JP6739213B2 - 体力評価方法、体力評価シート及び体力測定結果の出力処理装置 - Google Patents

体力評価方法、体力評価シート及び体力測定結果の出力処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6739213B2
JP6739213B2 JP2016077080A JP2016077080A JP6739213B2 JP 6739213 B2 JP6739213 B2 JP 6739213B2 JP 2016077080 A JP2016077080 A JP 2016077080A JP 2016077080 A JP2016077080 A JP 2016077080A JP 6739213 B2 JP6739213 B2 JP 6739213B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ability
stepping
population
age
physical fitness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016077080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017185074A (ja
Inventor
佳子 柳沢
佳子 柳沢
千竃 映郎
映郎 千竃
塩屋 靖
靖 塩屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2016077080A priority Critical patent/JP6739213B2/ja
Publication of JP2017185074A publication Critical patent/JP2017185074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6739213B2 publication Critical patent/JP6739213B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

本発明は、体力、特に身体敏捷性能力を評価する技術に関する。
要介護になる原因として、認知症などと並んで、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)(以降、ロコモと略称する)と呼ばれる症状がある。ロコモは、骨、関節、筋肉、それらを動かす神経や感覚器などの身体を動かすのに必要な運動器に障害が起こり、自分で移動する能力が低下して要介護になる危険度が高い諸症状のことである。要介護及び要支援となる原因の中で最も多いのがロコモであり、ロコモの予防は、健康寿命を延伸させるうえで重要なファクタとなっている。
ロコモの危険性を知るために、身体敏捷性の測定は有効である。身体敏捷性の計測は、上述のような運動器を総合的に評価することになるからである。下記非特許文献1には、下肢反復開閉運動が、座位ステッピング及び立位ステッピングという既存の敏捷性評価のための運動項目と有意な相関を示す能力測定値を計測できることが開示されている。
小林薫 他,"下肢反復開閉運動と既存の敏捷性指標との基準関連妥当性",国際医療福祉大学学会誌,第18巻2号(2013)
しかしながら、上述の座位ステッピング、立位ステッピングなどの身体敏捷性に関する既存の測定手法では、単に、その測定値が提示されるに過ぎず、被験者にとって、その結果が示す意味を把握しづらいものとなっていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、体力、特に身体敏捷性能力の評価結果を被験者に把握し易く提示する体力評価技術を提供する。以降、「身体敏捷性」を「敏捷性」と略称し、身体敏捷性能力を「当該能力」と表記する場合がある。
本発明の各態様では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
第一の態様に係る体力評価方法は、被験者に関する身体敏捷性の能力を測定する測定工程と、前記測定工程により得られた能力測定値を、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の前記能力の分布を示すグラフ又は表と共に提示する提示工程と、を含む。そして、前記グラフ又は前記表は、各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している。
第二の態様に係る体力評価方法は、被験者の身体敏捷性の能力を、異なる二つの種目に関して、順次測定する測定工程と、前記測定工程により得られた各種目の能力測定値における、各種目に関して母集団から予め取得されたサンプル測定値に対する前記能力の高低を示す情報を対比可能に提示する提示工程と、を含む。
第三の態様に係る体力評価シートは、被験者に関し測定された身体敏捷性の能力の測定値と、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の該能力の分布を示すグラフ又は表とが隣接又は重畳表示されており、前記グラフ又は前記表は、各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している。
第四の態様に係る体力評価シートは、異なる二つの身体敏捷性の能力の測定種目に関してそれぞれ測定された被験者の測定値における、母集団から予め取得された各種目のサンプル測定値に対する該能力の高低を示す情報が、隣接又は重畳表示されている。
第五の態様に係る体力測定結果の出力処理装置は、被験者に関する身体敏捷性の能力の測定値を取得する手段と、出力装置に、前記取得された測定値を、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の前記能力の分布を示すグラフ又は表と共に出力させる手段と、を備え、前記グラフ又は前記表は、各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している。
第六の態様に係る体力測定結果の出力処理装置は、異なる二つの身体敏捷性の能力の測定種目に関して測定された被験者の測定値を取得する手段と、出力装置に、前記取得された各測定種目の測定値における、各測定種目に関して母集団から予め取得されたサンプル測定値に対する前記能力の高低を示す情報を対比可能に出力させる手段と、を備える。
上記各態様によれば、身体敏捷性能力の評価結果を被験者に把握し易く提示する体力評価技術を提供することができる。
