以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1(以下「遊技機1」と略称する)について説明する。
[遊技機1の概略構成例]
まず、図1を参照しつつ、遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、遊技機1の概略正面図である。遊技機1は、1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機として構成されている。図1に示されるように、遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
上皿28は、発射装置(不図示)へ供給される遊技球および賞球を溜めるものである。下皿29は、遊技機1から払い出された賞球としての遊技球を溜めるものであり、遊技者が取り出しボタン23を操作すると、下皿29の下面の一部が開口して遊技球が排出される。なお、これらの皿28,29は、1つの皿で構成されてもよい。
遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計回りに回転させると、上皿28から発射装置へと案内された遊技球がレバー21の回転角度に応じた打球力で遊技領域10における上部位置へと発射される。遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技者が停止ボタン22を操作すると、遊技球の発射が一時的に停止される。
レバー21を小さい回転角で回転させた状態とする「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で発射され、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、レバー21を大きい回転角で回転させた状態とする「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で発射され、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、3つの普通入賞口14が設けられている。一方、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、ゲート16、小入賞口19、1つの普通入賞口14、大入賞口13、第2始動口12、及びスライド部材17が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って遊技領域10を流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、小入賞口19、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞する場合がある。この場合、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動領域であり、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、大当たり(いわゆる1種大当たり)か否かが判定され、その判定結果を示す図柄が表示器4の第1特別図柄表示器41(図3参照)に表示される。ここで、大当たりを示す図柄(大当たり図柄)が停止表示された場合、大入賞口13を開放する複数回(本実施形態では7回:図6(C)参照)のラウンド遊技が実行される。
第2始動口12は、常時開放されている始動領域であり、第2始動口12の前方には、スライド部材17の上を移動してきた遊技球を第2始動口12へと案内するガイド部材64(図2(B)及び(C−2)参照)が設けられている。普通電動役物としてのスライド部材17によってガイド部材64まで遊技球が案内された場合には、その遊技球が第2始動口12に入賞する(図2(C−2)〜(C−5)参照)。一方、スライド部材17によってガイド部材64まで遊技球が案内されなかった場合には、その遊技球が第2始動口12に入賞することはない。
遊技機1では、遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、大当たり(いわゆる1種当たり)か否か、小当たり(いわゆる2種当たり)か否かが判定され、その判定結果を示す図柄が表示器4の第2特別図柄表示器42(図3参照)に表示される。ここで、大当たりであることを報知する大当たり図柄が停止表示された場合には、全てのラウンド遊技に大入賞口13を用いる複数回のラウンド遊技が実行される。
一方、小当たりであることを報知する小当たり図柄が停止表示された場合には、小入賞口19を用いる小当たり遊技と、大入賞口13を用いる2ラウンド目以降のラウンド遊技とが実行される。
なお、後に詳述するが、小入賞口19の内部には、V入賞口スイッチ198(図2参照)が設けられている。このV入賞口スイッチ198は、小当たりとなった場合に、小当たり遊技を1ラウンド目と見なして2ラウンド目以降のラウンド遊技を開始させるV入賞口を形成するものである。
小当たり図柄が停止表示された場合、小入賞口19を開放する上記小当たり遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過した(すなわちV入賞した)ことを条件として、2ラウンド目のラウンド遊技が開始される。この場合、2ラウンド目以降のラウンド遊技から構成される大当たり遊技の終了時に、遊技状態が「通常遊技状態」から「時短遊技状態」に移行する。一方、上記小当たり遊技中に小入賞口19内のV入賞口スイッチ198を遊技球が通過しなかった場合は、上記2ラウンド目以降のラウンド遊技が実行されず、また、遊技状態が「時短遊技状態」に移行しない。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
また、以下の説明では、説明の便宜上、小入賞口19を開放する開放遊技から構成される遊技者に有利な有利遊技を「小当たり遊技」と呼び、大入賞口13を開放するラウンド遊技から構成される遊技者に有利な有利遊技を「大当たり遊技」と呼び、両者を区別するものとする。
<大入賞口13>
大入賞口13は、特別図柄判定の結果(1種当たりであることを報知する大当たり図柄が停止表示されたこと)に応じて開放される。また、大入賞口13は、2種当たりであることを報知する小当たり図柄が停止表示され、これに応じて実行される小当たり遊技中のV入賞口スイッチ198に対する遊技球の通過(V入賞)に応じても開放される。
この大入賞口13の開口部には、遊技機1の奥行き方向にスライド可能なスライド部材38(図2(B)参照)が設けられている。大入賞口13は、通常はこのスライド部材38によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に大当たり図柄が停止表示された場合、又は小当たり遊技中に遊技球がV入賞した場合、スライド部材38が遊技機1の奥側にスライドして大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、大入賞口13への10個の遊技球の入賞、又は大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞される長開放ラウンド遊技が所定の時間間隔で所定回数実行される。
なお、小当たり遊技中に小入賞口19内のV入賞口スイッチ198を遊技球が通過した場合にも大当たり遊技が実行されるが、この場合、小入賞口19を用いて消化される小当たり遊技が1ラウンド目と見なされ、大当たり遊技を構成する2ラウンド目以降のラウンド遊技が大入賞口13を用いて消化されることになる。
一方、小当たり遊技中にV入賞口スイッチ198を遊技球が通過しなかった場合は、大当たり遊技が開始されない。
大当たり遊技中には大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が実行され、大入賞口13に遊技球が入賞する毎に例えば12個の賞球が払い出されるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
<小入賞口19の構成について>
図2(A−1)〜(A−3)は、小入賞口19の内部構造を示す概略斜視図である。小入賞口19は、第2特別図柄判定において小当たりと判定された場合に開放される。図2に例示されるように、小入賞口19の開口部には、遊技機1の奥行き方向にスライド可能なスライド部材191が設けられている。小入賞口19は、通常はこのスライド部材191によって閉塞されている。これに対して、第2特別図柄表示器42に小当たり図柄が停止表示された場合、スライド部材191が遊技機1の奥側にスライドして小入賞口19を開放する小当たり遊技が実行される。小当たり遊技中は、小入賞口19が開放されてから15秒が経過するまでの期間に亘って、小入賞口19を10回開放する所定の開放パターン(図21参照)でスライド部材191を動作させる小当たり遊技の開放遊技が実行される。また、この開放遊技中に小入賞口19に対して10個の遊技球が入賞する(小入賞口スイッチ194(図2参照)によって10個目の遊技球が検知される)と、スライド部材191の動作が中止されて、小当たり遊技が終了する。また、所定の開放パターンでのスライド部材191の動作が終了した場合(すなわち小入賞口19が開放されてから15秒が経過した場合)にも、小当たり遊技が終了する。
上記開放遊技中は、本実施形態では、図21に例示されるように、小入賞口19を0.044秒間開放してから閉塞する短開放動作を10回繰り返す開放パターンでスライド部材191が動作する。
小当たり遊技中には小入賞口19が所定の開放パターンで開放され、小入賞口19に遊技球が入賞する毎に例えば12個の賞球が払い出されるため、遊技者は、小当たり遊技中に右打ちを行うことで、小当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
ところで、右打ちされた遊技球は、矢印33(図1参照)に例示されるように、小入賞口19上(スライド部材191の上)を移動する。この小入賞口19の上方には、図には示されていないが、遊技球が遊技機1の奥側へ移動したときに当接する左壁と、遊技球が遊技機1の手前側に移動したときに当接する右壁とが所定の間隔を隔てて設けられている。そして、これらの左壁および右壁には、小入賞口19を閉塞するスライド部材191の幅方向(遊技機1の奥行き方向)の中央に向けて突出する規制片192が設けられている(図2参照)。このため、遊技球は、スライド部材191の上を左右の規制片192に当接しながら蛇行するように流下することとなる(図2(A−1)の矢印を参照)。その結果、規制片192が設けられていない場合に比べて、スライド部材191の上に遊技球が滞在する時間を長くすることができる。したがって、上記開放遊技中に所定の開放パターン(図21参照)でスライド部材191が動作する開放遊技中において、小入賞口19の閉塞中にスライド部材191に到達した遊技球を、小入賞口19が次に開放されるまでスライド部材191の上に留まらせることが可能である。すなわち、小当たり遊技中に遊技球が小入賞口19に入賞することなくスライド部材191の上を通過してしまうことを抑制することが可能であり、小入賞口19の開放時間が0.044秒間と非常に短くても、小入賞口19に対して遊技球を容易に入賞させることが可能である。
なお、図2(A−1)〜(A−3)に例示されるように、小入賞口19の内部には、小入賞口スイッチ194、ハズレ入賞口スイッチ197、V入賞口スイッチ198、及びスライド部材195が設けられている。
小当たり遊技が行われていないときには、小入賞口19がスライド部材191によって閉塞され、V入賞口スイッチ198が開放され、且つ、ハズレ入賞口スイッチ197がスライド部材195によって閉塞されている(図2(A−1)参照)。
これに対して、小当たり遊技を構成する開放遊技が開始されると、スライド部材191が遊技機1の奥側にスライドして、小入賞口19が開放される(図2(A−2)参照)。この小入賞口19が開放された状態では、図2(A−2)に例示されるように、小入賞口19内部に進入した遊技球が、小入賞口スイッチ194を通過した後、規制部材195および右傾斜部196の上を移動してから、V入賞口スイッチ198を通過する(図2(A−2)の矢印を参照)。そして、このV入賞口スイッチ198を1個でも遊技球が通過すれば、大入賞口13を開放する2ラウンド目以降のラウンド遊技が行われる。
なお、小入賞口19内部に進入した遊技球が、左傾斜部193の上を移動してから小入賞口スイッチ194を通過する場合もある。
小当たり遊技の開放遊技中には、小入賞口スイッチ194を通過する遊技球の数がカウントされており、9個目の遊技球が小入賞口スイッチ194を通過したことを条件としてスライド部材195が遊技機1の奥側へスライドして、ハズレ入賞口スイッチ197が開放される(図2(A−3)参照)。このため、小当たり遊技中に小入賞口19内に進入した10個目の遊技球は、V入賞口スイッチ198ではなく、ハズレ入賞口スイッチ197へと案内される。
スライド部材191は、小入賞口19を開放する位置に移動した後、所定の開放パターンでの動作が終了したこと、又は10個の遊技球が小入賞口スイッチ194を通過したことを条件として、小入賞口19を閉塞する位置に復帰する。
このように、小当たり遊技球は、V入賞口スイッチ198に遊技球を通過させることが容易であるため、遊技者が右打ちを行ってさえいれば、小当たり遊技に続く大当たり遊技を容易に生起させることが可能である。
なお、小入賞口スイッチ194、ハズレ入賞口スイッチ197、V入賞口スイッチ198等が内包されている領域と対応する位置に設けられた部材に、大きな「V」の文字が表記されると共に、V入賞口スイッチ198と対応する位置に、小さな「V」の文字が表記されている(図1参照)。
このため、遊技者は、大きな「V」の文字を見て、小入賞口19がV入賞口スイッチ198を内包するVアタッカーであることを容易に認識することができる。また、小さな「V」の文字を見て、V入賞口スイッチ198の位置(V領域の位置)を容易に特定可能である。なお、上記の部材は、透明なアクリル部材等で構成されており、遊技者は、このアクリル部材を通して、小入賞口スイッチ194、スライド部材195、ハズレ入賞口スイッチ197、V入賞口スイッチ198等を視認することが可能である。
<スライド部材17>
図2(B)は、スライド部材17とその周辺の構成を例示する概略正面図であり、図2(C−1)〜(C−5)は、スライド部材17の概略平面図である。遊技領域10の右側領域において、規制壁63とガイド部材64との間に、第2始動口12に遊技球を案内するスライド部材17が設けられている。このスライド部材17は、収納位置(図2(C−1)参照)と、案内位置(図2(C−2)参照)とに移動可能に構成されている。ここで、案内位置は、スライド部材17が遊技盤2の表面から右側領域に突出した状態となることで、例えば矢印36に示されるように右側領域を流下する遊技球を支持してガイド部材64へと遊技球を案内可能な位置である。一方の収納位置は、図2(C−1)に例示されるように、スライド部材17が遊技盤2の表面から突出していない位置である。
図2(B)に例示されるように、大入賞口13がスライド部材38によって閉塞された状態では、スライド部材38の上を通過した遊技球が規制壁61に衝突して傾斜部材62の上に落下し、傾斜部材62の上を移動した後、別の規制壁63に衝突する。ここで、スライド部材17が案内位置に配置された状態であれば、規制壁63に衝突した遊技球がスライド部材17の左端部に落下する。ただし、スライド部材17は、通常は収納位置(図2(C−1)参照)に配置されている。このため、規制壁63に衝突した遊技球は、規制壁63に沿って落下し、最終的に排出口18を介して遊技領域10から排出される。
スライド部材17の右側には、スライド部材17の上を移動した遊技球を第2始動口12へと案内するガイド部材64が設けられている(図2(C−1)及び(C−2)参照)。このガイド部材64は、遊技球を支持する底部641と、スライド部材17から底部641の上まで移動してきた遊技球を遊技機1の奥側へと案内可能に湾曲した壁部642とを有して構成されている(図2(C−1)参照)。
スライド部材17が案内位置(図2(C−2)参照)に配置されている状態では、規制壁63に衝突した遊技球がスライド部材17の左端部に落下する。このスライド部材17は、スライド部材17に支持された遊技球をガイド部材64へと案内できるように傾斜している(図2(B)参照)。このため、スライド部材17が案内位置に配置された状態が所定時間(本実施形態では、約1.2秒)以上継続すれば、スライド部材17の上を移動した遊技球がガイド部材64まで到達して、第2始動口12に入賞する。
上記のように、第2始動口12は、常時開放された始動領域であるものの、スライド部材17が収納位置に配置されている場合や、スライド部材17が案内位置に配置された状態が所定時間以上継続しない場合には、規制壁63に衝突した遊技球がガイド部材64に到達することなく落下する。このため、通常は遊技球が第2始動口12に入賞することはない。
これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、スライド部材17を動作させるか否かが判定される。ここで、スライド部材17を動作させると判定された場合、スライド部材17が案内位置に移動してから規定時間が経過すると収納位置に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、スライド部材17が収納位置に配置さているときには遊技球が入賞しないのに対して、スライド部材17が案内位置に配置され、且つその状態が所定時間以上継続することで遊技球が入賞可能となる。
本実施形態の遊技機1は、後述する「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」で遊技が制御される。「時短遊技状態」で遊技が制御されているときにスライド部材17を動作させると判定された場合、スライド部材17が案内位置に配置されてから1.92秒が経過すると収納位置に戻る動作が2回行われる。
図2(C−2)は、スライド部材17が案内位置に配置された直後に、スライド部材17の左端部に遊技球が落下してきた状態を示す概略平面図である。図2(C−3)は、スライド部材17が案内位置に配置されてから0.5秒が経過したタイミングにおける遊技球の位置を例示し、図2(C−4)は、スライド部材17が案内位置に配置されてから1.0秒が経過したタイミングにおける遊技球の位置を例示している。また、図2(C−5)は、スライド部材17が案内位置に配置されてから1.2秒が経過したタイミングにおける遊技球の位置を例示している。これら図2(C−2)〜(C−5)の表記から明らかなように、時短遊技状態のときにスライド部材17を動作させると判定された場合、スライド部材17が案内位置に配置された状態が1.92秒間継続するのに対して、スライド部材17が案内位置に配置された直後に落下してきた遊技球が約1.2秒後には第2始動口12に到達する。
このため、時短遊技状態のときにスライド部材17を動作させると判定された場合は、遊技者が右打ちを行うことで、第2始動口12に対して遊技球を容易に入賞させることが可能である。
一方、「通常遊技状態」で遊技が制御されているときにスライド部材17を動作させると判定された場合、スライド部材17が案内位置に配置されてから0.036秒が経過すると収納位置に戻る動作が1回行われる。図2(C−3)の表記から明らかなように、スライド部材17が案内位置に配置された直後にスライド部材17の上に落下してきた遊技球は、スライド部材17が案内位置に配置されてから0.5秒が経過したタイミングでは、スライド部材17の中央付近までしか到達しない。このため、スライド部材17が案内位置に配置されてから0.036秒が経過してスライド部材17が収納位置に戻った場合には、遊技球がスライド部材17の上に落下した直後にスライド部材17から落下することになる。
このため、「通常遊技状態」で遊技が制御されているときにスライド部材17を動作させると判定された場合には、第2始動口12に遊技球を入賞させることは不可能である。
なお、以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数(例えば5個)の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
小入賞口19のスライド部材191の上を通過した遊技球は、遊技クギや案内部材によって振り分けられる。すなわち、右打ちされた遊技球は、矢印32,33,34(図1参照)に例示されるように流下する過程で、右側の遊技領域10に設けられた普通入賞口14に入賞し得る。また、右打ちされた遊技球は、矢印32,33,35(図1参照)に例示されるように流下する過程で、大入賞口13が開放されていれば大入賞口13に入賞するが、大入賞口13が閉塞されていれば、矢印36(図1、図2(B)参照)に例示されるように流下する。
なお、矢印36に例示されるように流下する遊技球は、時短遊技状態においてスライド部材17が案内位置に配置された状態が1.92秒間継続しているときには第2始動口12に入賞可能である一方、それ以外のときには、第2始動口12に入賞せずに排出口18を介して遊技領域10から排出される。
また、矢印32,33,34(図1参照)に例示されるように流下した遊技球が、普通入賞口14に入賞せずに、第2始動口12に向かう場合もある。
なお、遊技領域10の右側領域と、小入賞口19内部の領域とは、アクリル部材等で区画されているため、スライド部材191の上を通過した遊技球は、小入賞口19内に進入することはなく、主に上記矢印32〜35に例示されるように右側領域を流下することになる。
また、右側領域と、大入賞口13内部の領域とは、アクリル部材等で区画されているため、スライド部材38(図2(B)参照)の上を通過した遊技球は、大入賞口13内に進入することなく、傾斜部材62(図2(B)参照)の上を移動していくことになる。
[遊技機1の演出手段の構成例]
図1に示されるように、遊技盤2や枠部材3には、各種の演出を行うものとして、メイン液晶表示装置5、サブ液晶表示装置6、演出役物7、スピーカ24、枠ランプ25(図4参照)、盤ランプ37(図4参照)等が設けられている。
メイン液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、メイン液晶表示装置5の表示画面(以下「液晶画面5」と呼ぶ)は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この液晶画面5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、第1特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像(保留アイコン)、特別図柄の変動表示中であることを示唆する当該アイコン等の各種表示オブジェクトを含む演出画像を表示可能である。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
サブ液晶表示装置6は、演出画像を表示する画像表示装置であり、メイン液晶表示装置5の上方であって、メイン液晶表示装置5よりも遊技機1の前方側に配置されている。サブ液晶表示装置6としては、メイン液晶表示装置5に比べて表示画面が小さいものが用いられ、主に、大当たり信頼度を示唆する示唆演出に使用される。このサブ液晶表示装置6は、液晶画面5の中央を覆う位置へと下降可能に構成されており、例えば、大当たり信頼度が高いことを示唆する所定の示唆演出中に、当該位置へと下降する。
なお、本実施形態では、メイン液晶表示装置5およびサブ液晶表示装置6を備える場合について説明するが、画像表示装置の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
スピーカ24は、液晶画面5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
演出役物7は、液晶画面5の前方且つ側方に配置されている。演出役物7には発光素子(例えばLED)が内蔵されている。演出役物7は、役物自体の動きと光との両方或いは一方によって所定の演出を行う。演出役物7は、本実施形態では、星を模した形状に構成されており、遊技機1の奥行き方向を軸方向として回転可能に構成され、且つ、液晶画面5の側方から液晶画面5の前方へと移動可能に構成されている。
盤ランプ25は、図には表れていないが、遊技盤2の所定位置に設けられており、枠ランプ37は、枠部材3に内蔵されている。盤ランプ25および枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[遊技機1の入力手段の構成例]
枠部材3には、遊技者が入力を行うための入力手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている(図1参照)。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー27は、遊技者が選択操作やカーソル移動を行うためのいわゆる十字キーであり、上キー、下キー、左キー、及び右キーを有して構成されている。遊技機1では、演出ボタン26や演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器41には、第1特別図柄判定の判定結果を報知する図柄として、1種当たりを報知する大当たり図柄、又はハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器42には、第2特別図柄判定の判定結果を報知する図柄として、1種当たりを報知する大当たり図柄、2種当たりを報知する小当たり図柄、又はハズレ図柄が停止表示される。
ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技(又は小当たり遊技)中に第1始動口11に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定および図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態の遊技機1は、第1始動口11に遊技球が入賞しても即座に第1特別図柄判定を実行できない場合に、第1特別図柄判定の権利が保留されるように構成されており、第1特別図柄保留表示器43には、このようにして保留された第1特別図柄判定の保留数が表示される。
また、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技(又は小当たり遊技)中に第2始動口12に新たに遊技球が入賞した場合についても同様であり、第1始動口12に遊技球が入賞しても即座に第2特別図柄判定を実行できない場合に、第2特別図柄判定の権利が保留され、第2特別図柄保留表示器44には、このようにして保留された第2特別図柄判定の保留数が表示される。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器45における図柄の変動表示中など、遊技球がゲート16を通過しても普通図柄判定および普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器46には、このようして保留された普通図柄判定の保留数が表示される。
遊技状態表示器47は、遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に大当たり図柄(又は小当たり図柄)が停止表示されると、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターン(又は小当たり遊技中の小入賞口19の開放パターン)を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。また、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼んで両者を区別する場合がある。
[遊技機1の制御装置の構成]
図4は、遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図4に例示されるように、遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。
なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、スライド部材制御部113、ゲートスイッチ114、大入賞口スイッチ115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ117、小入賞口スイッチ194、小入賞口開閉部118、V入賞口スイッチ198、ハズレ入賞口スイッチ197、ハズレ入賞口開閉部119、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。スライド部材制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、スライド部材17に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、スライド部材17の動作を制御する。
ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口スイッチ115は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するスライド部材38に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
小入賞口スイッチ194は、小入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。小入賞口開閉部118は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、スライド部材191に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、小入賞口19を開閉する。V入賞口スイッチ198は、V領域に進入したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。ハズレ入賞口スイッチ197は、遊技球がハズレ領域に進入したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。ハズレ入賞口開閉部119は、スライド部材195に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、ハズレ入賞口スイッチ197(ハズレ領域)を開閉する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、普通入賞口スイッチ117、又は小入賞口スイッチ194からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
この払出制御基板は、遊技盤2の裏面側に設けられている球タンクから皿28へ賞球を送り出す駆動モータ等を有して構成されている。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。具体的には、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数を取得する。
ここでの大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。大当たり図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。
メインCPU101は、これらの乱数を取得すると、先ずは、取得した大当たり乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、大当たり遊技を実行するか否かを判定する。すなわち、大当たり(1種当たり)であるか否かを判定する。ここで、大当たり遊技を実行する(大当たり)と判定した場合には、取得した大当たり図柄乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類(図6(C)参照)を決定する。一方、大当たり遊技を実行しないと判定した場合、すなわちハズレの場合、取得したリーチ乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。また、大当たり遊技を行うか否かに関わらず、取得した変動パターン乱数が、メインROM102に記憶されているどの乱数値と一致するかに基づいて、第1特別図柄を変動表示する際の第1特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、第1特別図柄の変動時間が決定されることになる。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。具体的には、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、小当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数を取得する。
ここでの大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数は、上述した通りである。一方、小当たり図柄乱数は、小当たりであると判定された場合に、小当たりの種類を決定するための乱数である。
メインCPU101は、これらの乱数を取得すると、先ずは、取得した大当たり乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、大当たり遊技(又は小当たり遊技)を実行するか否かを判定する。すなわち、大当たり(1種当たり)又は小当たり(2種当たり)であるか否かを判定する。ここで、大当たり遊技を実行する(大当たり)と判定した場合には、取得した大当たり図柄乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類(図6(C)参照)を決定する。また、小当たり遊技を実行する(小当たり)と判定した場合には、取得した小当たり図柄乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、小当たりの種類(図6(D)参照)を決定する。一方、大当たり遊技(又は小当たり遊技)を実行しないと判定した場合、すなわちハズレの場合、取得したリーチ乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。また、大当たり遊技(又は小当たり遊技)を行うか否かに関わらず、取得した変動パターン乱数が、メインROM102に記憶されているどの乱数値と一致するかに基づいて、第2特別図柄を変動表示する際の第2特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、第2特別図柄の変動時間が決定されることになる。
なお、本実施形態では、大当たり図柄乱数および小当たり図柄乱数という2種類の乱数を用いて、大当たりの種類と小当たりの種類を決定する場合について説明するが、他の実施形態では、1種類の乱数を用いて、大当たりの種類と小当たりの種類の両方を決定するようにしてもよい。具体的には、図6(C)に例示される大当たり時の図柄決定テーブルにおいて、各大当たり乱数に対して、大当たりの種類(図6(C)に示される3種類)のみならず小当たりの種類(図6(D)に示される3種類)も対応付けておく。そして、遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得した大当たり図柄乱数が、大当たり時の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類または小当たりの種類を決定する。
メインCPU101は、大当たりであると判定した場合には、大当たりの種類の決定結果に基づいて、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU101は、小当たりであると判定した場合には、小当たりの種類の決定結果に基づいて、小入賞口制御部118を介して小入賞口19を開閉する小当たり遊技を実行する。
また、メインCPU101は、小当たり遊技中にV入賞口スイッチ198からの検知信号が入力されると、小当たり遊技に続いて、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する大当たり遊技を実行する。
そして、メインCPU101は、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)に係る大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技開始前に決定した大当たりの種類に基づいて、大当たり遊技終了後の遊技状態を制御する。
一方、メインCPU101は、第2特別図柄判定に係る小当たり遊技を実行した場合には、小当たり遊技中にV入賞口スイッチ198を遊技球が通過したことを条件として、小当たり遊技開始前に決定した小当たりの種類に基づいて、(小当たり遊技に続いて行われる)大当たり遊技終了後の遊技状態を制御する。すなわち、大当たり遊技が終了する際に、遊技状態を「時短遊技状態」に設定する。なお、小当たり遊技中にV入賞口スイッチ198を遊技球が通過しなかった場合は、大当たり遊技が実行されず、また、大当たり遊技が終了する際に行われる上記の遊技状態を「時短遊技状態」に設定する処理も行われないことから、小当たり遊技終了は「通常遊技状態」で遊技が制御される。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、スライド部材17を動作させると判定した場合、スライド部材制御部113を介してスライド部材17を動作させる。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に対して、図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技、小当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容(演出パターン)を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140やランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、統括CPU141、制御用ROM142、制御用RAM143、VDP(Video Display Processor)144、音響DSP(Digital Signal Processor)145等を有して構成されている。統括CPU141は、制御用ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出制御基板130において演出内容が設定された演出を表現する画像や音を制御する際の演算処理を行う。制御用RAM143は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
VDP144は、液晶画面5やサブ液晶表示装置6に表示される演出画像を生成する。音響DSP145は、スピーカ24から出力される音響データを生成する。統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンドと制御用ROM142に記憶されているプログラムとに基づいて制御信号を生成し、その制御信号をVDP144および音響DSP145に出力することによって、VDP144および音響DSP145の動作を制御する。
図には示されていないが、VDP144は、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像をメイン液晶表示装置5(又はサブ液晶表示装置6)に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、統括CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングでメイン液晶表示装置5(又はサブ液晶表示装置6)に出力する。
また、図には示されていないが、音響DSP145には、楽曲や音声、効果音等の演出音に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSP145によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSP145は、統括CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、演出役物7、盤ランプ25、枠ランプ37等の動作を制御する際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータおよび動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、演出役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出役物7やサブ液晶表示装置6等の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37の発光を制御する。また、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物7やサブ液晶表示装置6を動作させるモータの駆動を制御する。
また、ランプCPU151は、遊技者によって演出ボタン26または演出キー27が操作された場合に、その旨を通知する操作コマンドを演出制御基板130に送信する。
[特別図柄判定の判定結果と遊技状態の変化の説明]
次に、図5を参照しつつ、遊技機1の遊技状態について説明する。図5は、大当たりと遊技状態について説明するための説明図である。図5に例示されるように、本実施形態の遊技機1は、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」にて遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、第2始動口12に遊技球が入賞し難い低ベース状態である。本実施形態の遊技機1では、「通常遊技状態」において、スライド部材17を動作させると普通図柄判定において判定される割合が所定の割合(例えば256/256)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば8秒)に設定され、且つスライド部材17を動作させると判定された場合のスライド部材17の動作時間が相対的に短い時間(例えば0.036秒)に設定される。
一方の「時短遊技状態」は、第2始動口12に遊技球が入賞し易い高ベース状態である。本実施形態の遊技機1では、「時短遊技状態」において、スライド部材17を動作させると普通図柄判定において判定される割合が所定の割合(例えば256/256)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば0.5秒)に設定され、且つスライド部材17を動作させると判定された場合のスライド部材17の動作時間が相対的に長い時間(例えば3.84秒=1.92秒×2)に設定される。
<変動パターンの選択について>
なお、本実施形態の遊技機1では、大当たり遊技終了後の「時短遊技状態」において第2特別図柄判定および第2特別図柄の変動表示が行われる時短回数が、1回に設定される場合と、5回に設定される場合と、100回に設定される場合とがあり、「時短遊技状態」において選択される第2特別図柄の変動パターンに関しては、以下のような特徴がある。
(時短回数が1回に設定された場合)
時短回数が1回に設定された場合、その時短1回転目の第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が相対的に長い(本実施形態では130秒)変動パターンが必ず選択される。そして、この変動パターンで第2特別図柄が変動表示されているときに溜まった最大で4つの第2特別図柄判定に係る保留が消化される際には、第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンが必ず選択される。
なお、このように、第2特別図柄判定に係る保留が消化される場合には、第2特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンが選択されるが、本実施形態では、消化される第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、第2特別図柄の変動時間が1秒である変動パターンが選択され、「小当たり」である場合には、第2特別図柄の変動時間が若干長めの16秒である変動パターンが選択される。
(時短回数が5回に設定された場合)
時短回数が5回に設定された場合、時短1回転目から時短4回転目までは、第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が比較的長い変動パターンが選択される。具体的には、時短1回転目から時短4回転目に関して、第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つリーチ無しの演出を行うと決定された場合、第2特別図柄の変動時間が30秒である変動パターンが選択される。本実施形態では、この30秒の変動パターンが選択された場合、装飾図柄を2秒間変動させてから0.5秒間擬似停止させる擬似短縮変動が10回繰り返され、リーチ演出が行われることなくハズレ報知演出が行われる。
時短1回転目に関しては、以下の通りである。
すなわち、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」又は「小当たり」である場合には、第2特別図柄の変動時間が例えば60秒または35秒である変動パターンが選択される。
60秒の変動パターンが選択された場合、繰り返される擬似短縮変動のいずれかの擬似短縮変動においてリーチが成立し、リーチ成立後のリーチ演出において当たり報知演出が行われる。
一方、35秒の変動パターンが選択された場合は、上記擬似短縮変動が行われることなく、小当たり(又は大当たり)が発生したように見せ掛ける即当たり演出が行われる。この即当たり演出については、図31に基づいて後に詳述する。
また、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つリーチ有りの演出を行うと決定された場合には、第2特別図柄の変動時間が例えば60秒である変動パターンが選択される。この60秒の変動パターンが選択された場合、繰り返される擬似短縮変動のいずれかの擬似短縮変動においてリーチが成立し、リーチ成立後のリーチ演出においてハズレ報知演出が行われる。
なお、本実施形態では、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」又は「大当たり」である場合に、即当たり演出の出現率が高過ぎることで即当たり演出の興趣性が低下するのを抑制するために、35秒の変動パターンが選択される選択割合が、60秒の変動パターンが選択される選択割合よりも低い値に設定されている。
また、ここでは、説明の便宜上、リーチ演出が行われる場合に60秒の変動パターンが選択される場合を例に説明したが、例えば、60秒の変動パターンが選択された場合には10回目の擬似短縮変動でリーチが成立してリーチ演出に発展し、57秒の変動パターンが選択された場合には9回目の擬似短縮変動でリーチが成立してリーチ演出に発展し、54秒の変動パターンが選択された場合には8回目の擬似短縮変動でリーチが成立してリーチ演出に発展するというように、実際には、変動時間が異なる複数の変動パターンが用意されている。
時短2回転目〜時短4回転目に関しては、即当たり演出が行われる35秒の変動パターンが選択されない点を除き、時短1回転目と同様である。
時短5回転目に関しては、時短回数が1回に設定された場合の時短1回転目と同様に、130秒の変動パターンが必ず選択され、時短1回転目の第2特別図柄が変動表示される期間を用いて行われるRUSHチャレンジバトルと同様の演出が行われる。このRUSHチャレンジバトルについては、図24に基づいて後に詳述する。
(時短回数が100回に設定された場合)
一方、時短回数が100回に設定された場合には、第2特別図柄判定の判定結果に関わらず、第2特別図柄の変動時間が1.5秒と極めて短い変動パターンが選択される。
遊技盤2の盤面構成上、左打ちした遊技球の第1始動口11への入賞が可能である一方、右打ちした遊技球の第1始動口11への入賞は不可能である。このため、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口11への遊技球の入賞を狙った左打ちを行う。これに対して、第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定が実行される。ここで、大当たり(1種当たり)と判定された場合には、大当たりの種類が決定される。本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定に係る大当たりの種類として、「7R時短1回大当たり」、「7R時短5回大当たり」、及び「7R時短100回大当たり」の3種類が用意されている(図6(C)参照)。
「7R時短1回大当たり」になると、大入賞口13を長開放する7回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が実行され、この大当たり遊技が終了した後は、1回の第2特別図柄判定に係る第2特別図柄の変動表示が終了するまで時短遊技状態で遊技が制御される。
7Rの大当たり遊技が終了するまでは、通常遊技状態で遊技が制御されている。このため、大当たり遊技中に遊技者が右打ちを行っているにも拘わらず第2特別図柄判定の権利が保留されることはなく、大当たり遊技終了時に第1特別図柄判定の権利が保留されていれば、第1特別図柄判定および第1特別図柄の変動表示が行われることになる。この場合、装飾図柄表示領域50(図23参照)に装飾図柄を表示することなく、小図柄表示領域53に表示される3つの小図柄を用いて、第1特別図柄判定の判定結果が報知される。
これに対して、大当たり遊技が終了すると、時短遊技状態で遊技が制御されることから、遊技者が右打ちを行うことで第2始動口12に遊技球を容易に入賞させることが可能になる。そして、遊技球が第2始動口12に入賞して、第1特別図柄判定に係る権利と第2特別図柄判定に係る権利の両方が保留された状態となった場合には、第1特別図柄判定に係る権利よりも第2特別図柄判定に係る権利の方が優先して消化される。
大当たり遊技が終了した後に遊技球が第2始動口12に入賞した場合、小当たり(又は大当たり)であるか否かを判定する第2特別図柄判定が行われると共に、第2特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理が行われるが、ここでは、第2特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターン(例えば変動時間が130秒の変動パターン)が必ず選択される。このため、7Rの大当たり遊技が終了した後の第2特別図柄が変動表示される期間(例えば130秒間)は時短遊技状態が継続することになり、遊技者は、ゲート16および第2始動口12を狙った右打ちを行うことによって、第2特別図柄判定の権利を4つ溜めることが可能である。このため、「7R時短1回大当たり」となった場合には、7Rの大当たり遊技が終了した後に、5回(=1回+4回)の第2特別図柄判定が実行されることになる。
