JP6751933B1 - 子宮内膜症の処置に用いられる医薬組成物 - Google Patents

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【課題】子宮内膜症の症状を改善可能な医薬組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】脂肪組織由来再生細胞を含み、子宮内膜症の処置に用いられる医薬組成物である。医薬組成物は腹腔内投与又は静脈内投与に用いられてよく、脂肪組織由来の間葉系幹細胞を含んでいてよい。医薬組成物の製造方法は、脂肪組織を脱凝集剤で処理して脱凝集組織を得ることと、脱凝集組織から遠心分離処理により再生細胞を濃縮することと、濃縮される再生細胞を回収することとを含む。【選択図】図4

Description

本発明は、子宮内膜症の処置に用いられる医薬組成物に関する。
子宮内膜症は月経のある女性の約10%から15%が罹患し、月経困難症、不妊症等の原因となる疾患である。また、子宮内膜症は閉経後には癌化をきたす場合があり、女性の一生を通じて生活の質(Quality of Life)を著しく損なう疾患である。子宮内膜症の治療としては、ホルモン療法、外科的治療が挙げられる。しかしながら、従来の治療方法では、再発を繰り返す場合があり、また卵巣機能又は妊娠機能を残すことが出来ない場合があった。
脂肪組織に由来する再生細胞には、種々の疾患、障害への適用等の再生医療用途が期待されている。例えば、特許文献1には脂肪由来前駆細胞の分化方法が記載され、移植療法等に適用できるとされている。また、特許文献2では、脂肪組織由来再生細胞を含む不妊症の処置に用いられる医薬組成物が提案されている。
特開2008−271971号公報 特開2018−177687号公報
本発明は、子宮内膜症の症状を改善可能な医薬組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りであり、本発明は以下の態様を包含する。第一態様は、脂肪組織由来再生細胞を含み、子宮内膜症の処置に用いられる医薬組成物である。医薬組成物は腹腔内投与又は静脈内投与に用いられてよい。腹腔内投与に用いられる医薬組成物は、グリコサミノグリカン及びその誘導体から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。また医薬組成物は、脂肪組織由来の間葉系幹細胞を含んでいてよい。
第二態様は、脂肪組織を脱凝集剤で処理して脱凝集組織を得ることと、脱凝集組織から遠心分離処理により再生細胞を濃縮することと、濃縮される再生細胞を回収することとを含む、前記医薬組成物の製造方法である。脂肪組織は皮下組織に由来してよい。また製造方法は回収される再生細胞を培養することを更に含んでいてよい。
本発明によれば、子宮内膜症の症状を改善可能な医薬組成物及びその製造方法を提供することができる。
(A)は子宮内膜症の病変個数の変化を示し、(B)は子宮内膜症の病変総重量の変化を示し、(C)は子宮内膜症の病変総表面積の変化を示す。 (A)は子宮内膜症の病変個数の変化を示し、(B)は子宮内膜症の病変重量の変化を示し、(C)は子宮内膜症の病変総表面積の変化を示す。 (A)は子宮内膜症の病変個数の変化を示し、(B)は子宮内膜症の病変重量の変化を示し、(C)は子宮内膜症の病変総表面積の変化を示す。 (A)は子宮内膜症の病変個数の変化を示し、(B)は子宮内膜症の病変重量の変化を示し、(C)は子宮内膜症の病変総表面積の変化を示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、医薬組成物及びその製造方法を例示するものであって、本発明は、以下に示す医薬組成物及びその製造方法に限定されない。
医薬組成物
子宮内膜症の処置に用いられる医薬組成物は、脂肪組織由来再生細胞(Adipose Tissue Derived Reproductive Cells:以下、「ADRCs」ともいう)を含む。ADRCsには、例えば、炎症反応、間質反応等を改善する特性がある。この特性により、子宮内膜症を有する対象にADRCsを腹腔内投与又は静脈内投与することで、子宮内膜症病変を顕著に抑制することができると考えられる。
医薬組成物は子宮内膜症の処置に用いられる。本明細書において用いられる「処置」とは、子宮内膜症について施される何らかの処置であればよく、例えば、子宮内膜症の治療、改善、悪化の防止、予防等が挙げられる。
