JP6731492B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に用いられる燃料噴射弁であって、電圧の印加により全長が伸長する圧電素子を有し、圧電素子の全長の伸縮により弁体の開閉を行う燃料噴射弁に関する。
特開2002−31010号公報(特許文献1)には、通電の開始により圧電素子の伸びを直接弁体に伝えて、弁体を押すときに弁体先端部が弁座から離れることで、燃料流路を開いて燃料を噴射する燃料噴射弁が記載されている。この燃料噴射弁は、通電が終了すると、弁体を付勢するスプリングの力により弁体が引き戻されて弁座と当接し、燃料流路が閉鎖されることにより燃料噴射を終了する。
特開2002−31010号公報
特許文献1の燃料噴射弁では、圧電素子は電圧を印加すると伸長する構造であるために、直接弁体を動作させる場合、電圧の印加により弁体を押す構造になる。このような燃料噴射弁は、弁体を押し出すことにより弁体と弁座との間に形成される隙間から燃料を噴射する構造となる。すなわち、このような燃料噴射弁は、電圧の印加により弁体が燃料噴射弁の外側に向かって変位し、これにより燃料通路が開く外開きの弁構造を有する。外開きの弁構造では、弁体の弁座と当接する先端部の形状は円錐形状が一般的であり、この円錐形状により、生成される噴霧は傘状噴霧となる。一般的に用いられている電磁方式の燃料噴射弁は、通電することにより直接弁体を引き上げて燃料噴射弁の内側に向かって弁体を変位させ、弁体と弁座との間の燃料通路を開く内開きの弁構造を有する。このような燃料噴射弁では、噴孔を複数設けて燃料を噴射することにより、噴霧形状を所望の形状にすることができる。これに対して、外開きの弁構造では、弁体の形状及び数が制約を受け、噴霧形状の自由度が少なく、燃焼性能の改善には限界がでてくる。
本発明の目的は、電圧を印加することにより伸長する駆動素子を備えた燃料噴射弁において、簡単な機構で内開きの弁構造を実現すると共に、弁体に作用する種々の力関係を最適に設定した燃料噴射弁を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射弁は、
軸方向に変位可能に構成され、軸方向において燃料の流れる方向の上流側に配設された上流側シート部及び下流側に配設された下流側シート部を有する弁体と、
前記上流側シート部が当接することにより上流側燃料通路が閉じられ、前記上流側シート部が離間することにより上流側燃料通路が開かれる上流側弁座と、
前記下流側シート部が当接することにより下流側燃料通路が閉じられ、前記下流側シート部が離間することにより下流側燃料通路が開かれる下流側弁座と、
前記上流側シート部が前記上流側弁座と当接する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、
前記下流側シート部が前記下流側弁座と当接する方向に前記弁体を駆動する駆動素子と、
を備え、
前記駆動素子への通電を行っていない状態では、前記上流側シート部が前記上流側弁座と当接する向きに前記弁体を付勢する、前記付勢部材の付勢力を含む上流向き付勢力が、前記下流側シート部が前記下流側弁座と当接する向きに前記弁体を付勢する下流向き付勢力よりも大きくなるように構成され、
前記上流側シート部が前記上流側弁座から離間し、かつ前記下流側シート部が前記下流側弁座から離間した状態に、前記弁体を前記駆動素子により駆動して燃料を噴射する。
本発明によれば、簡単な機構で内開きの弁構造を実現できることが可能となる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る燃料噴射弁の構成を示す断面図である。 図1の下流側シート部1b(図1のB部)の近傍を拡大して示す拡大断面図である。 図1の上流側シート部1a(図1のA部)の近傍を拡大して示す拡大断面図である。 図1のベローズ体8の近傍を拡大して示す拡大断面図である。 図1のダンパー体12の近傍を拡大して示す拡大断面図である。 各条件における上流側シート部1aの状態を示した拡大断面図である。 各条件における下流側シート部1bの状態を示した拡大断面図である。 本発明に係る燃料噴射弁100の印加電圧と、上流側シート部1a及び下流側シート部1bの各弁座との当接状態との関係を示す図である。 図8Aに示す上流側シート部1a及び下流側シート部1bの各弁座との当接状態を示す図である。 本発明に係る燃料噴射弁100の弁体1に作用する力関係を示した図である。 本発明に係る燃料噴射弁100のベローズ体8の組付け方法の詳細を示した図である。 本発明に係る燃料噴射弁100の弁体1及びノズル体3の詳細断面図である。 本実施例に係る燃料噴射弁の全体図を示す。 本実施例の弁体駆動機構の断面拡大図を示す。 本実施例の弁体駆動機構の三次元形状図を示す。 本実施例の弁体駆動機構の動作を説明するための図である。 駆動素子として圧電素子を用いた図を示す。 本発明の実施例の流量制御弁の全体図を示す。 本発明の実施例の駆動素子を用いた弁体駆動機構の詳細を示す図である。
以下に、本発明の構造が多く用いられる燃料噴射弁の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の一実施例に係る燃料噴射弁100の構成を示す断面図である。図2は、図1の下流側シート部1b(図1のB部)の近傍を拡大して示す拡大断面図である。図3は、図1の上流側シート部1a(図1のA部)の近傍を拡大して示す拡大断面図である。図4は、図1のベローズ体8の近傍を拡大して示す拡大断面図である。図5は、図1のダンパー体12の近傍を拡大して示す拡大断面図である。
本発明の一実施例に係る燃料噴射弁100の構成について、図1を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上流側及び下流側は、燃料の流れ方向における上流側及び下流側を表す。また、燃料噴射弁100の噴孔2bが設けられる側の端部を先端部(先端側の端部)と呼び、先端部に対して反対側の端部を基端部(基端側の端部)と呼ぶ。先端部は下流側の端部であり、基端部は上流側の端部である。また、説明の中で使用する上下方向を、図1に基づいて定義する。すなわち、基端部は先端部に対して上方にあり、先端部は基端部に対して下方にある。この上下方向は説明を簡便にするために定義するものであり、燃料噴射弁100の実装状態における上下方向とは関係が無い。
ノズル体3の下流側(先端側又は内燃機関側)には、ノズル体3と同軸上に下流側弁座部材(先端側弁座部材)2が接合されている。弁体1は下流側弁座部材2の上流側に配設されている。弁体1はノズル体3に内包され、ノズル体3に対して同軸状に配設されている。そして弁体1は、ノズル体3の内部で、ノズル体3の中心軸線100Aに沿う方向に、移動可能に設けられている。すなわち弁体1は、軸方向に変位可能に構成されている。
さらに弁体1は、軸方向において燃料の流れる方向の上流側に配設された上流側シート部1aと、下流側に配設された下流側シート部1bとを有する。なおノズル体3の中心軸線は、燃料噴射弁100の中心軸線100Aに一致し、中心軸線100Aと同軸に構成されている。
ノズル体3と弁体1との間には、弁体1を上流側(基端側)に向けて付勢する第一付勢部材4が設置される。すなわち第一付勢部材4は、上流側シート部1aが上流側弁座7aと当接する方向に弁体1を付勢する。本実施例の場合、第一付勢部材4はコイルスプリングで構成している。弁体1の上流側には、燃料を封止するベローズ体(シール体)8が設けられている。ベローズ体8の上流側には、駆動素子11が弁体1及びベローズ体8と同軸上に位置するように設けられている。すなわち駆動素子11は、上流側シート部1aに対して下流側シート部1bが設けられた側とは反対側に設けられている。駆動素子11が収容された空間はベローズ体8により封止され、駆動素子11は燃料から遮蔽されている。
