JP6731768B2 - マスク - Google Patents

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Description

本発明は、マスクに関する。
マスクは、細菌、ウィルス、埃、花粉などが呼吸に伴って着用者の体内に入るのを防いだり、逆に着用者の口、鼻からの分泌物を周囲に飛散させるのを防いだりするために広く用いられている。この際マスクに求められる機能は、有害物を遮断する機能である。
一方で、マスク自体に有効成分を保持させて、着用者に効能を与える目的で着用するタイプのマスクも知られている。例えば特許文献1(特開2015−123197)及び特許文献2(特開2007−319421)では、睡眠中の着用者の口腔または鼻腔の乾燥の防止を目的として、保水層をマスク中に構成するマスクが開示されている。
また、マスク本体を構成する不織布に対してフッ素系化合物等により撥液加工を施した例として、特許文献3(特表2001−501842)、特許文献4(特開2009−118960)、特許文献5(特開2011−72479)、及び特許文献6(特開2013−172836)が開示されている。
具体的には、特許文献3では外部からの液体類の透過を防ぐ目的で、フルオロケミカル処理層をマスク全面に配置したマスクが開示されている。特許文献4及び特許文献5では、女性の化粧落ちを防止する目的で、マスク内側全面にフッ素処理が施されているマスクが開示されている。特許文献6では呼気の水分が口の周りに付着するという不快感を防止する目的で、撥水処理層を鼻口側より1層目のシートに設けたマスクが開示されている。
さらに、特許文献7には、保水液を保持したコア本体のマスク着用者を向く面に液不透過性薄膜を備えた吸収性コアを収容したマスクが開示されている。なお、特許文献7では、液不透過性薄膜として、樹脂フィルム、疎水性不織布、及び不織布をシリコン液に浸漬した後乾燥させたもの等が開示されている。
特開2015−123197 特開2007−319421 特表2001−501842 特開2009−118960 特開2011−72479 特開2013−172836 特開2009−285370
しかしながら、前述の特許文献1及び特許文献2に開示されたマスクは、マスク外側表面からの保水液の揮発は抑えられているが、マスク内側、すなわち着用者の顔面側への保水液の揮発が依然として多い。顔面側が湿潤な状態で長時間さらされると、雑菌が繁殖して肌かぶれを生じる可能性が高いという問題があった。
特に、マスクへ保持させる成分として、上記水以外、例えばアルコール系や天然オイル系などの成分を用いる場合、肌かぶれのリスクがさらに高くなることが予想される。天然由来などの有効成分の多くは、水溶性ではなくアルコール溶性や脂溶性である。これら有効成分をマスク中に保液させ、呼吸によって吸引したいとした場合、例えばアルコールや有効成分が着用者の肌に直接接触する等により、着用者の肌にかぶれやアレルギーが生じてしまう場合があるという問題があった。また、揮発性が過度に高い液体をマスク中に保液させる場合、例えば液体が揮発して着用者の目に入り、目が沁みることがあるなどの不具合もあった。
また、前述の特許文献3に開示されたマスクは、外部からの液体の侵入は防ぐことは出来ているが、マスク中に保持させた液体のバリア性については考慮されていない。
さらに、前述の特許文献4及び特許文献5に開示されたマスクでは、撥水撥油処理が化粧落ちを防止する目的のみで行われており、マスクに保持させた液体のバリア性については改善の余地がある。前述の特許文献6及び特許文献7に開示されたマスクも同様に、マスクに保持させた液体のバリア性について改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の一実施形態の課題は、薬液含有部材に含有された薬液におけるマスクの着用者側への移行が適度に抑制されたマスクを提供することにある。
前記課題を解決するための手段は、以下の実施形態を含む。
<1> マスク本体とマスク本体に保持された薬液含有部材とを備え、
前記薬液含有部材は、薬液と、前記薬液を保持する薬液保持体と、前記薬液保持体を被覆し、フッ素系撥液剤を含み、耐水圧が250mmHO以上であるバリア材と、を含有するマスク。
<2> 前記バリア材は、不織布及び多孔性フィルムの少なくとも一方を含む<1>に記載のマスク。
<3> 前記バリア材は、前記不織布としてメルトブロー不織布を含む不織布積層体を含む<2>に記載のマスク。
<4> 前記バリア材の耐水圧は、500mmHO以上である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のマスク。
<5> 前記薬液は、天然由来成分とアルコールとを含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載のマスク。
本発明の一実施形態によれば、薬液含有部材に含有された薬液におけるマスクの着用者側への移行が適度に抑制されたマスクが提供される。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値それぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
[マスク]
以下、本発明に係るマスクの一実施形態について説明する。
本実施形態に係るマスクは、マスク本体とマスク本体に保持された薬液含有部材とを備える。そして、前記薬液含有部材は、薬液と、前記薬液を保持する薬液保持体と、前記薬液保持体を被覆し、フッ素系撥液剤を含むバリア材と、を含有し、前記バリア材の耐水圧が250mmHO以上である。
本実施形態に係るマスクでは、マスクが有する薬液含有部材が上記構成であることによって、薬液含有部材に含有された薬液におけるマスクの着用者側への移行が適度に抑制される。具体的には、バリア材が、フッ素系撥液剤を含み、かつ、上記範囲の耐水圧を有することで、薬液含有部材に含有された薬液におけるマスクの着用者側への移行が適度に抑制される。
以下、本実施形態のマスクを構成する各部材について説明する。
<薬液含有部材>
(バリア材)
バリア材は、薬液保持体を被覆することで、薬液保持体に保持された薬液が薬液含有部材の外部に移行することを抑制する部材である。バリア材は、例えば、薬液保持体に保持された薬液が、薬液保持体に接触するマスク本体に染み出すことや、マスク本体から外部に揮発すること等を抑制する。
