JP6749432B2 - 繊維配向材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、繊維配向材の製造方法に関する。
エレクトロスピニング法(電界紡糸法、電荷誘導紡糸法などとも称される)を用いて微細な繊維を形成し、形成された繊維を堆積させることで作成された堆積体がある。
エレクトロスピニング法を用いて形成された堆積体は、繊維がランダムに堆積しているため全方位における引張強度が低く、かつ引張強度のばらつきが大きくなる。この場合、繊維を堆積させる際に繊維を機械的に一方向に引っ張れば、堆積体における繊維が延びる方向を揃えることができる。繊維が延びる方向を揃えることができれば、繊維が延びる方向における堆積体の引張強度を高くすることができる。しかしながら、繊維を堆積させる際に繊維を機械的に一方向に引っ張るだけでは、当該方向における引張強度しか高くすることができない。
そのため、複数の方向における引張強度を高めることができる繊維配向材の製造方法の開発が望まれていた。
エレクトロスピニング法を用いて形成された堆積体は、繊維がランダムに堆積しているため全方位における引張強度が低く、かつ引張強度のばらつきが大きくなる。この場合、繊維を堆積させる際に繊維を機械的に一方向に引っ張れば、堆積体における繊維が延びる方向を揃えることができる。繊維が延びる方向を揃えることができれば、繊維が延びる方向における堆積体の引張強度を高くすることができる。しかしながら、繊維を堆積させる際に繊維を機械的に一方向に引っ張るだけでは、当該方向における引張強度しか高くすることができない。
そのため、複数の方向における引張強度を高めることができる繊維配向材の製造方法の開発が望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、複数の方向における引張強度を高めることができる繊維配向材の製造方法を提供することである。
実施形態に係る繊維配向材の製造方法は、エレクトロスピニング法を用いて繊維を形成し、前記繊維を堆積させて堆積体を形成する工程と、前記堆積体の少なくとも一部で形成された複数の堆積体シートを積み重ねる工程と、前記積み重ねられた複数の堆積体シートに揮発性の液体を供給する工程と、前記揮発性の液体を含む前記積み重ねられた複数の堆積体シートを乾燥させる工程と、を備えている。前記複数の堆積体シートを積み重ねる工程において、少なくとも1つの前記堆積体シートにおける前記繊維の延びる方向が、他の前記堆積体シートにおける前記繊維の延びる方向とは異なるようにする。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(繊維配向材)
図1(a)、(b)は、繊維配向材100を例示するための模式図である。
図1(a)は繊維配向材100の模式斜視図、図1(b)は図1(a)における繊維配向材100をZ方向から見た図である。
なお、図中における矢印X、Y、Zは互いに直交する三方向を表している。例えば、繊維配向材100の厚み方向(繊維配向材100の主面に垂直な方向)をZ方向としている。また、厚み方向に対して垂直な1つの方向をY方向とし、Z方向とY方向とに垂直な方向をX方向としている。
(繊維配向材)
図1(a)、(b)は、繊維配向材100を例示するための模式図である。
図1(a)は繊維配向材100の模式斜視図、図1(b)は図1(a)における繊維配向材100をZ方向から見た図である。
なお、図中における矢印X、Y、Zは互いに直交する三方向を表している。例えば、繊維配向材100の厚み方向(繊維配向材100の主面に垂直な方向)をZ方向としている。また、厚み方向に対して垂直な1つの方向をY方向とし、Z方向とY方向とに垂直な方向をX方向としている。
繊維配向材100は、繊維6を含んでいる。
繊維6は、例えば、エレクトロスピニング法を用いて形成することができる。
繊維6は、高分子物質を含んでいる。高分子物質は、例えば、工業材料や生体親和性材料などとすることができる。工業材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、アラミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホンなどとすることができる。生体親和性材料は、例えば、コラーゲン、ラミニン、ゼラチン、ポリアクリロニトリル、キチン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸などとすることができる。ただし、高分子物質は、例示をしたものに限定されるわけではない。
繊維6は、例えば、エレクトロスピニング法を用いて形成することができる。
繊維6は、高分子物質を含んでいる。高分子物質は、例えば、工業材料や生体親和性材料などとすることができる。工業材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、アラミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホンなどとすることができる。生体親和性材料は、例えば、コラーゲン、ラミニン、ゼラチン、ポリアクリロニトリル、キチン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸などとすることができる。ただし、高分子物質は、例示をしたものに限定されるわけではない。
また、繊維6同士は密着している。なお、後述する「密着工程」で用いる溶剤によっては、繊維6の一部分が溶融し、溶融した部分において繊維6同士が溶着している場合もあり得る。そのため、本明細書においては、繊維6同士が密着している状態、および、繊維6同士が密着しさらに一部が溶着している状態を「密着状態」と称する。
繊維配向材100においては、含まれている繊維6が密着状態にあるため、繊維6の直径寸法を測定することが難しい(図10(a)、(b)を参照)。
ただし、後述する引張強度の異方性や、分子の長軸が延びる方向などから、密着状態にある繊維6が存在することは証明できる。
また、後述する密着工程において、繊維6がなるべく溶解しないようにされるため、繊維配向材100に含まれる繊維6の直径寸法は、堆積体7に含まれる繊維6の直径寸法とすることができる。
ただし、後述する引張強度の異方性や、分子の長軸が延びる方向などから、密着状態にある繊維6が存在することは証明できる。
また、後述する密着工程において、繊維6がなるべく溶解しないようにされるため、繊維配向材100に含まれる繊維6の直径寸法は、堆積体7に含まれる繊維6の直径寸法とすることができる。
この場合、堆積体7に含まれる繊維6の平均直径は、0.05μm以上、5μm以下とすることができる。
堆積体7に含まれる繊維6の平均直径は、例えば、堆積体7の表面の電子顕微鏡写真を撮影し(図9を参照)、電子顕微鏡写真により確認されたランダムに100本の繊維6の直径寸法を平均することで求めることができる。
堆積体7に含まれる繊維6の平均直径は、例えば、堆積体7の表面の電子顕微鏡写真を撮影し(図9を参照)、電子顕微鏡写真により確認されたランダムに100本の繊維6の直径寸法を平均することで求めることができる。
