JP6738386B2 - 提供装置、提供方法、及び提供プログラム - Google Patents

Description

本出願は、提供装置、提供方法、及び提供プログラムに関する。

ウェブ上で配信される電子的な広告の質および量などを最適化するための技術が提案されている（たとえば、特許文献１参照）。また、広告の運用においては、広告に関する効果の測定が行われる。従来、電子的な広告に関する効果測定手法として、ウェブサイトなどに表示されるディスプレイ広告やテキスト広告などを対象とし、クリック率（ＣＴＲ：Click Through Rate）を用いるもの、購入や資料請求などのコンバージョン率（ＣＶＲ：Conversion Rate）を用いるものなどが知られている。

特開２０１８−１０９８６５号公報

効率的な広告の運用を行うために、広告戦略の立案に有用な情報の提供が求められる。

本願は、上記に鑑みてなされたものであって、広告戦略の立案に有用な情報を提供することを目的とする。

本願に係る提供装置は、広告主が設定するターゲティング条件を規定する検索クエリと、当該検索クエリのゲノム寄与率とを広告主に提供する提供部を備える。

実施形態の態様の１つによれば、広告戦略の立案に有用な情報を提供できるという効果を奏する。

図１は、実施形態に係る提供方法の説明図である。 図２は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。 図３は、実施形態に係るゲノム寄与率情報の一例を示す図である。 図４は、実施形態に係るクラスタデータの一例を示す図である。 図５は、実施形態に係るポジショニングマップの一例を示す図である。 図６は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。 図７は、変形例に係るポジショニングマップの一例を示す図である。 図８は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。

以下に、本願に係る提供装置、提供方法、及び提供プログラムを実施するための形態（以下、「実施形態」と呼ぶ）について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する複数の実施形態により本願に係る提供装置、提供方法、及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下に説明する複数の実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。

［１．提供方法］
図１は、実施形態に係る提供方法の説明図である。実施形態に係る提供方法は、本願に係る提供装置の一つとして例示する情報提供装置１により実行される。図１に示すように、情報提供装置１は、インターネットなどの通信ネットワークを介して、広告主装置２と相互に通信可能である。広告主装置２は、広告の配信を依頼する広告主により運用される。

図１に示す例において、情報提供装置１は、検索履歴格納部と遺伝子情報格納部とを備える。検索履歴格納部は、検索クエリの入力履歴の情報を記憶する。遺伝子情報格納部は、検索履歴を入力するユーザの遺伝子解析情報を記憶する。

情報提供装置１は、検索クエリの入力履歴に基づいて、検索クエリと、ユーザの遺伝子情報との相関性を示すゲノム相関情報を算出する。そして、情報提供装置１は、広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、検索クエリと、当該検索クエリに対応するゲノム相関情報を広告主装置２に送信することにより、広告主に提供する。

ゲノム相関情報は、例えば検索クエリごとに、検索クエリのゲノム寄与率を対応付けて構成される。ゲノム寄与率は、検索サイトに入力された検索クエリが、当該検索クエリを入力したユーザの先天的な要因に基づいて入力されたものであるのか、あるいは後天的な要因に基づいて入力されたものであるのかを評価する評価値である。ゲノム寄与率が高い検索クエリほど、当該検索クエリを入力したユーザの先天的な要因に基づいて入力されたものであると評価できる。

広告主装置２を運用する広告主は、検索クエリのゲノム寄与率を参照することにより、ゲノム寄与率に基づく広告戦略を立てることが可能となる。広告主は、ターゲティング条件としてゲノム寄与率が高い検索クエリを選定することにより、たとえば低コストで高い広告効果を見込むことができる。あるいは、広告主は、ターゲティング条件としてゲノム寄与率が低い検索クエリを選定することにより、広告表示回数を増やして、潜在需要を掘り起したり、未開発市場における先行者利益の確保を目指したりすることができる。

［２．情報提供装置の構成］
図２は、実施形態に係る情報提供装置１の構成例を示す図である。図２に示すように、実施形態に係る情報提供装置１は、通信ネットワークＮに接続される。

