JP6741613B2 - 放射線撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光子計数型検出器を搭載した放射線撮像装置に関し、特に、光子計数型検出器の半導体セルで発生した光子を検出する電荷を読み出す回路において、回路の発熱量の変化に起因する回路の性能低下を回避する技術に関する
近年、フォトンカウンティング方式を採用する検出器(光子計数型検出器)を搭載したフォトンカウンティングCT(Computed Tomography)装置の開発が、様々な機関において進められている。光子計数型検出器は、従来のCT装置で採用されている電荷積分型の検出器と異なり、検出素子に入射した放射線光子を個々に計数可能である。このことにより、入射した放射線光子毎のエネルギーを計測でき、従来のCT装置に比べてより多くの情報を得られる特長がある。
光子計数型検出器の検出素子では、テルル化亜鉛カドミウム(CZT)やテルル化カドミウム(CdTe)等の半導体層を備え、その半導体層では放射線光子が入射するたびにそれに対応した電荷を発生させる。電荷は半導体層に形成された電極に接続する光子計数回路にて読み出される。
このような光子計数型検出器においては、光子計数に関わる部品の温度変動によって計数率特性が変化するという問題がある。計数率特性変化の原因の一つは、例えば、放射線光子の入射によって半導体層に電流が発生することで半導体層に温度変化が生じ、半導体層の特性が変化してしまうことが考えられる。この半導体層の特性変化を回避する方法として、特許文献1には入射光子率を元に、半導体層に対し追加の線源を照射する技術が開示されている。
米国特許第9,113,542号明細書
一方、近年のフォトンカウンティングCT装置では、放射線光子の計数率を高めるために計数回路の動作速度の向上が図られている。ここで計数回路の光子計数率(単位時間に計数された光子数)と消費電力は一般的に正の相関を持つため、光子計数率の小さい場合は消費電力が少なく、また、光子計数率の大きい場合は消費電力が多くなる。計数率の向上によって計数回路の最大消費電力が増加すると、これに伴い消費電力の変動量も増加してしまう。つまり、高計数率を実現しようとすると、計数回路の温度変化量が拡大してしまい、幅広い光子計数率に渡り、光子計数率特性を維持することが困難になる。そこで、フォトンカウンティングCT装置において幅広い計数率に対して安定した光子計数率特性を維持するためには、半導体層での発熱に起因する温度変化抑制よりも、計数回路での発熱による温度変化を抑制する必要性が大きくなってきている。
特許文献1に記載された技術は、半導体層の温度変化を抑制するものであり、高計数率を実現する光子計数型検出器へ適用しても、計数回路自体の計数率特性の変化を抑制することは困難である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、放射線光子の入射率によって計数回路の発熱量が変化することに起因する計数回路の性能の変動を抑制し、検出精度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の放射線撮像装置は、放射線源と、前記放射線源から放射された放射線を検出し、放射線の光子数に対応する電気信号を出力する光子計数型検出器と、を備え、前記光子計数型検出器は、光子数を計数する光子計数回路と、前記光子数の検出に伴う前記光子計数回路の発熱量を、計数される光子数に依存しない発熱量とする発熱量補償回路を、さらに備える。
本発明によれば、半導体層で発生した電流パルス信号を高計数率で計数する際に、計数回路の計数率特性の変化を抑制し検出精度を向上させることができる。
本発明が適用されるX線CT装置の全体構成を示す図である。 実施形態の発熱量制御の概略を示すグラフである。 (A)は実施形態のX線検出器を構成する検出モジュールの構成を示す図、(B)は計数回路の構成を示す図である。 第一実施形態に係る光子計数回路の構成を示すブロック図である。 (A)は第一実施形態に係る発熱回路の構成を示すブロック図、(B)は(A)の発熱回路の発熱量制御を説明する図である。 第一実施形態に係る発熱量制御を示すフローチャートである。 (A)、(B)は、それぞれ第一実施形態の発熱量制御に用いるテーブルの一例を示す図である。 第一実施形態に変形例に係る計数回路の構成を示すブロック図である。 第二実施形態に係る計数回路の構成を示すブロック図である。 第二実施形態に係る計数回路の動作波形例である。 第二実施形態に係る計数回路の動作波形例である。 第二実施形態の変形例に係る光子計数回路の構成を示すブロック図である。 第三実施形態に係る光子計数回路の構成を示すブロック図である。 第三実施形態に係る計数回路の動作波形例である。 第三実施形態の変形例に係る計数回路のブロック図である。 (A)、(B)は、それぞれ、第四実施形態に係る検出素子を示す概念図である。 第五実施形態に係るX線CT装置を説明する図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
本発明の放射線撮像装置は、放射線源と光子計数型検出器とを備える装置に適用されるが、本実施形態では、一例として放射線が線であり、撮像装置がCT装置である場合を例に説明する。
本実施形態のX線CT装置は、図1に示すように、X線を照射するX線源1と、X線を検出する複数の検出素子を二次元配列したX線検出器2と、検出素子による検出信号に対し補正等の処理を行うとともに装置の制御を行う信号処理部3と、補正後の信号を用いて被写体の画像を生成する画像生成部4とを備える。X線源1とX線検出器2は対向した位置で回転板5に固定され、寝台6に寝かさられた被写体7の周りを相対的に回転するように構成されている。なおX線源1、X線検出器2及び回転板5を含めスキャナともいう。
X線検出器2を構成する検出素子は、光子計数型検出器であり、入射したX線を光子に相当する電荷として出力する半導体層21と、半導体層21が出力する電荷を計数し、計数信号を出力する光子計数回路(以下、単に計数回路という)35と、を備える。また計数回路35は、その発熱量が光子計数率に依存せず略一定となるように計数回路35の発熱量を維持する発熱量補償回路25を備えている。計数回路35と発熱量補償回路25は同一チップ23上に集積される場合もあれば、別部品として構成することもできる。同一チップ上に構成する場合を後述する第一実施形態から第三実施形態に、別部品として構成する場合を第四実施形態にて説明する。半導体層21は、従来の半導体層と同様であり、テルル化亜鉛カドミウム(CZT)やテルル化カドミウム(CdTe)等の半導体層からなる。計数回路35及び発熱量補償回路25の具体的な構成は後述する。
このような構成のX線CT装置の撮像動作は従来のX線CT装置と同じであり、X線源1とX線検出器2とを対向配置した状態で、被写体7の周囲に対し相対的に回転させながら、X線源1からX線を照射し、被写体7を透過したX線をX線検出器2で検出する。X線検出器2のチップ23が出力した計数信号は、信号処理部3において、必要に応じて補正等の処理を施された後、画像生成部4で被写体の断層像(CT像)を生成する。
ここで被写体7を透過するX線量、即ち計数回路35で計数される光子数(光子計数率)は、X線検出器2の位置によっても異なるし、また回転角度によっても異なる。そして、このような光子計数率の変化に応じて、計数回路35の回路消費電力が変化し、計数回路35の計数率特性に影響を与える発熱量も変化する。発熱量補償回路25は、計数回路35の発熱量を略一定に維持するように動作する。