含まれている繊維6が密着状態となっていれば、繊維配向材100の引張強度を高くすることができる。
引張強度は、定速伸張形引張試験機などにより測定することができる。この場合、引張強度は、例えば、JIS P8113に準拠して引張強さ(破断するまでの最大引張荷重)として測定することができる。
引張強度は、定速伸張形引張試験機などにより測定することができる。この場合、引張強度は、例えば、JIS P8113に準拠して引張強さ(破断するまでの最大引張荷重)として測定することができる。
また、繊維配向材100においては、Z方向(厚み方向)における所定の領域において、繊維6が延びる方向がほぼ揃っている。すなわち、繊維配向材100においては、Z方向における所定の領域において、繊維6が大体同じ方向に延びている。なお、本明細書においては、繊維6が大体同じ方向に延びていることを、繊維6が「配向」されていると称する。
また、繊維配向材100は、繊維6が第1の方向に配向されている領域と、繊維6が第1の方向と交差する第2の方向に配向されている領域とをZ方向(厚み方向)に有する。
また、繊維配向材100は、繊維6が第1の方向に配向されている領域と、繊維6が第1の方向と交差する第2の方向に配向されている領域とをZ方向(厚み方向)に有する。
例えば、図1(a)、(b)に例示をした繊維配向材100の場合には、繊維配向材100の表面領域においては繊維6がX方向に配向されている。また、繊維配向材100の表面領域の下方の領域においては、繊維6がY方向に配向されている。なお、前述したように、繊維6と繊維6は密着状態となっているが煩雑となるのを避けるために、図1(a)、(b)においては繊維6が延びる様子のみを描いている。
ここで、繊維6が配向されていれば、繊維6の配向方向における繊維配向材100の引張強度は高くなる。一方、繊維6が延びる方向と直交する方向における繊維配向材100の引張強度は低くなる。
しかしながら、繊維配向材100は、繊維6の配向方向が第1の方向となっている領域と、繊維6の配向方向が第1の方向と交差する第2の方向となっている領域とを有しているので、第1の方向および第2の方向における引張強度を高くすることができる。すなわち、繊維配向材100によれば、複数の方向における引張強度を高めることができる。
また、第1の方向と第2の方向との間の角度を変化させれば、引張強度が高い方向を変化させることができる。すなわち、Z方向と直交する方向において、引張強度が高くなる方向を任意に設定することができる。
しかしながら、繊維配向材100は、繊維6の配向方向が第1の方向となっている領域と、繊維6の配向方向が第1の方向と交差する第2の方向となっている領域とを有しているので、第1の方向および第2の方向における引張強度を高くすることができる。すなわち、繊維配向材100によれば、複数の方向における引張強度を高めることができる。
また、第1の方向と第2の方向との間の角度を変化させれば、引張強度が高い方向を変化させることができる。すなわち、Z方向と直交する方向において、引張強度が高くなる方向を任意に設定することができる。
例えば、図1(a)、(b)に例示をした繊維配向材100は、繊維6がX方向に配向された領域と、繊維6がY方向に配向された領域とを有しているので、X方向およびY方向における引張強度を高くすることができる。
また、繊維配向材100が、繊維6がX方向に対して45°傾いて配向された領域をさらに有していれば、X方向に対して45°傾いた方向における引張強度をも高くすることができる。そのため、三方向における引張強度を高くすることができる。つまり、繊維6の配向方向が引張強度が高くなる方向となるので、繊維6の配向方向が互いに異なる領域の数が多くなれば、引張強度がより等方的になる。
なお、繊維6の配向方向が互いに異なる領域の数および組み合わせ、各領域における繊維6の配向方向は、図1(a)、(b)に例示をしたものに限定されるわけではない。
また、繊維配向材100が、繊維6がX方向に対して45°傾いて配向された領域をさらに有していれば、X方向に対して45°傾いた方向における引張強度をも高くすることができる。そのため、三方向における引張強度を高くすることができる。つまり、繊維6の配向方向が引張強度が高くなる方向となるので、繊維6の配向方向が互いに異なる領域の数が多くなれば、引張強度がより等方的になる。
なお、繊維6の配向方向が互いに異なる領域の数および組み合わせ、各領域における繊維6の配向方向は、図1(a)、(b)に例示をしたものに限定されるわけではない。
図2(a)〜(c)は、Z方向と直交する方向における引張強度の分布を例示するための模式グラフ図である。
なお、X方向を0°と180°の方向、Y方向を90°と270°の方向としている。 また、図2(a)は、繊維6がX方向に配向されている堆積体7の場合である。堆積体7は、繊維6を機械的に一方向に引っ張って堆積させることで形成した。例えば、後述する図3に示すように、回転する収集部4を有するエレクトロスピニング装置1を用いて、繊維6を巻き取る方向に引っ張るとともに堆積させれば、含まれている繊維6が配向されている(繊維6が大体同じ方向に延びている)堆積体7を形成することができる。図2(a)は、堆積体7における繊維6の配向方向をX方向とした場合である。なお、堆積体7の製造方法については後述する。
図2(b)は、繊維配向シート70の場合である。繊維配向シート70においては、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がX方向に配向されている。この場合、堆積体7に比べて、繊維6が延びる方向がより揃っている。繊維配向シート70は、揮発性の液体201を堆積体7に供給し、揮発性の液体201を含む堆積体7を乾燥させることで形成した。なお、繊維配向シート70の製造方法は、後述する繊維配向材100の製造方法と同様とすることができる。
図2(c)は、本実施の形態に係る繊維配向材100の場合である。ただし、繊維配向材100は、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がX方向に配向された領域と、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がY方向に配向された領域とを有する。なお、繊維配向材100の製造方法については後述する。
なお、X方向を0°と180°の方向、Y方向を90°と270°の方向としている。 また、図2(a)は、繊維6がX方向に配向されている堆積体7の場合である。堆積体7は、繊維6を機械的に一方向に引っ張って堆積させることで形成した。例えば、後述する図3に示すように、回転する収集部4を有するエレクトロスピニング装置1を用いて、繊維6を巻き取る方向に引っ張るとともに堆積させれば、含まれている繊維6が配向されている(繊維6が大体同じ方向に延びている)堆積体7を形成することができる。図2(a)は、堆積体7における繊維6の配向方向をX方向とした場合である。なお、堆積体7の製造方法については後述する。
