以下に図面を参照して、本発明にかかる情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
まず、実施の形態にかかる業務支援システム100のシステム構成例について説明する。業務支援システム100は、例えば、市区町村などの自治体に導入されるコンピュータシステムである。
図1は、業務支援システム100のシステム構成例を示す説明図である。図1において、業務支援システム100は、情報処理装置101と、台帳照合装置102と、クライアント装置103と、を含む。業務支援システム100において、情報処理装置101、台帳照合装置102およびクライアント装置103は、有線または無線のネットワーク110を介して接続される。ネットワーク110は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
ここで、情報処理装置101は、税務情報管理システム120に含まれるコンピュータであり、税務情報の管理作業を支援する。税務情報は、例えば、固定資産税に関する課税データである。課税データは、例えば、固定資産の所在地、所有者、評価額、課税標準額、税額などに関する情報を含む。
情報処理装置101は、土地一筆テーブル140、土地一筆履歴テーブル150、分合筆元先テーブル160および土地台帳番号テーブル170を有する。各種テーブル140,150,160,170の記憶内容については、図4〜図6を用いて後述する。ただし、土地一筆履歴テーブル150については、土地一筆テーブル140のデータ構造と同様のため図示を省略する。情報処理装置101は、例えば、サーバである。
台帳照合装置102は、台帳照合システム130に含まれるコンピュータであり、法務局から提供される登記済通知データと自治体で管理される課税データとのマッチングを行う。登記済通知データは、登記済通知を電子化したものである。登記済通知は、固定資産税の基礎となる資料である。
登記済通知には、例えば、物件(土地、家屋等)の所在地、地目、地積、所有者、登記日付などが記述される。また、登記済通知データとマッチングされる課税データは、固定資産税に関する課税データである。課税データは、税務情報管理システム120から取得される。
具体的には、例えば、台帳照合装置102は、法務局から通知される登記済通知データを受領すると、物件の所在地や所有者などをもとに、登記済通知データと課税データとのマッチングを行って登記情報を作成する。登記情報は、登記済通知データから特定される物件に関する登記情報であり、当該物件に対応する課税データを特定するための連携データである。登記情報の具体例については、図3を用いて後述する。
また、台帳照合装置102は、例えば、定期的、あるいは、税務情報管理システム120からの要求に応じて、所定期間T分の登記情報を含む連携ファイルCFを情報処理装置101に送信する。所定期間Tは、任意に設定可能であり、例えば、1ヶ月〜数ヶ月程度の期間に設定される。台帳照合装置102は、例えば、サーバである。
クライアント装置103は、自治体の職員が使用するコンピュータであり、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)、ノートPCなどである。
ここで、紙媒体で提供されていた登記済通知を電子化することで、これまでは手作業で行われていた登記物件と課税データとのマッチングを自動化して、自治体の職員の作業負荷を削減することが期待される。ところが、台帳照合システム130における登記済通知データと課税データとのマッチングは、長年蓄積されたノウハウ等をもとに行われるもののマッチングミスが発生することがある。
例えば、台帳照合システム130において自動マッチングできなかった場合は、台帳照合システム130のユーザによって、登記済通知データと課税データとの対応付けが人手で行われる。このため、ユーザの操作ミスや判断ミスにより、登記済通知データと課税データとの対応付けが正しく行われず、税務情報管理システム120への登記情報の入力が行われないことがある。
また、分筆が行われた際に、分筆後の物件それぞれについての登記情報が正しく入力されないと、課税漏れを招くおそれがある。分筆とは、土地登記簿上、一筆?の土地を分割して数筆の土地とすることである。一例として、A物件を、B物件とC物件とにする分筆が行われた場合を想定する。なお、分筆は、例えば、土地の用途(地目)を変更する場合などに行われる。
この場合、課税データとのマッチングミスが発生して、B物件の登記情報だけが入力され異動処理されると、C物件の課税漏れが発生してしまう。また、誤って異動処理した後に解消するためには、一度B物件の異動を取り消して、再度B物件とC物件とを処理する必要があり、職員の作業負荷が増大する。
そこで、本実施の形態では、台帳照合システム130からの物件を特定した登記情報の取得に応じて、分筆が行われた物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されない場合に、アラートを出力する、情報処理方法について説明する。
(情報処理装置101のハードウェア構成例)
図2は、情報処理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2において、情報処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリ202と、I/F(Interface)203と、ディスクドライブ204と、ディスク205と、を有する。また、各構成部は、バス200によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU201は、情報処理装置101の全体の制御を司る。メモリ202は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU201のワークエリアとして使用される。メモリ202に記憶されるプログラムは、CPU201にロードされることで、コーディングされている処理をCPU201に実行させる。