以下、発熱量補償回路25の機能を、図2を用いて詳述する。
図2は、光子計数率(R)と計数回路の消費電力Pとの関係を示す図である。図2に実線で示すように、計数回路の回路消費電力(Pint)は通常、光子計数率 (R)に応じて増加する。この通常回路動作では、発生する消費電力(Pint)の変化により、光子計数回路の計数率特性が変化する。発熱量補償回路25は、通常回路動作による消費電力(Pint)の変動を打ち消すように、追加の電力消費(Padd)を実施するように動作する。これにより、図2に点線で示すように、光子計数回路としての合計消費電力(Ptotal)を一定に保つ。これにより計数回路35の動作温度を一定に保ち、計数率特性を一定に保つことができる。
このような発熱量補償回路25の動作は、予備計数によって予め光子計数率の予測値を得て、この予測値に基いて制御してもよいし、計数回路35の出力である光子数を用いたフィードバック制御でもよい。一般的に、X線CT装置における撮影周期は1ミリ秒かそれ以下であり、計数回路35、及び、発熱量補償回路25が含まれる構造体の温度変化時定数より短い。そこで、撮影周期ごとに発熱量を補償することで、計数回路35、及び、発熱量補償回路25周辺の動作温度を一定に保つことができる。
なお、図2では、通常回路動作による電力消費(Pint)、追加の電力消費(Padd)を入射光子率(R)の1次関数として単純に表現しているが、実際にはきれいに線形とならない場合がある。また、同じく図2では合計消費電力(Ptotal)を一定と表現したが、実際の制御では計数率特性を阻害しない範囲で若干の変動量を持っても構わない。
本実施形態の効果を、光子入射後から光子計数のための回路動作が完了するまでの「不感時間(τ)」との関係で説明する。
一般に、計数回路では、光子計数のための回路動作時間を確保する必要があり、ある光子入射後から光子計数のための回路動作が完了するまでは「不感時間(τ)」となる。このとき、観測計数率をn、真の計数率をrとすると、式(1)の関係が成立する。
Figure 0006741613
この式(1)を用いて、観測計数率nから真の計数率rを得るためには、不感時間τを正確に知る必要がある。ここで、不感時間τは回路の動作温度によって変化する。計数回路は光子入射率に応じてその活性化状態が変化し、低入射率では低温、高入射率では高温となるため、低入射率時に取得したτを用いて、高入射率時の計数率を補正すると誤差が生じることとなるが、本実施形態では、発熱量補償回路により低入射率時においても高入射率時と同様の活性化状態となるように、計数回路の発熱量を制御することで、不感時間τの温度依存性を解消し、正確に真の計数率rを取得することができる。
次に計数回路35及び発熱量補償回路25の具体的な構成例の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
本実施形態は、発熱量補償回路として発熱素子を用いたことが特徴であり、また発熱素子を、計数回路を構成する各回路素子に設けることが特徴である。以下、図3を参照して、本実施形態の放射線撮像装置を説明する。ここでも図1に示すX線CT装置を例に説明する。
まずX線検出器2を構成するモジュール20の構造を説明する。図1に示すX線検出器2は、複数の検出素子からなるモジュール20を円弧状に配置したものであり、各モジュールは、図3(A)に示すように、主な構成として、光子を検出する半導体層21、計数回路35及び発熱量補償回路25を含むチップ23、及び、半導体層21とチップ23を接続するための基板22を備える。基板22には、計数回路35の出力を外部へ引き出すためのケーブル24が接続されている。また半導体層21と基板22とは接続アレイ26によって、また基板22とチップ23とは接続アレイ28によって、電気的に接続されている。
チップ23は、多数の回路素子を集積回路(LSI)として形成したものであり、図3(B)に示すように、複数の光子計数ブロック(計数回路)231と、各光子計数ブロックの計数結果を集約して出力する出力ブロック230とが配置されている。光子計数ブロック231は画素に相当し、図示する例では、画素数は4×4であり、半導体層21へ入射した光子を光子計数ブロックごと即ち画素ごと計数する。計数された光子数は、不図示の上位装置等から通知される所定のタイミングごとに、出力ブロック230に通知される。図中、画素毎の計数結果を上位装置等へ出力するため、チップ内で集約するための信号をそれぞれCOUT30、COUT31、COUT32、COUT33で示す。
本実施形態においては、個々の光子計数ブロック231内に発熱量補償回路25が配置される。図4を用いて、光子計数ブロック231の内部構成と、発熱量補償回路25の構成及び配置について説明する。
図4に示すように、光子計数ブロック231への入力ピンは、電流入力ピンPIN1、閾値電圧VTH1、VTH2、…、であり、光子計数ブロック231からの出力ピンは、カウント値出力ピンCOUT1、COUT2、…である。閾値電圧は、X線のエネルギーの閾値に相当し、複数のエネルギーレベルのX線を弁別して検出するように構成されている。
光子計数ブロック231内には、計数回路として機能する回路素子として、チャージアンプ(CSA)271、ハイパスフィルタ(HPF)272、電圧比較器(CMP)273‐1、273‐2、…、カウンタ(CNT)274‐1、274‐2、…が配置されている。電圧比較器273‐1、273‐2、…、カウンタ274‐1、274‐2…は、検出するエネルギーレベルの数に相当する数、配置され、各電圧比較器に異なる閾値電圧が入力される。なお複数の電圧比較器及びカウンタについて、特に区別しない場合には、符号の末尾の数字を省略し、符号273或いは274として説明する。
発熱量補償回路25は、複数の発熱ブロック251と、これらを制御する発熱制御ブロック250とからなる。発熱ブロック251は、個々の回路素子(CSA、HPF、CMP、CNT)に近接して配置されている。ここでは個々の発熱ブロック251を区別する場合には、符号251の末尾にA〜Fを付し、発熱制御ブロック250から各発熱ブロック251に向かう制御信号HSIGに対応する符号A〜Fを付して示す。
このような構成において、電流入力ピンPIN1からの入力(電流信号)は、チャージアンプ271とハイパスフィルタ272を介して電圧値として整形され、その波高値が複数の電圧比較器273等を用いてそれぞれの閾値VTH1等と比較される。カウンタ274では、整形後の波高値が各閾値を上回った回数がカウントされ出力される。このとき、光子計数ブロック231の各カウンタにおける光子計数結果COUT1、COUT2、…は出力ブロック230(図3)へ通知されると共に、発熱制御ブロック250へも通知される。
発熱制御ブロック250は、光子計数結果を元に、光子計数ブロック231中の発熱量が一定となるよう、各発熱ブロック251における発熱量を信号HSIG‐A〜HSIG‐Fによって通知する。
具体的な発熱ブロック251の構成と制御信号との関係を、図5を用いて説明する。図5(A)は発熱ブロックの構成例を示す図、図5(B)は発熱ブロック251に含まれる抵抗(発熱回路)の使用個数と発熱量との関係を示す図である。