「7R時短5回大当たり」になると、大入賞口13を長開放する7回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が実行され、この大当たり遊技が終了した後は、5回の第2特別図柄判定に係る第2特別図柄の変動表示が終了するまで時短遊技状態で遊技が制御される。
7Rの大当たり遊技が終了した後は、小当たり(又は大当たり)であるか否かを判定する5回の第2特別図柄判定が行われるが、5回目の第2特別図柄判定が行われると、上記の時短1回の場合と同様に、第2特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンが選択される場合がある。このため、7R大当たり遊技が終了した後の5回目の第2特別図柄が変動表示される期間(例えば130秒間)が終了するまで時短遊技状態が継続することになり、遊技者は、ゲート16および第2始動口12を狙った右打ちを行うことによって、第2特別図柄判定の権利を4つ溜めることが可能である。
このため、「7R時短5回大当たり」となった場合には、7Rの大当たり遊技が終了した後に、9回(=5回+4回)の第2特別図柄判定が実行されることになる。
一方、「7R時短100回大当たり」になると、大入賞口13を長開放する7回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が実行され、この大当たり遊技が終了した後は、100回の第2特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態が継続する。このように、時短回数が100回に設定された場合には、第2特別図柄の変動時間が1.5秒と極めて短い変動パターンが選択される。そして、第2特別図柄判定に係る小当たり確率が1/7.5(=40/300:図6(B)参照)であることから、時短回数が100回に設定された場合には、大当たり遊技が終了してから短時間で小当たりが発生し易いという特徴がある。
このように、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりになると、本実施形態の遊技機1は、必ず時短遊技状態に移行して、時短回数(大当たりの種類)に応じて、5回(=時短1回+4つの保留)、9回(=時短5回+4つの保留)、又は100回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われる。
ここで、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となった場合にも、今回の大当たりに応じた大当たり遊技の終了後は、再び時短遊技状態で遊技が制御されることになる(図5参照)。
ところで、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合には、小当たりの種類が図6(D)に例示される「4R時短5回小当たり」、「12R時短5回小当たり」、及び「16R時短100回小当たり」のいずれかに決定される。すなわち、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となった場合には、時短回数が5回または100回に設定される。
これに対して、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に、大当たりの種類を「7R時短1回大当たり」(図6(C)参照)に決定してしまうと、時短が1回しか付与されないことから、1/300という小当たりに比べて低い確率の第2特別図柄判定に係る大当たりを引き当てたにも拘わらず、小当たりを引き当てた場合に比べて遊技者が不利になってしまうという問題が生じる可能性がある。
このため、他の実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となった場合には、時短1回の大当たりが選択され得る一方で、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となった場合には、時短1回の大当たりが選択されない構成を採用してもよい。具体的には、図6(C)に例示される図柄決定テーブルを第1特別図柄判定専用の図柄決定テーブルとして用い、この図柄決定テーブルとは別の図柄決定テーブルを参照して、第2特別図柄判定に係る大当たりの種類を、「4R時短5回大当たり」、「12R時短5回大当たり」、及び「16R時短100回大当たり」のいずれかに決定するといった構成を採用することが一例として挙げられる。
一方、第2特別図柄判定の判定結果が小当たり(2種当たり)となった場合には、小入賞口19を開放する開放遊技を含む小当たり遊技が行われる。この開放遊技については、図2に基づいて上述した通りであるが、この小当たり遊技の開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過するとV入賞となり、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が実行され、この大当たり遊技が終了した後は、再び時短遊技状態で遊技が制御されることになる(図5参照)。
なお、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となった場合には、1ラウンドから最終ラウンドまでの全てのラウンド遊技に大入賞口13を用いる大当たり遊技が実行され、この大当たり遊技が終了した後は、再び時短遊技状態で遊技が制御される(図5参照)。
一方、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となった場合には、小入賞口19を用いて小当たり遊技が実行される。ここで、小当たり遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過してV入賞した場合には、大入賞口13を用いて2ラウンド目以降のラウンド遊技を消化する大当たり遊技が実行される。そして、大当たり遊技終了後は時短遊技状態で遊技が制御される(図5参照)。ただし、小当たり遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった(V入賞しなかった)場合には、2ラウンド目以降のラウンド遊技は行われず、小当たり遊技の終了後は、通常遊技状態で遊技が制御されることになる(図5参照)。
なお、設定された時短回数の第2特別図柄判定が行われても、第2特別図柄判定の結果が小当たり又は大当たりとならなかった場合も、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に移行することになる。また、時短遊技状態において実行された第1特別図柄判定と第2特別図柄判定との合計回数が規定回数に達した場合にも、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に移行することになる。なお、これらの時短遊技状態に係る終了条件については、図20に基づいて後に詳述する。
[乱数による判定方法の説明]
次に、図6を参照しつつ、遊技制御基板100のメインCPU101(図14参照)によって実行される乱数を用いた判定について説明する。ここで、図6は、メインROM102に記憶された特別図柄判定に使用される各種テーブルについて説明するための説明図である。なお、図6では、説明の便宜上、各乱数の取り得る範囲が実際よりもかなり少なく、また、メインROM102に記憶されている各乱数が連続した値として記憶されている場合を例に説明を行う。
図6(A)は、第1特別図柄判定に使用される大当たり判定テーブルについて説明するための説明図である。図6(A)に示される大当たり乱数は、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として実行される第1特別図柄判定に使用される乱数である。本実施形態では、大当たり乱数の取り得る範囲が「0」〜「299」であるのに対して、大当たりの当選値として1個の乱数値「0」が記憶され、非当選値として299個の乱数値「1」〜「299」が記憶されている。このため、通常遊技状態のときに行われる第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなる確率は、1/300である。
図6(B)は、第2特別図柄判定に使用される大当たり判定テーブルについて説明するための説明図である。図6(B)に示される大当たり乱数は、遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として実行される第2特別図柄判定に使用される乱数である。本実施形態では、大当たり乱数の取り得る範囲が「0」〜「299」であるのに対して、大当たりの当選値として1個の乱数値「0」が記憶され、小当たりの当選値として40個の乱数値「1」〜「40」が記憶され、非当選値として259個の乱数値「41」〜「299」が記憶されている。このため、時短遊技状態のときに行われる第2特別図柄判定の判定結果が大当たりとなる確率は1/300であるのに対して、小当たりとなる確率は1/7.5(=40/300)である。
すなわち、上記「7R時短1回大当たり」となった場合には、5回(=1回+保留の4回)の第2特別図柄判定のいずれかで1/7.5の小当たりを引き当てれば良いため、時短遊技状態の継続率は約51.1%である。
また、上記「7R時短5回大当たり」となった場合には、9回(=5回+保留の4回)の第2特別図柄判定のいずれかで1/7.5の小当たりを引き当てれば良いため、時短遊技状態の継続率は約72.4%と更に高くなる。
また、上記「7R時短100回大当たり」となった場合には、100回の第2特別図柄判定のいずれかで1/7.5の小当たりを引き当てれば良いため、時短遊技状態の継続率はより一層高くなる。
なお、設定1〜設定6のいずれかに設定可能な確率設定スイッチを遊技制御基板100に設けて、設定によって大当たり確率(図5に例示される1種大当たりとなる確率)を異ならせることが可能な構成を採用してもよい。この場合、例えば、設定1に設定すると大当たり確率が1/300となり、設定2に設定すると大当たり確率が1/290となり、設定3に設定すると大当たり確率が1/280となり、設定4に設定すると大当たり確率が1/270となり、設定5に設定すると大当たり確率が1/260となり、設定6に設定すると大当たり確率が1/250となる構成が一例として挙げられる。
ただし、設定によって1種当たりの確率を変更するものの、2種当たり(すなわち小当たり)の確率を変更しないことが好ましい。このように、2種当たりの確率を変更しないことによって、1種当たりの確率に関する設定を変更した場合に、時短遊技状態の継続率が変化するのを抑制することが可能であり、遊技機の性能が大きく変化することを防止可能である。
図6(C)は、特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、その大当たりの種類を決定するために参照される図柄決定テーブルについて説明するための説明図である。
第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合、又は第2特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合、大当たり乱数と一緒に取得した大当たり図柄乱数に基づいて、大当たりの種類が決定される。この大当たりの種類は、上述した「7R時短1回大当たり」、「7R時短5回大当たり」、及び「7R時短100回大当たり」の3種類である。
本実施形態では、図6(C)に例示されるように、大当たり時の図柄決定テーブルでは、大当たり図柄乱数の取り得る範囲が「0」〜「99」の100個であるのに対して、「7R時短1回大当たり」に対して「0」〜「84」の85個の乱数値が対応付けられ、「7R時短5回大当たり」に対して「85」〜「98」の14個の乱数値が対応付けられ、「7R時短100回大当たり」に対して「99」の1個の乱数値が対応付けられている。
このため、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果が大当たりとなった場合には、85/100(=85%)の割合で「7R時短1回大当たり」に決定され、14/100(=14%)の割合で「7R時短5回大当たり」に決定され、1/100(=1%)の割合で「7R時短100回大当たり」に決定される。
図6(D)は第2特別図柄判定の判定結果が小当たりとなった場合に、その小当たりの種類を決定するために参照される図柄決定テーブルについて説明するための説明図である。
第2特別図柄判定の判定結果が小当たりとなった場合、大当たり乱数等と一緒に取得した小当たり図柄乱数に基づいて、小当たりの種類が決定される。この小当たりの種類は、「4R時短5回小当たり」、「12R時短5回小当たり」、及び「16R時短100回小当たり」の3種類である。
「4R時短5回小当たり」になると、小入賞口19を開放する開放遊技を含む小当たり遊技が実行され、この開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過すると、小当たり遊技に続いて、大入賞口13を長開放する3回(=4回−開放遊技の1回)の長開放ラウンド遊技(2ラウンド〜最終ラウンドまでのラウンド遊技)を含む大当たり遊技が実行される。そして、この大当たり遊技が実行された後は、5回の第2特別図柄判定に係る第2特別図柄の変動表示が終了するまで時短遊技状態で遊技が制御される。
「12R時短5回小当たり」になった場合は、小当たり遊技に続いて実行される大当たり遊技の長開放ラウンド遊技の回数が3回ではなく11回(=12回−開放遊技の1回)である点を除いて、「4R時短5回小当たり」になった場合と同様である。
なお、これらの「4R時短5回小当たり」や「12R時短5回小当たり」となった場合は、5回目の第2特別図柄判定に係る第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が相対的に長い(例えば130秒)変動パターンが選択されるため、5回目の第2特別図柄の変動表示が行われている間に、第2特別図柄判定の権利を4つまで溜めることが可能である。
一方、「16R時短100回小当たり」になると、小入賞口19を開放する開放遊技を含む小当たり遊技が実行され、この開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過すると、小当たり遊技に続いて、大入賞口13を長開放する15回(=16回−開放遊技の1回)の長開放ラウンド遊技(2ラウンド〜最終ラウンドのラウンド遊技)を含む大当たり遊技が実行される。そして、この大当たり遊技が実行された後は、100回の第2特別図柄判定が実行されるまで時短遊技状態で遊技が制御される。
本実施形態では、図6(D)に例示されるように、小当たり時の図柄決定テーブルでは、小当たり図柄乱数の取り得る範囲が「0」〜「99」の100個であるのに対して、「4R時短5回小当たり」に対して「0」〜「34」の35個の乱数値が対応付けられ、「12R時短5回小当たり」に対して「35」〜「89」の55個の乱数値が対応付けられ、「16R時短100回小当たり」に対して「90」〜「99」の10個の乱数値が対応付けられている。
このため、第2の判定結果が小当たりとなった場合には、35/100(=35%)の割合で「4R時短5回小当たり」に決定され、55/100(=55%)の割合で「12R時短5回大当たり」に決定され、10/100(=10%)の割合で「16R時短100回小当たり」に決定される。
なお、ここまでの説明で示した、大当たり確率、小当たり確率、ハズレ確率、各種の大当たりが選択される確率、各種の小当たりが選択される確率、普通図柄判定においてスライド部材17を動作させると判定される確率、普通図柄の変動時間、スライド部材17の動作時間等は単なる一例であって、他の数値であってもよいことは言うまでもない。
[通常遊技状態における液晶画面5の画面構成例]
図7は、通常遊技状態における液晶画面5の画面構成を例示する画面図である。上述した通常遊技状態で遊技が制御されているときには、図7に例示されるように、液晶画面5には、装飾図柄表示領域50、保留アイコン表示領域51、当該領域52、及び小図柄表示領域53が形成される。
なお、特別図柄の変動表示中において、装飾図柄表示領域50などに表示される装飾図柄や、小図柄表示領域53に表示される小図柄が、完全には静止せずにその場で揺れるように微動し続ける場合がある。一方、特別図柄が停止表示されているときには、装飾図柄や小図柄も完全に静止した状態となっているる。このため、以下の説明では、装飾図柄や小図柄が完全に静止した状態を「本停止」と呼び、装飾図柄や小図柄が完全には静止せずにその場で微動し続けることを「擬似停止」と呼んで、両者を明確に区別するものとする。
<装飾図柄表示領域50と装飾図柄について>
装飾図柄表示領域50は、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄が表示される表示領域である。特別図柄が停止している状態では、装飾図柄表示領域50には、例えば、1〜9の数字が下から上へ縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄の図柄列の一部が横方向に3つ並ぶように本停止している(例えば図9(A)参照)。この状況で、例えば、第1始動口11に遊技球が入賞すると第1特別図柄判定が実行され、これに応じて、第1特別図柄の変動表示および装飾図柄の変動表示が開始される(例えば図9(B)参照)。そして、第1特別図柄の変動表示の終盤になると、第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で3つの装飾図柄が擬似停止し、第1特別図柄判定の判定結果を報知する第1特別図柄が停止表示されるのに伴い、上記3つの装飾図柄が本停止する。
装飾図柄には、以下のような特徴がある。
すなわち、装飾図柄には、特別図柄が停止表示される所定時間前に、特別図柄判定の判定結果を報知する態様で擬似停止し、特別図柄が停止表示されるのに伴って、特別図柄判定の判定結果を報知する態様で本停止するという特徴がある。
また、装飾図柄には、特別図柄の変動表示中において、例えば、後述するSPSPリーチ中やストーリーリーチ中において、非表示の状態になることがあるという特徴がある。
また、装飾図柄は、特別図柄判定の判定結果を示す態様で擬似停止してから本停止するというのが基本であるのに対して、例外として、擬似停止なしで本停止する場合がある。具体的には、大当たり遊技終了後の時短回数が100回に設定された場合には、第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が1.5秒である変動パターンが選択され、第2特別図柄が1.5秒間変動表示されている間は、装飾図柄が擬似停止せずに各図柄列のスクロール表示が継続される。
また、時短回数が1回に設定された場合の1回転目の第2特別図柄の変動表示中において、装飾図柄がリーチ成立後は非表示となり(図27(B)〜(G)、図28(A)参照)、この1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合には、小当たりを示す態様で再度表示される(図28(C)参照)。これに対して、1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、リーチ成立から第2特別図柄の変動表示が終了した後も装飾図柄が非表示のままとなり、第2特別図柄の停止表示に伴って、3つの小図柄によって第2特別図柄判定の判定結果が報知される(図28(A)、(E)、及び(F)参照)。なお、このことは、時短回数が1回に設定された場合の5回転目の第2特別図柄の変動表示についても同様である。
また、上記時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中に溜まった第2特別図柄判定の保留が消化された場合に、その第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であれば、第2特別図柄の変動表示中と、第2特別図柄の停止から確定時間が経過するまでの間において、装飾図柄が表示されない(図28(G)〜(H)、図29(A)〜(F)参照)。これに対して、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であれば、第2特別図柄の変動表示が終了する前に、小当たりであることを報知する態様の3つの装飾図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄が停止表示されるのに伴い、上記3つの装飾図柄が本停止する(図25(B)、図30(G)及び(H)参照)。なお、3つの装飾図柄の変動表示が開始されてから3つの装飾図柄が本停止するまでに間に、装飾図柄を用いた図柄昇格演出が行われる場合がある。
なお、これらのことは、時短回数が5回に設定された場合の、時短5回転目の第2特別図柄の変動表示中に溜まった第2特別図柄判定の保留が消化される場合についても同様である。
なお、以下の説明では、装飾図柄の変動表示を含めて装飾図柄表示領域50を用いて行われる演出を「変動演出」と呼ぶ場合がある。また、3つの図柄列の左列に表示される装飾図柄を「左図柄」と呼び、中列に表示される装飾図柄を「中図柄」と呼び、右列に表示される装飾図柄を「右図柄」と呼ぶ場合がある。
<小図柄表示領域53と小図柄について>
小図柄表示領域53は、第1特別図柄(又は第2特別図柄)が変動表示中であるか否かを示す3つの小図柄が表示される表示領域であって、装飾図柄が表示される装飾図柄表示領域50よりも小さい表示領域である。小図柄表示領域53では、特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始されるのに伴って、左小図柄、中小図柄、及び右小図柄の3つの小図柄の変動表示が開始される(例えば図10(A)及び(B)参照)。そして、特別図柄および装飾図柄が本停止するのに伴い、3つの小図柄が特別図柄判定の判定結果を示す態様で本停止する(例えば図12(F)参照)。
なお、この小図柄は、装飾図柄表示領域50に表示される装飾図柄と比較すると、以下の点で異なる。すなわち、装飾図柄は、1〜9の数字が下から上へ縦方向に連続して記された数列からなる図柄列が、その図柄列を構成する一部の図柄が液晶画面5に表示されるように、横方向に3列表示されたものである。これに対して、小図柄は、左小図柄、中小図柄、及び右小図柄の3つの小図柄が横1列に並べて配置されたものであり、各小図柄は、液晶画面5の上下方向を軸方向として上から見た場合に、例えば反時計周りに回転することによって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1、2・・・の順で各小図が示す数字が変化する。すなわち、各小図は、その表示位置がほぼ変化しないという点で、装飾図柄と異なる。
また、装飾図柄については、例えばリーチ演出が発展することによって、その表示領域が装飾図柄表示領域50から変更される場合があるが(例えば図10(E)及び(F)参照)、各小図柄は、その表示領域が小図柄表示領域53から変更されることはない。
また、図には示されていないが、装飾図柄表示領域50に表示される各装飾図柄が、数字に対してその数字に特有のキャラクタが付加された装飾性の高い図柄として構成されているのに対して、小図柄は、数字のみから構成された装飾性の低い図柄である点で、装飾図柄と異なる。
また、装飾図柄は、特別図柄の変動表示が開始されるときと終了するときとを除く所定の期間において非表示になることがある(例えば図11(D)参照)。また、図28(E)〜(H)、図29(A)〜(F)、図30(C)〜(F)に例示されるように、特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまで、一切表示されない場合もある。
これに対して、小図柄は、特別図柄の変動表示中と、特別図柄の停止表示中には、非表示になることがないという点でも、装飾図柄と異なる。
また、装飾図柄を用いて行われる全回転演出では、3つの装飾図柄が同期することがあり、全回転演出では、「111」、「222」、「333」等の各列の装飾図柄が揃った状態で各図柄列がスクロール表示される。
これに対して、左小図柄、中小図柄、及び右小図柄は、全回転演出中を除けば、同期することがないという特徴がある。具体的には、これら3つの小図柄がそれぞれ高速回転しているときに、各小図柄が同じ数字を同時に示すことがないという特徴がある。
また、通常遊技状態において、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、第1特別図柄の変動表示中にリーチ演出が行われない場合には、装飾図柄は、第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で擬似停止してから、第1特別図柄の停止表示に伴って本停止する。これに対して、3つの小図柄は、第1特別図柄の変動表示の開始から終了まで高速回転を継続し、第1特別図柄の停止表示に伴って本停止する。このことは、第1特別図柄の変動表示中にリーチ演出が行われるものの、そのリーチ演出が大当たり信頼度の低い例えばノーマルリーチやSPリーチが行われる場合についても同様である。
一方、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、第1特別図柄の変動表示の終盤で、大当たりを示す態様で装飾図柄が擬似停止するのに伴い、3つの小図柄も同様に大当たりを示す態様で擬似停止する(例えば図9(F)参照)。
また、第1特別図柄の変動表示中において、SPSPリーチやストーリーリーチといった大当たり信頼度が高いリーチ演出に発展した場合は、装飾図柄が非表示になると共に、3つの小図柄のうちの左小図柄および右小図柄がリーチ態様で擬似停止し、中小図柄だけが高速回転を継続する。
また、時短回数が100回に設定された場合は、第2特別図柄の変動時間が1.5秒と極めて短い変動パターンが選択される。このため、この1.5秒の変動パターンで第2特別図柄が変動表示されてから停止表示される際には、装飾図柄と同様、第2特別図柄の変動表示中に小図柄が擬似停止せず、第2特別図柄の停止表示に伴って、小図柄が本停止する。
また、時短回数が1回または5回に設定された場合に、時短遊技状態での最終変動中に溜まった第2特別図柄判定に係る保留が通常遊技状態に移行してから消化される場合には、第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が1秒と更に短い変動パターンが選択される。このため、この1秒の変動パターンで第2特別図柄が変動表示されてから停止表示される際には、第2特別図柄の変動表示中に小図柄が擬似停止せず、第2特別図柄の停止表示に伴って、小図柄が本停止する(例えば図25(C)参照)。そして、保留されていた第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、第2特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、装飾図柄が表示されないという特徴がある(図28(G)〜(H)、図29(A)〜(F)参照)。
その一方で、保留されていた第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合には、第2特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、第2特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄(及び小図柄)が擬似停止してから、第2特別図柄の停止表示に伴って、これらの装飾図柄(及び小図柄)が本停止する(図25(B)の最終変動、図30(G)〜(H)参照)。
なお、装飾図柄と小図柄とには、以下のような共通点がある。
すなわち、小図柄が示す数字と装飾図柄が示す数字とが同じである場合には、これらの小図柄および装飾図柄の色も共通しているという特徴がある。例えば、装飾図柄表示領域50に表示される1図柄が水色であり、次に表示される2図柄が青色であり、その次に表示される3図柄が紫色であるような場合には、各小図柄は、その小図柄が1を示しているときには水色で表示され、その小図柄が2を示しているときには青色で表示され、その小図柄が3を示しているときには紫色で表示される。このため、各小図柄(左小図柄、中小図柄、及び右小図柄)は、回転によって示す数字が切り替わる毎にその色が変化する。
図7の説明に戻ると、通常遊技状態で遊技が制御されているときに遊技者が左打ちを行って第1始動口11に遊技球が入賞すると、その入賞に応じて取得された取得情報(大当たり乱数等)に基づいて第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で停止表示される。これに対して、液晶画面5では、以下のような演出が行われる。
すなわち、まず、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、装飾図柄および小図柄の変動表示が開始される。具体的には、第1特別図柄の変動表示が開始されると、複数の装飾図柄から構成される3つの図柄列が上から下へのスクロールするように、装飾図柄の変動表示が開始され、3つの小図柄が高速回転を開始する(例えば図10(A)及び(B)参照)。なお、以下の説明では、装飾図柄の変動表示を含めて装飾図柄表示領域50を用いて行われる演出を「変動演出」と呼ぶ場合がある。
そして、スクロールの開始から所定時間が経過すると、全ての装飾図柄が本停止するのに先立って、例えば、左列の装飾図柄である左図柄が擬似停止し、右列の装飾図柄である右図柄も擬似停止する。このように、左図柄および右図柄が擬似停止した際に、これらの装飾図柄が同一の図柄ではない場合には、リーチ成立とはならず、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知する3つの装飾図柄(例えば、「254」といったバラケ目)が有効ライン上に擬似停止した状態となり、「ハズレ」を示す第1特別図柄の停止表示に伴って、擬似停止していた3つの装飾図柄が本停止する。この場合、3つの小図柄は、第1特別図柄の変動表示中は高速回転を継続し、「ハズレ」を示す第1特別図柄の停止表示に伴って、3つの装飾図柄と同じ出目を示す態様で3つの装飾図柄と同時に本停止する。
なお、このようにリーチ無し演出が行われる場合、3つの小図柄は、第1特別図柄の変動表示中に、基本的には擬似停止することなく高速回転を継続し(例えば図9(B)及び(C)参照)、第1特別図柄の停止表示に伴って、3つの装飾図柄と同じ出目を示すように本停止する(例えば図12(H)参照)。
ただし、後述するSPSPリーチ中やストーリーリーチ中は、液晶画面5に装飾図柄が表示されない期間があるため、この期間中には、3つの小図柄がリーチ態様で擬似停止する(例えば図11(D)参照)。
装飾図柄表示領域50において、左図柄および右図柄として同一の装飾図柄が擬似停止すると、リーチ成立となる(例えば図10(C)参照)。このようにしてリーチが成立すると、リーチ図柄(左図柄および右図柄)と同じ装飾図柄が中図柄として中列に停止して図柄揃いになるのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる。なお、リーチが成立したときには、3つの小図柄は高速回転を継続しており(例えば図9(C)参照)、ノーマルリーチやSPリーチに発展した場合は、3つの小図柄が高速回転を継続し、SPSPリーチ中やストーリーリーチに発展すると、3つの小図柄がリーチ態様で擬似停止する。
ここで、第1特別図柄の変動表示が開始される際に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、第1特別図柄の変動表示中は液晶画面5においてリーチ演出が行われ、ハズレを報知すべくリーチハズレ目(例えば「343」)を示す3つの装飾図柄が擬似停止し、第1特別図柄の停止表示に伴って、これら3つの装飾図柄(及び3つの小図柄)が本停止する。一方、リーチ演出が行われない場合には、上記のバラケ目を示す3つの装飾図柄が擬似停止し、第1特別図柄の停止表示に伴って本停止する。このように、大当たり遊技を実行しないと判定された場合、ハズレを示す態様で3つの装飾図柄を擬似停止させてから本停止させてハズレを報知する「ハズレ報知演出」が実行される。
このハズレ報知演出が実行された場合は、大当たり遊技は実行されず、第1特別図柄判定の権利が保留されていれば、その第1特別図柄判定および第1特別図柄の変動表示が直ちに開始される。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、第1特別図柄の変動表示中にリーチ演出が実行され、大当たりを示す態様(例えば「333」や「777」といったゾロ目)で3つの装飾図柄が擬似停止し、第1特別図柄の停止表示に伴って本停止する。これに対して、3つの小図柄は、3つの装飾図柄と同期するように大当たりを示す同じ態様で擬似停止し(図9(F)参照)、第1特別図柄の停止表示に伴って、3つの装飾図柄と共に本停止する。このように、大当たり遊技を実行すると判定された場合、大当たりを示す態様で3つの装飾図柄を擬似停止させてから本停止させて大当たりを報知する「当たり報知演出」が実行される。この当たり報知演出が実行された場合には、大当たり遊技が実行される。
<保留アイコン表示領域51>
保留アイコン表示領域51は、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンが表示される領域である。遊技機1では、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中といった、特別図柄判定および特別図柄の変動表示を直ちに開始できない状況で第1始動口11に遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄判定の権利が所定数(本実施形態では4つ)を上限として保留される。
このように、第1特別図柄判定の権利が保留された場合、第1保留領域51には、第1特別図柄保留表示器43が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。図7には、第1特別図柄判定の保留数が最大の「4」であることを示唆するために、保留アイコン表示領域51に4つの保留アイコンが表示された状態が例示されている。なお、図7では、保留アイコンが表示される順番を分かり易く表現するために、各保留アイコンに数字が付されているが、実際には、数字を含まない保留アイコンが表示される。
なお、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的に第2始動口12に遊技球が入賞することがなく、このため、第2特別図柄判定の権利が保留されることもなく、液晶画面5に第2特別図柄判定に係る保留アイコンが表示されたり、この保留アイコンを表示するための表示領域が形成されたりすることはない。また、時短遊技状態で遊技が制御されているときには、第2特別図柄判定の権利が保留されるものの、その保留に対応する保留アイコンが表示されることはない。したがって、第1特別図柄判定に係る保留アイコンと第2特別図柄判定に係る保留アイコンとを区別する必要がないため、以下の説明では、第1特別図柄判定に係る保留アイコン(保留アイコン表示領域51に表示される保留アイコン)を単に「保留アイコン」と呼ぶものとする。
(保留アイコンの表示態様の変化について)
ところで、本実施形態では、保留アイコンは、通常は白色の保留アイコンとして表示される。これに対して、保留アイコンが保留アイコン表示領域51に表示されているときにその保留アイコンの表示態様(例えば表示色)を変化させる演出が行われる場合がある。この演出が行われた場合、白色の保留アイコンが、青色、緑色、赤色、金色といった大当たり信頼度を示唆する色の保留アイコンに変化する。ここで例示した色は、大当たり信頼度が低いものから順に並んでいる。金色や赤色は、大当たりの場合に選択され易い一方でハズレの場合には選択され難く、また、特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合に選択され易い。緑色は、「大当たり」となる場合や「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が中程度の時間に設定される場合に選択され易い。青色は、「ハズレ」である場合や「ハズレ」であって且つ特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合に選択され易い。
なお、本実施形態では、金色の当該アイコン(図16(E)参照)に関しては、他の表示色の当該アイコンと表示色および形状が異なっている場合を例に説明を行う。また、ここでは、保留アイコンの表示色が1回変化する場合を例に説明したが、例えば、白色の保留アイコンが青色の保留アイコンに変化し、この青色の保留アイコンが後に赤色の保留アイコンに変化するというように、1つの保留アイコンの表示色を複数回変化させる演出が行われる場合もある。また、ここでは、保留アイコンの表示が開始されたときには白色であった保留アイコンの表示色が他の表示色に変化する場合について説明したが、新たに表示された保留アイコンの表示色が初めから白色とは異なる他の表示色である場合もあり、この他の表示色の保留アイコンの表示色を変化させる演出が行われる場合もある。
ここまで、保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコンの表示色を変化させる演出について説明したが、後述する当該領域52に表示された当該アイコンに対しても同様の演出が行われる場合がある。
本実施形態では、アイコン(保留アイコン又は当該アイコン)の表示態様を変化させる演出が、アイコンの表示色を変化させる演出(例えば図14(C)〜(H)参照)や、アイコンの表示色および形状を変化させる演出(例えば図15(H)、図16(A)〜(E)参照)である場合について説明する。
ただし、アイコンの表示態様を変化させる演出は、保留アイコン(又は当該アイコン)の表示色、形状、及び大きさの少なくともいずれか1つを変化させるものであればよく、例えば、保留アイコン又は当該アイコンの大きさのみを変化させる演出や、保留アイコン又は当該アイコンの(表示色を変化させずに)形状および大きさを変化させる演出であってもよい。
<当該領域52について>
当該アイコン表示領域52(以下「当該領域52」と略称する)は、第1特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像としての当該アイコンを表示する領域である。当該アイコンは、第1特別図柄の変動表示の開始に伴って当該領域52に表示され、例えば、第1特別図柄が停止表示されるタイミングで当該領域52から消去される。なお、当該アイコンの消去タイミングはこれに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示中に当該アイコンを消去してもよい。例えば、SPSPリーチ発展時やストーリーリーチ発展時に当該アイコンを消去することが考えられる。
なお、保留アイコン表示領域51に表示されている最先の保留アイコン(当該領域52に最も近い「1」の番号を含む保留アイコン:図7参照)に対応する第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示に開始に伴って、その保留アイコンが当該領域52にシフトして、当該アイコンとして表示されることになる。その際、保留アイコン表示領域51に他の保留アイコンが表示されている場合には、それらの保留アイコンは、保留アイコン表示領域51内において、当該領域52に近づく方向にシフトする。
[第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れ]
図8は、リーチ演出の流れを例示する説明図である。メインCPU101による第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示される。これに対して、液晶画面5では、第1特別図柄の変動表示に伴い、装飾図柄表示領域50(図7参照)における装飾図柄の変動表示が開始される(図8(A)参照)。この装飾図柄の変動表示の開始については、図7に基づいて上述した通りである。
第1特別図柄判定の判定結果がハズレである場合、第1特別図柄の変動表示中にリーチが成立することなく、装飾図柄表示領域50にハズレを示す3つの装飾図柄(例えばバラケ目)を擬似停止させてから、ハズレを示す第1特別図柄の停止表示に伴って、3つの装飾図柄を本停止させる当落報知演出が行われることがある(図8(B)参照)。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合と、第1特別図柄判定の判定結果がハズレであるものの(リーチ乱数に基づいて)リーチ演出を行うことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示中に、有効ライン上に同一の左図柄および右図柄が擬似停止してリーチが成立する(図8(C)参照)。そして、このようにしてリーチが成立すると、リーチ図柄(左図柄および右図柄)と同じ装飾図柄が中図柄として有効ライン上に停止して図柄揃いとなることに対する遊技者の期待感を高める所定のリーチ演出が行われる。
本実施形態では、第1特別図柄の変動表示に伴って実行され得るリーチ演出として、ノーマルリーチ演出(以下「ノーマルリーチ」と略称する)、SPリーチ演出(以下「SPリーチ」と略称する)、SPSPリーチ演出(以下「SPSPリーチ」と略称する)、及びストーリーリーチ演出(以下「ストーリーリーチ」と略称する)の4種類のリーチ演出が用意されている。
ノーマルリーチ(図8(D)参照)は、大当たり信頼度が相対的に低いリーチ演出(例えば、大当たり信頼度:約2%)である。リーチ成立からノーマルリーチに発展すると、2つのリーチ図柄(左図柄および右図柄)の間において高速でスクロール表示されていた中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下して行く。ここで、第1特別図柄の変動表示の開始時に、第1特別図柄の変動パターンとして、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターン(例えば変動時間が15秒である変動パターン)が選択されている場合、以下のような変動演出が行われる。
第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、中図柄としてリーチ図柄と同じ装飾図柄を有効ライン上に擬似停止させ、その後に有効ライン上の同一の3つの装飾図柄(例えば「777」などのゾロ目)を本停止させる当落報知演出(図8(B)参照)が行われる。一方、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、中図柄としてリーチ図柄と異なる装飾図柄を有効ライン上に擬似停止させ、その後に有効ライン上の3つの装飾図柄(例えば「787」などのリーチハズレ目)を本停止させる当落報知演出(図8(B)参照)が行われる。
一方、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されている場合、ノーマルリーチにおいて、リーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上を通過した後も中列の図柄列のスクロール表示が継続されて、SPリーチ(図8(E)参照)、又はSPSPリーチ(図8(F)参照)に発展する。これらのリーチ演出は、本実施形態では、主人公のキャラクタ(以下「主人公キャラ」と略称する)と敵のキャラクタ(以下「敵キャラ」と略称する)とのバトルの勝敗によって大当たりか否かを報知するリーチ演出として構成されている。
SPリーチとSPSPリーチは、SPリーチがバトルの前半、SPSPリーチがバトルの後半という位置付けになっており、バトル前半とバトル後半とでは、闘う敵キャラが共通している。すなわち、例えば、バトル前半のSPリーチで敵キャラAとのバトルが展開された場合、バトル後半のSPSPリーチでも同じ敵キャラAとのバトルが展開されることになる。
なお、SPリーチとSPSPリーチとを比較した場合、SPリーチよりもSPSPリーチの方が、大当たり信頼度が高く、SPリーチの終盤で当落が報知される場合に比べて、SPSPリーチの終盤で当落が報知される場合の方が、大当たりが報知され易い(敵キャラクタとのバトルに勝利し易い)。
また、図8に例示されるように、SPSPリーチが行われる場合には、ノーマルリーチからSPリーチを経由してSPSPリーチに発展する場合と、ノーマルリーチからSPリーチを経由せずにSPSPリーチに直接発展する場合とがある。
一方、ストーリーリーチ(図8(G)参照)は、特定のストーリーが液晶画面5上で展開されて、そのストーリーの結末が所定の結末となるか否かによって大当たりか否かを報知する演出として構成されている。本実施形態では、4種類あるリーチ演出を比較した場合に、ストーリーリーチの大当たり信頼度が最も高く、ノーマルリーチからストーリーリーチに直接発展する場合と、SPリーチからストーリーリーチに発展する場合とがある。
なお、本実施形態では、ノーマルリーチが1種類である場合について説明するが、ノーマルリーチとして、演出実行時間が短いショートリーチと、ショートリーチに比べて演出実行時間が長いロングリーチとを実行可能にし、ロングリーチからはSPリーチ、SPSPリーチ、又はストーリーリーチに発展可能である一方で、ショートリーチからはこれら3種類のリーチ演出に発展しない構成を採用してもよい。
また、図8に例示されるリーチ演出の種類、リーチ演出の発展の仕方は、単なる一例であって、リーチ演出の種類や発展の仕方は、他のものであってもよい。
[装飾図柄と小図柄の関係について]
次に、図9を参照しつつ、装飾図柄と小図柄との関係について説明する。ここで、図9は、装飾図柄と小図柄との関係について説明するための画面図である。
図9(A)に例示されるように、第1特別図柄が停止表示されているために、装飾図柄表示領域50の3つの装飾図柄が本停止している場合には、小図柄表示領域53に表示される3つの小図柄が、上記3つの装飾図柄と同じ数字を示すように本停止している。すなわち、例えば、左図柄として2図柄、中図柄として8図柄、右図柄として5図柄が本停止している場合には、2を示す左小図柄、8を示す中小図柄、5を示す右小図柄が本停止している(図9(A)参照)。
図9(B)には、装飾図柄表示領域50における3つの図柄列のスクロール表示が開始された直後の様子が例示されている。このように、3つの図柄列のスクロール表示が開始された直後は、そのスクロール速度が速く、装飾図柄表示領域50に表示される装飾図柄の識別は困難である。このように、3つの図柄列が高速スクロールしている状況下では、小図柄表示領域53に表示される3つの小図柄は、各小図柄が示す数字を識別困難な速度で高速回転する。このため、遊技者は、3つの小図柄が高速回転していることに基づいて、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示中であることを認識することができる。
図9(C)には、上述したノーマルリーチ中において、装飾図柄表示領域50においてリーチ図柄として、左2図柄および右2図柄が擬似停止した状態で中列の図柄列が高速スクロールを継続している様子が例示されている。このとき、小図柄表示領域53における3つの小図柄は、それぞれ高速回転を継続している。
また、図9(D)には、上述したSPリーチ中において、装飾図柄表示領域50に表示されていた左2図柄が縮小されて左上方へと移動し、右2図柄が縮小されて右上方へと移動して、これらのリーチ図柄が移動後の表示領域で擬似停止している様子が例示されている。なお、このとき、小図柄表示領域53における3つの小図柄は、依然として高速回転を継続している。
このように、リーチ図柄が表示されているときには、遊技者は、そのリーチ図柄に基づいて、どの装飾図柄でリーチが成立しているかを容易に把握することが可能であり、どの図柄でリーチが成立しているかを、小図柄を用いて報知する必要がない。このため、ノーマルリーチ中やSPリーチ中においては、小図柄表示領域53に表示されている3つの装飾図柄は、リーチ成立前(図9(B)参照)と同様に高速回転を継続する(図9(C)及び(D)参照)。
一方、図9(E)に例示されるように、SPSPリーチやストーリーリーチ中には、SPリーチ中にリーチ図柄が表示される領域を含む液晶画面5のより広い表示領域を用いてリーチ演出が展開されるため、装飾図柄が表示されていない期間が非常に長くなる。これに対して、小図柄表示領域53に表示されている3つの小図柄を高速回転させたのでは、リーチが成立しているのか否かを遊技者が認識できない可能性がある。このため、SPSPリーチ中やストーリーリーチ中における装飾図柄が表示されていない期間においては、これらのリーチ演出に発展する前に表示されていたリーチ図柄(例えば2図柄)と同じ数字を示すように左小図および右小図柄が擬似停止する一方で、中小図柄は高速回転を継続する(図9(E)参照)。
このように、左小図柄および右小図柄がリーチ図柄と同じ数字を示しているため、遊技者は、リーチ図柄(左図柄および右図柄)が表示されていないにも拘わらず、2つの小図柄に基づいて、どのリーチ図柄でリーチが成立したかを容易に特定することができる。また、中小図柄は高速回転を継続していることから、遊技者は、中小図柄が高速回転を継続しているのを見て、特別図柄の変動表示中であることを容易に認識することができる。
図9(F)には、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなり、上記4種類のリーチ演出のうちのいずれかのリーチ演出の終盤で、大当たりを示す態様で(ここでは「222」のゾロ目)で3つの装飾図柄が擬似停止表示されている様子が例示されている。このように、大当たりを示す態様で3つの装飾図柄が擬似停止表示されているときには、これらの装飾図柄と同じ数を示すように、3つの小図柄が擬似停止表示される(図9(F)参照)。
本実施形態の遊技機1では、「7R時短1回大当たり」の場合には装飾図柄として偶数のゾロ目を本停止させ、「7R時短5回大当たり」の場合には装飾図柄として7図柄以外の奇数のゾロ目を本停止させ、「7R時短100回大当たり」の場合には装飾図柄として7図柄のゾロ目を本停止させるというように、大当たりの種類と大当たりを報知する装飾図柄の組み合わせとが対応付けられている。そして、リーチ演出の終盤では、実際の大当たりの種類には対応しない数字のゾロ目を擬似停止表示した後、これらのゾロ目を実際の大当たりの種類に対応するゾロ目に変化させた状態で擬似停止させてから本停止させる、装飾図柄に係る図柄昇格演出が行われる場合がある(図9(G)参照)。
具体的には、例えば、図9(F)に例示される「222」のゾロ目が小さくなりながら液晶画面5の奥側へと移動する第1の移動表示が行われ(図9(G)参照)、この第1の移動表示の後に、奥側へと移動したゾロ目とは異なる数字のゾロ目(例えば「777」)を液晶画面5の奥から手前に飛び出してくるように移動させる第2の移動表示が行われる(図9(H)参照)。
