JP6750276B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents
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Description
(1)(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と、(b)オレフィン系樹脂の合計を100重量部として、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂95〜80重量部、(b)オレフィン系樹脂5〜20重量部を配合してなる樹脂組成物であって、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂のクロロホルム抽出量が0.5重量%未満であり、ISO1183に準拠した330度、荷重2160gの条件で測定したMFRが600g/min以上であり、(b)オレフィン系樹脂は(b1)エポキシ基を有するオレフィン系共重合体と(b2)エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとの共重合体を重量比率1/1〜1/3の割合で含有し、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物はカップリング剤を含まず、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の摂氏330度、荷重2160gにおけるMFR1が110〜160g/10分であって、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を摂氏330度で2時間加熱した後の摂氏330度、荷重2160gで測定したMFR2が前記MFR1と下記(1)式の関係を満たすことを特徴するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
0.7 < (MFR1÷MFR2) < 1.6・・・(1)
(2)(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂が直鎖型であることを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
(3)(1)または(2)に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
(4)成形品が絶縁皮膜であることを特徴とする(3)に記載の成形品。
(5)絶縁皮膜の膜厚が10μm以上70μm以下であることを特徴とする(4)に記載の成形品。
本発明で用いられる(a)PPS樹脂は、下記構造式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
本発明で用いられるポリハロゲン化芳香族化合物とは、1分子中にハロゲン原子を2個以上有する化合物をいう。具体例としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物が挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼンが用いられる。また、異なる2種以上のポリハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて共重合体とすることも可能であるが、p−ジハロゲン化芳香族化合物を主要成分とすることが好ましい。
本発明で用いられるスルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
本発明では重合溶媒として有機極性溶媒を用いる。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらはいずれも反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することもある)が好ましく用いられる。
本発明においては、生成するPPS樹脂の末端を形成させるか、あるいは重合反応や分子量を調節するなどのために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を、上記ポリハロゲン化芳香族化合物と併用することができる。
本発明においては、比較的高重合度のPPS樹脂をより短時間で得るために重合助剤を用いることも好ましい態様の一つである。ここで重合助剤とは得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の粘度を増大させる作用を有する物質を意味する。このような重合助剤の具体例としては、例えば有機カルボン酸塩、水、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩などが挙げられる。これらは単独であっても、また2種以上を同時に用いることもできる。なかでも、有機カルボン酸塩および/または水が好ましく用いられる。
本発明においては、重合反応系を安定化し、副反応を防止するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。上述のアルカリ金属カルボン酸塩も重合安定剤として作用するので、本発明で使用する重合安定剤の一つに入る。また、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいことを前述したが、ここでスルフィド化剤に対して過剰となるアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
本発明に用いる(a)PPS樹脂の製造方法において、スルフィド化剤は通常水和物の形で使用されるが、ポリハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒とスルフィド化剤を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。なお、この操作により水を除去し過ぎた場合には、不足分の水を添加して補充することが好ましい。
本発明においては、有機極性溶媒中でスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上290℃未満の温度範囲内で反応させることによりPPS樹脂を製造する。
(a)ポリハロゲン化芳香族化合物をアルカリ金属硫化物に対しモル比で過剰に添加した場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)−PHA過剰量(モル)〕
(b)上記(a)以外の場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)〕
(a)PPS樹脂の製造方法において、重合終了後に、重合体、溶媒などを含む重合反応物から固形物を回収する。本発明は回収方法については、公知の如何なる方法を採用しても良い。
本発明で用いられる(a)PPS樹脂は、上記重合、回収工程を経て生成した後、酸処理、熱水処理または有機溶媒による洗浄を施されたものであってもよい。
本発明において用いる(b)オレフィン系樹脂は、(b1)エポキシ基を有するオレフィン共重合体と、(b2)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られるエチレン・α−オレフィン系共重合体を含有するものが好ましく用いられる。
