JP6748965B2 - 認知機能評価装置、認知機能評価方法、およびプログラム - Google Patents

認知機能評価装置、認知機能評価方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、認知機能評価装置、認知機能評価方法、およびプログラムに関する。
従来、音声データから韻律特徴量を抽出し、音声データの韻律特徴量から、音声データの発話者について認知機能障害の危険度を算出する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1の技術(以降、従来技術と称す)では、学習データ記憶部が、音声データから抽出される複数種類の韻律特徴量を予め学習データとして記憶している。そして、重み付け決定部が、学習データを用いて、学習モデルにおける音声韻律特徴量の各々に対する重み付けを学習して決定する。特徴量抽出部は、入力された音声データから複数種類の韻律特徴量を抽出して、抽出した複数種類の韻律特徴量を学習モデルに入力することで、認知機能障害の危険度を算出する。
従来技術において、韻律特徴量は、音声の周波数成分に関する特徴量、音声のフォルマント構造に関する特徴量、音声の大きさに関する特徴量、発話速度に関する特徴量、質問に回答するまでの反応時間に関する特徴量などが用いられている。
特開2011−255106号公報
認知機能の評価について、評価時間の短縮、評価精度の向上が求められている。
そこで、本発明の目的は、精度の高い認知機能の評価結果を短時間に得ることができる認知機能評価装置、認知機能評価方法、およびプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る認知機能評価装置は、フォルマント解析部と、特徴解析部と、評価部とを備える。前記フォルマント解析部は、対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間に亘って表している対象データを受け取る。そして、前記フォルマント解析部は、前記対象データについて前記対象期間を複数のフレームに分割し、前記音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、前記複数のフレームのうち2つ以上の対象フレームのそれぞれについて求める。前記特徴解析部は、前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数について特徴量を求める。前記評価部は、前記特徴量に基づいて前記対象者の認知機能を評価する。
本発明の一態様に係る認知機能評価方法は、以下の各ステップを備える。
・フォルマント解析部が、対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間に亘って表している対象データを受け取る。そして、前記フォルマント解析部が、前記対象データについて前記対象期間を複数のフレームに分割し、前記音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、前記複数のフレームのうち2つ以上の対象フレームのそれぞれについて求めるステップ。
・特徴解析部が、前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数について特徴量を求めるステップ。
・評価部が、前記特徴量に基づいて前記対象者の認知機能を評価するステップ。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを認知機能評価装置として機能させる。プログラムは、コンピュータを、フォルマント解析部と、特徴解析部と、評価部として機能させる。前記フォルマント解析部は、対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間に亘って表している対象データを受け取る。そして、前記フォルマント解析部は、前記対象データについて前記対象期間を複数のフレームに分割し、前記音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、前記複数のフレームのうち2つ以上の対象フレームのそれぞれについて求める。前記特徴解析部は、前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数について特徴量を求める。前記評価部は、前記特徴量に基づいて前記対象者の認知機能を評価する。
本発明では、精度の高い認知機能の評価結果を短時間に得ることができるという効果がある。
図1は、実施形態における認知機能評価装置を備えたシステム構成を示すブロック図である。 図2は、同上の音声のスペクトル図である。 図3Aは、同上の認知機能が低下した人が発する音声のフォルマントの分布を示す図である。図3Bは、同上の健常者が発する音声のフォルマントの分布を示す図である。 図4は、同上の認知機能評価装置の処理を示すフローチャートである。 図5は、同上の認知機能評価装置のフォルマント解析部の処理を説明する説明図である。 図6Aは、同上の認知機能が低下した人が発する音声のフォルマントの別の分布を示す図である。図6Bは、同上の健常者が発する音声のフォルマントの別の分布を示す図である。 図7は、同上の変形例1における認知機能評価装置の構成を示すブロック図である。 図8は、同上の変形例2における認知機能評価装置の構成を示すブロック図である。 図9は、同上の認知機能評価装置を備えたロボットの構成を示すブロック図である。 図10は、同上の認知機能評価装置を備えたナースコールシステムの構成を示すブロック図である。
本実施形態は、認知機能評価装置、認知機能評価方法、およびプログラムに関する。より詳細には、本実施形態は、人の発話に基づいて人の認知機能を評価する認知機能評価装置、認知機能評価方法、およびプログラムに関する。
以下に説明する認知機能評価装置は、人の音声のフォルマントに基づいて認知機能の評価を行う。そのため、認知機能評価装置は、発話内容を理解することなく人の認知機能を評価することが可能である。
本実施形態において人の認知機能の評価とは、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知機能障害)の程度(進行度合)の評価、および認知機能障害の程度(進行度合)の評価である。
認知機能評価の対象者は、主として高齢者を想定しているが、若年性アルツハイマー症の疑いがある人でもよい。認知機能評価の対象となる高齢者としては、福祉施設に入居している高齢者、デイサービスセンターを利用する高齢者、独居の高齢者、あるいはサービス付き高齢者向け住宅に居住する高齢者などが想定されている。以下、認知機能評価の対象者を、単に対象者と称す。