通信ネットワークＮには、広告主装置２、広告装置３、配信装置４、及び端末装置５が接続されている。情報提供装置１は、通信ネットワークＮを介して、広告主装置２、広告装置３、配信装置４などと相互に通信可能である。通信ネットワークＮは、たとえば、ＬＡＮ（Local Area Network）、ＷＡＮ（Wide Area Network）、電話網（携帯電話網、固定電話網等）、地域ＩＰ（Internet Protocol）網、インターネット等である。通信ネットワークＮの接続形態は、無線であるか、または有線であるかを問わない。

［広告主装置２について］
広告主装置２は、たとえば、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等であり、情報提供装置１との通信が可能な装置であればよく、広告主の装置でなくてもよい。広告主装置２は、情報提供装置１から提供されるポジショニングマップを表示できる。広告主は、たとえば情報提供装置１から提供されるポジショニングマップを参照して、広告コンテンツを入稿する際のターゲティング条件を設定できる。広告主により設定されたターゲティング条件は、広告主装置２から広告装置３に送信される。

ターゲティング条件は、検索サイトにおいて検索を行うユーザのうち、どのようなユーザに対して広告を行うかを規定する条件であり、広告主により少なくとも検索クエリの指定が行われる。たとえば広告主は、検索サイトにおいて「サプリメント」に関する検索を行うユーザに対して広告を行いたい場合、広告装置３から提供される検索クエリの入力履歴の中から、「サプリメント」及び「サプリメント」に関連して入力される検索クエリを指定できる。

［広告装置３について］
広告装置３は、広告主により設定されるターゲティング条件に従って、広告主装置２から入稿された広告コンテンツを配信するコンテンツ配信装置である。たとえば広告装置３は、端末装置５からアクセスされた場合に、広告コンテンツを端末装置５に配信する。

広告装置３は、広告主装置２から入稿された広告コンテンツを管理する。広告装置３により管理される広告コンテンツは、広告主の識別情報や検索クエリなどと対応付けて管理される。検索クエリは、広告コンテンツを入稿する際に広告主によってターゲティング条件を規定する条件の１つとして設定される。広告装置３は、広告コンテンツのコンバージョン率を算出できる。

［配信装置４について］
配信装置４は、端末装置５にウェブページを配信するウェブサーバ等である。たとえば配信装置４は、検索サイトに関する各種ウェブページを配信する。配信装置４は、配信されるウェブページには広告が含まれる。オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス（株価）サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを配信してもよい。

配信装置４によって配信される各種ウェブページは、ＨＴＭＬ（HyperText Markup Language）により記述されたＨＴＭＬファイルや、ＸＭＬ（Extensible Markup Language）により記述されたＸＭＬファイル等により形成される。配信装置４によって配信される各種ウェブページには、ウェブページ及び広告コンテンツの表示態様を制御する制御情報が含まれる。この制御情報は、Ｊａｖａ（登録商標）やＣＳＳ（Cascading Style Sheets）等のスクリプト言語により、ウェブページを形成するＨＴＭＬファイル等に記述される。

配信装置４によって配信される各種ウェブページには、各種インターネット広告の広告取得命令が含まれる。例えば、ウェブページを形成するＨＴＭＬファイル等には、広告装置３のＵＲＬ等が広告取得命令として記述される。端末装置５は、ＨＴＭＬファイル等に記述されているＵＲＬにアクセスすることで、広告装置３から広告コンテンツを取得できる。配信装置４は、ウェブページに含まれるインターネット広告のクリック率を算出できる。

［端末装置５について］
端末装置５は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ゲーム機などのように通信機能やブラウザ機能を有する装置である。端末装置５のユーザ（以下、端末ユーザと記載する）は、端末装置５を操作することにより、通信ネットワークＮを介して、配信装置４により配信される検索サイトを利用できる。端末ユーザは、端末装置５を操作することにより、通信ネットワークＮを介して、広告装置３から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツを閲覧できる。

［情報提供装置１について］
情報提供装置１は、上述のように、広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、検索クエリと、当該検索クエリに対応するゲノム相関情報を広告主に提供する装置であり、かかる情報提供装置１は、通信部１１と、記憶部１２と、制御部１３とを備える。

［通信部１１について］
通信部１１は、例えば、通信ネットワークＮに通信可能に接続された装置との間で通信するＮＩＣ（Network Interface Card）等のインターフェイスである。制御部１３は、通信部１１を介して、広告主装置２、広告装置３、配信装置４などとの間で各種の情報を送受信する。

