JP6742184B2 - 位相シフタ膜の製造方法、位相シフトマスクブランクの製造方法、及び、位相シフトマスクの製造方法 - Google Patents

位相シフタ膜の製造方法、位相シフトマスクブランクの製造方法、及び、位相シフトマスクの製造方法 Download PDF

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本発明は、面内透過率のバラツキを抑制できる、位相シフタ膜の製造方法、位相シフトマスクブランクの製造方法、及び、位相シフトマスクの製造方法に関する。
半導体分野では、高密度実装を図るため、回路パターンの微細化が進められている。これに伴い、露光波長の短波長化や、露光方法の改善などが検討されている。
このような回路パターンの微細化に対応するため、フォトマスクにおいては、単純な遮光膜のパターンのみで形成されたバイナリーマスクから、パターン縁における光干渉を用いて、単波長を用い、より微細なパターン形成が可能な位相シフトマスク(Phase-Shifting Mask:PSM)が使用されるに至っている。
上述した半導体用の位相シフトマスクとしては、i線単波長からなる露光光とハーフトーン型位相シフトマスクとの組み合わせ(たとえば、特許文献1)や、更なる微細化のために、ArF単波長からなる露光光とハーフトーン型位相シフトマスク(Attenuated PSM)との組み合わせ(たとえば、特許文献2)、などが用いられている。
いずれの組み合わせにおいても、位相シフトマスクを構成する位相シフタ膜には、位相角や透過率のバラツキが小さいことが求められている。位相角や透過率のバラツキを小さくするためには、面内の膜厚を均一にする必要があり、面内の膜厚均一性を改善する手法の一例としては、特許文献3による手法が提案されている。
本発明者らは、透過率と膜厚の面内分布について検討したところ、図15、図16に示すように、透過率と膜厚の面内分布の傾向は完全に一致しているわけではないことが分かった。図15が膜厚の面内分布、図16が透過率の面内分布である。図15、図16は、所望の位相シフタ膜をガラス基板(152.4mm角基板)上に形成した試料を用意し、その表面を9×9領域に分割し、透過率と膜厚のデータを取得した結果である。
図15、図16において、各測定値の先頭に付けた符号は、基板の面内において、△印が最大値であることを、▼印が最小値であることを、無印が最大値と最小値の間であることを、それぞれ表わしている。図15、図16の結果から、最大値や最小値が発現する位置は、透過率と膜厚で完全に一致しているわけではないことが確認された。
換言すると、図15、図16の結果より、膜厚の面内分布が小さくなるような作製条件を求めても、透過率の面内分布をさらに小さくすることには、必ずしも繋がらないことが明らかとなった。
そこで本発明者らは、光学定数nとkのうち、特にkに着目し、膜厚の面内分布との関係を詳細に検討した。光学定数nとkは両方とも、物質を記述するのに必要な値であり、波長や温度が変化するにつれて変化する値である。nは試料(ここでは、位相シフタ膜を構成する物質)の屈折率を、kは試料の消衰係数を表わしており、これら2つの値は複素屈折率Nにより、「N=n+i・k」として、1つに表示される。
本発明者らは、消衰係数kと膜厚の面内分布を解析することにより、本発明に係る位相シフタ膜の製造方法の開発に至った。
特開平8−272071号公報 特開2006−078953号公報 特開2005−248222号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、位相シフタ膜製造の中で重要な特性である透過率と位相角の中で、面内透過率のバラツキを抑制できる、位相シフタ膜の製造方法、位相シフトマスクブランクの製造方法、及び、位相シフトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1形態に記載の位相シフタ膜の製造方法は、反応性ロングスロースパッタリング方法を用いて形成する、位相シフトマスクに用いられる位相シフタ膜の製造方法であって、前記反応性ロングスロースパッタリング方法は、前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いるとともに、前記不活性ガスが、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスから構成される場合、前記Arガスの流量をFa、前記Heガスの流量をFhと定義したとき、前記Fhを前記Faと前記Fhの和で除してなる値が、66%以上100%以下であることを特徴とする
明の位相シフタ膜の製造方法は、上記のいずれかにおいて、前記真空槽内において、前記反応ガスは基板側へ導入され、前記不活性ガスはターゲット側へ導入されることができる。
本発明の位相シフタ膜の製造方法は、上記のいずれかにおいて、前記位相シフタ膜が、モリブデンシリサイドの酸化窒化物からなることができる。
