JP6734584B2 - ガスタービンエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼効率が良く低燃費なガスタービン燃焼器を備えたガスタービンエンジンに関する。
(燃焼器への低燃費性の要求)
化石燃料の枯渇化及び大震災後の火力発電による電力供給等、我が国のエネルギー事情に鑑みても、航空用又は発電用に使用されるガスタービン燃焼器を備えたガスタービンエンジンは更なる燃費向上が望まれている。
(マイクロターボジェットエンジン)
ところで、ターボジェットエンジンは、低振動でパワーウェイトレイシオが大きく、航空用エンジンとして優れた特性を有する。しかしながら、推力100kgf以下あるいは出力100馬力以下のターボジェットエンジン(以下、「マイクロターボジェットエンジン」とも呼ぶ。)は商用化されておらず、産業用UAV、軽航空機は旧来型レシプロエンジンを搭載するため十分な性能が発揮できていない。これらの産業用UAV向けのターボジェットエンジンの実用化が望まれているが、そのためには小空間での高負荷燃焼を実現する燃焼器の技術開発が必要である。
(燃焼器の種類)
ガスタービンエンジンの燃焼器には、燃焼筒(ライナ)の構成の違いにより、カン型と、アンニュラ型とに大別される。カン型は、複数の缶状の燃焼筒が燃焼器内に周方向に等間隔で配置されたものである。一方、アンニュラ型は、単一のドーナッツ状の燃焼筒が燃焼器内に配置される。アンニュラ型は、カン型に比べて、外殻(ケーシング)外に無駄な空間が存在せず、空気流路も直線的となる。つまり、アンニュラ型は、カン型に比べて、同じ空気流量では燃焼器全体を小さく作れ、ライナ冷却のための空気量も少なくて済むため、燃焼効率の向上と小型のジェットエンジンへの搭載に適している。
(従来のアンニュラ型燃焼器)
従来のアンニュラ型燃焼器の燃焼筒は、通常、回転軸方向に直径が殆ど変化しない円筒形(直胴状)の外側筒を備える(例えば、特許文献1や2を参照)。この外側筒内には更に内側筒が設けられ、この間に燃焼室(燃焼用内部空間)が形成される。
ところで、本願の出願人らは、図5に示すように、「直胴状」のアンニュラ型燃焼器104を備えたマイクロターボジェットエンジン100を既に提案している。図5は、本発明者らが既に提案したマイクロターボジェットエンジン100(以下、比較例とも呼ぶ。)の断面図である。
なお、このエンジン100は、図5では、回転軸109aにおける中心軸Oを基に軸対称となるために、各図面のエンジン100の下半分は省略されている。また、図6は、そのエンジン100の燃焼器104に搭載された燃焼筒142の(a)正面図、(b)側面図、及び(c)断面図(同図(a)中のA−A線で破断した断面図)である。
この比較例のエンジン100では、インテーク102から遠心圧縮機103内に流入した空気は、インペラ131、ベーン132、及び圧縮機用ディフューザ空間133を通過後に、燃焼筒142の外側筒142o、内側筒142i及び前方壁142fに設けられた空気孔143o,143i,143fを介して燃焼室144へ流入する。燃焼室144で燃焼した高温流体は、その後、燃焼筒142の後方の出口部142rから軸流タービン105及びジェットノズル106を通過してエンジン100から排出される。
図5に示した従来のエンジン100では、圧縮機用ディフューザ空間133の径方向の長さは比較的短く、該空間133を通過した空気は、径方向外側から軸方向下流側へ流れ、その後、この空気の一部が径方向内側に方向を変えて、前方壁142fの空気孔143fに接続された燃料蒸発管内110に流入する。そして、蒸発管110内に流入した空気は燃料と混合・気化して燃料蒸発管110の出口部113より混合気として燃焼室144に噴出する。噴出した混合気は図示しない点火手段により点火され、燃焼する。
