繊維;セルロースエステル繊維;レーヨンやキュプラやリヨセルなどの再生セルロース繊維が挙げられる。
被覆布14には、Vリブ本体11aへの接着性を付与するための接着処理が施されていてもよい。接着処理としては、被覆布14をエポキシ溶液又はイソシアネート溶液に浸漬して引き上げた後に加熱する接着処理、被覆布14をRFL水溶液に浸漬して引き上げた後に加熱する接着処理、被覆布14を低粘度のゴム糊に浸漬して引き上げた後に乾燥させる接着処理、被覆布14のVリブ本体11a側の面に高粘度のゴム糊をコーティングした後に乾燥させる接着処理が挙げられる。
接着ゴム層12のベルト厚さ方向の中間部には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配された心線16が埋設されている。心線16は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維等の撚り糸で構成されている。心線16の直径は例えば0.5mm以上2.5mm以下であり、断面における相互に隣接する心線16中心間の寸法は例えば0.05mm以上0.20mm以下である。心線16には、エポキシ樹脂溶液又はイソシアネート樹脂溶液に浸漬して加熱する接着処理、RFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理、及びゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理のうちの1種又は2種以上の接着処理が施されていることが好ましい。
図2は、実施形態に係るVリブドベルトBを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置20のプーリレイアウトを示す。この補機駆動ベルト伝動装置20は、VリブドベルトBが4つのリブプーリ及び2つの平プーリの6つのプーリに巻き掛けられて動力を伝達するサーペンタインドライブ方式のものである。
この補機駆動ベルト伝動装置20では、最上位置にリブプーリのパワーステアリングプーリ21が設けられ、そのパワーステアリングプーリ21の下方にリブプーリのACジェネレータプーリ22が設けられている。また、パワーステアリングプーリ21の左下方には平プーリのテンショナプーリ23が設けられており、そのテンショナプーリ23の下方には平プーリのウォーターポンププーリ24が設けられている。さらに、テンショナプーリ23の左下方にはリブプーリのクランクシャフトプーリ25が設けられており、そのクランクシャフトプーリ25の右下方にリブプーリのエアコンプーリ26が設けられている。これらのプーリは、例えば、金属のプレス加工品や鋳物、或いは、ナイロン樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成形品で構成されており、プーリ径が例えば50mm以上150mm以下である。
この補機駆動ベルト伝動装置20において、VリブドベルトBは、圧縮ゴム層11側のVリブ15が接触するようにパワーステアリングプーリ21に巻き掛けられ、次いで、伸張ゴム層13側のベルト背面が接触するようにテンショナプーリ23に巻き掛けられた後、Vリブ15が接触するようにクランクシャフトプーリ25及びエアコンプーリ26に順に巻き掛けられ、さらに、ベルト背面が接触するようにウォーターポンププーリ24に巻き掛けられ、そして、Vリブ15が接触するようにACジェネレータプーリ22に巻き掛けられ、最後にパワーステアリングプーリ21に戻るように設けられている。プーリ間で掛け渡されるVリブドベルトBの長さであるベルトスパン長は例えば50mm以上300mm以下である。プーリ間で生じ得るミスアライメントは0°以上2°以下である。
次に、実施形態に係るVリブドベルトBの製造方法について説明する。
図3A及びBは、実施形態に係るVリブドベルトBの製造方法で用いる架橋装置30を示す。この架橋装置30は、基台31と、その上に立設された円柱状の膨張ドラム32と、その外側に設けられた円筒状の円筒金型33とを備えている。
膨張ドラム32は、中空円柱状に形成されたドラム本体32aと、その外周に外嵌めされた円筒状のゴム製の膨張スリーブ32bとを有する。ドラム本体32aの外周部には、各々、内部に連通した多数の通気孔32cが形成されている。膨張スリーブ32bの両端部は、それぞれドラム本体32aとの間で固定リング34,35によって封止されている。架橋装置30には、ドラム本体32aの内部に高圧空気を導入して加圧する加圧手段(不図示)が設けられており、この加圧手段によりドラム本体32aの内部に高圧空気が導入されると、高圧空気が通気孔32cを通ってドラム本体32aと膨張スリーブ32bとの間に入って膨張スリーブ32bを径方向外向きに膨張させるように構成されている。
円筒金型33は、基台31に脱着可能に構成されている。基台31に取り付けられた円筒金型33は、膨張ドラム32との間に間隔をおいて同心状に設けられる。円筒金型33は、内周面に、各々、周方向に延びる複数のV形状形成溝33aが軸方向(溝幅方向)に連設されている。架橋装置30には、円筒金型33の加熱手段及び冷却手段(いずれも不図示)が設けられており、これらの加熱手段及び冷却手段により円筒金型33の温度制御が可能となるように構成されている。