駆動素子11の上流側には構成部品の線膨張を相殺するためのダンパー体12が配設されている。ダンパー体12の上流側には、ダンパー体12の位置を固定する固定部品14が配設されている。駆動素子11及びベローズ体8の外周にはケーシング体16が設けられ、駆動素子11及びベローズ体8はケーシング体16に内包されている。ケーシング体16は二重円管構造を有し、二重円管で形成される隙間(内側の円管と外側の円管との間の隙間)に燃料通路を形成している。ケーシング体16の上流側に上部ケーシング13が接合されている。
燃料は、上部ケーシング13の燃料供給口13aから供給され、ケーシング体16が有する燃料通路を通り、弁体1の上流側シート部1aに至る。上流側シート部1aを通過した燃料は、弁体1とノズル体3との隙間を流れて、弁体1の下流側シート部1bに至る。
下流側シート部1bを通過した燃料は噴孔2bから燃料噴射弁100の外部、例えば内燃機関に噴射され、燃料噴霧FSが生成される。
次に各部の構造について、詳細に説明する。
下流側弁座部材2は下流側弁座2cと噴孔2bとを有する。噴孔2bは下流側弁座2cの下流側に設けられる。下流側弁座2cに弁体1の下流側シート部1bが当接することにより、下流側弁座2cと下流側シート部1bとの間の燃料通路が閉じられて閉弁し、下流側弁座2cから下流側シート部1bが離間することにより、下流側弁座2cと下流側シート部1bとの間の燃料通路が開かれて開弁する。このように下流側シート部1bは、下流側弁座2cに当接する当接部を構成する。下流側シート部1bが下流側弁座2cに当接することにより下流側燃料通路が閉じられ、下流側シート部1bが下流側弁座2cから離間することにより下流側燃料通路が開かれる。
下流側シート部1bが下流側弁座2cから離間することにより、下流側弁座2cと下流側シート部1bとの間の燃料通路を流下した燃料は、噴孔2bから噴射される。このとき噴孔2bは、噴射した燃料が所望の噴霧を形成することができるように、形状(形、断面積、長さ等)や数が決められている。噴孔2bが形成される下流側弁座部材2は、必要とされる噴霧を形成するための部品である。
下流側弁座部材2はノズル体3の下流側端部の内周側に挿入されて固定されている。下流側弁座部材2は下流側端部の外面側に球状凸形状部2dを有し、内側に円錐面又は球面に形成された内面2eを有している。下流側弁座2cは下流側弁座部材2の内面2eに形成されている。
燃料を噴射するための噴孔2bは、球状凸形状部2dの箇所に1箇所以上開口される。
この噴孔2bは球状凸形状部2dの外面から内側の円錐面又は球面2eまで貫通している。噴孔2bは、中心軸線2bA方向に単一の直径で形成される場合と、直径が異なる複数の孔を中心軸線2bA方向に連結した段付きの形状で形成される場合とがある。本実施例の噴孔2bは、2つの孔を連結した形状であり、下流側の孔の直径が上流側の孔の直径よりも大きい。しかし噴孔2bの形状は、この形状に限定される訳ではなく、その他の形状であってもよい。
下流側弁座部材2の円錐面又は球面2eには弁体1の下流側シート部1bが衝突するために、高硬度、溶接性、機械的特性の良好な材料(例えば、SUS420J2の熱処理材)で製作する。
弁体1は、内燃機関へ燃料が洩れることを防止するために、弁体1の上流側部分と下流側部分とに分けられ、各部分に外方に向かって凸形状となる略球面状のシート部を具備する。弁体1の上流側部分に設けられる球面状シート部が上流側シート部1aであり、弁体1の下流側部分に設けられる球面状シート部が下流側シート部1bである。
本実施例では、弁体1の上流側端部に弁体中間部材1cとの嵌合凸部1eが設けられているため、上流側シート部1aは弁体1の上流側端部よりも少し下流側(先端側)に寄った位置に設けられている。上流側シート部1aには弁体1の衝突力が加わるので、嵌合凸部1eのように外径が細い箇所とのつなぎ部1dにはR部を形成し、衝撃による応力を緩和する構造にするとよい。一方、下流側シート部1bは弁体1の下流側端部に設けられている。弁体1の詳細動作は図5にて説明する(後述)。
図2に示すように、弁体1はノズル体3の内面との摺動部18を1箇所以上有している。摺動部18は円筒形を一部切り欠き、流路を形成することもある。弁体1の下流側シート部1bは下流側弁座部材2のテーパー面に衝突するために、高硬度、溶接性、機械的特性も良好な材料(例えば、SUS420J2の熱処理材)で製作する。
ノズル体3は弁体1を内包し、その内周面で、弁体1を中心軸線100Aに沿う方向に摺動可能に案内する。ノズル体3は噴霧位相を決めるため、下流側弁座部材2との接合時の位置あわせに必要な形状(例えば平面)を具備する。ノズル体3の先端部近傍の外周面には、内燃機関で発生する燃焼ガスをシールするため、シール部材19を取り付ける溝3aが1つ以上形成される。なお、弁体1の摺動部18はノズル体3の内径に接触摺動する面の一部を切り欠いて、燃料の流路を形成することも出来る。
ノズル体3には上流側端部に径方向外方に拡大した、フランジ部(拡径部)3eが設けられている。このフランジ部3eに第一付勢部材4とストローク量の微調整に用いる円環状の調整リング5とを組付ける。
第一付勢部材4は、弁体1を上流方向に付勢するための部品である。第一付勢部材4の内径は、弁体1の外径より大きく、且つ第一付勢部材4の外径は第一ケーシング7の内径よりも小さく設定する。第一付勢部材4はノズル体3及び弁体1と同軸上に組付けられる。第一付勢部材4の一方の端面は、ノズル体3のフランジ部3eの上流側(基端側)の端面に着座している。一方、第一付勢部材4の他方の端面は弁体1の上流側シート部1aのフランジ部1aaの下面(上流側シート部1aとは反対側の面)に着座している。このために上流側シート部1aは弁体1の軸方向における中央部分の直径よりも大きな直径を有している。すなわち、弁体1は上流側シート部1aが設けられる部分で拡径しており、この拡径した部分の下端面に第一付勢部材4の他方の端面が着座している。第一付勢部材4は、倒れを防止するために、両端面を研磨する。また、第一付勢部材4には、腐食に強く、バネ定数が大きいSUS631等の材質が用いられる。
調整リング5の詳細は下記のとおりである。弁体1、ノズル体3及び下流側弁座部材2の部品公差によって寸法ばらつきが生じるため、必要とするストローク量(100μm程度)が得られるように、各部品の寸法ばらつきを調整する必要がある。そこで、リング幅W(図1参照)の公差を厳しく管理した調整リング5で、弁体1、ノズル体3及び下流側弁座部材2の部品公差によって生じる寸法ばらつきを調整する。図1に示すように、調整リング5はノズル体3のフランジ部3eに一方の端面を、他方の端面を第一ケーシング7に当接して、固定される。調整リング5は、弁体1の下流側シート部1bと下流側弁座部材2の下流側弁座2cとの間に形成される隙間の実寸法と必要ストローク量との差分を調整リング5の板厚Wで調整し、必要ストローク量が得られるようにする。
第一ケーシング7は、第一付勢部材4を内包し、上流側シート部1aと協働して機関停止時の燃料封止を行なう部品である。第一ケーシング7は上流側シート部1aと当接する上流側弁座7aを有している。第一ケーシング7をノズル体3に組付けると、弁体1の上流側シート部1aは、先に組付けた第一付勢部材4の力により、第一ケーシング7の上流側弁座7aに当接した状態となる。上流側シート部1aが上流側弁座7aに当接することにより上流側燃料通路が閉じられ、上流側シート部1aが上流側弁座7aから離間することにより上流側燃料通路が開かれる。
