JP6740827B2 - 炉壁亀裂検出装置、炉壁亀裂検出方法、及びプログラム - Google Patents

炉壁亀裂検出装置、炉壁亀裂検出方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、炉壁亀裂検出装置、炉壁亀裂検出方法、及びプログラムに関し、特に、コークス炉の炭化室の炉壁面の高さ方向に生じている亀裂(縦亀裂)を検出するために用いて好適なものである。
鉄鋼業では室式と呼ばれるコークス炉が使われている。コークス炉は、耐火煉瓦等で形成された炉壁を介して、多数の炭化室と燃焼室とが交互に連接して構成される巨大な工業炉である。一つの炭化室の標準的なサイズは、長さ16m、高さ6.5m、幅0.4m程度であり、長さと高さに比較して幅が狭いのが特徴である。
炭化室に石炭を装入し、石炭が装入された炭化室に対し、燃焼室から炉壁を介して1000℃以上の高温を凡そ20時間加え続けて石炭を乾留してコークスケーキを製造する(以下の説明では「コークスケーキ」を必要に応じて単に「コークス」と称する)。乾留が終了すると、炭化室の両端にある扉を開け、押出ラムと呼ばれる装置でコークスを水平方向に押して排出する。100室程度並んだ炭化室で時間を違えてコークスが製造される。耐火煉瓦は温度を下げる熱衝撃で破損する性質があるため、コークス炉全体は内部が常時高温に維持されている。
国内鉄鋼業のコークス炉は、高度経済成長期に集中的に建設されたため、多くの炉の稼動年数は30年以上である。このような長期間稼動しているコークス炉では、炉室(炭化室及び燃焼室)を構成する耐火煉瓦が熱的、化学的あるいは機械的要因によって劣化しており、耐火煉瓦が部分的に減肉することによる欠損や、炭化室の底部から上部に繋がった亀裂に沿って耐火煉瓦が角欠けすることによる欠損が発生している(以下の説明では、この亀裂を必要に応じて「縦亀裂」と称する)。これらの欠損は、乾留後にコークスを押し出して取り出す際の負荷を上昇させる。以下の説明では、この負荷を必要に応じて「押出負荷」と称する。押出負荷は、石炭の配合・水分、乾留状態等の様々な要因に依存するが、特に、炉壁面の凹凸は、コークスと炉壁との引っかかりや摩擦抵抗として作用するので押出負荷に大きく影響する。押出負荷が高いと「押し詰まり」といわれる排出不能の事態が発生することがあり、この場合にはコークスの減産を余儀なくされる。また、前述の縦亀裂は、耐火煉瓦の厚み方向に貫通している(即ち、縦亀裂を介して炭化室と燃焼室とが貫通している)。従って、縦亀裂の開口幅が拡大したり、縦亀裂の発生本数が増加すれば、炉壁の強度が低下したりする虞がある。
本発明者らは、コークス炉の炭化室に大型の耐熱計測装置を挿入して、炭化室の炉壁面を撮像する装置を開発して実用化している(例えば特許文献2を参照)。以下の説明では、この装置を必要に応じて「炉壁観察装置」と称する。炉壁観察装置は、例えば、光検出素子を一列に1000個以上配置したラインCCDカメラと呼ばれる撮像装置を搭載している。線状の視野を炉壁の高さ方向に沿うように配置したラインCCDカメラを水冷断熱装置に搭載してコークス炉の炭化室内に送り込み、例えば1mmピッチで撮影したライン映像信号をメモリ上に並べて蓄積して2次元の熱画像を生成する。このように炉壁観察装置によって炉壁全体の高精細の熱画像を得ることができる。この炭化室の炉壁面の熱画像を人が見れば、縦亀裂の位置を認識できるが、縦亀裂は、炉壁の高さ方向においてジグザグな形で伸びており、且つ、幅が狭い欠損であるので、縦亀裂を自動的に検出することは容易ではない。
炭化室の炉壁面の画像から縦亀裂を自動的に検出する技術として特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の技術では、照射装置から照射された青色の光の炭化室の炉壁面からの反射光の画像を、炭化室の炉壁の自発光(赤色成分の光)をカットオフする波長選択フィルタを取り付けた撮像装置で撮像し、撮像した画像から、炭化室の炉壁のカーボンの詰まりの無い開口クラックを検出する。
特開2005−146164号公報 特許第3590509号公報
ディジタル画像処理編集委員会 監修、「ディジタル画像処理」、CG−ARTS協会、2014年、p.192−p.194
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、開口クラックを検出するために、炭化室の炉壁に詰まっているカーボンを除去する必要がある。従って、コークス炉の操業を(長期間)止める必要がある。また、コークス炉の操業を止めることから、検査の頻度を高めることができない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、炭化室の炉壁に詰まっているカーボンを除去しなくても、炭化室の炉壁面の画像から当該炉壁面に生じている縦亀裂を自動的に検出することを目的とする。
本発明の炉壁亀裂検出装置は、コークス炉の炭化室の炉壁面の高さ方向に生じている亀裂である縦亀裂を検出する炉壁亀裂検出装置であって、前記炉壁面の熱放射輝度の分布を熱画像として取得する熱画像取得手段と、前記熱画像に対し、トップハット処理、2値化処理、オープニング処理、クロージング処理及び細線化処理のうち少なくともいずれか一つを行う画像抽出手段と、前記画像抽出手段で得られた画像に含まれる線状の高輝度領域である検出線のうち、同一の前記縦亀裂を示す検出線をグルーピングするグルーピング手段と、前記グルーピング手段でグルーピングした検出線のそれぞれの間を、補間線を用いて連結する補間手段とを有しており、前記グルーピング手段は、(a)横方向の長さが予め決められた指定幅以下であり、且つ、縦方向の長さが予め決められた指定長さ以上である、又は、(b)前記(a)を満たさない検出線の中で、横方向の長さが指定幅以下であり、且つ、前記(a)を満たす検出線との横方向の距離が指定幅以下であるという条件を満たす前記検出線を選択対象とし、前記(a)の条件を満たす前記検出線を高確度検出線として抽出し、前記高確度検出線を中心に指定幅を設定して、横方向の長さが指定幅より長い前記検出線を選択対象から除外し、前記高確度検出線を中心に縦亀裂範囲を設定して、前記縦亀裂範囲外にある検出線を選択対象から除外し、前記高確度検出線を横方向に射影した場合に、当該射影範囲内に完全に含まれる検出線を選択対象から除外し、除外されずに残った検出線を、同一の縦亀裂を示す検出線であるとしてグルーピングすることを特徴とする。