実施形態に係るVリブドベルトBの製造方法では、まず、ゴム成分に、架橋剤を含む各ゴム配合剤を配合し、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で混練し、得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等によってシート状に成形して圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシートを作製する。同様に、接着ゴム層12用及び伸張ゴム層13用の未架橋ゴムシートも作製する。また、被覆布14を準備し、必要に応じて接着処理を施す。被覆布14は、筒状に形成することが好ましい。さらに、心線16を準備し、必要に応じて接着処理を施す。
次いで、図4Aに示すように、表面が平滑な円筒ドラム36上にゴムスリーブ37を被せ、その上に、伸張ゴム層13用の未架橋ゴムシート13’、及び接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’を順に巻き付けて積層し、その上から心線16を螺旋状に巻き付け、更にその上から接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’、及び圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’を順に巻き付け、最後に、その上を被覆布14で被覆して未架橋スラブS’を成形する。
次いで、円筒ドラム36から未架橋スラブS’を設けたゴムスリーブ37を外し、図4Bに示すように、円筒金型33の内周面側に内嵌めした後、その未架橋スラブS’を設けた円筒金型33を、膨張ドラム32を覆うように設けて基台31に取り付ける。
続いて、円筒金型33を加熱するとともに、図4Cに示すように、膨張ドラム32のドラム本体32aと膨張スリーブ32bとの間に通気孔32cを介して高圧空気を注入して膨張スリーブ32bを膨張させる。このとき、未架橋スラブS’が円筒金型33に対して押し付けられ、未架橋ゴムシート11’,12’,13’が被覆布14を押圧して伸張させながらV形状形成溝33aに流入するとともに、それらのゴム成分の架橋が進行して一体化し、且つそれと被覆布14及び心線16とが複合し、円筒状のベルトスラブSが成型される。これにより、円筒金型33の各V形状形成溝33aにおいて、ゴム組成物で形成されたVリブ本体11aと、その全面を被覆する被覆布14とを含むVリブ前構造15’を形成する。このベルトスラブSの成型温度は例えば100℃以上180℃以下、成型圧力は例えば0.5MPa以上2.0MPa以下、成型時間は例えば10分以上60分以下である。
そして、膨張ドラム32のドラム本体32aと膨張スリーブ32bとの間から高圧空気を抜いた後、円筒金型33の内周面上に成型されたベルトスラブSを取り出し、図4Dに示すように、ベルトスラブSに形成されたVリブ前構造15’の先端部の被覆布14を研削して、ベルト長さ方向に沿って除去することにより、Vリブ本体11aの両側面が被覆布14で被覆され、且つ先端部にベルト長さ方向に沿ってVリブ本体11aが露出したVリブ15を形成する。
最後に、ベルトスラブSを所定のVリブ15の個数毎に輪切りして表裏を裏返すことにより実施形態に係るVリブドベルトBが得られる。
(Vリブドベルト)
以下の実施例及び比較例のVリブドベルトを作製した。
<実施例>
上記実施形態と同様の構成であって、被覆布として、ナイロン66繊維とセルロース系繊維の綿との複合紡績糸で形成された編布で且つ接着処理を施していないものを用いたVリブドベルトを作製し、それを実施例とした。実施例のVリブドベルトは、Vリブの個数が2個、4個、及び6個のものをそれぞれ作製した。なお、ベルト本体は、EPDM組成物で形成し、心線は、ポリエステル繊維の撚り糸で構成した。
<比較例>
Vリブ本体の全面が被覆布で被覆され、先端部にVリブ本体のゴム組成物が露出していない点を除いて実施例と同一構成のVリブドベルトを作製し、それを比較例とした。
(試験方法)
実施例及び比較例のVリブドベルトについて、以下の注水伝動能力試験及び動力損失試験を実施した。
<注水伝動能力試験>
図5は、注水伝動能力試験のベルト走行試験機40のプーリレイアウトを示す。
このベルト走行試験機40は、向かって左下にプーリ径が121.6mmのリブプーリの第1駆動プーリ41が設けられ、その右方にプーリ径が141.5mmのリブプーリの第2駆動プーリ42が設けられている。第2駆動プーリ42の右斜め上方にはプーリ径が77.0mmのリブプーリの第1従動プーリ43が設けられ、第2駆動プーリ42の上方にはプーリ径が61.0mmのリブプーリの第2従動プーリ44が設けられている。第1駆動プーリ41と第2従動プーリ44との間にはプーリ径が76.2mmの平プーリの第1アイドラプーリ45が設けられ、第1従動プーリ43と第2従動プーリ44との間にはプーリ径が76.2mmの平プーリの第2アイドラプーリ46が設けられている。第2従動プーリ44は、上下に可動に設けられており、軸荷重を負荷できるように構成されている。