本発明の第2形態に位相シフトマスクブランクの製造方法は、反応性ロングスロースパッタリング方法を用いて透明基板の上に位相シフタ膜を形成する工程を有する位相シフトマスク用ブランクスの製造方法であって、前記反応性ロングスロースパッタリング方法は、前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いるとともに、前記不活性ガスが、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスから構成される場合、前記Arガスの流量をFa、前記Heガスの流量をFhと定義したとき、前記Fhを前記Faと前記Fhの和で除してなる値が、66%以上100%以下であることを特徴とする。
本発明の第3形態に位相シフトマスクの製造方法は、反応性ロングスロースパッタリング方法を用いて透明基板の上に位相シフタ膜を形成する工程と、前記位相シフタ膜の上に所定のパターンを有するレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクにして前記位相シフタ膜のパターニングを行う工程と、を含む位相シフトマスクの製造方法であって、前記反応性ロングスロースパッタリング方法は、前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いるとともに、前記不活性ガスが、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスから構成される場合、前記Arガスの流量をFa、前記Heガスの流量をFhと定義したとき、前記Fhを前記Faと前記Fhの和で除してなる値が、66%以上100%以下であることを特徴とする。

請求項1に記載の発明(位相シフタ膜の製造方法)は、反応性ロングスロースパッタリング方法により位相シフタ膜を形成する際に、前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いる。これにより、面内透過率のバラツキが抑制された位相シフタ膜が得られる。ゆえに、本発明は、たとえば半導体分野において、回路パターンの微細化を図る際に行われる、露光波長の短波長化や、露光方法の改善に寄与する位相シフタ膜の製造方法をもたらす。
請求項5に記載の発明(位相シフトマスクブランクの製造方法)と請求項6に記載の発明(位相シフトマスクの製造方法)は何れも、前述した「反応性ロングスロースパッタリング方法を用いて透明基板の上に位相シフタ膜を形成する工程」を有しており、前記反応性ロングスロースパッタリング方法は、前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いる。これにより、面内透過率のバラツキが抑制された位相シフタ膜を備えた、位相シフトマスク用ブランクスまたは位相シフトマスクが得られる。ゆえに、本発明は、露光波長の短波長化や、露光方法の改善に寄与する、位相シフトマスク用ブランクスの製造方法や位相シフトマスクの製造方法をもたらす。
LTS法が採用されたスパッタリング装置の構成を示す概略図。 位相シフタ膜の消衰係数kに着目し透過率を制御するプロセスフローチャート。 本発明に係る位相シフタ膜の一例を示す断面図。 本発明に係る位相シフトマスクの一例を示す断面図。 本発明に係る位相シフトマスクを用いた場合のマスク上の電場およびウェハ上の電場を示す模式図。 実施例1における膜厚の基板位置依存性を示す図。 実施例1における透過率の基板位置依存性を示す図。 実施例1における消衰係数の基板位置依存性を示す図。 実施例2における膜厚の基板位置依存性を示す図。 実施例2における透過率の基板位置依存性を示す図。 実施例2における消衰係数の基板位置依存性を示す図。 実施例3における膜厚の基板位置依存性を示す図。 実施例3における透過率の基板位置依存性を示す図。 実施例3における消衰係数の基板位置依存性を示す図。 比較例1における膜厚の基板位置依存性を示す図。 比較例1における透過率の基板位置依存性を示す図。 比較例1における消衰係数の基板位置依存性を示す図。
以下では、本発明に係る各実施の形態について、図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、本発明に係る位相シフタ膜を形成するために用いた、ロングスロースパッタリング(以下、LTSとも呼ぶ)法によるスパッタリング装置について、図1を参照して説明する。
図1は、LTS法が実現可能なスパッタリング装置500の構成を示す概略図である。このスパッタリング装置は、減圧可能な内部空間を有する真空槽53を備えている。真空槽53には、不図示のガス供給手段が接続される3つのガス導入口、すなわち、反応ガス導入口64a、不活性ガス導入口64b、および混合ガス導入口64cが配されている。また、真空槽53には、不図示の排気手段に接続される2つの排気口64dと排気口64eも配されている。
