ホルモン枯渇療法で治療した多くの患者は、この療法に対する耐性を有するようになる。本明細書では、特定のホルモン感受性又はホルモン依存性障害が抵抗性を有するようになる、考え得る機構の1つが、枯渇標的のホルモン又はホルモン活性を生じさせる第2の経路の存在であることを開示する。例えば、前立腺がんはホルモン依存性がんであり、このがんと診断された患者は典型的には、アンドロゲン枯渇療法を用いて治療する。しかしながら、このような患者の多くは、1〜3年後に、この治療に対する抵抗性を有するようになる。この治療抵抗性に対する考え得る説明の1つは、前立腺腫瘍細胞の増殖を支援するのに有用な形で、テストステロン(又はジヒドロテストステロン)の産生に関与することとなる追加の経路の存在である。
本明細書は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減する治療効果をもたらす化合物と、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減する治療効果をもたらす化合物を含む医薬組成物とを開示する。この実施形態の態様では、治療効果は、アンドロゲンの産生を担う副経路、すなわち第2の経路によって促進される活性を低下させるか又は阻害することによって実現される。この実施形態の態様では、治療効果は、アンドロゲンの産生を担う副経路、すなわち第2の経路によって促進される活性を低下させるか又は阻害することに加えて、アンドロゲンの産生を担う第1の経路によって促進される活性を低下させるか又は阻害することによって実現される。
本明細書の態様は、部分的には、医薬組成物を開示する。本明細書で使用する場合、「医薬組成物」という用語は、「製薬学的に許容可能な組成物」と同義であり、治療有効濃度の活性成分(例えば、本明細書に開示されている治療用化合物のいずれかなど)を指す。本明細書で使用する場合、「製薬学的に許容可能」という用語は、個体に投与したときに、拒絶反応、アレルギー反応、又はその他の有害若しくは望ましくない反応を生じないいずれかの分子的実体又は組成物を指す。本明細書に開示されている医薬組成物は、医療及び獣医用途に有用である。医薬組成物は、単独で個体に投与しても、他の補助的な活性成分、作用剤、薬物、又はホルモンと組み合わせて個体に投与してもよい。
本明細書に開示されている医薬組成物は、本明細書に開示されている治療用化合物を1種以上含んでよい。一実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物は、本明細書に開示されている治療剤を1種のみ含んでもよい。別の実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物は、本明細書に開示されている治療用化合物を複数含んでもよい。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている医薬組成物は、少なくとも1種の治療用化合物、少なくとも2種の治療用化合物、少なくとも3種の治療用化合物、又は少なくとも4種の治療用化合物を含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている医薬組成物は、最大で2種の治療用化合物、最大で3種の治療用化合物、又は最大で4種の治療用化合物を含む。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されている医薬組成物は、1〜3種の治療用化合物、2〜4種の治療用化合物、2〜5種の治療用化合物、3〜5種の治療用化合物、又は2〜3種の治療用化合物を含む。
本明細書に開示されている医薬組成物は、本発明の医薬組成物に含まれる1種以上の治療用化合物の投与によって惹起される望ましくない副作用の発生を軽減できる。望ましくない副作用の例としては、男性の女性化及び女性の男性化が挙げられるが、これらに限らない。男性の女性化の例としては、化学的去勢、勃起不全、性的欲求の低下、骨痛、乳房緊満感、女性化乳房、顔面紅潮、体重増加、消化器障害、疲労感、頭痛、抑うつ症状、悪心、肝臓の変化(トランスアミナーゼレベルの上昇を含む)、及び黄疸が挙げられるが、これらに限らない。女性の男性化の例としては、望ましくない発毛、骨粗しょう症及び関節障害(関節炎、関節症、及び関節痛など)の発現リスクの増大、不妊症、攻撃的な振る舞い、副腎機能不全、腎不全、並びに肝機能障害が挙げられるが、これらに限らない。
本明細書の態様は、部分的には、治療用化合物を開示する。治療用化合物は、疾患の診断、治癒、緩和、治療、若しくは予防において、薬理活性若しくはその他の直接的効果をもたらすか、又はヒト若しくは動物の体の構造若しくはいずれかの機能に作用する化合物である。いずれかの好適な形状の治療用化合物を選択してよい。本明細書に開示されている治療用化合物は、製薬学的に許容可能な塩、溶媒化合物、又は塩の溶媒化合物、例えば塩酸塩の形状で用いてよい。加えて、本明細書に開示されている治療用化合物は、ラセミ化合物、又は個々のエナンチオマー(R−エナンチオマー又はS−エナンチオマーを含む)として提供してもよい。したがって、本明細書に開示されている治療用化合物は、治療用化合物のR−エナンチオマーのみ、S−エナンチオマーのみ、又はR−エナンチオマーとS−エナンチオマーとの組み合わせを含んでよい。本明細書に開示されている治療用化合物は、プロドラッグ又は活性代謝物として提供してもよい。
本明細書に開示されている治療用化合物は、例えば、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性を低下させること、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性を低下させること、3β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状を軽減すること、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性を低下させること、20β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性を低下させること、又はこれらのいずれかの組み合わせによって、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減できる。本明細書に開示されている治療用化合物は、例えば、ジヒドロテストステロンのレベル若しくは活性を低下させること、テストステロンのレベル若しくは活性を低下させること、アンドロステンジオンのレベル若しくは活性を低下させること、アンドロステンジオールのレベル若しくは活性を低下させること、デヒドロエピアンドロステロンのレベル若しくは活性を低下させること、又はこれらのいずれかの組み合わせによって、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減できる。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減する。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%軽減する。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%軽減する。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状の重症度を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状の重症度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状の重症度を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状を軽減する。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%軽減する。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%軽減する。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状の重症度を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状の重症度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害の症状の重症度を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
本明細書に開示されている治療用化合物は、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSD17B)の活性を調節できる場合もある。本明細書で使用する場合、「HSD17Bの活性を調節できる」という用語は、本明細書に開示されている治療用化合物がHSD17Bの酸化活性を直接又は間接的に変化させる能力、HSD17Bの還元活性を直接又は間接的に変化させる能力、個体におけるプロゲステロンのレベルを直接又は間接的に低下させる能力、個体におけるアンドロゲンのレベルを直接又は間接的に低下させる能力、個体におけるエストロゲンのレベルを直接又は間接的に低下させる能力、又はこれらのいずれかの組み合わせを指す。ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼは、アンドロゲンの産生に関与する酵素の1種である。17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(17βHSD又はHSD17B)は、この生合成経路を介して、アンドロゲンの酸化及び還元を担う。これらの酵素の大半は、酸化還元の両方向で機能できるが、インビボでは主に一方の反応を行う。HSD17β10(HSD17B10又はHSD10)は、ホルモン抵抗性となったがんに加えて、特定のがんにおいてアップレギュレートされることが知られている。
この実施形態の態様では、HSD17Bの活性を調節できる治療用化合物としては、HSD17Bサブタイプ1(HSD17B1)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ2(HSD17B2)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ3(HSD17B3)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ4(HSD17B4)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ5(HSD17B5)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ6(HSD17B6)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ7(HSD17B7)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ8(HSD17B8)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ9(HSD17B9)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ10(HSD17B10)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ11(HSD17B11)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ12(HSD17B12)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ13(HSD17B13)の活性を調節できる治療用化合物、HSD17Bサブタイプ14(HSD17B14)の活性を調節できる治療用化合物、又はHSD17Bサブタイプ15(HSD17B15)の活性を調節できる治療用化合物が挙げられるが、これらに限らない。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状を軽減する。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%軽減する。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%軽減する。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状が所定期間において発生する数を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状の重症度を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状の重症度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17Bの活性と関連する障害の症状の重症度を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17B10(又はHSD10)酵素活性と関連する障害の症状の重症度を低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17B10酵素活性と関連する障害の症状の重症度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、HSD17B10酵素活性と関連する障害の症状の重症度を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生を調節する。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%調節する。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロゲンの産生を、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%調節する。この実施形態の更に別の態様では、アンドロゲンの産生の調節としては、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性の調節を挙げてよい。この実施形態の更に別の態様では、アンドロゲンの産生の調節としては、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性、3β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性、20β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性、又はこれらのいずれかの組み合わせを挙げてよい。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ジヒドロテストステロンのレベルを低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ジヒドロテストステロンのレベルを、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ジヒドロテストステロンのレベルを、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、テストステロンのレベルを低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、テストステロンのレベルを、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、テストステロンのレベルを、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロステンジオンのレベルを低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロステンジオンのレベルを、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロステンジオンのレベルを、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロステンジオールのレベルを低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロステンジオールのレベルを、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、アンドロステンジオールのレベルを、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)のレベルを低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、DHEAのレベルを、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、DHEAのレベルを、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
別の実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、エストロゲンのレベルを低下させる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、エストロゲンのレベルを、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下させる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物は、エストロゲンのレベルを、例えば、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、又は約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、若しくは約50%〜約70%低下させる。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンである。ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンは、抗精神病薬の一種である。この実施形態の態様では、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンは、イロペリドン{1−[4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル]プロポキシ]−3−メトキシフェニル]エタノン}、オカペリドン{3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル]エチル]−2,9−ジメチルピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン}、パリペリドン、すなわち9−ヒドロキシリスペリドン{3−[2−[4−(6−フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジル]エチル]−7−ヒドロキシ−4−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.4.0]デカ−3,5−ジエン−2−オン}、及びリスペリドン{3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン}であってよい。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、化合物I、又は任意に置換された化合物Iである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、化合物II、又は任意に置換された化合物IIである。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、化合物III、又は任意に置換された化合物IIIである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、化合物IV、又は任意に置換された化合物IVである。
特に示されていない限り、本明細書に開示されている化合物又は化学構造上の特徴が、「任意に置換された」ものとして言及されているときには、置換基を有さない(すなわち非置換である)特徴、又は「置換されている」特徴(1つ以上の置換基を有する特徴を意味する)を含む。「置換基」という用語は、当業者に知られている最も広義な意味を有し、親化合物又は構造上の特徴に結合した1つ以上の水素原子と置き換わる部分を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、当該技術分野において既知の通常の有機部分で、分子量(例えば置換基の原子の原子量の和)が15g/モル〜50g/モル、15g/モル〜100g/モル、15g/モル〜150g/モル、15g/モル〜200g/モル、15g/モル〜300g/モル、又は15g/モル〜500g/モルであってよい有機部分であってよい。いくつかの実施形態では、置換基は、0〜30個、0〜20個、0〜10個、又は0〜5個の炭素原子、及び0〜30個、0〜20個、0〜10個、又は0〜5個のヘテロ原子を含むか、又はそれらからなり、この各ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Si、F、Cl、Br、又はIであってもよい。ただし、置換基が、1つのC、N、O、S、Si、F、Cl、Br、又はI原子を含むことを条件とする。置換基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アルキルカルボキシレート、チオール、アルキルチオ、シアノ、ハロ、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシル、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノなどが挙げられるが、これらに限らない。
便宜上、「分子量」という用語は、分子の部分又は一部に関して、その部分又は一部が完全な分子とは限らなくても、分子の部分又は一部における原子の原子量の和を示す目的で用いる。
本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、当該技術分野において概ね理解されている最も広義な意味を有し、炭素と水素から構成される部分であって、二重結合又は三重結合を含まない部分を挙げてよい。アルキルは、直鎖アルキル、分岐アルキル、シクロアルキル、又はこれらの組み合わせであってよく、いくつかの実施形態では、1〜35個の炭素原子を含んでよい。いくつかの実施形態では、アルキルとしては、炭素数1〜10の直鎖アルキル(メチル(−CH 3 )、エチル(−CH 2 CH 3 )、n−プロピル(−CH 2 CH 2 CH 3 )、n−ブチル(−CH 2 CH 2 CH 2 CH 3 )、n−ペンチル(−CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 3 )、n−ヘキシル(−CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 3 )など)、炭素数3〜10の分岐アルキル(C 3 H 7 (例えばイソプロピル)、C 4 H 9 (例えば分岐ブチル異性体)、C 5 H 11 (例えば分岐ペンチル異性体)、C 6 H 13 (例えば分岐ヘキシル異性体)、C 7 H 15 (例えばヘプチル異性体)など)、炭素数3〜10のシクロアルキル(C 3 H 5 (例えばシクロプロピル)、C 4 H 7 (例えば、シクロブチル、メチルシクロプロピルなどのようなシクロブチル異性体)、C 5 H 9 (例えば、シクロペンチル、メチルシクロブチル、ジメチルシクロプロピルなどのようなシクロペンチル異性体)、C 6 H 11 (例えばシクロヘキシル異性体)、C 7 H 13 (例えばシクロヘプチル異性体)など)などを挙げてよい。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、製薬学的に許容可能な脂肪酸である。脂肪酸は、長い非分岐の炭化水素鎖(飽和であっても不飽和であってもよい)とともにカルボン酸を含む。この配列によって、脂肪酸に、極性の親水性末端、及び水に不溶である非極性の疎水性末端が付与される。大半の天然脂肪酸は、偶数の炭素原子、典型的には4〜24個の炭素の炭化水素鎖を有し、酸素、ハロゲン、窒素、及び硫黄を含む官能基に結合していてもよい。合成脂肪酸、すなわち非天然脂肪酸は、3〜40個の炭素のうちのいずれかの数の炭素原子の炭化水素鎖を有してよい。二重結合が存在する場合には、シス体又はトランス体のいずれかの幾何異性体の可能性があり、この幾何異性は、分子の分子形状に大きく影響する。シス二重結合は脂肪酸鎖を湾曲させ、鎖内に多くの二重結合が存在するほど、影響が大きい。大半の天然脂肪酸はシス配置のものであるが、いくつかの天然脂肪及び油、並びに部分水添脂肪及び油において、トランス体が存在する。脂肪酸の例としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、ノナデシル酸、アラキン酸、エイコセン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ノナコシル酸、メリシン酸、ヘナトリアコンチル酸、ラクセロン酸、プシリン酸、ゲーダ酸、セロプラスチン酸、及びヘキサトリアコンチル酸が挙げられるが、これらに限らない。
