JP6740471B2 - 抗腫瘍性複素環イミダゾール系化合物の医薬塩 - Google Patents

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Description

本発明は、薬物合成の分野に関し、具体的には、抗腫瘍性複素環イミダゾール系化合物(I)である4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンの医薬塩、その調製方法、薬物組合せ及びその抗腫瘍薬物の調製への使用に関する。
化学治療薬物と電離放射線治療は、癌を治療するための2種の常法である。これらの2種の治療方法では、いずれもDNA一本鎖及び/又は二本鎖切断を誘発し、さらに細胞毒性作用が発生し、目的の腫瘍細胞は、染色体の損傷により死亡した。DNA損傷信号に応答する一つの重要な結果として、細胞周期調節部位の信号が活性化され、細胞が、DNA損傷の場合に有糸分裂を行わず細胞損傷を避けるように保護することを目的とする。腫瘍細胞は、細胞周期調節部位の信号の欠損を示すとともに、非常に高い増殖率を有することが多い。したがって、腫瘍細胞に所定のDNA修復機構が存在し、増殖調節に関連する染色体の損傷に迅速に応答してこれを修復することにより、その自身がいくつかの治療薬物の細胞毒性作用を免れていき続けることができることを推定できる。
臨床応用において、化学治療薬物の有効濃度または治療の放射線強度により、これらのDNA修復機構に抵抗し、目的の腫瘍細胞に対する殺傷効果を確保することができる。しかしながら、腫瘍細胞は、そのDNA損傷修復機構を強化することにより、治療に対して耐性作用を生じ、致命的なDNA損傷から生きることができる。生じた耐性を克服するためには、通常、治療薬物の用量を増加する、または放射線強度を高める必要があるが、これにより、病巣近傍の正常組織に悪影響を与えることにより、治療過程では深刻な不良反応が伴い、さらに治療のリスクが増大してしまう。同時に、絶えず高まった耐性により、治療効果を低下させてしまう。したがって、DNA損傷信号の修復機構を調節することにより、腫瘍細胞特異的にDNA損傷薬剤の細胞毒性の向上を実現することができることを推定できる。
ポリアデノシン二リン酸−リボース化活性を特徴とするPARPs(Poly(ADP−ribose)polymerases)は、18種の細胞核酵素と核細胞質酵素のスーパーファミリーを構成している。このようなポリアデノシン二リン酸−リボース化作用は、目的のタンパク質の触媒活性及びタンパク質間の相互作用を調節するとともに、DNA修復、細胞死を含む、数多くの基本的な生物過程を制御することができる。ゲノムの安定性もそれに関連する。
PARP−1は、活性が全細胞のPARP活性の約80%を占め、それに最も近いPARP−2とともに、PARPファミリーにおいてDNA損傷を修復する能力を備えるメンバーとなる。DNA損傷のセンサー及びシグナルタンパク質として、PARP−1は、DNA損傷部位を迅速に検出してそれに直接結合し、その後、DNA修復に必要な複数種のタンパク質を誘導して集め、さらにDNA損傷を修復させることができる。細胞中のPARP−1が不足である場合、PARP−2は、PARP−1の代わりに、DNA損傷の修復を実現することができる。研究によると、正常細胞に比べて、PARPsタンパク質の固形腫瘍における発現が普遍的に強化されることを示す。また、DNA修復関連遺伝子(たとえば、BRCA−1またはBRCA−2)が欠失した腫瘍(たとえば、乳腺腫瘍や卵巣癌)について、PARP−1阻害剤に対して極端な敏感性を示し、これは、PARP阻害剤の単剤としての、このようなトリプルネガティブ乳腺癌と呼ばれる疾患の治療上の潜在的用途を示す。同時に、DNA損傷修復機構は、腫瘍細胞が化学治療薬物及び電離放射線治療に対応して耐性作用を生じる主な機構であるので、PARP−1は、新たな癌治療方法を探求する有効なターゲットの一つと見なされている。
早期に開発設計されたPARP阻害剤は、PARP触媒基質であるNADのニコチン酸アミドをテンプレートとし、その類似物を開発したものである。これらの阻害剤は、NADの競合的阻害剤として、NADとPARPの触媒部位を競り、さらにポリ(ADP−リボース)鎖の合成を妨げる。ポリ(ADP−リボース化)修飾のないPARPは、DNA損傷部位から解離することができず、修復に関与する他のタンパク質は、損傷部位に進入できず、さらに修復過程を実行できなくなる。したがって、細胞毒性薬物または放射線の作用下で、PARP阻害剤の存在によりDNAが損傷した腫瘍細胞は最終的に死亡した。
また、PARP触媒基質として消費されたNADは、細胞におけるATPの合成に不可欠な要素であり、高いPARP活性レベルで、細胞内のNADレベルは著しく低下し、さらに細胞内のATPレベルに影響を与える。細胞内のATPの含有量が不足であるので、細胞は、ATP依存的プログラム細胞死過程を実現できず、壊死という特別なアポトーシス過程にしか転換できない。壊死過程において、大量の炎症因子が放出され、他の器官と組織に対して毒性作用を生じる。したがって、PARP阻害剤は、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病)、糖尿病、虚血又は虚血再灌流過程における合併症(例えば、心筋梗塞及び急性腎不全)、循環器系疾患(例えば、感染性ショック)及び炎症性疾患(例えば、慢性リウマチ)等を含める、この機構に関連する複数種の疾患を治療するために用いられることもできる。
