以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図23は本発明をいわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、正面視矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に隣接するように配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。もちろん、ガラス扉5と前面板6とを一つの扉体として一体に開閉可能としてもよい。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々配置されている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、演出用の操作ボタン12,13、球貸し操作部14等が配置されている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤15(図2)が着脱自在に装着されている。遊技盤15の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール16が環状に装着されると共に、そのガイドレール16の内側の遊技領域17に、中央表示ユニット18、普通図柄始動手段19、第1特別図柄始動手段20、第2特別図柄始動手段21、第1大入賞手段22、第2大入賞手段23、普通入賞手段24等の各種遊技部品が配置されている。
中央表示ユニット18は、例えば遊技領域17の左右方向略中央における上部側に配置されており、遊技盤15の裏側に固定される液晶式その他の画像表示手段25に対応して遊技盤15の前側に着脱自在に固定されている。画像表示手段25は、第1演出図柄表示手段26、第2演出図柄表示手段27、発射誘導報知手段28、利益状態演出表示手段29、特別遊技演出表示手段30、勝利玉表示手段31等を構成している(図8)。
中央表示ユニット18は、遊技盤15の前面側に当接し且つ固定ねじ等により遊技盤15に固定される前面装着板32と、画像表示手段25等に対応する内部領域18aを略取り囲むように例えば前面装着板32の前側に突設される表示枠33とを例えば一体に備えており、発射手段により遊技領域17の上部側に打ち込まれた遊技球は、表示枠33の頂部で左右に振り分けられ、中央表示ユニット18の左側の左流下経路(第1流下経路)34aと右側の右流下経路(第2流下経路)34bとの何れかを流下するようになっている。
また、例えば表示枠33上には、普通図柄表示手段35、特別保留個数表示手段36、第1特別図柄表示手段37、第2特別図柄表示手段38、第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102等の表示手段の他、例えば左側部には左流下経路34aを流下する遊技球が入球可能なワープ入口39が、画像表示手段25の下部前側には、ワープ入口39に入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて左右方向中央の中央落下部40とそれ以外の何れかから落下させるステージ41が夫々設けられている。
左流下経路34aには、遊技球を例えば所定の割合でワープ入口39に案内するワープ振り分け手段42が設けられている。このワープ振り分け手段42は、左流下経路34aを流下する遊技球が流入可能な振り分け流入口42aと、その振り分け流入口42aの下流側に配置される第1排出口42b及び第2排出口42cと、振り分け流入口42aに流入した遊技球を所定の割合(例えば7:1)で第1排出口42bと第2排出口42cとに振り分ける振り分け手段42dとを備え、第2排出口42cがワープ入口39に連結されている。これにより、遊技者が左流下経路34a側を狙って左打ちをすれば、その遊技球は所定の割合、例えば8球に1球の割合でステージ41側に案内される。
なお、左流下経路34aに、ワープ振り分け手段42を避けて遊技球を下流側に案内する回避通路を設けてもよいが、遊技球が回避通路に流入する確率は、ワープ振り分け手段42に流入する確率に比べて十分に小さくすることが望ましい。また、例えば振り分け流入口42aと第2排出口42cとに夫々遊技球検出手段を設ける等により第2排出口42c側への遊技球の振り分け率を実測し、その振り分け率が規定値(例えば1/8)と異なる場合にはエラーと判定するように構成してもよい。
普通図柄始動手段19は、普通図柄表示手段35による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、遊技球の通過を検出する遊技球検出手段19aを備えている。この普通図柄始動手段19は、中央表示ユニット18に対して例えば右側上部に配置されており、右流下経路34bを流下する遊技球が通過可能となっている。
普通図柄表示手段35は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、普通図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち遊技球が普通図柄始動手段19を通過し、遊技球検出手段19aがその遊技球を検出することに基づいてそれら複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、普通図柄始動手段19による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合には外れ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。
本実施形態では、普通図柄始動手段19による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は保留記憶されないようになっている。即ち、普通図柄変動中、後述する普通利益状態中及び普通利益状態終了インターバル期間中を含む普通変動不可期間(第2期間)中に普通図柄始動手段19が遊技球を検出した場合には、その検出に基づく普通図柄変動はその普通変動不可期間が終了しても実行されず、普通変動不可期間以外の期間中に普通図柄始動手段19が遊技球を検出した場合にのみ、その検出に続いて普通図柄変動が実行される。なお、普通乱数情報を所定個数(4個等)を限度として保留記憶するように構成してもよい。
第1特別図柄始動手段(第1始動手段,始動手段)20は、第1特別図柄表示手段37による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段等を有しない非作動式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段20aを備えている。この第1特別図柄始動手段20は、例えば中央表示ユニット18の中央落下部40の下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路34a側のワープ入口39からステージ41を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路34bを流下してきた遊技球よりも左流下経路34aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第2特別図柄始動手段(第2始動手段,始動手段)21は、第2特別図柄表示手段38による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が入球可能な開状態(第1状態)と入球不可能(又は開状態よりも入球困難)な閉状態(第2状態)とに変化可能な作動式入賞手段により構成されており、普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、所定時間開状態に変化するようになっている。この第2特別図柄始動手段21は、例えば中央表示ユニット18の右側で普通図柄始動手段19の下流側に配置されており、右流下経路34bを流下する遊技球が入賞可能である。
この第2特別図柄始動手段21は、図2〜図4に示すように、入球口43と、この入球口43を遊技球が入球可能な開状態(第1状態)とする「開放状態」と入球不可能な閉状態(第2状態)とする「閉鎖状態」とに変化可能な開閉手段44と、右流下経路34bを流下する遊技球を入球口43に向けて案内する「案内状態」と案内しない「非案内状態」とに変化可能な入球案内手段45と、入球口43に入球した遊技球を検出する遊技球検出手段(入球検出手段)21aとを備えている。
入球口43は、左右方向の一方側(ここでは右側)に向けて略横向きに開口している。また、遊技球検出手段21aは入球口43内の下流側近傍に配置されており、入球口43に入球した遊技球をその入球直後に検出可能となっている。
開閉手段44は、入球口43の開口部を遊技球の入球方向(ここでは略左右方向)に対して略直交する方向(例えば略上下方向)に移動可能な開閉部材44aと、この開閉部材44aを駆動する電磁ソレノイド等の開閉駆動手段(図示省略)とを備え、閉鎖状態のときには開閉部材44aが入球口43内に突出してこの入球口43への遊技球の入球を阻止し(図3(b))、開放状態のときには入球口43から例えば略上向きに退避して入球口43への遊技球の入球を許容する(図3(a))ようになっている。
また、入球案内手段45は、入球口43の開口側、即ち右側に入球口43側(左側)が低い左右方向の傾斜状に配置された案内部材45aと、この案内部材45aを駆動する電磁ソレノイド等の案内駆動手段(図示省略)とを備え、案内状態のときには案内部材45aが遊技盤15側からその前側の遊技領域17内に突出してその上側に乗った遊技球を入球口43側に案内し(図3(a))、非案内状態のときには案内部材45aが例えば後向きにスライドして遊技領域17から退避する(図3(b))ようになっている。従って、案内部材45aが案内状態のときにその上に遊技球が乗ったとしても、その遊技球が入球口43に入球する前に非案内状態に変化して案内部材45aが後向きにスライドした場合には、その遊技球は入球口43に入球することなく下流側に流下する。
このように構成された第2特別図柄始動手段21は、普通利益状態が開始されたときに、遊技球が入球不可能な閉状態(第2状態)から入球可能な開状態(第1状態)となる(図3(b)→(a))。即ち、開閉手段44が閉鎖状態から開放状態に、入球案内手段45が非案内状態から案内状態に夫々変化する。そして、上限開放時間の経過を内容とする時間終了条件と、第2特別図柄始動手段21への入球個数が1個に達することを内容とする入球終了条件との何れかが満たされたときに(図9)、遊技球が入球可能な開状態(第1状態)から入球不可能な閉状態(第2状態)となり(図3(a)→(b))、普通利益状態が終了する。即ち、開閉手段44が開放状態から閉鎖状態に変化し、また入球案内手段45が案内状態から非案内状態に変化する。なお、普通利益状態中は第2特別図柄始動手段21の開状態と閉状態とを繰り返してもよい。また、普通利益状態中の一時的な閉状態では、開閉手段44は開放状態のまま維持し、入球案内手段45を非案内状態に変化させてもよい。
以上のように、普通利益状態は第2特別図柄始動手段21への遊技球の入球個数が1個(所定個数)となったときに終了するため(図9の入球終了条件)、1回の普通利益状態で第2特別図柄始動手段21に入球可能な遊技球は原則として1個を超えることはない。
但しこのように構成しても、複数の遊技球が入球口43に向けて連なって流下してきた場合、1個目の遊技球が遊技球検出手段21aに検出されて開閉手段44が閉鎖状態に変化するまでに2個目の遊技球が入球口43に入球してしまう可能性も完全には排除できない。そこで本実施形態では、第2特別図柄始動手段21の上流側に始動振り分け手段(振り分け手段)46を配置することにより、複数の遊技球が連なって第2特別図柄始動手段21側に流下する可能性を小さくしている。
この始動振り分け手段46は、右流下経路34bを流下してきた遊技球を第2特別図柄始動手段21側の第1方向(ここでは左方向)と第2特別図柄始動手段21とは反対側の第2方向(ここでは右方向)とに、少なくとも第1方向への振り分けが連続しないように規則的に(ここでは第1方向と第2方向とに交互に)振り分けるもので、図4に示すように、右流下経路34bを流下してきた遊技球が流入可能な流入口47と、例えば左右一対の左排出口48a及び右排出口48bと、流入口47に流入した遊技球を左排出口48aと右排出口48bとに振り分ける振り分け部材49とを備え、例えば左排出口48aの下側に入球案内手段45が配置されている。
振り分け部材49は、流入口47の下側に配置され、前後方向の揺動軸49a廻りに右傾斜状態と左傾斜状態との間で揺動可能な状態で保持されており、右傾斜状態のときに流入口47に遊技球が入球すると(図4(a))、その遊技球の重みで左に揺動して左傾斜状態に変化しつつその遊技球を左排出口48a側に案内し(図4(b))、逆に左傾斜状態のときに流入口47に遊技球が入球すると、その遊技球の重みで右に揺動して右傾斜状態に変化しつつその遊技球を右排出口48b側に案内するようになっている。これにより、流入口47に流入した遊技球を左排出口48aと右排出口48bとに交互に案内することができる。なお、振り分け部材49は、球詰まりしやすい中立状態で止まることがないよう、図示しない中立阻止手段により、中立状態を避けて右傾斜状態側と左傾斜状態側とに付勢されている。この中立阻止手段は、例えば振り分け部材49側に配置された可動側磁石と、その後側に固定的に配置された固定側磁石とで構成され、振り分け部材49が中立状態のときに、可動側磁石のN極又はS極と固定側磁石のN極又はS極とが前後に対向して互いに反発するようになっている。
図9に示すように、普通利益状態の時間終了条件は、後述する特別遊技状態中(開放延長状態中)については十分に長い延長開放時間(例えば5.4秒等)に設定されるが、特別遊技状態中以外の通常遊技状態中は極めて短い通常開放時間(例えば0.2秒等)に設定される。従って通常遊技状態中は、遊技者が右流下経路34b側を狙って右打ちをしても第2特別図柄始動手段21への入賞は殆ど期待できない。よって本実施形態の場合、通常遊技状態中は第1特別図柄始動手段20への入賞を狙って左打ちをし、特別遊技状態中は普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをするのが遊技者にとって有利である。