ここで、第1の移動表示が行われているときには、液晶画面5の奥側へと移動して小さくなったゾロ目が変化する可能性があるため、小図柄表示領域53における3つの小図柄がいずれも高速回転する(図9(G)参照)。すなわち、図柄昇格演出が行われる場合には、ゾロ目を示す態様で擬似停止した3つの小図柄が、再度高速回転を開始する(図9(F)及び(G)参照)。
一方、上記第2の移動表示によって、例えば「222」のゾロ目が「777」のゾロ目に変化した場合には、変化後のゾロ目が更に変化することはく、そのまま本停止することになる。このため、図柄昇格演出の終盤で変化したゾロ目が飛び出してくる第2の移動表示が行われた場合には、変化後のゾロ目と同じ数字を示すように3つの小図柄が擬似停止する(図9(H)参照)。そして、第2の移動表示が行われた後に3つの装飾図柄(ここではゾロ目)が擬似停止してから本停止するのに伴い、小図柄表示領域53における3つの小図柄(ここでは同じ数字のゾロ目)も同期するように、擬似停止してから本停止する。
なお、図9(G)及び(H)には、「7R時短100回大当たり」を報知すべく、偶数のゾロ目が「777」のゾロ目に変化する図柄昇格演出が行われる様子が例示されているが、「7R時短5回大当たり」を報知する場合には、偶数のゾロ目が7以外の奇数のゾロ目(例えば「333」や「555」)に変化し、小図柄表示領域53における3つの小図柄もこの変化に同期するように、同じ奇数のゾロ目に変化する。
一方、「7R時短1回大当たり」を報知する場合には、偶数のゾロ目が奇数のゾロ目に変化しない第1の移動表示および第2の移動表示が行われることになる。この場合、偶数のゾロ目(例えば「222」)を示す態様で擬似停止していた3つの小図柄(図9(F)参照)が、一旦高速回転を行った後に(図9(G)参照)、高速回転を開始する前と同じ偶数のゾロ目(例えば「222」)を示す態様で再び擬似停止することになる。
また、7図柄以外の奇数図柄のゾロ目から7図柄のゾロ目へと装飾図柄を変化させる図柄昇格演出が行われる場合もあるが、変化前のゾロ目が偶数図柄ではなく7図柄以外の奇数図柄である点を除いて、図7(F)〜(H)に基づいて上述したのと同様の図柄昇格演出となるため、詳細な説明は省略する。
<SPSPリーチに発展する一連の演出の具体例>
次に、図10〜図12を参照しつつ、SPSPリーチに発展する一連の演出の具体例について説明する。ここで、図10〜図12は、SPリーチを介してSPSPリーチに発展する一連の演出の具体例を示す画面図である。
図10(A)には、当該領域52の当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、同じバラケ目を示す装飾図柄および小図柄が本停止した状態が例示されている。第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、第1特別図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間が経過する前に、バラケ目(ここでは「154」)を示す3つの装飾図柄が擬似停止する。その際、3つの小図柄は高速回転を継続している。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間が経過すると、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、バラケ目を示す3つの装飾図柄が本停止すると共に、高速回転していた3つの小図柄が同じバラケ目を示す態様で(擬似停止せずに)本停止する(図10(A)参照)。なお、図10(A)には、第1特別図柄の変動表示の終了に伴い、当該領域52から当該アイコンが消去された後の様子が例示されている。
これらの装飾図柄および小図柄が本停してから所定の確定時間(例えば1秒)が経過すると、保留アイコン表示領域51に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行される。これに対して、液晶画面5では、確定時間が経過するまでの間、最先の保留アイコンとして、表示態様(例えば表示色)が変化した保留アイコンが保留アイコン表示領域51に表示されており(図10(A)参照)、この最先の保留アイコンが当該領域52にシフトして新たな当該アイコンとして表示されると共に、装飾図柄表示領域50における装飾図柄の変動表示と、小図柄表示領域53における小図柄の高速回転とが開始される(図10(A)及び(B)参照)。なお、図10(B)に示されるように、最先の保留アイコンのシフトに伴い、保留アイコン表示領域51に表示されている残りの保留アイコン(ここでは、1つの白色の保留アイコン)が当該領域52に近づく方向にシフトする。
ここで、第1特別図柄の変動表示が開始される際に、サブCPU131によってリーチ有り演出の変動演出パターンが設定されている場合、例えば、左図柄が擬似停止した後に、左図柄と同一の右図柄が擬似停止してリーチが成立する(図10(C)参照)。図10(C)には、6図柄でリーチが成立した状態が例示されている。このように、同一の装飾図柄がリーチ図柄として左列および右列に擬似停止すると、例えば、これら2つのリーチ図柄を結ぶリーチラインがリーチ図柄に重畳表示されると共に、「リーチ!」といった音声がスピーカ24から出力される。
このようにしてリーチが成立すると、2つのリーチ図柄を結ぶ有効ライン上にリーチ図柄と同じ装飾図柄が本停止することに対する遊技者の期待感を高めるノーマルリーチが行われる(図10(D)参照)。このノーマルリーチ中には、依然として3つの小図柄が高速回転を継続している。このノーマルリーチに発展すると、高速でスクロール表示されていた中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していく(図10(D)及び(E)参照)。
ここで、第1特別図柄の変動表示が開始される際に、ノーマルリーチからSPリーチに発展する変動演出パターンが設定されている場合、以下のような演出表示が行われる。すなわち、中列の図柄列がスクロール表示されているときに、リーチ図柄と同じ中図柄(ここでは6図柄)が有効ラインを通り過ぎ(図10(E)参照)、図には表れていないが、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して高速スクロールが再開され、中列に表示されている中図柄の識別が困難な状態となる。その際、装飾図柄表示領域50に表示されているリーチ図柄(左図柄および右図柄)が、リーチ状態を保ったまま縮小されつつ、液晶画面5の左上方の領域および右上方の領域へとそれぞれ移動する(図10(E)及び(F)参照)。
次に、主人公キャラと敵キャラとの前半バトルに発展することを示唆する発展示唆演出が行われる(図10(G)参照)。具体的には、図10(G)に例示されるように、敵キャラとバトルを行う主人公キャラが液晶画面5の左端から登場してきて、液晶画面5の中央へと移動していく演出表示が行われる。
続いて、液晶画面5の右端から敵キャラが登場してきて、同じく液晶画面5の中央へと移動していく敵キャラ登場演出が行われて、前半バトルとしてのSPリーチが開始されることになる(図10(H)参照)。
敵キャラ登場演出が行われると、主人公キャラが敵キャラと遭遇して驚く様子を表す演出表示が行われ(図11(A)参照)、続いて、主人公キャラと敵キャラとが攻防する様子を表す攻防演出が行われる(図11(B)参照)。ここで、今回の第1特別図柄の変動表示が開始される際に、ノーマルリーチからSPリーチに発展して、当該SPリーチにて当落を報知する変動演出パターンが設定されている場合には、前半バトルにて勝敗が決する様子を表す演出表示が行われて、SPリーチの終盤にて大当たりか否かが報知されることになる。具体的には、図には示されていないが、今回の第1特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合には、主人公キャラが敵キャラを倒す様子を表す演出表示が行われた後に、ゾロ目の装飾図柄および小図柄が擬似停止してから本停止する当たり報知演出が行われる。また、今回の第1特別図柄判定の判定結果がハズレである場合には、主人公キャラが敵キャラに倒される様子を表す演出表示が行われた後に、リーチハズレ目の装飾図柄および小図柄が擬似停止してから本停止するハズレ報知演出が行われる。
一方、今回の第1特別図柄の変動表示が開始される際に、ノーマルリーチからSPリーチを介してSPSPリーチに発展して、当該SPSPリーチにて当落を報知する変動演出パターンが設定されている場合、以下のような演出表示が行われる。具体的には、SPリーチ(前半バトル)の終盤において、主人公キャラと敵キャラとの攻防に決着がつかずに後半バトルに発展することを示唆する発展演出として、演出役物7が液晶画面5前方の所定の演出位置へと移動し、当該演出位置にて演出役物7が所定の発光パターンで発光しながら回転する(図11(C)参照)。これに伴い、液晶画面5には、演出役物7から放射状に光が放たれる様子を表す演出表示が行われる。
続いて、演出役物7が初期位置に復帰すると共に、液晶画面5に白一色の背景画像を表示する演出表示が行われた後、主人公キャラと敵キャラとが再び対峙して後半バトルに発展することを示唆する、SPSPリーチの導入演出が行われる(図11(D)参照)。この導入演出では、複数の敵キャラのうちの敵キャラAとのバトルが開始されることを示す「VS 敵キャラA」の文字と、敵キャラAに対する主人公キャラの勝利期待度を星の数で示す勝利期待度示唆表示が行われる(図11(D)参照)。
なお、SPSPリーチ(ストーリーリーチについても同様)では、ノーマルリーチやSPリーチよりも更に広い表示領域を用いてリーチ演出が展開される。このため、液晶画面5に表示されていた保留アイコン表示領域51とこの保留アイコン表示領域51に表示されていた保留アイコンとが消去され、また、液晶画面5の左上方および右上方に表示されていたリーチ図柄(左図柄および右図柄)も液晶画面5から消去される(図11(B)及び(D)参照)。なお、SPSPリーチやストーリーリーチへの発展に伴い、保留アイコン表示領域51および保留アイコンに加えて、当該領域52や当該領域52に表示されている当該アイコンも液晶画面5から消去するようにしてもよい。
そして、これに伴い、遊技者がリーチ図柄に基づいてどの装飾図柄でリーチが成立しているかを把握できなくなることから、小図柄表示領域53に表示されている左小図柄および右小図柄が、リーチ図柄と同じ数字を示す態様で擬似停止する(図11(D)参照)。
このように、後半バトルとしてのSPSPリーチが開始されると、例えば、敵キャラの攻撃を受けた主人公キャラが、所持していた武器(長刀)を落として攻め込まれる様子を表す攻防演出が行われる(図11(E)参照)。そして、主人公キャラが持ち替えた武器(光線銃)から発射されたビーム光線が敵キャラに向かって行く様子を表すことによって、後半バトルに勝利することに対する遊技者の期待感を高める煽り演出が行われる(図11(F)参照)。
そして、SPSPリーチの終盤になると、操作促進演出が行われる(図11(G)参照)。この操作促進演出では、演出ボタン26の操作が有効になる有効期間が予め設定され、例えば、演出ボタン26を模したボタン画像と、演出ボタン26の操作を遊技者に促す「押せ!!」の文字と、有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
これに対して、有効期間の残り時間がゼロになる前に遊技者が演出ボタン26を操作した場合、又は有効期間中に演出ボタン26が操作されることなく有効期間の終期となった場合、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であれば、主人公キャラの攻撃がヒットせずに敵キャラに反撃されて主人公キャラが敗れる様子を表す演出表示が行われ、リーチハズレ目(例えば「676」)を示す装飾図柄および小図柄を擬似停止させてから本停止させるハズレ報知演出が行われる。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であれば、大当たりを示唆する当たり示唆演出として、主人公キャラの攻撃が敵キャラにヒットして敵キャラが倒される様子を表す演出表示が行われる(図11(H)参照)。その際、小図柄表示領域53にリーチ態様で表示されていた3つの小図柄が、ゾロ目を示す態様で擬似停止する(図11(G)及び(H)参照)。この当たり示唆演出が行われた場合、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示されるのに伴い、ゾロ目を示す3つの装飾図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出が行われる(図12参照)。
第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、ゾロ目を示す装飾図柄および小図柄が擬似停止してから本停止するまでの間に、図9(F)〜(H)に基づいて上述した図柄昇格演出が行われる。図12(A)には、SPSPリーチの終盤で「666」のゾロ目を示す装飾図柄および小図柄が擬似停止している様子が例示されている。
これらの図柄の擬似停止が開始されてから所定時間(例えば3秒)が経過すると、図柄昇格演出が開始される。今回の第1特別図柄判定に係る大当たりの種類が「7R時短100回大当たり」である場合、「666」のゾロ目が小さくなりながら液晶画面5の奥側へと移動する第1の移動表示が行われ(図12(B)参照)、この第1の移動表示の後に、奥側へと移動したゾロ目とは異なる「777」のゾロ目を液晶画面5の奥から手前に飛び出してくるように移動させる第2の移動表示が行われ(図12(C)参照)、「777」のゾロ目を示す装飾図柄および小図柄が擬似停止し、第1特別図柄として「7R時短100回大当たり」であることを報知する大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、これらの装飾図柄および小図柄が本停止する(図12(D)参照)。
一方、今回の第1特別図柄判定に係る大当たりの種類が「7R時短5回大当たり」である場合、図12(B)に例示される第1の移動表示に続いて、奥側へと移動した偶数のゾロ目とは異なる7図柄以外の奇数図柄のゾロ目(ここでは「333」)を液晶画面5の奥から手前に飛び出してくるように移動させる第2の移動表示が行われ(図12(E)参照)、「333」のゾロ目を示す装飾図柄および小図柄が擬似停止し、第1特別図柄として「7R時短5回大当たり」であることを報知する大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、これらの装飾図柄および小図柄が本停止する(図12(F)参照)。
また、今回の第1特別図柄判定に係る大当たりの種類が「7R時短1回大当たり」である場合、図12(B)に例示される第1の移動表示に続いて、奥側へと移動した偶数のゾロ目と同じ偶数のゾロ目(ここでは「666」)を液晶画面5の奥から手前に飛び出してくるように移動させる第2の移動表示が行われ(図12(G)参照)、「666」のゾロ目を示す装飾図柄および小図柄が擬似停止し、第1特別図柄として「7R時短1回大当たり」であることを報知する大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、これらの装飾図柄および小図柄が本停止する(図12(H)参照)。
[アイコン変化演出について]
本実施形態の遊技機1では、保留アイコン(又は当該アイコン)を用いる演出として、保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンの表示色を変化させる「保留アイコン変化演出」と、保留アイコンに係る第1特別図柄の変動開始に伴って表示される当該アイコンの表示色を変化させる「当該アイコン変化演出」とを実行可能である。
遊技機1では、保留アイコンの表示色を変化させる保留アイコン変化演出を行った後に、その保留アイコンに係る第1特別図柄の変動開始に伴って表示される当該アイコンの表示色を変化させる当該アイコン変化演出を行わない第1の演出パターンでアイコン変化演出が行われる場合がある。
また、遊技機1では、保留アイコンの表示色を変化させる保留アイコン変化演出を行わずに、その保留アイコンに係る第1特別図柄の変動開始に伴って表示される当該アイコンの表示色を変化させる当該アイコン変化演出を行う第2の演出パターンでアイコン変化演出が行われる場合がある。
また、遊技機1では、保留アイコンの表示色を変化させる保留アイコン変化演出を行った後に、その保留アイコンに係る第1特別図柄の変動開始に伴って表示される当該アイコンの表示色を変化させる当該アイコン変化演出を行う第3の演出パターンでアイコン変化演出が行われる場合がある。
本実施形態の遊技機1では、これらのアイコン変化演出を実現するために、第1始動口11に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が保留されたタイミングで、以下に示す事前判定処理が行われる。
<事前判定処理について>
本実施形態の遊技機1では、例えば、通常遊技状態における特別図柄の変動表示中に第1始動口11に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じた第1特別図柄判定の権利を所定数(本実施形態では4つ)まで保留可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して第1特別図柄判定の権利が保留された場合に、メインCPU101は、保留する権利が大当たりであるか否かや、この保留が消化される際に第1特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを第1始動口11に遊技球が入賞したタイミングで行う事前判定処理を実行する。この事前判定処理については、図37に基づいて後に詳述する。
このように、保留された第1特別図柄判定に係る事前判定処理が実行されると、その事前判定処理の結果を示す事前判定情報を含む保留コマンドが演出制御基板130に送信される。
これに対して、演出制御基板130のサブCPU131は、第1特別図柄判定に係る保留アイコンを受信したタイミングで、例えば以下のような処理を実行する。すなわち、例えば、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、保留アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。そして、保留アイコン変化演出を実行すると決定した場合、保留アイコン変化演出の演出パターンを決定する。具体的には、保留アイコン変化演出を実行する場合に、どの表示色の保留アイコンを保留アイコン表示領域51に表示するか(初期の表示色)を決定し、この保留アイコンが保留アイコン表示領域51に表示されている間に最終的にどの表示色に変化させるかを決定する。そして、初期の表示色から最終的な表示色へとどのような演出パターンで保留アイコンの表示色を変化させるかを併せて決定する。そして、これらの決定結果を保留アイコン変化演出の設定情報としてサブRAM133にセットし、この設定情報を含むアイコン表示コマンドを画像音響制御基板140に送信することによって、保留アイコン変化演出を実現させる。
サブCPU131は、上記第3の演出パターンでアイコン変化演出を実行する場合に、上記設定情報に基づく保留アイコン変化演出が行われた保留アイコンに係る第1特別図柄の変動開始に伴って表示される当該アイコンの表示色を変化させる当該アイコン変化演出を行う場合に、上記第1特別図柄判定に係る保留アイコンを受信したタイミングで、以下のような処理も併せて実行する。具体的には、サブCPU131は、保留アイコン変化演出に係る設定情報に基づいて、当該領域52に表示される当該アイコンの表示色を決定する。例えば、保留アイコンが保留アイコン表示領域51に表示されている間に最終的に緑色の保留アイコンに変化する場合に、当該領域52に表示される当該アイコンの表示色(初期の表示色)を緑色に決定する。また、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、当該アイコンの最終的な表示色を決定し、初期の表示色から最終的な表示色へとどのような演出パターンで当該アイコンの表示色を変化させるかを併せて決定する。
そして、サブCPU131は、これらの決定結果を当該アイコン変化演出の設定情報としてサブRAM133にセットし、この設定情報を含む変動演出開始コマンドを画像音響制御基板140に送信することによって、当該アイコン変化演出を実現させる。
また、サブCPU131は、上記第2の演出パターンでアイコン変化演出を実行する場合には、保留アイコン変化演出に係る処理を実行することなく、当該アイコン変化演出に係る処理を実行する。具体的には、保留アイコンを用いる保留アイコン変化演出が実行されていない場合には、白色の保留アイコンが当該領域52にシフトして当該アイコンとして表示されることになる。このため、サブCPU131は、当該アイコンの初期の表示色を白色に決定する。そして、予め受信した事前判定情報に基づいて、当該アイコンの最終的な表示色を決定し、初期の表示色から最終的な表示色へとどのような演出パターンで当該アイコンの表示色を変化させるかを併せて決定する。
なお、遊技球が第1始動口11に入賞して第1特別図柄判定の権利が保留されたタイミングで行われる事前判定処理の結果(事前判定情報)は、この保留された第1特別図柄判定の権利が消化される際に行われる大当たり判定処理(図39のステップS309、図40参照)の結果、及び変動パターン選択処理(図39のステップS310、図41参照)の結果と一致する。
このため、サブCPU131は、当該アイコン変化演出に関して、大当たり判定処理の結果および変動パターン選択処理の結果に基づいて、当該アイコン変化演出を実行するか否かや、当該アイコン変化演出の演出パターンを決定するようにしてもよい。
[当該アイコン演出の流れ]
次に、図13を参照しつつ、当該アイコンを用いて行われる当該アイコン演出の流れについて説明する。ここで、図13は、当該アイコンを用いて行われる当該アイコン演出の流れを例示する説明図である。
サブCPU131によって上述した当該アイコン変化演出を行うことが決定されている場合、すなわち、当該アイコンの表示色を変化させることが決定されている場合、当該アイコン変化演出として、図13に例示されるアイコン変化成功演出(図13(A)参照)、アイコン変化成功演出(図13(E)参照)、及び上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)のいずれかが行われる。本実施形態では、当該アイコンの表示色を変化させるこれらのアイコン変化成功演出は、主人公キャラの味方である味方キャラ(雪だるまを模したキャラクタ)が所持している所定色のアイテムを投げて当該アイコンに命中させ、この当該アイコンの表示色を命中したアイテムと同じ色に変化させる演出内容(演出パターン)の演出として構成されている場合について説明する(例えば図14(C)〜(H)参照)。
なお、当該アイコン変化演出の演出内容として、上記の味方キャラがアイテムを投げて当該アイコンの表示色を変化させるものの他に、所定のタイミング(例えばSPリーチに発展するタイミング)で当該アイコンの表示色が自動的に変化するものや、当該アイコンが変化することを示唆する文字(又は図柄)が表示されたことを受けて当該アイコンの表示色が変化するもの等が用意されている。これに対して、サブCPU131は、例えば図13(A)のアイコン変化成功演出を行う場合に、どの演出内容でアイコン変化成功演出を行うかを、アイコン変化成功演出に用いる当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が開始される際に、例えば乱数を用いた抽選により決定する。
また、当該アイコン変化演出の実行タイミングも複数あって、当該アイコン変化演出を実行する場合には、複数の実行タイミングの少なくともいずれか1つの実行タイミングで当該アイコン変化演出が行われる。
なお、図13は、1回の第1特別図柄の変動表示中において、図13(A)のアイコン変化成功演出を1回行う場合を例示しているが、このアイコン変化成功演出が複数回行われる場合もある。例えば、当該アイコンの初期の表示色が白色に設定され、当該アイコンの最終的な表示色が赤色に設定されている場合、当該アイコンの表示色を白色から緑色に変化させる1回目のアイコン変化成功演出が行われ、更に、当該アイコンの表示色を緑色から赤色に変化させる2回目のアイコン変化成功演出が行われる場合もある。
一方、サブCPU131は、当該アイコン変化演出を実行しないと第1始動口入賞時に予め決定している場合に、当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が開始される際に、この第1特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの間に、当該アイコンの表示色を変化させることに失敗する様子を表すアイコン変化失敗演出(図13(B)参照)を行うか否かを例えば乱数を用いた抽選により決定し、その決定結果に基づいて、アイコン変化失敗演出を実行する。
なお、味方キャラが所持している所定色のアイテムを投げて当該アイコンに命中させ、この当該アイコンの表示色を命中したアイテムと同じ色に変化させるアイコン変化成功演出(図13(A)参照)に対しては、アイコン変化失敗演出として、味方キャラが所持している所定色のアイテムを投げたものの当該アイコンに命中させることができず、結果として当該アイコンの表示色が変化しない演出が行われる(図15(A)参照)。
このように、アイコン変化成功演出(図13(A)参照)が行われない場合に、このアイコン変化成功演出に対応する演出内容のアイコン失敗演出(図13(B)参照)を一定の割合(例えば10%)で行うことによって、アイコン変化成功演出が行われない期間が長く続くような場合でも、アイコン変化成功演出が行われることを遊技者に期待させることが可能である。
なお、当該アイコンの表示色については、例えば、以下のような複数の構成を採用することが考えられる。すなわち、第1の構成は、当該変動でリーチ有り演出が行われることになる第1特別図柄の変動パターンが当該変動開始時に選択されることを示す事前判定結果が得られた場合の一部において、当該アイコンの表示色を最終的に青色以上(青色、緑色、赤色、又は金色)に変化させるアイコン変化成功演出を実行するという構成である。
第2の構成は、当該変動でリーチ演出が最終的にSPリーチ以上(SPリーチ、SPSPリーチ、又はストーリーリーチ)に発展することになる第1特別図柄の変動パターンが当該変動開始時に選択されることを示す事前判定結果が得られた場合の一部において、当該アイコンの表示色を最終的に緑色以上(緑色、赤色、又は金色)に変化させるアイコン変化成功演出を実行するという構成である。
第3の構成は、当該変動でリーチ演出が最終的にSPSPリーチ以上(SPSPリーチ又はストーリーリーチ)に発展することになる第1特別図柄の変動パターンが当該変動開始時に選択されることを示す事前判定結果が得られた場合の一部において、当該アイコンの表示色を最終的に赤色以上(赤色、又は金色)に変化させるアイコン変化成功演出を実行するという構成である。
第4の構成は、当該変動でリーチ無し演出が行われることになる第1特別図柄の変動パターンが当該変動開始時に選択されることを示す事前判定結果が得られた場合の一部において、当該アイコンの表示色を白色から変化させないアイコン変化失敗演出を実行するという構成である。
ところで、上記第1〜第4の構成を採用した場合、以下のような問題が生じる可能性がある。すなわち、本実施形態の遊技機1は、第1特別図柄判定の判定結果がハズレである場合の約10%において、リーチ有り演出が行われる第1特別図柄の変動パターンを選択するという構成が採用されており、ハズレのうちの約90%でリーチ無し演出が行われる。このため、第4の構成に関して、リーチ無し演出が行われる場合の例えば15%の割合でアイコン変化失敗演出を行うようにすると、アイコン変化成功演出(図13(A)参照)は行われ難い一方で、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)が頻出してしまい、結果として、遊技者に不快感を与えてしまうばかりか、味方キャラが登場してもアイテムが当該アイコンに命中することに対して遊技者が期待感を抱けず、アイコン変化成功演出の演出効果を著しく低下させてしまう可能性がある。
そこで、このような問題が生じるのを抑制すべく、サブCPU131は、以下のような処理を行って当該アイコン演出の演出パターンを決定することとしている。すなわち、サブCPU131は、当該アイコン変化演出を行うと第1始動口入賞時に予め決定している場合に、当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が開始される際に、例えば乱数を用いた抽選により、演出パターンA、演出パターンB、及び演出パターンCのいずれかを選択して、選択した演出パターンにて当該アイコン変化演出を行う。
ここで、演出パターンAは、当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの間に、アイコン変化成功演出(図13(A)参照)を行う当該アイコン変化演出の演出パターンである。
演出パターンBは、当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの間に、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)、巻き戻し示唆演出(図13(C)参照)、及び失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)を行い、その後に、図13(B)のアイコン変化失敗演出の成功パターンであるアイコン変化成功演出(図13(E)参照)を行う当該アイコン変化演出の演出パターンである。
演出パターンCは、当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの間に、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)、巻き戻し示唆演出(図13(C)参照)、及び失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)を行い、その後に、図13(B)のアイコン変化失敗演出の成功パターンである上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)を行う当該アイコン変化演出の演出パターンである。
ここで、図13(E)のアイコン変化成功演出と、図13(F)の上位アイコン変化成功演出とを比較した場合に、両者には以下のような相違点がある。具体的には、例えば、味方キャラが所持している青色のアイテムを投げたものの当該アイコンに命中させることができないアイコン変化失敗演出(図13(B)参照)の後にアイコン変化成功演出(図13(E)参照)を行う場合には、このアイコン変化成功演出として、アイコン変化失敗演出に用いられたものと同じ青色のアイテムを用いて、その青色のアイテムを当該アイコンに命中させて当該アイコンの表示色を青色に変化させるアイコン変化成功演出が行われる。このことは、アイコン変化失敗演出に用いられたアイテムが、他の色(例えば緑色や赤色)のアイテムである場合についても同様である。
これに対して、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)の後に上位アイコン変化演出(図13(F)参照)が行われる場合には、以下の通りである。具体的には、例えば、味方キャラが所持している青色のアイテムを投げたものの当該アイコンに命中させることができないアイコン変化失敗演出(図13(B)参照)の後に上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)を行う場合には、このアイコン変化成功演出として、アイコン変化失敗演出に用いられたものよりも上位の色(ここでは、例えば緑色や赤色、金色)のアイテムを用いて、その上位の色のアイテムを当該アイコンに命中させて当該アイコンの表示色をアイテムと同じ上位の色に変化させるアイコン変化成功演出が行われる。このことは、アイコン変化失敗演出に用いられたアイテムが、他の色(例えば緑色や赤色)のアイテムである場合についても同様である。
なお、このように、上位アイコン変化演出(図13(F)参照)に用いられるアイテムの色が、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)に用いられるアイテムの色よりも上位の色であることから、例えば、最上位色である金色のアイテムを用いたアイコン変化失敗演出(図13(B)参照)が行われた場合には、アイコン変化成功演出(図13(E)参照)が行われる場合がある一方で、上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)が行われることはないという特徴がある。
ここまでの説明から明らかなように、図13(E)のアイコン変化成功演出が、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)で変化させることができなかった当該アイコンの色と同じ色に当該アイコンを変化させることに成功する演出であるのに対して、図13(F)の上位アイコン変化成功演出は、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)で変化させることができなかった当該アイコンの色よりも上位の色に当該アイコンを変化させることに成功する演出であるという点で、両者は相違する。
このように、本実施形態の遊技機1では、いわゆるガセ演出としてのアイコン変化失敗演出(図13(B)参照)が行われた後に、アイコン変化成功演出(図13(E)参照)や上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)が行われる場合がある。このため、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)が行われたことによって、当該アイコンの表示色が変化することに対する遊技者の期待感を著しく低下させてしまうといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
また、本実施形態では、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)で用いられたものと同じ色のアイテムを用いるアイコン変化成功演出(図13(E)参照)の他に、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)で用いられたものよりも上位の色のアイテムを用いる上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)を実行可能である。このため、遊技者に意外性を感じさせることができ、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)と上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)との相乗効果によって、高い演出効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、アイコン変化成功演出(図13(E)参照)及び上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)が、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)に登場する味方キャラが行ったアクション(本実施形態では、当該アイコンを狙ってアイテムを投げるアクション)をやり直して、結果として当該アイコンの表示色を変化させることに成功する演出として構成されている。このため、上記アクションがやり直されることを効果的に示唆すべく、本実施形態の遊技機1では、図13(E)のアイコン変化成功演出、又は図13(F)の上位アイコン変化成功演出に先立って、巻き戻し演出(図13(C)参照)および失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)を行うこととしている。
また、図13の表記から明らかなように、本実施形態では、巻き戻し演出(図13(C)参照)および失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)が行われた後は、アイコン変化成功演出(図13(E)参照)又は上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)が必ず実行される場合について説明する。
これに対して、他の実施形態では、巻き戻し演出(図13(C)参照)および失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)が行われた後に、図13(B)のアイコン変化失敗演出と同じか、或いは類似するアイコン変化失敗演出を行うという構成を採用してもよい。
ただし、この場合、巻き戻し演出(図13(C)参照)および失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)が行われたにも拘わらずアイコン変化失敗演出が行われた場合に遊技者が感じる不快感を軽減するために、巻き戻し演出(図13(C)参照)および失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)が行われた場合に、アイコン変化成功演出(図13(E)参照)又は上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)が行われ易く、アイコン変化失敗演出は行われ難い構成を併せて採用することが好ましい。
<アイコン変化成功演出の具体例>
次に、図14を参照しつつ、アイコン変化成功演出(図13(A)参照)の具体例について説明する。ここで、図14は、アイコン変化成功演出の具体例を示す画面図である。
図14(A)には、当該領域52の当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、同じバラケ目を示す装飾図柄および小図柄が本停止した状態が例示されている。第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、第1特別図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間が経過する前に、バラケ目(ここでは「154」)を示す3つの装飾図柄が擬似停止する。その際、3つの小図柄は高速回転を継続している。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間が経過すると、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、バラケ目を示す3つの装飾図柄が本停止すると共に、高速回転していた3つの小図柄が同じバラケ目を示す態様で(擬似停止なしで)本停止する(図14(A)参照)。なお、図14(A)には、第1特別図柄の変動表示の終了に伴い、当該領域52から当該アイコンが消去された後の様子が例示されている。
これらの装飾図柄および小図柄が本停止してから所定の確定時間(例えば1秒)が経過すると、保留アイコン表示領域51に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行される。これに対して、液晶画面5では、確定時間が経過するまでの間、最先の保留アイコンとして、白色の保留アイコンが保留アイコン表示領域51に表示されており(図14(A)参照)、この最先の保留アイコンが当該領域52にシフトして新たな当該アイコンとして表示されると共に、装飾図柄表示領域50における装飾図柄の変動表示と、小図柄表示領域53における小図柄の高速回転とが開始される(図14(A)及び(B)参照)。なお、図14(B)に示されるように、最先の保留アイコンのシフトに伴い、保留アイコン表示領域51に表示されている残りの保留アイコン(ここでは、1つの白色の保留アイコン)が当該領域52に近づく方向にシフトする。
ここで、第1特別図柄の変動表示が開始される際に、当該アイコンの表示色を白色から緑色に変化させるアイコン変化成功演出を実行することがサブCPU131によって設定されている場合、以下のような演出が行われる。すなわち、装飾図柄の変動表示と小図柄の高速回転とが行われている状況で、液晶画面5の右端に緑色のアイテムを所持した味方キャラが登場する味方キャラ登場演出が行われる(図14(C)参照)。
図14(C)の味方キャラ登場演出に続いて、味方キャラが当該アイコンに向けてアイテムを投げる様子を表す演出表示が行われる。具体的には、例えば、緑色のアイテムを所持する味方キャラがジャンプする演出表示が行われ(図14(D)参照)、続いて、ジャンプした味方キャラが最高到達点から当該アイコンを狙って緑色のアイテムを投げる様子を表す演出表示が行われる(図14(E)参照)。
そして、ジャンプしていた味方キャラが降下していくのに伴い、投げられた緑色のアイテムが当該アイコンに徐々に近づくように移動していく様子を表す演出表示が行われ(図14(E)〜(G)参照)、最終的に緑色のアイテムが当該アイコンに命中して、命中したアイテムと同じ表示色となるように当該アイコンが変化する(図14(H)参照)。
なお、ここでは、当該アイコンの表示色が緑色に変化しているが、上記第2の構成が採用されているため、アイコン変化成功演出が行われた後は必ずリーチが成立して、最終的に、SPリーチ、SPSPリーチ、又はストーリーリーリーチに発展することになる。
また、ここでは、緑色のアイテムを用いたアイコン変化成功演出を例に説明を行ったが、味方キャラが所持するアイテムの色は、当該アイコンの表示色よりも上位の色であれば緑色に限定されるものではなく、青色であってもよいし、赤色であってもよいし、金色であってもよい。例えば、緑色の当該アイコンが表示されている場合には、より上位の赤色のアイテムや金色のアイテムを用いたアイコン変化成功演出が行われることがある一方で、より下位の青色のアイテムを用いたアイコン変化成功演出が行われることはない。
<巻き戻し示唆演出および失敗巻き戻し演出の具体例>
続いて、図15を参照しつつ、巻き戻し示唆演出(図13(C)参照)および失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)の具体例について説明する。ここで、図15は、巻き戻し示唆演出および失敗巻き戻し演出の具体例を示す画面図である。
図15(A)は、アイコン変化失敗演出を例示する画面図であり、味方キャラが投げた緑色のアイテムが当該領域52を超えて飛んで行き、結果として、当該領域52に表示されている当該アイコンの表示色が変化しない様子が例示されている。このアイコン変化失敗演出は、その途中までは、アイコン変化成功演出と共通する演出が行われる。具体的には、アイテムを所持した味方キャラが登場し、その味方キャラがジャンプしてアイテムを投げ、そのアイテムが当該アイコンに向けて飛んでいくまでの演出表示は、アイコン変化成功演出と同様に行われる(図14(D)〜(F)参照)。そして、アイコン変化失敗演出の場合は、アイテムが当該アイコンに向かう軌道から逸れて、当該領域52とは異なる領域に落下する(図15(A)参照)。すなわち、本実施形態のアイコン変化失敗演出は、図14(D)〜(F)の演出表示に続いて図15(A)の演出表示を行うことによって実現される。
なお、図15には、アイコン変化失敗演出中に第1始動口11に遊技球が入賞して、保留アイコン表示領域51に2つ目の保留アイコンが新たに表示される様子が示されている。
ここで、当該アイコンの表示色を最終的に金色に変化させることと、緑色のアイテムを用いたアイコン変化失敗演出の後に金色のアイテムを用いた上位アイコン変化成功演出を行うことがサブCPU131によって当該変動開始時に設定されている場合、上記のアイコン変化失敗演出(図15(A)参照)に続いて、以下のような演出表示が行われる。すなわち、当該アイコンに緑色のアイテムを命中させることに失敗した味方キャラが液晶画面5の右端に表示された状態で、別のキャラクタが液晶画面5の左端に登場して「もう1回!」という台詞を発する様子を表す演出表示が行われる(図15(B)参照)。この演出表示は、当該アイコンを対象とするアイコン変化失敗演出が行われた後に、同じく当該アイコンを対象とするアイコン変化成功演出が行われることを示唆する演出であるため、アイコン変化失敗演出が巻き戻されることを示唆する巻き戻し示唆演出としての機能を有していると言える。
なお、図15(B)では、別のキャラクタが登場して「もう1回!」という台詞を発する様子を表す演出表示によって巻き戻し示唆演出が実現されている様子が例示されているが、他の実施形態では、例えば、時計の長針および短針が反時計回りに回転して時間が巻き戻る様子を表す演出表示を行うことによって、巻き戻し示唆演出を実現するようにしてもよい。すなわち、アイコン変化失敗演出が巻き戻されることを示唆可能であれば、巻き戻し示唆演出の演出内容はどのようなものであっても構わない。
次に、図15(B)の巻き戻し示唆演出に続いて、アイコン変化失敗演出をアイコン変化失敗演出の開始時点まで巻き戻す失敗巻き戻し演出が行われる(図15(C)〜(G)参照)。具体的には、図14(D)〜(F)、図15(A)の順で行われるアイコン変化失敗演出を逆再生するような演出表示が行われる。このアイコン変化失敗演出が逆再生されるスピードは、アイコン変化失敗演出が再生されるスピード、すなわち、アイコン変化失敗演出に係る図14(C)〜(G)、図15(A)の一連の演出表示が再生されるスピードと同じである。ただし、アイコン変化失敗演出が逆再生されるスピードは、アイコン変化失敗演出が再生されるスピードよりも速くてもよいし、アイコン変化失敗演出が再生されるスピードよりも遅くてもよい。
上記のように、失敗巻き戻し演出では、先ず、アイテムが当該領域52とは異なる領域に落下する直前の位置に配置された状態まで戻る演出表示が行われる(図15(C)参照)。次に、味方キャラが最高到達点に戻って行く様子を表す演出表示と共に、アイテムが、最高到達点に位置する味方キャラの手と近接する位置まで戻って行く様子を表す演出表示が行われる(図15(D)〜(F)参照)。そして、アイテムをキャッチした味方キャラがジャンプする前の位置へと降下していく様子を表す演出表示が行われる(図15(F)〜(G)参照)。
ところで、失敗巻き戻し演出に係る演出画像を、その巻き戻し対象であるアイコン変化失敗演出に係る演出画像と同じ色で表示してしまうと、アイコン変化失敗演出と、巻き戻し示唆演出を挟んで行われる失敗巻き戻し演出とを遊技者が混同してしまい、失敗巻き戻し演出が行われていることを遊技者が明確に認識できない可能性がある。すなわち、アイコン変化失敗演出が巻き戻されているということを遊技者に対して分り易く報知できない可能性がある。
そこで、例えば、失敗巻き戻し演出に係る演出画像の表示態様(演出画像の大きさや形状)を、アイコン変化失敗演出に係る演出画像の表示態様と異ならせることによって、両演出を明確に区別する構成の適用が考えられる。
しかしながら、この構成を適用した場合、アイコン変化失敗演出と、失敗巻き戻し演出との関係性が希薄になり、結局は上記と同様の問題が生じる可能性がある。
このため、本実施形態における遊技機1では、アイコン変化失敗演出を対象として失敗巻き戻し演出を行う場合には、失敗巻き戻し演出に係る演出画像(味方キャラやアイテム)の大きさや形状をアイコン変化失敗演出に係る演出画像(味方キャラやアイテム)に対して変化させずに、失敗巻き戻し演出に係る演出画像の色をアイコン変化失敗演出に係る演出画像と異ならせることとしている。具体的には、アイコン変化失敗演出では、白色の味方キャラや緑色のアイテムが表示されるのに対して、失敗巻き戻し演出では、灰色の味方キャラや灰色のアイテムが表示される。
このように、本実施形態の遊技機1では、アイコン変化失敗演出をそのアイコン変化失敗演出が終了する前の時点(本実施形態では、アイコン変化失敗演出の開始時点)まで巻き戻す失敗巻き戻し演出が行われる。
なお、図15(C)〜(G)の表記から明らかなように、失敗巻き戻し演出の実行中であっても、第1特別図柄の変動表示中であることを報知するために3つの小図柄が高速回転を継続しており、失敗巻き戻し演出によって、3つの小図柄の変動表示が巻き戻されることはないという特徴がある。
また、図15(A)には、味方キャラが投げたアイテムが当該アイコンの上を通過して当該領域52の左側の領域に落下するときに、保留アイコン表示領域51に第1特別図柄判定の保留に係る2つ目の保留アイコンが新たに表示される様子が例示されている。これに対して、図15(C)〜(G)に例示される巻き戻し演出によって、味方キャラがアイテムを投げる前、すなわち図15(A)の状態となる前まで演出が巻き戻されているものの、保留アイコン表示領域51は、2つ目の保留アイコンが表示される前の状態には戻っていない。
このことから明らかなように、アイコン変化失敗演出中に新たに表示された保留アイコンは、失敗巻き戻し演出の対象外であると言える。
<上位アイコン変化成功演出の具体例>
続いて、図16を参照しつつ、上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)の具体例について説明する。ここで、図16は、上位アイコン変化成功演出の具体例を示す画面図である。
上記失敗巻き戻し演出が行われた後は、以下のような流れで上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)が行われる。具体的には、ジャンプした位置に復帰した味方キャラの色が白色に戻ると共に、所持しているアイテム(緑色のアイテム)がより上位のアイテム(例えば金色のアイテム)に変化する演出表示が行われる(図15(H)参照)。
なお、装飾図柄表示領域50では、失敗巻き戻し演出の途中で左5図柄が擬似停止し(図15(C)参照)、その後に右5図柄が擬似停止してリーチ成立となり(図15(G)参照)、リーチ成立直後に上位アイコン変化成功演出が開始される。
次に、アイテムを金色のアイテムに持ち替えた味方キャラがジャンプする演出表示が行われ(図16(A)参照)、続いて、ジャンプした味方キャラが最高到達点から当該アイコンを狙って金色のアイテムを投げる様子を表す演出表示が行われる(図16(A)及び(B)参照)。
そして、ジャンプしていた味方キャラが降下していくのに伴い、投げられた金色のアイテムが当該アイコンに徐々に近づくように移動していく様子を表す演出表示が行われ(図16(B)〜(D)参照)、最終的に金色のアイテムが当該アイコンに命中して、命中したアイテムと同じ表示色となるように当該アイコンが変化する(図16(E)参照)。
なお、図15(H)及び図16では、金色のアイテムを緑色のアイテムとは大きさ及び形状が互いに異なる態様で表記しているが、これらのアイテムは、大きさおよび形状が互いに同じ態様であってもよい。
また、ここでは、当該アイコンの表示色が金色に変化しているが、上記第3の構成が採用されているため、アイコン変化成功演出が行われた後は、最終的に、SPSPリーチ又はストーリーリーリーチに発展することになる。
図16(F)及び(G)には、ノーマルリーチが発展してSPSPリーチの導入演出が行われる様子が例示されている。
