JP6741263B1 - 植物光合成促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、安価で、光合成促進効果に優れた植物光合成促進剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、ステビアを含有する植物光合成促進剤に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、植物光合成促進剤に関する。
光合成は、主に植物、植物プランクトン、藻類等の光合成色素を持つ生物が行う、光エネルギーを化学エネルギーへと変換する生化学反応のことである。作物は、光エネルギーを使って、水と空気中の二酸化炭素とから、例えば、ショ糖、デンプン等のような糖類を合成している。これに併せて、光合成は、水を分解する過程で生じる酸素を大気中に供給している。
光合成によって作られた糖類は、葉脈等を通って作物体の各所に運ばれ、炭水化物、タンパク質、脂肪等の複雑な有機物に変化する。そして、これら有機物は、作物自身の生命維持に利用されるとともに、種子、果実、茎、根等に貯蔵される。すなわち、作物の有する光合成能は、生育及び収量に直接影響を与える要因である。
したがって、光合成活性を増進させることができれば、品質を向上させたりすることができるといえる。
また、作物の生育を促進させ、収量を向上させるためには、肥料の施用による栄養分の補給、栽培環境等を常に好適な状態に維持及び管理することが必要である。
しかしながら、このような維持及び管理は、手間がかかるだけでなく、そのための装置及び設備が必要となる。
例えば、特許文献1には、温室の気温湿度を調整して、植物に光を照射し、そこに炭酸ガスを局所施用することを特徴とする光合成促進システム、及びそれに用いる光合成促進装置が開示されている。しかしながら、これらの装置一式を導入するためには、膨大な設備投資が必要となり、また、栽培管理も煩雑となる。
また、特許文献2には、植物に低周波刺激を付与することを特徴とする光合成促進方法が開示されている。しかしながら、この光合成促進方法を行うためには、低周波信号の発生源、信号増幅器等の装置及び設備が必要であり、設備導入の際のコストが嵩む問題がある。
そこで、安価で、かつ簡便に、植物の光合成を促進させることができる方法、及び光合成を促進させる化合物(剤)の開発が望まれている。
特開2016−54713号公報 特開2004−89031号公報
本発明は、安価で、光合成促進効果に優れた植物光合成促進剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、甘味料の原料であるステビア由来の成分を含有する液剤を作物に処理することによって、光合成の促進効果が得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1.
ステビアを含有する植物光合成促進剤。
項2.
前記ステビアが、ステビオール化合物、ステビア抽出物、及び酵素処理ステビアからなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の植物光合成促進剤。
項3.
前記ステビアが、ステビオール、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ステビオールビオシド、ルブソシド、及びズルコシドからなる群より選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載の植物光合成促進剤。
項4.
前記ステビアが、ステビア抽出物である、項1又は2に記載の植物光合成促進剤。
項5.
前記ステビアが、酵素処理ステビアである、項1又は2に記載の植物光合成促進剤。
項6.
項1〜5の何れか一項に記載の植物光合成促進剤を、植物若しくは植物の生育する土壌又は培養液に使用する、植物の光合成促進方法。
項7.
ステビアの植物光合成促進剤としての使用方法。
本発明によれば、ステビアを含む植物光合成促進剤を提供することができる。
図1は、キュウリを用いて行った、ファームAによる光合成促進活性の評価結果を示したグラフである。 図2は、サツマイモを用いて行った、ステビロンTKによる光合成促進活性の評価結果を示したグラフである。
ステビア
ステビア(学名:Stevia rebaudiana L.)は、世界中で天然甘味料、食品添加物等として使用されている、南アメリカ原産のキク科ステビア属の多年草である。ステビアの草丈は、通常、50cmから1m前後であり、その茎は白い細毛に覆われている。また、ステビアの別名は、アマハステビアである。
本明細書において、ステビアには、例えば、天然のステビアの葉、茎及び/又は根(以下、「天然のステビア」ともいう。)、天然のステビアを粉末化したステビア粉末、天然のステビア中に含まれる成分(ステビアから単離した化合物、以下、「単離成分」ということもある。)、天然のステビアから抽出した抽出物(以下、「ステビア抽出物」ということもある。)、ステビア抽出物の残渣、及び、この単離成分又はステビア抽出物を処理したもの(以下、「ステビア処理物又はステビア誘導体ということもある。)等が含まれる。
