JP6754642B2 - 生体検知装置 - Google Patents

生体検知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6754642B2
JP6754642B2 JP2016171203A JP2016171203A JP6754642B2 JP 6754642 B2 JP6754642 B2 JP 6754642B2 JP 2016171203 A JP2016171203 A JP 2016171203A JP 2016171203 A JP2016171203 A JP 2016171203A JP 6754642 B2 JP6754642 B2 JP 6754642B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subject
mobile terminal
image
unit
calculated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016171203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018036965A (ja
Inventor
正和 藤尾
正和 藤尾
高橋 健太
健太 高橋
陽介 加賀
陽介 加賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2016171203A priority Critical patent/JP6754642B2/ja
Priority to PCT/JP2017/027701 priority patent/WO2018042996A1/ja
Publication of JP2018036965A publication Critical patent/JP2018036965A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6754642B2 publication Critical patent/JP6754642B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/20Analysis of motion

Description

本発明は、生体検知装置に関する。
PCへのログインや建物の入退出の他、金融分野をはじめとする幅広い分野において、生体認証技術が利用されつつある。このような技術は、スマートフォン等のモバイル端末の普及に伴い、モバイル端末からの個人認証においてもその重要性が高まっている。またその一方で、残留指紋や写真、動画等から人工的に再構成した指により、不正成りすましが可能であることも報告されている。
近年、スマートフォン等のモバイル端末を用いた生体認証方式としては、生体認証用の特殊なデバイスではなく、上記モバイル端末に付属のカメラ等の汎用デバイスを用いて生体認証を行う動きが見られる。特に付属のカメラを用いて手の指や掌紋、指紋など生体認証を行う技術においては、予め撮影しておいた写真や動画による成りすまし攻撃を受ける可能性が考えられるため、上記攻撃に対する偽造検知を行うことで安全性を高める必要がある。
このような汎用デバイスを用いた偽装に対する生体検知技術としては、例えば、カメラにより顔画像を撮影し、この顔画像中の特定領域のR、G成分の代表値の時系列変化により脈拍を検知することで生体検知を行う方式(例えば、特許文献1参照)、およびLED照明下で被写体である指を前後に移動させ、特定の領域のみ輝度値が変化するのを確認する方式(例えば、非特許文献1参照)が開示されている。
特開2014−184002号公報
Chris Stein,「Video−based Fingerphoto Recognition with Anti−spoofing Techniques with Smartphone Cameras」,BIOSIG、2013
しかしながら、上述した従来の技術において、脈拍を検知する方式では、あらかじめ指を動画で撮影しておくことで色成分の時系列変化を再現させることができ、不正に成りすまされてしまう可能性がある。他方、輝度値の変化を確認する方式では、あらかじめLED照明下で輝度値が変化する様子を動画で撮影し、これを認証時に提示することで検知させることができ、同様に不正に成りすまされてしまう可能性がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、あらかじめ撮影した指紋や掌紋などの写真や動画を提示する成りすまし攻撃に対しても、モバイル端末に付属している撮影装置を用いて簡便に成りすましを検知することが可能な生体検知装置を提供することにある。
本発明は、
(1)動画の撮影が可能な撮影装置を有するモバイル端末と連携し、前記モバイル端末を取り扱う被認証者の正当な者への成りすましを検知する生体検知装置であって、
被写体へ作用する作用部と、
前記撮影装置を用い、前記被写体を含む画像を時系列に撮影する取得部と、
前記作用部による前記被写体への作用と、前記取得部により撮影された時系列の画像との一致度を算出する算出部と、
前記算出部により算出された一致度を用い、前記被認証者が前記正当な者に成りすましているか否かを判定する判定部とを備えていることを特徴とする生体検知装置、
(2)作用部が、被認証者にモバイル端末を被写体に対して動かすように指示するものであり、
算出部により算出された一致度が、前記作用部により指示された前記モバイル端末を動かす方向と、取得部により撮影された時系列の画像から求められた前記被写体の移動方向とを用いて算出されたものである前記(1)に記載の生体検知装置、
(3)作用部が、所定のタイミングで被写体に対して複数回光を照射するものであり、
算出部により算出された一致度が、前記タイミングと、取得部により撮影された時系列の画像から求められた前記被写体の輝度値の変化とを用いて算出されたものである前記(1)に記載の生体検知装置、
(4)第1の画像判定部をさらに備え、
前記第1の画像判定部が、取得部により撮影された画像を2値化すると共に、この2値化された画像をモルフォロジー処理して連結成分数を求めるものであり、
判定部が、一致度および前記連結成分数に基づき、被認証者が正当な者に成りすましているか否かを判定する前記(1)から(3)のいずれか1項に記載の生体検知装置、および
(5)第2の画像判定部をさらに備え、
前記第2の画像判定部が、取得部により撮影された画像からこの画像を構成する局所領域ごとの輝度の勾配方向を算出すると共に、この算出された勾配方向を用いて所定の角度ごとに量子化されたヒストグラムを求めるものであり、
判定部が、一致度および前記ヒストグラムにおける度数の分散に基づき、被認証者が正当な者に成りすましているか否かを判定する前記(1)から(3)のいずれか1項に記載の生体検知装置、
に関する。
なお、本明細書において、「モバイル端末」とは、ユーザが用いるスマートフォン、タブレット端末などの携帯端末を意味する。また、「一致度」とは、作用部による指示等の作用と、算出部により算出され時系列の画像から求められた被写体の変化の態様とが整合しているか否かを示す指標を意味する。また、「連結成分数」とは、一つの画像中の連結成分の数を意味する。ただし、「連結成分」とは、2値化した画像において視覚的に一つに繋がった領域を指す。また、「勾配方向」とは、画像中の区画された部分領域において、輝度値の変化が大きい方向を意味する。