なお、失敗巻き戻し演出が行われた後に、アイコン変化失敗演出(図13(B)参照)に用いられたものと同じ色のアイテムを用いてアイコン変化成功演出(図13(C)参照)が行われる場合もあるが、このアイコン変化成功演出は、用いられるアイテムの色とそのアイテムが命中したことによって変化する当該アイコンの色とが異なる点を除いて上位アイコン変化成功演出と同様に行われる。このため、失敗巻き戻し演出に続くアイコン変化成功演出(図13(E)参照)の具体例については、ここでの詳細な説明は省略する。
[失敗巻き戻し演出に関する特徴]
失敗巻き戻し演出には、主に以下のような特徴がある。
すなわち、失敗巻き戻し演出には、当該領域52と、装飾図柄表示領域50の一部の領域という相対的に狭い表示領域を用いて演出が行われるという特徴がある。
また、失敗巻き戻し演出が行われた後は、失敗巻き戻し演出が行われる前よりも大当たり遊技が実行される可能性が高いことを示唆する示唆演出として、失敗巻き戻し演出が行われる前の当該アイコンよりも上位の当該アイコンへと当該アイコンの表示色を変化させるアイコン変化成功演出(図13(E)参照)又は上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)が行われる。
このため、遊技者は、失敗巻き戻し演出が行われた時点で、当該アイコンの表示色がより上位の表示色に変化することを認識することができ、アイコン変化成功演出よりも上位アイコン変化成功演出が行われることを期待しながら、その後の遊技を楽しむことが可能である。
また、本実施形態では、アイコン変化失敗演出に係る演出表示が再生されるスピードと、失敗巻き戻し演出においてアイコン変化失敗演出に係る演出表示が逆再生されるスピードとが同じであるという特徴がある。
また、アイコン変化失敗演出中は、アイコン変化失敗演出に対応する対応演出音がスピーカ24から出力されるのに対して、このアイコン変化失敗演出を対象とする失敗巻き戻し演出が行われているときには、上記対応演出音を逆再生する演出音が出力されるのではなく、失敗巻き戻し演出に固有の専用演出音が出力されるという特徴がある。
失敗巻き戻し演出が行われているときには、失敗巻き戻し演出に係る演出表示は巻き戻る一方で、他の演出に係る演出表示は巻き戻らないという特徴がある。具体的には、失敗巻き戻し演出に用いられる味方キャラやアイテムに対しては逆再生する演出表示が行われるものの、装飾図柄や、装飾図柄に関連する演出を逆再生する演出表示が行われることはない。具体的には、装飾図柄に関しては、失敗巻き戻し演出が行われているときに、左5図柄が擬似停止し(図15(C)参照)、続いて右5図柄が擬似停止してリーチが成立する演出表示が行われており(図15(D)〜(G)参照)、失敗巻き戻し演出中に、装飾図柄を用いる図柄変動表示が巻き戻っていないことが明らかである。また、図15(C)〜(G)に示されるように、失敗巻き戻し演出中は、3つの小図柄が反時計回りの高速回転を継続しており、失敗巻き戻し演出によって、3つの小図柄が時計回りに回転する演出表示が行われることはない。
また、アイコン変化失敗演出中に保留アイコン表示領域51に表示される保留アイコンが増加した場合(図15(A)参照)に、このアイコン変化演出の開始時(すなわち保留アイコンが増加する前)まで演出が巻き戻されたとしても、失敗巻き戻し演出によって、保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンが減少するような演出表示が行われることはない(図15(C)〜(G)参照)。
また、図には示されていないが、液晶画面5では、例えば、背景画像を表示する演出として、主人公キャラと味方キャラとが一緒に歩いて行く様子を表す演出表示が行われる。この背景画像に係る演出表示が行われているときに失敗巻き戻し演出が行われたとしても、主人公キャラと味方キャラとが元の位置に戻って行くような、背景画像に係る演出表示の逆再生が行われることはない。
また、図15には、ノーマルリーチが行われる前に失敗巻き戻し演出が行われる様子が例示されているが、例えば、ノーマルリーチからSPリーチに発展するタイミング等、他のタイミングでも失敗巻き戻し演出を行うことが可能である。そして、このようなノーマルリーチからSPリーチに発展するタイミングで失敗巻き戻し演出が行われたとしても、リーチ発展に係る演出表示は、巻き戻されることなくそのまま進行していく。ここで、リーチ発展に係る演出表示とは、3つの小図柄を反時計回りに高速回転させる演出表示や、図9(C)及び(D)に示されるように、リーチ図柄(左図柄および右図柄)を縮小しながら装飾図柄表示領域50から左上方および右上方へとそれぞれ移動させて、これらのリーチ図柄が移動後の表示領域で擬似停止する演出表示等である。
[アイコン変化演出に関する変形例]
なお、本実施形態では、アイコン変化失敗演出の開始時点まで演出を巻き戻す失敗巻き戻し演出が行われる場合を例に説明するが、他の実施形態では、アイコン変化失敗演出を途中の時点(例えば、味方キャラがアイテムを投げる瞬間の時点)まで巻き戻す失敗巻き戻し演出を行うようにしてもよい。この場合、アイコン変化失敗演出の途中から、アイコン変化成功演出を開始するようにすればよい。
また、本実施形態では、失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)に先立って巻き戻し示唆演出(図13(C)参照)を行う場合について説明するが、他の実施形態では、巻き戻し示唆演出を行うことなく失敗巻き戻し演出を行うようにしてもよい。
また、味方キャラに代えて戦車や飛行機といった他のオブジェクトを表示して、これらのオブジェクトから発射される弾をアイテムとして用いるようにしてもよい。すなわち、アイコン変化成功演出、アイコン変化失敗演出、失敗巻き戻し演出に関して、味方キャラやアイテムとは異なるオブジェクトを用いてこれらの演出を行うようにしてもよい。
また、失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)が行われていない状況において、味方キャラAが登場した場合には必ずアイコン変化成功演出が行われる一方、味方キャラBが登場した場合には、アイコン変化成功演出とアイコン変化失敗演出の両方を実行可能な構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)が行われた後は、アイコン変化成功演出(図13(E)参照)又は上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)が行われる場合を例に説明するが、他の実施形態では、失敗巻き戻し演出が行われた後は必ず上位アイコン変化演出が行われる(アイコン変化成功演出が行われることはない)といった構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)が行われた後はアイコン変化失敗演出が行われない場合について説明するが、他の実施形態では、失敗巻き戻し演出が行われた場合の一部において、その後にアイコン変化失敗演出を行うといった構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、アイコン変化失敗演出に係る演出表示を逆再生する失敗巻き戻し演出を行う場合について説明するが、他の実施形態では、アイコン変化失敗演出に係る演出表示を逆再生するのではなく、アイコン変化失敗演出の所定の時点(例えばアイコン変化失敗演出の開始時点)へと演出を頭出しするアイコン変化失敗演出を行うようにしてもよい。すなわち、アイコン変化失敗演出の終了時点の演出表示を、そのアイコン変化失敗演出の開始時点の演出表示へと直接切り替えるような失敗巻き戻し演出を行うようにしてもよい。
また、上記の通り、本実施形態では、アイコン変化失敗演出に係る演出表示が再生されるスピードと、失敗巻き戻し演出においてアイコン変化失敗演出に係る演出表示が逆再生されるスピードとが同じであるが、これらのスピードは互いに異なっていてもよい。すなわち、失敗巻き戻し演出においてアイコン変化失敗演出に係る演出表示が逆再生されるスピードは、アイコン変化失敗演出に係る演出表示が再生されるスピードよりも速くてもよいし、或いは遅くてもよい。
また、本実施形態では、失敗巻き戻し演出中は、失敗巻き戻し演出の専用演出音が出力されるが、他の実施形態では、失敗巻き戻し演出中に、アイコン変化失敗演出に対応する対応演出音を逆再生する演出音をスピーカ24から出力するようにしてもよい。
[リーチ演出を対象とするリーチ巻き戻し演出の流れ]
次に、図17を参照しつつ、リーチ演出を対象として行われる巻き戻し演出であるリーチ巻き戻し演出の流れについて説明する。ここで、図17は、リーチ巻き戻し演出の流れを例示する説明図である。
本実施形態の遊技機1では、リーチ成立前、或いはリーチ成立後において、擬似連演出が行われる場合がある。この擬似連演出は、特別図柄の1回の変動表示中において、装飾図柄が複数回変動表示されたように見せ掛ける演出であり、擬似連演出が行われる回数が多いほど大当たり信頼度が高いという構成が採用されている。具体的には、特別図柄の1回の変動表示中に1回の擬似連演出が行われて、最終的に擬似2連目まで演出が発展する場合の方が、擬似連演出が行われない場合に比べて大当たり信頼度が高い。また、特別図柄の1回の変動表示中に2回の擬似連演出が行われて、最終的に擬似3連目まで演出が発展する場合の方が、最終的に擬似2連目まで演出が発展する場合に比べて大当たり信頼度が高い。
本実施形態の遊技機1では、上記の擬似連演出として、所定のリーチ演出を巻き戻すリーチ巻き戻し演出が行われる。この擬似連演出としての機能を有しているリーチ巻き戻し演出は、以下のような流れで行われる。すなわち、まず、擬似連図柄と呼ばれる特殊図柄が装飾図柄表示領域50の中央に大きく表示される(図17(A)、図18(D)参照)。
この擬似連図柄が表示された後は、後述するリーチ巻き戻し演出(図17(B)参照)及びリーチ再生演出(図17(D)参照)の両方が行われるので、擬似連図柄を表示する演出は、リーチ巻き戻し演出およびリーチ再生演出の両方の実行を示唆する機能を有していると言える。
次に、擬似連図柄の表示に続いて、リーチ巻き戻し演出が行われる(図17(B)参照)。このリーチ巻き戻し演出は、リーチ演出に係る複数の演出画像を対象とする巻き戻し演出であって、本実施形態では、リーチ演出中に表示される装飾図柄、リーチ演出中に登場するキャラクタ等を対象としてリーチ巻き戻し演出が行われる。このリーチ巻き戻し演出については、図18に基づいて後に詳述する。
続いて、リーチ巻き戻し演出が行われると、小図柄表示領域53に表示されている小図柄を除いて、液晶画面5に表示されているリーチ演出に係る演出画像(装飾図柄やキャラクタ)を、巻き戻し後の状態で所定時間(例えば2秒間)静止させるフリーズ演出が行われる(図17(C)、図19(A)及び(B)参照)。
そして、フリーズ演出に続いて、巻き戻し後の時点からリーチ演出に係る演出画像を再生するリーチ再生演出が行われる(図17(D)、図19(C)〜(E)参照)。このリーチ再生演出が行われた場合、下位リーチ(例えばSPリーチ)に発展したり(図17(E)参照)、或いは上位リーチ(例えばSPSPリーチやストーリーリーチ)に発展したりする(図17(F)参照)。
<リーチ巻き戻し演出およびリーチ再生演出の具体例>
次に、図18,19を参照しつつ、リーチ巻き戻し演出およびリーチ再生演出の具体例について説明する。ここで、図18は、リーチ巻き戻し演出の具体例を示す画面図である。図19は、リーチ巻き戻し演出の後に行われるリーチ再生演出の具体例を示す画面図である。
図18(A)には、当該領域52に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果に基づいて、ノーマルリーチが実行されている様子が例示されている。具体的には、ノーマルリーチの終盤において、リーチ図柄として左3図柄と右3図柄とが装飾図柄表示領域50に擬似停止した状態で中列の図柄列のスクロール速度が低下して、リーチ図柄と同じ数字の中図柄が有効ライン上を通過した直後の様子が例示されている。また、このノーマルリーチ中において、ここでは、白色の当該アイコンが当該領域52に表示されている(図18(A)参照)。
リーチ図柄と同じ数字の中図柄が有効ライン上を通過すると、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して高速スクロールが再開され、中列に表示されている中図柄の識別が困難な状態となる。その際、装飾図柄表示領域50に表示されているリーチ図柄(ここでは、左3図柄および右3図柄)が、リーチ状態を保ったまま縮小されつつ、液晶画面5の左上方の領域および右上方の領域へとそれぞれ移動して、主人公キャラと敵キャラとの前半バトルに発展することを示唆する発展示唆演出が行われる(図18(B)及び(C)参照)。この発展示唆演出では、図18(B)及び(C)に例示されるように、敵キャラとバトルを行う主人公キャラが液晶画面5の左端から登場してきて、液晶画面5の中央へと移動して敵キャラを捜索する演出表示が行われる。
なお、図18(B)には、ノーマルリーチからSPリーチに発展するタイミングで当該アイコンの表示色が白色から赤色へと自動的に変化する当該アイコン変化演出が行われる様子が例示されている。
ここで、擬似連演出が行われる場合、演出役物7が液晶画面5の前方の所定の演出位置に移動してきて回転すると共に、液晶画面5には、擬似連演出が実行されることを示唆する「NEXT」の文字(擬似連図柄)が画面中央部に大きく表示される。なお、図には表れていないが、「NEXT」の文字の後ろには、時計を示す演出画像が表示されており、長針および短針が反時計回りに回転してから時計回りに回転する。この長針および短針の反時計回りの回転によって、リーチ巻き戻し演出(図17(B)、図18(E)〜(H)参照)の実行が示唆され、また、長針および短針の時計回りの回転によって、リーチ再生演出(図17(D)、図19(C)〜(E)参照)の実行が示唆される。
「NEXT」の文字および時計の画像を用いた演出表示が行われると、擬似2連目の演出に発展したことを示唆すべく、液晶画面5の左上方に「×2」の文字(擬似何連目であるかを示す擬似連回数)が所定の色(例えばオレンジ色)で表示される。そして、リーチ巻き戻し演出として、主人公キャラを用いた演出表示と、装飾図柄を用いた図柄変動演出とを一緒に巻き戻す(逆再生する)演出表示とが行われる(図19(E)〜(H)参照)。このリーチ巻き戻し演出は、液晶画面5の装飾図柄表示領域50を用いて行われる。
主人公キャラを用いた演出表示に関しては、敵キャラを捜索すべく液晶画面5の中央まで移動していた主人公キャラが登場時の液晶画面5左端まで戻って液晶画面5から消える演出表示が行われる(図18(E)及び(F)参照)。なお、このリーチ巻き戻し演出中に表示される主人公キャラは、発展示唆演出中に表示される主人公キャラと同じキャラクタであるが、この主人公キャラとは異なる色(本実施形態では灰色)で表示される点で相違する。
一方の装飾図柄を用いた図柄変動演出に関しては、図18(B)に示される状態から図18(A)に示される状態へと戻るように、まず、液晶画面5の左上方の領域および右上方の領域へと移動している紫色の左3図柄および右3図柄が、灰色の左3図柄および右3図柄として表示される(図18(E)参照)。そして、これら灰色の左3図柄および右3図柄が液晶画面5から消去された後に(図18(F)及び(G)参照)、リーチ発展に装飾図柄表示領域50に表示されていた左3図柄、中4図柄および中3図柄、右3図柄がいずれも灰色の装飾図柄として表示され始め、一体的に液晶画面5の上方に向けてゆっくりと移動する(図18(G)及び(H)参照)。
なお、図18(H)には、装飾図柄表示領域50に表示される装飾図柄が、リーチ図柄と同じ数字の中図柄が有効ライン上を通過した直後の状態まで戻った様子が示されているが、装飾図柄表示領域50に表示されている各装飾図柄は、いずれも灰色の装飾図柄として表示されるため、各装飾図柄の並びが図18(A)に示されるものと同じであるものの、図18(A)に示される装飾図柄とは異なるものであることを遊技者が容易に認識することが可能である。
このように、本実施形態の遊技機1では、リーチ巻き戻し演出が行われているときに、装飾図柄を用いた図柄変動演出を逆再生する演出表示と、キャラクタを用いた演出表示を逆再生する演出表示とが行われる。
なお、リーチ巻き戻し中は、装飾図柄やキャラクタに係る演出表示が逆再生されるものの、擬似連回数を示す「×2」の表示、当該領域52に表示されている当該アイコン、保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに係る演出表示が逆再生されることはない。このことは、小図柄表示領域53に表示されている小図柄についても同様であり、リーチ巻き戻し演出が行われている間も、各小図柄が高速回転を継続している(図18(A)〜(H)参照)。
リーチ巻き戻し演出によって、図18(A)に示される時点まで演出表示が巻き戻されると、フリーズ演出が行われる(図19(A)及び(B)参照)。具体的には、図18(H)に示される並びで装飾図柄表示領域50に表示された灰色の各装飾図柄を所定時間(本実施形態では2秒間)静止させる演出表示が行われる。このフリーズ演出が行われている間は、小図柄表示領域53において高速回転を継続している各小図柄を除いて、液晶画面5に表示されている全ての演出画像が2秒間静止する。
なお、図には表れていないが、リーチ巻き戻し演出が行われている期間と、フリーズ演出が行われている期間においては、擬似何連目であるかの擬似連回数を示す「×2」の文字と、小図柄表示領域53に表示されている各小図柄表示領域53とを除き、液晶画面5に表示されている全ての演出画像が灰色で表示される。これにより、演出が巻き戻って時間が止まったといった印象を遊技者に対して効果的に与えることが可能である。
次に、フリーズ演出の終了タイミングになると、リーチ再生演出が行われる(図17(D)、図19(C)〜(E)参照)。具体的には、先ず、装飾図柄表示領域50で静止していた各装飾図柄を含め、灰色で表示されていた全ての演出画像が本来の色で表示され始め、装飾図柄表示領域50における装飾図柄の変動表示が再開される。すなわち、静止していた灰色の左3図柄および右3図柄は、本来の表示色である紫色になって擬似停止を開始する。また、中列においては、灰色の中3図柄および中4図柄が、それぞれ本来の表示色である紫色および青色になってから、これらの中図柄を含む中列の図柄列の低速でのスクロール表示が開始される。
これにより、リーチ巻き戻し演出によって、ノーマルリーチの所定の一時点(図18(A)参照)まで演出が戻されて、その一時点からノーマルリーチが再開されるといった印象を遊技者に与えることが可能である。
なお、中列の図柄列のスクロール表示が開始された後、リーチ図柄(ここでは3図柄)と同じ数字を示す中図柄が有効ライン上を通過すると、図18(B)に例示されているのと同様の発展示唆演出が行われる(図19(D)参照)。すなわち、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して高速スクロールが再開されて中図柄の識別が困難な状態となり、リーチ図柄(ここでは、左3図柄および右3図柄)が縮小されながら液晶画面5の左上方および右上方へと移動する。そして、主人公キャラが液晶画面5の左端から登場してきて、液晶画面5の中央へと移動して敵キャラを捜索する発展示唆演出が行われる。
そして、今回の第1特別図柄の変動開始時に、サブCPU131によって、SPリーチ中に1回の擬似連演出(リーチ巻き戻し演出)を行ってリーチ演出を巻き戻した後、最終的にSPSPリーチ(図17(F)の上位リーチ)に発展させる変動演出パターンが設定されている場合、SPSPリーチへの発展を示唆する発展演出(図19(F)参照)と、SPSPリーチの導入演出(図19(G)参照)とが行われる。なお、これらの発展演出およびSPSPリーチの導入演出は、図11(C)及び(D)に基づいて上述した演出と同様の演出であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
なお、今回の第1特別図柄の変動開始時に、サブCPU131によって、SPリーチ中に1回の擬似連演出(リーチ巻き戻し演出)を行ってリーチ演出を巻き戻した後、最終的にSPリーチ(図17(E)の下位リーチ)に発展させる変動演出パターンが設定されている場合には、図19(E)の演出表示に続いて、SPリーチに係る図10(H)、図11(A)、図11(B)の一連の演出表示が行われて、SPリーチにて当たり報知演出またはハズレ報知演出が行われる。
[リーチ巻き戻し演出に関する特徴]
リーチ巻き戻し演出には、主に以下のような特徴がある。
すなわち、リーチ巻き戻し演出では、装飾図柄やリーチ演出で登場するキャラクタが用いられるため、これらの装飾図柄やキャラクタが表示される相対的に広い表示領域(少なくとも装飾図柄表示領域50を含む表示領域)を用いてリーチ巻き戻し演出が行われるという特徴がある。
また、リーチ巻き戻し演出では、装飾図柄を用いた図柄表示演出に係る演出表示(装飾図柄、キャラクタ、背景画像)を逆再生する演出が行われる一方で、小図柄表示領域53に表示されている各小図柄は、SPSPリーチ(又はストーリーリーチ)に発展するまでは高速回転を継続するため、各小図柄の変動を逆再生する演出が行われることはないという特徴がある。
また、図18に示される例では、ノーマルリーチからSPリーチに発展する際に当該アイコンの表示色が白色から赤色に変化しているが(図18(B)参照)、この当該アイコンは、リーチ巻き戻し演出が行われているときや、リーチ巻き戻し演出によってSPリーチ発展前までリーチ演出が巻き戻された後も、赤色で表示され続けている(例えば図18(E)〜(H)、図19(A)〜(C)参照)。このように、リーチ巻き戻し演出によって、当該アイコンを赤色から変化前の白色に戻すような当該アイコン変化演出を逆再生する演出が行われることはないという特徴がある。
また、リーチ巻き戻し演出中には、擬似連回数の表示や、当該アイコン、保留アイコンに対しては、これらの演出表示を逆再生する演出が行われることはないという特徴がある。すなわち、例えば、リーチ巻き戻し演出が行われているときに第1始動口11に遊技球が入賞して保留アイコン表示領域51に新たな保留アイコンが表示されたとしても、実行中のリーチ巻き戻し演出によって、その保留アイコンが表示される前の状態へと保留アイコン表示領域51の表示が戻されることがないという特徴がある(図18(F)〜(H)、図19(A)〜(E)参照)。
また、保留アイコンに係る演出表示を逆再生する演出が行われることがないため、例えば、保留アイコンを白色から緑色に変化させるアイコン変化演出が行われた後に、このアイコン変化演出が行われるよりも前の時点までリーチ演出を巻き戻すリーチ巻き戻し演出が行われることによって、保留アイコンの表示色が緑色から白色に戻されることがないという特徴がある。また、当該アイコンに係る演出表示を逆再生する演出が行われることがないため、例えば、当該アイコンを緑色から金色に変化させるアイコン変化演出が行われた後に、このアイコン変化演出が行われるよりも前の時点までリーチ演出を巻き戻すリーチ巻き戻し演出が行われることによって、当該アイコンの表示色が金色から緑色に戻されることもないという特徴がある。
また、リーチ巻き戻し演出が行われた後は、リーチ巻き戻し演出が行われる前よりも大当たり遊技が実行される可能性が高いことを示唆する示唆演出として、上位リーチ(例えば、SPSPリーチやストーリーリーチ)に発展することを示唆する発展演出(図19(F)参照)が行われる場合があるという特徴がある。このため、遊技者は、リーチ再生演出が行われた後に発展演出が行われることを期待しながら、遊技を楽しむことができる。
なお、本実施形態の遊技機1では、1回の第1特別図柄の変動表示中に、図18に基づいて上述したリーチ巻き戻し演出が2回行われて、最終的に擬似3連目まで演出が発展する場合があり、この場合、リーチ巻き戻し演出が1回だけ行われて最終的に擬似2連目までしか演出が発展しない場合に比べて、上記の発展演出が行われ易いという特徴がある。
このため、遊技者は、リーチ巻き戻し演出が行われた場合は、再びリーチ巻き戻し演出が行われることを期待しながら、遊技を楽しむことができる。
また、本実施形態では、リーチ演出に係る演出表示が再生されるスピードと、そのリーチ演出を対象とするリーチ巻き戻し演出に係る演出表示が逆再生されるスピードとが同じであるという特徴がある。
また、リーチ演出中は、そのリーチ演出に対応するリーチ演出音がスピーカ24から出力されるのに対して、このリーチ演出を対象とするリーチ巻き戻し演出が行われているときには、上記リーチ演出音を逆再生する演出音が出力されるのではなく、リーチ巻き戻し演出に固有の専用演出音が出力されるという特徴がある。
[リーチ巻き戻し演出に関する変形例]
なお、本実施形態では、SPリーチ演出に係る発展示唆演出が行われている時点から、ノーマルリーチの途中における一時点(図18(A)参照)までリーチ演出を巻き戻すリーチ巻き戻し演出が行われる場合を例に説明するが、他の実施形態では、例えばノーマルリーチの開始契機となるリーチ成立タイミングまでリーチ演出に係る演出表示を逆再生するリーチ巻き戻し演出を行うようにしてもよい。また、例えばSPSPリーチが行われている場合に、SPリーチの途中までリーチ演出に係る演出表示を逆再生するリーチ巻き戻し演出や、ノーマルリーチの途中までリーチ演出に係る演出表示を逆再生するリーチ巻き戻し演出を行うようにしてもよい。すなわち、リーチ巻き戻し演出の巻き戻しを開始する巻き戻し開始時点と、リーチ巻き戻し演出の巻き戻しを終了する終了時点とは、本実施形態で例示した時点とは異なる時点であってもよい。
また、本実施形態では、擬似連演出がリーチ巻き戻し演出として機能する場合を例に説明したが、他の実施形態では、擬似連演出とは別に、リーチ巻き戻し演出を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、所定のリーチ演出に係る演出表示を逆再生するリーチ巻き戻し演出を行う場合について説明するが、他の実施形態では、リーチ演出に係る演出表示を逆再生するのではなく、所定のリーチ演出の一時点へと演出を頭出しするリーチ巻き戻し演出を行うようにしてもよい。すなわち、所定のリーチ演出における巻き戻し開始時点の演出表示を、そのリーチ演出における巻き戻し終了時点の演出表示へと直接切り替えるようなリーチ巻き戻し演出を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、所定のリーチ演出に係る演出表示が再生されるスピードと、そのリーチ演出を対象とするリーチ巻き戻し演出に係る演出表示が逆再生されるスピードとが同じであるが、これらのスピードは互いに異なっていてもよい。すなわち、リーチ巻き戻し演出において所定のリーチ演出に係る演出表示が逆再生されるスピードは、所定のリーチ演出に係る演出表示が再生されるスピードよりも速くてもよいし、或いは遅くてもよい。
また、本実施形態では、リーチ巻き戻し演出中は、リーチ巻き戻し演出に固有の専用演出音が出力されるが、他の実施形態では、リーチ巻き戻し演出中に、その対象であるリーチ演出に係るリーチ演出音を逆再生する演出音をスピーカ24から出力するようにしてもよい。
[時短遊技状態の終了条件]
次に、図20を参照しつつ、時短遊技状態の終了条件について説明する。ここで、図20は、時短遊技状態を終了させる終了条件を例示する説明図である。本実施形態の遊技機1では、大当たり又は小当たりによって付与される時短回数の種別毎に、時短遊技状態を終了させる条件が規定されており、これらの条件を示す情報がメインROM102に記憶されており、メインCPU101は、メインROM102に記憶されている情報に基づいて、時短遊技状態を終了させる制御を行う。
<時短1回に特有の終了条件>
本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果が「大当たり」となり、その大当たりの種類として「7R時短1回大当たり」が選択された場合に、1回の時短が付与される(図6(C)参照)。すなわち、7Rの長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が行われた後の時短遊技状態において行われた第2特別図柄判定の回数が1回に到達すると、時短遊技状態から通常遊技状態へと遊技状態を移行させる状態制御が行われる。
「7R時短1回大当たり」は、1回の第2特別図柄判定と、4回の第2特別図柄判定の保留の計5回の第2特別図柄判定のいずれかにおいて、1/7.5(=40/300)の小当たりを引き当てることを遊技者が狙うことを想定して用意された大当たりである(図6(B)参照)。このため、2回以上の第2特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態を継続させてしまうと、合計6回以上の第2特別図柄判定が行われることになり、想定よりも遊技者に有利になってゲーム性が崩れてしまうおそれがある。
このため、本実施形態では、「7R時短1回大当たり」となった場合には、時短遊技状態で行われた第2特別図柄判定の回数が1回に到達したことを条件として、遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態へと移行させることとしている。
<時短5回に特有の終了条件>
本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果が「大当たり」となり、その大当たりの種類として「7R時短5回大当たり」が選択された場合に、5回の時短が付与される(図6(C)参照)。すなわち、大当たり遊技が行われた後の時短遊技状態において行われた第2特別図柄判定の回数が5回に到達すると、時短遊技状態から通常遊技状態へと遊技状態を移行させる状態制御が行われる。
また、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となり、その小当たりの種類として「4R時短5回小当たり」又は「12R時短5回小当たり」が選択された場合に、5回の時短が付与される(図6(D)参照)。すなわち、小当たり遊技に続く大当たり遊技が行われた後の時短遊技状態において行われた第2特別図柄判定の回数が5回に到達すると、時短遊技状態から通常遊技状態へと遊技状態を移行させる状態制御が行われる。
「7R時短5回大当たり」、「4R時短5回小当たり」、又は「12R時短5回小当たり」は、5回の第2特別図柄判定と、4回の第2特別図柄判定の保留の計9回の第2特別図柄判定のいずれかにおいて、1/7.5の小当たりを引き当てることを遊技者が狙うことを想定して用意された大当たり(又は小当たり)である(図6(B)参照)。このため、6回以上の第2特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態を継続させてしまうと、合計10回以上の第2特別図柄判定が行われることになり、想定よりも遊技者に有利になってゲーム性が崩れてしまうおそれがある。
このため、本実施形態では、「7R時短5回大当たり」、「4R時短5回小当たり」、又は「12R時短5回小当たり」となった場合には、時短遊技状態で行われた第2特別図柄判定の回数が5回に到達したことを条件として、遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態へと移行させることとしている。
<時短1回と時短5回に共通する終了条件>
また、本実施形態では、5回の時短または1回の時短が付与された場合に、大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行してから行われた第1特別図柄判定の回数と第2特別図柄判定の回数との合計回数が12回に到達したことを条件として、遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態へと移行させることとしている。
ところで、遊技領域10の左側領域には、普通図柄判定を行わせるためのゲートが設けられておらず、遊技者が右打ちを行わなければ、普通図柄判定が行われることはない。また、通常遊技状態において第1特別図柄の変動表示が行われているときや、第1特別図柄判定に係る大当たり遊技を行っているときには、遊技状態が通常遊技状態に設定されている。この通常遊技状態のときには、普通図柄判定においてスライド部材17を動作させると判定されたとしても、スライド部材17が0.036秒間しか案内位置に配置されず、大当たり遊技中に遊技者が右打ちを行ったとしても遊技球を第2始動口12に入賞させることができず、第2特別図柄判定の権利が保留されることがない。このことは、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となって大当たり遊技が実行される場合に限らず、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となって、小当たり遊技に続く大当たり遊技が実行される場合についても同様である。
このため、例えば第1特別図柄判定の権利が保留された状態で上記の大当たり遊技が終了した場合には、基本的に第2特別図柄判定の権利が保留されていない状態にあることから、時短遊技状態において先ずは第1特別図柄判定が行われてしまうこととなる。これに対して、時短回数が1回の大当たりに対して、時短遊技状態に移行してから1回の第1特別図柄判定が行われたことを条件として時短遊技状態を終了させてしまうと、第2特別図柄判定に係る保留を溜めることができず、ゲーム性が大きく崩れかねない。このことは、大当たり遊技終了後の時短遊技状態において、例えば不慣れな遊技者が右打ちではなく左打ちを行ってしまい、結果として1又は複数回の第1特別図柄判定が行われてしまう場合についても同様である。
このため、本実施形態の遊技機1では、上記の問題が生じるのを抑制すべく、5回の時短または1回の時短が付与された場合には、時短遊技状態に移行してからの第1特別図柄判定と第2特別図柄判定の合計回数が12回に到達するまでは時短遊技状態を継続させ、12回に到達したことを条件として時短遊技状態を終了させることとしている。
<時短100回に特有の終了条件>
また、本実施形態では、100回の時短が付与された場合、すなわち、「7R時短100回大当たり」又は「16R時短100回小当たり」となった場合、大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行してから行われた第1特別図柄判定の回数と第2特別図柄判定の回数との合計回数が100回に到達したことを条件として、遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態へと移行させることとしている。
なお、本実施形態の遊技機1は、時短1回(又は時短5回)に対して、1回目(又は5回目)の第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで時短遊技状態を終了させることとしている。このため、遊技者は、1回目(又は5回目)の第2特別図柄の変動表示が行われているときに、4個を条件として第2特別図柄判定の保留を溜めることが可能である。
これに対して、時短100回に対する終了条件として、時短遊技状態での第2特別図柄判定の回数が100回に到達すると時短遊技状態を終了させるという条件を規定して、時短1回(又は時短5回)の場合と同様の終了制御を行ってしまうと、最長で合計104回の第2特別図柄判定が行われることとなり、過剰に遊技者に有利になってしまう。
このため、本実施形態では、時短遊技状態での第2特別図柄判定の回数が100回に到達すると時短遊技状態を終了させるという終了条件は規定されていない。
<全時短回数に共通する終了条件>
また、第2特別図柄判定の結果が「小当たり」となり、小当たりの種類として「4R時短5回小当たり」、「12R時短5回小当たり」、又は「16R時短100回小当たり」が選択された場合は、小入賞口19を開放する小当たり遊技が行われる。
ところで、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となった場合に第2特別図柄表示器42に停止表示される小当たり図柄に基づいて、遊技者は、上記3種類の小当たりのうちのどの小当たりが発生したかを特定することが可能である。すなわち、遊技者は、停止表示された小当たり図柄に基づいて、今回の小当たりが、自分にとって不利な小当たり(時短回数が「5」回に設定される小当たり)なのか、或いは、自分にとって有利な小当たり(時短回数が「100」回に設定される小当たり)なのかを判別することが可能である。
ここで、仮に、例えば、小当たり遊技の開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合に、小当たり遊技に続く大当たり遊技を実行しないだけで、小当たり遊技が終了した後も時短回数が残っていれば時短遊技状態を継続させるといった構成を採用してしまうと、以下のような問題が生じるおそれがある。すなわち、遊技者が、例えば、時短回数が100回に設定された場合に、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となる毎に停止表示される小当たり図柄に基づいて小当たりの種類を特定し、自分に不利な「4R時短5回小当たり」や「12R時短5回小当たり」の場合には、小当たり遊技中にV入賞口スイッチ198に遊技球を入賞させず、逆に、自分に有利な「16R時短100回小当たり」の場合にだけ小当たり遊技中にV入賞口スイッチ198に遊技球を入賞させることによって、100回転の時短が付与される「16R時短100回小当たり」を連続的に発生させるといった攻略打ちが可能になるおそれがある。
このため、本実施形態では、小当たり遊技の開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過した場合には、小当たり遊技に続いて行われる大当たり遊技の終了時に遊技状態を時短遊技状態に設定する一方、開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合は、小当たり遊技に続く大当たり遊技を実行しないと共に、小当たり遊技終了後に遊技状態を時短遊技状態に移行させないこととしている。本実施形態では、開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合に、遊技状態を時短遊技状態に設定する遊技状態設定処理(図47のステップS745、図48参照)を伴う大当たり遊技を実行しないことによって、小当たり遊技終了後に遊技状態を時短遊技状態に移行させない制御を実現している。
[小当たり遊技中の画面表示]
次に、図21,22を参照しつつ、小当たり遊技中の画面表示について説明する。ここで、図21は、小当たり遊技中の画面表示について説明するためのタイムチャートである。図22は、小当たり遊技中の画面表示の具体例を示す画面図である。
第2特別図柄表示器42において小当たり図柄が停止表示されると、図21に例示されるように、先ずは所定期間(本実施形態では13秒間)継続するオープニング期間(図21中の「OP期間」)となる。そして、オープニング期間が終了すると、上記開放遊技として、スライド部材191が所定の開放パターンで動作する(図21参照)。具体的には、スライド部材191は、小入賞口19を0.044秒間開放してから閉塞する短開放動作を所定のインターバル期間(例えば2.4秒間)を隔てて4回繰り返す。そして、4回目の短開放動作が行われた後はインターバル期間が例えば約1.227秒と短くなり、スライド部材191は、小入賞口19を0.044秒間開放してから閉塞する短開放動作を約1.227秒間隔で6回繰り返す。その結果、15秒の開放期間において、小入賞口19が合計10回開放されることになる。
これに対して、液晶画面5では、以下のような画面表示が行われる。すなわち、図21に例示されるように、小当たり遊技のオープニング期間の始期になると、小当たりの種別を報知する小当たり種別表示(図22(A)参照)が5秒間行われ、続いて、遊技者に対して右打ちを促す右打ち示唆表示(図22(B)参照)が6秒間行われる。そして、オープニング期間の開始から11秒(=5秒+6秒)が経過すると、V領域(V入賞口スイッチ198の遊技球が通過する内側領域)を指示するV領域指示画像を表示するV領域指示表示が行われる(図22(C)参照)。
なお、小当たり種別表示が行われているときには、小当たり種別表示に固有の専用演出音がスピーカ24から出力され、右打ち示唆表示が行われているときには、右打ち示唆表示に固有の専用演出音がスピーカ24から出力される。また、V領域指示表示が行われているときについても同様であり、V領域指示表示が行われているときには、V領域指示表示に固有の専用演出音がスピーカ24から出力され、この専用演出音は、右打ちが促されていることを遊技者がより明確に認識し易い、右打ち示唆表示に固有の専用演出音とは異なる演出音となっている。
このV領域指示表示は、上記開放遊技が開始される2秒前に開始されるので、開放遊技が開始されることを遊技者に対して事前に報知することができ、右打ち指示表示に対して右打ちを行っていなかった遊技者に対しては、より効果的に右打ちを促すことが可能である。
ところで、図20に基づいて上述したように、開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合には、小当たり遊技に続く大当たり遊技が行われないばかりか、遊技状態が時短遊技状態へと移行せず、遊技者が第2特別図柄判定に係る保留を溜めることができない遊技者にとって極めて不利な状況となっている。このため、V入賞口スイッチ198に対する遊技球の不通過を抑制することは、遊技者にとっても極めて重要なことである。
このため、本実施形態の遊技機1では、開放遊技の開始から所定時間(本実施形態では7秒)が経過してもV入賞口スイッチ198を遊技球が通過していない場合には、V領域指示表示とは異なる画像を表示することとしている。具体的には、開放遊技の開始から7秒が経過してもV入賞口スイッチ198を遊技球が通過していない場合に、開放遊技が終了する所定時間前(本実施形態では3秒前)を基準時間として、その基準時間までの残り時間をカウントダウンするカウントダウン画像を表示する残時間カウントダウン表示を行うこととしている(図21参照)。
なお、V領域指示表示が行われているときに残時間カウントダウン表示が開始されると、図には表れていないが、V領域指示表示に固有の専用演出音に代えて、スピーカ24からの残時間カウントダウン表示に固有の専用演出音の出力が開始される。
<V領域指示表示および残時間カウントダウン表示の具体例>
続いて、図22を参照しつつ、V領域指示表示および残時間カウントダウン表示の具体例について説明する。まず、小当たり遊技のオープニング期間の始期になると、例えば、「チャレンジ BONUS」という文字と小当たりを祝福する所定のキャラクタとを表示する小当たり種別表示が行われる(図22(A)参照)。そして、この小当たり種別表示に続いて、所定の右打ち示唆表示が行われる(図22(A)参照)。具体的には、例えば、右打ちによって遊技球が移動する経路を模した弧状の矢印と、「右を狙ってね!」という音声を所定のキャラクタが発する様子を表す演出画像とが表示される。
そして、開放遊技が開始される2秒前になると、V領域指示表示が開始される(図22(C)参照)。具体的には、V入賞口スイッチ198を内包する小入賞口19およびその内部を正面から見た正面視画像が液晶画面5の右下領域に表示され、「Vを狙え」という大きな文字が液晶画面5の左下領域に表示され、「右打ち」という文字を含む3つの矢印が重畳表示された3連矢印が左上から右下に向けて移動していく様子を表すアニメーションが液晶画面5の上方に表示される。
なお、このV領域指示表示は、開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合には、開放遊技が終了するまで継続される(図21参照)。一方、開放遊技中に小入賞口19内部に進入した遊技球がV入賞口スイッチ198を通過した場合には、その通過に応じたV入賞報知演出(図22(G)参照)の開始に伴ってV領域指示表示が終了される。
次に、開放遊技の開始から7秒が経過したタイミングで遊技球がV入賞口スイッチ198を通過していない場合には、残時間カウントダウン表示が開始される(図22(D)及び(E)参照)。具体的には、図22(D)に例示されるように、「終了まで残り」という文字と、その右側の上記基準時間までの残り時間を示す「4.98」という数字と、「終了まで残り 4.98」という文字および数字の上下に横方向に並べられた複数の「右打ち→」の文字とを含む帯状画像が、V領域指示表示に係るV領域指示画像に重畳表示される。
この残時間カウントダウン表示が行われているときには、複数の「右打ち→」の文字が左から右へと流れていくと共に、時間の経過に伴って基準時間までの残り時間を示す数字が0.01秒毎にカウントダウンされていくように、残時間カウントダウン表示に係るアニメーション表示が行われる(図22(D)及び(E)参照)。
なお、途中で遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しない限りは、基準時間までの残り時間を示す数字が「5.00」から「0.00」へ向けて0.01刻みで減少していくが、この数字は「5.00」から「3.00」の間の数値を示しているときには青色で表示され(図22(D)参照)、「2.99」から「0.00」の間の数値を示しているときには赤色で表示される(図22(E)参照)。すなわち、残時間カウントダウン表示は、残時間カウントダウン表示が開始されてから2秒が経過したタイミングを境として、基準時間までの残り時間を示す数字の表示態様(本実施形態では色)が変化する。
次に、残時間カウントダウン表示が開始されてから5秒が経過しても遊技球がV入賞口スイッチ198を通過していない場合は、残時間カウントダウン表示が終了して、V領域指示表示が露わになる(図22(F)参照)。
ここで、V領域指示表示が行われているときに遊技球がV入賞口スイッチ198を通過すると、遊技球のV入賞を報知するV入賞報知演出が行われる(図22(G)参照)。具体的には、例えば、小入賞口19やV入賞口スイッチ198付近に配置されている盤ランプ25(図4参照)が所定の発光パターンで発光すると共に、液晶画面5では、V領域から放射状に光が拡散していく様子を表す演出表示が行われ(図22(G)参照)、これに伴ってV領域指示表示が終了される。
なお、残時間カウントダウン表示が開始される前にV領域指示表示が行われているとき(図22(C)参照)に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過した場合も、同様のV入賞報知演出が行われ、これに伴ってV領域指示表示が終了される。また、V領域指示表示と残時間カウントダウン表示とが同時に行われているとき(図22(D)及び(E)参照)に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過した場合も、同様のV入賞報知演出が行われ、これに伴ってV領域指示表示および残時間カウントダウン表示が終了される。
ところで、開放遊技の終了タイミングを基準として、その終了タイミングまでの残り時間をカウントダウン表示する残時間カウントダウン表示を行うといった構成では、以下のような問題が生じる可能性がある。すなわち、例えば、遊技者が右打ちした遊技球が発射装置からV入賞口スイッチ198に到達するまでに例えば約2秒の時間が必要であると仮定すると、終了タイミングまでの残り時間が1秒になってから右打ちを行ったとしても、遊技球が小入賞口19に到達するのは開放遊技が終了した後になってしまう。このため、V入賞口スイッチ198に対して遊技球を通過させることはおろか、遊技球を小入賞口19に入賞させることすらできず、結果として、時短遊技状態に移行させる権利を消滅させてしまうことになる。
そこで、本実施形態では、遊技球が発射されてからV入賞口スイッチ198に到達するまでの平均時間(例えば2秒)に対して、その平均時間よりも長い所定時間(本実施形態では3秒)前を基準時間と定めて、その基準時間までの残り時間をカウントダウン表示する残時間カウントダウン表示を行うこととしている。このため、残時間カウントダウン表示によって示される残り時間が0秒に近くなってから遊技者が右打ちを行ったとしても、基本的には、V入賞口スイッチ198に対して右打ちした遊技球を通過させることが可能である。
図22(H)には、開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合に、開放遊技が終了した直後の小当たり遊技のエンディング期間において、遊技球をV入賞させることに失敗したことを報知するチャレンジ失敗演出が行われている様子が例示されている。具体的には、例えば、右方向に移動する左扉と左方向に移動する右扉とが液晶画面5の中央で当接して前方が閉ざされる様子を表すアニメーションが表示されると共に、液晶画面5の中央にチャレンジ失敗を示唆する「終了」の文字が表示される。
図21,22に基づいて説明したように、本実施形態の遊技機1では、開放遊技の開始から7秒が経過したタイミングで遊技球がV入賞口スイッチ198を通過していない場合には、残時間カウントダウン表示が行われる。このため、開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しない非V入賞の発生を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、開放遊技の途中で、スライド部材191が小入賞口19を閉塞したままの状態となるインターバル期間が短くなる(図21参照)。具体的には、小入賞口19を0.044秒間開放する短開放動作が行われてから次の短開放動作が行われるまでのインターバル期間が、2.4秒から約1.227秒に短縮される。このため、インターバル期間が短縮されて以降は、インターバル期間が短縮される前に比べて、小入賞口19を閉塞するスライド部材191の上まで移動した遊技球が次の短開放動作が行われるまでスライド部材191の上に留まる時間が短くなる。このため、残時間カウントダウン表示と、インターバル期間の短縮との相乗効果によって、非V入賞の発生を抑制する効果を更に高めることが可能である。
<V領域指示表示と残時間カウントダウン表示に関する変形例>
なお、残時間カウントダウン表示に関して、以下のような構成を採用してもよい。すなわち、本実施形態では、開放遊技が開始されてからの経過時間が所定時間(本実施形態では7秒)に達すると、「終了まで残り」という文字と基準時間までの残り時間を示す数字とを含む残時間カウントダウン画像が表示される場合について説明するが、他の実施形態では、残時間カウントダウン画像とは異なる画像を表示するようにしてもよい。例えば、残時間カウントダウン画像に代えて、開放遊技が開始されてからの経過時間が所定時間に達すると、「残り時間が短いよ。早くVを狙って!」といった台詞を発するキャラクタを表示するようにしてもよい。すなわち、開放遊技が開始されてからの経過時間が所定時間に達すると表示される画像は、遊技者に対して右打ちを効果的に促すことが可能なものであれば、残時間カウントダウン画像とは異なる画像であってもよい。
また、本実施形態では、V領域指示表示と残時間カウントダウン表示とを同時に行う構成を採用しているが、開放遊技が開始されてから所定時間が経過しても遊技球がV入賞口スイッチ198を通過していない場合に、V領域指示表示を一旦中断して残時間カウントダウン表示を開始してもよい。この場合、残時間カウントダウン表示に係る残時間カウントダウン画像を、V領域を指示する指示画像を含む構成とするのが好ましい。
また、本実施形態では、開放遊技が開始される2秒前になると、右打ち示唆表示をV領域示唆表示に切り替える場合について説明するが、他の実施形態では、右打ち示唆表示の表示態様をV領域示唆表示と同等の機能を有する表示態様に変化させることによって、上記の切り替えを行わないようにしてもよい。