ここで、上記天然のステビア中に含まれる成分(単離成分)としては、ステビオール又はその誘導体が挙げられる。
ステビオールとは、下記一般式(1):
[式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、糖アルコール、又はアミノ糖を示す。]
で表されるステビオール化合物のうち、R及びRがそれぞれ水素原子を示す化合物である。
また、ステビオールの誘導体としては、ステビオールから誘導される化合物であれば特に限定はなく、例えば、上記一般式(1)で表されるステビオール化合物のうち、R及びRが、同一又は異なって、水素原子、単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、糖アルコール、又はアミノ糖を示す化合物(ただし、上記一般式(1)において、R及びRがそれぞれ水素原子を示す化合物(ステビオール)を除く。)である。
単糖としては、例えば、ケトトリオース(ジヒドロキシアセトン)、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)等のトリオース;
ケトテトロース(エリトルロース)、アルドテトロース(エリトロース、トレオース)等のテトロース;
ケトペントース(リブロース、キシルロース)、アルドペントース(リボース、アラビノース、キシロース、リキソース)、デオキシ糖(デオキシリボース)等のペントース;
ケトヘキソース(プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース)、アルドヘキソース(アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース)、デオキシ糖(フコース、フクロース、ラムノース)等のヘキソース;
セドヘプツロース等のヘプトース;又はこれらの誘導体等が挙げられる。
二糖としては、例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース、セロビオース等の二糖類;又はこれらの誘導体等が挙げられる。
三糖としては、例えば、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース等の三糖類;又はこれらの誘導体等が挙げられる。
四糖としては、例えば、アカルボース、スタキオース等の四糖類;又はこれらの誘導体等が挙げられる。
オリゴ糖としては、例えば、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、マンナンオリゴ糖(MOS)等のオリゴ糖類;又はこれらの誘導体等が挙げられる。
糖アルコールとは、アルドース又はケトースのカルボニル基が還元されて生成する糖の一種であり、例えば、エリスリトール、トレイトール等のテトリトール;アラビイトール、キシリトール、リビトール等のペンチトール;イジトール、ガラクチトール、グリシトール、マンニトール等のヘキシトール;ボレミトール、ペルセイトール等のヘプチトール;マルチトール;又はこれらの誘導体等が挙げられる。
アミノ糖とは、アミノ基(アミン)を含む糖であり、例えば、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルムラミン酸、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ノイラミン酸、N−アセチルノイラミン酸、ダウノサミン、フルクトサミン、ヘキソサミン、ケトサミン、ムラミルジペプチド、ペロサミン、シアル酸;又はこれらの誘導体等が挙げられる。
これらの単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、又はその誘導体は、単独で用いてもよく、また混合して用いてもよい。
ここで、二糖、三糖、四糖、及びオリゴ糖は、上記単糖のうち何れか2つ以上の単糖がグリコシド結合によって重合したものである。
これらステビオール化合物は、上記天然のステビア中に含まれる成分(単離成分)であってもよく、又は、化学合成によって製造したものでもよい。
上記一般式(1)で表されるステビオール化合物としては、具体的に、ステビオール、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、ズルコシド、ステビオールビオシド、ルブソシド等が挙げられる。
これらステビオール化合物のうち、ステビオール(上記一般式(1)において、R及びRがそれぞれ水素原子である化合物)以外の化合物は、ステビオールを骨格とする配糖体、すなわち、「ステビオール配糖体」ということもできる。ステビオール化合物は、1種又は2種以上の化合物を用いることができる。
