(第1実施形態)
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図42参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a、18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a、18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図43参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図43参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ち(通常打ちよりも強い発射勢で打つ特別打ち)が含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又はアクリルやプラスチック等の合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。遊技盤本体30aは、透過性、透光性のある材質によって形成される場合、遊技盤本体30aの一部が透明な部材で形成されてもよく、遊技盤30の一部の裏面ないし後方の構成が視認可能となる。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(遊技演出構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42を備える始動入賞口ユニット101の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部には、上部演出ユニット40cが設けられる。上部演出ユニット40c(可動役物でもよい)は、盤装飾装置46(図43参照)及び盤演出装置44(図43参照)の一部を構成している。
センターケース40の右方の遊技領域32には、遊技球を左右に6回切りかえす6段流路40dが設けられ、6段流路40dの最上部に一般入賞口35が設けられる。また、6段流路40dの途中であって5段目の左方に、特別変動入賞装置39が臨んで配置され、6段流路40dの最下部に普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図42参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図42参照)によって、開閉部材39cの下部を軸として左右に開閉する入賞装置である。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(図42参照)が配設されている。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が2個配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図42参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、始動入賞口ユニット820が設けられる。始動入賞口ユニット820の下部には、遊技球が入賞した場合に特図1変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第1始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1)と、遊技球が入賞した場合に特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第3始動入賞口42(第3始動入賞領域、始動口3)とを備える。
始動入賞口ユニット820は、共通入口823から入った遊技球を入賞切替機構825によって振分けて、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞させ得るように構成されている。なお、入賞切替機構825として、公知の機構(例えば、特開2015−36026号公報、特開2015−77230号公報に記載)が使用可能である。入賞切替機構825は、入賞領域を変更する領域変更手段を構成する。
入賞切替機構825は、始動入賞口ユニット820の共通入口823から入った遊技球を左側(第1始動入賞口36側)と右側(第3始動入賞口42側)に振分けて、始動入賞口ユニット820内を流下させる。始動入賞口ユニット820の共通入口823には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち時において、右打ち時より遊技球は流入し易くなる。
入賞切替機構825は、始動入賞口ユニット820本体に対して回転軸を中心として回動する回転部材と、回転部材の回転を止めるストッパ部材を有する。回転部材は、回転軸から三方に延びる三つの延在部を有する。三つの延在部によって、第1始動入賞口36へ流下させる遊技球を収容するL字状の収容部と、第3始動入賞口42へ流下させる遊技球を収容するL字状の収容部が形成される。
入賞切替機構825は、回転部材を左側と右側とに交互に回転させ、遊技球が入賞する始動入賞口を、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に切り替える。始動入賞口ユニット820の共通入口823に入球した遊技球は、エラーがない限り、入賞切替機構825によって左側(第1始動入賞口36側)と右側(第3始動入賞口42側)に交互に振分けられて、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞(入球)することになる。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普図始動ゲート34に下方において、遊技球の入賞に基づき特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する開閉部材(可動部材)37bを備える。開閉部材(可動部材)37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が第1始動入賞口36、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)、又は、第3始動入賞口42に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
開閉部材(可動部材)37bは、所謂電チュー型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図42参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、特定遊技状態としての確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図42参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図42参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口36への入賞、普通変動入賞装置37への入賞、及び第3始動入賞口42への入賞は、始動口1スイッチ36a(図42参照)、始動口2スイッチ37a(図42参照)及び始動口3スイッチ42a(図42参照)によって検出される。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37及び第3始動入賞口42に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100(図42参照)の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37又は第3始動入賞口42への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)などによってランプ表示装置80に設けられる左下の発光部85と右下の発光部86が第四特別図柄(第4図柄)として変動して、特図変動表示ゲームの実行中であることを報知することができる。
第四特別図柄の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する。第四特別図柄の変動表示は、ランプ表示装置80の発光部85、86で表示されるが、それ以外の表示装置41、サブ表示装置で表示されてもよい。
ここで、ランプ表示装置80について説明すると、左上の発光部81と右上の発光部82は、特図2の保留に関する情報を報知し、中左の発光部83と中右の発光部84が特図1の保留に関する情報を報知する。左下の発光部85は、特図1変動表示ゲームの第4図柄として報知し、右下の発光部86は、特図2変動表示ゲームの第4図柄として報知する。なお、特図1の第4図柄と特図2の第4図柄とを区別せずに、単に変動表示ゲームが実行中(変動中)であることや停止中であることを報知してもよい。例えば、発光部85のみが点灯している場合は変動停止を報知し、発光部85と発光部86の交互点灯によって変動中を報知してもよい。
第1始動入賞口36、第3始動入賞口42又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド(39b)(図42参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図42参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは、入賞(即ち始動記憶)の発生した順に実行されるようになっており(入賞順消化)、特図1変動表示ゲーム及び/又は特図2変動表示ゲームの始動記憶が生じて特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、最も古くに発生した始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42内の始動口3スイッチ42a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技機の主要構成〕
図3は、遊技機10の主要な構成部である、遊技盤(遊技盤ユニット)30と制御装置ユニット280の斜視図である。
遊技盤(遊技盤ユニット)30の裏面に配置される制御装置ユニット280は、可動役物の集合体であり、役物を収容する躯体である制御ベース270に収容される。
制御ベース270は、制御装置ユニット280を収容するために所定の深さを備え、背面板270eを底にして上板270a、左板270b、右板270c、下板270dが一体に形成される。背面板270eには、表示画面を視認可能とするための開口270fが形成され、開口270fの背面に表示装置41が取り付けられる。
制御装置ユニット280は、球排出ユニット450、第1可動役物ユニット500、第2可動役物ユニット550、第3可動役物ユニット600、第4可動役物ユニット650、第5可動役物ユニット700(図4参照)を含み、表示装置41の画像を前方より視認できるように開口270fと同程度の開口部280aを有する。
開口部280aの周囲は、遊技盤30に設けられた開口であってセンターケース40の嵌合部を通じて前方より視認可能であるため、遊技者へのアピール部として各可動役物ユニットに各種の装飾が施されている。当該装飾は、立体感を与えるために同種ないし近似する細かな模様が多層に形成されて、背面等からの装飾光と合わせて華やかな印象を遊技者に与える。
当該装飾は、固定された装飾部と動作可能な装飾部からなり、動作可能な装飾部は、回転動作や遥動動作、スライド動作が可能である。動作可能な装飾部として、回転ないし遥動動作可能な上装飾回転体群580、右装飾回転体群630が設けられ、上装飾回転体群580はモータ557(図9参照)によって、右装飾回転体群630はモータ607によって駆動される。開口部280aの下方には、回転ないし遥動動作可能な中央演出部材525が設けられ、中央演出部材525の左右にはスライド動作可能なスライド装飾部材540が設けられる。
遊技盤30は、遊技盤30のベース部材となる遊技盤本体(ベニア板)30aの前面に、センターケース(遊技演出構成体)40、特別変動入賞装置ユニット800、普通変動入賞装置ユニット810、始動入賞口ユニット820、一般入賞口ユニット840、球誘導部850が嵌合されて構成される。これらのユニット及び部材は、遊技盤30に嵌合されるとともに、遊技制御装置100等と電気的に接続され、各ユニットが備えるスイッチ類の検出信号や各ユニットが備えるソレノイドへの駆動電力の伝達路となる。
特別変動入賞装置ユニット800(特別変動入賞装置39)は、特別遊技状態において大入賞口が開口する装置である。
普通変動入賞装置ユニット810(普通変動入賞装置37)は、内部に第2始動入賞口を備える装置である。
始動入賞口ユニット820は、特図1と特図2の始動入賞口(第1始動入賞口36、第3始動入賞口42)を備えるユニットであり、一般入賞口ユニット840は、複数の一般入賞口35を備えるユニットである。
球誘導部850は、遊技領域32の左側を流下した遊技球を横方向へ転動させて、一般入賞口35等へ誘導する部材である。球誘導部850の誘導面の下方には、前述のランプ表示装置80が設けられる。
〔制御装置ユニット〕
図4は、制御装置ユニット280の分解斜視図である。制御装置ユニット280は、球排出ユニット450、第1可動役物ユニット500、第2可動役物ユニット550、第3可動役物ユニット600、第4可動役物ユニット650、第5可動役物ユニット700を含む。
このうち、第1可動役物ユニット500、第2可動役物ユニット550、第3可動役物ユニット600、第5可動役物ユニット700は、第4可動役物ユニット650に取り付けられ、球排出ユニット450は、制御ベース270に止着される。
球排出ユニット450は、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球を遊技盤30から排出するためのユニットである。球排出ユニット450の右上の部分には、遊技盤右上の一般入賞口35に入賞した遊技球が流下する一般入賞流路下排出部451が形成され、当該部分には図12に示す排出流路640の下口643が接続される。
第1可動役物ユニット500は、花の形を模した中央演出部材525と左スライド装飾部材540aと右スライド装飾部材540bが開閉動作するスライド装飾部材540と、発光部522a、522bによって発光演出や動作演出が実行される。
第2可動役物ユニット550は、第3可動役物ユニット600と合わせて門型のユニットを形成するが、第3可動役物ユニット600と分離可能である。第2可動役物ユニット550は、桜花模様が施された複数の回転体(回転部材)が一体となって回転する第2可動役物(上装飾回転体群)580を備える。また、第2可動役物ユニット550は、開口部280aの左辺において3層からなる固定装飾部571a、567a、552aを備え、開口部280aの上辺において3層からなる固定装飾部571b、567b、552bを備える。
第3可動役物ユニット600は、桜花模様が施された複数の回転体(回転部材)が一体となって回転する第3可動役物(右装飾回転体群)630を備える。また、第3可動役物ユニット600は、開口部280aの右辺において3層からなる固定装飾部621、618、602を備え、当該固定装飾部は、複数の桜花が重なって見えることから第2可動役物ユニット550の固定装飾部と合わせて奥行きのある桜のアーチを形成する。また、第3可動役物ユニット600は、遊技盤30の右上に設けられる一般入賞口35の入賞球を通過させる通過口622を備え、排出流路640(図12参照)を介して当該入賞口に入賞した遊技球を球排出ユニット450へ誘導する。また、第3可動役物ユニット600は、遊技盤30を通して前方より視認可能であり、前面に装飾が施された収容部624を備える。
第4可動役物ユニット650は、初期位置である表示装置41の外周縁部から動作位置である表示装置41の前方中央へ移動する(昇降する)第4可動役物(昇降部材)665(図18参照)及び導光板680(図18参照)を備える。昇降部材665は、モータ652によって駆動される。導光板680は、第4可動役物前面ベース671に固定される。第4可動役物前面ベース671は、昇降部材665の駆動機構のガイド機能も兼ねる上辺部671a、左辺部671b、右辺部671c、下辺部671dからなり、開口部671eの全面が導光板680によって覆われる。
なお、可動役物の位置について、初期位置を第1位置、動作位置を第2位置、とする。
第5可動役物ユニット700は、初期位置である表示装置41の外周縁部から動作位置である表示装置41の前方中央へ移動する(昇降する)、三日月を模した第5可動役物720を備える。第5可動役物720は、モータ706によって第1アーム710が回動することで、初期位置と動作位置を往復動作する。係合部724は、第5可動役物720を支持する部材であり、ガイド726も第5可動役物720の指示部材である。
図5は、各可動役物が動作中、もしくは、動作位置にある制御装置ユニット280の正面図である。
第1可動役物ユニット500が備える中央演出部材525が動作中ある場合には、中央演出部材525が回転動作し、回転動作とは別に発光動作も可能である。従動ギア535は、モータ537(図6参照)の出力軸に軸着された主動ギア538と噛み合わされており、ピン係合部535a(図6参照)が左スライド溝541aのクランクピン542aに係合される。従動ギア536も、モータ537と噛み合わされ、ピン係合部536a(図6参照)が右スライド溝541bのクランクピン542bと係合される。そして、モータ537が回動することで、スライド装飾部材540が、閉状態である初期位置と開状態である動作位置へとスライド動作する。
左スライド装飾部材540a、右スライド装飾部材540bは、それぞれ前面の上部半分に装飾が施され、装飾が施される部分の各中央部に、横方向に長さのある俵型の開口543a、543bが形成される。開口543a、開口543bは、発光部(LED)522a、522bの光を直接視認できるように設けられたものである。
左スライド装飾部材540aと右スライド装飾部材540bが当接する辺であって装飾が施される部分には、スライド装飾部材540が閉状態であっても中央演出部材525を直接視認できるように、円弧型の切り欠き544a、544bが形成される。切り欠き544aと切り欠き544bによって形成される円は、中央演出部材525の外周よりも小さく、ちょうど中央演出部材525の花弁部分を隠して、中央演出部材525の中心部が直接視認できるようになっている。
第2可動役物ユニット550が備える3層からなる固定装飾部571a、567a、552aと、固定装飾部571b、567b、552b、さらに、第3可動役物ユニット600が備える3層からなる固定装飾部571a、567a、552aは、一体となって桜のアーチを形成する。当該アーチは折り重なるように桜花が見えるため、奥行きと情緒のある華やかな演出空間を提供する。
そして、第2可動役物ユニット550の固定装飾部571a、567a、552aと、固定装飾部571b、567b、552bのやや外側に、第2可動役物(上装飾回転体群)580が配置され、第3可動役物ユニット600の固定装飾部571a、567a、552aのやや外側に、第3可動役物(右装飾回転体群)630が配置され、各装飾回転体が一斉に回動するため、桜のアーチに動きを出すことができる。また、後述するように、上装飾回転体群580と右装飾回転体群630が一体となって時計回りに右回転することで、右打ちのタイミングであることを遊技者に報知する。
第4可動役物ユニット650が備える第4可動役物(昇降部材)665(図17参照)及び導光板680(図17参照)のうち、昇降部材665が動作位置にある場合には、表示装置41の前方へと移動する(下降する)。昇降部材665の前面には、意匠性の高い装飾パネル(図示省略)が設けられる。導光板680の発光態様については後述する。
第5可動役物ユニット700が備える三日月を模した第5可動役物720が動作位置にある場合には、表示装置41の前方へと移動し(上昇し)、装飾部730(図32参照)の大半が視認可能となる。
〔第1可動役物ユニット〕
図6は、第1可動役物ユニット500の分解斜視図である。第1可動役物ユニット500は、制御装置ユニット280の下部に位置し、横長の略矩形状のユニットである。
第1可動役物ユニット500は、第1可動役物背面ベース501と第1可動役物前面ベース530を骨格として構成される。
第1可動役物背面ベース501は、背面に第5可動役物720を収容するため、三日月状の円弧をもった収容部501aが形成され、第1可動役物背面ベース501の右端には、第5可動役物720を駆動するモータ706(図32参照)の通過穴501bが形成される。
第1可動役物背面ベース501の前面には、照明基板ベース510が取り付けられ、照明基板ベース510の前面に照明基板520が取り付けられる。照明基板ベース510の裏面には、中央演出部材525の駆動源であるモータ512が取り付けられる。モータ512の出力軸には、ウォームギア513が軸着され、ウォームギア513には、従動ギア514が噛み合わされ、従動ギア514の回転軸515は、照明基板ベース510の通過穴510aと照明基板520の通過穴521aを通過して中央演出部材525に接続される。
照明基板520は、中央演出部材525を収容する矩形の収容部521と、収容部521の両側に形成される左腕部523aと右腕部523bとを備え、左腕部523aには複数の発光部522aが、右腕部523bには複数の発光部522bが設けられる。そして、発光部522を覆うカバー526が照明基板520を挟み込んで前方から照明基板ベース510に取り付けられる。
カバー526には、中央演出部材525を被覆しないように設けられた開口527が中央に形成され、開口527の両側には、各発光部522a、522bに対応する位置に通過穴526a、526bが形成される。
第1可動役物前面ベース530は、第1可動役物背面ベース501を前方より覆う部材であり、照明基板520を収容する膨出部530aを備え、膨出部530aの中央部には、カバー526と同形状の開口531が形成される。
膨出部530aの下方には、スライド装飾部材540を駆動するための左従動ギア535と右従動ギア536を収容するギア収容部530bが形成される。ギア収容部530bは、主動ギア538を通過させる通過穴536bを中央に備え、スライド装飾部材540の駆動源であるモータ537は、ギア収容部530bの裏面に取り付けられる。
通過穴536bの左脇には、左従動ギア535を軸支する軸棒534aが形成され、通過穴536bの右脇には、右従動ギア536を軸支する軸棒534bが形成される。左従動ギア535、右従動ギア536はそれぞれ主動ギア538と噛み合わされる。
左従動ギア535の歯車が形成される面の反対側の外周部の一点には、クランクピン542aと係合されるピン係合部535aが形成される。右従動ギア536も同様である。クランクピン542aは、左スライド装飾部材540aのスライド溝541aにおいて上下に移動可能であり、右スライド装飾部材540bが備えるクランクピン542bも同様である。そして、スライド装飾部材540は、左右の従動ギア535、536の回動によって左右にスライドする(開閉する)。
左スライド装飾部材540aは、上半部に装飾がほどこされ、装飾部の中央に俵型の開口543aが形成される。また、右スライド装飾部材540bと当接する辺には、円弧状の切り欠き544aが形成される。左右対象に形成される右スライド装飾部材540bも同様の形状である。
図7は、第1可動役物500aが初期位置にある第1可動役物ユニット500の正面図である。図8は、同動作位置にある正面図である。
図7に示すように、第1可動役物500aが初期位置にある場合には、左発光部522a、右発光部522bがそれぞれ5個ずつ開口543a、543bを通して露出する。また、左右のスライド装飾部材540a、540bが当接することで、円弧型の切り欠き544a、544bが1個の円環を作り、当該円環を通して中央演出部材525の中心部が露出する。
中央演出部材525は、スライド装飾部材540が閉じている状態(初期位置にある状態)では回転や発光等の演出動作を実行しない場合が多く、スライド装飾部材540が開いている状態(動作位置にある状態)やスライド装飾部材540が連続的に開閉状態となる場合には演出動作を実行することが多い。
第1可動役物500aが動作位置にある場合には、図8に示すように、左右のスライド装飾部材540a、540bが離間するため、中央演出部材525は全て露出する。そのため、中央演出部材525の動作態様がはっきりと視認することができる。一方、左発光部522a、右発光部522bは、一部がスライド装飾部材540に覆われるが開口543a、543bを通して引き続き複数の発光部522が前方より直接視認可能となる。
スライド溝541(左スライド溝541a、右スライド溝541b)は、クランクピン542(左クランクピン542a、右クランクピン542b)の上下量に対応できるように縦に長さ方向をもって形成され、左右の従動ギア535、536が一回転すると、スライド装飾部材540は、初期位置と動作位置を一往復する。
〔第2可動役物ユニット〕
図9は、第2可動役物ユニット550の分解斜視図である。また、図10は、第2可動役物ユニット550の背面図であり、図11は、第2可動役物ユニット550の平面図である。
第2可動役物ユニット550と後述する第3可動役物ユニット600は、桜花を模した装飾が施された固定の装飾部と回転可能な装飾部を備えるユニットである。回転可能な装飾部が装飾回転体であり、各装飾回転体が集合して、上装飾回転体群580、右装飾回転体群630(図12参照)を形成する。
第2可動役物ユニット550は、第2可動役物背面ベース551、第2可動役物中間ベース565、第2可動役物前面ベース570の3個のベース部材を骨格とし、各ベース部材は、いずれも2本の腕をL字にもつ透光性のある部材である。
第2可動役物背面ベース551は、背面にモータ557を備え、前面にギア群560の支持部を備える。縦方向に長さを持つ縦腕の右側面には、最も奥まった位置の装飾部となる1層目の固定装飾部552aが形成され、横方向に長さを持つ横腕の下側面には、同様に固定装飾部552bが形成される。
モータ557は、ギア群560を駆動する駆動源であり、モータ557の出力軸に主動ギア558が軸着される。第2可動役物背面ベース551には、主動ギア558を通過させるギア通過穴556が形成され、主動ギア558は、第2可動役物背面ベース551の前面においてギア通過穴556の近傍に配置されるワークギア561、中間ギア562と噛み合わされる。
第2可動役物背面ベース551の前面に設けられる複数のボスには、スペーサのないボスとスペーサのあるボスが形成され、スペーサのあるボス555は、第2可動役物中間ベース565を取り付けるためのボスである。スペーサのないボス554は、中間ギア562を軸支するボスである。一方、第2可動役物背面ベース551に複数設けられる支持穴553は、ワークギア561の軸部のボスが挿通されてワークギア561を支持するための穴である。
ギア群560は、ワークギア561と中間ギア562とセンサ用ギア563によって構成される。ワークギア561は、装飾回転体の軸部が挿通され、装飾回転体を回動させるギアである。中間ギア562は、ワークギア561の回転方向が揃うように設けられるギアであり、センサ用ギア563は、ギア群560の回動角度をセンサ564が検出できるように設けられたギアである。センサ用ギア563は、一部に切り欠きが設けられた筒状の遮光部563aを備え、センサ用ギアのためのボス554aに軸支される。
図10に示すように、ワークギア561同士の間には、中間ギア562が配置されるため、ワークギア561は、一体となって同方向へ回転する。そのため、ワークギア561によって回動力が伝達される上装飾回転体群580は一斉に同方向へ回転する。
ここで、全てのワークギア561の1回転が揃うにように、全てのワークギア561と中間ギア562の大きさをそれぞれ揃えてもよいし、各ワークギア561の回動量が異なるように各ワークギア561や各中間ギア562の直径を異なるものとしてもよい。例えば、各装飾回転体のうち、装飾部の直径が大きいものほどゆっくり回転するように設定されてもよい。
また、ワークギア561には、治具のピンが挿し込めるように穴561aが設けられる。治具を使ってギアを取り付ける際の位置決めができるため、作業効率の向上が図れる。図10では、センサ用ギア563と噛み合わされたワークギア561の穴561aにのみ符号をふっているが、全てのワークギア561に穴561aが設けられる。また、治具のピンが挿し込めるように穴は、ワークギア561に限られず、遊技機10において用いられる全ての種類の平歯車に設けられてもよい。
スペーサのあるボス555を介して第2可動役物背面ベース551に取り付けられる第2可動役物中間ベース565は、背面にギア群560を収容し、前面にLED基板568を備える。LED基板568は、配線566の経路上にLEDが設けられ、LEDによって上装飾回転体群580を後方より照らすことができる。配線566は、導電性部材のシルク印刷によって形成され、配線566のプリントに基づいて同一基板上におけるLEDの点灯制御のグルーピング一目でわかるようになっている。
第2可動役物中間ベース565の縦腕の右側面には、2層目となる固定装飾部567aが形成され、横腕の下側面には、同様に固定装飾部567bが形成される。
第2可動役物中間ベース565の前面には、第2可動役物前面ベース570が取り付けられる。第2可動役物前面ベース570の縦腕の右側面には、3層目となる固定装飾部571aが形成され、横腕の下側面には、同様に固定装飾部571bが形成される。
さらに、第2可動役物前面ベース570の前面には、装飾回転体の支持軸を挿通する3種類の高さのスペーサ部が形成される。スペーサ部は、高さの低い順に、第1スペーサ部572、第2スペーサ部573、第3スペーサ部574に分けることができる。
上装飾回転体群580の各装飾回転体は、回転面の高さによって3層に分かれて第2可動役物ユニット550に取り付けられる。図11に示すように、上装飾回転体群580の最上層(3層目)は、装飾回転体581a、581b、581c、581d、581eによって構成される。上装飾回転体群580の中間層(2層目)は、装飾回転体583a、583b、583c、583d、583e、583fによって構成される。上装飾回転体群580の最下層(1層目)は、装飾回転体585a、585b、585c、585d、585e、585f、585gによって構成される。
最上層(3層目)の装飾回転体のうち、小径の装飾回転体581dは、上述の第2スペーサ部573に挿通され、それ以外の装飾回転体581a、581b、581c、581eは、第3スペーサ部574に挿通される。また、中間層(2層目)の装飾回転体583a、583b、583c、583d、583e、583fは、第1スペーサ部572に挿通される。最下層(1層目)の装飾回転体585a、585b、585c、585d、585e、585f、585gは、第2可動役物前面ベース570に形成される挿通穴575に挿通される。
これら装飾回転体は、前後方向(奥から手前へ)や上下方向に分散させて配置されるため、それぞれの装飾回転体がぶつかりあうことがなく、スムーズに回転させることができる。
〔第3可動役物ユニット〕
図12は、第3可動役物ユニット600の分解斜視図である。また、図13は、第3可動役物ユニット600の平面図である。
第3可動役物ユニット600は、第3可動役物背面ベース601、第3可動役物中間ベース615、第3可動役物前面ベース620の3個のベース部材を骨格とし、各ベース部材は、いずれも縦方向に長さをもつ略三角形状の透光性のある部材である。
第3可動役物背面ベース601は、背面にモータ607を備え、前面にギア群610の支持部を備える。また、第3可動役物背面ベース601の背面には、一般入賞口35に入賞した遊技球を排出するための流路である排出流路640が取り付けられ、第3可動役物背面ベース601の右上部には、排出流路640の上口641を通過させる通過穴601bが形成される。また、第3可動役物背面ベース601の左側面には、最も奥まった位置の装飾部となる1層目の固定装飾部602が形成される。
モータ607は、ギア群610を駆動する駆動源であり、その出力軸に主動ギア608が軸着される。第3可動役物背面ベース601には、主動ギア608を通過させるギア通過穴601aが形成され、主動ギア608は、第3可動役物背面ベース601の前面においてギア通過穴601aの近傍に配置されるワークギア611、中間ギア612と噛み合わされる。
第3可動役物背面ベース601の前面に設けられる複数のボスには、スペーサのないボスとスペーサのあるボスが形成され、スペーサのあるボス605は、第3可動役物中間ベース615を取り付けるためのボスである。スペーサのないボス604は、中間ギア612を軸支するボスである。一方、第3可動役物背面ベース601に複数設けられる支持穴603は、ワークギア611の軸部のボスが挿通されてワークギア611を支持するための穴である。
センサ用ギア613は、ギア群610の回動角度をセンサ609が検出できるように設けられたギアである。センサ用ギア613は、一部に切り欠きが設けられた筒状の遮光部を備え、センサ用ギアのためのボス604aに軸支される。
スペーサのあるボス605を介して第3可動役物背面ベース601に取り付けられる第3可動役物中間ベース615は、背面にギア群610を収容し、前面にLED基板619を備える。LED基板619は、配線617の経路上にLEDが設けられ、LEDによって右装飾回転体群630を後方より照らすことができる。配線617は、導電性部材のシルク印刷によって形成され、配線617のプリントに基づいて同一基板上におけるLEDの点灯制御のグルーピングが一目でわかるようになっている。
第3可動役物中間ベース615の左側面には、2層目となる固定装飾部618が形成され、第3可動役物中間ベース615の右上部には、排出流路640の上口641を通過させる通過穴616が形成される。
第3可動役物中間ベース615の前面には、第3可動役物前面ベース620が取り付けられる。第3可動役物前面ベース620の左側面には、3層目となる固定装飾部621が成される。第3可動役物前面ベース620の右上部には、排出流路640の上口641を収容する収容部624が形成され、収容部624の前面には装飾が施される。収容部624の左脇には、一般入賞口35に入賞した遊技球を通過させる通過口622が設けられ、排出流路640へと遊技球を通過させる。
排出流路640は、下口643において球排出ユニット450の一般入賞流路下排出部451(図4参照)に接続している。
第3可動役物前面ベース620の前面には、装飾回転体の支持軸を挿通する2種類の高さのスペーサ部が形成される。スペーサ部は、高さの低い順に第1スペーサ部625、第2スペーサ部626に分かれる。
右装飾回転体群630の各装飾回転体は、回転面の高さによって3層に分かれて第3可動役物ユニット600に取り付けられる。図13に示すように、右装飾回転体群630の最上層(3層目)は、装飾回転体631a、631b、631cによって構成される。右装飾回転体群630の中間層(2層目)は、装飾回転体633a、633b、633cによって構成される。右装飾回転体群630の最下層(1層目)は、装飾回転体635a、635bによって構成される。
最上層(3層目)の装飾回転体631a、631b、631cは、第2スペーサ部626に挿通される。また、中間層(2層目)の装飾回転体633a、633b、633cは、第1スペーサ部625に挿通される。最下層(1層目)の装飾回転体635a、635bは、第3可動役物前面ベース620に形成される形成される挿通穴627に挿通される。
このように、第2可動役物ユニット550及び第3可動役物ユニット600には、3層の固定装飾部と3層の装飾回転体が設けられることで、合計6層の桜花のアーチが形作られ、奥行きのある絢爛な空間を提供することができる。
〔タイムチャート〕
次に、第2可動役物(上装飾回転体群)550aと第3可動役物(右装飾回転体群)600aの動作タイミングについて説明する。図14は、第2可動役物550a及び第3可動役物600aの動作タイミングの一例を説明するタイムチャートである。図15は、第2可動役物550a及び第3可動役物600aの動作タイミングの別例を説明するタイムチャートである。
図14、図15ともに、時刻T1でファンファーレ演出が開始し、時刻T2でファンファーレ演出が終了するとともに大当り遊技が開始される。時刻T3では、大当り遊技が終了するとともにエンディング演出が開始され、時刻T4では、エンディング演出が終了するともに、電サポ(普電サポート状態、特定遊技状態)が開始される。また、モータのCWは、Clock Wise(時計回り)を意味し、CCWは、Counter Clock Wise(反時計回り)を意味する。第2可動役物のモータ557がCWへ切り替わると、第2可動役物550aが一斉に時計回りに回動する。また、第3可動役物のモータ607がCWへ切り替わると、第3可動役物600aが一斉に時計回りに回動する。
図14に示すタイムチャートは、第2可動役物550aと第3可動役物600aの動作設定の一例である。ここでは、ファンファーレ開始(T1)から大当り遊技終了(T3)まで第2可動役物550aと第3可動役物600aが時計回りに回動し、エンディング開始(T3)とともに可動を一旦止め、その後電サポ開始(T4)とともに再び時計回りに回動する。
このような動作設定により、右打ちする全ての時間において第2可動役物550aと第3可動役物600aを一体として時計回りに回動させることができる。
ただし、第2可動役物550a及び第3可動役物600aは、回動部が多いこともあり、回動時間が長いとその分発熱も大きなものとなるため、故障の発生する可能性が生じる。そこで、第2可動役物550aと第3可動役物600aの可動を適宜停止する設定も設けられる。
図15に示すタイムチャートは、第2可動役物550aと第3可動役物600aの動作設定の別例である。ここでは、ファンファーレ開始(T1)からファンファーレ終了(T2)まで第2可動役物550aと第3可動役物600aが時計回りに回動する。その後、大当り遊技の開始(T2)を境に、第2可動役物550aは、両端矢印W1で示す1単位の時間ごとに回動と停止を繰り返し、第3可動役物600aは、両端矢印W2で示す2単位の時間ごとに回動と停止を繰り返す。W1は、例えば、各装飾回転体が1回転する期間であり、W2は、例えば、各装飾回転体が2回転する期間である。なお、各可動役物の動作量について期間で設定するのではなく、ステッピングモータが所定のステップ数分(パルス数分)CWまたはCCWであるとOFFへ切り替えるように設定されてもよい。
ここで、遊技領域32の右側に配設される第3可動役物600aの停止期間を短くすることで、遊技者に狙ってほしい遊技領域32が大入賞口や普通変動入賞装置37の第2始動入賞口が右側の遊技領域32であることを強調することができる。
図16は、電サポ後の第2可動役物550aと第3可動役物600aの動作タイミングの一例を説明するタイムチャートである。時刻T3でエンディング演出が終了し、時刻T4で電サポが開始する。時刻T5では、所定演出が開始される。所定演出は、例えば、SPリーチであり、あるいは、擬似連を含む連続予告演出等の変動表示ゲームの期待度を報知する演出である。また、所定演出は、例えば、大当りとなる確率が変動した等の大当り確率に関する演出であってもよいし、遊技ポイントの使用や他の遊技機との連動による外的要因を起点とする演出であってもよく、所定演出は表示装置41に表示されるものではなくてもよい。
大当り遊技中は、第2可動役物550aと第3可動役物600aがそれぞれ回動し、大当り遊技が終了する時刻T3からエンディングが終了する時刻T4まで第2可動役物550aと第3可動役物600aが一旦停止する。その後、時刻T4において電サポ(特定遊技状態)が開始され、第2可動役物550aと第3可動役物600aは再び回動するが、時刻T4から所定演出が開始される時刻T5までの期間は、W1やW2よりも長い期間であるW3の期間、第2可動役物550aと第3可動役物600aは繰り返し停止する。その後、時刻T5において所定演出が実行されると、第2可動役物550aと第3可動役物600aは、所定の回動量(例えば、1単位であるW1の回動期間)に達する前に回動を停止する。
大当り遊技状態よりも電サポ状態(普電サポート状態、特定遊技状態)の方が遊技におけるトータルの時間が長いため、電サポ中の停止期間を長くすることで、各可動役物の寿命を長くすることができる。また所定演出が実行される場合は、所定の回動量に達する前に各可動役物を停止することで、遊技者の意識を第2可動役物550aと第3可動役物600aから所定演出へ向けることができる。
第2可動役物550aと第3可動役物600aが所定演出の一環として可動する場合は、変動開始時点から両可動役物550a、600aが停止することで、両可動役物550a、600aは所定演出から動作可能となる。また、両可動役物550a、600aが変動開始時から停止することで、両可動役物550a、600aが予告演出の役割も備えることができ、より遊技者の意識を予告演出に注目させることができる。つまり、今まで定期的に可動していた可動役物が可動しなくなることで、遊技者に特別感を認識させることができる。
なお、両可動役物550a、600aを所定演出の一環として可動する場合において、例えば、トラブルによってセンサ用ギア563又はセンサ用ギア613がセンサ564、609によって初期位置を検出できる回動位置にない場合には、両可動役物550a、600aを今回の所定演出に対応して可動させずに停止したままの状態にしてもよい。
〔右打ち指示〕
図17は、右打ち期間と第2可動役物550aと第3可動役物600aの動作を説明する遊技盤30の正面図である。ここでは、第2可動役物550aと第3可動役物600aの各装飾回転体を半透明な円で表すとともに、各装飾回転体の回転方向や装飾発光が波状に伝播して発光する方向を太い矢印で示している。また、表示装置41における表示は実線で示しているが、遊技盤30の各構成部は破線で示している。
表示装置41の中央表示領域260では、特別図柄が3個とも変動中であり、下部表示領域265には、4個の始動記憶が表示されている。また、上部左側表示領域262には、「あと77回」と電サポ期間の残り変動回数が表示され、上部右側表示領域263には、「右打ち→」と右打ちタイミングであることが表示されている。
当該電サポ期間では、第2可動役物550aと第3可動役物600aが一斉に時計回りに回動するため、遊技者に右打ちのタイミングであることを直接的に理解させることができる。さらに、第2可動役物550a、第3可動役物600aが備える各LEDが左から右へと円弧を描いて波状に流れるように発光するため、遊技者に右打ち時の爽快感を与えることができる。右打ち時に左から右へと流れるように発光する演出は、遊技盤30に設けられるLEDや装飾装置18a、18bによって実行されてもよい。
また、上部右側表示領域263の「右打ち→」の表示との相乗で、遊技盤30の半分以上の面積を使った大掛かりな右打ち指示を表現することができ、右打ち指示を引き立てることができる。さらに、ランプ表示装置80に、大当り遊技状態や電サポ状態時に、つまり右打ち時に点灯や点滅する新たなLEDを設けて当該LEDの発光態様によって右打ちを報知してもよい。
なお、右打ちとなるタイミングの少し前から第2可動役物550aと第3可動役物600aは、時計回りに回動してもよく、これにより、遊技者は右打ちタイミングを逃さずに左打ちから右打ちへ変更することができる。第2可動役物550aと第3可動役物600aが異なるタイミングで動作可能であることは上述のとおりである。
〔第4可動役物ユニット〕
図18は、第4可動役物ユニット650の分解斜視図である。第4可動役物ユニット650は、昇降部材665を昇降させる昇降ユニット660と導光板680が固定される導光板ユニット670を備え、このうち昇降部材665が第4可動役物650aをなす。
第4可動役物ユニット650は、第4可動役物背面ベース651と第4可動役物前面ベース671を骨格として構成される。
第4可動役物背面ベース651は、門型のベースであり、上辺部651a、左辺部651b、右辺部651cを備える。上辺部651aと右辺部651cの基部となる第4可動役物背面ベース651の右上部には、第4可動役物650aを駆動するモータ652が設けられる。また、上辺部651aには、モータ652の動力をリンク部材656に伝達する複数のギア653、654が設けられる。
リンク部材656は、長さの等しい2本のアーム657を備え、アーム657の回動によって支持部材661を昇降させる。支持部材661は、5本の指部662a〜662eを備え、昇降部材665が備える収容部666に各指部662a〜662eが収容される。さらに、支持部材661が備える一対の係合部661b、661cは、第4可動役物前面ベースに設けられるピン673a、673bにそれぞれ係合されて、第4可動役物前面ベースによって支持部材661は前面側より支持される。
昇降部材665は、支持部材661によって背面側から支持され、前面側には装飾をほどこされた意匠部(図示省略)が設けられる。ここまで第4可動役物ユニット650が備える昇降ユニット660について説明した。
次に、第4可動役物ユニット650が備える導光板ユニット670について説明する。導光板ユニット670は、主として第4可動役物前面ベース671と導光板680によって構成される。
第4可動役物前面ベース671は、上辺部671a、左辺部671b、右辺部671c、下辺部671dからなる略矩形のベースであり、表示装置41の画像を視認可能なように開口671eを備える。上辺部671aには、支持部材661を前面から支持するとともに支持部材661がスライド移動可能な円弧状の一対のスライド溝672が形成され、左スライド溝672aにはピン673aが、右スライド溝672bにはピン673bが移動可能に係合される。
導光板680は、透光性の支持部材674a、674bを介して第4可動役物前面ベース671の開口671eを覆うように第4可動役物前面ベース671の内側に取り付けられる。支持部材674bと導光板680の間には、LED基板672が挟み込まれる。LED基板672は、導光板680を側面端部から照射するLED675(図24参照)が複数設けられた基板である。また、上辺部671aと下辺部671dにもLED基板(図示省略)が設けられ、縦方向からの端部入射も可能となっている。