第1特別図柄表示手段(第1図柄表示手段,図柄表示手段)37は、1個又は複数個、例えば1個の第1特別図柄(第1図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段(第1始動手段)20が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第1特別図柄始動手段20に入賞し、遊技球検出手段20aがその遊技球を検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動手段20への入賞時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には大当たり態様で、小当たり判定値と一致する場合には小当たり態様(第1所定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段37の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には大当たり状態が発生し、小当たり態様(第1所定態様)となった場合には小当たり状態(第1所定利益状態)が発生する。
本実施形態では、第1特別図柄表示手段37に関しては図11(a)に示す3種類の大当たり態様A1〜A3と図11(b)に示す1種類の小当たり態様a1とを設けており、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合(例えば大当たり確率1/199)には、例えば大当たり判定乱数値と共に取得された大当たり図柄乱数値に基づいて大当たり態様A1〜A3のうちの何れかが図11(a)に示す選択率で選択され、大当たり判定乱数値が小当たり判定値と一致した場合(例えば小当たり確率1/75)には小当たり態様a1が選択されるようになっている。なお、例えば第1特別図柄表示手段37が小当たり態様となる確率を0%としてもよい。
第1特別図柄表示手段37の図柄変動中、第2特別図柄表示手段38の図柄変動中、小当たり状態中、及び大当たり状態中を含む特別変動不可期間(第1期間)中に第1特別図柄始動手段20が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1特別乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、特別変動不可期間が終了し且つその時点で第2特別図柄側の保留記憶がない場合に1個ずつ消化されて第1特別図柄の変動が行われる。このように本実施形態では、第1特別図柄側と第2特別図柄側とに共に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動が優先的に行われるようになっている。
第2特別図柄表示手段(第2図柄表示手段,図柄表示手段)38は、1個又は複数個、例えば1個の第2特別図柄(第2図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段(第2始動手段)21が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第2特別図柄始動手段21に入賞し、遊技球検出手段21aがその遊技球を検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄始動手段21への入賞時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には大当たり態様で、小当たり判定値と一致する場合には小当たり態様(第2所定態様)で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段38の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には大当たり状態が発生し、小当たり態様(第2所定態様)となった場合には小当たり状態(第2所定利益状態)が発生する。
なお本実施形態では、第2特別図柄表示手段38に関しては、大当たり判定乱数値は大当たり判定値と小当たり判定値との何れかと必ず一致するようになっている。即ち、第2特別図柄表示手段38の変動後の停止図柄は大当たり態様(例えば大当たり確率1/199)と小当たり態様(例えば小当たり確率198/199)との何れかとなり、外れ態様となる場合はない。また、第2特別図柄表示手段38に関しては図12(a)に示す2種類の大当たり態様B1,B2と図12(b)に示す5種類の小当たり態様b1〜b5とを設けており、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合には、例えば大当たり判定乱数値と共に取得された大当たり図柄乱数値に基づいて大当たり態様B1,B2の何れかが図12(a)に示す選択率で選択され、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致しなかった場合には、例えば大当たり図柄乱数値に基づいて小当たり態様b1〜b5のうちの何れかが図12(b)に示す選択率で選択されるようになっている。もちろん、第2特別図柄表示手段38が外れ態様となる場合があってもよい。
第1特別図柄表示手段37の図柄変動中、第2特別図柄表示手段38の図柄変動中、後述する小当たり状態中、及び後述する大当たり状態中を含む特別変動不可期間(第1期間)中に第2特別図柄始動手段21が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第2特別乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、特別変動不可期間が終了した場合に1個ずつ消化されて第2特別図柄の変動が行われる。
本実施形態の場合、遊技者は通常遊技状態中は第1特別図柄始動手段20を狙って左打ちをし、特別遊技状態中は普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをするため、通常遊技状態中は主として第1特別図柄が変動し、特別遊技状態中は主として第2特別図柄が変動する。
なお、第1,第2特別図柄には数字図柄等を用いてもよいし、遊技者が停止図柄態様の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を用いてもよい。
特別保留個数表示手段36は、第1特別図柄側の保留記憶個数(第1特別保留個数という)と第2特別図柄側の保留記憶個数(第2特別保留個数という)とを遊技者に報知するもので、例えば7セグメント式等の表示手段により構成されており、複数の発光体の発光態様によって第1特別保留個数と第2特別保留個数とを表示するようになっている。
第1,第2演出図柄表示手段26,27は、第1,第2特別図柄表示手段37,38の図柄変動を演出するもので、それぞれ1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第1,第2演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段25の表示画面25aに変動表示可能に構成されており、例えば第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動と時間的に同調して第1,第2演出図柄を変動させるようになっている。なお、第1,第2特別図柄表示手段37,38の図柄変動中、画像表示手段25には第1,第2演出図柄表示手段26,27とは別の演出表示が行われる場合がある。
第1,第2演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」、「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり演出態様、例えば少なくとも1つの図柄が異なるものが小当たり演出態様又は外れ演出態様となっている。そして、例えば第1,第2特別図柄の停止図柄が大当たり態様、小当たり態様、外れ態様のときは第1,第2演出図柄もそれに対応して大当たり演出態様、小当たり演出態様、外れ演出態様で停止する。
第1大入賞手段(特定入球手段)22は、特定開閉部材51により遊技球が入球可能な開状態と入球不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段により構成されており、第1,第2特別図柄表示手段37,38の変動後の停止図柄が小当たり態様(第1,第2所定態様)となって小当たり状態(第1,第2所定利益状態)が発生したときに、特定開閉部材51が一又は複数種類の小当たり開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。第1大入賞手段22は、例えば右流下経路34b側で且つ第2特別図柄始動手段21の下流側に配置されており、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
図2,図5〜図7に示すように、第1大入賞手段22の特定開閉部材51は、例えば遊技領域17の中央側(左側)が低い緩やかな傾斜状に配置された板状体で、前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには、図6に実線で示すように遊技盤15の盤面よりも前側に突出して遊技領域17内に位置することにより、略上向きに開口する特定入球口52を閉鎖すると共にその上側に落下してきた遊技球を遊技領域17の中央側(左側)に向けて案内し、開状態のときには、図6に二点鎖線で示すように遊技領域17から後側に退避して特定入球口52を開放するようになっている。従って、例えば特定開閉部材51が閉状態のときにその上に乗っている遊技球は、特定開閉部材51が開状態に変化すると同時に下向きに落下して高い確率で特定入球口52に入賞する。
また、特定開閉部材51の上側には、特定開閉部材51に沿う方向の遊技球の移動速度を抑制する速度抑制手段53が設けられている。図6,図7に示すように、第1大入賞手段22には、遊技盤15の盤面に沿って配置される後壁部54と、その後壁部54の前側に遊技球が通過可能な隙間を挟んで対向する前壁部55とを備えており、速度抑制手段53は、特定開閉部材51の上側に沿って後壁部54及び前壁部55に例えば交互に配置される突起部53a,53bを備えている。この速度抑制手段53により、閉状態の特定開閉部材51上に落下してきた遊技球が特定開閉部材51上に滞留する時間が長くなり、特定開閉部材51が開状態に変化したときに遊技球が特定入球口52に入球する確率をより高くすることができる。
また第1大入賞手段22は、図5に示すように、例えば一つの特定領域56aと、例えば一つの通常領域56bと、特定入球口52に入賞した遊技球を特定領域56aと通常領域56bとに振り分ける可動式の特定振り分け手段(振り分け手段)57と、特定領域56aに流入した遊技球を検出する特定遊技球検出手段58aと、通常領域56bに流入した遊技球を検出する通常遊技球検出手段58bとを備えている。第1大入賞手段22に入賞した遊技球は、特定振り分け手段57によって特定領域56aと通常領域56bとの何れかに案内され、特定遊技球検出手段58aと通常遊技球検出手段58bとの何れかによって検出された後、遊技盤15の裏側に案内される。第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域56a側に案内されて特定遊技球検出手段58aがその遊技球を検出した場合(以下、V入賞という)には大当たり状態が発生する。
特定領域56aと通常領域56bとは例えば左右に隣接して配置されている。特定振り分け手段57は、例えば特定領域56aと通常領域56bとの間に対応してその上側に配置されており、図示しない駆動手段の駆動により例えば左右方向に所定のパターンで移動することにより、通常領域56b側への流入を阻止しつつ特定領域56a側へ遊技球を案内する特定案内状態と、特定領域56a側への流入を阻止しつつ通常領域56b側へ遊技球を案内する通常案内状態とに切り換え可能となっている。
本実施形態の小当たり開放パターンは、例えばα、βの2種類設けられており、第1特別図柄表示手段37が小当たり態様a1となった場合の小当たり状態(第1所定利益状態)では、図11(b)に示すように小当たり開放パターンαが、第2特別図柄表示手段38が小当たり態様b1〜b5となった場合の小当たり状態(第2所定利益状態)では、図12(b)に示すように小当たり開放パターンβが夫々用いられるようになっている。以下の説明では、第1特別図柄表示手段37が小当たり態様となった場合の小当たり状態を第1小当たり状態(第1所定利益状態)、第2特別図柄表示手段38が小当たり態様となった場合の小当たり状態を第2小当たり状態(第2所定利益状態)という。
図13は、小当たり開放パターンα,βにおける、特定開閉部材51及び特定振り分け手段57の動作を示したものである。小当たり開放パターンαでは、特定開閉部材51が1回開放し、その開放時間は例えば1.5秒となっている。また、特定振り分け手段57は、特定開閉部材51の開放と同時に特定案内状態に変化した後、例えば0.08秒後に通常案内状態に変化するようになっている。ここで、特定入球口52に入球した遊技球が特定振り分け手段57に達するまでの平均時間をS秒とすると、本実施形態では0.08秒<S<2.5秒となっているものとする。従って小当たり開放パターンαの場合、特定開閉部材51が開状態のときに特定入球口52に遊技球が入賞しても、図13(a)に示すようにその遊技球が特定振り分け手段57に達したときには必ず通常案内状態であるため、遊技球が特定領域56a側に案内されることはない。即ち、第1小当たり状態中に遊技者が右流下経路34b側を狙って右打ちをし、その遊技球が第1大入賞手段22に入賞したとしても、特定領域56a側に案内される確率は0%である。
一方、小当たり開放パターンβでは、特定開閉部材51が例えば計10回開放し、その1回の開放時間は例えば0.08秒となっている。また、特定開閉部材51の1回目の開放と2回目の開放との間には3.92秒のインターバルが、2〜9回の各開放の間には夫々1.04秒のインターバルが夫々設けられている。また、特定振り分け手段57は、特定開閉部材51の1回目の開放と同時に特定案内状態となった後、0.08秒後に特定開閉部材51の閉鎖と同時に通常案内状態に変化する。そして、特定開閉部材51の2回目の開放が開始されると同時に再び特定案内状態となり、特定開閉部材51の最後の開放が終了してから所定の排出確認時間(ここでは2.5秒)経過後に通常案内状態に変化するようになっている。