第一実施形態における体力評価方法を示すフローチャートである。 座位ステッピング(足踏みテスト)の測定の様子を示す図である。 正規分布と当該能力の高低レベルとの関係例を示す図である。 能力測定値の提示の例を示す図である。 能力測定値の提示の例を示す図である。 能力測定値の提示の例を示す図である。 能力測定値の提示の例を示す図である。 第二実施形態における体力評価方法を示すフローチャートである。 開閉ステッピング(開閉テスト)の測定の様子を示す図である。 対比可能に種目毎に提示される情報の組合せの一例を示す図である。 対比可能に種目毎に提示される情報の組合せの一例を示す図である。 対比可能に種目毎に提示される情報の組合せの一例を示す図である。 出力処理装置10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。 出力処理装置10の処理構成例を概念的に示す図である。 全身反応時間の計測装置を概念的に示す図である。 チェアスタンド(CS)30の測定の様子を示す図である。 4つの種目についての対象被験者の体力年齢を個々にまとめた図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる各実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態における体力評価方法を示すフローチャートである。第一実施形態における体力評価方法(以降、本方法と表記する場合もある)は、被験者に関する身体敏捷性の能力を測定する工程(S11)と、測定結果を提示する工程(S12)とを含む。
身体敏捷性能力を測定するための運動種目として、次のような運動種目がよく知られている。例えば、反復横跳、J.S.テスト、シャトル・ラン、折り返し走、時間往復走、開閉脚跳、全身反応時間(跳躍反応時間)、反応開始時間、棒反応時間、単純反応時間、バーピー・テスト、ジグザグ・ドリブル、座位ステッピング(足踏みテスト)、立位ステッピング、開閉ステッピング(開閉テスト)などである(参考文献1:「新・日本人の体力標準値II」、首都大学東京体力標準値研究会編、不昧堂出版)。
工程(S11)では、被験者は、当該能力の測定のためのこのような運動種目の中の一つ以上を実施する。二以上の運動種目が実施される場合には、各運動種目について、工程(S12)がそれぞれ実行されればよい。
図2は、座位ステッピング(足踏みテスト)の測定の様子を示す図である。座位ステッピングは、図2に示されるように、座った状態で足踏みをする運動種目であり、制限時間(例えば、10秒)内に行われた足踏みの回数が計測される。図2の例では、床反力計が測定器として利用されている。被験者は、椅子に座った状態で、その椅子の前方に置かれた床反力計の測定マット上に両足を置き、左右交互にできるだけ早く足踏みを行う。そして、制限時間内の足踏み回数が床反力計の数値から読み取られる。制限時間の経過は、例えば、評価者によりストップウォッチ等を用いて監視される。
工程(S11)で実施される運動種目は、当該能力を測定できる種目であれば、制限されない。各運動種目の測定手法についても、既知の任意の手法が利用されればよい。
工程(S12)は、工程(S11)により得られた能力測定値をグラフ又は表と共に提示する工程である。能力測定値と共に提示されるグラフ又は表は、身体敏捷性に関して任意の母集団から予め取得されたサンプル測定値から導出されるものである。当該グラフ又は表の導出タイミングは、本方法の実行前であってもよいし、工程(S12)の実行時であってもよい。
本方法において、当該グラフ又は表は、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の身体敏捷性の能力の分布を各年齢層の母集団における当該能力の相対的高低として示すものであることが好ましい。言い換えれば、年齢層別の、当該能力の相対的な高低の分布を示すグラフ又は表が、能力測定値と共に、他の年齢層との対比において提示されることが好ましい。
本方法における「年齢層」が示す年齢の区切りの範囲は任意である。極端な例では1歳単位で区切られていてもよいし、20代、30代のように10歳単位で区切られていてもよいし、若年層、中高年層、熟年層などの大まかな年齢区切りが利用されてもよい。
また、当該能力の分布を得る「母集団」についても任意である。世界規模又は日本規模で公開されている母集団が利用されてもよいし、地域、県、学校、会社などといった特定範囲の母集団が利用されてもよい。また、性別の母集団が利用されてもよい。
上記グラフ又は表における当該能力の分布の示し方についても制限されない。一例として、当該能力の分布を当該能力の高低レベルで区分けする手法がある。この手法では、例えば、当該能力の分布が正規分布に従うと仮定して、図3に示されるように、当該能力の高低を段階的に示す高低レベルが定められる。
図3は、正規分布と当該能力の高低レベルとの関係例を示す図である。図3の例では、各年齢層のサンプル測定値の平均値(μ)及び標準偏差(σ)を用いて、5つの高低レベルが定められている。−0.5σ以上0.5σ以下の範囲が平均レベルに設定され、0.5σより大きく1.5σ以下の範囲が「やや高い」レベルに設定され、−0.5σ未満−1.5σ以上の範囲が「やや低い」レベルに設定され、1.5σより大きい範囲が「高い」レベルに設定され、−1.5σ未満の範囲が「低い」レベルに設定されている。図3に示される関係は、上記参考文献にも記載されている。
図3の例では、5つの高低レベルに分類されているが、それより多いレベル分けがなされてもよいし、「高い」、「平均」、「低い」のような3つ以下のレベル分けがなされてもよい。
このような能力分布の区分けにより、図4から図7に例示されるようなグラフ又は表を提示することができる。即ち、本方法において、能力測定値と共に提示されるグラフ又は表が、各年齢層の母集団における当該能力の分布を各年齢層の相対的な当該能力の高低レベルで区分けしてそれぞれ示すようにしてもよい。このようなグラフ又は表を被験者の能力測定値と共に提示することにより、被験者は、該当する年齢層内における自身の能力レベル(高い方なのか、低いほうなのかなど)を容易に把握することができる。
図4から図7は、能力測定値の提示の例をそれぞれ示している。
図4に示されるグラフでは、横軸に年齢が示され、縦軸に測定値が示されており、年齢毎のサンプル測定値の分布が、グラフ内領域において「普通」、「早い」及び「遅い」の3つのレベルに区分けされて示されている。この測定値では、時間が短い(早い)ほど能力が高く、時間が長い(遅い)ほど能力が低いとされており、以下の説明の「高い」「低い」は、これに基づく。
図5に示されるグラフでは、縦軸に年齢層が示され、年齢層毎にサンプル測定値の分布が5つの高低レベル(低い、やや低い、平均、やや高い、高い)に区分けされて示されている。この高低レベルは、たとえば、年齢層毎にサンプル測定値を上述したように平均値(μ)および標準偏差(σ)に基づいて区分けすることにより取得できる。更に、「高い」レベルを除く各高低レベルを示す棒状(帯状)領域内には、そのレベルに属するサンプル測定値の上限値が重畳されており、「高い」レベルを示す棒状領域内には、そのレベルに属するサンプル測定値の下限値が重畳されている。このように上限値又は下限値が示されることで、各高低レベルのサンプル測定値範囲を容易に把握することができるようになっている。あるレベルの上限値に1を加算した値が、当該レベルより一つ上のレベルに関する下限値となる。
