JP6749843B2 - ポリラクチドをベースにした組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリラクチドをベースにしたポリマーを含む組成物と、その使用に関するものである。
ポリ乳酸(PLA)とよばれるポリラクチドは、再生資源、例えばトウモロコシ、テンサイ、キャッサバに由来する、コンポスト(堆肥)化条件下で最終的には分解される合成の脂肪族ポリエステルである。
PLAを種々の最終用途で利用するための試みが成されているが、PLAは脆くて靭性が低いため、それから得られる製品または物品の衝撃強度は低いということは知られている。公知の耐衝撃性改良剤を使用することでPLAの耐衝撃性を変えることができるが、現在利用可能なポリマーの耐衝撃性改良剤はPLA材料の透明性を常に低下させる。また、PLAの耐衝撃性を向上させるために液体の可塑剤を高含量(>15%)で使用することもできるが、PLA配合物の寿命中に可塑剤が移行するという問題がある。
ゴム、ポリ(エチレングリコール)(PEG)およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の耐衝撃性改良剤もテストされてが、これらの衝撃改質剤の主たる欠点はPLAマトリックスと非混和性であるという点にある。
現在利用可能なPLA用の最良の耐衝撃性改良剤の一つはメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)であるBioStrength(登録商標)150であるが、BioStrength(登録商標)150を15%w/w添加すると、得られたPLA材料のヘイズ値は純粋なPLAの場合の5から95に増加する。別の商品のコア/シェルアクリル耐衝撃性改良剤:BioStrength(登録商標)280を用いることで得られるPLA材料の透明性を維持できるといわれているが、この耐衝撃性改良剤は効率が余り良くない。本発明者達が観察した結果では、BioStrength(登録商標)280を15%w/w添加して得られた材料のヘイズは44であった。
可塑剤は材料の流動性を増加させるための添加剤で、一般に使用される可塑剤はクエン酸トリブチル(TBC)とアセチルクエン酸トリブチル(ATBC)である。しかし、PLAに15%のTBCまたはATBCを混合した場合、夏期に数日間室温(25〜30℃)保存した後に可塑剤が移行することを本発明者達は観察している。
他の一般的に使用されているポリマー改質剤はスチレンブロック共重合体、例えばポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)またはSBSである。しかし、本発明者達の行った研究では、SBSを10%w/w程度の低い濃度にした場合でも、SBSとPLAのブレンドは全く非相溶であった。
欧州特許第EP1167138号公報 国際公開第WO2008/037772号公報 国際出願第PCT/EP2011/057988号パンフレット
従って、従来公知の組成物を改善するというニーズがある。
驚くべきことに、ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体またはポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物は、ポリ乳酸をベースにした組成物単独の場合または標準的な耐衝撃性改良剤と比較して、PLAベースの組成物の耐衝撃特性を大幅に増加させる、ということを本発明者は発見した。
さらに、少なくとも一種のPLAをベースにしたポリマー、ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体またはポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物を含む組成物は、標準的な耐衝撃性改良剤を含む同じ組成物に比較して、耐衝撃性能が優れているということも発見した。また、本発明組成物では、加工性等の他の特性を維持したまま、透明性が改善される。
本発明の第1の観点から提供される組成物は下記を含む:
(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第1ポリマー、
(b)ポリラクチド、ポリラクチド−ウレタンまたはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー。
この組成物は、組成物の総重量に対して、20〜50重量%の第1ポリマーと、50〜80重量%の第2ポリマーを含むのが好ましい。
驚くことに、溶融強度と衝撃強度が改善された組成物が製造できるということを本発明者らは見出した。
本発明の第2の態様は、ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも一種の第1ポリマー(a)と、ポリラクチド、ポリラクチド−ウレタンまたはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー(b)とを接触する工程を含み、その際に第1ポリマーを組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%とし、第2ポリマーを組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%とすることを特徴とする上記第1の態様の組成物の製造方法に関するものである。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の組成物または本発明の第2の態様の方法を用いて製造した組成物から成る物品に関するものである。
本発明の第4の態様は、ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体またはポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体およびこれらの混合物の、耐衝撃性改良剤としての使用に関するものである。
驚くことに、ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体またはポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体は、それを耐衝撃性改良剤として使用した場合、この改質剤を含む組成物の性能がより良くなるということを本発明者らは示した。
この「より良い性能」とは、今日利用可能な標準的な衝撃改質剤を同じ量で使用した時に、本発明の衝撃改質剤は衝撃強度がより良くなるか、本発明の耐衝撃性改良剤を今日利用可能な標準的な衝撃改質剤より少ない量で熱可塑性樹脂中に組み込んだ時に、他の特性を維持したまま同じ衝撃強度を得ることができるということを意味する。
本発明の原理および本発明の上記以外の特性、特徴および利点は一例として示す添付図面を参照した以下の詳細な説明から明らかになろう。以下で引用する参照図面は添付の図面に記載のものである。
本発明の実施例の組成物2のDSCプロファイルを示すグラフ。
本発明を記載するのに使用する用語は、文脈が他の意味を示さない限り、以下の定義に従って解釈されるべきである。
他に定義しない限り、技術用語および科学用語を含む本発明の開示で使用される全ての用語は本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解する意味を有する。本発明の教示をさらに良く理解するために、以下、用語の定義のガイダンスを参照できる
以下、本発明の異なる態様をより詳細に定義するが、明らかに逆を意味しない限り、以下で定義する各態様は他の態様と組み合わせることができる。特に、好ましいまたは有利であるとして示した任意の特徴は、好ましいまたは有利であるとして示した他の任意の特徴または特徴と組み合わせることができる。
本明細書で「一つの実施形態」または「一つの実施例」といった場合、その実施形態に関して記載した特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれるということを意味する。従って、本明細書全体を通して使用する「一つの実施形態では」または「一つの実施例では」の表現は必ずしも全て同じ実施形態を参照しなくてもよい。また、特定の特徴、構造または特性は、本開示から当業者には明らかであるように、一つまたは複数の実施態様において任意の適切な方法で組み合わせることができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では他の実施形態に含まれる他の特徴の一部のみを含むことができ、そうした異なる実施形態の特徴の組合せも本発明の範囲内であり、異なる実施形態を形成できるということも当業者には理解できよう。
本明細書で使用する「成る」「含む」という用語は、「から成る」「含有する」または「構成される」と同義であり、包括的またはオープンエンドな意味であり、追加の要素、構成、方法、ステップ−を排除するものではない。本明細書において「から成る」「含む」という用語は「のみから成る」「のみを含む」という意味を含む。
明細書および特許請求の範囲で使用する単数形の表現は、文脈が明確に指示しない限り複数形も含む。例えば「一つ層」とは一つの層または複数の層を意味する。
本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、別段の定義がない限り、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての刊行物は参照として本明細書の一部を成す。
数値範囲を端点で表した場合、その範囲に含まれる全ての整数を含む。例えば1〜5は、要素の数を表す時には1、2、3、4を含み、測定値の場合にはその内に含まれる成分、例えば1.5、2.0、2.75および3.80を含む。端点を記載した場合、そのエンドポイントの値自体も含まれる(例えば1.0〜5.0は1.0と5.0を含む)。本明細書に記載の任意の数値範囲はその中に包含される全ての下位範囲を含む。
本発明で使用する「置換された」という用語は、「置換された」と表現された原子上の1個以上の水素を指摘した群の中から選択される基で置き換えることを意味する。ただし、その原子の通常の原子価を超えてはならず、化学的に安定な化合物、すなわち、反応混合物から有効純度で単離できる十分に安定な化合物でなければならない。適切な置換基はC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシの中から選択できる。