なお、導光板680を取り付ける第4可動役物前面ベース671には一定の厚みがあるため、導光板ユニット670には2枚目の導光板(第2導光板)683(図26参照)を設けることができる。
〔昇降ユニット〕
図19は、昇降ユニット660が初期位置にある昇降ユニット660の背面図であり、図20は、同動作位置にある背面図である。また、図21は、昇降ユニット660が初期位置にある第4可動役物背面ベース651の背面図であり、図22は、同動作位置にある背面図である。
まず、各ギアの構成から説明する。昇降ユニット660を構成する各ギアのうち、従動ギア654aは第1アーム675aの回動基底部に設けられるギアであり、従動ギア654bは、第2アーム675bの回動基底部に設けられるギアである。そのため、従動ギア654aが回動することによって、第1アーム657aが回動し、従動ギア654bが回動することによって第2アーム657bが回動する。
従動ギア654aは、モータ652の出力軸に軸着された主動ギア653と噛み合わされる。従動ギア654aと従動ギア654bの間には、3個の従動ギア655が設けられ、モータ652の駆動力はこれら各ギアを伝って従動ギア654bへ伝達される。
次に、リンク部材656の2本のアーム657について説明する。第1アーム675aは円弧状のスライド溝658aを備え、第2アーム675bも同様にスライド溝658bを備える。スライド溝658aにはピン659aが、スライド溝658bにはピン659bが係合され、ピン659a、659bは、支持部材661を移動可能に支持する。また、第1アーム657aの先端部に設けられる係合部657cと、第2アーム657bの先端部に設けられる係合部657dも支持部材661を回動可能に支持する。アーム657は、たとえるなら剣状に形成された部材であり、スライド溝658はちょうど鍔の部分に形成される。
そして、モータ652の駆動力によってアーム675が下方へと回動すると、図19から図22に示すように、支持部材661はリンク部材656に支持されたまま下方へ下降し、支持部材661に取り付けられた昇降部材665も下降する。
続いて、支持部材661について説明する。支持部材661には、遮光リブ661aが形成され、センサ668の検出光を遮光することで、昇降ユニット660が初期位置にあることを遊技機10は検出する。また、支持部材661の上部には、一対の係合部661b、661cが形成され、係合部661b、661cは、スライド溝672a、672bに係合されるピン673a、673bと接続されて、支持部材661は第4可動役物前面ベースに移動可能に支持される。
また、支持部材661の各指部662aから662eには、LED669が設けられて、昇降部材665を後方より照明する。上述のとおり、昇降部材665は、収容部666a〜666eに指部662a〜662eを収容して昇降ユニット660に取り付けられる。
このような構成によって昇降部材665は、初期位置と動作位置とを移動する(昇降する)。
〔導光板〕
次に、導光板680について説明する。図23は、導光板680の発光態様の一例を説明する図である。また、図24は、導光板680の拡大断面図であり、図25は、導光板680の別例の拡大断面図である。
図23に示すように、導光板680は、端部より入射された光の一部が前方へ反射することで、反射光が模様等として浮かび上がるように前方から視認できる。従来、一般に作成される導光板は、内部で全反射が起こるアクリル樹脂板やポリカーボネート樹脂板等の板面の表面に対しレーザーで切削加工を施すことで、側面からの入射光の一部を加工部から出光させるものであった(切削導光板)。
これに対して、本願発明では、板面にドット印刷をすることで、当該ドット部を屈折部(反射部、発光部)としてドット部の反対側から出光させる印刷導光板を採用する。印刷導光板は、例えば、アクリル板へのインクジェット技術によって実現され、切削導光板と比較して、導光板自体を薄くできる。また、インクの粒子が数十μm(マイクロメートル)であるため、屈折部(反射部、発光部)の微細な作り込みが可能であり、側面からの入射光がない時の発光パターンが見え難いというメリットもある。さらに、入射光が白色であればインクの色によって自然な発色がもたらされ、複数の色のインクを用いることでカラフルな発光が可能である。加えて、レーザー加工用の印刷版や金型が不要であることから切削導光板よりも低コストである。
図24は、印刷導光板内の反射を説明する図である。導光板内への照射手段であるLED675は、LED基板674に設けられるLEDである。屈折部681は、ドットの1個を表している。
空気の屈折率が1.00であるのに対して、アクリル樹脂は1.49〜1.53、ポリカーボネート(PC)樹脂は1.59であり、屈折部681を形成するインクの屈折率もアクリル樹脂、PC樹脂に近似する屈折率をもつ。
図24に示すポイントAは、導光板680から屈折部681へLED672の入射光が入射し、屈折部内部で反射している箇所である。ポイントAでは、複数の方向への反射が発生し、このうち、導光板680を介してさらに前方へと出る光を実線、短破線、長破線として示している。特に、導光板680の表面に対して90°で進む実線または長破線の光はそのままほとんど全てが前方の遊技者側へ出ていくことになる。
このように、導光板680に設けられる発光パターンは、凸状の屈折部681の面的な集合によって形成される。
ここで、導光板680の端面に設けられる照射手段は、可視光の照射を目的としたLED等に限定されず、例えば、長波長の紫外線を照射するブラックライトであってもよく、この場合、屈折部681は、例えば、長波長の紫外線によって発光する蛍光塗料によって形成される。
また、屈折部681に用いるインクは、紫外線によって色が変化するフォトクロミック顔料であってもよいし、熱によって色が変化するサーモクロミック顔料であってもよい。そして、照射手段は、LED、導光した自然光(室内光)、ブラックライトの組み合わせでもよいし、屈折部681に用いるインクは、フォトクロミック顔料、サーモクロミック顔料又は鉱物等の顔料インク、染色系インク、蛍光塗料を任意に用いることができる。
また、導光板680は、表示装置41の前面を覆うような配置だけでなく、遊技盤30の前方全面を覆うような配置でもよいし、ガラス枠15そのものが導光板であってもよい。
図25は、印刷導光板の別例であり、屈折部681を覆うように防護部材682が設けられる。屈折部681の内面で前方へ反射する長破線の光がある一方、屈折部681から外側へ出る実線の光もあるが、実線の光は防護部材682によって前方へ反射されるため、屈折部681、導光板680を通過して遊技者側へと出光することになる。そのため、防護部材682が設けられる図25に示す導光板680では、より高い輝度を得ることができるとともに、遊技者側の反対側へ進んだ光が他所で散乱することによるコントラストの低下を防止できる。
防護部材682は、液晶ディスプレイの製造技術として確立されている屈折部681の上からの塗布もしくは蒸着によって形成される。なお、防護部材682は層状に形成されるものであるが、その反射面は、必ずしも導光板680の裏面に対して精緻な平行面である必要はない。
図26は、2枚の導光板が設けられる場合を説明する図である。図27は、2枚の導光板の正面図である。
図26に示すように、1枚目の導光板(第1導光板)680は、横からの入射光によってエフェクトが浮かびあがり、縦から(下から)の入射光によってキャラクタが浮かびあがる。例えば、入射光の色(波長)に対応して反射するインクを用いることにより、横からの入射光が縦からの入射光と異なる波長の光が入射光で入射されることで、異なる模様を浮かび上がらせることができる。
図27(A)に示すように、第1導光板680は、縦と横からの入射光があると、エフェクトとキャラクタが浮かびあがる。第1導光板680は、例えば、リーチからの演出に移行するときに発光し、当該タイミングにおいて第1導光板680の右上の領域には、表示装置41に表示される図柄変動が視認可能である。なお、第1導光板680の発光態様は、エフェクトとキャラクタが同時に発光してもよいし、一方のみが発光してもよい。
図26、図27に示すように、第2導光板683は、横からの入射光によって複数の星模様が浮かびあがる。第2導光板683は、例えば、期待度の高い場面で発光し、当該タイミングにおいて第2導光板683の右上の領域には、表示装置41に表示される打ち方の指示が視認可能である。ほかにも遊技モードが変化するタイミングや遊技状態の変化するタイミング等で発光してもよく、表示装置41の右上の領域に表示される画像は、右打ち指示に限られず、図柄やアイコン、始動記憶表示等であってもよい。
ところで、端部の一部のみからの入射光であれば、導光板に浮かびあがる部分も一部となる。そのため、導光板へ入射する各LED675の発光、非発光を制御することで、例えば、順に導光板に模様を浮かびあがらせることができる。
図28は、LED675を縦方向に順次発光させる場合の発光態様を説明する第1導光板680の正面図である。図28の(A)から(C)は、LED675を上から順次発光させる場合であり、(S)から(T)は、LED675を上下の端部から中央部へ順次発光させる場合である。
(A)は、3個の特別図柄が表示装置41の中央表示領域260で変動中であり、最上部のLED675が発光したことで入射光L1が第1導光板680に入射された状態である。ここでは、入射光L1によって、中央で変動中の特別図柄の上方にエフェクトの上部のみが浮かびあがる。
(B)は、表示装置41の中央表示領域260において特別図柄がリーチ態様となり、上から2個目のLED675も発光したことで入射光L1とL2が第1導光板680に入射された状態である。ここでは、L1とL2の入射光によって、中央でリーチ状態の上方でエフェクトの上部と中部が浮かびあがっている。そのため、中央で変動中の特別図柄にエフェクトが重なることがないので、特別図柄の視認を妨げない。
(C)は、表示装置41の上部右側表示領域263に変動中の特別図柄が小さく表示されるとともに、中央表示領域260に「ちゃんす」と表示され、上から3個目のLED675も発光したことで入射光L1からL3が第1導光板680に入射された状態である。ここでは、L1からL3の入射光によって、エフェクトの全てが浮かびあがっている。
このように、LED675を順次点灯させることで、第1導光板680の浮かびあがる発光領域を徐々に拡大することができ、これまでの全部発光とは違う発光態様によって遊技者に期待感を与えることできる。また、LED675を順に消灯することで発光領域を縮小させることもできる。さらに、発光領域を変化させるにあたって複数枚の導光板を用意しなくてもよく、より多彩で動きのある演出が可能となる。
(S)は、上部右側表示領域263に「右打ち→」が小さく表示されるとともに、最上部のLED675と最下部のLED675が発光したことで入射光L1とL4が第1導光板680に入射された状態である。ここでは、L1とL4の入射光によって最上部の列の星と最下部の列の星が発光している。
(T)は、さらに、上から2番目のLED675と上から3番目のLED675が発光したことで入射光L1からL4が第1導光板680に入射された状態である。ここでは、L1からL4の入射光によって全列の星が発光している。そのため、星模様が表示装置41の前方全面を覆い、ちょうど表示装置41の表示画面を覆い隠すシャッターのような機能を果たす。
ここでは、上部と下部から中央へ向かってシャッターが閉じるような発光態様を説明したが、シャッター様の発光態様は、左右から中央へ向かう態様でもよく、上下左右の一側部から他側部へ向かうような態様でもよい。このように、可動役物を設けてシャッター演出をしなくても、第2導光板683によってシャッター様の演出ができるため、省スペース、省電力、低コストの構成によってシャッター機能を実現することができる。
図29は、LED675を横方向に順次発光させる場合の発光態様を説明する第2導光板683の正面図である。
(A)は、1個目の始動記憶の発生に基づいて、1個目のLED675が発光して始動記憶表示M1が浮かびあがった状態である。始動記憶表示M1は、第2導光板683の発光のみによって表示されてもよいし、表示装置41に表示される始動記憶表示と第2導光板683の発光が重なる(または輪郭を強調する)様な表示であってもよい。
(B)は、2個目の始動記憶の発生に基づいて、2個目のLED675が発光して始動記憶表示M2が浮かびあがった状態である。
このように、始動記憶表示を導光板によって表示することで、導光板特有の幽玄な雰囲気の発光演出が可能となる。当然に、先読み表示のみを導光板の発光で表示してもよいし、先読み演出も含めて始動記憶の表示全てを導光板の発光で表示してもよい。先読み演出の態様としては、導光板の発光によって始動記憶を点滅させたり、グラデーションをかけた表示としてもよいし、入射光の色が変化することで導光板の発光色が変化してもよい。
ここでは、導光板によって始動記憶表示を横方向に順次表示する態様を説明したが、始動記憶表示は縦方向に表示されてもよい。
また、導光板による横方向に順次表示する例として始動記憶表示を挙げたが、アイテムやキャラクタ等の表示であってもよい。さらには、複数枚の導光板が必要となることが想定されるが、同一箇所に浮かびあがる模様が変化することで、パラパラ漫画のようにキャラクタの動きを導光板で表現することも可能である。
図30は、導光板680に設けられる屈折部681の大きさを説明する図である。(A)は光源から近い右側の一部を拡大した図であり、(B)は光源から離れた左側の一部を拡大した図である。
光源に対して手前に設けられる屈折部681が入射光の一部を全反射から解放してしまうため、光源から離れるほど、入射光が減衰する。そのため、(A)に示すように、光源から離れた場所ほど、あるいは、屈折部が光源側に設けられている場所ほど屈折部681を密に設けることで、減衰した入射光であってもより多くの入射光を屈折可能である。
また、(B)に示すように、光源に近い場所ほど、あるいは屈折部が光源側に設けられていない場所ほど屈折部681を疎らに設けることで、入射光の多くを下流側へ供給するようにする。
ここで、屈折部681を密に設ける場所ほど屈折部681の1個1個の大きさを小さくしているが、単に密度の変化のみでもよく、屈折部681の大きさは均一でもよい。
このように、入射光の減衰量に応じて屈折部681の密度や大きさを変化させることで、導光板680全体として均等な発光が可能となる。
図31は、第2導光板683が全面発光している状態における遊技盤30の正面図である。
図31に示す遊技状態は電サポ状態であり、上部左側表示領域262には、「あと77回」と残り電サポ回数が表示されている。また、上部右側表示領域263には、「右打ち→」と右打ち指示が表示されている。さらに、上装飾回転体群580と右装飾回転体群630が時計回りに回転し、太矢印で示すようにLEDが波状に流れるように左側から右下へと円弧を描いて発光するため、遊技盤30全体として右打ちタイミングであることを報知している。
このように複数の右打ち指示表示(上部右側表示領域263の右打ち指示、装飾回転体の回転方向による右打ち指示、LEDの発光の流れによる右打ち指示)によって明確な右打ち指示により、初心者でも右打ちのタイミングが容易に把握可能となり、通常打ちと特別打ちの打ち方の間違えによる無駄球を抑制することができる。
そして、表示装置41では3個の特別図柄が変動中であるが、直前においてちょうど期待度の高い画面演出が終わったため、第2導光板683がシャッターとして表示装置41に表示された画面演出に区切りをつけるように発光した状態である。
このように、第2導光板683によってシャッターが表示されつつ、表示装置41で特別図柄の変動を表示することで、シャッターが画面演出に一旦区切りを入れつつ、導光板の透光性によって表示装置41に表示される特別図柄の変動を遊技者に視認させることできる。
また、第2導光板683の右上領域には屈折部が設けられないため、表示装置41の上部右側表示領域263に表示される右打ち指示表示が、シャッターの表示中であってもシャッターと重ならず、常に打ち方表示が遊技者に視認可能となっている。
導光板の一部の領域に発光パターンが設けられないことで、導光板によって長い演出を実行しても遊技者が表示装置41に表示される画像を視認可能であるため、表示装置41の表示画面を遊技者が誤認しない。
[本願発明の一形態]
ここまで説明した導光板に関する発明として以下の発明を挙げることができる。
(1)遊技に関する演出を表示可能な表示装置と、前記表示装置の前方に配設され、端面より内部に入射される光によって発光する発光パターンを備える透明な導光板と、前記導光板の端面と対向するように配設され、当該導光板の内部に光を照射することが可能な照射手段と、前記照射手段から光を照射させて前記導光板の発光パターンを発光させることが可能な導光板制御手段と、を備え、前記発光パターンは、前記導光板の表面に設けられる凸状の屈折部の面的集合によって形成されることを特徴とする遊技機。
(2)前記照射手段は、複数の照射部を備え、前記導光板制御手段は、前記照射部を順次点灯及び順次消灯することで、前記発光パターンの発光領域が拡大又は縮小するように制御可能であることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記表示装置は、所定の表示領域に遊技に関する特定の情報を表示可能であり、前記発光パターンは、正面視で前記所定の表示領域と重ならないように形成され、前記特定の情報が表示されると、前記表示装置の外周部に配置された可動役物が動作することを特徴とする(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)前記照射手段は、前記導光板の端面の横方向及び縦方向に配設され、前記導光板は、前記横方向の照射手段の光によって一の発光パターンが発光し、前記縦方向の照射手段の光によって前記一の発光パターンとは異なる発光パターンが発光することを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)前記導光板制御手段は、前記照射手段の一側部の照射部から他側部の照射部へと順に照射部を点灯または消灯することが可能であり、また、前記照射手段の中央部の照射部から隅部の照射部へと順に照射部を点灯または消灯することが可能であることを特徴とする(2)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(6)予め定めた始動条件の成立に基づきゲームを実行し、該ゲームの結果に基づき所定の遊技価値を付与することが可能であり、前記始動条件の成立に基づいて取得した前記ゲームの実行権利を始動記憶表示として前記導光板に発光可能であることを特徴とする(2)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機。
(7)前記屈折部は、前記導光板にプリントされたインクであり、前記インクに供給される熱または紫外線によって前記インクの色が変化することを特徴とする(1)から(6)に記載の遊技機。
〔第5可動役物ユニット〕
図32は、第5可動役物ユニット700の分解斜視図である。モータ706の駆動力によって第1アーム710が回動すると、第5可動役物720が昇降する。第1アーム710は動力伝達部に該当し、昇降ベース721は可動部に該当する。また、カバー730は装飾部に該当する。
第5可動役物ユニット700のベース部材となる第5可動役物ベース701は、略矩形のベース部材であり、第5可動役物720をガイドするスライド溝702、703が中央部に設けられる。また、第5可動役物ベース701は、第5可動役物720が初期位置にあることを検出するセンサ704が左下部に設けられ、第1アーム710を軸支する軸705が右下部に設けられる。
第1アーム710は、軸受712において軸705に軸支される「く」の字状のアームである。軸受712が設けられる第1アーム710の基底端部には、主動ギア707と噛み合わされる従動ギア711が形成され、ギア部710bをなす。第1アーム710は、アーム部710a、ギア部710b、アーム先端部710cからなり、アーム先端部710cには、ピン713がスライド可能に嵌め込まれたスライド溝714が形成される。
ピン713は、昇降ベース721に設けられる係合部724に係合され、昇降ベース721を支持する。昇降ベース721は、3本足で支持される三日月状のベース部材であり、前面にLED基板722を備える。LED基板722には、配線723が設けられ、配線723の経路上にLED723aが設けられる。配線723は、同一基板上におけるLEDの点灯制御のグルーピングが一目でわかるように導電性部材によってLED基板722にシルク印刷される。
また、昇降ベース721には、ガイド726(図34参照)とスライド可能に係合されるスライド部725、ピン713と係合される係合部724、スライド溝703と係合される係合部721aが設けられる。
昇降ベース721の前面には、装飾が施されたカバー730が取り付けられ、LED723aによってカバー730が照らし出される。
図33は、第5可動役物720が初期位置にある第5可動役物ユニット700の正面図であり、図34は、同動作位置にある正面図である。
第5可動役物720が初期位置にある場合、昇降ベース721に設けられる遮光リブ725aがセンサ704の検出光を遮光するため、遊技機10は、第5可動役物720が初期位置にあることを検出する。
そして、モータ706の駆動力によってギア部710bが時計回りに回動すると、第1アーム710の時計回りの回動によって、第5可動役物720が右斜め上方へと上昇する。
〔第5可動役物ユニットの別例〕
次に第5可動役物ユニット700の別例について説明する。第5可動役物ユニット700の別例では、第5可動役物720が上昇して第1状態となった後にカバー(装飾部)730が起き上がる様に回動して第2状態となる。ここでは、第1アーム710及び第2アーム740は動力伝達部に該当し、昇降ベース721は可動部に該当する。また、カバー730は装飾部に該当する。
図35は、第5可動役物720が初期位置にある別例の第5可動役物ユニット700の正面図であり、図36は、同第1状態にある正面図、図37は、同第2状態にある正面図である。図38は、第2アーム740のアーム先端部740cの形状の一例を説明する図である。
別例の第5可動役物ユニット700は、第1アーム710によって第5可動役物720が上昇する第1状態を経て、第2アーム740によって第5可動役物720が約25度時計回りに回動した位置である第2状態へと動作可能である。
図35に示すように、別例の第5可動役物ベース701には、第2アーム740が取り付けられる。第2アーム740は、第1アーム710と同様に、アーム部740a、ギア部740b、アーム先端部740cからなり、ギア部740bに設けられるギア741は、第1アームのギア711と噛み合わされる。
昇降ベース721の下面には、リブ725bが形成され、リブ725bにはスライド溝727が設けられる。スライド溝727には、係合部721aがスライド可能に係合される。
図36、図37に示すように、モータ706の駆動力によって第1アーム710が時計回りに回動すると、第2アーム740が反時計回りに回動してアーム先端部740cが係合部721aに当接する。このとき、アーム先端部740cがピン713及び係合部724を押し込みきるまで昇降ベース721が上昇する。なお、アーム先端部740cがピン713及び係合部724を押し込み始めると、昇降ベース721の移動量が規制されてもよい。
さらに、第2アーム740の回動によってアーム先端部740cが係合部721aを左方へ押し込むことで、第5可動役物720は、第5可動役物720の裏面側中央付近に設けられる回動軸(図示省略)を中心に時計回りに回動し、ちょうど三日月状の装飾部730が起き上がる第2状態へ変換される。このとき、第1状態では、昇降ベース(可動部)721とカバー(装飾部)730は離間していないが、第2状態では、カバー(装飾部)730の一部が昇降ベース(可動部)721と離間することになる。
カバー(装飾部)730と昇降ベース721との間には、カバー(装飾部)730の裏面側に付勢部材が取り付けられており、当該付勢部材によって第5可動役物720が第2状態から第1状態へ変換可能となっている。
ここで第2アーム740のアーム先端部740cの形状は、図38の(A)から(C)に示す形状のいずれかに形成される。図38の(A)に示すアーム先端部740cは、係合部721aに対して直線的な形状であり、当該直線部において係合部721aを押し込む。
図38の(B)に示すアーム先端部740cは、円弧状の切り欠き部740eを持ち、当該切り欠き部740eにおいて係合部721aを捉えて押し込む。(A)のアーム先端部740cと比較して、切り欠き部740eが係合部721aを捉えるため、アーム先端部740cが滑って係合部721aを外すことがなくなり、確実に係合部721aを押し込むことができる。
図38の(C)に示すアーム先端部740cは、アーム先端部740cが左下へ向けて下り傾斜部740fを持ち、当該下り傾斜部740fの中程に係合部721aを捉える円弧状の切り欠き部740eが形成される。(B)のアーム先端部740cと比較して切り欠き部740eの解放部が係合部721aの押し込み方向を向いているため、(B)よりも小さな駆動力で係合部721aを押し込むことができる。
このように、第5可動役物720が上昇した後に第2状態へと回動することで、第5可動役物720の上昇のみの動作と比較して、より大きな期待感を遊技者に与えることができる。
〔タイムチャート〕
次に、第5可動役物720の動作タイミングについて説明する。図39は、左打ち指示演出と第5可動役物720の動作タイミングの一例を説明するタイムチャートである。図40は、所定演出と第5可動役物720の動作タイミングを説明するタイムチャートである。なお、左打ち指示表示は、表示装置41の上部右側表示領域263に「←左打ち」と表示される打ち方指示を指す。
図39に示すように、時刻T1において電サポ状態が終了すると、左打ち指示が表示されるとともに、第2可動役物のモータ557及び第3可動役物のモータ607がOFFからCCWへ切り替わり、第2可動役物550a及び第3可動役物600aが一斉に反時計回りに回動する。
また、時刻T1において遊技状態が変化することを報知するため、第5可動役物のモータ706がOFFからCCWへ切り替わり、カバー(装飾部)730が徐々に上昇するとともに昇降ベース721と離間して第2状態へ移動する。
次に、時刻T2において特図1の変動表示ゲームが実行されると、遊技機10は、遊技者が左打ちをしていると判断し、左打ち指示表示をOFFにし、第2可動役物のモータ557及び第3可動役物のモータ607をOFFへ切り替える。なお、時刻T1から時刻T2までの期間は、第2可動役物550a及び第3可動役物600aの長寿命化、省電力化の観点から、第2可動役物のモータ557及び第3可動役物のモータ607を常時CCWに設定される必要はなく、一定時間ごとにOFFとCCWを繰り返してもよい。
また、時刻T2において第5可動役物のモータ706がOFFからCWへ切り替わり、起き上がっているカバー(装飾部)730が第1状態へ変換されていくとともに、下降する(初期位置へ移動する)。
なお、左打ち指示表示をOFFにする時刻T2は、特図1変動表示ゲームの開始に限られず、普図変動表示ゲームの保留数がゼロとなったタイミングや期待度の高い演出が開始されたタイミング、ファンファーレ開始のタイミング等でもよく、また、時刻T1から所定期間が経過したタイミングであってもよい。
図40に示すタイムチャートは、T2で開始された変動表示ゲームが期待度の高いゲームであり、所定演出(例えば、SPリーチ)が開始され、時刻T3において演出が発展している。そして、演出が発展する時刻T3において、第5可動役物のモータ706がOFFからCCWへ切り替わり、再び第5可動役物720が上昇しつつ起き上がる。また、第2可動役物550a及び第3可動役物600aが短い期間ごとに正転から停止、停止から逆転、逆転から停止、を繰り返し、期待度の高さを報知する。
ここで、第5可動役物720が初期位置へ移動しきれていないタイミングで第5可動役物720が動作位置へ移動するイベントが発生した場合には、当該タイミングでの動作位置へ移動することは見送って第5可動役物720は停止状態とすることができる。また、第5可動役物720が初期位置から動作位置へ移動しきれなかったタイミングでのイベント発生時も同様である。
このように、第5可動役物720が初期位置から動作位置へ移動しきれなかったタイミングにおいて第5可動役物720の動作タイミングが発生すると、当該動作タイミングにおける第5可動役物720の動作を見送ることで、第5可動役物720が不自然なタイミングで(遅れたタイミングで)動作せず、演出の妨げとならない。また、第5可動役物720が本来移動するべきタイミングにおいて移動しない(停止状態)ことで、レアな演出が実行されたという印象を遊技者に与え、遊技の興趣を高められる。さらに、第5可動役物720に負荷のかかる無理な動きをさせないので役物の長寿命化につながる。
なお、第5可動役物720の移動やカバー730の状態変化(第1状態と第2状態との状態変化)は、遊技状態の変化や確率状態の変化に基づいて実行されてもよい。
〔左打ち指示〕
図41は、電サポ状態終了直後の遊技盤30の正面図である。ここでは、表示装置41に表示される画面表示と、導光板680、683の発光態様、第2可動役物550a及び第3可動役物600aの動作を説明する。また、太矢印は、装飾発光が波状に伝播する方向を示す。
表示装置41の前方には、第5可動役物720が動作位置に位置しており、また、表示装置41に設けられる第2導光板683の全面が発光してシャッターが下りている状態となっている。
表示装置41の中央表示領域260では、特別図柄が3個とも変動中であり、下部右側表示領域264には、中央表示領域260に表示されている特別図柄と同一の図柄変動が小さく表示されている。下部右側表示領域264においても特別図柄が小さく表示されるのは、第5可動役物720によって中央表示領域260に表示される特別図柄が視認できなくなった場合に、下部右側表示領域264に表示される特別図柄によって変動中の図柄を確認できるようにするためである。
また、上部右側表示領域263には、「←左打ち」と左打ちタイミングであることが表示されるとともに、その上部に「04」と表示されている。この「04」の表示は左側の「0」が特図1の始動記憶数を表示しており、右側の「4」が特図2の始動記憶数を表示している。
そして、第2可動役物550aと第3可動役物600aが一斉に反時計回りに回動するため、遊技者に左打ちのタイミングであることを直接的に理解させることができる。遊技盤30が備えるLEDが右から左へと円弧を描いて波状に流れるように発光するため、遊技者に左打ち時の爽快感を与えることができる。
また、ランプ表示装置80に、設けられる右打ち指示LEDの発光態様によって左打ちを報知することができる。
[本願発明の一形態]
ここまで説明した可動役物に関する発明として以下の発明を挙げることができる。
(8)遊技に関する演出を表示可能な表示装置と、第1位置から第2位置へと移動可能な可動役物と、を備え、前記可動役物は、駆動源の駆動力を伝達する動力伝達部と、前記動力伝達部と接続されて前記第2位置へ移動可能な可動部と、前記可動部と離間可能に前記可動部に取り付けられる装飾部と、を備え、前記装飾部は、前記可動部と離間しない第1状態と前記可動部と離間する第2状態とに前記第2位置において変換可能であることを特徴とする遊技機。
(9)始動条件の成立に基づいてゲームを実行し、該ゲームが特別結果となる場合に遊技者に有利な遊技価値を付与する特別遊技状態と、遊技者に有利な遊技状態として、前記特別遊技状態とは異なる特定遊技状態を発生可能であり、前記特別結果となる確率を、通常確率状態と、該通常確率状態よりも高くなる高確率状態と、のいずれかの確率状態に制御可能であり、前記特定遊技状態から遊技状態が変化するタイミングまたは前記確率状態が変化するタイミングにおいて前記装飾部が前記第1状態から前記第2状態へ変換されることを特徴とする(8)に記載の遊技機。
(10)前記可動役物は、前記第1位置から前記第2位置へ移動が完了する前に、前記特定遊技状態から遊技状態が変化するタイミング、または、前記確率状態が変化するタイミングが発生した場合には、前記第1位置への移動及び前記装飾部の前記第2状態への変換を実行しないことを特徴とする(9)に記載の遊技機。
〔遊技制御装置〕
図42は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。変動パターン(変動態様)には、リーチを生じさせるパターンが含まれることがある。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統(リーチの種類、種別)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値(期待度、信頼度)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42内の始動口3スイッチ42a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ42a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aと始動口3スイッチ42aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、中継基板70を介してリセット信号RSTを試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ、中継基板70を介して変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図43を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図43は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
役物演出スイッチ47には、本実施形態において、センサ564、センサ609、センサ668、センサ704等が含まれる。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42に備えられた始動口3スイッチ42aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第3始動入賞口42)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉部材39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回、6回など)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態(電サポ状態)となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポート(電サポ)を実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図44A及び図44Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図48に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図44A及び図44Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図44Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込む(A1006)。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。さらに、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたか否かを判定する(A1016)。
遊技制御装置100は、初期化スイッチがオフである場合には(A1016の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。そして、正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1018)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1018の結果が「Y」)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1019)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1020)。チェックサムが一致する場合には(A1020の結果が「Y」)、図44BのステップA1021の処理に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、初期化スイッチがオンである場合(A1016の結果が「Y」)、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1017の結果が「N」、又は、A1018の結果が「N」)、チェックサムが正常でない場合には(A1020の結果が「N」)、図44BのステップA1026の処理に移行して初期化処理を実行する。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
遊技制御装置100は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1021)。初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1022)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1022の結果が「N」)、ステップA1023及びステップA1024の処理をスキップして、ステップA1025の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1022の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1023)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1024)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1025)、ステップA1031の処理を実行する。
一方、ステップA1016,A1017,A1018,A1020の実行後にステップA1026の処理を実行する場合には、遊技制御装置100は、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A1026)。さらに、ビジー信号ステータス領域を含むすべてのRAM領域を0クリアし(A1027)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A1028)。
そして、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1029)。初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。さらに、遊技制御装置100は、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板に送信し(A1030)、ステップA1031の処理を実行する。
なお、ステップA1025の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1030の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図51の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンドも含まれる。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1031)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1031のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1032)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)等)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1033)、割込みを許可する(A1034)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1035)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1035の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1036)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1037)。停電監視信号がオンでない場合には(A1037の結果が「N」)、ステップA1035の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1035)の前に割込みを許可する(A1034)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。
なお、ステップA1035の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1037の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1036の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1038)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1038の結果が「N」)、ステップA1037に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1038の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1039)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1040)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1041)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1042)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1043)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1044)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1045)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図45は、チェックサム算出処理の手順を示すフローチャートである。チェックサム算出処理は、図44A及び図44Bに示したメイン処理のステップA1019及びA1043にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定する(A1101)。そして、繰り返し数を設定し(A1102)、さらに、算出値として「0」を設定する(A1103)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、遊技制御装置100は、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(A1104)、算出アドレスを+1更新し(A1105)、繰り返し数を−1更新する(A1106)。そして、チェックサムの算出が終了したか否かを判定する(A1107)。
遊技制御装置100は、チェックサムの算出が終了していない場合には(A1107の結果が「N」)、ステップA1104からステップA1107までの処理を繰り返す。また、チェックサムの算出が終了した場合には(A1107の結果が「Y」)、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図46は、初期値乱数更新処理の手順を示すフローチャートである。初期値乱数更新処理は、図44A及び図44Bに示したメイン処理のステップA1035にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新(1だけ増加)する(A1201)。続いて、当り初期値乱数を+1更新し(A1202)、当り図柄初期値乱数を+1更新し(A1203)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は特図の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は普図の当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。
以上のように、メイン処理において時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図47は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1305)、さらに、乱数更新処理1(A1306)、乱数更新処理2(A1307)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ42a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1308)。
さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1309)、次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1311)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1312)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1313)。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1314)。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔入力処理〕