図1は、認知機能評価システム10の構成例を示す。認知機能評価システム10は、認知機能評価装置1と、マイクロホン21と、通信インターフェース22とを備える。なお、通信インターフェース22は、以降、通信I/F22と略称する。
認知機能評価装置1は、取得部11と、抽出部12と、フォルマント解析部13と、特徴解析部14と、評価部15と、評価通知部16と、対象識別部17とを備える。
マイクロホン21は、対象者の音声を集音して電気信号に変換し、この電気信号をアナログの音声データとして出力する。すなわち、マイクロホン21が出力する音声データは、アナログの電気信号である。
ここで、人の音声データをスペクトル分析した結果の一例を図2に示す。なお、図2において、曲線Y1は、パワースペクトルの包絡線を示す。
人の音声には、特定の周波数でパワーがピークとなるフォルマントが生じており、フォルマントは、音声を区別する特徴になる。例えば、音声データをスペクトル分析すると、周波数f1,f2,f3,...(f1<f2<f3<...)のそれぞれにおいて、パワーがピークとなるフォルマントF1,F2,F3,...が存在している。フォルマントF1,F2,F3,...のそれぞれは、周波数が低い順に、第1フォルマントF1、第2フォルマントF2、第3フォルマントF3、...と呼ばれる。なお、以降において、周波数f1,f2,f3,...を、フォルマント周波数f1,f2,f3,...と呼ぶ。
そして、第1フォルマントF1は、主に人の口の開きに依存すると考えられる。第2フォルマントF2は、主に人の舌の位置、動きに依存すると考えられる。第3フォルマントF3は、主に人の喉の形状、動きに依存すると考えられる。
ここで、人は、認知機能が低下した場合に、脳内のワーキングメモリ(作業記憶)の機能が低下することが知られている。ワーキングメモリは、人の前葉前野の働きに関連している。そして、人は、ワーキングメモリの機能が低下すると、同時に2つ以上の動作を行うことが困難になる傾向がある。すなわち、動きながら話したり、考えながら話したりすることが困難になる。この結果、人は、ワーキングメモリの機能が低下すると、話すという動作に他の動作を組み合わせた場合に、舌の動きが鈍くなったり、発話時の舌の位置が定まらなくなる。これは、人が話すという発話動作において、たとえばろれつが回らなくなるという症状になって現れる。
そして、第2フォルマントF2は主に人の舌の位置、動きに依存していることから、ワーキングメモリの機能の低下は第2フォルマントF2に影響を及ぼすと考えられる。すなわち、認知機能が低下した場合、正常時に比べて第2フォルマント周波数f2の変化の程度が大きくなるという新たな知見が得られた。第2フォルマント周波数f2の変化の程度とは、第2フォルマント周波数f2の変動幅、分散などで表される。
人が発する言語は、母音、子音などの複数の音素によって構成されているが、特に、認知機能が低下した人が母音/a/、/i/、/u/、/e/、/o/を発声しているときに、第2フォルマント周波数f2の変動幅が大きくなりやすい。さらに、母音/a/、/i/、/u/、/e/、/o/の中でも、認知機能が低下した人が母音/a/を発声しているときに、第2フォルマント周波数f2の変動幅が大きくなりやすい。なお、認知機能が低下した人が母音/a/を発声しているときに影響を受けるのは、第2フォルマント周波数f2だけでなく、第1フォルマント周波数f1、第3フォルマント周波数f3などの他のフォルマント周波数も影響を受ける。
図3Aは、認知機能が低下した人が発する音声のフォルマントの分布を示す。図3Bは、認知機能が正常である健常者が発する音声のフォルマントの分布を示す。図3A、図3Bにおいて、△は、第1フォルマント周波数f1を示し、●は、第2フォルマント周波数f2を示し、×は、第3フォルマント周波数f3を示す。
図3Aでは、認知機能が低下した人が母音/a/を発する期間をWaとし、認知機能が低下した人が発する母音/a/の第2フォルマント周波数f2の変動幅をH21とする。図3Bでは、健常者が母音/a/を継続して発する期間をWbとし、健常者が発する母音/a/の第2フォルマント周波数f2の変動幅をH22とする。そして、図3A、図3Bより、認知機能が低下した人が発する音声の第2フォルマント周波数f2の変動幅H21は、健常者が発する音声の第2フォルマント周波数f2の変動幅H22に比べて明らかに大きいことがわかる。
また、認知機能が低下した人が発する音声の第1フォルマント周波数f1、および第3フォルマント周波数f3の各変動幅と、健常者が発する音声の第1フォルマント周波数f1、および第3フォルマント周波数f3の各変動幅との間には、あまり顕著な差異がみられない。
すなわち、認知機能が低下した人のフォルマントと健常者のフォルマントとの間に現れる差異は、第2フォルマント周波数f2のほうが、第1フォルマント周波数f1および第3フォルマント周波数f3に比べて大きくなる。したがって、認知機能の評価には、第2フォルマント周波数f2の特徴量を用いることが好ましい。
そこで、認知機能評価装置1は、上述の知見に基づいて認知機能の評価を行う。図4は、認知機能評価装置1の認知機能の評価処理を示すフローチャートである。
取得部11は、マイクロホン21からアナログの音声データを取得する(S1)。取得部11は、マイクロホン21から入力される音声データを監視しており、瞬時音圧の実効値が予め決められた所定値以上になる集音可能状態になった場合、音声データの取得処理を開始する。なお、取得部11は、集音可能状態が所定時間以上継続した場合に、音声データの取得処理を開始してもよい。また、取得部11は、対象者の音声をリアルタイムで取得してもよいし、あるいは録音された音声を取得してもよい。
音声データの取得処理を開始した取得部11は、アナログの音声データをデジタルの音声データに変換する(A/D変換機能)。そして、取得部11は、音声データの取得処理を開始した後、デジタルの音声データを抽出部12へ出力する。すなわち、取得部11は、対象者の音声データを取得して、音声データを後段へ引き渡すインターフェース機能を有する。取得部11が出力する音声データは、デジタルの電気信号であり、音声データのフォーマットは、たとえばWAVE、またはMP3などが用いられる。また、取得部11は、たとえばWAVEまたはMP3などのフォーマットで生成された音声データを、CSV(Comma Separated Values)形式の音声データにさらに変換して出力してもよい。取得部11は、A/D変換のサンプリング周波数として、たとえば8kHzに設定されている。しかし、サンプリング周波数は8kHz以外であってもよく、サンプリング周波数の具体的な値は特定の値に限定されない。
