JP6744289B2 - 粘着剤層、及び粘着フィルム - Google Patents
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Description
特許文献1には、ブチルアクリレートなどを主成分のモノマーとし、アクリルアミド化合物などを含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
特許文献2には、炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを主成分のモノマーとし、カルボキシル基含有モノマー、及び窒素含有ビニルモノマーを含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
また、粘着剤層の屈折率を高めるために、種々の工夫をした粘着フィルムが提案されている(例えば特許文献3〜8参照)。
特許文献3には、芳香族環を有し、屈折率1.51〜1.75のタッキファイヤーを含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
特許文献4には、芳香族環を含有するアクリル酸変性モノマーの共重合性ポリマーを含む粘着剤組成物を含有する粘着シートが記載されている。
特許文献5には、芳香族環を有する粘着付与樹脂と、芳香族リン酸エステル系可塑剤を含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
特許文献6には、アクリル系樹脂と、エチレン性不飽和基を1つ含有する芳香族化合物を含有する粘着剤組成物が硬化されてなる粘着剤が記載されている。
特許文献7には、芳香族モノマーを含有するアクリル系の粘着剤を介して、位相差フィルム及び複屈折板を互いに固着してなる光学部品が記載されている。
特許文献8には、芳香族ジイソシアネートと、芳香族ポリエステルジオールを反応させてなるウレタン樹脂を含む粘着剤組成物が記載されている。
一般に、粘着剤層の粘着力は、粘着剤層の厚さに略比例していることから、粘着剤層の厚さを薄くすると、それに伴って粘着力が低下してしまう。
また、粘着剤層の厚さを薄くできること、及び、エージング処理(恒温で養生を行うこと)を施す必要がない粘着剤層を形成できることから、粘着フィルムの基材を省いた粘着剤層のみからなる、「離型フィルム/粘着剤層/離型フィルム」の部材構成をした、NCF(Non Carrier Film)の形態とすることが求められている。
しかしながら、NCFの形態をした粘着フィルムは、すでに粘着剤層のエージングを終了させていることから、被着体と粘着剤層との密着力が不足する。そのため、被着体の表面に対して、コロナ処理などの表面処理をする必要があるという問題があった。
これらの要求事項および問題を克服した粘着フィルムが、必要とされている。
本発明者らは、これらの問題を鋭意検討した結果、カルボキシル基含有モノマー及びその共重合体を用いることなく、粘着剤層の厚みを20μm以下の薄膜にしても、粘着力の高い粘着剤層を得ることができた。
本発明の粘着剤層は、アクリル系ポリマーからなる粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層において、前記粘着剤層の厚さが1μm〜20μmであり、厚さが5μmの時の粘着力が4.0(N/25mm)以上であることを特徴とする。
アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの少なくとも1種以上が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートモノマーのアルキル基は、直鎖、分枝状、環状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数がC1〜C14の(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、粘着剤組成物のアクリル系ポリマー(共重合体)100重量部に対する割合が、50〜95重量部であることが好ましい。
また、本願発明に係わる粘着剤層においては、粘着剤組成物が、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの1種以上からなる主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部の内、メチルアクリレートのモノマーを20重量部以上の割合で含有することにより、粘着剤層の屈折率を、1.47以上に高めることができる。
また、芳香族基を含有する(メタ)アクリレートモノマーを共重合させることにより、上記の主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部の内、メチルアクリレートのモノマーを20重量部以上の割合で含有させて粘着剤層の屈折率を高める効果よりも、さらに粘着剤層の屈折率を高めることができる。
また、上記のとおり、粘着剤層の屈折率を高める方法として、主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部の内、メチルアクリレートのモノマーを20重量部以上の割合で含有させる方法と、芳香族基を含有する(メタ)アクリレートモノマーを共重合させる方法との2つの方法があり、それぞれの方法を単独で採用できるが、その2つの方法を併用することがより好ましい。
窒素含有ビニルモノマーとしては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリンなどの環状窒素ビニル化合物、N−エチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−イソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノ(メタ)アクリレート、N−エチル−N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−プロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキル置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどの少なくとも1種以上が挙げられる。
また、本発明に係わる粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させる窒素含有ビニルモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタムなどが特に好適に使用される。
ヒドロキシル基を含有する共重合性ビニルモノマー(ヒドロキシル基含有モノマー)としては、例えば、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類や、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアミド類などの少なくとも1種以上が挙げられる。