本発明は、PARP阻害剤である4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンの医薬塩に関し、前記PARP阻害剤である4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンは、下記の構造(以下、式Iと称する)を有する。
Figure 0006740471
本発明に係る式(I)の構造式は、一定の塩基性を有し、相応する有機酸又は無機酸と医薬塩を形成できる。
したがって、本発明は、式(I)で表される化合物と有機酸又は無機酸から形成される医薬塩を提供する。
式(I)で表される化合物と有機酸とから形成される塩は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、乳酸、イセチオン酸などと形成される塩を含むが、それらに限定されない。また、式(I)で表される化合物と無機酸とから形成される塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、シュウ酸、硝酸などとから形成される塩を含むが、それらに限定されない。
好ましい実施形態として、本発明の式(I)の医薬塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、イセチオン酸塩である。より好ましくは、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、イセチオン酸塩である。最も好ましくは、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、イセチオン酸塩である。
本発明の式(I)の医薬塩、特に塩酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、イセチオン酸塩は、塩形成前の式(I)と比べて、優れた物理的や化学的性質を有し、溶解度や溶解速度が明らかに改善し、中でも、式(I)の溶解度が少なくとも10倍以上高まり、それにより遊離アルカリとしての式(I)と比べて、多種類の薬物剤形の生産により適用され、体内でのバイオアベラビリティーを向上させる。
本発明の別の側面では、4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オン、すなわち式(I)、その医薬塩の調製方法を提供する。
一般的には、塩基性化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーにより調製したり、あるいは、適切な溶剤や各種の溶剤の組合せで遊離アルカリと化学量論量や過剰量の塩の形成に必要な無機又は有機酸と反応させることにより調製したりすることができる。
したがって、本発明における式(I)の医薬塩は、化合物(I)と相応する酸、例えば相応する無機酸、有機酸又はポリマー酸とを、酸塩基反応させることにより用意して得られる。
上述した酸塩基反応による本発明に係る化合物(I)の医薬塩の調製方法において、有機溶剤を反応溶剤として用いてもよく、好ましくは極性溶剤、例えば、アルコール溶剤、アセトニトリル、アセトンである。又は、有機溶剤と水との混合溶剤を用いてもよい。
一つの実施形態において、本発明に係る医薬塩は、式(I)と酸をそれぞれ1当量含有する。一つの実施形態において、本発明に係る式(I)の医薬塩の調製方法は、4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンを有機溶剤で相応する無機酸又は有機酸と反応させて調製して得られることを含む。
例えば、好ましい一つの実施例において、本発明に係る医薬塩の調製方法は、4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンをC1−C4アルコール又はC3−C5ケトンの単一又は混合溶剤で塩酸と反応させて調製して得られることを含む。
例えば、好ましい一つの実施例において、本発明に係る医薬塩の調製方法は、4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンとメタンスルホン酸とをC1−C4アルコール又はC3−C5ケトンの単一又は混合溶剤で反応させて調製して得られることを含む。
例えば、好ましい一つの実施例において、本発明に係る式(I)の塩酸塩の調製方法は、4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンをC1−C4アルコール又はC3−C5ケトンの単一又は混合溶剤で塩酸と反応させて調製して得られることを含む。ただし、C1−C4アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールから任意に選ばれ、C3−C5ケトンは、アセトン、ブタノン、ペンタノンから任意に選ばれる。前記反応温度は10−60℃であり、好ましくは10−50℃であり、より好ましくは20−40℃である。
さらに、ある側面では、本発明は、式(I)の医薬塩、特に式(I)の塩酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、イセチオン酸塩と、一種又は多種の薬学的に許容される担体又は賦形剤との組合せを含む、薬物組成物を提供する。