バリア材は、少なくともフッ素系撥液剤を含み、耐水圧が250mmHO以上である。バリア材がフッ素系撥液剤を含み、かつ、耐水圧が250mmHO以上であることにより、薬液含有部材に含有された薬液におけるマスクの着用者側への移行が適度に抑制される。
バリア材の耐水圧は、薬液保持体に含まれる薬液(特に薬液に含まれるアルコールや油成分)のシミだしを防ぐ目的で、300mmHO以上であることが好ましく、より好ましくは500mmHO以上である。また、バリア材の耐水圧の上限は、特に制限されないが、薬液に含まれる有効成分を呼気に含ませる観点から、3000mmHO以下が好ましく、より好ましくは1000mmHO以下、さらに好ましくは800mmHO以下、最も好ましくは650mmHO以下である。
なお、バリア材の耐水圧は、JIS L 1096に規定されているA法(低水圧法)に準拠して測定して測定した値である。
バリア材は、不織布及び多孔性フィルムの少なくとも一方を含むものが好ましい。
バリア材としては、例えば、樹脂を含む樹脂組成物で形成されたシート状のバリア材本体を含むものが挙げられる。また、バリア材本体としては、例えば、不織布、多孔性フィルム等が挙げられる。
バリア材は、バリア材本体とバリア材本体に付着したフッ素系撥液剤とを含むものであってもよく、フッ素系撥液剤を含有するバリア材本体を含むものであってもよい。すなわち、バリア材は、バリア材本体が形成された後にフッ素系撥液剤をバリア材本体に付着させるための加工処理を行ったものでもよく、フッ素系撥液剤を添加剤として含有する樹脂組成物で形成されたバリア材本体で構成されたものであってもよい。また、バリア材は、フッ素系撥液剤を添加剤として含有する樹脂組成物で形成されたバリア材本体を形成した後に、フッ素系撥液剤をバリア材本体に付着させる加工処理を行ったものでもよい。
以下、バリア材を構成する材料及びバリア材の特性について説明する。
−不織布−
不織布は、バリア性及び耐水圧の観点から、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布のような長繊維不織布を含むことが好ましく、スパンボンド不織布及びメルトブロー不織布の少なくとも一方を含むことがより好ましく、メルトブロー不織布を含むことがさらに好ましい。
また、不織布を用いたバリア材本体は、バリア性及び耐水圧の観点から、上記不織布を含む2層以上の層が積層した不織布積層体であることが好ましい。不織布積層体は、上記不織布を2層以上積層したものでもよく、不織布と不織布以外の層(例えば樹脂フィルム等)とを積層したものでもよく、バリア性、揮発性、強度、触感等に応じて適宜選択されるが、不織布を2層以上積層したものが好ましい。
不織布積層体を構成する不織布としては、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布の他、例えば、湿式不織布、スパンレース不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、エアレイド不織布、ウォータージェット不織布、フラッシュ紡糸不織布、開繊不織布、ニードルパンチ不織布等、種々公知の短繊維不織布及び長繊維不織布が挙げられる。
不織布積層体は、薬液の揮発性とバリア性とのバランスの観点から、少なくとも長繊維不織布を含む積層体が好ましく、メルトブロー不織布及びスパンボンド不織布の少なくとも一方を含む積層体がより好ましく、メルトブロー不織布を含む積層体がさらに好ましく、メルトブロー不織布及びスパンボンド不織布の両方を含む積層体が特に好ましい。
メルトブロー不織布及びスパンボンド不織布の両方を含む積層体としては、例えば、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とが直接接触して積層した積層体が挙げられる。メルトブロー不織布及びスパンボンド不織布の両方を含む積層体の具体的な構成としては、例えば、メルトブロー不織布及びスパンボンド不織布がそれぞれ1層ずつ積層した2層の積層体のほか、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、及びスパンボンド不織布がこの順に積層した3層の積層体が挙げられる。
以下、不織布積層体の一例として、メルトブロー不織布及びスパンボンド不織布の両方を含む積層体について、不織布を構成する材料、不織布積層体の製造方法、及び不織布積層体の特性を詳細に説明する。
−−不織布を構成する材料−−
スパンボンド不織布及びメルトブロー不織布を構成する材料としては、例えば熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物の繊維(熱可塑性繊維)が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、特に限定はされず、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテン等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。
α−オレフィンの単独重合体又は共重合体としては、例えば、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン/プロピレンランダム共重合体、エチレン/1−ブテンランダム共重合体等のエチレンの単独重合体又はエチレン/α−オレフィン共重合体等のエチレン含有共重合体;プロピレンの単独重合体(ポリプロピレン:PP)、プロピレン/エチレンランダム共重合体、プロピレン/エチレン/1−ブテンランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体、プロピレン/1−ブテンランダム共重合体等のプロピレン含有重合体;1−ブテン単独重合体、1−ブテン/エチレン共重合体、1−ブテン/プロピレン共重合体等の1−ブテン含有共重合体;ポリ4−メチル−1−ペンテン単独重合体、4−メチル−1−ペンテン/プロピレン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/α−オレフィン共重合体等の4−メチル−1−ペンテン含有共重合体;などのα−オレフィン含有重合体が挙げられる。
α−オレフィン含有重合体以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;エチレン/酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー及びこれらの混合物等を例示することができる。