［記憶部１２について］
記憶部１２は、検索履歴格納部２１と、遺伝子情報格納部２２と、ゲノム寄与率格納部２３とを備える。記憶部１２は、例えば、ＲＡＭ（Random Access Memory)、フラッシュメモリ（Flash Memory）等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。

［検索履歴格納部２１について］
検索履歴格納部２１は、検索サイトなどにおいて、端末装置５のユーザにより入力された検索クエリの入力履歴を記憶する。検索履歴格納部２１に記憶される検索履歴情報は、配信装置４から取得される。検索履歴情報は、検索サイトを利用したユーザの特定情報と、当該ユーザが入力した検索クエリの入力履歴とを含み、これらの情報は互いに対応付けられている。

［遺伝子情報格納部２２について］
遺伝子情報格納部２２は、検索サイトなどにおいて検索クエリを入力したユーザの遺伝子解析情報を記憶する。遺伝子解析情報は、検索クエリを入力したユーザの識別情報（ユーザＩＤ）などに対応付けて、遺伝子情報格納部２２に記憶される。

［ゲノム寄与率格納部２３について］
ゲノム寄与率格納部２３は、商品やサービスごとにゲノム寄与率の情報を記憶する。図３は、実施形態に係るゲノム寄与率情報の一例を示す図である。ゲノム寄与率格納部２３に記憶されるゲノム寄与率情報２３０は、商品およびサービスの名称、検索クエリ、及びゲノム寄与率の情報などを含み、これらの情報は互いに対応付けられている。商品およびサービスの名称は、広告主がターゲティング条件を設定する際に指定される商品又はサービスの名称に対応する。検索クエリは、広告主がターゲティング条件を設定する際に指定可能な検索クエリに対応する。

ゲノム寄与率は、後述する算出部３１により算出される。ゲノム寄与率は、検索サイトに入力された検索クエリが、当該検索クエリを入力したユーザの先天的な要因に紐づくものであるか、あるいは後天的な要因に紐づくものであるかを評価する評価値である。言い換えれば、ゲノム寄与率は、検索サイトに入力される検索クエリが、当該検索クエリを入力したユーザの遺伝的な要因、すなわち本能的に湧き上がる衝動によって入力されたものであるのか、あるいはブランディング介入等によって後天的に蓄積された嗜好性によって入力されたものであるのかを識別するための情報として機能する。

図３に示すゲノム寄与率情報２３０においては、ゲノム寄与率として、「高」、「中」、「低」の正規化した情報が設定される例を示すが、この例に限定されるものではなく、特定の検索クエリを検索する全てのユーザのうち、特定の遺伝子を有するユーザの占める割合を、そのままゲノム寄与率として設定することもできる。

［制御部１３について］
制御部１３は、例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）やＭＰＵ（Micro Processing Unit）等によって、情報提供装置１内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム（情報提供プログラムの一例に相当）がＲＡＭを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部１３は、例えば、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）やＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）等の集積回路により実現される。

制御部１３は、算出部３１と、提供部３２とを備え、以下に説明する情報提供装置１の処理機能や作用を実現または実行する。なお、制御部１３の内部構成は、図２に示した構成に限られず、後述する処理を実現または実行可能な構成であれば他の構成であってもよい。

［算出部３１について］
算出部３１は、検索クエリの入力履歴に基づいて、検索クエリと、ユーザの遺伝子情報との相関性を示すゲノム相関情報を算出する。算出部３１は、検索履歴格納部２１に記憶されている検索履歴情報と、遺伝子情報格納部２２に記憶されている遺伝子解析情報とを取得する。算出部３１は、検索履歴情報に含まれるユーザＩＤを、特定の検索クエリを入力したユーザのユーザＩＤと検索していないユーザのユーザＩＤとに分ける。算出部３１は、特定の検索クエリを入力したユーザのユーザＩＤに紐づく遺伝子解析情報と、特定の検索クエリを入力していないユーザのユーザＩＤに紐づく遺伝子解析情報とを比較する。算出部３１は、特定の検索クエリを入力したユーザのユーザＩＤに紐づくに遺伝子解析情報に、特定の検索クエリを入力していないユーザのユーザＩＤに紐づく遺伝子解析情報には含まれていない特定の遺伝子が含まれているなどの遺伝的特徴を検出することにより、特定の検索クエリごとのゲノム寄与率（図３参照）を算出できる。ゲノム寄与率は、検索クエリと、ユーザの遺伝子情報との相関性を示すゲノム相関情報として機能する。