本発明の炉壁亀裂検出方法は、コークス炉の炭化室の炉壁面の高さ方向に生じている亀裂である縦亀裂を検出する炉壁亀裂検出方法であって、前記炉壁面の熱放射輝度の分布を熱画像として取得し、前記熱画像に対し、トップハット処理、2値化処理、オープニング処理、クロージング処理及び細線化処理のうち少なくともいずれか一つを行って画像抽出を行い、前記画像抽出で得られた画像に含まれる線状の高輝度領域である検出線のうち、同一の前記縦亀裂を示す検出線をグルーピングし、前記グルーピングした検出線のそれぞれの間を、補間線を用いて連結する炉壁亀裂検出方法であり、前記グルーピングにおいては、(a)横方向の長さが予め決められた指定幅以下であり、且つ、縦方向の長さが予め決められた指定長さ以上である、又は、(b)前記(a)を満たさない検出線の中で、横方向の長さが指定幅以下であり、且つ、前記(a)を満たす検出線との横方向の距離が指定幅以下であるという条件を満たす前記検出線を選択対象とし、前記(a)の条件を満たす前記検出線を高確度検出線として抽出し、前記高確度検出線を中心に指定幅を設定して、横方向の長さが指定幅より長い前記検出線を選択対象から除外し、前記高確度検出線を中心に縦亀裂範囲を設定して、前記縦亀裂範囲外にある検出線を選択対象から除外し、前記高確度検出線を横方向に射影した場合に、当該射影範囲内に完全に含まれる検出線を選択対象から除外し、除外されずに残った検出線を、同一の縦亀裂を示す検出線であるとしてグルーピングすることを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記炉壁亀裂検出装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、炭化室の炉壁に詰まっているカーボンを除去しなくても、炭化室の炉壁面の画像から当該炉壁面に生じている縦亀裂を自動的に検出することができる。
コークス炉の炭化室の炉壁亀裂検出装置の構成の一例を示す図である。 炉壁面画像の一例を示す図(写真)である。 縦亀裂の断面形状の一例を模式的に示す図である。 トップハット処理の方法の一例を概念的に説明する図である。 トップハット処理を実施する前後の画像の一例を示す図(写真)である。 線状領域強調画像から縦線状のカーボンの領域を抽出する様子の一例を示す図(写真)である。 中心線抽出画像の一例を示す図である。 縦亀裂に由来する縦線状のカーボンと見なす検出線を選択する方法の一例を概念的に説明する図である。 同一のグループに属する検出線を連結する方法の一例を概念的に説明する図である。 コークス炉の炭化室の炉壁亀裂検出装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 ノイズ除去処理の詳細を説明するフローチャートである。 炉壁面画像と、縦亀裂の検出結果を示す図(写真)である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
(コークス炉の炭化室の炉壁亀裂検出装置の構成)
図1は、コークス炉の炭化室の炉壁亀裂検出装置100の構成の一例を示す図である。尚、コークス炉の炭化室の炉壁亀裂検出装置100のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、画像入出力ボード、及び各種のインターフェースを備えた情報処理装置や専用のハードウェアを用いることにより実現することができる。また、以下の説明では、コークス炉の炭化室の炉壁亀裂検出装置を必要に応じて「炉壁亀裂検出装置」と略称する。
以下に、炉壁亀裂検出装置100が有する機能の一例を説明する。
[炉壁面画像取得部101]
炉壁面画像取得部101は、炉壁観察装置により撮像された、炭化室の炉壁面の熱画像を取得する。炭化室の炉壁面の熱画像は、炭化室の炉壁面の熱放射輝度の分布のデータであり、当該熱放射輝度に対応する濃度値を持つ各画素から構成される。
また、本実施形態では、炉壁観察装置は、炭化室の奥行方向で約1mm、高さ方向で約0.75mmの分解能で、256階調の濃度値(以下の説明では各画素の濃度値を画素値と称する)の熱画像を撮像するものとする。尚、炉壁観察装置は、特許文献2等に記載されているので、その詳細な説明を省略する。また、以下の説明では、炭化室の炉壁面の熱画像を必要に応じて「炉壁面画像」と称する。
図2は、炉壁面画像200の一例を示す図(写真)である。尚、図2では、炭化室の炉壁の一部の領域のみの炉壁面画像200を示す。また、図2に示す炉壁面画像200は、奥行き約16m、高さ約6mの炭化室を、それぞれ約16000画素、約8000画素の分解能で撮像された熱画像(即ち、炭化室の奥行方向の分解能が1mmであり、高さ方向の分解能が0.75mmの熱画像)を間引いて、炭化室の奥行方向の分解能を2mm、高さ方向の分解能を1.5mmとした熱画像である。
後述するように、このような解像度の炉壁面画像200を用いても熱画像を精度よく検出することができる。即ち、後述する処理により縦亀裂の検出することができる解像度を有する炉壁面画像を撮像することができれば、必ずしも、特許文献2に記載の炉壁観察装置で撮像された高精細な炉壁面画像を用いなくてもよい。前述したように炭化室の幅は0.4m程度であり狭いので、例えば、炉壁の正面から撮像せずに、斜視して広い炉壁の領域を撮像した画像を変換処理して生成される画像のように分解能が低い炉壁面画像を用いてもよい。また、特許文献2に記載の炉壁観察装置で撮像された高精細な炉壁面画像をそのまま用いてもよい。
図2に示す炉壁面画像200は、通常操業時の炭化室の炉壁の熱画像である。即ち、図2に示す炉壁面画像200は、炭化室からコークスを排出する作業を終えた後、炉壁観察装置を炭化室内に入れて撮像した熱画像であり、炭化室の炉壁に部分的にカーボンが詰まっている(特に、耐火煉瓦の目地に沿った部分に多い)状態の熱画像である。
尚、以下の説明では、図2に示す炉壁面画像200の方向として、炭化室の炉壁面の高さ方向に対応する方向(耐火煉瓦が積み重なる方向)、即ち、図2に示すz軸方向を、必要に応じて「縦方向」と称し、炭化室の炉壁面の奥行方向に対応する方向、即ち、図2に示すx軸方向を、必要に応じて「横方向」と称する。また、図2に示す炉壁面画像200の縦方向の上下は、実際の炭化室の炉壁面の上下と同じであるものとする。即ち、炉壁面画像200の上方向は、炭化室の炉壁面の上方向に対応し、下方向は、炭化室の炉壁面の下方向に対応するものとする。
図2に示す炉壁面画像200において、縦方向(z軸方向)においてジグザグにのびる縦亀裂(縦亀裂201a、201b等)が、横方向(x軸方向)において間隔を有して複数存在することが分かる。
図3は、耐火煉瓦を水平方向(炭化室の高さ方向に垂直な方向)に切った場合の縦亀裂の断面形状の一例を模式的に示す図である。図3(a)は、カーボンの付着量が少ない場合を示し、図3(b)は、カーボンの付着量が多い場合を示す。
図3(a)の破線は、耐火煉瓦301、302の初期形状を示す。図3(a)では、操業の際に耐火煉瓦301、302が受ける熱衝撃(即ちスポーリング)によって、図3(a)の実線で示すように耐火煉瓦301、302に角欠けが起きていることを示す。
耐火煉瓦の壁面が露出している領域では、耐火煉瓦の目地と耐火煉瓦の縦割れが炭化室の高さ方向に連なることにより縦亀裂303が発生する。縦亀裂303(耐火煉瓦の目地や耐火煉瓦が割れている部分)の開口量は数ミリであるが、縦亀裂303の左右両側では耐火煉瓦301、302の角欠けが起こる。図3(a)、(b)に示すように、この角欠けが起こっている部分は、断面形状が「V字形状」の溝になっている。このV字形状の溝の凹みにはカーボン304が入り込んで付着しているので、縦亀裂303はカーボン304の線として識別できる。
図3(a)、(b)に示すように、V字形状の溝にカーボン304が成長している量は場所ごとに異なるので、カーボン304の線の幅は一定ではないが、V字形状の溝の幅以上に過多にカーボンが付着しない限り、カーボンの幅のほぼ中央に縦亀裂の303の幅の中心(亀裂開口)があると考えられる。炉壁面画像は、温度に依存した放射輝度を捉えた熱画像であるため、カーボンが炉壁煉瓦よりも高輝度に見えるのは、カーボンが燃焼して耐火煉瓦より高温になっているためと考えられる。