この既存のエンジン100では、燃焼器104への上述のような空気の誘導構造が、燃焼効率の向上に最適であったとは言い切れず、検討の余地があった。具体的には、図6(c)に示すように、燃焼器104内の燃焼筒142が、その前方壁142fとその出口部142rとがほぼ同等の直径を有した「直胴状体」であり、従来の同種の燃焼筒の一般的な構造と同様である。
しかしながら、直胴状体の燃焼筒142を採用すると、この燃焼筒142の上流側に設けられた圧縮機103内で空気を収容するディフューザ空間133も、この従来構造に従い、外周方向に広がりを持たず、非常に狭小な容積(図6(c)中の破線で示した矩形領域も参照)のままであることが、燃焼挙動に何らかの支障を与えているのではないかと、本発明者らは疑問を感じていた。
特開2011−007430号公報 特許第3706443号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、燃焼効率が良く低燃費なガスタービン燃焼器を備えた高出力のガスタービンエンジンを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の末、小型化の要求に対応しつつ、液体燃料と空気との混合や及び高負荷燃焼に好適な新規構造を有した燃焼器及び該燃焼器へ空気を誘導する新規構造を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、次の構成・特徴を採用するものである。
(態様1)
インペラと該インペラの外周方向にディフューザ空間が設けられた遠心圧縮機と、アンニュラ型燃焼器と、を備えたガスタービンエンジンであって、
前記燃焼器は、上流側から下流側に向かって内径が徐々に減少するように傾斜した中空円錐状を成す外側筒が設けられた燃焼筒を備え、
前記燃焼筒は、内側筒と、該内側筒と前記外側筒とを前方で接続した前方壁と、前記内側筒と前記外側筒と前記前方壁とで区画された燃焼室とを更に備え、
前記前方壁には、前記燃焼筒の出口部を該前方壁に投影した場合に形成される投影面より周方向外側に張り出した外周縁部が形成され、
前記外周縁部には周方向に複数の燃料流入口が形成されるとともに、該燃料流入口には燃料噴射弁の先端が挿入され、かつ、
前記ディフューザ空間が前記外周縁部及び前記燃料流入口の上流側位置に至るまで外周方向に拡張されており、かつ、
前記燃焼筒の前記内側筒は、前記燃焼室の容積が下流側に比べて上流側で大きくなるように、内周方向に膨出していることを特徴とするガスタービンエンジン。
(態様2)
前記ガスタービンエンジンの回転軸に対する前記外側筒の傾斜角が15°〜30°であることを特徴とする態様1に記載のガスタービンエンジン。
(態様3)
前記燃料流入口にはスワーラがさらに設けられていることを特徴とする態様1又は2に記載のガスタービンエンジン。
(態様4)
前記燃料流入口と前記燃料噴射弁の前記先端とは、前記出口部の中心に向けて配設されていることを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載のガスタービンエンジン
本発明のガスタービンエンジンは、以上のような斬新な「中空円錐状」を成す外側筒を有するために、燃焼筒の前方壁に出口部投影面より径方向外側へ張り出した外周縁部が形成される。このため、燃焼筒(すなわち外周縁部)の前方(上流側)に、従来技術と比較して径方向(周方向外側)に「著しく延伸した圧縮機用ディフューザ空間」を形成できる。従来エンジンの場合より上記空間が拡大することで、燃焼器の燃焼室内部の圧力を上昇させることができる。これにより、燃焼器の燃焼効率が飛躍的に向上し、燃料消費率(SFC)を著しく抑制することができる。