なお、マイクロホン21は、デジタルの音声データを出力してもよい。この場合、取得部11は、デジタルの音声データを入力されて、デジタルの音声データを抽出部12へ引き渡す。
抽出部12は、取得部11から受け取った音声データから、母音/a/(特定の音素)が発声されている期間の音声データを抽出する(S2)。たとえば、抽出部12は、音声認識機能を有しており、母音/a/に対応する音響モデルを予め記憶している。そして、抽出部12は、取得部11から受け取った音声データに音響モデルを適用して、母音/a/が発声されている期間の音声データを抽出する。以降、抽出部12が抽出した音声データ(母音/a/が発声されている期間の音声データ)を対象データと呼ぶ。
フォルマント解析部13は、対象データに基づいて、母音/a/の発声時における第2フォルマント周波数f2を求める(S3)。
具体的に、フォルマント解析部13は、図5に示すように、対象データが発生している期間を対象期間Wcとすると、対象期間Wcを複数のフレームM1に分割する。フレームM1は、予め決められたフレーム長に設定されている。そして、フレームM1の発生周期(フレーム周期)T1は、予め決められた周期に設定されており、本実施形態では、[フレーム周期T1<フレームM1のフレーム長]に設定される。この場合、フレーム周期T1は、フレームM1のフレーム長の半分に設定されることが好ましい。すなわち、互いに隣り合う2つのフレームM1は、先のフレームM1の後期間が、後のフレームM1の前期間に重なり合う。
たとえば、対象期間Wcは一般に120ms程度であり、フレームM1のフレーム長は20ms、フレーム周期T1は10msに設定される。この場合、互いに隣り合う2つのフレームM1は、先のフレームM1の後半の10msの期間が、後のフレームM1の前半の10msの期間に重なり合う。そして、対象期間Wcを120msとすると、1つの対象期間Wcについて12個のフレームM1が作成される(図5参照)。
フォルマント解析部13は、1つの対象期間Wc内に作成された複数のフレームM1のうち、対象期間Wcの中央付近に作成された2つ以上のフレームM1を解析対象とする。この解析対象のフレームM1を対象フレームM11とする。本実施形態では、図5において、12個(1番目〜12番目)のフレームM1のうち、4番目〜9番目の6個のフレームM1を対象フレームM11とする。
フォルマント解析部13は、対象フレームM11のそれぞれについて、時間領域の音声データを周波数領域の音声データに変換する。フォルマント解析部13は、DCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)、またはFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)、またはWT(Wavelet Transform:ウェーブレット変換)によって、時間領域の音声データを周波数領域の音声データに変換する。
そして、フォルマント解析部13は、対象フレームM11のそれぞれの音声データについて、第2フォルマント周波数f2を求める。すなわち、フォルマント解析部13は、1つの対象期間Wcにおいて、6個の対象フレームM11のそれぞれに対応する第2フォルマント周波数f2を求めることができる。
次に、特徴解析部14は、1つの対象期間Wcにおいて、6個の対象フレームM11のそれぞれの第2フォルマント周波数f2に基づいて特徴量を求める(S4)。具体的に、特徴解析部14は、6個の対象フレームM11のそれぞれに対応する第2フォルマント周波数f2に基づいて、変動幅(第2フォルマント周波数f2の最大値と最小値との差)を特徴量として求める。
図6Aは、認知機能が低下した人の対象データから求められた6個の第1フォルマント周波数f1、6個の第2フォルマント周波数f2の各データを示す。図6Bは、健常者の対象データから求められた6個の第1フォルマント周波数f1、6個の第2フォルマント周波数f2の各データを示す。なお、図6A、図6Bにおいて、△は、第1フォルマント周波数f1を示し、●は、第2フォルマント周波数f2を示す。認知機能が低下した人が発する音声の第2フォルマント周波数f2の変動幅H23は、健常者が発する音声の第2フォルマント周波数f2の変動幅H24に比べて明らかに大きくなっていることがわかる。
特徴解析部14は、6個の第2フォルマント周波数f2のうち、第2フォルマント周波数f2の最大値と第2フォルマント周波数f2の最小値との差分を求める。そして、特徴解析部14は、この差分を第2フォルマント周波数f2の変動幅とする(図6Aの変動幅H23、図6Bの変動幅H24)。
評価部15は、第2フォルマント周波数f2の変動幅(特徴量)に基づいて対象者の認知機能を評価する(S5)。
具体的に、評価部15は、第2フォルマント周波数f2の変動幅を予め決められた閾値と比較する。評価部15は、第2フォルマント周波数f2の変動幅が閾値以上であれば、その対象期間Wcについて、対象者の認知機能が低下している可能性があると判断する。また、評価部15は、第2フォルマント周波数f2の変動幅が閾値未満であれば、その対象期間Wcについて、対象者の認知機能は正常であると判断する。
そして、評価部15は、対象者の音声データから複数の対象期間Wcを抽出して、複数の対象期間Wcのそれぞれについて、上記の判断処理を行う。そして、評価部15は、全判断回数に対して、認知機能が低下している可能性があると判断した回数の割合が所定値以上であれば、対象者の認知機能が低下している可能性があると評価する。また、評価部15は、全判断回数に対して、認知機能が低下している可能性があると判断した回数の割合が所定値未満であれば、対象者の認知機能は正常であると評価する。
評価通知部16は、評価部15による認知機能の評価結果を、通信I/F22を介して予め決められた通知先へ通知する(S6)。
さらに、第2フォルマント周波数f2の変動幅から閾値を引いた差分が大きいほど、認知機能の低下度合が大きいと考えられる。そこで、評価部15は、認知機能の低下度合に応じて、複数の認知機能レベルからいずれかを選択してもよい。たとえば、評価部15は、第2フォルマント周波数f2の変動幅から閾値を引いた差分が大きいほど、認知機能レベルを低く評価する。評価通知部16は、この認知機能レベルの情報も認知機能の評価結果に含めておく。
なお、上述の閾値は、認知機能評価の実験、試験などによって求められた経験値である。たとえば、認知機能が低下した人の音声データ、健常者の音声データが予め収集されて、この収集された音声データが予め解析されることによって、閾値が経験的に決められる。
