JP6751834B2 - 繊維強化樹脂構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維体と樹脂とを含む繊維強化樹脂構造体の製造方法に関する。
従来から、CFRP等の強化繊維体と発泡体等の柔軟体とから構成される複合材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−312136号公報
特許文献1に記載の方法は、一部が湾曲しながらも、繊維強化由来の優れた強度を有するものであったが、決まった形状の繊維強化樹脂構造体しか製造することができなかった。
そこで、本発明は、所定の優れた強度を有しながらも、種々の形状とすることが可能な、新規な繊維強化樹脂構造体の製造方法を提供することを課題とする。更に、本発明は、その製造方法によって製造可能な新規な繊維強化樹脂構造体を提供することを第2の課題とする。
発明(I)は、
繊維体と、前記繊維体に含浸された熱硬化性樹脂と、を少なくとも含む繊維強化樹脂構造体の製造方法であって、
柱状の発泡体と、前記発泡体の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体と、を有する積層体であって、前記繊維体には未硬化状態の熱硬化性樹脂が含浸された積層体を準備する準備工程と、
前記積層体に外力を付加し、前記発泡体の断面形状を変形させる変形工程と、
前記積層体に含まれる前記熱硬化性樹脂を熱硬化させる硬化工程と
を含む、繊維強化樹脂構造体の製造方法である。
前記発明(I)は、
前記硬化工程後に前記集合体を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後に前記積層体に含まれる前記発泡体を除去する除去工程と
を含んでいてもよい。
前記発明(I)は、
前記発泡体がオレフィン系樹脂発泡体であってもよい。
発明(II)は、
繊維体と、前記繊維体に含浸された熱硬化性樹脂と、を少なくとも含む繊維強化樹脂構造体の製造方法であって、
柱状の発泡体と、前記発泡体の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体と、を有する積層体であって、前記繊維体には未硬化状態の熱硬化性樹脂が含浸された積層体を準備する準備工程と、
前記発泡体の柱軸が湾曲するように前記積層体を湾曲させる湾曲工程と、
前記積層体に含まれる前記熱硬化性樹脂を熱硬化させる硬化工程と
を含む、繊維強化樹脂構造体の製造方法である。
前記発明(II)は、
前記硬化工程後に前記集合体を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後に前記積層体に含まれる前記発泡体を除去する除去工程と
を含んでいてもよい。
前記発明(II)は、
前記発泡体がオレフィン系樹脂発泡体であってもよい。
発明(III)は、
繊維体と、前記繊維体に含浸された熱硬化性樹脂と、を少なくとも含む繊維強化樹脂構造体の製造方法であって、
柱状の第1の発泡体と、前記第1の発泡体の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体と、前記繊維体を介して前記第1の発泡体と近接する柱状の第2の発泡体と、を有する集合体であって、前記繊維体には未硬化状態の熱硬化性樹脂が含浸された集合体を準備する準備工程と、
前記集合体に含まれる前記熱硬化性樹脂を熱硬化させる硬化工程と
を含む、繊維強化樹脂構造体の製造方法である。
前記発明(III)は、
前記集合体に外力を付加し、前記第1の発泡体および前記第2の発泡体の断面形状を変形させる変形工程を含んでいてもよい。
前記発明(III)は、
前記硬化工程後に前記集合体を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後に前記集合体に含まれる前記第1の発泡体および前記第2の発泡体を除去する除去工程と
を含んでいてもよい。
前記発明(III)は、
前記第1の発泡体および前記第2の発泡体がオレフィン系樹脂発泡体であってもよい。
発明(IV)は、
繊維体と、前記繊維体に含浸された熱硬化性樹脂と、を少なくとも含む繊維強化樹脂構造体の製造方法であって、
柱状の第1の発泡体と、前記第1の発泡体の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体と、前記繊維体を介して前記第1の発泡体と近接する柱状の第2の発泡体と、を有する集合体であって、前記繊維体には未硬化状態の熱硬化性樹脂が含浸された集合体を準備する準備工程と、
前記発泡体の柱軸が湾曲するように前記集合体を湾曲させる湾曲工程と、
前記集合体に含まれる前記熱硬化性樹脂を熱硬化させる硬化工程と
を含む、繊維強化樹脂構造体の製造方法である。
前記発明(IV)は、
前記集合体に外力を付加し、前記第1の発泡体および前記第2の発泡体の断面形状を変形させる変形工程を含んでいてもよい。
前記発明(IV)は、
前記硬化工程後に前記集合体を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後に前記集合体に含まれる前記第1の発泡体および前記第2の発泡体を除去する除去工程と
を含んでいてもよい。
前記発明(IV)は、
前記第1の発泡体および前記第2の発泡体がオレフィン系樹脂発泡体であってもよい。
また、発明(IV)は、
繊維体と、前記繊維体に含浸された樹脂と、を少なくとも含む繊維強化樹脂構造体であって、
第1の連通孔と、前記第1の連通孔と平行する第2の連通孔と、第1の連通孔および第2の連通孔を画定する壁部と、を少なくとも備え、
前記第1の連通孔および前記第2の連通孔は、孔軸が湾曲しており、
前記壁部は前記繊維体を含む、繊維強化樹脂構造体であってもよい。
前記発明(IV)は、
前記第1の連通孔および前記第2の連通孔は、孔軸に垂直な断面における断面形状が多角形状であってもよい。
本発明によれば、優れた強度を有しながらも、種々の形状とすることが可能な、新規な繊維強化樹脂構造体の製造方法を提供することができる。更に、本発明によれば、新規な繊維強化樹脂構造体を提供することができる。
図1は、第1実施の形態を説明する図であり、特に、図1(a)は、繊維シートと柔軟体とを直接積層している状態を説明する斜視図であり、図1(b)は、第1多層積層体を示す斜視図である。 図2は、第1実施の形態を説明する図であり、特に、図2(a)は、繊維シートと柔軟体とを直接積層している状態を説明する斜視図であり、図2(b)は、芯材に繊維シートを巻回している状態を説明する斜視図であり、図2(c)は、芯材に繊維シートが複数回巻回された状態を説明する斜視図であり、図2(d)は、未硬化状態の渦積層体を示す斜視図であり、図2(e)は、硬化後の硬化渦積層体を示す斜視図である。 図3は、第1実施の形態を説明する図であり、特に、図3(a)は、繊維シートと柔軟体とを直接積層している状態を説明する斜視図であり、図3(b)は、芯材に繊維シートを巻回している状態を説明する斜視図であり、図3(c)は、芯材に繊維シートが複数回巻回された状態を説明する斜視図であり、図3(d)は、未硬化状態の第1円筒積層体を示す斜視図であり、図2(e)は、硬化後の硬化第1円筒積層体を示す斜視図である。 図4は、第1実施の形態を説明する図であり、特に、図4(a)は、第1多層積層体を示す斜視図であり、図4(b)は、第1多層積層体を切断している状態を説明する斜視図であり、図4(c)は、第2多層積層体を説明するための斜視図であり、図4(d)は、芯材に繊維シートを巻回している状態を説明する斜視図であり、図4(e)は、芯材に繊維シートが巻回された状態を説明する斜視図であり、図4(f)は、未硬化状態の第2円筒積層体を示す斜視図であり、図4(e)は、硬化後の硬化第2円筒積層体を示す斜視図である。 図5は、第1実施の形態を説明する図であり、特に、図5(a)は、繊維シートと柔軟体との積層状態を説明する断面図であり、図5(b)は、繊維シートに含浸されたエネルギー性硬化樹脂が柔軟体に染み出ている状態を説明する断面図であり、図5(c)は、繊維シートに含浸されたエネルギー性硬化樹脂が柔軟体に染み出つつ硬化していく状態を説明する断面図であり、図5(d)は、柔軟体に染み出たエネルギー性硬化樹脂が硬化した状態を説明する断面図である。 図6は、第1実施の形態を説明する図であり、特に、図6(a)は、硬化渦積層体を切断して切断渦積層体を得る状態を説明する斜視図であり、図6(b)は、硬化第1円筒積層体を切断して切断第1円筒積層体を得る状態を説明する斜視図である。 図7は、第1実施の形態を説明する図であり、特に、図7(a)は、硬化第1多層積層体を示す斜視図であり、図7(b)は、硬化第1多層積層体を切断している状態を説明する斜視図であり、図7(c)は、板部材に第2切断積層体を並べて配置している状態を説明する斜視図であり、図7(d)は、一対の板部材間に複数の第2切断積層体が介在している状態を説明する斜視図である。 図8は、第1実施の形態を説明する図であり、特に、図8(a)は、一対の板部材間に複数の切断渦積層体が介在している状態を説明する斜視図であり、図8(b)は、一対の板部材間に複数の切断第1円筒積層体が介在している状態を説明する斜視図である。 図9は、第1実施の形態の変形例を説明する図であり、特に、図9(a)は、第3多層積層体を示す斜視図であり、図9(b)は、第3多層積層体を切断している状態を説明する斜視図であり、図9(c)は、第3多層積層体に繊維シートを直接積層することで第4多層積層体を得る状態を説明する斜視図であり、図9(d)は、硬化第4積層体を示す斜視図である。 図10は、第2実施の形態にかかる屈曲円柱積層体を示す平面図である。 図11は、第2実施の形態を説明する図であり、特に、図11(a)は、円柱状の発泡体に繊維シートを巻回して円柱積層体を得る状態を説明する斜視図であり、図11(b)は、円柱積層体を一列に並べることで円柱積層体群を得る状態を説明する斜視図であり、図11(c)は、円柱積層体群を切断して第1切断円柱積層体群を得る状態を説明する斜視図であり、図11(d)は、一対の繊維シートにて第1切断円柱積層体群を挟む状態を説明する斜視図であり、図11(e)は、特殊平板積層体に対して硬化工程を行うことで、硬化特殊平板積層体を得る状態を説明する斜視図である。 図13は、第2実施の形態を説明する図であり、特に、図13(a)は、円柱状の発泡体に繊維シートを巻回して円柱積層体を得る状態を説明する斜視図であり、図13(b)は、円柱積層体群を互いに重ね合わせた状態を説明する斜視図であり、図13(c)は、互いに重ね合わせた複数の円柱積層体群を切断して第2切断円柱積層体群を得る状態を説明する斜視図であり、図13(d)は、第2切断円柱積層体群を示す斜視図であり、図13(e)は、特殊ブロック積層体に対して硬化工程を行うことで、硬化特殊ブロック積層体を得る状態を説明する斜視図である。 図15は、第2実施の形態を説明する図であり、特に、図15(a)は、円柱状の発泡体に繊維シートを巻回して円柱積層体を得る状態を説明する斜視図であり、図15(b)は、円柱積層体群を束状に束ねる状態を説明する斜視図であり、図15(c)は、円柱積層体束を切断して切断円柱積層体束を得る状態を説明する斜視図であり、図15(d)は、切断円柱積層体束を示す斜視図であり、図15(e)は、特殊円柱積層体に対して硬化工程を行うことで、硬化特殊円柱積層体を得る状態を説明する斜視図である。 図14は、第Iの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図15は、第Iの実施形態の変更例に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図16は、第Iの実施形態の変更例に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図17は、第IIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図18は、第IIの実施形態の変更例に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図19は、第IIの実施形態の変更例に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図20は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図21は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図22は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図23は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図24−1は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図24−2は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図25は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図26は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図27は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図28は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図29は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図30は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図31は、第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図32−1は、第IVの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図32−2は、第IVの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図33−1は、第IVの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図33−1は、第IVの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。 図34は、第IVの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体およびその製造方法を示す斜視図である。
以下、本発明について具体的に説明するが、本発明は以下には何ら限定されない。特に矛盾の生じない範囲で、ある実施の形態にて開示された事項と、別の実施の形態にて開示された事項とを組み合わせて得られる構成も、本発明に含まれる。
また、各実施形態の説明において、別の実施形態にて既に述べられている事項については、特に説明なく省略することがある。例えば、同様の材料を示す箇所には、同様の符号を付すことによって、その記載を省略または簡略化する場合がある。また、各図において、同様の符号が付された事項については、説明を省略または簡略化する場合がある。なお、後述する第1〜第2の実施形態と、後述する第I〜第IVの実施形態とで同じ符号が振られている場合には、異なる部材が開示されているものと判断してもよい。
本発明において、「円」とは楕円を含むものとする。
本発明において、「多角形」等と表現した場合、一部に直線的な辺を有する等し、円や不定形とは異なる構造であり、全体として多角形乃至は多角形に近似すると判断できるものであればよい。そのため、一部の辺が丸みを帯びているような形状や、辺同士が緩やかに接続されているような形状も、「多角形」の概念に含まれるものとする。また、単に「多角形」とした場合、好ましくは正多角形を示すが、正多角形以外の構成も含むものとする。