本発明のガスタービンエンジンを示した断面図である。 本発明の燃焼筒の構造を示した正面図、側面図及び断面図である。 実施例2における熱力学解析で前提とした本発明のエンジン、及び解析モデルを示した図である。 実施例2における熱力学解析による解析結果を示した図である。 比較例のガスタービンエンジンを示した断面図である。 比較例のガスタービンエンジンの燃焼器内の燃焼筒の構造を示した正面図、側面図及び断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら下記の具体的な実施形態に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施形態に何等限定されるものではない。例えば、以下の実施例では、本発明の燃焼器を好適に適用できるガスタービンエンジンとして、小型のマイクロターボジェットエンジンを例示するが、他の形式のエンジンに本発明の燃焼器を適用してもよい。
(ガスタービンエンジン)
図1に、本発明の新規技術を適用可能なガスタービンエンジン1(以下、単に「エンジン」とも呼ぶ。)の断面図を示す。このエンジン1も、図5で示した前述のエンジン100と同様に、回転軸9aにおける中心軸Oを基に軸対称となるために、図1でもエンジン1の下半分は省略されている。このエンジン1は、図1に示すように、空気の流れ方向に、個別の機能を果たす区分(「セクション」とも呼ぶ。)に分割されており、具体的には、風上から風下に向かって、インテーク2、遠心圧縮機3、燃焼器4、軸流タービン5、ジェットノズル6の順で構成されている。
(インテーク及び遠心圧縮機)
空気は、インテーク2の空気導入部21からガスタービンエンジン1に進入する。空気は、その後、遠心圧縮機3内に設けられたインペラ31を通過する際に回転及び加速された後に、遠心圧縮機3内に設けられたディフューザベーン32を経て圧縮機用ディフューザ空間33へと案内される。インペラ31で付与された空気の運動エネルギー(動圧)は、空気が圧縮機用ディフューザ空間33を通り減速され、空気の静圧に変換される。
(圧縮機用ディフューザ空間から燃焼室への空気の経路)
圧縮機用ディフューザ空間33から流出した空気は、3つの経路のいずれかを通過して燃焼器4の燃焼室44内に案内される。具体的には、第1経路として、空気の一部は、燃料流入口48を介して燃焼室44内へ流入する。第2経路として、空気の一部は、燃焼器4のケーシング41と、燃焼筒42(「ライナ」とも呼ぶ。)の外側筒42oとで区画された外側環状流路45oを通過した後、外側筒42oに設けられた空気孔43oを介して燃焼室44内へ流入する。さらに、第3経路として空気の一部は、燃焼筒42(「ライナ」とも呼ぶ。)の内側筒42iと、タービン軸ハウジング70と、で区画された内側環状流路45iを通過した後、内側筒42iに設けられた空気孔43iを介して燃焼室44内へ流入する。
(燃焼器)
本発明で用いる燃焼器4は、図2に示すように、環状のケーシング41及び燃焼筒42が設けられた環状燃焼器4(「アンニュラ型燃焼器」とも呼ぶ。)である。なお、図2は、本発明のエンジン1の燃焼器4に搭載された燃焼筒42を示した(a)正面図、(b)側面図、及び(c)断面図(同図(a)中のA−A線で破断した断面図)である。燃焼筒42には、上述のとおり、その外側筒42oの内部に内側筒42iが設けられ、前方(上流側)には軸Oを中心としたドーナッツ状の前方壁42fが外側筒42oと内側筒42iとを連結・固定する。
(燃料噴射弁)
本発明のガスタービンエンジン1は燃料噴射弁46を備える。燃料噴射弁46は燃料配管46iに接続されている。図示しない加圧手段(例えば、ポンプ)によって加圧された液体燃料が、この燃料配管46iを通して燃料噴射弁46内の燃料通路46cに誘導される。燃料噴射弁46の先端46tに設けられた噴射ノズル46nは、燃焼筒42の燃料流入口48に差し込まれるように配置され、液体燃料を燃焼室44内に向けて噴射する。前述の第1〜第3経路のいずれかの経路を介して燃焼室44内に流入した空気は、噴射された上記液体燃料と混合・撹拌され、点火プラグ47によって点火されることによって燃焼する。