さらに、ある側面では、本発明は、式(I)化合物の医薬塩の、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)活性を抑制するための薬物の調製への使用を提供し、さらに、それを必要とする患者に有効量の化合物Iの薬学的に許容される塩又はその塩を含有する組成物を投与することを含む、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の抑制により改善できる疾患を治療又は予防する方法を提供する。
さらには、前記ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の抑制により改善される疾患は、癌、例えば、胃癌、膵臓癌、白血病、乳腺癌、卵巣癌、前立腺癌などを含む。
本発明に係る化合物は、相同組換え(HR)依存的DNA二本鎖切断(DSB)修復活性が欠陥した癌を治療するためにさらに用いられる。
HR依存的DNA二本鎖切断(DSB)修復活性が欠陥した癌は、一種又は多種の癌細胞から構成されてもよく、正常細胞に対して、前記癌細胞は、低下した又は喪失した、当該経路によりDNA DSBsを修復する能力を有し、すなわち、一種又は多種の癌細胞において、HR依存的DNA DSBs修復経路の活性が低下又は喪失してもよい。
HR依存的DNA DSBs修復が欠陥した癌に罹患している個体の一種又は多種の癌細胞では、HR依存的DNA DSBs修復経路における一種又は多種の成分の活性が喪失してもよい。本分野では、HR依存的DNA DSBs修復経路の成分が十分に特徴化された。
標準薬物学実践によれば、本発明に係る化合物は、単独で、又は薬物組成物で、薬物に許容される担体、賦形剤、希釈剤、補助剤、充填剤、緩衝剤、安定剤、防腐剤、潤沢剤と組み合わせてヒトに投与されてもよい。
全身性/辺縁性でも、作用が必要な部位でも、本発明に係る化合物は、便利ないかなる投与経路により被験者に投与されてもよく、前記投与経路は、経口投与、局所投与、経肺投与、直腸投与、経膣投与、腸管外投与、リザーバー植込みによる投与を含むが、これらに限定されない。
本発明に係る化合物を被験者に投与する際に、選択される用量レベルは各種の因子に依存し、当該因子は、具体的な化合物の活性、個体病態の重篤程度、投与経路、投与時間、化合物の排泄率、治療の持続時間、併用する他の薬物、化合物及び/又は材料、並びに患者の年齢、性別、体重、状態、一般健康状況及び以前の治療履歴を含むがこれらに限らない。また、化合物の量及び投与経路は最終的に医師によって定められているが、一般的には、用量は作用部位で所望の効果を果たしたが実質的に有害又は有毒の副作用を引き起こさないような局所濃度に達する。
治療過程の全体では、一回用量で、連続或いは間欠的に体内投与を実現できる。最も有効な投与方式及び用量を決定する方法は、当業者にとって周知のことであり、かつ治療のための製剤、治療目的、治療する標的細胞及び治療する被験者によって変化する。治療医師が選択する用量レベル及び方案を用いて一回又は複数回の投与を行ってもよい。
また、本発明に係る化合物は、さらに抗癌剤又は化学治療薬物と併用して使用してもよい。
また、本発明に係る化合物は、癌治療のための化学増感剤や放射線増感剤として用いてもよい。それらは、従来癌治療を受けた、或いは受けている患者の治療に用いられる。このような従来の治療は、予め化学療法、放射線治療、手術又は免疫治療、例えば癌ワクチンを含む。したがって、本発明は、同時、単独又は順次投与のために用いられる化合物Iの薬学的に許容される塩と抗癌剤との組合せを提供する。
また、本発明はさらに、同時、単独又は順次投与のために用いられる化合物Iの薬学的に許容される塩、放射線治療及びその他の化学治療薬物の組合せを提供する。
また、本発明はさらに、癌治療中の補助物としての、または電離放射線や化学治療薬物と併用することにより腫瘍細胞に対する殺傷作用を強化する薬物の調製のための化合物Iの薬学的に許容される塩を提供する。
また、本発明はさらに、化合物Iの薬学的に許容される塩の、癌治療中の補助物としての、または電離放射線や化学治療薬物と併用することにより腫瘍細胞に対する殺傷作用を強化する薬物の調製への使用を提供する。前記化合物はさらに電離放射線や化学治療薬物と併用して使用してもよい。
本文に含まれる教示によれば、本発明のこれらの側面、及びその他の側面は明らかである。
また、本発明はさらにある側面では、化合物6と化合物4とを縮合剤の存在下で調製して得られる、化合物式(I)の調製方法を提供する。一つの具体的な実施形態において、前記縮合剤は、2−(7−アゾベンゾトリアゾール)−N,N,N’,N’−テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェートであり、その合成ルートは以下に示す。
Figure 0006740471
5−(ピペラジン−1−イル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(化合物4)は以下の工程により調製できることが既に見出された。すなわち、4−(6−アミノ−5−ニトロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(化合物1)を水素化して還元させて4−(5,6−ジアミノピリジン−2−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(化合物2)を調製した後、さらにトリメチルオルトホルメートと反応させて4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(化合物3)を調製し、さらに保護基を除去して化合物4を得る。具他的な合成ルートは以下を参照する。