図4に示すように、第一ケーシング7の上流側には、ベローズ体8を支える構造を有している。例えば、第一ケーシング7とベローズ体8の上側金具8bとの間に支持部位7bを設けて、ベローズ体8が支持される構造とする。支持部位は第一ケーシング7と一体でも別体でもよい。本実施例では、支持部位7bを第一ケーシング7と一体にした構成について説明する。
第一ケーシング7の支持部位7bの下部に切欠き部(開口部)7cを設けて燃料流れFFの流路としている。
弁体1の上端部には、嵌合凸部1eに下端部を嵌合した弁体中間部材1cが連結されている。弁体中間部材1cは弁体1と駆動素子11との間を中継する中継部材である。ベローズ体8の下端部と弁体中間部材1cの拡径部1cbとをレーザ溶接で接合するために、第一ケーシング7にはビームを通すための貫通部(本実施例では切欠き部7c)を設けている。第一ケーシング7は高い燃料圧力が印加されるので、許容耐力が大きく、且つ溶接性の優れた材料(例えば、SUS630といった析出硬化系ステンレス鋼)で製作される。
図4に示す溶接リング6は、ノズル体3と第一ケーシング7とを溶接するための部品である。溶接リング6はノズル体3と第一ケーシング7とに対して圧入により仮固定され、その後溶接にて完全固定される。
この箇所は、燃料の圧力が印加されるために、溶接長は0.5mm以上確保する必要がある。溶接リング6は高い燃料圧力が印加されるので、許容耐力が大きく、且つ溶接性の優れた材料(例えば、SUS630といった析出硬化系ステンレス鋼)で製作される。
ベローズ体8は燃料が駆動素子11側に流入しないよう、駆動素子11の収容室と燃料流路部とを遮断する部品である。ベローズ体8は蛇腹状部材(蛇腹部材)8aと上側金具8bとで構成される。蛇腹状部材8aの上流側端部は上側金具8bと溶接により接合され、また蛇腹状部材8aの下流側端部は弁体中間部材1cの下部に形成された拡径部1cbの外周面と溶接により接合されている。
上側金具8bは、中心部に貫通孔8baが形成され、空洞となっている。空洞8baは、蛇腹状部材8aを上側金具8bに溶接すると、蛇腹状部材8aの内側の空間を駆動素子11の収容室に連通させる貫通孔となっている。弁体中間部材1cは蛇腹状部材8aの内部を貫通して、上側金具8bの上端面から突出し、駆動素子11と線接触で接合されている。すなわち蛇腹状部材8aは、弁体中間部材1cの径方向外方に設けられ、弁体中間部材1cを内包する。なお蛇腹状部材8aは、自然長(自然な状態での長さ)となる初期状態から圧縮した状態で、燃料噴射弁100に組み付けられている。
本実施例では、駆動素子11は下端面に円錐状の凹部11aを具備している。また弁体中間部材1cは、上端部が略球形に形成されている。弁体中間部材1cの略球形の上端部が凹部11aの開口縁と当接することで、弁体中間部材1cは駆動素子11と線接触で接合される。ベローズ体8は初期に圧縮状態としておくことで、耐久性が増加する。そのため、ベローズ体8に圧縮を加えるために、第一ケーシング7の突当て部に隙間8d(図10参照)を設けている。ベローズ体8の初期圧縮についての詳細は、図10を用いて後述する。
なお図4に示すように、上側金具8bの下面側の外周部には、蛇腹状部材8aの圧縮量を調整するための部品として、ベローズリング15が設けられる。ベローズ体8の寸法は、ベローズの製作方法や接合により、ばらつきが大きく、必要とする蛇腹状部材8aの圧縮量がばらつく。そのため、ベローズリング15の厚さを調整して、蛇腹状部材8aの圧縮量を調整することができる機構を設けた。
第二ケーシング9は、二重円管構造を有するケーシング体16の内側の円管部材(筒状部材)を構成する部品であり、駆動素子11の周方向の位置とベローズ体8の圧縮量を保持し、燃料流路を構成する部品である。第二ケーシング9の下流側端部の内周面に設けた径方向内方に向かって突出する凸部9bでベローズ体8の上側金具8bを下方に押し、ベローズ体8を圧縮する。この状態でベローズ体8の上側金具8bの外周と第二ケーシング9の外周は重ねあわせ溶接で接合する。第二ケーシング9の上流側端部の外周面には、図5に示すように、径方向外方に向かって突出するフランジ状突起(環状突起)9aがあり、フランジ状突起9aで上部ケーシング13との位置あわせを行なう。
第二ケーシング9は高い燃料圧力が印加されるので、許容耐力が大きく、且つ溶接性の優れた材料(例えば、SUS630といった析出硬化系ステンレス鋼)で製作される。
上部ケーシング13はダンパー体12とそれを固定する固定部材14とを内周面側に保持し、また燃料供給口13aを構成する部品である。さらに、燃料噴射弁100を内燃機関に組付けるための取付け部品でもある。
上部ケーシング13には、第二ケーシング9、第三ケーシング10、ダンパー体12及び固定部品14の取付け穴が同軸上に形成され、段付きの孔12eを形成している。燃料供給口13aは第二ケーシング9と第三ケーシング10とを取り付ける穴とは同軸上に構成されていない。なお第三ケーシング10は、二重円管構造を有するケーシング体16の外側の円管部材(筒状部材)を構成する部品であり、第二ケーシング9と共に燃料流路を構成するための部品である。
図5に示すように、上部ケーシング13の下流側端面から取付け穴12eに第二ケーシング9及び第三ケーシング10を挿入する。第二ケーシング9にはフランジ状突起9aが設けてあり、第三ケーシング10にはフランジ状突起10aが設けてある。フランジ状突起9a及びフランジ状突起10aは、それぞれ上部ケーシング13の取付け穴12eに当接した状態で位置が固定された後、全周が溶接される。なお、固定及び溶接は、第二ケーシング9、第三ケーシング10の順番で行う。
上部ケーシング13は高い燃料圧力が印加されるので、許容耐力が大きく、且つ溶接性の優れた材料(例えば、SUS630といった析出硬化系ステンレス鋼)で製作される。
駆動素子11は、下流側シート部1bが下流側弁座2cと当接する方向に、弁体1を移動させるための部品である。前述の通り、駆動素子11の下流側端面(下端面)11aは弁体中間部材1cと当接している。駆動素子11の下流側端面11aは円錐状の凹部を具備し、下流側端面11aと同様、当接部の面圧を低減させ、磨耗を防ぐ。上流側端面も円錐状の凹部11bを具備しているが、円錐状の凹部を具備している別部材を上流部端面に組付けることもできる。駆動素子11は電圧を印加されると、全長が伸びる。駆動素子11の一例である圧電素子の場合、薄いセラミックス製の素子を積層して構成され、電圧を印加すると数μmから数十μm全長が伸びる。素子は両端部を金属製の蓋で固定され、素子の外周は伸縮できる形状の金属ケーシングにて覆われる。セラミックス製の圧電素子では、金属に比べて非常に線膨張率が低く、ステンレス鋼の1/10程度となる。
第三ケーシング10の上流側端面はフランジ状突起10aになっている。第三ケーシング10の下流側端面から10mmほど上流側までの内径は、第一ケーシング7の外径と同じだが、それより上流側では第一ケーシング7の外径よりも1mm以上大きくなる。第三ケーシング10の内周にノズル体3を下流側端部から挿入するようにして、第三ケーシング10を上部ケーシング13に組み付ける。第三ケーシング10のフランジ状突起10aを、上部ケーシング13の取付け穴12eに突き当てて固定し、上部ケーシング13と第三ケーシング10のフランジ状突起10aの外周とを溶接する。