本明細書においては、図で見て上下左右方向についてはそのまま「上下左右」とする。
以下、第1〜第2の実施の形態という観点と、第I〜第IVの実施の形態という観点と、の二つの観点に基づいて本発明を説明する。
第1〜第2の実施の形態と第I〜第IVの実施の形態とは、相互に、重複する部分や相違する部分が存在する。第1〜第2の実施の形態の説明に記載されており、第I〜第IVの実施の形態の説明に記載されていない事項を、矛盾の生じない範囲で、第I〜第IVの実施の形態に適宜組み込むことが可能である。
<<<<<第1〜2の実施形態>>>>>
<<<<第1の実施形態>>>>
先ず、第1実施の形態について説明する。この第1実施の形態では、エネルギー硬化性樹脂が含浸した繊維体と柔軟体とを直接積層させ、未硬化積層体を得るか、又は、繊維体と柔軟体とを直接接触させた後、前記繊維体にエネルギー硬化樹脂を含浸させ、未硬化積層体を得る積層工程と、
前記未硬化積層体にエネルギーを付与して、前記未硬化積層体を構成する前記繊維体中に含まれる前記エネルギー硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と
を含む、強化繊維体と柔軟体とを含む複合材料の製造方法である。以下、原料、プロセス、複合材料の順で説明する。
<<1.原料>>
(1−1.繊維体)
本発明にかかる繊維体としては、その形状や大きさ等について、特に限定しないが、例えばシート状の繊維シートを用いることができる。この繊維シートは、繊維が集合したシートである限りにおいて、特に限定されず、例えば、織布(綾織、2重織り、3重織り、畳織り等)、不織布が挙げられる。
繊維シートの厚みは、特に限定されず、適宜選択可能である。繊維シートは、厚みが薄すぎると繊維シートの強度や弾性率など力学的性質が低くなる恐れがある。従って、本発明にかかる繊維シートの厚みは、例えば、20μm〜500μmが好ましく、30μm〜200μmがより好ましい。なお、チョップドストランドマットやコアマット等、厚みが数mmの繊維シートであっても良いことは言うまでもない。
繊維シートを形成する繊維は、特に限定されず、公知のものを使用することができ、金属繊維、無機繊維、有機繊維のうち少なくとも1種を含むことができる。前記繊維としては、例えば、ステンレス鋼繊維、ニッケル繊維、銅繊維、アルミニウム繊維、銀繊維、金繊維、チタン繊維等の金属繊維;ポリパラフェニレンベンズオキサゾール、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)樹脂、ポリビニルアルコ−ル(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アラミド樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、セルロース、ビニロン、ナイロン、レ−ヨン、アラミド、フェノ−ル系繊維、フッ素繊維、パルプ(繊維)、ケナフ、麻、竹繊維等の有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、ロックウ−ル、スラグウ−ル、アルミナ繊維、セラミック繊維等の無機繊維;等を挙げることができる。これらのうち一つ又は複数を組み合せて用いることができる。本発明にかかる繊維は、シール材に用いられる樹脂やマトリックス樹脂等のヤング率よりも高いヤング率を有する繊維が好ましく、金属繊維、無機繊維がより好ましい。繊維のヤング率が高いほど繊維シートの剛性を高くすることが可能であり、前記樹脂に包埋した際、樹脂の剛性を効果的に向上させることが可能となる。従って、剛性が高く、破損し難いシール材を得ることが可能となる。
(1−1−2.繊維シートの製造方法)
繊維シートの製造方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、好適例である不織布を製造する方法としては、カーディング方式、エアレイド方式等の乾式法、紙のように漉いて形成する湿式抄造法、スパンボンド法、メルトブロー法等のフリース形成法;サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流絡合法)、ステッチボンド法、スチームジェット法等のフリース結合法が挙げられる。このうち、湿式抄造法による製造方法が、繊維シートを薄くすることが可能であり、さらに均一性の点で優れているため好適である 。
(1−2.エネルギー硬化性樹脂)
エネルギー硬化性樹脂としては、特に限定しないが、例えば、熱硬化性樹脂やエネルギー線硬化性樹脂等を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラニン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂等を用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
エネルギー線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(1−2.柔軟体)
柔軟体としては、特に限定されないが、例えば、発泡体を用いることができる。この発泡体は、独立気泡発泡体であっても、連続気泡発泡体であってもよい。なお、ここで示す独立気泡発泡体とは、完全に全ての気泡が独立しているもののみを示すのではなく、一部の気泡が隣接する気泡と連通していてもよく、全体として独立気泡発泡体と解される程度に、各気泡が独立していればよい。
発泡体を構成する樹脂としては特に限定されず、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂およびシリコーン系樹脂等、用途に応じて適宜選択すればよい。また、発泡体を構成するものとしては他に、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)およびニトリルゴム(NBR)等もあり、これらも用途に応じて適宜選択すればよい。
発泡体は、増粘剤、可塑剤、滑剤、充填剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、補強剤、導電材料等の公知の添加成分を含有していてもよい。
発泡体の密度は、特に限定されないが、例えば、5〜800kg/m等である。
このような発泡体は、公知の方法によって製造可能である。発泡体の製造方法としては、例えば、水系液体分散媒と、水分散性樹脂と、を少なくとも含む液状原料混合物を得る工程である原料調製工程 と、液状原料混合物を発泡させ発泡混合物を得る発泡工程と、発泡混合物中の分散媒を蒸発させる乾燥工程と、を含む方法が挙げられる。また、発泡工程の前または後に、ドクターナイフまたはドクターロール等を用いて液状原料混合物または発泡混合物を塗工したり、液状原料混合物または発泡混合物を押出成形または射出成形することで、発泡混合物をシート状に成形したりてもよい。また、ゴムスポンジ等を所望の形状に型成型したり、ブロック状に発泡成形した発泡体をスライス加工によりシート状、紐状、円柱状等の所望の形状にしたりしても良い。なお、これらの工程は、その一部又は全部が同時に実行されてもよい。
発泡工程における発泡手段としては、例えば、化学反応によりガスが発生する発泡剤を液状原料混合物に配合することで気泡を成形する方法、高圧下で適宜のガスを液状原料混合物に溶解させた後に圧力を低下させる又は加熱を行うことで気泡を成形する方法、液状原料混合物に混合した可溶性の物質を除去し空隙として気泡を成形する方法、空気や適宜のガスが抱き込まれるように液状原料混合物を機械的に撹拌する方法(メカニカルフロス)等が挙げられる。
発泡工程における発泡条件(温度、時間等)、および、乾燥工程における乾燥条件(温度、時間等)は、発泡体の原料や使用した発泡手段等に応じて適宜変更可能である。
また、柔軟体の形状、大きさ等については特に限定されず、シート状の柔軟体シートや円筒状の柔軟体の他、円柱状、四角柱状、六角柱状、あるいは断面形状が星形状、半円形状の柔軟体等を適宜選択可能であり、柔軟体として発泡体を用いた場合も同様である。
<<2.プロセス>>
(2−1.積層工程)
この積層工程では、概して、繊維シートと、柔軟体とを直接積層する工程である。この積層工程においては、様々な形状や厚さの繊維体および柔軟体を用いることができる。この積層工程のパターンについては、特に限定しないが、以下に列挙する各種パターンが挙げられる。
(2−1−1.積層工程のパターン1)
このパターン1では、図1に示すように、予めエネルギー硬化性樹脂が含浸した未硬化状態である繊維シート1と、板状の柔軟体3とを用いる。この繊維シート1に予めエネルギー硬化性樹脂を含浸する方法としては、例えば、エネルギー硬化性樹脂の未硬化粘性液体原料に繊維シート1を浸すディッピングや、複数の横置硬質ロールの間に繊維シート1を通過させて上述の未硬化粘性液体原料を塗るロールコーティング、或いは、いわゆるハンドレイアップ成形法やRIMP(レジンインフュージョン)成形法等を挙げることができるが、これらに限定されない。なお、繊維シート1については1枚のシートを用いても良いし、複数枚のシートを重ね合わせたものとして使用しても良く、特に限定しない。これについては以後も同様である。
このパターン1では、図1(a)に示すように、平面上に載置した繊維シート1の上面に柔軟体3の下面を直接重ね合わせ、この柔軟体3の上面に、他の繊維シート1の下面を直接重ね合わせた後、他の繊維シート1の上面と他の柔軟体3の下面を直接重ね合わせるということを繰り返し行う。これにより、それぞれの繊維シート1とそれぞれの柔軟体3とがそれぞれ面接触し、柔軟体3は、繊維シート1に含浸されている未硬化のエネルギー硬化樹脂によって、繊維シート1に対して仮接着された状態となる。このような積層工程のパターン1によって、図1(b)に示すように、繊維シート1および柔軟体3が何層にも積み重なったブロック状の第1多層積層体5を得る。
(2−1−2.積層工程のパターン2)
このパターン2では、上述のパターン1で述べた繊維シート1と柔軟体3とを用いる。図2(a)および図3(a)に示すように、柔軟体3の上面および下面(柔軟体3の両面)にそれぞれ、繊維シート1、1を直接重ね合わせることによって、一対の繊維シート1、1間に柔軟体3が介在した状態の単層積層体7を得る。なお、単層積層体7としては、柔軟体3の片面にのみ繊維シート1を直接積層したものであっても良い。
(2−1−3.積層工程のパターン3)
このパターン3では、図4(a)に示す上述の第1多層積層体5に対して、図4(b)に示す切断工程(これについては後述する)を経て得た第1切断積層体5aを用いる。図4(c)に示すように、この第1切断積層体5aのうち、切断方向に沿った両面にそれぞれ、上述の繊維シート1と同様な他の繊維シート1A、1Bを直接積層することによって、図4(d)に示す第2多層積層体8を得る。
なお、上述の積層工程のパターン1〜3については、予め繊維シートにエネルギー硬化性樹脂を含浸させた場合を例に取って説明したが、これに代えて、繊維シート1と柔軟体3とを直接積層させた後に、上述のパターン1で述べた含浸方法と同様にして、繊維シート1にエネルギー硬化性樹脂を含浸させるようにしても良いことは言うまでもない。
(2−2.巻回工程)
この巻回工程では、上述のパターン2、3で得たそれぞれの積層体7、8を巻回する工程である。これらの積層体7、8については、繊維シート1と柔軟体3とからなるため、この状態でも可撓性を有しており、曲げ、捩じり等の変形加工を容易に行うことができる。本実施の形態では、これらの変形加工のうち、曲げ加工の一種である巻回工程を一例に採用して、以下に列挙して説明するが、これに限定されないことは言うまでもない。
(2−2−1.巻回工程のパターン1)
このパターン1では、上述の積層工程のパターン2で得た単層積層体7を用いる(図2(a)参照)。図2(b)および図2(c)に示すように、例えば、金属パイプ、樹脂チューブおよび円筒形状に形成した発泡体等からなる芯Sに対して、単一積層体7を複数回、巻回する。このため、このパターン1の単層積層体7の長さは、芯Sの外周長さの数倍程度(巻回回数に応じた程度)に設定されている。芯Sに単層積層体7を複数回、巻回した後、芯Sを引き抜くことによって(芯Sを除去することによって)、図2(d)に示すように、単層積層体7が複数積層された渦巻き状の渦積層体9を得る。
(2−1−2.巻回工程のパターン2)
このパターン2でも、上述の積層工程のパターン2で得た単層積層体7を用いる(図3(a)参照)。このパターン2では、図3(b)および図3(c)に示すように、芯Sに対して、単一積層体7を何重にも巻回する。すなわち、芯Sの外周長さと略同じ長さの単一積層体7を、その両端面同士が接合するように巻回し、その外側にさらに、上述の単層積層体7よりもわずかに長い別の単一積層体7を、その両端面同士が接合するように巻回することを複数回繰り返す。その後、芯Sを引き抜くことによって、図3(d)に示すように、単一積層体7が複数積層された円筒状の第1円筒積層体11を得る。
(2−1−3.巻回工程のパターン3)
このパターン3では、上述の積層工程のパターン3で得た第2多層積層体8であって、その長さが芯Sの外周長さと略同じ長さに設定された第2多層積層体8を用いる。図4(d)および図4(e)に示すように、芯Sに対して、第2多層積層体8を巻回する。すなわち、第2多層積層体8を、巻回方向における両端面同士が接合するように巻回した後、芯Sを引き抜くことによって、図4(f)に示す円筒状の第2円筒積層体13を得る。
この第2円筒積層体13にあっては、第2多層積層体8における一方の面に直接積層された他の繊維シート1Aの外周面が、第2円筒積層体13の外周面を形成し、第2多層積層体6における他方の面に直接積層された他の繊維シート1Bの外周面が、第2円筒積層体13の内周面を形成している。また、これらの繊維シート1A、1B間には、第1切断積層体5aの繊維シート1および柔軟体3が、第2円筒積層体13の長手方向に沿って延びているとともに、他の繊維シート1A、1Bに対して交差する位置関係となっている。換言すれば、繊維シート1および柔軟体3はそれぞれ、他の繊維シート1A、1Bに対して起立しかつ第2円筒積層体13の長手方向に沿って延びたリブ構造をなしている。
なお、上述の渦積層体9、第1円筒積層体11および第2円筒積層体13のそれぞれの中心軸線に沿う中空部の内径については、互いに異なる径の芯Sを用いることによって適宜調整可能であることは言うまでもない。また、上述の巻回工程のパターン1〜3については、各種の積層体7、8を巻回するために芯Sを用いていたが、これに限らず、芯Sを用いずに、各種の積層体7、8をその端部から渦巻き状に直接巻回することによって、渦積層体9を得たり、各種の積層体7、8を巻回するように直接曲げていき、その巻回方向の両端部同士を、繊維シート1に含浸された未硬化のエネルギー硬化性樹脂によって仮接着させることで第1円筒積層体11および第2円筒積層体13を得たりするようにしても良い。
(2−3.硬化工程)
この硬化工程では、上述の積層工程のパターン1〜3で得た第1多層積層体5、単層積層体7、第2多層積層体8、巻回工程のパターン1〜3で得た渦積層体9、第1円筒積層体11、第2円筒積層体13(以後、これらを総括して「積層体5等」という。)に対してエネルギーを付与する。この付与するエネルギーについては、積層体5等に対して加熱をすることによるものや、エネルギー線を照射することによるもの等が挙げられるが、特に限定しない。図5(a)〜図5(c)に示すように、積層体5等に対するエネルギーの付与により、積層による仮接着状態の積層体5等の繊維シート1に含浸されていたエネルギー硬化性樹脂がそれぞれの柔軟体3に染み出つつ(入り込みつつ)硬化していく。