次に、タイマ割込み処理における入力処理(A1303)の詳細について説明する。図48は、入力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(A1401)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(A1402)。
次に、遊技制御装置100は、読み込まれた入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(A1403)。続いて、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備した後(A1404)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(A1405)。続いて、未使用のビットデータを準備し(A1406)、さらに、反転するビットデータを準備する(A1407)。そして、スイッチ読込み処理を実行する(A1408)。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、遊技制御装置100は、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備し(A1409)、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備する(A1410)。さらに、未使用のビットデータを準備し(A1411)、反転するビットデータを準備する(A1412)。さらに、その後、スイッチ読込み処理を実行し(A1413)、入力処理を終了する。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、前述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(A1408、A1413)の詳細について説明する。図49は、スイッチ読込み処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(A1501)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(A1502)、反転の必要なビットを反転し(A1503)、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(A1504)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するまで待機する(A1505)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、遊技制御装置100は、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(A1506)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(A1507)、反転の必要なビットを反転し(A1508)、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態(1回目データ)をロードし、反転後データ(2回目データ)をセーブする(A1509)。その後、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(A1510)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(A1511)。
次に、遊技制御装置100は、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(A1512)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(A1513)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。
そして、遊技制御装置100は、今回確定ビットと前回保持ビットとを合成し、今回確定状態としてセーブする(A1514)。さらに、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブする(A1515)。その後、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行って前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しく判定できないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(A1304)の詳細について説明する。図50は、出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート135(図3参照)にオフデータを出力(リセット)する(A1601)。次に、大入賞口ソレノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(A1602)。
そして、遊技制御装置100は、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新する(A1603)。さらに、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(A1604)。そして、取得したデータと外部情報データを合成し(A1605)、合成したデータをデジット出力・外部情報出力ポート136に出力する(A1606)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(A1607)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート135に出力する(A1608)。
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子71に出力するデータをロードして合成し(A1609)、さらに、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(A1610)、最終的に合成したデータを外部情報・発射許可信号出力ポート137に出力する(A1611)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1に合成したデータを出力する(A1612)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2に合成したデータを出力する(A1613)。
次に、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(A1614)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4に合成したデータを出力する(A1615)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5に合成したデータを出力し(A1616)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(A1305)の詳細について説明する。図51は、払出コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるか否かをチェックする(A1701)。入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置に出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であることに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
遊技制御装置100は、ステップA1701の入賞数カウンタ領域2にカウントがあるか否かをチェックする処理においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるか否かを判定する。
遊技制御装置100は、入賞数カウンタ領域2にカウント数がない場合には(A1701の結果が「N」)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する(A1702)。さらに、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(A1703)。
遊技制御装置100は、すべてのチェックが終了した場合には(A1703の結果が「Y」)、ステップA1712の処理に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない場合には(A1703の結果が「N」)、ステップA1701の処理に戻り、ステップA1701からステップA1703までの処理を繰り返す。
また、遊技制御装置100は、カウント数がある場合には(A1701の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A1704)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(A1705)。そして、賞球残数領域の値と払出数を加算して(A1706)、加算結果を新たな賞球残数として賞球残数領域にセーブする(A1707)。なお、ステップA1707の処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、遊技制御装置100は、加算結果から10を減算し(A1708)、減算結果が0以上か否かを判定する(A1709)。そして、0以上でない場合には(A1709の結果が「N」)、ステップA1712の処理に移行する。一方、0以上である場合には(A1709の結果が「Y」)、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(A1710)、減算結果を賞球残数領域にセーブし(A1711)、さらに、ステップA1708の処理に戻る。
以上の処理により、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
遊技制御装置100は、払出コマンド送信タイマが0でなければ−1更新し(A1712)、払出コマンド送信タイマが0になったか否かを判定する(A1713)。払出コマンド送信タイマが0でない場合には(A1713の結果が「N」)、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合には(A1713の結果が「Y」)、払出ビジー信号ステータス(フラグ)がビジー状態(ビジー状態フラグ)であるか否かを判定する(A1714)。
払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号ともいえる。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号ステータス(フラグ)は、払出ビジー信号の状態に基づき払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態のいずれかが設定される。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号ステータスがビジー状態である場合には(A1714の結果が「Y」)、払出コマンド送信処理を終了する。ビジー状態でない場合には、アイドル状態である場合と不定状態である場合が含まれる。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号ステータス領域がクリアされることで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づき、アイドル状態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号ステータスがビジー状態でない場合には(A1714の結果が「N」)、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるか否かをチェックする(A1715)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるか否かを判定する。
そして、遊技制御装置100は、カウント数がない場合には(A1715の結果が「N」)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(A1716)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(A1717)。すべてのチェックが終了した場合には(A1717の結果が「Y」)、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない場合には(A1717の結果が「N」)、ステップA1715の処理に戻り、ステップA1715からA1717までの処理を繰り返す。
また、遊技制御装置100は、カウント数がある場合には(A1715の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A1718)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出コマンドを取得する(A1719)。そして、払出コマンド(払出数コマンド)を払出用シリアル送信バッファに格納し(A1720)、払出コマンド送信タイマに初期値を設定し(A1721)、その後、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200msが設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かを示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本実施形態によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第3始動入賞口42、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第3始動入賞口42、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第3始動入賞口42、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第3始動入賞口42、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図52は、乱数更新処理1の手順を示すフローチャートである。乱数更新処理1は、タイマ割込処理のステップA1306にて実行される。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(A1801)。
遊技制御装置100は、大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合には(A1801の結果が「N」)、ステップA1804以降の処理を実行する。一方、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合には(A1801の結果が「Y」)、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードする(A1802)。そして、ロードした大当り図柄乱数の次回初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(A1803)。
次に、遊技制御装置100は、当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(A1804)。当り乱数が初期値設定待ちでない場合には(A1804の結果が「N」)、ステップA1807以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、当り乱数が初期値設定待ちである場合には(A1804の結果が「Y」)、次回初期値として当り初期値乱数をロードする(A1805)。そして、ロードした当り乱数の次回初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(A1806)。
次に、遊技制御装置100は、当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(A1807)。当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合には(A1807の結果が「N」)、乱数更新処理1を終了する。
一方、遊技制御装置100は、当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合には(A1807の結果が「Y」)、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードする(A1808)。そして、ロードした当り図柄乱数の次回初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(A1809)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図53は、乱数更新処理2の手順を示すフローチャートである。乱数更新処理2は、タイマ割込処理のステップA1307にて実行される。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。
なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は、両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。さらに、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトのいずれかについて実行されるように構成されている。
遊技制御装置100は、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(A1901)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(A1902)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(A1903)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、遊技制御装置100は、ランダムな値が設定されるM1カウンタの値をロードする(A1904)。
次に、遊技制御装置100は、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得し、M1カウンタの値をマスクする(A1905)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、遊技制御装置100は、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるか否かを判定する(A1906)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合には(A1906の結果が「Y」)、加算値として上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これを「マスクした値」と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定し(A1907)、ステップA1909の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合には(A1906の結果が「N」)、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定し(A1908)、ステップA1909の処理に移行する。なお、マスクした値に「1」を加算する理由は、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を加算して値が変化しないことを避けるためである。
続いて、遊技制御装置100は、更新する乱数が2バイト乱数か否かを判定する(A1909)。そして、2バイト乱数である場合には(A1909の結果が「Y」)、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定し(A1910)、ステップA1912の処理に移行する。一方、更新する乱数が2バイト乱数でない場合には(A1909の結果が「N」)、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(A1911)、ステップA1912の処理に移行する。
遊技制御装置100は、乱数値にステップA1907又はA1908の処理で決定された加算値を加算した値を新たな乱数値とし、新たな乱数値がA1903の処理で取得した上限判定値よりも大きいか否かを判定する(A1913)。
そして、遊技制御装置100は、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合には(A1913の結果が「N」)、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(A1915)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合には(A1913の結果が「Y」)、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(A1914)、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(A1915)。
次に、遊技制御装置100は、更新した乱数が2バイト乱数であるか否かを判定する(A1916)。そして、2バイト乱数でない場合には(A1916の結果が「N」)、乱数更新処理2を終了する。一方、2バイト乱数である場合には(A1916の結果が「Y」)、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(A1917)、乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。したがって、CPU111aは、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37や第3始動入賞口42の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図54は、入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフローチャートである。入賞口スイッチ/状態監視処理は、タイマ割込み処理におけるステップA1308にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の一方に対応する入賞口監視テーブル1を準備する(A2001)。そして、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2002)。不正&入賞監視処理の詳細については、後述する。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の他方に対応する入賞口監視テーブル2を準備する(A2003)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2004)。
そして、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aに対応する入賞口監視テーブルを準備する(A2005)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2006)。続いて、常時入賞可能な入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(A2007)。本実施形態では、常時入賞可能な入賞口スイッチとは、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ42aである。不正監視が不要な入賞口スイッチは、始動口1スイッチ36a等である。
次に、遊技制御装置100は、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2008)。続いて、始動入賞口の入賞エラーを監視する始動口エラー監視処理を実行する(A2009)。そして、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(A2010)。状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。
その後、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(A2011)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2012)。なお、遊技機状態チェック処理の詳細は、後述する。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態(スイッチ異常1エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態(シュート球切れエラー)の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態(オーバーフローエラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態(払い出し異常エラー)の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(A2013)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2014)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(ガラス枠開放エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態(枠電波不正)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値が0であるか否かを判定する(A2015)。そして、エラースキャンカウンタの値が0でない場合には(A2015の結果が「N」)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。
また、遊技制御装置100は、エラースキャンカウンタの値が0である場合には(A2015の結果が「Y」)、遊技機状態監視テーブル3を準備し(A2016)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2017)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態(スイッチ異常2エラー)の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、遊技制御装置100は、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータス(払出ビジー信号フラグ)を設定する払出ビジー信号チェック処理を実行し(A2018)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、払出ビジー信号チェック処理の詳細は、後述する。
なお、ステップA2016からA2018までの処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にA2016からA2018までの処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図55は、不正&入賞監視処理の手順を示すフローチャートである。不正&入賞監視処理は、図54に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2002,A2004,A2006にて実行される。
不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39a、普通変動入賞装置37内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)に対して行われる処理である。第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)や大入賞口(特別変動入賞装置39)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
遊技制御装置100は、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(A2101)、不正監視期間中であるか否かを判定する(A2102)。例えば、不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ39aである場合に特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間である。
そして、遊技制御装置100は、不正監視期間である場合には(A2102の結果が「Y」)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定する(A2103)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合には(A2103の結果が「N」)、対象の報知タイマ更新情報をロードする(A2112)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合には(A2103の結果が「Y」)、対象の不正入賞数を+1更新し(A2104)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)以上であるか否かを判定する(A2105)。
判定個数を5個としている理由は、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合などを不正と判断しないようにするためであり、不正でないにもかかわらず容易にエラーと判定しないようにするためである。
そして、遊技制御装置100は、判定個数以上でない場合には(A2105の結果が「N」)、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(A2110)。また、判定個数以上の場合には(A2105の結果が「Y」)、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(A2106)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(A2107)。
次に、遊技制御装置100は、対象の不正発生コマンドを演出コマンドとして準備し(A2108)、さらに、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備する(A2109)。そして、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(A2120)。
一方、遊技制御装置100は、不正監視期間でない場合には(A2102の結果が「N」)、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(A2110)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2111)。入賞数カウンタ更新処理の詳細については、後述する。
そして、遊技制御装置100は、対象の報知タイマ更新情報をロードし(A2112)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(A2113)。報知タイマの更新が許可されない場合には(A2113の結果が「N」)、不正&入賞監視処理を終了する。一方、報知タイマの更新が許可される場合には(A2113の結果が「Y」)、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(A2114)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが普通変動入賞装置37内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)である場合は許可される。また、報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の大入賞口スイッチ39aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の大入賞口スイッチ39aである場合は許可されない。これにより、特別変動入賞装置39についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。
その後、遊技制御装置100は、報知タイマの値が0であるか否かを判定し(A2115)、値が0でない場合(A2115の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの値が0である場合(A2115の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを演出コマンドとして準備し(A2116)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(A2117)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるか否かを判定する(A2118)。
遊技制御装置100は、報知タイマの値が0になった瞬間である場合(A2118の結果が「Y」)、すなわち、今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合には、対象の不正入賞数をクリアする(A2119)。
また、遊技制御装置100は、ステップA2119の処理が終了後、又は、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(A2118の結果が「N」)、すなわち、前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合には、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(A2120)。
そして、遊技制御装置100は、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合には(A2120の結果が「Y」)、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合には(A2120の結果が「N」)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(A2121)、演出コマンド設定処理を実行する(A2122)。その後、不正&入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、不正の発生に伴い不正発生コマンドが演出制御装置300に送信され、不正の解除に伴い不正解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、不正の報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図56は、入賞数カウンタ更新処理の手順を示すフローチャートである。入賞数カウンタ更新処理は、図55に示した不正&入賞監視処理のステップA2111にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(A2201)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるか否かを判定する(A2202)。入力がない場合には(A2202の結果が「N」)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新し(A2211)、全スイッチの監視が終了したか否かを判定する(A2212)。
一方、遊技制御装置100は、対象の入賞口スイッチに入力がある場合には(A2202の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(A2203)、ロードした値を+1更新する(A2204)。さらに、更新された値によってオーバーフローが発生するか否かを判定する(A2205)。
遊技制御装置100は、オーバーフローが発生していない場合には(A2205の結果が「N」)、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブする(A2206)。ステップA2206の処理の終了後、又は、オーバーフローが発生した場合には(A2205の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(A2207)。
その後、遊技制御装置100は、ロードした値を+1更新し(A2208)、更新した値によってオーバーフローが発生するか否かを判定する(A2209)。オーバーフローが発生しない場合には(A2209の結果が「N」)、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブする(A2210)。ステップA2206の処理の終了後、又は、オーバーフローが発生した場合には(A2209の結果が「Y」)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新する(A2211)。そして、全スイッチの監視が終了したか否かを判定する(A2212)。
遊技制御装置100は、全スイッチの監視が終了していない場合には(A2212の結果が「N」)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定するステップA2202の処理に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合には(A2212の結果が「Y」)、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔始動口エラー監視処理〕
図57は、始動口エラー監視処理の手順を示すフローチャートである。入賞数カウンタ更新処理は、図54に示した不正&入賞監視処理のステップA2009にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36(始動口1)に入賞があったか否かを判定する(A2301)。第1始動入賞口36に入賞がない場合(A2301の結果が「N」)、第3始動入賞口42(始動口3)に入賞があったか否かを判定する(A2307)。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36(始動口1)に入賞があった場合(A2301の結果が「Y」)、前回の入賞も第1始動入賞口36であるか否かを判定する(A2302)。前回の入賞も第1始動入賞口36である場合(A2302の結果が「Y」)、RWM内の連続入賞数領域に保存される連続入賞数を+1更新し(A2303)、連続入賞数が上限値(例えば4)以上であるか否かを判定する(A2304)。連続入賞数が上限値以上である場合(A2304の結果が「Y」)、ステップA2313以降の処理を実行する。連続入賞数が上限値未満である場合(A2304の結果が「N」)、第3始動入賞口42(始動口3)に入賞があったか否かを判定する(A2307)。
一方、遊技制御装置100は、前回の入賞が第1始動入賞口36でない場合(A2302の結果が「N」)、RWM内の連続入賞数領域に1をセーブし(A2305)、RWM内の始動口判定データ領域に、第1始動入賞口36への入賞があったことを示す始動口1入賞情報をセーブし(A2306)、第3始動入賞口42に入賞があったか否かを判定する(A2307)。
遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)に入賞がない場合(A2307の結果が「N」)、ステップA2318以降の処理を実行する。第3始動入賞口42に入賞があった場合(A2307の結果が「Y」)、前回の入賞も第3始動入賞口42であるか否かを判定する(A2308)。
前回の入賞も第3始動入賞口42である場合(A2308の結果が「Y」)、RWM内の連続入賞数領域に保存される連続入賞数を+1更新し(1だけ増加し)(A2309)、連続入賞数が上限値(例えば4)以上であるか否かを判定する(A2310)。連続入賞数が上限値未満である場合(A2310の結果が「N」)、ステップA2318以降の処理を実行する。前回の入賞が第3始動入賞口42でない場合(A2308の結果が「N」)、RWM内の連続入賞数領域に1をセーブし(A2311)、RWM内の始動口判定データ領域に、第3始動入賞口42への入賞があったことを示す始動口3入賞情報をセーブし(A2312)、ステップA2318以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、連続入賞数が上限値以上である場合(A2304又はA2310の結果が「Y」)、連続入賞数を上限値に留め(A2313)、始動口エラー報知タイマ領域に初期値(例えば60秒)をセーブし(A2314)、RWM内の始動口エラーフラグ領域にエラー発生中フラグをセーブし(A2315)、始動口エラー発生コマンドを演出コマンドとして準備し(A2316)、演出コマンド設定処理を実行し(A2317)、始動口エラー監視処理を終了する。始動口エラー発生コマンドを受信した演出制御装置300は、エラー発生の報知(警告)を表示装置41等によって実行する。なお、演出コマンド設定処理の詳細については後述する。
遊技制御装置100は、A2318以降の処理として、まず、始動口エラー報知タイマが0であるか否かを判定する(A2318)。始動口エラー報知タイマが0である場合(A2318の結果が「Y」)、始動口エラー監視処理を終了する。始動口エラー報知タイマが0でない場合(A2318の結果が「N」)、始動口エラー報知タイマを−1更新し(1だけ減少し)(A2319)、再度、始動口エラー報知タイマが0であるか否かを判定する(A2320)。始動口エラー報知タイマが0である場合(A2320の結果が「Y」)、RWM内の始動口エラーフラグ領域に正常中フラグをセーブし(A2321)、始動口エラー解除コマンドを演出コマンドとして準備し(A2322)、演出コマンド設定処理を実行し(A2323)、始動口エラー監視処理を終了する。始動口エラー解除コマンドを受信した演出制御装置300は、エラー発生の報知(警告)を停止する。
始動入賞口ユニット101の入賞切替機構105は、遊技球を第1始動入賞口36(始動口1)と第3始動入賞口42(始動口3)とに交互に入賞させるように動作するため、同一の始動入賞口に連続して入賞していると、入賞切替機構105の故障や、糸釣り球などによる不正入賞の可能性がある。従って、始動口エラー監視処理によって、入賞切替機構105の故障や、不正入賞をチェックする。第1始動入賞口36と第3始動入賞口42のうち同一の始動入賞口への連続入賞数が上限値(例えば4)に達すると(4連続で同じ始動入賞口に入賞すると)、演出制御装置300はエラー発生を報知する。始動口エラー報知タイマの初期値(例えば60秒)に相当する期間、演出制御装置300はエラー発生の報知(警告)を行うことができる。このように、遊技制御装置100は始動口エラー監視手段を構成し、演出制御装置300は始動口エラー報知手段を構成する。
〔遊技機状態チェック処理〕
図58は、遊技機状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。遊技機状態チェック処理は、図54に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2012、A2014及びA2017にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得する(A2401)。状態スキャンカウンタは遊技状態に対応して0から3の範囲の値が設定されている。なお、状態監視テーブルと状態スキャンカウンタとの関係については、図54に示した入賞口スイッチ/状態監視処理にて説明した通りである。
続いて、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンであるか否かを判定する(A2402)。チェック対象の信号がオンでない場合(A2402の結果が「N」)、すなわち、チェック対象の信号がオフの場合には、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(A2403)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(A2404)。さらに、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得する(A2405)。状態オフフラグは、エラー系の信号に関しては、正常状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ無しの状態を示す。