図2(b)は、繊維配向シート70の場合である。繊維配向シート70においては、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がX方向に配向されている。この場合、堆積体7に比べて、繊維6が延びる方向がより揃っている。繊維配向シート70は、揮発性の液体201を堆積体7に供給し、揮発性の液体201を含む堆積体7を乾燥させることで形成した。なお、繊維配向シート70の製造方法は、後述する繊維配向材100の製造方法と同様とすることができる。
図2(c)は、本実施の形態に係る繊維配向材100の場合である。ただし、繊維配向材100は、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がX方向に配向された領域と、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がY方向に配向された領域とを有する。なお、繊維配向材100の製造方法については後述する。
図2(a)に示すように、堆積体7においては、繊維6がX方向に配向されているので、X方向における引張強度が、Y方向における引張強度よりも高くなる。ただし、繊維6は、単に堆積しているだけのため引張強度の値は低くなる。
図2(b)に示すように、繊維配向シート70においては、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6が延びる方向がより揃っているので、堆積体7に比べて、X方向における引張強度を高くすることができる。また、繊維6同士が密着しているので、堆積体7に比べて、Y方向における引張強度を高くすることができる。
図2(b)に示すように、繊維配向シート70においては、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6が延びる方向がより揃っているので、堆積体7に比べて、X方向における引張強度を高くすることができる。また、繊維6同士が密着しているので、堆積体7に比べて、Y方向における引張強度を高くすることができる。
図2(c)に示すように、繊維配向材100は、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がX方向に配向された領域と、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がY方向に配向された領域とを有しているので、X方向およびY方向における引張強度を高くすることができる。また、繊維配向シート70に比べて、X方向とY方向との間の方向における引張強度を高くすることができる。
すなわち、繊維配向材100の中心を通る線と、引張方向とのなす角度が0°以上180°未満の範囲において、引張強度が極大となる引張方向が2つ(0°の方向、90°の方向)ある。この場合、引張強度が極大となる引張方向は繊維6の配向方向である。なお、図2(c)に例示をした繊維配向材100には、繊維6がX方向に配向された領域と、繊維6がY方向に配向された領域とが設けられているので、引張強度が極大となる引張方向は0°の方向と90°の方向となる。
この場合、繊維6の配向方向が互いに異なる領域の数が多くなれば、引張強度が極大となる引張方向の数も多くなる。すなわち、繊維配向材100の中心を通る線と、引張方向とのなす角度が0°以上180°未満の範囲において、引張強度が極大となる引張方向は2つ以上ある。
この場合、繊維6の配向方向が互いに異なる領域の数が多くなれば、引張強度が極大となる引張方向の数も多くなる。すなわち、繊維配向材100の中心を通る線と、引張方向とのなす角度が0°以上180°未満の範囲において、引張強度が極大となる引張方向は2つ以上ある。
例えば、繊維6の材料がコラーゲンである場合には、X方向における引張強度をF1とし、Z方向と垂直で且つX方向とは異なる方向における引張強度をF2とした場合、F1およびF2は30MPa以上とすることができる。例えば、Z方向と垂直で且つX方向とは異なる方向がY方向である場合には、F1およびF2は70MPa以上とすることができた(図18を参照)。また、X方向とY方向との間の方向における引張強度の最小値は67MPa以上とすることができる。
なお、繊維6の材料がコラーゲンである場合には、堆積体7のX方向における引張強度F1は3.1MPa〜5.5MPa程度であり、Y方向における引張強度F2は0.5MPa〜0.6MPa程度である(図17を参照)。
また、繊維6の材料がコラーゲンである場合には、繊維配向シート70のX方向における引張強度F1は60MPa程度であり、Y方向における引張強度F2は27MPa程度である(図18を参照)。
また、繊維6の材料がコラーゲンである場合には、繊維配向シート70のX方向における引張強度F1は60MPa程度であり、Y方向における引張強度F2は27MPa程度である(図18を参照)。
この場合、堆積体7におけるF2/F1は0.09〜0.19程度、繊維配向シート70におけるF2/F1は0.45程度である。
これに対して、繊維配向材100におけるF2/F1は、理想的には1となる。ただし、実際には、各領域において繊維6の数や繊維6が延びる方向にはばらつきがあるので、F2/F1は、以下の式のようになる。
0.7≦F2/F1≦1.5
また、厚み方向において、繊維配向材100の各領域は密着している。そのため、繊維配向材100の厚み方向における引張強度は、0.18MPa以上となる。
なお、堆積体7の厚み方向における引張強度は、0.00052MPa程度である。
これに対して、繊維配向材100におけるF2/F1は、理想的には1となる。ただし、実際には、各領域において繊維6の数や繊維6が延びる方向にはばらつきがあるので、F2/F1は、以下の式のようになる。
0.7≦F2/F1≦1.5
また、厚み方向において、繊維配向材100の各領域は密着している。そのため、繊維配向材100の厚み方向における引張強度は、0.18MPa以上となる。
なお、堆積体7の厚み方向における引張強度は、0.00052MPa程度である。
また、延伸された高分子物質においては、分子の長軸が延びる方向(分子軸)が、高分子物質(繊維6)が延びる方向となる傾向がある。そのため、繊維配向材100の表面における分子の長軸が延びる方向を調べれば、繊維6が延びる方向、ひいては、繊維6が配向されているか否かが分かる。
分子の長軸が延びる方向は、高分子物質の種類に応じた構造決定方法を用いて知ることができる。
例えば、ポリスチレンなどの場合にはラマン分光法を用いることができ、ポリイミドなどの場合には偏光吸光度分析法を用いることができる。
ここでは一例として、高分子物質がコラーゲンなどのアミド基を有する有機化合物である場合を説明する。アミド基を有する有機化合物の場合には、例えば、赤外分光法の一種である偏光FT−IR−ATR法(偏光フーリエ変換赤外分光法)を用いて分子の長軸が延びる方向、ひいては繊維6が配向されているか否かを知ることができる。
分子の長軸が延びる方向は、高分子物質の種類に応じた構造決定方法を用いて知ることができる。
例えば、ポリスチレンなどの場合にはラマン分光法を用いることができ、ポリイミドなどの場合には偏光吸光度分析法を用いることができる。