このグラフにおいて、各年齢層における個々の能力高低レベルの長さ(紙面横幅)は、各能力高低レベルに属するサンプル測定値の範囲と他の年齢層の同一能力高低レベルの範囲との大きさの違いによって、決められている。例えば、男性の平均レベルに関して40歳から44歳の年齢層(第一の年齢層と表記する)と65歳から69歳の年齢層(第二の年齢層と表記する)とを比較した場合、第一の年齢層におけるサンプル測定値の範囲の大きさは22(94以上115以下:両端を含む)であるのに対して、第二の年齢層におけるその範囲の大きさは13(70以上82以下:両端を含む)である。これにより、第一の年齢層の平均レベルの領域長(紙面横幅)が、第二の年齢層の平均レベルの領域長よりも広くなっている。なお、その領域長の差がサンプル測定値の範囲の大きさの差に対応しているわけではない。
この図5に示されるグラフによれば、被験者は、自身の能力測定値が該当年齢層におけるどのレベルのどの位置に属するのかを即座に把握することができる。併せて、被験者は、自身の能力測定値が他の年齢層ではどのレベルのどの位置に属するのかも知ることができる。例えば、60歳の男性の被験者の能力測定値が92回であった場合、被験者の当該能力は、45歳から59歳までの間の平均レベルにも該当し、40歳から44歳のやや低いレベルにも該当することを即座に把握することができる。
図6に示されるグラフでは、縦軸に年齢層が示され、横軸に測定値が示されており、図5と同様に、年齢層毎に、サンプル測定値の分布が5つの高低レベル(低い、やや低い、平均、やや高い、高い)に区分けされて示されている。但し、図6では、「高い」レベル及び「低い」レベルについては、他のレベルと異なり、棒状(帯状)表示がなされていない。図6では、年齢層毎の棒(帯)の長さ(紙面横幅)が測定値の数値により揃えられているため、高低レベルに属するサンプル測定値の範囲を数字イメージで捉えやすくなっている。
図7には、各年齢層の母集団における当該能力の分布が各年齢層の相対的な当該能力の高低レベルで区分けされた表の例が示されている。図7の表においても、図5及び図6と同様に、年齢層毎に、サンプル測定値の分布が5つの能力高低レベル(低い、やや低い、平均、やや高い、高い)に区分けされて示されている。更に、「高い」レベルを除く各高低レベルを示す枠内には、そのレベルに属するサンプル測定値の上限値が示されており、「高い」レベルを示す枠内には、そのレベルに属するサンプル測定値の下限値が示されている。このように上限値又は下限値が示されることで、各高低レベルのサンプル測定値範囲を容易に把握することができるようになっている。
また、本方法において、被験者の能力測定値と上記グラフ又は表との「共に提示」の方法も制限されない。被験者の能力測定値と上記グラフ又は表との対比ができるだけ容易となるような方法で提示されることが望ましい。
図4から図7に示されるように、被験者の能力測定値とグラフ又は表とが一画面又は一印刷媒体において隣接又は重畳して示されていてもよい。ここでの「一画面」又は「一印刷媒体」は、スクロール操作やページ送り等をすることなく、一時に視認できる表示又は印刷であることが望ましい。但し、本方法は、被験者の能力測定値とグラフ又は表とを別々の画面又は別々の印刷媒体で提示することを排除するものではない。例えば、被験者の能力測定値とグラフ又は表とが、隣接配置された二つのディスプレイ又は二枚の印刷媒体に、別々に表示又は印刷されてもよい。二枚の印刷媒体に別々に印刷された場合であっても、その二枚を隣接させる又は一部分を重ねあわせることで、両情報を一時に視認することは可能である。印刷媒体の透かしにより、二枚を完全に重ねあわせて、両情報を一時に視認することもできる。また、能力測定値とグラフ又は表とを異種の二つの媒体にそれぞれ示してもよい。例えば、一方がパーソナルコンピュータ(PC)又は携帯端末のディスプレイに表示され、他方が印刷媒体に印刷されていてもよい。
更に、図4に示されるように、被験者の能力測定値が、グラフ又は表上にプロットされて提示されてもよい。図4の提示例では、被験者の能力測定値は、グラフと隣接する領域に示されていると共に、そのグラフ上にも重畳表示、即ち星マークでプロットされている。このプロット提示によれば、母集団における能力分布の中での、被験者の測定値の位置が把握し易くなる。
また、上述したとおり、提示するために用いられる媒体も制限されない。紙やフィルム等の印刷媒体を用いることもできるし、PC又は携帯端末のディスプレイモニタを用いることもできる。また、上記グラフ又は表は、本方法の実行前に予め生成され、印刷媒体に印刷されていてもよい。
能力測定値は、回数や秒数などの単なる数値であるため、測定結果としてそれだけ提示されたのでは、被験者にとって自身の当該能力の程度を把握することは困難である。そこで、年齢層毎の母集団から得られた平均値を年齢層別にまとめた表を能力測定値と共に提示することが考えられる。しかしながら、年齢層別の平均値が提示されるだけでは、該当する年齢層内における被験者の当該能力の高低位置は相変わらず把握困難である。
本方法では、上述のように、年齢層別に、他の年齢層との関係において相対的な身体敏捷性能力の分布を示すグラフ又は表が能力測定値と共に提示されるため、被験者は、該当する年齢層内における自身の能力レベル(高い方なのか、低いほうなのかなど)を容易に把握することができる。
[第二実施形態]
図8は、第二実施形態における体力評価方法を示すフローチャートである。
第二実施形態における体力評価方法(以降、本方法と表記する場合もある)は、被験者の当該能力を、異なる二つの種目に関して、順次測定する測定工程(S81)及び(S82)、並びに測定工程(S81)及び(S82)により得られた各種目の能力測定値における、各種目に関して母集団から予め取得されたサンプル測定値に対する当該能力の高低を示す情報を対比可能に提示する提示工程(S83)を含む。
このように、異なる二つの種目に関して測定された能力測定値における、各種目のサンプル測定値に対する当該能力の高低を示す情報を対比可能に提示することにより、被験者に対して、当該能力について効果的に気付きを与えることができる。本方法におけるこのような作用効果については実施例の項において詳述される。
ここでの当該能力についての気付きには、例えば、今まで知得していなかった若しくは感じていなかったことを知得すること、又は、今まで漠然と感じていたものをより具体的若しくはより明確に感じることなどが該当する。
以下、本方法について詳細に説明する。
工程(S81)は、当該能力を測定するための第一種目(運動種目)で、被験者の当該能力を測定する工程である。
工程(S82)は、第一種目とは異なる当該能力を測定するための第二種目(運動種目)で、同一被験者の当該能力を測定する工程である。
本方法で実施される二つの運動種目は、異なる種目同士であれば、その選び方は任意であるが、本発明者らにより、次のような種目を選択することにより、被験者により効果的な気付きを与え得ることが確認されている。なお、当該能力を測定するための運動種目の候補については、第一実施形態において述べたとおりである。また、各種目についての当該能力の測定手法については、既知の任意の手法が利用されればよい。