一方、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンの場合には(A2402の結果が「Y」)、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(A2406)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(A2407)。さらに、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得する(A2408)。状態オンフラグは、エラー系の信号に関しては、異常又は不正状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ有りの状態を示す。
ステップA2405又はステップA2408の処理が終了すると、遊技制御装置100は、対象の信号制御領域の値が取得された信号の状態と一致するか否かを判定する(A2409)。一致する場合には(A2409の結果が「Y」)、ステップA2412の処理に移行する。一致していない場合には(A2409の結果が「N」)、対象の信号制御領域に取得した信号状態をセーブし(A2410)、対象の状態監視タイマをクリアする(A2411)。
続いて、遊技制御装置100は、対象の状態監視タイマを+1更新する(A2412)。さらに、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上であるか否かを判定する(A2413)。更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値未満の場合には(A2413の結果が「N」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上の場合には(A2413の結果が「Y」)、状態監視タイマを−1更新し、タイマ比較値−1の値に留める(A2414)。さらに、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A2415)。一致している場合には(A2415の結果が「Y」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致していない場合には(A2415の結果が「N」)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブする(A2416)。最後に、演出コマンドを設定する演出コマンド設定処理を実行し(A2417)、遊技機状態チェック処理を終了する。ここでの演出コマンドは、状態オフコマンドか状態オンコマンドの何れかである。状態オンコマンドがエラー系のコマンドであれば、演出制御装置300にエラー報知を開始させる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図59は、払出ビジー信号チェック処理の手順を示すフローチャートである。払出ビジー信号チェック処理は、図54に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2018にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるか否かを判定する(A2501)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号がオンでない場合には(A2501の結果が「N」)、判定ステータスとしてアイドル状態フラグを準備し(A2502)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32msec)を設定する(A2503)。一方、払出ビジー信号がオンである場合には(A2501の結果が「Y」)、判定ステータスとしてビジー状態フラグを準備し(A2504)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32msec)を設定する(A2505)。
その後、遊技制御装置100は、ビジー信号状態領域の値が今回の払出ビジー信号の状態(オン/オフ)に一致するものであるか否かを判定する(A2506)。一致する場合(A2506の結果が「Y」)、ステップA2509の処理に移行する。一致しない場合(A2506の結果が「N」)、ビジー信号状態領域に今回の払出ビジー信号の状態をセーブし(A2507)、ビジー信号監視タイマを0クリアする(A2508)。
次に、遊技制御装置100は、ビジー信号監視タイマを+1更新し(A2509)、監視タイマはタイマ比較値以上であるか否かを判定する(A2510)。監視タイマがタイマ比較値未満である場合(A2510の結果が「N」)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
遊技制御装置100は、監視タイマはタイマ比較値以上である場合(A2510の結果が「Y」)、ビジー信号監視タイマを−1更新して、タイマ比較値より1だけ小さい値に留め(A2511)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域(ビジー信号ステータス領域)にセーブし(A2512)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
払出ビジー信号チェック処理により、払出ビジー信号に基づき払出ビジー信号フラグ(ビジー信号ステータス)が設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号フラグを変更せず、タイマ比較値に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号フラグを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号フラグがクリアされるので、いずれかの信号状態がタイマ比較値に亘り継続するまではビジー信号フラグは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1309)の詳細について説明する。図60は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37、第3始動入賞口42に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2615の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図67にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。なお、特図変動中処理の詳細については、図80にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。なお、特図表示中処理の詳細については、図81にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。なお、ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については、図83にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。なお、大入賞口開放中処理の詳細については、図84にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。なお、大入賞口残存球処理の詳細については、図85にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。なお、大当り終了処理の詳細については、図86にて後述する。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2615)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2616)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2617)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2618)。なお、図柄変動制御処理の詳細については、図91にて後述する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図61は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、第1始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。第1始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、第1始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、第1始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に第1始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、第1始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、ステップA2716以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、ステップA2716以降の処理を実行する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、ステップA2716以降の処理を実行する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2716)、ハード乱数取得処理を実行し(A2717)、第3始動入賞口42(始動口3)への入賞があるか否かを判定する(A2718)。第3始動入賞口42への入賞がない場合(A2718の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。一方、第3始動入賞口42への入賞がある場合(A2718の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2719)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2719の結果が「N」)、ステップA2722以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2719の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2720)、演出コマンド設定処理を実行する(A2721)。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、第3始動入賞口42へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に第3始動入賞口42に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2722)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2723)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(A2702、A2710、A2717)の詳細について説明する。図62は、ハード乱数取得処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口への入賞がないことを示す始動口入賞なし情報を設定する(A2801)。次に、対象のスイッチに入力があった否かを判定し(A2802)、対象のスイッチに入力がなかった場合(A2802の結果が「N」)、ハード乱数取得処理を終了する。なお、対象のスイッチは、ステップA2702のハード乱数取得処理では、始動口1スイッチ36aであり、ステップA2710のハード乱数取得処理では、始動口2スイッチ37aである。ステップA2717のハード乱数取得処理では、始動口3スイッチ42aである。
遊技制御装置100は、対象のスイッチに入力があった場合(A2802の結果が「Y」)、乱数ラッチレジスタステータス(乱数ラッチレジスタの状態)を読み込み、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータあるか否かを判定する(A2803、A2804)。対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータない場合(A2804の結果が「N」)、ハード乱数取得処理を終了する。
遊技制御装置100は、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータある場合(A2804の結果が「Y」)、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し(A2805)、始動入賞口への入賞があることを示す始動口入賞あり情報を設定する(A2806)。なお、準備した大当り乱数は、特図始動口スイッチ共通処理で使用される。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715、A2723)の詳細について説明する。図63は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aや始動口3スイッチ42aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ42aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新する(A2906)。
そして、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド又は飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備し(A2907)、演出コマンド設定処理を実行する(A2908)。続いて、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2909)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2910)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2911)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2912)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2913)。
そして、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1、2を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(A2914)。次に、RWM内において特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレスを算出し(A2915)、算出した変動順序フラグ格納領域に対象の変動順序フラグをセーブする(A2916)。これにより、保留(例えば保留1〜8)の何れかに対応する格納領域のアドレスが算出され、特図1又は特図2の変動(変動表示ゲーム)を示す変動順序フラグがセーブされる。続いて、特図保留情報判定処理を実行して(A2917)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)又は第3始動入賞口42への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2917)の詳細について説明する。図64は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み(事前判定)処理である。
遊技制御装置100は、まず、低確率での判定であることを示す低確率判定フラグを準備し(A3001)、大当り乱数値が大当り判定値(低確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるかを判定する先読み大当り判定処理を実行する(A3002)。そして、先読み大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3003)。判定結果が大当りである場合(A3003の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3004)、ステップA2912にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3005)、ステップA3007の処理に移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(A3003の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3006)、ステップA3007の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄情報をRWM内の図柄情報領域にセーブする(A3007)。続いて、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を演出コマンドとして準備し(A3008)、演出コマンド設定処理を実行する(A3009)。先読み停止図柄コマンド(低確率)は、低確率判定値で判定した停止図柄情報等を示す。
次に、遊技制御装置100は、高確率での判定であることを示す高確率判定フラグを準備し(A3010)、大当り乱数値が大当り判定値(高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるかを判定する先読み大当り判定処理を実行する(A3011)。そして、先読み大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3012)。判定結果が大当りである場合(A3012の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3013)、ステップA2912にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3014)、ステップA3016の処理に移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(A3012の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3015)、ステップA3016の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態、特図高確率中)であるか否かを判定する(A3016)。高確率状態である場合(A3016の結果が「Y」)、停止図柄情報をRWM内の図柄情報領域にセーブして(A3017)、ステップA3018の処理に移行する。高確率状態でない場合(A3016の結果が「N」)、ステップA3017の処理を行わず、そのままステップA3018の処理に移行する。
このように、高確率状態である場合に、高確率判定値で判定した停止図柄情報が図柄情報領域に上書きされ、最終的にセーブされる。一方、高確率状態でない場合(低確率状態の場合)に、低確率判定値で判定した停止図柄情報(A3007)が図柄情報領域に最終的にセーブされていることになる。図柄情報領域に最終的にセーブされている停止図柄情報は、変動パターンの先読み(A3020、A3021)において利用される。
その後、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を演出コマンドとして準備し(A3018)、演出コマンド設定処理を実行する(A3019)。先読み停止図柄コマンド(高確率)は、高確率判定値で判定した停止図柄情報等を示す。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行し(A3020)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3021)。なお、ステップA3020における特図情報設定処理、ステップA3021における変動パターン設定処理は、後述の特図普段処理内の変動開始処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備して(A3022)、演出コマンド設定処理を実行し(A3023)、特図保留情報判定処理を終了する。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
さらに、以上の処理によって、低確率判定値で大当り判定した先読み判定結果と、高確率判定値で大当り判定した先読み判定結果の両方が、各々、先読み停止図柄コマンド(低確率)と先読み停止図柄コマンド(高確率)として、演出制御装置300に送信される。これにより、先読み停止図柄コマンドの送信後に大当りの確率状態が変化しても、演出制御装置300は、先読み予告(保留変化予告等)を変化前後の確率状態に対応して実行できる。
〔先読み大当り判定処理〕
次に、特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(A3002、A3011)の詳細について説明する。図65は、先読み大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3101)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3102)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3102の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3107)、先読み大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3102の結果が「N」)、判定フラグが高確率判定フラグであるか否かを判定する(A3103)。そして、判定フラグが高確率判定フラグである場合には(A3103の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3104)。一方、判定フラグが高確率判定フラグでない場合(低確率判定フラグである場合)には(A3103の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3105)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3106)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3106の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3107)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3106の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3108)。判定結果を設定すると、先読み大当り判定処理を終了する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(A2602)の詳細について説明する。図66は、大入賞口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する(A3201)。大入賞口開放中処理中である場合(A3201の結果が「Y」)、ステップA3203の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(A3201の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3202)。
遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理中である場合(A3202の結果が「Y」)、ステップA3203の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合(A3202の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。特図ゲーム処理タイマが0になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ39aに入力があるか否かを判定する(A3203)。大入賞口スイッチに入力がない場合(A3203の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口スイッチに入力がある場合(A3204の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3204)、演出コマンド設定処理(A3205)を実行する。
続いて、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する(A3106)。大入賞口開放中処理中でない場合(A3106の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口開放中処理中である場合(A3106の結果が「Y」)、大入賞口カウント数を+1更新する。
そして、遊技制御装置100は、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったか否かを判定する(A3208)。大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(A3208の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(A3208の結果が「Y」)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(A3209)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図67は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1保留数と特図2保留数は共に0であるか否かを判定する(A3301)。特図1保留数と特図2保留数が共に0である場合(A3301の結果が「Y」)、ステップA3310の処理に移行する。特図1保留数と特図2保留数のうち少なくとも一方が0でない場合(A3301の結果が「N」)、最先で消化される保留(保留1)(最も古い保留)に対応する変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)から変動順序フラグをロードする(A3302)。
次に、遊技制御装置100は、変動順序フラグが特図1の変動(特図1変動表示ゲーム)を示すものであるか否かを判定する(A3303)。変動順序フラグが特図1の変動を示すものである場合(A3303の結果が「Y」)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備する(A3304)、演出コマンド設定処理を実行する(A3305)。この飾り特図保留数コマンドは、現時点での特図1保留数から1だけ減算した値(これから開始する特図1変動表示ゲーム実行後の特図1保留数)に関する情報を含む。そして、特図1変動表示ゲームを開始するための特図1変動開始処理を実行し(A3306)、特図普段処理を終了する。
また、変動順序フラグが特図1の変動を示すものでない場合(A3303の結果が「N」)、即ち、特図2の変動を示すものである場合、遊技制御装置100は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A3307)、演出コマンド設定処理を実行する(A3308)。この飾り特図保留数コマンドは、現時点での特図2保留数から1だけ減算した値(これから開始する特図2変動表示ゲーム実行後の特図1保留数)に関する情報を含む。そして、特図2変動表示ゲームを開始するための特図2変動開始処理を実行し(A3309)、特図普段処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図1保留数と特図2保留数が共に0である場合(A3301の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定する(A3310)。客待ちデモが開始済みである場合(A3310の結果が「Y」)、ステップA3314の処理に移行する。客待ちデモが開始済みでない場合(A3310の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(A3311)、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備し(A3312)、演出コマンド設定処理を実行する(A3213)。客待ちデモコマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41等において客待ちデモを実行する。
続けて、遊技制御装置100は、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3314)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3315)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A3316)、RWM内の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A3317)、特図普段処理を終了する。
このように、最先で消化される保留(保留1)に対応する変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)から変動順序フラグをロードして、変動順序フラグに示される種別の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)が開始される。すなわち、変動表示ゲームはその入賞(始動記憶)の発生した順に実行されるようになっており、保留は入賞順で古いものから消化されることになる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3306)の詳細について説明する。図68は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。特図情報設定処理の詳細については後述する。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。変動パターン設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理の詳細については後述する。
そして、遊技制御装置100は、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3408)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3409)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3410)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3411)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3412)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3413)。続いて、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3309)の詳細について説明する。図69は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図68に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。そして、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(A3507)。
次に、遊技制御装置100は、まず、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3508)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3509)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3510)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3511)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3512)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3513)。続いて、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図70は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図71は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図70に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3604、A3704)の詳細について説明する。図72は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理である。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図73は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1が大当りか否かを判定し(A4001)、大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定する(A4003)。続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4007)。本実施形態において、ラウンド数上限値は、16R又は6Rである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、
確率変動判定データ領域にセーブする(A4008)。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の情報が含まれてよい。本実施形態では、確率変動判定データとして、低確率データ(通常、電サポなし)、高確率データ1(確変、電サポあり)、高確率データ2(潜伏確変、電サポなし)がある。その後、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4011)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4009)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4010)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4011)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4012)、演出コマンド設定処理を実行する(A4013)。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4014)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4015)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図74は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2が大当りか否かを判定し(A4101)、大当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定する(A4103)。続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4107)。本実施形態において、ラウンド数上限値は、16R又は6Rである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、
確率変動判定データ領域にセーブする(A4108)。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の情報が含まれてよい。例えば、確率変動判定データとして、低確率データ(通常、電サポなし)、高確率データ1(確変、電サポあり)、高確率データ2(潜伏確変、電サポなし)などがある。その後、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4111)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2が大当りでない場合(A4101の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4109)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4110)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4111)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4112)、演出コマンド設定処理を実行する(A4113)。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4114)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4115)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A3404、A3504)の詳細について説明する。図75は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択ポインタテーブルを設定し(A4201)、確率状態と停止図柄パターン番号(停止図柄パターンを示す番号)に対応する変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。例えば、確率状態は、確率状態1(通常、電サポなし)、確率状態2(確変、電サポあり)、確率状態3(潜伏確変、電サポなし)がある。ここでの確率状態には、確変/通常(高確率状態/低確率状態)の他に、電サポあり/なし(普電サポート状態/非普電サポート状態)も含めるものとする。また、本実施形態において、停止図柄パターン番号には、番号0(はずれ図柄)、番号1(16R確変大当り図柄)、番号2(6R確変大当り図柄A)、番号3(6R確変大当り図柄B)、番号4(6R確変大当り図柄C)、番号5(6R通常大当り図柄)がある。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンがはずれ図柄であるか否かを判定する(A4203)。停止図柄パターンがはずれ図柄である場合(A4203の結果が「Y」)、特図1保留数と特図2保留数の合計値に対応する値に変動グループ選択ポインタを更新し(A4204)、ステップA4205の処理に移行する。ここで、普電サポート状態でない場合に、保留数合計が1、2〜3、4〜5、6〜8ごとに、変動グループ選択ポインタを設定して変動パターンの振り分けを変えるようにする。また、普電サポート状態である場合には、保留数合計が1、2、3、4〜8ごとに、変動グループ選択ポインタを設定して変動パターンの振り分けを変えるようにする。
一方、遊技制御装置100は、停止図柄パターンがはずれ図柄でない場合(A4203の結果が「N」)、即ち大当り図柄である場合、ステップA4204の処理を行わず、ステップA4205の処理に移行する。即ち、大当り図柄である場合、変動グループ選択ポインタは、ステップA4202で、特図1保留数や特図2保留数に影響されずに設定されたものになっている。
次に、遊技制御装置100は、変動グループ選択ポインタ領域に変動グループ選択ポインタをセーブし(A4205)、特図情報設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図76は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4301)、変動グループ選択ポインタに対応する変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備する(A4302)。さらに、対象(特図1又は特図2)の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(A4303)。そして、2バイト振り分け処理を実行し(A4304)、振り分けられた結果得られた変動パターン選択テーブルのアドレスを取得し、準備する(A4305)。
次に、遊技制御装置100は、対象(特図1又は特図2)の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、準備する(A4306)。そして、振り分け処理を実行し(A4307)、振り分けられた結果得られた変動パターン番号を取得し、変動パターン番号領域にセーブする(A4308)。このように、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4304)の詳細について説明する。図77は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの変動パターン選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、変動グループテーブルは、少なくとも一の変動パターン選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、変動パターンが「リーチなし」となる変動パターン選択テーブルのみを規定する変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の変動選択テーブルの中から何れか一の変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4307)の詳細について説明する。図78は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、変動パターン選択テーブルから特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(ステップA4305にて準備した変動パターン選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、変動パターン選択テーブルは、少なくとも一の変動パターン(変動パターン番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(変動パターン選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(変動パターン選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(変動パターン選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4306にて準備した乱数値(変動パターン乱数2の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(変動パターン選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(変動パターン選択テーブル)に規定されている少なくとも一の変動パターン(変動パターン番号)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図79は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1、2の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、変動時間値テーブルを設定し(A4602)、変動パターン番号に対応する変動時間値を取得し(A4603)、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。その後、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4604)、演出コマンド設定処理を行う(A4605)。
次に、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(A4606)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4607)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4608)、シフト後の空き領域をクリアする(A4609)。