本発明で用いる(b1)エポキシ基を有するオレフィン共重合体(エポキシ基含有オレフィン共重合体)としては、オレフィン系(共)重合体にエポキシ基を有する単量体成分を導入して得られるオレフィン共重合体が挙げられる。また、主鎖中に二重結合を有するオレフィン系重合体の二重結合部分をエポキシ化した共重合体も使用することができる。
また、本発明で特に有用な(b2)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合して得られるエチレン・α−オレフィン系共重合体は、エチレンおよび炭素数3〜20を有する少なくとも1種以上のα−オレフィンを構成成分とする共重合体である。上記の炭素数3〜20のα−オレフィンとして、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、 4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンおよびこれらの組み合わせが挙げられる。これらα−オレフィンの中でも炭素数6から12であるα−オレフィンを用いた共重合体が機械強度の改質効果の一層の向上が見られるためより好ましい。
本発明で用いる(b)オレフィン系樹脂のメルトフローレート(以下MFRと略す。:ASTM D 1238、190℃、2160g荷重)は0.01〜70g/10分であることが好ましく、さらに好ましくは0.03〜60g/10分である。MFRが0.01g/10分未満の場合は流動性が悪く、70g/10分を超える場合は成形品の形状によっては衝撃強度が低くなる場合もあるので注意が必要である。
本発明の(a)PPS樹脂と(b)オレフィン系樹脂の配合割合は、(a)PPS樹脂と(b)オレフィン系樹脂の合計100重量部としたとき、PPS樹脂95〜80重量部、オレフィン系樹脂5〜20重量部であり、好ましくは、PPS樹脂95〜90重量部、オレフィン系樹脂5〜10重量部である。オレフィン系樹脂が5重量部より少なすぎると柔軟性及び耐衝撃性の改良効果が得にくく、逆に、20重量部より多すぎるとPPS樹脂本来の熱安定性、バリア性、耐溶剤性が損なわれるばかりでなく、溶融混練時の増粘が大きくなりすぎる傾向にあるため、好ましくない。
更に、本発明においては、上記の如く(b1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体と(b2)エチレン・α−オレフィン系共重合体を併用して用いることが好ましく、その併用割合は、両者の重量比率で1/1〜1/3が好ましい。さらに好ましくは、1/1〜1/2である。
本発明においては、高い耐熱性及び熱安定性を保持するために、(a)および(b)成分の合計100重量部に対して、フェノール系、リン系化合物の中から選ばれた1種以上の酸化防止剤を含有せしめることが好ましい。かかる酸化防止剤の配合量は、耐熱改良効果の点からは0.01重量部以上、特に0.02重量部以上であることが好ましく、成形時に発生するガス成分の観点からは、5重量部以下、特に1重量部以下であることが好ましい。また、フェノール系及びリン系酸化防止剤を併用して使用することは、特に耐熱性及び熱安定性保持効果が大きく好ましい。
本発明において、発明の効果を損なわない範囲で樹脂組成物の難燃性を改良するため難燃剤を配合しても良い。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系難燃剤 、ブロム系難燃剤 、塩素系難燃剤 、燐系難燃剤 、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤等が挙げられるが、これらの中でも燐系難燃剤が好ましい。
本発明において、発明の効果を損なわない範囲で樹脂組成物の耐摩耗性を向上させる観点から、ポリテトラフルオロエテレン、エチレン−テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、シリコーンオイル等を添加しても良い。かかる添加剤の添加量は通常樹脂組成物全体の0.1〜10重量%の範囲が選択される。
さらに、本発明のPPS樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、オレフィン系樹脂以外の樹脂を添加することが可能である。例えば、柔軟性の高い熱可塑性樹脂を少量添加することにより柔軟性及び耐衝撃性を更に改良することが可能である。但し、この量が組成物全体50重量%を超えるとPPS樹脂本来の特徴が損なわれるため好ましくなく、特に30重量%以下の添加が好ましく使用される。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。また、改質を目的として、以下のような化合物の添加が可能である。ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物、シリコーン系化合物などの離型剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、その他、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、発泡剤などの通常の添加剤を配合することができる。上記化合物は何れも組成物全体の20重量%を越えるとPPS樹脂本来の特性が損なわれるため好ましくなく、10重量%以下、更に好ましくは1重量%以下の添加がよい。
本発明の樹脂組成物は、(a)PPS樹脂、(b)オレフィン系樹脂およびその他の成分を溶融混練することで得られる。混練は、単軸、2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常公知の溶融混練機に供給してPPS樹脂の融解ピーク温度+5〜60℃の加工温度で混練する方法などを代表例として挙げることができる。具体的には、2軸押出機を使用して、混合時の樹脂温度がPPS樹脂の融解ピーク温度+10〜20℃となるように混練する方法などを好ましく用いることができる。この際、原料の混合順序には特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することも勿論可能である。
本発明のPPS樹脂組成物は、絶縁被膜用途に適した加工性を有するために、
PPS樹脂組成物の摂氏330度、荷重2160gにおけるMFR1が110〜160g/10分であることが重要である。ここでMFR1は、ISO1183に準拠し、メルトインデクサーを用いてPPS樹脂組成物5gを摂氏330度、荷重1000gで1分間予備加熱し、摂氏330度、荷重2160gで測定した値である。MFR1は、好ましくは、115〜140g/10分である。MFR1が110g/10分未満では、成形加工性におとり、160g/10分を越えると、膜厚がうすい絶縁皮膜などを成形するのが困難となる場合がある。
0.7 < (MFR1÷MFR2) < 1.6・・・(1)
本発明のPPS樹脂組成物は、PPSが本来有する優れた特性に加え、炭化物が少なく膜厚の薄い均質な絶縁皮膜を、押出し法を用いて製膜することができるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得ることができる。