また、本実施形態では、V領域指示表示を開放遊技の終了まで継続させる場合について説明するが、開放遊技が終了する直前に右打ちを行ってもV入賞口スイッチ198に対して遊技球を通過させることが困難であるため、開放遊技が終了する所定時間前(例えば1.5秒前)にV領域指示表示を終了させるようにしてもよい。
<時短遊技状態の終了条件に関する変形例>
本実施形態では、小当たり遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合に、小当たり遊技に続く大当たり遊技を実行しないと共に、時短遊技状態に移行させない制御を行う場合について説明する。これに対して、他の実施形態では、第1特別図柄判定に係る当たりと同様、第2特別図柄判定に係る当たりは全て1種当たりとなる、いわゆる1種1種タイプの遊技機に本実施形態と類似する構成を適用してもよい。この場合、第1特別図柄判定に係る当たり(1種当たり)のうちの例えば50%において、遊技球が通過可能にV入賞口スイッチ198を長開放するVラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行し、残り50%の1種当たりに対しては、遊技球が通過不可能(或いは通過困難)にV入賞口スイッチ198を短開放するVラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行する。そして、Vラウンド遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過した場合には、このVラウンド遊技に続く他のラウンド遊技を実行すると共に、大当たり遊技終了後の遊技状態を、「確変遊技状態」に設定する。一方、Vラウンド遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合には、このVラウンド遊技に続く他のラウンド遊技を実行するものの、大当たり遊技終了後の遊技状態を、「時短遊技状態」に設定する。
ここで、「確変遊技状態」は、通常遊技状態に比べて1種当たりと判定される確率(大当たり確率)が高く、且つ、本実施形態における時短遊技状態と同様に遊技球が第2始動口12に入賞し易い遊技状態である。
[時短遊技状態における液晶画面5の画面構成例]
図23は、時短遊技状態における液晶画面5の画面構成を例示する画面図である。時短遊技状態で遊技が制御されているときには、図23に例示されるように、液晶画面5には、通常遊技状態のときと同様に装飾図柄表示領域50および小図柄表示領域53が形成され、更に、右打ち示唆画像54、移動バー55、移動アイコン56、及び擬似変動回数示唆画像57が表示される。
時短遊技状態で遊技が制御されているときには、ゲート16および第2始動口12を狙った右打ちを行う必要があるため、「右打ち→」という遊技者に対して右打ちを促す右打ち示唆画像54が液晶画面5の右上端に表示される。
<小図柄表示領域53>
小図柄表示領域53は、第2特別図柄(又は第1特別図柄)の変動表示に伴って反時計回りに回転する3つの小図柄が表示される領域であり、図7に基づいて上述した通常遊技状態のときに形成される小図柄表示領域53と同じ表示領域である。なお、時短遊技状態のときには、通常遊技状態のときには表示されない右打ち示唆画像54が表示されるため、小図柄表示領域53が通常遊技状態のときよりも少し下の位置に形成される(図7及び図23参照)。
<移動バー55及び移動アイコン56>
移動バー55は、1回の第2特別図柄の変動表示に対応しており、第2特別図柄の変動表示が開始されると、移動バー55の左端に位置している移動アイコン56が右に向けて移動し始める。ここで、時短回数が1回に設定されている場合、時短遊技状態に移行してから最初に行われる1回目の第2特別図柄判定に応じて第2特別図柄の変動表示(以下「本変動」と呼ぶ)が行われている間は、時短遊技状態で遊技が制御されているため、第2特別図柄判定に係る保留を4つまで溜めることができる。移動バー55の右側には、第2特別図柄判定の保留数に対応する数だけ表示される保留示唆アイコンを表示する領域が設けられており、第2特別図柄判定の権利が保留される毎に保留示唆アイコンが表示される。図23には、本変動が行われているときに、本変動中に第2始動口12に3つの遊技球が入賞して第2特別図柄判定に係る保留が3つ溜まったことを示唆すべく、3個の保留示唆アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、移動バー55に表示される第2特別図柄判定に係る保留示唆アイコンは、保留アイコン表示領域51に表示される第1特別図柄判定に係る保留アイコンのように移動することはなく、また、アイコン変化演出(アイコン変化成功演出やアイコン変化失敗演出)の対象となることはない。
時短回数が1回に設定されている場合、上記本変動が開始されるタイミングで移動し始めた移動アイコン56は、時間の経過に伴ってゆっくりと右側へ移動して行き、本変動の途中で移動バー55の右端付近に到達する(図27(A)参照)。そして、移動アイコン56が移動バー55の右端付近に到達すると、後述するチャレンジバトル演出(図24(H)参照)が開始される。このチャレンジバトル演出は、本変動に対応する時短1回目の第2特別図柄判定と、保留されている4つの第2特別図柄判定との合計5つの第2特別図柄判定の判定結果のいずれかが「小当たり」であるか否かを報知するために行われる演出である。
すなわち、従来であれば、上記5つの第2特別図柄判定のそれぞれに対して変動演出を行って、第2特別図柄判定毎に当落(小当たりか否か)を報知するのが一般的であるが、本実施形態の遊技機1では、合計5つの第2特別図柄判定の判定結果のいずれかが「小当たり」であるか否かを報知するために1回のチャレンジバトル演出(図24(H)参照)を行うという構成が採用されている。そして、5つの第2特別図柄判定の判定結果のいずれかが「小当たり」である場合には、チャレンジバトル演出の結果演出として勝利演出(図24(K)参照)が実行され、5つの第2特別図柄判定の判定結果の中に「小当たり」が無い場合(全てハズレである場合)には、チャレンジバトル演出の結果演出として敗北演出(図24(I)参照)が実行される。
<擬似変動回数示唆画像57>
擬似変動回数示唆画像57は、時短遊技状態で行われる第2特別図柄の変動表示の回数を少数(又は自然数)で表示するものである。
(時短回数が1回の場合)
時短回数が1回の場合、時短1回転目(最終変動)の第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が相対的に長い(例えば130秒)変動パターンが必ず選択される。これは、この1回転目の第2特別図柄の変動表示中に、遊技者に右打ちを促して第2特別図柄判定に係る4つの保留を溜めさせるためである。そして、この第2特別図柄の変動表示(上記本変動)が行われている間に、装飾図柄表示領域50では、時短遊技状態での第2特別図柄の変動表示が複数回行われているように見せ掛けるために、装飾図柄を第2特別図柄の変動時間よりも短い時間(例えば5秒)変動表示させてから(例えば1秒)擬似停止させる擬似短縮変動が繰り返し行われる。
このように、1回の第2特別図柄の変動表示中に擬似短縮変動を繰り返すことで、あたかも第2特別図柄判定に係る保留が減っているように遊技者に感じさせることができ、遊技者に対して右打ちを促す効果的に促すことができる。言い換えれば、1回の第2特別図柄の変動表示中に遊技者が遊技球の打ち出しを行わない止め打ちが行われるのを効果的に抑制することが可能である。
そして、上記擬似短縮変動が開始される毎に、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が0.1減少する。本実施形態では、時短回数が1回の場合は、擬似変動回数示唆画像57の初期表示が「1.0」であるため、合計10回の擬似短縮変動が行われると擬似変動回数示唆画像57が示す数値が0.0となり、チャレンジバトル演出が開始される。
(時短回数が5回の場合)
時短回数が5回の場合、時短1回転目から時短4回転目までは、第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が中程度(例えば30秒)である変動パターンが選択される。そして、この第2特別図柄の変動表示が行われている間に、装飾図柄表示領域50では、第2特別図柄の変動時間よりも短い時間(例えば2秒)変動表示させてから(例えば0.5秒)擬似停止させる擬似短縮変動が繰り返し行われる。
時短回数が5回に設定されると、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」(又は大当たり)となった場合と、第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となった場合の一部において、1回の第2特別図柄の変動表示中に繰り返される擬似短縮変動のいずれかで装飾図柄によるリーチを成立させ、リーチが成立した場合に行われるリーチ演出によって、当たり(小当たり又は大当たり)又はハズレを報知する。
なお、繰り返し行われる擬似短縮変動のどの擬似短縮変動でリーチを成立させるかは、第2特別図柄の変動パターンや、この変動パターンに対して選択された演出パターンによって異なる。
一方、第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、リーチ演出を行わないと決定された場合は、いずれの擬似短縮変動でもリーチを成立させずに、第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知する。
このような構成を採用することで、時短回数が100回に比べると少ない5回しか時短が付与されない場合において、擬似短縮変動を繰り返すことで、実際よりも多くの第2特別図柄判定が行われているように見せ掛けることができ、高い演出効果を得ることができる。
なお、この擬似短縮変動は、時短回数が100回に設定された場合の第2特別図柄の変動表示中には行われないという特徴がある。
図23の擬似変動回数示唆画像57に説明を戻すと、上記擬似短縮変動が開始される毎に、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が0.1減少する。本実施形態では、時短回数が5回の場合は、擬似変動回数示唆画像57の初期表示が「5.0」であり、1回目の第2特別図柄の変動表示が行われているときには、擬似短縮変動が開始される毎に、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が「4.9」、「4.8」、「4.7」と0.1ずつ減少していき、これに伴い、移動アイコン56が移動バー55上を右へと移動して行く。そして、1回目の第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、1回目の第2特別図柄の変動表示が終了する際に、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が「4.0」まで減少すると共に、移動アイコン56が移動バー55の右端に到達する。そして、2回目の第2特別図柄の変動表示が行われる際に、移動アイコン56が初期位置に復帰し、擬似短縮変動が開始される毎に、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が「4.0」、「3.9」、「3.8」と0.1ずつ減少していき、これに伴い、移動アイコン56が移動バー55上を右へと移動して行く。そして、2回目の第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、2回目の第2特別図柄の変動表示が終了する際に、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が「3.0」まで減少すると共に、移動アイコン56が移動バー55の右端に到達する。一方、2回目の第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」(又は「ハズレ」)である場合には、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が「3.0」になる前、すなわち、移動アイコン56が移動バー55の右端に到達する前にリーチが成立し、所定のリーチ演出が行われた後に、当たり報知演出(又はハズレ報知演出)が行われる。
なお、時短回数が5回の場合の時短5回転目は、時短回数が1回の場合の上記本変動にて必ず行われるのと同様の演出が行われるため、ここでの説明は省略する。
(時短回数が100回の場合)
時短回数が100回の場合、第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が相対的に短い(例えば2秒)変動パターンが選択される。このように、時短回数が100回の場合には、第2特別図柄の変動時間が相対的に短いため、時短回数が1回の場合や時短回数が5回の場合に行われる擬似短縮変動が行われることはない。このため、移動バー55および移動アイコン56は表示されない。
なお、本実施形態では、時短回数が100回の場合は、時短回数が1回の場合や5回の場合と同様に擬似変動回数示唆画像57が表示されるものの、擬似変動回数示唆画像57の初期表示が「100」であり、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が「1」減少する。すなわち、第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが続いた場合には、擬似変動回数示唆画像57が示す数字が、「99」、「98」、「97」と減少していく。
その一方で、時短回数が100回の場合は上記の擬似短縮変動が行われないため、第2特別図柄の変動表示中に移動バー55や移動アイコン56が表示されることはない。
また、時短回数が100回の場合は、100回転以内に1/7.5の小当たりを引き当てればよいために、小当たりを発生させることが容易である。このため、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」なった場合にも、「ハズレ」の場合と同様に、第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が相対的に短い(例えば2秒)変動パターンが選択される。このため、時短回数が100回の場合に第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」になると、リーチを成立させてリーチ演出を行うのではなく、装飾図柄および小図柄の変動表示を開始した直後にゾロ目の装飾図柄および小図柄を本停止させる即当たり演出が行われる。
[RUSHチャレンジバトルについて]
本実施形態の遊技機1では、5回または100回の時短が付与されることによって遊技者が小当たりを引き当て易いRSUH状態に突入するか否かを分かり易く報知するために、RUSHチャレンジバトルと命名された一連の演出が行われる(図24参照)。
このRUSHチャレンジバトルは、1回の時短が付与され、時短遊技状態に移行してから1回目の第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、1回転目の第2特別図柄の変動表示(例えば130秒のロング変動)と、保留されている第2特別図柄判定が消化された場合に行われる4回の第2特別図柄の変動表示とに跨るように行われる(図25(B)及び(C)参照)。
また、RUSHチャレンジバトルは、1回の時短が付与され、時短遊技状態に移行してから1回目の第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合には、1回転目の第2特別図柄の変動表示(例えば130秒のロング変動)中に行われる(図25(A)参照)。
一方、5回の時短が付与され、時短遊技状態に移行してから行われた5回の第2特別図柄判定の判定結果が全て「ハズレ」である場合には、5回転目の第2特別図柄の変動表示(例えば130秒のロング変動)と、保留されている第2特別図柄判定が消化された場合に行われる4回の第2特別図柄の変動表示とに跨るようにRUSHチャレンジバトルが行われる。
また、5回の時短が付与され、時短遊技状態に移行してから5回目の第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合には、5回転目の第2特別図柄の変動表示(例えば130秒のロング変動)中にRUSHチャレンジバトルが行われる。
[RUSHチャレンジバトルの流れ]
図24は、RUSHチャレンジバトルの流れを例示する説明図である。本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態のときに行われた第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となり、大当たりの種類として「7R時短1回大当たり」が選択された場合に、7回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技の終了後に、図24に例示される流れでRUSHチャレンジバトルの演出が行われる。
上記7Rの大当たり遊技が終了して時短遊技状態に移行すると、まず、第1チャージ促進演出(図24(A)参照)が行われる。本実施形態の遊技機1は、通常遊技状態で遊技が制御されているときや、大当たり遊技が行われているときには、基本的に第2始動口12に遊技球が入賞しない構成が採用されている。このため、時短遊技状態に移行した直後は、第2特別図柄が停止した状態にあり、また、第2特別図柄判定の保留数も「0」の状態にある。このため、第2特別図柄の変動表示を開始させるために、遊技者に右打ちを促す第1チャージ促進演出(図26(A)参照)が行われる。
この第1チャージ促進演出を受けて遊技者が右打ちを行い、第2始動口12に遊技球が入賞すると、時短1回目の変動が開始される(図26(B)参照)。具体的には、第2特別図柄の変動表示と、装飾図柄表示領域50における3つの図柄列の高速スクロール表示と、小図柄表示領域53における3つの小図柄の高速回転とが同時に開始される(図26(B)参照)。
このように、第2特別図柄の変動表示が開始されると、図23に基づいて上述した移動バー55が液晶画面5の下端部に表示される(図24(C)参照)。そして、移動バー55における左端に移動アイコン56が表示される(図24(D)参照)。
ところで、本実施形態の遊技機1では、時短1回の第2特別図柄判定と保留されている4回の第2特別図柄判定の合計5回の第2特別図柄判定の判定結果を一連のRUSHチャレンジバトルの結果演出にて報知する構成が採用されているが、RUSHチャレンジバトルの結果演出である勝利演出(図24(K)参照)または敗北演出(図24(I)参照)は、時短1回目の第2特別図柄の変動表示中から開始される(図25(B)及び(C)参照)。このため、時短1回目の第2特別図柄の変動表示中の所定タイミング(勝利演出または敗北演出が開始されるタイミング)において、保留されている4回の第2特別図柄判定に係る4個の事前判定情報を予め取得しておいて、勝利演出と敗北演出のどちらの結果演出を行うかを決定する必要がある。
したがって、時短1回目の第2特別図柄の変動表示中から勝利演出または敗北演出を開始させるべく、第2特別図柄判定の保留を上限の4個まで溜めさせるために遊技者に右打ちを行わせる必要がある。
このため、時短1回目の第2特別図柄の変動表示が開始されると、第2特別図柄判定の保留を遊技者に溜めさせるための第2チャージ促進演出が行われる(図24(E)、図26(D)参照)。
この第2チャージ促進演出を受けて遊技者が右打ちを行うと、第2特別図柄の変動表示中であるために、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第2特別図柄判定の権利が保留され、これに伴い、移動バー55における右側領域に、第2特別図柄判定の保留数と同数の保留示唆アイコンが表示される。
このようにして、第2特別図柄判定の保留数が「4」に到達して、移動バー55に4つの保留示唆アイコンが表示されると、第2特別図柄判定の保留が上限の4つまで溜まったことを示唆するチャージ完了示唆演出が行われる(図24(F)、図26(E)参照)。
図24には表れていないが、上述した擬似短縮変動が繰り返されて擬似変動回数示唆画像57が示す数値が「0.0」になると共に、移動アイコン56が移動バー55の右端付近まで移動すると、装飾図柄表示領域50に同一の左図柄および右図柄が擬似停止してリーチが成立する(図24(G)、図27(B)参照)。そして、主人公キャラと敵キャラとがバトルを行うチャレンジバトル演出が開始される(図24(H)、図27(D)〜(G)、図28(A)参照)。
そして、チャレンジバトルが終了して、勝利演出または敗北演出を開始するタイミングになると、サブCPU131は、勝利演出と敗北演出のどちらを行うかを決定するために、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドおよび保留コマンドに基づいて、以下の決定処理を行う。具体的には、今回の第2特別図柄の変動表示が開始される際に遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている情報に基づいて、今回の時短1回目の第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であるか否かを特定する。また、第2特別図柄判定が保留される毎に遊技制御基板100から受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、保留されている第2特別図柄判定が行われた場合に「小当たり」と判定されるか否かを特定する。そして、これら2つの特定結果に基づいて、勝利演出と敗北演出のどちらの結果演出を行うかを決定する。
サブCPU131は、今回の時短1回目の第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、保留されている4つの第2特別図柄判定の判定結果が全て「ハズレ」であると特定した場合、敗北演出(図24(I)参照)を行うと決定する。この場合、チャレンジバトルに続いて敗北演出が行われた後に、所定のチャレンジ終了演出が行われることになる(図24(J)参照)。
一方、サブCPU131は、今回の時短1回目の第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であると特定した場合、勝利演出(図24(K)参照)を行うと決定する。この場合、チャレンジバトルに続いて勝利演出が行われた後に、小当たり遊技(図24(L)参照)が開始される。
また、サブCPU131は、今回の時短1回目の第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、保留されている4つの第2特別図柄判定の判定結果のいずれかが「小当たり」であると特定した場合も同様に、勝利演出(図24(K)参照)を行うと決定する。
なお、この勝利演出は、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中に開始されるものであるが、勝利演出を行うと決定する上記2つの場合に関する記載から明らかなように、本実施形態の遊技機1では、今回の時短1回目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合に、1回転目の第2特別図柄の変動表示中に勝利演出が行われる。その一方で、時短1回目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合に、時短1回目の第2特別図柄の変動表示中において、上記勝利演出とと同じ勝利演出が行われるという特徴がある(図25(A)及び(B)参照)。
[RUSHチャレンジバトルの具体例]
以下、図25〜図30を参照しつつ、RUSHチャレンジバトルの具体例について説明する。ここで、図25は、RUSHチャレンジバトル中に行われる演出と小図柄の表示態様とについて説明するためのタイムチャートである。図26〜図30は、RUSHチャレンジバトルの具体例を示す画面図である。
図26(A)には、第1特別図柄判定に係る大当たり遊技が終了して時短遊技状態に移行した直後に、図24に基づいて上述した第1チャージ促進演出が行われている様子が例示されている。大当たり遊技が終了して時短遊技状態に移行した直後は、第2特別図柄判定の権利が全く得られていない状態にある。そして、第1特別図柄判定の権利が保留されていない場合には、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれもが停止した状態となっている。このため、小図柄表示領域53では、大当たり遊技が開始される前に本停止していたのと同じゾロ目の小図柄が完全に静止した本停止状態となっている。
なお、本実施形態の第1チャージ促進演出は、「CHARGE」の文字を含む大きな右向き矢印の左上に「右打ち」の文字が重ねられたチャージ促進画像を液晶画面5の中央に表示することによって実現される(図26(A)参照)。また、ここでは、第1特別図柄判定に係る「7R時短1回大当たり」に応じて時短1回の時短遊技状態に移行しているため、「1.0」の数字を示す擬似変動回数示唆画像が液晶画面5の左上端に表示される(図26(A)参照)。
第1チャージ促進演出が行われている状況で遊技者が右打ちを行って遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると共に、装飾図柄表示領域50において3つの図柄列が上から下へのスクロールするように装飾図柄の変動表示が開始され、且つ、小図柄表示領域53において3つの小図柄の高速回転が開始される(図26(A)及び(B)参照)。
なお、装飾図柄の変動表示の開始が1回目の擬似短縮変動の開始となるため、装飾図柄および小図柄の変動表示が開始されるのに伴って、擬似変動回数示唆画像が示す数字が「1.0」から「0.9」に変化する(図26(A)及び(B)参照)。また、装飾図柄および小図柄の変動表示が開始されると直ぐに、移動バー55および移動アイコン56が表示され、移動アイコン56の移動が開始される(図26(B)〜(C)、図24(B)〜(D)参照)。
移動アイコン56の移動が開始されると、第2チャージ促進演出が開始される(図26(D)、図24(E)参照)。本実施形態では、この第2チャージ促進演出において、第1チャージ促進演出に使用されるチャージ促進画像と表示内容が同じであって、このチャージ促進進画像を縮小した縮小画像が用いられる(図26(A)及び(D)参照)。なお、図26(D)には、遊技者が右打ちを行って第2始動口12に遊技球が入賞して第2特別図柄判定の保留数が「1」となり、移動バー55における右側領域に1つの保留示唆アイコンが表示された様子が例示されている。
第2チャージ促進演出が行われている状態で第2特別図柄判定の保留数が上限の「4」に到達すると、移動バー55における右側領域に表示される保留示唆アイコンが4つになり、チャージ完了示唆演出が行われる(図26(E)、図24(E)参照)。このチャージ完了示唆演出は、本実施形態では、第2チャージ促進演出に用いられる縮小画像における「CHARGE」の文字を「MAX」に変化させることによって実現される。
次に、1回目の擬似短縮変動に関して装飾図柄を擬似停止させるタイミングになると、ハズレを示す態様(図26(F)では「213」)で3つの装飾図柄が擬似停止し(図26(F)参照)、これらの装飾図柄が所定時間擬似停止すると、3つの図柄列が再始動して2回目の擬似短縮変動が開始される(図26(G)参照)。この2回目の擬似短縮変動の開始に伴い、擬似変動回数示唆画像57が示す数値が0.1減少して「0.8」になる(図26(F)及び(G)参照)。そして、2回目の擬似短縮変動に関して装飾図画を擬似停止させるタイミングになると、ハズレを示す態様(図26(H)では「824」)で3つの装飾図柄が擬似停止し、続いて3回目の擬似短縮変動が開始される。
図27(A)には、10回の擬似短縮変動が繰り返された結果として、擬似変動回数示唆画像57が示す数字が「0.0」になると共に、移動アイコン56が移動バー55の右端付近まで移動し、装飾図柄表示領域50の左列に9図柄(左9図柄)が擬似停止し、右列では同じ9図柄(右9図柄)が上方からゆっくりと移動してきて、9図柄でリーチが成立することに対する遊技者の期待感を高めるリーチ成立煽り演出が行われている様子が例示されている。
このリーチ成立煽り演出の結果として、有効ライン上に左9図柄と同じ右9図柄が擬似停止するとリーチ成立となる(図27(B)、図24(G)参照)。このようにしてリーチが成立すると、チャレンジバトル演出に発展することを示唆する発展示唆演出が行われる(図27(C)参照)。具体的には、液晶画面5に表示されていた背景画像が白一色の背景画像に変化して、装飾図柄表示領域50に表示されていたリーチ図柄(ここでは9図柄)が消去される。そして、これに伴い、左小図柄および右小図柄がリーチ図柄と同じ数字(ここでは「9」)を示す態様で擬似停止する一方、中小図柄は高速回転を継続する(図27(C)参照)。
発展示唆演出が行われると、液晶画面5に表示されていた移動バー55および移動アイコン56が消去され、主人公キャラと敵キャラとが対峙してチャレンジバトル演出が開始される(図27(C)及び(D)参照)。このようにしてチャレンジバトル演出が開始されると、例えば、主人公キャラと敵キャラとが攻防を繰り広げる様子を表す攻防演出が行われる(図27(E)参照)。そして、例えばチャレンジバトル演出の中盤に差し掛かると、主人公キャラや敵キャラが発するセリフを液晶画面5に表示するテロップ表示が行われる(図27(F)参照)。なお、図27(F)には、敵キャラがセリフを発するテロップ表示が行われている様子が例示されている。また、このテロップ表示では、セリフの文字が白色の場合と赤色の場合とがあり、後者の場合の方が前者の場合に比べて大当たり信頼度が高いという特徴がある。
次に、チャレンジバトル演出の終盤に差し掛かってくると、主人公キャラが敵キャラを倒してバトルに勝利することに対する遊技者の期待感を高める煽り演出が行われる(図27(G)参照)。具体的には、図27(G)に例示されるように、主人公キャラが持ち替えた武器(光線銃)から発射されたビーム光線が敵キャラに向かって行く様子を表す演出表示が行われる。
図27(G)の煽り演出が行われると、操作促進演出が行われる(図28(A)参照)。この操作促進演出では、演出ボタン26の操作が有効になる有効期間が予め設定され、例えば、演出ボタン26を模したボタン画像と、演出ボタン26の操作を遊技者に促す「押せ!!」の文字と、有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
<時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が小当たりの場合>
ここで、今回の時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が開始される際に行われた第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合、操作促進演出に対して遊技者が演出ボタン26を操作したことに応じて、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であることを示唆する勝利演出が行われる(図28(B)参照)。具体的には、小図柄表示領域53にリーチ態様で表示されていた3つの小図柄がゾロ目(ここでは「999」)を示す態様で擬似停止し、主人公キャラが敵キャラを倒したことを示す「撃破!」の文字と、バトルに勝利した主人公キャラが喜ぶ様子が表示される。
なお、有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作しなかった場合には、有効期間が満了したことに応じて、勝利演出が開始される。
そして、装飾図柄が非表示となっていた装飾図柄表示領域50において、3つの小図柄と同じゾロ目(ここでは「999」)を示す3つの装飾図柄を擬似停止する(図28(C)参照)。なお、ここでは、上述した図柄昇格演出によって、「999」のゾロ目を示す3つの装飾図柄が変化する可能性があり、「999」のゾロ目を示す3つの装飾図柄がそのまま本停止することが確定していない。このため、小図柄表示領域53では、「999」のゾロ目を示す3つの装飾図柄が擬似停止し始めるのに伴い、3つの小図柄の高速回転が再開される(図28(C)参照)。
そして、時短1回転目の第2特別図柄判定に係る小当たりの種類として「16R時短100回小当たり」が選択されている場合には、「999」のゾロ目を示す3つの装飾図柄が、「16R時短100回小当たり」に対応する「777」のゾロ目へと変化し、これに伴い、同じく「777」のゾロ目を示す3つの小図柄が擬似停止する。そして、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了して第2特別図柄として小当たり図柄が停止表示されるのに伴い、「777」のゾロ目を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄が同時に本停止する(図28(D)参照)。
一方、図には示されていないが、「12R時短5回小当たり」が選択されている場合には、「999」のゾロ目を示す3つの装飾図柄が、「12R時短5回小当たり」に対応する「333」のゾロ目へと変化し、これに伴い、同じく「333」のゾロ目を示す3つの小図柄が擬似停止する。そして、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了して第2特別図柄として小当たり図柄が停止表示されるのに伴い、「333」のゾロ目を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄が同時に本停止する。
なお、「4R時短5回小当たり」が選択されている場合には、「999」のゾロ目を示す3つの装飾図柄が変化せずに、「999」のゾロ目を示す3つの小図柄が擬似停止する。そして、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了して第2特別図柄として小当たり図柄が停止表示されるのに伴い、「999」のゾロ目を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄が同時に本停止する。
図25(A)は、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合の、第2特別図柄の動きと、装飾図柄表示領域50を用いて行われる表示演出と、小図柄表示領域53における小図柄の動きとの対応関係を示すタイムチャートである。
ここまで、図26(A)〜(H)、図27(A)〜(G)、図28(A)〜(D)を参照しつつ、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合の一連の演出について説明したが、この場合、図25(A)に例示されるように、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が行われている期間(本実施形態では130秒間)の前半部分では、装飾図柄表示領域50における装飾図柄を用いた擬似短縮変動が繰り返されると共に、小図柄表示領域53では、3つの小図柄の高速回転が行われる。
そして、リーチが成立すると、小図柄表示領域53では、左小図柄および右小図柄がリーチ図柄と同じ数字(ここでは「9」)を示す態様で擬似停止すると共に、中小図柄は高速回転を継続する。これに対して、装飾図柄表示領域50を含む表示領域では、装飾図柄が非表示となってチャレンジバトル演出が行われる。そして、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示の終盤に差し掛かって来ると、ゾロ目を示す3つの小図柄が擬似停止した状態で、上述した勝利演出が行われる。そして、第2特別図柄として小当たり図柄が停止表示されるのに伴い、ゾロ目を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄が本停止する。
<保留も含め全てハズレである場合>
図25(C)は、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中に溜まった4つの第2特別図柄判定の保留に対応する事前判定情報がいずれも「ハズレ」を示している場合の、第2特別図柄の動きと、装飾図柄表示領域50を用いて行われる表示演出と、小図柄表示領域53における小図柄の動きとの対応関係を示すタイムチャートである。
今回の時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中に溜まった第2特別図柄判定の保留が消化された場合に全て「ハズレ」となる場合(図25(C)参照)には、以下のような演出が行われる。具体的には、図25(A)及び図25(C)の比較から明らかなように、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中のチャレンジバトル演出が終了するまでは、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合と共通する演出が行われる。すなわち、図26(A)〜(H)、図27(A)〜(G)、図28(A)に示される一連の演出と共通する演出が行われる。
その一方で、時短1回転目に係る第2特別図柄判定と保留されている4つの第2特別図柄判定の計5回の判定結果が全て「ハズレ」である場合は、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示の終盤において、勝利演出ではなく敗北演出が行われる(図25(C)参照)。具体的には、図28(A)に示される操作促進演出に対して遊技者が演出ボタン26を操作すると、例えば、主人公キャラが敵キャラとのバトルに敗れて倒れ込んでいる様子を表す敗北演出が行われる(図28(E)参照)。なお、操作促進演出に関する有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作しなかった場合にも同様に、有効期間が満了したことに応じて敗北演出が行われる。
なお、この敗北演出が行われているときには、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中であり、時短1回転目の第2特別図柄の判定結果が「ハズレ」であるため、小図柄表示領域53では、リーチハズレ目(例えば「919」)を示す3つの小図柄が擬似停止する(図28(E)及び図25(C)参照)。
続いて、変動表示中であった第2特別図柄としてハズレ図柄が本停止されるのに伴い、図28(F)〜(H)、図29(A)〜(F)に例示されるチャレンジ終了演出が行われる(図25(C)参照)。具体的には、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了して第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、図22(H)に基づいて上述したのと同様に、先ずは、右方向に移動する左扉と左方向に移動する右扉とが液晶画面5の中央で当接して、前方が閉ざされる様子を表すアニメーションが表示され、液晶画面5の中央には、「チャレンジ終了」の文字が表示される。
なお、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了して第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、敗北演出の際にリーチハズレ目(ここでは「919」)を示す態様で擬似停止していた3つの小図柄が、そのまま本停止する(図28(E)及び(F)参照)。
次に、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(例えば10秒)が経過すると、1つ目の保留に対応する第2特別図柄判定が行われると共に、第2特別図柄の変動パターンとして、例えば、第2特別図柄の変動時間が1秒である変動パターンが選択される。そして、これに応じて、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されるが、1つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ変動時間が1秒と極めて短い第2特別図柄の変動パターンが選択されているため、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示に伴って3つの小図柄が1秒間高速回転し(図28(G)参照)、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、バラケ目(ここでは「549」)を示す3つの小図柄が本停止する(図28(H)、図25(C)参照)。
なお、この1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されてから終了した後も、チャレンジ終了演出の画面表示が維持される(図28(F)〜(H)参照)。
次に、1つ目の保留に対応する第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(例えば0.6秒)が経過すると、2つ目の保留に対応する第2特別図柄判定が行われると共に、第2特別図柄の変動パターンとして、例えば、第2特別図柄の変動時間が1秒である変動パターンが選択される。そして、これに応じて、2つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されるが、2つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ変動時間が1秒と極めて短い第2特別図柄の変動パターンが選択されているため、2つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示に伴って3つの小図柄が1秒間高速回転し(図29(A)参照)、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、バラケ目(ここでは「416」)を示す3つの小図柄が本停止する(図29(B)、図25(C)参照)。
なお、この2つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されてから終了した後も、チャレンジ終了演出の画面表示が維持される(図29(A)〜(B)参照)。
次に、2つ目の保留に対応する第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(例えば0.6秒)が経過すると、3つ目の保留に対応する第2特別図柄判定が行われると共に、第2特別図柄の変動パターンとして、例えば、第2特別図柄の変動時間が1秒である変動パターンが選択される。そして、これに応じて、3つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されるが、3つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ変動時間が1秒と極めて短い第2特別図柄の変動パターンが選択されているため、3つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示に伴って3つの小図柄が1秒間高速回転し(図29(C)参照)、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、バラケ目(ここでは「835」)を示す3つの小図柄が本停止する(図29(D)、図25(C)参照)。
なお、この3つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されてから終了した後も、チャレンジ終了演出の画面表示が維持される(図29(C)〜(D)参照)。
次に、3つ目の保留に対応する第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(例えば0.6秒)が経過すると、最後の4つ目の保留に対応する第2特別図柄判定が行われると共に、第2特別図柄の変動パターンとして、例えば、第2特別図柄の変動時間が1秒である変動パターンが選択される。そして、これに応じて、4つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されるが、4つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ変動時間が1秒と極めて短い第2特別図柄の変動パターンが選択されているため、4つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示に伴って3つの小図柄が1秒間高速回転し(図29(E)参照)、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、バラケ目(ここでは「352」)を示す3つの小図柄が本停止する(図29(F)、図25(C)参照)。
なお、この4つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの間も、チャレンジ終了演出の画面表示が維持される(図29(E)〜(F)参照)。そして、4つ目の保留に対応する第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間が経過すると、左扉および右扉が開いて通常遊技状態に対応する通常画面が露わになる(図29(G)参照)。その際、左打ちに戻すよう遊技者に促す「←ハンドルを左に戻してね」という文字が液晶画面5に表示されると共に、その文字に対応する音声がスピーカ24から出力される。
ここまで、図28(F)〜(H)、図29(A)〜(F)を参照しつつ、チャレンジ終了演出について説明したが、説明からも明らかなように、このチャレンジ終了演出は、時短1回転目に対応する第2特別図柄の停止表示が開始されてから、4つ目の保留に対応する第2特別図柄が停止表示されて所定の確定時間が経過するまで継続される(図25(C)参照)。そして、チャレンジ終了演出に係る画面表示が維持された状態で、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果がハズレであることを報知するバラケ目(ここでは「919」)が本停止し(図28(F)参照)、同じくチャレンジ終了演出に係る画面表示が維持された状態で、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が行われる期間を挟んで、1つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果がハズレであることを報知するバラケ目(ここでは「549」)が本停止する(図28(H)参照)。そして、同じくチャレンジ終了演出に係る画面表示が維持された状態で、2つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が行われる期間を挟んで、2つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果がハズレであることを報知するバラケ目(ここでは「416」)が本停止し(図29(B)参照)、3つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が行われる期間を挟んで、3つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果がハズレであることを報知するバラケ目(ここでは「835」)が本停止する(図29(D)参照)。そして最後に、同じくチャレンジ終了演出に係る画面表示が維持された状態で、4つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が行われる期間を挟んで、4つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果がハズレであることを報知するバラケ目(ここでは「352」)が本停止する(図29(F)参照)。
その一方で、このように、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示される5回の停止表示期間に跨って行われるチャレンジ終了演出が行われている間は、装飾図柄が表示されることはなく、小図柄表示領域53に表示される小図柄を用いて、5つの第2特別図柄判定の判定結果がハズレであることが断続的に報知される。
このため、チャレンジ終了演出が行われている間に4つの保留に対応する第2特別図柄判定が順に消化されていることに遊技者が気付き難く、4つの保留を含め合計5つの第2特別図柄判定の判定結果が全てハズレであることを報知する1回のチャレンジ終了演出を効果的に行うことが可能である。
<時短1回転目がハズレで、保留内に小当たりがある場合>
図25(B)は、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中に溜まった4つの第2特別図柄判定の保留に対応する事前判定情報のうちの3個目の保留に対応する事前判定情報が「小当たり」を示している場合の、第2特別図柄の動きと、装飾図柄表示領域50を用いて行われる表示演出と、小図柄表示領域53における小図柄の動きとの対応関係を示すタイムチャートである。
今回の時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中に溜まった第2特別図柄判定の保留が順番に消化されて3個目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となる場合(図25(B)参照)には、以下のような演出が行われる。具体的には、図25(A)及び図25(B)の比較から明らかなように、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中のチャレンジバトル演出が終了するまでは、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合と共通する演出が行われる。すなわち、図26(A)〜(H)、図27(A)〜(G)、図28(A)に示される一連の演出と共通する演出が行われる。
その一方で、3つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となる場合には、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示の終盤において、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果は「ハズレ」であるにも拘わらず、勝利演出が行われる(図25(B)参照)。具体的には、図28(A)に示される操作促進演出に対して遊技者が演出ボタン26を操作すると、図28(B)〜(D)に示されるのと同様の勝利演出が行われる(図30(A)及び(B)参照)。具体的には、主人公キャラが敵キャラを倒したことを示す「撃破!」の文字と、バトルに勝利した主人公キャラが喜ぶ様子が表示される。
ただし、図28(B)〜(D)に例示される勝利演出と、図30(A)及び(B)に例示される勝利演出とは、以下の点で互いに異なっている。