ここで、上述したように本実施形態では0.08秒<S<2.5秒となっているため、小当たり開放パターンβの場合、図13(b)に示すように特定開閉部材51の1回目の開放時に入球した遊技球は特定領域56a側に案内されることはないが、2〜10回目の開放時に入球した遊技球は確実に特定領域56a側に案内される。しかも上述したように、特定開閉部材51は、左右方向の緩やかな傾斜状に配置された板状体で、前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには遊技盤15の盤面よりも前側に突出してその上側に落下してきた遊技球を遊技領域17の中央側に向けて案内し、開状態のときには遊技領域17から後側に退避して特定入球口52を開放するようになっているため、特定開閉部材51の2〜10回目の開放(連続開閉動作)の際には、そのインターバル(閉状態)中に特定開閉部材51上に落下した遊技球についてもその多くを特定入球口52に入賞させることができる。従って、第2特別図柄始動手段21の実際の開放時間(開状態となっている時間の合計)を所定上限時間(例えば1.8秒)内に収めつつ、実質的な開放時間(2回目の開放開始から10回目の開放終了まで)を十分に長くすることができ、第2小当たり状態中に遊技者が右流下経路34b側を狙って右打ちをすることにより極めて高い確率で第1大入賞手段22に入賞させることが可能であり、しかも入賞した遊技球は高い確率で特定領域56a側に案内される。
このように、第1小当たり状態の発生に基づいて遊技者が得られる利益の期待値よりも第2小当たり状態の発生に基づいて遊技者が得られる利益の期待値の方が明らかに大きい。
第2大入賞手段23は、開閉手段59の作動によって遊技球が入球可能な開状態と入球不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段23aを備えており、第1,第2特別図柄表示手段37,38の変動後の停止図柄が大当たり態様となるか、小当たり状態(第1,第2所定利益状態)中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域56a側に案内される(V入賞)ことにより大当たり状態(特定利益状態)が発生したときに、開閉手段59が一又は複数種類の大当たり開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。第2大入賞手段23は、例えば右流下経路34bにおける普通図柄始動手段19の下流側で且つ第2特別図柄始動手段21の上流側に配置されており、右流下経路34bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。
本実施形態の大当たり開放パターンは、第2大入賞手段23を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を所定ラウンド数行うようになっており、そのラウンド数の違いによって例えば3R,12Rの2種類が設けられている(図11,図12)。
なお複数種類の大当たり開放パターンのうちの少なくとも一つにおいて、上記のような通常ラウンドに加えて、遊技球の入賞がほとんど期待できない程度の短時間だけ開放する短時間ラウンドを一又は複数回行うように構成してもよい。この場合、通常ラウンド数と短時間ラウンド数との合計は同じでその配分が異なる複数種類の開放パターンを設けることで、仕様上は同じラウンド数であっても遊技者から見た実質的なラウンド数を異ならせることができる。例えば、通常ラウンド×2+短時間ラウンド×10に設定された12R開放パターンと、通常ラウンド×10+短時間ラウンド×2に設定された12R開放パターンと、通常ラウンド×12に設定された12R開放パターンとの3種類の開放パターンを設けた場合、実質的なラウンド数はそれぞれ2R,10R,12Rであるにも拘わらず仕様上のラウンド数は全て同じ12Rとすることができる。なお、短時間ラウンドのみを一又は複数回行う大当たり開放パターンを設けてもよい。
また、大当たり状態の終了後には、所定の確率で、特別遊技状態の一例として開放延長状態が発生する。開放延長状態は、大当たり状態が終了したときに開始し、一又は複数の特別遊技状態終了条件の何れか満たされたときに終了する。開放延長状態中は、普通利益状態における時間終了条件が通常開放時間(例えば0.2秒)から延長開放時間(例えば5.4秒)へ切り換えられる(図9)。
また本実施形態では、特別遊技状態終了条件として、次の大当たり状態の発生を内容とする基本終了条件の他に、第1,第2特別図柄表示手段37,38による図柄変動回数の合計が所定数に達することを内容とする第1終了条件と、普通利益状態の発生回数が所定回数に達することを内容とする第2終了条件とを設けている(図10)。ここで、第2終了条件における所定回数については、その特別遊技状態発生に係る大当たり状態が図柄当たりによるものである場合にはその大当たり態様の種類に応じて(図11(a),図12(a))、V入賞によるものである場合には小当たり態様の種類に応じて(図11(b),図12(b))、所定上限回数(ここでは4回)を上限とする複数種類の中から選択されるようになっている。
例えば図11(a)に示すように、第1特別図柄が大当たり態様A1,A2の何れかとなった場合に発生する特別遊技状態は普通利益状態が1回発生した時点で終了し、同じく大当たり態様A3となった場合には特別遊技状態は発生しない。従って、第1特別図柄が大当たり態様となった場合に特別遊技状態が発生する確率は67.5%(=52.9+14.6)である。また図11(b)に示すように、第1特別図柄が小当たり態様a1となった場合、その後の小当たり状態でV入賞して大当たり状態が発生しても特別遊技状態は発生しない。
また図12(a)に示すように、第2特別図柄が大当たり態様B1、B2の何れかとなった場合に発生する特別遊技状態は、普通利益状態が夫々3回,4回発生した時点で終了する。更に図12(b)に示すように、第2特別図柄が小当たり態様b2〜b5の何れかとなり、その後の小当たり状態でV入賞して大当たり状態が発生した場合の特別遊技状態は、普通利益状態が夫々1〜4回発生した時点で終了し、同じく小当たり態様b1となり、その後の小当たり状態でV入賞して大当たり状態が発生した場合には特別遊技状態は発生しない。従って、第2特別図柄が大当たり態様となった場合に特別遊技状態が発生する確率は100%であり、第2特別図柄が小当たり態様となってV入賞による大当たり状態が発生する場合に特別遊技状態が発生する確率は50%である。
なお本実施形態では、第1終了条件が満たされる前に必ず第2終了条件が満たされるようにするべく、図10に示すように、第1終了条件における所定数(第1,第2特別図柄の変動回数)は、50回等の十分に大きな値に設定されている。従って本実施形態の場合、特別遊技状態中に遊技者が右流下経路34b側を狙って右打ちをすれば、多くの場合は第2終了条件が満たされることによって、稀に基本終了条件が満たされることによって特別遊技状態は終了する。
以下の説明では、第2終了条件として設定されている普通利益状態の発生回数を「開放延長回数」というものとする。従って、例えば開放延長回数2回の特別遊技状態とは、普通利益状態が2回発生することにより終了する特別遊技状態(開放延長状態)を示す。
第1右打ち報知手段(特定報知手段,発光報知手段)101は、右打ち期間(特定遊技期間)中である旨の右打ち報知(特定報知)を発光態様の切り換えにより行うもので、例えば1個のLED(所定発光手段)101aを備えており、後述する主制御基板61の制御により、右打ち期間中にLED101aが例えば連続発光し、それ以外は消灯するようになっている。もちろん、右打ち期間とそれ以外の期間とに対応する発光態様は任意であり、例えば右打ち期間の発光態様を連続発光ではなく点滅としてもよい。
右打ち期間(特定遊技期間)は、右流下経路(第2流下経路)34b側に配置されている入賞手段が遊技者に有利な状態(開放、開放延長等)となる期間であって、本実施形態では、第1大入賞手段22が開状態となる小当たり状態(第1所定利益状態及び第2所定利益状態)と、第2大入賞手段23が開状態となる大当り状態と、普通利益状態における時間終了条件が延長開放時間となる開放延長状態とが右打ち期間となっている。
第2右打ち報知手段(特定報知手段,発光報知手段)102は、第1右打ち報知手段101と同じく右打ち報知(特定報知)を発光態様の切り換えにより行うもので、例えば1個のLED(所定発光手段)102aを備えており、後述する演出制御基板62の制御により、右打ち期間中にLED102aが例えば連続発光し、それ以外は消灯するようになっている。もちろん、右打ち期間とそれ以外の期間とに対応する発光態様は任意であり、例えば右打ち期間の発光態様を連続発光ではなく点滅としてもよい。
また第2右打ち報知手段102の近傍には報知内容表示部102bが設けられている。この報知内容表示部102bは、第2右打ち報知手段102による特定報知の内容を示すもので、例えば右打ちを示す「右」の文字が表されている。なお、報知内容表示部102bは例えばLED102aの前側の発光レンズ部等、第2右打ち報知手段102上に配置してもよい。
図8は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図8において、61は主制御基板、62は演出制御基板で、これら各制御基板61,62は、遊技盤15に装着された中央表示ユニット18、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤15を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板61は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段71、普通始動検出処理手段72、普通乱数記憶手段73、普通図柄処理手段74、普通利益状態発生手段75、第1,第2特別乱数作成処理手段81a,81b、第1,第2特別始動検出処理手段82a,82b、第1,第2特別乱数記憶手段83a,83b、第1,第2特別図柄処理手段84a,84b、特別保留個数表示制御手段85、小当たり状態発生手段86、大当たり状態発生手段87、特別遊技状態発生手段88、制御コマンド送信手段89、第1右打ち報知制御手段90等を備えている。
普通乱数作成処理手段71は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否か(普通利益状態を発生させるか否か)の判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動検出処理手段72は、普通図柄始動手段19による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段19が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段71で作成された当たり判定乱数値等の普通乱数情報を取得し、例えば普通図柄変動中、普通利益状態中、及び普通利益状態終了インターバル期間を含む普通変動不可期間(第2期間)中でないことを条件に、その普通乱数情報を普通乱数記憶手段73に記憶させるように構成されている。なお本実施形態では、普通乱数情報は保留記憶されないようになっているため、普通変動不可期間中に普通図柄始動手段19が遊技球を検出した場合には、普通乱数情報は普通乱数記憶手段73には記憶されない(又は記憶されても普通図柄変動に供されることなく破棄される)。
普通図柄処理手段74は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄始動手段19が遊技球を検出し且つ普通変動不可期間中でないことを条件に、普通乱数記憶手段63に記憶された普通乱数情報から当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うと共に普通図柄表示手段35による普通図柄を所定時間変動させ、当たり判定の場合には当たり態様に対応する「○」で、外れ判定の場合には外れ態様に対応する「×」で普通図柄の変動を停止させるようになっている。このように、普通図柄を当たり態様とするか否か(普通利益状態を発生させるか否か)の判定は普通図柄の変動開始時に行われる(図14)。なお、本実施形態では当たり判定乱数値が当たり判定値と一致する確率(当たり確率)は100%に近い極めて高い値に設定されている。
普通利益状態発生手段75は、第2特別図柄始動手段21が開状態(第1状態)に変化する普通利益状態を発生させるもので、普通図柄処理手段74による判定結果が当たりとなることに基づいて普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に普通利益状態を発生させるようになっている。普通利益状態が開始されると、第2特別図柄始動手段21の開閉手段44が閉鎖状態から開放状態に、入球案内手段45が非案内状態から案内状態に夫々変化する(図3(b)→(a))。そして、上限開放時間(通常遊技状態中は0.2秒等の通常開放時間、特別遊技状態中は5.4秒等の延長開放時間)の経過を内容とする時間終了条件と、第2特別図柄始動手段21への入球個数が1個に達することを内容とする入球終了条件との何れかが満たされたときに(図9)、開閉手段44が開放状態から閉鎖状態に変化し、また入球案内手段45が案内状態から非案内状態に変化して普通利益状態が終了する(図3(a)→(b))。
なお本実施形態では、普通利益状態の時間終了条件における上限開放時間を通常開放時間とするか延長開放時間とするかの決定を、普通図柄の変動開始時ではなく、普通図柄の変動終了時(確定時)に行うようになっている(図14)。
これについて普通図柄の変動が大当たり状態の終了時を跨いで行われる場合を例に説明する。このような場合に、普通利益状態における開放時間の決定を、例えば当たり判定と同じ普通図柄の変動開始時に行うこととすると、図15(a)に示すように、変動開始時の遊技状態である通常遊技状態に対応する通常開放時間(0.2秒)が選択される。この場合、大当たり状態終了後に例えば開放延長回数1回の特別遊技状態が発生しても、通常開放時間(0.2秒)の普通利益状態が1回発生した時点で特別遊技状態は終了してしまう。従ってこのような場合、遊技者は特別遊技状態により予定された利益を享受することができない。
これに対し、本実施形態の場合には、普通利益状態における開放時間の決定を、普通図柄の変動開始時ではなく変動終了時(確定時)に行うため(図14)、図15(b)に示すように、変動終了時の遊技状態である特別遊技状態に対応する延長開放時間(5.4秒)が選択される。この場合、大当たり状態終了後に例えば開放延長回数1回の特別遊技状態が発生すると、延長開放時間(5.4秒)の普通利益状態を1回発生させることができるため、遊技者は特別遊技状態により予定された利益を享受することができる。