本発明は、あらかじめ撮影した指紋や掌紋などの写真や動画を提示する成りすまし攻撃に対しても、モバイル端末に付属している撮影装置を用いて簡便に成りすましを検知することが可能な生体検知装置を提供することができる。その結果、本発明は、生体認証を行う際の安全性を高めることができる。
本発明の第1の実施形態を示す概略ブロック図である。 図1の生体検知装置における同期検知プログラムによる同期検知処理の一例を示す概略シーケンス図である。 図1の生体検知装置が実行する生体検知処理のフローチャートである。 図1の生体検知装置が組み込まれたモバイル端末を用い、移動方向により検知を行う表示画面の一例を示す概略図である。 第2の実施形態に係るモバイル端末の表示画面の一例を示す概略図である。 第3の実施形態に係るモバイル端末の表示画面の一例を示す概略図である。 第4の実施形態の生体検知装置が実行する生体検知処理のフローチャートである。 図7において輝度値が変化したときの表示画面の一例を示す概略図であって、(a)は光を照射していないときの画面、(b)は光を照射しているときの画面をそれぞれ示している。 第4の実施形態における生体検知方法を説明するための概略図であって、(a)はLEDによる輝度値の変化、(b)は同期確認方法をそれぞれ示している。 第5の実施形態における生体検知処理のフローチャートである。 図11は、図10の各ステップで生成される画像の一例を示す概略図である。 第6の実施形態における生体検知処理のフローチャートである。 本発明の生体検知装置を適用した生体認証装置の使用例を示す概略図である。
本発明の生体検知装置は、動画の撮影が可能な撮影装置を有するモバイル端末と連携し、上記モバイル端末を取り扱う被認証者の正当な者への成りすましを検知する生体検知装置であって、被写体へ作用する作用部と、上記撮影装置を用い、上記被写体を含む画像を時系列に撮影する取得部と、上記作用部による上記被写体への作用と、上記取得部により撮影された時系列の画像との一致度を算出する算出部と、上記算出部により算出された一致度を用い、上記被認証者が上記正当な者に成りすましているか否かを判定する判定部とを備えていることを特徴とする。
なお、本明細書における「被写体」は、撮影装置により撮影される側の少なくとも一部が立体形状で構成されているものが好ましい。このような被写体としては、例えば、以下に例示の被認証者の指(指紋)または掌(掌紋)等を採用することができる。
また、当該生体検知装置は、上記モバイル端末と連携している限り特に限定されないが、携帯性、利便性向上の観点から、モバイル端末に組み込まれていることが好ましい。
以下、当該生体検知装置の第1〜第6の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、当該図面に記載の実施形態にのみ限定されるものではない。
[第1の実施形態]
当該生体検知装置1は、動画の撮影が可能な撮影装置を有するスマートフォン、タブレット端末などのユーザが用いるモバイル端末と連携するものであり、概略的に、作用部P11と、取得部P21と、算出部P31と、判定部P41とにより構成されている。なお、本実施形態では、生体検知装置がモバイル端末に組み込まれているものを例示して説明する。
作用部P11は、被写体へ作用するものであり、本実施形態では、被認証者にモバイル端末M1を被写体に対して動かすように指示する。この作用部P11としては、図1に示すように、例えば、被認証者に対して指示が可能なスピーカーなどの音声出力装置151、視覚により指示が可能な表示装置12等が採用される。
取得部P21は、撮影装置14を用い、被写体を含む画像を時系列に撮影する。上記撮影装置14としては、動画の撮影が可能であれば特に限定されないが、利便性の観点から、モバイル端M1末に付属しているものであることが好ましい。
算出部P31は、上記作用部P11による被写体への作用(本実施形態では、被認証者に対する動作の指示)と、上記取得部P21により撮影された時系列の画像との一致度を算出する。当該生体検知装置1の算出部P31により算出される一致度は、作用部P11により指示されたモバイル端末M1を動かす方向と、取得部P21により撮影された時系列の画像から求められた被写体の移動方向とを用いて算出される。具体的には、当該生体検知装置1の算出部P31は、撮影された画像中の各エリアの背景面積の増減を調べることによりモバイル端末M1が実際に動いた向きを求め、上記指示した方向とモバイル端末M1が実際に動いた向きとを照合して一致度を求める。
判定部P41は、上記算出部P31により算出された一致度を用い、認証を受けようとしている被認証者が正当な者に成りすましているか否かを判定する。
ここで、上述した作用部P11は後述する音声出力装置151および表示装置12、取得部は後述する撮影装置14、算出部P31および判定部P41は後述するCPU13、ワークエリア16および情報保持手段17に概ね対応するが、必ずしもこれに限られるものではない。
次に、当該生体検知装置1のハードウェアの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を示す概略ブロック図である。当該生体検知装置1は、図1に示すように、概略的に、入力装置11、表示装置12、CPU(Central Processing Unit)13、撮影装置14、ワークエリア16および情報保持手段17により構成されている。
入力装置11は、ユーザによる指示等の入力を受け付ける。この入力装置11は、キーボード、マウスまたはタッチパネル等が採用され、例えば、表示装置12に表示された複数のボックス(ボタン)の中から所望の処理を受け付ける。
表示装置12は、種々の文字および画像等の情報を出力する。この表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイなどの画像表示装置が採用される。なお、上述の入力装置11およびこの表示装置12は、一体化されていてもよい。
CPU13は、ワークエリア16に格納されたプログラムを実行することによって種々の機能を実現する。具体的には、このCPU13は、後述の各プログラムの処理を実行する。
撮影装置14は、指(指紋)や掌(掌紋)などの被写体を撮影する。この撮影装置14は、具体的には、モバイル端末M1に付属しているカメラ(カメラ14)等で構成されている。
ワークエリア16は、CPU13によって実行されるプログラム等を格納する記憶領域である。このワークエリア16としては、典型的にはDRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶装置等が採用される。本実施形態では、このワークエリア16には、OS(Operating System)161、通信プログラム162、同期検知プロセス163、被写体時系列データ164、認証装置時系列データ165などが格納されている。
なお、ワークエリア16には、CPU13が各種処理を実行する際など、情報保持手段17に格納されている各プログラムおよびデータの少なくとも一部が必要に応じて一時的にコピーされてもよく、その他のプログラムおよびその参照データが格納されてもよい。さらに、ワークエリア16には、CPU13が実行した処理の結果が格納されてもよい。これらのプログラムに基づく処理については後述する。
情報保持手段17は、CPU13が各プログラムに基づいて種々の処理を実行するために参照する動作指示プログラム171、被写体時系列データ取得プログラム172、認証装置時系列データ取得プログラム173、同期検知プログラム174などのプログラム等を格納する。この情報保持手段17としては、典型的にはHDD(Hard Disk Drive)またはフラッシュメモリなどの大容量かつ不揮発性の記憶装置等が採用される。