I/F203は、通信回線を通じてネットワーク110に接続され、ネットワーク110を介して他の装置(例えば、図1に示した台帳照合装置102、クライアント装置103)に接続される。そして、I/F203は、ネットワーク110と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。I/F203には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ204は、CPU201の制御に従ってディスク205に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク205は、ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク205としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、情報処理装置101は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、入力装置、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、台帳照合装置102およびクライアント装置103についても、情報処理装置101と同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、クライアント装置103は、上述した構成部のほかに、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有する。
(連携ファイルCFの具体例)
つぎに、図3を用いて、台帳照合装置102から情報処理装置101に送信される連携ファイルCFの具体例について説明する。
図3は、連携ファイルCFの具体例を示す説明図である。図3において、連携ファイルCFは、所定期間T分の登記情報(例えば、登記情報300−1,300−2)を含む。例えば、所定期間Tが1ヶ月であり、月初めに台帳照合装置102から情報処理装置101に連携ファイルCFが送信される場合、連携ファイルCFは、各月の登記済通知データをもとに作成される登記情報の集合である。
ここで、登記情報は、変更前所在地、変更後所在地、台帳番号、台帳履歴番号、分筆元台帳番号、分合筆フラグ、登記地積、登記地目、登記名義人宛名コード、登記名義人宛名氏名および登記名義人宛名住所を示す。
変更前所在地は、分合筆(分筆または合筆)の登記が行われた場合に、分合筆前の土地の所在地を示す。所在地の変更をともなわない登記が行われた場合、変更前所在地は「空欄」となる。変更後所在地は、分合筆の登記が行われた場合に、分合筆後の土地の所在地を示す。所在地の変更をともなわない登記が行われた場合、変更後所在地は単に物件の所在地を示す。
台帳番号は、登記情報を一意に識別する識別子であり、台帳照合システム130において登記情報に付される管理番号である。台帳番号には、税務情報管理システム120において課税対象の物件を一意に識別する土地物件番号が対応付けられる(例えば、後述の図6参照)。
台帳履歴番号は、登記情報が変更された回数を特定するための情報であり、登記情報に変更があるとインクリメントされる。分筆元台帳番号は、分筆元の物件の登記情報の台帳番号である。物件が分筆元の物件の場合、分筆元台帳番号は「空欄」となる。
分合筆フラグは、分筆、合筆あるいはそれ以外のいずれの登記であるかを示す。ここでは、分合筆フラグ「0」は、分合筆の登記ではないことを示す。分合筆フラグ「1」は、分筆によって新たに発生した物件であることを示す。分合筆フラグ「2」は、分合筆によって変更になった物件であることを示す。分合筆フラグ「3」は、合筆によって閉鎖された物件であることを示す。
登記地積は、物件の地積を示す(単位:m2)。地積は、土地の面積である。登記地目は、物件の地目を示す。地目は、土地の主たる用途によって分類される区分であり、例えば、田、畑、宅地、山林などがある。登記名義人宛名コードは、登記名義人の宛名コードである。登記名義人宛名氏名は、登記名義人の氏名である。登記名義人宛名住所は、登記名義人の住所である。
(各種テーブル140,160,170の記憶内容)
つぎに、図4〜図6を用いて、各種テーブル140,160,170の記憶内容について説明する。各種テーブル140,160,170は、例えば、メモリ202、ディスク205などの記憶装置により実現される。
図4は、土地一筆テーブル140の記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、土地一筆テーブル140は、土地物件番号、履歴番号、登記所在地、登記地積、登記地目、登記名義人宛名コード、登記名義人宛名氏名および登記名義人宛名住所のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、土地物件データ(例えば、土地物件データ400−1,400−2)がレコードとして記憶される。
ここで、土地物件データは、税務情報管理システム120において管理される登記情報の一つである。土地物件データは、例えば、台帳照合システム130から取得される登記情報をもとに更新される。土地物件番号は、税務情報管理システム120において課税対象の物件を一意に識別する識別子である。
履歴番号は、土地物件データが変更された回数を特定するための情報であり、土地物件データに変更があるとインクリメントされる。登記所在地は、台帳照合システム130から連携される物件の所在地を示す。登記地積は、台帳照合システム130から連携される物件の地積を示す。
登記地目は、台帳照合システム130から連携される物件の地目を示す。登記名義人宛名コードは、台帳照合システム130から連携される登記名義人の宛名コードを示す。登記名義人宛名氏名は、台帳照合システム130から連携される登記名義人の氏名を示す。登記名義人宛名住所は、台帳照合システム130から連携される登記名義人の住所を示す。なお、土地物件データの土地物件番号には、固定資産税に関する課税データが対応付けられる。