第1,第2特別乱数作成処理手段81a,81bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様、小当たり態様、外れ態様の何れにするかの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様、小当たり態様となる場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1,第2特別始動検出処理手段82a,82bは、第1,第2特別図柄始動手段20,21による遊技球の検出(入賞)に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段20,21が遊技球を検出することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段81a,81bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等の第1,第2特別乱数情報を取得し、その第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の第1,第2特別乱数記憶手段83a,83bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段84a,84bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段37,38が変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段83a,83bに1個以上の第1,第2特別乱数情報が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段83a,83bに記憶されている第1,第2特別乱数情報の待ち行列の先頭から大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値、小当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段83a,83bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値等とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄態様選択機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果等に基づいて、第1,第2演出図柄に対応する変動パターン(第1,第2特別図柄の変動時間)として複数種類の中から1つを選択する変動パターン選択機能、第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動を開始させ、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄態様で第1,第2特別図柄の変動を停止させる第1,第2特別図柄変動制御機能等を備えている。
本実施形態では、第1特別図柄表示手段37に関する判定結果が大当たりとなった場合には、図11(a)に示すように3種類の大当たり態様A1〜A3がそれぞれ52.9,14.6,32.5%の確率で選択され、第1特別図柄表示手段37に関する判定結果が小当たりとなった場合には、図11(b)に示すように1種類の小当たり態様a1が選択され、第2特別図柄表示手段38に関する判定結果が大当たりとなった場合には、図12(a)に示すように2種類の大当たり態様B1,B2がそれぞれ33.3,66.7%の確率で選択され、第2特別図柄表示手段38に関する判定結果が小当たりとなった場合には、図12(b)に示すように5種類の小当たり態様b1〜b5がそれぞれ50,25,22.9,1.7,0.4%の確率で選択される。なお、第1特別図柄表示手段37と第2特別図柄表示手段38とで大当たり態様となる確率(大当たり確率)は同じ(例えば1/199)である。また、第1特別図柄表示手段37については小当たり態様となる確率が例えば1/75で、外れ態様となる場合があるが、第2特別図柄表示手段38については小当たり態様となる確率が例えば198/199で、大当たり態様とならない場合は必ず小当たり態様となり、外れ態様となる場合はない。
また、特別遊技状態中に関しては、第2特別図柄の変動時間は特別遊技状態における開放延長回数に応じて決定されるようになっている。図16に示すように、特別遊技状態中に大当たり態様となる第2特別図柄の変動を行う場合の変動時間は86秒に設定され、また特別遊技状態中に小当たり態様となる第2特別図柄の変動を行う場合の変動時間は、開放延長回数が0回の場合(特別遊技状態を発生しない場合)は5秒、1回の場合は22秒、2回の場合は38秒、3回の場合は54秒、4回の場合は70秒に夫々設定されている。
このように、特別遊技状態中における小当たり態様となる第2特別図柄の変動時間は、開放延長回数と一対一に対応しており、開放延長回数が多いほど変動時間が長くなっている。また、その変動時間は普通利益状態が開放延長回数だけ発生するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。本実施形態では、図17に示すように、普通図柄の変動が開始してから普通利益状態、普通利益状態終了インターバル時間が終了して次の普通図柄変動が開始可能となるまでに要する時間(普通利益状態が1回発生するのに要する時間)を15秒と想定しており、開放延長回数が1回の場合の変動時間22秒は普通利益状態が1回発生するのに要する15秒より適度に長くなっている。同様に、開放延長回数が2〜4回の場合の変動時間38,54,70秒は、普通利益状態が2〜4回発生するのに要する30,45,60秒より夫々適度に長くなっている。これにより、特別遊技状態が終了するまで第2特別図柄の変動を継続し、小当たり状態又は大当たり状態の開始タイミングを特別遊技状態の終了後にすることができると共に、特別遊技状態の終了から小当たり状態又は大当たり状態の開始までの時間が無駄に長くなることを防止できる。
特別保留個数表示制御手段85は、特別保留個数表示手段36による第1,第2特別保留個数の表示制御を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段20,21による遊技球の検出、及び第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動開始等に基づいて、特別保留個数表示手段36により第1特別保留個数と第2特別保留個数とを例えばLEDの発光態様により表示させるようになっている。
小当たり状態発生手段(第1,第2所定利益状態発生手段,所定利益状態発生手段)86は小当たり状態(第1,第2所定利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段84a,84bによる大当たり/小当たり/外れの判定結果が小当たりとなり、第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄(第1,第2図柄)の変動後の停止図柄態様が小当たり態様(第1,第2所定態様)となった場合に、第1大入賞手段(特定入球手段)22を所定の小当たり開放パターンに従って開放する小当たり状態を発生させるようになっている。
本実施形態ではα,βの2種類の小当たり開放パターンが設けられており、図11(b)に示すように第1特別図柄が小当たり態様となった場合の第1小当たり状態(第1所定利益状態)では小当たり開放パターンαが選択され、図12(b)に示すように第2特別図柄が小当たり態様となった場合の第2小当たり状態(第2所定利益状態)では小当たり開放パターンβが選択される。
なお上述したように、小当たり開放パターンαの場合には、図13(a)に示すように遊技球が入賞しても特定領域56a側に案内されることはないのに対し、小当たり開放パターンβの場合には、図13(b)に示すように遊技球が入賞すればその遊技球は極めて高い確率で特定領域56a側に案内され、しかも実質的な開放時間が非常に長いために多くの遊技球を容易に入賞させることができる。また、第2特別図柄は大当たり態様と小当たり態様との何れかとなり、外れ態様になることはない。従って、遊技者は特別遊技状態中に右打ちをして第2特別図柄始動手段21に遊技球を入賞させ、第2特別図柄を変動させれば、その変動回数分だけ略確実に大当たり状態を発生させることが可能である。
大当たり状態発生手段(特定利益状態発生手段)87は大当たり状態(特定利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段84a,84bによる大当たり/小当たり/外れの判定結果が大当たりとなることに基づいて第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄態様が大当たり態様となるか、小当たり状態中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域56aに案内された場合に、第2大入賞手段23を所定の大当たり開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させるようになっている。
本実施形態の大当たり開放パターンは、第2大入賞手段23を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を3ラウンド行う3R大当たり開放パターンと、同じく12ラウンド行う12R大当たり開放パターンの2種類設けられており、図11,図12に示すように、第1特別図柄が大当たり態様A1となった場合の大当たり状態では3R大当たり開放パターンが、それ以外の大当たり状態では12R大当たり開放パターンが選択されるようになっている。
特別遊技状態発生手段88は、大当たり状態(特定利益状態)の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、特別遊技状態の一例としての開放延長状態を発生させる開放延長状態発生手段88aを備えている。開放延長状態中は、普通利益状態における時間終了条件が通常開放時間(例えば0.2秒)から延長開放時間(例えば5.4秒)へ切り換えられる(図9)。開放延長状態発生手段88aは、大当たり状態が終了したときに開放延長状態を開始させ、次の大当たり状態の発生を内容とする基本終了条件、第1,第2特別図柄の変動回数の合計が所定数に達することを内容とする第1終了条件、普通利益状態の発生回数が所定回数に達することを内容とする第2終了条件の何れかが満たされた場合に開放延長状態を終了させるようになっている(図10)。
上述したように、本実施形態の特別遊技状態(開放延長状態)は、その特別遊技状態中に遊技者が右打ちをすれば、多くの場合は第2終了条件が、稀に基本終了条件が満たされることによって終了し、第1終了条件が満たされることによって終了することはない。即ち、特別遊技状態は、次の大当たり状態が発生するか、それまでに普通利益状態が1〜4回のうちの所定回数発生したときに終了する(開放延長回数1〜4回)。なお、第2終了条件が満たされたか否かの判断に用いる普通利益状態の発生回数に関するカウント値は、例えば普通利益状態の終了時に更新(例えば減算)される。
特別遊技状態中に第2特別図柄が大当たり態様となって大当たり状態が発生した場合には、その大当たり態様の終了後に開放延長回数3回又は4回の開放延長状態が発生し(図12(a))、特別遊技状態中に第2特別図柄が小当たり態様となり、小当たり状態を経てV入賞による大当たり状態が発生した場合には、その大当たり状態の終了後に50%の確率で開放延長回数1〜4回の何れかの特別遊技状態が発生する(図12(b))。
第1右打ち報知制御手段90は、第1右打ち報知手段101による右打ち報知を制御するもので、右打ち期間(特定遊技期間)中に第1右打ち報知手段101をONにしてLED101aを発光させ、それ以外はOFFにしてLED101aを消灯させるようになっている。上述したように本実施形態では、第1大入賞手段22が開状態となる小当たり状態(第1所定利益状態及び第2所定利益状態)と、第2大入賞手段23が開状態となる大当り状態と、普通利益状態における時間終了条件が延長開放時間となる開放延長状態(特別遊技状態)とが右打ち期間(特定遊技期間)となっている。
制御コマンド送信手段89は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板62等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段84a,84bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄の変動開始時に、第1,第2特別保留個数の減少を指定する第1,第2保留減少コマンド、第1,第2演出図柄の変動パターンを指定する第1,第2変動パターン指定コマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄態様を指定する第1,第2停止図柄態様指定コマンドをこの順序で演出制御基板62側に送信し、第1,第2特別図柄の変動終了時に第1,第2演出図柄の変動停止を指示する第1,第2変動停止指定コマンドを演出制御基板62側に送信する機能、第1,第2特別保留個数が増加したときに第1,第2特別保留個数の増加を指定する第1,第2保留増加コマンドを演出制御基板62側に送信する機能、特別遊技状態発生手段88による特別遊技状態の発生時及び終了時に特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板62側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板62は、第1,第2演出図柄表示手段26,27、発射誘導報知手段28、利益状態演出表示手段29、特別遊技演出表示手段30、勝利玉表示手段31、音声出力手段91、電飾手段92等の各種演出手段を制御するためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される演出制御手段93、図柄変動演出制御手段94、特定報知制御手段95、利益状態中演出制御手段96、特別遊技演出制御手段97、勝利玉表示制御手段98等を備えている。
演出制御手段93は、各演出手段を制御するもので、画像表示手段25による画像表示を制御する画像表示制御手段93a、音声出力手段91による音声出力を制御する音声出力制御手段93b、電飾手段92,第2右打ち報知手段102等の発光を制御する発光制御手段93c等を備えている。