すなわち、図28(B)〜(D)に例示される勝利演出は、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であることを報知する目的で行われる演出であるため、小図柄表示領域53では、ゾロ目を示す態様の3つの小図柄が擬似停止してから本停止する。
一方、図30(A)及び(B)に例示される勝利演出は、ここでは、3つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となることを報知する目的で行われる演出である。このため、小図柄表示領域53では、1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ4つの保留に対応する第2特別図柄判定のいずれかの判定結果が「小当たり」となることを報知するために、中小図柄が「V」であるリーチハズレ目(ここでは「9V9」)を示す3つの小図柄が擬似停止してから本停止する(図30(A)及び(B)、図25(B)参照)。なお、中小図柄が高速回転しているときには、この中小図柄は、瞬間的に1〜9のいずれかの数字を示し、「V」を示すことはない。このため、上記の「9V9」のような「V」を示す中小図柄を含む3つの小図柄の表示は、例えば、本来は「9」の次の表示される「1」を示す中小図柄を「V」を示す中小図柄に差し替えることによって実現される。このことは、「V」を示す中小図柄を含むバラケ目を表示する場合についても同様である。
このように、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了して中小図柄が「V」であるリーチハズレ目を示す3つの小図柄が本停止した場合に、これら3つの小図柄がゾロ目を形成していないことから、遊技者は、時短1回転目の第2特別図柄の判定結果が「ハズレ」であることを認識することが可能である。また、本停止した3つの小図柄がゾロ目を形成していないものの、保留内に小当たりとなる第2特別図柄判定が存在することを示唆する「V」の小図柄(本実施形態では中小図柄)が含まれていることから、遊技者は、第2特別図柄判定に係る4つの保留の中に「小当たり」と判定されることになるものが存在することを認識することが可能である。
ただし、図30(A)以降の画面図に示されている勝利演出が行われている間は、装飾図柄表示領域に装飾図柄が表示されることがない。このため、勝利演出が行われているときに、その勝利演出が、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であることに対して行われているのか、或いは、第2特別図柄判定に係る4つの保留のいずれかが「小当たり」と判定されることに対して行われているのかの判別が必ずしも容易ではないことから、極めて興趣性が高い勝利演出の実行が可能である。
勝利演出の具体例に説明を戻すと、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(例えば10秒)が経過すると、1つ目の保留に対応する第2特別図柄判定が行われると共に、第2特別図柄の変動パターンとして、例えば、第2特別図柄の変動時間が1秒である変動パターンが選択される。そして、これに応じて、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されるが、1つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ変動時間が1秒と極めて短い第2特別図柄の変動パターンが選択されているため、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示に伴って3つの小図柄が1秒間高速回転し(図30(C)参照)、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、中小図柄が「V」であるバラケ目(ここでは「4V2」)を示す3つの小図柄が本停止する(図30(D)、図25(B)参照)。なお、ここでは、第2特別図柄の変動時間が1秒と極めて短いことから、中小図柄が「V」であるバラケ目を示す3つの小図柄が擬似停止することなく本停止する。
なお、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中には、チャレンジバトル演出と呼ばれるリーチ演出が行われていたため、この変動表示が終了すると中小図柄が「V」であるリーチハズレ目(ここでは「9V9」)を示す3つの小図柄が本停止する。これに対して、保留に対応する第2特別図柄判定が実行されて第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄の変動時間が1秒と極めて短く、リーチ演出が行われることがない。また、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示に関しては、対応する第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であるにも拘わらず、その変動表示が開始される前から勝利演出が開始されている。このため、今回の第2特別図柄の変動表示中にリーチ演出を行う必要性もないと言える。
このため、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示に伴って3つの小図柄を1秒間高速回転させた後は、「V」を示す中図柄を含むものの、リーチハズレ目ではなくバラケ目を示す3つの小図柄(例えば「4V2」)を本停止させることとしている(図30(D)、図25(B)参照)。
なお、この1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始される前から勝利演出が行われているが、この変動表示が終了した後も、勝利演出の画面表示が維持される(図30(A)〜(D)参照)。
次に、1つ目の保留に対応する第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(例えば0.6秒)が経過すると、2つ目の保留に対応する第2特別図柄判定が行われると共に、第2特別図柄の変動パターンとして、例えば、第2特別図柄の変動時間が1秒である変動パターンが選択される。そして、これに応じて、2つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されるが、2つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ変動時間が1秒と極めて短い第2特別図柄の変動パターンが選択されているため、2つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示に伴って3つの小図柄が1秒間高速回転し(図30(E)参照)、第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、小図柄が「V」であるバラケ目(ここでは「5V8」)を示す3つの小図柄が本停止する(図30(F)、図25(B)参照)。
なお、この2つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始される前から勝利演出が行われているが、この変動表示が終了した後も、勝利演出の画面表示が維持される(図30(E)〜(F)参照)。
次に、2つ目の保留に対応する第2特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(例えば0.6秒)が経過すると、3つ目の保留に対応する第2特別図柄判定が行われるが、ここでは、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となる。このため、第2特別図柄の変動パターンとして、ハズレの場合に選択される変動時間が1秒の変動時間が短い変動パターンではなく、例えば、第2特別図柄の変動時間が16秒である長めの変動パターンが選択される。そして、これに応じて、3つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されると、依然として勝利演出の画面構成が維持されたままの状態で、小図柄表示領域53における小図柄の高速回転が先ずは行われる(図30(G)参照)。
3つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であることを報知する場合には、1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であることを報知する場合との区別が容易につかないようにするためには、この後者の場合と同様の演出を行うことが好ましい。
このため、3つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が行われているときには、図28(C)〜(D)に示されているのと同様の演出を行うこととしている。具体的には、図30(G)に基づいて上述したように3つの小図柄を高速回転させた状態で、ゾロ目(例えば「666」)を示す3つの装飾図柄を装飾図柄表示領域50に擬似停止させる。そして、3つの小図柄を高速回転させた状態を維持したまま図柄昇格演出の第1の移動表示(図12(B)参照)を開始し、図柄昇格演出の第2の移動表示(図12(C)参照)において、奥側へと移動したゾロ目とは異なる「777」のゾロ目(又は奥側へと移動したゾロ目と同じゾロ目)が奥側から手前に飛び出してくるように移動するのに伴い、3つの小図柄を同じ数字を示すゾロ目(例えば「777」)で擬似停止させる(図30(H)参照)。そして、第2特別図柄として小当たり図柄が停止表示されるのに伴い、同じゾロ目を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄を同時に本停止させる。
なお、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示中と、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示中には、小図柄の擬似停止表示は行われない。これに対して、1回転目の第2特別図柄の変動表示中と、小当たりが報知される3つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示中には、小図柄の擬似停止表示が同様に行われる。
[勝利演出の特徴]
本実施形態の遊技機1では、時短1回転目に係る第2特別図柄判定において小当たり遊技を実行すると判定された場合に、小当たり遊技が実行されることを報知する当たり報知演出として、図28(B)〜(D)に例示される勝利演出が行われる。この勝利演出は、本実施形態では、主人公キャラが敵キャラを倒したことを示す「撃破!」の文字と、バトルに勝利した主人公キャラが喜ぶ様子を表す演出表示として構成されている。
一方、時短1回転目に係る第2特別図柄判定において小当たり遊技を実行しないと判定された場合(判定結果が「ハズレ」である場合)には、図28(B)〜(D)に例示される勝利演出と共通する勝利演出が行われるという特徴がある(図30(A)〜(B)参照)。
また、図30(A)〜(B)に例示される勝利演出の実行中に、小当たり遊技が実行されないことを報知する際には、小当たり遊技を実行すると判定されることになる第2特別図柄判定の権利が保留されていることを示唆する態様(「V」を示す中図柄を含むリーチハズレ目を示す3つの小図柄)で、小図柄が本停止するという特徴がある(図30(B)参照)。そして、この小図柄の本停止は、ゾロ目ではなく例えば「9V9」といったリーチハズレ目を示すものであるため、小当たり遊技が実行されないことを示唆する示唆演出としての機能を有しているという特徴もある。
なお、ここでは、3つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合を例に説明を行ったが、例えば4つ目の保留に対応する第2特別図柄判定の判定結果のみが「小当たり」であるような場合には、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示の途中から、4つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示の終了時に跨るように、同様の勝利演出が行われることになる。
[時短5回の場合のRUSHチャレンジバトルについて]
ここまで、時短1回が付与された場合に、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示の開始から、小当たりとなる3つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が終了するまでに行われるRUSHチャレンジバトルについて説明した。これに対して、時短5回が付与された場合には、以下のような流れで演出が行われる。すなわち、時短1回転目から時短4回転目までは、4回の第2特別図柄の変動表示のそれぞれにおいて、個別に当落(小当たり又はハズレ)を報知する演出が行われる。そして、時短5回転目の第2特別図柄判定と保留されている4つの第2特別図柄判定に対しては、時短1回が付与された場合に行われる上記RUSHチャレンジバトルと同様の演出が行われる。なお、時短1回転目に限り、少なくとも第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であることを条件として、後述する即当たり演出(図31参照)が実行され得る。
[勝利演出に関する変形例]
なお、勝利演出に関して以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、「V」を示す中図柄を含むリーチハズレ目(又はバラケ目)を示す3つの小図柄を表示することによって、その変動はハズレとなるものの残り保留の中に小当たりとなるものが存在することを示唆することとしている。これに対して、他の実施形態では、残り保留の中に小当たりとなるものが存在する場合に、「V」を示す小図柄を含まないリーチハズレ目(又はバラケ目)を示す3つの小図柄を表示し、例えば、残り保留の中に小当たりが存在することを示すキャラクタや文字を表示したり、或いは枠ランプ37を特定の発光パターンで発光させる制御を行ったりしてもよい。ただし、このような構成を採用する場合には、今回の第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であるような場合には、上記のキャラクタや文字の表示、枠ランプ37を特定の発光パターンで発光させる制御を行わず、今回の第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であるような場合に、上記のキャラクタや文字の表示、枠ランプ37を特定の発光パターンで発光させる制御を行うようにするのが好ましい。
また、他の実施形態では、小図柄を用いないで保留内に小当たりとなるものが存在することを示唆するために、第2特別図柄の保留数を示す数字を普段は青色で表示する一方、保留内に小当たりとなるものが存在する場合には上記の数字を虹色で表示するといった構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、「V」を示す中小図柄は、第1特別図柄の変動表示中や停止表示中、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」(又は「大当たり」)となったことに応じて行われる第2特別図柄の変動表示中や停止表示中には表示されない中小図柄とされている。これに対して、他の実施形態では、「V」を示す中小図柄は、第1特別図柄の変動表示中や停止表示中、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」(又は「大当たり」)となったことに応じて行われる第2特別図柄の変動表示中や停止表示中にも、「V」を示す中小図柄を、「ハズレ」を報知するための1つの小図柄として使用してもよい。
[即当たり演出について]
図31は、時短回数が5回に設定された場合の時短1回転目に行われる巻き戻し演出の流れを例示する説明図である。本実施形態の遊技機1では、メインCPU101は、5回の時短を付与した後、時短遊技状態に移行してから最初に行った第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となった場合に、第2特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する。その際、第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が60秒と相対的に長い変動パターンAを選択する場合と、第2特別図柄の変動時間が35秒と相対的に短い変動パターンBを選択する場合とがあり、変動パターンBが選択された場合に、巻き戻し演出としての機能を有する即当たり演出が行われる(図31参照)。
なお、即当たり演出は、大当たり遊技終了後にいきなり小当たりとなったように見せ掛ける演出であるため、大当たり遊技の終了時に第2特別図柄判定に係る権利が保留されていない場合には、行わないようにするのが好ましい。
このため、本実施形態では、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となり、この「小当たり」に応じて小当たり遊技に続く大当たり遊技の終了時に第2特別図柄判定に係る保留がなければ、その後に第2始動口12に遊技球が入賞して時短1回転目の第2特別図柄判定が実行され、その判定結果が「小当たり」になったとしても、上記変動パターンBを選択しない構成が採用されている。また、第1特別図柄判定の結果が「7R時短1回大当たり」となって時短回数が1回に設定された場合には、上述したように、大当たり遊技終了時に第2特別図柄判定の権利が保留されていないことから、仮に時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」になったとしても、上記変動パターンBは選択されない。すなわち、即当たり演出は行われない。
遊技機1では、時短遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となった場合に、以下のような流れで演出が行われる。
すなわち、この第2特別図柄判定に対応する第2特別図柄の変動表示の終盤では、例えば偶数のゾロ目(例えば「444」)を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄が擬似停止する(図31(A)参照)。次に、上述した図柄昇格演出(図31(B)参照)が行われるが、今回の第2特別図柄判定に係る小当たりの種類が「4R時短5回小当たり」であるために、ゾロ目の数字が変化することなく、上記偶数のゾロ目を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄が擬似停止してから、第2特別図柄の停止表示に伴ってこれらの図柄が本停止することになる(図31(C)参照)。
これに対して、上記の本停止から所定の確定時間が経過すると、小当たり遊技が実行され、小当たり遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過すると、大入賞口13を用いる大当たり遊技が行われるが、この大当たり遊技のオープニング期間において、小当たりの種類を報知したり、遊技者に右打ちを促したりするオープニング演出が行われる(図31(D)参照)。そして、大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が行われているときには、その長開放ラウンド遊技のラウンド数を報知したり、払い戻された賞球の合計獲得数を表示したりするラウンド中演出が行われる(図31(E)参照)。その後、最終の長開放ラウンド遊技が終了して大当たり遊技のエンディング期間になると、大当たり遊技終了後の演出モードを報知したりするエンディング演出が行われる(図31(F)参照)。
このようにして大当たり遊技が終了すると、5回の時短が付与される時短遊技状態となる。ここで、第2特別図柄判定が保留されている場合には、時短1回転目に係る第2特別図柄判定として、保留されているももの中で最先の第2特別図柄判定が実行される。ここで、この第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」となり、第2特別図柄の変動パターンとして35秒変動の上記変動パターンBが選択されると、第2特別図柄が35秒間変動表示されるのに伴って、装飾図柄や小図柄などを用いる変動演出が開始される(図31(H)、図26(B)参照)。
ここでは、35秒変動の変動パターンBが選択されているため、図26(C)以降に例示されている演出に代えて、以下のような演出が行われる。すなわち、まず、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、3つの装飾図柄の変動表示(3つの図柄列のスクロール表示)および3つの小図柄の高速回転が開始される。そして、これらの図柄の変動表示が開始された直後に、液晶画面5に表示されている映像の全体にノイズが発生する様子を表す演出表示が行われ、これに伴い、3つの装飾図柄が非表示となる。なお、装飾図柄は、後述するゾロ目を擬似停止する演出(図31(P)参照)が開始されるまでは、非表示の状態が維持される。このノイズが発生する様子を表す演出表示が、巻き戻し演出が行われることを示唆する巻き戻し示唆演出として行われる(図31(I)参照)。次に、「NEXT」の文字が表示され、続いて、時計の長針および短針が反時計回りに回転して時間が巻き戻る様子を表す時計巻き戻し演出が行われる(図31(J)参照)。そして、この時計巻き戻し演出を契機として図31(F)のエンディング演出を逆再生するエンディング巻き戻し演出(図31(L)参照)と、図31(E)のラウンド中演出が行われているときに液晶画面5に表示されている背景画像の表示を逆再生するラウンド中背景巻き戻し演出(図31(M)参照)と、図31(D)のオープニング演出を逆再生するオープニング巻き戻し演出(図31(N)参照)と、図31(B)の図柄昇格演出を逆再生する図柄昇格巻き戻し演出(図31(O)参照)とが順番に行われる。なお、巻き戻し演出は、必ずしも全く同じ映像を巻き戻すものである必要はなく、演出が巻き戻っているように見えるものであれば、一部の映像の巻き戻しを行わないようなものであってもよい。
なお、図31には、即当たり演出が、小当たり遊技に係る巻き戻し演出を含んでいない場合が例示されているが、他の実施形態では、小当たり遊技に係る巻き戻し演出を含む即当たり演出を行うようにしてもよい。
これら図31(L)〜(O)の一連の巻き戻し演出から構成される即当たり演出は、図31(C)のゾロ目の本停止を除く図31(B)〜(F)の一連の演出を例えば8倍速で逆再生する巻き戻し演出として構成されている。なお、図には示されていないが、この即当たり演出には、図31(C)のゾロ目の本停止を除く図31(B)〜(F)の演出に使用されたものと一部共通する演出内容の演出画像が使用されるものの、この演出画像が全て灰色で表現されている点で、図31(B)〜(F)の演出に使用されたものとは表示態様が異なっている。
なお、図31(B)の変動演出が開始されてから直ぐに大当たりが発生したと遊技者に感じさせるために、図31(C)のゾロ目の本停止を除く図31(B)〜(F)の一連の演出を更に早い16倍速で逆再生するようにしてもよいが、逆再生の速度を上げ過ぎてしまうと、一連の演出が巻き戻されているように見せ掛ける擬似連演出が行われていることを遊技者が認識できなくなる可能性がある。このため、巻き戻し演出に関する逆再生の速度は、これらの点を考慮して設定されるのが好ましい。
上記のように、即当たり演出を構成する図柄昇格巻き戻し演出が行われると、図柄昇格演出が行われる前のゾロ目を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄が擬似停止した状態となる(図31(P)参照)。このようにして2種類の図柄が擬似停止すると、図12に基づいて上述したのと同様に図柄昇格演出(図31(Q)参照)が行われて、ゾロ目を示す3つの装飾図柄および3つの小図柄が擬似停止してから本停止する(図31(R)参照)。
なお、図31(H)〜(Q)の一連の演出が行われているときには、小図柄表示領域53において3つの小図柄が変動表示されているが、これらの小図柄は第2特別図柄の変動表示中であることを報知する重要な役割を果たすものであるため、即当たり演出が行われているときにこれら3つの小図柄を対象とする巻き戻し演出が行われることはない。
以下、ここまで説明した遊技制御や演出を実現するための遊技機1の内部構成や遊技機1で行われる処理について説明する。
[メインRAM103の構成例]
図32は、メインRAM103の構成およびメインRAM103に格納される各種情報を例示するブロック図である。図32(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。
図32(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1034は、それぞれ、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じてメインCPU101によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、大当たり図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
この事前判定情報は、第1特別図柄判定に係る大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図35のステップS218参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、第1特別図柄の変動パターンを示す情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図32(C)に例示されるように、保留記憶領域1035〜1038は、それぞれ、第2始動口12に遊技球が入賞したことに応じてメインCPU101によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、大当たり図柄乱数を記憶する領域、小当たり図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
この事前判定情報は、第2特別図柄判定に係る大当たり乱数、大当たり図柄乱数、小当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図36のステップS229参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、第2特別図柄判定の判定結果が大当たり、小当たり、及びハズレのいずれであるかを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、小当たりである場合にはその小当たりの種類が何であるかを示す情報、第2特別図柄の変動パターンを示す情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、大当たり図柄乱数、小当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図32(B)に基づいて説明した5つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納される。例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
保留されている第1特別図柄判定が消化される場合、その第1特別図柄判定の実行に際に、第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされる。第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
なお、保留されている第2特別図柄判定が消化される場合、その第2特別図柄判定の実行に際に、第1保留記憶領域1035に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされる。そして、第2保留記憶領域1036以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1035側にシフトされる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を第1特別図柄判定の権利として保留記憶領域1031〜1034に格納したり、第2特別図柄判定の権利として保留記憶領域1035〜1038に格納したりすることとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。具体的には、メインCPU101は、遊技球が第1始動口11に入賞した際に取得した各種乱数を、保留記憶領域1031〜1034ではなく、判定用記憶領域1030に格納する。また、遊技球が第2始動口12に入賞した際に取得した各種乱数を、保留記憶領域1035〜1038ではなく、判定用記憶領域1030に格納する。
なお、本実施形態における遊技機1では、第1特別図柄判定の権利と第2特別図柄判定の権利の両方が保留されている場合には、第2特別図柄判定の権利を優先消化する構成が採用されている。このため、第1特別図柄判定の保留に係る情報が第1保留記憶領域1031に記憶され、且つ第2特別図柄判定の保留に係る情報が第1保留記憶領域1035に記憶されている場合には、第1保留記憶領域1031に記憶されている情報を判定用記憶領域1030にシフトさせる処理よりも、第1保留記憶領域1035に記憶されている情報を判定用記憶領域1030にシフトさせる処理が優先して実行される。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図33を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図33は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図33に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図33以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、小当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。大当たり乱数、大当たり図柄乱数、小当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図34に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図39に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。この普通図柄処理については、図43に基づいて後に詳述する。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、スライド部材制御部113を介してスライド部材17を動作させるスライド部材制御処理を実行する(ステップS5)。このスライド部材制御処理については、図44に基づいて後に詳述する。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の特別図柄処理において小当たりであると判定した場合に、小入賞口19を用いた開放遊技を含む小当たり遊技を実行するための小入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。この小入賞口開放制御処理については、図45,46に基づいて後に詳述する。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3において大当たりであると判定した場合、又は小当たり遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過した場合に、大入賞口制御部116を制御して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS7)。この大入賞口開放制御処理については、図47に基づいて後に詳述する。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。
ステップS8の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS8以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS9)。このステップS9の処理が実行されることにより、特別図柄判定や特別遊技に関する遊技情報が演出制御基板130に送信されることになる。この遊技情報は、具体的には、後述する保留コマンド、変動開始コマンド、図柄確定コマンド、大当たり用オープニングコマンド、小当たり用オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、エンディングコマンド、小入賞口開放開始コマンド、V入賞コマンド等である。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図34は、図33のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図34に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図35に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、小当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図36に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。このゲートスイッチ処理については、図38に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図35は、図34のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図35に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS213〜ステップS216)。
このように、保留数U1が最大保留数Umax1未満の状態で第1始動口スイッチ111が「ON」になるという取得条件の成立に応じて、大当たり乱数等の各種の取得情報が取得される。なお、第1特別図柄判定および第1特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域1030に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種乱数が取得された場合には、これらの乱数は第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかの領域に格納される。
ステップS216の処理に続いて、メインCPU101は、現在の状態が高ベース状態(本実施形態では時短遊技状態)であるか否かを判断する(ステップS217)。メインRAM103には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、普通図柄抽選に当選した場合に、第2始動口12に遊技球が入賞し得ない動作パターンでスライド部材17を動作させる場合に「OFF」に設定され、逆に、第2始動口12に遊技球が入賞し易い動作パターンでスライド部材17を動作させる場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU101は、ステップS217において、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
メインCPU101は、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS217:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図40参照)や変動パターン選択処理(図41参照)に先立って、ステップS213〜S216の処理によって取得された取得情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される第1特別図柄の変動パターンを事前判定する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図37に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS218の処理を実行した場合、又は高ベース状態である(時短遊技フラグが「ON」に設定されている)と判断した場合(ステップS217:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
なお、ステップS218の処理に続いてステップS219に処理が進められた場合には、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドが演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図36は、図34のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図36に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、小当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS223〜ステップS227)。
なお、第2特別図柄判定および第2特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域1030に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種乱数が取得された場合には、これらの乱数は第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかの領域に格納される。
ステップS227の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS217の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS228)。ここで、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS228:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、事前判定処理を実行する(ステップS229)。この事前判定処理については、図37に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS229の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではない(時短遊技フラグが「OFF」に設定されている)と判断した場合(ステップS228:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS230)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
なお、ステップS229の処理に続いてステップS230に処理が進められた場合には、ステップS229の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドが演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図37を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図37は、図35,36のステップS218,S229における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図35のステップS217の処理で高ベース状態ではないと判断した場合、又は図36のステップS228の処理で高ベース状態であると判断した場合、大当たり判定処理を実行する(ステップS2181)。具体的には、第1特別図柄判定の権利を保留した場合には、遊技球が第1始動口11に入賞した際に取得した大当たり乱数が、メインROM102に記憶されている大当たり乱数の当選値(図6(A)参照)と一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。第2特別図柄判定の権利を保留した場合には、遊技球が第2始動口12に入賞した際に取得した大当たり乱数が、メインROM102に記憶されている大当たり用の当選値および小当たり用の当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されるか否か、或いは当該変動開始時に小当たりと判定されるか否かを判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2181の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2182)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2182:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2183)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2182:NO)、ステップS2181の判定結果に基づいて、当該変動開始時に小当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2184)。ここで、当該変動開始時に小当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2184:YES)、小当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
第2特別図柄判定の権利が保留され、取得された大当たり乱数が小当たりに対応する当選値と一致する場合に、このステップS2185に処理が進められる。一方、本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果が小当たりとなることがないため、第1特別図柄判定が保留されてステップS2182で「NO」と判断された場合には、このステップS2185ではなくステップS2186に処理が進められる。
メインCPU101は、当該変動開始時に小当たりであると判定されないと判断した場合(ステップS2184:NO)、すなわち、保留された第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果が「ハズレ」となる場合、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2186)。具体的には、ステップS2181の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2186:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2187)。
ところで、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、特に第1特別図柄判定に関しては、当該変動開始時における特別図柄判定の保留数に基づいて特別図柄の変動パターンが決定される。そして、保留されている特別図柄判定が消化される前と後とでは第1特別図柄判定の保留数が異なる場合がある。このため、特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合があり得る。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない特別図柄判定の権利に対しては、その特別図柄判定に先立って正確な特別図柄の変動パターンを取得できない可能性がある。
このため、リーチ演出が行われないと判定された場合には(ステップS2186:NO)、後述するステップS2188の変動パターン乱数判定処理が行われることなくステップS2189に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル、小当たり用変動パターンテーブル、又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2188)。具体的には、ステップS2181の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2188の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2186:NO)、事前判定情報を生成してメインRAM103に格納する(ステップS2189)。この事前判定情報が格納される領域については、図32(B)及び(C)に基づいて上述した通りである。
このように、メインCPU101は、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定処理や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、保留された第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果と、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターンとを取得する。
[遊技制御基板100によるゲートスイッチ処理]
図38は、図34のステップS24におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図38に例示されるように、メインCPU101は、ステップS22の第2始動口スイッチ処理に続いて、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS241)。
メインCPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS241:YES)、メインRAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Tが、メインROM102に予め記憶されている普通図柄判定の最大保留数Tmax(例えば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS242)。
メインCPU101は、保留数Tが最大保留数Tmax未満であると判定した場合(ステップS242:YES)、保留数Tを「1」加算した値に更新し(ステップS243)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、メインRAM103に格納する(ステップS244)。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図39を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図39は、図33のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図39に例示されるように、メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS300)。この大当たり遊技フラグは、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS300:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS300:NO)、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、小当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この小当たり遊技フラグは、メインRAM103に記憶されている小当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、小当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、小当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、小当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、小当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域1035〜1038に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域1031〜1034に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、第1特別図柄判定については、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。また、第2特別図柄判定については、大当たりか否かと小当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定され、小当たりであると判定された場合には小当たりの種類が決定される。
そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図40に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図41に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。
この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶画面5における装飾図柄等を用いた変動表示等が開始されることになる。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域1030に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示を開始する。一方、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶画面5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で本停止させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理や、小当たりである場合に小当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。この停止中処理処理については、図42に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図40は、図39のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、ステップS308のシフト処理に続いて、図40に例示されるように、大当たり判定を実行する(ステップS3071)。具体的には、第1特別図柄判定に係る大当たり乱数等の取得情報(図32(B)参照)を判定用記憶領域1030にシフトさせるシフト処理を実行した場合には、シフトさせた大当たり乱数が、メインROM102に記憶されている大当たり乱数の当選値(図6(A)参照)と一致するか否かに基づいて、大当たり(1種当たり)か否かを判定する。ここで、当選値と一致する場合には大当たりと判定され、当選値と一致しない場合はハズレと判定される。