たとえば算出部３１は、検索サイトにおいて「安全性」と検索する全てのユーザのうち特定の遺伝子を有するユーザの占める割合が第１の閾値を超える場合、検索クエリとして入力される「安全性」は遺伝的要因との相関性が高いと判断できる。そして、算出部３１は、検索クエリである「安全性」のゲノム寄与率として「高」を設定する。

また、算出部３１は、「メーカ」と検索する全てのユーザのうち特定の遺伝子を有するユーザの占める割合が、第１の閾値よりも小さい第２の閾値未満である場合、検索クエリとして入力される「メーカ」は遺伝的要因との相関性が低いと判断できる。そして、算出部３１は、検索クエリである「メーカ」のゲノム寄与率として「低」を設定する。

また、算出部３１は、「成分」と検索する全てのユーザのうち特定の遺伝子を有するユーザの占める割合が、第２の閾値以上であって、かつ第１の閾値未満である場合、検索クエリとして入力される「成分」は遺伝的要因との相関性が中程度であると判断できる。そして、算出部３１は、検索クエリである「成分」のゲノム寄与率として「中」を設定する。

なお、算出部３１は、ゲノム寄与率として「高」、「中」、「低」のように正規化した情報を算出する例には、特に限定される必要はなく、特定の検索クエリを検索する全てのユーザのうち、特定の遺伝子を有するユーザの占める割合を、そのままゲノム寄与率として算出してもよい。算出部３１により算出されたゲノム寄与率は、検索クエリに対応付けてゲノム寄与率格納部２３に記憶される。

［提供部３２について］
提供部３２は、広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、検索クエリと、当該検索クエリに対応するゲノム相関情報を広告主に提供する。提供部３２は、たとえば検索クエリとゲノム相関情報との相関性を可視化したポジショニングマップを作成して広告主に提供する。

まず、提供部３２は、検索履歴情報に含まれる複数の検索クエリを、検索クエリ間の共起性に基づいてグループ化したクラスタデータを作成する。また、提供部３２は、クラスタデータを作成する際、共起率が一定の基準を超える検索クエリ間の関係性を示す情報を含めることができる。具体的には、提供部３２は、検索履歴情報に含まれる検索クエリを、たとえば共起された検索クエリごとに集約して複数のクラスタに分ける。このとき、提供部３２は、複数のクラスタのそれぞれについて、共起率が一定の基準を超える検索クエリ間をリンクで接続する。

図４は、実施形態に係るクラスタデータの一例を示す図である。図４に示すクラスタデータＤ１は、ある特定の商品に関連する複数の検索クエリを、共起性に基づいてグループ化した複数のクラスタＣ１〜Ｃ５を有する。特定の商品は広告主により指定される。

クラスタＣ１は、共起性に基づいて集約された「安全性」、「天然」、「成分」、及び「メーカ」の計４つの検索クエリを含む。すなわち、クラスタＣ１に含まれる各検索クエリは、クラスタＣ１に含まれる他の検索クエリのうちの少なくともいずれか１つとともに検索が行われた（共起された）という共起性に基づいて集約されたものである。クラスタＣ２は、「膝」、「関節」、「痛み」、「痛い」、「原因」、「変形」、「手術」、及び「人工」の計８つの検索クエリを含む。クラスタＣ３は、「動画」、「ストレッチ」、及び「体操」の計３つの検索クエリを含む。クラスタＣ４は、「サプリ」、「ランキング」、「薬」、「効く」、「食べ物」、「良い」、及び「靴」の計７つを含む。クラスタＣ５は、共起された検索クエリである「ヒアルロン」、「酸」、「効果」、及び「注射」の計４つの検索クエリを含む。クラスタＣ２に含まれる各検索クエリ、クラスタＣ３に含まれる各検索クエリ、クラスタＣ４に含まれる各検索クエリ、並びにクラスタＣ５に含まれる各検索クエリは、上述したクラスタＣ１に含まれる各検索クエリが集約された基準と同様の基準によって集約される。