図柄変動演出制御手段94は、演出制御手段93を介して図柄変動演出を制御するもので、主制御基板61から第1,第2変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に第1,第2停止図柄態様指定コマンドを受信した場合に、第1,第2演出図柄の変動後の停止図柄態様を抽選により決定すると共に、第1,第2変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する変動パターンシナリオに基づいて、第1,第2演出図柄表示手段26,27による第1,第2演出図柄の変動及びそれに伴う音声出力手段91による音声演出、電飾手段92による発光演出等を実行し、第1,第2変動停止指定コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄態様で第1,第2演出図柄の変動を停止させるようになっている。
特定報知制御手段95は、右打ち期間(特定遊技期間)中であるか否かに関する特定報知を制御するもので、画像報知制御手段95aと発光報知制御手段95bとを備えている。
画像報知制御手段95aは、画像表示手段25の発射誘導報知手段(画像報知手段)28による発射誘導報知を制御するもので、左流下経路34a側を狙う左打ちに誘導するための左打ち誘導報知と、右流下経路34b側を狙う右打ちに誘導するための右打ち誘導報知との何れかの発射誘導報知を実行可能に構成されている。左打ち誘導報知では、図18(a)に示すように例えば「←左を狙え」等の左打ち誘導画像が、右打ち誘導報知では、例えば図18(b),図19(a),図20(a)等に示すように「右を狙え→」,「右打ちして下アタッカを狙え!」等の右打ち誘導画像が、発射誘導報知手段28により画像表示手段25に表示される。画像報知制御手段95aは、右打ち期間中に右打ち誘導報知を、それ以外の左打ち期間中に左打ち誘導報知を、夫々所定のタイミングで所定期間実行可能であるが、右打ち期間中であっても、第1小当たり状態(第1所定利益状態)中には発射誘導報知手段28による右打ち誘導報知を実行しないように制御する。
発光報知制御手段95bは、第2右打ち報知手段102による右打ち報知を制御するもので、右打ち期間(特定遊技期間)中に第2右打ち報知手段102をONにしてLED102aを発光させ、それ以外はOFFにしてLED102aを消灯させるようになっている。この第2右打ち報知手段102による右打ち報知は、第1右打ち報知手段101による右打ち報知と同様、第1小当たり状態中についても行われる。
利益状態中演出制御手段96は、小当たり状態中に実行される小当たり演出と、大当たり状態中に実行される大当たり演出とを制御するもので、利益状態演出表示手段29により画像表示手段25に小当たり演出画像又は大当たり演出画像を表示すると共にそれらの画像と同期して音声を出力し、電飾手段92を発光させるようになっている。
また、大当たり演出中には、その大当たり状態の終了後に特別遊技状態(開放延長状態)が発生するか否かに関する特別遊技予告演出を実行可能となっている。例えば図11(a)に示すように、第1特別図柄が大当たり態様A2,A3の何れかとなって12Rの大当たり状態が発生した場合には、その大当たり状態中に行われる大当たり演出で第1特別遊技予告演出が実行される。この第1特別遊技予告演出には、例えば図19に示すように第1特別遊技成功演出と第1特別遊技失敗演出との2種類があり、特別遊技状態が発生する場合(大当たり態様A2の場合)には第1特別遊技成功演出(図19(a)→(b1))が、特別遊技状態が発生せず通常遊技状態が継続する場合(大当たり態様A3の場合)には第1特別遊技失敗演出(図19(a)→(b2))が夫々実行される。従って、通常遊技状態中に12Rの大当たり状態が発生した場合、例えば約31%(14.6/(14.6+32.5)×100)の確率で第1特別遊技成功演出が実行され、特別遊技状態(開放延長状態)が発生する。
また、例えば図12(b)に示すように、第2特別図柄が小当たり態様b1〜b5の何れかとなって小当たり状態が発生し、V入賞による大当たり状態が発生した場合には、その大当たり状態中に行われる大当たり演出で第2特別遊技予告演出が実行される。この第2特別遊技予告演出には、例えば図20に示すように第2特別遊技成功演出と第2特別遊技失敗演出との2種類があり、特別遊技状態が発生する場合(小当たり態様b2〜b5の場合)には第2特別遊技成功演出が、特別遊技状態が発生しない場合(小当たり態様b1の場合)には第2特別遊技失敗演出が夫々実行されるようになっている。従って、特別遊技状態中にV入賞による大当たり状態が発生した場合、50%の確率で第2特別遊技成功演出が実行され、特別遊技状態(開放延長状態)が発生する。なお、第2特別遊技失敗演出(図20(c2))を、後述する勝利玉が残っている場合と残っていない場合とで異ならせてもよい。
また小当たり演出は、第1小当たり状態中と第2小当たり状態中とで異なっている。即ち、第2小当たり状態中に行われる小当たり演出(以下、第2小当たり演出という)では、図21(b)に示すように、画像表示手段25に表示される小当たり演出画像に発射誘導報知手段28による「右打ちして下アタッカを狙え!」等の右打ち誘導画像が含まれているのに対し、第1小当たり状態中に行われる小当たり演出(以下、第1小当たり演出という)では、図21(a)に示すように、小当たり演出画像に発射誘導報知手段28による右打ち誘導画像が含まれていない。また、第1小当たり演出画像は小当たり状態中であることを示す画像も含まれておらず、「このあともがんばって!」等、遊技状態に依拠しない表示内容となっている。
また、第1小当たり状態が開始してから少なくとも第1大入賞手段22の開放期間が終了するまでは、画像表示手段25には変動停止後の第1演出図柄は表示されないようになっている。もちろん、第1小当たり状態の開始から終了まで(小当たり終了インターバル期間の終了まで)、変動停止後の第1演出図柄を画像表示手段25に表示しないようにしてもよい。
このように、第2小当たり状態中は発射誘導報知手段28による右打ち誘導報知等、小当たり状態中であることを示す演出(所定利益状態中演出)が行われるのに対し、第1小当たり状態中はそのような演出は一切行われず、遊技者は画像表示手段25の演出を見ただけでは小当たり状態中であると認識することが難しくなっている。
なお上述したように、第1右打ち報知手段101及び第2右打ち報知手段102による右打ち報知は第1,第2小当たり状態中の何れにおいても行われる。即ち、第2小当たり状態中には第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102及び発射誘導報知手段28の3つの報知手段による右打ち報知が行われるのに対し、第1小当たり状態中には第1右打ち報知手段101及び第2右打ち報知手段102の2つの報知手段による右打ち報知が行われ、発射誘導報知手段28による右打ち報知は行われない。
特別遊技演出制御手段97は、特別遊技状態中(開放延長状態中)に実行される特別遊技演出を制御するもので、特別遊技演出表示手段30により画像表示手段25に特別遊技演出画像を表示すると共にそれらの画像と同期して音声を出力し、電飾手段92を発光させるようになっている。
本実施形態の特別遊技演出は、遊技者が特別遊技状態中に「勝利玉」を獲得する演出内容となっている。ここで、「勝利玉」とは第2特別図柄を変動させる権利の数であって、特別遊技状態中に第2特別図柄始動手段21に遊技球が入賞することによって、例えば5個を限度として1個ずつ増加するようになっている。上述したように、本実施形態では特別遊技状態中に右打ちをすれば1回の普通利益状態につき1個の遊技球を第2特別図柄始動手段21に極めて高い確率で入賞させることができるため、特別遊技状態における開放延長回数が、その特別遊技状態中に獲得可能な勝利玉の数(但し5個上限)となる。
このように、「勝利玉」は実質的には第2特別図柄の保留記憶であるが、消化されるタイミングが第2特別図柄の保留記憶とは異なっている。即ち、第2特別図柄の保留記憶は第2特別図柄の変動が開始される毎に1個ずつ消化されるのに対し、勝利玉は第2特別図柄の変動が開始された時点では消化(減少)せず、例えばその第2特別図柄の変動後に利益状態(小当たり状態又は図柄当たりによる大当たり状態)が発生する毎に1個ずつ減少するようになっている。従って、第2特別保留個数は上限が4個であるのに対し、勝利玉数はそれよりも1個多い5個を上限としている。
なお上述したように、特別遊技状態中、第2特別図柄は大当たり態様と小当たり態様との何れかとなり、小当たり態様となった場合には、遊技者が右打ちをすればその小当たり状態で略確実にV入賞が得られて大当たり状態が発生する。従って本実施形態では、「勝利玉」の数だけ大当たり状態の発生が約束されているといえる。
本実施形態の特別遊技状態(開放延長状態)は、普通利益状態の発生回数(開放延長回数)が所定回数(1〜4回の何れか)に達した場合に終了するため(図10)、特別遊技演出では、普通利益状態の発生毎に、開放延長状態が継続するか否かに関する特別遊技継続演出を実行可能となっている。この特別遊技継続演出は、図22(b)→(c1),(c2)に示すように、例えば普通利益状態の終了後に設けられる普通利益状態終了インターバル期間中に実行される。この普通利益状態終了インターバル期間は、特別遊技継続演出を実行するに十分な時間(ここでは10秒程度)に設定されている。なお、特別遊技継続演出の前には、即ち例えば普通利益状態終了までは発射誘導報知手段28による右打ち誘導報知が行われる(図22(a))。
特別遊技継続演出には、特別遊技継続失敗演出と特別遊技継続成功演出との2種類があり、その特別遊技状態における最終の普通利益状態(例えば開放延長回数4回であれば4回目の普通利益状態)に対応して特別遊技継続失敗演出(図22(b)→(c2))が、最終以外の普通利益状態(例えば開放延長回数4回であれば1〜3回目の普通利益状態)に対応して特別遊技継続成功演出(図22(b)→(c1))が夫々実行されるようになっている。
特別遊技継続成功演出では、図22(b)に示すように、その普通利益状態で勝利玉を獲得したことを示す勝利玉増加演出が行われると共に、図22(c1)に示すように特別遊技状態が継続する旨の演出が行われるようになっている。勝利玉増加演出は、例えば「勝利玉1個獲得!」等の画像を表示することにより行われる。また、特別遊技継続失敗演出では、図22(b)に示すように同じく勝利玉増加演出が行われると共に、図22(c2)に示すように特別遊技状態が終了する旨の演出が行われるようになっている。特別遊技状態が終了する旨の演出では、例えばその特別遊技状態で獲得した勝利玉の総数、或いはその時点で保有している勝利玉の総数を、例えば「勝利玉合計3個獲得!」、「勝利玉残り3個」等の画像により表示することが望ましい。
勝利玉表示制御手段98は、勝利玉数を表示する勝利玉表示手段31の表示制御を行うもので、勝利玉が1個増加する毎に、勝利玉表示手段31により表示される勝利玉画像を1個追加し(例えば図22(a)→(b))、勝利玉が消化される毎に、勝利玉表示手段31により表示されている勝利玉画像を1個消去する(例えば図20(a))ようになっている。
続いて、遊技の流れとそれに伴う演出について、図23の流れ図等を参照しつつ説明する。本パチンコ機では、特別遊技状態中(開放延長状態中)以外の通常遊技状態中は、普通図柄始動手段19が遊技球を検出して普通図柄表示手段35が変動し、普通図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生しても、第2特別図柄の変動を開始させるための第2特別図柄始動手段21の開放時間(通常開放時間)は僅か(例えば0.2秒)であるため、普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをしても第2特別図柄始動手段21への入賞の可能性は極めて低い。一方、非作動式の入賞手段である第1特別図柄始動手段20は入賞の難易度が遊技状態によって変動することがなく、通常遊技状態中であっても安定的な入賞が期待できる。従って、通常遊技状態中からいきなり右流下経路34b側の普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをするのではなく、第1段階としてまずは特別遊技状態を発生させるべく、左打ちをして左流下経路34a側から第1特別図柄始動手段20への入賞を狙うべきである(図23(A1))。よって通常遊技状態中には所定のタイミングで左打ち誘導報知が行われ、発射誘導報知手段28により「←左を狙え」等の左打ち誘導画像が表示される(図18(a))。
遊技者が通常遊技状態中に左打ちをし(図23(A1))、その遊技球が左流下経路34aから例えばワープ入口39、ステージ41を経て中央落下部40から第1特別図柄始動手段20に入賞するか、又はステージ41等を経ることなく遊技釘等に案内されて第1特別図柄始動手段20に入賞すると(図23(A2))、その遊技球は遊技盤15の裏側に案内される際に遊技球検出手段20aによって検出され、それによって所定個数の賞球が上皿8に払い出されると共に、第1特別図柄表示手段37及び第1演出図柄表示手段26による第1特別図柄及び第1演出図柄の変動が行われる(図23(A3))。
その変動後に第1特別図柄が小当たり態様で停止した場合には第1小当たり状態が発生し(図23(A4a)→(A5a))、第1大入賞手段22が小当たり開放パターンαで開放する(図11(b))。しかしながら、この小当たり開放パターンαでの開放中(例えば1.5秒)に第1大入賞手段22に遊技球が入賞しても、その遊技球が特定振り分け手段57に達したときには特定振り分け手段57は特定案内状態となっているため(図13(a))、その遊技球が特定領域56aに案内されることはなく、よって大当たり状態が発生することはない。従って、この第1小当たり状態は右打ち期間ではあるものの、右打ちに誘導することで逆に遊技者の不利益になる虞があるため、図21(a)に示すように、第1小当たり状態中に行われる第1小当たり演出では発射誘導報知手段28による右打ち誘導報知は行われない。なお、第1小当たり状態中は発射誘導報知手段28による右打ち誘導報知は行われないが、第1右打ち報知手段101及び第2右打ち報知手段102による右打ち報知は行われる。第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知を行わなければ虚偽の報知となって遊技者に誤解を与える可能性がある一方、LED発光による右打ち報知は画像表示手段25への右打ち報知ほどは目立たないため、遊技者を不用意に右打ちに誘導することにはならないからである。