これら熱可塑性樹脂の中でも、紡糸性とバリア性とのバランスの観点から、α−オレフィン含有重合体が好ましく、プロピレン由来の構造単位を含む重合体(以下、プロピレン系重合体と称することがある)がより好ましい。なお、プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体等がより好ましい。
プロピレン系重合体としては、例えば、融点(Tm)が125℃以上、好ましくは130〜165℃の範囲にあるプロピレンの単独重合体、又は、プロピレンと、極少量のエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等から選ばれる炭素数2若しくは炭素数4以上のα−オレフィンの1種若しくは2種以上と、の共重合体を挙げることができる。プロピレン由来の構造単位を含む共重合体としては、プロピレンと、炭素数2又は炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれるα−オレフィンの1種又は2種以上と、の共重合体がより好ましい。溶融粘度を満たすプロピレン系重合体であれば、その種類は特に限定されない。
プロピレン系重合体は、溶融紡糸が可能な限り、メルトフローレート(MFR:ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)は特に限定はされない。なお、スパンボンド不織布に用いるプロピレン系重合体における上記メルトフローレートは、通常、1g/10分〜500g/10分、好ましくは5g/10分〜200g/10分、さらに好ましくは10g/10分〜100g/10分の範囲の範囲が挙げられる。また、メルトブロー不織布に用いるプロピレン系重合体における上記メルトフローレートは、通常、10g/10分〜3000g/10分、好ましくは、50g/10分〜2000g/10分、さらに好ましくは100g/10分〜1000g/10分の範囲が挙げられる。
なお、本明細書におけるメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した値を用いている。
プロピレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.5〜5.0であることが好ましい。紡糸性が良好であり、かつ繊維強度が特に優れる繊維が得られる点で、1.5〜4.5の範囲がより好ましい。MwおよびMnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、公知の方法で測定することができる。
プロピレン系重合体の密度は、0.895g/cm〜0.915g/cmの範囲が好ましく、0.900g/cm〜0.915g/cmがより好ましく、0.905g/cm〜0.910g/cmがさらに好ましい。
なお、本発明において、密度は、JIS K7112の密度勾配法に従って測定して得られた値である。
不織布を構成する材料である熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で熱可塑性樹脂以外の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、着色剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料、柔軟剤、親水剤、撥水剤、助剤、フィラー、抗菌剤、農薬、防虫剤、薬剤等の種々公知の添加剤が挙げられる。特に、屋外での使用に於いて耐久性を付与する観点からは、熱可塑性樹脂組成物が、酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤のほか、植物の成育活性に影響を与える色素等の添加剤を含むことが有効である。また、添加剤は、1種のみ含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
なお、熱可塑性樹脂組成物は、後述するフッ素系撥液剤を含んでもよい。フッ素系撥液剤の含有量としては、薬液の揮発性とバリア性とのバランスの観点から、熱可塑性樹脂組成物における固形分全体に対し、例えば0.01質量%〜5質量%が挙げられ、0.05質量%〜3質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
不織布を構成する材料である熱可塑性樹脂組成物の繊維は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。具体的には、例えば、前記プロピレン系重合体を含む熱可塑性樹脂組成物の繊維を2種以上混合した混合繊維を含む不織布でもよく、前記プロピレン系重合体を含む熱可塑性樹脂組成物の繊維と他の繊維とを混合してなる混合繊維からなる不織布であってもよい。ここで、他の繊維とは、例えば、前記プロピレン系重合体以外のオレフィン系重合体、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等を含む組成物の繊維が挙げられる。
更に、不織布を構成する繊維は、前記熱可塑性樹脂組成物からなる単一の繊維であってもよく、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、サイドバイサイド型の複合繊維、芯鞘構造を有する複合繊維等の複合繊維であってもよい。
また、不織布を構成する繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、丸型、楕円型、星型、多角型(具体的には、例えば、三角型、四角型、五角型等)、又は中空型などの形状を採り得る。
−−不織布積層体の製造方法及び不織布積層体の特性−−
メルトブロー不織布及びスパンボンド不織布を含む不織布積層体の製造方法としては、特に限定されないが、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを一体化して積層体を形成できる方法として、例えば、以下の方法を採用することができる。
(A)予め得られたスパンボンド不織布上に、メルトブロー法によって得られる繊維を直接堆積させてメルトブロー不織布を形成した後、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とを熱によって融着させて2層の積層体を製造する方法。