本実施形態では、このような、炉壁にカーボンが付着している炉壁面画像200に対して、以下に説明する画像処理アルゴリズムを適用して、炉壁面画像200から縦亀裂を自動的に検出する。
[線状領域強調部102]
線状領域強調部102は、炉壁面画像200に生じている輝度むらの補正と、炉壁面画像200における線状の高輝度領域の強調とを行う。
炭化室の炉壁は自発光しているため、炉壁面画像200には、炉壁の温度分布による緩やかな輝度変化や、カーボンにより広域的に輝度が高い領域が存在する。このような輝度むら(輝度のベースレベルの変化)は、(後述する線状領域抽出部103による2値化により)線状のカーボンの領域を抽出することを阻害する虞がある。
そこで本実施形態では、線状領域強調部102は、トップハット処理を行うことにより、炉壁およびカーボンのそれぞれの輝度の均一化と、線状の高輝度領域の強調とを行う。
図4は、トップハット処理の方法の一例を概念的に説明する図である。トップハット処理は画像処理の分野では一般的なアルゴリズムであり、特定の太さ以下の線分を抽出(強調)する処理である。このようにトップハット処理は、公知の技術であるが、図4を参照しながら、トップハット処理の概略について説明する。
ここでは、図4に示すオリジナル画像400上で、太さが4画素以下の線のみを抽出する場合を例に挙げて説明する。尚、オリジナル画像400は、図2に示す炉壁面画像200の一部に対応する。
図4に示すように、4画素の太さの線401と5画素の太さの線402、403が、オリジナル画像400にあるとする。オリジナル画像400に対して、5×5画素の矩形カーネルによる収縮処理(5×5画素の最も暗い濃度の画素値を選択する処理をオリジナル画像400の全ての画素を注目画素として行う処理)を実行する。すると、画像410に示すように、太さが4画素の線401は消失するのに対し、太さが5画素の線402、403は1画素の太さの細い線412、413になって残る。
次に、5×5画素の矩形カーネルによる膨張処理(収縮処理とは逆の処理。ここでは、5×5画素の最も明るい濃度の画素値を選択する処理を画像410の全ての画素を注目画素として行う処理)を実行する。すると、画像420に示すように、オリジナル画像400における太さが5画素の線402、403は元の太さの線422、423に復元されるのに対し、収縮処理で消失した太さが4画素の線401は復元されない。
次に、オリジナル画像400の画素値から、収縮処理と膨張処理とを行った後の画像420の画素値であって、当該オリジナル画像400の画素に対応する画素の画素値を引く。すると、画像430に示すように、オリジナル画像400における太さが4画素の線431のみが抽出される。
以上の処理において、オリジナル画像400に太さが4画素よりも細い線があったとしても、トップハット処理により、当該線が抽出されることは明らかである。このように、トップハット処理により、特定の太さ以下の線分だけを抽出することができる。
トップハット処理の説明を一般化すると、太さがd画素以下の垂直方向の線あるいは水平方向の線を取り出すために、(d+1)×(d+1)画素の矩形カーネルを用いて、オリジナル画像に対して前述した収縮処理と膨張処理とをこの順で実行し、オリジナル画像の画素値から、収縮処理と膨張処理とを行った後の画像の画素値を引く処理を行う。この処理により、オリジナル画像において、炉壁の輝度とカーボンの輝度のそれぞれに緩やかな輝度むらがあったとしても、その輝度むらを低減することができる。
以下の説明では、線状領域強調部102によりトップハット処理が実施された炉壁面画像を必要に応じて「線状領域強調画像」と称する。
図5は、トップハット処理を実施する前後の画像の一例を示す図(写真)である。
図5(a)は、トップハット処理を実施する前の画像(即ち、炉壁面画像500)を示し、図5(b)は、図5(a)に示す画像に対し、縦31画素、横31画素の矩形カーネルを用いて前述したトップハット処理を実施した後の画像(即ち、線状領域強調画像510)を示す。尚、図2に示した炉壁面画像200は、図5(a)に示す炉壁面画像500の一部である。また、耐火煉瓦の目地や亀裂に沿った線状のカーボンの太さは、炉壁面画像上において最大で30画素程度であることから、ここでは、縦31画素、横31画素の矩形カーネルを用いた。図5(b)に示すように、炉壁面画像の線状の高輝度領域が(図5(a)に示す炉壁面画像500よりも)強調される。
[線状領域抽出部103]
線状領域抽出部103は、線状領域強調画像510から線状の高輝度領域を抽出する。具体的に本実施形態では、線状領域抽出部103は、線状領域強調画像510に対して2値化処理を行う。2値化処理に用いる閾値は、線状領域強調画像510の線状の高輝度領域を良好に抽出できるように適宜設定すればよい。本実施形態では、線状領域強調画像510(炉壁面画像)は256階調である。2値化処理に用いる閾値として、例えば、16を用いることができる。即ち、線状領域抽出部103は、線状領域強調画像510の画素のうち、階調値が16以上の画素の値を「1」とし、階調値が16未満の画素の値を「0」にする。以下の説明では、このような2値化処理後の画像を必要に応じて「2値化画像」と称する。尚、2値化画像において、画素値が「1」の画素の領域が高輝度領域になり、画素値が「0」の画素の領域が低輝度領域になる。
図6は、線状領域強調画像から縦線状の高輝度領域を抽出する様子の一例を示す図(写真)である。
図6において、線状領域抽出部103の処理により、線状領域強調画像610から2値化画像620が得られる。尚、線状領域強調画像610は、図5(b)に示した線状領域強調画像510の一部である。本実施形態では、以上のようにして線状の高輝度領域が抽出される。
[縦線状領域抽出部104]
縦線状領域抽出部104は、2値化画像620から、縦線状の高輝度領域を抽出する。縦線状の高輝度領域とは、縦方向の長さが横方向の長さよりも長い高輝度領域のことを指す。本実施形態では、まず、縦線状領域抽出部104は、横目地に沿って付いている横線状の高輝度領域を減らす(好ましくは除去する)。横線状の高輝度領域とは、横方向の長さが縦方向の長さよりも長い高輝度領域のことを指す。
本実施形態では、縦線状領域抽出部104は、縦長の矩形カーネルを用いて、2値化画像620に対してオープニング処理を実施する。オープニング処理は、画像処理の分野では一般的なアルゴリズムであり、収縮処理と膨張処理とをこの順で行って、画像から特定の領域を抽出する処理である。収縮処理と膨張処理の内容は、前述したトップハット処理で行われる収縮処理と膨張処理の内容と同じである。尚、以下の説明では、オープニング処理が実施された2値化画像を必要に応じて「横線除去画像」と称する。
図6において、縦線状領域抽出部104のオープニング処理により、2値化画像620から横線除去画像630が得られる。ここでは、縦41画素、横1画素の矩形カーネルを用いてオープニング処理を行っている。図6に示すように、2値化画像620において存在する、耐火煉瓦の目地に由来する高輝度領域が除去され、縦線状のカーボンの高輝度領域が抽出される。
また、横線除去画像630において、縦線状の高輝度領域がところどころで分離していることが分かる。そこで、縦線状領域抽出部104は、横線除去画像630における、縦線状の高輝度領域の間の低輝度領域の少なくとも一部を高輝度領域(カーボンを表す領域)に変更する。