なお、ステビオシドは、ステビオサイド(stevioside)ともいう。レバウジオシドは、レバウディオサイド、レバウジオサイド(rebaudiosideA)ともいう。ズルコシドは、ズルコサイド(dulcoside)ともいう。ステビオールビオシドは、ステビオールビオサイド(steviolbioside)ともいう。ルブソシドは、ルブソサイド(rubusoside)ともいう。ステビオールは、ステビオル(steviol)ともいう。
ステビア抽出物
ステビア抽出物としては、キク料ステビアから抽出されたものであれば特に限定はない。ステビア抽出物として、例えば、ステビアの植物体(葉、茎、及び、根を含む)を、室温〜熱水で抽出することによって得られた抽出物、該抽出物を精製して得られたもの等が挙げられる。このステビア抽出物は、単独又は溶液等を含む希釈品である液体、粉末、顆粒品等の形態で用いることができる。ここで、ステビア抽出物は、1種又は2種以上のステビア抽出物を用いることができる。なお、市販されているステビア抽出物を使用することもできる。市販のステビア抽出物として、例えば、ファームA(登録商標、OATアグリオ株式会社製)、ステビロン(登録商標)TK(守田化学工業株式会社製)等が挙げられる。
ステビア処理物
ステビア処理物(ステビア誘導体ともいう。)は、天然のステビア、ステビアから得られた成分(単離成分、単離化合物)、又はステビア抽出物を、化学処理又は酵素処理することにより得られた成分をいう。
中でも、ステビアを酵素処理して得られた化合物(以下、「酵素処理ステビア」という。)は、ステビア又はステビア抽出物を、酵素で処理することによって得られた処理物であれば特に限定されない。酵素処理ステビアとして、例えば、ステビア抽出物にα−グルコシルトランスフェラーゼ等を用いてグルコースを付加して得られた処理物等が挙げられる。ここで、酵素処理ステビアは、1種又は2種以上の酵素処理ステビアを用いることができる。
本明細書において、ステビアには、1種のステビア成分又は2種以上のステビア組成物、ステビア抽出物、1種又は2種以上の酵素処理ステビアだけでなく、これらの混合物も含まれる。
好ましいステビアは、ステビオール、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシド、及びステビア抽出物であり、より好ましくはステビオール、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドM、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシド、及びステビア抽出物であり、特に好ましくは、ステビオール、ステビオシド及びレバウジオシドA、及びステビア抽出物である。
本発明に用いるステビアは、植物の光合成を促進させることができる。したがって、ステビア、ステビア抽出物、及び酵素処理ステビアからなる群より選択される少なくとも1種を、植物光合成促進剤の有効成分として用いることができる。
本発明の植物光合成促進剤の対象植物は、光合成を行う陸生植物である限り特に限定されない。本発明の植物光合成促進剤を使用できる有用植物としては、特に限定はなく、例えば、稲、大麦、小麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシ等の穀類;
大豆、小豆、そら豆、えんどう豆、インゲン豆、落花生等の豆類;
林檎、柑橘類、梨、葡萄、桃、梅、桜桃、胡桃、栗、アーモンド、バナナ、イチゴ等の果樹又は果実類;
キャベツ、トマト、ホウレンソウ、ブロッコリー、レタス、タマネギ、ネギ、ピーマン、ナス、ペッパー等の葉又は果菜類;
ニンジン、馬鈴薯、サツマイモ、サトイモ、大根、蓮根、カブ、ゴボウ、ニンニク等の根菜類;
棉、麻、ビート、ホップ、サトウキビ、テンサイ、オリーブ、ゴム、コーヒー、タバコ、茶等の加工用作物;
カボチャ、キュウリ、マクワウリ、スイカ、メロン等のウリ類;
オーチャードグラス、ソルガム、チモシー、クローバー、アルファルファ等の牧草類;
高麗芝、ベントグラス等の芝類;
ラベンダー、ローズマリー、タイム、パセリ、胡椒、生姜等の香料鑑賞用作物;
キク、バラ、カーネーション、蘭等の花卉類;
イチョウ、サクラ類、アオキ等の庭木;
トドマツ類、エゾマツ類、松類、ヒバ、杉、桧等の林木等が挙げられる。
本発明の植物光合成促進剤は、上記した有効成分のみからなるものでもよいが、上記した有効成分に加えて、後述の剤形、施用態様等に応じて種々の添加剤を含むことができる。植物光合成促進剤中の上記有効成分の含有割合は、後述の剤形、施用態様等に応じて適宜決定することができる。例えば、本発明の植物光合成促進剤中のステビオール化合物の濃度としては、通常0.0002〜200,000mg/mL、好ましくは0.002〜20,000mg/mL、より好ましくは0.02〜2,000mg/mL程度が例示される。