具体的には、二つの種目の一方が、左右方向又は後ろ向きの動きを含む運動種目であることが好ましい。左右方向の動きとは、右向きの動き、左向きの動きまたは左右往復の動きをいう。ここでの「左右方向又は後ろ向きの動き」とは、被験者の移動を伴う動きに加えて、移動を伴わない脚や腕、腰、首などの体の一部位の動きも含む。例えば、反復横跳、J.S.テスト、開閉脚跳、開閉ステッピング(開閉テスト)が該当する運動種目となる。J.S.テストは、中央に設けられた台の上から、前後左右に飛び降り飛び戻る運動種目である。開閉脚跳は、両脚及び両腕をそろえて直立した姿勢から、両腕を広げ開脚する姿勢、及び頭上で手を叩き開脚する姿勢へとの切り替えを繰り返す運動種目である。
図9は、開閉ステッピング(開閉テスト)の測定の様子を示す図である。開閉ステッピングは、図9に示されるように、座った状態で両脚の開閉を行う運動種目であり、制限時間(例えば、20秒)内に行われた両脚の開閉の回数が計測される。被験者は、椅子に座った状態で、その椅子の前方の床に引かれた平行の二本線を踏まないように、両脚を閉じてその二本線の内側に置くことと、両脚を開いてその二本線の両外側に置くこととを、できるだけ早く交互に繰り返す。例えば、制限時間が評価者により計測され、被験者自身が制限時間内の開閉回数をカウントする。
このような左右方向及び後ろ向きの動きは、人間の日常生活においてあまり実施機会のない動きであり、本発明者らの実験により、そのような動きを含む身体敏捷性能力の測定種目では、好結果(年齢相応又はそれ以上の結果)が得られない人が多いことが確認されている。更に、このような好結果が得られない可能性が高い測定種目、即ち不得意傾向の種目とそうでない種目との組合せを被験者に実施させることが、上述の効果的な気付きに繋がることが確認されている。
更に、二つの種目の一方が、上述のように、左右方向又は後ろ向きの動きを含む場合、他方は、前向き若しくは上下方向の動き、又は反射運動を含む運動種目であることが好ましい。上下方向の動きとは、上向きの動き、下向きの動きまたは上下往復の動きをいう。ここでの「前向き若しくは上下方向の動き」についても、被験者の移動を伴う動きに加えて、移動を伴わない脚や腕、腰、首などの体の一部位の動きも含む。例えば、シャトル・ラン、折り返し走、時間往復走、座位ステッピング(足踏みテスト)が該当する運動種目となる。シャトル・ラン、折り返し走、及び時間往復走は、或る間隔で往復する種目である。座位ステッピングについては、上述したとおりである(図2参照)。
このような前向き及び上下方向の動きは、人間の日常生活において或る程度普通に行われる動きであり、本発明者らの実験により、そのような動きを含む身体敏捷性能力の測定種目では、好結果(年齢相応又はそれ以上の結果)を得る人とそうでない人とが混在するか又は好結果を得る人が多いことが確認されている。
このような種目を、上述のような不得意傾向の種目と組合せることで、効果的な気付きに繋げることができる。被験者は、年齢相応又はそれ以上の結果を得ることができる運動種目の存在で自己肯定しながら、一方で、思っているよりも出来ない運動があることを認識せざるを得ないため、結果として、敏捷性の自己能力についてより強く認識することに繋がる。
加えて、当該二つの種目が共通の姿勢で行われる運動種目である場合には、気付きの効果をより高めることができる。共通の姿勢で行われる運動種目であるならば、どちらの運動種目についても同程度の結果が得られるであろうと予測するのが通常である。被験者は、このように予想しながら測定結果により出来ない運動種目の存在を認識することになるため、予想よりも出来ない運動種目があることに対してより強いインパクトを受けることになる。
本方法では、例えば、座位ステッピング(図2参照)と開閉ステッピング(図9参照)との異なる二種目が選択される。両種目は、共通の姿勢、即ち座位で行われ、座位ステッピングは脚の上下方向の動きを含み、開閉ステッピングは脚の左右方向の動きを含む。よって、座位ステッピングについては好結果を得る可能性が高く、開閉ステッピングについては好結果を得ることができない可能性が高くなる(実施例参照)。結果、被験者は、敏捷性の能力測定において予想よりも出来ない運動種目があることに強く衝撃を受け、当該能力について気付きを得ることになる。
本方法では、工程(S81)及び工程(S82)は、それら工程間に他の運動種目を挟むことなく、順次実行されることが好ましい。これにより、被験者に、第一種目の運動感覚と第二種目との運動感覚との差を認識させ易くすることができ、このような運動感覚の差と共に、測定結果の良し悪しの差を認識することで、上述のような効果をより高めることができる。
更に、本方法では、三以上の異なる運動種目が実施されてもよいが、図8に示されるように、二つの異なる運動種目のみが測定されることが好ましい。これにより、測定結果の善し悪しの差が際立つため、上述のような効果をより高めることができる。
工程(S83)は、上述したとおり、測定工程(S81)及び(S82)により得られた各種目の能力測定値における、各種目に関して母集団から予め取得されたサンプル測定値に対する当該能力の高低を示す情報を対比可能に提示する工程である。即ち、工程(S83)において対比可能に種目毎に提示される各情報は、その種目の能力測定値に関する、その種目のサンプル測定値との対比における当該能力の相対的な高低を表す情報である。各情報の具体例を以下に示す。
上記情報の一例として、当該能力の相対的な高低を数値又は文字で示す指標情報が例示できる。具体的には、各種目のサンプル測定値に基づいて能力測定値から換算される体力年齢が例示される。例えば、各種目についての年齢層別のサンプル測定値に関する平均値及び標準偏差によれば、上述したとおり、各年齢層について平均レベル、やや低いレベル、低いレベル、やや高いレベル及び高いレベルの各々の測定値範囲を定めることができる。被験者の能力測定値が平均値に最も近くかつ平均レベルの測定値範囲に属する年齢層をその能力測定値に対応する体力年齢として換算することができる。
図10は、対比可能に種目毎に提示される情報の組合せの一例を示す図である。図10では、第一種目の座位ステッピングに関して能力測定値から換算された体力年齢「42歳」と、第二種目の開閉ステッピングに関して能力測定値から換算された体力年齢「63歳」とが隣接されて表示又は印刷されている。
体力年齢に替えて、能力スコアが指標情報として換算されてもよい。他の例として、各種目のサンプル測定値に基づいて決定される、能力測定値に対応する能力高低レベルが例示される。例えば、平均レベル、高いレベル、やや低いレベルなどが該当する。
また、上記情報の一例として、能力測定値と各種目のサンプル測定値から導出されるグラフ又は表との組合せが例示できる。能力測定値と当該グラフ又は表との隣接又は重畳表示によれば、或る種目の能力測定値に関する、その種目のサンプル測定値との対比における当該能力の相対的な高低を表す情報が提示されることになる。
更に具体的には、各種目について対比可能に提示される情報は、各種目の能力測定値と、各種目に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の当該能力の分布を示すグラフ又は表との組み合わせであり、そのグラフ又は表が、各年齢層の母集団における相対的な当該能力の高低分布を更に示すものであってもよい。また、そのグラフ又は表は、各年齢層の母集団における当該能力の分布を各年齢層の相対的な能力高低レベルで区分けしてそれぞれ示すものであってもよい。