ここでは一例として、高分子物質がコラーゲンなどのアミド基を有する有機化合物である場合を説明する。アミド基を有する有機化合物の場合には、例えば、赤外分光法の一種である偏光FT−IR−ATR法(偏光フーリエ変換赤外分光法)を用いて分子の長軸が延びる方向、ひいては繊維6が配向されているか否かを知ることができる。
この場合、以下の様にして、繊維配向材100の表面を偏光FT−IR−ATR法により分析して、分子の長軸が延びる方向を求めることができる。
波数が1640cm−1の場合の吸収強度をT1、波数が1540cm−1の場合の吸収強度をT2とする。
この場合、吸収強度T1は、分子の長軸が延びる方向と直交する方向における吸収強度となる。吸収強度T2は、分子の長軸が延びる方向における吸収強度となる。
そのため、所定の偏光方向における吸光度比R1(T1/T2)が小さくなれば、その偏光方向に延びている分子が多いことが分かる。
波数が1640cm−1の場合の吸収強度をT1、波数が1540cm−1の場合の吸収強度をT2とする。
この場合、吸収強度T1は、分子の長軸が延びる方向と直交する方向における吸収強度となる。吸収強度T2は、分子の長軸が延びる方向における吸収強度となる。
そのため、所定の偏光方向における吸光度比R1(T1/T2)が小さくなれば、その偏光方向に延びている分子が多いことが分かる。
また、所定の偏光方向と繊維配向材100のなす角度を変えて吸光度比を測定した場合に、最大の吸光度比R1と、最小の吸光度比R2を求め、R1/R2を配向度パラメータとすることができる。
本実施の形態に係る繊維配向材100においては、R1/R2が大きくなる。例えば、後述するように、R1/R2は、1.05以上となる。
本実施の形態に係る繊維配向材100においては、R1/R2が大きくなる。例えば、後述するように、R1/R2は、1.05以上となる。
R1/R2が大きいということは、分子の長軸が延びる方向が揃っていることを意味している。
また、前述したように、延伸された高分子物質においては、分子の長軸が延びる方向が、繊維6が延びる方向となる傾向がある。そのため、R1/R2が大きいということは、繊維6が配向されている(繊維6が延びる方向が揃っている)ことを意味している。
また、前述したように、延伸された高分子物質においては、分子の長軸が延びる方向が、繊維6が延びる方向となる傾向がある。そのため、R1/R2が大きいということは、繊維6が配向されている(繊維6が延びる方向が揃っている)ことを意味している。
以上に説明したように、本実施の形態に係る繊維配向材100は、複数の方向における引張強度を高めることができる。そのため、機械的な強度が要求される技術分野(例えば、一般的な工業分野や、外科治療などの医療分野)において用いることが可能となる。
またさらに、例えば、生体組織の三次元培養などの特定の技術分野においては、繊維6に含まれる高分子物質の分子の長軸が延びる方向が揃っている(R1/R2が大きい)ことが重要となる場合がある。
本実施の形態に係る繊維配向材100は、繊維6に含まれる高分子物質の分子の長軸が延びる方向が揃っている(R1/R2が大きい)ので、生体組織の三次元培養などの特定の技術分野にも用いることが可能となる。
またさらに、例えば、生体組織の三次元培養などの特定の技術分野においては、繊維6に含まれる高分子物質の分子の長軸が延びる方向が揃っている(R1/R2が大きい)ことが重要となる場合がある。
本実施の形態に係る繊維配向材100は、繊維6に含まれる高分子物質の分子の長軸が延びる方向が揃っている(R1/R2が大きい)ので、生体組織の三次元培養などの特定の技術分野にも用いることが可能となる。
(繊維配向材100の製造方法)
次に、本実施の形態に係る繊維配向材100の製造方法について説明する。
まず、エレクトロスピニング装置1を用いて、微細な繊維6を形成し、形成された繊維6を堆積させて堆積体7を形成する。また、形成された繊維6を堆積させる際に、繊維6を機械的に一方向に引っ張ることで、堆積体7における繊維6が延びる方向がなるべく揃うようにする。
次に、本実施の形態に係る繊維配向材100の製造方法について説明する。
まず、エレクトロスピニング装置1を用いて、微細な繊維6を形成し、形成された繊維6を堆積させて堆積体7を形成する。また、形成された繊維6を堆積させる際に、繊維6を機械的に一方向に引っ張ることで、堆積体7における繊維6が延びる方向がなるべく揃うようにする。
図3は、エレクトロスピニング装置1を例示するための模式図である。
図3に示すように、エレクトロスピニング装置1には、ノズル2、電源3、および収集部4が設けられている。
ノズル2には、原料液5を排出するための孔が設けられている。
電源3は、ノズル2に所定の極性の電圧を印加する。例えば、電源3は、ノズル2と収集部4との間の電位差が10kV以上となるように、ノズル2に電圧を印加する。ノズル2に印加する電圧の極性は、プラスとすることもできるし、マイナスとすることもできる。なお、図3に例示をした電源3は、ノズル2にプラスの電圧を印加する。
収集部4は、ノズル2の原料液5が排出される側に設けられている。収集部4は、接地されている。収集部4には、ノズル2に印加する電圧と逆極性の電圧を印加するようにしてもよい。また、収集部4は、円柱状を呈し、回転するようになっている。
図3に示すように、エレクトロスピニング装置1には、ノズル2、電源3、および収集部4が設けられている。
ノズル2には、原料液5を排出するための孔が設けられている。
電源3は、ノズル2に所定の極性の電圧を印加する。例えば、電源3は、ノズル2と収集部4との間の電位差が10kV以上となるように、ノズル2に電圧を印加する。ノズル2に印加する電圧の極性は、プラスとすることもできるし、マイナスとすることもできる。なお、図3に例示をした電源3は、ノズル2にプラスの電圧を印加する。
収集部4は、ノズル2の原料液5が排出される側に設けられている。収集部4は、接地されている。収集部4には、ノズル2に印加する電圧と逆極性の電圧を印加するようにしてもよい。また、収集部4は、円柱状を呈し、回転するようになっている。
原料液5は、高分子物質を溶媒に溶解したものである。
高分子物質には特に限定がなく、形成したい繊維6の材質に応じて適宜変更することができる。高分子物質は、例えば、前述したものと同様とすることができる。
高分子物質には特に限定がなく、形成したい繊維6の材質に応じて適宜変更することができる。高分子物質は、例えば、前述したものと同様とすることができる。
溶媒は、高分子物質を溶解することができるものであればよい。溶媒は、溶解させる高分子物質に応じて適宜変更することができる。溶媒は、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロ−2−プロパノールなど)、アセトン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどとすることができる。
また、無機電解質、有機電解質、界面活性剤、消泡剤などの添加剤を使用してもよい。 なお、高分子物質および溶媒は、例示をしたものに限定されるわけではない。
また、無機電解質、有機電解質、界面活性剤、消泡剤などの添加剤を使用してもよい。 なお、高分子物質および溶媒は、例示をしたものに限定されるわけではない。
原料液5は、表面張力によりノズル2の排出口の近傍に留まっている。