この実施形態の態様では、飽和又は不飽和脂肪酸は、例えば、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、少なくとも16個、少なくとも18個、少なくとも20個、少なくとも22個、少なくとも24個、少なくとも26個、少なくとも28個、又は少なくとも30個の炭素原子を含む。この実施形態の別の態様では、飽和又は不飽和脂肪酸は、例えば4〜24個の炭素原子、6〜24個の炭素原子、8〜24個の炭素原子、10〜24個の炭素原子、12〜24個の炭素原子、14〜24個の炭素原子、又は16〜24個の炭素原子、4〜22個の炭素原子、6〜22個の炭素原子、8〜22個の炭素原子、10〜22個の炭素原子、12〜22個の炭素原子、14〜22個の炭素原子、又は16〜22個の炭素原子、4〜20個の炭素原子、6〜20個の炭素原子、8〜20個の炭素原子、10〜20個の炭素原子、12〜20個の炭素原子、14〜20個の炭素原子、又は16〜20個の炭素原子を含む。不飽和の場合、脂肪酸は、例えば1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、又は6個以上の二重結合を有してよい。
別の実施形態では、アジュバントは、製薬学的に許容可能な脂肪酸のうちの1種を含んでよい。別の実施形態では、アジュバントは、複数種の製薬学的に許容可能な脂肪酸を含んでよい。この実施形態の態様では、アジュバントは、例えば2種以上の脂肪酸、3種以上の脂肪酸、4種以上の脂肪酸、5種以上の脂肪酸、又は6種以上の脂肪酸を含んでよい。
本明細書に開示されている医薬組成物において有用な製薬学的に許容可能な脂肪酸は、製薬学的に許容可能なオメガ脂肪酸であってよい。オメガ脂肪酸の非限定例としては、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸が挙げられる。オメガ−3脂肪酸(n−3脂肪酸又はω−3脂肪酸としても知られる)は、n−3位、すなわち脂肪酸のメチル末端から数えて3番目の結合に、最後の炭素−炭素二重結合を共通して有する必須不飽和脂肪酸の一種である。オメガ−3脂肪酸は、「必須」脂肪酸である。正常な代謝に不可欠であり、人体で合成できないからである。オメガ−3脂肪酸としては、ヘキサデカトリエン酸(16:3)、α−リノレン酸(18:3)、ステアリドン酸(18:4)、エイコサトリエン酸(20:3)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)、ヘンエイコサペンタエン酸(21:5)、ドコサペンタエン酸(クルパノドン酸)(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)、テトラコサペンタエン酸(24:5)、テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(24:6)が挙げられるが、これらに限らない。
オメガ−6脂肪酸(n−6脂肪酸又はω−6脂肪酸としても知られる)は、n−6位、すなわち脂肪酸のメチル末端から数えて6番目の結合に、最後の炭素−炭素二重結合を共通して有する不飽和脂肪酸の一種である。オメガ−6脂肪酸としては、リノール酸(18:2)、γ−リノレン酸(18:3)、カレンディック酸(18:3)、エイコサジエン酸(20:2)、ジホモ−γ−リノレン酸(20:3)、アラキドン酸(20:4)、ドコサジエン酸(22:2)、アドレン酸(22:4)、ドコサペンタエン酸(22:5)、テトラコサテトラエン酸(24:4)、及びテトラコサペンタエン酸(24:5)が挙げられるが、これらに限らない。
オメガ−7脂肪酸(n−7脂肪酸又はω−7脂肪酸としても知られる)は、n−7位、すなわち脂肪酸のメチル末端から数えて7番目の結合に、最後の炭素−炭素二重結合を共通して有する不飽和脂肪酸の一種である。オメガ−7脂肪酸としては、5−ドデセン酸(12:1)、7−テトラデセン酸(14:1)、9−ヘキサデセン酸(パルミトレイン酸)(16:1)、11−デセン酸(バクセン酸)(18:1)、9Z,11E共役リノール酸(ルーメン酸)(18:2)、13−エイコセン酸(パウリン酸)(20:1)、15−ドコセン酸(22:1)、及び17−テトラコセン酸(24:1)が挙げられるが、これらに限らない。
オメガ−9脂肪酸(n−9脂肪酸又はω−9脂肪酸としても知られる)は、n−9位、すなわち脂肪酸のメチル末端から数えて9番目の結合に、最後の炭素−炭素二重結合を共通して有する不飽和脂肪酸の一種である。オメガ−9脂肪酸としては、オレイン酸(18:1)、エライジン酸(18:1)、エイコセン酸(20:1)、ミード酸(20:3)、エルカ酸(22:1)、ネルボン酸(24:1)、及びリシノール酸が挙げられるが、これらに限らない。
本明細書に開示されている医薬組成物において有用な製薬学的に許容可能な脂肪酸は、製薬学的に許容可能な共役脂肪酸であってよい。共役脂肪酸は、少なくとも1対の二重結合が1つの単一結合にのみより分離している多価不飽和脂肪酸の位置異性体および幾何異性体である。この実施形態の一態様では、製薬学的に許容可能な共役脂肪酸は、たとえばC16共役脂肪酸、C18共役脂肪酸、C20共役脂肪酸、C22共役脂肪酸、C24共役脂肪酸、C26共役脂肪酸、C28共役脂肪酸、またはC30共役脂肪酸である。この実施形態の一態様では、製薬学的に許容可能な共役脂肪酸は、たとえば、C16〜C18共役脂肪酸、C16〜C20共役脂肪酸、C16〜C22共役脂肪酸、C16〜C24共役脂肪酸、C16〜C26共役脂肪酸、C16〜C28共役脂肪酸、C16〜C30共役脂肪酸、C18〜C20共役脂肪酸、C18〜C22共役脂肪酸、C18〜C24共役脂肪酸、C18〜C26共役脂肪酸、C18〜C28共役脂肪酸、C18〜C30共役脂肪酸、C20〜C22共役脂肪酸、C20〜C24共役脂肪酸、C20〜C26共役脂肪酸、C20〜C28共役脂肪酸、C20〜C30共役脂肪酸、C22〜C24共役脂肪酸、C22〜C26共役脂肪酸、C22〜C28共役脂肪酸、C22〜C30共役脂肪酸、C24〜C26共役脂肪酸、C24〜C28共役脂肪酸、C24〜C30共役脂肪酸、C26〜C28共役脂肪酸、C26〜C30共役脂肪酸、またはC28〜C30共役脂肪酸である。
この実施形態の一態様では、製薬学的に許容可能な共役脂肪酸は、たとえば共役リノール酸、共役リノエライジン酸、共役α−リノレン酸、共役γ−リノレン酸、共役カレンジン酸、共役エイコサジエン酸、共役ステアリドン酸、共役ノナデシル酸、共役アラキン酸、共役ジホモ−γ−リノレン酸、共役ドコサジエン酸、共役ミード酸、共役アラキドン酸、共役エイコサペンタエン酸、共役アドレン酸、共役ドコサペンタエン酸、共役ヘンイコシル酸、共役テトラコサテトラエン酸、共役テトラコサペンタエン酸、共役ベヘン酸、共役ドコサヘキサエン酸、共役トリコシル酸、共役リグノセリン酸、共役ペンタコシル酸、共役セロチン酸、共役ヘプタコシル酸、共役モンタン酸、共役ノナコシル酸、共役メリシン酸、共役ヘナトリアコンチル酸、共役ラクセロン酸、共役プシリン酸、共役ゲーダ酸、共役セロプラスチン酸、共役ヘキサトリアコンチル酸、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。
本明細書に開示されている医薬組成物において有用な製薬学的に許容可能な脂肪酸は、製薬学的に許容可能な共役リノール酸(CLA)であってよい。共役リノール酸(CLA)は、リノール酸(シス−9,シス−12,オクタデカジエン酸)の少なくとも28個の位置異性体及び幾何異性体の群を指す。CLAの二重結合は、それらの間に1つの単結合のみを有する形で共役している。CLAのシス及びトランス異性の組み合わせの実質的に全てが同定されている。CLAとしては、シス−9,トランス−11共役リノール酸(c−9,t−11CLA)、シス−9,シス−11共役リノール酸(c−9,c−11CLA)、トランス−9,トランス−11共役リノール酸(t−9,t−11CLA)、シス−10,トランス−12共役リノール酸(c−10,t−12CLA)、シス−10,シス−12共役リノール酸(c−10,c−12CLA)、トランス−10,トランス−12共役リノール酸(t−10,t−12CLA)、及びトランス−10,シス−12共役リノール酸(t−10,c−12CLA)、またはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、5αリダクターゼ阻害剤である。酵素である5α−リダクターゼは、テストステロンのΔ4,5二重結合を還元することによって、テストステロンを活性型のジヒドロテストステロン(DHT)に変換するのに関与する。前立腺肥大症では、ジヒドロテストステロンは、細胞における強力なアンドロゲンとして作用し、前立腺の成長を促すので、この酵素を阻害すると、前立腺の過剰な成長が低減される。脱毛症では、男性型脱毛症は、アンドロゲンレセプター活性化の影響の1つである。したがって、ジヒドロテストステロンのレベルを低下させると、脱毛症が軽減される。これらの阻害剤は、テストステロンが5α−リダクターゼと結合する前に、利用可能な5α−リダクターゼのレベルを低下させるので、このような結合に由来するジヒドロテストステロンのレベルを低下させる。5αリダクターゼ阻害剤としては、アルファトラジオール、ベクスロステリド、デュタステリド、エプリステリド、フィナステリド、イソトレチノイン、ラピステリド、ツロステリドが挙げられるが、これらに限らない。
一実施形態では、本明細書に開示されている治療用化合物は、化学療法剤又は抗増殖剤である。化学療法剤又はその他の抗増殖剤としては、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、ロムスチン、ブスルファン、プロカルバジン、イホスファミド、アルトレタミン、メルファラン、リン酸エストラムスチン、ヘキサメチルメラミン、メクロレタミン、チオテパ、ストレプトゾシン、クロラムブシル、テモゾロミド、ダカルバジン、セムスチン、又はカルムスチンなど)、プラチナ剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチナム、オキサリプラチン、ZD−0473(AnorMED)、スピロプラチナム、ロバプラチン(Aeterna)、カルボキシフタラトプラチナム、サトラプラチン(Johnson Matthey)、テトラプラチンBBR−3464(Hoffmann−La Roche)、オルミプラチン、SM−11355(Sumitomo)、イプロプラチン、又はAP−5280(Access)など)、代謝拮抗剤(例えば、アザシチジン、トムデックス、ゲムシタビン、トリメトレキセート、カペシタビン、デオキシコホルマイシン、5−フルオロウラシル、フルダラビン、フロクスウリジン、ペントスタチン、2−クロロデオキシアデノシン、ラルチトレキセド、6−メルカプトプリン、ヒドロキシウレア、6−チオグアニン、デシタビン(SuperGen)、シタラビン、クロファラビン(Bioenvision)、2−フルオロデオキシシチジン、イロフルベン(MGI Pharma)、メトトレキサート、DMDC(Hoffmann−La Roche)、イダトレキセート、又はエチニルシチジン(Taiho)など)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、アムサクリン、ルビテカン(SuperGen)、エピルビシン、メシル酸エキサテカン(Daiichi)、エトポシド、キナメド(ChemGenex)、テニポシド、ミトキサントロン、ギマテカン(Sigma−Tau)、イリノテカン(CPT−11)、ジフロモテカン(Beaufour−Ipsen)、7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン、TAS−103(Taiho)、トポテカン、エルサミトルシン(Spectrum)、デクスラゾキサン(TopoTarget)、J−107088(Merck&Co)、ピクサントロン(Novuspharma)、BNP−1350(BioNumerik)、レベッカマイシンアナログ(Exelixis)、CKD−602(Chong Kun Dang)、BBR−3576(Novuspharma)、又はKW−2170(Kyowa Hakko)など)、抗腫瘍抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、アモナフィド、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、アゾナフィド、デオキシルビシン、アントラピラゾール、バルルビシン、オキサントラゾール、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ロソキサントロン、エピルビシン、ブレオマイシン、サルフェート(ブレノキサン)、テラルビシン、ブレオマイシン酸、イダルビシン、ブレオマイシンA、ルビダゾン、ブレオマイシンB、プリカマイシン、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、MEN−10755(Menarini)、シアノモルホリノドキソルビシン、GPX−100(Gem Pharmaceuticals)、又はミトキサントロン(ノバントロン)など)、抗有糸分裂剤(例えば、パクリタキセル、SB408075(GlaxoSmithKline)、ドセタキセル、E7010(Abbott)、コルヒチン、PG−TXL(Cell Therapeutics)、ビンブラスチン、IDN5109(Bayer)、ビンクリスチンA、105972(Abbott)、ビノレルビン、A204197(Abbott)、ビンデシン、LU223651(BASF)、ドラスタチン10(NCI)、D24851(ASTAMedica)、リゾキシン(Fujisawa)、ER−86526(Eisai)、ミボブリン(Warner−Lambert)、コンブレタスタチンA4(BMS)、セマドチン(BASF)、イソホモハリコンドリン−B(PharmaMar)、RPR109881A(Aventis)、ZD6126(AstraZeneca)、TXD258(Aventis)、PEG−パクリタキセル(Enzon)、エポチロンB(Novartis)、AZ10992(Asahi)、T900607(Tularik)、IDN−5109(Indena)、T138067(Tularik)、AVLB(Prescient NeuroPharma)、クリプトフィシン52(Eli Lilly)、アザエポチロンB(BMS)、ビンフルニン(Fabre)、BNP−7787(BioNumerik)、オーリスタチンPE(Teikoku Hormone)、CA−4プロドラッグ(OXiGENE)、BMS247550(BMS)、ドラスタチン−10(NIH)、BMS184476(BMS)、CA−4(OXiGENE)、BMS188797(BMS)、又はタクサオプレキシン(Protarga)など)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アミノグルテチミド、エキセメスタン、レトロゾール、アタメスタン(BioMedicines)、アナストラゾール、YM−511(Yamanouchi)、又はフォルメスタンなど)、チミジル酸合成酵素阻害剤(例えば、ペメトレキセド(Eli Lilly)、ノラトレキシド(Eximias)、ZD−9331(BTG)、又は補因子TM(BioKeys)など)、DNAアンタゴニスト(例えば、トラベクテジン(PharmaMar)、マホスファミド(Baxter International)、グルフォスファミド(Baxter International)、アパジコン(Spectrum Pharmaceuticals)、アルブミン+.sup.32P(Isotope Solutions)、O6ベンジルグアニン(Paligent)、チメクタシン(NewBiotics)、又はエドトレオチド(Novartis)など)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アルグラビン(NuOncology Labs)、チピファルニブ(Johnson&Johnson)、ロナファルニブ(Schering−Plough)、ペリリルアルコール(DOR BioPharma)、又はBAY−43−9006(Bayer)など)、ポンプ阻害剤(例えば、CBT−1(CBA Pharma)、ゾスキダルトリヒドロクロライド(Eli Lilly)、タリキダル(Xenova)、ビリコダルジシトレート(Vertex)、又はMS−209(Schering AG)など)、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、タセジナリン(Pfizer)、ピバロイルオキシメチルブチレート(Titan)、SAHA(Aton Pharma)、デプシペプチド(Fujisawa)、又はMS−275(Schering AG)など)、メタロプロテイナーゼ阻害剤(例えば、ネオバスタット(Aeterna Laboratories)、CMT−3(CollaGenex)、マリマスタット(British Biotech)、又はBMS−275291(Celltech)など)、リボヌクレオシドリダクターゼ阻害剤(例えば、ガリウムマルトレート(Titan)、テザシタビン(Aventis)、トリアピン(Vion)、又はジドックス(Molecules for Health)など)、TNFアルファアゴニスト/アンタゴニスト(例えば、ビルリジン(Lorus Therapeutics)、レビミド(Celgene)、CDC−394(Celgene)、エンタネルセプト(Immunex Corp.)、インフリキシマブ(Centocor、Inc.)、又はアダリムマブ(Abbott Laboratories)など)、エンドセリンAレセプターアンタゴニスト(例えば、アトラセンタン(Abbott)、YM−598(Yamanouchi)、又はZD−4054(AstraZeneca)など)、レチノイン酸レセプターアゴニスト(例えば、フェンレチニド(Johnson&Johnson)、アリトレチノイン(Ligand)、又はLGD−1550(Ligand)など)、免疫調節剤(例えば、インターフェロンデキソソーム療法剤(Anosys)、オンコファージ(Antigenics)、ペントリクス(Australian Cancer Technology)、GMK(Progenics)、ISF−154(Tragen)、腺癌ワクチン(Biomira)、がんワクチン(Intercell)、CTP−37(AVI BioPharma)、ノレリン(Biostar)、IRX−2(Immuno−Rx)、BLP−25(Biomira)、PEP−005(Peplin Biotech)、MGV(Progenics)、シンクロバクスワクチン(CTL Immuno)、ベータアレチン(Dovetail)、メラノーマワクチン(CTL Immuno)、CLL療法剤(Vasogen)、又はp21 RASワクチン(GemVax)など)、ホルモン剤及び抗ホルモン剤(例えば、エストロゲン、プレドニゾン、結合型エストロゲン、メチルプレドニゾロン、エチニルエストラジオール、プレドニゾロン、クロルトリアニセン、アミノグルテチミド、イデネストロール、ロイプロリド、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、ゴセレリン、メドロキシプロゲステロン、リュープロレリン、テストステロン、ビカルタミド、テストステロンプロピオネート、フルオキシメステロン、フルタミド、メチルテストステロン、オクトレオチド、ジエチルスチルベストロール、ニルタミド、メゲストロール、ミトタン、タモキシフェン、P−04(Novogen)、トレモフィン、2−メトキシエストラジオール(EntreMed)、デキサメタゾン、又はアルゾキシフェン(Eli Lilly)など)、光線力学剤(例えば、タラポルフィン(Light Sciences)、Pd−バクテリオフェオフォルビド(Yeda)、セラルックス(Theratechnologies)、ルテチウムテキサフィリン(Pharmacyclics)、モテキサフィンガドリニウム(Pharmacyclics)、又はヒペリシンなど)、及びチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブ(Novartis)、カハライドF(PharmaMar)、レフルノミド(Sugen/Pharmacia)、CEP−701(Cephalon)、ZD1839(AstraZeneca)、CEP−751(Cephalon)、エルロチニブ(Oncogene Science)、MLN518(Millenium)、カネルチニブ(Pfizer)、PKC412(Novartis)、スクアラミン(Genaera)、フェノキソジオール、SU5416(Pharmacia)、トラスツズマブ(Genentech)、SU6668(Pharmacia)、C225(ImClone)、ZD4190(AstraZeneca)、rhu−Mab(Genentech)、ZD6474(AstraZeneca)、MDX−H210(Medarex)、バタラニブ(Novartis)、2C4(Genentech)、PKI166(Novartis)、MDX−447(Medarex)、GW2016(GlaxoSmithKline)、ABX−EGF(Abgenix)、EKB−509(Wyeth)、IMC−1C11(ImClone)、又はEKB−569(Wyeth)など)が挙げられるが、これらに限らない。
治療する特定の状態又は疾患に応じて、その状態を治療するために通常投与される追加の治療剤も、本明細書に開示されている組成物に存在してよい。本明細書で使用する場合、特定の疾患又は状態を治療するために通常投与される追加の治療剤は、「治療する疾患又は状態に適した」ものとして知られている。
一実施形態では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと脂肪酸とを含む。この実施形態の一態様では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−3脂肪酸と含む。この実施形態の別の態様では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−6脂肪酸とを含む。この実施形態の更に別の態様では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−7脂肪酸とを含む。この実施形態の更に別の態様では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−9脂肪酸とを含む。別の態様では、医薬組成物は、リスペリドンと、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、又はこれらのいずれかの組み合わせとを含む。更に別の態様では、医薬組成物は、リスペリドンと、α−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、ルーメン酸、又はこれらのいずれかの組み合わせとを含む。