図11及び図12は、対比可能に種目毎に提示される情報の組合せの一例を示す図である。図11及び図12では、座位ステッピング及び開閉ステッピングの各々についての、被験者の能力測定値(回数)と、各年齢層の母集団における当該能力の分布が各年齢層の相対的な当該能力の高低レベルで区分けされたグラフとの組合せが隣接されて表示又は印刷されている。図11においては、各種目について異なるグラフ形式で当該能力の高低分布がそれぞれ示されている。具体的には、座位ステッピングについては、年齢毎のサンプル測定値の分布が、グラフ内領域において「普通」、「早い」及び「遅い」の3つの高低レベルに区分けされて示されており、開閉ステッピングについては、各年齢層の平均年齢が色分けされて示されている。更に、図11では、被験者の能力測定値は、グラフと隣接表示されると共に、そのグラフ上にプロットされている。
本方法における「対比可能に提示」とは、各情報を対比できる状態で提示することを意味する。例えば、一枚の紙に、対比しなくてもよい種目の情報も含めて三以上の種目に関する情報が示されている場合、この一枚の紙に、対比すべき各種目の情報が隣接又は重畳した状態で(対比容易な状態で)提示されるのが好ましい。
「対比可能な提示」の具体的手法は制限されず、また、第一実施形態で述べたとおり、提示するために用いられる媒体も制限されない。
本発明は、図4から図7、図10から図12に示されるような表示内容を持つ、体力評価シートとして具現化することもできる。
即ち、本発明の一実施形態における体力評価シートは、被験者に関し測定された身体敏捷性の能力の測定値と、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の当該能力の分布を示すグラフ又は表とが隣接又は重畳表示されており、そのグラフ又は表が、各年齢層の母集団における相対的な当該能力の高低分布を更に示している。
この体力評価シートによれば、被験者に、該当する年齢層内における自身の能力レベルを容易に把握させることができる。
また、本発明の一実施形態における体力評価シートは、異なる二つの身体敏捷性の能力の測定種目に関してそれぞれ測定された被験者の測定値における、母集団から予め取得された各種目のサンプル測定値に対する当該能力の高低を示す情報が、隣接又は重畳表示されている。
この体力評価シートによれば、被験者に対して、当該能力について効果的に気付きを与えることができる。
これら「体力評価シート」は、紙などの印刷媒体であってもよいし、薄いシート状のディスプレイであってもよく、その素材は任意である。
また、本発明は、体力測定結果の出力処理装置10としても具現化され得る。以下、この出力処理装置10について説明する。
図13は、出力処理装置10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。出力処理装置10は、いわゆるコンピュータであり、例えば、バスで相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、入出力インタフェース(I/F)13、通信ユニット14等を有する。出力処理装置10を形成する各ハードウェア要素の数はそれぞれ制限されず、これらハードウェア要素は情報処理回路と総称することもできる。また、出力処理装置10は、図13に図示しないハードウェア要素を含んでもよく、出力処理装置10のハードウェア構成は制限されない。
CPU11は、一般的なCPU以外に、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等で構成してもよい。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F13は、出力装置15、入力装置16等のユーザインタフェース装置と接続可能である。出力装置15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU11等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置、印刷装置などの少なくとも一つである。入力装置16は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。出力装置15及び入力装置16は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット14は、他のコンピュータとの通信網を介した通信や、他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット14には、可搬型記録媒体等も接続され得る。通信ユニット14には、床反力計(図2参照)、撮像装置(カメラ)(図示せず)などの少なくとも一つが接続されてもよい。例えば、カメラは、敏捷性能力の測定時の被験者の動きを撮像し、その動画像又は静止画像を出力処理装置10に送ってもよい。また、通信ユニット14には、出力装置15が接続されていてもよい。
図14は、出力処理装置10の処理構成例を概念的に示す図である。
出力処理装置10は、取得部21、情報格納部23、出力処理部25等を有する。これら処理モジュールは、ソフトウェア要素であり、例えば、メモリ12に格納されるプログラムがCPU11により実行されることにより実現される。このプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F13を介してインストールされ、メモリ12に格納されてもよい。
取得部21は、被験者に関する身体敏捷性の能力の測定値を取得する。また、取得部21は、異なる二つの身体敏捷性の能力の測定種目に関して測定された被験者の測定値を取得してもよい。
例えば、取得部21は、入力装置16を操作することによりユーザが入力した測定値を入出力I/F13を介して取得する。このとき、被験者自らが測定値を入力してもよいし、第三者が測定値を入力してもよい。取得部21は、入出力I/F13又は通信ユニット14に床反力計のような測定装置が接続されている場合には、その測定装置から測定値を自動で取得することもできる。また、取得部21は、測定装置又はカメラから得られたデータに対して何らかの処理を行うことで、測定値を算出してもよい。例えば、床反力計から得られた計測値の履歴に基づいて、取得部21は、所定制限時間内に行われた足踏みの回数を測定値として算出する。また、取得部21は、カメラから得られた画像から被験者の動きを認識することで当該測定値を算出することもできる。
情報格納部23は、複数の年齢層の母集団から予め得られた情報を格納する。具体的には、情報格納部23は、年齢層毎の統計情報(平均値、標準偏差など)を格納してもよいし、年齢層毎のサンプル測定値を格納してもよい。また、情報格納部23は、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の当該能力の分布を示しかつ各年齢層の母集団における相対的な当該能力の高低分布を示すグラフ又は表のデータを格納してもよい。