図5(A)に示す発熱ブロック251は、抵抗R及びスイッチSWからなる直列回路(R‐SW回路という)を複数、電源(VSOURCE)に対し並列に接続した発熱回路と、発熱制御ブロック250からの制御信号を受けて、R‐SW回路のON(閉)/OFF(開)を制御するデコード回路(DECODE)253からなる。この発熱ブロックの発熱量は、個々の抵抗Rに電流が流れるときの発熱量が等しいとすると、図5(B)に示すように、ONとなり電流が流れるR‐SW回路の数に比例し、R‐SW回路の数を制御することで制御できる。発熱制御ブロック250は、予め取得しておいたR‐SW回路の数と発熱量との関係に基き、オンにするR‐SW回路の数に相当する制御信号HSIGを発熱ブロック251に送る。デコ‐ド回路253は、発熱制御ブロック250から制御信号を受け取ると、デコードされた制御信号HDECを出力し、スイッチSWのON/OFFを制御する。
なお、図5の例では、抵抗Rをそれぞれ代表して1つの回路記号で表記したが、実際の回路では所定の抵抗値や電流許容量を満たすために、それぞれの抵抗を直列接続、あるいは並列接続された複数の抵抗で構成しても良い。また、スイッチについても同様に、電流許容量を満たすためにそれぞれのスイッチSWを、複数の並列接続されたスイッチで構成しても良い。
また、図5では抵抗値を変化させることで発熱量を制御したが、電源電圧値の制御、あるいは電流値の制御、あるいは抵抗のON/OFF時間制御、あるいはリングオシレータのような発振回路駆動数によって発熱量を制御しても良い。
次に、発熱制御ブロック250による発熱量制御について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。まず、X線CT装置の計測を開始するため、X線CT装置の制御装置等の上位装置から発熱制御ブロック250に計測準備が通知される(S600)。これにより計測後直ちに、温度制御が開始される(S601)。
温度制御では、計数率に応じた発熱量制御動作(S602〜S608)と、温度監視動作(S610〜S612)が並列して行われる。発熱量制御動作では、例えば、撮影ビュー毎に計数率を確認し(S602)、確認された計数率Rに応じて発熱量を決定する(S603)。図示する例では、Rを低い順から4段階に分けて、それぞれ異なる発熱量となるように制御を行う(S604〜S607)。但し、発熱量制御の段階の数は4段階に限らず適宜増減させて良い。
計数率に応じた発熱量は、図2に示したような計数率と発熱量(追加電力消費Padd)よって決定されるが、例えば、図4に示す発熱ブロック251A〜251F毎に計数率と発熱量との関係を予め求めたテーブルを作成しておくことが好ましい。
発熱ブロック毎の計数率と発熱量との関係を示すテーブルの例を図7に示す。図7に示す例では、カウンタ274の出力(COUT)毎に、発熱量との関係がテーブル化されている。これは一般に、閾値VTHが低いカウンタほど、計数率は高く、閾値VTHが高くなるにつれて、計数率が低くなるからである。図7(A)は図4の一番上の列の回路素子(CSA、HPF、CMP、CNT)に近接して配置された発熱ブロック251‐A〜251‐Dの発熱量を示すテーブル、図7(B)は、2列目以降の回路素子(CMP、CNT)273‐2、274‐2に近接して配置された発熱ブロック251‐E、251‐Fの発熱量を示すテーブルであり、発熱各列に共通する回路素子271、272は含まれない。
このようなテーブルは、回路シミュレーション等で各光子計数率での消費電力を算出し、発熱量一定制御に必要な発熱体での発熱量を算出することで作成することができる。例えば、図4の波高値判定の閾値VTH1、VTH2、…にVTH1≦VTH2≦…なる大小関係があるとする。このとき、電流パルスが電圧比較器(CMP)に入る前の回路ブロック(CSA、HPF)の活性化状態を最も適切に取得するためには、最も低い閾値でパルスのカウントを行ったカウント値COUT1を用いて光子計数率を算出する必要がある。さらに、一列目の回路ブロック(CMP、CNT)の活性化状態を取得するためには、同じくカウント値COUT1を用いて算出された光子計数率を使用する必要がある。従って、発熱ブロック251‐A〜251‐Dの発熱量はカウント値COUT1から算出される光子計数率を元に決定される。
次に、二列目の回路ブロック(CMP273、CNT274)の活性化状態を取得するためには、カウント値COUT2を用いて算出された光子計数率を使用する必要がある。従って、発熱ブロック251E、251Fの発熱量はカウント値COUT2から算出される光子計数率を元に決定される。それ以降についても同様に、電圧比較器273とカウンタ274の組合せ数に応じて、適宜対応表を作成することで、光子計数率から必要な発熱量を簡便に算出することができる。なお、作成された各対応表間に強い線形性があり、定数倍等の補完処理が可能な場合は、用意する対応表を適宜間引いて良い。また、LSIの製造には一定のばらつきが存在するため、実測に基づいてこの表を補正した上で用いると、さらに正確な発熱量制御を実現することができる。
発熱制御ブロック250は、このようなテーブルを用いて、カウント値COUT1,COUT2・・・である光子計数率Rを入力として、各発熱ブロックで必要な発熱量Pを求め、Pに対応する制御信号HSIGを各発熱ブロックに出力する。
計数率による発熱量の制御(S603〜S607)が実施された後、上位装置から計測終了の通知有無を確認し(S608)、計測が終了しない場合は再び計数率の確認が行われる(S602)。一方、計測終了の通知が確認された場合は、温度制御が終了する(S609)。以上で説明した動作と並列して行われる温度監視動作について説明する。温度管理の対象であるチップ23(LSI)は比較的熱容量も小さく、数秒のうちに所定の静定温度に達する。この静定温度への到達時間は、例えば、CT装置におけるスキャナの回転加速に要する時間よりも短く、本計測が開始される以前に、チップ23が形成されたLSIは温度管理がなされた状態に達する。しかし、ここでさらに温度制御開始(S601)の後に、温度センサやタイマ等の手段を用いて所定の静定温度に達した(静定温度到達時間が経過した)ことを確認し(S610)、計測準備が完了したことを上位装置に通知することで(S611〜S612)、静定温度に達する前に計測を開始する等の誤動作が無く安全な制御を行うことができる。
なお、撮影ビュー毎に計数率を確認して発熱量制御を行う場合を説明したが、計数率を確認する間隔、即ち追加発熱量の制御の間隔は、温度管理を行う系の温度変化時定数よりも短い間隔で行っても良いし、光子計数率の変化が小さい領域に配置される検出器に対しては、発熱量制御の間隔を適宜伸ばしても良い。さらに、X線検出器2におけるモジュール20或いは検出器の位置によって発熱量制御の間隔を異ならせてもよい。例えば、X線検出器2中心部以外で光子計数率の変化が小さい領域に配置される検出素子に対しては、発熱量制御の間隔を適宜伸ばしても良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、チップ23の計数ブロック231を構成する回路素子毎に発熱ブロック(発熱素子)を配置し、それぞれを計数ブロックの出力である計数率と、予め求めておいた計数率と発熱ブロック毎の発熱量との関係テーブルとに基いて、発熱ブロックを制御することで、計数率の変動に関わらず計数ブロック231の温度を略一定に保つことができ、回路素子の温度変化に起因する計数率特性の変化を抑制することができる。