医薬組成物に用いられる脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)とは、脂肪組織から後述の方法により調製することができる再生細胞である。ADRCsは、例えば、Cytotherapy(2008), Vol.10, No.4, 417‐426、Japanese Journal of Transfusion and Cell Therapy, Vol.59, No.3 59(3):450―456, 2013等に記載されているように、脂肪由来幹細胞(ASC)、前駆細胞等の少なくとも1種を含み、血管内皮細胞、血管周皮細胞、コラーゲンなどの細胞外マトリックス等を更に含むものであってよい。ADRCsは、少なくとも脂肪由来幹細胞と、血管内皮細胞と、血管周皮細胞とを含んでいてよい。ここで、脂肪由来幹細胞には、例えば、脂肪組織由来の間葉系幹細胞(Ad−MSC)が含まれる。脂肪組織由来の間葉系幹細胞は、例えば、脂肪組織由来再生細胞を通常の培養条件で培養することで得ることができる。
医薬組成物が間葉系幹細胞を含む場合、医薬組成物に含まれる全細胞中の間葉系幹細胞の割合は、例えば、1%以上であってよく、好ましくは3%以上、10%以上又は30%以上であってよい。また、間葉系幹細胞の割合は、例えば、70%以下であってよく、好ましくは50%以下であってよい。
再生細胞が得られる脂肪組織は、生体のいずれの部位に存在するものであってもよく、皮下組織に存在する皮下脂肪であることが好ましい。皮下脂肪は生体のいずれの部位から採取されるものであってもよく、例えば、腰背部、大腿部等から採取してもよい。皮下脂肪には、比較的大きな脂肪細胞と小さい脂肪由来幹細胞(ASC)が含まれ、血管、細胞外基質等も含まれる。皮下脂肪における脂肪細胞の存在率は、例えば20%程度であり、脂肪由来幹細胞の存在率は、例えば1%から5%程度である。また血管は15%から20%程度含まれている。脂肪由来幹細胞は、心臓、骨格筋、骨・軟骨、血管などの様々な臓器に分化することができる。また、脂肪由来幹細胞は生理活性物質を分泌するともに、血管新生を誘導する作用を有していてよい。
医薬組成物に含まれるADRCsは、用時調製したものであってもよく、凍結保存したADRCsであってもよい。なお、ADRCsの凍結保存には、通常用いられる細胞の凍結保存条件を適用することができる。またADRCsは、投与対象から採取した脂肪組織から調製されたものであってもよく、投与対象とは異なる個体から採取した脂肪組織から調製されたものであってもよい。さらにADRCsは、投与対象とは異種の動物から採取した脂肪組織から調製されたものであってよい。
医薬組成物は、ADRCsに加えて、必要に応じて、薬学的に許容される賦形剤等のその他の成分を更に含んでいてもよい。その他の成分としては、薬学的に許容される賦形剤の他、界面活性剤、生理活性物質、安定化剤、液状媒体等を挙げることができる。その他の成分として具体的には、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等のグリコサミノグリカン及びその誘導体を挙げることができる。グリコサミノグリカン誘導体には、グリコサミノグリカンのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が含まれる。医薬組成物がグリコサミノグリカン又はその誘導体を含むことで、例えば医薬組成物の粘度が上昇し、腹腔内での滞留時間が長くなる。また液状媒体としては、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等を挙げることができる。
ADRCsに加えてグリコサミノグリカン又はその誘導体を含む医薬組成物は、腹腔内投与に用いられてよく、腹腔内でゲル化するように投与されてよい。医薬組成物におけるグリコサミノグリカン又はその誘導体の含有率は、例えば、0.1質量%以上であってよく、好ましくは0.2質量%以上、0.3質量%以上又は0.4質量%以上であってよい。含有率の上限は、例えば5質量%以下であってよく、好ましくは3質量%以下、2質量%以下又は1質量%以下であってよい。
医薬組成物の形態は、子宮内膜症の処置として投与可能な製剤の形態である限りにおいて特に限定されない。医薬組成物の投与方法としては、例えば、有効量の医薬組成物を対象の腹腔内に投与する方法、有効量の医薬組成物を対象の静脈内に投与する方法等が挙げられる。腹腔内への投与は、例えば、18から22ゲージ針を用いて腹腔内に散布する方法を用いて行うことができる。また、静脈への投与は、静脈内に開口部を有して配置される注射針を通過させて行うことができる。
医薬組成物の製造方法