この硬化したエネルギー硬化性樹脂が、繊維シート1と柔軟体3とを接着(アンカー効果)する接着部Gとなって、繊維シート1と柔軟値3とが一体化する。また、繊維シート1はその含浸していたエネルギー硬化性樹脂が硬化することによって硬化繊維シート1Xとなる。その結果、第1多層積層体5が硬化第1多層積層体5A(図7(a)参照)となり、単層積層体7が硬化単層積層体となり(図示省略)、第2多層積層体8が硬化第2多層積層体となり(図示省略)、渦積層体9が硬化渦積層体9A(図2(e)参照)となり、第1円筒積層体11が硬化第1円筒積層体11A(図3(e)参照)、第2円筒積層体13が硬化第2円筒積層体13A(図4(g)参照)となる(以後、これらを総括して「硬化積層体5A等」という)。このように硬化工程を経ることで、複合材料としての硬化積層体5A等を得ることとなる。このようにして得た硬化積層体5A等については、その繊維シート1と柔軟体3との接合に接着剤等を用いないので、接着剤等の劣化による破損を防止することができる。
次に、硬化積層体5A等のうち、図示のある硬化積層体5Aの構成について図を参照しながら説明する。すなわち、図7(a)に示す硬化第1多層積層体5Aは、含浸したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた硬化繊維シート1Xと柔軟体3の層を複数有し、これらの硬化繊維シート1Xと柔軟体3とは接着部Gによって一体化しているものとなっている。
また、図2(e)に示す硬化渦積層体9Aも、含浸したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた硬化繊維シート1Xと柔軟体3とが、中心軸線を中心に複数回巻回しつつ、かつ、中心軸線に対してラジアル方向に拡大する複数の層を形成しており、これらの層における硬化繊維シート1Xと3とは接着部Gによって一体化しているものとなっている。
さらに、図3(e)に示す硬化第1円筒積層体11Aについても、円筒状に形成され、含浸したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた硬化繊維シート1Xと、この繊維体の内周面または外周面の少なくとも一方の面に接着した円筒状の柔軟体3とを有し、これらの硬化繊維シート1Xと柔軟体3とは接着部Gによって一体化しているものとなっている。
また、図4(g)に示すように、硬化第2円筒積層体13Aは、円筒状に形成され、含浸したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた第1円筒繊維体1Yと、この第1円筒繊維体Yよりも径の小さい円筒状に形成され、第1円筒繊維体1Yの中空部に第1円筒繊維体1Yと同心になるように配置されているとともに、含浸したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた第2円筒繊維体1Zと、第1および第2円筒繊維体1Y、1Zの間に介在した状態で、第1および第2円筒繊維体1Y、1Zの長手方向に沿って延び、第1円筒繊維体1Yの内周面および第2円筒繊維体1Zの外周面にそれぞれ接触しているとともに、含浸したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた細長い板状の介在繊維体1Kと、第1および前記第2円筒繊維体1Y、1Zと互いに対峙する一対の介在繊維体1K、1Kとで形成された内部空間に配置されているとともに、第1円筒繊維体1Yの内周面、第2円筒繊維体1Zの外周面および介在繊維体1K、1Kの互いの対向面それぞれ接触した柔軟体3とを備えている。
また、硬化第2円筒積層体13Aは、この柔軟体3における第1および第2円筒繊維体1Y、1Zと介在繊維体1K、1Kとの接触部分には、接着部Gによって一体化しているものとなっている。また、第1および第2円筒繊維体1Y、1Zと複数の介在繊維体1Kとの接触部分も接着部Gによって接着されて一体化しているものとなっている。この例では、その繊維シート1と柔軟体3との接合、繊維シート1、1A、1Bの接着に接着剤等を用いないので、接着剤等の劣化による破損を防止することができる。また、内側の第1円筒繊維体1Yと、外側の第2円筒繊維体1Zとの間に、複数の介在繊維1Kが、それぞれの繊維体1Y、1Zに対して起立したリブのように配置されているため、単なる円筒形状のものに比して、その強度を高めて変形しにくい硬化第2円筒積層体13Aを得ることができる。
(2−4.切断工程)
この切断工程では、上述の積層工程や巻回工程で得た硬化前の積層体5等や、硬化工程で得た硬化後の硬化積層体5A等を、これらよりも小さく切断するものである。この切断工程では積層体5等や硬化積層体5A等をどのような形状や大きさに切断しても良く、そのパターンについては特に限定しないが、これらのいくつかの例を以下に述べる。
(2−4−1.切断工程のパターン1)
このパターン1では、積層工程のパターン1で得た硬化前の第1多層積層体5を切断する。図4(b)に示すように、第1多層積層体5を、その繊維シート1や柔軟体シート3が水平になるように平面上に載置した状態で、縦に薄く切断することにより、積層工程のパターン3で用いられる硬化前の第1切断積層体5aを得る。なお、この第1切断積層体5aについては、上述のように、積層工程のパターン3にて第2多層積層体8とされ、巻回工程のパターン3にて第2円筒積層体13とされた後、硬化工程を経て複合材料としての硬化第2円筒積層体13Aとなる。
(2−4−2.切断工程のパターン2)
このパターン2では、図7(a)に示す硬化工程を経た硬化後の硬化第1多層積層体5Aを切断する。図7(b)に示すように、硬化第1多層積層体5Aを、その繊維シート1や柔軟体シート3が水平になるように平面上に載置した状態で、縦に薄く切断することにより、硬化後の硬化第2切断積層体5Bを得る。
(2−4−3.切断工程のパターン3)
このパターン3では、硬化工程を経て硬化した硬化渦積層体9Aや硬化第1円筒積層体11Aを切断する。図6(a)および図6(b)に示すように、硬化渦積層体9Aや硬化第1円筒積層体11をその長手方向における所定幅に輪切りにする(スライスする)ことで、複合材料としての硬化切断渦積層体9Bや硬化切断第1円筒積層体11Bを得る。なお、図示は省略するが、硬化後の第2円筒積層体13Aを同様に切断して、複合材料としての硬化切断第2円筒積層体を得るようにしても良いことは言うまでもない。
<<3.複合材料>>
ここでは、上述の各工程を経て得た複合材料について説明する。
(3−1.複合材料のパターン1)
このパターン1は、図7に示すように、切断工程のパターン2で得た複合材料としての硬化第2切断積層体5B、5C、5Dを用いた一例である(なお、図7においては、煩雑さを避けるため、硬化第2切断積層体の符合としては、5B、5C、5Dのみを付し、これらからなる全体の塊を硬化第2積層体群5Zとする)。図7に示すように、複数の第2切断積層体5B、5C、5Dを、樹脂製の板等といった第1板部材15、17のうち、下の第1板部材15の上面に対して、第2切断積層体5B、5C、5Dのそれぞれの硬化繊維シート1Xおよび柔軟体3がリブのように起立した状態(換言すれば、板部材15、17の板面に対して、硬化繊維シート1Xと柔軟体3とが交差する方向(図7(c)においては垂直方向)に延びている状態)になるように載置する。
また、この載置の際において、硬化第2切断積層体5Bの硬化繊維シート1Xおよび柔軟体3の延出方向と、この硬化第2切断積層体5Bに隣り合う他の硬化第2切断積層体5C、5Dの硬化繊維シート1Xおよび柔軟体3の延出方向とが互いに交差するように(図7(c)においては直交している)、一の硬化第2切断積層体5Cと他の硬化第2切断積層体5Dとを載置する。これを繰り返して第1板部材15の上面の略全体に亘って硬化第2切断積層体5B、5C、5Dを敷き詰めてなる硬化第2積層体群5Zを得る。その後、第1板部材15の上面と硬化第2積層体群5Zの下面とを接着した状態で、上の第2板部材17の下面と硬化第2積層体群5Z上面とを接着することによって、板部材15、17の補強を図ることができる。なお、このパターン1では、一対の板部材15、17を用いたが、これに限らず、板部材15、17のいずれか一方のみを用いるようにしても良いことは言うまでもない。
(3−2.複合材料のパターン2)
このパターン2は、図8(a)および図8(b)に示すように、複合材料のパターン1と同様な板部材15、17の間に、複数の硬化切断渦積層体9B又は複数の硬化切断第1円筒積層体11Bを互いに隣接するように並べて配置する。その後、板部材15の上面と複数の硬化切断渦積層体9B又は複数の硬化切断第1円筒積層体11Bのそれぞれの下面とを接着し、板部材17の下面と複数の硬化切断渦積層体9B又は複数の硬化切断第1円筒積層体11Bのそれぞれの上面とを接着する。これによって板部材15、17の補強を行うことができる。
なお、このパターン2では、切断積層体9B又は切断第1円筒積層体11Bと板部材15、17とを接着した例であったが、これに限定されず、例えば、板部材15、17に貫通孔を形成し、この貫通孔に切断積層体9B又は切断第1円筒積層体11Bを嵌め込むことで板部材の補強を図っても良い。また、板部材15、17として柔軟体3と同様な発泡体を用い、この板部材15、17に上述と同様な貫通孔を形成した後、この貫通孔に未硬化の渦積層体9、第1円筒積層体11、第2円筒積層体13を嵌め込んだ後に、硬化工程を行うことで、硬化板部材を得るようにしても良い。この場合、貫通孔のない板部材を所望する場合には、例えば、芯Sを用いずに各種の積層体7、8をその端部から渦巻き状に直接巻回することによって、中空部のない渦積層体9を設け、これを板部材の貫通孔に嵌め込むようにすれば良い。
本発明は、上述の第1実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。この変形例においては、上述の第1実施の形態と同様な箇所には同様の符合を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。
上述の第1実施の形態においては、積層工程のパターン1では、図1(b)等にも示すように、同じ幅(厚み)の柔軟体3を用いたが、これに限定されず、互いに幅や硬度、あるいは密度等の異なる柔軟体を用いるようにしても良い。この具体例の一例として、図9に示すものが挙げられ、以下、これについて上述の各種工程を織り交ぜながら説明する。
図9に示す例では、繊維シート1と所定幅の柔軟体3aとこれよりも幅の小さい柔軟体3bとを用いて積層工程を行うことで。図9(a)に示すように、繊維シート1および柔軟体3a、3bが何層にも積み重なったブロック状の第3多層積層体19を得る。すなわち、上下に延びる第3多層積層体19の中央部は、相対的に薄い柔軟体3bと繊維シート1とが交互に積み重なることによってなり、第3多層積層体19の上部および下部は、相対的に厚い柔軟体3aと繊維シート1とが交互に積み重なることによってなっている。
次に、図9(b)に示すように、この第3多層積層体19を縦に薄く切断する切断工程を行うことによって、第3切断積層体23を得る。そして、図9(c)に示すように、この第3切断積層体23の片面にさらに、別の繊維シート24を直接積層する積層工程を行うことにより、第4多層積層体25を得る。この第4多層積層体25は、未硬化の繊維シート1と柔軟体3とからなるため、この状態でも可撓性を有しており、曲げ、捩じり等の変形加工を容易に行うことができる。このため、第4多層積層体25を、その中央部を中心に軽く曲げる曲げ工程を行うことができる(図9(d)参照)。そして、この曲げた第4多層積層体25に対して上述の硬化工程を行う。
ここで、第4多層積層体25においては、図9(c)に示すように、繊維シート24に対して、それぞれの繊維シート1がリブのように略垂直に起立した状態で延びている。また、繊維シート24から起立しているとともに互いに隣り合う繊維シート1、1との間に介在している柔軟体3は、これらの繊維シート1、1、24に面接触して仮接着状態となっている。このため、図9(e)に拡大して示すように、硬化工程を行うと、上述のように、繊維シート1、1、24からそれぞれ染み出たエネルギー性硬化樹脂が柔軟体3に染み出て硬化する。すなわち、硬化工程によって、繊維シート1、1、24がそれぞれ、硬化繊維シート1X、1X、24Xとなり、柔軟体3に染み出て硬化したエネルギー性硬化樹脂が、柔軟体3と硬化繊維シート1X、1X、24Xとの接着部Gとなって、これらを一体化する。同様に、繊維シート1、1、24のそれぞれの接触部分も、染み出て硬化したエネルギー硬化性樹脂による接着部Gによって接着されて一体化する。これによって、複合材料としての硬化第4多層積層体25Aを得ることができる。なお、未硬化の繊維シート1,1、24に代えて、これらの少なくとも1つが硬化後の硬化繊維シート1X、1X、24Xであってもよく、この場合でも同様な作用効果を奏する。
換言すれば、この硬化第4多層積層体25Aは、含浸したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた第1繊維体である硬化繊維シート24Xと、この硬化繊維シート24Xに対して起立した状態で配置され、含浸したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた第2繊維体である複数の硬化繊維シート1X、1Xと、硬化繊維シート24Xおよび互いに隣り合う硬化繊維シート1X、1Xにそれぞれ接触した柔軟体3とを備え、この柔軟体3における硬化繊維シート1X、1X、24Xとの接触部分には、これらの硬化繊維シート1X、1X、24Xに含浸されていたエネルギー硬化性樹脂にエネルギーを付与して硬化する際に、硬化繊維シート1X、1X、24Xの少なくとも1つに含浸されていたエネルギー硬化性樹脂が染み出て硬化したエネルギー硬化性樹脂からなる接着部Gを備えているといえる。
このようにして得られた硬化第4多層積層体25Aは、硬化繊維シート24Cと、この硬化繊維シート24Cに対して起立した複数の硬化繊維シート1Cとを有しているため、単純な板状の硬化繊維シートに比して強度が高い。また、上述のように、硬化前の状態であれば、曲げ、捩じり等の変形加工を容易に行うことができるため、所望の形状の複合材料を得ることが容易である。なお、上述の複合材料のパターン1において、板部材15、17に代えて、エネルギー性硬化樹脂を含浸させた繊維シート1を用いて硬化工程を行った場合も、同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
ここで、図9に示す例では、中央部の柔軟体3aの幅が、上部および下部の柔軟体3bの幅よりも大きかったが、これに限定されず、例えば、上部および下部の柔軟体3bの幅が、中央部の柔軟体3aの幅の方が大きくなるようにしても良く、これらの幅によって、曲げ可能角度をある程度調整することができるようになる。要は、用途に応じた幅の柔軟体3を用いるようにすれば良く、その幅等については適宜設定可能である。
また、図9に示す例では、第4多層積層体25に対して硬化工程を行うことで、複合材料としての硬化第4多層積層体を得たが、これに限定されず、例えば、図9(a)に示す第3多層積層体19に対して硬化工程を行うことで、複合材料の硬化第3多層積層体を得たり、あるいは、図9(b)に示す第3切断積層体23に対して硬化工程を行うことで、複合材料としての硬化第3切断積層体を得るようにしたりしても良いことは言うまでもない。この場合、例えば、曲面を有する離型可能な型に繊維シート24を積層し、そこに硬化第3切断積層体を配置することによって合わせることに基づいて複合材料を得ることができる。また、この硬化第3切断積層体については、上述の複合材料のパターン1で述べた複数の第2積層体5b、5c、5d(図7参照)の代わりに用いるようにしても良い。
上述の第1実施の形態では、積層工程としては、水平な状態の繊維シート1と柔軟体3とを互いに交互に積層させていたが、例えば、図2に示す芯Sに対して、繊維シート1を1回又は複数回巻回し、その外側に柔軟体3を巻回し、さらにその外側に繊維シート1を1回又は複数回巻回するというのを繰り返すことによって、円筒状の積層体を得るようにしても良い。また、第1多層積層体5の各側面の少なくとも1つに繊維シート1を積層しても良い。要は、繊維シート1と柔軟体3とが直接積層されていれば特に限定しない。また、図7に示す硬化第2積層体群5Zの上面、下面、各側面の少なくとも1つに繊維シート1を積層した後に繊維シート1を硬化したりするようにしても良く、硬化後の積層体と未硬化の繊維シートとを適宜組み合わせるようにしても良い。
