JP6712028B1 - 認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラム - Google Patents

認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6712028B1
JP6712028B1 JP2020001799A JP2020001799A JP6712028B1 JP 6712028 B1 JP6712028 B1 JP 6712028B1 JP 2020001799 A JP2020001799 A JP 2020001799A JP 2020001799 A JP2020001799 A JP 2020001799A JP 6712028 B1 JP6712028 B1 JP 6712028B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voice
cognitive function
interlocutor
target person
subject
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020001799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021108843A (ja
Inventor
真輝 大西
真輝 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exa Wizards Inc
Original Assignee
Exa Wizards Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exa Wizards Inc filed Critical Exa Wizards Inc
Priority to JP2020001799A priority Critical patent/JP6712028B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6712028B1 publication Critical patent/JP6712028B1/ja
Publication of JP2021108843A publication Critical patent/JP2021108843A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】対象者の属性に関わらず認知機能を判定することができる認知機能判定装置、認知機能判定システム、コンピュータプログラム及び認知機能判定方法を提供する。【解決手段】認知機能判定装置は、対象者の音声を取得する取得部と、取得した音声を基準音声に変換する変換部と、変換した基準音声に基づいて対象者の認知機能を判定する判定部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラムに関する。
近年、認知症患者の増加が懸念され、様々なアプローチを用いて認知症の早期発見に関する技術が開発されている。特許文献1には、ユーザの音声データに基づいて韻律特徴量を抽出し、予め構築された学習モデルを用いて認知機能障害の危険度を算出する装置が開示されている。
特開2011−255106号公報
しかし、韻律などの音声の要素は、対象者の年齢、性別及び体格等の属性によって異なるため、属性が異なると精度よく認知機能を判定することができないおそれがある。また、認知機能を精度よく判定するためには、年齢等の属性毎に認知機能を判定するための学習モデルを準備する必要があり実用的ではない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、対象者の属性に関わらず認知機能を判定することができる認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態に係る認知機能判定装置は、対象者の音声を取得する取得部と、前記取得部で取得した音声を基準音声に変換する変換部と、前記変換部で変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する判定部とを備える。
本発明の実施の形態に係る認知機能判定システムは、対象者の音声を取得する取得部と、前記取得部で取得した音声を基準音声に変換する変換部と、前記変換部で変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する判定部とを備える。
本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、対象者の音声を取得する処理と、取得した音声を基準音声に変換する処理と、変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する処理とを実行させる。
本発明によれば、対象者の年齢、性別及び体格等の属性に関わらず認知機能を判定することができる。
本実施の形態の認知機能判定システムの構成の一例を示す模式図である。 対話音声の音声波形の一例を示す模式図である。 基準音声に対応する属性の一例を示す模式図である。 音声変換部の構成の一例を示す模式図である。 パラメータ変換部の構成の第1例を示す説明図である。 パラメータ変換部の構成の第2例を示す説明図である。 認知機能判定部の構成の第1例を示す模式図である。 認知機能判定部の構成の第2例を示す模式図である。 認知機能判定部の構成の第3例を示す模式図である。 認知機能判定システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 学習済みモデルの生成方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の認知機能判定システムの構成の一例を示す模式図である。認知機能判定システムは、認知機能判定装置50、及び端末装置10を備える。認知機能判定装置50と端末装置10とは、通信ネットワーク1を介して接続されている。端末装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、スマートスピーカなどの情報処理装置で構成することができる。端末装置10には、マイク11が接続されている。マイク11は、対象者及び対象者と対話する対話者の音声を取得することができる。なお、対象者と対話者の音声を取得することができるのであれば、マイク11は端末装置10に内蔵されていてもよい。対象者は、認知症判定の対象者であり、対話者は、医師、看護師、カウンセラ、介護士などの対象者と対話を行う者である。対話者がいる場合には、対象者は対話者と会話することができ、対話者がいないときは、予め定められた文章などを読み上げることができる。対象者の音声、あるいは対象者と対話者の音声は、マイク11で集音され、端末装置10を介して認知機能判定装置50へ送信される。