子宮内膜症の処置に用いられる医薬組成物の製造方法は、脂肪組織を脱凝集剤で処理して脱凝集組織を得ることと、脱凝集組織から遠心分離処理により再生細胞を濃縮することと、濃縮される再生細胞を回収することとを含む。
製造方法に用いられる脂肪組織は、例えば皮下組織から採取される。皮下組織から採取された脂肪組織は、生理食塩水、緩衝若しくは非緩衝電解質溶液等で洗浄処理されてもよい。脂肪組織は、脱凝集剤で処理されて脱凝集組織が得られる。脱凝集剤としては、例えば、中性プロテアーゼ、コラゲナーゼ、トリプシン、リパーゼ、ヒアルロニダーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、ペプシン等を挙げることができ、中でもコラゲナーゼが好ましい。脱凝集剤は生理食塩水等の他の溶液と共に脂肪組織に添加されてもよい。脱凝集剤による処理は、例えば、37℃またはその付近の温度で20分から120分振とうして実施することができる。
脱凝集剤で処理されて得られる脱凝集組織から、遠心分離処理により再生細胞が濃縮される。遠心分離処理に先立ち脱凝集組織から非浮遊物成分を除去して、浮遊物層からなる画分を得ることが好ましい。浮遊物層からなる画分には再生細胞が含まれる。再生細胞を含む浮遊物層は、必要に応じて洗浄処理されてもよい。
遠心分離処理により濃縮された再生細胞は、常法により回収されて医薬組成物を構成する。上述した脂肪組織から再生細胞を回収する方法の詳細については、例えば、特開2012−51923号公報、特開2012−75439号公報、国際公開第2015/042182号、国際公開2006/127007号等を参照することができる。また、脂肪組織からの再生細胞の回収は、市販されているサイトリ(Cytori)社製のセリューションシステム(Celution System)を用いて実施してもよい。
医薬組成物の製造方法は、回収した再生細胞を培養する工程を含んでいてよい。再生細胞を培養することで、脂肪組織由来の間葉系幹細胞を含む医薬組成物が得られる。再生細胞の培養条件は、通常用いられる培養条件から適宜選択してよい。例えば、マウス由来再生細胞の場合はMEMα/GlutaMAX培地等、ヒト由来再生細胞の場合はKBM ADSC−2培地等を用いて、5%CO雰囲気下、37℃で、60%コンフルエント以上、好ましくは80%又は90%コンフルエントになるまで培養し、その後必要に応じて継代することができる。継代は、例えば5世代程度以下又は2世代程度以下としてよい。培養時間に関しては、細胞発育の状況に応じて12時間以上から、前述の細胞発育状態になるまで継続とすることができる。
子宮内膜症の処置方法
子宮内膜症の処置方法は、対象の子宮内膜症を処置する方法であり、脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)を含む医薬組成物の有効量を、処置対象の腹腔内又は静脈内に投与することを含む。腹腔内又は静脈内に投与される医薬組成物に含まれる脂肪組織由来再生細胞により、子宮内膜症病変が改善される。子宮内膜症の処置方法は、子宮内膜症の症状の改善方法、治癒方法、予防方法等であってよい。
子宮内膜症の処置方法の対象となる動物は、哺乳動物であればよく、哺乳動物にはヒトが含まれる。有効量のADRCsは、対象となる動物種、個体の状態、投与形態等に応じて適宜選択すればよい。有効量のADRCsの細胞数は、例えばマウスの場合、1×10から1×10個とすることができ、ヒトの場合、1×10から1×10個とすることができる。
本発明は、別の態様として、子宮内膜症の処置に用いられる医薬組成物の製造における脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)の使用、子宮内膜症の処置に脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)の使用、子宮内膜症の処置に使用される脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)を包含する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
マウス(BALB/c、雌、5週齢)の両肢の皮下から、マウス脂肪組織を採取した。採取した脂肪組織1gから2gに対して10mlの0.2%コラゲナーゼ溶液(Gibco 17100−017)を加えて脂肪組織を浸漬した状態で、はさみで細切りにした。細切りにした脂肪組織に0.2%コラゲナーゼ溶液20mlを加え、37℃で120rpm、1時間振とうした。その後セルストレーナー(FALCON社製、REF 352360)で濾過し、濾液を400Gで5分間遠心処理した。上清を除去し、得られたペレットをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)10mlに懸濁して400Gで5分間遠心処理することを3回繰り返して細胞ペレットを得た。得られた細胞ペレットをマウスADRCsとした。