電源3は、ノズル2に電圧を印加する。すると、排出口の近傍にある原料液5が所定の極性に帯電する。図3に例示をしたものの場合には、排出口の近傍にある原料液5がプラスに帯電する。
収集部4は、接地されているので、ノズル2と収集部4の間に電界が形成される。そして、電気力線に沿って作用する静電力が表面張力より大きくなると、排出口の近傍にある原料液5が静電力により収集部4に向けて引き出される。引き出された原料液は、引き伸ばされ、原料液に含まれる溶媒が揮発することで繊維6が形成される。形成された繊維6が回転している収集部4の上に堆積することで、堆積体7が形成される。また、回転している収集部4の上に繊維6が堆積する際に、繊維6が回転方向に引っ張られる。形成された繊維6を堆積させる際に、繊維6を機械的に一方向に引っ張ることで、堆積体7における繊維6が延びる方向が揃えられる。
電源3は、ノズル2に電圧を印加する。すると、排出口の近傍にある原料液5が所定の極性に帯電する。図3に例示をしたものの場合には、排出口の近傍にある原料液5がプラスに帯電する。
収集部4は、接地されているので、ノズル2と収集部4の間に電界が形成される。そして、電気力線に沿って作用する静電力が表面張力より大きくなると、排出口の近傍にある原料液5が静電力により収集部4に向けて引き出される。引き出された原料液は、引き伸ばされ、原料液に含まれる溶媒が揮発することで繊維6が形成される。形成された繊維6が回転している収集部4の上に堆積することで、堆積体7が形成される。また、回転している収集部4の上に繊維6が堆積する際に、繊維6が回転方向に引っ張られる。形成された繊維6を堆積させる際に、繊維6を機械的に一方向に引っ張ることで、堆積体7における繊維6が延びる方向が揃えられる。
なお、繊維6を機械的に一方向に引っ張る方法は例示をしたものに限定されるわけではない。例えば、繊維6が引き出される方向にガスを流し、ガス流により繊維6を機械的に一方向に引っ張ることもできる。
図4(a)、(b)は、堆積体7の電子顕微鏡写真である。
図4(a)は、静止した平板状の収集部に繊維6を堆積した場合の電子顕微鏡写真である。
図4(b)は、回転している収集部4の上に繊維6を堆積した場合の電子顕微鏡写真である。
図4(a)、(b)から分かるように、形成された繊維6を堆積させる際に、繊維6を機械的に一方向に引っ張れば、堆積体7における繊維6が延びる方向をある程度揃えることができる。また、繊維6同士の間の隙間(空隙)を少なくすることができる。
ところが、回転する収集部4やガス流により繊維6を機械的に一方向に引っ張ると、風や電界の乱れが発生する。そのため、繊維6を機械的に一方向に引っ張るだけでは、繊維6が延びる方向を揃えることに限界がある。
また、繊維6が延びる方向を揃えることができたとしても、一方向に限られる。
また、繊維6同士を密着させることはできない。
図4(a)は、静止した平板状の収集部に繊維6を堆積した場合の電子顕微鏡写真である。
図4(b)は、回転している収集部4の上に繊維6を堆積した場合の電子顕微鏡写真である。
図4(a)、(b)から分かるように、形成された繊維6を堆積させる際に、繊維6を機械的に一方向に引っ張れば、堆積体7における繊維6が延びる方向をある程度揃えることができる。また、繊維6同士の間の隙間(空隙)を少なくすることができる。
ところが、回転する収集部4やガス流により繊維6を機械的に一方向に引っ張ると、風や電界の乱れが発生する。そのため、繊維6を機械的に一方向に引っ張るだけでは、繊維6が延びる方向を揃えることに限界がある。
また、繊維6が延びる方向を揃えることができたとしても、一方向に限られる。
また、繊維6同士を密着させることはできない。
そこで、本実施の形態に係る繊維配向材100の製造方法においては、以下に説明をする密着工程を行うことで、繊維6同士を密着させるとともに、繊維6を配向させるようにしている。
まず、所望の方向に延びている繊維6が含まれるように、堆積体7から堆積体シート7a、堆積体シート7b、堆積体シート7cを切り出す。
図5は、堆積体シート7a〜7cの切り出しを例示するための模式図である。
図5に示すように、堆積体7における繊維6が延びる方向を基準に、堆積体シート7a〜7cの回転方向の位置を変えて堆積体シート7a〜7cを切り出せば、所望の方向に延びている繊維6が含まれる堆積体シート7a〜7cを得ることができる。
例えば、堆積体シート7aは、繊維6がX方向に延びているシートとすることができる。堆積体シート7bは、繊維6がY方向に延びているシートとすることができる。堆積体シート7cは、繊維6がX方向に対して45°傾いて延びているシートとすることができる。
なお、堆積体シートの数や形状、各堆積体シートにおける繊維6が延びる方向は例示をしたものに限定されるわけではない。
なお、以下においては、一例として、堆積体シート7a、7bを用いて繊維配向材100を製造する場合を説明する。
図5は、堆積体シート7a〜7cの切り出しを例示するための模式図である。
図5に示すように、堆積体7における繊維6が延びる方向を基準に、堆積体シート7a〜7cの回転方向の位置を変えて堆積体シート7a〜7cを切り出せば、所望の方向に延びている繊維6が含まれる堆積体シート7a〜7cを得ることができる。
例えば、堆積体シート7aは、繊維6がX方向に延びているシートとすることができる。堆積体シート7bは、繊維6がY方向に延びているシートとすることができる。堆積体シート7cは、繊維6がX方向に対して45°傾いて延びているシートとすることができる。
なお、堆積体シートの数や形状、各堆積体シートにおける繊維6が延びる方向は例示をしたものに限定されるわけではない。
なお、以下においては、一例として、堆積体シート7a、7bを用いて繊維配向材100を製造する場合を説明する。
次に、密着工程を行うことで、堆積体シート7a、7bに含まれている繊維6同士を密着させるとともに、繊維6を配向させる。
図6〜図8(b)は、密着工程を例示するための模式図である。
まず、図6に示すように、基台などの上に堆積体シート7a、7bを重ねて載置する。この際、図6に示すように堆積体シート7a、7bを交互に載置することもできるし、複数の堆積体シート7bを載置し、その上に複数の堆積体シート7aを載置することもできるし、最初に堆積体シート7aを載置することもできる。すなわち、載置の順番や堆積体シート7a、7bの組み合わせは適宜変更することができる。
図6〜図8(b)は、密着工程を例示するための模式図である。
まず、図6に示すように、基台などの上に堆積体シート7a、7bを重ねて載置する。この際、図6に示すように堆積体シート7a、7bを交互に載置することもできるし、複数の堆積体シート7bを載置し、その上に複数の堆積体シート7aを載置することもできるし、最初に堆積体シート7aを載置することもできる。すなわち、載置の順番や堆積体シート7a、7bの組み合わせは適宜変更することができる。
次に、図7(a)に示すように、積み重ねた堆積体シート7a、7bに揮発性の液体201を供給する。例えば、積み重ねた堆積体シート7a、7bを液体201に浸漬させたり、霧状の液体201を吹き付けたり、積み重ねた堆積体シート7a、7bの上に、液体201をしみ込ませた布を載置するなどの方法がある。