基または基の一部として使用する「C1-20アルキル」という用語は、式Cn2n+1のヒドロカルビル基(ここで、nは1〜20の数)を意味する。一般に、アルキル基は1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1、2、3、4、5、6個の炭素原子を含む。このアルキル基は直鎖でも分枝鎖でもよく、以下に記載するように置換されていてもよい。炭素原子の下に付けた下付き文字はその基に含むことができる炭素原子の数を表す。例えば、C1〜20アルキルは炭素数が1〜20の炭素原子を有する全ての直鎖および分枝鎖のアルキル基を意味する。アルキル基の例にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−メチルブチル、ペンチル、その鎖異性体、ヘキシルおよびその鎖異性体、ヘプチルおよびその鎖異性体、オクチルおよびその鎖異性体、ノニルおよびその鎖異性体、デシルおよびその鎖異性体、ウンデシルおよびその鎖異性体、ドデシルおよびその鎖異性体、トリデシルおよびその異性体、テトラデシルおよびその異性体、ペンタデシルおよびその異性体、ヘキサデシルおよびその異性体、ヘプタデシルおよびその異性体、オクタデシル基およびその異性体、ノナデシルおよびその異性体、イコシルおよびその異性体等が挙げられる。例えば、C1〜10アルキルは1〜10個の炭素原子を有する全ての直鎖または分岐アルキル基を含み、従って、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、2−メチル−エチル、ブチルおよびその異性体(例えば、n−ブチル、i−ブチルおよびt−ブチル)、ペンチルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体、ヘプチルおよびその異性体、オクチルおよびその異性体、ノニルおよびその異性体、デシルおよびその異性体等が挙げられる。例えば、C1〜6アルキルは1〜6個の炭素原子を有する全ての直鎖または分岐鎖のアルキル基を含み、従って、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチル−エチル、ブチルおよびその異性体(例えば、n−ブチル、i−ブチルおよびt−ブチル)、ペンチルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体を含む。アルキル基の末尾を「エン」にして使用した場合すなわち「アルキレン」は、本明細書ではそのアルキル基が他の基と2つの単結合の結合を有することを意味する。
基または基の一部とし使用する「C1-6アルコキシ」または「C1-6アルキルオキシ」という用語は、式:−ORaを有する基を表す。ここでRaはC1-6アルキルである。適した非限定的なC1-6アルキルオキシの例としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシが挙げられる。
基または基の一部として使用する「C3-6シクロアルキル」という用語は1つまたは複数の環状構造を有する一価の飽和炭化水素基で、3〜9個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子、より好ましくは5〜6個の炭素原子を含む環状のアルキル基を意味する、シクロアルキルは1つ以上の環を含む全ての飽和炭化水素基を意味し、単環式または二環式基を含む。多環シクロアルキルにさらに環が縮合し、ブリッジし、および/または1つ以上のスピロ原子を介して結合していてもよい。C36シクロアルキル基の例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。シクロアルキレンまたはシクロアルキル基と末尾の「エン」とを組み合わせて使用したものはそのシクロアルキル基が他の基との結合点として2つの単結合を有することを意味する。
基または基の一部として使用する「C6-30アリール」という用語は単一の環(例えばフェニル)または複数の環が互いに縮合した芳香族環(例えばナフタレン)または共有結合した典型的には6〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの環が芳香族であるポリ不飽和芳香族ヒドロカルビル基を意味する。適したアリール基の例にはC6-12アリール、より好ましくはC6-10アリールが含まれる。C6-12アリールの非限定的な例にはフェニル、ビフェニリル、ビフェニレニルまたは1−または2−ナフタネリルが含まれる。アリール基と接尾辞「エン」を組み合わせて使用した場合、本明細書では他の基との結合点として2つの単結合を有するアリール基を意味する。
基または基の一部として使用する「ハロ」または「ハロゲン」という用語はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードの総称である。
基または基の一部として使用する「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」という用語は基−OHを意味する。
明細書中で使用される上記およびその他の用語は当業者に容易に理解できる。
以下、本発明の組成物は、ポリマー、プロセス、物品および使用の実施例の好ましい特徴事項(statement)および実施形態を記載する。明らかに互いに反しない限り、本発明の各特徴事項および実施形態は、他の特徴事項および/または実施形態と組み合わせることができる。特に、好ましいまたは有利である記載した任意の特徴事項または特徴は、好ましいまたは有利であると記載した任意の他の特徴事項または特徴と組み合わせることができる。以下、本発明は以下の(1)〜(21)の番号を付けた特徴事項および/または実施形態態様の1つまたは複数を任意に組合せたものにすることができる。
(1)下記の(a)と(b)を含む組成物:
(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第1ポリマー、
(b)ポリラクチド、ポリラクチド−ウレタンまたはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー。
(2)下記の(a)と(b):
(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第1ポリマーと、
(b)ポリラクチド、ポリラクチド−ウレタン、又はこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマーと
を含む組成物であって、第1ポリマーを組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%、第2ポリマーを組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%含む組成物。
(3)少なくとも1種の第1ポリマーがポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体と、ポリ乳酸の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマーとを含む特徴事項1または2に記載の組成物。
(4)少なくとも1種の第1ポリマーがポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体で、少なくとも1種の第2ポリマーがポリ−L−ラクチドの中から選択される特徴事項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
(5)(PLA−PB)ブロック共重合体がポリラクチド−ポリブタジエンPLA−PBジブロックコポリマー、PLA−PB−PLAトリブロックコポリマー、PLA−PBのマルチブロック共重合体、PLA−PB星型共重合体、PLA−PBの櫛形共重合体、PLA−PB勾配共重合体およびこれらの混合物から成る群の中から選択される特徴事項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
(6)第1ポリマーを組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%含み、好ましくは、第1ポリマーを組成物の総重量に対して2重量%〜55重量%含む特徴事項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
(7)第2ポリマーを組成物の総重量に対して40重量%〜99重量%含む特徴事項1、3〜6のいずれか一項に記載の組成物。
(8)ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体を組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%含み、組成物の総重量に対して第2ポリマー(b)を40重量%〜99重量%含む特徴事項1、3〜7のいずれか一項に記載の組成物。
(9)ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体を組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%含み、ポリラクチド(b)を組成物の総重量に対して40重量%〜99重量%含む特徴事項1、3〜8のいずれか一項に記載の組成物。
(10)少なくとも1種の第1ポリマーと少なくとも一種の第2ポリマーとを溶融ブレンドして得られることを特徴とする特徴事項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
(11)ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体を組成物の総重量に対して25重量%〜50重量%含み、第2ポリマー(b)を組成物の総重量に対して50重量%〜75重量%含む特徴事項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
(12)ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体を組成物の総重量に対して25重量%〜50重量%含み、ポリラクチド(b)を組成物の総重量に対して50重量%〜75重量%含む特徴事項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
(13)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも一種の第1ポリマー(a)をポリラクチド、ポリラクチド−ウレタンまたはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー(b)と接触させる工程を含む、特徴事項1〜12のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
(14)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも一つの第1ポリマー(a)をポリラクチド、ポリラクチド−ウレタン、又はこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー(b)と接触させる工程を含み、第1ポリマーを組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%とし、第2ポリマーを組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%にする特徴事項1〜12のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
(15)上記接触工程で少なくとも1種の第1ポリマーを少なくとも1種の第2ポリマーと溶融ブレンドする特徴事項13または14に記載の方法。