また、第三ケーシング10の下流側内径部と第一ケーシング7の上流側外径部とは圧入となっており、第三ケーシング10の下流側と第一ケーシング7の上流側とを重ねあわせて、溶接で全周を接合する。これにより、第二ケーシング9の外径(外周)と第三ケーシング10の内径(内周)の間が隙間となり、ここを燃料が流れる。
ダンパー体12は、部品間の線膨張率の差を相殺するための部品である。ダンパー体12は駆動素子11の上流側に位置している。ダンパー体12は先端側の端部に略球状(半球状)になっている突起部12cを具備しており、駆動素子11の上流側端面に具備された円錐状の凹部11bと当接している。
ダンパー体12はシリンダ12bとプランジャ12aとダイアフラム12dとから構成されており、シリンダ12bとプランジャ12aとダイアフラム12dとの間には油が封入されている。油は気泡が混入しないように、脱気した状態でシリンダ12bとプランジャ12aとダイアフラム12dとの間に注入される。温度が高くなると油が膨張し、その膨張した分、ダイアフラム12dが変形し、それに接続されているシリンダ12bが追従して移動する。この移動により、下流側弁座2と弁体1の隙間が発生しないように接触を維持する。ダンパー体12は駆動素子11が高周波で駆動した場合の挙動では変動しない特性を有する。
固定部品14はダンパー体12を固定する部品である。ダンパー体12に当接している駆動素子11の駆動力は1000N以上あり、この荷重を受けても、固定部品14が軸方向に移動しないように、固定部品14に印加する圧入荷重が設定される。
固定部品14の固定方法は次のとおりである。固定部品14を上部ケーシング13の内周面13bに圧入する。固定部品14の圧入長さが規定値となるよう微調整を行なう。弁体11の移動量が規定値となったときに、上部ケーシング13と固定部品14は仮固定される。固定方法は、かしめ等とする。その後、駆動素子11が駆動するときの荷重に耐えるように、上部ケーシング13と固定部品14を接合して完全固定する。
図6は、各条件における上流側シート部1aの状態を示した拡大断面図である。図7は、各条件における下流側シート部1bの状態を示した拡大断面図である。図8Aは、本発明に係る燃料噴射弁100の印加電圧と、上流側シート部1a及び下流側シート部1bの各弁座との当接状態との関係を示す図である。図8Bは、図8Aに示す上流側シート部1a及び下流側シート部1bの各弁座との当接状態を示す図である。なお図8Bでは、図8Aに示す段階(1)〜(6)に対応させて、上流側シート部1a及び下流側シート部1bの各弁座との当接状態を示している。
加圧装置で規定圧力に加圧された燃料は、図示しない燃料配管を介して、上部ケーシング13に具備された燃料供給口13aに供給され、燃料噴射弁100の内部に流入する。
図8A及び図8Bの(1)は機関及び燃料加圧装置の停止時の状態を示す。この時、駆動素子11への電圧の印加は行われていない。この状態では、弁体1に設けられた第一付勢部材4の力により、弁体1は上流側シート部1aが上流側弁座7aと当接する位置まで押し上げられ、上流側シート部1aと上流側弁座7aとの間の燃料通路が閉じた状態である(図6(a)の状態)。この場合、燃料加圧装置は停止しているため燃料の供給は行われていないが、前回、機関の運転を停止するまで供給されていた燃料は上流側シート部1a及び上流側弁座7aによって止められ、上流側シート部1a及び上流側弁座7aの下流側には流下しない。従って、燃料噴射弁100は閉弁した状態である。なお、下流側シート部1bと下流側弁座2cとの間の燃料通路は開いた状態である(図7(a)の状態)。
図8A及び図8Bの(1)で、機関が停止されたままの状態で燃料加圧装置が作動すると、燃料が供給される。しかしこの状態では、駆動素子11への電圧の印加は行われていない。そのため弁体1は、第一付勢部材4の付勢力とベローズ体8から作用する上流方向への力の双方により、上流方向へ押し上げられている。その結果、弁体1の上流側シート部1aは第一ケーシング7の上流側弁座7aと当接し、上流側シート部1aと上流側弁座7aとの間の燃料通路が閉じた状態が維持されている(図6(a)の状態)。この状態では、下流側シート部1b側の燃料通路は開いているものの、上流側シート部1a側の燃料通路が閉じているため、燃料の流れが遮断される。この場合も、燃料噴射弁100は閉弁した状態を維持している。このとき、燃料を遮断しないと、内燃機関の燃焼室内に燃料が流入してしまい、機関始動時に圧縮が発生し、内燃機関を破壊してしまう可能性がある。
図8A及び図8Bの(2)は、燃料加圧装置が始動された後、機関が始動された状態(機関の作動中の状態)を示している。この状態では、エンジンコントロールユニットからの指令値に基づいて、燃料を燃料噴射弁100から所定の流量だけ噴射する。弁体1は、必要とされる流量の燃料が流れ、圧力損失や噴霧性能が維持されるよう、下流側シート部1b側の流路面積と上流側シート部1a側の流路面積との比が最適となるように、駆動素子11に印加される電圧が制御されて駆動される。すなわち、駆動素子11の駆動電圧が図8Aの中間電圧に制御され、上流側シート部1aと上流側弁座7aとの間の燃料通路が開き(図6(b)の状態)、下流側シート部1bと下流側弁座2cとの間の燃料通路も開いている状態であり、燃料噴射弁100が開弁した状態である(図7(a)の状態)。
図8A及び図8Bの(3)は、機関及び燃料加圧装置が共に作動している状態において、燃料噴射を停止させる状態を示す。弁体1の下流側シート部1bと下流側弁座2cとが当接するように、駆動素子11に通電を行う。これにより、弁体1が下流側弁座2c側へ移動する。結果、燃料流路が閉塞され、燃料噴射が停止する。すなわち、上流側シート部1aと上流側弁座7aとの間の燃料通路は開いた状態(図6(c)の状態)であるが、下流側シート部1bと下流側弁座2cとの間の燃料通路が閉じた状態(図7(c)の状態)となり、燃料噴射弁100が閉弁した状態となる。
機関駆動時には、図8A及び図8Bの(2)の状態と(3)の状態とを繰り返すことにより、機関の燃焼に必要とされる燃料量を適切なタイミングで燃料噴射弁100から供給することが可能となる。図8A及び図8Bの(4)の状態は(3)と同じ状態、(5)の状態は(2)と同じ状態である。ただし、(5)の状態では、途中で機関及び燃料加圧装置が停止され、弁体1は第一付勢部材4の付勢力とベローズ体8から作用する上流方向への力の双方により、上流方向へ押し上げられる。これにより、上流側シート部1aが上流側弁座7aに当接し、燃料噴射弁100は閉弁した状態で動作を停止する。
すなわち本実施例の燃料噴射弁100は、上流側シート部1aが上流側弁座7aから離間し、下流側シート部1bが下流側弁座2cから離間した状態に、弁体1を駆動素子11により駆動して燃料を噴射する。燃料噴射弁100は、駆動素子11への通電を行っていない状態では、上流側シート部1aが上流側弁座7aと当接する向きに弁体1を付勢する、第一付勢部材4の付勢力を含む上流向き付勢力が、下流側シート部1bが下流側弁座2cと当接する向きに弁体1を付勢する下流向き付勢力よりも大きくなるように構成されている。燃料噴射弁100は、駆動素子11への通電中に、駆動素子11の駆動力を含む下流向き付勢力が上流向き付勢力よりも大きくなるように駆動素子11を駆動することにより、下流側シート部1bを下流側弁座2cに当接させて下流側燃料通路を閉じる。
図9は、本発明に係る燃料噴射弁100の弁体1に作用する力関係を示した図である。
図9(1)は機関及び燃料加圧装置の停止時に作用する力を示す。各部の荷重(力)関係は(数1)のとおりとなる。
Figure 0006731492