なお、対象者と対話者の対話は、通信ネットワーク1を介してオンライン上で行われてもよい。この場合、対象者が利用する端末装置10Aに接続されたマイク11Aにより対象者の音声を取得し、対話者が利用する端末装置10Bに接続されたマイク11Bにより対話者の音声を取得し、マイク11A、11Bで取得した音声が認知機能判定装置50へ送信される。
認知機能判定装置50は、装置全体を制御する制御部51、通信部52、音声識別部53、記憶部54、音声変換部55、認知機能判定部56、及び学習処理部57を備える。制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などで構成することができる。通信部52は、所要の通信モジュールで構成することができる。音声識別部53は、CPUで構成することができる。記憶部54は、ハードディスク又はフラッシュメモリなどで構成することができる。音声変換部55及び認知機能判定部56は、例えば、ニューラルネットワークで構成することができる。学習処理部57は、CPU(例えば、複数のプロセッサコアを実装したマルチ・プロセッサなど)、GPU(Graphics Processing Units)、DSP(Digital Signal Processors)、FPGA(Field-Programmable Gate Arrays)などのハードウェアを組み合わせることによって構成することができる。なお、認知機能判定装置50の制御部51、音声識別部53、記憶部54、音声変換部55、認知機能判定部56、及び学習処理部57の各機能を端末装置10に設けて、端末装置10で認知機能レベルを判定するようにしてもよく、認知機能判定装置50の一部の機能(例えば、音声識別部53、音声変換部55)を端末装置10に設けるようにしてもよい。また、認知機能判定装置50の各機能は、複数の装置に分散する形で設けてもよい。
通信部52は、通信ネットワーク1を介して、端末装置10との間で通信を行う機能を有し、端末装置10との間で所要の情報の送受信を行うことができる。通信部52は、取得部としての機能を有し、対象者と対話者の対話音声、あるいは対象者の音声を端末装置10から取得することができる。
図2は対話音声の音声波形の一例を示す模式図である。縦軸は音声信号の振幅を示し、横軸は時間を示す。図2の例では、対話者の音声1、対象者の音声1、対話者の音声2、対象者の音声2、対話者の音声3と続いている。対話者の音声1と対象者の音声1との間には、回答遅延時間が存在し、同様に、対話者の音声2と対象者の音声2との間にも回答遅延時間が存在している。
音声識別部53は、識別部としての機能を有し、通信部52を介して取得した対話音声から、対象者の音声と対話者の音声とを識別することができる。音声の識別は、予め対象者と対話者の音声データを記憶部54に記憶しておき、記憶した音声データと照合することにより行うことができる。また、音声の識別は、機械学習を用いてもよい。例えば、医師、看護師、カウンセラ、介護士など対話者の音声を機械学習によって識別することができる。また、予め対象者の音声を機械学習させておいてもよい。また、音声の識別の他の方法として、対話者が、対象者が発話するとき、あるいは対話者が発話するときに端末装置10に設けられた操作ボタン等を操作すると、端末装置10は、操作ボタン等が操作されたことを示す識別フラグを音声データと同期させて認知機能判定装置50へ送信する。音声識別部53は、識別フラグを取得し、識別フラグの有無に応じて、対象者の音声か対話者の音声かを識別することができる。また、音声の識別の他の方法としては、マイク11の指向性を利用することができる。例えば、指向性の高い領域に対象者が入るようにマイク11を配置して、音声の歪の大小で区別することができる。
音声変換部55は、変換部としての機能を有し、通信部52を介して取得した音声を基準音声に変換する。
図3は基準音声に対応する属性の一例を示す模式図である。音声は、主に声帯と声道によって作り出される。声帯は、開閉弁の役割を有し、肺から吐き出された呼気によって周期的に振動する。声道は口腔や鼻腔などの空洞部分である。声帯や声道は、人の年齢、性別、体格等の様々な属性によって異なるため、人によって声質も変わってくる。図3の例では、対象者の属性をC1、C2、C3、…としたときに、年齢、性別、身長、体重が属性毎に異なる様子を示す。対話者の属性も対象者の属性と同様である。一方、基準音声は、例えば、年齢、性別、体格等の様々な属性が所定の属性の音声とすることができる。所定の属性は、例えば、図3に示すように、50歳の男性で標準的な体格(例えば、身長が170cm、体重が70kgなど)とすることができる。なお、基準音声に対応する属性は図3の例に限定されない。
音声変換部55は、対象者又は対話者の音声に含まれる音韻情報を保持したまま声質を変換することができる。
図4は音声変換部55の構成の一例を示す模式図である。図4に示すように、音声変換部55は、パラメータ抽出部551、パラメータ変換部552、及び音声合成部553を備える。音声変換部55は、対象者又は対話者の音声信号(両者の音声信号でもよい)が入力されると、入力された音声信号を基準音声信号(基準音声の音声信号)に変換し、変換した基準音声信号を出力することができる。
パラメータ抽出部551は、入力された音声信号から、ピッチX、及びフォルマント周波数Yなどのパラメータを抽出し、抽出したピッチX、及びフォルマント周波数Yをパラメータ変換部552に出力する。なお、フォルマント周波数Yには、第1フォルマント周波数Y1、第2フォルマント周波数Y2、第3フォルマント周波数Y3、第4フォルマント周波数Y4などを含めることができる。ピッチXは、音声の高低に関係し、声道の形状(例えば、長さ等)と関係し、属性の違いがピッチXの違いとなって表れる。また、フォルマント周波数Yは、声道の形状等と関係し、属性の違いがフォルマント周波数Yの違いとなって表れる。本明細書において、パラメータ抽出部551が抽出するパラメータは、例えば、声道形状や声帯の違いを表すことができるパラメータであればよく、上述のようなピッチやフォルマント周波数を含む。パラメータは、後述の音声特徴量の一部と共通していてもよい。
パラメータ変換部552は、入力された音声のパラメータを基準音声のパラメータに変換する。例えば、パラメータ変換部552は、ピッチXを基準ピッチPに変換し、フォルマント周波数Yを基準フォルマント周波数Fに変換する。パラメータ変換部552は、変換して得られたパラメータ(基準ピッチP及び基準フォルマント周波数F)を音声合成部553に出力する。基準フォルマント周波数Fには、第1フォルマント周波数F1、第2フォルマント周波数F2、第3フォルマント周波数F3、第4フォルマント周波数F4などを含めることができる。基準ピッチP及び基準フォルマント周波数Fは、例えば、図3に例示した基準音声に対応するパラメータである。
音声合成部553は、パラメータ変換部552から入力された音声のパラメータ(基準ピッチP及び基準フォルマント周波数F)を用いて基準音声を生成して認知機能判定部56へ出力することができる。