(16)溶融ブレンドを160℃〜230℃の範囲の温度、好ましくは160℃〜200℃の範囲の温度で行う特徴事項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
(17)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体とポリラクチドを含む混合物を溶融加工する特徴事項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
(18)25重量%〜50重量%のポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体と50重量%〜75重量%のポリラクチドとを溶融ブレンドする特徴事項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
(19)フィルム、シート、パイプおよび繊維の押出しまたは共押出し成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、発泡成形および熱成形の中から選択される一つまたは複数のポリマー加工技術を使用して上記組成物を加工する工程をさらに含む特徴事項13〜18のいずれか一項に記載方法。
(20)特徴事項1〜12のいずれか一項に記載の組成物または特徴事項13〜19のいずれか一項に記載の方法を用いて得られる組成物を成形して得られる物品。
(21)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の衝撃改質剤としての使用。
本発明の第1の態様で提供される組成物は下記(a)と(b)を含む:
(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第1ポリマー、
(b)ポリラクチド、ポリラクチド−ウレタン、又はこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー。
好ましい実施形態では、上記組成物は組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%の第1ポリマーと、組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%の第2ポリマーを含む。
好ましくは、第1の態様の組成物は下記(a)と(b)を含む:
(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体と、
(b)ポリラクチド、ポリラクチド−ウレタンまたはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー。
好ましくは、上記組成物は(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリラクチドとから成る。例えば、上記組成物は下記(a1)と(b1)を含む:
(a1)ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体、ポリ−D−ラクチド−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体、ポリDL−ラクチド−ポリブタジエン、(PDLLA−PB)ブロック共重合体、ポリ(メソ)−ラクチド−ポリブタジエンブロックコポリマー、ポリ−L−ラクチド−ウレタン−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体、ポリ−D−ラクチド−ウレタン−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体、ポリDL−ラクチド−ウレタン、ポリブタジエン
(PDLLA−PB)ブロック共重合体、ポリ(メソ)−ラクチド−ウレタン−ポリブタジエンブロック共重合体およびこれらの混合物から成る群の中から選択される少なくとも1種の第1ポリマー、
(b1)ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ−DL−ラクチド、ポリ−メソ−ラクチドおよびこれらの混合物を含む群の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー。
この組成物は(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第1ポリマーを含む。この第1ポリマーはブロックコポリマーである。適したブロックコポリマーは同じモノマーのブロックが異なるモノマーブロックと交互に直列に複数配列し、各ブロックは互いに共有結合したものである。このブロックコポリマーは通常、一つのモノマーを制御重合して製造し、続いて異なるモノマーの鎖を延長する。ブロックコポリマーは、それらが含まれているブロックの数とブロックの配置に基づいて分類される。例えば、2つのブロックを有するブロックコポリマーはジブロックとよばれ、3ブロックを有するものはトリブロックとよばれ、3つ以上のものは総称してマルチブロックとよばれる。配置による分類は直鎖またはエンドツーエンド配置および星型配置(1つのポリマーが複数の分岐鎖のベースになる)である。
一つの実施形態では、ブロックコポリマーはジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、マルチブロックコポリマー、星型コポリマー、櫛形コポリマー、傾斜ブロックコポリマー、および、当業者に公知のブロック状(blocky)構造を有するその他のコポリマーの中から選択される。好ましいのはジブロックとトリブロックコポリマーである。傾斜ブロック共重合体の例は、1つのセグメントに使用されるモノマーを次の連続セグメントで少量成分として反応させる場合である。ABジブロックコポリマーの第1ブロック(Aブロック)に使用されるモノマー混合物を80%の転化率まで重合させ、未反応モノマーの残りの20%を新たに追加したモノマーと反応させてBブロックセグメントとすることでBセグメントがAセグメント組成の勾配を含むA−Bジブロックコポリマーとなる。
本明細書で用いる「櫛形共重合体」という用語は一種のグラフトコポリマーで、グラフトコポリマーの骨格が直鎖または実質的に直鎖の1つのポリマーAから成り、グラフト共重合体の各側鎖(グラフトセグメント)はポリマーBで形成される(ポリマーBはポリマー主鎖にグラフトされる)。本明細書では用語「櫛形共重合体」および「グラフトコポリマー」は同じ意味を有する。
一つの実施形態では、ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体は、PLA−PBジブロックコポリマー、PLA−PB−PLAトリブロックコポリマー、PLA−PBのマルチブロックコポリマー、PLA−PB星型コポリマー、PLA−PB櫛型コポリマーおよびPLA−PB勾配ブロックコポリマーをから成る群の中から選択される。好ましいジブロックおよびトリブロックコポリマーはPLA−PBとPLA−PB−PLAブロックコポリマーである。
本発明の一つの実施形態では、ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体は、ラクチド(例えば、L−ラクチド、D−ラクチド、LD−ラクチド、メソ−ラクチドまたはこれらの混合物)とポリブタジエン(好ましくはヒドロキシ官能化ポリブタジエン)との組み合わせで製造される。L−ラクチドはL−ラクチド(乳酸の環状二量体)(LL−ラクチドまたは(S、S)−ラクチド=2つの乳酸Sエナンチオマーの環状ジエステル)、D−ラクチド(D−乳酸の環状二量体)(D−Dラクチドまたは(R、R)ラクチド=2つの乳酸のR鏡像異性体の=環状ジエステル)、メソ−ラクチド(D−乳酸とL−乳酸の環状二量体)(DL−ラクチド=D−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ化合物)を含む。好ましい実施形態では、ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体は、L−ラクチド、D−ラクチド、LD−ラクチド、メソ−ラクチドおよびこれらの混合物を含む群から選択ラクチドをポリブタジエン、好ましくはヒドロキシ官能化ポリブタジエンと組み合わせて製造される。一つまたは複数の実施態様では、ブロックコポリマーはラクチドをヒドロキシ官能基化ポリブタジエンと溶融混合して製造される。この方法ではポリ乳酸を形成するための触媒を使用する。この触媒の例はスズ化合物(例えばオクチル酸スズ)、チタン化合物(例えばテトライソプロピルチタネート)、ジルコニウム化合物(例えばジルコニウムイソプロポキシド)、アンチモン化合物(例えば三酸化アンチモン)またはこれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、L−またはD−の光学純度または異性体純度が少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも98%の立体化学DDまたはLL乳酸の使用するのが望ましい。
ブロックコポリマーを製造するのに有用な水酸基末端ポリブタジエンの中では数平均分子量(Mn)が少なくとも1000グラム/モル、例えば少なくとも5000グラム/モル、好ましくは少なくとも10000グラム/モルのものが好ましい。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル末端ポリブタジエンのMnは1000〜20000グラム/モルの範囲、例えば5000〜25000グラム/モル、有利には8000〜20000グラム/モル、有利には9000〜20000グラム/モル、有利に10000〜20000グラム/モルである。
上記ブロックコポリマーを製造するのに有用な水酸基末端ポリブタジエンのヒドロキシル基含有量は0.10〜3.0Mmol/gである。
上記のタイプのヒドロキシ末端ポリブタジエンは平均して1分子当たり一つまたは複数の主として第1級ヒドロキシル基、例えば平均して分子当たり1.5〜3つの一級ヒドロキシル基を有するものが本発明では適している。分枝ヒドロキシル末端ポリブタジエンは1分子当たり少なくとも1.90のヒドロキシル基、有利には平均して1.95〜2.8の末端ヒドロキシル基を有することができる。ヒドロキシル基は主として末端位置にある。ポリマーのヒドロキシル基は二重結合した炭素原子に隣接した炭素原子に結合される。
有用なヒドロキシル末端ポリブタジエンには本発明のコポリマーおよびそれを含む組成物に望ましい特性を付与することができる1つまたは複数の他の共重合可能なモノマーを組み込むことができる。この共重合可能なモノマーとしてはモノオレフィンおよびジエンモノマー、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソプレン、クロロプレン、2,3−メチル−1,3ブタジエン、1,4ペンタジエン、エチレン性不飽和モノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルスチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、酢酸ビニル、イソシアネート等が含まれる。それに加え手またはその代わりに、水酸基末端ポリブタジエンを一種または複数の他のモノマーと反応させてヒドロキシル末端ブロックコポリマーを作ることもできる。そうしたモノマーとしてはポリエーテルセグメントを与えるエチレンオキシドやプロピレンオキシドのような1,2−エポキシド、ポリエステルセグメントを与えるε−カプロラクトンが挙げられる。