は第一付勢部材4のばね定数kと圧縮量xにより、弁体1が上流方向へ付勢される力である。Fはダンパー体12が駆動素子11を下流方向に押す荷重である。
図9(2)は機関が停止した状態で燃料加圧装置が動作して燃料圧力が印加された状態において作用する力を示す。各部の荷重(力)関係は(数2)のとおりとなる。
Figure 0006731492
は第一付勢部材4のばね定数kと圧縮量xにより、上流方向へ付勢される力である。(πD /4)Pはベローズ体8の有効径Dに燃料圧力Pが作用し、弁体1が上流方向へ付勢される力である。これは、ベローズ体8内部が空気層となり、外部に加圧された燃料が存在するためである。(πD /4)Pはシート径Dに液体の圧力Pが作用し、下流方向に付勢される力である。Fはダンパー体12が駆動素子11を押す荷重である。
図9(3)は燃料噴射時に作用する力を示す。各部の荷重(力)関係は(数2)のとおりとなる。
Figure 0006731492
は第一付勢部材4のばね定数kと圧縮量xにより、上流側方向へ付勢される力である。(πD /4)Pはベローズ体8の有効径Dに液体圧力Pが作用し、弁体1が上流側方向へ印加される力である。これは、ベローズ体8内部が空気層となり、外部に加圧された燃料が存在するためである。Fはダンパー体12を押す下流側に印加する力である。Fは駆動素子11により弁体1が下流側に押される力である。右項と左項とは、平衡状態で釣り合い、弁体1は所望の位置で停止する。
図9(4)は燃料噴射停止時に作用する力を示す。各部の荷重(力)関係は(数4)のとおりとなる。
Figure 0006731492
(πD /4)Pは弁体1の下流側シート径Dに液体圧力Pが作用し、上流側方向へ印加される力である。kは第一付勢部材4のばね定数kと圧縮量xにより、弁体1が上流側方向へ付勢される力である。(πD /4)Pはベローズ体8の有効径Dに液体圧力Pが作用し、弁体1が上流側方向へ付勢される力である。これは、ベローズ体8内部が空気層となり、外部に加圧された燃料が存在するためである。Fはダンパー12が駆動素子11を押す力であり、下流側に向かう力である。Fは駆動素子11により弁体1が下流側に押される力である。
上記(1)〜(4)の力関係が成立しない場合、燃料が噴射しない又弁体1が下流側弁座2cに当接せずに、燃料が洩れてしまう等の不具合が生じる。
図10は、本発明に係る燃料噴射弁100のベローズ体8の組付け方法の詳細を示した図である。
ベローズ体8は第二ケーシング9の組付け時に、ベローズ体8の上側金具8bが第二ケーシング9に引きずられて、蛇腹状部材8aを圧縮してしまう。蛇腹状部材8aの圧縮量が圧縮許容値を超えると、蛇腹状部材8aは塑性変形を起こして伸縮性が失われ、弁体1が移動しなくなる。そのため、上側金具8bの下端面に受け部品を設けるか、第一ケーシング7に受け部を設けて、蛇腹状部材8aの圧縮量を抑える必要がある。
一方、ベローズ体8は流体圧力、温度、弁体1の移動により伸びが発生する。このとき、蛇腹状部材8aの伸び量が伸び許容値を超えると、蛇腹状部材8aは塑性変形を起こして伸縮性が失われ、弁体1が移動しなくなる。蛇腹状部材8aの材質変更や肉圧増加、全長拡大により改善可能ではあるが、燃料噴射弁100の許容寸法や相手側の内燃機関レイアウトにより、ベローズ体8の改善は制約を受ける。そこで、図10に示すように、組付け時に蛇腹状部材8aに圧縮を与えて、伸び量の拡大を図る。そのために、第一ケーシング7とベローズ体8の上側金具8bの下端面との間にすきま8dを有する構造として、第二ケーシング9と第一ケーシング7とで上側金具8bを挟み込み、蛇腹状部材8aに圧縮を加える構造とする。ベローズリング15はベローズ体8の寸法ばらつきを吸収するための部品である。
図11は、本発明に係る燃料噴射弁100の弁体1及びノズル体3の詳細断面図である。
供給された燃料は上流部から徐々に流路内部で発生するせん断抵抗による損失(圧力低下)を受ける。そのため、弁座2の噴孔2bから噴出する燃料量は、上流部より供給されたそれより減少する。特に、弁体1とノズル体3により形成される流路17は狭く、かつ長いため、損失を生じやすい。そこで、ノズル体3の内径を上流部に向かうに従い徐々に拡大する構成とし、流路抵抗を低減させ、圧力損失を低減できるようにする。すなわち、下流部より上流に向かうにしたがいノズル体3のノズル径d1、d2、d3が、d1<d2<d3の関係となるように構成する。
本実施例によれば、弁体1に固定された弁体中間部材1cを設け、駆動素子(圧電素子)11の伸縮を、弁体中間部材1cを介して弁体1に伝えることで、弁体1bが弁座2cから引上げられる機構を実現できる。このため、簡単な機構で、燃料を噴孔2bから噴射する燃料噴射弁100を実現できる。燃料噴射弁100において、弁体1に作用する燃料圧力及び付勢部材4の力関係を適切に設定でき、弁座2cと弁体1との接触を良好にすることができ、油密性能を良好に維持することができる。
[実施例2]
図12は、本実施例に係る燃料噴射弁の全体図を示し、図12(a)には、燃料噴射弁1が閉弁状態であるとき、図12(b)には、燃料噴射弁が開弁状態であるときの拡大図を示す。
燃料噴射弁の上方の燃料供給口208から、燃料が供給される。燃料は、二重円管のすきまの流路を流れて、ノズル203と弁体202の隙間から、弁座部へと到達する。駆動素子206は電圧又は電流に比例して伸長する素子を用いる。また、駆動素子206の下方端部には、弁体駆動機構212が設けられており、駆動素子206が下流方向に伸長した動作を上流方向へと変換する機能を持つ。後述するが本実施例によれば、弁体駆動機構212と弁体202の端部は当接しており、弁体202を上流側に引き上げることができる。弁座201はノズル203先端外周部に形成されており、ノズル203の先端部には弁座201が設けられている。なお、弁座201はノズル203の先端部に溶接等により接合されている。駆動素子206が動作することにより、当接している弁体202が下方に押し上げられ、弁座201から弁体202が離れ、シート部燃料流路210aを形成して、弁座201に開口している噴孔211より燃料を噴射する。通電が終了すると、弁体202に設けられたスプリング204の力により弁体202と弁座201が当接し、これにより生じる隙間がシート部燃料流路210を閉塞し噴射が終了する。
背景でも説明した通り、一般的に、駆動素子206及び圧電素子217(ピエゾ素子)を有する燃料噴射弁は、弁体202を押すことにより燃料を噴射する構造をとっている。
そのため強度などの観点から、弁体先端は円錐形状を取るのが一般的であり、生成される噴霧は傘状噴霧となる。現在多く開発されている通電により弁体202を引き上げて燃料を複数の噴射孔から噴出させることを可能とした流量制御弁と比較すると、噴霧レイアウトの自由度が少ないことが課題となっている。
そこで、本実施例では駆動素子206と弁体202の間に弁体駆動機構212を備えることにより、駆動素子206を利用していながら、弁体202を引き上げることができるように構成した。図12(a)及び図12(b)に図示するように、通電時には開弁を行い、無通電時には弁は閉弁する。その結果、複数の燃料噴射孔を用いることも可能とすることができるようになるという効果を得ることができる。弁体駆動機構の構造や動作原理については後で詳述する。
図13には、弁体駆動機構212の断面拡大図を示す。加えて、図14には弁体駆動機構212の三次元形状図を示す。弁体駆動機構212は、ロッド213、駆動素子206と板状部材214a、リング状部材214、台座部215、弁体キャップ部216、金属シール部B 205bにより構成される。次にこれらの動作機構について説明する。また、駆動素子206を用いる流量制御弁の場合、駆動素子206が燃料に触れると劣化や腐食などが発生してしまうため、金属シール部材を設置する。