出力処理部25は、出力装置15に、取得部21により取得された測定値を、情報格納部23に格納される情報に基づく年齢層別の当該能力の分布であって相対的な当該能力の高低分布を示すグラフ又は表と共に、出力させる。出力装置15が表示装置である場合、出力処理部25は、取得部21により取得された測定値を、上記グラフ又は表と共に出力装置15に表示させる。また、出力装置15が印刷装置である場合には、出力処理部25は、測定値をグラフ又は表と共に印刷させる。出力処理部25は、測定値とグラフ又は表とを、異なる出力装置15(例えば、表示装置と印刷装置)にそれぞれ出力させてもよい。
また、出力処理部25は、出力装置15に、取得部21により取得された各測定種目の測定値における、各測定種目に関して母集団から予め取得されたサンプル測定値に対する当該能力の高低を示す情報を対比可能に出力させてもよい。ここで対比可能に種目毎に出力される各情報は、第二実施形態における工程(S83)で対比可能に種目毎に提示される各情報と同様である。「対比可能に出力」についても、工程(S83)における対比可能な提示と同様である。
この出力処理装置10による出力によれば、人の労力を抑えながら、第一実施形態及び第二実施形態と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明者らにより行われた実験内容及び結果について実施例として説明する共に、上述の実施形態の効果を実証する。
本実験では、平均年齢47.2歳(標準偏差±5.6)の94名の男性と平均年齢42.3歳(標準偏差±9.2)の39名の女性とを対象被験者として、4つの種目に関して身体敏捷性能力が測定された。
4つの種目は、座位ステッピング(図2参照)、開閉ステッピング(図9参照)、全身反応時間(跳躍反応時間)、及びチェアスタンド(CS)30である。
図15は、全身反応時間の計測装置を概念的に示す図である。この計測装置は、光刺激を発する装置と、床反力を計測可能な跳躍台とから構成されている。被験者は、跳躍台の上に立ち、膝関節を120度から160度程度に軽く曲げた状態でスタンバイし、光刺激の発生に応じて、できるだけ早く垂直に飛び上がる。この飛び上がりに要した時間の平均がこの種目の能力として測定される。
図16は、CS30の測定の様子を示す図である。CS30では、被験者は、腕を胸の前で組んだ状態で、椅子への着席と起立とを繰り返す。制限時間内に繰り返された回数がこの種目の能力として測定される。
座位ステッピング(座位STP)は脚の上下方向の動きを含む運動種目であり、開閉ステッピング(開閉STP)は脚の左右方向の動きを含む運動種目であり、全身反応時間は反射動作を含む運動種目であり、CS30は身体の上下方向の動きを含む運動種目である。
そして、4つの種目について測定された能力測定値が、各種目の母集団から得られたサンプル測定値に基づいて、体力年齢に換算された。
図17は、4つの種目についての対象被験者の体力年齢を個々にまとめた図である。図17によれば、全身反応時間は、30代、40代及び50代の各年齢層において20代の体力年齢を示す者が多く、座位STP及びCS30については、各年齢層において体力年齢が分散傾向にある。一方で、開閉STPは、30代、40代及び50代の各年齢層において、60代から90代の体力年齢を示す者が多い。なお、開閉STPの測定では、二本の平行線を測定中に踏んでしまった場合には、計測不能とされ、60代から90代の体力年齢に設定されている。
結果、左右方向の動きを含む身体敏捷性能力の測定種目(開閉STP)では、好結果(年齢相応又はそれ以上の結果)が得られない人が多いことが確認され、逆に、上下方向の動き及び反射動作を含む運動種目(開閉STP以外)では、好結果(年齢相応又はそれ以上の結果)を得る人とそうでない人とが混在するか又は好結果を得る人が多いことが確認された。
更に、本実験では、4つの種目の能力測定の後に、各被験者にインタビューが行われた。結果、「普段の生活では行わないような動きをすることで「自分が考えているほど動けない」ということ、「頭で考えていることが、なかなか手足に伝わらない」ことがよく分かった」、「自身の運動能力年齢にショックを受けた」、「足の開閉テストが全然できなくてびっくりした」といった回答が得られた。
このように、脚の上下方向の動きを含む座位ステッピングと脚の左右方向の動きを含む開閉ステッピングとが実施され、その測定結果が提示されることで、被験者に敏捷性能力に関して効果的な気付きを与えることができることが実証された。
上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
また、上述の内容の一部又は全部は、次のようにも特定され得る。但し、上述の内容が以下の記載に制限されるものではない。
<1>被験者に関する身体敏捷性の能力を測定する測定工程と、前記測定工程により得られた能力測定値を、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の前記能力の分布を示すグラフ又は表と共に提示する提示工程と、を含み、前記グラフ又は前記表は、各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している、体力評価方法。
<2>被験者の身体敏捷性の能力を、異なる二つの種目に関して、順次測定する測定工程と、前記測定工程により得られた各種目の能力測定値における、各種目に関して母集団から予め取得されたサンプル測定値に対する前記能力の高低を示す情報を対比可能に提示する提示工程と、を含む体力評価方法。
<3>前記二つの種目の一方は、左右方向又は後ろ向きの動きを含む、<2>に記載の体力評価方法。
<4>前記二つの種目の他方は、前向き若しくは上下方向の動き、又は反射動作を含む、<3>に記載の体力評価方法。
<5>前記二つの種目は、共通の姿勢で行われる、<2>から<4>のいずれか一つに記載の体力評価方法。
<6>前記提示工程により前記各種目について対比可能に提示される情報は、前記測定工程により得られた前記各種目の前記能力測定値と、前記各種目に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の前記能力の分布を示すグラフ又は表との組み合わせであり、前記グラフ又は前記表は、各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している、<2>から<5>のいずれか一つに記載の体力評価方法。
<7>前記グラフ又は前記表は、前記各年齢層の前記母集団における前記能力の分布を各年齢層の相対的な前記能力の高低レベルで区分けしてそれぞれ示している、<1>又は<6>に記載の体力評価方法。
<8>前記能力測定値は、前記グラフ又は前記表上にプロットされて提示される、<1>、<6>又は<7>に記載の体力評価方法。
<9>被験者に関し測定された身体敏捷性の能力の測定値と、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の該能力の分布を示すグラフ又は表とが隣接又は重畳表示されており、前記グラフ又は前記表は、各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している、体力評価シート。
<10>異なる二つの身体敏捷性の能力の測定種目に関してそれぞれ測定された被験者の測定値における、母集団から予め取得された各種目のサンプル測定値に対する該能力の高低を示す情報が、隣接又は重畳表示されている、体力評価シート。