これらの特性を有するヒドロキシ末端ポリブタジエンは複数の供給業者から商業的に入手可能であり、本発明で容易に使用できる。
適したヒドロキシル末端ポリブタジエンの例としてはHSC Cary Balley Corp社から市販のKrasol(登録商標)LBH10000、Krasol(登録商標)LBH2000、Krasol(登録商標)LBH3000およびKrasol(登録商標)LBH5000、Krasol(登録商標)LBH−P2000、Krasol(登録商標)LBH−P3000、Krasol(登録商標)LBH−P5000、PolyBd(登録商標)R45HTLO、PolyBdd(登録商標)R20LMと、HSC Cary Balley Corp社から市販のポリエポキシ化ヒドロキシル末端ポリブタジエン、例えばPolyBd(登録商標)605、PolyBd(登録商標)600がある。
一つの実施形態では、上記ブロックコポリマーはブロックコポリマーの総重量に対しての少なくとも10重量%のヒドロキシル官能化ポリブタジエンを含む。一つの実施形態では、上記ブロックコポリマーはブロックコポリマーの総重量に対して10重量%〜90重量%のヒドロキシル官能化ポリブタジエンを含む。
本発明はさらに、上記ブロック共重合体(a)の第2ポリマー(b)の衝撃強度を向上させるための衝撃改質剤としての使用にも関するものである。
いくつかの実施形態では、上記組成物は、組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%、例えば1重量%〜55重量%、例えば2重量%〜55重量%、例えば2重量%〜50重量%、例えば3重量%〜50重量%、例えば4重量%〜55重量%、例えば4重量%〜50重量%、好ましくは、例えば5重量%〜55重量%、例えば、5重量%〜52重量%、例えば5重量%〜50重量%、好ましくは例えば10重量%〜55重量%、例えば10重量%〜50重量%、例えば15重量%〜55重量%の第1ポリマー(a)を含むことができる。
好ましい実施形態では、組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%、例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50重量%、例えば例えば25重量%〜45重量%の少なくとも1種の第1ポリマー(a)を含む。
一つの実施形態では、少なくとも1種の第1ポリマー(a)がポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体で、少なくとも1種の第2ポリマー(b)がポリラクチドであり、好ましくは、上記量組成物は組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%、例えば1重量%〜55重量%、例えば2重量%〜55重量%、例えば2重量%〜50重量%、例えば3重量%〜50重量%、例えば4重量%〜55重量%、例えば4重量%〜50重量%、例えば5重量%〜55重量%の第1ポリマー(a)を含み、好ましくは組成物の総重量に対して5重量%〜52重量%、例えば5重量%〜50重量%、例えば20重量%〜55重量%、好ましくは例えば10重量%〜55重量%、例えば10重量%〜50重量%、好ましくは15重量%〜55重量%の少なくとも1種の第1ポリマー(a)を含む。
本発明の好ましい実施形態では、組成物の総重量に対して上記組成物は20重量%〜50重量%、例えば20重量%〜45上記%、例えば25重量%〜50重量%、例えば25重量%〜45重量%の少なくとも1種の第1ポリマー(a)を含む。
一つの実施形態では、少なくとも1種の第1ポリマー(a)はポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体で、少なくとも1種の第2ポリマー(b)はポリ−L−ラクチドである。好ましくは、上記組成物は組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%の第1ポリマー(a)を含み、例えば1重量%〜55重量%、例えば2重量%〜55重量%、例えば2重量%〜50重量%、例えば3重量%〜50重量%、例えば、例えば4重量%〜55重量%、4重量%〜50重量%、例えば5重量%〜55重量%、好ましくは組成物の総重量に対して5重量%〜52重量%、例えば5重量%〜50重量%、例えば好ましくは10重量%〜55重量%、例えば10重量%〜50重量%、好ましくは15重量%〜55重量%、例えば20重量%〜55重量%の少なくとも1種の第1ポリマーの(a)を含む。
好ましい実施形態では、少なくとも1種の第1ポリマー(a)はポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体で、少なくとも1種の第2ポリマー(b)はポリ−L−ラクチドであり、組成物は組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%、例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50重量%、例えば25重量%〜45重量%の少なくとも1種の第1ポリマー(a)を含む。
一つの実施形態では、少なくとも1種の第1ポリマー(a)はポリ−D−ラクチド−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体で、少なくとも1種の第2ポリマー(b)はポリ−D−ラクチドであり、この組成物は組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%、例えば1重量%〜55重量%、例えば2重量%〜55重量%、例えば2重量%〜50重量%、例えば3重量%〜50重量%、例えば4重量%〜55重量%、例えば4重量%〜50重量%、例えば5重量%〜55重量%の第1ポリマー(a)を含み、好ましくは組成物の総重量に対して、例えば5重量%〜52重量%、例えば5重量%〜50重量%、例えば10重量%〜55重量%、好ましくは、10重量%〜55重量%、例えば10重量%〜50重量%、好ましくは15重量%〜55重量%、例えば20重量%〜55重量%の第1ポリマー(a)を含む。
好ましい実施形態では、少なくとも1種の第1ポリマー(a)はポリ−D−ラクチド−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体で、少なくとも1種の第2ポリマー(b)はポリ−D−ラクチドであり、この組成物は組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%、例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50重量%、例えば25重量%〜45重量%の少なくとも1種の第1ポリマー(a)を含む。
一つの実施形態では、少なくとも1種の第1ポリマー(a)はポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体である。
ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体は、ラクチド(例えばL−ラクチド、D−ラクチド、LD−ラクチド、メソ−ラクチドまたはこれらの混合物)をポリブタジエン、好ましくはヒドロキシ官能性ポリブタジエンと接触させて製造でき、それによってポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体を得ることができる。このブロック共重合体をジイソシアネート化合物、必要に応じてさらにジアミンまたはジアルコールと接触させてポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体を作る。開始剤としてジヒドロキシアルコールまたはジアミンを使用することができる。ポリ−L−ラクチド−ウレタン−ポリブタジエンブロックコポリマー、ポリ−D−ラクチド−ウレタン−ポリブタジエンブロック共重合体、ポリDL−ラクチド−ウレタン−ポリブタジエンブロック共重合体、ポリ−メソ−ラクチド−ウレタン−ポリブタジエンブロック共重合体はそれぞれL−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチドまたはメソ−ラクチドをポリブタジエン、好ましくはヒドロキシ官能化ポリブタジエンとそれぞれ接触させることで製造でき、それによってポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体を得ることができる。このブロック共重合体をジイソシアネート化合物および必要に応じてジアミンまたはジアルコールと接触させることでポリ−L−ラクチドウレタン−ポリブタジエンブロック共重合体を形成することができる。開始剤としてジヒドロキシアルコールまたはジアミンを使用することができる。
本発明に適したアミン開始剤の非限定的な例としては1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1、4−アミノフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。好ましくは1、4−アミノフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルメタンが使用される。
開始剤としては以下のアルコール:1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタン、1、8−オクタン、キシレングリコールを使用することができる。
適したジイソシアネート化合物には式:O=C=NL1−N=C=Oの化合物が含まれる。ここで、L1は脂肪族でも芳香族でもよく、好ましくは、L1はC4-20アルキレン、C4-6シクロアルキレン、C6-12アリーレン、C6-12アリーレン−C6-12アリーレン、C6-12アリーレンC1-6アルキレン、C6-12アリーレン、C4-6シクロアルキレン、C1-6アルキレンC4-6シクロアルキレンからなる群の中から選択され、各基は必要に応じて置換されていてもよい。L1はヘキサメチレン、ジシクロヘキシルメタン、ジフェニルメタン等にすることができる。