また本実施形態によれば、温度管理を行いたい系が温度変化する時定数よりも短い間隔で発熱量のフィードバック制御が実施することで、温度管理を行う系の温度変化量をより抑制することができる。さらに本実施形態によれば、温度制御を行う期間、つまり、冗長な発熱を行う期間を計測中に限定することで、発熱ブロックを含む計数ブロック全体(LSI)の消費電力を抑制する効果もある。
さらに、本実施形態(図4に示す構成例)によれば、画素毎、つまり、計数ブロックPB毎に発熱量を制御し回路動作温度を一定に保つ構成であるため、隣接画素間で急峻に光子計数率が変動するような動作条件であっても、回路の動作温度が一定に保たれ、安定した画像を取得できる効果がある。
上述したとおり本実施形態は、発熱量補償回路として、計数ブロックの各回路素子に発熱ブロックを配置するものであるが、図面に示す例に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、図4では、回路ブロック(CSA、HPF、CMP、CNT)毎に発熱ブロックを配置したが、温度感度の低い回路ブロックに対しては発熱ブロックを配置しなくても良い。また、回路ブロックの動作温度を一定保つ目的を大きく阻害しない範囲で、複数の発熱ブロックを集約して1つの発熱ブロックとして配置しても良い。
また、発熱量制御ブロックが発熱量を決定するための情報として、図4では光子計数結果COUTを利用したが、それ以外の情報を用いることもできる。例えば、計数ブロック231(LSI)内、あるいは、LSIに近接して実装された温度計から取得される温度情報、あるいは、LSI内、あるいは、LSIへの電源回路に実装された電流計から取得される電流情報を元に、発熱量を決定しても良い。
次に第一実施形態の変形例として、第一実施形態と同様に、発熱ブロックを備えたX線CT装置であるが、発熱ブロックを配置する位置が異なるX線CT装置の実施形態を説明する。
<第一実施形態の変形例1>
第一実施形態では、発熱ブロックを、計数ブロックを構成する各回路ブロックに近接して配置したが、本変形例では、隣接する計数ブロックの間に配置する。以下、第一実施形態と異なる点を中心に本変形例を説明する。なお本変形例も、第一実施形態と同様にX線CT装置のX線検出器に適用した例を説明することとし、必要に応じて、第一実施形態の説明に用いた図面を援用する。
図8に本変形例のチップ23の一部を示す。図中、図と同一の要素は同じ符号で示し、重複する説明は省略する。図に示す2つの計数ブロック231A、231Bは、図3(B)に示すチップ(LSI)23に含まれる複数の計数ブロック231のうち、隣接する2つの計数ブロックを示したものである。
図示するように各計数ブロック231A、231Bは、従来の計数ブロックと同様の構成を持ち、入力PIN1からの入力及び値の異なる閾値VTH1、VTH2・・・を入力とし、光子数COUT1、COUT2・・・を出力する計数回路であり、各X線エネルギーレベルに共通するチャージアンプ(CSA)及びハイパスフィルタ(HPF)と、それぞれのX線エネルギーレベルに対応する比較器(CMP)及びカウンタ(CNT)を備えている。
これら2つの計数ブロック231A、231Bの間に、発熱量補償回路25として機能する発熱ブロック251G〜251Jと、それらを制御する発熱制御ブロック250とが配置されている。各発熱ブロック251の内部は、第一実施形態の発熱ブロック251と同様であり、例えば、図5(A)に示すような回路構成を取ることができる。
このような構成において、各光子計数ブロック231からのカウント値COUTは発熱制御ブロック250へ通知され、そのカウント値を元に発熱ブロックチャージアンプ271、ハイパスフィルタ272での発熱量が決定される。この発熱量は、発熱ブロック251及び2つの計数ブロック231A、231B内の回路ブロック(CSA、HPF、CMP、CNT)の、計数率に対する温度勾配を考慮して、回路ブロック(CSA、HPF、CMP、CNT)での温度が一定となるようにシミュレーション等の手段を持って決定される。本変形例においても、発熱ブロック毎に、図7に示したように光子計数率と発熱量との関係を示すテーブルを予め作成しておいてもよい。
本変形例における発熱量制御の手順は、第一実施形態と同様であり、図6に示したように、計測の開始から終了まで、所定の間隔で制御を行い、計数率の変動に関わりなくチップ23の温度を略一定に保つ制御を行う。この際、第一実施形態において説明したとおり、追加発熱量の制御の間隔は、計測ビュー毎、あるいは、温度管理を行う系の温度変化時定数よりも短い間隔でも良いし、光子計数率の変化が小さい領域に配置される検出器に対しては、発熱量制御の間隔を適宜伸ばしても良い。
本変形例によれば、第一実施形態の効果に加え、発熱制御ブロックと発熱ブロックを複数の計数ブロックで共有することで、レイアウト面積を縮小できるメリットがある。
なお、図に示す例では、発熱制御ブロック250及び複数の発熱ブロック251からなる1組の発熱量補償回路25を、2つの光子計数ブロック231A、231Bで共有する例を示したが、J個の光子計数ブロック231に対してI(I<J)組の発熱補償回路を共有する等、共有する比(光子計数ブロック数に対する発熱補償回路数の比)は適宜変更して良い。さらに、本変更例では、発熱量補償回路(発熱制御ブロック250及び発熱ブロック251)の配置位置を光子計数ブロック間としたが、光子計数ブロック内の空きスペースや、計数ブロックが形成されたLSIの空きスペースへ配置しても良い。
<第二実施形態>
第一実施形態及びその変形例では、計数ブロックに対し、発熱量補償回路として、それ自体が発熱する発熱回路を追加したが、本実施形態では、計数率に応じた擬似パルスを発生させて、計数ブロックを構成する回路素子の活性状態を、低計数率時と高計数率時とで同じになるような制御を行うことが特徴である。
以下、第一実施形態と同様に、X線CT装置の放射線検出器を例に、本実施形態を説明する。本実施形態においても、必要に応じて、第一実施形態で用いた図面を援用する。
図9に、本実施形態のX線検出器2の計数ブロック235の一例を示す。この計数ブロック235は、図3(B)に示すチップ23を構成する複数の計数ブロックの一つを代表して示したものであり、その他の計数ブロックも同様の構成を持つ。図9において、図3或いは図8では四角で囲ったブロックで示した回路要素と同一の機能を持つ要素を、その機能を実現する代表的な回路素子で示し、同じ符号を付している。各要素についての重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
計数ブロック235は、チャージアンプ(CSA)271、ハイパスフィルタ(HPF)272、複数の電圧比較器(CMP)273及び複数のカウンタ(CNT)274からなる回路素子に加えて、擬似パルス生成器290、入力PIN1とチャージアンプ271との間に挿入されたスイッチSW11、及び擬似パルス生成器290とチャージアンプ271との間に挿入されたスイッチSW12を備えている。
擬似パルス生成器290は、スイッチSW12が接続された信号線を介して、擬似パルスPSEUDOを出力するとともに、制御信号HSIGを出力する。制御信号HSIGは、スイッチSW12とインバータINV1、INV2へ接続される。インバータINV1の出力はスイッチSW11へ接続される。インバータINV2の出力は各カウンタの動作と停止を制御する入力端子EN1、EN2、EN3へ接続される。またカウンタからの出力COUT1、COUT2・・・は、擬似パルス生成器290にフィードバックされる。