続いて、遊技制御装置100は、変動順序フラグ格納領域をシフトし(A4610)、シフト後の空き領域をクリアし(A4611)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図80は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)に対応する図柄停止コマンド(特図1図柄停止コマンド又は特図2図柄停止コマンド)を演出コマンドとして準備し(A4701)、演出コマンド設定処理を実行する(A4702)。図柄停止コマンドを受信した演出制御装置300は、対応する飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム又は飾り特図2変動表示ゲーム)を停止する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンを示す停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(A4703)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4704)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として800msecを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000msecを設定する。
次いで、遊技制御装置100は、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(A4705)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4706)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A4707)、さらに、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4708)。
続いて、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号を外部情報端子に出力する際に使用する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256msec)をセーブする(A4709)。
その後、遊技制御装置100は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A4710)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(A4711)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する。図81は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(A4801)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(A4802)。
そして、遊技制御装置100は、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定して(A4803)、大当りである場合(A4803の結果が「Y」)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(A4810)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(A4811)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない場合(A4803の結果が「N」)、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定して(A4804)、大当りである場合(A4804の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A4805)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を実行する(A4811)。
遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4804の結果が「N」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A4806)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A4807)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A4808)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A4809)、特図表示中処理を終了する。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16又は6)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A4812)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A4813)。
続いて、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、演出コマンドとして準備して(A4814)、演出コマンド設定処理を実行する(A4815)。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを演出コマンドとして準備して(A4816)、演出コマンド設定処理を実行する(A4817)。続けて、ラウンド数上限値に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備して(A4818)、演出コマンド設定処理を実行する(A4819)。
その後、遊技制御装置100は、大当りファンファーレ時間(例えば10000msec)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4820)。そして、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A4821)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A4822)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(A4823)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置39を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(A4823)の詳細について説明する。図82は、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(A5501)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5502)。
次に、遊技制御装置100は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン、大当り2信号をオン、大当り3信号をオン、大当り4信号をオン)を外部情報出力データ領域にセーブし(A5503)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5504)。なお、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(A5505)、時短中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部58)を消灯させるため、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(A5506)、RWM内の普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(A5507)。
そして、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A5508)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)59を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(A5509)、RWM内の特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A5510)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブするRWM内の停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(A5511)。これにより高確率状態及び時短状態(普電サポート状態)が終了する。
その後、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5512)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A5513)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(A2611)の詳細について説明する。図83は、ファンファーレ/インターバル中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(A5701)、特別遊技状態(大当り状態)のラウンド数に対応するラウンドコマンドを演出コマンドとして準備して(A5702)、演出コマンド設定処理(A5703)を行う。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5704)、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(A5705)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5706)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブして(A5707)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(A5708)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(A5709)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(A2612)の詳細について説明する。図84は、本実施形態の大入賞口開放中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A5901)。そして、最終ラウンドでない場合(A5901の結果が「N」)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを演出コマンドとして準備して(A5902)、演出コマンド設定処理を実行する(A5904)。
遊技制御装置100は、最終ラウンドである場合(A5901の結果が「Y」)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを演出コマンドとして準備して(A5903)、演出コマンド設定処理を実行する(A5904)。
その後、処理番号を大入賞口残存球処理に係る「5」に設定し(A5905)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5906)。残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5907)、その後大入賞口ソレノイド39bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブし(A5908)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(A2613)の詳細について説明する。図85は、大入賞口残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A6101)。
そして、遊技制御装置100は、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(A6101の結果が「N」)、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(A6102)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A6103)。そして、インターバル時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A6104)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口(特別変動入賞装置39)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6105)、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(A6101の結果が「Y」)、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(A6106)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6107)。そして、エンディング時間(例えば5.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A6108)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口(特別変動入賞装置39)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6109)。次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(A6110)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(A6111)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアし(A6112)、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、特図ゲーム処理における大当り終了処理(A2614)の詳細について説明する。図86は、大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、ステップA4008で確率変動判定データ領域にセーブした確率変動判定データによるサブルーチンコールを実行する(A6401)。確率変動判定データが低確率データ(通常、電サポなし)である場合、大当り終了設定処理1を実行する(A6402)。確率変動判定データが高確率データ1(確変、電サポあり)である場合、大当り終了設定処理2を実行する(A6403)。確率変動判定データが高確率データ2(潜伏確変、電サポなし)である場合、大当り終了設定処理3を実行する(A6404)。
次に、遊技制御装置100は、停電復旧時送信コマンド領域から確率情報コマンドをロードし、演出コマンドとして準備し(A6405)、演出コマンド設定処理を実行する(A6406)。
その後、遊技制御装置100は、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(A6407)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6408)。そして、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をオフ、大当り3信号をオフ、大当り4信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブして(A6409)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をオフ、役物連続作動装置作動中信号をオフ、特別図柄1当り信号をオフ、特別図柄2当り信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6410)。そして、確率変動判定フラグ領域をクリアする(A6411)。
続いて、遊技制御装置100は、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(A6412)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A6413)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理1(A6402)の詳細について説明する。図87は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短なしに関する信号(大当り2信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6501)、低確率&時短なしの開始に関する信号(特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6502)。
次に、遊技制御装置100は、時短中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部58)を消灯させるため、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(A6503)、RWM内の普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブし(A6504)、RWM内の特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A6505)。そして、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6506)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A6507)、RWM内の停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(A6508)。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理2(A6403)の詳細について説明する。図88は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短の開始に関する信号(大当り2信号をオン)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6601)、高確率&時短ありの開始に関する信号(特別図柄1高確率状態信号をオン、特別図柄2高確率状態信号をオン、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオン、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオン、普通図柄1高確率状態信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6602)。
次に、遊技制御装置100は、時短中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部58)を点灯させるため、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(A6603)、RWM内の普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブし(A6604)RWM内の特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(A6605)。そして、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブするRWM内の停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(A6606)。なお、時短中は右打ちするが、大当り中から右打ちしているので右打ちに関する設定は行われない。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理3(A6404)の詳細について説明する。図89は、大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短なしに関する信号(大当り2信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6701)、高確率&時短なしの開始に関する信号(特別図柄1高確率状態信号をオン、特別図柄2高確率状態信号をオン、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6702)。
遊技制御装置100は、時短中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部58)を消灯させるため、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(A6703)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブし(A6704)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(A6705)。そして、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6706)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A6707)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏)をセーブする(A6708)。
〔演出コマンド設定処理〕
図90は、演出制御装置300に送信する演出コマンドを設定するための演出コマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。この演出コマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される演出コマンド設定処理(A2417、A2706、A2721、A2908など)に共通する処理である。
遊技制御装置100は、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む(A7001)。さらに、送信バッファが満杯か否かを判定する(A7002)。
また、遊技制御装置100は、送信バッファが満杯でない場合には(A7002の結果が「N」)、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファに書き込む(A7003)。
遊技制御装置100は、送信バッファが満杯である場合には(A7002の結果が「Y」)、ステップA7001の処理に戻る。
さらに、遊技制御装置100は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(A7004)、送信バッファが満杯か否かを判定する(A7005)。送信バッファが満杯である場合には(A7005の結果が「Y」)、ステップA7004の処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、送信バッファが満杯でない場合には(A7005の結果が「N」)、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファに書き込んだ後(A7006)、演出コマンド設定処理を終了する。
以上のように、演出制御装置300に対してはシリアル通信で演出コマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、演出コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。
〔図柄変動制御処理〕
図91に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(A2616、A2618)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と、特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(A7501)。本実施形態の場合、ステップA2615、ステップA2617、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(A7502の結果が「Y」)、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(A7503)。本実施形態の場合、ステップA2615、ステップA2617、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次に、遊技制御装置100は、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(A7504)、更新後の点滅制御タイマが0であるかを判定して(A7505)、更新後の点滅制御タイマが0でない場合(A7505の結果が「N」)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが0である場合(A7505の結果が「Y」)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(A7506)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(A7507)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(A7502の結果が「N」)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(A7509)。本実施形態の場合、ステップA2615、ステップA2617、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。次に、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(A7510)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA7506でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、点滅制御タイマ初期値として100msecに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA7507における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA7507において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA7508、A7511ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図92は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。普電入賞スイッチ監視処理の詳細については、後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図95にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。普図変動中処理の詳細については、図97にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。普図表示中処理の詳細については、図98にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。普図当り中処理の詳細については、図99にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。普図残存球処理の詳細については、図101にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。普図当り終了処理の詳細については、図102にて後述する。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図93は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図92に示した普図ゲーム処理におけるステップA7601にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(A7701の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A7702)。右打ちする遊技状態は、大当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態である場合(A7702の結果が「Y」)、ステップA7705の処理に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(A7702の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7703)、演出コマンド設定処理を実行する(A7704)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は、左打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば4)未満であるか否かを判定する(A7705)。遊技制御装置100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7705の結果が「Y」)、普図保留数を+1更新し(A7706)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7707)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7708)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7709)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A7701の結果が「N」)、又は、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合には(A7705の結果が「N」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(A7602)の詳細について説明する。図94は、普電入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中か否か、すなわち、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(A7801)。そして、普図当り中である場合には(A7801の結果が「Y」)、始動口2スイッチ37aに入力があるか否かを判定する(A7802)。始動口2スイッチ37aに入力がある場合には(A7802の結果が「Y」)、普電カウンタのカウント数を+1更新する(A7803)。
次に、遊技制御装置100は、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、6)に達したか否かを判定する(A7804)。そして、カウント数が上限値に達した場合には(A7804の結果が「Y」)、RWM内の普図当り終了ポインタ領域から当り終了ポインタ値(例えば、4又は7)をロードし、RWM内の普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A7805)。
最後に、普図ゲーム処理タイマをクリアし(A7806)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合には、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普通変動入賞装置37が閉じられて普図の当り状態が途中で終了するようにする。
一方、遊技制御装置100は、普図当り中でないと判定された場合(A7801の結果が「N」)、始動口2スイッチ37aに入力がないと判定された場合(A7802の結果が「N」)、又は、カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(A7804の結果が「N」)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図95は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7902)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7903)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7903の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7904)、普図高確率中である場合(A7903の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7906)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7906の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7908の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7906の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7907)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7908)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7909)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7910)、ステップA7914の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7907の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7911)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7912)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7913)、ステップA7914の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよく、本実施形態では2個存在する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7914)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7915)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7916)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7917)、普図保留数を−1更新する(A7918)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数3を抽出し(A7919)、変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7920)。例えば、変動時間は、確率200/256で500msec、確率40/256で1500msec、確率16/256で3000msecに振り分けられる。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7921)、普図普段処理を終了する。なお、普図変動中処理移行設定処理については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7922)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7923)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7924)、普図普段処理を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図96は、普図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普図変動中処理移行設定処理は、図95に示した普図普段処理におけるステップA7921にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(A8101)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8102)。
その後、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(普通図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A8103)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(A8104)。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば100msec)を普図点滅制御タイマ領域にセーブし(A8105)、普図変動図柄番号領域に初期値(ここでは0)をセーブする(A8106)。その後、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図変動中処理(A7609)の詳細について説明する。図97は、普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(A8301)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8302)。その後、遊技制御装置100は、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば、0.6秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8303)。
さらに、遊技制御装置100は、普図の変動終了に関する信号(普通図柄1変動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8304)。そして、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブし(A8305)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図表示中処理(A7610)の詳細について説明する。図98は、普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(A8401)、RWMの当りフラグ領域をクリアする(A8402)。そして、ロードされた当りフラグに当り情報が設定されているか否かを判定する(A8403)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されている場合には(A8403の結果が「Y」)、当り中処理設定テーブルを設定し(A8404)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタ値(ここでは0又は5)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A8405)。また、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタ値(ここでは4又は7)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(A8406)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば1700msec又は2600msec)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8407)。以上の処理により時短状態中での普通変動入賞装置37の開放態様が設定され、例えば3回又は2回の開放が可能となる。
続いて、遊技制御装置100は、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(A8408)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8409)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(普通図柄1当り中信号をオン)と、普電作動開始に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8410)。さらに、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(A8411)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアし(A8412)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(A8413)。最後に、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブする(A8414)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されていない場合には(A8403の結果が「N」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A8415)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8416)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A8417)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り中処理(A7611)の詳細について説明する。図99は、普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中制御ポインタをロードして準備し(A8601)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達したか否かを判定する(A8602)。
そして、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値に達していない場合には(A8602の結果が「N」)、普図当り中制御ポインタを+1更新する(A8603)。さらに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。なお、普電作動移行設定処理の詳細については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達した場合には(A8602の結果が「Y」)、ステップA8603における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を実行せずに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、普図当り中処理における普電作動移行設定処理(A8604)の詳細について説明する。図100は、普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。
遊技制御装置100は、まず、制御ポインタの値に応じて処理を分岐させる(A8701)。なお、ここで、制御ポインタは、ステップA8603で更新する前の値を使用する。制御ポインタの値が0,2,5のいずれかであった場合には、ステップA8702の処理に移行して普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(例えば、300msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8702)。
さらに、遊技制御装置100は、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータを設定し(A8703)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が1,3のいずれかであった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8704の処理に移行して普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間(例えば、1700msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8704)。さらに、普電ソレノイド37cをオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータを設定し(A8705)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が6であった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8706の処理に移行して普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間(例えば、2600msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8706)。さらに、普電ソレノイド37cをオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータを設定し(A8707)、普電作動移行設定処理を終了する。