図5はパラメータ変換部552の構成の第1例を示す説明図である。図5に示すように、パラメータ変換部552は、変換テーブル552aで構成することができる。例えば、対象者又は対話者の音声から抽出したピッチをX1、第1フォルマント周波数〜第4フォルマント周波数をY11〜Y41とすると、変換式FF1を用いて基準ピッチP及び基準フォルマント周波数Fに変換することができる。同様に、対象者又は対話者の音声から抽出したピッチをX2、第1フォルマント周波数〜第4フォルマント周波数をY12〜Y42とすると、変換式FF2を用いて基準ピッチP及び基準フォルマント周波数Fに変換することができる。他の属性の場合も同様である。このように、パラメータ変換部552は、ルールベースで基準音声のパラメータに変換することができる。なお、変換式に代えて、基準ピッチP及び基準フォルマント周波数Fの数値を変換テーブルに記録してもよい。この場合には、単に、ピッチX1、第1フォルマント周波数〜第4フォルマント周波数Y11〜Y41を、基準ピッチP及び基準フォルマント周波数Fの数値に置き換えるだけでよい。
図6はパラメータ変換部552の構成の第2例を示す説明図である。図6に示すように、パラメータ変換部552は、ニューラルネットワーク552bで構成することができる。ニューラルネットワーク552bは、第1学習モデルとしての機能を有し、入力層、中間層、出力層を備える。ニューラルネットワーク552bとして、例えば、DNN、RNN、CNN又はオートエンコーダを用いることができるが、他のモデルを用いてもよい。学習処理部57は、学習用データを用いて学習済のニューラルネットワーク552bを生成することができる。学習処理部57は、例えば、CPU(例えば、複数のプロセッサコアを実装したマルチ・プロセッサなど)、GPU(Graphics Processing Units)、DSP(Digital Signal Processors)、FPGA(Field-Programmable Gate Arrays)などのハードウェアを組み合わせることによって構成することができる。また、量子プロセッサを組み合わせることもできる。
ニューラルネットワーク552bは、人の音声の音声データのパラメータを入力層に与え、入力層に与える人の音声のパラメータに対応する基準音声のパラメータを出力層に与えて生成することができる。この場合、入力層に与える音声データのパラメータは、ある属性の人の音声データから抽出したピッチ及びフォルマント周波数とすることができ、出力層に与えるのパラメータは、基準音声の音声データから抽出したピッチ及びフォルマント周波数とすることができる。学習用データは、ある属性の人の音声データから抽出したピッチ及びフォルマント周波数、並びに基準音声の音声データから抽出したピッチ及びフォルマント周波数とすることができる。このような学習用データは、様々な属性の人の音声データを収集して、第1訓練データとして準備することができる。なお、入力層に与える、任意の属性の人の音声と、出力層に与える基準音声とは、同じ音韻等に対応するパラメータの組が必要なので、両者の発話内容は同じものとする(同じ内容を話すものとする)。これにより、音声変換部55は、ニューラルネットワーク552bを用いて、対象者及び対話者の音声を基準音声に変換することができる。
認知機能判定部56は、判定部としての機能を有し、音声変換部55で変換した基準音声に基づいて対象者の認知機能を判定する。認知機能の判定は、例えば、基準音声の音声特徴量(例えば、音声の高さに関連するピッチ、母音や子音の特徴に関連するフォルマント周波数、声道特性に関連するメル周波数スペクトラム係数(MFCC)など)に基づいて行うことができる。認知機能の判定には、例えば、ルールベース、機械学習の一手法であるサポートベクターマシン(SVM)、ニューラルネットワークなどの学習モデルを用いることができる。本明細書において、音声特徴量は、認知機能障害を判定することができる特徴量であり、音声の韻律的特徴を特定することができる特徴量であればよい。音声特徴量は、例えば、上述のようなピッチ、フォルマント周波数、メル周波数スペクトラム係数など、あるいはこれらの組み合わせを含む。
上述のように、対象者の音声を基準音声に変換し、変換した基準音声を用いて認知機能を判定するので、対象者それぞれの声質が、年齢、性別及び体格等の属性によって異なる場合でも、それぞれの属性に適した認知機能のための学習モデルや判定装置を予め準備する必要がない。すなわち、属性に応じた学習モデルや判定装置を準備することなく、対象者の年齢、性別及び体格等の属性に関わらず認知機能を判定することができる。また、認知機能の判定を、高齢者を対象とするだけでなく若年者も対象とすることができる。
また、認知機能判定部56は、対象者の基準音声だけでなく、対話者の基準音声に基づいて対象者の認知機能を判定することができる。すなわち、対象者の基準音声だけでなく、対象者と対話する対話者の基準音声も認知機能の判定の要素とすることができる。対話者の質問等の発話に対する対象者の回答等の応答を、対象者の認知機能の判定に用いることができるので、人の問いかけに対して、対象者がどのように反応しているかを判断材料とすることができ、認知機能の判定の精度を向上させることができる。
次に、認知機能判定部56の詳細について説明する。
図7は認知機能判定部56の構成の第1例を示す模式図である。図7に示すように、認知機能判定部56は、音声特徴量抽出部561、及びDNN(Deep Neural Network:深層ニューラルネットワーク)562を備える。音声特徴量抽出部561は、対話者の音声波形と対象者の音声波形(例えば、対話者の質問と質問に対する対象者の回答を1つの纏まりとする音声波形)に基づいて、対象者の音声特徴量(例えば、ピッチ、フォルマント周波数、メル周波数スペクトラム係数(MCFF))を抽出するとともに、対話者の音声特徴量(例えば、ピッチ、フォルマント周波数、メル周波数スペクトラム係数(MCFF))を抽出する。認知機能障害を特定するには、音声の3つの要素(韻律、音質及び音韻)のうち、特に韻律が重要な非言語情報であることが知られている。そこで、韻律を特徴付ける音声特徴量として、ピッチ、フォルマント周波数及びメル周波数スペクトラム係数を用いてDNN562を学習させることができる。
音声特徴量抽出部561には、識別フラグを入力することができる。識別フラグは、対象者フラグ及び対話者フラグとすることができる。例えば、音声特徴量抽出部561に対話者の音声が入力される場合、音声が入力されている間、対話者フラグを入力し続けてもよく、対話者の音声の開始と終了時に対話者フラグを入力してもよい。音声特徴量抽出部561に対象者の音声が入力される場合、音声が入力されている間、対象者フラグを入力し続けてもよく、対象者の音声の開始と終了時に対象者フラグを入力してもよい。これにより、音声特徴量抽出部561は、対象者のみの音声が入力される場合でも、対象者の音声と対話者の音声が順番に繰り返し入力される場合でも、対象者と対話者の別を識別することができる。音声特徴量抽出部561は、抽出した対象者の特徴量と対話者の特徴量とをDNN562に入力する。
また、DNN562には、対話者の質問等の発話に対する対象者の回答等の応答時間を入力してもよい。DNN562は、健常者及び認知機能障害者と対話する対話者の発話に対する健常者及び認知機能障害者の応答時間を含む学習用データを用いて生成されている。応答時間は、対話者の発話の終了時点から健常者及び認知機能障害者の回答の開始時点までの時間とすることができる。認知機能が低下するのに応じて応答時間は長くなる傾向があると考えられるので、応答時間を学習用データに含めることにより、DNN562の認知機能の判定の精度を向上させることができる。