上述の動作指示プログラム171は、被写体に対し、例えば「モバイル端末M1を左右に動かしてくだい」などの動作指示を行う。被写体時系列データ取得プログラム172は、連続する複数の被写体画像を元に、被写体の動く方向や輝度値の変化などの画像特徴の時系列情報を取得する。認証装置時系列データ取得プログラム173は、モバイル端末M1がスマートフォンなどの認証装置である場合に、付属の加速度センサーを用い、モバイル端末M1の向きおよび動作方向の時系列情報を取得する。同期検知プログラム174は、上記動作指示と被写体の動きとが一致するか否かを検知する。なお、情報保持手段17は、生体検知結果に基づいて生体認証(本人確認)を行うプログラムなどのその他のプログラム等が格納されていてもよい。
次に、当該生体検知装置1における生体検知のシーケンスについて説明する。ここでは、ユーザA、モバイル端末M1およびサービサーBの存在下で、ユーザAがモバイル端末M1を用いてサービサーBの提供するサービスを受ける際の本人確認処理を例として説明する。図2は、図1の生体検知装置における同期検知プログラムによる同期検知処理の一例を示す概略シーケンス図である。
図2に示すように、まず、ユーザAは、サービサーBの提供するサービスを受けるため、サービサーBに対してサービス開始要求を行う(ステップS201)。これに応答し、サービサーBは、モバイル端末M1にサービス要求者の本人確認を求める(ステップS202)。次いで、モバイル端末M1は、ユーザAに本人確認のための生体認証を要求する(ステップS203)。これに対し、ユーザAは、本人確認に用いる生体情報として指または掌などの生体情報を提示する(ステップS204)。
次に、モバイル端末M1は、提示された上記生体情報が事前撮影された動画や写真などの偽物ではないかを検知するため、ユーザAにモバイル端末M1を被写体に対して動かすように指示する(ステップS205)。これに応答し、ユーザAは、ステップS205の指示に従いモバイル端末M1を動かす(ステップS206)。
次に、モバイル端末M1は、後述する生体検知を行い被写体が成りすまし(偽造)でないか否かを検知する。ここで、生体検知に成功した場合、ユーザAに生体検知成功を通知し、生体認証処理に移行する(ステップS207)。
生体認証処理では、生体認証技術を用いて本人確認を行った後、この本人確認が成功すればユーザAおよびサービザーBに「成功」の本人確認通知(ステップS208、S209)を行い、ユーザAの要求したサービスがサービサーBにより開始される(ステップS210)。一方、上述の生体検知に失敗した場合、ユーザAおよびサービサーBに「失敗」の本人確認通知を行った後、終了することになる(不図示)。
次に、当該生体検知装置1を用いて行われる生体検知の具体的な流れについて、図3を参照しながら説明する。当該生体検知装置1による生体検知では、ユーザA(被写体)とモバイル端末M1の動作方向との一致度を確認することによって、被写体の成りすまし検知を行う。
図3に示すように、まず、モバイル端末M1が、ユーザAに対して端末動作についての指示を出す(ステップS301)。この指示としては、例えば「端末を左右に動かしてください」のように動作対象および方向を明確に指示してもよく、「端末を任意の方向に動かしてください」のようにユーザ側に動かす方向を任せてもよい。
次に、ユーザAは、上記指示に従い、検知対象(被写体)である指または掌を撮影しながらモバイル端末M1を動かす(ステップS302)。次いで、被写体(指もしくは掌)の移動方向を求め(ステップS303)た後、判定を行う(ステップS304)。この際、上記移動方向が上記指示と異なる場合、成りすましの可能性があると判断して認証NGとし(S305)、上記指示と合致する場合、以降の生体認証処理(ステップS306)に移行して本人認証を行う(ステップS307)。なお、生体認証処理を行う技術としては、公知の技術である指紋、指静脈、掌認証方式(例えば、「バイオメトリクス教科書―原理からプログラミングまで、半谷他、2012」等参照)などを採用することができる。
ここで、上述のステップS303における本実施形態での被写体の移動方向の判定方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、図1の生体検知装置が組み込まれたモバイル端末を用い、移動方向により検知を行う表示画面の一例を示す概略図である。この図4は、モバイル端末M1に付属のカメラ14を用い、生体検知を行う被写体aを撮影している様子を示している。図4中、軸211、軸212は、それぞれ直交する方向(例えば、鉛直方向および水平方向)の中心線を示している。また、エリア213〜216は、被写体の撮影領域において、上記2つの中心線で区画された4つの領域それぞれを示している。
本実施形態での判定方法では、例えば、モバイル端末M1からの指示により、モバイル端末M1を被写体aである掌に対して上下左右方向に動かす。例えばモバイル端末M1を被写体aに対して右側に動かした場合、当該被写体aは左に動くため、エリア215およびエリア216の背景画像の面積(背景面積)は増加する。他方、モバイル端末M1を左側に動かした場合、当該被写体aは右に動くため、エリア213およびエリア214の背景面積は増加する。同様に、モバイル端末M1を上側に動かした場合は、エリア213および215の背景面積が増加し、モバイル端末M1を下側に動かした場合は、エリア214および216の背景面積が増加する。したがって、上記各エリア213〜216の背景面積の増減を調べることで、モバイル端末M1の移動方向を推定(算出)する。ここで、エリア213の背景画像領域を背景画像F10、エリア214の背景画像領域を背景画像F14、エリア215の背景画像領域を背景画像F12、エリア216の背景画像領域を背景画像F16とする。このとき、例えば手を縦方向にかざしている場合、被写体の移動方向ベクトルは、以下のように計算される
上記式(1)中、MoveXは、X軸(水平)方向の移動を表し、MoveYは、Y軸(垂直)方向の移動を表し、ObjMovVecは、被写体の移動方向を表す。被写体の移動方向と、モバイル端末M1の移動方向の一致度計算方法は、式(2)にて示す。
ここで、上記一致度は、例えば、モバイル端末M1から指示された方向と、この指示に基づきモバイル端末M1が移動した方向(上述の推定されたモバイル端末M1の移動方向)とが一致している場合と、一致していない場合との二択で表してもよく、これを用いて成りすましを検知することができる。
なお、上記移動方向の判定では、被写体画像(指もしくは掌の画像)F11と背景画像(撮影した画像における被写体画像以外の画像)F12とを分離した後の画像が用いられる。このような分離(背景分離)は、例えば、被写体画像F11と背景画像F12との間の肌色成分や輝度値の相異を用いて行うことができる。
以上のように、当該生体検知装置1は、上述した作用部P11、取得部P21、算出部P31および判定部P41を備えているので、あらかじめ撮影した指紋や掌紋などの写真や動画を提示する成りすまし攻撃に対しても、モバイル端末M1に付属しているカメラ14を用いて簡便に成りすましを検知することができる。特に、当該生体検知装置1は、上述したようにモバイル端末M1の移動方向により一致度を算出するので、成りすましをより確実に検知することができる。