(参考例2)
参考例1で得られたマウスADRCsをMEMα/GlutaMAX培地(Gibco32561−037,FBS(20%)および抗生剤(1%)添加)を用いて、5%CO雰囲気下、37℃で24時間、細胞培養した。上清を除去し、残存した接着細胞をMEMα/GlutaMAX培地で80%コンフルエントになるまで培養した。その後0.5%トリプシン(Gibco 15400−054)を用いて細胞を剥離し、継代した。同様に継代を繰り返し、2回継代したものをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)10mlに懸濁して400Gで5分間遠心処理をして細胞ペレットを得た。得られた細胞ペレットを脂肪組織由来の間葉系幹細胞(Ad−MSC)とした。
(参考例3)
子宮内膜症マウスモデルの作製
子宮内膜症マウスモデルは、卵巣が摘出除去されホルモン周期が同調されたドナーマウスとレシピエントマウスを準備し、ドナーマウスから取り出した子宮組織をレシピエントマウスの腹腔内に移植することで作製した。具体的には、以下の通りである。ドナーマウス及びレシピエントマウスとして6週齢のBALB/cマウスのメスを準備し、それぞれから卵巣を摘出した。卵巣摘出後及び卵巣摘出から1週間後にエストラジオールを100μg/kg/週で投与した。卵巣摘出から2週間後にドナーマウスから子宮を摘出し、結合組織及び卵管を除去した。摘出した子宮を片刃剃刀で1mm以下に細砕して2つに分割し、それぞれにDMEM/F12(Gibco)及びAnti−Anti(Gibco)を含むメディウムを加えて混和して0.6mLの子宮組織液をそれぞれ得た。0.6mLの子宮組織液をレシピエントマウスの腹腔内に移植することで、子宮内膜症マウスモデルを作製した。なお、作製したモデルマウスは、エストラジオールを100μg/kg/週で週に1回投与し続けながら飼育した。
(試験例1)
作製した子宮内膜症マウスモデルに、子宮組織を移植してから24時間後に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)2mL、又はADRCs(細胞数1×10個/匹)を含むPBS2mLを投与した。その後、マウスの飼育を、エストラジオールを100μg/kg/週で週に1回投与し続けながら4週間継続した。その後、腹腔内をPBS5mLで洗浄し、腹水を氷結保存した。また、腹腔内の子宮内膜症病変をホルマリン及びRNAレーター(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて保存した。腹腔内における子宮内膜症病変の個数、表面積及び重量を測定した。病変個数を図1(A)に、病変総重量を図1(B)に、病変総表面積を図1(C)に示す。なお、統計的有意差は、Mann−Whitney U検定により検定した。
図1(A)から(C)に示されるように、PBSを投与した対照群に比べて、ADRCs投与群では、病変の個数、病変総表面積及び病変総重量が有意に低下した。
(試験例2)
作製した子宮内膜症マウスモデルに、子宮組織を移植してから24時間後に、対象群(Control)にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)2mLを投与し、投与群1(Ad−MSC Single)及び投与群2(Ad−MSC Weekly)にはAd−MSC(細胞数1×10個/匹)を含むPBS1mLと1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(生化学工業#D03354)1mLを混和したものを投与した。また、投与群2(Ad−MSC Weekly)には、子宮組織を移植してから、1週間後、2週間後及び3週間後にもAd−MSCとヒアルロン酸ナトリウム溶液を混和したものを投与した。マウスの飼育を、エストラジオールを100μg/kg/週で週に1回投与し続けながら4週間継続した。その後、上記と同様にして、腹腔内における子宮内膜症病変の個数、重量及び表面積を測定した。病変個数を図2(A)に、病変総重量を図2(B)に、病変総表面積を図2(C)に示す。
図2(A)から(C)に示されるように、PBSを投与した対照群に比べて、投与群1及び投与群2では、病変の個数、病変総重量及び病変総表面積が有意に低下した。