DNN562は、人の音声が変換された基準音声が入力された場合に、当該人の認知機能レベルを出力することができる。図7の例では、認知機能レベル(認知機能障害のレベル)をレベル「1」からレベル「m」までのm個に区分している。認知機能レベルmが重度の認知機能障害に相当し、レベルを示す数値が小さいほど、認知機能障害は軽くなる。認知機能レベルが所定の閾値以下であれば健常者と判定し、所定の閾値を超える場合には認知症と判定してもよい。
学習処理部57は、学習用データ(第2訓練データ)を用いて学習済のDNN562を生成することができる。DNN562は、健常者及び認知機能障害者それぞれの音声が変換された基準音声の基準音声データを入力層に与え、入力層に与える基準音声データに対応する健常者及び認知機能障害者それぞれの認知機能レベルを出力層に与えて生成することができる。この場合、健常者及び認知機能障害者の音声データから音声特徴量(例えば、ピッチ、フォルマント周波数、メル周波数スペクトラム係数など)を抽出し、抽出した音声特徴量を学習用データとして用いることができる。また、認知機能レベルは、例えば、数値で1〜5の如く5段階に区分してもよい(図7の例ではm=5)。この場合、認知機能レベルが所定の閾値以下であれば健常者と判定し、所定の閾値を超える場合には認知症と判定してもよい。また、認知機能レベルは、正常、軽度認知症及び重度認知症の如く3段階に区分してもよく、正常及び認知症の如く2段階で区分してもよい。これにより、DNN562は、変換された基準音声に基づいて対象者の認知機能レベルを判定することができる。
また、DNN562は、健常者及び認知機能障害者それぞれの音声が変換された基準音声に加えて、対話者の音声が変換された基準音声の基準音声データを入力層に与え、入力層に与える基準音声データに対応する健常者及び認知機能障害者それぞれの認知機能レベルを出力層に与えて生成することができる。
図8は認知機能判定部56の構成の第2例を示す模式図である。図8に示すように、認知機能判定部56は、RNN(Recurrent Neural Network:再帰型ニューラルネットワーク)563を備える。図8に示すように、対話者の音声波形と対象者の音声波形(例えば、対話者の質問と質問に対する対象者の回答を1つの纏まりとする音声波形)がRNN563に入力されると、RNN563は、対象者の認知機能レベルを出力することができる。図8の例では、認知機能レベルをレベル「1」からレベル「m」までのm個に区分している。認知機能レベルmが重度の認知機能障害に相当し、レベルを示す数値が小さいほど、認知機能障害は軽くなる。
RNN563には、識別フラグを入力することができる。識別フラグは、対象者フラグ及び対話者フラグとすることができる。例えば、RNN563に対話者の音声が入力される場合、音声が入力されている間、対話者フラグを入力し続けてもよく、対話者の音声の開始と終了時に対話者フラグを入力してもよい。RNN563に対象者の音声が入力される場合、音声が入力されている間、対象者フラグを入力し続けてもよく、対象者の音声の開始と終了時に対象者フラグを入力してもよい。これにより、RNN563は、対象者のみの音声が入力される場合でも、対象者の音声と対話者の音声が順番に繰り返し入力される場合でも、対象者と対話者の別を識別することができる。なお、対話者フラグは入力しなくてもよい。例えば、対象者の音声だけがRNN563に入力される場合、あるいは、対象者の音声と対話者の音声とが予め識別される場合には、対話者フラグは不要である。
学習処理部57は、学習用データを用いて学習済のRNN563を生成することができる。RNN563は、健常者及び認知機能障害者それぞれの音声が変換された基準音声の基準音声データを入力層に与え、入力層に与える基準音声データに対応する健常者及び認知機能障害者それぞれの認知機能レベルを出力層に与えて生成することができる。この場合、学習用データとしての音声データは、健常者及び認知機能障害者の音声データでもよく、健常者及び認知機能障害者と対話者の両方の音声データでもよい。音声データは、そのまま学習用データとして直接用いることができる。また、識別フラグをRNN563に入力して学習させてもよい。RNN563は、変換された基準音声に基づいて対象者の認知機能レベルを判定することができる。
また、RNN563は、健常者及び認知機能障害者それぞれの音声が変換された基準音声に加えて、対話者の音声が変換された基準音声の基準音声データを入力層に与え、入力層に与える基準音声データに対応する健常者及び認知機能障害者それぞれの認知機能レベルを出力層に与えて生成することができる。
図9は認知機能判定部56の構成の第3例を示す模式図である。図9に示すように、認知機能判定部56は、FFT変換部565、及びCNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)564を備える。FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)変換部565は、対話者の音声波形と対象者の音声波形(例えば、対話者の質問と質問に対する対象者の回答を1つの纏まりとする音声波形)をスペクトログラムに変換し、変換した、対象者及び対話者それぞれのスペクトログラムをCNN564に出力する。スペクトログラムは、2次元マップであり、縦軸は周波数を示し、横軸は時間を示し、2次元上の各点(座標)の明るさ又は色等によって、その点での周波数の振幅(強さ)を表すことができる。スペクトログラムは、対話者と対象者の音声波形にどのような周波数成分が含まれるかを示すことができる。
FFT変換部565には、識別フラグを入力することができる。識別フラグは、対象者フラグ及び対話者フラグとすることができる。例えば、FFT変換部565に対話者の音声が入力される場合、音声が入力されている間、対話者フラグを入力し続けてもよく、対話者の音声の開始と終了時に対話者フラグを入力してもよい。FFT変換部565に対象者の音声が入力される場合、音声が入力されている間、対象者フラグを入力し続けてもよく、対象者の音声の開始と終了時に対象者フラグを入力してもよい。これにより、FFT変換部565は、対象者のみの音声が入力される場合でも、対象者の音声と対話者の音声が順番に繰り返し入力される場合でも、対象者と対話者の別を識別することができる。CNN564は、スペクトログラムが入力されると、対象者の認知機能レベルを出力することができる。図9の例では、認知機能レベルをレベル「1」からレベル「m」までのm個に区分している。
学習処理部57は、学習用データを用いて学習済のCNN564を生成することができる。CNN564は、健常者及び認知機能障害者の基準音声の音声データから変換されたスペクトログラムと、当該健常者及び認知機能障害者の認知機能レベルとを学習用データを用いて生成することができる。なお、スペクトログラムに代えて、音声波形を2次元マップとして捉えると、この2次元マップは、各点(座標)の明るさ又は色等によって、その点での音声信号の有無を表すことができる。そこで、2次元マップとして捉えた音声波形をCNN564に入力してもよい。