本実施形態では、縦線状領域抽出部104は、矩形カーネルを用いて横線除去画像630に対してクロージング処理を行う。クロージング処理は、画像処理の分野では一般的なアルゴリズムであり、膨張処理と収縮処理とをこの順で行って、画像において途切れている領域を繋ぐ処理である。膨張処理と収縮処理の内容は、前述したトップハット処理で行われる膨張処理と収縮処理の内容と同じである。尚、以下の説明では、クロージング処理が実施された横線除去画像を必要に応じて「縦線抽出画像」と称する。
図6において、縦線状領域抽出部104のクロージング処理により、横線除去画像630から縦線抽出画像640が得られる。ここでは、縦10画素、横10画素の矩形カーネルを用いてクロージング処理を行っている。ここで行うクロージング処理は、縦線状の高輝度領域をある程度の長さにすることを目的とする。従って、クロージング処理により、全ての分離された縦線状の高輝度領域が連結されるわけではない。矩形カーネルの大きさを大きくすれば、分離された領域を減らすことはできるが、連結してはいけない領域(例えば、横方向に間隔を空けて並んでいる領域)までも連結してしまう虞がある。このように連結してはいけない領域が可及的に連結されない範囲で、縦線状の高輝度領域を可及的に長くすることができるように、クロージング処理で使用する矩形カーネルのサイズを適宜決定する。
[中心線抽出部105]
前述したようにカーボンの幅のほぼ中央に縦亀裂の303の幅の中心があると考えられる(図3を参照)。そこで、中心線抽出部105は、縦線抽出画像640における縦線状の高輝度領域の中心線(横方向の中心を繋ぐ線)を抽出する。
本実施形態では、中心線抽出部105は、縦線抽出画像640に対して細線化処理を行う。細線化処理は、画像処理の分野では一般的なアルゴリズムであり、2値化画像の高輝度側の値の領域を、幅が1画素の線となるようにする処理である。
例えば、以下のようにして細線化処理が行われる。
(A)2値化画像の高輝度側の値(例えば「1」)を有する画素を中心とした周囲3×3画素の輝度パターンが、領域の右上側を細線化するための除去パターンであり、且つ、領域の右上側を細線化するための除去例外パターンにならないか否かを判定する。この判定の結果、2値化画像の高輝度側の値を有する画素を中心とした周囲3×3画素の輝度パターンが、領域の右上側を細線化するための除去パターンであり、且つ、領域の右上側を細線化するための除去例外パターンにならない場合、当該画素を除去対象として記録する。一方、そうでない場合、当該画素は除去対象にならない。このような判定と記録を、2値画像の高輝度側の値を有する各画素について行う。
(B)そして、除去対象として記録した画素がある場合、当該画素の値を低輝度側の値(例えば「0」)にする。一方、除去対象として記録した画素がない場合には、細線化処理を終了する。
(C)除去対象として記録した画素があり、当該画素の値を低輝度側の値に変更すると、その変更後の2値化画像の高輝度側の値を有する画素を中心とした周囲3×3画素の輝度パターンが、領域の左下側を細線化するための除去パターンであり、且つ、領域の左下側を細線化するための除去例外パターンにならないか否かを判定する。この判定の結果、変更後の2値化画像の高輝度側の値を有する画素を中心とした周囲3×3画素の輝度パターンが、領域の左下側を細線化するための除去パターンであり、且つ、領域の左下側を細線化するための除去例外パターンにならない場合、当該画素を除去対象として記録する。一方、そうでない場合、当該画素は除去対象にならない。このような判定と記録を、変更後の2値画像の高輝度側の値を有する各画素について行う。
(D)そして、除去対象として記録した画素がある場合、当該画素の値を低輝度側の値にする。一方、除去対象として記録した画素がない場合には、細線化処理を終了する。
除去対象として記録した画素があり、当該画素の値を低輝度側の値に変更すると、その変更後の2値化画像を用いて、再度前述した(A)の処理を行う。そして、細線化処理を終了すると判定するまで、前述した(A)〜(D)の処理を繰り返し行う。
尚、除去パターン及び除去例外パターン等、細線化処理の詳細は、例えば、非特許文献1に記載されているので、ここでは、その詳細な説明を省略する。また、以下の説明では、中心線抽出部105により細線化処理が実施された縦線抽出画像を必要に応じて「中心線抽出画像」と称する。また、中心線抽出画像における中心線(連続して繋がる高輝度領域)のそれぞれを必要に応じて「検出線」と称する。
図7は、図6に示す縦線抽出画像640から得られた中心線抽出画像710の一例を示す図である。図7に示すように、前述した細線化処理により、縦線抽出画像640における縦線状の高輝度領域の中心線(横方向の中心を繋ぐ線)が抽出される。
以上のように、炭化室の炉壁面の熱画像から、中心線を抽出するための一連の画像処理を説明したが、以上の処理(例えば、トップハット処理、2値化処理、オープニング処理、クロージング処理、細線化処理等)については、公知の画像処理を用いており、取得した熱画像の精度等に基づいて、これらの処理の全てを行うことも、これらの処理の一部だけを適宜組み合わせて行うこともできる。但し、一般的には、これらの処理のいずれか一つは行うことが望ましい。
[グルーピング部106]
細線化処理の結果、縦亀裂とは無関係な擬似的な線が得られることがある。従って、細線化処理により得られた縦線抽出画像640から、真の縦亀裂(断面形状がV字形状の溝)を表す線を選び出す必要がある。そこで、本発明者らは、炭化室の炉壁に生じる縦亀裂の形態の特徴を、特許文献1に記載の炉壁観察装置で撮像された炉壁面画像を用いて調査したところ、次の知見を得た。
即ち、縦亀裂は、炭化室の奥行方向に蛇行しながら高さ方向にのびるが、炭化室の奥行方向の変位量は特定の範囲(大凡1つの耐火煉瓦分の長さ)内に収まっている。また、縦亀裂は、炭化室の奥行方向において、必ず或る程度の間隔を空けて発生する(言い換えると、縦亀裂が近接して並んでいない)。
つまり、耐火煉瓦は上下方向に向かって互い違いに積まれているため、着目する耐火煉瓦の上下に積まれた耐火煉瓦の目地が、着目する耐火煉瓦の奥行方向に向かって中心の位置の上下に位置するため、上下に積まれた耐火煉瓦の目地と、着目する耐火煉瓦の中心とを通るように、縦亀裂が生じる蓋然性が高く、耐火煉瓦のその他の位置には、ほとんど縦亀裂は生じない。
そのため、着目する耐火煉瓦の奥行き方向に向かって中心の位置に縦亀裂が生じた場合、当該縦亀裂の隣の縦亀裂は、最短で、着目する耐火煉瓦の左右の目地の位置にある蓋然性が高い。
従って、着目する耐火煉瓦の奥行方向に向かって中心の位置を真ん中に、耐火煉瓦1つ分より若干小さい幅(以下、指定幅と称する)を取れば、その範囲内には1本の縦亀裂が生じていると考えられる。
これらの知見の下、本実施形態では、中心線抽出画像710に含まれる検出線から、以下の(a)または(b)を満たす検出線を、縦亀裂に由来する縦線状のカーボンと見なして選択する。
(a)幅(右端と左端の横方向の長さ)が指定幅以下であり、且つ、長さ(上端と下端の縦方向の長さ)が指定長さ以上の検出線(以下の説明では、この検出線を必要に応じて「高確度検出線」と称する)。尚、指定幅及び指定長さの値は、それぞれ予め決めておく。
(b)前記(a)を満たさない検出線の中で、幅(右端と左端の横方向の長さ)が指定幅以下であり、且つ、高確度検出線との横方向の距離が指定幅以下である検出線。