ここで、演出制御基板62により制御される第2右打ち報知手段102は、例えばエラー報知等で他の発光手段と共に全点灯、全消灯等となって本来の特定報知を行うことができない可能性があるのに対し、主制御基板61により制御される第1右打ち報知手段101は、演出制御基板62の制御下にないためにそのような影響を受けることなく安定的に特定報知を行うことができる。
また、このように第1小当たり状態中は発射誘導報知手段28による画像表示手段25上での右打ち誘導報知が行われないため、画像表示手段25上での右打ち誘導報知を行う第2小当たり状態中と比較して、図柄確定から第1大入賞手段22が開放するまでの小当たり開始インターバル期間を短くすることができ、次の図柄変動開始までの時間を極力短くすることができる。更に第1小当たり演出では、少なくとも第1大入賞手段22の開放期間が終了するまでは画像表示手段25に変動停止後の第1演出図柄が表示されず、しかも小当たり状態中である旨の報知も行われない。これにより、遊技者は一時的な右打ち期間である第1小当たり状態を意識することなく遊技を継続できる。従ってこの場合、遊技者は引き続き左打ちを行う(図23(A1))。
一方、第1特別図柄が大当たり態様で停止した場合には大当たり状態が発生し(図23(A4b)→(A5b))、大当たり態様の種類に応じて選択された3R,12Rの何れかの大当たり開放パターン(図11(a))に従って第2大入賞手段23が長時間開放する。従って、この場合には第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知が行われると共に、発射誘導報知手段28により「右を狙え→」等の右打ち誘導画像が表示される(図18(b))。そして、遊技者が右打ちをして開放中の第2大入賞手段23に遊技球が入賞すると、入賞1個あたり所定個数の賞球が上皿8に払い出されるため、遊技者は大量の賞球を容易に得ることができる。
図11(a)に示すように、その大当たり状態が3Rの場合にはその終了後に開放延長回数1回の特別遊技状態が発生する。また、その大当たり状態が12Rの場合には、約31%の確率で同じく開放延長回数1回の特別遊技状態が発生する。従って、第1特別図柄の変動に基づく12Rの大当たり状態中は、図19に示すように、例えば特別遊技状態が発生するか否かに関する第1特別遊技予告演出が実行され、特別遊技状態が発生する場合(大当たり態様A2の場合)には、例えば図19(a)→(b1)に示すようにモンスターを倒すことに成功する等、特別遊技状態が発生することを示す結果で終了し(第1特別遊技成功演出)、特別遊技状態が発生しない場合(大当たり態様A3の場合)には、例えば図19(a)→(b2)に示すようにモンスターを倒せずに終わる等、特別遊技状態が発生しないことを示す結果で終了する(第1特別遊技失敗演出)。
第1特別図柄の変動に基づく大当たり状態(図23(A5b))の終了後に特別遊技状態が発生しない場合(通常遊技状態が継続する場合)には、大当たり状態の終了と共に右打ち期間が終了するため、第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知が終了すると共に、例えば発射誘導報知手段28により「←左を狙え」等の左打ち誘導画像が表示され、遊技者は再び左打ちを開始する(図23(A1))。一方、第1特別図柄の変動に基づく大当たり状態(図23(A5b))の終了後に特別遊技状態(ここでは開放延長回数1回)が発生する場合には、特別遊技演出制御手段97等による特別遊技演出、即ち勝利玉の獲得演出が開始される。
この特別遊技演出では、遊技者に普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをさせるべく、まず発射誘導報知手段28による右打ち誘導報知が行われる(図22(a))。もちろん、この特別遊技状態中は右打ち期間であるため、第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知はその特別遊技状態の開始から終了まで継続的に行われる。そして、遊技者が右打ちをし(図23(B1))、その遊技球が普通図柄始動手段19を通過すると(図23(B2))、普通図柄が変動する(図23(B3))。普通図柄は極めて高い確率で当たり態様となり、普通利益状態が発生して第2特別図柄始動手段21が開放する(図23(B4))。この普通利益状態は、上限開放時間(ここでは延長開放時間である5.4秒)が経過するか(時間終了条件)、第2特別図柄始動手段21に遊技球が1個入賞したとき(入球終了条件)に終了する。従って、遊技者が右打ちを継続すれば、普通利益状態中に1個の遊技球を高い確率で第2特別図柄始動手段21に入賞させることができる。そして、第2特別図柄始動手段21に遊技球が入賞すると、勝利玉が1個増加し、勝利玉表示手段31により表示される勝利玉画像が1個追加される(例えば図22(a)→(b))。
なお、図23(A5b)に示す大当たり状態中に変動を開始した普通図柄が、その大当たり状態が終了して特別遊技状態が開始した後(例えば図23(B1)の時点)に停止・確定する場合がある。このような場合、普通利益状態における開放時間の決定を、例えば普通図柄の変動開始時に行うこととすると、図15(a)に示すように、変動開始時の遊技状態である通常遊技状態に対応する通常開放時間(0.2秒)が選択される。この場合、大当たり状態終了後に例えば開放延長回数1回の特別遊技状態が発生しても、通常開放時間(0.2秒)の普通利益状態が1回発生した時点で特別遊技状態は終了してしまうため、遊技者は勝利玉を獲得することができない。
これに対し本実施形態の場合には、普通利益状態における開放時間の決定を、普通図柄の変動開始時ではなく変動終了時(確定時)に行うため(図14)、図15(b)に示すように、変動終了時の遊技状態である特別遊技状態に対応する延長開放時間(5.4秒)が選択される。この場合、大当たり状態終了後に例えば開放延長回数1回の特別遊技状態が発生すると、延長開放時間(5.4秒)の普通利益状態を1回発生させることができるため、遊技者は勝利玉を1個獲得することが可能である。
普通利益状態が終了すると、普通利益状態終了インターバル時間(例えば10秒)が開始され、その期間中に、開放延長状態が継続するか否かに関する特別遊技継続演出(図22(b)→(c1),(c2))が実行される。即ち、その特別遊技状態における最終の普通利益状態(例えば開放延長回数4回であれば4回目の普通利益状態)の場合には、例えば図22(b)→(c2)に示すように、その普通利益状態で勝利玉を獲得したことを示す演出と共に特別遊技状態が終了する旨の演出(特別遊技継続失敗演出)が行われ、最終以外の普通利益状態(例えば開放延長回数4回であれば1〜3回目の普通利益状態)の場合には、例えば図22(b)→(c1)に示すように、その普通利益状態で勝利玉を獲得したことを示す演出と共に特別遊技状態が継続する旨の演出(特別遊技継続成功演出)が行われる。
特別遊技状態は開放延長回数1〜4回の何れかに設定されているため、普通利益状態が1〜4回の何れかだけ発生した時点、即ち図23(B1)〜(B5)のサイクルが1〜4回の何れかだけ繰り返された時点で終了し、その間に遊技者は1〜4個の何れかの勝利玉を獲得することが可能である。なお、本実施形態では普通図柄の変動について保留記憶が行われないため、右打ち誘導報知の後、図23(B1)から(B5)までを一連の流れでスムーズに行うことができ、遊技性が向上する利点がある。
特別遊技状態が開始された後の最初の普通利益状態中に第2特別図柄始動手段21に遊技球が入賞すると、その時点で第1特別図柄が変動中であればその第1特別図柄の変動終了後に、第1特別図柄が変動中でなければその時点で、第2特別図柄の変動が開始される(図23(B6))。この第2特別図柄の変動時間は、その特別遊技状態における開放延長回数が多いほど長くなるように、例えば図16,図17に示すように選択されるため、図23(B1)〜(B5)のサイクルが1〜4回の何れかだけ繰り返されて特別遊技状態が終了するまではその第2特別図柄の変動が継続し、特別遊技状態の終了後の適当なタイミングで、小当たり態様(確率198/199)又は大当たり態様(確率1/199)で停止する。
特別遊技状態が終了すると、それまでに獲得した勝利玉の消化遊技が行われる。即ち、第2特別図柄が小当たり態様で停止した場合には(図23(B7a))、勝利玉を1個消化して第2小当たり状態(図23(B8))が発生する。
この第2小当たり状態では第1大入賞手段22が小当たり開放パターンβで開放し(図12(b))、特別遊技演出表示手段30により図20(a),図21(b)に示すような第2小当たり演出が行われる。この小当たり開放パターンβは実質的な開放時間が非常に長く、しかもその開放中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球は略確実に特定領域56aに案内される(V入賞)ため、遊技者が右打ちを継続すれば略確実に12Rの大当たり状態(図23(B10))を発生させることが可能である。従ってこの第2小当たり状態中には、第1小当たり状態以外の右打ち期間と同様、第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知だけでなく、発射誘導報知手段28による画像表示手段25上での右打ち誘導報知も行われる。なお、第2特別図柄が大当たり態様となった場合(図23(B7b))にも、勝利玉を1個消化して同じく12Rの大当たり状態(図23(B10))が発生する。このように、遊技者は勝利玉1個につき大当たり状態を1回発生させることが可能である。
この大当たり状態(図23(B10))の終了後には、それが図柄当たりによる大当たり状態の場合には開放延長回数3回又は4回の特別遊技状態が100%の確率で発生し(図12(a))、V入賞による大当たり状態の場合には、小当たり態様に応じて開放延長回数1〜4回の特別遊技状態が50%の確率で発生する(図12(b))。特別遊技状態が発生すると、再び図23(B1)に戻るため、その開放延長回数分だけ勝利玉の上乗せが可能である(但し5個上限)。
一方、特別遊技状態が発生しない場合(小当たり態様b1の場合)には、その時点で勝利玉が残っていれば、その勝利玉を消化するべく、第2特別図柄が変動し(図23(B11))、その停止図柄態様に応じた処理(図23(B7a),(B7b)〜)が繰り返されるが、勝利玉が残っていない場合には、図23(A1)の左打ち遊技に復帰する。このように、勝利玉を全て消化するまでに特別遊技状態を発生させれば勝利玉を更に上乗せすることが可能であり、勝利玉を多く貯めればそれだけ遊技者の有利な状態を長期間継続することが可能である。
なお、例えば第2特別図柄の変動に基づく大当たり状態(図23(B10))が発生した場合には、例えば図20(b)に示すような第2特別遊技予告演出が実行され、特別遊技状態が発生する場合(小当たり態様b2〜b5の場合)には図20(c1)に示すような第2特別遊技成功演出が、特別遊技状態が発生しない場合(小当たり態様b1の場合)には図20(c2)に示すような第2特別遊技失敗演出が夫々実行される。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、発射手段により発射されて遊技領域17に入った遊技球が遊技領域17内の左側の左流下経路(第1流下経路)34aと右側の右流下経路(第2流下経路)34bとの何れかを流下するように構成され、左流下経路34aを流下してきた遊技球を右流下経路34bを流下してきた遊技球よりも高い確率で検出可能な第1特別図柄始動手段(第1始動手段)20と、第1特別図柄始動手段20による遊技球の検出に基づいて第1特別図柄(第1図柄)を変動表示可能な第1特別図柄表示手段(第1図柄表示手段)37と、第2特別図柄始動手段(第2始動手段)21による遊技球の検出に基づいて第2特別図柄(第2図柄)を変動表示可能な第2特別図柄表示手段(第2図柄表示手段)38と、右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも高い確率で入球可能に配置され且つ遊技球が入球可能な開状態と開状態よりも入球困難又は入球不可能な閉状態とに変化可能な第1大入賞手段(特定入球手段)22と、第1大入賞手段22に入球した遊技球を特定領域56aとそれ以外の領域56bとに振り分ける特定振り分け手段(振り分け手段)57と、第1特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様(第1所定態様)となった場合に第1大入賞手段22が開状態となる第1小当たり状態(第1所定利益状態)を発生させる小当たり状態発生手段(第1所定利益状態発生手段)86と、第2特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様(第2所定態様)となった場合に第1大入賞手段22が開状態となる第2小当たり状態(第2所定利益状態)を発生させる小当たり状態発生手段(第2所定利益状態発生手段)86と、第1大入賞手段22に入球した遊技球が特定領域56aに案内された場合に大当たり状態(特定利益状態)を発生させる大当り状態発生手段(特定利益状態発生手段)87と、第1,第2小当たり状態を含む右打ち期間(特定遊技期間)中である旨の右打ち報知(特定報知)を実行可能な特定報知手段101,102,28とを備え、第1小当たり状態の発生に基づいて遊技者が得られる利益の期待値よりも第2小当たり状態の発生に基づいて遊技者が得られる利益の期待値の方が大きく、第1小当たり状態中よりも第2小当たり状態中の方が、作動する特定報知手段101,102,28の数が多いため、遊技者に誤解を与えない範囲で、右打ち報知(特定報知)によって遊技者を不利益に誘導することを極力防止できる。
また、特定報知手段101,102,28は、画像表示手段25による画像表示により右打ち報知(特定報知)を行う発射誘導報知手段(画像報知手段)28を含み、第1特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様(第1所定態様)となった場合に発生する第1小当たり状態(第1所定利益状態)中は、第1大入賞手段(特定入球手段)22に入球した遊技球が特定領域56aに案内される確率が略0%であり、第1小当たり状態中に作動する特定報知手段101,102は発射誘導報知手段28を含まないように構成されているため、右打ち報知(特定報知)によって遊技者を不利益に誘導することを極力防止できる