(B)メルトブロー法によって得られる繊維を予め得られたスパンボンド不織布の上に直接堆積させてメルトブロー不織布を形成し、さらにスパンボンド法により形成される繊維を前記メルトブロー不織布の上に直接堆積させてスパンボンド不織布を形成した後、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを熱により融着させて三層の積層体を製造する方法。
(C)予め得られたスパンボンド不織布と別途製造したメルトブロー不織布とを重ね合わせ、熱及び圧力により両不織布を融着させて積層体を製造する方法。
(D)予め得られたスパンボンド不織布と別途製造したメルトブロー不織布とを、ホットメルト接着剤又は溶剤系接着剤等の接着剤によって接着して積層体を製造する方法。
スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とを熱により融着する方法は、両不織布の接触面の全面を熱融着する方法、又は接触面の一部を熱融着する方法とがあるが、熱エンボス加工法により各不織布層の接触面の一部を熱及び圧力により融着することが好ましい。この場合の融着面積(エンボス面積率:これはエンボスロールの刻印面積に相当する)は、接触面積の5%〜30%が好ましく、5%〜20%がより好ましく、さらには10%〜20%が好ましい。融着面積がこの範囲にあるとバリア性や、接着強度と柔軟性とのバランスが優れた不織布積層体となる。刻印形状は、円、楕円、長円、正方、菱、長方、四角、キルト、格子、亀甲やそれら形状を基本とする連続した形が例示される。
なお、熱エンボス加工を行う場合、エンボス温度は、エンボス加工時のライン速度や圧着圧力によるが、一般的に85℃〜160℃の範囲にある。
スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とを熱融着により積層する以外の方法としては、接着剤によってスパンボンド不織布とメルトブロー不織布とを積層する方法がある。この方法において用いられるホットメルト接着剤としては、たとえば酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系等の樹脂系接着剤;スチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系等のゴム系接着剤などが挙げられる。また、溶剤系接着剤としては、たとえばスチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系、ウレタン系等のゴム系接着剤;酢酸ビニル、塩化ビニル等の樹脂系の有機溶剤または水性エマルジョン接着剤などが挙げられる。これらの接着剤の中でも、スチレン−イソプレン系、スチレン−ブタジエン系等のゴム系のホットメルト接着剤が、スパンボンド不織布の特性である風合いを損なわない点で好ましい。
なお、スパンボンド不織布は、公知のスパンボンド不織布の製造方法により製造し得る。具体的には、例えば、予め、上記熱可塑性樹脂組成物を紡糸ノズルから紡糸し、紡出された長繊維フィラメントを冷却流体などにより冷却し、延伸空気によってフィラメントに張力を加えて所定の繊度とし、得られたフィラメントを移動する捕集ベルト上に集めて、所定の厚さに堆積させたスパンボンド不織布とすることにより製造し得る。
また、メルトブロー不織布は、公知のメルトブロー不織布の製造方法により製造し得る。具体的には、例えば、上記熱可塑性樹脂組成物を溶融押出し、メルトブロー紡糸口金から紡糸された熱可塑性樹脂組成物の繊維を、高温高速の気体によって極細繊維流としてブロー紡糸し、捕集装置で極細繊維ウェブとし、必要に応じて熱融着処理することによりメルトブロー不織布を製造することができる。
メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とが直接接触した不織布積層体において、メルトブロー不織布層とスパンボンド不織布層との層間の剥離強度は、0.1N以上であることが好ましく、0.5N以上であることがより好ましい。
スパンボンド不織布の目付としては、10g/m〜50g/m、好ましくは10g/m〜30g/m、より好ましくは13g/m〜30g/mの範囲が挙げられる。スパンボンド不織布の繊維径としては、通常、10〜50μm、好ましくは13〜40μmの範囲が挙げられる。
メルトブロー不織布の目付としては、0.1g/m〜60g/m、好ましくは0.5g/m〜40g/m、より好ましくは1g/m〜30g/m、さらに好ましくは5g/m〜25g/m、最も好ましくは10g/m〜20g/mの範囲が挙げられる。メルトブロー不織布の繊維径としては、0.1〜10μm、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜5μmの範囲が挙げられる。
不織布積層体全体における目付としては、例えば10g/m〜100g/mが挙げられ、好ましくは20g/m〜80g/mであり、より好ましくは30g/m〜60g/m、最も好ましくは40g/m〜50g/mである。
不織布積層体は、本発明の目的を損なわない範囲で、ギア加工、印刷、塗布、ラミネート、熱処理、賦型加工、親水加工などの二次加工を施して用いてもよい。
−多孔性フィルム−
多孔性フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂と充填剤とを含む多孔性フィルムが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂と充填剤とを含む多孔性フィルムは、ポリオレフィン樹脂と充填剤とを含む樹脂組成物を溶融成形してフィルムとなし、該フィルムを少なくとも一軸方向に延伸することにより製造することができる。
−−ポリオレフィン樹脂−−
ポリオレフィン樹脂は、例えばエチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体及びそれらの共重合体を主成分とするものであり、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブテン共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂は、ツィーグラー触媒を用いて製造された樹脂であっても、また、メタロセン触媒の如きシングルサイト触媒を用いて製造された樹脂であってもよい。これらのうち、ポリエチレン系樹脂が好ましく、特にエチレン−α−オレフィン共重合体である線状低密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンが好ましい。