図5は、分合筆元先テーブル160の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、分合筆元先テーブル160は、分合筆元物件番号、分合筆元履歴番号、分合筆先物件番号および分合筆先履歴番号のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、分合筆元先情報(例えば、分合筆元先情報500−1)がレコードとして記憶される。
ここで、分合筆元先情報は、税務情報管理システム120において管理される登記情報の一つである。分合筆元先情報は、例えば、台帳照合システム130から取得される登記情報をもとに更新される。
分合筆元物件番号は、分筆される前の土地の土地物件番号を示す。分合筆元履歴番号は、分筆される前の土地の土地物件データの履歴番号を示す。分合筆先物件番号は、分筆が行われた後の各土地の土地物件番号を示す。分合筆先履歴番号は、分筆が行われた後の各土地の土地物件データの履歴番号を示す。
分合筆元先情報500−1によれば、土地物件番号「N1」の土地が、土地物件番号「N1」の土地と、土地物件番号「N1−2」の土地とに分筆されたことがわかる。
図6は、土地台帳番号テーブル170の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、土地台帳番号テーブル170は、台帳番号および土地物件番号のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、土地台帳番号情報(例えば、土地台帳番号情報600−1,600−2)をレコードとして記憶する。
ここで、土地台帳番号情報は、税務情報管理システム120において管理される登記情報の一つである。土地台帳番号情報は、例えば、台帳照合システム130から取得される登記情報をもとに更新される。
台帳番号は、台帳照合システム130において登記情報を管理するための番号である。土地物件番号は、税務情報管理システム120において物件を管理するための番号である。すなわち、土地台帳番号情報は、台帳番号の登記情報と、当該登記情報から特定される物件の土地物件番号との対応関係を示す情報である。
例えば、土地台帳番号情報600−1は、台帳番号「93」の登記情報と、当該登記情報から特定される物件の土地物件番号「N1」との対応関係を示す。
(情報処理装置101の機能的構成例)
図7は、情報処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。図7において、情報処理装置101は、取得部701と、検出部702と、判定部703と、出力部704と、更新部705と、を含む構成である。取得部701〜更新部705は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図2に示したメモリ202、ディスク205などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU201に実行させることにより、または、I/F203により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ202、ディスク205などの記憶装置に記憶される。
取得部701は、物件を特定した登記情報を取得する。具体的には、例えば、取得部701は、台帳照合装置102から所定期間T分の登記情報を含む連携ファイルCF(例えば、図3参照)を受信することにより、連携ファイルCFを取得する。また、取得部701は、例えば、不図示の入力装置を用いたユーザの操作入力により、連携ファイルCFを取得することにしてもよい。
検出部702は、取得した登記情報のうち、いずれかの登記情報が分筆に関する情報であることを示す場合に、当該登記情報から特定される物件に関連付けられた登記情報を検出する。具体的には、例えば、まず、検出部702は、取得した連携ファイルCFからいずれかの登記情報を選択する。
そして、検出部702は、選択した登記情報の分合筆フラグを参照して、当該登記情報が分筆に関する情報であるか否かを判断する。ここでは、検出部702は、分合筆フラグが「1」または「2」の場合に、登記情報が分筆に関する情報であると判断する。これにより、登記情報の異動事由が分筆であると判断することができる。
つぎに、検出部702は、選択した登記情報が分筆に関する情報である場合、当該登記情報から特定される物件(土地)が分筆元または分筆先のいずれの物件であるかを判断する。分筆元の物件とは、分筆によって変更になった物件である。分筆先の物件とは、分筆によって新たに発生した物件である。
より具体的には、例えば、検出部702は、分合筆フラグが「2」の場合に、選択した登記情報から特定される物件が、分筆元の物件であると判断する。この場合、検出部702は、連携ファイルCFから、選択した登記情報の台帳番号が分筆元台帳番号に設定された他の登記情報を検出する。
すなわち、検出部702は、選択した登記情報から特定される物件を分筆元とする分筆先の物件に関する登記情報を検出する。これにより、選択した登記情報から特定される物件(分筆元の物件)に関連付けられた登記情報(分筆先の物件の登記情報)を検出することができる。
一方、分合筆フラグが「1」の場合には、検出部702は、選択した登記情報から特定される物件が、分筆先の物件であると判断する。この場合、検出部702は、連携ファイルCFから、選択した登記情報の分筆元台帳番号が台帳番号に設定された他の登記情報を検出する。
すなわち、検出部702は、選択した登記情報から特定される物件を分筆先とする分筆元の物件に関する登記情報を検出する。これにより、選択した登記情報から特定される物件(分筆先の物件)に関連付けられた登記情報(分筆元の物件の登記情報)を検出することができる。
また、検出部702は、選択した登記情報から特定される物件が分筆先の物件である場合、当該登記情報の分筆元台帳番号が、分筆元台帳番号に設定された他の登記情報をさらに検出することにしてもよい。これにより、選択した登記情報から特定される物件と同じ分筆元の物件から分割された、他の分筆先の物件の登記情報を検出することができる。