複数のクラスタＣ１〜Ｃ５はそれぞれ、共起率が一定の基準を超える検索クエリ間がリンクで接続される。たとえばクラスタＣ１において、「安全性」と「成分」と「メーカ」との間が相互にリンクで接続され、「天然」と「メーカ」との間がリンクで接続されている。すなわちクラスタＣ１に含まれる検索クエリ間を接続するリンクにより、「安全性」と「成分」との間の共起率、「成分」と「メーカ」との間の共起率、「メーカ」と「安全性」との間の共起率、並びに「天然」と「メーカ」との共起率が一定の基準を超えているという検索クエリ間の関係性が示される。他のクラスタＣ２〜Ｃ５についても同様に、検索クエリ間を接続するリンクにより、共起率が一定の基準を超えているという検索クエリ間の関係性が示される。

提供部３２は、クラスタデータＤ１に含まれる検索クエリの表示位置をゲノム寄与率に応じて決定したポジショニングマップを作成する。図５は、実施形態に係るポジショニングマップの一例を示す図である。図５に示すポジショニングマップＭ１は、図４に示すクラスタデータＤ１に基づいて作成されたポジショニングマップの一例である。図５に示すポジショニングマップＭ１は、同心円状の複数の円形領域Ａ１，Ａ２，Ａ３を有する。ポジショニングマップＭ１において最も内側に位置する円形領域Ａ１は、ゲノム寄与率が「高」である検索クエリを表示する領域である。円形領域Ａ１の外側に隣接する円形領域Ａ２は、ゲノム寄与率が「中」である検索クエリを表示する領域である。円形領域Ａ２の外側に隣接する円形領域Ａ３は、ゲノム寄与率が「低」である検索クエリを表示する領域である。

図５に示すポジショニングマップＭ１は、マップの中心に表示される検索クエリほどゲノム寄与率が高いことを示す。たとえばクラスタＣ１に含まれる検索クエリである「天然」および「安全性」のゲノム寄与率が「高」であり、クラスタＣ１に含まれる検索クエリである「成分」のゲノム寄与率が「中」であり、クラスタＣ１に含まれる検索クエリである「メーカ」のゲノム寄与率が「低」であることが示され、ある特定の商品について検索クエリのゲノム寄与率の度合いが可視化される。

また、図５に示すポジショニングマップＭ１において、共起率が一定の基準を超える検索ワード間がリンクも表示される。たとえばゲノム寄与率が「高」である検索クエリの「安全性」と、ゲノム寄与率が「低」である検索クエリの「メーカ」との間の共起率が一定の基準を超えていることが示される。このように図５に示すポジショニングマップＭ１によれば、ゲノム寄与率とともに、共起率が一定の基準を超える検索クエリ間の関係性も可視化される。

提供部３２は、作成したポジショニングマップを、通信部１１を介して広告主装置２に送信することにより広告主に提供する。広告主は、情報提供装置１から提供されるポジショニングマップを参照することにより、検索クエリのゲノム寄与率を考慮しながら、広告を行う商品に関する広告戦略を立てることができる。

［３．処理手順］
図６を用いて、実施形態に係る情報提供装置１による処理の手順の一例について説明する。図６は、実施形態に係る情報提供装置１が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。

図６に示すように、提供部３２は、検索履歴情報に含まれる複数の検索クエリについて、共起される検索クエリをネットワーク化したクラスタデータを作成する（ステップＳ１０１）。

続いて、提供部３２は、クラスタデータに含まれる検索クエリの表示位置をゲノム寄与率に応じて決定したポジショニングマップを作成する（ステップＳ１０２）。

続いて、提供部３２は、ポジショニングマップを広告主に提供して（ステップＳ１０３）、図６に示す処理を終了する。

［４．変形例］
上述した情報提供装置１は、上述してきた実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下に、情報提供装置１の他の実施形態について説明する。

［４−１．ポジショニングマップの表示態様］
上述した実施形態において、情報提供装置１は、広告装置３や配信装置４からクリック率やコンバージョン率などの広告効果測定の結果の情報を取得し、広告主に提供するポジショニングマップに反映してもよい。図７は、変形例に係るポジショニングマップの一例を示す図である。図７に示すように、情報提供装置１は、クリック率やコンバージョン率が高かった検索クエリ「安全性」、「成分」、「膝」、及び「痛い」の表示態様を他の検索クエリとは異なる態様に変更できる。また、図７に示す検索クエリ「安全性」と検索クエリ「成分」の表示態様の違いのように、たとえばクリック率やコンバージョン率が高いものほど強調表示するなど、クリック率やコンバージョン率の度合いに応じて表示態様に変化を持たせることもできる。表示態様は、図形や記号、表示色などの任意の方法で変更してよい。