ISO1183に準拠し、メルトインデクサーを用いてPPS樹脂、またはPPS樹脂組成物5gを摂氏330度、荷重1000gで1分間予備加熱し、摂氏330度、荷重2160gのMFRをMFR1とし、同様に、摂氏330度、2時間加熱した後の摂氏330度、2時間加熱した後のMFRをMFR2とした。
顆粒或いは粉末のPPS樹脂10gを円筒形濾紙に秤量し、クロロホルム200mlでソックスレー抽出(バス温120℃、5時間)を行った。抽出後のクロロホルムを除去し、残渣量を秤量しポリマー重量あたりで計算した。
PPS樹脂組成物5gをメルトインデクサーの内部で摂氏330度2時間加熱し、溶融樹脂を取り出し冷却する。冷却後、摂氏330度で加熱したプレス機を用いて厚みが50μmのシートを作成し、そのシート中の炭化物の有無を確認した。
導体として、幅2mm、厚み0.5mmの角型銅線を用い、該銅線の外周に後述するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を押出し被覆し、膜厚が50μmの単層の絶縁皮膜を作成した。
皮膜製膜中に押し出し機に過負荷が発生したかどうかを確認した。
皮膜の平滑性は、膜厚均一性と相関があるため、膜厚均一性を確認する指標として評価した。平滑性の判断においては、絶縁皮膜の表面に照明を照射し、表面からの反射を目視することによる確認した。
ISO1A型試験片を用い、ISO527−1およびISO527−2に順じ、引張速度毎分50mmの条件で破断伸びを測定した。
押出し法を用いて、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を溶融させて、膜厚70μmとなるように導線を被覆し、長さ1000mの被覆電線を作成する。作成した被覆電線を円筒形状のボビンに巻き取り、その際の断線の有無を確認した。
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.94kg(70.63モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム0.513kg(6.25モル)、及びイオン交換水3.82kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水8.09kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.91kg(69.80モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム1.89kg(23.10モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14.78kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.94kg(70.63モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム1.89kg(23.1モル)、及びイオン交換水5.50kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水9.77kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.91kg(69.80モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム1.89kg(23.10モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14.78kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム861.00g(10.5モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
表1に示す各成分を表1に示す割合でドライブレンドした後、同方向2軸押出機でシリンダー温度300℃に設定しそれぞれ表1記載の混練強度で溶融混練しストランドカッターによりPPS樹脂組成物のペレットを作成した。得られたPPS樹脂組成物を用いて、表1記載の評価をおこなった。結果を表1にまとめて記載する。
クロロホルム抽出量が0.5重量%以上のポリフェニレンスルフィド樹脂を用いた以外は、実施例1乃至4と同様の評価を行った。皮膜中に炭化物が発生してしまった。
PPS3を使用した以外は、実施例1乃至4と同様の評価を行った。押出機への負荷が大きく、膜厚均一性に劣る材料であり、電線切れが発生した。
架橋反応剤を添加した以外は、実施例1乃至4と同様の評価を行った。押出機のへの負荷が大きく、膜厚均一性に劣る材料であった。滞留後のMFR2が大きく加工中増粘しているため、適切なMFRの範囲を外れてしまったためと考える。
使用したオレフィン樹脂がオレフィン1のみであること以外は実施例1乃至4と同様の評価を行った。電線巻取り時評価時に電線切れが発生した。膜厚は均一であったことから、材料自身の靭性が不足していることが原因と考える。
Claims (5)
- (a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と、(b)オレフィン系樹脂の合計を100重量部として、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂95〜80重量部、(b)オレフィン系樹脂5〜20重量部を配合してなる樹脂組成物であって、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂のクロロホルム抽出量が0.5重量%未満であり、ISO1183に準拠した330度、荷重2160gの条件で測定したMFRが600g/min以上であり、(b)オレフィン系樹脂は(b1)エポキシ基を有するオレフィン系共重合体と(b2)エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとの共重合体を重量比率1/1〜1/3の割合で含有し、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物はカップリング剤を含まず、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の摂氏330度、荷重2160gにおけるMFR1が110〜160g/10分であって、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を摂氏330度で2時間加熱した後の摂氏330度、荷重2160gで測定したMFR2が前記MFR1と下記(1)式の関係を満たすことを特徴するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
0.7 < (MFR1÷MFR2) < 1.6・・・(1) - (a)ポリフェニレンスルフィド樹脂が直鎖型であることを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
- 成形品が絶縁皮膜であることを特徴とする請求項3に記載の成形品。
- 絶縁皮膜の膜厚が10μm以上70μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の成形品。
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