<11>被験者に関する身体敏捷性の能力の測定値を取得する手段と、出力装置に、前記取得された測定値を、身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の前記能力の分布を示すグラフ又は表と共に出力させる手段と、を備え、前記グラフ又は前記表は、各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している、体力測定結果の出力処理装置。
<12>異なる二つの身体敏捷性の能力の測定種目に関して測定された被験者の測定値を取得する手段と、出力装置に、前記取得された各測定種目の測定値における、各測定種目に関して母集団から予め取得されたサンプル測定値に対する前記能力の高低を示す情報を対比可能に出力させる手段と、を備える体力測定結果の出力処理装置。
10 出力処理装置
11 CPU
12 メモリ
13 入出力I/F
14 通信ユニット
15 出力装置
16 入力装置
21 取得部
23 情報格納部
25 出力処理部

Claims (5)

  1. 被験者に関する身体敏捷性の能力を、共に座位姿勢で行われる種目である座位ステッピング及び開閉ステッピングに関して、順次測定する測定工程と、
    前記測定工程により得られた前記座位ステッピング及び前記開閉ステッピングの各種目の能力測定値を、該各種目に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の前記能力の分布を示す種目別のグラフ又は表と共にそれぞれ提示する提示工程と、
    を含み、
    前記座位ステッピングは脚の上下方向の動きを含み、前記開閉ステッピングは脚の左右方向の動きを含み、
    前記種目別のグラフ又は表は、前記各種目に関する各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している、
    体力評価方法。
  2. 前記グラフ又は前記表は、前記各年齢層の前記母集団における前記能力の分布を各年齢層の相対的な前記能力の高低レベルで区分けしてそれぞれ示している、
    請求項1に記載の体力評価方法。
  3. 前記能力測定値は、前記グラフ又は前記表上にプロットされて提示される、
    請求項1又は2に記載の体力評価方法。
  4. 共に座位姿勢で行われる種目である座位ステッピング及び開閉ステッピングに関して順次測定された、被験者に関する各種目の身体敏捷性の能力の測定値と、該各種目の身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の該能力の分布を示す種目別のグラフ又は表とがそれぞれ隣接又は重畳表示されており、
    前記座位ステッピングは脚の上下方向の動きを含み、前記開閉ステッピングは脚の左右方向の動きを含み、
    前記種目別のグラフ又は表は、前記各種目に関する各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している、
    体力評価シート。
  5. 共に座位姿勢で行われる種目である座位ステッピング及び開閉ステッピングに関して順次測定された、被験者に関する各種目の身体敏捷性の能力の測定値をそれぞれ取得する手段と、
    出力装置に、前記取得された前記各種目の測定値を、前記各種目の身体敏捷性に関して複数の年齢層の母集団から予め取得された年齢層別の前記能力の分布を示す種目別のグラフ又は表と共にそれぞれ出力させる手段と、
    を備え、
    前記座位ステッピングは脚の上下方向の動きを含み、前記開閉ステッピングは脚の左右方向の動きを含み、
    前記種目別のグラフ又は表は、前記各種目に関する各年齢層の母集団における相対的な前記能力の高低分布を更に示している、
    体力測定結果の出力処理装置。
JP2016077080A 2016-04-07 2016-04-07 体力評価方法、体力評価シート及び体力測定結果の出力処理装置 Active JP6739213B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016077080A JP6739213B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 体力評価方法、体力評価シート及び体力測定結果の出力処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016077080A JP6739213B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 体力評価方法、体力評価シート及び体力測定結果の出力処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017185074A JP2017185074A (ja) 2017-10-12
JP6739213B2 true JP6739213B2 (ja) 2020-08-12

Family

ID=60043501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016077080A Active JP6739213B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 体力評価方法、体力評価シート及び体力測定結果の出力処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6739213B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108143423B (zh) * 2017-12-28 2020-10-16 广东科学技术职业学院 一种灵敏素质检测装置及方法
JP7047178B1 (ja) * 2021-09-30 2022-04-04 株式会社博報堂Dyホールディングス 情報処理システム、コンピュータプログラム、及び情報処理方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004073272A (ja) * 2002-08-09 2004-03-11 Konami Sports Life Corp 体力判定装置、体力判定方法、及びプログラム
JP2005013305A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Matsushita Electric Works Ltd 身体機能評価装置
JP4384895B2 (ja) * 2003-11-14 2009-12-16 フィールファイン株式会社 年齢アセスメント装置及び年齢アセスメント方法
JP4384896B2 (ja) * 2003-11-14 2009-12-16 フィールファイン株式会社 年齢アセスメントシステム及びプログラム
JP2006309627A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Naraken Kenkozukuri Zaidan 健康運動処方システム