図6Aにおいて、認知機能が低下した人の対象データから求められた6個の第2フォルマント周波数f2の変動幅はH23である。図6Bにおいて、健常者の対象データから求められた6個の第2フォルマント周波数f2の変動幅はH24である。第2フォルマント周波数f2の変動幅H23と第2フォルマント周波数f2の変動幅H24との大小関係は、H23>H24となる。そして、評価部15が用いる閾値は、変動幅H23より大きく、変動幅H24より小さい値に設定されている。したがって、評価部15は、第2フォルマント周波数f2の変動幅H23に対しては、対象者の認知機能が低下している可能性があると判断できる。また、評価部15は、第2フォルマント周波数f2の変動幅H24に対しては、対象者の認知機能は正常であると判断できる。
認知機能評価装置1は、福祉施設、デイサービスセンター、サービス付き高齢者向け住宅、対象者の住宅などの屋内に設置される。屋内には、屋内ネットワークNT1が構築されて、通信I/F22は、屋内ネットワークNT1に接続する(図1参照)。通信I/F22は、屋内ネットワークNT1に対して有線で接続される構成、屋内ネットワークNT1に対して無線で接続される構成のいずれであってもよい。たとえば、通信I/F22が屋内ネットワークNT1に対して無線で接続される場合、屋内ネットワークNT1に無線ルータ4を設けて、通信I/F22は無線ルータ4を介して屋内ネットワークNT1に接続することができる。通信I/F22が用いる無線通信の仕様としては、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などから適宜に選択されればよく、無線通信の仕様は限定されない。
さらに、屋内ネットワークNT1には、情報機器3が接続する(図1参照)。したがって、評価通知部16は、評価部15による認知機能の評価結果を、通信I/F22を介して屋内の情報機器3へ送信できる。情報機器3には、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話などが用いられる。情報機器3は、屋内の介護士、家族などが所持しており、対象者の認知機能の評価結果を取得して、画面上に表示できる。なお、情報機器3は、認知機能評価システム10の専用端末でもよく、さらには光、音などを用いて認知機能の評価結果を示してもよい。
さらに、屋内ネットワークNT1は、無線ルータ4を介してインターネットを含む広域ネットワークNT2に接続する(図1参照)。そして、通信I/F22は、屋内ネットワークNT1から、無線ルータ4、広域ネットワークNT2、移動通信網などを経由して、遠隔地の情報機器5と通信できる。したがって、評価通知部16は、評価部15による認知機能の評価結果を、通信I/F22を介して遠隔地の情報機器5へ送信できる。情報機器5には、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話などが用いられる。情報機器5は、遠隔地の家族などが所持しており、対象者の認知機能の評価結果を取得して、画面上に表示できる。
評価通知部16は、たとえば対象者の認知機能の評価結果を通知するプッシュ通知を行う、またはメールを作成する。情報機器3、5のそれぞれのデバイス情報またはメールアドレスなどは、評価通知部16に予め登録されている。通知する評価結果には、認知機能レベルなどが含まれる。
また、認知機能評価装置1が複数の対象者を評価対象としている場合、対象者毎に評価結果の通知先を変更することが好ましい。そこで、対象識別部17は、取得部11が取得した音声データを発した対象者を識別する機能を有している。具体的に、対象識別部17は、対象者毎の声紋データを予め記憶しており、取得部11が取得した音声データから声紋データを抽出して、対象者毎の声紋データと照合する。対象識別部17は、照合結果に基づいて、音声データに対応する対象者を特定できる。
評価通知部16には、対象者毎の通知先の情報(デバイス情報またはメールアドレスなど)が予め登録されている。評価通知部16は、対象識別部17によって特定された対象者に対応して登録されている通知先を選択し、この選択した通知先に評価結果を通知する。したがって、認知機能評価装置1が複数の対象者を評価対象としている場合であっても、認知機能評価装置1は、対象者を特定できるので、特定された対象者に関係する通知先のみに評価結果を通知できる。なお、特定された対象者に関係する通知先とは、特定された対象者の家族、介護士などが所持する情報機器3,5である。
次に、認知機能評価装置1の変形例1について説明する。
図7は、変形例1における認知機能評価装置1の構成を示す。図7の認知機能評価装置1は、モデル記憶部18をさらに備える。そして、変形例1における認知機能評価装置1では、第2フォルマント周波数f2の特徴量として、6個の第2フォルマント周波数f2の変動パターン(どのように上下するかを示す)、変動幅、6個の第2フォルマント周波数f2の値などを用いる。
モデル記憶部18には、評価部15が認知機能の評価処理に用いる学習済みの統計モデルが格納されている。
統計モデルの作成処理について説明する。まず、認知機能が低下した人の音声データ、健常者の音声データが予め収集される。そして、機械学習用のコンピュータが、収集された音声データを用いた機械学習を実行して、認知機能の評価処理アルゴリズムを表す統計モデルが生成される。この統計モデルは、機械学習用のコンピュータが機械学習を繰り返して行うことによって徐々に進化して、精度が向上する。そして、統計モデルは、認知機能評価装置1のモデル記憶部18に随時書き込まれて、最新のバージョンに更新される。機械学習のツールには、例えばPythonなどのプログラミング言語が用いられ、例えばランダムフォレスト(random forest)などのアルゴリズムが用いられるが、その種類は限定されない。なお、モデル記憶部18に対する統計モデルの更新処理は、光ディスク、USB(Universal Serial Bus)を用いたメモリなどの携行可能な記録媒体からモデル記憶部18に書き込まれる形態、インターネット等を含む広域通信網を介してモデル記憶部18に書き込まれる形態等がある。
評価部15は、1つの対象期間Wcで求められた6個の第2フォルマント周波数f2のデータを、モデル記憶部18の統計モデルに適用する。評価部15は、6個の第2フォルマント周波数f2の変動パターン、変動幅、6個の第2フォルマント周波数f2の各値などの各特徴量によって、その対象期間Wcについて、対象者の認知機能が低下している可能性があるか否かを判断する。
そして、評価部15は、対象者の音声データから複数の対象期間Wcを抽出して、複数の対象期間Wcのそれぞれについて、上記の判断処理を行う。そして、評価部15は、全判断回数に対して、認知機能が低下している可能性があると判断した回数の割合が所定値以上であれば、対象者の認知機能が低下している可能性があると評価する。また、評価部15は、全判断回数に対して、認知機能が低下している可能性があると判断した回数の割合が所定値未満であれば、対象者の認知機能は正常であると評価する。