一方、メインCPU101は、第2特別図柄判定に係る大当たり乱数等の取得情報(図32(C)参照)を判定用記憶領域1030にシフトさせるシフト処理を実行した場合には、シフトさせた大当たり乱数が、メインROM102に記憶されている大当たり乱数の当選値(図6(B)参照)のいずれかと一致するか否かに基づいて、大当たり(1種当たり)又は小当たり(2種当たり)であるか否かを判定する。なお、図6(B)に例示されるように、大当たり乱数の当選値として、大当たりに対応する当選値と、小当たりに対応する当選値とが用意されており、前者の当選値と一致する場合には大当たりと判定され、後者の当選値と一致する場合は小当たりと判定される。
次に、メインCPU101は、ステップS3071の判定結果に基づいて、今回の特別図柄判定の判定結果が大当たり(1種当たり)であるか否かを判定する(ステップS3072)。ここで、大当たりであると判定した場合(ステップS3072:YES)、大当たりの種類を決定する(ステップS3073)。具体的には、図6(C)に例示される図柄決定テーブルがメインROM102に記憶されており、メインCPU101は、大当たりであると判定した場合に、この図柄決定テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。この図柄決定テーブルでは、図6(C)に基づいて上述したように、「7R時短1回大当たり」、「7R時短5回大当たり」、及び「7R時短100回大当たり」のそれぞれに対して乱数値が対応付けられている。これに対して、メインCPU101は、ステップS3071の処理で使用した大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030にシフトさせた大当たり図柄乱数が、上記3種類の大当たりのうちのどの大当たりに対応する乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
メインCPU101は、ステップS3073の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3074)。これにより、上記ステップS317の処理の際に、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されて、大当たりが報知されることになる。なお、ステップS3071で第1特別図柄判定に係る大当たり判定を行った場合には、セットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示され、ステップS3071で第2特別図柄判定に係る大当たり判定を行った場合には、セットされた大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示される。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判定した場合(ステップS3072:NO)、ステップS3071の判定結果に基づいて、小当たり(2種当たり)であるか否かを判定する(ステップS3076)。ここで、小当たりでないと判定した場合(ステップS3076:NO)、メインRAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS3077)。これにより、上記ステップS317の処理の際に、ここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されて、ハズレが報知されることになる。
メインCPU101は、小当たりであると判定した場合(ステップS3076:YES)、小当たりの種類を決定する(ステップS3078)。具体的には、図6(D)に例示される図柄決定テーブルがメインROM102に記憶されており、メインCPU101は、小当たりであると判定した場合に、この図柄決定テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。この図柄決定テーブルでは、図6(D)に基づいて上述したように、「4R時短5回小当たり」、「12R時短5回小当たり」、及び「16R時短100回小当たり」のそれぞれに対して乱数値が対応付けられている。これに対して、メインCPU101は、ステップS3071の処理で使用した大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030にシフトさせた小当たり図柄乱数が、上記3種類の小当たりのうちのどの小当たりに対応する乱数値と一致するかに基づいて、小当たりの種類を決定する。
そして、メインCPU101は、ステップS3078の処理で決定した小当たりの種類に応じた小当たり図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3079)。これにより、上記ステップS317の処理の際に、ここでセットされた小当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示されて、小当たりが報知されることになる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄判定には小当たりが用意されていないことから(図6(A)参照)、小当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示されることはない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図41は、図39のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図39のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3072の処理と同様に、今回の特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、ステップS3076の処理と同様に、今回の特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であるか否かを判断する(ステップS3013)。ここで、今回の特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であると判断した場合(ステップS3013:YES)、小当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。
なお、メインCPU101は、今回の特別図柄判定の判定結果が「小当たり」ではないと判断した場合(ステップS3013:NO)、ステップS3071の大当たり判定に使用した大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3105)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3105:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3106)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3105:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3107)。
そして、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、ステップS3106の処理、又はステップS3107の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3108)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル、小当たり用変動パターンテーブル、又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって、変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3109)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による停止中処理]
図42は、図39のステップS319における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、上記ステップS318の処理によって変動時間をリセットした後、図42に例示されるように、上記ステップS3072の処理と同様に、今回の特別図柄判定の判定結果が大当たり(1種当たり)であるか否かを判定する(ステップS3191)。ここで、大当たりであると判定した場合(ステップS3191:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3192)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3193)。すなわち、遊技機1の現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3193:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3194)。これにより、大当たり遊技中の遊技状態が通常遊技状態となり、大当たり遊技を消化するために遊技者が右打ちを行ったとしても、基本的には第2始動口12に遊技球が入賞することはなく、このため、大当たり遊技中に第2特別図柄判定の権利が保留されることはない。
そして、メインCPU101は、ステップS3194の処理を実行した場合、又は時短遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS3193:NO)、大当たり用オープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3195)。大当たり用オープニングコマンドは、1種当たりに応じて大入賞口13を開放する開放遊技が開始される前のオープニング期間が始まることを通知するコマンドであり、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
一方、メインCPU101は、今回の特別図柄判定の判定結果が大当たり(1種当たり)ではないと判定した場合(ステップS3191:NO)、今回の特別図柄判定の判定結果が小当たり(2種当たり)であるか否かを判定する(ステップS3197)。ここで、小当たりであると判定した場合(ステップS3197:YES)、メインRAM103に記憶されている小当たり遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS3198)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3199)。
ところで、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定のうちの第2特別図柄判定でしか「小当たり」と判定されることがない。そして、通常遊技状態では第2始動口12に遊技球が入賞しないことから、基本的に、時短遊技状態でしか小当たりが発生することがない。すなわち、小当たりは、基本的には時短遊技フラグが「ON」に設定されている状態でしか発生しない。このため、ここでは、上記ステップS3193と同様の判定が行われることなく、ステップS3199の時短遊技フラグを「OFF」に設定する処理が行われる。
ステップS3199の処理に続いて、メインCPU101は、小当たり用オープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3200)。小当たり用オープニングコマンドは、2種当たりに応じて小入賞口19を開放する開放遊技が開始される前のオープニング期間(図21のOP期間)が始まることを通知するコマンドであり、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
一方、メインCPU101は、小当たりではないと判定した場合(ステップS3197:NO)、すなわち今回の特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3202)。すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3202:YES)、時短遊技残余回数Jが設定されているか否かを判定する(ステップS3203)。この時短遊技残余回数Jは、時短遊技状態で第2特別図柄判定が実行される残り回数を示すものであり、大当たり遊技が終了する際に行われる遊技状態設定処理において、その大当たり遊技の実行契機となった大当たり(又は小当たり)の種類によって、「1」回、「5」回、又は「100」回に設定される。これに対して、メインCPU101は、ステップS3203において、時短遊技残余回数Jが「0」以外の値になっているか否かに基づいて、時短遊技残余回数Jが設定されているか否かを判定する。
メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが設定されていると判定した場合(ステップS3203:YES)、すなわち時短遊技残余回数Jが「0」以外の値である場合、今回の「ハズレ」が第2特別図柄判定に係るハズレであるか否かを判定する(ステップS3204)。ここで、今回の「ハズレ」が第2特別図柄判定に係るハズレであると判定した場合、時短遊技残余回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3205)。そして、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定し(ステップS3206)、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合は(ステップS3206:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3207)。
ところで、ステップS3205〜ステップS3207の処理は、時短遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合に行われる。本実施形態の遊技機1では、図6等に基づいて上述したように、大当たり又は小当たりの種類に応じて、1回、5回、又は100回の時短が付与されるが、時短1回の場合は、大当たり遊技の終了時に、後述するステップS7454(図48参照)の処理によって時短遊技残余回数Jが「1」に設定される。これに対して、時短遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合に、その第2特別図柄判定に応じて行われる第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで、上記ステップS3205に処理が進められる。その結果、時短遊技残余回数Jが「0」になり、図20に例示されている時短1回に対する1つ目の終了条件で時短遊技状態を終了させるべく、ステップS3207に処理が進められる。
一方、時短5回の場合は、大当たり遊技の終了時に、後述するステップS7456(図48参照)の処理によって時短遊技残余回数Jが「5」に設定される。これに対して、時短遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合に、その第2特別図柄判定に応じて行われる第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで、上記ステップS3205に処理が進められる。そして、この一連の処理が5回繰り返されると時短遊技残余回数Jが「0」になり、図20に例示されている時短5回に対する1つ目の終了条件で時短遊技状態を終了させるべく、ステップS3207に処理が進められる。
メインCPU101は、ステップS3207の処理を実行した場合、時短遊技残余回数Jが設定されていないと判定した場合(ステップS3203:NO)、今回の特別図柄判定が第2特別図柄判定ではないと判定した場合(ステップS3204:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3206:NO)、メインRAM102に記憶されている時短判定合計残余回数Gを「1」減算した値に更新する(ステップS3208)。この時短判定合計残余回数Gは、時短遊技状態で第2特別図柄判定(又は第1特別図柄柄判定)が実行される残り回数を示すものであり、時短1回または時短5回の場合は「12」に設定され、時短100回の場合は「100」に設定される(図48参照)。
メインCPU101は、このステップS3208の処理に続いて、時短判定合計残余回数Gが「0」であるか否かを判定する(ステップS3209)。ここで、時短判定合計残余回数Gが「0」であると判定した場合(ステップS3209:YES)、時短遊技状態を終了させるべく、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3210)。
図42の表記から明らかなように、時短遊技状態で遊技が制御されているときに特別図柄判定が実行され、その判定結果が「ハズレ」となった場合には、その特別図柄判定が第2特別図柄判定であるか、或いは第1特別図柄判定であるかに関わらず、必ずステップS3208の処理が実行される。このため、時短遊技状態のときには、第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となった場合と、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となった場合の両方で時短判定合計残余回数Gが「1」減算した値に更新されることになり、この時短判定合計残余回数Gが「0」になるとステップS3210に処理が進められて、時短遊技状態が終了することになる。
これに対して、時短1回または時短5回に対しては、大当たり終了時に時短判定合計残余回数Gが「12」に設定されるが、時短遊技状態における第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)の判定結果が「ハズレ」となる毎にステップS3208の処理が実行され、この処理の実行回数が12回に達すると、図20に例示されている時短1回と時短5回のそれぞれに対する2つ目の終了条件で時短遊技状態を終了させるべく、ステップS3210に処理が進められる。
一方、時短回数が100回の場合も同様であり、時短判定合計残余回数Gの初期値が「100」であるために、ステップS3208の処理の実行回数が100回に達すると、図20に例示されている時短100回に対する終了条件で時短遊技状態を終了させるべく、ステップS3210に処理が進められる。
[遊技制御基板100による普通図柄処理]
図43は、図33のステップS4における普通図柄処理の詳細フローチャートである。図43に例示されるように、メインCPU101は、ステップS3の特別図柄処理に続いて、メインRAM103に記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS401)。この補助遊技フラグは、スライド部材17が規定時間だけ案内位置に配置された状態を維持した後に収納位置に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ON」に設定され、補助遊技中でないときは「OFF」に設定される。
ステップS401において、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS401:YES)、ステップS5の案内部材制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS401:NO)、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS402)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、普通図柄判定の保留数Tが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS403)。ここで、保留数Tが「1」以上ではないと判定された場合(ステップS403:NO)、ステップS5の案内部材制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、保留数Tが「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数Tを「1」減算した値に更新し(ステップS404)、当たり乱数判定処理を実行する(ステップS405)。具体的には、上記ステップS244(図38参照)に処理によってメインRAM103に記憶された普通図柄乱数の中で最先の普通図柄乱数が、予めメインROM102に記憶されている普通図柄判定に係る当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判定する。
ステップS405の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS405の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断し(ステップS406)、当たりであると判断した場合(ステップS406:YES)、普通図柄表示器45に停止表示させる当たり図柄をメインRAM103にセットする(ステップS407)。逆に、普通図柄判定の判定結果が当たりではないと判断した場合(ステップS406:NO)、ハズレ図柄をメインRAM103にセットする(ステップS408)。
なお、メインCPU101は、ステップS407において、現在の遊技状態が「通常遊技状態」である場合には、スライド部材17がステップS504(図44参照)に示される動作パターンで動作することを報知する当たり図柄をメインRAM103にセットする。一方、現在の遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、スライド部材17がステップS505(図44参照)に示される動作パターンで動作することを報知する当たり図柄をメインRAM103にセットする。
このため、これらの当たり図柄がセットされてから普通図柄の変動表示が終了するまでに遊技状態が変化したとしても、セットされた当たり図柄に応じた動作パターンでスライド部材17が動作する。すなわち、例えば、ステップS505(図44参照)に示される動作パターンでスライド部材17が動作することを報知する当たり図柄が第2特別図柄の変動表示中にセットされ、この第2特別図柄の変動表示中に遊技状態が通常遊技状態へと移行し、その後、セットされていた当たり図柄が停止表示された場合には、ステップS505(図44参照)に示される動作パターンでスライド部材17が動作することになる。言い換えれば、当たり図柄がセットされてからその当たり図柄が停止表示されるまでの間に遊技状態が通常遊技状態に移行したとしても、その通常遊技状態において、時短遊技状態に対応するステップS505(図44参照)に示される動作パターンでスライド部材17が動作することになる。
ステップS407又はステップS408の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、遊技機1の現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する(ステップS409)。ここで、現在の遊技状態が時短遊技状態ではないと判定した場合(ステップS409:NO)、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させる普通図柄変動時間を例えば8秒にセットする(ステップS410)。一方、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合(ステップS409:YES)、普通図柄変動時間を例えば0.5秒にセットする(ステップS411)。このようにしてステップS410又はステップS411の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、メインRAM103に一時的に記憶される。
ステップS410又はステップS411の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS412)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS413)。
一方、メインCPU101は、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS402:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS415)。具体的には、ステップS413の処理によって計測を開始した経過時間が、ステップS410又はステップS411でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する。ここで、普通図柄の変動表示を終了させないと判定された場合(ステップS415:NO)、ステップS5の案内部材制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、普通図柄の変動表示を終了させると判定した場合(ステップS415:YES)、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示を終了させて、ステップS407の処理でメインRAM103にセットされた当たり図柄又はステップS408の処理でメインRAM103にセットされたハズレ図柄を停止表示させる(ステップS416)。そして、ステップS413の処理で計測を開始した経過時間をリセットする(ステップS417)。次に、上記ステップS406の処理と同様に、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS418)。ここで、普通図柄判定の判定結果が当たりであると判定した場合(ステップS418:YES)、補助遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS419)。このようにして補助遊技フラグが「ON」に設定されることにより、スライド部材17を案内位置へと移動させる補助遊技が開始されることになる。
[遊技制御基板100によるスライド部材制御処理]
図44は、図33のステップS5におけるスライド部材制御処理の詳細フローチャートである。ステップS4の普通図柄処理に続いて、メインCPU101は、図44に例示されるように、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS501:NO)、ステップS6の小入賞口開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、スライド部材17が動作中であるか否かを判定する(ステップS502)。そしてスライド部材17が動作中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、ステップS416の処理で停止表示された当たり図柄が、第2始動口12に遊技球が案内され易い時短遊技状態に対応する動作パターンでスライド部材17を動作させることを報知する時短用当たり図柄であるか、又は、第2始動口12に遊技球が案内されない通常遊技状態に対応する動作パターンでスライド部材17を動作させることを報知する非時短用当たり図柄であるかを判定する(ステップS503)。ここで、停止表示された当たり図柄が時短用当たり図柄ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、スライド部材17の動作パターンとして、スライド部材17を収納位置から案内位置に移動させてから0.036秒後に収納位置に戻す動作を1回行う動作パターンをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS504)。逆に、停止表示された当たり図柄が時短用当たり図柄であると判定した場合(ステップS503:YES)、スライド部材17の動作パターンとして、スライド部材17を収納位置から案内位置に移動させてから1.92秒後に収納位置に戻す動作を0.5秒間のインターバルを挟んで2回行う動作パターンをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS505)。
メインCPU101は、ステップS504又はステップS505で動作パターンをセットした後、セットした動作パターンでのスライド部材17の動作をスライド部材制御部113に開始させる(ステップS506)。
メインCPU101は、ステップS506の処理を実行した場合、又はスライド部材17の動作中であると判定した場合(ステップS502:YES)、ステップS506の処理で開始されたスライド部材17の動作が完了したか否かを判定する(ステップS507)。ここで、スライド部材17の動作が完了したと判定した場合(ステップS507:YES)、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS508)。これにより、補助遊技が終了される。
<時短遊技状態が終了する前後の補助遊技について>
本実施形態の遊技機1は、例えば時短回数が1回に設定された場合に、1回の第2特別図柄判定と、保留された4つの第2特別図柄判定の合計5回の第2特別図柄判定のいずれかにおいて「小当たり」を引き当てるというゲーム性を有している。
これに対して、1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了して、1つ目の保留に対応する第2特別図柄の変動表示が開始されると、第2特別図柄判定の保留数U2が「3」となる。このため、このときに時短遊技状態に対応するスライド部材17の補助遊技(上記の1.92秒開放×2の動作)が行われてしまうと、6つ目の第2特別図柄判定の権利を発生させてしまうおそれがある。このことは、5回の時短が付与される場合についても同様である。
このため、上記の問題が生じるのを抑止すべく、本実施形態では、時短回数が1回に設定された場合に、1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態へと移行させ(図25参照)、且つ、この変動表示に応じて第2特別図柄が停止表示される確定時間を相対的に長い10秒に設定する構成を採用している。
例えば、1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了する直前(例えば0.1秒前)に普通図柄判定が実行された場合、遊技状態が時短遊技状態であることから、上記時短対応当たり図柄がメインRAM103にセットされる。そして、普通図柄が0.5秒間変動し(図43のステップS411参照)、普通図柄が時短対応当たり図柄で停止するのに伴って、スライド部材17が1.92秒間案内位置に配置され、スライド部材17が0.5秒間収納位置に配置され、スライド部材17が再び1.92秒間案内位置に配置されてから補助遊技が終了する。このため、普通図柄の変動表示が開始されてから補助遊技が終了するまでの合計時間は、4.84秒(=0.5秒+1.92秒+0.5秒+1.92秒)となる。
ここまでの説明から明らかなように、仮に、時短遊技状態が終了する0.1秒前に普通図柄判定が行われて時短対応当たり図柄がセットされたとしても、上記確定時間が10秒に設定されていることから、一連の補助遊技が、確定時間が経過する前に終了することになる。そして、この確定時間が経過するまでは、第2特別図柄判定の保留数U2が「4」のままの状態であるため、補助遊技に応じて第2始動口12に遊技球が入賞したとしても、6つ目の第2特別図柄判定の権利が発生することはない。
また、1回転目の第2特別図柄の変動表示が終了した後は時短遊技状態であるため、普通図柄判定の保留消化に伴って補助遊技が行われても、1回の補助遊技でスライド部材17が0.036秒しか案内位置に配置されないため、第2始動口12に遊技球が入賞することはない。すなわち、6つ目の第2特別図柄判定の権利が発生することはない。
[遊技制御基板100による小入賞口開閉制御処理]
第2特別図柄判定の結果が「小当たり」である場合、ステップS6の小入賞口開放制御処理によって小当たり遊技が実行される。以下、図45,46を参照しつつ、遊技制御基板100において実行される小入賞口開閉制御処理について説明する。ここで、図45,46は、図33のステップS6における小入賞口開放制御処理の詳細フローチャートである。
ステップS5の案内部材制御処理に続いて、メインCPU101は、図45に例示されるように、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS600)。ここで、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS600:NO)、ステップS7の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS600:YES)、例えば上記ステップS3200の処理において小当たり用オープニングコマンドをセットしてからの経過時間が予め設定されたオープニング時間に達したか否かに基づいて、小当たり遊技のオープニング期間中であるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、オープニング期間中であると判定した場合(ステップS601:YES)、上記オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS602)。ここで、オープニング時間が経過していないと判定された場合(ステップS602:NO)、ステップS7の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS602:YES)、メインRAM103に記憶されている小入賞口19への遊技球の入賞数Xをリセットし(ステップS603)、小入賞口制御部118による小入賞口19の開放制御(すなわちスライド部材191の所定の開放パターン(図21参照)での動作)を開始し(ステップS604)、小入賞口開放開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS605)。
この小入賞口開放開始コマンドは、図21に基づいて上述した小当たり遊技の開放遊技が開始されたことを通知するコマンドであって、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。演出制御基板130は、この小入賞口開放開始コマンドを受信することによって上記開放遊技が開始されたタイミングを特定でき、このタイミングから7秒が経過してもV入賞口スイッチ198を遊技球が通過していない場合に、図21に基づいて上述した残時間カウントダウン表示を開始する。
図45の説明に戻り、メインCPU101は、ステップS605の処理に続いて、ステップS604のの開放制御が開始されてからの経過時間の計測を開始する(ステップS606)。
一方、メインCPU101は、小当たり遊技におけるオープニング期間中ではないと判定した場合(ステップS601:NO)、例えば、後述するステップS621の処理で計測が開始されるエンディング時間が、エンディング期間の開始から終了までの所定時間に達したか否かに基づいて、小当たり遊技のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS608)。ここで、小当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS608:NO)、小入賞口スイッチ194からの検知信号の入力の有無に基づいて、小入賞口スイッチ194が「ON」になったか否かを判定する(ステップS609)。ここで、小入賞口スイッチ194が「ON」になったと判定した場合(ステップS609:YES)、小入賞口19に1個の遊技球が入賞したと判断して、遊技球の入賞数Xを「1」加算した値に更新する(ステップS610)。
メインCPU101は、ステップS610の処理を実行した場合、小入賞口スイッチ194が「ON」ではないと判定した場合(ステップS609:NO)、又はステップS606の処理を実行した場合、V入賞口スイッチ198からの検知信号の入力の有無に基づいて、V入賞口スイッチ198が「ON」になったか否かを判定する(ステップS611)。ここで、V入賞口スイッチ198が「ON」になったと判定した場合(ステップS611:YES)、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「ON」に設定する(ステップS612)。ここで、V入賞フラグは、小当たり遊技の開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過したか否か(すなわちV入賞したか否か)を示すフラグであり、小当たり遊技が開始される前は「OFF」に設定されており、V入賞口スイッチ198によって遊技球が検知されると「ON」に設定される。
続いて、メインCPU101は、V入賞コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS613)。このV入賞コマンドは、小当たり遊技の開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過したことを通知するコマンドであって、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。このため、演出制御基板130のサブCPU131は、このV入賞コマンドを受信することによって、遊技球がV入賞口スイッチ198を通過したことを特定することができる。
メインCPU101は、ステップS613の処理を実行した場合、又はV入賞口スイッチ198が「ON」ではないと判定した場合(ステップS611:NO)、小入賞口19に対する遊技球の入賞数Xが「9」と一致するか否かを判定する(ステップS614)。すなわち、上記ステップS610の処理が繰り返される毎に「1」増加する入賞数Xが「9」に達したか否かを判定する。ここで、遊技球の入賞数Xが「9」と一致すると判定した場合(ステップS614:YES)、ハズレ入賞口197を開放するハズレ入賞口開放制御を実行する(ステップS615)。すなわち、ハズレ入賞口開閉部119を介してスライド部材195を動作させることによって、ハズレ入賞口197を開放する(図2(B)及び(C)参照)。
メインCPU101は、ステップS615の処理を実行した場合、又は遊技球の入賞数Xが「9」と一致しないと判定した場合(ステップS614:NO)、スライド部材191の規定開放動作(スライド部材191の所定の開放パターンでの動作)が終了したか否かを判定する(ステップS616)。ここで、規定開放動作が終了していないと判定した場合(ステップS616:NO)、入賞数Xが小入賞口19の閉塞タイミングを規定する遊技球数Xmax(本実施形態では「10」)と一致するか否かを判定する(ステップS617)。ここで、入賞数Xが遊技球数Xmaxと一致しないと判定された場合(ステップS617:NO)、ステップS7の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、入賞数Xが遊技球数Xmaxと一致すると判定した場合(ステップS617:YES)、又は規定開放動作が終了したと判定した場合(ステップS616:YES)、ステップS604の処理で開始した小入賞口19の開放制御を終了させ(ステップS618)、ステップS606の処理で計測を開始した経過時間をリセットし(ステップS619)、エンディング時間の計測を開始する(ステップS620)。
また、メインCPU101は、小当たり遊技のエンディング中であると判定した場合(ステップS608:YES)、図46に例示されるように、エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS622)。具体的には、メインROM102には、エンディング期間が開始されてから終了するまでの時間の長さを示す時間情報が記憶されており、メインCPU101は、ステップS621の処理で計測を開始したエンディング時間が、上記時間情報が示す時間に達したか否かに基づいて、エンディング時間が経過したか否かを判定する。
メインCPU101は、エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS622:YES)、小当たり遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS623)。これにより、小当たり遊技が終了する。次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS624)。ここで、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS624:YES)、大当たり遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS625)、V入賞フラグを「OFF」に設定する(ステップS626)。
小当たり遊技の開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過した場合には、上記ステップS612(図45参照)の処理が実行されてV入賞フラグが「ON」に設定される。このため、小当たり遊技が終了するタイミングでステップS625の大当たり遊技フラグが「ON」に設定され、大入賞口13を用いて2ラウンド目以降のラウンド遊技を消化する大当たり遊技が開始されることになる。
一方、開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合には、上記ステップS612の処理が実行されず、V入賞フラグが「OFF」に設定された状態のまま小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技のエンディング期間が終了するタイミング)を迎えることになる。このため、上記ステップS624の判定処理で「NO」と判定され、結果として、ステップS625の大当たり遊技フラグを「ON」に設定する処理が行われない。このため、大入賞口13を用いた2ラウンド目以降のラウンド遊技が行われることはない。また、この場合、遊技状態を「時短遊技状態」に移行させるステップS745(図47参照)の遊技状態設定処理が行われないことから、小当たり遊技が終了した後に時短遊技状態に移行することもない。
[遊技制御基板100による大入賞口開放制御処理]
図47は、図33のステップS7における大入賞口開放制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、まず、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS720)。この大当たり遊技フラグは、第1特別図柄(又は第2特別図柄)として大当たり図柄が停止表示されたことに応じて実行されるステップS3192(図42参照)の処理か、又は、V入賞フラグが「ON」に設定されたことに応じて実行されるステップS625(図46参照)の処理によって「ON」に設定される。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS720:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS720:YES)、大当たり遊技のオープニング期間中であるか否かを判定する(ステップS721)。具体的には、例えば、ステップS3195(図42参照)の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、オープニング期間中であるか否かを判定する。
メインCPU101は、オープニング期間中であると判定した場合(ステップS721:YES)、同じく経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS722)。ここで、オープニング時間が経過していないと判定された場合(ステップS722:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS722:YES)、大当たり遊技のラウンド数Rmax、大入賞口制御部116の動作パターン等を決定して、これらの情報をメインRAM103に格納する(ステップS723)。このステップS723の処理が実行されることによって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の長当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
なお、本実施形態では、大当たり(1種当たり)の種類として、「7R時短1回大当たり」、「7R時短5回大当たり」、及び「7R時短100回大当たり」の3種類が用意されており(図6(C)参照)、これらの大当たりに当選した場合は、ステップS3192(図42参照)の処理によって大当たり遊技フラグが「ON」に設定され、いずれの場合もラウンド数Rmaxが「7」に設定される。
一方、小当たり(2種当たり)の種類としては、「4R時短5回小当たり」、「12R時短5回小当たり」、及び「16R時短100回小当たり」の3種類が用意されており(図6(D)参照)、ステップS625(図46参照)の処理によって大当たり遊技フラグが「ON」に設定される。すなわち、小当たり遊技を構成する開放遊技が行われた後に、大当たり遊技フラグが「ON」に設定される。このため、「4R時短5回小当たり」に当選した場合は、ラウンド数Rmaxが1ラウンド少ない「3」に設定され、「12R時短5回小当たり」に当選した場合は、ラウンド数Rmaxが1ラウンド少ない「11」に設定され、「16R時短100回小当たり」に当選した場合は、ラウンド数Rmaxが1ラウンド少ない「15」に設定される。
ステップS723の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大入賞口13への遊技球の入賞数Yをリセットし(ステップS724)、同じくメインRAM103に記憶されている大当たり遊技のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する(ステップS725)。このラウンド数Rは、大当たり遊技開始前は「0」に設定されており、ステップS725の処理が行われる毎に「1」加算される。
ステップS725の処理に続いて、メインCPU101は、大入賞口制御部116による大入賞口13の開放制御を開始し(ステップS726)、この開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(ステップS727)。そして、長開放ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS728)。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるオープニング期間中ではないと判定した場合(ステップS721:NO)、例えばメインRAM103に記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング期間中であるか否かを判定する(ステップS729)。ここで、エンディング期間中であると判定された場合(ステップS729:YES)、後述するステップS744に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるエンディング期間中ではないと判定した場合(ステップS729:NO)、例えばメインRAM103に記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル期間中(長開放ラウンド遊技と次の長開放ラウンド遊技との間の期間)であるか否かを判定する(ステップS730)。ここで、インターバル期間中であると判定した場合(ステップS730:YES)、前回のラウンド終了時に大入賞口13が閉塞してから、ステップS723の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判定する(ステップS731)。ここで、インターバル時間が経過したと判定された場合(ステップS731:YES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、上記ステップS724に処理が進められる。逆に、インターバル時間が経過していないと判定された場合(ステップS731:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、インターバル期間中ではないと判定した場合(ステップS730:NO)、ラウンド遊技中であると判断して、大入賞口スイッチ115からの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定する(ステップS733)。ここで、大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合(ステップS733:YES)、大入賞口13への遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する(ステップS734)。
メインCPU101は、ステップS728の処理を実行した場合、ステップS734の処理を実行した場合、又は大入賞口スイッチ115が「ON」ではないと判定した場合(ステップS733:NO)、大入賞口13の開放開始から規定開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS735)。具体的には、上記ステップS727の処理によって計測が開始された開放時間が、予めメインROM102に記憶されている規定開放時間(本実施形態では29.5秒)に達したか否かを判定する。
メインCPU101は、規定開放時間が経過していないと判定した場合(ステップS735:NO)、メインRAM103に記憶されている今回の長開放ラウンド遊技における遊技球の入賞数Yが、予めメインROM102に記憶されている大入賞口13の閉塞タイミングを規定する遊技球数Ymax(例えば「10」)と一致するか否かを判定する(ステップS736)。ここで、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致しないと判定された場合(ステップS736:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致すると判定した場合(ステップS736:YES)、又は規定開放時間が経過したと判定した場合(ステップS735:YES)、大入賞口制御部116に大入賞口13の開放制御(今回の長開放ラウンド遊技)を終了させる(ステップS737)。
