JP6733870B2 - 冷凍サイクルおよびレシーバータンク - Google Patents
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Description
冷凍サイクル中に水分が含まれていると膨脹弁の細孔で凍結して冷媒の流れを阻害したり、冷凍装置の機能部品を腐蝕させるおそれがあるため、特に、カーエアコンに用いる場合には、コンデンサと膨脹弁との間にレシーバタンクを配置し、レシーバタンク内に乾燥剤を封入して、レシーバタンク内を通過する冷媒に含まれた水分を除去する技術が広く採用されている(例えば、特許文献1)。
しかし、上記した従来技術において、冷凍サイクル中への水分混入を回避するためには、乾燥剤の封入量を削減することは困難であり、乾燥剤の容積が嵩むため、よりコンパクトな冷凍サイクルへの需要に十分に応えられないという問題があった。最近では、単位体積当たりの吸水量を高めた材料が開発されているが、さらに高性能化が求められている。
このように、本発明によれば、レシーバータンク内における乾燥剤の封入量を従来よりも低減しても、従来同様の水分除去能力を維持することができるため、レシーバータンクの小型化が可能となり、従来よりコンパクトな冷凍サイクルを実現することができる。
もしくは、乾燥剤の封入量を従来同様とした場合には、吸湿性樹脂の併用で、その冷凍サイクルにおいて吸湿可能な水分量を増やすことができ、水分除去能力の向上を図ることができる。
図2は、本発明の実施の形態1の冷凍サイクルを構成するレシーバータンク3の断面図である。
このドライヤーユニット9の上下には、空間10、11が設けられている。タンク8の底部からは冷媒導入管12が立ち上がり、ドライヤーユニットの中心部を貫通して上部の空間10内に突出するように配設されている。冷媒導入管12の頂端には、冷媒出口13が形成され、この冷媒出口13からは、気液混合状態の冷媒が、上部の空間10内に向けて放出される。
放出された冷媒は、ドライヤーユニット9を構成する上部多孔板14及びストレーナ15を経て、乾燥剤16が充填された乾燥剤充填層に入り、ここで冷媒の水分が除去される。
乾燥剤充填層を透過した冷媒は、ストレーナ17及び下部多孔板18を経て下部の空間11に入り、ここで気液分離が行われる。下部の空間11内で気液分離した液冷媒は、液溜まり19に溜まり、その底部に開口した冷媒導出孔20から導出される。
乾燥剤16としては、冷媒に含まれた僅かな水分を吸着除去する材料である必要があり、シリカゲルやアルミナは適さず、ゼオライトが好適である。
車載用冷媒で使用されるフッ素系ガスの場合、フッ素系ガス分子は、ゼオライトの細孔径5Å以上で取り込まれやすくなるため、冷媒を取り込まない細孔径のゼオライト、すなわち細孔径が3〜4Åのゼオライトが好ましい。具体的には、有効細孔径3Åの3A型ゼオライトもしくは有効細孔径4Åの4A型ゼオライトが好適である。本明細書において、有効細孔径は、定容量式ガス吸着法により測定される細孔径であり、定容量式ガス吸着法に使用する吸着ガスとしては、N2、CO2、CH4、H2等が挙げられる。
成形体中におけるパウダー状乾燥剤の含有量は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜70質量%である。
パウダー状乾燥剤の含有量が少なすぎると所望の吸水性能が発現しない恐れがあるが、上記範囲とすることにより、所望の吸水性能を確実に発現させることができる。
一方、パウダー状乾燥剤の含有量が多すぎるとパウダー状乾燥剤が成形体の表面に存在する確率が高まり、パウダー状乾燥剤が冷媒中に落下する可能性が高まる他、各成形体としての物性が低下する恐れがあるが、上記範囲とすることにより、これらのリスクを確実に回避することができる。
パウダー状乾燥剤には3Aタイプのモレキュラーシーブ(ユニオン昭和株式会社製)を用い、パウダー状乾燥剤を分散させる樹脂にはポリカーボネート樹脂を用いて、吸湿性樹脂からなる冷媒導入管12と上部多孔板14と下部多孔板18を作成した。
3Aタイプのモレキュラーシーブの吸水量は、最大20%であるので、例えば、吸湿性樹脂からなる冷媒導入管12と上部多孔板14と下部多孔板18の合計重量が50gの場合、吸湿性樹脂として、15gのパウダー状モレキュラーシーブを含有することになり、約3gの水分を吸着除去することができる。このため、乾燥剤16の封入量を、水分3gを吸水することができる量分、削減しても従来と同等の水分除去能力を維持することができる。あるいは、乾燥剤16の封入量を従来同様とした場合には、吸湿性樹脂が吸水する水分量が追加されるため、レシーバータンク自身の水分除去能力を向上させることができる。