一実施形態では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと脂肪酸との間に相乗効果が存在する、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンおよび脂肪酸を含む。この実施形態の一態様では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−3脂肪酸との間に相乗効果が存在するベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンおよびオメガ−3脂肪酸を含む。この実施形態の別の態様では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−6脂肪酸との間に相乗効果が存在するベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−6脂肪酸とを含む。この実施形態のさらなる別の態様では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−7脂肪酸との間に相乗効果が存在するベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−7脂肪酸とを含む。この実施形態のさらなる別の態様では、医薬組成物は、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−9脂肪酸との間に相乗効果が存在するベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンとオメガ−9脂肪酸とを含む。他の態様では、医薬組成物は、リスペリドン、およびオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、またはそれらのいずれかの組み合わせを含み、ここで、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジン、およびオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、またはそれらのいずれかの組み合わせの間で相乗効果が存在する。さらなる他の態様では、医薬組成物は、リスペリドンおよびα―リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、ルーメン酸、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。
一実施形態では、医薬組成物は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、または約20mgの量のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、または約20mgの量のオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、またはそれらのいずれかの組み合わせなどの脂肪酸とを含む。
一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも6mg、少なくとも7mg、少なくとも8mg、少なくとも9mg、少なくとも10mg、少なくとも11mg、少なくとも12mg、少なくとも13mg、少なくとも14mg、少なくとも15mg、少なくとも16mg、少なくとも17mg、少なくとも18mg、少なくとも19mg、または少なくとも20mgの量のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと、少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも6mg、少なくとも7mg、少なくとも8mg、少なくとも9mg、少なくとも10mg、少なくとも11mg、少なくとも12mg、少なくとも13mg、少なくとも14mg、少なくとも15mg、少なくとも16mg、少なくとも17mg、少なくとも18mg、少なくとも19mg、または少なくとも20mgの量のオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、またはそれらのいずれかの組み合わせなどの脂肪酸とを含む。
一実施形態では、医薬組成物は、最大0.1mg、最大0.2mg、最大0.3mg、最大0.4mg、最大0.5mg、最大0.6mg、最大0.7mg、最大0.8mg、最大0.9mg、最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大6mg、最大7mg、最大8mg、最大9mg、最大10mg、最大11mg、最大12mg、最大13mg、最大14mg、最大15mg、最大16mg、最大17mg、最大18mg、最大19mg、または最大20mgの量のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと、最大0.1mg、最大0.2mg、最大0.3mg、最大0.4mg、最大0.5mg、最大0.6mg、最大0.7mg、最大0.8mg、最大0.9mg、最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大6mg、最大7mg、最大8mg、最大9mg、最大10mg、最大11mg、最大12mg、最大13mg、最大14mg、最大15mg、最大16mg、最大17mg、最大18mg、最大19mg、または最大20mgの量のオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、またはそれらのいずれかの組み合わせなどの脂肪酸とを含む。
一実施形態では、医薬組成物は、約0.1mg〜約1mg、約0.1mg〜約5mg、約0.1mg〜約10mg、約0.1mg〜約15mg、約0.1mg〜約20mg、約0.5mg〜約1mg、約0.5mg〜約5mg、約0.5mg〜約10mg、約0.5mg〜約15mg、約0.5mg〜約20mg、約1mg〜約5mg、約1mg〜約10mg、約1mg〜約15mg、約1mg〜約20mg、約5mg〜約10mg、約5mg〜約15mg、約5mg〜約20mg、約10mg〜約15mg、約10mg〜約20mg、または約15mg〜約20mgの量のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと、約0.1mg〜約1mg、約0.1mg〜約5mg、約0.1mg〜約10mg、約0.1mg〜約15mg、約0.1mg〜約20mg、約0.5mg〜約1mg、約0.5mg〜約5mg、約0.5mg〜約10mg、約0.5mg〜約15mg、約0.5mg〜約20mg、約1mg〜約5mg、約1mg〜約10mg、約1mg〜約15mg、約1mg〜約20mg、約5mg〜約10mg、約5mg〜約15mg、約5mg〜約20mg、約10mg〜約15mg、約10mg〜約20mg、または約15mg〜約20mgの量のオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、またはそれらのいずれかの組み合わせなどの脂肪酸とを含む。
本明細書に開示されている医薬組成物は任意に応じて、活性成分の製薬学的に許容可能な組成物への加工を容易にする製薬学的に許容可能な担体を含んでもよい。本明細書で使用する場合、「薬理学的に許容可能な担体」という用語は、「薬理学的な担体」と同義であり、投与したときに、長期的又は永久的な有害な作用を実質的に有さないいずれかの担体を意味し、「薬理学的に許容可能なビヒクル、安定剤、希釈剤、添加剤、補助剤、又は賦形剤」などの用語を包含する。このような担体は概して、活性化合物と混合するか、又は活性化合物を希釈若しくは封入させるものであり、固体、半固体、又は液体の作用剤であることができる。活性成分は、所望の担体又は希釈剤に可溶性であることも、又は、所望の担体又は希釈剤中の懸濁物として提供することもできることが分かる。水性媒体(例えば、水、生理食塩水、グリシン、ヒアルロン酸など)、固体担体(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなど)、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張化及び吸収遅延剤、又はその他のいずれかの不活性成分を含め(これらに限らない)、様々な製薬学的に許容可能な担体のうちのいずれを用いることもできる。薬理学的に許容可能な担体の選択は、投与方法に左右され得る。薬理学的に許容可能な担体が活性成分と配合禁忌である場合を除き、いずれの薬理学的に許容可能な担体も、製薬学的に許容可能な組成物中で用いることが考えられる。このような製剤用担体の具体的な使用の非限定例は、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(Howard C.Ansel et al.,eds.,Lippincott Williams&Wilkins Publishers,7th ed.1999)、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY(Alfonso R.Gennaro ed.,Lippincott,Williams&Wilkins,20th ed.2000)、Goodman&Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(Joel G.Hardman et al.,eds.,McGraw−Hill Professional,10th ed.2001)、及びHandbook of Pharmaceutical Excipients(Raymond C.Rowe et al.,APhA Publications,4th edition 2003)に見ることができる。これらのプロトコールは常法であり、いずれの修正形態も、当業者の範囲内、かつ本明細書に記載の教示由来のものである。
本明細書に開示されている医薬組成物は、緩衝剤、保存剤、等張化剤、塩、抗酸化剤、浸透圧調節剤、生理的物質、薬理学的物質、充填剤、乳化剤、湿潤剤、矯味矯臭剤、着色剤などを含め(これらに限らない)、任意に応じて、他の製薬学的に許容可能な成分(又は医薬成分)を制限なく含むことができる。各種緩衝剤及びpH調節手段を用いて、本明細書に開示されている医薬組成物を調製できる。ただし、得られる調製剤が、製薬学的に許容可能であることを条件とする。このような緩衝剤としては、アセテート緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、中性緩衝化生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、及びホウ酸緩衝剤が挙げられるが、これらに限らない。必要に応じて、酸又は塩基を用いて、組成物のpHを調節できることが分かる。製薬学的に許容可能な抗酸化剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチルヒドロキシアニソール、及びブチルヒドロキシルトルエンが挙げられるが、これらに限らない。有用な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、安定化オキシクロロ組成物、及びキレート剤(例えばDTPA又はDTPA−ビスアミド、カルシウムDTPA、及びCaNaDTPA−ビスアミドなど)が挙げられるが、これらに限らない。医薬組成物において有用な等張化剤としては、塩(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、マンニトール、又はグリセリン、及びその他の製薬学的に許容可能な等張化剤が挙げられるが、これらに限らない。本発明の医薬組成物は、塩として提供してよく、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などを含む(これらに限らない)多くの酸によって形成させることができる。塩は、対応する遊離塩基形態よりも、水性又はその他のプロトン性溶媒に溶けやすい傾向がある。これらの物質、及び薬理学の分野において既知のその他の物質を医薬組成物に含有できることが分かる。
本明細書に開示されている治療用化合物、又はそのような治療用化合物を含む組成物は、局所投与経路、腸内投与経路、又は非経口投与経路を用いる局所送達又は全身送達のいずれか用に、調合してよい。加えて、本明細書に開示されている治療用化合物は、単独で医薬組成物中に調合しても、本明細書に開示されている1種以上のその他の治療用化合物とともに、単一の医薬組成物中に調合してもよい。
本明細書に開示されている治療用化合物、又はそのような治療用化合物を含む組成物は、吸入製剤にしてもよい。腸内投与又は非経口投与に適する吸入製剤としては、エアゾール剤、乾燥粉末が挙げられるが、これらに限らない。本明細書に開示されている治療用化合物又は組成物のうち、このような投与が想定された治療用化合物又は組成物は、医薬組成物製造の分野で知られているいずれかの方法に従って調製してよい。
このような吸入剤形では、本発明の治療用化合物は、加圧噴霧式吸入器(PDI)又はその他の定量噴霧式吸入器(MDI)で用いる液体噴射剤中のエアゾール剤として送達するように調製してよい。PDI又はMDIでの使用に適する噴射剤としては、CFC−12、HFA−134a、HFA−227、HCFC−22(ジフルオロクロロメタン)、HFA−152(ジフルオロエタン及びイソブタン)が挙げられるが、これらに限らない。治療用化合物は、ネブライザー又はその他のエアゾール送達システムを用いて送達してもよい。治療用化合物は、乾燥粉末吸入器(DPI)で用いる乾燥粉末として送達するように調製してよい。乾燥粉末吸入器で用いる乾燥粉末の空気力学的質量中位径は、30pm未満、好ましくは20pm未満、より好ましくは10pm未満になる。空気力学径が約5pm〜約0.5pmの範囲である微小粒子は概して、呼吸細気管支内に堆積することになる一方で、空気力学径が約2pm〜約0.05pmの範囲である更に小さい粒子は、肺胞内に堆積する可能性が高い。DPIは、受動的送達機構(粒子を肺に取り込むのに、個体の吸気に依存する)、又は粉末を個体に送達するための機構を必要とする能動的送達機構であってよい。吸入製剤では、本明細書に開示されている治療用化合物の吸入製剤用の治療有効量は、約0.0001%(w/v)〜約60%(w/v)、約0.001%(w/v)〜約40.0%(w/v)、又は約0.01%(w/v)〜約20.0%(w/v)であってよい。吸入製剤では、本明細書に開示されている治療用化合物の吸入製剤用の治療有効量は、約0.0001%(w/w)〜約60%(w/w)、約0.001%(w/w)〜約40.0%(w/w)、又は約0.01%(w/w)〜約20.0%(w/w)であってもよい。
本明細書に開示されている治療用化合物、又はそのような治療用化合物を含む組成物は、固体製剤にしてもよい。腸内又は非経口投与に適する固体製剤としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、トローチ錠、ロゼンジ剤、散剤、及び、吸入に適するか、又は滅菌注射剤若しくは分散剤への再構成に適する顆粒剤が挙げられるが、これらに限らない。本明細書に開示されている治療用化合物又は組成物のうち、このような投与が想定されたものは、医薬組成物製造の分野で知られているいずれかの方法に従って調製してよい。このような固体剤形では、本発明の治療用化合物には、(a)少なくとも1種の通例の不活性賦形剤(又は担体)(例えば、クエン酸ナトリウム又は第2リン酸カルシウムなど)、(b)充填剤又は増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、イソマルト、及びケイ酸など)、(c)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシアなど)、(d)湿潤剤(例えばグリセロールなど)、(e)崩壊剤、(例えば、寒天、炭酸カルシウム、コーンスターチ、バレイショデンプン、タピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合シリケート、及び炭酸ナトリウムなど)、(f)溶解遅延化剤(例えばパラフィンなど)、(g)吸収促進剤(例えば4級アンモニウム化合物など)、(h)湿潤剤(例えば、アセチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなど)、(i)吸着剤(例えば、カオリン及びベントナイトなど)、(j)潤沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物など)、並びに(k)緩衝剤を添加混合してよい。錠剤は、コーティングされていなくても、崩壊と胃腸管での吸収を遅延させることによって、より長い期間にわたって持続作用をもたらすように、既知の技法によってコーティングされていてもよい。例えば、グリセリルモノステアレート又はグリセリルジステアレートのような遅延物質を用いてもよい。固体製剤では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は典型的には、約0.0001%(w/w)〜約60%(w/w)、約0.001%(w/w)〜約40.0%(w/w)、又は約0.01%(w/w)〜約20.0%(w/w)であってよい。
本明細書に開示されている治療用化合物、又はそのような治療用化合物を含む組成物は、半固体製剤にしてよい。局所投与に適する半固体製剤としては、軟膏剤、クリーム、膏薬、及びゲル剤が挙げられるが、これらに限らない。本明細書に開示されている治療用化合物又は組成物のうち、このような投与が想定されたものは、医薬組成物製造の分野で知られているいずれかの方法に従って調製してよい。半固体製剤では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は典型的には、約0.0001%(w/v)〜約60%(w/v)、約0.001%(w/v)〜約40.0%(w/v)、又は約0.01%(w/v)〜約20.0%(w/v)であってよい。半固体製剤では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は典型的には、約0.0001%(w/w)〜約60%(w/w)、約0.001%(w/w)〜約40.0%(w/w)、又は約0.01%(w/w)〜約20.0%(w/w)であってもよい。
本明細書に開示されている治療用化合物、又はそのような治療用化合物を含む組成物は、液体製剤にしてよい。腸内又は非経口投与に適する液体製剤としては、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、分散剤、乳剤、及び懸濁剤が挙げられるが、これらに限らない。本明細書に開示されている治療用化合物又は組成物のうち、このような投与が想定されたものは、医薬組成物製造の分野で知られているいずれかの方法に従って調製してよい。このような液体剤形では、本明細書に開示されている治療用化合物又は組成物には、(a)好適な水性及び非水性担体、(b)希釈剤、(c)溶媒(例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、植物油(例えば、ナタネ油、オリーブ油など)、及び注射用有機エステル(エチルオレエートなど))、並びに/又は、流動化剤(例えば界面活性剤など)、若しくはレシチンのようなコーティング剤を添加混合してよい。分散剤及び懸濁剤の場合、流動性は、特定の粒径を保つことによっても制御できる。液体製剤では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は典型的には、約0.0001%(w/v)〜約60%(w/v)、約0.001%(w/v)〜約40.0%(w/v)、又は約0.01%(w/v)〜約20.0%(w/v)であってよい。
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はスクロースとともに調合してよい。このような製剤は、緩和剤、保存剤、矯味矯臭剤、及び着色剤も含んでもよい。
液体懸濁剤は、本明細書に開示されている治療用化合物を、水性懸濁剤の製造に適する賦形剤との混合体で懸濁させることによって調合してよい。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、天然ガム、寒天、ガムトラガカント、及びガムアカシアである。分散剤又は湿潤剤は、天然フォスファチド、例えばレシチン、又は酸化アルキレンの脂肪酸との縮合物、例えばポリオキシエチレンステアレート、又は酸化エチレンの長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又は酸化エチレンの脂肪酸由来部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。
油性懸濁剤は、本明細書に開示されている治療用化合物を、(a)植物油(例えば、アーモンド油、ラッカセイ油、アボカド油、キャノーラ油、ヒマシ油、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、大麻油、アマニ油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ナタネ油、ぬか油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油、小麦胚芽油、又はこれらの組み合わせなど)、(b)飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、又はこれらの組み合わせ(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、又はこれらの組み合わせなど)、(c)鉱油(例えば液体パラフィンなど)、(d)界面活性剤又は洗浄剤との混合体で懸濁させることによって調合してよい。油性懸濁剤は、増粘剤、例えば、ミツロウ、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含んでもよい。上記のような甘味剤、及び矯味矯臭剤を加えて、口当たりのよい経口用調製剤をもたらしてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることによって保存してよい。
水を加えることによって水性懸濁剤を調製するのに適する分散性散剤及び顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤との混合体で、混合治療用化合物をもたらす。
本明細書に開示されている治療用化合物は、水中油型乳剤の形状であってもよい。その油性相は、本明細書に開示されているような植物油、若しくは本明細書に開示されているような鉱油、又はこれらの混合物であってよい。好適な乳化剤は、天然ガム(例えば、ガムアカシア又はガムトラガカントなど)、天然フォスファチド(例えば、大豆、レシチン)、並びに、脂肪酸及び無水ヘキシトール由来エステル又は部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及び前記部分エステルの酸化エチレンとの縮合物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であってよい。
本明細書に開示されている治療用化合物、又はそのような治療用化合物を含む組成物は、経時的放出制御プロファイルを実現させるために、薬物送達プラットフォームに組み込んでもよい。このような薬物送達プラットフォームには、本明細書に開示されている治療用化合物がポリマーマトリックス、典型的には生分解性、生体内分解性、及び/又は生体吸収性ポリマーマトリックスに分散されたものが含まれる。本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は、合成ホモポリマー、合成コポリマー、天然ホモポリマー、天然コポリマー、及び、直鎖、分岐、又は星型構造を有するこれらの合成変性体又は誘導体を指す。コポリマーは、いずれの形状(例えば、ランダム、ブロック、セグメント化、テーパードブロック、グラフト、又はトリブロック)で配列できる。ポリマーは概して、縮合ポリマーである。ポリマーは、架橋剤を導入するか、又は側鎖残基の疎水性を変化させることによって、更に変性して、その機械的特性又は分解特性を高めることができる。架橋する場合、ポリマーは通常、5%未満架橋し、通常、1%未満架橋する。