判定部703は、分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されたか否かを判定する。具体的には、例えば、判定部703は、検出部702によって、選択された分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた登記情報が検出された場合に、当該物件に関連付けられた複数の登記情報(選択された登記情報を含む)が検出されたと判定する。
一方、判定部703は、検出部702によって、選択された分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた登記情報が検出されなかった場合は、当該物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されていないと判定する。これは、分筆元の物件に関連付けられた分筆先の物件の登記情報がない、あるいは、分筆先の物件に関連付けられた分筆元の物件の登記情報がない状態を示す。
なお、分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されたか否かの判定例については、図8を用いて後述する。
出力部704は、アラートを出力する。ここで、アラートとは、分筆に関連するエラーが発生したことを示す警報である。具体的には、例えば、出力部704は、分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されていないと判定された場合に、アラートを出力する。
出力部704の出力形式としては、例えば、不図示のディスプレイへの表示、不図示のプリンタへの印刷出力、I/F203による外部装置への送信、メモリ202、ディスク205等の記憶装置への記憶などがある。
より具体的には、例えば、出力部704は、分筆が行われた物件に関する登記情報のうち、当該物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されない登記情報を識別する情報(例えば、台帳番号)を、後述の図10に示すエラーリスト1000に登録することにしてもよい。エラーリスト1000は、例えば、図1に示したクライアント装置103からアクセス可能な状態で記憶される。
また、出力部704は、I/F203により、分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されない場合に、あらかじめ設定された宛先にアラート情報を送信することにしてもよい。アラート情報は、分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されなかったことを示す警報である。アラート情報の宛先としては、例えば、税務情報管理システム120を使用する職員のアドレスが設定される。
ここで、複数の登記情報が検出されたとしても、分筆された全ての物件に関する登記情報が含まれていないことが考えられる。例えば、A物件を、B物件とC物件とD物件とにする分筆が行われたにもかかわらず、B物件とC物件とに関する登記情報しか検出されていない場合がある。
そこで、判定部703は、複数の登記情報が検出された場合、複数の登記情報それぞれの登記情報が示す物件の地積を累計した累計地積を算出することにしてもよい。そして、判定部703は、算出した累計地積と、複数の登記情報が示す物件のうちの分筆元の物件の分筆前の地積との差分difが閾値α以上であるか否かを判定することにしてもよい。差分difは、例えば、差分絶対値である。
ここで、累計地積は、分筆された物件の地積を足し合わせたものであり、分筆元の物件の分筆前の地積とほぼ同じ値となる可能性が高い。ただし、分筆された全ての物件の地積を足し合わせても、測量誤差等の理由により、必ずしも分筆前の地積と一致するわけではない。
このため、判定部703は、例えば、ある程度の誤差を許容すべく、差分difが閾値α以上であるか否かを判定する。閾値αは、任意に設定可能であり、差分difが閾値α未満であれば、分筆された全ての物件に関する登記情報が検出されたと判断できる値に設定される。閾値αは、例えば、分筆前の地積の10%程度の面積に設定される。
なお、累計地積と分筆前の地積との差分difが閾値α以上であるか否かの判定例については、図9を用いて後述する。
また、出力部704は、差分difが閾値α以上であると判定された場合に、アラートを出力することにしてもよい。具体的には、例えば、出力部704は、差分difが閾値α以上である場合に、検出された複数の登記情報それぞれを識別する情報(例えば、登記情報の台帳番号)を、エラーリスト1000に登録することにしてもよい。
また、出力部704は、差分difが閾値α以上である場合に、あらかじめ設定された宛先に、第2アラート情報を送信することにしてもよい。第2アラート情報は、分筆された物件の地積を累計した累計地積が、分筆元の物件の分筆前の地積と合わないことを示す警報である。
また、判定部703は、複数の登記情報が検出された場合、複数の登記情報が示す物件に分筆元の物件が含まれているか否かを判定することにしてもよい。そして、出力部704は、分筆元の物件が含まれていないと判定された場合に、アラートを出力することにしてもよい。これにより、分筆が行われたにもかかわらず、分筆先の物件に関する複数の登記情報しか検出されなかった場合に、アラートを出力することができる。
更新部705は、アラートを出力しない場合に、検出された複数の登記情報に基づいて、各種テーブル140,150,160,170の記憶内容を更新する。各種テーブル140,150,160,170の記憶内容の更新例については、図11を用いて後述する。なお、アラートを出力しない場合とは、例えば、下記(ケース1)または(ケース2)である。
(ケース1)分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出された場合
(ケース2)分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出され、かつ、累計地積と分筆前の地積との差分difが閾値α未満の場合
(複数の登記情報が検出されたか否かの判定例)
つぎに、図8を用いて、分筆に関する登記情報から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されたか否かの判定例について説明する。