図8は、縦亀裂に由来する縦線状のカーボンと見なす検出線を選択する方法の一例を概念的に説明する図である。
図8において、グルーピング部106は、中心線抽出画像から検出線を抽出する(図8の1番左の図を参照)。
そして、グルーピング部106は、抽出した検出線のそれぞれに対してラベリング(検出線の識別番号の付与)を行う。
次に、検出した検出線のうち高確度検出線に当たるもののうち、中心線抽出画像の一番左上にある高確度検出線に着目し、当該着目した高確度検出線を中心として指定幅内にある、ラベリングされた検出線(図8の1番左の図を参照)について、以下の処理を行う。尚、図8では、検出線802が、着目した高確度検出線を示している。
尚、指定幅は、着目する高確度検出線の奥行方向の重心を中心として設定するようにすることが望ましいが、これに限られるものではない。
次に、グルーピング部106は、横方向の長さ(右端と左端の横方向の長さ)が予め設定された指定幅(前述した指定幅)よりも長い検出線を選択対象から除外する。
尚、前述したように、炭化室の奥行方向における縦亀裂の変位量は、特定の範囲内に収まることから、縦亀裂に由来する縦線状のカーボンと見なす検出線になり得ない横方向の長さを有する検出線を除外できるように、指定幅は予め設定される。指定幅の上限は、前述のように耐火煉瓦1つより若干小さくすることが望ましく、下限は、縦亀裂が蛇行することから、蛇行幅より大きくすることが望ましい。
ここで除外された検出線は、縦亀裂に由来する縦線状のカーボンと見なす検出線として選択されることはない。従って、グルーピング部106は、当該検出線の識別番号を削除する。図8に示す例では、1番左の図にある検出線801が除外される(図8の左から2番目の図を参照)。尚、検出線801は、横線状の高輝度領域に基づくものであり、本来は、縦線状領域抽出部104のオープニング処理で除去されるものであるが、何らかの理由でこのような検出線801が残ったとしても、かかるグルーピング部106の処理により除去される。
次に、着目する高確度検出線802の重心の位置を中心として、着目する高確度検出線802と同じ縦亀裂が示されていると考えられるため、グルーピング部106は、着目する高確度検出線802とグループピングすべきである検出線が、存在すると考えられる横方向(x軸方向)の範囲を設定する。以下の説明では、この範囲を必要に応じて「縦亀裂範囲」と称する。図8に示す例では、着目する高確度検出線802に対し、縦亀裂範囲803が設定される(図8の左から3番目の図を参照)。
なお、縦亀裂範囲803の横方向の幅は、指定幅より小さい範囲で、適宜設定することができる。
次に、グルーピング部106は、中心線抽出画像から、縦亀裂範囲803の範囲外にある検出線を、着目する高確度検出線802との連結対象から除外する。ここで除外された検出線は、着目する高確度検出線802との連結対象にはならないが、その他の高確度検出線との連結対象になることはある。従って、グルーピング部106は、当該検出線の識別番号は削除しない。図8に示す例では、検出線804、805が除外される(図8の左から4番目の図を参照)。
次に、グルーピング部106は、縦亀裂範囲803の範囲内にある検出線のうち、着目する高確度検出線802を横方向に射影した場合に、高確度検出線802に完全に包含される検出線を、着目する高確度検出線802との連結対象から除外する。例えば、グルーピング部106は、上端の縦方向の位置(z軸の座標)が、着目する高確度検出線802の上端の縦方向の位置よりも下であり、且つ、下端の縦方向の位置が高確度検出線802の下端の縦方向の位置よりも上である検出線を、高確度検出線802との連結対象から除外する。ここで除外された検出線は、着目する高確度検出線802との連結対象にはならないが、その他の高確度検出線との連結対象になることはある。従って、グルーピング部106は、当該検出線の識別番号は削除しない。図8に示す例では、検出線806、807が除外される(図8の1番右の図を参照)。このようにして前述した(b)の「横方向に射影した場合に、高確度検出線に完全に包含される検出線」が除外される。
次に、グルーピング部106は、縦亀裂範囲803の範囲内に残っている検出線を同一のグループとして、当該検出線のそれぞれに対してラベリング(当該グループの識別番号の付与)を行う。図8に示す例では、検出線802、808、809、810に対して、それらが属するグループを識別する識別番号として同一の番号を付与する。
次に、中心線抽出画像全体から抽出された検出線のうち、高確度検出線に当たるもので、まだ着目する高確度検出線802として選択されたことがないもののうち、中心線抽出画像内で一番左側にあるものを、新たに着目した高確度検出線とする。
以上の処理を、中心線抽出画像内の全ての高確度検出線のそれぞれに対して繰り返し行う。
尚、例外的に、着目した高確度検出線を中心として指定幅内に、前述した(a)の条件を満たす検出線(高確度検出線となり得る検出線)として複数の検出線が存在することもあり得る。この場合、当該複数の検出線のうちの1つを高確度検出線とし、その他の検出線は、高確度検出線ではないものとして前述した処理を行う。この場合、高確度検出線とする検出線としては、例えば、最も上にある検出線、又は、長さ(上端と下端の縦方向の長さ)が最長の検出線を採用することができる。
[線連結部107]
線連結部107は、グルーピング部106でグルーピングされたそれぞれのグループについて、当該グループに属する、高確度検出線を含む、各検出線を連結する。図9は、同一のグループに属する検出線を連結する方法の一例を概念的に説明する図である。炭化室の炉壁は剛体であることから、縦亀裂は、炭化室の高さ方向の途中だけに存在することはなく、炭化室の耐火煉瓦の高さ方向全体に亘って存在するか、炭化室の耐火煉瓦の上端又は下端のいずれかまでは達していると考えられる。かかる知見の下、本実施形態では、線連結部107は、以下のようにして、同一のグループに属する検出線を連結する。
線連結部107は、同一のグループに属する検出線を、出現位置が上のものから順にソートする。ここで、出現位置は、検出線の両端点のうち、上の方の端点(即ち、上端)の位置であるものとする。
次に、線連結部107は、ソートした検出線のうち、最も上に位置する検出線の下端と、当該検出線とは異なる検出線上の位置であって、当該最も上に位置する検出線の下端との距離が最短距離となる位置とを直線で連結する(即ち、これらの検出線の間の領域を補間する)。以下の説明では、このような直線を必要に応じて「補間線」と称する。図9に示す例では、最も上に位置する検出線802の下端と、その下に位置する検出線808上の位置であって、検出線802の下端との距離が最短距離となる位置とが補間線901で連結される(図9の左から2番目の図を参照)。
次に、線連結部107は、補間済みの検出線群の下端と、当該検出線とは異なる検出線上の位置であって、当該補間済みの検出線群の下端との距離が最短距離となる位置とを直線で連結する(即ち、これらの検出線の間の領域を補間する)ことを、最も下に位置する検出線が補間済みの検出線群に含まれるまで繰り返し行う。図9に示す例では、まず、検出線802、808からなる補間済みの検出線群の下端と、その下に位置する検出線809上の位置であって、当該補間済みの検出線群の下端との距離が最短距離となる位置とが補間線902で連結される(図9の左から3番目の図を参照)。