また、CNN564は、健常者及び認知機能障害者の基準音声の音声データから変換されたスペクトログラムに加えて、対話者の基準音声の音声データから変換されたスペクトログラムと、当該健常者及び認知機能障害者の認知機能レベルとを学習用データを用いて生成することができる。
本実施の形態において、認知機能の判定は、図7〜図9に例示した、各構成のいずれかを用いてもよく、各構成を組み合わせてもよい。例えば、図7と図8の各構成の両方を用いて認知機能の判定を行ってもよく、図7と図9の各構成の両方を用いて認知機能の判定を行ってもよい。構成を組み合わせる場合には、各構成の判定結果を総合的に判定して最終判定とすればよい。
上述のように、DNN562、RNN563、CNN564は、健常者及び認知機能障害者と対話する対話者の音声が変換された基準音声の音声データを含む学習用データを用いて生成されている。健常者及び認知機能障害者の基準音声だけでなく、健常者及び認知機能障害者と対話する対話者の基準音声も認知機能の判定の要素とすることができる。すなわち、対話者の質問等の発話に対する健常者及び認知機能障害者の回答等の応答を認知機能の判定に用いることができるので、人の問いかけに対して、健常者及び認知機能障害者がどのように反応しているかを学習することでき、DNN562、RNN563、CNN564の認知機能の判定の精度を向上させることができる。
本実施の形態において、DNN562、RNN563、CNN564は、自身が判定した対象者の認知機能レベルを、医師が判断した認知機能レベル(修正認知機能レベル)に更新した学習用データを用いて再学習することができる。例えば、DNN562が、ある対象者の認知機能レベルをレベル「3」と判定したとする。医師が診察によって当該対象者の認知機能レベルをレベル「4」と判定した場合、当該対象者の基準音声と認知機能レベルを「4」に更新した学習用データを用いてDNN562を再学習させることができる。RNN563、CNN564についても同様である。これにより、DNN562、RNN563、CNN564の認知機能の判定の精度を向上させることができる。
図10は認知機能判定システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。端末装置10は、対話音声を取得し(S11)、取得した対話音声を認知機能判定装置50へ送信する(S12)。認知機能判定装置50は、対話音声を受信し(S13)、対象者の音声と対話者の音声とを識別する(S14)。認知機能判定装置50は、対話者の音声及び対象者の音声を基準音声に変換し(S15)、変換した基準音声に基づいて対象者の認知機能レベルを判定する(S16)。認知機能判定装置50は、判定結果を端末装置10へ送信し(S17)、後述のステップS19の処理を行う。
端末装置10は、判定結果を受信して出力し(S18)、処理を終了する。認知機能判定装置50は、基準音声に基づいて判定した認知機能レベルに対する医師の修正認知機能レベルを取得したか否かを判定し(S19)、修正認知機能レベルを取得した場合(S19でYES)、当該基準音声及び修正認知機能レベルを再学習データとして記憶部54に記憶し(S20)、処理を終了する。認知機能判定装置50は、修正認知機能レベルを取得していない場合(S19でNO)、処理を終了する。
図11は学習済みモデルの生成方法の一例を示すフローチャートである。認知機能判定装置50は、音声及び当該音声に対応する基準音声を含む第1訓練データを複数取得し(S31)、取得した複数の第1訓練データを用いて第1学習済みモデルを生成する(S32)。認知機能判定装置50は、基準音声及び当該基準音声の話者の認知機能レベルを含む第2訓練データを複数取得し(S33)、取得した複数の第2訓練データを用いて第2学習済みモデルを生成し(S34)、処理を終了する。
認知機能判定装置50は、CPU(プロセッサ)、GPU、RAM(メモリ)などを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図10及び図11に示すような、各処理の手順を定めたコンピュータプログラムをコンピュータに備えられたRAM(メモリ)にロードし、コンピュータプログラムをCPU(プロセッサ)で実行することにより、コンピュータ上で認知機能判定装置50を実現することができる。コンピュータプログラムは記録媒体に記録され流通されてもよい。学習済のDNN562、RNN563、CNN564は、それぞれ学習処理部を備える他のサーバ等で生成して、認知機能判定装置50にダウンロードしてもよい。
また、本実施の形態の認知機能判定装置50をロボットやスマートスピーカに組み込むことができる。ロボットやスマートスピーカは、対象者と対話することにより、対象者の音声を取得し、基準音声に変換して認知機能レベルを判定することができる。この場合、ロボットやスマートスピーカの発話は、例えば、聞き取りにくい話し方と聞き取りやすい話し方の両方の音声を出力して対象者の反応を取得することができる。判定結果は、対象者の携帯端末(例えば、スマートフォン、タブレット)に出力してもよく、音声で判定結果を通知してもよい。このようなロボットは、病院、診療所、役所、店舗などに設置することができる。また、スマートスピーカは、対象者や家族の自宅に設置することにより、例えば、見守りサービスを実現できる。
また、本実施の形態の認知機能判定装置50を、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、カメラ等に組み込み、対象者が電話やTV電話を行う際に、音声を取得し、認知機能レベルを判定することができる。判定結果は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、カメラに記録され、必要に応じて、あるいは定期的に表示又は出力するようにしてもよい。これにより、対象者は、自身の認知機能レベルの履歴をいつでも確認することができる。
本実施の形態の認知機能判定装置は、対象者の音声を取得する取得部と、前記取得部で取得した音声を基準音声に変換する変換部と、前記変換部で変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する判定部とを備える。
本実施の形態の認知機能判定システムは、対象者の音声を取得する取得部と、前記取得部で取得した音声を基準音声に変換する変換部と、前記変換部で変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する判定部とを備える。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、対象者の音声を取得する処理と、取得した音声を基準音声に変換する処理と、変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する処理とを実行させる。