本発明の植物光合成促進剤の剤形は、農学的に許容される剤形である限り特に限定はなく、例えば、液剤、固形剤、粉剤、顆粒剤、粒剤、水和剤、フロアブル剤、乳剤、ペースト剤、分散剤等が挙げられる。
添加剤は、農学的に許容される添加剤である限り特に限定はなく、例えば、担体、界面活性剤、増粘剤、増量剤、結合剤、ビタミン類、酸化防止剤、pH調整剤、揮散抑制剤、色素等が挙げられる。
本発明の植物光合成促進剤の施用態様は、農薬の使用態様として公知の態様(或いは将来開発される態様)である限り特に限定はなく、例えば、散布、滴下、塗布、植物生育環境中(土壌中、水中、固形培地中、液体培地中、培養液中等)への混合又は溶解等が挙げられる。
本発明は、上述した植物光合成促進剤を、植物若しくは植物の生育する土壌又は培養液に使用する、植物の光合成促進方法を包含する。該方法を用いることにより、安価で、かつ簡便に、植物の光合成を促進させることができる。さらに、本発明は、ステビアの植物光合成促進剤としての使用方法も包含する。
以下、実施例及び試験例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
材料(原料)
実施例1では、ステビアとして、製品名:ファームA(登録商標)(OATアグリオ株式会社製)を使用する。
ファームAは、所定の比率にてステビア草地上部と水とを混合し、加熱した後、遠心分離により得られた液相を真空濃縮したものを、所定の期間、発酵処理を行って得られたものである。なお、このファームAは、ステビア抽出物及びステビア処理物であって、このファームAには、試験例3で示すように、ステビオール化合物が含まれている。
実施例2では、ステビアとして、製品名:ステビロン(登録商標)TK、守田化学工業株式会社製)を使用する。
ステビロンTKは、ステビア抽出物であって、ステビオール配糖体を80%以上含有する甘味料である。
(実施例1)
ステビア製剤1
所定量の上記ファームA2mLと、展着剤であるTween(登録商標)80(東京化成工業株式会社製)200μLとに水を添加し、最終容積を2Lにしたステビア製剤1を得た。
(比較例1)
比較製剤1
上記ファームAを除いた以外は、実施例1と同様にして比較製剤1を得た。
(実施例2)
ステビア製剤2
所定量の上記ステビロンTK、及び肥料成分であるMgO 2%、WB(水溶性ホウ素) 0.5%、WMn(水溶性マンガン) 0.2%、WCa(水溶性カルシウム) 3%、Fe 0.2%、Cu 0.05%、及びZn 0.2%を含む肥料溶液2mLと、シリコーン系展着剤(製品名:まくぴか(登録商標)、石原バイオサイエンス株式会社製、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン)0.4mLとに水を添加し、最終容積を2Lにしたステビア製剤2を得た。
(比較例2)
比較製剤2
上記のステビロンTKを含む肥料溶液2mLを除いた以外は、実施例2と同様にして比較製剤2を得た。
試験例1:上記ステビア製剤1及び比較製剤1を用いた光合成促進活性の評価
2017年11月1日に、OATアグリオ株式会社栽培研究センター内4号ハウスのドレンベットに、有限会社竹内園芸より購入したキュウリ苗(品種:穂木エクセレント620、台木ゆうゆう一輝)を株間50cmの一条植えにて定植した。定植後は、タンクミックス(登録商標)AB、養液土耕6号、又はOK−F−3(OATアグリオ株式会社製)を基本肥料として、土壌溶液EC値が1.5〜2.0dS/mとなるように給水濃度を調節した。また、給水量は、排液が少量確認される程度を目安として設定した。仕立てとしては、子づる3本のつるおろしとした。
12月5日に上記ステビア製剤1、及び比較製剤1を調製した。
ステビア製剤1及び比較製剤1を、5本のキュウリに対して、作物体地上部全体に均一にそれぞれ散布した。
翌日6日の10:00より12:00にかけて、第10葉の光合成速度を、植物光合成総合解析システムLI−6800(LI−COR, Inc.製)を用いて計測した。測定の際にはステビア製剤1、及び比較製剤1を処理したそれぞれの株を交互に計測した。ここで、植物光合成総合解析システムのチャンバー内の光強度は250、500、1,000、及び1,500μmol/m/sに、CO濃度は400μmol/molに、温度は20℃に、湿度は80%に、空気流量は800μmol/sに設定した。
得られた各条件の5株のデータより、中庸3株のデータを採用して、解析を行った。
比較製剤1を処理した株の測定結果(比較例1)と、ステビア製剤1を処理した株の測定結果(実施例1)とについて、スチューデントt−検定を用いて、比較解析を行った。その結果を、表1及び図1に示す。表中の測定値は平均±標準誤差で示す。
また、図中、**については、解析の結果、P<0.01であり、*については、P<0.05であることを示す。
<結果>
ファームAを添加した実施例1は、比較例1(ファームA無添加)に比べて、いずれのチャンバー内光強度においても、光合成速度の向上が確認された。したがって、本発明の植物光合成促進剤は、ステビアを含有することで、キュウリの光合成を促進することがわかった。