Figure 0006740471
実施例1:化合物4の調製はルート1に従う。
Figure 0006740471
ルート1
工程1:4−(6−アミノ−5−ニトロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(化合物1)の調製
化合物のモノ−t−ブトキシカルボニル保護ピペラジン(1.86g,10mmol)が溶解されたジメチルホルムアミド(10mL)に6−クロロ−3−ニトロ−2−アミノピリジン(1.91g,11mmol)とジイソプロピルエチルアミン(1.55g,12mmol)を加え、室温で8時間反応させた後、溶剤を減圧除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離し(ジクロロメタン:メタノール=50:1)、白色固体化合物1である4−(6−アミノ−5−ニトロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(2.72g、収率84%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]+=324。
工程2:4−(5,6−ジアミノピリジン−2−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(化合物2)の調製
10%パラジウムカーボン(259mg)を、化合物1(2.59g,8mmol)が溶解されたメタノール(20mL)溶液に加え、常温で7時間水素化し、ろ過し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離し(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、黄色固体化合物2である4−(5,6−ジアミノピリジン−2−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(2.25g、収率93%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]+=294。
工程3:4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(化合物3)の調製
化合物2(1.47g,5mmol)が溶解されたトリメチルオルトホルメート溶液(6g)に、パラトルエンスルホン酸(86mg,0.5mmol)を加え、還流するまで昇温し、8時間反応させた後冷却し、溶剤を減圧除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離し(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、淡黄色固体化合物3である4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−炭酸t−ブチル(0.73g、収率48%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]+=304。
工程4:5−(ピペラジン−1−イル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(化合物4)の調製
化合物3(1.52g,5mmol)が溶解されたジクロロメタン溶液(10mL)に、トリフルオロ酢酸(2.28g,20mmol)を加え、室温で8時間反応させた後、溶剤を減圧除去し、残留物をジクロロメタン(20mL)で溶解させ、pH=8になるまで炭酸水素ナトリウムを加え、溶剤を濃縮除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離し(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、淡黄色固体化合物4である5−(ピペラジン−1−イル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.87g、収率86%、HPLC測定純度95.0%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]+=204。
実施例2:化合物6の調製はルート2に従う。
Figure 0006740471
ルート2
工程1:2−フルオロ−4−((3−オキソイソベンゾフラン−1(3H)−イリデン)メチル)ベンゾニトリル(化合物5)の調製
氷浴下で、ナトリウムメトキシド(61.8g、1.14mol)が溶解された無水メタノール溶液(1L)に亜リン酸ジメチル(97mL、1.06mol)をゆっくり加えた。反応系温度を5℃以下に保持し、20分間以内で2−カルボキシベンズアルデヒド(135g、0.9mol)をゆっくり滴下した。前記反応系を室温まで徐々に昇温し、半時間以内でメチルスルホン酸(81.6mL、1.26mol)を徐々に滴下した。溶剤を減圧除去した後、残留物を水(600mL)で希釈し、ジクロロメタン(500mL)にて三回抽出した。有機相を合わせ、水(100mL)により二回抽出し、有機相を無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた。溶剤を減圧除去し、淡黄色固体化合物である(3−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル)亜リン酸ジメチルを得、精製せずに次の反応に直接投入した。前の反応で精製されていない化合物(3−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル)亜リン酸ジメチル(35g、0.14mol)が溶解されたテトラヒドロフラン溶液(330mL)に2−フルオロ−5−ホルミルベンゾニトリル(20.9g、0.14mol)を加え、反応系温度を15℃まで下げ、30分間以内でトリエチルアミン(19.5mL、0.14mol)をゆっくり滴下した。前記反応系を室温まで徐々に昇温し、溶剤を減圧除去し、残留物を水(250mL)により叩解し、ろ過して白色固体化合物5である2−フルオロ−4−((3−オキソイソベンゾフラン−1(3H)−イリデン)メチル)ベンゾニトリル(37.2g、収率96%)を得た。