更に、このようにして得られた検出線802、808、809からなる補間済みの検出線群の下端と、その下に位置する検出線810上の位置であって、当該補間済みの検出線群の下端との距離が最短距離となる位置とが補間線903で連結される(図9の左から4番目の図を参照)。これにより、同一のグループに属する検出線の全てが、補間済みの検出線群に含まれることになる。
次に、線連結部107は、補間済みの検出線群の上端(同一のグループに属する検出線のうち最も上に位置する検出線の上端)が、画像(中心線抽出画像)の上端と連結されているか否かを判定する。この判定の結果、補間済みの検出線群の上端が、画像(中心線抽出画像)の上端と連結されていない場合、線連結部107は、補間済みの検出線群の上端と画像(中心線抽出画像)の上端の辺とを結ぶ垂線により、補間済みの検出線群の上端と画像(中心線抽出画像)の上端とを連結する。以下の説明では、このような垂線も必要に応じて「補間線」と称する。
図9に示す例では、検出線802の上端と、画像(中心線抽出画像)の上端の辺904とを結ぶ補間線905により、検出線802の上端と、画像(中心線抽出画像)の上端とが連結される(図9の1番右の図を参照)。
一方、補間済みの検出線群の上端が、画像(中心線抽出画像)の上端と連結している場合には、補間済みの検出線群の上端と、画像(中心線抽出画像)の上端との連結(補間)は行われない。
次に、線連結部107は、補間済みの検出線群の下端(同一のグループに属する検出線のうち最も下に位置する検出線の下端)が、画像(中心線抽出画像)の下端と連結されているか否かを判定する。この判定の結果、補間済みの検出線群の下端が、画像(中心線抽出画像)の下端と連結されていない場合、線連結部107は、補間済みの検出線群の下端と画像(中心線抽出画像)の下端の辺とを結ぶ垂線により、補間済みの検出線群の下端と画像(中心線抽出画像)の下端とを連結する。
図9に示す例では、検出線810の下端と、画像(中心線抽出画像)の下端の辺906とを結ぶ補間線907により、検出線810の下端と、画像(中心線抽出画像)の下端とが連結される(図9の1番右の図を参照)。
一方、補間済みの検出線群の下端が、画像(中心線抽出画像)の下端と連結している場合には、補間済みの検出線群の下端と、画像(中心線抽出画像)の下端との連結(補間)は行われない。
線連結部107は、以上の処理を、グルーピング部106でグルーピングされたそれぞれのグループについて行う。
[出力部108]
出力部108は、炉壁面画像に、グルーピング部106および線連結部107の処理結果を示す画像を重ね合わせた画像を生成し、出力する。グルーピング部106によりグルーピングされた検出線と、線連結部107で作成された補間線により、縦亀裂が表現される。そこで、出力部108は、グルーピング部106によりグルーピングされた検出線を炉壁面画像上に描画すると共に、線連結部107で作成された補間線を炉壁面画像上に描画することにより、縦亀裂の位置が描画された炉壁面画像を生成し、そのデータを出力する。出力の形態として、例えば、コンピュータディスプレイへの表示、外部装置への送信、及び炉壁亀裂検出装置100の内部又は外部の記憶装置への記憶のうち、少なくとも何れか1つを採用することができる。
(動作フローチャート)
次に、図10のフローチャートを参照しながら、炉壁亀裂検出装置100の動作の一例を説明する。
まず、ステップS1001において、炉壁面画像取得部101は、炉壁観察装置により撮像された炉壁面画像500を取得する(図5(a)を参照)。
次に、ステップS1002において、線状領域強調部102は、ステップS1001で取得された炉壁面画像に対し、トップハット処理を行うことにより、炉壁面画像に生じている輝度むらの補正と、炉壁面画像における線状の高輝度領域の強調とを行い、線状領域強調画像510を生成する(図5(b)を参照)。
次に、ステップS1003において、線状領域抽出部103は、ステップS1002で生成された線状領域強調画像510に対し2値化処理を行い、2値化画像520を生成する(図6の1番左の図と左から2番目の図を参照)。尚、前述したように、図6に線状領域強調画像610は、図5(b)に示す線状領域強調画像510の一部である。
次に、ステップS1004において、縦線状領域抽出部104は、ステップS1003で生成された2値化画像620に対してオープニング処理を行うことにより、2値化画像に生じている横線状の高輝度領域を減らし、横線除去画像630を生成する(図6の左から2番目と3番目の図を参照)。
次に、ステップS1005において、縦線状領域抽出部104は、ステップS1004で生成された横線除去画像630に対してクロージング処理を行うことにより、横線除去画像630における、縦線状の高輝度領域の間の低輝度領域の少なくとも一部を高輝度領域に変更し、縦線抽出画像640を生成する(図6の左から3番目、4番目の図を参照)。
次に、ステップS1006において、中心線抽出部105は、ステップS1005で生成された縦線抽出画像640に対して細線化処理を行うことにより、縦線抽出画像640における縦線状の高輝度領域の中心線を抽出し、中心線抽出画像710を生成する(図7を参照)。
次に、ステップS1007において、グルーピング部106は、ステップS1006で生成された中心線抽出画像710から縦亀裂を表さない高輝度領域を除去するノイズ除去処理を行う。ノイズ除去処理の詳細については図11を参照しながら後述する。
次に、ステップS1008において、線連結部107は、ステップS1007でグルーピングされたそれぞれのグループについて、当該グループに属する検出線を、補間線を用いて連結する(図9を参照)。
次に、ステップS1009において、出力部108は、ステップS1007でグルーピングされた検出線をステップS1001で取得された炉壁面画像上に描画すると共に、ステップS1008で作成された補間線を当該炉壁面画像上に描画することにより、縦亀裂が描画された炉壁面画像を生成し、そのデータを出力する。
そして、図10のフローチャートによる処理を終了する。
次に、図11のフローチャートを参照しながら、図10のステップS1007のノイズ除去処理の詳細を説明する。
まず、ステップS1101において、グルーピング部106は、ステップS1006で得られた中心線抽出画像から、前述した(a)又は(b)の条件に合致する検出線を抽出し、選択対象とする。
次に、ステップS1102において、グルーピング部106は、ステップS1101で抽出した検出線のうち、前述した(a)の条件に合致するものを高確度検出線として抽出する。
次に、ステップS1103において、グルーピング部106は、中心線抽出画像全体で抽出された複数の高確度検出線のうち、最も左上にある高確度検出線を「着目する高確度検出線」として選択する。尚、図11のフローチャートで初めて「着目する高確度検出線」を選択する場合には、中心線抽出画像全体で最も左上にある高確度検出線を選択するが、図11のフローを後述するステップS1112を経てループし、再びステップS1103の処理をする場合には、中心線抽出画像全体でそれまで未選択であった高確度検出線のうちで一番左上にある高確度検出線を選択するようにする。
次に、ステップS1104において、グルーピング部106は、着目する高確度検出線を中心に指定幅を設定する。尚、指定幅の具体的な値は予め決めておく。