なお、上述した第1の実施形態では、モバイル端末M1からの指示によりモバイル端末M1を被写体aに対して動かす判定方法について例示したが、モバイル端末M1からの指示によりモバイル端末M1に対して被写体aを動かして行う判定方法であってもよく、モバイル端末M1および被写体aの両者を動かして行う判定方法であってもよい。
例えば、モバイル端末M1および被写体aの両者を動かして行う判定方法では、被写体aの移動方向とモバイル端末M1の移動方向とが一定の角度以内であるか否かを求めることで判定することができる。かかる場合、例えばモバイル端末M1と被写体aとの移動方向の角度の差分を求める。この差分は、下記式(2)を用いて計算することができる。
上記式(2)中、Aはモバイル端末M1の移動方向ベクトル、Bは被写体aの移動方向ベクトルを示す。この2つの移動方向ベクトルを用いて上記式(2)により算出される角度の差分が所定範囲外にある場合、成りすましの可能性があると判断して認証NGとし、上記角度の差分が所定範囲内にある場合、以降の生体認証処理に移行する。
ここで、当該生体検知装置1が組み込まれたモバイル端末M1の使用例について、図13を参照しながら説明する。図13中、画面G11は、モバイル端末M1上に表示されたサービス開始画面を表している。
まず、ユーザAは、画面G11に表示されたサービスメニューの中から所望のサービスを選択する。次いで、上記サービスメニューの中から例えば「送金」サービスを選択すると、送金先候補者一覧が表示され、ユーザは表示された送金先候補者の中から送金対象者を選択する(画面G12参照)。次いで、所望の送金金額を入力する。ここでは、送金額として「15000」円が入力されている(画面G13参照)。
次に、送金対象者および送金金額を確認するための確認画面が表示(画面G14参照)された後、送金トランザクションの本人確認を行うための認証方式(「指紋認証」(生体認証)または「パスワード認証」)を選択する画面が表示(画面G15参照)される。ここでは、本人が確かに送金指示を行っていることを確認するため、「指紋認証」(生体認証)を選択する。
次に、モバイル端末M1に付属のカメラ14を用いて指を撮影する(画面G16参照)。この際、当該生体検知装置1が生体検知(図2のステップS203〜S207参照)を行い、事前撮影した動画や静止画によって成りすましを行っていないかどうかを検知する。この結果、成りすましでなければ引き続き生体認証処理が行われ、この処理により本人確認が成功した後、送金が実行されると共に送金結果が表示装置に表示される(画面G17参照)。
このように、当該生体検知装置1がモバイル端末M1と連携することで簡便に成りすましを検知することができ、その結果、生体認証を行う際の安全性を高めることができる。
[第2の実施形態]
本実施形態の生体検知装置2は、モバイル端末を動かしている間の指先位置を追跡することにより、上記端末をどちらの向きに動かしたのかを推定(算出)するものであり、概略的に、作用部P11と、取得部P21と、算出部P32と、判定部P41とにより構成されている。当該生体検知装置2は、第1の実施形態とは、算出部の構成が異なっている。なお、作用部P11、取得部P21および判定部P41、並びにハードウェアの構成、生体検知のシーケンスについては第1の実施形態のものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
算出部P32は、上記作用部P11による被写体aへの作用(本実施形態では、被認証者に対する動作の指示)と、上記取得部P21により撮影された時系列の画像との一致度を算出する。当該生体検知装置2の算出部P32により算出される一致度は、作用部P11により指示されたモバイル端末M2を動かす方向と、取得部P21により撮影された時系列の画像から求められた被写体aの移動方向とを用いて算出される。具体的には、当該生体検知装置2の算出部P32は、撮影された画像中の各指の指先座標を抽出してこの指先座標の経時変化を調べることによりモバイル端末M2が実際に動いた向きを求め、上記指示した方向とモバイル端末M2が実際に動いた向きとを照合して一致度を求める。
次に、上述のステップS303における本実施形態での被写体aの移動方向の判定方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、第2の実施形態に係るモバイル端末の表示画面の一例を示す概略図である。この図5は、モバイル端末M2に付属のカメラ14を用い、生体検知を行う被写体aを撮影している様子を示している。図5中、指先a1〜a3の位置は、それぞれモバイル端末M2の移動(手の移動)を検知するための各指の指先座標を示している。
本実施形態での判定方法では、第1の実施形態と同様に、あらかじめ背景分離した画像が用いられる。まず、カメラ14で撮影した掌の画像を2値化し、この2値化した画像から指先の位置となるピーク位置を計算する。この際、カメラ14に向かって掌を縦にかざす場合はY軸方向(画面の上下方向)のピーク位置を算出し、掌を横にかざす場合はX軸方向(画面の左右方向)のピーク位置を算出する。次いで、前者の場合はY軸方向のピーク位置が大きい方(画面上方向が正方向の場合)から3点を選出し、この3点のX座標およびY座標をそれぞれの指先a1、a2、a3の座標(位置)として記録する。
次に、指示によりモバイル端末M2を移動した後の画像について、同様に指先a1〜a3の座標(位置)を記録する。この際、移動の前後における対応する3つの指先a1〜a3の座標の差分により各指先a1〜a3のベクトルを計算し、これらのベクトルの平均を求めることで移動方向ベクトルを計算してこれを記録する。ここで、モバイル端末M2の実際の移動方向は、上記移動ベクトルを180度反転することにより算出される。次いで、上記指示した方向とモバイル端末M2の実際の移動方向とを照合して一致度を求めた後、判定部P41にて被写体aが成りすましをしているか否かを判定する。
ここで、上記一致度は、例えば、モバイル端末M2から指示された方向と、この指示に基づきモバイル端末M2が移動した方向(上記移動ベクトルから求められたモバイル端末M2の移動方向)とが一致している場合と、一致していない場合との二択で表してもよく、これを用いて成りすましを検知することができる。
以上のように、当該生体検知装置2は、上述した作用部P11、取得部P21、算出部P32および判定部P41を備えているので、あらかじめ撮影した指紋や掌紋などの写真や動画を提示する成りすまし攻撃に対しても、モバイル端末M2に付属しているカメラ14を用いて簡便に成りすましを検知することができる。特に、当該生体検知装置2は、上述したようにモバイル端末M2の移動方向により一致度を算出するので、成りすましをより確実に検知することができる。
なお、上述した第2の実施形態では、2つの画像間の指先a1〜a3の対応関係について、X座標およびY座標のピーク位置により上記対応関係を求めたが、指先の位置座標の差の和が最も小さくなる組み合わせを選ぶことで上記対応関係を求めるようにしてもよい。これにより、より確実に各指先を対応させることができ、指先の移動およびこれに基づく移動方向ベクトルをより正確に計算することができる。また、使用する指先は、上述した3点に限らず増減してもよく、移動前後の両方で表示画面中に収まっている指先のみであってもよい。
[第3の実施形態]