揮発性の液体201には特に限定はないが、繊維6がなるべく溶解しないものとすることが好ましい。揮発性の液体201は、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、アルコール水溶液、アセトン、アセトニトリル、エチレングリコールなどとすることができる。
図7(b)に示すように、積み重ねた堆積体シート7a、7bに揮発性の液体201を供給しただけでは、繊維6同士は密着しない。
揮発性の液体201には特に限定はないが、繊維6がなるべく溶解しないものとすることが好ましい。揮発性の液体201は、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、アルコール水溶液、アセトン、アセトニトリル、エチレングリコールなどとすることができる。
図7(b)に示すように、積み重ねた堆積体シート7a、7bに揮発性の液体201を供給しただけでは、繊維6同士は密着しない。
次に、図8(a)〜(c)に示すように、揮発性の液体201を含む堆積体シート7a、7bを乾燥させる。
乾燥手段には特に限定はない。例えば、揮発性の液体201を含む堆積体シート7a、7bを密閉容器内で自然乾燥させることができる。この様にすれば、揮発性の液体201の蒸発速度を制御するのが容易となる。
乾燥手段には特に限定はない。例えば、揮発性の液体201を含む堆積体シート7a、7bを密閉容器内で自然乾燥させることができる。この様にすれば、揮発性の液体201の蒸発速度を制御するのが容易となる。
この場合、揮発性の液体201を含む堆積体シート7a、7bを乾燥させれば、図8(a)に示すように、堆積体シート7a、7bは、X、Y、Z方向に収縮する。
これに対し、基台と堆積体シート7a、7bとの密着力を利用すれば、図8(b)に示すように、堆積体シート7a、7bのX、Y方向の収縮量をZ方向の収縮量より少なくすることができる。
これに対し、基台と堆積体シート7a、7bとの密着力を利用すれば、図8(b)に示すように、堆積体シート7a、7bのX、Y方向の収縮量をZ方向の収縮量より少なくすることができる。
ここで、繊維6と繊維6の間にある揮発性の液体201には、毛管力が働いている。すなわち、繊維6と繊維6を密着させる方向に力が加わっている。そのため、乾燥が進むにつれ(揮発性の液体201が除去されるにつれ)、繊維6と繊維6の間の距離が縮まり、図8(c)に示すように、繊維6同士が密着状態となる。また、繊維6が配向される。繊維6同士の密着と、繊維6の配向は、積み重ねた堆積体シート7a、7bのそれぞれにおいて生じる。また、堆積体シート7aとシート7bが密着して一体化される。
そのため、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がX方向に配向された領域と、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がY方向に配向された領域とを2つずつ有する繊維配向材100が形成される。
以上の様にして、本実施の形態に係る繊維配向材100を製造することができる。
なお、堆積体シート7aのみを用いれば、繊維配向シート70を製造することができる。
そのため、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がX方向に配向された領域と、繊維6同士が密着し、且つ、繊維6がY方向に配向された領域とを2つずつ有する繊維配向材100が形成される。
以上の様にして、本実施の形態に係る繊維配向材100を製造することができる。
なお、堆積体シート7aのみを用いれば、繊維配向シート70を製造することができる。
図9は、堆積体シート7a、7bの表面の電子顕微鏡写真である。図9は、揮発性の液体201が供給される前の繊維6の状態を表している。
図10(a)、(b)は、繊維配向材100の表面の電子顕微鏡写真である。
図10(a)は、繊維配向材100の表面の電子顕微鏡写真である。
図10(b)は、繊維配向材100の表面の電子顕微鏡写真である。
図10(a)、(b)は、揮発性の液体201が除去(乾燥)された後の繊維6の状態を表している。
図10(a)、(b)は、繊維配向材100の表面の電子顕微鏡写真である。
図10(a)は、繊維配向材100の表面の電子顕微鏡写真である。
図10(b)は、繊維配向材100の表面の電子顕微鏡写真である。
図10(a)、(b)は、揮発性の液体201が除去(乾燥)された後の繊維6の状態を表している。
図9、図10(a)、(b)から分かるように、前述した密着工程を行えば、繊維6同士が密着した状態となる。
繊維6同士が密着した状態となれば、繊維6が延びる方向をさらに揃えることができる。すなわち、繊維配向材100においては、繊維6が配向されている。
なお、繊維配向材100において、繊維6同士が密着した状態となっており、また、繊維6が配向されていることは、前述した引張強度の異方性や、分子の長軸が延びる方向などにより確認することもできる。
繊維6同士が密着した状態となれば、繊維6が延びる方向をさらに揃えることができる。すなわち、繊維配向材100においては、繊維6が配向されている。
なお、繊維配向材100において、繊維6同士が密着した状態となっており、また、繊維6が配向されていることは、前述した引張強度の異方性や、分子の長軸が延びる方向などにより確認することもできる。
またさらに、光学顕微鏡を用いれば繊維6に由来する配向の方向を確認することができる。
図11(a)、(b)は、繊維配向材100の表面の光学顕微鏡写真である。
図11(a)は、繊維配向材100の表面の光学顕微鏡写真である。
図11(b)は、繊維配向材100の表面の光学顕微鏡写真である。
図11(a)、(b)から分かるように、繊維配向材100の表面を光学顕微鏡により観察すると、ピッチ寸法Pが100μm程度の縞構造を確認することができる。
この様な縞構造は、揮発性の液体201が除去されて繊維6同士が密着するにつれて、複数の繊維6の束が集合体となって一定間隔で収縮したため形成されたものと考えられる。
図11(a)、(b)は、繊維配向材100の表面の光学顕微鏡写真である。
図11(a)は、繊維配向材100の表面の光学顕微鏡写真である。
図11(b)は、繊維配向材100の表面の光学顕微鏡写真である。
図11(a)、(b)から分かるように、繊維配向材100の表面を光学顕微鏡により観察すると、ピッチ寸法Pが100μm程度の縞構造を確認することができる。
この様な縞構造は、揮発性の液体201が除去されて繊維6同士が密着するにつれて、複数の繊維6の束が集合体となって一定間隔で収縮したため形成されたものと考えられる。
(実施例)
以下、実施例に基づいて繊維配向材100をさらに詳細に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
まず、以下のようにして堆積体7を形成した。
高分子物質は、生体親和性材料であるコラーゲンとした。
溶媒は、トリフルオロエタノールと、純水の混合溶媒とした。
原料液5は、2wt%〜10wt%のコラーゲンと、80wt%〜97wt%のトリフルオロエタノールと、1wt%〜15wt%の純水との混合液とした。