<<<<第2の実施形態>>>>
次に、第2実施の形態を説明する。
この第2実施の形態は、
エネルギー硬化性樹脂が含浸した繊維体と柔軟体とを直接積層させ、未硬化積層体を得るか、又は、繊維体と柔軟体とを直接接触させた後、前記繊維体にエネルギー硬化樹脂を含浸させ、未硬化積層体を得る積層工程と、
前記未硬化積層体を変形させる変形工程と、
前記変形工程にて変形した前記未硬化積層体に対してエネルギーを付与して、前記未硬化積層体を構成する前記繊維体中に含まれる前記エネルギー硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
を含む、強化繊維体の製造方法である。
以下、原料、プロセスの順で説明するが、その説明にあたり上述の第1実施の形態と同様な箇所には、同様の符号を付することによって、その記載を省略または簡略化するものとする。
<<1.原料>>
この第2実施の形態における原料については、上述の第1実施の形態と同様であるため、その記載を省略する。
<<2.プロセス>>
(2−1.積層工程)
この積層工程では、繊維体と柔軟体とを直接積層することにより行う。この積層工程においては、様々な形状や厚さの繊維体および柔軟体を用いることができる。具体的には、図11(a)、図12(a)、図13(a)にそれぞれ示すように、予めエネルギー硬化性樹脂が含浸した未硬化状態である繊維シート1と、芯材となる円柱状の柔軟体31とを用いる。この柔軟体31に対して、繊維シート1を直接巻回することによって、繊維シート1と柔軟体31とを直接積層した円柱積層体33を得る。この円柱積層体33においては、柔軟体31の長さが、繊維シート1の縦幅よりも長く、柔軟体31に対して巻回されて円筒状となった繊維シート1の長手方向の両端から、柔軟体31の両端部が突出している状態となっている。なお、第1実施の形態と同様に、繊維シート1を柔軟体31に直接積層した後に、繊維シート1にエネルギー硬化性樹脂を含浸させるようにしても良いことは言うまでもない。
(2−2.変形工程)
この変形工程では、変形が容易な未硬化の円柱積層体33を種々に変形させる工程であり、その変形については特に限定しないが、以下に列挙するパターンが挙げられる。
(2−2−1.変形工程のパターン1)
このパターン1では、図10に示すように、一本の円柱積層体33を、そのまま曲線状に曲げる変形を行う。ここで、その曲率については特に限定されないのは言うまでもない。また、L字型、U字型、S字型等といったように曲線状に曲げる他、用途等に応じた所定角度(30度、90度等)に折り曲げる変形を行っても良い。これによって、さまざまな形状に曲げられた特殊形状の屈曲円柱積層体35を得る。
(2−2−2.変形工程のパターン2)
このパターン2では、図11(b)に示すように、複数の円柱積層体33を一列に並べた円柱積層体群33aとした後、図11(c)に示すように、繊維シート1から突出した柔軟体3の両端部付近を切断する切断工程を行うことによって、それぞれの円柱積層体33の両端面を面一な状態とした第1切断円柱積層体群33bを得る。なお、図11(c)に示す切断工程を省略しても良い。これは以後の切断工程についても同様である。
そして、図11(d)に示すように、他の一対の繊維シート35、37の間に、切断円柱積層体群33bを挟み込んで、圧力をかける。これにより、図11(e)に示すように、第1切断円柱積層体群33bの繊維シート1の断面形状がそれぞれ、中空の四角柱形状に変形するとともに、これらのそれぞれの中空部に位置するそれぞれの柔軟体31の断面形状が、四角柱形状に変形し、全体として、平板状の形状に変形された特殊形状の特殊平板積層体39を得る。なお、圧力をかける方法としては、直接的に荷重をかけることにより行う他、第1切断円柱積層体群33bを密閉した状態にして減圧することによって行う等しても良く、特に限定されない。これは以後の変形工程についても同様である。
なお、このパターン2では四角柱形状に形成したが、これに限定されず、円柱積層体群33aに対する圧力をかける方向等を調節することによって、断面が五角形や六角形の特殊平板積層体39を得るようにしても良い。また、他の一対の繊維シート35、37を用いずに、第1切断円柱積層体群33bに直接圧力をかけるようにしたり、あるいは、円柱積層体群33aに直接圧力をかけるようにしたりしても良く、この場合でも、同様な作用効果を奏する。
(2−2−3.変形工程のパターン3)
このパターン3では、図12(b)に示すように、上述の変形工程のパターン2で述べた円柱積層体群33aを複数用意し、これらの円柱積層体群33aを平行な状態で互いに重ね合わせた後、図12(c)に示すように、繊維シート1から突出した柔軟体3の両端部付近を切断する切断工程を行うことによって、図12(d)に示すように、円柱積層体群33aの両端面を面一な状態とした第2切断円柱積層体群33cを得る。
そして、図12(e)に示すように、この第2切断円柱積層体群33cに圧力をかけることにより、第2切断円柱積層体群33cの繊維シート1の断面形状が中空の六角柱形状に変形するとともに、これらのそれぞれの中空に位置するそれぞれの柔軟体33の断面形状が六角柱形状に変形し、全体として、ブロック状の特殊ブロック積層体41を得る。なお、このパターン3においても、上述のパターン2と同様に、圧力をかける方向等を調節することによって様々な断面形状の特殊ブロック積層体41を得ることができるのは言うまでもない。
(2−2−4.変形工程のパターン4)
このパターン4では、図13(b)に示すように、複数の円柱積層体33を束状に束ねてなる円柱積層体束43とし、図13(c)に示すように、繊維シート1から突出した柔軟体3の両端部付近を切断する切断工程を行うことによって、図13(d)に示すように、それぞれの円柱積層体33の両端面を面一な状態とした切断円柱積層体33dの束からなる切断円柱積層体束43aを得る。
そして、図13(e)に示すように、切断円柱積層体束43aに圧力をかけることにより、切断円柱積層体束43aのうち、中央の切断円筒積層体33dを囲む周囲の切断円柱積層体33dのそれぞれの繊維シート1が中空の五角柱形状に変形する。これに伴い、これらの切断円柱積層体33dの中空に位置するそれぞれの柔軟体33が五角柱形状に変形する。また、中央の切断円柱積層体33dは、中空の六角柱形状に変形し、この中空に位置する柔軟体33が六角柱形状に変形する。これによって、全体として、円柱状に変形された特殊形状の特殊円柱積層体45を得る。なお、このパターン4においても、上述のパターン2と同様に、圧力をかける方向等を調節することによって様々な断面形状の特殊ブロック積層体45を得ることができるのは言うまでもない。また、図13(e)においては、中央の切断円柱積層体33dの繊維シート1が断面形状で六角形をなしていることを明示するために、あえて中央の切断円柱積層体33dの中空部分の柔軟体33を除去した状態で示しているが、実際には中空部分には柔軟体33が充填されている。
(2−3.硬化工程)
この硬化工程では、上述の各変形工程にて変形した未硬化の積層体である屈曲円柱積層体35、特殊平板積層体39、特殊ブロック積層体41、第2円柱積層体41にそれぞれ、第1実施の形態と同様にしてエネルギーを付与することによって、シート繊維に含浸されていたエネルギー硬化性樹脂が硬化する。この結果、屈曲円柱積層体35が第1強化繊維体となり(図示せず)、特殊平板積層体39が第2強化繊維体39Aとなり(図11(e)参照)、特殊ブロック積層体41が第3強化繊維体41Aとなり(図12(e)参照)、特殊円柱積層体45が第4強化繊維体45Aとなる(図13(e)参照)。なお、各強化繊維体39A、41A、45Aにおいて、それぞれの柔軟体33を穿り出したりあるいは溶かしたり等によって柔軟体33を除去する除去工程を行うようにしても良い。
以上説明したように、第2実施の形態では、積層工程で得た未硬化の積層体は変形が容易であり、この状態で所望の特殊形状に変形させた後に、硬化工程を行うだけの極めて簡便な手法にて、所望の特殊形状の強化繊維を得ることができる。
本発明は、上述の第2実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、図11(c)、図12(c)、図13(c)に示す切断工程においてはそれぞれ、図11(b)、図12(b)、図13(b)にそれぞれ示すように、円柱積層体33を円柱積層体群33aや円柱積層体束43とした後に行ったが、これに限らず、円柱積層体群33aや円柱積層体束43とした後に、これらにそのまま圧をかけて変形させた後に行うようにしても良く、硬化工程の前であれば切断工程を行うタイミングは特に限定しない。
<<<<第1〜第2の実施形態についてのまとめ>>>>
前述した第1〜第2の実施形態については、以下のようにまとめることができる。
発明(1−1)は、
エネルギー硬化性樹脂が含侵した繊維体と柔軟体とを直接積層させ、未硬化積層体を得るか、又は、繊維体と柔軟体とを直接接触させた後、前記繊維体にエネルギー硬化樹脂を含浸させ、未硬化積層体を得る積層工程と、
前記未硬化積層体にエネルギーを付与して、前記未硬化積層体を構成する前記繊維体中に含まれる前記エネルギー硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と
を含む、強化繊維体と柔軟体とを含む複合材料の製造方法である。
発明(1−2)は、
前記柔軟体が発泡体である、前記発明(1−1)の製造方法である。
発明(1−3)は、
前記積層工程後、前記未硬化積層体を巻回させる巻回工程を更に含む、発明(1−1)又は(1−2)記載の方法である。
発明(1−4)は、前記未硬化積層体、又は、前記硬化工程によって硬化した硬化積層体を、この硬化積層体より小さく切断する工程を更に含む、発明(1−1)〜(1−3)のいずれか一項記載の方法である。
上記発明によれば、粘着剤や接着剤等の劣化による複合材料(強化繊維体と柔軟体の複合材料)の破損を防止することができるとともに、所望の形状の複合材料の製造を容易に行うことができる。
発明(2−1)は、
エネルギー硬化性樹脂が含侵した繊維体と柔軟体とを直接積層させ、未硬化積層体を得るか、又は、繊維体と柔軟体とを直接接触させた後、前記繊維体にエネルギー硬化樹脂を含浸させ、未硬化積層体を得る積層工程と、
前記未硬化積層体を変形させる変形工程と、
前記変形工程にて変形した前記未硬化積層体にエネルギーを付与し、前記未硬化積層体を構成する前記繊維体中に含まれる前記エネルギー硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
を含む、強化繊維体の製造方法である。
発明(2−2)は、
前記柔軟体が発泡体である、前記発明(2−1)の製造方法である。
上記発明によれば、特殊形状の強化繊維体を簡便に製造することができる。
発明(3−1)は、
含侵したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた第1繊維体と、
この第1繊維体に対して起立した状態で配置され、含侵したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた第2繊維体と、
前記第1繊維体および互いに隣り合う前記第2繊維体にそれぞれ接触した柔軟体とを備え、
前記柔軟体における前記第1および第2繊維体との接触部分には、これらの第1および第2繊維体に含侵されていたエネルギー硬化性樹脂にエネルギーを付与して硬化する際に、前記第1および前記第2繊維体の少なくとも一方に含侵されていたエネルギー硬化性樹脂が染み出て硬化したエネルギー硬化性樹脂からなる接着部を備えていることを特徴とする複合材料である。
上記発明によれば、粘着剤や接着剤等の劣化による複合材料の破損を防止することができる。
発明(4−1)は、
円筒状に形成され、含侵したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた第1円筒繊維体と、
前記第1円筒繊維体よりも径の小さい円筒状に形成され、前記第1円筒繊維体の中空部に前記第1円筒繊維体と同心になるように配置されているとともに、含侵したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた第2円筒繊維体と、
前記第1および第2円筒繊維体の間に介在した状態で前記第1および第2円筒繊維体の長手方向に沿って延び、前記第1円筒繊維体の内周面および前記第2円筒繊維体の外周面にそれぞれ接触しているとともに、含侵したエネルギー硬化性樹脂を硬化させた介在繊維体と、
前記第1および前記第2円筒繊維体と互いに対峙する一対の前記介在繊維体とで形成された内部空間に配置されているとともに、前記第1円筒繊維体の内周面、前記第2円筒繊維体の外周面および前記介在繊維体の一方の面にそれぞれ接触した柔軟体とを備え、
前記発泡体における前記第1および第2円筒繊維体と前記介在繊維体との接触部分には、これらの第1および第2円筒繊維体と前記介在繊維体とに含侵されていたエネルギー硬化性樹脂にエネルギーを付与して硬化する際に、第1および第2繊維体と前記介在繊維体との少なくとも1つに含侵されていたエネルギー硬化性樹脂が染み出て硬化したエネルギー硬化性樹脂からなる接着部を備えていることを特徴とする複合材料である。
上記発明によれば、粘着剤や接着剤等の劣化による複合材料の破損を防止することができる。
<<<<<第I〜IVの実施形態>>>>>
次に、第1〜第2の実施形態とは異なる観点から、第I〜第IVの実施形態について説明する。なお、第I〜IVの実施形態は、第2の実施形態で説明された概念を利用、応用、変更等して得られる繊維強化樹脂構造体およびその製造方法等を整理したものと考えることもできる。
なお、第I〜IVの実施形態においては、第1〜第2実施形態にて説明された柔軟体に対応する部材を、発泡体に特定して説明しているが、発泡体以外の柔軟体の使用を排除するものではない。
以下に述べる繊維強化樹脂構造体の大きさ、繊維強化樹脂構造体の肉厚部分の厚み、繊維強化樹脂構造体の有する連通孔Hの径等は何ら限定されず、用途に応じて適宜調整可能である。
<<<<第Iの実施形態>>>>
<<<構造>>>
第Iの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体100−1は、繊維体10と、繊維体10に含浸された樹脂20と、を少なくとも含む、筒状の繊維強化樹脂構造体である(図14(c)参照)。
より詳細には、筒状の繊維体10に含侵された樹脂20が肉厚部となり、全体として筒状の繊維強化樹脂構造体100−1が形成されている。
繊維強化樹脂構造体100−1は、筒内部に発泡体30が挿通されていてもよい。なお、以降の各実施形態および変更例においても、各繊維強化樹脂構造体は、発泡体30を含んでもよいし含まなくてもよい。
<<<原料>>>
<<繊維体10>>
繊維体10としては、その形状や大きさ等について、特に限定されないが、例えばシート状の繊維シートであることが好ましい。この繊維シートは、繊維が集合したシートである限りにおいて、特に限定されず、例えば、織布(平織、綾織、2重織り、3重織り、畳織り等)、不織布、一方向強化材(UD材)等が挙げられる。
繊維シートの厚みは、特に限定されず、適宜選択可能である。繊維シートは、厚みが薄すぎると繊維シートの強度や弾性率など力学的性質が低くなる恐れがある。従って、本発明にかかる繊維シートの厚みは、例えば、20μm〜500μmが好ましく、30μm〜200μmがより好ましい。なお、チョップドストランドマットやコアマット等、厚みが数mmの繊維シートであっても良いことは言うまでもない。
繊維シートを形成する繊維は、特に限定されず、公知のものを使用することができ、金属繊維、無機繊維、有機繊維のうち少なくとも1種を含むことができる。
繊維体10を構成する繊維としては、例えば、
ステンレス鋼繊維、ニッケル繊維、銅繊維、アルミニウム繊維、銀繊維、金繊維、チタン繊維等の金属繊維;