また、フィルムの成形性、延伸性等を考慮すると、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR:ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)は、0.5g/10min〜10g/10minの範囲であることが好ましい。
−−充填剤−−
充填剤としては、無機充填剤や有機充填剤を用いることができる。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、タルク、ガラスビーズ等が挙げられ、これらのうち、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムが好ましい。廉価性等を勘案するとより好ましくは炭酸カルシウムである。有機充填剤としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、フェノール樹脂等の樹脂ビーズ等が好ましい。
ポリオレフィン樹脂と充填剤との組成比は、フィルムの成形性、延伸性、得られるフィルムのバリア性・透過性等に影響を及ぼす。充填剤の量が少ないと、ポリオレフィン樹脂と充填剤との界面剥離によって得られる微小な孔の数が少なくなる。また、充填剤の量が多いと、フィルム成形する場合に成形不良を生じたり延伸性が低下したりする。かかる観点から、ポリオレフィン樹脂と充填剤との組成比は、樹脂組成物全体に対し、ポリオレフィン樹脂が25質量%〜80質量%、充填剤が75質量%〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは、樹脂組成物全体に対し、ポリオレフィン樹脂が30質量%〜70質量%、充填剤が70質量%〜30質量%であり、更に好ましくは、ポリオレフィン樹脂が30質量%〜65質量%、充填剤が70質量%〜45質量%である。
充填剤の体積平均粒径は20μm以下のものが好ましく、更に好ましくは10μm以下であり、0.5μm〜5μmのものが最も好ましい。
充填剤は、ポリオレフィン樹脂との分散性を向上させるために表面処理が施されたものであってもよい。表面処理剤としては、充填剤の表面を被覆することにより、その表面を疎水化できるものが好ましく、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸またはそれらの金属塩等を挙げることができる。
多孔性フィルムには、本発明の目的を妨げない範囲で、延伸助剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、分散剤、界面活性剤等の他の添加剤を添加してもよい。添加剤は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
なお、多孔性フィルムは、後述するフッ素系撥液剤を含んでもよい。フッ素系撥液剤の含有量としては、薬液の揮発性とバリア性とのバランスの観点から、多孔性フィルム全体に対し、例えば0.01質量%〜5質量%が挙げられ、0.05質量%〜3質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
−−多孔性フィルムの製造方法及び多孔性フィルムの特性−−
次に、多孔性フィルムの製造方法を例示する。
まず、前記ポリオレフィン樹脂、充填剤、必要に応じてその他の添加剤をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等を用いて混合し、この混合物を一軸または二軸スクリュー型押出機に供給して混練してペレット化する。得られたペレットをポリオレフィン樹脂の融点以上、好ましくは融点+20℃以上、分解温度未満の範囲の温度において、Tダイ等が装着された押出成形機、円形ダイが装着されたインフレーション成形機等の公知の成形機を用いて溶融、製膜する。必要によってはペレット化せず、直接成形機で製膜することも可能である。
製膜されたフィルムは、ロール法、テンター法、ギア法等の公知の方法により、室温からポリオレフィン樹脂の軟化点の範囲の温度で、少なくとも一軸方向に延伸を行い、ポリオレフィン樹脂と充填剤との界面剥離を起こさせることにより多孔性フィルムを製造する。
延伸は、一段で行ってもよいし、多段階に分けて行ってもよい。延伸倍率は、延伸時のフィルム破れ、得られるフィルムのドライ時の全光線透過率に関係するので、倍率が高過ぎても低過ぎても好ましくない。かかる観点から、延伸倍率は少なくとも1軸方向に1.
2倍〜6倍であることが好ましく、さらには1.4倍〜5倍であることが好ましい。
2軸延伸する場合は、最初に機械方向、またはそれと直角をなす方向に1軸延伸し、次いで、該方向と直角をなす方向に2軸目の延伸を行う方法、並びに、機械方向、及びそれと直角をなす方向に同時に2軸延伸する方法がある。いずれの方法も適用できる。また、延伸した後、必要に応じて、得られた開孔の形態を安定させるために熱固定処理を行っても良い。熱固定処理としては、ポリオレフィン樹脂の軟化点以上、融点未満の範囲の温度において、0.1秒〜100秒間熱処理する方法が挙げられる。
多孔性フィルムは、必要に応じてその他の部材を積層して積層フィルムとしたり、多層押出工程にて多層フィルムしたりすることも可能である。樹脂フィルム、不織布、織布、ティッシュ、パルプなどの部材との積層化や、同種または異種原料を用いた多孔性フィルムとの多層化により機能付与をおこなっても良い。
多孔性フィルムの厚みは、例えば5μm〜100μmが挙げられ、好ましくは7μm〜70μmであり、さらには8μm〜50μmであることが好ましい。
多孔性フィルムのJISL1096の45°カンチレバー法で測定される剛性は、80mm以下であることが好ましく、これにより適度の柔軟性を有する。剛性の下限については特に規定はないが、通常、カンチレバー法で10mm程度である。
−フッ素系撥液剤−