したがって、評価部15は、6個の第2フォルマント周波数f2の変動パターンおよび変動幅、第2フォルマント周波数f2の各値などの複数の特徴量を用いて、認知機能の評価処理を行うことができる。この結果、評価部15は、認知機能評価の精度を向上させることができる。
次に、認知機能評価装置1の変形例2について説明する。
図8は、変形例2における認知機能評価装置1の構成を示す。図8の認知機能評価装置1は、履歴記憶部111、傾向分析部112、傾向通知部113をさらに備える。
履歴記憶部111は、評価部15による認知機能の評価結果が順次格納されており、評価結果の履歴(評価履歴)を記憶している。各評価結果に対応する対象者は対象識別部17によって特定されるので、履歴記憶部111には、評価履歴が対象者毎に対応付けて格納されている。
傾向分析部112は、対象者毎の評価履歴に基づいて、対象者毎の評価結果の時間変化を抽出し、認知機能の変化傾向を対象者毎に分析できる。傾向分析部112は、定期的、あるいは対象者の評価回数が所定回数に達した場合などに、この分析処理を実行する。
たとえば、評価結果が正常であっても、認知機能レベルが徐々に低下している状態であれば、傾向分析部112は、認知機能が低下傾向にあると分析する。この場合、傾向通知部113は、認知機能が低下傾向にあるという分析結果を、通信I/F22を介して予め決められた通知先へ通知する。このとき、傾向通知部113は、分析結果以外に、認知機能の低下に注意する旨のメッセージ、認知機能の改善方法、認知機能の低下を抑制する方法などを通知先へ通知することが好ましい。
また、認知機能レベルが短時間で低下している状態であれば、傾向分析部112は、認知機能が急速に悪化していると分析する。この場合、傾向通知部113は、認知機能が急速に悪化しているという分析結果を、通信I/F22を介して予め決められた通知先へ通知する。このとき、傾向通知部113は、緊急メッセージとして分析結果を通知することが好ましい。
また、認知機能レベルが上昇している状態であれば、傾向分析部112は、認知機能が改善されていると分析する。この場合、傾向通知部113は、認知機能が改善されているという分析結果を、通信I/F22を介して予め決められた通知先へ通知する。このとき、傾向通知部113は、さらなる改善を促すメッセージを付加して通知することが好ましい。
なお、傾向分析部112による分析結果は、上述の分析結果以外であってもよい。傾向分析部112は、認知機能レベルの低下量、認知機能レベルの低下の傾き、認知機能レベルの上昇量、認知機能レベルの上昇の傾きなどに基づいて、認知機能の変化傾向を分析することが好ましい。
また、第2フォルマント周波数f2の変化の程度として、第2フォルマント周波数f2の分散(ばらつき)を用いてもよい。この場合、特徴解析部14は、6個の対象フレームM11のそれぞれに対応する第2フォルマント周波数f2の分散を特徴量として求める。
また、一般に、認知機能が低下した場合、特定のフォルマントの周波数(たとえば、第2フォルマント周波数f2)の最大値、最小値、平均値、中央値が正常時から変化しやすい傾向にある。そこで、特徴解析部14は、特定のフォルマントの周波数の最大値、または最小値、または平均値、または中央値を特徴量として求めてもよい。
たとえば、特徴解析部14は、6個の対象フレームM11のそれぞれに対応する第2フォルマント周波数f2から、最大値、または最小値、または平均値、または中央値を求める。評価部15は、第2フォルマント周波数f2の最大値、または最小値、または平均値、または中央値を閾値と比較することで、認知機能の評価処理を行うことができる。
認知機能評価装置1を備えた認知機能評価システム10は、たとえばペンダントなどの装飾品の内部に収納されてもよい。この場合、対象者の介護士または家族などは、この装飾品を身に着ける。したがって、介護士または家族などが対象者と会話することで、対象者に意識させることなく対象者の音声が集音されて、認知機能評価装置1は、認知機能の評価を行うことができる。
図9は、認知機能評価の機能を備えたロボット6のブロック構成を示す。ロボット6は、コミュニケーションロボットであり、対象者と対話を行うことができる。
ロボット6は、認知機能評価装置1と、マイクロホン21と、通信I/F22と、対話機能部23と、スピーカ24とを備える。
対話機能部23は、音声認識部231、対話制御部232、音声合成部233、対話データ記憶部234を備える。
対話データ記憶部234には、様々な単語の音声データが予め格納されている。音声認識部231は、マイクロホン21が集音した音声データを、対話データ記憶部234の音声データと照合することで、対象者が話した内容を認識することができる。対話制御部232は、対象者が話した内容に対して、会話を成立させるための応答を導き出す。対話制御部232は、導き出した応答に対応する音声データを対話データ記憶部234から読み出し、音声合成部233に引き渡す。音声合成部233は、受け取った音声データを合成して、スピーカ24から音声として出力させる。このように、ロボット6は、対象者が話した内容を認識し、会話を成立させるための応答を音声出力することで、対象者との対話を行うことができる。そして、対象者がロボット6と対話することで、対象者に意識させることなく対象者の音声が集音されて、認知機能評価装置1は、認知機能の評価を行うことができる。
図10は、福祉施設、デイサービスセンター、サービス付き高齢者向け住宅、病院などのナースコールシステム7に認知機能評価装置1を組み合わせた構成を示す。ナースコールシステム7は、介護士、看護師などが通話に用いる親端末71、対象者が通話に用いる子端末72、親端末71と子端末72との間の通信を制御する主装置73を備える。認知機能評価装置1は、主装置73に電気的に接続されて、子端末72を用いて対象者が通話しているときに、対象者の音声データを収集する。この場合、対象者がナースコールシステム7の子端末72を用いて通話することで、対象者に意識させることなく対象者の音声が集音されて、認知機能評価装置1は、認知機能の評価を行うことができる。
また、認知機能評価装置1を備えた認知機能評価システム10は、たとえばスマートフォン、タブレット端末などの通話可能な携帯端末の内部に収納されてもよい。携帯端末には、認知機能評価用のアプリケーションプログラム(アプリ)がインストールされており、携帯端末に内蔵されているコンピュータがこのプログラムを実行する。マイクロホン21および通信I/F22は、携帯端末に設けられているマイクロホンおよび通信I/Fが用いられる。この結果、携帯端末は、認知機能評価システム10として動作する。そして、対象者が携帯端末を用いて通話することで、対象者に意識させることなく対象者の音声が集音されて、認知機能評価装置1は、認知機能の評価を行うことができる。また、対象者が、自身が所有している携帯端末を用いることで、独居老人を対象者とする認知機能評価も容易に行うことができる。