図3は、本発明の実施の形態2の冷凍サイクルを構成するレシーバータンクの断面図である。レシーバータンクが、有底円筒状の金属製のタンク8内にドライヤーユニット9を備える構造や、使用する乾燥剤16および吸湿性樹脂の構成は、実施の形態1と同様である。
3Aタイプのモレキュラーシーブの吸水量は、最大20%であるので、例えば、吸湿性樹脂からなる容器21と冷媒導入管12の合計重量が50gの場合、吸湿性樹脂として、15gのパウダー状モレキュラーシーブを含有することになり、約3gの水分を吸着除去することができる。このため、乾燥剤16の封入量を、水分3gを吸水することができる量分、削減しても従来と同等の水分除去能力を維持することができる。あるいは、ビーズ状モレキュラーシーブの封入量を従来同様とした場合には、水分除去能力を向上させることができる。
このような本発明は、よりコンパクトな冷凍サイクルが求められる分野の冷凍サイクルとして特に有用である。
2 コンデンサ
3 レシーバータンク
4 膨脹弁
5 エバポレーター
6 中空管
7 冷媒
8 タンク
9 ドライヤーユニット
10 空間
11 空間
12 冷媒導入管
13 冷媒出口
14 上部多孔板
15 ストレーナ
16 ビーズ状乾燥剤
17 ストレーナ
18 下部多孔板
19 液溜まり
20 冷媒導出孔
21 容器
Claims (10)
- コンプレッサー、コンデンサー、レシーバータンク、膨脹弁およびエバポレーターを中空管で連結して形成した冷媒流路の少なくとも何れかに、パウダー状乾燥剤が分散された吸湿性樹脂を配置した冷凍サイクルであって、
乾燥剤をレシーバータンク内に封入するとともに、前記吸湿性樹脂の少なくとも一部でレシーバータンクの構成部品の少なくとも一部を形成し、かつ、
前記構成部品が、タンク内に冷媒を導入する冷媒導入管と、タンクから冷媒を導出する冷媒導出管の少なくとも何れか、あるいはタンク内で冷媒中の水分を除去するドライヤーユニットを構成する多孔部材である、
水分除去能力を維持しつつ、レシーバータンクの小型化を可能とした、カーエアコン用冷凍サイクル。 - 前記吸湿性樹脂をレシーバータンク内に配置した、請求項1記載の冷凍サイクル。
- 前記パウダー状乾燥剤がパウダー状ゼオライトである、請求項1又は2に記載の冷凍サイクル。
- 前記パウダー状ゼオライトの細孔径が3〜4Åである、請求項3記載の冷凍サイクル。
- 前記吸湿性樹脂が、パウダー状ゼオライトとエンジニアリング・プラスチックを含有す る、請求項1〜4の何れかに記載の冷凍サイクル。
- 前記エンジニアリング・プラスチックの軟化点が70℃以上である、請求項5記載の冷 凍サイクル。
- 前記エンジニアリング・プラスチックが、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネ ート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチ レンやシンジオタクチックポリスチレンの少なくとも何れかである、請求項5又は6記載の冷凍 サイクル。
- 前記エンジニアリング・プラスチックがポリカーボネートである、請求項5〜7の何れかに記載の冷凍サイクル。
- 前記吸湿性樹脂で形成されたレシーバータンクの構成部品中におけるパウダー状乾燥剤の含有量が10〜70質量%である、請求項1〜8の何れかに記載の冷凍サイクル。
- 請求項1〜9の何れかに記載の冷凍サイクルを構成するレシーバータンク。
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JP2017120152A JP2017120152A (ja) | 2017-07-06 |
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JP2015256551A Active JP6733870B2 (ja) | 2015-12-28 | 2015-12-28 | 冷凍サイクルおよびレシーバータンク |
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