ポリパラフェニレンベンズオキサゾール、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)樹脂、ポリビニルアルコ−ル(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アラミド樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、セルロース、ビニロン、ナイロン、レ−ヨン、アラミド、フェノ−ル系繊維、フッ素繊維、パルプ(繊維)、ケナフ、麻、竹繊維等の有機繊維;
ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、ロックウ−ル、スラグウ−ル、アルミナ繊維、セラミック繊維等の無機繊維;
等を挙げることができる。
繊維としては、これらのうち一つ又は複数を組み合せて用いることができる。例えば、炭素繊維とポリエステル繊維とを含む2層構造のノンクリンプファイバー(NCF)等を使用することもできる。
繊維は、シール材に用いられる樹脂やマトリックス樹脂等のヤング率よりも高いヤング率を有する繊維が好ましく、金属繊維、無機繊維がより好ましい。繊維のヤング率が高いほど繊維シートの剛性を高くすることが可能であり、前記樹脂に包埋した際、樹脂の剛性を効果的に向上させることが可能となる。従って、剛性が高く、破損し難いシール材を得ることが可能となる。
繊維シートは、繊維が筒状に編み込まれたものであってもよい。
繊維シートは、本発明の効果を阻害しない範囲で、一部がパンチングされる等して、空孔が形成されていてもよい。
繊維シートは、バイアスシート(バイアス裁ちされたシート)であってもよい。
<繊維シートの製造方法>
繊維シートの製造方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、好適例である不織布を製造する方法としては、カーディング方式、エアレイド方式等の乾式法、紙のように漉いて形成する湿式抄造法、スパンボンド法、メルトブロー法等のフリース形成法;サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流絡合法)、ステッチボンド法、スチームジェット法等のフリース結合法が挙げられる。このうち、湿式抄造法による製造方法が、繊維シートを薄くすることが可能であり、さらに均一性の点で優れているため好適である。
繊維シートが筒状である場合、例えば、組みひもの製造と同様にして製造することができる。
繊維シートの製造方法は、バイアス裁ちを行う工程を含んでいてもよい。
<<樹脂20>>
樹脂20としては、繊維強化樹脂として使用される公知の樹脂を使用可能であり、熱可塑性樹脂等も使用され得るが、作業性を向上させるために、エネルギー硬化性樹脂とすることが好ましい。
<エネルギー硬化性樹脂>
エネルギー硬化性樹脂としては、特に限定しないが、例えば、熱硬化性樹脂やエネルギー線硬化性樹脂等を用いることができる。エネルギー硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラニン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂等を用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
エネルギー線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
以降の説明においては、樹脂20を熱硬化性樹脂として説明を行うが、特に矛盾がない範囲において、以降の説明において、「熱硬化」を「硬化」乃至は「エネルギー線硬化」として読み替えることも可能である。
<<発泡体30>>
発泡体は、独立気泡発泡体であっても、連続気泡発泡体であってもよい。なお、ここで示す独立気泡発泡体とは、完全に全ての気泡が独立しているもののみを示すのではなく、一部の気泡が隣接する気泡と連通していてもよく、全体として独立気泡発泡体と解される程度に、各気泡が独立していればよい。
発泡体を構成する樹脂としては特に限定されず、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂およびシリコーン系樹脂等、用途に応じて適宜選択すればよい。発泡体は、オレフィン系樹脂発泡体であることが好ましい。このように構成することで、繊維強化樹脂構造体から発泡体を除去しやすい。また、発泡体を構成するものとしては他に、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)およびニトリルゴム(NBR)等もあり、これらも用途に応じて適宜選択すればよい。
発泡体は、増粘剤、可塑剤、滑剤、充填剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、補強剤、導電材料等の公知の添加成分を含有していてもよい。
発泡体の密度は、特に限定されないが、例えば、1kg/m以上、2kg/m以上、3kg/m以上、4kg/m以上、5kg/m以上、10kg/m以上、15kg/m以上とすればよく、また、800kg/m以下、700kg/m以下、600kg/m以下、500kg/m以下、250kg/m以下、100kg/m以下、50kg/m以下とすればよい。なお、上限値と下限値とを任意に組み合わせて、所望の数値範囲とすることができる。
<発泡体の製造方法>
発泡体は、公知の方法によって製造可能である。発泡体の製造方法としては、例えば、水系液体分散媒と、水分散性樹脂と、を少なくとも含む液状原料混合物を得る工程である原料調製工程と、液状原料混合物を発泡させ発泡混合物を得る発泡工程と、発泡混合物中の分散媒を蒸発させる乾燥工程と、を含む方法が挙げられる。また、発泡工程の前または後に、ドクターナイフまたはドクターロール等を用いて液状原料混合物または発泡混合物を塗工したり、液状原料混合物または発泡混合物を押出成形または射出成形することで、発泡混合物をシート状に成形したりてもよい。また、ゴムスポンジ等を所望の形状に型成型したり、ブロック状に発泡成形した発泡体をスライス加工によりシート状、紐状、円柱状等の所望の形状にしたりしても良い。なお、これらの工程は、その一部又は全部が同時に実行されてもよい。
発泡工程における発泡手段としては、例えば、化学反応によりガスが発生する発泡剤を液状原料混合物に配合することで気泡を成形する方法、高圧下で適宜のガスを液状原料混合物に溶解させた後に圧力を低下させる又は加熱を行うことで気泡を成形する方法、液状原料混合物に混合した可溶性の物質を除去し空隙として気泡を成形する方法、空気や適宜のガスが抱き込まれるように液状原料混合物を機械的に撹拌する方法(メカニカルフロス)等が挙げられる。
発泡工程における発泡条件(温度、時間等)、および、乾燥工程における乾燥条件(温度、時間等)は、発泡体の原料や使用した発泡手段等に応じて適宜変更可能である。
また、発泡体の形状、大きさ等については特に限定されず、円筒状の発泡体の他、円柱状、四角柱状、六角柱状、あるいは断面形状が星形状、半円形状の発泡体等を適宜選択可能である。また、発泡体は、所望の形状となるように発泡成形されたものの他にも、ブロック状のものをカット又は削り出しにより成形したものや、シート状の発泡体を巻き取ったもの等であってもよい。
<<<製造方法>>>
繊維強化樹脂構造体100−1の製造方法は、例えば、
柱状の発泡体30と、発泡体30の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体10と、を有する積層体50であって、繊維体10には未硬化状態の熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)が含浸された積層体50を準備する準備工程と、
繊維体10に含浸された樹脂(未硬化樹脂25)を熱硬化させ、樹脂20を得る硬化工程と、を含む方法である。
繊維強化樹脂構造体100−1の製造方法は、発泡体30を切断する切断工程や、硬化工程後に発泡体30および樹脂20を冷却させる冷却工程や、硬化工程後に発泡体30を引き抜く除去工程等を含んでもよい。
また、特に説明しないが、繊維強化樹脂構造体100−1の製造方法は、硬化工程後に、繊維強化樹脂構造体100−1の表面を処理する、削り工程乃至は磨き工程を設けてもよい。
<<準備工程>>
準備工程は、柱状の発泡体30と、発泡体30の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体10とを有し、繊維体10には未硬化状態の熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)が含浸された積層体50を準備する工程である。
準備工程は、積層体50を外部より購入する等して実施してもよい。
また、準備工程は、含浸工程および積層工程を含んでいてもよい。
<含浸工程>
含浸工程では、未硬化樹脂25と繊維体10とを接触させて、繊維体10に未硬化樹脂25を含浸させる。
含浸方法としては特に限定されず、例えば、ロールコーティング、ハンドレイアップ成形法、インフュージョン成形法、VaRTM成形法、RTM成形法等としてもよいし、未硬化樹脂25を含む槽に繊維体10を沈める方法(ディッピング)等としてもよい。
含浸の条件は、繊維体10や未硬化樹脂25の種類等に応じて調整可能である。繊維体10に未硬化樹脂25が含浸し難い場合には、含浸時間を長くしたり、加圧しながら含浸したりしてもよい。
<積層工程>
積層工程では、発泡体30側面の少なくとも一部を繊維体10で覆う(図14(a)および図14(c)参照)。
発泡体30の側面を繊維体10で覆う方法としては特に限定されない。例えば、繊維体10が繊維シートである場合、繊維体10を発泡体30に巻きつければよい。巻きつける回数としては、1周以上であることが好ましく、2周以上としてもよい。
また、積層工程において、発泡体30を覆った後の繊維体10を仮留めしてもよい。例えば、繊維体10に未硬化樹脂25が含浸されている場合、未硬化樹脂25の粘着性によって、繊維体10を発泡体30の側面に仮接着させることも可能である。
積層工程では、図14に示されるように、発泡体30の上端から下端までの側面全面を繊維体10で覆う必要はないが、発泡体30の側面全面を繊維体10で覆うようにすることも可能である。
積層工程において、繊維体10の厚みを調整することが可能である。例えば、繊維体10が繊維シートである場合、繊維体10の巻きつけ回数を増やすことで、繊維体10の厚みを増やすことができる。また、繊維シートは1枚のシートを用いても良いし、複数枚のシートを重ね合わせたものとして使用しても良く、特に限定されない。繊維体10は、2種以上のものを組み合わせて使用してもよい。また、繊維体10が織布やUD材である場合、発泡体の熱膨張を考慮して、または、別の実施形態における変形工程、湾曲工程等を考慮して、繊維の配向性(バイアス等)を調整して巻きつけを実施してもよい。更に、繊維体10として繊維の配向性を調整したものを使用する場合、繊維体10の全体に亘って繊維の配向性を調整したものが存在するように構成してもよいし、繊維体10の一部の領域のみに繊維の配向性を調整したものが存在するように(例えば、変形しやすい領域のみに繊維の配向性を調整したものが存在するように)構成してもよい。
繊維体10が長尺である場合、発泡体30の軸方向に移動させながら発泡体30の側面に繊維体10を巻きつけることで、積層工程を実施することもできる。例えば、積層工程は、フィラメントワインディング法、ブレーディング法等に基づいて実施してもよい。
また、繊維体10を予め筒状に構成しておき、筒内部に発泡体30を挿入してもよい。
積層工程では、発泡体30の側面を繊維体10で覆うが、発泡体30の側面に繊維体10を配する際にも、発泡体30が柔軟に変形する。そのため、例えば、繊維体10を繊維シートとし、繊維体10を発泡体30に巻きつけた際に繊維体10に発生し得る歪み等が発泡体30の変形によって吸収され、ある程度自然な状態にて繊維体10が保持され得る。
ここで、含浸工程は、積層工程の前、積層工程と同時、積層工程の後のいずれで実施されてもよい。繊維体10が繊維シートである場合、繊維体10への含浸を確実に行うために、積層工程の前に繊維体10に樹脂(未硬化樹脂25)を含浸させておき、繊維体10に未硬化樹脂25が含侵された状態にて積層工程を実施することが好ましい。各実施形態の説明において、準備工程は、含浸工程を実施した後に積層工程を実施する工程として説明されているが、これに限定されるものではない。
<<硬化工程>>
硬化工程を実施することにより、繊維体10に含侵された未硬化樹脂25が硬化され、樹脂20が得られる(図14(c)参照)。
硬化工程では、使用する樹脂(未硬化樹脂25)の種類に応じて、未硬化樹脂25が十分に硬化するように、硬化方法および硬化条件を選択すればよい。例えば、熱硬化性樹脂である場合、未硬化樹脂25に対して熱を付与し、硬化させることができる。
積層体50(発泡体30)の形状保持性を高めるために、積層体50を型枠に嵌め込んだり、積層体50の周囲にシュリンクテープを配する等した状態にて、硬化工程を実施してもよい。
<<冷却工程>>
冷却工程は、発泡体除去工程等を実施する前に、熱硬化されて得られた樹脂20および発泡体30を冷却させる工程である。
硬化工程において熱硬化を行うことにより、発泡体30が熱膨張し、繊維体10を押し広げる方向の力が発生すると考えられる。未硬化樹脂25が熱硬化された後に発泡体30が冷却されることで、発泡体30が収縮し、樹脂20と発泡体30との乖離を促し、後述する除去工程を実施し易くすることができると考えられる。
冷却の方法としては特に限定されず、自然冷却、送風、冷気雰囲気下への放置等、どのような方法で実施されてもよい。冷却後の温度としては、室温以上、室温、室温以下のいずれに設定されてもよい。冷却工程は、一例として、熱硬化時の温度よりも、10℃以上、20℃以上、30℃以上、40℃以上または50℃以上冷却させることで実施できる。
<<切断工程>>
切断工程は、繊維体10から突出している発泡体30のみを切断する工程であってもよいし、発泡体30と繊維体10とを同時に切断するものであってもよい。例えば、切断工程によって、積層体50を所望の長さとなるように調整してもよい。
なお、切断工程は、硬化工程の前に実施してもよいし、硬化工程の後に実施してもよい。
<<除去工程>>
積層体50に含まれる発泡体30を除去することで、発泡体30を含まない、中空状の繊維強化樹脂構造体100−1を得ることができる(図14(c)参照)。
なお、準備工程(例えば、積層工程、含浸工程)および硬化工程を実施することによって、発泡体30と未硬化樹脂25とが接触した状態で未硬化樹脂25の硬化が実施される。発泡体30が発泡体等で有る場合、発泡体の表面に存在する気泡に未硬化樹脂25が侵入し得る。この状態で硬化工程が実施されることで、発泡体と樹脂20とが固定され得る。そのため、除去工程を実施する場合、発泡体の材質や発泡体の密度(発泡倍率)を調整し、発泡体と樹脂20とが固定され難いように、乃至は、発泡体と樹脂20とが固定されても発泡体を除去しやすいようにしてもよい。
除去工程は、発泡体30を物理的に除去する他にも、発泡体30を溶解させることで実施してもよい。
<<<第Iの実施形態の変更例>>>
繊維強化樹脂構造体100−1は、円筒状のものに限られない。以下、第Iの実施形態の変更例として円筒状以外の繊維強化樹脂構造体100−1について説明する。
<<構造>>
繊維強化樹脂構造体100−1は、図14に示された円筒状の構造ではなく、多角筒状(筒軸に垂直な断面が多角形状となる筒状)の構造を有していてもよい。例えば、繊維強化樹脂構造体100−1は、図15(c)に示されるように四角筒状であったり、図16(c)に示されるように六角筒状であったりしてもよい。また、繊維体10の多角筒状を、三角筒状としたり、六角筒状以上の多角筒状としてもよい。
また、繊維強化樹脂構造体100−1は、外形(筒の外側面の形状)と内形(筒の内側面の形状)との形状が一致する必要はない。例えば、繊維強化樹脂構造体100−1は、外形を角柱状とし且つ内形を円柱状とする構成であってもよい。