また、認知機能評価装置1を備えた認知機能評価システム10は、たとえば温度計、体温計などの日用品の内部に収納されてもよい。この場合、対象者が、自身が所有している日用品を用いることで、独居老人を対象者とする認知機能評価も容易に行うことができる。
また、認知機能の評価方法としては、MMSE(Mini Mental State Examination)、HDS−R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)などのように、質問および回答による評価方法がある。そこで、認知機能評価装置1は、質問および回答による評価方法の実行時に、対象者が回答時に発した音声の音声データを用いて、認知機能を評価してもよい。
また、認知機能評価装置1の機能を備える機器は、上述の装飾品、ロボット、日常品に限定されない。たとえば、認知機能評価装置1あるいは認知機能評価システム10をパーソナルコンピュータで構成することも可能である。また、パーソナルコンピュータで、認知機能評価装置1および通信I/F22を構成し、マイクロホン21をパーソナルコンピュータに接続する構成であってもよい。また、認知機能評価装置1の機能を備えた専用機器、あるいは認知機能評価システム10の機能を備えた専用機器であってもよい。
上述のように、本発明の実施形態に係る第1の態様の認知機能評価装置1は、フォルマント解析部13と、特徴解析部14と、評価部15とを備える。フォルマント解析部13は、対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間Wcに亘って表している対象データを受け取る。そして、フォルマント解析部13は、対象データについて対象期間Wcを複数のフレームM1に分割し、音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、複数のフレームM1のうち2つ以上の対象フレームM11のそれぞれについて求める。特徴解析部14は、対象フレームM11毎に求められた特定のフォルマントの周波数について特徴量を求める。評価部15は、特徴量に基づいて対象者の認知機能を評価する。
上述の認知機能評価装置1は、対象者の音声に生じるフォルマントの周波数を用いて対象者の認知機能を評価するので、音声データに含まれるノイズ、および音声データの歪みによる影響を受け難い。したがって、認知機能評価装置1は、認知機能の評価処理において、音声データのノイズおよび歪みに対するロバスト性に優れた評価を行うことができる。さらに、認知機能評価装置1は、特定のフォルマントの周波数を用いるので、精度の高い認知機能の評価処理を行うことができる。また、認知機能評価装置1は、事前準備が不要で、かつ短時間に認知機能の評価結果を得ることができる。
すなわち、上述の認知機能評価装置1は、精度の高い認知機能の評価結果を短時間に得ることができる。
従来、認知機能の評価方法としては、音声分析による評価、血液検査による評価、質問および回答による評価、嗅覚機能による評価、行動パターンの分析による評価などが用いられている。
音声分析による評価方法は、音声データから抽出される複数種類の韻律特徴量を予め学習データとして記憶し、この学習モデルを用いることによって、認知機能障害の危険度を算出していた。しかし、従来の音声分析による評価方法では、学習モデルを用いることによって、認知機能障害の危険度を算出するまでの要する時間が長くなっていた。さらに、従来の音声分析による評価方法では、事前に発話者の音声データを収集して、学習データを生成する必要があり、手間がかかっていた。
血液検査による評価方法は、血液検査によって特定のバイオマーカを検出することで、認知機能を評価する。しかし、血液検査による評価方法は、評価に長時間を要し、血液検査の後、評価結果が出るまで2〜3週間程度かかる。
質問および回答による評価方法には、MMSE(Mini Mental State Examination)、HDS−R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)などがあり、予め決められた質問に対して対象者が回答、応答し、回答内容および応答状況などに基づいて認知機能を評価する。しかし、質問および回答による評価方法は、対象者が回答した後、評価結果が出るまで10分〜1時間程度かかる。さらに、質問および回答による評価方法は、質問が予め決まった定形的な質問であり、同じ対象者に繰り返し実施することで、評価精度が低下する可能性がある。
また、嗅覚機能による評価方法は、対象者が匂いを嗅ぎ、解答用紙に匂いについて回答するテストを行うことで、認知機能を評価する。しかし、嗅覚機能による評価方法は、テストを行った後、評価に長時間を要し、評価結果が出るまで2〜3週間程度かかる。
また、行動パターンの分析による評価方法も、評価に長時間を要してしまう。
このように、従来の認知機能の評価方法は、評価に長時間を要していた。さらに従来の認知機能の評価方法は、血液検査の設備、嗅覚機能の検査器具などが必要であり、検査を容易に行うことができなかった。また、従来の認知機能の評価方法では、同じ対象者を繰り返し評価した場合に、評価の精度を保証できない場合があった。
一方、認知機能評価装置1は、音声のフォルマント周波数の特徴量を用いることで、短時間に認知機能の評価結果を得ることができる。具体的に、認知機能評価装置1は、音声データを取得した後、評価に要する時間を1秒程度にすることができる。そして、認知機能評価装置1は、対象者の音声を集音しながらリアルタイムに評価を実行することができる。
また、認知機能評価装置1は、対象者の音声のフォルマント周波数を解析して特徴量を抽出する。しかしながら、対象者は、自分のフォルマント周波数を意識的に調整することは困難である。また、対象者が自分のフォルマント周波数を意識的に調整したとしても、その状態を継続させることは困難である。したがって、認知機能評価装置1は、同じ対象者に検査を繰り返し行った場合でも、検査の精度が低下することなく、検査精度を維持することができる。
また、認知機能評価装置1は、対象者の音声データとして、定型文の音声データを用いる必要がなく、対象者の日常会話、電話の音声などを対象者に意識させずに集音して、認知機能を評価することができる。
また、実施形態に係る第2の態様の認知機能評価装置1では、第1の態様において、特定のフォルマントは第2フォルマントF2であることが好ましい。そして、特徴解析部14は、第2フォルマントの周波数f2について特徴量を求める。