次に光子計数ブロック235の動作を説明する。光子計数ブロック235には2つの動作モードが存在する。1つは通常パルス計測モードで、もう1つは、電流入力ピンPIN1からの電流入力がまばらの場合に作動する擬似パルス発生モードである。モードの切替は、各カウンタから擬似パルス生成器290に入力されるCOUT(計数率)に基づき行うことができる。擬似パルス生成器290は制御信号HSIGをハイレベル(H)とすることで、SW12をON(接続)、SW11をOFF(非接続)とし、擬似パルス発生モードに切り替える。
まず、図10を用いて通常パルス計測モード時の動作を説明する。通常パルス計測時は擬似パルス生成器290からの制御信号HSIGがL(ローレベル)となり、擬似パルスPSEUDOは生成されず、インバータINV2を介してカウンタに入力されるカウンタ制御信号EN1、EN2、EN3、…はH(ハイレベル)となり、カウンタは動作状態である。このとき、時刻T0、T2、T4において、電流入力ピンPIN1からの電流入力が発生すると、ハイパスフィルタ(HPF)通過後の波形は、図10のPIN2のように整形され、各閾値電圧VTH1、VTH2、VTH3、…との比較によりカウンタ入力CIN1、CIN2、CIN3が時刻T1、T3、T5においてトグルする。厳密には、PIN2が各閾値電圧VTHを横切る時刻よりも、カウンタ入力CINがトグルする時刻の方がわずかに遅延するが、図10では同じ時刻として扱っている。
なお図10に示すパルス計測方法(パルス計測方法1という)では、例えば、閾値電圧VTH1以上、VTH2未満となる波高値を持つパルス数を得るためには、カウンタ値COUT1からCOUT2を減算する必要がある。これは、波高値がVTH2以上となるパルスが入射した場合に、カウンタ274‐2のみならず、274‐1もインクリメントされるためである。一方、異なるパルス計測方法(パルス計測方法2という)として、電圧比較器とカウンタの構成を変更し、任意の波高値に対して最も高い閾値電圧を有する入力CINのみを選択的に駆動する回路構成も採ることができる。この場合には、例えば、図10の時刻T3においてCIN2のみがトグルし、時刻T5においてCIN3のみがトグルする。
次に図11を用いて、擬似パルス発生モード時の動作を説明する。擬似パルス発生モードでは、電流入力ピンPIN1からの電流入力が非常にまばらであるため、電流入力がない期間に擬似パルスを生成する。例えば、図11で示すように、電流入力ピンPIN1から半導体層で発生したパルスが入力された直後に、擬似パルス生成器290は制御信号HSIGをH(ハイレベル)とし、SW12をONにして、擬似パルスPSEUDOを生成する。
この擬似パルスが発生している期間は、インバータ2を介してカウンタ274‐1に入力されるカウンタ制御信号EN1、EN2、EN3、…はL(ローレベル)となり、カウンタを停止状態に変更する。このようにすることで、擬似パルス発生によるカウンタ値の増加を防ぐ。図11に示す例では、時刻T1に半導体層で発生したパルスが電流入力ピンPIN1へ入力され、時刻T1にカウンタ入力CIN1がトグルしている。この後、時刻T2からT3までが擬似パルス発生期間であり、この期間に例えば8発の擬似パルスPSEUDOが発行され、カウンタ入力CIN1、CIN2、CIN3、…がトグルする。このトグルはEN1、EN2、EN3、…がL(ローレベル)であるためマスクされ、カウンタ値は増加しない。図11では、全てのカウンタが駆動するような波高値の擬似パルスを発生しており、追加消費電力を大きく制御した例である。この擬似パルスの波高値と発行数を制御することで、発熱量を適宜制御することができる。
この制御のために、図7に示したような、光子入射率と波高値と発行パルス数の対応表を作成しておくと簡便な制御が可能となる。また擬似パルス発生期間は、光子入射のカウントを阻害しないように、光子入射率に応じて適宜設定して良い。例えば、光子入射率が低い場合は長く設定される一方、光子入射率が高い場合は短く設定される。擬似パルスの発生期間を決める光子入射率は、例えば、予備計測等により予め取得することができる。
なお図9に示す例では、カウンタの出力を擬似パルス生成器290にフィードバックし、これによって2つの動作モードを切替えたが、動作モードの切替についても、予備計測で得た結果を利用することができ、入射率の予測値が低いときには、擬似パルス発生モードとし、入射率の予測値が高いときには、通常モードとする。モード切替のための入射率の閾値を決めておいてもよい。また制御の方法は、フィードバック制御ではなくフィードフォワード制御であってもよい。
本実施形態によれば、カウンタの計数結果に影響を与えることなく擬似パルス発生によりチップ23の発熱量を制御することができる。また本実施形態によれば、実際のパルス入力に近い形で所定の回路を動作させ電力を消費するため、回路の発熱状態を忠実に模擬できるメリットがある。本実施形態においても、追加発熱量の制御は、図6で説明したとおり、計測ビュー毎、あるいは、温度管理を行う系の温度変化時定数よりも短い間隔で行っても良いし、光子計数率の変化が小さい領域に配置される検出器に対しては、発熱量制御の間隔を適宜伸ばしても良い。
<第二実施形態の変形例>
第二実施形態では、一つの計数ブロックに対し、一つの擬似パルス生成器を配置する場合を説明したが、本変形例では、一つの擬似パルス生成器を2以上の計数ブロックで共有する。換言すると計数ブロックの数と擬似パルス生成器の数との比を1:1以外にする。以下、図12を参照して、第二実施形態と異なる点を中心に本変形例を説明する。なお図12において、図9と同じ機能を持つ要素は同じ符号で示し、重複する説明は省略する。
図12に示す2つの計数ブロック235、237は、図3(B)に示すチップ23を構成する複数の計数ブロックのうちの二つを示したものであり、その他の計数ブロックも同様の構成を持つ。
計数ブロック235は、図9に示す第二実施形態の計数ブロック235と同様に、計数回路を構成する回路素子(CSA、HPF、複数のCMP及びCNT)に加えて、擬似パルス生成器290、入力PIN1とチャージアンプ271との間に挿入されたスイッチSW11、及び擬似パルス生成器290とチャージアンプ271との間に挿入されたスイッチSW12を備えている。なお図1では省略しているが、この計数ブロック235も、複数のエネルギーレベルに対応して複数組の電圧比較器273及びカウンタ274を備えている。第二実施形態と同様に、擬似パルス生成器290の制御信号HSIGがハイレベルHの時には、スイッチSW12はON(接続状態)となり擬似パルスが生成されるとともに、カウンタの入力EN1、EN2・・・がローレベルLとなる。
一方、計数ブロック237は、擬似パルス生成器290等の付加的な回路素子は設けられていない。但し、計数ブロック237の入力ピンPIN11と、計数ブロック235の入力ピンPIN1との間にスイッチSW13が接続されている。スイッチSW13は、スイッチSW2と同様に擬似パルス生成器290の制御信号HSIGによりON/OFFするスイッチであり、HSIGがハイレベルのときに(擬似パルス生成モードのときに)、ONとなり、計数ブロック235の入力PIN1からの入力と計数ブロック237の入力PIN1からの入力とが共に、計数ブロック237に入力されるように構成されている。