本実施例において、リング状部材214、又は板状部材214aは弁体202を押し上げる役割を果たすため押上部と呼ぶ。また弁体駆動機構212は押上部(リング状部材214、板状部材214a)の内周側端部よりも外周側で接触して支持する支持部(台座部215)を備える。そしてロッド213は押上部(リング状部材214、板状部材214a)と、支持部(台座部215)と押上部(リング状部材214、板状部材214a)との接触部221よりも外周側において接触して、押上部(リング状部材214、板状部材214a)を下側に動かす。よって、本実施例ではロッド213のことを動作部と呼ぶ。
動作部(ロッド213)により下側に動いた押上部(リング状部材214、板状部材214a)は接触部221よりも内周側において弁体202と接触することで弁体202を押し上げる。
なお、本実施例の構造とは逆に、動作部(ロッド213)は、押上部(リング状部材214、板状部材214a)を、支持部(台座部215)と押上部(リング状部材214、板状部材214a)との接触部221よりも内周側で接触して、下側に動かすようにしても良い。
図13、14を用いて本実施例の弁体駆動機構212の動作を具体的に説明する。板状部材214は、てこの原理により上部に弁体202を引き上げることができる。弁体駆動機構212上部には駆動素子206が備えられており、駆動素子206が通電されることにより、駆動力を下流方向に伝える。このとき、板状部材214aの支持部(台座部215)、動作部(ロッド213)、押上部(リング状部材214、板状部材214a)が、支点、力点、作用点の作用により動作することにより、下流方向に伝えられる駆動力を上流方向への力に変換することができる。
具体的には押上部は、動作部(ロッド213)、に接する位置に配置される枠部材(リング状部材214)を有し、駆動素子206による駆動力を枠部材(リング状部材214)に伝える動作部は駆動素子206と枠部材(リング状部材214)との間において軸方向に設けられた複数のロッド213により構成される。また、この複数のロッド213は、周方向において均等な間隔を有して配置される。板状部材214aはリング状部材214の内周側に取り付けられており、複数のロッド213はリング状部材214を付勢することで板状部材が下流方向に動く。
複数ロッド213の代わりに全周に渡って、枠部材223と板状部材214a(リング状部材214)とをつなぐ金属部材を設けることも可能であるが、本実施例により材料の削減が可能となる。また、この複数のロッド213は、少なくとも3本以上かつ均等な間隔を持って配置されることが望ましい。これは、弁体駆動機構212上部に配置された駆動素子206から与えられる力を均等に弁体駆動機構212に与えるためである。また、均等に配置されない場合、弁体駆動機構212内で傾きができてしまう。傾きができると、故障や部品の破損の原因になるため、避けることが好ましい。
本実施例の弁体駆動機構212によれば、上記したように複数のロッド213がリング状部材214及び複数の板状部材214aを付勢することで弁体202を上流側(あるいは)複数枚備えられ、前記板状部材214は、均等な間隔を持って配置される。また、板状部材214aも上記したロッド213と同様、複数枚、詳しくは3枚以上配置されることが望ましい。これも、また上部から伝わる駆動素子206の力が偏って下流部に伝わることを妨げる懸念があるためであり、傾きを持って駆動素子206からの力を下流に伝える動作を繰り返すと、板状部材214の故障及び破損の原因になることが考えられる。また、板状部材214は、強度の観点から金属であることが望ましい。
弁体駆動機構212において、弁体202の上部にフランジ部を有し、フランジ部は押上部(板状部材214a)の内周側端部に接する。なお、フランジ部は図13のキャップ部216の外周部に突出している部分のことを指す。また、フランジ部は弁体202の上端部に設けられたキャップ部216に形成されているが、これに限らず、弁体202の上部に形成するようにしても良い。この部分が前記した板状部材214をひっかけることにより、弁体は上流方向に押し上げられるという役割を果たす。
すなわち前記した弁体駆動機構212を備えた流量制御弁において、前記フランジ部は、前記弁体の上部に備えられ、前記弁体と前記フランジ部は別体である場合でも適応可能である。駆動素子206を用いた燃料噴射弁の弁体は非常に長い。それゆえ、フランジ部を弁体の上部に設置する際に加工が困難であるという問題があった。そこで、弁体の上部に、弁体とは別体の燃料シール部材B 205b及び、金属シール部材上部に配置されるキャップ部材216を設ける。この構成をとることにより、加工が簡易化される。また実際に、流量制御弁を組み立てる際の組み立ての簡易化も期待できる。また、燃料シール部材金具B 205bは、燃料をシールするという役割を果たすことができれば、金属である必要はなく、その他の材料であっても使用は可能である。
今回、流量制御弁であれば弁体駆動機構212を適用することが可能であるが、本実施例においては、燃料噴射弁を例にとって以下説明する。
前記した弁体駆動機構212において、押上部(板状部材214a)は、フランジ部の下部に当接し、フランジ部下部に接する部分を作用点、ロッド213が接する部分を力点としたとき、押上部(板状部材214a)の下部に備えられた部分を支点として弁体2を押し上げる。このように押上部(リング状部材214、板状部材214a)は、てこの原理を利用して弁体2を押し上げることができる。この動作に関して、図15を用いて説明する。図15(a)は駆動素子6に通電される前の状態である。そのため前記した板状部材214も押し下がることなく平面上に存在している。続いて、駆動素子206への通電がスタートした時点での弁体駆動機構212を図15(2)に示す。この図からもわかる通り、駆動素子206から発せられる駆動力は、動作部を通じて、板状部材214に伝えられる。このことにより、板状部材214の外周側端部は下流方向に押し下げられる。この結果、接触部221が支点、押し下げ部が作用点として働き、弁体202を上流方向に押し上げる。図15(3)には、板状部材214が台座に接する程度まで押し下げられた状態を示す。この図からも明白なように、動作部(ロッド213)が押し下げられることで弁体202は押し上げられる。まとめると駆動素子206が通電された後、下流方向に駆動力を示した場合においても、弁体駆動機構212を介することにより、弁体202自体には駆動力と逆方向の力を伝えることができる。
弁体駆動機構212を備えた燃料噴射弁は複数の噴射孔を持つ。一般的に駆動素子206を用いて燃料噴射を行う燃料噴射弁においては、駆動素子206が、電圧を印化すると伸長する構造であるために、弁体202を押すことにより、燃料を噴射する構造となる。
そのため、強度の問題を解決するため弁体202の先端は円錐形状が一般的であり、生成される噴霧は傘状噴霧となる。しかし通電により弁体202を引き上げて燃料を複数の噴射孔より噴霧する燃料噴射弁と比較すると、噴霧レイアウトの自由度が非常に低い。燃料噴射弁への効率的な噴霧のためには、駆動素子206を用いた場合においても、噴霧のレイアウト性を向上させることが好ましい。