真空槽53の内部空間において、ターゲット54と基板56(S)が、所望の離間距離で対向して配されるように、ターゲット54はターゲット電極55に、基板56は基板ホルダ57に、各々載置されている。ターゲット電極55の裏面側には、たとえば2重の同心円状に配された磁石60を有するマグネットプレート59が設けられている。ターゲット電極55には電源62が接続されている。基板ホルダ57の裏面側には基板の温度制御手段61が設けられている。
本実施形態では、スパッタリング装置500のターゲット54としてモリブデンシリサイドを用い、位相シフタ膜4とするモリブデンシリサイド酸化窒化膜を、基板56(S)上に成膜した。
基板56(S)としては平板四角形状のガラス基板(株式会社ファインサーフェス技術社製、型番:FSAN6025−0.5T型、形状:152.4mm角、板厚:6.35mmt)を用いた。位相シフタ膜4を形成する基板56(S)の被成膜面を9×9領域に分割して、各領域ごとに「膜厚と透過率と消衰係数」を測定した。膜厚の測定にはAFM(ブルカー・エイエックスエス社製、型番:D3100)を、透過率の測定には分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、自記分光光度計4000)を、消衰係数kの測定には高速分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、M−2000)を、それぞれ用いた。
基板56(S)の9×9領域において各々測定された膜厚値のバラツキ(面内膜厚バラツキとも呼ぶ)が0.3%以下であり、かつ、透過率の値のバラツキ(面内透過率バラツキ)が0.05%以下となるまで、図2に示すプロセスフリーチャートを繰り返した。図2において、ステップS1〜ステップS6は、以下の内容である。
ステップS1(膜厚制御):前述したスパッタリング装置を用い所望の成膜条件で作製した試料について、各領域ごとに位相シフタ膜の膜厚を測定する工程である。
ステップS2(透過率測定):ステップS1を経た試料について、各領域ごとに透過率を測定する工程である。
ステップS3(消衰係数k測定):ステップS2を経た試料について、各領域ごとに消衰係数kを測定する工程である。
ステップS4(異種スパッタガス導入成膜):ステップS1〜S3の情報に基づき、スパッタガス(Arガス、Heガス)の流量(流量比)を変更し、新たな基板56(S)上に位相シフタ膜を成膜する工程である。
ステップS5(透過率測定):ステップS4を経た試料について、各領域ごとに透過率を測定する工程である。透過率の値のバラツキ(面内透過率バラツキとも呼ぶ)が特定の範囲内(たとえば0.05%以下)に収まっているか否かを判定する。特定の範囲内にあれば、次のステップS6へ進む。特定の範囲外(たとえば0.05%より大きい)にあれば、前述したステップ1へ戻り、S1→S5の各工程を繰り返す。
ステップS6(膜厚・透過率特性最適化完了):ステップS5を経た試料について、面内透過率バラツキが0.05%以下を満たした場合、本発明は図2のプロセスフリーチャートを終了する。
以下では、上述したプロセスフリーチャートに基づき、基板上にモリブデンシリサイド酸化窒化膜からなる位相シフタ膜4を作製する際に、スパッタガス(Arガス、Heガス)の流量(流量比)を変えて、4種類の試料a〜試料dを作製した。
ここで、比較例1により作製したものを試料a、実施例1〜3により作製したものを順に試料b〜dと呼ぶ。
試料a〜dの成膜において、スパッタガス(Arガス、Heガス)の流量(流量比)以外は、次に示すように、同じ作製条件とした。
・T/S(ターゲット/基板)距離[mm]:400
・スパッタ電流[A]:1.7〜3.2
・スパッタ電圧[V]:530〜570
・スパッタ電力[kW]:1
・基板温度[℃]:50〜120
・膜厚[nm]:70
・スパッタ時間[min]:7〜12(静止成膜)、28〜56(回転成膜)
・ガス分離方式:基板に反応ガス(N2、NO)を吹きつける。ターゲットには不活性ガス(Ar、He)を供給する。
上記の作製条件の下で、ガス流量比(He/(Ar+He)[%])、ガス流量[sccm]、圧力[1.3×10−2Pa]、堆積速度[Å/min]を適宜選択し、成膜したものが、表1に示す試料a(比較例1)、試料b〜d(実施例1−3)である。
表1は、比較例1および実施例1−3におけるガス流量と諸特性の一覧表である。
Figure 0006742184
表1より、以下の点が明らかとなった。
(A1)スパッタガスとして、Arガスのみ用いた場合に比べて、ArガスとHeガスからなる混合ガスを用いることによって、透過率の面内バラツキとともに、消衰係数の面内バラツキが減少する。
(A2)ガス流量比が増大することにより、透過率の面内バラツキが減少傾向を示し、消衰係数も同じ減少傾向となる。