<<製造方法>>
変更例に係る繊維強化樹脂構造体100−1の製造方法は、例えば、
柱状の発泡体30と、発泡体30の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体10と、を有する積層体50であって、繊維体10には未硬化状態の熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)が含浸された積層体50を準備する準備工程と、
積層体50に外力を付加し、発泡体30の断面形状を変形させる変形工程と、
繊維体10に含浸された樹脂(未硬化樹脂25)を熱硬化させ、樹脂20を得る硬化工程と、を含む方法である。
準備工程、硬化工程等については、前述の通りである。また、前述の通り、冷却工程、切断工程および除去工程を実施してもよい。
<変形工程>
変形工程では、積層体50に外力を付加し、発泡体30の断面形状を変形させる(図15(a)、図15(b)、図16(a)、図16(b)参照)。より詳細には、例えば、積層体50の側面部に外力を付加することで、積層体50を角柱状に変形させることができる。
積層体50の側面部に外力が付加されることで、発泡体30および繊維体10が変形するが、発泡体30によって、繊維体10が潰されず、所定の形状(例えば、筒状)を保持することができる。
変形工程は、例えば、所定の形状を有する型枠等に積層体50を嵌め込むことで実施することができる。
変形工程において、外力を付加する方向や、外力を付加する位置を調整することで、積層体50の形状を自由に変更することができる。
例えば、図15(a)に示されるように、積層体50(発泡体30)の側面に対して、4方向から均等に外力を付加した場合には四角筒状の積層体50とすることができ、図16(a)に示されるように、積層体50(発泡体30)の側面に対して、6方向から均等に外力を付加した場合には六角筒状の積層体50とすることができる。
また、積層体50の一方の面に付加する外力と他方の面に付加する外力を異ならせたり、積層体50の上側と積層体50の下側とで付加する外力の方向や強さを変更することで、積層体50の上下方向(軸方向)に対して、乃至は、積層体50の左右前後方向(軸に垂直な方向)に対して、非対称の積層体50とすることも可能である。
繊維強化樹脂構造体100−1は、発泡体30の外径を軸方向に応じて変化させる(例えば、テーパーを設ける)ことにより、更に別の形状の繊維強化樹脂構造体100−1とすることも可能である。
なお、発泡体30を予め角柱状に構成した上で、第Iの実施の形態と同様の製造方法を実施することで、多角筒状の繊維強化樹脂構造体100−1を得ることもできるが、このようにした場合、繊維に負荷がかかり易くなり、強度としては劣るものとなり得る。
<<<<第IIの実施形態>>>>
<<<構造>>>
第IIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体100−2は、図17(d)に示されるように、
繊維体10と、繊維体10に含浸された樹脂20と、を少なくとも含み、
繊維体10は、湾曲した筒状を有する(乃至は、筒軸Bが湾曲している)、繊維強化樹脂構造体である。
換言すれば、繊維強化樹脂構造体100−2は、繊維強化樹脂構造体100−2の構造の少なくとも一部が湾曲してなる湾曲部60を有している。更に、繊維強化樹脂構造体100−2は、湾曲部60において筒状の構造が保持されている。また、繊維強化樹脂構造体100−2が、湾曲部60と非湾曲部とを有する場合、湾曲部60と非湾曲部とが滑らかに接続されている。また、繊維強化樹脂構造体100−2は、筒軸Bに垂直な断面を観察した際に、湾曲部60と非湾曲部とで同様の形状を有していてもよい。
繊維強化樹脂構造体100−2は、複数の湾曲部60を有していてもよい。この場合、湾曲の方向や湾曲の程度等は、各湾曲部60毎に設計可能である。
筒軸Bの湾曲の度合い乃至は湾曲部60の曲率については特に限定されない。筒軸Bの湾曲の度合い乃至は湾曲部60の曲率は、L字型、U字型、S字型、弓状型等といったように曲線状に曲げる他、用途等に応じて所定角度(30度、45度、90度等)に湾曲させても良い。
繊維体10は、円筒状に限定されず、多角筒状であってもよい。
繊維強化樹脂構造体100−2に係る構造体は、繊維強化樹脂構造体100−1が、軸に沿った断面形状が保持されたまま、所定方向に湾曲されたものと表現することができる。
<<<製造方法>>>
繊維強化樹脂構造体100−2の製造方法は、例えば、
柱状の発泡体30と、発泡体30の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体10と、を有する積層体50であって、繊維体10には未硬化状態の熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)が含浸された積層体50を準備する準備工程と、
記発泡体の柱軸Aが湾曲するように積層体50を湾曲させる湾曲工程と、
繊維体10に含浸された樹脂(未硬化樹脂25)を硬化させ、樹脂20を得る硬化工程と、を含む方法である。
準備工程、硬化工程等については、前述の通りである。また、前述の通り、切断工程、冷却工程および除去工程を実施してもよい。
<<湾曲工程>>
湾曲工程では、発泡体30の柱軸Aが湾曲するように、積層体50に外力を付加する。その結果、発泡体30の柱軸Aが湾曲することで、積層体50全体の軸が湾曲されることから、積層体50が筒状の繊維体10を含む場合に、繊維体10の筒軸Bも同様に湾曲されることとなる。
積層体50の側面部に外力が付加されることで、発泡体30および繊維体10が変形するが、発泡体30によって、繊維体10が潰されず、所定の形状(例えば、筒状)を保持することができる。
湾曲の方法としては、積層体50に対して所定方向から外力を加えればよい(図17(b)、図17(c)参照)。なお、外力の大きさとしては、積層体50の材質や湾曲の度合い等を考慮して適宜設定すればよい。
湾曲工程は、例えば、湾曲構造を有する所定の型枠等に積層体50を嵌め込むことで実施することができる。複雑な湾曲形状としたい場合には、型枠を分割可能なようにしてもよい。
積層体50は、繊維体10と発泡体30とを含む。そのため、積層体50は、湾曲が生じても破断し難い。特に、繊維体10を繊維シートとし、発泡体30を発泡体とした場合、繊維シートおよび発泡体が柔軟に変形するため、滑らかに湾曲した(座屈した箇所を有し難い)積層体50とすることができる。
湾曲に際しては、圧縮される部分は繊維体10の密度が密となり、引張される部分については繊維体10の密度が疎となる。この点を考慮して、積層工程において、湾曲部60を形成し得る箇所の繊維体10の厚さ等を予め調整してもよい。
複数の湾曲部を有する繊維強化樹脂構造体100−2とする場合には、複数の湾曲を有する形状である型枠を使用してもよいし、湾曲工程を複数回実施してもよい。
<<<第IIの実施形態の変更例>>>
第IIの実施形態においては、図17に示されるように、全体的に円筒状である繊維強化樹脂構造体100−2を説明したが、繊維強化樹脂構造体100−2は、図18に示されるように、全体的に多角筒状となるように構成してもよい。
繊維強化樹脂構造体100−2の変更例に係る構造体は、繊維強化樹脂構造体100−1の変更例にかかる構造体が、軸に沿った断面形状が保持されたまま、所定方向に湾曲されたものと表現することもできる。
第IIの実施形態の変更例にかかる繊維強化樹脂構造体100−2は、積層体50に対して前述の変形工程と、前述の湾曲工程と、を実施することで製造することができる(図18参照)。なお、図18においては、簡単のために発泡体30の表示を省略している。
変形工程によって、積層体50(発泡体30)の断面形状が角柱状に変形し、且つ、湾曲工程によって積層体50の柱軸Aが湾曲される。
これらの工程において、積層体50の側面部に外力が付加されることで、発泡体30および繊維体10が変形するが、発泡体30によって、繊維体10が潰されず、所定の形状(例えば、筒状)を保持することができる。
変形工程および湾曲工程は、積層体50が発泡体30を含む状態、且つ、樹脂を硬化させる前の状態(換言すれば、未硬化樹脂25を含む状態)にて実施されればよく、変形工程の後に湾曲工程を実施する形態、湾曲工程の後に変形工程を実施する形態、変形工程と湾曲工程とを同時に実施する形態のいずれであってもよい。
変形工程と湾曲工程とを同時に実施する場合、例えば、所定の湾曲構造を有し、且つ、所定の断面形状を有するような型枠に積層体50を嵌め込むことで実施することができる。
また、繊維強化樹脂構造体100−2を製造するに際しては、図19に示されるように、複数の積層体50を、樹脂を硬化する前の状態(積層体50が未硬化樹脂25を含む状態)にてお互いに接触させる工程を設ける工程を更に有していてもよい(図19(b)参照)。
例えば、図19に示す製造方法においては、先ず、湾曲工程を実施して得られた湾曲構造を有する積層体50を複数準備し(図19(a)参照)、これら複数の積層体50を互いに接触するように配置し、その状態にて変形工程を実施し(図19(b)参照)、最後に硬化することで、複数の連通孔を有し、且つ、これらの連通孔が互いに平行とならない繊維強化樹脂構造体100−2を製造することができる。
なお、図19(a)および図19(b)においては、簡単のために発泡体30を省略している。
なお、接触工程、変形工程、湾曲工程については、任意の順番で実施することができ、また、これらの一部または全部を同時に実施してもよい。
接触工程、変形工程、および湾曲工程を同時に実施する場合、例えば、所定の湾曲構造を有し、所定の断面形状を有し、且つ、複数の積層体50を所定の位置に配置可能な型枠に、複数の積層体50を嵌め込むことで、実施することができる。
このように、樹脂を硬化する前の状態(積層体50が未硬化樹脂25を含む状態)にて、複数の積層体50に、未硬化樹脂25を含むその他の部材等を接触させた後に、樹脂を硬化させることで、樹脂20によって一体化された構造体を得ることも可能である。複数の積層体50等を、樹脂を硬化する前の状態にて接触させて一体化させるという概念は、全ての実施形態において同様に適用することができる。即ち、各実施形態にて説明されたあらゆる構造体同士の組み合わせ、および、各実施形態にて説明されたあらゆる構造体と公知の構造体との組み合わせについて、各構造体が樹脂を介して一体化してなる構造体は、本発明の範囲内と解される。
<<<<第IIIの実施形態>>>>
<<<構造>>>
第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体100−3は、例えば、
繊維体10と、繊維体10に含浸された樹脂20と、を少なくとも含み、
第1の連通孔Hと、第1の連通孔Hと平行する第2の連通孔Hと、第1の連通孔Hおよび第2の連通孔Hを画定する壁部と、を少なくとも備え、
壁部が繊維体10を含む、
繊維強化樹脂構造体である。
繊維強化樹脂構造体100−3は、所定の方向(例えば、ある直線)に対して孔軸Cが垂直に並ぶように、互いに平行に配列された、複数の連通孔Hを含むものである。繊維強化樹脂構造体100−3の有する連通孔Hの数は2個以上であればよい。例えば、図20(f)においては4個の連通孔Hを有する構造体、図21(f)においては、13個の連通孔Hを有する構造体、図22(f)においては、12個の連通孔Hを有する構造体、図23(f)においては、7個の連通孔Hを有する構造体を示している。
第1の連通孔Hと第2の連通孔Hとは、お互いに平行となるように設けられている。なお、第1の連通孔Hと第2の連通孔Hとが平行であるとは、全体的に見て、片側の連通孔Hの孔軸Cともう一方の連通孔Hの孔軸Cとが平行と解される程度に規則的に配列されていることを示す。
各連通孔Hを画定する壁部(例えば、肉厚となる樹脂20)は繊維体10を含む。各連通孔Hの周囲の壁部全体に繊維体10が存在すること、換言すれば、連通孔Hの周囲を繊維体10が連続して1周以上取り囲むように設けられていることが好ましい。
本形態においては、ある連通孔Hと別の連通孔Hとを区画する壁部(ある連通孔Hと別の連通孔Hとの間に存在する壁部)に、繊維体10が含まれる。このように構成することで、繊維強化樹脂構造体100−3の厚み方向(連通孔Hが並ぶ方向に垂直な方向)に対する強度を高めることができる。
繊維強化樹脂構造体100−3は、連通孔の一部または全部に、発泡体30が挿通されていてもよい(図20(e)等参照)。
繊維強化樹脂構造体100−3は、図20(c)に示されるような構造であり、複数の円筒状の繊維体10が配列されており、且つ、これらが樹脂を介して近接した状態で硬化されたものであってもよい。一方で、繊維強化樹脂構造体100−3は、図21(f)に示されるように、複数の多角筒状の繊維体10が配列されており、且つ、これらが樹脂を介して近接した状態で硬化されたものであってもよい。また、繊維強化樹脂構造体100−3は、円筒状の繊維体10と多角筒状の繊維体10とを組み合わせて得られたものであってもよい。
第IIIの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体100−3は、他の表現によれば、
繊維体10と、繊維体10に含浸された樹脂20と、を少なくとも含み、
繊維体10は、多角筒状の繊維体である、第1筒状繊維体10および第2筒状繊維体10を少なくとも含み、
第1筒状繊維体の外側面を構成する平面部と、第2の筒状繊維体の外側面を構成する平面部と、が接触または近接している、繊維強化樹脂構造体である。
このような観点でいえば、繊維強化樹脂構造体100−3は、多角筒状の繊維体10を複数含むものである。また、これら複数の繊維体10は、複数の繊維体10の側面同士が接触または近接するように、規則的に配列されている。
繊維強化樹脂構造体100−3に含まれる多角筒状の繊維体10の個数は特に限定されず、2つ以上であればよい。
繊維強化樹脂構造体100−3は、各筒状繊維体(例えば、第1筒状繊維体および第2筒状繊維体)の、全ての筒内部に発泡体30が挿通されていてもよいし、全ての筒内部に発泡体30が挿通されていなくてもよいし、一部の筒内部に発泡体30が挿通されておいる一方で残りの筒内部には発泡体30が挿通されていなくてもよい。
連通孔H(乃至は繊維体10)の配列方法としては、図20に示されるように、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が一層に並ぶように配列させる方法、図21に示されるように、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が配列された層を複数段重ねてハニカム状に配列させる方法、図22に示されるように、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が配列された層を複数段重ねて格子状に配列させる方法、図23に示されるように、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)を円状に並ぶように配列させる方法、等が挙げられる。
繊維強化樹脂構造体100−3は、図24に示されるように、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が配列された層を複数有し、且つ、ある層と別の層とで、連通孔Hの孔軸Cの方向(乃至は繊維体10の筒軸方向)を異ならせるように配列させてもよい。
連通孔Hを画定する壁部(乃至は繊維体10の筒形状)としては、特に限定されず、四角筒状であってもよいし、五角筒状以上であってもよいし、複数の形状を組み合わせたもの(例えば、図21に示すように、五角筒状および六角筒状を組み合わせたもの)であってもよい。
繊維強化樹脂構造体100−3は、図25(1)に示すように、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が、ある曲線に対して孔軸が垂直に並ぶように、互いに平行に配列されていてもよい。