そこで本実施例では、弁体駆動機構212を用いて駆動素子206の駆動方向を逆転させることで、通電により弁体202を駆動させる燃料噴射弁と同じ方式で燃料を噴射することが可能となる。よって駆動素子206により燃料を噴射させる本実施例の燃料噴射弁であっても、複数の噴射孔を備えることが可能となる。その結果、駆動素子6を用いた場合においても、噴霧のレイアウト性を向上が期待できるという特有の効果を得ることができる。
[実施例3]
実施例2では駆動素子206を駆動部として用いる例を紹介したが、本実施例においては、図16に示すように駆動素子6として圧電素子217を用いる。圧電素子217は他の駆動素子206よりも動作周期が非常に早いため、低噴射パルスでの駆動が可能であり、少量で安定的に燃料を噴射することが可能となるという顕著な効果を示す。
ただし燃料を噴射する際には、燃料噴射弁自体も高温状態となる。流量制御弁を構成している金属部品(例えば、ステンレス鋼など)よりも、圧電素子217の構成している部材の線膨張率が小さいもの場合もある。このとき、温度が上昇すると、流量制御弁を構成している金属は大きく伸びるが、駆動素子206は、前記金属以上に伸びず、結果的に弁体202を押し下げる距離が短くなってしまい、燃料のシールができず流出し続けてしまうという問題が生じる。
そこで、本実施例の弁体駆動機構212を備えた燃料噴射弁において、前記駆動素子206上部にダンパー207を設けることを特徴とする。ダンパー207はシリンダとプランジャ、加えてシリンダとプランジャの隙間に封入されているオイルで構成される。シリンダとプランジャの隙間にオイルが封入されていることにより、温度が高くなるとオイルが膨張し、シリンダが伸びるようになる。こうしてシリンダが伸びることにより、弁座と弁体202の隙間が発生しない状態となる。このため、燃料噴射弁を構成する金属の伸び量よりも、駆動素子206による伸び量を大きくすることができる。本実施例の場合、弁体駆動機構212を備えたことにより、弁体202へ駆動力が働くまでの間隔が長くなることにより、駆動素子206による伸び量がある程度短くなってしまう。そのため、ダンパー7は重要な役割を果たす。
なお、圧電素子217は防水密閉構造になっているあるいは、耐燃料性がある場合には、液中に設置することも可能である。
上述した実施例2及び実施例3では、「弁体を押し上げる押上部と、前記押上部の内周側端部よりも外周側で前記押上部に接触して支持する支持部と、前記支持部と前記押上部との接触部よりも外周側において前記押上部と接触して、前記押上部を下側に動かす動作部と、を備え、前記動作部により下側に動いた前記押上部は前記接触部よりも内周側において前記弁体と接触することで前記弁体を押し上げる」という構成を備える。これにより、ノズル先端外周部に弁体と当接する弁座と、当該弁座と当接することで燃料通路を閉じ、前記弁座から離れることによって前記燃料通路を形成するように稼働する前記弁体を備える流量制御弁において、簡単な機構にて多噴孔から噴出させることを可能とした流量制御弁を提供することができる。
[実施例4]
上述した実施例では、内開きの弁構造について説明したが、弁体の駆動機構の一部を外開きの弁構造に適用することにより、弁体の駆動機構を簡単な構造で実現することができる。以下、図面を参照しながら説明する。
図17は、本実施例にかかる流量制御弁を説明する図である。弁体302の先端部に通常時(電圧未印加時)閉とする制御弁である。流量制御弁の上方の燃料供給口308から燃料が供給され、二重円管のすきまの流路を流れノズル303と弁体302のすきまから、弁座部へと到達する。駆動素子306は電圧又は電流に比例して伸長する素子である。
なお、この駆動素子は、素線を円周上に巻いたコイル等のソレノイドでもよい。この場合は、コイルに通電したときに、磁気吸引力により弁体2を押し下げる構造とする。
駆動素子306の下方端部には、弁体302の先端部が当接しており、駆動素子306の動作によりこれを直接動作させる。弁座301はノズル303先端外周部に形成されている。ノズル303の先端部にキャップ部品312が設けられている。駆動素子306が動作することにより、当接している弁体302が下方に押し下げられ、弁座301から弁体302が離れ、シート部燃料流路310を形成して、キャップ部品312に開口している噴口311より燃料を噴射する。通電が終了すると弁体302に設けられたスプリング304の力により弁体302と弁座301が当接し、これにより生じるすきまがシート部燃料流路310を閉塞し噴射が終了する。
駆動素子306に圧電素子を用いる場合、流量制御弁を構成している金属部品(例えばステンレス鋼など)より圧電素子の構成している部材は線膨張率が小さいものがある。このとき、温度が上昇すると、構成している金属は大きく伸びるが圧電素子は伸びずに弁体302を押し下げる距離が相対的に短くなり、弁体302のストローク量が減少し、最終的には開弁しなくなる。
そのため、温度が上昇した場合は弁体301と圧電素子との間に隙間ができないようにダンパー307を設ける。ダンパー307にはシリンダとプランジャからなり、シリンダとプランジャの隙間にはオイルが封入されており、温度が高くなるとオイルが膨張し、シリンダが伸びる。この伸びにより、弁体302と圧電素子の隙間が発生しない状態となる。なお、圧電素子は防水密閉構造になっている又は耐燃料性がある場合は液中に設置することも可能である。圧電素子は動作周期が非常に速いために、低噴射パルスでの駆動が可能であり、小流量で安定して噴射可能となる。
図18は第1参照例から第3参照例についての詳細を示した図である。金属製シール部材305aの両端は金属製シール部材上流側金具305b及び金属製シール部材下流側金具305cにそれぞれ圧入されており、圧入部は溶接等により接合させている。この箇所に燃料圧力が印加されるために、想定されうる燃料圧力以上の気密性の確保が必要である。
金属製シール部材305aを金属製シール部材上流側金具305b及び金属製シール部材下流側金具305cに接合した後、金属製シール部材下流側金具305cは、弁体302の先端部端面を金属製シール部材下流側金具圧入部305dに圧入し、金具圧入部の外周溶接等にて固定する。金属製シール部材上流側金具305bは、金属製シール部材下流側金具305cを弁体302に圧入、接合後に内側パイプ部品311へ圧入し、内側パイプ部品311の外周側より溶接等にて接合される。
金属製シール部材下流側金具305cの片側は棒上の形状であり、先端は球面となっている。これが金属製シール部材305aの内部を貫通するように取り付けられている。この球面が駆動素子306の端面と接触するように構成されている。球面は組み立てられた状態において必ず金属製シール部材305aより突出するように、筒の全長寸法を決定する。駆動素子306の先端側の端面には円錐状の溝が形成されており、この溝に金属製シール部材下流側金具305cの先端部球面が入り込み、当接する。これにより、接触面の面圧を低減することができる。なお、両者の材料硬度が高い場合は、円錐状の溝ではなく、平坦な面でもよい。
金属製シール部材下流側金具305cは駆動素子6の動きを弁体2に伝える。このとき、金属製シール部材上流側金具305bは内側パイプ部品311に固定されているため、金属製シール部材305aは伸縮性のある構造である。形状は蛇腹状で、この蛇腹部が伸縮して、金属製シール部材下流側金具305cの動きに追従する。なお、材料自体に伸縮性と必要強度が満足できれば、蛇腹形状ではない、筒状の部材でもよい。
弁体302の摺動部313との距離をとることが可能なため、摺動部の変形を抑制することができ、弁体302の先端部からの洩れ量や噴霧のばらつきを低減が可能である。