本実施形態の生体検知装置3は、モバイル端末を動かしている間の背景局所特徴点間の位置を追跡することにより、上記端末をどちらの向きに動かしたのかを推定(算出)するものであり、概略的に、作用部P11と、取得部P21と、算出部P33と、判定部P41とにより構成されている。当該生体検知装置3は、第1の実施形態とは、算出部の構成が異なっている。なお、作用部P11、取得部P21および判定部P41、並びにハードウェアの構成、生体検知のシーケンスについては第1の実施形態のものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
算出部P33は、上記作用部P11による被写体aへの作用(本実施形態では、被認証者に対する動作の指示)と、上記取得部P21により撮影された時系列の画像との一致度を算出する。当該生体検知装置3の算出部P33により算出される一致度は、作用部P11により指示されたモバイル端末M3を動かす方向と、取得部P21により撮影された時系列の画像から求められた被写体aの移動方向とを用いて算出される。具体的には、当該生体検知装置3の算出部P33は、背景局所特徴点の位置座標を抽出してこの位置座標の経時変化を調べることによりモバイル端末M3が実際に動いた向きを求め、上記指示した方向とモバイル端末M3が実際に動いた向きとを照合して一致度を求める。
次に、上述のステップS303における本実施形態での被写体aの移動方向の判定方法について、図6を参照しながら説明する。図6は、第3の実施形態に係るモバイル端末の表示画面の一例を示す概略図である。この図6は、図4と同様に、モバイル端末M3に付属のカメラ14を用いて被写体aを撮影している様子を示している。なお、図6中、背景画像F32における各点は、背景局所特徴点を示している。この背景局所特徴点は、局所画像特徴(例えば、情報処理学会誌『情報処理』2008年9月号(Vol.49、No.9)「3日で作る高速特定物体認識システム」参照)を用いて導出することができる。
本実施形態での判定方法では、第1の実施形態と同様に、あらかじめ背景分離した画像が用いられる。まず、上記局所画像特徴により指示前(モバイル端末M3移動前)の局所画像特徴点を抽出してそのX座標およびY座標を計算する。
次に、指示によりモバイル端末M3を移動した後の画像について、対応する局所画像特徴点のX座標およびY座標を計算した後、移動の前後における対応する局所画像特徴点の座標の差分により各局所画像特徴点のベクトルを計算し、これらのベクトルの平均を求めることで移動方向ベクトルを計算してこれを記録する。ここで、モバイル端末M3の実際の移動方向は、上記移動ベクトルを180度反転することにより算出される。次いで、上記指示した方向とモバイル端末M3の実際の移動方向とを照合して一致度を求めた後、判定部P41にて被写体が成りすましをしているか否かを判定する。
ここで、上記一致度は、例えば、モバイル端末M3から指示された方向と、この指示に基づきモバイル端末M3が移動した方向(上記移動ベクトルから求められたモバイル端末M3の移動方向)とが一致している場合と、一致していない場合との二択で表してもよく、これを用いて成りすましを検知することができる。
以上のように、当該生体検知装置3は、上述した作用部P11、取得部P21、算出部P33および判定部P41を備えているので、あらかじめ撮影した指紋や掌紋などの写真や動画を提示する成りすまし攻撃に対しても、モバイル端末M3に付属しているカメラ14を用いて簡便に成りすましを検知することができる。特に、当該生体検知装置3は、上述したようにモバイル端末M3の移動方向により一致度を算出するので、成りすましをより確実に検知することができる。
[第4の実施形態]
本実施形態の生体検知装置4は、概略的に、作用部P14と、取得部P21と、算出部P34と、判定部P41とにより構成されている。当該生体検知装置4は、第1の実施形態とは、作用部P14、算出部P34の構成が異なっている。なお、取得部P21および判定部P41、並びに発光装置152以外のハードウェアの構成については第1の実施形態のものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
作用部P14は、所定のタイミングで被写体aに対して複数回光を照射することで被写体aへ作用する。
算出部P34は、上記作用部P14による被写体aへの作用(本実施形態では、被写体aに対する光の照射)と、上記取得部P21により撮影された時系列の画像との一致度を算出する。当該生体検知装置4の算出部P34により算出される一致度は、複数回の光の照射のタイミングと、取得部P21により撮影された時系列の画像から求められた被写体aの輝度値変化とを用いて算出される。具体的には、当該生体検知装置4の算出部P34は、LEDの照射のタイミングと、カメラ14により撮影された被写体aの輝度変化のタイミングとを照合して一致度を求める。
次に、当該生体検知装置4のハードウェアの構成について説明する。当該生体検知装置4は、上述した生体検知装置1の音声出力装置151に代えて/と共に発光装置152を有している。この発光装置152は、所定のタイミングで被写体aに対して複数回光を照射することができれば特に限定されず、例えば、LEDなどの発光素子等を採用することができる。
次に、当該生体検知装置4を用いて行われる生体検知の具体的な流れについて、図7、図8を参照しながら説明する。当該生体検知装置4による生体検知では、モバイル端末M4による光の照射のタイミングと被写体aの輝度値の変化のタイミングとの一致度(同期)を確認することによって、被写体aの成りすまし検知を行う。
まず、図7に示すように、モバイル端末M4に付属の発光装置152が、被写体(指もしくは掌)aに対して所定のタイミングで光を照射する(ステップS701)。このとき、上記照射のタイミング(時刻)を記録しておく。ここで、図8に示す概略図うち、(a)は光を照射していないときの画面G41、(b)は光を照射しているときの画面G42をそれぞれ示している。
次に、モバイル端末M4の画面全体に対して輝度値の変化が閾値以上である領域の割合を計算し(ステップS702)、この領域の割合を用いて成りすましを判定する(ステップS703)。この際、上記領域の割合が閾値以上である場合、成りすましとなるディスプレイ表示や紙上の印刷表示が提示されている可能性があると判断されるため、以降の処理に進まずに認証NGとして生体検知を終了する(ステップS708)。
一方、上記領域の割合が閾値未満である場合、輝度値の変化のピークタイミングを計算し、後述の方法を用いてモバイル端末M4のLEDの照射のタイミングとの一致度(同期)を求め(S704)、この一致度を用いて成りすましを判定する(ステップS705)。この際、輝度値の変化のピークタイミングとLEDの照射のタイミングとが同期していない場合、成りすましの可能性があると判断されるため、以降の処理に進まずに認証NGとして生体検知を終了する(ステップS709)。
一方、タイミングが同期している場合は、生体認証処理(ステップS706)に移行して認証を行う(ステップS707)。この生体認証処理は、第1の実施形態と同様の公知の技術を用いて実行することができる。なお、生体認証処理では、通常、画像全体から認証対象の生体情報(例えば指領域)の抽出を行うが、このステップS706の生体認証処理では、輝度値が変化する領域のみを対象として行うようにしてもよい。
次に、モバイル端末M4による光の照射のタイミングと被写体aの輝度値の変化のタイミングとの一致度(同期)を確認する方法の一例について説明する。図9は、第4の実施形態における生体検知方法を説明するための概略図である。図9(a)のグラフK1は、LEDによる輝度値の変化を示しており、横軸は時間、縦軸は輝度値をそれぞれ示している。