(試験例3)
作製した子宮内膜症マウスモデルに、子宮組織を移植してから24時間後に以下のようにPBS又は組成物を投与した。対象群(Control)にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)2mLを腹腔内投与した。投与群1(Ad−MSC i.p.)にはAd−MSC(細胞数1×10個/匹)を含むPBS1mLと1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(生化学工業#D03354)1mLを混和したものを腹腔内投与した。投与群2(Ad−MSC i.v.)にはAd−MSC(細胞数1×10個/匹)を含むPBS0.5mLを静脈内投与した。マウスの飼育を、エストラジオールを100μg/kg/週で週に1回投与し続けながら4週間継続した。その後、上記と同様にして、腹腔内における子宮内膜症病変の個数、重量及び表面積を測定した。病変個数を図3(A)に、病変総重量を図3(B)に、病変総表面積を図3(C)に示す。
図3(A)から(C)に示されるように、PBSを投与した対照群に比べて、投与群1及び投与群2では、病変の個数、病変総重量及び病変総表面積が有意に低下した。
(試験例4)
作製した子宮内膜症マウスモデルに、子宮組織を移植してから24時間後に以下のようにPBS又は組成物を投与した。対象群(Control)にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)2mLを腹腔内投与した。HA投与群(HA i.p.)にはPBS1mLと1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(生化学工業#D03354)1mLを混和したものを腹腔内投与した。ADRCs投与群(ADRCs i.p.)にはADRCs(細胞数1×10個/匹)を含むPBS1mLと1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液1mLを混和したものを腹腔内投与した。ASC投与群1(Ad−MSC i.p.)にはAd−MSC(細胞数1×10個/匹)を含むPBS2mL腹腔内投与した。ASC投与群2(Ad−MSC plus HA i.p.)にはAd−MSC(細胞数1×10個/匹)を含むPBS1mLと1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液1mLを混和したものを腹腔内投与した。ASC投与群3(Ad−MSC i.v.)にはAd−MSC(細胞数1×10個/匹)を含むPBS0.5mLを静脈内投与した。マウスの飼育を、エストラジオールを100μg/kg/週で週に1回投与し続けながら4週間継続した。その後、上記と同様にして、腹腔内における子宮内膜症病変の個数、重量及び表面積を測定した。病変個数を図4(A)に、病変総重量を図4(B)に、病変総表面積を図4(C)に示す。
図4(A)から(C)に示されるように、PBSを投与した対照群及びヒアルロン酸のみを腹腔内投与したHA投与群に比べて、ADRCsまたはAd−MSCを含む組成物を投与した投与群では、病変の個数、病変総重量及び病変総表面積が低下した。

Claims (8)

  1. 脂肪組織由来再生細胞を含み、子宮内膜症の処置に用いられる医薬組成物。
  2. 腹腔内投与に用いられる請求項1に記載の医薬組成物。
  3. グリコサミノグリカン及びその誘導体から選択される少なくとも1種を含む請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 静脈内投与に用いられる請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 脂肪組織由来の間葉系幹細胞を含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 脂肪組織を脱凝集剤で処理して脱凝集組織を得ることと、脱凝集組織から遠心分離処理により再生細胞を濃縮することと、濃縮される再生細胞を回収することとを含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
  7. 前記脂肪組織は、皮下組織に由来する請求項6に記載の製造方法。
  8. 回収される再生細胞を培養することを更に含む請求項6又は請求項7に記載の製造方法。
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