次に本変形例の光子計数ブロック235、237の動作を説明する。本変形例でも、通常動作モードと擬似発生パルスモードの2つの動作モードで動作する。光子入射率の高い通常動作モードでは、擬似パルス生成器290の制御により、スイッチSW11は閉じ、スイッチSW12、SW13はオープンとなり、擬似パルスPSEUDOは生成されない。すなわち、各光子計数ブロック235、237はそれぞれ電流入力ピンPIN10、PIN11からの電流パルスを計数する。
一方、光子入射率の低い擬似発生パルスモードでは、擬似パルス生成器290の制御により、スイッチSW11はオープン、スイッチSW12、SW13は閉じ、擬似パルスが生成される。このとき、電流入力ピンPIN1、PIN1からの電流パルスは、光子計数ブロック237でまとめて計数される。この間、光子計数ブロック235は常に擬似パルスモードとして動作し、追加消費電力を生成する。モードの切替、擬似パルスの発生期間や発行数の制御は第二実施形態と同様であり、カウンタからの出力を用いたフィードバック制御或いは予め作成したテーブル(図7と同様の対応表)や予備計数の計数率を用いて行う。
擬似パルス発生期間中はSW1が開いていることから、計数ブロック235における計数は行われないが、光子計数ブロック235での計数結果は、光子計数ブロック237での計数結果を用いて、適宜補完され生成される。補完方法としては、例えば、光子計数ブロック23での計数結果の半分を、2つの光子計数ブロック235、237での計数結果の推定値として用いる方法が考えられる。また各計数ブロックをその周辺の計数ブロック(画素)の計数結果から推定することも可能である。この場合、例えば、計数できなかった計数ブロックの前後或いは左右の計数ブロックの計数結果から入射光子数の勾配を求め、その勾配を用いて光子計数ブロックでの計数結果を按分して、光子計数ブロック235、237での計数結果推定値として用いる。
本変形例においても、擬似パルスモードでの動作期間、発生擬似パルス数は光子入射率に応じて適宜変更して良い。また追加発熱量の制御は、上述した各実施形態と同様に、計測ビュー毎、あるいは、温度管理を行う系の温度変化時定数よりも短い間隔で行っても良いし、光子計数率の変化が小さい領域に配置される検出器に対しては、発熱量制御の間隔を適宜伸ばしても良い。
本変形例によれば、第二実施形態と同様の効果に加え、電流パルスを計測する光子計数ブロックと、擬似パルスモードで動作する光子計数ブロックを分離することで回路面積を有効活用できるメリットがある。
なお、本変更例では、光子計数を行う光子計数ブロックと擬似パルスモードで動作する光子計数ブロックを1対1としたが、この比は適宜変更して良い。
<第三実施形態>
本実施形態は、計数回路が、発熱量補償回路として、カウンタに冗長動作させるための回路(カウンタ冗長動作回路)を備えることが特徴であり、カウンタの冗長動作により追加消費電力を生成、制御する。なお。カウンタ冗長動作回路は、例えば、信号の極性の反転を繰り返す、公知のアップダウンカウンタを利用することができる。
以下、図13を参照して、第三実施形態の計数回路について説明する。ここでもX線CT装置の放射線検出器に適用した場合を例に説明する。図13において、図9や図12に示す要素と同じ機能を持つ要素は同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
図13に示す本実施形態の計数ブロック239は、図3(B)に示すチップ23を構成する複数の計数ブロックの一つを代表して示したものであり、図示するように、各列の電圧比較器273とカウンタ274との間に、それぞれ、直列に挿入されたカウンタ冗長動作回路391‐1、391‐2・・・391‐nが配置されるとともに、カウンタ冗長動作回路の動作を制御する光子入射率判定回路390が追加されている。光子入射率判定回路390には、各カウンタ274の出力COUNT1、COUNT2・・・COUTnが入力される。光子入射率判定回路390は、入力された値に基づき制御信号SIGを各カウンタ冗長動作回路391‐1、391‐2・・・391‐nに送る。
この計数ブロック239において、入力PIN1から各電圧比較器273までの信号の流れは通常の計数ブロックと同様であるが、ある閾値VTHmを用いた電圧比較器273‐mでの比較結果CINmは、カウンタ冗長動作回路391‐mだけでなく、一つ高い閾値VTH(m+1)が入力される電圧比較器273‐m+1が接続されるカウンタ冗長動作回路391‐m+1にも通知される。例えば、電圧比較器273‐1の出力CIN1はカウンタ冗長動作回路391‐1だけでなく、カウンタ冗長動作回路391‐2にも通知される。各カウンタ(274‐1、…、274‐n)は、カウンタ冗長動作回路からカウンタ値の増加、減少を選択する信号(PUD)と、パルス状の信号(UD)とを受け取る。
以上の構成における計数ブロックの動作を、図14を用いて説明する。
時刻T0に電流入力ピンPIN1より半導体層からの電流パルスが入力され、そのパルスがチャージアンプ271を経て、ハイパスフィルタ272で整形され(PIN2)、電圧比較器273‐1で所定の電圧閾値VTH1と比較された結果、時刻T1においてカウンタ274‐1への入力CIN1がトグルする(図14の(a))。入力CIN1はカウンタ冗長動作回路391−1、391−2、それぞれに入力される。この電流パルスは電圧比較器273‐2の閾値VTH2より低いため、カウンタ274‐2への入力CIN2はトグルしない(図14の(b))。従って、カウンタ冗長動作回路391−2へはCIN1のみが入力される。
入力CIN1を受けると、カウンタ冗長動作回路391−1は、図14に(a‐1)で示すように、カウンタアップダウン制御信号UD1を時刻T1からT2まで引き続きH(ハイレベル)、つまり、「カウンタ値増加」を指示した後、時刻T2からT3までL(ローレベル)、つまり、「カウンタ値減少」を指示する。一方、カウンタ冗長動作回路391−2は、図14に(b‐1)で示すように、カウンタアップダウン信号UD2は、時刻T1からT2までH(ハイレベル)、つまり「カウンタ値増加」を指示した後、時刻T2から時刻T4までL(ローレベル)、つまり、「カウンタ値減少」を指示する。
この動作と並行して、カウンタ冗長動作回路391−1は、カウンタ入力PUD1(図14(b‐1))で、CIN1のトグルに同期したトグルと合わせて合計2N‐1回のトグルを発生させる。一方、カウンタ冗長動作回路391−2は、カウンタ入力PUD2(図14(b‐2))で、合計2N回のトグルを発生させる。結果として、時刻T1からT4におけるカウンタ274‐1、274‐2のカウンタ値は元の値(M:ここでは1)に対して、それぞれ+1、±0の遷移となる。即ち、カウント値は本来のカウント値と変わることがない。しかもこの計数動作において冗長動作を行うことで通常よりも大きな電力消費を発生させることができる。
この際、カウンタ出力COUT1〜COUTnを入力する光子入射率判定回路390は、カウンタ冗長動作回路のアップダウン信号UDの間隔やPUDの回数を制御することによって、冗長なトグル動作の回数を制御し、追加消費電力を制御する。
なお上記説明では、ある閾値に対して、一つ高い閾値を有する電圧比較器に接続されるカウンタ(カウンタ冗長動作回路)を冗長動作せたが、それ以上に高い閾値を有する電圧比較器に接続されるカウンタも同時に冗長動作させることで、より大きな追加消費電力を発生させることができる。その場合、ある閾値VTHmを用いた電圧比較器273‐mでの比較結果CINmは、複数のカウンタ冗長動作回路391−m〜391‐m+nにも通知する接続形態となる。追加消費電力はカウンタの冗長動作量と、冗長動作させるカウンタ数を適宜選択することで、柔軟に調整することができる。このとき、冗長動作させるカウンタ数は固定であって良いし、チップ動作中に適宜変更しても良い。また、冗長なトグル期間は、光子入射のカウントを阻害しないように、光子入射率に応じて適宜設定して良い。例えば、光子入射率が低い場合は長く設定され冗長なトグルを多数回行う一方、光子入射率が高い場合は短く設定され、冗長トグル回数は少なく制御される。