次に、ステップS1105において、グルーピング部106は、横方向の長さが指定幅よりも長い検出線(例えば、図8の検出線801)を選択対象から除外する。
次に、ステップS1106において、グルーピング部106は、ステップS1103で選択した着目する高確度検出線を(中心に)含むように、縦亀裂範囲(例えば、図8の縦亀裂範囲803)を設定する。
次に、ステップS1107において、グルーピング部106は、中心線抽出画像において、ステップS1106で設定した縦亀裂範囲の範囲外に検出線があるか否かを判定する。この判定の結果、縦亀裂範囲の範囲外に検出線がない場合には、ステップS1108を省略して後述するステップS1109に進む。一方、縦亀裂範囲の範囲外に検出線がある場合には、ステップS1108に進む。
ステップS1108に進むと、グルーピング部106は、中心線抽出画像から、ステップS1106で設定した縦亀裂範囲の範囲外にある検出線(例えば、図8の検出線804、805)を、ステップS1103で選択した着目する高確度検出線との連結対象、即ち選択対象から除外する。
次に、ステップS1109において、グルーピング部106は、ステップS1106で設定した縦亀裂範囲の範囲内にある検出線のうち、ステップS1103で選択した着目する高確度検出線を横方向に射影した場合に、着目する高確度検出線の射影範囲内に完全に包含される検出線があるか否かを判定する。この判定の結果、射影範囲内に完全に包含される検出線がない場合には、ステップS1110を省略して後述するステップS1111に進む。一方、射影範囲内に完全に包含される検出線がある場合には、ステップS1110に進む。
ステップS1110に進むと、グルーピング部106は、ステップS1106で設定した縦亀裂範囲の範囲内にある検出線のうち、ステップS1103で選択した着目する高確度検出線を横方向に射影した場合に、高確度検出線の射影範囲内に完全に包含される検出線(例えば、図8の検出線806、807)を、ステップS1103で選択した着目する高確度検出線との連結対象から除外する。
次に、ステップS1111において、グルーピング部106は、ステップS1106で設定した縦亀裂範囲の範囲内に残っている検出線を、同一の縦亀裂を示す同一のグループとして、当該検出線のそれぞれに対してラベリング(当該グループの識別番号の付与)を行う。
次に、ステップS1112において、グルーピング部106は、ステップS1102で抽出した全ての高確度検出線をグルーピングしたか否かを判定する。この判定の結果、全ての高確度検出線をグルーピングしていない場合には、ステップS1103に戻り、全ての高確度検出線をグルーピングするまでステップS1103〜S1112の処理を繰り返し行う。そして、全ての高確度検出線をグルーピングし終わると、図11のフローチャートを終了する。
(実施例)
40年以上稼働しているコークス炉の炭化室の炉壁面の画像(炉壁面画像)を、特許文献2に記載の炉壁観察装置で撮像し、撮像した炉壁面画像を用いて、前述した本実施形態の炉壁亀裂検出装置100により、当該炉壁面に生じている縦亀裂を検出した。図12は、炉壁面画像(図12(a))と、縦亀裂の検出結果(図12(b))を示す図(写真)である。
図12(a)から見た目で分かるように、炉壁面には、上から下まで連続した7本の縦亀裂がある。図12(b)では、所定の画素間隔を空けて描画した点を、縦亀裂の位置として、図12(a)に示す炉壁面画像の上に重ねて示す。図12(b)の白丸の点は、グルーピング部106で得られた検出線を表し、黒丸の点は、線連結部107で得られた補間線を表す。図12(b)に示すように、本実施形態の炉壁亀裂検出装置100を用いることにより、7本の縦亀裂を正確に検出できることが分かる。
(まとめ)
以上のように本実施形態では、炉壁面画像に対して、トップハット処理、2値化処理、縦長の矩形カーネルを用いたオープニング処理、クロージング処理、細線化処理をこの順で行い、中心線抽出画像710を生成する。中心線抽出画像710に含まれるそれぞれの検出線から基準となる高確度検出線802を抽出し、抽出した高確度検出線802に対し縦亀裂範囲803を設定する。そして、設定した縦亀裂範囲803の範囲外にある検出線804、805、横方向の長さが縦亀裂範囲803の横方向の長さ(指定幅)よりも長い検出線801、及び横方向に射影した場合に高確度検出線802に完全に包含される検出線806、807を除去する。このようにして縦亀裂範囲803内に最終的に残った検出線802、808〜810を、1つの縦亀裂を表す検出線としてグルーピングする。その後、同一のグループにおける検出線802、808〜810の間と、検出線802及び画像の上端の間と、検出線810及び画像の下端の間とを補間線901〜903、905、907で補間する。これらの検出線802、808〜810および補間線901〜903、905、907で、1つの縦亀裂を表現する。
従って、コークス炉の炭化室の炉壁にコークスが詰まっている状態で、当該炉壁に発生している縦亀裂の発生状況(位置や数)を数値化することができる。これにより、コークス炉の操業を止めずに、当該炉壁に発生している縦亀裂の発生状況(位置や数)を定量的に把握することができる。
また、このようにして得られる縦亀裂の位置情報を、例えば、縦亀裂に沿って形成されている、断面形状がV字形状の溝を溶射して埋める補修作業に活用することができる。
また、前述したように縦亀裂は、通常、炉壁面の上から下まで繋がって発生しており、且つ、耐火煉瓦の厚み方向に貫通している。これは、炉壁面が縦亀裂の部分で分離した構造になっていることを意味する。従って、縦亀裂の発生本数が増加すれば、炉壁の強度が低下する。そこで、本実施形態のように、縦亀裂の発生状況を定量的に把握することにより、炉壁の耐力の低下を予測することができる。例えば、コークスの生産量を落として炉帯に負荷をかけない操業を行うといった、長期間稼働しているコークス炉の寿命を延ばすための的確な対策を講じることができる。
(変形例)
[変形例1]
本実施形態では、同一のグループに属する検出線の下端と、その下に位置する検出線とを最短距離で結ぶ直線により、それらの検出線を連結する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、同一のグループに属する検出線の間の領域を補間するように各検出線を連結していれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、同一のグループに属する検出線の上端と、その上に位置する検出線とを最短距離で結ぶ直線により、それらの検出線を連結してもよい。また、検出線の端点同士を連結してもよい。また、必ずしも直線で連結する必要はなく、検出線と補間線とが滑らかに繋がるように補間線を曲線としてもよい。このことは、画像の上端・下端と検出線とを連結する補間線においても同じである。
[変形例2]
本実施形態では、図12(b)に示すように、炉壁面画像上に、所定の画素間隔を空けて点を描画することにより、縦亀裂を表す情報を表示する場合を例に挙げて説明した。このようにすれば、所定の画素間隔を、前述した補修作業を行う溶射装置の溶射間隔に対応させることにより、各点の位置を、溶射装置における溶射材の狙い位置として利用することができるので好ましい。しかしながら、縦亀裂を表す情報を表示する方法は、このような方法に限定されない。例えば、炉壁面画像の上に線を描画することにより縦亀裂を表す情報を表示してもよい。また、炉壁面画像上に縦亀裂の位置を重ねて表示しなくてもよい。例えば、縦亀裂の上端、中央、及び下端の位置や数等の文字情報を、縦亀裂を表す情報として表示してもよい。