試験例2:上記ステビア製剤2及び比較製剤2を用いた光合成促進活性の評価
2019年4月23日に、鹿児島大学農学部圃場(畝間100cm、畝高30cm、白ビニルマルチにて畝を被覆、10a(アール)あたり窒素4kg、リン酸6kg及びカリウム10kgを施用)に株間20〜30cmの間隔でサツマイモ苗(品種べにはるか)を定植した。
8月26日に、ステビア製剤2、及び比較製剤2を、それぞれ、およそ200mL/株にて10株の作物地上部に均一に散布した。
翌日27日の8:00より11:00にかけて、食害がなく、日陰になっていない箇所の個葉を、植物光合成総合解析システムLI−6800(LI−COR, Inc.製)を用いて計測した。測定の際には、ステビア製剤2及び比較製剤2を処理したそれぞれの株を3株ずつ交互に、合計9株の測定を行った。ここで、植物光合成総合解析システムのチャンバー内の光強度は100、500、及び1,000μmol/m/sに、CO濃度は400μmol/molに、温度は30℃に、湿度は80%に、空気流量は800μmol/sに設定した。
得られた各条件の9株のデータの内、比較製剤2を処理した株2株については、測定機器の不具合が確認されたため、測定結果より除外し、それ以外の測定結果を以降の解析に用いた。
比較製剤2を処理した株の測定結果(比較例2)と、ステビア製剤2を処理した株の測定結果(実施例2)とについて、スチューデントt−検定を用いて、比較解析を行った。その結果を、表2及び図2に示す。
<結果>
ステビロンTKを含む肥料溶液を添加した実施例2は、比較例2(ステビロンTK無添加)に比べて、いずれのチャンバー内光強度においても、統計学的に有意な光合成速度の向上が確認された。したがって、本発明の植物光合成促進剤は、ステビアを含有することで、サツマイモの光合成を促進することがわかった。
試験例3:ファームA中に含有されるステビオール及びステビオール配糖体含量の分析
ファームAについて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により、ステビオール、ステビオシド、及びレバウジオシドAの含量を分析した。分析装置として、溶媒低圧グラジエントポンプPU−2089型、インテリジェントオートサンプラーAS−2051型、PDA検出器MD−2018型、及びカラムオーブンCO−2067より構成される液体クロマトグラフィー装置(日本分光株式会社製)を使用した。分析用カラムとしてはL−column 2 ODS, 5μm (size4.6×250mm、一般財団法人化学物質評価機構製)を用いた。移動相としては、ステビオールについては、0.1%リン酸(和光純薬株式会社製)を含有する水とアセトニトリルとの40:60の混合溶液、ステビオシド及びレバウジオシドAについては、0.1%リン酸を含有する水とアセトニトリルとの70:30の混合溶液を用いた。流速は、1mL/min、カラム温度は40℃とし、検出は210nmの紫外線吸収スペクトルと設定し、溶出を行い、各化合物由来のピークの検出及び定量を行った。ファームAの10倍希釈液を作成し、ろ過処理を行ったものを分析用試料とした。得られた吸収スペクトルピーク面積を、標準品を用いて作成した検量線における近似式に当てはめ、試料中濃度の算出を行った結果、下表3を得た。
<結果>
ファームA中には、ステビオール及びステビオール配糖体が含有されることが確認された。

Claims (8)

  1. ステビアを含有する植物光合成促進剤。
  2. 前記ステビアが、ステビオール化合物、ステビア抽出物、及び酵素処理ステビアからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の植物光合成促進剤。
  3. 前記ステビアが、ステビオール、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ステビオールビオシド、ルブソシド、及びズルコシドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の植物光合成促進剤。
  4. 前記ステビアが、ステビア抽出物である、請求項1又は2に記載の植物光合成促進剤。
  5. 前記ステビアが、酵素処理ステビアである、請求項1又は2に記載の植物光合成促進剤。
  6. 前記ステビアが、レバウジオシドである、請求項1又は2に記載の植物光合成促進剤
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の植物光合成促進剤を、植物若しくは植物の生育する土壌又は培養液に使用する、植物の光合成促進方法
  8. 請求項1〜6の何れか1項に記載の植物光合成促進剤を植物に施用する方法。
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