取得部は、対象者の音声を取得する。対象者の音声は、対象者と対話する対話者との対話音声とすることができる。変換部は、取得した音声を基準音声に変換する。基準音声は、例えば、年齢、性別、体格等の様々な属性が所定の属性の音声とすることができる。所定の属性は、例えば、50歳の男性で標準的な体格(例えば、身長が170cm、体重が70kgなど)とすることができる。変換部は、対象者の音声に含まれる音韻情報を保持したまま声質を変換することができる。判定部は、変換した基準音声に基づいて対象者の認知機能を判定する。認知機能の判定には、例えば、基準音声の音声特徴量(例えば、音声の高さに関連するピッチ、母音や子音の特徴に関連するフォルマント周波数、声道特性に関連するメル周波数スペクトラム係数(MFCC)など)に基づいて行うことができる。認知機能の判定には、例えば、ルールベース、機械学習の一手法であるサポートベクターマシン(SVM)、ニューラルネットワークなどの学習モデルを用いることができる。
上述のように、対象者の音声を基準音声に変換し、変換した基準音声を用いて認知機能を判定するので、対象者それぞれの声質が、年齢、性別及び体格等の属性によって異なる場合でも、それぞれの属性に適した認知機能のための学習モデルや判定装置を予め準備する必要がない。すなわち、属性に応じた学習モデルや判定装置を準備することなく、対象者の年齢、性別及び体格等の属性に関わらず認知機能を判定することができる。また、認知機能の判定を、高齢者を対象とするだけでなく若年者も対象とすることができる。
本実施の形態の認知機能判定装置において、前記取得部は、前記対象者と対話する対話者の音声を取得し、前記変換部は、前記対話者の音声を基準音声に変換し、前記判定部は、前記対話者の変換された基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する。
取得部は、対象者と対話する対話者の音声を取得し、変換部は、対話者の音声を基準音声に変換する。判定部は、対話者の変換された基準音声に基づいて対象者の認知機能を判定する。対象者の基準音声だけでなく、対象者と対話する対話者の基準音声も認知機能の判定の要素とすることができる。すなわち、対話者の質問等の発話に対する対象者の回答等の応答を、対象者の認知機能の判定に用いることができるので、人の問いかけに対して、対象者がどのように反応しているかを判断材料とすることができ、認知機能の判定の精度を向上させることができる。
本実施の形態の認知機能判定装置において、前記変換部は、対象者の音声が入力された場合に、基準音声を出力する第1学習済みモデルを含む。
本実施の形態の認知機能判定装置は、前記判定部は、前記基準音声が入力された場合に、対象者の認知機能レベルを出力する第2学習済みモデルを含む。
本実施の形態の認知機能判定装置において、前記第2学習済みモデルは、対象者及び対話者の対話を前記第1学習済みモデルに入力して出力された前記基準音声が入力された場合に、前記対象者の認知機能レベルを出力する。
第2学習済みモデルは、対象者及び対話者の対話を第1学習済みモデルに入力して出力された対象者及び対話者の基準音声が入力された場合に、対象者の認知機能レベルを出力することができる。第2学習済みモデルは、健常者及び認知機能障害者と対話する対話者の音声が変換された基準音声の音声データを含む学習用データを用いて生成されている。健常者及び認知機能障害者の基準音声だけでなく、健常者及び認知機能障害者と対話する対話者の基準音声も認知機能の判定の要素とすることができる。すなわち、対話者の質問等の発話に対する健常者及び認知機能障害者の回答等の応答を認知機能の判定に用いることができるので、人の問いかけに対して、健常者及び認知機能障害者がどのように反応しているかを学習することでき、第2学習済みモデルの認知機能の判定の精度を向上させることができる。
本実施の形態の認知機能判定装置において、前記第2学習済みモデルは、前記基準音声の音声データから抽出される、ピッチ、フォルマント周波数及びメル周波数スペクトラム係数の少なくとも一つを含む音声特徴量が入力された場合に、前記対象者の認知機能レベルを出力する。
第2学習済みモデルは、基準音声の音声データから抽出される、ピッチ、フォルマント周波数及びメル周波数スペクトラム係数の少なくとも一つを含む音声特徴量が入力された場合に、対象者の認知機能レベルを出力することができる。第2学習済みモデルは、基準音声の音声データから抽出される、ピッチ、フォルマント周波数及びメル周波数スペクトラム係数(MCFF)の少なくとも一つを含む音声特徴量を含む学習用データを用いて生成されている。認知機能障害を特定するには、音声の3つの要素(韻律、音質及び音韻)のうち、特に韻律が重要な非言語情報であることが知られている。そこで、韻律を特徴付ける音声特徴量として、ピッチ、フォルマント周波数及びメル周波数スペクトラム係数を用いて第2学習済みモデルを生成する。例えば、第2学習済みモデルが出力する認知機能レベルを、1〜5の5段階とする。認知機能レベルが予め「3」であると分かっている音声データから抽出されるピッチ、フォルマント周波数及びメル周波数スペクトラム係数を学習用データとして第2学習モデルに与えるとともに教師ラベルとして認知機能レベル「3」を第2学習モデルに与える。他の認知機能レベルについても同様である。
本実施の形態の認知機能判定装置において、前記第2学習済みモデルは、対話者の発話に対する対象者の回答の応答時間がさらに入力された場合に、前記対象者の認知機能レベルを出力する。
第2学習済みモデルは、対話者の発話に対する対象者の回答の応答時間がさらに入力された場合に、対象者の認知機能レベルを出力することができる。第2学習済みモデルは、健常者及び認知機能障害者と対話する対話者の発話に対する健常者及び認知機能障害者の応答時間を含む学習用データを用いて生成されている。応答時間は、対話者の発話の終了時点から健常者及び認知機能障害者の回答の開始時間までの遅延時間とすることができる。認知機能が低下するのに応じて応答時間は長くなる傾向があると考えられるので、応答時間を学習用データに含めることにより、第2学習済みモデルの認知機能の判定の精度を向上させることができる。
本実施の形態の認知機能判定装置は、基準音声を入力することにより前記第2学習済みモデルから出力された認知機能レベルに対する医師の修正認知機能レベルを取得し、前記基準音声及び修正認知機能レベルを前記第2学習済みモデルの再学習データとして記憶する。
基準音声を入力することにより第2学習済みモデルから出力された認知機能レベルに対する医師の修正認知機能レベルを取得し、基準音声及び修正認知機能レベルを第2学習済みモデルの再学習データとして記憶する。第2学習済みモデルは、判定した人の認知機能レベルを医師の判断によって更新した認知機能レベルが入力されると、再学習を行うことができる。第2学習済みモデルは、判定した対象者の認知機能レベルを、医師が判断した認知機能レベルに更新した学習用データを用いて再学習可能である。例えば、第2学習済みモデルが、ある対象者の認知機能レベルをレベル「3」と判定したとする。医師が診察によって当該対象者の認知機能レベルをレベル「4」と判定した場合、当該対象者の基準音声と認知機能レベルを「4」に更新した学習用データを用いて第2学習済みモデルを再学習させることができる。これにより、第2学習済みモデルの認知機能の判定の精度を向上させることができる。