好適なポリマーとしては、アルギネート、脂肪族ポリエステル、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリアミドエステル、ポリアンハイドライド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシ脂肪族カルボン酸、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリペプチド、ポリホスファゼン、ポリサッカライド、及びポリウレタンが挙げられるが、これらに限らない。ポリマーは通常、薬物送達プラットフォームの少なくとも約10%(w/w)、少なくとも約20%(w/w)、少なくとも約30%(w/w)、少なくとも約40%(w/w)、少なくとも約50%(w/w)、少なくとも約60%(w/w)、少なくとも約70%(w/w)、少なくとも約80%(w/w)、又は少なくとも約90%(w/w)を構成する。生分解性、生体内分解性、及び/又は生体吸収性ポリマーと、薬物送達プラットフォームを作製するのに有用な方法の例は、例えば、Drost,et. al.,Controlled Release Formulation、米国特許第4,756,911号、Smith, et. al.,Sustained Release Drug Delivery Devices、米国特許第5,378,475号、Wong and Kochinke,Formulation for Controlled Release of Drugs by Combining Hyrophilic and Hydrophobic Agents、米国特許第7,048,946号、Hughes,et.al.,Compositions and Methods for Localized Therapy of the Eye、米国特許出願公開第2005/0181017号、Hughes,Hypotensive Lipid−Containing Biodegradable Intraocular Implants and Related Methods、米国特許出願公開第2005/0244464号、Altman,et al.,Silk Fibroin Hydrogels and Uses Thereof、米国特許出願公開第2011/0008437号に説明されており、これらはそれぞれ、参照によりその全体が組み込まれる。
この実施形態の態様では、マトリックスを構成するポリマーは、例えば、シルクフィブロイン、ケラチン、又はコラーゲンなどのポリペプチドである。この実施形態の別の態様では、マトリックスを構成するポリマーは、例えば、セルロース、アガロース、エラスチン、キトサン、キチンなどのポリサッカライド、又は、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、又はヒアルロン酸のようなグリコサミノグリカンである。この実施形態の更に別の態様では、マトリックスを構成するポリマーは、例えば、D−乳酸、L−乳酸、ラセミ乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、及びこれらの組み合わせなどのポリエステルである。
開示されている好適な薬物送達プラットフォームを形成するのに好適なポリマーの選択が、いくつかの要因に左右されることは当業者には明らかである。適切なポリマー(単一又は複数)の選択において、関連性が高い要因としては、ポリマーの薬物との適合性、薬物の所望の放出動態、埋入部位におけるプラットフォームの所望の生分解動態、埋入部位におけるプラットフォームの所望の生体内分解性動態、埋入部位におけるプラットフォームの所望の生体吸収性動態、プラットフォームのインビボでの機械的性能、加工温度、プラットフォームの生体適合性、及び患者の耐性が挙げられるが、これらに限らない。ポリマーのインビトロ及びインビボ挙動をある程度決めるその他の関連要因としては、化学組成、構成要素の空間的分布、ポリマーの分子量、及び結晶化度が挙げられる。
薬物送達プラットフォームは、持続放出薬物送達プラットフォームと徐放薬物送達プラットフォームの両方を含む。本明細書で使用する場合、「持続放出」という用語は、本明細書に開示されている治療用化合物を約7日以上の期間にわたって放出することを指す。本明細書で使用する場合、「徐放」という用語は、本明細書に開示されている治療用化合物を約7日未満の期間にわたって放出することを指す。
この実施形態の態様では、持続放出薬物送達プラットフォームは、本明細書に開示されている治療用化合物を実質的に0次放出動態で、例えば、投与後約7日、投与後約15日、投与後約30日、投与後約45日、投与後約60日、投与後約75日、又は投与後約90日の期間にわたって放出する。この実施形態の別の態様では、持続放出薬物送達プラットフォームは、本明細書に開示されている治療用化合物を実質的に0次放出動態で、例えば、投与後少なくとも7日、投与後少なくとも15日、投与後少なくとも30日、投与後少なくとも45日、投与後少なくとも60日、投与後少なくとも75日、又は投与後少なくとも90日の期間にわたって放出する。
この実施形態の態様では、持続放出薬物送達プラットフォームは、本明細書に開示されている治療用化合物を実質的に1次放出動態で、例えば、投与後約7日、投与後約15日、投与後約30日、投与後約45日、投与後約60日、投与後約75日、又は投与後約90日の期間にわたって放出する。この実施形態の別の態様では、持続放出薬物送達プラットフォームは、本明細書に開示されている治療用化合物を実質的に1次放出動態で、例えば投与後少なくとも7日、投与後少なくとも15日、投与後少なくとも30日、投与後少なくとも45日、投与後少なくとも60日、投与後少なくとも75日、又は投与後少なくとも90日の期間にわたって放出する。
この実施形態の態様では、薬物送達プラットフォームは、本明細書に開示されている治療用化合物を実質的に0次放出動態で、例えば、投与後約1日、投与後約2日、投与後約3日、投与後約4日、投与後約5日、又は投与後約6日の期間にわたって放出する。この実施形態の別の態様では、薬物送達プラットフォームは、本明細書に開示されている治療用化合物を実質的に0次放出動態で、例えば、投与後最長で1日、投与後最長で2日、投与後最長で3日、投与後最長で4日、投与後最長で5日、又は投与後最長で6日の期間にわたって放出する。
この実施形態の態様では、薬物送達プラットフォームは、本明細書に開示されている治療用化合物を実質的に1次放出動態で、例えば投与後約1日、投与後約2日、投与後約3日、投与後約4日、投与後約5日、又は投与後約6日の期間にわたって放出する。この実施形態の別の態様では、薬物送達プラットフォームは、本明細書に開示されている治療用化合物を実質的に1次放出動態で、例えば投与後最長で1日、投与後最長で2日、投与後最長で3日、投与後最長で4日、投与後最長で5日、投与後最長で6日の期間にわたって放出する。
本明細書の態様は、部分的には、アンドロゲンの産生と関連する障害を有する個体を治療する方法を開示する。一実施形態では、本方法は、本明細書中に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンおよび本明細書中に開示されている製薬学的に許容可能な共役脂肪酸をその必要のある個体に投与するステップであって、この投与が、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を低減することにより、上記個体を治療する、ステップを含む。本明細書中に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンおよび本明細書中に開示されている製薬学的に許容可能な共役脂肪酸は、連続して投与してもよく、または同時に投与してもよい。同時に投与する場合、本明細書中に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンおよび本明細書中に開示されている製薬学的に許容可能な共役脂肪酸は、別々の組成物または単一の組成物として製剤化されてもよい。一実施形態では、この方法は、アンドロゲンの産生と関連する障害の治療を必要とする個体に、本明細書に開示されている医薬組成物を投与する工程を含み、この投与により、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減することによって、上記の個体を治療する。この実施形態の態様では、アンドロゲンの産生と関連する障害としては、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害、HSD17Bの活性と関連する障害、HSD17B10の活性と関連する障害が挙げられるが、これらに限らない。
本明細書の態様は、部分的に、癌を有する個体を治療する方法を開示する。一実施形態では、本方法は、本明細書中に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンおよび本明細書中に開示されている製薬学的に許容可能な共役脂肪酸をその必要のある個体に投与するステップであって、この投与が、癌の症状を低減することにより、上記個体を治療する、ステップを含む。本明細書中に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンおよび本明細書中に開示されている製薬学的に許容可能な共役脂肪酸は、連続して投与してもよく、または同時に投与してもよい。同時に投与する場合、本明細書中に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンおよび本明細書中に開示されている製薬学的に許容可能な共役脂肪酸は、別々の組成物または単一の組成物として製剤化されてもよい。一実施形態では、本方法は、本明細書中に開示されている医薬組成物をその必要のある個体に投与するステップであって、この投与が、癌の症状を低減することにより、上記個体を治療する、ステップを含む。
一実施形態では、アンドロゲンの産生と関連する障害は、ホルモン感受性又はホルモン依存性障害(例えば、ホルモン感受性若しくはホルモン依存性がん、ホルモン感受性若しくはホルモン依存性非がん性細胞増殖性障害、又はホルモン感受性若しくはホルモン依存性非細胞増殖性障害など)であってよい。ホルモン感受性又はホルモン依存性がんの例としては、前立腺がん、睾丸がん、乳がん、子宮体がん、卵巣がん、肺がん、甲状腺がん、膵臓癌、腺癌、神経内分泌癌、及び骨がんが挙げられるが、これらに限らない。ホルモン感受性又はホルモン依存性非がん性細胞増殖性障害の例としては、子宮筋腫、線維嚢胞性乳腺疾患、卵巣嚢胞、多嚢胞性卵巣症候群、及び前立腺肥大症(BPH)のような前立腺肥大が挙げられるが、これらに限らない。ホルモン感受性又はホルモン依存性非細胞増殖性障害の例としては、尋常性座瘡、脂漏症、女性多毛症、不正子宮出血、無月経、月経前症候群(PMS)、子宮内膜症、子宮腺筋症、及び脱毛症が挙げられるが、これらに限らない。
腺癌は、腺由来、腺性の特徴、またはその両方を有する上皮組織の腫瘍である。腺癌の例として、限定するものではないが、食道癌、膵臓癌、前立腺癌、子宮頸癌、胃癌、咽頭癌、非小細胞肺癌、侵襲性腺管癌およびin situでの腺管癌を含む乳房の腺管癌、侵襲性小葉癌を含む乳房の小葉癌、結腸直腸癌、肺大細胞癌、肺扁平上皮癌、小細胞肺癌、細気管支肺胞性肺癌、非小細胞肺癌を含む肺の腺癌、胆管細胞癌、ならびに膣癌が挙げられる。
本明細書の態様は、部分的には、アンドロゲンの産生と関連する障害を罹患した個体を治療することを開示する。本明細書で使用する場合、「治療する」という用語は、個体において、アンドロゲンの産生と関連する障害の臨床症状を軽減するか若しくは除去すること、又は、個体において、アンドロゲンの産生と関連する障害の臨床症状の発現を遅延させるか若しくは予防することを指す。例えば、「治療する」という用語は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を、例えば、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%軽減することを意味することができる。別の例としては、「治療する」という用語は、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を制御すること(例えば、所定の期間当たりの症状の数及び/又は症状の重症度を低下させることなど)を意味することができる。アンドロゲンの産生と関連する障害と関連する実際の症状は周知であり、アンドロゲンの産生と関連する障害の部位、アンドロゲンの産生と関連する障害の原因、アンドロゲンの産生と関連する障害の重症度、及び/又は、アンドロゲンの産生と関連する障害によって影響される細胞、組織、若しくは器官を含む(これらに限らない)要因を考慮することによって、当業者が判断できる。当業者は、アンドロゲンの産生と関連する障害のうちの特定のタイプと関連する適当な症状又は指標が分かるであろうし、ある個体が、本明細書に開示されているような治療に対する候補者であるか判断する方法が分かるであろう。
アンドロゲンの産生と関連する障害の実際の症状は周知であり、アンドロゲンの産生と関連する障害の部位、アンドロゲンの産生と関連する障害の原因、アンドロゲンの産生と関連する障害の重症度、アンドロゲンの産生と関連する障害によって影響される細胞、組織、及び/又は器官を含む(これらに限らない)要因を考慮することによって、当業者が判断できる。例えば、アンドロゲンの産生と関連する障害は、排尿躊躇、頻尿、排尿障害(有痛排尿)、尿路感染症のリスクの増大、尿閉、異常出血、炎症、異常発毛、疼痛、性機能障害という症状のうちの1つ以上を引き起こすことがある。
本発明の態様は、部分的には、ホルモン感受性又はホルモン依存性がんと関連する症状を軽減することを提供する。開示されている治療用化合物及び本明細書に開示されている組成物を用いる治療により、腫瘍細胞の増殖速度を低下させるか、腫瘍細胞の細胞分裂速度を低下させるか、腫瘍細胞の隣接組織若しくは器官への浸潤度を低下させるか、転移の程度を低下させるか、血管新生を低下させるか、アポトーシスを増加させるか、腫瘍細胞死を増加させるか、腫瘍細胞壊死を増加させるか、又はこれらのいずれかの組み合わせを行うことができる。
本発明の態様は、部分的には、ホルモン感受性又はホルモン依存性非がん性細胞増殖性障害と関連する症状を軽減することを提供する。開示されている治療用化合物及び本明細書に開示されている組成物を用いる治療により、過形成を抑制し、過剰増殖細胞の増殖速度を低下させ、過剰増殖細胞の細胞分裂速度を低下させ、過剰増殖細胞ががん性になる程度を低下させ、血管新生を低下させ、結節形成を軽減し、嚢胞形成を軽減し、アポトーシスを増加させ、腫瘍細胞死を増加させ、及び/若しくは腫瘍細胞壊死を増加させるか、又はこれらのいずれかの組み合わせを行うことができる。
本発明の態様は、部分的には、ホルモン感受性又はホルモン依存性非がん性細胞増殖性障害と関連する症状を軽減することを提供する。開示されている治療用化合物及び本明細書に開示されている組成物を用いる治療により、毛髪長の伸長、毛髪の太さの増大、新たな発毛の増加、発毛速度の向上、毛髪数の増加、中間体の毛髪の最終的な毛髪への変換の増加、毛髪密度の向上、1小胞当たりの毛髪数の増加、及び/若しくは毛髪の色素沈着の向上、毛髪のメラニン化の増大、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む(これらに限らない)少なくとも1種の毛髪属性を向上できる。
組成物又は化合物は、個体に投与する。個体は、典型的にはヒトである。典型的には、従来の治療に対する候補者であるいずれの個体も、本明細書に開示されているアンドロゲンの産生と関連する障害の治療に対する候補者である。術前評価には、典型的には、処置の関連リスクと利点を全て開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、病歴聴取及び身体診察が含まれる。
本明細書に開示されている医薬組成物は、治療用化合物を治療有効量で含んでよい。本明細書で使用する場合、「有効量」という用語は、「治療有効量」、「有効投与量」、又は「治療有効投与量」と同義であり、アンドロゲンの産生と関連する障害の治療に関連して用いるときには、本明細書に開示されている治療用化合物の投与量のうち、所望の治療効果を実現させるために必要な最小投与量を指し、アンドロゲンの産生と関連する障害と関連する症状を軽減するのに十分な投与量を含む。アンドロゲンの産生と関連する障害の治療における、本明細書に開示されている治療用化合物の有効性は、アンドロゲンの産生と関連する障害と関連する1つ以上の臨床症状及び/又は生理的指標に基づき、個体における改善を観察することによって判断できる。アンドロゲンの産生と関連する障害の改善は、併用療法の必要性の低下によっても示すことができる。
アンドロゲンの産生と関連する特定の障害に対して、本明細書に開示されている治療用化合物を個体に投与する際の適切な有効量は、アンドロゲンの産生と関連する障害の種類、アンドロゲンの産生と関連する障害の部位、アンドロゲンの産生と関連する障害の原因、アンドロゲンの産生と関連する障害の重症度、所望の緩和度、所望の緩和期間、用いる特定の治療用化合物、用いる治療用化合物の排出速度、用いる治療用化合物の薬物動態、組成物に含めるその他の化合物の性質、所望の特定の製剤、特定の投与経路、患者の特定の特徴、病歴、及び危険因子(例えば、年齢、体重、全身的な健康状態など)、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む(これらに限らない)要因を考慮することによって、当業者が決定できる。加えて、治療用化合物の反復投与を用いる場合には、治療用化合物の有効量は更に、投与頻度、治療用化合物の半減期、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む(これらに限らない)要因に左右されることになる。本明細書に開示されている治療用化合物の有効量は、ヒトへの投与前に、インビトロアッセイ、及び動物モデルを用いるインビボ投与実験から推定できることは当業者に知られている。
各種投与経路によって有効性が異なることを鑑みれば、必要有効量の変動が大きいことを予想できる。例えば、本明細書に開示されている治療用化合物の経口投与では概して、吸入投与よりも高い投与量レベルが必要となることが予想される。同様に、本明細書に開示されている治療用化合物の全身投与では、局所投与よりも高い投与量レベルが必要となることが予想される。これらの投与量レベルの変動は、標準的な経験的最適化手順を用いて調節でき、この手順は、当業者に周知である。正確な治療有効投与量レベル及びパターンは、上に示した要因を考慮して、主治医が決定するのが好ましい。当業者であれば、療法期間中にわたって個体の状態をモニタリングできるとともに、本明細書に開示されている治療用化合物を投与する際の有効量を適宜調節できることを認識するであろう。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は、アンドロゲンの産生と関連する障害と関連する症状を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%軽減する。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は、アンドロゲンの産生と関連する障害と関連する症状を、例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、最大95%、又は最大100%軽減する。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は、アンドロゲンの産生と関連する障害と関連する症状を、例えば、約10%〜約100%、約10%〜約90%、約10%〜約80%、約10%〜約70%、約10%〜約60%、約10%〜約50%、約10%〜約40%、約20%〜約100%、約20%〜約90%、約20%〜約80%、約20%〜約20%、約20%〜約60%、約20%〜約50%、約20%〜約40%、約30%〜約100%、約30%〜約90%、約30%〜約80%、約30%〜約70%、約30%〜約60%、又は約30%〜約50%軽減する。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は概して、約0.01mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の有効量は、例えば、少なくとも0.01mg/kg/日、少なくとも0.025mg/kg/日、少なくとも0.05mg/kg/日、少なくとも0.075mg/kg/日、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも0.25mg/kg/日、少なくとも0.5mg/kg/日、少なくとも0.75mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも2.5mg/kg/日、少なくとも5.0mg/kg/日、少なくとも7.5mg/kg/日、少なくとも10mg/kg/日、少なくとも25mg/kg/日、又は少なくとも50mg/kg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の有効量は、例えば、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも0.2mg/kg/日、少なくとも0.3mg/kg/日、少なくとも0.4mg/kg/日、少なくとも0.5mg/kg/日、少なくとも0.6mg/kg/日、少なくとも0.7mg/kg/日、少なくとも0.8mg/kg/日、少なくとも0.9mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも1.25mg/kg/日、少なくとも1.5mg/kg/日、少なくとも1.75mg/kg/日、少なくとも2.0mg/kg/日、少なくとも2.25mg/kg/日、少なくとも2.5mg/kg/日、少なくとも2.75mg/kg/日、少なくとも3.0mg/kg/日、少なくとも3.25mg/kg/日、少なくとも3.5mg/kg/日、少なくとも3.75mg/kg/日、少なくとも4.0mg/kg/日、少なくとも4.25mg/kg/日、少なくとも4.5mg/kg/日、少なくとも4.75mg/kg/日、又は少なくとも5.0mg/kg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の有効量は、例えば、約0.01mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約5mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は概して、約1mg/日〜約500mg/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の有効量は、例えば、少なくとも1mg/日、少なくとも5mg/日、少なくとも10mg/日、少なくとも25mg/日、少なくとも50mg/日、少なくとも75mg/日、少なくとも100mg/日、少なくとも150mg/日、少なくとも200mg/日、少なくとも250mg/日、少なくとも300mg/日、少なくとも350mg/日、少なくとも400mg/日、少なくとも450mg/日、又は少なくとも500mg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の有効量は、例えば、約1mg/日〜約100mg/日、約1mg/日〜約150mg/日、約1mg/日〜約200mg/日、約1mg/日〜約250mg/日、約1mg/日〜約300mg/日、約1mg/日〜約350mg/日、約1mg/日〜約400mg/日、約1mg/日〜約450mg/日、約1mg/日〜約500mg/日、約10mg/日〜約100mg/日、約10mg/日〜約150mg/日、約10mg/日〜約200mg/日、約10mg/日〜約250mg/日、約10mg/日〜約300mg/日、約10mg/日〜約350mg/日、約10mg/日〜約400mg/日、約10mg/日〜約450mg/日、又は約10mg/日〜約500mg/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の治療有効量は概して、約1μM/日〜約1,000μM/