エレクトロスピニング装置1は、図3に例示をした回転する収集部4を有するものとした。
エレクトロスピニング装置1により形成された繊維6は、コラーゲンを10wt%以上含むものとなった。
また、繊維6の直径寸法は、70nm〜180nm程度であった。
また、回転する収集部4により繊維6を機械的に一方向に引っ張ることで、堆積体7における繊維6が延びる方向をある程度揃えた。この場合、堆積体7における繊維6の状態は、前述した図9に示したものとなった。
以下、実施例に基づいて繊維配向材100をさらに詳細に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
まず、以下のようにして堆積体7を形成した。
高分子物質は、生体親和性材料であるコラーゲンとした。
溶媒は、トリフルオロエタノールと、純水の混合溶媒とした。
原料液5は、2wt%〜10wt%のコラーゲンと、80wt%〜97wt%のトリフルオロエタノールと、1wt%〜15wt%の純水との混合液とした。
エレクトロスピニング装置1は、図3に例示をした回転する収集部4を有するものとした。
エレクトロスピニング装置1により形成された繊維6は、コラーゲンを10wt%以上含むものとなった。
また、繊維6の直径寸法は、70nm〜180nm程度であった。
また、回転する収集部4により繊維6を機械的に一方向に引っ張ることで、堆積体7における繊維6が延びる方向をある程度揃えた。この場合、堆積体7における繊維6の状態は、前述した図9に示したものとなった。
図12は、エレクトロスピニング装置1により形成された繊維6におけるコラーゲン分子の配向を例示するための模式図である。
図13(a)〜(d)は、繊維6の表面の原子間力顕微鏡写真である。
図13(a)は、形状像である。図13(b)は、位相像である。図13(c)は、図13(a)中のA部の拡大写真である。図13(d)は、図13(b)中のB部の拡大写真である。
図13(a)〜(d)は、繊維6の表面の原子間力顕微鏡写真である。
図13(a)は、形状像である。図13(b)は、位相像である。図13(c)は、図13(a)中のA部の拡大写真である。図13(d)は、図13(b)中のB部の拡大写真である。
原子間力顕微鏡で位相像を取得すれば、繊維6の表面の弾性率変化を解析することができる。すなわち、位相像により、繊維6の表面における硬さ(弾性率)の差に由来にする筋状のコントラストを確認することができる。
図13(a)〜(d)から分かるように、エレクトロスピニング装置1により形成された繊維6の表面を原子間力顕微鏡で分析すると、繊維6の軸方向に硬さの差に由来する筋状のコントラストを確認することができる。
この様な構成を有する繊維6を配向させれば、高い分子配向度を得ることができるものと考えられる。
図13(a)〜(d)から分かるように、エレクトロスピニング装置1により形成された繊維6の表面を原子間力顕微鏡で分析すると、繊維6の軸方向に硬さの差に由来する筋状のコントラストを確認することができる。
この様な構成を有する繊維6を配向させれば、高い分子配向度を得ることができるものと考えられる。
次に、堆積体7から堆積体シート7a、7bを切り出し、堆積体シート7a、7bを積み重ねた。
次に、積み重ねた堆積体シート7a、7bにエタノールを供給した。エタノールの濃度は、40wt%〜ほぼ100wt%とした。エタノールの供給は、大気中で行った。エタノールの温度は室温とした。
次に、積み重ねた堆積体シート7a、7bにエタノールを供給した。エタノールの濃度は、40wt%〜ほぼ100wt%とした。エタノールの供給は、大気中で行った。エタノールの温度は室温とした。
次に、エタノールを含む堆積体シート7a、7bを乾燥させた。
乾燥は、密閉した容器内で行った。容器内の圧力は大気圧とした。容器内の温度は室温とした。すなわち、エタノールを含む堆積体シート7a、7bを密閉容器内で自然乾燥させた。
この場合、前述したように、エタノールを含む堆積体シート7a、7bを乾燥させて、X、Y、Z方向に収縮した堆積体シート7a、7bを得ることもできるし、基台と堆積体シート7a、7bとの密着力を利用してX、Y方向の収縮量がZ方向の収縮量より少ない堆積体シート7a、7bを得ることもできる。なお、基台と堆積体シート7a、7bの密着力を利用する場合には、ポリスチレンを含む基台を用いればよい。
乾燥は、密閉した容器内で行った。容器内の圧力は大気圧とした。容器内の温度は室温とした。すなわち、エタノールを含む堆積体シート7a、7bを密閉容器内で自然乾燥させた。
この場合、前述したように、エタノールを含む堆積体シート7a、7bを乾燥させて、X、Y、Z方向に収縮した堆積体シート7a、7bを得ることもできるし、基台と堆積体シート7a、7bとの密着力を利用してX、Y方向の収縮量がZ方向の収縮量より少ない堆積体シート7a、7bを得ることもできる。なお、基台と堆積体シート7a、7bの密着力を利用する場合には、ポリスチレンを含む基台を用いればよい。
以上の様にして、コラーゲンを含む繊維配向材100を製造した。この場合、繊維配向材100における繊維6の状態は、前述した図10(a)、(b)、図11(a)、(b)に示したものとなった。
繊維配向材100に含まれる空隙は、図10(a)、(b)、図11(a)、(b)により確認できないほど僅かなものとなった。
図14は、引張試験に用いる試験片C、D、Eを例示するための模式図である。
図14に示すように、試験片の長手方向が繊維6が延びる方向に平行なものを試験片C、試験片の長手方向が繊維6が延びる方向に垂直なものを試験片D、試験片の長手方向と繊維6が延びる方向とがなす角度が45°のものを試験片Eとした。
図15(a)、(b)は、引張試験の様子を例示するための写真である。
図15(a)は、引張試験開始時の様子を例示するための写真である。図15(b)は、試験片の破断時の様子を例示するための写真である。
図16(a)は、試験片Dの光学顕微鏡写真である。
図16(b)は、試験片Cの光学顕微鏡写真である。
図14に示すように、試験片の長手方向が繊維6が延びる方向に平行なものを試験片C、試験片の長手方向が繊維6が延びる方向に垂直なものを試験片D、試験片の長手方向と繊維6が延びる方向とがなす角度が45°のものを試験片Eとした。
図15(a)、(b)は、引張試験の様子を例示するための写真である。
図15(a)は、引張試験開始時の様子を例示するための写真である。図15(b)は、試験片の破断時の様子を例示するための写真である。
図16(a)は、試験片Dの光学顕微鏡写真である。
図16(b)は、試験片Cの光学顕微鏡写真である。
図17は、堆積体7の引張試験の結果を例示するためのグラフ図である。
なお、コラーゲンを含む試験片C、Dの厚みは90μm程度、幅は2mm、長さは12mmとした。また、伸張速度は、1mm/minとした。
図17から分かるように、試験片Cの引張強度は5.6、引っ張り伸び率は、9%〜11%であった。
なお、引張強度は、最大応力/断面積としている。
なお、コラーゲンを含む試験片C、Dの厚みは90μm程度、幅は2mm、長さは12mmとした。また、伸張速度は、1mm/minとした。
図17から分かるように、試験片Cの引張強度は5.6、引っ張り伸び率は、9%〜11%であった。