図8は、複数の登記情報が検出されたか否かの判定例を示す説明図である。図8において、図3に示した連携ファイルCFから、登記情報300−1または登記情報300−2のいずれかが選択された場合を例に挙げて、複数の登記情報が検出されたか否かの判定例について説明する。なお、図8では、登記情報300−1,300−2の一部を抜粋して表示している。
(8−1)の例では、連携ファイルCFから登記情報300−1が選択された結果、登記情報300−1の台帳番号「93」が分筆元台帳番号に設定された登記情報300−2が検出されている。この場合、判定部703は、分筆に関する登記情報300−1から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報(登記情報300−1,300−2)が検出されたと判定する(図8中、OK)。
(8−2)の例では、連携ファイルCFから登記情報300−1が選択された結果、登記情報300−1の台帳番号「93」が分筆元台帳番号に設定された他の登記情報が検出されていない。この場合、判定部703は、分筆に関する登記情報300−1から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されていないと判定する(図8中、NG)。
(8−3)の例では、連携ファイルCFから登記情報300−2が選択された結果、登記情報300−2の分筆元台帳番号「93」が分筆番号に設定された他の登記情報が検出されていない。この場合、判定部703は、分筆に関する登記情報300−2から特定される物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されていないと判定する(図8中、NG)。
上記(8−2)および(8−3)の例では、それぞれアラートが出力される。この結果、例えば、税務情報管理システム120の職員は、分筆が行われた際の登記情報の入力漏れに気付くことができる。
(差分difが閾値α以上であるか否かの判定例)
つぎに、図9を用いて、累計地積と分筆前の地積との差分difが閾値α以上であるか否かの判定例について説明する。
図9は、差分difが閾値α以上であるか否かの判定例を示す説明図である。図9において、分筆に関する登記情報900−1から特定される物件に関連付けられた登記情報900−1〜900−3が検出された場合を想定する。なお、図8では、登記情報900−1〜900−3の一部を抜粋して表示している。
この場合、判定部703は、登記情報900−1〜900−3それぞれが示す物件の地積を累計した累計地積を算出する。ここでは、累計地積は、「120m2(=69.45+20.22+30.33)」となる。つぎに、判定部703は、図6に示した土地台帳番号テーブル170を参照して、登記情報900−1から特定される分筆元の物件の台帳番号「250」に対応する土地物件番号を特定する。
そして、判定部703は、土地一筆テーブル140を参照して、特定した土地物件番号に対応する登記地積を特定する。ここで特定される登記地積は、台帳番号「250」の分筆元の物件の分筆前の地積である。ここでは、分筆前の地積を「125m2」とし、閾値αを「12.5」とする。
つぎに、判定部703は、算出した累計地積「120m2」と、分筆前の地積「125m2」との差分difを算出する。ここでは、差分difは「5m2」である。このため、判定部703は、差分dif「5m2」が閾値α未満であると判定する。この場合、分筆された全ての物件に関する登記情報が検出されていると判断できるため、アラートは出力されない。
(エラーリスト1000の具体例)
つぎに、図10を用いて、エラーリスト1000の具体例について説明する。例えば、自治体の職員は、クライアント装置103を用いて情報処理装置101にアクセスすることにより、エラーリスト1000を閲覧することができる。
図10は、エラーリスト1000の具体例を示す説明図である。図10において、エラーリスト1000は、アラート情報(例えば、アラート情報1000−1〜1000−3)を含む。アラート情報は、台帳番号と、登記名義人宛名コードと、登記名義人宛名氏名と、登記名義人宛名住所と、エラー内容と、を示す。
台帳番号は、アラートが出力された登記情報の台帳番号を示す。登記名義人宛名コードは、アラートが出力された登記情報の登記名義人宛名コードを示す。登記名義人宛名氏名は、アラートが出力された登記情報の登記名義人宛名氏名を示す。登記名義人宛名住所は、アラートが出力された登記情報の登記名義人宛名住所を示す。
エラー内容は、アラート事由を示す。エラー内容としては、例えば、分筆関連エラーがある。分筆関連エラーは、分筆された物件に関連付けられた複数の登記情報が正しく検出されなかったことを示す。なお、分筆関連エラーは、例えば、分筆された物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されなかったためのエラーなのか、あるいは、累計地積と分筆前の地積との差分difが閾値α以上であるためのエラーなのかを判別可能に表示してもよい。
例えば、エラーリスト1000のアラート情報1000−1によれば、自治体の職員は、台帳番号「93」の登記情報から特定される、分筆された物件について、当該物件に関連付けられた複数の登記情報が正しく検出されなかったことを認識することができる。この結果、自治体の職員は、例えば、台帳照合装置102や法務局に問い合わせるなどして、エラー原因を突き止めて、分筆が行われた際の登記情報の入力漏れ等を防ぐことができる。
(各種テーブル140,150,160,170の記憶内容の更新例)
つぎに、図11を用いて、各種テーブル140,150,160,170の記憶内容の更新例について説明する。
図11は、土地一筆テーブル140の記憶内容の更新例を示す説明図である。ここでは、分筆された物件に関連付けられた複数の登記情報として、図3に示した連携ファイルCF内の登記情報300−1,300−2が検出された場合を想定する。