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の有効量は、例えば、少なくとも1μM/日、少なくとも5μM/日、少なくとも10μM/日、少なくとも50μM/日、少なくとも100μM/日、少なくとも200μM/日、少なくとも300μM/日、少なくとも400μM/日、少なくとも500μM/日、少なくとも600μM/日、少なくとも700μM/日、少なくとも800μM/日、少なくとも900μM/日、又は少なくとも1,000μM/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されている治療用化合物の有効量は、例えば、約1μM/日〜約100μM/日、約1μM/日〜約200μM/日、約1μM/日〜約400μM/日、約1μM/日〜約600μM/日、約1μM/日〜約800μM/日、約1μM/日〜約1,000μM/日、約10μM/日〜約100μM/日、約10μM/日〜約200μM/日、約10μM/日〜約400μM/日、約10μM/日〜約600μM/日、約10μM/日〜約800μM/日、約10μM/日〜約1,000μM/日、約25μM/日〜約100μM/日、約25μM/日〜約200μM/日、約25μM/日〜約400μM/日、約25μM/日〜約600μM/日、約25μM/日〜約800μM/日、又は約25μM/日〜約1,000μM/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの治療有効量は概して、約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの有効量は、例えば、少なくとも0.01mg/kg/日、少なくとも0.025mg/kg/日、少なくとも0.05mg/kg/日、少なくとも0.075mg/kg/日、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも0.25mg/kg/日、少なくとも0.5mg/kg/日、少なくとも0.75mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも2.5mg/kg/日、少なくとも5.0mg/kg/日、少なくとも7.5mg/kg/日、又は少なくとも10mg/kg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの有効量は、例えば、約0.01mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日、または約0.5mg/kg/日〜約10mg/kg/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの治療有効量は概して、約0.1mg/日〜約100mg/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの有効量は、例えば、少なくとも0.1mg/日、少なくとも0.5mg/日、少なくとも1mg/日、少なくとも2.5mg/日、少なくとも5mg/日、少なくとも7.5mg/日、少なくとも10mg/日、少なくとも20mg/日、少なくとも30mg/日、少なくとも40mg/日、少なくとも50mg/日、少なくとも60mg/日、少なくとも70mg/日、少なくとも80mg/日、少なくとも90mg/日、又は少なくとも100mg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの有効量は、例えば、約0.1mg/日〜約10mg/日、約0.1mg/日〜約12.5mg/日、約0.1mg/日〜約15mg/日、約0.1mg/日〜約17.5mg/日、約0.1mg/日〜約20mg/日、約0.1mg/日〜約30mg/日、約0.1mg/日〜約40mg/日、約0.1mg/日〜約60mg/日、約0.1mg/日〜約80mg/日、約0.1mg/日〜約100mg/日、約0.5mg/日〜約10mg/日、約0.5mg/日〜約12.5mg/日、約0.5mg/日〜約15mg/日、約0.5mg/日〜約17.5mg/日、約0.5mg/日〜約20mg/日、約0.5mg/日〜約30mg/日、約0.5mg/日〜約40mg/日、約0.5mg/日〜約60mg/日、約0.5mg/日〜約80mg/日、約0.5mg/日〜約100mg/日、約1mg/日〜約10mg/日、約1mg/日〜約12.5mg/日、約1mg/日〜約15mg/日、約1mg/日〜約17.5mg/日、約1mg/日〜約20mg/日、約1mg/日〜約30mg/日、約1mg/日〜約40mg/日、約1mg/日〜約60mg/日、約1mg/日〜約80mg/日、約1mg/日〜約100mg/日、約2.5mg/日〜約10mg/日、約2.5mg/日〜約20mg/日、約2.5mg/日〜約40mg/日、約2.5mg/日〜約60mg/日、約2.5mg/日〜約80mg/日、又は約2.5mg/日〜約100mg/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの治療有効量は概して、約1μM/日〜約1,000μM/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの有効量は、例えば、少なくとも1μM/日、少なくとも5μM/日、少なくとも10μM/日、少なくとも50μM/日、少なくとも100μM/日、少なくとも200μM/日、少なくとも300μM/日、少なくとも400μM/日、少なくとも500μM/日、少なくとも600μM/日、少なくとも700μM/日、少なくとも800μM/日、少なくとも900μM/日、又は少なくとも1,000μM/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンの有効量は、例えば、約1μM/日〜約100μM/日、約1μM/日〜約200μM/日、約1μM/日〜約400μM/日、約1μM/日〜約600μM/日、約1μM/日〜約800μM/日、約1μM/日〜約1,000μM/日、約10μM/日〜約100μM/日、約10μM/日〜約200μM/日、約10μM/日〜約400μM/日、約10μM/日〜約600μM/日、約10μM/日〜約800μM/日、約10μM/日〜約1,000μM/日、約25μM/日〜約100μM/日、約25μM/日〜約200μM/日、約25μM/日〜約400μM/日、約25μM/日〜約600μM/日、約25μM/日〜約800μM/日、又は約25μM/日〜約1,000μM/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている脂肪酸の治療有効量は概して、約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている脂肪酸の有効量は、例えば、少なくとも0.01mg/kg/日、少なくとも0.025mg/kg/日、少なくとも0.05mg/kg/日、少なくとも0.075mg/kg/日、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも0.25mg/kg/日、少なくとも0.5mg/kg/日、少なくとも0.75mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも2.5mg/kg/日、少なくとも5.0mg/kg/日、少なくとも7.5mg/kg/日、又は少なくとも10mg/kg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている脂肪酸の有効量は、例えば約0.01mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日、または約0.5mg/kg/日〜約10mg/kg/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている脂肪酸の治療有効量は概して、約0.1mg/日〜約100mg/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている脂肪酸の有効量は、例えば、少なくとも0.1mg/日、少なくとも0.5mg/日、少なくとも1mg/日、少なくとも5mg/日、少なくとも10mg/日、少なくとも20mg/日、少なくとも30mg/日、少なくとも40mg/日、少なくとも50mg/日、少なくとも60mg/日、少なくとも70mg/日、少なくとも80mg/日、少なくとも90mg/日、又は少なくとも100mg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている脂肪酸の有効量は、例えば、約0.1mg/日〜約10mg/日、約0.1mg/日〜約12.5mg/日、約0.1mg/日〜約15mg/日、約0.1mg/日〜約17.5mg/日、約0.1mg/日〜約20mg/日、約0.1mg/日〜約30mg/日、約0.1mg/日〜約40mg/日、約0.1mg/日〜約60mg/日、約0.1mg/日〜約80mg/日、約0.1mg/日〜約100mg/日、約0.5mg/日〜約10mg/日、約0.5mg/日〜約12.5mg/日、約0.5mg/日〜約15mg/日、約0.5mg/日〜約17.5mg/日、約0.5mg/日〜約20mg/日、約0.5mg/日〜約30mg/日、約0.5mg/日〜約40mg/日、約0.5mg/日〜約60mg/日、約0.5mg/日〜約80mg/日、約0.5mg/日〜約100mg/日、約1mg/日〜約10mg/日、約1mg/日〜約12.5mg/日、約1mg/日〜約15mg/日、約1mg/日〜約17.5mg/日、約1mg/日〜約20mg/日、約1mg/日〜約30mg/日、約1mg/日〜約40mg/日、約1mg/日〜約60mg/日、約1mg/日〜約80mg/日、約1mg/日〜約100mg/日、約2.5mg/日〜約10mg/日、約2.5mg/日〜約20mg/日、約2.5mg/日〜約40mg/日、約2.5mg/日〜約60mg/日、約2.5mg/日〜約80mg/日、又は約2.5mg/日〜約100mg/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている脂肪酸の治療有効量は概して、約1μM/日〜約1,000μM/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている脂肪酸の有効量は、例えば、少なくとも1μM/日、少なくとも5μM/日、少なくとも10μM/日、少なくとも50μM/日、少なくとも100μM/日、少なくとも200μM/日、少なくとも300μM/日、少なくとも400μM/日、少なくとも500μM/日、少なくとも600μM/日、少なくとも700μM/日、少なくとも800μM/日、少なくとも900μM/日、又は少なくとも1,000μM/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている脂肪酸の有効量は、例えば、約1μM/日〜約100μM/日、約1μM/日〜約200μM/日、約1μM/日〜約400μM/日、約1μM/日〜約600μM/日、約1μM/日〜約800μM/日、約1μM/日〜約1,000μM/日、約10μM/日〜約100μM/日、約10μM/日〜約200μM/日、約10μM/日〜約400μM/日、約10μM/日〜約600μM/日、約10μM/日〜約800μM/日、約10μM/日〜約1,000μM/日、約25μM/日〜約100μM/日、約25μM/日〜約200μM/日、約25μM/日〜約400μM/日、約25μM/日〜約600μM/日、約25μM/日〜約800μM/日、又は約25μM/日〜約1,000μM/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の治療有効量は概して、約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の有効量は、例えば、少なくとも0.01mg/kg/日、少なくとも0.025mg/kg/日、少なくとも0.05mg/kg/日、少なくとも0.075mg/kg/日、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも0.25mg/kg/日、少なくとも0.5mg/kg/日、少なくとも0.75mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも2.5mg/kg/日、少なくとも5.0mg/kg/日、少なくとも7.5mg/kg/日、又は少なくとも10mg/kg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の有効量は、例えば、約0.01mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.05mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.25mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約5mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約0.75mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約1mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約2.5mg/kg/日、約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日、または約0.5mg/kg/日〜約10mg/kg/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の治療有効量は概して、約0.1mg/日〜約100mg/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の有効量は、例えば、少なくとも0.1mg/日、少なくとも0.5mg/日、少なくとも1mg/日、少なくとも5mg/日、少なくとも10mg/日、少なくとも20mg/日、少なくとも30mg/日、少なくとも40mg/日、少なくとも50mg/日、少なくとも60mg/日、少なくとも70mg/日、少なくとも80mg/日、少なくとも90mg/日、又は少なくとも100mg/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の有効量は、例えば、約0.1mg/日〜約10mg/日、約0.1mg/日〜約12.5mg/日、約0.1mg/日〜約15mg/日、約0.1mg/日〜約17.5mg/日、約0.1mg/日〜約20mg/日、約0.1mg/日〜約30mg/日、約0.1mg/日〜約40mg/日、約0.1mg/日〜約60mg/日、約0.1mg/日〜約80mg/日、約0.1mg/日〜約100mg/日、約0.5mg/日〜約10mg/日、約0.5mg/日〜約12.5mg/日、約0.5mg/日〜約15mg/日、約0.5mg/日〜約17.5mg/日、約0.5mg/日〜約20mg/日、約0.5mg/日〜約30mg/日、約0.5mg/日〜約40mg/日、約0.5mg/日〜約60mg/日、約0.5mg/日〜約80mg/日、約0.5mg/日〜約100mg/日、約1mg/日〜約10mg/日、約1mg/日〜約12.5mg/日、約1mg/日〜約15mg/日、約1mg/日〜約17.5mg/日、約1mg/日〜約20mg/日、約1mg/日〜約30mg/日、約1mg/日〜約40mg/日、約1mg/日〜約60mg/日、約1mg/日〜約80mg/日、約1mg/日〜約100mg/日、約2.5mg/日〜約10mg/日、約2.5mg/日〜約20mg/日、約2.5mg/日〜約40mg/日、約2.5mg/日〜約60mg/日、約2.5mg/日〜約80mg/日、または約2.5mg/日〜約100mg/日であってよい。
この実施形態の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の治療有効量は概して、約1μM/日〜約1,000μM/日の範囲である。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の有効量は、例えば、少なくとも1μM/日、少なくとも5μM/日、少なくとも10μM/日、少なくとも50μM/日、少なくとも100μM/日、少なくとも200μM/日、少なくとも300μM/日、少なくとも400μM/日、少なくとも500μM/日、少なくとも600μM/日、少なくとも700μM/日、少なくとも800μM/日、少なくとも900μM/日、又は少なくとも1,000μM/日であってよい。この実施形態の更に別の態様では、本明細書に開示されているベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと併せて、本明細書に開示されている5αリダクターゼ阻害剤の有効量は、例えば、約1μM/日〜約100μM/日、約1μM/日〜約200μM/日、約1μM/日〜約400μM/日、約1μM/日〜約600μM/日、約1μM/日〜約800μM/日、約1μM/日〜約1,000μM/日、約10μM/日〜約100μM/日、約10μM/日〜約200μM/日、約10μM/日〜約400μM/日、約10μM/日〜約600μM/日、約10μM/日〜約800μM/日、約10μM/日〜約1,000μM/日、約25μM/日〜約100μM/日、約25μM/日〜約200μM/日、約25μM/日〜約400μM/日、約25μM/日〜約600μM/日、約25μM/日〜約800μM/日、又は約25μM/日〜約1,000μM/日であってよい。
投与は、単回投与、又は累積的(連続投与)であることができ、当業者が容易に決定できる。例えば、アンドロゲンの産生と関連する障害の治療は、本明細書に開示されている医薬組成物を有効投与量、1回投与することを含んでよい。あるいは、アンドロゲンの産生と関連する障害の治療は、ある範囲の期間にわたって(例えば、1日に1回、1日に2回、1日に3回、数日に1回、又は1週間に1回など)、医薬組成物を有効投与量、複数回投与することを含んでよい。投与のタイミングは、個体の症状の重症度のような要因に応じて、個体によって様々であることができる。例えば、本明細書に開示されている医薬組成物を有効投与量、不定の期間、又は個体が療法を必要としなくなるまで、1日に1回、個体に投与できる。当業者であれば、治療期間にわたって個体の状態をモニタリングできるとともに、本明細書に開示されている医薬組成物を投与する際の有効量を適宜調節できることを認識するであろう。
各種投与経路は、本明細書に開示されている、アンドロゲンの産生と関連する障害を治療する方法に従って、本明細書に開示されている治療用化合物を投与するのに有用であり得る。医薬組成物は、例えば、治療対象である、アンドロゲンの産生と関連する障害の種類、治療対象である、アンドロゲンの産生と関連する障害の部位、用いる特定の治療用化合物若しくは組成物、又は組成物に含めるその他の化合物、並びに、個体の病歴、危険因子、及び症状に応じて、様々な手段のうちのいずれかによって、個体に投与してよい。したがって、局所投与、腸内投与、又は非経口投与経路が、本明細書に開示されている、アンドロゲンの産生と関連する障害を治療するのに適することがあり、このような経路には、本明細書に開示されている治療用化合物又は組成物の局所送達と全身送達の両方が含まれる。本明細書に開示されている治療用化合物を1つ含むか、又は本明細書に開示されている治療用化合物を2種以上含むかのいずれかである組成物は、吸入、局所、鼻腔内、舌下、注射、注入、点滴、直腸、及び/又は膣内での使用が意図されており、医薬組成物製造の分野で知られているいずれかの方法に従って調製してよい。
本明細書に開示されている医薬組成物は、単一の製剤で、又は併用投与、同時投与、若しくは連続投与用の別個の製剤で、個体に投与できる。一実施形態では、個体には、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンを含む第1の組成物と、脂肪酸、5α−リダクターゼ阻害剤、化学療法剤、又は抗増殖剤のような別の治療用化合物を含む第2の組成物とを投与する。この実施形態の態様では、個体には、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンを少なくとも1種含む第1の組成物と、脂肪酸、5α−リダクターゼ阻害剤、化学療法剤、又は抗増殖剤のような他の治療用化合物を少なくとも1種含む第2の組成物を投与する。
別の実施形態では、個体には、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと、脂肪酸、5α−リダクターゼ阻害剤、化学療法剤、又は抗増殖剤のような別の治療用化合物とを含む組成物を投与する。この実施形態の態様では、個体には、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンを少なくとも1種と、脂肪酸、5α−リダクターゼ阻害剤、化学療法剤、又は抗増殖剤のような他の治療用化合物を少なくとも1種含む組成物を投与する。
本明細書に開示されている医薬組成物は、治療の全体的な治療効果を向上させるために、他の治療用化合物と組み合わせて、個体に投与することもできる。複数の化合物を用いて適応症を治療することにより、副作用の存在を減少させながら、有益な効果を向上させることができる。
本明細書の態様は、以下のように説明することもできる。
1.アンドロゲンの産生を調節できる治療用化合物を含む組成物。
2.実施形態1に記載の組成物であって、治療用化合物が、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減する組成物。
3.実施形態1又は2に記載の組成物であって、治療用化合物が、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を少なくとも10%軽減する組成物。
4.実施形態1〜3のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物により、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度が低下する組成物。
5.実施形態1〜4のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物により、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する頻度が少なくとも10%低下する組成物。
6.実施形態1〜5のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物により、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する数が低下する組成物。
7.実施形態1〜6のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物により、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状が所定期間において発生する数が少なくとも10%低下する組成物。
8.実施形態1〜7のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物が、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状の重症度を低下させる組成物。
9.実施形態1〜8のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物が、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状の重症度を少なくとも10%低下させる組成物。
10.実施形態1〜9のいずれか1つに記載の組成物であって、アンドロゲンの産生と関連する障害が、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害である組成物。
11.実施形態1〜9のいずれか1つに記載の組成物であって、アンドロゲンの産生と関連する障害が、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性、3β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性、20β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性、又はこれらのいずれかの組み合わせと関連する障害である組成物。