燃焼室44で燃焼した高温流体は、その後、燃焼筒42の後方の出口部42rから軸流タービン5及びジェットノズル6を通過してガスタービンエンジン1から排出される。より具体的には、高温の燃料流体は、タービンベーン51と、タービンディスク52の外周に設けられたタービン翼53とを通過することにより、タービン5に回転力を付与した後に、ジェットノズル6の外壁61とコーン62との間に区画された流路63を通過して排出口64から外気中に排出される。
(燃料噴射弁の構造)
本実施例の燃料噴射弁46は、自動車のディーゼルエンジンに一般的に採用されるインジェクターと同様の構造を備えたものが好ましいが、必ずしもこの例に限定されない。また、燃料噴射弁46の先端46tは、エンジン停止後に液体燃料の液漏れを防止する液漏れ防止機構7が設けられることも好ましい。図示の例では、液漏れ防止機構7は、燃料通路46cと、先端46tのノズル46nとの間に、金属製の球状体71とこの球状体71を燃料導路46c側に付勢する弾性体(図示ではバネ)72とで構成される。燃料噴射時以外は、弾性体72によって付勢された球状体71は燃料導路46cの開口を密閉し、望ましくない燃料の液漏れを防止できる。
(燃焼筒の構造的な特徴)
また、燃焼筒42の外側筒42oは、上流側から下流側に向かって内径が徐々に減少するように傾斜した中空円錐状を成すことが好ましい。ここで、中空円錐状とは、通常の円錐の先端部分が切り取られて、底面より小さな面積を有した円形上面が形成された形状であり、底面側が燃焼筒42の前方壁42fに相当し、上面側が出口部42rに相当する。
外側筒42oを上述の中空円錐状に形成することで、従来の構造(例えば、図6に示す比較例)よりも、図2に示すように、前方壁42fは出口部42rより外周方向に延伸する。より詳細には、図2(a)に示すように、前方壁42fには、出口部42rを該前方壁42fに投影した場合に生ずる投影面Ap(投影面積(図中のハッチングで示した領域))より周方向外側に張り出した外周縁部42eが形成される。なお、図6に示す比較例では、直胴状の燃焼筒142であるため、その前方壁142fには上述のような外周縁部は全く形成されることはない。
そして、本発明では、上記投影面Apより外側に広がった外周縁部42eの領域内に、周方向に複数の燃料流入口48を形成していることに留意されたい。さらに、本発明では、これに対応して、図2(c)に示すように、圧縮機用ディフューザ空間33(図中の破線で囲んだ矩形領域)も、比較例の場合(図6(c)も参照)よりも、圧縮機ベーン32から燃料流入口48に対応した上流側の位置にまで広がるように形成(外周方向に拡張)されることになる。なお、図2(c)や図6(c)に示す上記空間33,133は、本発明の創意工夫を分かり易く説明した概念図であり、実際の形状とは相違することにも留意されたい。
以上の説明のように、本発明では燃料流入口48を、従来の燃料筒のそれらと比べて、前方壁42f上の径方向により一層離れた位置(つまり、出口部42rを前方壁42fに投影した場合の投影面積Apより周方向外側の外周縁部42eの領域内)に設置するようにしたために、インペラ31から周方向外側に形成される圧縮機用ディフューザ空間33を、従来の場合よりも、外周方向に一層広く拡張できたものである。本発明者らによる後述の検討及び試作実験によれば、上記空間33が拡張することで、燃焼室44内部の圧力を上昇させることができることが判明した。これにより、本発明では、燃焼器4の燃焼効率が飛躍的に向上し、燃料消費率(SFC)を著しく抑制することができる。
(外側筒の傾斜角)
本発明の外側筒42oは、図2に示すが如く、とりわけ「急勾配な」中空円錐形状であることが好ましい。具体的には、外側筒42oの傾斜角θ(図1を参照)は、好ましくは、θ=15°〜30°であり、さらに好ましくは、θ=20°〜25°である。ここで、θが上記下限より小さくなると、上述のディフューザ空間33の拡張が不十分となり、ひいては燃焼室44内部での所望の圧力上昇が得られなくなる。一方、θが上記上限より大きくなると、燃焼器4やこれを含むエンジン1の外形寸法が過大になり、目標の仕様に適合しなくなるため望ましくない。
(燃料流入口と燃料噴射弁のノズルの配置)