使用に適したジイソシアネートの非限定的な例としては脂肪族イソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、芳香族イソシアネート、例えば2,4'、2,2'および4,4'異性体の形のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とその混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とそのオリゴマーとの混合物、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、任意の適切な異性体混合物としてのトリレン−2,4−およびトリレン−2,6−ジイソシアネート(トルエンジイソシアネートともよばれる)、クロル−2,4−ジイソシアネート、ナフチレン、1,5−ジイソシアネート、ジフェニレン−4、4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアネート−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートおよびジフェニルエーテルジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、例えばシクロヘキサン−2,4−および2,3−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシル−2,4−および2,6−ジイソシアネートおよびこれらの混合物、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(例えば、4,4'−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン(H12MDI))、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアナト1、8−オクタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)およびこれらの任意の混合物が挙げられる。
本発明の組成物はさらに、基本的にポリラクチド、ポリラクチド−ウレタンおよびこれらの混合物からなる群の中から選択される少なくとも一種の第2ポリマー(b)を含む。
本発明組成物は組成物の総重量に対して40重量%〜99重量%の第2ポリマー(b)を含むことができる。例えば、本発明組成物は組成物の総重量に対して45重量〜98重量の第2ポリマー(b)を含むことができる。例えば、組成物の総重量に対して45重量%〜97重量%、例えば50重量%〜97重量%、例えば45重量%〜95重量%、例えば50重量%〜95重量%、例えば45重量%〜90重量%、例えば50重量%〜90重量%、例えば45重量%〜80重量%、例えば50重量%〜85重量%、例えば45重量%〜85重量%、例えば45重量%から70重量%、例えば45重量%〜60重量%、例えば45重量%〜55重量%の少なくとも1種の第2ポリマー(b)を含む。
好ましい実施形態では、本発明組成物は組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%、例えば50重量%〜70重量%、例えば50重量%〜60重量%、例えば50重量%〜55重量%の少なくとも1種の第2ポリマー(b)を含む。
本明細書で使用する「ポリ乳酸」または「ポリラクチド」または「PLA」という用語は互いに交換可能に用いられ、乳酸に由来する繰り返し単位を含むポリ(乳酸)ポリマーを意味する。
本発明組成物に適したポリ乳酸は従来公知の任意の方法で製造できる。ポリ乳酸は乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド、カプロラクトン等の中から選択される必要な構造を有する原料の開環重合で製造できる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸酸の環状二量体であるメソ−ラクチドおよびD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ化合物であるDL−ラクチドが含まれる。メソ−ラクチドから作られるランダムコポリマーはアタクチック一次構造になり、ポリ(メソ−ラクチド)とよばれ、非晶質である。等モル量のD−ラクチドとL−ラクチドから作られるランダム光学コポリマーはポリ−DL−ラクチド(PDLLA)またはポリ(RACラクチド)とよばれ、非晶質である。
本発明組成物で使用されるポリ乳酸には乳酸のコポリマーも含まれる。例えば乳酸とトリメチレンカーボネートとのコポリマーは[特許文献1](欧州特許第EP1167138号公報)に記載されており、乳酸とウレタンとのコポリマーは[特許文献2](国際公開第WO2008/037772号公報)および[特許文献3](国際出願第PCT/EP2011/057988号パンフレット)に記載されている。乳酸以外の共重合成分を用いることもできる。この共重合成分にはエステル結合を形成できる2つ以上の官能基を有するジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が含まれる。これらは分子中に2個以上の未反応の官能基、例えばポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネートを有する。ヒドロキシカルボン酸はグリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸およびヒドロキシヘプタン酸を含む群の中から選択できる。実施形態ではコモノマーは使用されない。
本発明組成物に適したポリラクチドは非晶質のポリ−ラクチドにすることができる。本明細書で使用する「非晶質」という用語は非結晶性または結晶の長距離秩序を欠いた固体を意味する。ポリラクチドの場合、L−およびD−ラクチドのラセミ混合物を重合すると通常は非晶質のポリDLラクチドが合成される。非ラセミ混合物を重合する場合、得られるポリマーの結晶化度は用いるD/L鏡像異性体比および/または重合反応で使用する触媒の種類によって制御できる。
本発明で使用するのに適したPLLA(ポリ−L−ラクチド)は主としてL−ラクチド(またはL、L−ラクチド)といくつかのDラクチド単位との共重合反応生成物から成ることができる。本発明に適したPLLA(ポリLラクチド)のD異性体の含有量はPLLAの総重量に対して少なくとも10%である。PLLAのD異性体の含有量はPLLAの総重量に対して少なくとも20%であるのが好ましい。より好ましくは、PLLAのD異性体の含有量はPLLAの総重量に対して少なくとも25%であるのが好ましい。
本発明での使用に適したPDLA(ポリ−D−ラクチド)は主としてD−ラクチド(又はD、D−ラクチド)といくつかのLラクチド単位との共重合反応生成物から成ることができる。本発明に適したPDLA(ポリ−L−ラクチド)のL異性体の含有量はPDLAの総重量に対して少なくとも10%である。PDLAのL異性体の含有量はPDLAの総重量に対して少なくとも20%であるのが好ましい。PDLAのL異性体の含有量はPDLAの総重量に対して少なくとも30%であるのが好ましい。
本発明での使用に適したPDLLA(ポリDL−ラクチド)はD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物の重合反応生成物から成る。本発明での使用に適したポリ(メソ)ラクチドはメソ−ラクチドの重合反応生成物から成る。
PLAのD/L異性体の含有量は種々の方法、例えばNMR、旋光光度計、酵素法またはGCMSによって測定できる。好ましくは、D/L異性体の含有量は以下に記載の酵素法および/またはNMRで測定するのが好ましい。酵素法:PLLAまたはPDLAの立体化学的純度をLーmerまたはD−merのそれぞれの含有量から決定することができる。「Dmerの含有量」および「Lmerの含有量」という用語は酵素的方法を用いたポリ乳酸でできるタイプDおよびタイプLのモノマー単位をそれぞれ表す。この方法の原理は以下のとり:L−乳酸およびD−乳酸のイオンを酵素のL−乳酸脱水素酵素およびD−乳酸脱水素酵素および補酵素としてのニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を使用してそれぞれピルビン酸に酸化する。ピルビン酸形成の方向へ反応を強制的に進ませるためにヒドラジンと反応させてこの化合物をトラップする必要がある。340nmでの光学密度の増加が試料中に存在するL−乳酸またはD−乳酸塩の量に比例する。PLAのサンプルは25mlの水酸化ナトリウム(1モル/L)を0.6gのPLAと混合して調製する。溶液を8時間沸騰させた後、冷却する。次いで、溶液に塩酸(1モル/L)を添加して中性pHに調整する。その後、脱イオン水を加えて200mlの量にする。次いで、試料をVital Scientific Selectra Juniorで分析した。ポリ−L−ラクチド酸のL−merの場合にはSCIL社の「L乳酸5260」という名称のボックスを使用し、ポリ−D−ラクチド酸のD−merの場合にはSCIL社の「L−乳酸5240」という名称のボックスを使用した。この分析では反応ブランクおよび較正として「SCIL5460」を使用した。挿入およびラセミ化の欠陥の存在は炭素−13核磁気共鳴(NMR)(Avance,500MHz,10mM SELXプローブ)で求めた。そのサンプルは2.5〜3mlのCDCl3に250mgのPLAを溶解して調製した。
本発明に適したPLAは高分子量を有することができる。好ましい実施形態では、PLAの重量平均分子量(Mw)は少なくとも40kDa、好ましくは少なくとも100kDa、例えば少なくとも150kDaである。分子量の測定では液体クロマトグラフWATERS 610を用いて25℃で行う。最初にポリマーのクロロホルム溶液(1mgポリマー/ml)を調製し、次に、この溶液の100μlをフィルター(直径0.2μmの孔を有する)を通し、注射器でクロマトグラフカラムに25℃で注入する。分子量はカラムにおける保持時間から、ポリスチレン標準をベースにしたユニバーサルキャリブレーション法を用いて質量当量に換算して決定した。例えば、ASTM練習D3016−97(2010)を使用できる。一つの実施形態では、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比は一般に1.0〜5.0である。
本発明に適したPLAの数平均分子量(Mn)は40000〜350000グラム/モル、より好ましくは50000〜175000グラム/モル、さらに好ましくは60000〜150000グラム/モルの範囲にあるのが好ましい。重量平均分子および数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーで測定し、25℃のクロロホルム中のポリスチレン標準と比較した。
一つの実施形態では、PLAのASTM規格D792に従って求めた密度は1.228g/cm3〜0.269g/cm3、例えば1.230g/cm3〜1.260g/cm3、例えば1.235g/cm3〜1.255g/cm3である。
一つの実施形態では、ポリ乳酸のメルトフローレートは1〜100g/600秒、例えば2〜50g/600秒、例えば3〜12g/600秒の範囲にある。メルトフローレートはISO規格1133に従って2.16kgの荷重下で190℃で測定する。
例えば、本発明に適したPLAまたはPLAの製造方法は少なくとも一つのラクチドを必要に応じて共開始剤の存在下で適当な触媒と接触させる工程を含む。このプロセスは溶媒を用いるか、無溶媒で行うことができる。