12.実施形態11に記載の組成物であって、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害が、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼサブタイプ10の活性である組成物。
13.実施形態1〜12のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物がジヒドロテストステロンのレベルを低下させる組成物。
14.実施形態1〜13のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物が、ジヒドロテストステロンのレベルを少なくとも10%低下させる組成物。
15.実施形態1〜14のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物が、テストステロンのレベル、アンドロステンジオンのレベル、アンドロステンジオールのレベル、デヒドロエピアンドロステロンのレベル、又はこれらのいずれかの組み合わせを低下させる組成物。
16.実施形態1〜15のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物が、テストステロンのレベル、アンドロステンジオンのレベル、アンドロステンジオールのレベル、デヒドロエピアンドロステロンのレベル、又はこれらのいずれかの組み合わせを少なくとも10%低下させる組成物。
17.実施形態1〜16のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物がエストロゲンのレベルを低下させる組成物。
18.実施形態1〜17のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物がエストロゲンのレベルを少なくとも10%低下させる組成物。
19.実施形態1〜18のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物が、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジン、脂肪酸、5αリダクターゼ阻害剤、化学療法剤、抗増殖剤、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む組成物。
20.実施形態19に記載の組成物であって、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンが、任意に置換されたイロペリドン、任意に置換されたオカペリドン、任意に置換されたパリペリドン、任意に置換されたリスペリドン、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
21.実施形態19に記載の組成物であって、脂肪酸が、共役脂肪酸を含む、組成物。
22.実施形態21に記載の組成物であって、共役脂肪酸がC16〜C30共役脂肪酸を含む組成物。
23.実施形態21に記載の組成物であって、共役脂肪酸が、共役リノール酸、共役リノエライジン酸、共役α−リノレン酸、共役γ−リノレン酸、共役カレンジン酸、共役エイコサジエン酸、共役ステアリドン酸、共役ノナデシル酸、共役アラキン酸、共役ジホモ−γ−リノレン酸、共役ドコサジエン酸、共役ミード酸、共役アラキドン酸、共役エイコサペンタエン酸、共役アドレン酸、共役ドコサペンタエン酸、共役ヘンイコシル酸、共役テトラコサテトラエン酸、共役テトラコサペンタエン酸、共役ベヘン酸、共役ドコサヘキサエン酸、共役トリコシル酸、共役リグノセリン酸、共役ペンタコシル酸、共役セロチン酸、共役ヘプタコシル酸、共役モンタン酸、共役ノナコシル酸、共役メリシン酸、共役ヘナトリアコンチル酸、共役ラクセロン酸、共役プシリン酸、共役ゲーダ酸、共役セロプラスチン酸、共役ヘキサトリアコンチル酸、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む組成物。
24.実施形態23に記載の組成物であって、共役リノール酸が、シス−9,トランス−11共役リノール酸、シス−9,シス−11共役リノール酸、トランス−9,トランス−11共役リノール酸、およびトランス−9,シス−11共役リノール酸、シス−10,トランス−12共役リノール酸、シス−10,シス−12共役リノール酸、トランス−10,トランス−12共役リノール酸、およびトランス−10,シス−12共役リノール酸、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む組成物。
25.実施形態19に記載の組成物であって、脂肪酸が、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
26.実施形態25に記載の組成物であって、オメガ−3脂肪酸が、ヘキサデカトリエン酸(16:3)、α−リノレン酸(18:3)、ステアリドン酸(18:4)、エイコサトリエン酸(20:3)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)、ヘンエイコサペンタエン酸(21:5)、ドコサペンタエン酸(クルパノドン酸)(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)、テトラコサペンタエン酸(24:5)、テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(24:6)、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
27.実施形態25に記載の組成物であって、オメガ−6脂肪酸が、リノール酸(18:2)、γ−リノレン酸(18:3)、カレンディック酸(18:3)、エイコサジエン酸(20:2)、ジホモ−γ−リノレン酸(20:3)、アラキドン酸(20:4)、ドコサジエン酸(22:2)、アドレン酸(22:4)、ドコサペンタエン酸(22:5)、テトラコサテトラエン酸(24:4)、及びテトラコサペンタエン酸(24:5)、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
28.実施形態25に記載の組成物であって、オメガ−7脂肪酸が、5−ドデセン酸、7−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン酸(パルミトレイン酸)、11−デセン酸(バクセン酸)、13−エイコセン酸(パウリン酸)、15−ドコセン酸、17−テトラコセン酸、及び9Z,11E共役リノール酸(ルーメン酸)、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
29.実施形態25に記載の組成物であって、オメガ−9脂肪酸が、オレイン酸、エライジン酸、エイコセン酸、ミード酸、エルカ酸、ネルボン酸、及びリシノール酸、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
30.実施形態19に記載の組成物であって、5αリダクターゼ阻害剤が、アルファトラジオール、ベクスロステリド、デュタステリド、エプリステリド、フィナステリド、イソトレチノイン、ラピステリド、ツロステリド、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
31.実施形態19に記載の組成物であって、化学療法剤又は抗増殖剤が、アルキル化剤、プラチナ剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、アロマターゼ阻害剤、チミジル酸合成酵素阻害剤、DNAアンタゴニスト、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ポンプ阻害剤、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、リボヌクレオシドリダクターゼ阻害剤、TNFαアゴニスト、TNFαアンタゴニスト、エンドセリンAレセプターアンタゴニスト、レチノイン酸レセプターアゴニスト、免疫調節剤、ホルモン剤、抗ホルモン剤、光線力学剤、チロシンキナーゼ阻害剤、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
32.実施形態1〜31のいずれか1つに記載の組成物であって、望ましくない副作用を減少させる医薬組成物。
33.実施形態32に記載の組成物であって、望ましくない副作用が、男性の女性化又は女性の男性化を含む組成物。
34.実施形態1〜29のいずれか1つに記載の組成物であって、治療用化合物の調節活性が、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減する組成物。
35.実施形態34に記載の組成物であって、治療用化合物の調節活性が、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%軽減する組成物。
36.実施形態35に記載の組成物であって、症状が、症状の頻度、症状の数、症状の重症度、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む組成物。
37.実施形態1〜36のいずれか1つに記載の組成物であって、アンドロゲンの産生と関連する障害が、ホルモン依存性障害である組成物。
38.実施形態37に記載の組成物であって、ホルモン依存性障害が、ホルモン依存性増殖性障害である組成物。
39.実施形態37に記載の組成物であって、ホルモン依存性障害が、ホルモン依存性非増殖性障害である組成物。
40.実施形態37に記載の組成物であって、ホルモン依存性障害が、がんである組成物。
41.実施形態40に記載の組成物であって、がんが、前立腺がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、睾丸がん、腺癌、神経内分泌癌、または膵臓癌である組成物。
42.実施形態40に記載の組成物であって、癌が腺癌である組成物。
43.実施形態42に記載の組成物であって、腺癌が、食道癌、膵臓癌、前立腺癌、子宮頸癌、胃癌、咽頭癌、非小細胞肺癌、侵襲性腺管癌およびin situでの腺管癌を含む乳房の腺管癌、侵襲性小葉癌を含む乳房の小葉癌、結腸直腸癌、肺大細胞癌、肺扁平上皮癌、小細胞肺癌、細気管支肺胞性肺癌、および非小細胞肺癌を含む肺の腺癌、胆管細胞癌、または膣癌である組成物。
44.実施形態43に記載の組成物であって、肺癌が非小細胞肺癌である組成物。
45.実施形態40に記載の組成物であって、がんが、ホルモン抵抗性がんである組成物。
46.実施形態39に記載の組成物であって、ホルモン依存性障害が、前立腺肥大症(BPH)又は多嚢胞性卵巣症候群である組成物。
47.実施形態39に記載の組成物であって、ホルモン依存性障害が、尋常性座瘡、脂漏症、又は女性多毛症である組成物。
48.実施形態39に記載の組成物であって、ホルモン依存性障害が、男性ホルモン性脱毛症である組成物。
49.実施形態1〜48〜のいずれか1つに記載の組成物であって、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと脂肪酸とを含む組成物。
50.実施形態49に記載の組成物であって、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンが、任意に置換されたイロペリドン、任意に置換されたオカペリドン、任意に置換されたパリペリドン、任意に置換されたリスペリドン、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
51.実施形態49または50に記載の組成物であって、脂肪酸が共役脂肪酸を含む組成物。
52.実施形態51に記載の組成物であって、共役脂肪酸がC16〜C30共役脂肪酸を含む組成物。
53.実施形態51に記載の組成物であって、共役脂肪酸が、共役リノール酸、共役リノエライジン酸、共役α−リノレン酸、共役γ−リノレン酸、共役カレンジン酸、共役エイコサジエン酸、共役ステアリドン酸、共役ノナデシル酸、共役アラキン酸、共役ジホモ−γ−リノレン酸、共役ドコサジエン酸、共役ミード酸、共役アラキドン酸、共役エイコサペンタエン酸、共役アドレン酸、共役ドコサペンタエン酸、共役ヘンイコシル酸、共役テトラコサテトラエン酸、共役テトラコサペンタエン酸、共役ベヘン酸、共役ドコサヘキサエン酸、共役トリコシル酸、共役リグノセリン酸、共役ペンタコシル酸、共役セロチン酸、共役ヘプタコシル酸、共役モンタン酸、共役ノナコシル酸、共役メリシン酸、共役ヘナトリアコンチル酸、共役ラクセロン酸、共役プシリン酸、共役ゲーダ酸、共役セロプラスチン酸、共役ヘキサトリアコンチル酸、またはそれらの組み合わせを含む組成物。
54.実施形態53に記載の組成物であって、共役リノール酸が、シス−9,トランス−11共役リノール酸、シス−9,シス−11共役リノール酸、トランス−9,トランス−11共役リノール酸、およびトランス−9,シス−11共役リノール酸、シス−10,トランス−12共役リノール酸、シス−10,シス−12共役リノール酸、トランス−10,トランス−12共役リノール酸、およびトランス−10,シス−12共役リノール酸、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む組成物。
55.実施形態49または50に記載の組成物であって、脂肪酸が、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
56.実施形態55に記載の組成物であって、オメガ−3脂肪酸が、ヘキサデカトリエン酸(16:3)、α−リノレン酸(18:3)、ステアリドン酸(18:4)、エイコサトリエン酸(20:3)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)、ヘンエイコサペンタエン酸(21:5)、ドコサペンタエン酸(クルパノドン酸)(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)、テトラコサペンタエン酸(24:5)、テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(24:6)、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
57.実施形態55または56に記載の組成物であって、オメガ−6脂肪酸が、リノール酸(18:2)、γ−リノレン酸(18:3)、カレンディック酸(18:3)、エイコサジエン酸(20:2)、ジホモ−γ−リノレン酸(20:3)、アラキドン酸(20:4)、ドコサジエン酸(22:2)、アドレン酸(22:4)、ドコサペンタエン酸(22:5)、テトラコサテトラエン酸(24:4)、及びテトラコサペンタエン酸(24:5)、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
58.実施形態55〜57のいずれか1つに記載の組成物であって、オメガ−7脂肪酸が、5−ドデセン酸、7−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン酸(パルミトレイン酸)、11−デセン酸(バクセン酸)、13−エイコセン酸(パウリン酸)、15−ドコセン酸、17−テトラコセン酸、及び9Z,11E共役リノール酸(ルーメン酸)、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
59.実施形態55〜58のいずれか1つに記載の組成物であって、オメガ−9脂肪酸が、オレイン酸、エライジン酸、エイコセン酸、ミード酸、エルカ酸、ネルボン酸、及びリシノール酸、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
60.実施形態1〜48のいずれか1つに記載の組成物であって、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと5αリダクターゼ阻害剤とを含む組成物。
61.実施形態60に記載の組成物であって、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンが、任意に置換されたイロペリドン、任意に置換されたオカペリドン、任意に置換されたパリペリドン、任意に置換されたリスペリドン、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
62.実施形態60又は61に記載の組成物であって、5αリダクターゼ阻害剤が、アルファトラジオール、ベクスロステリド、デュタステリド、エプリステリド、フィナステリド、イソトレチノイン、ラピステリド、ツロステリド、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
63.実施形態1〜48のいずれか1つに記載の組成物であって、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンと、化学療法剤又は抗増殖剤とを含む組成物。
64.実施形態63に記載の組成物であって、ベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンが、任意に置換されたイロペリドン、任意に置換されたオカペリドン、任意に置換されたパリペリドン、任意に置換されたリスペリドン、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
65.実施形態63又は64に記載の組成物であって、化学療法剤又は抗増殖剤が、アルキル化剤、プラチナ剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、アロマターゼ阻害剤、チミジル酸合成酵素阻害剤、DNAアンタゴニスト、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ポンプ阻害剤、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、リボヌクレオシドリダクターゼ阻害剤、TNFαアゴニスト、TNFαアンタゴニスト、エンドセリンAレセプターアンタゴニスト、レチノイン酸レセプターアゴニスト、免疫調節剤、ホルモン剤、抗ホルモン剤、光線力学剤、チロシンキナーゼ阻害剤、又はこれらのいずれかの組み合わせである組成物。
66.アンドロゲンの産生と関連する障害を有する個体を治療する方法であって、アンドロゲンの産生と関連する障害の治療を必要とする個体に、実施形態1〜65に定義されているような医薬組成物を投与する工程を含み、その投与により、アンドロゲンの産生と関連する障害の症状を軽減することによって、個体を治療する方法。
67.実施形態66に記載の方法であって、その医薬組成物の投与により、望ましくない副作用の発生が軽減する方法。
68.実施形態67に記載の方法であって、望ましくない副作用が、男性の女性化又は女性の男性化を含む方法。
69.実施形態66〜68のいずれか1つに記載の方法であって、症状を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%軽減する方法。
70.実施形態66〜69のいずれか1つに記載の方法であって、症状が、症状の頻度、症状の数、症状の重症度、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む方法。
71.実施形態66〜70のいずれか1つに記載の方法であって、治療用化合物の治療有効量が、約0.01mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲である方法。
72.実施形態66〜71のいずれか1つに記載の方法であって、治療用化合物の治療有効量が、約1mg/日〜約500mg/日の範囲である方法。
73.実施形態66〜72のいずれか1つに記載の方法であって、治療用化合物の治療有効量が、約1μM/日〜約1,000μM/日の範囲である方法。
74.実施形態66〜73のいずれか1つに記載の方法であって、アンドロゲンの産生と関連する障害の方法。
75.実施形態74に記載の方法であって、アンドロゲンの産生と関連する障害が、ステロイドヒドロキシデヒドロゲナーゼの活性と関連する障害、HSD17Bの活性と関連する障害、HSD17B10の活性と関連する障害、又はこれらのいずれかの組み合わせである方法。
76.実施形態74に記載の方法であって、アンドロゲンの産生と関連する障害が、ホルモン依存性障害である方法。
77.実施形態76に記載の方法であって、ホルモン依存性障害が、ホルモン依存性増殖性障害である方法。
78.実施形態76に記載の方法であって、ホルモン依存性障害が、ホルモン依存性非増殖性障害である方法。
79.実施形態76に記載の方法であって、ホルモン依存性障害が、がんである方法。
80.実施形態68に記載の方法であって、がんが、前立腺がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、睾丸がん、腺癌、神経内分泌癌、または膵臓癌である方法。
81.実施形態79に記載の方法であって、癌が腺癌である方法。
82.実施形態81に記載の方法であって、腺癌が、食道癌、膵臓癌、前立腺癌、子宮頸癌、胃癌、咽頭癌、非小細胞肺癌、侵襲性腺管癌およびin situでの腺管癌を含む乳房の腺管癌、侵襲性小葉癌を含む乳房の小葉癌、結腸直腸癌、肺大細胞癌、肺扁平上皮癌、小細胞肺癌、細気管支肺胞性肺癌、および非小細胞肺癌を含む肺の腺癌、胆管細胞癌、または膣癌である方法。
83.実施形態82に記載の方法であって、肺癌が非小細胞肺癌である方法。
84.実施形態79に記載の方法であって、がんが、ホルモン抵抗性がんである方法。
85.実施形態76に記載の方法であって、ホルモン依存性障害が、前立腺肥大症(BPH)又は多嚢胞性卵巣症候群である方法。
86.実施形態76に記載の方法であって、ホルモン依存性障害が、尋常性座瘡、脂漏症、又は女性多毛症である方法。
87.実施形態76に記載の方法であって、ホルモン依存性障害が、男性ホルモン性脱毛症である方法。
88.アンドロゲンの産生と関連する障害を治療するための医薬の製造のために、実施形態1〜65に定義されているような医薬組成物を使用すること。
89.アンドロゲンの産生と関連する障害を治療するために、実施形態1〜65に定義されているような医薬組成物を使用すること。
90.実施形態88又は89に記載の使用であって、医薬組成物の投与により、望ましくない副作用の発生が軽減する使用。
91.実施形態90に記載の使用であって、望ましくない副作用が、男性の女性化又は女性の男性化を含む使用。
92.実施形態88〜91のいずれか1つに記載の使用であって、症状を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%軽減する使用。
93.実施形態88〜92のいずれか1つに記載の使用であって、症状が、症状の頻度、症状の数、症状の重症度、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む使用。
94.実施形態88〜93のいずれか1つに記載の使用であって、投与する治療用化合物の量が、約0.01mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲である使用。
95.実施形態88〜93のいずれか1つに記載の使用であって、投与する治療用化合物の量が、約1mg/日〜約500mg/日の範囲である使用。
96.実施形態88〜93のいずれか1つに記載の使用であって、投与する治療用化合物の量が、約1μM/日〜約1,000μM/日の範囲である使用。
下記の非限定例は、すでに考慮した代表的な実施形態についての更に完全な理解を促すために、単に実例目的で提供されている。これらの実施例は、本明細書に開示されている障害を治療する化合物、医薬組成物、又は方法若しくは使用に関するものを含め、本明細書に記載されている実施形態のいずれも限定するものと解釈してはならない。
実施例1
HSD10酵素阻害アッセイ
いくつかの抗精神病薬が酵素活性に及ぼす作用を割り出すために、HSD10阻害アッセイを行った。