繊維強化樹脂構造体100−3は、図25(2)に示すように、連通孔Hの端部(開口面)が封止されていてもよい(乃至は、潰されていてもよい)。例えば、繊維強化樹脂構造体100−3は、その上端部および/または下端部が押し潰された形状であってもよい。このように押し潰された端部は、例えば、ネジ止め等の固定部材を設置する面として使用することができる。
繊維強化樹脂構造体100−3は、連通孔Hの片方の端部(開口面)のみが封止されていてもよい(乃至は、潰されていてもよい)し、連通孔Hの両方の端部(開口面)が封止されていてもよい(乃至は、潰されていてもよい)。
この場合、繊維強化樹脂構造体100−3は、発泡体30を含んでいてもよいし、発泡体30を含んでいなくてもよい。
なお、各実施形態にて説明された繊維強化樹脂構造体も同様に、連通孔Hの端部が封止された(乃至は、潰された)構造とすることができる。
繊維強化樹脂構造体100−3は、図26(f)、図31(f)に示すように、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が近接する箇所に、空孔を有していてもよい。
繊維強化樹脂構造体100−3は、図27(f)に示すように、補強部材15を有してもよい。この補強部材15には、樹脂(樹脂20)が含侵され、繊維強化樹脂構造体100−3として一体化されている。補強部材15を有することで、繊維体10が不足する箇所等を補強し、繊維強化樹脂構造体100−3の強度を向上させることができる。
補強部材15を配置する箇所としては、特に限定されず、繊維体10が不足することで強度が不足し得る箇所等に適宜配置することができる。例えば、補強部材15は、図27に示すように複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が近接する箇所や、繊維強化樹脂構造体100−3の端部等に配置することができる。
補強部材15の材料としては、特に限定されないが、繊維体10を構成する繊維と同様の材料とすることができる。即ち、補強部材15を、繊維で構成されたものとしてもよい。補強部材15の形状としては限定されず、適宜の形状とすればよい。例えば、補強部材15として、一方向強化材(UD材)や、これらを捩じった物などを使用してもよいし、シート状、シートを丸めた棒状などとしてもよく、補強したい箇所の形状に応じて変更可能である。補強部材15の含有量は、所望の繊維強化樹脂構造体100−3の強度などにあわせて適宜使用可能である。
繊維強化樹脂構造体100−3は、図28(f)に示すように、複数の連通孔Hの孔径(乃至は複数の繊維体10の筒内径)が、各々異なるものであってもよい。
繊維強化樹脂構造体100−3は、図29(e)および図30(e)に示すように、連通孔Hの周囲を取り囲む壁部の厚み(乃至は、筒状の繊維体10および樹脂20の厚み)、特に、繊維体10(乃至は、筒状の繊維体10)の繊維厚みが、各連通孔H毎に異なっていてもよい。更に、この場合において、図29(e)および図30(e)に示すように、複数の連通孔Hの孔径(乃至は複数の繊維体10の筒内径)が各連通孔H毎に異なっていてもよい。
繊維強化樹脂構造体100−3に係る構造体は、繊維強化樹脂構造体100−1に係る構造体、及び/又は、繊維強化樹脂構造体100−1の変更例に係る構造体が規則的に並べられ、樹脂を介して一体化された構造を有するものと表現することもできる。
<<<製造方法>>>
繊維強化樹脂構造体100−3の製造方法は、例えば、
柱状の第1の発泡体30と、第1の発泡体30の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体10と、繊維体10を介して第1の発泡体30と近接する柱状の第2の発泡体30と、少なくとも有する集合体55であって、繊維体10には未硬化状態の熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)が含浸された集合体55を準備する準備工程と、
集合体55に含まれる熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)を熱硬化させる硬化工程と
を含む方法である。
硬化工程等については、前述の通りである。図20(e)に示されるように、硬化工程を実施することで、集合体55に含まれる複数の繊維体10等が、熱硬化性樹脂を介して一体化される。
また、前述の通り、冷却工程、切断工程および除去工程を実施してもよい。
更に、繊維強化樹脂構造体100−3の製造方法は、硬化工程前に、集合体55の端部(開口面)を潰す封止工程(潰し工程)を設けてもよい。
封止工程(潰し工程)を実施する場合、繊維体10の長さを、発泡体30の長さよりも長くする(発泡体30から繊維体10がはみ出るように構成する)ようにしてもよい。
封止工程(潰し工程)は、集合体55の片方の端部(開口面)のみに対して実施してもよいし、集合体55の両方の端部(開口面)に対して実施してもよい。
封止工程(潰し工程)を行う場合、除去工程を実施してもよいし、除去工程を実施しなくてもよい。封止工程(潰し工程)は、集合体55が発泡体30を含む状態にて実施することが好ましい。
封止工程(潰し工程)は、集合体55の端部(開口面)が完全に閉じるように実施されてもよいし、集合体55の端部が開口を有する範囲で実施されてもよい。
<<準備工程>>
準備工程では、第1の発泡体30の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体10と、繊維体10を介して第1の発泡体30と近接する柱状の第2の発泡体30と少なくとも有し、繊維体10には未硬化状態の熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)が含浸された集合体55が準備される。
より具体的には、準備工程では、複数の積層体50が互いに接触乃至は近接するように配置された、集合体55を準備する(図20(a)〜図20(c)等参照)。別の表現によれば、積層体50に含まれる発泡体30が、繊維体10を介して近接するように配置される。
集合体55に含まれる積層体50の個数および積層体50の並べ方は特に限定されず、所望の繊維強化樹脂構造体100−3の構造に応じて調整すればよい。
集合体55は、例えば、図20に示されるように、複数の積層体50が一層に並ぶように配列されたもの、図21に示されるように、複数の積層体50が配列された層を複数段重ねてハニカム状に配列されたもの、図22に示されるように、複数の積層体50が配列された層を複数段重ねて格子状に配列されたもの、図23に示されるように、複数の積層体50を円状に並ぶように配列されたもの等が挙げられる。
集合体55は、図24に示されるように、連通孔H(乃至は複数の繊維体10)の孔軸Cがある方向を向くように複数の積層体50を配列してなるある層と、連通孔H(乃至は複数の繊維体10)の孔軸Cが別の方向を向くように複数の積層体50を配列してなる別の層と、を有するように複数の積層体50が配列されたものであってよい。
ここで、集合体55は、図20(d)に示されるように、積層体50の側部と接触されるように設けられた板状の外周体70を有していてもよい。
外周体70は、例えば、繊維体10を構成する繊維と同様の繊維と、未硬化樹脂25と、を含む。このような外周体70を使用することで、繊維強化樹脂構造体の強度を向上させることができる。
外周体70の厚み等は、所望の繊維強化樹脂構造体100−3の強度などにあわせて適宜使用可能である。
外周体70の形状は、特に限定されないが、例えば、平板状とすることができる。
また、外周体70が、集合体55の側面全体を1周以上周回するように構成してもよい。このように構成した場合、硬化後の外周体70が繊維強化樹脂構造体100−3の外壁となることから、繊維強化樹脂構造体100−3の強度を向上させ易くなる。
外周体70は、複数の積層体50と接触するように設けられてもよい。外周体70が複数の積層体50と接触することで、外周体70に沿って積層体50が配置される。
各積層体50の間には、他の部材が存在してもよいし、他の部材が存在せずともよい。例えば、図27に示されるように、集合体55は、補強部材15を含んでいてもよい。繊維強化樹脂構造体100−3において、補強部材15は、樹脂20を介して、繊維体10等と一体化される。そのため、補強部材15には、いずれかのタイミングで未硬化樹脂25を含侵させることが好ましい。未硬化樹脂25を含む積層体50と未硬化樹脂25を含まない補強部材15とを接触させることで積層体50に含まれる未硬化樹脂25を補強部材15に移動させてもよいし、未硬化樹脂25を含まない、積層体50および補強部材15を含む集合体55を形成した後に集合体55に含侵工程を実施させてもよいが、補強部材15に予め未硬化樹脂25を含侵させておくことが好ましい。
ある積層体50と別の積層体50とで、発泡体30や繊維体10の形状や材質等を相違させてもよい。例えば、図28に示されるように、集合体55は、異なる径を有する複数の発泡体30(積層体50)を含んでいてもよい。
更に、集合体55は、図29、図30、図31に示すように、複数の積層体50と、1つ以上の発泡体30(予め繊維体10で覆われていない発泡体30)と、が配列されたものであってもよい。このように構成した場合、得られる繊維強化樹脂構造体100−3は、壁部内に含まれる繊維体10の厚みが場所によって相違し得る。また、このように構成した場合、繊維強化樹脂構造体100−3の有する連通孔Hの径が場所によって大きく相違し得る。また、このように構成した場合、壁間のピッチ(連通孔Hの密/疎)を調整することができる。以上のようにして、デザイン性、強度、コスト、重量等を考慮して、必要な壁部の厚み(繊維体10の量)や連通孔Hの大きさ等を調整したい場合、更には、特定の領域を高強度とする設計としたい場合に、このような方法を採用し得る。
<<変形工程>>
変形工程においては、複数の積層体50が集合体55として並べられた状態で、複数の積層体50に外力が加えられる。
また、積層体50は発泡体30を含むことから、変形工程を行った際に積層体50の軸(発泡体30の柱軸A)がずれ難い。従って、変形工程前後にて、複数の積層体50の全体としての配列の仕方(特に、発泡体30の柱軸Aの配列の仕方)が、ほぼ変わらずに保持される。その結果、得られる繊維強化樹脂構造体100−3において、各連通孔Hの孔軸Cを互いに平行とすることができる。
また、積層体50は発泡体30を含むことから、積層体50の側面同士が接触又は近接する状態において、または、積層体50の側面と別の面(例えば、所定の型枠の内面等の固定面や外周体70)とが接触する状態において、積層体50に外力が加えられることで、発泡体30に圧縮力および反発力が働く。その結果、積層体50の側面は、平面化されるように変形し、角柱状の積層体50が形成される。繊維体10が積層体50内で筒状に設けられている場合には、ある筒状の繊維体10の外側面を構成する平面部と、別の筒状の繊維体10の外側面を構成する平面部と、が接触または近接する(即ち、このような平面部同士が平行となっている)ような、繊維強化樹脂構造体とすることができる。
変形工程において、外力を付加する方法としては、特に限定されない。
外力の付加は、例えば、所定の型枠内に集合体55を嵌め込んで実施することができる。
外力の付加は、外周体70で集合体55を挟み込むことで実施してもよい。また、外周体70で集合体55を挟み込んだままの状態で硬化工程を実施することで、外周体70を外殻として有する繊維強化樹脂構造体100−3を製造することができる。なお、外周体70を2枚使用して集合体55を前後から挟み込んだ場合、左端および右端に存在する積層体50は、隣接する部材(積層体50または外周体70)が存在せず、開放された側面を有することとなる。このような開放された側面が存在する状況で変形工程を実施した場合、集合体55の側面方向の変形を押さえつける力が存在しなくなるため、集合体55の端部側面(端部に存在する積層体50の側面)は、発泡体30の膨張に沿った曲面構造を形成し得る。
集合体55に外周体70を適用する場合、外周体70を先に硬化させ、硬化済みの外周体70を集合体55に接触させ、集合体55に含まれる未硬化樹脂を硬化させてもよいが、未硬化樹脂を含む外周体70を集合体55に接触させて、集合体55及び外周体70に含まれる未硬化樹脂の硬化を同時に行うことが好ましい。
外力の付加は、集合体55全体を紐等でしばりつけることで実施してもよい。
外力の付加は、減圧雰囲気にて実施されることが好ましい。この場合、減圧による圧縮力を外力としてもよい。減圧の条件としては特に限定されず、発泡体30の圧縮に寄与する程度に減圧されればよい。
外力を付加する際に、外力の付加の方向等を調整することで、種々の構造の繊維強化樹脂構造体100−3を得ることができる。
集合体55に対して、前後方向(乃至は前後方向および左右方向)から外力を付加することで、図20(f)等に示されるような、全体として直方体状の繊維強化樹脂構造体100−3を得ることができる。
集合体55に対して、集合体55の周囲方向から略均等に外力を付加することで、図23(f)等に示されるような、全体として円筒状の繊維強化樹脂構造体100−3を得ることができる。
外力を付加する際に、集合体55と接触する面(例えば、使用する型枠の内面)の形状を変更することで、図25(1)に示されるような、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が、ある曲線に対して孔軸が垂直に並ぶように、互いに平行に配列された、繊維強化樹脂構造体100−3を得ることができる。
変形工程においては、外力を調整することで、発泡体30の変形の程度および積層体50の変形の程度を調整することができる。例えば、集合体55に対する外力を弱めた場合、積層体50の変形が抑制され、積層体50に外力が十分に寄与しない領域(空孔領域)が形成され得る。その結果、図26に示されるように、積層体50の角部に対応する箇所において曲面形状が維持され得る。また、同様に、外力を付加する際に型枠を使用した場合、積層体50の変形が型枠の角部等に追従しない領域(非追従領域)が形成され得る。このような空孔領域や非追従領域を有することが好ましくない場合には、これらの領域に該当し得る箇所に、予め補強部材15を配しておくことが好ましい。
図20に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50を準備し(図20(a))、複数の積層体50を、繊維体10が接触または近接するように配置し(図20(b))、2つの外周体70で配置された複数の積層体50を挟み込んで集合体55とし(図20(c))、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させて積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させ、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図20(e))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図20(f))。
図21および図22に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50を準備し(図21(a)、図22(a))、複数の積層体50を繊維体10が接触または近接するようにして1列に並べ、この複数の積層体50からなる列が複数列となるように並べて集合体55とし(図21(b)〜図21(d)、図22(b)〜図22(d))、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図21(e)、図22(e))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図21(f)、図22(f))。