本発明方法で用いる触媒は、一般式:M(Y1、Y2、...Yp)を有する。ここで、Mは元素周期表の第3族〜第12族の元素およびAl,Ga,In,Tl,Ge,Sn,Pb,Sb,Ca,MgおよびBiの元素から成る群の中から選択される金属であり;Y1、Y2、...Ypの各々は1〜20個の炭素原子を有するアルキル、6〜30個の炭素原子を有するアリール、1から20個の炭素原子を有するアルコキシ、6〜30個の炭素原子を有するアリールオキシおよびその他の酸化物、カルボン酸塩、ハライド基および周期表の第15族および/または第16族元素から成る群の中から選択される置換基であり、pおよびqは1〜6の整数である。適した触媒の例としては特にSn、Ti、Zr、ZnおよびBiの触媒、好ましくはアルコキシドまたはカルボシレート、より好ましくはSn(Oct)2、Ti(OiPr)4、Ti(2−エチルヘキサノエート)4、Ti(2−エチルオキサイド)4,Zr(OiPr)4、Zr(OiPr)4、Bi(2,4−ジ−tert−ブチル−6−(((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)メチル)フェノキシ)(エトキシ)亜鉛またはZn(ラクテート)2を挙げることができまる。
一つの実施形態では、本発明に適したPLLAまたはPDLAは(例えば、L−ラクチド、D−ラクチド、LD−ラクチド、メソ−ラクチドまたはこれらの混合物)の重合、好ましくは下記式(IV)の共開始剤(co-initiator)存在下の重合で得ることができる:
10−OH (IV)
(ここで、R10はC1-20アルキル、C6-30アリールおよびC6-30アリールC1-20アルキルからなる群の中から選択され、これらは必要に応じてハロゲン、ヒドロキシル、およびC1-6アルキルからなる群の中から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい)
好ましくは、R10はC3-12アルキル、C6-10アリールおよびC6-10アリールC3-12アルキルの中から選択され、これらは独立してハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群の中から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。好ましくは、R10はC3-12アルキル、C6-10アリールおよびC6-10アリールC3-12アルキルの中から選択され、これらは独立してハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-4アルキルからなる群の中から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
開始剤はアルコールにすることができる。このアルコールはジオール、トリオールまたはより高官能の多価アルコールのポリオールすることができる。アルコールはバイオマス、例えばグリセロールまたはプロパンジオールまたは他の糖ベースのアルコール、例えばエリトリトールから誘導することができる。アルコールは単独または他のアルコールと組み合わせて使用できる。
一つの実施形態では、開始剤の非限定的な例に1−オクタノール、イソプロパノール、プロパンジオール、トリメチロールプロパン、2−ブタノール、3−ブテン−2−オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、7−ヘプタン、ベンジルアルコール、4−ブロモフェノール、1,4−ベンゼンおよび(4−トリフルオロメチル)ベンジルアルコールが含まれる。式(IV)の化合物は1−オクタノール、イソプロパノール、および1,4−ブタンジオールの中から選択するのが好ましい。
重合は60℃〜200℃の温度で行うことができる。この温度は反応自体の温度であるのが好ましい。一つの実施形態では、重合は溶媒なしで、バルクで110℃〜190℃の温度で行う。
一つの実施形態では、少なくとも1種の第2ポリマー(b)はポリラクチド−ポリウレタンである。適したポリラクチド−ウレタンの非限定的な例は[特許文献4](国際公開第WO2010/133419号公報)に記載されている。この特許の内容は本明細書に組み込まれる。
国際公開第WO2010/133419号公報
本発明組成物は(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリラクチドとから成るのが好ましく、この組成物はポリラクチド(b)を組成物の総重量に対して40〜99重量%、例えば45%〜98重量%、例えば45%〜97重量%、例えば50%〜97重量%、例えば45%〜95重量%、例えば50%〜90重量%、例えば50%〜95重量%、45%〜85重量%、例えば50重量%〜80重量%、例えば45重量%〜70重量%、例えば50重量%〜70重量%、例えば45重量%〜75重量%、例えば50%〜75重量%含むのが好ましい。
好ましくは、上記組成物は(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリラクチドとから成り、ポリラクチド(b)は組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%、例えば50重量%〜70重量%、例えば50重量%〜75重量%含む。
例えば、上記組成物は(a)ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリ−L−ラクチドから成り、ポリ−L−ラクチド(b)は組成物の総重量に対して40重量〜99重量%含まれる。このポリ−L−ラクチド(b)は組成物の総重量に対して例えば45%〜98重量%、例えば45重量%〜97重量%、例えば50重量%〜97重量%、例えば45%〜95重量%、例えば50重量%〜95重量%、例えば45重量%〜90重量%、例えば50重量%〜90重量%、例えば45重量%〜85重量%、例えば50重量%〜85重量%、例えば45重量%〜80重量%、例えば50重量%〜80重量%、例えば45重量%〜70重量%、例えば50%〜70重量%、例えば45重量%〜75重量%、例えば50重量%〜75重量%含まれるのが好ましい。
好ましくは、上記組成物は(a)ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリ−L−ラクチドから成り、好ましい。組成物は組成物の総重量に対してポリ−L−ラクチド(b)を50重量%〜80重量%含み、例えば組成物の総重量に対してポリ−L−ラクチド(b)を50重量%〜70重量%、例えば50重量%〜75重量%含む。
好ましくは、上記組成物は(a)ポリ−D−ラクチド−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体と、(b)ポリD−ラクチドとから成り、ポリ−D−ラクチド(b)は組成物の総重量に対して40重量%〜99重量%含む。例えばポリ−D−ラクチド(b)は組成物の総重量に対して例えば45重量%〜98重量%、例えば45重量%〜97重量%、例えば50重量%〜97重量%、例えば45重量%〜95重量%、例えば50重量%〜95重量%、例えば45重量%〜90重量%、例えば50重量%〜90重量%、例えば45重量%〜80重量%、例えば50重量%〜80重量%、例えば50重量%〜85重量%、例えば45重量%〜85重量%、例えば45重量%〜70重量%、例えば50重量%〜70重量%、例えば45重量%〜75重量%、例えば50重量%〜75重量%含まれる。
好ましくは、上記組成物は(a)ポリ−D−ラクチド−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体と、(b)ポリD−ラクチドとから成り、ポリ−D−ラクチド(b)を組成物の総重量に対し50重量%〜80重量%含む。好ましくは、前記組成物は組成物の総重量に対してポリ−D−ラクチド(b)を50重量%〜70重量%、例えば50重量%〜75重量%含む。
例えば、上記組成物は(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリラクチドとから成り、ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)は組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%含まれる。この組成物はポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)を組成物の総重量に対して例えば1重量%〜55重量%、例えば2重量%〜55重量%、例えば2重量%〜50重量%、例えば3重量%〜50重量%、例えば4重量%〜55重量%、例えば4重量%〜50重量%、例えば5重量%〜55重量%、例えば好ましくは5重量%〜52重量%、例えば5重量%〜50重量%、例えば10重量%〜55重量%、例えば好ましくはから10重量%〜50重量%、例えば15重量%〜55重量%、例えば20重量%〜55重量%、例えば20重量%〜50重量%、例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50重量%、例えば25重量%〜45重量%含み、好ましくは、ポリラクチド(b)を組成物の総重量に対して50重量%〜98重量%、例えば45%〜98重量%、例えば45重量%〜97重量%、例えば50重量%〜97重量%、例えば45重量%〜95重量%、例えば45重量%〜95重量%、例えば50重量%〜90重量%、例えば45重量%〜80重量%、例えば50重量%〜85重量%、例えば45重量%〜85重量%、例えば50重量%〜90重量%、例えば50重量%〜80重量%、例えば45重量%〜70重量%、例えば45重量%〜75重量%、50重量%〜70重量%、例えば50重量%〜75重量%含む。
好ましくは、上記組成物は(a)ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリラクチドとから成り、ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)を組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%を含む。例えば、この組成物はポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)を組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%、例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50重量%、例えば30重量%〜50重量%、例えば25重量%〜45重量%含み、好ましくは、ポリラクチド(b)を組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%含み、例えばポリラクチド(b)を組成物の総重量に対して55重量%〜80重量%、例えば50重量%〜70重量%、例えば50重量%〜75重量%、例えば55重量%〜75重量%含む。