PC3細胞は、ホルモン抵抗性前立腺がん由来の細胞株から得られるものであり、HSD10を過剰発現することが知られている。PC3細胞を96ウェルプレートに、1ウェル当たり4,000細胞の密度で播種し、37℃、5%CO 2 で48時間、標準的な増殖培地(F12K栄養培地、7%ウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン、45mg/Lのアスコルビン酸)中でインキュベートした。続いて、ピペットによって培地を除去し、PC3処理培地(F12K栄養培地、125μMの脂肪酸不含BSA、2mMのL−グルタミン、45mg/Lのアスコルビン酸)中の50μMのクロルプロマジン(典型的な抗精神病薬)、PC3処理培地中の50μMのクロザピン(典型的な抗精神病薬)、PC3処理培地中の50μMのクロミプラミン(三環系抗うつ薬)、PC3処理培地中の50μMのリスペリドン(典型的な抗精神病薬)、PC3処理培地中の50μMのジフェンヒドラミン(鎮静剤)という適切な治療薬に交換した。細胞株試験は、比較のために、テストステロンの存在下及び非存在下で行った。治療薬中で96時間、37℃、5%CO 2 でインキュベート後、細胞の全てのウェルから上清を除去し、細胞を200μLのPBSで洗浄した。
PBSを除去した後、溶解細胞LDHアッセイ(ウィスコンシン州マディソンのPromega,Co.のCytoTox96 Non−radioactive cytotoxicity assay(LDHアッセイ))を用いて、細胞数を割り出した。細胞をPBS中の0.9%トリトン−Xで2時間、37℃、5%CO 2 で溶解し、この細胞溶解液50μLを新しい96ウェルプレートに移した。移した細胞溶解液に、CytoTox96アッセイ試薬約50μLを加え、この混合物を室温で、遮光下にて20分インキュベートした。停止試薬を50μL加えた後、インキュベートした各混合物に関して、492nmにおいて吸光度を割り出した。実験で得られた計数を正規化することによって、細胞数の割合を計算した。この際、薬物処置を施さなかった細胞を100%とし、細胞を含まないウェルから得た値を0%とした。少なくとも3つのウェルから、平均値と標準誤差を計算した。
表1で見られるように、リスペリドンは、HSD10の酸化性能(88%阻害)と還元性能(63%阻害)の両方に対して阻害作用を示した。試験を行った他のいずれの薬物も、HSD10の酸化性能と還元性能の両方を効果的に阻害することはなかったようであった。
様々な脂肪酸が細胞代謝速度に及ぼす作用を割り出すために、細胞代謝阻害アッセイを行った。試験を行った脂肪酸は、α−リノレン酸、オメガ3脂肪酸(ALA)、アラキドン酸、オメガ6脂肪酸(AA)、9Z,11E共役リノール酸、オメガ7脂肪酸(CLA)、ドコサヘキサエン酸、オメガ3脂肪酸(DHA)、エイコサペンタエン酸、オメガ3脂肪酸(EPA)、オレイン酸、オメガ9脂肪酸(OA)、リシノール酸、オメガ9水酸化脂肪酸(RA)であった。
PC3細胞は、ホルモン抵抗性前立腺がん由来の細胞株から得られるものであり、HSD10を過剰発現することが知られている。PC3細胞を96ウェルプレートに、1ウェル当たり4,000細胞の密度で播種し、37℃、5%CO 2 で48時間、標準的な増殖培地(F12K栄養培地、7%ウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン、45mg/Lのアスコルビン酸)中でインキュベートした。続いて、ピペットによって培地を除去し、PC3処理培地(F12K栄養培地、125μMの脂肪酸不含BSA、2mMのL−グルタミン、45mg/Lのアスコルビン酸)中の20μM、40μM、60μM、80μM、又は100μMのALA、PC3処理培地中の20μM、40μM、60μM、80μM、又は100μMのAA、PC3処理培地中の20μM、40μM、60μM、80μM、又は100μMのCLA、PC3処理培地中の20μM、40μM、60μM、80μM、又は100μMのDHA、PC3処理培地中の20μM、40μM、60μM、80μM、又は100μMのEPA、PC3処理培地中の20μM、40μM、60μM、80μM、又は100μMのOA、及びPC3処理培地中の20μM、40μM、60μM、80μM、又は100μMのRAという適切な治療薬に交換した。治療薬中で72時間、37℃、5%CO 2 でインキュベート後、50μLのCellTitre Blue Assay Reagentを各ウェルに加え、プレートを再び37℃、5%CO 2 で更に24時間インキュベートしたら、620nmにおける吸光度を記録した。620nmにおける吸光度の低下は、代謝速度が速いことを表しており、下記のデータは、100%が、薬物処理していない培地の存在下で増殖させた細胞を表し、0%が、細胞を含まないウェルを表すものとして、正規化したものである。
表2で見られるようにAA、CLA、DHA、及びEPAが、細胞代謝活性に対して有意な阻害作用を示した。AAは、80〜100μMの範囲において約35〜40%の代謝阻害率を示した。CLAは、60〜100μMの範囲において少なくとも約35〜40%の代謝阻害率を示した。DHAは、60〜100μMの範囲において約40〜65%の代謝阻害率を示した。EPAは、80〜100μMの範囲において約50〜65%の代謝阻害率を示した。
実施例2
細胞増殖阻害アッセイ
リスペリドンが、HSD10を過剰発現するがん細胞の増殖の阻害に有効であり得るか割り出すために、PC3細胞株から得た細胞を用いて、溶解細胞LDHアッセイを行った。
PC3細胞は、ホルモン抵抗性前立腺がん由来の細胞株から得られるものであり、HSD10を過剰発現することが知られている。PC3細胞を96ウェルプレートに、1ウェル当たり4,000細胞の密度で播種し、37℃、5%CO 2 で48時間、標準的な増殖培地(F12K栄養培地、7%ウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン、45mg/Lのアスコルビン酸)中でインキュベートした。続いて、ピペットによって培地を除去し、PC3処理培地(F12K栄養培地、125μMの脂肪酸不含BSA、2mMのL−グルタミン、45mg/Lのアスコルビン酸)中の12.5μM、25μM、又は50μMのリスペリドン、PC3処理培地中の12.5μM、25μM、又は50μMのCLA、PC3処理培地中の12.5μM、25μM、又は50μMのDHA、PC3処理培地中の12.5μMのリスペリドン、及び12.5μMのCLA、DHA、又はCLAとDHAの両方、PC3処理培地中の25μMのリスペリドン、及び25μMのCLA、DHA、又はCLAとDHAの両方、並びにPC3処理培地中の50μMのリスペリドン、及び50μMのCLA、DHA、又はCLAとDHAの両方という適切な治療薬に交換した。細胞株試験は、比較のために、テストステロンの存在下及び非存在下で行った。治療薬中で96時間、37℃、5%CO 2 でインキュベート後、細胞の全てのウェルから上清を除去し、細胞を200μLのPBSで洗浄した。
PBSを除去した後、溶解細胞LDHアッセイ(ウィスコンシン州マディソンのPromega,Co.のCytoTox96 Non−radioactive cytotoxicity assay(LDHアッセイ))を用いて、細胞数を割り出した。細胞をPBS中の0.9%トリトン−Xで2時間、37℃、5%CO 2 で溶解し、この細胞溶解液50μLを新しい96ウェルプレートに移した。移した細胞溶解液に、約50μLのCytoTox96アッセイ試薬を加え、この混合物を室温で、遮光下にて20分インキュベートした。停止試薬を50μL加えた後、インキュベートした各混合物に関して、492nmにおいて吸光度を割り出した。実験で得られた計数を正規化することによって、細胞数の割合を計算した。この際、薬物処置を施さなかった細胞を100%とし、細胞を含まないウェルから得た値を0%とした。少なくとも3つのウェルから、平均値と標準誤差を計算した。
結果から、50μMのリスペリドンにおいて、PC3細胞の増殖阻害率が約50%であったことが分かる(表3)。加えて、CLAは、単独では作用しなかったが、リスペリドンと組み合わせたところ、相乗効果を発揮して、PC3細胞の増殖を60%超阻害した。
細胞増殖を阻害するのに必要なリスペリドンとCLAの最適濃度を割り出すために、各種濃度のリスペリドンとCLAを用いて、溶解細胞LDHアッセイを行った。評価した各種治療薬が、0μM、6.25μM、12.5μM、25μM、50μM、又は100μMのCLAと組み合わせて0μM、12.5μM、25μM、又は50μMのリスペリドンを含んでいた以外は、上記のようにPC3細胞を培養し、溶解細胞LDHアッセイを行った(表3を参照)。
データから、50μMのリスペリドンと、50又は100μMのCLAとを含む併用治療において、PC3細胞の増殖阻害率が約65%であったことが示されている(表4)。加えて、50μMのリスペリドンと25μMのCLA、又は25μMのリスペリドンと50μMのCLAのいずれにおいても、PC3細胞の増殖阻害率は約50%であった(表4)。これらの阻害作用はいずれも、本質的に相乗的なものであった。25μM又は50μMのリスペリドンしか含まない治療剤は、細胞増殖を約20〜30%阻害したに過ぎなかったからである。
実施例3
細胞増殖阻害アッセイ
リスペリドンが、HSD10を過剰発現するがん細胞の増殖の阻害に有効であり得るかを割り出すために、前立腺がん細胞株、肺がん細胞株、乳がん細胞株、卵巣がん細胞株(いずれも、HSD10を過剰発現することが知られている)から得た細胞と、非がん性細胞株を用いて、溶解細胞LDHアッセイを行った。
リスペリドンのみ、又はCLAと組み合わせたリスペリドンが、HSD10を過剰発現する前立腺がん細胞株から得た細胞の細胞増殖を阻害し得るかを割り出すために、評価した各種治療薬が、PC3処理培地中の50μMのリスペリドン、PC3処理培地中の50μMのCLA、PC3処理培地中の50μMのリスペリドン及び50μMのCLA、PC3処理培地中の50μMのリスペリドン及び1μMのテストステロン(T)、PC3処理培地中の50μMのリスペリドン、50μMのCLA、及び1μMのテストステロンを含んでいた以外は、実施例2に記載されているように、PC3細胞で溶解細胞LDHアッセイを行った。
リスペリドンのみ、又はCLAと組み合わせたリスペリドンが、HSD10を過剰発現する肺がん細胞株から得た細胞の細胞増殖を阻害し得るかを割り出すために、A549細胞を96ウェルプレートに、1ウェル当たり2,000細胞の密度で播種し、37℃、5%CO 2 で48時間、標準的な増殖培地(DMEM栄養培地、10%ウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン)中でインキュベートした。続いて、ピペットによって培地を除去し、A459処理培地(DMEM栄養培地、125μMの脂肪酸不含BSA、2mMのL−グルタミン)中の50μMのリスペリドン、A459処理培地中の50μMのCLA、A459処理培地中の50μMのリスペリドン及び50μMのCLA、A459処理培地中の50μMのリスペリドン及び1μMのテストステロン、A459処理培地中の50μMのリスペリドン、50μMのCLA、及び1μMのテストステロンという適切な治療薬に交換した。治療薬中で96時間、37℃5%CO 2 でインキュベート後、細胞の全てのウェルから上清を除去し、細胞を200μLのPBSで洗浄した。
リスペリドンのみ、又はCLAと組み合わせたリスペリドンが、HSD10を過剰発現する乳がん細胞株から得た細胞の細胞増殖を阻害し得るかを割り出すために、MCF7細胞を96ウェルプレートに、1ウェル当たり4,000細胞の密度で播種し、37℃、5%CO 2 で48時間、標準的な増殖培地(EMEM栄養培地、10%ウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン、0.1mMの非必須アミノ酸)中でインキュベートした。続いて、ピペットによって培地を除去し、MCF7処理培地(EMEM栄養培地、125μMの脂肪酸不含BSA、2mMのL−グルタミン、0.1mMの非必須アミノ酸)中の50μMのリスペリドン、MCF7処理培地中の50μMのCLA、MCF7処理培地中の50μMのリスペリドン及び50μMのCLA、MCF7処理培地中の50μMのリスペリドン及び1μMのテストステロン、MCF7処理培地中の50μMのリスペリドン、50μMのCLA、及び1μMのテストステロンという適切な治療薬に交換した。治療薬中で96時間、37℃、5%CO 2 でインキュベート後、細胞の全てのウェルから上清を除去し、細胞を200μLのPBSで洗浄した。
リスペリドンのみ、又はCLAと組み合わせたリスペリドンが、HSD10を過剰発現する卵巣がん細胞株から得た細胞の細胞増殖を阻害し得るかを割り出すために、OVCAR−3細胞を96ウェルプレートに、1ウェル当たり8,000細胞の密度で播種し、37℃、5%CO 2 で48時間、標準的な増殖培地(RPMI−1640栄養培地、20%ウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン、0.01mg/mLのインスリン、4.5g/Lのグルコース、10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム)中でインキュベートした。続いて、ピペットによって培地を除去し、OVCAR−3処理培地(RPMI−1640栄養培地、0.5%ウシ胎仔血清、125μMの脂肪酸不含BSA、2mMのL−グルタミン、0.01mg/mLのインスリン、4.5g/Lのグルコース、10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム)中の50μMのリスペリドン、OVCAR−3処理培地中の50μMのCLA、OVCAR−3処理培地中の50μMのリスペリドン及び50μMのCLA、OVCAR−3処理培地中の50μMのリスペリドン及び1μMのテストステロン、OVCAR−3処理培地中の50μMのリスペリドン、50μMのCLA、及び1μMのテストステロンという適切な治療薬に交換した。治療薬中で96時間、37℃、5%CO 2 でインキュベート後、細胞の全てのウェルから上清を除去し、細胞を200μLのPBSで洗浄した。
リスペリドンのみ、又はCLAと組み合わせたリスペリドンが、非がん性細胞株から得た細胞の細胞増殖を阻害し得るかを割り出すために、VERO細胞(腎細胞由来)を96ウェルプレートに、1ウェル当たり2,000細胞の密度で播種し、37℃、5%CO 2 で48時間、標準的な増殖培地(EMEM栄養培地、10%ウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム)中でインキュベートした。続いて、ピペットによって培地を除去し、VERO処理培地(EMEM栄養培地、125μMの脂肪酸不含BSA、2mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム)中の50μMのリスペリドン、VERO処理培地中の50μMのCLA、VERO処理培地中の50μMのリスペリドン及び50μMのCLA、VERO処理培地中の50μMのリスペリドン及び1μMのテストステロン、VERO処理培地中の50μMのリスペリドン、50μMのCLA、及び1μMのテストステロンという適切な治療薬に交換した。治療薬中で96時間、37℃、5%CO 2 でインキュベート後、細胞の全てのウェルから上清を除去し、細胞を200μLのPBSで洗浄した。
上記の細胞培養液からPBSを除去した後、溶解細胞LDHアッセイを用いて、細胞数を割り出した。細胞をPBS中の0.9%トリトン−Xで2時間、37℃、5%CO 2 で溶解し、この細胞溶解液50μLを新しい96ウェルプレートに移した。移した細胞溶解液に、約50μLのCytoTox96アッセイ試薬を加え、この混合物を室温で、遮光下にて20分インキュベートした。停止試薬を50μL加えた後、インキュベートした各混合物に関して、492nmにおいて吸光度を割り出した。実験で得られた計数を正規化することによって、細胞数の割合を計算した。この際、薬物処置を施さなかった細胞を100%とし、細胞を含まないウェルから得た値を0%とした。少なくとも3つのウェルから、平均値と標準誤差を計算した。
結果から、50μMのリスペリドンにおいて、PC3細胞の増殖阻害率が約50%、A549細胞の増殖阻害率が60%超、MCF7細胞の増殖阻害率が約65%、OVCAR−3細胞の増殖阻害率が約35%であったことが分かる(表3)。加えて、リスペリドンと組み合わせたCLAは、試験を行った大半のがん細胞株に対して、相乗的な増殖阻害作用を示した。すなわち、CLAと組み合わせた50μMのリスペリドンにおいて、PC3細胞の増殖阻害率が60%超、A549細胞の増殖阻害率が100%近く、MCF7細胞の増殖阻害率が70%超であった(表3)。重要なことには、リスペリドンとCLAのいずれも、非がん性細胞株VEROから得た細胞の増殖に対して、測定可能な作用を有さなかった。
結果からは、外部源のテストステロンをリスペリドン処理細胞に加えると、リスペリドン単独の作用が部分的に喪失したという点で、リスペリドンの作用機序が、テストステロンに関係していることも分かる。しかしながら、CLAの存在下では、テストステロンは、リスペリドンの作用を喪失させなかった。これにより、CLAが、ある1つのテストステロン経路に作用し、リスペリドンが、別のテストステロン経路に作用することが示されている。試験した細胞株から得た細胞のいずれも、薬物の不存在下では、1μMのテストステロンによる処理に応答しなかった。
実施例4
細胞増殖阻害アッセイ
単独、またはCLAとの併用でのリスペリドンが、HSD101を過剰発現する膵臓癌細胞株から採取した細胞の細胞増殖を阻害できるかどうかを決定するために、レサズリンベースの細胞の生存率のアッセイを、Bx−PC3細胞で行った。
BxPC−3細胞は、ヒトの膵腺癌に由来する細胞株由来であり、HSD10を過剰発現することが知られている。BxPC−3細胞を、384ウェルプレートにおいてウェルあたり4,000個の密度の細胞で播種し、標準的な増殖培地(RPMI栄養培地。5%の熱不活性化ウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン)中で、37℃、5%の
CO 2 で24時間インキュベートした。次に培地をピペットにより除去し、125μMの脂肪酸フリーBSA、2mMのL−グルタミン、および以下の薬剤処理のうちの1つ:0.1μM、2μM、もしくは50μMのリスペリドン;0.1μM、2μM、もしくは50μMのCLA;または0.1μM、2μM、もしくは50μMのリスペリドンおよびCLA(当量で)を含む、50μlのBxPC−3処理培地と交換した。37℃、5%の
CO 2 、72時間の薬剤処理のインキュベートの後、生存細胞数を、レサズリンベースの細胞の生存率のアッセイ(PRESTOBLUE(登録商標);Invitrogen, カリフォルニア州カールスバッド)を使用して決定した。各ウェルに、PRESTOBLUE(登録商標)試薬7μlを添加し、プレートを37℃、5%の
CO 2 で60分間インキュベートした。インキュベートした後、各ウェルの蛍光強度を、励起および570μm、および600nmでの発光を記録することにより、マイクロプレートリーダーを使用して決定した。生存細胞数のパーセンテージを、実験上の蛍光強度を正規化することにより計算し、ここでの100%は、薬剤処理を受けていない細胞(最適な比率で代謝する細胞)に設定されており、0%は、パクリタキセルで処理した細胞(抗がん剤による細胞破壊によりすべてが代謝しない細胞)由来の読取り値に設定されている。50%を下回る値は、潜在的な有効性の有益な指標と考えることができる。
この結果は、リスペリドン単独が、癌細胞の増殖を阻害し、50μMでBx−PC3細胞の約60%の増殖阻害を呈することを示す(表6)。驚くべきことに、単独では細胞増殖抑制または細胞毒性の効果を有するものではないが、リスペリドンと併用したCLAは、等モルの組み合わせで、2μMで約50%、および50μMで約84%の、Bx−P3細胞の増殖を阻害する相乗効果を有した。
実施例5 前立腺癌に関するインビボ動物モデル実験
新規のルシフェラーゼ標識したBx−P3細胞を利用したマウスの異種移植片における同所の前立腺腫瘍の増殖に及ぼす、ルーメン酸と組み合わせたリスペリドンの作用を割り出すために、インビボ実験を行った。腫瘍の移植前に、免疫不全雄マウス(胸腺欠損ヌードマウス)を実験室に少なくとも1週間馴化させた。続いて、インビトロ培養から直接得たPC−3M−luc細胞を0日目に、前立腺に注入した。マウスを1グループ当たり12匹の6つのグループに分けた。6日目、13日目、20日目、27日目、34日目、及び40日目に、初期の腫瘍サイズと転移を生物発光測定によって評価した。7日目に、5週間の処置レジメンを開始した。用量増加プロトコール(表7)を用いて、薬物を1日に2回、個々の体重に基づき投与することによって、個別の薬物、並びに高用量及び低用量の併用の両方について調べた。腫瘍が所定のレベルを超えて増殖したか、又はマウスの体重が10%超減った場合、そのマウスは処分した。原発腫瘍を切除し、秤量し、測定した。個々の器官を撮像して、転移負荷を評価した。
測定した効能の向上のパラメーターの1つは、各グループのマウスの生存数(実験終了時の全生存数と生存率の両方の点)であった。グループ1のマウスにビヒクルを投与して、ネガティブコントロールと機能させたところ、全生存率は45%であった(表8)。グループ6のマウスにはドセタキセルを投与して、ポジティブコントロールとして機能させた。このグループの40日目における生存率は100%であった(表8)。単一の薬物のみを投与したグループを見てみると、グループ2(リスペリドン)の全生存率は33%であったのに対して、グループ3(ルーメン酸)の全生存率は45%であった(表8)。これらの結果から、単一の薬物のみの投与が、前立腺がんの治療に対する効果がなかったことが示されている。一方、薬物を組み合わせて投与したグループでは、マウスの全生存率が上昇したことが明らかになった。グループ4のマウスには、リスペリドンとルーメン酸との組み合わせを低用量で、グループ5のマウスには、リスペリドンとルーメン酸との組み合わせを高用量で投与した。グループ4のマウスの全生存率が70%であったのに対し、グループ5のマウスの全生存率は64%であった(表8)。これらの結果から、リスペリドンもルーメン酸も、単独では効果がなかったが、組み合わせると、これらの薬物によって、全生存数が少なくとも1.4倍、及び2.1倍程度増加したので、リスペリドンとルーメン酸との相乗的相互作用が示されている。すなわち、薬物を組み合わせて低用量で投与した場合も、高用量で投与した場合も、処置した動物の全生存率を向上させることによって、効能を向上させた。
生存率に関しては、27日までに、グループ1(ビヒクル)のマウスの生存数の減少が観察され、ほぼ20%のマウスが死亡し、実験の全期間にわたって、安定的に減少し続けた(図2)。グループ6(ドセタキセル)のマウスの生存率は、実験の全期間にわたって100%であった(図2)。全生存率と同様に、単一の薬物のみを投与したグループに属するマウスでは、グループ1のマウス(ネガティブコントロール)と比べて、実質的な差は見られなかった。例えば、グループ2(リスペリドン)のマウスでは、生存率の低下が34日まで先送りされたので(34日時点では約10%のみのマウスが死亡)、腫瘍の致死性の発現が遅延した。しかしながら、それ以降は、生存率の急激な低下が観察され、40日までには、33%のマウスしか生存しなかった(図2)。同様に、グループ3(ルーメン酸)のマウスでは、27日までに生存率が低下した。34日まで生存率は高いままで、約10%のみのマウスの死亡であったが、40日までには生存率が急激に低下し、45%のマウスしか生存しなかった(図2)。これに対し、併用療法で治療したマウスでは、腫瘍の致死性の発現も、生存率のいずれも向上した。例えば、生存率の減少は、34日目まで観察されず、マウスの死亡率は約10%(グループ5)又は34%(グループ4)であった(図2)。40日まで、グループ4のマウスの70%が生存していたのに対し、グループ5でも、マウスの64%が生存していた(図2)。これらの結果から、薬物を組み合わせて低用量で投与した場合も、高用量で投与した場合も、処置したマウスにおいて、腫瘍の致死性の発現の遅延と、生存数の向上の両方の点で、生存率を上昇させることによって、効能を向上させたことが示されている。