なお、引張強度は、最大応力/断面積としている。
図18は、堆積体7の引張試験の結果と、繊維配向シート70の引張試験の結果と、繊維配向材100の引張試験の結果とを比較するためのグラフ図である。
なお、試験片C1、D1は堆積体7から形成された試験片、試験片C2、D2は繊維配向シート70(前述した密着工程が施された堆積体7)から形成された試験片、試験片C3、D3、E3は繊維配向材100から形成された試験片である。
なお、試験片C1、D1は堆積体7から形成された試験片、試験片C2、D2は繊維配向シート70(前述した密着工程が施された堆積体7)から形成された試験片、試験片C3、D3、E3は繊維配向材100から形成された試験片である。
なお、コラーゲンを含む試験片C1、C2、C3、D1、D2、D3、E3の厚みは30μm〜150μm程度、幅は2mm、長さは12mmとした。また、伸張速度は、1mm/minとした。
ここで、繊維配向シート70の形成に基台を用いた場合には、繊維配向シート70の基台側に、エタノール処理により繊維6がより緻密に密着した硬い面が形成される。
そのため、試験片D2において、この硬い面が、引張試験の初期に破断することで、図18に示すような引張応力のピークが生じたものと考えられる。
そのため、試験片D2において、この硬い面が、引張試験の初期に破断することで、図18に示すような引張応力のピークが生じたものと考えられる。
試験片C3の引張強度をF1、試験片D3の引張強度をF2とした場合、F1は85MPa、F2は79MPaとなった。
図18から明らかな様に、繊維配向材100とすれば、複数の方向における引張強度を高めることができることが証明された。
図18から明らかな様に、繊維配向材100とすれば、複数の方向における引張強度を高めることができることが証明された。
また、繊維配向材100の表面を偏光FT−IR−ATR法により分析して、分子の長軸が延びる方向を求めた。偏光FT−IR−ATR法は、屈折率の高い光学プリズムを試料表面に密着させ、光学プリズム側から赤外光を試料表面に照射し、試料表面における全反射条件を利用して試料表面から約1μmまでの深さの領域の測定を行う手法である。
この場合、測定装置や測定条件などは以下の様にした。
測定装置:FTS−55A(Bio-Rad Digilab 製FT-IR)
測定モード:減衰全反射(Attenuated Total Reflection,ATR)法
測定条件:
光源;特殊セラミックス
検出器;DTGS
分解能;4cm−1
積算回数;64回
IRE;Ge
入射角;45°
アタッチメント;一回反射ATR用アタッチメント(シーガル)
波数が1640cm−1の場合の吸収強度T1は0.075、波数が1540cm−1の場合の吸収強度T2は0.043となった。
所定の偏光方向における吸光度比R1(T1/T2)は1.748、繊維配向材100の向きを90°回転させた場合の吸光度比R2は1.575となった。
この場合、測定装置や測定条件などは以下の様にした。
測定装置:FTS−55A(Bio-Rad Digilab 製FT-IR)
測定モード:減衰全反射(Attenuated Total Reflection,ATR)法
測定条件:
光源;特殊セラミックス
検出器;DTGS
分解能;4cm−1
積算回数;64回
IRE;Ge
入射角;45°
アタッチメント;一回反射ATR用アタッチメント(シーガル)
波数が1640cm−1の場合の吸収強度T1は0.075、波数が1540cm−1の場合の吸収強度T2は0.043となった。
所定の偏光方向における吸光度比R1(T1/T2)は1.748、繊維配向材100の向きを90°回転させた場合の吸光度比R2は1.575となった。
そのため、繊維配向材100の配向度パラメータ(R1/R2)は、1.13となった。
本発明者らの得た知見によれば、繊維配向材100の配向度パラメータ(R1/R2)は、1.05以上とすることができる。
なお、堆積体7の表面を同様にして分析すると、配向度パラメータ(R1/R2)は、1.04となった。
本発明者らの得た知見によれば、繊維配向材100の配向度パラメータ(R1/R2)は、1.05以上とすることができる。
なお、堆積体7の表面を同様にして分析すると、配向度パラメータ(R1/R2)は、1.04となった。
そのため、繊維配向材100は、配向度パラメータ(R1/R2)が大きいので、分子の長軸が延びる方向が揃っていることが証明された。また、繊維配向材100は、繊維6が配向されている(繊維6が大体同じ方向に延びている)ことが証明された。
なお、表1中の「0°」は繊維6の配向方向と平行な方向を表している。「90°」は繊維6の配向方向と垂直な方向を表している。「45°」は繊維6の配向方向と45°の角度をなす方向を表している。
表1から分かるように、本発明は、コラーゲンなどの生体親和性材料のみならず、ポリイミドなどの工業材料にも適用することができる。
すなわち、前述した「密着工程」を行えば、工業材料からなる繊維配向材100であっても分子配向度の向上、引張強度の向上などを図ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 エレクトロスピニング装置、2 ノズル、3 電源、4 収集部、5 原料液、6 繊維、7 堆積体、7a〜7c 堆積体シート、70 繊維配向シート、100 繊維配向材、201 液体
Claims (5)
- エレクトロスピニング法を用いて繊維を形成し、前記繊維を堆積させて堆積体を形成する工程と、
前記堆積体の少なくとも一部で形成された複数の堆積体シートを積み重ねる工程と、
前記積み重ねられた複数の堆積体シートに揮発性の液体を供給する工程と、
前記揮発性の液体を含む前記積み重ねられた複数の堆積体シートを乾燥させる工程と、
を備え、
前記複数の堆積体シートを積み重ねる工程において、少なくとも1つの前記堆積体シートにおける前記繊維の延びる方向が、他の前記堆積体シートにおける前記繊維の延びる方向とは異なるようにする繊維配向材の製造方法。 - エレクトロスピニング法を用いて繊維を形成し、前記繊維を堆積させて堆積体を形成する工程と、
基台の上に、前記堆積体から形成された複数の堆積体シートを積み重ねる工程と、
前記積み重ねられた複数の堆積体シートに揮発性の液体を供給する工程と、
前記揮発性の液体を含む前記積み重ねられた複数の堆積体シートを乾燥させる工程と、
を備えた繊維配向材の製造方法。 - 前記揮発性の液体を含む前記積み重ねられた複数の堆積体シートを乾燥させる工程において、前記基台と、前記基台側の前記堆積体シートと、が密着する請求項2記載の繊維配向材の製造方法。
- 前記堆積体を形成する工程において、前記繊維を一方向に引っ張り、前記堆積体における前記繊維が延びる方向を揃える請求項1〜3のいずれか1つに記載の繊維配向材の製造方法。
- 前記繊維は、生体親和性材料を10wt%以上含み、
前記揮発性の液体は、アルコールを含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の繊維配向材の製造方法。
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