この場合、まず、更新部705は、土地台帳番号テーブル170を参照して、分合筆フラグ「2」の登記情報300−1の台帳番号「93」に対応する土地物件番号「N1」を特定する。つぎに、更新部705は、土地一筆テーブル140を参照して、特定した土地物件番号「N1」に対応する土地物件データ400−1を特定する。
そして、更新部705は、特定した土地物件データ400−1を、土地一筆履歴テーブル150に履歴として格納する。つぎに、更新部705は、登記情報300−1に基づいて、土地一筆テーブル140内の土地物件データ400−1を更新する。具体的には、例えば、更新部705は、土地物件データ400−1の履歴番号をインクリメントするとともに、土地物件データ400−1の登記所在地、登記地積および登記地目を、登記情報300−1の登記所在地、登記地積および登記地目に更新する。
さらに、更新部705は、登記情報300−2に基づいて、土地一筆テーブル140に土地物件データ1100−1を新規登録する。具体的には、例えば、更新部705は、土地物件データ1100−1の土地物件番号を採番して設定するとともに履歴番号に「1」を設定する。そして、更新部705は、土地物件データ1100−1の登記所在地、登記地積および登記地目に、登記情報300−2の登記所在地、登記地積および登記地目を設定する。また、更新部705は、土地物件データ1100−1の登記名義人宛名コード、登記名義人宛名氏名および登記名義人宛名住所に、登記情報300−2の登記名義人宛名コード、登記名義人宛名氏名および登記名義人宛名住所を設定する。
また、更新部705は、分合筆元物件番号「N1」、分合筆元履歴番号「1」、分合筆先物件番号「N1,N1−2」および分合筆先履歴番号「2,1」を、分合筆元先テーブル160内の各フィールドに設定する。この結果、分合筆元先情報500−1が新たなレコードとして分合筆元先テーブル160に記憶される。
また、更新部705は、登記情報300−2の台帳番号「94」と、土地物件データ1100−1の土地物件番号「N1−2」とを対応付けて、土地台帳番号テーブル170に記憶する。この結果、土地台帳番号情報600−2が新たなレコードとして土地台帳番号テーブル170に記憶される。
なお、各種テーブル140,150,160,170の記憶内容が更新されたら、分筆された物件に関連付けられた複数の登記情報(例えば、登記情報300−1,300−2)を、異動履歴として不図示の確認リストに登録することにしてもよい。確認リストによれば、自治体の職員は、各種テーブル140,160,170の最新の情報が、どの登記情報に基づくものであるかを追跡することができる。
(情報処理装置101の情報処理手順)
つぎに、図12〜図15を用いて、情報処理装置101の情報処理手順について説明する。
図12は、情報処理装置101の情報処理手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、台帳照合装置102から所定期間T分の登記情報を含む連携ファイルCFを受信したか否かを判断する(ステップS1201)。
ここで、情報処理装置101は、連携ファイルCFを受信するのを待つ(ステップS1201:No)。そして、情報処理装置101は、連携ファイルCFを受信した場合(ステップS1201:Yes)、連携ファイルCFから選択されていない未選択の登記情報を選択する(ステップS1202)。
つぎに、情報処理装置101は、選択した登記情報の分合筆フラグを参照して、異動事由が分筆であるか否かを判断する(ステップS1203)。ここで、異動事由が分筆ではない場合(ステップS1203:No)、情報処理装置101は、ステップS1205に移行する。
一方、異動事由が分筆の場合(ステップS1203:Yes)、情報処理装置101は、アラート判定処理を実行する(ステップS1204)。アラート判定処理は、例えば、後述する第1のアラート判定処理または第2のアラート判定処理である。アラート判定処理として、第1のアラート判定処理または第2のアラート判定処理のいずれを実行するかは任意に設定可能である。
なお、第1のアラート判定処理の具体的な処理手順については、図13を用いて後述する。第2のアラート判定処理の具体的な処理手順については、図14および図15を用いて後述する。
つぎに、情報処理装置101は、連携ファイルCFから選択されていない未選択の登記情報があるか否かを判断する(ステップS1205)。ここで、未選択の登記情報がある場合(ステップS1205:Yes)、情報処理装置101は、ステップS1202に戻る。
一方、未選択の登記情報がない場合(ステップS1205:No)、情報処理装置101は、エラーリスト1000を出力して(ステップS1206)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。これにより、分筆が行われた物件に関する登記情報のうち、当該物件に関連付けられた複数の登記情報が正しく検出されなかった登記情報を一括して確認可能なエラーリスト1000を出力することができる。
つぎに、図12に示したステップS1204のアラート判定処理の具体的処理手順について説明する。まず、図13を用いて、第1のアラート判定処理の具体的な処理手順について説明する。
図13は、第1のアラート判定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、ステップS1202において選択した登記情報の分合筆フラグを参照して、当該登記情報に関する物件が分筆元の物件であるか否かを判断する(ステップS1301)。
ここで、分筆元の物件である場合(ステップS1301:Yes)、情報処理装置101は、連携ファイルCFから、選択した登記情報の台帳番号が分筆元台帳番号に設定された他の登記情報を検出して(ステップS1302)、ステップS1304に移行する。
一方、分筆先の物件である場合(ステップS1301:No)、情報処理装置101は、連携ファイルCFから、選択した登記情報の分筆元台帳番号が台帳番号に設定された他の登記情報を検出する(ステップS1303)。そして、情報処理装置101は、他の登記情報が検出されたか否かを判断する(ステップS1304)。