本実施の形態の認知機能判定装置は、前記対象者の音声と、前記対象者と対話する対話者の音声とを識別する識別部を備える。
識別部は、対話音声から、対象者の音声と対話者の音声とを識別する。音声の識別には、予め対象者と対話者の音声データを記憶しておき、記憶した音声データと照合する方法、対話者が、対象者が発話するとき、あるいは対話者が発話するときにボタン等を操作して区別する方法、マイクの指向性を利用して区別する方法などを用いることができる。これにより、対象者の音声と対話者の音声とを識別することができる。
本実施の形態の認知機能判定装置において、前記取得部は、前記対象者と対話者とを識別する識別フラグを取得する。
取得部は、対象者と対話者とを識別する識別フラグを取得する。識別フラグは、対象者フラグ、及び対話者フラグとすることができる。これにより、対象者のみの音声、対話者のみの音声、あるいは対象者と対話者の両者の音声の別を識別することができる。
本実施の形態の認知機能判定装置において、前記基準音声は、年齢、性別及び体格を含む人の属性が所定の属性の音声である。
本実施の形態の認知機能判定装置は、年齢、性別及び体格を含む人の属性毎に前記変換部を複数備える。
変換部は、年齢、性別及び体格(例えば、身長、体重など)を含む属性毎に複数備えることができる。これにより、男女の別や体格の違いを問わず若年層から高齢者に至るまで様々な対象者の音声をより精度よく基準音声に変換することができる。
1 通信ネットワーク
10 端末装置
11 マイク
50 認知機能判定装置
51 制御部
52 通信部
53 音声識別部
54 記憶部
55 音声変換部
551 パラメータ抽出部
552 パラメータ変換部
552a 変換テーブル
552b ニューラルネットワーク
553 音声合成部
56 認知機能判定部
561 音声特徴量抽出部
562 DNN
563 RNN
564 CNN
565 FFT変換部
57 学習処理部

Claims (14)

  1. 対象者の音声を取得する取得部と、
    前記取得部で取得した音声を基準音声に変換する変換部と、
    前記変換部で変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する判定部と
    を備える認知機能判定装置。
  2. 前記取得部は、
    前記対象者と対話する対話者の音声を取得し、
    前記変換部は、
    前記対話者の音声を基準音声に変換し、
    前記判定部は、
    前記対話者の変換された基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する請求項1に記載の認知機能判定装置。
  3. 前記変換部は、
    対象者の音声が入力された場合に、基準音声を出力する第1学習済みモデルを含む請求項1又は請求項2に記載の認知機能判定装置。
  4. 前記判定部は、
    前記基準音声が入力された場合に、対象者の認知機能レベルを出力する第2学習済みモデルを含む請求項3に記載の認知機能判定装置。
  5. 前記第2学習済みモデルは、
    対象者及び対話者の対話を前記第1学習済みモデルに入力して出力された前記基準音声が入力された場合に、前記対象者の認知機能レベルを出力する請求項4に記載の認知機能判定装置。
  6. 前記第2学習済みモデルは、
    前記基準音声の音声データから抽出される、ピッチ、フォルマント周波数及びメル周波数スペクトラム係数の少なくとも一つを含む音声特徴量が入力された場合に、前記対象者の認知機能レベルを出力する請求項4又は請求項5に記載の認知機能判定装置。
  7. 前記第2学習済みモデルは、
    対話者の発話に対する対象者の回答の応答時間がさらに入力された場合に、前記対象者の認知機能レベルを出力する請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の認知機能判定装置。
  8. 基準音声を入力することにより前記第2学習済みモデルから出力された認知機能レベルに対する医師の修正認知機能レベルを取得し、
    前記基準音声及び修正認知機能レベルを前記第2学習済みモデルの再学習データとして記憶する請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の認知機能判定装置。
  9. 前記対象者の音声と、前記対象者と対話する対話者の音声とを識別する識別部を備える請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の認知機能判定装置。
  10. 前記取得部は、
    前記対象者と対話者とを識別する識別フラグを取得する請求項9に記載の認知機能判定装置。
  11. 前記基準音声は、
    年齢、性別及び体格を含む人の属性が所定の属性の音声である請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の認知機能判定装置。
  12. 年齢、性別及び体格を含む人の属性毎に前記変換部を複数備える請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の認知機能判定装置。
  13. 対象者の音声を取得する取得部と、
    前記取得部で取得した音声を基準音声に変換する変換部と、
    前記変換部で変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する判定部と
    を備える認知機能判定システム。
  14. コンピュータに、
    対象者の音声を取得する処理と、
    取得した音声を基準音声に変換する処理と、
    変換した基準音声に基づいて前記対象者の認知機能を判定する処理と
    を実行させるコンピュータプログラム。
JP2020001799A 2020-01-09 2020-01-09 認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラム Active JP6712028B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020001799A JP6712028B1 (ja) 2020-01-09 2020-01-09 認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020001799A JP6712028B1 (ja) 2020-01-09 2020-01-09 認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6712028B1 true JP6712028B1 (ja) 2020-06-17
JP2021108843A JP2021108843A (ja) 2021-08-02

Family