図23に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50を準備し(図23(a))、積層体50の周囲を複数の積層体50で囲むように、且つ、繊維体10同士が接触または近接するようにして積層体50を並べて集合体55とし(図23(b)〜図23(d))、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図23(e))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図23(f))。
図24に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50を準備し(図24(a))、複数の積層体50を繊維体10が接触または近接するようにして1列に並べ、この複数の積層体50からなる列を積層体50の向きが異なるように重ねて集合体55とし(図24(b)〜図24(d))、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図24(e))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図24(f))。
図26に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50を準備し(図26(a))、複数の積層体50を、繊維体10が接触または近接するように配置し(図26(b)〜(c))、集合体55に外力を付加し、3以上の積層体50の端部が集合する箇所が密着しない状態となるまで全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて((図26(d))、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図26(e))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図26(f))。
図27に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50と、補強部材15と、を準備し(図27(a))、複数の積層体50を繊維体10が接触または近接するように配置し、且つ、補強部材15を複数の積層体50の間に配置し(図27(b)〜(c))、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて((図27(d))、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図27(e))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図27(f))。
図28に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む比較的径の大きな積層体50と、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む比較的径の小さな積層体50と、を準備し(図28(a))、比較的径の小さな積層体50を囲むように複数の比較的径の大きな積層体50を配置し(図28(b)〜(c))、集合体55に外力を付加し全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて((図28(d))、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図28(e))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図28(f))。
図29に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50と、繊維体10が配されていない発泡体30と、を準備し、積層体50と発泡体30とを交互に配置し(図29(a))、2つの外周体70で配置された積層体50および発泡体30を挟み込んで集合体55とし(図29(b))、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて(図29(c))、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図29(d))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図29(e))。
図30に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50と、繊維体10が配されていない発泡体30と、を準備し、積層体50と発泡体30とが並ぶように、および、発泡体30が連続して並ぶように配置し(図30(a))、2つの外周体70で配置された積層体50および発泡体30を挟み込んで集合体55とし(図30(b))、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて(図30(c))、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図30(d))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図30(e))。
図31に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを積層体50と、繊維体10が配されていない発泡体30と、を準備し(図31(a))、発泡体30を囲むように複数の積層体50を配置し(図31(b)〜(c))、集合体55に外力を付加し全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させて((図31(d))、その後硬化させることにより、繊維強化樹脂構造体100−3を形成し(図31(e))、繊維強化樹脂構造体100−3から発泡体30を除去している(図31(f))。
<<<<第IVの実施形態>>>>
<<<構造>>>
第IVの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体100−4は、
繊維体10と、繊維体10に含浸された樹脂20と、を少なくとも含み、
第1の連通孔Hと、第1の連通孔Hと平行する第2の連通孔Hと、第1の連通孔Hおよび第2の連通孔Hを画定する壁部と、を少なくとも備え、
第1の連通孔Hおよび前記第2の連通孔Hは、孔軸Cが湾曲しており、
壁部は繊維体10を含む、
繊維強化樹脂構造体である。
また、第1の連通孔Hおよび第2の連通孔Hは、孔軸Cに垂直な断面における断面形状が多角形状であってもよい。
繊維強化樹脂構造体100−4に含まれる連通孔Hの数は、2個以上であればよい。
繊維強化樹脂構造体100−4は、複数の連通孔Hを有し、孔軸Cが湾曲された複数の連通孔Hを有し、且つ、連通孔Hは互に平行となるように配列されている。このように、繊維強化樹脂構造体100−1の変更例の特徴と、繊維強化樹脂構造体100−3の特徴と、備える繊維強化樹脂構造体とすることもできる。そのため、各実施形態について説明された全ての事項を、繊維強化樹脂構造体100−4に対して当て嵌めることができる。
なお、第IVの実施形態に係る繊維強化樹脂構造体100−4は、他の表現によれば、
繊維体10と、繊維体10に含浸された樹脂20と、を少なくとも含み、
繊維体10は、第1の筒状の繊維体10および第2の筒状の繊維体10を少なくとも含み、
第1の筒状の繊維体10は、筒軸Bが湾曲した湾曲多角筒状構造を有し、且つ、筒軸Bに平行な外側面を有し、
第2筒状繊維体は、筒軸Bが湾曲した湾曲多角筒状構造を有し、且つ、筒軸Bに平行な外側面を有し、
第1筒状繊維体の外側面と、第2筒状繊維体の外側面と、が接触または近接している、繊維強化樹脂構造体である。
更に別の表現をすれば、繊維強化樹脂構造体100−4は、規則的に配列され、各々接触または近接して設けられた複数の多角筒状の繊維体10を含み、且つ、複数の繊維体10に亘って存在する、所定の方向に湾曲している湾曲部60を有する。
連通孔Hの孔軸Cの湾曲の度合い(乃至は繊維体10の湾曲部の曲率)は、適宜自由に設計可能である。また、複数の連通孔Hにおいて、湾曲の度合いが同一であってもよいし、異なっていてもよい。
繊維強化樹脂構造体100−4を湾曲させる方向としては特に限定されない。例えば、図32(g)に示されるように、繊維強化樹脂構造体100−4の正面方向、換言すれば、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が配列されて形成される仮想的な平面に対して垂直な方向に湾曲させてもよいし、図33(g)に示されるように、繊維強化樹脂構造体100−4の側面方向、換言すれば、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が配列された方向と同じ方向に湾曲させてもよい。
また、図33に示されるように、繊維強化樹脂構造体100−4は、複数の湾曲部60を有してもよい。
図34に示されるように、繊維強化樹脂構造体100−4は、複数の連通孔H(乃至は複数の繊維体10)が、複数列に配された形態であってもよい。
繊維強化樹脂構造体100−4全体が捩じられているような形態も、本発明の範囲内である。
繊維強化樹脂構造体100−4に係る構造体は、繊維強化樹脂構造体100−2、及び/又は、繊維強化樹脂構造体100−2の変更例に係る構造体が規則的に並べられ、樹脂を介して一体化された構造を有するものと表現することもできる。更に、繊維強化樹脂構造体100−4に係る構造体は、繊維強化樹脂構造体100−3に係る構造体が、軸に沿った断面形状が保持されたまま、全体として所定方向に湾曲されたものと表現することもできる。
<<<製造方法>>>
繊維強化樹脂構造体100−4の製造方法は、例えば、
柱状の第1の発泡体30と、第1の発泡体30の側面部の少なくとも一部を覆う繊維体10と、繊維体10を介して第1の発泡体30と近接する柱状の第2の発泡体30と、を有する集合体55であって、繊維体10には未硬化状態の熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)が含浸された集合体55を準備する準備工程と、
集合体55に外力を付加し、第1の発泡体30および第2の発泡体30の断面形状を変形させる変形工程と、
発泡体30の柱軸Aが湾曲するように集合体55を湾曲させる湾曲工程と、
集合体55に含まれる熱硬化性樹脂(未硬化樹脂25)を熱硬化させる硬化工程と
を含む方法である。
繊維強化樹脂構造体100−4の製造方法は、図20(c)に示されたような集合体55に対して、変形工程を実施せず、且つ、湾曲工程を実施する方法であってもよいが、変形工程と湾曲工程とを実施することが好ましい。即ち、繊維強化樹脂構造体100−4の製造方法は、集合体55に外力を付加し、第1の発泡体30および第2の発泡体30の断面形状を変形させる変形工程を更に含むことが好ましい。
準備工程については、繊維強化樹脂構造体100−3の製造方法と同様にして実施することができる。
湾曲工程については、湾曲させる対象が積層体50から集合体55に変わった以外は、前述の内容を参照可能である。即ち、湾曲工程では、複数の積層体50が集合体55として並べられた状態で、集合体55に含まれる複数の発泡体30の柱軸Aが湾曲するように、複数の積層体50に外力を付加する。外力を付加する方法としては、前述のように、型枠に集合体55を嵌め込むこと等で実施することができる。
変形工程については、前述の内容を参照可能である。即ち、変形工程においては、複数の積層体50が集合体55として並べられた状態で、複数の積層体50に外力を加え、複数の発泡体30の断面形状を変形させる。外力を付加する方法としては、前述のように、型枠に集合体55を嵌め込むこと等で実施することができる。
前述の通り、変形工程と湾曲工程とは、同時に実施してもよいし、別々に実施してもよい。
硬化工程については、前述の通りである。図32(f)に示されるように、硬化工程を実施することで、集合体55に含まれる複数の繊維体10等が、熱硬化性樹脂を介して一体化される。
また、前述の通り、冷却工程、切断工程および除去工程を実施してもよい。
図32および図33に示す方法では、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50を準備し(図32(a)、図33(a))、複数の積層体50を、繊維体10が接触または近接するように配置し、2つの外周体70で配置された複数の積層体50を挟み込んで集合体55とし(図32(b)〜図32(d)、図33(b)〜図33(d))、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させ積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させると共に、集合体55の側面部から積層体50(発泡体30)の軸を湾曲させるように外力を付加し(図32(e)、図33(e))、その後硬化させることにより、湾曲部60を有する(連通孔Hの孔軸Cが湾曲している)繊維強化樹脂構造体100−4を形成し(図32(f)、図33(f))、繊維強化樹脂構造体100−4から発泡体30を除去している(図32(g)、図33(g))。
図34に示す方法では、詳細は図示しないが、発泡体30と繊維体10と未硬化樹脂25とを含む積層体50を準備し、複数の積層体50を繊維体10が接触または近接するようにして1列に並べ、この複数の積層体50からなる列が複数列となるように並べて集合体55とし、集合体55に外力を付加して全体を圧縮させて積層体50(発泡体30)の軸に垂直な断面形状を変形させると共に、集合体55の側面部から積層体50(発泡体30)の軸を湾曲させるように外力を付加し、その後硬化させることにより、湾曲部60を有する(連通孔Hの孔軸Cが湾曲している)繊維強化樹脂構造体100−4を形成し、繊維強化樹脂構造体100−4から発泡体30を除去している。
なお、各実施の形態において、柱軸Aと、筒軸Bと、孔軸Cとは、略一致する場所に存在するものと考えることが可能なため、柱軸Aと、筒軸Bと、孔軸Cとを、各々読み替えて説明することもできる。
100−1〜100−4 繊維強化樹脂構造体
10 繊維体
15 補強部材
20 樹脂(硬化樹脂)
25 樹脂(未硬化樹脂)
30 発泡体
50 積層体
55 集合体
60 湾曲部
70 外周体
A 柱軸
B 筒軸
C 孔軸
H 連通孔

Claims (5)

  1. 柔軟体である柱状の発泡体と、前記発泡体の側面部を1周以上巻回する繊維体と、を有する積層体であって、前記繊維体には未硬化状態の熱硬化性樹脂が含浸された積層体を準備し、前記積層体に外力を付加し、前記積層体に含まれる前記発泡体の断面形状を変形させ、前記積層体に含まれる前記熱硬化性樹脂を熱硬化させる工程を含み、
    前記発泡体が、中実体であることを特徴とする、繊維強化樹脂構造体の製造方法(前記発泡体として2次発泡可能な発泡体と;前記未硬化状態の熱硬化性樹脂及び気体が滲出可能なブリードホールを有し、且つ、前記積層体を覆う被覆体と;を用いる方法を除く)
  2. 前記発泡体がオレフィン系樹脂発泡体である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記発泡体が密度1〜800kg/m である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記発泡体の断面形状の変形が、減圧雰囲気にて実施される、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記熱硬化させる工程後に前記積層体を冷却して、前記発泡体を収縮させる工程と、
    前記発泡体を収縮させる工程後に前記積層体に含まれる前記発泡体を除去する工程と
    を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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