ステップS737の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技の現在のラウンド数Rが、上記ステップS723の処理によって設定されたラウンド数Rmaxと一致するか否かを判定する(ステップS738)。ここで、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致しないと判定した場合(ステップS738:NO)、次の長開放ラウンド遊技の開始タイミングを制御するために、大入賞口13が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始する(ステップS739)。このステップS739の処理によって計測が開始されたインターバル時間は、上記ステップS731の判定処理に使用される。
一方、メインCPU101は、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致すると判定した場合(ステップS738:YES)、エンディング時間の計測を開始し(ステップS740)、メインRAM103に記憶されているラウンド数Rを「0」にリセットし(ステップS741)、エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS742)。このエンディングコマンドは、大当たり遊技のエンディング期間が始まることを通知するコマンドであり、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
メインCPU101は、ステップS742の処理を実行した場合、又はエンディング期間中であると判定した場合(ステップS729:YES)、設定エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS744)。具体的には、上記ステップS740の処理によって計測を開始したエンディング時間が、上記ステップS723の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判定する。ここで、エンディング時間が経過していないと判定された場合(ステップS744:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS744:YES)、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(ステップS745)。そして、大当たり遊技を終了させるために、大当たり遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS746)。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図48は、図47のステップS745における遊技状態設定処理の詳細フローチャートである。本実施形態の遊技機1では、当たりの種類に関わらず、大当たり遊技終了後は少なくとも1回の時短が付与される。このため、メインCPU101は、まず、遊技状態を時短遊技状態に移行させるべく、時短遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS7450)。
メインCPU101は、時短遊技フラグを「ON」に設定すると、付与すべき時短回数が1回であるか否かを判定する(ステップS7451)。1回の時短が付与される当たりの種類として、本実施形態では、「7R時短1回大当たり」が用意されている(図6(C)及び(D)参照)。このため、メインCPU101は、今回の大当たり遊技の実行契機となった当たりの種類が「7R時短1回大当たり」であるか否かに基づいて、付与すべき時短回数が1回であるか否かを判定する。
メインCPU101は、付与すべき時短回数が1回であると判定した場合(ステップS7451:YES)、時短遊技残余回数Jを「1」に設定する(ステップS7452)。このように、時短遊技フラグがONに設定されると共に時短遊技残余回数Jが「1」に設定されることで、大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態に移行すると共に、1回の第2特別図柄判定が行われるまでは時短遊技状態が継続する。
なお、本実施系形態の遊技機1では、上記1回の第2特別図柄判定に応じて行われる第2特別図柄の変動表示中に4つの第2特別図柄判定の保留を溜めることが可能であるが、時短回数が1回の場合は、この第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に移行するため、保留されている4つの第2特別図柄判定は、いずれも通常遊技状態に移行してから実行される。
一方、メインCPU101は、付与すべき時短回数が1回ではないと判定した場合(ステップS7451:NO)、付与すべき時短回数が5回であるか否かを判定する(ステップS7453)。5回の時短が付与される当たりの種類として、本実施形態では、「7R時短5回大当たり」、「4R時短5回小当たり」、及び「12R時短5回小当たり」が用意されている(図6(C)及び(D)参照)。このため、メインCPU101は、今回の大当たり遊技の実行契機となった当たりの種類が上記3種類の大当たり又は小当たりのいずれかであるか否かに基づいて、付与すべき時短回数が5回であるか否かを判定する。
メインCPU101は、付与すべき時短回数が5回であると判定した場合(ステップS7453:YES)、時短遊技残余回数Jを「5」に設定する(ステップS7454)。このように、時短遊技フラグがONに設定されると共に時短遊技残余回数Jが「5」に設定されることで、大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態に移行すると共に、5回の第2特別図柄判定が行われるまでは時短遊技状態が継続する。
なお、本実施系形態の遊技機1では、5回の時短が付与された場合に、5回目の第2特別図柄判定に応じて行われる第2特別図柄の変動表示中に4つの第2特別図柄判定の保留を溜めることが可能であるが、時短回数が5回の場合は、5回目の第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に移行するため、保留されている4つの第2特別図柄判定は、いずれも通常遊技状態に移行してから実行される。
メインCPU101は、ステップS7452の処理で時短遊技残余回数Jを「1」に設定した場合、又はステップS7454の処理で時短遊技残余回数Jを「5」に設定した場合、時短判定合計残余回数Gを「12」に設定する(ステップS7455)。これにより、この時短判定合計残余回数Gが「0」になることで、時短1回の場合と時短2回の場合の共通の終了条件(図20参照)が満たされることになり、上記ステップS3210(図42参照)の処理によって、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に移行されることになる。
一方、メインCPU101は、付与すべき時短回数が5回ではないと判定した場合(ステップS7453:NO)、すなわち、付与すべき時短回数が100回である場合、時短判定合計残余回数Gを「100」に設定する(ステップS7456)。これにより、この時短判定合計残余回数Gが「0」になることで、時短100回の場合に特有の終了条件(図20参照)が満たされることになり、上記ステップS3210(図42参照)の処理によって、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に移行されることになる。
ところで、小当たり遊技の開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合は、上記ステップS624(図46参照)の処理で「NO」と判定され、ステップS625の大当たりフラグを「ON」に設定する処理が実行されない。このため、図47のステップS720(図47参照)では「NO」と判定され、結果としてステップS745の遊技状態設定処理(図48参照)が実行されない。
この説明から明らかなように、本実施形態の遊技機1では、遊技球がV入賞口スイッチ198を通過しなかった場合には、本来であれば大当たり遊技終了時に行われるはずの遊技状態設定処理を実行しないことによって、遊技状態を時短遊技状態に移行させない制御を実現している。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図49を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図49は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図49に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図49以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信した場合に、受信したコマンドに基づく処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図50に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、小入賞口19の開放中であるか否かを判定する(ステップS33)。言い換えれば、小入賞口19を開放する開放遊技の実行中であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU131は、ステップS605(図45参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された小入賞口開放開始コマンドを受信してからの経過時間が所定の開放時間(本実施形態では15秒:図21参照)に達したか否かに基づいて、小入賞口19の開放中であるか否かを判定する。
そして、サブCPU131は、小入賞口19の開放中であると判定した場合(ステップS32:YES)、小入賞口19を開放する開放遊技中に上述した残時間カウントダウン表示を行うための小入賞口開放中処理を実行する(ステップS33)。この小入賞口開放中処理については、図53に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、ステップS33の処理を実行した場合、又は小入賞口19の開放中ではないと判定した場合(ステップS32:NO)、図24に示されるチャレンジバトル演出の結果演出(勝利演出または敗北演出)の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS42)。
サブCPU131は、大当たり遊技終了後の時短回数が1回に設定された場合に、その1回転目に対応する第2特別図柄の変動開始時に、一連のRUSHチャレンジバトル(図24参照)を実現するための変動演出パターンを設定するステップS1062(図52参照)の変動演出パターン設定処理を実行する。そして、その変動演出パターンでの演出の実行を指示する変動演出開始コマンドを画像音響制御基板140に送信する。この一連の処理は、大当たり遊技終了後の時短回数が5回に設定された場合の5回転目に対応する第2特別図柄の変動開始時にも同様に行われる。
これに対して、画像音響制御基板140の統括CPU141は、上記変動演出パターンでの演出を実現するための画像音響制御を実行しつつ、この画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。
このため、サブCPU131は、上記ステップS42において、画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータに基づいて、RUSHチャレンジバトルの進行状況を特定し、その特定結果に基づいて、勝利演出または敗北演出を開始すべき結果演出開始タイミングであるか否かを判定する。
サブCPU131は、結果演出(勝利演出または敗北演出)の開始タイミングであると判定した場合(ステップS42:YES)、結果演出の実行を制御する結果演出制御処理を実行する(ステップS43)。この結果演出制御処理については、図54に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、ステップS43の処理を実行した場合、又は結果演出の開始タイミングではないと判定した場合(ステップS42:NO)、コマンド送信処理を実行する(ステップS50)。具体的には、ステップS10のコマンド受信処理、ステップS33の小入賞口開放中処理、ステップS43の結果演出制御処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140(及びランプ制御基板150)に送信する。
このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や演出音出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、且つ、各種ランプの点灯や役物動作等による演出の実行がランプ制御基板150に対して指示される。
そして、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS60)。具体的には、上記画像音響制御に関するデータが画像音響制御部140から送信されるので、そのデータをランプ制御部150に転送する。これにより、液晶画面5やスピーカ24等で行われている演出と同期するように、盤ランプ25、枠ランプ37、演出役物7等の演出媒体による演出がランプ制御部150によって制御される。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
図50は、図49のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図50に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、ステップS32に処理が進められる。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、そのコマンドがステップS219(図35参照)又はステップS230(図36参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS102)。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS102:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS103)。この保留コマンド受信処理については、図51に基づいて後に詳述する。
一方、サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS102:NO)、受信したコマンドがステップS311(図39参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS105:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS106)。この変動開始コマンド受信処理については、図52に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS105:NO)、受信したコマンドがステップS316(図39参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS108)。サブCPU131は、図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS108:YES)、装飾図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄および小図柄を本停止させる処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS109)。
この変動演出終了コマンドがステップS50の処理によって画像音響制御部140およびランプ制御部150に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す第1特別図柄(又は第2特別図柄)が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す装飾図柄および小図柄が液晶画面5に本停止することになる。
サブCPU131は、受信したコマンドが図柄確定コマンドではないと判定した場合(ステップS108:NO)、受信したコマンドがランプ制御基板150から送信された操作コマンドであるか否かを判定する(ステップS110)。この操作コマンドは、ランプ制御基板150のランプCPU151が演出ボタン26や演出キー27の操作を検知した場合に、その情報を通知するためにランプ制御基板150から送信されるコマンドであり、操作されたのが演出ボタン26であるか演出キー27であるかを示す情報、演出キー27が操作された場合にはどのキーが操作されたかを示す情報等を含むものである。
サブCPU131は、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS110:YES)、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたことを通知する操作通知コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS111)。
この操作通知コマンドがステップS50の処理によって画像音響制御部140およびランプ制御部150に送信されることによって、操作が行われたことが通知され、この通知が操作促進演出(例えば図28(A)参照)中にあれば、勝利演出(例えば図28(B)参照)または敗北演出(例えば図28(E)参照)が行われることになる。
サブCPU131は、受信したコマンドが操作コマンドではないと判定した場合(ステップS110:NO)、そのコマンドがステップS3195(図42参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された大当たり用オープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS112)。ここで、受信したコマンドが大当たり用オープニングコマンドであると判定した場合(ステップS112:YES)、大当たりの種類を報知したり遊技者に右打ちを促したりする大当たりオープニング演出を開始させるための設定情報等を含む大当たりオープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS113)。
サブCPU131は、受信したコマンドが大当たり用オープニングコマンドではないと判定した場合(ステップS112:NO)、そのコマンドがステップS3200(図42参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された小当たり用オープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS114)。ここで、受信したコマンドが小当たり用オープニングコマンドであると判定した場合(ステップS114:YES)、図21に基づいて上述した大当たり種別表示、右打ち示唆表示、V領域指示表示、及びこれらの表示に伴う演出音の出力を実行させるための設定情報等を含む小当たりオープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS115)。
一方、サブCPU131は、受信したコマンドが小当たり用オープニングコマンドではないと判定した場合(ステップS114:NO)、そのコマンドがステップS728(図47参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたラウンド開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS117)。ここで、受信したコマンドがラウンド開始コマンドであると判定した場合(ステップS117:YES)、大当たり遊技の長開放ラウンド遊技中にラウンド数を報知したりラウンド中演出を開始させたりするための設定情報等を含むラウンド演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS118)。
サブCPU131は、受信したコマンドがラウンド開始コマンドではないと判定した場合(ステップS117:NO)、そのコマンドがステップS742(図47参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたエンディングコマンドであるか否かを判定する(ステップS119)。ここで、受信したコマンドがエンディングコマンドであると判定した場合(ステップS119:YES)、エンディング演出に関する設定情報等を含むエンディング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS120)。
一方、サブCPU131は、受信したコマンドがエンディングコマンドではないと判定した場合(ステップS119:NO)、そのコマンドがステップS605(図45参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された小入賞口開放開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS121)。ここで、小入賞口開放開始コマンドであると判定した場合(ステップS121:YES)、小入賞口19が開放され始めてからの経過時間(すなわち、開放遊技が開始されてからの経過時間)の計測を開始する(ステップS122)。
サブCPU131は、この経過時間に基づいて、上述した残時間カウントダウン表示(図21参照)およびこれに伴う演出音の出力を制御する。
次に、サブCPU131は、受信したコマンドが小入賞口開放開始コマンドではないと判定した場合(ステップS121:NO)、そのコマンドがステップS613(図45参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたV入賞コマンドであるか否かを判定する(ステップS123)。ここで、V入賞コマンドであると判定した場合(ステップS123:YES)、遊技球のV入賞を報知するV入賞報知演出の開始を指示するV入賞報知演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS124)。
一方、サブCPU131は、V入賞コマンドではないと判定した場合(ステップS123:NO)、その他のコマンドに応じた他の処理を実行する(ステップS125)。
[演出制御基板130による保留コマンド受信処理]
図51は、図50のステップ103における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS102:YES)、図51に例示されるように、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS1030)。具体的には、第1特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新し、第2特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には第2特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する。
次に、サブCPU131は、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれているか否かを判定し(ステップS1031)、事前判定情報が含まれていないと判定した場合には(ステップS1031:NO)、アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1037)。
このアイコン表示コマンドは、特別図柄判定が保留されたことを示す保留アイコンの表示を指示するコマンドであり、ステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140およびランプ制御基板150に送信される。
このアイコン表示コマンドには入賞始動口情報が含まれており、画像音響制御基板140の統括CPU141は、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とのどちらの特別図柄判定が保留されたかを例えば入賞始動口情報に基づいて特定する。ここで、第1特別図柄判定が保留されたと特定した場合には、保留アイコン表示領域51に保留アイコンを表示する処理の実行を指示するアイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする。
一方、第2特別図柄判定が保留されたと特定して、例えば移動バー55の表示中である場合には、移動バー55における右側領域に保留示唆アイコンを表示する処理の実行を指示するアイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする。
一方、サブCPU131は、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていると判定した場合(ステップS1031:YES)、その事前判定情報をサブRAM133の所定領域に格納する(ステップS1032)。
この事前判定情報は、第1特別図柄判定の保留に関する事前判定情報である場合と、第2特別図柄判定の保留に関する事前判定情報である場合とがあり、第1特別図柄判定の保留に関する事前判定情報は、保留アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行するか否かを決定したり、このアイコン変化演出を実行する場合にはどのような演出パターンのアイコン変化演出を実行するかを決定したりする処理に使用される。
また、本実施形態の遊技機1では、当該アイコンを対象とするアイコン変化演出(図13参照)が行われるが、このアイコン変化演出を実行する場合にどのような演出パターンで実行するかを決定する際にも、上記第1特別図柄判定の保留に関する事前判定情報が利用される。
一方、第2特別図柄判定の保留に関する事前判定情報である場合には、本実施形態では、移動バー55に表示される保留示唆アイコンを対象とするアイコン変化演出が行われないため、この事前判定情報が保留示唆アイコンを対象とするアイコン変化演出に関する処理に使用されることはない。
なお、本実施形態では、RUSHチャレンジバトル(図24参照)を実現するために、チャレンジバトルの結果演出である勝利演出または敗北演出を開始する前に、どちらの結果演出を実行するかを決定する必要があり、第2特別図柄判定の保留に関する事前判定情報は、勝利演出と敗北演出のどちらの結果演出を行うかを決定する処理に利用される。
図51の説明に戻り、サブCPU131は、ステップS1032の処理に続いて、サブRAM133に格納した事前判定情報が第1特別図柄判定の保留に関する事前判定情報であるか否かを判定する(ステップS1033)。ここで、第1特別図柄判定の保留に関する事前判定情報ではないと判定された場合(ステップS1033:NO)、保留示唆アイコンを対象とするアイコン変化演出に関する設定を行う必用がないため、上記ステップS1037に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、サブRAM133に格納した事前判定情報が第1特別図柄判定の保留に関する事前判定情報であると判定した場合(ステップS1033:YES)、アイコン変化演出抽選を実行する(ステップS1034)。具体的には、まず、アイコン変化演出乱数を取得してサブRAM133に格納する。このアイコン変化演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン変化演出乱数として取得する。そして、その変化演出乱数が、予めサブROM132に記憶されているアイコン変化演出テーブルに規定されている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。
なお、図には示されていないが、アイコン変化演出テーブルに規定されている乱数値には、以下のような特徴がある。
すなわち、アイコン変化演出テーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、乱数値とが対応付けられている。
そして、第1特別図柄判定に係る「大当たり」に対しては、第1特別図柄判定に係る「ハズレ」よりも、より多くの乱数値が対応付けられている。
また、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンに対しては、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンよりも、より多くの乱数値が対応付けられている。
このため、大当たり信頼度が高いほどアイコン変化演出が実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低いほどアイコン変化演出が実行され難い。
サブCPU131は、ステップS1034の抽選結果が、アイコン変化演出を実行するという抽選結果であるか否かを判断する(ステップS1035)。ここで、アイコン変化演出を実行するという抽選結果ではないと判断された場合(ステップS1035:NO)、上述したステップS1037に処理が進められる。この場合、アイコン変化演出に関する設定が行われないことから、保留アイコンを対象とするアイコン変化演出が行われることがなく、また、当該アイコンを対象とするアイコン変化演出(アイコン変化成功演出やアイコン変化失敗演出などを含む)が行われることもない。
サブCPU131は、アイコン変化演出を実行するという抽選結果であると判断した場合(ステップS1035:YES)、アイコン変化演出の設定情報をサブRAM133にセットする(ステップS1036)。具体的には以下の処理を実行する。例えば、乱数を用いた演出抽選を行って、保留アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行するか否かと、この保留アイコンに対応する当該アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行するか否かとを決定する。そして、保留アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行すると決定した場合には、複数あるアイコン変化演出演出パターンの中からいずれか1つの演出パターンを選択し、選択したアイコン変化演出パターンを、保留アイコンを対象とするアイコン変化演出の設定情報としてサブRAM133にセットする。
一方、サブCPU131は、当該アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行すると決定した場合、この当該アイコンの初期の表示色と、当該アイコンの最終的な表示色とを決定して、これらの表示色を示す情報を、当該アイコンを対象とするアイコン変化演出の設定情報としてサブRAM133にセットする。
そして、サブCPU131は、上記ステップS1036の処理を実行し、保留アイコンを対象とするアイコン変化演出の設定情報をサブRAM133にセットした場合は、ステップS1037において、この設定情報を含むアイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする。
なお、サブCPU131は、当該アイコンを対象とするアイコン変化演出の設定情報がサブRAM133に記憶されている場合には、この当該アイコンに対応する第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した際に、以下のような処理を行う。
例えば、当該アイコンの初期の表示色が白色であり、且つ当該アイコンの最終的な表示色も白色であることを示す設定情報が記憶されている場合には、サブCPU131は、ステップS1063(図52参照)の予告演出パターン設定処理において、図13(B)のアイコン変化失敗演出のみを行う予告演出パターンを設定する。すなわち、いわゆるガセ演出としてのアイコン変化失敗演出のみを行う予告演出パターンを設定する。
また、例えば、当該アイコンの初期の表示色が白色であり、且つ当該アイコンの最終的な表示色が赤色であることを示す設定情報が記憶されている場合には、以下のような演出パターンを設定可能である。
例えば、第1の予告演出パターンとして、当該アイコンの表示色を白色から赤色に変化させるアイコン変化成功演出(図13(A)参照)のみを行う予告演出パターンを設定可能である。
また、第2の予告演出パターンとして、当該アイコンの表示色を白色から赤色に変化させることに失敗するアイコン変化失敗演出(図13(B)参照)と、巻き戻し示唆演出(図13(C)参照)と、失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)と、当該アイコンの表示色を白色から赤色に変化させることに成功するアイコン変化成功演出(図13(E)参照)とを行う予告演出パターンを設定可能である。
また、第3の予告演出パターンとして、当該アイコンの表示色を白色から緑色に変化させることに失敗するアイコン変化失敗演出(図13(B)参照)と、巻き戻し示唆演出(図13(C)参照)と、失敗巻き戻し演出(図13(D)参照)と、当該アイコンの表示色を白色から(巻き戻し前の緑色より上位の)赤色に変化させることに成功する上位アイコン変化成功演出(図13(F)参照)とを行う予告演出パターンを設定可能である。
サブCPU131は、このように、複数の予告演出パターンを実行可能である場合には、例えば、乱数を用いた抽選を実行していずれか1つの予告演出パターンを選択して、アイコン変化演出に関する予告演出パターンを設定する。
[演出制御基板130による変動開始コマンド受信処理]
図52は、図50のステップS106における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS105:YES)、図52に例示される一連の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納し(ステップS1060)、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS1061)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たり、小当たり、及びハズレのいずれであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるか、小当たりである場合にはその小当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS1062)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、擬似連演出(本実施形態ではリーチ巻き戻し演出)の有無、リーチ図柄を構成する装飾図柄の種類、リーチ演出の種類や内容、擬似連演出の内容、SPSPリーチやストーリーリーチを実行する場合にリーチ態様の左小図柄および右小図柄が示す数字、RUSHチャレンジバトルの有無、本停止する装飾図柄および小図柄の種類等が決定される。なお、小当たりを示す第2特別図柄判定に係る事前判定情報がサブRAM133に記憶されている場合には、「V」を示す中小図柄を含む3つの小図柄を擬似停止させてから本停止させるための変動演出パターンが設定される。この場合、高速回転していた3つの小図柄が、「V」を示す中小図柄を含むリーチハズレ目を示す態様で擬似停止し、遊技制御基板100から図柄確定コマンドが送信されたことに応じて、これら3つの小図柄が本停止する。
なお、例えば、第2特別図柄の変動時間が1秒と極めて短い変動パターンが設定されている場合には、サブCPU131は、3つの小図柄の高速回転のみを行う変動演出パターンを設定し、第2特別図柄判定に係る残りの保留に関して「小当たり」を示す事前判定情報がサブRAM133に記憶されている場合には、遊技制御基板100から図柄確定コマンドが送信されたことに応じて、「V」を示す中小図柄を含むバラケ目を示す3つの小図柄を本停止させるための変動演出終了コマンドをセットして画像音響制御基板140に送信する。
続いて、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンで装飾図柄および小図柄が変動表示されているときに実行する、主に大当たり信頼度を示唆する各種予告演出の予告演出パターンを設定する予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS1063)。このステップS1063の処理が実行されることにより、上述したように、当該アイコンを対象とするアイコン変化演出の予告演出パターンが設定される場合がある。
なお、詳細な説明は省略するが、このステップS1063では、例えば、予め設定された所定ステップ数を上限として、所定ステップ数以下のいずれかのステップまで段階的に発展可能なステップアップ演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合に、ステップアップ演出をどのような演出パターンで実行するかを決定する処理が行われる。また、所定のキャラクタがセリフを発する様子を表す会話ウインドウを表示する会話予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合に、会話予告演出をどのような演出パターンで実行するかを決定する処理が行われる。
次に、サブCPU131は、ステップS1062の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS1063の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1064)。
この変動演出開始コマンドは、ステップS1062の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS1063の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140およびランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが設定された変動演出および予告演出が、画像音響制御基板140およびランプ制御基板150によって実現されることになる。
ステップS1064の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている保留数を「1」減算する(ステップS1065)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
[演出制御基板130による小入賞口開放中処理]
図53は、図49のステップS33における小入賞口開放中処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、小入賞口19の開放中であると判定した場合(ステップS32:YES)、まず、ステップS122(図50参照)の処理で計測を開始した経過時間(開放遊技が開始されてからの経過時間)が7秒に達したか否かを判定する(ステップS331)。ここで、経過時間が7秒に達していないと判定された場合(ステップS331:NO)、後述するステップS334に処理が進められる。
サブCPU131は、経過時間が7秒に達したと判定した場合(ステップS331:YES)、V入賞コマンドを既に受信しているか否かに基づいて、開放遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ198を既に通過しているか否かを判定する(ステップS332)。ここで、遊技球がV入賞口スイッチ198を既に通過していると判定された場合(ステップS332:YES)、ステップS334に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、遊技球がV入賞口スイッチ198を通過していないと判定した場合(ステップS332:NO)、残時間カウントダウン表示(図21、図22(D)及び(E)参照)を実行する(ステップS333)。具体的には、画像音響制御基板140に残時間カウントダウン表示の実行を指示するコマンドをサブRAM133にセットする。
サブCPU131は、このステップS333の処理を実行した場合、経過時間が7秒に達していないと判定した場合(ステップS331:NO)、遊技球がV入賞口スイッチ198を既に通過していると判定した場合(ステップS332:YES)、遊技制御基板100からV入賞コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS334)。
サブCPU131は、V入賞コマンドを受信したと判定した場合(ステップS334:YES)、開放遊技の開始前から行っているV領域指示表示(図21、図22(C)参照)の終了を画像音響制御基板140に指示する(ステップS335)。具体的には、例えば、V領域指示表示の終了を指示する終了コマンドをサブRAM133にセットする。そして、例えば、ステップS333の処理で残時間カウントダウン表示を開始してからの経過時間が、残時間カウントダウン表示に要する時間(本実施形態では5秒)に達したか否かに基づいて、残時間カウントダウン表示の実行中であるか否かを判定する(ステップS336)。ここで、残時間カウントダウン表示の実行中であると判定した場合(ステップS336:YES)、残時間カウントダウン表示の終了を画像音響制御基板140に指示する(ステップS337)。具体的には、例えば、残時間カウントダウン表示の終了を指示する終了コマンドをサブRAM133にセットする。
[演出制御基板130による結果演出制御処理]
図54は、図49のステップS43における結果演出制御処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、結果演出開始タイミングであると判定した場合(ステップS42:YES)、勝利演出パターンを設定済みであるか否かを判定する(ステップS431)。
サブCPU131は、例えば、RUSHチャレンジバトルの演出を行う時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が開始される際に、第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であることを示す情報を含む変動開始コマンドを受信した場合、ステップS1062(図52参照)の変動演出パターン設定処理において、リーチ成立後にチャレンジバトルを行ってから勝利演出を行う変動演出パターンを設定する。この場合、この1回転目の第2特別図柄の変動表示において「小当たり」が報知され、この「小当たり」に応じて小当たり遊技が開始されることになる。一方、この時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が開始される際に、第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す情報を含む変動開始コマンドを受信した場合は、ステップS1062(図52参照)の変動演出パターン設定処理において、リーチ成立後にチャレンジバトルを行ってから敗北演出を行う変動演出パターンを設定する。
ところで、1回転目に対応する第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、上記のように敗北演出を行うための変動演出パターンが設定されるが、仮に、保留されている4つの第2特別図柄判定の中に「小当たり」と判定されることになるものが含まれている場合には、図25(B)や図30等に基づいて上述したように、1回転目の第2特別図柄の変動表示中から、敗北演出ではなく、勝利演出を開始しておく必要がある。
このため、勝利演出パターンを設定済みではないと判定された場合(ステップS431:NO)、以下のような処理を行う。
すなわち、サブCPU131は、勝利演出パターンを設定済みではないと判定した場合(ステップS431:NO)、すなわち、時短1回転目がハズレであるために敗北演出パターンが設定されている場合、保留内に「小当たり」があるか否かを判定する(ステップS432)。具体的には、時短遊技状態のときには、遊技制御基板100からの第2特別図柄判定に係る保留コマンドを受信する毎に、その保留コマンドに含まれる事前判定情報がステップS1032(図51参照)の処理によってサブRAM133に格納されるので、サブCPU131は、サブRAM133に格納されている事前判定情報の中に「小当たり」を示すものが含まれているか否かに基づいて、保留内に「小当たり」があるか否かを判定する。
サブCPU131は、保留内に「小当たり」があると判定した場合(ステップS432:YES)、時短1回転目が「ハズレ」であっても、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中から勝利演出を開始しておく必要があることから、例えば、サブRAM133に記憶されている敗北演出を行うことを示す変動演出パターンの設定情報を、勝利演出を行うことを示す変動演出パターンに書き換えることによって、敗北演出パターンを勝利演出パターンに更新する(ステップS433)。
そして、サブCPU131は、画像音響制御基板140に勝利演出を開始させるべく、更新後の勝利演出パターンを示す変動演出パターンの設定情報を含む勝利演出コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS434)。この勝利演出コマンドは、ステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140に送信され、これにより、チャレンジバトル(図24(H)参照)に続いて勝利演出(図24(K)参照)が行われる。
一方、時短1回転目が「小当たり」である場合には、この時短1回転目の「小当たり」を報知すべく、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が開始される際に、勝利演出パターンを示す変動演出パターンでの変動演出の実行が既に指示されていることから、改めて勝利演出の開始を指示する必要もなく、このため、勝利演出パターンが設定済みと判定された場合(ステップS431:YES)は、ステップS50のコマンド送信処理に処理が進められる。
また、時短1回転目が「ハズレ」である場合には、この時短1回転目の「ハズレ」を報知すべく、時短1回転目の第2特別図柄の変動表示が開始される際に、敗北演出パターンを示す変動演出パターンでの変動演出の実行が既に指示されている。このため、保留1〜保留4の中に「小当たり」がない場合(全て「ハズレ」である場合)には、改めて敗北演出の開始を指示する必要はない。このため、保留内に「小当たり」がないと判定された場合(ステップS432:NO)、一連の結果演出制御処理が終了して、ステップS50のコマンド送信処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
次に、図55を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図55は、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図55に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドに基づいて液晶画面5における画像表示を制御する画像出力制御処理を実行する(ステップS71)。この画像出力制御処理については、図56に基づいて後に詳述する。
ステップS71の処理に続いて、統括CPU141は、液晶画面5で行われる演出表示と同期するように、或いは非同期にスピーカ24から各種の演出音を出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS72)。
ステップS72の処理に続いて、統括CPU141は、データ送信制御処理を実行する(ステップS73)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶画面5およびスピーカ24によって行われている演出と同期するように、枠ランプ25や盤ランプ37、演出役物7等が制御される。
[画像音響制御基板140による画像出力制御処理]
図56は、図55のステップ71における画像出力制御処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、まず、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS711)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS711:NO)、ステップS72に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS711:YES)、そのコマンドに含まれている設定情報を制御用RAM143にセットする(ステップS712)。次に、統括CPU141は、セットした設定情報基づいて、液晶画面5に各種の演出画像をどのように表示すべきかを判断し、VDP144の描画処理を制御するためのディスプレイリストを作成して制御用RAM143に格納し(ステップS713)、そのディスプレイリストをVDP144のディスプレイリスト記憶領域にセットする(ステップS714)。ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、失敗巻き戻し演出とリーチ巻き戻し演出との両方を実行可能であるため、これら2種類の巻き戻し演出の相乗効果によって、高い演出効果を得ることが可能である。
また、本実施形態では、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合に時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中に行われる演出(勝利演出:図30(A)参照)が、時短1回転目に係る第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」である場合に時短1回転目の第2特別図柄の変動表示中に行われる演出(勝利演出:図28(B)参照)と共通している。このため、遊技者に意外性を感じさせることができ、結果として高い演出効果を得ることが可能である。
また、本実施形態によれば、開放遊技(1回目のラウンド遊技)が開始されてから7秒が経過してもV入賞口スイッチ198を遊技球が通過していない場合には、残時間カウントダウン表示が行われる。このため、開放遊技中にV入賞口スイッチ198を遊技球が通過せずに開放遊技が終了するといった状態の発生を効果的に抑制することが可能である。
[その他の変形例]
なお、上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。
また、他の実施形態として、画像音響制御基板140において実行される処理の一部を演出制御基板130に実行させたり、或いは、演出制御基板130において実行される処理の一部を画像音響制御基板140に実行させたりしてもよい。また、演出制御基板130及び画像音響制御基板140を一体に構成して、演出制御基板130において実行される処理と画像音響制御基板150において実行される処理とを1つの制御基板で実行するようにしてもよい。