さらに、制御ポインタの値が4,7のいずれかであった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8708に移行して普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理(A7612)を実行するために、処理番号として「4」を設定し(A8708)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8709)。
続いて、遊技制御装置100は、普電残存球処理時間(例えば600msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8710)。その後、普電ソレノイド37cをオフに設定するために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(A8711)、普電作動移行設定処理を終了する。
〔普電残存球処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電残存球処理(A7612)の詳細について説明する。図101は、普電残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し(A8901)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8902)。その後、普図エンディング時間(例えば、100msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8903)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8904)。続いて、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアし(A8905)、さらに、普図当り中制御ポインタ領域をクリアする(A8906)。その後、普図当り終了ポインタ領域をクリアし(A8907)、普電残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り終了処理(A7613)の詳細について説明する。図102は、普図当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定し(A9101)、さらに、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A9102)。その後、普図変動ゲームの当り終了に関する信号(普通図柄1当り中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A9103)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブし(A9104)、その後、普図当り終了処理を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、タイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(A1311)の詳細について説明する。図103は、セグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、点滅制御タイマを+1更新し(A9201)、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9202)。点滅制御タイマの特定ビットが1である場合に、出力オンタイミングであると判定する。本実施形態では、特定ビットはビット5であるため、128msの点滅周期を作ることができる。
遊技制御装置100は、出力オンタイミングである場合(A9202の結果が「Y」)、普図保留数表示テーブル1を設定し(A9203)、出力オンタイミングでない場合(A9202の結果が「N」)、普図保留数表示テーブル2を設定し(A9204)、普図保留数に対応する表示データを取得して普図保留表示器56のセグメント領域にセーブする(A9205)。保留数が0〜2なら、普図保留数表示テーブル1、2のどちらのテーブルでも表示データは同じになるため、普図保留表示器56は点滅しないが、保留数が3〜4なら、普図保留数表示テーブル1の表示データと普図保留数表示テーブル2の表示データは異なるため、普図保留表示器56は点滅する。
次に、遊技制御装置100は、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9206)。出力オンタイミングである場合(A9206の結果が「Y」)、特図1保留数表示テーブル1を設定し(A9207)、出力オンタイミングでない場合(A9206の結果が「N」)、特図1保留数表示テーブル2を設定し(A9208)、特図1保留数に対応する表示データを取得して特図1保留表示器54のセグメント領域にセーブする(A9209)。
次に、遊技制御装置100は、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9210)。出力オンタイミングである場合(A9210の結果が「Y」)、特図2保留数表示テーブル1を設定し(A9211)、出力オンタイミングでない場合(A9210の結果が「N」)、特図2保留数表示テーブル2を設定し(A9212)、特図2保留数に対応する表示データを取得して特図2保留表示器55のセグメント領域にセーブする(A9213)。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド表示部60での表示態様が規定されたラウンド表示LED表示テーブルを設定し(A9214)、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得してラウンド表示部60のセグメント領域にセーブする(A9215)。
次に、遊技制御装置100は、第2遊技状態表示部58等での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定する(A9216)。さらに、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得して各遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(A9217)。
次いで、遊技制御装置100は、第1遊技状態表示部57での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定する(A9218)。さらに、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得して第1遊技状態表示部57のセグメント領域にセーブする(A9219)。
続いて、遊技制御装置100は、高確率報知フラグをオンすべきか判定し(A9220)、高確率報知フラグをオンすべきでない場合(A9220の結果が「N」)、即ち、低確率状態である場合、高確率報知LED(第3遊技状態表示部59)のオフデータをセグメント領域にセーブする(A9221)。その後、セグメントLED編集処理を終了する。高確率報知フラグをオンすべき場合(A9220の結果が「Y」)、即ち、高確率状態である場合、高確率報知フラグ領域にオン情報がセーブされている状態(A1023)をそのまま維持して、セグメントLED編集処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における磁石不正監視処理(A1312)において行われる磁石不正監視処理の詳細について説明する。図104は、磁石不正監視処理の手順を示すフローチャートである。磁石不正監視処理では、磁気センサスイッチ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し、不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、磁気センサスイッチ61から出力されて第2入力ポート123(入力ポート2)に取り込まれる検出信号の状態から、磁石センサ(磁気センサスイッチ61)がオン、すなわち、異常な磁気を検出した状態であるか否かを判定する(A9301)。
遊技制御装置100は、磁石センサがオンである場合(A9301の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を検出した場合には、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新し(A9302)、当該タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A9303)。
遊技制御装置100は、磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(A9303の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を一定期間継続して検出した場合には、磁石不正監視タイマをクリアし(A9304)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(A9305)。
そして、遊技制御装置100は、磁石不正報知のコマンドを演出コマンドとして準備し(A9306)、磁石不正が発生したことを示す磁石不正発生フラグを磁石不正フラグとして準備する(A9307)。さらに、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A9313)。すなわち、磁気センサスイッチ61が磁石不正監視タイマで設定した一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に、異常が発生していると判定するようにしている。
一方、遊技制御装置100は、磁石センサ(磁気センサスイッチ61)がオンでない場合(A9301の結果が「N」)、すなわち、異常な磁気を検出していない場合には、磁石不正監視タイマをクリアする(A9308)。そして、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(A9309)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0であるか否かを判定する(A9310)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合についても(A9303の結果が「N」)、ステップA9309の処理に移行する。
遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(A9310の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、磁石不正監視処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0である場合(A9310の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合には、磁石不正報知終了のコマンドを演出コマンドとして準備する(A9311)。
さらに、遊技制御装置100は、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備し(A9312)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A9313)。
そして、遊技制御装置100は、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合には(A9313の結果が「Y」)、磁石不正監視処理を終了する。一方、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致しない場合には(A9313の結果が「N」)、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(A9314)、演出コマンド設定処理を実行する(A9315)。その後、磁石不正監視処理を終了する。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(A1313)の詳細について説明する。図105は、盤電波不正監視処理の手順を示すフローチャートである。盤電波不正監視処理では、遊技盤の電波センサ62(盤電波センサ)からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第2入力ポート123(入力ポート2)に取り込まれる検出信号の状態から、電波センサ62がオン、すなわち、異常な電波を検出した状態であるか否かを判定する(A9401)。電波センサがオンである場合(A9401の結果が「Y」)、すなわち、異常な電波を検出した場合には、電波不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(A9402)。
そして、遊技制御装置100は、盤電波不正報知のコマンドを演出コマンドとして準備し(A9403)、盤電波不正が発生したことを示す盤電波不正発生フラグを盤電波不正フラグとして準備する(A9404)。さらに、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A9409)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合とは異なり、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定している。
一方、遊技制御装置100は、電波センサがオンでない場合(A9401の結果が「N」)、すなわち、異常な電波を検出していない場合には、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(A9405)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、電波不正報知タイマの値が0であるか否かを判定する(A9406)。電波不正報知タイマの値が0でない場合(A9406の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、盤電波不正監視処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、電波不正報知タイマの値が0である場合(A9406の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合には、電波不正報知終了のコマンドを演出コマンドとして準備する(A9407)。さらに、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備し(A9408)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A9409)。
そして、遊技制御装置100は、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合には(A9409の結果が「Y」)、盤電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合には(A9409の結果が「N」)、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(A9410)、演出コマンド設定処理を実行する(A9411)。その後、盤電波不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、タイマ割込み処理における外部情報編集処理(A1314)の詳細について説明する。図106は、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。図106Aは外部情報編集処理の前半部分を示し、図106Bは外部情報編集処理の後半部分を示す。外部情報編集処理では、始動口エラー監視処理(A2009)、払出コマンド送信処理(A1305)、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1308)、磁石不正監視処理(A1312)、盤電波不正監視処理(A1313)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
遊技制御装置100は、まず、スイッチ異常エラーが発生中であるか否かを判定する(A9501)。スイッチ異常エラーが発生中である場合(A9501の結果が「N」)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9502)。スイッチ異常エラーが発生中である場合(A9501の結果が「Y」)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9503)。
次に、遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(A9504)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(A9504の結果が「N」)、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(A9505)。本体枠開放エラーが発生中でない場合(A9505の結果が「N」)、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9506)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A9507)。
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(A9504の結果が「Y」)、又は、本体枠開放エラーが発生中である場合(A9505の結果が「Y」)、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9508)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9509)。
遊技制御装置100は、ステップA9507、A9509の後、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新し(A9510)、セキュリティ信号制御タイマが0であるか否か(タイムアップしたか否か)を判定する(A9511)。セキュリティ信号制御タイマの初期値は、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータが初期化されたときに、所定時間(例えば256msec)が設定される(メイン処理のA1029)。そして、セキュリティ信号制御タイマはRAM初期化時から計時されることになる。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(A9511の結果が「N」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9512)、ステップA9513の処理に移行する。即ち、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(A9511の結果が「Y」)、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(A9513)。なお、磁石不正フラグ領域に磁石不正発生フラグがセーブされている場合に、磁石不正が発生中であると判定できる。磁石不正が発生中でない場合(A9513の結果が「N」)、さらに、盤電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9514)。なお、盤電波不正フラグ領域に盤電波不正発生フラグがセーブされている場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(A9514の結果が「N」)、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判定する(A9515)。なお、大入賞口に関しての不正入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、大入賞口不正が発生中であると判定できる。大入賞口不正が発生中でない場合(A9515の結果が「N」)、さらに、普電不正発生中であるか否かを判定する(A9516)。普電不正発生中でない場合(A9516の結果が「N」)、始動口エラー発生中であるか否か判定する(A9517)。なお、始動口エラーフラグ領域にエラー発生中フラグがセーブされている場合に、始動口エラー発生中であると判定できる。始動口エラー発生中でない場合(A9517の結果が「N」)、さらに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9518)。
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(A9513の結果が「Y」)、盤電波不正が発生中である場合(A9514の結果が「Y」)、大入賞口不正が発生中である場合(A9515の結果が「Y」)、普電不正発生中である場合(A9516の結果が「Y」)、又は、始動口エラー発生中である場合(A9517の結果が「Y」)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9519)。その後、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9520)、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行する(A9521)。
遊技制御装置100は、枠電波不正が発生中でない場合も(A9518の結果が「N」)、メイン賞球信号編集処理を実行する(A9521)。メイン賞球信号編集処理の詳細については後述する。続いて、遊技制御装置100は、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理を実行する(A9522)。始動口信号編集処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが0でなければ−1更新する(A9523)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9524)。図柄確定回数制御タイマの値が0である場合(A9524の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9525)、外部情報編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0でない場合(A9524の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9526)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(A9521)の詳細について説明する。図107は、メイン賞球信号編集処理の手順を示すフローチャートである。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置に出力する処理である。
遊技制御装置100は、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(A9601)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9602)。
遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0である場合には(A9602の結果が「Y」)、さらに、メイン賞球信号出力回数が0であるか否かを判定する(A9603)。
そして、遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力回数が0でない場合には(A9603の結果が「N」)、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(A9604)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値(例えば、128msec)をセーブする(A9605)。
その後、遊技制御装置100は、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9607)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力回数が0である場合には(A9603の結果が「Y」)、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9608)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0でない場合には(A9602の結果が「N」)、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるか否かを判定する(A9606)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64msec)以上であることである。
遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合には(A9606の結果が「Y」)、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A9607)。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合には(A9606の結果が「N」)、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(A9608)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
〔始動口信号編集処理〕
次に、外部情報編集処理における始動口信号編集処理(A9522)の詳細について説明する。図108は、始動口信号編集処理の手順を示すフローチャートである。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aや始動口3スイッチ42aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(A9701)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9702)。
遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマの値が0である場合には(A9702の結果が「Y」)、始動口信号出力回数が0であるか否かを判定する(A9703)。そして、始動口信号出力回数が0でない場合には(A9703の結果が「N」)、始動口信号出力回数を−1更新し(A9704)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値(例えば、128msec)をセーブする(A9705)。
その後、遊技制御装置100は、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9707)、始動口信号編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、始動口信号出力回数が0である場合には(A9703の結果が「Y」)、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9708)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマの値が0でない場合には(A9702の結果が「N」)、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるか否かを判定する(A9706)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であることとは、始動口信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。
遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合には(A9706の結果が「Y」)、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9707)、始動口信号編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合には(A9706の結果が「N」)、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9708)、始動口信号編集処理を終了する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図109は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。演出制御装置300における処理では、ラウンド演出設定処理、エンディング演出設定処理、演出内容決定処理を除いて、全ての実施形態及び変形例において共通する処理であるため、いずれの実施形態において実行される処理であるかは記載しない。
なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0009)。演出ボタン入力処理では、後述する演出ボタン操作演出処理が実行される。続いて、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0010)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0011)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報をQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0012)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0013)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図110にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0014)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0015)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0015)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0016の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0016の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0016の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0017)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0018)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0019)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。装飾制御処理の詳細については、図119にて後述する。
また、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0020)。可動体制御処理において、第1可動役物ユニット500、第2可動役物ユニット550、第3可動役物ユニット600、第4可動役物ユニット650、第5可動役物ユニット700の動作制御が実行され、ソレノイド等の駆動設定により、その他役物動作演出を実行する。
また、演出制御装置300は、導光板(第1導光板680、第2導光板683)の発光演出を制御する導光板制御処理を実行する(B0021)。導光板制御処理は、遊技機10における導光板制御手段となる。導光板制御処理の詳細については、図120にて後述する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0021の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0021までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図110を参照して、上述したメイン処理における受信コマンドチェック処理(B0013)の詳細について説明する。図110は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図150にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図111を参照して、前述した受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図111は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコマンドであり、変動コマンドがある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレコマンド(A5117)、ラウンドコマンド(A5702)、インターバルコマンド(A5903)、エンディングコマンド(A5905)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、前述の先読み停止図柄コマンドがある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、前述の先読み変動パターンコマンドがある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図112を参照して、前述した受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図112は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1301)。特図種別が未確定である場合(B1301の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1301の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1302)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1303)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1303の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1303の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1304)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1305)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1306)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1307)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図113を参照して、前述した変動系コマンド処理における変動演出設定処理(B1305)の詳細について説明する。図113は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B1401)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B1401の結果が「Y」)、機種コード、特図種別、演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B1402)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B1403)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B1401の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B1404)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B1405)。
演出制御装置300は、ステップB1403、B1405の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B1406)。続いて、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B1407)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B1408)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B1409)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B1410)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B1411)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B1412)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B1413)、予告演出の表示設定を行う(B1414)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減るアニメーションが設定される(B1415)。続いて、スピーカによる演出態様を定める音声番号、装飾装置の演出動作を定める装飾番号を設定する(B1416)。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B1417)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B1418)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置(LED)80で表示される。
次に、演出制御装置300は、次に実行される変動表示ゲームの予告までを全て決定した上で、リーチ内容を変更したり、置換するかの切り替えを決定する演出内容決定処理を実行する(B1419)。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、図114を参照して、上述した受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図114は、演出制御装置300によって実行される大当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B1501)。大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B1501の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがファンファーレコマンドである場合、演出制御装置300は、ファンファーレ演出設定処理を実行し(B1502)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B1503)、本処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B1501の結果が「N」)、大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B1504)。MODE部がラウンドを表す場合(B1504の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがラウンドコマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し(B1505)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B1506)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B1504の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B1507)。MODE部がインターバルを表す場合(B1507の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し(B1508)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B1509)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B1507の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B1510)。MODE部がエンディングを表す場合(B1510の結果が「Y」)、エンディング演出設定処理を実行し(B1511)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B1512)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B1510の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部が大入賞口カウントであるか否かを判定する(B1513)。MODE部が大入賞口カウントを表す場合には(B1513の結果が「Y」)、演出制御装置300は、現在が短開放中であるか否かを判定する(B1514)。短開放中ではない場合には(B1514の結果が「N」)、演出制御装置300は、獲得遊技球数カウンタを更新し(B1515)、本処理を終了する。
短開放中である場合には(B1514の結果が「Y」)、演出制御装置300は、獲得球数を表示するかの抽選を行い(B1516)、獲得遊技球数を非表示とするか否かを判定する(B1517)。獲得遊技球数を非表示とする場合には(B1517の結果が「Y」)、演出制御装置300は、非表示カウンタを更新し(B1518)、本処理を終了する。獲得遊技球数を非表示としない場合には(B1517の結果が「N」)、演出制御装置300は、短開放パターン用カウンタを更新し(B1519)、本処理を終了する。