また、燃料流入口48と燃料噴射弁46のノズル46nは、燃焼筒42の出口部42rの中心に向けて配設されていることが好ましい。更に、燃料流入口48、燃料噴射弁46のノズル46n、及び燃焼器4のケーシング41も、前述の傾斜角θに対応した傾斜角でもって傾斜するように設置されていることが好ましい。
(スワーラの追加設置)
また、燃料流入口48には、スワーラ49がさらに追加されていることが好ましい。これにより、燃焼室44内部にて空気の旋回が増大するため、燃料と空気との混合が改善することができる。従って、小さな空間しか有さない燃焼室44であっても、室内の燃焼をより完全燃焼に近づけ、燃焼効率が改善することができる。
(燃焼筒の内側筒の構造)
また、燃焼筒42の内側筒42iは、燃焼室44の容積が下流側に比べて上流側で大きくなるように、内周方向に膨出していることが好ましい。図1及び図2(c)に、燃焼室44の容積が上流側で内周方向に拡大・膨出した部分を破線と符号44exで示す。これにより、燃焼室44の上流側で燃料と空気との混合・燃焼を行うための十分な空間を確保できるとともに、空気流の流速も比較的に減速されることから、混合流体の滞留時間を十分に確保できるようになる。
(熱力学解析による性能評価)
本発明者らは、本発明のエンジン1を、下記に説明する熱力学解析によって、その燃費消費率(SFC)と比出力の特性を予測した。なお、本発明者らは、図5に示す比較例のエンジン100を既に提案・試作済みであるが、この従来のエンジン100が実際に発揮する圧力比は、70,000rpmで約2.6であり、十分に高い値とは言えない。
(解析モデル)
解析を容易にし、かつ、後述する既存の解析手法を利用するために、本発明のエンジン1を、ジェットノズル6を別軸9b付きの出力タービン8に代えたターボシャフトエンジン1A(図3(a)を参照)であると仮定し、これから構築された図3(b)の熱力学解析モデルについて性能検討を行なうものとした。
(解析手法)
解析手法は、文献「ガスタービンの基礎と応用、HIH Saravanamuttoo、他3名、東海大学出版、2012年8月」に従った。すなわち、ターボシャフトエンジン1A各部の要素性能(各部の断熱効率など)を仮定し、圧縮機3の入口の空気の状態が要素機器を通過する際の変化を計算し、出力タービン8の出口の状態まで求め、それによって、タービン出力と燃料消費を計算する。このような計算値から燃料消費率SFCと比出力を計算する。なお、計算条件を表1に示す。
(解析結果)
以上の解析手法に従って計算した解析結果を図4に示す。図4中には、圧力比を2〜16に、タービン入口温度を800K〜1600Kに変化させた場合の解析結果を示す。更に、図中の黒丸印は、比較例のエンジン100の性能を示す。比較例のエンジン100における圧力比は2.6であり、そのときのタービン入口温度は820Kと推定されている。
この解析結果では、圧力比を4.0〜8.0に高めてタービン入口温度を1400K程度まで高めることで、実施例の燃料消費率(SFC)が、比較例のSFCである1.4(kg fuel/PSH)に比べ、0.25〜0.4(kg fuel/PSH)程度まで下がることが判った。また、比出力については、比較例の比出力である30(PS s/kg gas)に比べ、実施例の比出力は250(PS s/kg gas)まで上がる(約8倍上昇する)ことが判った。なお、比較例のエンジン100に基に作られたターボシャフトエンジンでは、7kWの発電を確認されている。従って、この比較例の発電性能及び上記解析結果(比出力)によれば、本実施例のエンジンでは50kW程度まで出力を上げることができると考えられる。
本発明のガスタービンエンジンは、以上のような斬新な中空円錐構造を成す外側筒を有するために、燃焼筒の前方壁に出口部投影面より径方向外側へ張り出した外周縁部が形成される。このため、燃焼筒(すなわち外周縁部)の前方(上流側)に、従来技術と比較して径方向(周方向外側)に著しく延伸した圧縮機用ディフューザ空間を形成できる。従来エンジンの場合より上記空間が拡大することで、燃焼器の燃焼室内部の圧力を上昇させることができる。これにより、燃焼器の燃焼効率が飛躍的に向上し、燃料消費率(SFC)を著しく抑制することができる。