例えば、上記組成物は(a)ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリ−L−ラクチドとから成り、ポリ−Lラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)は組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%含み、例えば、ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)を組成物の総重量に対して1重量%〜55重量%、例えば2重量%〜55重量%、例えば2重量%〜50重量%、例えば3重量%〜50重量%、例えば4重量%〜55重量%、例えば4重量%〜50重量%、例えば5重量%〜55重量%含み、例えば好ましくはポリ−Lラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)は組成物の総重量に対して5重量%〜52重量%、例えば5重量%から50重量%、好ましくは10重量%〜55%の重量、例えば10重量%〜50重量%、例えば15重量%〜55重量%、例えば20重量%〜55重量%、例えば20重量%〜50重量%、例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50重量%、例えば25重量%〜45重量%含み、ポリ−L−ラクチド(b)を組成物の総重量に対し40重量%〜99重量%含み、好ましくはポリ−L−ラクチド(b)を組成物の総重量に対して例えば45重量%〜98重量%、例えば45重量%〜97重量%、例えば45重量%〜75重量%、例えば50重量%〜97重量%、例えば45重量%〜95重量%、例えば50重量%〜95重量%、例えば45重量%〜90重量%、例えば50重量%〜90重量%、例えば50重量%〜80重量%、例えば50重量%〜70重量%、例えば45重量%〜85重量%、例えば50重量%〜85重量%、例えば45重量%〜80重量%、例えば45重量%〜70重量%、例えば50重量%〜75重量%含む。
好ましくは、上記組成物は(a)ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリ−L−ラクチドから成り、このポリ−L−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)は組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%含まれ、好ましくは、ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)を組成物の総重量に対して例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50%重量、例えば30重量%〜50%重量、例えば25重量%〜45重量%含み、好ましくは、ポリ−L−ラクチド(b)を組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%含み、例えば55重量%から80重量%、例えばポリ−L−ラクチド(b)を組成物の総重量に対して50重量%〜70%重量、例えば50重量%〜75%重量、例えば55重量%〜75%重量含む。
例えば、上記組成物は(a)ポリ−D−ラクチド−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリ−D−ラクチドとから成り、前記ポリ−D−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)を組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%含み、好ましくは1重量%〜55重量%、例えば2重量%〜55重量%、例えば2重量%〜50重量%、例えば3重量%〜50重量%、例えば4重量%〜55重量%、例えば5重量%〜55重量%、好ましくはポリ−D−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)を例えば5重量%〜52重量%、例えば4重量%〜50重量%、例えば5重量%〜55重量%、例えば5重量%〜50重量%、例えば10重量%〜55重量%、例えば10重量%〜50重量%、例えば15重量%〜55重量%、例えば20重量%〜55重量%、例えば20重量%〜50重量%、例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50重量%、例えば25重量%〜45重量%含み、好ましくは、ポリ−D−ラクチド(b)を組成物の総重量に対して40重量%〜99重量%含み、例えばポリ−D−ラクチド(b)を組成物の総重量に対して例えば45重量%〜98重量%、例えば45重量%〜97重量%、例えば50重量%〜97重量%、例えば45重量%〜95重量%、例えば50重量%〜95重量%、例えば45重量%〜90%重量、例えば50重量%〜90重量%、例えば45重量%〜85重量%、例えば50重量%〜85%重量、例えば50重量%〜80重量%、例えば50重量%〜75重量%、例えば50重量%〜70重量%、例えば45重量%〜80重量%、例えば45重量%〜75重量%、例えば45重量%〜70重量%含む。
好ましくは、上記組成物は(a)ポリ−D−ラクチド−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体と(b)ポリD−ラクチドとからなり、ポリ−D−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)は組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%含み、例えばポリ−D−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体(a)は組成物の総重量に対して例えば20重量%〜45重量%、例えば25重量%〜50%重量、例えば30重量%〜50%重量、例えば25重量%〜45重量%、ポリ−D−ラクチド(b)を組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%含み、好ましくは、ポリ−D−ラクチド(b)を組成物の総重量に対して例えば55重量%から80重量%、例えば50%〜70%重量、例えば50重量%〜75%重量、例えば55重量%〜75%重量含む。
一つの実施形態では、上記組成物は組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%のポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体と、組成物の総重量に対して40重量%〜99重量%の第2の重合体(b1)とからなる。
一つの実施形態では、上記組成物は組成物の総重量に対して1重量%〜60重量%のポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体と、組成物の総重量に対して40重量%〜99重量%のポリラクチドの重量(b)とからける。
本発明の第2の態様から、本発明はさらに、ポリラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の中から選択される少なくとも一種の第1ポリマー(a)をポリラクチド、ポリラクチド−ウレタンまたはこれらの混合物の中から選択される少なくとも1種の第2ポリマー(b)と接触させる工程を含む本発明組成物の製造方法を包含する。
当技術分野で公知の任意の方法を本発明組成物の製造に適用することができる。
いくつかの実施形態では、上記接触工程は少なくとも1種の第1ポリマーを少なくとも一種の第2ポリマーと溶融ブレンドすることで構成できる。いくつかの実施形態では、この溶融ブレンドプロセスは単一工程で実施できる。溶融ブレンドは、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分を混合し、溶融して、第1ポリマーと第2ポリマーとの間で化学的および/または物理的に相互作用させることができるシステムにこれらを導入することによって行うことができる。
の。例えば、第1ポリマーと第2ポリマーを例えばバッチミキサー、連続ミキサー、一軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機に導入して均質な混合物または溶液を形成し、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分を混合し、化学的および物理的な相互作用を開始できる温度条件にすることで溶融ブレンドを実施することができる。
一つの実施形態では、本発明組成物は押出機で製造される。一つの実施形態では、組成物を160℃〜230℃、例えば少なくとも140℃、例えば少なくとも150℃、例えば少なくとも160℃の温度で押出す。より好ましくは、組成物を180℃〜230℃の範囲の温度で押出す。
好ましい実施形態では、上記接触工程はポリラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体とポリ乳酸を含む混合物を溶融加工することから成る。
一つの実施形態では、上記接触工程はポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体とポリ−L−ラクチドを含む混合物を溶融加工することから成る。
一つの実施形態では、上記接触工程はポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PDLA−PB)ブロック共重合体とポリ−D−ラクチドを含む混合物を溶融加工することから成る。
好ましい実施形態では、押出機中の滞留時間は最大で30分、より好ましくは最大で20分、より好ましくは最大で10分、より好ましくは最大で8分、より好ましくは最大で5分である。本明細書で使用する「滞留時間」という用語は混合物が押出機中または一連の押出機中に存在する時間を意味する。
一つの実施形態では、本発明組成物は、所望の物理的特性、例えば印刷適性を良くし、光沢性を増加させ、ブロッキング性を低下させるための添加剤を含むことができる。添加剤の例としては安定剤、紫外線遮蔽剤、酸化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、加工油、離型剤、着色剤、顔料/染料、充填剤またはこれらの組み合わが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの添加剤は所望の特性を付与するのに有効な量で含まれる。
いくつかの実施形態では、本発明組成物を調製する方法がフィルム、シート、パイプおよび繊維への押出成形または共押出成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、発泡成形、3D印刷、熱成形の中から選択される一つまたは複数のポリマー加工技術を使用して組成物を加工する工程をさらに含む。
本発明はさらに、ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体またはこれらの混合物の、PLAの溶融強度および衝撃強度を改善するための耐衝撃性改良剤としての使用にも関するものである。
本発明はさらに、ポリラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体、ポリラクチド−ウレタンポリブタジエンブロック共重合体、またはこれらの混合物の、ポリマーの耐衝撃性改良剤として使用にも関するものである。