また、図9(b)は同期確認方法をそれぞれ示している。図9(b)中、グラフK2は、図9(a)の輝度値の変化について、輝度のピーク時刻の値を「1」、それ以外の時刻の値を「0」として表現した時系列データを表している(以下、値が1の時刻を「ビット」を称する)。そのため、このグラフK2では、横軸が時刻、縦軸が輝度の大小(0または1)を表している(例えば、時刻903は、被写体aの撮影画像の輝度値のピーク時刻を表す)。他方、グラフK3は、モバイル端末M4が被写体aに対して光を照射した時刻の値を「1」、それ以外の時刻の値を「0」として表現した時系列データを表している。そのため、このグラフK3では、横軸が時刻、縦軸が照射の有無(0または1)を表している。
次に、光の照射と輝度値との関係について、図9(b)に従い例示する。図9(b)中、時刻差911は、被写体aの輝度値ピーク時刻903とモバイル端末M4によるLED照射時刻905との時刻の差分を表している。一致度(同期)を確認する場合、グラフK2、K3のうち、一方を他方に対して−△t〜△tの間でX軸をずらしながら、値「1」を持つ時刻間の対応関係を抽出(単純には、もっとも時刻が近いビットどうしを対応させる)した後、対応するビット間の時刻の差分の合計値を計算する。
もし対応するビットがないものがある場合、便宜上、最も近いビットどうしを対応させる(したがって、1対1対応になるとは限らない)。例えば、もし被写体aの輝度値ピーク時刻903と、モバイル端末M4によるLED照射時刻905とに対応関係にあり、グラフK3の時刻をδtだけ遅らせた場合、その差分は、下記式(3)により計算される。
上記式(3)中、tは時刻、δtは時刻の差分をそれぞれ示す。
次に、判定部P41にて成りすましの有無を判定する。この際、上記式(3)で得られた値が事前に設定した閾値以上である場合、被写体aの輝度値の変化とモバイル端末M4のLED照射のタイミングとが同期していない(成りすましの可能性有り)と判定される。すなわち、この一例での一致度は、上記式(3)で得られた値が事前に設定した閾値以上である場合と、閾値未満である場合との二択で表すことができる。これにより、モバイル端末M4が撮影しているものが、指や手を撮影した動画を再生したものではないことを確認することができる。
以上のように、当該生体検知装置4は、上述した作用部P14、取得部P21、算出部P34および判定部P41を備えているので、あらかじめ撮影した指紋や掌紋などの写真や動画を提示する成りすまし攻撃に対しても、モバイル端末M4に付属しているカメラ14を用いて簡便に成りすましを検知することができる。特に、当該生体検知装置4は、上述したように被写体aの輝度値の変化により一致度を算出するので、成りすましをより確実に検知することができる。
なお、上述した第4の実施形態では、モバイル端末M4の画面全体に対して輝度値の変化が閾値以上の領域の割合を計算し(ステップS702)、この領域の割合に基づき成りすましの可能性について判定(ステップS703)したが、これらのステップS702、S703を行わない生体検知装置であってもよい。
[第5の実施形態]
本実施形態の生体検知装置5は、概略的に、作用部P11と、取得部P21と、算出部P31と、判定部P45と、第1の画像判定部P55をさらに備えている。当該生体検知装置5は、判定部P45および第1の画像判定部55を備えている点で、第1の実施形態と異なっている。なお、本実施形態において、第1の画像判定部55および判定部45以外の構成は、第1の実施形態と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
第1の画像判定部P55は、取得部P21により撮影された画像を2値化すると共に、この2値化された画像をモルフォロジー処理して連結成分数を求める。
判定部P45は、算出部P31にて算出した一致度および第1の画像判定部P55にて求めた連結成分数に基づき、被認証者が正当な者に成りすましているか否かを判定する。
次に、当該生体検知装置5を用いて行われる生体検知の具体的な流れについて、図10を参照しながら説明する。第1の画像判定部P55による処理は、通常、被認証者が正当な者に成りすましているか否かを判定した後に行われる。このため、例えば、第1の実施形態ではステップS304とS306との間で行われる(図3参照)。
この処理では、まず、取得部P21により撮影された画像のうち、部分領域(エリア)(サイズw×h)別に、輝度値の変化が大きい方向(以下、「勾配方向」ともいう)を計算する(ステップS1001)。なお、このステップS1001では、最大勾配方向だけではなく、上位数件の勾配方向を計算してもよい。
次に、各部分領域ごとに計算した勾配方向と、垂直方向とに画素成分を射影してヒストグラムを計算する(ステップS1002)。なお、ステップ1001において、複数の勾配方向を計算した場合には、勾配の強さに応じた加重平均により、最終的な勾配方向を計算してもよい。
次に、各部分領域(エリア)ごとに2値化閾値を計算し、2値化画像を生成する(ステップS1003)(図11に例示の2値化画像1102、1105参照)。次いで、ステップS1003で作成した2値化画像に対してモルフォロジー処理を行い、島領域(連結成分)の抽出を行う(ステップS1004)。このモルフォロジー処理は、通常、膨張処理と収縮処理で構成される。膨張処理では、出力ピクセル値は、入力ピクセル近傍(例えば8近傍)の中で全てのピクセルの最大値とする。一方、収縮処理では、出力ピクセル値は、入力ピクセル近傍(例えば8近傍)の中で全てのピクセルの最小値とする。
次に、島領域を抽出した後、抽出した島領域の数をカウントする(ステップS1005)。次いで、抽出した島領域の数を用いて成りすましの有無を判定する(ステップS1006)。この際、島領域の数が閾値以上であった場合、成りすましの可能性があると判断して認証NGとし、島領域の数が閾値未満であった場合、以降の生体認証処理に移行する。
ここで、上述した島領域の抽出方法の具体例を、図11を参照しながら説明する。図11において、画像1101は、本物の指(被写体)をモバイル端末M5により撮影した画像の一例を示している。一方、画像1104は、指画像(被写体)を紙に印刷したものを、モバイル端末M5により撮影した画像の一例を示している。
まず、上述の撮影した画像の2値化を行う。画像1102、1105は、それぞれ画像1101、1104を上記ステップS1003により2値化した一例を示している。ステップS1003にて2値化する手法としては、例えば、大津の方法(URL:http://imagingsolution.blog107.fc2.com/blog−entry−113.html)等を採用することができる。これらの2値化後の画像において、画像1105では、印刷物に含まれるテクスチャ情報の影響により、勾配ベクトルをうまく計算できなかったため、2値化に失敗するエリアが多数出現している。
次いで、上述の2値化後の画像のモルフォロジー処理を行う。画像1103、1106は、それぞれ画像1102、1105を上記ステップS1004によりモルフォロジー処理した一例を示している。このようなモルフォロジー処理を行うことで、島領域を抽出することができ、上述した島領域の数をカウントすることができる。
以上のように、当該生体検知装置5は、上記第1の画像判定部55をさらに備えていることで、画像から得られた連結成分数の大きさにより被写体aの偽造を判別することができ、成りすましをよりいっそう確実に検知することができる。
[第6の実施形態]