ここで、他の登記情報が検出された場合(ステップS1304:Yes)、情報処理装置101は、選択した登記情報と、検出した他の登記情報とに基づいて、各種テーブル140,160,170の記憶内容を更新して(ステップS1305)、第1のアラート判定処理を呼び出したステップに戻る。
なお、ステップS1302またはステップS1303において検出された他の登記情報は、例えば、図12に示したステップS1202における選択対象から除外される。
また、ステップS1304において、他の登記情報が検出されなかった場合(ステップS1304:No)、情報処理装置101は、選択した登記情報を識別する情報をエラーリスト1000に登録して(ステップS1306)、第1のアラート判定処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、分筆が行われた物件に関する登記情報のうち、当該物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されなかった登記情報を識別する情報(例えば、台帳番号)をエラーリスト1000に登録することができる。
図14および図15を用いて、第2のアラート判定処理の具体的な処理手順について説明する。
図14および図15は、第2のアラート判定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図14のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、ステップS1202において選択した登記情報の分合筆フラグを参照して、当該登記情報に関する物件が分筆元の物件であるか否かを判断する(ステップS1401)。
ここで、分筆元の物件である場合(ステップS1401:Yes)、情報処理装置101は、連携ファイルCFから、選択した登記情報の台帳番号が分筆元台帳番号に設定された他の登記情報を検出する(ステップS1402)。そして、情報処理装置101は、他の登記情報が検出されたか否かを判断する(ステップS1403)。
ここで、他の登記情報が検出された場合(ステップS1403:Yes)、情報処理装置101は、選択した登記情報が示す登記地積と、検出した他の登記情報が示す登記地積とを累計した累計地積を算出する(ステップS1404)。そして、情報処理装置101は、土地一筆テーブル140を参照して、分筆元の物件の分筆前の登記地積を特定する(ステップS1405)。
つぎに、情報処理装置101は、算出した累計地積と、特定した分筆前の登記地積との差分difを算出する(ステップS1406)。そして、情報処理装置101は、算出した差分difが閾値α以上であるか否かを判断する(ステップS1407)。
ここで、差分difが閾値α未満の場合(ステップS1407:No)、情報処理装置101は、選択した登記情報と、検出した他の登記情報とに基づいて、各種テーブル140,160,170の記憶内容を更新する(ステップS1408)。そして、情報処理装置101は、第2のアラート判定処理を呼び出したステップに戻る。
また、ステップS1407において、差分difが閾値α以上の場合(ステップS1407:Yes)、情報処理装置101は、選択した登記情報を識別する情報と、検出した他の登記情報を識別する情報とをエラーリスト1000に登録する(ステップS1409)。そして、情報処理装置101は、第2のアラート判定処理を呼び出したステップに戻る。
また、ステップS1403において、他の登記情報が検出されなかった場合(ステップS1403:No)、情報処理装置101は、選択した登記情報を識別する情報をエラーリスト1000に登録する(ステップS1409)。そして、情報処理装置101は、第2のアラート判定処理を呼び出したステップに戻る。
また、ステップS1401において、分筆先の物件である場合(ステップS1401:No)、情報処理装置101は、図15に示すステップS1501に移行する。
図15のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、連携ファイルCFから、選択した登記情報の分筆元台帳番号が台帳番号に設定された他の登記情報を検出する(ステップS1501)。そして、情報処理装置101は、他の登記情報が検出されたか否かを判断する(ステップS1502)。
ここで、他の登記情報が検出された場合(ステップS1502:Yes)、情報処理装置101は、連携ファイルCFから、選択した登記情報の分筆元台帳番号が分筆元台帳番号に設定された他の登記情報を検出する(ステップS1503)。
つぎに、情報処理装置101は、選択した登記情報が示す登記地積と、ステップS1501,S1503において検出した他の登記情報が示す登記地積とを累計した累計地積を算出する(ステップS1504)。そして、情報処理装置101は、土地一筆テーブル140を参照して、分筆元の物件の分筆前の登記地積を特定する(ステップS1505)。
つぎに、情報処理装置101は、算出した累計地積と、特定した分筆前の登記地積との差分difを算出する(ステップS1506)。そして、情報処理装置101は、算出した差分difが閾値α以上であるか否かを判断する(ステップS1507)。
ここで、差分difが閾値α未満の場合(ステップS1507:No)、情報処理装置101は、選択した登記情報と、検出した他の登記情報とに基づいて、各種テーブル140,160,170の記憶内容を更新する(ステップS1508)。そして、情報処理装置101は、第2のアラート判定処理を呼び出したステップに戻る。
また、ステップS1507において、差分difが閾値α以上の場合(ステップS1507:Yes)、情報処理装置101は、選択した登記情報を識別する情報と、検出した他の登記情報を識別する情報とをエラーリスト1000に登録する(ステップS1509)。そして、情報処理装置101は、第2のアラート判定処理を呼び出したステップに戻る。