以上のように本実施例では、ノズル303の先端の内周部に弁体2と当接する弁座を備え、弁体302がノズル303の弁座と当接することで燃料通路を閉じ、弁座から離れることによって燃料通路を形成するように稼働する。そして、弁体302を駆動する駆動素子306と燃料流路を遮蔽するシール部材305を駆動素子306の下面に設け、かつ弁体302の上部に設けた。より具体的にはシール部材は金属製であり、駆動素子306の直下に配置され、かつ、弁体302の上端部に取り付けられる。
シール機構305は、弁体302の周囲の燃料流路と駆動素子306の側とをシールする金属製シール部材305aにより構成される。この金属製シール部材305aの内周側には弁体302に取り付けられる金属製シール部材下流側金具305cが配置され、金属製シール部材下流側金具305cの下面と金属製シール部材305aの上面とが接触することで弁体302の周囲の燃料流路と駆動素子306の側とをシールする。
金属製シール部材下流側金具305cの上端は駆動素子306の下面と接触しており、駆動素子306が駆動するとこの駆動力が金属製シール部材下流側金具305c、及び金属製シール部材305aを介して弁体302に伝わる。金属製シール部材305aと駆動素子306との間には金属製シール部材上流側金具305bが配置され、金属製シール部材下流側金具305cは金属製シール部材上流側金具305bの内周側を通って駆動素子306と接触する。このとき駆動素子306の下面は円錐形状の凹部が形成され、金属製シール部材下流側金具305cの上端がこの凹部と接触することが望ましい。
また、金属製シール部材305aは弁体302と伸縮自在な蛇腹機構を有しており、駆動素子306が駆動すると、金属製シール部材下流側金具305cが付勢されて、このとき金属製シール部材305aの蛇腹機構が伸びることで、駆動素子306の伸長を弁体302に伝達する。なお、金属製シール部材305aと金属製シール部材下流側金具305cとは溶接で固定されるとともに、金属製シール部材下流側金具305cは弁体302の上部に被さって固定される。
燃料流路を遮蔽する金属製シール部材下流側金具305cの両側に弁体302の構成部材に取り付けうる金具を溶接等により接合されている。
弁体に直接燃料遮蔽部材を溶接等により、接合した構造では、溶接等による影響で弁体が変形して、ノズル部との摺動が出来なる可能性がある。また、燃料遮蔽部材をノズル部に配置した構造では、ノズル外径が拡大するといった問題がある。本実施例では、軸方向に移動する弁体と、弁体を駆動する駆動素子と、を備えた流量制御弁において、駆動素子と燃料通路を遮蔽するシール部材を駆動素子の下面に、かつ弁体の上部に設けている。これにより、流量制御弁の精度を向上させ、さらに内燃機関等への取り付けの自由度を向上させることが可能となる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、本実施例においては、駆動素子を用いた燃料制御弁に関して中心的に説明したが、駆動素子の中でも磁歪素子や圧電素子に適用してもよいし、燃料制御弁以外の流量制御弁に適用してもよい。また燃料噴射弁の配置方法においても、上記実施形態での例示に限るものではない。
1…弁体、1a…上流部シート部、1b…下流部シート部、1c…弁体中間部材、2…下流側弁座、2a…下流側シート部、2b…噴孔、3…ノズル体、4…第一付勢部材、5…調整リング、6…溶接リング、7…第一ケーシング、7a…上流側弁座、7b…支持部位、8…ベローズ体(シール体)、8a…蛇腹部材、8b…上側金具、8c…すきま、9…第二ケーシング、9a…フランジ状突起、10…第三ケーシング、10a…フランジ状突起、11…駆動素子、11a…駆動素子下流側端面の凹部、11b…駆動素子上流側端面の凹部、12…ダンパー体、12a…プランジャ、12b…シリンダ、12c…突起部、12d…ダイアフラム、13…上部ケーシング、13a…燃料供給口、14…固定部品、15…ベローズリング、16…ケーシング体、17…流路、18…摺動部、19…シール部材、201…弁座、202…弁体、203…ノズル、204…スプリング、205…金属性シール部材、205a…金属性シール部材金具A、205b…金属性シール部材金具B、206…駆動素子、207…ダンパー、208…燃料供給口、209…電圧入力端子、210…シート部、210a…シート部燃料流路、211…噴孔、212…弁体駆動機構、213…ロッド、214…枠部材、214a…板状部材、215…台座、216…金属シール部材上部金具キャップ、217…圧電素子、220…押上部、221…支持部、222…動作部、301…弁座、302…弁体、303…ノズル、304…スプリング、305…金属性シール部、305a…金属製シール部材、305b…金属製シール部材上流側金具、305c…金属製シール部材下流側金具、305d…金属製シール部材下流側金具圧入部、306…駆動素子、306a…駆動素子端面溝部、307…ダンパー、308…燃料供給口、309…電圧入力端子、310…シート部、310a…シート部燃料流路、311…内側パイプ部品、312…溶接等接合箇所、313…摺動部。

Claims (4)

  1. 軸方向に変位可能に構成され、軸方向において燃料の流れる方向の上流側に配設された上流側シート部及び下流側に配設された下流側シート部を有する弁体と、
    前記上流側シート部が当接することにより上流側燃料通路が閉じられ、前記上流側シート部が離間することにより上流側燃料通路が開かれる上流側弁座と、
    前記下流側シート部が当接することにより下流側燃料通路が閉じられ、前記下流側シート部が離間することにより下流側燃料通路が開かれる下流側弁座と、
    前記上流側シート部が前記上流側弁座と当接する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、
    前記下流側シート部が前記下流側弁座と当接する方向に前記弁体を駆動する駆動素子と、
    を備え、
    前記駆動素子への通電を行っていない状態では、前記上流側シート部が前記上流側弁座と当接する向きに前記弁体を付勢する、前記付勢部材の付勢力を含む上流向き付勢力が、前記下流側シート部が前記下流側弁座と当接する向きに前記弁体を付勢する下流向き付勢力よりも大きくなるように構成され、
    前記上流側シート部が前記上流側弁座から離間し、かつ前記下流側シート部が前記下流側弁座から離間した状態に、前記弁体を前記駆動素子により駆動して燃料を噴射する燃料噴射弁。
  2. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記駆動素子への通電中に、前記駆動素子の駆動力を含む前記下流向き付勢力が前記上流向き付勢力よりも大きくなるように前記駆動素子を駆動することにより、前記下流側シート部を前記下流側弁座に当接させて下流側燃料通路を閉じることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記駆動素子は、前記上流側シート部に対して前記下流側シート部が設けられた側とは反対側に設けられ、
    前記駆動素子と前記上流側シート部との間を中継する中継部と、前記中継部の径方向外方に設けられ前記中継部を内包する蛇腹部材と、を備え、
    前記蛇腹部材は自然長となる初期状態から圧縮した状態で組み付けられたことを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記弁体を内包するノズル体を備え、
    前記ノズル体は上流側に向かって内径が大きくなることを特徴とする燃料噴射弁。
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