なお、受信した大当り系コマンドのMODE部が大入賞カウントを表さない場合には(B1513の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、大当り系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図115を参照して、上述した受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図115は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1601)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1602)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、例えば、図柄種別は、はずれ図柄や突確当り図柄、4R確変大当り図柄(4R−A1等)、4R通常大当り図柄(4R−A2等)、8R確変大当り図柄(8R−A1等)、8R通常大当り図柄(8R−A2等)、12R確変大当り図柄(12R−A1等)、12R通常大当り図柄(12R−A2等)などに対応する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図116を参照して、上述した受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図116は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1701)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1701の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1702)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1701の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1703)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1703の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1704)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1703の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧時のコマンドを表すか否かを判定する(B1705)。そして、MODE部が停電復旧時のコマンドを表す場合には(B1705の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1706)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧時のコマンドを表していない場合には(B1705の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1707)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1707の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1708)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1707の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンド(A3208)を表すか否かを判定する(B1709)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1709の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1710)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1709の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンド(A3203)を表すか否かを判定する(B1711)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1711の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1712)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1711の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1713)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1713の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1714)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1713の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1715)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド(A2108)、不正解除コマンド(A2116)、状態オフコマンド(A2404)、状態オンコマンド(A2407)がある。そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1715の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1716)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1715の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(例えば、A5142の演出モード切替準備コマンド)を表すか否かを判定する(B1717)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1717の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1718)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1717の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1719)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンドと特図2の図柄停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1719の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1720)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1720の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1721)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1722)、単発系コマンド処理を終了する。B1724の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1719の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1720の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図117を参照して、上述した受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図117は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1801)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1801の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1802)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1801の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1803)。
演出制御装置300は、ステップB1802とB1803の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1804)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図118を参照して、上述した受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図118は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定する(B1901)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1901の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1901の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1902)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1903)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1904)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1905)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1906)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1907)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1907の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1908)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1909)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1910)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1907の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1910の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1910の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1911)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1912)。
次に、演出制御装置300は、最新保留の先読み予告演出が発生するか否かを判定する(B1913)。最新保留の先読み予告演出が発生する場合(B1913の結果が「Y」)、既保留に対応する保留情報をロードし(B1914)、先読み態様の保留に基づく変動演出内容と既保留に基づく変動演出内容とを比較する(B1915)。
次に、演出制御装置300は、B1915の比較処理において同一の変動内容があるか否かを判定する(B1916)。同一の変動内容がない場合には(B1916の結果が「N」)、演出制御装置300は、先読み演出内容を設定し(B1917)、本処理を終了する。
同一の変動内容がある場合には(B1916の結果が「Y」)、演出制御装置300は、先読み実行フラグを所定の一時領域にセーブし(B1918)、現時点で貯留されている既保留数をセーブする(B1919)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1920)。直ちに開始する演出には、例えば、保留変化予告がある。発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出である場合(B1920の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定し(B1921)、選出された先読み演出に対応する役物制御情報を設定する(B1922)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み予告演出が発生しない場合(B1913の結果が「N」)、又は、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出でない場合(B1920の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔装飾制御処理〕
次に、図119を参照して、上述したメイン処理における装飾制御処理(B0019)の詳細について説明する。図119は、演出制御装置300によって実行される装飾制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、現在が表示装置41のフレーム更新タイミングであるか否かを判定する(B2001)。フレーム更新タイミングである場合には(B2001の結果が「Y」)、演出制御装置300は、予め用意されている変動表示ゲームの際の変動パターンや大当りのシーンなど複数の演出パターンにそれぞれ付与されている演出番号のうち今回の演出に対応した演出番号に基づいて、現在の輝度データテーブルを取得する(B2002)。
次に、演出制御装置300は、輝度データテーブルから現在のフレーム数(フレーム番号)に対応する輝度データを取得し(B2003)、点灯させるLEDを指定する点灯データを取得して、点灯データを出力設定レジスタに書き込む指示をする(B2004)。
フレーム更新タイミングではない場合には(B2001の結果が「N」)、演出制御装置300は、B2002からB2004の処理を実行せずに、次のB2005の処理を実行する。
次に、演出制御装置300は、現在がファンファーレ開始タイミングであるか否かを判定する(B2005)。ファンファーレ開始タイミングである場合には(2005の結果が「Y」)、演出制御装置300は、盤装飾装置46、枠装飾装置18が備えるLEDに対して所定期間にわたって右打ち指示の発光態様で発光するように設定し(B2006)、本処理を終了する。右打ち指示の発光態様とは、例えば、遊技盤30の左部から右下部へと円弧状に約240°にわたって右回りに(時計回りに)波状に流れるように繰り返し発光する態様である。かかる発光態様は、右打ち(特別打ち)時の遊技球の流路と範囲が重なるため、遊技者は直感的に右打ちタイミングであることを把握することができる。
一方、ファンファーレ開始タイミングではない場合には(B2005の結果が「N」)、演出制御装置300は、現在が特定遊技状態の終了タイミングであるか否かを判定する(B2007)。特定遊技状態の終了タイミングである場合には(B2007の結果が「Y」)、演出制御装置300は、盤装飾装置46、枠装飾装置18が備えるLEDに対して所定期間にわたって左打ち指示の発光態様で発光するように設定し(B2008)、本処理を終了する。特定遊技状態の終了タイミングではない場合には(B2007の結果が「N」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。左打ち指示の発光態様とは、例えば、遊技盤30の右下部から左部へと円弧状に約240°にわたって左回りに(反時計回りに)波状に流れるように繰り返し発光する態様である。
〔導光板制御処理〕
次に、図120を参照して、上述したメイン処理における導光板制御処理(B0021)の詳細について説明する。図120は、演出制御装置300によって実行される導光板制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、現在がキャラクタ表示タイミングであるか否かを判定する(B2101)。キャラクタ表示タイミングである場合には(B2101の結果が「Y」)、演出制御装置300は、第1導光板の下辺部のLEDに対して全部発光態様を設定する(B2102)。キャラクタ表示タイミングではない場合には(B2101の結果が「N」)、演出制御装置300は、B2101の処理を実行しない。
次に、演出制御装置300は、現在がエフェクト表示の順次発光タイミングであるか否かを判定する(B2103)。エフェクト表示の順次発光タイミングである場合には(B2103の結果が「Y」)、演出制御装置300は、第1導光板の右辺部のLEDに対して順次発光態様を設定する(B2104)。エフェクト表示の順次発光タイミングではない場合には(B2103の結果が「N」)、演出制御装置300は、B2104の処理を実行しない。
次に、演出制御装置300は、現在がエフェクト表示の全部発光タイミングであるか否かを判定する(B2105)。エフェクト表示の全部発光タイミングである場合には(B2105の結果が「Y」)、演出制御装置300は、第1導光板の右辺部のLEDに対して全部発光態様を設定する(B2106)。エフェクト表示の全部発光タイミングではない場合には(B2105の結果が「N」)、演出制御装置300は、B2106の処理を実行しない。
次に、演出制御装置300は、現在がシャッター表示の順次発光タイミングであるか否かを判定する(B2107)。シャッター表示の順次発光タイミングである場合には(B2107の結果が「Y」)、演出制御装置300は、第2導光板の右辺部のLEDに対して順次発光態様を設定する(B2108)。シャッター表示の順次発光タイミングではない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、B2108の処理を実行しない。
次に、演出制御装置300は、現在がシャッター表示の全部発光タイミングであるか否かを判定する(B2109)。シャッター表示の全部発光タイミングである場合には(B2109の結果が「Y」)、演出制御装置300は、第2導光板の右辺部のLEDに対して全部発光態様を設定し(B2110)、本処理を終了する。シャッター表示の全部発光タイミングではない場合には(B2109の結果が「N」)、演出制御装置300は、B2110の処理を実行せずに、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、大当り状態(第1特別遊技状態)の終了後に通常遊技状態よりも変動表示ゲームが特別結果態様(第1特別結果態様)となり易い(大当り状態が発生し易い)確変状態(確率変動状態)を発生させていないが、大当り状態の終了後に通常遊技状態(低確率状態)、時短状態(低確率状態+普電サポート状態)又は確変状態(高確率状態+普電サポート状態)を発生させるようにしてもよい。また、確変状態(確率変動状態)は、次回の大当り状態(第1特別遊技状態)が発生するまで継続するものとしてもよいし、所定回数(例えば100回)の変動表示ゲームが実行された場合に終了するものとしてもよいし、所定の転落抽選に当選した場合に終了するものとしてもよい。
[本願発明の一形態]
ここまで説明した遊技機に関する発明として以下の発明を挙げることができる。
(11)所定の始動条件の成立に基づいてゲームを実行可能な遊技機において、演出部材を駆動する駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記演出部材に伝達する複数の駆動力伝達部材と、を備え、前記駆動源が第1駆動態様から第2駆動態様へ移行すると前記複数の駆動力伝達部材から発生する所定音が第1の音量となり、前記駆動源が前記第2駆動態様から第3駆動態様へ移行すると前記複数の駆動力伝達部材から発生する所定音が前記第1の音量から第2の音量となり、前記ゲームの進行に合わせて前記複数の駆動力伝達部材から発生する所定音を前記第1の音量と、前記第2の音量とに変更可能であることを特徴とする遊技機。
(12)前記変動入賞装置は、開閉部材を開状態と閉状態とに変換可能な普通変動入賞装置を含むものであり、通常遊技状態と、該通常遊技状態よりも前記普通変動入賞装置への入賞が容易な特定遊技状態の何れかの遊技状態を設定する遊技状態制御手段を備え、前記通常状態の期間は、前記可動役物が所定の回転方向とは逆の回転方向へ回動し、前記特定遊技状態の期間は、前記可動役物が所定の回転方向に回動することを特徴とする(11)に記載の遊技機。
(13)前記可動役物は、所定期間が経過するごとに一定期間にわたって回動を停止することを特徴とする(11)または(12)に記載の遊技機。
(14)前記遊技領域には、円弧状の発光装置が設けられ、前記特定遊技状態の期間は、前記発光装置が前記所定の回転方向と同方向に波状に発光することを特徴とする(11)から(13)に記載の遊技機。
(15)前記遊技領域内に設けられる発光器によって遊技者にとって前記特別打ちが有利な期間にのみ前記発光器が点滅することを特徴とする(11)から(14)に記載の遊技機。
(第1実施形態の変形例1)
第1実施形態の変形例1では、モータの駆動によって生じる役物全体の駆動音を演出に活用する発明を説明する。以下、モータの駆動速度(回転速度)の変化に対応して(複数の)ギアから発生する駆動音の変化に関する一例を記載する。
複数の可動部によって構成される役物は、一般に、駆動力を供給する駆動源(モータ)と、駆動力を演出部材へ伝達する駆動力伝達部材(ギア)と、駆動力伝達部材から伝達された駆動力によって可動する演出部材とを含み、可動時に各可動部同士の摩擦音や衝突音が生じる。ここで、第2可動役物550aは、十以上の装飾回転体581(演出部材)が回動するものであり、図9及び図10に示すように、18個のワークギア561と17個の中間ギア562がモータ557の駆動に合わせて一斉に回動する。これらギア(駆動力伝達部材)の駆動時には、モータ557の駆動音に加えて、ギア同士の噛み合う音や各ギアの回転軸から生じる回転音等が生じるため、第2可動役物550aの正面に着座する遊技者は、第2可動役物550aとの間にガラス枠15が介在しても、第2可動役物550aから生じる音を認識可能である。第3可動役物600aについても同様である。
つまり、第2可動役物550aは、1個のモータ557の駆動に基づいて、複数のギアが駆動するため、モータ557の駆動音、及び各ギアから生じる衝突音、摺動音、回動音等の動作音がガラス枠15を通して遊技者に伝達する。
また、第3可動役物600aは、1個のモータ607の駆動に基づいて、複数のギアが駆動するため、モータ607の駆動音、及び各ギアから生じる衝突音、摺動音、回動音等の動作音がガラス枠15を通して遊技者に伝達する。
これら役物の動作音は、駆動源の駆動速度、つまり役物の動作速度が低速でも中速でも高速でも遊技者が認識できる音量として伝達されることから、当該役物の動作音を演出の一部に活用することで遊技の興趣を向上させることができる。なお、当該役物の動作音は、いわゆる機械音として、興味、期待感を覚える音であり、遊技機10が提供する作品観を一層奥深くする効果をもたらす。
次に、駆動源の動作速度と駆動源から生じる音の関係を説明する。図121は、第1実施形態の変形例1の駆動源の動作速度と役物全体から生じる音の図表である。横軸はモータの回転速度を示し、縦軸は役物全体から生じる音の大小を示す。
モータ557及びモータ607は、役物を駆動させる速度域の回転速度として、低速、中速、高速の3領域に分けることができ、低速域を第1駆動態様、中速域を第2駆動態様、高速域を第3駆動態様とする。
ワークギア561及び中間ギア562は、駆動源(モータ)が低速域で回転すると駆動音が大きく、駆動源が中速域で回転すると駆動音が小さくなる。そして、駆動源が高速域で回転するとワークギア561及び中間ギア562から生じる音(役物全体から生じる音、所定音)は、駆動源が中速域で回転する時よりも大きくなるが、低速域で回転する時よりは役物全体から生じる音(所定音)が小さい。
なお、役物全体から生じる音(所定音)には、ギアから生じる音に加えてモータから生じる音も含めることができる。
モータ557(図9参照)及びモータ607(図12参照)は、例えば、中速域において駆動音及び振動が最小となる特性を有するステッピングモータであるが、ステッピングモータは、回転角度がデジタル入力によるパルスの数に比例することから、パルスを発生させるための回路(ドライバ)とアーマチュアとの関係性に基づいて動特性、静特性の変動が生じる。モータ557及びモータ607は、例えば、直流モータ(DCモータ)でもよい。
モータの駆動音は、様々な要因によってもたらされるが、一例としては、モータから生じる振動や内蔵もしくは外付けの減速ギアからモータの駆動音が生じる。ここで、ステッピングモータは、パルスの入力ごとに、ロータが動く、ロータが行き過ぎる、ロータが揺り戻す、ロータが静止する、という細かい動きを何度も繰り返すことが振動の主要因となる。特に、100−200ppsの低速回転時に振動が大きくなり、500pps前後の中速回転時では振動が最小となる。
そして、モータの回転速度があがるにつれて、ロータが静止する間もなく次のステップに進むので振動が減少して滑らかに回転するようになるが、パルス速度が速くなると、目標角度まで回転する前に励磁が次のステップに進んでしまうためにロータが追従できず脱調が生じることから、高速回転時は、中速域よりも振動が増加する。そのため、モータから生じる音量は、低速>高速>中速の順に大小関係が成立する。ただし、ここで説明したモータから生じる音量の大小関係は、一例であり、低速域よりも高速域においてモータから生じる音量が大きい場合もあり、かかる音量の大小関係は、モータの設計によるところとなる。
図122は、第1実施形態の変形例1のモータの回転速度、ギアの回転速度、役物の動作速度と各部位から生じる音の大きさを示す図である。モータから生じる音とギアから生じる音とを合わせた音が役物全体から生じる音(所定音)にあたる。
上述した一例では、モータの回転速度が低速時は「大」の音量の駆動音が、中速時は「小」の音量の駆動音が、高速時は「中」の音量の駆動音がモータから生じる。ギアの回転速度においては、ギアの回転速度が低速時は「大」の音量の駆動音が、中速時は「小」の音量の駆動音が、高速時は「中」の音量の駆動音がギアから生じる。
ギアから生じる音は、モータと同様に様々な要因によって生じるものであるが、一例として、ギアが噛み合う時の音が主要因であり、ギアの回転軸から生じる摺動音やモータから伝達される振動もギアから生じる音の要因となる。
ギアの回転速度が低速である場合(目安としては、ワークギア561において毎分20回転程度)には、ワークギア561に取り付けられる回転装飾部材581を回動させる負荷(摩擦力)とモータ557からの振動が各ギアに伝達し、ギア全体として滑らかさをやや欠く状態で回動する。そのため、各ギアからは、「ガチャ・ガチャ・・」というギア同士の噛み合う音が生じて、音量としては大きな音が生じる。
ギアの回転速度が中速である場合(目安としては、ワークギア561において毎分50回転程度)には、回転装飾部材581が回転する慣性力によってギアへの負荷が低速時よりも低下する。また、中速で駆動するモータ557の振動は低速時よりも大きく低下することから、モータ557から伝達される振動も低下し、各ギアに伝達される振動は大きく低下してギア全体として滑らかに回動する。そのため、各ギアからは「ガララララ・・」というギア同士の噛み合う音が生じて、音量としては低速時よりも小さな音が生じる。
ギアの回転速度が高速である場合(目安としては、ワークギア561において毎分90回転程度)には、中速時と同様にギア全体として滑らかに回動するが、中速時よりも回転速度が速いため、単位時間あたりのギアの噛み合い量が増えて「ガララララララララ・・」というギア同士の噛み合う音が生じる。高速時にギアから生じる音量は、中速時よりも大きくなるが、ギア同士が滑らかに回動する分、低速時よりは小さな音量となる。
そして、モータから生じる音量とギアから生じる音量の合計として、役物全体から生じる音量は、役物(回転装飾部材581)の動作速度が低速時は「大」、中速時は「小」、高速時は「中」、となる。
図123は、第1実施形態の変形例1のリーチ変動における演出内容を説明する図である。ここでは、リーチ変動となる変動表示ゲームに基づいたギアの音と振動に関する演出を説明する。
変動表示ゲームが開始されて、リーチが発生すると、モータ557及びモータ607は、停止状態から中速で回転する。リーチ演出の中盤までモータ557及びモータ607は、中速で回転するため、リーチ発生からリーチの中盤までは、ギアから発生する駆動音及び振動は小さなものとなる。
そして、リーチ演出が終盤に差し掛かると、モータ557及びモータ607が低速になり、ギアから生じる音と振動が大きくなる。かかる演出は、ギアからの音が小さい音量から大きな音量へと変化することで、リーチの行方について遊技者の注意をひくための演出である。つまり、遊技者は、リーチ演出の中盤まで始動口や始動記憶の付近を注視している中、ギアから生じる音が大きくなったことに起因してリーチ演出が終盤に差し掛かったことを認識して、変動中の残り1つの識別図柄がどの図柄で停止するかを注視することになる。
また、図122で説明したように、モータの回転速度に応じてモータ自体から発生する駆動音が変化する。そのため、リーチ演出の終盤にかけて回転が低速になることに起因してモータ自体から発生する駆動音も小さい音量から大きな音量へと変化し、遊技者の注意をひきつける補助的な効果をもたらす。つまり、ギアから生じる駆動音や振動に加えて、モータから生じる駆動音や振動によって、役物全体から生じる駆動音や振動が増加するため、遊技者への伝達力が増加する。
このように、モータ音及びギア音は、リーチ演出の終盤に大きくなると、聴覚を通じて遊技者の期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、モータ音及びギア音が「小」から「大」へと変化するタイミングにおいて、スピーカ19(音出力手段)からの出力音(スピーカ音、演出音)が「大」から「小」へと抑えられる。スピーカ19の音量を抑えることは、一般に静かではない遊技場内において、役物から生じる音(所定音)を遊技者により強く認識させることに繋がる。また、これまでのスピーカ音「大」とモータ音及びギア音「小」の関係から、スピーカ音「小」とモータ音及びギア音「大」の関係となり、スピーカの音量に対するモータ及びギアの音量のコントラストが増加して、意外感や期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
図124は、第1実施形態の変形例1の擬似連演出(擬似連続演出)における演出内容を説明する図である。ここでは、3回の擬似連変動(擬似変動)が実行される変動表示ゲームに基づいたモータ及びギアの音と振動についての演出を説明する。擬似連演出(擬似連続演出)とは、1回の特図変動表示ゲームにおいて、最終的な停止結果表示までに、変動表示されている複数の飾り特別図柄を擬似的に停止表示(擬似停止表示)させる擬似変動表示ゲーム(擬似連変動、擬似変動、副変動)を所定回数だけ行う演出である。擬似停止表示時に、擬似連続演出を示唆する擬似連図柄が停止表示されることがある。
変動表示ゲームにおいて、擬似連図柄の出現によって1回目の擬似連変動が開始されると、モータ557及びモータ607は、停止状態から中速で回転する。そのため、擬似連変動の1回目の期間における、ワークギア561及び中間ギア562から発生する音量及び振動は小さなものとなる。なお、モータ557及びモータ607が中速で回転するため、モータ557及びモータ607から発生する音量及び振動も小さなものとなる。
この時、小さな音量であるモータ音及びギア音が他の音にかき消されない様に、スピーカ音も小さなものとなる。なお、モータやギアの回転速度に関係なくスピーカ19から音を出力してもよい。
続いて、擬似連変動の2回目が開始されると、モータ557及びモータ607が高速になり、ギアから生じる音量と振動量が「中」となる。さらに、擬似連変動の3回目が開始されると、モータ557及びモータ607が低速になり、ギアから生じる音量と振動量が「大」となる。スピーカ音もギア音の増加に合わせて増加し、擬似連2回目では「中」、擬似連3回目では「大」となる。
かかる演出は、擬似連変動が1回目、2回目、3回目と進行するについて、スピーカ音及びギアから発生する音量、振動が「小」、「中」、「大」と変化することで、演出の発展に期待感をもたせることができる。さらに、擬似連変動の2回目は「ガララララララララ・・」とテンポ良く第2可動役物550a及び第3可動役物600aが回転して音を出していたのに対して、擬似連変動の3回目は第2可動役物550a及び第3可動役物600aの回転が低速となり、「ガチャ・ガチャ・・」とゆっくりとした音の発生になるため、擬似連変動の3回目において期待度の高い報知となる。そのため、遊技者は擬似連変動の3回目の演出を注視するようになり、遊技の興趣が向上する。
一方、擬似連変動1回目のギアの音量及び振動が「小」であることで、変動中の表示装置41の画面のみならず、画面周辺の役物や装飾部材の発光パターンの変化などを遊技者に見てもらうことが期待できる。つまり、擬似連演出の発展に合わせて、ギアの音量及び振動が変化することで、遊技者に適宜見てもらいたい演出へ遊技者の意識を向けさせることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
その他、ギア音の「大」「中」「小」を活用する例としては、遊技機10の出荷時に初期動作を検査員の目視のみに頼らずに、所定の性能が発揮されているかを確認することに活用可能である。検査員は、視覚及び聴覚という複数の感覚器官を用いて初期動作を確認できるため、検査の質の向上や検査の能率が向上する。
また、遊技者等が、遊技機10の音量、画面の明るさ、演出内容等の設定を変更した場合に、次の設定項目を選択した、設定を受け付けた、設定をキャンセルした等に対応してギアが低速、中速、高速で回転することができる。遊技場内において、遊技機10の設定を変更したことについて視覚(表示装置及び装飾回転体)及び聴覚(ギア音)で確認できるため、遊技者の意図する設定操作がされた又は意図しない設定操作がされたことを遊技者が確認し易くなる。設定操作の確認という観点からは、設定が変更された場合にのみギアが回転する(役物が可動する)ものでもよい。
また、客待ち中に、停止している第2可動役物550a、第3可動役物600を所定のタイミングまたはランダムなタイミングで低速で可動させることで、大きな音量のギア音を発生させて、遊技場内にいる周辺の人の注意を引きつけて遊技機10をアピールすることができる。
また、エラー報知としてギアの音量を大きくすることでエラーが発生したことを遊技者及び店員に報知することや、初期動作時にギアの音量を大きくすることで、初期動作中であることを報知することができる。
なお、ギアの音量の変化は、本変形例において説明した形態(小大や小中大)に限られず、大中小、大小中、中小大、中大小、小中大、小大中、大小大小、小小中大等、適宜音量をゲームの進行(演出)に対応して変化することも含まれる。
[第1実施形態の変形例1の効果]
このように、モータの回転速度に応じて生じるモータ音と、モータの駆動に合わせて回転するギアから生じる音によって、遊技者の注意を演出の中心部にひきつけたり、遊技者の意識を演出の中心部から他へ向かわせたりすることができる。
モータ及びギアが中速域から低速域へとうつると、モータ及びギアから生じる音(所定音)や振動が小さな量から大きな量になるため、遊技者の注意を演出の中心部にひきつけることができ、増加した所定音によって遊技者の期待感を高めることができる。
また、モータ及びギアの音量及び振動が変化するタイミングに合わせてスピーカ19からの出力音の大小を制御することで、遊技者にモータ音及びギア音をより認識させ易くすることができる。
また、モータ音及びギア音の「大」「中」「小」によって、遊技機10の出荷時の初期動作の検査の能率を向上させることができる。さらには、遊技機10の音量、画面の明るさ、演出内容等の設定において、演出ボタン25の操作に応じてモータ音及びギア音の「大」「中」「小」が変化するため、どのように演出ボタン25等が操作されているかが操作者の視覚及び聴覚を通じて伝達され、設定操作の能率を向上させることができる。また、設定変更のための演出ボタン25の操作に応じてモータ音及びギア音が変化することや役物が可動することは、操作に対する満足感が向上し、遊技者が設定のための操作を積極的に行う動機となる。
[本願発明の一形態]
ここまで説明したモータ音及びギア音の「大」「中」「小」を活用した演出に関する発明、また、モータの振動及びギアの振動の「大」「中」「小」を活用した演出に関する発明として以下の発明を挙げることができる。
(16)所定の始動条件の成立に基づいてゲームを実行可能な遊技機において、演出部材を駆動する駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記演出部材に伝達する複数の駆動力伝達部材と、を備え、前記駆動源が第1駆動態様から第2駆動態様へ移行すると前記複数の駆動力伝達部材から発生する所定音が第1の音量となり、前記駆動源が前記第2駆動態様から第3駆動態様へ移行すると前記複数の駆動力伝達部材から発生する所定音が前記第1の音量から第2の音量となり、前記ゲームの進行に合わせて前記複数の駆動力伝達部材から発生する所定音を前記第1の音量と、前記第2の音量とに変更可能であることを特徴とする遊技機。
(17)演出音を出力可能な音出力手段を備え、前記所定音が前記第1の音量から前記第2の音量に変更されることに対応して前記演出音の音量を変更することを特徴とする(16)に記載の遊技機。
(18)所定の始動条件の成立に基づいてゲームを実行可能な遊技機において、演出部材を駆動する駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記演出部材に伝達する複数の駆動力伝達部材と、を備え、前記駆動源が第1駆動態様から第2駆動態様へ移行すると前記複数の駆動力伝達部材によって発生する振動が第1の振動となり、前記駆動源が第2駆動態様から第3駆動態様へ移行すると前記複数の駆動力伝達部材によって発生する振動が前記第1の振動から第2の振動となり、前記ゲームの進行に合わせて前記複数の駆動力伝達部材によって発生する振動を第1の振動と、第2の振動に変更可能であることを特徴とする遊技機。
(19)演出音を出力可能な音出力手段を備え、前記振動が前記第1の振動から前記第2の振動に変更されることに対応して前記演出音の音量を変更することを特徴とする(18)に記載の遊技機。
上記の(16)から(19)に記載の発明において、「駆動源」は、例えば、モータ557が対応する。また、「駆動力伝達部材」は、例えば、ワークギア561や中間ギア562が対応する。また、「音出力手段」は、例えば、スピーカ19が対応する。
また、「第1駆動態様」は、駆動源が低速域で駆動する態様が対応し、「第2駆動態様」は、駆動源が中速域で駆動する態様が対応する。また、「第3駆動態様」は、駆動源が高速域で駆動する態様が対応する。
また、「所定音」は、役物全体から生じる駆動時の機械音であり、役物全体から生じる音が対応する。また、「第1の音量」は、例えば、役物全体から生じる音量として中速時に発生する「小」の音量が該当し、「第2の音量」は、例えば、高速時に発生する「中」の音量が対応する。
また、「第1の振動」は、例えば、中速時に発生する「小」の振動状態が該当し、「第2の振動」は、例えば、高速時に発生する「中」の振動状態が対応する。
(第1実施形態の変形例2)
第1実施形態の変形例2では、上部演出ユニット40cの前面に着色透光板88が設けられる。着色透光板88は、例えば、着色された透光性の部材であり、後方の光の色と異なる色によって着色透光板88が発光しているように見える効果がある。光はプリズムを通過させると複数の色(つまり、複数の波長)に分かれるが、着色透光板88は、後方から前方へと通過する光の一部の波長域を減衰させて、後方からの光とは異なる波長域の光へと変えるものである。
着色された透光性部材は、いわゆるカラーフィルターのように、特定の色に対応した波数域を吸収する。例えば、後方から太陽光を受けている時に、赤色を吸収する(赤色に対応する波数域を通過させない)カラーフィルターでは、青緑色が強調されるため、当該透光性部材は青緑色に見える。
カラーフィルター効果としては、カラーフィルターの色と同系色を強調し、反対色が見え難くなることが知られている。例えば、可視光の短波長域(青)を吸収する黄色フィルターでは黄色が強調され、可視光の中波長域(緑)を吸収する赤紫色フィルターでは赤紫色が強調され、可視光の長波長域(赤)を吸収する青緑色フィルターでは青緑色が強調される。
図125は、第1実施形態の変形例2の遊技盤の正面図である。また、図126は、第1実施形態の変形例2の遊技盤ユニットの分解斜視図である。ともに、図2、図3とは、上部演出ユニット40cの前面に着色透光板88が設けられる点において相違する。
図125及び図126に示すように、上部演出ユニット40cは、第2可動役物550aの前方に配置される。上部演出ユニット40cは、着色透光板88と着色透光板88を支持する支持部材(図示省略)によって構成され、着色透光板88は、例えば、遊技機10のタイトル(遊技機の機種名等)が彫り込まれた一枚の透光性部材である。また、第2可動役物550ユニットが備える第2可動役物前面ベース570及び各装飾回転体581(図9参照)も透光性の部材によって構成される。
上部演出ユニット40cは、第2可動役物550aよりも面積が小さい。そして、LED基板568に設けられるLEDの光が、第2可動役物前面ベース570及び各装飾回転体581を介して、上部演出ユニット40cを発光させ、上部演出ユニット40cを強調するように装飾する。
上部演出ユニット40cは、内部に発光機能を備えず、第2可動役物ユニット550が備える照明(図9のLED基板568に設けられるLED)の光を透光する演出部材である。上部演出ユニット40cは、第2可動役物ユニット550の視認を妨げることなく、遊技者は上部演出ユニット40cを介して第2可動役物550aを視認することができる。上述のとおり、透光にあたっては、上部演出ユニット40c(着色透光板88)は、波長域の一部を大きく減衰させるため、LED基板568が発する色とは異なる色合い(色相)によって装飾される。
どの波長域を大きく減衰させるかは、着色透光板88が着色された色に基づくが、ここでは、赤、青、緑の各色の合成によって作られるLEDの白色光を受けた時に赤色に見える色が着色されているものとして説明する。つまり、赤の波長域は減衰させず、赤の反対色である青緑の波長域が減衰させられる。
具体的には、白色のLED光を受けると着色透光板88は赤色に見える。また、赤色のLED光を受けると着色透光板88は赤色に見える。また、橙色のLED光を受けると着色透光板88は明るい赤色(ザクロ色)に見える。また、黄色のLED光を受けると着色透光板88は橙色に見える。また、緑色のLED光を受けると着色透光板88は赤色に見える。また、青色のLED光をうけると着色透光板88は紫色に見える。また、藍色のLED光を受けると着色透光板88は暗い赤色(ガーネット)に見える。また、紫色のLED光を受けると着色透光板88は暗い紫色に見える。その他、水色のLED光を受けると着色透光板88は暗い藍色(ネイビーブルー)に見え、桃色のLED光を受けると着色透光板88は明るい赤色(バーニングレッド)に見える。
第2可動役物550a及び第3可動役物600aは、光の伝播演出を実行可能であり、図125に示すワープ流入口40aの上部付近を起点として、円弧を描くようにレインボーの(7色の)伝播演出を実行可能である。なお、伝播演出は、変動表示ゲームの変動態様がリーチとなると開始してよい。つまり、第2可動役物550aは、ワープ流入口40aの上部付近から白色に続いて、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順に発光し、当該7色が第2可動役物550a及び第3可動役物600aを円弧状に伝播して発光する。これらの色は、順に一定時間ごとに点灯と消灯を繰り返すものではなく、色相間のグラデーションを伴って流れるように色合い(色相)を変化させるものである。そのため、第2可動役物550a及び第3可動役物600aが、白色から赤へと変化する過程においては白と赤の中間色である桃色が視認可能である。また、緑から青へと変化する過程においては緑と青の中間色である青緑色が視認可能であり、同様に、緑から青へと変化する過程においては水色も視認可能である。
なお、レインボーの伝播演出は、7色が一巡して、次の7色の発光が始まる前に、消灯(消灯領域)を挟むように発光してもよい。具体的には、定点において、白色に続いて、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順に発光し、一定期間消灯した後に、2回転目のレインボーとして赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順に発光する。このように、7色が一巡した後に一旦消灯期間を設けることで、1回ごとのレインボーが認識し易くなり、例えば、レインボーの1回分(7色の一巡)がリーチ演出の1単位に相当する場合等において、演出の区切りや演出の発展等を遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣が向上する。
また、7色の色毎に消灯(消灯領域)を挟むように発光してもよい。具体的には、定点において、白色に続いて、消灯、赤、消灯、黄、消灯、緑、消灯、青、消灯、藍、消灯、紫、消灯の順に発光と消灯が繰り返される。このように、伝播演出において消灯領域が設けられると、7色の色毎に色の区切りがはっきりと認識され、光の伝播状態がより認識し易くなる。当該発光態様の活用としては、例えば、第2可動役物550a及び第3可動役物600aの全周において6色分が発光している場合よりも7色分が発光している場合の方が期待度が高い等の報知(暗示的報知)が可能である。
ここで、着色透光板88は、赤の波長域は減衰させず、赤の反対色である青緑の波長域を減衰させる機能を有するため、背後の第2可動役物550aが白色に続いて赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順に発光すると、着色透光板88は、赤に続いて赤、明るい赤、橙、赤、紫、暗い赤、暗い紫の順に色づいて見える。つまり、背景の色が七色に変化する際中の着色透光板88は、主に赤色系統に発光して見える。特に、背景色が白色から赤色に変化しても着色透光板88は、赤色に見え、ほとんど色合いに変化がないため、背景色が大きく変化しても着色透光板88の色が変わらない様に見える。また、背景色が赤、橙、黄、緑へと変化すると、着色透光板88は、赤、明るい赤、橙、赤へと変化するので、着色透光板88において主に赤の色合いの変化が楽しめるが、背景色が赤から緑へと大きく変化しているにもかかわらず着色透光板88は、赤を中心とした色合いに見える。そして、背景色が緑、青、藍、紫へと変化する過程では、着色透光板88は、赤、紫、暗い赤、暗い紫へと変化し、後半は暗い赤を中心とした色合いへと変化するため、赤に続いて赤、明るい赤、橙、赤へと変化する前半に比べて落ち着いた感じの色合い(色相)となる。
つまり、背景色が白色に続いて赤、橙、黄、緑へと変化する過程を前半部とし、緑、青、藍、紫へと変化する過程を後半部とすると、着色透光板88は、前半部において明るい赤系統の色に見え、後半部において暗い赤系統の色に見えるため、遊技者は前半部と後半部の違いを認識することができる。
また、赤に続いて赤、明るい赤、橙、赤、紫、暗い赤、暗い紫へと変化する着色透光板88の色相の態様は、第2可動役物550aの発光態様と異なる色合いとなるため、上部演出ユニット40cが強調される。
このように、着色透光板88は、背景色の変化とは異なる色合いによって変化するものであり、前半部と後半部との区別が設けられることで、上部演出ユニット40c及び第2可動役物550aが交互に強調される効果をもたらす。そして、上部演出ユニット40c及び第2可動役物550aの両方に対して、遊技者の注目を引きつけることができ、レインボー演出と関連する演出の発展等を遊技者に認識させることができる。
次に、着色透光板88の明暗等のムラについて説明する。図127は、第1実施形態の変形例2の着色透光板88及び第2可動役物550aの側面図である。ここでは、第2可動役物550aから発せられる光が着色透光板88の正面においてどのように見えるかを説明する。LEDの光は、光源から離れるに従い広がるものであるが、説明の便宜により、直線状の矢印として示しており、上から順にL1、L2、L3とする。