工程2:2−フルオロ−5−((4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イル)メチル)安息香酸(化合物6)の調製
化合物5(37g、0.14mol)が溶解された水溶液(200mL)に13N水酸化ナトリウム溶液(50mL)を加え、90℃まで昇温して1時間撹拌した。前記反応系温度を70℃まで下げた後水和ヒドラジン(100mL、2mol)を加え、当該温度のまま18時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、8Nの塩酸により前記反応系をpH=4となるように調節し、ろ過し、ケーキを順に水(60mL)により二回、エチルエーテル(50mL)により三回洗浄し、真空乾燥して白色固体化合物6である2−フルオロ−5−((4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イル)メチル)安息香酸(30.1g、収率77%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]+=299。
実施例3:化合物式(I)の調製
化合物4(50mg、0.17mmol)が溶解されたジメチルホルムアミド溶液(5mL)に化合物6(49mg、0.24mmol)、2−(7−アゾベンゾトリアゾール)−N,N,N’,N’−テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート(77mg、0.2mmol)及びトリエチルアミン(70mg、0.7mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。溶剤を濃縮除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離し(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、白色固体化合物(I)である4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オン(16mg、収率20%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]+=484。1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ12.61(br,1H),8.27−8.24(m,1H),8.16(s,1H),8.00−7.97(m,1H),7.93−7.82(m,4H),7.45−7.39(m,2H),7.28−7.22(m,1H),6.83−6.80(m,1H),4.34(s,2H),3.73(br,2H),3.58(br,2H),3.42(br,4H)。
実施例4:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンの塩酸塩の調製
式(I)(3g、6.21mmol)が溶解されたエタノール(30ml)溶液に塩酸(2.1ml、24.84mmol)を滴下し、25℃で5時間撹拌反応させた。ろ過、乾燥して類白色固体として化合物式(I)4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンの塩酸塩(3.0g、収率93%)を得た。元素分析理論値Cl:6.47%;実測値Cl:6.58%から、式(I)とHClとの塩形成割合が1:1であると判断した。
MS(ESI)m/z:[M+H]+=484。1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ12.62(s,1H),9.42(s,1H),8.24−8.22(m,1H),8.02(d,1H),7.94(d,1H),7.88−7.79(m,2H),7.46−7.39(m,2H),7.23(t,1H),7.09(d,1H),4.32(s,2H),3.75(br,2H),3.69(br,2H),3.53(br,2H),3.32(br,2H)。
実施例5:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンのメタンスルホン酸塩の調製
式(I)(3g、6.21mmol)が溶解されたアセトン(30ml)溶液にメタンスルホン酸(2.38g、24.84mmol)を加え、30℃で10時間撹拌した。ろ過、乾燥して類白色固体として式(I)のメタンスルホン酸塩:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンのメタンスルホン酸塩(3.16g,収率88%)を得た。元素分析理論値S:5.36%;実測値S:5.34%から、式(I)とメタンスルホン酸との塩形成割合が1:1であると判断した。