また本実施形態のパチンコ機は、遊技球が入球可能な開状態と入球不可能な閉状態とに変化可能に構成され且つ入球した遊技球を特定領域56aとそれ以外の領域56bとに振り分ける第1大入賞手段(特定入球手段)22と、遊技球が入球可能な第1状態と入球不可能な第2状態とに変化可能に構成された第2特別図柄始動手段(可変始動手段)21と、普通図柄始動手段(普通始動手段)19が遊技球を検出することに基づいて、第2特別図柄始動手段21が第1状態に変化する普通利益状態を発生可能な普通利益状態発生手段75と、第2特別図柄始動手段21への遊技球の入球に基づいて第2特別図柄(特別図柄)を変動表示可能な第2特別図柄表示手段(特別図柄表示手段)38と、第2特別図柄表示手段38による変動後の停止図柄が大当たり態様(第1特定態様)となった場合に大当たり状態(第1利益状態)を発生させる大当たり状態発生手段(第1利益状態発生手段)87と、第2特別図柄表示手段38による変動後の停止図柄が小当たり態様(第2特定態様)となった場合に、第1大入賞手段22が所定時間開状態となる小当たり状態(第2利益状態)を発生させる小当たり状態発生手段(第2利益状態発生手段)86と第1大入賞手段22に入球した遊技球が特定領域56aに案内された場合に大当たり状態(第3利益状態)を発生させる大当たり状態発生手段(第3利益状態発生手段)87と、大当たり状態(第1利益状態,第3利益状態)の終了後に特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段88とを備え、第2特別図柄表示手段38による第2特別図柄変動中と小当たり状態中、大当たり状態中とを含む特別変動不可期間(第1期間)中に第2特別図柄始動手段21に遊技球が入球した場合には、所定保留上限数を限度として第2特別図柄表示手段38による図柄変動を保留すると共に、特別変動不可期間が終了する毎に保留された図柄変動を消化し、特別遊技状態中は、それ以外の通常遊技状態中に比べて、普通利益状態で第2特別図柄始動手段21が第1状態となる時間が長くなる遊技機において、特別遊技状態の開始後、普通利益状態の発生回数が所定回数に達した場合に特別遊技状態を終了するように構成されている。
また、普通利益状態の開始後、第2特別図柄始動手段21への遊技球の入球個数が所定個数、例えば1個に達したときに普通利益状態を終了するようになっている。またその所定回数を、所定上限回数を上限とする複数種類の中から抽選により決定し、所定上限回数を所定保留上限数以上としている。
また、普通図柄始動手段19が遊技球を検出することに基づいて普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示手段35を備え、普通利益状態発生手段75は、普通図柄表示手段35による変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となった場合に普通利益状態を発生させるように構成され、普通図柄表示手段35による普通図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通変動不可期間(第2期間)中に普通図柄始動手段19が遊技球を検出した場合には、その検出に基づく普通図柄表示手段35による図柄変動は保留せず、普通変動不可期間が終了しても実行しないようになっている。また、特別遊技状態中は、第2特別図柄表示手段38による変動後の停止図柄が大当たり態様と小当たり態様との何れかになる確率を100%としている。
また、第2特別図柄始動手段21は、入球口43と、この入球口43を第1状態とする開放状態と第2状態とする閉鎖状態とに変化可能な開閉手段44と、遊技球を入球口43に向けて案内する案内状態と案内しない非案内状態とに変化可能な入球案内手段45と、入球口43に入球した遊技球を検出する遊技球検出手段(入球検出手段)21aとを備え、普通利益状態が開始されたときに、開閉手段44を閉鎖状態から開放状態に、入球案内手段45を非案内状態から案内状態に夫々変化させ、普通利益状態中に遊技球検出手段21aが例えば1個の遊技球を検出した時点で、開閉手段44を開放状態から閉鎖状態に変化させて普通利益状態を終了させるように構成されている。
また、普通利益状態中は、入球案内手段45を所定のパターンに従って案内状態と非案内状態とに変化させ、普通利益状態中に遊技球検出手段21aが1個(所定個数)の遊技球を検出した時点で入球案内手段45が案内状態の場合には入球案内手段45を非案内状態に変化させるようになっている。その遊技球検出手段21aは入球口43の下流側近傍に配置されている。
また、入球口43を略横向きに配置し、入球案内手段45は、入球口43側が低い傾斜状に形成された案内部材45aを備え、案内状態のときには案内部材45aが遊技領域17内に突出してその上に乗った遊技球を入球口43に案内し、非案内状態のときには案内部材45aが遊技領域17から退避するように構成されている。このとき、案内部材45aは、案内状態と非案内状態との間で略前後方向にスライド移動可能である。
また、開閉手段44は、入球口43における遊技球の入球方向に対して略直交する方向に移動する開閉部材44aを備え、閉鎖状態のときには開閉部材44aが入球口43側に突出して入球口43への遊技球の入球を阻止し、開放状態のときには入球口43から退避して入球口43への遊技球の入球を許容するようになっている。
また、第2特別図柄始動手段21の上流側に、流下してきた遊技球を第2特別図柄始動手段21側の第1方向を含む複数方向に、少なくとも第1方向への振り分けが連続しないように規則的に振り分ける始動振り分け手段46を配置している。
また、特定入球手段22は、略上向きに開口する特定入球口52と、特定入球口52の上側に配置され且つ開状態と閉状態とに変化可能な特定開閉部材51とを備え、特定開閉部材51は、閉状態のときには左右方向に傾斜した状態で遊技領域17内に位置することにより、特定入球口52への遊技球の入球を阻止すると共にその上に乗った遊技球を左右方向の一方側に案内し、開状態のときには遊技領域17から退避して、特定入球口52への遊技球の入球を許容すると共にその上側に乗っていた遊技球を下側に落下させるように構成されている。また特定開閉部材51は、閉状態と開状態との間で略前後方向にスライド移動可能となっている。
また、小当たり状態中に、開状態の合計時間が所定上限時間を超えない範囲で、特定開閉部材51が開状態と閉状態とを連続的に複数回繰り返す連続開閉動作を行うようになっている。そして、特定入球口52に入球した遊技球を特定領域56aに案内する特定案内状態とそれ以外の通常案内状態とに変化可能な特定振り分け手段57を備え、連続開閉動作の期間に対応して、特定振り分け手段57を特定案内状態とするようになっている。更に、特定開閉部材51の上側に、特定開閉部材51に沿う方向の遊技球の移動速度を抑制する速度抑制手段53を設けている。
また、特別遊技状態の開始後、普通利益状態の発生回数が、複数種類の中から選択された所定回数に達することを条件に特別遊技状態を終了し、特別遊技状態中に第2特別図柄の変動を開始する場合に、その変動時間を所定回数に応じて決定するように構成されている。
また、特別遊技状態中に、小当たり態様となる第2特別図柄の変動を開始する場合の変動時間が、所定回数が多いほど長くなっている。そして、特別遊技状態中に、小当たり態様となる第2特別図柄の変動を開始する場合の変動時間が、普通利益状態が所定回数発生するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。また、特別遊技状態中に、小当たり態様となる第2特別図柄の変動を開始する場合の変動時間と所定回数とが1:1で対応するように予め設定されている。
また、特別遊技状態の開始後、普通利益状態の発生回数が所定回数に達した場合に特別遊技状態を終了し、普通利益状態が終了した後、所定インターバル期間を経て普通図柄表示手段35による普通図柄変動が可能となるように構成し、所定インターバル期間中に、特別遊技状態が継続するか否かに関する演出を実行するように構成されている。
また、所定インターバル期間中に、普通利益状態中における第2特別図柄始動手段21への遊技球の入球に関する演出を実行するようになっている。
また、普通利益状態を発生させるか否かは普通図柄の変動開始時に決定し、普通利益状態における第2特別図柄始動手段21の変化パターンを、普通図柄の変動終了時における遊技状態に基づいて決定するようになっている。
また、特別遊技状態中に第2特別図柄変動の保留記憶を蓄積可能とし、特別遊技状態が終了することを条件に、その保留記憶に基づく利益状態を順次発生させるようになっている。また、特別遊技状態中は、その特別遊技状態中に開始された第2特別図柄表示手段38による図柄変動を終了させないことにより、特別図柄変動の保留記憶を蓄積可能となっている。そして、特別遊技状態の終了後に、その特別遊技状態中に開始された第2特別図柄表示手段38による図柄変動を終了させると共にその図柄変動結果に対応する利益状態を発生可能となっている。更に、その利益状態の終了後に所定の確率で特別遊技状態に移行して保留記憶を上乗せ可能となっている。
図24〜図29は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、特別遊技状態(開放延長状態)を、第1,第2特別図柄表示手段37,38の何れかが1回変動した場合に終了させるように構成した例を示している。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図25に示すように、本実施形態では、特別遊技状態(開放延長状態)の終了条件として、次の大当たり状態の発生を内容とする基本終了条件の他に、第1,第2特別図柄表示手段37,38の何れかが1回変動することを内容とする第1終了条件を設けている。なお、本実施形態では普通利益状態の発生回数が所定回数に達することを内容とする第2終了条件は設けていない。
このように本実施形態では、例えば第1特別図柄表示手段37の変動に基づく大当たり状態の終了後に特別遊技状態(開放延長状態)が発生しても、第1,第2特別図柄表示手段37,38の何れかが1回変動した時点でその特別遊技状態は終了してしまうため、第1,第2特別図柄表示手段37,38の変動時間が短ければ勝利玉を十分に貯めることができない。そこで本実施形態では、特別遊技状態中における第1特別図柄表示手段37の変動時間を十分に長い所定時間、例えば100秒に設定している。
ここで、第1の実施形態では勝利玉と第2特別図柄の保留記憶とはその概念が若干異なっていたが、本実施形態の勝利玉は第2特別図柄の保留記憶と同一の概念である。また、第1の実施形態と同様、第1特別図柄と第2特別図柄とで共に保留記憶が1個以上存在する場合には、第2特別図柄の保留記憶が優先的に消化される。
なお本実施形態では、図28に示すように、第1特別図柄表示手段37による第1特別図柄の変動を開始させるための始動手段として、右打ちよりも左打ちの場合に入賞可能性が高い第1特別図柄始動手段20に加えて、左打ちよりも右打ちの場合に入賞可能性が高い第1特別図柄始動手段20′を設けている。第1特別図柄始動手段20′は、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段20a′を備え、例えば右流下経路34bにおける第1大入賞手段22の上流側に配置されている。
これにより、第1特別図柄表示手段37の変動に基づく大当たり状態中に遊技者が右打ちをしている間に、第1特別図柄始動手段20′に遊技球が入賞して第1特別図柄表示手段37の保留記憶が貯まる可能性が高いため、その後の特別遊技状態の開始時には高い確率で第1特別図柄表示手段37による図柄変動(100秒)が行われ、その図柄変動が終了したときに特別遊技状態は終了する。
特別遊技状態中は第2特別図柄始動手段21の開放時間が通常開放時間(例えば0.2秒)から延長開放時間(例えば5.4秒)になるため、遊技者が普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをし、普通利益状態中に第2特別図柄始動手段21に遊技球を入賞させることにより、その入賞個数分(但し例えば4個上限)の勝利玉を獲得することができる。
ここで、本実施形態では特別遊技状態が所定時間(100秒)で終了するため、その時間内に獲得される勝利玉の数が0個を含む適当な範囲内となるよう、例えば普通図柄表示手段35による当たり確率を適切な値(1/20,1/15等)に設定する必要がある。なお本実施形態では、図24に示すように、普通利益状態の終了条件として所定個数の入球を内容とする入球終了条件を設定していないが、第1の実施形態と同様に入球終了条件を設定してもよい。
また、本実施形態の場合には1回の普通利益状態中に第2特別図柄始動手段21に入賞する遊技球の個数を制限する必要がないため、例えば始動振り分け手段46を設ける必要はない。また、第2特別図柄始動手段21の構成も任意である。
本実施形態では、第1特別図柄表示手段37に関しては図26に示す3種類の大当たり態様A1〜A3を設けており、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合(例えば大当たり確率1/199)には、例えば大当たり判定乱数値と共に取得された大当たり図柄乱数値に基づいて大当たり態様A1〜A3のうちの何れかが図26に示す選択率で選択されるようになっている。なお、第1特別図柄表示手段37が小当たり態様となる確率は0%としている。もちろん、第1特別図柄表示手段37が小当たり態様となる確率を0%よりも大きな値に設定してもよい。この場合、第1の実施形態と同様、例えば小当たり開放パターンα(図13(a))による小当たり状態、即ち第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域56aに案内される確率を0%とした小当たり状態を発生させてもよい。
大当たり態様A1の場合には3Rの大当たり状態が発生し、その後に特別遊技状態が発生する。大当たり態様A2,A3の場合には12Rの大当たり状態が発生し、大当たり態様A2の場合には特別遊技状態が発生し、大当たり態様A3の場合には特別遊技状態は発生しないようになっている。
また、第2特別図柄表示手段38に関しては図27(a)に示す1種類の大当たり態様B1と、図27(b)に示す1種類の小当たり態様b1とを設けており、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合には大当たり態様B1が、一致しなかった場合には小当たり態様b1が夫々選択されるようになっている。もちろん、第2特別図柄表示手段38が外れ態様となる場合があってもよい。