フッ素系撥液剤は、フッ素原子を有し、かつ、バリア材に撥液機能を持たせる化合物であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、モノパーフルオロアルキルエチルフォスフェイト塩、パーフルオロアルキルスルホン酸ジエタノールアミド等のフルオロカーボン類;ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリトリフルオロモノクロルエチレン、ポリビニルフロライド、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系重合体;一般式CH=CRCOORRf(式中RfはC2n+1で表されるパーフルオロアルキル基、Rは水素原子又はメチル基、Rは−C2m−で表されるアルキレン基であり、nは5〜16の整数、mは1〜10の整数である)で表されるパーフルオロアルキル基を有する化合物を含む(共)重合体;等のフッ素系化合物を挙げることができる。
ここで、「(共)重合体」とは、単独重合体及び共重合体の両方を含む概念を意味する。
これらフッ素系化合物の中でも、パーフルオロアルキル基を有する化合物を含む(共)重合体が撥アルコール及び撥油性能で好ましい。かかるパーフルオロアルキル基を有する化合物を含む(共)重合体は、例えば、デュポン社からZonyl7040の商品名、旭硝子社からAG−5850の商品名で製造及び販売されている。
フッ素系撥液剤は、前述のように、バリア材本体の内部に含まれていてもよく、バリア材本体に付着していてもよい。
以下、バリア材本体にフッ素系撥液剤が付着した形態について説明する。
バリア材本体にフッ素系撥液剤を付着させる方法としては、例えば、フッ素系撥液剤を含む組成物でバリア材本体を処理する方法が挙げられる。また、フッ素系撥液剤を含む組成物でバリア材本体を処理する方法は、特に限定されるものではなく、種々公知の方法、例えば、フッ素系撥液剤を含む組成物にバリア材本体を浸漬し、必要に応じてマングル等で絞った後乾燥する方法、フッ素系撥液剤を含む組成物をバリア材本体に、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、グラビアオフセット、アークグラビアコーター、グラビアリバースおよびジェットノズル方式等のグラビアコーター、トップフィードリバースコーター、ボトムフィードリバースコーターおよびノズルフィードリバースコーター等のリバースロールコーター、5本ロールコーター、リップコーター、バーコーター、バーリバースコーター、ダイコーター等種々公知の塗工機を用いて塗布した後乾燥する方法、フッ素系撥液剤を含む組成物をバリア材本体にスプレーコート(その他の方法)した後乾燥する方法等により処理することができる。
また、乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥器を用いる方法、テンターを用いる方法、発熱体に接触させる方法、等が挙げられる。
なお、フッ素系撥液剤を含む組成物は、例えばフッ素系撥液剤のほか、必要に応じて溶媒及び添加物を含む組成物が挙げられ、溶媒及び添加物の種類及び含有量は、フッ素系撥液剤の種類等に応じて適宜設定される。
バリア材におけるフッ素系撥液剤の含有量は、バリア材本体の材質や特性等によっても異なるが、例えば、バリア材全体に対して0.50.01質量%〜5.0質量%が挙げられる。また、バリア材がスパンボンド不織布を含む場合、フッ素系撥液剤の含有量は、バリア材全体に対して0.01質量%〜3質量%の範囲が挙げられる。
なお、上記フッ素系撥液剤の含有量は、バリア材本体の内部に含有されるフッ素系撥液剤とバリア材本体に付着したフッ素系撥液剤との両方を含むフッ素系撥液剤の総量である。
また、バリア材の単位面積あたりにおけるフッ素系撥液剤の含有量としては、フッ素系撥液剤の固形分として、例えば、0.05g/m〜5g/m、好ましくは0.07g/m〜1g/mの範囲が挙げられる。
−バリア材の特性−
バリア材の耐水圧については前述の通りである。
バリア材の通気度は、着用者の呼吸に伴い薬液に含まれる有効成分を呼気に含ませる観点から、0.001cm/cm/s以上であることが好ましい。次に好ましくは0.01cm/cm/s以上、より好ましくは0.1cm/cm/s以上、更に好ましくは1cm/cm/s以上、最も好ましくは10cm/cm/s以上である。上限は特に制限されないが、薬液のバリア性の観点から200cm/cm/s程度である。
なお、バリア材の通気度は、JISL1096に準じたフラジール通気度測定機によって測定を行って得られた値である。
バリア材の撥アルコール性としては、例えば7級以上が挙げられ、より好ましくは8級以上、さらに好ましくは9級以上、最も好ましくは10級である。またバリア材の撥油性としては、例えば6級以上、より好ましくは7級以上、最も好ましくは8級が挙げられる。
なお、上記撥アルコール性は、JIS L 1912医療用不織布試験法で測定した値である。また、上記撥油性は、AATCC 118−1992で測定した値である。
(薬液保持体)
薬液保持体は、薬液を保持できるものであれば特に限定されないが、着用しやすさの観点で、シート状のものが好ましい。
薬液保持体の具体例としては、例えば、エアレイド不織布、長繊維セルロース不織布、脱脂綿、ガーゼ、パルプ、ティッシュ、ポリオレフィン合成パルプ等が挙げられる。
(薬液)
薬液は、少なくとも有効成分を含む液体であり、例えば有効成分が溶媒に溶解した溶液が挙げられる。薬液に含まれる有効成分は、揮発した後に着用者に吸引されることで、着用者の体内に入る。
有効成分は、特に限定されないが、例えば、生薬、漢方、薬剤、香料、各種の天然由来の動植物抽出物、鉱物抽出物などが挙げられ、これら1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
有効成分は、着用者が吸引により効果を得る観点から揮発成分を含むことが好ましい。揮発成分とは、25℃において少なくとも一部が気体となって発散する成分である。
有効成分は、天然由来成分であることが好ましい。天然由来成分としては、例えば、桂皮エキス、桂皮エキスから抽出されたタンニン成分、桂皮エキスから抽出された精油成分
等が挙げられる。
有効成分を溶解させる溶媒は、有効成分を溶解するものであれば特に限定されず、有効成分の種類等によって適宜選択されるが、具体的には、例えば、水、アルコール、油等が挙げられる。なお、アルコールは揮発性が高いため、アルコールを含む薬液を保持した薬液保持体をそのまま用いると、揮発したアルコールが着用者の目に入ることで目が沁みる等の不具合が考えられるが、バリア材で薬液保持体を被覆することで上記不具合が低減される。