また、ステップS1502において、他の登記情報が検出されなかった場合(ステップS1502:No)、情報処理装置101は、選択した登記情報を識別する情報をエラーリスト1000に登録する(ステップS1509)。そして、情報処理装置101は、第2のアラート判定処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、分筆が行われた物件に関する登記情報のうち、当該物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されなかった登記情報を識別する情報(例えば、台帳番号)をエラーリスト1000に登録することができる。また、分筆が行われた物件に関する登記情報のうち、累計地積と分筆前の地積との差分difが閾値α以上となった登記情報を識別する情報をエラーリスト1000に登録することができる。なお、ステップS1403、S1501およびS1503のいずれかにおいて検出された他の登記情報は、例えば、図12に示したステップS1202における選択対象から除外される。
以上説明したように、実施の形態にかかる情報処理装置101によれば、物件を特定した登記情報の取得に応じて、当該登記情報が分筆に関する情報であることを示す場合に、当該物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されない場合に、アラートを出力することができる。
これにより、分筆が行われたにもかかわらず、分筆された物件に関連付けられた登記情報が複数検出されない場合にアラートを出すことができ、分筆が行われた際の登記情報の入力漏れを防ぐことができる。
また、情報処理装置101によれば、複数の登記情報が検出された場合、複数の登記情報それぞれの登記情報が示す物件の地積を累計した累計地積を算出し、算出した累計地積と、分筆元の物件の分筆前の地積との差分difを算出することができる。そして、情報処理装置101によれば、算出した差分difが閾値α以上の場合に、アラートを出力することができる。
これにより、分筆が行われた物件の分筆前後の地積の差分difの大きさから、分筆された全ての物件に関する登記情報が検出されたか否かを判断することができる。このため、たとえ分筆された物件に関連付けられた登記情報が複数検出されていても、累計地積が分筆前の地積と大きくずれている場合などにアラートを出すことができ、分筆が行われた際の登記情報の入力漏れを防ぐことができる。
また、情報処理装置101によれば、分筆が行われた物件に関する登記情報のうち、当該物件に関連付けられた複数の登記情報が検出されなかった登記情報を識別する情報をエラーリスト1000に登録することができる。これにより、例えば、自治体の職員は、エラーリスト1000を参照することで、分筆が行われた物件のうち、登記情報の入力漏れの可能性がある物件を一括確認することができる。
また、情報処理装置101によれば、差分difが閾値α以上の場合に、検出された複数の登記情報それぞれを識別する情報をエラーリスト1000に登録することができる。これにより、例えば、自治体の職員は、エラーリスト1000を参照することで、分筆が行われた物件のうち、登記情報の入力漏れの可能性がある物件を一括確認することができる。
また、情報処理装置101によれば、アラートを出力しない場合に、検出された複数の登記情報に基づいて、各種テーブル140,150,160,170の記憶内容の更新を行うことができる。これにより、税務情報管理システム120側の登記情報を自動更新することができる。
これらのことから、実施の形態にかかる税務情報管理システム120によれば、分筆の登記が行われた際の異動誤りにともなう課税漏れを防止することができる。また、異動誤りにともなって生じる異動取り消し等の作業を減らして、自治体の職員の作業負荷を削減することができる。
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)物件を特定した登記情報の取得に応じて、記憶部に記憶された前記物件に関する登記情報の更新を行う税務情報管理システムにおける情報処理方法において、
前記登記情報が分筆に関する情報であることを示す場合に、少なくとも前記物件に関連づけられた複数の登記情報が検出されない場合に、アラートを出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
(付記2)前記コンピュータが、
前記複数の登記情報が検出された場合、前記複数の登記情報それぞれの登記情報が示す物件の地積を累計した累計地積を算出し、
算出した前記累計地積と、前記複数の登記情報が示す物件のうちの分筆元の物件の分筆前の地積との差分が閾値以上の場合に、アラートを出力する、
処理を実行することを特徴とする付記1に記載の情報処理方法。
(付記3)前記アラートを出力する処理は、
前記複数の登記情報が検出されない場合に、前記登記情報を識別する情報をエラーリストに登録する、ことを特徴とする付記1に記載の情報処理方法。
(付記4)前記アラートを出力する処理は、
前記差分が前記閾値以上の場合に、検出された前記複数の登記情報それぞれを識別する情報をエラーリストに登録する、ことを特徴とする付記2に記載の情報処理方法。
(付記5)前記コンピュータが、
前記アラートを出力しない場合に、前記複数の登記情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記物件に関する登記情報の更新を行う、処理を実行することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の情報処理方法。
(付記6)物件を特定した登記情報の取得に応じて、記憶部に記憶された前記物件に関する登記情報の更新を行う税務情報管理システムにおける情報処理プログラムにおいて、
前記登記情報が分筆に関する情報であることを示す場合に、少なくとも前記物件に関連づけられた複数の登記情報が検出されない場合に、アラートを出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
(付記7)物件を特定した登記情報の取得に応じて、記憶部に記憶された前記物件に関する登記情報の更新を行う情報処理システムにおいて、
前記登記情報が分筆に関する情報であることを示す場合に、少なくとも前記物件に関連づけられた複数の登記情報が検出されない場合に、アラートを出力する出力部、
を有することを特徴とする情報処理システム。