本実施形態の生体検知装置6は、概略的に、作用部P11と、取得部P21と、算出部P31と、判定部P46と、第2の画像判定部P56をさらに備えている。当該生体検知装置6は、判定部P46および第2の画像判定部P56を備えている点で、第1の実施形態と異なっている。なお、本実施形態において、第2の画像判定部P56および判定部46以外の構成は、第1の実施形態と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
第2の画像判定部P56は、取得部P21により撮影された画像からこの画像を構成する局所領域ごとの輝度の勾配方向を算出すると共に、この算出された勾配方向を用いて所定の角度ごとに量子化されたヒストグラムを求める。
判定部P46は、算出部P31にて算出した一致度および第2の画像判定部P56にて求めたヒストグラムにおける度数の分散に基づき、被認証者が正当な者に成りすましているか否かを判定する。
次に、当該生体検知装置6を用いて行われる生体検知の具体的な流れについて、図12を参照しながら説明する。第2の画像判定部P56による処理は、通常、被認証者が正当な者に成りすましているか否かを判定した後に行われる。このため、第5の実施形態と同様に、例えば、第1の実施形態ではステップS305とS306との間で行われる(図3参照)。
この処理では、第5の実施形態と同様に、部分領域別に勾配方向を計算(ステップS1201)し、この勾配方向と垂直方向とに画素成分を射影したヒストグラムを計算(ステップS1202)した後、2値化画像を生成(ステップS1203)する。なお、これらの計算は、第5の実施形態の説明を援用してここでの詳細な説明は省略する。
次に、ステップS1203にて生成した2値化画像に対し、ステップS1201と同じ処理により、輝度値の勾配方向を計算する(ステップS1204)。このとき勾配を計算する部分領域のサイズ(w’×h’)は、ステップS1201のサイズ(w×h)と同じであってもよく、異なっていてもよい。
次に、上記勾配方向を例えば角度π/16ごとに量子化したヒストグラムを計算し、このヒストグラムの分散を算出する(ステップS1205)。次いで、算出した分散を用いて成りすましの有無を判定する(ステップS1206)。この際、算出した分散が一定値以下であった場合、成りすましの可能性があると判断して認証NGとし、上記分散が上記一定値超であった場合、以降の生体認証処理に行移する。
以上のように、当該生体検知装置6は、上記第2の画像判定部P56をさらに備えていることで、画像から得られた分散の大きさにより被写体aの偽造を判別することができ、成りすましをよりいっそう確実に検知することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述した実施形態では、当該生体検知装置がモバイル端末に組み込まれている態様を例示して説明したが、本発明の効果を損なわない限り、モバイル端末とは別体であってもよい。かかる場合、当該生体検知装置は、例えば、上述したハードウェア構成と同様な構成および同様な機能を有する計算機(認証サーバ)を一つ以上備え、この計算機とモバイル端末とが通信ネットワークを介して接続されている構成、同様な機能を分担して実行する複数の計算機を備え、この計算機とモバイル端末とが通信ネットワークを介して接続されている構成等を採用することができる。上記分担して実行する場合、例えば、被写体時系列データ取得プログラムが、情報保持手段に格納する代わりにいずれかのファイルサーバに格納され、被写体画像、被写体時系列データ、認証装置時系列データ等が、通信プログラムによって送受信されるような構成等が挙げられる。
1〜6 生体検知装置
14 撮影装置(カメラ)
M1〜M5 モバイル端末
a 被写体
P11、P14 作用部
P21 取得部
P31〜P34 算出部
P41、P45、P46 判定部
P55 第1の画像判定部
P56 第2の画像判定部

Claims (4)

  1. 動画の撮影が可能な撮影装置を有するモバイル端末と連携し、前記モバイル端末を取り扱う被認証者の正当な者への成りすましを検知する生体検知装置であって、
    被写体へ作用する作用部と、
    前記撮影装置を用い、前記被写体を含む画像を時系列に撮影する取得部と、
    前記作用部による前記被写体への作用と、前記取得部により撮影された時系列の画像との一致度を算出する算出部と、
    前記取得部により撮影された画像を2値化すると共に、この2値化された画像をモルフォロジー処理して連結成分数を求める第1の画像判定部と、
    前記算出部により算出された一致度、および前記第1の画像判定部により求められた連結成分数を用い、前記被認証者が前記正当な者に成りすましているか否かを判定する判定部とを備えていることを特徴とする生体検知装置。
  2. 動画の撮影が可能な撮影装置を有するモバイル端末と連携し、前記モバイル端末を取り扱う被認証者の正当な者への成りすましを検知する生体検知装置であって、
    被写体へ作用する作用部と、
    前記撮影装置を用い、前記被写体を含む画像を時系列に撮影する取得部と、
    前記作用部による前記被写体への作用と、前記取得部により撮影された時系列の画像との一致度を算出する算出部と、
    前記取得部により撮影された画像からこの画像を構成する局所領域ごとの輝度の勾配方向を算出すると共に、この算出された勾配方向を用いて所定の角度ごとに量子化されたヒストグラムを求める第2の画像判定部と、
    前記算出部により算出された一致度、および前記第2の画像判定部により求められたヒストグラムにおける度数の分散を用い、前記被認証者が前記正当な者に成りすましているか否かを判定する判定部とを備えていることを特徴とする生体検知装置。
  3. 作用部が、被認証者にモバイル端末を被写体に対して動かすように指示するものであり、
    算出部により算出された一致度が、前記作用部により指示された前記モバイル端末を動かす方向と、取得部により撮影された時系列の画像から求められた前記被写体の移動方向とを用いて算出されたものである請求項1または請求項2に記載の生体検知装置。
  4. 作用部が、所定のタイミングで被写体に対して複数回光を照射するものであり、
    算出部により算出された一致度が、前記タイミングと、取得部により撮影された時系列の画像から求められた前記被写体の輝度値の変化とを用いて算出されたものである請求項1または請求項2に記載の生体検知装置。
JP2016171203A 2016-09-01 2016-09-01 生体検知装置 Active JP6754642B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016171203A JP6754642B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 生体検知装置
PCT/JP2017/027701 WO2018042996A1 (ja) 2016-09-01 2017-07-31 生体検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016171203A JP6754642B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 生体検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018036965A JP2018036965A (ja) 2018-03-08
JP6754642B2 true JP6754642B2 (ja) 2020-09-16

Family