MS(ESI)m/z:[M+H]+=484。1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ12.60(s,1H),9.41(s,1H),8.24−8.22(m,1H),8.02(d,1H),7.94(d,1H),7.89−7.79(m,2H),7.47−7.39(m,2H),7.23(t,1H),7.09(d,1H),4.32(s,2H),3.75(br,2H),3.69(br,2H),3.53(br,2H),3.32(br,2H),2.46(s,3H)。
実施例6:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンのパラトルエンスルホン酸塩の調製
式(I)(1g、2.07mmol)が溶解されたアセトン(10ml)溶液にパラトルエンスルホン酸(1.07g、6.21mmol)を加え、20℃で10時間撹拌した。ろ過、乾燥して類白色固体として式(I)のパラトルエンスルホン酸塩:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンのパラトルエンスルホン酸塩(1.22g,収率90%)を得た。元素分析理論値S:4.88%;実測値S:4.90%から、式(I)とパラトルエンスルホン酸の塩形成割合が1:1であると判断した。MS(ESI)m/z:[M+H]+=484。
実施例7:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンのベンゼンスルホン酸塩の調製
式(I)(1g、2.07mmol)が溶解されたアセトン(10ml)溶液にベンゼンスルホン酸(1.31g、8.28mmol)を加え、35℃で20時間撹拌した。ろ過、乾燥して類白色固体として式(I)のベンゼンスルホン酸塩:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンのベンゼンスルホン酸塩(1.13g,収率85%)を得た。元素分析理論値S:4.99%;実測値S:5.05%から、式(I)とベンゼンスルホン酸との塩形成割合が1:1であると判断した。MS(ESI)m/z:[M+H]+=484。
実施例8:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンのイセチオン酸塩の調製
式(I)(1g、2.07mmol)が溶解されたアセトン(10ml)溶液にイセチオン酸(1.04g、8.28mmol)を加え、25℃で20時間撹拌した。ろ過、乾燥して類白色固体として式(I)のイセチオン酸塩:4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンのイセチオン酸塩(1.03g,収率82%)を得た。元素分析理論値S:5.25%;実測値S:5.10%から、式(I)とイセチオン酸との塩形成割合が1:1であると判断した。MS(ESI)m/z:[M+H]+=484。
実施例9:溶解度テスト
本発明に係る式(I)で表される化合物の塩の溶解度は以下の方法を参照して測定した。
a)式(I)の塩を約200mg精密に秤量し、水溶液200mlを加えて溶解させ、恒温ミキサーで30min撹拌し、静置し、上清を遠心してから、遠心液の上清を用いて被験品溶液とした。
b)式(I)を約200mg精密に量り、メタノール水溶液を加えて溶解させ、遊離アルカリを0.02mg/mlで含む溶液に定量的に希釈し、コントロール溶液とした。
c)ブランク溶剤、コントロール溶液及び被験品溶液をそれぞれ10μl用意し、高速液体クロマトグラフィーにより測定し、ピーク面積を記録し、さらに当該塩の水中溶解度を算出した。
以下の表では、式(I)及びその異なるタイプの塩の溶解度を比較し、表1から、式(I)は塩形成後の水中溶解度が案外に改善したことを示す。
Figure 0006740471
実施例10:生物学的評価
実験の原理:
ヌクレオプロテインのポリADPリボース化は、DNA損傷応答時の翻訳後に起こった。PARP(全称は、ポリアデノシン二リン酸リボースポリメラーゼ)は、NADが存在する場合、ポリ(ADP−リボース)を触媒して近くのヌクレオプロテインに接続させることにより、塩基除去修復の経路によるDNA修復機構を誘発した。Trevigen社製のHT Universal Chemiluminescent PARP Assay Kitにより、このようなビオチンで標識されたADP−リボースとヒストンとの結合レベルを測定できる。
試薬と消費材料
1.HT Universal Chemiluminescent PARP Assay Kit with Histone−coated Strip Wells、米国Trevigen、品番:4676−096−K
2.プレートリーダー、米国Perkin Elmer、EnVision Multilabel Plate Reader
溶液と緩衝液
1.洗浄液 0.1% Triton X−100含有PBS溶液
2.20X PARP緩衝液 脱イオン水により20X PARP緩衝液を20倍希釈して1X緩衝液を得、当該緩衝液は、組換えPARP酵素、PARP Cocktail及び被試験化合物を希釈するために用いられる。
3.10X PARP Cocktail 以下の方法に従って1X PARP Cocktailを調合した:10X PARP Cocktail 2.5μl/well、10X活性化DNA 2.5μl/well、1X PARP緩衝液20 μl/well。