本実施形態によれば、光子計数ブロック内に簡便な論理回路を追加するのみで発熱量の制御が実現可能であり、回路面積のオーバーヘッドが少ないメリットがある。
<第三実施形態の変形例>
第三実施形態は、個々の計数ブロックについて、カウンタ冗長動作の制御を行ったが、本変形例は、計数率が低い動作モードにおいて、複数の計数ブロックを一組として動作させることが特徴である。
以下、本変形例に係る放射線検出器として、例えばX線CT装置に適用される放射線検出器の例について図15を参照して説明する。図15において図13と同じ要素は同じ符号で示し説明を省略する。
図15に示す2つの光子計数ブロック239A、239Bは、隣接する計数ブロックであり、一方の計数ブロック239Aには、図13の計数ブロック239と同様に、カウンタ冗長動作回路391及び光子入射率判定回路390Aが設けられている。第三実施形態の光子入射率判定回路390は、それが配置された計数ブロックのカウント値のみが入力されていたのに対し、本変形例の光子入射率判定回路390Aは、2つの計数ブロック239A、239Bのカウント値が入力される。
また計数ブロック239Aのハイパスフィルタ272の出力にはスイッチSW11が直列に配置され、計数ブロック239Aのハイパスフィルタ272と、計数ブロック239Bの各電圧比較器273との間には、SW151が配置されている。SW11及びSW151は、光子入射率判定回路390Aからの制御信号SIGにより制御され、制御信号SIGがハイレベル(H)のときは、SW11はクローズし(ON)、SW151はオープン(OFF)となる。
このような構成における計数ブロックの動作を説明する。
光子入射率判定回路390Aは、カウント値から光子入射率を判定し、光子入射率が高い場合は、制御信号SIGをHとし、SW11を閉じるとともに、SW151をオープンにする。このとき、計数ブロック239Aのカウンタ冗長動作回路391は光子入射率判定回路390Aから制御信号SIGによって冗長パルスを生成しない。すなわち、各光子計数ブロック239A、239Bはそれぞれ電流入力ピンPIN11、PIN21からの電流パルスを計数する。
一方、光子入射率の低い場合は、光子入射率判定回路390Aは、制御信号SIGをLとし、SW11をオープンにするとともに、SWを閉じる。この制御により、計数ブロック239Aのカウンタ冗長動作回路391が動作し、冗長パルスを生成する。カウンタ冗長動作期間、冗長動作度合いは光子入射率に応じて適宜変更して良い。追加発熱量の制御は、計測ビュー毎、あるいは、温度管理を行う系の温度変化時定数よりも短い間隔で行っても良いし、光子計数率の変化が小さい領域に配置される検出器に対しては、発熱量制御の間隔を適宜伸ばしても良い。
計数ブロック239Aにおいて、このような冗長動作が行われるとき、計数ブロック239Aの電流入力ピンPIN11からの入力は、計数ブロック239Aの電圧比較器273には入力されず、計数ブロック239Bの電圧比較器273に入力される。これにより入力ピンPIN11、PIN21からの電流パルスは、光子計数ブロック239でまとめて計数される。光子計数ブロック239Aは常にカウンタを冗長動作させ、追加消費電力を生成する。光子計数ブロック239Aで計数は行わない。
カウンタ冗長動作間中は、光子計数ブロック239Aでの計数結果は得られないため、光子計数ブロック239Bでの計数結果を用いて、光子計数ブロック239A、239Bの計数結果を補完し生成する。補完方法としては、第二実施形態の変更例で説明したように、光子計数ブロック239Bでの計数結果の半分を、光子計数ブロック239A、239Bでの計数結果推定値として用いる方法や、周辺画素の計数結果から入射光子数の勾配を求め、その勾配を用いて光子計数ブロック239Bでの計数結果を按分して、光子計数ブロック239A、239Bでの計数結果推定値として用いる方法が考えられる。
本変形例によれば、電流パルスを計測する光子計数ブロックと、カウンタ冗長動作する光子計数ブロックを分離することで回路面積を有効活用できるメリットがある。
なお、本変形例では、光子計数を行う光子計数ブロックとカウンタ冗長動作させる光子計数ブロックを1対1としたが、この比は適宜変更して良い。
<第四実施形態>
上述した各実施形態は、いずれも、チップ23自体に発熱量補償回路25を配置した実施形態であり、特に回路基板上に実装する場合を説明したが、本実施形態は放射線検出器を構成する要素のうちチップ以外に配置する。
以下、図16を参照して、本実施形態に係る放射線検出器について、X線CT装置のX線検出器を例に説明する。図16において、図3()と同じ要素は同じ符号で示し、重複する説明は省略する。
まず図16(A)に示すように、X線検出器2を構成するモジュール20は、それぞれのチップ23を制御する制御回路(FPGA)30にケーブル24を介して接続されている。図では2つのモジュール20のみを示しているが、モジュールの数は2以上である。各モジュール20において、チップ(LSI)23を実装する基板22の内部に、発熱ブロック255が配置されている。発熱ブロック255としては、例えば、第一実施形態で採用した発熱回路でもよいし、発熱量を制御可能な素子或いは材料であれば、特に限定されない。発熱ブロック25は、チップ23の各光子計数ブロックに対応する位置に配置してもよいし、所定の間隔で点在するように配置してもよい。発熱ブロック255は、ケーブル24を介して制御回路30に接続されている。
制御回路30は、計数回路35の動作の制御とともに、発熱ブロック255の発熱量を制御する。制御の手法は、第一実施形態と同様であり、例えば、計数ブロック231にて計測した光子入射率、消費電流量、温度情報を元に、発熱ブロック255の抵抗値、印加電圧値、駆動電流、ON/OFFデューティ比等を変更する。
次に図16(B)に示す構成例では、モジュール20は、制御回路30を実装した基板32に固定され、発熱ブロック255はこの基板32内に配置されている。制御回路は、例えばFPGA等のハードウェアで構成することができる。チップ23は接続端子34を介して制御回路30と電気的に接続されている。また発熱ブロック255が発生した熱をチップ23に伝達するために、チップ(LSI)23と基板32との間の隙間には、熱伝導シート40が配置されている。
この構成例でも、制御回路30にて発熱ブロック255を制御すること、及びその制御方法は上述した実施形態と同様である。
本実施形態によれば、発熱ブロック255をチップ23外部へ配置するため、チップ23の面積を有効活用できるメリットがある。また、発熱量制御機能を有しないチップ23に対しても、温度制御を実現できるメリットもある。
さらに、発熱ブロック255はチップ23の動作温度を一定に保てれば良いので、チップ23内部や基板32だけでなく、線検出器2内部の構造物等に配置しても良い。
<第五実施形態>