薬液としては、天然由来成分とアルコールとを含むものが好ましく、その中でも天然由来成分とエタノールとを含むものがより好ましい。
(薬液含有部材の構成及び製造)
薬液含有部材は、少なくとも薬液と薬液保持体とバリア材を含む。バリア材は、薬液保持体を直接被覆していても他の部材を介して被覆してもよく、薬液保持体の一部を覆うように被覆しても、薬液保持体全体を覆うように被覆してもよい。また、薬液含有部材は、前記バリア材と前記バリア材以外の部材とで薬液保持体全体を覆うように被覆したものであってもよい。
バリア性の観点から好ましい薬液含有部材の形態としては、例えば、薬液保持体全体を前記バリア材で被覆した形態のほか、前記バリア材と前記バリア材以外の部材とで薬液保持体全体を被覆した形態が挙げられる。ここで、前記バリア材以外の部材は、着用しやすさの観点でシート状のものが好ましく、具体的には、例えば、樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムは、非多孔性フィルムであっても多孔性フィルムであってもよく、薬液の移行(沁み出し、揮発等)を制御する観点から適宜選択できる。
薬液保持体全体をバリア材で覆う方法は特に限定されないが、例えばバリア材が不織布を含む場合、上下層をバリア材とし、中間層を薬液保持体として、全体を熱エンボスする方法のほか、周辺部をヒートシール又は超音波シールする方法などが選択できる。なお、薬液保持体全体をバリア材で覆う場合、薬液保持体よりもバリア材のサイズを大きくして全体を覆うようにして、バリア材の周辺部をヒートシール又は超音波シールすると、隙間が無くなり、全体として均一に薬液の有効成分が揮発するので好ましい。
また、前記バリア材と前記バリア材以外の部材とで薬液保持体全体を被覆する場合、例えば、マスク外側(着用者と反対の側)への薬液の揮発等を抑制する観点から、バリア材以外の部材としてバリア材よりもバリア性の高い(通気度の低い)樹脂フィルムを用いることが好ましい。
バリア材とバリア材よりもバリア性の高い樹脂フィルムによって薬液保持体全体を被覆する場合、薬液に含まれる有効成分を着用者が効果的に吸い込む観点から、薬液保持体における着用者側の少なくとも一部がバリア材で被覆され、それ以外の領域が前記樹脂フィルムで被覆されていることが好ましい。
バリア材とバリア材よりもバリア性の高い樹脂フィルムによって薬液保持体全体を被覆する形態としては、例えば、着用者側からバリア材、薬液保持体、前記樹脂フィルムの順に重ねて周辺部をヒートシール又は超音波シールした形態が挙げられる。
<マスク本体及びマスク>
マスク本体は、薬液含有部材を保持することが可能であれば特に限定されず、従来公知のマスクを用いることができる。マスク本体を構成する材料としては、例えば、不織布や樹脂フィルム等が挙げられ、保温性、保湿性、通気性のバランスを調整する観点でこれらを組み合わせて用いてもよい。
マスク本体は、着用者の呼吸のしやすさの観点で、通気領域を有することが好ましく、通気領域における通気度としては、例えば、10cm/cm/s〜500cm/cm/sが挙げられる。
薬液含有部材は、マスク本体の表面に対して貼付させてもよく、マスク本体の内部にポケット状の薬剤含有部材保持部を設けてそこに薬液含有部材を挿入してもよい。
マスク本体及び薬液含有部材の大きさは特に限定されないが、マスク本体の通気領域の大きさより薬液含有部材の方が小さいことが好ましい。薬液含有部材がマスク本体の通気領域に比べて小さいと、薬液含有部材が通気領域の一部のみを覆い、薬液含有部材で覆われていない通気領域が確保されるため、マスク全体としての通気度が上がり、着用者が呼吸しやすくなる。
また、1つのマスク本体に保持される薬液含有部材は1つでも複数でもよい。着用者が呼吸しやすく、かつ、薬液を効果的に吸い込む観点から、薬液含有部材を2以上用い、かつ、マスク本体の中央部に薬液含有部材が存在しない領域を設けることが好ましい。
なお、マスク本体の通気領域全体に対して薬液含有部材が覆う領域の割合としては、面積比で、例えば1%〜70%の範囲が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(バリア材の製造)
MFR:20g/10分、Mw/Mn:4.2のプロピレン単独重合体を用い230℃にて溶融紡糸を行い、得られた繊維を補集面上に堆積させ、目付が17g/mのスパンボンド不織布層(B−1、繊維径20μm)を製造した。
次に、MFRが1500g/10分のプロピレン単重合体を280℃にて押出機で溶融し、得られた溶融物を、紡糸口金から吐出するとともに、吐出孔出口において280℃の加熱空気を吹付けるメルトブロー法によって繊維径3μmの繊維を前記スパンボンド不織布(B−1)上に堆積させ、目付が11g/mのメルトブロー不織布層(A−1)を形成した。
さらに形成されたメルトブロー不織布層(A−1)上に、前記スパンボンド不織布(B−1)と同様の条件でスパンボンド不織布(B−2)を積層し、刻印面積率18%の熱エンボスロールにて3層を一体化してスパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の不織布積層体(バリア材本体)を得た。不織布積層体の合計の目付は45g/mであった。
フッ素系撥液剤としてパーフルオロアルキル基を有する化合物を含む重合体(デュポン社製、商品名:Zony l7040)5.0g、イソプロピルアルコール(和光純薬製)2.5g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル型ノニオン系帯電防止剤(商品名:デスパノールTOC、日油製)を混合した水溶液1000gに、得られた不織布積層体を全体が含浸するまで3分間浸漬した。浸漬後、不織布積層体を取り出した後、3分間余分な水分を切り、乾燥機にて105℃で12分間乾燥して、フッ素系撥液剤が付着した不織布積層体(バリア材)を得た。
フッ素系撥液剤の含有量は、バリア材全体に対し0.2質量%であった。また、バリア材の単位面積当たりにおけるフッ素系撥液剤の含有量は、0.1g/mであった。
(薬液含有部材の製造)
70%アルコール溶液に溶解させた桂皮エキス(桂皮エキスの70質量%エタノール溶液)1ccを40mm角3mm厚みの長繊維セルロース不織布(200g/m)に含浸させ、これを50mm角のバリア材(前記フッ素系撥液剤が付着した不織布積層体)で上下を覆い、周辺部を超音波シールにて隙間が出来なようにシールして袋状物(薬液含有部材)を得た。
(マスク本体及びマスクの製造)