4.PARP Enzyme使用前のみに、1X PARP緩衝液により組換え酵素を注意深く希釈し、希釈した酵素溶液をできるだけ早く用い、使い切っていないものを廃棄する。
5.Strep−HRP使用前のみに、1X Strep希釈液によりStrep−HRPを500倍希釈して1X溶液を得た。
6.化学発光基質使用前のみに、同じ容量のPeroxyGlow AとB溶液を均一に混合してホースラディシュペルオキシダーゼの基質を得た。
実験方法
化合物の調合
1.DMSOにより被試験化合物の式(I)の母液10mMを10μM、1μMに希釈した。
2.実験開始前のみに、DMSOに溶解された化合物の式(I)のグラジエント濃度溶液を1X PARP緩衝液により20倍希釈し、5Xの化合物溶液を得、検出に用いることができ、ポジティブコントロール(POSITIVE)及びネガティブコントロール(NEGATIVE)ウェルには、1X PARP緩衝液(DMSOの含有量5%)が加えられた。
操作工程
1.ウェルごとに50μlの1X PARP緩衝液を加えてヒストンを潤し、室温でウェルプレートを30分間培養した後、ウェル中の1X PARP緩衝液を吸出し、ペーパータオルに残留液体を残さずたたいた。
2.化合物の並び図により、希釈した5X化合物溶液を、対応するウェルごとに10μl加え、ポジティブコントロール(POSITIVE)及びネガティブコントロール(NEGATIVE)ウェルには、1X PARP緩衝液(DMSOの含有量5%)が加えられた。
3.1X PARP緩衝液によりPARP酵素を15μlの溶液あたりに0.5Unit含有するまで希釈した後、ネガティブコントロールウェル以外の他のウェルに酵素溶液を15μl加え、ネガティブコントロールウェルに1X PARP緩衝液のみを加え、室温でウェルプレートを10分間培養した。
4.次に、各ウェルに25μlの1X PARP Cocktailを加えた。
5.27℃でウェルプレートを60分間培養した。
6.培養完了後、ウェル中の反応液を吸い出し、ペーパータオルに残留液体を残さずたたいた。次に、毎回ウェルごとに200μlを用いるように、0.1% Triton X−100含有PBS溶液によりウェルプレートを4回洗い流し、ペーパータオルに残留液体を残さずたたいた。
7.次いで、ウェルごとに希釈した1X Strep−HRP溶液を加えた後、27℃でウェルプレートを60分間培養した。
8.培養完了後、ウェル中の反応液を吸い出し、ペーパータオルに残留液体を残さずたたいた。次に、毎回ウェルごとに200μlを用いるように、0.1% Triton X−100含有PBS溶液によりウェルプレートを4回洗い流し、ペーパータオルに残留液体を残さずたたいた。
9.プレートの洗浄が完了した後、同じ容量のPeroxyGlow AとB溶液を均一に混合し、ウェルごとに100μl加え、直ちにプレートリーダーに入れて化学発光信号を記録した。
データ処理
各ウェルによる示度は、阻害率に転換される必要がある。化合物の阻害率は、下記の公式により算出できる。
Figure 0006740471
注:ポジティブコントロールウェルによる示度は、positiveウェルの示度であり、酵素活性100%を意味し、ネガティブコントロールウェルによる示度は、negativeウェルの示度であり、酵素0%活性を意味し、Xは、各サンプルの各濃度の示度である。
実験により、化合物式(I)のPARP−1に対する酵素レベル阻害活性IC50が1nMであり、極めて強い阻害活性を有する。

Claims (8)

  1. 4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンの医薬塩であって、前記塩は、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、イセチオン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩または硝酸塩である、医薬塩。
  2. 前記塩は、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、イセチオン酸塩である、請求項に記載の医薬塩。
  3. 4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンの塩酸塩またはメタンスルホン酸塩である、請求項1または2に記載の医薬塩。
  4. 化合物(I)と相応する酸とを酸塩基反応させて得られることを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンの医薬塩の調製方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬塩と、薬学的に許容される担体とを含む、薬物組成物。
  6. PARP活性を抑制することにより改善できる疾患の治療又は予防のための薬物の調製への、請求項1〜のいずれか1項に記載の4−(3−(4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル)−4−フルオロベンジル)フタラジン−1(ジヒドロ)−オンの医薬塩の使用。
  7. 前記疾患は癌を含む、請求項に記載の使用。
  8. 前記癌は、胃癌、膵臓癌、白血病、乳腺癌、卵巣癌、前立腺癌を含む、請求項に記載の使用。
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