ID=71079378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020001799A Active JP6712028B1 (ja) 2020-01-09 2020-01-09 認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6712028B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023534799A (ja) * 2020-07-15 2023-08-14 イモコグ カンパニー リミテッド 会話ベースの精神障害選別方法及びその装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102539191B1 (ko) * 2022-08-05 2023-06-02 주식회사 실비아헬스 인지 상태 정보 제공 방법 및 이를 위한 전자 장치

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6731631B2 (ja) * 2016-02-26 2020-07-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 認知機能評価装置、プログラム
JP6748965B2 (ja) * 2016-09-27 2020-09-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 認知機能評価装置、認知機能評価方法、およびプログラム
JP6263308B1 (ja) * 2017-11-09 2018-01-17 パナソニックヘルスケアホールディングス株式会社 認知症診断装置、認知症診断方法、及び認知症診断プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023534799A (ja) * 2020-07-15 2023-08-14 イモコグ カンパニー リミテッド 会話ベースの精神障害選別方法及びその装置
JP7515934B2 (ja) 2020-07-15 2024-07-16 イモコグ インク. 会話ベースの精神障害選別方法及びその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021108843A (ja) 2021-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11918372B2 (en) Cognitive function evaluation system, method, and storage medium for dementia by analyzing voice of evaluatee for recognition, remembering or jugment capabilities
US10621968B2 (en) Method and apparatus to synthesize voice based on facial structures
US11826161B2 (en) Cognitive function evaluation device, cognitive function evaluation system, cognitive function evaluation method, and non-transitory computer-readable storage medium
JP2006071936A (ja) 対話エージェント
JP6419924B1 (ja) 学習支援システムおよび学習支援方法
KR102314213B1 (ko) 인공지능 기술을 활용한 경도 인지 장애 감지 방법 및 장치
Yağanoğlu Real time wearable speech recognition system for deaf persons
JP6729923B1 (ja) 難聴判定装置、難聴判定システム、コンピュータプログラム及び認知機能レベル補正方法
Hansen et al. On the issues of intra-speaker variability and realism in speech, speaker, and language recognition tasks
KR102442426B1 (ko) 신경언어장애를 개선하는 방법 및 장치
JP6712028B1 (ja) 認知機能判定装置、認知機能判定システム及びコンピュータプログラム
US12105876B2 (en) System and method for using gestures and expressions for controlling speech applications
KR102444012B1 (ko) 말 장애 평가 장치, 방법 및 프로그램
JP2008262120A (ja) 発話評価装置及び発話評価プログラム
JP2024123237A (ja) 会話ベースの精神障害選別方法及びその装置
KR20210100831A (ko) 인공지능 기반 수어통역 서비스 제공 시스템 및 방법
WO2023075746A1 (en) Detecting emotional state of a user
KR20210100832A (ko) 사용자의 감정상태를 판단하는 인공지능 기반 수어통역 서비스 제공 시스템 및 방법
Perrachione et al. Talker identification across source mechanisms: Experiments with laryngeal and electrolarynx speech
JP2003316387A (ja) 学習装置、移動通信端末、情報認識システム、及び、学習方法
JP2023029751A (ja) 音声情報処理装置、及びプログラム
Arjmandi et al. Effects of simulated cochlear-implant processing on voice quality distinction: Evidence from analysis of disordered voices
NWE Analysis and detection of human emotion and stress from speech signals
Coene et al. Research Article Linguistic Factors Influencing Speech Audiometric Assessment
Kamaruddin Cognitive-inspired speaker affective state profiling

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200109

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200109

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6712028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250