また、本発明に係わる粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させるヒドロキシル基含有モノマーは、得られる粘着剤層が透明導電性フィルムのITO表面などの腐食し易い被着体に対する腐食性に影響を与えるとされる、カルボキシル基含有モノマーの含有量を減らすための共重合性モノマーとして使用できる。そのため、ヒドロキシル基含有モノマーは、粘着剤層の粘着力を向上させ、且つ、腐食性を低減させることに役立てることができる。本発明に係わる粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させるヒドロキシル基含有モノマーは、主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましい。
上記本発明で使用する粘着剤組成物には、さらに、芳香族基を含有するビニルモノマーの1種以上を含有し得る。芳香族基を含有するビニルモノマーとは、構造中に芳香族基を含むモノマーであり、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマーや、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。これら芳香族基を含有するビニルモノマーを共重合することにより、形成した粘着剤層の屈折率を上昇させて調整でき、光学部材間の屈折率差を少なくして、全反射を低減することにより全光線透過率を向上させることができる。芳香族基を含有するビニルモノマーを使用する場合は、主成分の(メタ)アクリレートモノマーの100重量部の内、5〜30重量部の割合で含有させるのが好ましい。
前記共重合体は、アクリル系ポリマーであることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルモノマーや(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド類などのアクリル系モノマーを50〜100重量%含むことが好ましい。
架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート類のビュレット変性体やイソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパンや、グリセリン等の3価以上のポリオールとのアダクト体などのポリイソシアネート化合物、金属系キレート化合物、エポキシ化合物などの少なくとも1種以上が挙げられる。また、紫外線など光架橋により粘着剤を架橋しても良い。
架橋剤を用いて共重合体を架橋する場合、共重合体が、架橋剤と架橋反応可能な官能基(架橋剤の種類にもよるが、ヒドロキシル基やカルボキシル基など)を有することが好ましく、また、これらの官能基を側鎖に有するモノマーを含有することが好ましい。また、粘着剤組成物が、(D)架橋剤を0.01〜5重量部を、含有することが好ましい。なお、重量部の基準は、前記共重合体における(A)から(C)と同じである。
光学部材の層間の貼合などに用いる場合、薄い粘着剤層であることが望ましく、前記粘着剤層の厚さが1μm〜20μmであることが好ましい。また、一般に、粘着剤層の粘着力は、粘着剤層の厚さに略比例しているが、厚さが5μmの時の粘着力が4.0(N/25mm)以上であることが好ましい。なお、粘着剤層の厚さが5μmでない場合、「厚さが5μmの時の粘着力」(N/25mm)は、粘着剤層の厚さをT(μm)、粘着剤層の粘着力をF(N/25mm)として、数式「(厚さが5μmの時の粘着力)=5F/T」により推定することができる。
粘着剤層の形成に用いる基材フィルムや、粘着面を保護する離型フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
1つの粘着剤層の両面に、それぞれ離型フィルムの離型処理が施された面を合わせることで、「離型フィルム/粘着剤層/離型フィルム」の構成とすることもできる。この場合、両側の離型フィルムを、順次、あるいは同時に剥離して粘着面を表出することにより、光学フィルム等の光学部材と貼合可能になる。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム、紫外線吸収フィルム、赤外線吸収フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。
また、これらの光学フィルムの少なくとも一方の面に、前記粘着剤層が積層されてなる粘着剤層付き光学フィルムとすることができる。具体的には、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「離型フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」等の構成が挙げられる。
例えば、「光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」のように、離型フィルムで保護された粘着剤層を有する場合、離型フィルムを剥がして、「光学フィルム/粘着剤層」のように粘着剤層を表出させ、他の光学フィルムと貼合することにより、粘着剤層が層間の貼合に用いられた「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」のような構成が得られる。
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置にブチルアクリレート60重量部、メチルアクリレート40重量部、N−メチルピロリドン10重量部、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート2.0重量部とともに溶剤(酢酸エチル)を60重量部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、重量平均分子量50万の、実施例1に用いるアクリル共重合体溶液1を得た。アクリル共重合体の一部を採取し、後述する酸価の測定試料として用いた。
[実施例2〜6及び比較例1〜3]
モノマーの組成を各々、表1の(A)、(B)、(C)、(C′)の記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル共重合体溶液1と同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜3に用いるアクリル共重合体溶液を得た。なお、特に測定結果を示さないが、実施例2〜6及び比較例1〜3のアクリル共重合体溶液に含まれる共重合体の重量平均分子量は、20万〜200万の範囲内である。
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル共重合体溶液1に対して、コロネートL−45(トリレンジイソシアネート(TDI)化合物のアダクト体)0.5重量部を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物をシリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる剥離フィルムの上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去した後、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングすることにより、粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、剥離フィルムの片面上に有する、実施例1の粘着フィルムを得た。