一般に、認知機能が低下した場合、第2フォルマント周波数f2の特徴量が正常時から変化しやすい傾向にある。したがって、認知機能評価装置1は、認知機能に依存する第2フォルマント周波数f2を用いるので、精度の高い認知機能の評価処理を行うことができる。
また、実施形態に係る第3の態様の認知機能評価装置1では、第1または第2の態様において、特定の音素が母音の音素/a/であることが好ましい。
一般に、認知機能が低下した人が母音/a/を発声している場合、フォルマント周波数の特徴量が正常時から変化しやすい傾向にある。したがって、認知機能評価装置1は、精度の高い認知機能の評価処理を行うことができる。
また、実施形態に係る第4の態様の認知機能評価装置1では、第1乃至第3の態様のいずれかにおいて、特徴解析部14は、対象フレームM11毎に求められた特定のフォルマントの周波数の変化の程度を特徴量として求めることが好ましい。
一般に、認知機能が低下した場合、特定のフォルマントの周波数の変化の程度(変動幅、または分散など)が正常時から変化しやすい傾向にある。したがって、認知機能評価装置1は、精度の高い認知機能の評価処理を行うことができる。
また、実施形態に係る第5の態様の認知機能評価装置1では、第4の態様において、前記変化の程度は、対象フレームM11毎に求められた特定のフォルマントの周波数の変動幅または分散であることが好ましい。
この場合、認知機能評価装置1は、特定のフォルマントの周波数の変動幅または分散を用いて、精度の高い認知機能の評価処理を行うことができる。
また、実施形態に係る第6の態様の認知機能評価装置1では、第4または第5の態様において、評価部15は、特定のフォルマントの周波数の変化の程度が大きいほど、対象者の認知機能が低下していると評価することが好ましい。
一般に、認知機能が低下した場合、特定のフォルマントの周波数の変化の程度(変動幅、または分散など)が正常時に比べて大きくなる傾向にある。したがって、認知機能評価装置1は、精度の高い認知機能の評価処理を行うことができる。
また、実施形態に係る第7の態様の認知機能評価装置1では、第1乃至第3の態様のいずれかにおいて、特徴解析部14は、対象フレームM11毎に求められた特定のフォルマントの周波数の最大値、または最小値、または平均値、または中央値を、特徴量として求めることが好ましい。
一般に、認知機能が低下した場合、特定のフォルマントの周波数の最大値、または最小値、または平均値、または中央値が正常時から変化しやすい傾向にある。したがって、認知機能評価装置1は、精度の高い認知機能の評価処理を行うことができる。
また、実施形態に係る第8の態様の認知機能評価装置1では、第1乃至第7の態様のいずれかにおいて、特徴量と対象者の認知機能との関係を表す統計モデルを記憶したモデル記憶部18をさらに備えることが好ましい。そして、評価部15は、特徴量を統計モデルに適用して、対象者の認知機能を評価する。
この場合、認知機能評価装置1は、認知機能評価の精度をさらに向上させることができる。
また、実施形態に係る第9の態様の認知機能評価装置1では、第1乃至第8の態様のいずれかにおいて、対象者の音声の瞬時音圧の時間変動を表す音声データを取得する取得部11と、音声データから対象データを抽出する抽出部12とをさらに備えることが好ましい。
この場合、認知機能評価装置1は、対象者の日常会話、電話の音声などを対象者に意識させずに集音して、認知機能を評価することができる。
また、実施形態に係る第10の態様の認知機能評価装置1では、第1乃至第9の態様のいずれかにおいて、履歴記憶部111と、傾向分析部112とをさらに備えることが好ましい。履歴記憶部111は、評価部15による評価結果の履歴である評価履歴を記憶する。傾向分析部112は、評価履歴に基づいて、対象者の認知機能の変化傾向を求める。
この場合、認知機能評価装置1は、中期的または長期的な認知機能の変化に基づいて、対象者の認知機能の変化傾向を把握することができる。したがって、評価結果が正常であっても、認知機能評価装置1は、認知機能レベルが徐々に低下している状態であれば、認知機能が低下傾向にあることを把握できる。
上述のように、本発明の実施形態に係る第11の態様の認知機能評価方法は、以下の各ステップを備える。
・フォルマント解析部13が、対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間Wcに亘って表している対象データを受け取る。そして、フォルマント解析部13は、対象データについて対象期間Wcを複数のフレームM1に分割し、音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、複数のフレームM1のうち2つ以上の対象フレームM11のそれぞれについて求めるステップ(S3)。
・特徴解析部14が、対象フレームM11毎に求められた特定のフォルマントの周波数について特徴量を求めるステップ(S4)。
・評価部15が、特徴量に基づいて対象者の認知機能を評価するステップ(S5)。
したがって、上述の認知機能評価方法は、精度の高い認知機能の評価結果を短時間に得ることができる。
また、図1の認知機能評価装置1は、取得部11と、抽出部12と、フォルマント解析部13と、特徴解析部14と、評価部15と、評価通知部16と、対象識別部17とを一体に備えている。しかし、認知機能評価装置1は、上述の各部を分散して備えて、各部の間をネットワークなどで通信可能に接続してもよい。この場合、認知機能評価装置1は、たとえばクラウドコンピューティングの技術を利用して実現される。あるいは、1つ以上のサーバ装置によって認知機能評価装置1が構成されてもよい。
また、認知機能評価装置1は、マイクロコンピュータ等で構成されたコンピュータを搭載しており、このコンピュータがプログラムを実行することによって、認知機能評価装置1の各機能が実現されている。なお、認知機能評価装置1に搭載されるコンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサおよびインターフェースを主なハードウェア構成として備える。この種のプロセッサとしては、DSP(Digital Signal Processor)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等を含み、プログラムを実行することによって認知機能評価装置1の機能を実現することができれば、その種類は問わない。
また、プログラムの提供形態としては、コンピュータに読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク等の記録媒体に予め格納されている形態、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給される形態等がある。