第2可動役物背面ベース551と第2可動役物中間ベース565との間は、ギアボックスとなっており、第2可動役物中間ベース565と第2可動役物前面ベース570との間には、LED基板568が配設される。
着色透光板88は、着色成分によって、光の吸収及び拡散効果を備えるため、着色透光板88自体にLED光を拡散させて輝いて見える効果がある。その上で、LED光L1、L2、L3について説明する。
LED光L1は、装飾回転体583dを通過してさらに着色透光板88を通過するが、着色透光板88を通過する前に装飾回転体583dによって拡散されるため、着色透光板88の正面では拡散された光として視認される。
LED光L2は、装飾回転体585eと装飾回転体581cを通過して着色透光板88を通過するが、これら2つの装飾回転体によって拡散されるため、着色透光板88の正面では強く拡散された光として視認される。特に、装飾回転体581cは、外側へと膨らみをもつ形状であるため、拡散機能が強く、LED光L2は大きく拡散されることになる。
LED光L3は、着色透光板88を通過するが、着色透光板88の拡散機能によって拡散されるのみとなり、L1及びL2ほど強くは拡散されない。
このように、着色透光板88は一様の明るさに光って見えるものではなく、明るさのムラをもって視認され、さらに、装飾回転体581c等の回転によって明るさのムラが動くものである。装飾回転体等は、完全な円形ではないため、光の一部は回転によって、装飾回転体を透過したり透過しなかったりする。
このため、着色透光板88は、背景色の色の変化に基づく色合いの変化に加えて、動きのある明るさのムラを伴うものであるため、マーブル調やグラデーションを含む複雑な色合いや模様に発光して見える。
また、着色透光板88が備える着色成分による拡散効果によって、少量の光の入射であっても着色透光板88全体が発光しているように見える。ここで、単に着色透光板88に拡散効果を持たせるのであれば、着色透光板88の表面または裏面にエッジを付けて細かな山や谷を複数設ければ拡散効果を得ることができるが、そうすると、後方の第2可動役物550aはぼやけて見えてしまい、クリアな視認ができなくなる。そこで、着色透光板88は、平板として構成されて、後方に設置される演出部材をクリアに視認できるように構成されている。そして、着色透光板88は、着色成分によって、背景色と異なる色合いに発光して見え、かつ、拡散効果によって入射する光が少量であっても着色透光板88全体が発光して見える(少量の光でも遊技機のタイトル等が十分に視認できる)。
次に、着色透光板88による遊技演出の一例を説明する。図128は、第1実施形態の変形例2の表示装置41及び着色透光板88周辺の正面図である。(A)は始動記憶が1個の状態であり、(B)は期待度の高い2個目の始動記憶が発生した状態である。
(A)は、変動表示ゲームを実行中であり、始動記憶M1が発生しているが、先読み対象の始動記憶ではないため、通常の態様で表示されている。この時、第2可動役物550aは発光していないため、着色透光板88も発光していない。
(B)は、期待度の高い先読み対象となる始動記憶M2が発生した状態である。ここでは、始動記憶M2に桜の花の模様が浮かび上がっており、始動記憶M2の期待度が高いことを報知している。また、始動記憶M2の中に桜の花の模様が浮かび上がるタイミングに合わせて、第2可動役物550a及び第3可動役物600aがアーチ状に発光しており、着色透光板88も発光している。
ここで、始動記憶M2の先読み演出の色と、着色透光板88を透過して見える色との関係性に基づいて始動記憶M2の期待度の高さを報知することができ、例えば、始動記憶M2及び着色透光板88がともに橙色に発光していると期待度がとても高いことを報知するという演出が可能である。
また、着色透光板88の発光色によって、先読み演出の先読みを報知することも可能である。具体的には、例えば、始動記憶M2が橙に発光する前に、第2可動役物550aが黄色に発光して着色透光板88が橙に発光して見えるように演出される。かかる演出では、始動記憶M2の期待度がとても高い始動記憶であることを、始動記憶M2に対する先読み演出に先んじて着色透光板88が報知しており、上部演出ユニット40cに対する注目度をより高めることができる。
また、始動記憶M2に桜花の模様が表示される場合に、着色透光板88の裏面に配置された装飾回転体581cのみが発光し、着色透光板88を介して視認可能としてもよい。着色透光板88の裏面に配置された装飾回転体581cが発光することで、始動記憶における先読み演出と、始動記憶に表示される桜花と同じ桜花の模様が施された装飾部材である装飾回転体351とを連動させることができ、始動記憶への先読み演出と可動役物(装飾回転体351)の発光演出との相乗効果によって遊技の興趣が向上する。
なお、始動記憶における先読み演出の報知態様としては、始動記憶表示の中に桜の花弁が舞う態様や、始動記憶表示の周囲を桜の花弁が舞う態様もあり、期待度の高い始動記憶であることを報知する。
[第1実施形態の変形例2の効果]
このように、第1実施形態の変形例2では、着色透光板88が、背景色の変化とは異なる色合いによって変化するため、周囲の色とのコントラスト及び色合いの変化が新奇な演出となり、遊技の興趣を向上させる。
また、着色透光板88は、背景色の色の変化に基づく色合いの変化に加えて、動きのある明るさのムラを伴うものであるため、マーブル調やグラデーションを含む複雑な色合いや模様に発光して見える。
また、着色透光板88は、フィルター効果を有するため、第2可動役物550aが発する光の強さを弱める働きをもち、遊技者が正面視において眩しく感じることを低減できる。また、人間の目に悪影響を及ぼす可能性のある光(例えば、LEDのブルーライト)をカットできるため、目に優しい演出光を提供することができる。
また、着色透光板88は、平板であり、着色成分による光の拡散効果を備えるため、着色透光板88の後方をクリアに視認することができ、また、少量の光であっても着色透光板88全体が発光して見えるため、遊技機のタイトルを十分に視認することができる。
また、着色透光板88は、始動記憶表示等に対する先読み演出に先んじて、着色透光板88の色相によって期待度の高さを報知する演出が可能であり、これまでにない新奇な演出によって遊技の興趣を高めることができる。
また、着色透光板88は、透光板を着色したものであるため、簡易かつ低コストに設置することができ、費用対効果の高い演出部材となる。
[本願発明の一形態]
ここまで説明した着色透光板88による背景色と異なる発色による演出に関する発明として以下の発明を挙げることができる。
(20)所定の始動条件の成立に基づいてゲームを実行可能な遊技機において、透光性を有する第1の透光性部材と、前記第1の透光性部材の前方に設けられ、着色された第2の透光性部材と、前記第1の透光性部材の後方に設けられた発光源と、を備え、前記第1の透光性部材は、前記発光源からの光によって第1装飾態様で装飾され、前記第2の透光性部材は、前記第1の透光性部材を介した前記発光源からの光によって前記第1装飾態様と異なる第2装飾態様で装飾されることを特徴とする遊技機。
(21)前記第1の透光性部材は、前記ゲームの進行に対応して動作可能であり、前記第2の透光性部材を介して動作を視認可能であることを特徴とする(20)に記載の遊技機。
上記の(20)から(21)に記載の発明において、「第1の透光性部材」は、例えば、第2可動役物550aである。また、「着色された第2の透光性部材」は、例えば、着色透光板88である。また、「発光源」は、例えば、LED基板568に設けられるLEDである。
また、「第1装飾態様」は、LED光と同じ色相で発光する装飾態様である。また、「第2装飾態様」は、背景色(第1の透光性部材の発光色)とは異なる色相で発光する装飾態様である。
(第1実施形態の変形例3)
第1実施形態の変形例2では、上部演出ユニット40cの前面に着色された透光性部材である着色透光板88が設けられた。これに対して、第1実施形態の変形例3では、上部演出ユニット40cの前面に着色された透光性部材であって、蛍光剤が添加された周波数変更部材89が設けられる。
周波数変更部材89は、光の波長を変更するものである。蛍光剤が添加された透光性部材は、波長を長くする機能を備え、後方から紫色の光が発せられている時に、当該透光性部材が紫色よりも波長の長い青色に見えるようにすることが可能である。なお、波長の変更の程度は、蛍光剤の濃度によって調整できることが知られている。
図129は、第1実施形態の変形例3の遊技盤の正面図である。図2、図125とは、上部演出ユニット40cの前面に周波数変更部材89が設けられる点において相違する。本変形例では、上部演出ユニット40cに着色透光板88に替えて周波数変更部材89が設けられる。
周波数変更部材89は、後方から受ける光の波長を長くする機能を備える。具体的には、紫色のLED光を受けると周波数変更部材89は藍色に見える。また、藍色のLED光を受けると周波数変更部材89は青色に見える。また、青色のLED光を受けると周波数変更部材89は緑色に見える。また、緑色のLED光を受けると周波数変更部材89は黄色に見える。また、黄色のLED光を受けると周波数変更部材89は橙色に見える。また、橙色のLED光をうけると周波数変更部材89は赤色に見える。また、赤色のLED光を受けると周波数変更部材89は暗い赤色(ガーネット)に見える。
そのため、第2可動役物550a及び第3可動役物600aが、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の順に発光すると、周波数変更部材89は藍、青、緑、黄、橙、赤、暗い赤の順に発光して見える。つまり、背景の色に比べてワンテンポ早く周波数変更部材89は七色に発光して見える。
着色成分が赤である場合の着色透光板88では、背景色が7色に変化しても着色透光板88は赤色系統の色を中心とした色相に発光して見えたが、周波数変更部材89では、7色の色相に発光することが可能であるため、着色透光板88よりも色相の変化の大きな装飾が可能である。
[第1実施形態の変形例3の効果]
このように、第1実施形態の変形例3では、後方からの光の波長を長くする周波数変更部材89が設けられるため、第2可動役物550aの発光色に比べて波長の長い色に発光させることができ、第2可動役物550aと上部演出ユニット40cとのコントラストを際立たせることができる。
また、第2可動役物550aが、波長の短い光から波長の長い光へと順に発光色を変化していくと、周波数変更部材89は、第2可動役物550aに先んじて波長の短い光から波長の長い光へと順に色を変えて発光して見えるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、周波数変更部材89は、透光板を着色した上に蛍光剤を添加したものであるため、簡易かつ低コストに設置することができ、費用対効果の高い演出部材となる。
[本願発明の一形態]
ここまで説明した周波数変更部材89による背景色と異なる発色による演出に関する発明として以下の発明を挙げることができる。
(22)所定の始動条件の成立に基づいてゲームを実行可能な遊技機において、透光性を有する第1の透光性部材と、前記第1の透光性部材の前方に設けられ、光の波長を長くする第2の透光性部材と、前記第1の透光性部材の後方に設けられた発光源と、を備え、前記第1の透光性部材は、前記発光源からの光によって第1装飾態様で装飾され、前記第2の透光性部材は、前記第1の透光性部材を介した前記発光源からの光によって前記第1装飾態様と異なる第2装飾態様で装飾されることを特徴とする遊技機。
上記の(22)に記載の発明において、「第1の透光性部材」は、例えば、第2可動役物550aである。また、「光の波長を長くする第2の透光性部材」は、例えば、周波数変更部材98である。また、「発光源」は、例えば、LED基板568に設けられるLEDである。
また、「第1装飾態様」は、LED光と同じ色相で発光する装飾態様である。また、「第2装飾態様」は、蛍光剤の作用によって背景色(第1の透光性部材の装飾態様)とは異なる色相で発光する装飾態様である。
(第1実施形態の変形例4)
第1実施形態の変形例4では、流下勢の強い遊技球が衝突する特別変動入賞装置39に構造上の特徴を設けて、開閉部材39cが開状態である時は勢いよく遊技球が入賞可能であり、開閉部材39cが閉状態である時は遊技球の流下勢を弱めるとともに、普図ゲート(通過部)34等が配設される遊技領域32へ効果的に遊技球を誘導できるようにした。
図130は、第1実施形態の変形例4の特別変動入賞装置39が閉状態における遊技盤30の右側中央部の拡大正面図であり、図131は、第1実施形態の変形例4の特別変動入賞装置39が開状態における遊技盤30の右側中央部の拡大正面図である。また、図132は、第1実施形態の変形例4の桜花の装飾を除いた開閉部材39cの拡大正面図である。
発射勢の強い右打ち(特別打ち)された遊技球のうち、一般入賞口35に入賞しなかった遊技球は、6段流路40dを流下する。6段流路40dは、左右の連続的な流路壁に設けられる第1頂部43a、第2頂部43b、第3頂部43c、第4頂部43d、第5頂部43e、第6頂部43f(最下頂部43f)、及び、第1頂部43aと第3頂部43cの間に形成される底部、第2頂部43bと第4頂部43dとの間に形成される底部、第3頂部43cと第5頂部43eの間に形成される底部、第4頂部43dと第6頂部43fとの間に形成される底部によって、図130に曲線の矢印で示す6個の蛇行路が連続的に形成された蛇行流路である。
これら6個の蛇行路は、いずれも蛇行する流路によって横方向への遊技球の動きを作って、遊技球の動きを遊技者に楽しませるものである。このうち、第6頂部43f付近における遊技球は、6段流路40dを流下する中で流下勢を増して、第6頂部43fに対向する開閉部材39cへ向かって強い流下勢のまま流下する。なお、6段流路40dの右側側及び左側側それぞれの湾曲部の手前には板状の装飾が設けられており、当該装飾の裏側を遊技球は流下可能である。
6段流路40dの入口は、一般入賞口35の左側面と第1頂部43aとによって形成される第1の流入口と、一般入賞口35の右側面と第2頂部43bとによって形成される第2の流入口との2つの流入口とがある。その後は、分岐のない1本の流路となり、6段流路40dの出口は、第5頂部43eと第6頂部43fとを結ぶ領域であり、1つの出口である。そして、6段流路40dの出口に対向する位置に開閉部材39cが長さ方向を縦方向(上下方向)として設けられる。
6段流路40dは、大きく横方向へ遊技球を流下させることで、遊技球の流下時間を長くし、当該横方向への動きを遊技者に見せる流路となるため、遊技球の転動する様子(流下態様)を楽しむことができる。また、大入賞口の開放中の時間だけを狙って打つ、いわゆるタイミング打法を難しくさせる流路である。
そして、開閉部材39cが閉状態である場合には、6段流路40dを流下した遊技球は、開閉部材39cの側面に衝突して、普図ゲート(通過部)34又はさらに下方の遊技領域32(下方流路)へと流下する。
開閉部材39cが開状態である場合には、6段流路40dを流下した遊技球は、特別変動入賞装置39へと入賞可能である。この時、開閉部材39c(第1角部39u)と、第6頂部43fとの間(図131の両端矢印の幅W)には、遊技球の直径よりも大きな幅が形成されるため、6段流路40dを流下した遊技球の一部は、特別変動入賞装置39に入賞せずに、普図ゲート(通過部)34又はさらに下方の遊技領域32へと流下する。
ここで、図132を参照して開閉部材39cの構造について詳細に説明する。
開閉部材39cは、一定の奥行をもつ、正面視で異形の翼断面形状の部材である。開閉部材39cの側面は、対向する2つの長辺部と、当該2つの長辺部に挟まれる1つの短辺部と、当該1つの短辺部と対向し前記2つの長辺部に挟まれる1つの半円辺部と、からなる。開閉部材39cは、半円辺部が軸部となり、長さ方向を縦方向(上下方向)となるように設定され、上部が開閉可能である。なお、いずれの辺部も、その線形は直線に限られず、膨らみや山なり、窪み、曲面、複数の傾斜、波状等を有するものも含まれる。
開閉部材39cの側面は、上辺部39j、下辺部39k、右辺部39l、左辺部39mからなる。このうち、右辺部39lは、第2角部(接続部)39vを分水嶺として第1斜辺部(流路側短辺部、短辺部)39oと第2斜辺部(流路側長辺部、長辺部)39pとを含む。また、左辺部39mは、第4角部39xを分水嶺とする第3斜辺部39qと第4斜辺部39r、及び、第5角部39yを分水嶺とする第5斜辺部39sと第6斜辺部39tとを含む。下辺部39kは、正面視で円弧状の側面部である。右辺部39lと左辺部39mとが、上記の対向する2つの長辺部に対応し、上辺部39jが、当該2つの長辺部に挟まれる1つの短辺部に対応する。また、円弧状の下辺部39kが、当該2つの長辺部に挟まれ当該1つの短辺部と対向する半円辺部に対応する。
下辺部39kのうち流路側(向かって右側、腹側)は、第2斜辺部(長辺部)39pと接続し、下辺部39kのうち大入賞口側(向かって左側、背中側)は、第6斜辺部39tと接続する。
また、開閉部材39cには、第1角部39u、第2角部(流路側角部)39v、第3角部39w、第4角部39x、第5角部39yの5個の角部、及び、1個の窪み部39zが形成される。窪み部39zは、開閉部材39cの大入賞口側(背中側)に形成され、第4斜辺部39rと第5斜辺部39sとの接続部となる。5個の角部はいずれも内角が鋭角(0〜θ〜90°)または鈍角(90°〜θ〜180°)であり、窪み部39zの内角は優角(180°〜θ〜360°)である。
第1角部39uと第3角部39wの間の上辺部39jと、第1角部39uと第2角部39vとの間の第1斜辺部(短辺部)39oは、それぞれ略直線状に形成される。上辺部39jは開閉部材39cの開放時において、第6頂部43fとの間で漏斗状の流路を形成し(図131参照)、短辺部(第1斜辺部)39oは開閉部材39cの開放時において、第6頂部43fより右側へ向かって下り傾斜する流路壁との間で八の字状(末広がり状)の流路を形成する(図131参照)。
左辺部39mを構成する第3斜辺部39q、第4斜辺部39r、第5斜辺部39s、第6斜辺部39tは、それぞれ略直線状に形成され、第4斜辺部39r及び第5斜辺部39sはともに窪み部39zへ向けて下り傾斜に形成される。開閉部材39cの開放時において、第3斜辺部39s及び第4斜辺部39rは、左下へ傾斜しているので、第5頂部39e下方の流路壁39g(図131参照)に衝突して大入賞口の外へ向かう流下勢の遊技球を大入賞口内へ誘導する。特に、第4斜辺部39rは、左下への傾斜角が大きいため、大入賞口内への誘導効果が高い。また、第4斜辺部39rと第5斜辺部39sは窪みを形成するため、流路壁39gに当接することなく6段流路40dより直接開閉部材39cの上部に流下する遊技球を大入賞口内へ誘導する。
そして、開閉部材39cが閉状態である時は、第3角部39wがセンターケース(遊技演出構成体)40と当接して特別変動入賞装置39の大入賞口を閉塞する。
長辺部(第2斜辺部)39pは、緩やかな凹面状の窪みが形成されており、当該凹面の形状によって、閉状態の開閉部材39cに衝突する遊技球の流下勢を弱めるとともに、凹面の形状によって、遊技球の流下方向を変更させて、長辺部39pの下方に配設される普図ゲート(通過部)34へと遊技球を誘導する。
なお、開閉部材39cには、正面(遊技者側の面)に板状の桜花模様の装飾が設けられるが、当該装飾のうち、開閉部材39cの本体から付き出る部分は遊技球が衝突しても破損しない程度の強度を備え、当該付き出た部分の裏側の長辺部(第2斜辺部)39pが遊技球の流下勢を正面から受け止める構成となっている。
また、長辺部(第2斜辺部)39pは、6段流路40dを流下してきた流下勢の強い遊技球が衝突する部位であるため、ゴムやシリコン等の衝撃吸収材が貼り合わされてもよいし、遊技球の球威を低下させる凹凸部を備えてもよい。
次に、図130及び図131を参照して装飾可動部材639について説明する。
装飾可動部材639は、開閉部材39cと連動して動作する演出部材であり、大入賞口を視認しなくても大入賞口の開放を遊技者に認識させることが可能な部材である。図130に示す、装飾可動部材639は、初期位置(第1位置)にある状態であり、センターケース40と当接してほぼ直立している。
そして、図131に示すように、短開放以外での開閉部材39cの動き(開状態への変換動作)に対応して、装飾可動部材639が表示装置41の前方中央側である動作位置(第2位置)へと回動する。つまり、装飾可能部材639の初期位置は、表示装置41の縁部付近で表示領域と重なる位置である。動作位置は、表示装置41の前方中央側である。
装飾可動部材639の動作位置への回動方向は、開閉部材39cの回動方向とは反対の反時計周りである。図130及び図131において便宜的に設けた縦線V1を中心線とした場合、装飾可動部材639はガイド溝639gにガイドされて、開閉部材39cはガイド溝39gにガイドされて、それぞれ対称に回動することが可能である。このとき、装飾可動部材639と開閉部材39cとの角度は約90°となる。なお、装飾可動部材639と開閉部材39cとの中心線が表示装置41の端部と対応するように、装飾可動部材639及び開閉部材39cを設けても良い。
装飾可動部材639は、開閉部材39cと同様に、下部を軸部として回動する機構であるが、開閉部材39cが遊技制御装置100によって動作制御されるのに対して、装飾可動部材639は演出制御装置300によって動作制御される。
装飾可動部材639は、開閉部材39cの回動動作と同期するように回動するが、小当りや短開放(1秒に満たない開放時間)等の所定の条件において、装飾可動部材639は動作位置へと回動しない(つまり、開閉部材39cの回動動作と同期しない)。かかる制御は、演出制御装置300が受信したコマンドのMODE部がラウンドであるか否かの判定(図114のB1504)に基づいて実行される。
なお、装飾可動部材639及び開閉部材39cは、ともに遊技制御装置100によって制御されてもよい。また、装飾可動部材639及び開閉部材39cは、ともに1個の駆動源(例えば、大入賞口ソレノイド39b)によって動作してもよい。
装飾可動部材639は、特別変動入賞装置39よりも表示装置41の中央側に位置する部材である。そのため、遊技者は、表示装置41を視認している時に装飾可動部材639が表示装置41の前方である動作位置に移動することによって、開閉部材39cが開状態であることを認識できる。また、装飾可動部材639が初期位置にある場合には、開閉部材39cが閉状態又は短開放している状態であることを遊技者は認識できる。
つまり、装飾可動部材639によって、遊技者は、表示画面に表示される演出を視認していても、演出内容と、開閉部材39cの開放状態とを同時に認識することができる。そのため、特別遊技状態における遊技者の視線移動を最小限に抑え、遊技者の負担軽減と特別遊技状態への没頭を効果的に高めることができる。
また、装飾可動部材639の駆動源と開閉部材39の駆動源(大入賞口ソレノイド39b)とが近接ないし隣接して設けられるため、短開放時においては装飾可動部材639が同期して動作しないようにすることで、当該2個の駆動源の発熱による障害や故障を未然に回避することができる。
次に、開閉部材39cの位置関係について説明する。図133Aは、第1実施形態の変形例4の特別変動入賞装置39が閉状態における遊技盤30の右側中央部の拡大正面図である。また、図133Bは、第1実施形態の変形例4の特別変動入賞装置39が開状態における遊技盤30の右側中央部の拡大正面図である。
図133Aにおいて、横線H10は、装飾可動部材639が初期位置(第1位置)にある場合の装飾可動部材639の上端の高さを示す線であり、横線H20は、開閉部材39cが閉状態時の第2角部39v(流路側角部39v)の高さを示す線である。また、横線H30は、第6頂部43fの高さを示す線であり、横線H40は、開閉部材39cの軸部の高さを示す線である。なお、初期位置にある装飾可動部材639の上端の高さが表示装置41の横方向に対する中心線と対応するように装飾可動部材639が設けられてもよい。この場合、横線H10は、表示装置41の上下方向の中央部を通過する。また、初期位置にある装飾可動部材639の上端の高さが表示装置41の上端部と対応するように装飾可動部材639が設けられてもよい。この場合、表示装置41の上辺と横線H10とが重なる。
また、図133Aにおいて、両端が黒塗りの破線の矢印h1は、初期位置にある装飾可動部材639の上端の高さを基準として、第6頂部43fの高さとの差分を示し、両端が黒塗りの実線の矢印h2は、初期位置にある装飾可動部材639の上端の高さを基準として、閉状態の開閉部材39の第2角部39vの高さとの差分を示す。また、両端が白抜きの破線の矢印h3は、開閉部材39の回動軸の高さを基準として、第6頂部43fの高さとの差分を示し、両端が白抜きの実線の矢印h4は、開閉部材39の回動軸の高さを基準として、閉状態の開閉部材39の第2角部39vの高さとの差分を示す。
図133Aに示すように、開閉部材39cが閉状態である場合、第2角部39vは、第6頂部43fと対向し、第2角部39vの高さ(H20)は、第6頂部43fの高さ(H30)よりも高い位置となる。
また、開閉部材39が閉状態である場合における第2角部39vと第6頂部43fとの高さの関係について、初期位置にある装飾可動部材639の上端の高さ(H10)を基準とすると、矢印h2よりも矢印h1の方が長いことが図示されている。つまり、初期位置にある装飾可動部材639の上端の高さと開閉部材39が閉状態時の第2角部39vの高さとの差分(h2)よりも、初期位置にある装飾可動部材639の上端の高さと第6頂部43fの高さと差分(h1)の方が大きい関係(h1>h2)である。
また、開閉部材39が閉状態である場合における第2角部39vと第6頂部43fとの高さの関係について、開閉部材39の回動軸の高さ(H40)を基準とすると、矢印h4よりも矢印h3の長さが短いことが図示されている。つまり、開閉部材39の回動軸の高さと開閉部材39が開状態時の第2角部39vの高さとの差分(h4)よりも、開閉部材39の回動軸の高さと第6頂部43fの高さとの差分(h3)の方が小さい関係(h3<h4)である。
次に、図133Bを参照して、開閉部材39及び装飾可動部材639が初期位置にある場合と動作位置にある場合との対比において、第2角部39vと第6頂部43fとの高さの関係について説明する。図133Bにおける横線H10、横線H20、横線H30、横線H40が示す高さ、矢印h1、矢印h2、矢印h3、矢印h4が示す差分は、図133Aと同じである。
図133Bにおいて、横線H11は、装飾可動部材639が動作位置(第2位置)にある場合の装飾可動部材639の上端の高さを示す線であり、横線H21は、開閉部材39cが開状態時の第2角部39v(流路側角部39v)の高さを示す線である。
また、両端が黒塗りの破線の矢印h1’は、動作位置にある装飾可動部材639の上端の高さを基準として、第6頂部43fの高さとの差分を示し、両端が黒塗りの実線の矢印h2’は、動作位置にある装飾可動部材639の上端の高さを基準として、開状態の開閉部材39の第2角部39vの高さとの差分を示す。また、両端が白抜きの実線の矢印h4’は、開閉部材39の回動軸の高さを基準として、開状態の開閉部材39の第2角部39vの高さとの差分を示す。
図133Bに示すように、開閉部材39cが開状態である場合、第2角部39vの高さ(H21)は、第6頂部43fの高さ(H30)よりも低い位置となる。
また、開閉部材39が開状態である場合における第2角部39vと第6頂部43fとの高さの関係について、動作位置にある装飾可動部材639の上端の高さ(H11)を基準とすると、矢印h2’よりも矢印h1’の方が短いことが図示されている。つまり、動作位置にある装飾可動部材639の上端の高さと開閉部材39が開状態時の第2角部39vの高さとの差分(h2’)よりも、動作位置にある装飾可動部材639の上端の高さと第6頂部43fの高さと差分(h1’)の方が小さい関係(h1’<h2’)である。
かかる大小関係(h1’<h2’)を、図133Aにおいて説明した(h1>h2)の関係と対比すると大小関係が逆となる。つまり、開閉部材39及び装飾可動部材639が初期位置にある時の装飾可動部材639の上端の高さを基準とした、第2角部39vの高さとの差分と第6頂部43fの高さとの差分の関係(h1>h2)の関係と、開閉部材39及び装飾可動部材639が動作位置にある時の装飾可動部材639の上端の高さを基準とした、第2角部39vの高さとの差分と第6頂部43fの高さとの差分の関係(h1’<h2’)とは逆となる。
そして、開閉部材39と装飾可動部材639の最大回動角度が同じであるため、h2’とh2とは同じ長さであるが、第6頂部43fは固定された部位であるため、h1’はh1に比べて短くなる。開閉部材39及び装飾可動部材639が動作位置へと回動すると、装飾可動部材639の上端の高さと第2角部39vとの高さの差分に変化がない(h2→h2’)ことに対して、装飾可動部材639の上端の高さと第6頂部43fとの高さの差分が大きく減少する(h1→h1’)ことから、視覚的に大入賞口に入り易くなるように感じる効果が生じる。
また、開閉部材39及び装飾可動部材639が動作位置へと回動すると、h2’=h2に対して、h1’<h1へと装飾可動部材639の上端の高さと第6頂部43fとの高さの差分が減少することに加えて、h1>h2からh1’<h2’へと高さの差分の逆転によって、遊技者の視線を大入賞口へと誘導する。
開閉部材39が開状態である場合における第2角部39vと第6頂部43fとの高さの関係について、開閉部材39の回動軸の高さ(H40)を基準とすると、矢印h4’よりも矢印h3の長さが長いことが図示されている。つまり、開閉部材39の回動軸の高さと開閉部材39が開状態時の第2角部39vの高さとの差分(h4’)よりも、開閉部材39の回動軸の高さと第6頂部43fの高さとの差分(h3)の方が大きい関係(h3>h4’)である。
かかる大小関係(h3>h4’)を、図133Aにおいて説明した(h3<h4)の関係と対比すると大小関係が逆となる。つまり、開閉部材39及び装飾可動部材639が初期位置にある時の開閉部材39の回動軸の高さを基準とした、第2角部39vの高さとの差分と第6頂部43fの高さとの差分の関係(h3<h4)の関係と、開閉部材39及び装飾可動部材639が動作位置にある時の開閉部材39の回動軸の高さを基準とした、第2角部39vの高さとの差分と第6頂部43fの高さとの差分の関係(h3>h4’)とは逆となる。
そして、開閉部材39及び装飾可動部材639が動作位置へと回動すると、開閉部材39の回動軸の高さと第6頂部43fとの高さの差分(h3)に変化がないことに対して、開閉部材39の回動軸の高さと開閉部材39の第2角部39vとの高さの差分が大きく減少する(h4→h4’)ことから、視覚的に大入賞口に入り易くなるように感じる効果が生じる。
また、開閉部材39及び装飾可動部材639が動作位置へと回動すると、h3に変化がなく、h4→h4’へと開閉部材39の回動軸と第2角部39vとの高さの差分が大きく減少することに加えて、h3<h4からh3>h4’へと高さの差分の逆転によって、遊技者の視線を大入賞口へと誘導する。
ここで、閉状態にある時の開閉部材39cは、横方向から衝突する流下勢の強い遊技球を長辺部39pによって略真下方向へと誘導する(普図ゲート34へ誘導する)ことが、特定遊技状態における遊技者の利益となる。そのため、6段流路40dの最終コーナーを形成する第6頂部43fよりも高い位置に、長辺部39pの一端となる流路側角部39vを位置させることで、6段流路40dを流下する遊技球を効果的に普図ゲート(通過部)34付近へと誘導することができる。つまり、6段流路40dを流下する遊技球をできるだけ多く長辺部39pに当接させて、普図ゲート(通過部)34付近へと誘導することができる。
一方で、第2角部(接続部)39vが出来るだけ高い位置となるように、開閉部材39cを高い位置に配置すると、大入賞口が6段流路40dの出口の下限部(つまり、第6頂部43f)よりも高くなるため、開閉部材39cの開放時に大入賞口へ入賞する遊技球の割合が減少してしまい、遊技の興趣を低下させる原因となる。そして、当該事態を回避するために開閉部材39cの開放角度を大きくすると、開放時間の短い小当りや短開放の動作が難しくなる。
そこで、短開放動作をスムーズに実行できる開放量(開閉部材39cの回動量)であって、大入賞口への入賞量が適切となる開放角度であり、かつ、開閉部材39cの閉塞時に横方向から流下する遊技球を効果的に略下方へ誘導することで、遊技の興趣をできうる限り高められるバランス点として、開閉部材39cに設けられる流路側の頂部である第2角部39vを流路の最下部に設けられる第6頂部(最下頂部)43fよりも高くするという発明が、本願の課題解決のために考案された。
なお、長辺部39pは、開閉部材39cの回動軸付近から第2角部(接続部)39vにかけて形成されるため、上記のバランス点として、6段流路40dの最下部に設けられる第6頂部43fが、閉状態の開閉部材39cの接続部39vと開閉部材39cの回動軸との間の高さに位置するように、開閉部材39cが設けられる、と特定することも可能である。
また、接続部39vを設けずに長辺部39pを開閉部材39cの最上部付近(上辺部39j付近)まで形成することが可能であるため、上記のバランス点として、開閉部材39cの閉鎖時においては開閉部材39cの最上部が6段流路40dの出口の下限部(つまり、第6頂部43f)よりも高く、開閉部材39cの開放時においては開閉部材39cの最上部が6段流路40dの出口の下限部(つまり、第6頂部43f)よりも低くなるように配置する、と特定することも可能である(図130、図131参照)。
[第1実施形態の変形例4の効果]
このように、第1実施形態の変形例4では、大きく蛇行するコーナー(蛇行路)を複数設けて横方向へも大きく流下させることで、遊技球の動きを遊技者に楽しませる(遊技の興趣を高める)とともに、蛇行路の出口では閉状態にある特別変動入賞装置39によって略真下方向の普図ゲート(通過部)34へと遊技球が誘導することができる。
特に、蛇行路の最下部に設けられる第6頂部43fよりも高い位置に、特別変動入賞装置39の流路側に設けられる接続部39vが位置するため、接続部39vから下方に延設される長辺部39pにより多くの遊技球を衝突させることができ、横方向から流下する遊技球を効果的に縦方向へ(下方流路へ)誘導することができる。
[本願発明の一形態]
ここまで説明した蛇行路を流下して横方向から流下してくる遊技球を特別変動入賞装置によって効果的に縦方向へと誘導する発明として以下の発明を挙げることができる。
(23)遊技球が流下可能な流路が設けられる遊技機において、開状態と閉状態とに変換可能な開閉部材を有する変動入賞装置を備え、前記流路側に臨む前記開閉部材の一側面は、長辺部と、当該長辺部と接続する短辺部と、当該長辺部と当該短辺部との間に配設される接続部と、で構成され、前記流路は、遊技球を下流側へ誘導可能な流路壁と、先端に遊技球が当接可能な頂部を有する突出部と、で構成され、前記頂部は、前記接続部よりも低い位置に設けられることを特徴とする遊技機。
(24)前記変動入賞装置よりも下流側に遊技球が通過可能な通過部が設けられ、前記長辺部は、前記通過部に向かって凹面に窪む曲面が形成されることを特徴とする(23)に記載の遊技機。
上記の(23)から(24)に記載の発明において、「変動入賞装置」は、例えば、普通変動入賞装置37、または、特別変動入賞装置39が対応する。また、「長辺部」は、例えば、第2斜辺部(流路側長辺部、長辺部)39pが対応する。また、「短辺部」は、例えば、第1斜辺部(流路側短辺部、短辺部)39oが対応する。また、「接続部」は、例えば、第2角部(接続部)39vが対応する。また、「頂部」は、例えば、第6頂部43fが対応する。また、「通過部」は、普図ゲート(通過部)34が対応する。
(25)ゲームの結果に基づいて遊技者に遊技価値を付与可能な遊技機において、前記ゲームの実行を制御する遊技制御手段と、開状態と閉状態とに変換可能な開閉部材を有し、前記遊技制御手段によって制御される変動入賞装置と、前記ゲームの演出の制御をする演出制御手段と、第1位置と第2位置との間を移動可能であり、前記演出制御手段によって制御される装飾可動部材と、を備え、前記装飾可動部材は、前記変動入賞装置の前記開閉部材が前記閉状態から前記開状態となると、前記第1位置から前記第2位置へ移動し、前記変動入賞装置の前記開閉部材が前記開状態から前記閉状態となると、前記第2位置から前記第1位置へ移動することを特徴とする遊技機。
(26)所定条件の下では、前記変動入賞装置の前記開閉部材が前記閉状態から前記開状態となっても前記装飾可動部材が前記第1位置から前記第2位置へと移動しないことを特徴とする(25)に記載の遊技機。
上記の(25)から(26)に記載の発明において、「遊技制御手段」は、例えば、遊技制御装置100が対応する。また、「演出制御手段」は、例えば、演出制御装置300が対応する。また、「装飾可動部材」は、例えば、装飾可動部材639が対応する。また、「第1位置」は、例えば、初期位置が対応する。また、「第2位置」は、例えば、動作位置が対応する。また、「所定条件」は、例えば、小当り時の短開放が対応する。
(第1実施形態の変形例5)
第1実施形態では、第2可動役物550a及び第3可動役物600aの装飾回転体の回動方向は、全ての装飾回転体において同じ方向(CWまたはCCW)に回動するため同期していた。これに対して、第1実施形態の変形例5では、遊技者の注意をよりひきつけるために、一部の装飾回転体の回転態様を他の装飾回転体と異なるようにして、一部の装飾回転体の動きを第2可動役物550a及び第3可動役物600aの全体の動きと同期させないようにする。
図134は、第1実施形態の変形例5の第3可動役物ユニット600の分解斜視図である。また、図135は、第1実施形態の変形例5の遊技盤30の正面図である。また、図136は、第1実施形態の変形例5の別例の装飾回転体635aの駆動系の斜視図である。また、図137は、第1実施形態の変形例5の別例の遊技盤30の正面図である。
図12との比較において、図134では、装飾回転体635aの回転方向を他の装飾回転体と同期させないために、装飾回転体635aに動力を伝達するワークギア611と噛み合う中間ギア612が取り除かれ、当該ワークギア611が直接主動ギア608と噛み合う。
このため、図135に示すように、1個の駆動源であるモータ607の駆動によって、第3可動役物600aの回転装飾体群(複数の演出部材)が時計周りに回転する中、第3可動役物600aの一部である装飾回転体635a(第2演出部材)のみが反時計回りに回転する。
装飾回転体635a(第2演出部材)のみが第3可動役物600aの他の装飾回転体(第1演出部材)と同期せずに逆方向に回転することで、遊技者は装飾回転体635aに注意をひきつけられる。そして、装飾回転体635aは、上部右側表示領域263の至近に位置することから、遊技者の視線は、装飾回転体635aと隣接する領域である上部右側表示領域263に表示された「右打ち→」という遊技球の打ち方を示す表示へ誘導されることになり、右打ちタイミングであることを遊技者に認識させることができる。
なお、図12における装飾回転体635aに動力を伝達するワークギア611と当該ワークギア611へ動力を伝達する中間ギア612を図136に示すワークギア611b及び中間ギア612bに変更することで、装飾回転体635aを他の装飾回転体と同期させるように動作させることや、同期しない(他の装飾回転体が連続的に回転する中、一部の装飾回転体は連続的に回転しないで、回転と停止を繰り返す)ように動作させることができる。
ワークギア611bは、ワークギア611に比べて厚さを薄くしたギアであり、ギアの直径や歯車の数はワークギア611と同じである。これに対して、中間ギア612bは、中間ギア612よりも厚くなり、歯の配置が2段となる。1段は全周に歯が配置されて主動ギア608と噛み合わされる。もう1段は(2段目は)半周に歯が配置されてワークギア611bと噛み合わされる。
かかる構造により、中間ギア612bが1回転すると、中間ギア612bの2段目のギアは、半周分のみがワークギア611bへ駆動力を伝達し、2段目のギアの残りの半周分は歯がないためにワークギア611bと噛み合わず、ワークギア611bが空転する。そのため、他のワークギア611が連続的に回転する中、ワークギア611bは回転したり回転が停止したり(あるいは、慣性力によって緩やかに回転を続けたり)、を繰り返し、装飾回転体635aは他の装飾回転体と同期しない動き(回転方向が同一であるが、回転速度を異ならせる動き)を伴うことが可能となる。
装飾回転体の一部が同期しない動き(回転方向が同一であるが、回転速度を異ならせる動き)の別態様として、図137では、表示装置41に近い内側の装飾回転体と、外側の装飾回転体との回転速度が異なることを、矢印の長さの違いによって示している。回転速度の違いは、例えば、内側の装飾回転体を駆動させるワークギア及び中間ギアの直径を、外側の装飾回転体を駆動させるワークギア及び中間ギアと異なるものにすることで実現される。
かかる構成により、内側の装飾回転体が外側の装飾回転体よりも遅く回転するため、遊技者の注意を内側の装飾回転体付近の表示情報へと向けることができ、上部左側表示領域262に表示された「あと77回」という表示へも遊技者の視線を誘導することができる。
なお、右打ち又は左打ちの打ち方指示、第4図柄、保留数の数値表示、モード名やステージ名等の特定の画像を内側の装飾回転体付近の表示情報としてもよく、表示装置41付近の装飾回転体のみが遅く回転することによって、これら特定の表示へ遊技者の視線が誘導される。
このように、ワークギア611、中間ギア612の直径を変更すること、または、2段分の歯が配置される中間ギア612bの2段目の歯数や直径を変更すること、によって特定の装飾回転体について同期しない動作(他の装飾回転体と回転方向が同一であるが回転速度が異なる動き)を実現することができる。特に、中間ギア612または中間ギア612bの直径や歯数は、どのような非同期動作態様とするかに基づいて決定され、ギアボックス内におけるワークギア611・中間ギア612、または、ワークギア611b・中間ギア612b(さらに支持穴603・ボス604)の前後方向(例えば、ギアの厚さ)及び左右方向の配置も適宜変更される。
ここまで、同種の演出部材として装飾回転体をとりあげ、動作態様として回転方向及び回転速度の組み合わせについて説明したが、同種の演出部材としては、例えば、動力の伝達機構に設けられるカムによって各演出部材が上下動するキャクラタも一例としてあげることができる。
具体的には、キャラクタを支持する支軸の下端がカムと当接し、当該カムは、例えば、ワークギア611と軸部が接続される構成である。遊技者がカムを直接視認できないように、カム前方は被覆及び装飾される。カムによってキャラクタが持ち上げられたときのみにキャラクタが視認可能であってもよいし、常にキャラクタが視認可能であってもよい。このとき、小刻みに上下するキャラクタ、上下量の小さなキャラクタ、小さく上下すると大きく上下するキャラクタ等、カムの形状の違いによってキャラクタの非同期動作態様を設定することが可能である。
つまり、同期する動きとは、動作方向、動作速度が他の演出部材と揃っている動作態様のことであり、同期しない動き(非同期の動き、動作態様が異なる動き)とは、動作方向、動作速度のいずれかが他の演出部材と異なることである。
そして、同種の演出部材のうちの一部の演出部材が非同期で動くことで遊技者の注意をひきつけることは、表示情報の伝達のみならず、例えば、変動表示ゲームの期待度を報知することや、遊技モードを報知する(暗示的報知を含む)ことにも活用でき、特別感のある演出として遊技の興趣を向上させることができる。
[第1実施形態の変形例5の効果]
このように、1個の駆動源によって駆動される同種の演出部材のうち、一部の演出部材のみを同期させずに動作させることで、遊技者の注意を当該一部の演出部材に引き付けることができる。そのため、当該一部の演出部材の周辺の表示情報等へ遊技者の視線を誘導することができる。
また、1個の駆動源によって駆動される同種の演出部材のうち、一部の演出部材を他の同種の演出部材と同期させて動作させること、及び、他の同種の演出部材と同期させない非同期態様で動作させることが可能であるため、一部の演出部材が非同期態様で動作するタイミングにおいて遊技者の注意をより強く引き付けることができる。そのため、当該一部の演出部材の周辺の表示情報等へ遊技者の視線を誘導することができ、非同期態様で動作することについて特別感がもたらされて、遊技の興趣を向上させる。
[本願発明の一形態]
ここまで説明した1個の駆動源によって駆動する演出部材における同期動作、非同期動作に関する発明として以下の発明を挙げることができる。
(27)ゲームの進行に基づいて動作する複数の演出部材と、画像を表示する表示装置と、を備え、前記複数の演出部材は、第1演出部材と、前記第1演出部材とは動作態様が異なる第2演出部材と、を含み、前記表示装置の縁部に前記複数の演出部材が配置され、前記表示装置は、前記第2演出部材と隣接する表示領域に特定の画像を表示することを特徴とする遊技機。
(28)前記第1演出部材及び前記第2演出部材は、同一の駆動源が供給する駆動力によって、動作可能であり、前記特定の画像として、遊技球の打ち方を示す画像が表示されることを特徴とする(27)に記載の遊技機。
上記の(27)から(28)に記載の発明において、「複数の演出部材」は、例えば、装飾回転体が対応する。また、「第1演出部材」は、例えば、装飾回転体のうち装飾回転体635a以外の装飾回転体が対応する。また、「第2演出部材」は、例えば、装飾回転体635aが対応する。また、「表示装置」は、例えば、表示装置41が対応する。また、「1個の駆動源」は、例えば、モータ557、またはモータ607が対応する。また、「第2演出部材と隣接する表示領域」は、例えば、上部右側表示領域263が対応する。また、「遊技球の打ち方を示す画像」は、例えば、右打ち→の画像である。
また、「同期する動作」は、例えば、動作方向及び動作速度が揃っていることが該当し、動作方向には移動方向や回転方向が含まれる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態の組合せることも可能である。また、パチンコ機以外のパチスロ機等の遊技機にも本発明を適用可能である。
また、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。