US8128410B2 (en) * 2006-09-29 2012-03-06 Nike, Inc. Multi-mode acceleration-based athleticism measurement system
JP5990231B2 (ja) * 2014-09-12 2016-09-07 株式会社カーブスジャパン 体力年齢評価方法、及び、体力年齢評価装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017185074A (ja) 2017-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Monsell et al. Computerized dynamic platform posturography
Abidin et al. Prediction of vertical jump height from anthropometric factors in male and female martial arts athletes
Montalvo et al. Common vertical jump and reactive strength index measuring devices: A validity and reliability analysis
Orishimo et al. Comparison of landing biomechanics between male and female dancers and athletes, part 1: Influence of sex on risk of anterior cruciate ligament injury
Crossley et al. Performance on the single-leg squat task indicates hip abductor muscle function
McRoberts et al. Evaluation of the New York Posture Rating Chart for assessing changes in postural alignment in a garment study
Islam et al. Effects of combined sensory and muscular training on balance in Japanese older adults
Ng et al. Altered walking and muscle patterns reduce hip contact forces in individuals with symptomatic cam femoroacetabular impingement
Jiang et al. Balance, proprioception, and gross motor development of Chinese children aged 3 to 6 years
Schwanke et al. Differences in body posture, strength and flexibility in schoolchildren with overweight and obesity: a quasi-experimental study
Molina-Garcia et al. Effects of exercise on body posture, functional movement, and physical fitness in children with overweight/obesity
KR20190041081A (ko) 인지장애 진단을 위한 vr기반 인지능력 평가시스템
JP6739213B2 (ja) 体力評価方法、体力評価シート及び体力測定結果の出力処理装置
Hsiao et al. An investigation of the use of the Kinect system as a measure of dynamic balance and forward reach in the elderly
Henriques-Neto et al. Physical fitness and bone health in young athletes and nonathletes
Urdapilleta et al. Use of a picture distortion technique to examine perceptive and ideal body image in male and female competitive swimmers
Bim et al. Handgrip strength and associated factors among Brazilian adolescents: A cross-sectional study
Malouin et al. A fluidity scale for evaluating the motor strategy of the rise-to-walk task after stroke
Verrelst et al. Contribution of a muscle fatigue protocol to a dynamic stability screening test for exertional medial tibial pain
Petrovic et al. Effect of sex on anterior cruciate ligament injury–related biomechanics during the cutting maneuver in preadolescent athletes
Swensen Buza et al. The hip physical examination for telemedicine encounters
Ropponen et al. The role of genetics and environment in lifting force and isometric trunk extensor endurance
JP2019024579A (ja) リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及びプログラム
Westwood et al. Postural stability under dual-task conditions: Development of a post-concussion assessment for lower-extremity injury risk
JP6738250B2 (ja) 歩行分析方法及び歩行分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200721

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6739213

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250