すなわち、本発明の実施形態に係る第12の態様のプログラムは、コンピュータを認知機能評価装置1として機能させることを特徴とする。プログラムは、コンピュータを、フォルマント解析部13と、特徴解析部14と、評価部15として機能させる。フォルマント解析部13は、対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間Wcに亘って表している対象データを受け取る。そして、フォルマント解析部13は、対象データについて対象期間Wcを複数のフレームM1に分割し、音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、複数のフレームM1のうち2つ以上の対象フレームM11のそれぞれについて求める。特徴解析部14は、対象フレームM11毎に求められた特定のフォルマントの周波数について特徴量を求める。評価部15は、特徴量に基づいて対象者の認知機能を評価する。
したがって、本実施形態のプログラムは、精度の高い認知機能の評価結果を短時間に得ることができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1 認知機能評価装置
10 認知機能評価システム
11 取得部
12 抽出部
13 フォルマント解析部
14 特徴解析部
15 評価部
16 評価通知部
17 対象識別部
18 モデル記憶部
111 履歴記憶部
112 傾向分析部
113 傾向通知部
Wc 対象期間
M1 フレーム
M11 対象フレーム
F2 第2フォルマント
f2 第2フォルマント周波数

Claims (12)

  1. 対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間に亘って表している対象データを受け取り、前記対象データについて前記対象期間を複数のフレームに分割し、前記音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、前記複数のフレームのうち2つ以上の対象フレームのそれぞれについて求めるフォルマント解析部と、
    前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数について特徴量を求める特徴解析部と、
    前記特徴量に基づいて前記対象者の認知機能を評価する評価部とを備える
    ことを特徴とする認知機能評価装置。
  2. 前記特定のフォルマントは第2フォルマントであり、
    前記特徴解析部は、前記第2フォルマントの周波数について前記特徴量を求める
    ことを特徴とする請求項1記載の認知機能評価装置。
  3. 前記特定の音素が母音の音素/a/であることを特徴とする請求項1または2記載の認知機能評価装置。
  4. 前記特徴解析部は、前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数の変化の程度を前記特徴量として求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の認知機能評価装置。
  5. 前記変化の程度は、前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数の変動幅または分散であることを特徴とする請求項4記載の認知機能評価装置。
  6. 前記評価部は、前記特定のフォルマントの周波数の変化の程度が大きいほど、前記対象者の認知機能が低下していると評価することを特徴とする請求項4または5記載の認知機能評価装置。
  7. 前記特徴解析部は、前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数の最大値、または最小値、または平均値、または中央値を、前記特徴量として求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の認知機能評価装置。
  8. 前記特徴量と前記対象者の認知機能との関係を表す統計モデルを記憶したモデル記憶部をさらに備え、
    前記評価部は、前記特徴量を前記統計モデルに適用して、前記対象者の認知機能を評価する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の認知機能評価装置。
  9. 前記対象者の音声の瞬時音圧の時間変動を表す音声データを取得する取得部と、
    前記音声データから前記対象データを抽出する抽出部とをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の認知機能評価装置。
  10. 前記評価部による評価結果の履歴である評価履歴を記憶する履歴記憶部と、
    前記評価履歴に基づいて、前記対象者の認知機能の変化傾向を求める傾向分析部とをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の認知機能評価装置。
  11. フォルマント解析部が、対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間に亘って表している対象データを受け取り、前記対象データについて前記対象期間を複数のフレームに分割し、前記音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、前記複数のフレームのうち2つ以上の対象フレームのそれぞれについて求めるステップと、
    特徴解析部が、前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数について特徴量を求めるステップと、
    評価部が、前記特徴量に基づいて前記対象者の認知機能を評価するステップとを備える
    ことを特徴とする認知機能評価方法。
  12. コンピュータを認知機能評価装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを
    対象者の音声に含まれる特定の音素の瞬時音圧の時間変動を対象期間に亘って表している対象データを受け取り、前記対象データについて前記対象期間を複数のフレームに分割し、前記音声に生じる少なくとも特定のフォルマントの周波数を、前記複数のフレームのうち2つ以上の対象フレームのそれぞれについて求めるフォルマント解析部と、
    前記対象フレーム毎に求められた前記特定のフォルマントの周波数について特徴量を求める特徴解析部と、
    前記特徴量に基づいて前記対象者の認知機能を評価する評価部として機能させる
    ことを特徴とするプログラム。
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