このように、本発明は、産業上の利用価値及び産業上の利用可能性が非常に高い。
1 ガスタービンエンジン
1A ターボシャフトエンジン(実施例2の解析モデル)
2 インテーク
3 遠心圧縮機
4 燃焼器(アンニュラ型燃焼器)
5 軸流タービン
6 ジェットノズル
7 液漏れ防止機構
8 出力タービン
9a 回転軸
9b 別軸
21 空気導入部
31 インペラ
32 ディフューザベーン
33 圧縮機用ディフューザ空間
41 燃焼器のケーシング
42 燃焼筒(ライナ)
42f 燃焼筒の前方壁
42i 燃焼筒の内側筒
42o 燃焼筒の外側筒
42r 燃焼筒の出口部
42e 前方壁上に形成される外周縁部
43i,43o 内側筒又は外側筒に設けられた空気孔
44 燃焼筒内の燃焼室
44ex 燃焼室上流側で容積が増大した膨出部
45i,45o 環状通路
46 燃料噴射弁
46i 燃料配管
46c 燃料通路
46n 燃料噴射弁の先端に設けられたノズル
46t 燃料噴射弁の先端
47 点火プラグ
48 燃料流入口
49 スワーラ
51 タービンベーン
52 タービンディスク
53 タービン翼
61 ジェットノズル6の外壁
62 コーン
63 流路
64 排出口
70 タービン軸ハウジング
71 球状体
72 弾性体(バネ)
100 マイクロターボジェットエンジン(比較例)
102 インテーク
103 遠心圧縮機
104 アンニュラ型燃焼器
105 軸流タービン
106 ジェットノズル
109a 回転軸
110 燃料蒸発管
113 出口部
131 インペラ
132 ベーン
133 圧縮機用ディフューザ空間
142 燃焼筒
142o 燃焼筒の外側筒
142i 燃焼筒の内側筒
142f 燃焼筒の前方壁
142r 出口部
143o,143i,143f 空気孔
144 燃焼室
Ap 投影面

Claims (4)

  1. インペラと該インペラの外周方向にディフューザ空間が設けられた遠心圧縮機と、アンニュラ型燃焼器と、を備えたガスタービンエンジンであって、
    前記燃焼器は、上流側から下流側に向かって内径が徐々に減少するように傾斜した中空円錐状を成す外側筒が設けられた燃焼筒を備え、
    前記燃焼筒は、内側筒と、該内側筒と前記外側筒とを前方で接続した前方壁と、前記内側筒と前記外側筒と前記前方壁とで区画された燃焼室とを更に備え、
    前記前方壁には、前記燃焼筒の出口部を該前方壁に投影した場合に形成される投影面より周方向外側に張り出した外周縁部が形成され、
    前記外周縁部には周方向に複数の燃料流入口が形成されるとともに、該燃料流入口には燃料噴射弁の先端が挿入され
    前記ディフューザ空間が前記外周縁部及び前記燃料流入口の上流側位置に至るまで外周方向に拡張されており、かつ、
    前記燃焼筒の前記内側筒は、前記燃焼室の容積が下流側に比べて上流側で大きくなるように、内周方向に膨出していることを特徴とするガスタービンエンジン。
  2. 前記ガスタービンエンジンの回転軸に対する前記外側筒の傾斜角が15°〜30°であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンエンジン。
  3. 前記燃料流入口にはスワーラがさらに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタービンエンジン。
  4. 前記燃料流入口と前記燃料噴射弁の前記先端とは、前記出口部の中心に向けて配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
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