［４−２．ゲノム相関情報を算出する検索クエリについて］
情報提供装置１がゲノム相関情報（検索クエリとゲノム寄与率との対応関係）を算出する際に用いる検索クエリは、検索サイトなどに入力された検索クエリそのものである必要はない。たとえば、「レモン」や「れもん」などのように、使用される文字の種類が違うが同じ物を指す検索クエリについては、１つの検索クエリとして取りまとめてゲノム相関情報を算出してよい。また、「ズワイガニ」、「越前ガニ」、「松葉ガニ」のように、表記が異なるが同じ物を指す検索クエリについても、１つの検索クエリとして取りまとめてゲノム相関情報を算出してよい。なお、情報提供装置１は、類似物を意味する検索クエリを１つの検索クエリとしてゲノム相関情報を算出することもできる。

［４−３．装置構成］
また、上記実施形態では、情報提供装置１と、広告装置３と、配信装置４とが個別の装置である例を説明したが、情報提供装置１と、広告装置３と、配信装置４とが１つの装置として形成されてもよい。この場合、情報提供装置１は、広告装置３が有する処理機能と、配信装置４が有する処理機能を備える。

上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。

［４−４．ハードウェア構成］
上述してきた実施形態および変形例に係る情報提供装置１は、たとえば図８に示すような構成のコンピュータ１０００によって実現される。以下、情報提供装置１を例に挙げて説明する。

図８は、情報提供装置１の機能を実現するコンピュータ１０００の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ１０００は、ＣＰＵ１１００、ＲＡＭ１２００、ＲＯＭ１３００、ＨＤＤ１４００、通信インターフェイス（Ｉ／Ｆ）１５００、入出力インターフェイス（Ｉ／Ｆ）１６００、およびメディアインターフェイス（Ｉ／Ｆ）１７００を有する。

ＣＰＵ１１００は、ＲＯＭ１３００またはＨＤＤ１４００に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ＲＯＭ１３００は、コンピュータ１０００の起動時にＣＰＵ１１００によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ１０００のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。

ＨＤＤ１４００は、ＣＰＵ１１００によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス１５００は、通信ネットワークＮを介して他の機器からデータを受信してＣＰＵ１１００へ送り、ＣＰＵ１１００が生成したデータを、通信ネットワークＮを介して他の機器へ送信する。

ＣＰＵ１１００は、入出力インターフェイス１６００を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。ＣＰＵ１１００は、入出力インターフェイス１６００を介して、入力装置からデータを取得する。また、ＣＰＵ１１００は、入出力インターフェイス１６００を介して生成したデータを出力装置へ出力する。

メディアインターフェイス１７００は、記録媒体１８００に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、ＲＡＭ１２００を介してＣＰＵ１１００に提供する。ＣＰＵ１１００は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス１７００を介して記録媒体１８００からＲＡＭ１２００上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体１８００は、たとえばＤＶＤ（Digital Versatile Disc）、ＰＤ（Phase change rewritable Disk）等の光学記録媒体、ＭＯ（Magneto-Optical disk）等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。

たとえば、コンピュータ１０００が実施形態に係る端末装置１００として機能する場合、コンピュータ１０００のＣＰＵ１１００は、ＲＡＭ１２００上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部１３が備える算出部３１および提供部３２の各機能を実現する。また、ＨＤＤ１４００には、記憶部１２に記憶される情報と同様のデータが記憶される。コンピュータ１０００のＣＰＵ１１００は、これらのプログラムを記録媒体１８００から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信ネットワークＮを介してこれらのプログラムを取得してもよい。

コンピュータ１０００は、ＣＰＵ１１００の代わりに、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）やＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）等の集積回路によって処理を実行してもよい。