実施例及び比較例のそれぞれのVリブの個数が6個のVリブドベルトBについて、Vリブ側が接触するように、第1及び第2駆動プーリ41,42並びに第1及び第2従動プーリ43,44に巻き掛けるとともに、伸張ゴム層側が接触するように、第1及び第2アイドラプーリ45,46に巻き掛け、第2従動プーリ44に上方に706Nの軸荷重をかけてベルト張力を与えた。VリブドベルトBの第2駆動プーリ42への巻き掛かり角度は39°であった。次いで、21℃の温度雰囲気下、第1駆動プーリ41を800rpm及び第2駆動プーリ42を931rpmのそれぞれの回転数で同一方向に回転させ、それにより第2駆動プーリ42上においてVリブドベルトBを強制的にスリップさせた。また、第1駆動プーリ41の右側のVリブドベルトBの巻き掛かり始めの部分のVリブ表面には1分間に300mlの割合で水滴を滴下した。そして、第2駆動プーリ42に設けたトルクメータにより、発生トルクの最大値を計測した。
<動力損失試験>
図6A及びBは、ベルト動力損失測定装置50を示す。
このベルト動力損失測定装置50は、プーリ径が50mmのリブプーリの駆動プーリ51と、その右側方に設けられたプーリ径が50mmのリブプーリの従動プーリ52とを備えている。駆動プーリ51は、間隔をおいて設けられた一対の支軸台51aによって回転可能に設けられた駆動軸51bの一端に取り付けられており、駆動軸51bの他端には回転付与プーリ51cが設けられている。回転付与プーリ51cの右側方には駆動モータ53のモータ軸53aに軸支されたモータプーリ53bが設けられており、それらの回転付与プーリ51c及びモータプーリ53b間には回転駆動ベルト54が巻き掛けられている。また、一対の支軸台51aの間には、駆動軸51bの回転トルクを検知するトルクメータ55が設けられている。従動プーリ52は、間隔をおいて設けられた一対の支軸台52aによって回転可能に設けられた駆動軸52bの一端に取り付けられており、それら全体が左右方向に可動に設けられている。
実施例及び比較例のそれぞれのVリブの個数が2個のVリブドベルトBについて、駆動プーリ51及び従動プーリ52に巻き掛けるとともに、従動プーリ52に右側方に600Nのデッドウェイト(DW)を負荷し、室温雰囲気下、駆動モータ53により駆動プーリ51を3000rpmの回転数で回転させてベルト走行させ、そのときの駆動トルクをトルクメータ55で測定した。同様に、Vリブの個数が4個及び6個のVリブドベルトBについても駆動トルクを測定した。なお、発熱等の影響を排除して安定した駆動トルクを測定するため、測定は1時間のベルト走行後に行った。
一方、Vリブの個数が2個、4個、及び6個のそれぞれのVリブドベルトBについて、上記と同様の方法でオルゼン曲げ試験機を用いてベルト曲げ剛性を求めた。
次いで、横軸をベルト曲げ剛性及び縦軸を駆動トルクとしたグラフに測定値をプロットして直線近似するとともに、その直線のベルト曲げ剛性=0の外挿値をベルト以外の損失トルクと仮想し、駆動トルクの各測定値から損失トルクを引いた。そして、それらを動力換算し、更にそれをVリブ数で除したものを平均してVリブ1個分のベルト幅当たりのベルト動力損失を求めた。
(試験結果)
図7は、実施例及び比較例の注水伝動能力試験における最大トルクを示す。図8は、実施例及び比較例の動力損失試験における損失動力を示す。
これらによれば、注水伝動能力試験における最大トルクについては、実施例及び比較例が同等であるものの、動力損失試験における損失動力については、実施例が比較例よりも低いことが分かる。
本発明は、Vリブドベルト及びその製造方法に関する。
B Vリブドベルト
11a Vリブ本体
12 接着ゴム層
14 被覆布
15 Vリブ
15’ Vリブ前構造

Claims (4)

  1. 複数のVリブを有するVリブドベルトであって、
    前記複数のVリブのそれぞれは、ゴム組成物で形成されたVリブ本体と、前記Vリブ本体の両側面を被覆する被覆布とを含み、且つ先端部にベルト長さ方向に沿って前記Vリブ本体が露出したVリブドベルト。
  2. 請求項1に記載されたVリブドベルトにおいて、
    前記複数のVリブのそれぞれの先端部に、前記Vリブ本体が面として露出しているVリブドベルト。
  3. 請求項1又は2に記載されたVリブドベルトにおいて、
    前記Vリブ本体の露出幅が、前記Vリブのリブ基端間の幅に対して35%以上70%以下であるVリブドベルト。
  4. 複数のVリブを有するVリブドベルトの製造方法であって、
    ゴム組成物で形成されたVリブ本体と、前記Vリブ本体の全面を被覆する被覆布とを含むVリブ前構造を形成し、前記Vリブ前構造の先端部の被覆布を、ベルト長さ方向に沿って除去することにより、前記Vリブ本体の両側面が前記被覆布で被覆され、且つ先端部にベルト長さ方向に沿って前記Vリブ本体が露出した前記Vリブを形成するVリブドベルトの製造方法。
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