[実施例2〜6及び比較例1〜3]
添加剤の組成を各々、表1の(D)の記載のようにする以外は、上記の実施例1の粘着フィルムと同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜3の粘着フィルムを得た。
また、表1に用いた各成分の略記号の化合物名を、表2に示す。なお、コロネート(登録商標)L−45、及び同HLは日本ポリウレタン工業株式会社の商品名であり、D−110Nは三井化学株式会社の商品名である。TDIはトリレンジイソシアネートを意味し、XDIはキシリレンジイソシアネートを意味し、HDIはヘキサメチレンジイソシアネートを意味する。
実施例1〜6及び比較例1〜3における粘着フィルムから剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、粘着剤層を表出させ、偏光板(フィルム)の片面に粘着剤層を転写した。
厚さ180μmの偏光板(フィルム)の片面に粘着剤層を転写して、試料となる粘着フィルム(粘着剤層付き光学フィルム)を得た。
粘着フィルムをソーダライムガラスのアセトンで洗浄した非錫面に圧着ロールで貼り合わせ、50℃、0.5MPa×20分間の条件でオートクレーブ処理した後、23℃×50%RHの雰囲気下に戻し、1時間経過後の粘着フィルムの剥離強度を引張試験機によって、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に300mm/minの速度で剥離した時の剥離強度を、粘着フィルムの粘着剤層の粘着力とした。
粘着力を測定した後の試料である粘着フィルムの粘着剤層を目視で確認し、基材層の偏光板(フィルム)からの脱落状態で密着性を判断した。
○・・基材層から粘着剤層が全く脱落していない。
△・・基材層から粘着剤層が一部浮き上がり脱落している。
×・・基材層から粘着剤層が脱落して、被着体のガラスに転着している。
粘着力の測定と同様の方法で作成した10cm角の粘着フィルムを、同様の方法でソーダライムガラスの非錫面に貼り合わせて作成した試料を、60℃×90%RHの雰囲気下に250時間放置後、23℃×50%RH雰囲気下に取り出し、1時間後に粘着フィルムの状態を目視で観察して耐久性を判断した。
○・・粘着フィルムの剥がれ及び発泡が全くない。
△・・粘着フィルムの一部に剥がれ及び発泡が発生している。
×・・粘着フィルムの全体に剥がれ及び発泡が発生している。
23℃の粘着剤層の屈折率を、アッベ式屈折計(メーカ名:ERMA、型式:ER−2S)で測定する。
ITOフィルムの表面に粘着剤層を貼り合せ、85℃、90%RHの雰囲気下に1000時間放置後、ITOフィルムの表面抵抗を測定した。貼り合わせ前のITOフィルムの表面抵抗値を初期値とし、表面抵抗の変化率を算出した。
○・・表面抵抗の変化率が2%未満。
△・・表面抵抗の変化率が2%以上5%未満。
×・・表面抵抗の変化率が5%以上。
比較例2の粘着フィルムは、粘着剤組成物にカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーの配合量が多すぎるためか、厚さ5μmの粘着剤層の粘着力が弱く、ITO腐食性にやや劣っていた。また、粘着剤層の屈折率が低く、密着性、及び耐久性にも、やや劣っていた。
比較例3の粘着フィルムは、粘着剤組成物にヒドロキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーの配合量が多すぎるためか、厚さ5μmの粘着剤層の粘着力が弱い。また、粘着剤層の屈折率が低く、密着性にやや劣り、耐久性にも劣っていた。
このように、比較例1〜3の粘着フィルムでは、従来の要求事項および問題を克服することができなかった。
Claims (5)
- アクリル系ポリマーと(D)架橋剤とを含有する粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層において、
前記アクリル系ポリマーが、(A)アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上の合計を95〜70重量部と、芳香族基を含有する(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上の合計を5〜30重量部との合計100重量部と、
(B)水酸基およびカルボキシル基を含有しない窒素含有ビニルモノマーの1種以上を5〜20重量部と、
(C)ヒドロキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種以上を0.1〜5重量部とを、
カルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーを含まないで共重合させた重量平均分子量20万〜200万の共重合体からなり、
前記(B)水酸基およびカルボキシル基を含有しない窒素含有ビニルモノマーが、N,N−ジアルキル置換アミノ基を含有するアクリル系モノマー、N,N−ジアルキル置換アミド基を含有するアクリル系モノマー;N−ビニル置換ラクタム類;N−(メタ)アクリロイル置換環状アミン類からなる群から選択した少なくとも1種以上の化合物を含んでなり、
前記(C)ヒドロキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーが、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる群から選択された少なくとも1種以上の化合物であり、かつ、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群から選択した少なくとも1種以上の化合物を含んでなり、
前記粘着剤層の厚さが1μm〜20μmであり、
前記粘着剤層の屈折率が1.47〜1.50であり、
前記粘着剤組成物が、前記(A)アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上の合計を95〜70重量部と、芳香族基を含有する(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上の合計を5〜30重量部との合計100重量部に対して、前記(D)架橋剤を0.01〜5重量部の割合で含有することを特徴とする粘着剤層。 - 前記粘着剤層の厚さが5μmの時の粘着力が4.0(N/25mm)以上であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤層。
- 請求項1又は2に記載の粘着剤層が、離型フィルムの片面に形成されてなり、離型フィルム/粘着剤層/離型フィルムの構成であることを特徴とする粘着フィルム。
- 基材の片面上に、請求項1又は2に記載の粘着剤層が積層されてなることを特徴とする粘着フィルム。
- 光学フィルムの少なくとも一方の面に、請求項1又は2に記載の粘着剤層が積層されてなる粘着剤層付き光学フィルム。
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