次いでマスク本体の外層として、スパンボンド不織布(15g/m、繊維径20μm)、マスク本体の中間層としてメルトブロー不織布(15g/m、繊維径3μm)、マスク本体の内層(着用者側)としてスパンボンド不織布(15g/m、繊維径20μm)を積層してマスク本体を作成し、マスク本体の内層のさらに内側(着用者側)に60mm角のスパンボンド不織布(15g/m、繊維径20μm)を用いてヒートシールを行うことでポケット部(ポケット状の薬液含有部材保持部)を設けた。前記袋状物をこのポケット部に挿入してマスクを得た。
〔実施例2〕
バリア材の製造において、スパンボンド不織布の目付を20g/m、メルトブロー不織布10g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてマスクを得た。
フッ素系撥液剤の含有量は、バリア材全体に対し0.2質量%であった。また、バリア材の単位面積当たりにおけるフッ素系撥液剤の含有量は、0.1g/mであった。
〔実施例3〕
バリア材の製造において、スパンボンド不織布の目付を18g/m、メルトブロー不織布9g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてマスクを得た。
フッ素系撥液剤の含有量は、バリア材全体に対し0.2質量%であった。また、バリア材の単位面積当たりにおけるフッ素系撥液剤の含有量は、0.1g/mであった。
〔実施例4〕
バリア材の製造において、スパンボンド不織布の目付を13g/m、メルトブロー不織布9g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてマスクを得た。
フッ素系撥液剤の含有量は、バリア材全体に対し0.2質量%であった。また、バリア材の単位面積当たりにおけるフッ素系撥液剤の含有量は、0.1g/mであった。
〔比較例1〕
バリア材の製造において、得られた不織布積層体にフッ素系撥液剤を付着させる工程を行わず、そのままバリア材として用いた以外は、実施例3と同様にしてマスクを得た。
〔比較例2〕
バリア材の製造において、得られた不織布積層体にフッ素系撥液剤を付着させる工程を行わず、そのままバリア材として用いた以外は、実施例4と同様にしてマスクを得た。
〔比較例3〕
(バリア材の製造)
市販のソンタラ(Sontara:登録商標)スパンレースポリエステル/木材パルプ不織布(目付70g/m、以下「短繊維不織布」ともいう)を準備した。
フッ素系撥液剤としてパーフルオロアルキル基を有する化合物を含む重合体(デュポン社製、商品名:Zony l7040)5.0g、イソプロピルアルコール(和光純薬製)2.5g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル型ノニオン系帯電防止剤(商品名:デスパノールTOC、日油製)を混合した水溶液1000gに、得られた短繊維不織布を全体が含浸するまで3分間浸漬した。浸漬後、短繊維不織布を取り出した後、3分間余分な水分を切り、乾燥機にて105℃で12分間乾燥して、フッ素系撥液剤が付着した短繊維不織布(バリア材)を得た。
フッ素系撥液剤の含有量は、バリア材全体に対し0.2質量%であった。また、バリア材の単位面積当たりにおけるフッ素系撥液剤の含有量は、0.1g/mであった。
(マスクの製造)
バリア材として上記フッ素系撥液剤が付着した短繊維不織布を用いた以外は、実施例1と同様にしてマスクを得た。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)不織布及び不織布積層体の目付(g/m
機械方向(MD)100mm×横方向(CD)100mmで10点採取して測定を行い、平均値を算出した。
(2)不織布の繊維径
スパンボンド不織布層については、得られた不織布から、10mm×10mmの試験片を10点採取し、Nikon社製ECLIPSE E400顕微鏡を用い、倍率20倍で、繊維の直径をμm単位で小数点第1位まで読み取った。1試験片毎に任意の20箇所の径を測定し、平均値を求めた。
メルトブロー不織布層については、得られた不織布から試料片を採取して、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率500倍または1000倍で観察し、構成繊維の30本の繊維径(μm)を測定し、平均値を求めた。
(3)通気度(cm/cm/sec)
バリア材から200mm(MD)×50mm(CD)の試験片を採取し、JISL1096に準じたフラジール通気度測定機によって測定を行った。得られた数値(n=5)の平均値を測定値とした。
同様に、薬液含有部材を含む前の状態のマスク本体及び薬液含有部材を含んだ状態のマスク本体のそれぞれについて、マスク中央部を測定部位として測定を行った。得られた数値(n=2)の平均値を測定値とした。
(4)耐水圧
JIS L 1096に規定されているA法(低水圧法)に準拠して、バリア材の耐水圧を測定した。
(5)シミだし性
バリア材の下にろ紙を敷いておき、バリア材の上に、エタノール70質量%、蒸留水30質量%の溶液1ccを滴下する。この際滴下位置はバリア材下のろ紙中央部を目安とする。またエタノール水溶液は青顔料で着色しておく。その後ろ紙部と位置を合わせるように底面が10cm角の1Kgの重りを置いて、1分間放置した。下のろ紙における青顔料の着色の有無を目視で確認し、以下の基準にて評価した。
A:まったく着色が見られない
B:50mm径以下の着色部が見られる(個数は問わない)
C:50mm径以上の着色部が見られる(個数は問わない)
表1に示すように、実施例では、比較例に比べてバリア材のシミだしが少なく、薬液含有部材に含有された薬液におけるマスクの着用者側への移行が適度に抑制されることが期待できる。

Claims (2)

  1. マスク本体とマスク本体に保持された薬液含有部材とを備え、
    前記薬液含有部材は、薬液と、前記薬液を保持する薬液保持体と、前記薬液保持体を被覆し、フッ素系撥液剤を含み、耐水圧が500mmHO以上650mmH O以下であるバリア材と、を含有し、
    前記バリア材は、メルトブロー不織布を含む不織布積層体を含み、
    前記不織布積層体全体の目付は、30g/m 以上60g/m 以下であるマスク。
  2. 前記薬液は、天然由来成分とアルコールとを含む請求項1に記載のマスク。
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