本発明組成物は、ポリラクチド単独の場合に比べて衝撃特性を極めて大きく改善することがわかっている。
本発明はさらに、本発明組成物を含むポリマー、膜(メンブレン)、接着剤、発泡体、シーラント、成形品、フィルム、押出品、繊維、エラストマー、複合材料、接着剤、有機発光ダイオード、有機半導体、導電性有機ポリマー、3D印刷物にも関するものである。
本発明はさらに、上記実施形態のいずれかに記載の本発明の組成物または本発明方法を用いて製造した組成物を含む物品にも関するものである。
いくつかの実施形態では、上記実施形態のいずれかに記載の本発明の組成物または本発明方法を用いて製造した組成物を含む物品は成形品である。
いくつかの実施形態では、上記成形品は、上記実施形態のいずれかに記載の組成物または本発明方法を用いて製造した組成物から成る。
一つの実施形態では、上記成形品は当業者に公知のポリマー加工技術、例えばブロー成形、射出成形、回転成形、圧縮成形、3D印刷、熱成形によって製造される。
一つの実施形態では、本発明組成物およびブレンドは、当業者に公知のポリマー加工技術、例えばフィルム、シート、パイプおよび繊維の押出および共押出し、吹込み成形、射出成形、回転成形、3D印刷および熱成形によって、種々の物品、例えばフィルム、パイプ、繊維(例えば、可染性繊維)、ロッド、容器、袋、包装材料、3D印刷物、接着剤(例えばホットメルト接着剤)に形成できる。フィルムには押出または共押出し、吹込み成形によるフィルム、キャストフィルム、積層フィルムが含まれ、シュリンクフィルム、ストレッチフィルム、シールフィルム、配向フィルム、スナック包装、ヘビーデューティーバッグ、食料品袋、ベーキング食品や冷凍食品の包装、医療包装、工業用ライナー、食品と接触するまたはしない用途の膜等として有用である。繊維はスリットフィルム、モノフィラメント、溶融紡糸、溶液紡糸の繊維、袋、バッグ、ロープ、より糸、カーペット裏打ち材、カーペット糸、フィルター、おむつ布、医療用衣服およびジオテキスタイルを作るための織布または不織布の形態で使用するための繊維が含まれる。押出成形品にはチューブ、ワイヤ、ケーブルコーティング、ホットメルト接着剤、シート、例えば熱成形ウート(プロファイル、プラスチック段ボールを含む)、ジオメンブレンおよび池ライナーを含む。成形品にはボトル、タンク、大型中空物品、硬質食品容器および玩具等の形をした単層および多層の構造が含まれる。
以下、本発明の実施例を説明するが、これらの実施例は例示の目的のためのもので、本発明の範囲を限定するものではないことは理解できよう。
以下の実施例および明細書を通して全ての部および百分率は特にことわらない限り全て重量部または重量百分率である。
実施例1
ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLLA−PB)ブロック共重合体の製造
PLLA−PB−PLLAブロックコポリマーは、L−ラクチドとヒドロキシ末端ポリブタジエン(HSC Cray Valley Corp社のKraso(登録商標)BLBH10000)とを共重合体を製造するための触媒の存在下でバルクで反応させて製造した。Kraso(登録商標)BLBH10000は以下の特性を有する:微細構造:1、2−(ビニル):約65重量%、1、4−シス:約18重量%、1、4−トランス:約17重量%。OH基の含有量:0.16〜0.22(Mmol/g)、水酸基数:8.9〜12.4Mg KOH/g、ブルックフィールド粘度:50℃で20〜50Pa・秒、密度:20℃、約0.9g/cm3、分子量(Mn):9000〜11000g/mo、多分散性指数(Mw/Mn):1.1。光学純度が99.5%のFuterroの精製L−ラクチドを使用した。ヒドロキシポリブタジエン(7.78g)とL−ラクチド(8.0g)を透明な混合物が得られるまでN2下で185℃に加熱した。Sn(Oct)2(112mg)を加えた。重合は30分間実施し、生成物(ブロック共重合体1)はエタノール中で沈殿させた。
この共重合体の弾性率はISO規格527−1 BAに記載の方法で測定した。結果はPLA(PLLA(NatureWorks(登録商標)PLAポリマー6201D)の弾性率と比較して[表1]に示した。
Figure 0006749843
実施例2
実施例1で製造したPLLA−PB−PLLAブロックコポリマー1にPLLA(Synbra Technolgy b.v社のSynterra(登録商標)PLLA2010)をブレンドして本発明の実施例の組成物1と組成物2を製造した。Synterra(登録商標)PLLA2010の物理的特性は[表2]に示した。比較組成物3は実施例1で製造したPLLA−PB−PLLAブロック共重合体1をPLLA(Synterra Technolgy b.v社のSynterra2010)とブレンドして製造した。比較組成物4は純粋なPLLA(Synterra Technolgy b.v社のSynterra(登録商標)PLLA2010)から成る。
Figure 0006749843
PLLAペレットは乾燥機中で110℃の温度で1時間乾燥した。各組成物の配合比は[表3]に示す。
Figure 0006749843
組成物1は(Haake)逆回転ツインスクリューミニ押出機で、4バール、200℃、100rpm、滞留時間=3分、5回のパスで溶融ブレンドした。
組成物2は(Haake)逆回転ツインスクリューミニ押出機で、190℃、50rpm、滞留時間=5分間で溶融ブレンドした。
組成物3は(Haake)逆回転ツインスクリューミニ押出機で、4バール、200℃、100rpm、滞留時間=3分、5回のパスで溶融ブレンドした。
組成物4は(Haake)逆回転ツインスクリューミニ押出機で、190℃、50rpm、滞留時間=5分で溶融ブレンドした。
組成物2の熱的性質をPerkin−Elmer社のPyris Diamond 示差走査熱量計(DSC)を用いて分析した。標準としてインジウムを用いて較正した。試料はN2下で、20℃/分の速度で25℃から240℃へ加熱し、その後、240℃で等温下に3分間保持した後、20℃/分の速度で25℃まで冷却した。その後、20℃/分で240℃まで再加熱した。ガラス転移温度(Tg)、溶融温度(Tm)およびエンタルピ(ΔΗm)を測定した。[図1]は組成物2のDSCサーモグラムを示す。
各組成物の機械性質はアイゾット衝撃試験機で調べた。ノッチなしアイゾット衝撃強度はISO規格180に従って23℃で測定した。ノッチなし試験片(9.99mm×4.21mm)(断面=42.1mm2)を垂直に片持ち梁として保持し、振り子で3.5m/秒で衝撃を加えた(5.5J)。結果は[表4]に示す。
Figure 0006749843
比較組成物として、オプションとして市販の衝撃改質剤を加えた下記のポリ−L−ラクチドを含む組成物をテストした:PLA6201(NatureWorks LLC社のIngeo(登録商標)6201D)またはPLA 2002D(NatureWorks LLC社)。これらPLA6201DおよびPLA2002Dの物理特性は[表5]に示す。衝撃改質剤としてはArkema社の不透明衝撃改質剤BioStrength(登録商標)150または透明なアクリルコア/シェルBioStrength(登録商標)280を使用した。
Figure 0006749843
組成物の機械的性質はアイゾット衝撃試験機で調べた。その結果は[表6]に示す。耐衝撃性改良剤を含む組成物は透明ではなかった。
Figure 0006749843

Claims (12)

  1. 下記(a)と(b):
    (a)ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体である第1ポリマーと、
    (b)ポリ−L−ラクチドである第2ポリマーと、
    を含む組成物であって、
    第1ポリマーを組成物の総重量に対して20〜50重量%含み、第2ポリマーを組成物の総重量に対して50〜80重量%含むことを特徴とする組成物。
  2. ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体が、PLLA−PBジブロック共重合体、PLLA−PB−PLLAトリブロックコポリマー、PLLA−PBマルチブロック共重合体、PLLA−PBスターコポリマー、PLLA−PB櫛形共重合体、PLLA−PB勾配ブロック共重合体およびこれらの混合物からなる群の中から選択される請求項1に記載の組成物。
  3. 少なくとも1種の第1ポリマーと少なくとも1種の第2ポリマーとを溶融ブレンドして得られる請求項1または2に記載の組成物。
  4. 組成物の総重量に対して25重量%〜50重量%のポリ−L−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体、組成物の総重量に対して50重量%〜75重量%の第2ポリマーを含む請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 組成物の総重量に対して25重量%〜50重量%のポリ−L−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体と、組成物の総重量に対して50重量%〜75重量%のポリ−L−ラクチドとを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体である第1ポリマー(a)と、ポリ−L−ラクチドである第2ポリマー(b)とを接触する工程を含み、その際に第1ポリマーは組成物の総重量に対して20重量%〜50重量%とし、第2ポリマーは組成物の総重量に対して50重量%〜80重量%とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  7. 上記接触工程が第1ポリマーと第2ポリマーとを溶融ブレンドすることから成る請求項に記載の方法。
  8. 160℃〜230℃の範囲の温度で溶融ブレンドする請求項またはに記載の方法。
  9. ポリ−L−ラクチド−ポリブタジエン(PLA−PB)ブロック共重合体とポリ−L−ラクチドとから成る混合物を溶融ブレンドする請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 25重量%〜50重量%のポリ−L−ラクチド−ポリブタジエンブロック共重合体と、50重量%〜75重量%のポリ−L−ラクチドを溶融ブレンドする請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. フィルム、シート、パイプ形および繊維への押出し成形または共押出し成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、発泡成形、熱成形の中から選択される1つまたは複数のポリマー加工技術を用いて上記組成物を加工する請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物または請求項11のいずれか一項に記載の方法を用いて得られる物品。
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