本実施形態は、複数の検出素子が配置された放射線検出器において、複数の検出素子のうち一部の検出素子に発熱量補償回路を設けたことが特徴である。本実施形態は、上述した全ての実施形態に適用することができ、発熱量補償回路やその制御手法は各実施形態で説明した構成や手法のいずれかを採用してもよい。
以下、第五実施形態の放射線撮像装置を、X線CT装置を例にして説明する。図17において、図1と同じ要素は同じ符号で示し重複する説明は省略する。
図17に示すように、X線検出器2はX線源1を中心に配置される。このとき、X線検出器2の中心部に配置される検出モジュール20は被写体7が入るため高精度検出が要求される一方、X線検出器2の辺縁部に配置される検出モジュール20は被写体が入らないため高精度検出が不要となる。そこで、被写体の入る中心部(発熱量制御領域)に配置される検出モジュール20のみを発熱量制御対象とし、辺縁部に配置される検出モジュール20を低消費電力とすることで、X線検出器2での消費電力を削減する。
なお本実施形態では、X線検出器2の中心部を発熱量制御領域としたが、被写体7の大きさや配置に応じて、発熱量制御領域を変更してもよいことはいうまでもない。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることなく、例えば、動作に不可欠ではない要素を省いたり追加したものも本発明に包含される。また実施形態では、主として発熱量の制御を行う手段は、LSI等に実装したハードウェアで実現する場合を説明したが、ソフトウェアで実現することも本発明に包含される。
1:X線源、2:X線検出器、3:信号処理部、4:画像生成部、20:検出モジュール、21:半導体層、23:チップ、35:光子計数回路、230:出力ブロック、231、235、237、239:光子計数ブロック、25:発熱量補償回路、250:発熱制御ブロック、251、255:発熱ブロック、253:デコード回路、271:チャージアンプ、272:ハイパスフィルタ、273:電圧比較器、274:カウンタ、290:擬似パルス生成器、390:光子入射率判定回路、391:カウンタ冗長動作回路。

Claims (16)

  1. 放射線源と、前記放射線源から放射された放射線を検出し、放射線の光子数に対応する電気信号を出力する光子計数型検出器と、を備えた放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、光子数を計数する光子計数回路と、前記光子数の検出に伴う前記光子計数回路の発熱量を、光子数の計数率と前記光子計数回路の発熱量との関係に基き、計数される光子数に依存しない発熱量とする発熱量補償回路を、さらに備えることを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮像装置であって、
    前記発熱量補償回路は、予め求めた、光子数の計数率と前記光子計数回路の発熱量との関係に基き、発熱量を制御することを特徴とする放射線撮像装置。
  3. 請求項1又は2に記載の放射線撮像装置であって、
    前記発熱量補償回路は発熱素子を含み、
    前記発熱量補償回路は、前記光子計数回路の出力に応じて、前記発熱素子を制御することを特徴とする放射線撮像装置。
  4. 請求項3に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数回路は、複数の回路素子を有し、
    前記発熱素子は、前記複数の回路素子に近接して配置されることを特徴とする放射線撮像装置。
  5. 請求項3に記載の放射線撮像装置であって、
    前記発熱量補償回路は、前記光子計数型検出器を構成する構造要素のいずれかに配置されることを特徴とする放射線撮像装置。
  6. 請求項3に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、複数の光子計数回路を有し、
    前記発熱素子は、前記複数の光子計数回路の、隣接する光子計数回路間に配置されることを特徴とする放射線撮像装置。
  7. 請求項3に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、放射線光子を検出する半導体層と、前記半導体層を支持するとともに前記半導体層と前記光子計数回路とを接続する基板と、を有し、
    前記発熱素子は、前記基板内に配置されていることを特徴とする放射線撮像装置。
  8. 請求項3に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、複数の光子計数回路と、前記複数の光子計数回路を制御する制御回路と、前記制御回路を支持するとともに前記光子計数回路と前記制御回路とを接続する基板とを有し、
    前記発熱素子は、前記基板内に配置されていることを特徴とする放射線撮像装置。
  9. 請求項1に記載の放射線撮像装置であって、
    前記発熱量補償回路は、前記光子計数回路に擬似パルスを出力する擬似パルス発生回路を有し、
    前記擬似パルス発生回路は、前記光子計数回路の出力を用いて、出力する擬似パルスの大きさ及び発生期間の少なくとも一方を制御することを特徴とする放射線撮像装置。
  10. 請求項9に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、複数の光子計数回路を有し、
    前記擬似パルス発生回路は、前記複数の光子計数回路のそれぞれに配置されていることを特徴とする放射線撮像装置。
  11. 請求項1に記載の放射線撮像装置であって、
    前記発熱量補償回路は、計数された光子数M(M=1又は0)に対し、N(N=1以上の整数)+Mのハイレベル信号とNのローレベル信号を発生するカウンタ冗長動作回路であることを特徴とする放射線撮像装置。
  12. 請求項11に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、複数の光子計数回路を有し、
    前記光子計数回路は、それぞれ、計数される光子の閾値が異なる複数のカウンタを備え、
    前記カウンタ冗長動作回路は、前記複数のカウンタの少なくとも一つに備えられることを特徴とする放射線撮像装置。
  13. 請求項9又は11に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、複数の光子計数回路を有し、
    前記発熱量補償回路は、前記複数の光子計数回路のうち、互いに隣接する光子計数回路の一方のみに配置されることを特徴とする放射線撮像装置。
  14. 請求項13に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、前記隣接する光子計数回路のうち、前記発熱量補償回路が配置された光子計数回路の出力を、前記発熱量補償回路が配置されていない光子計数回路の出力を用いて補完することを特徴とする放射線撮像装置。
  15. 放射線撮像装置がX線CT装置である請求項1乃至14のいずれか一項に記載の放射線撮像装置。
  16. 請求項15に記載の放射線撮像装置であって、
    前記光子計数型検出器は、前記放射線源と回転中心を挟んで回転可能に対向配置されており、回転方向に配列した複数の光子計数回路を備え、
    前記発熱量補償回路は、回転方向に配列した複数の光子計数回路のうち、回転方向中心又は中心近傍を含む一部の光子計数回路について配置されることを特徴とする放射線撮像装置。
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