測定した効能の向上の別のパラメーターは、前立腺腫瘍の増殖阻害であった。ネガティブコントロールとして機能させたグループ1(ビヒクル)のマウスでは、腫瘍増殖の阻害が見られなかったのに対し、ポジティブコントロールとして機能させたグループ6(ドセタキセル)のマウスでは、腫瘍の増殖が94%阻害された(表8)。単一の薬物レジメンで治療したマウス群では、腫瘍増殖阻害に対する作用はほとんど見られなかった。グループ2(リスペリドン)のマウスでは、腫瘍増殖阻害率はわずか16%であった(表8)。同様に、グループ3(ルーメン酸)のマウスでは、腫瘍増殖阻害率はわずか21%であった(表8)。これに対し、薬物を組み合わせて治療したマウス群では、低用量の場合も高用量の場合も、腫瘍の増殖が有意に阻害された。例えば、グループ4(低用量)のマウスでは、腫瘍増殖阻害率が70%であったのに対し、グループ5(高用量)のマウスでは、腫瘍増殖阻害率が65%であった(表8)。実験の全期間にわたる腫瘍増殖阻害の分析により、腫瘍増殖阻害率が一貫していたことが示された(図3)。これらの結果から、薬物を組み合わせて低用量で投与した場合も、高用量で投与した場合も、腫瘍の増殖を劇的に阻害することによって、効能を向上させたことが示されている。
最後に、実験全体にわたって体重をモニタリングすることによって、各グループにおけるマウスの全身的な健康状態と全体的な状態を評価した。グループ1(ビヒクル)とグループ6(ドセタキセル)のマウスでは、40日までに体重が減る傾向があったのに対し、グループ4のマウスでは体重が増加し、グループ2、3、5のマウスでは、体重が一定に保たれた。これらの結果から、薬物を組み合わせて低用量で投与した場合も、高用量で投与した場合も、マウスの全身的な健康状態と全体的な状態に対して悪影響を及ぼさなかったことが示された。これに対し、ドセタキセルの投与では、効能が示されたものの、マウスの全身的な健康状態と全体的な状態に対して悪影響が見られた。
実施例6
膵臓癌におけるin vivoでの動物モデル試験
新規のルシフェラーゼ標識したBxPC−3細胞を使用したマウスの異種移植片モデルにおける同所の膵臓腫瘍増殖に及ぼす、ルーメン酸と併用したリスペリドンの効果を決定するためにin vivo試験を行った。免疫不全雄マウス(胸腺欠損ヌードマウス)を、腫瘍の移植前に、少なくとも一週間研究室に順化させた。次に、In vitroの培養物から直接得たBxPC−3細胞を、0日目に膵臓に注入した。動物を各グループ10匹の4つのグループに分け、それぞれ以下の処置レジメンを行った:グループ1:最終PH3.1〜3.3の、1%(v/v)のエタノール、20%(v/v)のPEG400、79%(v/v)の酸溶液、および0.4%(w/v)のTWEEN(商標)80を含むビヒクルを毎日経口投与する(対照);グループ2:参照化合物ゲムシタビン60mg/kgの腹腔内投与を、3日ごとに4回行い、次いで、投与を反復する前に1週間休ませた;グループ3:試験化合物VAL401を1mg/kg毎日経口投与する;およびグループ4:試験化合物VAL401を2mg/kg毎日投与する。試験化合物および参照化合物の投与を、1日目に開始し、33日目まで継続した。動物の体重を、生存期を通して1週間に2回測定し、PK解析用の血液の試料を、試験24日目の化合物の投与から2時間後に、すべての動物の伏在静脈から回収した。主要な腫瘍の大きさおよび転移を、蛍光イメージングシステムを使用して、6日目、13日目、20日目、27日目、および34日目に、生物発光測定によって評価した。動物を34日目に屠殺した。最後に、脳の組織を回収し、凍結した。腫瘍の重量を測定し、3次元で測定し、次に可能な病理組織の評価のため、固定し、パラフィンに埋め込んだ。同様に、脾臓、肝臓、および肺を、可能な解析のために回収した。
統計解析を、統計ソフトウェアR(バージョン3.1.2)を用いて行った。動物あたりの異なる時点における複数の測定値を伴うパラメーターを、混合効果モデルおよびモデルの対比を使用して解析した。これらモデルは、固定した処理、時点、およびそれらの相互作用に関する効果を有した。入手したp値を、必要に応じて複数の比較について調節した。連続的に評価されたエンドポイントのパラメーターを、パラメトリック検定または非パラメトリック検定を使用して解析した。グループが通常、等分散で分散した場合、パラメトリック一元ANOVA、次にチューキーのHSDポストホック検定を使用した。仮定が、それ自体で、またはデータの変換(たとえば対数)後に履行されなかった場合、非パラメトリックなクラスカル・ワリス検定、次にマン・ホイットニーのU検定を使用した。
入手した結果の概要を表9に提供する。グループ2に関しては、ゲムシタビンでの処理は、ビヒクルでの処理と比較して動物の体重におよぼず効果が全くなかった(表9)。ゲムシタビンで処理した動物は、ビヒクルグループと比較した場合、膵臓の腫瘍の体積の統計的に有意な減少を呈した(表9)。ビヒクル群と比較した場合に統計的に差があるものではなかったが、ゲムシタビンで処理した動物は、34日目に、膵臓の腫瘍の重量の減少ならびに生物発光イメージングパラメータ(面積、平均照射、および総流束)の減少の傾向をも示した(表9)。
グループ3および4に関して、各用量でのVALでの処理は、ビヒクル処理と比較して、動物の体重の増加におよぼす効果を全くもたなかった(表9)。VAL401で処理した動物は、ビヒクル群と比較して、試験した用量の両方で、膵臓の腫瘍の体積の統計的に有意な減少を呈し、同一の傾向が膵臓の腫瘍の重量で観察された(表9)。さらに、VAL401で処理した動物は、34日目に、ビヒクル群と比較して生物発光イメージングパラメータ評価領域の統計的に有意な減少を示し、同一の傾向が、他の生物発光イメージングパラメータ(平均照射および総流束)で見られた(表9)。
実施例7
非小細胞肺癌におけるin vivoでの動物モデル試験
マウスの異種移植片モデルにおける皮下非小細胞肺癌腫瘍の増殖に及ぼす、ルーメン酸と併用したリスペリドンの効果を決定するために、in vivo試験を行った。MF1雌マウスを、腫瘍の移植前に少なくとも一週間研究室に順化させた。次に、In vitro培養物から直接得たH2228細胞を、0日目に皮下注射した。動物を、各15匹の4つのグループに分け、各グループに、以下の処理レジメンを行った:グループ1:ビヒクルを毎日経口投与する;グループ2:参照化合物クリゾチニブを50mg/kg毎日経口投与する;グループ3:試験化合物VAL401を0.1mg/kg毎日経口投与する;およびグループ4:試験化合物VAL401を0.5mg/kg毎日投与する;グループ5:試験化合物VAL401を2mg/kg毎日経口投与する。試験化合物および参照化合物の投与を、22日目に開始し、64日目まで継続した。動物の体重を生存期にわたり毎日測定し、主要な腫瘍の大きさを、1週間に3回二次元でノギスを用いて測定し、体積を式0.5(L×W×W)を使用して計算した。動物を65日目に屠殺した。最後に、腫瘍の重量を測定し、3次元で測定した。
有意な差異は、実験の間体重で観察されなかった。逆作用が記録されず、マウスは初期に死亡しなかった。処理グループを集め、処理したマウスが、「レスポンダー」および「非レスポンダー」のカテゴリに分かれるように観察されるように、データを評価した。応答した処理したマウスの40%、およびグループにおける腫瘍の増殖を、以下の表10に示す。処理の非レスポンダーの腫瘍の増殖は、未処置の動物と同程度であることがわかり、「非応答」の基準が確認された(表10)。レスポンダーは、未処理の動物よりも有意に少ない腫瘍増殖を有することがわかる(表10)。
実施例8
アンドロゲンの産生と関連する障害の治療
58歳の男性が、排尿困難を訴えている。医師は、病歴聴取と身体診察の後、その男性を前立腺がんと診断した。本明細書に開示されているような、リスペリドンとルーメン酸とを含む医薬組成物の静脈内投与によって、その男性を全身的に治療する。患者の状態をモニタリングし、治療から約1カ月後、前立腺の大きさが小さくなったと医師が判断する。3カ月及び6カ月検査で、腫瘍のサイズが更に縮小しているとともに、血清中PSレベルが正常範囲内であると医師が判断する。この腫瘍サイズの縮小及び/又は血清中PSレベルの低下は、本明細書に開示されている組成物による治療がうまくいっていることを示す。同様の方法で、本明細書に開示されている他のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンのうちのいずれか、及び/又は本明細書に開示されている他の脂肪酸のうちのいずれか(例えば、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、若しくはこれらのいずれかの組み合わせ)を医薬組成物に調合して、上記のような患者に投与してよい。加えて、本明細書に開示されている他の治療用化合物(例えば、5αリダクターゼ阻害剤、化学療法剤、抗増殖剤、又はこれらのいずれかの組み合わせ)の投与をこのがんの治療に用いてよい。
以前、前立腺がんをホルモン枯渇療法で治療した67歳の男性が、排尿困難などの症状の再発を訴えている。医師は、病歴聴取と身体診察の後、前立腺内のがんの質量が増大して、骨に移転したと判断する。医師は、その男性をホルモン抵抗性前立腺がんと診断した。本明細書に開示されているような、リスペリドンとルーメン酸とを含む医薬組成物の静脈内投与によって、この男性を全身的に治療する。患者の状態をモニタリングし、治療から約1カ月後、前立腺の大きさが増大していなかったと医師が判断する。3カ月及び6カ月検査で、腫瘍のサイズが縮小しているとともに、血清中PSレベルが正常範囲内であると医師が判断する。この腫瘍サイズの縮小及び/又は血清中PSレベルの低下は、本明細書に開示されている組成物による治療がうまくいっていることを示す。同様の方法で、本明細書に開示されている他のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンのうちのいずれか、及び/又は本明細書に開示されている他の脂肪酸のうちのいずれか(例えば、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、若しくはこれらのいずれかの組み合わせ)を医薬組成物に調合して、上記のような患者に投与してよい。加えて、本明細書に開示されている他の治療用化合物(例えば、5αリダクターゼ阻害剤、化学療法剤、抗増殖剤、又はこれらのいずれかの組み合わせ)の投与を、このがんの治療に用いてよい。
61歳の女性は、左の乳房に硬いしこりを訴えている。医師は、病歴聴取と身体診察の後、その女性を乳がんと診断した。本明細書に開示されているような、リスペリドンとルーメン酸とを含む医薬組成物の経口投与によって、女性を全身的に治療する。患者の状態をモニタリングし、治療から約1カ月後、医師は、しこりの成長が減速したことを認める。3カ月及び6カ月検査で、腫瘍のサイズが縮小していると医師が判断する。腫瘍サイズの縮小は、本明細書に開示されている組成物による治療がうまくいっていることを示す。同様の方法で、本明細書に開示されている他のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンのうちのいずれか、及び/又は本明細書に開示されている他の脂肪酸のうちのいずれか(例えば、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、若しくはこれらのいずれかの組み合わせ)を医薬組成物に調合して、上記のような患者に投与してよい。加えて、本明細書に開示されている他の治療用化合物(例えば、5αリダクターゼ阻害剤、化学療法剤、抗増殖剤、又はこれらのいずれかの組み合わせ)の投与を、このがんの治療に用いてよい。
53歳の女性は、骨盤痛を訴えている。医師は、病歴聴取と身体診察の後、この女性を卵巣がんと診断した。本明細書に開示されているような、リスペリドンとルーメン酸とを含む医薬組成物の経口投与によって、この女性を全身的に治療する。患者の状態をモニタリングし、治療から約1カ月後、医師は、悪性腫瘍の増殖が減速したことを認める。3カ月及び6カ月検査で、この女性は、骨盤痛が大きく軽減することを示し、医師は、腫瘍のサイズが更に縮小していると判断する。痛みの軽減及び/又は腫瘍サイズの縮小は、本明細書に開示されている組成物による治療がうまくいっていることを示す。同様の方法で、本明細書に開示されている他のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンのうちのいずれか、及び/又は本明細書に開示されている他の脂肪酸のうちのいずれか(例えば、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、若しくはこれらのいずれかの組み合わせ)を医薬組成物に調合して、上記のような患者に投与してよい。加えて、本明細書に開示されている他の治療用化合物(例えば、5αリダクターゼ阻害剤、化学療法剤、抗増殖剤、又はこれらのいずれかの組み合わせ)の投与を、このがんの治療に用いてよい。
69歳の男性は、胸痛と、呼吸困難及び喘鳴を訴えている。医師は、病歴聴取と身体診察の後、この男性を肺がんと診断した。本明細書に開示されているような、リスペリドンとルーメン酸とを含む医薬組成物の静脈内投与によって、この男性を全身的に治療する。患者の状態をモニタリングし、治療から約1カ月後、医師は、悪性腫瘍の増殖が減速したことを認める。3カ月及び6カ月検査で、男性は、胸痛が軽減することを示し、正常な呼吸が戻り、腫瘍のサイズが更に縮小していると医師が判断する。痛みの軽減及び/又は腫瘍サイズの縮小は、本明細書に開示されている組成物による治療がうまくいっていることを示す。同様の方法で、本明細書に開示されている他のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンのうちのいずれか、及び/又は本明細書に開示されている他の脂肪酸のうちのいずれか(例えば、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、若しくはこれらのいずれかの組み合わせ)を医薬組成物に調合して、上記のような患者に投与してよい。加えて、本明細書に開示されている他の治療用化合物(例えば、5αリダクターゼ阻害剤、化学療法剤、抗増殖剤、又はこれらのいずれかの組み合わせ)の投与を、このがんの治療に用いてよい。
61歳の男性は、腹痛を訴えている。規定の病歴聴取と身体診察の後、医師はこの男性を膵臓癌と診断した。この男性は、本明細書中に開示されているリスペリドンおよびルーメン酸を含む医薬組成物を経口投与することにより、全身を治療された。患者の病態をモニタリングし、治療から約1か月後、医師は、悪性腫瘍の増殖が減速したことを認める。3か月および6か月の検査で、弾性は、異常な痛みがかなり低減していることを示し、医師は、腫瘍の大きさが減少していると決定する。痛みおよび/または腫瘍の大きさの減少は、本明細書中に開示されている組成物を用いた治療が成功したことを示すものである。同様の方法で、本明細書中に開示されている他のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンのうちのいずれか、及び/又は本明細書に開示されている他の脂肪酸のうちのいずれか(例えば、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、若しくはこれらのいずれかの組み合わせ)を医薬組成物に調合して、上述のように患者に投与してもよい。加えてたとえば5αリダクターゼ阻害剤、化学療法剤、抗増殖剤、又はこれらのいずれかの組み合わせなどの本明細書中に開示されている他の治療用化合物の投与を、この癌の治療に使用してもよい。
20歳の男性は、頭皮の毛髪が抜け始める。医師は、病歴聴取と身体診察の後、この男性を男性ホルモン性脱毛症と診断した。本明細書に開示されているような、リスペリドンとルーメン酸とを含む医薬組成物の局所投与によって、この男性を局所治療する。患者の状態をモニタリングし、治療から約1カ月後、医師は、更なる脱毛が遅延したことを認める。3カ月及び6カ月検査で、男性は、頭皮における脱毛が発生した区域で、再発毛を認めたことを示し、脱毛が更に減少すると医師は判断する。この脱毛の減少及び/又は新たな発毛は、本明細書に開示されている組成物による治療がうまくいっていることを示す。同様の方法で、本明細書に開示されている他のベンゾ(イソ)オキサゾールピペリジンのうちのいずれか、及び/又は本明細書に開示されている他の脂肪酸のうちのいずれか(例えば、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−7脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、若しくはこれらのいずれかの組み合わせ)を医薬組成物に調合して、上記のような患者に投与してよい。加えて、本明細書に開示されている他の治療用化合物(例えば5αリダクターゼ阻害剤)の投与を、この脱毛症の治療に用いてよい。
最後に、本明細書の態様は、具体的な実施形態に言及することによって明らかにされているが、これらの開示されている実施形態が、本明細書に開示されている主題の原理の実例に過ぎないことは、当業者であれば容易に分かる旨を理解されたい。したがって、開示されている主題は、本明細書に説明されている特定の方法、プロトコール、及び/又は試薬などに限定されることは一切ない旨を理解されたい。すなわち、本明細書の趣旨から逸脱しなければ、本明細書の教示に従って、開示されている主題の各種の修正若しくは変更、又は代替的構成を行うことができる。そして、本明細書で用いられている用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するようには意図されておらず、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。したがって、本発明は、厳密に図示及び説明されている形態には限定されない。
本発明の特定の実施形態は、本発明者にとって既知の、本発明を実施するための最良の形態を含め、本明細書に説明されている。当然ながら、当業者であれば、上記の説明を読めば、説明されているこれらの実施形態の変形形態を理解できるであろう。本発明者は、当業者であれば、このような変形形態を適宜採用すると考えており、また、本発明者は、本明細書に具体的に説明されているものとは別段の形で、本発明を実施することも意図している。したがって、本発明には、準拠法で許される限り、添付の特許請求の範囲に記載されている主題の全ての修正形態及び均等物が含まれる。さらに、本明細書において別段の定めのない限り、又は、文脈によって明らかに矛盾しない限り、上記の実施形態の考え得る全ての変形形態において、上記の実施形態のいずれかを組み合わせたものはいずれも、本発明に包含される。
本発明の代替的な実施形態、要素、又は工程の群分けを限定的に解釈してはならない。ある群の各構成要素は、個別に言及及び特許請求されていることもあれば、本明細書に開示されている、ある群の他の構成要素とのいずれかの組み合わせで言及及び特許請求されていることもある。ある群の構成要素の1つ以上が、群に含まれていることもあれば、利便性及び/又は特許性の理由から、群から削除されていることもあることが予想される。このような包含又は削除のいずれかが行われるときには、本明細書は、添付の特許請求の範囲で用いられている全てのマーカッシュ群の記載を満たすようにその群を修正したものも含むものとみなさなければならない。
特に示されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いられている特徴、項目、量、パラメーター、特性、期間などを表す全ての数字は、いずれの場合も、「約」という用語によって修飾されているものと理解しなければならない。本明細書で使用する場合、「約」という用語は、「約」によって修飾されている特徴、項目、量、パラメーター、特性、又は期間が、その示されている特徴、項目、量、パラメーター、特性、又は期間の値の上下±10%範囲を含むことを意味する。したがって、特に反対の記載がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に示されている数値的パラメーターは、変動し得る近似値である。たとえば、質量分析の器具は、所定の解析の質量を決定する際にわずかに変動することができ、アニオンまたはイオンの質量/電荷の比率の観点での用語「約」は、±0.50原子質量単位を指す。
少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとする試みとしてではなく、各数値的尺度は、報告される有効桁の数に鑑みるとともに、通常の四捨五入法を適用することによって、少なくとも解釈しなければならない。
実施形態または実施形態の態様に関連した用語「may」、または「can」の使用は、「may not」または「cannot」のいずれかの代わりとなる意味を有する。同様に、本明細書が、実施形態または実施形態の態様が、本発明の対象の一部として含まれていてもよく、または含むことができることを開示する場合、次に陰性的な限定または排他的な条件が、実施形態または実施形態の態様が、本発明の対象の一部として含まれなくでもよく、または含むことができないことをも明確に意味する。同様に、実施形態または実施形態の対象に関連した用語「任意に」の使用は、このような実施形態または実施形態の態様が、本発明の対象の一部として含まれていてもよく、または本発明の対象の一部として含まれていなくてもよいことを意味する。このような陰性的な限定または排他的な条件の使用が使用されるかどうか、陰性的な限定または排他的な条件が請求される対象に記載されているかどうかに基づくものである。
本発明の広範な範囲を示している数値範囲と値は、近似値ではあるが、具体例で記載されている数値範囲と値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値範囲又は値も、それぞれの試験測定で見られる標準偏差に必然的に由来する一定の誤差を本来的に含んでいるものである。本明細書における値の数値範囲の列挙は、その範囲内にある別個の数値をそれぞれ個別に示す略記法として機能させることを意図しているに過ぎない。本明細書において別段の定めのない限り、数値範囲内の個別の各値は、本明細補に個々に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。
本明細書において別段の定めのない限り、又は、文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明を説明する文脈で(特に、下記の特許請求の範囲の文脈で)用いられている単数形の用語は、単数形と複数形の両方を網羅するものと解釈しなければならない。本明細書において別段の定めのない限り、又は、文脈によって明らかに矛盾しない限り、本明細書に説明されている方法はいずれも、好適な順番のいずれでも行うことができる。本明細書に示されているあらゆる例又は例示的な言い回し(例えば「など」)の使用は、本発明をより明確にすることを意図しているに過ぎず、別段に特許請求されている、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書内のいずれの言い回しも、特許請求されていない要素を、本発明の実施に不可欠なものとして示すとは解釈してはならない。
本明細書に開示されている具体的な実施形態は、特許請求の範囲において、「〜からなる」又は「本質的に〜からなる」という言い回しを用いて、更に限定されることがある。特許請求の範囲で用いる場合、出願時か、補正時に追加されるかにかかわらず、「〜からなる」という移行句には、特許請求の範囲に明記されていないいずれの要素、工程、又は成分も含まれない。「本質的に〜からなる」という移行句は、請求項の範囲を、所定の材料又は工程、及び、基本的かつ新規な特性(単一又は複数)に実質的に影響を与えないものに限定する。このように特許請求される本発明の実施形態は、本明細書において、本質的又は明示的に説明され、かつ実施可能になっている。
本明細書で言及及び特定されているいずれの特許、特許公報、及びその他の刊行物も、例えば、その刊行物で説明されている組成物及び方法のうち、本発明との関連で用いることのある組成物及び方法を説明及び開示する目的で、参照により、その全体が個別かつ明示的に本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は単に、本願の出願日以前に開示されたために示されたものである。この関連においては、いずれも、先発明に基づき、又はいずれかのその他の理由で、そのような開示に先行する権利を本発明者が有さないと認めるものとして解釈してはならない。これらの文献の日付又はそれらの内容についての全ての記述は、出願人が利用できる情報に基づくものであり、日付及びこれらの文献の内容の正確性について認めるものではない。