［５．その他］
上述した実施形態において、情報提供装置１は、広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、検索クエリとゲノム相関情報との相関性を示すポジショニングマップを作成して広告主に提供する例を説明した。しかしながら、この例に限定される必要はなく、情報提供装置１は、検索クエリに対応するゲノム寄与率を数値として広告主に提供してもよい。

［６．効果］
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置１（提供装置の一例）は、算出部３１と提供部３２とを備える。算出部３１は、検索クエリの入力履歴に基づいて、検索クエリと、ユーザの遺伝子情報との相関性を示すゲノム相関情報を算出する。提供部３２は、広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、検索クエリと、当該検索クエリに対応するゲノム相関情報を、広告主に提供する。これにより、情報提供装置１は、広告戦略の立案に有用な情報を提供できる。

また、算出部３１は、検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報に基づいて、ゲノム相関情報を算出する。これにより、検索クエリの入力が、検索クエリを入力したユーザの先天的な要因によって行われたものであるか否かを算出できる。

また、提供部３２は、検索クエリとゲノム相関情報との関係性を示すポジショニングマップを作成し、ポジショニングマップを広告主に提供する。これにより、情報提供装置１は、検索クエリのゲノム寄与率の度合いを可視化した状態で広告主に提供できる。

また、提供部３２は、共起率が一定の基準を超える検索クエリ間の関係性を示す情報を含むポジショニングマップを作成する。これにより、検索クエリのゲノム寄与率の度合いとともに、共起率が一定の基準を超える検索クエリ間の関係性を可視化した状態で広告主に提供できる。

１ 情報提供装置
２ 広告主装置
３ 広告装置
４ 配信装置
５ 端末装置
１１ 通信部
１２ 記憶部
１３ 制御部
２１ 検索履歴格納部
２２ 遺伝子情報格納部
２３ ゲノム寄与率格納部
３１ 算出部
３２ 提供部

Claims (5)

1. ユーザにより入力された検索クエリの入力履歴と、前記検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報とに基づいて、特定の検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報と前記特定の検索クエリを入力していないユーザの遺伝子情報とを比較し、前記特定の検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報に含まれている遺伝子的特徴を検出することにより、前記検索クエリと、ユーザの遺伝子情報との相関性を示すゲノム相関情報として前記検索クエリごとのゲノム寄与率を算出する算出部と、
   広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、前記ゲノム相関情報を、広告主に提供する提供部と
   を備えることを特徴とする提供装置。
2. 前記提供部は、
   前記検索クエリと前記ゲノム相関情報との相関性を示すポジショニングマップを作成し、
   前記ポジショニングマップを前記広告主に提供する請求項１に記載の提供装置。
3. 検索クエリの入力履歴に基づいて、前記検索クエリと、ユーザの遺伝子情報との相関性を示すゲノム相関情報を算出する算出部と、
   広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、前記検索クエリと、当該検索クエリに対応するゲノム相関情報との相関性を示すポジショニングマップを作成し、前記ポジショニングマップを広告主に提供する提供部と
   を備え、
   前記提供部は、
   共起率が一定の基準を超える検索クエリ間の関係性を示す情報を含む前記ポジショニングマップを作成する
   ことを特徴とする提供装置。
4. コンピュータが実行する提供方法であって、
   ユーザにより入力された検索クエリの入力履歴と、前記検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報とに基づいて、特定の検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報と前記特定の検索クエリを入力していないユーザの遺伝子情報とを比較し、前記特定の検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報に含まれている遺伝子的特徴を検出することにより、前記検索クエリと、ユーザの遺伝子情報との相関性を示すゲノム相関情報として前記検索クエリごとのゲノム寄与率を算出するステップと、
   広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、前記ゲノム相関情報を、広告主に提供するステップと
   を含む
   ことを特徴とする提供方法。
5. コンピュータに、
   ユーザにより入力された検索クエリの入力履歴と、前記検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報とに基づいて、特定の検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報と前記特定の検索クエリを入力していないユーザの遺伝子情報とを比較し、前記特定の検索クエリを入力したユーザの遺伝子情報に含まれている遺伝子的特徴を検出することにより、前記検索クエリと、ユーザの遺伝子情報との相関性を示すゲノム相関情報として前記検索クエリごとのゲノム寄与率を算出するステップと、
   広告のターゲティング条件として設定可能な情報として、前記ゲノム相関情報を、広告主に提供するステップと
   を実行させるための提供プログラム。

Images