(A3)この傾向の面内バラツキは、ガス流量比(He/(Ar+He)[%])が66以上100以下の範囲内において確認された。
図6〜図17は、比較例1および実施例1−3の各試料a〜dを構成する、基板56(S)の9×9領域において各々測定された諸特性(膜厚、透過率、消衰係数)に関する測定結果である。
図6〜図8は実施例1に関する諸特性の測定結果であり、図6が膜厚、図7が透過率、図8が消衰係数である。
図9〜図11は実施例2に関する諸特性の測定結果であり、図9が膜厚、図10が透過率、図11が消衰係数である。
図12〜図14は実施例3に関する諸特性の測定結果であり、図12が膜厚、図13が透過率、図14が消衰係数である。
図15〜図17は比較例1に関する諸特性の測定結果であり、図15が膜厚、図16が透過率、図17が消衰係数である。
図6〜図17により、以下の点が明らかとなった。
(B1)図6〜図17に示した比較例1および実施例1−3の各試料a〜dは、膜厚の面内バラツキが同等(0.2nm)であるにも関わらず、透過率の面内バラツキの状況は異なっている。
(B2)透過率の面内バラツキ(0.19%)や消衰係数の面内バラツキ(0.07%)が大きな試料aでは、最大値と最小値が出現する位置は、透過率の面内バラツキと消衰係数の面内バラツキにも、はっきりとした相関が見られない。
(B3)これに対して、透過率の面内バラツキ(0.04〜0.09%)や消衰係数の面内バラツキ(0.03〜0.05%)が小さな試料b〜dでは、最大値と最小値が出現する位置は、透過率の面内バラツキと消衰係数の面内バラツキに相関が確認された。
(B4)試料bの場合、基板面内の位置Ecにおいて透過率の最小値(▼5.11)が確認され、同じ位置Ecにおいて消衰係数の最大値(△0.646)が得られた。
(B5)同様に、試料cの場合、基板面内の位置Af、Ag、Hiにおいて透過率の最小値(▼5.20)が確認され、近隣位置Ah、Aiや同じ位置Hiにおいて消衰係数の最大値(△0.641)が得られた。
(B6)同様に、試料dの場合、基板面内の位置Giにおいて透過率の最小値(▼5.19)が確認され、位置Giにおいて消衰係数の最大値(△0.641)が得られた。
以上の結果より、透過率の面内バラツキと消衰係数の面内バラツキの間には、強い相関があることが確認された。つまり、モリブデンシリサイド酸化窒化膜からなる位相シフタ膜4において、膜面透過率が低く、かつ透過率の面内バラツキも小さなものとするためには、消衰係数の面内バラツキに着目して透過率の面内バラツキを制御できることが分かった。ゆえに、この相関を利用して成膜条件を決定するならば、大面積の基板上に、良好な位相シフタ膜4を安定して製造できることが判明した。
(実施形態2)
本実施形態では、本発明に係る位相シフトマスクブランクの製造方法、および位相シフトマスクの製造方法について説明する。ここでは、位相シフタ膜として、前述したモリブデンシリサイド酸化窒化膜を用いた場合について述べる。
まず、図4を参照して、この実施の形態2におけるハーフトーン型の位相シフトマスクの構造について説明する。このハーフトーン型の位相シフトマスク200は、露光光を透過する石英からなる透明基板1と、この透明基板1の主表面上に形成された位相シフトパターン30とを備えている。この位相シフトパターン30は、透明基板1が露出する第1光透過部10と、透過する露光光の位相と透過率とが、第1光透過部10を透過する露光光の位相に対して略180°変換し、かつ、必要な透過率(例えば、1%〜40%)を有し、単一の材料からなる第2光透過部4とから構成されている。
次に、図5(a),(b),(c)を参照して、上記構造よりなる位相シフトマスク200を通過する露光光のマスク上の電場およびウェハ上の光強度について説明する。
図5(a)を参照して、上述した位相シフトマスク200の断面図である。図5(b)を参照して、マスク上の電場は、露光パターンのエッジで位相が反転しているために、露光パターンのエッジ部での電場が必ず0となる。よって、図5(c)を参照して、露光パターンの光透過部10と位相シフタ部4とのウェハ上における電場の差が十分となり高い解像度を得ることが可能となる。
つまり、本発明に係る位相シフトマスクブランクの製造方法、および位相シフトマスクの製造方法は何れも、前述した「反応性ロングスロースパッタリング方法を用いて透明基板の上に位相シフタ膜を形成する工程」を有している。そして、前記反応性ロングスロースパッタリング方法は、前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いる。これにより、面内透過率のバラツキが抑制された位相シフタ膜を備えた、位相シフトマスクブランクまたは位相シフトマスクが得られる。
したがって、本発明は、露光波長の短波長化や、露光方法の改善に寄与する、位相シフトマスクブランクの製造方法や位相シフトマスクの製造方法をもたらす。
なお、上述した実施形態においては、T/S間距離が400mmの場合について説明しているが、適用分野によっては、100mm〜600mmの範囲としてもよい。