大当たり態様B1の場合には12Rの大当たり状態が発生し、その後に特別遊技状態が発生する。小当たり態様b1の場合には小当たり開放パターンβ(図13(b))による小当たり状態が発生し、更にV入賞により12Rの大当たり状態が発生し、その後に特別遊技状態が発生する。
続いて、本実施形態における遊技の流れについて、図29の流れ図等を参照しつつ説明する。本実施形態のパチンコ機では、第1の実施形態と同様、特別遊技状態中(開放延長状態中)以外の通常遊技状態中は、普通図柄始動手段19が遊技球を検出して普通図柄表示手段35が変動し、普通図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生しても、第2特別図柄の変動を開始させるための第2特別図柄始動手段21の開放時間(通常開放時間)は僅か(例えば0.2秒)であって入賞は殆ど期待できない。そこで、遊技者は例えばまず左打ちをして第1特別図柄始動手段20への入賞を狙うべきである。なお、本実施形態の場合は右流下経路34b側にも第1特別図柄始動手段20′が配置されているが(図28)、右打ちにより第1特別図柄始動手段20′に入賞する確率よりも左打ちにより第1特別図柄始動手段20に入賞する確率の方が高いものとする。よって通常遊技状態中には所定のタイミングで左打ち誘導報知が行われ、発射誘導報知手段28により「←左を狙え」等の左打ち誘導画像が表示される(図18(a))。
遊技者が通常遊技状態中に左打ちをし(図29(A1))、その遊技球が左流下経路34aから例えばワープ入口39、ステージ41を経て中央落下部40から第1特別図柄始動手段20に入賞するか、又はステージ41等を経ることなく遊技釘等に案内されて第1特別図柄始動手段20に入賞すると(図29(A2))、その遊技球は遊技盤15の裏側に案内される際に遊技球検出手段20aによって検出され、それによって所定個数の賞球が上皿8に払い出されると共に、第1特別図柄表示手段37による第1特別図柄の変動が行われる(図29(A3))。
第1特別図柄が外れ態様となった場合には遊技者はそのまま左打ち(図29(A1))を継続する。一方、第1特別図柄が大当たり態様となった場合には大当たり状態が発生し(図29(A4)→(A5))、大当たり態様の種類に応じて選択された3R,12Rの何れかの大当たり開放パターン(図26)に従って第2大入賞手段23が長時間開放する。従って、第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知が行われると共に、発射誘導報知手段28により「右を狙え→」等の右打ち誘導画像が表示される(図18(b))。そして、遊技者が右打ちをして開放中の第2大入賞手段23に遊技球が入賞すると、入賞1個あたり所定個数の賞球が上皿8に払い出されるため、遊技者は大量の賞球を容易に得ることができる。
なお、本実施形態では第1特別図柄表示手段37が小当たり態様となる確率を0%としているため、第1小当たり状態が発生することはないが、第1の実施形態と同様、例えば小当たり開放パターンα(図13(a))による第1小当たり状態を発生可能としてもよい。この場合、第1小当たり状態は右打ち期間ではあるものの、右打ちに誘導することで逆に遊技者の不利益になる虞があるため、この第1小当たり状態中は発射誘導報知手段28による画像表示手段25上での右打ち誘導報知を行わないことが望ましい。なおその場合も第1右打ち報知手段101及び第2右打ち報知手段102による右打ち報知は行うことが望ましい。第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知を行わなければ虚偽の報知となって遊技者に誤解を与える可能性がある一方、LED発光による右打ち報知は画像表示手段25への右打ち誘導報知ほどは目立たないため、遊技者を不用意に右打ちに誘導することにはならないからである。
図26に示すように、第1特別図柄が大当たり態様となることに基づく大当たり状態の終了後には67.5%の確率で特別遊技状態(開放延長状態)が発生する。特別遊技状態が発生しない場合(通常遊技状態が継続する場合)には、大当たり状態の終了と共に右打ち期間が終了するため、第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知が終了すると共に、例えば発射誘導報知手段28により「←左を狙え」等の左打ち誘導画像が表示され、遊技者は再び左打ちを開始する(図29(A1))。一方、特別遊技状態が発生した場合には、その時点の第1特別図柄の保留記憶に基づいて、第1特別図柄の変動が開始される(図29(B1))。特別遊技状態中の第1特別図柄の変動時間は例えば100秒に設定されている。
特別遊技状態(開放延長状態)は、この第1特別図柄の100秒の変動が終了した時点で終了するため、遊技者はこの特別遊技状態中に勝利玉(第2特別図柄の保留記憶)をなるべく多く貯めるべく、右打ちを継続する(図29(B2))。遊技者が右打ちをし(図29(B2))、その遊技球が普通図柄始動手段19を通過すると(図29(B3))、普通図柄が変動する(図29(B4))。普通図柄は1/15,1/20等の所定の確率で当たり態様となり、普通利益状態が発生して第2特別図柄始動手段21が開放する(図29(B5))。この普通利益状態は、延長開放時間である例えば5.4秒が経過したときに終了するため、遊技者が右打ちを継続すれば、普通利益状態中に遊技球を高い確率で第2特別図柄始動手段21に入賞させることができる。第2特別図柄始動手段21に遊技球が入賞すれば勝利玉(第2特別図柄の保留記憶)が1個増加する。もちろん、普通図柄が外れ態様となった場合には普通利益状態は発生しないため、当たりを引いて普通利益状態を発生させなければ勝利玉を獲得することはできない。
図29(B2)〜(B5)のループは、第1特別図柄の変動(例えば100秒)が終了するまで繰り返され、遊技者はその間に0〜4個の範囲で勝利玉を獲得することができる。
第1特別図柄の変動開始から例えば100秒が経過してその変動が終了すると(図29(B6))、特別遊技状態(開放延長状態)は終了する。第1特別図柄が外れ態様となった場合には、その時点で勝利玉が0個(第2特別保留個数が0)であれば、第1特別図柄の保留記憶を消化して第1特別図柄の変動が行われる(図29(A3))。
勝利玉が1個以上であれば、その勝利玉を1個消化して第2特別図柄が変動する(図29(B7))。そして、第2特別図柄が小当たり態様で停止した場合には(図29(B8a))、小当たり状態(図29(B9))が発生する。この小当たり状態では第1大入賞手段22が例えば小当たり開放パターンβ(図13(b))で開放する。この小当たり開放パターンβは実質的な開放時間が非常に長く、しかもその開放中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球は略確実に特定領域56aに案内される(V入賞)ため、遊技者が右打ちを継続すれば略確実に12Rの大当たり状態(図29(B11))を発生させることが可能である。従ってこの第2小当たり状態中には、第1小当たり状態以外の右打ち期間と同様、第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102による右打ち報知だけでなく、発射誘導報知手段28による画像表示手段25上での右打ち誘導報知も行われる。なお、第2特別図柄が大当たり態様となった場合(図29(B8b))にも同じく12Rの大当たり状態(図29(B11))が発生する。このように、遊技者は勝利玉1個につき大当たり状態を1回発生させることが可能である。
この大当たり状態の終了後には例えば100%の確率で特別遊技状態が発生する(図27)。そして、大当たり状態(図29(B11))が終了した時点で勝利玉が1個以上存在する場合は、その勝利玉を消化しつつ図29(B7)に示す第2特別図柄の変動以降の処理が繰り返される。なお、この場合も特別遊技状態は発生するが、第2特別図柄の変動時間は非常に短く、その変動終了によって特別遊技状態は終了するため、勝利玉を獲得することは実質的に不可能である。従って、例えば100秒間の特別遊技状態中に獲得した勝利玉は、その特別遊技状態の終了後に全て消化され、途中で上乗せすることはできない。
一方、大当たり状態(図29(B11))が終了した時点で勝利玉が0個の場合、即ち手持ちの勝利玉を全て消化した場合には、特別遊技状態が発生すると共に、その時点の第1特別図柄の保留記憶に基づいて第1特別図柄の変動(例えば100秒)が開始され(図29(B1))、再び勝利玉を獲得可能となる。なお、図29(B1)の第1特別図柄の変動を行うためには、その時点で第1特別図柄の保留記憶が存在する必要があるが、本実施形態の場合、右流下経路34b側に第1特別図柄始動手段20′が配置されており、右打ちが行われている間も第1特別図柄の保留記憶が貯まるため、図29(B1)の時点で第1特別図柄の保留記憶が存在しないということは極めて稀である。
以上のように、本実施形態のパチンコ機は、第1の実施形態のパチンコ機と同様、特別遊技状態中に特別図柄変動の保留記憶を蓄積可能とし、特別遊技状態が終了することを条件に、保留記憶に基づく利益状態を順次発生させるようになっている。
なお、以上の第2の実施形態の説明では、特別遊技状態が発生したときに常に第1特別図柄に関する保留記憶が1以上存在することを前提としたが、特別遊技状態が発生したときにゴト行為、その他の何らかの原因で第1特別図柄に関する保留記憶が0のときは次のような問題が生じる。即ち、そのような状況では第1特別図柄の変動(例えば100秒)が開始されないため、遊技者が右打ちをすることにより普通利益状態が発生して第2特別図柄始動手段21に遊技球が入賞すると、遊技者は勝利玉(第2特別保留個数)を1個獲得できるが、その時点でその勝利玉を使用して第2特別図柄の変動が行われ、それによって特別遊技状態は終了する。そして、その変動後に図柄当たり又はV入賞による大当たり状態が発生し、遊技者は大きな利益を獲得できる。また、その大当たり状態終了後には特別遊技状態が発生するため、以上の特別遊技状態発生→右打ち→第2特別図柄変動→特別遊技状態終了→大当たり状態発生→特別遊技状態発生→…のサイクルが無限に繰り返される可能性がある。
その点、第1の実施形態の場合には、特別遊技状態の終了条件としての開放延長回数を抽選によって決定しており、第1特別図柄の保留記憶の有無は無関係であるため、上記のような不都合は生じ得ない。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1小当たり状態(第1所定利益状態)中は第1右打ち報知手段101を作動させて第2右打ち報知手段102と発射誘導報知手段28とを作動させず、第1小当たり状態以外の右打ち期間(特定期間)中は第1右打ち報知手段101,第2右打ち報知手段102及び発射誘導報知手段28を作動させる等、第1小当たり状態(第1所定利益状態)とそれ以外の右打ち期間(特定期間)とで発光報知手段の作動数を異ならせてもよい。
実施形態では所定発光手段の発光により右打ち報知を行う発光報知手段として、主制御基板61により発光制御を行う第1右打ち報知手段101と、演出制御基板62により発光制御を行う第2右打ち報知手段102とを設けたが、それらのうちの何れか一方、例えば主制御基板61により発光制御を行う第1右打ち報知手段101を設け、他方は設けなくてもよい。この場合、第1小当たり状態(第1所定利益状態)以外の右打ち期間(特定期間)中に右打ち報知(特定報知)を行う特定報知手段の数は2つ、第1小当たり状態中に右打ち報知を行う特定報知手段の数は1つとなる。
また、特定報知手段として発射誘導報知手段28等の画像報知手段のみを設け、第1右打ち報知手段101等の発光報知手段は設けなくてもよい。この場合、第1小当たり状態(第1所定利益状態)以外の右打ち期間(特定期間)中に右打ち報知(特定報知)を行う特定報知手段の数は1つ、第1小当たり状態中に右打ち報知を行う特定報知手段の数は0となる。
遊技領域17内の配置は左右逆であってもよい。即ち、右流下経路34bを第1流下経路、左流下経路34aを第2流下経路として、小当たり状態、大当り状態、特別遊技状態が左打ち期間、それ以外の期間が右打ち期間となるように遊技領域17内を配置し、左打ち期間中に左打ち報知(特定報知)を行うようにしてもよい。
第1小当たり状態(第1所定利益状態)中に第1大入賞手段(特定入球手段)22に入球した遊技球が特定領域56aに案内される確率は0%に近い極めて低い値であればよく、完全に0%でなくてもよい。
報知内容表示部102bは、特定報知の内容を示すものであればよく、「右打ち」、「R」等の文字の他、「→」等の記号でもよい。もちろん、特定報知が左打ち報知の場合には、報知内容表示部の表示は「左」、「左打ち」、「L」、「←」等となる。また、第1右打ち報知手段101又はその近傍に報知内容表示部を設けてもよい。また、第1右打ち報知手段101、第2右打ち報知手段102等の発光報知手段の配置位置は任意であり、中央表示ユニット18以外の遊技盤15上等に配置してもよい。
実施形態では第2特別図柄が大当たり態様と小当たり態様との何れかになる確率を100%としたが、これに限られず、小当たり態様となる確率が遊技者にとって十分に高ければよい。
実施形態では、第1特別図柄が小当たり態様となった場合の小当たり状態では、V入賞の可能性が0の小当たり開放パターンαのみが選択されるように構成したが、この場合の小当たり状態でもV入賞の可能性のある小当たり開放パターンを選択可能としてもよい。なお、第1特別図柄が小当たり態様となる確率を0としてもよい。
普通利益状態中における第2特別図柄始動手段21への入賞個数の最大値(入球終了条件)を2個以上に設定してもよい。また、特別遊技状態の第2終了条件を、第2特別図柄始動手段21への遊技球の入賞個数で規定してもよい。
実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄のうちの第2特別図柄を優先して1つずつ変動させる優先変動方式を採用したが、第1特別図柄と第2特別図柄とが始動手段への入賞順に変動する入賞順変動方式、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して変動可能な並行変動方式を採用してもよい。
また本発明は、いわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に限らず、それ以外のパチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。