[変形例3]
本実施形態では、幅(横方向の長さ)が指定幅以下であり、且つ、長さ(縦方向の長さ)が指定長さ以上の検出線を高確度検出線とする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、検出線の幅(横方向の長さ)と長さ(縦方向の長さ)を評価していれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、検出線の幅(横方向の長さ)と長さ(縦方向の長さ)を評価するために、検出線の両端を相互に結ぶ直線の長さと、検出線の両端を相互に結ぶ直線と鉛直方向とのなす角度とを用いてもよい。このようにする場合、検出線の両端を相互に結ぶ直線の長さが所定の値以上であり、且つ、検出線の両端を相互に結ぶ直線と鉛直方向とのなす角度(の絶対値)が所定の値以下である検出線を高確度検出線とすることができる。また、検出線の両端を相互に結ぶ直線の長さや、縦方向の長さにかえて、検出線の長さ(そのもの)を用いてもよい。
[変形例4]
本実施形態では、補間済みの検出線群の上端・下端(同一のグループに属する検出線のうち最も上・下に位置する検出線の上端・下端)が、画像(中心線抽出画像)の上端・下端と連結されていない場合には、これらを補間線で連結する場合を例に挙げて説明した。一般に、縦亀裂は、炭化室の上から下まで連結されているので、このようにするのが好ましい。ただし、補間済みの検出線群の上端・下端(同一のグループに属する検出線のうち最も上・下に位置する検出線の上端・下端)と、画像(中心線抽出画像)の上端・下端との距離が離れすぎている場合には、何らかの理由で、縦亀裂が炭化室の上から下まで連結されていない状態、又は、検出線の検出が適切でない状態である可能性がある。そこで、補間済みの検出線群の上端・下端(同一のグループに属する検出線のうち最も上・下に位置する検出線の上端・下端)と、画像(中心線抽出画像)の上端・下端との距離が所定の値以上である場合(即ち、これらが離れすぎている場合)には、これらを連結しないようにしてもよい。
[その他の変形例]
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:コークス炉の炭化室の炉壁亀裂検出装置、101:炉壁面画像取得部、102:線状領域強調部、103:線状領域抽出部、104:縦線状領域抽出部、105:中心線抽出部、106:グルーピング部、107:線連結部、108:出力部、200・500:炉壁面画像、510:線状領域強調画像、610:線状領域強調画像、620:2値化画像、630:横線除去画像、640:縦線抽出画像、710:中心線抽出画像、801・802・804〜810:検出線、803:縦亀裂範囲、901〜903・905・907:直線、904:画像の上端の辺、906:画像の下端の辺

Claims (4)

  1. コークス炉の炭化室の炉壁面の高さ方向に生じている亀裂である縦亀裂を検出する炉壁亀裂検出装置であって、
    前記炉壁面の熱放射輝度の分布を熱画像として取得する熱画像取得手段と、
    前記熱画像に対し、トップハット処理、2値化処理、オープニング処理、クロージング処理及び細線化処理のうち少なくともいずれか一つを行う画像抽出手段と、
    前記画像抽出手段で得られた画像に含まれる線状の高輝度領域である検出線のうち、同一の前記縦亀裂を示す検出線をグルーピングするグルーピング手段と、
    前記グルーピング手段でグルーピングした検出線のそれぞれの間を、補間線を用いて連結する補間手段とを有しており、
    前記グルーピング手段は、
    (a)横方向の長さが予め決められた指定幅以下であり、且つ、縦方向の長さが予め決められた指定長さ以上である、又は、
    (b)前記(a)を満たさない検出線の中で、横方向の長さが指定幅以下であり、且つ、前記(a)を満たす検出線との横方向の距離が指定幅以下である
    という条件を満たす前記検出線を選択対象とし、
    前記(a)の条件を満たす前記検出線を高確度検出線として抽出し、
    前記高確度検出線を中心に指定幅を設定して、横方向の長さが指定幅より長い前記検出線を選択対象から除外し、
    前記高確度検出線を中心に縦亀裂範囲を設定して、前記縦亀裂範囲外にある検出線を選択対象から除外し、
    前記高確度検出線を横方向に射影した場合に、当該射影範囲内に完全に含まれる検出線を選択対象から除外し、
    除外されずに残った検出線を、同一の縦亀裂を示す検出線であるとしてグルーピングすることを特徴とする炉壁亀裂検出装置。
  2. 前記補間手段は、
    前記グルーピング手段により前記同一の縦亀裂を示す検出線としてグルーピングされた前記検出線と、前記熱画像の上端とが連結していない場合には、前記熱画像の上端と前記検出線の最上部とを、垂直の補間線を用いて連結し、
    前記グルーピング手段により前記同一の縦亀裂を示す検出線としてグルーピングされた前記検出線と、前記熱画像の下端とが連結していない場合には、前記熱画像の下端と前記検出線の最下部とを、垂直の補間線を用いて連結することを特徴とする請求項1に記載の炉壁亀裂検出装置。
  3. コークス炉の炭化室の炉壁面の高さ方向に生じている亀裂である縦亀裂を検出する炉壁亀裂検出方法であって、
    前記炉壁面の熱放射輝度の分布を熱画像として取得し、
    前記熱画像に対し、トップハット処理、2値化処理、オープニング処理、クロージング処理及び細線化処理のうち少なくともいずれか一つを行って画像抽出を行い、
    前記画像抽出で得られた画像に含まれる線状の高輝度領域である検出線のうち、同一の前記縦亀裂を示す検出線をグルーピングし、
    前記グルーピングした検出線のそれぞれの間を、補間線を用いて連結する炉壁亀裂検出方法であり、
    前記グルーピングにおいては、
    (a)横方向の長さが予め決められた指定幅以下であり、且つ、縦方向の長さが予め決められた指定長さ以上である、又は、
    (b)前記(a)を満たさない検出線の中で、横方向の長さが指定幅以下であり、且つ、前記(a)を満たす検出線との横方向の距離が指定幅以下である
    という条件を満たす前記検出線を選択対象とし、
    前記(a)の条件を満たす前記検出線を高確度検出線として抽出し、
    前記高確度検出線を中心に指定幅を設定して、横方向の長さが指定幅より長い前記検出線を選択対象から除外し、
    前記高確度検出線を中心に縦亀裂範囲を設定して、前記縦亀裂範囲外にある検出線を選択対象から除外し、
    前記高確度検出線を横方向に射影した場合に、当該射影範囲内に完全に含まれる検出線を選択対象から除外し、
    除外されずに残った検出線を、同一の縦亀裂を示す検出線であるとしてグルーピングすることを特徴とする炉壁亀裂検出方法。
  4. 請求項1又は2に記載の炉壁亀裂検出装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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