上記の実施形態においては、反応ガスとしてNO、Nを使用しているが、NOや、N+O、または、これらの混合ガスを使用することも可能である。また、不活性ガスとしてAr+Heを使用しているが、その他の不活性ガス(周期律表0族の属するガス)Ne、Kr等を用いることも可能である。また好適なHe/(Ar+He)の流量比の範囲内で、位相シフタ膜の成膜中にHe/(Ar+He)の流量比を変更して多層構造としたり、位相シフタ膜の成膜中にHe/(Ar+He)の流量比を連続的に変更して連続変化膜構造としたりしてもよい。
また、上記各実施の形態においては、LTS法をモリブデンシリサイド系ハーフトーン位相シフタ膜に適用したが、他のハーフトーン位相シフタ膜の材料として、CrFなどの金属フッ化物、ZrSiOなどの金属シリサイド酸化物、ZrSiOなどの金属シリサイド酸窒化物が挙げられる。
以上、本発明に係る位相シフタ膜の製造方法、位相シフトマスクブランクの製造方法、及び、位相シフトマスクの製造方法について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
本発明は、面内透過率のバラツキを抑制できる、位相シフタ膜の製造方法、位相シフトマスクブランクの製造方法、及び、位相シフトマスクの製造方法に広く適用可能である。
53 真空槽、54 ターゲット、55 ターゲット電極、56(S) 基板、57 基板ホルダ、59 マグネットプレート、60 磁石、61 温度制御手段、62 電源、64a 反応ガス導入口、64b 不活性ガス導入口、64c 混合ガス導入口、64d、64e 排気口。

Claims (5)

  1. 反応性ロングスロースパッタリング方法を用いて形成する、位相シフトマスクに用いられる位相シフタ膜の製造方法であって、
    前記反応性ロングスロースパッタリング方法は、
    前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いるとともに、
    前記不活性ガスが、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスから構成される場合、前記Arガスの流量をFa、前記Heガスの流量をFhと定義したとき、
    前記Fhを前記Faと前記Fhの和で除してなる値が、66%以上100%以下であることを特徴とする位相シフタ膜の製造方法。
  2. 前記真空槽内において、前記反応ガスは基板側へ導入され、前記不活性ガスはターゲット側へ導入されることを特徴とする請求項1に記載の位相シフタ膜の製造方法。
  3. 前記位相シフタ膜が、モリブデンシリサイドの酸化窒化物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の位相シフタ膜の製造方法。
  4. 反応性ロングスロースパッタリング方法を用いて透明基板の上に位相シフタ膜を形成する工程を有する位相シフトマスクブランクの製造方法であって、
    前記反応性ロングスロースパッタリング方法は、
    前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いるとともに、
    前記不活性ガスが、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスから構成される場合、前記Arガスの流量をFa、前記Heガスの流量をFhと定義したとき、
    前記Fhを前記Faと前記Fhの和で除してなる値が、66%以上100%以下であることを特徴とする位相シフトマスクブランクの製造方法。
  5. 反応性ロングスロースパッタリング方法を用いて透明基板の上に位相シフタ膜を形成する工程と、前記位相シフタ膜の上に所定のパターンを有するレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクにして前記位相シフタ膜のパターニングを行う工程と、を含む位相シフトマスクの製造方法であって、
    前記反応性ロングスロースパッタリング方法は、
    前記位相シフタ膜を形成するための真空槽内に、反応ガスと不活性ガスとを、それぞれ分離して導入するとともに、前記不活性ガスとしてヘリウム(He)を含むガスを用いるとともに、
    前記不活性ガスが、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスから構成される場合、前記Arガスの流量をFa、前記Heガスの流量をFhと定義したとき、
    前記Fhを前記Faと前記Fhの和で除してなる値が、66%以上100%以下であることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
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