ID=61300697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016171203A Active JP6754642B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 生体検知装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6754642B2 (ja)
WO (1) WO2018042996A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009042392A2 (en) 2007-09-24 2009-04-02 Apple Inc. Embedded authentication systems in an electronic device
US8600120B2 (en) 2008-01-03 2013-12-03 Apple Inc. Personal computing device control using face detection and recognition
US9002322B2 (en) 2011-09-29 2015-04-07 Apple Inc. Authentication with secondary approver
US9898642B2 (en) 2013-09-09 2018-02-20 Apple Inc. Device, method, and graphical user interface for manipulating user interfaces based on fingerprint sensor inputs
US10482461B2 (en) 2014-05-29 2019-11-19 Apple Inc. User interface for payments
KR102389678B1 (ko) 2017-09-09 2022-04-21 애플 인크. 생체측정 인증의 구현
US11170085B2 (en) 2018-06-03 2021-11-09 Apple Inc. Implementation of biometric authentication
US10860096B2 (en) 2018-09-28 2020-12-08 Apple Inc. Device control using gaze information
US11100349B2 (en) 2018-09-28 2021-08-24 Apple Inc. Audio assisted enrollment
WO2022024222A1 (ja) 2020-07-28 2022-02-03 富士通株式会社 評価方法、情報処理装置及び評価プログラム
JP6890202B1 (ja) * 2020-09-29 2021-06-18 PayPay株式会社 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
JP6994595B1 (ja) 2020-09-29 2022-01-14 PayPay株式会社 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11332853A (ja) * 1998-05-22 1999-12-07 Oki Electric Ind Co Ltd 個体認識方法および装置
JP2003178306A (ja) * 2001-12-12 2003-06-27 Toshiba Corp 個人認証装置および個人認証方法
JP2006133945A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 照合装置、照合方法および照合プログラム
JP6482816B2 (ja) * 2014-10-21 2019-03-13 Kddi株式会社 生体検知装置、システム、方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018036965A (ja) 2018-03-08
WO2018042996A1 (ja) 2018-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6754642B2 (ja) 生体検知装置
CN109948408B (zh) 活性测试方法和设备
US11023757B2 (en) Method and apparatus with liveness verification
KR102387571B1 (ko) 라이브니스 검사 방법 및 장치
CN106599772B (zh) 活体验证方法和装置及身份认证方法和装置
JP6650946B2 (ja) モバイル・デバイスを用いてキャプチャしたイメージを使用する指紋ベースのユーザ認証を実行するためのシステムおよび方法
KR102036978B1 (ko) 라이브니스 검출 방법 및 디바이스, 및 아이덴티티 인증 방법 및 디바이스
US10698998B1 (en) Systems and methods for biometric authentication with liveness detection
KR101241625B1 (ko) 얼굴 인식 환경 통지 방법, 장치, 및 이 방법을 실행하기 위한 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
WO2018079031A1 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、顔認証システム、プログラム及び記録媒体
JP5076563B2 (ja) 顔照合装置
JP7253691B2 (ja) 照合装置及び照合方法
KR101897072B1 (ko) 얼굴 라이브니스 검증 방법 및 검증 장치
US20210027080A1 (en) Spoof detection by generating 3d point clouds from captured image frames
KR20210062381A (ko) 라이브니스 검사 방법 및 장치, 생체 인증 방법 및 장치
KR20210069404A (ko) 라이브니스 검사 방법 및 라이브니스 검사 장치
JP2017010322A (ja) 認証処理装置及び認証処理方法
KR20150128510A (ko) 라이브니스 검사 방법과 장치,및 영상 처리 방법과 장치
CN105993022B (zh) 利用脸部表情识别和认证的方法和系统
WO2020065954A1 (ja) 認証装置、認証方法および記憶媒体
JP6311237B2 (ja) 照合装置及び照合方法、照合システム、並びにコンピュータ・プログラム
JP2007249587A (ja) 認証装置、認証方法、認証プログラム、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
CN111767845B (zh) 证件识别方法及装置
JP6578843B2 (ja) システム、装置、方法およびプログラム
KR102483647B1 (ko) 라이브니스 검증 방법 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6754642

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150